マミ 「今日はみんなで回転寿司に行こうと思うの」
QB 「唐突だね、マミ」
マミ 「先週のミニロトで3等が当たってたのよ。さっき引き換えてきたら12000円になったわ」 ピラッ
QB 「へえ」
マミ 「さっそく鹿目さんたちに連絡して誘わなきゃ」
QB 「わざわざ彼女らを誘わなくても、ボクと行けばいいじゃないか」
マミ 「嫌よ。一人回転寿司なんて経験したくないもの」 ピッピッ
QB 「人間はいつもそうだ。人の目ばかりを気にして無意味に体裁を繕おうとする。
同じものを食べる場合、食事なんてものは胃に納めるまでの過程が違うだけであって、
その本質は何ら変わることはないっていうのに。大勢で食事を楽しむという行為自体、僕たちには理解できない」
マミ 「……そう。それじゃあ、残念だけどキュゥべえはお留守番ね」
QB 「えっ」
マミ 「その過程にこそ意味があるのに。それが理解できないのなら仕方ないわ」
QB 「マ、マミ?」
マミ 「大好きなキャットフードでも食べて待っててね。それじゃ」
QB 「もしボクの言葉が気に障ったのなら謝罪するよマミ。
だからボクも回転寿司に連れて行ってくれるとしたら、それはとっても嬉しいなって――――」
マミ 「それに、ペット同伴では回転寿司店は入れないものね」
バタン ガチャッ カチリ
QB 「そんな……あんまりだよ……こんなのってないよ……」
マミ 「――――というわけでみんなに集まってもらったの」
まどか 「回転寿司なんて久しぶりー」
さやか 「欲を言えばカウンター寿司のほうがいいかなー、なーんちゃって」
マミ 「当たったのが3等じゃなく2等だったら期待に応えれたと思うけど……ごめんね美樹さん」
杏子 「文句言うんじゃねーよさやか。タダメシ食えるだけでもありがたいだろ」
ほむら 「それよりもどこで食べる気? 回転寿司と一口に言っても、数多くの店があるのよ」
マミ 「そうねぇ……。ここから近いし、予算の都合もあるから、かっぱ寿司にしましょう」
マドホムサヤ 「!?」
杏子 「?」
ほむら 「……何故、数ある回転寿司店の中からあそこを?」 ギロリ
マミ 「だって、あそこならとんかつとかハンバーグとか唐揚げとかも食べれるじゃない」
さやか 「ハンバーグならくら寿司やスシローだってありますって! 考え直してくださいよマミさん!」
マミ 「それは無理な話ね」
さやか 「な、何でですかぁ!? 同じ100円の寿司ならくらやスシローの方が――――」
マミ 「私、くらのあのベチャっとしたシャリは好きじゃないの」
さやか 「」
マミ 「それに、スシローなんて何でもかんでもマヨネーズで誤魔化してるじゃない」
ほむら 「!?」
さやか 「それはまあ……否定できませんけど……」
ほむら (巴マミにマヨネーズを認識できる味覚があったなんて……! 想像もできなかった……!) ギリッ
まどか 「でも、だからって、かっぱを選ぶなんて……。ダメだよこんなの……絶対おかしいよ……」
杏子 「あーっ! うっせーなお前ら! 牛丼なら吉野家でもすき家でも松屋でも同じようなもんだろ!?」
さやか 「いやいやいや。全然違うし」
杏子 「今日のスポンサーはマミなんだから、アタシらは大人しくついてきゃいいんだよ!」
ほむら 「……貴女はまだ知らないのね。回転寿司の世界を」
杏子 「あ?」
店員 「いらっしゃいませー。5名様でよろしいですか?」
マミ 「はい。禁煙席でお願いします」
店員 「そうなると今、カウンター席しか空いておりませんが……」
マミ 「構いません」
店員 「畏まりました。ではこちらへどうぞー。5名様ご案内ですー!」
さやか 「……」 ガックリ
まどか 「……」 ショボーン
ほむら 「ここで落ちこんでいても何の解決にもならないわ。
こうなってしまった以上、少しでもおいしく食べれるよう努めるしかない」
杏子 「酢飯の匂いっていいなぁ。寿司屋に来るなんて久しぶりだよ」 クンクン
━━┳┳┳┳┳━━ ←レーンの流れ
ほまマさ杏
マミ 「今日は私の驕りだから。遠慮しないでジャンジャン食べてちょうだいね」
まどか 「う、うわーい……うれしいなあ……」 ピクピク
さやか 「い、いただきます……あはは……」 ヒクヒク
マミ (あら? 美樹さんも鹿目さんも苦笑いしているように見えるのは気のせいかしら?)
ほむら (思ったとおりね。レーンを回ってる寿司は時間の経ったものしかない……) ホムーン
杏子 「へへっ! どれもこれも上手そうだなぁ! 目移りしちゃうぜえ!」 キラキラ
マミ 「お茶、用意するわね」 コポコポ
マミ 「さ。どうぞ」 コトッ
さやか 「ありがとうございます。マミさん」
杏子 「ぷふぅ。やっぱ寿司屋はお茶に限るよなあー」 ズズズ…
マミ 「店員さんに頼めば氷水も出してくれるわよ」
杏子 「へー」
まどか 「ねぇ、ほむらちゃん」 ズズズ…
ほむら 「何かしら?」 ズズズ…
まどか 「かっぱ寿司って、お茶だけは評価できるよね」
ほむら 「同感だわ」
さやか 「ガリもまぁ……食えるっちゃ食えるけど、汁に浸かってるのは消毒臭くてなー」
杏子 「えっ!? もしかしてこれもタダで食っていいのか!?」
さやか 「食えるけど汁を切って食べないと」
杏子 「~♪」 モッソリ
まどか 「あっ、杏子ちゃん! ダメだよ! そんな汁ごとごっそり取っちゃ!」
杏子 「あむっ! ……! う、うめぇ!! 漬け汁もうめえじゃんかこれ!! おかわり!」 ゴクゴク
まどか 「」
さやか 「ちょっ……! どんだけ食う気してんのさ!? 盛りすぎだっての!!」
まどか「きょ、杏子ちゃんってガリが好きなんだね……」
杏子 「まあな。寿司屋でコイツを頼むと金とられんのに……どんだけ良心的なんだよ、ここ」 バリボリバリボリ
マミ (もしかして佐倉さんってガリでお金とられるような高級店に行ってたの……?)
杏子 「ほら、さやかも食えよ。タダなんだから遠慮しないでさあ、全部食っちまおうぜー」
さやか 「あ、あたしはいいよ……遠慮しとく……」
杏子 「遠慮すんなよぉ」 グイグイ
ほむら 「たまに汁の中で小さい虫が沈んでることがあるから、気をつけた方がいいわよ」
杏子 「えっ」
マミ 「ふふ、佐倉さんったら。そんなにお腹が空いてるなら、お寿司も食べたら?」
杏子 「そういやー寿司食うためにここ来たんだったな。それじゃあ……」
ゴウンゴウン…
杏子 「お、まぐろだっ! いただきま――――」
マミ 「! 待って! それを取ってはいけないわ!!」 クワッ
杏子 「え、え!?」 ビクッ
スィー…
杏子 「ああッ! おいマミ! まぐろが行っちまったじゃねーか! 何で止めたんだよ!?」
マミ 「佐倉さん。さては貴女、回転寿司に来るのはこれが初めてでしょう?」 キラリン
杏子 「う……!」 ドキッ
さやか 「あー。さては図星だなあ?」
杏子 「き、聞いたことやテレビで見たことくらいはあるよ……。ば、馬鹿にすんな……っ」 プイッ
さやか 「ガリで金取られるような寿司屋は知ってるのに、回転寿司は知らないなんてねえ。こりゃ意外だわ」 ニヤニヤ
杏子 「何ニヤニヤ笑ってんだよ! うぜえ! 超うぜえ!!」
ほむら 「……」
まどか 「どうしたのほむらちゃん?」
ほむら (羞恥心で頬を染めてムキになる佐倉杏子……アリかも知れないわね) キュン
マミ 「回転寿司店では注文して食べる。これが鉄則よ」
杏子 「は? それじゃ普通の寿司屋と変わんねーじゃんか」
さやか 「回転寿司ってのはそういうもんなんだって」
杏子 「だってよ、この台の上で回ってる寿司を取って食うから回転寿司って言うんじゃ――――」
ほむら 「それはいわば食品サンプルみたいなもの。回ってる寿司の表面をよく見て」
杏子 「……ん? 何だこりゃ? 皺がよってしなびてやがる……?」
ほむら 「握ってから時間の経った寿司は表面が干からびて味も落ちる。でも値段は一緒」
杏子 「なんだって!?」
マミ 「それだけじゃないわ。蛍光灯の色をよく見て」
杏子 「あぁ? 何だよこれ。ほんのりピンク色の蛍光灯じゃん」 チラッ
マミ 「そうやって少しでも新鮮に見せられるよう、ライトの光を利用してるの」
杏子 「! そんなの詐欺じゃねーか! ずりーぞ!」
マミ 「でもこれだと違法とは言えないレベルのものなの。回転寿司は食うか食われるの厳しい世界だから」
ほむら 「賢い者が得をして愚か者が損をする。この世界ではそれが顕著よ」
杏子 「も、もしかして、お前らはみんなそれを知ってたから手をつけなかったのか……!?」
まどか 「仕方ないよ。杏子ちゃんは初めてなんだし」
ほむら 「ちなみに精肉店やスーパーでもピンクライトを使ってるところがあるわ。注意するべきね」
杏子 「ち、畜生なんてこった! もう少しでまんまとハメられるとこだったぜ!!」
さやか 「このさやかちゃんが回転寿司のいろはを手取り足取り教えてあげましょーか?
新米回転寿司少女の杏・子・ち・ゃ・ん・♪」
杏子 「! さやかてめー! アタシを馬鹿にすんなって言っただろ!!」
マミ 「さ。それじゃ気を取り直してお寿司を頼みましょ。各自食べたいものをオーダーしてね」 ピッ
杏子 「へー。タッチパネルで注文するのかぁ」 ピッ
ほむら 「昔は席の近くにインターホンが備え付けられてて、それに直接語りかけて注文する方式だったのよ」
まどか 「でも、それってけっこう聞き間違えが多くて、違うお寿司が来ちゃったりとか、けっこうあったよね」
ほむら 「レーン上の寿司にツバが飛ぶということで苦情も多かったらしいわ」
マミ 「タッチパネルは一台につき一度で4皿までしか頼めないのがネックだけど。
ちょうど間に座って二台使えば、一気に8皿まで頼めるわ」
さやか 「マミさん。それって行儀悪くないっすか?」
スィー…
杏子 「? なんだありゃ? 上のレーンを新幹線が走ってるぞ?」
ピタッ ピピピピ…
まどか 「あ、これ私とほむらちゃんが頼んだ甲いかとつぶ貝だ」 スッ
マミ 「あの新幹線に注文したお寿司が乗せられてくるのよ。皿を全部取ってから、そこの赤いボタンを押すと……」
ポチッ
スィー…
杏子 「へー! すっげえなあ!」
マミ 「食べるのはもう少しだけ待っててね。少しストックしておかないと……」
寿司屋でケーキやタルトやジュース食うやつなんなの?
あー寿司屋の唐揚げうめえ
はま寿司の話題が全然ねーぞ!あそこのうどんやそばはうまいのに
でもカキフライだけはクソ
>>102
プリンでも食ってろ
スィー ピピピピ…
マミ 「そろそろ頃合いね……」 ポチ
杏子 「なあ。何で来てすぐに食べなかったんだ?」
ほむら 「汚れた手でタッチパネルを触らないようにするためと、
タッチパネルの汚れを手につけて口に運ばないようにするためよ」
まどか 「箸で食べる人なら問題ないんだけどね。
それに、注文してから来るまでにラグがあるから、全部食べちゃうと待ち時間ができちゃうし」
さやか 「私は素手で食べる派だからよくやるわー。あんまテーブルに溜めすぎると邪魔になるけど」
マミ 「でももう大丈夫。そろそろ頂きましょう」
杏子 「へへ、その言葉を待ってたぜ! いっただっきまーす!」
正直回転寿司は玉子や干瓢、茶碗蒸しの為にあるようなもの
魚の質に期待しちゃいけない
ましてやハンバーグとか何の肉かわかりゃしない
マミ「ウニとか飲み物よね」
さやか「空の皿をレールに置いたらどうなるかwww」
ほむら「マドカァー!」
まどか「ホムラチャン!」
あんこしかまともなのいないじゃん
杏子 「ハムッ! ハフハフ! ハフッ!」 ガツガツ
さやか 「あーあー。そんな口いっぱいに食ってると」
杏子 「うぐ!? ぐ、ぐぐぐ……!!」 プルプル
さやか 「ほーれやらかした。ほい、お茶」
杏子 「さ゛……さ゛ん゛き゛ゅ゛……」
グビッ
杏子 「~~ッ!!」 バタバタ
マミ (お茶が熱かったのね……)
まどか 「自分で思ってたり、ウワサされよりはずっとおいしいね」 モグモグ
ほむら 「そうね。大事なのはみんなで楽しく食べることなのかも知れない」 ホムホム
杏子 「むぐむぐ……。なあなあ、気になったことあるんだけどさ」 ムシャムシャ
ほむら 「何かしら?」
杏子 「干からびた寿司って誰もとらねえんだろ?」
さやか 「そりゃまあ、普通はね」
杏子 「それならさ。さっきアタシが取ろうとしたまぐろが消えてるのは何でだ?
もしかしてアタシみたいな素人が間違って取ったのか?」
マミ 「いえ……。それはきっと終極の深淵へと導かれたのよ」 キリッ
杏子 「はあ?」
さやか 「平たく言えば廃棄されたってこと」
杏子 「!? は、廃棄だって!? あれを捨てちまったっていうのかよ!?」
ほむら 「売れない寿司をいつまでも廻しておいても意味がないわ。
客が取らない寿司は干からび、干からびた寿司を客は取らない。悪循環よ」
まどか 「捨てちゃうなんて勿体無いけどね。
私だったら、値下げして安売りしてもいいんじゃないかなーって思う」
マミ 「でも、そうしてしまうと客はみんな値下げしたものばかりを狙うから、経営が立ち行かなくなるのよ」
まどか 「ネタや季節によっては換算すると原価率がギリギリだったり、オーバーしちゃうんですよね」
杏子 「……許せねえ」 ガタッ
さやか (あ、こりゃ止めとかないとヤバそうな雰囲気)
杏子 「悪ィ。ちょっと席外すわ。なあに、すぐ戻ってくるから心配はいらねー」 コキコキ
さやか 「待ちなって!」 ガタッ
ガシッ
杏子 「! 放せ! 放せよさやかっ!」 ジタバタ
さやか 「念のため聞くけど、どこに行くってのさ!? しかもいつの間にか変身してるしっ!」
杏子 「厨房と事務所に決まってんだろ! こんなにうまい寿司を!
まだ食えるってのに廃棄するなんて! そんなのアタシが許さない! 全員ぶっ殺してやる!!」
マミ 「落ち着いて佐倉さん! くら寿司なんかレーンに流してから最短30分で自動的廃棄されるのよ!
しかもそういう店がこの日本……いえ、世界には数え切れないくらいあるんだから!!」
杏子 「なん……だって……?」 ガーン
ほむら 「他の店では加湿器を使って店内全域を湿らせている店もあるわ。
そうすることで寿司が干からびるのを抑えれるのだけれど……衛生的によくない」
まどか 「ラップや透明な蓋を使う店もあるけど、手間とコストがかかるし、蓋もかさばるんだよね」
杏子 「くそぉっ……! アタシじゃどうしようにもできないってのかよ……ッ! 無力すぎるだろぉ……っ!!」 ガンッガンッ
マミ 「ちょっ、佐倉さん!?」
<何だ何だ?
<酔っ払いか?
店員 「あの、お客様……他のお客様の迷惑になりますので」
マミ 「すみませんすみません」 ペコペコ
杏子 「お前らはアタシが全部食べてやるよ……。捨てられるのは寂しいもんな……」 ブツブツ
スィー…
まどか 「この新幹線って、見てるだけでもけっこう面白いよね」 ニコッ
ほむら (新幹線にみとれるまどかも可愛いわね。こっそり写真を撮っておかないと……) ボトボトボト
さやか (かっぱの玩具じゃなあ……。恭介はびっくらぽんとかシャム・メルルーサのカードとか欲しがってるし) モグモグ
マミ (チョコムースに生チョコミルクレープ、それとキャラメルりんごも注文しなくちゃ) ピッピッ
ジョボッ
杏子 「うあっ、醤油つけすぎちまった……。くうっ、しょっぺえ……」 ベチャー
マミ 「とんかつとハンバーグを注文してと……。まだ2皿分注文に空きがあるんだけど、誰か頼まない?」 ピッ
さやか 「じゃあサーモンとまぐろで」 ピッ
スィー……ピタッ
ピピピピ
マミ 「はい、どうぞ」 カチャ
さやか 「ありがとうございます。てか、来るまでメチャクチャ早かったっすね」 コトッ
マミ 「ふふ。きっと厨房が空いてたんじゃないかしら?」
杏子 「……」 ジー
まどか 「きっとロットの問題だよ。偶然同じものを頼んだりしてるとタイミングいい時には」 ペラペラ
杏子 「あー。別に理屈聞きたいわけじゃないから解説はいいよ」
まどか 「そんな、酷いよ……」
マミ 「やっぱり揚げたては最高ね」 サクサク
さやか 「まぐろとサーモンも凍ったままじゃなくてよかったー」 モグモグ
杏子 「……」 ジー
さやか 「ん? どしたの? さっきから私たちのことずっと見つめてるけど?」
杏子 「いやあ、なんつーかさ」
杏子 「お前らがそれ食ってると、見るヤツが見たら共食いだって言いそうで」
さやか 「」 ブフーッ!!
マミ 「」 ブフォッ!!
杏子 「うわっ!? な、何吹き出してんだよ!? 汚ねえだろお前らっ!!」
ほむら 「まったく。騒がしいし、愚かしいわね」 ファサッ
まどか 「お寿司が並んでるところで髪をかきあげるのもどうかと思うよほむらちゃん……」
ほむら 「……!!」 ホムーン
マミ 「そろそろ汁物が欲しくなってきたわね。みんなは何を頼む?」
まどか 「私は豚汁で」
さやか 「それじゃアタシも豚汁」
杏子 「じゃーアタシもそれで」
マミ 「みんな豚汁でいいかしら?」
ほむら 「いいえ。私はなめこ汁をいただくわ」
まどか 「かっぱ寿司にはなめこ汁は無いよ、ほむらちゃん……」
さやか 「なめこ汁はたしか平禄だったかなー。かっぱにはなめこ汁も、油揚げの味噌汁も、無いんだよ」
ほむら 「……私としたことがすっかり失念してたわ」
まどか 「……」 ズビビビ
さやか 「……」 ズビビビ
杏子 「なー。何かこの豚汁さあ。妙にぬるくね?」
ほむら 「わざと温度を低めにして出すことで、客の回転率を上げているのよ」
マミ 「お店側からすれば、さっさとお腹いっぱいして別の客をどんどん入れる方式の方が儲かるからね」
さやか 「やけどのクレームを未然に防ぐ意味合いもあるんすよね、これ」
まどか 「メリット多くて原価も安いから、売れると店はウハウハだしね」
杏子 「ふーん……。お前ら変に詳しいなあ……」
まどか 「これくらいは常識だよ杏子ちゃん。同じ値段で注文するならやっぱり原価の高いものを選んだほうが消費者としては得した気分になれるから(ry」 ペラペラ
杏子 (アタシも見習わないと)
わさびを醤油に溶かすのは許されますか?
端から見たら美少女集団(黒髪ロング、ピンク、見るからにビッチ、デブ、ホームレス)
が寿司食ってんだから店側としたら客引きとして長居して欲しい所
何故誰も茶碗蒸しを食わない
寿司屋で行けば必ず食うだろ?
スィー…ピピピピ
マミ 「あら? 新幹線が停まってる……? 誰か注文したの?」 チラッ
ほむら 「いいえ。私たちではないわ」 フルフル
杏子 「アタシとさやかも頼んでねーぞ。お前が頼んだんじゃねえのか?」
マミ 「そんなはずはないわ。さっきのを最後に、タッチパネルは触ってもいないもの」
さやか 「ていうかさ、形からしてこれ変じゃない? かっぱ寿司に蓋付きの寿司なんてあったっけ?」
まどか 「しかも4皿分にまたがってるとか……こんなの怪しいよ、絶対に怪しいよ……」
ほむら (! まさかこの中身は……) スクッ
てめえは・・・何様のつもりだ!
事情通ですって自慢したいのか!?
さやか 「まあ、とりあえず開けてみますかね……っと」 スッ
パカッ
QB 「やあ! ボクと契約してフランチャイズ加盟し」
さやか 「……」 スッ
コトン
ほむら 「……」 ポチッ
スィー…
QB 「あっ! ちょっと! 待ってよ! 蓋被せた状態で戻さないで! な、流されちゃうよ!!」 スタタタッ
まどか 「ほむらちゃんとさやかちゃん、見事な連係プレーでしたね」
マミ 「そうね。あの二人ならきっといいコンビになれるわ」
QBの存在忘れてた
>>217
氏ねゾンビ
QB 「ハァ……ハァ……! 久々の全力疾走は応えるなぁ……! 身体中の筋肉が乳酸でいっぱいだよ」 グッタリ
ほむら 「あのまま厨房の奥へ消え失せてればよかったのに。飲食店内に毛のある家畜がいるなんて言語道断だわ」
杏子 「走り回ったせいでこの辺にまでお前の毛が散らばってんじゃねーか。うっぜえからどっか行けよ」 シッシッ
QB 「いきなり辛辣な言葉を2つもありがとう」
さやか 「あちゃー……ホントだ。見事にキュゥべえの毛が飛び散ってるわ。こりゃ醤油皿も箸も取り替えないと」 ポイッ
まどか 「このお湯が出るところでキュゥべえを洗ってあげれば少しは綺麗になるんじゃないかな?」
マミ 「付いてきちゃ駄目って言ったでしょ? 何で約束を破るの? 家に帰ってキャットフードでも食べてなさい」
QB 「どうして今日に限ってこんなにアウェーなんだい? 訳が分からないよ。もしかしてキミ達全員、生理中なのかい?」
寿司には塩が合うってことを知らないやつは多いよね
>>230
家で寿司作る時はやるけど
>>199
大衆的な安っすい回転寿司屋に行ってる奴がさ、勘違いして薀蓄やマナー云々を語ろうとするんなら、
そんなのアタシが許さない。いの一番にぶっ潰してやるさ
しかし廃棄された寿司って店員が食っていいんじゃなかったのか
もったいねー
ほむら 「それで? 何の用?」
QB 「だから言ったじゃないか。ボクと契約してフランチャイズ――――」
プシュッ ビシッ
<な、何だ今の音……?
<屁じゃないよな?
ほむら 「次は当てるわ」 チャキッ
QB 「店内でいきなり発砲するなんてキミの頭はどうかしてるね。サプレッサー付きだったからよかったものを」
ほむら 「……」 スッ
QB 「アメリカンジョークに決まってるじゃないか。銃なんか捨てて平和にやろうぜ。兄弟」 スリスリ
ほむら 「毛が付くからこすり付けるな害獣」
まどか 「キュゥべえ感情豊かになりましたね」
マミ 「ええ。これでもいろいろと躾けたつもりだから」
さやか 「感情豊かって言うか、情緒不安定と分裂症を併発してないっすか?」
QB 「日頃、ボクたちのために頑張っている君たちへのささやかなプレゼントを持ってきたんだよ」 フリフリ
まどか 「ほむらちゃん。かにみそ食べる?」
ほむら 「いただくわ」 ホムホム
QB 「そんなに気になるかい!? それなら特別に見せてあげようじゃないか!」 チラチラッ
さやか 「あ、マミさんお茶注ぎますよ」
マミ 「ありがとう」 ズズズ…
QB 「ほうらどうだい! ボクからのプレゼントというのはこの株主優待券さ!」 ジャーン
杏子 「くそっ……一人じゃこの量は食いきれねえな……」 ゲプッ
QB 「あ、あれ? いまいち反応が薄いなぁ。これがあるとタダで飲み食いができるんだよ?」
さやか 「いや、別に今は必要ないし」
まどか 「今日はマミさんの驕りだからね」
QB 「な、なんだってー!!」
マミ 「しかもこれ525円分だけじゃない」
QB 「うう……。談話を交えつつ、大衆の面前でさりげなく株主優待券をひけらかし、
羨望の眼差しを集めることで顕示欲を大いに満たすという僕のささやかな野望が……」
まどか 「め、めんどくさい野望だねキュゥべえ……」
マミ 「貴方が優待券を持っているということが一番の驚きよ」
杏子 「このキュゥべえ、中身別モン入ってんじゃねーのか?」 ムシャムシャ
杏子 「ま。そいつはアタシが使ってやっからさ。そんな落ち込むなって」 ヒョイッ
QB 「あっ! か、返してくれよ杏子! みんなに褒め称えられないと、それを持ってきた意味がないんだ!!」
ほむら 「感情が無いとか言ってたくせに。この個体は見てるだけでも無性に腹が立つわね」
QB 「個体差はあってしかるべきさ。タチコマたちだって、並列化されても個性が芽生えていただろう?」
まどか 「いっつも微妙に的外れなこと言ってるよね、キュゥべえって」
さやか 「個性も感情も何も、人が食事してるとこに毛を撒き散らす害獣が来たら追っ払うのが普通っしょ。そりゃ」
マミ 「だから帰りなさいって言ったでしょ。今からでも遅くないわ。ね?」
QB 「みんなでここまでボクを悪者にするなんて……うぅ……。
これでも毛玉はちゃんと処理してるんだけどなぁ……ぐすっ……」 トボトボ
杏子 「なんだアイツ。イジけて待合席に行きやがったぞ」
さやか 「やっぱりあれ精神病患ってますってマミさん。恭介のいる病院の別棟に似た感じのいるんですから」
マミ 「うーん……。別の個体に取り替えてもらうよう頼もうかしら」
ダフ屋でちょい安く売ってるよね
株主優待券
>マミ 「うーん……。別の個体に取り替えてもらうよう頼もうかしら」
誰に頼むんだよ
ザワザワ…
杏子 「? あっちの席で客と店員がもめてんぞ? 何だあれ?」
<あの、失礼ですが、枚数もっとありましたよね?
<え? いやいやいや。これで全部だって。
ほむら 「会計時におけるトラブルね。昔はけっこう見かけたものよ」
マミ 「客の中には巧妙に皿を隠して注文枚数を誤魔化そうとする不埒な客もいるわ。
挙句の果てには皿を壊したり、トイレに持ち込んだりするような悪質極まりない客も、ね」
杏子 「ふーん」
ほむら 「ああいう客の対策としてタッチパネルを導入して証拠を残すようにしてからは減ってはいるようだけど」
さやか 「それでも根絶できていないのが現状なんだよね……」
まどか 「前はインターホン注文を間違っただけで怒鳴り散らす人もいるくらいだったから」
杏子 「おっかねーなあ……」
<俺はそんなに食ってねえんだよ! ふざけんな!! 責任者呼べ!!
<しかしですね……
さやか 「揚げ足とって人前で威張り散らす男って引くわー。見ててみっともないったらありゃしない」
マミ 「あんなのは客として恥ずべき行為だわ。
例えわさびが大量に塗られた寿司を握られても、冷静に取り替えてもらうのが人としてあるべき姿よ」
杏子 「そっか。それじゃ紳士的なアタシは食った皿を正々堂々とレーンに戻しておくか。げえっぷ」 カチャ
マミ 「佐倉さん。私の話聞いててわざとやってるでしょ? それ」 イラッ
杏子 「ふー……食った食ったー。マミ、サンキューな」 ゲプッ
さやか 「何やかんやでも、やっぱみんなで食うとおいしかったねー」
まどか 「うん。マミさん、ご馳走様でした」
マミ 「ふふ……。みんなに喜んでもらえたのなら何よりだわ」
ほむら 「会計ボタンを押してもいいかしら?」
マミ 「ええ。お願い」
ピンポーン
店員 「ご利用ありがとうございましたー。枚数確認させていただきますので少々お待ちくださいー」
店員 「100円皿が300枚、150円皿が――――」
マミ 「えっ? さ、300枚……!?」 チラッ
杏子1 「?」
杏子2 「あ、やべ」 シュン
マミ (い、今、佐倉さんが5人居たような……!? まさかロッソ・ファンタズマを使って、
廃棄されそうな寿司を本当に食べつくしたとでもいうの……!? そんな……馬鹿なことが……ッ!!)
店員 「お会計、33895円になりますねー」 ビリッ
マミ 「……ッ!」
店員 「お支払いはレジにてお願いしますー」
マミ 「は……はい……」 ピクピク
ほむら 「……」 カチリ
マミ (……ど、どどどどうすればいいの……!? 手持ちが足りないだなんて今更言えない……!) アセアセ
ほむら 「ちょっと待って。貴女、皿の枚数を数え間違えてるわ」
店員 「え?」
ほむら 「もう一度数えてみなさい」
店員 「は、はあ。えっと、105円皿が――――」 ブツブツ
マミ 「……!」 ハッ
店員 「あ、あれ? 80枚しかない……?」
ほむら 「責任者を呼んで大事にはしたくないわ。レシート、すぐに切りなおしてもらえるわよね?」 ファサッ
店員 「た、大変失礼しました! 少々お待ちください!!」 ペコペコ
ほむむむむむ
時間止めた後マミさんの財布見て
ぴったり114枚にしてればまだ良心的だったんだが
マミ 《暁美さん! 貴女って人は……!!》 ジーン
ほむら 《今回は貸しにしておくわ巴マミ。自分で誘っておきながら『お金が足りませんでした』じゃ示しがつかないでしょう?》
マミ 《ありがとう。……明日のお茶会、鹿目さんが使ったフォークやカップは洗わずそのまま貴女に渡すわ》
ほむら 《それなら貸しにしておく必要はなさそうね。期待しているわ》 ホムッ
杏子 「あれ? でもこれタッチパネルには300枚以上頼んでるって表示されてるぞ? ほら」 ピッ
まどか 「……」
さやか 「……」
店員 「……あ」
マミ 「さ、佐倉……さん……?」 ビキビキッ
んほぉ!
杏子がレーンから取った皿もタッチパネルに記憶されるの?
最近の回転寿司ってすげーな
レジから金抜き取ればおk
ほむほむ「少ないでしょう?たった5万円じゃあと150皿ぐらいしか食べれない」
ほむら 「佐倉杏子……!! どこまで貴女は愚かなの……ッ!!」 ギロッ
杏子 「だ、だって誤魔化すのは恥だって、お前らがさっき言って――――」 オドオド
ほむら 「それとこれとは話が別なのよ!! 貴女は今、取り返しのつかないことをしてしまった……!!」 ゴゴゴゴ…
杏子 「え? え? ア、アタシのせいなのかよ……? ご、ごめんな……」 シュン
店員 「……確かに履歴には残ってますね。これはどういうことか説明してもらえますかお客さん……」 ユラァ
マミ 「…………」 タラタラ ポタポタ
さやか (今のうちに変身しておこうっと) キュイン
ほむら「いいえ。私の戦場はここじゃない。食べ直す。私は何度でも食べ直す」
店員 「答えられないのなら、ちょっと事務所の方まで――――」
バキッ!!
店員 「きゃあっ!?」 ズザザザ
マミ 「鹿目さん! 暁美さん! 美樹さん! 佐倉さん! 逃げるわよ!」 ダッ
杏子 「ええ!?」
まどか 「もー! 杏子ちゃんのばかー!!」 ダッ
店員 「くっ、食い逃げー! そいつらを捕まえてー!!」
さやか 「転校生! 早く時間を止めてよ! 捕まったらアウトなんだよ、私ら!」 ダッ
ほむら 「仕方ないわね……少しだけ待って」 カチリ
マミ 「邪魔者がぞろぞろと出てくる前に速攻で厨房と事務所を破壊させてもらうわ! ティロ・フィナーレ!!」 ゴッ
ドッパゴォン!!
<うぎゃあああああああ!
<ぎゃあああああああああああああ!!
<て、店長ー!!
マミ 「美樹さん! 脱出口の確保をお願い!」
さやか 「任せてください! スクワルタトーレエエエエ!!」 ザシュン ザシュンザシュン
バガッ!!
マミ 「暁美さん!」
ほむら 「分かってるわ。――――みんな、私と手を繋いで」 スッ
カチリッ
QB「まどか!さやか!願い事を決めるんだ!」
マミ 「ふう……。何とか逃げれたわね」
さやか 「一時はどうなるかと……。サンキュー」
ほむら 「こんなくだらないことでまどかを前科者にしたくはないもの。気にしなくていいわ」
まどか 「でもどうしよう……。これじゃ食い逃げどころか、テロリストだよ……」
杏子 「なあなあ。今更気付いたんだけどさぁ」
ほむら 「……なによ。言い訳でもしたいの」 ホムッ
杏子 「あ、いや。さ……」
杏子 「寿司って普通さ、5人で300皿とか食うモンか? しかもアタシらって子供じゃん?
機械の故障だとか適当言えば、わざわざ逃げなくても良かったんじゃねーの?」
ほむら 「……」
杏子 「例え監視カメラに撮られててもさ。時止めて皿隠したってんなら、映像には残ってないはずだろ?」
ほむら 「……!」 ワナワナ
まどか 「しゅ、主犯はマミさんで、実行犯はさやかちゃんだよっ!」
さやか 「アタシって、ホント馬鹿」 ホロリ
マミ 「だったら……!」 シュルシュルシュル
杏子 「うわッ! リボン……!? 何すんだよマミ!?」
マミ 「だったらみんなで共犯になって死ぬしかないじゃない!」 スチャッ
ほむら (まさかまたこのオチを体験するだなんて) ホムーン
ガチャリ
詢子 「うーっす。帰ったぞー」 フラフラ
知久 「おかえりー。……おっ、その折詰はまさか」
詢子 「土産にと思ってね。大奮発して寿司を買ってきたのさ。特上だぞ、特上」
タツヤ 「おすしー!」 キャッキャッ
まどか 「……」
詢子 「あん? どうしたまどか。せっかくの寿司だってのに、嬉しくないのか?」
まどか 「実は今日ね、お昼に回転寿司に行っていっぱい食べたからあんまり……」
詢子 「そう言うなって。寿司屋の寿司ってのはパック寿司や回転寿司とはワケが違うんだぞ?」
知久 「皿とお醤油とお箸もってくるから待ってて」
タツヤ 「姉ちゃ、たべて~」
まどか 「も、もうお寿司はいいよぅ……」 フルフル
詢子 「とりあえず食ってみろって。残ったら勿体無いから」
まどか 「うーん……それじゃひとつだけ……」
パクッ
まどか 「!」
詢子 「どうよ?」
まどか 「お、おいしー! すっごくおいしいよ!」
詢子 「だろ~? ほら、じゃんじゃん食えよ」
まどか 「うん! お昼食べたのとは比べ物にならないほどおいしい!」 パクパク
まどか 「やっぱりお寿司はお寿司屋さんのが一番だよね! ウェヒヒヒ!!」 モグモグ
詢子 「ったく。誰に似たのか現金なやっちゃなあ。あ、ビール持ってきて」
知久 「はいはーい」
QB 「……あれ? みんなはどこに行ったのかな? 何で店がこんなにボロボロに……?」 キョロキョロ
おわり
おそまつさまっした
ジャンプのPSYREN-サイレン-のも並行して書いてるからよければどうぞ
夜科アゲハ「出席日数が足りない」 【PSYREN-サイレン-】
乙
アゲハ 「俺ってたしか保険に入ってたはずだろ!? あれはどうした!?」
フブキ 「保険? ああ、保険ね。確かに入ってたし保険金も下りたわよ」
アゲハ 「ならそっから差し引きすりゃあ――――」
フブキ 「……ふう」
アゲハ 「な、何だよ、その溜息に遠い目は? ……ま、まさか……」
フブキ 「あのお金はね、すべて朧クンのグッズと等価交換しちゃったの」
アゲハ 「」 ブフォッ!!
あらら
ごめんこっちじゃない誤爆
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