こずえ「♪ミミミンミミミン」 (29)

  
 【モバマスSS】です

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モバP「ちひろさん、杏、こっちに来てま……っと……」

杏「ZZZ……」

きらり「ZZZ……」

ちひろ「あ、プロデューサー」

モバP「珍しいですね、きらりも寝てるって」

ちひろ「さっきまでは起きてたんですけどね」

きらり「うい……?」

モバP「ああ、すまん、きらり。起こしちまったか」

きらり「ふみゅ、今、何時かにぃ?」

 時計を確認して、きらりは大欠伸。


モバP「あー、スケジュールは……うん、無理に起こすことはないか」

ちひろ「大丈夫なんですか?」

モバP「杏のほうは無理に起こすと色々面倒くさいですからね」

きらり「最近は杏ちゃんが頑張ってゆから、ギリギリまで寝かせておいてあげたいって、Pちゃん言ってるにぃ」

モバP「そうは、言ってない」

きらり「お顔に書いてゆよ?」

ちひろ「ふふっ」

モバP「……参ったな」

きらり「今日の杏ちゃんは、本気で疲れてゆから、うるさいはメッ☆だよ」

ちひろ「……あ、いつものぬいぐるみが床に落ちてますね」


モバP「それでわかるのか?」

きらり「杏ちゃんの大事なお友達を抱っこできにゃいくらい、疲れてゆにぃ」

モバP「なるほどな」

ちひろ「ずいぶんとくたびれてますよね、そのうさぎぬいぐるみ」

モバP「そういや、初めて事務所に来たときから……いや、初めてこいつにあったときから肌身離さずだよなぁ」

きらり「うさぎ……」

ちひろ「?」

モバP「?」

きらり「?」

 何故か顔を見合わせる三人。


ちひろ「あれ、何か今……」

きらり「にょわ?」

モバP「二人ともか? 俺も今、何か思い出したような……」

ちひろ「忘れちゃいけないことがあったような……」

きらり「ん、きらりも同じだにぃ」

モバP「なんだっけ……?」


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幸子「ZZZ……」

まゆ「起きてください、輿水さん」

幸子「ZZZ……」

まゆ「輿水さんっ」

幸子「!! ん、あ」

まゆ「起きましたかぁ?」

幸子「ね、寝てないですよ。ちょっと考え事してただけですよ」

まゆ「そぉ?」

幸子「ボクがそんな、お仕事の帰りに眠ってしまうなんて、そんなことあるわけないじゃないですか」


まゆ「うふふふ、それならそれでよいのですけれど」

幸子「そうですよ」

 まゆの声が囁きに近くなる。

まゆ「よだれ」

幸子「へ?」

まゆ「よだれが出てますよぉ」

 差し出されたハンカチで慌てて口元を拭く幸子。

幸子「ごめんなさい」

まゆ「仕方ないですよぉ、こんなに長い時間電車に乗っていたら」

幸子「いくら自然の中で撮影したいからって、ちょっとやりすぎですよね」


まゆ「特急で一時間ですものね」

幸子「電車で一時間なんて……」

まゆ「?」

幸子「?」

まゆ「今、何か?」

幸子「佐久間さんもですか? ボクも今、何か思い出したような気が」

まゆ「ううん、思い出せない」

幸子「ボクもです」

まゆ「大事なことがあったような……」

幸子「忘れちゃいけない……じゃなくて、忘れたくないことが何か……」


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http://i.imgur.com/mZhgsnx.jpg


のあ「ご苦労様」

晶葉「PVで使うものとは言え、その小道具は私が作ったんだからな、メンテナンスくらいはするさ」

のあ「……のあぴょんロボ」

晶葉「そんな名前に決まったのか」

のあ「お月見のあぴょんロボ」

晶葉「お月見は関係ないぞ?」

のあ「本当に?」

晶葉「……ん?」

のあ「どうしたの?」

晶葉「色、塗り替えたのか?」


のあ「いいえ。この子は最初から銀色よ」

晶葉「……ピンク色じゃなかったか?」

のあ「いいえ。最初から銀色」

晶葉「?」

のあ「?」

晶葉「なあ、なにか忘れてないか?」

のあ「不思議ね。私もそんな気がするの」

晶葉「ロボが、ピンク色だったような気がする」

のあ「このロボ、本当に私のものなの?」

晶葉「他に誰がいる?」

のあ「そうね、ごめんなさい」


 
 
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比奈「アイドル志望の宇宙人、なんてどうッスかね?」

由里子「アイドルをするために宇宙から地球に来たの?」

奈緒「変身したりするのか?」

比奈「自分は宇宙人だと言い張るんだけど、誰にも信じてもらえない」

由里子「千葉とかその辺りの安アパートに住んで、そこを故郷の星だと言っちゃうとか」


奈緒「地球人から見ると、年齢誤魔化してるように見えたりして」

比奈「……あれ?」

由里子「ん?」

奈緒「ちょっと」

比奈「なんで二人ともアタシと同じ事考えて……」

由里子「それはユリユリのセリフだじぇ~、あれ?」

奈緒「マジ? あたしも同じ事言いたかったんだけど」

比奈「……考えることは皆一緒、ってことっスかねぇ……」


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文香「……」

早苗「あ、文香ちゃん。何、読んでるの?」

文香「……SFです」

早苗「ふーん。ハードSFって奴? 難しそうだね」

文香「いえ……これはどちらかというとエモーショナルなお話ですよ」

早苗「ふんふん、どんなお話?」

文香「地球を調査していた異星人が、調査任務中に沢山の地球人とお友達になるんですけれど」

早苗「ふんふん」

文香「やがて、異星人の帰る日がやってきます」

文香「異星人は、出逢った地球人達の記憶を消していってしまうんです」


早苗「忘れちゃうの?」

文香「……異星人は、自分がそこにいた証を何とかして残すために、頑張るんです」

早苗「それで、どうなるの?」

文香「すいません、まだ、そこまでしか読んでなくて」

早苗「続きを読んだらお姉さんにも教えて、いえ、その本、貸してくれる? なんだか興味が出てきちゃった」

文香「はい」

早苗「?」

文香「?」

早苗「……ねえ、文香ちゃん」


文香「はい?」

早苗「その異星人はきっと、自分のことを忘れて欲しくないんだよね」

文香「そうだと思います」

早苗「そっか」

文香「なにか?」

早苗「ううん、なんでもない。それじゃあ、後からレッスンでね」

文香「はい」

早苗「お、こずえちゃん発見」


こずえ「♪ミミミンミミミン」

早苗「なに、それ? 歌?」

こずえ「……わかんない……なんだか、おぼえてるのー」

早苗「そっか……♪ミミミンミミミン こうだっけ?」

こずえ「うん……♪ミミミンミミミン」

早苗「♪ミミミンミミミン あれ、なんだろ……なんだか哀しいね」

こずえ「♪ミミミンミミミン」

 
 以上、お粗末様でした



 

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