三船美優「アイドルを始めて」 (36)

思いつきで立てました。
完結はさせるつもりです。

・キャラ崩壊がある恐れがあります。
・百合成分を入れる予定です。苦手な方は戻る推奨です。

ちまちま書いていきます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1381817362

美優(私に何かが足りない気がしてしまった…)

美優(なんていうのかしら…。私らしいものが見つからない)

美優(このままじゃいけない…そんな気がしてきた)

美優(でも、どうしたら良いの?)

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美優「はァ…」

ちひろ「どうしたんですか?ため息なんてついて」

美優「あ…いえ。少し考え事を…」

ちひろ「考え事…ですか?無理に一人で抱え込まないでくださいね。私で良かったら話しを聞きますよ?」

美優「大丈夫です。その…ありがとうございます…」

ちひろ「いつでも言ってくださいね。事務員ですけど、今はまだ仕事が少ないんで暇ですから」

美優「はい…」

美優(大丈夫なのかしら…色々と)

P「只今帰りましたー」ガチャ

ちひろ「あ、お帰りなさい」

美優「Pさん…お帰りなさい」

P「あァ、三船さんいたんですか。レッスン終わったんですね」

美優「はい…」

P「? 元気が無いですね?あ、もしかして…」

P「最近三船さんの仕事を取ってこれない俺のせいですか…?だとしたらすみません…」

美優「そ、そんなことないです!!Pさんはしっかりやってますから…!」アタフタ

ちひろ「…その様子だともしかしてまたですか?」

P「はい…。三船さんよりも他の子のほうが良いと言う所ばかりで…」

P「そこをどうにか!と頼んでみても聞く耳を持ってくれないんです…」

美優「…」

ちひろ「そんな、それって酷くないですか?」

P「ですよね!!だから明日もう一度行ってきます!!」

美優「プ、Pさん。良いんです。仕方ないですよ」

P「仕方ないって…でも!」

美優「分かってますから。私自身。私なんかより他の子の方が可愛くて人気で…」

美優「輝いていますから…」

P「三船さん…」

美優「…それじゃ、私はそろそろ帰りますね」スタスタ

P「ちょっと待ってくださ…美優「失礼します」ガチャ

P「…」

ちひろ「…Pさん。すみません。私が聞いたばかりに」

P「良いんです。多分、三船さんが事務所にいた理由は仕事の事でだと思うんで」

ちひろ「何でそう思うんですか?」

P「最近ホワイトボードを見つめてため息をついてる様子を見たので」

ちひろ「そうなんですか…。三船さん、最初の時はそこそこ仕事があったのに…」

P「事務所に人が増えてくのと比例して仕事が減っていってしまった…。完全に俺のせいです…」

ちひろ「そんな…!Pさんじゃなくって三船さんの魅力を分からない人達が…!!」

P「ちひろさん。それは言ってはいけません」

ちひろ「…すみません」

P「…でも、本当の所はそれな気がするんですけどね…」ボソッ

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美優(やっぱりホームは沢山人がいる…。慣れないわ…)

美優(…やっぱり今日も)

美優(…あ。あそこの広告、凛ちゃんだわ。あそこには仁奈ちゃんのCD発売のポスター…)

美優(…私も彼女達と同じアイドルなのに…)

美優(同じなのに、本物がこんな人ごみの中にいるのに)

美優(みんなポスターの…動かない彼女達に眼を奪われてる)

美優(私は…?確かに人付き合いは苦手だから声をかけられたら嫌だけど…)

美優(みんな、気付いてよ。私の事。誰か私を分かってくれる人がいるんでしょ…?)

美優(だってこんなに人がいるんだから。一人くらい)

美優(一人…くらい…)

エ-マモナクホームにデンシャガキマス。キケンデスノデオサガリクダサイ

美優(…)


翌日

美優「…おはようございます」ガチャ

美優(昨日はあまり眠れなかった…)

P「三船さん!!」ドタドタ

美優「!?」ビクッ

P「ニュースです!!ビックニュースですよ!!」

美優「…え?」

P「仕事!!仕事です!!しかも…!!」

P「テレビですよ!!テレビ!!」

美優「……え?」

ちひろ「やりましたね!!三船さん!!」

美優「え?…え?」

美優(もしかして…あまり眠れなかったんじゃなくてまだ眠ってるのかしら?)

美優「…」ギュッ

P「三船さん!?何ほっぺをつねって!?」

美優「…痛いですね」

P「当たり前ですよ!だって」

P「夢じゃないんですから!!」

美優「!!」

美優「…ありがとう…ございます」

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P「…」

ちひろ「三船さん、レッスンに行きましたよ。なんだか元気になったみたいで良かったです」

ちひろ「…ってPさん?何難しい顔しているんですか?」

P「いや、実はですね。今回の仕事って条件があったんです」

ちひろ「条件?」

P「はい。三船さんを出す代わりに他の子も一緒に出させろって。ギャラは一人分なんですが」

ちひろ「え?」

P「抱き合わせなら…出演を認めるって」

ちひろ「ちょ…!そんな条件でOKを出したんですか!?」

P「いや、だから俺も一つ約束をしたんです!」

P「今回の仕事が三船さんのお陰で成功したらこれからは三船さんの仕事を取ってほしいって」

ちひろ「…あっちはそれを約束してくれたんですね」

P「はい。だから三船さんには頑張ってほしいです」

ちひろ「それ、本人には言わなくて良いんですか?」

P「こんな事言ったらプレッシャーになるかもしれません。それに、今はきっと仕事に向けて三船さん自身がやるべき事をやってくれます」

P「だから、三船さんには内緒にしておきます」

ちひろ「そう、ですか」

P「はい」

ちひろ「…あ、ところでもう一人は誰にするんですか?」

P「うーん…そこなんですけどね…」

P「…一人、最近入ってきたあの人にしようかなって」

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美優(久しぶりの仕事…正直に嬉しい)

美優(もしかしたら、分かるかもしれない)

美優(私に足りない何かが…)


仕事当日

美優「…」

P「三船さん。大丈夫ですか?」

美優「は、はい。…おかしいですよね。ただ座って話しを聞いていれば良いのに、なんだか不安があって」

P「仕方ないですよ。なんて言ったってテレビなんですから。誰だって緊張はしますよ」

美優「…」

P「…心配しないでください。今日はもう一人、いますから」

美優「…え?」

P「メールではそろそろ来るはずなんですけど…」

???「お待たせしました」

P「お、来たみたいですね」

美優「…あ。あなた」

P「三船さんもこの前の歓迎会で会いましたよね?」

美優「はい。…確か」

???「高垣 楓です」

美優(私の一つ下だったはず…よね)

楓「今日は宜しくお願いします」ペコリ

美優「え?あ…こ、こちらこそ」ペコリ

P「ここは一つ。二人には頑張ってもらいますよ!!」

美優「は、はい」

楓「分かりました」

美優(まさか楓さんが来るなんて。聞いてなかったから分からなかったわ…)

美優(でも何であの時に言わなかったんだろう?)

P「そろそろ時間です。行きましょうか」

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舞台裏

男「ったく。君のしつこさにはまいったよ」

P「ありがとうございます。きっとご期待以上の結果を出してくれますよ」

男「ふん。どうだか」

P(頑張れ三船さん…!)

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本番

美優(だ、駄目!!緊張して何がなんだか分からない!!)ドキドキ

MC「…へェ~。なるほどね~。千早さんはなにか心当たりとかはないの?」

千早「そうですね…。歌にしか興味が無いのであまり考えた事が…」

春香「千早ちゃんらしいな~」

美優(すごい。私なんかよりしっかりしてる…)

美優(…情けないなァ)

美優(他の人達も…全く緊張してないみたいだし…)キョロキョロ

美優(…ん?)

楓「……」

美優(か、楓さんもすごい落ち着いてる!!)

美優(も、もしかして緊張してるのは私だけ!?)

美優(ど、どうしよう!!一層緊張してきた…!!)ドキドキ

MC「じゃあ美優さんはどうかな?」

美優「え…?」ビクッ




MC「美優さんはこんな時どうするかな?」

美優「こ、こんな時にですか…?」

美優(全く聞いてなかったから分からない…!)

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P「三船さん、あたふたしてる…!もしかして聞いてなかったか!?」

P「三船さーん!!カンペ!!カンペ見てください!!」ヒソヒソ

P「くそ!!大声出したら怒られるから…やっぱり聞こえてないか」

男「…やっぱり駄目だな」

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美優(ど、どどどどうしよう~)

MC「三船さん?」

美優「あ、え~と、そのォ…」アタフタ

楓「…あ、そうか」ボソ

美優「え?」

楓「え?」

MC「ん?楓さんは何か心当たりが?」

楓「え…いえ、ただ『あなたのステッキ、とっても素敵』だなァと思って」

千早「ブフッ!!」

春香「千早ちゃん!?」

客「アハハー!!」

MC「ちょ!もしかして休日の暇つぶしにギャグでも考えてたりするんですか?」クスクス

楓「…多少は、ですかね」

MC「アハハ!そりゃ面白い!!そんなに美人なのに!!」

美優「…」ポカーン



すみません。席を外してました。今から再開します。

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P「何言ってるんだよ楓さん…」

P(でもおかげで危機は回避できたのかも)

男「…ほう」

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MC「…いや~中々面白い人達が集まったみたいで良かったです!ではまたお会いしましょう!!」

美優(終わっちゃった…あの後は少し緊張が解けたから何とかなったけど…)

楓「お疲れさまでした」

P「おう。二人共おつかれさま」スタスタ

P(楓さんはあれからもちょくちょく話してたが、三船さんは…)

MC「あ!楓さん!!また宜しくねー!!」スタスタ

楓「あ、はい。こちらこそ」

千早「楓さん。その…お互いにがんばりましょう…フフ」プルプル

春香「ち、千早ちゃん。思い出し笑いしないで!!…アハハ。それじゃ私達も失礼しまーす!」

千早「それでは…あ、三船さんも。お疲れさまでした」

美優「あ…はい…お疲れさまです」

P(みんな楓さんか…)

P(三船さんには挨拶だけ…)

男「P君」スタスタ

P「は、はい!」

男「こっちこい」スタスタ

P「…分かりました」スタスタ

美優(Pさん?)

楓(…)

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舞台裏

男「駄目だね!!全然駄目!!三船美優はやっぱり駄目な奴だよ!!」

P「…ッ!!」

男「緊張して全く面白い事を言えない、ただ座ってるだけの人形じゃないか!!」

P「それは…経験が少ないからで…」

男「経験なんか関係ないんだよ!!要はどれだけ金になるかだ!!」

P「金に…?」

男「そうだよ。私はねェ、金になりそうな奴しか興味ないんだよ」

P「…」

男「それをお前は…。あれだけ推していたからもしやと考えたが、保険としてギャラを半分にして良かったよ」

男「しかし…残念だよ。そのギャラも彼女にはいかないようなものだから」ニヤッ

P「え!?」

男「高垣楓…。良いじゃないか。んん?綺麗で面白い。あのキャラが素晴らしい。ありゃ良い女だ」

男「あの女にギャラを払うつもりだよ。そしてこれからも…」

P「そ、そんな!!」

男「良いじゃないか。高垣楓を『使ってやる』って言ってるんだ。悪い話しじゃないだろう?」ニヤニヤ

P「その言い方は無いでしょう!?」

男「良いのかそんな事言って。せっかくのチャンスをお前のせいで台無しにするのか?」

P「…!!」

P(…クソ!!)

P「…本人に相談してみます」

男「そうか…。クックック」

P(…すみません。三船さん)

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事務所

P「…」

楓「私が…ですか?」

P「はい。俺はあまり気が乗らないんですが…」

楓「なんでですか?」

P「それは…」

美優(二人共…何を話しているのかしら?)

P(…三船さんがいる所では本当の事が言えないな)

P「あそこのお偉いさんが気に食わないんです」

楓「はァ…」

P「とにかく、明日まで決めてください」

楓「…分かりました」

美優(…あ。終わったみたい)

P「…三船さん」

美優「は…はい」

P「ごめんなさい。今度は別の仕事を…三船さんがリラックスしてできる仕事を取ってきます」

美優「え!?そ、そんな…」ズキッ

美優「…そう、ですよね。私またPさんに迷惑を…」

P「迷惑だなんてそんな!!」

美優「良いんです。結局…私は…」

美優(何も出来ず…分からなかったんだから…)

美優「…今日は疲れたので。失礼します」

P「三船さん…!」

美優「…」ガチャ

P「…」

ちひろ「…賢明だと思いますよ。追いかけないのは」

P「…そう、ですかね」

ちひろ「はい」

P「…ごめんなさい。三船さん」

ちひろ「…あれ?楓さんは?」

P「え?」

----------

美優「…」

美優(…逃げてばかりだなァ。私)

美優(こんなんじゃ駄目だって分かったるのに…最近の私はもうクセになったみたいに…)

美優(…嫌になってきた)

トントン

美優「…!」クルッ

楓「お疲れさまです」

美優「か、楓…さん」

楓「あの。少し飲みに行きませんか?二人だけの打ち上げ」

美優「え?」

楓「良い店を知っているんです」ニコッ

美優(…)

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居酒屋

美優(つい流れで来てしまった…)

楓「お酒は強いですか?」

美優「そこそこ…」

楓「そうですか。じゃあ適当に…」

美優(…楓さん。確かに綺麗で大人びた印象。みんなが言ってた通りだと思う)

楓「おつまみは…」

美優(私よりずっと凄い…)

楓「…はい。以上です」

美優(今日の楓さんを見てると…分かる)

楓「…三船さん?」

美優「…」ボー

楓「?」

楓「…それにしても、まさか今日の仕事が収録だったなんてびっくりしました」

美優「!!」ハッ

美優「そ…そうですね」

楓「千早ちゃんや春香ちゃんもアイドルの卵なんですって。凄いですね」

美優「そう…なんですか…」

楓「うかうかしていたら彼女達が上に行きそうですね」

美優「ですね…」

楓「…」

美優「…」

美優(どうしよう…全く話しが続かない…私のせいだわ…)

楓「三船さん」

美優「はい…?」

楓「その…大丈夫ですか?」

美優「え?」

楓「最近元気が無いみたいでしたから」

美優「そ、そうですか?」

楓「だってこの前『仕事が無いなァ』って呟いてたから…」

美優「え!?き、聞いてたんですか!?」

楓「すみません。聞こえちゃいました」

美優「は……恥ずかしい…」カァァ

楓「もしかして仕事の事で悩んでるんですか?」

美優「…はい。実はここの所仕事が無くて…」

楓「そうなんですか…」

美優「今日の仕事が久しぶりで…でも上手くいかなくて…」

美優「自分に少し嫌気がさしました」

楓「…」

美優「…って私何を言って…」

楓「大丈夫ですよ。私は」

美優「でも…」

楓「大丈夫です」クスッ

美優(…)

美優「……きょ、今日の仕事で自分に足りないのは何かを見つけようと思ったんですけど」

美優「無理でした…分からなかったです」

美優「ただただ緊張して…Pさんに迷惑をかけて…」

美優「さっき謝られた時に心が痛くなったんです。悪いのは私なのにPさんのせいみたいになって…」

美優「私…このままで良いのかなって…思えてきて…」

美優「…」

楓「…そうですか」

楓「…私もです」

美優「え?」

楓「実はとっても緊張してたんです。内心バクバクしてました」

美優「嘘…!?そんな表情してなかったじゃないですか!!」

楓「いや心の中では冷や汗タラタラでした」

楓「でも…隣に三船さんがいたから、大丈夫でした」

美優「…わ、私?」

楓「はい。貴方です」

美優「…そんなわけ。だって楓さんあの時『あ、そうか』って言って…ギャグを思いついたんじゃ…」

楓「あ。それは緊張が解けてすぐに思いついたものです…フフ」

美優(あ、笑った…)

楓「その前は本当に緊張してて…でも三船さんを見たら一気に緊張が解けたんです。本当ですよ?」

美優「はァ…」

楓「…私がアイドルになろうとした理由だって」

楓「三船さんがきっかけなんですよ?」

美優「…は?」キョトン

楓「三船さんがデビューした頃にインタビューした雑誌を読んだんです」

美優(もしかして…新人アイドル特集の?)

楓「小さな記事でしたけど私、すぐに目がいったんです。私と年の差が1年しかない人がアイドルだなんてって思いました」

楓「驚きました。それと同時に…尊敬しました」

美優「そ、尊敬だなんて…」

楓「私もモデルの仕事をした事があったんですけど、それとは違う世界に興味があったんです」

楓「でももう私なんかがって諦めてた所に…」

美優「…私が」

楓「…」コクッ

楓「私がアイドルになりたいって思ったのは…三船さんのおかげなんですよ」

楓「だから私、三船さんが載ってる雑誌とか買ってたんです」

美優「!」

美優(…私を、見ていてくれたんだ)

楓「そんなある日Pさんに声をかけられて、まさか三船さんがいるプロダクションだとは思いませんでした」

楓「私…」

ギュ

美優「えッ!?」

美優(手を握られた…!!)

楓「私、二つ返事で入りました」

楓「貴方に会うために」

美優「!!」ドキッ

楓「こうして会えて、一緒に仕事が出来て…嬉しかったです」

美優「あ…ありがとう…ございます」

楓「だから、今日も頑張れたんです」

美優「それは…良かったです」

楓「…三船さん。きっとまた仕事がきます。だからそれまで」

楓「私と一緒に頑張りましょう」ニコッ

美優「…は、はい」ドキドキ

オマタセシャーッシタビールトツマミデース

楓「ありがとうございます」

楓「それじゃ三船さん。乾杯しましょう」

美優「え?乾杯…ですか?」

楓「はい。本音はこうして三船さんと飲みたかったから」

楓「乾杯…させてください」

美優「…分かりました」

楓「じゃあ…」

楓「乾杯」カァン

ID変わって>>1です。

続きは明日の朝にしようと思います。

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翌日 事務所

美優(昨日はあれから楓さんと酒を飲みながら沢山お話をした…)

美優(途中楓さんがウトウトして眠そうだったからタクシーを呼んで帰したけれど…大丈夫だったかしら)

美優(でもおかげで少し気持ちが軽く…なったかも)

--貴方に会うために--

美優「…」ドキドキ

美優(な…なんだか面と向かって言われると…恥ずかしい…)

美優(…私が…きっかけで…か)

P「おはようございます」ガチャ

美優「あ…おはようございます」

P「あ、三船さん。おはようございます。…ちひろさんは?」

美優「私は…まだみてませんけど…」

P「じゃあ遅刻か…。全く…」

P(…昨日の事は無かった事にしておいたほうが良いのか?分からなくて最初に言えなかったぞ)

P(でもあの様子だと言わないほうが三船さんのためになると思うし…)

楓「…おはようございます」ガチャ

P「楓さん。おはようござ…うわ!大丈夫ですか!?」

美優「?」

楓「どうしたんですか?Pさん」フラフラ

P「どうしたじゃないですよ!!フラフラじゃないですか!!」

楓「え…?」フラフラ

美優「楓さん…まだ…」

楓「あ…三船さん。おはようございます」フラフラ

P「おはようございますじゃありませんよ!!ってかフラフラしまくりでしょ!!ある意味器用だな!!」


P「とりあえずソファで寝ててください!」

楓「いや大丈夫です。本当に」ガリガリ

P「頭!!歩いて頭が壁とこすれてます!!」

P「ちょ…すみません三船さん手伝ってください」

美優「は、はい…分かりました」

----------

P「全くもう。しばらく横になっててくださいね」

楓「はーい」

P「それじゃ俺は出かけるのでちひろさんが来るまで三船さんお願いします」

美優「はい。お気をつけて」

ガチャ

美優「…」

楓「…」

美優「…あの、大丈夫ですか?」

楓「はい…。家に帰った後も少し飲んじゃったからそれのせいだと思います」

美優「あの後も…!?」

楓「はい。美味しかったです」

美優「…そ、そうですか」

楓「それにしても、自覚がなかったです。フラフラしてただなんて」

美優「本当。よく事務所に来れましたね」

楓「そうですね。三船さんに会いたかったから」

美優「へ!?」ドキッ

楓「なーんて」クスッ

美優「も…もう!!」

楓「ところでレッスンは大丈夫なんですか?」

美優「まだ時間じゃないので…大丈夫です」

楓「早く来たんですね」

美優「そう、ですね。前からずっとこの時間に来てたから」

楓「なるほど…」

美優「楓さんもレッスンですか?」

楓「はい。午後から」

美優「午後からですか?なら家で休んでたほうが…」

楓「だから言ったじゃないですか」

美優「…」

楓「もう一度言います?」

美優「け。結構です…」

楓「フフ…」

美優(本当に年下なのかしら…?)

----------

ちひろ(なんか事務所に入りづらい雰囲気な気がしてしょうがない)コソコソ

仁奈「なにしてやがるんでごぜーますか?あれ」

凛「さァ。でもあの顔は間違いなく変な考えをしてるから見ちゃだめだよ」

----------

楓「…もう大丈夫です。レッスンの時間じゃありませんか?」

美優「あ…そうですけど…本当に大丈夫ですか?」

楓「はい」

美優「…じゃあいってきます。でも、無理はしないでくださいね」

楓「はい」

美優「じゃあ…」スタスタ

楓「…三船さん」

美優「はい?」クルッ

楓「頑張ってください」

美優「…はい」

----------

楓(…ふゥ)

楓(本当に…アイドル始めたんだなァ。私)

楓(嬉しい…楽しい…でも)

ちひろ「おはようございまーす」ガチャ

楓「あ、おはようございます」ムクッ

ちひろ「あ、楓さんすみません寝てましたか(棒読み)?」

楓「大丈夫です。少し横になっていただけですから」

ちひろ「そーですか」

楓「…あの」

ちひろ「はい?」

楓「一つ聞いても良いですか?」

ちひろ「はい、なんでしょう?」

楓「三船さんの事なんですけど…」

----------

レッスンスタジオ

美優「…ふゥ」

美優(レッスン、疲れたな…)

美優(でもこの後は何も無いから…)

美優(無いから…)

美優「…」

楓「三船さん」ポン

美優「ひゃ!!」ビクッ

楓「あ、すみません。驚かせちゃいました?」

美優「び…びっくりさせないでください…!!」ドキドキ

楓「ごめんなさい」

美優「…なんで楓さんがここに?」

楓「次は私なんです。ここでの練習」モミモミ

美優「あ、そういう事ですか」

楓「はい」モミモミ

美優「…ところで楓さん」

楓「はい?」モミモミ

美優「いつまで…その、私の肩を揉むんですか?」

楓「…」モミモミ

美優(無言!?)

楓「肩…かた…」モミモミ

美優「か、楓さん?」

楓「『あなたの肩、とてもかたい』…フフフ」モミモミ

美優「…」

楓「…」モミモミ

美優「…もう少し左良いですか?」

楓「あ、はい」モミモミ

----------

美優「じゃあレッスン頑張ってください」

楓「はい。ありがとうございます」

ガチャ

美優「もう…」

美優(びっくりした…)

美優(でも…)

美優(肩こり解消できたから…良いかな)

美優(…高垣楓さん…か)

美優(朝のといいさっきといい…なんだか想像と違う所が見えてきてる…)

美優(なんだか…子供っぽい気がしなくもないかな…)

---------

事務所

P「だからその仕事は彼女よりも…あ!もしもし!もしもし!!…だァァ!!もう!!」ガチャン

ちひろ「またですか?」

P「はい…。どうしてどこも…!」

ちひろ「とりあえず落ち着いてください」

P「…そうですね。すみません」

ちひろ「…あのPさん」

P「はい」

ちひろ「さっき楓さんに聞かれたんです」

P「何をですか?」

ちひろ「三船さんについてです」

P「楓さんが…三船さんについて?」

ちひろ「その…以前の収録で楓さんにはオファーが来たけど三船さんはどうなんですかって」

ちひろ「一応、分からないって言いましたけど」

P「まさか…気付いたわけじゃないでしょう」

ちひろ「それは無いかと。本当、子供のように、無邪気な顔で聞いてきましたから」

P「…楓さん言ってたからな。アイドルになった理由が三船さんの存在だって」

P「きっと一緒にまた仕事がしたいんだろうな」

ちひろ「Pさん。ならしばらくは二人でユニットを組むのはどうでしょう?」

P「…そうしたいですけど。最近じゃ片方に人気がでたらそっちばかりにスポットライトが当たります」

P「正直、今のままじゃ変わらないと思います…。だからこそソロでまずは人気の土台を作りたい」

ちひろ「そんな、やってみないと分からない事じゃないですか」

P「もし失敗して三船さんが傷ついたらどうするんですか?」

ちひろ「それは…」

P「多分…もうやりたくないって考えますよ」

ちひろ「…」

P「ちひろさんだって嫌でしょう?三船さんは俺達とほとんど同じくらいこの事務所にいる」

P「家族みたいなもんでしょう」

ちひろ「…はい」

P「…なんとかしてみます。俺を信じて下さい」

ちひろ「お願いします」

美優「何が信じてくださいなんですか?」

P・ちひろ「わっほォォォォォォい!!??」ガタッ

美優「あ…す、すみません!驚かせて…」アタフタ

P「だ…大丈夫です」ドキドキ

ちひろ「三船さん…いつからいたんですか?」ドキドキ

美優「え?今帰ってきたばかりですけど…」

P「そうですか…」

P(良かった。さっきの話しは聞いてないみたいだ)

美優「それで、何の話しをしていたんですか?真剣な顔でしたけど…」

P「いや、実は最近発売されたゲームの事でですねー」

ちひろ「そうそうPさんったら嘘くさい事言うもんですから!!」

美優「? そうなんですか?…ゲームなんてやった事ないですから分かりません…」

P「まァドップリハマると危ないんでそんな気にしなくても大丈夫ですよ!!」

ちひろ「そうそう!!私の先輩なんかもう腐りまくりだから怖いもんですよ-!!」

美優「はァ…」

P「んじゃ、俺はまた営業に行ってきまーす!!」

美優「あ、はい。お気をつけて」

P「はい!!」ドタドタ

ちひろ「さーて私も仕事仕事っと」

美優「あ、ちひろさん。何か手伝う事はないですか?」

ちひろ「いや大丈夫ですよ…。あ、でも良かったらお茶淹れてくれます?三船さんの淹れるお茶美味しいので」

美優「分かりました」スタスタ

ちひろ「…ふぅ」

----------

美優(結局今日もいつも通り…)

美優(変わらない日常…)

美優(退屈な日常…)

美優(このままじゃ…駄目)

美優(だからって、今私に出来る事って…)

凛「…」ガチャ

美優「あ…」

美優(凛ちゃん…)

凛「お疲れさまです」

美優「あ…うん。お疲れさま…」

美優「仕事…だったの?」

凛「はい。グラビアの撮影です」

美優「ぐ…グラビア…」

美優(私には…出来ないわ…)

凛「初めてだったから今日のために勉強してきたけど…役に立ったな…」

美優「勉強?ポーズとかかしら?」

凛「はい。これを見て観察したんです」スッ

美優(これは…グラビア雑誌…)

凛「Pが貸してくれたんです。最初は何を渡してんだって思ったけど…案外馬鹿にできないみたい」

美優「へぇ~…」

美優(…そっか。そうやって凛ちゃんは自分を磨いているのね)

美優(観察…観察かぁ…)ハッ

美優「そっか…観察してみれば…」

凛「え?」

美優(もしかしたら分かるかもしれない…私の足りないもの)

凛「…」

凛(どうしたんだろう?急に笑ったりして)

凛(まあ可愛いからいいけどね)

----------

翌日

美優「観察…する事にしたけど誰を観察しよう…」

美優「考えてみたら私今日はオフだから事務所に行く理由は無いし…」

美優「でも観察するなら…事務所しかないから…」

事務所

美優(とりあえず来ちゃいました…)

P「あれ?三船さん今日はオフのはずじゃ…」

美優「あ…すみません。暇だったので来ちゃいました…」

P「暇だからって…」

P(あ…俺のせいで暇なのか…)

P「分かりました。ゆっくりしてってください」

美優「あ…ありがとうございます」

美優(あ。意外といけた)

P(やばいな。一刻も早く三船さんに仕事を与えないと)

美優(えっと…これから事務所にくる人は…)

美優「…あ」

美優(…彼女が、一番…)

美優(…彼女なら…案外?)

----------

ガチャ

楓「おはようございます」

P「おはようございます。今日は大丈夫そうですね」

楓「はい。もちろんです」

美優(来た…)

楓「…あ。三船さんだ」

美優「おはようございます…。楓さん」

楓「はい。おはようございます。事務所に用事が?」

美優「ええ…ちょっと」

楓「そうなんですか」

P「楓さーん。ちょっと良いですか?」

楓「あ…はーい。それじゃまた後で」

美優「はい…」

楓「何でしょうか?」スタスタ

P「ちょっとお聞きしたい事があって…」

美優「…」コソッ

美優(楓さんの歓迎会の時Pさんが『彼女は凄いオーラを感じた』と言ってたから…)

美優(もしかしたらそれが分かった時に…ヒントになるかもしれない)

美優(それか…それが答えに…)

P「…といった系の仕事が来てるんですけどどうですか?」

楓「そういうのはちょっと…」

P「ですよね…。でもどうしても楓さんが良いと…」

楓「そういうのは茜ちゃんあたりがうってつけかと。あとは765プロの真ちゃんとか…」

P「いやいや茜はまだしも他のプロダクションの子の名前は出さないでくださいよ」

楓「あ…。すみません」

美優(わざと…じゃないあたり天然…なのかな)

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