初SSです。
キャラは尊重する予定ですが、再現率はご期待なさらず。
こまるも登場する予定ですが、性格は完全に想像です。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1381860766
苗木「……」
舞園「その、なんと言いますか」
苗木(僕って、本当に超高校級の幸運なの?)
舞園「もちろんです! 間違いありません!」
苗木「何も言ってないよ」
舞園「エスパーですから」
狛枝「それにしてもなんて絶望的なんだろうね……。妹さんの誕生日プレゼントを無くすなんて」
舞園「いたんですね、狛枝くん」
狛枝「苗木くんの希望が試されている瞬間を見逃すわけにはいかないよ」
狛枝「落ち込む必要はないよ、苗木くん。君は今不運という絶望をつきつけられている」
狛枝「でも、超高校級の幸運である君なら、そんな絶望を覆すほどの幸運を引き当てられるはずなんだ」
狛枝「君の希望は、こんな程度の絶望には屈しないよね?」
舞園「そうですよ、苗木くん。きっといいことがありますよ!」
苗木「……そっか。そうだよね。ありがとう、狛枝くん、舞園さん!」
狛枝「それはそれとして、妹さんの誕生日は今日なんだよね?」
苗木「そうなんだよね……。プレゼントを買ったから財布もスッカラカンなんだ」
舞園「買うという選択は無しですね。でも、手作りを用意するには時間が足りません……」
狛枝「こうなると本格的に超高校級の幸運に頼るしか無さそうだね」
舞園「神頼みはお断りですよ?」
狛枝「僕の才能を全否定するなんて、ああ、なんて絶望的なんだ! 素晴らしいよ!」
苗木(……神頼み、……超高校級の幸運……)
苗木「いや、これなら、いけるかも……」
舞園「わらしべ長者ですね?」
苗木(やっぱり先回りされた)
舞園「エスパーですから」
苗木(これもバレてるし)
狛枝「なるほどね。今から明日の放課後にかけて、できる限り多くの人と物々交換を行って、最後に残ったものをプレゼントにする、っと」
狛枝「うん、君の希望ヶ峰学園の生徒としての希望を見せられる名案だと思うよ」
舞園「さっそくやってみましょう! 苗木くん、何か交換に使えそうな物はありませんか?」
苗木「うーん、昨日購買部のガチャガチャで当てたこれくらいしかないよ」
>>
さっそくミスしました。すみません。
安価は>>8です。
一旦眠って朝にまた来ようと思います。
酉ミスですね、すみません。
>>8
え、……え?
動くこけしをセレスにプレゼント辺りまでは覚悟してましたが、完全に斜め上でした。
霧切「さすが超高校級の幸運ね、あなたがこれを引くと思っていたわ」ファサァ
霧切「さぁ早くこれに署名捺印して頂戴。そうすれば私のすごく大事なモノと交換してあげるわよ?」
苗木「それは無理だよ!」ロンパッ!
苗木「ごめんね霧切さん……だってボクは、将来妹と結婚する約束をしてるんだ!」
みたいな
スマホ回線悪すぎ……
うーん、一応続きは書いたのですが、ガチャガチャなのでやはりマシーン限定のものがいいのでしょうか?
今から講義なので意見をきいておきたいと思います。
とりあえずマシーン限定で
でも何故か>>8も別に手に入れたとか?
>>28
それで行かせてもらいます。
勝手なことばかりしてすみません。
誤字もあったのでルールを決めておきたいと思います。
・これから苗木は今日の夜に実家へ戻るまでの間に物々交換を行う。
・回数は始業前に一回、授業終了後に一回、放課後に最大で四回。ただし四限後の昼休みは長いから三回まで交換できる。
・何かしらのイベントにより交換回数が増える可能性あり。逆もまた然り。
・交換相手と物品は安価。1と2どちらのキャラも指定可能。ただし物品はモノモノマシーン及びヤシーンで出るもの限定。
・渡された相手のリアクションは原作準拠。作品が食い違った(1キャラに2のプレゼント等)場合は妄想で補完。
・原作のマイナスに相当するものの場合、コンマで安価をとり、失敗すると突き返される。気難しい人ほどコンマが厳しくなる。難易度最高は「30以下で成功」。
・苗木は根性のあるイエスマンなので何を渡されても断れない。
・安価は絶対。ただしルールに則ったものに限る。
以上です。
今回は>>8でいきます。
舞園「」
狛枝「へぇ……」
苗木「そんな眼でみないでよ、二人とも……」
舞園「どういうことなんですか? これ」
狛枝「霧切さんを希望に導ける、夢のような書類だよ」
苗木「わらしべ長者に使ったら間違いなく絶望だけどね……」
舞園「そうじゃなくて! 何でこんなものがガチャガチャに入ってるんですか!?」
苗木「僕にも分からないよ……」
狛枝「確か希望ヶ峰学園の学園長って、霧切さんのお父さんなんだよね?」
狛枝「ほら、こういっちゃなんだけど、霧切さんって結婚とか興味なさそうだからさ」
狛枝「父親なりに頑張ろうってことじゃないのかな」
苗木「とんだ嫌がらせだね……」
狛枝「でも、婚姻届なんて二枚以上入ってるはずないよね。あの中からたった一枚の婚姻届を当てるなんて、さすがは超高校級の幸運だね!」
苗木「ほんとに幸運なのかな……」
苗木(まあ、こんなイロモノはこれっきりだろう。きっとそうだ)
舞園「これ、本当に交換するんですか?」
苗木「僕だってできればしたくないけど、手元にあるのは本当にこれだけなんだ」
狛枝「できれば交換したくない……か」
舞園「!!」
苗木「え? いや自分で書きたいとかそういうわけじゃ」
舞園「交換しましょう!」
苗木「え゛!?」
舞園「勘違いしちゃダメですよ、苗木くん。わたしのものと交換するんです。これを交換に出すのは危険すぎます」
苗木「ああ、そういうことか……」
苗木「うん、舞園さんに渡しておけば安全だよね」
舞園「はい、任せてください!」
苗木(……任せる?)
舞園「大丈夫ですよ、悪用なんてしませんから」
苗木「そ、そうだよね! あはは」
狛枝(超高校級のアイドルになるために何でもしてきた彼女は、婚姻届で一体何をするつもりなんだろうね?)
苗木(舞園さんに任せるか? それとも他の誰かに? いっそ霧切さんに渡す手もある)
苗木(男子に渡せないのは間違いないけどね)
苗木「決めた。>>35に渡すよ」
女子限定
かなり迷うけど霧切でいいか
反応みたいし
お待たせしました。
プレゼントと渡す相手を安価ですか。
今のところ考えたのは
プレゼント
1.プレゼントが1と2でそれぞれ100くらいあるので番号をひとつひとつ割り振って
1キャラからは1のプレゼント、2キャラからは2のプレゼントをもらえる。
2.原作準拠のリアクションごとにコンマのテーブルを作る。
3.渡すたびにこちらで安価のリストを作成する。
4.安価指定
キャラ
1.全員を割り振ったリストを一つ作成。
2.苗木が暇になるたびにコンマ候補を選出
3.安価指定
辺りを考えています。
最初の交換が成立するまでのレスを見て決定する予定です。
苗木「霧切さんに直接渡してくるよ」
舞園「苗木くん、わたしが信用できないんですか? わたし、さみしいです」
苗木「いやいや! 違うんだよ舞園さん!」
狛枝「だめだよ、苗木くん。女の子を泣かせちゃ」
苗木「迂闊なことをしたら舞園さんの代わりに霧切さんが泣くだけじゃないか……」
舞園「霧切さんの代わりにわたしが泣いても平気なんですか……?」
苗木「ち、違うよ!そうじゃなくて……」
舞園「冗談です」
苗木「そうじゃな、……え?」
舞園「冗談ですよ、苗木くん。こんなに大切なもの、わたしなんかが預かってていいものじゃありません」
苗木「……な、なんだ。いきなり泣き出したからビックリしたよ」
狛枝(苗木くんが正直すぎるのか、舞園さんが曲者すぎるのか……)
苗木「霧切さん、ちょっといいかな?」
霧切「どうしたの? 改まって」
苗木「これを見てほしいんだ」
霧切「……これは、何?」
苗木「婚姻届、だね」
霧切「それは見れば分かるわ」
苗木「うん。そうだよね。霧切さんの名前と判子が押されたこの婚姻届が、昨日購買部のガチャガチャで見つかったんだ」
霧切「」
苗木「……」
霧切「あのバカ親父……!」
苗木「待って! 落ち着いてよ霧切さん! 顔が真っ赤だよ!?」
霧切「放っておいて……。苗木くんのくせに生意気よ」
霧切「もう決めたわ。今度という今度は絶縁よ」
苗木(うわあああ、せっかく仲直りしたのに台無しに!)
苗木(というかこのままじゃわらしべ長者が……!)
苗木(とにかく霧切さんを落ち着かせよう。絶縁云々は最悪学園長に丸投げだ!)
マシンガントークバトル開始
コンマ指定
90以下で成功
また安価忘れてました。
安価は>>47です。
あ
こちらでテーブルを作成しました。
1と2でリアクションのランクの数が違うようなので、2のDランクをCとして扱います。
Dの場合にコンマ判定を行います。
キャラはこちらで候補を指定した後にコンマ判定を行います。
苗木「霧切さん、一旦落ち着いてよ」
苗木「まだ犯人が学園長だって決まったわけじゃないよ」
苗木「確かにガチャガチャの中身くらい簡単にいじれるはずの学園長が怪しいのは間違いないけどね」
霧切「……言われてみればそうね。まだ決めつけるには早いわ」
霧切「まさか苗木くんに諭される日が来るなんてね」
苗木「あはは……」
霧切「ただ、この前に学園長室に入った時、確かに婚姻届を隠し持っていたわ」
霧切「名字しか書かれていなかったから、再婚でもするのかとその時は流したのだけれど」
苗木(ああ、クロだな……)
霧切「この件については今日中に学園長に問い詰めさせてもらうわ」
苗木「うん。それでいいと思うよ」
苗木「ところで霧切さん、実はさ……」
苗木「……ということなんだ」
霧切「つまり、この婚姻届と私の持ち物を交換してほしい。そういうことね」
苗木「何だか足元を見てるみたいな形になっちゃったね……」
霧切「構わないわ。悪用されていた可能性を考えれば安いものよ」
苗木「悪用ってそんな……」
舞園「……」
苗木「そんなこと、ない……よ?」
霧切「そうね。ただ、今はこれしか持ってないの」
苗木「これは……」
Cランクコンマ
00?19赤いマフラー
20?39無限タンポポ
40?59色恋沙汰リング
60?79ミレニアム懸賞問題
80?99水晶のドクロ
>>52
自分で踏んでる……
再安価は>>56で
十神君のファインプレーだね!
コンマなら常に安価下でいいんじゃないか?
>>57
安価下ですか。
その方がミスも減りそうですね。
次からそうさせてもらいます。
霧切「水晶のドクロよ」
苗木「これ、たまたま持ってたの?」
霧切「たまたまよ。学園の生徒からの依頼をこなしたら、報酬がわりにもらったこれをそのまま持っていただけ」
苗木「本当にもらっていいの? 多分これ家一件建てられるくらいの価値はあるよね?」
霧切「お金には特に困ってないわ。依頼されたから引き受けただけよ」
苗木「太っ腹すぎるよ……。もうこれを売ったお金でプレゼント買いたくなってきたよ」
霧切「プレゼントにマイホーム……ありなんじゃない?」
苗木「そんなお兄さんいたら怖くて一生ついていくよ」
霧切「まあ、プレゼントにガイコツなんて、あまりいい趣味とはいえないわね」
霧切「でも、欲しがる人は欲しがる値打ちものであることも間違いないわ」
苗木「うん、ありがとう霧切さん」
水晶のドクロを入手した
狛枝「やあ苗木くん、さっそく超高校級の幸運を発揮したみたいだね」
苗木「うん、これなら相手を選べばいいものと交換してもらえそうだよ」
狛枝「できれば最後まで見届けたいところだけど、僕はここのクラスじゃないからね。残念だけど僕はもう教室に戻るよ」
狛枝「苗木くん、君の希望に期待してるよ」
キーンコーンカーンコーン
石丸「起立、礼!」
苗木(この調子で今日中にプレゼントを手にいれよう!)
1限目終了
苗木(よし、さっそく交換だ!)
桑田「どうにかして舞園ちゃんを振り向かせらんねぇかなぁー」
葉隠「気にする必要はないべ。俺の占いだと卒業までには付き合えると出てるべ」
桑田「何か一気に心細くなったわぁ」
葉隠「ひでぇべ! 俺の占いは三割当たるんだぞ!」
桑田「五割未満じゃねぇか」
苗木「二人とも、ちょっといい?」
桑田「おう苗木。……なぁ、何でお前はそんなにモテるんだ?」
苗木「モテるって、別にそんなことないよ」
桑田「無いわけねーだろ! あーあー、俺も舞園ちゃんとデートいきてぇよ」
葉隠「苗木っちの草食系オーラは男女問わず大人気だべ」
苗木「微妙に意味深に聞こえるから止めてよ……」
葉隠「……苗木っちからお宝の匂いがするべ」
桑田「どうしたんだよいきなり」
葉隠「苗木っちが何かを隠し持ってるべ! 俺の占いは三割当たる!」
桑田「今の占いだったのかよ」
澪田「お宝っすか? うはー! テンション上がってきたっす!」
葉隠「さぁ苗木っち、素直に白状するべ!」
苗木「うん、実は霧切さんから珍しいものをもらったんだ」
澪田「ギダア゛ア゛ア゛ア゛!!」
葉隠「苗木っち、今ならそのお宝、俺の知り合いに鑑定に出してやるべ!」
苗木「どうしようか……」
桑田(突っ込めよ、ナチュラルに一人増えてることに誰か突っ込めよ……)
コンマ判定 安価下2つめ
奇数 桑田(Dランク)
偶数 澪田(Bランク)
ゾロ目 葉隠(Aランク)
苗木「澪田さん、これあげるよ」
澪田「うっひゃー! なんかイイやつもらっちゃったっす!」
葉隠「な、苗木っち! 何で俺にくれないんだべ!?」
苗木「なんか、嫌な予感がしたんだよね」
桑田「日頃の行いってやつだな」
葉隠「そりゃないべ……。このドクロ売り飛ばせば一億円のウハウハだべ」
苗木「やっぱり売り飛ばす気だったんだ……」
桑田「ほんとにブレねぇな、こいつ」
桑田「つーか澪田、そんなのもらってどうすんだ?」
澪田「レッツ、ストラックアーウト!」
葉隠「そんなことしたら一億円が吹っ飛ぶべ!」
澪田「イブキは札束をドブにぶちこむのが長年の夢だったっす!」
葉隠「そんな金あったら俺に恵めばいいべ!」
苗木「止めた方がいいのかな?」
桑田「澪田がぶん投げて終了でいいならほっときゃいいんじゃね? ガイコツとか好きじゃねーし」
苗木(それで終了だとまずいな……)
苗木「澪田さん、悪いけどただじゃないんだ」
澪田「そうなんすか?」
葉隠「もので釣るとは、さすが苗木っち汚いべ!」
桑田「お前がいうなよ」
苗木「澪田さん、今なにか持ってない? それと交換してほしいんだ」
澪田「お安いご用っす! ヨユーでフォーユーっす!」
Bランク コンマ判定安価下2つめ
00?19携帯ゲーム機
20?39キルリアンカメラ
40?59永遠のミサンガ
60?79アンティークドール
80?99ボージョボー人形
苗木「カメラだね。しかも何となくだけど高級な感じがするよ」
澪田「ちなみにフィルムは入ってないっす!」
桑田「地味にケチくせぇ!」
葉隠「それも何か高く売れそうだべ」
苗木「葉隠くんさっきからそればっかりだよ……」
桑田「しょうがねぇよ、葉隠からそれ取ったら何も残らねぇし」
葉隠「あるべ! 俺には占いがあるべ!」
澪田「そうなんすか?」
葉隠「おめーは俺のこと何だと思ってたんだべ!?」
澪田「超高校級のワクワクさんじゃなかったんすか?」
葉隠「どこ情報だべ!?ワクワクさんに超高校級なんてねーべ!」
キルリアンカメラを入手した
桑田「そういや澪田、今日はどんな練習やるんだ?」
澪田「今日のメニューはヘドバン千本ノックっす!」
桑田「どうやんだそれ……? まぁいいけどよ」
葉隠「つーか、何の練習なんだべ?」
桑田「バンドだよ、バンド。俺と澪田に日向の三人で最近練習してんの」
苗木「ヘドバンで練習……?」
桑田「こまけぇこたぁいいんだよ。俺もかったるい練習とか嫌いだしさ」
桑田「それにどうせ今メンバー足りねーから練習っぽい練習もできねぇしさ」
苗木「あとどのパートが足りないの?」
桑田「ボーカルだよ、ボーカル。俺と日向はからっきしだし、澪田は普通に歌おうとしねーからマジで大惨事だ」
澪田「普通なんてツマンネーっす!」
桑田「お前のはアウトロー過ぎなんだよ!」
葉隠「ピッチャーだけにな!」
桑田「うるせぇ!」
苗木「思ったより難航してるんだね」
桑田「そうなんだよなぁ。苗木もどっかに歌うまい女の子いたら声かけといてくんね?」
苗木「女の子限定なんだ」
桑田「当然だぜ!」
2限目終了
苗木(次は合同で体育だ。校庭で誰かと交換しよう)
プチッ プチッ
苗木(校庭の隅から変な音が聞こえる……)
不二咲「さ、西園寺さん、何してるの……?」
西園寺「蟻タン潰してるのー。見てわかんないー?」
不二咲「え!? だ、ダメだよそんなことしちゃ!」
西園寺「えー、何でー?」
不二咲「だって、蟻だって生きてるんだよ……?」
西園寺「だから?」
不二咲「え!?」
西園寺「もしかして蟻が生きてるってわたしが知らないと思ってたのー?」
不二咲「そ、そういうわけじゃ……」
西園寺「わかったー! 不二咲おねぇが弱いものいじめされてたこと思い出すからでしょー?」
西園寺「あっ、ほんとは不二咲おにぃなんだっけ?」
不二咲「そ、それは……」
西園寺「まぁ気持ちはわからなくもないけどねー」
西園寺「でもそれってさぁ、対抗する手段を持ってない蟻にだって責任あるんじゃないのー?」
西園寺「潰されたくなかったら蜂みたいに毒針でも持てばいいのにねー」
不二咲「……」
西園寺「抵抗しようともしないで救いの手が来るのを待ってるだけなんてさー」
西園寺「そんなやつに助けてもらう資格なんてないんだよ!」
不二咲「……」
不二咲「……うっ、ひっく……」
不二咲「ごめん、なさ……」
苗木「それは違うよ!」
不二咲「な、苗木くん?」
西園寺「あれぇー? この学園に来るだけで一生分の運を使い果たしてあとは転がり落ちるだけの苗木おにぃじゃん」
西園寺「違うって言うからにはちゃんとした反論なんだよねー?」
苗木(助けてもらう資格のない人間なんて、いるもんか!)
反論ショーダウン開始
安価下2つめ
偶数 成功
奇数 失敗
成功することで次のコンマ表が変化
西園寺「痛ぶられるよわっちい奴ってさー」
西園寺「被害者面してばっかりで自分じゃ何にもしてないんだよねー」
西園寺「少しくらい自分でどうにかしようと思わないのかなー?」
西園寺「持ち上げようともしてない石を他人に運んでもらおうとするなんてさー」
西園寺「図々しいにもほどがあるよねー!」
苗木「石を持ち上げようとしてるんじゃない……」
苗木「皆、石に潰されないように必死に耐えてるんだ!」
苗木「そんな人を目の当たりにしながら手を差し伸べないなんて間違ってるよ!」
西園寺「嫌ならやり返すなりなんなりすればいいでしょー?」
西園寺「対抗する手段の一つくらい自分で用意すればいいじゃん」
西園寺「それをしようともしないで人任せってわけでしょー?」
西園寺「何でそんな他力本願なやつ助けなきゃいけないのー?」
苗木「誰にでもできることなんてないんだ!」
苗木「一人では向き合うことも戦うことも難しいかもしれない」
苗木「でも、……いや、だからこそ手を取り合って一緒に乗り越えるべきなんだ!」
西園寺「一緒に乗り越えるなんて思ってるのは苗木おにぃだけなんじゃないのー?」
西園寺「ねぇ、不二咲おにぃはどうなのー?」
西園寺「女のふりしてたのってさー、戦うのが嫌で誰かに守ってもらうためなんじゃないのー?」
不二咲「え、えっと……」
西園寺「自分でやりたくないから他人に丸投げしたんでしょー?」
不二咲「僕は、その……」
不二咲(な、何か、……何か言わなきゃ!)
不二咲(言わなきゃ……)
不二咲(……でも、僕が女の子の格好をしていた理由は西園寺さんの言う通りで……)
不二咲(苗木くんがいるからって、嘘をついてその場を取り繕うなんて……)
苗木「不二咲くん、そのまま言えばいいんだよ」
不二咲「え……?」
苗木「僕は西園寺さんに口喧嘩で勝つために反論したんじゃないんだ」
苗木「その答えが僕の考えを否定するものでもいいんだよ」
苗木「でも、不二咲くんは助ける価値のない人間なんかじゃない!」
苗木「今までも、これからもずっと……」
苗木「それだけは絶対に間違いないんだ!」
不二咲「……」
西園寺「……」
不二咲(ただ逃げてただけの僕に、守ってもらうだけの価値はあったのかな……?)
不二咲(わからない……わからないけど)
不二咲「西園寺さん、僕は……」
西園寺「……うるさい」
不二咲「え……?」
西園寺「うっさいんだよ、このウジ虫!」
西園寺「お前の話なんか誰も聞きたくないっつーの!」
不二咲「西園寺さん、どうしちゃったの……?」
西園寺「大体、人にどうにかしてもらうなんて、トチ狂ってるんだよ!」
西園寺「助けてなんか来るわけないんだよ!」
西園寺「……来なかったから、一人で、戦うしか……うっ」
西園寺「うわああああん!」
不二咲「え!? えっ、と……どうなってるの……?」
苗木(この様子、どうみても普通じゃない……!)
苗木「罪木さーん!」
2限開始直後
保険室前廊下
小泉「あんたたち、日寄子ちゃんに何をしたの?」
不二咲「何をって言われると……」
苗木「心当たりは、無いわけじゃ無いんだけど……」
小泉「はっきり言いなさいよ! 男子でしょ!?」
不二咲「ひっ!?」
苗木「落ち着いてよ。小泉さんが心配してるようなことはしてないよ」
小泉「だったら何であんなことになってるの?」
苗木「……僕にも、わからない」
不二咲「言い争いしてる真っ最中だったんだけど、その中で言ったことがまずかったのかな……?」
苗木「でも、その口論だって何か西園寺に向けて悪口を言ったわけじゃないんだ」
苗木「……傷つけるつもりなんて、これっぽっちもなかったよ」
小泉「……」
小泉「あたしだって、あんたたちがいじめなんかするようには見えないよ」
小泉「でも、じゃあ何で日寄子ちゃんは……」
小泉「あっ、蜜柑ちゃん。……日寄子ちゃんは……?」
罪木「その、外傷は全くありませんでした」
罪木「精神状態も、寝言でわたしを罵倒するくらいには回復しています」
苗木「それって回復なの……?」
罪木「えっと、はい。少なくとも見つけてすぐの時よりはかなり良好です」
罪木「でも、まだ具体的な原因が分かっていないので、しばらくの間は安静にしておいてください」
不二咲「そっか、よかったぁ……」
小泉「ありがとね、蜜柑ちゃん」
罪木「ふぇ!? そ、そんな言葉わたしなんかにはもったいないですよぉ!」
苗木「謙遜しなくていいんだよ、罪木さん」
苗木「僕や不二咲くんだけじゃ、西園寺さんをどうすることもできなかったよ」
苗木「西園寺さんを助けられたのは、罪木さんがいたからだよ」
罪木「そ、そう言われると何だかうれしいです。えへへ……」
不二咲「……原因はやっぱり分からないんだねぇ……」
罪木「ご、ごめんなさい! これぐらいしかわたしなんかに存在価値なんてないのに役に立たなくてごめんなさい!」
不二咲「そ、そんなことないよ! 変な言い方してごめん……」
罪木「ごめんなさいごめんなさい」
不二咲「ごめんなさいごめんなさい」
小泉「お互いに謝りあってどうすんの……」
罪木「でも、その、西園寺さんには精神病の類も見受けられないので、一番可能性が高いのは感情の急激な高ぶりではないかと……」
小泉「俗に言うヒステリーってやつ? ほんとに何が起きたのよ……」
苗木「……やっぱり、直前までしてた言い争いしか考えられないよ」
不二咲「僕が悪かったならちゃんと謝りたいけど、でも、結局何がダメだったのかな……?」
小泉「どこが悪かったかわからないのに謝っても失礼なだけよ」
小泉「そもそも、あんたたちは何で口喧嘩なんかしてたの?」
苗木「西園寺さんが『自分で何もできない人は助ける価値なんかない』って言い出して、そんなの絶対に違うと思って言い返したんだ」
小泉「そんな哲学的なこと議論してたの?」
小泉「というか、それでヒステリーを起こすって、相当デリケートな部分に触れたんじゃないの?」
苗木「そんなつもりは全然……」
小泉「このままじゃ埒があかないわ」
小泉「放置しておける問題でもないし、落ち着いたらあたしが直接聞くから」
苗木「だったら僕も……」
小泉「ダメ」
小泉「今言ったでしょ? これは多分かなりデリケートな問題よ」
小泉「ついさっきまで口喧嘩してた相手に話すわけないでしょ?」
不二咲「そ、そっか……」
苗木「任せるしかないんだね……」
小泉「気にしなくていいわよ。あんたたちが悪いって分かったらちゃんと謝らせるから」
苗木「あはは……」
苗木(そういえば今、キルリアンカメラを持っている……)
苗木(小泉さんに渡せば喜びそうだけど、もしかしたらもう持ってるかも……)
苗木(不二咲くんはさっきの口喧嘩を気に病んでるみたいだし、これで元気を取り戻してくれるといいんだけど……)
コンマ判定 安価下2つ目
奇数 罪木(Cランク)
偶数 小泉(Bランク)
ゾロ目 不二咲(Aランク)
苗木の想像通り、既に日向が小泉に渡しているので1ランクダウン
小泉「誕生日プレゼントを無くしたって……。しっかりしなさいよね」
苗木「次からは気を付けるよ」
不二咲「でも、わらしべ長者でプレゼントを探すっていうのは面白そうだなぁ」
罪木「なんだか、夢がありますよね!」
小泉「変なものになってもある程度は言い訳つくしね」
苗木(西園寺さんとは違ったベクトルでキツいこと言うなぁ……)
小泉「要するに、苗木が持ってたこのカメラとあたしが持ってる何かを交換しろってわけね」
苗木「もちろん強制じゃないけどね」
小泉「……別にいいんだけど、このカメラ流行ってるの?」
苗木「あー、もしかして」
小泉「先週同じやつもらったのよ。しかも色や型番にセッティングまで全く同じやつ」
苗木(やっぱり小泉さんにカメラを渡すのは良くなかったかな……)
小泉「まぁくれるって言われて悪い気はしないし、ありがたくもらっておくよ。ありがとね」
小泉「はい、これあげる」
コンマ判定安価2つ目
Bランク
00?19携帯ゲーム機
20?39小型縮退路
40?59永遠のミサンガ
60?79アンティークドール
80?99ボージョボー人形
苗木「アンティークドールってやつだね」
小泉「そういう名前なの? あんまり人形は詳しくないんだけど」
小泉「これも貰い物なんだけど、寮が殺風景なせいで浮いてたんだよね」
不二咲「小泉さんって、プレゼントとかよくもらうの?」
小泉「アタシがよくもらってるっていうか、あいつがよく渡してくるっていうか」
不二咲「あいつって?」
小泉「日向よ。なんかあたし以外にも渡して回ってるみたいね」
罪木「あ、わたしもそれもらったことあります」
罪木「でも、使い方がよくわからなくて……」
苗木「何をもらったの?」
罪木「先端が振動するこけしだったんですけど……」
苗木「」
不二咲「」
小泉「蜜柑ちゃん、アタシちょっと用事思い出したから日寄子ちゃんお願いね」
罪木「え? あっ、はい」
不二咲「日向くん大丈夫かなぁ……?」
苗木「線香くらいは上げに行ってもいいんじゃないかな」
アンティークドールを手に入れた
2限終了
苗木(アンティークドールか……)
苗木(これをプレゼントにしちゃってもいいんじゃないかな……)
苗木(いや、もっとだ! たった三回じゃわらしべ長者なんて言えないよ!)
セレス「まず、あなたもおわかりでしょうが、上に立つものとして威厳とは欠かせないものです」
セレス「自分の言葉に有無を言わせぬほどの説得力を持たせるのです」
セレス「隣の山田くんに実際にやってみましょう」
山田「セレスティア・ルーデンベルグ殿、僕に何かご用ですかな?」
セレス「紅茶をお煎れいただけますか?」
山田「今から食堂まで行くのは……」
セレス「いいからさっさと持ってこい、この豚がああああ!」
山田「ぶひぃ! ありがとうございます!」
セレス「あらあら。お礼まで言われてしまいましたね」
セレス「このように、最初のへりくだった態度では渋られた要求が、威厳を伴わせたことで快く引き受けられてしまうのです」
セレス「このお方の言葉は絶対である。そう思わせることで国民はあなたに従っていくのです」
ソニア「なるほど、かたじけのうござります!」
苗木(ああ、ノヴォセリック王国が大変なことに……)
セレス「それではあなたもやってみましょう」
セレス「相手はそうですね……、平民代表の苗木くんにしましょうか」
ソニア「ガッテン承知の助です!」
ソニア「苗木さん、少しよろしいでしょうか?」
苗木「どうしたの? ソニアさん」
苗木(話全部聞いてたんだけど……)
ソニア「紅茶を煎れていただけますか?」
苗木「ちょっと今からじゃ間に合わないかな……」
ソニア「いいから早くお持ちください、このアンテナさんがー!」
苗木「……?」
ソニア「……?」
セレス「ソニアさん、少しこちらへいらしてください」
ソニア「はい」
苗木(向いてないな……。絶対に)
セレス「……以上の点を踏まえて、ただいま紅茶を持って戻ってきた山田くんにやってみましょう」
ソニア「紅茶をお入れなさい、この豚さんがー!」
山田「……ほほぉ」
セレス「……どうでしたか、山田くん」
山田「萌えましたな!」
ソニア「中々うまくいきません……」
セレス「紅茶を飲みながらゆっくりお話ししましょう」
苗木(一段落ついたみたいだ……)
コンマ判定安価下2つめ
奇数 ソニア(Cランク)
偶数 山田 (Bランク)
ゾロ目 セレス(Aランク)
苗木「山田くん、ちょっといい?」
山田「どうかしましたかな、苗木誠殿?」
山田「僕は今、新作の同人誌へのインスピレーションが湧いて忙しいのですぞ!」
山田「上品かつ粗暴な乙女に調教されるおっとり系王女……これはキタ!」
セレス「この学園はどうして豚の入学を許可しているのでしょう? 理解に苦しみます……」
セレス「それで、用件とは?」
苗木「そ、そうだったね」
苗木「山田くん、これと君の持ってる何かを交換してくれないかな」
ソニア「それは、アンティークドールですか?」
苗木「ソニアさんはやっぱり知ってるんだ」
山田「あのー、苗木誠殿。お言葉ですが、それはどちらかといえば女性に渡すものでは?」
苗木「言われてみればそうかも……」
山田「まあ僕は全く問題ありませんがね!」
苗木「そうなんだ」
山田「ええ、大丈夫ですとも! ただの人形でしたらお断りした可能性もありますが、中々に精巧な作りですので喜んで受け取りますぞ!」
山田「……なるほどなるほど、この服のレースのつくりは是非僕のフィギュア作成に取り入れたいものですな!」
セレス「……」
苗木(セレスさんは何故かポーカーフェイスを保っている……)
苗木(何と言うか、感情を無理矢理殺してるような……)
山田「……しかしなるほど、人形とは奥が深いものですな」
山田「今までは二次元のフィギュアばかりでしたが、これはストライクゾーンを広げざるを得ませんなぁ!」
セレス「」ビキビキ
苗木(あ、終わったな……)
ソニア「山田、うしろ、うしろー!」
山田「はい?」
セレス「今すぐ視界から消えろやこの腐れラードがああああ!」
山田「ぎにゃああああ!?」
山田「な、苗木誠殿! 僕はこれを置いて失礼いたしますぞおおおお!」
セレス「……わたくしとしたことが、たかが生理的嫌悪感でポーカーフェイスを崩してしまいました」
セレス「山田くんはそろそろわたくしのナイトに秘密裏に始末してもらう必要がありますわ」
苗木(今日1日で何人の死刑宣告が下るんだ……)
苗木(山田くんの遺品になる可能性があるこのプレゼントは……)
コンマ判定安価下2つめ
Bランク
00?19携帯ゲーム機
20?39小型縮退炉
40?59永遠のミサンガ
60?79星の砂
80?99ボージョボー人形
苗木「携帯ゲーム機か……。確かに山田くんは持ってそうだけど、ほんとにもらっていいのかな?」
セレス「もらえるならもらっておくべきでしょう。チャンスは何度も訪れるものではありませんわ」
ソニア「あの、げーむ、とは一体なんでしょう?」
苗木(ああ、ソニアさんは知らなくて当然だろうな……)
苗木「電源を入れて見せた方が早いと思うよ」
『お兄さまー! お帰りお待ちしておりましたー♪』
苗木「」
ソニア「これは、一体?」
セレス「山田くんなら仕方ありませんね。やはり彼、いえあの脂の塊は屠殺場にお送りしますわ」
苗木(僕はこれを誰かに渡さないといけないのか……?)
携帯ゲーム機を手に入れた
セレス「こんなものをわたくしはゲームなどとは認めませんわ」
セレス「ソニアさん、昼休みにトランプでも使ってゲームをしましょう」
ソニア「トランプならわたくしも知っています! ご一緒してよろしいのですか!?」
セレス「ええ。あなたのように上品かつエレガントな方はいつでも歓迎いたしましてよ」
ソニア「何と! その厚意、誉めてつかわします!」
セレス「上から目線な言い方が気に入りませんが、そこは王女故ということにしておきましょう」
苗木(上品とエレガントって、意味同じなんじゃ……)
セレス「細かいことは気にしてはいけませんよ」
苗木(なんだこのデジャヴ)
昼休み
苗木(とりあえずは食堂かな)
食堂前
朝比奈「あっ、苗木だ!」
苗木「今日は学食なんだね」
朝比奈「今日はさくらちゃんが用事あるって言ってたから、ここで適当に誰か誘っちゃおうってさ」
苗木「そうなんだ。僕でいいなら一緒に食べない?」
朝比奈「うん! いこいこ!」
食堂内 順番待ち
九頭竜「おう、お前らか」
苗木「あれ? 九頭竜くん、辺古山さんはどうしたの?」
九頭竜「何で俺があいつの居場所を知ってなきゃいけねーんだよ」
朝比奈「ちゃんと名前で呼んであげなよ! 付き合ってるならちゃんとそうしなきゃ!」
九頭竜「なっ!? 付き合ってねーよ! シバき倒すぞ!」
苗木「顔、真っ赤だよ」
九頭竜「うっせー! てめぇらまとめて東京湾にぶちこむぞ!?」
朝比奈「海に連れてってくれるの!? ありがとー!」
苗木「朝比奈さん、合ってるけどそうじゃないよ……」
花村「九頭竜くーん、早く注文しないと大人気の僕が他のお客さんに(寝)取られちゃうよー!」
九頭竜「ちっ、もう俺の番か……」
九頭竜「花村ぁ! かりんとう寄越せ!」
花村「かりんとう!? それ料理じゃないよ!?」
花村「こうなったら僕のかりんとうで満足してもらうしか……」
九頭竜「実家の見かじめ料増やすぞコラァ!」
花村「花村食堂はホワイトだよ!」
花村「まぁ、僕の手に掛かればメニューにないオーダーもお手のものだけどね!」
花村「今日もけしからんボディの朝比奈さんは何をお求めかな?」
朝比奈「ドーナツよろしく!」
花村「……それも料理じゃないんだよねぇー……」
苗木(フリーダムな注文に花村くんの機嫌が物凄く悪くなっている……)
苗木(仏の顔も三度っていうし、ここは僕だけでも真面目なオーダーにしないと……)
苗木(何にしようか……)
閃きアナグラム開始
コンマ判定安価下2つめ
偶数 成功
奇数 失敗
失敗した場合次のコンマ表が変化
苗木(そうか分かったぞ!)
苗木「花村くん、天そばで」
花村「ほほぉ、中々に通なチョイスだね。苗木くんだったら僕をお持ち帰りでもいいんだよ?」
苗木「全力で遠慮しとくよ」
朝比奈「えー、何で? おいしいご飯食べ放題だよ?」
苗木「だからそうじゃないんだって……」
苗木(日向くんに『実は花村くんの得意料理は和食だ』って聞いてて良かった)
苗木(携帯ゲーム機……誰に渡そう?)
コンマ判定安価下2つめ
下一桁で判定
0から2 花村(Cランク)
3から5 九頭竜(Cランク)
6から9 朝比奈(Bランク)
九頭竜「こいつは、携帯ゲーム機か?」
苗木「うん」
九頭竜「俺もゲームはやらないわけじゃないけどよ……」
『今日は先輩のためにお弁当作ってきたんですよー♪』
九頭竜「何でてめーはこれを渡そうと思ったんだ?」
苗木「そこはもうごめんとしか言いようがないよ……」
朝比奈「でもこれって、花村の方が喜ぶでしょ?」
花村「失敬な! 僕は自分で女の子を料理する派なんだよ! 用意された選択肢しか選べないなんてナンセンス!」
朝比奈「料理?」
九頭竜「細かいことは気にすんな」
九頭竜「こいつは、携帯ゲーム機か?」
苗木「うん」
九頭竜「俺もゲームはやらないわけじゃないけどよ……」
『今日は先輩のためにお弁当作ってきたんですよー♪』
九頭竜「何でてめーはこれを渡そうと思ったんだ?」
苗木「そこはもうごめんとしか言いようがないよ……」
朝比奈「でもこれって、花村の方が喜ぶでしょ?」
花村「失敬な! 僕は自分で女の子を料理する派なんだよ! 用意された選択肢しか選べないなんてナンセンス!」
朝比奈「料理?」
九頭竜「細かいことは気にすんな」
九頭竜「というかよ、そもそも最近は据え置きの『龍が如く』くらいしかやってねぇんだよ」
苗木「ゾンビゲーの?」
九頭竜「それは知らねえ」
朝比奈「せっかくなんだしポケモンやってみたら?」
花村「弟と交換使って最初の三匹全部集めたなぁ」
苗木「やるやる」
九頭竜「……ポケモンはやらねぇ」
朝比奈「……あっ、もしかして」
苗木「ゴーストゴローンユンゲラーゴーリキー」
九頭竜「ちげぇよ! はっ倒すぞ!」
花村「じゃあ何か変な思い出でもあるの?」
九頭竜「バクフーンだけ育ててたらレッドで詰んだんだよ、クソが」
九頭竜「妹のヤロー、散々バカにしてきやがって……」
苗木「一応バッジ16個集めたんだ」
九頭竜「レベル上げれば案外いけるぜ」
朝比奈「で、レベル80越えるカメックスで詰んじゃったんだ」
九頭竜「面目ねぇ……」
九頭竜「……おぅ、そういや交換だったな」
九頭竜「ほら、これやるよ」
コンマ判定安価下2つめ
Cランク
00?19赤いマフラー
20?39無限タンポポ
40?59色恋沙汰リング
60?79ミレニアム懸賞問題
80?99これくらいのお弁当
苗木「……タンポポ?」
九頭竜「何回吹き飛ばしても白い部分が無くならないんだってよ」
朝比奈「うーん」
花村「ゲーム機と交換するのが、これなんだ……」
九頭竜「うるせーな! これしか持ってねぇんだから仕方ねーだろ!」
苗木「大丈夫だよ、九頭竜くん! これはこれでロマンチックでいいと思うよ!」
九頭竜「これはこれでってお前な……」
無限タンポポを手に入れた
『べ、別にあんたのことなんか心配してないんだからね!』
九頭竜「……苗木、中のこのソフトだけはどうしても受けとれねぇ」
苗木「だよね……」
朝比奈「辺古山ちゃんが泣いちゃうよね」
九頭竜「ペコは関係ねぇよ! こんなん持ってたら妹になんて言われるか分かったもんじゃねぇ」
花村「……今、辺古山さんのこと下の名前で呼んだね」
九頭竜「なっ……!?」
朝比奈「ほほー。仲いいんだねー?」
九頭竜「……てめーら、夜道には気を付けろよ……?」
苗木(また二人宣告された)
苗木(まだ時間は大分あるな……)
苗木(あのテーブルの二人にも持ちかけてみよう)
舞園「苗木くん! 調子はどうですか?」
苗木「そこそこ、なのかな?」
苗木(今タンポポだけど)
十神「二人してまた何か企んでいるのか」
苗木「企むってそんな……。ただわらしべ長者をやってるだけだよ」
十神「わらしべ長者? 何の話だ、説明しろ苗木」
苗木「一本の藁から物々交換を繰り返して億万長者に成り上がる昔話だよ」
苗木「僕は億万長者には興味ないけど、妹の誕生日プレゼントを探してるんだ」
十神「なるほどな。つまるところ、溺れるものは藁をもつかむと言うことか」
苗木「大体そんな感じかな……」
苗木「でも、珍しいね。二人で一緒に昼食なんて」
舞園「二人じゃありません。三人です」
十神「まだ手の付けられていない昼食が三つ残っているだろう。見れば分かることだ」
苗木「ああ、これからもう一人来るんだ」
苗木(ということは、二人ともこれから来る誰かに用があるって言うことか……)
苗木(交換を持ちかけるのは三人集まってからの方がいいかもしれない)
苗木(……二人とも、誰を待ってるんだろう?)
一旦ここまでにします。
次がまた長くなりそうなので少々お待ちください。
お待たせしました。
安価部分まで書き上がったので投下していきます。
弐大「だーっはっは! 弐大猫丸、只今帰還したぜよ!」
苗木「!?」
十神「この俺を二十分も待たせるとは大した度胸だな?」
舞園「何かあったんですか?」
弐大「応! クソして戻ろうとしたところ、空き教室で三人もぶっ倒れとるところを見つけてのう。保健室まで運んどったのじゃ」
舞園「三人もですか? 何があったんでしょう……?」
苗木「……その三人って、誰だったの?」
弐大「澪田、桑田、日向の三人じゃったな」
苗木(ヘドバン千本ノックだ……)
十神「大方、澪田の無茶に付き合った結果だろう。全く、何を考えているんだあいつらは」
苗木(それに賛成だよ)
十神「バカのバカげた行動など知ったことではない。本題に入るぞ」
弐大「両方とも、ワシにマネージャーとしての仕事を依頼したいんじゃったな」
舞園「はい。現在のマネージャーさんに満足していないわけではないんですが、超高校級のマネージャーと聞いては気にせずにいられません」
十神「お前の功績は聞いている。お前は人の素質を発揮させる能力が飛び抜けているようだな」
十神「精神論にこだわる点はマイナスだが、総合的に見た結果、お前を十神財閥の今後に有用な人材であると判断した」
苗木(……みんな、やっぱりちゃんとした目的を持ってこの学園に来てるんだな)
苗木(……僕は、……)
舞園「お願いします! わたしはもっと上を目指したいんです!」
舞園「今ユニットを組んでいる皆で芸能界を生き残りたい……」
舞園「そのためには、弐大さんの用意できる最高の環境が必要なんです!」
十神「俺はここを卒業次第、十神財閥のトップになる」
十神「そうなれば、両手の指で数えきれないほどの企業を受け持つ必要がある」
十神「それも、現在俺が経営しているようなちっぽけな会社とは比較にならない大企業ばかりだ」
十神「俺にふさわしい立ち位置であることは間違いない。だが、その時期が来るまでにできる限り有益なコネと人材を見いだしておきたい」
十神「そのために俺はこの学園にきた。そして見つけたのがお前だったというわけだ」
弐大「……なるほどのぉ」
苗木(僕は、まだ目標なんて何も決まってない……)
弐大「お主らの真剣さはよく分かった! じゃからワシも真剣に答えよう!」
弐大「結論から言えば、どちらの依頼も引き受けることはできん!」
舞園「っ!?」
十神「……なんだと?」
弐大「お主らが自分の信念のもとに現在の仕事に取り組んでいるように、ワシも自分の仕事に信念を持っておる」
弐大「ワシは勝ちが濃厚な勝負には乗らん!」
弐大「自分が表舞台に立てなくとも、仲間との勝利は分かち合える……」
弐大「それを教わったことが、ワシがこの道を志したきっかけじゃ」
弐大「裏方として立役者と苦難を乗り越え、勝利を分かち合うことこそがワシのマネージャーとしての存在理由じゃ!」
舞園「……話が見えてきません」
十神「俺とでは勝利を分かち合えない。……そういいたいわけか?」
弐大「端的に言えばそうじゃ。じゃが話はまだ終わっとらん!」
弐大「お主ら、今十分に自分等の足でその場に立っておるじゃろう」
弐大「そこに加担して成功したところで、それはワシの信念に反するわけじゃ」
弐大「そもそもワシの力なんぞ必要なかったわけじゃからな」
舞園「つまり、頼るのは用事ができてからにしろと言うことですか」
弐大「応! じゃが先程も言ったようにお主らの真剣さはよく分かったつもりじゃ!」
弐大「手詰まりになったらまたこい! その時は持ちうる知識と気力とアレを総動員してサポートするぞ!」
十神「……何だ? アレとは」
弐大「ワシの秘密兵器というやつじゃな! ワシのアレの虜になったやつは数知れず!」
舞園「……頼んで、大丈夫ですよね?」
十神「……言いたいことはよく分かった。お前が手伝わないというなら、今はもう用はない」
弐大「応! このまま死ぬまで用事がこんのがベストじゃ! お主ならできるはずだぞ!」
十神「当然だ。俺を誰だと思っている?」
苗木「……」
舞園「苗木くん、今目標がなくてもいいんですよ」
舞園「目標ができたときのために、今がんばればいいんです」
苗木「……やっぱり、分かるんだ」
舞園「エスパーですから」
コンマ判定安価下2つめ
下一桁で判定
0?2 十神(Dランク)
3?6 弐大(Cランク)
7?9 舞園(Bランク)
弐大の旦那スポーツ関連以外にも才能を発揮できるんだろうか
苗木「そうだ、舞園さん。わらしべ長者のことなんだけども」
苗木「この無限タンポポと何か交換してくれないかな」
舞園「わたしでいいんですか? ありがとうございます!」
十神「そんなものをもらって、どうするつもりだ?」
舞園「どうする、と言われると……」
苗木「うん、いいんだよ。多分使い道ないよね」
舞園「使い道はないかもしれません。でも、すごく懐かしいです」
舞園「小学生の頃、道端に咲いてるタンポポの種を飛ばしてたんです」
舞園「……あの頃から、もうアイドルになりたいと考えていました」
苗木「やっぱり、凄いことだよね。アイドルになれる人なんてほんの一握りなのに、そのトップにいるなんてさ」
弐大「じゃが、お前さんの今の夢はそれで終わりじゃないんじゃろう?」
舞園「はい。あの頃の夢は叶いました。でも、まだ終われません」
舞園「やらなきゃいけないことは、まだたくさんありますから」
舞園「ありがとうございます、苗木くん」
舞園「これ、もらってください」
コンマ判定安価下2つめ
Bランク
00?19剣風飛帖・舞園鞘花
20?39小型縮退炉
40?59永遠のミサンガ
60?79星の砂
80?99ボージョボー人形
>>129
超高校級のマネージャーですし……
弐大の指導って技術云々以上にもしドラみたいな
目標までのプロセスを重視してそうなイメージです。
もちろん技術もあってこその超高校級なんでしょうけども。
プレゼントのコンマ表はもらったプレゼントを引き抜いて新しいものを突っ込んでいるだけなどと、今さら言えるでしょうか
苗木「これは……?」
舞園「ミサンガです! わたしのお気に入りのものなんですよ!」
苗木「ミサンガって言うと、切れたときに願いが叶うっていうあれだよね?」
十神「下らんな。結局のところ神頼みじゃないか」
弐大「十神よ、願掛けは目標達成において効果的なものじゃ」
弐大「悪く言えば気休めとも言うが、それでも余計な焦りや不安を取り除く効果がある」
弐大「無論、願掛けのみで何もしないのでは逆効果であるのも間違いないがのぉ」
舞園「あ、このミサンガはそう使うものじゃないんです」
苗木「……というと?」
舞園「実はこのミサンガ、丈夫な素材を織り込んでいて、切ろうと思ってもそうそう切れないんです」
舞園「ただ着けてるだけじゃ、それこそ一生切れません」
苗木「それってもうミサンガの意味ないんじゃ……」
舞園「仮に、苗木くんが願いを叶えるより前にミサンガが勝手に切れてしまったら、少しがっかりしませんか?」
苗木「……確かに、そうだね」
舞園「このミサンガを渡すときには、『願いはきっと叶うから、このミサンガが切れるまでの間だけでも精一杯頑張ってください』と言って渡すんです」
舞園「このミサンガは、願いが叶うまで、ずっと待っててくれるんです」
十神「その願いが、永遠に見果てぬ蜃気楼だったとしたらどうするつもりだ?」
弐大「その砂上の楼閣を世界遺産級まで持ってくのが面白いんじゃろうが!」
苗木(なるほど……。変わったミサンガだけどちゃんとした目的があるんだ)
舞園「そのミサンガが絶対に切れないって、願いが叶うまでは教えてはいけませんからね!」
苗木「うん、ありがとう舞園さん!」
永遠のミサンガを手に入れた
苗木(食堂にいる人もまばらになってきた)
苗木(できてあと一回かな)
腐川「あ、あんた、いつまで白夜様の格好をしてるのよ!」
十神「ご、ごめんよ……」
腐川「きいぃぃぃ! 声だけやたらそっくりなのが余計に腹立つのよ! わ、わたしの名前を呼びなさい!」
十神「腐川さん」
腐川「下の名前よ! それに呼び捨て!」
十神「……冬子」
腐川「あひぃ!」
苗木(何やってんのあの人)
田中「フハハハハハ! 時は満ちた! これよりサバトを開く!」
十神「サバトって?」
腐川「よ、ヨーロッパで開かれていた魔女や悪魔を崇拝する人間たちの会合よ」
田中「説明ご苦労」
田中「今日この瞬間に集めた理由は他でもない! 貴様らの秘められし力を我が魔力として蓄える為だ!」
十神「魔女って男でもなれるのかな?」
腐川「ま、魔女の中には男もいたらしいわ。魔法使いと呼ばれるのが通例だけれど」
田中「……フン、そういうことだ」
苗木(田中くん今の知らなかったな)
田中「腐川よ! 貴様の光と闇の力を混在させる力を俺様に授けよ!」
田中「十神よ! 貴様の虚偽の姿をその身に纏う力、我に授けよ!」
十神「僕への頼みは何となくわかったけど……」
腐川「わたしには何語で頼んだのよ……?」
苗木(翻訳を買って出れば話に入れるかも……)
ロジカルダイブ開始
コンマ判定安価下2つめ
偶数 成功
奇数 失敗
ゾロ目 ???
それぞれの結果により次のコンマ表が変化
苗木「光と闇、表裏一体……」
腐川「!?」
苗木「腐川さんがもつ、それらを混在させる力……」
十神「わかるのかい? 苗木くん」
苗木(推理はつながった!)
苗木「腐川さんがもつ表裏一体なんて、一つしかないよ」
苗木「田中くんは、腐川さんみたいな二重人格になりたいんだ」
田中「ほう、この俺様の高次元言語を把握するとは……。やるではないか苗木」
腐川「あ、あんた正気なの!? 二重人格なんて、いいことなんか一つもないのよ!?」
十神「とりあえず、まずは理由からじゃないかな?」
田中「いいだろう。心して聞くがいい!」
十神「苗木くん、時間があるなら通訳頼んでもいいかな?」
苗木「任せてよ」
十神「まずは、僕の変装術を真似したいんだったね」
田中「覇王たるものは、得てして本来の姿を偽るもの。この俺様の禍々しさを隠すとなれば、もはやこれしかあるまい」
苗木「『身元を悟られないようにしたい』んだって」
十神「なるほどね。確かにそれなら変装はうってつけだ」
十神「僕も変装しながら身元はバレないようにしてるからね」
腐川「全然似てないけど……」
十神「これでも本物の十神くんが来るまでは誰にも気付かれなかったんだよ?」
苗木「そういえば、何で気付かれなかったんだろう……?」
十神「みんな、本物の十神くんを知らなかったからだよ」
十神「寿司のことをハンバーガーだと教われば、本物の寿司を知るまではそれに気づかないんだ」
田中「知将『蜃気楼の金鷹』を豪将『重鉄の赤象』だと教えるほどに信じがたいものだが、現にこの俺様の眼を翳らせたのだ。信じるしかあるまい」
苗木「『今にしてみれば大胆な発想だけど、実際に騙されたんだから信じるしかないよね』」
十神「他には、自分のなかで演じる人物のイメージ像を確定させておくことだよ」
十神「僕の場合は、高校生にして会社を経営する御曹司だから、プライドが高いけどリーダーシップを取れる人間にした」
苗木「田中くんは怪しまれないようにしたいんだから、普通の人に成りすますべきじゃないかな」
田中「私、田中眼蛇夢と申す。以後お見知りおきを」
苗木「きれいなガンダムだね」
十神「大地に立った頃だね」
十神「見た目の変装についてはここじゃ教えられないから、放課後に寮の部屋にきてくれれば教えるよ」
十神「髪型や簡単なメイクで変装は以外と気楽にできるんだ」
腐川「な、苗木はアンテナ無くすだけで誰か分からなくなるわ、絶対」
苗木「そんなに?」
田中「その角は貴様を象徴するもの。角がない貴様など魔獣のいない魔獣の檻の如し!」
苗木「外枠しか残ってないよ……」
苗木「僕の癖毛は別にいいんだけど、問題は腐川さんだよね」
腐川「そ、そうよ! 何が面白くて二重人格になろうとしてるわけ!?」
田中「俺様の邪気は日に日に勢いを増している。このままでは俗世に影響を及ぼしかねんのでな」
田中「本来の姿を偽ると同時に、禍々しさを持たぬ偽りの人格を形成する必要が出てきたのだ」
苗木「『何かかっこいいじゃん?』」
田中「貴様、塵となることを望むか……?」
十神「まぁ、確かに何かしら惹かれるものがある気がするのは賛成しなくもないかな」
腐川「あ、あんたたちは何にも知らないからそんなことが言えるのよ!」
腐川「だ、大体わたしだってなりたくてなったんじゃないんだから、し、知るわけないじゃない!」
田中「生まれ落ちる以前より定められた、忌まわしき運命の性ということか……」
苗木「『先天性なの?』」
腐川「そ、そうじゃないけど、でも、自覚もない頃からいつの間にか出てきて、好き勝手やらかした尻拭いをわたしがやらされるのよ……」
腐川「わたしがやったけど、本当はわたしじゃないのに……」
田中「……」
十神「眼を見れば分かるよ……」
苗木「うん。田中くん今の言葉すっごく使いたいと思ってるね……」
苗木「とりあえず、腐川さんの二重人格はなりたくてなれるものじゃないんだね」
田中「ならば仕方あるまい。虚偽の姿を身に纏う力のみでも収穫と言えるだろう」
十神「うん、後でじっくり教えるよ」
腐川「そ、そう。ならわたし、もう帰るから」
苗木(ミサンガか……)
コンマ判定安価下2つめ
下一桁で判断
0から2 十神(Cランク)
3から6 田中(Bランク)
7から9 腐川(Aランク)
苗木「田中くん、これと何かを交換してくれないかな」
十神「これは、ミサンガ?」
田中「その呪われし円環が解かれし時、俺様の真の力が覚醒する……そういうことだな?」
腐川「どこの少年マンガよ……」
田中「戦け! この封印が途絶えたその瞬間! この田中眼蛇夢が世界征服に乗り出す!」
苗木(あのミサンガ、一生切れないな……)
田中「フン、この制圧せし氷の覇王が直々に授けてやろう」
田中「ありがたく受け取るがいい! フハハハハハ!」
コンマ判定安価下2つめ
Bランク
00から19剣風飛帖・舞園鞘花
20から39小型縮退炉
40から59シルバーリング
60から79星の砂
80から9ボージョボー人形
苗木「……何これ?」
田中「説明しよう。その書物には流水の如し清らかな心と鋼の如し屈強な精神を持ち合わせた人間でなければ決して行えない、とある神聖な舞の詳細が記されている」
苗木「田中くんはできるの?」
田中「俺様の心は、既に邪気に蝕まれてしまった。とうに清らかな心など失われている……」
苗木「『煩悩のせいでできません』」
田中「貴様……!」
十神「これ、斬るとか何とか書いてあるね」
田中「以下にも。天下無双の銘刀を携えし者でなければ、この舞踊は習得できん」
腐川「つ、つまり、日本刀を使った演舞が書いてあるってこと?」
苗木(これは地味に困るものがきたな……)
剣風飛帖・舞園鞘花を手にいれた
十神「そろそろ昼休みも終わりだね」
田中「今日の会合はこれにて終了か……」
花村「食い逃げだー!」
苗木「!?」
十神「食い逃げ……だと?」
十神「おのれ、食す者の風上にも置けん奴!」ドスドス
苗木「口調が十神くんになってるよ、って足速!?」
田中「食い物の恨みは恐ろしいとは、よくいったものだな……」
苗木(僕は、どうしよう……?)
コンマ判定安価下2つめ
下一桁で判断
0から2 待ち伏せ
3から6 聞き込み
7から9 捜索
結果により交換回数が変化するフラグ
苗木(待ち伏せか……)
苗木(とりあえず外に逃げる可能性を考えて正門に来てみたはいいけど……)
ざわ…… ざわ……
苗木(既に厳重に固められてるなぁ)
石丸「苗木くん! こんなところで何をしているのだね?」
苗木「食い逃げがあったとき、たまたま食堂にいたから追いかけてきたんだ」
石丸「そうだったのか! 確かにこの件はまごうことなき不正だ。取り締まらないわけにはいかない!」
石丸「しかし、既に五限は始まっている。この場は僕に任せて、苗木くんは教室へ戻りたまえ!」
苗木(ここで何を言っても、石丸くんには通じないだろうな……)
石丸「安心したまえ! 捕まるのも時間の問題だ! その為の助っ人も用意させてもらっている」
石丸「状況報告を頼む」
『……』
石丸「……?」
苗木「そのトランシーバー壊れてない?」
石丸「いや、そんなはずはないのだが……。」
七海『七海千秋でーす。クロはただ今校舎の二階廊下を逃走してまーす』
苗木「かなりラグがあるみたいだね」
七海『……』
七海『頭の中でテキストを固めてからじゃないと喋れないんだ』
石丸「人にはそれぞれ向き不向きがあるということだな!」
苗木(そういう問題かな……?)
苗木(それに七海千秋なんて名前、希望ヶ峰学園の掲示板でも見たことないな……)
苗木「えーと、七海千秋、さん? 聞かない名前だけど」
石丸「彼女は超高校級のゲーマーだが、諸事情から公には在学を伏せられているらしい」
七海『……』
七海『厳密には生徒じゃないんだ。セキュリティ関連で仕事を手伝ってるだけだから』
苗木「……ゲーマーなのに?」
七海『お父さんがその手の知識に詳しかったおかげかな』
苗木(セキュリティ関連なら不二咲くんの方がくわしいと思うけど……)
七海『約一分後、クロは正門前に到達するよ』
苗木「さっきから気になってたんだけど、何で犯人の場所が分かるの?」
七海『……』
七海『学校の監視カメラの映像を使ってクロを追跡してるんだ』
七海『逃走経路を先読みして、カメラの死角にならない袋小路に誘い込んでるんだけど……』
石丸「聞いた話によると、相手は相当な身体能力の持ち主らしい」
七海『パズルゲーは得意だから何度も追い込んでるんだけどね』
七海『屋上から壁づたいに三階のベランダへ降りられた時はさすがに驚いたよ』
苗木(アメコミのヒーローみたいな奴だな……)
大和田「兄弟! そっちにいったぞ!」
苗木(早っ!? いや速いか? じゃなくて!)
石丸「抵抗は止めたまえ!君は完全に包囲されている!」
苗木「それこっちが困ってるときの常套文句だよ」
苗木(というかあのスピード何!? 普通に自転車より速いよ!?)
苗木(……二択だ! 二択に掛けよう!)
コンマ判定安価下2つめ
偶数 右(成功)
奇数 左(失敗)
成功した場合交換回数 1
苗木(左だ!)
スカッ
苗木「」
石丸「まだだ、まだ僕が残っている!」
苗木(そうだ! まだ確率は五割残ってる!)
葉隠「石丸っち! そいつは右に避けるべ!」
苗木(五割じゃない!? というかいたの!?)
コンマ判定安価下1と2
1つめで石丸が占いを信じるかを判定
偶数 信じる(右に跳ぶ)
奇数 信じない(左に跳ぶ)
2つめで占いの成否を判定
3の倍数 当たり(右に避ける)
それ以外 はずれ(左に避ける)
跳ぶのも避けるのも石丸から見たもの
右と右 成功 左と右 失敗 という具合
失敗した場合、交換回数マイナス1
石丸「くそおおおお!」
大和田「葉隠は信用しないって約束したじゃねぇかあああ!」
葉隠「そんな約束してたんか!?」
苗木(食い逃げ犯、1.5m以上ある校門をひょいっと飛び越えて校外へ逃走していったんですけど……)
大和田「おい兄弟! 今から追っかければ間に合うだろ!?」
七海『バイクなら、確かに追い付けるかも……』
大和田「だろ? 乗ってけよ兄弟! やられっぱなしでいられっか!」
石丸「ダメだ! 君はまだバイクの免許を取って一年経っていないじゃないか! 二人乗りは法律違反だ!」
葉隠「大和田っち、意外とバイク歴浅いんか?」
大和田「今はそんなこと言ってる場合じゃねぇだろ!」
苗木「……分かった、僕が行くよ!」
大和田「よく言ったぜ、苗木!」
石丸「苗木くん! 僕は君をそんな子に育てた覚えはないぞ!」
苗木「君は僕の何なの!?」
大和田「おし! 苗木、さっさとこいつかぶれ!」
石丸「何で二人目用のヘルメットまで用意してるんだ兄弟!?」
苗木「行こう、大和田くん!」
大和田「おらあああ!」
石丸「待てえええええええ!」
三十分後
大和田「苗木……。俺達は精一杯やりきったよな……?」
苗木「うん。でもさすがにパイプづたいに壁を登られちゃ追いかけようがないよ……」
大和田「あいつ、マジで何者なんだよ……」
苗木「仕方ないよ、僕たちは、……負けたんだ」
大和田「……クソがぁ!」
六限途中 教室前 廊下
大和田「兄弟、戻ったぜ」
石丸「そうか、そこに座るといい」
大和田「ああ、覚悟ならできてる」
苗木「……あれ? どういう状況?」
石丸「授業中の校外への無断外出! 道路交通法に違反した二人乗り!」
七海『学校の敷地内でバイクを運転するのも校則違反……だと思うよ?』
苗木「待ってよ! ちゃんとした事情が……」
石丸「そんな理屈が通じると、本気で思っているのかね?」
苗木「いやだって」
石丸「苗木くん?」
苗木「……ごめんなさい」
授業終了
苗木(怒った石丸くんって、メチャクチャ怖いんだな……)
苗木(結局、あのスパイダーマンは何者だったんだろう……? というか、そもそも人間なのか?)
日向「どうしたんだ、苗木?」
苗木「人間の限界について考えてたんだ」
日向「難しいこと考えてるな……」
苗木「日向くんこそどうしたの? ビンタの跡がついてるけど……」
日向「小泉にちょっとな……」
苗木「あっ……」
狛枝「人間の限界……。とても興味深い命題だね」
日向「いたのか、狛枝」
狛枝「ついさっき来たところだよ」
狛枝「絶対的な希望を見つけるために、僕はこの学園に来たんだけど」
狛枝「それってやっぱり、精神的な限界の向こう側にあるんじゃないかと思うんだよね」
狛枝「ほら、苦難を乗り越えた人の話を聞くと、何となく希望をもらえるでしょ?」
狛枝「あれを究極に突き詰めれば、全ての人に希望を与えられる存在になれるんじゃないかな」
狛枝「絶望をねじ伏せる希望、まさに希望の象徴だね」
苗木(そんなに真剣な話じゃなかったなんて、今さら言えない……)
江ノ島「へぇー、何だか面白そうな話してるじゃん?」
狛枝「……君はお呼びじゃないよ」
苗木「狛枝くん、そんなに邪険に扱わなくても……」
江ノ島「いいんです。もう慣れましたから……」
狛枝「分かってるならさっさと帰ってくれないかな?」
日向「よせって!」
戦刃「……盾子ちゃん。無理して入ろうとしなくてもいいと思うよ?」
江ノ島「残姉はすっこんでな!」
狛枝「僕は君にも引っ込んでて欲しいところなんだけどね……」
狛枝「君と僕じゃ、価値観が違いすぎるんだよ。頭の構造が根本的に違うんじゃないかな」
狛枝「言葉も意図も通じてる。でも分かりあえない」
狛枝「そんな言葉のやりとりほどの時間の無駄なんてないよ」
戦刃「……」
江ノ島「残念なお姉さまが気まずそうにこちらを見ていますが、私の用件はまだ終わっていません」
江ノ島「苗木ぃ! てめぇ何か面白れーことやってるんだってな!?」
苗木「!?」
日向「わらしべ長者か……。確かに面白そうだな」
狛枝「ちゃんと考えないと日向くんみたいになっちゃうけどね」
日向「罪木があれで喜んだんだからいいだろ……?」
苗木(いやよくないでしょ……)
戦刃「上手く行ってるの?」
苗木「うーん、どうなんだろう……?」
苗木(そこそこ価値のあるものっていうのは間違いないんだけど……)
江ノ島「今ならその品、私様が交換してやらんこともないぞよ?」
苗木「まだ見せてないよ」
江ノ島「こまけぇこたぁいいんだよ!」
苗木(どうしてこんなに嫌な予感がするんだろう……?)
狛枝「苗木くん、君も感じ取ったみたいだね。彼女の持つ違和感を」
日向「……まぁ、確かにゲームだと確実に罠だって言い切れる発言だよな」
江ノ島「そんなに信用してもらえませんか? 絶望的です……」
江ノ島「それならこういうのはどうだ? 超高校級の幸運に掛けて、クジ引きってのはさ」
戦刃「それってもう罠ですって認めたようなものなんじゃ……」
江ノ島「残姉はちょっと黙っててねー」
狛枝「やれやれ……。苗木くんがそんな程度の絶望にやられるはずないじゃないか」
日向「単純に見てはずれが1/4か……。まあ俺でも回避できるレベルだな」
戦刃「クジ、できたよ」
日向「何で五本あるんだ?」
江ノ島「あんまり余裕ヨユーうるさいからぁ、わたしのクジ二本にしちゃいましたー!」
日向「ってことは……四割ではずれか」
狛枝「九割にして出直してきなよ」
苗木「割と本気で困るからやめて」
コンマ判定安価下2つめ
20未満 戦刃(Aランク)
20から39 狛枝(Bランク)
40から59 日向(Cランク)
60以上 江ノ島(Zランク)
絶望のZなので無慈悲な交換を強行します
さすが狛枝
苗木(クジには……)
戦刃「狛枝って書いてあるね……」
江ノ島「やはり四割程度では引っ掛かりませんか。あなたの絶望する顔を見たかったのですが仕方ありませんね」
日向「もう隠す気すらないな……」
狛枝「だから言ってるのに……。希望は絶望なんかには負けないんだよ」
江ノ島「先輩がそんなこと言っていられるのも今のうちだけですよー」
狛枝「何をするつもりか知らないけど、僕はそれを全力で止めるよ。それこそ、刺し違えてでもね」
日向「狛枝、もうやめとけ」
戦刃「……」
日向「それよりもわらしべ長者だろ? 狛枝を引いたんだったな」
狛枝「そうだったね。僕なんかが苗木くんの希望の踏み台になれるなんて、光栄の極みだよ!」
苗木「踏み台だなんてそんな……」
苗木「それに、今持ってるもの、これなんだよ」
戦刃「っ!?」
苗木(あれ? 日向くん以外の目の色が変わった……?)
江ノ島「こいつはとんでもねぇブツのお出ましだなぁ!?」
日向「……そんなに凄いものなのか、これ?」
狛枝「日向くん、知らないのかい?」
苗木「僕もよく知らないよ。歴史的に価値のあるやつなの?」
江ノ島「見た目で絶望的に古いものだと思い込んでいますね……。これが書かれたのはたった数年前です……」
戦刃「表紙、よく読んでみて」
苗木「剣風飛帖・舞園鞘花……舞園さやか?」
狛枝「これは舞園さんのためだけに編み出された舞踊なんだよ」
狛枝「内容を見て分かっただろうけど、これは本物の日本刀を使う演舞……」
狛枝「収録したはいいけど、銃刀法違反で没になって原本も紛失したらしいんだ」
日向「その無くなったはずの原本が、……これなのか?」
戦刃「この舞踊を編み出したのは確かここのOBだった」
江ノ島「その無駄のない動きを習得しようと、舞園のファン以外からも需要が殺到したが、肝心の原本は闇の中……」
江ノ島「もし万が一、こいつが本物であるとしたら、三十万は下らない代物だ」
狛枝「これはそのくらいの希望が詰め込まれた、まさに幻の物品なんだよ」
日向「……」
苗木「……」
苗木(この人たち、何でこんなに詳しいんだ?)
戦刃「……狛枝くん。それ、わたしにくれない?」
狛枝「いやだよ」
戦刃「うう……」
江ノ島「最低でも残姉が欲しがる程度には需要があるわけじゃな」
苗木「いまいち分からない例えだね……」
日向「というか、戦刃はそれ何に使うんだよ……」
戦刃「軍刀なら持ってるから……」
苗木(自分で舞うのか……)
狛枝「この希望の結晶を軍刀で真似しようだなんて、残念にもほどがあるよ……」
戦刃「ごめんなさい……」
狛枝「ありがとう、苗木くん。これは大切に保管させてもらうよ」
苗木「それが偽物だって可能性はないの?」
狛枝「もちろんだよ。苗木くんの幸運が偽物なんか掴むはずないからね」
日向「その自信はどこから湧いてくるんだ?」
狛枝「同じ超高校級の幸運だからね。こういうものは絶対に外さないって分かるんだよ」
苗木(もしかして、遠回しに偽物だったら許さないって言われてるのかな……?)
コンマ判定安価下2つめ
Bランク
00?19KISSノート
20?39小型縮退炉
40?59シルバーリング
60?79星の砂
80?99ボージョボー人形
霧切さんの氏名判入り婚姻届(ガチャガチャ)
↓
水晶のドクロ(霧切)
↓
キルリアンカメラ(澪田)
↓
アンティークドール(小泉)
↓
携帯ゲーム機(山田の遺品)
↓
無限タンポポ(九頭竜)
永遠のミサンガ(舞園)
↓
剣風飛帖・舞園鞘花(田中)
↓
(狛枝)
番外
キルリアンカメラ(日向→小泉)
動くこけし(日向→罪木)
書き損じがあるかもしれないがこんなかんじかな?
もうアンティークドールかゲーム機で良かったとおもうの
あと、くじのとき、江ノ島だったらどうなったの?
こけしとか?
脱出スイッチでもくれたんじゃね
多くの方に読んでもらえているようでうれしい限りです。
>>185
こう見ると結構な回数になるんですね。
あと三回か……
>>186
無慈悲にこけしやら拘束具やら渡されていました。
中々Dランクに当たらないのでハードモードに入るトラップでも入れてみようかと。
>>187
脱出ボタンは澪田以外リアクションがみんな大体同じになりそうなのでやめました。
苗木「ボージョボー人形だね」
日向「プレゼント受けは良さそうだな」
戦刃「でも、苗木くんのあれを見た後だと……」
狛枝「ごめんよ、苗木くん。こんなものしか用意できないゴミクズ以下の僕をどうか許してくれ……!」
苗木「そんなことないって……」
日向「でも、本当にいいのか? あれって三十万くらいするんだろ?」
苗木「いいんだって。価値とかは気にしてないよ。最初の頃に文化財レベルのものも渡されたし……」
戦刃「文化財……?」
江ノ島「たかが運でも超高校級ですね……。絶望的です……」
ボージョボー人形を手に入れた
日向「……やっと落ち着いたな」
苗木「狛枝くんって、どうしてあんなに江ノ島さんを嫌ってるんだろう……?」
日向「俺にも全然分からないな……。狛枝に聞いたこともあるけど、絶望がどうとか言ってはぐらかされた」
苗木「反りが合わないってことなのかな?」
日向「それだけであの扱いはないだろ……?」
苗木「……」
日向「……」
苗木「日向くんはこれからどうするの?」
日向「澪田と桑田のところに行ってくる」
日向「何か澪田が部室に変なドクロを飾ろうとか言い出してさ」
日向「桑田は反対したんだけど、まぁ澪田が人の話なんか聞くわけからな」
苗木「あはは……。一億円が助かっただけマシなんじゃないかな」
日向「」
日向「……苗木」
苗木「なに?」
日向「あれって、本物なのか?」
苗木「霧切さん曰く、本物の水晶らしいよ」
日向「……なんというか、あれだな」
日向「超高校級の幸運がお前で良かったよ……」
苗木(まだ時間はあるな……)
一階 廊下
苗木(校舎の裏側から鋭い音が聞こえる……)
左右田「ひいいぃぃ!」
苗木「左右田くん、どうしたの?」
左右田「な、苗木ぃ! やべぇって、あれマジでやべぇって!」
苗木「落ち着いてよ。何がヤバいの?」
左右田「オーガが殴りあいしてんだよ!」
苗木「!?」
苗木(大神さんが喧嘩……!?)
苗木(相手は大丈夫なのか!?)
左右田「割とナチュラルに失礼なこと考えてんだろ、お前! 俺もそうだけどよ!」
校舎裏
ザッ
大神「……ぬぅん!」
辺古山「せやっ!」
苗木(まるで二つの巨大な竜巻が衝突しているかのような、怒濤の連撃の応酬……)
苗木(それを間近で見ている僕らは……)
苗木「」ブルブルガタガタ
左右田「」ブルブルガタガタ
苗木(逃げることすらできない……)
左右田「と、とめ、とめ、ようぜ、……な?」
苗木(「な?」て何!? 僕に止めろって? 無理に決まってるじゃないか!)
ザッ
大神「……中々やりよるな」
辺古山「……ああ、ようやく慣れてきたようだ」
苗木(……あれ? 辺古山さんも素手で闘ってる?)
大神「今日はここまででいいだろう」
辺古山「……かたじけない」
左右田「……え? 喧嘩じゃ、なかったのか?」
大神「左右田と、苗木か」
苗木「大神さんは、辺古山さんに稽古をつけてたんだね?」
大神「すまぬ……。いらぬ心配をかけたようだな」
辺古山「放課後が一番まとまった時間が取れるのだが、この時間帯は体育館や武道場が使用中なのでな」
辺古山「仕方なく校舎裏で稽古をつけてもらっている」
左右田「どうみても校舎裏に呼び出して決闘のシチュエーションにしか見えなかったぜ……」
左右田「だいたい、何で今さら素手の格闘なんか教わってるんだ? 竹刀持ってれば十分つえぇだろ?」
辺古山「竹刀を払い落とされた時や、不意討ちされて抜刀する時間すら惜しい時、何もできないようでは坊っちゃんの護衛は務まらないからな」
苗木「備えあれば憂いなしってやつだね」
左右田「でも、稽古なんだろ? だったらあんなガチバトルにしなくてもよくないか?」
辺古山「真剣勝負ではない。少なくとも私は本気だったが……。大神は四割程度の力しか出していないだろう」
大神「うむ、大方そのくらいであろう」
苗木「あれで四割……?」
左右田「本気出したらかめはめ波撃てるんじゃね?」
大神「何と、大神流奥義『禍眼覇滅波』を、何故知っておる……?」
左右田「嘘だろ……?」
コンマ判定安価下2つめ
下一桁で判断
0から2 大神(Cランク)
3から5 左右田(Cランク)
6から9 辺古山(Bランク)
辺古山竹刀持ったら大神より強いのか……?
そういやあんま強さの描写なかったよね、剣道家設定は高いとこ登るのに使われただけでww
>>196
ソースが分かりませんが、
確か大神は銃器を持った戦刃と互角らしいですね。
戦場に武器なしで突入して無傷だったりするのでしょうか。
さすがに辺古山でもそこまではいかないのではないかと……。
左右田「この人形を俺にくれるのか?」
左右田「くれるっていうならありがたくもらっとくぜ。サンキューな」
辺古山「確かその人形には、相手と永遠に結ばれるという意味合いが込められていたな……」
左右田「へ……?」
苗木「少なくとも、僕にそんな意思はないから安心していいよ……」
左右田「だ、だよな!? 一瞬マジでヒヤッとしたぜ……」
左右田「交換っていってもなあ……」
左右田「俺、こんなのしか持ってないぞ?」
コンマ判定安価下2つめ
Cランク
00から19赤いマフラー
20から39ローラースリッパ
40から59最速カップラーメン
60から79ミレニアム懸賞問題
80から99これくらいのお弁当
次の組が決まっているので
引いたらハードどころかほぼ詰むプレゼントを変更
苗木「カップラーメン?」
左右田「ただのカップラーメンじゃねぇぞ。お湯を入れて三秒で食えるカップラーメンだ!」
辺古山「……味は問題ないのか?」
左右田「食ってすぐは問題ないぜ」
大神「何やら含みを持った言い方だな……?」
左右田「変な意味じゃねーって。伸びるのも早いだけだよ」
苗木「具体的にどのくらいなの?」
左右田「三十秒だっけ?」
辺古山「想像以上に短いな……」
苗木(……まだ実家には帰れないな……)
最速カップラーメンを手に入れた
ピンポンパンポーン
七海『終里赤音さん、終里赤音さん、至急生徒会室まで来てください。繰り返します……』
苗木(今の声、七海さんだったな)
苗木(そういえば、少し前から放送があの声だけになったな……)
苗木(セキュリティ面だけじゃなくてアナウンスも担当してるのか……)
大神「折角もらったのだ。想い人に渡してみてはどうだ?」
左右田「おうよ! 待ってろよソニアさーん!」
大神「……校舎に向かっていったが、今ソニアは校内にいるのか?」
辺古山「いや、確かソニアは今日の放課後に予定があると言って寮に帰ったはずだが」
苗木(相変わらずの空回りっぷりだ……)
苗木「左右田くんって、何だかんだ言ってるけどすごい根性あるよね……」
辺古山「その根性が効を奏すかは、完全に別問題だが……」
大神「だが、あやつの一方的な接近も、見方を変えれば間違いではないではないかもしれん」
苗木「……どういうこと?」
大神「ソニアは王女だ。常に国の事情にその身を左右される存在……」
大神「風の噂によると、現にテロリストとやらに拉致されたこともあるそうだな」
大神「理由はどうであれ、卒業前にここを去る可能性も大いにある」
苗木「……言いたいことは、今のうちに言わせておけ。……そういうこと?」
大神「左様……。いなくなってからでは、何も言えんのだからな」
辺古山「……そうかもしれないな」
辺古山「確かに、その方が正しい判断かもしれない」
大神「お主はそのつもりはないのか? 辺古山よ」
辺古山「……既に、覚悟は決めた」
大神「そうか……」
一階 廊下
苗木(いなくなった時に後悔しないように、か……)
ドンッ
苗木「!?」
苗木(前を見てなかったせいで誰かにぶつかったみたいだ……)
苗木「……?」
大和田「おら、いい加減腹くくれ」
終里「チクショー! 苗木てめー!」
苗木(僕とぶつかった終里さんと、その終里さんを丁重に取り押さえる大和田くん……)
苗木(確か、終里さんはさっき呼び出されてたけど……)
石丸「終里君、観念したまえ! すでに証拠はあがっている!」
石丸「食堂入り口の監視カメラの映像に、君が食堂へ入っていくところは写っているのに、食堂から出てくるところは写っていなかった」
石丸「今日出入りした生徒は全てチェック済みだ! こんな不自然な状態なのは君だけただ!」
大和田「まだ食い逃げしてねぇって言い張るつもりか?」
大和田「あんなふざけた逃げ方ができるやつなんざ、この学園でもお前くらいしかいねーだろうが」
終里「……ああ、そうだよ! 俺がやったんだよ、わりぃか!」
大和田「わりぃから呼び出したんだろうが!」
生徒指導室
石丸「……理由を聞かせてもらいたい」
終里「一通り食い終わった後に財布がねぇって気付いたんだよ」
終里「でも食っちまったもんは取り返しようがねぇからよ」
石丸「払えないなら、どうして正直に言わなかったのだね?」
終里「ん……?」
苗木「……?」
石丸「……何か、おかしなことを言ったかね?」
終里「いや、わりぃ。正直に話すとかいう発想、今の今まで思い付かなくてよ」
大和田「そんなこと、あり得るのか……?」
終里「ウソじゃねーって。今までずっとそうやってたしな」
苗木「今までって、何回か経験があるの?」
終里「食い逃げと盗みはもう回数とか覚えてねーよ。どっちもここ二、三年やってなかったけどな」
石丸「……そうか。言いにくいのだが、君はたしか、そういった環境で育ったのだったな」
終里「まーな。何か久しぶりに同じ状況になったから、いつもやってたように顔隠して逃げるくらいしか浮かばなくてよ」
石丸「そういうことか……」
苗木「石丸くん、こういう時も罰則って適用するの?」
石丸「事情はどうであれ、罰則は課さなければならない」
石丸「この件だけを特例として容認することはできない」
大和田「オメーもその辺は納得してんだろ?」
終里「ああ、好きにしろ」
苗木「……食い逃げって重い罰則とかあるの?」
石丸「代金を支払った上での、トイレ掃除二週間だ!」
終里「あん? 意外に軽いんだな」
大和田「って思うだろ? 俺も明日からやるんだけどよ」
大和田「兄弟、この学園ってトイレいくつあんだ?」
石丸「男女合わせて一つと数えて十八箇所だ!」
終里「マジかよ!? 一人でそれ毎日掃除すんのか!?」
大和田「気にすんなよ。一人でやるわけじゃねぇから」
苗木「僕と大和田くんも、明日から二週間やるんだ」
終里「そうなのか?」
大和田「校則一気に三つくれぇ破ったからな……」
苗木「しかも、石丸くんの目の前でね……」
大和田「ま、そういうわけだ。気楽にいこうぜ!」
苗木「二週間よろしく」
終里「おう!」
石丸「君達は罰則が何のためにあると思っているのだね……?」
コンマ判定安価下2つめ
0から2 石丸(Cランク)
3から6 終里(Bランク)
7から9 大和田(Aランク)
石丸「カップラーメンか……」
石丸「僕はあまりこういったものを食べた経験はないのだが……」
大和田「何でも経験ってやつだろ。つってもお湯いれるだけなんだけどよ」
終里「マジか? それってお湯いれて食うやつなのか?」
苗木「もしかして、お湯無しで食べてたの?」
終里「カップからだしづれーわ、固いわ、粉はまずいわで散々だったぜ」
大和田「やめとけ。お湯無しでくえるのはチキンラーメンだけだ」
苗木「あれ口の中パサパサになるよね」
石丸「二人とも! 聞いた話ではカップラーメンが完成するまでの三分間は、その間に作業をするためにあるというではないか!」
石丸「その食べ方では、カップラーメンのアイデンティティーが損なわれてしまうぞ!」
苗木「そのカップラーメン、三秒で完成するんだって」
石丸「……なんだって?」
石丸「三秒……その間に僕は何ができるんだ……?」
終里「三秒とか腹ごなしすらできねぇぞ?」
大和田「普通に食った方がいいんじゃねぇか?」
石丸「いや、駄目だ! それではカップラーメンの制作者に失礼ではないか!」
石丸「そうだ、この瞬間、僕は三秒の大切さについて教え込まれている!」
苗木(むしろ普通に食べて欲しくて三秒にしたんじゃ……?)
石丸「交換か……」
石丸「つまらないものだが、受け取ってくれたまえ!」
コンマ判定安価下2つめ
Cランク
00?19赤いマフラー
20?39むらまさ
40?59色恋沙汰リング
60?79ミレニアム懸賞問題
80?99エプロンドレス
妹にエプロンドレスをプレゼントする兄がいる
>>217
ほぅ……?
終里で丁度1.2全キャラ回収できましたし
何やら面白そうなので多数決採ってみましょうか
ジェノサイダー翔は
ロジカルダイブのコンマ判定でゾロ目が出たときに登場する予定でしたが……
苗木「エプロン、ドレス……?」
終里「おー、俺もバイトで着たことあるやつだな」
苗木「え」
石丸「終里君! そんな不埒な格好でバイトをしては風紀がだな……」
大和田「その不埒なドレスを何で持ってんだ兄弟?」
石丸「誰かの忘れ物のようなのだが、昨日を持って持ち主が現れないまま預かり期間の四ヶ月が終了してしまったのでな」
石丸「誰も受け取る人間がいなかった結果、仕方なく僕が受け取ったということだな」
苗木(つまり、面倒ごとを押し付けられたんだろうか)
エプロンドレスを手に入れた
石丸「三秒……。三秒……」
石丸「……駄目だ! 僕には思い付かない……!」
苗木「英単語一つ書くだけで精一杯だよね」
大和田「兄弟、一つのやり方に拘るってのは嫌いじゃねーが、こればっかりはどうしようもねぇぞ……」
石丸「そ、そんな……。僕は、僕は諦めるしかないのか……!?」
大和田「……越えられねー壁ってのはあるんだ。男には、時には諦めて別の道を進むしかねぇ時ってのがあるんだよ……」
石丸「……僕は、僕は何て無力なんだあああ!」
大和田「待て、兄弟! そうじゃねぇだろ!」
大和田「今は無理でも、お前ならいつか絶対答えを出せる!」
石丸「ぼ、僕は、……できるのか?」
大和田「できるに決まってんだろ! 俺の言葉を疑うってのか!?」
終里「腹減ったしもう帰っていいか?」
苗木「あ、僕もそろそろいくよ」
石丸「兄弟いいいい! 君ってやつはあああ!」
苗木(大和田くんもノリなのかどうかよく分からない……)
苗木(……あと一回なら交換できるけど……)
苗木(今までの調子でいくと、エプロンドレス以下になる可能性が……)
苗木(いやいや! エプロンドレスはまずいんじゃ? でも……)
苗木(どうしよう……?)
↓4までで多数決
1.交換する
2.交換しない
苗木(これが、僕の答えだ!)
苗木(交換しないなんてありえない!)
苗木(なぜかそんな気がしてきた……)
苗木(最後の一回、それに賭けよう!)
最後の一回は指定安価をとります。
↓3までのキャラでコンマ表を作成して、後は従来通りです。
1.2どちらのキャラも指定できますが、一回交換したキャラと七海は指定不可とします。
被った場合と指定不可の場合は安価下です
十神
>>232
失礼します。
御曹司か詐欺師どちらでしょうか?
表記は何となく御曹司だと勝手に思っていますが……
今回の十神は御曹司として扱います。
苗木(さて、三人集まったはいいけど……)
日向「何か変わったエプロンだな……」
十神「あれからおよそ五時間、ミサンガと大して変わっていないじゃないか」
十神「どういうことだ? 説明しろ苗木」
苗木「中々うまくいかないんだね……」
苗木(十神くんが侮蔑のこもった目でこちらを見ている……)
苗木(でも正直いって今はどうでもいい……)
日向「別に俺は交換するのは全然問題ないぞ?」
日向「さっき購買部でガチャガチャ回して結構ダブってるからな。ただ……」チラッ
江ノ島「せんぱーい、何でそんな目で見てくるんですかー?」
苗木(まずい、これはまずい……!)
苗木(僕の判断は本当に正しかったのか……?)
十神「お前の考えは読めないんだよ。姉を少しは見習ったらどうだ?」
江ノ島「あの残念な姉を見習えと? そもそもあなたに向けた言葉ではないのでかませ眼鏡らしく黙っていてください」
十神「かませ、眼鏡……?」
日向「……それで、またクジで決めるのか?」
江ノ島「俺は絶望的に飽きっぽいんだよ! もうクジ引きなんてかったりぃやつはナシだ!」
苗木「となると、十神くんか日向くんか……」
十神「何故俺がそんなものを受け取らねばならん?」
日向「……罪木か、辺古山に渡すか?」ボソッ
江ノ島「当たり前のように除外しないでください……」
江ノ島「私様と交換するというならば、気分によっては良い物を恵んでやらんこともないぞよ?」
日向「気分……」
十神「どうするんだ苗木? どの藁にすがる?」
苗木(……)
コンマ判定安価下2つめ
下一桁で判断
0から2 日向(Bランク)
3から5 十神(Cランク)
6から9 江ノ島(?ランク)
日向「おう、ありがとな」
十神「何故礼を言う……?」
日向「俺も似たようなことやってるんだよ。俺が一方的に渡してるだけなんだけど」
江ノ島「全く、やれやれだな。この期に及んで安牌を選ぶとは……」
十神「お前に頼んでリターンがあると考える人間がいると思うか?」
江ノ島「そうですよね……。気分によっては超高校級のプレゼントを渡すつもりだったなんて、信じてもらえませんよね……」
日向「むしろ俺がほしいんだけど」
江ノ島「テメーはこけしでも食ってなぁ!」
苗木(こけしに一杯食わされてるなんて言えない……)
日向「どれにしようか……」
苗木(これをそのまま、こまるに渡すことになる……)
苗木(日向くん、きみに全てがかかってるんだ!)
コンマ判定安価下2つめ
Bランク
00から23 KISSノート
24から47 小型縮退炉
48から71 シルバーリング
72から94 子猫のヘアピン
95以上 希望ヶ峰学園の指輪
1・2合同の掲示板スレにあった奴だ
oh……
>>251
先駆者がいらっしゃいましたか。
そちらも覗いてみます。
苗木家
苗木「ただいまー」
こまる「あ! お兄ちゃんおかえりー!」
苗木「もう夜の8時か……。ごめん、遅くなって」
こまる「いいのいいの!」
こまる「お父さーん! お母さーん! お兄ちゃん帰ってきたよー!」
苗木(こまるの身長、また伸びたな……)
苗木(こまるの身長だけ、また伸びたな……)
苗木の自室
こまる「今日、ありがとね。平日なのに帰ってきてくれて」
苗木「こういう日くらいは帰って来て当たり前だよ」
こまる「……自分の誕生日の時は帰ってこないくせに」ボソッ
苗木「あ、……そういえば」
こまる「『そういえば』じゃなーい! わたしだってプレゼント用意してたんだよ!?」
苗木(癖毛がピコピコ揺れててかわいい)
こまる「お兄ちゃん話きいてないでしょ!?」
苗木「ごめんごめん。あの日は向こうで友達がパーティーを開いてくれたからさ」
こまる「もう! そんなだから身長のびないんだよ!」
苗木「関係ないよ……」
こまる「というわけで、これがわたしのプレゼントです!」
苗木(片手に乗るサイズの、薄いプレゼント箱だ……)
苗木「ありが……」
こまる「ストップ! その前に……」
苗木(……なるほど)
苗木「こまるの誕生日プレゼントだね。うん、用意してあるよ」
こまる「さすがお兄ちゃん!」
ガサッ ガサッ
苗木「……」チラッ
こまる「どうしたの?」
苗木「……どんなプレゼントだと思う?」
こまる「あの希望ヶ峰学園に通ってるんだもんね。すっごいやつでしょ?」
苗木「凄すぎてこまるが泣いちゃうんじゃないかな」
こまる「そんなにすごいの!?」
苗木「これだよ」
ドサッ
こまる「……え?」
苗木「小型縮退炉っていう、希望ヶ峰学園の最先端技術が詰め込まれた超小型原子炉だよ」
こまる「……え?」
苗木「これ一個でこの家の電気やらガスやらは全部賄えるよ」
こまる「……え?」
苗木「……こまる」
苗木「これが事件の全貌だよ!」
クライマックス推理開始
偶数 成功
奇数 失敗
失敗すると……?
すみません、安価指定を忘れていました。
いつも通りの下二つ目です。
今回は成功になります。
ここからエピローグに入りますので少し長くなります。
一応エンディング分岐としては……
バッドエンド……クライマックス推理失敗
ノーマルエンド……クライマックス推理成功もしくはシルバーリング
グッドエンド……子猫のヘアピンか希望ヶ峰学園の指輪
トゥルーエンド……江ノ島と交換してコンマ判定で成功
別ルート……KISSノートやイン・ビトロ・ローズの類い
くらいを想定していました。
バッドエンドでしか回収できない伏線があったり
エピローグといいましたが、かなり長くなりそうなので後日談と考えてください。
また、交換と違って全員は出せない可能性があります。
苗木「……というわけなんだ」
こまる「……」
苗木「……」
こまる「……うっ」
苗木「!」
こまる「あっはははは!」
苗木「!?」
こまる「もう聞いてるだけでもツッコミどころしかなくて……あはははは!」
こまる「だって、友達の婚姻届をガチャガチャで拾うとか、一億円のお宝をポイッて渡さして『家をプレゼントしろ』って……」
こまる「ミサンガで世界征服お願いしてカップラーメンで泣き出して……」
こまる「それで、一番普通だった人に渡されたのが……これ? 原子炉?」
苗木「うん」
こまる「はははは! 希望ヶ峰学園ってそんなに面白いところなの?」
苗木「変わった人ばっかりだよ、ほんとに」
苗木「でも、みんないい人だよ」
こまる「へー、やっぱり突き抜けた天才って色々違うんだぁ……」
こまる「ねぇ、もっと聞かせて。学校の話」
苗木「何から話そうかな……。あ、そうだ」
苗木(希望ヶ峰学園の皆の話をしている内に、夜はどんどん更けていった……)
苗木(わらしべ長者をしないで普通にプレゼントを渡していても、こうなっていたのかな……?)
AM 5:30
苗木「ねむ……」
苗木(三時間しか寝られなかった……)
苗木(でも、もう家を出なきゃ一限目に間に合わない)
苗木「いってきま、……忘れるところだった」
苗木(こまるのプレゼント……)
苗木(今度忘れたら、さすがに口利いてくれなかったかも……危なかった)
苗木「これでよしっと」
苗木「いってきまーす……!」
epilogue
桑田「……参ったな」
澪田「何かお困りっすか?」
桑田「俺ら、見学者用のやつって何にも準備してなかったろ? 説明も資料も何にも」
桑田「こういう時に限って日向はいねーし……」
澪田「学園長室にお呼びだしっす!」
桑田「マジかよ? 今度は何やらかしたんだよ……? 昨日は小泉からビンタもらってたし」
桑田「とにかく、このチャンスは逃せねーぞ。だってよ……」チラッ
舞園「……あの、何か?」
桑田「いやいや、全然大丈夫!」
桑田「舞園ちゃんだぞ? あの舞園ちゃんがバンドに入ってくれるかもしんねーんだぞ!? こんなチャンス二度とこねーって!」
澪田「それなら唯吹にお任せっす!」
桑田「マジ? 正直嫌な予感しかしねーんだけど」
澪田「レオンちゃん、バンドで見てもらうものなんて、一つしかないっす」
桑田「……おぉ、なるほど。演奏しようぜってか。珍しくいいこと言ったな」
桑田「……って言いたかったけどよ、ドラムの日向がいねーんじゃ曲にならねーよ」
澪田「……そうなると、お手上げ侍っすね!」
桑田「諦めんの早すぎだろ!? つか開き直るなこのアホ!」
桑田「だー、チクショウ! 舞園ちゃん、説明はない! 特にありません!」
桑田「ここは小難しい説明とかとは一切縁がない、とりあえず楽しみてーやつらが集まってバンドをする、そういう部活だ!」
桑田「……以上!」
澪田「……こりゃヤケッパチもいいとこっすねー」
桑田「急に冷めんな! おめーは毎日一分一秒漏れなくヤケッパチだろうが!」
澪田「『人生漏れなくヤケッパチ』……語呂もいいし曲名に使えそうっすね!」
桑田「ねーよ! お前は何でもかんでもノリで突っ切ろうとすんな!」
舞園「あはは、何だか楽しそうですね」
舞園「説明もとっても分かりやすかったです」
桑田「だろ? 舞園ちゃんはやっぱいい子だな!」
澪田「さやかちゃんマジよゐこっす!」
澪田「そんなさやかちゃんに一つぶっちゃけたこときいちゃっていいすか?」
舞園「はい、何でもどうぞ」
澪田「何でここに来たんすか?」
桑田「マジでぶっちゃけやがった……!?」桑田「だー、チクショウ! 舞園ちゃん、説明はない! 特にありません!」
桑田「ここは小難しい説明とかとは一切縁がない、とりあえず楽しみてーやつらが集まってバンドをする、そういう部活だ!」
桑田「……以上!」
澪田「……こりゃヤケッパチもいいとこっすねー」
桑田「急に冷めんな! おめーは毎日一分一秒漏れなくヤケッパチだろうが!」
澪田「『人生漏れなくヤケッパチ』……語呂もいいし曲名に使えそうっすね!」
桑田「ねーよ! お前は何でもかんでもノリで突っ切ろうとすんな!」
舞園「あはは、何だか楽しそうですね」
舞園「説明もとっても分かりやすかったです」
桑田「だろ? 舞園ちゃんはやっぱいい子だな!」
澪田「さやかちゃんマジよゐこっす!」
澪田「そんなさやかちゃんに一つぶっちゃけたこときいちゃっていいすか?」
舞園「はい、何でもどうぞ」
澪田「何でここに来たんすか?」
桑田「マジでぶっちゃけやがった……!?」
舞園「『ここに来なくても歌ならいつも歌ってるでしょ?』ということですか?」
桑田「ん? ……あ、あー……。そういう意味か。今のでよく通じたな……」
舞園「エスパーですから」
澪田「マジすか!? うっきゃー! レオンちゃんスプーンプリーズ!」
桑田「本気にすんな。……で、話を戻すけど舞園ちゃんは何でいきなりここを見学しようとか思ったんだ?」
舞園「一度、純粋に音楽を楽しみたいと思ったんです」
舞園「もちろん、収録で歌うのも楽しいんですけど、最近はプレッシャーも大きくて……」
桑田「まぁ、トップアイドルにもなればそれはなぁ……」
舞園「でも、歌はプレッシャーに追われながら歌うものではありません」
舞園「最近、それを忘れていたような気がして……」
舞園「だから、一度初心に戻ろうと考えたんです」
舞園「昨日、色々あって昔の頃を思い出しました」
舞園「あの頃みたいに、誰の眼も気にせずに皆で楽しく歌いたい……」
舞園「そう思ったんです」
桑田「……なるほどなぁ」
澪田「ッシャ! 合格っすよさやかちゃん!」
桑田「お前はもう黙ってろ! うちは入部テストなんか設けてねーだろ!」
舞園「知らない内に面接を行っていたなんて、侮れませんね」
桑田「いやねーから! そんなつもり全くねーから!」
桑田「……はぁ。よく分からんけど疲れた……」
桑田「まぁ、俺が言ったことが意味あったか無かったかも分からんけど……」
桑田「いつもは日向も巻き込んで、こういうやりとりしながら練習するってワケ」
桑田「舞園ちゃんの求めてるヤツは、……一応あるな。うん」
澪田「唯吹らは誰でもいつでも大歓迎っす!」
舞園「そうですね……」
桑田「……」ゴクッ
舞園(わたしが入るべきなのは、本当にここなんでしょうか……?)
舞園「……」
澪田「さやかちゃんの良いところ見てみたい!」
桑田「『そーれイッキ!』じゃねーよ! さっきから適当に浮かんだこと口にするのやめろ!」
舞園(……ここみたいに、完全に楽しむための音楽……)
舞園(きっと、必要ですよね!)
舞園「決めました! ここに入ります!」
桑田「マジで!?」
澪田「ギダア゛ア゛ア゛ア゛!!」
桑田「よっしゃあ! 念願のボーカル要員じゃねーか!」
舞園「でも、二つだけいいですか?」
舞園「まず、仕事が忙しいので練習に来れない日が多くなると思うんです」
桑田「オッケーオッケー! それくらいどうってことねーよ!」
舞園「二つ目は、勝手にライブを開いてるってバレちゃうと色々といけないので、本番の時は変装したいんです」
桑田「……ちょっと待ってくれ」
舞園「はい」
桑田「おい澪田、これってつまり、舞園ちゃんのコスプレ姿が生で見られるってことか……!?」
澪田「思わずフガフガしたくなりますなー!」
舞園「あの、何を想像したんですか?」
桑田「ん!? あーいやいやいや、お気になさらず!」
澪田「世紀末ヘビメタファッションでいってみよー!」
桑田「馬鹿野郎お前そこは小悪魔系でギャップを、……いや何でもない」
舞園(きっと、必要ですよね? ……多分)
舞園「入った時から気になってたんですけど、あのガイコツは……」
桑田「あー、あれな。苗木から昨日もらったんだよ。澪田が絶対に飾るって聞かなくてさ」
澪田「ゴミじゃないから捨てたらダメっすよ!」
桑田「最初ぶん投げる気まんまんだったろ……」
舞園(苗木くんのわらしべ長者は、どうなったんでしょう……?)
花村「命を狙われてる?」
山田「今日の朝から、見知らぬ殿方らにつきまとわれているようでしてな……」
葉隠「つまり、……スモーカーだな?」
山田「ここは全面禁煙ですぞ。それにストーカーなんてギャルゲーみたいな展開はむしろ歓迎なんですなぁ……」
花村「そんな健気な子は優しくお持ち帰りするのが紳士の務めだよね?」
山田「よくお分かりですな! じゃなくて」
山田「どうもただのストーカーではないようでしてなぁ」
山田「……何というか、割と冗談抜きに命を狙われているのではないかと……」
葉隠「ほー、それは何かヤバい状態だな」
山田「どうみても他人事です。本当にありがとうございました」
葉隠「つーかそれ、命を狙われてるらしい根拠はあるんか?」
山田「後ろに立たれた時の気配が何やら尋常じゃなくてですね」
山田「あれならまだ花村輝々殿に背後に立たれた方がマシですな」
花村「それはすごいね! ぜひ一度会ってみたいもんだよ」
葉隠「そういう直感はよく当たるもんだべ。俺が言うんだから間違いないべ」
山田「だから困ってるわけですな……」
花村「何か心当たりはないのかい? 昨日くらいにさ」
山田「昨日あった特別なことと言えば、苗木誠殿から人形をもらった程度ですな」
山田「中々によくできたものでしたので、スカートのレースを観察したり、中を覗いたり……」
花村「そんな健全な行動、男として当然じゃないか!」
山田「全くですなぁ」
葉隠(健全かはしらんけど、少なくとも俺はやらんぞ……)
山田「しかしそれ以外は何も……!?」
山田「いや、あった! そういえばありましたぞ!」
葉隠「とりあえず言ってみるべ」
山田「昨日、ソニア・ネヴァーマインド殿の恐喝に対して『萌えました』などと返してしまったんですなあ」
花村「な、何だって!? 淑女の努力を認めないなんて紳士失格だよ!」
山田「返す言葉もありませんな……」
葉隠「よく分からんが、つまりソニアっちの国を敵に回したってことか?」
葉隠「なんか想像以上にヤバそうだべ」
山田「何か解決案はありませんかな?」
葉隠「分からん!」
山田「さいですか……」
花村「これは拉致されて夜な夜な看守に手解きを……」
山田「ほう……? 女のドS看守とは、中々にコアな趣味ですな」
花村「え、普通に男で想像してたよ」
山田「誰得! まさに誰得!」
葉隠「花村っちの守備範囲は周知の事実だべ」
葉隠「そうだなぁ、いっちょ占ってみるか」
葉隠「日頃のよしみで、5%オフで占ってやるべ」
山田「95,000円て……」
葉隠「……ほー、なるほどなるほど」
山田「まだ何も言っとらんですぞ」
葉隠「占いによると、寮の日向っちの部屋なら安全と出てるべ」
山田「三割で?」
葉隠「占いはそういうもんだべ」
花村「でも、予備学科の寮なら、確かに自分の部屋よりは安全かもしれないね」
山田「ダメ元で一回頼んでみますかな……」
葉隠「そういやリアルな話、日向っちって何で本科の校舎に入れるんだ?」
山田「さぁ……?」
今回はここまでです。
再び投下します。
辺古山「ポケモンとは、また懐かしいものを……」
九頭竜「苗木からいきなりゲーム機もらってよ……」
朝比奈「今度は最初のポケモンだけ育ててちゃダメだよー」
九頭竜「うるせー! 分かってるっつの」
朝比奈「だってもう最初にもらったポケモン二回進化したんでしょ? 昨日だけでどれだけやったの?」
九頭竜「そ、それは、んなこたどうでもいいだろ!」
辺古山「朝比奈、坊っちゃんは一つのことに打ち込めるお人なんだ」
九頭竜「大してフォローになってねーような気もするが……」
おや、ヤンチャムのようすが……?
九頭竜「お、進化だ」
朝比奈「パンダのポケモンなんだ! かわいー!」
辺古山(もふもふしていそうだ。触りたい……)
九頭竜「そうか? 男のくせにコロコロしたいけすかねえヤツだぜ」
朝比奈「えー?」チラッ
九頭竜「何で俺を見たんだてめぇ……?」
辺古山(このもふもふはどうなるんだ……?)
おめでとう、ヤンチャムはゴロンダに進化した!
辺古山「!?」
辺古山(な、何だこのいかついパンダは!?)
朝比奈「え!? ゴツい!? なにこれ!?」
九頭竜「おう、男前な面になったじゃねぇか!」
朝比奈「こんなのパンダじゃないよ! 辺古山ちゃんだってそう思うでしょ!?」
辺古山「……」
九頭竜「おい、どうしたペコ?」
辺古山(坊っちゃんもやがては、こうなるのだろうか……?)
辺古山(一瞬とはいかないまでも、半年後には成長して、……こうなる可能性が?)
辺古山(いや待て、何を考えている? 私は常に坊っちゃんの味方だ!)
辺古山「……貫禄だな」
朝比奈「え?」
九頭竜「だろ? やっぱペコはよく分かってんな!」
辺古山「貫禄と捉えよう、私は絶対に味方……」
九頭竜「お前な……。別に好きか嫌いかくらい無理しなくていいんだぞ?」
辺古山(しまった、途中から口に出ていたのか……)
辺古山(何やら意味は食い違っているようだが……)
九頭竜「……ペコ、こんなことがきっかけで触れるのもなんだが……」
九頭竜「言いたいことがあるなら言え。何もここだけの話じゃねぇ」
九頭竜「俺達なんざいつくたばるかも分からねぇ身なんだ」
九頭竜「俺は死ぬ気なんかさらさらねぇが、知らないままとか、誤解したまま終わりたくねぇんだよ」
辺古山(大神にも、昨日の放課後に似たようなことを言われたな……)
辺古山「それには従えません」
九頭竜「……久し振りに逆らったな」
辺古山「万が一に備えて、後腐れを無くすという考えは正しいのかもしれません」
辺古山「ですが、私の役目は坊っちゃんをその万が一のことからお守りすることです」
辺古山「それに従うことは、坊っちゃんを守れなかった場合に備えるということ」
辺古山「そんな可能性は、護衛として考慮してはならない。そう考えます」
九頭竜「……そうか」
九頭竜「お前の考えはわかった。もう隠し事どうこうはこれ以上何も言わねぇ」
九頭竜「でもよ、お前自分のことを今護衛っつったろ」
辺古山「はい」
九頭竜「俺はお前を主従関係で侍らせたいわけじゃねぇ」
九頭竜「実際の護衛中は仕方ねぇとしても、こういう時くらいは対等な関係でいねぇか?」
辺古山「……かしこまりました」
九頭竜「できれば敬語もやめてほしいんだがな……。まぁその辺は好きにしろ」
朝比奈「……」
九頭竜「てめーは何でポケモン図鑑見てんだ?」
朝比奈「何か黙ってた方が良さそうかなーって」
朝比奈「辺古山ちゃん、その紙袋どうしたの?」
辺古山「これか。今日の朝、日向からもらったものだ」
九頭竜「日向からだと? ……ちょっと見せてみろ」
朝比奈「え!? 人のプレゼント勝手に開けちゃうの?」
九頭竜「勝手にじゃねぇよ。別にいいよな、ペコ?」
辺古山「はい」
九頭竜「あいつ、昨日少し噂になったが、罪木に変なもん受け取らせて小泉にとっちめられたらしいからな」
ガサッ
九頭竜「この前は俺にシークレットブーツよこしてきやがったし、あいつのプレゼントには警戒した方が……」
ガサガサッ
九頭竜「」
辺古山「……エプロン? それともドレス? 両方を合わせたもののようですね」
朝比奈「……これって、その、メイド喫茶とかで着るあれ?」
九頭竜「主従関係云々の直後にこれとはな……。大したヤツだぜ、全く」
九頭竜「指の一本や二本で済むと思うなよ……?」
今回はここで一旦切ります。
投下していきます。
セレス「レイズですわ」
ソニア「!」
ソニア(この状況で更にレイズとは……非常にまずいことになりました)
ソニア(お互いのチップは3:7……ここでセレスさんに合わせて3枚賭けると、負けた場合にチップが無くなります)
左右田「ソニアさん、こんなところにいたんですか!」
ソニア(でも、勝てば逆転……! そして手札はQKA23のストレート……一回交換のみのルールでこれはかなり強いはず……)
左右田「ソニアさん、俺、ソニアさんに受け取って欲しいものがあるんです」
ソニア(……しかし、セレスさんは今回、わたしがチップ2倍の勝負に乗ったのを見た上で、更にチップを追加しています……)
左右田「……ソニアさーん? 聞いてますー?」
ソニア(余程の自信です。スリーカードでも中々やろうとは思わないのではないでしょうか……?)
左右田「……」
ソニア(……)チラッ
セレス「うふふふふ……」
ソニア(とても優雅に微笑んでいらっしゃいます。全く読めません……)
左右田「ソニアさん、お願いします。話を聞いてください」
ソニア(……)
左右田「ソーニーアーさーん!」
ソニア「ゴチャゴチャやかましいんだよこのギザっ歯があああ!」
左右田「わあああぁぁぁあああ!?」
ソニア「……」チラッ
セレス「お見事ですわ。非の打ち所がありません」
ソニア「ありがとうございます。昨日の放課後に受けた特訓の成果です」
左右田「昨日の夕方にいなかったのはそういう、……じゃなくてですね!」
セレス「これであなたはまた一歩王女に近付きましたね」
左右田「それは王女じゃなくて女王だろ! ソニアさんはそんな道に走っていいわけが……」
セレスソニア「「ガタガタほざくなこのチキンヘッドがあああ!」」
左右田「ひぎゃああああ!」
セレス「うふふ、泣いて喜んでいらっしゃいましたね」
ソニア「左右田さんの考えることは、今一つ理解できません……」
セレス「ここ一番の大詰めで横槍を入れてくるようなニワトリ頭など、理解できなくて当然でしょう」
セレス「そんなことより、どうします? 乗るか降りるか、お好きになさってください」
ソニア「……乗ります。残りのチップを全て賭けます」
セレス「うふふ、それでこそですわ」
ソニア「わたしはQKA23のストレートです」
セレス「あら、お強い役ですね。わたくしの手札はこちらです」
ソニア(56789……数字が並んでいますね)
ソニア(……クローバーを揃えながら)
ソニア「ストレートフラッシュですか……わたしの負けです」
セレス「うふふふふ、では約束通り……」
ソニア「負けたチップの枚数だけ、相手の言うことを聞く、でしたね」
セレス「ただし、わたくしが圧倒的に有利なので、わたくしが勝った場合は何枚勝とうが一つだけですが」
ソニア(一体どのような要求をなされるのでしょう……?)
セレス「そうですね……。あなたには、これから一生わたくしの奴隷になっていただきましょう」
ソニア「い、一生ですか?」
セレス「はい。厳密にはわたくしが解放するまでです。それがわたくしのたった一つの願いです」
セレス「昨日までの下僕はトラッシュルーム行きが決定したところでしたので、丁度よいところでした」
ソニア「なんということでしょう! こんな反則が飛び出すとは予想していませんでした!」
セレス「反則ではありません。あくまでも一つですから」
セレス「それでは命令に従っていただきましょうか。奴隷のソニアさん」
ソニア「この借りは倍にして返します! 倍返しです!」
セレス「あらあら。楽しみにお待ちしています」
セレス「まず、先程の威厳を込めた一喝を、完全にマスターしてもらいましょう」
セレス「あのチキン相手のみでは、まだ完全に習得したとは言い切れませんから」
ソニア「……?」
セレス「当然、それでまだ未熟と見えるなら、昨日の夕方のようにスパルタに教育いたします」
セレス「それと、今日以降もわたくしのポーカーに付き合っていただきます」
ソニア「……あの、それは果たして命令……」
セレス「奴隷のあなたに物申す権利はありません。はいかイエスでお答えください」
ソニア「イエス」
セレス「よろしい。では最後に……」
セレス「あなたはわたくしの奴隷なので、奴隷である間は勝手に目の前から消えることは許しません」
セレス「貴重な労働力が通告もなしにいなくなっては困ります」
ソニア(それはつまり……)
セレス「返事をなさい。奴隷のソニアさん」
ソニア「……はい、わたしは絶対に、セレスさんに何の言葉もなくこの学園から去ったりはしません」
セレス「よろしい。これであなたは晴れてわたくしの奴隷となりました」
セレス「では改めて恐か……一喝からですね」
ソニア「もう一度、苗木さんでしょうか?」
セレス「彼はああ見えて肝が据わっています。あなたにはまだ早いでしょう」
セレス「小耳に挟んだのですが、最近この校舎に幸運すらお持ちでないボンクラが出入りしているそうですね」
ソニア「ぼんくら、ですか」
セレス「はい。実力は未知数ですが、そんな凡愚も従えられないようでは王女など到底名乗れません」
セレス「なので、まずはその凡人から探すことにしましょう」
ソニア「ガッテン承知の助です!」
??「少々、お時間よろしいでしょうか」
腐川「え……? わ、わたしに何か用……?」
??「私、鷹永 矛断と申します。今後お見知りおきを」
腐川「た、鷹永……?」
腐川「……」
腐川「ふ、ふん! だ、騙そうったってそうはいかないわよ! あんた田中でしょ!?」
腐川「あの偽物から変装を教えてもらったわけね!」
??「いいえ、私は田中ではありません」
腐川「なんなのよ、その再翻訳したみたいな日本語は!? そ、そんなので騙されるわけないじゃない!」
??「そこまでおっしゃられるなら根拠を示していただきましょう」
腐川「あ、あんた、昨日苗木からもらったミサンガしてるじゃない!」
??「このミサンガは、確かに超高校級の飼育委員である田中眼蛇夢様のものと同じもののようですね」
腐川「し、しらを切ろうったって無駄よ!」
田中「騒がしいメス猫め……。破壊神暗黒四天王の眠りを妨げるとは、命知らずも甚だしい」
腐川「あ、あんたは黙って……え?」
腐川「あ、あんたじゃないの……?」
田中「貴様が何を思ったかは知る術もないが、分身を生み出す秘術は最大の禁忌だ。この俺様と言えどおいそれと実行はできん」
??「クローン問題は、人類が向き合うべき永遠の課題といえるでしょう」
腐川「そ、そうじゃないでしょ!? じゃああんたは誰なのよ!?」
??「私は鷹永 矛断と申します」
腐川「その片言の言葉はどうにかならないわけ……?」
腐川(田中も右腕にミサンガを着けてる……。本当にただの偶然……?)
腐川「まあいいけど……。け、結局、何かわたしに用でもあるの……?」
??「用は特にありません。今日からここに通うことになりましたので自己紹介に回っているところです」
腐川「……それだけ? わ、わたしに用事とかないの?」
??「ないものはございません。以後お見知りおきを」
スタスタ
腐川「……わたし、名乗ってすらないんだけど」
??「以後お見知りおきを」
十神「……」
田中「どうした贄眼鏡よ」
十神「黙れ。先ほどの腐川との話は聞いていた」
十神「……今日は珍しくあの詐欺師が欠席らしいな?」
十神「お前には、どこに行ったか心当たりがあるんじゃないのか?」
??「いいえ、そのようなことは決してございません」
田中「この男を、奴が幻影を纏った姿だと疑うか……」
田中「奴がこの男のような幻影を身に纏うには、その身に課せられた呪いを身体より取り除かなければならない」
田中「俺様の見込みでは、少なく見積もろうとも一月は要すると見るが……?」
十神「こいつは一体何を言っている?」
??「私は彼よりもやせています。この体型になるには一ヶ月は必要でしょう」
十神「そんなものいくらでもごまかしが利くだろう」
十神「あいつは普段からきつめの服で横幅を強調している。他の変装をしている時に体型の違いを根拠にするためだろうな」
十神「体の管理を怠った肥満体型であることは間違いない。だが、実際のあいつは俺たちの想像よりはやせているはずだ」
??「……違うとだけ、申しておきます」
十神「ふん、どうだかな」
十神「昨日、苗木が日向に変装に使えそうな衣装を手渡していたな」
??「私にそれを教えて、どうするつもりですか?」
十神「さあな。これを活かすも殺すもお前次第というだけだ」
スタスタ
田中「……」
??「……」
田中?「あー、危なかった。やっぱり十神くんは鋭いなぁ」
田中?「服選びで細工してるなんて、普通気付かないよ」
??「だが、あと一歩及ばずといったところか。だから奴は贄眼鏡なのだ」
??「さすがは幻影術の使い手よ。俺様を疑う人間は少なからずいたが、貴様を疑う人間は今のところ存在していない」
田中?「皆の意識が鷹永にしか向いてなかったからね。特に腐川さんと苗木くんに使ったミサンガはかなり効果的だったと思うよ」
田中?「怪しいもので引き寄せて、その裏にタネを隠す。手品でよく使われる手法だね」
田中?「アゴ周りをストールで違和感なく隠せるから、田中くんの変装ならできるかもしれないって前から思ってたんだよ」
??「これにより、俺様と鷹永が独立した存在として認知される……」
??「完璧だ、完璧すぎる……」
田中?「ところで、十神くんが今、興味深いことを言っていたね」
??「行くのか? 特異点を探しに……」
田中「もちろんだよ」
澪田あたりは直感で豚神を見つけそうだがどうなんだろうね
今回はここまでです。
今更ですが、>>268で貼り付けをミスしていました。
すみません。
>>290
どうでしょう……?
何とも言えませんが、そのレベルの直感なら普通の豚神の時点で違和感を持つのではないかと
不二咲「おはよう、千秋ちゃん」
七海『zzz……』
不二咲「千秋ちゃん起きてよぉ」
七海『ねみぃー……』
不二咲「多分錯覚だと思うよぉ」
不二咲「千秋ちゃん、どこにも不具合はない?」
七海『……』
七海『異常はない、……と思うよ?』
不二咲「大丈夫かなぁ……?」カタカタ
七海『むー、わたしのことって信用できない?』
不二咲「信用してほしいならとりあえず断言してくれるとうれしいなぁ」
不二咲「……うん、ハッキングやウイルスの痕跡もないね」
不二咲「……千秋ちゃん、一つ頼みがあるんだ」
不二咲「77期生の出欠表って見ても大丈夫?」
七海『うん、今日の出欠表だね』
不二咲「……」
不二咲(今日は、……出席になってる)
七海『急にどうしたの?』
不二咲「西園寺さんが欠席してないか気になったんだ」
七海『確か、昨日は三限以降は欠席してた、……と思うよ』
不二咲「うん。だから気になってたんだ」
不二咲「……もしかしたら、僕のせいかもしれないし」
七海『何かあったの?』
不二咲「……ごめんね。それすらわからないんだ」
不二咲(あれから西園寺さんは見かけないし、小泉さんからも何も聞いてない……)
不二咲(結局、何が原因だったんだろう……?)
ガラッ
石丸「おはよう、七海君!」
七海『おはよー』
不二咲「どうしたの、石丸くん?」
石丸「朝比奈君からの通報だ!」
石丸「日向君がエプロンドレスという不埒な衣装を女子生徒に手渡した疑いがある! 至急生徒会室へ呼び出してくれたまえ!」
不二咲「日向くん、ほんとに何やってるのぉ……?」
罪木「ひゃああぁぁ! 転んでしまいましたあぁぁぁ」
西園寺「……」ジーッ
罪木「……? あ、あの、西園寺さん?」
西園寺「小泉おねぇにカメラもらったんだー」ジーッ
罪木「や、やめてくださぁい! 何でもしますからぁ!」
西園寺「何でもいいんだー? だったら写真撮るから大人しくしてろよー?」
罪木「ひゃああぁぁぁ!?」
小泉「こら、日寄子ちゃん。写真はそういう使い方をするものじゃないでしょ?」
西園寺「えー、つまんないのー」
小泉「せっかくカメラあげたんだから、もっと人に見せられるもの撮らなきゃ……」
罪木「ごめんなさい、人に見せられない存在でごめんなさい……」
小泉「いやそうじゃなくて……」
小泉「ほら、蜜柑ちゃん、大丈夫?」
罪木「うゆぅ、……ありがとうございますぅ」
小泉「いいって、お礼なんか」
罪木「で、でも、せっかくわたしなんかを助けてもらったのに……」
罪木「お金は、……今98円しか持ってないんです……」
西園寺「それ本気ー? お前みたいなきったないブタを助けてあげたのに諭吉の一枚も用意できないとか舐めてるのー?」
罪木「ごめんなさぁい! 明日には絶対に用意しますからぁ!」
小泉「分かった。分かったから。ちゃんとしたお礼考えるから落ち着いて」
小泉(お礼って、される側が悩むものだっけ……?)
小泉「うーん、……じゃあ、やっぱりこれかな」
罪木「は、はいぃ! 何でも言ってくださぁい!」
小泉「はい、チーズ。ってね」
罪木「ふぇ!? あの一体どうすれば」カシャッ
小泉「……うん、いい表情撮れました」
罪木「あの、本当にそれだけでいいんですか?」
西園寺「しょせんゲロブタなんだからマタタビまみれにして田中おにぃの猫だまりに放り込んでやればいいのにねー」
小泉「もう、……そんな写真よりもっと撮るべきものだってあるでしょ?」
小泉「例えば、……弐大ぃー、ちょっと来てー」
弐大「応! ワシの出番じゃな?」
小泉「アタシの代わりに写真撮ってくれない?」
弐大「ワシに任せとけぃ! だーっはっは!」
小泉「日寄子ちゃん、そのカメラで撮ろ?」
西園寺「えー、別にいいけど普通に撮るだけじゃつまんないよー」
小泉「普通の写真でいいの。賞をとりたい訳じゃないんだから」
小泉「ほら、蜜柑ちゃんも」
罪木「ふぇ!? わ、わたしもですかぁ!?」
小泉「どうしても嫌なら仕方ないけど……」
罪木「そ、そんなことありません! ありがとうございますぅ!」
罪木「えと、その、そういう写真を撮るのは初めてなので驚いて……」
罪木「服を脱がされた後なら」
小泉「ごめん、ちょっと今はそういう話はナシで」
罪木「ご、ごめんなさぁい!」
西園寺「……」
小泉(結局、日寄子ちゃんからはほとんど何も聞き出せなかった)
小泉(もう平気だから、の一点張りで、アタシにも何も話してくれなかった)
小泉「日寄子ちゃんが机に座ればちょうどいいくらいかな? それでアタシら二人が両脇に立って……」
罪木「こ、この辺りでしょうかぁ……?」
小泉(でも、いつか絶対に話すと約束してくれた)
弐大「もっと近くに寄らんかあああい!」
罪木「ひゃああぁぁぁ! ごめんなさぁい!」
西園寺「ゲロブタがわたしの腰掛けになればちょうどいいんじゃないのー?」
小泉「だからそういう写真じゃないの」
小泉(アタシも、その時は出来る限りのことを何でもすると約束した)
小泉「……大体このくらい?」
弐大「応! スタンダード故の穴のない配置じゃな!」
小泉(その約束を、今はどうでもいいかもしれないこの写真の入ったカメラと一緒に覚えていて欲しいから)
弐大「では撮るぞ!」
罪木「は、はいぃ!」
弐大「1足す1は何じゃー!」
小泉罪木西園寺「にー」
弐大「声が小さいんじゃああああああ!」
罪木「ひゃああぁぁぁ!?」
西園寺「うわあああん! 弐大おにぃが意味わかんないところで怒ったあああ!」
小泉「ちょっとアンタねぇ! 普通に撮ればいいのよ普通に!」
弐大「応! 承知したぜよ!」カシャッ
小泉「……」
西園寺「皆すっごい顔してるねー」プークスクス
弐大「だぁーっはっは! 我ながら完璧な一枚じゃ!」
罪木「うゆぅ……。こんなはしたない顔で写ってごめんなさぁい……」
小泉「……うん、まぁ、いいや」
小泉(こんな写真みたら嫌でも思い出すでしょ……)
ピンポンパンポーン
七海『日向創くん、日向創くん。至急生徒会室に来てください。繰り返します』
小泉「……あのバカ、全然懲りてなかったわけ?」
西園寺「日向おにぃお説教受けるんだー? あはは! あのマヌケ面も写真とっちゃおーっと!」
今回はここまでです。
おそらく次かそのまた次あたりで完結します。
投下します。
今回が最後のコンマ判定です。
学園長室前
霧切「……」
日向「……何で婚姻届なんか持ってるんだ?」
霧切「これを学園長に突きつけるためよ」
日向「」
日向(配偶者の書かれてない婚姻届を渡すって、……つまりそういうことだよな? ……本気なのか?)
霧切「ただ。その前にあなたに聞いておきたいことがあるわ」
日向「ん、お、おう……」
霧切「あなた、どうして」
ピンポンパンポーン
七海『日向創くん、日向創くん、至急生徒会室へ来てください。繰り返します』
日向「……悪い、ちょっと行ってくる」
スタスタ
霧切「……」
霧切(彼が本科の校舎に出入りできる理由……)
霧切(たった今学園長室から出てきたということは、学園が彼を特例として認めている……)
霧切(……最近、希望ヶ峰学園で噂になっている、真偽不明のプロジェクトがあったはず)
霧切(確か、あらゆる才能を人為的に備え付けた人間を作りだす、カムクライヅルプロジェクトだったかしら)
霧切(もしその噂が本当なら、最も一般人に近いと推測される超高校級の幸運が実験台に選ばれる可能性が高いと踏んでいたけれど……)
霧切(……ここには、完全な一般人も少なからずいた)
霧切「……ここを開けるのは、日向くんを問い詰めた後ね」サッ
霧切(もし、この噂が本当で、私の推測も間違っていないなら……)
霧切(もし、予備学科生を資金調達や実験台にするためのリソースとしか思っていないのなら……)
霧切「……」
生徒会室前
日向「……」
日向(カムクライヅルプロジェクト……)
日向(それを実行すれば、俺にも才能が手に入る)
日向(でも、脳に直接干渉するから、どんな副作用が起きるかも未知数……)
日向(そんなの、いくら何でも怖すぎるだろ……)
日向(……でも、これで、何か変わるんじゃないのか?)
日向(普通の学校と何ら変わらない生活しか無かった今までとは、確実に変わるはずだ)
日向(今日まで見てきた本科の皆と、これでようやく対等になれるかもしれない……)
ガラッ
日向(……どうすれば)
澪田「イヤッホオオオウ! ハジメちゃんウェルカーム!」
日向「!?」
澪田「ビッグニュースっすよ、ハジメちゃん! 超が3つくらい並ぶビッグニュースっすよ!」
日向「あ、ああ。そうなのか。それももちろん気になるけどさ……」
日向「……ここって、生徒会室だよな?」
田中?「ついに地獄の門を開いたようだな。もう後戻りはできんぞ?」
ソニア「……」ニコッ
セレス「うふふふふ……」
九頭竜「……」ギロッ
朝比奈「ちょっと、顔が怖いよ……」
石丸「……」ズゾゾゾゾ
小泉「石丸、もうラーメン食べるのやめなさいって」
西園寺「……」ジーッ
日向「何か、ずいぶん賑やかだな……」
日向(シャッターチャンス狙ってるやつもいるし……)
??「ようこそお越しくださいました。一同、あなた様を心待ちにしておりました」
日向「えっと、誰だ?」
田中?「こやつは鷹永 矛断。俺様と対をなす存在、人呼んで侵略せし炎の帝王だ」
鷹永「以後お見知りおきを」
日向「お、おう……。よろしく」
日向(田中と波長が合うタイプってことか……)
九頭竜「自己紹介は済んだか……?」
日向「ど、どうした……?」
石丸「ご馳走様でした! 日向君、待たせてすまない! 本題に入ろう!」
九頭竜「このエプロンに見覚えはあるよな?」
セレス「あら、趣味のよろしいドレスですこと」
日向「なっ!? 何でお前が持ってるんだよ!?」
小泉「問題はそこじゃないでしょ? あんた、昨日の今日でなんでそういうことができるの?」
朝比奈「なんかもう、逆に感心しちゃうよ……」
西園寺「奴隷仲間が欲しかったんじゃないのー?」プークスクス
九頭竜「奴隷……だと?」
日向「落ち着け! そういう意図じゃないんだよ!」
石丸「そうだ! 焦って本質を見誤ってはいけない! まずは弁明を聞こうではないか!」
日向「ああ、そうしてくれると助かる」
田中?「仮に貴様に同情の余地はないと判断された場合は、破壊神暗黒四天王の生け贄となる。腹をくくることだな」
西園寺「日向おにぃなんか食べておなかこわさないのー?」
石丸「ハムスターは雑食だ! その気になれば肉を食べることもあるだろう!」
??「同じケージに飢餓状態のハムスターを複数放置した場合、共食いが起きることもしばしばあります」
朝比奈「え!? と、共食いって……」
セレス「何と野蛮な……。そのような生々しい光景を目の当たりにするのはいただけません。ここは高貴に火炙りに処しましょう」
澪田「ヒャッハー! ハジメちゃんは消毒だー!」
日向(どこから突っ込めばいいんだ……?)
小泉「はぁ、別に日向が極刑なのはもう異論ないけどさ……」
日向(ないの……? マジで?)
九頭竜「御託なんざいらねーんだよ! 事情があるのかねーのかはっきりしやがれ!」
日向「あ、ああ。そうだったな……。えっと、何から話せばいいのか……」
ソニア「さっさと要点だけ話せやこのヘタレアンテナがあああ!」
日向「」
小泉「」
朝比奈「」
ソニア「……」チラッ
セレス「これは恐慌というよりは、俗に言うドン引きですね。とても成功とは言えません」
ソニア「そう、ですか……」
セレス「今日の放課後も特訓ですね」
澪田「シャウトの特訓っすか? ウッキャー! 唯吹もご一緒するっす!」
九頭竜「恐喝の方法なら後でいくらでも教えてやるからよ。だから早く本題に入れや……」
小泉「そもそも、ソニアちゃんに恐喝なんて必要なの?」
石丸「恐喝は立派な犯罪だ! それを広める行為など、僕は認めないぞ!」
九頭竜「……おい日向、一旦外へ出るぞ」
日向「そうだな……」
ガラッ
霧切「日向くん、話があるのだけれど」ピシャッ
日向(さっきの「聞いておきたいこと」ってやつか……)
九頭竜「いつになったらこいつをシメれんだ、あぁ!?」
霧切「シメられるのは困るわ。まだ日向くんから返事をもらっていないのよ」
小泉「返事……?」
霧切「行きましょう、日向くん」
日向「行くって、どこにだ?」
霧切「とてもではないけれど、こんな大勢のいるところで話せる内容ではないのよ」
田中?「……貴様らの間で深淵なる契りが交わされようとしている。……そういうことだな?」
朝比奈「それってつまり……告白!?」
日向「は!?」
石丸「不純だ! 霧切君、君はそんな生徒ではなかったはずだぞ!?」
霧切「……そうじゃないの。そんなことよりもっと重要な話よ」
西園寺「ふーん。だから右手にそんなの持ってるんだー?」
霧切「え?」
ソニア「何と! それはジャパニーズ・婚姻届ではありませんか!」
セレス「学校にそのようなものを持ち込むとは、随分と大胆なお方ですこと」
小泉「え……は? 二人とも今、高校生でしょ?」
霧切「待って! これは違うの! これは正式なものじゃないから法的効力を持っていなくて……」
日向「どう考えても問題点そこじゃないだろ!?」
九頭竜「やるじゃねぇか、日向……。ペコにこんなもん渡す傍ら、女を口説いてプロポーズかよ」
日向(ヤバい……。逃げないと何の比喩でもなく殺される……!)
日向「悪い、霧切! それの説明はお前に任せる!」
霧切「待ちなさ……」
ガラッ
山田「日向創殿がいると聞いて」
日向「うぉっ!?」
九頭竜「今度は何だよ……」
セレス「……」
日向「……もういいよ。何だよ? 山田」
山田「えーと、……ここでは何ですので、少し場所を写したいのですな」
日向「」
朝比奈「……え? あれ?」
ソニア「まさか、この流れは……?」
山田「ここでその話をするのは、僕としては非常によろしくないのですなぁ」
??「先ほどと、全く同じ流れですね」
澪田「人には秘密の関係が始まったあああ!」
西園寺「はああああ!? 何それキモ!」
日向「それに賛成だ!」
小泉「ちょ、ちょっと、さすがにこれは……」
霧切「日向くんには、同情の念を禁じ得ないわ……」
石丸「……この場合は、風紀に反するのかね?」
田中?「物事の本質を見られぬ愚か者よ……。だが、特異点の終焉すら見えるこの光景の前では、本質など霞に閉ざされてしまう可能性もまた然りと言ったところか……」
セレス「……まさかこれほどまでに醜悪な存在だとは、予想の斜め下もいいところですわ。同じ空気を吸っていることに不快感を隠せません」
西園寺「こいつこそハムスターのエサで丁度いいんじゃないのー?」
??「ハムスターは脂を好みません」
山田「今までの人生の中でもトップクラスの罵倒の嵐ですなぁ……」
山田「非難を浴びるのは重々承知! しかし僕にはこれしか生きる術がないのです! 彼なしでは生きられないのですぞ!」
セレス「磨り潰すぞこの産業廃棄物があああ!」
九頭竜「……おい日向、もう俺にはてめぇの考えが理解できねぇ……って、あいつ、消えた?」
朝比奈「あー! いつの間にか逃げてる!」
西園寺「まだ写真撮ってないよー!」
??「まだ私達の目標は達成されておりません」
田中?「左様。まさかこのような衣装を幻影術の媒体に用いるなどとのたまう人間はおるまい」
セレス「今日の特訓の目標として、彼を私の部屋に確保しておく必要があります」
ソニア「了解です。正義のために日向さんを正式に拉致させていただきます!」
山田「まだだ、まだ終わらんよ……!」
霧切「わたしとしても、このまま彼を野放しにはしておけない……」
霧切「石丸くん、この局面は彼女の協力が必要よ」
石丸「承知した! 諸君! これより日向君捕獲作戦を決行する!」
澪田「イヤッホオオオウ! よくわかんねっすけど学校全部使って鬼ごっこっすねー!」
体育館
日向「ゼェ、ゼェ……」
日向「ここまで来たらひとまずは安心……」
狛枝「それは違うよ」
日向「!?」
日向「お、お前、いつからそこに!?」
狛枝「最初からだよ。何となく散歩してたら日向くんがここに飛び込んできたってだけだよ」
狛枝「……正直、できれば会いたくなかったんだけどね」
狛枝「苗木くんの希望を、あんな形で不意にした君の顔なんて、見たくも無かった」
日向「あ、あれは仕方がなかったんだ! あれでも昨日引いたものの中ではマシな方だったんだよ!」
狛枝「……原子炉が?」
日向「……」
狛枝「はぁ……。今朝その話を苗木くんから聞いて、はっきり言って失望したよ」
日向「だろうな……」
狛枝「それで? 誰かに追われてるんじゃないの? 5人もいればここの出入り口なんか全部固められちゃうよ?」
日向「ああ、今10人くらいからいっぺんに迫られてるんだ。しかも半分以上心当たりがない……」
狛枝「それはまた絶望的な状況だね……。ここは一つ、縁でも担いだ方がいいかもしれないね」
日向「お前の縁担ぎって、……嫌な予感がする」
狛枝「思ったより失礼なことを言うんだね」
狛枝「やり方は簡単だよ。今からやる数当てゲームに日向くんが勝ったら、無事逃げ切れる。でも負けた場合は……」
日向「それ、縁担ぎになってなくないか……?」
狛枝「細かいことは気にしなくていいよ」
狛枝「当てる数は……これの本当の値段だよ」
日向(剣風飛蝶・舞園鞘花……昨日言ってたプレミアものか……)
狛枝「昨日鑑定してもらったら、驚きの結果が出たんだ」
狛枝「プラスマイナス十万円以内で、日向くんの勝ち、それより遠ければ負けだ」
狛枝「……さぁ、日向くん。僕と勝負してくれるよね?」
コンマ判定安価下二つ目
(
張り付けミスです。すみません
コンマ判定安価下二つ目
(
何だかうまく張れません……
コンマ判定安価下二つ目
コンマの数に一万を掛けた値段をそのまま日向が答えます。
正解の金額は設定してありますが、少なくとも50以下では確実に負けます。
成功の範囲は>>301のHNに書かせてもらいました。
コンマ判定は、最初で最後の失敗です。
日向「……95万円」
狛枝「正解は80万円だよ。誤差はプラス15万円だね」
日向「……つまり、俺の負け」
ガチャッ ガチャッ ガチャッ
日向「!?」
朝比奈「扉の鍵、閉めたよー」
石丸「日向君! 観念したまえ!」
日向「ちょっと待て! もう見つかったのか!?」
霧切「見つかったというより、最初から『彼女』はあなたを見失ってなんていなかったわ」
日向「何者なんだよそいつ……!?」
狛枝「……残念だけど、ここまでみたいだね」
狛枝「君は希望のための、尊い犠牲となるんだ」
日向「……それって、つまり?」
七海『ゲームオーバー、……だと思うよ?』
澪田「ヒアウィー、ゴー!!」
九頭竜「覚悟しやがれ、このクソヤローがあああ!」
田中・鷹永「「インフィニティ・アンリミテッド・フレイム!」」
日向「嫌だああああああ!」
ヒナタクンがクロに決まりました。
オシオキを開始します。
終里「苗木、そっち終わったか?」
苗木「うん。そろそろ次行こう」
大和田「これであと4箇所か……」
終里「腹へったぜ……」
苗木「終わったら食堂で何か食べようか?」
大和田「おう、それいいな! おい終里! 今度こそオメーとの大食いに決着をつけてやるぜ!」
終里「決着も何も、いつも俺が勝ってるじゃねーか」
大和田「うるせー! だったらリベンジマッチでも何でも構わねえ! 今度はぜってーに勝つからな!」
終里「よくわかんねーけど、バトりてーならいつだって受けて立つぜ!」
大和田「言ったな、テメェ! おい苗木、審判頼むぜ!」
苗木「いつものだね。うん、いいよ」
苗木(こんな風に、罰則の割には和気藹々と掃除は進んでいく……)
苗木(……ただ一人、彼を除けば)
日向「……」
終里「そういや、何でお前も掃除してんだ?」
日向「色々、あったんだよ……」
苗木「つらかったね、日向くん……」
大和田「俺には分かるぜ……。お前の眼は、死線を越えた眼をしてやがる」
日向「越えたというか、ブッチぎったというか……」
終里「マジか、そんなにつえぇやつとバトったのか!?」
苗木「終里さん、今はそっとしておいてあげよう……」
日向「……」
日時不明 食堂
桑田「何の冗談だよ……。人を殺さなきゃ出られないとか……」
葉隠「気にしすぎだべ。あれは学園のドッキリに決まってるべ」
江ノ島「ドッキリにしては悪趣味すぎない? 何なのあのヌイグルミ」
腐川「お、おしまいよ! わたしたちは皆、ここで死ぬのよぉ!」
不二咲「え!? 死……!?」
十神「黙れ、騒々しい。愚痴をこぼせば事態が動くのか?」
大神「言い方はともあれ、確かに状況の全貌も真偽も把握できぬまま、闇雲に行動するのは悪手だな……」
舞園「ここで助けを待つしかないのでしょうか……?」
モノクマ「超高校級の幸運である苗木くんのシャワールームの扉だけ立て付けが悪いなんてねー。うぷぷぷぷぷ」
苗木「う、うるさい!」
モノクマ「ボクはそれを伝えに来ただけだよ。それじゃ、またねー!」
苗木「待て、モノクマ!」
モノクマ「待たねー!」
苗木「待て!」
モノクマ「もぅ、ワガママだなぁ。用事があるなら早く言ってよね」
苗木「……僕の左手首についてるこれだけどさ」
モノクマ「ぎ、ギクぅッ!」
苗木「この銀のブレスレット、この学園に入るまではつけてなかったんだよね」
モノクマ「か、勘違いじゃないの?」
苗木「間違いないよ。何となく見覚えはあるような気もするけど、絶対に身につけてはなかった」
モノクマ「……あーあ」
モノクマ「ごめんよ、苗木くん。君のそのブレスレットだけは、どうしても外せなかったんだ」
苗木「外せなかった?」
モノクマ「サイズ間違えたんじゃないの? ってくらいキツキツなんだよ」
モノクマ「君だって開幕から左手首を脱臼してる、ベリーハードモードなんてイヤでしょ?」
苗木「……意味が分からないよ」
モノクマ「とにかく! 君は金属アレルギーでもないからそのブレスレットで弊害を受けることはありません!」
モノクマ「ボクから言えるのはそれだけだよ!」
苗木「……」
苗木(このブレスレットは、モノクマが用意したものじゃない……)
苗木(そんな気はしていた)
苗木(……このブレスレットは大切にしなきゃいけない。そんな気がする)
苗木(どうして、誰のために大切にするのかは分からないけど……)
苗木(……誰のために?)
おわり
最終結果
霧切の氏名判入り婚姻届(ガチャガチャ)
↓
水晶のドクロ(霧切)
↓
キルリアンカメラ(澪田)
↓
アンティークドール(小泉)
↓
携帯ゲーム機(山田)
↓
無限タンポポ(九頭竜)
↓
永遠のミサンガ(舞園)
↓
剣風飛蝶・舞園鞘花(田中)
↓
ボージョボー人形(狛枝)
↓
最速カップラーメン(左右田)
↓
エプロンドレス(石丸)
↓
小型縮退炉(日向)
↓
こまるのブレスレット(こまる)
くぅー疲
どのくらいの方に最後まで読んでもらえたのかは分かりませんが、ここまで付き合ってくださり、ありがとうございました。
書き始める前にやり方を深く考えていなかったことは深く反省しています。すみません。
ただ、コンマ安価は書いている自分としても楽しめましたので、次に書く時も安価形式でいきたいと考えています。
とりあえず考えている話は、
ただの日常
日向以外でハーレム系
TRPG的なもの
シリアス系の原作IF
をスパダン中心にして考えています。実際に書くかどうかも全く決まっていませんが。
最後にもう一度言わせてもらいます。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
ダンガンロンパでわらしべ長者は、これで終了です。
乙。おもしろかったです。
田中と鷹永?の仲めっちゃいいなw
日向くんが逃げられた場合どのようなENDになってましたかね。
日向以外って誰かいるの?
このSSまとめへのコメント
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