2025年。下北沢にて。
青年「……えーっ、こほん! マイクOKですよ」
スタッフ「あ、はい」
パシャッ… パシャッ…
下北沢民「おい、何が始まるんだ?」
下北沢民2「恐らく何かの撮影だろ。ほれ、よくみろ」
下北沢民2「服装からして俺らとは違うぜ」
青年「……」
青年 (……思えば。ここまで長かった)
スタッフ「青年さん、そろそろ生放送始まりますぅ!」
────3
青年 (僕が出会ったその日から。どんなに待ちわびたろう、どれだけ眠れぬ夜を過ごしただろう)
────2
青年 (僕は、"それ"だけを目標に。財閥のトップに登り詰めた。総資産なんて数える気にもなれない)
スタッフ「準備してくださいねーーーー?」
青年 (そう、それは全て貴方に会うために)
────1
青年「……僕の始まり。救世主でありヒーローの────
0
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野獣先輩────!
青年『こほんっ! 皆さん、こんばんは』
青年『今回は少しお時間を頂きました。局の方には頭が上がりません』
青年『そうまでして放送したかった理由……』
青年『それは────』
ピッ
*「あ、おい! 何で消したんだ!」
*「何でってそれはですね。もうご飯が出来たからですよ」
*「大体先輩が夕方にテレビを見るなんて異常です」
*「はぁーあ。そこまで言うか?」
「遠野」
青年「────僕の目的はただ一つです!! ただ一つ!」
青年「『野獣先輩』と呼ばれた人物を……探して欲しいッ!」
ざわわ… ざわっ…
下北沢民「野獣先輩ィ? 何じゃそら」
*「……野獣先輩?」
青年「勿論ただでとは言わない!」
青年「見つけた人には『一億』支払います!!」
青年「紛れもない……『一億』をッ!」
下北沢民2「い、一億だァーーーーッ!?」
下北沢民「正気じゃあねえぜッ!」
*「……一億」
*「それじゃあ俺は貰ったも同然だゾ」
下北沢民「はぁ? おっさん何か知ってるんかい?」
青年「ですから、これを見た人には是非ッ! 協力してほしい!」
青年「これは僕の願望だ、見果てぬ夢だ、過去の青春だっ……!」
青年「だからッ!」
青年『────宜しくお願いします!!』
わぁーーーーッ… わぁーーーーッ!
遠野「あれ。何かもう終わりかけですね」
*「よくもやったな遠野! 何か面白そうなことを言おうとしたところで切りやがって!」
*「頭に来ますよーーってんだ!」
遠野「それは……ごめんなさい」
*「はぁ。それで、MURとは連絡取れたのか?」
遠野「あ、それなら。すぐにこっちくるって言ってました」
*「やりますねェ!」
*「はっはっは!! となると、KMR以外の"連中"は揃ったなァ!」
遠野「そうですね」
*「いや、楽しみだよ……」
*「明日の『真夏の夜の淫夢同窓会』がな……!」
一旦切り上げるゾ。また夕方頼むゾー。
ちょっとした短編にしようと思ってるから、今日中には終わらせるつもりでいるんですがね……。
申し訳ないです。今日は色々あったんだよなぁ…。
夜に来ます。
青年「……ふぅ」
スタッフ「お疲れさまです。結構な人が聞いてたみたいですね」
青年「ああ。良かったよ、これで捗る……」
スタッフ「探している人……見つかるといいですね!」
青年「うん、ありがとう」
トントン…
スタッフ「おや? 誰か来たようですね」
青年「いい。自分で出る」
青年「はーい」
扉の向こう「野獣先輩……って呼ばれた男の居場所。知ってるゾ」
青年「えぇ!?」
ガチャッ
青年「貴方は一体……?」
MUR「俺はMUR。野獣と共演したこともあるゾ」
青年「み、MUR大先輩……!?」
MUR「そうだよ」
青年 (が、画面の向こうだった人に会えたとは……やっぱり思いきってよかった。よかった……)
青年「や、やっぱりホモ達には繋がりがあったんですね……」
MUR「そうだゾ。あ、そうだ」
MUR「野獣の居場所……教えるんだったか」
青年「はい」
MUR「すまん。家までは教えられない」
青年「えっ?」
MUR「奴にもプライバシーはある。そうホイホイと情報は売れないゾ」
青年「では……居場所というのは?」
MUR「誤りだゾ」
MUR「正確には"来る場所"といったところか」
青年「!」
青年「お願いします! 教えてください!」
MUR「……君は野獣に会いたいといっていたが、それはどうしてだゾ? 」
青年「……それは」
青年「そうですね。お話します……」
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