モバP「おれの好みのヤンデレじゃないんですよね」(132)

代行ID:Bp5mNIasO

ちひろ「いきなりどうしたんですか?」

モバP「ほら、まゆのことですよ」

ちひろ「あぁ、まゆちゃん……どこか、まゆちゃんの愛が気に入らないんですか?」

モバP「いえ、気に入らないってわけじゃないんですけどね……」

モバ「ただ好みじゃないというか……」

ちひろ「はぁ」

モバP「まず、まゆと俺の関係ってそんなに長くないじゃないですか」

ちひろ「そうですね、確かだいたい二ヶ月ぐらいでしたっけ」

モバP「ね?おかしいでしょ」

ちひろ「……なにがです?」

モバP「だってふつうヤンデレになる条件って、長い付き合いであることが前提じゃないですか」

ちひろ「そうですかね?」

モバP「俺が考えるにヤンデレというものはですね、コホン……」

モバP「長い付き合いでお互いのことを知っている女と男、つまり幼なじみの関係」

モバP「このとき、女はまだふつうの可愛らしい女の子です」

ちひろ「はぁ」

モバP「しかしある日、その二人の間に女性が入り込んでくるんです」

モバP「その入り込んできた女性は男に好意をもって、男もまんざらではありません」

モバP「ここですよ」
ちひろ「はぁ……」

モバP「ここで、女がヤンデレになるんですよ」

モバP「ずっと慕ってきた男に、パッと出の女が誘惑してくる」

モバP「我慢できるわけがないですよね?会ってすぐの女が愛する幼なじみに好意を寄せるなんて」

モバP「ね、そう思いませんか?」

ちひろ「なるほど、わかるようなわからないような……」

モバP「それなのに、まゆは……」

モバP「たかだか二ヶ月でヤンデレになるし……」

ちひろ「あのぉ……」

モバP「なんですか?」

ちひろ「いえ……なぜ、そんなことをわたしに話すのかなぁ、と」

モバP「……実はですね」

ちひろ「はい」

モバP「おれ、まゆのことが大好きなんですよ」

ちひろ「えっ」

俺「おれ、まゆのことが大好きなんですよ」

モバP「実は、まゆをアイドルにスカウトした理由はですね」

モバP「ヤンデレになる素質を感じたからなんですよ」

モバP「これは数年後にいいヤンデレになるな、と」

モバP「それなのに、まゆは……はぁ」

モバP「なんだか、その、好みじゃないヤンデレになってしまうし」

モバP「ちょっとちひろさん、聞いてますか」

ちひろ「えっ、あ、はい」

モバP「だからですね、こう、どうしたらまゆがおれ好みのヤンデレになってもらえるかなぁ、とちひろさんにアドバイスしてもらいたくて」

ちひろ「は、はぁ……」

ちひろ「う、う~ん……」

ちひろ「あ、それじゃあ、こういうのはどうでしょう」

モバP「はい?」

ちひろ「ほら、先程のプロデューサーさんのお話の通りに行動するんですよ」

ちひろ「あのお話が、プロデューサーさんの理想のヤンデレならこの方法が一番効果的かと」

モバP「なるほど……」

ちひろ「さっきのお話と細かい設定は違いますが……」

モバP「いえ、いいと思いますよ」

モバP「それでいくとして、キャストはどうしましょうか?」

ちひろ「まず、男役はプロデューサーさんですね」

モバP「はい、そうですね」

ちひろ「そして、ふつうに考えるなら幼なじみの女の子の役にまゆちゃんで、間なら入ってくる女がわたしとなりますね」

モバP「え、ちひろさんがわざわざやってくれるんですか」

ちひろ「えぇ、なんせわたしが発案者ですし」

ちひろ「もしかして……わたしじゃ不服ですか?」

モバP「いえいえ!そんなことはないですよ」

ちひろ「そうですよね、ふふふ」

ちひろ「じゃあ、キャストも決まったわけですし、次は行動内容を決めていきましょうか」

モバP「そうですね、まずは……」

風呂にはいってくるまゆちゃんおれの頭をあらってくれないかな

イエメン共和国(イエメンきょうわこく)、通称イエメンは、中東・アラビア半島にある国家である。
公式の英語表記は、Republic of Yemen。通称Yemen

数十分後

モバP「……よし、内容も決まりましたし、後は実行するだけですね」

ちひろ「はい、そうですね」

ちひろ「…………」

モバP「どうしました?」

ちひろ「いえ、ただふと、なんでまゆちゃんはヤンデレになったのかなぁ、と思いまして」

モバP「そりゃあ、ヤンデレの素質があったからに決まってるじゃないですか」

ちひろ「いえ、そういう意味では……」

ちひろ「いえ、やっぱりいいです」

モバP「それじゃ、さっそく、まゆを、事務所近くに呼び出しますね」

ちひろ「はい」

ピッポッパッ……プルルップルッピッ

まゆ『もしもしぃ……』

モバP「休日に悪いけどさ、今から事務所前に来てくれるか?」

モバP「ちょっと、今度のライブの打ち合わせをしたいからさ」

まゆ『うふふ……わかりましたぁ……』

まゆ『それじゃぁ……今から向かいますねぇ…?』

モバP「あぁ、ありがとう、それじゃあまたな」

ピッ

モバP「よし、これで俺はまゆを待つだけですね」

さて今回は何分かな、ストップウォッチをぽちっと

ちひろ「それじゃわたしは今から隠れてきますね」

ちひろ「行動の内容、覚えてますよね?」

モバP「はい、打ち合わせ中にイチャイチャしている俺達の間にちひろさんが割り込んで、まゆをおれ好みのヤンデレにしよう、という内容ですよね?」

ちひろ「はい、それじゃ上手くお願いしますよ」

モバP「それじゃまたあとで」

ちひろ「はい……わたしを呼ぶときはなにか、合図をくださいよ」

モバP「わかってますってば」

ちひろ「お願いしますよ?では」

スタスタスタスタ

四分後

まゆ「お待たせしましたぁ……」

モバP「お、早いな、まゆ」

まゆ「はい……Pさんに呼ばれたから急いでたんですよぉ…?」

モバP「あれ?でも、まゆの家は確か、事務所からけっこう遠いんじゃなかったか?」

まゆ「うふふ……偶然この近くを散歩してたんですよぉ……」

モバP「へぇ、そうなのか」

やっぱりスタンバってる

モバP「よし、それじゃさっそく打ち合わせを始めようか」

まゆ「あのぉ……提案があるんですけどぉ……」

モバP「ん?」

まゆ「この近くに、行きつけの喫茶店があるんですけどぉ……」

まゆ「よかったら、そこで打ち合わせをしませんかぁ…?」

モバP「え…で、でも書類は事務所にあるし……」

まゆ「持ってくればいいじゃないですかぁ……ね…?」

モバP「あ、あぁ、それじゃあ今から書類を取ってくるから外で待ってていてくれ」

まゆ「はい……わかりましたぁ……」

スタスタスタスタスタ

モバP「……とりあえず、隠れてるちひろさんに俺達が移動することを伝えなきゃな」

ピッポッパッ……プルルップルルッ

ちひろ『なにかあったんですか?』

モバP「実はまゆの提案で、喫茶店で打ち合わせをすることになりまして……」

ちひろ『どこの喫茶店ですか?』

モバP「すみません……わからないです」

ちひろ『しょうがないですね……』

ちひろ『それじゃ、わたしはプロデューサーさんたちの後をバレないように追いますよ』

モバP「はい、よろしくお願いします、では……」

ピッ

モバP「ふぅ……」

まゆ「……誰と電話していたんですかぁ…?」

モバP「ふぃえ!?ま、まゆ?」

まゆ「はい……あなたのまゆですよぉ…?」

まゆ「それでぇ……誰と話していたんですかぁ…?」

モバP「あ、あぁ、ちひろさんとだよ」

モバP「ほら、書類の場所をど忘れしちゃったからさ、どこにあるのかを聞いたんだ」

まゆ「あぁ……そうだったんですかぁ……」

モバP「しかし、外で待っててもいいって言ったのに、なんでこっちに来たんだ?」

まゆ「Pさんが書類を持ってくるだけなのに遅いからぁ……もしかして、書類を探しているのかなぁ……って……」

まゆ「なら、わたしもいっしょに探そうと思って……ご迷惑でしたかぁ…?」

モバP「いや、迷惑なんかじゃない、ありがとう、まゆ」

モバP「さぁ、書類も見つかったことだし、まゆがいう喫茶店に行くか!」

まゆ「はぁい……楽しみですねぇ……」

スタスタスタスタ

ちひろ「(あ、プロデューサーさんたちが動きはじめた)」

コソコソ……

モバP「その喫茶店って、ここから遠いのか?」

まゆ「……いえ、そんなに遠くないですよぉ…?」

スタスタスタスタスタ

まゆ「ほら、もう着きましたよぉ……」

モバP「へえ……本当に近いんだな……あれ?」

まゆ「……どうしましたかぁ…?」

モバP「いや、そういえばこの喫茶店に一回、来たことがあるような」

まゆ「うふふ……さぁ、店内に入りましょうかぁ……」

モバP「あぁ、そうだな」

徹夜明けできついのですこし仮眠をとります、まゆちゃんがそばにいます

【SS作者七つの大罪】
怠惰の杏「疲れた。寝る」
憤怒の早苗「文法守らないとシメる♪」
強欲の亜子「まとめ載りたい……」
色欲の千枝「スッキリしたら眠くなっちゃいました」
嫉妬のまゆ「他の子のSS見てて面白いですかぁ?」
暴食のかな子「ご飯食べてきますね」
傲慢の幸子「このスレからボクの可愛さを感じていただけたら幸いです」(ドヤァ

絶対に逃がさないから
>>1さん......

>>78
おうなんや

モバP「ここ、いい雰囲気の内装だよな」

まゆ「ですよねぇ……オシャレなところもわたしがこのお店を気に入った理由の一つなんですよぉ……」

モバP「へぇ……」

まゆ「それで、打ち合わせ……はじめましょうかぁ…?」

モバP「ん、あぁ、そうだ、その前に少し食事をしてからにしないか?」

モバP「実はちょっと小腹が空いてさ」

まゆ「そうですねぇ……実はわたしも少しお腹が空いてたんですよぉ……」

モバP「……なぁ、よかったら二人でいっしょに食べられるものを注文しないか?」

モバP「例えばこの、ジャンボパフェとかさ」

まゆ「……Pさんは甘いもの、苦手なんじゃなかったんですかぁ…?」

モバP「たまにはいいかなって、それに」

モバP「まゆは甘いもの好きだよな?」

まゆ「うふふ……うふふ……はい」

モバP「よし、それじゃ決まりだな」

モバP「店員さん、すいませーん!ジャンボパフェ一つお願いしまーす」

店員「お待たせしました、ジャンボパフェです」

ドンッ

モバP「うぉぉ……本当にでかいな」

まゆ「おいしそうですねぇ……」

まゆ「うふふ……いただきまぁす……」

パクッ

まゆ「んん…っ…おいしいですねぇ……」

モバP「どれどれ」

パクッ

モバP「ほんとうだな、甘くてうまい」

モバP「ごちそうさま……ふぅ、食った食った」

まゆ「うふふ……うふ……うふふふ……」

モバP「どうしたんだ、まゆ」

モバP「そんなに笑って」

まゆ「嬉しくて堪らないんですよぉ……」

まゆ「わたしと同じものをPさんが食べていたと思うと……顔がにやけて…うふふ…」

モバP「(さて……そろそろ、ちひろさんを呼ぶかな)」

モバP「すまん、ちょっとトイレに行ってくる」

まゆ「はぁい…うふ…いってらっしゃい……」

スタスタスタガチャバタンッ

モバP「…………」

ピッポッパッ……プルルップルルッピッ

ちひろ『はい』

モバP「準備オーケーですよ」

ちひろ『わかりました、今から向かいますね』

モバP「はい、では……」

ピッ

モバ「さて、まゆのところに戻るか」

モバP「ふぅ…」

スタスタスタ

まゆ「おかえりなさい……Pさん……」

まゆ「聞きたいことが一つあるんですけどいいですかぁ…?」

モバP「ん、なんだ?」

まゆ「Pさんは……このお店に初めてきたのはいつですかぁ…?」

モバP「んー……たしかあれは、事務所を設立したばかりの頃だったから」

モバP「二年前ぐらいかな」

まゆ「そうですかぁ……」

まゆ「実は、わたしも二年前にこのお店にきたんですよぉ…?」

モバP「へぇ、そうなのか、奇遇だな」

まゆ「覚えていないんですかぁ…?」

まゆ「わたしたち、そのとき会ったんですよぉ…?」

モバP「え?」

まゆ「ほらぁ……席に忘れていたハンカチをわざわざわたしに届けてくれたじゃないですかぁ……」

モバ「あ、あぁ…!たしかそんなこともあったような…?」

まゆ「……それは、なんでもないようなことだったけど」

まゆ「わたし、そのとき運命を感じたんですよぉ…?」

まゆ「だからそのあと、わたしは……」

まゆ「Pさんの後を追ってどこに住んでいるのかを調べて、朝早くからPさんの家の前で待ち伏せして家から出てくる仕事場所に向かうPさんの後を追ってどこで働いているのかも知ったんです……」

まゆ「最初は、アイドル事務所のプロデューサーだなんて驚きましたよぉ…?」

まゆ「そして好都合だな、とも思ったんですよ……」

まゆ「だって……わたしとPさんは運命で繋がっていますから……」

まゆ「必ずわたしを……アイドルにスカウトしてくれると思ったから……」

まゆ「そして……ついに二ヶ月前に…うふふ…」

まゆ「Pさんはわたしをスカウトしてくれたんですよ……」

まゆ「うふふ……」

モバP「……一つ聞いていいか?」

まゆ「はぁい…?」

モバP「なんでまゆ自ら事務所にアイドル希望として来なかったんだ?」

まゆ「……だって、そんなことしたら」

まゆ「運命的じゃないじゃないですかぁ……」

モバP「すばらしい……すばらしいぞ、まゆ……」

ちひろ「プロデューサーさん!お待たせしました!」

モバP「ちひろさん、なにしにきたんですか」

ちひろ「えっ」

モバP「俺達はいま、運命を感じあってるんですから邪魔をしないでください、なぁ、まゆ」

まゆ「うふふ……Pさん」

ちひろ「えぇ……」

モバP「まゆは俺の理想的なヤンデレだ、愛してるよ」

まゆ「……わたしは…ずっと愛していましたよぉ……Pさん…」




おわり

またあしたもよろしくなお前らおやすみなさい、お前らのうしろにまゆちゃんがいるように祈ってます

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