【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、元気出して!」クワトロ「……うむ」【その2】 (960)

このスレは
【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、もっと私に頼っていいのよ!」クワトロ「……ああ」

の続きです。



引き続きよろしくお願いします。

前スレ
【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、もっと私に頼っていいのよ!」クワトロ「……ああ」

【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、もっと私に頼っていいのよ!」クワトロ「……ああ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1434969820/l20)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435853250


前スレまとめ

※「クワトロ・バジーナ大尉の元に現れた艦娘・雷(いかずち)。クワトロは彼女と交流を重ねながら宇宙世紀に現れた深海棲艦を打倒していく。
カミーユ・ビダンを仲間に加えたアーガマ隊。しかしカミーユはティターンズの人質作戦に激怒し、深海棲艦化する。クワトロは深海棲艦化したカミーユとガンダムMK2を、雷とカミーユの母・ヒルダの力を借り元に戻すことに成功するのだった」(ナレーション:小杉十郎太)
キャーコスギサーン




>>1は小杉さんファン
プラート大尉(ドラグナー)とランティス(レイアース)がフェイバリット

>>1のURLは携帯用なのでPC用も張っておく
【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、もっと私に頼っていいのよ!」クワトロ「……ああ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434969820/)

>>4
ありがとうございます。

ではいきます。

※※※※※※


>アーガマ艦内


ヒルダ「カミーユ……!」

カミーユ「あ……母……さん。母さん!」

ヒルダ「良かった……カミーユ……!」

カミーユ「母さん……母さん……! 俺、俺……ありがとう、ごめんなさい……」

ヒルダ「いいの、いいのよ……私こそ、ごめんなさいね、カミーユ……!」



ヘンケン「うっ……ダメだ。俺、こういうシーン、ホント弱いんだ……大尉、あと頼む……」グシグシ

クワトロ「ああ、わかった」

雷「カミーユくん、お母さんと仲直りできて良かったわね」

クワトロ「うむ……あとは医務室に運んだ父親が起きて、和解できれば万々歳だな」





ジェリド「……なんとかなったみたいだな。苦労した甲斐があったってもんだ」

エマ「ジェリド中尉……ご立派でした、彼らは貴方が救ったんです」

ジェリド「やめてくれ……俺は宅配便やっただけだよ。すげえのはクワトロ大尉や、あの雷って娘っ子さ……」

エマ「評価を素直に受けるのも軍人の仕事ですよ?」

ジェリド「へーへー、悪ぅござんした……」





>MSデッキ


アストナージ「お前さんのハイザック、相当無茶してボロボロだったからバッチリ整備しといたぞ」

ジェリド「わざわざ悪いな(……なんだろう。ハイザックがハイザックじゃないナニカになっている気が……)」


カミーユ/エマ「「ジェリド中尉!」」


カミーユ「なんでティターンズなんかに戻るんですか! あなたは僕を助けてくれたのに!」
エマ「そうです! もうティターンズに正義はありません! 抜けるべきです!」

ジェリド「一遍に言うな……! 俺だって、今のティターンズはろくな集まりじゃないってことはわかってるさ」

カミーユ「なら……!」

ジェリド「だからこそ、だ。ティターンズの横暴に、毎回エゥーゴが対処できるのか? 無理だろう……ティターンズの中にいて、止める人間が必要なんだ。俺がやりきれるかは分からないが……何もしないよりゃマシだろう」

エマ「あっ……!」

ジェリド「エマ中尉はエゥーゴに鞍替えするんだったか」

エマ「あの……私……ティターンズの手助けをするのが嫌で……だから……でも……」

ジェリド「別に責めてる訳じゃない。それも一つの選択だしな……それに、カッコつけて理屈こねてみたが……こいつは意地だよ、男の意地だ」

エマ「男の……意地?」

ジェリド「自分で選んだ道が間違ってなかった……そう思いたいから、相手がデカイ組織だろうと、意地を張りたくなるのさ。こうなりゃ徹底的に逆らって、立ち回って、ティターンズって組織を変えてやる……ってな」

エマ「……呆れた、貴方が一人で何が出来るって言うんですか……さっき感心して損した気分です」

カミーユ「……俺は、なんとなく、わかります」

エマ「ええっ!?」

ジェリド「エマ中尉は女だからな……こいつは男の世界ってやつだ。なあ、カミーユ?」

カミーユ「そうですね……あの、初めて会った時、殴ったりしてすいませんでした……どうか、お元気で」
ジェリド「そいつはお互い様さ……名前、馬鹿にしたつもりはなかった……悪かったな。また、生きて会おうぜ、カミーユ!」


【インフォメーション】


ジェリドの『ハイザック』が
『ギラ・ドーガ(ハイザック偽装)』に改造されました。





ジェリド「どわぁぁぁぁああっ!? なんだこの出力はぁぁぁああっ!? 止まっ、止まっ、止まっ……ぎゃああああああっ!!」



チュドーン


【インフォメーション】


ジェリドの『ギラ・ドーガ(ハイザック偽装)』

『ギラ・ドーガ(ポンコツ)』になりました。



>アーガマ艦内


雷「そっか……ジェリドさんは帰っちゃったのね」

クワトロ「ああ、だが彼は伸びる……いいパイロットだ。きっとまた会えるさ」

雷「そうね……ところで、ヒルダさんは今どうしてるの?」

クワトロ「ああ、彼女なら……」


>MSデッキ


ヒルダ「なるほど……この配線が……」

カミーユ「アストナージさん、ここの図面は……」

アストナージ「ああちょっと待ってくれ……」

ヒルダ「カミーユ、工具あるかしら?」

カミーユ「3番だね、はい」

アストナージ「……ったく、似た者親子ってのはこのことかよ、息ぴったりでMSの解析しやがって……今まで不仲だったって、絶対嘘だろ」



クワトロ「……特に問題ないようだな」

雷「良かったわ!」



>艦内通路

レコア「エゥーゴの制服の着心地はどう?」

エマ「悪くないです……ミニスカートはちょっと、恥ずかしいですけど……」

レコア「まあ不満ならズボン注文しておけばいいわ」

エマ「はい……あの、私、ティターンズの階級引き継ぎでいいんでしょうか? 先任のレコア少尉より上の中尉なんて……」

レコア「エゥーゴは階級フランクだから、あまり気にしなくていいわ。私も気にせずエマ中尉に接しさせてもらうから」

エマ「わかりました……よろしくお願いします」

レコア「それじゃブリッジに案内するから……覚悟しときなさい」

エマ「え? 覚悟?」


>ブリッジ


レコア「レコア少尉、入ります」

エマ「失礼しま……っ!?」



ヘンケン「かんじーざいぼーはんにゃーはらーみーたー」

トーレス「艦長、カミダナにそれはなんか違う気がします」

ヘンケン「む? ならこれか? おんあぼきゃべいろしゃのう あびらうんけん……」

サエグサ「それも違うかと」



レコア「……よりにもよって一番強烈なシーンに……エマ中尉?」

エマ(放心)「」

ヘンケンさんがどんどんヤバい宗教をやってる人みたいになってる・・・!?
最初はただラーディッシュに謝りたかっただけだったのになぁ(トオイメ)

寝落ち失礼しました。
>>42
その名も『艦娘教』。

※※※※※※


>ルナツー駐留艦隊旗艦 ボスニア


ジェリド「拾って頂き感謝します」ボロボロ

艦長「あ、ああ……エゥーゴの艦はフィフスルナ方面に向かったのだったな?」

ジェリド「自分がやってきた方向から計算すれば、ですが」

艦長「わかった、我々で追撃に入ろう。ジェリド中尉はどうする?」

ジェリド「一旦サイド7に戻ります、グリプスの部隊に連絡したいこともありますので……」

艦長「連絡、とは?」

ジェリド「機密事項です、ティターンズを敵に回しますか?」

艦長「……わかった。MSは修理させる、好きにしたまえ……ちっ、バスクの犬め……」

ジェリド「……ありがとうございます(なんとか誤魔化せたか……嫌なもんだな、わかってて悪意を浴びるってのは……けど、俺が決めた道だ)」



>ボスニア MSデッキ


整備兵「中尉! これ本当にハイザックですか!? 見た目同じでも性能が段違いなんですけど!?」

ジェリド「俺に聞くな! とりあえずグリプスまで足が保てばいい!」


ライラ「やあジェリド中尉、またやられたんだって? 悪運が強いねえ」

ジェリド「ライラ大尉……偶然だよ、偶然」

ライラ「……何か、変わったね。前だったら、噛みついてきたのにさ」

ジェリド「いつまでもガキじゃいられないさ……アーガマを追うなら気をつけろ。赤いMSはハンパじゃないからな」

ライラ「ああ、心に留めとくよ」

ジェリド「……それからもう一つ、バケモノみたいなMSは実在する。ヤバいと感じたらすぐ逃げろ、いいな?」

ライラ「あんたが報告したってヤツかい? まあ……覚えておくよ」



>アーガマ艦内

クワトロ「フランクリン氏が起きたと?」

トーレス「ええ……そうなんですが……」

クワトロ(嫌な予感が……ニュータイプでなくても分かるぞ、これは……)


>MSデッキ


フランクリン「リックディアス……なんと素晴らしいMSだ! だが整合性が取れていない、所詮は木っ端技師の仕事だな」

カミーユ「親父! やっと起きてきたらそれかよ! アストナージさんに失礼な上に、俺や母さんにはなにもないのかよ!」

ヒルダ「カミーユ、止しなさい」

カミーユ「でも!」

フランクリン「ヒルダ! お前がしっかりしないからカミーユがこういうことになるんだ!」

パシンッ!

ヒルダ「あうっ……!」

カミーユ「母さん! こ……んのくそ親父ぃ!」

バキィッ!

フランクリン「がふぁっ! お……親を殴るとはなんて子だ! ヒルダ、これもお前が……!」

カミーユ「お袋に全部押し付けるのは止めろ! 俺を見ろよ! 自分の息子なら、ちゃんと正面向いて叱ってみせろよ! そんなにお袋より、マルガリータって愛人の方がいいってのかよ!」

フランクリン「なっ!? どこでそれを……」

カミーユ「お袋だって知ってんだよ! 黙ってただけだろ! なんでだよ……お袋は、母さんは、バケモノになっちまった俺に、さんざん我が儘言っちまった俺に、それでも愛してるって言ってくれたのに……なんで、あんたは! 親父のあんたは! あんたって人はぁ――っ!」

バキィッ!

フランクリン「ぐはぁっ!」ガシャァーン




クワトロ「……これは、酷い」

トーレス「とりあえず止めましょうよ」

クワトロ「そうだな……」



クワトロ「……とりあえず、カミーユとヒルダ婦人は雷に任せてきた。少しは落ち着くだろう」

アストナージ「それが賢明ですね……しかし……」


フランクリン「ああ違う違う! そこは構造材の性質が違うから……」


クワトロ「……タフな人だ。あんな事があった後なのに」

アストナージ「……色々口出ししてくるんですが……自分の理論に無理矢理合わせようとするから、みんな辟易してます。カミーユやお袋さんとは大違いですよ、新技術に貪欲なのは同じでも、発展性が無い……MK2のムーバブルフレームだって、もっと拡張性を持たせられたはずなのに」ムスッ

クワトロ「珍しいな、そこまで不機嫌なのは」

アストナージ「調整に四苦八苦したテスラ・ドライブを頭ごなしに不合理だから外せなんて言われたら、さすがにイラッとしますよ」

クワトロ「確かに現状は私くらいしか扱えないシステムだからな……」

アストナージ「マイナーチェンジは考えてますよ。まあ、重力下の飛行が楽になる程度になりそうですがね」



フランクリン「ああ! だからOSの調整はそうじゃないんだ!」

整備兵(うっさいなこの人)

フランクリン「ちょっと見せて……くれっ!」ドカッ

整備兵「うわあっ!」

アストナージ「!? どうした!」


フランクリン(リックディアス)『動くな! おとなしくハッチを開けろ!』


クワトロ「フランクリン大尉! なんの真似だ!」

フランクリン『このリックディアスを手土産にアレキサンドリアに帰る! この新技術の塊があれば私はもっと上に行けるのだ!』

クワトロ「正気か!? バスクはあなたを人質に使い、妻君を殺そうとしたんだぞ!?」

フランクリン『バスクが私に借りがあると言うことだ! さあ、もたもたしてるとハッチを破ってでも出て行くぞ!』

クワトロ「くっ……妙なところでカミーユと親子だと証明せずともよかろうに! 総員退避! 開けてやれ!」

アストナージ「よろしいんで!?」

クワトロ「……私のディアスはそう易々と逃しはせんよ。一応MK2で追う、準備を」

アストナージ「了解です」




カミーユ(MK2)「親父がリックディアスを奪うなんて……どこまで俺に恥をかかせるんだ! ちくしょう!」ゴォォ

クワトロ(MK2)「落ち着け。どうせ逃げられはせんよ」ゴォォ

カミーユ「……なんでそんなに落ち着いてるんです?」

クワトロ「勘、かな……捕捉したぞ」ピピピピ




フランクリン「ええい! なんと扱い辛いMSだ! 私ならこんな欠陥品は作らん! まともに動け、このカタログスペックだけのガラクタの寄せ集めめ!(ガンッ)」




リックディアス「……」フィィィ


ゴォッ!



フランクリン「な、何だ!? 急にコントロールが……デ、デブリに突っ込む!? うわあああぁぁぁぁ――――っ!?」



ガンッ

バキンッ

ドガンッ

ゴイーンッ



フランクリン(通信)『ぎゃあああああぁぁぁぁ――――っ!!』



カミーユ「」ポカーン

クワトロ「……動きが止まったな。回収して帰るぞ」


>MSデッキ


「うわー、リックディアスのコクピットが血とゲロでドロドロ……もう予備と交換した方がいいな」

「あのオッサン、死んだの?」

「んにゃ、ミンチより酷ぇ状態だけど生きてる。全治9ヶ月ってとこか」

「しばらくはまた医務室のお世話だな。やっと静かに整備できる……」

「ヒルダさん、離婚届け出すってさ。親権も貰って……カミーユくんも賛成だと」

「そりゃいいや」




>食堂


カミーユ「……正直、死んでくれてもよかったですよ、あのくそ親父」

クワトロ「まあそう言うな……ろくでなしであっても、父親は父親さ……死んでしまっては、恨み言も言えなくなる。それは、寂しいものだ」

カミーユ「そりゃ、まあ……なんか、実感籠ってます?」

クワトロ「私も昔、『なんでこんなのが父親なんだ』と思ったことがあるからな……厄介なものばかり私に残して、死んでしまったがね。おっと……これは愚痴だな、また雷に怒られる」

カミーユ「はあ……」



雷「大尉ー! お待たせ! ヒルダさんとご飯作ってみたの!」

ヒルダ「私はあまり綺麗に作れなかったけど……クワトロ大尉もどうぞ」

クワトロ「では、遠慮なく」

カミーユ「うわぁ! 母さんの料理なんて久しぶりだ! うん……美味い! すげぇ美味いよ母さん!」パァァァ

ヒルダ「雷ちゃんに色々教わったのよ。本当……ごめんなさいね、カミーユ。こんな簡単なこともしてあげられなくて……あの人とも、こんな結果に……」

カミーユ「いいんだよ、母さんが幸せなら! そうだ、再婚相手にクワトロ大尉なんかどうかな!?」

クワトロ「ぶふぉっ!? ゲホゲホッ!」

ヒルダ「あら、確かにクワトロ大尉は素敵な人だけど……」


雷(涙目)「う~~……!」ギギギギ

クワトロ「……ひかずち、なれわらひのふぉふぉをひっふぁる(雷、なぜ私の頬を引っ張る)」グニー


ヒルダ「大尉にはもう良い人がいるみたいよ?」

カミーユ「……ちぇっ」

クワトロ「ひふりんふぁ(理不尽だ)」グニー

雷「大尉は、私の大尉だもんっ!」



ヒルダ「カミーユ、横恋慕はカッコ悪いわよ?」

カミーユ「そ、そんなんじゃないよ!」



>ブリーフィングルーム


ブレックス「さて、間もなくサイド2に入る訳だが……クワトロ大尉、その頬はどうしたのだね?」

クワトロ「いえ、お気になさらず」ヒリヒリ

クワトロ(雷め……艦娘の力で引っ張るからまだ頬が痛いではないか……)ヒリヒリ

ブレックス「あ~オホン。予定ではコンペイ島を経由して月面都市アンマンへ向かう訳だが……ここからはサイド1が近く……そこにはあの『30バンチ』がある」

ヘンケン「ティターンズの毒ガス攻撃が使用された……ですな」

ブレックス「うむ。通常なら悲劇の跡地、というだけだが……我々はサイド3でマハルコロニーを見ている、恨みと嘆きを吸い、深海棲艦と化したコロニーをな」

クワトロ「……同様の事態は充分考えられます」

ブレックス「その通りだ。アーガマには30バンチを調査してもらう。コロニーの住民たちの魂を鎮めるためにも、必要なことだろう……よろしく頼む」

「「了解です」」


 

今回はここまで。

そろそろ大きく変わってくるはず……変えられる、はず……?
頑張ります。


ではー。

いきます。

※※※※※※


>サイド1 宙域


カミーユ「30バンチ……ですか? 伝染病で壊滅したって言う」

エマ「ティターンズが処理に動いたって聞いてますけど……まさか!?」

クワトロ「そのまさかさ。サイド1はティターンズに反抗的な姿勢を取っていた……そこで奴らは30バンチに……毒ガス攻撃を仕掛け、皆殺しにした。結果、サイド1はティターンズに従わざるを得なくなった訳だ」

エマ「そこまで……そこまでやるなんて」

カミーユ「最っ低だ……!」

クワトロ「だが、今重要なのはそこではない。それにより、30バンチには数多の無念が渦巻いていること……つまり、深海棲艦が現れ易い場所だということにある」

カミーユ「!! 見せてもらった映像の、コロニー棲鬼……!」

クワトロ「早急に対処をせねばならん……再びコロニー棲鬼が産まれる前に」

カミーユ「そうですね……」



雷「みんな、お茶が入ったわよー」

エマ「あら、ありがとう雷ちゃん」

カミーユ「今日はプリン? へー、凝ってるなあ」

雷「これ、ヒルダさんから教えてもらったレシピなのよ」

カミーユ「母さんから? そうなんだ……」

クワトロ「雷、私のプリンは?」

雷「はい、大尉のはラズベリーソースを使ったプリンよ」←赤い

クワトロ「おお……」キラキラ


カミーユ(クワトロ大尉……作戦会議とか戦闘中はカッコいいのに……)

エマ(普段はどうも……イメージ崩れると言うか……)


雷「おいしい?」

クワトロ「ああ、ラズベリーの酸味がいいな」



>30バンチ近海


トーレス「間もなく30バンチコロニーに到着します」

ヘンケン「うむ、いつ侵海MSが出てくるかわからん……警戒は密にな」

サエグサ「了解です……んっ!? 侵海MS反応!? しかし、これは……」

ヘンケン「どうした!?」

サエグサ「侵海MS反応をキャッチしたのですが……やけに小さいんです。発生源は30バンチコロニー内に……」

ヘンケン「ふーむ……マハルコロニーのような大型深海棲艦の核かもしれんな……MS隊を調査に出そう。クワトロ大尉と雷ちゃんにもな」

トーレス「またあのデカイのですか……勘弁して欲しいよホント」

サエグサ「本気で寿命縮まりそうだ……うう、胃が痛くなってきた」

ヘンケン「弱音を吐くな! アーガマは30バンチの目視可能域で待機!」



>MSデッキ


アストナージ「特性のノーマルスーツの着心地はどうだい?」

雷「うん、動きやすいわ! ありがとう、アストナージさん!」

クワトロ「わざわざすまんな」

アストナージ「これからは大尉との出撃も増えるでしょうしね。それに、リックディアスの機動は身体を固定しないと危険だって、先日分かりましたし……」

クワトロ「……確かに、フランクリン氏のようにはなりたくないな」

雷「ねえ、背中にジョイントがあるけど……もしかして、艤装をこの上に背負えるの?」

アストナージ「ああ、そんだけの戦力を寝かせとくのももったいないしな。宇宙でも使えるように武装の改造と、移動に困らないようにブースターの増設をしといた。プチモビに乗ってるようなもんだな」

雷「わあ……ありがとう!」

クワトロ「……危険なものを積んだりしてないだろうな。暴走の可能性があるエンジンとか」

アストナージ「しませんよそんなの……ギリギリのシステムで戦闘する大尉が異常なだけです。本当は俺だって、テスラ・ドライブが完調になるまで乗って欲しくないんですから」

雷「大尉はまず、自分を大事にしないとダメよ!」

クワトロ「む……それはすまなかった」



【インフォメーション】


『艦娘 駆逐艦・雷』は
『艦娘 駆逐艦・雷(宇宙・空中戦対応型)』に改造されました。



>30バンチコロニー内部

《あちらこちらにミイラが倒れる市街》


カミーユ「これが……こんな、こんなのって……」

エマ「私は……私はこんなことをする軍隊を正義だと信じて……うっ!」

クワトロ「……バイザーは開けるなよ。コロニーの空調は働いているとは言え、まだ毒ガスは残留している……雷、大丈夫か? 辛ければ見なくていい」

雷「ううん……そうじゃないの……ただ、悲しくて……キレイな宇宙に出られるくらい、この世界の人たちは進歩したのに……なんでこんな悲しいことがまだ起きるのかなって……それが、なんだか……すごく、悲しいの」

クワトロ「そう、だな……人はなぜ、誰かを救えるはずの力で……争いを続けるのだろうな……」

カミーユ「それを解決できるのが、ニュータイプってやつなんじゃないんですか?」

クワトロ「どうだろうな……? 私には、ニュータイプがそんな万能の存在だとは思えなくなっているからな……エマ中尉は、もう大丈夫かね?」

エマ「はい……なんとか。反応があったのは、向こうの区画でしたよね? 行ってみましょう」


>30バンチ 住宅区画


カミーユ「あれ……? この辺り、ずいぶん綺麗じゃないか?」

エマ「おかしいわね……住宅区画のはずなのに、ミイラが全然見当たらないわ」
クワトロ「ふむ……むっ! 何者!」


「っ!?」タタタ



カミーユ「逃げた!?」

エマ「まさか、ティターンズ!?」

クワトロ「追うぞ!」





「ヲッ!?」ズッテーン



カミーユ「……コケましたね」

エマ「……コケたわね」

雷「あっ! あなたは!」

クワトロ「ん? 知っているのか雷?」



雷「深海棲艦……『空母ヲ級』!」



ヲ級「ヲ……」フラフラ


 

>>101
Gの影忍なんてものは存在しない。いいね?




クワトロ「……なるほど、雷の世界では彼女たちと戦っていたわけか」

ヲ級「ヲ……」ビクビク

カミーユ「……なんか、敵対するって感じじゃないんですけど」

エマ「でも、この毒ガス混じりの空気の中、生身で平気なんて……やっぱり、普通の生物ではないんですね」

ヲ級「……ヲ」シュン

カミーユ「エマさん、彼女落ち込んじゃったじゃないですか。無神経ですよ」

エマ「えっ!? そんなつもりじゃ……あ、あの、ごめんなさいね?」

ヲ級「ヲッ」コクコク

雷「……ねえ、あなたはどうしてここに居たの?」

ヲ級「ヲ? ヲッヲッ、ヲ~」パタパタ

雷「え? ふむふむ……」

クワトロ「……わかるのか、雷」

雷「なんとなく、だけど」

別スレの川に住んでるヲ級を思い出す



>住宅区画 とある住宅内

ヲ級「ヲッ」

《ヲ級によく似た少女の写真》

《ヲ級と共に微笑む夫婦の写真》


雷「……ヲ級はこの30バンチの周りを漂ってたんだけど、コロニー整備員だったこの夫婦に拾われたそうよ。コロニーの事故で娘さんを亡くしていた夫婦は、娘さんの生まれ変わりだって、とっても優しくしてくれたんだって」

ヲ級「ヲッヲッ!」コクコク

クワトロ「コロニーの周りを……彼女は雷の居た世界から来た訳では無いのか?」

ヲ級「ヲヲヲ」フリフリ

雷「宇宙を漂ってる以前の記憶は無い、って言ってるから違うみたい……もしかしたら、本当に娘さんの生まれ変わりなのかもしれないわね」

カミーユ「それじゃ、毒ガス攻撃の時に、彼女だけが生き残って……」

ヲ級「ヲッ……ヲッ……」ポロポロ

雷「……『お父さんとお母さん、街のみんなが死んでしまったのは悲しいけど、誰もその事を覚えていなくなってしまうのはもっと悲しい。だから死んでしまったみんなのお墓を作って、街もキレイにして……私がこのコロニーのことをずっと覚えてあげていたい』……ですって」

エマ「……立派ね。すごく、いい子……大変、だったでしょうに」ギュッ

ヲ級「ヲッ? ヲ~」キョトン

エマ「なあに?」

雷「『お母さんもよく私をギュッてしてくれた。お姉さんもお母さんみたいに優しい人なのね』って」

エマ「……ありがとう、嬉しいわ」

ひと休みします。
また夜に続きを、では。


>>118
読みました。
川底棲艦、可愛いですよね。

>>113
大尉をビームサーベル白羽取りができるニンジャにするつもりですかw

再開します。

※※※※※※


>サイド7 グリーンノア

ジェリド(まさかこんなに早くグリプスまで戻ってこれるとは……あのメカニック、ハイザックにどんな改造しやがったんだ? ん……あれは!)

MP「とっとと歩け!」

ユイリィ父「ぐあっ……」
ユイリィ母「あなた!」

ファ「父さん!」

ジェリド「おい! そこのMP!」

MP「誰だ……!? ティ、ティターンズ……!」

ジェリド「そうだ、ティターンズのジェリド・メサ中尉だ。何をやっていた!?」

MP「は! 反乱分子を連行中でありました!」

ジェリド「……そこの娘、見覚えがある。カミーユ・ビダンと一緒にいたな? ちょうどよかった。バスク大佐の命令だ、この一家は連れていく」

MP「し、しかし……」

ファ「カミーユ!? カミーユを知っているんですか!? カミーユがMSを盗んで逃げたって……教えて、カミーユはどうなったの!?」

ジェリド「絶賛逃亡中だ。両親を人質に投降を迫ったが、あんまり反対するもんでバスク大佐が二人とも殺したよ。で、次の人質が君らというわけだ。お陰で俺だけとんぼ返り……まったく、面倒くさい仕事だよ」
ファ「っ!? そ、そんな……カミーユのお父さんとお母さんが……」

ジェリド「聞いていたな? 連れていくぞ」

MP「し、しかし命令書がなければ」

ジェリド「ただでさえティターンズの悪評が出回ってるのに、人質作戦なんてもんの記録資料を残せってのか! 少しは頭を使えこのタコ!」

MP「り、了解です」

ジェリド「よし……わかっているだろうが他言無用だぞ。さあ、来い」

ファ「……離して!」

パチンッ

ジェリド「痛っ……」

ユイリィ母「ファ! あなた……!」

ファ「悪魔よ! カミーユの言った通りだった……あなた達ティターンズは、人の命をなんとも思わない悪魔なんだわ!」

ジェリド「……威勢がいいな、だが、強硬な態度を取れば君だけじゃなく、両親やカミーユ・ビダンもただでは済まない。それをわかっているか?」

ファ「……鬼!」

ユイリィ父「む、娘はまだ子供です! 気に食わなければ、私を殴ってくれていい!」

ジェリド「時間が惜しい、おとなしくついて来れば何もしない」






※以前グリーンノアとしていた所も2に脳内変換しておいて下さい……ort



>グリーンノア2 港


ブライト「なぜシャトルが発進できんのだ!」

憲兵「現在は戒厳令下にある! 許可なくして出港はできん!」

ブライト「戒厳令だと!? ティターンズの独走じゃないか! 貴様それでも連邦の軍人か!」

憲兵「黙れ! 反逆罪でしょっ引くぞ!」


ジェリド「そこまでにしろ! ティターンズのジェリド・メサ中尉だ。権限によりそのシャトルを接収させてもらう!」

憲兵「は? はあ……」

ブライト「何だと! そんな横暴が通ると思って……!」

ジェリド「ほーう。有名人のブライト・ノア中佐じゃないですか……いいんですか? 地球の家族がどうなっても?」

ブライト「貴様……っ!」

ジェリド「言う通りにすれば悪いようにはしない……MSを積みこむ! あとは俺に任せて下がれ!」

憲兵「はっ!」







ジェリド「……よし、行ったな。やれやれ……悪党の演技ってのは疲れるな」

ブライト「演技? では君は……」

ジェリド「ああ、すいません。万が一にもバレる訳にいかなかったもんで……グリプスから逃げる人間を集めてたんでしょう? ティターンズの臨検に捕まって連行されてるって形なら、時間が稼げるはずです。あと、護衛も要るかと思いましてね。どうです? 俺、お買い得ですよ」

ブライト「……ふふっ、大した役者だな君は。よろしい、買った!」

ジェリド「売った! エゥーゴの艦の近くまで案内します。急ぎましょう」




ファ「あ……あの」

ジェリド「ん? どうした?」

ファ「さっきは、ごめんなさい……助けてくれたのに、叩いたりなんかして……酷いことも、言ってしまって」

ジェリド「あれでいいのさ、下手に物分かりがよかったら怪しまれる。それに、カミーユのパンチに比べりゃ、君のビンタなんて屁の突っ張りにもなりゃしない」

ファ「まあ! ふふ……あの、カミーユには、会ったんですか?」

ジェリド「ああ、元気だったよ……両親も無事だ。君たちもエゥーゴの艦に行って、安心させてやってくれ」

ファ「はい! ありがとうございます!」



ジェリド「ありがとう……か。そう言や、ティターンズに入ってからは言われたことなかったよな…………さて、もうひと踏ん張りだ!」

 



>30バンチ住宅区画 公園


ヲ級「ヲッ、ヲッ」

カミーユ「お墓に造花を供えているのか……確かにこれなら、毒ガスの中でも枯れないな」

ヲ級「ヲッ」

カミーユ「俺も一緒にってことか? わかった」

ヲ級「ヲ~」

カミーユ「……なあ、深海棲艦でいるってのは、どんな気持ちなんだ?」

ヲ級「ヲ?」

カミーユ「俺は……ティターンズのやり方が頭に来て……内側から怒りと憎しみが溢れ出して来て……気づいたら、深海棲艦の姿になっていたんだ」

ヲ級「ヲッ!?」

カミーユ「その時感じたのは、世界はとても寒くて、冷たくて……怒ってでも、憎んででも、熱を出していないと凍えそうで……それだけしか、考えられなくなるんだ」

ヲ級「ヲ……」

カミーユ「なあ……君もそうなのか? 君もあんな寂しい、恐ろしい世界を感じているなら……どうして君はそんなに優しく笑えるんだ? どうして人を愛せるんだ?」

ヲ級「ヲ……ヲ~……ッ」

カミーユ「……ごめん。君に聞いても困らせるだけだよな……せめて君の言葉が分かれば……いや、クワトロ大尉は分かろうとすることが大事だって言って……」

ヲ級「ヲッ」

カミーユ「えっ……」


《ヲ級の頬に触れさせられるカミーユの手》


ヲ級「ヲ~」


カミーユ「…………あたた、かい……何でだ……パイロットスーツ越しなのに……なんで、こんなに……」


カミーユ「あ……あれ? なんで俺、涙なんか……ああ、でも……温かい……君は、温かいんだね……」






>30バンチ 制御室


クワトロ「……空気清浄機能を復旧させた。これでいつか30バンチも元に戻るだろう」

エマ「でも……誰も戻ってこないコロニーに、彼女は一人ぼっちなんですよ? 連れて行ったほうが……」

クワトロ「彼女は確かに深海棲艦だ、だが戦うことを望まれた存在じゃない。この地で、静かに過ごさせてやりたい……そう考えてしまうのは、私のエゴだと笑うかね?」

エマ「……いいえ。確かに彼女を外の世界に出せば……人間の悪意が彼女を傷つけるでしょう。それが、彼女のため、何ですね」

雷「……エマさん……大丈夫よ。私たちで戦争を終わらせて……平和になったら、ヲ級に会いに来ればいいわ」

クワトロ「雷の言う通りだ。彼女と今生の別れになるか否か……それは我々次第ということだよ」

エマ「……そうですね。私たちが、今、生きている私たちがしっかりしないといけないことなんですね」

クワトロ「その意気だ……むっ、空調が動き出したようだな」

雷「あ! 見て!」










カミーユ「!? これは……雪? コロニーに、雪が……」

ヲ級「ヲッ!? ヲ~?」

カミーユ「ん? ああこれは雪って言って……クワトロ大尉たちがコロニーを動かしたからだな。だから気温が下がって……」

ヲ級「ヲ~ッ! ヲ~ッ♪」キャッキャッ

カミーユ「おいおい、はしゃぐと転けるぞー! はは……あはははっ」










※BGMイメージ『ETERNAL WIND』(F91ED曲)



>30バンチ近海


トーレス「レーダーに感! 識別信号は連邦軍! サラミス級です!」

ヘンケン「追っ手か!?」

サエグサ「熱源反応多数! MS展開していきます!」

ヘンケン「よし、こちらも出せ! クワトロ大尉たちにも帰還するよう伝えろ! モンブランのネモ隊と協力して奴らを叩く!」

トーレス「了解……ええっ!? 何だこりゃ!?」

ヘンケン「どうした!?」
トーレス「ア、アーガマの出力が……上がっています! まるで艦娘と同調した時みたいに……」

ヘンケン「何……? まさか、アーガマが一人でに……ふふふ、なるほど。要はアーガマもやる気ということだ。総員! アーガマに恥ずかしい仕事をするんじゃないぞ!」



エムブラ「ネモ隊出せ! 射程内に入り次第支援砲火開始!」

副長「了解! あれ……艦長! モンブランの射程が伸びています! これは一体……」

エムブラ「狼狽えるな! 艦の魂ってやつが猛っているのだろう……儲けものと思え! 総員、無様は見せるなよ!」




レコア(MK2)「さすがにネモとは動きが違うわね……でも、扱えるかしら」

アポリー「心配しなさんな。そのMK2は軽く調整しただけで手付かずだとさ」

ロベルト「アストナージの改造が心配なのは解るがね」

レコア「そのMK2……って、カミーユやエマ中尉のMK2は改造してるってこと!? あ、危なかった…………やけにレスポンスがいいわね。これが軽い調整? はあ……」




>住宅区画


カミーユ(通信)「敵ですって!? ティターンズが……え? 連邦軍? なんで連邦が……わかってますよ! すぐ行きます!」

ヲ級「ヲ……?」

カミーユ「俺たちを追って敵が来たんだ……ごめん、俺たちのせいで、君のコロニーを巻き込んでしまった……せっかく、静かに過ごしていたのにな……本当に、ごめんよ……」

ヲ級「ヲ……ヲッ」ギュ

カミーユ「え? 俺の手を握って何を……」



――――あなたに会えたこと、嬉しかったよ



カミーユ「っ!? 君の、声が……!」

ヲ級「ヲッ」ニコリ

カミーユ「ああ……ああ! 俺も、君に会えて嬉しかった! 俺が守るよ……君のコロニーを、君の世界を!」

ヲ級「ヲ!」

カミーユ「また会おうな! 元気で!」

ヲ級「ヲ~ッ」パタパタ




>30バンチ 外壁


クワトロ(リックディアス)「来たか、カミーユ」

雷(クワトロの膝の上)「ヲ級と話してたけど、仲良くなれたの?」

カミーユ(MK2)「ああ……クワトロ大尉、雷、エマ中尉……このコロニー、絶対守りましょう」

エマ(MK2)「……ええ、そうね。彼女の住むこのコロニーを……戦争で傷付けさせる訳にいかないもの」

クワトロ「そういう事だ……カミーユ、エマ中尉、二人のMK2はサイコフレームを積んだばかりだ……反応が早くて合わせ辛いかもしれん。無理せず私の補助に回ってくれ」

カミーユ「了解です」

エマ「了解」

クワトロ「雷、サポートを頼むぞ」

雷「まっかせて! リックディアス、MK2、頑張りましょうね!」


リックディアス「」ヴォン


MK2(カミーユ)「」ヴォン


MK2(エマ)「」ヴォン



【インフォメーション】


『ガンダムMK2 一号機・三号機』は
『ガンダムMK2・t―PF(試作サイコフレーム)』に改造されました。



ライラ(ガルバルディβ)「く……連中のMS、ことごとく速い! エゥーゴの技術はそこまで進んでいるのか!? それに……!」


雷「大尉! 捉えたわ!」

クワトロ「よし、行け! ソードブレイカー!」シュパパパ

キキキュイン キキキュイン
ズガガガガガガァーン!



ライラ「ジェリドの言った通りだ……あの赤いMS、並みじゃない……ただ者ではない……っ! はっ!?」

ヴォン バヂバヂバヂィ!

ライラ「ガンダムMK2! やるなっ!」

カミーユ「連邦軍なら、ティターンズに協力なんかするなっ! あんな外道の手助けなんかやってたら、あんたらも地獄に落ちることになるんだぞ!」

ライラ「子供の声!? 大人の社会ってのがわかってない子供が偉そうなこと言うんじゃない!」

カミーユ「そんな言葉で自分を誤魔化してる人間が大人であるものかっ! 大人って言うのは本当に大切なことを知って、行動に移せる人だ! そんな偽物の大人、俺が修正してやるっ!」ガキィィン!

ライラ「ぐっ! 蹴り飛ばされた!? だが!」ピシュピシュウン

カミーユ「近い!? シールドで!」

ライラ(もう少し……もう少し足止めできれば……)





トーレス「!! コロニー3時方向に敵影! 別動隊です!」

ヘンケン「何!? どう動いている!?」

サエグサ「これは……30バンチコロニーを目指しています!」

ヘンケン「何……? 何故そんな所を……?」





カミーユ「あ……ダメだ! コロニーに入るな! あそこには……!」

ライラ「ビンゴォ。どうやら30バンチがエゥーゴの秘密基地だって予想……当たってたみたいだね」

カミーユ「違う! そんなものありはしない! あそこには、あの子が……守りたい、あの子がいるんだ! コロニーに近づくなぁぁぁぁっ!!」ゴォッ

ライラ「!! 行かせると思って……!」

カミーユ「邪魔を……するなぁぁぁぁっ!!」



MK2(サイコフレーム励起)「」フィィィ



ライラ「!? ガンダムが、光って……(ドガッッ!!)ぐわぁぁっ! また、蹴り……っ!? まさか、今の一撃で行動不能に?」




>30バンチ 大型エアロック

GB(ガルバルディβ)8「よし、外壁を開けるぞ」

ゴォォ…ン


GB17「これは……コロニー内に雪だと?」

GB24「冷却の必要がある……工場施設が動いている証拠だ。行くぞ」




GB11「熱源反応感知……住宅地だと?」

GB6「今望遠を……何だあれは!?」









ヲ級「ヲ……?」




GB30「人間……なのか?」

GB25「馬鹿言うな! ここはティターンズが反乱分子の殲滅に毒ガスを使ったんだ! 虫一匹生きていられるものか!」

GB1「可能性が高いのは……エゥーゴの生体兵器か!」ガキュン



ヲ級「ヲ……ヲ……ッ!」カタカタ



カミーユ「止めろぉぉぉぉっ!!」ゴォォォォッ!

ズガガガガガガァーン!!

GB10「なっ!? ガンダムが! い、一瞬にして10機以上も……」

GB28「よほど重要な兵器なのだ! 早く破壊しろ」

キュイィィィィ



ヲ級「ヲ…………ッ」ブルブル




カミーユ「止めてくれえぇぇぇぇぇぇぇっ!!」






――――ズキュゥゥ…ンッ








ヲ級「…………ヲッ? ヲッ?」パチクリ


GB28「あ……がが……」バチバチ


GB1「ぐ……あ……」バチバチ


カミーユ「――っ! あれ、は……!」




ザク棲機「OOO……」

ジム棲機「AAA……」



GB5「あああ……ああ……ば、バケモノだぁぁぁっ!」

GB26「ひぃぃぃいっ! に、逃げるなら俺を置いて行くなぁぁぁっ!」



ザク棲機「OOO……ッ!」ゴォッ!

ジム棲機「AAA……ッ!」ゴォッ!




GB4「わぁぁぁあああっ! く、来るなぁぁぁぁっ!」





グシャ
メキィ
バキ
ゴギリ




グチャ




>30バンチ近海


「「ぎゃあああぁぁぁぁああっ!!」」



クワトロ「これは……!? 侵海MSが我々を避けて、連邦の機体だけを襲っている……?」

雷「これ……30バンチの人たちの魂だわ……」

クワトロ「何!? 確かに……これには暖かな人の意思を感じる……」

雷「ヲ級を守るために……出てきたのよ。深海棲艦になってまで。ヲ級は元々、多数の深海棲艦を率いる『空母ヲ級』……このコロニーの周りにあった深海棲艦を生み出す『思い』は……あの優しいヲ級の心にずっと触れていたから……」

クワトロ「ヲ級が危機に陥るまで眠っていた……しかし、連邦がヲ級に攻撃を仕掛けたことで目覚めたわけか」

雷「そうだと思う……」



>アーガマ ブリッジ


トーレス「……敵艦、撤退しました……侵海MS、こちらへの攻撃の様子、ありません」

サエグサ「……俺、夢でも見てるんでしょうか? 侵海MSの大群に助けられるなんて」

ヘンケン「…………大概のことには驚かん自信があったが……さすがに、これは、たまげた」




>ボスニア艦内



ライラ「はあっ、はあっ……何だ……あれは一体なんだ!? まさかあれがジェリドの言っていたMSのバケモノ……? あんなもの、どうやって戦えって言うんだ……っ!」


寝落ち失礼

※※※※※※



>30バンチ 住宅区


ザク棲機「O……」

ジム棲機「A……」


カミーユ「なんだ……? こいつら、俺には襲ってこない……いや、それだけじゃなく、侵海MSのプレッシャーを感じない……?」

ヲ級「ヲー」フリフリ

カミーユ「そうだ! ヲ級!」ガシャ ウィーン


ヲ級「ヲッ」

カミーユ「良かった……無事で……」

ヲ級「ヲ~」ニコニコ

カミーユ「守ってくれてありがとうって? そんな……俺は、結局間に合わなくて……この侵海MSたちが君を助けてくれなかったら……」

ヲ級「ヲッ、ヲッヲッ」

カミーユ「でも来てくれた、って…………そう、だな。君が生きているなら、誰が助けたかなんてどうでもいいか」

ヲ級「ヲ~、ヲ~」

カミーユ「えっ……そうか……この侵海MSは、君の父さんや母さん……君に優しくしてくれた、コロニーの人たちそのものなんだね……」




>アーガマ 艦内



ブレックス「……そうか。30バンチはそういう事に……」

クワトロ「……多数の侵海MSがレーダーすら阻害しています。近づくことはおろか、発見も困難になるでしょう」

ヘンケン「ヲ級を守るために、か……まるで、眠り姫の茨の城だな」

クワトロ「その茨がほどけることはないでしょう……戦争の時代が続く限りは」

ブレックス「うむ……そうあらないように、早く終わらせたいものだな、この愚かな戦争を」




エマ「……カミーユ、まだ、30バンチを見て?」

カミーユ「ええ……」

エマ「……早くまた、彼女に会えるようにしないとね……それは?」

カミーユ「雪だるまですよ……あの子が作ってくれたんです、コロニーの雪で。不思議でしょう? 全然溶けないんです、これ」

エマ「そう……それ、私にも分かるわ。彼女の思いが、籠められているのね」

カミーユ「はい……僕はきっと、またここに来ます……平和になった世界を、あの子に、ヲ級に教えるために……きっと、必ず……」






トーレス「アーガマ、発進!」


今回はここまで。
やはりガンダムに詳しい人ならバレバレの展開が多いですが、それでも楽しめるものを提供できるよう頑張っていきたいです。

では。

いきます。

※※※※※※


※「サイド1、30バンチを後にしたアーガマ隊は、月面都市アンマンへと向かう。だが、その進路上には連邦及びティターンズの拠点たるコンペイ島……かつてソロモンと呼ばれた宇宙要塞が待ち構えていた」
キャーコスギサーン


>アーガマ ブリーフィングルーム


ヘンケン「戦力差もあるが、駐留艦隊はティターンズと連邦の混成……我々の標的はあくまでもティターンズだ。よって、我々が正面きってコンペイ島駐留部隊と戦う訳にはいかん」

ブレックス「それに、コンペイ島……旧ソロモンは一年戦争、デラーズ事変において、多数の死者が眠っている……深海棲艦の現れ易い場所だ。藪をつついて蛇を出す、という事態は避けたい」

クワトロ「では……」

ヘンケン「うむ。アーガマ、モンブランはメインエンジンを切り、慣性航行により熱感知を欺いてコンペイ島をやり過ごす。消費電力も制限されるので艦内クルーは省エネを心がけてもらう、よろしく頼む」


>艦内


雷「それじゃ、しばらく節約生活をするわけね? よっし! 私におまかせよ!」フンス

クワトロ「頼もしいな」

カミーユ「節約かぁ……部屋をなるべく真っ暗にしておくとか?」

エマ「それじゃ危ないでしょ」

クワトロ「洗濯物はまとめて洗う、とかか? 水の節約になる」

雷「大尉! いつも洗濯物を溜め込んでるのを誤魔化そうとしないの! ボックスに入れるの面倒がっちゃダメよ!」

クワトロ「す、すまん」


カミーユ(ダメ亭主だ)

エマ(奥さんに尻に敷かれるダメ亭主ね)



>食堂


カミーユ「あれ? 今日のメニューってジャパニーズワショク?」

雷「そうよ! お魚の在庫もあったし、お刺身にしてみたわ!」

ヒルダ「雷ちゃん、旧世紀のジャパンの文化に詳しいから……電気の節約にもなるし」

カミーユ「母さんも一緒に作ったんだ」

クワトロ「これは美味そうだ」

雷「どんどん食べていいわよ!」



レコア「ん……不思議な食感の魚ね。クニュクニュして」

クワトロ「鯛か、また珍しい食材を仕入れたものだ」

カミーユ「クワトロ大尉は食べたことが?」

クワトロ「機会があってね……マグロは赤身か。私はトロよりこちらが好きだから嬉しいね」

エマ「~~っ!? 鼻っ、鼻がっ……!?!?」

雷「エマさんワサビ付け過ぎ! ちょっぴりでいいのに!」

ヘンケン「エマ中尉、水だ!」

エマ「んくっ、んくっ……ぷはぁ。ありがとうございますヘンケン艦長……は~辛かったぁ」

サエグサ「戦艦の中でミソスープが飲めるとはなあ……美味ぇ!」

トーレス「そーいやお前、日系だったか」

サエグサ「お袋の味ってやつです。いやー、雷ちゃんはいいお嫁さんになるよ」
雷「ホント!? えへへ……ねえ大尉、大尉も私がいいお嫁さんになれると思う?」

クワトロ「そうだな。そう思うよ」

雷「そっかぁ、そっかぁ……うふふふっ♪ 大尉、サーモンもあるわよ。はい、あ~ん♪」

クワトロ「い、雷っ。自分で食べられ……」

雷「っ♪」ニコニコ

クワトロ「……(パクリ)…………美味い」





カミーユ「エマさんお茶あります!? とびきり濃いの!」

エマ「はいカミーユ……私もコーヒー買ってくるわ……エスプレッソで……」

ヘンケン「あ、エマ中尉。俺が奢ろう」



>艦内通路


ブレックス「ふう……仕事は一段落したが……私も年かね、無理が利かなくなってきた」

雷「あ、おじいちゃん!」

ブレックス「おお雷ちゃんか……今日も元気だね、羨ましいよ」

雷「おじいちゃん、お疲れなの?」

ブレックス「ははは、なんせエゥーゴの最高責任者だからね……仕事もそれなりに多いのさ」

雷「ん~……じゃあ私がマッサージしてあげるわ!」

ブレックス「ん? そうだな……なら、お願いしようか」

雷「まっかせて! それじゃ、向こうの長椅子にうつ伏せになってもらっていい?」

ブレックス「ふむ……これでいいかね?」

雷「オッケーよ! それじゃ楽にしててね」



ゴリッ


ブレックス「うおっ!?」
ゴキッ

グキッ

ブレックス「ぬおおっ!?」

バキッ

グギギッ

ブレックス「うおおっ!?」


ゴギャリッ


ブレックス「ふおおぉぉっ!?」





雷「ふう……どう? 楽になったかしら?」

ブレックス「こ、これは……軽い! 肩も腰も、まるで若い頃に戻ったようだ! これはいい! ありがとう!」

雷「えへへ、お役に立てて良かったわ!」



>MSデッキ


カタカタカタカタ

カミーユ「ここの装甲をこうして……いや、もうちょい薄くした方が? う~ん……」

アストナージ「あれカミーユ、設計も出来るのか?」
カミーユ「あ、すいません。ちょっと借りてました」
アストナージ「いいさ。へえ……MK2をベースにした可変MSか」

カミーユ「リックディアスの装甲を持ってきて、一応Zガンダムって名前も付けてみたんですけど……あ、サイコフレームも想定してます。ここと、ここに使ってみました」

アストナージ「悪くないな……ちょっといいか?(カタカタカタカタ)……よし、こんなのどうだ?」

カミーユ「重装タイプですか! なるほど……あ、それならこれは?(カタカタカタカタ)」

アストナージ「量産を見越した簡易型か、いいな」

ヒルダ「あら、面白そうね」

カミーユ「母さん。母さんも弄ってみる?」

アストナージ「ヒルダ婦人のアイディアも見てみたいですね」

ヒルダ「そうね、私なら……(カタカタカタカタ)こんな感じかしら?」

カミーユ「追加武装を用意した多局面対応型かぁ」

アストナージ「面白くなってきた! もうちょいひねってみましょう!」


「ここをこーして」
「ならこっちをこーして」
「そっちをこっちに」
「ここにはあれを」





クワトロ「……何故だろう、会わせてはいけない三人を会わせてしまった気がする」

雷「あうう……変なもの作らなきゃいいけど……」




>艦内


ヘンケン(放送)『間もなくコンペイ島を通過する。艦内からの発光漏れに気を付けろ』


雷「コンペイ島って、お菓子みたいな名前なのね」

クワトロ「小惑星を利用した宇宙要塞でな、形が金平糖に似ていることからそう名付けられた。ここからなら光学望遠で見えるだろう……ほら、望遠鏡だ」

雷「ありがとう、大尉。ん~……? 確かにトゲトゲしてて、金平糖みたい」

クワトロ「元々はジオンの要塞でソロモンと呼ばれていたのだがな、連邦の支配下になって改名されたのさ」

雷「うえっ!? ソロモンッ!?」

クワトロ「どうした?」

雷「うう……艦として私が動いてた時、何度もソロモンを……地球のソロモン諸島のことだけど、攻撃したり通過したことがあるのよ……その時、鼠輸送作戦って言って、敵の警戒網の中を隠れて輸送した苦い思い出が……」

クワトロ「それはまた……大変だったな」

雷「うん……ああ、よく考えたら今回もMK2を隠れて運んでるんだから鼠輸送じゃない……なんで宇宙に来てまでソロモンとの因縁が切れないのよ~~」



>シャトル・テンプテーション 機内


ジェリド「やっぱりエゥーゴと繋がってたんですか……抜け目のない人だ」

ブライト「ティターンズ結成当初から疑っていたからさ……エゥーゴの艦は本拠地のある月に向かうはず。このスピードならソロモン……コンペイ島を越えた辺りで合流できる」

ジェリド「そこまで行けば俺の仕事も一段落ですね」

ブライト「……君は本当にいいのか? ティターンズに戻れば、辛い立場に立たされるんだぞ?」

ジェリド「はは……正直ビビってます。けど、大見得切った手前、引くに引けなくて……ま、やれるだけやって、その結果おっ死ぬなら……それも悪かぁないかなって」

ブライト「……君はまだ若い、命を粗末にするもんじゃないぞ」

ジェリド「ブライト中佐だって若いでしょうに……(ビーッビーッ)っ!? 追っ手か?」

ブライト「いや……ティターンズの識別信号がない。かと言って連邦でもエゥーゴでも、ジオンでもない……?」

ジェリド「まさか……中佐、ハイザックで出ます!」
ブライト「ジェリド中尉!?」

ジェリド「嫌な予感がするんです……ヤバいと感じたら俺に構わず逃げてください!」


ブライト「ジェリド中尉……ニュータイプなのか……?」




>テンプテーション 船外

ジェリド(ハイザック)「さあ、どこから来る…………? あれかっ!」




・機動ゲ級×3


ジェリド「確か、侵海MSって言ってたな……最初はブルッちまったが、いつまでも震えてる俺じゃねえぞ!」





ゲ級1「」ピシュピシュン

ジェリド「撃って来た! シャトルに当てる訳にはいかねえ……さあ、こっちだ!」ゴォッ


ゲ級2「」ゴォッ


ジェリド「く……ハイザックめ、えらい暴れ馬になっちまって……だが、今はそれが助かる! そこだ!」バシュバシュン



ゲ級2「!?」ドゴォォォン


ジェリド「やれた……、あと、二機!」


ゲ級3「」フォンフォンフォン

ゲ級1「」ピシュピシュン


ジェリド「連携か! 生意気に……突っ切れ、ハイザック!」ジャキン ゴォッ



ゲ級1「(ザシュッ!)!?」ドゴォォォン


ゲ級3「!!」ピシュピシュン ピシュピシュン



ジェリド「(ピキィィィン)当たるか! そこだ!」バシュバシュン


ゲ級3「!?」ドゴォォォン





ジェリド「や、やれた…………だが、さっきの感覚は何だ? 奴の攻撃が向かうのが解った……まさか、これがニュータイプの感覚ってやつなのか?」




>テンプテーション 機内

ブライト「ジェリド中尉、お見事だった。助かったよ」

ジェリド「どうも。結構ギリギリでしたけどね」

ブライト「君の機体もシャトルも無傷だと言うのに、謙遜が過ぎないかな?」

ジェリド「あ~……今まで自分、ちょい傲慢気味だったもんで……反動、ですかね?」

ブライト「ははは、過度な自信は毒だが、適度なら力になる。自信を持っていい(ビーッ ビーッ)――また反応? 今度は……ティターンズ!」

ジェリド「何!? まずい……俺が出たら裏切ってるのがバレる……かと言って応戦しなけりゃ落とされちまう……」

ブライト「む…………なら、ここは君の使った作戦に乗るとしよう。君を人質として扱うんだ」

ジェリド「なるほど、俺が中佐に脅されればいいんですね」

ブライト「名演技を期待しているよ」














シロッコ(メッサーラ)「あれが避難民を乗せたシャトルか……追跡命令が私に下ったのは、運が無かったな」





>アーガマ ブリッジ


トーレス「要警戒宙域を抜けました、メインエンジン起動します」

ヘンケン「よし、あとはアンマンまで全速で……(ビーッ ビーッ)どうした!?」

サエグサ「救難信号と共に、ティターンズの識別信号をキャッチしました! 攻撃されています!」

ヘンケン「何っ!?」

トーレス「ティターンズはデータにない新型! 追われているのは……連邦のブライト中佐のシャトル、テンプテーションです!」

ヘンケン「いかん! MS隊発進! 落とさせるな!」



>MSデッキ


カミーユ「ブライトキャプテンが!? すぐ出ます!」

クワトロ「まずいな、敵はブライト中佐を捕らえず、殺すつもりだ。雷、ブリッジへ……」

雷「急いだ方がいいのよね? なら大尉と一緒に行くわ!」

クワトロ「すまんな……クワトロ機、出るぞ!」





ドガァァァァン!


シロッコ「……よく避ける。ニュータイプでも乗っているか? だが、これで(ビーッ ビーッ)……通信? どれ」


ブライト(通信)『攻撃を中止せよ! こちらにはティターンズの士官が乗っている。撃墜すれば彼も死ぬぞ!』

ジェリド(通信)『た、助けてくれぇ! 俺はただ出世したくて……それで独走しちまっただけなんだ! こんな所で死にたくねぇよぉ!』


シロッコ「フッ……心配するな。お前はグリプスからの脱走者を止めるべく、シャトルもろとも自爆して名誉の戦死を遂げたと伝えて置く。二階級特進は確実だぞ?」

ジェリド『ふ、ふざけるなぁ! この鬼! 悪魔! 島田兵!』

シロッコ「(島田兵?)……通信はここまでだ。ではな」




ジェリド「くそっ! 典型的ティターンズ野郎め! バスクそっくりだあのロン毛!」

ブライト「あとはエゥーゴからの援軍が間に合うか……(ピピピピ)マズイ! ロックされた!」



シロッコ「ホワイトベースの英雄、ブライト・ノアか……では、さよならだ」ジャコン



バシュウゥゥゥゥン







クワトロ「護れ! ソードブレイカー!」



バシィィィィィィン!




シロッコ「何っ!? 遠隔操作の、バリアーだと!?」



カミーユ(MK2)「ブライトキャプテン、大丈夫ですか!?」

クワトロ(リックディアス)「これ以上貴様の好きにはさせんよ……行くぞ、雷!」

雷(クワトロの膝の上)「ええ、無抵抗の相手をいたぶるなんて許せない! やっちゃえ、大尉!」




カミーユ「このやろうっ!」バシュバシュン バシュバシュン

クワトロ「カミーユ! 突出するな!」


シロッコ「腕はいい……だが、若いな」バシュバシュン


カミーユ「(ドガァァン)うわぁぁぁっ!? あ、当てられた……当ててきた!?」

クワトロ「カミーユ、シャトルを守るんだ!」

カミーユ「でも!」

クワトロ「狙われている!(ピキィィィン)来るか! ちいぃっ!」ガガガガ


シロッコ「むうっ! バルカンで牽制……このメッサーラのスピードを見切っているだと? 小癪な!」


クワトロ「カミーユ! 戦況を認識できんとは言わさんぞ!」

カミーユ「は、はい!」


シロッコ「弱い者から片付けるのは兵法の基本だ……もらうぞ、ガンダムMK2!」ガシュン


クワトロ「!? 変形を利用し、周り込まれた!?」


メッサーラ「」バシュウゥゥゥゥ!


カミーユ「う……うわぁぁぁっ!(ピキィィィン)」



MK2(サイコフレーム励起)「」フィィィィ


ドヒュウ! ドヒュドヒュウ!
バシュバシュウ!


シロッコ「(バシィィィ!)かすった!? なんだあの速さは!?」


カミーユ「はあーっ、はあーっ、はあーっ……」


MK2(通常)「」シュウゥゥン

クワトロ「(励起が止まった……やはりまだ負担が大きいか)カミーユ! 君にはまだサイコフレームは使いこなせない! 下がるんだ!」

カミーユ「はあ……はあ……は、はい……大尉、あと、頼みます……」


シロッコ「ぬ……逃がさ(ドガァァァン)何っ!?」


クワトロ「貴様の相手は私だ」

雷「頑張れ大尉!」




バチバチバチバチバチィッ!!


クワトロ「かなりのパワーだな……だが、苦戦するほどでは……ないっ!」バチィッ!

シロッコ「っ!? メッサーラのビームサーベルを弾き飛ばしただと!? だがっ!」ガシュン



クワトロ「また変形したか!」

雷「大尉、後ろから!」

クワトロ「ああ、相手がスピードで来るなら……こちらもだ! 起きろリックディアス!」



リックディアス(サイコフレーム励起)「」フィィィィ



シロッコ「何!? 奴も同じ物を積んで!」

ドヒュウ! ドヒュウ!


クワトロ「雷! サーベル出力上げろ!」

雷「了解! リリーちゃん直伝! ハイパーなビームサーベルよ!」


ヴォンッ…ブォォォォン


シロッコ「くっ……二刀で耐えられるかっ!?」


バキィィィン! バチバチバチバチィッ!


クワトロ「こいつ、反応と対処が早い……ニュータイプか?(ピキィィィン)……っ!? シロッコ……パプティマス・シロッコ?」

シロッコ「なんてプレッシャーだ、この男……なに? この男だと?(ピキィィィン)……シャア!? 赤い彗星、シャア・アズナブルだと言うのか!?」


バキィィィン!


クワトロ「カミーユとシャトルは……もう離れたな。ならば一安心、か」

シロッコ「!! 貴様! 戦闘中に私から気を逸らすだと!? 舐めるな、シャア・アズナブルゥゥゥ!!」ゴォォッ!

>カミーユ「重装タイプですか! なるほど……あ、それならこれは?(カタカタカタカタ)」
=ZZ

>アストナージ「量産を見越した簡易型か、いいな」
=Z+

>カミーユ「追加武装を用意した多局面対応型かぁ」
=S

Zタイプで考えるなら、おそらくこんな感じか。

>>248
量産見越した簡易型ならZⅡじゃないかな?

>>249
もー! ZⅡはメタスベースだから、先にメタスのデータが必要でしょ?
それに、リゼルに繋がってるから量産向きに見えるかもだけど、簡易化されてるのは可変機構だけで、性能自体はZより上なんだから!




雷「大尉!」

クワトロ「心配要らん! そこだっ!」バシュバシュン!


シロッコ「(ドガァァァン)ぐわぁぁっ!? おかしい……おかしいぞ!? 如何にニュータイプとは言えど、ここまで圧倒されるはずが……(ピキィィィン)っ! そういうことか!」


シロッコ(交信)『シャア・アズナブル! 女の力を借りて戦うか! この軟弱者め!』

クワトロ(交信)『……パプティマス・シロッコか。申し訳ないが、私は軟弱者に加えて臆病者、しかも卑怯者だ。最終的な勝利のためならなんでもやる……それにな』


ヴォン…ッ
バキィィィンッ!


シロッコ「ぐわあぁぁぁぁっ!?」

クワトロ『女の力を借りていると言うのなら……それは私への信頼の証なのだ! 誇りこそすれ恥じ入る理由はない! 外野が……囀ずるな!』バシュバシュウン! バシュバシュウン!


ドガァァァァン!
ドガドガァァァァンッ!


シロッコ「うわ、ああっ……うわああぁぁぁぁぁっ!!」





クワトロ『帰ってバスクに伝えることだな……エゥーゴは貴様らのような非道は許さん、断罪の鎌は迫っているぞ、とな』


クワトロ「……あれだけ破壊すれば交戦は不可能だ。戻るぞ、雷」

雷「うん! あっかんべー、だ!」


リックディアス(通常)「」シュウゥゥン…ゴォォッ





シロッコ「う……く、くっ……サブ・ブースター以外動かんとは……! 奴は、そこまでの技量があると言うのか……っ?」


シロッコ「バスクに伝えろ、だと……? シャアは、この私をメッセンジャーボーイにしたのか……? そのためだけに、手心を加えて見逃してくれたと言うのか……っ!? 許、さん……っ! 絶対に許さんぞシャア! シャア・アズナブルゥゥゥゥゥゥッ!!」


すごく細かいことだけど言わせてほしい
パプ「テマ」ス

今回はここまで。
実は技術者としての腕は
ヒルダ>フランクリン
じゃないかと勝手に思ってます。


あと、感想考察は楽しみだけどケンカはしないでね……?(逃げ腰)


では。

>>1
乙であります。

>>248
>(プロンプト)「我々の事も」
プルトニウス「忘れないでくれ」
デルタ「アストナージがチートなら百式じゃなくて初っ端から俺じゃね?金ピカデルタ様やで?」

百式(δχ)とか……(ボソッ

そういや、ここではシェリー少佐の出番はあるのかな?
漫画Zしらないと分かんないだろうから・・・望み薄かな。

>>1
いつも楽しく拝見しています。

色々な感想の中には、
書き込んだ人が意図しなくて展開予想になっても気にしないで掲載してください。

>>254
あちゃあ……以後パプテマスでいきます。ありがとうございます。
>>291
漫画Zはチラ見しかしてないから知らんです……申し訳ない。キャラ増えすぎてもワケワカメなのでご勘弁を……
>>292
ありがとうございます。むしろさあ予想しろ! という勢いで頑張ります。

いきます。

※※※※※※


>アーガマ MSデッキ


ブライト「ありがとう、助かりました……クワトロ大佐」

クワトロ「……元、ですよ。今は大尉です」

ブライト「やはり、あなたは……」

カミーユ「ブライトキャプテン! ご無事で!」

ブライト「君は……カミーユ・ビダン君、だったかな?」

カミーユ「はい! 覚えててくれて……」


ファ「カミーユッ!」ギュッ
カミーユ「ファ!? ファ・ユイリィなのか!? 一緒に乗ってたのか!」

ファ「そうよ! カミーユが、MSを強奪したからって、お父さんとお母さんと一緒に、ティターンズに連れて行かれそうになって……ジェリド中尉が、みんなを助けてくれたの!」


ジェリド「ようカミーユ。なかなか大胆なガールフレンドだな」

カミーユ「ジェリド中尉! あなたもご無事で!」

ジェリド「ギリギリだったけどな。自分の悪運に感心するよ」


ヘンケン「避難民の方々はこちらへ!」

エマ「もう大丈夫ですよ。ゆっくり進んで下さい」

雷「無重力だから気をつけてー」



「なんで子供が?」
「あの子もエゥーゴなの?」
「小さいのに偉いなぁ」




>艦内


ヘンケン「……では、アンマンの手前で降りると?」

ジェリド「ああ。アンマンへの進行計画ってのは前から予定されていた……グリプスでのMK2慣熟訓練もそのための準備だ」

エマ「そんな! 私は聞いてなかったわ!」

ジェリド「エマ中尉はティターンズの強行策によく反対してたろ? それで上からは嫌われてたみたいだからな……最低限の情報しか与えたくなかったんだろ」

エマ「そんな……」

ジェリド「で、だな。とりあえずエゥーゴの艦から脱走してきたってことで、二重スパイとか怪しまれないように手土産でも持って帰りたいんだが……なんか都合のいいもんないか? 作ったけどあんまり使えないMSとか」

ヘンケン「そう言われてもな……」

アストナージ「あ、そんならいいのありますよ」

ヘンケン「何? 本当か」

アストナージ「ええ、新開発した技術で、開発途上で出来たアナハイムに渡した技術のグレードダウン版があるんです。これなら多少MSの性能は上がりますが……わざと難しい仕様にしてる上、結局はグレードダウン版ですからね。いずれアナハイムからティターンズに流れることを考えれば、ちょっとくらいは変わらんでしょう」

ヘンケン「ふむ……そういうことらしいが、どうする?」

ジェリド「ありがてぇ。もらっていくぜ……なんて技術なんだ?」

アストナージ「『バイオセンサー』だな。サイコフレームに比べたら大がかりな上に使い手も限られる。おまけにコスト高で、調整も難しい。ま、そういうふうに弄ってあるんだが」

ジェリド「ティターンズがこいつの研究にチンタラしてる間にエゥーゴは二歩も三歩も先を行く……って次第か。悪辣だな」

ヘンケン「だが」

ジェリド「それがいい」



ヘンケン/ジェリド「「Yhaaaaa!」」パシン



エマ「……この二人いつ仲良くなったのかしら?」

アストナージ「さあ?」




ファ「……それじゃ、カミーユはこのままエゥーゴで戦うの?」

カミーユ「ああ……初めはティターンズが気に食わないからだったけど……今はもう違うんだ。ティターンズの撒き散らす悪意が、世界を蝕んでいくのが解ったから……平和な世界を見せてあげたい子がいるから……だから、俺は俺にできることをしたいんだ」

ファ「平和な、世界を……」

ヒルダ「カミーユ……」

カミーユ「……ごめん、母さん。軍人になるってことは人殺しもするってことだ……俺、親不孝者だよね。でも……俺は、母さんにも平和な世界を見せてあげたい。だから……だから……!」

ヒルダ「……一つだけ、約束して」

カミーユ「なんだい?」

ヒルダ「無事に、帰って来て……英雄にならなくていい、勇者にならなくていい、戦士にならなくていい……ただ、無事で帰って来て……」

カミーユ「……うん、約束する。無理はしない。必ず、母さんのもとに帰ってくるよ」

ヒルダ「カミーユ……帰って来たら、親子をまた初めましょう。今まで、出来なかった分を取り返して、まだ余るくらい……きっとよ、カミーユ……」

カミーユ「うん……うんっ……!」








ファ「カミーユ……何よ……ちょっと、カッコいいじゃない……バカ」




>アーガマ ブリッジ


ブライト「これがアーガマのブリッジですか……洗練されてますね」

ヘンケン「ちょっとしたもんでしょう?」

ブライト「しかし、部外者の私が入ってもよかったので?」

ヘンケン「何を仰る。伝説のホワイトベースの艦長を迎えられるなんて、誉れですよ」

ブライト「そうおだてられても困りますよ……あの、所で『アレ』は一体……」

ヘンケン「ああ、カミダナです」


ブライト「神棚?」

ヘンケン「おや、良い発音ですな。どうもジャパニーズは発音が難しくて」

ブライト「妻の実家にもありましたから……しかし、戦艦に、神棚ですか。例の深海棲艦と艦娘に関係が?」

ヘンケン「ええ、このアーガマにも艦の魂があるようでしてね……事実、戦闘時に性能上昇が起きています。サンパイして損はないですよ」

ブライト「……分かる気がします」

ヘンケン「おや、何か心当たりが?」

ブライト「ア・バオア・クーでの決戦……ホワイトベースはあそこで沈みました。その時、集中砲火を受けたホワイトベースはいつ爆散してもおかしくなかった……けれど、乗組員全員が退避するまで、ホワイトベースは持ちこたえてくれました。あれは……ホワイトベースが私たちを守ってくれていたのだと、今もそう信じています」

ヘンケン「そう、ですか……」

ブライト「あれは、いい艦でした……アーガマにも、同じ感覚がします。まるで家に帰ってきたような……そんな、温かさを」



>食堂


ガヤガヤ
ガヤガヤ


雷(割烹着)「はーい、ちゃんと並んでー! みんなの分あるから慌てないでねー!」

ファ「あ、あなたもアーガマのクルーなの?」

雷「あ、カミーユくんの友達ね! 初めまして、私は雷よ! カミナリじゃないから間違えないでね!」

ファ「よ、よろしく……ファ・ユイリィよ」

カミーユ「ファ、止まってないで早く進んでくれよ。俺が取れないだろ」

ファ「わかってるわよ! ちょっと驚いただけでしょ!」

カミーユ「何怒ってんだよ……雷、大盛ね」

雷「はーい」

カミーユ「あれ、クワトロ大尉は?」

雷「ん? 大尉なら……」


クワトロ(シャアザクエプロン)「雷、追加上がったぞ」

雷「あ、ありがとー大尉!」

カミーユ「ク、クワトロ大尉!? なんで厨房に入ってるんです!?」

クワトロ「手が空いていたからな、雷の手伝いをするのも悪くない……私はいつも雷に頼ってばかりだからな」

雷「えへへ、もっと頼ってもらっていいんだけど……大尉に手伝ってもらうのも嬉しいわ」

カミーユ「アーソーデスカー」





ファ「カミーユ! ちゃんと噛んで食べないと消化に悪いわよ!」

カミーユ「うっさい!」ガツガツガツガツ




>艦内


クワトロ「何? ジャブローの調査役に志願を?」

レコア「ええ……ティターンズの勢力を削ぐためには必要でしょう? ブレックス准将の部下は成果を上げていないようだし。私、潜入任務得意なんですよ?」

クワトロ「しかし……危険だ。ジャブローは今やティターンズの巣窟。まして女性の君が行くなど……」

レコア「あら、心配してくれるんですか?」

クワトロ「当たり前だろう」

レコア「でしたら……お守りを、頂けます? ここ、に」


クワトロ「…………すまない、それは、出来ない」

レコア「……雷ちゃん、ですか」

クワトロ「ロリコン呼ばわりしてくれて構わんよ……だが、私は……あの子の気持ちだけは……雷の無垢な思いだけは、裏切りたくない。いい年をした男の言うことではないがね」

レコア「ふう……私、フラれちゃいましたか。まあ、大尉たちを見てればわかりますけどね」

クワトロ「レコア少尉、君はまさか……」

レコア「ま。クワトロ大尉に惹かれていたのは事実ですけど、ジャブロー調査をダシに使うほど安っぽい女じゃありませんっ……ふふっ、心配しなくても、ちゃんと帰ってきますよ」

クワトロ「そうか……」

レコア「雷ちゃん、大事にしてあげて下さいね。本当に、優しい子ですから……」

クワトロ「約束しよう。レコア少尉も、どうか無事で」




>MSデッキ


アストナージ「降下用シャトル、降ろせー!」


オーライオーライ
ブツケルナヨー


ジェリド「よう! 聞いたぜ、ジャブローに降りるんだって?」

レコア「ジェリド中尉? ええ、情報収集に」

ジェリド「ちょうどいいや、俺もそろそろ出ようと思ってたからな。あんたを人質にして、エゥーゴのMSに撃たれて落っことしたって形を取ろう」

レコア「偽人質作戦、お好きですね」

ジェリド「バスクへの当て付けさ。アストナージさんよ! 俺のハイザックは直してくれたかい!?」

アストナージ「バッチリだ! 振り回されんなよ!」

ジェリド「わざわざクワトロ大尉にシミュレータ付き合ってもらったんだ! 屁でもねえぜ!」



カミーユ「レコアさん! ジェリド中尉!」

レコア「カミーユ……見送りに?」

ジェリド「よう。カミーユもシミュレータ付き合ってくれてありがとな」

カミーユ「……二人とも、行ってしまうんですね……(ガシガシ)うわっ!?」

ジェリド「だーかーら! 今生の別れみたいな顔すんじゃねえ! 縁起でもねえ!」

レコア「ふふっ……そうね。カミーユは心配し過ぎよ」

カミーユ「す、すいません……お気をつけて」

エマ「ジェリド中尉、レコア少尉……必ず、帰ってきて下さいね」

レコア「ええ、もちろん」

ジェリド「俺も『帰って』なのか? まあ……それもいいかな」




>降下ポイント 近海


ジェリド(ハイザック)「……って、クワトロ大尉が追っ手やるんですか!」ゴォォ

クワトロ(リックディアス)「真剣にやらねば意味があるまい」バシュン バシュン

雷(膝の上)「ジェリドさん、頑張ってねー」

ジェリド「雷のサポート付きかよ! なんだこの難度Sミッション!?」

レコア(シャトル)「ちょっと! 間違って私に当てないでよ!」

ジェリド「んなこたぁわかってる!(ビシューッ! ビシューッ!)ひええぇぇぇぇっ!」ゴォォ


クワトロ「いい動きだ。彼もずいぶん成長したな」

雷「あ! 艦隊の反応よ! 識別は……ティターンズ!」

クワトロ「頃合いか。ジェリド中尉、そろそろ当てるぞ」

ジェリド「これ、でっ、当てる、気じゃ、なかっ、たんっ、ですかぁ!?(ドガァン)うわわっ……!」

レコア「きゃっ……! もう! レディはもっと優しく扱うものよ!」

ジェリド「無茶言うなっ! ったく……降下軌道に乗ったな。気をつけて行けよ」

クワトロ「無理はするな」
雷「美味しいご飯作って、帰ってくるの待ってるわ!」

レコア「ありがとう……それじゃ、ちょっと行ってくるわ」ゴォォォォォォ





ジェリド「……そんじゃ俺もそろそろ行くわ。じゃあな、クワトロ大尉、雷」

クワトロ「ああ……バスクに気取られぬようにな」

雷「頑張って、ジェリドさん」

ジェリド「ああ……多分、次に会うのは戦場だな。お互い、生き残ろうぜ。また、な」ゴォォ



クワトロ「さて……ティターンズの艦が追ってくる前に振り切るか」

雷「そうね。リックディアス、全速力!」



リックディアス「」ゴォォォォォォ…ッ




>アーガマ 月衛星軌道上

雷「今度降りるのはあの街なのね」

クワトロ「ああ。フォン・ブラウン市の衛星都市に当たるアンマン市だ」

雷「アンマン……餡まん?」

クワトロ「私はピザまんが好きだな」

雷「じゃあ、今日のおやつは饅頭シリーズね!」






カミーユ「クワトロ大尉がピザまん……ピザ……クワトロフォルマッジ?(四種チーズのピザ)」

エマ「トマトソースが赤いからじゃないかしら……赤、お好きらしいし」



>アレキサンドリア 艦内

ジャマイカン「ジェリド! よくもまあ、おめおめと顔を出せたものだな!」

ジェリド「はっ! 申し訳ありません! 独断専行の責、いかなる処罰であろうと受ける所存であります!(バスクの腰巾着め)」

ジャマイカン「お、おう……やけに殊勝じゃないか」

ジェリド「全てはティターンズの栄光の為、せめて自分のその思いだけは汲み取って頂ければ、望外の喜びであります!」

バスク「ふふ、ふ……なかなか見上げた心構えだ。貴様が奪取してきたというデータ……技術班が狂喜乱舞していたぞ、失態を補って余りある。今回は不問とする故、次の出撃にも参加せよ。いいな?」

ジェリド「はっ! 全力を持って事に当たります!(うるせえターコ)」




カクリコン「ようジェリド、上手いことやったな」

ジェリド「カクリコンか……たまたまさ。二度と同じ真似は御免だよ」

カクリコン「そうかい、なら、チャンスがあったら俺に譲ってくれよ? 俺も出世したいからな」

ジェリド「出世、ねえ……無抵抗なスペースノイド相手に武器振り回して、それで出世して意味あんのか?」

カクリコン「何だぁ? お前も裏切り者のエマみたいにスペースノイドに情が移ったのか?」

ジェリド「馬鹿、歯ごたえが無いってことだよ……それなりの相手倒しての戦功じゃなきゃ、雑魚百人倒しても価値がないだろってことだ。例えば……ジオンの赤い彗星みたいな、な」

カクリコン「そういうもんかねぇ……」








シロッコ「面白そうな話をしているな」



カクリコン「これは、シロッコ大尉」

シロッコ「うむ。私も話に加えてくれないかな? 赤い彗星がどうとか……なあ、ジェリド君?」

ジェリド「手前っ……!」ギリギリ

カクリコン「お、おい。上官だぞ」

シロッコ「穏やかではないな」

ジェリド「……敵もろとも撃墜されかけたんだ、恨みがましい視線くらい辛抱して欲しいもんですね」

シロッコ「ああなるほど……そう言えば君だったか。どうも先頃は失礼した、命乞いをする部様な士官がティターンズにいるとは、信じられなくてね……」ニヤニヤ
ジェリド「……あんたは赤いMSにボッコボコにされてたけどな(バッチリ見てたんだよ。手前なんざがクワトロ大尉に勝てるかバーカ)」

シロッコ「ぬぐっ……! ふ、ふふ……言ってくれるじゃないか……!」

ジェリド「まあ、俺は腕に被弾したくらいで逃げ切りましたけどね……あの赤いMSから(滅茶苦茶手加減してもらったけど)」

シロッコ「ぐぐ……っ!」

ジェリド「よかったら、アレと戦うコツでもお教えしましょうか?(わかっても対処できねえけど……強すぎだろ、クワトロ大尉)」
シロッコ「…………っ。結構だ! 失礼する!」

ジェリド(うっし)ガッツ









カクリコン「……俺、途中から無視されてんだけど」

今回はここまで。
……ところで、アンマンってフォンブラウンとグラナダのどっちに近いんでしたっけ?
Z本編ではアンマンからグラナダに向かってますけど……
詳しい方がいれば回答欲しいです。
(間違ってたら入れ換えないと……ort)


では。

いきます。

※※※※※※


>アンマン 宇宙港


エゥーゴスタッフ「避難民の方々はこちらへー! 受け入れの準備ができていまーす」


ガヤガヤ
ヨカッター


カミーユ「……それじゃあ、母さんはアナハイムに?」

ヒルダ「ええ、アストナージさんから紹介状も書いてもらったし……エゥーゴのサポートという形で、カミーユの力にもなれるわ。カミーユ……あなたの無事をここで祈ってるから……」

カミーユ「母さん……ありがとう。俺も頑張る……いや、無理せず生き延びるよ、絶対」

ヒルダ「ふふ、そうしてちょうだい。じゃあ……またね、カミーユ……」

カミーユ「うん……」






カミーユ「……で、ファはよかったのか? アーガマに残って」

ファ「なによ、まるで残って欲しくないみたいにさ」

カミーユ「当たり前だろ。アーガマは軍艦なんだぞ、戦闘だってある。友達に死なれたくないって思うのがおかしいかよ?」

ファ「じゃあカミーユはなんなのよ! パイロットなんかやってるじゃない!」

カミーユ「俺はパイロットに適性があったし、戦う理由だってあるさ! でもファはそうじゃないだろ? 俺がいるからって理由で危険なことは止めるべきだ」

ファ「……何よ! あんたが我が儘言ってアーガマのみんなを困らせないか心配だから残ってんじゃない!」

カミーユ「何だと!? 俺はそんなにガキじゃないぞ!」

ファ「ムキになる所がガキです~。クワトロ大尉の心労お察しするわ~」

カミーユ「クワトロ大尉は最近腕が良くなったって誉めてくれてるよ! 憶測で変なこと言うなこのお節介!」

ファ「何よ!」ガルルル

カミーユ「何だよ!」フシャーッ




ヘンケン「……青春だなあ。なあ、クワトロ大尉?」

クワトロ「これが、若さか……やれやれ」



>アンマン 市街


雷「大尉、今回はエゥーゴの宿舎じゃないの?」

クワトロ「ああ、今後のためにも長期滞在になるからな……久々に家に戻るつもりだ」

雷「ここ、大尉のお家があるんだ! 楽しみ!」

クワトロ「……なにか、普通について来る気なんだが……?」

雷「だって大尉のお家でしょう? お掃除とか、適当に済ませてない?」ジトー

クワトロ「そんなことは……どう、だったかな」タラリ

雷「大丈夫! 私がピッカピカにしてあげるわ! さ、行こ行こ♪」ガシッ

クワトロ「だからっ、艦娘の力でっ、引っ張るなと……ああ、逆だ逆だ! 右の道だ!」

雷「こっちね!」

クワトロ「だから放せと言うに……!」

雷「早く早くー♪」




クワトロ「……まあ、こういうのも悪くない、か」




>クワトロ自宅


雷(三角巾&割烹着)「思ったよりキレイだったけど、これで完璧ね!」ツヤツヤ

クワトロ「……助かる、ありがとう(過去の私……よくやった……!)」

雷「それじゃあ食材も買ってきたし、ご飯作るわね! 大尉はパン食の方がいい? それともご飯でいい?」

クワトロ「ああ、それなら……雷はご飯が慣れてるようだし、ご飯で……って、待て雷」

雷(シャアズゴックエプロン)「なぁに?」

クワトロ「何故ナチュラルに食事を作ろうとしている」

雷「え? 外食にする?」

クワトロ「そういう事ではなくてだな……」


ピンポーン


雷「あ、出てくるわね。はーい!」

クワトロ「ちょっ、待て……!」


雷(モニター)「はい、どちら様?」

キグナン(モニター)『え!? あ、あの、ここはシャア……じゃない。クワトロ・バジーナ大尉のお宅だと……』

雷「お名前は?」

クワトロ「大尉ー、キグナンさんって方が来てるけどー?」

クワトロ「ああ……ジオン時代の知り合いだ。上げてくれ」

キグナン「っ!?」

雷「はーい。どうぞー」

キグナン「し、失礼します……どうも、大佐」

クワトロ「今は大尉だ」

雷「それじゃ私はご飯作ってるわねー」パタパタ








キグナン「……可愛らしい奥様ですね」

クワトロ「違う」

ぎゃあ間違えた!



雷「お名前は?」

キグナン「キグナンですが……」

雷「大尉ー、キグナンさんって方が来てるけどー?」


これに該当場所差し替えて下さい……ort



クワトロ「……そうか、アクシズも動くと」

キグナン「はい、それからアナハイムのウォン・リー様から会談の誘いが。日時はこちらのメモに」

クワトロ「わかった」

キグナン「では、私はこれで」

雷「あれ、行っちゃうんですか? せっかくキグナンさんの分までご飯作ったのに……」

キグナン「すいません、奥様には悪いですが、私も忙しいもので」

雷「お、奥様って……えへへへへ」ポヤー

クワトロ「だから、違うと……はっ!」



雷「……ち、違う、の?」ウルウル

クワトロ「……『今はまだ』……だな」

雷「!! え、えへ、えへへ……そっか、そっかぁ……えへへへへ♪」ニヘー



キグナン「では、失礼します……大佐、ごゆっくり」パタン

クワトロ「大きなお世話だ! まったく……」

雷「大尉、ご飯食べましょ♪」

クワトロ「……そうだな、せっかくだし頂くか」




クワトロ(今日も雷の料理は美味かった……むしろ雷の料理じゃないと、満足できなくなりつつある自分が恐ろしい)

雷「おっ片付け~おっ片付け~♪」ジャー

クワトロ「雷、皿洗いくらい私も手伝おう」

雷「いいの! 大尉は久し振りの自分の家なんだからゆっくりしてて! ふんふんふん~♪」

クワトロ(皿洗いをこんなに楽しそうにする女性は初めて見た)


クワトロ(奥様……か。私と雷はそのように見えているのか?)


ポク
ポク
ポク
ポク
チーン


クワトロ(…………ダメだ。思い返すと私が明らかにだらしない旦那で雷がしっかり者の妻だ……すまんアルテイシア……お前の兄は自堕落な人間だった)ズーン

雷「おっしまい~……って大尉!? なんで落ち込んでるの?」

クワトロ「いや……改めて自分の情けなさが身に沁みてな……」ドヨーン


雷「……大尉」ギュッ

クワトロ「っ!」

雷「よし、よし……大丈夫、大丈夫よ。私がいるじゃない。大尉は凄い人なんだから……だから、疲れたら私に頼っていいのよ。ゆっくり休んで元気になってから、また頑張ればいいの」ナデナデ

クワトロ「……本当に、私は雷に頼ってばかりだな……苦労をかける。すまない」

雷「へーきへーき。大尉はね、もっと誰かに頼ることを覚えたほうがいいの。大尉は大概のことはできちゃうから……みんなが甘えちゃうの。だから大尉は、もっと誰かに甘えていいのよ。そうしないと、みんなの重みで大尉、潰れちゃうもの」

クワトロ「そう、か……そうかもしれん」

雷「それで、その甘える相手が私だと、もっと嬉しいわ♪」

クワトロ「それじゃあ雷が潰れてしまうぞ……ほんの少しでいい……ほんの少し、雷が支えてくれたら……私はまた、立てるよ」

雷「うん、そうする」

クワトロ「……ありがとう、雷」

雷「どーいたしまして♪」




>風呂場


クワトロ「ふう……やはりシャワーより疲れが取れるな」ザバーン

クワトロ(普段は風呂など使わずシャワーで手早く済ませていたが……こうしてゆっくりした時間を過ごしたくなったのも、雷のお陰かもしれん)

クワトロ(深海棲艦、ティターンズ、アクシズ……考え事は山積みだが、妙に楽観視している自分を感じる……心に余裕が出来たと言うことだろうか?)

クワトロ「それも、雷のお陰、か……やれやれ、一生懸かっても恩を返し切れない気がするな……」


カララ


クワトロ「ん?」






雷(バスタオル)「た、大尉……あの、ね。お背中、流してあげに来たの……いい、かな……?」


クワトロ( Д )゜ ゜



雷「んっしょ、んっしょ……やっぱり、大尉の背中おっきいのね。んっしょ、んっしょ……」ゴシゴシ

クワトロ「……そうか」

クワトロ(どうしてこうなった)

クワトロ(いや待て。何も慌てることはない)

クワトロ(雷はまだ子供だ。子供と一緒に風呂に入るくらいどこの家庭でもやっている)

クワトロ(そう、雷は家族のようなものだ。何も不自然じゃない私が動揺する必然はない)

クワトロ(……と言うかなぜこんなに自己弁護をする必要がある。私に児童偏愛の趣向は無いのだから平然としていて当然だろう)

クワトロ(……本当になにを慌てていたのだ私は……純粋に好意から申し出てくれた雷にも失礼だろう、我ながら馬鹿者め)

雷「あとはシャワーで流して~……はい、終わったわ!」

クワトロ「ああ、ありがとう」

雷「頭はシャンプーしなくていい?」

クワトロ「いや、湯船に入る前に一通りは洗ったからな……」

雷「あ、そういえばそっか……」シュン

クワトロ「いや、背中はやはり洗い辛いから助かったよ」

雷「そ、そう? なら良かったわ」

クワトロ「お返しに私は雷の頭を洗おうか」

雷「え? でも……」

クワトロ「心配するな。昔の話だが、妹の髪を洗ってやっていたからな……アルテイシアはやれもっと丁寧にだの、やれシャンプーの銘柄はどうの、終いにはセットまでやらないとむくれて大変だったが……まあ、そんなわけで慣れている」
雷「ん~……じゃあ、お願いするわ♪」


シャカシャカ


クワトロ「痒いところはないか?」

雷「ん、大丈夫……大尉、ホント上手なんだ」

クワトロ「はは、とびきりスパルタな客相手だったからな……よし、流すぞ」ジャバー

雷「ん~~っ……ぷわっ。さっぱりした!」



雷「ごしごし~。ねえ大尉、背中も洗ってもらって本当にいいの?」

クワトロ「ああ、かまわんさ……それより、私の力で痛くないか? 強すぎたりは……」

雷「大丈夫よ! あわあわ~♪」

クワトロ(……小さな背中だ。本当に、まだ子供の)

クワトロ(艦娘だから力こそあるが、腕も、足も細い……雷の居た世界は、彼女のような少女たちを戦わせているのか)

クワトロ(……それは我々も同じか。深海棲艦を相手に戦うために、雷を必要としている)

クワトロ(そして私もまた、雷を必要として……度しがたいな、我ながら)

クワトロ(いや……そうじゃない。必要だから、失いたくないから……私が、守らねばならんのだ)

雷「大尉? 手、止まってるわ」

クワトロ「あ……す、すまん」

雷「もー、また難しいこと考えてたでしょ!」

クワトロ「お見通しか……すまん」

雷「むー。大尉は悪い方に考え過ぎ!」プクー

クワトロ「すまん」

雷「……もう、しょうがないなあ、大尉ったら……ふふっ。石鹸流すから、一緒にお風呂入りましょ」

クワトロ「そうだな」















クワトロ「ん?」



ザバーン


雷(クワトロのあぐらの上)「ふわ~……やっぱりシャワーよりお風呂のが気持ちいい~……」


クワトロ(どうしてこうなった)

クワトロ(と言うか何故その場所に座る)

クワトロ(何故私は動揺している)

クワトロ(私はそちらの趣味があったのか?)

クワトロ(ああララァ、刻が見え……何? 『ナスは嫌いなのです』? 誰だ君は)



雷「大尉? またボーッとしてるわ」

クワトロ「そうか」

雷「大尉?」

クワトロ「すまん、心に余裕が無い」

雷「……大丈夫?」

クワトロ「大丈夫じゃない」


クワトロ(『まな板って言うな』? いや君も誰だ)





雷「……やっぱり、大尉は子供な私じゃ嫌?」


クワトロ「……何?」




雷「だって……さっきも、キグナンさんが『奥様?』って言ったら違うって……大尉、私を傷つけたくないから、無理、してるの?」

クワトロ「そんなことは」

雷「いいの……私が、勝手に大尉のこと好きになったんだから……邪魔だったら……言って、もらった、ら……もう、ベタベタ、しな…………っく……ひぐっ……」


クワトロ「…………雷」

雷「ふえ? あっ……」


チュッ



雷「~っ! い、ま……大尉から、キス……!」

クワトロ「…………本当に、私は大馬鹿者だ……体面を気にして、本当に大切な人を傷つけるとは……」



クワトロ「雷、私は君が好きだ」



雷「大……尉……」

クワトロ「一人の男として……一人の女性としての君を、愛している。それが私の……偽り無い気持ちだ。不安にさせて……すまなかった」

雷「大尉……大尉ぃっ!」

クワトロ「雷……側に居てくれ、私を導かずともいい……私は、君の温もりが欲しい。それだけで、私は戦える、背負える……何も偽らない、キャスバル・ダイクンに戻る強さを君がくれるから……」


雷「うんっ……うんっ……! ずっと一緒にいる……大尉と、一緒に……!」








雷「……ふあっ!?」









雷「た、大尉……あの……」

クワトロ「……言わないでくれ」

雷「……おっきく、なってる」

クワトロ「…………スルー、してくれ。頼む」



雷「わ、私……大尉となら……いい、よ?(コツン)痛っ」

クワトロ「……もう少し、大人になってから、だ」

雷「はぁい……」

クワトロ「……雷、君を大事にしたいからこそ、なんだ……解るな?」

雷「うん……」




雷「あの、触ったりとかは……」

クワトロ「しないでくれ……頼むから」

雷「う、うん……じゃあ、あの……もう一回、キス、したい……いい?」

クワトロ「…………まあ、それなら」


チュッ









雷「あの……もっとおっきく……」
クワトロ「スルーしてくれ」

クワトロ(生殺しだ)

憲兵「互いに必要とし合ってる上、男性側も真摯な思考をしているので黙認するであります」

憲兵「互いに必要とし合ってる上、男性側も真摯な思考をしているので黙認するであります」

憲兵「そちらの諜報は重巡青葉の管轄であります・・・(能面)」




>寝室


クワトロ(シャアザクパジャマ)(やっと治まった……)

雷(シャアザクパジャマ)「た、大尉……一緒に寝ましょ?」

クワトロ「……そう、だな」

雷「あの……えっちなことしても……」

クワトロ「しない。ふう……興味があるのは解るが、もう少し自分を大事にするんだ」

雷「はぁい……ふふっ、さっきと逆になっちゃった」
クワトロ「ん……? ああ、確かに」

雷「ねえ大尉?」

クワトロ「何だ?」

雷「だーい好き! えへへ♪」


クワトロ「まったく……君はどれだけ私を陥落させれば気が済むんだ、雷?」ナデナデ

雷「ふにゃあ……」ポヤー

クワトロ「さ、もう寝るとしよう」

雷「はぁい……おやすみなさい、大尉……」ギュッ

クワトロ「ああ、おやすみ、雷」







キィンッ……


【インフォメーション】


『雷』に
『ケッコンカッコカリの指輪』が装備されました。




……ここまでぇ!

仕方なかったんや!
とあるガンダムキャラ調べてたらどう絡ませていいかわからなくなって、気づいたら大尉と雷のイチャラブしか考えられなくなったんや!

すまぬ……すまぬぅ……

でもちょっとスッキリした!
次回はアンマン到着の続きから……頑張ります。

では。

いきます。

※※※※※※


>アレキサンドリア 通信室

ジェリド「それじゃあ、ボスニアはサイド1の監視任務になったのか」

ライラ(通信)『ああ。もっとも、あれから30バンチはさっぱり捕捉できやしないし、あのバケモノMSもたまに襲ってくる……みんな憔悴してるよ。命令出したティターンズに反逆しようかって意見も大っぴらに出るくらいさ』

ジェリド「反逆は勘弁してくれ、あんたを撃たなきゃならなくなる」

ライラ『確かにそれは御免だね……ま、なんとかたしなめとくよ。しかし、あのMSどもは一体何だい? まさか地球を侵略しに来たエイリアンでもあるまいし』

ジェリド「……エイリアンならまだよかったかもな。あれは、俺たち人間の罪そのものだよ」

ライラ『何?』

ジェリド「危なかったらすぐ逃げろよ……通信を終わる。じゃあな」

ライラ『ちょ、ジェリ……』ブチン





ジェリド「……ティターンズの暴走を止めない限り、悪意は拡大する……か、やってやりますよクワトロ大尉。ティターンズを……俺が変えてやる!」



>アンマン エゥーゴ施設

カミーユ「クワトロ大尉どこ行ったんだろ? ヘンケン艦長も知らないみたいだし……」

ファ「あ、カミーユ! どこ行くのよ、昨日の話はまだ終わってないわよ!」

カミーユ「うっさいなあ、外出許可はもらってんだから俺の勝手だろ!」

ファ「どうせお母さんかクワトロ大尉のとこでしょ! 何さ、カルガモの親子か金魚のフンみたいに後ついてさ」

カミーユ「いけないかよ!」


エマ「あ、いたいた……カミーユ! 出頭命令よ」

カミーユ「エマさん? 出頭命令って?」

エマ「エゥーゴのスポンサーからね。深海棲艦との戦闘やニュータイプの事……それから、深海棲艦化した本人から話を聞きたいそうよ」

カミーユ「……モルモットにされるのは嫌ですよ、俺」

エマ「まさか、そんなことしたらティターンズと同じよ、安心なさいな。そ、れ、に! カミーユは『少尉』なんだからそれ相応の責任が生じるのよ、わかった?」

カミーユ「はぁい……わかりました、エマ『中尉』」

エマ「よろしい。それじゃあファ、カミーユ借りるわね」

ファ「あ……なら私も」

カミーユ「ファはまだ民間協力者だろ。軍人のめんどくさい仕事は俺だけでいいんだよ……昨日は怒鳴って、悪かったな」

ファ「あ……」







ファ「…………バカ、カミーユの、バカ」

 



>アナハイム・エレクトロニクス アンマン支社


ウォン「ティターンズのアンマン襲撃計画があると言うのは本当かね?」

ヘンケン「敵士官からの情報です。信憑性は高いかと」

ウォン「二重スパイ擬きを易々と信じろと!? ずいぶんお目出度い頭をしているな!」

ヘンケン「はあ……しかしウォン支社長、我々が近々グラナダの部隊への襲撃を考えているのも事実。その間アンマンが手薄になることを思えば……」

ウォン「わかっとる! こちらで防衛隊を出す、アーガマはグラナダに向かえばいい……わかっとると思うが、グラナダのアナハイム関連施設に誤射でもしてみろ、只じゃ済まさんからな」

ヘンケン「承知しています(ああ、おっかねえ……)」


ウォン「……ジャブローに降りてティターンズの頭を叩くには数が足りん。艦艇も、MSもだ。おまけにソロモンから後ろを突かれる恐れもある……ブレックスがなにやら動いているようだが、どこまで頼りになるか」



>クワトロ自宅


クワトロ「ん……朝か」

雷「す~……」

クワトロ「……まったく、昨日私がどれだけ神経をすり減らしたかも知らず、よく寝ている」ナデナデ

雷「ふにゅふふ……大ぁ尉ぃ…………むにゅむにゅ………」

クワトロ「ふふ……せっかくだ、朝食は私が作ってみるか」




雷「ふぁぁ~……おひゃよう、大尉ぃ……」ポケポケ

クワトロ「ああ、おはよう。朝食出来てるぞ、顔を洗って来なさい」

雷「わあ、大尉が作ったの!? すぐ終わらせてくる!」ピュー



雷「いただきまーす」

クワトロ「ああ、いただきます」

雷「むぐむぐ……うん! トーストもサクサクで目玉焼きも半熟で……美味しい!」サクサク

クワトロ「それはよかった」ガリッ…ガリッ…

雷「…………ねぇ、大尉?」

クワトロ「何かね」

雷「それ、目玉焼きで隠してるけど、焦がしちゃったトーストでしょ」

クワトロ「……何を根拠に」

雷「音」

クワトロ「……っ」ガリッ…


雷「……ふふっ。もう、しょうがないなぁ、大尉ったら……はい、半分交換ね♪」

クワトロ「…………すまんな」

雷「大尉、かーわいい♪」

クワトロ「やめてくれ」

雷「ふふっ……(ガリッ)にがーい。うふふっ、やっぱり大尉ったら、私がいないとダメなんだから♪」

クワトロ「……参ったな」




クワトロ「そうだ、今日はアナハイム支社長のウォン氏に会うんだが……雷も招待を受けている。ついて来てくれ」

雷「はーい。何かしら?」
クワトロ「深海棲艦について……だろうな。人伝てに聞いたのと、本人からでは色々違うだろうしな」



アナハイム支社前

カミーユ「あれ? クワトロ大尉と雷もこっちだったんですか?」

クワトロ「ああ。カミーユはエマ中尉が連れて来てくれたのか」

エマ「はい。雷ちゃんも呼ばれたの?」

雷「そうよ!」



クワトロ「失礼します、お待たせしました」

ウォン「待っとらんよ。我々が先に話を始めただけだ……それで、その二人が?」

クワトロ「はい。艦娘の雷と、パイロットのカミーユです」

カミーユ「ど、どうも」

雷「は、初めまして」

ウォン「……そんなに緊張せんでもいい。何も取って食いはせんよ……ジュースでも飲むか? ほら」

カミーユ「あ、あの」

雷「えっと」

ウォン「子供が遠慮するもんじゃない」

カミーユ「あ、ありがとうございます。頂きます」

雷「頂きます! ありがとう、ウォンさん!」

ウォン「うむ……クワトロ大尉、報告は受けていたが、なかなかどうして、二人ともいい子じゃないか」

クワトロ「恐縮です」

ウォン「私は子供の立場を利用する賢しい子供は嫌いだ……だが、素直な子供は好きだ。言動に邪気がないからな……クワトロ大尉、アナハイムは対深海棲艦に対して、全面的なバックアップを決めたよ」

クワトロ「それは……! ありがとうございます、助かります」

ウォン「世界が滅んでは商売もへったくれもないからな。この二人と……君がカギだ」

クワトロ「私が?」

ウォン「雷が最初に現れたのは君の元なんだろう。関係ないわけがあるか……パイロットと子守、しっかり両立させてくれたまえよ?」

クワトロ「……出資者は無理難題をおっしゃる……鋭意努力しましょう」







カミーユ「これ、ドクペだ」

雷「ドクペ?」

ウォン「ドクターペッパー。私が入れさせている、嫌いかね?」

カミーユ「いえ、大好物です」キリッ

ウォン「なかなかわかっているな、君」


修正してやる!→ぼ、暴力はいけない→白目
一方ジュドーさんはボコボコにしていた



>アレキサンドリア MSデッキ


ジェリド「バイオセンサーってやつはもう使えるのか?」

整備兵「ダメです! 必要なスペースがデカくて……1からMS作らないと、重量バランスが狂って使い物になりません! ちくしょう、搭載できりゃMSの性能が劇的に向上するってのに……」

ジェリド「あ~、無理しなくていいぞ?(エゥーゴじゃ既に分子チップレベルで小型化出来てるって知ったら、こいつ卒倒するんじゃないか?)」


カクリコン「ジェリド! お前のハイザック、次の出撃で使わせてくれよ!」

ジェリド「あぁん? お前にゃ新型のマラサイがあるだろ」

カクリコン「こいつはボロボロになりながら、無事に帰って来た上に、なにやら性能も上がってるらしいじゃないか! 俺もお前の悪運のお裾分けが欲しいんだよ。なあいいだろ? 俺のマラサイ使っていいからさ」

ジェリド「まあ構わねえが……そいつは相当なじゃじゃ馬だぞ? 扱いきれんのか?」

カクリコン「心配すんなって! お前が使えたんなら俺にも出来るさ!」


>>458
当初の予定では原作以上にボコボコにされるはずだったカミーユ……何故か無事です。

※※※※※※


>アンマン 市街


カミーユ「ドクペ、ケースでもらっちゃった……ウォンさんって、いい人だな」

クワトロ「依頼された仕事は大変だがな……」

雷「大丈夫よ! 大尉には私がいるじゃない!」

エマ「ふふ、頼もしいですねクワトロ大尉?」

クワトロ「……そうだな。また、世話になる」

雷「うん! この雷様におまかせよ!」

エマ「ず、ずいぶん素直に受け取るんですね…………あら? 雷ちゃん、あなた指輪なんてしてたかしら?」

雷「え? ホントだ、いつの間に」

ヘンケン「左手の薬指か……まるで婚約指輪だな、大尉?」

クワトロ「いや、覚えはないが……」

ヘンケン「誤魔化すことはないだろう」

クワトロ(本当に知らんのだが)

エマ「大尉からもらったんじゃないの?」

雷「そのはずだけど……大尉、見て」

クワトロ「どれ……」


キィンッ


クワトロ「っ!? これは……私の指にも!?」

ヘンケン「こ、これは驚いた……」

カミーユ「艦娘の力……なのか?」

雷「わ、わかんない……大尉、大丈夫?」

クワトロ「ああ……特に異常はないな」

エマ「うーん……婚約指輪自動発生能力? でもなんでそんな力が……」

ヘンケン「給料3ヶ月分が浮くな」

エマ「……夢のない話はやめて下さい」

ヘンケン「す、すまん……いや、別に指輪を贈りたくないわけじゃなくてだな、その分豪華な結婚式が出来るかと……」

エマ「ひ、必死にならなくていいですから!」


クワトロ「……雷も異常はないか?」

雷「うん、平気……あ、でも……なんだか、大尉とずっと手を繋いでるみたいな感じがする……」

クワトロ「む、そうか……そうだな、私も何か、そんな感覚があるよ……」






カミーユ「……何この蚊帳の外感……ヲ級に会いたいなぁ…………はぁ」


【インフォメーション】


『クワトロ・バジーナ』に
『ケッコンカッコカリの指輪』が装備されました。



>アレキサンドリア MSデッキ


オペレーター『各機、アンマンへ向かい発進せよ!』

ジェリド「やれやれ……ついに出撃か、巧く立ち回らねえとな……」

カクリコン(ハイザック)「ジェリド! 先に出るぞ!」

ジェリド「おーう、気をつけてなー」

カクリコン「おうよ……のわあああぁぁぁぁぁっ!?」ドヒューン

ジェリド「ブースター噴かし過ぎだっての……まあ、あのハイザック頑丈だし、死にはしないだろ……」




シロッコ「やあ、ジェリド中尉」

ジェリド「……どーも、シロッコ大尉」

シロッコ「出撃かね? 慣れない新型で平気かな? なんなら私がサポートしても良いが」

ジェリド「あのボロボロのポンコツでですか?」

シロッコ「修復くらい終わっている……!」ピキピキ

ジェリド「そっすか。まあ、結構ですよ。『また』撃たれたら堪んないんで」

シロッコ「……ふん。精々足を引っ張らないことだな」




ジェリド「……厄介なのに目ぇつけられちまったかな」

整備兵「ジェリド中尉! マラサイ、調整終わりました!」

ジェリド(マラサイ)「ありがとよ! ジェリド・メサ。マラサイ、出るぞ!」



>アンマン上空


トーレス(通信)『グラナダよりティターンズ接近! 各機迎撃体勢を取れ!』

クワトロ(リックディアス)「先手を打たれたか……だが、これを片付ければ後はグラナダの艦隊までの抵抗は減る」

カミーユ(MK2)「艦を奪うんでしたっけ? でも、そんな簡単には……」

クワトロ「うむ。普通なら白兵戦でブリッジを占拠するのだが……新兵器が開発されてな、その試験運用も兼ねている」

カミーユ「新兵器……アストナージさんですか?」

クワトロ「ああ、今回はアーガマ用だそうだ」

カミーユ「気になるなあ……(ピピピピ)っ! 来る!」

クワトロ「速いっ!? 何者だ!?」








カクリコン(涙目)「だああああああぁぁぁぁぁっっ!!」




チュドーン



「おいなんか街に突っ込んで来たぞ!?」
「犬神家になって埋まってやがる……何しに来たんだコイツ」


カミーユ「……何でしょう?」

クワトロ「……知らん」





ジェリド「おいカクリコン! 生きてるかー?」

カクリコン「あ……アメ……リア……」ガクッ

ジェリド「よし生きてるな。あとはほっとこう」



【インフォメーション】


『ハイザック偽装ギラ・ドーガ(フルチューン)』は
『ハイザック偽装ギラ・ドーガ(ガタガタ)』に改造されました。




カミーユ「敵が、来る……っ! あのマラサイ……ジェリド中尉?」


ジェリド「MK2と赤のリックディアス! カミーユとクワトロ大尉だな!」


カミーユ「大尉! ここは俺が!」

クワトロ「やれるのか?」

カミーユ「やります!」

クワトロ「わかった、任せる!」ゴォォ




バギィンッ! バチバチバチバチィッ!

カミーユ(通信)「ジェリド中尉!」

ジェリド(通信)「カミーユだな! 流石、機体が違うのによくわかった!」

カミーユ「ジェリド中尉……僕は……っ」

ジェリド「……カミーユ、こいつは模擬戦だと思え! 命懸けだがな!」

カミーユ「え……?」

ジェリド「よし、俺が勝ったらメシ奢れ。お前が勝ったらメシ奢ってやる。さ、いくぜ!」ヴォンッ

カミーユ「ちょ、勝手に……ああもう! なら俺が勝ったら焼き肉奢ってもらいますよ!」ガガガガ

ジェリド「贅沢だな、せめてラーメンにしとけ!」バシュバシュウン

カミーユ「ティターンズは給料いいんでしょ! せめて寿司!」ドゴォン

ジェリド「グレード上がってないか? カレーで勘弁しろ!」ゴォォ

カミーユ「ならウナギ!」
ジェリド「ハンバーガー!」

カミーユ「鍋!」

ジェリド「牛丼!」



クワトロ「退け! ソードブレイカー!」シュパパパ


ズドガガガガァーン!


クワトロ「よし、このままグラナダへ……むっ!」




シロッコ(メッサーラ)「シャア・アズナブル……借りを返したい所だが、比我の戦力差が解らぬほど、私は愚かではない……故に、戦略的勝利を私は得させてもらう!」ゴォォ


クワトロ「!! アンマンを直接狙う気か! だが逃がすと……(ピキィィィン)っ! この感覚……深海棲艦か! ええい、こんな時に!」




カミーユ「ジェリド中尉避けないで下さい! 味方に当たってますよ!」バシュバシュウン

ジェリド「無茶言うな! お前、俺が味方を後ろにするように誘導してんだろうが!」ガガガガ

カミーユ「んじゃ当たって下さいよ! それで寿司奢って下さい! カウンターのやつ!」ヴォンッ バチバチバチ

ジェリド「両方の意味でふざけんな! 回ってるやつでいいだろ!」バチバチバチ
カミーユ「そんなの……(ピキィィィン)っ!? 危ない、ジェリド中尉!」

ジェリド「(ピキィィィン)!! 後ろか!」バシュバシュウン

ドゴォォォォン


ジェリド「コイツらは……!」


・機動ゲ級×無数
・機動ド級航宙×無数
・機動ザ級F2×無数
・戦機セ級×無数
・戦機ト級(トリアーエズ)×無数


カミーユ「侵海MS!? そんな……! なんて数だ!」

ジェリド「ちいっ……考えてみりゃ、一年戦争の最初でグラナダの連邦艦隊は全滅、ア・バオア・クーも今より月に近い場所にあった……出てこないほうが、おかしいってことかよ!」



「う、うわぁぁああっ!」
「ひいいっ、バケモノだぁっ!」
「か、身体が動かねぇ……助け、て……」



ジェリド「ヤバい! 深海棲艦の気配に呑み込まれた!」

カミーユ「このままじゃいい的だ! 逃げろ!」バシュバシュウン

「し、しかし……」

ジェリド「チンタラしてんじゃねえ! あれは俺らで食い止める! とっとと下がれ!」バシュバシュウン



「わかった……すまない」「ご武運を」



ジェリド「行ったか……行くぞカミーユ! 奴らを殲滅する! 遅れるなよ!」ゴォォ

カミーユ「はい! ジェリド中尉こそ、足引っ張らないで下さいよ!」ゴォォ




トーレス「侵海MS反応多数! まだ増えています!」

ヘンケン「くっ……何てタイミングだ!」

雷「ヘンケンさん! このままじゃアンマンの街が危ないわ!」

ヘンケン「すまん、艦娘操作モード、頼めるか?」

雷「もっちろんよ!」

ヘンケン「ようし! アーガマ、艦娘操作モード! 全力戦闘用意!」

サエグサ「各機関、出力上昇!」

ヘンケン「総員、根性入れろ!」




シロッコ「な……なんだこのバケモノどもは!? 身体の反応が鈍い……この私が、コイツらに恐怖を感じているというのか……?」


クワトロ「雑魚に用はない! ソードブレイカー!」ズドガガガガ-ン!



シロッコ「認めん……認めんぞ! あのシャアが戦えているというのに! 私が戦えぬ道理があるかぁぁぁぁっ!」バシュバシュウン


ドゴォォォォン!



シロッコ「ふ、ふはは……何だ、やれるじゃないか……そうだ! 私は……私はシロッコ! パプテマス・シロッコなのだ! 堕ちろ! カトンボども!」

ズガガガガァーンッ!







クワトロ「むう、数が多いな……雷、連携して一気に……(ピキィィィン)っ!?」

雷(交信)『大尉? どうしたの?』


クワトロ(交信)『……すまない雷。連携は無しだ……そちらで対応できるか?』

雷『うん、大丈夫だけど……』

クワトロ『なら、頼む……私は、この敵と決着をつけねばならない……雷の助け無しで』

雷『……それが大尉にとって重要なのね。わかった……大丈夫よ、大尉なら』

クワトロ『ああ……ありがとう、雷』






クワトロ「待たせたな……決着を着けるとしよう」



機動G級elite(ガンダム)「……」


クワトロ「ガンダム……アムロ・レイとの因縁よ……っ!」

今回はここまで。

では。

いきます。

※※※※※※



カミーユ「24機……これで、25!」バシュバシュウン

ジェリド「26、27、28……ああ面倒くせえ、これで30機だ!」バシュバシュウン



ゲ級「」ゴォォ

ド級「」ゴォォ


ジェリド「きりがねえぞチクショウ! おい、艦娘の雷はどうした!? クワトロ大尉は!?」

カミーユ「まだグラナダ方面です! きっとあっちにも……!」

ジェリド「それまで持ちこたえないといけねえのか……げっ!?」


シュオオォォォ

ザ級「」ズォォ

セ級「」ズォォ


カミーユ「黒い霧から、また新しい侵海MSが……っ!?」

ジェリド「破壊した侵海MSは霧になる……その霧からまた敵が……堂々巡りかよクソッタレ!」

カミーユ「雷の乗ったアーガマや、クワトロ大尉が倒した侵海MSは黒い霧が次第に薄まって消えていった乗ったのに……僕らに何が足りないんだ?」

ジェリド「考察してる暇はなさそうだぞ」



ゴゴゴゴゴゴ



・重装ザ級(ザクレロ)


――――ガチン ガチンッ!


《MSを噛み砕かんと開閉する大口》



カミーユ「……っ!?」

ジェリド「一年戦争のお笑いモビルアーマーがこんな凶悪になるなんて聞いてねえぞ! ドチクショウ!」



>アレキサンドリア ブリッジ

ジャマイカン「戦線が後退しているぞ! もっと前に出ろ!」

通信兵「し、しかし、正体不明のMSの大群が現れたと……」

ジャマイカン「エゥーゴの援軍に決まっている! そんなものに怖じ気付くんじやない! 退却するなど弛んどる! 艦から叩き出して……」


ドガァァァァン!


ジャマイカン「な、何だ!?」

通信兵「MS! 本艦周囲で戦闘しています! は……速い!」





リックディアス(サイコフレーム励起)「」フィィィ

G級(赤色発光)「」フィィィ

ドヒュウ! ドヒュウ!

ゴォォォォォッ!


クワトロ「ちぃぃっ! サイコフレームを解放したリックディアスについてくるか!」バシュバシュウン

G級「……ッ」バシュバシュウン
クワトロ(アムロの……いや、もっと多くの人間の経験と思念をあれから感じる。私の個人的な感傷からだったが……こいつは強い! とり逃して、被害を増やす訳には行かなくなった!)


クワトロ「嘗めるなよ、ガンダム!」バシュバシュウン

G級「……っ!」バシュバシュウン


ドガァァァァンッ!

ドガドガァァァァンッ!




ジャマイカン「うわぁぁぁぁぁっ!?」

通信兵「エンジンに被弾! 危険です!」

ジャマイカン「こ、後退、後退だ! グラナダ……いや、月から離脱! あんなとんでもない奴らのいる戦場に居られるか!」




>アーガマ ブリッジ


ドガガガガガッ!

ビシューッ! ビシューッ!



ヘンケン「対空砲火切らすなよ! 侵海MSを出来るだけ引き付けるんだ! 戦況は!?」

トーレス「クワトロ機、侵海MSと戦場を飛び回りつつ交戦中! カミーユ機、ティターンズの機体と連携しつつアンマンへ後退中、ティターンズ機はジェリド中尉と思われます!」

サエグサ「エマ機、アポリー機、ロベルト機、及びモンブラン所属のネモ隊、アンマン近辺にて侵海MSと交戦中! 膠着状態です! ティターンズ各機は後退した模様!」

ヘンケン「連邦の艦艇は!?」

トーレス「グラナダ近辺にて侵海MSと交戦中! 戦況不利な模様!」

ヘンケン「よし……後退しつつ、ハイパーメガ粒子砲スタンバイ! アンマン周囲の侵海MSを減らすぞ!」




雷「…………っ」


ヘンケン「大丈夫か? 雷ちゃん」

雷「うん……平気」

ヘンケン「クワトロ大尉が心配か?」

雷「少し……でも、大尉に任せるって、決めたから」

ヘンケン「大尉なら大丈夫さ。ケロっとした顔で帰ってくるよ」

雷「そうね……うん、私が大尉の留守の間頑張らないと!」

ヘンケン「その意気だ! 増員、もう少し頑張れよ!」




バシュバシュウン

バシュバシュウン


クワトロ「埒が明かんな……ならば! ソードブレイカーッ!」カシュン シュパパパ

キキキュイン キキキュイン


クワトロ(さらに!)



リックディアス「」ゴォォォォォッ!

G級「ッ!」


クワトロ(ソードブレイカーとリックディアスによる並行時間差包囲攻撃……避けられまい!)



バシュバシュウン!

ズガガガガガガガ!



G級「!?!?」バチバチ

クワトロ「これで……墜ちろっ!」ガキュン ドパァン





ドゴォォォォン






クワトロ(やれた……か?)






G級「」ヴォン



クワトロ「やはり、そう甘くはないか!」ガキュン

G級「!」バシュバシュウン


ビシューッ

ドガァァァン

クワトロ「っ! ライフルが……ええい、ならば!」ヴォン ブォォォン

G級「っ!」ヴォン ゴォォッ!

クワトロ「なっ!?」ヴォウン


ガキィィン! バチバチバチバチッ!


クワトロ「くっ……!(反応が早くなった!? いや……まさかこいつ、私の『予感の先』を読んでいるのか!?)」

クワトロ「ならば今一度! ソードブレイカー!」カシュン シュパパパ



G級「!」ガシュガシュガシュ シュパパパ


クワトロ「何っ!? やつも自立兵器を!? くっ…それでも!」ゴォォッ!


キキキュイン キキキュイン

シュキュキュン シュキュキュン


クワトロ「おおおおおおっ!」ヴォンッ! ゴォォッ!

G級「!」ゴォォッ!



ズガガガガガガガ!
ビシューッ! ビシュビシューッ!

ガキィィン!
ガキィィン!



クワトロ(テスラ・ドライブで慣性を制御してなお、このG……それだけ加速して、さらにソードブレイカーと連携しても、まだやつを倒せんのか!?)

G級「っ」ヴォンッ! フォンッ

クワトロ(ジャベリンだと!?)



ドガァァァァン!


クワトロ「しまった! 足に……っ!」

シュキュキュン シュキュキュン

ビシューッ! ビシューッ!


ドガガガガガァンッ!



クワトロ「が……ぐわああああぁぁぁっ!」


クワトロ(無理……なのか? やはり私は、『ガンダム』に勝てんのか? 過去を乗り越えることなど、出来んと言うのか?)


クワトロ(私には……)




――――大丈夫よ、大尉なら



クワトロ(……そうだ、雷は私の勝利を信じてくれたではないか……何を今更弱気な事を! 食らいつくのだ、食い下がるのだ! 足掻いて、もがいて……私は、勝って、雷の元に戻らねばならんのだ!)


クワトロ「貴様などに……過去の幻影ごときに……負けてなど、やれんのだぁぁぁぁぁっ!」



リックディアス(サイコフレーム励起)「っ!」コォォォォッ


――――ガキィィン!


リックディアス(サイコフレーム完全開放)「」フォォォン


G級「っ!!」ガキュン



クワトロ「おおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!」


ドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウ!


ガガガガガガガガガガ!

ズガガガガガガガガガガガガッ!


ズバシャアッ!


G級「……っ!? っ!?」バチバチバチバチ


ドガァァァァァァァァンンッ!



>アンマン近辺


カミーユ「エマさん! 大丈夫ですか!?」

エマ(MK2)「カミーユ! ええ、なんとか……あっ!」


ドガァァァァン


ジェリド「油断大敵だぜ、エマ中尉」

エマ「ジェリド中尉ですか!? 何故こっちに……」
ジェリド「成り行きだな。アーガマはまだか? クワトロ大尉は?」

エマ「まだ、戻ってきてません……」

ジェリド「ちっ……まあ、この数じゃしゃあねえか……」

カミーユ「アンマン市に被害は?」

エマ「今のところは……ウォン支社長が、頑張って……」

カミーユ「ウォンさんが!?」





ウォン(プチモビ)「食らえ、プチモビパイルドライバーッ!」ゴシャアッ!


ゲ級「!?!?」ドガァァァァン

ウォン「プチモビムーンサルトスープレックス!」ドガシャアッ!

ザ級「!?!?」ドゴォォォォン

ウォン「プチモビフランケンシュタイナーッ!」ズドォォンッ!

ド級「!?!?」ドガァァァァン


ウォン「ふんっ。貴様らにはカラテが足りんわ!」




ジェリド「……カミーユ、カラテってすげーんだな」

カミーユ「違います、あれは僕の知ってるカラテじゃありません」




>アンマン上空 随伴艦モンブラン


バシュバシュウン バシュバシュウン


エムブラ「一歩も下がるなよ! 我々がアンマンの最後の盾だ!」

副長「ネモ隊、押されています! 敵、さらに増援来ます!」

エムブラ「くっ……アーガマはまだか……っ」


副長「(ビーッビーッ)っ! 高熱源体、急速接近! 所属、ティターンズ!」

エムブラ「何っ!?」




シロッコ「この混戦の中なら対応は出来まいと踏んでいたが……読みは当たったな、隙だらけだぞ!」ガキュン ピピピピ


副長「ロックされました! 回避、間に合いません!」

エムブラ「総員、対ショック! あとは祈れ!」




シロッコ「墜ちろ!」




――――ビシューッ



ドガァァァァン!





シロッコ「…………むっ!? 馬鹿な……主動力を撃ち抜いたはずだ! なぜ爆発せん!?」



エムブラ「ぐ……くっ! い、生きているのか、我々は……」

副長「か……艦長! モンブラン、出力減少……かろうじて、不時着出来ます!」

エムブラ「よし……オートパイロットに切り換えて不時着させろ! 総員は順次退艦せよ!」

副長「了解!」





シロッコ「……一撃で墜とせなかったのは不満だが、戦闘能力がなくなったのなら結局は同じこと……もう、一発!」



カミーユ「止めろおおおぉぉぉっ!」


ヴォン…ガキィィィィィン!




シロッコ「ぬう! シャアと一緒に居たパイロットか!」

カミーユ「今はこんなことしてる場合じゃないだろう! 侵海MSが手当たり次第襲って来てるってのに……なんで戦争の続きが出来るんだよ!」バチバチバチバチ

シロッコ「ふん! 状況がどう変わろうが、やるべき事を見失ってはならんと解らんか?」バチバチバチバチ

カミーユ「街を守ってる艦を落とすことの、どこに必然が!」

シロッコ「アンマンは陥落し、ティターンズが支配し、エゥーゴは弱体化する……どこに不自然がある? ティターンズに所属する人間として、当たり前の行動だ」

カミーユ「当たり前……人間として、当たり前だと!? お前のような……お前のような奴がいるから! 戦争がなくならないんだ! 俺が修正してやるっ!」

シロッコ「威勢はいいようだが……なっ!」バシュバシュウン


カミーユ「(ドガァァァァン)うわあぁぁぁぁぁぁっ!」



シロッコ「実力が伴わねば話にならん……シャアにでも頼ってみるか? ふふふ……」




カミーユ「貴っ……様ぁぁぁぁぁぁっ!」フォォォン


MK2(サイコフレーム励起)「」フィィィ


シロッコ「む……またあの機能か。だがその程度なら……っ!? プレッシャーが、増していくだと!?」

MK2(赤色サイコフレーム励起)「」グォォォ


カミーユ「力が……必要だってんなら……見せてやるよ!」

カミーユ(この空域に漂っている、侵海MSの意思……それをかき集めれば……!)


ゴゴゴゴゴゴ


シロッコ「こ、これは……っ!」


カミーユ「俺の身体をみんなに貸すぞ! うおおお雄雄雄ォォォッ!」






ジェリド「やめろ、カミーユ!」バシュバシュウン


カミーユ「(ドガァァァァン)っ!? ジェリド中尉!? なぜ止めるんです!」

ジェリド「当たり前だ! お前、またあのバケモノになって戻れる保証あるのか!?」

カミーユ「それは……」

ジェリド「あるわけねえよな! ふざけんなこの馬鹿野郎! 誰がお前にそこまでしろつった!」

カミーユ「でも……!」



シロッコ「よくやったジェリド中尉……墜ちろ、カトンボ!」バシュバシュウン


ドガドガァァァァン!


カミーユ「うわぁぁぁぁぁっ!」

ジェリド「があぁぁぁぁぁっ! またかよクソ野郎!」




シロッコ「さて……本命を、墜とさせてもらう!」ビシューッ!





バチィィィィン


シロッコ「なっ!? バリヤー、だと!?」




エムブラ「い、今のは……一体……?」



――――艦長、今のうちに逃げてください


エムブラ「っ!? 今の、声は……っ! モンブラン、お前なのか!?」


――――早く!


エムブラ「くっ……すまん、モンブラン!」



――――お元気で、艦長……






クワトロ「はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ……や、やれた……か。くっ……次は、アンマンまで戻らねば……」


ズォォォ


クワトロ「……そのためには、この敵陣を抜けねばならんか……(ビーッビーッ)むっ? これは……援軍? フォン・ブラウン方面から……一機だけだと!?」




ヘンケン「まだハイパーメガ粒子砲の発射位置は確保できんのか!」

トーレス「精一杯ですよ! 敵が多すぎて誘導が困難なんです!」

ヘンケン「くっ……こうなれば、グラナダ制圧を棒に振ってでも、新兵器を使うしか……」

雷「!! ヘンケンさん、味方機がアンマンに接近してくるわ!」

ヘンケン「何! 誰かは知らんが助かる! よし……もう少し気張るぞ!」




雷「……何だろう……私、この相手を知ってる気がする」





シロッコ「……戦艦は不時着したか。ならば爆発させても無駄か」


グォォォ…


シロッコ「侵海MS、と言っていたか……何者かは知らんが、アンマン制圧には都合がいい。無防備な都市を落とすなど、赤子の手を捻るが如しだ……まずは盛大な一撃を見舞ってやるとしよう」キュイィィィン




シロッコ「発射……(ピキィィィィン)っ!?」



ドガァァァァンッ!


シロッコ「があっ!? おのれ、何奴!」





リックディアス(青&緑)「」ゴォォォッ




???「……力なき民に弓引く行為の醜さをまざまざと見せつけられるとは……これも、私の業か」

??「……っ」ギュッ

???「わかっている……己が罪業は、己の手で漱ぐ! 往くぞ!」

??「ぽい!」


今回はここまで。

また扱いの難しい人を……頑張って書きます。


では

ロザミア「くっくっく……まさか、のこのこと連邦の艦に突撃をかけてくるとはな……」

悪夢さん「クッ!貴様ら連邦に情けをかけられる理由などない!殺せ!」

ロザミア「そうはいかない。貴様には私のお兄ちゃんになってもらわなければならないからな!」

悪夢さん「何……!?ふざけるな!そのような屈辱を……!」

ロザミア「なんども言わせるな!貴様には私のお兄ちゃんになってもらう!まずは朝、妹のダイブで目を覚ますシーンからだ!」

悪夢さん「ぐわぁあああああ!やめろぉぉおおおお!!」

こんな拷問を受けたと言いたいのか?

「ソロモンの悪夢」が出てきたとなると「ソロモンの白狼」と「深紅の稲妻」の二人も出そうだなこれ
その場合ゴップ大将は狸親父だな間違いない

>>593
??「敵はまだこちらに気づいていないよ?」
?「できれば敵も救いたいのです」

他にだとディミトリーの「レディキラー」もありえそう

いきます

※※※※※※



シロッコ「青と緑のパーソナルカラー……まさか、ソロモンの悪夢、アナベル・ガトーだとでも言うのか!? ええい、亡者は亡者らしく地獄で蠢いていろ!」バシュバシュウン



ガトー「私があのMSの相手をする! 夕立! 周囲の侵海MSどもはお前が落とせ!」

夕立「おまかせっぽい! フレキシブルカノン、コントロールアイハブ! さあ、素敵なパーティーの始まりよ!」

ガトー「いざ、参る! うおおぉぉぉっ!」ゴォッ!



バキィィィン!

ズドンズドンズドンズドンッ!


シロッコ「(ズバシャ!)っ! ぐ、うぅ……っ! なんだあのMSは!? こちらに突撃しながら周囲の敵を撃ち落としている!? ……そうか、複座! ええい、貴様もシャアと同じ、女の力を借りる者か!」


夕立「隙ありっぽい!」ズドンズドン!


シロッコ「(ドガァァァァン)ぐわっ!?」

夕立「少佐さん! 今!」

ガトー「承知! 沈めぇい!」ヴォォォンッ!

シロッコ「(ピキィィィィン)甘いぞ! もらった!」バシュバシュウン


ガトー「っ!」



夕立「させないっぽい!」ズドォンッ!


リックディアス「」キュゴァッ!


シロッコ(っ!? 砲撃の反動とブースターを組み合わせての急速回避だと!?)

ガトー「そこだっ!」バシュバシュウン

夕立「レッツパーティーッ!」ズドンズドンズドン!


シロッコ「(ドガドガァァァァン!)ぐおおぉぉぉっ!? いかん、推力が……! 撤退せざるを得ぬか……ええい、シャアに続き二度も不覚を取るとは! この借り、忘れんぞ!」キュパッ ゴォォォ





ガトー「……撤退したか。一瞬で形勢を覆したあの反応……ニュータイプ、というやつなのか……?」

夕立「少佐さん、さっきは危なかったっぽい? ぽい?」

ガトー「……ああ、確かにな。すまん、助かった」

夕立「夕立活躍したっぽい? したっぽい!? 褒めて褒めてっ!」キラキラ

ガトー「あ、ああ……こう、だったか?」ナデナデ

夕立「くうぅ~ん……少佐さんのお手て、あったかいっぽい~……」ホワー

ガトー「……惚けている間は無いぞ。敵はまだ無数だ」

夕立「そうだったっぽい! でも、数が多い分、選り取りみどりっぽい!」

ガトー「ふ……頼もしいな。ならば、往くぞっ!」

夕立「今日は二人で一人でダブルなソロモンの悪夢、見せてあげるっぽい!」






ジェリド「……生きてるかぁ、カミーユ」

カミーユ「ええ、なんとか……さっきのMS、凄い動きでしたね。アンマン周囲の侵海MSを全滅させていくなんて……」

ジェリド「あー……ありゃあ見間違いでなきゃジオンのエースパイロット、アナベル・ガトーだな。マーキングで分かる、まさか生きてたなんてな……」

カミーユ「アナベル・ガトー……デラーズ紛争に参加してたって言う?」

ジェリド「ああ、ティターンズ立ち上げのきっかけになったのがそれだ……因果なもんだな。きっかけを起こした人物が、その結果を潰しに来やがるとは」

カミーユ「……ともかく、街が無事で良かったですよ……ジェリド中尉は、またティターンズに戻るんですか?」

ジェリド「ああ……また上からドヤされそうだがな」

カミーユ「エゥーゴに来ればいいのに」

ジェリド「今更そうもいかんさ……お、そうだ。ちとハッチ開けろ」パシュ

カミーユ「? はい」パシュ


ジェリド「ほれ、持ってけ」

カミーユ「カード? 電子マネーですか?」

ジェリド「今は空だが、後で入金しといてやる。ラーメン代くらいだけどな……勝負に勝ったご褒美だ」

カミーユ「え!? あれは引き分けでしょ!」

ジェリド「いいから! 不満なら次回もう一度やりゃいい……じゃあ、またな」パシュ


マラサイ「」ゴォォォ


カミーユ「あ、ちょ! ……今度はキチンと勝ちますからね!」




カミーユ「……あれ? そういえば、あの深海ザクレロどこ行ったんだ?」







ザ級「」ガジガジ


シロッコ「二度ならず三度までも! 離れんかこのお笑いMAめ!」ビシューッ! ビシューッ!


ザ級(ToT)ドガァァァァン





>アーガマ ブリッジ


トーレス「侵海MS、進行止まりました! ハイパーメガ粒子砲、発射位置確保!」

サエグサ「エネルギー充填良し!」

雷「敵、ほとんど捕捉! いけるわ!」


ヘンケン「よし! ハイパーメガ粒子砲、撃ぇ――――い!!」



ズゴォォォォォ……ォォンッ



トーレス「侵海MS、消滅確認! グラナダまでの進路に敵影ほとんどありません!」

ヘンケン「よし……このままグラナダまで進軍だ!」



ピーッ ピーッ



サエグサ「応援の味方機から通信です」

ヘンケン「繋いでくれ」




ガトー(通信)『……こちらはブレックス准将直属部隊『ナイトメア』。無事のようで何よりだ』

ヘンケン「ああ、おかげで助かったよ」

ガトー『役目を果たしたまでだ……では、我々は』

夕立(通信)『待って待って! ねえ、そっちに雷、いるっぽい? いるっぽい?』ピョコ


雷「夕立!? 夕立もこっちの世界に来てたの!?」

夕立『雷だぁ! わ~ん、久しぶりに艦娘に会えたっぽい~!』グシグシ


雷「ゆ、夕立、大丈夫?」

ガトー『……もう暫くそちらに協力させてもらおう。後程そちらに着艦させてもらって構わないか?』

ヘンケン「あ、ああ。かまわんよ」

ガトー『感謝する。夕立……そういうことだ。積もる話は後にしろ』

夕立『ん! わかったっぽい! それじゃ雷、また後で!』


> 『夕立用艤装型砲撃ユニット』が装備されています。
ガンキャノンか

>>589
フルボイスで再生された件w

いきます。

※※※※※※


>グラナダ近辺


クワトロ「……敵の反応がかなり減ったな。援軍とアーガマがやったのか?」


雷(交信)『……ぃ。大尉! 大丈夫? 怪我してない!?』

クワトロ(交信)『雷か。ああ、多少疲れたが無事だよ』

雷『良かったぁ……今そっちに向かってるから! 待ってて!』

クワトロ『わかった。それまで残敵の始末と連邦の部隊の足止めをやっておこう』


クワトロ「さて、かなり酷使した機体には辛いだろうが……もう少し頑張ってくれ、リックディアス」


リックディアス「」ヴォン



ザシュ! ズバシュ!

ガガガガガ


クワトロ(先程の戦いでライフルを失ったのが痛いな……ソードブレイカーも酷使し過ぎて、まだ冷却時間が要る。アーガマが来る前にもう少し減らしたい所だが……)


ズドンズドンッ!

バシュバシュウン!


リックディアス(青&緑)「」ゴォォォ


クワトロ「む……例の援軍か。だが、あのカラーリングは……」


ガトー(通信)『……こちら特務隊『ナイトメア』、これより援護に……っ! 貴方は……!』

クワトロ「……アナベル・ガトー少佐。生きて居られたとは」

ガトー『憚りながら生き恥を晒しております、シャア・アズナブル大佐……いえ、キャスバル・レム・ダイクン殿』

クワトロ「未だその名を名乗る覚悟のつかぬ身……クワトロと呼んでもらえれば」

ガトー『む、承知。ならば今は奴らを……』

夕立(通信)『(ニュッ)少佐さんのお知り合いっぽい? ぽい?』

ガトー『こ、こら、夕立!』

クワトロ「君は……もしや、艦娘か?」

夕立『わあっ! よくわかったっぽい!』

ガトー『夕立! 戦闘中だ……真面目にやれ』

夕立『あう、ごめんなさいっぽい……』シュン

ガトー『……砲撃はお前に一任する。好きに使え』

夕立『っ! うんっ! 頑張るっぽい!』キラキラ



クワトロ「慕われているようで」

ガトー『からかわんで下さい』



>アーガマ ブリッジ


トーレス「侵海MS、ほぼ撃破しました! 残るはグラナダ駐留部隊だけです!」

ヘンケン「よし、これで気兼ね無く新兵器が使えるな……整備班! 発射準備いいか!?」


アストナージ(通信)『調整バッチリです! ただし! エネルギー消費は激しいから、撃ったらまともに動けないんで気をつけて下さいよ!』


ヘンケン「了解だ! MS隊、アーガマの射線に入るなよ! 雷ちゃん、頼むぞ!」

雷「まっかせて! アーガマ、いくわよ! 目標、グラナダ駐留艦隊、及び展開中のMS全部! 全メガ粒子砲並列起動……戦闘空域ミノフスキー粒子、共振確認! 『メガ粒子パラライザー』広域発射!」

ヘンケン「撃ぇ――――ぃっ!」



バリバリバリバリドガカアッッ!!





連邦兵(ジム2)「な……何だ? どこもやられてなんか……っ!? しゅ、出力が下がっ……た、倒れる!? うわあああっ!」ドシーン



連邦オペレーター「艦の出力が下がっています! メガ粒子砲、発射不能! 機銃も動かせません!」

連邦艦長「く……かろうじて墜落しない程度しかエンジンが動かせんとは……!」




サエグサ「グラナダ駐留艦隊、無力化成功しました! MS隊、制圧に向かいま……降伏を確認! 作戦成功です!」

ヘンケン「……ふう。一時はどうなるかと思ったが……総員、ご苦労だった。グラナダ艦隊を接収し、本作戦を終了とする」

雷「アーガマ、ご苦労さま……え? メガ粒子砲にガタが……?」

ヘンケン「……アストナァァァジィィィッ!」

アストナージ『アーガマからの送電が大き過ぎてオーバーロードしたんです! アーガマが張り切りすぎただけでウチの落ち度じゃありません!』

雷「え? おニューの装備だからはしゃぎすぎた? 必殺技みたいでカッコよかった……? だってさ、ヘンケンさん」

ヘンケン「アーガマ……子供かお前は……って、子供だったか……」

【インフォメーション】


『アーガマ』に
『メガ粒子パラライザー』が装備されました。


※アンチ・ファンネル・システムの一種と言うことで……



>アーガマ MSデッキ


雷「大尉ー! おっ帰りなさいっ!」ボフンッ

クワトロ「ああ、ただいま雷」



夕立「わあ! 雷ったらスッゴクラブラブっぽい! 少佐さん! 夕立も、夕立もー!」パタパタ←まとわりついている

ガトー「よさんか」グイグイ←引き剥がしている

夕立「褒めてー、撫でてー、ギューッてしてー」←しつこく食い下がっている

ガトー「せん」←うんざりしている






エマ(真っ白)「あれが……ソロモンの……悪夢…………?」

カミーユ「……ある意味確かに悪夢ですね……僕はもうクワトロ大尉で諦めました」

夕立って改二なのかな?
改二の方が犬っぽいけど・・・作者曰く狂犬がイメージらしいが



>アレキサンドリア 艦内

ジェリド「ったくジャマイカンの野郎、どんだけ遠くまで逃げてやがる……マラサイの推進材が無くなるかと思ったぜ」


「「ジェリド中尉!」」


ジェリド「ん? どした」

「先程はありがとうございました!」
「お陰で生きて艦に戻れました!」

ジェリド「おう、そりゃよかった」

「先程の戦いぶり、凄かったです!」
「ジェリド中尉こそティターンズのエースです!」

ジェリド「は、はは……ありがとよ(カミーユとのアホな会話聞かれなくてよかったぜ)」

「ジェリド中尉は、あの不気味なMSと何度か交戦経験があると聞きましたが……あれは一体?」
「エゥーゴの新兵器ですか?」

ジェリド「ああ……ありゃあな、亡霊だよ。さんざん戦争で人死なせといて、まだ懲りずに戦争やる俺たちが憎くて、地獄から這い出て来やがったのさ」

「え?」
「そんなオカルト的な……」

ジェリド「ま、信じるかどうかはお前さんらの自由さ……上は、存在すら信じちゃくれなかったがね」


オペレーター(放送)『ジェリド中尉、至急ブリーフィングルームまでお越し下さい』


ジェリド「おっと、呼び出しだ……じゃあな」

「「はっ。ご苦労様です!」」

>>648
改二だとワイルド過ぎるので……犬っぽさ増し増しのノーマル夕立という感じでよろしく。

※※※※※※


>アレキサンドリア ブリーフィングルーム


ジェリド「自分が地球へ…でありますか?」

バスク(通信)『そうだ。エゥーゴはジャブローへの急襲を考えているだろう。貴様はそれに合わせて部隊を率いて地球へ降下し、ジャブローと連携してこれを叩け』

ジェリド「……具申致しますが、そこまでわかっているなら月を動かないうちに攻撃を仕掛けた方がいいのでは?」

バスク『月にはアナハイムがある……アンマンは奴らの拠点だから話がついたが、それ以外はそうもいかん。『高度な政治的判断』による結果が、貴様の担当する作戦だ』

ジェリド「……了解しました、慎んで拝命します」

ジャマイカン「以上だ、下がれ」

ジェリド「はっ。失礼します」

ジェリド(怪しい……どうにも罠のニオイがプンプンしやがる……内通がバレて俺を始末に来たか? いや……なら、もっと大っぴらに俺を処断するはず……ともかく、油断はできねえな)





ジャマイカン「……あれでよかったので? 生意気ですが、使えるヤツになってきたようですが」

バスク『ヤツは若い連中の支持を集めつつあるようだからな……そういう人間が犠牲になれば、命令に忠実な『駒』が増える……もうすぐジャブローに邪魔者を集め終ることだし、ヤツには『英雄』として華々しく散ってもらう……ふふふ……』

ジャマイカン「なるほど、血気盛んな若造には似合いの最期ですな……」


【幕間 アンマンの病院】


カクリコン「もがもが(喋れねえ)」←包帯まみれ

ナース「はいはい、全身打撲で全治5ヶ月なんだから大人しくしてて下さいねー」

カクリコン「もがー(アメリアー……あ、でもこの姉ちゃんもいいケツして……)」


ナース「……ふんっ!(ゴキッ)」

カクリコン「!?!?!?」

ナース「安静に。いいですね?」

カクリコン「」チーン




フランクリン「むがー! もがー!(出せー! 私はこんな所にいる訳にいかんのだー!)」←包帯まみれ

医者「あー、ビダンさん? そんな身体で元気なのはいいですけど、これ、来てましたから」


《離婚届け&軍の解任状&病院代請求書》


フランクリン「」チーン


医者「それじゃよろしく」


寝落ち失礼

※※※※※※



>アレキサンドリア 艦内

シロッコ(……シャアのみならず、ガトーにまで不覚を取った……悔しいが認めねばなるまい、今の私では奴らに勝てぬことを)

シロッコ(力が要る……まずはMS。ジュピトリスに戻り、放置していた『ジ・O』を……そして『タイタニア』を完成させねば。幸いにして、ジェリド中尉が手に入れたバイオセンサーのデータがある。これを応用すれば完成度を高めることが出来るはずだ)

シロッコ(そして奴らに力を与えていた存在……謎の女たちだ。それが解明出来れば……)


シロッコ「……むっ」

ジェリド「……っ、てめえっ、よくもさっきは……っ!」ギリリ

シロッコ「……すまなかったな。MK2を撃つには、君が近過ぎたものでね」

ジェリド(ぬけぬけと、……っ!)

ジェリド「…………そっスね。まあ、シロッコ大尉のヘッタクソな腕前じゃミスってもしゃーないか」

シロッコ「何っ……!?」

ジェリド「あー、もういいッスよ。あんなソロモンの悪夢『もどき』にやられて逃げてくるようじゃ、ニュータイプって言うか『にょ~タイプ』なんでしょうしね……ねえ、シロッコ大尉?」ニヤニヤ

【イメージ】

シロッコ「トロッコに乗ったシロッコのシロップ!」←SDガンダム版

【イメージ終了】

シロッコ「おのれ、貴様……っ!」グワッ

ジェリド「(ピキィィン)食らう……かっ!」

バキィッ!


シロッコ「ぐはっ!?」ズダンッ

ジェリド「……うっわ。自分でも驚くくらい見事にクロスカウンター入ったわ……すいませんねシロッコ大尉、つい……まさか、こんなことくらいで階級楯にしたりしませんよねえ? 二度も味方を殺そうとしたシロッコた、い、い?」

シロッコ「ぐっ……失礼する!」



ジェリド「…………あっぶねえ……あんにゃろうの煽り耐性、カミーユ並みに低くて助かったぜ……いや、カミーユのが我慢強かったか?」




>アーガマ 艦内


ブレックス(通信)『援軍は間に合ったようだな。安心したよ……フォン・ブラウンでそちらの状況をキャッチした時は冷や汗ものだった』

ヘンケン「おかげで助かりました……彼らは、このままアーガマに?」

ブレックス『いや、基本的には独立部隊として、アーガマとは別に動いてもらうつもりだ……状況次第で合流する場合もあるだろうがね』

クワトロ「……対深海棲艦対策として、私と雷では対応仕切れない方面に向かってもらう、と」

ブレックス『そうなる。希少な戦力を分散させたくはないが……深海棲艦の発生は全地球圏規模だ。過去の資料からそれとおぼしき情報も出てきている……調査を続ければまだ増えるだろう。一年戦争や、それ以前からの発生もあり得る。対症療法でも、見つけ次第対応していくしかあるまい』

ヘンケン「被害が対応不可能になる前に……ですな。なんとも」

ブレックス『クワトロ大尉には負担をかけることになるが……すまないが、よろしく頼む。色々と、な』


クワトロ「…………ええ、もはや逃れられないでしょう。微量を尽くします」





クワトロ(さて、雷はあの艦娘……夕立、だったか。彼女と話してるはずだが……)




バキィッ! ズダンッ!


夕立「ぽいいっ!? 少佐さんに何するの!!」

エマ「カミーユ! 止めなさい!」

雷「夕立! 艦内で艤装使っちゃダメ!」

カミーユ「放して下さい! 僕は……俺はこの人を殴らなくちゃいけないんだ! あんたの! あんたのせいで!」



クワトロ「何事だ!」

雷「大尉! カミーユくんがガトーさんを殴って……」

カミーユ「ティターンズが結成されたのはデラーズフリートの蜂起がきっかけじゃないか! そのせいで俺の両親は殺されるところだったし、ファも、ファの家族も危なかったんだ! 30バンチだって、ティターンズがいなきゃ毒ガスで全滅することはなかったんだ! 深海棲艦も、こんなに発生しなかったかもしれないのに……あんたの、あんたのせいで!」

ガトー「……理不尽だと思ったか、少年」

カミーユ「何だと……!」

ガトー「君の怒りは正当だ……しかし、拳を振り上げたなら、ただの暴力となる。それでも、暴力を振るわずにいられなかったのだろう? 怒りの矛先を求める故に……我々が、かつてそうしたように」

カミーユ「あっ……!」

ガトー「覚えておくといい……人間は、容易く感情に流される。感情に流され、道を誤る。そして自らの過ちを認めたくないが故に、正義と、大義と言う鎧を纏うのだ……私のように。君は、そうはなるな」

カミーユ「僕、は……」

ガトー「大罪を犯した私に出来るのは、命尽きるまで戦い、一人でも多くの命を救うこと……それが贖罪になるかは分からんが……そんなことすらやれぬ愚か者にはなりたくない、それだけだ……申し訳ないが、詫びの言葉を君に言う訳にはいかない。私は多くの人々に憎まれたまま、恨まれたまま……地獄へ堕ちねばならんのだから」

夕立「少佐さん……」

ガトー「気分を害して、すまなかった……アーガマの艦内を散策しても?」

エマ「え、ええ。どうぞ」
ガトー「感謝する」

夕立「待ってー! 一緒に行くっぽい!」



クワトロ「……カミーユ、まだ、彼が憎いか」

カミーユ「……分かりません。でも……それじゃ、一緒何ですよね。デラーズフリートと、ティターンズと……僕は……憎しみを振り撒く人間には、なりたくない、です」

クワトロ「そうか……」





クワトロ「……ガトー少佐」

ガトー「シャア大佐……いえ、クワトロ大尉、でしたか。見苦しいものをお見せしました」

クワトロ「いえ……あのカミーユの責めは、本来私が受けるべきものです。父、ジオンを継ぐべき私が」

ガトー「だとしても、私の行いの責は私にあります。あまり気負いなさるな」

クワトロ「……感謝を、ガトー少佐」

ガトー「それですが……エゥーゴでの私の階級は『大尉』です」

クワトロ「ん? しかし、そちらの夕立は少佐、と」

ガトー「……何度言い聞かせても少佐呼びが直らないのです」

夕立「少佐さんは少佐さんだから大尉になってもやっぱり少佐さんっぽい! ぽい!」フンス

ガトー「……などと繰り返すばかりでして」

雷「分かるわ! 私も大尉が昔大佐でも少佐でも大尉は大尉だからやっぱり大尉なのよ!」フンス

夕立「雷!」

雷「夕立!」


雷/夕立「「Yhaaaa!」」パシン



クワトロ「……お互い大変ですな」

ガトー「賛同者を得られるとは……まさに恐悦至極……っ!」



夕立「あれ? 雷、その指輪……」

雷「あ、これ? なんだか気づいたら嵌めてたんだけど……夕立、知ってる?」

夕立「凄い! それって『ケッコンカッコカリ』の指輪っぽい! ぽい!」

雷「ええええええっ!? こ、これがそうなの!?」

クワトロ「……結婚(仮)? なんだそれは」

夕立「提督さんと心から信頼しあった艦娘が、さらに強い力を引き出すために、もっと提督さんと深く繋がりあうための一種のブースト装置っぽい!」

雷「で、でもあれって、鎮守府が承認したら貰えるものなんじゃ……」

夕立「んー。本来は艦娘が自己生成できるけど、確実じゃないから鎮守府が人工的に作ってるって聞いたっぽい? でも、本当に自己生成した艦娘なんて初めて見たっぽい!」

雷「そ、そうなんだ……大尉と、もっと深く、繋がれるんだ……そう、なんだって、大尉」チラチラ

クワトロ「ん、オホン……とにかく、良い物なんだな? 良かったじゃないか」
雷「うん! えへへ……大尉と……ふふ♪」ホニャー


夕立「少佐さん少佐さん! 私も少佐さんとケッコンカッコカリしたいっぽい! 褒めて撫でて構って遊んでー!!」

ガトー「止めんかー! まとわりつくな! 犬かお前は!」

夕立「わんわん! 夕立、忠犬っぽい? ぽい?」パタパタ

ガトー「むしろバカ犬だお前はー!」






※独自解釈です。多分こんな感じかな、と。

今回はここまでで。
次回でようやく最初の場面に追い付けるはず……

では。

乙です
ジャブローにも侵海MS出てきそうだな。
まぁ「私の夢、受け取れぇぇぇッ!!」なアプサラスはさすがに出ないだろうけどww

>>684
雷以外のダメ男製造機ね……。古鷹かな(エロパロスレ感)

なんとなくアムロにはトラウマ抱えたツンデレ組(曙、満潮、霞他)が似合う気がする。シロッコは……誰だろ?

>>697
シロッコには天龍がよさそう。

シロッコ、天龍「「フフフッ、怖いか!?」」


って感じで

いきます。

※※※※※※


>アンマン アナハイム支社


ヘンケン「……報告は以上です。ただし、接収した艦艇及びMSの人員配置や訓練にはどうやっても一ヶ月以上は見てもらわねば、使い物には……」

ウォン「わかっとる、だが急がせろ。ジャブローの潜入員からは慌ただしく人員や資材の交換が行われていると報告が来ているからな」

ヘンケン「承知しています」

ウォン「…………まさか、ソロモンの悪夢が生きていたとはな。それも艦娘を連れて……ブレックスめ、よくも隠し通したものだ」

ヘンケン「私も驚いています……それから、保護したブライト中佐ですが」

ウォン「ああ、通達が来とる……ジャブロー降下作戦に合わせて、ブライト中佐をアーガマの艦長に、君には修復の終わったラーディッシュの艦長に着任してもらうそうだ」

ヘンケン「ラーディッシュに……そうか、あいつ元気になったんだな……」

ウォン「やけに嬉しそうだな。艦の魂とやらが、よほどいい女だったのか?」

ヘンケン「そう、ですね。ラーディッシュは、いい女ですよ。本当に」




>アンマン近郊 モンブラン落着地点


《原型を留めているが、もはや航行不能なモンブランの残骸》


雷「……モンブラン」

エムブラ「……すまない、ミス雷……艦長でありながら、私はモンブランを……君の友人を、落としてしまった……」

雷「ううん……モンブランは、最後にエムブラさんを……艦のみんなを守って、逝けたんでしょう? それはきっと……幸せ、だったと思う」

エムブラ「ミス雷……ありが、とう……」




雷「モンブラン……頑張ったのね、いっぱい、戦ったのね……あとは、私たちが引き受けるから……ゆっくり、眠っていていいから…………お休みなさい、モンブラン……」









クワトロ「……エムブラ中佐は今回接収した艦の艦長に配属されるらしい……彼の経験は得がたい貴重なものだ。必ずエゥーゴの力になるだろう」

雷「うん……エムブラさんはモンブランを大切にしてくれてたから、新しい子も、きっと大事に扱ってくれるわよね……」

クワトロ「雷……」

雷「大丈夫よ、大尉。落ち込んでるわけじゃないの……ただ、モンブランが少しだけ、羨ましいかな、って」

クワトロ「羨ましい?」

雷「私は……『駆逐艦 雷』は、轟沈を誰にも知られないまま沈んじゃったから……みんなに看取られて逝ったモンブランが、少しだけ、羨ましい……こんなの不謹慎だけど」

クワトロ「……雷」ギュッ

雷「大尉……?」

クワトロ「一人になど、させぬよ……私を支えてくれるのだろう? 置いて逝ってしまっては、困る。私がおじいさんになるまで、頼らせてくれなければな」

雷「……ぷふっ! もう! 大尉ったらホントに私がいないとダメなんだから! もちろんよ! ずーっと私に頼ってくれていいんだから!」

クワトロ「助かるよ」

雷「うんっ! ねえ……大尉?」

クワトロ「なんだね?」


チュッ



雷「……ありがとう。大好き」

クワトロ「……ああ、私もだよ」





>アーガマ 艦内


ファ「カミーユ!」

カミーユ「ファ……どうしたんだ、慌てて?」

ファ「どうした、って……戦闘映像見せてもらったのよ! あなたが、深海棲艦になった、って……それで、今回は自分から深海棲艦になろうとしたって!」

カミーユ「ああ……クワトロ大尉からもヘンケン艦長からも……アストナージさんやエマさんからも怒られたよ。修正も食らった、頭にでっかいタンコブが出来てる。もうしないよ」

ファ「当たり前でしょ! カミーユがバケモノになっちゃうなんて……そんなの嫌に決まってるじゃない! バカ! バカ! バカ! 大バカ! カミーユの超級覇王バカ!」ポカポカポカポカ

カミーユ「痛てっ! 痛ててっ! わ、悪かったよ、だから止せって!」

ファ「いつも、そうじゃない……一人で勝手に突っ走って、ボロボロになって……私がどれだけ心配しても聞きやしないで、突っ張って……ケンカになっちゃって…………ひっく……ぐす……うぇ……」ギュッ

カミーユ「お、おい! 泣かなくてもいいだろ…………確かに、いっつも俺、ファを振り回してた。意地張って、話も聞こうとしなかった……ごめんな。俺、自分勝手だったよ」

ファ「……ひぐ……ホントに、反省、してる?」

カミーユ「してるさ。そりゃ、俺はもう軍人になっちまったから、危ないことはしないなんて言えないけど……人間を辞めて限界を超えるような無茶はもうしない。約束する」

ファ「……ぐす……なら、許す……ひっく」

カミーユ「な、なあ。それならもう、離れて……」

ファ「……もう、ちょっと」ギュッ

カミーユ「…………はあ。わかったよ、お姫様」ポンポン

ファ「ん……」







アポリー「……青春だなあ」

ロベルト「いやまったく」

エマ「甘酸っぱいわね……」




>アンマン 艦艇ドック


ゴォン ゴォン

雷「ラーディッシュ! 久しぶり、元気になったのね! ……うん、私も元気よ!」

ヘンケン「グラナダのドックに入りっぱなしと聞いた時は、ティターンズに荒らされてやしないかとヒヤヒヤしたが……いや、無事で何より」

雷「ふふ、ヘンケンさんは心配性ね……そうだ、アーガマに会うのは初めてよね? 紹介しておくわ!」


ヘンケン「雷ちゃん、アーガマとラーディッシュはどんなことを話してるんだ?」

雷「えっと、『みんなを守ってくれてありがとう』、『お姉ちゃんに褒められて嬉しい』だって!」

ヘンケン「ははは! アーガマはお姉ちゃんっ子だったか! さて……次の作戦からはまた俺がラーディッシュの艦長だ、よろしく頼むぞ!」

雷「『またよろしくお願いします、ヘンケン艦長』だって!」

ヘンケン「うむ! 任せておけ!」




>アーガマ ブリッジ


ブライト「……本日付けでアーガマの艦長に就任するブライト・ノアだ。まだアーガマには不慣れなのでサポート、よろしくお願いする」

トーレス/サエグサ「「はっ」」

ブライト「それから……アーガマにも挨拶しておくべきかな? この神棚でいいのか?」

トーレス「そうですね。ヘンケン艦長……元艦長か……は、いつもそうしてました」

ブライト「なるほど。アーガマ、私が今日からお前の艦長だ……ヘンケン中佐とは色々違うかも知れんが、よろしく頼む」


ウィィィ…ン


サエグサ「おお、エンジン効率上がってます……アーガマもブライト艦長が気に入ったみたいですね」

ブライト「そうか……だったら、嬉しいね」



ブライト(ホワイトベース……もしお前に魂があったのなら、今、私たちを見守っているのか……? ならば、頼む……アーガマを助けてやってくれ。お前のような最後を迎えさせないためにも……)




>MSデッキ


アストナージ「なるほど、新技術の実験機でもあるわけだな」

夕立「ぽい! でも、少佐さんの身体に負担が大きいからちょっと心配っぽい……」

アストナージ「こいつはサイコフレームの配分が少ない以外はクワトロ大尉の機体とほぼ同じだ。俺がガトー大尉のデータに合わせて調整しとくよ。そうすりゃ負担も減るさ」

夕立「ホント!? ありがとアストナージさん! わーいわーい! ぽいぽいぽ~い♪」キャッキャ


ガトー「夕立? なにをやって……」

夕立「少佐さ~んっ!」ピョン ガバリ

ガトー「飛び付くな! 抱き付くな! 体温高いから暑いのだお前は!」

夕立「冬には便利っぽい?」

ガトー「いいから離れろ!」




アストナージ「なんだこのテスラ・ドライブ……積んでるだけで全然機能してないじゃないか。ったく……だからパイロットの負担がデカいんだっての」


【インフォメーション】


『ガトー専用リックディアス(未調整)』は
『ガトー専用リックディアス(フルスペック)』に調整されました。

『試作型テスラ・ドライブ』が使用可能になりました。



>アンマン エゥーゴ施設内


ブライト「我々がフォン・ブラウンへ、ですか」

ブレックス(通信)『アナハイムと話がついてな。ジャブロー降下まで、安全を確保できる……かなり、絞り取られたがね』

ヘンケン「ご面倒をお掛けします」

ブレックス『なに、金でカタがつくならその方がいい……それに、深海棲艦について、市長に説明して協力を仰がねばならん……アナハイム以外の、月全体の協力を得るには月の中心たる、フォン・ブラウンの賛同が不可欠だからな』

クワトロ「『フォン・ブラウンを征する者は月を征する』……ですか」

ブレックス『うむ……それに皆も、侵海MS相手の戦いで心身共に疲弊しているだろう。次の作戦までの間、充分に英気を養ってほしい』

クワトロ「心使い、感謝します」

ブレックス『うむ。それから……ガトー大尉』

ガトー「はっ」

ブレックス『戦いを決意してくれたこと……改めて、礼を言わせてくれ。ありがとう』

ガトー「……咎人の自分には、もったいないお言葉です」




※「そして……アーガマ及びラーディッシュはフォン・ブラウンへと入り、数日。市長との会見を終え、クワトロたちはエゥーゴ軍事施設へと戻ってきた……」
キャーコスギサーン



>フォン・ブラウン MSデッキ


雷「……大尉、大尉? どうしたの? ボーっとして」

クワトロ「ん? ああ……雷と出会ってからの短い間に、実に様々なことがあったものだと……そう、思ってな」

雷「ん~……確かに、そーかも」


クワトロ(そうだ、本当に……色々、あった。私の心の真ん中にいるのがララァではなく……雷、君になるほどに)


雷「そうだ、大尉! 今日も大尉のために特性ケーキ作ったの! 食べてくれる?」

クワトロ「ああ、もちろん。今日は何のケーキかな?」

雷「キャロットケーキよ! 美味しくできたから、楽しみしてて!」

クワトロ「それは嬉しいな。行こうか、雷」

雷「うん!」ギュッ





ヘンケン「あ、あの、エマ中尉。よかったら一緒に……」

エマ「えっと……そうですね、雷ちゃんのケーキ、美味しいし……ご一緒します」


ヘンケン(よっっっ……しゃああぁぁぁ――――っ!! 雷ちゃん、GJ!)ガッシ


と、言うわけでようやく1スレ目の冒頭に戻ってこれました……

もうちょい、いきます。

※※※※※※







>フォン・ブラウン 市街

カミーユ「えーっと、買い出しはこれで全部かな……ん?」


ガトー「……」


カミーユ「あれは……ガトー大尉? どこへ行くんだろう……ついて行ってみようかな」


>共同墓地


カミーユ(墓地? 何でこんなとこに……)

ガトー「……」

カミーユ(お墓だ……一体、誰の……)

ガトー「……カミーユ少年。いるのだろう、出てきたまえ」


カミーユ「っ! す……すいません。気になったもので……ガトー大尉、ニュータイプだったんですか?」

ガトー「素人の追跡者の気配くらい、軍人ならオールドタイプでも分かる……この、墓のことが聞きたいのだろう?」

カミーユ「は、はい」

ガトー「ジョン・ビスレィ……それがここで眠る者。そして……私の、罪の犠牲者だ」







【幕間 0083アフター】




>『星の屑』作戦宙域





夕立「…………ぽい? あれ、ここ、どこ……なんか狭い……?」



ガトー(負傷)「」


夕立「ぽ、ぽいいぃぃっ!? なんか男の人がケガして気絶してるっぽい!? ど、どーしよどーしよ……ふえっ?」



――――けて


――――たす、けて




――――ガトー少佐を、助けて



夕立「ぽい……? ガトー少佐って、この人? あなたは、だあれ?」




――――ノイエ・ジール






夕立「ぽ、ぽい~……ロボットの操縦なんて初めてだけど……」


――――お願い、あなたしか、いない


夕立「う~……まあ、艤装とおんなじ感じだし……なんとかなるっぽい!」


――――頼み、ます


夕立「行くっぽい! Iフィールド全開! 大気圏、突入――――っぽい!」





――――ゴォォォォォォォォ…!!









夕立「熱じゃ熱じゃアチアチアチ熱いっぽいぃぃ~~~~!!」



ゴォォォォォォォォ…






>地球 ソロモン諸島



ピチョン

ピチョン


ガトー「…………っ!? はっ!?」


ピチョン


ピチョン


ガトー「洞穴の……中? 私、は……っ! そうだ! 『星の屑』は!? 残存艦隊は……連邦は!? 一体、どう……(ズキン)ぐっ!」


夕立「あっ、起きてた! ケガしてるから、まだ無理しちゃダメっぽい!」

ガトー「だ……誰だ! ここは、何処だ!」

ガトー(銃は……無い、か! この娘、何者……?)

夕立「んと、一つずつ説明するから……落ち着いて聞いて欲しいっぽい?」

ガトー(……怪我の手当てがしてある……少なくとも、今すぐ私をどうこう、という意思はないらしいな)

ガトー「……いいだろう、聞こう」

夕立「ぽい♪」





ガトー「……ノイエ・ジールが私を助けろと頼んできた? 自分は艦娘で気づいたらコクピットにいた? 見ず知らずの兵器であるモビルアーマーを操り、あまつさえ想定機能にない大気圏突入を成功させた? 与太話や大法螺にしても限度があると思うが?」ギロリ

夕立「あ、あう……だって、ホントっぽい……」

ガトー「……怪我の手当てについては礼を言っておく。ではな」ザッ

夕立「ふえっ!? どこ行くっぽい!?」

ガトー「九死に一生を拾ったのだ。残存勢力に合流して……なっ!?」




《焼け焦げたノイエ・ジールの残骸》




夕立「……ノイエ・ジールはね、最後まで、ガトー少佐さんのこと、私にお願いしてきたっぽい。それに……『私は、パイロットを死なせるために生まれたMAになりたくない』って……」

ガトー「…………ノイエ・ジールと、まだ話せるのか?」

夕立「ううん……ノイエ・ジールはもう……」

ガトー「……そう、か」





ガトー(敬礼)「……礼を言おう。我が戦友よ」





ガトー「さて……ここは無人島のようだし、どこかの街まで行かねば……」

夕立「それなら、私にお任せっぽい!」

ガトー「……ついて来る気か」

夕立「う……だって、ノイエ・ジールに頼まれたっぽい……少佐さんを、お願いって」

ガトー「……好きにしろ」

夕立「うん! 好きにするっぽい!」

ガトー「で? 島から出る方法があるのか?」

夕立「私は『艦娘』っぽい! だったら……!」




シュバァァ----ッ!



夕立(水上)「どう!? 私が艦娘って、信じて貰えたっぽい!?」シュバ-ッ!

ガトー(手繋ぎ)「わ、わかった! 信じよう! だが、街の場所などわかるのか!?」

夕立「ここ、ソロモン諸島でしょ? だったら地形や街の場所なんて、全部頭に入ってるっぽい!」シュバ-ッ!

ガトー「そ、そうか……なら、もっとスピードを落とし……」

夕立「ばっびゅーんっぽいー!」シュバ-ッ!

ガトー「ぬ、ぬおおぉぉぉ――――っ!!」





数日後……


>スペースポート


夕立「わああ……! 宇宙船の乗り場なんて初めてっぽい! ぽいぽいぽ~い!」キラキラ

ガトー「はしゃぐな! まったく、なぜ私がこんな子供の相手を……」ブツブツ



『……デラーズフリートの決起などはその具体的な一例にすぎぬ』


ガトー(っ!?)


「なんだこれ」
「緊急放送だってよ」

ガトー(なん……だ……これ、は……)


『スペースコロニーの落下事故を見るまでも無く……』


ガトー(事故、だと……我々の命と誇りを賭けた行動が……たかが放送一つで、闇に葬られるというのか……? 連邦にとって、スペースノイドなど、その程度の存在だと言うのか……)
夕立「少佐さん……?」


『地球、真の力を再びこの手に取り戻すため』


ガトー(我々の……誇りは……大義は……理想は……我々の、『星の屑』は……)


『ティターンズは立つのだ!』


ガトー(こんなもののために……スペースノイドを苦しめるものを生み出すために……あったとでも言うのか……)





――――バタンッ


「おい、誰か倒れたぞ!」
「いきなりどうしたんだ!?」




夕立「少佐さん!? 少佐さん! 少佐さん! しっかりして! ねえどうしたの!? 少佐さん! 少佐さんっ!!」


 



【UC 0084】


>月面 フォン・ブラウン市


ガトー(無精髭)「…………」ダラリ

夕立「……少佐さん、ご飯、食べよ? お酒ばっかりじゃ身体に悪いっぽい」

ガトー「…………いつまで、私につきまとうつもりだ」

夕立「だ、だって……」

ガトー「ノイエ・ジールとの約束なら、もう果たしているだろう……去れ」

夕立「でも……」

ガトー「去れっ! これ以上……私を惨めにさせるな……っ!」

夕立「ぽい……」






ガトー(……あんな放送が、ティターンズがなんだと言うんだ……何度でも、何度でも立ち上がればいいではないか……ジオンの栄光を取り戻すまで……そう、わかっているのに)


ガトー「私の身体は……なぜ、立てぬ……私の心は……なぜ、震えぬ…………くそっ!」


ガシャンッ


夕立「きゃっ! ……び、ビックリしたっぽい……」
ガトー「……また、貴様か」

夕立「あ、あの……やっぱり、少佐さんが心配で……(ガシッ)ぐえっ!?」


ガトー「何故だ……何故私を助けた! こんな……こんな世界を見るくらいなら、あの時、死んで英霊の仲間となったほうがマシだったのだ! 理想も大義も地に堕ちた……今や私は! ただの狂信者扱いだ! 何故……何故私が……っ!」ギリギリ

夕立「あ……ぐ……」

ガトー「……くっ!」バッ

ドサッ

夕立「ゲホッ! ゲホゲホッ……しょ……少佐……さん……」

ガトー「……もう、来ないでくれ。頼む」

夕立「…………ぽい」





ガトー「は……ははは……なんだコレは? 現状に絶望し、年端も行かぬ少女の世話になって飲んだくれ、八つ当たりでその少女の首を締める、だと……? これが……これが『ソロモンの悪夢』と呼ばれた男かっ! ジオンのエースパイロット、アナベル・ガトーの姿かっ! ふざけるなぁっ!」


ガシャァ-ンッ!


ガトー「はぁっ、はぁっ…………所詮私は……その程度の男だったと言うことか…………」




キャーッ!



ガトー「っ!? 今の声は……っ」




夕立「あ……うう……」


チンピラ「へへへ……ここの飲んだくれの所に、美人だがやたら馬鹿力の女が通いつめてるって話……マジだったらしいな」

ヤサ男「ええ。特性の筋弛緩薬を準備した甲斐がありました……噂以上の上玉ですね。高く売れますよ」

巨漢「そ、その前に、楽しんでも、い、いいんだろ?」


夕立「ひっ……!」


チンピラ「なにカマトトぶってんだよ。どうせあの飲んだくれとヤりまくってんだろ? アイツより楽しませてやっからよう……ヒヒヒ」

夕立「や……嫌……っ!」


夕立(身体、動かない……! ヤダ、ヤダ! 怖いよ! 助けて……少佐さんっ!)


ビリリィッ!


夕立「ヤダァ――――ッ!!」







バキィィッ!


チンピラ「げふぁっ!?」




ガトー「……だから、来るなと言ったのだ」

夕立「しょ……少佐さぁぁぁんっ!!」






チンピラ「」ピクピク


ヤサ男「あ、アイツを一撃で……?」

巨漢「の、飲んだくれ風情が、生意気な……!」



ガトー「今の私は虫の居所が悪い……手加減は……期待、するなっ!」


ドムッ!


巨漢「ご……!? おご……が……」ガクリ

ヤサ男「な……ななな……っ! く、来るな! 近づいたら女を殺すぞ!」チャキッ
ガトー「む……」

ヤサ男「は……はは、そうそう……飲んだくれは飲んだくれらしく、無様を晒していれば……」

夕立「あ~……ガブッ!」ガブリ

ヤサ男「痛てぇぇぇっ!?」

ガトー「ふんっ!」

バキィィッ!


ヤサ男(*)←めり込んだ顔面


バタリ


ガトー「……ふう……うぐっ! ウゲェェッ! ゲホゲホッ!」

夕立「少佐さん! 大丈夫っぽい!?」

ガトー「く、くく……アルコール漬けの身体を激しく動かしたからな……反動が来たようだ……まったく、締まらない……くくく」

夕立「少佐さん……」

ガトー「これでわかっただろう……こんなスラム地区にお前のような美しい少女が歩いていれば目をつけられる……日々の稼ぎにしても、どうやって稼いでいる? いかがわしい手段なら、止めた方がいい。もう……私に関わらないでくれ……」




夕立「…………嫌」

ガトー「何?」

夕立「もう怒ったっぽい! 夕立のキャラじゃないけど、こうなったら夕立が少佐さんを公正させるっぽい!」ガバッ

ガトー(持ち上げられ)「なっ!? 何をする!?」
夕立「ぽいぽいぽいぽいぽいぽいぽいぽいぃ――――――――っ!!」




>ベーカリー『フェアチャイルド』


女将「……『それ』が夕立ちゃんの言っていた『少佐さん』かい」

夕立「ぽい! 今日から少佐さんも住み込みでここのお世話にならせて欲しいっぽい!」フンス

ガトー「待て、私が何故そんなことを……」

女将「黙らっしゃい! あんた、夕立ちゃんみたいないい子に散々世話になっといて、それが男の言う言葉かい!」

ガトー「それ、は……」

女将「ふん。自分が情けない男だって自覚はあるみたいだね……そこのエプロン着けて、髭剃って、ボサボサの髪も纏めて、準備してきな」

ガトー「いや、私は……」

女将「わかったら返事!」

ガトー「はっ!」←敬礼


ガトー(す、凄い威圧感だ……このパン屋、ただ者ではない!)




夕立「ぽい! 少佐さんがやる気になってくれて嬉しいっぽい♪」






夕立「今日も美味しいパンが焼き上がってるぽーい! みんな、買っていってー!」


「俺バゲット」
「やっぱ惣菜パンでしょ」
「ジャパニーズあんパンうめえ」
「あ゛あ゛~ラスクがクセになるんじゃあ゛~」


「夕立ちゃんかわいい」
「エプロン姿ハアハア」
「憲兵さんこいつです」



ガトー「……凄い反響だな」

女将「あの子が頑張ってくれてるからね。それに、あの子はウチのパンが気に入って働いてくれてるんだ。自然と笑顔にもなるよ」

ガトー「笑顔……か。私は、彼女の顔を曇らせることしかやってこなかったな……」

女将「しょげてる暇があるなら働く! ほら、トングが減ってるから補充!」

ガトー「り、了解!」



年代的にやらかすのはこの息子っていうかもう生まれてる

>>765
です。ジャスト1才。

※※※※※※


閉店後……

ガトー「せ……戦争のようだった……」

夕立「少佐さん、お疲れさまっぽい!」

大将「……」ヌウッ

ガトー「ぬおっ!? こ、この店のご主人か? 今日は、世話になって……」


大将「……」コト

ガトー「……ドーナツ?」

夕立「わーい! ドーナツ大好き! ありがとうっぽい!」

大将「……」コク

ガトー「……無口な御仁だ」

夕立「でもパンは美味しいし、優しい人っぽい!」モグモグ

女将「初日してはなかなかの働きぶりだったね。明日からもよろしく頼むよ!」

ガトー「いや、私は……」

女将「い、い、ね?」ズン

ガトー「アッハイ」


ガトー(逆らえん……どうしてこうなった)




【UC 0085】


『次のニュースです。サイド1、30バンチにおいて発生した武装蜂起に対し、ティターンズは……』


女将「物騒な話だねえ……」

大将「……」コク

赤子「あぶー」


ガトー「……店の前を掃いてくる」

夕立「少佐さん……?」




ガトー(……ティターンズの動向が、私を苛む。『お前のせいだ』『お前が悪い』と)


ガトー(……わかっては、いたのだ。作戦の成否に依らず……我らは全て、宇宙の塵と消えると。それ故の作戦名……『星の屑』であると)

ガトー(愚かと呼ばれても、狂気と罵られても……譲れぬ思いがあったのだ。だが、それが未来への礎になると……ジオンの、スペースノイドの明日に繋がると、信じられたのだ)

ガトー(だが……現状は…………いや! それでも……同胞たちの思いを汚す訳には……!)

夕立「少佐さん?」

ガトー「……夕立か」

夕立「大丈夫っぽい? 元気、ないっぽい」

ガトー「……気のせいだ」
夕立「ぽい……」



女将「ちょいと! 辛気臭い顔してるなら買い出しにでも行っとくれ!」

ガトー「お、女将……」

女将「返事!」

ガトー「はっ!」←敬礼

夕立「あ、私も行くっぽい!」


魔女の宅急便思い出した




夕立「あれもよし、これもよし……この買い物だと、今夜はシチューっぽい!」

ガトー「そうだな……ん? ここは……」

夕立「お墓っぽい?」

ガトー「共同墓地、か……」

夕立「少佐さん? 入ってみるの?」

ガトー「ああ……少し、確かめたい」


数分後……


ガトー(……やはり、ケリィの墓はない、か……身寄りもない、潜伏者の身では当たり前か……ん?)



女性「……」


ガトー(あの当たりは、ジオン系の人間の墓だったはず……知り合いの墓かも知れん。行ってみるか)


ガトー「失礼。私もご一緒しても? 知り合いやもしれませんので……」

女性「あ、ええ……どうぞ」

ガトー「どうも……っ!?」


《ジョン・ビスレィ UC0063―0084》


ガトー「ビスレィ……二等兵……」

女性「あの……彼のこと、ご存知なんですか?」

ガトー「え、ええ……ア・バオア・クーで別れてから、消息が掴めなかったのですが……なんてことだ、つい最近まで生きていたなど……」

女性「……彼は、ジオン国民に殺されました」

ガトー「っ!?」



女性「私は当時、ジオニックの整備士で……そこで知り合った彼は、ア・バオア・クーの戦いでなんとか生き残り、月に逃げ延びました。敗戦国民として肩身は狭かったですが、平和に過ごせていたと思います……ですが、デラーズフリートの蜂起で、ジオン国民含むスペースノイドは、ティターンズの迫害の対象になりました……この月でも」

ガトー「……っ」

女性「彼は……デラーズフリートに参加していた、アナベル・ガトー少佐を尊敬していました。彼の部隊に配属されて、部下であったことが自分の誇りだと……いつも、嬉しそうに」

ガトー「ビスレィ……が……」

女性「ティターンズの暴挙が続く日々の中……誰かが言ったんです。『アナベル・ガトーは余計なことをしてくれた』って。彼は当然反論しました……『ガトー少佐には、そうしなければならない理由があったんだ』、と……その程度の、柔らかい反論を……けれど……」

ガトー(止めろ……止めてくれ……)

女性「その場所には、ティターンズの暴挙で家族や財産を失ったジオン系の人達が多く居ました……彼らの逆鱗に触れてしまったビスレィさんは……彼らのリンチにあって……そのまま……」


ガトー(あ……ああ……ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ)


ガトー「…………辛いことを思い出させてしまい、申し訳ない」

女性「いえ……ビスレィさんの死を悼んでくれる人が私以外にもいるなら、きっと彼の魂も安らぐと思いますから……では」ペコリ







夕立「……少佐、さん?」
ガトー「は、はは……はははははははははははははははは!」

ガトー「これが……これが私の行動の結末か……大量殺戮者と成り……祖国にも疎まれ……ただ一人、自分を信じてくれた未来ある若者を、守ろうとした国の民に殺され……!」

ガトー「大義はあった……正義もあった……だが、それは……!」

ガトー「己の弱い心を守るだけの……殺人の重圧から解放されるだけの、言葉の鎧に過ぎなかったのだ……!」

ガトー「私が! 私の存在が! ソロモンの悪夢と、エースパイロットと持て囃された私の存在が! ビスレィ二等兵を死に追いやったのだ!」

ガトー「すまん……すまん……ビスレィ……!」

夕立「少佐さん……」








ガトー「うおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――っ!!」




>>771
そのイメージです。

今回はここまで。
次回幕間続きから。
展開が気に食わなかった方、すいません……

では

いきます。

※※※※※※


【UC 0086】


ガトー「今日の買い出しは以上だな」

夕立「ぽい! あ……少佐さん、また、お墓参りするっぽい?」

ガトー「……ああ。私には、そうすることしかできないからな……」

ガトー(そうだ……私にはもう、大義も、理想も、情熱も……何も残されてはいない。私が武を振るうならば、怒りと嘆きを振り撒くのみ……このまま、ただ、静かに生を終えるのが……)


ドガァァァァン!



ガトー「!? 何事だ!」

夕立「あ……あれっ!」



・旧機ザ級elite(ザクI)

ザ級「UUU……!」


ガトー「何、だ……あれ、は……っ!?」

ガトー(か、身体の震えが止まらん……! あれは、恐怖の権化だとでも言うのか……!?)

夕立「っ! あれ、深海棲艦っぽい!」

ガトー「あれが……!?」

夕立「で、でっかいけど何とかしないと! あうう、でも艤装はお家に置いてきてるっぽい~!」

ガトー「くっ……生身であんなものの相手は……っ!」


《かろうじて動きそうなゲルググ》


ガトー「……夕立! ノイエ・ジールを動かしたと言っていたな……ならば、アレはどうだ!?」

夕立「ぽい!? な、なんとか出来そうっぽい!」



ドガァァァァン

キャー
ワー

ガトー「くっ……どうだ夕立、行けるか!?」

夕立「あ、うう……そ、それが……」

ガトー「どうした!?」

夕立「この子、かなりボロボロで……一人だと、無理っぽい……」

ガトー「何ぃ!?」


ドガァァァァン


夕立「ああっ! あっちには、女将さんたちが……!」

ガトー「くううっ! 夕立! 『一人では』と言ったな? 『二人なら』どうだ!?」

夕立「え……? う、うん! 少佐さんと一緒なら!」

ガトー「よし……!」ザッ

ガトー(私には……結局戦うことしかできぬかもしれん…………それでも……それでも!)

夕立「お願い……ゲルググ……もう一度だけ……」

ガトー(今は、今だけは……誰かの為に! 殺す為ではなく、救う為に!)



ゲルググ「」ヴォンッ



グァッ…キュオオオォォォ



ガトー「往くぞぉぉぉぉぉっ!」ゴォッ





ゴォォォォ


ザ級「っ!」


ガトー「遅い! そこだ!」


ガキィィィィン!


ザ級「っ!?」ドシーン


ガトー「街からは引き離せたな……夕立、武装は使えそうか?」

夕立「ビームナギナタしかないっぽい! それも、頑張ってエネルギー送っても15秒でゲルググも止まっちゃうっぽい!」

ガトー「15秒……それだけあれば充分だ! 私の合図でナギナタを起動させろ!」

夕立「ぽい!」




ザ級「」グォッ


ガトー「来るか!」


ゴォォォォ

ガトー(あと少し……まだ…………まだ…………今っ!)

ガトー「やれ!」

夕立「ぽいぃぃぃっ!」


ヴォンッ……フィィィンッ


ガトー「一刀……両断っ!」


ザシュウッ!




ザ級「…………(ズルリ)っ!?」ドガァァァァン






戦闘後……


ガトー「……ゲルググは、どうだ?」

夕立「ううん……エンジンが限界で、もう……」

ガトー「そうか……」

夕立「少佐さんと私にね……『最後に、人を救えた。ありがとう』……って」

ガトー「…………雄々しき鋼の魂に、敬礼」ザッ




ガトー(マシーンですら……人の命の尊さを知る……ならば何故……人は……)


ガトー(ノイエ・ジール……私は、お前に救われた命、どう使えばいい……?)




数日後……


女将「それじゃ閉店だ。片付けてきな」

ガトー「ああ」

夕立「ぽい」



黒服「御免ください」

夕立「ぽい? 今日は終わりっぽい。また明日に……」

黒服「いえ、そちらのあなたに要件があるのです……『アナベル・ガトー少佐』」

夕立「ぽ、ぽいっ!?」


ガトー「……人違いでしょう。私は『ソリッド・BJ・セガール』……ジオンの元少佐ですが、技術士官です」

黒服「……そうですか。私は反地球連邦組織『エゥーゴ』の者……気が向きましたら、こちらに連絡を。では」


夕立「……帰っちゃった……少佐さん?」

ガトー「……片付けの続きだ、夕立」

夕立「ぽい」


あと気になったのが、だいぶ前だが、ヲ級ちゃん換装が付いていた状態で保護されていたのかな?



【UC 0087】


黒服「御免ください」

ガトー「またあなたか……何度来ても無駄と言ったはずだ」

黒服「いえ、今日はぜひ報告したいことが」



《艦娘・雷の資料》


《マハルコロニーでの戦闘記録》


ガトー「っ! これ、は……」

夕立「ぽいっ!? 雷もこっちに来てるっぽい!?」


黒服「我々は対ティターンズの戦力としてあなたを欲していましたが……状況が変わりました。そちらのお嬢さん……艦娘・夕立嬢の力と、その適合者であるガトー少佐の力が、対深海棲艦に必要なのです」

ガトー「私が……適合者だと?」

黒服「雷嬢はエゥーゴのクワトロ大尉とのみ、『提督と艦娘』の力を行使出来ると……夕立嬢もそうなのでは?」

ガトー「……そうなのか、夕立?」

夕立「ぽ、ぽい……黙ってて、ごめんなさい……」

ガトー「いや……」


黒服「我々はあなた方を必要としています……どうか、ご一考を。では」





ザ…ザザ-…

ヴォン


シーマ(映像)『ん……映ってるかい? よし……久しいね、アナベル・ガトー。ブレックス准将から聞いたよ……ずいぶん、愉快なことになってるみたいじゃないか?』

ガトー(シーマ……ガラハウ……)

シーマ『憂国の志士から大量殺人犯になった気分はどうだい? 世の中全部、クソに思えてくるだろう? ジオンも連邦も、同じ穴の狢だって、気付けただろう? よかったねえ……賢くなれてさ』

ガトー(ああ……確かにその通りだ)

シーマ『甘ったれんじゃないよ』

ガトー(っ!?)

シーマ『あたしらは……リリー・マルレーンに乗ってた連中はね、それでも生きるために何でもやって来たんだ。何もかもに見捨てられてもね……何故だと思う? 生きていたかった、ちっぽけでいいから、幸せが欲しかった……そんな、誰しも考える事のために、さ………でもね、そんな事のために、あたしらは必死になるしかなかったんだ。あんたらがやれ誇りだ大義だって喚いてる間もね』

ガトー(……シーマ……中佐……)

シーマ『……夢破れて、あたしらはこんな姿になっちまったがね……あんたがこれを見てる頃にゃ、あたしは宇宙の塵になってるだろうさ。懐かしい、マハルの海でね』



シーマ『けどガトー、あんたは生き残った。あんたは生きなきゃならない。生きて、生きて、生きて……苦しんで、苦しんで……それでも未来を築かなきゃいけない。それが、生き残った者の責任だ』

ガトー(責、任……)

シーマ『死者は未来を築けないのさ……だから、生きな、ガトー。どんだけ苦しくても……生きてりゃいつか、いいことあるさね』ニコリ

ガトー(っ! 何故、だ……なぜ、貴女は、そんなに……綺麗に笑えるのだ……!)

シーマ『艦娘と一緒なんだってね……艦娘はみんな、いい子だよ。大切にしておやり…………ん? そろそろ終わりかい? じゃあね、ガトー……地獄から、せいぜいあんたの頑張りを見物してるよ』


プツン
ザ-……


ガトー「生きて、生きて、生きて……か」







ガトー(ジオン制服)「夕立、準備はできたか?」

夕立「ぽい! 忘れ物もないっぽい!」

女将「……行くんだね」

ガトー「はい……今まで、お世話になりました」

夕立「また遊びに来るっぽい!」

大将「……」スッ

夕立「わあ、これドーナツ? こんなにいっぱい……ありがとうっぽい!」

女将「……頑張りなよ。夕立ちゃんを守っておやり……行ってらっしゃい」

ガトー「はい、この身を賭けて……行って参ります」
夕立「行ってきまーす!」



>フォン・ブラウン エゥーゴ施設内


ブレックス「……よく決心してくれた。我々は貴方を歓迎する……アナベル・ガトー少佐。そしてようこそ、艦娘・夕立嬢」

ガトー「もったいないお言葉です」

夕立「よろしくお願いしますっぽい!」

ブレックス「うむ。君達には特務部隊として、アーガマ隊で対応出来ない方面を担当して貰おうと思っている。機体も相応のものを準備して……(ビーッビーッ)何事だ!?」

スタッフ「アンマンからグラナダ間に無数の深海棲艦反応です!」

ブレックス「何と……!」

ガトー「……どうやら、早速出番のようですな」

夕立「燃えて来たっぽい!」

ブレックス「……すまないね。頼む、アーガマ隊を助けてやってくれ」

ガトー/夕立「「了解!」」




>MSデッキ


ガトー「もう私のパーソナルカラーに塗ってあるとは……准将も食えない人だ」

夕立「青と緑でカッコいいっぽい!」

ガトー「それはカッコいいのかカッコ悪いのかどちらだ……」

夕立「ぽい? あ、少佐さん! 私たちの部隊の名前、『ナイトメア』ってどうかな?」

ガトー「確か、夕立も『ソロモンの悪夢』の異名があったと言っていたな……よし、それで行くか」

夕立「ぽい!」


『カタパルトスタンバイ! 発進どうぞ!』

ガトー「特務部隊『ナイトメア』、アナベル・ガトー!」

夕立「駆逐艦、夕立!」


ガトー/夕立「「リックディアス、発進!」」




ゴォォォォォ……ッ!





【UC 0087 NOW】



>フォン・ブラウン 共同墓地


ガトー「……ビスレィ二等兵の死……その十字架を背負い、生きて、生きて、生きて……生きぬく。生き残った者の責務として……それが、私の戦いだ」

カミーユ「……あの、先日は、すいませんでした。俺……貴方のこと、何も知らないままで……」

ガトー「構わない。私は君に殴られて当然の人間だ」

カミーユ「それでも……知ってしまったなら、謝らないといけないって……そう、思えましたから」

ガトー「……そうか」


夕立「少佐さーん! 女将さんからパンとドーナツもらって来たっぽいー! おやつにするっぽいー!」

ガトー「ああ、今行く……カミーユ少年……いや、カミーユ『少尉』、一緒にどうだね?」

カミーユ「はい!」





ガトー(ビスレィ二等兵……シーマ中佐……私は、生きるよ……無様に、惨めに………けれど、それでも…………誰かの明日を、守るために……!)


今回はここまで。



では。

>>843
一応フル装備の設定です。
描写不足申し訳ない……ort

いきます。

※※※※※※

※「フォン・ブラウンで待機するエゥーゴの面々は、つかの間の休暇を思い思いに過ごしていた」
キャーコスギサーン


>アーガマ ブリッジ


雷「新しい艦長さんなのね! 初めまして、雷よ!」

ブライト「ああ、ブライトだ。よろしく、雷。カミナリじゃない……だよな?」

雷「あっ、すごーい! なんでわかったの?」

ブライト「艦長だからな。情報収集が早いのさ」

トーレス「とか言って、実際はガトー大尉に自己紹介してた時聞いてただけですよね?」

雷「なーんだ」

ブライト「トーレス! いきなりバラす奴があるか!」

トーレス「んなこと言われても、小一時間ずっと家族自慢聞かされりゃ、仕返しくらいしたくなりますって」

ブライト「ぬうう……」

雷「ブライトさんの家族ってどんなの? 見たい見たい!」

ブライト「そ、そうか……ほら、この写真だ。真ん中が妻のミライ。男の子がハサウェイ、女の子がチェーミンだ」

雷「優しそうな奥さんなのね! 子供たちも可愛い!」

ブライト「そうだろうそうだろう! あと、こっちは家族旅行の時の写真で……」

雷「うんうん! それでそれで……」




サエグサ「……雷ちゃん、いい子っすよねえ。よくブライト艦長の長話に付き合えるなあ」

トーレス「ある意味ブライト艦長も子供ってことなんじゃねーの? さ、仕事仕事」

サエグサ「へーい」




>アーガマ カミーユ私室

ファ「カミーユー? あれいない……もうっ、せっかく一緒に食事に行こうと……あら?」


《透明ケースに入った雪だるま》


ファ「へえ、可愛いインテリアね。カミーユ、こういうの好きなんだ……ちょっと意外かも」

カミーユ「あっ。なに勝手に入ってんだよ」

ファ「ゴメンゴメン、昼食、外で一緒にどうかな、って。あとそのインテリア、綺麗ね」

カミーユ「ん、ああ……あれは貰い物さ。大切な、物なんだ」

――――ドキン

ファ(な……何? 今のカミーユの顔……スッゴク優しげで、カッコいい……)

カミーユ「ファ? どうしたんだよ、ボーっとして……食事、行くんだろ?」

ファ「え? あ、そ、そうね! 行きましょ!」

カミーユ「お、おう……ああそうそう。ジェリド中尉からカード貰ってたんだ。二人分の昼メシ代くらい入ってるだろ、奢るよ」

ファ「うん、ありがと。ジェリド中尉っていい人ね……カミーユ、最初に会った時のこと、ちゃんと謝った?」

カミーユ「当たり前だろ。俺だって自分が悪いと思ったらちゃんと謝るって……ほら、置いてくぞー」

ファ「あ、待ってよ!」






カミーユ「……予想以上に入金されていた件について。ファ、ご感想を」

ファ「気前いいのねジェリド中尉って……カミーユ、何かお返ししないとダメよ?」

カミーユ「ああ…………俺、本当なんであんないい人相手にムカついたんだろ……」



>ラーディッシュ 艦内


ヘンケン「ラーディッシュよ! 俺は帰ってきたー!」





>どっか(アーガマ)


ガトー「へっくしょい!」

夕方「少佐さん、風邪っぽい?」

ガトー「いや……妙だな……?」





>こっか(ラーディッシュ)


クワトロ「ヘンケン艦長、はしゃぎすぎだ」

ヘンケン「ん? いや、ははは。つい、な」

雷「でも、気持ちは分かるわ。久しぶりだもん」

クワトロ「まあ、そうだな……雷と初めて出会ったのも、この艦内か……そう思うと、感慨深いな」

雷「そうね、あの時は…………あの、時…………(ボンッ! プシュー)あわわわわわ!」

クワトロ「どうし……ああ、そう言えば、そうだったか……」

雷「お願いラーディッシュ! 忘れて! あのこと忘れて! え、無理? いやぁぁぁ~…」バッタリ


ヘンケン「一体どうしたんだ雷ちゃんは?」

クワトロ「頼む。触れないでやってくれ……」

ヘンケン「あ、ああ……?」



>ラーディッシュ ブリッジ


プシュ ウィーン

ヘンケン「さて、新規のブリッジクルーが来ているはずだが……」





檜山兵「押忍! ヘンケン艦長でありますか!?」




ヘンケン「あ、ああ……君が、ラーディッシュの新しいクルーか?」

クワトロ(サングラス……に、リーゼントだと!?)

檜山兵「押忍! この度ラーディッシュに配属されました『ロードレオン・サイクロンテンプル』であります! 我ながらクッソ長い名前なので、どうぞ『リーゼント』と呼んで欲しいであります!」

ヘンケン「う、うむ……これから、よろしく頼む」

リーゼント「押忍!」


雷「すごい気合い入った人ね」

クワトロ「何故かインパクトで負けた気がする……昔のヘルメットでも被った方がいいのか?」

雷「? 大尉は今のままで十分カッコいいわよ?」

クワトロ「む、そうか?」

書き忘れ
>>871


※ロード=王
レオン=獅子
サイクロン=旋風
テンプル=寺




>アーガマ 艦内


「ハロ」

夕立「ぽい」

「ハロ」

夕立「ぽい」

「ハロ、ハロ」

夕立「ぽい、ぽい♪」


雷「あれ? 夕立、それなぁに?」

夕立「ハロって言うっぽい! カミーユくんが拾ってきたっぽい!」

ハロ「ハロ、ゲンキ。ユウダチ、ゲンキ」

カミーユ「市販モデルと思うけど、情報端末としても優秀だから、使おうと思って……オリジナルなら、アムロ・レイのデータとか入ってたかも知れないんだけどなぁ」

雷「アムロ・レイって?」

カミーユ「一年戦争の時の連邦のエースパイロットだよ。連邦で確認されたニュータイプは彼が初めてなんだ」

雷「凄いの?」

カミーユ「そりゃ、まあ……雷にはあんまり関係ないか」



ハロ「ハロロロロロロロ」ダムダムダムダム

夕立「よく跳ねるっぽい! 面白ーい!」

カミーユ「オイオイオイオイ! せっかく直したんだから壊さないでくれよ!」

夕立「あ、ごめんっぽい」
ハロ「ハロ……ゲンキ、ナイ」

雷「だ、大丈夫?」


ガトー「……夕立」ユラリ

夕立「はっ! しょ、少佐……さん」

ガトー「はしゃぎすぎるな、と言っておいたはずだ……来い」ガシリ

夕立「ごめんなさいごめんなさい! もう女将さんがやるみたいにお尻叩かれるのは嫌~~っ!」

ガトー「女将に代わって、成敗する」




ペシーン ペシーン

ポイィィィィ~~……



カミーユ「……ハロは大切に」

雷「そうね」

ハロ「ハロ」



※レビル将軍がニュータイプって話もありますが……除外でお願いします。

寝落ち失礼。

※※※※※※


>MSデッキ

オーライオーライ


カミーユ「これ、ジェリド中尉の乗ってたハイザックですよね……なんで別の人が?」

アストナージ「さあ……ティターンズのやることはわからん。まあ、せっかく回収したんだ。外装誤魔化す必要もなくなったし、好きにいじってみるか」

カミーユ「あ、こいつが設計図ですね……『ギラ・ドーガ』? これが本来のスペックですか」

アストナージ「ああ、外見ハイザックにしとかなきゃってんで、かなり性能抑えられちまってたんだがな……ここにジェリド中尉がいないのが惜しいぜ」

カミーユ「うーん……次の降下作戦に参加してくれたら、ドサクサに紛れて渡せるのに」

アストナージ「ま、やっといて損はないだろ。何ならウチの誰かに使って貰えばいいし……カミーユ、MK2が重く感じてきたって言ってたろ? 使ってみるか?」

カミーユ「そうですね……シミュレータで試してみてから、考えます」


【インフォメーション】


『ハイザック偽装ギラ・ドーガ(ガタガタ)』は
『ギラ・ドーガ(アストナージ印)』に改造されました。



今回はここまでで。


では。

いきます。

※※※※※※


>エゥーゴ オフィス


クワトロ「……以上が、概要になります」

ウォン「では、降下作戦の煮詰めはこんなところか」

ヘンケン「そうですね」


ブライト「……あ。ええ、わかりました」

ウォン「なにを見て……家族からのビデオメールか」
ブライト「いや、お恥ずかしい」

ウォン「構わんよ。家族は大切だ」

クワトロ「ご無事は確認できたので?」

ブライト「ええ……勘がいいんですよ。妻はニュータイプみたいなもんですから」

ウォン「女性の勘はニュータイプのそれを上回るぞ」

ヘンケン「……おっかないですなあ」





雷「あ、大尉! お話終わったの?」

クワトロ「ああ……わざわざ待っていてくれたのか?」

雷「うんっ! 大尉にご苦労様って一番に言いたかったし!」

クワトロ「それはまた……照れくさいな」


ウォン「なんだ。それだけイチャついてまだ結婚しとらんのか。戸籍くらいどうとでもなる、早く籍を入れてしまえ」

クワトロ「ウォンさん……さすがにそれは」

雷「た、大尉のお嫁さんに……あうう……」プシュー


ブライト「家庭を持つのもいいものだぞ、クワトロ大尉」

クワトロ「ブライト艦長まで……そんなに焦るものでも、な……」


クワトロ(……なんだ? 意識が、遠く……)



ドサリ



雷「大尉っ!?」

ヘンケン「こりゃいかん。すぐ医務室へ!」


>医務室


医師「疲労による風邪、それに伴う立ちくらみですな。しっかり休めばすぐ治るでしょう」


雷「よかったぁ~……大尉、もう大丈夫? フラフラしない?」

クワトロ「ああ……少し熱っぽいがな」


クワトロ(ガンダムタイプ相手に限界まで精神を張りつめていたのが、奴を倒して一気に気が抜けた……それが身体に来たのだろう。やれやれ……)


雷「しばらくは安静にしないとダメよ?」

クワトロ「熱と言っても微熱だ。大げさにするほどでは……」


雷「ダ、メ! 風邪は引きはじめが一番恐いの! おとなしく安静にする! いーい!?」ムー

クワトロ「アッハイ」



クワトロ(逆らえん……)



>クワトロ私室


雷(シャアザクエプロン)「はーい、お粥できたわよ」

クワトロ(シャアザクパジャマ)「……ありがとう」


クワトロ(だから、どうしてこうなる)


雷「大尉の好きな赤色よ」

クワトロ「……あまり辛いのは困るんだが」

雷「大丈夫、トマトパウダーの赤だし、身体を暖める唐辛子もちょっぴりだから」

クワトロ「それならいいか……雷? 君が持ったままでは私が食べられないが」

雷「いーのいーの♪ ふーっ、ふーっ……はい、アーンして♪」

クワトロ「……いや、そこまでしなくても」

雷「おいしいわよ♪」ニコニコ

クワトロ「…………あー」アングリ




カミーユ「クワトロ大尉! 倒れたって聞きましたけど……だい……じょ……」

ファ「あら」


エマ「まあ」


夕立「ぽい」


ガトー「……何と」





クワトロ「……」パクリ モグモグ


雷「あ、大尉のお見舞いに来てくれたの? ありがとう!」

夕立「ぽい! 雷、クワトロさんとラブラブっぽい!」

雷「え……えへへ、そうかなぁ」

カミーユ「……どうもお邪魔だったようで。見舞いのお菓子、置いて帰りますね」ムスー

ファ「あ、ちょっとカミーユったら!」

エマ「あらら……じゃあ、私も失礼します。ごゆっくり」




ガトー「……甲斐甲斐しい奥方をお持ちで」

クワトロ「…………いっそ笑ってくれ……」


雷「大尉、まだ食べるでしょ? はい、アーン♪」




数日後……


カミーユ(さすがにあの態度はまずかったかなぁ……大尉に謝りに行かないと)

カミーユ「クワトロ大尉? カミーユですけど……」



「んっ……んっ……やっぱり大尉、硬くなってる……ガチガチ……」
「くうっ……雷、もう少し、強く……」


カミーユ(な、なななななななななななななななぁっ!?)

カミーユ(なんだコレなんだコレなんだコレなんだコレ!? ヤっちゃってんの!? 今まさに前後して上下しちゃってんの!?)


「ふっ……んんっ……大尉、熱くなってきたわ」

「雷が……くっ、上手いからさ……ううっ」


エマ「あらカミーユ。大尉の部屋の前でどうしたの? 書類届けに来たからちょっと退いてね」

カミーユ「わあああああああっ!? 今入っちゃダメですってばああぁぁぁぁぁっ!」



雷「やっぱり、大尉ったら全身ガチガチに凝ってるじゃない。頑張りすぎよ」

クワトロ「そんなつもりはないが……くうっ! 雷はマッサージが上手いな」

雷「ブレックスおじいちゃんにも褒めてもらった腕前よ!」

エマ「大尉、この書類にサインを」

クワトロ「ああ……カミーユ、どうした? そんなところで倒れて」


カミーユ「いえ……俺って汚れてるなーって……アハハ……」



>アレキサンドリア 艦内

ジェリド「何? シロッコ大尉はジュピトリスへ戻った?」

ティターンズ兵「はい。何でも新型を持ってくるとか……あのメッサーラでも十分強力なMSだと思いますけどねえ」

ジェリド(……とばっちりが俺に来なきゃいいが)


>MSデッキ


ジェリド「バリュートの動作チェックよし、と……これでいつでも降下できるな。まあ、いざとなりゃアーガマのアストナージが大気圏突破できる何か作ってんだろうから、それに便乗すりゃいいか」


「「ジェリド中尉ー!」」

ジェリド「おう、どうした?」

「俺たち、今度の降下作戦に参加することになったんです!」
「ジェリド中尉とご一緒、と聞きまして、ぜひご挨拶に!」


ジェリド「あー……そう、かい」

ジェリド(生け贄に選ばれたのか、俺の足枷にする気か……やれやれ、面倒が増えやがる)

ジェリド「んじゃお前らもバリュートチェックしとけ。動作ミスで燃え尽きました、じゃ笑い話だぞ」

「「はっ! 了解です!」」


ジェリド(ま、俺が死なせねえがな。シミュレーターとは言え、クワトロ大尉にとことんしごかれた俺を嘗めるなよ、バスク……!)



>アーガマ MSデッキ


アストナージ(通信中)「なるほど……はい……はい……わかりました。ではよろしく」


カミーユ「アストナージさん? どこと話してたんです?」

アストナージ「ん? アナハイムからな……新型のロールアウト、降下作戦ギリギリになるらしい。大尉の新型に至ってはどう頑張っても降下後……遅れた詫びに、輸送シャトルにコンテナ積んで降りてくれるそうだ。費用あっち持ちでな」

カミーユ「……あのリックディアスで充分だと思いますけど」

アストナージ「アーガマで整備できる間はな。地上に降りたら戦闘ダメージが貯まって、ガタガタになっちまうだろう……一応、アレを完璧にチューンできるのは俺たちだって自負がある。それだけに、他に任せたらリックディアスの寿命は確実に縮まる……それが分かるのさ」

カミーユ「それで、新型ですか」

アストナージ「大尉のピーキーな操作に耐えうるタフな機体じゃないといけないからな。こっちが送った戦闘データとにらめっこして、かなり頑張ったらしい」
カミーユ「どんな機体なのか、楽しみやら恐ろしいやら……ああ、それからギラ・ドーガ試してみましたけど……なんか、俺には合わないみたいです」

アストナージ「そりゃ残念」

カミーユ「しばらくはまだMK2ですね……」

アストナージ「ソダナー(棒)」

カミーユ「……?」




>MSデッキ


ガトー「夕立、準備はいいか」

夕立「ぽい! 忘れ物もないっぽい!」


クワトロ「……行くのか」

ガトー「ええ……貴方がたの降下作戦に対し、その後顧の憂いを断つのが我らの役目。先んじて赴かせて頂きます」

夕立「雷たちは安心して戦ってくるっぽい!」

雷「うん……夕立も、ガトーさんも気をつけて!」

夕立「ぽい!」

ガトー「心遣い、感謝する……では、これにて御免!」



リックディアス「」ドシュゥゥゥ…





雷「……行っちゃった」

クワトロ「……また、会えるさ」

雷「うん……そうね!」

クワトロ「さあ、我々も降下作戦の準備をせねばな」

雷「よーし! 頑張っちゃうから!」


今回はここまで。
次は3スレ目になります。
皆さんの応援感謝です。次スレもよろしくお願いします。


では、html化依頼出して来ます。

一応次スレへのリンクもどうぞ。
【Zガンダム×艦これ】雷「頑張ったわ、大尉!」クワトロ「すごいな」【その3】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436958531/)


※追加

リーゼントの檜山兵、『コールマン』って名前だそうで……スタッフロールに出てない名前なんか分かるか!
なのでそのまま『リーゼント』でいきます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月09日 (木) 13:50:14   ID: jekhBHCs

こんだけ尽くされればロリコンじゃなくたって落ちるよな

2 :  SS好きの774さん   2015年08月26日 (水) 00:34:36   ID: SubZFtDA

歴史が、宇宙世紀が変わっていく
光が広がっていく・・・(いい意味で)

3 :  SS好きの774さん   2017年09月12日 (火) 21:16:39   ID: tof2TdQI

エリートのジェリドが苦戦するギラドーガを
乗りこなすネオジオン兵って凄くね?

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