みく「Pちゃん、まるでアイドルみたいにゃ」 (192)



モバP「……」

ちひろ(今日も今日とてプロデューサーさんが鬼のような仕事量をこなしてます……)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1394362443



モバP「ちひろさん、はい、これ。先週の経費とこの前の報告書のまとめです」

ちひろ「は、はい。早いですね、もう仕上がったんですか?」

モバP「ええ、この後打ち合わせがあるので。それに、ちひろさんも早めに貰ったほうが効率がいいでしょう?」

ちひろ「はい、そうですね。ありがとうございます」

モバP「いいえ」ニッコリ

ちひろ「……」



ちひろ(常人なら直面するだけで卒倒するような仕事量なのに、わたしへの配慮も忘れない。おまけに、笑顔をそえてくる余裕……)

モバP「よし、おしまいだ」

ちひろ「あれ、もう終わったんですか?」

モバP「ええ、とりあえず午前中の分は。打ち合わせまで時間ありますし、すこし休憩ですね。お茶入れてきますよ。ちひろさんはコーヒーですよね?」

ちひろ「そんな、いいですよ! わたしが淹れますから! プロデューサーさんは座っていてくださいっ」

モバP「もう立っちゃいましたから。それじゃあ淹れてきますね」

ちひろ「ああもう。プロデューサーさんってばっ」



モバP「はあ、お茶美味しい……」

ちひろ「そうですねえ、プロデューサーさんの淹れたコーヒーも美味しいですよ」

モバP「豆が良いものですからね。まだ時間が余ってますし、ちひろさん手伝いますよ」

ちひろ「駄目です! プロデューサーさんはただでさえ働きづめなんですから、すこし休んでください!」

モバP「手伝うといっても、ファイリングくらいですよ。それぐらいいいでしょう?」

ちひろ「だーめです。絶対駄目。だいたいどうしてあの量の仕事が片付いてるんですか? おかしいですよ」

モバP「そりゃあ慣れとしかいえませんね。最近はゆとりがあるので、もう一人スカウトしようかなって考えてるんですけど」

ちひろ「担当アイドル数十人抱えていて、仕事にゆとりがある? もうひとりスカウトしたい? 本気ですか?」



モバP「もちろんです。ティンとくるアイドルが見つかる頃には、もうすこし仕事の効率化もできると思いますし、やれますよ」

ちひろ「それ、社長にいいましたか?」

モバP「言ったら断られちゃいましたよ、あはは。でも、近くもう一度打診してみるつもりです」

ちひろ「ねえ、プロデューサーさん……」

モバP「はい、なんです?」

ちひろ「疲れていませんか?」

モバP「? いえ、ぜんぜん」

ちひろ「無理していたりしませんか? 身体の調子が悪いとか、少し気分が悪いとかありませんか?」



モバP「私がそう見えますか?」

ちひろ「……いえ、全然見えません。むしろ生き生きしてるように見えます」

モバP「でしょう? これでも身体には気を使っているんです。アイドルに体調管理を強いる分、私がその手本にならないといけませんからね」ニッコリ

ちひろ「はぁ……」

モバP「あれ、どうして溜息をつくんですか?」


ガチャ

社長「おーいP君、ちょっときてくれないかね」


ちひろ「あら、社長が呼んでますよ?」

モバP「はい。ではちひろさん、行ってきます」

ちひろ「ええ」

あれ、sageとsaga、どっち?

>>1は saga でいいと思います。
期待してます。



社長室


社長「突然だが、君に休暇を言い渡す」

モバP「……」

社長「……」

モバP「……は?」

社長「……」

モバP「え、クビですか? え? なんで」

社長「あ、いやいや! そうじゃない、言葉通りに受け取ってくれたまえ。君は最近仕事に余裕を持っているのだろう?」

モバP「え、ええ。まあ……」

>>8
助かりました。ありがとう。



社長「うむ。私はこれまで何度も君に言ってきた。休暇を取ったらどうだとね」

モバP「はい。ですが私は必要ないとお断りしたはずです」

社長「だが現状は労基的にはアウトなのだよ完全に」

モバP「ですからその話も双方の合意の上で見逃すことになったじゃないですか。私も好きでやっていることですし、そんなことを言っていたら会社が回りません」

社長「そこは私の至らなさが招いたことだ。すまないね、本当に……」

モバP「いえ、ですから、そこはもういいでしょう? 私に休みは入りません」

社長「いや、駄目だよ。今まで君の意見を通してきたが、今回はそのつもりはないのだよ」

モバP「ど、どうしてですか!」

作者ならsagaでいい、更新を見てる人に知られたくなければsage

sagaが入ってないと[ピーーー] ←なったりする

>>11
そうなってるんですね。ありがとう。


社長「それはだね」

モバP「私は無理なんかしていません。体調管理もしっかり行っていますし、仕事だってきっちり成果を出しています」

モバP「そもそも、私がいなくて回るんですか? それはアイドルたちはセルフで売り込みができるようになりましたが、大きな商談なら」

社長「P君」

モバP「はい」

社長「私は君を知っている。君をスカウトしたのは、他の誰でもないこのわたしだからね」

モバP「……」

社長「どうしてそうまで働きたいのか、身を削ってまでプロデュースをしたいのか、それも僅かだが分かっているつもりだ」

モバP「だったらどうして」



社長「そろそろだろう?」

モバP「?」

社長「そろそろ、自分と向き合ってもいいはずだ。他人ではなく、アイドルではなく、自分の内側を見つめてもいいはずだ」

モバP「何を仰っているのか分かりません」

社長「そうか。今後、週に一度休みを取りなさい。火急の用件でない限り事務所に来るのは禁ずる。アイドル達には私から通達しておく。人手が足りないなら私が出よう」

モバP「社長!」

社長「以上だ。行きなさい」



ちひろ「お話長かったですね。時間、大丈夫ですか? って、どうしたんですか? 顔真っ青ですけど」

モバP「あ、え、ええ、問題ありません」

ちひろ「ま、まさかクビに……なーんて、プロデューサーさん居なかった回りませんもんね!」

モバP「は、はは! そうですよね。俺が居なければ回らないのに、社長はどうしてあんなことを」ブツブツ

ちひろ「あ、あの……プロデューサーさん。それ、私のコーヒーですけど……」

モバP「うえっ? あ、ごごごめんなさい! 俺緑茶だったか! 直ぐに淹れなおして来ますから!」バタバタ

ちひろ(プロデューサーさんが、めちゃくちゃ慌ててる。すっごいレアな光景だわ)



ちひろ「落ち着きました?」

モバP「は、はい。その……ごめんなさい」

ちひろ「いえ、いいんですよ。あの、差し支えなければ、何があったのか教えて貰えませんか……?」

モバP「ええとですね……休みを頂きました」

ちひろ「はい?」

モバP「週に一度、休みを貰うことになったんです」

ちひろ「そうですか! よかったじゃないですか!」

モバP「驚かないんですか?」

ちひろ「え? 驚いてますよ」



モバP「あれ……そうか……」

ちひろ「? むしろプロデューサーさんは驚きすぎでは?」

モバP「いえ、だって、私が週1で休んでいたら、会社が回らないじゃないですか」

ちひろ「そうなんですか?」

モバP「……いえ、うまく調整できれば、出来ないこともない……? ただ、その分アイドルにかなりの負担が傾くことになりますが」

ちひろ「それなら問題ありませんよ。あの子達、それを承知の上で普段からプロデューサーさんを休ませるよう社長に言ってましたからね。もちろん私もです」

モバP「何時の間に。それで社長があんなことを……」




ガチャ


凛・加蓮・奈緒 「おはおうございます」

ちひろ「あら、おはようございます」

モバP「おはよう。そうか、もうすぐトライアドの打ち合わせか」

ちひろ「皆、プロデューサーさん、今度休みを取ることになったんですって」

奈緒 「え、ほんとか!? Pさん」

モバP「ああ」

凜「よかったね、プロデューサー」

加蓮「私達が社長に掛け合ったおかげだね」



モバP「やっぱりそうだったのか……」

凜「プロデューサーは少し休んだほうがいいよ。ずっと働きづめだったでしょ」

奈緒 「そうだぞ。最後に休んだのっていつなんだ?」

モバP「覚えてないな」

加蓮「Pさん、私の心配する前に自分の心配しなきゃ駄目だよ?」

モバP「そこは問題ないよ。自己管理は万全だし、仕事だって、常に自分の容量も考えてしてるからな」



加蓮「それでも心配なの。いつかバタンっていきなり倒れそうで……」

凜「プロデューサー、それ、社長に言われたんでしょ?」

モバP「ああ。週に一度休日を設けるように厳命されたよ。でもその分、君達の負担がかなり増えることになってしまうんだが」

加蓮「大丈夫だってば。私達だって長くやってきたし……ほんとPさんは過保護なんだから」

凜「それとも、私達が信用できない?」

モバP「いや、そうじゃない。けどその言い方はずるいな」

凜「ふふ、じゃあ信用して。私達だって、いつまでもプロデューサーに頼りきりって、甘え続けるわけにもいかないんだから」

奈緒 「そうだぞ。とにかく! Pさんはきちんと休むこと! アイドル業だってプロデュースだって、身体が資本なんだからな!」

モバP「……そうだな」



休みの日


AM5:30

pipipipipipi


モバP「う……起きないと」

モバP「ご飯食べて着替えして。よし、行くか」ガチャ

モバP「―――って、つい癖で事務所まで来てしまったけど、今日休みじゃないか、俺」

モバP「社長にも事務所に来るなって言われたしな。しかたない、帰るか……」


カランカラン


モバP「やることもないし、とりあえず家に帰って、着替えてからカフェに入ったが……」

モバP「かれこれコーヒー1杯で3時間以上居座っている。流石に何か頼もうか」




モバP「……」

モバP「暇だ……」

モバP「いったいどうしてこんなことに……」

モバP「俺のことが心配……ね。弱音だって愚痴だって、一度もみんなの前で吐いたことないじゃないか。なにを心配されなきゃならないんだ」

モバP「俺のことは俺が一番わかってるんだ。なにも問題ない。なのに……」

モバP「くそ……」

モバP「いやな気分だ。仕事がしたい」

モバP「早く明日になってくれ……」




みく「おっはよ~にゃあ!」

ちひろ「あら、みくちゃん、おはようございます」

モバP「うおおおおおおおおおおお」カタカタカタカタ

みく「Pちゃんもおはよう!」

モバP「おおおおおおおおおおおお」ガリガリガリガリ

みく「P、Pちゃん?」

ちひろ「ダメよみくちゃん。今のプロデューサーさんは何を言っても通じないわ。私が出社したときからこうだったのよ」

みく「な、なんかすごい勢いで書類が飛んでるにゃあ」

ちひろ「きっと昨日の休みで英気を養ってたんでしょうね」

みく「そ、そうかにゃあ? Pちゃんが元気なのはうれしいけど、これはちょっと行き過ぎにゃ」

モバP「よしこれで終わったああああああ!!」シュビズバー




ちひろ「プロデューサーさん、おはようございます」

モバP「ああ、ちひろさん。おはようございます。あれ、今日は遅いですね。電車止まりましたか?」

ちひろ「いいえ、通常の時間に来ましたよ?」

モバP「ええ?」

みく「Pちゃんおはようにゃあ!」ダキ

モバP「うおっと、みくぅ~!」グルングルングルン

みく「うにゃあ!? や、やめるにゃ! 回すのやめて!」

モバP「いつも不必要にくっつくのはやめろと言ってるだろう。反省しなさい!」グルングルングルン

ちひろ「あのプロデューサーさんん、大丈夫ですか? いつもとテンションが違うんですけど……」

モバP「ええ、問題ありません。さあみく、行くぞ! 今日もがんばっていこう! お前の笑顔をみんなが待ってるんだ!」

みく「うええええ」

ちひろ「プロデューサーさん、みくちゃんを脇に抱えたまま行っちゃいました……」




モバP「ただいま帰りました」

ちひろ「おかえりなさい、プロデューサーさん。もう夜も遅いのに、直帰しなかったんですね」

モバP「ええ、みくはそのまま帰しました。私はまだまだやることがあるので。ふふふ」ツヤツヤ

ちひろ(どうしてかしら、プロデューサーさんが朝より元気に見えるわ……)

モバP「さてさて仕事仕事」




また休みの日


AM5:30

pipipipipipi


モバP「う……起きないと」

モバP「ご飯食べて着替えして。よし、行くか―――って今日は休みだったか」

モバP「うう……最悪だ」




カフェ

モバP「家に居てもすることもないし、また来てしまった」

モバP「休日って、何をすればいいんだろう? 趣味もない、やりたいこともない」

モバP「……仕事がしたいな。社長にもう一度直訴してみたが結局ダメだったしな」

モバP「くそ……みんな余計なことしやがって。どうして俺から仕事を取り上げるんだ。こんなところで休んでる場合じゃないのに、どうして邪魔をするんだ。いい迷惑なんだよ」

モバP「……」

モバP「いや、いまのは駄目だ。俺、何考えてるんだ? みんな俺のことを思ってくれてるのに、それを……」

モバP「……」




モバP「うおおおおおおおおおお」カタタタタタタタタ

モバP「おおおおおおおおおおお」カキカキカキカキ

ちひろ「はい、プロデューサーさん、お茶です」

モバP「ありがとうございます、ちひろさん」シュババババババ

凜「最近さ、プロデューサー調子良さそうだよね。休み明けは特に。ちょっとキャラ変わっちゃったけど」

奈緒 「やっぱり人間には休息が必要なんだな。あたしも今日休みたいなー」

加蓮 「奈緒みたく深夜までアニメ見てる子は休んじゃだめだよ?」

奈緒 「み、見てねーし!」




モバP「……ふぅ」ホッコリ

凜「ねえプロデューサー」

モバP「ああ、どうした? 凜」

凜「プロデューサーが休みを貰うようになってから、暫く経つよね」

モバP「そうだな」

凜「休みの日って何やってるの?」

加蓮「あ、それ私知りたい! 奈緒もそうだよね?」

奈緒 「ま、まあ興味はあるけど」

モバP「普通だよ。特に変わったことはしない」

加蓮「その普通の内容を知りたいの! 独身男性の休みって何をするの?」

モバP「うーん……それは秘密だ」

奈緒「秘密って……」

モバP「さて、そろそろいい時間だ。私は来月の会議に出るから、君達もしっかりな?」




またまた休みの日


AM5:30

モバP「う……今日は休みか」

モバP「目覚まし掛けなかったのに、もうこの時間に起きるのは癖になってるんだろうな」

モバP「はぁ」


カフェ


モバP「最近、店員に顔を覚えられてしまった気がするが……まあいいや」

モバP「……」

モバP「今日も、何もせず無意味に過ごす」

モバP「仕事のことを考えたいんだけど、休日だと何も考えられなくなるな。不思議だ……これが休みなのだろうか」




モバP「自分と向き合え。社長はそう言っていたけど……」

モバP「自分と向き合う、か……」

モバP「自分……俺は、アイドルのプロデューサーだ」

モバP「母子家庭で育って、良い大学に入って、就職先が決まって、それを告げる前に母が亡くなって」

モバP「孝行も出来ず……内定を蹴って、荒れてるところを、社長に拾われた」

モバP「そうして今の俺がある」

モバP「……」




モバP「わかってるよ社長」

モバP「俺が働くのは代償行為だって、そう言いたいんだろ?」

モバP「母親に出来なかった分を、誰かに……アイドルに尽くしているだけだって」

モバP「でもほかに何が出来るんだ? 社長だって、それを見抜いて俺を雇ったんじゃないか」

モバP「彼女達も、俺も得るものがある。お互いwin-winの関係だ。いったい何が気に食わないんだ?」

モバP「……」





みく「ねえみんな」

奈緒 「どうしたんだ、みく? 変な顔して」

みく「変な顔ってなんにゃ! そうじゃなくて、ええとね、昨日Pちゃんを見たんだけど」

凜「みく、約束破ったの? プロデューサーがオフの日は遊びの誘いも呼び出しも禁止だって決まったよね?」

加蓮「Pさんにしっかり休んでもらうために、社長にまで掛け合ったのに、無駄にするんだ?」

みく「や、破ってないよ! みくだってPちゃんにはもっと身体に気を使ってもらいたいにゃ! ただ偶然見かけたの」

奈緒 「休日のPさんかぁ。前に聞いてもはぐらかされたし、何してたんだ?」

みく「うーん……何ていえばいいんだろう。なんというか、何もしてなかったにゃあ……」




加蓮「何、どういうこと?」

みく「喫茶店で見たんだけど、死んだ魚の目をしてぼーっと座ってたにゃ。それだけにゃ」

凜「その人、本当にプロデューサー? そんなプロデューサー想像できないんだけど」

奈緒 「いつもパワー有り余ってます、て感じだしなあ」

みく「もしかしたら別人かもしれないにゃ。全然雰囲気が違ったし……でもいつもしてる腕時計が同じだったから、そうかなって」

奈緒「話しかけなかったのか?」

みく「うん。そういう約束だったし、なんだか怖くて近づけなかったにゃあ」

加蓮「……」

凜「……」

奈緒「……」




巡って休みの日


カフェ


モバP「……」ボー



凜「本当だ、あれやっぱりプロデューサーだよ」

加蓮「うん……Pさん、だよね?」

奈緒「みく、よく分かったな。注意して見ないとPさんだって分からないぞ」

みく「やっぱりPちゃんだよね。できれば当たって欲しくなかったにゃ……」




凜「なんだろう……プロデューサーから、すごい負のオーラが出てる気がするよ」

加蓮「もっとカッコいい服を着て欲しいなあ。Pさん、元は悪くないんだからさ」

奈緒「実物を見ても信じられないな。Pさん、仕事だとバリバリなのに、今は駄目な独身男って感じだ」

凜「仕事とプライベートを切り離してるのかな? 私達もそうするでしょ」

みく「Pちゃん、まるでアイドルみたいにゃ」

加蓮「私達でも、あそこまで極端に切り替えはしないと思うけど……」

凜「あ、でも……前にオフで遊んだとき、プロデューサーはいつもの様子だったから、違うのかも」

奈緒「うん、確かに。可愛い可愛いって、まったくあたしは可愛くなんかないっつってんのに」

加蓮「いつもみたいにすごい世話焼きだったよね」

みく「それ、Pちゃんは仕事モードだったんじゃないの?」

凜・奈緒・加蓮「……」

みく「……や、やぶ蛇だったにゃあ」


うぐううう席を離れます。
これほっといたら落ちてしまう? そうなら落としてしまって下さい。
すまぬ・・・すまぬ・・・



2ヶ月離席してなきゃ大丈夫だよ

>>39-41
なるほど、だいぶ長持ちですね。

申し訳ない離席します。

とりあえずLRを把握して無いならこのスレ読んどけ

■ SS速報VIPに初めて来た方へ
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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394286570/)

>>46
ありがとう。読みました。



凜「で、どうする? このまま見てる? それとも約束破ることになっちゃうけど話かけてみる?」

加蓮「もうちょっと見て見ない?」

奈緒「あたしも加蓮に賛成」

凜「ならもう少し観察しようか。ちょっと趣味が悪いけどね」

× 凜
○ 凛




1時間後


モバP「……」ボー


みく「微動だにしないにゃ……」

奈緒「せめて読書ぐらいしろよなあ……」

加蓮「ね、ねえ、話しかけてみる?」

みく「でも、Pちゃんのせっかくのお休みを邪魔するのも悪い気がするよ」

凜「そうかもしれないけど……あれが休日を満喫してる姿に見える?」

奈緒 「見えないよなあ、どう見ても……」


モバP「……」ウツロナメ

>>48
やってはいけない間違いを。修正します




奈緒「わかった。あたしが行く!」

加蓮「奈緒 、何かプランはあるの?」

奈緒「とりあえず偶然を装って話しかけて、こっちに連れてくるよ。それでいいだろ」

凛「わかった。じゃあ……準備して待ってるから」

みく「でも、今のPちゃんと何を話せばいいのか分からないにゃあ」

加蓮「とりあえず、Pさんをからかおうよ。さびしー休日だねーって」

凛「そうだね。あそこでああしているよりは、プロデューサーも気が紛れるんじゃないかな」

奈緒「よし、じゃあ行って来るからな」




奈緒 「……」コツコツ



加蓮(奈緒が一直線にPさんの机に向かってくよ)ヒソヒソ

凛(偶然ってわりには戸惑い無く進んでいくけど、まあいいか)ヒソヒソ



奈緒 「……」コツコツ

モバP「……」



みく(奈緒ちゃんが、Pちゃんの目の前まで行って―――)



奈緒 「っ……」



加蓮・凜・みく(―――そのまま通り過ぎた!?)




奈緒「……」

奈緒 「ただいま」

凛「奈緒……」

奈緒「ごめん、無理だった。だってPさん、変な空気纏ってて、とてもじゃないけど話しかけられなかったんだよ……」

みく「わかった、次はみくが行くよ!」

凛「みく、ファイト」

加蓮「がんばって」




みく「……」コツコツ


加蓮(みくがPさんの前で止まったね)ヒソヒソ


みく「う、うう……」ソワソワ


凛(プロデューサーの前で話しかけようか迷ってる)ヒソヒソ

奈緒(みく、そこからが勝負だ。あたしは駄目だったけど……)ヒソヒソ


みく「ううう……あ、あ~! お財布落としちゃった!」チャリンチャリーン


加蓮(行った!)

奈緒(ナイスだ、みく!)

凛(あ、プロデューサーが動いたよ。お金を拾ってるけど、みくには気がついてないみたい)





モバP「……」セッセ

モバP「はい、これ。落としましたよ」

みく「あ、あの……」

モバP「? どうしました? まさか、足りませんか?」

みく「えっと……」

モバP「おかしいな、全部拾ったと思ったんだけど……ちょっと待ってください」ガタ

みく「い、いえ! 違うんです。その、わたし、わたし、あの……」

モバP「……?」

みく「な、なんでもありません。ありがとうございました……」ペコリ

モバP「いいえ、どういたしまして」ニコ




みく「……」

みく「た、ただいま……にゃあ」

凛・奈緒・加蓮「……」

みく「そんな目で私を見ないで……」

凛「どうしてプロデューサー、みくに気がつかなかったのかな?」

加蓮「変装してるからじゃないかな? 私達の変装って普通は見抜けないと思うよ」

奈緒「でもPさん、あたし達の変装ってしょっちゅう見てると思うけど……」

みく「うう、やっぱりPちゃん、いつもと違う。みくのこと見てなかったにゃ」

凛「みくに拾った小銭を渡すときは、普段と変わらない様子だったけど……」


モバP「……」ウツロナメ


奈緒「また死んだ魚の目になってる……」

凛「じゃあ次は私が行くよ」




…………

……


奈緒「全滅じゃねーか」

凛「ごめん……あのプロデューサー、絶望的に話しかけ難いよ」

加蓮「あの目は無理だよ。Pさん、ほんと別人みたい。いつも気さくになのに……」

みく「みく、そろそろ用事があるから、出ないといけないにゃ……」

凛「そっか。じゃあ……出る?」

加蓮「あのPさんを一人にしたくないけど」

奈緒「また来ればいいよ。そのときは、Pさんも変わってるかもしれないし……」


モバP「……」ボー




モバP「……」カキカキカキ

ちひろ「……」チラ

モバP「……」カタカタカタ

ちひろ「はい、プロデューサーさん、お茶です」

モバP「ありがとうございます、ちひろさん。もう少しで例のライブの見積書を流すので、待ってください」

ちひろ「はい。最近のプロデューサーさんは、また落ち着いてきましたね? 仕事をさばく速さは相変わらずですけど……」

モバP「あ、ああ……いえ、すみませんでした。私も急に休みをいただいて、戸惑っていたんです。うまくオンオフを切り替えられなくて」

ちひろ「いえ、私は面白いものが見れたので満足ですよ。熱血なプロデューサーさんも新鮮でしたから」

モバP「うわ……恥ずかしいな。忘れて下さい、あれは何かの間違いです。もうあんな醜態は見せませんから」

ちひろ「いいじゃないですか。偶には隙を見せたほうが人間って付き合いやすくなりますよ?」

モバP「……ちひろさん。もしかして私ってとっつきにくいですか?」

ちひろ「まさか。プロデューサーはいつも他の人を考えて動いてますから。同僚としてはとてもやり易いです。ただ、隙があったほうが私は面白いなって」

モバP「他人事だからって。酷いですね、ちひろさんは」

ちひろ「ふふふ」




ガチャ

ありす「おはようございます」

ちひろ「あら、橘さん、おはようございます」

モバP「お、橘。おはよう。早いな。もう少し遅く来てもいいんだぞ?」

ありす「いえ、仕事ですから……」

ありす「……」

モバP「ん? どうかしたのか」

ありす「今日は、ありすって呼ばないんですね」

モバP「あ、ああ……。あれはだな……あれは、忘れてくれ。最近の私は、少しどうかしていたんだ」

ありす「特に休み明けは酷かったです。すごい騒いで、うるさかったです」

モバP「返す言葉もございません……」




ありす「プロデューサーに休んで欲しくて社長に頼みましたけど、ああなるとは思いませんでした」

モバP「そうか、私に休日を取るよう進言したのは、ありすもだったんだな」

ありす「また、ありすって……」

モバP「あ、申し訳ない。はは、どうにも駄目だな私は……」

ありす「社長に言ったのは、私だけじゃありません。ここの所属アイドル全員です」

モバP「……そうか、ありがとう。でも私は大丈夫だ。休みなんて偶にあればそれで十分なんだよ」

ありす「プロデューサーはそうかもしれせんが、そのプロデューサーを見てる私達が疲れてしまうんです」

モバP「……」

ありす「……だから、もう少しプロデューサーは自分を大切にしてください」





モバP「……」

ありす「……あの、プロデューサー?」

モバP「私が働き過ぎると、君達にも支障がでてしまうのか」

ありす「そ、そうです」

モバP「私が休めば君達も活動に専念できると」

ありす「……別に、プロデューサーが休めばがんばるってわけじゃないですけど……」

モバP「なら、私が休むのも仕事か。なるほど、そういう考えがあったか……ははは……」

ありす「プロデューサー……?」



モバP「うん。わかったよ。ありがとう、橘。少し楽になった気がするよ」

ありす「は、はい。それと……私のことはもうありすでいいです。プロデューサーも、そのほうが呼び易そうですし」

モバP「悪いな、気を使ってもらって。でも、もう間違えないから大丈夫だよ」

ありす「いいんです。プロデューサーは忘れんぼですから、また同じことをします。だからありすで構いません」

モバP「そ、そうか」

ありす「そうなんです。私休憩室行きますから、時間になったら呼んでください」

モバP「わかった」




ちひろ「……」

モバP「……」

ちひろ「ふふふ」

モバP「何笑ってるんですか、ちひろさん」

ちひろ「いえいえ、よかったですね。橘さんと仲良くなれて」

モバP「……あんな形になるとは思いませんでした」

ちひろ「私の言ったとおりでしたね。やっぱり偶には隙を見せたほうがいいですよ、プロデューサーさん」

モバP「それは難しいですね。意図して出来るものじゃありませんから……でも確かに大きな収穫はありました」


いったん切りまする。眠りまする。




休みの日


カフェ


モバP「開店時間と同時に店に入る……すっかり常連さんとなってしまった」

モバP「変に顔を覚えられてしまうのは避けたいところだけど、手頃な時間をつぶす場所もないし、諦めよう」

モバP「……」

モバP「休むのも仕事のうち、か。ありすには大切なことを教わったな」

モバP「正直苦痛でしかないこの時間も、少しは気が紛れる……」

モバP「ははは……」

モバP「……」

……………

……




ちひろ「ねえプロデューサーさん、少しお時間ありますか?」

モバP「ええ。どうかしましたか」

ちひろ「凛ちゃん達のことなんですけど、このごろ少し様子がおかしいなって思って……」

モバP「ちひろさんも気がつきましたか」

ちひろ「てことは、プロデューサーさんも」

モバP「はい。前から分かってはいたのですが……今は見ぬ振りをして様子を探っているところです」

ちひろ「どうしてですか?」

モバP「まず理由が分からないのと、それと彼女達が仕事はきっちりこなしているからです。影響が出るようなら口を出しますが、
そうでないのなら、なるべく口を挟まないようにしています」

ちひろ「でも、それで大丈夫でしょうか?」

モバP「そこは信じるしかありません。彼女達はアイドルです。自分なりの問題の解決方法を持っていますし、もし解決できない事柄なら
私に言ってくるでしょう。だから、今は待ちます」

ちひろ「プロデューサーさん、凛ちゃんたちのこと信頼してるんですね……」

モバP「長い付き合いですからね」





ちひろ「でも、わたしは声をかけたほうがいいかなーって感じてます」

モバP「何故です?」

ちひろ「そうですね、乙女の勘ですかね。凛ちゃんたちの表情を見てると、そういう気がするんです」

モバP「……勘ですか、乙女の」

ちひろ「はい。乙女の勘です」

モバP「……」

ちひろ「……」




モバP「わかりました。すこしアプローチしてみます」

ちひろ「あ、でも本当にただの勘ですよ?」

モバP「いえ、大事だとおもいます。私はプロデューサとして彼女達を見続けてきましたが、男です。感性の違いってやっぱりあるんです」

ちひろ「じゃあ、どうするんです?」

モバP「そうですね、いきなり切り込むわけにもいきませんし……スケジュールを調整して……それからですね」




凛「プロデューサー、用事って?」

モバP「ああ、まずはライブお疲れ様。疲れてるところ申し訳ない」

加蓮「いいよ、別に。このあとはもう予定もないから」

奈緒「むしろPさんのほうが大変だろ。これからまた打ち合わせとかいろいろあるんだろ?」

モバP「うん、でも実際ステージに立つ君達に比べればマシだよ。ただ時間は無いから、このタイミングになってしまってね……
みんな、今日のライブはどうだった?」

凛「いつも通りだったけど……?」

加蓮「うーん、特に変わったところはなかったと思うよ」

奈緒「普通だよなあ? 」




凛「どうしてそんなこと聞くの、プロデューサー。何かおかしなところあった?」

モバP「ああ、いいや……私から見ても、パフォーマンスは安定してるよ。ただ、君達自身はどう思ったのか聞きたくてね」

奈緒「といわれても、特に無いなぁ。そりゃあ細かいところをあげれば、たくさんあるだろうけど」

モバP「そうか、それならいいんだ。細かいところは今後詰めていこう。で、本題なんだけど、心して聞いてくれ。大事な話だ」

凛・奈緒 ・加蓮「……」

モバP「なんと、来週君達に休みを入れておいた。それも連休だ!」

凛・奈緒 ・加蓮「……」

モバP「……あ、あれ? 驚いたり、喜んだりしないのか?」




加蓮「あ、ううん。うれしいよ、お休み。ね?」

奈緒 「ああ、そうだよなっ。連休か、楽しみだな」

凛「休み―――ね」

凛・奈緒 ・加蓮「……」

モバP「……なんだ、人の顔を見て。もっと違った反応を期待していたんだけどなあ」

奈緒「き、急に言うから、驚いてるだけだっての!」




モバP「そうか。確かに、私のときも途方に暮れたしな。ごめん、すこし配慮が足らなかった」

凛「ね、プロデューサー。どうして私達に休みが入ったの?」

モバP「それが、急にスケジュールに穴が開いてな」

凛「それ、ほんとう? なんかプロデューサーにしては、らしくないというか。いままでそういうことあまりなかったからさ」

モバP「そんなことはないと思うが……いや、そうだな。悪い今のは嘘だ」

奈緒 「どういうことだよ、Pさん」

加蓮「何かあったの?」




モバP「いいや、何もないよ。ただ君達も最近は引っ張りだこだったからな。休息が必要だ」

凛「大丈夫なの、休んで? 活動に影響出ない?」

モバP「ははは、大丈夫大丈夫。きちんと調整済みだし、トライアドは、今とても安定した時期なんだ。
駆け出しのときみたく、あっちこっちに売り込む必要もない」

モバP「現状はコンスタントに仕事を続けて、より安定を築くことが課題だ。売り込みを掛けるのは、その後だ」

加蓮「Pさんが、言うなら大丈夫なんだろうけど……」

モバP「うん。それにな、君達には、もっと今を大切にして欲しい」

奈緒 「……Pさん?」

モバP「もちろん仕事は大切だ。でも、君達はまだ学生だ。今出会う友達は、もしかしたら一生の財産になる。
だから今しか出来ないことを、今だからできることをもっと楽しんで欲しい。そうすれば、もっと素敵な女の子になる」

凛「……プロデューサー、おじさんみたいなこと言うね」

モバP「説教くさいか……私も年をとったんだな。とにかく、仕事に関しては問題ない。アイドル業のことは忘れて、存分に羽を伸ばしてくれ」




加蓮「Pさんには、居る? そういう友達が……」

モバP「あ、ああ……もちろんだ。今でも付き合いがあるよ」

奈緒 「ほんとかー?」

モバP「何を疑ってんだ。友達の一人や二人ぐらい、いるさ」

凛「プロデューサーは休みの日、ちゃんと休んでる? 遊びに出かけたりしてる?」

モバP「もちろんだ。家に居てもしょがないしな」

凛「外出して、何するの? ショッピングとか?」

モバP「その質問、前にもしなかったか……? 答えは秘密だ」




加蓮「ねえ、Pさん。ちゃんと答えて欲しいな」

モバP「お、おい、なんだよ、囲んで。今は私の話じゃないだろう?」

奈緒「心配なんだよ。Pさん、休み明けって少しおかしくなってるだろ」

モバP「あ、あれは、前の話だ。忘れてくれ。今はもう直っただろう」

凛「じゃあ、教えて。Pさんは休日は楽しい? ちゃんと羽を伸ばせてる?」

モバP「……君達は本当に心配性だな」




加蓮「Pさんが働きすぎるからだよ。あんな姿見てたら、誰だって不安になるよ」

奈緒 「Pさんが休んでるところ、事務所でもあまり見なかったしな」

モバP「そうか。でも、本当に私は何も問題ないんだ。確かに、休みを貰って最初は戸惑っていたけど、今はコツを覚えたからね。ちゃんと休めているよ」

凛「そのコツって?」

モバP「何も考えないことだ」




モバP「簡単な話しだったんだ。心を空っぽにすれば、おかしなことを考えることもない。仕事と同―――」

凛・奈緒・加蓮「……」

モバP「……じゃなくてだな、ようは頭ん中空っぽにして、馬鹿になりゃいい。そうすりゃ気分もすっきり爽快! 明日もがんばろう! ってなるもんだ。だろ?」

凛「……プロデューサー……」

モバP「ガス抜きは大切だよ。君達も連休は好きなことをすればいい。ただ、あんまおいたはするんじゃないぞ。
仕事を忘れてもいいとはいったが、アイドルなんだからな。何かするなら、バレないように、な?」ニッコリ

モバP「っと、時間だな。私はこれで失礼する。車は手配してあるから、今日はゆっくりライブの疲れを癒してくれ」

モバP「じゃあ、みんな、お疲れ様」



一旦切り

渋谷凛(15)
http://i.imgur.com/5TL4Wko.jpg
http://i.imgur.com/beyGOj7.jpg

北条加蓮(16)
http://i.imgur.com/VDbYvwA.jpg
http://i.imgur.com/NzmsUdN.jpg

神谷奈緒(17)
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前川みく(15)
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休みの日


カフェ


みく「……みんな何してるの? こんなところで……」

奈緒「そういうみくだって、何しに来たんだよ?」

みく「えっと、みくはその、お休みもらったから……そう! ちょっとお勉強をしようと思って」

加蓮「そのバッグに参考書入らないでしょ?」

みく「む、むう……そういう加蓮ちゃんたちはなんでここにいるにゃ! 勉強道具も何も無いじゃない」

加蓮「えっ? それは……ねえ?」

凛「……みんな考えることは同じだったんだね。最初に奈緒が居て、その次に私が、加蓮が来て、最後にみくが来たんだよ」

みく「やっぱり……みんなPちゃんを誘おうと思って来たんだ。みくだけかと思ったにゃ」

奈緒「あ、あたしは別にPさんさんを遊びに誘おうだなんて」

加蓮「はいはい、奈緒は一番乗りしたにもかかわらず、Pさん見ながらオロオロしてただけだよね」

奈緒「そっ……ひ、人のこと言えないだろ、お前らも!」

みく「Pちゃん居るの?」

凛「うん、あそこに。前と同じ場所だよ」



モバP「……」




みく「……なんか、酷くなってる気がする。腐敗した魚の目だにゃあ……」

奈緒「ほんと、ただじーっとしてるだけなんだよ。だから話しかけにくくて……」

凛「みく、とりあえず座りなよ」

みく「うん。予定とは違ったけど、しかたないにゃ」

加蓮「みんなそうだよ」

奈緒「これで、前回と同じになっちまったな」

凛「そうだね」


みく「……」

凛「……」

加蓮「……」

奈緒「……」


みく「……で、どうするにゃ」

凛「まず、プロデューサーに声をかけないとね」

奈緒「だな」

加蓮「うん」





みく「……」

凛「……」

加蓮「……」

奈緒「……」

みく「……誰がかけるにゃ」

奈緒「だから、それができたらこんなところに居ないんだよ!」

加蓮「もっともだよねー」

凛「プロデューサーの陰気度が跳ね上がって、余計難しいよ」

奈緒「ほんとだよ、何が休日は羽を伸ばしてるだ、全然そんな風に見えるかっつーの!」

加蓮「私たちに今を楽しめーとか、偉そうなこと言って、その自分があの様子だもん」

凛「まあ、それは私も納得いかないかな……プロデューサーに休んで欲しかったのに、これじゃあみんなで社長に掛け合った意味が無いよ」

みく「みんな、大きい声だすとPちゃんに聞こえちゃうにゃ」

加蓮「あっ、むしろそれでいいんじゃない? 私たちが居ること、Pさんに気づいてもらえばいいよ」

凛「なるほど、こっちからは話しかけにくいしね。いいかも」

みく「Pちゃんが自分の悪口を聞くのも忍び無い気がするけど……この際気づいてくれればいいにゃ」

凛「とりあえず、何か頼もうよ」





奈緒「Pさんほんと動かねえ……」

みく「こっちを見もしないにゃ……」

凛「心ここにあらず、って様子だよね。何を見てるんだろう」

加蓮「……たまにため息吐くぐらいだね、やっぱ楽しくないんだ」

奈緒「そりゃそうだろ。だってなんもしてねえんだもん」

凛「……なんだかんだで、そろそろお昼近いんだけど?」


モバP「……」


みく「あっ、Pちゃん動いたよ! ……店を出るみたい」

凛「どうする? 追う?」

奈緒「あたしは行く。もともとPさんと話す予定だったし」

加蓮「私も」

みく「みくも」

凛「うん。じゃあ行こうか」




…………

……


モバP(とりあえず、店を出たはいいけど、することないんだよな……)

モバP(あそこに居てもよかったけど、店員に顔を覚えられたから、居辛くなってしまったし)

モバP(そりゃそうだ。開店時間から、夕方まで居座られちゃあ顔を覚えもするさ……迷惑な客だよな)


モバP「はあ……」


モバP(……もう昼だ。お腹空いてないけど、何か腹につめとこう。変な時間に腹が空くのもいやだし)

モバP(お、コンビニ……。もうコンビニでいいや……パンでも買おう……)


ラッシャッセー


アリシタァー


モバP「さてどうするか……家に帰っても何も無いしな。なら外に居るほうがまだマシだ」

モバP(そういや、近くに公園あったっけ……)




公園


ベンチ


モバP「……」モグモグ


モバP(結構人が居るもんだな……知らなかった。俺、普段公園なんて利用しないしな……やっぱ休日だからか?)


モバP「……」モグモグ


モバP(最近のコンビニ商品はすごいな、この価格でこの品質だもんなー……)


モバP「……」モグモグ


モバP(でも、やっぱお腹空いてないや……無理に買うんじゃなかった……)




クルッポー


モバP(鳩……)


クルッポー


モバP(こっち見てる……)


クルッポー


モバP(欲しいのか……。いいよ、あげる。どうせ全部は食えないしな……ほら)チギリチギリ


クルッポークルッポークルッポークルッポー

クルッポークルッポークルッポークルッポー

クルッポークルッポークルッポークルッポー


モバP(あっという間に無くなった……)


モバP「……まあいいや」

モバP「……」

切り




モバP「はあ……」

モバP「……」ボー


キャッキャ ワイワイ
マテー アハハハ


モバP(くだらねえ時間だ、何の生産性も無い)

モバP(なのに、無駄に長いんだよな。仕事ならすぐに一日が終わるのに)

モバP(仕事なら……そう、これも仕事なんだ。俺が休まなきゃ、アイドル達が心配する……)

モバP(無駄な心配なのに)

モバP(アイドルは自分の心配だけしていればいいんだ。ただでさえ彼女たちは負担が大きいんだ。俺に構うゆとりがあるなら、もっと有意義なことに使ってくれよ)

モバP(本当に、余計なことをしないでくれ)

モバP(俺から、奪わないでくれ……)




モバP(……まただ)

モバP(また、変なこと考えた。駄目だ。一人でいると、悪い考えばかりが浮かんでくる)

モバP(くそ……)

モバP(仕事だ……。これも仕事だ。いつもと同じだ)

モバP(何も考える必要は無い、何も考える必要は無い……)

モバP(淡々と、感情を交えず、心の起伏を無くして)

モバP(目の前のことだけを、ひとつひとつ……)

モバP(心を空に―――)


モバP「……」




モバP(……)

モバP(すこしだけ寝ようか)

モバP(今日はお日様も気持ちいいし、人目なんて気にしなくてもいいや)

モバP(ちょっと寝て、またぶらぶら街を歩いて、夕方になったら帰って……お風呂入って……)

モバP(ご飯食べて……寝て……明日になれば…………またいつもの日が来る……)

モバP(それまでは……)


モバP「……」zzz

一旦切




?「プロデューサー……」ユサユサ

?「……Pさん」ユサユサ


モバP「……」


?「Pちゃん……」ユサユサ

?「P…ん……!」ユサユサ


モバP「ん……?」


?「プロデューサー!」ユサユサ

?「Pさん、起きて!」ユサユサ

モバP「うわあ!?」ガタッ ドサ

加蓮「きゃあっ」

>>144
間違えた。
加蓮を?に。まったく意味無いけど。



?「あ、お、おいPさん、大丈夫か?」

?「ベンチから落ちちゃったにゃ」

モバP「あ……っつー……」

?「ご、ごめんプロデューサー、そんなに驚くとは思わなくて」

モバP「え……え?」オロオロ

?「Pちゃん、大丈夫?」

モバP「あれ……俺は……」キョロキョロ

?「俺……? プロデューサー?」

モバP「あ……ああ、ごめんなさい、ベンチを独占してしまって。すぐに、すぐに退きますから……」

?「あ、おいちょっと待てよ、Pさん!」ガシッ

モバP「わっ、な、なんですか、いきなり。は、離してくれ」

?「プロデューサー、落ち着いて。私たちだよ!」




モバP「な、なにを言って……あれ? 君達……もしかして」

加蓮「やっとわかった? Pさん」

みく「……Pちゃん慌て過ぎにゃ」

モバP「い、いや、すまない……あまりも予想外だったから、つい」

凛「……」

奈緒「……」

加蓮「……」

みく「……」




モバP「……き、君達は……何をやってるんだ、こんなところで」

凛「何って、プロデューサーが休みをくれたんでしょ。だからこうしてみんなでお出かけしてるんだよ」

モバP「そうか、そうだったな……。みんなの家はここから離れていたと思うが……」

奈緒「こ、こっちに用事があったんだよ。なんだよ、来ちゃいけないのかよ?」

モバP「いや、そうじゃない。こんなところで会うとは思わなかったから……」

加蓮「そうだね。こんなところ……でね」




モバP「……それにしても」

モバP「みんな、仲がいいんだな。休日でもこうして一緒に遊んでるなんて」

奈緒「別にあたしたちは仕事とプライベートで、そこまで使い分けてないしな」

みく「みくも公私混同してるよ!」

加蓮「それ、使い方あってるの? みく」




凛「プロデューサーは、オンとオフをはっきり切り替えてるみたいだね」

モバP「ん? いや、違う。そんなことはない。俺はそんなことは……これも仕事の……」

モバP「……違う。私はオンオフを切り替えている。それが社会人として当然で……」

奈緒「おい、Pさん?」

みく「Pちゃん、どうしたにゃ?」

モバP「……まだちょっと寝ぼけてるのかな、ははは」




加蓮「Pさんは、ここで何をしてるの?」

モバP「俺か? 俺は……」

モバP「今日はいい天気だろう? 家に居るのももったいないし、こうして日光浴をしてたんだ。なかなか気持ちいいんだよ」

凛「……ふーん」

奈緒「……」

加蓮「……」

みく「……」

モバP「?」




みく「ねえPちゃん、それ楽しい?」

モバP「もちろんだ。せっかく君達に休みを貰ったんだ、無駄になんてするはずがない。だからこうして英気を養ってるんだよ」

モバP「仕事のときは考える時間なんてないからな。こうしてゆっくりできる時間は、それだけで貴重なんだよ」

モバP「だから、君達には感謝してるよ。ははは」

凛「……」

奈緒「……」

加蓮「……」

みく「……」

モバP「? どうしたんだ? さっきから私の顔を見て。なにかおかしいか?」




加蓮「うん……おかしいよ」

モバP「寝癖でもあるのか? まいったな、今朝はあまり気にしなかったからな」

奈緒「別に寝癖なんかねーよ」

モバP「そうか、じゃあなにが」

加蓮「Pさんはさ、嘘つきだよね」

モバP「うん?」




モバP「加蓮。今、なんて……」

加蓮「……」

モバP「……加蓮?」

凛「……加蓮はね、プロデューサーが嘘つきだって言ったんだよ」

モバP「……嘘つき? 俺が? いきなり何を言うんだ」

凛「私もそう思うよ。プロデューサーは嘘つきだね」




モバP「おい。凛まで……」

奈緒「そうだな。Pさんは人を騙すのが旨かったよな。あたしだって、そうやって乗せられてアイドルになったんだし……」

モバP「奈緒、私は君を騙してなんか」

みく「ううん、Pちゃんは嘘つきだよ」

モバP「ど、どうしたんだ、みんなして?」

みく「だってPちゃん、全然みく達に感謝なんかしてないにゃ」




モバP「み、みく? いったい何を―――」

凛「ごめん、プロデューサー。見てたんだ、私達」

モバP「見てた?」

加蓮「Pさんの休日」

モバP「……」

奈緒「Pさん、前に言ったよな。休みの日は羽を伸ばしてるって。でも、全然楽しんでなんかないだろ」

みく「ずっと死んだ魚の目をしてたにゃ……みくは魚は好きじゃないよ、Pちゃん……」

凛「私達はプロデューサーの為に社長に掛け合ったのに、それも無駄だったみたいだね」

加蓮「私達に偉そうなこと言って、当のPさんがこれじゃあ何も説得力無いよ……」

モバP「違う。みんな、違うんだ。私が、よりにもよってこの私が、君達のくれた休日を無駄になんてするはずがないだろう?」

モバP「それは……傍目から見れば哀れに見えたかもしてないが、それでも私には休息だったんだ」

奈緒「……Pさん」

みく「みく……なんだか悲しくなってきたにゃ」




凛「もう一度聞くよ、プロデューサー」

凛「……休みの日は、楽しい?」

モバP「だから、それは……」

加蓮「ねえPさん。もしそうじゃないなら、これから私達と一緒に遊ぼうよ」

奈緒「そうだぜ、Pさん。こんなところで辛気臭い顔してないでさ! あたし達と出かけたほうが絶対面白いって!」

モバP「加蓮、奈緒……」

モバP「まったく、君達は趣味が悪いな。人をコソコソとつけまわして。いったい何が楽しいんだか……」

奈緒「うっそれは」

モバP「いいんだ、私を案じてくれたんだろう。ありがとう。プロデューサー冥利に尽きるよ」




モバP「凛、すまない。君達には心配をかけたみたいだ。その通りだよ、今の私は、正直休みを持て余している」

みく「じゃあPちゃん! これからみく達と―――」

モバP「でも、たまたまなんだ」

加蓮「え?」

モバP「たまたま、今日だけなんだ。普段は違うんだ。もっと予定が入ってて……休みを満喫してて……」

モバP「今日だけなんだ。こう……時間を持て余しているのは。だから、変な誤解をしないでくれ。私は大丈夫だから」




凛「……プロデューサー、どうして嘘をつくの?」

モバP「嘘なんて言ってないさ。それに、君達と遊ぶのはちょっと危険だな」

みく「Pちゃん、みく達と遊びたくないの?」

モバP「そうじゃない。でも、私はプロデューサーなんだ。今注目のアイドルの中に男が居るのはまずいだろう? それは分かってくれ」

みく「前はもっと構ってくれたにゃ。いろんなところ連れてって貰って、いっぱい遊んだにゃ」

モバP「無名のころはそういうこともできた。でも今の君達は周知されているんだ。例え変装していても、もうそんなことはできないよ」

凛「……」

奈緒「……」

加蓮「……」

みく「……」




モバP「すまない、言葉が過ぎたかもしれないな……」

モバP「ただ、ありがとう。私を気にかけてくれたことは、素直にうれしいんだ」

凛「「……プロデューサーはさ、それでいいの?」

モバP「良いも悪いも、これ以外は無いだろう?」

凛「私達、ずっと一緒にやって来たよね。事務所のアイドルの中じゃ、一番古い仲だよね」

モバP「そうだな……」

凛「私達はプロデューサーに支えられてきたから、今があるんだよ。でも、そのせいでプロデューサーが犠牲になっていたなら、素直に喜べない」

モバP「犠牲だなんて、大げさだな。私が嫌々やっているように見えたか? 一度でも愚痴をこぼした事があったか?」

凛「それは……無いけど。でも、今は少しでもそういうことを言って欲しかったって、そう思ってる」

モバP「やさしいな、凛は……でも私は裏方で、矢面に立って批判を受けるのは何時だって君達だ。私の小言まで聞くことは無いんだよ」





奈緒「Pさんは、あたし達を信用してないのかよ? 今のPさんは絶対おかしい。悪いけど、普通じゃない」

加蓮「何かあるなら話してよ。私達、そうやって乗り越えてきたでしょ? もっと頼りにしてよ」

モバP「信用してるさ、一番。アイドルの中で、君達ほど頼りになる娘は居ない……ああ、これはオフレコだからな?」

モバP「でも君達だって、私をもっと信頼して欲しい。今までいろんな失敗はしてきたけど、間違ったことはしてこなかったはずだ」

加蓮「そう、かもしれないけど……」

モバP「それにだ、そもそも私が君達に嘘をついたことがあるか?」

奈緒「そりゃ……無いな、そういえば……」




奈緒「って、違う! 確かにPさんの腕は信頼してるよ。でもあたしたちが心配なのは、今のPさんなんだよ!」

モバP「私の腕を信頼してくれるなら問題無いだろう。何が悪いんだ?」

みく「だから、そこが駄目なんだにゃ……」

モバP「まあ、確かに私にも至らない事はあるさ。でも自己管理ぐらいできているつもりだよ。だから君達も無駄な心配はやめてくれ」

加蓮「無駄? Pさんは、私達を無駄って言うの?」

モバP「い、いや違う。余計な事に気を使う必要は無いって言ってるんだ。せっかくの休みなのに、無為に時間を捨てるんじゃない」

凛「人の事言えるの、プロデューサー?」

モバP「……」




奈緒「な、なあPさん。いまからでもあたし達と―――」

モバP「そろそろ行きなさい」

モバP「こんなところ、あまり人に見られたい光景じゃないからな」

奈緒「で、でもな……」

モバP「流石にこれ以上は容認できない。人も集まってきた……」

凛「……プロデューサーは口が旨いね。でも上辺でどんなことを言ったって、私達を信頼してなんかいない。今日、それが分かったよ」

モバP「凛……私は本当に君達を頼りにしているんだ。ずっと一緒にやってきたなら、分かるだろう?」




凛「そうだね、アイドルとしては頼りにされてるのは分かるよ」

モバP「それの何が不服なんだ。君達には魅力も実力もある。頼っては駄目なのか?」

凛「っ……プロデューサーの分からず屋!」

加蓮「……いいよ、もう行こ」

奈緒「おい、手を離せって! まだ話はついてないぞ、Pさん!」

みく「Pちゃん、ほんとにいいの? みく達行っちゃうよ? そうなったらPちゃん一人だよ?」

モバP「ああ。楽しんでおいで」

みく「……Pちゃんの馬鹿!!」

一旦切

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年05月01日 (木) 01:05:04   ID: OmORtUFh

このプロデューサーは杏に、あったらどうなるんだろーか…

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