【ガルパン】みほ「この子は私の言うことを聞いてくれる」【ボーダーブレイク】 (106)

みほ(私はあの時、仲間を助けました。)

みほ(でもそのせいで黒森峰は負けてしまいました。)

みほ(私は戦犯扱いされ、先輩方から、仲間から、OGから、そして母親から酷く責められ、嫌がらせも受けました。)

みほ(私は戦車道というものが嫌になりました。だから、戦車道のない学校に行くことにしました。)

みほ(友達、できるかな…そう思いながら、空にうっすらと映るエイオースを見つめました。)

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女生徒「おはようみほ!」

みほ「おはよう。」

みほ(私がいま通っている学校には戦車道はありませんでした。)

みほ(みんな、私を受け入れてくれた。)

男生徒「西住さん。」

みほ「何?」

女生徒「ブラストランナー見に行きましょう!」

みほ「ブラストランナー…」

女生徒「見てみほ!こんなにたくさん!」

みほ「うわぁ…」

みほ(この学校は民間軍事組織であるマグメルが経営してて、ニュード適正が高い子たちが通っています。私もその一人です。)

みほ(この学校の生徒の中には、ボーダーという傭兵をやりながら学校に通っている子もいるんです。)

女生徒「私、ボーダーになろうと思ってるの。」

みほ「えっ!?」

女生徒「施設で育ったから、その報酬で恩返ししたいの。」

みほ「…」

~回想~

みほ(落ちた仲間はみんな助かったけど…負けちゃった。)

みほ(どうしよう…)

ギュイイイン!

みほ(あれは…)

クーガーR型パイロット『転落した戦車の乗務員を確認。これより搬送する。』

クーガーR型パイロット『助けたのは君か?』

みほ「え?は、はい」

クーガーR型パイロット『君は勇敢な戦車乗りなんだな。よくやった。』

みほ「…」

みほ(あの時、褒めてくれたのはあの人だけだった…)

みほ(みんな私を責めた。相手もバカにしてきた。)

みほ(私がこれに乗れば、あの人みたいになれる…)

みほ(…)

みほ「…私も」

女生徒「?」

みほ「私も、ボーダーになります!」

女生徒「ええ!?」

~数週間後~

教官(今回の新人ボーダーは皆優秀だな。)

教官(その中でも、西住みほの能力はずば抜けている…)

教官(こいつは確実に上に行くだろう。)

男生徒「すごいな西住さん!」

女生徒「トップじゃない!」

みほ「うん。」

教官「これで基本的な訓練は終了だ。貴様らには自分のブラストを選んでもらう!」

みほ(どれにしようかな…!)

みほ(このブラスト、丸っこくてかわいい…)

みほ(ディスカス…)

ディスカス・プロト

6D0FED56-6201-4209-9563-5F65AC169DD3.jpeg

みほ(このブラストにしよう。)

みほ(よろしくね。)

ディスカス「」

ディスカス・プロト


https://ux.getuploader.com/sssokuhouvip/download/148

~初陣~

みほ(重火器兵装)(はじめての戦闘…)

みほ(戦車道とは違う…命のやりとり…)

みほ(やらなきゃ!)

ギュイイイン!

ドガガガガ!!!!

ドン!!

ドガァン!!!!

みほ「…」

みほ「…勝った。」

みほ(それから私は、高校生をやりながら戦場を渡り歩きました。)

みほ(敗走したもありましたが、私がやられることはありませんでした。)

みほ(この間はエイジェンを退けることに成功しました。)

みほ(みんな、褒めてくれました。戦車道の人たちとは違って。)

みほ(私のディスカスも変わっていきましたが、この子は変わっても私の言うことを素直にきいてくれます。)

みほ(そしてまた、戦場を駆けていきます。)

~ある日の戦場~

みほ(味方の方が劣勢、でも…)

みほ「!?逃げ遅れた人がいる!」

みほ「…」

みほ「お願い!ディスカス!」

ギュイイイン!

逃げ遅れた親子「!?」

みほ『早く逃げてください!私が盾になります!』

男「おい!大丈夫か!?逃げるぞ!」

男「…お前のおかげで助かったぞ!ありがとう!」

みほ「…」

みほ「…負けられない!!」

みほ(そのあと形勢逆転し、私達の勝利となりました。)

みほ(逃げ遅れた人を助けた私は責められることはありませんでした。)

みほ(そうだ…)

みほ(あの時私のやった事は間違ってなんかいなかった。)

みほ(間違っているのはあいつらだったんだ…)

~数日後~

みほ(戦闘が終わった…)

みほ(負けた…みんなかろうじて生きてはいるけど…)

みほ(?あれは…戦車?黒森峰の?)

みほ「…」

~回想~

みほ「私のパンツァージャケットが…」

黒森峰隊員「あら、副隊長、パンツァージャケットがズタズタじゃないですか。」

隊員2「でも仕方ないんじゃないですか?戦犯なんだし。」

~回想2~

みほ(戦車から降りなきゃ…)

ドガッ!

みほ「きゃっ!?」

みほ「う…うっ…」

隊員「ごめ~ん、足が滑っちゃいました~」

~回想3~

OG「戦犯のくせに何私らの前を歩いてんのよ!!!!」

みほ「す、すいません!」

OG「西住流の出来損ないが!!!!」

みほ「…」

~回想終わり~

みほ「…あいつらは間違っているんだ。」

みほ、榴弾砲を発射。

エリカ「隊長、観測班からの報告で、ブラスト同士の戦闘は終了したもようです。」

まほ「よし、試合再開だな。やるぞ!」

まほ「通信手、第一小隊に連絡を入れてくれ。」

通信手「了解。」

通信手「こちら隊長車、応答を…」

通信手「ッ!?」

まほ「どうした?」

通信手「い、いきなり爆発音がして…」

まほ「?」

通信手「?どうした?」

通信手「…」

通信手「た、隊長!今すぐ試合の中止を!」

まほ「どうしたんだ!?」

~病院~
まほ「ブラストの流れ弾がこっちに飛んできて、戦車に直撃したそうだ…」

エリカ「そんな…」

隊員「う…痛い…」

隊員「腕が…腕が…」

隊員「…」

エリカ「酷い…」

まほ「まさか、こんなことになるとは…私の責任だ。」

エリカ「そんな!隊長のせいじゃ…」

「なんでこんなことになるの!!!!」

まほエリ「!?」



黒森峰OG「私の…私の娘が…嘘よ…」

黒森峰OG「うう…」

まほ「…」

カチューシャ「そっちも大変ね。」

まほ「カチューシャか…」

カチューシャ「こっちも同じようなものよ。災難だったわね。」

まほ「ああ…」

ノンナ「蝶野さんがマグメルに問い合わせてみたそうですが、パイロットの個人情報は厳重に守られているため、教えられないと言われたそうです。」

まほ「そうか…」

カチューシャ「とにかく私達は当分の間は戦車道はできないわね。」

まほ「そうだな…死人が出ている以上、続けるわけにもいかない。」

カチューシャ「じゃあ…私まだ用事あるから。」

まほ「ああ…わかった。」

まほ「…」

まほ(こんな時…みほはどう言うだろうか…)

エリカ「隊長。」

まほ「ああ、どうした?」

エリカ「我々もまだやることがあるので…そろそろ…」

まほ「そうだな…」

~病院 ロビー~

まほ「!おまえは…」

ダージリン「御機嫌よう。」

まほ「何の用だ?」

ダージリン「今回の件、大変でしたわね。」

まほ「ああ…」

ダージリン「戦車道連盟は揉めてるそうよ。なぜあんな状況で戦車道の試合をしたのかって。」

まほ「そうだろうな。こっちも当分戦車道はできなくなった。」

ダージリン「そういえば、あなたの妹のことなのだけど…」

まほ「みほがどうかしたのか?」

ダージリン「彼女が通っている学校、マグメルが経営してるそうよ。」

エリカ「ええっ!?」

まほ「何だって!?


ダージリン「それだけじゃないわ。その学校の生徒、ボーダーをやっている子もいるそうよ。」

まほ「そうなのか?」

エリカ「ということは、今回のことについて何か分かるかもしれないということ?」

ダージリン「そういうこと。」

まほ「みほか…」

ダージリン「どうしたの?」

まほ「実は、最近みほと連絡を取ってないんだ。」

ダージリン「大丈夫よ。私も行くわ。」

まほ「悪いな。」

~一週間後~

まほ(約束は取り付けたが、なんか緊張する…)

ダージリン「まほさん、落ちついて。」

まほ「あ、ああ…」

ダージリン「来ましたわ。」

まほ「!」

みほ「お姉ちゃん。」

まほ「みほ…」

みほ「久しぶりだね。」

まほ「ああ…久しぶりだな。」

みほ「それと…」

ダージリン「ダージリンよ、こうして会うのは初めてかしら。」

みほ「そうですね、はじめまして。」

まほ「みほ、学校はどうなんだ?」

みほ「うん、楽しいよ。友達もたくさん出来た。」

まほ「そうか…」

みほ「あ、話って何?」

まほ「ああ、実は…」

まほ、みほに説明

みほ「そうなんだ…」

まほ「ああ…酷かった…」

ダージリン「使われたのは遠くから撃てる榴弾砲よ、重火力兵装のブラストが使うものらしいの。」

ダージリン「攻撃翌力重視の兵装だから、遠くから一気に戦車を破壊しようと考えられるわ。」

みほ「ダージリンさん、ちょっと詳しいですね。普通なら兵装とかごちゃごちゃになってることがあるんですけど。」

ダージリン「ああ、それは…」

~回想~

ローズヒップ「距離と着弾した数と種類でみれば、おそらく榴弾砲だから、ブラストは重火力兵装のものですわ。」

アッサム「そうなの?」

ローズヒップ「エアバスターだったら空中で炸裂しますし、重装砲なら上からきません。」

オレンジペコ「重火力兵装ってどんなものなんですか?」

ローズヒップ「ブラストランナーには強襲、重火力、遊撃、支援の4つの兵装があって、重火力はガトリングとかロケットランチャーとかの攻撃翌力が高い武器で相手をボコる兵装ですわ。」

ダージリン「

ダージリン「詳しいのね、ローズヒップ」

ローズヒップ「実は兄がボーダーをやってて、ウチの家族を支えてくれてるんですの。ボーダーの給料って、かなり高いんですのよ。」

~回想終わり~

みほ「そうなんですか…」

ダージリン「彼女の知識は役に立ちましたわ。」

みほ「…でも、ごめんなさい。そんなことがあっても、同じ武器を使ってる子はたくさんいるから、誰がっていうのはわかりません。」

まほ「そうか…」

みほ「だいたい、そんな状況で戦車道の試合するからいけないんだよ。自業自得なんじゃない?」

まほ「!?」

ダージリン「みほさん!?」

みほ「だって前からそうだったけど、戦車道って安全に関して杜撰なところがあるじゃん。死んだ子もそれが危ないってわからなかったバカだったからそうなったんじゃないの?」

まほ「み、みほ!そういう言い方はないんじゃないか!?」

みほ「悪いけど、私の高校じゃあ、ボーダーになった子は何人か死んでるよ。この間だって後輩の子が戦死したし、その子は病気のお母さんを助けたかったからボーダーになったんだよ。」

みほ「恵まれてる人達のやる戦車道とは違うの。」

ダージリン「だからと言って…」

みほ「それに、西住流って「多少の犠牲を出してでも勝利を掴む流派」でしょ?それくらい仕方ないんじゃない?」

まほ「違う!あれは戦車道の話で、べつに死んでもいいってわけじゃ…」

ダージリン「もうそこまでにしましょう。二人とも。」

まほ「…」

みほ「…ごめんね、お姉ちゃん。」

みほ「私、帰るから。」

みほ「…」

みほ「私のときは助けてくれなかったくせに…」

~3日後、どこかの戦場~

みほ「どうしたんですか?」

男「ああ、旧式の戦車で攻撃してきた女がいてな、さっき拘束したんだ

黒森峰OG「返して…娘を返して…」

歩兵「あんなんでブラストに挑むとかバカだろあんた。」

歩兵2「あの戦車砲じゃあ軽量級だって傷つかないわよ。」

黒森峰OG「…!」

みほ「あっ…」

黒森峰OG「あんたは…」

みほ「

みほ「何しに来たんですか?」

黒森峰OG「あんたが…娘を…」

みほ「何言ってるんですか?悪いのはあんなところで試合なんかさせるあなた方でしょ?」

OG「!」

みほ「責任をなすりつけないでください。」

OG「ふざけないでよ!」

歩兵2「うっさいわね!行くわよ!」

みほ「ふぅ…」.

~プラウダ高校~

カチューシャ「よく来たわね。」

まほ「話があると言うから来たが…話ってなんだ?」

ノンナ「我々を撃ったブラストがわかりました。」

エリカ「何ですって!?」

ノンナ、ブラストの画像を見せる。

ノンナ「名前はディスカス・エヴォルというブラストですが、この間の機体には、黒い花のエンブレムがついているんです。」

まほ「そうか…で、そのブラストがどうしたんだ?」

カチューシャ「そのブラストに…報復するの。」

まほ「なっ、何言ってるんだ!」

ディスカス・エヴォル

https://download1.getuploader.com/g/sssokuhouvip/149/D98FFE4D-90B5-4412-9ED8-55CDE959D213.jpeg

エリカ「絶対無理よ!」

ノンナ「ええ、我々も最新鋭の戦車を手に入れようとしましたが、叶いませんでした。」

カチューシャ「でも私達はやるわ。同士を殺られた以上、黙って見ているわけにはいかないわ。」

まほ「そんなこと言うのであれば、何か作戦はあるんだろうな。」

ノンナ「はい、確かにブラストランナーは最新鋭の戦車でも簡単には倒せない兵器です。」

カチューシャ「正直私達の戦車じゃあ太刀打ちできない。でもブラストでも対処できないものはあるわ。」

エリカ「対処できないもの?」

ノンナ「衝撃です。」

まほ「衝撃…」

カチューシャ「そうよ。今から作戦を説明するわ。」

カチューシャ「まず戦車を前と後ろに配置して、前に配置した戦車で砲撃、注意を惹きつける。」

カチューシャ「そして頃合いを見て後ろの戦車で砲撃、ここはノンナが指揮するわ。」

まほ「それで怯ませて一斉砲撃か。」

カチューシャ「そう。私達の狙いはブラストの破壊じゃないわ。パイロットを失神させる。」

エリカ「失神させてどうするの?」

ノンナ「マグメルへの交渉の材料にします。条件は、我々が戦車道の試合をする場所の近くでは、戦闘をしないこと…」

まほ「…話はわかった。でも何故私達に?」

カチューシャ「あなた達にも、手伝ってもらいたいからよ。」

エリカ「手伝うって…できるわけないじゃない!」

ノンナ「何故です?」

まほ「当たり前だ。仲間を巻き込みたくない。」

カチューシャ「気持ちはわかるわ、でもね…」

ガラガラガラ!」

黒森峰隊員「隊長。」

エリカ「あ、貴方達…なんで?」

隊員「私達も、あのブラストランナーを許せないんです。」

隊員2「仕返しができるんなら、私達はカチューシャ隊長についていきます。」

まほ「正気か!?」

隊員「本気です…」

ノンナ「彼女達は我々の話を聞いて、真っ先に志願してきました。」

カチューシャ「この子達も、黙ってみたくはないそうよ。」

エリカ「バカじゃないの!貴方達全員死ぬかも」

まほ「やろう。」

エリカ「隊長!?」

まほ「部下がやるんなら、わたしだって行くしかあるまい…」

エリカ「そんなこと…」

まほ「それに…西住流に逃げるという道はない…」

エリカ「…」

カチューシャ「決まりね。」


~どこかの平地~

ノンナ「依頼は架空の企業を名乗って出しました。ブラストランナー一機だけでいいという条件もつけて。」


エリカ「…本当に成功するのかしら。」

ノンナ「やるしかありません。」

カチューシャ「そろそろ来るわね。準備しなさい。」

まほ「ああ…」


滞空索敵弾「…」



まほ「あれが…」

カチューシャ「わたし達の敵よ。」

後ろ側

ノンナ「ニュード耐性を持つ人というのは、ニュードを撒き散らす気持ち悪い存在なんです。」

エリカ「…本気で言ってるの?」

ノンナ「ええ、奴らは頭がおかしい人達です。」

カチューシャ「話は終わりよ!前衛!砲撃開始!!!!」

ドーン!

ディスカス「…」

バシュ!バシュ!

まほ「かわされてる…!」

カチューシャ「構わないわ!どうせ囮よ!」

カチューシャ「ノンナ!今よ!」

ノンナ「…」

ノンナ「消えてください、化け物。」

エリカ「撃て!!!!」

ドーーーン!!!!

ディスカス「…」

ブン!

カキキキン!

カチューシャ「弾かれた!?」

~ディスカス、コックピット~

みほ「…」

~みほ回想~

みほ「私に依頼ですか?」

女スタッフ「ええ…でも今まで聞いたことのない企業なのよ。新しくできた企業だというけど…」

みほ「…すいません、その企業について調べてもらえますか?」

女スタッフ「わかったわ。」

みほ「…」

みほ「もしもし小梅さん?ちょっと頼みがあるんだけど…」

みほ「スタッフさんと私の知り合いの人が調べた結果、企業はニセモノで、私を狙ったものだとわかりました。」

女生徒「タチ悪い奴らね」

みほ「そこで、みなさんに協力をお願いしたいんです。」

男生徒2「構わねーよ。で、どうする?」

みほ「私の知り合いの話によると、相手は戦車だそうです。」

みほ「ですからまず支援兵装の男生徒1さんに、滞空索敵弾で敵の数を把握します。」

男生徒1「わかった。」

みほ「数がわかった後、私が敵を惹きつけます。私のブラストには、バリアユニットを装備します。」

みほ「そのあとはみなさんで戦車を無力化してください。」

男生徒1「無力化というと、戦車の砲身とかを破壊すればいいんだな?」

みほ「はい、この作戦の目的は、相手の戦意を崩すことです。」

男生徒1「よかった。無駄に殺さなくて済む。」

女生徒「あんたそんなこと言ってるとPTSDになるわよ。」

男生徒1「弱いものイジメとか虐殺は嫌だって言ってるんだ。」

男生徒2「まあまあ落ち着けよ。西住さんの言った通りにやりゃあいいんだからさ。」

みほ(…お姉ちゃん、ひどいね。)

~回想終わり~

ノンナ「そんな…」

ガァン!!!!

ノンナ「っ!!」

前衛

カチューシャ「ノンナ!大丈夫!?」

ノンナ『砲身をやられてしまいました。申し訳ございません。』

まほ「…!」

ヒュイーン

女生徒(セイバーZX遊撃兵装)「残念ね。」

まほ「光学迷彩だと…」

プラウダ隊員「よ、横からブラスト2機!」

エリカ「まずい!全速後退!」

操縦手「間に合わない!」

ズバ!

男生徒2(ガルム70強襲兵装)「おっしゃ!一丁上がり!」

エリカ「砲身を斬られた…!」

男生徒1(グライフ68G支援兵装)「お前ら諦めて投降しろ!」

黒森峰隊員「駄目だ…最初から無理だったんだ。」

まほ「駄目だな…こちらの戦車はもう戦えないし、戦意もなくなっている。」

まほ「こっちの負けだ…」

カチューシャ「…」

まほ「問題なのは、相手がこのまま許してくれるかだが…」

カチューシャ「駄目ね、今戦車はブラストに囲まれて一つに集められてる。このままなぶり殺しね…」

まほ「これまでか…?」

エリカ「動きが止まった?」

『お姉ちゃん、残念だったね。』

エリカ「!?」

まほ「その声…みほか!?」

カチューシャ「ええ!あんたの妹!?」

まほ「ああ…多分…」

ノンナ「…」

みほ『まさかお姉ちゃんがそんな戦車で襲ってくるなんて思わなかった。』

まほ「みほ…お前がそれに乗っているのか?」

みほ『そうだよ。この子…ディスカスは私の言うことをしっかり聞いてくれるの。』

まほ「なら…」

ノンナ「ならなんで我々を撃ったのですか!」

みほ『当たったのは偶然です。たまたま撃った砲弾がたまたま当たっただけ。」

エリカ「そんなので納得できるわけないじゃない!!!!」

カチューシャ「そうよ!偶々で人が死んでるのよ!」

男生徒2「うっせぇ!戦場ってのはそんなもんなんだよ!」

女生徒「ちょっと、いまみほが話してるから。」

まほ「…なんで、なんでボーダーなんかになったんだ。」

みほ『私が川に落ちた戦車の子達を助けた時、お姉ちゃん達は何をした?」

エリカ「!?」

みほ「みんな、私を責めて、バカにしてきたよね?」

まほ「…あの時は10連覇がかかっていて、みんな悔しかったんだ。だから…」

みほ「だから何?私は戦犯扱いなの?みんなから白い目で見られて、パンツァージャケットはズタボロにされて、戦車からは突き落とされて、OGの人にも罵倒された…」

男生徒1「なんて連中なんだ…」

みほ「そこにいるプラウダの二人は試合の後にバカにしてきた。」

カチューシャ「…」

みほ「結局、あの時褒めてくれたのは、救助にきたブラストの人だけだった。」

みほ「ここにいるみんなは私を受け入れてくれた。人を助けても責めなかった。むしろ褒めてくれた。」

みほ「あなた達は間違ってる。」

まほ「…」

みほ「じゃあ、行くね。お姉ちゃん」

まほ「…」

ギュイイイン!

まほ「…ごめん、みほ。」

ノンナ「どういうことなんですか!」

まほ「…」

ノンナ「あなたの妹があのブラストに乗ってたなんて…」

エリカ「やめなさいよ!私達だって初めて知ったのよ!」

ノンナ「わかりませんよ、貴方の隊長が情報を…」

カチューシャ「やめなさいノンナ!!!!」

ノンナ「…」

カチューシャ「言い争ったって無駄よ…もう負けたんだから…」

~3日後~

辻(プラウダと黒森峰の生徒がニセの依頼でブラストを襲撃…なんてことをしてくれたんだ…)

辻(下手をすればこれから日本戦車道に大きな支障がでる。計画が全て水の泡になるぞ…)

辻(もうマグメルの要求を受け入れるしかない。)

コンコン

辻「どうぞ。」

フィオナ「失礼しますわ。」






辻「学園艦教育局局長の辻と申します。」

フィオナ「民間軍事組織マグメルのフィオナです。」

辻「この度は、大変申し訳ございませんでした。」

フィオナ「ええ、双方共に死者は出ていなかったのが幸いです。」

フィオナ「しかし、騙し討ちをしようとした以上、タダで許すわけにはいきません。」

辻「はい、そちらの要求にはすべて応じるつもりです。」

フィオナ「そうですか、では…」

辻「プラウダ高校の戦車道は解体、黒森峰の戦車の半分を引き渡すこと…ですか?」

フィオナ「本来なら、双方の戦車道を解体して、当事者は全員マグメルに身柄を明け渡して、ボーダーにさせるのですが、彼女たちにも理由はありますし、そちらには恩がありますから…」

辻「恩というのは、大洗の件ですか?」

フィオナ「ええ、未だに根強い偏見があるニュード耐性者を受け入れ、その孤児達の施設を建設するために廃校を取りやめにしてほしい。というものです。」

フィオナ「おかげで大洗でのニュード耐性者への理解も深まり、共存できるようになりました。」

辻「そうですか…わかりました。要求を飲ませていただきます。」

フィオナ「ありがとうございます。」

~3日後~

ケイ「何やってるのよ!!!!」

エリカ「…」

カチューシャ「…」

ノンナ「…」

ダージリン「誰も死ななかったからいいものの、なんでこんなことを?」

オレンジペコ「しかも、お咎めなしだなんて…」

カチューシャ「…完全にお咎めなしじゃないわ。ウチの戦車道は解体、

カチューシャ「黒森峰の戦車の半分は取り上げられたわ。」

エリカ「カチューシャやノンナが「脅した」と言ったから黒森峰の戦車道は解体されずに済んだのよ…」

ナオミ「自業自得だ。ウチらと死にものぐるいで戦ってる傭兵は違うからな。」

ノンナ「そもそも、貴方の隊長が情報をバラしたのがいけないんです。」

エリカ「だから違うって言ってるでしょ!」

ダージリン「どういうこと?」

カチューシャ「まほの妹が、私達が狙っていたブラストのパイロットだったのよ。」

オレンジペコ「ええ!?」

ノンナ「そうなんです、西住まほの妹はボーダーだったんです。」

ノンナ「頭がニュードにやられて、ニュードを撒き散らすニュード耐性者なんです。」

ナオミ「ちょっと待て、お前のそれは偏見だ。」

ノンナ「偏見じゃありません。死んだ祖母がそう言ってました。」

ナオミ「いいや、お前は間違ってる。少なくても私達の周りのニュード耐性者の同級生はお前が考えている奴じゃない。」

ケイ「そうよ。視野が狭いわよノンナ」

ノンナ「信用なりません。」

ナオミ「ノンナ、お前は戦車道屈指の砲手で一目置いていたが、そんな硬い頭だとは思わなかったぞ」

ノンナ「…それ以上言うと怒りますよ?」

カチューシャ「ノンナ、やめなさい。」

ケイ「ナオミ、やめましょう。ニュード耐性者を受け入れてるのはウチと大洗だけよ。考えは簡単に変わらないわ。」

ダージリン「…そういえば、まほさんは?」

エリカ「師範代の方に行っています。」

ダージリン「そう…」

~まほの家~

しほ「…」

まほ「みほは、私達が間違っているって言っていました…」

しほ「そう…」

まほ「私は、どうすればいいのかわかりません…」

しほ「西住流の人間として育てようとしたら、こんなことになるとは…」

まほ「申し訳ありません。」

しほ「悪いのは私です。目先の勝利を掴もうとした結果、人として大切なものを見失ったまま突き進んでしまったんですから。」

まほ「…」

しほ「とにかく、あなたはいつも通りに生活しなさい。」

まほ「し、しかし…」

しほ「ここからは私がやらなければなりません。これは私の責任なのです。」

まほ「…」

~次の日~

まほ「…」

エリカ「…運ばれていきますね。」

まほ「ああ…私があんなことをしなければ…」

エリカ「隊長は悪くありませんよ。」

まほ(ティーガーやマウス、エレファントなどの強い戦車がブラストに守られながら運搬されていく。)

まほ(そのブラストの手には巨大な剣やライフルが装備されている。もし使われたら、一たまりもないだろう。)

まほ(あの事件に参加した生徒と参加しなかった生徒が喧嘩をすると思っていたが、そんなことはなく、寧ろ慰めあっていた。)

まほ(そして、あの事件を機に、戦車道を辞める隊員も続出した。その中には、)

隊員「元副隊長にあの事で報復されると思うと怖くて…」

まほ(私は、受け入れるしかなかった。)

まほ(そして黒森峰の戦車道は、学園艦の人々から白い目で見られるようになった。)

亜美「家元の就任、おめでとうございます。」

しほ「ありがとう、でも正直嬉しくありません。」

亜美「やはり、あの事件のことですか。」

しほ「皆、嘆いてましたよ。マグメルに目をつけられたとか、おしまいだとか…結局、押し付けるような形で決まりました。娘が事件の当事者だということで…」

亜美「マグメルは世界最大規模の民間軍事組織です。その戦力は米軍とロシア軍が連合を組んで挑んでも、互角以上に渡り合えると言われています。」

亜美「それに各国の軍隊もボーダーを雇っているので、その影響カも大きいんです。」

しほ「…」

みほ「小梅さん、この間はごめんなさい。」

小梅『いいんですよ西住さん。役に立ったんならそれで。』

みほ『それで、そっちはどう?」

小梅『あの事件のあと、戦車を半分没収されちゃったんだけど、みんな西住さんに怯えてたの。』

みほ『怯えてた?』

小梅『西住さんに嫌がらせをしたから、こんなことになったんだって…』

みほ「私も、小梅さんも川に落ちた戦車に乗っていた子も嫌がらせや戦犯扱いされたから、仕方ないのかも。」

小梅『…』

小梅『西住さん、まだ黒森峰を恨んでるの?』

みほ「もう恨んでなんかないよ。みんなが自分のやったことがわかったんならそれでいい。」

小梅『そう…』

みほ「じゃあね、小梅さん」

みほ「…」

みほ「わかったくれればいいんだよ。お姉ちゃん。」

~プラウダ高校~

~ノンナ回想~

ーノンナ!逃げて!!!!ー

ドガァァン!

ノンナ(幼少)「おばあちゃん!!!!」

ーやっぱり…ブラスト乗りは…ニュード耐性者は…ー

ドォーン!!!!

~回想終わり~

カチューシャ「….」

ノンナ「母は生きていましたが、あの戦いで祖母は亡くなりました。」

ノンナ「私は祖母が大好きでした。だからこそ、ブラスト乗りは嫌いなんです。」

カチューシャ「そう…」



~とある街~

まほ「久しぶりの陸地だな。」

エリカ「…みんな、私達戦車道チームに陰口ばかり言ってましたね…」

まほ「OGの一部のヤツらも手のひらを返して悪く言ってきたからな…そのおかげでOG会は分裂したらしい。私達を擁護する側と責める側でな。」

エリカ「…」

まほ「お母様も、連盟にルールの変更を働きかけてるらしいが、簡単にはうまくいかないそうだ。」

エリカ「…隊員の士気もガタ落ちしてますし、我々はどうすれば…!」

まほ「?」
.
ノンナ「…」

カチューシャ「…」

カチューシャ「久しぶりね。」

まほ「ああ…」

ノンナ「カチューシャ様、こんな人と話す必要は…」

カチューシャ「黙ってて、ノンナ」

ノンナ「…」

カチューシャ「この間は悪かったわ…」

まほ「気にするな、そっちも大変だったろう。」

カチューシャ「ええ、でも知りたくないことをを知るきっかけを作ったのは私よ。」

まほ「みほのことか…」

ノンナ「あなたの妹のせいで、あんなことになったんです。」

エリカ「違うわ、みほがああなったのは私達のせいよ。」

まほ「そういうこと…」


「おい見ろ!!!!」

「エイジェンだ!!!!」

4人「!?」

自衛隊員「ツィタデルと交戦中!救援求む!!!」

自衛隊員2「ああ!!!!戦闘機がやられた!」

自衛隊員3「くそ!このままじゃ全滅だ!」

自衛隊員4「市民の避難もまだなのに!」

ドカーン!

自衛隊員「うわあああ!!!!」

まほ「…ダメだ、あれじゃあ勝てない。」

エリカ「住民の避難もまだのようです。」

まほ「…隊員を集めろ。」

エリカ「えっ、は、はい!」

まほ「お前らも来い!」

カチューシャ「!?」

ノンナ「!?」

黒森峰隊員「…」

まほ「揃ったな。」

エリカ「何をするつもりなんですか、隊長」

まほ「今から、住民を助けに行く。」

カチューシャ「ええっ!?」

エリカ「む、無理ですよ!」

ノンナ「どう考えても自殺行為じゃないですか!」

まほ「うるさい!!!!」

まほ「まだ町には住民がいる。警察も数は少ないし、自衛隊もエイジェンの相手で手いっぱいだ。」

まほ「だから我々が行く!」

カチューシャ「そんなこと言ったって…」

まほ「…あの時、ディスカスの…みほへの報復を手伝ったのは誰だ?」

カチューシャ「!?」

まほ「私は手伝ったんだ。お前らだって手伝ってくれるよな?」

カチューシャ「…」

ノンナ「…」





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