【モバマス】Fourteen-Sick (14)


※中二病注意
※副音声無し

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モバP「蘭子ー、蘭子ー」

蘭子「どうした、我が友よ」

モバP「俺のいう言葉を繰り返してみ?」

蘭子「フム、新たな余興か?承知した」

モバP「東京」

蘭子「頭狂」

モバP「神奈川」

蘭子「神々と人を繋ぎし川」

モバP「埼玉」

蘭子「美味と風の精霊が語りかけし土地」

モバP「…岡山」

蘭子「大都会」

モバP「…静岡」

蘭子「サイレントヒル」

モバP「…違うんだ蘭子、そうじゃない」

蘭子「何か違えたか?」

モバP「それじゃあ遊びにならんのよ…。とりあえず繰り返す所だけ音声切り替えてな?」

蘭子「フム、仕方あるまい…、運命に沿おう」


モバP「じゃあ行くぞー」

蘭子「血が滾るわ!」

モバP「東京」

蘭子「東京」

モバP「神奈川」

蘭子「神奈川」

モバP「埼玉」

蘭子「埼玉」

モバP「岡山!」

蘭子「岡山!」

モバP「静岡!」

蘭子「静岡!」

モバP「塩漬け!」

蘭子「しおづか!」(ドヤア)

モバP「…」

蘭子「…」

モバP「…ぷっ」

蘭子「!?」

モバP「そんなどや顔で『しおづか!』って」

蘭子「ちょ、ぷ、プロデューサー!?」

モバP「おう、副音声ダダ漏れだぞ」

蘭子「クッ…、下等な罠を…」


モバP「スマンスマン、あまりにも暇でなー」

蘭子「狩りはどうした?」

モバP「いやなあ、蘭子のライブ終わって時間できたからチョロッと街に出てみたんだがなあ」

蘭子「わざわざ我を召還してか」

モバP「そこのクレープを奢ってやったんだからいいだろー」

蘭子「真に美味だった」

モバP「じゃあ、良いだろー。で、知らない街でいきなり捕まったらまたちひろさんに怒られるだろ」

蘭子「鬼や悪魔を超えしモノか…」

モバP「そうそう恐いんだからなちひろさん。せっかくスカウト出来るかなあと思ったんだがなあ…」

蘭子「『罪(ペルソナ)』を負う者がいないと」

モバP「今日は外したかなあ…」

蘭子「我が友の『瞳』を持ってでも難しいか…」

モバP「今日はいける気がしたんだけどなあ、…て、おお。何か面白そう奴がいるぞ」

蘭子「ペルソナを負いし者か?」

モバP「だといいなあ、…ねえ、そこのキミ?」


「ん?ボクを呼んだのかい?」

モバP「ああ、ちょっと時間あるかな?」

「…怪しい勧誘かな?」

モバP「怪しくな…いや、怪しいか。ごめんね、そういや自己紹介してなかったね。俺はこういう者です」

「ふむ。CGプロのアイドルプロデューサー…ねえ…、わざわざこんなところまで?」

モバP「今日はうちのアイドルの仕事で偶然来てたんだよ。聞いた事あるかな?神崎蘭子ってアイドルなんだけど」

「名前は聞いた事あるけど…2代目シンデレラガール…だったかな」

モバP「そうそう。名前を知ってくれててありがとう。で、そういう訳なんだけどさ」

「…非日常な出来事に遭うのは歓迎するけどね。その話が事実だとどう証明するんだい?」

モバP「…な、怪しい人だと思われるだろ?はい、変装セット取ってと」

蘭子「煩わしい太陽ね!」

「…驚いたな。本物…か…」

モバP「というわけで信じてくれたかな」

「うん、まあ半々かな」

モバP「半々信じてくれれば充分だ、という訳で時間があるならばそこの喫茶店で少し話さないか?」

「理解った。少しで良いなら付き合おう」

モバP「ありがとう、というわけで蘭子ー。そこの喫茶店で3人分の席取っといてー。好きなもの頼んで良いから」

蘭子「フハハハ、たわいも無い事よ!」

モバP「おう、ありがとな」


モバP「…おう、蘭子さんや」

蘭子「どうした我が友よ」

モバP「確かに好きな物頼んで良いとは言ったけどさ…」

蘭子「何か不服か?」

モバP「それはどうなのよ…、なんだ『覚醒魔王パフェ』って」

蘭子「我に捧げられし供物よ!」

モバP「この際食える量かどうかは置いといてだな。何だガチャ10連2回分の価格って」

蘭子「我に捧げられし供物よ!」

モバP「…え、タダ?何で?」

蘭子「我の証を残してやったわ!」

モバP「…?…って何だその行動力早っ!?え、サインと写真が既に店の中に飾られている!?」

蘭子(フフン)

モバP「いや、そんなどや顔されても…。あああああ、またちひろさんに怒られる…」


「…そちらの話は終わったかい?」

モバP「ああ、ごめんごめん。…えーっと名前を教えてくれるかな」

「名前なんて記号でしか無いけどね。まあ呼び名が無いのも困るか。ボクは飛鳥、二宮飛鳥だ。どうなるかはわからないけどね、とりあえずよろしく」

モバP「…あ、ああよろしく」

蘭子「今こそ創世の時!」

飛鳥「で、どうしてボクをスカウトしようと思ったのかな?」

モバP「ティンときたから」

飛鳥「…なんだいそれは」

モバP「ああ、これはね、うちの先輩の口癖でね。どうやらこの子はアイドルの素質がある、と感じた時に使ってるんだと」

飛鳥「…それをボクに?」

モバP「まあ、俺の個人的なセンスだけどね」

飛鳥「…ふーん、で何にそれを感じたのかい?」

「ご注文はいかがでしょうか」

モバP「ブレンドコーヒー、ブラックで。二宮さんは?」

飛鳥「…ボクも同じ物を」

「承知いたしました。ブレンドコーヒー、ブラックをお二つですね。少々お待ち下さい」

モバP「砂糖とかミルクはいらないの?」

飛鳥「キミだって頼んでいないじゃないか」

モバP「んーまあ昔からの癖でね」

飛鳥「ボクもそんなものだよ」


モバP「…そっか、じゃあまあ良いんだけど。と、そういえば蘭子、お前は飲み物大丈夫か」

蘭子「…生きしモノの新鮮な血を我は求めている!」

モバP「…お前、それ頼んで毎回残してるじゃないか、紅茶でいいな」

蘭子「解せぬ」

モバP「そのパフェ食べてたら体冷えるだろ…、あ、お姉さん、追加でミルクティーを」

「はーい、ミルクティー追加ですねー、すぐお持ちいたします!」

モバP「お願いします」

飛鳥「…で、なんでボクにアイドルの素質があると?」

モバP「何か物足りない顔をしてたからさ」

飛鳥「うん?どういう事かな?」

モバP「二宮さん、今楽しい?」

飛鳥「まあ、変わらない日常をそれなりには楽しんでいるつもりだけど」

モバP「そう?でも最近そんな日常に飽き飽きしてきているんじゃないか?」

「お待たせいたしました。ブレンドコーヒーのブラックを二つ、ミルクティーを一つでよろしかったでしょうか」

モバP「はい、結構です」

「ごゆっくりどうぞー」


飛鳥「…何でそう思うのかな」

モバP「ま、半分以上は勘だけどね。ただ、こんな怪しい人間に着いてくるぐらいならそういう事もあるかなって」

飛鳥「まあ、そういう事もあるかもしれないね」

モバP「それで、第二の理由として昔の自分に似てたからかな」

飛鳥「キミは自分がアイドルに向いていると」

モバP「いや、そうじゃない。その結論はおかしい」

飛鳥「まあ、冗談だよ」

モバP「おお、本気で思われてたらどうしようかと思った」

飛鳥「キミのことを初めてみた時から思っていたんだけど。もしかして、キミも『痛いヤツ』だったりしないかい?気のせい、かな」

モバP「ご名答」

飛鳥「でも思春期の14歳なんてそんなものだよ」

モバP「そんなもんなんだけどさ」

飛鳥「…それだけかい?」

モバP「もう一度聞こう。飛鳥、君はこの世の中が退屈じゃないかい?」

飛鳥「…そんなことは無いと思うけどね」

モバP「俺は未だにこの世の中が退屈だ」

飛鳥「…普通は大人になればその内慣れるさ」

モバP「でも慣れたくないんだろ?」

飛鳥「…」

モバP「ああ、俺もそうだ。だからこそはっきり言ってやる。これは麻疹とは違う。中二病は不治の病だ。かかったら一生治らない、抑える事は出来てもな」

飛鳥「…それを成長って言うんじゃないかな」

モバP「成長?バカを言うな。前に進まない事を成長って言うかよ。痛いヤツは一生痛いヤツだ。それを取り繕って出さない様にしているだけだ」

飛鳥「ボクだって…そんな事はわかってる…」

モバP「いいや、わかっちゃいないね。キミはどこかで諦めている。自分が何をしてもこのままの日常を過ごすに違いないってね」

飛鳥「…」

モバP「君はこのままで良いのか?この退屈な日常を変えたくないのか?」

飛鳥「ボクだって、そんなのはゴメンだね」

モバP「ああ、そうだろう。そう思うだろう。君は俺と同族さ」

飛鳥「…でもそれじゃあ、世の中をうまくやり過ごせないんじゃないかい?現実を受け止められないのはバカにされるだけだろう」



モバP「何をやり過ごす必要がある?」

飛鳥「…!?」

モバP「どこにそんな必要がある?それを決めるのは誰だ?世の中だろ?ならば世の中まるごと変えちまえ!」

モバP「ならば手段はどうする?俺にはそんな力は無い。ならばと考えた。それが出来る奴の手助けになればいいとな。それがこいつだ」

蘭子「?」

モバP「俺はこの魔王様ならば、世の中をひっくり返す事だって出来ると思っている」

蘭子「!?…フ…フハハハ、造作も無い事よ!」

モバP「最初は事務所からも反対されたさ。一人の先輩以外からは反対だったからな!」

飛鳥「それはそうだろうね」

モバP「でもこいつは努力して自分を貫き通して、幻想を結果に変えたよ。二代目シンデレラガールという結果をね」

蘭子「目に物を見せてやったわ!」

モバP「自分を貫き通し世界を変えろ、誰からも何も言わせないようにしろ。飛鳥、君にはそれが出来る」

飛鳥「…」

モバP「俺が君に新しい世界を見せてやる。そして俺にも俺一人じゃたどり着けない世界を見せてくれ」

飛鳥「…ボクにも出来るかな」

モバP「ああ、出来るさ」

蘭子「…飛鳥ちゃん、私もねプロデューサーさんにスカウトされて、ここまで来たんだよ」

飛鳥「蘭子…」

蘭子「多分、飛鳥ちゃんも私と同じなんだと思う。悩んでいる事も求めている事も」

蘭子「だからね一緒にアイドル、やろう?」




-----そうしてボクはアイドルになった。



蘭子「我が声に溺れよ!」
飛鳥「ショウタイムといこう、派手にね」


蘭子「ハーハッハ!我らは闇!その双眸にしかと焼き付けるがいい!」
飛鳥「ステージで照らしだされれば、背後には闇が迫る。見えるだろう?」


蘭子「魔界の頂点へ!」
飛鳥「ささやかな夢、見えているかい?」






そんな彼女達がトップアイドルを目指し、世界を変えていく物語はまだ少し先の話である。


以上、終わりです。

そのうち、設定を続けるかは別としてこの二人で又書くかも。
今度は内容自体が痛々しく無いもの&日常物位の緩さで。
それでは。

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