となりの神谷さん (252)
第1章 『となりの神谷さん』
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モバP「そういや今日は新人さんの面接日でしたっけ」
ちひろ「え、まさか忘れていたんですか?」
モバP「…、…いやだなあ、忘れている訳ないじゃないですか」
ちひろ「その反応は忘れていましたね…」
モバP「スマン!急で悪いんだが、今日は個々で行ってくれ!」
<えー…めんどくさい…、帰って良い?>
<そんなの聞いてないにゃあ!>
<ひとりでもがんばります!>
<じゃあ、帰ります…>
モバP「おい、なんで反応した2/4が選択肢の中に帰宅が入っているんだ…、おい本当に帰り支度をするんじゃないそこの2名」
ちひろ「きらりちゃん、茜ちゃん、後はよろしくねー」
<任せてください!!行きますよ乃々さん!!>
<杏ちゃん、ほらいっくにー☆>
<<やーめーてー>>
<Pチャン行ってくるにゃ!ちゃんと埋め合わせは考えておくにゃあ!>
<プロデューサーさん、行ってきまーす!>
モバP「…騒がしい奴らだ」
ちひろ「いや、あなたが原因ですからね」
モバP「さて、何時に来るんでしたっけ」
ちひろ「なに急に話題変えてごまかしてるんですか。…えっと14:30位に到着するように来ると言ってましたね」
モバP「どんな子なんですか?」
ちひろ「社長が言うには、『百年に一度の逸材だよキミィ!』と言っていましたが」
モバP「で、ティン、と」
ちひろ「ティン、ですね」
モバP「ティンって女性が言うとエロいですね」
ちひろ「セクハラで訴えます、とりあえず3000MCで良いです」
モバP「良くねーですよ!今月もうキツいんですよ!今日の昼飯だって高槻さんちのやよいちゃんに教わったもやし弁当ですよ!」(ガチャガチャ)
ちひろ「毎度!」
モバP「なにその滅多に見せないような笑顔…、鬼!悪魔!ちひろ!」(フェイフェイダヨー…フェイフェイダヨー…フェイフェイダヨー…)
ちひろ「鬼さんと悪魔さんに対する名誉毀損ですよそれ…」
モバP「え、あなたが言うのそれ」(フェイフェイ10連だと…!?)
キーンコーン
ちひろ「あら、どうやら来たようですね」
モバP「結局事前情報無しですか」
ちひろ「事前情報なんて今までも無かったじゃないですか」
モバP「いや、今までは私がスカウトするか、既に社長がスカウトしてきた娘がいたかでしたし」
ちひろ「まあ、そうでしたけど。…はい、どうぞー入ってください」
<失礼します…ってええええええええええええええええ!!??>
「「え!?何事(ですか)!?」」
改行が少なくて読みづらいの
??「な…なんでPさんが…?」
モバP「えー…新人ってお前なのー…」
ちひろ「?、どうしたんですか?」
モバP「いや…まあ…ねえ…」
ちひろ「え、どうしたんですか?知り合いですか?」
モバP「んー…こいつはです…
社長「おお、来てくれたか!歓迎するよ!」
モバP「へい!社長!ちょっと来てみ?」
社長「応、上司に何て口きいてんだねキミは…」
モバP「いいから」
社長「なにその顔、今まで見たことない位怖い」
モバP「その顔させてるのはあなたですよ…、社長、どこでこの娘スカウトしました?」
社長「ん?この間の仕事の帰りにキミの家の近くまで行った時あったよね?」
モバP「ええ、その節はどうもありがとうございました」
社長「いや、良いんだよ、キミもがんばっている事だしね。ついでだよついで」
モバP「で、その時がなんですか?」
社長「で、私も一服いれようとあそこの近くのコンビニ寄った時にさ、彼女がいたものでついティンと」
モバP「つい、でスカウトしないでくださいよ…」
ちひろ「ティンって、『つい』で出るものなんですね」
社長「…女性がティンって言うとエロいよね」
ちひろ「セクハラで訴えます、モバPさん3000MCで良いです」
モバP「なんで俺!?」
社長「社会人、言葉使い」
ちひろ「長いものには巻かれろっていいますし」
モバP「この権力の犬!守銭奴!」(ガチャガチャ)
ちひろ「そんなに褒められましても鍵クロしか出ないですよ?」
モバP「褒めてない!そして(一応)ありがとう!」
>>4
一行ごとに入れる方が良い?
??(…そろーり、そろーり)
モバP「で、お前は何帰ろうとしているんだ」
??「げ、見つかった」
モバP「すぐ帰ろうとする奴が多すぎるからその手のスキルは身についてな」
??「嫌な事務所だ…」
モバP「そう言うな…お前もその事務所に仲間入りする訳だからな」
ちひろ「あれ?面接も無しにですか?」
モバP「面接なんていらないですよ、こいつに」
ちひろ「そういえばさっきもそんな事言っていましたね」
モバP「ええ、こいつの名前は神谷奈緒、17歳乙女座の千葉出身、趣味はアニメ鑑賞、利手は左、スリーサイズは上かr…」
奈緒「おい、何そこまでバラそうとしてんだよPさん!というかなんで知ってるの!?」
ちひろ「あれ、履歴書でも見たんですか。ってそういえばモバPさんの住所って…」
モバP「ええ、そうです。お隣さんで幼馴染みですよ。それだけ知ってて容姿が可愛ければ面接なんていらないですよ。しかも…」
奈緒「かかか可愛いって…なに言ってんだPさん!バカか!それにまだアイドルやるって決めたわけじゃ…!」
モバP「どうですかこのテンプレっぷり」
ちひろ・社長「採用」
奈緒「え、ええ、えええええええ!?」
◆蛇足話◆
奈緒「まだアイドルやるって決めたわけじゃないんだけど」
モバP「え、やってくれないの?」
奈緒「いや、だってアイドルなんかになれるわけないし…別にあたし可愛くなんてないし…」
モバP「いや、さっきちひろさんと社長も言ってたろ、可愛いって」
奈緒「あんなの社交辞令だろ…現にモバPさんだってあたしの事スカウトしてないじゃん」
モバP「…まあお前に職業のこと隠してたしなあ」
奈緒「じゃあ、やっぱり…」
ちひろ「それは違いますよ奈緒ちゃん!」
モバP「…急になんですか、ちひろさん」
ちひろ「だって言ってましたもんね、昔。かたくなに千葉へ行かない理由を」
モバP「!?、ちひろさんやー、言うなよー」
ちひろ「『身内贔屓になっちゃうかもしれないじゃないですか、特に容姿なんて好みの問題なんですから』」キリッ
第2章 アイドルがやってきた にゃあにゃあにゃあ!
<お疲れ様でーす!>
モバP「あ、安部さん、お疲れ様です」
ちひろ「二日酔いは大丈夫ですか?」
奈々「何言ってるんですかちひろさん!奈々は17歳なんだからお酒なんて飲みませんよ!あとモバPさん、年下なんだからさんづけは止めてください!」
モバP・ちひろ「「すみません、安部さん」」
奈々「だーかーらー!」
奈緒「あ、ああ、あああ…アイドルがいる!」
モバP「何言ってんだお前、そりゃアイドル事務所なんだからアイドルはいるだろう」
奈緒「いやあ、誰もいなかったからてっきりモバPさんのドッキリかと」
モバP「なんでお前にそんな大掛かりなドッキリ仕掛けなきゃならないんだよ」
奈々「んん?この子、新しく入ってきた子ですか?」
奈緒「は、はいっ!神谷奈緒、17歳です」
奈々「奈々と同い年ですねー!よろしくお願いします!キャハッ☆」
モバP「お、おう」
ちひろ「せやな」
奈緒「よろしくお願いします!安部さん!」
奈々「先輩とはいえタメなんだから奈々で良いですよー」
モバP「ちなみに奈々さんと同じ千葉出身ですよー」
奈々「そりゃ奇遇ですnって奈々は千葉出身じゃありません!ウサミン星出身です!」
ちひろ「【悲報】ウサミン星は千葉にあった…!? …売れる!」
奈々「自分の事務所のアイドルを売らないで下さい。どこの○スポですか」
奈緒「ってかあれ?どこかで見たことあるような……んん、もしかして奈々お姉ちゃん?」
モバP「…はい、どうぞ奈々さん」
奈々「安部奈々、17歳です☆」
ちひろ・モバP「おいおい」
奈々「って、何やらせるんですかー!奈々は17歳教には入っていませんよー!」
奈緒「いや、確かに奈々さんって声優も良くやってるし、声当ててるアニメも見るけどさ、そうじゃなくて」
奈々「うん?あれ?もしかして千葉出身で17歳って…当時から逆算すると…あれ、近所に住んでいた奈緒ちゃん?」
奈緒「そうです!奈緒です!え、ていうか当時から変わってなくないですか?」
奈々「ぴ、P!」
モバP「はい、なんでしょうか」
奈々「え、知ってたの?」
モバP「今日来るのが奈緒だって事は来てから初めて知りました」
奈々「あれ?Pがスカウトしてきたんじゃないの?」
モバP「奈々姉、知ってるでしょ、俺が千葉しかも地元の人間をスカウトしないようにしてるの」
奈々「…社長?」
モバP「ええ」
奈々「なんで止めてくれなかったの!?」
モバP「止められてたら止めてましたよ…」
奈々「え、えー…もしかして奈々と同じパターンですか…」
モバP「ティン、ときたって言ってました」
奈々「きちゃったかー」
モバP「というわけで来ちゃったものはしょうがないので、今に至るわけです」
奈々「まあ奈緒ちゃん可愛いもんね、キャラも容姿も」
モバP「多分、奈々姉が知ってる頃より磨きがかかってますよ」(動画再生
<かかか可愛いって…なに言ってんだPさん!バカか!それにまだアイドルやるって決めたわけじゃ…!>
奈々「え、何この子、持って帰って良い?」
モバP「気持ちはわかりますがダメです」
奈緒「おーい、Pさーん、何お姉ちゃんと二人で内緒話してるんだー」
奈々「奈緒ちゃんが可愛いってモバPさんとお話してたの」
奈緒「か、かわっ!?」
モバP 動画ポチー
<かかか可愛いって…なに言ってんだPさん!バカか!それにまだアイドルやるって決めたわけじゃ…!>
奈緒「え、いや、え!?何!?撮ってたの!?いつの間に!?つーか撮るなよ!」
モバP「いや、俺は撮ってないんだけどさ、さっき動画が共有されてきた」
奈緒「誰から!?」
モバP「あの人から」親指クイッ
ちひろ Σd(゚∀゚)
奈緒「ちひろさーん!?」
奈々「というかさっき気づかずに奈緒ちゃんに言ってた事って…」
ちひろ「『奈々と同い年ですねー!よろしくお願いします!キャハッ☆』」
モバP「『先輩とはいえタメなんだから奈々で良いですよー』」
奈々「…ああああああああああああああああああ!!!!」
◆蛇足話◆
モバP「ちひろさんちひろさん」
ちひろ「はい、なんでしょうかモバPさん」
モバP 動画ポチー
<『奈々と同い年ですねー!よろしくお願いします!キャハッ☆』>
ちひろ「」
モバP「私、このちひろさん意外に嫌いじゃないですよ」
ちひろ「誰ですか、こんなくだらない動画撮ってたのは」
モバP 親指クイッ
社長 Σd(゚∀゚)
ちひろ「……ちょっと席外します」
モバP「はーい」
ナニトッテルンデスカー!!!ハヤクケシナサイ!!!
ナナトオナイドシデスネーヨロシクオネガイシマス、キャハ☆
トルナ,ナガスナ,キョウユウスルナ!
ギャーーーーー!!!!
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!ナナノクロレキシガアアアア!!!!
モバP「…平和だなあ」
これは期待
ウサミンは「菜々」だよね
<なんなのにゃ、この地獄絵図は…>
モバP「おーう、お疲れみくー。すまなかったな、送迎するって言ってたのに」
みく「本当にゃ、だから膝の上に乗せてねぎらうにゃ」
モバP「おい、アイドル」
みく「冗談にゃ、それよりなんなのにゃ、あれは」
モバP「…奈々さんを起点として自爆した方々かな」
みく「なんだいつもの事かにゃ」
奈緒「…なんだか随分仲が良いな」
モバP「おお、復活早いな」
奈緒「なんか、奈々お姉ちゃんとちひろさんと社長さん見てたら落ち着いてきた」
モバP「ああ、うん」
>>16-17
やっべ、字間違えて打ってた…
しかも間違ってた奴のコピペだから書きため分それだわ…
指摘ありがとうです。残り修正してきますです。
みく「新人さんかにゃ」
奈緒「神谷奈緒、17歳です。よろしくお願いします」
みく「奈緒チャンかにゃ、よろしくにゃ」
奈緒「随分モバPさんと仲が良いようで」
みく「んにゃ?まあPチャンとは長い付き合いだからにゃ」
モバP「確かに就職した当時に出会ったから、結構長いなあ…」
みく「当時の駆け出しプロデューサーだったPチャンに熱く口説かれてこっちのプロダクションに移籍してきたにゃ!」
奈緒「モバPさんがそんな軟派野郎だったなんて…」
モバP「おう、待てやみく、記憶を捏造するんじゃない」
みく「にゃははは、そうだったかにゃー、ただまあ付き合いは長いにゃ」
モバP「まあ、そうだな」
奈緒「ふーん…?」
みく「…もしかしてジェラシーかにゃ?」
奈緒「ななな何言ってんだ!?そんな訳ないだろ!?」
みく「あら、随分テンプレ的な反応にゃ」
奈緒「」
モバP「みく、その辺にしといてくれ。からかうとこいつすぐフリーズするから」
みく「…ふーん?それにこの位のスキンシップはここの事務所のアイドルだったら普通にゃ」
奈緒「どうしてだ?」
みく「見てればわかるにゃ」
<ボンバー----------!!!!>
モバP「ふごっ!」1hit!
<おっつおっつばっちし!>
モバP「ぐっはあ!」2hit!
<そこはもりくぼの居場所なのでどいて下さい…>
モバP「ドゥン!?」3hit
<うっきゃあああ~Pちゃん分充電だにぃ☆>
モバP「うわあああああ」4hit! 5hit! 6hit!
<もう疲れた…一歩も動けない…あ、そうだ飴ちょーだい>
モバP「ぐふう!」7hit!
奈緒「なんであんなに綺麗にコンボ決まってるのさ…」
みく「いつもの事にゃ」
奈緒「というか…あれはスキンシップなのか…?」
みく「…まあ、ちょっとみんな元気が良いだけにゃ」
奈緒「…ちょっとか?」
みく「…ちょっとにゃ」
奈緒「………」
みく「………」
みく「…ごめん、嘘ついたにゃ」
奈緒「だよな…あれはちょっとじゃないよな…」
みく「にゃあ…」
つーわけで一旦ここで切れます。
3日から1週間位を目処に書き溜めてまた来ます。
言い訳をさせてもらうとモバマスSS自体は初めてで、
SS書くの自体は約8年振りなんです…
とはいえ、言い訳自体はあれなのでもうしませんが、
誤字とかの指摘は貰えると助かります。
それではまた。
>>25
関くんの真似してポシャる奈緒
かわいい(確信)
再開します。
再開します。
再開します。
すみません、なんかブラウザがおかしくて無駄な連投しました。
モバP「…という訳で、今日からお前達の仲間となる神谷だ」
奈緒「神谷奈緒です!よろしくお願いします!」
<パチパチパチパチ>
モバP「よし、じゃあ親睦を兼ねた質問タイムなー」
卯月「はい!」
モバP「はい、じゃあ卯月」
卯月「島村卯月、17歳です。奈緒ちゃんよろしくね」
奈緒「よ、よろしく…?」
モバP「奈緒ー、卯月は(正真正銘)17歳だぞー。そんなに俺と菜々さんの顔を戸惑った顔で見るなー」
奈緒「…よろしく!」
菜々「なっ!菜々だって17歳ですよ!」
モバP・ちひろ「「おいおい!」」
菜々「だーかーらー!」
奈緒「菜々お姉ちゃん、話が進まないから先進めて良いか?卯月も苦笑いしてるし」
菜々「うう…どうぞ…」
卯月「…」
モバP「卯月ー、どうしたー?」
卯月「あ、ああいや、ごめんなさいプロデューサーさん。ぼーっとしてました」
モバP「なんだ珍しいな、で、卯月はどんな質問だ」
卯月「…んーと、奈緒ちゃんはどこからきたの?」
奈緒「あたしは千葉に住んでるんだよ、ここから大体1時間位の所かな?」
卯月「あ、じゃあウサミン星と一緒ですね!」
モバP「ミミミンミミミン!チーバミン!」
菜々「ウサミン星は千葉じゃありません!」
ちひろ「…卯月ちゃん、あまり菜々さん刺激しちゃだめよ?話が進まなくなっちゃうから」
卯月「?」
奈緒・ちひろ(…え、素で言ってたの?)
モバP「…はい、次!」
◆蛇足話◆
モバP「…と、いうわけで皆と仲良く出来そうか?」
奈緒「とりあえず皆良い奴そうで良かったよ」
モバP「なら、良かった。ちなみに誰が印象に残った?」
奈緒「何か大きい人と小さい人がいたんだけど…」
モバP「あー、きらりと杏か」
奈緒「あの二人、何センチ差があるの?」
モバP「182と139だから…43センチかな」
奈緒「あたしと同じ17歳とは思えない…」
モバP「菜々さんも17歳だろ!いい加減にしろ!」
奈緒「誰も菜々お姉ちゃんの事は言ってないんだけど!」
モバP「後、茜も17歳だな」
奈緒「あの子凄い元気だよね」
モバP「全速力でぶつかられると宙に飛ぶんだよね、大人の男がさ」
奈緒「さっきも見てたけどどんな威力なのさ…」
モバP「別名が暴走トラックだからな」
奈緒「扱いが交通事故!?」
モバP「まあ、アイドルも多種多様な時代だからな、キャラも威力も強い方が良いんだよ」
奈緒「というか17歳多いな」
モバP「17歳はロマンだからな」
奈緒「……」
モバP「…応、そのジト目やめろや」
奈緒「いや、いいけどさ」
モバP「というかその中にお前も入ってるんだけどな」
奈緒「?、………、~~~~っ!?」
第3章 アイドル、アイドルってなんだ
モバP「さて、皆に挨拶したし、後はあれ決めなきゃなあ…」
奈緒「あれって?」
モバP「今後に関わることなので、割と重要な事だ。属性決めしなきゃならんのよね」
奈緒「炎とか水とか?」
モバP「…お前はポ○モンにでもなるのか」
奈緒「まだゲーム制作部(仮)の方が合ってるのか?」
モバP「炎属性でもやるか?」
奈緒「…やめてくれ、あたしが悪かった」
モバP「まあ、真面目な話さ、どんなアイドルになりたいんだ?」
奈緒「どんなって言われてもなあ…」
モバP「アイドルも多種多様な時代、とは言ったがある程度大まかな属性があるんだよ」
「アイドル戦国時代とは言われているだけあってかなりの数のアイドルが世の中にはいる」
「その中で業界としておおまかな枠とアイドル登録制のシステムを新しく作ろう、という事であの超大手の765プロが主導で枠決めを作ってな」
奈緒「765さんはあたしでも知ってる。如月千早さんや天海春香さん、星井美希さんがいるところだろ?」
モバP「ああ、で、その中のシステムへ登録する際に属性選択があって、Cute/Cool/Passionのどれかを選択する必要があるんだよ」
奈緒「つまり、その3属性からあたしの売り出す方面を決める、と」
モバP「そういう事。たとえばさっき奈緒が挙げた765の3人だと天海がCute、如月がCool、星井がPassionってところだな」
奈緒「これはプロデューサーが決めるんじゃないのか?」
モバP「その場合もあるし、自分で決める場合もある。菊池なんかは自分でCuteにしてたしな…」
奈緒「ええ…、菊池って菊池真さんでしょ…」
モバP「しょうがないんだよ、自己申告だったんから…。だからCute属性なのにCoolの客も取れるからやっかいなんだよなあ…」
奈緒「もしかして、それで生っすかとかで『まこまこりん♪』とかやってたのかあ…」
モバP「…、…ああ」
奈緒「?、何だよモバPさん」
モバP「いや、うん、まあ、なんだ、そのな」
奈緒「なんだよ?」
モバP「お前もCuteでやってけるんじゃね?」
奈緒「…?…!?っっっっっっっっ!!!」
モバP「やめ、おい、殴んな!ちょ、いたっ、痛いって!」
奈緒「う、うっせー!このバカ!おま、もう、バカか!」
モバP「今のは俺悪くないだろ!?」
奈緒「良いから殴られてろ!」
モバP「やだよ!自爆までは責任とれねーよ!」
ギャーギャー!! ワーワー!!
ウルサイデスヨモバPサン!トリアエズスタドリ10セットデス!!
ナンデ゙!?オカシイデショ!?
…………。
モバP「はあ、はあ、んでどうするよ…」
奈緒「っく、はあ、はあ、…と言われてもなあ」
モバP「まあ、すぐに決める必要は実は無くてだな」
奈緒「そうなのか?」
モバP「ああ、今度新人の登竜門であるルーキー向けのLIVEバトルのイベントがあってな、そこまでに登録すればいいからさ」
奈緒「…ちょっと安心した」
モバP「そうだな、それまでにレッスンとか準備は色々あるしな。ちょうどいい、1時間後に菜々さんのレッスンがあるから一緒に参加してこい」
奈緒「今からか!?」
モバP「別に今やろうが、明日やろうが大して変わらんよ。それに菜々さんとならやりやすいだろ?」
奈緒「確かに菜々お姉ちゃんとならいくらか楽かもしれないけどさ…。はあー…今からか…」
モバP「ついでにアイドルについて聞いてこい、属性決めにも今後どう活動するかも定まるかもしれないからさ」
奈緒「…わかったよ」
モバP「まあ、不安なのはしょうがない。けど、お前なら出来るさ、俺が保証してやる」
奈緒「…ん、ってか頭撫でんなよ、モバPさん」
モバP「はっはっはっ、小さい頃からやられてた事に今更何を言ってやがる」
奈緒「まあ良いけどさ…」
ここで一旦中断です。
また、1週間書き溜めてきます。
>>26
そんな事言われたら、となりの関くんパロとかちょっとやってみたくなっちゃっただろ!
…横井さんは凛ちゃんで。
細かいことで悪いが菊地真だよ
>>42
指摘thx。
まだ誤字が残ってたか…
神谷奈緒(17)
http://i.imgur.com/QEhKiif.jpg
http://i.imgur.com/I1W1jvW.jpg
安部菜々(17?)
http://i.imgur.com/tBf73q1.jpg
http://i.imgur.com/GmUotkW.jpg
前川みく(15)
http://i.imgur.com/yUbpS6m.jpg
http://i.imgur.com/eOtY37v.jpg
島村卯月(17)
http://i.imgur.com/HZR1rfy.jpg
http://i.imgur.com/S5iKWdR.jpg
奈緒「菜々お姉ちゃん」
菜々「あれ、奈緒ちゃんどうしたの?」
奈緒「Pさんから一緒にレッスン参加してこいって」
菜々「そうなんだー、じゃあ一緒に行こうか」
奈緒「そういえば、レッスンって何やるんですか?」
菜々「んーっと、基本的にはダンス、ボーカル、ビジュアルの三つにプラスしてその他諸々をやる感じかな?」
奈緒「いかにもって感じだなあ」
菜々「まあ、アイドルって言っても才能だけじゃどうにもならないですしね。やっぱり努力は必要です」
奈緒「なんで菜々お姉ちゃんはアイドルになろうと思ったの?」
菜々「菜々はですね、小さい頃からずっとアイドルに憧れてたんですよ」
奈緒「昔、Pさんと菜々お姉ちゃんの家に行った時に鏡の前でポーズ取ってたのもそれの練習だったのかあ」
菜々「え゛」
奈緒「え?」
菜々「…見てたの?」
奈緒「う、うん」
菜々「Pと一緒に?」
奈緒「Pさんと一緒に」
菜々「えー…」
奈緒「え?あれ?知らなかったんですか?」
菜々「あー…だから私が働いていたメイド喫茶に来たとき笑ってたんですねー…」
奈緒「ははは…」
菜々「で、話を戻すけれど、ただ単に憧れてたのもあって、地下アイドルも兼ねているメイド喫茶でバイトをしててね」
「そこでもファンになってくれる人がいたの」
「そんな人たちと触れ合ってる内に凄く楽しくなっちゃってね、本気で目指し始めたの」
奈緒「ん?でも菜々さんが出始めたのって最近ですよね?」
菜々「うん、それでね、辞めようかなと思ってた時に今の社長からスカウトされて今に至るんです」
奈緒「…菜々お姉ちゃんも大変だったんだな」
菜々「社長とPのおかげで今は凄い楽しいですけどね! …あ、ここがレッスンルームですよ」
奈緒「いよいよか…」
ちひろ「そういえば奈緒ちゃんはどうしました?」
モバP「菜々さんと一緒にレッスン場に向かわせました」
ちひろ「え、初日に?」
モバP「何か問題でも?」
ちひろ「いや、大体いつも顔合わせと面談だけじゃないですか」
モバP「いつもより面談が短いですからね。時間も余りましたし」
ちひろ「あ」
モバP「だから、そういうこと」
モバP・ちひろ「「ヘーイ!」」
ちひろ「あの人、どこ行ったんですかね」
モバP「又、海の向こうにしばらく行くって言ってましたからねえ…」
ちひろ「まあ彼女なら大丈夫でしょう、というかモバPさん好きですね彼女」
モバP「あのキャラ面白すぎるでしょ、かといって慢心している訳でもないし」
「私はキャラ徹底している人と向上心がある人は好きですよ」
ちひろ「だからモバPさんがスカウトをするとキャラが極端な人に偏るんですかね…」
モバP「その為にここにいるんですから」
ちひろ「…まあ、そうですね、というかレッスンする前に属性決めたんですか?」
モバP「いや、決めてないですね。方向性とかもまだです、本人も定まってないようですし」
ちひろ「うわあ…また出ましたね、その適当っぷり。トレさんも可哀相に…」
モバP「その為に菜々さんと一緒にレッスン受けさせているんですから。事前にトレさんにも事情は伝えてますよ」
ちひろ「そんなことばかりやってると、また契約切られますよ…。次切られたらモバPさんが探してきて下さいよ」
モバP「それは困るなあ…、まあ、大丈夫でしょ」
ちひろ「じゃあ、菜々さんと同じCuteでプロデュースするんですか?確かに可愛かったですけど」
モバP「んー…どうしましょうかね…。個人的にはCuteじゃないんですけどね」
ちひろ「?、じゃあ何で菜々さんとレッスン受けさせているんですか?」
モバP「旧知の仲、というのもありますが、菜々さんとレッスン受けていれば何か見えるんじゃないかな、と思いまして」
ちひろ「相変わらず信用の高さ…」
モバP「千葉県民ですからね!」
ちひろ「そこはふざけなくても良いんじゃないですかねえ…」
モバP「まあ、色々あるんですよ。立場上」
ちひろ「色々ですか」
モバP「色々ですよ」
ちひろ「…まあその辺はいいでしょう。じゃあ、今日のレッスンを踏まえてまた明日決める感じですかね」
モバP「んー、明日の朝には結果報告出来るかもしれないのでシステム登録の手続きをお願いします」
ちひろ「新規登録の手続きの締め切りが午前中なんですが間に合うんですか?」
モバP「大丈夫ですよ、きっと」
ちひろ「えー…、根拠の無い予定で進めるのはやめて下さいよ…。あの申請手続きが面倒くさいんですから。前の時も急にあれやこれや…」
<おっつかっれさまでーっす!>
モバP「あ、帰ってきた。じゃあ、ちょっと行ってきます」
ちひろ「あ、ちょっと、逃げないで下さいよ!…もう」
◆蛇足話◆
ちひろ「あ、菜々さんお疲れ様です!」
菜々「お疲れ様です!ちひろさん!」
奈緒「おつかれ…さま…です」
ちひろ「あれ、奈緒ちゃん随分とへたってますね」
菜々「今日のレッスン、結構厳しかったですからねー」
ちひろ「…お疲れ様です!」
菜々「いや、何バン○リン渡そうとしているんですか!17歳の菜々には必要ないですよ!」
ちひろ「明後日の筋肉痛に効きますよ?」
菜々「何であたりまえのように2日遅れなんですか!」
ちひろ「って言えってモバPさんが」
菜々「ぴ、Pー!?」
ちひろ「冗談ですよ。はい、タオルとスタドリです」
菜々「…ありがとうございます」
ちひろ「はい、奈緒ちゃんも、ってあれ?自分で用意してたの?」
奈緒「いえ、モバPさんが渡してくれました」
菜々「んふふー」
ちひろ「何ですか菜々さん急に」
菜々「ふふふふふ、菜々は知ってます。それはPさんの私物だってこと!」
奈緒「え゛?」
ちひろ「ああ、どうりで会社の支給されている物と違うんですね」
奈緒「…」
ちひろ「…」
菜々「…」
奈緒「」プシュー
菜々「…じゃあ、奈緒ちゃん連れてシャワー浴びてきまーす」
ちひろ「いってらっしゃーい」
ちひろ(私は知っている)
ナオチャーン、シャワーデスヨー
ミズバシャー
ツメタッ!ナンダココ!
ちひろ(あのスタドリはマイスタだという事を…!)
チョ、ナナオネエチャン!?
ヤメ、ヤメテー!?
ちひろ「…とりあえず、帰ってきてから奈緒ちゃんに伝えよう」 カメラ準備
-P宅-
とっとっと、コンコン、ガラガラガラ、ぴしゃっ
モバP「おう久しぶり、いらっしゃい」
?「お邪魔しまーす」
モバP「お前、昔はそんなこと言ってなかったろ」
?「うるさいな、久しぶりなんだからしょうがないだろ」
モバP「何年ぶりかね」
?「さあな。もう覚えてないね」
モバP「まあいいや、で、そんな振りに来る位のお話かな。奈緒さんや」
奈緒「アンタ、絶対来るってわかってただろ…」
モバP「そらそうよ。何年の付き合いだと思ってんだ」
奈緒「へーへー、降参ですよ、プロデューサー様」
モバP「…何かお前に言われるとキモいな」
奈緒「担当アイドルに言う言葉じゃ無いよなあ…」
モバP「今更だな」
奈緒「今更だね」
モバP「で、まあ大体わかるけどどうした?」
奈緒「属性のことだよ」
モバP「キュートやる?菜々さんみたいに」
奈緒「あれは無理だろ…」
モバP「やれるやれる。千葉が生んだCuteなユニット、7770(ナナナオ)!てな具合に」
奈緒「菜々さんはウサミン星出身じゃ無いのか…」
モバP「…うーん、じゃあ、奈緒もウサミン星人になるか?」
奈緒「マジでやめてくれ…」
モバP「レッスン場で何かあったのか」
奈緒「…何も無かったよ」 カアアアア///
モバP(あ、これ絶対何かありましたわ)
モバP「…メルヘンデビュー?」
奈緒「今、思い出しても恥ずかしい…」
モバP(ちひろさんか社長に撮ってないか聞こう)
モバP「んー、じゃあパッションやる?」
奈緒「パッションねえ…てゆーかクールの選択肢は無いのか?」
モバP「ん、クールがいいの?」
奈緒「格好良いしさ、一番恥ずかしくなさそうじゃん?」
モバP「いやあ、そんな事は無いと思うよ」
奈緒「千早さんとかストイックな歌姫、みたいな感じで格好良いじゃん」
モバP「瑠璃の歌姫…」
奈緒「」
モバP「やる?ラブリービーム」
奈緒「…いや、いい」
モバP「この世の全てに感謝しちゃう?」
奈緒「そっちはダメだ」
モバP「てな具合にまあどこに属しても恥ずかしい事はすると思うよ?」
奈緒「どうしよう…」
モバP「まあ、アイドルってさ、自分はこれだけ凄いんだ、って自分自身を出して表現するわけだから、恥ずかしいのなんて当たり前なんだよ」
「でも皆さ、その中でどれだけ自分と向き合って、自分の中の恥ずかしさとかそういうものを飲み込んでアイドルになるんだ」
奈緒「…よくわかんないなあ」
モバP「菜々さんとレッスンしたけどさ、菜々さんは恥ずかしかったか?」
奈緒「やってることは恥ずかしそうな事なのに、凄い楽しそうで、凄い輝いてた」
モバP「だろ?菜々さんはああいうキャラで売ってるけど、やっぱりアイドルなんだよ」
奈緒「…うん」
モバP「まあ、奈緒はクールで良いと思うよ。実際格好良い売り方が多いしな」
奈緒「う、うん」
モバP「決めるときは決めるし、そういう所は凄い格好いいし、俺は向いていると思う」
奈緒「うん」
モバP「それに別にクールでも可愛い格好とか出来るしな」
奈緒「…うん?」
モバP「めっちゃゴシックとかメイド服とか着せたい、いや着せる。…よし決めた、クールで可愛いのを目指そう」
奈緒「モバPさーん…ちょ、ちょっと~?」
モバP「すげえ楽しみだなこれ、よしちひろさんに…」
奈緒「止まれ!」 ゴスッ
モバP「ふぁん!?…いってえ…つーかこんなやり取りも久しぶりだな」
奈緒「モバPさん、社会人になってから余り会わなくなったけど中身変わってないな…少し安心した」
モバP「いや、そんな簡単に変わらんだろ、ってか安心したって何よ」
奈緒「なんか、事務所にいた時は雰囲気が違ってたからさ」
モバP「そりゃ社会人になれば対応を変えなきゃならんからなあ。特にプロデューサー業なんて」
奈緒「だからかね、でもやっぱりモバPさんはモバPさんだったわ」ポフッ
モバP「おう、急に寄っかかってくんなやアイドル」
奈緒「文句いうなよ、昔は良くやってただろ」
モバP「恥ずかしくねーの?」
奈緒「恥ずかしいに決まってんだろ」
モバP「…まあ、良いけどさ」
ここにて一旦中断です。
次はもう少し早く来られるようにがんばります。
>>44
あざっす。
第4章 Knocking on Idol's Door
ちひろ「モバPさん」
モバP「はい」
ちひろ「奈緒ちゃんの属性の件ですが」
モバP「はい」
ちひろ「結局Coolで登録しましたね」
モバP「本人の希望もありまして」
ちひろ「Cuteかと思ったんですけどねー」
モバP「ああみえて、決めるときは決める格好良いやつですよ」
ちひろ「俺だけが知ってる奈緒、ですか」
モバP「なんですかその少女漫画的なアレは」
ちひろ「いやー?べつにー?」
モバP「腹立つな!声可愛くなかったら殴ってるわー」
ちひろ「打撃系など花拳繍腿!関節技こそ王者の技よ!!」
モバP「え?そっち!?」
ちひろ「そういえばサブミッション系アイドルっていないですよね」
モバP「アイドル、アイドルってなんだ」
ちひろ「いや、モバPさんそういう娘ばかり連れてくるじゃないですか。ニート系とか」
モバP「あれはもう何というか親御さんに頼まれたというか」
ちひろ「…しかし、うちのプロダクションってCoolの娘少ないですよね」
モバP「んー、何かこうティンと来ないんですよねー」
ちひろ「乃々ちゃんはティンと来たんですか?」
モバP「面白すぎるでしょ、あいつ」
ちひろ「しょっぱなから『アイドルなんてむーりぃー』でしたからね」
モバP「アイドルやってるのにね」
ちひろ「…あれ?乃々ちゃんってスカウト組じゃないんでしたっけ?」
モバP「乃々は確か拾ってきた、というか楽屋から脱走してるのをみつけて捕まえてきたら当時乃々が所属していたプロダクションから押し付けられた」
ちひろ「何か今とあまり変わって無いですね乃々ちゃん」
モバP「まあ、思春期特有の何かでもあるんじゃないですかね、難しい年頃ですから」
ちひろ「14歳ですからねえ」
モバP「まあ、面白く無くなってきましたらちゃんと指導しますよ」
ちひろ「…モバPさん、面白いかどうかでアイドル連れてくるの多すぎません?」
モバP「面白くないの連れてきてもねえ…、プロデュースのやる気が起きないですし」
ちひろ「菜々さんの影響ですかね…」
モバP「それはあるかもしれませんねえ、一番身近にいたアイドルですし」
ちひろ「…」
モバP「…」
ちひろ「…ミミミンミミミン」
ちひろ・モバP「ウーサミン!」
モバP「あれを全力でやりきりますからね」
ちひろ「しかも、キツさを感じさせないという…、同姓から見ても凄いですよ菜々さん」
モバP「だから、私の中の基準って菜々さんがアイドルの基準になってるんですよね」
ちひろ「ハードル高く無いですか?」
モバP「…まあ、そうなんですけど。でもあれだけの根性とプロ意識、向上心がなければトップアイドルは無理でしょ」
ちひろ「ベタ褒めじゃないですか」
モバP「じゃなきゃ身内(みたいなもん)をプロデュースしてないですよ。ただでさえ甘くしちゃうし、甘えちゃうでしょ」
ちひろ「…凄い信頼してますね」
モバP「…後は元々憧れのお姉さんでしたしね」
ちひろ「いつもあれだけからかってるのにですか」
モバP「照れ隠しもあるんですよ」
ちひろ「べた惚れじゃないですか、アイドルに手出さないでくださいよ」
モバP「当たり前でしょ。アイドルには手出しませんよ」
ちひろ「…そうですか」
モバP「まだ、プロデューサー業辞めたく無いですからね」
ちひろ「…」
モバP「…」
ちひろ「…アイドル『には』って事はアイドルじゃ無い私には手を出すと」
モバP「!?」
モバP「いや!?出しませんけど!?絶対出さねえよ!?」
ちひろ「言葉使い乱れてますよ」
モバP「ああ、いえ、すみません、いや、というかちひろさんが変な事いうからでしょ」
ちひろ「女としてのプライドが傷つきました、とりあえず10連で良いです」
モバP「おかしくない!?」
ちひろ「いいから」
モバP「…はいはい、回してきますよ」
奈緒「おつかれさまでーす」
モバP「おつかれー」
奈緒「…何見てるんだ?」
モバP「んー?この前の菜々さんのLive映像」
奈緒「へー、凄い盛り上がりだなあ」
モバP「まあなー。今や中規模な箱位ならば満員にできる位の人気はあるぞ」
ちひろ「うちの稼ぎ頭ですからねえ」
奈緒「…」ポケー
モバP「奈緒ー?」
奈緒「…、…ん?」
モバP「いや、何か凄い見入ってるなと思って」
奈緒「これが菜々お姉ちゃんかー、と思ってさ」
モバP「菜々さん、あれだけ事務所内じゃ弄られているけど、本当は凄いんだぞ?」
奈緒「弄ってるのって主にモバPさんとちひろさんじゃ…」
モバP「…」
ちひろ「…」
奈緒「…」
モバP「で、だな」
奈緒「あ、無かった事にしたな」
ちひろ「そんな事実は存在しない。いいですね?」
奈緒「アッハイ」
モバP「で、だな、一度菜々さんのLiveだけど見学するか?」
奈緒「いいのか?」
モバP「ちひろさん、菜々さんの来週のLiveと奈緒のレッスンスケジュールって被って無いですよね?」
ちひろ「ちょっと待って下さいね、……はい、大丈夫ですよ。関係者席取ります?」
モバP「んー、それはいいです。舞台袖から見せますよ」
ちひろ「わかりました。じゃあ、関係者登録だけしておきますね」
モバP「お願いします。…というわけで、来週は菜々さんのLive見学です。お前もそのうちやるから良い参考になるぞ」
奈緒「えー、あたしもLiveとかやるの」
モバP「何の為に今レッスンしてると思ってんだ」
奈緒「いや…、こういう格好ってあたし似合わないでしょ」
モバP「そんなことは無いと思うけどな。まあ、そういうところも含めて菜々さんから学べ」
奈緒「…わかった」
ここで一旦中断です。
では、また。
菜々『ミミミンミミミンウーサミン!ハイッ!』
(ミミミンミミミンウーサミン!)
菜々『ミミミンミミミンウーサミン!ハイッ!』
(ミミミンミミミンウーサミン!)
菜々『まっだまだ行きますよー!』
(うーどっかーん!)
モバP「今日はファンも菜々さんもキレッキレだなー」
奈緒「事務所で観たライブ映像よりも凄いな…」
モバP「実際見てどうよ」
奈緒「もの凄いキラキラしてるし、皆凄い楽しそう」
モバP「菜々さんはさ、魅せる事やファンを楽しませるのが上手いんだよ」
奈緒「皆楽しそうだもんな」
モバP「そうだな。でもな、どうして皆楽しそうにしているんだと思う?」
奈緒「菜々さんのダンスや歌の技術が高いから?」
モバP「うん、まあそれもある。真面目にレッスンもしてるし経験も積んでるからな。でもそれ以上にな」
奈緒「…それ以上に?」
モバP「自分の魅力や感情を表現するのが上手いんだよ」
奈緒「…」
モバP「アイドルっていうのはさ、ファンに『アイドル』という姿を見せなくちゃならないんだよ」
「それが現実だろうが虚構だろうがね。ファンは何をアイドルに求めるか」
「それは自分の理想であり、嗜好であり、夢であり、拠り所だったりな」
奈緒「まるで宗教だな」
モバP「ああ、そうだな。その表現は上手いな。なんていったって偶像(アイドル)だからな」ケラケラ
モバP「だからこそ、アイドルはライブを通して、メディアを通して自分を『表現』するんだ」
「そして、その『表現』に魅了された人達がファンになるんだよ」
奈緒「前、二人で話していた時もそんな事を言ってたような…」
モバP「その時はお前『…よくわかんないなあ』とか言ってたけどさ、実際見てみてどう?」
奈緒「…なんとなくだけどわかったような気がする。少しだけだけど」
モバP「うん、まあ今はそんな感じでいいかな」
モバP「菜々さん、お疲れ様です、スタドリ用意しておきました」
菜々「ありがとうございます、モバPさん」
モバP「いえ、今日は調子よさそうですね」
菜々「はい!ファンの皆もノリが良いですし、今日は奈緒ちゃんも見てますからね!」
モバP「じゃあ、その調子のまま突っ走りましょう!」
菜々「はい!…とそうだ、あとちょっと提案があるんですけど」
モバP「はい?どうしました?」
ゴニョゴニョゴニョ
菜々「てな感じなんですけど面白くないですか?」
モバP「悪い顔をしていらっしゃる…、それ本当に大丈夫ですか?」
菜々「んー、菜々は大丈夫だと思いますよ?もしダメだったら菜々がフォローしますし」
モバP「…わかりました。おーい奈緒ー」
奈緒「ん?どうした?何か手伝いか?」
モバP「手伝いといえば手伝いかなあ…」
奈緒「なんだよ…、ってなんか菜々お姉ちゃんが悪い顔している!?」
モバP「今日の菜々はブラックウサミンだからな…」
奈緒「え、なにそれ」
菜々「ブラックウサミンはイタズラ好きなんです!」
モバP「いたずら黒ウサミン…」
奈緒「おい、やめろ」
奈緒「ってええええええええ!!!!????」
モバP「おう、声でけえよ、ライブ中だぞ」
奈緒「スマン…ってモバPさんのせいだよ!?」
モバP「あの顔している時の菜々さんは止められないんだよ…」
奈緒「いや、確かに何度か経験しているからわかるけどさあ…」
モバP「な?」
奈緒「な?って言われても無理無理無理!絶対無理!」
モバP「と言っても、多分菜々さん無理矢理にでも出させるぞ?」
奈緒「って言われたって絶対無理だって!いきなりライブに出ろって!」
菜々『今日はですねー!何とうちの事務所の新人さんを連れてきましたよー!!』
(うおおおおおおおおおおおおお!!!!!)
菜々『しかもー!菜々と同じ17歳ですよ!花のJKです!』
(おいおい!!)
菜々『菜々は17歳教には入ってません!恥ずかしがり屋さんなので皆で呼んでみましょう!奈緒ちゃーん!』
(なっおちゃーんっ!!)
モバP「ほら」
奈緒「…っ、わーかった!今回だけだかんなっ!」
モバP「おう、今後も期待してるわ」
奈緒「わかってねーじゃねーか!」
モバP「あ、そうだ」
奈緒「なんだよ!」
モバP「今回、頑張ったら何か一つ言う事聞いてやるよ」
奈緒「なんでも?」
モバP「まあ、俺の出来る範囲でな」
奈緒「よし、その言葉信じたからな!」
モバP「はいよ、んじゃ行ってこい」
菜々『はい、こちらが期待の大型新人、神谷奈緒ちゃんでーす!』
(うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!)
菜々『はい、じゃあ自己紹介どうぞ!』
奈緒『かかっかかか神谷、なな奈緒ですっ?』
菜々『奈緒ちゃーん?いきなり噛んでますけど大丈夫ですかー』
『はい、落ち着いてー、深呼吸ー。吸ってーはいてー』
奈緒『すー、はー、すー、はー』
菜々『はい、仕切り直しですね!』
奈緒『…すみません菜々さん』
菜々『奈緒ちゃーん?菜々は奈緒ちゃんとタメですよー』
奈緒『あ、ごめん菜々』
菜々『それで良いんですよ、菜々はキャピキャピのJKですからね!キャハ☆』
奈緒『…』
菜々『…』
奈緒『…あ、はい』
(あははははははははは!!)
菜々『ちょ、何か菜々が悪いみたいじゃないですか!』
奈緒『い、いや、そんな事はないですよ!?』
菜々『敬語にもどってるじゃないですかー!…はい、ミミミン、この話は終わりです!』
『というか、私の事はどうでもいいのです!はい、奈緒ちゃん仕切り直してね!』
奈緒『あ、すみません…。どうも初めまして、神谷奈緒です。これからアイドルとして活動していくので、応援よろしくお願いいたします!』
(うおおおおおおおおおおおおお!!!!)
菜々『はい、とびきりフレッシュさを感じる挨拶でしたね!これから頑張って下さいね!』
『じゃあ、自己紹介も終わったところで、最後の曲はこれしか無いですよねー!それじゃ、行きますよー!』
『メルヘンデビュー!!』
---鳴り響く音楽、鳴り響く歓声。右に左にと振られながら光り輝くサイリウム。
正直なところ、いきなり舞台に立はたされて戸惑っていたけれども。
良く音楽とリズムを聞くと、ここしばらくずっとレッスンでやってきた曲だという事がわかった。
菜々さんの方を見ると、『これなら大丈夫でしょ?』とでも言いたげな目線を返される。
モバPさんがいる方を見ると、…あの野郎、笑顔でサムズアップしてやがる。
あ、しかもニヤニヤ笑いしていやがる…、くそっ恥ずかしい…
菜々さんからスタートの合図が出る。恥ずかしがっている場合じゃ無い。
出てしまった以上、やるしかない。文句は後で山程言ってやろう。菜々お姉ちゃんの邪魔になるわけにはいかない。
そう思いあたしは全力でパフォーマンスを行った。必死で菜々お姉ちゃんについていこうと頑張っていた。
そして、最後の歌詞を歌いきり、ダンスも締めに入り、音楽が止まる。
一瞬の静寂。そして間髪を入れずに歓声という爆音が再度鳴り響く。
その頃には、あたしから恥ずかしさは消えていた。
恥ずかしさよりも楽しさやこのあたしにも歓声を上げてくれるお客さんに対してのうれしさが上回って。
あたしは今日初めて『アイドル』の世界に一歩を踏み入れたんだと実感した。
ああ、これが『アイドル』なんだな、と。
つー訳で本日はここで中断です。では、また。
第5章 戦え!何を!?(アイドル)人生を!
---3ヶ月後---
ちひろ「いや-、まさかこんなに早く芽を出すとは思いませんでしたね」
モバP「いやいや当たり前でしょ、って言いたいところですがこれは私も予想外でした」
ちひろ「さすがモバPさんの秘蔵っ娘ですね」
モバP「意図的に隠してた訳ではないんですがそれは…」
ちひろ「後、菜々さん効果ですかねえ」
モバP「最初は何言ってるんだこいつ…、とか思ってたのは内緒です」
ちひろ「黒ウサミンには毒がある」
モバP「元々は白でしたっけ」
ちひろ「白ウサミンは独になる」
モバP「おい、やめろ」
ちひろ「とんだいたずら黒ウサミンでしたね…」
モバP「菜々さん、裏方が大変なのわかった上で仕掛けてきますからねえ…」
ちひろ「結果、成功したから良いものの、失敗したら大変でしたよ」
モバP「人気アイドルの舞台を新人が壊したらファンになんて言われるか…恐ええぇ…」
ちひろ「下手したら私たちのクビ飛びますからねえ…」
モバP「思わず転職サイトに登録しましたからね」
ちひろ「…モバPさんがこの事務所からいなくなったら寂しいですよ」
モバP「…もし、この事務所からいなくなる時、ちひろさんは私についてきてくれますか」
ちひろ「…ええ、もちろん喜んで!」
モバP「ちひろ…」
ちひろ「モバPさん…」
奈緒「……」
モバP「……」
ちひろ「……」
奈緒「…なにいちゃついてんだよ」
モバP「はいっ、タイムは3分34秒!」
ちひろ「次はもう少し早く出てきてくださいね?」
モバP「…しかしなあ」
奈緒「…な、なんだよ、なに見てんだよ」
モバP「思った以上に似合ってるなあと思ってさ。その衣装」
奈緒「モバPさんにほめられたって…べつに嬉しくなんか…」
ちひろ「いやいや奈緒ちゃん、本当にカワイイですよ。凄い似合ってます」
奈緒「は、はァ!? こんなカッコ似合うワケ…。…べ、べつに嬉しくなんかないからなっ! ちっとも嬉しくなんかないんだからなぁっ!!」
モバP・ちひろ (可愛い)
奈緒「な、なんだよ二人とも、ニヤニヤすんなよ…もうっ」
モバP「で、なんでそんな衣装を用意しているかというとな」
奈緒「いや本当になんでだよ」
モバP「来月行われるLIVEバトルに出てもらうためです」
奈緒「あー、菜々さんのヘルプの為か」
モバP「違います」
奈緒「ん!?」
モバP「違うんです」
奈緒「違うの?…じゃあ、他の人のヘルプか?」
モバP「違います」
奈緒「んん!?」
モバP「奈緒には来月ソロで出てもらいます」
奈緒「みくにゃん?」
モバP「(チュートリアルじゃ)ないです」
奈緒「…え?いきなりソロ?」
モバP「といっても、新人又は低ランクのアイドル向けのLIVEバトルイベントだけどな」
奈緒「ああ、ならば…って、いや、無理でしょ」
モバP「大丈夫、大丈夫。トレさんからもOK貰ってるし」
奈緒「ええー、いいよ。いつも通りの仕事で」
モバP「前、俺も見させてもらったけど、あれ位の仕上がりならいいかなと思ったしな」
奈緒「嘘だあ」
モバP「俺が今まで嘘ついた事があるか?」
奈緒「腐るほど」
モバP「モバP、ウソツカナイ(目そらし)」
奈緒「嘘じゃねーか!」
モバP「この瞳が嘘をついているように見えるか?」
奈緒「…2週間前、あたしのアイス食べたのは?」
モバP 目そらし ピューピューピュー♪
奈緒「嘘じゃねーか!」
モバP「…うん、まあそれはそれ、これはこれでな」
奈緒「あ、逃げたな」
モバP「…わかった、うちの冷凍庫に入っているダッツさんを持っていけ」
奈緒「抹茶?」
モバP「お前それしか食べないじゃん」
奈緒「よし、なら許す」
モバP「今日もってけよ、食っちゃうぞ」
ちひろ「…モバPさん、奈緒ちゃん、話が進まない」
モバP「…すみません。という訳で再来週に出演者含めてリハを行うんでよろしく」
奈緒「いや、あたしは納得してないぞ!?」
---リハーサル後---
奈緒(ナオです。リハを終えて控え室に戻ったら急に喧嘩を売られたとです。)
奈緒(『ふーん。アンタが対戦相手?全然負ける気がしないね』って鼻で笑われました…)
奈緒(東京の女子高生は恐いです…)
奈緒(ナオです…。ナオです…。ナオです…。)
奈緒(って、現実逃避してても何にもなんないな!)
奈緒(え、いや、何?何でこの子いきなり喧嘩腰なの?)
奈緒「いきなり失礼な奴だな、何だよあんた」
?「うん?最初の対戦者に対する素直な感想かな」
奈緒「…ああ、いやうん。とりあえず喧嘩売ってるのはわかった」
?「え、喧嘩なんか売ってないけど」
奈緒「その態度が喧嘩売ってる以外にどう受け取れって言うんだよ」
?「ああ、ごめんごめん。そのアンタのリハを見ててイライラしてさ」
奈緒「あ?」
?「アンタのそのアイドルへのやる気や覚悟とかが気に入らない」
奈緒「…やっぱり喧嘩売ってるんじゃねーか」
?「そのまま本番に挑むようじゃ絶対私には勝てないよ」
奈緒「何でそんな事がわかるんだよ。やってみなくちゃわからないじゃねーか」
?「わからないかなあ…、じゃあ、本番の勝敗で賭けをしようか」
奈緒「…そんなに強気なら、それに応じたモノを賭けるんだよなあんたは」
?「んーそうだね…、私が負けたらアイドルを辞めるよ」
奈緒「おー、随分と言い切ったな。じゃあ、アタシが負けたらどうすんだ」
?「アンタのプロデューサー、私にくれない?」
はい、ここで中断です。
次はもう少し早く来ます。すみません。
ではまた。
?「あー、凛、又突っかかってるの?」
凛「又、という程でも無いと思うけど」
?「…いや、何度目よ、結構見てるよ私」
凛「まだ、片手で数えられるとは思う」
?「思う…じゃなくてさ、そもそも突っかかるのを辞めなさいよ。で、今回の被害者はこの子?フリーズしてるけど何したの?」
凛「ちょっと賭けを持ちかけたらね」
?「賭けって何を賭けたのさ」
凛「私のアイドル引退」
?「又、随分なものを…で、この太眉の子は?」
奈緒「…はっ!プロデューサーちょうだいってどういう事だ!?っていうか太眉っていうな!であんたは誰だ?こいつの仲間か!?」
?「混乱してるねえ…って当たり前か」
奈緒「あ、おい!で、凛?だっけか、どこ行くんだ!?」
凛「用は済んだから帰るよ?」
奈緒「帰るよ?じゃないよ!?」
?「あはは、翻弄されてるねえ」
奈緒「笑い事じゃねえー!」
?「私も帰ろーっと、じゃあねー」
奈緒「いや、だからあんたは何なんだ?あいつの仲間か?」
?「んー、面白いから今は教えない。又その内会うよ、次のイベントで。体調崩さない限りは」
奈緒「面白く…って」
?「じゃあねー」
奈緒「…一体なんなんだあいつら」
モバP「おーい、迎えにきたぞー」
奈緒「…モバPさん」
モバP「ん?どうした?」
奈緒「凛ってアイドル知ってるか?」
モバP「…ミンメイ?」
奈緒「…いや、愛は覚えているタイプじゃ無かったかなあ」
モバP「そうすると…渋谷凛、かな?」
奈緒「いや、名字は知らないけど、どんなやつ?」
モバP「んー、うちの事務所じゃないから良くは知らないけど、奈緒と同じクールの子でしょ?で、そいつがどうした?」
奈緒「…なんでもない」
モバP「…いや、なんでもない事はなかろうよ。初戦の子でしょ?」
奈緒「うん」
モバP「それなりに実力のある子だって聞くねえ」
奈緒「あいつに勝ちたい」
モバP「…どうした?何かあったのか?」
奈緒「…別に」
モバP「…そうか」
奈緒「…うん」
モバP「うーん、じゃあLive向けの特訓でもするか」
奈緒「え、何するの?」
モバP「ちょっと待ってな…お、大丈夫だ。じゃあ、明日朝家の前で待ってな」
奈緒「…え、え?」
奈緒「…で、ここは?」
モバP「入ってからのお楽しみー」
奈緒「いや、どうみても定食屋なんだけどさ」
モバP「大丈夫、大丈夫、ステーキ定食を弱火でじっくりとかそういうのはないから」
奈緒「え、なに、ハ○ター試験でも受けさせられるの?」
モバP「…プロデューサーになるわけじゃないなら不要かな」
奈緒「プロデューサー、プロデューサーってなんだ」
モバP「まあそれは置いといてだな、用があるのは3階です。ほれついてこい」
奈緒(…え、否定はしないの?)
モバP<お世話になっております。CGプロのモバPです。本日10時からお約束を頂いているのですが…
あー、どうもお久しぶりです。え、いやだな本物ですよ、嘘ついてどうすんですか、っておーい!開けろや!
え、何?先輩と社長の本?んなもんある訳無いだろ!…え?あるの?…あ、本当だ、ってこれお前のPNだろ!?
お前以外こんなもの書くか!え、このジャンルで壁になった?嘘つくなや!いいから…って開いてんじゃねえか!>
奈緒(…おおう、荒ぶっていらっしゃる。というかモバPさんの友達なのか?)
モバP「いや、もう勘弁して下さいよ…、はあ…、お久しぶりです。小鳥さん」
小鳥「お久しぶりです、モバPさん。そしてようこそ765プロダクションへ!」
つーわけで一旦中断です。
しばらく投下出来ずにすみませんでした。
それでは。
第6章 ノンフィクションコンパス
奈緒「…えええええ!?」
モバP「という訳で特訓先は765プロでした!」
奈緒「でした!じゃなくってさあ!」
モバP「とりあえず、挨拶な」
奈緒「…神谷奈緒、17歳です。よろしくお願いします」
小鳥「はい!よろしくお願いいたしますね奈緒ちゃん、私は音無小鳥と言います」
奈緒「音無さんですね、よろしくお願いいたします!」
モバP「という訳で、昨日お願いをさせて頂きました件となります」
小鳥「あら、さっき位の口調でいいんですよ?モバPさん」
モバP「とはいえ、仕事中ですから…」
奈緒「さっきの入り口でも思ったんだけど、音無さんとプライベートでも知り合いなのか?」
モバP「ああ、それはなあ…」
?「あ、モバPさん!お久しぶりで…きゃあ!」
モバP「ちょ!危な!」
?「えへへへ、転んじゃいました。なんか抱きかかえられるのも久しぶりですね!」
モバP「天海…お前、まだ転び癖治ってないのか…」
春香「なんでなんでしょーねー、何も無いところで転ぶんですよねー」
奈緒「…モバPさん?いつまでくっついてんの?」
モバP「おう、天海。トップアイドルがいつまでも男に抱き付いてんじゃないぞ」
春香「私とモバPさんの仲じゃないですか!」
モバP「どんな仲だ…、ほれ、ケガは無いか?ん、大丈夫そうだな」
春香「なんか久しぶりですね、この感じ」
モバP「まあ、ここから離れてから結構経つからなあ」
奈緒「うん?『ここ離れてから』?」
モバP「そう。元々ここの社員だったのよ、俺」
奈緒「…ちょっと待って、理解が追い付かない」
モバP「ちなみに社長とちひろさんも元765プロ社員だからな」
奈緒「えええ…」
モバP「いや、だってお前、じゃなきゃ新設プロがいきなり大手と渡り合う事は出来ないだろ…」
奈緒「確かにずっと不思議に思ってたところではあるんだけどさあ…」
モバP「ここで俺もプロデュースしてたんだけど、うちの社長がいきなり『これからの時代は原石発掘だ!』とかいい始めてなあ」
小鳥「あれは急でしたねー、ちひろちゃんもそっちについて行っちゃいましたしねー」
モバP「で、うちの社長が当時部下だった私を拉致っていきましたからねえ…、というかよく高木社長は許しましたよね」
小鳥「うちもそこそこ人気が出てきて安定してきてましたしね。まあうちのプロデューサーさんが大変な事になりましたが…」
モバP「いや、実際先輩、半端無いですからねえ。何年経っても追い付けそうな気がしないですもん」
小鳥「という訳で、CGプロは765と資本関係にあり、新基準のCGシステムを立ち上げましたとさ、めでたしめでたし」
モバP「あの激務はめでたいんですかねえ…」
奈緒「え、そんな事、あたし一度も聞いてなかったぞ?」
モバP「まあ、隠してたしなあ…よくバレなかったと思うわ」
春香「あれあれー?奈緒ちゃんとモバPさんはそんな仲なのかな?」
奈緒「そんな仲って?」
小鳥「アイドルとの禁断の恋、アリだわ!」
モバP「いや、イカンでしょ」
奈緒「ここここ恋っ!?いや、そんなんじゃないから!一切無いから!こんな奴なんっとも思ってないから!」
小鳥「なにこの子カワイイ。テイクアウトで」
春香「奈緒ちゃんカワイイ!」
モバP「いいから落ち着け、話が進まないから」
奈緒「お、おおお、応」
モバP「んー、…まあいいか。こいつと私、幼馴染なんですよ。家が隣ですし」
小鳥「え、それはあれですか?毎朝起こしに来たり、屋根を伝ってお互いの部屋の窓から行き来したり?」
モバP「そうですね、たまにしてたかと」
小鳥「ギャルゲかな?」
春香「そんなの漫画の世界以外でもあるんですねー」
小鳥「で、ツンデレ系幼馴染ですか!?」
モバP「ツンデレとはちょっと違うと思いますがね」
小鳥「完璧ですね」
モバP「でしょ」
小鳥「ツンデレ系の幼馴染みPさんと社長の本…これはイケるわ!」
モバP「おい、やめろ、どこへ行く気だ…前先輩が虚ろな目をしてたのはこれのせいか!?」
モバP「で、だ。今日はこの鳥類に油を売りに来たわけじゃ無い訳で」
奈緒「Live向けの特訓だよな」
モバP「ああ、それを765の先輩達から吸収してくれ」
奈緒「…え!?」
モバP「あいつらはトップアイドルだぞ?その辺に関してはトップクラスだ」
奈緒「というか何をやるんだよ?モバPさん」
モバP「Liveの盛り上げ方とか自分の魅せ方とかかな」
奈緒「いつものレッスンと何が違うんだ?」
モバP「いつものレッスンはどちらかというと技術よりだけどそれだけじゃLiveは勝てない」
「お前と渋谷の差はそこにある」
奈緒「…」
モバP「勝ちたいならそこを磨くしかない、難しいけどな」
奈緒「…わかった」
モバP「おう、じゃあちゃっちゃと・・・って天海ー、今日お前だけかー?」
春香「えっと、確か千早ちゃんと真とあと遅れてやよいが事務所来るって言ってましたけど」
モバP「あいよ、そうすると如月と菊地が近いタイプかな?」
春香「あー、そういうこと言っちゃうんですかモバPさーん、はいはーい、私、私がいますよ!」
モバP「お前ら好き勝手にタイプ登録したからわかりにくいんだよ…、大体お前タイプ違うじゃん」
春香「いやいや、私は割と間違っていないと思うんですが…私、Cuの先駆けですよね?」
モバP「あー…いや、うん、わかった、そういう事じゃ無い、別にお前を信用していない訳じゃ無いんだがな…」
春香「…なんだっていうんですかー」
モバP「奈緒はCoで活動している」
春香「え!?あんなに可愛いのに!?」
モバP「あんなに可愛いのにだ」
春香「今もあんなに顔真っ赤にして可愛いのに!?」
モバP「応、天海やめてやれ、あいつもいっぱいいっぱいなんだ」
奈緒「か、可愛いっていうなよぉ…あたし、そういうタイプじゃないだろおぉぉ…」
春香「…ああ、千早ちゃんタイプですね、あれ」
モバP「だろ、でLive中は菊地っぽくなるから」
春香「イケメン路線ですね!?」
モバP「あいつなんでCu登録にしたんだろなあ…」
春香「ですねえ…」
モバP「そんなにきゅぴぴぴーんやりたかったのかねえ…」
春香「今もたまにやってますからねえ…」
モバP「…え、あれやってるの?」
春香「…ええ、やってます」
モバP「萩原はなんて?」
春香「誰得」
モバP「誰望」
春香「雪黙」
ピシガシグッグッ
モバP「お前…誰に教わった…」
春香「事務所に小鳥さんが全巻置いていきました!」
モバP「あんの鳥類…」
春香「あ、メールだ、…モバPさん、そろそろ千早ちゃんと真が到着するそうですよ?」
モバP「という訳で王子と(瑠璃の歌)姫です」
真「モバPさん、紹介が雑じゃないですか!?そして王子じゃないです!」
千早「私の紹介、何か含みがあったように思えるのですが…」
モバP「いやあ、ほら、俺はお前らを信用しているからさ」
千早「といっても新人さん…えっと奈緒さんへ教える立場としてその紹介はどうかと思うんですが…」
モバP「奈緒ー、その辺どう?」
奈緒「いや、そんな事全然無いです!憧れの如月さんと菊地さんとレッスンが出来て嬉しいです!」
モバP「…と言った感じに憧れの人と会うとぎこちなくなっちゃうからそんな感じでフレンドリーにいけばどうかなと」
真「うーん、確かにこれだとまともにレッスン出来なくなりそうですね」
モバP「まあでも恐らくレッスンに入っちゃえば大丈夫だと思うよ?初回のLive出演、突然菜々さんのステージに上げてもやりきったし」
真「え、菜々さんのステージに?」
千早「又、随分思いっきりがいいですね…」
モバP「だから、とりあえずレッスン始めちゃって良いよ。じゃあ後よろしく」
真「あれ、レッスン見ないんですか?」
モバP「ちょっと小鳥さんに用があってなー」
春香「ああ、あの件ですね…」
モバP「ああ…ちょっととっちめてこないとな…」
春香「あはは…いってらっしゃーい…」
千早「春香、モバPさんどうしたのよ」
春香「あっちの趣味とか、漫画全巻事務所に置いてる事とかをちょっとね…」
<小鳥さん!又関係ない私物持ちこんでますよね?後、その薄い本捨てろ!何勤務中に読んでんだ!>
<…えええ、い、嫌ですね、何を言ってるのか全くわかりませんねえ!あ、止めて!捨てないでえ!>
千早「ああ…又説教かしらね…」
真「だね…モバPさんがいた頃とやりとりが全く変わってないね…」
中断です。
もう少し書くスピード上げないとなあ…
ではまた。
春香「さて奈緒ちゃん、早速レッスンをしようと思うんだけど、何をしたいとかの希望はある?」
奈緒「えーっと、特に希望というのは無いです」
春香「うん、わかった。じゃあ、まずは一度奈緒ちゃんの実力が見たいから一曲通してやってみて?」
奈緒「はい!」
---------(奈緒演技中)---------
奈緒「ど、どうでしたか?」
春香「うん、流石菜々さんのステージに参加してやり切るだけのことはあるね!」
真「ダンスもしっかりやれてるし」
千早「ええ、歌も決して悪くないわ」
奈緒「ありがとうございます!」
春香「けど、うん、モバPさんから相談を受けた時に『あと一歩足りてない』と言ってた事もわかったかな」
奈緒「どのような所が悪いんでしょうか…」
春香「じゃあ私たちも奈緒ちゃんの前でやるから、ちゃんと見ててね。真、千早ちゃん、これと同じ曲でも出来るよね?」
真「昔やったの覚えてるから大丈夫だよ」
千早「ええ、私もまだ覚えてるから大丈夫よ」
春香「じゃあいくよー、3,2,1,スタート!」
---------(765演技中)---------
春香「どうだった?」
奈緒「…全然違いました」
春香「うん、まあ経験も年数も違うからそれは当たり前なんだけど、奈緒ちゃんの動きとどう違った?」
奈緒「凄い、こうなんて言うのかな…、春香さん、千早さん、真さん、全員が同じ動きをしているのに個々で皆違う様に見えるというか…、うまく言葉に出来ずにすみません」
春香「大丈夫、大体当たってるよ、それが何かというとね…」
千早「魅力、もしくは魅せ方といったところかしらね」
春香「あー!千早ちゃん、私が決めようとしたところを!」
奈緒「…魅力?」
真「んー、後は表現力、とかかな?」
春香「そう、今の奈緒ちゃんにはそういう部分が足りないのです!」
奈緒「それはどうやって身につけられるんですか?」
春香「うーん、本当は自分で気付くのが一番良いんだけどね…じゃあ、ヒントをあげる」
春香「奈緒ちゃんは何でアイドルをやってるの?」
奈緒「何でアイドルをやってるのか…」
春香「歌とか踊りとかグラビア撮影とかアイドルの仕事や活動全般に言える事なんだけどね!」
真「アイドルって存在そのものが表現者だからさ」
千早「特にわかりやすく見えるのはやっぱり得意分野だから…、私の歌や真のダンス、春香は…何かしらね?」
春香「ちょ、千早ちゃん!?」
真「バラエティかな?」
春香「真!?私、アイドル!アイドルだよ!?」
千早「私は特に歌ならば絶対に負けない、という気持ちで歌う様にしてるし、歌に私の魅せたい想いや気持ちを乗せるようにしてるわ」
春香「私や千早ちゃん、真も今まで色々あったし、それをどう自分の中で活かして表現するか」
真「なんで自分がアイドルをやっているか、皆に魅せるにはそういう自分の『想い』が大事になってくるんだよね」
奈緒「そうやって自分がどういう想いを表現したいか、自分の強みをどう活かすかがわからないと身に付かないって事ですか?」
春香「うん、だからこれは次に私たちへ見せてくれるLiveバトルイベントの時までの宿題かな?」
真「まあ、それだと宿題の答えがいきなり本番になっちゃうけどね…」
奈緒「…え、ちょ、次のLiveバトル見に来るんですか!?」
千早「ええ、期待してるわ」
春香「もちろん!どうせなら765プロみんなで見に行こっか」
真「負けたらわかってるよね?」
奈緒「え、えーーー!?」
春香「あははは、さて、予定の時間まで、少しあるけどどうする奈緒ちゃん、早めに切り上げる?」
奈緒「…いえ、どうせなら時間いっぱいまでお願いします。大丈夫ですか?」
真「ボクたちは大丈夫だけど、どうする?」
奈緒「どうせなら技術指導もお願いしたいです!」
春香「うん、わかった。じゃあここからみっちり千早ちゃんと真がしごくからね!」
千早・真「「あれ!?春香は!?」」
モバP「さて、小鳥さん、ちょっと見せて貰いたいものがあるんですが…」
小鳥「ど、どどど、どうしました?モバPさん、私は何もいかがわしい物は」
モバP「…いや、どうせこことあそことそこに隠してあるんでしょ?」
小鳥「ピヨ!?どうして知ってるんですか、モバPさん!」
モバP「当時から隠し場所変わって無いのか…、これ社長もちひろさんも知ってますよ…」
小鳥「え、ちひろちゃんまで?」
モバP「というか、ちひろさんが私と社長に教えてくれました」
小鳥「鬼、悪魔、ちひろちゃん!」
モバP「気持ちはわかりますが止めてあげて下さい。ちひろさん言われると結構凹んでるんですから」
小鳥「…でもそれ一番言ってるのモバPさんですよね?」
モバP「…」
小鳥「…」
モバP「…で、見せて貰いたいものがあるんですがね?」
小鳥「全くごまかせてないですよ…。で、何が見たいんですか?」
モバP「んーとああ、これこれ、渋谷凛の活動データです」
小鳥「ああ、奈緒ちゃんの次のLiveバトルの相手ですね」
モバP「そうですそうです、ありがとうございます。これの情報、私のアカウントに送っといて貰えますか?」
小鳥「了解です、アクセス権限ってまだあります?」
モバP「んー、まだ切れて無かったと思うんですけどね…」
小鳥「もし、無かったら言ってくれれば振りますから。…報酬は貰いますけどね!」
モバP「今月もうお金無いんですが…いまやよい先生のもやしレシピで生きてるんですよ…」
小鳥「…相変わらずねちひろちゃん、それはともかく大丈夫です!ちょっとプロデューサーさんとモバPさんで絡んでくれれば良いですから!」
モバP「あんたも相変わらずだな!やらないよ!」
小鳥「あら残念」
モバP「残念じゃ無いですよ…じゃあ、しばらくPCとあそこの部屋借りますね」
小鳥「わかりました、どれくらい使います?」
モバP「奈緒達が戻ってくる位までで良いですよ」
小鳥「はい、じゃあ戻ってきましたら呼びますね」
モバP「ええ、よろしくお願いいたします」
<アリガトウゴザイマシタ!!>
小鳥「あ、終わったみたいね」
----call----
『モバPさん奈緒ちゃん帰ってきますよ!』
『わかりました。ありがとうございます。すぐそちらに行きます』
----call end----
小鳥「お疲れ様です、どうでした?」
モバP「んー、ありゃ強敵ですね。自分の強みとかガンガン活かしてきてますね」
小鳥「あら、そんなにですか」
モバP「完成度高いです、ありゃ確実に一段階レベルアップしないと奈緒が勝つのは難しいかもしれないですね」
小鳥「だから奈緒ちゃん、こっちに連れて来たんですよね」
モバP「上手くいけば良いんですけどねえ…」
小鳥「…珍しいですよね、モバPさんが素直にうちへ頼りに来たのって」
モバP「まあ珍しく自分の意思を言ってきましたからねえ、あいつ」
小鳥「…といいますと?」
モバP「昔からあまり自分の気持ちを伝えてこないんですよね」
モバP「簡単なお願いとかそういうのはすぐに言ってくるんですが、本当に伝えたい事とかは余り意思表示をしてこないんですよ」
小鳥「え、でも奈緒ちゃん、結構わかりやすくないですか?」
モバP「ええ、バレバレなんですけどね、ただ言葉にして言ってくる事って珍しくて」
小鳥「それが嬉しくて、と」
モバP「ええ、それで少しでも役に立てばと思ってお願いしちゃいました」
小鳥「ふふ、モバPさんって本当に奈緒ちゃんが好きなんですね」
モバP「…うーん、まあ昔っからの付き合いですしね、嫌いなやつには協力しないですよ」
小鳥「…まあ、そういう事にしときましょうか」
モバP「そういう事にしといて下さい」
小鳥「あ、帰ってきましたね、春香ちゃん達」
<あー、モバPさん聞いてください!春香が!>
<いや、それには理由があったんですよー!>
<春香、往生際が悪いわよ>
<うるせえ!いっぺんにしゃべるな!>
奈緒「…音無さん」
小鳥「なあに?奈緒ちゃん」
奈緒「モバPさん、昔からあんなに春香さん達と仲よかったのか?」
小鳥「…うらやましい?」
奈緒「い、いや別に、うらやましくなんてねーし!」
<あ、ちょ、やめ、やめろ!奈緒ー助けて!>
奈緒「何やってんだモバPさん…ちょっと止めてきます」
小鳥「はーい、いってらっしゃーい」
小鳥「…しかしモバPさんも色々と大変ねえ」
つーわけで一旦中断です。
流石に奈緒の誕生日はスルー出来ないですしね。
ではまた。
>>128
ピンクローター遠隔操作とか?
奈緒「……」
モバP「何をムスッとしてんだ」
奈緒「…んー」
モバP「んー?」
奈緒「…今日一日で色々と考えさせられてさ」
モバP「うん」
奈緒「なんかこう…頭の中が凄くもやもやしてる」
モバP「何か天海達とあったのか?」
奈緒「んー、それも含めて色々さ」
モバP「そっか」
奈緒「うん」
モバP「少しは勝てそうな糸口は掴めたか?」
奈緒「…どうだろうな。まあ、何もわからない状態から、わからない事がわかった状態にはなったけど」
モバP「うん、まあそれがわかっただけでも上出来かな」
奈緒「次の宿題だってさ」
モバP「…次?」
奈緒「765プロ全員で次のLiveバトルを見に行くからその時に答えを見せてくれってさ」
モバP「えー…、あいつら来るの?」
奈緒「?」
モバP「座席の手配やら警備やらで仕事増える…」
奈緒「…ああ、そういう」
モバP「しょうがない、それはそれと割り切るしかないか…と、さて家着くけどどうする?降りてく?」
奈緒「モバPさんは?」
モバP「俺はまだ仕事あるから事務所戻るけど」
奈緒「…そっか、あたしはもう帰って休ませてもらうわ」
モバP「了解、ゆっくり休めよ」
奈緒「ん、モバPさんも無理すんなよ」
モバP「ああ、奈緒が悲しがるからな」
奈緒「だーれが悲しがるか、バカ」
モバP「しどい…昔は俺が風邪ひいて倒れただけでもあんなに心配してくれたのに…」
奈緒「…まあ、小さい頃のことだしな」
モバP「…こっち見て言いなさいよ」
奈緒「うるせえ、察せ」
モバP「察した上で言いましたが」
奈緒「なお悪いわ」
モバP「…まあなるべく早く帰るようにするよ」
奈緒「ん、じゃあまたな」
モバP「ああ」
奈緒(…結局、答えが出ずに後3日というスケジュールまで差し迫ってしまっている)
(あたしはなんでアイドルをやっているのだろうか。いや、それはわかっている。菜々さんの影響もあるけれど、あたしも憧れていたからだ、アイドルに)
(じゃあ、なんで憧れていたのだろうか。女の子らしい格好がしたかったからか?それもあると思う。でもそんなのはアイドルにならなくても出来るはずだしな)
(考えれば考えるほどもやもやする。何かこう自分の気持ちに説明が出来なくて)
卯月「あ、奈緒ちゃん、レッスンお疲れ!」
奈緒「おう、お疲れ卯月」
卯月「プロデューサーさんは?」
奈緒「知らない、っていうかなんであたしに聞く?」
卯月「最近良く一緒にいるから知ってるかなって」
奈緒「…あー、次のあたしのLiveバトルの仕事で色々やってもらってるからなあ」
卯月「ふーん、そうなんだ」
奈緒「なんかモバPさんに用事でもあるのか?」
卯月「うん、来週のお仕事で良くわからないところがあるからちょっと相談したくて」
奈緒「卯月が相談したい事がある、ってモバPさんに伝えて置こうか?」
卯月「うーん、今モバPさんのスケジュール見てたら直帰っぽいから明日にするから大丈夫」
奈緒「ん、わかった。…あ、そうだ卯月にも聞きたい事があるんだけど、時間良いか?」
卯月「?、大丈夫だよ、特にこれから何をする訳でも無いし」
奈緒「そっか。じゃあさ、ちょっと聞きたいんだけどさ」
卯月「うん」
奈緒「卯月って、なんでアイドルになったの?なんで今も続けているの?」
卯月「うん?」
奈緒「ああいや、変な意味ではなくてさ、純粋にどうしてアイドルやってるのかなって」
卯月「んー、どうしてって言われても…スカウトされたから?」
奈緒「…普通だな」
卯月「うん、私、特に取り柄があるわけでも無いし、良く色んな人から普通って言われるんだけど、当時やっぱり少し嫌だったんだけどね」
奈緒「…スマン」
卯月「今は大丈夫だよ?それに本当の事は言われてもしょうがないし。ただ、ちょっと学校でその事で嫌な事があった時にプロデューサーさんからスカウトされてね」
奈緒「うん」
卯月「その時、思わず『私、普通だけど大丈夫ですか?』って言っちゃったの」
奈緒「まあ、そんな時だしな」
卯月「そう、そうしたらプロデューサーさんに『普通の何が悪いんだ?』って言われてね」
奈緒(…いかにも言いそうだな)
卯月「『普通の子がトップアイドルになったら面白くないか?』」
「『それに君は普通じゃない。普通に可愛いからね。アイドル向きだ』」
「『もし、君さえ良ければうちに来てトップアイドルを目指さないか!』」
卯月「そうプロデューサーさんに口説かれてCGプロに所属した、っていうのが始まりなのかな?」
奈緒「…そうなんだ」
卯月「そうなのだ」
卯月「…あの時、プロデューサーさんに声かけられてなかったら、今も普通って事に悩んでコンプレックスになってたかもしれないですしね」
奈緒「へえ…モバPさんもまともな事言うんだなあ…」
卯月「あはは、まあいつもふざけてるもんね。ただ、その時のノリだけで言ってる訳じゃないと思うけどね。私の事もちゃんとプロデュースしてくれてますし」
奈緒「ふーん、随分モバPさんの事を信頼してるな」
卯月「うん。だから自分のためにも頑張ってるし、プロデューサーさんの為ならば頑張れる」
奈緒「うん」
卯月「やっぱり好きな人の為には頑張らないと!」
奈緒「…うん?」
卯月「奈緒ちゃんもプロデューサーさんが好きだからアイドルやってるんでしょ?」
奈緒「…ううん!?」
卯月「だって奈緒ちゃん、菜々さんやプロデューサーさんと昔からの知り合いでしょ?」
奈緒「…!?」
卯月「あれ、違った?絶対そうだと思ったのに」
奈緒「…いつからそう思ったんだ?」
卯月「最初は自己紹介の時かなあ。奈緒ちゃんと菜々さんの態度もそうだし、プロデューサーさんも新人アイドルに対する感じじゃなかったしね」
奈緒「最初っからか…」
卯月「しかも隠してた訳じゃないでしょ?」
奈緒「隠してた訳じゃないな」
卯月「だから、奈緒ちゃんもプロデューサーさんの事が好きだからアイドルやってるのかな、って思ってた」
奈緒「…まあ、昔からの付き合いだし。嫌いな奴だったらやってないしな」
卯月「あはは、素直じゃ無いね」
奈緒「…ちなみに卯月はlikeとloveどっちだ?」
卯月「…」
奈緒「…」
卯月「…奈緒ちゃんと一緒かな!」
ちひろ「…あ、奈緒ちゃん、ちょうどいいところに」
奈緒「どうしました?ちひろさん」
ちひろ「モバPさんが外出るときに傘忘れちゃってね、雨が降って来ちゃったから届けに行って欲しいのよ」
奈緒「…えー」
ちひろ「本当は私が行ければ良いんですけどねえ…ちょっと手が離せなくて」
奈緒「しょうがないと」
ちひろ「ええ、それに奈緒ちゃんが持ってったらモバPさんも喜びますよ?」
奈緒「…無いな」
ちひろ「いや、そんな事無いですよ?それに奈緒ちゃん普段モバPさんにお世話になってるでしょ」
奈緒「あたしがお世話してる事もあるんですが…」
ちひろ「まあまあ良いじゃない、ほらこれ」
奈緒「アイツなんで忘れてるんだよ…」
ちひろ「で、これ持ってモバPさんに『来ちゃった☆』って言ってくるだけのお仕事ですから」
奈緒「はいはい…って嫌ですよ!?」
ちひろ「はい、じゃあ練習ですね…んんっ『あれ、奈緒どうしたんだ?』」
奈緒「声似過ぎ!」
ちひろ「『あれ、奈緒どうしたんだ?』」
奈緒「あれ、これあたしやらなきゃ話が進まないパターンかな?」
ちひろ「『あれ、奈緒どうしたんだ?こんな雨の中…』」
奈緒「『傘忘れてったモバPさんが心配でさ…、来ちゃった☆』…って急に家に押し掛けてくる彼女か!」
ちひろ ●REC Σd(゚∀゚)
奈緒「いやなに撮ってるんですか!消して下さいよ!」
ちひろ「じゃあモバPさんに傘持ってって下さいね♪」
奈緒「ハメられた!?」
ちひろ「ちゃんと消して欲しかったら『来ちゃった☆』までやるんですよー」
奈緒「鬼、悪魔、ちひろ!」
奈緒(という訳で傘を持ってモバPさんを待っている訳ですが)
(何だこれ…よく考えたらめちゃくちゃ恥ずかしいぞ)
モバP「…ん?あれ?どうした奈緒?」
奈緒「ん?んん、ああ偶然だよ偶然」
モバP「…ん?」
奈緒「ほら、これだよこれ」
モバP「…んん?」
奈緒「これはアンタの為に持ってきた訳じゃなくて偶然っていうか…そ、その…いいから、使ってよ!」
モバP「お、おう、というか…」
奈緒「な、なんだよ…別に待ってた訳じゃ…ただ濡れたら可哀想だしだから…その…ほら、傘っ…!」
モバP「…うん、ありがとな!」
奈緒「んだよ…喜んでるのか? …オ、オウ」
ティローン♪
モバP「うん?ちひろさんからか…」
奈緒「…」
モバP「…」
奈緒「…」
モバP「…ああ」
奈緒「んだよ、何見てんだよ…」
モバP「お前、なんか忘れてないか?」
奈緒「…何を、…ってっ!?」
モバP「ちひろさんから『やらないと消しませんよ?』って…何これ?」
奈緒「…ああああああ、わかった、やる、やるけど絶対笑うな、そして変に思うなよ、モバPさん!」
モバP「お、おう、何やるんだ?」
奈緒「き、」
モバP「き?」
奈緒「来ちゃった☆」
モバP「…急に家に押し掛けに来た彼女かな?」
ピローン♪
奈緒「あああああああ!だから言ったんだ、嫌だって!」
モバP「…まあ、それやるにはまだ早いな、ほい、送信と」
奈緒「送信!?誰にだ!?」
モバP「ん、ちひろさんと何か取引してたんじゃ無いの?…あ、オッケーだってさ」
奈緒「はあああああ…、もうなんなんだこれ…」
モバP「…まあ、改めてありがとな。わざわざ来てくれて」
奈緒「風邪ひかれても困るだけだっ!」
モバP「はっはっは、ほれ帰るぞ」
奈緒「お、おう、っておい!傘持ってきたのに、アタシの傘に入るなよ! モバPさん! バカァ!」
モバP「ほれ、貸せ」
奈緒「…はあ、ああ、もう、…はい」
モバP「はいよ」
奈緒「一応確認だけど、この後もう仕事ないよな、モバPさん?」
モバP「ん?ああ、今日直帰の予定だからな」
奈緒「…」
モバP「…」
奈緒「…」
モバP「…あー、うんそうだな。最近頑張ってるし、メシでもどっか行くか?」
奈緒「オ、オウ。…というか良くわかったな」
モバP「付き合いも長いからなあ…、見てればお前が考えてる事とか割とわかるぞ?」
奈緒「そんなもんか」
モバP「そんなもんだなあ」
奈緒「…」
モバP「…」
奈緒(卯月「奈緒ちゃんもプロデューサーさんが好きだからアイドルやってるんでしょ?」)
奈緒「…!?」
モバP「そういや、お前何食いたい…ってどうした?」
奈緒「ななななな、何でも無い!何でも!」
モバP「…まあいいや、でどこ行きたい?」
奈緒「…あー、そうだな、んー、モバPさんのオススメの所とか無いのか?」
モバP「んーそうだなあ…」
-P宅-
とっとっと、コンコン、ガラガラガラ、ぴしゃっ
モバP「いらっしゃい」
奈緒「…お邪魔します」
モバP「しかし、一時期に比べて急に頻度が増えたなあ…」
奈緒「んー、何か行きにくかったのもあってさ」
モバP「…何かあったっけ?」
奈緒「いや、何も無かったと思うけどな」
モバP「そうか」
奈緒「しかし、良くあんな店知ってたな」
モバP「まあな、俺のおしゃれセンスからいって…」
奈緒「ダウト!それは絶対嘘だ」
モバP「ええ、嘘ですよ、ちょっと見栄張ってみたかっただけですとも」
奈緒「見栄張る事無かろうに…」
モバP「男の性なんだからしょうが無い」
奈緒「…で、誰から教わったんだ?」
モバP「誰だったけな…ああそうだ、卯月だ」
奈緒「ふーん?」
モバP「卯月の仕事終わりの時に確か行ったんだよなあ…、何か卯月が『この辺で行きたいお店があるんですよね』って」
奈緒「結構卯月とご飯行ったりするのか?」
モバP「そうだなあ…卯月とかみくとか後菜々さんとかは多いかなあ」
奈緒「なかなか楽しんでるな」
モバP「ばっか、お前めっちゃ大変なんだぞ、あいつらと行くの。卯月とみくには基本たかられるし、にゃあにゃあうるさいし、菜々さんは油断するとアルコール頼みそうになるし」
奈緒「アイドルモードの時で?」
モバP「アイドルモードの時で」
奈緒「菜々お姉ちゃんそれは…」
モバP「『…あ、菜々、ジュースと間違えちゃった!キャハ☆』って、お前これ週刊誌にすっぱ抜かれたら色々面白い事になっちゃうだろ、ってねえ…」
奈緒「大変な事なんじゃないんだ…」
モバP「ファンもメディアもね…まあ菜々さんだし…ってね」
奈緒「あっ(察し)」
モバP「…その点、奈緒は楽だな。好みも行動とかもわかるし」
奈緒「都合の良い女ってか」
モバP「どんな解釈だバカモノ」
奈緒「いやあ、何かそんな話を聞くとあたしが何か一番蔑ろにされてる気が…」
モバP「んなわけあるかい、大体アイドル皆平等に扱ってるわ」
奈緒「でもなあ…」
モバP「そもそも蔑ろにしてたら今日とか誘って無いわ」
奈緒「そうかな」
モバP「そうだよ。それに奈緒とは付き合いも長いし一緒にいてもさ、なんかこう…なんだ…んー…落ち着く?」
奈緒「なんだその疑問系は」
モバP「いやね、どう表現したらいいか迷ったのよ、ただだから楽っていうね」
奈緒「んー、まああたしもモバPさんと一緒にいるのは落ち着くからなんかわかる気もするけどな」
モバP「…」
奈緒「…」
モバP「…」
奈緒「…なんだよ」
モバP「…ん、ああいや、そういや天海からの宿題ってどうにかなったのか?」
奈緒「んー、まだかなあ…」
モバP「というか何を出されたんだ?」
奈緒「『奈緒ちゃんは何でアイドルやってるの?』だって」
モバP「…なんで?」
奈緒「スカウトされたから?」
モバP「まあそんなもんだよなあ…」
奈緒「そういやなんでモバPさんはプロデューサーになったんだ?」
モバP「話したことなかったっけ?」
奈緒「無いな」
モバP「…そうか、んー、そうだなあ…。自分のため、後は応援したい誰かの手助けをするためかな?」
奈緒「ふーん?」
モバP「最初はあの緑色の蛍光色のツテで765に入社したんだけどな」
奈緒「…そこはちひろさんで良いんじゃないのか?」
モバP「良いんだよなんか癪だから。まあ、最初は余りやる気なかったんだよ。就職活動全滅して途方に暮れてた時だしな」
奈緒「そんな時があったのか…」
モバP「まあ、お前が来なくなった時だしな。それでまあ業務を続けてく内にさ面白くなってきちゃったんだよね、プロデュースが」
奈緒「うん」
モバP「幸いな事にその方向での才能があったらしくてな。それで仕事が順調に進んでさ」
モバP「それに天海や如月、菊地の全力で頑張っている姿とか見てたらやっぱり力になりたいとか思っちゃってな」
奈緒「そういや、やたら仲良かったよな」
モバP「お、嫉妬か?」
奈緒「…、違うに決まってるだろ!」
モバP「あら残念。あいつらは最初俺がプロデュースしてたんだよ。途中から先輩に引き継いだけどさ」
奈緒「ん、何で?」
モバP「うん、それが丁度俺のプロデュース業の起点なのかな?765も業績が安定してきてじゃあ業務拡張しようという時に菜々さんが来たんだよ」
奈緒「ああそれで菜々お姉ちゃんの事を天海さん達が知ってたのか」
モバP「で、まあよくある感じの挫折ですよ。その時の菜々さんの人気が低迷しちゃってね…。菜々さんに才能は絶対あるのに自分がその才能をつぶしちゃっているような気がしてさ」
モバP「そこで今のうちの社長、当時は直属の上司だったんだけど、相談したところ、『お前は何でプロデューサーをやってるんだ?』って言われちゃってな」
奈緒「うん」
モバP「まあ、要は自分が何をしたいか、って事なんだけどな。で、今自分が一番何をしたいか、というのを考えたところ、【菜々さんの力になりたい】って事だったんだよな」
奈緒「昔馴染みだから?」
モバP「うん、まあそれもあったし、菜々さんが昔からアイドルになりたいと思って頑張ってきた事とか、そういうのも見てきちゃってるからさ」
奈緒「うん」
モバP「で、まあそれと自分の力を試したい、という話をうちの社長に話をしたら、『わかった』って一言残して、この状況になりましたとさ」
奈緒「で、CGプロ設立と」
モバP「そう、まあその時に菜々さんが人気出なかったらプロデューサー辞めようとも考えてたしな」
奈緒「…」
モバP「結局はその時の社長も、お前に宿題を出した天海もそういう事が言いたいんじゃないかな」
奈緒「自分が何をしたいか、どうしたいのかって事か?」
モバP「それとどういう覚悟があるかって事かな。例えば俺だったら『プロデューサー辞める』とかな」
奈緒「あたしだったら『アイドル辞める』とかか?」
モバP「まあそんなところか、…といいつつ今辞められても困るんだけどさ」
奈緒「いや、まあ私は辞めないけどさ」
モバP「おう、助かる。という訳でまあそれくらいの想いと覚悟は何かを成し遂げる上では必要なんじゃないかな、っていう俺の体験談」
奈緒「なるほどな」
<私が負けたらアイドルを辞めるよ>
奈緒(あいつはそんな覚悟を持って今回のLiveバトルに挑むのか…)
モバP「少しは参考になったか?」
奈緒「ん、まあ、もう少し考えてみる」
モバP「おう、ってこんな時間か、そろそろ戻って寝ろよ、こんなところで体調崩す訳にはいかないだろ?」
奈緒「ああ、…ありがとな」
モバP「ん、良いって事よ。お前が好きな時に頼れ。俺はお前のプロデューサーだからな」
奈緒「おう、オヤスミ」
モバ「オヤスミ、また明日な」
はい、一旦中断です。相変わらず進行が遅くすみません。
後、もう少し続くのでお付き合い頂けると幸いです。
>>129
あんな天才的な発想私には無理ッス。
ではまた。
>>1乙、待ってた。相変わらず( ・∀・) イイネ!
>卯月~『それに君は普通じゃない。普通に可愛いからね。アイドル向きだ』~
当然の真理だよな、しまむーが並以下とか平凡て意味合いの普通レベルだったら
アイマス世界の女子の平均レベルはとんでもない事になるぞ( ゚д゚ )クワッ!!
-----イベント当日-----
モバP「で、結局回答は出たのか?」
奈緒「んー、どうだろうな…」
奈緒(結局、最後までこれだという回答は出せなかった)
モバP「そうか…まあ、あんまり悩むなよ。もし出ないというならば何も考えずにLiveそのものに専念した方が良いからさ。変に迷うとパフォーマンスが落ちるぞ」
奈緒「ん…わかった」
奈緒(今日はあいつとの勝負の日だ。負けられないし、負けてやるわけにはいかない)
モバP「俺はこれから準備や裏方には回らなくちゃならないから、そろそろお前から離れるが今のうちに聞きたい事は無いか?」
奈緒「ん、大丈夫かな、モバPさんは何か無いのか?」
モバP「なんだ、心配なのか?」
奈緒「まあそりゃ初Liveイベントだし」
モバP「菜々さんの時に出たじゃん」
奈緒「…あれは、あたしがメインじゃないじゃん。一人じゃないし」
モバP「同じだよ。あの時と同じように今の実力を出せればきっと大丈夫」
奈緒「そんなもんかね…」
モバP「そんなもんだな。後はそうだな…。もしお前に自信が無かったり、迷いが出るならばさ」
奈緒「うん」
モバP「俺を信じろ、お前を信じる俺を信じろ」
奈緒「…螺旋的なアレかな?」
モバP「あれ、人生の中で言ってみたい台詞の中で割と上位だよな」
奈緒「いや、まあそうだけどさ…」
モバP「まあさ、俺はお前を今まで近くで見てきたしさ、お前の実力も把握してる。それで、お前が今までレッスンでどれだけ頑張ってきたかも見てるしな」
「菜々さんのLiveの時も、他の仕事をこなしている時も近くで見てきた中で俺は確信したよ、お前はトップアイドルになれる資質があるって」
「俺はお前を信じてる。だからこそ俺もお前をサポートしてきたし、今日まで俺がプロデューサーとして出来る準備もしてきた」
モバP「だからこそ今日は絶対に勝てる」
奈緒「…買い被ってんなあ」
モバP「はは、でも嘘は言ってないぞ」
奈緒「見ればわかるけどさ」
モバP「だろ、だから俺一人じゃ見られない世界を見せてくれ。俺ら二人のスタートラインだよ、今日が」
奈緒「…」
モバP「後は任せたぞ」
奈緒「…頭に手、乗せんな」
モバP「ならこうしちゃる!」
奈緒「おい!わしゃわしゃすんじゃね-!」
モバP「あははは、…まあ大丈夫そうだな」
奈緒「…うん」
モバP「よし!行ってこい!」
奈緒「応!」
奈緒「…よう」
凛「うん?…ああ、逃げずに来たんだね」
奈緒「ああ?」
凛「賭けを延期すれば少しは伸びたのかもしれないのに」
奈緒「…それはお前のアイドル人生だろ」
凛「ふーん、勝つ気でいるんだ」
奈緒「負ける前提で来るバカがどこにいるんだよ」
凛「それもそうか…で、どれ位の割合で私に勝てると思ってるのかな」
奈緒「100%だよ!」
凛「ああ、そう。じゃあ奪っていこうか、あんたの自信と」
凛「あんたのプロデューサーを」
スマン。短い。全部フェスが悪い(責任転嫁)
11社争いのせいで傭兵ノルマが高くてヤバい。
というわけで導入部分でした。では、近いうちにまた。
ちひろ『さあ!ついに始まりました!シンデレラガールズLiveバトル!』
『本日司会進行を務めさせて頂くCGプロアシスタントの千川ちひろでございます。よろしくお願い致します』
『さて、今回の勝負形式ですが、じゃじゃん!』
【CGLiveバトル形式】
『オーソドックスなCGLiveバトル方式となります!』
『勝負形式はいたって簡単、観客を盛り上げた方の勝ちです!会場の熱気を各センサーと集音マイクで測定し、
数値化したものがLiveバトル後にあの特大モニタに表示され、数字が大きい方の勝ちとなります!
又、勝負は先攻、後攻の三本勝負、先に二本先取した方の最終勝利となります!』
『そして、皆さんお待ちかねの今日の対戦カードを発表します!』
『それでは皆さん、準備は良いですか!?』
『本日の対戦カードは…』
奈緒(ちひろさんが本日の司会らしい)
(…つーかちひろさんMC上手いな、的確に観客を煽っている)
(そしてそれに合わせて会場のボルテージが上がっていく)
(あたしと渋谷のLiveバトルは最終カード)
(恐らく観客のテンションは最高潮になっているに違いない)
(自分が何のためにアイドルを始めたのか、やっているのか、やっていくのか)
(答えが出そうで出なくてもやもやする)
(ただ、負ける訳にはいかない、負けてやる訳にはいかない)
(だからあたしは今日の勝負に勝つしかない!)
ちひろ『さて、それでは本日の最終カード!!』
『渋谷凛 VS 神谷奈緒 !!』
『歴代最速ランクアップ候補と呼ばれる渋谷凛ちゃんと彗星の如く現れた期待の大型新人、神谷奈緒ちゃんの対戦カードとなります!』
『本日の対戦カードの中では最も注目されている対戦カードでは無いでしょうか!』
『それでは皆さん、準備は良いですかー!!』
(ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!)
『ボルテージも最高潮になったところでアイドル、入場ー!!』
モバP「お疲れ様です、ちひろさん」
ちひろ「お疲れ様です、久しぶりにやると流石にキツイですね…」
モバP「いやいや、全然出来てたじゃないですか」
ちひろ「まあ、奈緒ちゃんの晴舞台ですしね。私も何か出来ない事は無いかと」
モバP「それでしばらくぶりで復活と」
ちひろ「いやー、この一回が限界でしょうねえ…」
モバP「結構好きなんですけどね、ちひろさんの声」
ちひろ「んー、口説いてます?」
モバP「アイドルとしてなら、と」
ちひろ「つれないですね…」
モバP「良い金蔓にならないと」
ちひろ「私を何だと思っているんですか」
モバP「優秀なアシスタント、ですかね」
ちひろ「あれ、いつもは『鬼、悪魔、ちひろ!』とか言う癖に」
モバP「…鍵クロ欲しいんで」
ちひろ「なに急に恥ずかしかってるんですか」
モバP「まあ、ここらでそろそろ一段落つけようかなと」
ちひろ「…確かにちょうど良い時期かもしれませんね、皆アイドルとして育ってきてますし」
モバP「後は今日の奈緒次第ですかねえ」
ちひろ「で、正直どうなんですか?奈緒ちゃんは」
モバP「んー、今のままだとキツイかもしれませんね」
ちひろ「あら随分辛口な」
モバP「まだ迷いがあるんですよね、アイドルである事に」
ちひろ「あー、そういえば春香ちゃんが言ってましたね、『奈緒ちゃんにアイドルとして一皮むける課題を与えたよ!』って」
モバP「しかもそれをあそこで見てるというオマケ付き」
ちひろ「うん!?え、大丈夫なんですか!?」
モバP「まあ変装してるしお客さんはステージ見てるから大丈夫でしょう。暗いし」
ちひろ「いやあ…まあ…しかもあの席、ステージ上からはしっかり見えるという」
モバP「凄いプレッシャー与えてますよね、そしてあいつらほぼ皆で会場にいますからね」
ちひろ「えー…ああ…本当にいますね…」
モバP「あとで小鳥さんがちひろさんに何か連絡するって言ってましたよ」
ちひろ「うわあ…面倒くさい…」
モバP「どうせあいつらの対策でしょうしね…」
ちひろ「はあ、まあ『優秀なアシスタント』ですからね」
モバP「いや、そういう訳で言った訳じゃないんですが」
ちひろ「わかってますよ、わざとです」
モバP「ええ、長い付き合いですからね」
ちひろ「…ふふ、まあ奈緒ちゃんの勝利を願って私ももう少し頑張りますか!」
モバP「私も何か手伝うことがあれば言ってくださいね」
ちひろ「ええ、その時は。頼りにしてますからね」
凛『さあ行くよ、皆ついて来て』
ステージが暗い中からの一声が聞こえ、スポットライトがあいつを照らす。
イントロが始まり、パンッと派手な爆発音と共に歌い出す。
観客のテンションは初めから最高潮に上りスタートする。
凛々しくも力強い歌声がステージ上を駆け巡り、あいつはこのステージの支配者となっている。
…やっぱりあいつ上手いな。
要所で観客を煽り、上げてきたところで自分のパフォーマンスを魅せつける。
完全にこの場はあいつの空気となっていた。
だけど負ける訳にはいかない。
歌はあいつの方が上だけどダンスではあたしの方が上回っている。
それを活かしてこの勝負、戦っていくしかない。
凛『皆ありがとう!このままのペースで最後まで行くよ!』
ーーー状況は最悪。観客は全てあいつの空気に持っていかれている。
これを全てあたしはひっくり返さなければならない。
『俺を信じろ、お前を信じる俺を信じろ』
ならば信じよう。モバPさんを。
『だからこそ今日は絶対に勝てる』
ならば信じてみよう。あたし自身を。
攻守交代。今度はあたしのターンだ!
と、ここで一旦中断。前回はここまで行く予定だったんです…
フェスは一枚予定でしたが無事二枚取りました(白目)
そしてアイプロは爆死確定したので撤退です。凛ちゃんはパーチケに賭けるしかねえ…
それではまた。
渋谷の1曲目が終わり再び暗転。
あたしはステージの奈落へセットする。
明転と同時にイントロが流れ、ジャンプアップで登場を決める。
あいつの空気から一転し、観客からどよめきが起きる。
どうやら掴みはOKのようだ。ならこの空気、私のモノにする!
-------------------------
「モバPさん!」
モバP「ん?ああ、天海か」
春香「あれ?驚かないんですか?」
モバP「いや、来てるの知ってたし」
春香「えー…、せっかく驚かそうと思ってたのに」
モバP「お前らが来るって事で増えた業務量は驚きだよ…」
春香「まあまあ、私だって奈緒ちゃんのステージ見たかったんですよっ!」
モバP「応、それについてはありがとな」
春香「どういたしまして、あ、皆も連れてきましたよ!」
モバP「…バレないようにしろよ」
春香「皆変装してるから多分大丈夫だと思うんですけどねー…」
モバP「まあ、暗いから大丈夫か…、お、そろそろ第1ラウンド始まるぞ」
パーンッ!
春香「おお、格好いい」
モバP「だろ」
春香「渋谷さんが場の空気を支配してたからマズいかなと思ってたけどこれはこれは…」
モバP「お前達のおかげだろうな、短期間でここまでやれるようになったのは」
春香「いえいえそれほどでも、結局は奈緒ちゃんの力ですから。でも、これなら奈緒ちゃん勝てそうじゃないですか?」
モバP「んー、どうだろうな…、過去の渋谷のLive映像みてるとまだ全力じゃないと思うんだがな」
春香「まだ何かを隠してるって事ですか」
モバP「恐らくな…だからお前達にお願いをしにいった訳だし」
春香「後は奈緒ちゃんの宿題次第ですかね」
モバP「あー、天海が出したって言ってたやつか?」
春香「あ、多分それです」
モバP「あれ、すっごい悩んでたぞ奈緒」
春香「と言われてもですねえ…」
モバP「まあそうだよなあ…。何がきっかけになるかはわからないけどさ…」
春香「そもそも私達にそれ教えたのもモバPさんじゃないですか、あの時の言葉未だに覚えてますよ?」
モバP「…忘れろよ、というかなんで覚えてんだよ」
春香「いやあ、本気の言葉って忘れられない物なんですね」
モバP「お前…まあいい、奈緒には絶対言うなよ…」
ちひろ『さあ、挨拶代わりの第1ラウンド目、いかがでしたでしょうか!』
『集計も終わりましたので、結果発表です!』
『渋谷凛ちゃん 12720!』
『対する神谷奈緒ちゃんは… 13038!』
『第1ラウンドは神谷奈緒ちゃんの勝利です!』
凛「…へー、ちょっとはマシになったじゃん」
奈緒「うっわ、ムカつく!お前負けたのになんだその態度!」
凛「いやいや、もっと下に見てたからさ…ごめんね?」
奈緒「なんだその上から目線の斬新な謝罪!え、それ謝罪!?」
凛「まさか…でもこれじゃあ、まだまだかな」
奈緒「は?何負け惜しみ言ってんだよ?」
凛「え?今ので勝負ついたと思ったの?まだ第1ラウンドだけど?」
奈緒「…思ってねえよ!」
凛「だよねー、じゃあ、次からは少し本気出すから」
奈緒「あ?じゃあ今までは?」
凛「40%位かな?次からは80%で相手してあげる」
奈緒「なめてんのか」
凛「奈緒、もしかしてまだ自分が負けないと思っているの?」
奈緒「お前は戸愚呂弟か!?」
凛「それは何?…まあいいや、じゃあ次で実力の違いって物を見せてあげるよ」
凛『さっきは残念な事に負けちゃったけど、次は期待してね!』
『2曲目は最初からフルスロットル!』
『みんな、行くよ!』
奈緒(言うだけな事は合って流石のパフォーマンスだな、あいつ)
(でも、この分なら負けなさそう…というか、あいつのあの自信は一体何なのだろうか)
(あたしがここからパフォーマンスが落ちると思っている?それとも何かあいつに隠しているものがあるのか?)
(なんだろう、この不安感は)
春香「やった!奈緒ちゃん勝ちましたよモバPさん!」
モバP「うん、まあここはこっちの読み通り…というかここで負けられると絶対に勝てなくなる」
春香「…どういう事ですか?」
モバP「んー、過去の映像や資料をみると、渋谷は2ラウンド目からどうやら実力を発揮する事が多いんだよな」
春香「スロースターターなんですかね?」
モバP「んー…わからん」
モバP(ただのスロースターターなら良いんだが)
春香「あ、渋谷さんの2ラウンド目始まりますよ!」
『さっきは残念な事に負けちゃったけど、次は期待してね!』
モバP「来るか…」
『2曲目は最初からフルスロットル!』
春香「これ次第ですかね、奈緒ちゃんの勝利が見えるかは」
『みんな、行くよ!』
――――特技発動!!
『静かな闘志』
奈緒(嘘…だろ…!?)
ちひろ『第2ラウンドは大差をつけて渋谷凛ちゃんの勝利となりました!』
『これは勝負が決まってしまったか!?なんと1勝1敗で勝敗は最終戦へともつれ込みます!』
凛「…これが実力の差ってやつだよ」
奈緒「お前、こんなもの隠してたのか…!」
凛「だから、言ったんだよ。『勝つ気でいるんだ』って」
奈緒「…」
凛「今はやる気は感じられるけど、やっぱり覚悟が足りない」
「だから、実力を見誤る」
奈緒「…」
凛「まあ、最終ラウンドまでに何か手があるか、考えてみれば良いんじゃない?」
「もしくはあんたのプロデューサーに別れの挨拶でもしてくる?」
「今のままじゃ絶対に私には勝てないから」
「じゃ、最終ラウンドが始まるから行くね」
奈緒「…くっ!」
つー訳で一旦中断です。
アニバアイプロでボーダー見誤って爆死したのは私です。
今は奈緒1枚目指してます。二枚は無理だよ!なんだこのボーダー!
ではまた。
モバP「勝てない、か」
春香「…今の奈緒ちゃんじゃ難しいでしょうね」
モバP「流石の歴代最速ランクアップ候補。あそこまで自分を使いこなせるか…」
春香「この間のレッスンで私たちの経験値を吸収出来てれば良いんですけどね」
モバP「といってもまずは奈緒の方できっかけを掴んでないとどうしようもないからなあ」
春香「ですね…」
奈緒(あいつ、あんな隠し玉持ってたのかよ…!)
(何をどうすればこのバトルに勝てるんだ?)
(絶対に負けるわけにはいかない!)
(…とは言うものの今の実力だと小細工しても役に立たないのも確かだ)
(どうする?頭を働かせろ、あたし)
(…というか何であたしはこの勝負を受けた?)
(あいつに喧嘩を売られたから、それで自分が馬鹿にされてムカついたから本番で見返してやろうと思ったからか?)
(リハーサルで実力差はわかっているのに?そんなにあたしは頭が回らなかったか?)
(…違う、そうじゃない。わかっていた上であたしは受けている)
(何でってそれは自分だけじゃなくモバPさんやちひろさん達を含めて馬鹿にされた気がしたからだ)
(ただ、今日やってみてわかった。それを含めてもあたしは実力不足で今のような事が起きているんだろう)
(じゃあ、次、その実力不足を自覚した上でまだ負けたくないっていう気持ちが強いのはなんでだ?)
(それもわかっている。…認めるのは癪だけど、モバPさんを取られたく無いからだ)
(…なんでだ?負けたからってあいつみたいにアイドルを辞める事を賭けている訳じゃない、モバPさんがいなくてもアイドルは続けられるだろう)
(そもそも何であたしはアイドルを続けたいと思っている?最初は乗り気じゃなかった癖に)
(『奈緒ちゃんは何でアイドルをやってるの?』)
(ああ、確かにそうだ、なんであたしはアイドルを始めた?なんでアイドルを続けている?)
(菜々お姉ちゃんのライブに出演させて貰った時のあの気持ちが忘れられないから?)
(それもある、それもあるけどだ)
(モバPさんにお願いされたからか?)
(…それもあるだろう、でもそれだけか?本当にそれだけか?)
(いや、違う、あたし自体もアイドルに憧れてたからだろう)
(菜々お姉ちゃんがアイドルに憧れて、努力して夢を叶えてて)
(そんなところをモバPさんと一緒に見てて)
(モバPさんもその頃から菜々お姉ちゃんを見てて)
(就活が全滅、とか『それに天海や如月、菊地の全力で頑張っている姿とか見てたらやっぱり力になりたいとか思っちゃってな』とか言ってたけど)
(きっとモバPさんも菜々お姉ちゃんの事があったから、今もプロデューサーを続けているんだろう)
(だから、あたしも)
(あたしもそんなモバPさんと菜々お姉ちゃんを昔から見てきて、あたしもアイドルになりたいって思って)
(色んなサポートしてくれるちひろさんや、トレーナーさん、卯月やみくみたいな仲間、応援してくれるお客さん、そんな皆と出会って)
(…それに昔から色々な事の力になってくれていたモバPさんとトップを目指したいと思ったんだ)
(…)
(…ああ、そうか)
(…そういう事なんだな)
(『やっぱり好きな人の為には頑張らないと!』)
(いつも近くにいてくれて当たり前だと思っていたけど)
(『…ちなみに卯月はlikeとloveどっちだ?』)
(いざとなったらあたしが思っていた以上に取られたくない)
(『…奈緒ちゃんと一緒かな!』)
(…ああ、そうだな、卯月)
(確かにあたしと一緒だよ)
凛「…さて、最終ラウンド、こちらのターンは終わったけど」
凛「覚悟は決まったの?」
奈緒「…」
奈緒「…あっはっはっはっは!」
凛「…ショックで気でも触れたのかな?」
奈緒「…ああ、いや、ゴメン。何でもないよ」
凛「ふーん?」
奈緒「…まあ覚悟は決まったかな」
凛「…随分殊勝な事を言うね」
奈緒「おうよ。決まったさ、悪あがきをする覚悟がな」
凛「…ふーん、じゃあ見せてよその悪あがきを」
奈緒「言われなくても。見せてやるよ、あたしの覚悟をな!」
一旦中断。
次はもう少し早く来られそう。それでは。
第8章 素直な気持ち
モバP「…泣いても笑っても最終ラウンドか」
春香「…奈緒ちゃん、勝てると良いんですけどね」
モバP「今だと難しいけどな、まあ信じるしか無いだろう」
春香「奈緒ちゃんの事、本当に信頼してるんですね、モバPさん」
モバP「言っちゃったからなあ、『お前を信じる俺を信じろ』って」
春香「螺旋的なやつですかね?」
モバP「…なんでお前も知ってるって…ああ、あいつか…」
春香「モバPさんとちひろさんいなくなってから大分コレクションが増えまして…」
モバP「…ああ、そう。まあいいや、そう言っちゃったから、俺があいつを信じなきゃどうするってな」
春香「相変わらずですね」
モバP「人間、この歳になったらそうそう変わらないよ」
春香「そんなもんなんですかね」
モバP「そんなもんだよ」
春香「…奈緒ちゃんも大変ですね」
モバP「…うん?」
春香「いや、何でも無いですよ?…さて、じゃあどちらにしてもそろそろモバPさんは関係者側に行った方が良いんじゃないですか?」
モバP「そうだな、じゃあ行くわ、なんか余り構ってやれずにすまないな」
春香「じゃあ、レッスンの分も兼ねて今度何か私たちに奢って下さいよ!」
モバP「…ん、考えとく、じゃあ、そろそろお前も皆のところへ戻りな、皆によろしくって言っといて」
春香「了解です!じゃあ、又今度!」
モバP「じゃあな」
ちひろ「お疲れ様です、モバPさん」
モバP「お疲れ様です」
ちひろ「なかなか強いですね、凛ちゃん」
モバP「思った以上の逸材ですね、あの娘」
ちひろ「…あれ、珍しい、変わった娘以外を認めるなんて」
モバP「あんた、私をなんだと思っているんですか」
ちひろ「モバP再生工場?」
モバP「別にささやき戦術とかしていないんですが…」
ちひろ「アイドルには睦言ささやくんでしょ?」
モバP「するわけ無いでしょ」
ちひろ「なんだつまらない」
モバP「そんなつまらない事で事務所潰せませんよ…」
ちひろ「でも確かに正当派アイドルって奈緒ちゃんしかいないですしねえ」
モバP「出来る事なら、もう少し正当派のアイドルをスカウトしたいんですけどね…」
「…って黙って聞いてれば菜々が正統派アイドルじゃ無いみたいじゃないですか!」
モバP・ちひろ「もちろん」
菜々「ひどい!」
モバP「…というか菜々さんいたんですね」
菜々「そりゃ奈緒ちゃんの晴れ舞台ですから!応援に来ちゃいましたよ!」
モバP「ありがとうございます、といってもなかなか難しい感じですけどね」
菜々「そうなんですか?」
モバP「今のままでは…まあ、奈緒が何か春香達とのレッスンで何か掴めてたらわからないんですけどね」
菜々「春香ちゃん達とレッスンしてたんですか?」
モバP「なんかその時に春香から何でアイドルをやっているか、とかいう『宿題』を出された様で」
ちひろ「それの回答が出せれば、って春香ちゃんも言ってたらしいんですけどね」
菜々「…まあそれなら大丈夫な気がしますけどね?」
モバP「うん?なんでですか?」
菜々「うーん、なんというかですねえ…。奈緒ちゃんも多分菜々と同じなんじゃないかって」
モバP「チバミン星人だから?」
菜々「P?」
モバP「すみませんでした!」
ちひろ「なんという綺麗な土下座…」
菜々「まあ、見てればわかると思いますよ?」
奈緒(第3ラウンドが始まる)
(思った以上に心が軽い。先ほどまでの絶望感が嘘みたいだ)
(ああ、そうだ。ようやく見えてきた)
(観客席の皆の顔が、スタッフの皆の顔が)
(私の大好きな人達の顔が)
(そうだ。今のあたしはそんな人達の力でここに立っている)
(ならば伝えよう、あたしの気持ちを。ダンスで、歌で、言葉で)
(あたしの全身全霊をもって伝えよう)
――――特技発動!!
『素直な気持ち』
一旦中断。
現時点で7割位までは来ているからエタらないとは思う…。
アニメがヤバい。なにあれ。ソシャゲマネー凄い。
課金が報われていると凄く感じる(課金騎兵感)
武内Pで何か書きたくなるけど如何せん筆が遅いからなあ…。
まあそれはともかく次も早く来られるように頑張ります。
それでは。
菜々「あ、出てきましたね」
モバP「…」
菜々「さっきの凛ちゃんも大分凄かったですからねえ」
モバP「あとは奈緒がどれだけ対抗出来るかですね」
菜々「んー、菜々としては大丈夫な気がしますけどねえ」
モバP「…どうしてですか?」
菜々「だって、春香ちゃん達とレッスンしたんでしょ?」
モバP「ええ、まあ」
菜々「奈緒ちゃんならきっと春香ちゃん達のスキルを吸収できてますから」
モバP「…」
菜々「それにですね?」
モバP「…?」
菜々「あの奈緒ちゃんの顔見てくださいよ」
モバP「…ああ」
菜々「ね?どうみても負けると思っている顔じゃないですよね」
『みんなっ!今日は来てくれてありがとーっ!』
(うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!)
『うん、さっきはちょっと負けてへこんでたけど、色々考えてたら吹っ切れたわ!』
(奈緒ちゃん頑張ってー!!)
『応、任せとけっ!じゃあ、泣いても笑っても最後の1曲、準備はいいかあっ!?』
(おおおおおおおおおおおおお!!!)
『…ははっ、ホント、アタシを応援してくれた人たちに、アタシにの大切な人に、みんなに感謝してる!みんな大好きだーっ!』
会場のボルテージは最高潮に達した。
さっきまで重かった体は嘘みたいに軽く動く。
音楽も歓声も皆の顔もステージもセットも何がどうなっているかが良くわかる。
煌めくステージ、揺れる会場、轟くファンの皆の声、全てがアタシの力になる。
最早、賭けとかLiveバトルとか色々な事が頭を抜けていく。
今の瞬間一秒を全力で駆け抜ける、全身全霊をかけてアタシの想いを伝える。
そして、今のこのステージを最高のステージに仕上げる。
皆が楽しそうにしているのがわかる。そんな中でパフォーマンスが出来るとアタシも楽しい。
さっきまでの気持ちとは打って変わって感じる。
…ああ、あの時は菜々お姉ちゃんについていくのでいっぱいいっぱいでよくわからなかったけど。
今はステージが、会場が、キラキラして見える。
まだ駆け出しのアタシだけれども。上を目指せばもっと違って見えるのかもしれないけれども。
それでも、今日の事はしっかりと覚えておこう。
今日のこの出来事を。今日のこの気持ちを。
決して忘れないように。
モバP「ははっ、さっきまでの空気全部自分のモノにしやがった」
ちひろ「…アイドルとして一皮剥けましたかね?」
菜々「ええ、ようやくスタート出来た感じですね」
ちひろ「土壇場で良く盛り返しましたね、モバPさん?」
モバP「こちらが仕掛けた事を全部消化してもらえればなんとかなる様には準備してましたが、ここまでの出来になるというのは予想外でしたね…」
ちひろ「本当凄いですよ、奈緒ちゃん」
モバP「だから言ったじゃないですか」
ちひろ「?」
モバP「『ああみえて、決めるときは決める格好良いやつですよ』って」
「今回の事は本当に申し訳ございませんでした!!」
モバP「ああ、いえ、そんなにされなくても大丈夫ですよ…」
「…し、しかし弊社の渋谷が御社に大変なご迷惑をお掛けして」
モバP「…と言われましても、私も先ほどにうちの奈緒から聞いてようやく現状を把握出来ている訳で」
「…え?」
モバP「だから頭を上げてください。いや、本当に」
ちひろ「お疲れ様です…って、モバPさん、どうされたんですか?」
モバP「んー…、なんて言えば良いのか難しいのですが…」
モバP「応、お疲れ、奈緒」
奈緒「!、モバPさん!」
モバP「良くやった、今日は最高のLiveだったな!」
奈緒「やめ、やめろ!頭をわしゃわしゃするのは!ぐちゃぐちゃになるだろ!」
モバP「なんだ…じゃあどうしろと言うんだ」
奈緒「普通にしてくれれば良いんだよ!普通で!」
モバP「うーん、そうか…普通に、ねえ…」
奈緒「いや、そんな考える事じゃ無いだろ!?」
モバP「うん、今日はスゲエ可愛かった!」
奈緒「…」
モバP「…」
奈緒「…」
モバP「…」
奈緒「…モ、モバPさんがカワイイって言ってくれるなら…」
モバP(…うん?)
奈緒「…う、嬉しい」
モバP「…」
奈緒「…」
モバP「…お、おう」
奈緒「…うん」
モバP「…」
奈緒「…」
モバP「…う、うん、で、なんか凄い今日のLiveバトルに勝ちたがってたけどどうよ?」
奈緒「ああ、なんか凄いほっとした…」
モバP「うん?」
奈緒「モバPさんが取られなくて本当に良かった…」
モバP「…え、ちょ、なにそれ?何、俺、誰に取られるの?」
奈緒「…あ」
モバP「『…あ』って、え、いや本当に何それ?」
奈緒「…あー、とだな、いつぞやのリハーサルの時にだな…」
ちひろ「…なに担当アイドルといちゃついてるんですが」
モバP「いや、うん、そういう事を伝えたいわけじゃないね?そして別にいちゃついてはいないよね?」
ちひろ「いや、まあ冗談です。事情は理解できました。それでいちゃついてはいるのでそれは否定できません」
モバP「あ、そう…まあいいや…、と、いう訳で先方の方が謝罪訪問にやってきた、という状況です」
ちひろ「成程」
「本当に申し訳ない!責任をもって、しっかりと約束を守らせますので!」
モバP「…あ、そういえば私、聞いて無いのですが一体どんな約束だったのですか?」
「ええ、どうやらアイドルを辞めるとか言っていた様で…」
モバP「ええ!?」
一旦中断です。
後二割程かな?1年は経たないようにしたいなあ…
それではまた。
(あーあ、終わっちゃったか…)
(もう少し続けていたかったけど)
(まあ、今の状態で続けられるかと言われると難しかったけどね…)
―――――………ぃっ!!
(だから、これで)
―――――……聞こ…っ…!!
(これで良かっ)
―――――ちょっと待てよ、渋谷凛っ!!
凛「…なんだあんたか」
奈緒「…お前、これからどうすんだ?」
凛「さあ?」
奈緒「さあ?…ってお前…」
凛「とりあえずは家に帰るかな」
奈緒「そういう事じゃねえだろ!」
凛「…冗談だよ」
奈緒「お前、本当にアイドル辞めるのか?」
凛「なに、あんたのプロデューサーくれるの?」
奈緒「やるか馬鹿」
凛「…じゃあ辞めるかな」
奈緒「賭けに負けたからか?」
凛「まあ、そうなるかな」
奈緒「売り言葉に買い言葉であたしだって受けたけど、別にそんな事ぐらいでっ…」
凛「…だからあんたは覚悟が足りないって言ってるんだよ」
奈緒「…っ」
凛「『そんな事ぐらい』だって?」
凛「たかだか『そんな事ぐらい』の事にこっちは覚悟を決めてトップを目指してるんだよ私は」
凛「…まあ、もう辞めるから目指していたってなっちゃうけどね」
奈緒「だからって…!」
凛「そっか…んー、じゃあもう一度聞くけど」
奈緒「…なんだよ」
凛「アンタのプロデューサー、私にくれない?」
奈緒「…無理だよ」
凛「でしょ、だからこの話はここでおしまい。アンタはこれからあのプロデューサーと上を目指す」
凛「私はアイドルをここで辞める、ただそれだけの事だよ」
奈緒「…それだけの事だって?」
凛「うん、それだけの事」
奈緒「そんなっ…」
凛「納得いかない?」
奈緒「当たり前だろっ…!賭けからなにから訳わかんないんだよっ!」
凛「…じゃあ、少し昔の話をしようか」
「むかーしむかしあるところに、日常を退屈に過ごしている女の子がいました」
「ある日、いつも通り何をする訳でも無く毎日をなんとなく過ごしている女の子にある男が声をかけました」
「『アイドルに興味はございませんか?』」
「日々に退屈していた女の子は、疑いながらもその男の話に興味を持ち、話を聞くことにしました」
「一通り話を聞き終わると資料と名刺を渡されたのです」
「女の子は三日三晩悩みました。そしてアイドルになる事を決めたのです」
「日々辛いレッスンをこなし、最初のころは順調にお仕事も増え、着々と実績を積み上げていました」
「声をかけた男とアイドルになった女の子は、毎日忙しいながらも充実した毎日を送っておりました」
「しかし、女の子がある時からオーディションに受からなくなってしまったのです」
「来る日も来る日も必死でレッスンを行い、毎日のようにオーディションを受け続けていたのですが、一向に受かりません」
「それに合わせた様に仕事も激減し遂には仕事がゼロになってしまいました」
「さて、ここで更に女の子にトラブルが起きます」
「その女の子の成績不振による責任をスカウトした男が負う事になりその担当を外されてしまいました」
「それからというものの女の子の担当は変わる担当全てが女の子と合わず、変わり続けていきました」
「もちろん、そんな事も続かず、遂には事務所からセルフプロデュースを言い渡されてしまったのです」
「それでも女の子はめげずにアイドルを続けました」
「毎日のように必死で努力して、色々な人にアドバイスを受け、時には悩んだり迷ったりしながらも続けていました」
「最初は退屈だから、と始めた事が女の子の性格からか、やるからにはトップを目指すという想いに憑りつかれてしまったのです」
「しかし、その想いとは裏腹に全く結果が実らず、事務所からも最終通告を受ける直前でした」
「そんな中であるオーディションでの休憩時間中、ある事務所のプロデューサーから声をかけられたのです」
「『君は今楽しいのかな?』」
「目から鱗が落ちるようでした」
「自分が何でアイドルを続けているのか、という事をその女の子は完全に忘れていたのです」
「それからというものの女の子は次第に色々なオーディションに受かるようになり、又、仕事も増えていったのです」
「女の子はその時のお礼を言おうと、そのプロデューサーが何者なのかを調べ始めました」
「そして調べていくうちに、そのプロデューサーはある事務所の敏腕プロデューサーだという事がわかりました」
「そのプロデューサーがプロデュースしたアイドルはほぼブレイクをし、自分のポジションを確立させる。そんなプロデューサーでした」
「その事実が判明してからしばらくたったある日、Liveバトルのイベントでそのプロデューサーがいる事務所のアイドルと対戦する事となったのです」
「女の子はその時のお礼とそのプロデューサーがプロデュースしている最近話題となっているアイドルと対戦できることを楽しみにしていました」
「しかし、リハーサルを行ったところ、そのアイドルからは全く本気度を感じられなかったのです」
「私はこんな環境の中、苦労して努力してようやくこのポジションに立っているのに、どうしてこいつはこんなにやる気が感じられないのだろう」
「特に意志もなく、ただ流されるままにやっている」
「どうせ、今のままでは私もここで燻り続けているだけで上を目指すことなんて出来ないだろう」
「それにこんなやる気の感じられない子にここまでやってきた私が負ける訳が無い」
「どれだけ自分が恵まれた環境で甘い考えを持っていたかわからせてやる」
「そんな彼女にイラつきを覚え、自分のアイドル生命を賭けた賭けを申し込んだのでした」
凛「…そして、その女の子は勝負に負けてしまい、宣言通りアイドルを辞めるのでした。おしまい」
という訳で一旦中断です。
長期間投下出来ず申し訳ございませんでした。
次は近いうちに投下出来るように頑張ります。
それでは。
モバP「なんでまたそんな話に…」
「いえ、それがなんともわかりません…」
モバP「…であなたはそれを止めたのですか?」
「…いえ、彼女が決めた事なので」
モバP「んー、何か腹落ちがいかないのですが…。あなたは渋谷さんにアイドルを辞めて欲しかったのですか?」
「そんなことは…!」
モバP「では何故、あなたはその話を聞いて彼女を止めないのですか?彼女のプロデューサーですよね?」
「…私には彼女にそのような事をする資格が無いのです」
モバP「はい?」
「…私は彼女の元プロデューサーなのです」
「私は彼女がこの世界に入るきっかけを作った人間です」
「というよりは私が引きずり込んだ、というべきでしょうか」
「彼女に光る可能性を感じ、スカウトをしたのです」
「最初の頃は仕事もレッスンも好調で順調に仕事や実績を作っていたのですが、ある時から急にスランプに陥りました」
「スランプ、というよりは私のプロデューサーとしての能力の限界だったのだと思います」
「最後まで私もプロデュースをしたかったのですが、これ以上私がプロデュースをしても彼女は伸びない」
「このままでは彼女の足を引っ張ってしまうだろう、という事で事務所と検討し、彼女の元を離れる事となりました」
「しかし、それからも彼女に結果は出ず」
「新しいプロデューサーもすぐに担当が変わり、遂には担当が付けずにセルフプロデュースを彼女は始めました」
「それから少しずつ彼女にも仕事が増え、今や史上最速でのランクアップ候補ですからね。もしかしたら彼女にとってはプロデューサーがいらなかったのかもしれませんね…」
モバP「…あなたは本気でそう思っているんですか?」
「…ええ」
モバP「本当に彼女にプロデューサーがいらないと思っているんですか?」
「…はい」
モバP「そんな事彼女が望んでいると思っているんですか?」
「…っ、彼女は私が外れてから仕事が増え始めましたからね」
モバP「でも、彼女はアイドル引退を賭けてまでプロデューサーを求めたんですよ?」
「それはあなただからですよ…」
モバP「…それは彼女に確認したのですか?」
「しなくても…わかります…」
モバP「…あのさあ、さっきから聞いてればさ」
奈緒「…お前はさ、本当にそれでいいのか?」
凛「…まあね」
奈緒「もう一度聞く、本当にそんな形でアイドル辞めていいのか?」
凛「…しつこいね」
奈緒「お前の最初のプロデューサーは、お前がそんな形で辞める事を望んでいるのか」
凛「…っ、あいつは関係無い、私の担当を外されたんだから」
奈緒「…お前、それはそのプロデューサーに確認したのか?」
凛「そう事務所から言われたからね、確認しなくてもわかるよ…」
奈緒「…あのさあ、さっきから聞いてればさ」
奈緒・モバP「そんなんでわかる訳無いだろ!!」
奈緒「十数年一緒にいたってわからない事があるんだ!」
モバP「十数年一緒にいる奴にだって伝わらない事があるんだ!」
奈緒「十数年経ってようやくわかった事だってあるんだよ!」
モバP「十数年経ってしまったせいで伝えられなくなった事もあるんだよ!」
奈緒「たった数ヶ月一緒にいただけで、」
モバP「たった数ヶ月見てきただけで、」
奈緒・モバP「そんなんでわかった気になってんじゃねえ!!」
奈緒「…なあ、凛よ。辞める前に一旦そのプロデューサーと会話してから考えても遅く無いんじゃないか」
凛「…」
奈緒「…まあいいや、こんな事あたしが言ってもしょうがないしな」
凛「…」
奈緒「とりあえずあたしは真剣勝負をして大事なことを気付かせてくれたお前を賭けに負けた、という位で辞めさせたくはない」
凛「…」
奈緒「…時間を取らせて悪かった、今度もアイドル同士で会おうぜ。賭け無しでさ」
凛「…」
奈緒「じゃあ、うちのプロデューサーがあたしを探してるっぽいから戻るな」
凛「…あのさ」
奈緒「ん?」
凛「…もし、色々な事が掛け違ってて、間違っていて、それが今更わかったとして、元に戻れるのかな」
奈緒「わからん」
凛「わからん、て…」
奈緒「そりゃ、お前の事だからな。あたしの事でなきゃわからん。数ヶ月一緒にいた人の事ですらわからんのに、ちょっと前に顔合わせたあたしがわかる訳ないだろ」
凛「…」
奈緒「…まあ、わからんけど何とかなるんじゃない?」
凛「そんな無責任な」
奈緒「もし掛け違っててもその時はお前、一人だけで考えなくて良いじゃん」
凛「…そうだね」
奈緒「…ま、いい方に転べば、だけどな」
凛「なんで最後に感じ悪くするのよ…」
奈緒「お前、それは当たり前だろ、あの賭けに関してはまだ許してないからな!」
凛「アイドル辞めるなって言ったくせに?」
奈緒「それとこれとは別だ、別!お前マジで焦ったんだぞ?いきなり喧嘩売られて!東京こええ!とか思っちまったじゃねえか!」
凛「…ふふ」
奈緒「…ん、ちょっとは良い顔になったな」
凛「…うん?」
奈緒「『うん?』じゃなくてさ、お前さっきまでの自分の顔見てみろよ…、なんなら今日の自分のLiveを見返してこい」
凛「…うん、そうだね」
奈緒「ん、じゃあそろそろマジでモバPさんに心配されそうだから戻るわ」
凛「じゃあね」
奈緒「じゃあな」
「「じゃあ、また、アイドルとして」」
という訳で一旦中断です。ようやく終わりが見えてきた…
次エピローグやって、その後に遅筆な事考えて途中で止めちゃった蛇足を少し書くかなあ…
つーかアニメ終わっちゃったよ。夢みたいに綺麗で泣けちゃうわあれ。つーか泣いた。
もう少しだけ続くのでもう少しだけお付き合いください。
それでは。
つーか投稿で上げてねえ…
ageの為の無駄レススマン。
第8章 Life Goes On
奈緒「…」
モバP「…」
奈緒「…なあ」
モバP「どうした?」
奈緒「一つ聞いて良いか?」
モバP「おう」
奈緒「何故『あいつ』がいる!?」
モバP「ウチ、ジャクショウプロ、オカネカセゲルヤツ、イセキ、チヒロ、コトワラナイ」
奈緒「なんでカタコトなんだよ…」
モバP「あちらさんのプロデューサーと話し合いをした結果かなと」
奈緒「んん?」
「どうしたの?」
奈緒「どうしたもこうしたも何故お前がいる、渋谷凛!」
凛「…解雇されたから?」
奈緒「え、お前の元プロデューサーと話し合いをして元に戻ってめでたしめでたし、という話じゃ無いの?」
凛「うん」
奈緒「うん、て」
凛「私も好き勝手色々やったからね…」
奈緒「いや、うん、まあそうだろうな。そりゃそうか…」
凛「で、プロデューサー…、いや元プロデューサーからここの紹介を貰って所属しました、と」
モバP「いやあ、彼も話せばわかるいい人だったわ」
凛「私はモバPさんにプロデュースされる、奈緒はモバPさんから離れない、最高の結末だけど何か問題ある?」
奈緒「いや、お前、あの勝負一体なんだったの!?って話になるじゃん?」
凛「さあ?」
奈緒「『さあ?』って、お前、…あああ、もう!」
奈緒「わかった!とりあえず色々言いたい事があるが飲み込んでやる!ただ一つだけ言わせろ!」
凛「…うん」
奈緒「同じプロダクションになったからには目上の人には敬語を使え!」
凛「…」
奈緒「…なに」
凛「…っく、ふふふ」
奈緒「…なんだよ」
凛「モバPさんの言った通りだなあ、ってね」
奈緒「…なに言ったんだよモバPさん」
モバP「…さあ?」
奈緒「あんたもか!…で、あたしの言った事はわかったのか?」
凛「うん、わかったよ、奈緒」
奈緒「全くわかってねえじゃねえか!」
<オマエ、マエカライイタカッタンダケドナ!>
<ソレヨリコレカラドウスルノ?>
<ソレヨリ!?>
・
・
・
・
・
ちひろ「奈緒ちゃんもようやく一端のアイドルになりましたね」
モバP「ええ、なんとか目論見通りになって一安心ですよ」
ちひろ「…少し寂しかったりします?」
モバP「まあ小さい時から見てましたからねえ、何か妹が自立したようなもんです」
ちひろ「『妹』、ですか…」
モバP「ええ、『妹』ですよ?」
ちひろ「…まあ、いいでしょう」
モバP「ええ、良いんですよ。ねえ、菜々さん」
菜々「だからさん付けはやめて下さい!菜々は17歳なんですから!」
ちひろ「同じ17歳としては奈緒ちゃんはどうですか?」
菜々「んー、正直手強いですよね、色々と。数年経ったら追い抜かれるかもしれませんね」
モバP「またまた、そんな事思ってないくせに」
菜々「いやいや、ポテンシャルとしては奈緒ちゃんはなかなかですよ?」
モバP「菜々さんの十数年の努力がひっくり返るくらいに?」
菜々「そうですよ、菜々の十数ね…数年なんて奈緒ちゃんならすぐですよ?」
モバP「…やりますね」
菜々「何のことかわからないですね…菜々は17歳ですから!」
モバP「でもまあ菜々さんがそういうんなら安心出来ますかね」
菜々「菜々は色々と安心出来ないですけどね」
モバP「追い抜かれるのが?」
菜々「…それだけじゃないですけど…色々ですよ」
モバP「まあ、大丈夫ですよ。菜々さんなら」
菜々「…うん、そうですね、そうするように頑張ります」
ちひろ「で、今後の奈緒ちゃんの方針なんですが…」
<コレカラドウイウスケジュールデイキマス?>
<トリアエズココオサエトイテクダサイ>
・
・
・
・
・
「なあ、奈緒」
「うん?なんだ?」
「お前、もし賭けに負けてたらどうする気だったんだ?」
「あまり考えてなかったなあ…」
「お前…」
「まあアイドル辞めてたかもな」
「そんな簡単に言う事か」
「いやいや全然簡単には言ってないぞ?」
「即答だったじゃん」
「それくらいあたしもモバPさんの事信頼してんだよ」
「そうかあ?」
「モバPさんがあたしを今まで見てきたようにあたしもモバPさんの事を見てきてるんだから」
「…お前たまに凄く恥ずかしい事言うよな」
「はは、まあ今までよりは少し自分に素直になると決めたからな。モバPさんに対しては」
「成長したって事にしておこうか」
「…うん、今はそれでいいし、それがいい」
「なあ、前も言ったけどさ」
「うん?」
「これからお前はトップアイドルになる。なれる才能がある。俺はそう信じてるが信じられるか?」
「モバPさんが言うなら信じるよ。それまでは隣でしっかりプロデュースしてくれるんだろ?」
「ああ、任せておけ」
「あたしもトップアイドルになるため必死で頑張る」
「「じゃあ、これからもよろしくな、おとなりさん」」
という訳でここでおしまいです。
もう少し書くのが速ければあと2部位続くんですが、
エタると悲しいので、とりあえず一部完という事で。
後、『第8章 素直な気持ち』って書いてたけど、
これ第7章の間違いですね。すみません。間違えちゃいけないところ間違えてた。
見て頂いている方々、ここまでお付き合い頂きましてありがとうございました。
本当に遅筆ですみません。第二部書くときはもう少し頑張ります。
後、途中で遅筆過ぎて省いた各章の蛇足という名の補完は
あった方が良いのかは迷ってます。
ただマジで蛇足感が否めないから無い方が良い気がするんだよなあ…
後、これ書いてた横でちょこちょこ書いてた短編の紹介を最後にまとめときます。
ご興味ございましたらよろしくお願い致します。
【モバマス】Fourteen-Sick
【モバマス】Fourteen-Sick - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405962396/)
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