八幡「相模南は救いようのないマゾである」 (1000)

これは『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』のSSです


前スレ   八幡「相模南は本当にどうしようもないマゾである」 - SSまとめ速報
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前々スレ 八幡「相模南はどうしようもないマゾである」 - SSまとめ速報
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◇注意点◇

・メインは八幡と相模と葉山と仲町
・台本形式
・キャラ崩壊するかも
・たまにエロ描写あり
・パロネタ多め
・戸塚は天使
・更新は不定期

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413205574


こんばんは!
日曜の夜に投下します!

- 三学期初日 -


八幡(はぁ、今日から再び学校生活が始まるのか。嫌だ。家でずっとアニメ鑑賞と読書していたい)

八幡(学校なんて来たくねぇよ。スカイプ利用してネットで授業でもやってくれねぇかな)

戸塚「八幡、久しぶり! 早いね!」

八幡「おう! 戸塚、久しぶり!!」

八幡(学校に来てよかった。相変わらず戸塚は天使の笑みだな」

戸塚「もう八幡ったら、新学期早々に変なことを言って///」

八幡(あ、声に出てたのか。……照れる戸塚可愛い)

相模「比企谷、うちはどんな笑み?」

八幡「汚れを感じる」

相模「やんっ///」

結衣「みんな、やっはろー!」

戸塚「やっはろー、由比ヶ浜さん!」

相模「はろー!」

八幡「おう」

結衣「てかヒッキー、メールちゃんと返してよ!」

八幡「ちゃんと返したぞ」

結衣「嘘? あ、もしかして……」

八幡「……」

結衣「センターに詰まってた……」

八幡「ほらな、ちゃんと返信していただろ」

結衣「うん。ごめんね」シュン

八幡「」ゾクッ

八幡(なんだ今のは?)

結衣「ヒッキー、怒ってる?」

八幡「いや、怒ってないぞ。気にするな」

結衣「うん。……そういえば最近、メールが上手く受信出来ないんだよね」

相模「壊れてるんじゃないの?」

結衣「そうかも。あたしもスマホに変えようかな……」

相模「うん、そうしなよ。スマホのほうが便利だし」

結衣「そうだね。ママに相談してみる」

戸塚「……」

結衣「さいちゃん、どうしたの?」

戸塚「ううん。由比ヶ浜さん、母親のことママって呼んでるんだと思って」

結衣「あっ」

戸塚「可愛いね」

結衣「うっ///」

相模「戸塚くんもママって呼んでそう」

八幡(確かに)

戸塚「あはは、まさか。僕は母上って呼んでるよ」

八幡「マジか」

戸塚「冗談だよ。普通にお母さんだよ」

相模「なんだ、びっくりした」

結衣「うー、あたしもお母さんって呼ぶようにしようかな」

八幡「いや、由比ヶ浜はそのままでいいんじゃねぇか」

結衣「そ、そう?」

八幡「ああ。ママ呼びの方が馬鹿っぽいし」

結衣「酷い! あたし、馬鹿じゃないし!」

相模「いや、馬鹿でしょ」

八幡「馬鹿だろ」

葉山「馬鹿だな」

戸塚「……」

結衣「みんな、酷い! てか隼人くんも混ざってるし!?」

葉山「やあ、久しぶり。……と言っても冬休みにも会ってるから久しぶりってほどでもないか」

結衣「そだね。初詣以来だね。ヒッキー達とも会ってたの?」

葉山「ああ。比企谷と戸塚とは遊んだし、相模さんとは偶然出くわしてね」

相模「うんうん。確かうちが手錠買った帰りだったかな」

結衣「え? 手錠?」

相模「うん。使いすぎて壊しちゃってね」

結衣「何に使ったの!?」

相模「それは」チラッ

八幡「……」

相模「っ///」

結衣「なんでヒッキーの顔見て、頬を染めるし!」

葉山「まあ、大体は想像つくけどね」

戸塚「そうだね」

結衣「相変わらずさがみんは変態なんだから……」

相模「まぁね」ドヤッ

八幡「それより由比ヶ浜」

結衣「なに?」

八幡「今日、部活あるか雪ノ下から聞いてるか?」

結衣「うん。今日は午前中で終わるからなしだって」

八幡「そうか」

葉山「よし、それじゃ今日はアニメイ〇に行こう」

八幡「いや、先日、うまのほねに行ったばかりだろ……」

葉山「戸塚も一緒に行くけど」

八幡「よし行くか。始業式さぼってもう行こう」

戸塚「八幡、始業式はさぼっちゃ駄目だよ?」

八幡「わかった!」

結衣(あーん、あたしもヒッキー誘いたかったのに……)

相模(むぅ、葉山くんに先を越されちゃった……)

戸塚「……えっと、由比ヶ浜さんと相模さんも一緒に来る?」

結衣「いいの?」

戸塚「うん。二人もいいよね?」

葉山「ああ」

八幡「戸塚の仰せのままに」

結衣「それじゃあたしも行く!」

相模「お邪魔します!」

八幡(しかしアニオタでもないこいつらが来ても楽しいのだろうか)

八幡(いや、戸塚が誘ったんだ。余計なことは考えないようにするか)

相模「てか二人とも部活ないんだね」

葉山「まあね」

戸塚「うちの学校って全部弱小だからね」

相模「そ、そっか……」

葉山「今年の目標は南葛小に勝つことかな」

八幡「あれ? 前に国立目指してるって言ってなかったか?」

葉山「あの時はどうかしてたんだ。大体、部活出身のみで県選抜もいないうちの学校が強豪がひしめく千葉で優勝出来るわけがないだろう」

八幡「お、おう」

葉山「それに七咲との時間もあるからね」

戸塚「部活との両立は大変そうだね」

葉山「まあね。でも七咲の為なら何でも出来る気がするんだ」

結衣「隼人くん、そろそろみんな教室入ってきたから気をつけたほうが……」

葉山「おっと、すまない」

結衣「本当だよ。優美子が今の話を聞いたら死んじゃいそうだから気をつけてよね」

葉山「わかった」

- 放課後 生徒会室 -


副会長「クソ、あのビッチ、新学期初日から仕事押し付けやがって!」

副会長(今日は市松人形買いに行こうと思ったのに……)

副会長(仕方ない。イリヤちゃんを2クール連続で見れることに免じて許してやろう)

副会長(それにしても今期はロリ成分が多いようで何よりだ)

副会長(しかしテイルレッドはどうする? 明らかに幼女だが元は男である)

副会長(だが変身すれば小さくて可愛い女の子だ)

副会長(…………よし、ありだ。元は男でも小さくて可愛い女の子であることは間違いない)

副会長「よし、クソビッチが帰ってくる前にさっさと終わらせるか」


いろは「すみません、クソビッチが戻りましたぁ」ガラガラ


副会長「」

いろは「すみませーん、新学期初日からお仕事押し付けちゃってぇ」

副会長「い、いつから……」

いろは「クソ、あのビッチ、からですよぉ」

副会長「」

いろは「副会長、酷いですよ。わたしがいないところでそんな陰口をするなんてぇ」

副会長「……」

いろは「わたし、悲しすぎて副会長の本性を言いふらしちゃうかもしれないです」

副会長「あ、待って……」

いろは「そういえば、わたし、今日千葉で買い物をしたいんですよねー」

副会長「……」

いろは「沢山買うものがあって、荷物が多くなりそうなんですよ。誰か荷物持ちになってくれる人いないですかねー?」

副会長「……」

いろは「誰かいませんかね?」

副会長「……俺が行く」

いろは「え? いいんですかー?」

副会長「……ああ」

いろは「ありがとうございます。助かります♪」

副会長「……」

いろは「それじゃさっさとお仕事終わらせて下さいね」

副会長(いつか殺してやる!!)

いろは「あ、そうだ。明日なんですけど」

副会長「また何かあるのか?」

いろは「海浜総合の生徒会長覚えてます?」

副会長「……キラか」

いろは「キラ? 玉縄さんですよ」

副会長「だからキラだろ。髪型がデスノートのキラと同じだからキラだ」

いろは「なんですかそれ……」

副会長「それでキラがどうかしたのか?」

いろは「明日、うちの学校に来るみたいなんですよー」

副会長「なぜ?」

いろは「さぁ」

副会長「まさかまた合同イベントをするつもりじゃ……」

いろは「あー、その可能性あるかもですね」

副会長「もし合同イベントの誘いだったらしっかり断ってくれよ」

いろは「え? わたしがですか?」

副会長「生徒会長なんだから当たり前だろ」

いろは「ここは同じ変態の副会長が対応した方がいいんじゃないですかねー」

副会長「俺は変態じゃない。小さい女の子が好きなだけだと何度言えばわかるんだ」

いろは「だからそれを世の中は変態と言うんですよ」

副会長「くっ、この世界は間違っている……」

いろは「間違っているのは副会長ですけどね。あ、これお昼です」スッ

副会長「すまない。いくらだ?」ガサガサ

いろは「別にいいですよ。安かったですし」

副会長「しかし幼女以外から施しを受けるわけには……これは……カップめんっ!?」

いろは「幼女からは受ける気なんですか……。ていうか驚きすぎです……」

副会長(ここでカップめんを。……このビッチ、俺のリアルタイムでの好みを調べて……)ジー

いろは「な、なんですか。見つめすぎです気持ち悪いです通報しますよ」

副会長(アメとムチを使い分けて俺をとことん利用する気だな。だが甘い。俺はその手には引っかからないぞ! しかし……)

副会長「ありがたく頂こう」

いろは「は、はぁ……」

副会長(カップめんに罪はない。俺が消化してやろう)

- アニメイ〇 -


雪乃「あら、奇遇ね」

戸塚「雪ノ下さんも買い物?」

雪乃「ええ」

八幡「へえ、お前もこういう店に来るんだな。まあ、ニャンコ先生のグッズ目的だろうけど」

雪乃「その通りよ。それにしても由比ヶ浜さんと相模さんとここで会うとは思わなかったわ」

相模「うちも」

結衣「あたし達は買い物というよりヒッキー達の付き添いみたいなもんだけどね」

雪乃「そうなの」

戸塚「そういえば葉山くん、何を買いにきたの?」

葉山「ああ。野崎くんとばらかもんをね。どこの書店に行っても入荷待ちの状態で……」

戸塚「そうなんだ。確か八幡の家にあったよね」

八幡「俺はアニメ化前から持っていて、新刊は発売日に買ってるからな」

葉山「これなら放送中に買っておけばよかった」

八幡「甘かったな、葉山。ネタバレを避けるためにアニメ終了後に原作買いする奴らは大勢いるんだ。我慢したのが裏目に出たな」

葉山「くっ!」

結衣「なんかヒッキー、嬉しそう」

相模「さすが比企谷。歪んでるっ///」

八幡「それと雪ノ下も残念だったな」

雪乃「何が残念だったのかしら?」

八幡「お前が夏目友人帳をリアルタイムで見ていて、DVDかBDを当時買っていれば店舗特典のグッズも手に入っただろうに」

雪乃「」

八幡「確かニャンコ先生のグッズもあった気がするな。今じゃもう手に入らないけどな」

雪乃「そ、そんな……」ガクッ

結衣「店舗特典って?」

葉山「DVDとBDの購入時の特典が店舗によって異なるんだ」

結衣「そうなの?」

葉山「ああ。作品によっては店舗特典がないものもあるけどね」

結衣「そうなんだ」

葉山「CDと一緒でアニメ業界も沢山売るために色々工夫をしているんだ」

葉山(でも夏目友人帳って店舗特典あったかな? まあ、いいか)

雪乃「」ショボーン

結衣「ゆきのん、落ち込みすぎだからー!」

相模「雪ノ下さん、元気出して」

雪乃「え、ええ……」

八幡「そうだぞ。それにまだ手に入る可能性はある」

雪乃「っ!?」

八幡「もしかしたらヤフオ〇で売られてるかもしれない」

雪乃「ヤフオ〇?」

八幡「かくかくしかじか」

雪乃「なるほど。そういうものがあるのね」

八幡「まあ、発売されたのは大分前だからオークション掛けられてるかわからないけどな」

雪乃「そうね。でもいい情報が手に入ったわ。ありがとう、比企谷くん」

八幡「お、おう……」

八幡(素直にお礼を言われてしまった。あの雪ノ下に)

葉山(雪ノ下さんが素直にお礼を……。明日は台風かな?)

雪乃「それじゃわたしはお先に失礼するわ」

結衣「うん、またねー!」

相模「また明日!」

- 10分後 -


八幡(BDか。学生の俺にはきついな)

結衣「ヒッキー」

八幡「おう。相模は?」

結衣「なんかエッチなアニメ探してたよ」

八幡「……」

結衣「てかゆきのんの落ち込みよう凄かったね」

八幡「ああ。まさかあんな顔を見せてくれるとは思わなかった」

結衣「そうだね」

八幡「普段強気な奴の絶望をした顔を見ると―――――――」

八幡(見ると……なんだ? 俺は何を言おうとした?)

結衣「ヒッキー?」

八幡「あ、いや、何でもない」

結衣「……?」

- 1時間後 -


葉山「それじゃそろそろ解散しようか」

八幡(さて学校に自転車を置いてきたが一回戻るか。それとも電車で帰るか)

相模「比企谷、帰ろう」

八幡「待て。自転車に取りに戻るか考えてる」

相模「うちがいるから電車で帰ろう!」

八幡「さて、どうするかな」

相模「あん、シカトされちゃったっ///」

結衣「相変わらずポジティブだね。なんか羨ましいや」

相模「まぁね!」

結衣「それじゃまた明日ね」

相模「うん、またね!」

戸塚「また明日」

葉山「気をつけてな」

戸塚「葉山くんはどうするの?」

葉山「俺はデュラハン号を取りに学校に戻るよ」

八幡「なら俺も――――」

戸塚「八幡は相模さんと一緒に帰ってあげたら?」

八幡「戸塚がそう言うなら」

相模(やった。戸塚くん、ありがとう!)

戸塚(どういたしまして)

戸塚「それじゃ僕は寄るところがあるから」

葉山「付き合わなくていいのかい?」

戸塚「うん。長くなりそうだし先に帰ってていいよ」

葉山「わかった」

八幡「暗くならないうちに帰れよ。夜道は危険だぞ」

戸塚「うん。ありがとう」

相模「戸塚くん、またね」

- 千葉駅ホーム -


相模「いやー、新学期早々に比企谷と一緒に帰れてラッキーだよ」

八幡「あ、そう」

相模「その冷たい反応がいいっ///」

八幡「頼むから電車の中では静かにしてくれよ」

相模「安心して。我慢するから」

八幡「安心できねぇ……」

相模「そういえばうち、雪ノ下さんのあんな顔初めて見たかも」

八幡「そうか」

相模「比企谷、楽しそうだったね」

八幡「は?」

相模「だってわざと雪ノ下さんを落胆させるような言い方してたじゃん?」

八幡「……」

相模「いつもなら淡々と事実を述べるだけなのに」

八幡「……」

相模「やっぱり比企谷はSだね!」

八幡(そうなのだろうか……)

相模「この調子でうちのことも沢山苛めてくれると嬉しいな」

八幡(俺ってSだったのか。雪ノ下を苛めたいからあんな言い方をしたのか?)

八幡(……違う。いつもの仕返しをしたかっただけだ。そうに決まっている)

八幡「違う。俺はノーマルだ」

相模「……まあ、そういうことにしておくよ」

八幡「……」

相模「でもね、比企谷」

八幡「……」

相模「Sだからってうちらみたいな変態ってわけじゃないんだよ」

八幡「え」

相模「比企谷の周りに変態が多いだけで、世の中にはSやMの人は沢山いると思うんだよね」

八幡「……」

相模「例えば異性の泣き顔にそそられる人がいたとするでしょ。その人ってSだけどそそられる位じゃ変態とは言えないでしょ?」

八幡「そうだな」

相模「比企谷は物事を極端に考えすぎなんだよ。まあ、うちらのせいかもしれないけど……」

八幡「……」

相模「つまりうちが何が言いたいかと言うとね……」

八幡「……」

相模「比企谷はプチSってこと!」

八幡「」

相模「でもでも、ドSに進化してくれたら嬉しいなって思ったりっ///」

八幡(せっかく感心したのにこいつは……)

相模「ドMのうちを満足させられるかは比企谷の成長に懸かってるっていうか///」

八幡「相模」

相模「なに?」

八幡「黙ってろ」

相模「はいっ///」

八幡「はぁ―――――――――」

- スポーツ店 -


戸塚(どのシューズにしようかな?)


折本「あれ、戸塚くん?」


戸塚「折本さん?」

折本「奇遇だね。シューズ見てるの?」

戸塚「うん。折本さんは?」

折本「あたしはサイクリングのときに着るジャージを買いに」

戸塚「そっか。サイクリングが趣味だったね」

折本「うん。戸塚くん、一人?」

戸塚「うん。さっきまで八幡達と一緒にいたけどね。折本さんも?」

折本「そう。千佳は反対方向だからねー」

戸塚「そっか」

折本「いやいや、最近の千佳の恋愛脳っぷりが半端なくてね。マジうける」

戸塚「あはは、それだけ八幡と順調にいってるってことじゃないかな」

折本「そうだといいんだけどねー」

戸塚「よかったらこの後お茶でもしようか」

- あんてい〇 -


折本「戸塚くんと二人ってのも久しぶりだねー」

戸塚「そうだね。冬休みは楽しく過ごせた?」

折本「バイト三昧だったよ。おかげで結構稼げたけど」

戸塚「そっか。僕はテニスと読書ばかりしてたよ」

折本「読書ってラノベとか?」

戸塚「うん。八幡と葉山くんから借りた本なんだけどね」

折本「うーん、あたしも今度読んでみようかなー」

戸塚「小説は読んでるの?」

折本「ううん。あたし、絵がないと苦手でさー」

戸塚「そっか」

折本「比企谷んちに行ったときに書斎見せてもらったんだけどねー」

戸塚「本が多くてびっくりしたでしょ?」

折本「うん。よくわからない難しそうな本も結構あってさー」

戸塚「八幡はジャンル関係なく色々は本読んでるからね」

折本「葉山くんもそういうの読むのかな?」

戸塚「葉山くんはラノベばっかりだよ」

戸塚(そういえば葉山くんからラノベと一緒に自作SSをプリントされたもの渡されたの思い出しちゃった)

戸塚(帰ったらシュレッダーしないと)


いろは「あれ? 折本さんじゃないですかー」


折本「あ、一色ちゃん。おいっすー」

いろは「どうも。戸塚先輩もこんにちは」

戸塚「あ、こんにちは」

いろは「合同イベントの際はお手伝いありがとうございました」

戸塚「どういたしまして。一色さんも一年生なのに凄かったよ」

いろは「そんなことないですよー。あ、もしかしてデート中でした?」

戸塚「偶然会って、一緒にお茶してるだけだよ」

折本「あたしはそれでいいんだけどねー」

いろは「そうでしたか。もしよかったら相席してもいいですかー?」

戸塚「もちろん。一色さんは一人?」

いろは「いえ。パシ――副会長と二人です」

折本「あれ? 一色ちゃんこそデートだったり?」

いろは「なに言ってるんですか寝言は寝てから言って下さい」

折本「え、あ、うん……」

戸塚「それで副会長さんは?」

いろは「注文待ちです」


副会長「待たせた――――ん?」


戸塚(あ、ロリコンの人だ)

戸塚(確か八幡が近づいちゃ駄目だって言ってたっけ?)

戸塚(でも僕は幼女じゃないから問題ないよね)

- 3分後 -


いろは「一応、合同イベントで顔は合わせてると思うんですけど紹介しますね。うちの生徒会のロリ――副会長です」

副会長(こいつ、今ロリコンて言おうとしやがった!)

副会長「どうも」

折本「折本かおりでーす。よろしく!」

副会長「よ、よろしく」

いろは「えっと、戸塚先輩は副会長と話したことあります?」

戸塚「うん。イベントの時に少しだけ。ね?」

副会長「」ドキッ

副会長「あ、ああ。そうだな」

副会長(不覚にも幼女以外にときめいてしまった……)

折本「二人で買い物でもしてたの?」

いろは「はい。わたしが用事あるって言ったら、副会長がわざわざ付き合ってくれたんですよー」

副会長(なに言ってるんだ? 無理矢理付き合わせたくせに……)

折本「へー、優しいじゃん。生徒会だけじゃなくプライベートもサポートとしてるってことかな?」

いろは「そんなんじゃないですよー」

副会長(サポートじゃなく強制的に服従を命じられてるだけだ)

副会長(あ、そうだ)

副会長「折本さんに聞きたいことがあるんだが」

折本「なになに?」

副会長「明日、うちの学校にキラ――玉縄が来るんだけど何か聞いてないか?」

折本「玉縄くんが? 特に何も聞いてないけど」

副会長「そうか」

副会長(いったい何が目的なんだ)

折本「てかキラって?」

いろは「なんかデスノートのキラと同じ髪型だからキラみたいです」

折本「玉縄くんが? 言われてみればそうかも。ぷはっ、マジウケる!」

戸塚(確かに似てるかも……)

- 10分後 -


副会長「そうか。冬休みから禁書を読んでるのか」

戸塚「うん。とりあえず10巻まで借りたんだけどね」

副会長「新約合わせれば34冊あるからな。大変だな」

戸塚「そんなにあるんだ……。まあ、頑張って読み続けるよ」

副会長「あの作者は化物だからな。ISの作者に爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだ」

戸塚「あはは」


いろは「なんか盛り上がってますね」

折本「だねー」

いろは「ていうか戸塚先輩って本当可愛いですねー」

折本「だよねー。あたし、最初女子と勘違いしたからねー」

いろは「わかります。わたしも初めて見たときに女子と勘違いしましたから」

折本「一色ちゃんも勘違いしたんだ。戸塚くんは女子力も高いからねー」

いろは「そうなんですか?」

折本「あのマフラー、自分で編んだものだって」

いろは「え」

折本「編み物したことある?」

いろは「ありません。する予定もないです」

折本「だよねー」

- 比企谷家 -


八幡「なあ、小町」

小町「なにー?」

八幡「俺ってSなのか?」

小町「いきなり何言ってんの?」

八幡「いや、相模から俺はプチSだと言われてな。小町の意見が聞きたくて」

小町「うーん、小町に対してはMだと思うけど、他の人に対してはSじゃないかな」

八幡「そうか。……小町に対してはMなのか、俺……」

小町「千葉の兄妹ってそんなもんじゃないの?」

八幡「まあ、そうかもな。悪いな、変なことを聞いて」

小町「ううん。小町はお兄ちゃんが鬼畜になっても妹やめないから安心していいよ。あ、今の小町的にポイント高い♪」

八幡「いや、鬼畜にはならないから……」

おまけ~マゾのん~


雪乃「さあ、比企谷くん。好きな道具を使ってちょうだい」

八幡「……」

雪乃「どれでもいいわ。どの道具でもわたしを滅茶苦茶にしていいのよ」

八幡「お前、どこで仕入れたんだ?」

雪乃「愛ゆえに」

八幡「いや、入手方法を聞いてるんだけど」

雪乃「世の中お金さえあれば大抵のものが手に入るわ」

八幡「……」

雪乃「さあ、比企谷くん!」

八幡(逃げよう)

八幡「ちょっとトイレ」

雪乃「……わかった。少し待ってちょうだい」

八幡「……?」

雪乃「はい、どうぞ」アーン

八幡「……口開けてどうしたんだ?」

雪乃「わからない?」

八幡「わからんな」

雪乃「比企谷くん、わたしはあなたのなにかしら?」

八幡「部活仲間か」

雪乃「わたしは比企谷くんの肉便器よ」

八幡「」

雪乃「性欲処理を満たすこと以外に、比企谷くんの生理現象も処理しないといけないのよ」

八幡「つまり……」

雪乃「わたしを便器だと思って放尿しなさい」

八幡「」

雪乃「そして尿を飲みきれないで吐いてしまうわたしを比企谷くんは罵倒するのよ。わたしは便器以下の存在だと!!」

八幡「」

雪乃「その後に髪を掴みながら男子トイレにわたしを引きずっていくの。そして男子トイレの便器を舌で掃除するよう命じるのよ。なんて鬼畜なの……っ!!」

八幡「」

雪乃「最終的には和式便所に顔を突っ込まされ、バックで犯されるのよ。はぁん、たまらないわっ///」

今回はここまで
また今度

こっくりさんのOPの中毒性がやばい
クロスアンジュは中々ぶっ飛んでる
サイコパスは相変わらず面白い

次回は玉縄が奉仕部に襲来

木曜の夜に投下します!
アニメ2期、制作会社変わるのか

                         ハ,,ハ
                       ヘ( ゚ω゚ )ヘ蝶のように
                         |∧

                  ハ,,ハ  / /
                 ( ゚ω゚)/ 舞い
       ハ,,ハ       /(  )
      (゚ω゚ ) 三  / / >

ハ,,ハ    (\\ 三
(/ω゚ )  < \ 三 蜂のように
( /
/ く  舞ってます

- 翌日 昼休み -


相模「今日から午後も授業あるからだるいね」モグモグ

八幡「そうだな」モグモグ

相模「部活は行くでしょ?」

八幡「ああ。行かないと平塚先生に殴られるからな」

相模「うちが部活さぼったら殴ってくれる?」

八幡「さすがの平塚先生も女子は殴らないだろ」

相模「いや、比企谷がうちのこと殴ってくれるかなって」

八幡「殴らないから……」

相模「あはは、だよね。せめてビンタくらいだよね」

八幡「ビンタもしないから……」

相模「比企谷、我慢しなくてもいいんだよ?」

八幡「お前は少しは我慢しろよ」

相模「これでもしてる方なんだけどなー」

八幡「……」

相模「まあ、いいや。そういえば葉山君、今日元気なかったけど、どうしたのかな?」

八幡「久しぶりに女子から呼び出しをくらったそうだ」

相模「つまり告白っ!?」

八幡「そうじゃないか」

相模「そっか。葉山くんはモテるもんね。最近、忘れてたけど」

八幡「中身はアレだが外見はいいからな」

相模「でも可哀相だね。どうせ振られるのに」

八幡「まあ、まさか自分の好きな人が二次元に恋してるとは思ってもいないだろうな」

相模「だよね!」

八幡「ご馳走さん」

相模「お粗末様。今日どうだった?」

八幡「美味しかったが」

相模「そっか」シュン

八幡(え? なんかまずいこと言っちゃった?)

相模「まるで腐りかけの魚の腸みたいだ、って思いっきりこき下ろして欲しかった」

八幡「」

相模「結衣ちゃんが羨ましい。何を作ってもこき下ろしてもらえるんだもん」

八幡(こいつ、結構酷いな)

相模「わざと不味くお弁当作ろうかと思ったこともあるけど、食材が勿体無いもんね」

八幡「そ、そうだな。食物を無駄にするのはよくないな」

相模「うん」

- 教室 -


結衣「優美子」

三浦「どしたん?」

結衣「初詣の時にコロッケ奢ってもらったでしょ?」

三浦「うん。それが?」

結衣「お返しに優美子にコロッケ作ってきたんだー」

三浦「」

結衣「はい、どうぞ♪」

三浦「あっ」

結衣「我ながら上手に出来たと思うんだけど、どうかなー?」

三浦(これがコロッケ? 木炭にしか見えないし……)

三浦「ゆ、結衣。あーし、ちょっとお腹―――――」

結衣「」ワクワク

三浦(うっ、駄目。そんな目で見られたらあーし、食べるしかないし)

三浦「空いてたからちょうどよかったわー。サンキュ」

結衣「うん!」

三浦「」ゴクリ

海老名(合掌)

三浦「」パクッ モグモグ

結衣「ど、どう?」

三浦「……お、美味しい……」

結衣「よかったー。早起きした甲斐があったよー」

三浦「」ゴックン

三浦「はぁはぁ……ちょっとトイレ……」

結衣「いってらっしゃい」

海老名「いってらっしゃい」クスクス

三浦「」ダダダッ


ガラガラ


結衣「優美子、あんな急いで。寒いからトイレ近いのかな?」

海老名「そうかもね」

結衣「よかったら姫菜も食べる?」

海老名「っ!?」

- 女子トイレ -


三浦「おえ゛ぇぇぇぇぇぇ」ビチャビチャ

三浦「げほっ、ごほっ」

三浦(なにをしたらこんな……)

三浦「はぁ、全部戻しちゃったし……」

三浦(結衣、試食してないのかな? それとも味覚オンチなん?)

三浦(週末、うちに呼んで料理教えてあげた方がいいかも)

三浦(あーしの命のために……)

三浦「う゛っ……」

三浦(また吐き気がっ!!)

- 教室 -


葉山「ただいま」

戸部「おかえりー。隼人くん、どこいってたん?」

葉山「ちょっとな」

大岡「まさか女子からの呼び出しとか!?」

葉山「違うよ」

大岡「なーんだ」

葉山(なんでこういう時だけ鋭いんだ……)

大和「顔色悪いけど、風邪か?」

葉山「いや、寝不足だ。昨日、夜更かししちゃってね」

大和「そうか」

葉山「心配してくれてありがとう」

戸部「隼人くんも夜更かしかー。俺と一緒じゃん」

大岡「戸部も?」

戸部「そう。昨日は三時まで絢辻さんと語り合ってたっしょ!」

大岡「そ、そうか……」

戸部「いやー、マジでここまで自分を高めてくれる彼女とか滅多にいないっていうか!」

大和「……」

葉山「お互いを高められる関係はいいよな」

戸部「だしょー?」

葉山「ああ」

葉山(まあ、俺と七咲には勝てないけどな)

- 海浜総合高校 -


折本「ねー、玉縄くん」

玉縄「なんだい?」

折本「今日、総武高校行くって本当?」

玉縄「ああ、本当だよ。誰から聞いたんだい?」

折本「一色ちゃんと副会長さんから。昨日、たまたま会ってさー」

玉縄「そうなんだ」

折本「また合同イベントでもするの?」

玉縄「ううん、違うよ。私事だよ」

折本「そうなんだ」

玉縄「雪ノ下さんに罵倒されに―――会いにいくんだ」

折本(今、罵倒されに行くって言おうとしたよね……)

折本「そっかー。ていうか他校の生徒が簡単に校舎に入れるもんなの?」

玉縄「そうだね。普通は入れないけど僕は生徒会長だし、アポを取れば問題ないよ」

折本「なるほどねー」

仲町(玉縄くん、総武高行くんだ。いいなー、わたしも行きたい)

仲町(あ、でも目立っちゃうし校舎内は無理かも。うん、わたしじゃ無理だ)

仲町(はぁ、比企谷くんが同じ高校なら毎日会えるのになぁ)

仲町(そしたら毎日お弁当作ってあげて、一緒に二人で帰って……)

仲町「えへへ///」ニヘラ

折本「千佳」

仲町(そういえば三階に空き教室があるんだよね。あそこで毎日二人で……)

折本「千佳!」

仲町「ふぁいっ!」ビクッ

折本「どうしたの? 凄いにやけてたけど?」

仲町「な、なんでもない! それよりどうしたの?」

折本「次、体育でしょ。そろそろ着替えに行った方がよくない?」

仲町「あ、そうだね。それじゃ行こっか」

折本「うん」

- 更衣室 -


折本「マラソンとかマジだるいよねー」

仲町「うん。ていうか体育自体が嫌だけど」

折本「千佳は運動音痴だからね」

仲町「うるさい。かおりはいいよね。運動神経いいし」

折本「そうかな?」

仲町「そうだよ」

折本「そっか。でも千佳の方が頭いいじゃん?」

仲町「かおりがあまり勉強してないだけでしょ」

折本「うっ」

仲町「三学期は赤点取らないようにしてよね」

折本「むぅ」

仲町「さっさと着替えないと遅れるよ?」

折本「」ジー

仲町「な、なに?」

折本「やっぱり胸大きくなってるよね?」

仲町「……へ?」

折本「」モミッ

仲町「ひゃんっ!」ビクッ

折本「夏まではあたしとあまり変わらなかったのに」モミモミ

仲町「ちょっ、やめっ……んっ!」

折本「あっ、ごめん。揉みすぎた」

仲町「ごめんじゃないよ! もうっ!! 先に行ってるからね!」

折本「あ、待ってよ!」

- 放課後 生徒会室 -


いろは「まさか雪ノ下先輩に会うのが目的とは……」

副会長「生徒会に用があるというのは名目上か」

いろは「ですねー。でもよかったじゃないですか。面倒なことにはならなさそうで」

副会長「俺たちはな。雪ノ下さんには気の毒だが」

いろは「雪ノ下先輩なら大丈夫ですよぉ」

副会長「それもそうか。奉仕部の部室に案内するだけなら一人で十分だろう。俺は帰っていいか?」

いろは「駄目です」

副会長「なぜ?」

いろは「わたしを変態と二人きりにさせるつもりですか?」

副会長「……俺のことも変態扱いしてなかったか? そうなると現在も変態と二人きりということだが」

いろは「副会長はロリコンだから大丈夫じゃないですかぁ。でも玉縄さんはマゾなんですよね?」

副会長「そのようだが」

いろは「そうするとSっ気があるわたしにも被害が及ぶ可能性があるってことじゃないですかぁ」

副会長「……」

いろは「なので副会長も残っていて下さい」

副会長「いや、でもキラは雪ノ下さんが好きなんだから……」

いろは「わたしの魅力に気付いて、標的がわたしに変わる可能性もあるじゃないですかぁ」

副会長「わたしの魅力(笑)」

いろは「」ピクッ

副会長「」クスッ

いろは「ちょっと放送室に行ってきます」

副会長「え」

いろは「副会長の本性を校内に放送してきますねぇ」

副会長「すみません調子に乗りました許して下さい」

- 奉仕部部室 -


雪乃「比企谷くん、これを見てちょうだい」

八幡「ん?」

雪乃「オークションで落札したニャンコ先生のタオルの画像よ!」

八幡「……」

八幡(うわ、思いっきりぱちもんくせぇ)

八幡「ちなみにいくらで落としたんだ?」

雪乃「10万よ」

八幡「」

相模「10万っ!?」

結衣「すごっ!」

雪乃「一刻も早く手元に欲しかったのよ。明日には自宅に届く予定よ」

八幡「そ、そうか。よかった……」

雪乃「ええ。明日が待ち遠しくて仕方ないわ」

八幡(こんな嬉しそうな雪ノ下は初めて見たな)


トントン


雪乃「どうぞ」


ガラガラ


いろは「失礼しまーす♪」

副会長「失礼します」

結衣「いろはちゃんに副会長さんだー」

八幡(うげ、また面倒事を持ってきたんじゃねぇだろうな)

相模(ぬ? 変態が……二人っ!?)

雪乃「二人とも、どうしたのかしら?」

いろは「えっとですねー、実は雪ノ下さんに会いたい方がいらっしゃいまして……」

雪乃「わたしに?」

副会長「ああ。いいかな?」

雪乃「構わないけれど」

いろは「ありがとうございます。玉縄さーん」

雪乃「え」


玉縄「失礼するよ!」


雪乃「」

相模(玉縄くんっ!?)

八幡(うわ、面倒くさい奴がきやがった……)

結衣「えっと、確か海浜総合の生徒会長の……」

玉縄「うん。玉縄だよ。その節はどうも!」

結衣「あ、うん。どうも」

玉縄「雪ノ下さんもお久しぶりです」

雪乃「……」

八幡(あぁ、天使のような笑顔をしていた雪ノ下の顔が、冷徹で残酷な顔に……)

雪乃「……ええ」

いろは「それじゃわたし達はこれで失礼しますねぇ」

副会長「後はよろしく」

八幡「あ、おい!」

玉縄「二人ともありがとう! 恩に着るよ!」


ガラガラ


八幡(あいつら、爆弾を置いて帰りやがった!!)

雪乃「それでわたしに何の用なのかしら?」ゴゴゴ

玉縄「うっ」ビクン

玉縄(そんな、久しぶりに会ったばかりなのにそんな凍てついた眼で目まれたら……)

玉縄(いきなりエクスタシーになってしまうじゃないかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)

玉縄「あふっ///」

結衣「」ヒクッ

相模(玉縄くん、嬉しそうだね。うちも比企谷にあんな目で睨まれたい!!)

雪乃「人の話を聞いているの? その口はお飾りかしら?」

玉縄「き、聞いてまふっ!」

八幡(雪ノ下、冷気出しすぎだろ。エアコンつけてるのに寒いじゃねぇか)

八幡(早くここから逃げたい。よし、トイレを口実に……いや、5分前に行ったばかりだ。どうする?)


ブルブル


八幡「っ!」

八幡(これは……)

八幡「悪い、電話だ。ちょっと失礼する」

雪乃「…………ええ」

結衣(なんで鞄まで持って? あ、ヒッキー、逃げたな! 卑怯者!!)

相模(さあ、玉縄くんの変態力見せてもらうね!!)

- 廊下 -


八幡「」ポチッ

仲町『あ、比企谷くん。今大丈夫かな?』

八幡「サンキュー! 愛してるぜ仲町さん!」

仲町『』

八幡(本当に助かった。あんな場所に1分たりともいたくなかったからな。ナイスタイミングである)

仲町(え? あ、愛してる? わ、わたしを……っ!?)

八幡「それで何か用か?」

仲町『えっ、あっ、えっと、あのっ……』

八幡「ん?」

仲町(あれ? 比企谷くん普通だ。…………もしかしてわたしの聞き間違い?)

仲町(妄想してたから聞き間違えちゃったんだ。うー、わたしのばかぁ……)

八幡「仲町さん?」

仲町『あ、ごめん。今、玉縄くんがそっちに行ってない?』

八幡「さっき来たぞ」

仲町『そっか。昼休みにかおりが聞いてたんだけど本当に行ってたんだね』

八幡「ああ。雪ノ下に用があるみたいだ」

仲町『雪ノ下さんってあの黒髪の人だよね?』

八幡「そう。うちの部長だ」

仲町『そっか。玉縄くん、凄いな』

八幡「なにが?」

仲町『行動力。好きな人に会いに他校に、しかも校舎なんて入れないよ』

八幡「……まあ、行動力は確かにあるな」

仲町『うん。……あ、ごめん。部活中だったんだよね』

八幡「いや、今から帰るけど」

仲町『え? 帰るの?』

八幡「だってあの場所にいたくないもの」

仲町『そ、そっか……』

八幡「俺がいても意味がないし、玉縄がいたら部活にもならないだろうからな」

仲町『あ、ならよかったらこの後会わない?」

八幡「え」

仲町『……はっ、ごめん。急に言われても困るよね。今の忘れて!』アセアセ

八幡「あ、ああ」

仲町(はうー、わたしったらまたすぐ引き下がって。でも比企谷くんも迷惑だろうし仕方ないよね……)

八幡「……まあ、少しだけならいいけど」

仲町『……っ!』

八幡「どうする?」

仲町『会う!!』

八幡「お、おう……」

仲町『それじゃ17時半に千葉駅前でいい!?』

八幡「は、はい」

仲町『ありがとう。それじゃまた後でね!』

八幡「り、了解」


ツーツー


八幡「元気だな、仲町さん」

- 下駄箱 -


八幡(せっかく早く帰れる機会だったんだけどな)

八幡(はぁ……。いつからこんな他人に気を遣う様になったんだ俺は……)

葉山「比企谷、もう帰りか?」

八幡(こいつの影響か? 違うか)

八幡「ああ」

葉山「早いな」

八幡「ちょっとな。そういえば昼休み、1年の女子に呼び出しくらったんだろ?」

葉山「ああ。久しぶりに告白されたんだけど、やはり振るっというのは慣れないもんだな」

八幡「そうなのか?」

葉山「ああ。それに今回の子はしつこくてね……」

八幡「ほーん」

葉山「俺とは一回も話したことないんだが」

八幡「それなのにお前に告白したのか?」

葉山「恐らく俺の容姿に惚れたんだろう。俺って容姿に優れているから」

八幡「……」

葉山「面食いぽかったから話題を変えて比企谷と戸塚もフリーで好きな人もいないと言ったらあっさり引き下がってくれたよ」

八幡「」

葉山「もしかしたらそのうち告白されるかもしれないが頑張ってくれ」

八幡「おい」

葉山「さて、休憩が終わるから部活に戻るよ。それじゃ!」タタタッ

八幡「おーい」

八幡「……」

- 部室 -


玉縄「お願いします! 僕を雪ノ下さんのペットにして下さい!!」

雪乃「嫌よ」

玉縄「そこをなんとか。なんでもしますから!」

雪乃「何度お願いをされてもわたしの返答は変わらないわ。それよりそろそろ通報していいかしら?」

玉縄「通報!?」

雪乃「変態が校内に紛れ込んでいると」

玉縄「変態っ///」

相模(あ、今のは逆効果だよ、雪ノ下さん)

結衣(帰りたい……)

玉縄「……そう、僕は変態だ! 雪ノ下さんに罵倒されると感じてしまう変態だ!!」

雪乃「」ヒクヒク

玉縄「君を見るだけで僕のあそこは発射寸前だよっ///」

結衣「ひぃっ」

雪乃「本当、気持ち悪いわね……」

玉縄「あふんっ///」

雪乃「」

玉縄「もっと、もっと……僕を罵って下さい……」

雪乃(い、一体どうすれば……)

相模(しょうがない。そろそろ助けてあげるか)

相模「雪ノ下さん」

雪乃「相模さん?」

相模「」ゴニョゴニョ

雪乃「……わかったわ」

玉縄「はぁはぁ……」

玉縄(コネクティブヒナアアアアア。……あっ、間違えた。コネクティブユキノオオオオオオ!!)

雪乃「玉縄くん」

玉縄「はひっ」

雪乃「命令よ。今すぐここから出て行きなさい」

玉縄「……はいっ!」ゾクッ

雪乃「なに震えているの? 早くわたしの視界から消えてほしいのだけれど」

玉縄「い、今しゅぐっ!!」タタタッ


ガラガラ


雪乃「……」

相模「お疲れ様」ポンッ

雪乃「はぁ――――――――――」

- 18時 あんてい〇 -


仲町「ごめんね。急に」

八幡「いや。それより仲町さんの方が家も遠いし大変じゃないか?」

仲町「わたしは家に帰っても読書か勉強くらいしかやることないから」

八幡「そうか」

仲町「比企谷くんから借りたラノベ読んでるんだけど、登場人物多くて覚えるの大変だよ」

八幡「そうだな。視点もころころ変わるからな」

仲町「わたし、池袋行ったことないんだけど行くの怖くなっちゃった」

八幡「いや、実際はいないから大丈夫だろ。カラーギャングも死滅してるだろうし」

仲町「だ、だよね。比企谷くんは池袋行ったことあるの?」

八幡「ないな。秋葉原なら戸塚と葉山の三人で行ったけど」

仲町「秋葉原行ったんだ。楽しかった?」

八幡「ああ。そういえば戸塚がメイド喫茶に行った時にスカウトされてたな」

仲町「メイド喫茶……」

八幡(戸塚のメイド服見てみたかったな)

仲町(なんかにやけてる。……可愛いメイドさんいたのかな?)シュン

仲町(やっぱり男子ってああいうのが好きなのかな?)

八幡「そういえば千葉にもメイド喫茶があると聞いたことがある」

仲町「そ、そうなの?」

八幡「葉山が言ってた」

仲町「そうなんだ」

仲町(バイトしてみようかな。わたしがバイトしたら比企谷くん来てくれるかな?)

仲町(比企谷くんが来たら、比企谷くんに『いらっしゃいませ、ご主人様』って言うんだよね。あ、TVだと『おかえりなさい』って言ってたかも)

仲町(比企谷くんにご主人様……)

仲町「」カァー

八幡「……?」

仲町(駄目。恥ずかしくて言えないっ///)

八幡「顔赤いけどまた風邪か?」

仲町「う、ううん。違うよ!!」

八幡「そ、そうすか。あっ、すみません。もう一杯」

店員「かしこまりました」

仲町「……」

八幡「……?」

仲町「あの店員さん、若いのに白髪だね。染めてるのかな?」

八幡「そうじゃないか。流石にあの若さであそこまでならないだろう」

仲町「だよね」

- 10分後 -


仲町「このお店、初めて来たけど雰囲気いいよね。店員さんも感じいいし」

八幡「そうだな」

仲町「比企谷くん、よく知ってたね」

八幡「葉山から教えてもらった」

仲町「そうなんだ。今度、一人でも来てみようかな?」

八幡「あー、それはやめたほうがいいんじゃないか」

仲町「なんで?」

八幡「あ、いや、ここナンパ通りにある店だし……」

仲町「あっ」

八幡(この子、ナンパされたら断れなさそうだしな。折本と一緒に来た方がいいだろう)

八幡(しかし酷い通称をつけられたもんだ。まるで千葉にナンパする奴が多いみたいじゃねぇか。まあ、福岡の親不孝通りよりマシか)

仲町「……比企谷くん、わたしがナンパされたら困る?」

八幡(それにしても本当にここのコーヒーは美味しいな。仲町さんの言ったとおり雰囲気もいいし、ここで読書というのもありかもしれない)

八幡(しかし俺も一人で歩いてたらナンパされそうだ。主に不良や美人局さん達に)

八幡(やはり一人で来るのはやめよう)コクリ

仲町「……っ!」

仲町「そ、そっか。そうなんだっ///」

八幡「ん?」

仲町(困ってくれるんだ。これって少しはわたしのこと意識してくれてるってことだよね?)

仲町「そっか、そっか///」

八幡(また顔が赤くなってる。暖房効き過ぎてるのかもしれない。確かに俺も少し暑くなってきたかもしれん)

八幡(あ、単純にヒートテック三枚も重ね着してるからだった。てへっ☆)

仲町「比企谷くん!」

八幡「はい?」ビクッ

仲町「わたし、学校で男子と全く喋らないから」

八幡「……そ、そうか」

八幡(やはり元ぼっちだけあって異性とコミュニケーションを取るのは苦手なんだろうな。俺もあいつらに出会う前は女子と会話するの緊張しまくりだったからな)

仲町「だから……その……」

八幡「その?」

仲町「あ、あ、あ……あん……」

八幡(あん?)

仲町「……なんでもないです……」

仲町(うぅぅ。安心してね、って言えなかったぁぁぁぁぁぁぁああ!!)

八幡(なにを言おうとしたんだ? わたし、気になります!)

- 千葉駅 -


仲町「そ、それじゃまたね」

八幡「気をつけてな」

仲町「うん。比企谷くんも」

八幡「ああ」

仲町(はぁ……。わたしって本当肝心なところで駄目だよね……)テクテク

八幡「あ、ちゃんと前見ないと……」


ドンッ


仲町「きゃっ!」ドテッ

八幡(敢えて言ったはずだ。前を見ろと……)

仲町「いたた……。ごめんなさい……」

通行人「あ、いえ」スタスタ

八幡「仲町さん、大丈夫―――――」

仲町「あ、大丈夫。ごめんね、心配掛けちゃって……」

八幡「あ、いや……」

仲町「……比企谷くん、横向いてどうしたの?」

八幡「あ、その……」

仲町「なに?」

八幡「見えてる」

仲町「…………へ?」

八幡「///」ポリポリ

仲町「あっ……。きゃあっ!!」バッ

八幡(白と青のストライプか)

仲町「うっ……///」

仲町(比企谷くんにパンツ見られちゃったぁ……)

仲町(かおりに胸揉まれて、比企谷くんにパンツ見られるなんて厄日だよぉ……)

八幡「とりあえず起き上がったら?」

仲町「う、うん。ごめんなさい。痛っ」

八幡「手でも擦りむいたか?」

仲町「」コクリ

八幡「それじゃトイレで手を洗ってきた方がいいんじゃないか? 鞄持ってるから」

仲町「うん」

- 5分後 -


仲町「ごめん。お待たせ」

八幡「絆創膏持ってないのか?」

仲町「うん」

八幡「仕方ない」ガサガサ

仲町「ん?」

八幡「ほれ」スッ

仲町「ありがとう。比企谷くん、絆創膏常備してるの?」

八幡「まぁ。最近の高校生は絆創膏持つのが流行ってるんだよ」

仲町「くすっ、そうなんだ」

- 5分後 -


仲町「それじゃ今度こそまたね」

八幡「ああ」

八幡(心配だからホームに上がるまで見ておくか。仲町さんにはドジっ娘属性があるようだからな)ジー

仲町(はぁ。千葉駅って階段長いから疲れるなぁ)

八幡「」ジー

仲町(なんか視線が……)クルリ

八幡「」ジー

仲町(比企谷くん? なんでずっと見てるの!?)

八幡(あー、階段で振り返るな。危ないじゃねぇか)

仲町(えっと、なんだろ。真剣にわたしのこと見上げてるけど……。ん? 見上げてる?)

仲町(も、もしかして……わたしのパンツが見たいのかな……///)

仲町(いやいや、ないない。比企谷くんに限ってそれはないよ!!)

仲町(で、でももしそうなら、どうしよう……。でも付き合ってもないのにわざと見せるなんて……)

仲町(とりあえず気になるから本人に聞いてみよう)

仲町「」タタタッ

八幡(あれ? 戻ってきたぞ?)

仲町「比企谷くん、どうしたの?」

八幡「え」

仲町「ずっとわたしのこと見上げてたから気になって」

八幡「あー、階段でこけないか心配だから見守ってた」

仲町「」

八幡「ん?」

仲町「そ、そっか。そうだったんだ……」

八幡「ああ」

仲町(わたし馬鹿みたい。かおりの言ったとおりむっつりなのかな……)ズーン

八幡「電車そろそろ来るけどいいのか?」

仲町「あ、うん。帰るよ……」

仲町(比企谷くん、変なこと考えてごめんなさい……)

今回はここまで
また今度

10巻はページ数少なくてちょっとがっかり

。゚。∧_∧゚。 ゚。゚
゚ 。(・ω・)。 ゚。 ゜マダー?
。゚ミミミミミミミミ゚ 。 。
。 ゚( : )。゚。 。
⌒~⌒~ ~⌒~⌒

。゚。∧_∧゚。 ゚。゚
゚ 。(・ω・)。 ゚。 ゜マダー?
。゚ミミミミミミミミ゚ 。 。
。 ゚( : )。゚。 。
⌒~⌒~ ~⌒~⌒

今晩は。明日の夜に投下します。

だけれど

- 1月上旬 総武高校 -


結衣「姫菜、やっはろー!」

海老名「結衣、はろはろ」

結衣「……優美子からメール来たんだけど今日も休みだって……」

海老名「そ、そっか」

結衣「優美子、大丈夫かな? もう三日も休んでるし……」

海老名「……」

結衣「あ、そうだ! 明日お見舞いにクッキーでも持ってこうかな」

海老名「……っ!」

結衣「うん。今日手ぶらで行くよりそうしよう!」

海老名「ゆ、結衣。それはやめた方がいいんじゃないかな……」

結衣「どうして?」

海老名「え、えっと……きっと食欲ないだろうし……」

結衣「そっか。そうだよね」

海老名「」ホッ


葉山(姫菜も大変だな。他人事でよかった)

戸塚「三浦さん、大変だね」

葉山「そうだな」

八幡「三日もいなかったのか。気付かなかった。風邪か?」

葉山「違う。結衣の手作りクッキーを食べたのが原因だ」

八幡「……っ!」

戸塚「そ、そうなんだ……」

葉山「あの優美子を三日もダウンさせるなんて恐ろしい子だよ」

八幡(どうやってクッキー食べさせて三日もダウンさせられるんだ? 帝具でも使って調理してんの?)

葉山「比企谷も気をつけた方がいい」

八幡「いや、既に被害にあってるけどな」

戸塚「あー、二学期の時だよね」

葉山「あれか。あの時は面白かったな」

八幡「面白くねぇよ。お前が由比ヶ浜に嘘をつくから大変なことになったんだぞ」

葉山「calmato比企谷」

八幡「落ち着いてるよ」

戸塚「そういえば相模さん、今日は遅いね」

八幡「そういえばそうだな」

戸塚「もうチャイム鳴るけど休みかな?」

八幡「だったら今日は平和に過ごせるんだけどな」

戸塚「もうそんなこと言って。相模さんが可哀相だよ」

葉山「いや、彼女はマゾだから喜ぶんじゃないかな?」

戸塚「あ、それもそうだね」

八幡(戸塚も本当に順応してきたな……)


ガラガラ


相模「ぜぇぜぇ。……間に合った……」

戸塚「相模さん、おはよう」

相模「お、おはよ……」

葉山「随分と息が荒れてるね」

相模「寝坊しちゃって駅から走ってきたから……」

葉山「そうか。お疲れ様」

相模「うん。比企谷、ごめん。寝坊したから今日はお弁当作れなかった……」

八幡「そ、そうか。謝ることないぞ」

相模「そうだけどちゃんと食費も貰ってるし。だからうちのこと怒って欲しいな♪」

八幡(またこの流れか)

相模「もうチャイム鳴るから、昼休みに弁当も作れない雌豚をお仕置きしてね」

八幡「断る」

相模「道具は何を使ってもいいから」

八幡「持ってねぇよ」

相模「それじゃまた後で」

八幡「おい」

葉山「さすが相模さん。ぶれないね」

戸塚「なんだかかっこよく見えてきたよ」

八幡「戸塚、今日は俺と一緒に眼科に行こう」

- 昼休み -


葉山「比企谷、購買に行くんだろ?」

八幡「ああ」

葉山「俺も今日は弁当がないから一緒に行くよ」

八幡「そうか。母親が寝坊でもしたのか?」

葉山「いや、このもんが切れちゃってね」

八幡(卵は卒業したのか)

相模「待って。うちも行く!」

葉山「うん」

八幡「そういえば購買に行くのは久しぶりだな。やっぱり混んでるのか?」

葉山「そうじゃないかな。まあ、売り切れることはないだろうけど」

- 購買 -


相模「うわっ」

八幡「すげぇな」

葉山「そうだね」

葉山(これは予想以上だ。あれが買えないかもしれない……)


ワーワー


生徒A「おばちゃん、焼きそばパン一つ!」

生徒B「こっちはおっぱいプリンを!」

生徒C「サンデーGX!」

八幡(え? 雑誌も売ってんの? 市立なのに凄ぇなこの学校)

葉山「やれやれ。思ったより混んでるな」

相模「そうだね。待つしかないよね?」

八幡「そうだな」

葉山「いや、この人数だと人気のパンがなくなる可能性がある」

八幡「買いたいパンあるのか?」

葉山「ああ。……仕方がない。強硬手段に出よう」スッ

八幡「……ん?」

相模「葉山くん、それってモデルガ―――」


パンッ!!


「……ッ!?」

生徒S「な、なんだ?」

生徒E「なんなの?」

生徒X「葉山くんだっ///」

葉山「コッペパンを要求する!!」

八幡「」

相模「」

「」

葉山「さあ、比企谷と相模さんも早く――――」

八幡「馬鹿野郎!」グイッ

葉山「……あれ?」

八幡「相模、行くぞ!」ダダダッ

相模「う、うん!」タタタッ

- ベストプレイス -


葉山「なにをするんだ。まだコッペパンを買ってないじゃないか」

八幡「アホか! おまえ、何やってんだよ!」

相模「そうだよ。校内でモデルガンなんて!」

葉山「モデルガンじゃないよ。これはスターターピストルさ」

相模「なんだ、モデルガンじゃないんだ。だったら安心だね」

八幡「安心じゃねぇよ。後で平塚先生から呼び出しくらうぞ?」

葉山「……平塚先生の存在を忘れていた。最近、霊圧が消えかけていたから……」

八幡「それ、平塚先生の前で言うなよ。流石の葉山でも俺みたいに殴られるぞ」

葉山「比企谷、俺の代わりに殴られてくれないか?」

八幡「お前、本当にいい性格してるよな」

葉山「まぁね」

相模「それよりお昼どうしよっか?」

八幡「そうだな。どこかの馬鹿のせいで購買には行きづらくなったしな」

葉山「確かに行き辛いかもしれない。でも羞恥心がない相模さんなら大丈夫じゃないか?」

相模「いや、さすがのうちでも行き辛いから! それに羞恥心がなくなるのは比企谷の前だけだからね!」

八幡「お、おう……」

葉山「比企谷、どうする? お昼なしで午後の授業を乗り越えるのは無理だ」

八幡「知らねぇよ。そもそもお前が原因だからね?」


戸塚「あれ? 三人そろってどうしたの?」


八幡「戸塚か!?」

- 1分後 -


戸塚「なるほどね。それじゃ僕が買ってきてあげようか?」

八幡「いいのか?」

戸塚「うん。余ものしかないと思うけどそれでいいのなら」

八幡「助かる」

八幡(さすがマイラブリーエンジェルさいか)

相模「戸塚くん、ありがとう」

葉山「すまない」

戸塚「ううん。それじゃ適当に買ってくるよ」

八幡「ああ、頼んだ」

戸塚「頼まれました」ニコッ

「」ドキッ

戸塚「それじゃ待っててね!」タタタッ

八幡(戸部の笑顔:5円、葉山の笑顔:15円、戸塚の笑顔:priceless)

八幡(お金で買えない価値がある。買えるものはry)

相模「てか葉山くん、あんなことして大丈夫なの?」

葉山「さすがに殴られるのは嫌かな……」

相模「そうじゃなくて葉山くんの評判っていうの? 葉山くん、中身はこんなんだけど優等生でとおってるでしょ?」

葉山「こんなんとは酷いな」

八幡「いや、こんなんだろ」

葉山「比企谷まで。まあ、いいか。大丈夫だよ。優等生がたまにハメを外したくらいにしか思われてないさ」

相模「そっか」

葉山「それに最近は比企谷と戸塚のステマをしてるからね。俺のファンも結構減ってきたんじゃないかな?」

八幡「おい、ステマってなんだ?」

葉山「何でもない。気にしないでくれ」

八幡「いや、気にするから。なんで面倒事増やすの? 俺に恨みでもあるの?」

葉山「まさか。比企谷に恨みなんてないさ。ただ俺の面倒事を減らそうと思って比企谷と戸塚に犠牲になってもらうだけだよ」

八幡「俺も他人のことは言えないが、中々のクズだな」

葉山「やめてくれ。照れるじゃないか」

八幡「褒めてないから」

相模「比企谷、うちのこともクズって言って!!」

八幡「黙ってろ無能」

相模「あんっ///」

- 放課後 生徒指導室 -


平塚「葉山、比企谷、相模。呼ばれた理由はわかっているな?」

葉山「はい!」

八幡「いや、なぜ俺と相模まで……」

相模「そうですよ。うちらは無実です!」

平塚「連帯責任だ」

葉山「そうだよ」

相模「そんな……」

八幡「便乗してんじゃねぇよ」

平塚「それで何故あんなことをしたんだ?」

葉山「そうだ。比企谷、何故あんなことをしたんだ!?」

八幡「お前だよ!!」

平塚「葉山、いいから理由を言いなさい」

葉山「実は俺はコッペパンとコーヒーしか美味しいと感じなくなってしまって……」

八幡「お昼にアンパン食べてただろ」

葉山「……実はいつも売れて残ってるコッペパンが可哀相で。美味しいのにいつも売れ残る。売れるのは焼きそばパンやカレーパンばかりで……」

平塚「……」

葉山「別にナンバーワンにならなくてもいいんです。ただ、コッペパンも元々特別なオンリーパンだと皆にわかって欲しかったんです」

平塚「はぁ……」

八幡「先生」

平塚「なんだ比企谷」

八幡「殴らないんですか?」

平塚「わたしが殴るのは比企谷、君だけだよ」

八幡(なにそのいらないひいき)

相模「比企谷」

八幡「……なんだ?」

相模「うちを殴っていいのも比企谷だけだよっ///」

平塚「」ピクッ

八幡「あ、そう」

平塚「……比企谷」

八幡「は、はひっ」ビクッ

平塚「今の相模の発言はどういうことだ?」

八幡「い、いや、今のは――――――」

葉山「比企谷と相模さんがアブノーマルな関係だからだよね」

平塚「」

相模「うんっ///」

八幡「おいっ!」

葉山(二人を道連れにしてよかった。俺の為に犠牲になってくれ)

平塚「比企谷、相模を更正させるために奉仕部に入部させたというのにどういうことだ?」ピキピキ

八幡「ひっ」

平塚「確か以前にも由比ヶ浜と保健室で抱き合っていたことがあったな。それも由比ヶ浜が上着を脱いだ状態で……」

相模「なにそれうち聞いてない!」

八幡「うっ……」

葉山「それでは自分はサッカー部の練習があるのでお先に失礼します」

平塚「うむ」

八幡「お、おい、逃げるな!」

葉山「失礼しました!」タタタッ

八幡「この裏切り者っ!!」

- 奉仕部 -


結衣「ヒッキーとさがみん、遅いね」

雪乃「そうね。それより音楽を流していいかしら?」

結衣「うん、いいよ。でも部室にラジカセとかあったっけ?」

雪乃「ええ。最近は使用していなかったけれど、由比ヶ浜さん達が入部する前は音楽鑑賞しながら読書をしていたのよ」

結衣「そうなんだ。なに聞くの? ゆきのんのことだからクラシックとか?」

雪乃「いいえ。夏目友人帳のサントラよ」

結衣「」

雪乃「なんとドラマCD付きなのよ。部室でニャンコ先生の声が聞けるなんて最高だわ!」

結衣「う、うん……」

雪乃「主題歌もいいのだけれど、BGMが秀逸で―――――――――」

- 30分後 -


相模「ごめん、遅くなっちゃった!」ガラガラ

八幡「……」

結衣「やっと来た。二人とも遅いよ!」

相模「ごめん。平塚先生に捕まっちゃって」

雪乃「あら? また問題でも起こしたのかしら?」

相模「起こしたのは葉山くんでうちと比企谷は巻き添えを食っただけだよ」

結衣「そうなんだ。隼人くんが。……珍しいね」

相模「うん」

雪乃「そうね」

雪乃("アレ"以降は学校では大人しくしていたようだけれど。比企谷くん達と交流して本性を隠せなくなってきてるのかしら)

結衣「てかヒッキー、どうしたの? 顔色悪いよ?」

八幡「あー、平塚先生のいいのをもらってな……」

- 10分後 -


相模「今日も依頼来ないね」

結衣「特にイベントもないからねー」

相模「イベントねぇ。確かに一月は何もないよね」

結衣「うん。そういえばヒッキー」

八幡「ん」

結衣「小町ちゃんの調子どうなの?」

八幡「まぁまぁじゃねぇの」

結衣「なにその微妙な感じ?」

八幡「本人のプレッシャーになるからあまり聞かないようにしてんだよ」

結衣「あー、なるほど」

八幡「まあ、戸塚のおかげで理数系はいい感じだと思うが」

結衣「なんでさいちゃんが出てくるの?」

八幡「冬休みに小町に勉強を教えてくれたんだ」

結衣「へー、そうなんだ。初耳だよ」

相模「うちも」

八幡「別に教える必要ないだろ」

結衣「言ってくれればあたしも協力したのに」

八幡「え? 小町を落とさせる気かよ……」

結衣「どういう意味だし!」

相模「まあ、結衣ちゃんが教えても……ねぇ」

結衣「さがみん!?」

雪乃「そうね。由比ヶ浜さんには他人に教えられるほどの学力ないものね」

結衣「はっきり言われちゃったっ!!」ガーン

八幡「……」

八幡(由比ヶ浜はこう皆に馬鹿にされてる感じが輝いてるな。……いや、何を考えてるんだ俺は……)

結衣「みんな酷い……」グスッ

八幡「」ゾクッ

八幡(女子の泣き顔はそそられる……だから何を考えてるんだ俺は……)

八幡(やっぱり俺はエスデス。いや、拷問とか興味ねぇし違うな)

八幡「そういえばさっきから流れてる音楽聞いたことあるな」

雪乃「でしょうね。なぜなら夏目友人帳のサントラだもの」

八幡「あー、夏目か。懐かしいな」

雪乃「癒されるわ。この音楽の力で相模さんの変態係数も下がってくれればいいのだけれど」

相模「甘いよ、雪ノ下さん。うちは音楽程度じゃ影響は受けないよ」

雪乃「あくまで希望よ。あなたが手遅れなのは知っているわ」

相模「そっか///」

雪乃「だからなぜそこで照れるのかしら。あー、どうしようもない変態だから仕方ないのね」

相模「うん、そうだよ!」

八幡(今日の雪ノ下はノリがいいな。BGMのおかげか?)

結衣「ヒッキー、ヒッキー」ツンツン

八幡「んだよ」

八幡(つんつんしないでよね。摘突詰を思い出しちゃうだろ)

結衣「ヒッキー達来るまでこのBGMの素晴らしさに30分近く語られたんだけど……」ボソボソ

八幡「ずっと流してるのかよ。よく飽きねぇな」ボソボソ

結衣「ゆきのんが飽きるわけないじゃん。もう夏目を5周してるんだよ」

八幡「そ、そうか……」

結衣「まー、楽しそうだからいいんだけど、付き合うこっちの身が持たないかも……」

八幡「まあ、頑張れ」

結衣「頑張れじゃなくてヒッキーも助けてよ。週末また自宅に誘われてるんだけど……」

八幡「……」

結衣「OVA買ったから5回見ましょうって言われたし……」

八幡「……わかった。駄目もとで試してみるか」

結衣「なにを?」

八幡「まあ、見てろ。雪ノ下」

雪乃「なに?」

八幡「聖地って知ってるか?」

雪乃「いいえ」

八幡「それじゃ説明してやる」

- 5分後 -


雪乃「なるほど。理解したわ。聖地巡礼というものがあるのね。けれど、わたしに何が関係あるというのかしら?」

八幡「夏目友人帳の聖地なんだが」

雪乃「あるというの!?」

八幡「ああ。熊本県だ」

雪乃「っ!?」

八幡「PC借りるぞ」

雪乃「……」

八幡「ほら、沢山出てきただろ」

雪乃「本当だわ」

八幡「アニメを繰り返し見るのもいいが、たまには聖地巡礼してみたらどうだ?」

雪乃「……そうね。さっそく週末を利用して行ってくるわ」

八幡「マジで!?」

八幡(行動力ありすぎるだろ)

雪乃「ええ。由比ヶ浜さん、ごめんなさい。OVA鑑賞はまた今度でいいかしら?」

結衣「う、うん。全然いいよ!!」

相模(結衣ちゃん、凄い嬉しそう)

相模「……ん? でも大丈夫なの?」

雪乃「なにがかしら?」

相模「雪ノ下さん、方向音痴でしょ。いきなり熊本なんて行って一人で巡礼出来るの?」

八幡(あっ、完全に忘れてたわ)

結衣(確かに迷子になる姿しか想像出来ないかも)

雪乃「し、失礼ね。わたしが方向音痴? 相模さん、冗談は性癖だけにしてちょうだい」

相模「うちの性癖冗談じゃないんだけど……」

雪乃「知らない土地で道を間違えるのは誰にでもあることよ」

八幡「いや、知ってる土地でも間違えただろ、お前」

雪乃「」

八幡「まあ、今はアプリもあるし大丈夫じゃねぇの?」

雪乃「そ、そうね。なくても問題ないけれど念のためにそのアピュリとやらを使わせてもらうわ」

- 下駄箱 -


結衣「ヒッキー、ありがとう。助かったよ」

八幡「別に。俺は雪ノ下に情報を伝えただけだ」

結衣「そうだけど助けてくれたことには変わりないし。ありがと♪」

八幡「……」

結衣「えへへ。お礼になにか奢ろうか?」

八幡「奢らなくていい。それより相模と雪ノ下は?」

結衣「ゆきのんは職員室に鍵を返しに、さがみんはトイレでアレでもしてるんじゃないかな?」

八幡「あ、そう……」

八幡(もう全員相模の更正諦めてるんじゃないの?)

八幡(あ、そうだ。葉山の下駄箱にゴミでも入れておこう。軽い仕返しである)

八幡(帰ったら絶対許さないノートに書かないと)

- 駐輪場 -


八幡(今日も疲れたな。帰って本を読んで癒されよう)

八幡(あん? 籠にマッカンが?)

八幡(今日酷い目にあった俺に神様からのプレゼントだろうか?)

八幡(……葉山からかよ。今日のお詫びだと?)

八幡(こんなんで許されると思ってるのかよ)

八幡「……」

八幡(いや、まぁ、ありがたく頂くけどね。別にマッカンには罪はないし)

八幡「……さて、帰るか」


相模「あ、比企谷!」


八幡「なんだ?」

相模「駅まで乗せてって!」

八幡「無理」

相模「なんで?」

八幡「二人乗りは法律で禁止されているから」

相模「なら大丈夫。うち、雌豚から一人+一頭乗りだよ」

八幡「」

相模「さあ、レッツゴー♪」

八幡「……お前には敵わないな……」

相模「なにか言った?」

八幡「なんでもねぇよ」

- 移動中 -


相模「ハァハァっ///」

八幡「おい」

相模「なに?」

八幡「鼻息荒くて気持ち悪いんだけど」

相模「あふんっ///」

八幡「それと胸を押し付けるな。動悸が酷くなる」

相模「だって仕方ないじゃん。比企谷と密着するの久しぶりなんだし」

八幡「いや、運転してるんだから危ないだろ。転倒したらどうすんだよ」

相模「うちが傷物になる!」

八幡「……」

相模「比企谷が付けてくれた傷だから一生の宝物になるかも///」

八幡(駄目だ。理解が完全に追いつかない。どんどん離されているまである)

- 駅前 -


相模「到着♪」

八幡「はぁはぁ」

相模「なんで比企谷が息切れしてるの?」

八幡「お前が運転中に悪戯してきたからに決まってるだろ!」

相模「うち、悪戯なんてしてないよ。求愛行動してただけだし」

八幡「耳を甘噛みしたり、首を舐めたり、変な声を出したりするのが求愛行動なのか。初めて知ったんだけど」

相模「ならよかったね。知識が一つ増えたってことじゃん」

八幡「」イラッ

相模「それじゃまた明日ね!」タタタッ

八幡「ああ」

八幡「……」

八幡(本当に疲れた……)

おまけ~マゾのん~


雪乃「さあ、早く放尿しなさい」

八幡「……」

八幡(出来るわけないでしょ……。ここは話をそらして逃げるか)

八幡「なあ、雪ノ下」

雪乃「なに?」

八幡「あの道具、どうやって使うんだ?」

雪乃「別に遣い方は比企谷くんの好きにしていいけれど」

八幡「いや、俺は知識がないからな。教えてくれよ」

雪乃「そうね」

八幡(とりあえず話を逸らすことは出来たな)ホッ

雪乃「例えばペンチだけれど。わたしの理想のシチュエーションは、まず比企谷くんがわたしに無理矢理フェラさせるの」

八幡(また妄想が始まってしまった)

雪乃「けれど慣れてないわたしはつい歯を立ててしまうのよ。そして怒った比企谷くんは罰としてわたしの歯を抜くのっ///」

八幡「」

雪乃「麻酔もしないで無理矢理、抜歯させられるなんて。どんなに痛いのかしらっ///」

八幡(バイオレンス過ぎる。雪ノ下の中に誰かいるの?)

今回はここまで
また今度

今日はSHIROBAKOだひゃっほー
2期キャラデザインがとあるシリーズの人になるけど、どんな感じになるんだろうか

今晩は
今日の22時から23時くらいに投下しますね

- 2月上旬 比企谷宅 -


葉山「そういえばそろそろあの時期だな」

八幡「あの時期?」

葉山「ほら、あれだよ。テニプリのキャラソンが毎年発売される……」

八幡「バレンタインか」

葉山「そうだ」

八幡「なんであれ毎年同じ曲で出すんだろうな」

葉山「それは姫菜みたいな女子の為じゃないかな?」

八幡「まあ、そうだよな」

葉山「比企谷は最低でも三個は貰えるんじゃないかな?」

八幡「さぁな」


ギー


戸塚「終わったよ」

八幡「おう、悪いな戸塚。また小町の勉強見てもらって」

戸塚「ううん。もう入試が近いからね」

八幡「もう10日切ったんだよな……」

葉山「心配かい?」

八幡「そりゃそうだろ。妹を心配しない兄は千葉にはいねぇよ」

葉山「そうだね」

戸塚「そういえばさっきなんの話してたの?」

葉山「バレンタインだよ」

戸塚「あー、そっか。小町ちゃんの入試日の翌日だよね」

八幡「そうだな。今年は小町からは貰えないな」

戸塚「仕方ないよね。でも由比ヶ浜さん、相模さん、仲町さんから貰えるからいいじゃない」

八幡(名前まで言われちゃったよ)

葉山「戸塚は誰かにあげないのかい?」

戸塚「もう、僕は男の子だよ。もらう方だもん!」

八幡(やべ、可愛い……)

葉山「はは、冗談だよ」

葉山「やめてくれ……」

戸塚「冗談だよ」ニコッ

八幡(羨ましい。俺も戸塚に脅されたい。脅されて踊らされたいまである)

戸塚「そういえば葉山くんは去年、何個貰ったの?」

葉山「多分30個くらいじゃないかな?」

戸塚「そんなにっ!?」

八幡「どう処分したんだ?」

葉山「処分なんて俺がするわけないじゃないか。全部一口ずつ食べてから廃棄したよ」

八幡「処分してるじゃねぇか」

葉山「だって全部食べられるわけないだろ。お腹壊すし虫歯にもなってしまうじゃないか」

>>301訂正

戸塚「全く。……七咲さんとのSS、学校で晒しちゃうよ?」

葉山「やめてくれ……」

戸塚「冗談だよ」ニコッ

八幡(羨ましい。俺も戸塚に脅されたい。脅されて踊らされたいまである)

戸塚「そういえば葉山くんは去年、何個貰ったの?」

葉山「多分30個くらいじゃないかな?」

戸塚「そんなにっ!?」

八幡「どう処分したんだ?」

葉山「処分なんて俺がするわけないじゃないか。全部一口ずつ食べてから廃棄したよ」

八幡「処分してるじゃねぇか」

葉山「だって全部食べられるわけないだろ。お腹壊すし虫歯にもなってしまうじゃないか」

八幡「まあ、そうだけどな」

葉山「俺にインなんとかさん並の胃袋があれば……っ!!」

八幡「戸塚も結構貰ったのか?」

戸塚「僕は20個くらいかな?」

八幡「結構貰ってるな」

戸塚「全部義理チョコだけどね」

葉山「戸塚は全部食べたのか?」

戸塚「流石に僕一人じゃ無理だから家族全員で時間をかけて食べたよ」

葉山「偉いな」

八幡「さすが戸塚だ。ゴミ葉山とは大違いだな」

葉山「ゴミなんて酷いじゃないか。比企谷は何個貰ったんだい?」

八幡「一個だけど?」

戸塚「小町ちゃんから」

八幡「ああ。小町からのチョコ一個で義理チョコ百個分の価値がある。今の八幡的にポイント高い」

葉山「やはり千葉の兄妹がいうと説得力があるな」

戸塚「そ、そうかな。でも兄妹が仲良いのはいいことだよね」

葉山「ヨスガらないか心配だけれどね」

戸塚「ヨスガる?」

八幡「大したことじゃない。戸塚、気にするな」

戸塚「う、うん」

葉山(相変わらず純情派だね。戸塚は今クールにエロゲ原作のアニメが四本もやってるとは知らないだろうな)

八幡「そういえば何で今日俺んちに来たんだ?」

葉山「コックリさん録画し忘れたから見に来たのさ」

八幡「そういえばそういうこと言ってたな。んじゃさっさと見たら帰ってくれ。戸塚は泊まってっていいぞ。何なら一緒に風呂入るか?」

戸塚「な、何言ってるのさっ///」

葉山(俺と戸塚の扱いの差が酷い件)

- 25分後 -


戸塚「なるほど。あの花瓶は苛められてるわけじゃなかったんだね」

葉山「苛めてるつもりなんだろうが構って欲しいんだな」

八幡「そうか。俺も小学生の時に花瓶が置いてあったことがあったがあれは友達になって欲しかったのか」

八幡(花言葉を勉強しておけばよかったぜ。八幡、勘違いしちゃってたよ)

葉山「比企谷……」

戸塚「八幡……」

八幡「んだよ」

葉山「今度、サイゼ奢ってあげるよ」

戸塚「僕も」

八幡「なんで急に優しくするんだよ……」

- 相模宅 -


相模「二人とも、手作りチョコにするの?」

遥「うん」

ゆっこ「当たり前じゃん。市販のチョコを戸塚くんに渡せるわけないじゃん」

遥「だよね」

相模「まー、うちも手作りにするつもりだけど」

遥「とりあえず唾液は入れるよね」

ゆっこ「え」

相模「当たり前じゃん。愛がこもっていれば何を入れてもいいんだよ。それがバレンタインチョコなんだから」

遥「それじゃ髪の毛も入れちゃおうかな」

相模「入れる時は細かく切らないと駄目だよ」

遥「食べづらくなっちゃうもんね」

相模「そうそう」

ゆっこ(ちょっとなにを言ってるのかわからない……)

遥「後は生爪とか?」

相模「流石にそれはやりすぎじゃない? てか剥がすなら比企谷に直接剥がしてもらいたい!」

遥「そっか。わたしも戸塚くんに剥がしてもらいたいっ///」

相模「お仕置き的な?」

遥「うん。駄目だよ、遥さん。こんな不味いチョコを僕に食べさせるなんて。……お仕置きだね、みたいなっ///」

相模「それ、いい!」

ゆっこ(ひぃぃぃぃぃぃぃ!! 二人がどんどん遠いところにいっちゃってる!!)

相模「ふひっ、想像したら我慢出来なくなってきた!」

遥「あ、わたしも!」

相模「遥はお風呂場でお願い。誰もいないから!」

遥「わかった!」


ギー バタン


ゆっこ「……」

ゆっこ(友達付き合いを考えた方がいいかもしれない。変態のベクトルが違ってきてる)

- 20分後 -


相模「ふぅ、すっきりしたぁ」

遥「わたしも。下着濡れちゃったけど大丈夫だよね」

相模「うん。脱げば問題ないよ」

遥「なんかスリルあっていいかも。でも自分で脱ぐより戸塚くんに命令されて脱ぎたい!」

相模「やっぱり服従が大事だよね。……あれ?」

遥「どうしたの?」

相模「ゆっこの靴がなくなってる」

遥「先に帰ったのかな?」

相模「かもね」

遥「携帯見ればわかるんじゃない?」

- 相模の部屋 -


遥「急用が出来たから先に帰るって」

相模「待たせすぎちゃったかもね」

遥「うん。明日謝らないと」

相模「ちゃんとシャワーで流しておいてくれた?」

遥「もちろん。あ、なんかスースーするっ///」

相模「でしょ。学校でした時はもっとやばいよ」

遥「したことあるの?」

相模「うん」

遥「南は凄いね。さすがにわたしは学校じゃ無理かな……」

相模「戸塚くんに命令されれば?」

遥「もちろんやるよ!」

- 比企谷宅 -


戸塚「うっ」ブルッ

葉山「戸塚、どうしたんだ?」

戸塚「急に寒気が……」

八幡「風邪か? 布団に入るか?」

戸塚「大丈夫だよ。一瞬震えただけだから」

八幡「そうか」

葉山「風邪か。妹さん、体調管理にも気をつけないとな」

八幡「わかってる。本人も気をつけて人が多いところには外出していないからな」

葉山「うん、それがいいね」

- あんてい〇 -


折本「へー、ここが千佳が比企谷とデートした喫茶店かー」

仲町「で、デートってっ///」

折本「照れない照れない。いい雰囲気のお店だね」

仲町「うん。かおりも連れて行きたいと思って」

折本「そんなこと言って。本当は今日も比企谷と二人で来たかったんでしょ?」

仲町「違うよ。それに比企谷くん、今日は戸塚くんと葉山くんと三人で遊んでるし」

折本「そうなんだ。仲良いよね、あいつら」

仲町「うん。それでかおりは戸塚くんにチョコあげるの?」

折本「チョコ? あー、そういえばバレンタイン近いんだっけ」

仲町「そうだよ」

折本「まー、友達だしあげるかな。比企谷にも」

仲町「え」

折本「いや、義理チョコだから。なにそんな驚いてるの。マジうける」

仲町「ご、ごめん。ていうかウケないから」

折本「千佳は手作りチョコ渡すの?」

仲町「うん、そのつもりだけど」

折本「そのまま告白しちゃえばいいのに」

仲町「なっ///」

折本「もうそろそろいいんじゃないかな」

仲町「そ、それは、その……」

折本「……まあ、千佳のペースで頑張ればいいと思うよ」

仲町「……うん」

折本「あたしはずっと千佳のこと応援してるからさ」ナデナデ

仲町「ありがと///」

折本「よしよし」ナデナデ

仲町(告白。もちろん比企谷くんと付き合いたいけど、もし駄目だったら……)

仲町(もう少し今のままでいいかな、うん!)

折本「」ナデナデ

仲町「……ていうか撫ですぎだから!」

- 2月13日 比企谷宅 -


小町「ただいまー!」

八幡「おう、おかえり。どうだった?」

小町「小町的にベストは尽くしました!」

八幡「そっか。お疲れさん」

小町「うん。……受かってるといいんだけどね」

八幡「そうだな。今日は小町が好きな物作ってやるぞ」

小町「本当に?」

八幡「ああ」

小町「それじゃ―――――――――」

- 翌日 総武学校 -


八幡「……」

戸部「お、比企谷くんじゃーん。おいっす!」

八幡「お、おう。戸部か」

戸部「下駄箱の前で突っ立ってどしたん?」

八幡「いや、下駄箱にゴミが入っていてな……」

戸部「マジで……ってそれチョコじゃね?」

八幡「え」

戸部「ほら、ラッピングされてるべ?」

八幡「本当だ」

八幡(てっきり中学の時みたいに鼠の死体入りの箱だと思ったぜ)

戸部「てか下駄箱にチョコとか羨ましいわー!」

八幡「そうか?」

戸部「だって絢辻さん、チョコくれねーもんよ……」

八幡「」

戸部「チョコ食べる暇があるなら勉強しなさいとかマジスパルタだわー」

八幡「お、おう……」

戸部「んじゃお先に!」

八幡「……」

八幡(葉山、お前はとんでもない馬鹿を生み出してしまったようだ)

- 教室 -


戸塚「おはよう、八幡」

八幡「おう。……その紙袋はまさか……」

戸塚「チョコだよ」

八幡「すげぇな」

八幡(チョコを紙袋に入れてるの初めて見たぞ)

戸塚「隣のクラスの子がチョコと一緒に紙袋を渡してくれたんだ」

八幡「へぇ」

八幡(ファンクラブの子だろうか。その気遣いはいいと思いますよ。ええ)

戸塚「そういえば八幡の机の上に教科書置いてあるけど出しっぱなしで帰ったの?」

八幡「え」

八幡(なんで出されてんだ? もしかしてイジメ?)

八幡「机の中を確認してみる」

戸塚「うん」

八幡(中に何か入ってるな)ゴソゴソ

八幡「……ん?」

戸塚「あ、チョコじゃない?」

八幡「チョコか」

戸塚「そっか。机の中に入らないから教科書を出したんだね」

八幡(なるほど。それなら直接渡してくれればよくない? 直接渡すのは嫌なのだろうか?)

八幡(いや、まだ中身がチョコと決まったわけじゃ……)パカッ

八幡「……チョコだ」

戸塚「なんだと思ったの?」

八幡「あ、いや……」

八幡(名前が書いてない。誰なんだ?)

八幡(まあ、ありがたく頂いておこう。それに名前が書いてないからホワイトデーのお返しは不要ということだしな)

戸塚「そういえば葉山くん、今日はお休みだって」

八幡「風邪か?」

戸塚「銚子に行って、七咲さんとバレンタインデートするみたいだよ」

八幡「」

海老名「比企谷くん、戸塚くん、はろはろ」


八幡「おう」

戸塚「おはよ、海老名さん」

海老名「はい、これ」

八幡「……まさか」

海老名「うん。チョコだよ」

戸塚「ありがとー」

八幡「どうも」

海老名「いつものお礼だよ」

八幡「お礼?」

海老名「ハヤハチの戸塚添え。ぐ腐腐……」

戸塚「……そ、そう……」

八幡(この人もぶれないな)

海老名「それじゃまたね」

- 昼休み -


八幡「相模、トイレ行くから先に行っててくれ」

相模「わかった」

八幡(寒いとトイレが近くてしかたないな)

川崎「ちょっと」

八幡「ん?」

川崎「やる」

八幡「え」

川崎「早く受け取ってよ」

八幡「俺にくれるのか?」

川崎「だから差し出してるんでしょうが」

八幡「お、おう。ありがとな」

川崎「別に。前に世話になったお礼だから」

八幡「別に気を使わなくていいんだけど」

川崎「いいからさっさと受け取りな!」

八幡「あ、ああ」

川崎「それじゃ」スタスタ

八幡「……」


結衣「ヒッキー!」


八幡「」ビクッ

結衣「あたしもチョコ作ってきたんだ!」

八幡(なん…だと…)

結衣「手作りチョコだよ♪」

八幡「……」

結衣(本当は放課後に渡そうと思ったんだけど、なんか沢山貰ってるみたいだし我慢出来なくなっちゃった)

八幡(由比ヶ浜の手作りデスチョコか……)ダラダラ

結衣「ど、どうしたの?」

八幡「あ、いや。ありがとうな」

結衣「うん」ニッコリ

八幡(ど、どうしよう。食べても死なないよな……)

- 廊下 -


八幡(まいったな。三浦みたいに三日も倒れたくねぇぞ)

三浦「ヒキオ」

八幡「……三浦か」

三浦「そのチョコ、あーしが手伝ったやつだから安心して食べな」

八幡「……へ?」

三浦「それに生徒会の一色と副会長にも試食させてみたいだから安心だし」

八幡「そ、そうか。教えてくれてありがとな」

三浦「別に。結衣のチョコが食べてもらえないのが嫌なだけだし」

八幡(やっぱりおかんだな)

- ベストプレイス -


相模「はい。バレンタインチョコ」

八幡「ありがとな」

相模(ふへへ。うちの愛液たっぷりのチョコだよ。はぁはぁ///)

相模「どういたしまして。お返しはスパンキング百発で……///」

八幡「お返しします」

相模「うそうそ! 冗談だから!」

八幡「……お前が言うと冗談に聞こえないんだが……」

相模(まあ、本気で言ってるからね)

相模「そ、そういえば、結構チョコ貰ったの?」

八幡「相模のをいれて八個だな」

相模「」ピクッ

相模(六個か。うち、海老名さん、川崎さん、結衣ちゃん以外にも渡した子がいるんだ)

八幡「まあ、半分は手渡しじゃないし名前も書いてないから悪戯の可能性もあるけどな」

相模「そ、そっか。そうだよね。この学校は変態が多いからゲイもいるかもしれないもんね!」

八幡「おい、やめろ」

相模(そういえば遥とゆっこも戸塚くんに渡したのかな?)

- テニスコート -


戸塚「あれ? 遥さんにゆっこさん、どうしたの?」

遥「えっと、戸塚くんにチョコ作ってきたんだけど」

ゆっこ「わたしも」

戸塚「僕に? 嬉しいな。ありがとう」ニコッ

「あふんっ///」

戸塚「ホワイトデーにちゃんとお返しするからね」

ゆっこ「べ、別にいいよ。そんな!」

遥(お返しかぁ。……監禁とかしてくれないかなぁ……)

戸塚「ううん、お返しはしないと。昼食前に少し練習するけど二人はどうする?」

ゆっこ「邪魔じゃないなら見ててもいい?」

戸塚「いいよ」

- 10分後 -


戸塚「ふんっ!」パンッ

ゆっこ(美しい。やっぱりテニスの王子様だぁ)

遥(いいな。わたしもラケットで思いっきり打たれたいっ!!)

遥(どこでもいいからラケットでぶってくれないかな……)

ゆっこ「遥、涎垂れてる」

遥「あっ」フキフキ

遥(下のお口からも垂れちゃった)

ゆっこ「また変なこと想像してたの?」

遥「うん。戸塚くんにラケットでスパンキングされるのを///」

ゆっこ「いやいや、戸塚くんはそんなことしないからね」

遥「わかんないよ。もしかしたら黒王子かもしれないよ?」

ゆっこ「ないよ」

遥「そんなのわからないじゃん!」

戸塚(何を話してるんだろう?)パンッ

- 生徒会室 -


会計「あれ? 会長いないの?」

書記「はい。腹痛でお休みですよ」

会計「そっか。チェックしてもらいたい書類があったんだけど明日でいっか」

書記「副会長じゃ駄目なんですか?」

会計「副会長も休みなんだよ。昨日、お腹を壊したみたいで」

書記「そうなんですか。仲が良いですね」

会計「本当だね」

書記「ふふふ」

会計「ははは」

- 放課後 奉仕部 -


雪乃「比企谷くん、チョコよ」

八幡「」

雪乃「何を固まっているの? 早く受け取って欲しいのだけれど」

八幡「あ、いや、まさか雪ノ下がチョコをくれると思わなかったからな」

相模「うちも」

結衣「あたしも」

雪乃「あなた達、わたしを何だと思っているのかしら……。まあ、いいわ。わたしは比企谷くんにとても感謝しているのよ」

八幡「マジで」

結衣(ゆきのん……)

雪乃「あなたのおかげで夏目友人帳、そしてニャンコ先生に出会えたのだから」

結衣「」ズコッ

八幡「おう。あれは名作だからな」

雪乃「そのとおりよ。聖地巡礼もしたし」

八幡「あー、軽く遭難して一週間学校を休んだ時か」

雪乃「何を言ってるのかしら? あれは遭難ではなく、妖の相談にのっていたら帰るのが遅くなっただけよ」

八幡「あ、はい……」

相模(雪ノ下さんが徐々に電波女に……)

結衣(ゆきのんが徐々に遠い存在に……)

雪乃「そういえば遠野にも妖怪が多いみたいね。遠野物語を読んでみたのだけれど―――――――」

- 18時 最寄り駅前 -


八幡「悪い、待たせた」

仲町「ううん。全然待ってないよ」

八幡「そっか。それに遠いのにここまで来てもらって申し訳ない」

仲町「比企谷くんは部活があるから。わたしは帰宅部で暇人だし気にしないで」

八幡「そうすか」

仲町「うん。えっと、あのね……」

八幡「……?」

仲町「こ、これ。チョコなんだけど貰ってくれるかな?」スッ

八幡「ありがたく頂戴いたす」

仲町「う、うん///」

八幡(あかん、スルーされちゃった)

仲町(けっこうすんなり渡せてよかった)ホッ

仲町「あ、そうだ。これはかおりから」

八幡「折本もくれたのか」

仲町「うん。比企谷くんと戸塚くんの分ね」

八幡「どっちがどっち?」

仲町「市販のチョコだからどっちでもいいって」

八幡「相変わらず適当だな、あいつ」

仲町「そうだね」

八幡「あいつ、同じ駅なんだから直接渡せばいいのにな」

仲町「今日はその用事があるみたいだから」

仲町(本当はわたしに気を遣ってくれたんだけど)

八幡「そうか。戸塚に渡しておくよ」

仲町「お願い」

八幡「……」

仲町「……」

八幡(会話が途切れてしまった。何か話題を……)

仲町「え、えっと、それじゃチョコも渡せたし帰るね」

八幡「……ああ」

仲町「それじゃまた今――――――」


小町「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

今回はここまで
また今度

やっぱり男は働いたら負けかなと思ってる
いい曲でいい歌詞だなぁ

今日の夜に投下します
今回は仲町さんがメイン

- 30分後 比企谷宅 -


小町「ゆっくりしていって下さいねー」

仲町「う、うん。ありがとう」

小町「いえいえ。コーヒーでいいですか?」

仲町「あ、お構いなく」

小町「お構いますよ。お兄ちゃんのお嫁さん候補なんですから」

仲町「お、お嫁さんっ!?」

小町(あ、この反応、結衣さんに似てるな~)

八幡(どうしてこうなった……)

- 30分前 -


小町「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「「」」ビクッ

仲町「え、え……?」

八幡「小町か。驚かすなよ」

小町「ごめんごめん」

仲町「……もしかして比企谷くんの妹さん?」

小町「そうです! 妹の比企谷小町です。いつも愚兄がお世話になってます♪」

仲町「あ、仲町千佳です。こちらこそ比企谷くんにはお世話になっていて……」

小町「ほほう。お兄ちゃん、仲町さんにどんなお世話をしてあげてるのかな?」

八幡「いや、なにもしてないけど。てかなんでそんなテンション高いんだよ」

小町「そりゃやっと受験勉強から解放されたんだもん。高くもなるよ」

仲町「確か総武受けたんだっけ?」

小町「はい。後は滑り止めで私立を二校ほど」

仲町「そっか。お疲れ様」

小町「ありがとうございます。それより仲町さん!」

仲町「は、はいっ」ビクッ

小町「せっかくここまで来たんですし、うちで夕食でも食べていきません?」

仲町「え」

小町「大丈夫です。母は今日は泊まりで帰ってきてませんし、父は最近見かけてませんので」

八幡(そりゃ出張に行ってるんだから見かけないだろうな)

仲町「で、でもいきなり迷惑じゃ……」チラッ

八幡「……」

小町「全然迷惑じゃありませんよ。こっちが誘ってるんですし。ね、お兄ちゃん?」

八幡「ん? ああ。まあ、仲町さんがよければ」

仲町「そ、それじゃお言葉に甘えて。……あ、お母さんに連絡してくるね!」タタタッ

小町「はいはーい♪」

八幡「……小町。どういうつもりだ?」

小町「そりゃ仲町さんと初めて会ったし? 色々とお話を聞きたいじゃん?」

八幡「あんまり迷惑を掛けるなよ。彼女は騒がしいのは苦手なんだ」

小町「」

八幡「んだよ?」

小町「あ、いや。お兄ちゃんがあまりにナチュラルに他人を気遣ったから……」

八幡「俺は元々気遣いが出来る人間だろうが。……あれ? 違うの?」

小町「うん。いやー、受験勉強で最近は観察してなかったけど、更に順調に成長してるようで小町は嬉しいよ。総武にいかせてよかったー」

八幡「お兄ちゃん、別に小町に総武行くように言われてないんだけど」

- 現在 -


八幡(そうだ。チョコを冷蔵庫に入れなければ)ガサガサ

仲町(あっ)

小町「あれ? お兄ちゃん、そんなにチョコ貰ったの?」

八幡「ああ。まあ、義理チョコが殆どだと思うが」

仲町(比企谷くん、あんなに貰ってたんだ……)

仲町「」シュン

八幡「冷凍室の方がいいのか?」

小町「」ゲシッ

八幡「痛っ。なにすんだよ」

小町「仲町さんの前で他の女子から貰ったチョコ出すなんて小町的にポイント低いよ」ボソッ

八幡「いや、入れないと溶けちゃうでしょ」ボソボソ

小町「お兄ちゃん、今すぐ仲町さんのチョコを食べて」

八幡「夕食前なんだけど……」

小町「いいから」


仲町(なにを話してるんだろ?)


小町「食べたら小町が耳掃除してあげる」

八幡「……よし、食べるか」


仲町「……?」

八幡「」パカッ

仲町「比企谷くん?」

八幡「それじゃありがたく頂きます」

仲町「え? 夕食前だけど?」

小町「いやー、あまりにも仲町さんからチョコを貰ったのが嬉しかったみたいで食べるのを我慢出来ないみたいです」

仲町「えっ///」

小町「ね、お兄ちゃん?」

八幡「は?」

小町「」ゲシッ

八幡「痛っ。……ああ、嬉しいね。嬉しすぎて永久保存したいまである」

仲町「ふぇ?」

八幡「んじゃいただきます」

仲町「あ、どうぞ召し上がれ」

八幡「」モグモグ

仲町「」ドキドキ

小町「お兄ちゃん、どう?」

八幡「……美味い」

仲町「」ホッ

八幡「」モグモグ

仲町「あ、よかったら小町ちゃんもどうぞ」

小町「いいんですか?」

仲町「うん」

小町「それじゃ一口だけ」パクッ

小町「」モグモグ

小町「あ、美味しい。美味しいですよ、仲町さん!」

仲町「そ、そう。そう言ってくれると作った甲斐があったかも」

小町「料理はよくするんですかー?」

仲町「そこそこかな」

小町「へー、今度、一緒に料理しましょうよ」

仲町「うん、いいよ」

小町「約束ですよ。あ、お兄ちゃん、夕食よろしくね」

八幡「え? 俺が作るの?」

小町「当たり前じゃん。小町と仲町さんの時間を潰す気なの?」

八幡(そっか。当たり前なのか。それじゃ仕方ないな)

八幡「わかった。それじゃ適当にくつろいでてくれ」

小町「うん♪」

- 1時間後 -


八幡「それじゃいただきます」

小町「いただきまーす♪」

仲町「いただきます」

小町「二日連続でお兄ちゃんの手料理だねー」

仲町「昨日も作ったの?」

八幡「ああ」

小町「明日からはまた小町が作るからね」

八幡「頼む。小町の手料理成分が足りなくて死にそうだからな。今の八幡的にポイント高い」

小町「ガールフレンドの前でシスコン発言は小町的にポイント低いかも」

仲町(ガールフレンド///)

小町「ねー、千佳さん?」

仲町「あ、いや、わたしはっ///」

八幡(いつのまに名前呼びに。恐ろしいコミュニケーション能力だな。長友並かもしれん)

- 30分後 -


仲町「ご馳走様でした」

小町「ご馳走様!」

八幡「お粗末さん。……仲町さん、時間は大丈夫か?」

仲町「あ、それなんだけど……」

小町「大丈夫だよ、お兄ちゃん」

八幡「なんで小町が答えるんだよ」

小町「だって、お泊りするから」

八幡「……ん? 誰が?」

小町「千佳さんが」

八幡「どこに?」

小町「うちに」

八幡「」

仲町「や、やっぱりいきなりじゃ比企谷くんも迷惑だよ、小町ちゃん」

小町「大丈夫ですよ。動揺してフリーズしてるだけなんで。お兄ちゃん、再起動して」コツン

八幡「……はっ」

小町「ということで千佳さんは比企谷家にお泊りすることになったのでよろしくです!」

八幡「いやいや、どうせ小町が強引に誘ったんだろ? 仲町さん、嫌だったらはっきり言っていいんだぞ」

仲町「いや、その、嫌じゃないよ。むしろ嬉しいっていうか……」

八幡「明日、学校は?」

小町「別に問題ないでしょ。それにさっき下着も買ってきたんだー」

八幡(さっき外出したのはそれか)

仲町「……やっぱり迷惑だよね。比企谷くんも明日学校あるもんね……」シュン

八幡「うっ」

仲町「」ショボン

八幡「……まあ、仲町さんが迷惑じゃなければ……いいんじゃない……すか……」

仲町「い、いいの?」

八幡「です」

仲町「ありがとう」

小町「それじゃ早速お風呂に入りましょ!」

仲町「え」

小町「お兄ちゃん、乱入する時はノックしてね」

八幡「しないから。まだこの年で捕まりたくねぇよ」

小町「あと、千佳さんにジャージ貸してあげて」

仲町「っ!」

八幡「……ああ、小町の寝間着じゃ小さいもんな」

- 5分後 -


八幡「ほれ」

仲町「あ、ありがとう」

仲町(比企谷くんのジャージだ)

仲町「」ニヘラ

小町「ナイキやアディダスじゃなくてカッパってところがお兄ちゃんらしいよね」

八幡「らしいってなんだよ。ナイキやアディダスは高いんだ」

小町「ふーん。千佳さん、Yシャツは洗濯機に入れて下さいね。乾燥かければ明朝まで乾くと思うんで」

仲町「うん、ありがとう」

小町「それじゃいきましょ♪」

八幡(そういえば親御さんには連絡したんだろうか。まあ、してるか)

- 50分後 -


小町「いやー、冬は湯船にゆっくり浸かるにつきますなー」

仲町「小町ちゃん、叔母さんくさいよ」クスッ

小町「そうですかねー」


八幡「それじゃ俺も入るか」


小町「いってらー」

八幡「ジャージ、サイズ大丈夫か?」

仲町「うん。ぶかぶかしてるけど逆にちょうどいいかも」

八幡「そうか。……そういえば親御さんには連絡したのか?」

仲町「もちろん。流石に男子の家に泊まるとは言えなかったから友達の家にお泊りするって連絡しておいたよ」

八幡「ならいいんだけど」

仲町「無断外泊したら怒られちゃうからね」

八幡(そりゃそうだ。まあ、俺は怒られるどころか気付かれないまである)

- 30分後 小町の部屋 -


小町「へー、海浜総合ってそんなに広いんですね」

仲町「うん。だから移動教室が大変」

小町「そうなんですね。……千佳さん」

仲町「なに?」

小町「時間を潰す為にこれ持ってきたんですけど」

仲町「アルバム?」

小町「はい。お兄ちゃんの小さい頃の写真が沢山あります」

仲町「っ!」

小町「見ます?」

仲町「いいの?」

小町「もちろん。好きな人の昔の写真って気になりますもんね」

仲町「うん。気になる。…………はっ」

小町「」ニヤリ

仲町「あ、いや、いまのは違くて……」

小町「何が違うんですか? 千佳さんがお兄ちゃんのこと好きなことですか?」

仲町「あぅ……」

小町「千佳さん、お兄ちゃんのこと好きなんですよね」

仲町「それは……その……」

小町「」ジー

仲町「……はぃ。好きです……」

小町「おー! それじゃせっかくなので二人のなれ初めを聞いてもいいですか?」

- 5分後 -


小町「なるほど。運命の出会いはサイゼと」

仲町「いや、運命の出会いって……」

小町「ていうかなんでその面子でお兄ちゃんのことを好きになったんですか? 確かに容姿は悪くないですけど戸塚さんと葉山さんの方が外見も中身も優れてると思うんですけど」

仲町「そうかな? わたしは比企谷くんの方がカッコいいと思うけどなぁ」

小町「」

仲町「あ、いや、戸塚くんは綺麗だし、葉山くんもカッコいいと思うよ! でも人によって好みは違うというか……」アセアセ

小町(これは相当ベタ惚れしてるかも。お兄ちゃん、千佳さんに何をしたの?)

小町「わかりました。ご馳走様です」

仲町「ご馳走様って……///」

小町「あと、お兄ちゃんのどこが好きなんですか?」

仲町「どこが?」

小町「はい」

仲町「えっと、急に言われても……」

小町「ゆっくり考えて下さい。小町はいつまでも待ちますので」

仲町「えっと、えっと……頼りになるところかな」

小町「ほう」

仲町「後は優しいところ」

小町「優しいところですか」

仲町「うん。それと最近になって気付いたんだけど、比企谷くんって極力物音をたてないようにしてるんだよね」

小町「そうなんですか?」

仲町「そうだよ。椅子を引くときとか、物を置いたりする時とか。きっと他人を驚かせないように気をつけてるんだなって」

小町(単純にステルス機能を発動させてるだけじゃ……)

小町「千佳さん、お兄ちゃんのことよく見てるんですね」

仲町「そ、そういうわけじゃっ!」

小町「それじゃ見てないんですか?」

仲町「……見てる……ほうかな……」

小町「ちなみにお兄ちゃんは千佳さんの好意に気付いてるんですか?」

仲町「気付いてないと思うよ」

小町(お兄ちゃん、いつのまに鈍感スキルまで身につけたの? これじゃまるでラノベの主人公だよ!)

- リビング -


<総集編はもういやだ!


八幡「……」

八幡(ふむ。アニメーション制作会社に就職はなしだな)

八幡(ていうかアニメーターにこんな可愛い子いるの?)

八幡(勘違いして就職しちゃうやつが出てきそうだな)

八幡(次はSAOだな。やっとマザーズロザリオ編か。長かった)

八幡(んだよ、OP少ししか映像変わらないのか)

八幡(ED見たら副会長が興奮しそうだな)

八幡(いや、コックリさんでロリ成分は十分満たされているか)

- 30分後 -


小町「お兄ちゃん、コーヒー入れてー」

八幡「なんだ、ガールズトークは終わったのか?」

小町「うん。千佳さんから色々聞けちゃった♪」

仲町「っ///」

八幡「……顔が赤いな。風邪?」

仲町「ち、違うよ。ただ思い出して恥ずかしくなってるだけ!」

八幡「思い出して?」

仲町「な、なんでもない! なんでもないから!」

八幡「はぁ。仲町さんもコーヒーでいいか?」

仲町「あ、はい」

- 10分後 -


仲町「玉縄くん、一週間に一回は奉仕部に行ってるんだ……」

八幡「ああ。毎回、雪ノ下に罵倒されて喜んで帰ってる」

仲町「そっか……」

小町「玉縄さんって?」

仲町「うちの学校の生徒会長だよ」

小町「へぇ。雪乃さんに会いにいってるの?」

八幡「ああ。会いに来るというか罵倒されに来てるようなもんだ」

小町「……罵倒されにって……」

八幡「玉縄はマゾだからな」

小町「」

仲町「あ、でも学校じゃ普通だよ?」

八幡「つまり雪ノ下の前だけマゾってことか」

仲町「そうなるのかな? よくわかんないや。あはは……」

八幡(おっと、いかん。純情な女子の前で平気でマゾとか言ってしまった。これは相模の影響だ。間違いない)

八幡「まあ、この話はここまでにして……」

- 23時 -


小町「それじゃ明日も学校ありますし、そろそろ寝ますか」

仲町「うん」

八幡「そうだな。布団は敷いてあるのか?」

小町「え? 千佳さん、お兄ちゃんの部屋で寝るんでしょ?」

八幡「」

仲町「」

仲町(ひ、比企谷くんと一緒に……っ!!)

仲町(ど、どうしよう。そんないきなり言われても心の準備が……。下着だってさっき買ったやつだし……)

小町「……なんちゃって」ニヒッ

仲町「…………ふぇ?」

八幡「おい」ベシッ

小町「痛っ」

八幡「冗談が過ぎるよ小町ちゃん」ベシッ

小町「痛い、痛いよ。暴力反対!」

仲町(……そうだよね。冗談に決まってるよね。わたしったら何を考えてたんだろ……)

- 翌朝 -


八幡「小町、先に行くからな」

小町「うん。いってらっしゃい!」

仲町「お邪魔しました」

小町「千佳さん」

仲町「ん?」

小町「朝出かけるときは『いってきます』ですよ」

仲町「い、いってきますっ///」

小町「はい、いってらっしゃい」ニコッ

仲町「あぅ……」

- 駅 -


仲町「比企谷くん、自転車じゃなくてよかったの?」

八幡「今日は午後から雨が降るみたいだからな」

仲町「え? そうなの? 傘は?」

八幡「折り畳み持ってきたけど。仲町さんは小町から渡されなかった?」

仲町「渡されてないけど」

八幡「鞄の中は?」

仲町「……入ってる」

八幡「小町のやつ、言ってなかったのか」

仲町「小町ちゃんにお礼言わないと」

八幡「別に必要ないだろ」

仲町「でも……」

八幡「俺から言っておくから。そろそろ電車来るし」

仲町「うん。それじゃお願いします」


折本「……あれ? 千佳に比企谷?」


仲町「あ、かおりだ。おはよう」

八幡「おす」

折本「……なんで二人でいるわけ……?」

仲町「」ギクッ

八幡「そりゃ学校に行く為だろ」

仲町「そ、そうだよ! かおりったらなに言ってるの?」

折本「いやいや、千佳の家は船橋でしょ?」

仲町「」ダラダラ

八幡(いかん。仲町さんがうちに泊まったことがばれたら面倒なことになりそうだ)

八幡(俺が降りるまでなんとか誤魔化すか。後は仲町さんに任せよう)

八幡「……いつから仲町さんが船橋住みだと錯覚していた?」

折本「いや、あたし、千佳んち行ったことあるから」

八幡「……仲町さん、最近、千葉に引っ越してきたんだ」

仲町「え」

折本「いや、先週遊びにいったばかりだし」

八幡(詰んだ)

仲町「比企谷くん、さすがに無理があるよ……」

八幡(ですよね)

折本「それでなんで二人一緒にいるわけ?」

仲町「えっと……」チラッ

八幡(仕方ない。諦めるか。男は諦めが肝心だというしな)

八幡「昨日、うちに泊まったんだよ」

折本「………………へ?」

- 5分後 -


折本「なるほどね。いいな、あたしも呼んでくれればよかったのに」

八幡「いや、呼ばないだろ」

折本「ハブとか酷いよ、比企谷」

八幡「安心しろ。そんなもんすぐ慣れる。慣れすぎて居心地がよくなるまである」

折本「そんなの慣れたくないんだけど……」

仲町「まあ、わたしも急に誘われたから」

折本「ふーん。あたしも小町ちゃんと絡みたいなー」

八幡「そのうち機会があればな」

折本「そんじゃその機会を作っちゃおうかな」

八幡「」ピクッ

- 5分後 -


八幡「それじゃ俺ここだから」

仲町「うん」

折本「サボらないでちゃんと授業受けなよー」

八幡「うるせぇよ」

折本「あ、そうだ。戸塚くんにチョコ渡しておいてよね」

八幡「わかってる。今日、渡すから」

折本「よろしくー」

八幡(やれやれ。そういえば折本のやつ、昨日の件であまり質問してこなかったな)

八幡(まあ、面倒くさいことにならなくてよかったけど)

折本「さてと」

仲町「……?」

折本「比企谷がいなくなったところで、色々と千佳に確認しないとねー」

仲町「か、確認ってなにを……?」

折本「そりゃお泊りの件で」

仲町「え」

折本「好きな男の家に泊まったんだもん。なにもないわけないよねー?」

仲町「な、ないよ。小町ちゃんだっていたんだし!」

折本「いいから言ってみなよ。ね?」

仲町「だからないってば!」

- 総武高 教室 -


八幡「」ガラガラ

八幡(流石にこの時間は誰もいないか)

八幡(教室に一番乗りというのもたまには悪くないな)

八幡(本でも読んで時間潰すか)

八幡(幼稚園の時のように読書の時間作ってくれねぇかな)

八幡(読みたい本沢山あるのに金と時間が足りない)

八幡(さて、今日は何を読むか)ガサガサ

八幡(これにするか)

- 10分後 -


八幡「」ペラペラ


相模「」ガラガラ


八幡「……ん?」

相模「あれ? 比企谷、早いね」

八幡「まぁな」

相模「てっきりうちが一番乗りかと思ったのに」

八幡「お前も早いな」

相模「うん。今日五時起きちゃって家にいてもやることないから来ちゃった」

八幡「ほーん」

相模「比企谷、今日も自転車?」

八幡「いや。電車だ」

相模「それじゃ一緒に帰ろうよ」

八幡「ああ」

相模「ありがと。……比企谷」

八幡「なんだ?」

相模「いま、教室に比企谷とうちの二人きりだね」

八幡「……そうだな」

相模「比企谷の好きなこと何でもしていいんだよ?」

八幡「……」

相模「どうかな?」

八幡「俺の好きなことしていいのか?」

相模「え」

八幡「いいんだよな?」

相模「う、うん。もちろん!!」

八幡「それじゃ……」

相模(え? 嘘? 比企谷、とうとう覚醒しちゃった!?)

相模(どうしよう。今日下着穿いてきちゃった。ノーパンでくればよかった……)

八幡「引き続き読書をするか」

相模「」

八幡「」ペラペラ

相模「え? え? え?」

八幡「んだよ。俺の好きなこと何でもしていいんだろ?」

相模「あ、うん……」

八幡「俺は今一番したいことは読書だ。許可してくれてありがとうな。別にいらないけど」

相模「」

八幡(ふっ、勝った。いつも相模のペースでやられてるからな)

相模「くっ……」

八幡「」ペラペラ

相模「……なら、うちもやりたいことするね……」

八幡「……は?」

相模「」ギュッ

八幡「お、おい! なにしてんだ!?」

相模「うちが今一番やりたいことしてるの! 比企谷だけずるいもん!」

八幡「意味がわからねぇよ。離せ!」

相模「離さない! それに比企谷の弱点はわかってるんだから!」ペロッ

八幡「ひゃんっ」ビクッ

相模「この前、ニケツした時にわかったけど、耳が性感帯だよね?」ハムッ

八幡「ひぃっ!」


戸塚「おはよう、って誰もいないよね…………?」ガラガラ


八幡「あっ」

相模「あっ」

戸塚「え、えっと……お邪魔だったかな……?」

八幡「違う。邪魔なんかじゃないぞ!」

相模「そうだよ。うちら、戸塚くんの前でも平気だから!」

戸塚「……っ!?」

八幡「おい、なに言ってんだ。誤解されるだろうが!」

相模「ここは二階だから大丈夫だよ!」

八幡「お前、ぶん殴るぞ?」

八幡「あっ……」

相模「いいよ、殴って! 思いっきりうちを殴ってっ///」

八幡(しまった。つい感情的に……)

戸塚「お邪魔しました」ガラガラ

八幡「あ、待って……」

相模「比企谷、はやく殴ってよぉ……」モジモジ

八幡「……」

八幡(戸塚に白い目で見られてしまった。もう死にたい……)

相模「はやく、はやくぅ……」

今回はここまで
また今度

バハムート総集編だと?

どうも!
明後日投下します!

10巻読んだけど9巻に続いて八幡と副会長の共同作業があって萌えました

- 2月下旬 サイゼ -


戸塚「八幡、よかったね。小町ちゃんが合格して」

八幡「ああ。これも全て戸塚のおかげだ」

折本「そこは自身の頑張りだって言ってあげなよ……。てか小町ちゃんと会いたかったなー」

仲町「風邪だから仕方ないよ。きっとプレッシャーから解放されて気が緩んだんじゃないかな?」

戸塚「そうかもね。……小町ちゃん、大丈夫?」

八幡「ああ。熱も大分下がったからな」

戸塚「八幡のことだから看病するって言って今日は来ないと思ったんだけどな」

八幡「そのつもりだったが小町から比企谷菌が移るから外出しろと言われてだな……」

八幡(いつ雪ノ下から聞いたんだ。それにおかしいだろ。小町も同じ比企谷だよね?)

戸塚「それじゃ合格祝いは小町ちゃんの体調が万全になってからだね」

折本「その時はあたしも呼んでよねー」

八幡「ああ。気が向いたらな」

折本「……やっぱり、比企谷、あたしへの扱いが酷い気がする……」

八幡「気のせいだろ」

戸塚「……」

仲町「そ、それよりこの四人で集まるの久しぶりだよね!」

戸塚「うん」

折本「千佳と比企谷が二人でデートばかりしてるからねー」

仲町「っ///」

八幡「……で、デートじゃないし。買い物だし……」

折本「世間はそれをデートって言うんだけど。てか二人の反応相変わらずだね。ウケる」

八幡「別にウケねーから」

仲町「ウケないもん」

戸塚(このやり取りも久しぶりかも)

- 5分後 -


折本「そういえばさー」

戸塚「なに?」

折本「先週の土曜に戸塚くん、うちの学校に来たでしょ?」

戸塚「うん」

八幡「そうなのか?」

戸塚「練習試合でね。それでどうかしたの?」

折本「うん。前にうちの学校に葉山くんのファンが沢山いるって言ったでしょ」

戸塚「葉山くん、有名人だもんね」

八幡・戸塚(中身はアレだけど)

折本「最近、戸塚くんのファンも増えてきたんだよねー」

戸塚「え」

折本「それで誰から聞いたのか、あたしが戸塚くんと友達って情報が流れてねー」

戸塚「もしかして迷惑掛けてる?」

折本「ううん、そんなことないんだけど。連絡先聞かれること多くて。戸塚くんに教えていいか聞いておくって答えてるんだけど。……教えない方がいい?」

戸塚「うん、あまり知らない人とメールとかするのはアレかな」

折本「だよねー」

戸塚「ごめんね。僕のせいで迷惑を掛けて」

八幡「気にするな。戸塚のせいじゃない」

折本「うん、確かにそうなんだけど。なんで比企谷が言うかな」

戸塚「仲町さんは大丈夫?」

仲町「うん。わたしは全然」

戸塚「それはよかった。でもどうして僕なんだろ? 僕なんかよりカッコいい人沢山いるのにね」

八幡「それは戸塚が銀河美少年だからな」

折本「前にも聞いたけどその銀河美少年ってなんなの。マジうける!」

仲町「戸塚くんの容姿が世界レベル以上、銀河レベルってことじゃない?」

八幡(ネタに真剣に考えられてしまった。この子、本当にいい子だな)

折本「とりあえずやんわり断っておくから」

戸塚「ありがとう。助かるよ」

折本「ううん。その代わり、今度なにか奢ってねー」

戸塚「うん、もちろん」

八幡(ちゃっかりしてやがる)

- 10分後 -


折本「ねー、来週映画見に行こうよー」

仲町「見たい映画あるの?」

折本「うん。寄生獣だっけ? なんか凄い気になるんだよねー」

八幡「寄生獣か」

折本「漫画原作なんでしょ? 二人とも知ってたりする?」

八幡「ああ。しかし映画だとどこまでするんだ?」

戸塚「さあ。僕はアニメしか見てないから」

八幡「そうか。てか結構グロイいんだけど大丈夫か?」

仲町「え」


折本「大丈夫大丈夫。そういうの平気だからさー」

仲町「ぐ、グロイの……?」

八幡「まあ。映画だから原作通りやるとは限らないが……」

仲町「そ、そうなんだ……」

折本「苦手なら違う映画にする?」

仲町「ううん、大丈夫」

仲町(実写なんだしそこまでグロクないよね。うん、大丈夫!)

折本「戸塚くんは平気なの?」

戸塚「まあね。十三日の金曜日全シリーズ制覇したまであるよ」

八幡「マジで」

戸塚「うん。前からオカルトとスプラッター系は好きなんだよね」

八幡「あれってバカップルが真っ先に殺されるよな?」

戸塚「大体、そうだね。実は一作目はジェイソンじゃなくてジェイソンのお母さんが沢山殺すんだよ」

折本「そうなの?」

戸塚「うん。ジェイソンが人を殺すのは二作目からだよ」

仲町「へー。全然知らなかったよ」

戸塚「だよね。ちなみにトレードマークであるホッケーマスクをつけたのは三作目からなんだ」

八幡(なんか戸塚が生き生きしてるな)

- アニ〇イト -


葉山(今期は円盤買うの多くなりそうだな)

葉山(とりあえず特典がつくSHIROBAKOとFateを予約しに来たけど……)

葉山(SHIROBAKOの主人公が陽乃さんに似ているような気がする。もちろん性格は全然違うんだけど髪の毛を黒くすれば容姿が……)

葉山「……あれ?」


副会長「ん?」


葉山「やあ、副会長じゃないか」

副会長「葉山……」

葉山「奇遇だね。こんなところで会うなんて」

副会長「ああ」

- 30分後 あんてい〇 -


葉山「まさか副会長がアニメ好きとは。意外だね」

副会長「それはこっちの台詞なんだが」

葉山「人は見かけによらないってことかな」

副会長「そうだな」

葉山「俺はBDの予約しに来たんだけど副会長は?」

副会長「同じく」

葉山「そうか。何を予約したんだい? Fate? ガンダム?」

副会長「天体のメソッドだけど」

葉山「……そうか」

副会長「本当はコックリさんとFateも予約したいところなんだが。いかんせん金銭の問題がな」

葉山「俺達は学生だからね。……ちなみに好きなキャラは?」

副会長「ノエルたん」

葉山「」

副会長「……はっ!」

葉山「そ、そうか。ノエルたんか……ぶふっ!」

副会長「くっ……」

葉山「コックリさんも見てるようだし、まさかロリコン――――」

副会長「違う。俺はロリコンじゃない」

葉山「そうか。それは失礼した」

副会長「幼女が好きなだけだ」

葉山「」

副会長「あっ……」

葉山「そうか。幼女好きなのか」

副会長(つい言ってしまった。なんでこんな軽く言ってしまったんだ……)

葉山「まあ、いいんじゃないかな。三次元に手を出さなければ問題ないと思うよ」

副会長「あ、当たり前だ。三次元は見てるだけで十分だ」

葉山(だから合同イベントの時に主役の女の子をずっと見てたのか)

副会長(なんだ。葉山相手だとつい口が滑ってしまう。これがTHE ZONEってやつか?)

葉山「そうだ。いろはが随分お世話になってるようだね」

副会長「まあ、副会長だからな」

葉山「サッカー部の備品の買出しにも付き合ってくれてるそうじゃないか」

副会長「……」

葉山「なにか弱みでも握られてるのかい?」

副会長「実は――――――」

- 5分後 -


葉山「そうか。大変だな」

副会長「全くだ。俺より比企谷の方が振り回されるのが似合いそうなのに」

葉山「比企谷は枠が埋まってるからな」

副会長「え」

葉山「いや、なんでもない。まあ、頑張ってくれ」

副会長(助けてくれないのか。お前、部長だろ)

葉山「そうだ。メアド交換しないか?」

副会長「ああ。おっと、電源を切っていたんだった」

葉山「なぜ?」

副会長「会長からの連絡を遮断するために。流石に毎日は無理だから自分の時間を過ごしてる時は電源を切ってるんだ」

葉山「」

副会長「これなら電源切れていて気付かなかった、と言えば通じるからな。LINEも操作を誤って既読がつくこともない!」

葉山(同じだ。優美子からの連絡が面倒な時に俺が使う手段と全く同じだ)

葉山「同士よ」ガシッ

副会長「……へ?」

- 10分後 -


副会長「そうか。七咲が好きなのか」

葉山「ああ。七咲こそ至高だね」

副会長「確かに幼女に目覚める前の俺なら同じ意見だったかもしれないな」

葉山「アマガミには幼女がいないからね」

副会長「……いや、一人いる」

葉山「絢辻さんか!」

副会長「そうだ。ロリ辻さん最高。ランドセルしょってるのもナイスだ」

葉山「俺としたことが忘れていたよ」


玉縄「やあ、奇遇だね」


副会長「……キ――玉縄くん!」

葉山「あっ」

玉縄「副会長は先週ぶり。葉山くんは合同イベント以来かな」

葉山「そうだね。久しぶり」

玉縄「うん。よかったら僕も同席していいかな?」

葉山「俺は構わないけど」

副会長「俺も構わない」

玉縄「ありがとう」

- 5分後 -


葉山「あの時は責めるようなことを言ってしまってすまなかった」

玉縄「いや、実際僕の力量不足が原因だったから仕方ないよ。それに……」

葉山「それに?」

玉縄「雪ノ下さんに出会えた過程の一部だと思えば全然大したことないよ!!」

葉山「」

副会長「はぁ……」

玉縄「あの日、彼女と出会って僕は変わった」

副会長(出来れば変わってほしくなかったんだが)

玉縄「葉山くんは雪ノ下さんに罵倒されるのかい?」

葉山「い、いや。そもそもあまり話さないかな……」

玉縄「そうか。僕は比企谷くんが羨ましい」

葉山「比企谷が?」

玉縄「うん。相模さんから聞いたけど昔は随分と罵倒されてたみたいじゃないか」

副会長「そうなのか?」

葉山「そ、そうかもしれない」

玉縄「けれど最近は罵倒はしなくなったようだね」

葉山「確かに。ニャンコ先生のおかげか、随分と丸くなったようだね」

副会長(そういえば会合の時にぬいぐるみを抱きかかえていたな)

玉縄「うん。けれどやはり彼女はドSだと思うんだ」

葉山「……」

玉縄「つまり今、彼女の罵倒を受け止められるのは僕しかいないってことさ!!」

副会長(なぜその考えに至った?)

玉縄「雪ノ下さんも僕も性的欲求を満たせてWin-Winだね!」

葉山「そ、そうだな……」

副会長「……玉縄くん、少しいいかな」

玉縄「なんだい?」

副会長「雪ノ下さんに会うためにうちの生徒会を利用するのを控えていただきたいんだが……」

玉縄「え」

副会長「流石に週一で来るのは。……顧問の先生からも怪しまれていてな」

副会長(まあ、嘘だけど。顧問の先生なんて全く来ないからな)

玉縄「……そ、そうなんだね。迷惑を掛けてしまって申し訳ない……」

副会長「いや」

玉縄「これからは……」

副会長(これで自重してくれるか)

玉縄「違う名目で総武高に行かせてもらうよ!」

副会長「」

葉山(やはりどの世界もナンバー2は苦労する運命なのか)

- 10分後 -


相模「遥、あの店で休憩しない?」

遥「うん、そうしよ」


ガランガラン


店員「いらっしゃいませ」

相模「すいません、二人で」

店員「はい。お好きな席へどうぞ」

遥「……」

相模「遥、行くよ?」

遥「……うん」

相模「どうしたの?」

遥「あの店員さん」

相模「ん?」

遥「なんでもない」

遥(血の臭いがしたけど気のせいだよね)

相模「あっ」


葉山「相模さん? それと……」

副会長「ん?」

玉縄「やあ」

遥「初めまして、南の友達の遥です」

玉縄「どうも。海浜総合の玉縄です。よろしく!」

相模「副会長は遥と面識ない?」

副会長「そうだな。どうも」

遥「あ、どうも」

葉山「なんだか珍しい組み合わせになったね」

相模「だね。てか同席してよかったの?」

葉山「もちろん」

副会長(女子がいればキラの変態トークも収まるだろう)

玉縄「相模さん、この前は雪ノ下さんの暴言音声を送ってくれてありがとう」

相模「どういたしまして」

副会長「へ?」

葉山「ん?」

玉縄「相手が由比ヶ浜さんだったから物足りないけど、小馬鹿にされるのも悪くないかも!」

相模「でしょ。それで徐々に酷い言葉になってくと……」

玉縄「たまらないね!」

遥「」

副会長「え、えっと……」

葉山「随分、仲が良いみたいだね」

相模「うん。うちと玉縄くんはマゾ同士だからね」

玉縄「ソウルメイトと言っても過言じゃないかな」

相模「それは過言だよ」

玉縄「それはすまない!」

副会長(マゾ同士)

葉山(なるほど。変態同士、気が合ったのか)

遥(この人もマゾなんだ。やっぱり男子でもいるんだ)

遥(爽やかに見えるのに人は見かけによらないってことだね)

- 10分後 -


相模「最近、比企谷のSっ気が出てきてね」

玉縄「それはいい傾向だね」

相模「うん。小町ちゃんもチョップされる回数が増えてきたって言ってたし」

玉縄「そのうちチョップからグー。グーから掌底打ちなる日も近いよ」

相模「だといいんだけどね」

遥(掌底打ちか。わたしは道具でいたぶってくれた方が嬉しいかな。だって素でだと戸塚くんの拳が痛んじゃうもん)

遥(痛むのはわたしの体だけで十分///)

葉山「」

副会長「」

玉縄「僕は先週、首輪を持っていったら、ゴミを見るような目つきをして蔑んでくれたよ///」

相模「うちが休んだときかな。うちも部活にいけばよかったかも」

副会長(駄目だ。ついていけない。これなら会長にパシられてた方がマシかも……)

葉山(変態同士が共鳴しあうとこうも凄いのか……)

- カラオケ -


戸塚「君だよ 君なんだよ 教えてくれた♪」

八幡(いい曲だ。元々いい曲だが戸塚が歌うと百倍良くなるな)

折本「ねーねー」

八幡「んだよ」

折本「千佳にお返しなにあげるの?」

八幡「お返し? あー、ホワイトデーか」

折本「そう」

八幡「飴とかじゃ駄目なの?」

折本「当たり前でしょ!」

八幡「だよな。まあ、考えるわ。それより戸塚が歌ってんだ。傾聴しろ」

折本「アンタ、戸塚くんのこと好きすぎでしょ」

八幡「なに当たり前のこと聞いてんだ」

- 30分後 本屋 -


八幡「」ペラペラ

戸塚「八幡、なに立ち読みしてるの?」

八幡「『このライトノベルがすごい!2015』だ」

戸塚「へー、そんなものまであるんだ」

八幡「ああ。今年もゲゲゲ文庫の僕ガイルが一位で二連覇達成だ」

戸塚「凄いね」

八幡「それと女キャラのランキングなんだが」

戸塚「……僕ガイルと禁書のキャラばかりだね……」

八幡「ああ。この二作品だけで十位以内に七人もランクインしてる」

戸塚「美琴ちゃん、六連覇がかかっていたんだね」

八幡「まさか二位になるとは思わなんだ」

戸塚「水ノ下水乃ちゃんが一位なんだね。僕ガイル三冠達成じゃない」

八幡「凄いな」

- 移動中 -


折本「うちの学校、来週マラソン大会があるんだよねー」

戸塚「へー。うちの学校は一月にやったよ」

折本「早いね? それじゃ授業もマラソン終わったの?」

戸塚「うん」

折本「羨ましいなー。戸塚くん、大会何位だったの?」

戸塚「九位だよ」

折本「凄いじゃん! 比企谷は?」

八幡「四十八位」

折本「微妙……」

八幡「うるせー。うちの学校は生徒数が多いんだ。五十位以内に入れば十分だろ」

仲町「そうだよ。わたしなんか去年のマラソン大会ブービーだったし……」

八幡「え」

折本「千佳、運動神経と体力ないもんねー」

仲町「だって苦手なんだもん……」

戸塚「中学の時は部活してなかったの?」

仲町「うん」

戸塚「そっか。なら仕方ないよね」

八幡「まあ、そうだな」

仲町「比企谷くんは運動部じゃないのになんで体力あるの?」

八幡「あるかはわからないが毎日チャリ通とたまに戸塚の朝練に付き合ってるからじゃねぇの」

仲町「そっか。まったく運動してないわけじゃないんだよね」

戸塚「八幡も本格的にテニスしてくれれば戦力になるんだけどね」

八幡「やめてくれ。練習で十分だ」

戸塚「折本さんはどうなの?」

折本「あたしは運動は得意だよ。でもマラソンは嫌い。球技がいい!」

戸塚「そういう人結構いるよね。正直、僕も走るだけはあまり好きじゃないんだ」

折本「だよねー。なんか球とか追っかけてないと楽しく走れないっていうかー」

八幡「球を追っかけるって犬かよ」

折本「違うし!」

- あんてい〇前 -


八幡「あっ」

仲町「どうしたの?」

八幡「今日は違う店にしよう」

折本「なんで?」

戸塚「どうしたの?」

八幡「店内を見てみろ」

仲町「店内って……」

戸塚「あっ」

折本「なんか珍しい組み合わせ。知らない人もいるけど」

八幡「店に入るともの凄い面倒なことになりそうだから違う店にしよう」

折本「えー、楽しそうでいいじゃん」

八幡「全然楽しくねぇよ。あの空間に入ったら精神が疲れるぞ」

戸塚「僕も違うお店がいいかな」

折本「戸塚くんが言うならいいけど」

八幡「なんで俺は駄目なんだよ……」

仲町「まぁまぁ。それじゃ違うお店に行こう!」

- 店内 -


相模「ぬっ!」

遥「どうしたの?」

相模「いま、比企谷がいたような……」

遥「気のせいじゃない?」

相模「だよね。それで?」

玉縄「うん。今学期中の目標なんだけど、雪ノ下さんに童貞坊やと言ってもらうことにしようと思うんだ」

相模「結構難しいんじゃない? 雪ノ下さん、下ネタ好きじゃないから」

玉縄「そうか。でも頑張るよ。たとえ達成しなくてもそれまでのプロセスが大事になってくると思うんだ!」

相模「前向きだね。うちも三月までにビンタされたいなぁ」

遥(わたしは戸塚くんに……)ジュル

遥(いけない。想像したら涎がっ!)

葉山「……」

副会長「……」

葉山(せっかくアニメ談義が出来ると思ったのに変態談義になってしまった……)

副会長(早く家に帰って、EDのノエルたんの笑顔ピースを無限ループしたい……)

- 帰り道 -


折本「あー、明日はバイトかー。ちょっとだるいかも」

八幡「ならやめればいいじゃねぇか」

折本「そうしたいところなんだけど、お金がねー」

八幡「節約すればいいだろ」

折本「してるよ。してるけど足りないの!」

八幡「何に使うんだよ」

折本「携帯代、服、遊び代とか?」

八幡「携帯の料金、自分で払ってるのか?」

折本「うん。バイトしてるからねー」

八幡「偉いな」

折本「でしょー。なんか奢ってよ」

八幡「なんでそうなるんですかね」

折本「いいじゃん。比企谷はスカラシップで小銭稼いでるんでしょー?」

八幡「小銭だ、小銭。それに本も買ったから俺も余裕はないんだわ」

折本「ふーん、本当に本が好きだね」

八幡「まあな」

折本「中学の時、読書してたっけ?」

八幡「教室ではしてない。一人でいれる場所でしていた」

折本「そっか。……やっぱり、惜しいなー」

八幡「なにが?」

折本「中学の時にもっと比企谷と絡んでおけばと思ってね。そしたらもっと楽しく出来たかなと思ってさー」

八幡「……ないだろ。俺に絡んでいたら楽しいどころか、お前もぼっちになっていたぞ」

折本「そうかなー」

八幡「そうだ。よく言うだろ。昨日の友は今日の敵ってな」

折本「それ反対じゃん」

八幡「実際そうなんだよ。きっかけさえあれば、友人関係なんかすぐ崩れる。学生なら尚更な」

折本「それじゃあたし、千佳、戸塚くんとの関係もすぐに崩れると思ってんの?」

八幡「…………わからない」

折本「……」

八幡「崩れなくても時間が経てば疎遠になる。これから先、受験やなんやらで確実に会う回数は減ってくるだろう」

折本「うん」

八幡「それでも俺は……今の関係が続けばいいとは……思ってる……」

折本「……そっか、そっか! だよね!」パシン

八幡「痛っ。叩くんじゃねぇよ」

折本「あたしも今の関係が続けば嬉しいよ」

八幡「……」

折本(千佳と比企谷が進展すればもっと嬉しいけどねー)

八幡(あー、恥ずかしい! なに言ってんの俺! 御堂筋くんがいたらキモ連発されるところだったぜ)

折本「んじゃ、あたしはこっちだから」

八幡「ああ」

折本「比企谷、またね!」

八幡「またな」

八幡(さて、帰ったらSAOのOPリピートするか。原作読んでると泣いちゃうよね、あれ)

今回はここまで
最初で最後の変態大集合でした

10巻の戸塚の挿絵がアレだった

こんばんは
明後日あたり投下しますね

最近、本が溜まってて投下が遅くなってるけど面白い本が多いのが悪いので俺は悪くないです

- 3日後 -


八幡『ほら、合格祝いだ』

小町『これってもしかして……』

八幡『ああ。ナーヴギアだ』

小町『お兄ちゃん、こんな高価なもの、どうやって手に入れたの!?』

八幡『小町への愛ゆえに』

小町『もう……ポイント高すぎるよ///』


その後、小町はVRMMORPGの世界に魅了され、いつしか不敗の剣士《絶剣》と呼ばれるようになった。
そして自身のギルドと折本の七人で二十七層のボスを撃破し、その名を更に轟かせたのだった。


八幡「……ん……」

八幡「……夢か。まあ、そりゃそうだよな……」

八幡(ていうかなんで小町と折本の組み合わせなの? 折本の小町に会いたいという強い願いが俺の夢に影響しちゃったの?)

八幡(まあ、いいか。それより今日は小町の合格祝いだ。……明日もあるんだけどね)

- リビング -


小町「お兄ちゃん、おはよう」

八幡「おう。なんだ、もう着替えてるのか?」

小町「うん。だって楽しみだしー! それと合格祝いの前に学校を案内してくれるんでしょ?」

八幡「ああ、そういえばそうだった」

小町「忘れてたの?」

八幡「違う。起きたばかりで頭が回ってないだけだ。それより、今日は奉仕部のメンバーと。明日は仲町さん達と二日連続の合格祝いになるがいいのか?」

小町「もちろん。お祝い事は何度でも歓迎だよ!!」

八幡「ならいいけど」

小町「それより洗濯するからお兄ちゃんも早く着替えてよ」

八幡「わかった」

小町「朝食はパンでいいよね?」

八幡「ああ」

- 二時間後 総武高校 -


小町「校内に入るのは文化祭以来だよー」

八幡「文化祭か。懐かしいな」

小町「中学より規模大きいし、小町、楽しみだなー」

八幡「一年は希望通りの出し物が出来ないと思うから期待しない方がいいぞ」

小町「……そっか。上の学年優先だよね」

八幡「ああ。クラスも多いから被るのが多いみたいだしな」

小町「……」

八幡「どうした?」

小町「お兄ちゃん、行事には非協力的なのに詳しいね」

八幡「非協力的なだけで、一応話は聞いてるからな」

小町「ふーん。あ、奉仕部の部室いきたーい!」

- 奉仕部 部室 -


小町「ふんふん、ここが四月からお世話になる部室かー」

八幡「え? 奉仕部に入部すんの?」

小町「当たり前じゃん。むしろ、なんで小町が入部しないと思ったの?」

八幡「……」

小町「駄目かな?」ウルッ

八幡「いや、駄目じゃないぞ! むしろ、小町が入部してくれてお兄ちゃん泣きそうなまである!」

小町「えー? それはちょっと引くかも……」

八幡「酷い……」

小町「そういえば」

八幡「ん?」

小町「依頼が来ないときはいつもなにしてるの?」

八幡「俺は読書、由比ヶ浜が携帯弄り、雪ノ下はニャンコ先生愛でり、相模は妄想だな」

小町「そ、そっか……」

八幡「依頼も滅多に来ないからな。基本暇だ」

小町「なるほどねー」

- 下駄箱 -


八幡「それじゃそろそろ行くか」

小町「うん」


戸塚「あ、八幡と小町ちゃん」


小町「戸塚さん、やっはろーです!」

八幡「よう。今日も綺麗だな」

戸塚「小町ちゃん、やっはろー! 八幡もこんにちは」

八幡(……スルーされてしまった。もしかして面倒だと思われてるのか?)

戸塚「小町ちゃん、今日はどうしたの? 入学手続きじゃないよね?」

小町「学校見学です」

戸塚「見学かー。四月から同じ総武校生だね」

小町「はい、四月からよろしくお願いします。戸塚先輩♪」

戸塚「戸塚先輩。なんか照れちゃうな///」

八幡(戸塚がさっきから小町の相手ばかりしてる。ふざけたことばかり言ってたから嫌われたのだろうか……)

戸塚「八幡」

八幡「……ん?」

戸塚「明日は十二時に八幡んちに集合でいいんだよね?」

八幡「あ、ああ」

戸塚「楽しみにしてるね。あと、またラノベ貸してくれる? 八幡のお勧めの本は全部面白いから。いいかな?」

八幡「も、もちろんだ!」

戸塚「ありがとう。それじゃまたね、二人とも」

小町「はい。部活頑張って下さいねー」

八幡(よかった。嫌われてなかった。むしろ本のセンスを褒められてしまった)

八幡「小町」

小町「なに?」

八幡「戸塚へのお勧めの本を選ばないといけないから先に帰ってもいい?」

小町「駄目に決まってるじゃん。今の小町的に超ポイント低いよ……」

- 十二時 雪ノ下宅 -


結衣「それじゃ小町ちゃんの合格を祝ってカンパーイ!!」

「カンパーイ!!」

小町「ありがとうございます!!」

結衣「小町ちゃん、おめでとう!」

雪ノ下「おめでとう、小町さん」

相模「おめでとさん!」

八幡(なんだろう。エヴァの最終回を思い出してしまった)

小町「みなさん、ありがとうございます」

結衣「これで小町ちゃんもあたしの正式な後輩だねー」

小町「ですねー」

結衣「何か困ったことがあったらなんでも言ってね! ゆきのんが何でもしてあげるから!」

雪乃「なぜわたしが……」

相模(結衣ちゃんも言動が少し比企谷に似てきたかも)

- 10分後 -


小町「へー、結衣さんと南さんは文系にしたんですねー」

結衣「うん。あたしの頭じゃ理系はちょっとね……」

八幡「理系もの間違いだろ」

結衣「むー!」

小町「南さんはなぜ文系に?」

相模「もちろん比企谷と一緒がいいから!」

八幡「……」

小町「さすが南さん。相変わらずストレートですね」

相模「まぁね」

結衣(そういうところ、羨ましいかも……)

雪乃「いいわね。わたしは科が違うから文系も理系もないもの」

八幡(おや、雪ノ下が拗ねているようだ)

結衣「それじゃ普通科に編入してきたら? そしたらクラスも一緒になれるかも!」

相模「結衣ちゃん、それは無理だよ」

結衣「そうなの?」

雪乃「え、ええ。でも気持ちは嬉しいわ」

結衣「そ、そう? えへへ///」

雪乃「っ///」

八幡(相変わらず百合空間をいきなり発動させやがる。文化祭の時にナニかあっただろ)

小町「それより……」

相模「どうしたの?」

小町「雪乃さんの家、夏目友人帳というよりニャンコ先生のグッズが凄いですね」

雪乃「っ!」

(あ、馬鹿っ!)

雪乃「ええ。ニャンコ先生はわたしのパートナーだもの。いい、小町さん? そもそも―――――」

- 30分後 -


雪乃「わかってもらえたかしら?」

小町「は、はい……」ゲッソリ

雪乃「それと友人帳なら夏目くんよりわたしが持っていたほうが有意義に――――」

小町(まだ続くの……)


結衣「ヒッキー、ケチャップ取って」

八幡「ほれ」スッ

結衣「ありがとう」

相模「小町ちゃん、なんか目が濁ってるんだけど……」

結衣「仕方ないよ。奉仕部に入るから避けて通れない道だから」

八幡「そうだな。それに濁った目の小町も可愛いという事実も確認出来たしな」

相模「相変わらずシスコンなんだから」

八幡「ああ」

相模「シスコンにロリコンに、うちの学校は変人ばかりだよねー」

八幡「お前が言うな」

結衣「さがみんが一番変人だけどねー」

相模「てへっ///」

- 一時間後 -


小町「」スヤスヤ

雪乃「」スースー

結衣「」グーグー

八幡「なんで寝てんだよ」

相模「結衣ちゃんと雪ノ下さんは昨日から準備してたみたいだし疲れたんじゃない? 小町ちゃんは仕方ないよ」

八幡「そうだな。小町は仕方ないな。……洗い物でもするか」

相模「うちも手伝う」

八幡「邪魔はするなよ」

相模「大丈夫! 洗い物してる間は手を出さないから!」

八幡「つまり洗い物が終われば手を出してくると。相模さん、レイプ宣言をするなんて本当に変態ね。通報していいかしら?」

相模「あふん! 雪ノ下さんの真似で罵倒されるのもいいかもっ///」

- 10分後 -


相模「そういえば」

八幡「あん?」

相模「比企谷は志望校は決まってるの?」

八幡「そうだな」

相模「どこどこ?」

八幡「東京大学」

相模「え」

八幡「東京カスピアン産業大学な」

相模「は?」

八幡「冗談だよ」

八幡(葉山か平塚先生じゃないとこのネタわからないよな)

相模「もう、真面目に答えてよ!」

八幡「相模に怒られた……だと……」

相模「いいから答えて!」

八幡「まあ、無難に〇〇大だな」

相模「〇〇大か。……うち、受かるかな……」

八幡「なに? 大学まで俺のストーカーする気なの?」

相模「うん!」

八幡「いや、そんな元気よくストーカー宣言されても困るんだけど……」

相模「同じアパートに住んで毎日ゴミを漁るまであるよ!」

八幡「」

相模「それに毎日寝かせてあげないんだから。無言電話でっ///」

八幡(ふぇ。この子、変態からキチガイに進化しちゃってるよぉ……)

八幡「ち、ちょっとトイレ……」

相模「いってらっしゃい」

- 5分後 -


相模「うちもトイレ行ってくるね」

八幡「あ、ああ」

相模「鍵開けておくからっ///」

八幡「」ヒクッ


ギー


八幡(おかしい。また相模の変態度が加速しているような気がする)

八幡(この前、喫茶店で変態連中と一緒にいるのを見てからだよな)

八幡(変態同士、交流を深めてパワーアップしちゃったの?)

- 10分後 -


相模「ただいま」

八幡「おう……っ!?」

相模「どうしたの?」

八幡「あ、いや。なんでもない」

相模「変な比企谷」クスッ

八幡(なんか口から毛がはみ出てるのは気のせいだろうか)

八幡(見るからに陰毛っぽいんだが。まあ、気のせいだろう。気のせいにしておこう。気のせいだ)

相模「三人ともまだ起きないね」

八幡「ああ。まだ夕方前だしもう少し寝かせておいていいだろ」

相模「それじゃ起きるまでうちを犯しておこうか」

八幡「いいから大人しくしておいてくれない?」

相模「それは無理!」

八幡「大声出すな。小町が起きちゃうだろうが」ベシッ

相模「あんっ///」

八幡「なんか本でも読んで待ってろ」

相模「うち、絵がないと無理!」

八幡「だから声大きい」ベシッ

相模「っ///」ビクン

八幡「夏目友人帳があるからそれでも読んでろよ」

相模「うん」

八幡(俺も適当に本を読ませてもらうか)

相模「……」

相模(やっぱり小町ちゃんの言うとおりだ。前は叩くのも躊躇してたのに今じゃ平気で叩いてる)

相模(比企谷は自覚ないだろうけど、うちはわかるよ)

相模「ふふふ」

- 30分後 -


雪乃「随分寝てしまったようね」

八幡「ああ。気持ち良さそうに寝ていたぞ」

雪乃「そう。やはりニャンコ先生を抱いて寝たおかげかしら」

八幡「なに? それ抱くと快眠間違いなしなの?」

雪乃「もちろんよ。怪に名前を返す夢を見る特典付きよ」

八幡「なにそれ欲しい」

雪乃「それじゃ今度皆で買いに行きましょうか」

八幡「あ、いや……」

雪乃「来週の土曜の十時に〇〇に集合ね」

八幡「あ、はい……」

雪乃「ふふふ、比企谷くんのような夏目友人帳に愛がある人と出かけるのはとても楽しみだわ」

八幡「そ、そうですね……」

雪乃「由比ヶ浜さんはアニメ鑑賞中に必ず寝てしまうんだもの……」

八幡(そりゃ何度も見せられたら眠たくなるだろ)

雪乃「そういえば妖怪で思い出しのだけれど」

八幡「なんだ?」

雪乃「もしかして比企谷くんのアホ毛って妖怪アンテナなのかしら?」

八幡「違ぇよ。これは比企谷家特有だ」

雪乃「そう。そういえば小町さんにもアホ毛があるわね」クイッ

小町「……ん……」ビクッ

八幡「こら引っ張るな」

雪乃「ごめんなさい。つい。それより相模さんは?」

八幡「相模ならお前の部屋で漫画を読んでると思うけど」

雪乃「そう。少し様子を見てくるわ」

- 自室 -


雪乃「相模さん、入るわよ」ギー

相模「」グーグー

雪乃「あら、寝ているのね」

相模「」グーグー

雪乃「まったく勝手に人のベッドで……あっ!」

雪乃(ほ、本に涎が……)

雪乃(わたしの大事な夏目友人帳の本に涎が……)

雪乃「あぁ……」ガクッ

雪乃「」ドサッ

- 10分後 -


結衣「ゆきのん、さがみん?」コンコン


シーン


結衣「寝てるのかな?」

八幡「そうかもしれん。ドア開けて確認してくれ」

結衣「うん」

八幡「俺はリビングに戻ってる」

結衣「りょーかーい!」

結衣「ゆきのん、開けるよ?」ギー


雪乃「……」

相模「」グーグー


結衣「ゆ、ゆきのーん!!」

- 1時間後 -


相模「ごめんね、雪ノ下さん」

雪乃「……」

結衣「本当だよ。涎垂らしながら昼寝しちゃうなんてもう!」

八幡「いや、お前も人のこと言えないだろ。電車で俺の服に涎……」

結衣「な、なんのことだっけ!?」

八幡「……」

雪乃「……」

八幡「相模も謝ってることだし許してやれよ。本も弁償するって言ってるんだしよ」

雪乃「……そうね」

相模「」ホッ

八幡「それとこれやるから」

雪乃「こ、これは……?」

八幡「なんか家にあったニャンコ先生のバッジだ」

雪乃「わたしにくれるというの?」

八幡「ああ」

雪乃「比企谷くんが天使に見えるわ。堕天使だけれど」

八幡「おい、俺はニートじゃないからな」

雪乃「ふふ、このバッジ欲しかったのよ。オークションでもなくて」

八幡「そうか。結構レアなのか?」

雪乃「そうね。制服につけようかしら」

八幡「それはやめておけ。お前に幻想を抱いてる連中が発狂するぞ」

雪乃「そんなふざけた幻想なんて壊れてしまえばいいのよ」

- 帰り道 -


相模「いやー、雪ノ下さん、許してくれてよかった……」

小町「ですねー。あんな落胆した雪乃さん、初めて見ましたよー」

八幡「まあ、今後は気をつけるんだな」

相模「うん。寝るときはタオルを置いて寝るようにするね」

八幡「いや、涎を垂らさないように気をつけろよ」

相模「でも出ちゃうもんは仕方ないじゃん。それに下の涎も―――ふぐっ!」

八幡「小町の前で卑猥な発言はやめろ」

小町「……」

相模「ふぐ、ふぐ!」コクリ

- 蘇我駅 -


相模(比企谷に手で口を塞いでもらっちゃった///)

相模(なんか本気で犯される5秒前って感じでいいっ!!)

相模(これなら三月中にビンタくらいならしてくれるかも)

相模「」ジュルリ

相模(おっと、いけない)フキフキ


葉山「あれ? 相模さんじゃないか」


相模「お、葉山くん。部活帰り?」

葉山「いや、カラオケの帰りだよ」

相模「一人カラオケ?」

葉山「まさか。七咲と一緒に決まってるじゃないか」

相模「だよねー」

- サイゼ -


葉山「へー、比企谷の妹さんの合格祝いだったんだ」

相模「うん。明日は別の面子でするみたいだけど」

葉山(恐らく仲町さん達とかな)

相模「よかったよ。小町ちゃんが後輩になってくれて」

葉山「そうだね」

相模「そういえば、葉山くんって最近、副会長と仲が良いよね。学校でよく話してるの見かけるんだけど」

葉山「うん。彼とは共通点もあるからね」

相模「共通点?」

葉山「ああ。リアル女子に苦労しているところだね」

相模「三浦さん?」

葉山「うん。彼はいろはだね。同じ生徒会だから仕方ないだろうけど」

相模「葉山くんから一色ちゃんに言ってあげればいいのに」

葉山「最近、無視されるんだ」

相模「そうなの?」

葉山「ああ。どうやら俺の本性に気付いてるのかもしれない」

相模「結構鋭いんだね」

葉山「そうだね。練習後に俺だけタオルじゃなく雑巾を渡されるからね」

相模「どんだけ酷いことしたのっ!?」

葉山「何もしてないと思うんだけどね」

相模「そっか。今度、一色ちゃんに聞いてみるよ」

葉山「よろしく頼むよ。そういえば……」

相模「なに?」

葉山「遥さんだっけ? 相模さんの友達の」

相模「うん。遥がどうかしたの?」

葉山「今日、学校で見かけたんだけど……」

相模「学校で?」

葉山「戸塚の下駄箱で何かしていたようなんだけど、心当たりあるかい?」

相模「うーん、上履きでも舐めてたんじゃない?」

葉山「」

相模「後は下駄箱自体を舌で掃除していたとか? 考えられるのはそれくらいかな」

葉山(それを考えられること自体おかしいんだけどね……)

葉山「そうか。この前、喫茶店で話したときは大人しい子だと思ったんだけどな」

相模「遥はうちクラスの変態だよ。ううん、うち以上かも」

葉山「そうか」

葉山(戸塚も大変だな)

相模「遥ったら妄想癖が激しくて、戸塚くんが黒い部分があるって言うんだよね」

葉山「……」

相模「戸塚くんに黒い部分なんてあるわけないのにねー」

葉山「……」


戸塚『葉山くんと七咲さんのSS、学校で晒しちゃうよ?』

戸塚『ごめん。材木馬くんの自作小説と間違ってシュレッダーしちゃった!』


葉山「そ、そうだね……」

- 某駅前 -


戸塚(部活にスクールと今日はテニス尽くしだったなー)

戸塚(明日は小町ちゃんのお祝い。明日待っていくお菓子とジュースでも買おうかな)


遥「と、戸塚くん!」


戸塚「遥さん?」

遥「こ、こんにちは。偶然だね!」

戸塚「うん。何処か出かけてたの?」

遥「うん。戸塚くんは部活帰り?」

遥(ずっと戸塚くんのストーキングをしてました)

戸塚「部活は午前中に終わって、午後からはスクールに行ってたんだ」

遥「そうなんだ。一日中テニスなんて凄いね!」

遥(ごめんなさい。知ってました)

戸塚「そんなことないよ。好きでしてることだからね」

遥(わたしのことも好きにしてっ///)

戸塚「僕、スーパーに寄るんだけど一緒に来る?」

遥「うん!」

- スーパー -


戸塚「明日、小町ちゃん―――八幡の妹さんの合格祝いをするんだ。その買出し」

遥「比企谷の妹? そういえば南が言ってた。比企谷と全然似てないって」

戸塚「確かに似てないかも。アホ毛だけ同じだけどね」

遥「可愛いの?」

戸塚「可愛いよ」

遥「」ムッ

戸塚「天真爛漫って感じかな」

遥「そうなんだ。……異性として意識してたり……?」

戸塚「僕が小町ちゃんを?」

遥「……」

戸塚「どうだろう。あまりそう目で見たことはないかな」

遥「」ホッ

戸塚「それにそういうのはよくわからないんだよね」

遥「好きになった子とかいないの?」

戸塚「うん。いつか出来るといいんだけど」

遥「……」

遥(これで戸塚くんが汚れないことは確定。わたしが汚してあげないとっ!!)

戸塚「あれ? なんで僕、こんな話してるんだろ。今のは誰にも言わないでね」

遥「うん! もろちん!」

戸塚「え」

遥「あ、もちろんの間違いで、そのっ///」

戸塚「変なの」クスッ

遥「はうっ///」

- 10分後 -


戸塚「それじゃまた学校でね」

遥「うん。またね」

戸塚「気をつけてね。もう暗いし」

遥「ありがとう」

戸塚(あれ? 男の子の場合は送ってあげた方がいいのかな?)

遥「それじゃ……」

戸塚(うん。送ってあげた方がいいよね。僕は男の子なんだし)

戸塚「えっと、近くまで送ろうか?」

遥「え」

戸塚「女の子一人じゃ危険だし。どうかな?」

遥「」

戸塚「遥さん?」

遥(おっふ、戸塚くんの送り狼発言でトリップしちゃった)

遥「それじゃお願いします///」

戸塚「うん」

戸塚(なんか頼られてる感じがしていいかも!)

- 自宅前 -


戸塚「ここでいいの?」

遥「うん。ここがわたしのお家だから」

戸塚「そっか」

遥「えっと……」

遥(うちに寄らない? 両親いないからわたしのこと好き放題出来るんだけど、って言えないよね……)

戸塚「それじゃまたね」

遥「あっ」

戸塚「ん?」

遥「……うん、またね」

戸塚「バイバイ」

遥(はぁ、わたしってヘタレだな。南が羨ましい……)

- 比企谷宅 -


小町「ねー、お兄ちゃん」

八幡「ん」

小町「明日って折本さんも来るんだよね?」

八幡「ああ。それに戸塚も来るぞ。戸塚がな」

小町「それは知ってるよ。折本さんと会うの初めてだから楽しみかもー」

八幡「まあ、気は合うじゃねぇの」

小町「そうかな?」

八幡「ああ。仲町さんと違ってうるさいからな」

小町「それって小町もうるさいってこと?」

八幡「うるさい。でもそのうるささがお兄ちゃんに元気を与えてくれるんだ。今の八幡的にポイント高い」

小町「小町的には微妙かも。まあ、いいや。明日は沢山料理作ってね!」

八幡「わかった。味は期待しないでくれよ」

小町「愛情があれば無問題だよ!」

おまけ~マゾのん~


八幡(昨日は平塚先生が来てくれたおかげで助かったな)

八幡(今日は部活休もう)

八幡(さて、今日もベストプレイスでぼっちめしでもするか)


雪乃「比企谷くん」


八幡「ひっ!」

雪乃「一緒にお昼を食べましょう。迎えに来たわ」


ザワザワ


八幡「いや、今日は食欲がなくて……」

雪乃「そう。せっかく、比企谷くんのためにお弁当を作ってきてあげたのだけれど……」

戸部「ヒキタニくーん、そこは行くべきでしょ!」

大和「だな」

雪乃「来てくれないと……わたし、何をするかわらかないかもしれないわ」ボソッ

八幡「」ゾクッ

雪乃「……行きましょう」ニコッ

八幡「……はい」

今回はここまで
また今度

高校の時に超電磁砲を貸したらご飯粒がついて返ってきた
絶対許さない、絶対にだ

こんばんは!
次回は日曜の夜に投下します!

次回はゆきのんと折本がメインです

前倒しで今晩投下しますわー

- 3月上旬 総武高校テニスコート -


八幡「よっ」パンッ

戸塚「ナイスコントロール! 今日はこれくらいにしておこうか」

八幡「ああ」

戸塚「八幡、上手くなったね。コートを9分割に狙って打てるなんてなかなかできることじゃないよ!」

八幡(さすがです小町のお兄様!)

八幡「まあ、ベイビーステップ見てるからな」

八幡(栄ちゃん同様に俺にも応援してくれる天使がいるからな)

戸塚「そっか。実はスクール通うようになったのはあれに影響を受けてなんだ」

八幡「そうだったのか」

戸塚「うん。レベルが高くて最初は練習についていくのがやっとだったんだけどね」

八幡「まあ、スクールだからな。明日も7時集合でいいか?」

戸塚「あれ? 八幡、天気予報見てないの?」

八幡「ああ」

戸塚「今日の夜遅くから大雪だから、明日は練習出来ないと思うよ」

八幡「そうなのか」

戸塚「もしかしたら学校も休みになるからもしれないね」

八幡「是非そうなって欲しいな」

戸塚「八幡らしいね。それじゃ着替えて教室に戻ろっか」

八幡「おう」

- 15分後 教室 -


相模「二人とも、朝練お疲れ様」

戸塚「ありがとう」

八幡「おう。てか何で知ってんの?」

相模「うちは比企谷のことなら何でも知ってるよ。……昨日の夕食はうどんだったよね?」

八幡「」ゾクッ

相模「まあ、小町ちゃんから聞いたからなんだけど」

八幡「おい、やめろ。マジでストーカーかと思っちゃったじゃねぇか」

相模「比企谷が望むならいつでもストーカーになるよ///」

八幡「一生望まないから安心しろ」

相模「あんっ///」

八幡(朝から疲れさせてくれるな)

戸塚「そ、それより、もうすぐ期末テストだね!」

八幡「そうだな」

相模「テストかぁ。……二人とも勉強してる?」

戸塚「僕は少ない時間だけど普段からしてるよ」

八幡「俺もだ。数学以外はな」

相模「二人とも偉いね。うちはテスト前しか勉強しないからなぁ」

戸塚「それでも成績上位なんだから凄いよ、相模さんは」

相模「そんなことないよ。精々20位以内がいいところだし」

八幡「へえ、成績良いんだな」

相模「比企谷は?」

八幡「俺は文系だけなら上位だ。文系だけならな」

相模「そ、そっか。まあ、志望校に受かればいい話だもんね!」

八幡「そうだ。だから数学は留年しないように最低限頑張ればいい」

戸塚「八幡、数学嫌いだもんね」

八幡「ああ。大嫌いだ」

戸塚「でもさ、今回は少し頑張ってみない?」

八幡「え」

戸塚「僕、数学は得意なんだ。教えるから今回は頑張ってみようよ。ね?」

八幡「うん、八幡頑張る!」

相模「……」

戸塚「そのかわり現代文を教えてね?」

八幡「もちろんだ。むしろ満点取れるまで頑張るつもりである」

戸塚「あはは、それは頼もしいな」

相模「うちも! うちも教える!」

八幡「今回は保健体育はないぞ」

相模「知ってる! えっと、化学とか生物とか?」

八幡「まあ、化学も苦手だが。……セクハラするつもりだろ?」

相模「」ギクッ

八幡(俺に酷いことするつもりだな。同人誌みたいに!!)

相模「し、しない。我慢するから!」

八幡「……」

戸塚「いいんじゃないかな」

八幡「戸塚?」

戸塚「二人より三人で勉強した方がお互いの為になると思うんだ。どうかな?」

八幡「戸塚の仰せのままに」

戸塚「なんでそこで跪くのさ……。……それじゃ一緒に頑張ろうね、相模さん!」

相模「うん! ありがとう!」

相模(戸塚くん、マジ天使!!)

戸塚「確かテストの一週間前から部活禁止になるから、放課後に図書室で勉強しよう」

八幡「了解だ」

相模「はーい!」

- 放課後 奉仕部 -


八幡「なあ、雪ノ下」

雪乃「なにか?」

八幡「明日、大雪って知ってたか?」

雪乃「もちろんよ。なので明日は部活はお休みにします」

八幡「そうか」

八幡(一つの質問で俺の聞きたかったことまで回答してくれるとは。さすが総武高校の優等生)

結衣「ほぇ、明日は雪なんだ」

相模「結構降るみたいだから電車動かないかもね」

八幡「いっそ休みになってくれればいいんだけどな」

結衣「うん。それならずっとお布団に潜っていられるね!」

八幡「そういうことだ」

雪乃「由比ヶ浜さんは自習をした方がいいと思うのだけれど」

結衣「なんで?」

相模「期末テストが近いからでしょ」

結衣「え? そうなの?」

八幡「10日後からだ。それくらい知っとけよ……」

結衣「うっ……」

相模「それで大丈夫なの?」

結衣「なにが?」

相模「留年とか」

結衣「」

雪乃「そうね。わたしもそこを心配していたのよ」

相模「うち、やだよ。四月になって結衣ちゃんからさがみん先輩って呼ばれるの」

雪乃「わたしは大丈夫。例え学年が違っても友人に変わりはないわ」

八幡(こいつら酷いな……)

結衣「ちょっと二人とも! あたしのこと馬鹿にしすぎだから!!」

相模「だって事実だし」

雪乃「そうね。わたし達は、由比ヶ浜さんのことを心配して言ってるのよ」

結衣「心配。……そ、そっか。ごめん、ありがとう」

雪乃「友人のことを心配するのは当たり前じゃない。ねえ、ニャンコ先生」

相模「そうだよ、結衣ちゃん」

雪乃「ニャンコ先生もあなたことを心配してるわ。ふふふ、大丈夫よ。わたしが勉強を教えてあげるもの」ナデナデ

八幡(今の雪ノ下を見たら陽乃さんはどう思うのだろうか……)

相模(雪ノ下さん、症状が悪化してきてるような……)

結衣(ゆきのん、あたしはゆきのんの将来も心配になってきたよ……)

八幡「……ん? ニャンコ先生のバッジ、鞄につけてるんだな」

雪乃「ええ。これがあるだけで教室内でも快適にすごせるようになったわ」

八幡「お、おう……」

雪乃「それより五期はまだなのかしら。アニ〇レックスは頭がおかしいのね」

八幡(いつのまに会社まで……)

八幡「まあ、原作のストックが溜まらないことにはな。だから気長に待とうぜ」

雪乃「そうね」

八幡「それに四期もやってるんだから、十分凄いことだと思うぞ」

雪乃「当たり前じゃない。……比企谷くん、帰りにカフェに寄りましょう」

八幡「え」

雪乃「久しぶりに比企谷くんと夏目トークをしたくなったわ」

八幡「」

雪乃「わたしの話についてこれるのは比企谷くんだけだもの。比企谷くんがアニメ好きでよかったわ」

八幡「あ、いや、今日はアレがアレなんで」

雪乃「大丈夫。アレがアレだから問題ないわ」

八幡「おっふ」

八幡(しまった。これは夜までコース確定だ。ここは相模と由比ヶ浜の二人を道連れにして――――)

結衣「へ、へー、いいなー。あたしは今日は家族でコンビニに行くんだー」

相模「う、うちも、遥とゆっこと電車に乗らないといけないんだよねー」

雪乃「そう。それじゃお二人はまた今度ということで」

八幡(いやいや、ちょっとおかしいでしょ。家族でコンビニってなんだよ。それに電車に乗らないといけないって帰宅するだけじゃねぇか)

雪乃「それじゃ今日はもう切り上げましょうか」

- 10分後 下駄箱 -


八幡(はぁ。帰ったら録画したの見たかったのにな)


いろは「先輩」


八幡「……一色か」

いろは「なんですか、折角可愛い後輩が声を掛けたっていうのに、その覇気のない返事は……」

八幡「俺に可愛い後輩なんていないんだけど。あ、四月からは可愛い後輩は出来るな」

いろは「は? ああ、妹さんですね。まったくシスコンにロリコンにこの学校は気持ち悪い人ばかりですね」

副会長「なぜ俺までディスられないといけないんだ……」

八幡(副会長もいたのか。……そうだ、こいつなら夏目のこと知ってるはず。子狐あたりに欲情しているに違いない)

副会長「?」

八幡「なあ、副会――――」


雪乃「お待たせ、比企谷くん」


いろは「あ、雪ノ下先輩。こんにちは」

副会長「やあ」

雪乃「こんにちは。二人とも、生徒会の仕事かしら?」

いろは「はい」

雪乃「毎日お疲れ様。……それじゃ行きましょうか」

いろは「え? もしかして先輩とデートですか!?」

雪乃「いいえ。ただ一緒にお茶をするだけよ」

副会長「二人で?」

雪乃「そうだけれど」

八幡(さっきは遮られてしまったが俺は諦めないぞ。ハチマンアキラメナイ!)

八幡「なあ、副会長」

副会長「なんだ?」

八幡「副会長は夏目好きか?」

副会長「夏目? ああ、夏目友人帳か。好きだけど」

いろは(夏目友人帳?)

雪乃「……っ!」

八幡「そうか。なら副会長も一緒にお茶しないか?」

副会長「え」

雪乃「そ、そうね。駅前のカフェなのだけれどどうかしら?」ワクワク

副会長(これは会長から逃げ出せるチャンスではっ!!)

副会長「ああ、是非――――」


いろは「ダメですよー。わたしに仕事を押し付けるつもりですかー?」


副会長「くっ……!」

八幡(こら一色。邪魔してんじゃねぇよ。このゆるふわビッチが)

いろは「ちょっ、なんで睨むんですか!?」

雪乃「……仕事なら仕方ないわね。また今度の機会にしましょう」

八幡(くっ! 作戦は失敗かっ!!)

副会長「そ、そうだな。折角、誘ってもらったのに悪いな」

雪乃「いいえ。こちらこそ急に誘ってごめんなさい」

いろは「いえいえ。気にしないでください」

副会長「……」

八幡(お前は少しは気にしろ。俺の邪魔をしたことをな)

いろは「それより今度はわたしも誘ってくださいよー」

雪乃「そうね。ちなみに一色さんは夏目友人帳は知っているのかしら?」

いろは「いいえ。全く知らないですけどー」

雪乃「そう。なら誘うのは副会長だけにするわ」

いろは「え」

雪乃「比企谷くん、行くわよ」

八幡「ああ……」

いろは「ま、待って下さい! なんで副会長だけでわたしは誘ってくれないんですか!?」

雪乃「そんなの決まってるじゃない。あなたが愚かだからよ」

いろは「」

雪乃「ではこれで」

八幡「またな」

副会長「あ、ああ」

いろは「」

- 5分後 -


いろは「」

副会長(まだフリーズしてる)


葉山「おや、二人ともどうしたんだい?」


副会長「葉山」

葉山「やあ。……いろは?」

副会長「ああ、今、会長は固まっていてな」

葉山「固まってる? もしかして俺と副会長以外の時間が止まっているのかっ!?」

副会長「違うから……」

葉山「冗談だよ。それでなんで固まってるんだ?」

副会長「なんか知らん雪ノ下さんに愚か者扱いされてな」

葉山「雪ノ下さんに?」

副会長「まあ、そのうち再起動するだろう。気にしないでくれ」

葉山「わかった。いろはのことよろしく頼む」

- 20分後 カフェ -


雪乃「比企谷くんと二人でお茶なんて久しぶりね」

八幡「そうだな」

雪乃「今日はわたしが奢るわ」

八幡「いや、自分の分は払うから―――」

雪乃「四時間ほど時間を頂くつもりだから気にしないで」

八幡「……はい」

雪乃「ふふふ、最近は一人でBD鑑賞していただけだから溜まっていたのよ」

八幡「……」

雪乃「ニャンコ先生も比企谷くんに会いたがっていたわ」

八幡(学校がある日は部室で毎日会ってるんですが……)

- 2時間後 -


雪乃「やっぱり妖怪達もそうだけど、彼の周りの人達も素晴らしいと思うの」

八幡「そうだな。塔子さんとかな」

雪乃「そうよ! うちの母親とは大違いよ!」

八幡「そ、そうなのか?」

雪乃「ええ。塔子さんがヒノエだとしたら、お母さんはカッパよ!」

八幡(夏目のキャラを夏目で例えられても……)

雪乃「それに西村くんもいい子ね。特に文化祭では感動したわ」

八幡「そうだな。夏目も号泣してたからな」

雪乃「わたしも号泣したわ」

八幡「え? お前、泣くの?」

雪乃「ええ。十年ぶりに泣いたわ」

八幡「夏目、凄ぇな……」

雪乃「そう。それと聖地巡礼したときの話なのだけれど――――」


めぐり「あれー? 雪ノ下さんと比企谷くんだー」


雪乃(誰かしら? わたしと比企谷くんの時間を邪魔するのは)ギロリ

めぐり「ひぅっ」ビクッ

八幡「ども」

雪乃「……城廻先輩でしたか……」

めぐり「う、うん。二人でいるなんて珍しいねー」

めぐり(こ、怖かったよぉ……)

八幡「そうっすね。城廻先輩、今から帰りですか?」

めぐり「うん」

八幡「遅いですね」

めぐり「生徒会室にお邪魔してたんだけど、暖房が効いてて、気持ちよくなって寝ちゃったんだよねー」

八幡(この人らしいな)

雪乃「それでわたし達に何か用ですか?」

めぐり「え、えっと、雪ノ下さん、怒ってる……?」

雪乃「怒ってません」

めぐり「あぅ……」ウルッ

八幡「お、おい。それで先輩もお茶を?」

めぐり「うん。でも一杯飲んだからすぐ帰るけどね。二人も早く帰った方がいいよー」

雪乃「なぜですか?」

めぐり「雪が降るからだよ」

雪乃「あっ」

八幡「すっかり忘れていたな」

めぐり「だから降らないうちに帰った方がいいと思うんだー」

雪乃「……そうですね」

八幡(お、意外と素直に――――)

雪乃「帰って夏目が見れなくなるのも困るもの。今日は二期の第八話から見る予定なの」

八幡(そっちかよ。それより何回見てんだよ。もしかして毎日見てるんじゃねぇだろうな)

- 翌朝 比企谷宅 -


八幡「凄い積もってるな」

小町「だねー。休校になりそう?」

八幡「今は降ってるわけじゃないからな。まあ、電車も止まってるしゆっくり行くつもりだ」

小町「そっか。小町は三年生だけ休校だよ」

八幡「羨ましいな」

小町「いいでしょうー?」ニコッ

八幡「二度寝するわ。京葉線、再開したら起こしてくれ」

小町「あいあいさー」

- 10時 駅前 -


八幡(10時ごろ再開するとネットに記載してたがまだか)


折本「比企谷」


八幡「おう」

折本「おっす。凄い雪だったねー」

八幡「ああ。休校になること期待したんだが、そっちもダメだったか?」

折本「うん。休校になってくれるよう、死んだおばあちゃんにお願いしたんだけどねー」

八幡「そんなことお願いすんなよ……」

折本「だから登校するはめになっちゃったのかな?」

八幡「知らねぇよ」

折本「相変わらずノリ悪いやつ。それより」

八幡「ん?」

折本「随分と髪伸びたねー」

八幡「そうか? まあ、二ヶ月切ってないからな」

折本「髪切りに行かないの?」

八幡「行きつけの床屋が休業中なんだよ。何でも交通事故で手を骨折したようでな」

折本「へぇ。なら違う店にいけばいいじゃん?」

八幡「ばっか。怖くて他のお店にいけるわけないだろ」

折本「なんでよ?」

八幡「知らない人から話しかけられるの怖いだろう?」

折本「いやいや、怖くないから。ていうかその理由で髪切りに行かないってマジウケる!」

八幡「いや、ウケねぇから」

折本「……なら、あたしが切ってあげよっか?」

八幡「……は?」

折本「こうみえて手先が器用みたいでね。お父さんや弟の髪、あたしが切ってるんだよねー」

八幡「意外だな」

折本「でしょー? で、どうよ?」

八幡「いや、でもな……」

折本「いいじゃん。それに小町ちゃんとも会いたいし!」

八幡「お前、そっちが目的じゃないだろうな?」

折本「違うよ。ね? 騙されたと思って切らしてみてよ」

八幡「……わかった。お願いするよ」

折本「それじゃ今週の土曜ね! 比企谷んちで切るから」

八幡「わかった」

- 車内 -


折本「うわ、めっちゃ混んでる……」

八幡「ずっと止まってたからな。仕方ないだろ」

折本「はぁ……」

八幡「他人に密着されるのそんなに嫌なのか?」

折本「まあ、嫌だけど、そうじゃなくてね……」

八幡「あん?」

折本「前に満員電車に乗ったときに痴漢にあってね……」

八幡「大岡か?」

折本「違う。あの猿に会う前の話だから」

八幡「そうか」

折本「声出そうと思ったんだけど、満員だから誰にやられてるかわからなくてさ……」

八幡「肘や荷物が偶然当たったという可能性は?」

折本「ない。だって思いっきりお尻揉まれたし」

八幡「……」

折本「触られてる間に腕を掴もうと思っても、手馴れてるのか全く掴めなくてね。あの時は最悪だったなぁ……」

八幡「総武線は痴漢が多いと聞いたが、京葉線にもいるんだな」

折本「いるよ。同級生で被害にあってる子も結構いるしね」

折本「実際、痴漢にあうと怖くて声が出せない子が多いみたい」

八幡「折本は違ったのか?」

折本「怖かったよ。怖かったに決まってるじゃん。ただ、腕を掴もうとしたってことはその子達より怖がってなかったのかも」

八幡「……」

折本「小町ちゃんにも気をつけるよう言っといてね」

八幡「ああ。小町には自転車通学させる」

折本「いいなー。あたしは自転車だと遠いからね……」

八幡「そうだな」

折本「次の駅に着いたらまた人増えるよね」

八幡「そりゃそうだろ」

折本「だよね。……降りるまででいから、あたしのこと守ってくれる?」

八幡「ああ、いいけど」

折本「んじゃ頼りにしてる!」

- 5分後 -


折本(あぁ、次の駅で比企谷、降りちゃうから一人か……)

折本(まあ、でも大丈夫だよね。そう何度も痴漢にあうわけないし)

折本(うん、大丈夫。大丈夫だ)ギュッ

八幡(ちょっ、なんで抱きついてくるの。色々当たってるから! あそことか折本の鞄が俺のあそことかに!!)

折本「」ブルブル

八幡(……意外だな。折本も怖がったりするんだな。……いや、当たり前か。女の子だもんな)

八幡(ていうかいい匂いがするな。相模や仲町さんとは違った匂いが……)

八幡(ってよこしまなこと考えるのは仕方ない。だって俺は健全な男子高校生だ)

八幡(抱きついてくる折本がいけない。なので俺が変なことを考えても『僕は悪くない』)

- 3分後 -


折本(あ、着いちゃった……)

折本「そ、それじゃ、また土曜にね。ラインするから」

八幡「……」

折本「ひ、比企谷? 降りないの?」

八幡「いや、抱きつかれて動けないんだけど……」

折本「あ、ゴメンっ!」

八幡「……」

折本「比企谷?」

八幡「はぁ。次の駅まで俺も付き合う」

折本「え」

八幡「どうせ一駅だからな」

折本「でも学校は?」

八幡「遅延証明書貰えば遅刻扱いにならないから大丈夫だ」

折本「でもさ……」

八幡「……カット代……」

折本「……へ?」

八幡「土曜に髪を切ってくれるんだろ。だから次の駅まで付き合うのはカット代と思ってくれればいい」

折本「」

八幡「……」

折本「ぷっ、あははっ!」

八幡「笑うなよ……」

折本「ごめん。相変わらず比企谷は捻デレっていうか……」

八幡「誰から聞いたんだよ」

折本「小町ちゃん」

八幡(よし、帰ったら説教だ)

折本「ありがと。助かる」

八幡「ん」

- 5分後 -


折本「よっと」

八幡「ホームも滑るから気をつけろよ」

折本「わかってるって。あらっ」ズルッ

八幡「言ってるそばから」ガシッ

折本「ごめんごめん。滑っちゃった」

八幡「もしかしてお前もドジっ娘属性持ってるの?」

折本「それは千佳だけだから!」

八幡「そうか。ならいいけど」


玉縄「あれ? 折本さんに比企谷くん?」


折本「玉縄くん、おいっす」

玉縄「おはよう。なんで比企谷くんが? 総武高って一駅前だよね?」

折本「え、えっとね……」

八幡「電車が混み過ぎてて降りられなかったんだ」

折本「比企谷?」

玉縄「なるほど。それは災難だったね」

八幡「ああ。んじゃ俺は向かいのホームに行くから」

玉縄「うん。雪ノ下さんによろしく!」

八幡「ああ」

折本「……」

八幡「もう滑るなよ」

折本「うん。ありがとう」

八幡「お、おう……」

八幡(んだよ。いつもと違うから戸惑うじゃねぇか)

- 土曜 比企谷宅 -


小町「かおりさん、おひさでーす!」

折本「小町ちゃん、おひさー!」

小町「さーさー、上がって下さい」

折本「ありがと。今日、親御さんは?」

小町「休日出勤です」

折本「大変だね。比企谷は?」

小町「まだ寝てます。今、起こしてきますから」

折本「あ、いいよ。あたしが起こすから」

小町「それじゃ頼みます」

折本「任せて」

- 自室 -


八幡「」スヤスヤ

折本「比企谷、起きてよー」ユサユサ

八幡「……ん……」

折本「どんだけ熟睡してんの……」

八幡「」グーグー

折本「しょうがない。鼻摘むか」グイッ

八幡「……っ!」

八幡「ふごぉ……」

折本「やばっ、凄い面白い顔してるっ!!」

八幡「ふぇ……」

折本「あ、起きた。おはようさん」

八幡「……折本……?」

折本「もう10時だよ。いい加減起きたら?」

八幡「……なんで折本が……」

折本「なんでって約束したじゃん。髪を切るって」

八幡「……そうか。そうだったな……」

折本「思い出したんならさっさと起きる」

八幡「……おぉ……」

- リビング -


小町「へぇ、はさみも自前ですかー?」

折本「うん。お母さんが元美容師でね。その時の道具使わせてもらってるんだよねー」

小町「だからかおりさんも散髪が上手いんですね」

折本「かもねー」


八幡「来るの早ぇよ」


折本「比企谷が寝すぎなだけでしょ」

小町「そうだよ、お兄ちゃん。ガールフレンドを待たせるなんて小町的にポイント低いよ」

折本「そうそう。かおり的にもポイント低いぞー」

八幡「誰がガールフレンドだよ。ていうかお前までポイント制にするのやめてくれよ」

折本「別にいいじゃん」

八幡「そういえば仲町さんは? 一緒に来るんじゃなかったのか?」

折本「あー、千佳は生理で体調悪いから来れないって」

八幡「ぶほっ!」

折本「それじゃ早速切ろっか」

八幡「こほん、何処で着るんだ?」

折本「お風呂場がいいんじゃないかな」

小町「小町は新聞紙持ってきますね」

折本「うん、お願い。それじゃ比企谷は着替えたばかりで悪いんだけど脱いでくれる?」

八幡「…………は?」

折本「脱いで」

- 風呂場 -


八幡「別に上着は着ててもいいと思うんだが……」

小町「駄目。髪が服について洗濯が大変になっちゃうし」

八幡「コロコロで取れば大丈夫だろ」

小町「小町が駄目ったら駄目なのです」

八幡(解せぬ)

折本「よし、準備オッケー。ていうか風呂場にエアコンあるんだ。羨ましい」

小町「そうですか?」

折本「うん。湯船入ってる時はいいんだけど、頭や体を洗う時は寒いからねー」

小町「なるほど。それじゃ小町は失礼しますね」

折本「うん。新聞紙ありがとねー」

小町「いえいえ。それじゃ兄の事よろしくお願いします!」

折本「オッケー」

八幡「なあ、本当に大丈夫なんだよな?」

折本「大丈夫だって。あたしを信用しなって!」

- 5分後 -


折本「比企谷、意外と髪質いいね」チョキチョキ

八幡「そうなのか? よくわからんな」

折本「少なくともあたしのお父さんよりはね」

八幡「中年と比べられても……」

折本「それと……やっぱり、細いね……」

八幡「太ってるよりマシだろ。それに某第一位さんよりは筋肉あると自負している」

折本「誰それ? ……もう少し筋トレしたら?」

八幡「面倒くさいから無理だ」

折本「そう言うと思った。でも戸塚くんのテニスの練習に付き合ってるんでしょ?」

八幡「ああ。戸塚とテニスなんて最高だからな」

折本「ならテニス部に入ればいいのに」

八幡「二年の三月だぞ。遅すぎるし奉仕部もあるから無理だ」

折本「そっか。もう三月なんだよね……」

八幡「進路の悩みか?」

折本「そう。一応、進学希望なんだけど大学も学部も全く決めてなくてさー」

八幡「そんな焦らなくても大丈夫だろ。夏くらいまでに決めればいいんじゃねぇの?」

折本「そうなんだけどねー。周りに決めてる子が多いから……」

八幡「ほーん。でもまわりに多いだけだろ。全体的に見れば決めてない奴も多いと思うけどな」

折本「……そっか、だよね。あ、前失礼するよ」

八幡「……ッ!?」

折本「前髪は眉毛に掛かるくらいでいいんだっけ?」

八幡「お、おう……」

八幡(ちょっと顔が近くないですかね折本さん)

折本「んー、こんな感じかな?」チョキチョキ

八幡「……」

折本「んー」グイッ

八幡(だから近ぇよ。To LOVEなら折本が倒れてきて胸を揉んでいるまである)

折本「よし、オッケー!」

八幡「」ホッ

折本「後は襟足とアホ毛かな」

八幡「アホ毛はそのままでいいぞ」

折本「え? 切りたいんだけど」

八幡「駄目だ。これは初春さんでいう花冠だ。切ったら俺が俺でなくなる」

折本「よくわからないけど、わかったよ……」

- 5分後 -


折本「どう?」

八幡「ああ、いいと思う」

折本「でしょ!」

八幡「ありがとな」

折本「ううん。それじゃ片付けよっか」

八幡「片付けは俺でするからゆっくりしてていいぞ」

折本「いいよ。一人より二人でした方が早く片付くでしょ」

八幡「わかった。それじゃ俺は新聞紙片付ける」

折本「その前に体に付いてる髪を叩かないとねー」

八幡「そうだな」

- リビング -


小町「おー、さっぱりしたね、お兄ちゃん!」

八幡「そうだな」

小町「かおりさん、上手いですねー」

折本「でしょ?」

小町「お兄ちゃん、次からも髪切るときはかおりさんに頼んだら?」

八幡「いや、さすがに悪いだろ」

折本「あたしは構わないけど」

八幡「でもな……」

折本「いいじゃん。……それとも気に入らなかった?」

八幡「そういうわけでは。……わかった、次からも頼む」

折本「うん!」

小町「かおりさん、お昼も食べてってくださいね」

折本「いいの?」

小町「もちのろんですよ。パスタでいいですか?」

折本「うん。ありがとねー」

小町「いえいえ。それじゃお兄ちゃんとゆっくりしててくださいね」

- 自室 -


八幡「なぜ俺の部屋に……」

折本「だって漫画置いてあるじゃん」

八幡「まあ、いいけど」

折本「そういえばさー」

八幡「あん?」

折本「春休みにまた同窓会があるんだけど」

八幡「お前ら同窓会好きだな」

折本「そういうわけじゃないんだけどさ。三年に上がったら受験や就職活動とかで忙しくなるじゃん? だからその前にもう一回集まろうって話になってねー」

八幡「行かないぞ」

折本「そう言うと思った。でもあたしも一緒にいるから行ってみない? 一人にさせないからさ」

八幡「行かない。俺が行っても相手も俺も困るだけだ」

折本「そうでもないよ。比企谷の写メ見せたら、他の子達が見てみたいって言ってたし」

八幡「は?」

折本「どう?」

八幡「どうって言われても……。行かない」

折本「はぁ。まあ、予想は出来てたけどさ……」

八幡「それより写メってなんだよ。折本に撮られた記憶がないんだけど」

折本「結構撮ってるよ? これとか」

八幡「……」

折本「これとかこれとか」

八幡「なんでそんなに撮られてるの。お前、俺のこと好きだろ?」

折本「はっ!? んなわけないじゃん。何言ってんの? マジうける!」

八幡「……」

折本「それに戸塚くんのも沢山あるし。戸塚くんはちゃんと許可取ってるけどねー」

八幡「俺にも許可取れよ」

折本「言っても撮らせてくれないでしょ」

八幡「まあ、撮られるのはあまり好きじゃないな」

折本「別に減るもんじゃないし、いいじゃん」

八幡「俺のSAN値が減る」

折本「意味がわからないんだけど……」

八幡「だよな。まあ、戸塚とツーショットならいくらでも撮ってもいいぞ。撮ったら俺に送ってくれ」

折本「……本当、戸塚くんのこと好きだよね……」

八幡「ああ。むしろ戸塚になら殺されてもいいと思ってるまである」

折本「あー、それはさすがにキモイかも。戸塚くんも引いちゃうかもねー」

八幡「」

折本「今度、戸塚くんに言っといてあげる」

八幡「今のは冗談ですやめて下さいお願いします」

- 17時 -


折本「すっかり長居しちゃったね。ごめん」

小町「いえいえ。なんなら夕食も食べていきません?」

折本「それはさすがに悪いからいいよ」

小町「そうですか」

折本「それじゃまた今度ね」

小町「はい。お兄ちゃん、送ってあげなよ?」

八幡「は? いや、自転車だし大丈夫だろ」

折本「そうだよ。遠くもないし一人で平気だって」

小町「いえいえ。今の世の中、何があるかわかりませんから。ね?」

八幡「……」

小町「お兄ちゃん」

八幡「……」

小町「送ってってあげたら、小町が耳かきしてあげる」ボソッ

八幡「よし、行くか折本」

折本「え」

- 道中 -


折本「まだ寒いね……」

八幡「だな」

折本「比企谷は本当にシスコンだねー」

八幡「前にも言ったと思うが千葉の兄妹はこんなもんだ」

折本「だからなんで千葉限定なの……」

八幡「それより明日もバイトなのか?」

折本「うん」

八幡「土日どちらか片方をゆっくりしないとは俺には考えられないな」

折本「そう?」

八幡「疲れるだろ」

折本「多少は疲れるけど、出かけた方がうちにいるより楽しいし」

八幡「ほーん」

折本「比企谷も今度一緒にサイクリングしてみる?」

八幡「疲れるから嫌だ」

折本「戸塚くんとサイクリング約束してるんだけど」

八幡「行かせていただきます。それでいつなんだ?」

折本「嘘だけどねー」

八幡「くっ!」

折本「こんな簡単に引っかかるなんてね。マジうける」

八幡「いや、ウケねーから。マジで……」

八幡(テメェはオラを怒らせた!!)

折本「そんな落胆しなくてもいいじゃん。ちゃんと戸塚くんも誘ってあげるから」

八幡「本当だな?」

折本「うん。春休みになると思うけど」

八幡「日程決まったら絶対連絡しろよ?」

折本「う、うん……」

八幡「絶対だぞ」

折本「しつこい。それじゃまたねー」

八幡「おお」

今回はここまで
過去最大の投下量になったかも。読むの大変かもしれないけどごめんね

次回は仲町さんヒロインで久しぶりに奉仕部に依頼が来ます
ノイタミナはサイコパスと君嘘の落差が激しい

結構楽しみにしてたんだけど、折本や仲町さんたちの方でのお祝いは飛ばされたんかな。

今晩は
今日の21時から22時頃に投下します


>>712
そっちはすっ飛ばしたんだ。ごめんね

- 3月某日 海浜総合高 -


仲町(やっとテスト終わったよ。疲れたなぁ……)

仲町(そういえば比企谷君、春休みは予備校通うのかな?)

仲町(通うなら何処の予備校か聞いておかないと。わたしも同じ予備校に通いたいし)

仲町「……」

仲町(あれ? もしかしてわたしストーカー?)

仲町(違う違う。好きな人と一緒にいたいのは普通だもん!)


女子「ねーねー、仲町さん」


仲町「ひゃいっ!」ビクッ

仲町(急に声掛けないでよ。びっくりした……)

女子「あのさー、あの噂って本当なの?」

仲町「噂?」

- 2日後 奉仕部 -


相模「比企谷、テストどうだった?」

八幡「ふっ、聞いて驚くな。国語は学年一位だ」

相模「嘘? 凄いじゃん! 雪ノ下さんに勝ったんだね!」

八幡「そういうことだ」

雪乃「あら、わたしも一位なのだけれど」

八幡「え」

雪乃「ちなみに点数はいくつ?」

八幡「百点だけど」

雪乃「わたしもよ」

八幡「……」

相模「ということは……」

雪乃「一位が二人ってことね」

八幡「」ガクッ

雪乃「わたしに勝ったと思ったのかしら? 残念だったわね」

八幡「くっ……」

相模「で、でも、一位なんだから凄いじゃん。ね?」

八幡「……そうだな」

雪乃「それより由比ヶ浜さんは?」

相模「三浦さん達と話してたよ。もうそろそろ来るんじゃないかな?」


ガラガラ


結衣「やっはろー!」

雪乃「やっは―――こんにちは、由比ヶ浜さん」

相模「はろー」

八幡「おう」

結衣「遅くなってごめんねー。優美子のどうでもいい話に付き合ってたら遅くなっちゃった」

八幡(こいつ、最近誰にでも遠慮しなくなってきたな)

雪乃「由比ヶ浜さん、謝罪よりテストの結果を」

結衣「あ、うん。ゆきのんのおかげで赤点はなかったよ!」

雪乃「そう」

結衣「数学なんて68点も取れたんだよ!」

雪乃「そ、そうね。凄いわ……」

八幡「おい、顔が引きつってるぞ。それより68点って数学嫌いの俺より低いじゃねぇか」

結衣「嘘っ!?」

雪乃「ちなみに点数は?」

八幡「82点だ。俺の勝ちだな」

「」

相模「戸塚くんに教えてもらってたもんねー」

八幡「ああ。これも愛の力だ」

結衣「ヒッキーに数学で負けちゃった……」

相模「数学でそんなに取れたんなら総合でもけっこうよかったんじゃないの?」

八幡「そうだな」

相模「うちは18位だったけど何位だった?」

八幡「同じだ」

相模「同じ?」

八幡「そうだ」

相模「比企谷とうちの順位が同じ。……これって運命っ///」

八幡「いや、たまたまだから」

結衣「」ショボーン

雪乃「由比ヶ浜さん、そんなに落ち込まなくても……」

結衣「だってヒッキーと勝負してたんだもん」

雪乃「勝負?」

結衣「うん。あたしが数学で勝ったら好きなところに連れてってくれるって……」

相模「結衣ちゃんとそんな約束してたんだ?」

八幡「まぁな」

相模「うちが勝負持ちかけても無視したくせに……」

八幡「いや、由比ヶ浜は押しが強いから……」

結衣(これでヒッキーとデートできる口実なくなっちゃった……)

雪乃「由比ヶ浜さん……」

相模「結衣ちゃん……」

「」ジー

八幡「うっ」

結衣「」ショボーン

八幡「……由比ヶ浜、俺は春休みは予備校に通うんだが……」

結衣「知ってる」

八幡「その、なんだ……毎日通うわけじゃないからな……だから、その……」

結衣「……?」

八幡「勉強の息抜きに付き合ってくれないか?」

結衣「……いいの?」

八幡「いや、俺がお願いしてるんだけど」

結衣「う、うん! 付き合う! 毎日付き合う!!」

八幡「いや、予備校に通うって言ってるでしょ。人の話を聞きなさい由比ヶ浜さんや」

相模「うちも! うちも付き合う! 息抜きじゃなくてあそこ抜いてあげる!!」

雪乃「相模さん、大声で卑猥な発言はやめなさい」

結衣「それじゃどこ行こっか?」

八幡「任せる。千葉県内な」

相模「スルーされたっ!? でもそれがいいっ///」

雪乃「はぁ……」


- 10分後 -


雪乃「比企谷くん、お願いがあるのだけれど」

八幡「なんだ?」

雪乃「ニャンコ先生の可愛い画像を探しているのだけれど、いいサイトはないかしら?」

八幡「画像? ならグーグル先生に頼めばいいじゃねぇか」

雪乃「グーグル先生?」

八幡「画像を携帯の待ちうけにしたいのか?」

雪乃「ええ。最近知ったのよ。待ちうけ画面を変えられることを」

結衣「えー!?」

相模「知らなかったの!?」

雪乃「ええ。だって変える必要なかったもの。この前、自分で調べて着うたをダウンロードしてみたわ」

八幡「着信音の設定は出来たのか?」

雪乃「もちろんよ。説明書を見れば簡単だったわ」

八幡(普通は見なくてもわかるけどな)

八幡「それじゃ携帯貸してくれないか?」

雪乃「はい」スッ

八幡「ん」

八幡「ガラケー弄るの久しぶりだな」ポチポチ

相模「毎日うちのあそこは弄ってるけどね」

八幡「はいはい。げんころげんころ」

結衣「ゆきのんもスマホに変えれば?」

雪乃「変えると何かメリットでもあるのかしら?」

結衣「ラインとか出来るじゃん? あたしも最近スマホに変えたから実感してるんだけど、スマホの方が全然いいよ」

雪乃「そう」

結衣「それに画質もいいからニャンコ先生の画像も綺麗に見えるよ」

雪乃「今日の帰りに機種変更してくるわ」

八幡「早ぇな。ほれ、グーグル先生で画像検索しておいたから後は自分で探してくれ」

雪乃「ありがとう」

八幡「てか機種変更するならもう画像検索しても意味ないんじゃ……」

雪乃「それもそうね。明日、また教えてくれる?」

八幡「はいはい」

雪乃「はいは一回よ」

相模「そうだ! 雪ノ下さんが機種変更したら奉仕部でグループ作ろうよ!」

結衣「さがみん、ナイスアイディア!」

雪乃「グループ?」

八幡「学園都市の暗部組織だ。ちょうど四人だしいいかもな」

雪乃「暗部組織?」

相模「違うから。ラインのチャットルームみたいなもんだよ」

結衣「そうそう」

雪乃「そういうのもあるのね」


コンコン


雪乃「どうぞ」

玉縄「失礼するよ!」

雪乃「……また、来たのね……」

相模「玉縄くん、やっほー!」

玉縄「相模さん、久しぶり。比企谷くんと由比ヶ浜さんも」

結衣「う、うん……」

八幡「おす」

雪乃「玉縄くん、今日もわたしの気分を害する為に来たのかしら?」

玉縄「我が君」

雪乃「やめてちょうだい。わたしはあなたの主君ではないと何度言えばわかるのかしら?」

玉縄(おかしいな。葉山くんと副会長にアドバイスされたのにあまり効果がないようだ。でも継続してみないとわからないよね)

玉縄「今日は奉仕部に依頼をしにきたんだ」

八幡「依頼?」

玉縄「そう」

八幡「雪ノ下、どうする?」

雪乃「……依頼というなら話は聞きましょう。本当は聞きたくないのだけれど」

玉縄「っ///」ビクン

雪乃「」イラッ

玉縄「実はうちの学校で変な噂が流れているんだ」

結衣「噂?」

玉縄「うん。その噂が原因である生徒が被害を受けていてね……」

相模「どんな噂なの?」

玉縄「他校の男子と三股してるっていう話なんだ。画像も学校の裏掲示板で張られていてね」

結衣「海浜総合も裏掲示板あるんだねー」

八幡「うちの学校もあるのか?」

結衣「あるよ。知らなかったの?」

八幡「ああ。興味ないしな」

相模「雪ノ下さんは?」

雪乃「わたしは知っていたわ。クラスの子から聞いたことがあったから」

玉縄「それで掲示板に張られた画像がチェーンメールで生徒達に拡散されてるんだ……」

結衣「うわっ、やっぱそういうのあるんだ。うちも前に似たようなのあったよね」

八幡「懐かしいな」

雪乃「そうね」

玉縄「君達に噂を沈静化するために手助けをしてもらいたいんだ」

相模「ちなみに三股してるっていうのは本当なの?」

玉縄「まさか。その子はそんなことするはずないよ」

八幡「そうか? 画像も張られているんなら本当じゃねぇの?」

玉縄「……被害の子は比企谷くんもよく知ってる子なんだ……」

八幡「……は?」

玉縄「仲町さんだよ」

八幡「」

結衣「え? 仲町さんって合同イベントでいた子だよね?」

玉縄「うん」

相模「あの子が……」

雪乃「玉縄くん、その裏掲示板とやらを見せてもらえるかしら?」

玉縄「わん―――じゃなかった、うん」

- 5分後 -


雪乃「酷いわね。中傷の嵐だわ」

結衣「ネットだと容赦ないからね……」

相模「ちなみに学校ではどうなの?」

玉縄「直接言ってくる人はいないようだね。けど噂が本当か質問されたり、陰口を言われたりするみたいだよ」

相模「そっか……」

八幡「まさか三股の相手が俺と戸塚と葉山とはな」

相模「ていうかよく都合よく二人でいる写真を三人分撮れたよね」

八幡「違う。俺と戸塚の分は折本を入れて四人でいた時に撮られたものだ」

結衣「そうなんだ」

八幡「ああ。あたかも二人でいるように上手く撮ったんだろ」

相模「週刊誌とかでもそういうのよくあるよね」

八幡「葉山の分は合成だろ」

相模「合成?」

八幡「よく見てみろ。仲町さんと葉山が並んでる間を」

雪乃「随分、画質が荒いわね」

結衣「本当だ!」

相模「それじゃ事実を打ち明ければ解決じゃない?」

八幡「いや、それじゃ解決しない」

雪乃「そうね」

相模「なんで?」

雪乃「ここまで広がっていれば事実かどうかなんて関係ないのよ。周りの人たちは」

玉縄「……」

雪乃「他人を蔑んで楽しんでいるのよ。言葉は悪くなるけれど彼女は一時の生徒達の遊び道具にされるようなものだわ。ソースはわたし」

八幡「……」

玉縄「……そうだね。僕と折本さんが否定しても信じてくれない――いや、話を聞こうともしない生徒が多かったよ」

雪乃「でしょうね。……いいわ、この依頼を受けます」

玉縄「本当に?」

雪乃「ええ。依頼内容は噂の沈静化と犯人を炙り出すということで間違いないかしら?」

玉縄「いや、犯人を炙り出すのは……」

雪乃「」ギロリ

玉縄「その通りです。我が君、よろしくお願いします」

玉縄(また雪ノ下さんに睨まれてしまった。もう僕のアソコがビンビンにっ///)

雪乃「よろしい」


葉山「俺も手伝うよ」ガラガラ


結衣「隼人くん?」

雪乃「盗み聞きをしていたの?」

葉山「すまない。玉縄くんを見かけて後をつけてみたらついね」

雪乃「……まあ、いいわ。あなたも利用されて、思うところはあるでしょうし」

葉山「ありがとう」

相模「仲町さんっていい人に見えるけど、恨みでも買ってたのかなー?」

玉縄「どうだろう」

八幡「……」

雪乃「比企谷くんの意見を聞かせてくれないかしら?」

八幡「……ん?」

雪乃「話を聞いていなかったの? 仲町さんについて比企谷くんの意見を聞かせてもらいたいのだけれど」

八幡「あ、ああ。そうだな……」

八幡(さすがに中学時代の話は出来ないしな)

八幡「人に恨みを買うような子ではないな。あくまで俺の意見だが」

雪乃「そう」

八幡「玉縄」

玉縄「なんだい?」

八幡「お前がわかる範囲でいいんだが、仲町さんって男子に人気あるのか?」

玉縄「そうだね。おしとやかでキュートだから人気あるよ。結構告白もされてるようだし」

八幡「なるほど。……とすれば雪ノ下ならもうわかったんじゃないか?」

雪乃「そうね。昔のわたしと同じかしら」

葉山「……」

相模「というと?」

雪乃「恐らく犯人は仲町さんに振られた男子か、彼女を妬んでいる女子のどちらかね」

結衣「昔のゆきのんと同じって……」

雪乃「わたしも同じ目にあったからよ。もちろん犯人を突き止めて再起不能にしたけれど」

結衣「あはは……」

八幡「それと戸塚のファンの可能性もある」

結衣「さいちゃんの?」

八幡「ああ。折本から聞いた話なんだが葉山と同様に戸塚も海浜総合で人気があるようだ。戸塚と親しい仲町さんを陥れた輩からもしれん」

結衣「隼人くんのファンの可能性は?」

葉山「それはないんじゃないかな。俺は全然会ってないからね」

結衣「そっか」

葉山「とりあえずまずは噂を沈静化させる方向でいいのかな?」

雪乃「そうね。犯人を突き止めるのには時間がかかるでしょうし」

八幡「……悪い。俺、先に帰るわ」

相模「え、なんで?」

八幡「ちょっとな。雪ノ下、いいか?」

雪乃「ええ。また明日」

八幡「おう」


ガラガラ


結衣「ゆきのん、ヒッキーを帰らしていいの?」

雪乃「ええ。彼を早く帰してあげた方が彼女のためでしょうし」

相模「……?」

葉山「つまり比企谷は仲町さんに会う為に早く帰ったってことだよ」

結衣・相模「なるほど!」

玉縄(さすが僕がリスペストする比企谷くん。雪ノ下さんに最も罵倒された男だけあるね)

- 1時間後 あんてい〇 -


仲町「そっか。比企谷くんにも知られちゃったんだ」

八幡「まあ」

折本「ごめん。あたしが玉縄くんに奉仕部に依頼するようお願いしたんだ」

仲町「ううん。わたしの為に比企谷くん達に依頼したんでしょ。ありがと」

折本「うん」

仲町「比企谷くんも迷惑掛けてごめんね。戸塚くんと葉山くんにも悪いことしちゃった……」

八幡「……」

仲町「え、えっと、お手洗いに行ってくるね」

折本「あ、うん」

八幡「……それで学校の様子はどうなんだ?」

折本「さすがにイジメはないけど……。陰口叩かれたり、面白半分で質問してきたりかな……」

八幡「そうか」

折本「後は女子って陰湿だから、裏で何かやられてるかもしんないけどねー」

八幡「……折本は犯人に心当たりはないのか?」

折本「あるっちゃあるけど」

八幡「誰だ?」

折本「隣のクラスの〇〇さんのグループ」

八幡「犯人だと思う理由は?」

折本「〇〇さんが好きだった男子が千佳に告白したから」

八幡「なるほど」

折本「もちろん証拠も何もないから、あたしが勝手に思ってるだけどなんだけどねー」

八幡「……」

折本「ま、千佳のことなら任してよ。学校ではあたしがしっかり守るからさ」

八幡「そうか」

折本「うん。だから噂を早く消してよね」

八幡「噂を消すのは無理だが善処するよ」

折本「そこを言い切らないところが比企谷らしいよね」

八幡(俺らしいね。俺らしさってなんだろうな)

折本「それじゃあたしは先に帰るから」

八幡「え」

折本「千佳のことよろしくねー」

八幡「お、おい!」


カランカラン


八幡「あいつ、お代置いていってないんだけど……」

- 5分後 -


仲町「かおり、先に帰ったの?」

八幡「ああ。しかもお代を置いていってない」

仲町(また気をつかってくれたのかな)

八幡「……学校、大丈夫か?」

仲町「……うん、大丈夫だよ。かおりも他の友達もいるから」

八幡「そうか」

仲町「中学の時は一人ぼっちだったから……。それと比べれば全然マシだよ!」ニコッ

八幡「」ズキッ

仲町「それに比企谷くんも助けてくれるんだよね」

八幡「……まあ、微力ながら……」

仲町「ありがとう。本当にごめんね、迷惑掛けちゃって。後で戸塚くんと葉山くんにも謝っておかないと」

八幡「……」

仲町「……なんでだろ……わたし、悪いことしたつもりないんだけね……なんでこういうことになっちゃうんだろ……」グスッ

八幡「」ゾクッ

仲町「……うっ、うぁ……」ポロポロ

八幡「その通りだ。仲町さんは何も悪くない」

仲町「……ぇ……」

八幡「だから俺にも戸塚や葉山にも謝らなくていい」ポンッ

仲町「……」

八幡「後は俺―――俺たちに任せてくれ」ナデナデ

仲町「……うん」コクリ

- 10分後 -


仲町「ごめんね。泣いちゃって……」

八幡「あ、いや……」

八幡(泣き顔を見て若干興奮したなんて言えない……)

仲町「それじゃそろそろ帰ろっか」

八幡「そうだな」

八幡(春休みまであと一週間か。あまり時間がないな)

仲町「かおりの分はわたしが払うね」

八幡「俺が払うからいい」

仲町「でも」

八幡「これもカット代にしておく」

仲町「そっか、わかった」

- 比企谷宅 -


八幡(噂を沈静化させるには噂以上のインパクトがある内容が必要だ)

八幡(写真に写ってるのは俺、ラブリーマイエンジェルさいかたん、妄想男の三人)

八幡(戸塚にも協力を要請しないとな。戸塚なら快く引き受けてくれるだろう)

八幡(それに奉仕部も面子もいる)

八幡(なんだろうな。時間はないはずなのに焦りを感じない)

八幡(俺があいつらを信頼しているってことなのか?)

八幡「……まあ、いいか。とりあえずは……」

八幡(女子の半分を敵に回している小町に意見を聞こう)

- 翌日 教室 -


戸塚「八幡、おはよう」

八幡「おはよう。昨日は夜遅くに電話して悪かったな」

戸塚「ううん」

八幡「放課後、時間あるか?」

戸塚「部活終わってからになるけどいいかな?」

八幡「もちろんだ。戸塚のためなら深夜まで待つ覚悟である」

戸塚「僕のためなら早朝まで待つ覚悟を持って欲しいな」

八幡(なん……だと……俺の覚悟は足りてなかったのか……)

戸塚「冗談だよ。それと仲町さん、大丈夫そうだった?」

八幡「ん? ああ、折本もいるからな」

戸塚「そっか。折本さんならしっかり守ってくれそうだよね」

八幡「そうだな」


葉山「やあ、おはよう」


戸塚「おはよう、葉山くん」

八幡「おう」

葉山「昨日はしっかり慰めてあげたかい?」

八幡「っ///」

葉山「うん。ならいいんだ」

八幡「俺、何も言ってないんだけど」

葉山「顔を見ればわかるさ」


海老名「ぶはっ!!」ブシャー


葉山「俺も部活が終わったら部室に行くよ」

八幡「ああ。……俺たちと一緒に仲町さんを助けてくれ」

葉山「イエス・マイロード」

戸塚「い、イエス・マイロードっ///」


海老名(朝からはやはち戸塚添えなんて、わたしを殺す気なのっ!?)ドクドク


葉山(うん。姫菜は鼻血を出してる時が一番輝いているね)

今回はここまで
また今度


予告

雪乃「クズ豆は摘まないといけないわね」

戸塚「僕も遠慮なく残酷になれるよ」

こんばんは
今日の22時以降に投下します

2回分で終わるかと思ったけど思ったより長くなって3回分になりますた

- 放課後 -


八幡「葉山」

葉山「なんだい?」

八幡「何時に部活終わる?」

葉山「15時には終わると思うけど。……そっか、さすがに四時間も部室にはいられないか」

八幡「そういうことだ。15時半にサイゼに集合だ」

葉山「わかったよ」

八幡「戸塚も大丈夫か?」

戸塚「もちろんだよ」

八幡「それじゃまたな」

- 15時半 サイゼ -


雪乃「なぜサイゼなのかしら」

八幡「ドリンクバーで何時間も粘れるからな」

結衣「ヒッキーが単にサイゼ来たかったからじゃなくて?」

八幡「そ、そんなことはないでしゅ……」

相模「比企谷、噛むならうちの乳首を噛んでよ」

雪乃「相模さん、今日は真面目な話をするのよ。ガムテープではなくホチキスでその口を閉じて欲しいの?」

玉縄「」ゾクッ

玉縄(雪ノ下さんにホチキス。彼女が手に持つだけで日用品が凶器に変わる!!)

相模「ゴメンなさい!!」

戸塚「雪ノ下さん、なんか怒ってる?」

葉山「そうだな。彼女は裏で他人を陥れる人が大嫌いだからね」

戸塚「そうなんだ」

雪乃「それでまずは噂を沈める為に皆から意見を聞きたいのだけれど」

八幡「それなんだ――――――」

葉山「はい」

雪乃「はい、葉山くん」

葉山「今回の裏掲示板とチェーンメールの内容は仲町さんが俺たちに三股をしているということだ」

雪乃「ええ」

葉山「となると仲町さんが三股をしていないことを知らせないといけない。それもインパクトがある内容で」

八幡「……」

結衣「インパクト?」

戸塚「驚く内容ってことだよ」

結衣「あ、そっか!」

雪乃「具体的には?」

相模(結衣ちゃんはスルーなんだ。やっぱり雪ノ下さんは結衣ちゃんには甘いね)

葉山「海浜総合の生徒達に仲町さんと比企谷が付き合っていること。それと俺と戸塚にはそれぞれ彼女がいることをアピールすればいい」

八幡「……っ!」

雪乃「なるほど。それでどのようにアピールするというのかしら? 口コミでは時間がかかってしまうわ」

葉山「簡単だよ。海浜総合の校門で待ち合わせをすればいいんだ」

雪乃「そう。けれどあちらも期末テストが終わって午前授業で終了するはずよ」

玉縄「それなら問題ない日が一日あるよ」

葉山「明後日だよね」

玉縄「そう。明後日は終業後に服装と持ち物検査が実施されるんだ。葉山くん、よく知っていたね」

葉山「折本さんに聞いておいたんだ」

八幡(同じかよ。だから昨日ラインした時に比企谷"も"って言われたのか……)

結衣「隼人くん、すごーい!」

相模「よく調べたね」

葉山「まあね」

葉山(ふふふ。仲町さんの件もそうだけど、俺には七咲がいるっていうのに勝手に変な噂を流して。怒りで髪が金髪になりそうだよ。あ、もう金髪だった。テヘッペロ♪)

雪乃「気持ち悪い顔をしないでちょうだい」

葉山「」グサッ

雪乃「それで比企谷くんも何か言おうとしていたけれど」

八幡「………………同じだよ」

雪乃「え」

八幡「俺も葉山と全く同じことを言おうとしたんだ……」

雪乃「そう。あなた達、仲が良いわね」

葉山「そうだね」

八幡「……別に仲が良いから、意見が被るわけじゃないけどな……」

戸塚(仲が良いのは否定しないんだね)クスッ

結衣「もう隼人くんとヒッキーの作戦で決定でいいんじゃないかな?」

相模「うん。これなら上手くいくと思うよ」

雪乃「そうね。無能な相模さんに太鼓判を押されても不安になるけれども」

相模「ぐはっ!」グサッ

玉縄(羨ましい。僕も雪ノ下さんに無能と罵られたい。あそこを踏まれながら!! あぁぁぁぁっ///)

結衣「でも相手はどうするの?」

葉山「そうだな。戸塚の相手は折本さんでいいんじゃないか? 四人でよく行動しているし」

戸塚「えっと……」

八幡「いや、折本は駄目だ」

相模「なんで?」

八幡「どうやら戸塚も葉山と同様に海浜総合でも人気があるようでな。折本が相手だと折本の風当たりが強くなる」

結衣「へー、さいちゃん、凄いね」

戸塚「いや、凄くはないよ」

葉山「そうか。そうするとうちの学校から選出した方がいいか」

玉縄「由比ヶ浜さんと相模さんじゃ駄目なのかな?」

戸塚「え」

葉山「そ、そうだね……」

葉山(比企谷に気がある二人にお願いするのは好ましくない。作戦とはいえ比企谷が仲町さんの相手役になるだけでいい気はしないはず)

結衣「うん。あたしが――――――」

雪乃「わたしが戸塚くんの相手役になるわ」

玉縄「」

結衣「ゆきのんが?」

雪乃「ええ。何か問題でも?」

相模「問題はないけど……」

戸塚「いいの?」

雪乃「問題ないわ。カップルのふりなんて容易い御用よ。ね、ニャンコ先生」ナデナデ

戸塚「そ、そっか。それじゃよろしくね、雪ノ下さん」

雪乃「ええ。比企谷くんから聞いたわ」

戸塚「なにを?」

雪乃「戸塚くんも夏目友人帳好きなのよね」

戸塚「うん。大好きだよ」

雪乃「なら問題ないわ。むしろ歓迎するまであるわ」

戸塚「え? 歓迎!?」

葉山「俺も夏目好きなんだけどな」

雪乃「そう」

葉山(相変わらず風当たりが強い。どいひー)

八幡「葉山の相手役はどうするんだ?」

葉山「七咲」

八幡「お前にしか見えねぇよ」

(言うと思った……)

葉山「そうだな。どうするか……」

結衣「優美子でいいんじゃないの? 実際、うちの学校でも付き合ってると勘違いしてる子も多いし」

葉山「そうだね。優美子にお願いするよ」

八幡「三浦、協力してくれるのか?」

葉山「大丈夫だ。笑顔で壁ドンすれば何でも言うこと聞いてくれる」

雪乃「最低ね……」

相模「悪い男だね……」

結衣「優美子、可哀相……」

葉山「えっ!?」

八幡「戸塚はああはなるなよ」

戸塚「もちろんだよ」

葉山「え、ちょっ!?」

雪乃「さて冗談はここまでにして」

葉山(よかった。冗談だったのか。雪ノ下さん限らず俺の扱いが酷くなってると勘違いしそうになったじゃないか)

雪乃「玉縄くん」

玉縄「わん―――じゃなくてはい!」

雪乃「……例の物は?」

玉縄「うん。持ってきたよ」

雪乃「ありがとう」

玉縄「うっ」グスッ

玉縄(雪ノ下さんに初めてお礼を言われた。マゾの僕だけど感謝の言葉は僕のアソコに響く)ビクン

八幡「なんだそれ?」

雪乃「仲町さんに振られた男子のリストよ」

戸塚「つまり容疑者リストってこと?」

雪乃「そういうことよ」

相模「よく調べられたね」

玉縄「けっこう簡単だったよ。やはり恋愛関係は生徒達に広まるのが早いからね」

結衣「ほぇ」

相模「ちなみに何人いるの?」

玉縄「七人だよ」

八幡「……」

戸塚「へー、仲町さん、凄いモテるんだね」

葉山「そうだな」

雪乃「……っ!」

八幡「どうした?」

雪乃「戸塚くん」

戸塚「なに?」

雪乃「明日、海浜総合と練習試合があるわよね」

戸塚「うん。よく知ってたね」

雪乃「同じクラスにテニス部の子がいるから」

戸塚「あー、早野さんだね」

雪乃「ええ。明日、わたしも同行するわ」

戸塚「え」

雪乃「臨時マネージャーとして。いいかしら?」

結衣「ゆきのん、急にどうしたの?」

雪乃「リストの中にテニス部の部長がいるのよ」

戸塚「え? 部長が?」

雪乃「ええ。もちろん彼が犯人とは決まったわけじゃないけれど、敵情視察も兼ねて確認をしたいのだけれど」

戸塚「うん、いいよ」

雪乃「ありがとう」

八幡「なら俺も臨時部員として……」

雪乃「駄目よ。渦中の人物が二人もいたら動きにくくなるもの」

八幡「冗談だよ」ショボン

結衣「冗談にしては落ち込みすぎだから!」

戸塚「あはは。それじゃ明日はジャージ持参してね」

雪乃「わかったわ」

八幡「雪ノ下、俺にもリスト見せてくれるか?」

雪乃「どうぞ」

八幡「すまん」

結衣「むっ、ヒッキー、気になるの!?」

相模「」ジー

八幡「ち、違ぇよ。情報としてだな……」

結衣「ふーん」

相模「へー」

八幡「んだよ……」

葉山「比企谷、俺にも見せてくれないか?」

八幡「おう」

葉山「悪いな」

葉山「……メリオダス、ディアンヌ、キング、バン……」

八幡「載ってねぇよ」

玉縄「ふふっ」

戸塚「玉縄くん、どうしたの?」

玉縄「いや、ただ頼もしいなと思ってね。なんだか君達なら簡単に解決出来そうな気がするよ」

戸塚「そうだね。……本当にすぐに解決しないとね」ボソッ

玉縄「え」

戸塚「何でもないよ」ニコッ

玉縄「そ、そっか」

玉縄(一瞬、戸塚くんの顔つきが変わったような気がしたけど気のせいかな)

- 1時間後 駅前 -


雪乃「それじゃまた明日」

結衣「うん、おつかれー!」

相模「またねー」

八幡「おう」

戸塚「明日はよろしくね、雪ノ下さん」

玉縄「我が君。明日は赤い絨毯を用意して待っております」

雪乃「結構よ」

玉縄「あふんっ///」

雪乃「」イライラ

葉山「結衣、相模さん、少し話があるんだけどいいかな」

結衣「え」

相模「うちに?」

- 5分後 -


葉山「すまない」ペコリ

結衣「え? なんで隼人くんが謝ってるの!?」

相模「そうだよ。もしかしてうちに恋しちゃった?」

葉山「それは100パーセントないよ」

相模「じ、冗談なのに……」

葉山「作戦とはいえ比企谷と仲町さんを恋人にしてしまって……。二人には申し訳なく思ってる」

結衣「あ、そういうこと」

相模「なるほどね」

結衣「謝る必要ないよ」

相模「うん」

葉山「けど……」

結衣「確かにちょっとやだけど、仲町さんを助ける為だもん」

相模「そうそう。それにここで何もしないのは比企谷らしくないと思うし」

結衣「だよね。それにヒッキーが周りを頼るようになってくれて結構嬉しいんだ」

葉山「……そうだな。俺も嬉しいと思う。実は昨日――――――」

結衣「ヒッキーがそんなこと言ったの?」

葉山「ああ」

相模「比企谷が珍しく熱いこと言ってるね」

結衣「ていうか初めてかも。……そっか、俺たちと一緒に、か。なんだかこっちが照れてきちゃうよね///」

相模「うちは羞恥心ないから大丈夫!!」

結衣「あ、そう……」

葉山「……よし、みんなで明後日は頑張ろう」

結衣「うん!」

相模「もちろん!」

おまけ~マゾのん~


雪乃「比企谷くんの為に作ったのよ。食べてちょうだい」

八幡「そ、そうか……」パカッ

八幡(見た目は普通だな)

八幡「いただきます」パクッ

八幡「」モグモグ

雪乃「どうかしら?」

八幡「上手いな」

雪乃「そう」

八幡(よかった。味も普通だ。これなら安心して食べれるな)

雪乃「……」

八幡「そういえば手どうしたんだ? 包丁で切ったのか?」

雪乃「ええ」

八幡「悪いな」

雪乃「比企谷くんのせいじゃないわ」

雪乃(だってわざと切ったもの。そのオムライスだけれど、ソースと一緒にわたしの血も混ぜているのよね)

雪乃(わたしの血が比企谷くんの体内に……。あぁぁぁ、いい、いいわっ///)

今回はここまで
次回で解決
珍しいコンビがメインになります


             _ノ   └- 、    ______
            /   /. : : .:.:.:.:.\´. : : : : : :`丶/⌒ヽ
           /,    〈: : : : .:.:.:.:.:.:.:.:.:.>…─-, :.:.:.:.:.\ }
         /`,_┬ 、  \.:.:.:.:.:.:.:.:./    /.:.:.:.:.:.:.:.:.:V
            ′、`ヽハ    ` ─ '       /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ
            ! `   、_  , ィーr、 _     /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ }
            、  '‐<  ,   ̄`ヽ} -   , '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./   !
          }ゞ._   ̄  、`  ` /.:.:.:.:.:.:.:.:.:. '   /

           { `Y^ヽ、___   _. <:.:.:.:.:.:.:.:.:, '´    /
           \`ー'  ̄`¨ ̄       ̄ ̄     /
            ヽ、            _.   '´
                 `` …──…   ´

今晩は
今日の夜に投下します

誰かSHIROBAKOのクロスはよ

- 翌日 放課後 -


戸塚「それじゃいってくるね」

八幡「おう」

結衣「ゆきのん、一日マネージャー頑張ってね!」

雪乃「ええ」

八幡「あまり無理はするなよ」

雪乃「無理とは?」

八幡「テニス部の部長に探りを入れるつもりだろ」

雪乃「当たり前じゃない」

八幡「雪ノ下、今回は犯人探しより噂を沈静化―――」

雪乃「そんなことわかっているわ。ただ噂を沈静化させても同じことを繰り返すかもしれないじゃない」

八幡「……」

雪乃「比企谷くんが貸してくれた漫画の主人公も言っていたじゃない。『クズ豆は摘まないといけない』と」

八幡「はぁ、わかった。俺からは何も言わねぇよ」

雪乃「わかればいいのよ」

戸塚「それじゃ雪ノ下さん、行こうか」

雪乃「ええ」

- 移動中 -


戸塚「雪ノ下さん、本当によかったの?」

雪乃「え」

戸塚「八幡から聞いたんだけど、雪ノ下さんは暴言は吐いても虚言は吐いたことはないんでしょ」

雪乃「……」

戸塚「僕と付き合っているって嘘を付くことに抵抗はなかったの?」

雪乃「……そうね。以前のわたしなら相手役に名乗り出なかったと思う。けれど、人を助けたり守る為なら虚言を吐いてもいいと思ったの」

戸塚「夏目の影響かな?」

雪乃「もちろんよ」

戸塚「あはは、本当に雪ノ下さんは夏目が好きなんだね」

雪乃「大好きよ。愛していると言っても過言じゃないわ」

戸塚「そっか」

雪乃「それより質問があるのだけれど」

戸塚「なに?」

雪乃「わたしが同行してることに他の部員は疑問を抱かないのかしら? まったく質問されないのだけれど」

戸塚「あー、それなら僕が事情を説明してるからかな」

雪乃「そう……」

戸塚「大丈夫。みんなには内密にするようお願いしてるから」

雪乃「……信頼してるのね」

戸塚「うん。僕の大切な仲間だからね」

- 海浜総合高校 -


部長「よう、戸塚」

戸塚「部長くん、今日はよろしくね」

部長「ああ。着替えはいつもの所使ってくれ」

戸塚「うん。それじゃ皆、行くよ」

「はーい!」

雪乃(この男が……)

戸塚「雪ノ下さん、行くよ」

雪乃「ええ」

部長(なんだ、この狸のぬいぐるみを抱いてる美少女は……)

- 10分後 テニスコート -


戸塚「今日は毎月恒例の定期戦。前回は惜しくも負けちゃったけど、今日は頑張って勝とうね!」

「はい!!」

雪乃(しっかりと部長をしているのね。それより……)


<戸塚くーん!
<きゃー! ぐぅーかわ!
<脚をペロペロしたいお!


雪乃「凄いギャラリーね。いつもこうなの?」

女子「え、あ、はい。戸塚先輩と向こうの部長さんが人気で」

雪乃「なるほど。それで実力はあるのかしら?」

女子「はい。向こうの部長さんは県でベスト8の実力者です。戸塚先輩も一度も勝った事はありません」

雪乃「格上ということね」

女子「そうですね。けど、前回は4-6まで追い詰めましたので今日は勝ってくれるかもしれませんよ」

雪乃「そう。色々教えてくれてありがとう」

女子「い、いえっ///」

戸塚(とりあえず仲町さんの件は一旦忘れて試合に集中しよう)

雪乃「戸塚くん」

戸塚「……はい?」

雪乃「一応、わたしの彼氏役なのだから勝ちなさい」

戸塚「え」

雪乃「あんな軽薄そうな男に負ける彼氏なんて嫌だもの」

戸塚「ぜ、善処するよ……」

雪乃「」ジー

戸塚「……か、勝ちます……」

雪乃「よろしい。負けたら夏目友人帳のBD鑑賞に付き合ってもらうからよろしくね」

戸塚「……な、何話くらいかな……?」

雪乃「一期から四期まで全話に決まってるじゃない」

戸塚「」

- 1ヶ月前 -


結衣「」ズーン

戸塚「由比ヶ浜さん、おはよ」

結衣「さいちゃん、おはよ……」

戸塚(挨拶がやっはろーじゃない?)

戸塚「どうしたの? 元気ないね」

結衣「うん。一昨日にゆきのんちに泊まったんだけどね」

戸塚「雪ノ下さん?」

結衣「そう。徹夜で夏目友人帳見せられて生活リズム狂っちゃって。あまり眠れてないんだ」

戸塚「そうなんだ。大変だね」

女子「戸塚くん、由比ヶ浜さん、おはよー!」

戸塚「あ、夏目さん。おはよう」

結衣(夏目っ!? ひぃぃぃぃぃぃぃ!!)ビクッ

- 現在 -


戸塚(ま、負けられない……)


部長「なあ、戸塚」


戸塚「部長くん、どうしたの?」

部長「その子、新しいマネージャーか?」

戸塚「ああ、新しいというより臨時マネージャーだよ」

部長「臨時ねぇ。こんにちは」ニコッ

雪乃「こんにちは」

部長「ねえ、名前なんて言うの? 俺は〇〇って言うんだけどさ」

雪乃「雪ノ下雪乃です。戸塚くんの彼女よ」

部長「え」

戸塚「」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」



<戸塚くんの彼女!?
<嘘? 嘘だと言ってよバーニィ!!
<まだ4月1日じゃないよね!?
<仲町さんと付き合ってるんじゃなかったの?


戸塚「ちょっと雪ノ下さん、何を言ってるの」ボソボソ

雪乃「別にいいじゃない。どうせ明日には知れ渡るのだから」ボソボソ

戸塚「そうだけど……」

部長「へ、へぇ。戸塚の彼女……」

戸塚「あ、うん……」

雪乃(ギャラリーからもの凄い殺気を感じるわ。本当に戸塚くんは人気者なのね)

部長(まさか戸塚に彼女がいるなんてな……)チッ

雪乃「……っ!」

部長「んじゃまた後でな。今日もボコボコにしてやるよ」

戸塚「負けないよ」

戸塚(一日中BD鑑賞なんて嫌だからね……)

- 10分後 -


戸塚「雪ノ下さん、テニスのルールはわかる?」

雪乃「ええ。テニスの王〇様を読んだけれど、よくわからなかったからベイビーステップを読んで勉強したわ」

戸塚「そ、そうなんだ……」

戸塚(異能バトルはテニスコートの中で)

雪乃「それより向こうの部長から随分下に見られているみたいね」

戸塚「うん。僕、一回も彼に勝ったことがないからね」

雪乃「女テニの子から聞いたわ」

戸塚「でも今日は勝てる気がしてきたよ」

雪乃「ニャンコ先生がベンチにいるから当たり前じゃない」

戸塚「あ、うん……」

- 30分後 -


審判「ゲームアンドセットウォンバイ戸塚! 6-2!」

戸塚(やった。勝った!!)


雪乃「圧勝ね」

女子「そうですね。前はもっと強かったような気がしたんですけど……」

雪乃「……」

雪乃(一緒に夏目が見れなくなってしまったわ。戸塚くんが来れば必然的に比企谷くんも来ると思ったのに。三人で楽しいBD鑑賞が……)

女子(なんでガッカリしてるんだろこの人)


部長「くっ……」

部長(俺が戸塚に負けるなんて……)

- 10分後 -


戸塚「」バシャバシャ

戸塚「ふぅ」


雪乃「お疲れ様。タオルよ」スッ


戸塚「ありがとう。約束通り勝ったよ」

雪乃「そうね」シュン

戸塚(本当は負けてほしかったのかな)

戸塚「そ、そんながっかりしないでよ。さすがに一気に見るのは無理だけど少しだけなら付き合うから」

雪乃「」ニパァ!!

戸塚「その時は八幡も誘っていいかな?」

雪乃「ええ。比企谷くんを誘うことを許可します」

戸塚「あ、ありがとう」


部長「んだよ、他校でイチャイチャしてんじゃねぇよ」


戸塚「部長くん」

部長「まさか戸塚に負けるとはな」

雪乃「……」

戸塚「うん。僕もまさかこうもあっさり勝てるとは思わなかったたよ」

部長「」ピクッ

部長「ま、まあ、最近怪我で練習休んでたからな……」

戸塚「そっか。それじゃ次はお互いベストな状態で戦おうね」

部長(くそ、一回勝ったからって調子に乗りやがって……)

部長「……そんなことより」

戸塚「ん?」

部長「俺はてっきり戸塚は仲町と付き合ってると思ってたんだけどな」

戸塚「……なんでそう思うの?」

雪乃「……」

部長「あ、いや、画像が出回ってたし……」

戸塚「そっか。仲町さんはただの友人だよ。ね?」

雪乃「そうね。実際、彼女はわたしだもの」

部長「まあ、確かに仲町より雪ノ下さんのほうが全然可愛いもんな」

戸塚「……」

部長「仲町も可愛いんだけどなんか地味っていうか。根暗っぽいしよ」

戸塚「」ピクッ

部長「そういえば知ってるか? あいつ、同性の友達がめっちゃ少ねぇの。どうせ性格も―――」

雪乃「振られた腹いせに悪口を言って楽しいかしら?」

部長「…………ぇ?」

雪乃「あなた、仲町さんに告白して振られたそうじゃない。よほど悔しかったのね」

部長「何を言って……」

雪乃「悔しすぎてあんなデマを流したの?」

部長「―――ッ!」

戸塚(雪ノ下さん?)

雪乃「哀れね。哀れすぎて抱きしめ――たくならないわね」

部長「おいおい、何言ってんだよ。俺があの噂を流したって?」

雪乃「そうよ。違うの?」

部長「俺じゃねぇよ。確かに俺は仲町に振られたけど、噂を流したのも画像を張ったのも俺じゃない!!」

戸塚「……」

雪乃「そう。それじゃ比企谷くん達が四人でいたところをあなたが撮ったわけじゃないということね?」

部長「だからそう言ってんだろうが! 折本もいたのにそんな都合よく撮れるわけねぇだろう!!」

雪乃「」フッ

戸塚「……ねえ、部長くん」

部長「んだよ」

戸塚「なんであの写真が僕たちが四人でいたときの写真だって知ってるの?」

部長「あ、それは……あっ……」

雪乃「掲示板に張られていた画像は仲町さんが比企谷くん、戸塚くん、葉山くんと二人でいるところを撮影されたものにしか見えないはずだけれど」

部長「……っ……」

雪乃「なぜ、あなたがあの写真が比企谷くん達が四人でいた時に撮られたものを知っているのか。それはあなたが撮影したからよ」

部長「違う。俺じゃない。他の誰かが……っ!!」

雪乃「見苦しいわよ。いい加減に認めなさい」

部長「くっ……」

戸塚「……なんでこんなことしたの……?」

部長「……あの女がいけねぇんだよ……」


戸塚「仲町さんが?」

部長「そうだよ。俺の告白を断りやがって……」

戸塚「……そこまで仲町さんのことが好きだったの……?」

部長「は? んなわけねぇだろ。押せばすぐにヤラせてくれそうだったからだ」

戸塚「」ピクッ

部長「なにが好きな人がいるからごめんなさいだ。ふざけやがって……」

雪乃「……葉山くんを合成につかった理由は? 比企谷くんと戸塚くんならわかるのだけれど」

部長「葉山? あいつも昔から気に入らなかったんだよ。他校の男子のくせにうちの学校にファンクラブまであるしよ。それに……」

雪乃「それに?」

部長「あいつ、セグウェイで俺を轢きやがったんだ!!」

雪乃「」

戸塚「」

部長「ふざけやがって!!」

戸塚(これは葉山くんが悪いかな?)

部長「……まあ、仲町も見る目がないよな。俺よりあんな男を好きになるなんてな」

戸塚「あんな男?」

部長「そうだよ。どう考えてもあれより俺の方がいいだろ?」

戸塚「……」

部長「それに聞いた話だと仲町の好きな男って中学の時に苛められてたみたいじゃねぇか」

雪乃「……」

戸塚「……」

部長「だから仲町も苛められっ子にしてやってお似合いなカップルにしてやろうとしたんだよ。俺って親切だろ?」

戸塚「…………そんな理由で彼女を傷つけたんだね」

部長「それでなに? 俺に説教するつもりか?」

雪乃「いいえ。この事実を公にするわ」

部長「はっ、証拠もねぇのに他校のお前らが言うことなんて誰も信じねぇよ」

雪乃「証拠ね。確かに証拠はないわね」

部長「」ニヤッ

雪乃「けれどこれを掲示板にアップロードしたらどうなるかしら。戸塚くん」

戸塚「」ポチッ

部長「あ?」


スグジャムリトオモウノナラバスコシズツデイイ♪


部長「……?」

雪乃「~♪」

戸塚「……間違えちゃったっ///」

雪乃「あっ」シュン

戸塚「こっちだったよ……」ポチッ


<あの女がいけねぇんだよ


部長「……っ!?」

雪乃「密かに録音させてもらっていたわ。あなたが単純ですぐにボロを出してくれて助かったわ」

部長「なっ……」

雪乃「もう一度質問するわ。これを掲示板にアップロードしたらどうなるかしらね」

部長「……おいおい、冗談だろ……」

雪乃「冗談? わたしは冗談が嫌いなのだけれど」

部長「……それを俺に渡せ……」

雪乃「嫌よ」

部長「渡せって言ってんだろ!!」タタタッ

雪乃「戸塚くん!」

戸塚「……」


ブンッ ズシャ!!


部長「……ぇ……」

戸塚「ごめんね。痛かった?」

部長(なんで俺仰向けになってんだ……)

戸塚「僕ってこんな容姿でしょ? 小さい頃から苛められることが多くてね。自分を守れるように少し武術を嗜んでたんだ」

雪乃「今のは合気道かしら?」

戸塚「うん。雪ノ下さんと一緒だね」

部長「……」

戸塚「僕ならすぐに倒せると思った?」ニコッ

部長「……は、はは……」

戸塚「それじゃ行こうか、雪ノ下さん」

雪乃「そうね」

部長「ま、待ってくれ! 本当にアップするのかよ!?」

雪乃「だからさっきから言ってるじゃない。その耳はお飾りなのかしら」

部長「やめてくれよ! そんなことされたら俺学校にいれなくまっちまう!!」

戸塚「…………だから?」

部長「…………ぇ」

戸塚「君がどうなろうと僕には関係ない」

部長「」

戸塚「よかった。君が僕が思っていたより最低な人間で。……これで安心して僕も残酷になれるよ」

部長「……ッ!」ゾクッ

戸塚「それじゃまた来月の定期戦で会おうね。君がまだ在学していればの話だけど」

雪乃「……」

戸塚「雪ノ下さん、行くよ」

雪乃「え、ええ」

- 帰り道 -


雪乃「意外だったわ」

戸塚「僕が怒ったこと?」

雪乃「ええ。それにあなたの性格なら音声をアップすることに反対すると思ったから」

戸塚「うん。僕も本当はこんなことしたくないんだ。けど仕方ないよ。八幡や仲町さん、彼は僕の大切な人達を馬鹿にしたんだから」

雪乃「……彼、どうなるでしょうね……」

戸塚「さあ。僕には彼がどうなろうと関係ないからね」

雪乃「意外に容赦がないのね」

戸塚「雪ノ下さんには言われたくないよ」ニコッ

雪乃「そうね」クスッ

戸塚「これで解決するかな?」

雪乃「恐らく。少なくとも仲町さんの立場は変わるはずよ」

戸塚「ならいいんだけど」

雪乃「それより、着信音は夏目のOPにしてるのね」

戸塚「」ビクッ

雪乃「センスがいいわね。OPは全部いいけれど、わたしはやはり一期の――――」

戸塚(あ、捕まっちゃったかも……)

- 翌日 海浜総合校門前 -



ザワザワ


八幡(落ち着かねぇ……)

戸塚「もの凄い見られているね」

雪乃「まあ、他校の生徒が固まっていれば嫌でも注目の的になるわ」

葉山「仲町さんはまだかな?」

八幡「もうそろそろ来るんじゃねぇの」


女子A「ねーねー、あれ葉山くんだよね。話しかけてみる?」

女子B「そ、そうだね」


三浦「あっ」ギロリ


女子A,B「ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」

八幡(さすがおかん。目で殺しやがった)

八幡「悪いな、三浦。付き合わせてしまって」

三浦「別に。隼人に頼まれたからいるだけだし」

八幡「そうか」

三浦「それにあーしも影でコソコソする奴大嫌いなんだよね」

雪乃「あら、珍しく意見が合うわね」

三浦「ふん」

葉山(この二人は相変わらずだな)


仲町「ひ、比企谷くん。お待たせ!」


八幡「お、おう」

仲町「みんなもお待たせしてごめんなさい」

戸塚「ううん。全然待ってないよ」

仲町「そ、そう? えっと、雪ノ下さんと三浦さんだよね。今日はそのわたしの為に……」

雪乃「気にしないでいいわ」

三浦「ていうか一応友人て設定なんだしもっと堂々とすれば?」

仲町「あ、はいっ!」

八幡(三浦、それは逆効果だ)


<あれ? 仲町さんと待ち合わせしてたのか?
<あの男子達って画像の……
<女子もいるけどもしかして彼女?
<戸塚と黒髪の人は付き合ってるらしいよ
<それじゃ三股じゃないってこと?


玉縄「やあ、みんな」

葉山「やあ、玉縄くん」

玉縄「今日もトリプルデートかな?」

八幡「まあ、そういうことだ」

三浦(で、デート。あーしと隼人がっ///)

玉縄「"相変わらず"仲が良いね」

戸塚「うん」


<トリプルデート?
<ってことはやっぱり……


玉縄「まったくうちの学校で変な噂が流れていて大変だったんだよ」

雪乃「仲町さんがこの男共と同時に交際していることね?」

玉縄「うん。僕がいくら否定しても信じてくれないんだよ」

葉山「変な噂が流れるもんだな」

玉縄「まったくだよ」

<やっぱりデマだったんだ
<それじゃあの画像は?
<合成とかじゃね?


玉縄(よし。これくらいでいいかな)

玉縄「それじゃ楽しんできてね」

戸塚「うん。玉縄くんも生徒会頑張ってね」

玉縄「ありがとう」

雪乃「それでは行きましょうか」

三浦「どこに行くの?」

八幡「サイゼでいいんじゃねぇか」

三浦「却下」

八幡「」ガーン!!

- 終業式前日 総武高校 -


八幡(折本の話だと葉山と戸塚に彼女が出来た話題で持ちきりらしいな)

八幡(これで一応は沈静化したようだ)


戸塚「八幡、おはよ」


八幡「おはよう、戸塚」

戸塚「折本さんから聞いたけどうまくいったみたいだね」

八幡「そうだな。そういえばテニスの部長は停学になったらしいな」

戸塚「あー、アレね。どうでもいいよ」

八幡「え」

戸塚「そんなことより春休みの予定を立てよう」

八幡「あ、ああ、そうだな」

- 放課後 -


八幡(裏掲示板ね。何処が面白いんだか)ポチッ

八幡「ぶほっ!」


葉山「比企谷、どうしたんだ?」


八幡「は、葉山……」

葉山「2ちゃんで面白いスレでも見つけたのか? それとも俺と七咲のSSが絶賛されてるとか?」

八幡「あ、いや、うちの学校の掲示板にこんなスレが……」

葉山「スレ?」


【2-Fの比企谷が三股してる件について】


葉山「ププッ!」

今回はここまで
また今度

ちなみにゆきのんは授業中以外は常にニャンコ先生のぬいぐるみ抱いてます

やっはろー
今日の22時くらいに投下しますねー

うむ
今回の投下後に次スレ立てて誘導が宜しいかと思う

1が「やっはろー」と言っていたけど

千葉県人が「やっぱろー」言うのを聞いたことないなぁ。

>>900 次ぎスレのタイトルをどう付けるのが楽しみである。

- 翌日 総武高校 -


結衣「今日で三学期も終わりだね……」

相模「うん。元気ないけど、どうしたの?」

結衣「……だってクラス替えしたくないし……」

相模「あー、そっか。比企谷と違うクラスになるかもだから嫌なんだね」

結衣「うん。……って違うからっ///」

相模「うちは比企谷とは運命の赤い鎖で繋がれてるから大丈夫だけどね!」

結衣「なんで鎖だしっ!?」

相模「ちなみに首輪に鎖が繋がれてるよ」

結衣「く、首輪ならあたし、ヒッキーから誕生日プレゼントでもらったもん!!」

相模「」

大岡「ひ、比企谷くん、結衣に首輪プレゼントしたのか!?」

大和「凄いな」

八幡(由比ヶ浜、大声でなに言ってんだよ。ただでさえ面倒な時に……)

大岡「つ、つまり比企谷くんがご主人様で結衣がペットいう……」ゴクリ

八幡「違う。首輪は由比ヶ浜の飼い犬に使う首輪をプレゼントしたんだ」

大岡「なんだ、そういうことだったのか」シュン

八幡(なんでこいつガッカリしてんだ)

大岡「あ、あとさ、比企谷くんに聞きたいことがあるんだけど……」

八幡「三股のことか?」

大岡「」コクリ

八幡「違う。俺には彼女がいない。以上だ」

大岡「つまり彼女じゃなく全員セフレだということか……」

八幡「ねえ、こいつ何とかしてくんない?」

大和「俺には無理だ」

大岡(やっぱり顔か? 顔なのか? 顔なんだな!!)

葉山「さすが童貞。朝から比企谷に食いついてるな」

戸塚「助けてあげないの?」

葉山「朝から疲れることはしたくないんだ」

戸塚「そっか。大岡くんの相手は疲れるからね」

葉山「戸塚も苦手な奴がいるんだな」

戸塚「まぁね」

葉山「それよりSS速報に俺と七咲のSS更新しておいたから見ておいてくれよ」

戸塚「う、うん……」

戸塚(また荒らされてそうだね)

- 終業式後 -


葉山「比企谷、草津に行こうぜー」

八幡「いや、いきなり中島くん風に遠いところに誘われても困るんだけど……」

葉山「実は親戚が旅館を経営していてね。格安で泊めてくれるっていうんだ。温泉もあるぞ!」

八幡「春休みは予備校があるから無理――――」

葉山「戸塚も一緒だ」

八幡「いつ行くんだ?」

葉山「まだ決まってない。比企谷以外にも奉仕部のメンバーも誘おうと思うんだけど、どうだろう?」

八幡「俺と戸塚の二人でいいんじゃないか?」

葉山「俺も入れてくれよ……。男三人だとアレもアレだしね」

八幡「まあ、いいんじゃねぇの。来るかわからんけど」

葉山「今日は部活ないのかい?」

八幡「一応、集まりはあるみたいだが」

葉山「それじゃその時に皆に言っておいてくれ。ついでに都合が悪い日の確認も頼む」

八幡「わかった」

葉山「それじゃまた会おう」

八幡「おう」

- 奉仕部部室 -


結衣「温泉旅行?」

八幡「ああ」

結衣「行く行く!!」

相模「温泉いいね。混浴?」

八幡「知らねぇよ。多分、男女別だろ」

相模「そっか……」

八幡「雪ノ下はどうする?」

雪乃「そうね」

雪乃(温泉旅行。そういえばアニメでも名取さんと行って妖怪に遭遇していたわね)

雪乃「わたしも行かせてもらうわ」

八幡「それじゃ全員オッケーだな」

相模「ちなみに何処の温泉?」

八幡「草津だ」

結衣「あたし、草津なら聞いたことあるよ!」

八幡「そりゃ温泉で有名だし誰でも聞いたことあるだろ……」

結衣「うっ」

相模「結衣ちゃん、本当に進級できてよかったね」

雪乃「そうね。わたしのおかげね」

結衣「なんか最近、馬鹿にされることが多い気がする……」

八幡「馬鹿だから仕方ないだろ」

結衣「ヒッキーも最近馬鹿馬鹿言いすぎだから!!」

八幡「由比ヶ浜が馬鹿なのが悪い」

結衣「むぅ。そんなはっきり言わなくても……」ウルッ

八幡「」ドキッ

結衣「あたしだって自覚はしてるもん……」

相模「……」

八幡(やばいやばい。また涙目で興奮しちまっている……)

八幡「……由比ヶ浜」

結衣「なに……」

八幡「俺はお前のそういうところは……嫌いじゃない……」

結衣「ふぇっ///」

八幡「それじゃ俺は先に帰らせてもらう」

雪乃「なにか用事が?」

八幡「まぁな」

雪乃「そう。またね」

八幡「おう」

相模(うひひ。順調に目覚めていってるようだね、比企谷)

結衣「き、嫌いじゃないって。ヒッキーったら……///」

- 下駄箱 -


八幡「……」

八幡(うへぇ。朝に続いてまたゴミ入られてるよ……)

八幡(仲町さんの次は俺が三股疑惑か)

八幡(別に付き合っているわけじゃないんだから三股ではない。つまり俺は悪くない)

八幡(しかし、知らない奴から見たら三股に見えるんだろうか)


戸塚「八幡、どうしたの?」


八幡「戸塚」

戸塚「あー、やられちゃったんだね」

八幡「まぁな」

戸塚「男の嫉妬も醜いものだね」

八幡「やっぱりそれが原因だよな」

戸塚「それしかないでしょ。朝もやられてたのに。よっぽど憎まれてるね」

八幡「どうやら愛への理解を拒まれてしまったようだ」

戸塚「ゴミは僕が捨てておくよ。どうせ校内に戻るから」

八幡「さすがにそれは……」

戸塚「いいからいいから。仲町さんと会う約束してるんでしょ。早く行ってあげなよ」

八幡「悪いな」

戸塚「違うよ、八幡。こういう時は謝るんじゃなくて、ありがとう、だよ」

八幡「そっか。ありがとな、戸塚」

戸塚「うん。それじゃまたね!」

八幡「おう」

- 教室 -


戸塚(いけないいけない。机に携帯忘れちゃうなんて)


遥「と、戸塚くん!」

ゆっこ「……」


戸塚「ん?」クルリ

戸塚「遥さんとゆっこさん。どうしたの?」

遥「えっと……」

ゆっこ「戸塚くんに聞きたいことがあって……」

戸塚「僕に?」

戸塚(……そっか。僕と雪ノ下さんのことかな)

戸塚(この二人なら相模さんの親友だし、言っても大丈夫かな)

戸塚「わかった。他の人に聞かれたくないから扉閉めてくれる?」

遥「う、うん!」ガラガラ

遥(扉閉めさせるなんて、これってもしかして……)ドキドキ

戸塚『これで僕から逃げられないね』

遥『と、戸塚くん?』

戸塚『君がいけないんだよ。僕をこそこそと付回すなんて』

遥『ご、ゴメンなさい……』

戸塚『君みたいないけない子は僕にお仕置きされても仕方ないよね?』

遥『お、お仕置きっ///』


遥「だ、駄目! ゆっこの前でお仕置きなんてっ///」

戸塚「……え?」

ゆっこ「遥、なに言ってんの?」

遥「はっ!」

- 1分後 -


ゆっこ「そういうことだったんだね」

戸塚「うん」

遥(よかった。雪ノ下さん相手じゃ勝ち目ないもんね)

ゆっこ「でもそんなことしたら戸塚くんも大変じゃないの?」

遥「そうだよ。わたし達以外にも沢山質問されたでしょ?」

戸塚「……そうだね。でもいいんだ。友達を助ける為だしね」ニコッ

「」ドキッ

戸塚(それに八幡に頼まれたら仕方ないよ。うん、仕方ない)

戸塚「このことは皆には言わないでおいてね」

ゆっこ「もちろん!」

遥「言わないよ。不安ならわたしの唇を縫ってもいいよ!」

戸塚「」

ゆっこ「」

遥「……あっ、冗談! 今のは冗談だからね!?」

戸塚「だ、だよね。びっくりしたよ……」

ゆっこ「……」

遥「ごめんね。あはは……」

戸塚「それじゃ僕は部活に戻るから。またね」

ゆっこ「うん、部活頑張ってねー」

遥「バイバイ!」

- 12時 あんてい〇 -


仲町「へぇ、温泉旅行か。いいなー」

八幡「そうか?」

仲町「うん。それに三年生になったら忙しくなるし、いい思い出なるんじゃないかな」

八幡「そういう考え方もあったか」

仲町(温泉旅行か。わたしも比企谷くんと……)

仲町「」カァー

八幡「……?」

仲町「あ、なんでもにゃい! それより予備校でもよろしくね!」

八幡「あ、ああ。まさか一緒の予備校なんてな」

仲町「だよね。偶然だよね」

仲町(言えない。小町ちゃんから教えてもらっていたなんて……)

仲町(でも本人に聞いて同じ予備校に入ったら、わたしの気持ちばれちゃうし……)

仲町「そ、それでスカラシップはとれたの?」

八幡「もちろん」

仲町「凄いね。文系でわからないところがあったら教えてね」

八幡「別にいいけど」

仲町(これで予備校がある日は比企谷くんに会えるだよね。えへへ///)

八幡「あー、それと、学校はどんな感じだ?」

仲町「学校? えっと、今度は同情の目を向けられてる感じかな? 後は比企谷くんのこと聞かれる」

八幡「そうか。……あまり目立つの好きじゃないのに悪いな」

仲町「ううん、そんなことないよ! 比企谷くんはわたしを助けてくれたんだから謝る必要なんてないよ」

八幡「そう言ってくれると助かる」

仲町「うん」

八幡(言えない。今度は俺が三股していると掲示板に書かれているなんて……)

仲町「そういえば比企谷くんって前は津田沼の予備校に行ってたんだよね?」

八幡「そうだけど」

仲町「なんで幕張の予備校に変えたの?」

八幡「まあ、幕張の方が近いからな」

仲町「そっか。近いほうが楽だもんね」

八幡「そういうことだ」

仲町「ちなみに夏休みも通う予定?」

八幡「今のところは」

仲町(よし。わたしも夏休み通おう!!)

- 10分後 -


八幡「仲町さんは春休みは何処か出かけないのか?」

仲町「うん。特に予定はないよ」

八幡「そうか」

仲町「遠い所は疲れるし」

八幡(やはり元ぼっち同士だけあって気が合うところが多いな)

仲町「で、でも、買い物とか勉強の息抜きはしたいかな」

八幡「息抜きは必要だな」

仲町「うん。それで、その、たまにでいいから買い物とか付き合ってくれる?」

八幡「」ドキッ

仲町「駄目かな?」

八幡「……まあ、俺も旅行以外は予定入ってないからな」

八幡(由比ヶ浜と遊ぶ約束してるけど日にちは決まってないしな)

仲町「……それって付き合ってくれるってことでいいのかな?」

八幡「……はい」

仲町「ありがと」ニコッ

八幡「うっ」

八幡(そんなストレートにお礼を言われると恥ずかしいんだけど)

仲町「そういえばかおり、バイト辞めたみたいだよ」

八幡「それは初耳だな」

仲町「わたしも今日知ったから。夏休みは勉強漬けになるだろうから、春休みは遊びまくりたいんだって」

八幡「ほーん」

仲町「また振り回されると思うけど頑張ってね」

八幡「いや、そこは止めてくれないの?」

仲町「わたしにはかおりを止めるのは無理だから」

八幡「ですよね」

- サイゼ -


相模「温泉旅行。これがラストチャンスかもしれない……」

結衣「なんの?」

相模「比企谷にビンタされる機会だよ」

結衣「いやいや、さすがにビンタはないから……」

相模「しかし旅行後には頬が真っ赤に腫れて内出血してるうちの姿が!!」

結衣「それビンタじゃなくてグーだよね!?」

相模「結衣ちゃんはグーよりビンタの方がいいの?」

結衣「あたし、そういう趣味ないから!!」

相模「本当?」

結衣「本当だし。さがみんと一緒にしないでよ!」

相模「でも結衣ちゃんってどっちかというとMだよね?」

結衣「え」

相模「比企谷に馬鹿にされるのまんざらでもないでしょ?」

結衣「」ドキッ

相模「どうなの?」

結衣「あ、いや、その……っ!!」アセアセ

相模「見てればわかるよ。比企谷に馬鹿にされてる時に嫌がってる顔してるけど、嬉しそうな顔もしてるから」

結衣「」

相模「ま、うちには勝てないけどね!」

結衣「むぅ。……別にMってわけじゃなくて、ヒッキーに馬鹿にされてもかまってもらえるのが嬉しいだけだもん……」

相模(かまってもらえるって。もう完全にそっち思考だけど……)

結衣「それにあたしのこと弄ったり小ばかにしてる時、ヒッキー楽しそうだし。だからヒッキーが楽しんでくれるならあたしは……」

相模「……」

結衣「ってあたし、なに言ってるんだろ! 今の忘れてっ///」

相模(比企谷。やっぱりうちが危惧していたとおり他の娘のマゾ属性目覚めさせちゃったじゃん)

結衣「あぅ///」

相模(マゾに関しては負けるつもりはないけど。玉縄くんと遥には負けてるかもしれないけど……)

今回はここまで
また今度
次スレはレスに余裕あるから次回投下したときに立てますね

年末年始はアニメがないから退屈ですね
物語シリーズあるけど

荒れるのはつまらんぜ?マターリ>>1を待とうではないか。

>>1は必死に次ぎスレタイトル名考えてるんだ。生暖かい目で待っててあげようぜ?

初代  八幡「相模南はどうしようもないマゾである」
2代目 八幡「相模南は本当にどうしようもないマゾである」
今回  八幡「相模南は救いようのないマゾである」

まさか…
八幡「相模南は本当に救いようのないマゾである」が次ぎスレタイトルだったのか??
いや、ネタ潰しでなく、単なる予想ね。

こんにちは!
PC買い替えてデータ移行と年末で忙しいため投下は来週中になります

サイコパスの診断メーカーで俺ガイルキャラの犯罪係数計ったら海老名さんと陽乃さん以外全員潜在犯だった
平塚先生といろはは300オーバーで戸塚と雪乃も200オーバー

次スレ作っておきました
八幡「相模南の変態係数は計測不能である」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1419858710/)

みなさんよいお年を!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月13日 (月) 23:33:41   ID: fvfnD1q4

いちげっと

2 :  SS好きの774さん   2014年10月13日 (月) 23:42:12   ID: EdCHVKcf

仲町さんルートも期待してます!
がんばってください♪

3 :  SS好きの774さん   2014年10月14日 (火) 00:42:52   ID: JJLLRf7V

タイトルに相模って書いてるし相模ルートお願いします!

4 :  SS好きの774さん   2014年10月14日 (火) 01:36:39   ID: LgoR4qpm

メインに仲町追加!
仲町ルートオナシャス!

5 :  SS好きの774さん   2014年10月14日 (火) 18:32:38   ID: EyWJjvKd

少し折本ルート見たかったり…
できたらオネシャス!

6 :  SS好きの774さん   2014年10月15日 (水) 11:04:58   ID: 50qvAhH-

相模んにもっと出番を…。゚(゚´Д`゚)゚。

7 :  SS好きの774さん   2014年10月15日 (水) 13:46:49   ID: NLsu3Gz8

折本ルートちょっと期待してます…
てきればオナシャス!

8 :  SS好きの774さん   2014年10月15日 (水) 17:14:47   ID: kgzxC1_0

やっはろー

9 :  SS好きの774さん   2014年10月15日 (水) 20:16:07   ID: v7T6avPn

メインに仲町さんが!!最高だぜアンタ!!

10 :  SS好きの774さん   2014年10月15日 (水) 21:41:07   ID: SptYl63H

相模か折本ルートお願いしますっ!

11 :  SS好きの774さん   2014年10月15日 (水) 22:26:40   ID: VjP0BNlV

仲町さんが最高(*`ω´)b

12 :  SS好きの774さん   2014年10月15日 (水) 22:38:09   ID: d0IRm3Jf

全く出て来てないけど材木座とヲタ葉山の絡みが見たい
もっと言えば八幡vs葉山の棒倒しも見たい

13 :  SS好きの774さん   2014年10月16日 (木) 23:38:33   ID: _UU_zvO7

仲町さんが至高

14 :  SS好きの774さん   2014年10月17日 (金) 01:32:42   ID: QtuUlx7M

期待期待

15 :  SS好きの774さん   2014年10月17日 (金) 11:15:48   ID: ZX2c1ba2

何故みんな仲町推しなんだ( ノД`)…

むっつりなガハマさんこそ至高

16 :  SS好きの774さん   2014年10月18日 (土) 00:57:07   ID: IKRzKAI-

日曜を楽しみにしてます

17 :  SS好きの774さん   2014年10月18日 (土) 10:34:28   ID: -BkFK0vc

キタコレ

18 :  SS好きの774さん   2014年10月18日 (土) 11:02:06   ID: ePhR71wu

仲町さん√希望

19 :  SS好きの774さん   2014年10月18日 (土) 13:21:19   ID: hhqjUtP0

もっと続いてくれ!

20 :  SS好きの774さん   2014年10月18日 (土) 17:30:56   ID: ZvlSSPNO

ガハマ排除

21 :  SS好きの774さん   2014年10月19日 (日) 00:06:37   ID: mleKqDPq

仲町さんをくれ

22 :  SS好きの774さん   2014年10月19日 (日) 01:30:33   ID: SVV_yBmm

まずい、俺の仲町成分がもうわずかだ…

23 :  SS好きの774さん   2014年10月19日 (日) 21:12:13   ID: hX1FzRAe

今日じゃねえか楽しみだぜ

24 :  SS好きの774さん   2014年10月19日 (日) 22:54:43   ID: mleKqDPq

仲町さんに期待してるぜ

25 :  SS好きの774さん   2014年10月19日 (日) 23:50:26   ID: lk6jiecA

八幡がサドにw
何か恋愛事情に一切関わらないでニャンコ先生にしか興味ないゆきのんが面白いw
はるのんに会わせたいw

26 :  SS好きの774さん   2014年10月20日 (月) 00:02:32   ID: s9SfIbfb

やべっ…俺も仲町さん派になっちゃったかも

27 :  SS好きの774さん   2014年10月20日 (月) 01:01:29   ID: OoGAH16e

仲町さんマジ天使w

28 :  SS好きの774さん   2014年10月20日 (月) 18:23:26   ID: bdZD9Lrw

3スレ目まだあんま進んでないのにコメントこんなにあるとかこの作者すげえな

29 :  SS好きの774さん   2014年10月20日 (月) 22:29:04   ID: k4LibnVP

義輝の人気を上回っているのではないかと
あっちエタられてしまいましたし
ほぼ

30 :  SS好きの774さん   2014年10月21日 (火) 17:59:18   ID: lQj0Prw8

相模√希望

31 :  SS好きの774さん   2014年10月23日 (木) 23:52:09   ID: ERH0gUMq

20同意
最近ガハマのssみてると図々しくてうざい。
作者ファイト!p(^_^)q応援してる。

32 :  SS好きの774さん   2014年10月24日 (金) 02:33:53   ID: ovZ21YQg

仲町さんルートお願いしゃす♪

33 :  SS好きの774さん   2014年10月24日 (金) 02:35:06   ID: ovZ21YQg

折本ルートもちょっと見てみたいっす♪

34 :  SS好きの774さん   2014年10月24日 (金) 16:24:36   ID: tYrQZNtn

ガ、ガハマさんの霊圧が・・・

35 :  SS好きの774さん   2014年10月24日 (金) 17:13:32   ID: OPg2VlgG

可愛い仲町さん。そういえば仲町さんてどんな髪型とかわかる?

36 :  SS好きの774さん   2014年10月24日 (金) 19:35:38   ID: MsvWz4MN

海老名さんと同じような髪型だったよ

37 :  SS好きの774さん   2014年10月26日 (日) 01:43:31   ID: 4m8SBMZE

36thanks

38 :  SS好きの774さん   2014年10月29日 (水) 16:24:12   ID: XnBZJLDK

そう言えば、材木座どうした?

39 :  SS好きの774さん   2014年10月30日 (木) 18:39:39   ID: al1Y28un

うん…材木座はね…

40 :  SS好きの774さん   2014年11月01日 (土) 08:49:58   ID: -ZRgkBnu

さがみん首筋なめや甘噛みまでするようになッたのか

41 :  SS好きの774さん   2014年11月02日 (日) 21:39:12   ID: lSP90Ech

仲町さんかわい

42 :  SS好きの774さん   2014年11月06日 (木) 00:17:06   ID: X0nyGo9Q

由比ヶ浜?誰それ

43 :  SS好きの774さん   2014年11月06日 (木) 00:19:48   ID: xnQu9Zt9

川…なんとかさんどこ行ったん?

44 :  SS好きの774さん   2014年11月07日 (金) 00:26:40   ID: DRs-r8Zi

小町乱入で終わりとか待ちきれねえよ

45 :  SS好きの774さん   2014年11月07日 (金) 01:04:23   ID: yknCzQr_

ここで切るとか畜生かよ。早く津々木続きが見たい

46 :  SS好きの774さん   2014年11月07日 (金) 01:05:47   ID: yknCzQr_

間違えてもた津々木てなんや

47 :  SS好きの774さん   2014年11月08日 (土) 23:26:40   ID: HaMV5E8X

今更だけど、大岡って転校した設定じゃなかったっけ?
たしかこのSSな気がするんだけど、葉山の告白された件で出てるよな

48 :  SS好きの774さん   2014年11月09日 (日) 14:31:04   ID: FMrhWSEG

大岡は確か折本に抱き付いてるけど停学処分にならず特に何もなかッたぞ。代償は顔の痣

49 :  SS好きの774さん   2014年11月09日 (日) 22:35:17   ID: RFnyY4B6

すごく、いい

50 :  SS好きの774さん   2014年11月10日 (月) 01:23:00   ID: c-hzSsG4

今現在の八幡の目の腐りレベルは?

51 :  SS好きの774さん   2014年11月10日 (月) 19:15:34   ID: qykw-vBP

47それ大岡があーしさんレイポしたssじゃね?

52 :  SS好きの774さん   2014年11月10日 (月) 22:41:46   ID: Z-mkz08Z

なんの歌?

53 :  SS好きの774さん   2014年11月12日 (水) 14:10:02   ID: DQexJ8P-

由比ヶ浜さんのヒロインレベルを上げてくれ

54 :  SS好きの774さん   2014年11月12日 (水) 19:20:11   ID: 6Ql4rAMo

今日の夜か楽しみだ

55 :  SS好きの774さん   2014年11月12日 (水) 22:54:34   ID: 5K25hTOU

wktk

56 :  SS好きの774さん   2014年11月12日 (水) 23:26:58   ID: 6Ql4rAMo

あああああああああああああああああ仲町さん可愛い八幡にピッタリだぜ

57 :  SS好きの774さん   2014年11月13日 (木) 01:47:51   ID: a9WRJeVo

仲町さんがさらにヒロイン力を上げてきたぞ!

58 :  SS好きの774さん   2014年11月13日 (木) 17:19:37   ID: fwTbomFG

仲町さんのヒロイン力は58万です

59 :  SS好きの774さん   2014年11月17日 (月) 21:24:52   ID: Ct09PNJ0

仲町さん√希望

60 :  SS好きの774さん   2014年11月18日 (火) 07:22:04   ID: WpJ9n0qD

副会長とかのオリキャラは要らない

61 :  SS好きの774さん   2014年11月18日 (火) 12:01:26   ID: Rseu0HgT

戸塚ァァァァァァァ!!!!!

62 :  SS好きの774さん   2014年11月18日 (火) 22:15:13   ID: 50rVbvKD

続きはやく

63 :  SS好きの774さん   2014年11月20日 (木) 20:09:50   ID: f3GZ5XPo

副会長は原作にもいるだろ
ほぼオリキャラだけどw

64 :  SS好きの774さん   2014年11月21日 (金) 20:42:13   ID: mVRhTCMk

作者のコメントで作者の性癖が明らかに(笑)

65 :  SS好きの774さん   2014年11月24日 (月) 18:07:18   ID: -AvGnrHt

原作の副会長が登場した瞬間にロリコンって叫んでしまった(笑)

66 :  SS好きの774さん   2014年11月24日 (月) 23:41:00   ID: VtNswVhw

折本√オナシャス

67 :  SS好きの774さん   2014年11月25日 (火) 20:01:21   ID: kLgAFARX

ガハマさんとゆきのんはヒロイン枠から外れてるんですね

68 :  SS好きの774さん   2014年11月26日 (水) 01:07:23   ID: O8z4HF37

変態と変態が交わる時、ドM が更に暴走する……

69 :  SS好きの774さん   2014年11月27日 (木) 22:08:13   ID: 8OUsD_4y

ごちゃごちゃしすぎ

70 :  SS好きの774さん   2014年12月01日 (月) 18:41:36   ID: FEyRnVke

火曜が待てない

71 :  SS好きの774さん   2014年12月03日 (水) 12:00:48   ID: NQKprSOI

実は、ゆきのんショートが楽しみ。

72 :  SS好きの774さん   2014年12月06日 (土) 22:19:48   ID: 0FdnNAcG

応援してます!

73 :  SS好きの774さん   2014年12月06日 (土) 22:50:53   ID: YEFYgVvy

次が楽しみ!

74 :  SS好きの774さん   2014年12月07日 (日) 11:42:18   ID: v36hIIlc

小町に耳かきしてもらえるなんて幸せものやなー

75 :  SS好きの774さん   2014年12月07日 (日) 22:45:00   ID: UhxaGZEK

サイコパス最高なの

76 :  SS好きの774さん   2014年12月09日 (火) 23:28:13   ID: BBagmdLS

次いつやー!

77 :  SS好きの774さん   2014年12月11日 (木) 02:06:57   ID: 52JBMQuR

読むの大変なんて全然そんなことない。どちらかと言うと最高

78 :  SS好きの774さん   2014年12月12日 (金) 00:23:27   ID: _EQ7wWFE

久々のシリアスパート良かったな

79 :  SS好きの774さん   2014年12月12日 (金) 00:36:18   ID: RUvJ4JBD

楽しみです

80 :  SS好きの774さん   2014年12月12日 (金) 09:51:05   ID: vdXTBm7J

続き楽しみ

81 :  SS好きの774さん   2014年12月13日 (土) 20:10:29   ID: bBMML5jL

仲町さんルートお願いします!

82 :  SS好きの774さん   2014年12月13日 (土) 22:27:00   ID: qX1jHb--

シリアスでも不快にならないのがこのSSの良いところ

83 :  SS好きの774さん   2014年12月14日 (日) 11:27:55   ID: fdcODOOs

最近更新早くて嬉しいな

84 :  SS好きの774さん   2014年12月14日 (日) 17:31:48   ID: HUafcPkJ

ありがたい

85 :  SS好きの774さん   2014年12月15日 (月) 00:18:04   ID: pUq-eZe3

期待のSSです‼︎
楽しみにしてます!

86 :  SS好きの774さん   2014年12月15日 (月) 00:27:44   ID: 3No8FAwN

いやぁ犯人がボロクソにされて新たな性癖に目覚めるフラグが立たないかなぁ

86 :  SS好きの774さん   2014年12月15日 (月) 00:27:44   ID: 3No8FAwN

いやぁ犯人がボロクソにされて新たな性癖に目覚めるフラグが立たないかなぁ

87 :  SS好きの774さん   2014年12月15日 (月) 04:29:00   ID: Fv3ZKaS8

彩加たんからラスボス臭が・・・

88 :  SS好きの774さん   2014年12月15日 (月) 17:39:37   ID: 7D5vj_PF

次回は戸塚が斬る!だな。

89 :  SS好きの774さん   2014年12月17日 (水) 00:36:02   ID: oExWfymy

スレ立てたやつわかってるじゃねえか。今後登場するんだろうな?

90 :  SS好きの774さん   2014年12月17日 (水) 05:35:35   ID: A7_Gbs6_

この容姿だと~
のセリフはあるスポーツ漫画を思い出した。

91 :  SS好きの774さん   2014年12月17日 (水) 10:33:49   ID: CRHoMgCQ

セグウェイで轢いたに笑った

92 :  SS好きの774さん   2014年12月18日 (木) 08:13:04   ID: A_kEX5fe

ずいぶん先の話になりますが高校篇が終わっても大学篇などの続きをやってほしいです♪

93 :  SS好きの774さん   2014年12月20日 (土) 00:48:35   ID: lATWZvVf

戸塚ドS確定ヒャッホおおおおおおおおおおおお

94 :  SS好きの774さん   2014年12月20日 (土) 01:40:39   ID: UupVAnGz

滅茶苦茶おもろい

95 :  SS好きの774さん   2014年12月20日 (土) 02:24:24   ID: SgJfdTHm

唐突などいひーは草不可避なのでNG

96 :  SS好きの774さん   2014年12月20日 (土) 12:32:44   ID: FaDQnjM2

三股ネタ解決と同時に疑いようのない三股wwwwwww

97 :  SS好きの774さん   2014年12月20日 (土) 22:24:34   ID: 5Eve65Hx

ゆきのん、原作でテニスしてたから
ルール知ってると思うんだけどなぁ

98 :  SS好きの774さん   2014年12月20日 (土) 23:11:06   ID: fDsing9z

※97それに関してはスレの方でも騒ぎがあった

99 :  SS好きの774さん   2014年12月21日 (日) 15:53:07   ID: 9oUIW-6D

常にぬいぐるみ抱いてるゆきのんが電波確定しちゃったぜ…

100 :  SS好きの774さん   2014年12月23日 (火) 03:11:24   ID: ItVojSZ-

タイトル相模なんで相模パートも増えないかなぁ

101 :  SS好きの774さん   2014年12月25日 (木) 18:10:00   ID: Nv2wqmiB

もう少しガハマちゃんにも構ってあげて

102 :  SS好きの774さん   2014年12月26日 (金) 00:23:47   ID: 9oPYGY-a

やっばりおもしろいなこれ

103 :  SS好きの774さん   2014年12月27日 (土) 14:52:09   ID: f54_yvDY

続き気になるぅぅぅ(´・ω・`)

104 :  SS好きの774さん   2014年12月28日 (日) 21:41:29   ID: yxbZje0Y

300オーバーだと⁉

105 :  SS好きの774さん   2014年12月29日 (月) 09:38:44   ID: jESMEMk_

仲町さんルート期待

106 :  SS好きの774さん   2017年07月09日 (日) 12:39:18   ID: dayAfnz_

たまにある悟空口調の心の声、笑うわ。

107 :  SS好きの774さん   2018年03月13日 (火) 22:51:47   ID: wKpNjC45

あの葉山と副会長が引くレベルの変態の相模と玉縄www

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