モバP「はるかな星が」諸星きらり「故郷だにぃ☆」 (38)


モバP「しかし、まだ信じられないな。きらりがウルトラマンだなんて」

浜口あやめ「ですが、変身したきらり殿の姿、確かにウルトラ戦士でありました」

モバP「……あやめもなあ、バルタン星人だもんなあ」


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※モバマス

※ウルトラマンシリーズ

※短編

※前作
ウルトラマンゼロ「俺はゼロ! ウルトラマンゼロ! きらりの兄貴だ!」
ウルトラマンゼロ「俺はゼロ! ウルトラマンゼロ! きらりの兄貴だ!」 - SSまとめ速報
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※地球は狙われている……。今、宇宙にただよう幾千の星から、恐るべき侵略の魔の手が……。


モバP「実際、あやめのバルタン星人としての姿をちょっと見てみたくはあるんだがな」

あやめ「フォッ!? ……あ、あの、前にも申しましたが、わたくしたち宇宙人にとって正体を晒すのは」

モバP「裸になる、みたいなもんだよな。無理にとは言わないから、、いつか気が向いたら見せてくれよ」

あやめ「き、気が向くというか……その、将来的には、と考えておりますが……」

モバP「きらりのウルトラマン姿も見てみたいんだがな。やっぱり銀色なのか?」

あやめ「あ、はい。銀と赤と、それに青も入っておりますね」

モバP「へえ、ちゃんと平成ウルトラっぽいんだな」

あやめ「ところどころ、ふわふわのドレスのようにもなっております」

モバP「ちゃんときらりっぽくもあるんだな……!」


あやめ「ところでP殿」

モバP「おう」

あやめ「その関係で、ひとつ御報告しておいた方がよいかと思いまして」

モバP「なんだ?」

あやめ「きらり殿にも後程話すつもりですが、実は、あやめが地球に来るとき、協力を受けた者がおります」

モバP「……協力、というと」

あやめ「地球への潜入を容易にする代わりに、必要な時に部下として助力する契約、と申しましょうか」

モバP「おいおい。それ、大丈夫なのか?」

あやめ「地球に来てからの名前や顔は知られておりませんゆえ、問題はないと思いますが……」

モバP「あやめは、もうソイツに協力するつもりはないんだよな?」

あやめ「は、今のあやめはP殿のアイドルですゆえ! アイドルとして協力できることは、要請があればするつもりですが」

モバP「地球征服とかはしない、ってならそれでいいさ。ところで、ソイツの名前ってわかるか?」

あやめ「はい。名前は……」


佐久間まゆ「Pさぁん」

あやめ「フォッ!?」

モバP「おおうっ!? まゆ、いたのか!?」

まゆ「まゆ以外との女の子とないしょ話をするのは……楽しいですかぁ……?」

あやめ「ま、ままま、まゆ殿!?」

モバP「ああいや、これはそういうのじゃなくてな……」

まゆ「まゆはPさんのものなのに、Pさんはまゆのものになってくれないんですかぁ?」

モバP「あー……、あのな、まゆ。いつも言ってるが、大人をからかうもんじゃないぞ」

あやめ「あ、え、はい?」

まゆ「……」

モバP「まゆ」

まゆ「うふ。冗談ですよぉ」

モバP「冗談でも、だ。特にお前みたいな可愛い子に言われたら、本気にする男だっているだろ」

まゆ「はぁい。うふ、うふふ、Pさんに怒られちゃった」

あやめ「冗談……なのでしょうか……」


まゆ「それで、なんのお話をしてたんですかぁ?」

モバP「ああ、それがな、実は」

あやめ(聞こえますか……聞こえますかP殿……)

モバP「うん? なんだあやめ?」

あやめ(今……P殿の心に……直接呼びかけています……)

モバP「なん……だと……?」

まゆ「どうかしましたかぁ?」

モバP「い、いや、なんでもないぞまゆ! だけどあやめ」

あやめ(P殿、あやめに伝えたいことを声に出さず考えてみてください)

モバP(……お、おう)


モバP(ええと、どうしたんだあやめ。あとなんでテレパシーが使えるんだ)

あやめ(きらり殿のことは、うかつに話すべきではないかと。誰があやめのように宇宙人かわかりませんゆえ。テレパシーは宇宙忍法です)

モバP(え? いや、ゼロさんの話だとこの地球に150人くらいだろ。そうそういてたまるか。しかし、凄いな宇宙忍法)

あやめ(可能性はゼロではありませんゆえ。特にまゆ殿には、あやめも計り知れない力を感じます)

まゆ「Pさぁん……? あやめちゃんと見つめ合って、どうしたんですかぁ……?」

あやめ「フォッ!? い、いえいえ、これは違うのです、まゆ殿」

モバP「……まあ、迫力はあるな、うん」

まゆ「まゆもPさんとお話したいんですよぉ」

モバP「あ、ああ。ええと、何の話だったか」

まゆ「実は、なんなんですか?」

モバP「ああ、それか。実は……」


モバP「実はな……ええと……」

あやめ(P殿、なんとか誤魔化してください)

モバP「あ、ああ、実はまゆに新しい仕事が入ってな。テレ京のディレクターさんが話したいって言ってたから、来週、一緒に行けるか?」

まゆ「……! はぁい、Pさんとお出かけですねぇ♪ スケジュール、空けておきますねぇ」

あやめ(P殿、ナイスです!)

モバP「あ、ああ。そうしてくれ。話ならその時にいくらでも付き合うからな」

まゆ「はぁい。それじゃまゆ、今日のお仕事行ってきますねぇ♪」

モバP「ついて行ければよかったんだが、今日はちひろさんがいないんで、すまんな」

まゆ「大丈夫ですよぉ。でも……まゆがいないところで、あんまり他の子と仲良くしたらいやですからね」

モバP「わかったわかった。頑張ってこいな」

まゆ「はぁい。行ってきますねぇ。あやめちゃん」

あやめ「フォッ!? な、なんでしょうまゆ殿」

まゆ「今度、お話しましょうねぇ。……ゆっくり、ね」

あやめ「……は、はい……」


モバP「まゆは相変わらずだなあ」

あやめ「侮れぬ方です……」

モバP「おいおい、本気出したらあやめの方が強いだろ。なんたってバルタン星人なんだから」

あやめ「それはそうかもしれませんが」

モバP「だが、確かに前回みたいなことがないとは言い切れないか。何かない限り、きらりのことは秘密にしてみる、か」

あやめ「は、それがよいかと」

モバP「だな。っと、決まったところで、とりあえずこれ見ようぜ」

あやめ「P殿、それは?」

モバP「ウルトラマンのDVD。なんかの役に立つかな、と思って借りてきた」

あやめ「出来れば、バルタン星人の回以外でお願いできますでしょうか」

モバP「……あ、見る方もか」

あやめ「家族と食事中につけていたテレビでラブシーンがある程度には……」

モバP「伝わった! 結構気まずいなそれ!」


諸星きらり「にょ☆ わー☆」

市原仁奈「ただいまでごぜーます!」

モバP「お、戻ったか。今日は子供用雑誌の撮影だったよな」

きらり「おっすおっす! きらり、たーくさんハピハピしたゆ☆」

仁奈「仁奈も頑張ったでごぜーますよ!」

モバP「おう、ふたりともよくやったな。とりあえずお茶でも淹れるから座ってろ」

きらり「Pちゃんありがとー☆」

仁奈「仁奈は牛乳がいいでごぜーます!」

モバP「ああ、ちょっと待ってろ。なんならそのDVD観ててもいいぞ。女の子向きじゃないけどな」

きらり「あやめちゃん、DVD観てたにぃ?」

あやめ「はい。P殿が研究のために、と」

仁奈「おお! ウルトラマンでやがりますね!」

モバP「あー、ウルトラマンは仁奈でも知ってるのか」


仁奈「えっへん。なにをかくそー、仁奈はウルトラマンキグルミも持ってやがりますよ」

モバP「おお、本当か?」

きらり「きらり、仁奈ちゃんの着ぐるみ見たいにぃ☆」

あやめ「仁奈殿の着ぐるみだと、随分と可愛いものになっていそうですね」

仁奈「パパが送ってくれやがったですよ! ほんとーは『いざというとき』まで秘密でごぜーますが、Pたちになら見せてもいいです!」

あやめ「はて。仁奈殿、いざという時、とは?」

仁奈「わからねーです!」

モバP「仁奈のお父さんが送ってくれたなら、ライブ用衣装とかその辺か?」

仁奈「ちょっと待ちやがってくだせー。着替えてくるでごぜーますよ」

きらり「楽しみー☆」

モバP「ああ。偶然とはいえ、ウルトラマンの着ぐるみかあ、ちょっと楽しみだな」

あやめ「あの、わたくし、だんだんいやな予感がしてきたのですが」

きらり「どしたのー?」

あやめ「いえ、偶然ならよいのですが……」


 仁奈ちゃんの着替えを待つ間、円谷ステーションの公式サイトでお楽しみください。

 http://m-78.jp/


仁奈「じゃーん! ウルトラマンニナでごぜーます!」

モバP「おお、可愛いウルトラマンだなー……うん?」

きらり「にょわ?」

あやめ「あっ……」

仁奈「P! どーでごぜーますか? 仁奈つよそーでやがりますか?」

モバP「そうだなあ、俺的には抱っこしたい感じかなー」

仁奈「ウルトラマンなのに、つよそーじゃねーでごぜーますか」

モバP「いやいや、強そうだと思うけど、これは仁奈が可愛いからだな」

仁奈「そーいわれるとわるい気はしねーです」

モバP「ところで、これ、ウルトラマンか?」

仁奈「? ウルトラマンじゃねーですか?」

モバP「俺は見たことないなー。最近の奴だと全部は知らないから、そっちかも知れないなあ」

きらり「ねーねー、仁奈ちゃん、このキグルミ、どのウルトラマンか知ってゆ?」

仁奈「パパはウルトラマンキラリってゆってました! きらりおねーさんと同じお名前でごぜーますね!」


きらり「うーん、やっぱりそーなのかにぃ」

モバP「えっ、マジで? キラリ、テレビ番組とかになってんの!?」

あやめ「いえ、ないと思いますが」

仁奈「どーしやがりましたか?」

モバP「これ、仁奈のお父さんが送ってくれたんだよな」

仁奈「そーですよ。パパが送ってくれたでごぜーます! お手紙もついてやがりましたよ?」

きらり「でも、きらりに似てるにぃ」

仁奈「キラリでやがりますよ?」

きらり「んー、そーじゃなくてー」

あやめ「確かに、きらり殿に似ておりますね……眼元が少し違うようですが。これは、何かに……」

モバP「眼元?」

きらり「にゅ?」

仁奈「なんでごぜーますか?」

モバP「あー、確かにちょっと尖ってるなあ。……ああ!」

あやめ「あっ、P殿!」


モバP「わかった! これ、あれに似てるんだ! にせウルトラマン! 凄いな、ザラブ星人だぞ仁奈!」

仁奈「!!」

きらり「おー☆ きらりも知ってゆー☆」

あやめ「……あー、P殿?」

モバP「どうした、あやめ?」

あやめ「仁奈殿が……」

モバP「仁奈が?」

仁奈「困りやがりました。Pに仁奈の正体がバレたでごぜーます」

モバP「あっ……えっ……マジで?」

あやめ「仁奈殿は、ザラブ星人なのですね?」

仁奈「そーでやがります……」

モバP「えええ、だってお前、ザラブ星人って凶悪宇宙人だろ! 仁奈が凶悪って、全然違うだろ!?」

仁奈「正体がばれたら、見破った人をやっつけてザラブ星に帰らねーといけねーでごぜーます」

あやめ「いやいや仁奈殿」

仁奈「P、気はすすまねーですが、覚悟しやがるです」

モバP「あ、そのキグルミ、ひょっとして光線も出せるのか。出せちゃうのか。ちょっと俺ピンチか」


きらり「ちょーっと待つにぃ」

仁奈「きらりおねーさん、邪魔しやがらねーでくだせー!」

きらり「仁奈ちゃん、じつはきらりもウルトラマンなんだにぃ」

仁奈「おお? きらりおねーさんはウルトラマンなんでごぜーますか?」

きらり「そだゆー。ウルトラウーマンキラリにょわー☆」

仁奈「パパが言ってやがりました。正体がばれた時にウルトラマンがいたら、先にウルトラマンをやっつけねーといけねーです」

きらり「しゅわっち! ウルトラマンはここにいるにぃ☆」

仁奈「だったら先にきらりおねーさんをやっつけねーといけねーです! 覚悟しやがるです!」

モバP「お、おい、きらり」

きらり「だいじょーぶ、きらりに任せるにぃ☆」

モバP「……そう、か? 大丈夫か?」

きらり「だいじょぶだいじょぶ! きらりにお任せー☆」

仁奈「きらりおねーさん、巨大化するでごぜーますか?」

きらり「巨大化したら事務所が壊れちゃうからにぃ☆ 休憩室で戦うにょわー」

仁奈「わかったでごぜーます! ウルトラマンの気持ちになるですよー」

きらり「しゅっぱーつ☆」


ニョワッ

ウルトラマンノキモチニナルデスヨー

ニョワッ! デェヤッ!

パンチデヤガリマス!

モバP「なあ、あやめ、仁奈のパパって」

あやめ「それはまあ、仁奈殿がザラブ星人ならお父上もザラブ星人ではないかと」

モバP「え、じゃあ、にせウルトラマンってザラブ星人が親から子供に送る衣装なの?」

あやめ「そこまでは存じませんが……」

キックデヤガリマス!

ニョワーッ

ピコーンピコーンピコーンピコーン

モバP「あ、カラ―タイマー早いな」

あやめ「仁奈殿が意外と強いのでございましょうか」

モバP「仁奈が強いって想像できないんだけどなあ……」

スペシウムデゴゼーマス!

ニョワッ?

デネーデゴゼーマスヨ?

デュワッ! ニョワーッ!!

ビビビビビビビッ

モバP「あ、光線……これ、結局何光線なんだ?」

あやめ「ハピハピウム光線でよいそうです」

モバP「マジか」

ゴゼーマース!!

チュドーン!!

モバP「爆発した!」

あやめ「終わったようですね」

ニョワッ!


仁奈「やられたでごぜーます」

きらり「きらりん、だいしょーり! ぶいっ!」

モバP「ああ、よかった。ふたりとも無事だな」

あやめ「きらり殿、お疲れ様です」

仁奈「仕方ねーです……仁奈は星に……帰る……ひぐっ……」

モバP「仁奈……」

仁奈「P……仁奈、帰りたくねーです……アイドルしてーですよ」

モバP「……」

あやめ「P殿……」

きらり「Pちゃん、どーするにぃ?」

仁奈「P、仁奈は、仁奈は……ふぇぇぇん」

モバP「……こほん」


モバP「いやー、すごいな、になは! すごいぞ!」

仁奈「……P?」

モバP「きぐるみでほんとうにうちゅうじんのきもちになれちゃうんだからな!」

仁奈「うちゅーじんの、きもち、でごぜーますか……?」

きらり「Pちゃん、演技ヘタすぎるにぃ……」

あやめ「……ああ、なるほど! そ、そうですね!」

モバP「ああ、仁奈は最高のキグルミアイドルになれるぞ!」

あやめ「つまりP殿、仁奈殿はあんまりにも宇宙人の気持ちになり過ぎたというわけですね!」

モバP「そういうことだな! だけどな、仁奈」

仁奈「P、でも、仁奈は」

モバP「あのな、仁奈。ザラブ星人の気持ちになりすぎて、宇宙に帰らないといけない気持ちにならなくてもいいんだぞ」

仁奈「ザラブ星に帰らなくていいんでごぜーますか?」

モバP「はっはっは、なにをいってるんだ。になのいえはしずおかだろー?」

仁奈「!! ……そ、そーでごぜーました。仁奈のおうちは静岡でやがります!」

モバP「おう。だからな、仁奈は好きなだけうちでアイドル続けていいからな」

仁奈「わかったでごぜーます!」


仁奈「えへへ、P」

モバP「おう」

仁奈「きらりおねーさん」

きらり「にょわー☆」

仁奈「あやめおねーさん」

あやめ「はい」

仁奈「これからも、よろしくおねげーするですよ!」



モバP「おう!」
きらり「よっろしくぅー☆」
あやめ「はい、よろしくお願いしますね、仁奈殿」


 こうして再び事務所、じゃない、地球の平和は守られた!

 だが気をつけろ、この事務所、じゃない、地球にはまだたくさんの怪獣と宇宙人が潜んでいるぞ!

 いけ、ウルトラウーマンキラリ!

 たたかえ、ウルトラウーマンキラリ!


ちひろ「あの、Pさん」

モバP「はい?」

ちひろ「私が休んでいる間に、また休憩室が爆発してるんですが……」

モバP「……なんか考えますね」


登場宇宙人解説

◆ザラブ星人(市原仁奈)

身長:128センチ ~ 40メートル

体重:29キロ ~ 2万トン

出身地:ザラブ星

必殺技:変身能力(キグルミによる)、破壊怪音波、エネルギーバルカンなど

『ウルトラマン』第18話「遊星から来た兄弟」で初登場。にせウルトラマンに変身したことであまりにも有名。

 半魚人のような鱗のある身体に、銀色のヘルメット状頭部が特徴。凶悪宇宙人の異名を持つ。

 変身後の姿であるにせウルトラマンのおかげか知名度だけは高いが、『ウルトラマン』以外の地上波ウルトラ作品にはほとんど登場しない(劇場版には数度登場している)。

 ウルトラ戦士に変身すると目つきが悪くなるのは劇場版で見せたニセメビウスでも踏襲されており、お約束といっていい。


『ウルトラウーマンキラリ』第2話「遊星から来たアイドル」

 おしまい。


 おつきあいありがとうございました。

HTML化依頼しました。
セブン怪獣・宇宙人も出さないとですね。

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