向日葵「お嬢様、櫻子お嬢様」(326)

櫻子「……ん……」モゾッ

櫻子「あさ……」

櫻子「」ムクッ

櫻子「……あさ」

櫻子「」ポフッ

櫻子「もーちょい寝てよ……どうせ向日葵が起こしにくるし……」モゾモゾ

スタスタスタ...

櫻子「ほらきた……つーかはえーよ……」

ガチャッ

向日葵「失礼いたします、櫻子お嬢様」

櫻子「んー……」

櫻子「……」

櫻子「んんっ!?」ガバッ

櫻子「向日葵かと思ったらメイドさんだった」

のリメイク的なアレ

向日葵「あ、もう起きてらしたんですね。おはようございます、お嬢様」ペコッ

櫻子「」

向日葵「お嬢様?」

櫻子「……」

櫻子「……いやいやいやいやいや!」

向日葵「?」キョトン

櫻子「えっ、なに!? なにそれ向日葵!?」

向日葵「あの、お嬢様……失礼ながら、なにそれとはどういう意味でございますか?」

櫻子「ど、どうもこうも! そのお嬢様呼ばわりはなんなのって意味!」

向日葵「……覚えておられないのですか?」

櫻子「え、なにが?」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……はあ。所詮櫻子は櫻子ですのね」ハンッ

櫻子「あれっいつもの向日葵だ!?」

向日葵「櫻子。もう一度確認しますけど、本当に覚えてませんの?」

櫻子「お、おう。もうナニーガ・ナニヤラー」

向日葵「はあ……まったく、馬鹿馬鹿しくなりますわね……」

櫻子「ちょ、人の前で溜息とかやめろぅ。失敬だろ失敬」

向日葵「櫻子ごときに払う敬意なんぞありませんわよ」

櫻子「なにをー!? さっきまでお嬢様~とか言っといて!」

向日葵「その理由を忘れてるんでしょう?」

櫻子「おうとも」キッパリ

向日葵「記憶力鳥以下」ボソッ

櫻子「あ゛ーん゛!?」

向日葵「キレられる立場ですか。悔しかったら昨日のことを思い出してごらんなさい」

櫻子「昨日? 昨日、きのう……」ウムム

向日葵「……」

櫻子「……あっ!? そういえば――」

――――――

櫻子「鎧の化身バーのブーストでネハーレンがゆく!」クワッ

向日葵「くっ……ノーガード。トリガーチェックですわ」

櫻子「ヒールトリガーを引かなかったら私の勝ちだね!」

向日葵「ひ、引けば次のターンで私の逆転ですわ!」

櫻子「そーゆーのは引いてから言いなって」ニヤニヤ

向日葵「くっ……ヒールトリガーが出ますように……えいっですの!」ピラッ

沈黙の騎士ギャラティン「やあ(沈黙)」ハーイ

向日葵「」

櫻子「やったー! 私の勝ちー!」キョホー

向日葵「そ、そんなぁ……」ガクッ

櫻子「うっへっへ、そんじゃー向日葵は罰ゲームね!」つ【罰ゲームBOX】

向日葵「ううぅ……せめて易しい罰に当たりますように……」ガサゴソ

ピラッ

『明日一日メイド』

向日葵「」

――――――

櫻子「――あーあーあー! そーだそーだ、そーだったね!」

向日葵「やっと思い出しましたのね……」

櫻子「そっか、そーいえば向日葵、昨日は私にボロ負けだったね!」ニコッ

向日葵「笑顔で腹立つこと言うんじゃねーですわ!」

櫻子「ん?」

向日葵「?」

櫻子「んん?」ズイッ

向日葵「な、なんですの?」タジッ

櫻子「んんん~?」ズズイッ

向日葵「ちょっと……」ジリッ

櫻子「言葉遣い」

向日葵「え?」

櫻子「ご主人様に向かってその言葉遣いはなにかね、メ・イ・ド・さん♪」

向日葵「」

櫻子「ほらほら、もっと敬意を払いたまへ~?」ンー?

向日葵「くっ!? このお調子者、思い出した途端に……!」ワナワナ

櫻子「あっれれ~? やっぱり向日葵にメイドとか無理だったかなぁ~?」

向日葵「そ、そんなことありませんわ! この古谷向日葵、次期生徒会副会長を志すものとして、約束はきちんと守ります!」

櫻子「どぉだかあ~」

向日葵「くぅぅぅっ……! そもそも、昨日だって櫻子がそんなことを言うから今日は朝から完璧なメイドを演じましたのに……!」

櫻子「え、そうだったっけ」

向日葵「ほら覚えてない! 本人が覚えてなきゃ無効ですわ無効!」

櫻子「ちょ、ダメダメ! 約束自体は思い出したんだから、しっかりメイドしてもらうかんね!」ビシッ

向日葵「ぐぬぬ……」

櫻子「はいはい、そんじゃー今からメイドさん再開ね」パンパン

向日葵「……」ムスッ

櫻子「罰ゲームは絶対だよ」

向日葵「……っ」ギリッ

櫻子「はいっ、よーいスタート!」パニッ

向日葵「……」

櫻子「向日葵」

向日葵「…………」

櫻子「向日葵ー」

向日葵「………………」

櫻子「ひ・ま・わ・り」

向日葵「――」


向日葵「……お、お呼びでしょうか、お、お嬢さ、ま」ギリリッ


櫻子「おおお……」ゾクゾク

向日葵「お嬢様? なにか御用があったのでは?」ニコォ

櫻子「ぇ、あ、うん!」

向日葵「なんなりとお言いつけ下さい」

櫻子「おっふぅ……」ゾクゾク

向日葵「……お嬢様。とっととご用件をお申し付けやがりくださいませ」

櫻子「おっふ……お?」

向日葵「なんでしょう」シレッ

櫻子「あ、ううん……えーと、おはよう!」

向日葵「おはようございます」ペコッ

櫻子「そんで、えっとえっと……向日葵!」

向日葵「はい」

櫻子「余はおなかがペコいのである!」

向日葵「左様でございますか」

櫻子「朝ごはん作れ!」

向日葵「お断りします」

櫻子「よし!」グッ

櫻子「……」

櫻子「!?」

櫻子「よくねえ!!」ガビーン

向日葵「お嬢様、気付くのが遅うございます」

櫻子「向日葵が流れるように断るからだろー!」

向日葵「それは申し訳ございません」シレッ

櫻子「なんで断んの!? メイドのくせにー!」ムキー

向日葵「お嬢様、これには理由が」

櫻子「理由ぅ?」

向日葵「はい。本日はすでにご家族の方がお嬢様の分の朝食もご用意されておりますので」

櫻子「あ……それもそっか」ポム

向日葵「そんなことにもお気付きになられないとは、お嬢様はやっぱり大層頭がお悪くあらせられますのね」

櫻子「お前本気でメイドする気あんのかー!?」

向日葵「当然ですわ」シレッ

櫻子「ぅー……もういーよ、着替えるから出てって」

向日葵「えっ」

櫻子「えっ」

向日葵「……」

櫻子「向日葵?」

向日葵「なんでしょう、お嬢様」

櫻子「私さ」

向日葵「はい」

櫻子「着替えるから」

向日葵「左様でございますか」

櫻子「出てって」

向日葵「お断りします」

櫻子「なんでだよ!?」ガビーン

向日葵「それは私のセリフですわ、お嬢様」

櫻子「はぁ?」

向日葵「今日一日限りとはいえ、私はお嬢様のメイドです」

櫻子「おう」

向日葵「なれば、主の着替えを手伝うのはメイドの役目かと」

櫻子「ねーよ!!」ガー

向日葵「ね、ねーのでございますか……!?」ガクゼン

櫻子「ショック受けすぎ?」

ギャアアア誤送信

櫻子「なんでだよ!?」ガビーン

向日葵「それは私のセリフですわ、お嬢様」

櫻子「はぁ?」

向日葵「今日一日限りとはいえ、私はお嬢様のメイドです」

櫻子「おう」

向日葵「なれば、主の着替えを手伝うのはメイドの役目かと」

櫻子「ねーよ!!」ガー

向日葵「ね、ねーのでございますか……!?」ガクゼン

櫻子「いやショック受けすぎだから!」

向日葵「……分かりました。では、着替えの手伝いは諦めます」

櫻子「当たり前じゃん……とにかく出てってよ」

向日葵「それはお断りします」

櫻子「なんでだよ!?」ガビーン

向日葵「手伝いこそ叶わずとも、最低でもお傍で見守るくらいのことは……」

櫻子「しなくていいから! さっさと出てけ!!」

向日葵「絶対にお断りします!!!」ギンッ!

櫻子「無駄に意思かたい……この向日葵やだぁ……」

向日葵「さあお嬢様、早くしないと学校に遅刻してしまいますよ」

櫻子「へ? わっホントだ、時間やばい!」

向日葵「では着替えをお早く」

櫻子「……ぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「……わーったよぅ」ヌギッ

向日葵「!!!」

櫻子「ぅぅ……向日葵、あんま見ないでよ……」

向日葵「そ、そういうわけにも行きませんわ……これがメイドの、つ、勤め、ですもの……」ギンギン

櫻子「ぅぅぅ……」ヌギヌギ

向日葵「……お嬢様」

櫻子「な、なに?」

向日葵「中学生にもなってそんな柄の下着はどうかと……」

櫻子「う、うっせー! やっぱり見んじゃねー!!!」

向日葵「断固拒否いたします!!!」ギンッッッ

櫻子「もうやだぁぁぁ……」ヌギヌギ

向日葵「……」ギンギン

~通学路~

櫻子「……じゃあ、もっかい確認するけど」

向日葵「はい」

櫻子「向日葵は今日一日私のメイド! はい復唱!」

向日葵「私は今日一日お嬢様のメイドですわ」

櫻子「ご主人様には絶対服従! はい!」

向日葵「お嬢様には絶対服従いたします」

櫻子「約束を破ったら?」

向日葵「追加で罰ゲームを受けさせていただきます」

櫻子「よーし合格! そんじゃー行くよー!」テクテク

向日葵「心得ております」スタスタ

~教室~

櫻子「おっはよー!」ガラッ

向日葵「……」シズシズ

あかり「あっ櫻子ちゃん、向日葵ちゃん!」

ちなつ「おはよー」

櫻子「うむ、おはよーぅ!」

スタスタスタ

櫻子「椅子!」

向日葵「はい」スッ

櫻子「よーし!」ストン

あかり「!?」

ちなつ「!?」

櫻子「」ムフー

向日葵「……」

あかり「さ……櫻子ちゃん?」

櫻子「なぁに?」

あかり「えっと、その……向日葵ちゃん、どうしたのかなって……」

櫻子「ああこれ? メイド!」

ちなつ「メイド!?」

櫻子「そ、メイド! ねー向日葵?」

向日葵「はい、私はお嬢様にお仕えするメイドでございます」

あかり「め、メイドさんだぁ!」

ちなつ「ど、どういうことなの櫻子ちゃん!?」

櫻子「ふっふっふ、どうしたもなにも、向日葵がついにこの櫻子様の素晴らしさに気付いて自分からメイドにしてくれと涙ながらに訴えて」

向日葵「罰ゲームです」

あかり「なんだ、罰ゲームかぁ」

ちなつ「そんなことだろうと思った」

櫻子「あっさりバラすなよー!?」

向日葵「事実ですので」シレッ

櫻子「ちくしょう……でも罰ゲームだろうと今日だけは私のメイドだもん! ねっ向日葵!」

向日葵「はい」

あかり「へぇ~メイドさんかぁ~」

ちなつ「なんかいつものふたりと違って変な感じ」

あかり「ねー」

櫻子「ふっふーん……って、あー!?」

向日葵「どうなさいました?」

櫻子「どうしよう、宿題忘れた! 写させて!」

向日葵「お断りします」

櫻子「えー!? なんで、メイドなのに!?」

向日葵「メイドは主の為にならないことはいたしません」

櫻子「ひ、向日葵のケチんぼー!」ムキー

あかり「……あれ? なんか……」

ちなつ「結局いつも通りなような……」

~放課後~

櫻子「よし、生徒会にいくぞー!」ズンズン

向日葵「畏まりました」スタスタ

ちなつ「……行っちゃた」

あかり「行っちゃったねー」

ちなつ「向日葵ちゃん、本当に一日メイドで過ごしてたね」

あかり「ね、すごいね~」

ちなつ「(……ときどき地が出てたけど)」

あかり「(ふたりともほんとに仲が良いなぁ)」ニコニコ

ちなつ「(ッハ!? チーナ+メイド=最強!? 結衣先輩のハートも楽勝キャッチ!? 私の時代きたか!?)」

あかり「(メイド服とか着たらあかりも目立てるかなぁ)」

ちなつ「(メイド服ぐらいなら京子先輩が持ってそう……)」

あかり「(メイド服って、たしか京子ちゃんが持ってたよね……)」

ちなつ「……あかりちゃん! 私たちも早く部活いこ!」ダッ

あかり「うんっ、急GO!!」ダッ

~生徒会室~

櫻子「ちはーっす!」ガラッ

向日葵「失礼しますわ」スッ

千歳「ふたりともおつかれさん~」

綾乃「大室さん、ドアはもう少し静かに開けてね……?」

櫻子「すいやせん」テヘペロ

向日葵「お嬢様が失礼をして申し訳ありません」ペコッ

綾乃「ううん、次から気をつけてくれれば……」

綾乃「……」

綾乃「……お嬢様!?」ガタッ

千歳「……!」

千歳「(まだや……まだメガネを外すタイミングやない……!)」ググッ

綾乃「ちょちょ、大室さん! これはいったいどういう琴欧洲!?」

千歳「綾乃ちゃん、欧州ってついとるけどそれ地名ちゃうで~」

櫻子「ふっふっふ……琴欧洲も琴奨菊もないですよ杉浦先輩。単に向日葵がわた」

向日葵「罰ゲームです」

綾乃「あ、なんだそういうことね……」

千歳「仲ええなぁ~」

櫻子「さえぎるタイミングがはやいー!?」

千歳「しかし一日中って、古谷さんも付き合いええねぇ」

向日葵「まあ、罰ゲームですので……」ハァ

櫻子「むっ。その言い方だと嫌々やってるように聞こえるんだけど」

向日葵「……とんでもありませんわ、お嬢様」ニコォ

櫻子「ならよし!」

綾乃「うわ……澱みきった笑顔ね」

千歳「引きつっとるなぁ……」

櫻子「」ムフー

向日葵「」ニゴニゴ

櫻子「あっ、そうだ!」ピコーン

向日葵「お嬢様?」

櫻子「たしかこの辺りに……」ガサゴソ

向日葵「?」

櫻子「あったー!」バーン

綾乃「それって……」

櫻子「はい、メイド服ですよ、メイド服!」ジャンッ

千歳「ああ、それまだあったんやね~」

櫻子「掃除の時に結局また箱へ突っ込みましたから!」フンス

綾乃「片付けましょうよ……」

向日葵「……あの、お嬢様」

櫻子「んあ?」

向日葵「私、とてもいやな予感がするのですが……このタイミングでそれを引っ張り出したのは、もしかして」

櫻子「着ろ!」

向日葵「」

櫻子「やっぱメイドさんにはメイド服だよねー」ウンウン

向日葵「お、お、お嬢様?」アセッ

櫻子「なに?」

向日葵「着ろ、と簡単におっしゃいますが……こ、これを、ですか?」

櫻子「そりゃそーだ。メイドさんが他になに着んの」

向日葵「う……」

櫻子「ほらほら、恥ずかしがってないで着て着て。櫻子様からの命令だよ」グイッ

向日葵「くっ……!」

向日葵「……」

向日葵「……か、かしこまりました……」

櫻子「おおっ!」

向日葵「で、では……着替えますので、一度ご退室願えますか……?」

櫻子「え? やだ」

向日葵「」

櫻子「ふふふ、今朝の仕返しなのだ。メイドの着替えを見守るのはご主人様の勤め!」エッヘン

向日葵「な、なっ……」

櫻子「ほれほれ、さっさと脱ぎたまへ。こう、ガバッと!」

向日葵「ででっ、出来るわけがないでしょう!?」ワッ

櫻子「うおっいつもの向日葵!」

向日葵「ど、どうして私が櫻子の前で生着替えなんて……!」

櫻子「だーから、罰ゲームじゃんって」

向日葵「度が過ぎてますわ! 明らかに権利の拡大解釈ですの!」

櫻子「なにいってるかぜんぜんわからない」キリッ

向日葵「ああもうこのおバカはっ!」アー

向日葵「……そもそも……」モニョ

櫻子「?」

向日葵「……」チラッ

綾乃「……」

向日葵「……」チラッ

千歳「……」

向日葵「……」ジッ

櫻子「」ハッ

向日葵「……このままだと、先輩方にも見られて……」カァッ

櫻子「!!!」

櫻子「……せ」グッ

櫻子「先輩方! すみませんけど、ちょっとの間だけ廊下に出ててくれませんか!?」

綾乃「え、ええ……私たちの方からお願いしたいくらいだわ……」スッ

千歳「たまにはこんなんもええなぁ~」ダラー

ガラガラ ピシャン

向日葵「」ホッ

櫻子「」ホッ

向日葵「ってえ! どうして櫻子はこちら側に残ってますの!?」

櫻子「だから向日葵の着替えを見るんだっちゅーに。とっとと着替えろっちゅーに」

向日葵「断固として拒否しますわっ!」

櫻子「わけがわからないよ」

向日葵「それはこっちのセリフですの!」

櫻子「あーもー! いいから着替えろっつってんのー! さもなきゃ私が脱がしてやる!」ワキワキ

向日葵「ひっ……」

向日葵「(これは……本気の目……!)」ゾクッ

向日葵「……」

櫻子「さあどうすんの? 着替える? 着替えさせられる?」

向日葵「……」

向日葵「じ……自分で、着替えますわ……」ググッ

櫻子「よきにはからえ!」ムフー

向日葵「うう……どうしてこんなことに」プチプチ

向日葵「――」ヌギッ

バルンッ

櫻子「!」

向日葵「ぅぅぅぅぅ……」ヌギッ

バルンッッ

櫻子「!!」

向日葵「……っ」ヌギッ

バルンッッッ

櫻子「!!!」

向日葵「っ……あ、あら? さくら……お嬢様?」

櫻子「なに」ギンギン

向日葵「いえ……いつもみたいに、その、おっぱい禁止ーって……?」

櫻子「ごめん、今それどころじゃないから」ギンギン

向日葵「っ!?」カァッ

櫻子「」ギンギン

向日葵「ちょ、ちょっと! そんな、まじまじと見ないでくださる!?」ダキッ

ムニュゥゥッ

櫻子「ごめんむり」ギンギン

向日葵「~~~っ……」カァァッ

向日葵「ぅう……は、早く着替えませんと」サッサッサッ

櫻子「」ギンギンギンギン

ガラッ

綾乃「ふたりとも、もういいかしら……って」

千歳「わぁ、メイドさんがおる」

向日葵「ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ///」カァァッ

櫻子「……」ボヘー

綾乃「すごいわね……なんか、いろいろと」

千歳「あはは、綾乃ちゃん、その言い方オジサンくさい……てゆうか、歳納さんみたいやで?」スチャッ

綾乃「んなッ!? ぶべ、べぇっつに! 私は歳納京子の真似なんか……!」

千歳「うふふふふふふふ」ダラダラダラダラ

綾乃「キャーッ鼻血ー!?」

ギャーギャー

向日葵「うぅぅ……ライバるんのコスプレより恥ずかしいですわ……」モジモジ

櫻子「……」ボヘー

向日葵「……? お嬢、様?」

櫻子「……」ボヘー

向日葵「お嬢様? 櫻子、櫻子ったら」フリフリ

櫻子「」ハッ

櫻子「な、なに!?」

向日葵「なにじゃなくて……こほん。お嬢様こそどうされたのですか? どうにも上の空のようですが……」

櫻子「あ、うん。その、えとぉ……」

向日葵「……もしかして、あまりこの格好がお気に召さなかった、とか」ピラッ

櫻子「そ、そんなことないっ! すげー似合ってる!!」グワッ

向日葵「に、似合っ!?」ドキッ

櫻子「あっ!?」ギクッ

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「あ、あの……」

櫻子「っ! ちょ、ちょっと顔洗ってくるーっ!」ダッ

向日葵「あ、私もお供……」

櫻子「いらなーい! 向日葵はここで待機! 絶対ね!」タッタッタッ...

向日葵「行ってしまいましたわ……」

向日葵「……」

向日葵「っはああああああああああああ……」ドッ

千歳「あはは、古谷さんお疲れさん~」

綾乃「お茶、よかったら飲む?」

向日葵「あ、ありがとうございます……お気遣い、痛み入りますわ」

千歳「一日メイドなんて肩こるやろ?」

向日葵「ええ、それはもう……今日までこつこつ貯めていた愛想力が大放出ですの」ハァ

綾乃「それには同情するわ……でも、古谷さんって言葉遣いが丁寧だから、メイドさんでもあまり違和感なかったわね」

千歳「あ、それはあるなぁ」

向日葵「そ、そうですか? 私としてはやっぱり本職の方と比べれば拙いところもあると思いますけど……」

千歳「まあ真似事やし、そこまで真剣にやらんとええんちゃう?」

綾乃「そうそう。人格から完璧なメイドにでもならないと、ただの中学生には……」

西垣「飲むと従順で理想的なメイドになる薬品が実験中の偶然の産物として完成したぞーっ!」ガラッ

「「「ええええええーーーっ!!?」」」

西垣「ん? おお、メイドがいるじゃないか。どうだ、いっとくか?」クイッ

向日葵「え、遠慮しておきますわっ!」

綾乃「西垣先生! なんですかそのピンポイント過ぎる薬品は!?」

西垣「いや、なんですかと言われてもなぁ。なにせ偶然の産物だから」

綾乃「だったらなんで効能が……ま、まさか!?」

りせ「……」

綾乃「か、会長ォ!!」

千歳「わぁ、会長メイド服似合ってはりますね~」

りせ「……」

西垣「『よせやい、照れるぜ』と言っているぞ(意訳)」

綾乃「実験も大概ですけど、教え子になんて格好させてるんですか……」

西垣「で、だ。松本は結構私の薬に免疫あるから、一般生徒で実験したいっていうのが本音だ」

綾乃「仕舞ってください。その本音、一生仕舞い込んでおいてください」

西垣「そこで新たな実験体を求めてぶらり尋ねた生徒会室。扉を開ければそこにはメイド」

向日葵「」ビクッ

綾乃「一年生を怖がらせないでください。あとサラッと実験体って言わないでください」

西垣「……」

綾乃「……」

西垣「あーっ! 歳納が窓の外を全裸で!?」

綾乃「歳納京子ーッ!」クワッ

千歳「あかん、綾乃ちゃんそれはあかーんっ!」ブハッ

西垣「」キラーン

ガシッ

向日葵「へ」

グイッ

向日葵「んんーっ!?」ゴキュゴキュ

普通に喋ってる綾乃に違和感しかない

……

櫻子「あーサッパリした。向日葵ーっご主人様が帰ってきたぞー!」ガラッ

向日葵「おかえりなさいませ、お嬢様。お帰りが遅いので心配いたしました」

櫻子「あーうん、トイレが混んでてさー」

向日葵「左様でございますか」

櫻子「さて……今日はそろそろ帰ろっかなぁ。向日葵も帰るよね?」

向日葵「はい。お嬢様のお供をさせていただきます」

櫻子「うんうん。もちろんメイド服のまんまね!」

向日葵「はい」

櫻子「……へ? ざけんじゃねーですわーとか、言わないの?」

向日葵「まさか。私はお嬢様のメイドですので、メイドがメイド服を着るのは当然ですわ」

櫻子「お……おお……ついに向日葵にもメイドの心得が! えらいぞ向日葵! ほめてつかわす!」

向日葵「ありがたき幸せ」ペコッ

櫻子「よし、そんじゃー帰るぞー!」ズカズカ

向日葵「畏まりました」テクテク

ガラッ ピシャン

綾乃「い、行っちゃった……」

千歳「止めんでよかったんかなぁ……」

綾乃「止めようにも、本当に全然隙がナイアガラで口を挟む余地がなかったじゃない……」

千歳「せやね……」

綾乃「……」

千歳「……」

綾乃「……この場合、どちらを心配した方がいいのかしら?」

千歳「……やっぱり、どっちも心配なんとちゃう?」

綾乃「……そうね」

千歳「……」

綾乃「……」

綾乃「どちらにせよ……何事もないといいけど……」

想像以上に長引いてるなう……区切りのついてる今の内に寝かせてくださいお願いします
起きてスレが残ってたら必ず最後まで書くから
落ちてたらそれはそれだ

おまたせマサチューセッツ
とりあえず顔洗ってくる

~ちっぱい家~

櫻子「本当にメイド服のまま帰ってきやがった……やるな向日葵……」

向日葵「お褒めに預かり光栄です」ペコッ

櫻子「あれ? つーかうち、静かじゃない?」

向日葵「そう言われますと……あら? お嬢様、靴箱の上に書き置きが……」

櫻子「え、なんて?」

向日葵「撫子様からのようです。ええと……」

向日葵「『家族みんな-櫻子で外食してきます』」

向日葵「『あんたの分はひま子にでも作ってもらって』」

向日葵「だ、そうです」

櫻子「ひでー!!?」ガビーン

向日葵「お嬢様、玄関先で大声を出されては近所の方々に御迷惑がかかりますよ?」

櫻子「だって酷いんだもん! なんだ家族みんな-私って!?」

向日葵「言葉通りの意味かと……」

櫻子「むきー!」

向日葵「まあまあお嬢様、書き置きの通り、晩ご飯でしたら私がご用意いたしますので……」

櫻子「……ほんと?」

向日葵「はい」

櫻子「おいしいご飯つくってくれる?」

向日葵「お嬢様のお口に合うよう、努力いたします」

櫻子「……」

櫻子「よし、じゃあ任せたぞメイド向日葵よ! 私は晩ご飯まで寝てる!」

向日葵「畏まりました」ペコッ

~小一時間後~

向日葵「お嬢様、お嬢様」ユサユサ

櫻子「ん……?」

向日葵「お嬢様、お食事の用意が出来ました」

櫻子「んー……」

向日葵「はやく起きてくださらないと、せっかくの食事が冷めてしまいますよ?」

櫻子「……起こして……」

向日葵「畏まりました。キスでよろしいですか?」

櫻子「ぅん……」

向日葵「承知いたしました。では失礼して」ンー

櫻子「ん……」

櫻子「……」

櫻子「……ん?」

向日葵「」チュー

櫻子「んんんん待て待て待ってー!?」グイッ

向日葵「あら」

櫻子「い、い、い、今なにしようとした!?」

向日葵「キスですが」

櫻子「キスデスガー!?」

向日葵「はい」

櫻子「なんでキスしようとした!?」

向日葵「主をキスで起こすのはメイドの勤めです」キリッ

櫻子「ちがう! 私の知ってるメイドさんとなんか違う!」

向日葵「そうでしょうか?」

櫻子「そうだよ! つーか勝手にすんな!」

向日葵「了承は得ましたが……」

櫻子「寝ぼけてたに決まってんじゃん! そうでなきゃ、私が向日葵と……き、キスなんか……」

向日葵「そうですか……とにかく、起きられたのなら食卓へどうぞ。夕飯の支度が整っております」

櫻子「う、うん……」

~食卓~

櫻子「……ねえ」

向日葵「はい」

櫻子「なんか地味くない?」

向日葵「地味、とは?」

櫻子「いや、なんかこー、ほら、私お嬢様でしょ?」

向日葵「仰る通りでございます」

櫻子「だったらさー、もっと優雅で上品な感じの……なんで和食だよ」

向日葵「冷蔵庫にあるもので作らせて頂きましたので、致し方ないことかと……」

櫻子「むー、なんかつまんなーい」

向日葵「申し訳ございません。ですが、味の方は自信がございますので、どうかご容赦を」

櫻子「……ま、向日葵のご飯がまずいわけないけどさぁ」

向日葵「恐縮です」ペコリ

櫻子「ま、いっか。いただきまーす!」

向日葵「どうぞ、召し上がれ」

俺もメシ
ペース上げないと日が暮れるっちゅーに!

ほあああ

櫻子「うまい!」テーレッテレー

向日葵「それは何よりでございます」

櫻子「向日葵、また料理上手になった?」ズズー

向日葵「さて。でも、お嬢様に食べていただきたい一心で頑張りました」

櫻子「……お、おう」テレッ

向日葵「」クスッ

櫻子「ぅう……」ガツガツ

櫻子「!?」ピタッ

櫻子「ひ、向日葵ー!」

向日葵「なんでしょう、お嬢様」

櫻子「なにこれ、ニンジン入ってんじゃん!」

向日葵「はい」

櫻子「はいじゃなーい! ご主人様の嫌いなものを入れるとは何事か!」ムキー

向日葵「主の言葉にただ頷くだけメイドではございません。メイドとして、時には憎まれ役を買ってでも主の為にやらねばならないこともあるのですわ」

櫻子「むずかしいこと言ってんじゃねー!」ムキキー

向日葵「お嬢様、にんじんは身体にいいんですよ?」

櫻子「知ってるっつーの! もう耳タコ! でもきらいなもんはきらいなんだもん!」

向日葵「もう、お嬢様ったら……」

櫻子「ふーんだ」プイッ

向日葵「……お嬢様」

櫻子「なに? なんて言われたって食べないものは食べな」

向日葵「はい、あーん」

櫻子「」

向日葵「お嬢様? あーん」アーン

櫻子「あーん!?」

向日葵「あーん」アーン

櫻子「し、しないっちゅーーーーーーーーーに!!」

向日葵「……お嬢様、あまりワガママが過ぎるようでは……」

櫻子「え、私が悪いの!? あーん拒否は私の責任なの!?」

向日葵「人の上に立つ者には相応の責任が付き纏います」

櫻子「もっともらしいこと言ってんじゃないよ!」

向日葵「ほらお嬢様、早くしないと私も腕が疲れてしまいます」プルプル

櫻子「おろしちゃえよ!」

向日葵「それはできません」キリッ

櫻子「だからなんで時々無駄に頑固なんだよぅ……」

向日葵「お嬢様は、私の料理したニンジンを私の手で食べさせられることが、ご不満なのですか?」

櫻子「そ、それは……」

向日葵「私は、お嬢様にたくさん食べて欲しいです。好き嫌いなく」

櫻子「……」

向日葵「……お嬢様」

櫻子「……ぅぅぅぅぅぅ! あーん!」アーン

向日葵「」パァッ

櫻子「あーん!」アーン

向日葵「はい。あーん」アーン

櫻子「ん!」パクッ

櫻子「……ん? んんん……」モグ...モグ...

向日葵「いかがです?」

櫻子「……うまい、かも?」テーレッ...テレー...?

向日葵「それはようございました」ンコッ

櫻子「も、もうひときれぐらいなら食べてやってもいい……よ?」

向日葵「はい。では、あーん」アーン

櫻子「あーん♪」アーン

口移しが許されるものと許されないものがあると思うんです
にんじんはちょっと許されない部類だと思うんです

櫻子「……」モグモグモグ

櫻子「(向日葵、すっかり本物のメイドさんみたい)」

櫻子「(口答えはするけど、だいたい私に忠実だし)」

櫻子「(これは……)」

櫻子「(本当に私の魅力にひれ伏したってことだな!)」バァーン

櫻子「……ねー向日葵」

向日葵「なんですか?」

櫻子「向日葵は私のメイドさんだよね?」

向日葵「はい」

櫻子「どんなお願いでも聞いてくれる?」

向日葵「仰る通りでございます」

櫻子「……」

櫻子「」ダバー

向日葵「お嬢様、よだれよだれ」フキフキ

櫻子「」キリッ

かわいい

~食後~

櫻子「向日葵、向日葵ー」チリンチリン

向日葵「お呼びですか? お嬢様」

櫻子「おおお、鈴鳴らしたらほんとにきたよ……」

向日葵「メイドですので」

櫻子「えらい! 頭をなでてやろう」ナデナデ

向日葵「身に余る光栄ですわ」ナデラレナデラレ

櫻子「……」ナデナデ

向日葵「……」ナデラレナデラレ

櫻子「……はい、おしまい!」

向日葵「ありがとうございました」

櫻子「……ん」スッ

向日葵「?」

櫻子「ん!」ズイッ

向日葵「お嬢様? あの、頭をこちらに突き出して何を……」

櫻子「……」

向日葵「……?」

櫻子「……こーたい……」ポソッ

向日葵「え?」

櫻子「交代!」

向日葵「交代?」

櫻子「交代! 今度は、向日葵が、私を……ん!」ズイッ

向日葵「……ああ……」

櫻子「……っ」

向日葵「……」

櫻子「……」ドキドキ

向日葵「では……」ソッ

フワッ

櫻子「!」ピクッ

向日葵「失礼致します」ナデナデ

櫻子「……ふぁ……」ナデラレナデラレ

向日葵「……」ナデナデ

櫻子「……」ナデラレナデラレ

向日葵「お嬢様の御髪、ふわふわでとてもよいさわり心地ですわ」ナデナデ

櫻子「そ、そぉかな……えへへ」ナデラレナデラレ

向日葵「はい」ナデナデ

櫻子「んー……」ナデラレナデラレ

これはたまらんな

櫻子「ナデナデシテー」
みたいなSSが書けるようになりたいです。あれ大好き

向日葵「……」ナデナデ

櫻子「……」ウト...ウト...

向日葵「お嬢様?」ナデナデ

櫻子「ん……なぁに……?」ウトウト

向日葵「ひょっとして、眠いのでしょうか?」ナデナデ

櫻子「ん……んーん、べつに、ねむく、な……」カクンッ

向日葵「ほら、船を漕いでますよ」

櫻子「いまふねのはなししてない……」コクッコクッ

向日葵「眠られるのでしたらお部屋に行きましょう? ここではお身体を痛くしてしまいます」

櫻子「……ゃだ」

向日葵「え?」

櫻子「なでるの……やめちゃ、やぁ……ひまわり、もっとぉ……」モニョモニョ

向日葵「……畏まりました、お嬢様」ナデナデ

櫻子「んぅ……えへへへ……」

向日葵「……」ナデナデ

だばぁ

~小一時間後~

櫻子「……うにゃ?」パチッ

向日葵「お嬢様。お目覚めになられましたか?」

櫻子「……おめざ?」

向日葵「お嬢様ったら……先ほど夕食を済ませたばかりですわよ」

櫻子「ぅう……ぅ?」

向日葵「どうされました?」

櫻子「なんか、頭のうしろがふわふわのふかふかであったかい……」

向日葵「左様でございますか」

櫻子「それと……向日葵、どこ?」

向日葵「お嬢様の上でございます」

櫻子「……上?」チラッ

櫻子「……」

櫻子「おっぱいしか見えない」

櫻子「ってえ!? え、なに、つまりこれ、膝枕!?」

向日葵「そうなります」

櫻子「~~~っ!?」カァァッ

櫻子「は、離せー!」ジタバタ

向日葵「わっ? お嬢様、膝の上で暴れないでくださいませ」

櫻子「その膝の上から降ろせって言ってんの! 誰に断って膝枕なんかしてんの!」

向日葵「断ろうにも、お嬢様がすっかり気持ちよさそうに寝入っていたので……」

櫻子「き、ちもちよくねーし! ばっかじゃねーの!?」

向日葵「そうでしたか……それは失礼を致しました」ペコッ

櫻子「えっ……」

向日葵「?」

櫻子「……言い返してこないの?」

向日葵「まさか。主と口論だなんて、メイドには許されません」

櫻子「……」

ちもち

向日葵「お嬢様、どうなさいました?」

櫻子「……べつに」

向日葵「?」

櫻子「とにかく、だったら膝から降ろしてよ」

向日葵「それは出来ません」

櫻子「なんで!?」

向日葵「主の安眠を約束するのもメイドの勤めにございます」

櫻子「そんなの聞いたことねー!」

向日葵「私が今でっち上げましたので」シレッ

櫻子「むきー! なんだこのでたらめっぱいは!」プンプン

櫻子「!」ピコーン

           |
       \  __  /
       _ (m) _ピコーン
          |ミ|
        /  `´  \
         ∧ ∧
        (・∀ ・)

        ノ(  )ヽ
         <  >

~妄想中☆~

櫻子「おっぱい禁止ーっ!」ワシッ

向日葵「どっひゃー!? なにしてますのこのアホンダラァ!!」ドゴォ

櫻子「ゲボァッ!?」

向日葵「次に私の胸に触る時は命を捨てる覚悟をしてからになさい、この青二才!」プンッ

櫻子「へへへ……あんた、いーぃパンチ持ってるぜぇ……がふ」ガクッ

~ 終 了 ~

櫻子「(……これだ!)」

櫻子「向日葵!」

向日葵「はい?」

櫻子「おっぱい禁止ーっ!!」ワシッ





向日葵「ぁんっ」ピクンッ





櫻子「!?」

!?

向日葵「……っ」

櫻子「……」フニ

向日葵「んっ」ビクッ

櫻子「!!」

櫻子「……」ムニムニ

向日葵「ん……ぁっ……」ピクピク

櫻子「」ムニュウ

向日葵「やっ……」

櫻子「」グニグニ

向日葵「ぁ……や、だめぇ……っ」

櫻子「」ポニュポニュポニュ

向日葵「は、ぁあっ……ん、んぅ……っく、あ、んん……」

櫻子「」

向日葵「はあ……は、ぁ……っ」

櫻子「……」

あらいけない、洗濯物を取り込む時間ですわ

向日葵「っ……」ハァハァ

櫻子「向日葵」

向日葵「……は、い。なんでしょう、お嬢様」

櫻子「なんで」

向日葵「え?」

櫻子「なんで反撃しないの?」

向日葵「お嬢様……?」

櫻子「私がおっぱい禁止したらすかさず殴り返してくるでしょ! いつも!」

向日葵「……」

櫻子「どうしてなにも仕返ししないの!? ほら、殴っていーよ!」

向日葵「……お嬢様」

櫻子「……」

向日葵「――」



向日葵「それは……どなたかと勘違いをされてはいませんか?」

櫻子「え……」

向日葵「私はお嬢様に仕える忠実なメイドでございます」

向日葵「お嬢様の望みとあらば、この身体を差し出すことも厭いません」

向日葵「それをあろうことか、反撃だ仕返しだなどと……ありえないことですわ」

櫻子「……」

向日葵「どうぞお嬢様、私の胸に触りたいのであれば……」

櫻子「やだ」

向日葵「……お嬢様?」

櫻子「そんなのやだ」

向日葵「でしたら、他に何か――」

櫻子「なにもしなくていいっ!」

向日葵「!」

櫻子「もうおしまい! 罰ゲーム中止! 向日葵はメイドさんじゃなくて向日葵にもどるの! いい!?」

向日葵「ですが、私はお嬢様のメイドで……」

櫻子「っ! まだ言う気!?」

向日葵「でも……」

櫻子「ちがうでしょ!? 私と向日葵の関係はそんなんじゃない、上下関係なんてないの!」

向日葵「……」

櫻子「向日葵は私のライバルで、私は向日葵のライバル! そういう関係だったでしょ!?」

向日葵「……お嬢様……」

櫻子「っ、お嬢様って呼ばないで!!!」

向日葵「っ」

櫻子「そんな呼び方やだよ……名前で呼んでよ……」

櫻子「……いつもみたいに」



櫻子「櫻子、って、呼んでよ……」

櫻子「……たしかに」

櫻子「朝はしょっちゅう起こしてもらうし」

櫻子「宿題だって手伝ってもらうし」

櫻子「いっつもお菓子作ってもらうし」

櫻子「晩ご飯だってたまに任せちゃうし」

櫻子「なのに私が文句ばっか言って、すぐにケンカになるけど」

櫻子「……」

櫻子「……私は、それが楽しかったの」

櫻子「向日葵にはいい迷惑かもしんないけど……私は、楽しかった」

向日葵「……」

櫻子「向日葵」

櫻子「おねがい、櫻子って呼んでよ……いっしょにご飯たべよ? いつもみたいにケンカしよ?」

櫻子「お嬢様とかメイドさんとか、関係ないもん……命令なんかじゃないもん……」

櫻子「いつも、ふたりで当たり前にやってきたことだもん……」

櫻子「……だから……」




向日葵「……お嬢様……」

④!

櫻子「――!」ジワッ

向日葵「っ」

櫻子「ぅ……っく、ふ……っ!」ポロポロ

向日葵「お、お嬢様っ!?」

櫻子「だ、からぁ……その、おじょ、って、やめ゛て、よ……」グズッ

向日葵「も、申し訳ございません……」オロオロ

櫻子「敬語も゛禁止゛……いつもみたいに、ですわ、って言ってよぉ……」グスグス

向日葵「それも敬語の一種なのでは……?」

櫻子「うぅ゛う゛~~~っ……!」ポロポロ

向日葵「あ、あああ、ごめんなさいっ、泣かないでください!」

櫻子「……」グズッ

向日葵「ど、どうしたらいいんでしょ、ですの……?」

櫻子「そんなの、私が聞きたいよ……向日葵、本当のメイドさんみたいになっちゃってるんだもん……」

向日葵「いえ、みたいではなく、本当に私はお嬢様の……」

櫻子「」ジワッ

向日葵「い、いえっ! なんでもありませんわ!」アセッ

櫻子「……ぁ、今の向日葵っぽい……」ポヘ

向日葵「……」フー

櫻子「んん……どうしたら戻ってくれるんだろ」

向日葵「さあ……私からはなんとも」

櫻子「なんか、呪いみたい」

向日葵「呪い、ですか?」

櫻子「うん……メイドさん化する呪い」

向日葵「え、えらく限定的な呪いですね、わね……」

櫻子「……」

櫻子「……呪い……?」

たまらん

向日葵「?」

櫻子「もし、もし向日葵がどっかの悪い魔女的な人にメイドさんになる呪いをかけられてたら……」ブツブツ

向日葵「あ、あのぅ……?」

櫻子「……」

向日葵「……お嬢様?」

櫻子「向日葵」

向日葵「は、はい」

櫻子「向日葵は私のメイドさんなんだよね?」

向日葵「っ、はい! やっとご理解いただけましたか?」

櫻子「私のお願いならなんでも聞いてくれるんだよね?」

向日葵「はいっ。誠心誠意ご奉仕させていただきます!」

櫻子「じゃあ」

櫻子「……」

櫻子「――」

櫻子「……キス、させて……?」

向日葵「え、っと……お嬢様?」

櫻子「なに」

向日葵「キス……して、ではなく、させて、ですか……?」

櫻子「そう」

向日葵「するとされるでは何か、明確な違いがあるのですか?」

櫻子「あるよ」

向日葵「……差し支えなければ、理由をお聞かせ願えますか?」

櫻子「とのだから」

向日葵「え?」

櫻子「私は向日葵のとのだから、呪いを解くには私が向日葵にキスしなくちゃいけないの」

向日葵「と、との? 呪い? あの、なにを」

櫻子「うっさい、目ーつぶれ!」

向日葵「は、はいっ」ギュッ

櫻子「……」

櫻子「ごめんね、向日葵。帰ってきて、お願い――」スッ

……

櫻子「……っ」パッ

向日葵「」ポケー

櫻子「……」ドキドキ

向日葵「……」

櫻子「……」ドキドキ

向日葵「……」

櫻子「……」ドキドキ

向日葵「……」

櫻子「……」ドキドキ

向日葵「……さ」

櫻子「さ?」

向日葵「櫻子のバカぁ!!!」バッチーン

櫻子「ありがとうございます!!!」ビターン

向日葵「お礼!? あ、あなた、人の唇を奪った挙句にぶたれてお礼って、なんですの、どんだけなんですの!?」

櫻子「向日葵こそどんだけ力いれてぶってんだよ! ありがとうございまーす!」

向日葵「またお礼!? やだ、ひょっとして打ちどころが悪かったりしてないでしょうね!?」

櫻子「向日葵ー!」ダキッ

向日葵「きゃあああああっ!? ま、マジに何事ですの!?」

櫻子「向日葵だ、ほんとにほんとにほんとにほんとにひーまわーりだー!」ギュウウッ

向日葵「ち、近すぎちゃってどうしよう!?」

櫻子「やった、元に戻ったー! やっぱり愛の力だねっ!!」ギューッ

向日葵「あ、愛ィ!? さ、櫻子! 本当に正気ですの!?」

櫻子「正気も正気だよ、やったー! わーいっ!」ギュウー

向日葵「あ、あわ、あわわわわわっ!?」

( ;∀;)イイハナシダナー

~一方その頃~

西垣「松本ー、風呂が沸いたぞー」

りせ「……」

西垣「なんだ? 余韻に呆けてるのか?」

りせ「……」

西垣「なんだ違うのか。じゃあなんだ?」

りせ「……」

西垣「ああ、古谷が心配だったのか」

りせ「……」

西垣「はっはっは、案ずるな松本」

りせ「……」

西垣「あの薬は12時を回れば勝手に効果が切れるはずだ。まさにシンデレラ!」

りせ「……」

西垣「うむ。だから12時になるまでは何をしても無駄だし、逆に12時を過ぎれば何をしなくても勝手に戻る。はっはっはっ」

りせ「……」

~ちっぱい家~

櫻子「と、とりみだしまみた」

向日葵「……」

櫻子「……ぁぅ……///」

向日葵「そ、それじゃあ状況を整理しますわよっ!///」

櫻子「ば、ばっちこい」

向日葵「櫻子は、何故かメイドさんになりきっていた私を助ける為に……き、キス……を、した。間違いありませんわね?」

櫻子「う、うん……///」

向日葵「そ、そこで顔を赤らめないでくださる!?///」

櫻子「ひ、向日葵だって!」

向日葵「私のは生まれつきですわよ!」

櫻子「うそつけぇ!?」

櫻子「で、向日葵の方だけどっ!」

向日葵「っ」

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「……ほんっとーーーーーーーーーーーーに、覚えてない?」

向日葵「え、ええ」

櫻子「ほんとに?」ズイッ

向日葵「本当ですわ」

櫻子「ほんとのほんと?」ズズイッ

向日葵「ですから、本当ですってば」

櫻子「ほんとにほんとにほんとにほんとに!?」

向日葵「ライオンだッッッ!」メコォッ

櫻子「あざーす!」ゴハアッ

(´゚д゚`)

向日葵「と、とにかくっ! 私もあなたも、今日の色々はやむにやまれずしたことに過ぎないと、そういうことでいいですわね!」

櫻子「いいともー!」

向日葵「……じゃ、じゃあ、私今日はもう帰りますから」

櫻子「そ、そだね。私も今日はひとりでいたい感じ……かも」

向日葵「で、でしょう?」

櫻子「うん……でも」

向日葵「でも?」

櫻子「……明日の朝、また起こしに来てくれる?」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……当たり前でしょう。私が起こしてやらないと、あなた毎日遅刻ですわよ?」

櫻子「ぁ……」パァッ

向日葵「じゃあ、また明日ですの」

櫻子「うんっ、ばいばい! おやすみー!」ブンブン

向日葵「ええ、ばいばい」フリフリ

ガチャッ パタン

向日葵「……」

向日葵「…………」

向日葵「………………」

スタスタスタスタ

~おっぱい家~

ガラッ ピシャン

楓「あ、おねえちゃん。おかえりなさ……そのお洋服なぁに?」

向日葵「……」スタスタスタ

楓「お、おねえちゃん……?」

~おっぱいルーム~

ガラッ ピシャン

向日葵「……」

ボスン

向日葵「……」

~再び一方その頃~

西垣「松本、また髪伸びたなぁ」アワアワ

りせ「……」

西垣「え? おいおい、浴場ご奉仕プレイは頑張りすぎだろう」

りせ「……」

西垣「まあ違うわな。で、なんだ?」

りせ「……」

西垣「ああ、そのことか。まあお前も薬を飲んだから分かると思うが……」

りせ「……」

西垣「うむ」



西垣「服薬中の記憶は効果が切れたあとも完璧に保たれ続けてるぞ!」



りせ「……」ポッ

~おっぱいルーム~

向日葵「………………………………」

――――――

向日葵「主をキスで起こすのはメイドの勤めです」キリッ

――――――

向日葵「はい、あーん」

――――――

向日葵「お嬢様の御髪、ふわふわでとてもよいさわり心地ですわ」ナデナデ

――――――

向日葵「お嬢様の望みとあらば、この身体を差し出すことも厭いません」

向日葵「どうぞお嬢様、私の胸に触りたいのであれば……」

――――――

向日葵「」ボッッッ

向日葵「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……/////////」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ

楓「おねえちゃん……」ホロリ

おしまう。どうしてこんな長引いたんだろ……

           /ニYニヽ
     (ヽ   /( ゚ )( ゚ )ヽ   /)       こ、これは>>1乙じゃなくて
     (((i ) /::::⌒`´⌒::::\  ( i)))     でっていうの舌なんだから
    /∠_| ,-)    (-,|_ゝ \    勘違いしないでっていうwwwww

    ( __  l  ヽ__ノ   ,__ )
        \   |r-_,,..、;  /
          |  | | .二二二二二二二二二 ̄ ̄>
         |  | |`|   |          ̄>./
         |  `ー'    |        / /
                        /  <___/|
                        |______/

別人格ネタは元に戻った時のフラッシュバックの為にあると思う

向日葵「ううぅ……せめて易しい罰に当たりますように……」ガサゴソ

ピラッ

『素っ裸でお買い物』

向日葵「」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom