さやか「そういや3日ぐらい見てないね」
さやか「なんでなの?別にもうアイツの悩ませる存在はいないでしょ?」
まどか「えっとね、目的を達成した後の学校の勉強も独学ですませてるらしくて」
さやか「ほうほう」
まどか「でもって何もせずに家でゴロゴロするのって久しぶりって」
まどか「この前休日にほむらちゃんのお家で添い寝した時に言ってて」
さやか「突っ込むところがあった気がするけどいいや……それで」
まどか「今朝もメールで学校に行くのが面倒くさいって」
さやか「あー癖になる前に叩き直した方がいいね」
まどか「うん、ほむらちゃんって一人になると私の盗撮写真ばかり眺めてるし」
まどか「盗撮写真なんか見なくても外に出てくれれば私がって」
さやか「あーうん、そうだねうん」
さやか「でもほむらが家から出てこないなら私達って電話やメールぐらいしかできないよね?」
まどか「あ、大丈夫、ほむらちゃんのお家の鍵なら持ってるから」
さやか「え?」
まどか「ほむらちゃんって今までやることが多すぎてあんまりお家に帰ってなかったみたいで」
さやか「あ、うん」
まどか「お掃除とか洗濯、料理もできそうで全然できてなくて」
さやか「ほうほう」
まどか「だから私がお掃除とか洗濯とかしてるの」
さやか「ってなにそれ!?」
まどか「?」
さやか「いやいや、ちょっとおかしくない?」
まどか「そ、そりゃあほむらちゃんの下着を洗うのはちょっと恥ずかしいけど///」
さやか「いやそこじゃなくて……」
さやか「まぁいいや、つまりほむらの家には入れるってわけだね」
まどか「うん!」
さやか「じゃあまどかが学校でも一緒にいたいとか言えば一発じゃない?」
まどか「それはもう言ったんだけど……」
さやか「へぇ、断られたんだ、まどかの言うことなら何でも聞きそうって思ってたのに」
まどか「だったら一緒に引きこもりましょうって抱きつかれちゃって///」
さやか「うわーお」
まどか「そ、それに勉強も全部教えてあげるって///」
さやか「まぁ家庭教師としてはいい存在だよねうん、勉強会開いた時に私もお世話になったし」
まどか「私もほむらちゃんとならってちょっと思ったけど」
さやか「あーうん、それで?」
まどか「やっぱりほむらちゃんと一緒にいろんなとこにお出かけしたり、学校でも一緒にいたいって思って」
さやか「そのまま、まどかが流されたりしなくてよかったよ……」
さやか「ふむ……ちょっくら私からメールでもうってみますかね」
まどか「私だけじゃなく、皆が学校に来て欲しいってわかってくれたらいいんだけど……」
さやか【学校こいよほむら】
さやか「これでいいや、送信っと」
ピリリリリ
さやか「早!」
ほむら【面倒くさいわ】
さやか「うわぁ……」
さやか【まどかが心配してるし、メールうつ暇があるならきなよ】
さやか「送信っと」
ピリリリリ
ほむら【布団の魔力が私を離してくれないの】
さやか「あーうん冬とかわかるよってあんにゃろう……」
まどか「やっぱり駄目だった?」
さやか「来ようという意欲がなさそうだね」
まどか「マミさんや杏子ちゃんにもたのんでみようかな……」
さやか「じゃあ杏子を送り込んでみようか」
まどか「杏子ちゃんを?」
さやか「そうそう、あいつって今暇なはずだし」
さやか「まぁ今度ご飯でもおごるってことで」
まどか「じゃあお願いさやかちゃん」
さやか「あとは昼休みにでもマミさんとお話しますか」
まどか「うん!」
―ほむホーム―
ほむら「病院にいるときは布団からでたいとあれほど思っていたのに……」
ほむら「この人肌ぐらいの暖かさ、包み込んでくれるような感じ……」
ほむら「そしてすでにワルプルギスの夜を突破してやることはないし」
ほむら「学校も別にさぼってもいいぐらいには勉強は進めてあるし」
ほむら「そろそろ起きないと遅刻するっていうのに動く気になれない……」
ほむら「それに、毎日やることに追われていた繰り返しの日々を考えると新鮮な感じがするわ」
ほむら「なんて考えたのが3日ぐらい前だっけ……時間を無駄にできるって人間の最大の贅沢よね」
エイミー「にゃー」ヒョコ
ほむら「あっエイミー暖かい……さらに抜け出せなくなったわ……」
ほむら「……今日は体調がわるいような気がするって学校には連絡しておいたし」
ほむら「さてと、二度寝タイムよエイミー」
エイミー「にゃ」
ほむら「ん……」
ほむら「1時間ぐらい寝ちゃったみたいね……」
エイミー「ふにゃ!」
ほむら「あら、起こしてしまったかしら……ごめんなさいね」ナデナデ
エイミー「にゃー」
ほむら「え?もしかしてご飯?」
ほむら「……布団から出たくないけど……しょうがないわね」
ほむら「すぐに取ってきて戻ってくれば布団はまだ暖かいはず!」
ほむら「まどかが整理しておいてくれてよかったわ」
エイミー「にゃー」ムシャムシャ
ほむら「さっきから携帯から着信音が何度か鳴ってるけど……」
ほむら「まどかの着信音じゃないから別に見なくていいわね」
エイミー「にゃー」
ほむら「何?遊んで欲しいの?」
エイミー「にゃにゃ!」
ほむら「盾に遊び道具を収納しておいてよかったわ」
エイミー「にゃにゃにゃにゃ!」
ほむら「ほーら、ネコじゃらしよー」フリフリ
エイミー「にゃにゃー」
ほむら「ふふっかわいい」
エイミー「にゃにゃにゃにゃ!」
ほむら「家からでないでのんびりゴロゴロできるって最高ね」
ほむら「エイミーが出かけてしまった……」
ほむら「それにしても布団が暖かいわ……」
ほむら「布団の周りに冷蔵庫とか全て配置してみようかしら……」
ほむら「よく考えたら冷蔵庫中に何が入ってるのかしら?まどかがいないとわからないわ……」
ほむら「まぁ生きていけるなら問題ないわね」
ほむら「……」
ほむら「この胸が成長しないのは食生活がよくないこととは関係ないわよね?」
ほむら「最初の頃の繰り返しも成長してなかったし関係ないわよね……」
ほむら「……今後も関係ないわよ……そうに決まってる……」
ほむら「マミに相談してみようかしら……」
ほむら「って大きくなる方法を知ってたらこの世に貧乳で悩む子はいないってのよね……」
ほむら「別にマミほどってわけじゃなく、BとかCぐらい……」
ほむら「考えるだけ無駄ね……」
ほむら「ふわぁ……三度寝といきましょう……」
ピンポーン
ほむら「ん……ふわぁ……」
ピンポーン
ほむら「面倒ね、どうせセールスだろうし居留守しましょう」
ピンポーン
ほむら「しつこいわね……」
ピンポーン
ほむら「でも私は布団から出たくないし諦めるのを待つのがいいわね」
ピンポーン
ほむら「……」
ピンポーン
ほむら「まったく誰なのよ……」
ガチャ
ほむら「はい……」
杏子「やっと出てきやがった」
ほむら「……新聞ならお断りしています、申し訳ありません」
ほむら「パパが虚淵球団ファンでシャフト球団アンチでシャフト新聞はお断りしています」
バタンカチッ
杏子「おいこら!ばればれな嘘で鍵しめんな!」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
ガチャ
ほむら「はぁ……何か用?」
杏子「は?」
杏子「さやかから聞いてないか?」
ほむら「さやか?」
ほむら「新着メールが来てるわね……」
さやか【杏子にあんたの家に行くように言ったから】
ほむら「……私は今日は家でゴロゴロし続けたいのに……面倒くさいわね……」
杏子「わざわざ来てやった奴に言うセリフかそれ……」
ほむら「とりあえず、あがる?」
杏子「ま、せっかくだしあがらせてもらおうかな」
ほむら「じゃあ後は好きにして」ゴソゴソ
杏子「ん?寝るのか?」
ほむら「別に寝ないけど」
杏子「じゃあなんで布団に入るんだよ」
ほむら「暖かくて気持ちがいいからよ」
杏子「……」
ほむら「……」
杏子「はぁ…あいつらはお前が家から出てこないって心配してたぞ」
ほむら「わかっているわ……でも……」
杏子「でも?」
ほむら「何もせずに布団でゴロゴロって数年ぶりだから歯止めがきかなくて」
杏子「呆れたやつだな……」
ほむら「で、あなたは何かやることでもあるの?」
杏子「ん?お前が引きこもってるから様子を見て欲しいって言われてきただけだし」
杏子「無理にお前を外にだそうとしたりすることはないさ」
ほむら「それだけのために来たの?律儀ね」
杏子「別にそんな事ないさ、暇なだけだし」
ほむら「……あなたも布団に入る?」
杏子「は?」
ほむら「別に変な意味じゃないわよ」
杏子「いやまぁわかってるけど」
ほむら「エイミーは抱きまくらにはなってくれないし」
ほむら「あなたのサイズなら抱きまくらにちょうどいいわ」
杏子「なんだよそれ……」
ほむら「エイミーというのは私が放し飼いしてる猫よ、ちなみに細かい話をすると~」
杏子「いやそうじゃなくて……」
ほむら「あなた、私の様子を見に来たのでしょう?」
杏子「そうだけど……」
ほむら「だったらいいじゃない、たまには人肌が恋しいのよ」
杏子「そういう日がないって言ったら嘘になるけどなんかおかしくないか?」
ほむら「細かいことを気にしないで、さぁ、布団へ来なさい」
杏子「……」
ほむら「……」
杏子「……」
ほむら「大丈夫よ、私はレズだとかじゃなくて、ただ単にまどか一筋ってだけだから」
杏子「……」
ほむら「……」
杏子「……」
ほむら「そこまで信用されてないなんて、傷つくわね……」
杏子「ああもうわかったよ!」
ほむら「あなたって意外と身体が堅いわね……抱きまくらとしてはあまりいいと言えないわ」
杏子「うっせぇ……」
ほむら「でも暖かい……まどかの時も思ったけど人肌と布団はやっぱりいいものね……」
杏子「……」
ほむら「うーん……もうちょっと下かしら」
杏子「何がだよ」
ほむら「抱きまくらとして抱きやすい位置」
ほむら「なるほど、胸のあたりに頭がくると抱きやすいわ」
杏子「え?胸?」
ほむら「……」
杏子「……」
ほむら「えぇ、胸よ……」
杏子「悪かったよ……」
ほむら「よく考えたらあなたをこんな風に抱きしめる日が来るなんて思わなかったわ」
杏子「あたしもお前に抱きしめられる日がくるなんて思わなかったよ」
ほむら「まどかだったらよかったのに……」
杏子「勝手に抱きまくらが欲しいって人を抱きまくらにした奴が偉そうに言うなよ」
ほむら「そうはいうけど、人間欲がでちゃうものよ」
杏子「そんなもんかな」
ほむら「えぇ、そんなものよ」
杏子「なんか眠くなってきた」
ほむら「寝てもいいわよ」ナデナデ
杏子「何撫でてんだよ……」
ほむら「撫でやすい位置だったから」
杏子「まぁいいけど……」
杏子「すぅ……すぅ……」
ほむら「寝ていると杏子も可愛いわね」ナデナデ
杏子「すぅ……すぅ……」
ほむら「まぁまどかには敵わないけど」ナデナデ
杏子「お母さん……すぅ……すぅ……」
ほむら「……」ナデナデ
杏子「すぅ……すぅ……」
ほむら「頭を撫でるだけで夢の中でぐらいは幸せにできるものなのかしら」ナデナデ
杏子「すぅ……すぅ……」
ほむら「それにしても、いくら横になっていても布団の魔力から抜け出せないわ」
杏子「すぅ……すぅ……」
ほむら「ふわぁ……私も眠くなってきたわ……」
杏子「すぅ……すぅ……」
―学校屋上 昼休み―
さやか「というわけでほむらが引きこもってるみたいなんですよ」
マミ「今まで頑張ってきた反動と、鹿目さんが一緒にいてくれて甘えたいっていうのが同時に来てるんじゃないかしら」
まどか「で、でも……ほむらちゃんって放っておいたら毎食カロリーメイトと1日分の野菜ですし……」
マミ「うーん……」
さやか「学校に来ることでなにかご褒美をあげるとか」
まどか「例えば?」
さやか「そう言われるとあいつって何が欲しいんだろう……」
まどか「そういえば、杏子ちゃんは?」
さやか「連絡が途絶えた……」
マミ「何があったのかしら……」
マミ「とにかく放課後にでも話をしに行きましょう」
マミ「幸いにも引きこもりと言っても話はできるみたいだし」
さやか「じゃあ放課後校門でいいですか?」
マミ「えぇ」
ピンポーン
ほむら「すぅ……すぅ……」
杏子「すぅ……すぅ……」
ピンポーン
―ほむホーム外―
まどか「寝てるのかな?」
さやか「まぁあいつの家って本当に何も無いしね」
マミ「鍵はあるのよね?開けてみたらどうかしら」
まどか「そうですね」
はぁ…ぼくもあずにゃんを抱き枕にして眠りたいにゃん
>>61
何だ、猫の皮をかぶったアシダカグモだったのか
―ほむホーム―
まどか「あーもうまた散らかしちゃって……」
マミ「……駄目な人のお世話をする健気な女の子って感じね……」
さやか「そうですね」
ほむら「すぅ……すぅ……」
マミ「佐倉さんと抱き合って寝てるわね……」
さやか「こ、こんなのまどかが見たら……」
まどか「あ、駄目だよさやかちゃん、ほむらちゃんが風邪引いちゃうよ」
さやか「え、あ、うん……えっと、この状況に何も思わないの?」
まどか「え?」
さやか「いや杏子と寝てるっていう……」
まどか「ほむらちゃんって何かを抱きしめて寝たがるし」
マミ(なんでそんな事知ってるのかしら……)
まどか「前に一緒に寝た時もずっと抱きつかれちゃって」
さやか(信じ合ってるってことでいいのかな?)
さやか「まぁなにはともあれ叩き起こしますか」
マミ「そうねぇ」
ほむら「すぅ……すぅ……」
杏子「すぅ……すぅ……」
まどか「あーエイミーの餌も出した後はちゃんとしまうように言ったのにー」
さやか「おーいほむらー起きろー」
マミ「暁美さーん、佐倉さーん」
ほむら「すぅ……すぅ……」
杏子「すぅ……すぅ……」
さやか「ふむ、普通に起こしたという事実さえあればあとは何をして普通に起こした時に起きないのが悪いってことで」
マミ「美樹さん?どうやって起こすのかしら……」
さやか「さやか流奥義!布団返し!」
杏子「あで!」
ほむら「な、何事!?」
さやか「お、起きた?杏子にほむら」
ほむら「さ、寒い……ふ、布団を……」
さやか「え、な、何?もしかして寒気でもするの?ご、ごめん」
ほむら「ありがとうさやか」ゴソゴソ
マミ「一人で簀巻きになったわね……」
さやか「……杏子、状況説明」
杏子「ん?ちょっとまってくれ」
杏子「とまぁそんな感じで」
さやか「何引きこまれてんのさ……」
マミ「暁美さんが簀巻きになって顔だけ出してるわね……」
ほむら「あなた達がなんでいるの?」
さやか「あんたの通い妻の頼み」
ほむら「そう、まどかには迷惑をかけてばかりね」
さやか「そう思うなら引きこもるのやめたら?まどかが心配してるよ」
ほむら「さやか……布団って素晴らしいと思わない?」
さやか「え?まぁそうだね」
ほむら「暖かくて、包み込んでくれて、そしてなによりお金もかからない」
さやか「う、うん……」
ほむら「あなたが望むなら、私のすでに温められた布団を使うことを許可するわ」
さやか「た、確かに外はちょっと肌寒いけど……」
ほむら「さぁ、暖かい布団がここにあるのよ?」
さやか「……」ゴクリ
さやか「ってそうじゃなくて!」
まどか「ほむらちゃん、お掃除するからちょっとどいてて」
ほむら「えぇ、いつもありがとうまどか」
まどか「ううん、気にしないでほむらちゃん」
さやか「今思ったけど、まどかがいるのに私によくそういう事言えるね」
ほむら「私はまどか一筋よ、むしろこれでまどかが嫉妬でもしてくれるなら喜ばしいわ」
ほむら「嫉妬して私から離れようとしなくなるまどかなんて最高じゃない」
さやか「あーはいはい……はぁ……」
マミ「なんというか……すごいわね……」
杏子「でも暖かい布団は本当に気持ちが良くてな……」
さやか「入りたいって思うようなこと言うのはやめてよ杏子」
ほむら「まぁ入りたくないなら別にいいわ」ゴロゴロ
杏子「……もう一回入りたいって言ったら入れるのか?」
ほむら「ふふっあなたも布団の魔力の虜になってしまったようね」
杏子「いやだってなんか寒い……」
ほむら「さっきまで暖かい布団にいたのだから当然ね」
マミ「すごい誘惑ね」
さやか「正直に言うと布団に入りたくてしょうがないですよ……」
マミ「鹿目さんはずっと家事してるけど……」
さやか「ほむらの世話が最近生きがいなのかもしれませんね……」
―帰り道―
さやか「結局……引きこもるのをやめさせられませんでしたね」
マミ「えぇ、今回は完敗だったわ」
さやか「杏子も布団の魔力に魅入られちゃってたし」
マミ「暁美さんの場合、やるべきことを鹿目さんがやってくれているというのもあるのかもしれないわね」
さやか「まどかにお世話をやめるように言っても無駄だろうし……」
マミ「そうねぇ……」
さやか「まどかが相談してきたのだから程度は言うことを聞いてくれるとはおもいますけど……」
マミ「鹿目さんを餌にして釣り上げるのが一番いいでしょうね……」
さやか「うーん」
―ほむホーム―
ほむら「このまどかの写真はやっぱりいいわね……」
杏子「何堂々と見てんだよ」
ほむら「私がいつまどかの写真を眺めてもいいでしょう?」
杏子「にしても布団ってこんなにいいものだったんだな」
ほむら「えぇ、布団は魔力を持っているもの」
杏子「なんていうかこう、使い込まれた感じがいいな」
杏子「ホテルだと毎回変えられてるし」
ほむら「しょうがないわ、そういうものよ」
まどか「お夕飯できたよほむらちゃん、杏子ちゃん」
ほむら「いつもありがとうまどか」
まどか「ティヒヒ、カロリーメイトとかじゃなくてちゃんと食べないとね!」
杏子「うまそうじゃん」
まどか「ほむらちゃんの食生活改善のために練習頑張ったんだ!」
ほむら「私のために……」ジーン
ほむら「美味しいわ、まどか」ポロポロ
杏子「へぇ、うまいもんじゃん」
まどか「よかったぁ」
まどか「それでね、ほむらちゃん」
ほむら「えぇ」
まどか「やっぱり学校に来るのは面倒?」
ほむら「えぇ……確かにあなたがいるのは非常に魅力的よ」
まどか「だったら……」
ほむら「でもね、私はあなたと席が離れている、番号順でも遠い」
ほむら「私は結局休み時間以外あなたと一緒にいるようでいないのよ……」
まどか「でも、私はほむらちゃんと一緒にお弁当食べたりしたいな」
ほむら「……ごめんなさい、それでも私は……布団から逃げられない……」
杏子「まぁ今も羽織ってるしな」
ほむら「心配しないで、テストはちゃんと出席するし」
まどか「……やっぱり、外に出てはくれないんだね」
ほむら「……あなたの気持ちはほんとうに嬉しいわ、でも……ごめんなさい」
杏子「よくわかんねぇなぁ」
まどか「でも、学校には出席日数とかも……」
ほむら「私の代わりに杏子が私のふりをして学校に通うわ」
杏子「えぇ!!?」
まどか「……ほむらちゃん……」
ほむら「大好きなあなたのお願いでも、今は諦めてもらえないかしら?」
ほむら「いつか私が布団の魔力を乗り越えた時……その時はもう一度……」
まどか「……」
杏子「ごちそうさまっと」
ほむら「ごちそうさま」
まどか「お粗末さまでした」
杏子「で、さっきのは冗談でいいんだよな?」
ほむら「さっきの?」
杏子「私がお前の代わりにっていう」
ほむら「幸いにもあなたは髪が長いから色さえ合わせれば……色々あったってことで」
杏子「むちゃくちゃだなおい……」
ほむら「喋らず静かに眠っていたらいいわ」
杏子「それはそれでどうなんだよ……」
まどか「片付け終わったから帰るね」
ほむら「送って行くわ」
パタン
杏子「布団羽織って普通に出ていったけど、あれで登校したらだめなのかって突っ込んだら駄目なんだろうな……」
杏子「ほむらの家に布団が5つもあるお陰で私も布団に入れるしいいや、暖かい……」
ほむら「ただいま」
杏子「おかえり」
ほむら「それで、今日から泊まるの?」
杏子「お前がいいなら」
ほむら「別にいいわよ」
杏子「私もひとつの布団を使い込んで自分専用の布団を作りたいって思ってさ」
ほむら「いい心がけね」
杏子「そしたらいまよりもっと気持ちよく寝れるんだろ?」
ほむら「えぇ、それこそにげられなくなるぐらい」
杏子「どんなもんか試してみたくてな」
ほむら「いいわ、その布団は今日からあなたのものよ」
杏子「いいのか!」
ほむら「えぇ、私にはこの布団があるもの」
杏子「ん?なんでお前はふたつ布団使ってるんだ?」
ほむら「あぁこれ?これは私の抱きまくら用布団よ」
杏子「抱きまくらってあったほうがいいのか?」
ほむら「これは人によるってところね……」
ほむら「今の時点で欲しいって思ってないならおそらく必要はないわ」
杏子「そうなのか?」
ほむら「えぇ」
杏子「ふーん……」
ほむら「試してみたいなら止めないけど?」
杏子「うーん……いいや」
ほむら「そう」
マミ「寝てばかりいると成長が止まるわよ?…胸の」
ほむら「」
ほむら「胸どころかお腹も出るくらいなら胸何ていらないわ」
マミ「・・・」
オイコラ
エイミー「にゃにゃ!」
ほむら「今頃戻ってきたのねエイミー」
杏子「ん?言ってた飼い猫か」
ほむら「えぇ、よくどこかにお出かけするのよ、元々野良だし」
杏子「へぇ、心配にならないのか?」
ほむら「心配だけど、猫って閉じ込めるわけにもいかないし」
杏子「ま、生き物なんてそんなもんだな」
エイミー「にゃにゃ」
ほむら「寝床に入ったってことは寝るみたいね」
杏子「まぁ、ある意味私達も寝る直前だけどな」
ほむら「眠いの?」
杏子「たいして」
ほむら「布団が暖かいから入ってるだけだもの、そんなものよね」
杏子「あぁ、まぁ寝ないといけないってこともないしな」
ほむら「さすがに眠くなってきたわね」
杏子「横になってるわけだし、暖かいしな」
ほむら「電気消すわね」
杏子「おう」
ほむら「おやすみ杏子」
杏子「……」
ほむら「どうしたの?」
杏子「いや、おやすみって人に言うのも久しぶりだと思ってな」
杏子「まぁいいか、おやすみほむら」
ほむら「えぇ、おやすみ」
―朝―
ほむら「……動きたくない」
杏子「あぁ……」
ほむら「さすが朝の布団の魔力はレベルが違うわ」
杏子「暖かい布団、外に出ると寒いという現実……」
杏子「今までどうして布団から普通に出られたのか不思議だ……」
ほむら「一度知ってしまえばもう戻れない……それが布団の魔力……」
杏子「身体は動く、むしろ調子もいいぐらいなのに動けない……」
ほむら「こうなってはあなたを身代わりに学校に行かせることもできそうにないわね」
杏子「あぁ、悪いな……」
ほむら「こうなる気はしていたから気にしないで、今日も休みの連絡を入れるわ」
杏子「へへ、さやかに怒られちまうな」
ほむら「さやかはもう布団の魔力に気がついている、あとは休んでもいいんじゃないかという疑問を持たせれば堕ちていくだけよ」
杏子「それってつまり、さやかは意思の力でこの魔力に抗ってるのか……すげぇな」
ほむら「えぇ、尊敬に値するわ」
杏子「マミはどうなんだ?」
ほむら「マミはおそらく、布団の魔力に囚われていないわ」
杏子「どういうことだおい!」
ほむら「暖かい布団はいいものって程度の認識よ……」
杏子「じょ、冗談だろ……」
ほむら「そこから一つ私は仮説をたてたわ」
杏子「仮説?」
ほむら「えぇ、杏子、腕を組んで寝てみなさい」
杏子「?」
ほむら「どう?」
杏子「別に?」
ほむら「そう、そこまでが通常ライン、さやかラインと名づけましょう」
ほむら「その腕をもう少し上にあげてみて」
杏子「どういうことだおい、布団がかぶらない位置が寒いじゃねぇか」
ほむら「そう、マミはあの胸によって布団の魔力を回避していたのよ」
マミは脂肪をたくさん着てるから布団入っても暑すぎるのだろうな
ほむら「あくまで仮説……正しいかはわからない……」
ほむら「私や、あなたの胸ではあれを再現することはできない……」
杏子「つまり私たちは逃げられないってことだな……」
ほむら「えぇ、もう私たちは布団の魔力に囚われてしまった」
ほむら「正確に言えば気がついてしまった」
ほむら「あなたも、私も精神的な余裕を持ってしまった……布団でゆっくりしてもいいという余裕を」
杏子「思わぬ伏兵ってわけだな……」
ほむら「えぇ、学校なんかに行くよりもこうしている方が有意義よ」
杏子「引きこもる気持ちがよくわかるな」
二次創作が盛り上がる作品はたいてい原作に足らない部分がある
東方なら絵、禁書なら原作者の頭
トラブルには穴が無いわ
>>171
まどマギには「ほっこり」とか「なごみ」だな
おれ・・・成長したまどかの結婚式と、それを祝福するほむらや皆が見たいんだ・・・
>東方なら絵
古くは「ときメモ」や「痕」に「東鳩」、あと最近って程でもないが「ひぐらし」もそうだな
杏子「それにしても、お前がまどかが悲しむようなことをするなんてな」
ほむら「たしかにまどかが悲しむのは不本意だわ」
杏子「その割には学校に行こうともしてないな」
ほむら「せめて私がまどかの後ろの席ならずっとまどかを眺められるのだけど……」
ほむら「私の席って一番まえだから……」
杏子「ふーん」
ほむら「それに布団が暖かいし」
杏子「あぁ、確かに」
ほむら「布団が私を離してはくれないし」
杏子「あぁ、自分のせいじゃなくて布団のせいにしたいって時は皆そういうよな」
ほむら「だって暖かいもの」
杏子「あぁ、暖かいな」
ほむら「春にもなれば暑くなって布団を脱ぐ日もくるでしょうけど」
杏子「春までそのままでいるつもりかよ……」
ほむら「いずれあなたもわかるわ……」
杏子「もうすでに少しわかる気がして笑えないよ……」
ほむら「それに暇つぶしなんて今の時代は布団の中でもできるわ」
杏子「例えば?」
ほむら「さやかをメールでからかう」
杏子「あームキになって返信してきそうだな」
ほむら「えぇ、それにまどかにメールをうって愛を語るとか」
ほむら「まぁこれは暇つぶしではないけど」
杏子「そこまで言うなら学校に行けばいいのに」
ほむら「さっきも理由は言ったでしょう?」
杏子「そうだな」
ほむら「ちなみにマミは真面目なので学校に携帯を持って行っていないわね」
杏子「ふーん」
杏子「今の時代だと普通はパソコンじゃないのか?」
ほむら「パソコンは買おうとしたらまどかに止められたのよ」
杏子「なんで?」
ほむら「のめり込みそうって……」
杏子「さすがまどか、お見通しだな」
ほむら「まぁでも、携帯電話と言う名のパソコンをすでに持っているようなものよね」
杏子「まぁそうだな」
―学校―
まどか「うーん……」
さやか「あいつはまどかが家に来てくれるってだけで学校に来る意味がなくなるんだって」
まどか「でもほむらちゃんの食生活が……」
さやか「そこで、私とマミさんがほむらの食生活の面倒を見るから」
さやか「まどかが行かないことであいつはまどかの様子を見たいと思うはず」
さやか「それからほむらはいずれ学校へ行かざるを得なくなるってわけよ」
まどか「そっか……わかったよ」
さやか「別にあいつを奪ったりしないから大丈夫だから」
まどか「じゃあこのメモ渡すね?」
さやか「ん?なにこれ」
まどか「ほむらちゃんの苦手な食べ物リストと食べたい料理リスト」
さやか「あーうん……」
さやか「って結構あいつって好き嫌い多いね」
まどか「だから嫌いな物をあげないで栄養をって考えて……」
さやか「甘やかしてるねぇ」
まどか「うーん、でもほむらちゃんの栄養バランスが……」
さやか「いやまぁ話を聞いてる限りであいつが普段どれだけ駄目な食事してるかはわかるけど……」
まどか「うん……パパに相談したら苦笑いしながらその子を家にいっぱい呼んであげてとか言ってたし」
さやか「人の父親にまで心配されるって相当だね……」
まどか「これで一人暮らしだもん……やっぱり心配で……」
さやか「なんていうか大変だね……」
まどかが男だったら将来はさぞかし心配性なお父さんになったんだろうな
ほしゅ
ほむら「ふわぁ……」
杏子「んーこんなにお前と喋ったのって初めてかもしれないな」
ほむら「二人で喋るのはあんまりなかったわね」
杏子「あいつらと一緒にいてっていうのはあったけど、お前と二人だと魔法少女関連の話しか浮かばねぇな」
ほむら「そうね……」
杏子「それにしても暖かい……」
ほむら「そろそろ二度寝タイムね」
杏子「そっか、別に二度寝してもいいのか……」
ほむら「えぇ、いいのよ、二度寝しても」
杏子「そうだよな、二度寝してもいいんだよな」
ほむら「その気になれば三度寝も四度寝もOKよ」
杏子「布団……最高だな」
ほむら「えぇ」
―学校屋上 昼―
さやか「というわけで」
マミ「そう、皆で食事なんて楽しそうって思ったけど鹿目さんは来れないのね……」
さやか「まどかが来るとほむらが……」
まどか「ほむらちゃん……ちゃんとお昼ごはん食べてるかな……メール送ってみよ……」
マミ「暁美さんと佐倉さんを元に戻してあげないとね」
さやか「という訳で協力してもらえますか?」
マミ「もちろんよ、可愛い後輩の頼みだもの」
まどか「ありがとうございますマミさん」
さやか「やっぱりマミさんは頼りになりますね」
マミ「ふふっありがとう」
ほむぅ
ピリリピリリ
ほむら「!!」ガバッ
杏子「ん……どうしたんだ?」
ほむら「まどかからのメールよ」
杏子「なんでそこまでまどかのためならできるのに学校行けねぇんだよ」
ほむら「メールは学校に行かなくても見れる」
ほむら「布団は学校では羽織れない、そういう事よ」
杏子「うーん、まぁいいや、私は三度寝する」
ほむら「えぇ、どうぞ」
まどか【ちゃんと昼食は食べてる?】
ほむら「心配してくれたのね……ありがとうまどか」
ほむら【えぇ、しっかりと1日分の野菜とカロリーメイトで栄養、カロリー共に完璧よ】
ほむら「本当は面倒で食べてないけど、まどかに心配をかけるわけにはいかないわね」
まどか「やっぱりちゃんとした食事してない……」
さやか「どしたの?」
まどか「ほむらちゃんがやっぱり昼食をちゃんととってないみたいで……」
マミ「でも、佐倉さんがいるならそんなの耐えられないんじゃないかしら?」
さやか「出されたものはなんでも食べますけど、割と我慢はしますし」
マミ「こうしてみると、鹿目さんが心配で甘やかせてしまう気持ちもわかるわね……」
さやか「そうですね……」
まどか「あ、そうだ!夕食作ってあげる時に多めに作ってあげてください」
マミ「え?」
まどか「冷蔵庫に入れておいてメモさえ残しておいたら朝食に食べてくれると思うので……」
さやか「そこまでしてたんだ……」
マミ「いつでもお嫁さんにいけそうね……」
ほむら「んー眠くなくなってきたわ」
エイミー「にゃー」
ほむら「あなたはやっと起きたのね、好きなように毎日を過ごしてるなんて羨ましいわ」
エイミー「にゃ?」
ほむら「よく考えたら今の私もそうだったわ」
エイミー「にゃにゃ!」
ほむら「ご飯?しょうがないわね……」
ほむら「あ……メモが……」
冷蔵庫に朝食入れておいたらかちゃんと食べてね
ほむら「エイミーが起きるのが遅くて気が付かなかったわ……」
ほむら「杏子を起こして食事にしましょう」
エイミー「にゃ?」
ほむら「えぇ、あなたも一緒に食事にしましょうね」
エイミー「にゃ!」
杏子「異様な光景だな」
ほむら「そう?」
杏子「二人が向い合って布団羽織って飯食ってるのが異様じゃないってか?」
ほむら「そう言われるとそうね」
杏子「というかここまで心配させてどうしてまどかと」
ほむら「何度言わせる気?」
杏子「まぁそうだな、悪かった」
ほむら「そりゃあまどかとお弁当あーんとか色々とやりたいことはあるけど」
ほむら「昼休みだけ学校に行くのもねぇ……」
杏子「もはや学校でやるべきことが何かってことすらわからなくなってるな」
ほむら「それに私があーんするとしたらカロリーメイトだし」
杏子「……」
ほむら「皆が普通のお弁当食べてる中カロリーメイトをモソモソ食べるってなんか気まずいじゃない」
杏子「まぁ確かに」
ほむら「かといってお弁当を作るのは面倒でしょう?」
杏子「そうだな、コンビニ弁当とか持っていくのもあれだし……」
ほむら「えぇ」
ほむら「美味しかったわ」
杏子「あぁ」
杏子「このままでいいのか?」
ほむら「何がよ」
杏子「お前の気持ちもわかるが、まどかを悲しませたくはないんだろ?」
ほむら「まぁ……ね……」
杏子「だったら、学校行ったほうがいいんじゃないか?」
ほむら「そうね、そうかもしれないわ」
杏子「あぁ」
ほむら「さて、三度寝といきましょうか」
杏子「言ったそばからそれかよ……」
まどか「じゃ、じゃあほむらちゃんの事、お願いだよ」
さやか「はいはい、任せてまどか」
まどか「うん……」
マミ「じゃあね鹿目さん」
まどか「あ、はい……」
―――――
―――
さやか「世話してるのはまどかなのにまどかが依存してるように見えるのは気のせいでしょうか」
マミ「気のせいじゃないんじゃないかしら」
マミ「暁美さんも依存しているように見えるけど」
さやか「お互いに依存してるように見えるのに一緒にいないってのも不思議ですね」
マミ「そうね」
―ほむホーム―
ピンポーン
ほむら「すぅ……すぅ……」
杏子「すぅ……すぅ……」
ピンポーン
ほむら「すぅ……すぅ……」
杏子「すぅ……すぅ……」
ドンドンドン
さやか「ほむらー開けろー」
ピンポンピンポンピンポン
マミ「み、美樹さんあんまり騒ぐとご近所さんに……」
ピンポンピンポンピンポン
ほむら「ん……うるさいわね……」
さやか「さやかちゃんがきてやったぞー」
ほむら「……面倒ね、まどかがいるなら鍵は開けれるはずだし放っておきましょう……」
さやか「鍵を借りておくんだった……」
マミ「そうねぇ」
さやか「杏子にさっきからテレパシー送ってるんですけど寝てるみたいで」
マミ「じゃあ暁美さんは?」
さやか「さっきから私にうるさいとかテレパシー送ってきてますよ……」
マミ「開ける気はないみたいね……」
マミ「しょうがないわね……」
さやか「何か方法があるんですか?」
マミ「ポストからリボンを通して鍵を開ければいいでしょう?」
さやか「なるほど!」
マミ「こんなことで魔法をって思わなくはないけど……」
ガチャ
ほむら「……」
さやか「さっきはよくも無視してくれたねほむら」
ほむら「すぅ……すぅ……」
さやか「寝たふりするのはやめてくれるかな?」
ほむら「あら、不法侵入?やめて欲しいわね」
さやか「……」
ほむら「まぁ冗談はいいとして、まどかがいないけどどうしたの?」
ほむら「まさか病気!い、急いでお見舞いに行かないと!」
マミ「随分とアクティブなひきこもりよね……」
さやか「ってちょっと、布団にくるまってどこに行くのさ!」
ほむら「まどかに何かあったらどうするのよ!」
さやか「その前にあんたが通報されるわ!」
さやか「という訳でまどかは来ないよ」
ほむら「……寝るわ」
さやか「ってちょっと!」
ほむら「何よ……」
さやか「あんたの食生活をまどかが心配してるからしょうがなく来てやったんだってのに」
ほむら「カロリーメイトと1日分の野菜があれば栄養なんて問題ないわ」
マミ「その考えはどうなのかしら……」
さやか「まどかが心配になる気持ちもわかってきましたよ……」
杏子「ん……あれ?何でさやかとマミがいるんだ?」
ほむら「不法侵入よ」
マミ「間違ってはいないけど……」
杏子「まぁいいや、それにしても布団だけじゃなく枕も私に馴染んできた気がする」
ほむら「気がついたようね」
杏子「え?」
ほむら「布団というもの以上に安眠に重要なのは枕よ」
杏子「そ、そうなのか!?」
ほむら「えぇ、はっきり言って枕はなくても眠れる、布団はないと寒さで起きたりしてしまう」
ほむら「ゆえに蔑ろにされていることがあるわ、でもそれは間違いよ」
杏子「どういうことだ!」
ほむら「自分に合っていない枕を使用すると快適な睡眠からは遠のくのよ」
杏子「じゃ、じゃあこの枕は私に合って無い可能性も……」
ほむら「ふふっ大丈夫よ、その枕はあなたに合っているわ」
ほむら「この短期間に枕が馴染んできたということからもその事が伺えるわ」
杏子「そ、そうか……こいつが私の快眠を守ってくれてたのか……」
さやか「目の前でどんどんダメ人間会話が……」
マミ「結構重症ね、佐倉さんも暁美さんも」
さやか「はぁ……じゃあマミさん、すみませんが夕飯のほうお願いできますか?」
マミ「えぇ、腕によりをかけて作るわね」
ほむら「あぁ、まどかと会いたい」
さやか「なら学校に来なさいよ」
ほむら「学校が布団を羽織って行って、さらに寝てもよかったら考えるわ」
さやか「そこまでの条件で考えるだけって……」
ほむら「ここにまどかの隣だとかまどかを見ていられる位置だとか学校まで歩かずに行けるとか……」
ほむら「どれかがあれば学校に行ける気がするわ」
さやか「……」
ほむら「えぇ、わかってる、そんな顔をしなくても無理だってことぐらい」
ほむら「だから私は学校へは行けない……」
さやか「いやなんか色々とずれてるんだけど……」
ほむら「いっその事学校で寝泊まりも考えたけど、いくら布団大好きな私でもシャワーは浴びたいのよ」
さやか「あーうん、そういう普通のところが残っててちょっとほっとしたよ……」
ほむら「さやか、布団って最高だと思わないかい?」
さやか「そ、そりゃあ私だってそれは思うけど……」
杏子「さやか、なんか寒そうだし私の布団に入るかい?」
さやか「い、いや……」
ほむら「さやか、ちょっとだけ入ってみたらいいじゃない、暖かいわよ」
さやか「うぐ……」
杏子「まぁ無理にとは言わないけどなんかお前寒そうだと思っただけだし」
ほむら「杏子の気遣いを無駄にするのにあなたは私に気遣いを無駄にするなと言うのね」
さやか「そ、それとこれとは……」
ほむら「そうね、でも……杏子は本心からあなたが寒そうだと思ってるはずよ」
さやか「うぐ……」
杏子「あーいや、そんな気にするなよ、別に寒くないならそれでいいだろうし」
さやか「ちょ、ちょっとだけ……」
さやか「そう、ちょっとだけだよ!私が布団に入ることで杏子の気遣いを無駄にしたくないだけ」
ほむら「えぇ、人を思いやれるっていいことよね」
さやか「よいしょっと……」ゴソゴソ
杏子「お前手とか冷え切ってるじゃねぇかったく」
さやか(やばい、杏子も布団も暖かい……)
ほむら「布団……やっぱり最高だわ」
さやか「ま、まぁ寝るときとか大切だしね」
ほむら「えぇ、暖房なんかよりはるかに素晴らしいわ」
ほむら「いえ、むしろ暖房を使わないことで外との気温差からさらに暖かさが気持ちよくなる」
杏子「こんないいものがあったなんてなんで今まで気が付かなかったんだろうな……」
ほむら「それだけ皆大変だったのよ、そして今は余裕がある」
杏子「心の余裕って大切だな……」
ほむら「えぇ、そうね」
マミ「できたわよって……あら?」
ほむら「暖かいわ……」
さやか「暖かいね……」
杏子「暖かい……」
マミ「あらあら……どうしましょう……」
ほむら「あら、良い匂いね」
マミ「えぇ、鹿目さんが言うようにあなたの好きなもので栄養バランスまで考えてあげたのよ」
ほむら「そう、ありがとうマミ」
マミ「どういたしまして」
マミ「美味しそうに食べてくれるのは嬉しいけど……異様な光景ね」
ほむら「そう?」
マミ「布団を羽織った3人が食べているもの」
ほむら「そういえば杏子も言っていたわね」
マミ「私から見たら怪しい集団よ」
ほむら「魔法少女って集まりの時点で怪しい集団じゃない」
マミ「否定したいけど否定できないわね……」
さやか「美味しい」
杏子「マミも料理上手だな」
マミ「それにしても美樹さんがそっち側に行ってしまったというのはどうしたら良いのかしら……」
ほむら「あなたも布団に入る?」
マミ「私はそこまで布団に囚われたことはないのよね」
ほむら「でしょうね」
マミ「状況が悪化したなんて鹿目さんに顔向けできないわね……」
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く廴厶__ } { ヽ .>
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ほむら「ごちそうさま」
杏子「ごちそうさま」
さやか「ごちそうさまでした」
マミ「お粗末さま」
ほむら「それにしても布団が暖かいわ」
マミ「はぁ……」
杏子「そういやさやかは家に戻らないと駄目だろ」
さやか「うぐ……そうだった……でも布団から出たくない……」
ほむら「連絡さえすれば泊まっていってもいいわよ」
さやか「じゃあお言葉に甘えて……」
マミ「できれば早めに目を覚ましてね?」
ほむら「どういうこと?」
マミ「魔女退治はしばらく私一人でなんとかできるけど、あんまり鹿目さんを心配させるようなら」
マミ「あなた達を無理やり引きずってでも学校に連れて行くから」
ほむら「確かにあなたに本気でそんな事をされたら抵抗するだけ無駄ね……」
マミ「恋人みたいな関係になってるのなら尚更心配させるちゃダメよ」
ほむら「そうね……」
マミ「なんでそこまでわかってて学校に来ないのよ」
ほむら「布団が私を呼んでいるのよ」
マミ「鹿目さんも呼んでるじゃない」
ほむら「まどかと私は心でつながれてるのよ」
マミ「そこまで自信満々に言われると困るわね……」
さやか「お、杏子って抱きしめやすいサイズだね」
杏子「ほむらとは違う意見だな……」
さやか「そうなの?」
杏子「抱きまくらにしては堅いって言われたよ」
さやか「あー私はこれぐらいのほうがいいかな」
ピンポーン
ほむほむ「…はい」
俺「お嬢ちゃん、学校いこうぜ?」
ほむほむ「大さん……」///
マミ「恋人みたいな関係になってるのなら尚更心配させるちゃダメよ」
ほむら「そうね……」
マミ「今日はそれだけは自覚してもらえる?」
ほむら「えぇ……まどかに謝っておくわ」
マミ「もう……」
ほむら「本当にごめんなさい……」
マミ「まぁ、これが駄目だってわかっているならそれでいいわ」
さやか「杏子って結構髪さらさらだね」
杏子「ほむらの家に泊まってるからシャンプーとかコンディショナーのおかげかもな」
さやか「ふーん……」
杏子「結構いいの使ってるみたいだし」
さやか「良い匂いがする抱きまくらってやばいね……」
杏子「完全に私は抱きまくら扱いかよ……」
マミ「美樹さんも佐倉さんもよ?」
さやか「あ、いや……えっと」
杏子「そう言われてもこう暖かいと出たくないんだよ」
マミ「明日の朝食分は冷蔵庫に入れておくからちゃんと食べること、いいわね?」
ほむら「えぇ、ありがとう」
マミ「それじゃあ私は帰るわね」
ほむら「またね」
杏子「じゃあな」
さやか「また明日」
マミ「えぇ、また明日学校でね、暁美さん、美樹さん」
さやか「うぐ……」
ほむら「……」
ほむら「まどかにメールでも送りましょう……」
さやか「私の親友を悲しませるんじゃないぞほむら」
杏子「お前もある意味悲しませる原因に今はなってるけどな」
さやか「うぐ……」
ほむら「まどかを……こちらの世界に引きこむか……私が戻るか……」
ほむら「とにかくまどかに謝らないとね……」
杏子「学校があるやつって大変だなー」
さやか「そうそう、結構大変なんだよね」
ほむら「なんて謝ろう……」
杏子「謝っても学校に行く気がないなら謝るもクソもないんじゃないか?」
ほむら「ううん……」
さやか「まぁ普通にお話でもしたらいいんじゃない?」
ほむら「あぁ、まどかに会いたい……」
ほむら「1日もまどかと会ってない」
ほむら「会いたい、会いたい、まどかに会いたい」
ほむら「考えたら止まらなくなってきたわ……」
さやか「そこまで会いたいまどかがいる学校に何で来ないのか不思議だね……」
杏子「だな」
ほむら「あぁ、まどかの写真を見ましょう……」
さやか「本当に盗撮アルバム開いちゃってるよ……」
杏子「もはや隠す気ねぇってあいつ」
ほむら「……」
杏子「神妙な顔してどうしたんだアイツ」
さやか「さぁ?」
ほむら「……」
杏子「うーん長いこと横になってたから身体がボキボキ鳴る……」
さやか「一気になると気持ちいいよね」
杏子「身体にいいわけじゃないみたいだけどな」
さやか「へぇ、そうなんだ」
杏子「まぁでもなんか楽になるよな」
さやか「そうそう、朝起きて伸びした時とか」
杏子「あーわかるわかる」
さやか「ストレッチとかもいいよね」
杏子「そうそう」
ほむら「……」
さやか「で、何やってんのあんた」
ほむら「まどかとメール」
さやか「あぁ、それで真面目な顔してたんだ」
杏子「どんな内容のメールをうったんだ?」
ほむら「別に何でもいいでしょ……」
さやか「気になるじゃん」
ほむら「まどかから休日遊びに行こうってメールが来たのよ」
さやか「行けばいいじゃん」
杏子「そうそう」
ほむら「そうね、一日中まどかと会えるのだから」
ほむら(いつもはまどかが家にきてくれて……)
ほむら(どうしよう……出かけたくない……)
ほむら(でもまどかとは会いたい……)
ほむら「うぐぐ……」
さやか「なんか葛藤してるね」
杏子「まぁなんとなく考えてることはわかるけど」
ほむら(でももうOKしちゃったし……)
ほむら(家で一日中まどかと一緒に……)
さやか「でもほむらって前まどかが来た時にあんまり話しかけてなかったよね?」
杏子「あぁ、あれならチラチラと様子見てたみたいだよ」
さやか「へぇ」
杏子「私はまどかとなら目と目で会話できるとか言ってたし」
さやか「なんていうかすごいね……」
杏子「あぁ、真顔で言われたときはちょっと怖かった」
さやか「でもあの様子だと本当に会話できてそうだね……」
ほむら「……べ、別に私引きこもりってほど引きこもってないわ!」
さやか「突然どうしたのさ」
ほむら「普通におしゃべりもできるし、学校の勉強も問題ない」
ほむら「むしろ学校に行かなくて何が悪いというの!」
杏子「どうしたんだおい」
ほむら「そうよ、私は引きこもりじゃない、休日は外に遊びに行くのよ!」
ほむら「引きこもりが外に出られるわけないんだから!」
ほむら「楽しみだわ!まどかとのお出かけ!明日は休日じゃないけど!」
ほむら「今から準備しちゃおうかしら!」
さやか「なんか自己暗示かけてない?」
杏子「あぁ、1週間たってないはずなのに結構きてるな……」
さやか「ああはなるまいって思いながらも布団から出られない私……」
杏子「奇遇だな、私もだよ」
―翌日 朝―
さやか「ってもうこんな時間じゃん!なんで誰も起こしてくれないのさ!」
ほむら「ん……だって学校めんどうだし」
杏子「私学校ないし」
さやか「ああもう!急いで行かないと!」
ほむら「待ちなさいさやか」
さやか「え?何?」
ほむら「今日休むと、なぜか3連休ができるわよ」
さやか「……」ゴクリ
ほむら「さぼったのは1日だけなのに3連休……GWよ」
さやか「……」
ほむら「今でていけば布団は冷たくなっていくわ……それを覚悟しているのね?」
さやか「で、でも私は家があるし……自分のベッドが……」
ほむら「もうすでにその布団はあなたのものなのよ」
さやか「え?」
さやか「この布団はあんたに借りただけで……」
ほむら「杏子が使っている布団はすでに杏子のもの」
ほむら「そして私はその布団をあなたにプレゼントしたつもりだったのだけど」
さやか「この……布団を私に……」
ほむら「えぇ」
さやか「ってそんな事話してる場合じゃ」
ほむら「さやか」
さやか「今度は何?」
ほむら「遅刻というけど、HRって授業じゃないって思わない?」
さやか「そりゃあまぁ、早乙女先生の彼氏の話聞かされるだけだけど……」
ほむら「もう少しゆっくりしてもいいんじゃないかしら?」
さやか「……」
ほむら「朝から慌ててもいいことなんてないわ、じっくりゆっくり、あなたに一番必要なことよ」
さやか「……」
ほむら「時間をみなさい、1時限目が始まる時間で考えるの」
さやか「……結構余裕があるね」
ほむら「えぇ、あと5分ぐらい布団にくるまって、それから準備して出かけても遅くはないわ」
ほむら「私の家はあなたの家より近いもの」
さやか「そう……なのかな」
ほむら「それともこんな時間から走って急いで行くことで汗だくになって席につきたい?」
ほむら「体育もないはずなのに汗臭いかなって気にしながら1日を過ごしたいの?」
ほむら「女の子として、それはどうなのかしら」
さやか「わ、私は……」
ほむら「別に学校に行くななんて言ってないわ、遅刻しろというわけでもない」
ほむら「ただ、HRは急いでいくほど価値のある時間ではないと思うからそれを忠告しただけよ」
さやか「……」
―学校屋上 昼休み―
マミ「はぁ……」
まどか「マミさん……」
マミ「やっぱり私や美樹さん、佐倉さんじゃ暁美さんは改心させられないわ」
まどか「そうですか……」
マミ「だから、休日に連れ出すんでしょう?その時頑張りなさい、手伝えることがあるなら手伝うから」
まどか「はい……」
マミ「一応今日も暁美さんの家にはいくけど……ごめんなさいね鹿目さん、何も手伝えなくて……」
まどか「い、いえそんな……」
マミ「あと、鹿目さんも、暁美さんをあまり甘やかせ過ぎちゃ駄目よ?」
まどか「え?」
マミ「あなたって自分を必要としてくれてる人に弱いもの」
マミ「確かに暁美さんはあなたのために頑張った、だからといって尽くせばいいものじゃないわ」
マミ「お互いに好きって思ってるんでしょう?だからこそ、もっとお互いに支え合わないと」
まどか「そ、そう……ですね……」
マミ(まったく、鹿目さんを悲しませちゃ駄目ってあれほど言ったのに……)
マミ(どうせ最初は休んでみたら鹿目さんが心配してきてくれるかなとか考えてたんでしょうけど)
マミ「どうしてもっと素直に甘えられないのかしら……まぁ今でも十分甘えてる気がするけど……」
マミ(美樹さんと佐倉さんまで取り込まれるし……)
マミ「はぁ……」
マミ(まぁでも、数日休んだ後って学校に行くのが怖くなる気持ちはわかるわね……)
マミ(行くべきだとは思ってるけどきっかけがないと動けないってところだろうし)
マミ「結局鹿目さん頼みね……」
マミ(それにしても美樹さんと佐倉さんはどうしたらいいかしら……)
―ほむホーム―
ピンポーン
ガチャ
マミ「こんにちは、3人とも」
ほむら「さも当然のようにリボンで開けて入ってこないでよ」
さやか「あ、あははは……マミさんこんにちは……」
杏子「ようマミ」
マミ「美樹さんは、何か申し訳なさそうにしてるけど、私に何かいうことでもあるのかしら?」
さやか「え、えと……たはは……」
マミ「鹿目さんが心配していたわよ、美樹さんのことも……」
さやか「す、すみませんでした……」
マミ「あと暁美さん、鹿目さんを悲しませたら……心配させたら駄目っていったわよね?」
ほむら「そうね……メールで謝ったわ」
マミ「もう……明日一緒にお出かけするときもちゃんと謝るのよ?」
ほむら「えぇ……」
マミ「それに佐倉さん」
杏子「え?私別に学校ないし」
マミ「そうやってあなたまで布団にくるまったりするから美樹さんが私もって思ったりしちゃうのよ」
杏子「いや、それはさやかの意思であって……」
マミ「多くの人が自分と違う行動をとってるとそっちが正しいんじゃって思えてくるものよ」
杏子「ふーん」
マミ「ふーんじゃないでしょう?」
杏子「ご、ごめん……」
杏子『おいなんでマミがこんなに怒ってるんだよ』
さやか『いやそりゃあ怒るでしょ』
杏子『機嫌が悪い日のとばっちりってやつか?』
さやか『いや違うと思うけど……』
マミ「さてと……今日は暁美さんの分だけ料理を作ってすぐに帰るわね」
杏子「え?」
マミ「美樹さんと佐倉さんは今日から2日間私の家にお泊りよ」
さやか「ど、どういうことでしょうか」
マミ「2日で叩き直してあげる、あなた達を」
ほむら「私はいいのかしら?」
マミ「あなたを治すのは私の役目じゃないわ」
ほむら「……そう」
マミ「大丈夫よ、このままじゃ駄目だってわかってるんだから」
マミ「二人を駄目な方へ引っ張ったのはあなただけど、悪いと思っていない佐倉さんよりはずっといいわ」
杏子「んだよその言い草……」
ほむら「……」
ほむら「久しぶりに一人になった気がするわ……」
ほむら「……」ホムホム
ほむら「好物なのにあまり美味しくないわね……」
ほむら「一人で食べる食事がどれだけ美味しい料理でも……」
ほむら「だからカロリーメイトと野菜ジュースに逃げたんだっけ……」
ほむら「栄養さえあればいいって……」
ほむら「……」
ほむら「まどかは料理を作ってくれた……それはすごく嬉しかった……」
ほむら「でもまどかは家族と食べる食事がある……私は一人……」
ほむら「まどかの家に招待されてもさすがに家族の食卓に混ざる勇気はないし……」
ほむら「なんで一緒にごはんが食べたいだけのためにこんな回りくどいことしたのかしら……」
ほむら「お弁当なんて作れないし……昼休みにみんなのお弁当をみて交換なんてできないし……」
ほむら「それにしても……休むのに歯止めが聞かなくなってたわね……」
ほむら「皆に今度謝らないと……」
ほむら「ごちそうさま……」
ほむら「……まだ1週間も引きこもってないし、外にぐらい出られるわよね……」
ほむら「……近くのコンビニに行ってみようかしら」
ほむら「……なんでだろう……少し怖い……」
ほむら「……」
ほむら「面倒くさいからやっぱり行かなくていいわね!」
ほむら「別に行けるけど面倒だし行かないってだけで……」
ほむら「……」
ほむら「寝てしまいましょう……」
ほむら「あぁ、布団が暖かい」
ほむら「布団の魔力は素晴らしいわね」
―朝―
ほむら「布団から出たくないわ……」
ほむら「着替えとか準備してあるし、もう少し横になってても……」
ほむら「……駄目よね、シャワー浴びてこよ……」
―――――
―――
ほむら「着替えたけど……そういえば待ち合わせってどこかしら……」
ほむら「時間しか書いてない……」
ほむら「電話を……」
ピンポーン
ほむら「こんな時間に誰かしら?」
ガチャ
まどか「あ、ほむらちゃん、もう準備できてる?」
ほむら「え?まどか?」
まどか「ティヒヒ、ほむらちゃんのことだから30分前には準備できてるだろうなって思って迎えに来ちゃった」
ほむら「そ、そう……す、すぐに出るわね」
まどか「そんなに慌てなくてもいいよ?」
ほむら「え、あ、そ、そうね……」
ほむら「そ、それでどこに行くのかしら?」
まどか「うーん、適当にいろんな場所に行こうかなって」
ほむら「そ、そう……」
ほむら(な、何故かしら……)
ほむら(周りの人に見られている気がする……)
ほむら(も、もしかして久しぶりに外に出たから何か変なのかな?)
ほむら(怖い……人が怖い……)
ほむら「……」ギュ
まどか「どうしたのほむらちゃん?」
ほむら「べ、別に……その……まどかの腕を抱きしめたかっただけで……」
まどか「じゃあ手もつなご!」
ほむら「え、えぇ……」
ほむら(たかが1週間ぶりの外なのに……どうしてこんなに……)
ほむら(病院時代に比べたら別に1週間なんて……)
ほむら(わ、笑ってる人が自分のことを笑っているような気がする……)
ほむら「……」ギュゥ
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら「ね、ねぇまどか……その……あっちの公園にいかない?」
まどか「ほむらちゃん……どうしたの?」
ほむら「い、いえ……ちょっとあなたと公園に行きたいだけよ……」
まどか「そっか、じゃあいこっか」
ほむら「えぇ……わがままを言ってごめんなさい……」
―公園―
ほむら「あ、あの……まどか?」
まどか「どうしたの?」
ほむら「そ、その……外に出たの久しぶりだから……その……」
まどか「?」
ほむら「わ、私……今変な格好とかしてないかな?」
ほむら「そ、その怖くなってきて……」
まどか「そんな事ないよ、すっごく可愛いもん」
ほむら「そ、そうかな……」
まどか「うん!見とれちゃうぐらいかわいいよ」
ほむら「な、ならいいんだけど……」
ほむら「……」
まどか「少し休憩しよっか」
ほむら「え?でも……」
まどか「ジュース買ってくるね」
ほむら「あ、ま、待ってまどか!」
まどか「え?」
ほむら「ひ、一人にしないで……」
ほむら「い、一緒に行きましょう?」
まどか「うん!」
ほむら(どうしてこんなに怖いのかしら……)
ほむら(まどかが近くにいてくれないと……身体が震えそう……)
ほむら「……」ギュゥ
まどか「なんだかいつもと違ってほむらちゃんが私についてきてくれてるみたいだね」
ほむら「ひ、引っ張っていくタイプのほうがまどかは好きだったかしら……」
ほむら(む、無理よ……なんで1週間以上前の私はそんな事ができたのよ……)
まどか「ううん、ほむらちゃんはほむらちゃんだもん」
ほむら「あ、ありがとう……」
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「ごめんなさい……」
ほむら「せっかくのお出かけだっていうのに……」
まどか「そんな事ないよ、ほむらちゃんと一緒ってだけで私は嬉しいもん」
ほむら「それでも……ごめんなさい……」
ほむら「楽しくないわよね……ど、どこか行きましょう」
まどか「ううん、もう少しこの公園にいようよ」
ほむら「で、でも……」
まどか「ほら、さっき買ったジュース飲も?」
ほむら「え、えぇ……」
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