櫻子「向日葵のおっぱい吸わないと男の子になっちゃう身体になった」(139)



櫻子「ふええええっ?!」

櫻子「なにこれ……なんでこんなのが生えてるの……?」

櫻子「……んっ」ピク

櫻子「感覚もあるよぉ……」

櫻子「……これは夢だ。そうに違いない」

櫻子「というわけで、おやすみなさい」

「櫻子、早く起きろ。遅刻するぞ!」

櫻子「これは夢なんだ……。覚めるまで寝る!」

撫子「おい、櫻子起きろ」

櫻子「……早く目覚めたいから寝させてください」

撫子「何意味の分からんこと言ってる。さっさと着替えて学校行け」


櫻子「ちぇっ、やっぱりこんなの通用しないよね。着替えよう……」

櫻子「上はいいけど、下はどうしよう……」

櫻子「男の子の下着なんかもってるわけないし、何も穿かないのはありえない……」

櫻子「仕方ないか、普通のでいいや……」

櫻子「うう……パンツのなかが窮屈だよぉ……」

櫻子(誰かに相談できないかな……?)

櫻子「おはよう(家族は……)」

撫子「やっと起きたか。朝食食べてる暇ないから、食パンでもくわえながら家出ろ」

花子「早くしてよね。いつも櫻子が一番遅いんだから」

櫻子「はあい。いってきまあす(無理か……)」


向日葵「あ、櫻子、相変わらず遅いじゃありませんの。早く行きますわよ」

櫻子(向日葵は論外……)

向日葵「髪の毛くらいきちんと整えなさいな、女の子なんだから」

櫻子「そうだよね……私女の子だもんね……」

向日葵「?」

向日葵「だいたいあなたはそそっかしいんですわ」

櫻子「うるさいなあ……」

向日葵「忘れ物してない?体操着はちゃんともってきましたの?」

櫻「忘れてないよ。忘れても一着学校においてあるし」

櫻子(それにしても向日葵のやつ……相変わらずでっかいおっぱいしやがってぇ……)イライラ

むくむく

櫻子「!」

向日葵「どうしましたの、櫻子?」

櫻子「な、なんでもないよっ!」

向日葵「でも、前屈みになってますわよ?」

櫻子「本当になんでもないから!」

向日葵「お腹とか痛いんじゃありませんの?でしたら早く学校へ……」

櫻子「さ、触らないで!」パシ

向日葵「ちょっと!人がせっかく心配してあげてるのに、何ですの?!」

櫻子「うるさい!本当に本当になんでもないからっ!」

タッタッタッタッ

向日葵「あ……櫻子……」

櫻子「ふう……あやうくばれるところだった……」

櫻子「でも、向日葵に悪いことしたかなあ……?」

櫻子「いや、私は悪くない……あのおっぱいが全部悪いんだ」

櫻子「あのおっぱいが……あのおっぱいが……」

むくむく

櫻子「……!」

櫻子「また大きくなっちゃったよぉ……」

櫻子「くう……怒りのやり場さえ奪われるとは……。おっぱい許すまじ……」

教室

あかり「おはよう向日葵ちゃん、櫻子ちゃん」

向日葵「おはようございます」

櫻子「おはよう……」

あかり「どうしたの、櫻子ちゃん?元気ないね」

向日葵「朝から怒ったり落ち込んだりしてますの」

あかり「ふうん」

向日葵「――櫻子、机に突っ伏したままでいいから聴いて」

向日葵「さっきのこと、お節介でしたら謝りますわ」

櫻子「いいよ、本当になんでもないから……(なんだよ、向日葵のやつ。謝られたら、余計に怒れなくなるじゃん……)」

授業中

「――この頂点に底辺と平行な補助線をひくと、内角の和が180°になることがわかるわけだ」

櫻子(うう……下半身が気になって授業に集中できない……)

「おい、大室」

櫻子「は、はい!」

「ここ何度か分かるか?」

櫻子「え、えっと……」

「まず立て」

櫻子「た、たってません!」

「……やっぱり寝てたな。廊下で頭冷してこい」

櫻子「は、はい……」

廊下

櫻子(……無心だ。無心になるんだ……)

櫻子(無……無……心を無に……)

櫻子(……………………)

櫻子(…………おっぱい……)

櫻子「ぶふっ」

櫻子(……………………)

櫻子(かんじーざいぼーさつぎょーしんはんにゃーはらみったー……はんにゃー……ええと……ええと……)イライラ

むくむく

櫻子「はあ……」

キーンコーン

「授業は終わったぞ。頭冷えたか?」

櫻子「……」

「おい、大室」

櫻子「……はっ!先生!?」

「心ここにあらずって感じだったぞ」

櫻子「無心でしたか?!」

「あ、ああ……」

櫻子「やったあ!ついに無の境地に辿りついたぞ」

「やれやれ、これは今日の分のプリントだ。しっかり復習するように」

櫻子「はい。ありがとうございます。すみませんでした」

あかり「あ、櫻子ちゃん、おかえり」

櫻子「ただいまー。あかりちゃん、さっきの一時間で無我の境地を体得したよ!」

あかり「えー、なにそれ?」

櫻子「心を虚しくして万物と一体になるんだよ……」

向日葵「次は体育ですわよ。早く着替えなさい」

櫻子「はいはい……って、体育……?」

櫻子「がさごそ……あれえ、体操着持ってきたつもりだったんだけどなあ……」チラ

向日葵「もう一着学校においてあったんじゃありませんの?」

櫻子「そ、そうだったっけ……」

櫻子(冗談じゃない。あんな格好したら、余計なものがくっきり見えちゃうじゃん……)

櫻子(どうしよう……仮病を使っても向日葵にはばれちゃうだろうし……)

櫻子(もう仕方ないよね)

櫻子「向日葵……ちょっとこっち来て……」

向日葵「なんですの?早くしないと授業に遅れ……」

櫻子「いいから来て!」ギュッ

向日葵「ちょっと、櫻子?!」

女子トイレ 個室

向日葵「こんなところに連れ出して、どういうつもりなんですの?」

櫻子「向日葵……今から何があっても驚かないで欲しいんだけど……」

向日葵「はあっ?!意味が分かりませんの」

櫻子「すぐ分かるよ……」

櫻子「しばらく目瞑ってて……」

向日葵「……?」

櫻子(下着だけ脱いで……)

櫻子「もういいよ。じゃあ見ててね……」

向日葵「……ちょっと!?あなた何でスカート持ち上げて……え?」

櫻子「これが私が朝からおかしかったわけ……」

向日葵「櫻子……あなた……」

櫻子「朝起きたら……突然生えててさ……」

櫻子「私、変だよね……?女の子なのに、こんなの生えてて変だよね……?」

向日葵「櫻子……」

向日葵「変なんかじゃありませんわ!」

櫻子「えっ?」

向日葵「櫻子は櫻子ですもの。何が起きても変じゃありませんわ!」

櫻子「向日葵……」

向日葵「櫻子……」ギュッ

向日葵「――すべて分かりましたわ。先生には私からうまく伝えておきますから、あなたは保健室でゆっくり休んでいなさい」

櫻子「ありがとう、向日葵……」

放課後

あかり「櫻子ちゃん、大丈夫?」

櫻子「うん。心配してくれてありがとう」

櫻子(あかりちゃんと話していても、向日葵と話しているときみたいにならないな)

櫻子(何が違うんだろう?)

あかり「じゃあ、からだに気をつけてね」

櫻子「うん。じゃあね」

向日葵「櫻子、帰りましょう」

櫻子「うん」

向日葵の家

向日葵「楓は出かけていますわ。五時までは帰ってこないでしょう」

向日葵「さて、服を脱ぎなさい」

櫻子「いやん、ケダモノっ」

向日葵「ふざけるなら、やめますわよ?」

櫻子「ふざけでもしないとやっていられないよ……」

向日葵「……先に見せてきたのは、そちらですからね」

櫻子「……」

櫻子「どう……?」

向日葵「どうと言われましても、実物をみたことがありませんので……」

櫻子「こんなのが生えてきちゃったんだから、やっぱり私、女の子じゃないのかな?」

向日葵「そんなことありませんわ。これはともかくとして、顔つきも声も肩幅も腰のくびれも、どこからどう見ても女の子ですわ」

櫻子「でも向日葵みたいにおっぱい大きくないよ……?」

向日葵「それは……あっ、触っちゃだめ……」

櫻子「……」チュッ

向日葵「あ……んっ……吸っちゃだめぇ……」

櫻子「チュー……チュー……ん?」

向日葵「え?」

櫻子「縮んでる……!どんどん縮んでるよ!」

向日葵「ええ……いったいどうして?」

櫻子「向日葵、もう一度吸うよ?」

向日葵「え?ちょっ……ああっ!」チュー

櫻子「ぷはぁ。すごい!向日葵のおっぱい吸ったら元通りになった!」

向日葵「はあ……はあ……不思議なことも、あるもんですわね……」

櫻子「ありがとう向日葵!これで明日からまたいつも通り過ごせるよ!」

向日葵「ちょっと櫻子!パンツ穿き忘れてますわよ!?」



櫻子(なんで向日葵のおっぱい吸ったら元に戻ったんだろう?)

櫻子(朝起きたら大変なことになってて)

櫻子(向日葵のおっぱいを吸ったら元に戻った)

櫻子(私は向日葵のおっぱいが吸いたかったのかな?)

櫻子「……」

櫻子「考えても分からないや!」

櫻子「まあ、いいじゃん。無事元に戻ったんだし」

櫻子「おやすみ」



櫻子「んん……」

櫻子「……」

櫻子「また生えてる……」

「おい櫻子、早く起きろ」

櫻子「はあい……」

櫻子「向日葵、おっぱい!」

向日葵「私はおっぱいじゃありませんわ」

櫻子「吸わせて!」

向日葵「なんなんですの、会うやいなや……」

櫻子「だめ?」

向日葵「今は人が見てますから学校で……」

櫻子「じゃあ早く学校行こ!」

向日葵「あっ、ちょっと櫻子!?」

トイレ

櫻子「早くおっぱい!」

向日葵「せかさないで。この制服、脱ぎにくいんだから……」

向日葵「……はい、どうぞ」

櫻子「いただきまあす」

櫻子「……」チウチウ

向日葵「んっ……」

櫻子「……」チウチウ

向日葵「ふふ……赤ちゃんみたいですわ……」

櫻子「……」チウチウ

向日葵「んんっ……」

櫻子「……」チュウウウ

向日葵「あっ……もっと優しくっ……!外に聞こえちゃうっ……!」

櫻子「……」チウチウ

向日葵「長くありません?」

櫻子「ぷは。いやあ、向日葵があまりにもいい声を出すから」

向日葵「……馬鹿」

翌朝

櫻子「また生えてる」

櫻子「また向日葵に取ってもらおう」


翌々朝

櫻子「生えてる……」


翌々々朝

櫻子「おはようおち○ちん」


翌々々々朝

櫻子「んん……ひまわり……はっ」

櫻子「うわっ……パンツべちょべちょ」

櫻子「チュー……チュー……ぷはあ……」

向日葵「はあ……おさまりましたのね……」

櫻子「うん」

向日葵「ではよく聴きなさい」

向日葵「あなたのそれは、クリトリスの変化したものですわ」

櫻子「くりとりす?」

向日葵「ここにある豆のことですわ」グリ

櫻子「ひゃうんっ!」

向日葵「つまり、変化する元を除ってしまえば、もう朝だちに悩むこともありませんわ」

櫻子「え、でもそれって……」

向日葵「外科的手術をする必要がありますわね」

櫻子「でも、いくら不便だっていったって、朝起きたら下半身に違和感があるくらいだし、それに向日葵とこういうことするの、嫌いじゃないよ?」

向日葵「もし、社会に出て私と離ればなれになったら?結婚して夫ができたら?」

櫻子「そんなの、まだまだ先の話だよ……」

向日葵「いずれやってくる問題ですわ。今のうちに考えておいてもいいんじゃなくって?」

櫻子「……」

向日葵「まあ、よく考えることですわ」

翌日

櫻子「昨日一日考えたんだけどさ、やっぱり除ることにするよ」

向日葵「そうですの」

櫻子「でもでも、手術にはお金がかかるし、そもそもなんて言えば手術してもらえるのさ?」

櫻子「朝になるとちんちんが生えてきて、友達のおっぱいしゃぶるとなくなるんです、ってどこの医者が信じるのさ?」

向日葵「実演してみせたら?」

櫻子「そんなことしたら、私たち二人とも研究材料にされちゃうよ!」

向日葵「それもそうですわね。櫻子にしては冴えてますわね」

櫻子「これがあるときは、なぜか頭がよく回るんだ。体も軽くなった感じがする」

櫻子「じゃあ、今日の分」

向日葵「はいはい――」

櫻子「もうさ、どうせ除らなくちゃいけないんなら、今とっちゃおうよ」

向日葵「え、どうやって……」

櫻子「これ……」

向日葵「保冷剤とアルコールと、剃刀……?まさか……」

櫻子「そう、ひと思いにやっちゃってよ」

向日葵「い、いいんですの?」

櫻子「うん。向日葵になら」

向日葵「でも、うまくできる自信ありませんわ」

櫻子「昨日は私のこと思って忠告してくれたんでしょ?その気持ちでやればできるよ」

向日葵「痛さで暴れないようにベッドの柱にしばりつけますわ」

櫻子「なるべくきつくね」

向日葵「――しばり終えましたわ。最後にききますわ。本当にいいんですの……?」

櫻子「うん」

向日葵「じゃあ、まずは氷で患部を冷して……」

櫻子「冷た……」

向日葵「消毒した剃刀の刃を当てて……」

櫻子「……」

向日葵「じゃあ、いきますわよ……」


おわり

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