世界の終わりに (44)

書き溜め無しです

自分の好きなペースで好きなように書いていきます

そんなに長くないと思う

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今週で世界が終わるらしい。

あまりにも唐突な話でほとんどの人々が口をポカンと開けざるを得ない
しかしテレビで偉い大学の教授がベラベラと世界が終わる理由を述べたり、政府まで認め始めてようやく人々は理解した

俺はテレビでその教授の話を聞いていたが、磁場の影響だとか衛生の軌道だとかそういう話が出てきたところでテレビを消した。

一日目

テレビをつけてもバラエティーなんてやっていない。全てのテレビがニュースか砂嵐だ。
砂嵐、というのはテレビ局員の「仕事なんてやっていられるか」という意思だろう。
どうせ明後日くらいには全てのテレビが砂嵐になるさ。人間っていうのはそういうもんだ。

「世界が終わるなら最後になにをしたい?」と聞かれたらどうするか。親に感謝を述べにいったり、最後に美味しいものを食べたり、友達とバカ騒ぎしたりしたいというかもしれない。

しかしイジメが原因で高校を中退して半ニートのフリーターをしている俺には縁のないことばかりだ。

親には勘当されたし、美味しいものを食べる金なんてないし、友達なんていない。

残り7日を有意義に過ごそうと思うこともなく寝て過ごそうと思い布団へ入った。

二日目

ピンポーン♪

朝っぱらからドアのチャイムが鳴る
5時半に人の家に来るなんて非常識じゃないか?
そんなことを思いながら戸を開ける

幼馴染「やあ」

・・・。なんだお前か

幼馴染「『なんだお前か』みたいな顔をしないでくれないかな」

心読むなよ。

幼馴染「一応事前にメールは寄越したハズだが」

そう言われて携帯でメールを確認する
すると5分前にメールが来ていた

こいつ・・・。

幼馴染「君相手に配慮は必要ないだろう?」

親しき仲にも礼儀ありって言葉を知っているのだろうか

幼馴染「まぁ、なんだ。」

幼馴染「ちょっと思い出作りに付き合ってもらおう」

そういって幼馴染は俺を強引に連れ出した

車を運転するのが幼馴染で免許を持っていない俺は横に座る。
なんとも情けない・・・。

幼馴染「まずはあそこに向かおう」

そういって幼馴染が指差したのは某有名ショッピングモールだった

中に入ると誰もいなかった

定員も、客も。

幼馴染「なんでもただで買えるね!」
無邪気にそう笑う。

お菓子や惣菜なんかをしこたま買い込んで満足そうな彼女。

幼馴染「これだけあればあと一週間は食っていけそうだな」タンマリ

・・・っていうかそれが一週間の分量かよ
太るぞ。

幼馴染「なんかいった?」ギロッ

なんでもないよ。

一気に不機嫌になった幼馴染はいかにも不機嫌そうにしながらお金をレジにおいていった。
結局お金はおいていくのな。

帰り道

幼馴染「いっぱい買ったなぁ」
うん。そうだな。買いすぎってくらい買ったな。
女子の買い物は長いと聞くが本当だったようでもう夕方になろうとしている。

幼馴染「家に帰ったらいっぱいマンガを読めるな」
彼女はその漫画が完結することがないことを分かっているのだろうか。
と、口に出そうかと思ったけどやめた。怒られそうだから。

幼馴染「最近は寒くて手元が冷えるな。」
そうだな。なんたってもう11月も後半だからな

幼馴染「・・・」
?どうした

幼馴染「なんでもない。また明日な」

俺を家の前に落としてさっさと帰っていった。

・・明日も来るのか

三日目

ピンポーン♪

時計を見るとAM11:00。
昨日よりはだいぶマシな時間だ

扉を開けるとあいつの顔が出た。
幼馴染「やっ」

軽く挨拶される。

幼馴染「今日は、あれだ」

幼馴染「小学校へ行こう」

・・・は?

そう言われてまた無理矢理連れてこられた。

幼馴染「いや~懐かしいな!」キラキラ
目が光ってるのが見なくてもわかる。
そして、こんなところへきて何するんだ?

幼馴染「何をするかって?そんなの決まってるじゃないか」

幼馴染「タイムカプセルを掘り起こそう」

・・・どうやって?

幼馴染「はい」っスコップ一個

ですよねー。

スコップ一本で掘りすすめること5時間超。ようやくカプセルを掘り出せた

幼馴染「こういうのは掘る過程があってこそ開けるときがよりいっそう楽しみになるな!」
まぁ否定はしないけど。9割俺の働きだと思うんですがそれは。
運動もしないで半ニート引きこもりにはきつい労働だった。
手当を出せ、手当を。

幼馴染「体で払おうか?」
いえ、遠慮します

幼馴染「冗談だ、たぶんな」
たぶんってなんだよ!?

みてるぞ

そんなことを言いながらカプセルを開ける。

バラバラとクラスメートだった奴らの「将来の夢」が題名の作文が出てくる。
パイロット、とか警察官、とかお医者さん、とか。子供の夢は単純で純粋だ。

幼馴染「フフフ・・私ケーキ屋さんになりたいなんて書いてある。食べるの専門なのに」
そう言いながら彼女は微笑む。

俺の作文を見つけた。将来の夢、「お金持ち」
今の自分と比較して、とても虚しい気分になったので幼馴染に気づかれないように丸く潰した

どうせなので小学校にも入ってみた。
当時と何も変わらない景色がそこにはあった。

俺が小学校だったときは全てが新しくて楽しくて、親の期待に答えられるよう頑張って、夢見ていた。

最近は死ぬことばっかり考えていて、世界が終わることすらどうでもいい、むしろ好都合だと思っていた自分がいた。

たっぷりと皮肉の記憶を前に苦笑いする俺をよそに幼馴染は思い出を語っていた。

四日目

ピンポーン♪
もはや恒例だろうか。チャイムが鳴る。

はいはい、開けるぞ。

そう言って開けると。

幼馴染「今日は友達を連れてきたよ!」

そういう幼馴染の後ろには何人かの知り合いがいた。
気まずいことに、俺が告白に失敗した女さんもいる。
嫌だなぁ・・・。

まぁ、当然というかなんというか。
持ってきたアルバムで思い出話に花咲かせている。

男友1「お前あの先生にめっちゃ怒られたよなーw」

男友2「俺あの先生に嫌われてたからなーwまっじざけんなってのw」

女「○○先生といえば幼馴染ちゃん気に入られてたんじゃない?」

幼馴染「え、いやそれをいうなら男のほうが・・・」

男友「そういえばさあ!修学旅行さあの先生のやべーとこ見ちゃったんだけど・・・」

・・・。さっきもいったが俺は高校を中退しているので、途中までの記憶しかない。
幼馴染が結構必死に俺の話を混ぜようとするが、
男2人女一人の友達らはあまり気にしていないで、俺が参加もしていない修学旅行の話で盛り上がっていた。

なぜ俺が自分の部屋を占領されたあげく嫌な思いをしなきゃいけないのか。
こんなことなら誰も部屋にあげないで寝ていればよかった。

とりあえず「コンビニへ行く」といってその場を逃げ出した。
とにかくその場から逃げ出したかった。

コンビニで漫画を読んで時間を潰す。

正直面白くもない漫画だったがなにもしていないよりはマシだ。
それでも小一時間ほどで飽きてしまったので残りの時間は公園でボーっと空を眺めていた。
数日後には世界が終わるというのに今日も空は青く広がっていた。

本当に世界が終わるのかと思うほど疑問に思ってしまうほど見飽きた風景だった。

まぁ、今頃「世界は終わりません」と言われたっていろいろな人が困るんだろうな。

2~3時間程たっただろうか。

そろそろあいつらは帰っただろうかと思い、腰を上げる。

自宅前で「神様、あいつらが姿形残さずいなくなっていますように」と願って入る

男友1・2「うぃっすおかえりーw」
幼馴染・女「おかえりー」

ああ・・・。

テンションが2段階くらい下がった。

俺がバツが悪そうに入室すると、幼馴染が怒ったように言ってきた。

幼馴染「ちょっと、男!コンビニ行くっていって3時間もいなくなるってどういうこと!心配するじゃない!」

男友1「うへーw幼馴染ちゃんが怒ったーw」

男友2「ちょwwまじ幼馴染ちゃん心配してたんだからなーw男ーw」

女「あんまり幼馴染ちゃんを心配させちゃだめよ?」

イライラする。なぜ俺が責められなければいけないのか。

そして、
幼馴染「そんなんだからいつまでも友達ができないのよ?」

この言葉で俺がついにブチ切れた

男「ふざけるな勝手に朝方やってきて毎日毎日妙なことに付き合わせて時間とりやがって、なにが『思い出作りに付き合って貰おう』だてめえの自己満足に俺を巻き込むな!
思い出なんてねえし思い出したって嫌なことしかねえんだよ!
お前だってしってるだろ俺が高校中退した理由、虐めだよ。そんなやつの前で高校の思い出語ったり知りもしねえ先生の話されても知らねえし行ってもいねえ修学旅行の話されても懐かしくなるわけなんてねえだろボケが!
元々俺は死にたくて死にたくて仕方なかったんだ!世界が終わるなんて願ったり叶ったりなんだよ!
何時間も居座って俺の時間を奪うくらいなら帰りやがれクソ野郎共!」


全部、ぶちまけてやった。

五日目

昨日はあのあと、空気を読んだ全員が帰った。
幼馴染が申し訳なさそうに謝りにきたが、無視した。

正直、居心地の悪い空間も無くせたし胸に貯めたイライラも出せたしよかったと思っている。
ま、どうせ数日後には世界なくなるんだし。

今日は自分の好きなことして過ごそう・・・。


その時、チャイムが鳴った。

ちっ・・また幼馴染かよ・・・追い返すか

しかしドアの向こうにいたのは違う人物だった

正直眠くてやばいから今日はここまでにするわ。
おやすみ

>>12ありがと。
見てくれてる人いるだけで超感謝

少し書くけどたぶん完結まで行かないと思う

終わり方を二通り考えててどっちか迷ってる
とりあえず少し再開

また無視しようとした。

しかし、二度目のチャイム。三度目のチャイム。
イライラした口調で俺が返す。

俺は今誰かと会うような気分じゃない。俺の時間を邪魔するなら[ピーーー]かもしれないぞ、と。

すると、

「お前が本当に俺を殺したいと思うなら、構わない。話だけでも聞いてくれ。」

その声には聞き覚えがあった。いや、忘れたくても忘れられないだろう。

寝っ転がっていた体をようやく起こす。
使いもしないキッチンから包丁を取り、念のため右手に持ちながらドアを開ける。


金髪「男、久しぶりだな」

俺の人生の中で殺したい奴ベスト5の中に確実に入るであろう人間。
俺を虐めていたグループの主要メンバーの一人。
俺が殺したくて仕方なかった奴の一人。

saga入れ忘れたー!

金髪さんはもちろん男性です。念のため

手に持った包丁を相手の胸に突きつける。
驚いた表情でこちらを見るかと思ったら、当然のような顔をしている。
学校にいて、仲間同士でヘラヘラと俺をなぶっていた頃の顔とは違う、どこか決心をした顔だった。
・・・今更なんの用だ。

金髪「うひょう、物騒だねぇ」

答えろ。

金髪「世間話なんてしに来たんじゃない。わかるだろ?・・・まぁその気らしいしいきなり本題から入ろうと思う」

金髪は俺の顔をまっすぐに見てこう言った。

金髪「俺は、謝りに来たんだ」

は?

思わず包丁を強く持つ。
なにを今さら。許して貰おうとでも思っているのか?許して貰えるとでも?

金髪「あぁ、『許して貰える』なんて思っていない。だから『謝りに来た』んだ」

そうか、それでも俺は今お前を殺したくて殺したくて仕方がないんだ

金髪「そうだと思う。俺は色んな人に迷惑をかけてきた。他人を虐めることでしか自尊心を保てなかったり、女の前で見栄を張ったりできなかったんだ。お前以外にも俺を殺したいような奴は何人もいるだろう。」

どういうことだ?

金髪「世の中には二つの人間がいて、自分が上がることで自尊心を保つ人間と、他人を落とすことで自尊心を保つ人間がいることに気づいた。

金髪「最初に言ったとおりだ。『許して貰える』なんて思っていない。」

ああ、許す気などさらさらない。

金髪「だが、世の中っていうのは結局は平等にできてるらしい。不幸を与えたやつは不幸になるんだ。
ある時怖くなってグループから抜けた途端俺が標的にされた。結局俺は退学こそしなかったが大学は全部落ちて、クソみたいな生活を送っている。あのグループにいたやつらも将来的に自分に帰ってくるだろう。因果応報ってやつだ。」

金髪「世界の終わりっていうのは普段できないことが出来ちまうんだ。だから俺はお前にこう言いたい。」

そして、金髪は玄関の上で四つん這いになる。冬のくっそ寒い中で冷たい床に膝をつけてこう叫ぶ

金髪「今まで、本当にすまなかった・・・」ボロボロ

涙の雫が彼の膝のジーンズを湿らせた。

もう少し書こうかと思ったけど眠い・・・

やることもあるしとりあえずここまででいいや
完結はいつになることやら。

ちょっと書くかな

相変わらず書くの遅めです

殺したくて仕方なかった人物が今目の前で無防備に頭を下げている。
この手の包丁で一突きすれば簡単に殺せるだろう。

ただ、この時男の中になんとも言えない気持ちの悪さが胸に込み上げた。
思わずこう言う。

「俺は、お前が『世界の終わり』が泣ければ俺のことなんか忘れてヘラヘラと生きていくとしか思えない。
たまたまの謝罪心で許す気はない。

が、お前は[ピーーー]にも値しない人間だ。


帰れ。」

[速報]ま た s a g a 忘 れ る

金髪がいなくなり再び静かになった部屋で考え込む

残り一週間という日々を人々は最後にしておきたいことを悔いのないようにすごしている
金髪はその貴重な時間を謝罪のために使っていたのだ

だが、自分には謝ることがあるほどの関係の深い『友達』なんていない。
残りの時間を無意義に、ただ時間が過ぎるのを待とう・・・。




・・・いや、違う
謝るべき相手が二人いた。

布団を投げ飛ばし起き上がる。

古いリュックサックに荷物を投げ込み支度をする。
準備が終わり部屋を見渡す。
カップ麺の残骸と古本くらいしかない。
なんて無気力な人生を歩んできたんだ、と苦笑いする。
最後に自分から行動する、っていうのもこの意味のない人生への抵抗なのかな、と感じる

ふと思いつき、家にいるとき度々開いていた某ちゃんねるを開く。
さすがの奴らでも大騒ぎしてるかな?と開くと
「メンヘラの彼女持ちだけど質問ある?」「二次エ○画像貼ってけ」「ハゲが集まって傷を舐めあうスレ」
と、いつも通り過ぎて笑った。

こいつらはたくましいな。

そう思いながらもう二度と戻らないであろう部屋を後にする。

事情により更新遅れてます
きっと完結させるので・・・許して・・・

これ、本当は一晩で終わらせるはずのSSだったんだぜ?ワラエナイゼ?

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