綾乃「古谷さん、大室さん、そこに座りなさい」(106)

向日葵「杉浦先輩、どうされたんですの?」

綾乃「うん。いいからまずは座ってくれるかしら」

櫻子「も、もしかしてお説教ですか?」

綾乃「いいから」

向日葵「櫻子。とりあえず先輩の言う通りにしますわよ、ほら」ストン

櫻子「……うん、わかった」ポスン

綾乃「ふたりとも座ってくれたわね。それじゃあ、」

綾乃「……」

綾乃「古谷さん」

向日葵「なんでしょう?」

綾乃「大室さんを膝の上に乗せるなアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」

綾乃「いい? 今日あなたたちをここに座らせた理由は他でもない、そのことについてよ!」ビシィ

櫻子「そのこと?」コクビッ

向日葵「って、どのことですの……?」コクビッ

綾乃「自覚ゼロ!? い、今みたいに必要以上にベタベタしてることよ! ていうかまず大室さんをおろしなさいってば!」

向日葵「お断りします」

綾乃「なんで!?」

向日葵「櫻子を膝から下ろすことは、少しだけ死ぬことと一緒だからですわ」キリッ

綾乃「一緒じゃないわよ!? そんなハードボイルドにキメる場面じゃないから今あ!」

櫻子「うれしい、向日葵ぃ……///」

向日葵「櫻子///」

綾乃「隙あらばふたりの世界に入るなアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」

綾乃「は、話を戻すわ。古谷さんも大室さんも、生徒会の一員だって自覚はあるわよね?」

向日葵「もちろんですわ」

櫻子「次期生徒会福会長ですからね!」

向日葵「むっ、それは聞き捨てなりませんわ! 生徒会副会長になるのは私ですわ!」

櫻子「なんだとー!」

向日葵「なによ!」

綾乃「そ、そうよ、それよふたりとも! あなたたち、本当はもっとガツガツしたキャラだったじゃない!」

向日葵「……でも、副会長……ひいては生徒会長にふさわしいのは、櫻子のように人望のある魅力的な人なんでしょうね」

櫻子「そ、そんなことないよ! 私バカだもん、やっぱり生徒会長になれるのは向日葵みたいに頭のいい人だよ!」

向日葵「じゃあ……ふたりで会長やります?///」

櫻子「やろっか///」

綾乃「∵」

綾乃「あ、あの……もう、とりあえず膝にのっけたまんまでいいんで、私の話を聞いてください……?」ヨロッ

向日葵「分かりましたわ」

櫻子「プリン食べていいですか」

綾乃「あとにしてちょうだい……」

綾乃「……で、あなたたちはれっきとした生徒会の一員であって……」

綾乃「生徒会役員がそんなんじゃあ一般生徒に示しがつかないわけで……」

綾乃「せめて……せめて人目ははばかって欲しいわけで……」

綾乃「ここまでの話、わかってもらえたかしら?」チラッ

向日葵「櫻子の髪はさらさらで綺麗ですわね」ナデナデ

櫻子「うにゃあ……だめ、きもちくて寝ちゃうよ……」ウトウト

向日葵「あらあら……別に寝てもかまいませんのよ?」

櫻子「ほんと? じゃあおっぱい枕だぁ……ぼいーんぼいーん///」

向日葵「もうっ///」

綾乃「聞けよおおおおおおおおっていうかやっぱ降ろせよオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

綾乃「ありがとう……私のお願いを聞き入れてくれて本当にありがとう……」

櫻子「」ムスッ

向日葵「」ムススッ

綾乃「あああ……ささやかな願いと引き換えに後輩からの信頼が音を立てて……」

綾乃「ま、負けないわよ……頑張れ私っ……」

綾乃「そ、それでねっ! 話を続けるんだけど!」

綾乃「やっぱり、あなたたちは生徒の模範であるべき生徒会のメンバーなんだから、もっと節度あるお付き合いをして欲しいのね!」

綾乃「仲良くするななんて野暮は言わないから、せめて人前では手をつなぐ程度にとどめて……」

向日葵「櫻子の手、あったかいですわ///」スリスリ

櫻子「あはっ、くすぐったいよー///」キャッキャッ

綾乃「今じゃねえよオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

綾乃「もう!!! マジメに聞いてよ!!!!!!」

向日葵「先輩!」

綾乃「なによ!!!!!!」

向日葵「私、恋も仕事も本気ですのよ!!」

綾乃「知らないわよ!!!!! ちょっと出来るOLみたいなこと言わないでよ!!!!!!!」

櫻子「向日葵カッコイイ!///」

綾乃「プリンあげるからあなたは黙っててよ!!!!」

櫻子「えっいいんですか? じゃあ向日葵、いっしょに食べよっ///」

向日葵「スプーンは1本で十分ですわね///」

綾乃「お前は話を聞くんだよオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!」

綾乃「よし みんなきけ」

綾乃「とにかく あなたたちは イチャイチャ きんしよ」

綾乃「できなかったら ばっきんバッキンガム なんだから」

向日葵「先輩!」

綾乃「はい ふるたにさん」

向日葵「罰金の具体的な金額を提示してください! もし今は払えなかったとしても、一生かけて返済しますわ! だから……だから櫻子とイチャイチャさせてください!」

櫻子「向日葵///」

向日葵「櫻子///」

綾乃「そのことばが ききたか ったわけあるかアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

向日葵「杉浦先輩、少し落ち着いてくださいですの」

櫻子「そうですよ。あ、プリンごちそうさまでした」キュップイ

綾乃「とうとう私が諭される側みたいになってるし……もうやだぁ……」グスッ

向日葵「……」

櫻子「……」

綾乃「……」メソメソ

向日葵「櫻子の手、やっぱりあったかいですわ///」

櫻子「向日葵は心があったかいんだよ///」

綾乃「再開するなアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

いつにも増してオチも何も考えてなかったからトンズラここうかと思ってた

綾乃「気を抜くとすぐこれだわ!!!!!」

綾乃「わかってるのに! わかってたはずなのに!! 油断してしまったわ!!!」

綾乃「目を離さなくてもイチャつきだすのに、目を離してイチャつかないはずがないもの!!!」

綾乃「がんばれ私、ファイトファイトファイファイビーチよ!!!」

綾乃「――っ」キッ!

櫻子「~♪」シャカシャカ

向日葵「櫻子、なに聴いてますの?」

櫻子「んー? 向日葵も聴く? ほい」スッ

向日葵「ありがとうございますわ///」

櫻子「これじゃ音楽よりドキドキする音の方が大きいね///」

綾乃「ひとつのイヤホンをふたりで分けるなアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

綾乃「大室さん、しりとりしましょう!」

綾乃「(こうなったら積極的に絡んでいってふたりの世界を作らせない作戦よ!)」

櫻子「え、向日葵とイチャイチャしてたいからヤです」

綾乃「いきなり頓挫!? そ、そう言わずにしりとりしましょうよ! ね? しりとり楽しいわよ! しりとり!!!」

櫻子「ひっ……たかがしりとりにそんな血走った目で……怖いよ向日葵っ」ヒシッ

向日葵「杉浦先輩! 櫻子を怖がらせないでいただけますか!」

綾乃「いいからやってよオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」

向日葵「仕方ありませんわね……櫻子、相手して差し上げなさい」

櫻子「うん……」オズッ

綾乃「ありがとう古谷さん、大室さん……」

綾乃「(私どうしてお礼なんて言ってるのかしら)」

綾乃「こ、こほんっ。じゃあ行くわよ? 最初はしりとりの『り』!」

櫻子「り……凛々しい向日葵の『り』!」

綾乃「……え~……り、リラック『ス』」

櫻子「素敵な向日葵の、『り』ー!」

綾乃「り、り……リッップクリー『ム』」

櫻子「無敵の向日葵。『り!』」

綾乃「………………リン『ゴ』」

櫻子「ゴッド・オブ・向日葵! つよい! 『り』ですよ!」

綾乃「『り』ですよじゃねエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!!」

綾乃「(ダメだわ……この子、脳細胞が破壊されてるような勢いでバカが加速してる……)」

綾乃「(となれば……)」

綾乃「ふ、古谷さん。私とお話しない?」

向日葵「すみません、お気持ちは嬉しいのですが……」

綾乃「え、ダメなの?」

向日葵「はい……今、ちょっと櫻子が可愛いので」

綾乃「え?」

向日葵「ですから、櫻子が可愛いので目が離せませんので、お話は出来ませんわ」

綾乃「……」

綾乃「……ちなみに、それ、可愛くない時はあるの?」

向日葵「あるわけないでしょう!? たとえ先輩でも、事と次第によっては出るところ出ますわよ!!?」

綾乃「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

俺、結京派なんで……

綾乃「本当に、5分でいいから真面目に私の話を聞いて……お願い凱旋門……」

向日葵「先輩……」

櫻子「(おねがいがいせんもん……)」

綾乃「……」

綾乃「あなたたちがお互いをとても大切にしているのは、ハッキリと伝わってくるわ」

綾乃「それほどに想える相手がいるのが羨ましいくらい」

綾乃「でも、だからってTPOをわきまえない行動が許されるわけではないわ」

綾乃「節度を無視した振る舞いは、必ず自分たちに悪いものとして返ってくるのよ」

綾乃「私は、幸せそうなふたりの笑顔が、そういうものに曇らされるのを見たくないの」

綾乃「先輩として……友達として」

綾乃「だから、せめて人前では人前なりの愛情表現に抑えて欲しいの」

綾乃「私の言いたいこと、分かってくれるわよね? 古谷さん、大室さん?」

向日葵「すみません、櫻子とキスしていたので聞いてませんでした。もう一度お願いできます?」

櫻子「ひまわりぃ、もっとぉ……」トローン

綾乃「」

ああ、もちろん一番はひまさくだけど。京子絡みなら結京派というだけ















                                              綾乃「∵」














――それから、綾乃ちゃんの姿を見た人は誰もおらへん

あの時、泣きながら生徒会室を飛び出す綾乃ちゃんを止めとったら、こないなことにはならへんかったんやろうか

今となっては誰にも分からへん

テレビなどのメディアは、このことを現代の神隠しなどと囃し立て、面白おかしく取り上げた

うちらの周りも一時期は騒がしくなったけど、今ではもうすっかり落ち着いとる

……毎年、この季節になると思い出すわ

残暑の厳しい青空の下、凛々しいあの子の立ち姿を

うちは忘れんよ。せやから安心してな、綾乃ちゃん

このマンガはサザエさん時空やさかい、いつひょっこり帰ってきても、ええんよ?

昨日ぶりにあったみたいに、笑いあえるから

なぁ……せやから、帰ってきてよ、綾乃ちゃん――

京子「という夢を見た!」

結衣「……」

結衣「お前、そんなこと言うためだけに私を起こしたのか?」

京子「そうだけど」ケロッ

結衣「……」

京子「うわ、まだ5時かぁ。ぜんぜん寝れるね、おやすみー」パタッ

結衣「いや」

京子「へ?」

結衣「もういいよ、目が冴えた」モゾモゾ

京子「結衣? 布団にもぐりこんでどうし、ぅひゃんっ!?」ピクンッ

結衣「安眠妨害の罰。罰金バッキンガムは身体で払ってもらうから」モゾモゾ

京子「ゃ、ゆいぃ……っ! だめ、そこっ……!」プルプル

結衣「京子、可愛いぞ」

京子「い、言わないでっ、そんな……ぁ、あっ!」

ちなつ「∵」

禁断の夢オチ! gdgdで正直すまんかった

書かねーし!寝るし!

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