杏「各校の代表に一緒に踊ってくれないかって頼んでみたんだけれど、あんまりいい反応なくてねー」

みほ「まあそうでしょうね」

杏「おケイなんかは本人は乗り気だったんだけど、周りに止められちゃって」

みほ「あはは…」

杏「で、ここからが本題なんだけど、ほら、西住ちゃんのお姉さんって高校生戦車道の代表みたいな
感じで、言っちゃ悪いけど、鉄の女！って感じじゃない？もしそんな人が率先してあんこう踊りやって
くれたら他の学校の人たちも一緒に踊ってくれるんじゃないかなーって商工会の人が…」

みほ「ちょっと！なに言い出すんですか！無理に決まってますって！」

杏「だよねー、でも、頼むだけ頼んでみてよ。あたしも『身内の西住ちゃんが頼んでもダメでした』って
商工会の人に言い訳が立つからさあ。ね？お願い。ダメならダメでいいから。恩に着るからさあ」

みほ「うう…」

みほ「というわけなんだけど…」

優花里「うわぁ…、会長もまた無理難題を…」

華「あのお姉さんが全身タイツで踊ってるところは想像がつきませんね」

沙織「会長もダメならダメでいいって言ってるんだし、頼むだけ頼んでみたら？」

みほ「でも言い出せないよ…」

麻子「直接言い出せないなら手紙にしたらどうだろう、一方的に送り付けといて返事がなければダメだったってことで」

沙織「あ、それいいね。みぽりん、そうしたら？」

みほ「うん…、もうそれしかないかな…」

熊本・西住家


まほ「みほが何か送ってきたと思ったらなんなんだこれは！あんこうスーツに
あんこう踊り教習ＤＶＤって！まったく、みほもあの会長も何を考えてるんだ！」

まほ「私がこんなことに付き合うと思って…」

まほ「…」ちらっ

まほ「…」ちらっちらっ

まほ「ああもう！気になって勉強が手につかん！…ちょっとＤＶＤの中身を確認するだけ…」

ＤＶＤ再生中…

杏『やあやあ！素晴らしいあんこう踊りの世界へようこそ！』

柚子『ではまず基本動作から。我々の動きを見ながら字幕のガイダンスに従って踊ってください』

桃『ではミュージックスタート！』


アアアアンアンアン♪

まほ「なんか楽しそうだな…いかんいかん！何を考えてるんだ私は！」

あーの子会いたやあの海越えて♪

まほ「ちょっとだけ…、ちょっと袖を通してみるだけ…」

まほ「うわぁ…、ぴったりフィットしてこの感覚…、って何をやってるんだ私は！」

まほ「ああっ、しまった！これ下にニプレスとかサポーターとか着けてから着るやつだ！
いろんなモノが透けてものすごくいやらしいことに！」

まほ「こ…、こんな格好誰かに見られたら…でも…」


杏『さーピッチを上げていくよ！レッツダンス！』

燃やして焦がしてゆーらゆら♪


まほ「うーん…、意外と難しいなこれ」

しほ「ちょっとまほ！いるんだったら返事くらいしなさい！入るわよ！来週の合同演習だけど…あっ」

まほ「あっ」

菊代「まほお嬢さま、失礼します、逸見さんがお見えに…うわっ」

エリカ「隊長、お邪魔します…ってひぃぃぃ！何これ！」

まほ「…」

しほ「…」

菊代「…」

エリカ「…」

ＤＶＤ『こっち来てアンアン♪逃げないでアンアン♪』

…

しほ「話はわかりました。まったく、みほったら一体何を考えているのかしら？これは私から
みほに送り返しておくから、あなたもあまり引きずらないようにね。逸見さんや菊代さんにも
言っておいたから」

まほ「はい…」

～～～～～～～～～

しほ「…」ちらっ

しほ「…」ちらっちらっ

しほ「ああもう！気になって仕事が手につかないじゃない！」

しほ「ちょっとだけ…、ちょっと袖を通してみるだけ…」

しほ「ああっ！これまほのサイズに合わせてあるから食い込んで大事なところがすごいことに！」

しほ「あいたたたた…、踊るどころじゃないわ、早く脱がないと股ずれに…」

常夫「ただいまー、いやあ、予定よりずっと早く仕事が終わってね、ちょっと驚かしてやろうかって…あっ」

しほ「あっ」

常夫「しほ…、これは一体…」

しほ「ちっ…、違うんです常夫さん！これは…」

常夫「いいんだ…、もう何も言わなくて…、淋しい思いをさせてしまったようだね…」

しほ「いや、だから…」

常夫「すまない…、一人でこんなことをしてるなんて…」

しほ「ちょっと待って！まだ日が高いのに！せめて寝室でお願い！ああっ♡」