響「プロデューサーになら自分なんでもしちゃうぞ」 P「なんでも?」 (57)

響「え、あっ……ど、度が過ぎることはダメだぞ!?」

P「なんでも……」

響「でも自分に出来る事なら……してあげたいかなー……」

P「なんでもか……」

響「自分は経験ないけど……精一杯頑張るぞ」

P「そうだな、じゃあ俺と貴音の仲を良くしてくれ」

響「え……」

P「頼むぞ響」

響「お、おぉ……自分完璧だからな」

P「ありがとう」

響「気にしないで欲しいぞ、自分プロデューサーの為ならなんでも出来るからな! なんでも!」

P「おう! じゃあ早速、貴音と俺の親睦を深めさせてくれ」

響「う、うん……」

P「まずは何だ? 何をすればいい?」

響「最初は喋ることからだな」

P「どんな内容がいいんだ?」

響「>>7

月が綺麗ですね

P「よし、じゃあ早速行くぞ」

響「自分もいくのか!?」

P「当然だろ! 俺だけ行っても変だからな」

響「わ、分かったぞ」

P「おっ、貴音じゃないか」

響「や、やっほー貴音」

貴音「おや、響とプロデューサー。二人でお出かけですか?」

P「そうなんだよ」

貴音「仲が良いのですね」

響「そ、そうかー?」

貴音「ええ、うらやましい限りです」

P「月がきれいですね」

響「え?」(急に言うの?)

貴音「月? まだ見えないようですが……」

P「……つ、月がきれいですね」

貴音「?? プロデューサーは何を……」

響「ほ、ほら今日は天気がいいから月がよく見えるらしんだって」

貴音「なんと、そうなのですか?」

響「そ、そうだぞ」

貴音「それは楽しみですね」

響「そうだなー」

P「……月がきr──」

響「あ、あぁー!!」

貴音「急に大声を出してどうしたのです?」

響「そ、それならさー、今日月を見に行かないか?」

貴音「月をですか?」

響「うん、自分と貴音とプロデューサーでさー」

貴音「私は問題ありません」

響「プロデューサーも大丈夫だろ? じゃ、じゃあ決定ね」

響「じゃあ、これから──」

P「よ、よしじゃあ、また夜に集まろう」

響「エッ!?」

貴音「分かりました、では場所は……事務所でよろしいですか?」

P「事務所でオッケーだ」

貴音「では、また夜に」

P「おう」

響「な、なんで夜にまた集まるなんて言っちゃったんだ!?」

響「そのまま一緒にいた方が良かったと思うぞ」

P「いやー……」

P「響は気付いていると思うけど俺って貴音の事──」

響「ま、まって」

P「うん?」

響「言わなくても自分はプロデューサーの気持ちは分かってるからさ……」

P「そ、そうか」

響「……うん」

P「まぁ、つまりずっと一緒にいるのもキツイかなって思ったんだよ」

響「そっか」

P「そうなんだ」

響「……」

響「そういえばさっきのプロデューサー酷かったぞー!」

P「ん?」

響「月が綺麗としか言わないから、自分まいっちゃったぞー」

P「すまん、緊張して……って響がその話題を出せば大丈夫って言ったんだろ!?」

響「さすがに時と場合があると思うぞ」

P「くっ……確かに」

響「もー、プロデューサーはダメダメだなー」

P「確かに俺はダメダメだな。だから響を頼りにしてるんだぜ」

響「う、うん、プロデューサーと貴音の仲は自分に……任せて欲しいぞ」

P「さすがは響は完璧だな」

響「……が、頑張るさー」

P「マジで頼むぞ響! 正直、俺には貴音は何を考えているかよく分からないからな」

響「自分は貴音とは仲良しだからな、そこの所は大丈夫さー」

響「じゃあ、貴音との仲良し作戦考えるぞ」

P「おー!」

響「はぁ……」

ガチャ
貴音「おや、二人とも早いですね」

P「あ、あぁそうなんだ」

響「楽しみだからちょっと早く来ちゃったんだぞ」

貴音「そうでしたか」

P「はい」

響「じゃ、じゃあ早速月を見にいくさー」

響「ははは、あの撮影は大変だったよな」

貴音「えぇ、美希が撮影中に寝てしまって」

P「はは……」

響「伊織もすごい怒ってたよなー。な、プロデューサー?」

P「お、おう……」

響「……」

響「プロデューサー、貴音の前で緊張するのは分かるけどもっと話さなきゃダメだぞ」コソコソ

P「だ、だよな」

響「プロデューサーはしょうがないなあ……」ボソッ

響「あっ、しまったぞ!」

P「どうした?」

貴音「何かあったのですか?」

響「自分、携帯事務所に忘れちゃったぞ」

P「事務所に? なら、取りに戻るか?」

響「一人で取りに行ってくるから貴音とプロデューサーは先に行って欲しいぞ」

P「いや、それなら──」

響「もー、貴音と二人ッきりになるチャンスだぞ」ボソッ

P「は? いや、別に三人でもいいだろ?」ボソッ

響「それじゃあダメさー、ほら頑張るんだぞプロデューサー」

響「じゃあ自分携帯取りに行ってくるさー」ダッ

P「あ、おい響……」

タッタッタッ
響「……はぁ」

響「今頃、プロデューサーちゃんと喋れてるかな……」

響「ほんと、プロデューサーはダメダメだなー」

響「自分はプロデューサー好きだけど、プロデューサーには好きな人と一緒にいて欲しいぞ……」

響「……貴音ならしっかりしてるし大丈夫だよな」

響「……」



響「……そろそろ戻ろうかな」

響「どこだろう……」

響「おっ、あそこにいるぞ」



P「バ、バレてたのか」

貴音「なんとなくは」

P「そうか……それじゃあ──」

貴音「えぇ、プロデューサーの言う通り仲良くさせていただきたい物です」

P「そう言ってもらえると助かる」


響「……よかったぞ、上手くいったみたいさー」

響「よかった……」

響「そろそろ行かなきゃ……はぁ……」

響「おっと、ダメダメ! 折角めでたいんだから元気ださなきゃだよな」

響「ふぅ……よし」



響「二人ともおめでとー!!」

貴音「響! いたのですか!?」

P「なんだ、言ってくれれば良かったのに」

響「た、大切な話はやっぱ二人きりの方がいいと思ってさ」

P「全部響のおかげだ、ありがとな

響「き、気にしないでいいさー」

貴音「いえ、響のおかげですよ」

響「はは……そんな事ないさ……」

貴音「どうしたのです響? 辛そうな顔をしていますが?」

響「……っひぐ……なん、なんでもないぞ」グスッ

P「どうした響?」

響「なんでも……ないぞ。そんなことより本当におめでとうなプロデューサーと貴音……幸せになってな」




P「は? 幸せ……?」

貴音「……響、あなたは何かを勘違いしていませんか?」

響「でも二人は付き合うんだろ?」

P「は? 付き合う!? 俺と貴音が!?」

響「だってさっき……」

貴音「響……私とプロデューサーはお付き合いなどしませんよ、これからもきっとありえません」

響「えっ!?」

P「何でそんな勘違いをしたんだよ……」

響「だってプロデューサー貴音と仲良くなりたいって言ってただろ!?」

P「あぁ、それでか……」

P「あれはプロデューサーとして仲良くなりたいって意味で、異性としてではない」

響「えっ……えぇ!?」

貴音「そういう事ですよ、響」

響「えぇー、あれぇ?」

貴音「それでは細かい説明はプロデューサーの任せるとしましょうか」

P「ん? 貴音は?」

貴音「私は先においとまとさせてもらいます」

P「いやいや、一緒に説明してくれよ」

貴音「ふむ……」

貴音「ですが私には用事があるのです」

響「よ、用事って?」

貴音「ふふっ、──携帯電話を事務所に忘れたので取りに行くかなければいけないのです」

貴音「そういうことですので」

P「お、おう」

響「ちょ、ちょっと貴音ー」

貴音「それと響、私は友が悲しむような事はしませんよ」ボソッ

響「!?」

貴音「では、失礼します」


P「行っちゃったな」

響「うん」

響「それでさっきのはなんだったんだ?」

P「俺は貴音の事がちょっと……ちょっとだけ苦手だったんだよね」

響「っえ!?」

P「何を考えているかイマイチわからなくてな……」

響「だから貴音とちゃんと喋れなかったのか?」

P「そうだ。けど、まあ響のおかげでさっきちゃんと話せたよ」

P「それで、仲良く……プロデューサーとアイドルとして仲良くしようって話したんだよ」

P「それだけだ」

響「なんだそうだったのかー、自分すっごく勘違いしてたぞ」

P「なんでそんな勘違いしたんだ?」

響「……『月が綺麗ですね』って言ったから」

P「は? それは響が言えって言ったんだろ?」

響「だって……好きって事なんだろ?」

P「んん?」

響「だーから、『月が綺麗ですね』って好きですって意味なんだろ!? 自分インターネットで見たぞ」

P「……そ、そうなのか。俺は今知ったよ」

響「えっ!? プロデューサー知らなかったのか?」

P「知らなかった」

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