佐天「蟲が見える能力かぁ」(1000)
初春「虫なら私たちでも見えますけど」
佐天「違う違う、虫じゃなくて蟲。虫が三つで蟲になる、あの蟲」
白井「違いがわかりませんの」
佐天「虫は昆虫で、蟲はひとつの命の在り方、ってところかな」
初春「ああ、ついに中二病こじらせちゃったんですね。まだ中一なのに」
佐天「うわあ信じてもらえてない。まあしょうがないけど」
白井「まあこのままでは話が進みませんので初春の発現は無視して、蟲とはなんですの」
初春「蟲と無視をかけたんですか?面白くないですよ白井s」ヒュンッ
佐天「ありゃ、どこに飛ばしたんですか?」
白井「屋上ですの。それで?」
佐天「ああ、蟲が何か、ですか。さっき言った通り、私達とは違う命の形をもった何か、です。
そうですねぇ、ちょっと非科学的な表現になりますけど、心臓を生命の源だと考えてください」
白井「まぁすでに蟲という存在が非科学的ですから構いませんのよ」
佐天「確かに。それで、人差し指、つまり心臓から一番遠い場所にいるのが私達人間だとしますね。
他の親指や小指が植物、ほかの動物だとします。そして手首あたりが微生物、菌類とかですね」
白井「……なるほど、心臓に近づくにつれ、下等な生き物になっていくということですのね」
佐天「さっすが白井さん、そういうことです。で、腕をたどって肩を通り過ぎて、心臓のすぐ隣に位置するのが、
蟲って存在です」
白井「心臓が生命の源だとすれば―――蟲とは、つまりほとんど生命そのものということですの?」
佐天「いくざくとりぃ!」
白井「しかし、どうしてそんな知識を?」
佐天「さぁ?私も朝起きたらいきなり理解してましたから。真理の扉を開いたエドみたいな感じですかね?」
白井「なんですのそれ」
佐天「ありゃ、そっか。白井さんはこういう漫画読みそうにないもんなぁ。御坂さんだったらわかったかもしれないのに」
白井「それにしても、どうしてまたいきなりそんな能力を?」
佐天「うーん、どうしてでしょうか。一昨日の研究所爆発事件とかと関わってたりしそうなんですけど。勘で」
白井「……そういえば、あそこは生命関係の研究所でしたわね」
佐天「やや、ビンゴっぽい。……ん、けど、だとしたら、」
白井「だとしたら?」
佐天「蟲が見える能力が手に入ったってことは……その辺りに、蟲が湧いてくる、ってことになるのかも」
白井「その蟲がいるとどうなりますの?ただの生命そのものであれば、特に害はないのでは?」
佐天「いえ、蟲は限りなく生命そのものですが、けど私達同様生きていますから。私達が生きるために動物を殺すように、蟲だって生きる為に他の生き物に結果的に害を与えることだってあります」
白井「はぁ……それも突然えた知識で?」
佐天「はい。ちなみに、蟲払いの知識も少しくらいは入ってるみたいですね」
白井「蟲払い……蟲を殺すということですの?」
佐天「まぁ、だいたいそんな感じです」
白井「……しかし、佐天さんには失礼ですけどここまで聞いておいてやはりその能力が本物かわかりませんの」
佐天「そりゃー確かめる術は今のところありませんからね。しょうがないですけど。ただ、もし原因不明の自体が起こったら、それは蟲の仕業かもしれないので、私に連絡してもらえませんか?」
白井「そういう事件が起これば、ですけれど」
――――。
佐天「(うーん、やっぱり信じてもらえなかったなぁ。ま、しょうがないか)」
佐天「(……お。野錆がいる。こんなところまで出てくるなんて、ありえないのに)」
佐天「(確か、野錆は独特の周波で仲間を呼ぶんだっけ……本来は山の分解者なのに、コンクリートなんかにへばりついてる)」
野錆「」カサカサ
佐天「ほらほら、お前たちの居る場所はここじゃないよ。ここには食べ物なんてないんだから、はやく山へ帰りな」
野錆「」カサカサ
佐天「……あ、聞いてくれたのかな。なんか移動しはじめた―――って、蟲って私の言葉わかるの?」
佐天「(……ま、いっか。それより、あんまり壁に向かってぶつぶつ話してるとおかしく見られちゃうし)」
佐天「(それにしても……)」
蟲「」カサカサ
佐天「(いるなぁ……結構な数。見た感じ、有害な蟲はいないみたいだけど)」
佐天「(まあ、放っておけば問題ないモノだし、別にいいのかなぁ)」
ごめんもっと展開広がると思ったけど、わりと広がらなかった。
やっぱり美琴が阿とかにとりつかれたり、美琴が虹蛇触っちゃったり、美琴がかいろぎつかって上条の夢のなかへ現れたりする展開のほうがいいのかな。
ギンコさんがやるからカッコいいのに
こんなキャピキャピした奴に蟲を語られたくないな
>>13
言われてみればそうだった。すまねぇ
んじゃその辺り考えてなんか書いてくわ
―――。
佐天「(蟲がみえるようになってから一週間。そのあたりにふよふよしてるけど、特になんの問題も起こってないなぁ)」
佐天「(だとするとこの能力、全然やくに立たないじゃん……うわあ……)」
佐天「(はぁ……まぁいっか。テレビテレビ、っと)」
テレビ『――――――、――――――』
佐天「……んー、やっぱ今の時間帯だとほとんどニュースかぁ。でも外雨降ってるし、やることないなー」
テレビ『―――です、最近何も無いところから人が降ってくるという奇怪な事件が多発しており、被害者はすでに5人―――』
佐天「……こっ、この感じ、蟲の事件……!勘だけど」
佐天「でも、なんの蟲だろ……私の知ってる中では何もないなぁ」
pllllpllll
佐天「お、電話。もしもしー」
白井『白井ですの。今よろしくて?』
佐天「大丈夫ですよー暇ですよ?というか珍しいですね、白井さんから電話だなんて」
白井『ええ、そのですね。以前蟲の話をして下さったでしょう』」
佐天「ああ、はい。何か、ありました?」
白井『……お姉さまが』
佐天「御坂さん?」
白井『……もしよろしければ、今から寮に来ていただきたいのですけれど』
佐天「ん、わかりました。ちょっと待っててくださいね」
白井『雨の中迷惑かけますの』
佐天「あはは、私と白井さんの仲じゃないですか。一応聞いておきますけど、御坂さんがどんな感じになってるんですか?」
白井『よくわかりませんけれど、足が痺れると。病院にも行ったのですけれど、原因不明で』
佐天「足が痺れる?」
白井『ええ。能力者の仕業かと思いましたけれど、何故か同様の症状を訴える生徒が寮内に多数いまして』
佐天「はぁ……まぁ、行ってみますね」
白井『お願いしますの』ピッ
佐天「足が痺れる、かぁ……んー、なんだろ」
佐天「それにしても、ようやくこの能力の出番かー。ちょっと嬉しいかな」
―――。
佐天「来ましたよー白井さーん」
白井『お疲れさまですの。今扉を開けますからお待ちくださいまし』
佐天「あーい……よし、それじゃ行きますか」
佐天「……って、地面に生えてるこれ、なんだろ」
佐天「白井さーん、開けてくださーい」コンコンコン
白井「お待ちになってくださいまし……ごめんなさいですの、雨のなか」
佐天「いえいえ。それで、御坂さんは?」
白井「あっちですのよ」
佐天「こんにちは御坂さん、なんだか久しぶりな気がしますけど」
御坂「こんにちは佐天さん、悪いわねこんな雨のなか」
佐天「だからいいですって……って、その足」
御坂「うん、なんだかずっと痺れてて……歩けないことはないんだけど、ずっとこうだと辛くってさ」
御坂「黒子に相談したらなんでかしらないけど佐天さんなら、ってことになって」
白井「わかりますの?佐天さん」
佐天「ん……やっぱり白井さんたちには見えないですか」
御坂「見える?」
白井「……蟲の仕業ですの?」
佐天「ええ、蟲の仕業ですね。足から木の芽のようなものが出てます。えっと、確か……ああ、そうそう、骸草、でしたっけ」
御坂「むくろ……なに?」
佐天「骸草。死骸を泥状まで分解する蟲で、生きている動物に踏まれると寄生して子株を振りまく蟲です。あの、本当に何も見えないんですか?」
白井「わたくしにはお姉さまの綺麗な素肌しか視えませんの」
佐天「(むぅ……頭のなかの情報だと、見えるらしんだけど……そういえば、見た瞬間に情報が入ってきたな。なんでだろ)」
御坂「ね、ねぇ佐天さん……私にはよくわからないんだけど、その、私の足泥になっちゃうの?」
佐天「え?ああ、いや、そんなことはないですよ。せいぜい足が痺れてるだけです、命に別条はありません」
御坂「よかったぁ……」
士郎「治療法は?」
佐天「……その、一応薬の作り方は頭の中に入ってるんですけど、材料が聞いたこともないような名前ばっかりでして……」
白井「どういうことですの……」
佐天「私だってよくわかんないですよ……」
白井「……ふむ。でしたら、一応その材料を書き出してくださいまし。それをパソコンで調べてみますの」
佐天「ああ、そうですね。それじゃあまず―――」
佐天「―――です」
白井「本当に聞いたことないような名前ばかりでしたの……」
佐天「もしかしたら、古い名前かもしれませんし。じゃあ、私はちょっと元凶を潰してきますね」
御坂「元凶?」
佐天「骸草の親株です。あと、被害が広がらないように子株の駆除。白井さん、感染してる人に今から部屋を出ないように言ってください。それから、食堂で塩もらってください」
白井「塩ですの?」
佐天「塩です」
白井「―――というわけですので、今から部屋の外に出ないようにと」
寮監「わかった、白井がそう言うのならそうしよう」
佐天「あ、寮監さんもかかってますね」
寮監「……どうやら、本当に何か見えているらしいな。痛みを訴えるような素振りはしていないはずだが」
佐天「そりゃあまあ。それじゃ、お願いしますね」
白井「はい、塩ですの。これだけあれば?」
佐天「ええ、十分です。それじゃ調べ物、お願いしますね」
白井「任されましたの。そちらも駆除、よろしくお願いしますの」
佐天「さて、と……子株が続いているのは―――こっちか」
―――。
佐天「中庭、ねぇ……まぁ、この辺りしか可能性はないんだけどさ」
佐天「さて……っと、あったあった。この大きさからして、小鳥が死んでそこから発生したのかな」
佐天「それじゃ塩を―――」
骸草「」
佐天「……え?何?」
骸草「」
佐天「……駄目だよ、そんなこと言われても。だって皆困ってるもん」
骸草「」
佐天「んー、でもさ。ほら、私達人間だからさ。自分勝手な生き物で十分だよ。それじゃね。恨むんなら、こんな場所で育っちゃった運を恨んでね」パラパラ
骸草「」ドロリ
佐天「よっし、これでおっけぃ。白井さんの方は成果でてるかなー」
―――。
佐天「どうですかー白井さん」
白井「どれも既存の植物の名前でしたの。佐天さんの言った名前は、ほとんどが地方の方言のようなものでしたのよ?」
佐天「なんと。それで、その植物は手に入りそうですか?」
白井「いくつかは可能ですけれど、今はもう希少になっていて手に入らないものも……ただ、成分だけでしたら揃えられますので、それでも?」
佐天「ええ、たぶん、大丈夫だと思います。どれくらいで揃えられそうですか?」
白井「常盤台での事件と、知り合いの医者に頼めば三時間ほどで大丈夫かと」
佐天「それじゃあそれで。私は、他に見落としないか見て回りますから」
白井「わかりましたのー」
―――。
佐天「―――よっし、薬完成!!じゃあ御坂さん、失礼します」
御坂「うん……ひゃぁっ」ビクンッ
佐天「うぁっ、どうしたんですか!?」
御坂「え、あ、ごめん。ちょっと冷たくてびっくりしちゃった」
佐天「あんまり不用意にそういう声あげると白井さんが大変なことになりますよ?」
白井「正直今にも押し倒したいのですけれど、ひとまず治療が終わってからということで」
御坂「黒子、アンタそういう発言がせっかくこうして治療のめどを立ててくれた感謝の気持ちを削ぎ落して言ってるって気付いてる?」
白井「……不覚ですの」
佐天「あはは、どんまい。―――と、これで終わりです。どうですか?」
御坂「あ……治った」
佐天「よっし成功!」
御坂「あー、こうして治ってみると、普段意識してなかった健康の大事さを気づかされるわね……ありがとね、佐天さん。助かったわ」
佐天「いやぁ、私は何もしてないですよ。それじゃ、他の生徒のとこにも行ってきますからー」
白井「さぁお姉さま、その付着した薬をこの黒子めがなめとってさしあげ―――おふっ」
御坂「ちゃんと自分て拭くから大丈夫よ」ぐりぐり
白井「ああ!お姉さまの素足で踏まれてますの!興奮しますのー!!」
―――。
佐天「ふー。これで全員ですね」
寮監「……すまんな、世話をかけた」
佐天「いえいえ、なんてことないです。私ひとりじゃどうしようもありませんでしたし」
寮監「いや、そもそも君がいなかったらどうにもならなかった。寮を代表して礼をさせてくれ」
佐天「はぁ……じゃあ、どういたしまして」
寮監「それにしても、蟲というのは全てが全て、こうなのか?」
佐天「いえ、そういうわけでも。見えないと思いますけど、今もこの辺りをふよふよしてます。まあこれは全く無害ですけどね(光が強いし)」ツン
蟲「」フヨフヨ ビクンッ
佐天「それじゃあ、私はこれで。雨も上がったみたいですし」
寮監「ああ、もう一度、本当に助かったよ。ありがとう」
―――。
佐天「ふー。終わった終わった」
佐天「お、虹だ……って、配色逆だから虹蛇か。珍しいー」
虹蛇「」 ジジジジジジジジジジジ
佐天「あー、凄いなぁ……この距離からでも声が聞こえてくる。て言っても、ナガレモノの声なんて全く意味をなしてないけど」
佐天「……まさか、蟲の声まで聞こえるなんて。しかも、言語として理解できるなんて、びっくりした」
佐天「……どうして殺す、かぁ。そんなこと言われても、ね」
佐天「―――ま。今更かわいそうだとか、そんなことは思わないけど」
佐天「断末魔みたいなのが聞こえるのは、ちょっと、ね」
佐天「でも、ま。しょせん蟲は蟲だし。気にすることないよね」
佐天「……ないよね」
美琴が骸草に感染してしまったようです 終わり
ちょっと飯を。あと次は何の蟲にしよう。アニメの設定本にのってた蟲でも大丈夫よ>>45
クローンを作る蟲の話
―――――。
佐天「ふぅ、やっと終わった」
初春「佐天さーん、今日一緒に帰りませんかー?」
佐天「あれ、初春今日は風紀委員の仕事ないんだ?」
初春「最近働きづめだったので、お休みもらえたんです。ほら、例の」
佐天「ああ、空から人が落っこちてくるって事件ね」
初春「はい、能力者の仕業かと思ってるんですけどね……衛星を調べてみたら、突然凄く高くまで飛び上がって、それから落下してるんですよ。
これだけの力は、超能力者クラスの能力でも難しいはずなんですけどね」
佐天「ふぅーん……(なんだろ、やっぱり蟲かな)」
初春「手がかり無しで、行き詰まり状態です……」
佐天「なるほどねぇ。まぁ、それはそうとして、休める時は休んでおくべきだって。自然公園の近くに美味しいクレープ屋が出来たっていうし、行ってみない?」
初春「あ、いいですね。私そこ行ってみたいと思ってたんですよー」
佐天「おおーさすが私と初春の仲。考えることは同じだね。それじゃ行きますかー」
―――。
初春「うまし!」
佐天「このごく薄の生地とヨーグルトクリームの酸味がなんとも」
初春「そっちも一口もらっていいですか?」
佐天「ん、いいよ。ほら、あーん」
初春「あーん」
佐天「とりゃーっ」べちゃっ
初春「ふわっぷ!?ちょ、佐天さん勢いつけすぎですって!ああもう、口の周りとかほっぺたべたべたじゃないですかぁ!」
佐天「そしてそれをなめとる私!」ぺろっ
初春「うあうっ?!ひ、な、なんですかぁっ!?」
佐天「ふふふ、最近こうしてじゃれてなかったから初春が恋しくて恋しくて……」ペロペロ
初春「ぁ、ぅ……」カァァァ
通行人「おい、あれ……」
通行人2「ああ……いいな」
佐天「ごちそうさまでした」
初春「もうっ、今日は許しますけど、今度は人のいるとこではやらないでくださいね」
佐天「ということは人のいないとこではいいと。ありがとうういはるん」
初春「……今後一切やらないでください、と訂正します」
佐天「そんなこと言わないでさー」イチャリイチャイ
初春「あーうー歩きづらいですから肩に寄りかからないでくださいー」
佐天「甘えたい年頃なんだよー私はー」
初春「いつもは私を子供扱いするくせに……」
佐天「たまにはいいじゃん。ほら、初春もお姉さんぶりたいでしょ?」
初春「……わたしだって、佐天さんにあまえたいんですよぅ」ボソッ
佐天「……えへへ、かわいいなぁ初春はっ」
学生「あれが伝説の……」
学生2「百合、か……まさか実在するとはな……!」
佐天「それにしても……」
蟲「」ザワザワ
佐天「(多いな……どれも光を帯びてるから、たいしたことないけど。自然のなかのほうが多いのかな)」
初春「?それにしてもなんですか?」
佐天「え?あ、ああ―――いや、自然がいっぱいだなぁ、って」
初春「そういえばここに来たのって何気に初めてなんですよねー」
佐天「へぇ、そうなんだ?私は中学になってから学園都市に来たから勿論初めてだけど、初春もねぇ」
初春「ここまで遠出して自然に触れよう、って気にはなりませんでしたし。あ、ほらほら佐天さん、貸しボート無料って書いてありますよ」
佐天「結構大きな池だもんね、ここ。よっし、それじゃここはひとつ佐天涙子ちゃんのアウトドアテクニックを見せつけてあげようか」
初春「こげるんですか?」
佐天「まぁねー。これでも小学校のころはカヌーをやっていたのさ」
―――。
佐天「ごんどーらはーどこまーでもーいくよー」
初春「なみをーうんでーべねつぃあのまちをー」
佐天「ふぅ……ほんっとに広い池だね。まだ一周出来てない」
初春「本当ですねぇ……もう日がくれちゃいますよ」
佐天「うーん、それは不味いなぁ……ん」
蟲「」
佐天「……なんだろ、この感じ。下に、なんだか……」
初春「?どうしたんですか?」
蟲「」
佐天「……まずい。この感じ、不味い。声はまだ聞こえないけど―――初春、そっちのオールもって。急いで戻るよ」
初春「え?」
佐天「タイミング合わせてこげば大丈夫だから。この辺りは植物に囲まれてて日が落ちたらすぐに暗くなるから、もうほとんど時間がない。ほら、いち、にーの……」
―――。
初春「」ハァハァハァハァ
佐天「ふぅ……はぁ、疲れた……」
初春「ど、ごふっ……どう、したんですか佐天さん……」
佐天「……いや、ね。暗くなったら、本当に危ないからさ。急いでみただけだよ」
初春「確かに、あの辺りは照明も無さそうでしたけど……そんなに急ぐほどのことだったんですか?」
佐天「初春は都会っこだもんねー。暗いなか水の上に残される恐怖を知るまい」
初春「そ、それは確かに危ないし恐ろしいとは思死ますけれど……」
佐天「ま、急がせてごめんね。ほら、完全下校時刻になるし、そろそろ帰ろ」
―――。
―――――――。
佐天「―――さて」
佐天「あの感じは蟲だけど……随分大きかったな」
佐天「それに、凄く嫌な感じがしたし……ちょっと気になるし。調べてみますか。
佐天「さすがにボートであそこまでいくのは危ないし、森の中を抜けてくしかないか。うー、夜の森は怖いなー」
佐天「……と思ったけど、蟲の光でちょっと綺麗かも。それに学園都市だし、危ない動物もいないだろうし」
佐天「えっと、確かこっちであってるはず……ああもう、蜘蛛の巣邪魔だなぁ!」
佐天「ふぅ、ふぅ……この、辺り―――うわぁ」
蟲「」 リリリリリ
佐天「すご……水面が光ってる、というより水の中から光ってるんだ」
佐天「……そっか、木の枝でトンネル状になってるから、衛星でも発見できない、ってわけね」
佐天「けど、なんであの時はこの蟲を危ないって感じたんだろ……あ、なんか浮いてきた」
佐天「ん、もうちょっと近くに行けば……陸の端は……うおあっ!?」バシャッ
佐天「――-っはぁっ、はぁっ、はぁ―――あっぶな……足滑らしちゃった―――っ!?」
蟲「」リリリリリリリリリ
佐天「っ、ぁ……!な、引っ張って……!?」
蟲「」リリリリリリリリリリリリ
佐天「ちょ、やめっ……離してっ!」
蟲「」リリリリリ
佐天「なっ……エサ、って……!」ゾクッ
佐天「(や、ばい……!力、強すぎ……!)」
佐天「く、ぅ……あっ」ばしゃんっ
佐天「(やばい―――やばいやばいやばい……!)」
佐天「(この蟲、私を食べようと―――)」ちらっ
蟲「」
佐天「……!(な……に、これ……)」
佐天「(―――ああ。なるほど)」
佐天「(これが、蟲か――――――)」ゴポッ
バシャッ
佐天「―――、は、ぁっ……げほっ、う、ごほっ……」
佐天「え……え?外……空気?」
佐天「蟲、は……?」
一方「おいクソガキ、夜遊びはほどほどにしとけ。こんな道のねェとこにわざわざ来てンじゃねェぞ」
佐天「へ……?」
一方「ったく……オラ、おぶされ。さっさとこっから出てけ」グイッ
佐天「へ……え?―――うあっ!?」
土御門「んー?どうしたんだ一方通行」
一方「一般人がいやがったンでちょっとな」
土御門「なんだ、森の外まで送ってきてやったのか。優しいとこあるじゃないか」
一方「うっせェ。で?時間はまだか?」
土御門「あと少しだよ。『取引先』が来るまでな」
一方「こンな森の中で、か。ま、こっちとしても、後片付けが楽でいいがな」
土御門「そうだな。文句を言うとすれば、蚊がいることくらいか」
一方「虫避けスプレー使うか?」
土御門「お、さんきゅ」
―――。
佐天「なんだったんだろ、さっきの人……あ、お礼言うの忘れてた」
佐天「それにしても―――そっか。あれが、蟲、なんだ」
佐天「……蟲なんて、どうにでも出来ると思ってたけど。その辺りにいる、下等生物としか思ってなかったけど」
佐天「……」ゾクッ
佐天「……怖かった。ああ……ぅ、ぁ、っく……こわかったよぅ……」
佐天が沖つ宮に沈むようです おわり
さぁーて読んでくれてる人少なそうなんで安価はちかめの>>65
全力支援だけど、蟲師あんまりよく知らん
st
御坂妹「……ふむ」
御坂妹「他の妹達と差をつけるために、何か技能を身につけるべきだとミサカは熟考の末至りました」
御坂妹「女らしさ、そして大和撫子さを演出するためには、①華道②茶道③書道の三択しかありません、とミサカは案を提示します」
御坂妹「そしてこの中からミサカが選び出すのは―――書道でしょうね、とミサカは選択します」
御坂妹「何せ華道、茶道は見せるための舞台や道具が必要となりますが、書道でしたら手紙という形でもっとも自然にかつ簡単に
技能をアピールできます、とミサカは考え抜きます」
御坂妹「というわけで、さっそく初めてみましょう。まずは簡単な字から―――木、日、と」さらりさらり
木「」 にょきにょき
日「」 さんさん
御坂妹「」
御坂妹「字を書いたらいきなり動きだしました、とミサカはあり得ない現実を受け止めます」
御坂妹「待って、すとっぷ、何これ、とミサカは狼狽します」
日「」さんさん
木「」にょきにょき
御坂妹「あああさらに成長してます、とミサカは木の枝ののびっぷりに驚愕します」
木「」にょき……しなっ
御坂妹「あ、しなりはじめました……なるほど、確かに水もなく日を浴びていれば枯れるのは当然ですね、とミサカは納得します」
御坂妹「でしたら、」
雨「」ざああああ
御坂妹「あわわわ紙がびしょぬれに……あ、字が潰れたら何もかも元通りになりました、とミサカはぐしゃぐしゃに滲んだ字の痕を確認します」
御坂妹「しかし、これは一体なんなのでしょうか……とミサカは首をひねります」
―――
御坂妹「あれからいろいろな字を試してみましたが、どうやら象形文字は動きだすようですね、とミサカは試行錯誤の末結論を打ちだします」
御坂妹「まさか鳥が飛びまわったり、魚が跳ねたりするとは思いませんでした……とミサカは、それらは潰してしまえば墨に戻ったことも忘れず付け加えておきます」
御坂妹「そしてここでひとつの可能性を提示します。象形文字とは元々が絵―――つまり、これは絵を実体化させるものでは?」
御坂妹「というわけで、いざ試してみましょう、とミサカは絵心がないままにイヌの絵を描いてみます」サラリサラリ
イヌ「にゃぁーん」
御坂妹「ほう……これはこれは」
イヌ「にゃぁーん」
御坂妹「ふふふ、イヌなのににゃぁーん……にゃぁーん」
イヌ「にゃぁーん」
御坂妹「にゃぁーん」
美琴「……何やってるのよアンタ」
御坂妹「おや、これはお姉さま、とミサカはああそういえば今日はお姉さまと合う約束をしていたのだなぁと今更ながら思い出します」
美琴「コイツは呼び出しておいて……それより、何それ」
イヌ「にゃぁーん」
御坂妹「イヌです」
美琴「いや、そうじゃなくて。何、どっかの新製品?なんでこんな立体感ないのが動いてるの?」
御坂妹「それがミサカにもよくわからないのです、とミサカは突然宿った自分の能力に戸惑います」
美琴「能力?」
御坂妹「ええ、かくかくしかじか」
美琴「まるまるうまうま……にわかに信じられないけど」
御坂妹「でしたら、そうですね……羊、とミサカはさらりと筆をすべらせます」
羊「」めぇー
美琴「」
美琴「え……えっ?」
御坂妹「さぁアナタの役目は終わりです、とミサカは筆で羊を塗りつぶします」
羊「」めぇ
美琴「え……えー?」
御坂妹「と、このように象形文字および絵を描くと、それが現実となる能力なのですが、とミサカは己の才能に戦々恐々します」
美琴「……ちょっと待っててね」
ソラハアオイヨネーキミガホホエンダー
佐天「はい、もしもし……ああ、御坂さん。え?はい、大丈夫ですけど……はい、はい、わかりましたー」
―――。
佐天「どうもっ」
御坂妹「どちら様でしょう、とミサカは突然現れた黒髪ロングの地味っ子名前を問います」
佐天「その言い方だと■■さんと被るからやめて。佐天涙子だよ、初めまして妹さん」
美琴「悪いわね、突然来てもらって」
佐天「いえいえ。それで、何ですか?」
美琴「まぁ、ちょっと見てみて」
御坂妹「さらりさらり」
弓「」ギリギリ
矢「」ヒュンッ
佐天「うあっはぁ!?」
美琴「ちょ、アンタ何してんの!?」
御坂妹「何と言われましても、言われたとおりにしただけですが、とミサカはまさか矢が飛び出して佐天涙子の頬を掠めるとは思っていなかったことを付け加えます」
佐天「うへぇ……何今のー」
御坂妹「かくかくしかじか」
佐天「まるまるうまうま……はぁ、なるほど」
美琴「どう?蟲、ってやつの仕業?」
佐天「いや、これはそうじゃないみたいですけど……」
御坂妹「蟲とはなんですか?とミサカはたずねます」
佐天「かくしか」
御坂妹「まるうま。なんと、とミサカは驚愕をあらわにします」
美琴「言ってることは本当よ。私もお世話になったし」
佐天「でも、この能力は蟲じゃないですよ。えっと、ちょっと待ってください……なんだかあと少しで、いろいろ思い出せそうな……」
佐天「―――あ。思い出した。思い出しました。その能力のこと」
美琴「思い出す?」
佐天「ん、まあ言葉の表現はどうでもいいとしてですね……結論から言うと、それを治す術はありません」
御坂妹「……ということは、ミサカは一生字が書けないということになるのでしょうか?とミサカはたくらみが一日以内で破綻してしまったことに肩を落とします」
佐天「いえ、そんなことはないですよ。ためしに左手で書いてみてください」
御坂妹「左手、ですか?とミサカは慣れない手で字を―――?不思議と違和感がありません、とミサカは利き手でないにもかかわらず普通に字が書けることに驚きます」
美琴「ああ、それは私がもともと左利きだったからね。いろいろ不便だったから右ききに直したけど」
御坂妹「なるほど……あ」
佐天「どうですか?実態化しませんよね」
御坂妹「ええ、鳥も魚も飛びまわりません、とミサカは当たり前のことを口にします」
―――
佐天「―――とまぁ、そういうわけで。これから右手では字や絵は描かないでください」
美琴「確かに。あんな不思議な能力が研究所に知られちゃったら、何されるかわからないわよ。物質創造能力なんて、第二位の領分じゃない」
御坂妹「ミサカも実験所に隔離されるのは嫌なので、おとなしく指示に従うことにします、とミサカは右手を封印します」
佐天「すみません、これくらいしか力になれなくて」
美琴「ん、こっちこそ呼び出してごめんね」
御坂妹「しかしこれは、華道と茶道のどちらかをマスターするしかないようですね……とミサカは案を練り直します」
美琴「ん?案?」
御坂妹「あ、いえ、なんでもありません、とミサカはあの人の気をひくためにいろいろ画策していることを知られまいと誤魔化します」
美琴「……妹達って不便よねぇ」
御坂妹「いえいえそれほどでも、とミサカは素直になれないよりはマシだぜと開き直ります」
美琴「あははは」
御坂妹「ふふふ」
佐天「なにこれこわい」
――――。
―――――――。
――――――――――。
「ん……どこ、ここ。夢?明晰夢?」
そんなことないぞよ
「……だれ?」
だれといわれても
なまえなどないが
こうみゃくとでもいえばわかるか
「……光脈。ああ、なるほど、つまりこれは、蟲の宴みたいなものなんだ」
なつかしいなそのなまえも
もうなんびゃくねんときいていなかったよびなだ
「それで、光脈がなんの用さ」
いやなに
れいをしておこうとおもってな
「……妹さんの右手のこと?いいよ、終わったことだもん―――それに」
それに
「こうして、向かい合ってわかった……この蟲の知識は、あんた達がくれてるんだね」
―――
「どっからわいてきてるのかさっぱりだったけどさ……蟲師が、狩守家が、光脈になにかをたくしたってんなら話はわかるよ」
―――
「それがどうして私だったのかは知らないし、どうして今頃になって光脈がここにのぼってきたのかわからないけど、いいよ、わかった。
それが私の役目だっていうんなら、それを全うしてみるのもいいと思う」
―――
いまおきていることはいちぶをのぞいてわすれてしまうことだけつたえておく
「え?なんで?」
つぎがおまえか
まだはんだんしかねるからだ
「?次?判断?」
さて
れいだけしておこうか
「え、ちょっとま―――」
佐天「―――ん、ぁ……朝、か」
佐天「う、なんか疲れたなぁ……変な夢見てたのかな」コツン
佐天「ん……なにこの、えっと、ひょうたん?」チャポッ
佐天「?なんか入ってる……って、これは―――えっと、確か……ああ、そうだ、光酒、光酒だ」
佐天「って何で光酒がここに……?わっかんないなぁ、寝てる間になーんかあったような気がするんだけど……」
佐天「……まぁ、いっか」
御坂妹は緑の座に立たなかったようです おわり
のんびり進行すなぁ。こんな感じでよいのかしら。おれもレンズは好きです。>>92
佐天さんにも蟲煙草ふかして欲しいなst
じゃあ>>70
即興でこのクオリティーは凄いな
佐天「なんか昼寝してたら『蟲タバコ』って蟲払いの道具の作り方を思い出したわけで」
佐天「ちょっと作ってみた」
白井「たばこ?風紀委員として未成年の喫煙は見過ごせませんのよ」
佐天「いや白井さん、これは普通のたばことちがって、んーそうですね、出がらしを筒状に巻いたようなものですから、違法ではないですよ」
白井「そうですの?」
佐天「そうです。それにこれが上手くできてれば、今後蟲の被害にあった時に白井さんたちでもなんとかできるようになるかも」
白井「ふむ……そういうことでしたら、どうぞ」
佐天「わーい、それじゃさっそく……ごふぅっ!?」
白井「!?だ、大丈夫ですのっ!?」
佐天「げほっ、う、ごほっ……な、なにこれっ……ゾンビ味!?」
白井「どんな味ですの……」
佐天「STOのマスターの秘伝栄養ドリンクみたいな?と、とにかく、これは無理!ぜったい無理!」
おわり
>>93えっと、ごめん、生みなおし、つまり沖つ宮は二話目なんだ……わかりにくいけど。佐天さんはそこで蟲の恐ろしさを知りました。
さて、次は>>95で
スレタイだけで淫妖蟲余裕でした
学園都市には海がないから、もうどうしようもなかった、すまねえ。
えっと、安価がエロゲだから、上であがってた虚繭の話でも書くか
佐天「はぁー、実習で自然公園ねぇ」
初春「薬草とかの名前を覚えるのは実際に生えてるところを見るのが一番だとか、そういう理由らしいですよ?」
佐天「なんで薬草?」
初春「能力開発には薬物つかってますから。薬は植物からつくられるものもありますし。ねーお花ちゃん」
佐天「こやつ頭の花に話しかけておる……」
初春「基本的な草花だけですから、そう難しくはありませんよ。それにほら、佐天さんいつも『机の前に座ってるだけが授業じゃない!』って言ってた
じゃないですか。主にテストの点数が悪かった時に」
佐天「う……そりゃそうだけど」
初春「ほらほら、そろそろ実習のミソ、植物採集ですし。ちゃんと先生の説明聞いとかないとどれがどれだかわからなくなりますよ」
佐天「はぁーい……」
―――。
初春「さっていきましょうか佐天さん!」
佐天「なんでそんなに張り切ってるのさ……」
初春「ふふふ、だって植物さんたちと触れ合えるんですよ?喜ばないでいられませんっ!」
佐天「さいですか。ま、この調子なら初春にくっついていけば問題なく採集できそうだけどね」
初春「ふふふー腕がなりますよー」
佐天「(あ、産土。学園都市にも居るんだ)」
初春「ほらほらーおいてきますよー佐天さーん」
佐天「って早っ!?もうあんな森の中に!?まってよ初春一人でいくと危ないよー!」
なんだギンコ出てないのか
帰る
>>101
悪いな。ギンコのキャラを書き切れる自信がないもんで
そのうちギンコスレたてるわ
佐天「ったく、初春ったら……」ぐにょんっ
佐天「ひぃっ!?」ビクッ
佐天「な、あ……び、びっくりしたぁ。ウロがわいたむしこぶか……って、うそっ、ウロまでいるの?危ないかも……」
初春「さてんさーん!こっちですー!」
佐天「あーはいはいわかったってば!もうちょっとじっとしてなさい!」
―――。
初春「いやーたのしかったですね佐天さん!」
佐天「私は疲れたよ……先生もちょっと引いてたじゃん。あんなにいろいろとってくるから」
初春「でもこれで成績はばっちりですよ?」
佐天「何言ってるんだか……とってきた植物を標本にして、名前を覚えなきゃいけないんだよ?初春が余計なものまでとってくるから
覚える量すっごく増えちゃったじゃん」
初春「むぅ……楽したぶんそれくらいはしましょう」
佐天「そりゃそうかもしんないけどさっ」
――――。
佐天「ふぅ……さすがに30種もあると吸水紙で挟むのも大変だね」
pllllllllllpllllllllll
佐天「ん、お電話か……もしm」
美琴『佐天さんっ!!黒子知らない?!』
佐天「うおあっ、み、御坂さん?どうしたんですか?」
美琴『あ、あのね……』
―――。
佐天「……なるほど。わかりました。それは蟲の仕業ですね」
美琴『え……?』
佐天「場所は、その自然公園でしょう?そこにはウロが―――ああ、くそっ、どうしよ……それは、すっごく不味い状況ですよ……」
美琴『え……え……?』
佐天「とにかく、今から自然公園に行きますから。御坂さんも来てください」
美琴『う、うん』
回想
白井「そろそろ暑くなってくる時期ですの」
美琴「そうねー。でも初夏の風って気持ちいいわよね」
白井「気持ちいいことでしたら黒子が毎晩お手伝いしますのよおぶっ!?」
美琴「アンタはいいかげんその変態グセを直しなさいっ!!」
白井「だ、だからといって足払いをしたあとゴミ箱を被せるのはどうかと思いますの!?」
美琴「何も入って無かったんだからいいじゃない」
白井「それはそうですけど―――」
美琴「だいたいね、アンタは自分のことを淑女っていうけどレディは公園で夜の営みの話なんか―――あれ?黒子?」
美琴「おーいくろこー?どこいったのー?」
回想終わり
美琴「ということがあって……」
佐天「これはひどい」
美琴「電話も繋がらないし……いきなり消えちゃうなんて、今まで一度も……」
佐天「電話先でも言いましたけど、それがウロって蟲の仕業です。その、詳しくは言えませんけど……人を虚穴、ってところに飛ばしちゃうんですよ」
美琴「うろあな……?」
佐天「それが、その、すごく言いにくいんですけど……そこに迷い込んだら、もう」
美琴「……もう?」
佐天「……出てこられる可能性は、ほとんど無いんです」
美琴「……。」
美琴「……。で、でもっ。黒子は、ほら、空間移動使いだし!」
佐天「虚穴は次元としては少しずれたところにあります。たとえ11次元ベクトルをつかった能力だとしても、今現在の自分の座標がわからなければ、意味がないでしょう」
美琴「―――」
佐天「……信じられない、って顔してますね。ちょっと、こっち来てください」
佐天「あった……むしこぶ」
美琴「?こんな木が何って……佐天さんっ!?木に沈んで……?」
佐天「説明は省きますけど、ここ自体は危ないものじゃないですよ。ほら、御坂さんも手を」
美琴「う、うん……うぁ、なにこの感触」ぞぶっ
―――。
佐天「……これが虚穴、か。はは、初めて来たはずなのに、なんだか懐かしいや」
美琴「この狭いところに黒子が?」
佐天「ここは端っこですよ。もう少し進みます」
美琴「……」
佐天「(言えない……御坂さんが密室を作ったせいで白井さんが飛ばされたなんて言えない……)」
佐天「(それにしても、どうしよう……たしか、虚穴は長居すると記憶を失うらしいし、時間はあんまり無い、か)」
佐天「(とは言っても、見つける手立てなんて全く無いし……)―――っと、つきました。大虚です」
美琴「大虚……?」
美琴「―――なにこれ」
佐天「これが大虚。こっから、さっき通って来たみたいな道へ何十、何百と分かれていきます。そしてそれらが出口に繋がっている可能性は低くて、その、
なんていうか……つまり、」
美琴「……嘘よ。だって、こんなの」
佐天「……上下左右、いったいどこまでこの暗闇が続いているか検討もつきません。迷い込んだら最後、二度と出てこられない、と言っても過言じゃありません」
美琴「……なんで、」
美琴「なんで、佐天さんはそんなに淡々としていられるの……?」
佐天「え……?」
美琴「さっきから、黒子はもう助からないってことばかり……なんで?友達なのに、なんでそんなことばっかり言うのよ!」
佐天「(……そういえば、確かに)」
美琴「私は行くわよ。何があっても、黒子を探し出してみせるから」
佐天「……っ!ちょ、待ってください!無理です、無作為に探したところで絶対に見つかりません!」
美琴「離してよ!だって、こんなわけのわからないことで黒子を……!」
佐天「(う、まず……このままじゃ本当に御坂さんいっちゃう……)」
佐天「……わ、私に考えだあります!だから一旦退きましょう!」
美琴「考え……?」
佐天「はい、ですから一回出ます。その後にちょっとやってもらいたいことがあるんです」
―――。
美琴「―――あった!これでしょ?」
佐天「ああ、はい、これです。というかこの公園に蚕住んでるんですね……」
美琴「それを、どうするの?」
佐天「ん、まぁ、ちょっと待っててください」
佐天「ねえ、聞こえてるでしょ?」
ウロ「」カサカサ
佐天「あのさ、あんた達の仲間に私の友達が連れてかれちゃったんだけど、返してくれない?」
ウロ「」カサカサ
佐天「え?無理?大虚は結果として出来ただけであんた達も中身がわからない?」
ウロ「」カサカサ
佐天「……まぁ、しょうがないか」
佐天「駄目でした」
美琴「えっ」
佐天「ウロに頼んだんですけど、彼らもわからないって」
美琴「……」
滝壺「……北北東から信号をきゃっちした」
浜面「はい?」
絹旗「またいつもの超AIMですか」
滝壺「行かなきゃ……デウスエクスマキナ役として」
浜面「あの、滝壺さん?いったいなにを……」
滝壺「浜面、バイクだして。はやく。はりーはりー」
美琴「離して!お前を殺して私はいく!」
佐天「駄目ですって!落ちついてください!まだ何か方法を……」
美琴「そんな悠長なこと言ってられない!」
佐天「ああもうっ!元はと言えば御坂さんのせいでこうなったんですから!ちょっとは自制を―――あ」
美琴「……え?」
佐天「しまった……」
美琴「わたしの、せいって……佐天さん、どういう―――」
佐天「……その、実は、ウロってのは密室に発生して、密室が破られた時に消える蟲なんです。
そしてもしその密室にほかの生き物が居た場合、それもつれて消えちゃうんです」
美琴「……は。何、それ。それじゃ、私のせいで、黒子は―――」
佐天「……大変申し上げにくいのですが」
美琴「……は、はは。あはは―――ああああああああああっ!!!」
佐天「うおあー!?」
滝壺「急いで急いで」
浜面「これでも飛ばしてるんだよ!!」
御坂「あ、あああ、あああああ!!」
佐天「ちょ、あぶなっ、うわっ、びりっときたぁっ!?」
御坂「私のせいで私のせいで私のせいで……!!」
佐天「ぅわみさかさんっょぃ」
浜面「うおっ、なんだありゃあ……」
滝壺「懐かしいAIM。あの時は、まだ―――」
浜面「ん?どうかしたか?」
滝壺「―――ううん、なんでもない。今も、凄く幸せだよ」ぎゅっ
浜面「……なんだかわかんねぇけど、そりゃよかった。ほら、着いたぞ」
滝壺「うん、ありがと。ちょっと待っててね」
絹旗「サイドカーの私は超蚊帳の外です」イライラ
※この滝壺さんは訓練された滝壺さんなので体晶無しでAIMストーカーが使えます。
美琴「ああ、ああああ―――あ?」
佐天「……?と、とまった?」
滝壺「久しぶり」
美琴「……アンタは」
佐天「え、何、お知り合い?」
滝壺「昔にちょっと。それより、今困ってることがあれば助けになれるけれど」
佐天「急展開すぎてちょっと待って」
―――。
佐天「なるほど、AIMストーカー」
美琴「確かに、それがあれば……」
滝壺「正確な範囲はわからないけれど、微弱なものならなんとなくの方角がわかるから」
佐天「よし、協力してください滝壺さん」
滝壺「デウスエクスマキナ役として勿論」
―――。
佐天「―――かなり入り組んでるけど、わかります?」
滝壺「――――――――――、あっちのほうから弱い力場を感じる」
美琴「よしっ、それじゃあ早く―――」
滝壺「あ、第三位は残ってて。帰りの道がわからなくなるから」
佐天「ああ、確かに。無能力者の私の力場より、御坂さんの力場のほうが目印としてはちょうどいいですもんね」
美琴「で、でも私のせいでこうなったんだし私が行くべきじゃ―――」
佐天「いいから、ここにいてください。適材適所ですよ」
美琴「……わかったわよ」
―――。
白井「暗いですの怖いですの何処ですの」
白井「ああお姉さま黒子はここで朽ち果てますのもう助かりませんの能力も上手く使えませんのおしまいですの」メソメソ
白井「思えばあの時、足払いをかけられてすっころんだ時に短パンの隙間からわずかにパンツが見えたような気がしますの」
白井「今まで鉄壁だった短パンを、あのような形で破れたというのなら、この生涯に悔いはありませんの」
白井「ああ、さらば愛しき人。この白井黒子、自分を忘れても貴女のことは忘れませんの」
白井「……」
白井「……空しいですの」
白井「……うええええええええええええええええん!!お姉さまー!誰かー!ヘルプミー!!!」
佐天「ヘイ白井さん」
白井「ほうわァッ!?」
滝壺「この人?」
佐天「うん、間違いなく」
白井「さ、さてんさん?」
―――。
美琴「……暗い」
美琴「……深い」ゾクッ
美琴「こんな中を、黒子は今頃一人っきり……」
美琴「うぅ……ごめん……ごめんねぇくろこぉ……」
美琴「いっぱい、あやまるからぁ……もっとやさしくするからぁ……だから帰ってきてよぅ……」メソメソ
佐天「おおーい、御坂さーん」
美琴「佐天さんっ?黒子、黒子は?」
白井「お姉さまー!!」
美琴「黒子……黒子ー!!」ひしっ
白井「ああっ、お姉さま!こうして、こうしてもう一度抱擁をかわせる日がこようとは……!黒子感激ですの!!」
美琴「ごめんね黒子、怖い思いさせちゃって……」
白井「いいんですの、こうして今、お姉さまのぬくもりを感じていられるだけで、黒子は、黒子は……!」
滝壺「大団円?」
佐天「かなぁ」
―――。
佐天「どうもありがとうございました」
滝壺「気にしないで。私はデウスエクスマキナとしての役を果たしただけ」
佐天「デウス……?なんですか?」
滝壺「物語の収拾がつかなくなった時に現れる神様。正直、最初は妹達との電磁波コンビネーションで探し出そうと
してたんだけど、よく考えたら貴女に妹達のことを知られるわけにもいかなかったので却下。
物語的にどう収拾つければいいか悩んでいたところに、あのレスがきたということ」
佐天「???」
滝壺「わからなくてもいいこと。それじゃあ」
浜面「お、終わったのか」
滝壺「……うん。それで、どうして絹旗と路上で?」
浜面「いや違うんだ、これはプロレスの話をしていたらどうしてもカウンター寝技をかけたいって絹旗が言ってきてな」
絹旗「いえそんなことは超全然言ってません」
浜面「絹旗さンッ!?」
滝壺「……はーまづらぁ」
美琴「怖かったでしょ?今日は一緒に寝よ?」
白井「ああ、ついに、ついに黒子の夢がかなうのですね……まさかお姉さまから誘っていただけるとは」
佐天「んー、疲れた。あ、今回私何も出来なかったなぁ」
佐天「それにしても、虚穴って光脈筋にできるはずなのに……ここ光脈筋?だとしたら、ヌシは……?」
佐天「……うーん、なんだか、何か忘れてる気がするんだけどなぁ。まぁ、いっか。もう夜も遅いし、寝よう」
黒子が虚穴に落っこちました おわり
滝壺さんがいなければ詰んでいた。ありがとう。
四巻あたりの女の子はすごく可愛いと思うんだ。綾にしろ、すずにしろ。錆の話は3巻だけど、そこに出てくる女の子も好き。
え?漆原さんの書く子はみんな同じ顔に見える?それはきっと気のせいだよ。
ごめん俺は寝る。またさるくらったし。本当は、「クソスレ」とか言われてもっと速く落ちる予定だったんだ。硯の話も、やってみたかったんだがな。
最後に酉つけて寝よう。もしこの酉に見覚えのある人がいれば、その、なんかいろいろごめんなさい。
もし明日実習から帰ってきて残ってたら、喜んで続き書くよ。
音楽は暁の蛇だっけ?あれとか、籠の中とかもいいよな
記憶食われちゃったお母さんの子供さんが不憫で仕方無さ過ぎる……綺麗な景色の話なのに、すごく辛い。
ちなみに好きな話はクチナワとかナラズの実とかウソブキが出てくる話だよ。新章蟲師とかやってくれねぇかなぁ。
アニメも二期制作してくれねぇかなぁ。映画とかいらなかったからさ。
そんなわけで再開します。保守ありがとうございました。
御坂妹「あれから一度書道からは手を引きましたが、よくよく考えれば左手でも字は書けることに、ミサカは気づきました」
御坂妹「よってまた書道を再開しました、とミサカは現状を誰にともなく懇切丁寧に説明します」
御坂妹「そこでいっそ道具にもこだわってみようと思いネットで硯を検索しているしだいですが、とミサカは今現在の行動を口頭に―――おや」
御坂妹「……ふむ。ミサカは硯のことはわかりませんが、しかし写真越しでさえ、どこか惹かれるものがありますとミサカはモニタに写された硯をまじまじと眺めます」
御坂妹「値段は……oh、とミサカはあまりの0の多さに驚愕を隠せません」
御坂妹「ということですので」
美琴「何がということなのよ」
御坂妹「いえいえ、学園都市に七人しかいない超能力者の中でも第三位に位置する御姉さまでしたら、これくらいちょちょいのちょいかと、とミサカは
オリジナルにたかるつもり満々でおだてます」
美琴「ほんっとアンタたちのその口癖不便よねぇ……はぁ、まあいいわ。どれよ、見せてみなさい」
御坂妹「こちらです、とミサカはページを開きます」
美琴「へー、確かになんだか他とは違う雰囲気を感じるわね」
御坂妹「お姉さまのお子様センスでも理解できいひゃいいひゃい」
美琴「アンタはー!人に物を頼む時はもう少し口を慎みなさい!」
御坂妹「も、もうしわけわりません、とミサカは謝罪します」
美琴「まったく……ん、ほんと。結構いい値するわね」
御坂妹「毎月のお小遣いでは到底買えるものではありません、とミサカは通帳と硯の値段を見比べます」
美琴「うーん……いいわ、買ってあげるわよ」
御坂妹「……言いだした身でこう言うのもなんですが、本当によろしいのですか?とミサカはなんだかやけに優しいお姉さまに確認をとります」
美琴「まぁ私も特に使い道ないままどんどんお金溜まってるしね。これくらいプレゼントしてあげてもいいでしょ」
御坂妹「ミサカの武将忠誠度は100あがりました、とミサカはお姉さまに忠誠を誓います」
美琴「何よそれ」
―――。
御坂妹「そんなわけで硯が届きました、とミサカは封を解きます」
御坂妹「おお……実際に目の当たりにして手にとってみると想像以上のものです、とミサカはしげしげと眺めます」
御坂妹「同封の書には、なんでも随分と昔に名のある匠により掘られたものと書いてありますね、とミサカはなるほどだからあれだけ高かったのか、と骨董品値段に納得しました」
御坂妹「では、いざ一筆とらせていただきましょうか、とミサカは少々使うのが勿体ない気もしつつ硯に水を与えます」
御坂妹「やはり、まずはお姉さまへのお礼の手紙でしょうね、とミサカは文面を思案しつつ墨を―――、?」
御坂妹「なんでしょう、今さっき、体の中に冷たいものが入っていったような……?とミサカは首をかしげます」
御坂妹「……まぁ、何かの気のせいでしょう、とミサカは筆をとり、紙面にすべらせます」
御坂妹「……くちゅんっ」
御坂妹「む……風邪、でしょうか。とミサカは少し寒気を感じます」
御坂妹「……まぁ、今日は体を温めて寝ましょうか。書き終えた手紙は明日にでも投函しましょう、とミサカは夏も間近だというのに毛布をひっぱりだします」
御坂妹「ふぅ……ではおやすみなさい、とミサカは誰にともなくおやすみの挨拶をして床につきました」
御坂妹「」ブルブルブルブル
御坂妹「な、何故でしょうか……とても寒くて仕方ありません……とミサカは既に布団を五枚も重ね着しているというのになかなか暖まらない体をおかしく思います」
御坂妹「うぅ……」
―――翌朝
医者「まだ10032君が起きてきてない?」
19090「はい、いくら呼んでも返事がなく、とミサカはおいおいアイツ寝坊かよ珍しなと不思議がります」
医者「それは困ったね?ちょっと呼んできてもらってもいいかい?」
19090「了解しました、とミサカは素直にオーダーに従います」
19090「10032、入りますよ?と相変わらず返事がないのでミサカは勝手に10032のプライベートルームに侵入します」
10032「ぅぅ……い、19090ですか、とミサカは布団にくるまりながら尋ねてきた検体番号を確認します」
19090「どうしたのですか、そんなアルマジロみたいな格好をして、とミサカは首をかしげます」
10032「と、とても寒くて……」
19090「寒い?とミサカは夏も近いのにコイツ何言ってんだと訝しがります」
10032「ほんとうなんですよぅ……とミサカは手をさしだします」
19090「どれどれ……つめたっ!?とミサカはまるで氷のような手に驚愕をあらわにします」
19090「こっ、これはどう考えても異常では?とミサカは失礼ながら10032の腋に手を差し込みます」
10032「あうっ」
19090「つめたっ!?ド、ドクター!ドクタァー!!とミサカは医者を呼びに部屋を飛び出します!」
医者「明らかに異常だね?検査してみても、特に何も見当たらない」
10032「」ガチガチガチガチ
打ち止め「そんなに寒いの?ってミサカはミサカは布団にくるまって白湯飲んでる10032に尋ねてみたり」
10032「ありえん」ガチガチガチガチ
打ち止め「うーん、スキャンしてみたけど特になにもなかったし……ってミサカは頭をひねってみたり?」
10032「うう、もうミサカは駄目かもしれません、とミサカは原因不明の病に絶望します」
19090「諦めてはいけません、とミサカは10032を励まします」
打ち止め「そっ、そうだよ!病は気からって言うし、気持ちまで負けちゃだめ、ってミサカもミサカで励ましてみる!」
10032「ふ、ふふ……最後に、これを、とミサカは19090に封書を渡します」
19090「こ、これは……?とミサカは受け取りつつ問い尋ねます」
10032「お姉さまへの手紙です……もう、ミサカからは渡せそうにないので、どうかこれをお姉さまに、とミサカは最後のお願いをします」
打ち止め「だめー!あきらめちゃだめー!ってミサカはミサカは10032の手をさすってみたり!どう?あったかい?」
10032「ああ、上位個体の優しさが身に染みます……と、ミサカ、は―――がくっ」
打ち止め「うあああああー!10032-!!」
医者「はいはいふざけてないで。白湯のおかわりもってきたからね?」
10032「かたじけねぇ……とミサカは温かなお湯を体に含みます」コクコク
10032「ともかく、どうかそれをお姉さまに渡してきてくれませんか?とミサカは普通に懇願します」
19090「それは構いませんが、どうして手紙を?とミサカは普通のメールではない辺りに違和感を覚えます」
10032「ああ、それはお姉さまに買っていただいた硯を使って一筆したためたからですね、とミサカは懇切丁寧に説明します」
19090「硯?」
19090「―――ということで、こうしてミサカが参上したしだいであります」
美琴「ちょっ……それって大変じゃないの!あのリアルゲコ太でもわからないんでしょ!?」
19090「ええ、まあ」
美琴「……あー、まって。こういう不思議なことって、だいたい……」
佐天「というわけで呼ばれました」
19090「誰?とミサカはなを尋ねます」
打ち止め「どちらさまー?ってミサカはミサカはお尋ねしてみたり」
佐天「うおお……御坂さんがいっぱい……どういうことなの」
美琴「あんまり深く聞かないでもらえると助かるんだけどね」
佐天「なら、そのように……それで、妹さんが大変なんでしたっけ」
美琴「まあ私も詳しくわかんないんだけど、直接会ってみてあげて」
佐天「わっかりましたー」
10032「おや、お久しぶりですねとミサカは布団の中から失礼します」
佐天「久しぶり、ですかね?どうしたんですか、この夏間近な季節にアルマジロになって」
10032「それがですねかくかくしかじか」
佐天「まるまるうまうま……はぁー、体温が下がり続けてる、と」
美琴「どう?何か心当たりある?」
佐天「いえ、話を聞いただけじゃ……ただ、妹さんの中から蟲の声が聞こえてくるのは確かなんですよね。
妹さん、それっていつごろからの症状ですか?」
御坂妹「確か、お姉さまにその手紙を書いたあとくらいからでしたか、とミサカは記憶をさぐります」
佐天「手紙?」
美琴「ああ、これのことね。まだ読んでないけど」
御坂妹「まだ読んでくれていないのですか……とミサカはうなだれます」
美琴「アンタが元気になったら、アンタの前で読んであげるわよ」
佐天「けど、手紙を書いて……?うーん、それだけじゃどうにも……」
御坂妹「……そういえば、墨をすった時になにか冷たいものが体の中にはいっていったような気がします、とミサカはふと思い出します」
佐天「墨をするって……えっと、硯ですか?」
美琴「硯って、この前の?」
――――。
美琴「これね、例の硯」
佐天「へー、綺麗な黒色ですね」
美琴「ほんとねー。で、どう?何かわかる?」
佐天「……蟲の気配はします。おそらくこれで間違いないと思いますけど、ただ……」
美琴「ただ?」
佐天「……声が聞こえてこないんですよね。それに、今までは見たら何の蟲かわかったのに、これはわからないんですよ」
美琴「えっと……どういうこと?」
佐天「蟲の声です。妹さんの体の中からは確かに聞こえてたのに、ここからは何も聞こえない。
それに、今までは何故か知りませんけど蟲を見ればその蟲の名前と対処法を思いだしたんですけど」
美琴「これはさっぱりわからない、ってこと?」
佐天「はい……うーん、どういうことだろ」
―――。
佐天「とにかく、私はこの硯をもうちょっと調べてみます。何かわかったらすぐに連絡しますから」
美琴「ん、ありがと。でもさ、」
10032「寒っ。夏なのに冬の気分を味わえるなんて、とミサカはプラス思考でとらえますがやはり寒いものは寒いので白湯をすすります」ズズズ
美琴「……あんまり長くは、さ」
佐天「……そうですね。出来る限り迅速に調査します」
美琴「うん、お願い。
佐天「―――とは言ったモノの、どうしたもんかねー」
佐天「硯自体に蟲の気配があることは確かだから、これが原因なんだろうけど……声が聞こえないってどういうこと」
佐天「妹さんの体の中からは、かすかだけど確かに声がしたのに」
佐天「……うーん」
――――それから三日が経った。
一日のほとんどの時間、硯と向かい合っていたがなんの策も見つからず。
その間にも、妹さんの体温は下がり続ける一方だった。
色々な薬でなんとか体温を維持しているそうだが、もともとそう薬を投与できる体でも無いらしく、限界は近いらしい。
佐天「くそっ……どういうことなんだろ……」
佐天「あれから適当な蟲を捕まえて聞いてみても、ろくな返事は帰ってこないし……」
佐天「……蟲払いなんて、骸草の時みたいに、そう難しいもんじゃないって思ってたのに……」
―――思い返されるのはあの夜こと。
河の中にすむ巨大な蟲。
あれは、私のことを確か、
佐天「……えさ、か。人間がほかの生き物を食べるように、蟲だって私達を食べることだってあるんだ」
佐天「……いや、待て。そもそも、蟲の餌ってなに?骸草はたしか、生物の死骸が餌だった。野錆もそうだった。
ウロのエサはわかんないけど、あの虚穴を見るとそういう空間が食べ物なんだろうし」
佐天「ナガレモノに関しては自然現象と同じでエサなんてなくて雨とかと一緒に動いてる……
そうだ、蟲は私の常識になんて当てはまらない生態を持ってるんだから、その辺りから考えていかないと解決の糸口はつかめない」
佐天「考えろ考えろ……妹さんは体が冷える、って言ってた。体の中にいる蟲の声は、どこか喜んでいるように聞こえたから……
あの蟲は、体温を食べてる、つまり熱を食べてるってことだよね」
佐天「熱を餌にする蟲、か……何か、これで思いだせないかな……」
佐天「――――」
佐天「――――駄目、かぁ」
佐天「やっぱり実際に蟲を見ないとダメか……けど、こうやってずっと眺めてても全然……ぁ」
佐天「そうだよ……妹さんは墨をすった時、って言ってたじゃんか。だったら、私もそれを試してみないと」
佐天「そういうわけで試してみたら、なんか出てきたでござる」
佐天「えっと、これは……雲喰み、そうだ雲喰みだった」
―――。
佐天「―――というわけで、雲と同じ高さ、だいたい2千~3千メートルの高さまで持っていけば蟲は抜けるはずです。
もしくは、気圧をそれくらいの高さと同じレベルにまで下げるって方法もありますけど」
医者「わかった、ならそれをためしてみよう」
御坂妹「とまぁ、なんやかんやありまして、蟲はぬけました、とミサカはお世話かけましたと頭をさげます」
佐天「こちらこそ、時間かけちゃってすみません」
美琴「佐天さんはよくやってくれたわよ」
佐天「そうですかね。あ、これ硯ですけど、どうします?」
美琴「それって、すったらまた出てくるのよね?」
佐天「ええまあ、まだ蟲の気配ありますから」
美琴「だったら使えないじゃない……勿体ないけど、これはもう捨てるくらいしか」
御坂妹「それは駄目です、とミサカはお姉さまの提案を却下します」
美琴「え?でも使えないんじゃ意味ないし……たしかに観賞用としておいておく分にはいいかもしれないけど、また何があるかわかんないわよ?」
御坂妹「そういうことではなくてですね。だって、これはお姉さまからの折角のプレゼントですから、とミサカは硯を抱きしめます」
美琴「――――ぁ」
美琴「―――そっか」
佐天「うーん、だったら今からその蟲全部出しちゃいますか」
美琴「え?」
御坂妹「え?」
御坂妹「ひとつすっては父のためー、ふたつすっては母のためー、まぁミサカに母親なんていないんですけどね、とミサカ複製ジョークを―――むぐ」
美琴「それは佐天さんには秘密だから」
御坂妹「おっとそうでしたね……それにしても、墨をすることで蟲が出てくるのなら全て出しきるまですろうとは、とミサカは当然といえば当然な案に関心します」
美琴「口から入ってこないようにマスクもしたしね。私達には見えないけど、蟲は出て言ってるの?」
佐天「はい、どんどん出てってますよ。みんな久しぶりの食事だーって喜んでます」
蟲「」モクモク
佐天「あはは、今は夏だからそんなに急いで食べなくても大丈夫なのに」
蟲「」モクモク
佐天「……嬉しそうだなぁ。こうやってみてると、蟲も私達と変わらないな」
佐天「生きる為に生きて、食事を喜んで」
佐天「―――あのとき骸草を殺しちゃったけど、もっと他の方法もあったのかな」
佐天「あれも、頑張って生きてたんだよね。全部殺しちゃう必要なんて、なかったんだよね」
佐天「……まぁ」
佐天「こんなこと、もうどうにもならないことだけど」
あの人が死に際に作った硯がここに来てよみがえったようです おわり
三巻に出てくる女の子ってかぁいいよね。なんでだろ。釣り目ぎみだからかな。
しげが手紙渡してるとことかかわゆす。ハァハァ
こんなんでよければ次>>203 僕はご飯を食べてくる
乙乙
蟲師分からん俺でも面白いんだから、知ってる人はもっと面白いんだろうな
st
乙ー。主人公が変わると視点が変わって面白い
囀る貝が読みたいなあ
>>205
んじゃこれとります。
この蟲はちょい特殊だからちょっと時間くれな。
打ち止め「うわーいアナタと一緒に出かけるなんて久しぶり!ってミサカはミサカははしゃいでみたり!」
一通「デパートで暴れるンじゃねェ」
打ち止め「あ、ほらほら、あの貝殻すっごく綺麗だよってミサカはミサカは展示品を眺めてみる!」
一通「ただの貝殻じゃねェか」
打ち止め「でもでもミサカは海って見たことないから、こういうのもあんまり見たことないんだよってミサカはミサカは貝殻を手にとってみたり」
一通「こら、展示品に触るな」
店員「よろしいですよー。どうぞ手にとってみてください」
一通「あ、そうなンですか、すいませン」
打ち止め「わぁーなんで巻貝ってこんなとんがりあるんだろってミサカはミサカは首をかしげてみたり」
店員「耳にあてると潮の音がしますよー」
打ち止め「ええっ、ほんと?ってミサカはミサカはさっそく言われた通りにしてみる!」
一通「ンな非科学的なことがあるか……」
「」~♪
打ち止め「」
一通「……ン?どォした打ち止め、鯉の真似か?」
打ち止め「―――!―――!」パクパク
一通「おォ、演技派じゃねェか」
打ち止め「――――――!」パクパクパクパク
一通「……オイ、そろそろ普通に喋らねェと怒るぞ」
打ち止め「―――!」パウパウッ
一通「……打ち止め?」
御坂妹「なるほどなるほど、とミサカはMNWによって上位個体の言いたいことを把握しました」
一通「コイツは何て言ってンだ?つーかふざけてンのかコイツ」
御坂妹「いえいえ、どうやら喋り方を忘れてしまったそうです、とミサカは目の前の白髪もやs……いえ、なんでもありません」
一通「喋り方を忘れただァ?ンなもン、歩き方を忘れたって言ってるよォなモンじゃねェか」
御坂妹「しかし実際にそう言って―――そう考えているのですから仕方ありません、とミサカは上位個体を身下げます」
打ち止め「……」パクオアク
一通「一体どォいうことだよ……」
御坂妹「まぁ幸いながら、こういった不思議現象を解決できる人に心あたりがありまして」
一通「誰だそりゃ」
佐天「呼ばれて飛び出てこんにちは」
一通「ン……オマエ、確か」
佐天「え、なに、ナンパですか?いやーんまいっちんぐー」
一通「ブッコロスぞ」
佐天「ひぃっ……あの、妹さん、この人誰なんですか?」
御坂妹「恩人でもあり仇でもあり―――簡単に言えばロリコンです、とミサカは一方通行の紹介を端的に終わらせます」
佐天「oh……」
一通「てめェ」
御坂妹「おや、殺しますか?今までしてきた妹達のように、とミサカはなんとなく古傷をえぐってみます」
一通「……う、うおおおおおおおおおお!!!」だっ
佐天「あっ、どこ行くんですかー?」
御坂妹「放っておいてあげてください、とミサカは涙目になっていた一方通行に(笑)」
佐天「……えっと、それで、」
御坂妹「そうでした、ええとですね―――」
御坂妹「―――ということでして、とミサカは説明をしめくくります」
佐天「貝に耳をあてたら、かぁ……うーん、それだけじゃなんとも。ひとまず、その貝が売ってたところまで案内してくれる?」
打ち止め「―――」パクパウッ
打ち止め「……」パウッ
佐天「ああ、あそこね……ん」
佐天「(喧騒にまじってかすかに鳥の声―――これは、なんだったか……)」
打ち止め「―――」パウッ
佐天「この貝を耳にあてたら喋れなくなった、と」
打ち止め「」コクコク
佐天「んー……あぁ、サエズリガイか」
――――――。
御坂妹「サエズリガイ?」
佐天「そういう名前で呼ばれることもある蟲。鳥みたいな形してるんだけど、貝の中に隠れることもあって、
その貝を耳に当てて間近で声を聞いた人は喋り方を忘れちゃう、つまり喋れなくなっちゃうんだって」
御坂妹「治療方法はあるのですか?とミサカはたずねます」
佐天「すぐに回復する治療方法は無いかな。でも、人の言葉を聞いてれば徐徐に治っていくから、そっちのほうは心配なし」
御坂妹「……そっちのほう?」
佐天「あー……っと。まぁ、気にしないで。それじゃ、あの頭の白い人にもよろしく言っといてね」
御坂妹「はい、どうもありがとうございます、とミサカは負荷深と頭をさげます」
打ち止め「――-!」ぺこー
佐天「……おかしい。あの蟲は、本来海にいるはずなのに」
佐天「しかも貝のなかに入ってるってことは、これからよくないことがあの辺りで起こるってこと―――どういうことなんだろ」
寝ても問題ないかな
明日の朝書くからさ……雲食みでちょっと疲れたぜ
保守ありがとうございます。
蟲師って「蟲が出たからその事件を解決するよ!」って単純な話じゃないからいいよね
まあそうじゃなきゃあそこまで人気出るわけないんだけど
―――。
佐天「(というわけで、気になったんでまたサエズリガイを見に来たわけだけど)」
蟲「」ピィー
蟲「」ピィー
佐天「(増えてる……どっから沸いてくるんだろ……)」
佐天「(ともかく、増えてるってことは何か起こるのはもう少し先ってことか)」
佐天「すみませんこれひとつください」
店員「はーいありがとうございまーす」
佐天「(さすがに人通りの多いところで貝に向かってしゃべるのは危ない人だもんね。この辺りでいいかな)」
佐天「ねぇ、この辺りで何が起こるの?」
蟲「」ピィー
佐天「?何か起こりそうってだけで具体的にはわからない?まぁーそんなもんなのかな」
佐天「じゃあさ、あんた達って海に住んでたんじゃないの?なんでこんなところにいるのよ」
蟲「」ピィー
佐天「知らんて」
佐天「蟲にこれ以上期待するのも駄目かー……しょうがない、地道に調査するかな」
佐天「ういはるーっ」
初春「ふぉああああっ!?しょ、正面から堂々スカートまくらないでください!」
佐天「後ろからならいいわけね」
初春「そういう問題でもないんですけど」
佐天「それは置いといて、ちょっと調べてもらいたいことがあるんだけど。こういう貝が売ってる場所って、あそこのデパート以外どっか無いかな」
初春「また随分難題ですねー。うーん、ま、ちょっと待っててください」
初春「できましたっ。さっき佐天さんが言った場所で開催されてる「どきっ!懐かしい夏の音フェア」以外に、ここと、ここ。それからこっちにふたつですね」
佐天「こんな細かいことまで……凄いね」
初春「貝殻なんて外からの輸入物ですからね。そっからどこへ流れてるか調べればすぐですよ」
佐天「そんなのを調べられるのが凄いってことよ。ありがと、それじゃちょっと行ってくるね」
初春「はーい」
――――。
佐天「ふむ」
佐天「調べてみたところ、蟲がいたのはあのデパートとそっから一番近い露店で売ってた貝だけか」
佐天「てことは、あの辺りに災害が出るってこと、なんだよね」
佐天「うーん……でも、何が起こるっていうんだろ」
佐天「(そもそもこの蟲は海の災害を感知する蟲だし……てことは、水関係の何か、か?)」
佐天「……ああ、もう。水関係たって、一体何が―――」
美琴「んー?どうしたの佐天さん、頭おさえて」
佐天「御坂さん―――こそ、こんなところで何してるんですか?ここあんまり人来ない場所なのに」
美琴「えっ?べ、べつに?なんとなく散歩してたらね!(アイツを追っかけまわしてたら何時の間にか)」
美琴「そういう佐天さんこそ何してるの?」
佐天「ここは私の好きな場所なんですよ。何故か知りませんけど、たまーに来たくなるんですよねぇ」
美琴「ふぅん。それで、頭おさえてどうしたのよ」
佐天「……ん。まあ、御坂さんになら相談してもいいかな」
佐天「―――ということでして」
美琴「また蟲関係ってことね」
佐天「今回は別に、蟲が何かをしてるってわけじゃないですけど」
佐天「それにしても、水関係の災害なんてこの学園都市で起こるのかな―って思いまして」
美琴「浄水設備は定期的にメンテナンスされてるし、水道だって問題ないはずだもんね」
佐天「けど、蟲が無駄なことするとは思いませんし……うーん……」
美琴「……」
佐天「……、?どうしたんですか、私の顔になんかついてます?」
美琴「ううん、なんていうかさ。佐天さん蟲が見えるようになってからなんか変わったなーって」
佐天「……そうですかね」
美琴「こう言うのもなんだけど、前は特に周りを見て無かったのにさ、」
佐天「あはは、御坂さんに言われたくないですよ」
美琴「……あははは」
佐天「はははは」
美琴「あはははははははははははははは」
佐天「……ごめんなさい」
美琴「ま、まあそれは置いといて!今の佐天さんはこうやって休日潰してまでいろいろ調べ回ってるじゃない」
佐天「んー……まぁ、蟲が見えるのは私だけですし。とくにたいした意味なんてないですよ」
美琴「そうなの?」
佐天「意識したことはないですねぇ―――さって、それじゃそろそろ帰りますね」
美琴「ああ、送ってわよ」
佐天「えっ、悪いですよ」
美琴「帰り道はほとんど方向同じだからね。一人じゃ危ないわよ」
佐天「それじゃ、お言葉に甘えまして」
―――。
佐天「お―――『全天候型プール近日オープン』かぁ。こんなところにプールが出来るなんて珍しですね」
美琴「あー、これはレジャー施設って言うより競技練習用にお金持ってる学校がたてて、ついでに一般客もとってお金稼ごうってことらしいわよ」
佐天「なにそれいやらしい」
美琴「学生に奨学金として学園都市が支払う⇒学生が娯楽として学園都市にお金を落とす。って図式ね」
佐天「うぅーん、なんだかなぁ……」
―――。
佐天「ふぅ―――(さて、どうしたもんかなー)」
佐天「……津波、大嵐、毒物混入―――水の災害だと、公害もいれてこのあたり、か。氾濫か、汚染か」
佐天「どちらにせよ、この学園都市じゃ起こるとも考えづらいし―――ああ、もう。いいや、今日は寝よう」
―――。
――――――。
――――――――――。
行き詰ってるみたいだな。
「……。誰?」
いいか、お前はまだ蟲のことを理解しきれていない。
「いや、だから誰よ」
やつらは俺達人間より生命に近い―――今風に言いかえれば、この星の触角と言ってもいいだろ。
「……?何を言って―――」
その辺りを考えてやれ、そうすりゃおのずと答えは出てくるはずだ。
「いや、ちょっ―――」
――――。
――――――。
佐天「夢かっ!?」バッ
佐天「あ……夢、だったのかな」
佐天「けど……なんだか、凄く懐かしい感じがしたっけ。あぁー、こういう夢を見るとなんだか鬱になるなぁー」
佐天「……蟲のことを理解してない、か」
佐天「……、――――――ふむ」
佐天「(サエズリガイが貝にこもってる以上、確実に何かが起こる)」
佐天「(けど、この学園都市で災害なんて―――いや、この学園都市だからこそ、起こりうる問題が、あるのかな)」
佐天「――――――、ぁ。もしかして、」
――――。
蟲「」ピィー
蟲「」ピィー
蟲「」ピィー
蟲「」ピィ
蟲「」ピ
蟲「」
蟲「」
蟲「」
佐天「……蟲の声が止んだ。急がないと……!」
打ち止め「あ、あの時のお姉ちゃんだ!ってミサカはミサカは挨拶しに行ってみたり」
佐天「っとぉ、あ、ああ、打ち止めちゃんか。それから白髪の人」
一通「白髪の人とか言うな。その節は随分世話になったな」
佐天「いや、私は何もしてませんよ。それじゃっ!」
打ち止め「どうしたのーそんなに急いで、ってミサカはミサカはたずねてみる」
佐天「え?ええっと、説明してる暇はないけどこの辺りこれから危なくなるから、すぐ遠くへ避難して!」
一通「?何言ってやがる」
佐天「いいから、こっちは間に合うかどうかわかんないから!」
一通「……ちょっと話してみろ」
佐天「え?無理ですって、話したところでどうしようもないですもん」
一通「それはオマエが決めることじゃなくて俺が決めることだろォが。俺を誰だと思ってやがる」
佐天「白髪の人」
一通「チクショウ」
打ち止め「こんなんだけど、確かに能力は凄いからちょっと話してみたらいいと思うよってミサカはミサカh」
佐天「ん、じゃあこの辺りで何が壊れればこの範囲内にまで水害が引き起こされるか、わかりますか?わからないですよね?」
一通「ちょっと待て」カチッ
一通「―――あのプールだな。確かもう水が入ってンだろ。他にも予備の水が備えてあるだろォから、それが破壊されりゃ
圧力だとかその他諸々―――それこそオマエに言ったところでわからねェよォな要因が絡まって大災害になるな」
佐天「なっ―――」
打ち止め「驚いた?何を隠そうこの人こそ学園都市の第一位なんだよってミサカはミサカはアナタのことを紹介してみたり」
一通「よせやい」
佐天「第一位って……あ、いや、それはいいとして、さっきの話は本当ですか?」
一通「第一位の演算力舐めンな。まァ、コイツがひっきりなしにあのプールの情報を話してきてたから出来た演算だがな」
打ち止め「でもでも、あのプールほんとに凄いんだよってミサカはミサカh」
一通「ンで?それがどォしたンだよ。まさか今からあのプールが壊れるって言うんじゃないだろォな」
佐天「……残念ながら。少なくとも、一時間以内に」
一通「はァ?馬鹿なこと言ってンじゃねェよ」
佐天「馬鹿なことじゃないですってば!ああもうっ、早く白井さんに連絡して風紀委員総出で避難させてもらわないと……!」
ゴォンッ
佐天「っ」ビクッ
打ち止め「うわっ、今の音なに?ってミサカはミサカは耳を塞いでみたり」
佐天「……まさか、もう、」
ゴォォン
打ち止め「なんだか金属が折れるような―――って、何処行くのサテンってミサカはミサカはいきなり走りだした云々」
一通「……ちっ」
―――。
佐天「……っ。水が漏れてる……!」
一通「ふゥン、オマエの言ってたことは本当だったのか。予知能力者か?」
佐天「白髪の人……なんでここに」
一通「おい白髪の人やめろ。―――何、オマエの言ってることが本当だってンなら、今からこっから水が溢れてくるンだろ?」
佐天「そうですよ、だから逃げろって―――」
ガゴンッ
佐天「―――ぁ」
一通「決壊しちまったなァ」
佐天「な―――何を悠長に……!」
一通「まァ見てろよ」
―――――――。
打ち止め「はぁっ、はぁっ、もう、いきなり走りださないでよってミサカはミサカは息を切らしながら―――うわあなにこれ」
佐天「水が、球体にまとめられて……?」
一通「ま、こンなとこか。あとはコイツをどっかにやりゃいいンだろ?―――自転ショット」
佐天「とぁっ!?水が凄い勢いでどっか飛んでった?!」
一通「終わりだ。これでいいンだろ?」
佐天「え……あ、はい」
打ち止め「へへー驚いた?何をかくそうこの人の能力はベクトル操作d<省略されました。続きを読むには>ってミサカはミサカは
この人のことを自慢してみたり!」
一通「よせやい」
佐天「これが第一位か……!」
一通「さァて、ちょっと仕事が出来ちまったな……打ち止め、悪ィが先に帰っててくれ」
打ち止め「んー?うん、わかったよってミサカはミサカは素直にしたがってみたり」
一通「よーしいい子だ」ナデナデ
plllplll
土御門『俺だ』
一通「仕事だろ、わかってる。今回は後手に回っちまったなァ」
土御門『お前が近くにいて幸いだったさ。わかってるなら、頼むぞ』
一通「あァ、さくっと片づけてくる」
佐天「お―――蟲が飛び立ったか」
佐天「てことは、もう大丈夫ってことね―――はぁ、疲れたー」
佐天「いやぁ、今回は疲れた、けど結局あの蟲がどうしてあんな場所にいたのかわかんないままだったなぁ」
佐天「ま、終わったことだからいいけどね」
佐天「ふぅ、今回はちょっと疲れちゃった」
佐天「それにしても、あの時の夢なんだったのかなー」
囀る貝はこの街から出られないようです おわり
「囀る貝」は好きな話のひとつ。蟲師は全体的に好きな話多いけどさ。
あの救われる感じがたまらねぇな……上で佐天さんは身を滅ぼしそうって書かれてたけど、だとしたら腐酒とか口にしそうだな。
あれがあれば、人間の体の自由は奪えるし。よし、一番最後にこれ書こうか。
んで、まあこんな感じでよければもうちょっと書く。さるも喰らったし>>272あたりと遠めで
銀蠱と常闇
ひゃっはーUBWの特典フィルム大当たりだヒャッハー
で、ギンコとトコヤミな。また話が作りづらそうな……まーなんとかする
この時間帯だったらあんまり保守いらないよね
ちょっとUBW見てくるから二時間後に始めます
駄目だ、やはり弟のクズっぷりがやばい。大学はいってバイトするようになりゃ少しは変わるかと思ったが、駄目だったな。
くそう、まあギルさんがぎゃああってなる場所まで見られたしいっかな。くそっ、わりと本気でイライラする……!
上条さんはそのうち出すけど、俺あの人あんまり好きじゃな―――いや、なんでもない。
ギンコとトコヤミの話、どこまで書き切れるかわかりませんがなんとかやってみます。
お待たせしました、再開します。
TV≪―――の不可思議な事故もすでに20名に達しようとし、警備員や風紀委員は調査を進めていますが進展はなく―――≫
佐天「……またこの、何もないところから人が落ちてくる事件かー。確か、蟲が見えるようになってからずっとだな」
佐天「蟲の仕業なんだろうけれど……よっし」
佐天「いっちょ調査にでも行ってみますか」
佐天「初春の話じゃあの事件で死んだ人は、みんなこの辺りで姿を消してる……って、またこの自然公園かぁ」
佐天「確かにここが一番緑がおおくて蟲もいるけど、ここの池にはあの蟲が住んでるからなー。怖い怖い」
佐天「ま、気をつけて調べよう」
佐天「それにしても、ほんっとに大きな公園。ぶらぶらしてるだけじゃ一日潰れちゃうな」
佐天「池ももはや湖って言ってもいいくらいの大きさで―――って、何してるんだろ」
研究員「なんかの病気かね」
研究員2「けどだとしたら、この池の魚全部がこうなるはずだろ。この区画だけってのはおかしい」
研究員「ですよねぇ。突然変異か何かですかね」
研究員2「アルビノってんならわかるが、目の色が緑色だからなぁ」
佐天「白衣着てるし、研究所の人か……うわっ、何あの魚。真っ白できもちわるっ」
佐天「しかも片目潰れてるし……―――、あれ」
佐天「なんだろ、この感じ……覚えて、ない、のか……?」
佐天「……まぁ、いっか。蟲が見えるようになってからこういうことはよくあったし」
―――。
佐天「ん、暗くなってきた。そろそろ帰らなきゃまずいか」
佐天「夜に蟲にあうと怖いからねー。特に池にすむ蟲とか」
―――。
佐天「―――よし、宿題おわり。明日も調査に……あれ?」
佐天「あれー?携帯どこいったんだろ……まさか落とした?うわぁ、最悪だ」
佐天「けど慌てない慌てない、っと。こういうときこそサービスを使う時。GPSと機種番号で―――お、出た出た」カチャカチャ
佐天「ああ、あそこの自然公園ね。時間は……10時かー。うーん……明日でも別に―――」
TV≪―――今晩から明日の朝にかけて雨が降ると―――≫
佐天「―――よくないか。仕方ない、とりにいきますか」
―――。
佐天「この辺り―――あったあった。どこも壊れてないみたいだね」
佐天「はぁー、無能力者の私の奨学金だと携帯買うのも一苦労だからねー。助かったたすか―――」ゾクリ
佐天「……!」
常闇「」
佐天「……街灯の光があるのに、どうしてあそこだけあんなに暗く―――」
佐天「―――駄目だ、近づいちゃ。あれは、きっと凄く危ない」
常闇「」
佐天「……?あれ……なんで、だろ。あの蟲から、別の蟲の声がする」
佐天「―――近づきすぎないように、慎重に」ソロソロ
佐天「……あれは、あの闇は、たしか―――そう、だ。常闇、だったっけ」
佐天「……あれ?確か、常闇には、もうひとつ……ああっ、くそ。なんでかな、思いだせそうなのに思いだせない」
常闇「」
銀蠱「」ボウッ
佐天「?常闇が光り出した……おかしいな、常闇にはあんな性質ないはずなのに」
佐天「ぅ……眩しい――――――ぁ、消えた」
佐天「……なんだったんだろ、あれ」
―――翌日
佐天「さーてそれじゃ今日も頑張って調査に行きますか」
佐天「―――うぅん、ほかの蟲に聞いても駄目か」
佐天「というかあいつらめ、言うことはだいたい『お腹すいた』とかばっかなんだもん」
佐天「こう言うのもなんだけど蟲は蟲かー」
佐天「仕方ない、あんまり森の中へ入っていくのは嫌だけど、進展なさそうだし行ってみますか。日もまだ高いし」
佐天「迷った……」
佐天「く……さほど広くないと油断していた……」
佐天「とは言っても学園都市内のただの公園―――方角を変えず直進すればどこかに出るはず」
佐天「こっちに直進してみるかな」
佐天「ふぅ……慣れてないと歩きづらい。もともと道の無い場所を歩いてるんだから、余計に体力をとられる」
佐天「それにしても、おかしいな。さっきまでまだ日が高かったと思ったのに、随分暗くなってきた」
佐天「思ったよりも時間がかかってるのかな。急がないと」
佐天「はぁー……はぁー……おかしい……もう随分歩いたのに、全く出られない……」
佐天「辺りも完全に真っ暗になっちゃったし、何の光も見えなくなっちゃったな」
佐天「……何の光、も?」
佐天「蟲の光さえない……そんなことって、あるわけが―――ぁ」
佐天「―――しまった。なんで気付かなかったんだろ」
佐天「夕焼けにもならず、どんどん暗くなってくなんてありえない……常闇に捕まっちゃったのか、私」
佐天「まずいな、確か、対処法は―――自分の名前を思い出すこと、だ」
佐天「私の、名前は、
①佐天涙子
②左天涙子
③佐天桜子
>>307
2
佐天「―――左天、だっけ」
ギンコさん「落ちつけ、惑わされるな」
佐天「うわっ、誰ですか?」
ギンコさん「通りすがりの蟲師だ。同業者だな。それよりアンタは奴らから指名されちまったんだから
こんなとこで終わってんじゃねえよ」
佐天「……?あの、どういう―――」
ギンコさん「さあ行け。コイツは俺がなんとかしとく」
佐天「え――――」
佐天「夢かっ!?」バッ
佐天「ぁ……と、ここは、」
佐天「公園のベンチ―――そうだ、私、確か常闇に捕まって……う、駄目だ、そこから先が思いだせない」
佐天「名前を思いだしたから抜けられたのかな」
佐天「……って、うわ、1時!?まっず、よく危ない人とかに襲われなかったなー私」
常闇「」
佐天「あ……池の方に常闇が来てる」
常闇「」
銀蠱
佐天「……あの光は―――ああ、そうだ。思いだした。名前はないけど、誰かは銀蠱って呼んでたっけ」
佐天「銀蠱……ギンコ……なんだろ、この名前、すごく聞き覚えが―――気のせいかな」
佐天さんがあの蟲師に出会ったようです おわり
すまんあまりに話作れなくてギブアップ。
まだ続けさせてくれるなら>>315
もういいよってんなら腐酒書いて終わる。
過労死するまで書かしてやんよ!
なるほど、潮わく谷か。
これならなんとかなるかな。
固法「それじゃ、今日のパトロールはこれまでね」
初春「はいっ、お疲れ様です」
固法「それじゃ支部に帰って今日の報告書書きましょうか―――ん?初春、何か聞こえない?」
初春「はい?……確かに――これは、泣き声、ですかね?」
固法「森の中から?怪我でもしたのかしら、ちょっと見てくるわ」
赤ん坊「あああああああああああああああああ」
固法「赤ん坊……!?なんでこんなとこに……!」
初春「固法せんぱーい、何が―――わぁ、赤ちゃんですね、かわいいー」
固法「馬鹿、かわいいじゃないでしょうが」
初春「あいたっ。そ、そうでした!これってどういうことですかね……」
固法「とにかくここに放っておくわけにもいかないし、支部へ連れていくわよ」
初春「はーい」
初春「」ウズウズ
固法「……どうしたの、そんなにこっち見て」
初春「私にも抱かせてくださいっ!」
固法「だーめ。赤ちゃんって以外と重いのよ?初春は腕立て10回も出来ないんだから、そんな腕に大切な命を預けられません」
初春「う……それを言われると」
―――。
白井「それで連れ帰ってきたと」
固法「それしかなかったからね」
白井「おおかた不純異性交遊の末出来たけれど育てることが出来ないとして放置したんでしょうね」
固法「まぁそうでしょうね。困ったもんだわ」
初春「それで、その子どうするんですか?」
固法「置き去りの施設へ連絡するわ。それくらいしか出来ることないし。まさか育てるってわけにもいかないでしょ?」
赤ん坊「……ふ、ふええええええええええん」
初春「泣きだしましたよ?」
白井「さっきまでおとなしかったですのに……お腹でも空いているんでしょうか」
固法「ん、困ったわね。白井、悪いけどテレポートで哺乳瓶と乳児用粉ミルク買ってきて」
白井「こっ、この歳で、この都市でそんなもの買うと変な噂がつきそうなのですけれど……常盤台の人間が、とか」
初春「あはは、大丈夫ですよ白井さん。そんな幼児体型で誰も出産しただなんておもいま痛っ!?」
白井「体系のことを貴女に言われると腹が立ちますのよ……そうですの、固法先輩のその豊満なおっぱいならおっぱいがいっぱい出るんじゃありませんの?」
固法「ぶっころすぞ」
白井「ひっ……すみませんですの……」
固法「下らないこと言ってないで早く行ってきなさい」
初春「わーい隙ありー」むにゅっ
固法「初春とて容赦せんっ」べしっ
初春「地面にたたきふせられたっ!?い、痛いです固法先輩……」
固法「全く、ふざけてるからこうなるのよ」ジワ
固法「……じわ?」
初春「?どうしたんですか胸押さえて。そんなに強く掴んだつもりはあいたたたたたたギブギブギブ!!」
固法「ん……ちょっとトイレ」
固法「母乳が出てる……だと……!」
固法「……どういうことなの」
――――。
白井「そんなこんなであの乳児は施設へ引き取られていきましたの」
初春「元気に育ってくれるといいんですけどねぇ」
白井「一番いいのは捨てた人間が良心の呵責で名乗り上げてくれることですけれど。まあそれはそれで、身勝手な気もしますが」
初春「学生じゃ育てていくお金もないでしょうし……どうしたんですか固法先輩、さっきから胸押さえて黙りっぱなしで」
固法「え?い、いやぁ、なんでもないわよ?あ、そうだ、急用思い出したから報告書おねがい!ごめんね?」
白井「はぁ……まぁ、いつも遅くまで残ってくださるからそれくらいはいいですけれど」
固法「ありがと、じゃあお先に」
―――。
ルームメイト「―――ほほう、なるほど」
固法「どういうことだと思う?」
ルームメイト「さぁ……そういった病気でもあるのかしらね」
ルームメイト「というわけで、ぐぐってみたけど、特発性乳汁漏出症ってのがあるらしいわよ」
固法「ストレス、睡眠……特に原因になるようなことにはなってないはずだけど」
ルームメイト「乳首への刺激過多、ってのもあるわよ?もしかしてオナニーのしすぎあいたっギブギブギブ!!!」
固法「恥ずかしいこと言わないの。とにかく、明日にでも病院に行ってくるわよ」
ルームメイト「ソ、ソウシテクダサイ……あ、今日のご飯当番あんただからね。忘れないでよー」
固法「わかってるって」
ごめちょっと一時間ぐらい出なきゃいけない用事が出来たから行ってくる。
この話は結構簡単に書けそうだなー
固法「―――」トントントン
固法「―――あいたっ」
固法「やば、包丁で指切るなんて何年ぶり―――え?」
ルームメイト「だーれーかのーたーめにーいきてーこのーときーがすべてーでーいいでしょうー」
固法「ねぇねぇこれ見て!」
ルームメイト「ん?どったの。指でも切った―――何それー」
固法「ちょっと舐めてみたけど、これ血じゃなくて、その、」
ルームメイト「乳白色の液体っちゃあ、あれだよね……って、なんで血じゃなくてそんなのが?」
固法「私にもわかんないわよ……変な病気か何かかしら」
ルームメイト「赤血球が壊れてるってんなら大変な話だし、どうする?急患ってことで今から病院いっとく?」
固法「そうねぇ……」
―――。
御坂妹「急患です、とミサカは報告しつつ調査書を渡します」
医者「……これはまた奇妙な病気だね?とにかく検査してみないとわからないから、検査室へ」
御坂妹「わかりました、とミサカは部屋から立ち去ります」
御坂妹「どうぞ、まずは全身をスキャンしますからこちらへ、とミサカは部屋へ案内します」
固法「……ねえ、御坂さんよね?」
御坂妹「他人の空似ですよ、とミサカはしらを切ります」
固法「いや、自分で御坂って言っちゃってるし」
御坂妹「実は双子の妹なのです、とミサカはあながち嘘でもない嘘を吐きます」
固法「嘘て」
―――。
御坂妹「検査完了です、とミサカは報告書を手渡します」
医者「……異常無し?」
御坂妹「ええ、機器の不具合もありませんでしたから、その診断に間違いはないはずです、とミサカも同じく首をかしげます」
医者「突然母乳が出てきて血まで変化した、ね?最近こういうよくわからない病気が多いね?」
御坂妹「ええ、全くですね―――また彼女に頼るしかありませんか、とミサカは携帯電話を取り出します」
医者「悔しいけど僕じゃどうにもならないからね?」
佐天「こんばんはー」
御坂妹「こんな時間に申し訳ありません、とミサカは呼び出したことについて謝罪します」「
佐天「気にしないで気にしないで。それで、その患者さんってのは?」
御坂妹「あちらの部屋にいらっしゃいます、とミサカは案内します」
固法さんの呼び方は、基本的に名字に"さん"付けじゃね?
佐天「失礼しまーす」
固法「佐天さん、どうしてここに」
佐天「呼ばれたからですよ。患者さんって固法先輩のことだったんですね」
固法「呼ばれたって……どうして佐天さんが」
佐天「話が長くなるのでそれはまあ置いときましょう。それで、どんな症状なんですか?」
固法「えっと、ね―――」
固法「―――というわけなの」
佐天「ほほう……突然おっぱいから」
固法「いやそこは重要じゃなくて、血が、母乳に変わってるってことなんだけど……」
佐天「ちょっと絞ってみていいですか?」
固法「ぶっころすぞ」
佐天「いやいや、いやらしい意味じゃなくて、どういうものか実際に見てみないとわかりませんし」
>>338
そうだったっけ。レールガン5巻の四コマで確認したら初春のことを「初春」って呼んでたから。
俺も固法先輩が「白井」って呼んでるとこ想像できなかったけどさ。まぁこまけぇこたぁ蟲の仕業なんだよ
固法「ああ、そういうこと」
佐天「ええ。別に固法先輩のいやらしい胸からいやらしい汁が溢れてくるのを堪能したいとかじゃなくあいたたたたたたごめんなさい!!」
固法「全く……ちょっとだけよ?」
佐天「……確かに、母乳ですね」
固法「あんまりまじまじ胸を見て言われると恥ずかしいんだけど……」
佐天「(……おかしいな。蟲の声は聞こえない。気配もないけど、なんていうか、におい?みたいなのはあるんだよね)」
佐天「(固法先輩が蟲の影響を受けてることは間違いないけど、骸草や野錆みたいにとりつかれてどうこうなってる、ってわけじゃないみたいだし……)」
佐天「(さて、どういうことか……こういう時は、僅かでもいいから原因っぽいものを当たっていったほうがいいかな)」
佐天「先輩、おっぱいが出るようになる前、何か特別なことってしましたか?」
固法「特に何もしてないはずだけど……何時も通りに風紀委員のパトロールをして、そこで赤ちゃんみつけて」
佐天「アカサン?」
固法「捨て子よ、おおかた勝手に生んで育てられないからって捨てたんだと思うけど」
固法「放っておくわけにもいかないし、抱いて支部まで帰って、施設に引き取ってもらったんだけどね」
佐天「なるほどー」
佐天「……んー、まぁわかりました。明日になったら、一度固法先輩の今日の動きをトレースしてみましょう。
行った場所、やったことを見たら、もしかしたら何かわかるかもしれませんし。明日は時間ありますか?」
固法「学校が終わってからならいくらでも大丈夫よ?」
佐天「ん……いえ、学校はさぼりましょう」
固法「えっ」
佐天「蟲なんてわかんないことだらけですからね、出来るだけ早く手はうった方がいいですよ」
固法「蟲……?」
佐天「診断の一環ってことで学校に連絡してもらいますから。というわけで妹さんお願いします」
御坂妹「了解しました、とミサカは実はさっきまで横にいたんだぜということをアピールしつつゲコ太医者の元へ向かいます」
佐天「まぁ任せといてください。なんとかしますから」
固法「はぁ……」
―――。
固法「―――って感じで、授業終えて支部へ向かったのよ」
佐天「ふぅん……今のとことくにおかしなとこはないですね」
固法「それで、初春さんとパトロールしてる最中に、あの森の中で赤ん坊をみつけたの」
佐天「……まーた森の中か」
固法「え?」
佐天「ああいえ、なんでもないです。その赤ん坊が捨てられてた場所に案内してもらってもいいですか?」
固法「それは構わないけど」
固法「ここよ」
佐天「(蟲の気配……けど、もう随分とたってる)」
佐天「(むぅ……てことは、そのアカサンに一度会ってみないとどうにもならんかね)」
固法「何かわかった?」
佐天「え?ああ、そうですね。そのアカサンを見せてもらっていいですか?」
固法「ん、ちょっと待ってて。施設に電話してみるから」
―――。
佐天「これが例のアカサンですか……」
赤ん坊「」スヤスヤ
佐天「(……ん。甘い、香り……?これは、確か―――乳潮、だっけ)」
佐天「……だとしたら、これ以上近くにいるのは危険、か」
―――。
固法「どう?」
佐天「原因はあのアカサンですね」
佐天「乳潮って蟲で、生まれたばかりの獣……まあ今回は人間でしたけど、そういうのに寄生して、母親の体液を
おっぱいに変える蟲です。ああ、そんな目で見ないでください、固法先輩が母親じゃないってことはわかってますけど、
抱きかかえてる間に蟲に影響されたんだと思いますよ?」
固法「その蟲っていまだに何かわからないんだけど……」
佐天「どんとしんく、ふぃーる」
固法「はぁ……」
佐天「とにかく、まずはあのアカサンに蟲下しを飲ませて乳潮を体外へ出します」
固法「それで私のコレも治るの?」
佐天「いやぁ、どうかな」
固法「えっ」
佐天「ちょっと記憶にあるのと症状が違うんですよね。普通こんなに早く血液が変化したりしませんし、
ちょっと抱いてただけで影響されるってあたりもどうにもおかしいです」
佐天「とは言っても、固法先輩の体に蟲は寄生してませんから蟲下しなんてつかっても意味ないですし」
佐天「まぁ、まずは本体を叩きましょう」
すまん、風邪ひいたっぽい。ちょい休む。
くそっ、どんどん進行速度が低下してるな……申し訳ない。
しかしどうオチつけるかなこのスレ
―――。
佐天「―――とりあえず蟲下しは飲ませましたし、これで大丈夫かと。あとは様子見ってとこですね」
固法「えっと、よくわかんないけど、ありがと?」
佐天「いえいえ。それじゃ明日また」
佐天「……さーて、どうしよっかな」
佐天「乳潮の影響力がちょっと強すぎる……もしかしたら固法先輩治らないかもしれんね」
佐天「って、悠長に言ってる場合じゃないか……記憶にあるぶんだと、本体がいなくなってから一日もあればもとに戻るらしいけど」
佐天「もし戻ってなかったら、ちょっと不味いね……」
佐天「なにか打つ手を考えておくべきかな」
―――つぎのひ。
佐天「おっはよーございまーす。どうでしたか固法先輩」
固法「んー、朝の時点ではまだかな……」
佐天「そ、そうですか。まあそんな簡単には治りませんからね」
固法「そうなの?」
佐天「そうです」
佐天「治ってなかったかー……困ったなー」
佐天「蟲に寄生されて、ってんなら蟲を出せばいいけど、あれは二次的な作用だからなー……」
佐天「というかそもそもこんなこと初めてだからどうすればいいか」
佐天「……」
佐天「……ふー。弱っちゃったね」
初春「おいすー、私も見えるようになりましたよ」
佐天「えっ」
初春「これが蟲ですか?可愛いですね。『ういはるー』とかしゃべってます」
佐天「蟲はしゃべらないよ」
初春「えっ?」
佐天「何が見えてるんだお前は」
初春「あ、佐天さん。そのパン食べないほうがいいですよ。たぶん賞味期限過ぎてます」
佐天「えっ?あ、ほんとだ……って、ホントにアンタ何見えてんのよ」
初春「えっと……こんなん?」カキカキ
佐天「私が見えてるのはこういうのだけど」カキカキ
初春「うわぁ何それ全然かわいくないじゃないですか」
佐天「そっ、そりゃかわいくはないけど……でも初春が書いたみたいな漫画みたいなのが現実に存在してるわけないじゃん!」
初春「ああっ、ひどいことを!皆傷ついてますよ!」
佐天「蟲は傷つかないよ!断末魔はあげるけど!」
おい馬鹿、途中で割り込みかけるからこっちも間違ったじゃねえか
寝ぼけてるんだから変なことしないでくれよくそう
__
ト-!
_,」-L. _
r‐r┐,. ´ ヽ_┌r┐
`└L′・ ・ '.」┘′ういはるー
{ rー──‐┐ }
,ゝ└──‐ ┘,.イ
rく,ゝ'` ーr─┬ヘ.ム
. `´ │ │ `┘
`'⌒’
――――あれから五日がたった。
毎日固法先輩のところに治ったか確認しにいくが、兆しは見られず。
そして少しずつだが、先輩の顔色が悪くなってきているように見えた。
佐天「(くそ……蟲を見ただけでいろいろな記憶が入ってくるからって浮かれてた)」
佐天「(もともと蟲なんてわかってないことがほとんどなんだ……入ってくる記憶が、その蟲の全てだなんて決まってるはずがない)」
佐天「(不明なソースに頼りすぎてた―――なんとか方法を考えないと)」
佐天「(そもそも乳潮がどうやって母親の体液をおっぱい!に変えてるか、ってことだけど―――)」
佐天「(―――もともとおっぱい!は血液がホルモンの分泌によって変換されたモノ)」
佐天「(ということは、子に寄生した乳潮の出す匂いによってある特定のホルモンの分泌が活性化された、って考えるべき……いや、)」
佐天「(乳潮は涙ですらおっぱい!に変えてたっけ……だとすると、科学的なことだけじゃ解決できないか)」
佐天「(――――ああっ、駄目だ!ぜんぜん糸口が見つからない……!)」
佐天「(一体どうすれば――――ん)」こつん
佐天「……これって」
―――。
固法「これを飲めばいいの?」
佐天「はい、お酒っぽい匂いがしますがあんまり気にしないでください」
固法「……お酒なの?」
佐天「いえ、違います。とにかく、飲んでみてください」
固法「ふぅん……けど、こんな黄金色に発光してる液体を口にするのは少し抵抗g」
佐天「いいから!」
固法「は、はい……ぅわ、おいしい」
佐天「そりゃ、おいしいでしょうね(なんたって生命の源だし)」
固法「―――ふぅ、飲んだわよ?」
佐天「それじゃ、あとは一日待つだけですね。これで完治するはずです」
困った時の光酒
その後。
固法先輩の血液は元に戻り、一件落着となった。
佐天「……ふぅ。困った時の光酒だね」
佐天「生命の源―――だからこそ、人間が口にすれば『人間本来の活動』を活性化、異常を駆逐する働きをすると思ったけど―――」
佐天「大当たりってとこだったのかな。乳潮によっておっぱい!に変えられた血液は、人間にとって異常だったし」
佐天「すごいなー光酒。あれ?でもなんで私これ持ってたんだっけ……なんか起きたら部屋にあったんだよね」
佐天「……ま、いっか」
ねんぷちの第一段を固法先輩に取られた恨みをはらしたかった おわり
保守ありがとうございました。とりあえず無理やり感が凄まじいけどこれで乳潮終わりで。
こんな感じでよろしければ>>405。そして>>402に全く同じフレーズ書かれて俺涙目。
あ、あんまり難しい蟲はやめてよね!
夢野間とか
ゆめののあわいか……あのチート蟲だな
おっけぃ、あんまり重くならないように話考えてみるよ
御坂「佐天さん、私じつは佐天さんのこと――――」
佐天「御坂さん……実は、私も―――」
佐天「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」
佐天「ぁ……あ、ああ、夢か……びっくりしたぁ」
佐天「うぅ、御坂さんとキスする夢だなんて……わ、私って初春一筋だったんだけどなぁ」
佐天「ああうん、勿論性的な意味じゃなくてね」
佐天「あー恥ずかし」
――――。
佐天「うっいはるー。一緒にかえろーぜー」
初春「すいません、今日日直なうえに風紀委員の仕事が」
佐天「ん、そだったっけ。んじゃしょうがないか」
―――。
佐天「あーなんだか最近初春と一緒に遊べてないなー」
佐天「これも全部蟲の仕業だー。くそー蟲めー」
御坂「一人で何騒いでるのよ」
佐天「おうふ。御坂さんじゃーないですか。常盤台から離れたこんなところへ何用で?」
御坂「雑誌の早売りがこの近くのコンビニだからちょっと立ち読みしてきたの」
佐天「はぁん、なるほど」
御坂「それにしても最近暑くなったわねー。かき氷食べない?」
佐天「ごちになりますっ!」
御坂「ん、まぁいっか。何味にする?」
佐天「御坂さんと別の味で。おんなじのだと面白くないですからねー」
御坂「はいっ、松阪牛味」
佐天「わけがわからない」
御坂「いやーかき氷にしようと思ってたらジェラートも美味しそうだったからこっちにしちゃった」
佐天「まぁ御坂さんのおごりですからなんでもいいですけどね。ありがとーございます」
御坂「ちなみに私のは伊勢茶味」
佐天「伊勢茶?」
御坂「伊勢神宮ってあるでしょ?あの伊勢で作ってるお茶だって」
佐天「抹茶味のアイスクリームみたいなもんですか」
御坂「そんな感じねー。ほんのり苦くておいしいわよ。食べてみる?」
佐天「お、いただきま――――はっ!」
佐天「(こっ、これは間接キス……って!別に気にするようなことじゃないでしょうが!)」
佐天「(でもあんな夢見たあとだし……ぅ、御坂さんの唇やわらかそう……って、意識しちゃだめだってば)」
佐天「……」ボーッ
御坂「?どうしたの佐天さん、抹茶味嫌いだった?」
佐天「へっ?あ、いや、そんなことないですよ?イタダキマス」
御坂「はい、あーん」
佐天「……あーん。―――ん、おいしいです」
御坂「じゃあそっちもちょーだいっ。あーん」
佐天「あ、あーん(ああっ、意識しちゃうとすっごく恥ずかしい……御坂さんの口……口内……舌……)」ハァハァ
佐天「(一緒にいるせいであんまり気にしなくなってたけど、御坂さんってすっごい可愛いんだよね……)」ハァハァ
佐天「(ああっ、目を閉じてちょっと舌を出してるところがかわいくて、もう……)」ハァハァ
御坂「……?ねぇ、佐天さん、いつになったら口に―――って近ぁっ!?」
佐天「はっ!?す、すみません、ちょっと熱にやられてぼにゃりしてました!!!」
御坂「だ、大丈夫?ほんとに顔真っ赤だけど……」
佐天「だっ、大丈夫ですからっ!ぼにゃりとぼんやりを言い間違えてますけど大丈夫ですから!!」
御坂「でも、熱にやられたって……あ、ほら、さっきまでアイスもってた方の手冷たいよ?」ぴとっ
佐天「―――――!ふぉぁぁあっ!」ぶんっ
御坂「ひぁっ!?」ぐらっ
≪省略されました。読みたい方はぐあああああ≫
佐天「……ごめんなさい」
御坂「きっ、気にしないで?あれは事故、そう事故なんだから。だからノーカウント。ね?」
佐天「はい……」
―――。
佐天「うぅ……えらいことをしてしまった……これからまともに御坂さんの顔みれないよぅ」
佐天「ていうか夢の通りになっちゃったなぁ……これって正夢ってやつ?」
佐天「……はー。いいや、なんだか今日は疲れちゃった。寝よう寝よう」
――――。
佐天「御坂さんっ、わたし、もうっ……ぁあっ!」
御坂「わたし、も……ああああっ!」
――――。
佐天「ぐあああああああ!!!」
佐天「な、なんて夢だ……」
佐天「まさか二日連続で御坂さんの夢を……それも今朝のは、その……うー」カァァ
佐天「思春期だからかな……溜まってるのかなぁ、私……」
――――。
佐天「えぇー初春今日も駄目なのー?」
初春「うーそんな目で見ないでくださいよー」
佐天「だってぇ、最近初春私に構ってくれないしぃ」ベタベタ
初春「私だって佐天さんと遊びたいんですよぅ」イチャイチャ
同級生「なんだあれ」
同級生2「いつものことじゃね?もうあいつら結婚しちまえよ」
―――。
佐天「そんなわけで今日も一人で下校なのであった」
佐天「あ、あれ?私ぼっちじゃない?……ち、違う!私は孤独を好むロンリーウルフなんだ!」
佐天「……空しいぜ」
御坂「やっほ、佐天さん」ポン
佐天「ひあっ!」
御坂「そんなに驚かなくても……」
佐天「み、みさかさ―――」
佐天『あっ、ぅああっ……も、もう、いっちゃいますみさかさんっ……!』
御坂『わたし、もっ……あ、あっ、あっあっあっ』
佐天「―――消えろ雑念!!」カッ
御坂「えっ!?私雑念!?」
佐天「あ、いや、そうじゃないですけど。どうも御坂さん」
御坂「う、うん……今日も初春さんと一緒じゃないんだ」
佐天「最近あの子も忙しいみたいで。くそー」
御坂「じゃあ今暇だったりする?」
佐天「暇っちゃー暇ですね。というか暇です」
御坂「それじゃちょっとさ、新しい水着買いに行くの付き合ってくれない?」
佐天「あぁ、もうそんな季節でしたね……いいですよ、行きましょうか。また子供っぽい水着なんですよね?」
御坂「そっ、そんなことないワヨ?私だって去年から成長したんだから」
佐天「その割にいまだにゲコ太ストラップつけてますよねぇ」
御坂「うっ……そ、それはそれ。これはこれ。分別をつけられるようになったってことよ」
佐天「便利な言葉だなぁ」
――――。
御坂「こっちの可愛いと思うんだけどどう?」
佐天「子供っぽいですね!御坂さんのスタイルも成長してるんですから、思いきってこっちのとか!」
御坂「そっ、それはいささか大胆すぎると思うんだけど……」
佐天「いーえ大丈夫ですっ!これくらいしないと意中のトノガタを仕留められマセンヨ?」
御坂「だっ、なっ、そっ、そんな奴いないわよ!」
佐天「またまたー。もう私達知ってるんですからー。白井さんが血の涙を流してましたよ?」
御坂「黒子が情報源か……あいつめ」
白井「ああっ、今とってもお姉さまに想われている気がしますの!!」
初春「たわごとはそれくらいにしてさっさと仕事終わらせてくださいねー」
佐天「それじゃ試着してみましょうか」ニヤニヤ
御坂「……佐天さん、顔がゆるみきってるわよ」
――――。
御坂「ど、どうかな……?」
佐天「おおーいいじゃないですか!御坂さんの可愛らしさを引き出しつつ一段階大人びた感じを醸し出してますよ!」
御坂「そ、そっかな」
佐天「これで噂の男性もイチコロぐあああですね!」
御坂「ぐ、ぐあああ?」
上条「おい、インデックス。上条さんとしてはこういうところにあまりいたくないんですけどね。なんというか、不幸が訪れる気がする」
インデックス「確かにとうまならその辺りの店員さんやお客さんとフラグ立てちゃう気もしないでもないけど、でも今日は
水着を見てくれるって約束だったからちゃんと見てくれないと嫌なんだよ!」
上条「はぁー、まぁせいぜい気をつけ―――あ」
御坂「……あ、あんた」
上条「ま、待て、ビリビリさん。お前が今からどういう行動をとるか手に取るようにわかるからこそ、俺は全力で制止を呼び掛けたい」
御坂「―――こ、」
上条「そ、そちらのお連れ様も何か一言!」
佐天「えっと、どちらさま?」
上条「ですよねー」
御坂「こんなトコで何してんだこのエロ学派がーーーーーーーーー!!」ビリビリ
上条「うおおおおおお!くっそ不幸だぜええええええええええ!!!」だっ
御坂「待てっ逃がすか……!こんな恰好を見られたからには殺す!!」だっ
インデックス「とっ、とーま!?どこ行くのとうまー!」
佐天「ああっ、御坂さーん!もうっ、衣服とか下着とかまで脱ぎ散らかしたままで……!」だっ
そういや蟲って幻想殺しで殺せるのかな
御坂「待てゴルァァァァァァァアアアア!!!!」
上条「ばっ、このっ、店内での電撃の使用は御控えください!!」
御坂「ハッ、安心しなさい!私だって無駄にビリビリしてるわけじゃないのよ!!」
上条「某少年探偵のごとく微弱な電流で筋肉を刺激して筋力アップだと……!?てかはええええ!やっばい!!」
佐天「は、速っ!?二人とも速過ぎ!」
上条「上条急カーヴ!!そしてそのままヘッドスライディングでなんだかよくわからない部屋へ突入して扉を―――うわっち!!」
御坂「させるか!!この、待てっていってんでしょうが!!」
佐天「うあーん、御坂さん待ってくださいよーう」
上条「あっぶねえ、右手じゃなきゃやられてた……じゃなくて、お次は上条マトリックス!!」
御坂「なっ、空いてる窓から勢いを殺さず華麗に飛びだした……?って馬鹿、そっから出たら―――!」
上条「え?あ、しまった、ここ二階―――うおおおおお!!」ボッシュート
>>443
殺せない。上条さんが「生命力」を殺せないように、蟲はただの命だから。
もし蟲を殺せたら、植物とかも殺せることになっちゃう。蟲は異能でもなんでもないんだよ
水着の試着って下着脱ぐの?
>>446
知らん、俺童貞だもん
どっかで上は脱ぐけど下は脱がないって書いてあったっけな。ちょっと妹に確認してくる!
御坂「ちょっ、大丈夫?!」
上条「いちち……植え込みに落ちて助かった……」
御坂「ほっ……って、そうじゃなくて!ああもう、逃げられた!!」
御坂「かくなる上は、私も―――!」
佐天「だっ、ちょっ、待ってくだしあ御坂さんそんな格好で外出ちゃダメですって!ていうかそれ売り物!!」
御坂「え……」
御坂「……―――!」カァァァァ
佐天「まったく……ほら、早く戻ってきがえ―――」
従業員「いやー今日もつかれたっすねドルキさん!」
ドルキさん「まぁな。だがだからこそ、帰りに飲む酒は美味いんだよ。俺達は美味い酒を飲むために体を動かしてるのさ」
従業員「ヒューッ!さすがドルキさん!」
御坂(ひ、人?しかも男の……)
佐天(み、みさかさん、ここよく見ると男子更衣室っぽいですよ?!)
御坂(ホントだ……追い掛けるのに夢中で気付かなかった……)
従業員「それにしてもドルキさんにぬいぐるみの中の人の才能があるなんて知らなかったっすよ!」
ドルキさん「たまにはああいう仕事もいいな。壊し尽くしてばっかの俺だったが、ああやって子供の笑顔が作れるってのもいいもんだ」
御坂(やばっ、こっち来た……!)
佐天(出てって正直に謝るべきかと……)」
御坂(こんな恰好見られるの恥ずかしいよ……)
佐天(えー)
従業員「……ドルキさん、こっちに来てからなんだか変わりましたよね」
ドルキさん「歳とったなんて言うんじゃねぇぞ」
従業員「やだなぁ、そんなこと言うわけないじゃないっすか。人間として懐がでっかくなったなぁって思うんすよ」
ドルキさん「おいおい、それじゃまるで前で俺がちっちぇえ人間だったみてぇじゃねえか」ガチャッ
従業員「えーでも前まえは子供に蹴られたりしたらイライラしてたじゃないっすかー」ガチャッ
佐天(と、とっさで空きロッカーに隠れちゃいましたけど、これでよかったんですかね?)
御坂(あの人たちが出てくまでよ)
―――。
ドルキさん「それじゃ今日も飲みに行くか」
従業員「どこまでもお供しますよドルキさん!」
ガチャ ばたん
御坂「……で、出てったみたいね」
佐天「そのようで……えっと、それじゃ出てくれますか?御坂さんのほうが入口に近いですし(説明口調)」
御坂「うん―――あれ?」ガチャン
御坂「あれ?あれれ?」ガチャガチャ
佐天「どうしたんですか?」
御坂「……開かないんだけど」
佐天「えっ」
御坂「あーほら、あれよ。これ相当古かったし、錆とか、私達が急に入ったときに歪んだとかで、開かなくなっちゃったのかも」
佐天「なるほど。冷静な分析、さすが第三位ですね」
御坂「あはは、それほどでもないわよ」
佐天「……へるぷみー!」ガチャガチャガtyガ
御坂「電撃使っても意味ないし……どうしよう」ガチャガtギャ
―――。
佐天「はぁ……はぁ……だ、駄目だ、全然開かない……」
御坂「む、無駄な体力使っちゃったわね……ていうか暑いわここ……」
佐天「そりゃそうでしょうよ……でも御坂さんはまだいいじゃないですか、水着なんですし――――」
佐天「(―――よ、よく考えて見れば半裸状態の御坂さんとこんな密室で二人っきり?これって―――)」
佐天『くるぅ!もうきちゃうまひゅうう!!!』ビクンビクン
御坂『あああああん!!』ビクンビクン
佐天「立ち去れ煩悩!!」カッ
御坂「え、何?熱さでどうにかしちゃった?」
佐天「い、いえ、別に……というか何気にひどいこと言いますね」
御坂「いや、だっていきなり叫ばれると……」
―――。
佐天「……」ゼェハァゼェハァ
御坂「……」ゼェハァゼェハァ
佐天「……どうしましょう」
御坂「……どうしよっか」
佐天「日も暮れて暑さもやわらいできましたけど……」
御坂「なんだか、密室で動けないってのがすごくストレスで、疲れるわね……」
佐天「ちょっと体勢変えますか?」
御坂「そうね……ん、しょっと」
佐天「では私も失礼して……よっと」
御坂「ひゃんっ!?」ビクッ
佐天「あ、ごめんなさい、変なとこさわっちゃいました?」
御坂「う、ううん、大丈夫」
佐天「(今の声かわいかったなぁ……よしっ)」
佐天「ん、もうちょっと失礼……」
御坂「っ、ぁっ……」
佐天「(ハァハァ)」
佐天「(あ、あんな夢みたからかな、なんだかすっごく御坂さんがかわいい……)」
佐天「(この暑さで上気した肌とか……息遣いとか……伝わってくる香りとか……)」
佐天「(ちょ、ちょっとくらいならバレないよね……)」
≪なんだかなかなか話が進まないので省略されました≫
御坂「はぁ……はぁ……」ビクンッ
佐天「……すみません、ちょっと調子、のりました……」びくびくんっ
御坂「……ばか」
佐天「(かわいい)―――ん、なんだろこの、でっぱり?」
かちゃんっ ぎぃ……
佐天「あ―――開いた」
佐天「(なるほど、内からあれを降ろせば開く機構だったわけか)」
――――。
御坂「今日は大変だったわねぇ」
佐天「ええ、あのあと水着も、その、あんな状態じゃさすがに返せませんでしたから買いとりましたし」
御坂「ごめんね、私がアイツおっかけてったばかりに……そうよ、そもそもアイツが来てなかったらー!」ビリビリ
佐天「わわっ、ちょ、出てますびりびりきてます!」
―――。
佐天「ふー、疲れたー……すっごく疲れた」
佐天「でも、まさか、ほんとに御坂さんとあんなこと……うわー!はっずかしー!」ごろごろばたばた
佐天「うおおお次からどうやって顔合わせよう……うおおお……」ばたばたぽてん
佐天「……寝よう」
―――。
――――――。
―――――――――。
佐天『ん……ここ、は』
佐天『原っぱ……?なんでこんなとこに』
ザァァァァァア
佐天『っ……?あれは、鳥?からす?』
ザァァァァアアア
佐天『……―――!違う、あれは、たしか―――夢野間……!』
――――――――。
―――――。
―――。
佐天「べしみっ!?」
佐天「ぁ……夢、か」
佐天「ってそりゃ夢だよ!……夢野間、ね。はは、参ったな」
佐天「なるほど、最近の御坂さんとの出来ごとは、あいつらのせいね……まったく、面倒なことしてくれたなぁ」
佐天「―――さってと、それじゃ蟲払いしちゃいますか。何かあったら危ないし」
佐天「夢野間―――昼間は枕の中、夢の通い路に眠る蟲」
佐天「こいつら自体は太陽に当たれば消える弱い蟲―――ってことで」
佐天「枕干しをしてみました」
佐天「ま、これで消えるでしょ。全く、人騒がせな蟲なんだから」
―――。
御坂「ぁ」
佐天「ぉ……おはようございます、御坂さん」
御坂「う……うん、おはよ、佐天さん」
あの後、夢野間は完全に消えた。
けれど彼らが引き起こした、御坂さんとの関係は消えることなく。
―――いや、なんでもない。
佐天さんが夢野間に憑かれたようです おわり
すまぬ、原作のあの話が重すぎたから、こっちはすっごい軽い話にしたかった。
まあssだもんねいいよね。
こんな感じでよろしければ>>477
ちなみに、ドルキさんは今あるssでやたらかっこよくなってたからちょっと出してみた。別に誰でもよかったんだけどね。
あの人の書くssは愛があって好きだなぁ
夜を撫でる手
腐酒か……了解
この話好きなんだよな。これ読んだ後夜の山に入りたくなって行ってみるけど怖くなってすぐに引き返しちゃうんだよね
ちょっと時間kづあさい
御坂「この変態がッ!!」
白井「ぐあああ!」
―――。
白井「最近、本当に最近になってから、やたらお姉さまのガードが固くなった気がしますの」
白井「ああ!この黒子はこうして風紀委員のパトロールをしている最中でさえお姉さまのことを考えているというのに!!」
初春「パトロールの最中はこっちに集中しましょうねー白井さん」
白井「ふん、初春にはわかりませんのよ、このワタクシのきもちおっぷぺぇっはぁっ!?」ズサー
初春「ほらほら、注意力散漫だから木の根っこなんかに躓いて、しかも草むらへ跳びこんじゃうんですよ」
白井「ぐ、ぐぐ……さ、最近ついてませんの……痛っ」
白井「oh……腕を少し切ってしまいましたの」
初春「ありゃ、白井さん、大丈夫ですか?泥みたいなのついてますし、早く洗い流して消毒しないと」
白井「そうですわね」
―――次の比。
白井「おはようございまふの、おねえさま」
御坂「ん、おはよーくろこ……ぅ、ふぁぁ」
白井「……昨夜はずいぶんとご盛んでしたのね」
御坂「へぇぁっ!?な、なにがよ?!」ビクッ
白井「とぼけても無駄ですの。同じ女なのですから、だいたいわかりますのよ。どうせまたあの殿方のことを想って自分を慰めていらしたのでしょう?」
御坂「ちっ、違うわよ。別にあいつのことなんてこれっぽっちも考えてないわよ」
白井「では誰を?まさか同性というわけでm」
御坂「ちがうわよっ!?」ビクーン
白井「……え?何ですの?今の反応」
白井「ま、まさか、本当に……ああっ!でしたら!まさか!この黒子を!嬉しいですのお姉さまぁぁぁーーーー!!」
御坂「アンタなわけないでしょ」
白井「ばっさり!?」
白井「し、しかし私ではない、という口ぶりからすると、同性であることは間違いないと?」
御坂「え?さ、さぁ?そ、そもそも私が、その、……じい、してたなんて証拠もないし!」
白井「初春」
御坂「って聞いてるの?」
白井「佐天さん」
御坂「なっ、なにがよ!?」
白井「……おのれぇぇぇぇ!!おのれおのれおのれおのれおのれおのれ……!!」
御坂「ちょ、変な勘違いしてないでさっさと顔あらって―――あれ?黒子、その手のあざ何よ?」
白井「おのれおのr…・・あざ?」
白井「あら、ほんとですの……昨日転んだときにつけたのでしょうか。全く気付きませんでしたの」
―――。
佐天「うーいはるー。今日も風紀委員?」
初春「はい、例の怪事件がまだおさまってなくて」
佐天「大変だねぇ……(そういえば時間みつけて調査してるけど一向に進展しないな、こっちも)」
佐天「お、そうだ。最近初春と一緒にいられなかったし、今日は私も支部行っていい?お茶くみ係でさ」
初春「え、ええー」
佐天「いいじゃん、一年のときはよく行ってたんだからさー」
初春「うーん、しかたないですねぇ。私も佐天さんと一緒にいたいですし、いいですよ?」
佐天「嬉しいこと言ってくれるじゃないの。それじゃちょっと買いものしてからそっち行くねー」
初春「あ、私アイスココアで!よく練ったやつが飲みたいです!」
佐天「おっけー。そんじゃそれも買ってくからねー」
―――。
佐天「おっはよーございまーす!」
白井「チェストォー!!」ぶんっ
佐天「うおっはぁ!?な、なんですか白井さん!!」
白井「佐天さん……正直に答えて欲しいですの。お姉さまと、何かありました?」
佐天「えー?やっだなぁ、私と御坂さんだけじゃ特に接点ありませんし、何もないですよー」
白井「……ですわよね。先ほどは失礼しましたの、少々気が昂ぶってしまいまして」
佐天「あっはは、白井さんは御坂さんのこととなると熱心ですからね。何かあったんですか?」
白井「それが、悔しい話ですけれどお姉さまが佐天さんのことを想いながら自慰にふけっていたようなんですの」
佐天「ぶっ」
初春「なん……だと……」
固法「牛乳おいしいわぁ」
白井「それでお姉さまと佐天さんに何かあったのかと思ったのですけれど、そんなことなかったようですわね」
佐天「あ、あったり前じゃないですかー」
初春「御坂さん……私の佐天さんを……」ブツブツ
佐天「ん―――ところで、何ですかこの甘い香り。ハチミツでもあっためてるんですか?」
初春「いえ、そんな奇得なことしてませんけど。そういえば、白井さんが来てからですよね、この香り」
白井「はて?私自身はそこまで感じませんけれど。特に何もつけておりませんし」
佐天「(―――なんだったかな、これ。何か、知ってる香りを強くしたような甘い甘い香り―――)」
佐天「―――っと、白井さん、その腕どうしたんです?」
白井「?ああ、実は―――ということでして」
初春「どじですよねえ、白井さん―――あいてっ」
佐天「へぇ、大丈夫なんですか?そんなに包帯巻いてありますけど」
白井「ちょっと気味の悪いあざができてしまったので隠したいんですのよ。特に痛みもありませんから問題ないですの」
佐天「気味悪い?どんなんですか?見せてください!」
初春「佐天さんってそういう怖いもの見たさがありますよねぇ」
佐天「いーじゃん、初春だってお化け屋敷とか好きでしょ?」
初春「いえ、好きじゃないですけど」
白井「まぁ、いいですけど……こんな感じですの」シュルリラシュルリラ
佐天「うわぁ……目玉もようみたいですね。確かにどこかぞくりとします」
初春「『お、俺の封印されし邪気眼が……!うおお、皆、近寄るな!俺は、俺はもう誰も傷つけたくないんだー!』とかやらないんですか?」
白井「なんですのそれ。ま、先ほども言いましたように、痛みはありませんし。数日もたてばもとに戻るでしょう」
佐天「(んー、なんだろ……この甘い香りと、あの模様―――なんだったっけ、かな)」
佐天「(こうやって曖昧な感じになってるってことは、蟲関係……?けど、なんの―――うーん)」
―――数日後
白井「むー……なかなか痣が治りませんの」
白井「初春じゃありませんけれど、本当に邪気眼とやらに目覚めましたの?」
白井「……この白井黒子が命じる!!そこのカラス、ぴくりとも動くなですの!!」カッ
白井「なーんて言ってみて、そんなことが本当に―――」
カラス「」プルプル
白井「……動きませんの」
白井「ま、まぁさすがにもっと近づけば―――」
カラス「」プルプル
白井「oh……」
白井「結局足で小突ける距離まで近づきましたけれど……」
カラス「」プルプル
白井「全く逃げませんの……ぁ」
カラス「」ポテッ
白井「倒れましたの……もし、大丈夫ですの?」
白井「死んでる……」
―――。
白井「あれから何度か試してみましたけれど」
白井「どうやらこの手、邪気眼かどうかは別として、生き物の動きを阻害する効果があるようですの」
白井「こんなもの、何がどうなっているのかさっぱりですけれど―――そうですの、こういうものの専門家が佐天さんだったことを今思い出しましたの」
白井「今日はもう遅いし、明日にでも相談してみることにしますの」
白井「っと、もう門限が……まぁ、テレポで一発ですけれど」しゅんっ
御坂「はぁっ……ん、ぁ……さてん、さぁん」
御坂「ん……あっ、あ、あ、あ、あ、あ……いく、いっちゃう……っ」ビクビク
白井「っと、ただいまですのおねえさ―――」
御坂「佐天さんっ、さてんさんっ、あ、ん、んん――――っ!」ビクンッ
白井「」
白井「」
御坂「はぁ……はぁ……」クッタリ
御坂「はぁ―――ぁ、ぇ、くろ、こ?」
白井「」
白井「」
白井「」
御坂「え、あ、いつから―――ち、ちがうの、今のは、そのっ」
白井「――――――――る」
御坂「え―――?」
白井「この白井黒子が命じる!!動くなですの!!」
御坂「――――!」ミシッ
御坂「(な……え、な、に……?)」
急いで例の黒子を食べる蟲を!
>>510
お前相当な蟲師好きだな……言われるまで気づかなかったわ
白井「お姉さま―――黒子は、お姉さまを愛していますの」
御坂「(体が、動かない……?!電気も上手く―――どう、いう)」
白井「だというのに、お姉さまは黒子をこれっぽっちも愛してくれませんの」
白井「はては佐天などというどうでもいいアニメでしか持ち上げられないような番外編キャラに恋する始末―――」
白井「こんなの、あまりに報われないと思いまして……?」
御坂「(力が、うまく―――)」
白井「いいんですの―――お姉さまが、佐天のことを想って快楽を得ているというのならば、」
白井「まずはその―――幻想をぶち壊しますの!」
白井「さぁさぁ今からめくるめく黒子ワールドへご招待いたしますのよ?これからずっと、黒子のことを考えなければ絶頂に
達せないほどに快楽をそのお体にしみつけてあげますの」
御坂「ひっ―――」
白井「ふふふ、大丈夫ですの、今日一日でこの手の使い方はマスターしましたのよ?下手をうって殺したりなんてしませんの」
白井「涙目で体を震わせて―――ああ、なんて愛おしいお姉さま」
白井「先ほどまでご自分で慰めていらしたからもうぐちょぐちょですの……けれどこれはあの女のことを考えていた結果ですのよね」
白井「忌々しいですの……汚らしいですの……ですから黒子が綺麗になめとってあげますのよ?」
白井「ああ、お姉さまの≪あまりに品が無い気がしますので省略されました≫」
御坂「ゃ、ぁ―――」
白井「―――お姉さまが悪いんですのよ?黒子の愛に、全く答えてくださらないかr」
寮監「有無を言わさず開けさせてもらうぞ御坂、白井ッ!!」バタンッ
佐天「失礼します御坂さん白井さん!!」
白井「―――あら」
―――回想
佐天「あれなんだったっけなー。うーん」
佐天「甘い匂い―――あ、そうだ、あの香り、光酒にそっくりだったっけ」
佐天「光酒……目玉……」
佐天「……――――――ああ!!」
―――回想終わり
佐天「(腐酒にやられた人間は倫理観だとかそういうものまで崩れてく……早い目に処置しなきゃと思って急いでやってきたけど)」
御坂「ぅ、ぅぅ……」ビクビク
白井「―――」
佐天「(遅かった……!くそ、不味い、白井さんは完全にあの手の使い方を―――ぉ!?)」
寮監「む……」
白井「―――佐天さんならわかるのですわよね?この手のことを」
佐天「く―――(体がすくむ……っ!うごけ、ない……!)」
白井「ああ―――そうですの。せっかくですから、ここで貴女を始末するのもいいかもしれませんの」
佐天「……っ」
御坂「!」
寮監「……何を、言っている白井」
白井「あら、この状態で口を聞けるとは大したものですの。さすが寮監様ですの」
寮監「こんなことをして後でどうなるかわかって―――」
白井「うるさいですの」
寮監「―――」ばたっ
佐天「―――ッ!」
白井「安心しなさいな、気を失わせただけですのよ?」
白井「さて、佐天さんならご存知ですわよね?この手で殺された獲物がどんな死を迎えるのか」
白井「貴女みたいな女なら、腐臭をまきちらしながら死ぬのがお似合いですのよ」
佐天「……っ」
白井「……気に入りませんの、その顔。今から狩られる獲物のくせに、生意気な目をしていますの」
白井「……そうですの」ヒュンッ ざくっ
佐天「っ……!?ぁ、づ……!」
白井「どうですの?痛みがあると死への恐怖と現実感が増すでしょう?」
白井「さぁ脅えてごらんなさい、泣きながら許しをこうならば考えてさしあげてもよくってよ?」
佐天「ふー……ふー……っ」ギリッ
白井「……ちっ。馬鹿な女ですの」ひゅんっ ひゅんっ
佐天「―――――――――!!!!」ざくざくっ
白井「さて、そろそろ止めを―――」
御坂「――-の、馬鹿黒子っ!!」
白井「ああ、こっちに気をとられてそちらを押さえておくのを忘れてましたの」
御坂「あ、あんた、自分が何をしてるのかわかってるの?!」
白井「わかってますのよ。私と、お姉さまの愛を阻害する障害物を排除しているところですの」
御坂「何を、言って」
白井「そもそもお姉さまが悪いんですの。いつもいつもいつもいつもいつも!黒子はこんなにお姉さまのことを想っているのに!!
お姉さまは、お姉さまは――――!」
御坂「―――そう。ねえ、黒子、こんな話知らない?」
御坂「二次元を愛する人間に、以前話を聞いたことがあるわ―――〝好きすぎて性欲処理の対象にならない〟」
白井「え……?」
御坂「つまりね、そういうことなの……私、黒子のことが本当に好きで、本当に大切で、一番のパートナーだと思ってる。
だから、黒子をそんな目で見られない―――純粋に、お互い好きであり続けたいのよ」
白井「ぁ―――おねえ、さま」
御坂「(力が戻った―――)いまだっ!」ビリビリ
白井「あぁんっ!!」ビリリッ バタンッ
御坂「ふー……助かったー」
佐天「……っはぁ、は、ぁ……助かったぁ」
御坂「と、そうだ、大丈夫佐天さん!」
佐天「え?ええ、まあ白井さんも本気じゃなかったんでしょうね。全部、皮膚を傷つける程度にしか放ってませんでしたし」
御坂「そ、そうなの?」
佐天「そういうことにしておきましょう。それより、早く白井さんの治療をしないと」
御坂「治療ってどうすればいいの?」
佐天「これです。これを飲ませれば治ります。ただ、気を失ってる今じゃ飲みませんし、かといって目を覚ましてからじゃ第二回戦突入ですし」
御坂「これを飲ませればいいのね?わかった、任せて」
佐天「?任せてって、どうするつもりですか」
御坂「言ったでしょ?この子のことが―――一番好きだって」
ズキュウウウウウウウウン
佐天「く、口うつし!!なるほどっ、確かにこれなら―――流石御坂さんッ!私には思いつかないことを平然とやってのける!!
そこに痺れる憧れるゥッ!!」
御坂「震えるぞベーゼ!燃え尽きるほどディープ!」ワーオ
――――。
白井「役とくっ!?」
白井「っとと、頭がくらりとしますの……」
白井「むむ……確か、わたくし……」
御坂「やっほ、目さめた?」
佐天「腐酒は抜けてますね……ふー、よかったよかった」
白井「お姉さま、と、佐天さん……?―――はっ!わ、わたくし、なんてことを……」ハワワ
佐天「落ちついてください白井さん、全部蟲の仕業です。白井さんは悪くないですよ」
御坂「そういうこと。ま、自然災害にあったとでも思って水に流しましょう」
白井「……そういうわけにもいきませんの。自分の力に溺れてお姉さまや佐天さんを傷つけるなんて、黒子は、もう」
佐天「だぁー!辛気臭いの禁止!いいですか、蟲ってのはそういうもんなんです!」
御坂「よくわかんないけど、そういうことらしいし。私はギリギリで助かったし」
白井「でも、あんなことをしてしまってお姉さまも佐天さんも私のことを嫌いになったでしょうに……」
御坂「ばか、嫌いならこうして慰めてないわよ」
佐天「そうですよ!御坂さんなんて口うつしで薬を飲ませてたんですから!」
御坂「あ、ちょ、佐天さんそれは黙っててって言ったのに!」
白井「口……うつ、し?」
白井「あ……ああ、あああああ!ついに!ついにお姉さまとワタクシの唇が結ばれたのですね!!
ワーオ!ワーオ!しかし惜しむべくはワタクシの意識がなかったこと!さぁさお姉さま、
意識の戻った今、もう一度熱いベーゼをっぷはぁあぁん!!」ビリビリ
御坂「調子にのるなこのばか!」ビリビリ
佐天「一件落着、佐天涙子はくーるに去るぜ」
御坂「あ、ちょ、まって佐天さん、なんだか今日の黒子しぶとい!!」
白井「負けませんのー!ついに公認カッポゥになったんですのー!」
御坂「ぅわくろこっょい」
白井さんが腐酒に支配されたようです おわり
白井さんのキャラがたいそう残虐になってしまわれた……全て蟲の仕業なんだ
ほんとはもっとコメディで書こうと思ってたのに……佐天さんをいじめたくなるのは悪いくせですわ。
こんな感じでよろしければ>>535でまた書きます
角生えるやつ書いてくれ
音を食うやつな
阿と吽か。
あれ、どういう蟲かいまいち理解できないんだ。
吽は塩水で駆除できるし、音を食べるってことで理解できる。
だが阿はどうなんだ?
弱点:他の生物の生きている音
⇒その音を消そうとする
⇒故に音を集めまくって、ひとつの音(この場合生き物の生きている音)を消そうとする
⇒結果、宿主が衰弱死。結果がでるのは一年
ってことだよな。
けど、そうするとどうして阿がギンコの耳に潜り込んだ時、真火が手をあてた瞬間に溶けだしたんだろうか。
その辺り、どうしても理解できないんだが。
申し訳ない、話を考えるのもかねて今日はこのあたりでぬけます。
毎度同じみ、残ってたら書くし落ちてたらそれはそれで。どうせオチのないスレですし。
保守ありがとうございやす。
言われた通りファンブック確認してきた。なるほど、そういうことか。
そして沖つ宮に出てきた蟲の名前が出てて驚いた。リュウグウって言うのかー。
それじゃ書きます。とは言っても、この蟲は治療法がわかっちゃえば大したことないから、
そんなに長い話にはならないと思うけれど。
一通「ふー……不味ィ、そろそろバッテリー切れちまうか」
一通「……仕方ねェ、少しの我慢だ」カチッ
――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――――――
一通「……っ!くそがっ……なんだっつゥンだよこれは……!」
一通「(つい数日前からだ……いきなり馬鹿みてェに音が流れ込んでくるようになったのは)」
一通「(おかげでまともに眠れやしねェ……バッテリーが持つ間反射するくらいしか防ぐ方法はねェ)」
一通「どォしちまったンだ俺の耳は……」
打ち止め「―――――――――?」
一通「……(他の音がうるさくて聞こえねェ)」
打ち止め「――-、-――-」
一通「……(つーかうるせェ)」
打ち止め「?――-!――--!!」
一通「っ……静かにしやがれ!!」
打ち止め「っ?!」ビクッ
一通「ァ……悪ィ、ちょっと向こういっててくれ」
打ち止め「……」
一通「(くそっ、何やってンだ俺は……うるさくてイライラするからって打ち止めに当たっちまうなンざ)」
一通「(仕方ねェ……アイツンとこいくか)」
―――――。
医者「それで僕のところへ来たというわけだね?」(筆談)
一通「そォいうことだ。なンか原因とかわかンねェか」(反射中)
医者「検査の結果いたって正常。最近こういう病気が多くて困るね?」
一通「アンタでもわかンねェのか?となると手の打ちようがねェな」
医者「そうでもないね?以前こういうモノに対処できる人と知り合ってね?」
医者「まあ待ってなさい、あっちに遮音室があるから。そこなら能力使わなくても問題ないだろうからね?」
一通「悪いな」
一通「ここか―――反射解除」
一通「……っ。あのクソ医者が……完全な遮音じゃねェじゃねェか……ガチャガチャうるせェ」
一通「だがまァ、確かに随分楽にはなったな」
一通「これなら少しは―――あ?」
一通「なンだこの頭のでっぱり」
医者「悪いね、彼女今学校だそうだから、夕方にこっちにきてくれるそうで―――なんだいその頭は?」
一通「俺が聞きてェよ。なンだこりゃ、角か?」
医者「皮膚が変化したものかな?ま、それも含めて彼女がくるのを待てばいいね」
一通「こンなトコ誰かに見られたくねェがな……」
土御門「残念もう見ちゃったにゃー」プークスクス
一通「土御門ォ!?」
一通「な、てめ、なンでここにいやがる!!」
土御門「ちょっと病院に用事があってにゃー。んで、この先生と会っておもむくままに」
一通「先生ェ……」
医者「いやぁ別に隠す程のことじゃないと思うけどね?うん、似合ってるにあって―――ぶふぉっ」
一通「先生ェ!!」カッ
土御門「ホントだにゃー、まるで鬼みたいだぜぃ」
一通「……鬼、か」
土御門「……ん?どうした?」
一通「いや―――て、テメェらもう用事済んだなら出てけよ!」
土御門「了解、お邪魔しましたにゃー」ケラケラ
一通「鬼、鬼ねェ……」
一通「懐かしなオイ……昔は能力のことで鬼子だなンだって言われたモンだ」
一通「あのころから俺は何か変わったか?―――変わったな」
一通「だってのに角なンざ生えてきちまって……って、何感傷にひたってンだか。だっせェ」
佐天「そんなわけでこんにちは。なんだ、患者の人って白髪の人だったんですね」
一通「白髪とか言うンじゃねェよ」
佐天「まぁまぁ。そういえば先日はありがとうございました」
一通「ありゃ別にオマエのためにやったもンじゃねェ―――って、さっきから何やってンだ?」
佐天「蟲払いの香を焚いてるんですよ。ちょっと前に友達が同じ蟲にかかっちゃいまして、その時と症状が同じだったので用意してきたんです」
佐天「珍しいんですけどね、阿にとりつかれるなんて。その割に吽の被害は全然聞きませんし―――っと、これで大丈夫です。反射?とかいうのを切っても大丈夫ですよ」
一通「……ン、随分音が消えたな」
佐天「ここは遮音室だから外の音はカットできますけれど、蟲はそんなのおかまいなしにその辺りにいますからね。
現代物理でも蟲の音まではカットしきれなかったみたいです」
一通「虫?」
佐天「蟲。ま、深く考える必要のないもんですよ。植物みたいなものです。さって、それじゃ治療しちゃいますか」
一通「そォいや、この角みてェなのはなンなンだ?」
佐天「この蟲につかれると生えてきたりするものですけど……(記憶にあるより早いんだよね。やっぱり、蟲の影響力が強くなってる?)」
佐天「ま、治療すればとれますから。それじゃ手で耳を塞いでください」
一通「舐めてンのか」
佐天「別にそんなつもりはないですよ。これが治療方法なんですってば」
一通「……」スッ
佐天「どうですか?何か、地鳴りみたいな音が聞こえますよね」
一通「……ああ。筋肉と血流の音だな」
佐天「そんじゃあとはそれをじっと聞いていてください」
一通「はァ?ンなもンで治るわけねェだろォが」
佐天「いーから。ちゃんと治りますって」
一通「……ちっ」
どろり
一通「?なンか、手が濡れて―――っと、お?」
佐天「阿が死んだみたいですね。どうですか?もう普通に聞こえますよね」
一通「おォ」
―――。
一通「助かった、礼を言う」
佐天「なにそれ堅苦しい。白髪の人は何時も通り不遜な態度でいればいいんですよ」
一通「俺をなんだと思ってンだ」
佐天「えらそうな第一位。ほらほら、お迎えもきたことですし、私はこれで」
一通「お迎え?」
打ち止め「病気が治ったって聞いてはせ参じたよってミサカはミサカはアナタにとびついてみたり!」
一通「っと、この馬鹿、危ねェって何度も言ってンだろォが」
打ち止め「あ、ホントにまともに会話できるようになってる!ってミサカはミサカh」
一通「おォ。迷惑かけたなァ打ち止め」
―――。
打ち止め「からすがなくからかーえろーってミサカはミサカは科学的に全く意味のわからない歌をうたってみたり」
一通「―――」
打ち止め「?どうしたの、そんな難しい顔して、ってミサカはミサカはいつもの仏頂面よりさらに険しい顔になってるアナタにたずねてみる」
一通「―――いや。なァ打ち止め、ちょっと両手貸してくれ」
打ち止め「両手?こうでいいの?ってミサカはミサカは差し出したり」
一通「ん」ぴと
打ち止め「みっ、耳なんかにあててどうしたのかな?ってミサカはミサカはあんまりに意味不明な行動でちょっと同様してみたり」
一通「……いや、オマエの生きている音を聞いてみたかったンだよ」
打ち止め「えっ……それって、」
一通「……結婚しよう」
えんだあああああああああああああああああああああ
佐天「さて、と。ほんとに蟲の影響力が強くなってきてる気がするなぁ」
佐天「阿なんて、数日で角まで生えてくるし」
佐天「これってどういうことなんだろ」
一方通行さんが他人の命をかみしめるようです おわり
一通さんが自分の音と打ち止めの音を聞いてる時に、今まで殺してきた妹達のことを回想さえようかと思ったけど面倒だからやめちまった。
なんだかんだで、命の重さを知ってそうな一通さんの話。
こんな感じでよければ>>586
こんな時間だし、ご飯たべつつ休憩しますわ。えんだあー
大禍時で
大禍時とか、大好きな話なんだが
もういろいろやりきれない気持ちになるよねあれは。てか難しい、それじゃ話考える
佐天「たはー、日直の仕事してたら遅くなっちゃった」
佐天「日も随分長くなってきたってのに夕暮れ時か。だいたい6時くらいかな?」
佐天「っとと、そうだ、ご飯買いにいかなきゃならなかったんだ。急がないと―――ん」
佐天「何あれー……影だけしか――――」
大禍時「」
佐天「?こっちに近づいて――――っ!あぶなっ!」ばっ
佐天「お、思い出した……大禍時、だ、あれ……あっぶない、もう少しで踏まれる所だった……」
大禍時「」
佐天「……あ、消えてった」
―――。
佐天「むー……大禍時までいるなんて」
佐天「それにしても、危ないなぁあれ。知らない人が好奇心で近寄ってったら不味いね」
佐天「……そういえば、考えたこともなかったけど」
佐天「なんだか、この街蟲多すぎな気がする……光脈筋にしかできない虚穴も出来てるし、なんだろ」
佐天「……なんだろう」
佐天「ま、それより今は大禍時の対処考えないと。白井さんに行って、風紀委員から呼びかけてもらおうかな?
姿のない影を見た場合近づかないように、とか。能力者の仕業とか言ってさ」
佐天「それくらいしないと危ないよね。とりこまれたら記憶失くしちゃうし」
佐天「明日にでも相談してみますか」
―――。
佐天「―――というわけでして」
白井「わかりましたの、一応あのお医者様を通して上へ報告しておきますの」
白井「とっ、ところで佐天さん、その、傷はもうよろしくって?」
佐天「問題なく完治しました。痕も残ってませんし―――って、まだそんなこと気にしてたんですか」
白井「そんなことって」
佐天「それより!御坂さんとはあのあとからどうなんですか?」ニヤニヤ
白井「何時も通りですのよ。お姉さまは仰りましたの、あれくらいの事件で変わっていまうようなあやふやで脆い関係ではない、と」
佐天「はぁん。御坂さんらしですねー。ま、それじゃお願いしますね」
白井「りょうかいですのー」
―――。
13577「全く、じゃんけんで負けて買い出しなんてとんでもない役目をおってしまいました、とミサカは超悪態をつきます」
13577「むむ、MNWから文句言うなと流れこんできます、とミサカは頭のなかの情報を疎ましく思います」
13577「全く―――おや」
13577「なんとも怪奇的な現象ですね、とミサカは姿は見えないのに影だけ見えていることを不思議に思います」
13577「どこかの研究所の発明かなにかでしょうか、とミサカは推察しますが、影が見えてちゃ意味ねーよともつっこみをいれます」
13577「おや、近づいてきますね。ということは、何かスーツ的なものなのでしょうか、とミサカは―――――――――」
御坂妹「―――?」
19090「?13577の反応が突如途絶えました、とミサカは報告します」
10039「そんなこと言われなくとも同じ妹達なのですからわかります、とミサカはつっこみをいれます」
御坂妹「どういうことでしょう、とミサカは首をかしげます」
妹達「うーん?」
―――数日
御坂妹「あれから13577からの反応は途絶えたままかと思いきや、」
19090「夕暮れ時のみ、その反応を感知することに成功しました、」
10039「と、ミサカはリレーをしながら解説します」
佐天「で、どう考えても異常だから私を呼んだと」
御坂妹「いぐざくとりぃ、とミサカは流暢な英語で肯定します」
10039「流暢(笑)とミサカは馬鹿にしたような言い方で10032を馬鹿にし、おっと」
19090「13577との会話を試みたものの、一方的に向こうから『暗いよ怖いよ寂しいよ』としか返ってこないのです、と
ミサカは隣で馬鹿やってる二人とは違って真面目に対応します」
佐天「というかさ、スルーしてたけどどうして妹さんが4人もいるの?」
御坂妹「考えるな、感じるんだ、とミサカは便利な言葉をつかいます」
佐天「はぁ……まぁ、いいけどね」
佐天「ともあれ、それは大禍時って蟲につかまっちゃんだね」
御坂妹「オオマガトキ?とミサカは聞き返します」
佐天「夕暮れ時のみ現世へ現れる、不思議な蟲。とは言っても、ほとんど現象のようなものだし、蟲って言ってもいいか怪しい存在だね」
10039「蟲ってなんでしたっけ、とミサカはたずねます」ヒソヒソ
19090「ほら、以前10032の体が冷えていく病気があったでしょう。あれですよ、とミサカは答えます」ヒソヒソ
佐天「大禍時がどうして現世に現れるのか―――仮説としては、①人から栄養分を得ているため②現世に住む小さな蟲を食べるため。
とにかく、蟲のほとんどは生命に近い存在だから生きることを第一と考えてるし、だからこそ食欲のために動くものがほとんど。
①の人から栄養分を、ってのは、戻ってきた人の記憶がなくなってるとこから記憶を食べてるのかもしれないし」
御坂妹「……。えっと、よくわからないのですが、13577は助かるのですか?とミサカは本質的な質問をします」
佐天「……ん、っと。ちょっと、わかんない、かな」
御坂妹「えっ」
佐天「いや、助かると言えば助かるんだけどね。代わりに誰かが影をふめば、入れ替わるから。けど、それじゃ意味ないし」
佐天「ふーむ……ちょっと、いろいろ試してみよっかな」
試行①
佐天「まずは他の生き物に影を踏ませてみます」
御坂妹「13577、補足しました、とミサカは座標を打ち出します」
白井「そこへ私がテレポですのっ」シュンッ
佐天「それでは解き放ちますはこのネコを」
猫「」ニャー
大禍時「」
佐天「駄目か……大きさで判断してるのかも」
―――。
佐天「というわけで、次は人間の子供くらいの大きさのペンギンをもってきました」
佐天「はぁぁぁん、ペンギンもふもふかわいー」モフモフ
佐天「しかし容赦なく投下。さ、行っておいでー」
ペンギン「」カァー
大禍時「」
佐天「駄目か……やっぱり人間じゃなきゃだめなのかな」
試行②
佐天「次は、記憶すなはち情報を食べてると仮定してみます」
佐天「というわけで、取り出し足りますは、1tbの外付けHD。中身は白井さんの御坂さん盗撮写真および映像でぎっしり」
白井「後生ですの!それだけは!それだけはおやめになってくださいですの!!」
御坂妹「観念なさい、とミサカは変態てれぽーたーをはがいじめにします」
佐天「というわけで、そりゃっ」
HDD「」ガシャンッ
大禍時「」
佐天「駄目か……」
白井「ひどいですの……(け、けれど!あれは耐衝撃性もかねたモノ!あれくらいでは大丈夫なはずですの!)」
―――。
佐天「(あのあと色々―――それこそ白井さんを放り込む気でいろいろ試したけれど効果はなく)」
佐天「やっぱり人間じゃないとダメなのかな……」
そのころ。
従業員「最近ほんっと暑いっすねー。夕方でもむしあついっす」
ドルキさん「馬鹿野郎、この程度で音をあげてるんじゃねえ―――なんだありゃ」
大禍時「」ユラユラ
従業員「影だけっすか?変わった発明品っすねー。あ、そーいやドルキさんは昔やりましたか?影踏み鬼。
ほら、こーやって影を踏んで―――」
ドルキさん「っ!」ゾクリ
ドルキさん「馬鹿野郎!それを踏むんじゃねえ!!」ばっ
従業員「え―――ぁ?ドルキ、さん?」
13577「おや、ここはどこでしょう、とミサカはMNWに繋いで記憶の共有を試みます」
―――。
佐天「え?帰って来た?」
御坂妹「はい、当然現れまして。とにかく、お世話になりました、とミサカは頭をさげます」
佐天「はぁ……まぁ、誰かが影踏んじゃったのかなぁ」
ドルキさんが大禍時にとらわれたようです おわり
すまんなんかオチ付けられなかった。ワラキアよろしく現象を相手にするとどうしようもなくなるなホント。
ちなみにドルキさんはどっかでスキルアウトと入れ替わりました。
ごめん、こんな感じでよければ>>611で。あ、あんまり難しい蟲にされちゃうと困るんだからねっ
霧に捕われるやつ
海千山千か。了解。
まった難しい蟲を……なんとか考えてみるけど、大禍時みたいになっても知らんぞよ
も
すまん待たせた、今回は佐天さん出てこないが書いてみるか
上条「え?明日こっちにくる?」
刀夜『あぁ、久々に息子の顔が見たくなってな。明日は学校も休みだろうし、一日付き合ってくれてもいいだろ?』
上条「そりゃ構わないけどよ。母さんはくるのか?」
刀夜『いや、母さんはちょっと前に仲良くなった、えっと、美琴ちゃん?のお母さんと旅行に行ってるんだ』
上条「……ああ、なるほどね。母さんもいないし、家で一人は寂しいからこっちへ来るってわけか」
刀夜『ははは、まあそんなとこだよ。それじゃ頼む』
上条「わかった、またターミナルに着いたら電話してくれよな」
――――。
刀夜「お。よぉー当麻。大きくなったなぁ」
上条「対して変わってないだろ」
刀夜「男子三日会わ……えっと、なんだったか。まあいいさ、親にとって息子の成長はよく見えるもんさ」
上条「そんなもんなのか―――えっと、久しぶり、父さん」
刀夜「ああ、久しぶり当麻。元気そうで何よりだ」
上条「んじゃまずは荷物をホテルに置いて―――」
刀夜「ん?何言ってるんだ、お前の部屋に寝泊まりするに決まってるじゃないか」
上条「えっ」
インデックス「すふぃんくすー、今日はなんだか美味しいものが食べられそうな気がするんだよー」
猫≪まじかよひゃっはー≫
上条「い、いやぁ、俺の部屋(バスタブ)はそんなに広くないしどうかなーと」
刀夜「男同士だ、雑魚寝もいいだろう?」
上条「雑魚寝する程のスペースがあるかどうか……」
刀夜「そりゃあるだろうさ。ほら、案内してくれ」
上条「(ええい、南無三)」
インデックス「それにしても今日はとうま随分早く出ちゃったね。制服でもなかったし、何だろうね」
インデックス「はっ!ま、まさか、あの短髪とデデデデデェトとかそんなんじゃないよね!?」
がちゃっ
インデックス「?とうまが帰ってきたのかな」
インデックス「お帰りなさいとうまー」
刀夜「やぁこんにちはお嬢さん」
インデックス「ふおっ!?ど、どちらさま!?」
上条「俺の親父。
ここまで書いてて思ったんだが、インデックスって上条さんの親父さんに大覇星祭の時会ってたっけ?
上条「俺の親父、大覇星祭の時会っただろ?」
インデクッス「そういえばその無精ひげに見覚えあるかも」
刀夜「はっはっは、まさか当麻にこんな可愛らしい居候さんがいるとはなぁ。母さんが知ったらびっくりするぞ」
インデックス「……ねぇとうま、私達のこと話したの?」ヒソヒソ
上条「来るって言って聞かなくてな……断れなかったし、嘘はついてないが真実は隠すかんじでな」ヒソヒソ
上条「ちなみに今日親父泊ってくからさ」ヒソヒソ
インデックス「んー……じゃあ私はこもえの家に行ってたほうがいいかな?」ヒソヒソ
上条「どうだろうな……ま、そこはおいおい考えるさ」ヒソヒソ
刀夜「なあ当麻、そろそろ中へ入りたいんだが」
上条「っと、悪いな。まぁ狭いとこだけどあがってくれ」
刀夜「よーし荷物置いたら観光行くぞー!インデックスちゃんも一緒に行くかい?」
インデックス「(観光=美味しいもの!)いく行く、行くに決まってるんだよ!」
上条「……財布の中身は十分か」ボソツ
刀夜「何か言ったか?」
上条「いや……何も」
―――。
インデックス「クレープ!ジェラート!」
刀夜「ははは、indexちゃんはよく食べるなぁ」
上条「親父、あんまり甘やかさないでくれよ」
インデックス「刀夜は親切なんだよ!当麻はいっつもお金がないって言って奢ってくれないんだよ」
刀夜「そうかそうかー。けどな、indexちゃん、お金を稼ぐのは大変なことだから、それをあまり簡単に浪費しちゃいけないんだよ。
だから当麻のやっていることは間違ってないんだ」
インデックス「じゃあどうして刀夜は今日はそんなに簡単に出してくれるの?」
刀夜「それは今日は観光に来たからさ。お金は出すべきとこと出さないべきところがある。今日は前者だからね。
娯楽をするのに些細なことを気にしていても仕方ないだろう?だから今日は大盤振る舞いさ」
インデックス「なるほど、つまり今日は美味しいものがたくさん食べられるってことなんだね!」
刀夜「ははは、インデックスちゃんは賢いなぁ。その通り、だから普段は少し我慢することだ。我慢すれば我慢するほど
今日みたいな日が嬉しくなるからね」
インデックス「わかったんだよ!」
上条「親父……」ホロリ
―――。
刀夜「お、ボートがあるな。よーし当麻、乗ろうぜ乗ろうぜ」
インデックス「私はあれが食べたいんだよ!」
刀夜「よしよし、ならこれで買っておいで。僕たちはちょっとボートに乗ってくるからね」
インデックス「いってらっしゃいなんだよー」
上条「おいおい、男ふたりでボートかい」
刀夜「いいじゃないか、久しぶりで。子供のころ、お前はボートが好きだっただろ?」
上条「……あぁ、そう、だったな」
刀夜「さぁ親子水入らず、ぎっこんばったんしようじゃないか」
刀夜「え?アヒルがたのボートしかない?じゃあそれで」
上条「おい」
―――。
刀夜「いやぁこうして息子と二人きりでボートに乗るのも、たまにはいいもんだな」キコキコ
上条「少なくとも俺は普通のボートに乗りたかったけどな」キコキコ
刀夜「はは、こやつめ―――っと」
上条「ん……なんだこれ。さっきまで晴れてたのに、いきなり霧が出てきたな」
刀夜「これは―――懐かしいな。あの時もこんな霧が出てたか」
刀夜「なぁ当麻。覚えてるか、昔こうして二人でボートに乗ったときのこと。あれは、お前が学園都市に来る前のことだったな」
上条「え?……あ、ああ、そんなこともあったっけな」
刀夜「あの時お前はその体質で、随分つらい目にあってたな」
上条「そうだったっけか。いいよ父さん、そんな昔のこと」
刀夜「そしてあの時も、この靄が出てた―――小さかったから覚えてないかもしれないが」
上条「……そうだな。あんまりに昔のことで、うまく思いだせない」
刀夜「あの時お前は陸が見えないと言っていたが―――今はどうだ」
上条「……え?」
刀夜「元の生活に戻りたいか、それともこのままどこかへ行ってしまいたいか―――どっちだ?」
上条「どうしたんだよ父さん、抽象的すぎて何言ってんのかわかんねぇよ」
刀夜「いいから、ほら。考えず、思うままに答えてくれ」
上条「……そうだなぁ」
上条「確かに今でも不幸なことは毎日起こってるし、それを辛いと思うこともあるけれど―――まぁ、今は楽しくやってるよ」
刀夜「……そっか。それで、陸はどっちに見える?」
上条「あっちだろ?」
刀夜「よし……それじゃ、そろそろ戻るとするか。こいつらが起きてしまう前に」
上条「?」
刀夜「さぁいそげいそげー全速力だー!」キコキコキコキコ
上条「うおっ!?」
刀夜「」ゼェハァゼェハァ
上条「ばっ……はぁ、はぁ……父さん、も、……歳なんだから、無理すんなよ……」ゼェハァゼェハァ
インデックス「あれー?随分遅かったねとうま」
上条「え?」
インデックス「もう日もくれちゃうよ?」
上条「?おかしいな、そんなに長い間こいでた気はしないんだけど……」
刀夜「アレはそういうものなんだ……気にしちゃいけない」
上条「?」
刀夜「さーて、それよりそろそろ夕飯の時間だな!インデックスちゃん待たせたね、何が食べたい?」
インデックス「なんでもいいの?それじゃあね―――――」
上条「……?なんだったんだ?」
―――。
刀夜「なるほど、調査ってことで来てみたが、本当に随分蟲が多い」
刀夜「それでも大きな問題になってないところを見ると、ヌシの術を誰かが張ってるか、蟲師のようなことをしてるのがいるんだろう」
刀夜「ま、少し心配な面もあるが―――これなら問題なし、ってところか、っと」どんっ
佐天「あふっ。と、ごめんなさい、よそ見してました」
刀夜「いやいやこちらこそお嬢さん、すまないね」
佐天「(うわぁなんだかうさんくさい)いえいえ、それじゃ」
刀夜「……ふむ」
上条さんは昔陸に戻りたくなかったそうです おわり
考えた末、こんな感じでした。
昔の、子供のころの上条さんが海千山千の靄の中に入ったら見えなくなってただろうなぁーとか。
でも今は見えるんだろうなぁーとか。ちなみに、昔抜け出せたのは刀夜の説得のおかげ。
こんな感じで、他に何か書け!ってのがあれば。残りレスもあれだし、安価つけなくていいや。
適当に書かれた奴から話作り易そうなの選んで書いてみるぽ
短編。
御坂「最近自分の意思に反して雷が落ちるの……」
佐天「意思に反して雷が落ちるって、変な話ですよねぇ。いや、蟲の仕業どうこうじゃなく会話が」
御坂「それで、これって蟲かしら?」
佐天「ショウライシ、って蟲の仕業です。雷、まぁようするに電気を食べる蟲ですね」
御坂「ああ、だからうまく能力が」
佐天「対処法は御坂さんなら簡単ですよ。自分のお腹あたりに電気を集中してやれば、成体になって勝手に
体の外へ出ていきますから」
御坂「そうなの?」
佐天「ヘソの緒を使って薬を作るとか、お腹を裂いてとりだすとか、昔はそういうことしてましたし、普通はそうでなきゃ無理なんですけどね。
御坂さんだからこそ出来る荒技です」
御坂「なるほど……」
―――。
御坂「それじゃ―――ん、」ビリビリ
佐天「あ、そーだ。一応蟲が出やすいようにおへそだしててくださいねー」
御坂「そ、そうなの?」ピラッ
佐天「(み、御坂さんの白い肌―――そしてへそ!)」ごくり
御坂「(なんだかいやらしい視線を感じるわ……まあ、その、佐天さんならいいけど)」
御坂「なんだかおへそのあたりがむずむずして―――んっ、あ、ひゃんっ!?」ビクンッ
蟲「」ふよふよ
佐天「お、出てきましたね―――どうしたんですか座り込んで」
御坂「な、なんれもなひ……」ハァハァ
おわり。
インデックス「お団子美味しいんだよ」
上条「そりゃよかった。けど、たまにはいいな、こうやって木陰でのんびり食べるのも」
インデックス「じゃあ明日も―――」
上条「たまには、だからな」
インデックス「むぅ……――――警告」
上条「ぇ?」
インデックス「術式不明・奏者不明の記憶侵食を確認。対抗策の検出に失敗。防御策の代償として意識を遮断します―――」ぽてす
上条「え……インデックス?インデーックス!!」
上条「―――というわけなんだ」
ステイル「このおバカ!!」
上条「ぐあっ!!」
ステイル「君がついて居ながら、意識不明だと?何をしていたんだ君は……君は何をしていたんだ!!」
上条「んなこと、わかってるよ!!けど、原因がさっぱりわかんねぇんだからしょうがねえだろうが……!」
ステイル「しょうがない?しょうがないだと!?だから君は―――」
医者「はいはい病院で暴れないでね?」
ステイル「む……」
上条「く……」
医者「診察の結果脳波に異常無しだね?まったく、本当に原因不明の事件が多いね?」
ステイル「……とにかく、インデックスは一度僕らがイギリスへ連れ帰り検査してみる。文句は言わせないよ」
上条「……くそったれ」
医者「まぁ待ちなさい。こういう事件は彼女に限るね」
佐天「やはりこいつは蟲の仕業ですね」
上条「あ。君は確か」
佐天「おや、誰かと思えばあの時の―――い、いろいろありがとうございました」カァァ
上条「え?何が?」
佐天「それはともかく!大きな木の木陰―――そしてkjさんが言う、記憶の侵食云々。そして患者さんを実際に見てみた結果、
これは蟲―――カゲダマの仕業だとわかったわけです。蟲に対する説明は省略しますね」
ステイル「妖精のようなモノか?まあそんなことはいい、要は治せるかどうか、ということに尽きるんだけどね」
佐天「治療法は頭を割って日光を浴びせることです」
ステイル「イノケンティウスー!!」グアアアア
佐天「ナニアレー!?」
上条「落ちつけステイル!!」ソゲブ
ステイル「グアッ」
上条「えっと……佐天さん、だったか。あんたもいきなり物騒な言い方しないでくれよ」
佐天「ご、ごめんなさい」ビクビク
―――。
医者「脳へ日光を?」
佐天「たぶん紫外線とかでいいと思うんですけど」
医者「ふむ……危ない気もするが、それしか手がないのならなんとかしてみるね?
なぁに、何ともできないことを何とかするのが僕の信条でね」
―――。
医者「できた」
上条「さすが先生!」
佐天「あと、カゲダマは感じで影魂です。陰魂だとインハクって呼んじゃうので注意してくださいね」
おわり
疲れた休憩すr
待たせた
終わらせる
TV≪―――の落下事件もすでに―――≫
佐天「(―――そろそろ、この事件にも決着付けないと駄目か)」
佐天「(何も無い空高くから人が降ってくる事件―――幸い、と言っていいのかどうかわからないけれど、まだ知り合いは一人も巻き込まれてない)」
佐天「(けれど、それも時間の問題、か)」
佐天「―――行くか」
――――。
佐天「白井さんに聞いたところ、落下者はだいたいこの辺りへ来て姿を消してる、だっけ」
佐天「衛星や監視カメラの様子だと、いきなり空へ舞い上がってそこで消えて―――で、また姿を現す、と」
佐天「姿を現す高度もだいたい決まってるらしいし、何か法則性があるんだろうな」
佐天「まぁ、それがわかったところで、蟲の仕業なら見えないし感知できないだろうけれど」
佐天「何せ、今まで対象にしてこなかった相手だから、感知器材もあるわけないしね」
佐天「ま、だからこそこうして私が出てるわけだけど」
佐天「それにしても、今思うと不思議なもんだよねぇ。なんで蟲が見えるようになったのが私だったんだろ」
佐天「……ま、くじ引きで当たったのがどうして私か、って考えるくらい無駄なことか」
―――。
佐天「ん……なんだろ、あの白い―――ヒモ?」
蟲「」ユラユラ
佐天「……あれ。おかしい、な。蟲なはずなのに、思いだせない」
佐天「新種の蟲……?な、わけはない、というか、あれ、そもそも、この記憶ってどこから―――考えたことも、なくて」
佐天「……っ。とと、どうしたんだろ私、いきなり頭のなかがぐるぐるしちゃった」
佐天「随分空高くまで続いてるなぁ……こんな蟲初めてみた」
佐天「風にかすかにゆられてるだけで全然動かないなぁ……ホント、なんだろこの蟲」スッ
「それに触っちゃ駄目ですっ!!」
佐天「え――――――――――――――――――――――――――――――」
――――――――――。
佐天「―――――――――――――!!」
佐天「高っ……!っ、息が、」
天辺草「」
佐天「……!(天辺草……!アレの触手だったか……くそ、なんで思いだせなかった!)」
佐天「(不味っ―――飲まれ、)」
―――。
―――どこだろう、ここ。
明るいような、暗いような。
寒いような、暑いような。
ひどく、軽い気持ちになる。
「ったく……少しは蟲払いをして、蟲ってもんを理解してると思ったんだがな」
誰だろうこの人は。
あれ。この人に会うのは初めてじゃない気がする。
確か、前もこんなふわふわした気持ちの時に一度―――
「とっさで拾い上げたが……おい、俺がわかるか」
うなずく。
「よし。なら、自分が誰だか覚えてるか」
くびをふる。
「まいったな……」
「前に会えた時に注意しとくべきだったか……」
あ。やっぱり、この人とはまえに会ったことがあるんだ。
「仕方ない。あんまり居させてやれねぇが、二三日なら大丈夫だろ」
「あの」
「ん?なんだ、口は聞けるんじゃねえか」
「思いだせないの。私はだれだっけ」
「そのうち思いだすから安心しろ。ま、放っておけばそのまま蟲になっちまうが、そうはさせんさ」
蟲。
なんだろう、すごくききおぼえのある。
なつかしいような、こわいような。
「……よし、ほら、これ飲んどけ」
わたされたゆのみをのぞく。においをかぐ。
……いやなかんじ。
「……そう渋い顔すんな。飲まねえと治らんぞ」
「……」
口をつけてすする。
「…………………………っっ」
「まぁ、なんだ。こらえろ」
――――。
「ここだと時間もわからんが、そろそろ眠るかね」
「……?なにあれ」
「ん―――ああ、ここでならよく見えるだろ。光脈筋だよ」
光脈筋。
「あんまり見るなよ。ほら、ここからなら空の明りもよく見える」
「――――」
指さされたほうを見ると、光の河に負けないくらいの青い河。
「どうだ?もう今となっちゃ、なかなか見られんもんだが」
「……きれい」
「そうだろ。俺達はあっちを見ておけばいい。何も、好んであちら側にいく必要なんてねえよ」
――――。
――――。
――――。
――――。
ん。
頭がぼんやりとする。体も、変な感じだ。
どこだろうここ。確か、私は―――
佐天「―――ぁ。そうだ、天辺草にのまれて、それから……えっと」
ギンコ「起きたか?……なるほど、もう記憶も戻ってるみたいだな」
佐天「おわっ、白髪の人その二!?」
ギンコ「……いや。まぁ、今更気にしねぇが。ほれ、一応コイツ飲んどけ」
佐天「な、なんですかコレ?」
ギンコ「蟲払いの薬。思いだしたんなら覚えてんだろ」
佐天「ああ、そうでした。天辺草に飲まれて、そっからよく覚えてないですけど、体に残る蟲の気配からすると
私も蟲っぽくなっちゃったってとこですか?」
ギンコ「話が早いな。だからそれ飲んどけ。記憶は戻ってもまだ完全に抜けてねぇかもしれないからな」
佐天「はい………………っっ!?」
ギンコ「こらえろ。これからは初対面に白髪の人なんて言うんじゃないぞ」
佐天「根にもってる……というか、初対面じゃないでしょうに」
ギンコ「む」
佐天「覚えてますよ、というか思い出しました。常闇に飲まれたとき、助けてくれましたよね」
ギンコ「……ま、そんなこともあったね」
佐天「その節は助かりました―――ところでここどこですか」
ギンコ「二つ目の瞼の裏―――とでもいやいいのかね。俺にも詳しくは説明できん」
佐天「二つ目の……何ですって?」
ギンコ「お前はどこまで知っていてどこまで知らないんだ。理の考えることはたまに理解できんね」
佐天「こ、ことわり?」
ギンコ「やれやれ……それじゃ、そろそろ帰ってもらうとするか。俺もいつまでもこっちにいるわけにもいかんのでね」
佐天「帰るって……どうやって?」
ギンコ「お前なら出来るはずだ。やってみろ。目を閉じて、さらにその奥の瞼も閉じ―――そして開け」
―――。
佐天「蟲師はご覧のスポンサーの提供でお送りしましたっ!?」バッ
佐天「ぁ……と、ここは……自分の、部屋?」
佐天「夢……なわけないか、口にまだあの苦い感じが残ってる」
佐天「―――二つ目の、瞼の裏、か」
佐天さんがあの蟲師に会うようです おわり
スイが地理的な部分ふっとばしてギンコと会えてたところから、二つ目の瞼の裏って時間的関係もふっとばせるんじゃね?!
とか思ったんだ。ギンコ爆誕。時系列的には最終話から数年後、かしら?
つーか今さら気付いたんだが、最終話に二つ目の瞼の裏を持ってきてるあたり、なんだか感慨深いものに襲われた。
受賞作で出したのも瞼の裏。降幕もまた、瞼の裏。うぅん、ほんっと今更気付いたなぁ。
さて、それじゃ時間もきてるし、そろそろ終わりの話にしますね。
佐天「二つ目の瞼の裏―――そっか。そういうのもあったんだ」
佐天「……ふぅ。よし、それじゃあちょっと、このいろいろ不可解な事件の元凶に話を聞いてきますか」
―――。
「というわけで、来たわけだけど―――なんだ、私、前にもここに来てたんじゃん」
なんだ。また来たのか。
「今回は導かれるままじゃなくて、自分の意思でね―――さて、と。で、どうよ、私は」
「蟲ってもんがどういうものかわかってきた。これから、どう接していけばもわかってきた」
「そして、それらはアンタ達がくれた知識じゃなくて、自分で得た考えだ―――ほら、私は、忘れてたものをちゃんと思いだせた」
「だからさ、もう眠ってもいいじゃん。蟲にとっても、生きづらいだけでしょこの都市は」
「いくらこっち側の研究者の事故で蟲の活動が活性化されたからって、ヌシの力があれば沈静化できるでしょ?」
「もともと光脈筋なんだし、ヌシもいるはず――――って、ちょっとまって」
「え……え?うそ、嘘よ、なんで―――ここのヌシって、そんなの」
「……っ!」
――――。
佐天「おうどんかえだまっ!?」
佐天「っと、どうしても慣れないな……じゃなくて」
――――。
初春「いやぁ今日もいい天気ですね。ところで、話ってなんですか佐天さん」
佐天「はぁ、はぁっ……話って何、ね……」ゼェハァ
初春「まぁまぁ、とりあえず息を落ちつけてください」
佐天「……初春。アンタ、視えてたんだ」
初春「なんのことですか?」
佐天「とぼけないでよ……いや、初春は、私が蟲が視えるようになったって言った時からとぼけてたか」
佐天「でも、うそでしょ?だって、看病した時とか、一緒にお風呂入ったときには全然―――なかったじゃない、頭に花も草も」
初春「……それは、その時は佐天さんがまだ蟲を視れていなかったからですよ」
初春「今なら視えますよね?この草花が」スッ
佐天「……!」
初春「佐天さんの予想通り、私がここの光脈筋のヌシですよ。ヒトがヌシをやるのは、まぁ、ちょっと特殊なんですけどね」
初春「それに私は生まれつきじゃないですし。この都市で能力開発を受けてる最中に、ヌシに選ばれちゃったんですよ」
初春「能力開発のおかげで脳の処理容量も増えてましたし、もともとそこまで自然のない都市でしたから人格を残したまま
管理できてきましたけれどね」
初春「それにしても、最初頭に草花が生えてきた時はびっくりしたんですよ?その時からですね、こうやって造花を被り始めたのは。
もし誰か、蟲の視える人に出会ってバレちゃうのもいやでしたから」
初春「だから―――佐天さんが、いきなり蟲が視えるって言いだして、本当にびっくりしたんですよ?」
佐天「……その話が本当なのはわかるけど、だとしたら腑に落ちない点がいくつかある」
初春「いいですよ、聞いてください」
佐天「ひとつ―――管理できてた、って過去形で言ったこと。最近の蟲の事件―――そう、あれは私が蟲を視られるようになってから
急に発生してきたことだけど、どうしてそれを食い止められなかったのか。それはすなはち、」
初春「ええ、そうです―――佐天さんが視えると言いだしたその二日前にあった研究所の事故。あれは、狙ってなのかどうかは知りませんけど、
ここの光脈筋を活性化させて、そして同時に蟲もまた活性化しました。いきなり種類も量も増えた時はびっくりしましたよ」
佐天「今までのようには管理できなくなってた、ってことね―――だから、理は私を選んだ」
初春「佐天さんが選ばれたのは、おそらくヌシである私に一番近いからでしょうね。管理しきれなくなったなら蟲師に払わせよう、と」
佐天「だからか……蟲の声が聞こえるだなんて、ありえない現象が起きてたのは。半分、ヌシの仕事をしなきゃならなかった故の仕様ね」
初春「私が蟲、自然側を管理するのなら、佐天さんは蟲師として人間側を管理しろ、ってことなんですかねぇ」
佐天「じゃあ、ふたつ―――と言っても、もうまとまった質問があるわけじゃないんだけど、理が教えてくれなかったこと」
初春「ああ、いいですよ、だいたいわかります」
佐天「なんでさ」
初春「ヌシですから。あ、ちなみに情報収集は私の得意わざですけど、あれってムグラちゃんに頑張ってもらってるんですよね」
佐天「あぁ……だから、サエズリガイも」
初春「そういうことですね。ホントはどこにいるのか全部解ってましたけど、それ言っちゃうとばれちゃいますし」
佐天「そんなに私にバレたくなかったの?」
初春「……出来れば。だって、もう、私はほとんどヒトじゃありませんから」
佐天「ぇ―――?」
初春「―――それより。理が教えてくれなかったこと―――どうして、光脈筋を戻さないのか、でしたよね」
佐天「あ、うん―――ヌシの力があれば、なんとか出来ると思うんだけど」
初春「確かにヌシの力があればできます。けれど、私じゃできないんですよねぇ」
佐天「……?どういうことよ」
初春「ヌシにもいろいろありまして。私のヌシ力……ヌシパワーとでも呼びましょうか」
佐天「えぇー」
初春「私のヌシワパーを100とします。すると普通の山を納めてるヌシパワーは10000です」
佐天「一万っ……!?って、それじゃアンタヌシとしては、」
初春「勿論、私のヌシパワーを10000に上げることだって出来ますよ?でもそうすると、ヒトとしての機能が全部削がれちゃいますから」
佐天「ぁ、そっか」
初春「話を戻します。で、光脈をもとに戻そうとすると、100000ヌシパワーが必要なんですよね」
佐天「まさしく桁が違うってわけね……」
佐天「なーるほど、つまり初春が一旦ヌシパワーを引き上げる、それに加えて私が蟲師としての術で光脈を抑え込むってわけね。
たしかに、ナラズの実とかあるくらいだし、蟲師にだって多少はそういうことも―――」
初春「まぁ、最初はそういうことも考えてたみたいですけど―――残念ですが、時間ぎれです」
佐天「え?」
初春「もし佐天さんが、蟲ともう少し上手く付き合えてたら別の道もあったかもしれないんですけれどね」
佐天「?何を言って―――」
ゴォォォォン
佐天「―――……今の、音」
初春「……見つけましたか」
佐天「な―――嘘、でしょ?初春、アンタまさか―――」
初春「……この前、天辺草に佐天さんが飲まれた時に思ったんです。やっぱり、ヒトの身じゃヌシは出来ないし、
友達を危ない目にあわせちゃう、って」
初春「不完全なヌシはいらない。けれど、ヌシは必要―――あとは、わかりますよね、佐天さんなら」
ゴォォォォオオン
佐天「……くちなわ」
ゴォォォォオオオン
初春「アレに任せておけば蟲は大丈夫です。佐天さんも、蟲を気にせず普通の生活に戻れますよ」
ゴォォォォオオオオン
佐天「…・・っ!何言ってんのよ……これじゃ、アンタが!」
初春「んー、佐天さんが来ちゃったのは予想外でした。そうじゃなければ、さっぱり記憶から消えてたんですけどね」
佐天「何を馬鹿なことを……」
初春「やっぱり、ほら、私も腐ってもヌシですから。少しずつ、余計な感情は消えていったみたいでして。
―――あんまり、悲しいとか、そういう気持ちにならないんですよね」
佐天「……くっ」ばっ
初春「?何してるんですか佐天さん」
佐天「アンタをヌシにしてるモノを、ムグラで無理やりひっぺがす―――それをクチナワにぶつければなんとかなるでしょ」
初春「そんなこと無理ですよ、できっこないです」
佐天「出来ないわけがない。そもそもクチナワを呼ぶ時点で間違ってる」
初春「え?」
佐天「理が何百年ぶりにヒトにヌシを任せたっていうのに、初春はそれを勝手に放棄したんだから―――
――-だから、理はもう初春に見切りをつけてる。もうヌシとしての、ヌシパワーはほとんど残ってないはず」
初春「……けれど、今はまだヌシです。それにクチナワはあと少しで私を食べますよ?」
佐天「理舐めるな。ヌシクラスの蟲だろうと、アレなら――――(二つ目の、瞼の裏を―――)」
なんだ。また来たのか。
――――――――――――――――――――――。
――――――――――――――――――――――。
――――――――――――――――――――――。
あのあと。
理の元でなんやかんや話をつけてると、横からギンコとかいうあの白髪の人が乱入。
何やら難しい話をした末、初春からヌシの力は抜けて、かわりにクチナワがその場のヌシになった。
そして、
――――――――――――――――――――――。
――――――――――――――――――――――。
――――――――――――――――――――――。
佐天「ああ、これは蟲の仕業ですね。水鏡って蟲です。何、対処法は簡単で―――」
そして、私の蟲を視る能力はまだ消えていなかった。
蟲の被害もあの頃と比べれば随分減ったけれど、それでもやっぱりたまにある。
そう言う時は私が呼ばれて、理から聞いた知識でその蟲を払ってやるという日々が続いた。
佐天「ふぅ……今回の件も一件落着、っと。まさかホクロを食べる蟲が白井さんを誤食しようとするなんて」
佐天「さて、それじゃ今日も寝る前に、少しだけ―――」
なんだ。また来たのか。
「このやりとりも定型文だね」
佐天さんが蟲を視るようです おわり
ひゃっほーう、投げっぱなしジャーマンだよくそー
いやむしろ投げれてすらない。けど俺は眠いんだ
ごめん、なんかこう、初春=ヌシってのが書きたかっただけで、特に意味はなかった。
というかそれすらも後付けのオチで、もともとオチなんてなくて勢いで立てた。
ギンコさんが出てくる意味はあったのだろうか。でも俺、「こらえろ」って言ってるギンコさんがかっこいいと思うの。
佐天さんと美琴ちゃんのいちゃいちゃが書けたのが唯一の救い。
じゃあの。これで一応終わりってことで。
下手に残ってたら、さらっと書くかも?でも残すなよ!落とせよ!絶対だからな!
保守してくださった方はありがとうございました。
のんびり読んでくださった方もありがとうございました。
皆で蟲師アニメ二期とか蟲師原作二期が出来るのを理に向かって祈ってようぜーおやすみっ
俺は初春がアグニッシュワッタスで佐天さんが第四波動なんだー!うおあー!
わたしが1です
>>747
さあ早く書く作業に戻るんだ
やべっ、IDまだ変わってなかった
佐天「むぅ」
佐天「今日も御坂さんの夢を見てしまった」
佐天「ここ最近、ずっと御坂さんの夢……しかもなんだか具体的な会話してるし」
佐天「忙しくってすっと会ってなかったから気にかけてるのかな……って!べ、べつに私は御坂さんのことをそんな風に思ってなんてないんだから!」ブンブン
佐天「はぁ……あれは夢野間のせいだもん」
初春「おはようございます佐天さんっ」ばっ
佐天「うっひゃあ!?ちょ、初春っ、何してんの!?」
初春「いえいえー、なんだかぼんやりてたのでいつのも仕返しを。それにしても縞パンですか」
佐天「ストライプって言いなさい。全くぅ」
学生「イエッス!イエスイエス!!」
学生2「FUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU!!!!」ピシパシグッグッ
佐天「それで、最近調子はどんな感じ?」
初春「頭の中がさっぱりしすぎて不気味なくらいですね。おかげで演算力上がりましたけど」
佐天「えーいいなー」
初春「佐天さんだって蟲と会話できる能力があるじゃないですか」
佐天「こんなの局所的すぎて使い道ないもん。蟲を視るだけなら初春にだって視えるし」
初春「たはー」
佐天「そーいえばさー。最近よく御坂さんの夢みるんだよねぇ」
初春「なん……だと……」
佐天「なんちゅー顔してんのよアンタは。近頃会えてないからかなぁ」
初春「御坂さんも三年生になって忙しいですからねぇ」
佐天「アタシらも一年後には受験受験って言ってるのかなー」
初春「御坂さんの忙しさは受験じゃないですけどねぇ」
――――。
先生「―――植物は本来自然界では起こり得ないことを実現しており、それはつまり―――」
佐天「(うおおお……眠い……眠すぎる……)」
先生「本来なら拡散してしまうエネルギーを固定化しているという点で――――」
佐天「(う……駄目だ……これも、すべて、蟲の仕業)―――ぐぅ」
初春「(また佐天さん寝てる……)」
―――。
―――――。
佐天『あぁ、授業中の睡眠ってのはどうしてこんなにふわふわしてて気持ちいいんだろー』ボニャリ
御坂『さーてんさんっ』
佐天『ふおあっ!?御坂さんっ?また御坂さんの夢かぁ』
御坂『むっ。夢でアタシに会うの嫌だっていうの?』
佐天『いえいえそんなことございませんけれど』
御坂『えへへーでしょー?』スリスリ
佐天『うわぁ、この御坂さんすごい。なんかすごい』
御坂『んー佐天さん佐天さんさってんさーんっ♪』スリスリ
佐天『ううん、こんな夢を見てしまうなんて私も相当末期なんだろ―――
―――
―――――
佐天「きゃんっ!?」
先生「こーら佐天、また寝てただろう。来年は受験なんだからもう少し真剣に聞きなさい」
佐天「す、すみません」
佐天「はぁー、えらい目にあっちゃった」
初春「もー、佐天さんったら、せっかく後ろからつついて起こそうとしたのに全然起きないんですからぁ」
佐天「えーそんなに深く眠ってたかなぁ」
――――。
佐天「ふぃーやっと終わったぁ」
初春「お疲れ様です、はい缶コーヒー」
佐天「あんがと。まったく、ちょっと眠ってたからってレポートだなんて」
初春「佐天さんあの授業いつも寝てたじゃないですか。ちょっとじゃないです」
佐天「そ、そうだけどさ……」
初春「それで、どんなレポート書いたんですか?」
佐天「こんな感じ。たぶん。これだったら大丈夫だと思うんだけど、ちょっと読んでみて」
初春「えっと……」
『ベルギーでは、チョコレートは国民にとって欠かすことのできない重要な食べ物である。チョコレートといえばカカオ豆で、
産地として有名なのはガーナで、この国は赤道付近に位置する。赤道付近に位置すると聞くとバナナなどの南国の食べ物を
すぐに思い浮かべてしまうが、それは特に間違いではない。なぜなら、あちらでは一家に一本バナナの木があり、住民は
スーパーでバナナを買うなどということはほとんどしない。そんなバナナ、と言いたくなるが、嘘のような嘘話である。
さて、ベルギーはヨーロッパの一国であり、公用語はフランス語であるが、語感から別にドイツ語でもよいのではないか、
と個人的に思うところがある。ちなみに、ドイツ語で映画館のことはキーノ、キノと呼ぶ。キノといえば、あの電撃文庫
「キノの旅」が真っ先に思い出される。ここで、キノの旅について簡単に紹介しておこう。
この作品はキノという少女がエルメスと呼ばれるモトラド(平たく言えばバイク)に乗りさまざまな国を旅する物語である。
彼女は身を守るために何本ものナイフと大口径のリヴォルバータイプの銃―――『カノン』と、小口径の自動式けん銃
―――『森の人』を腰にぶら下げ、そして組み立て式ライフル『フルート』を荷台に積んで荒野を走っている。ちなみに
このモトラド―――エルメスは空を飛ぶ。これもまた嘘である。そうするとこれはモトラドではなくなってしまうからだ。
もう少し、『カノン』について特筆しておこう。これは元々彼女のモノではなく、彼女が師匠として仰いでいた女性が所持
していたものを勝手に持ち出したのだ。全く悪い子である。けれどそんなところに萌えー。さて、その師匠も、昔は旅を
しており、『カノン』は師匠の左腕ともいえるべき存在だった。それを勝手に持ってきてしまうなんて、本当にイケナイ子である。
さて、この作品は少女だけでなく男も登場する。シズという男性で、日本刀で戦うナイスガイだ。お供に犬の陸と、ロリっこの
ティーをつれてバギーで荒野を疾走している。ティーは陸の幼馴染という設定だったが、いつのまにか無口なロリっこ
爆弾魔として描かれるようになった。嘘である。このシズ、番外編の「学園キノ」ではえらい変態として出てきており、
謎の美少女ガンファイター・キノが変身するポーズをみるといつもガッツポーズをするくらいのキノ好きっこである。
そんな風に、学園キノでははじけてるくせに本編では全く無表情な彼女だが、一度あとがきで素晴らしい声を挙げてくれた。
それはアムール河の横を走っているさい、暑くなってきたし、周りに誰もいないということで全裸で水浴びをしていた時のこと、
お魚さんにへんなところをつつかれて「あんっ♪」とか言って居たのである。これを聞いたシズ様ウッハウハ!私も鼻血を出した。
このキノの旅、実は私が小六の時に初めて買ったラノベで、今思うと『旅』というものにこのころから惹かれていたのかもしれない。
蟲師もギンコが旅をしているので、その辺りもまたお気に入り要素のひとつなのだろう。どうでもいいが、汗ばんたワイシャツを
ぱたぱたしているキノやギンコはとてもセクシー!』
佐天「どうかなっ!」
初春「うん、いいと思いますよ?ちゃんとキーワードもはいってましたし」
佐天「はーよかった。これで書きなおしとかだった大変だったよ。ごめんねぇ、こんな時間まで学校に残しちゃって」
初春「いいですよー最近佐天さんとの時間も少なかったですし」
佐天「おっ、嬉しいこといってくれるじゃないの。このこのー」
初春「きゃふっ、もぉ、やぁですよぉ」
同級生「まーたやってるよ」
同級生2「忘れ物とりにきたのにはいりづれぇ」
―――。
佐天「はー、今日も疲れた疲れた。でも明日は土曜日だからね、ゆっくり眠っていられるね」
佐天「それじゃおやすみなさーい」
―――。
―――――。
御坂『さてんさぁーんっ』
佐天『oh...また御坂さんの夢ですわ。よしよし』ナデナデ
御坂『えへへー』ニヘラ
佐天『うん、夢だ。御坂さんがこんなはずがないもん』
佐天『それにしても、夢でこんな御坂さんを視るってことは、私は御坂さんにこうされたいってこと?うーむ』ブツブツ
御坂『何独り言いってるのよ?』
佐天『いえ別に。ちょっと口元が寂しくなったので動かしてました』
御坂『口が寂しいの?だったらねぇ……えいっ』
佐天『むぅっ!?』
佐天『ん……っはぁっ……。ちょ、みさかサンッ!?』
御坂『えへへ、久しぶりだねぇ』
佐天『(何これどういうことなの)』
―――
――――――
佐天「だいろっかんっ!!」
佐天「ぁ……と、うわー!何あの夢はっずかしー!」
佐天「うーわー……私、ほんとに御坂さんのこと好きになっちゃってるのかなぁ……」
佐天「いや、御坂さんのことは好きだけどね。でも恋愛感情じゃなくてさ」
佐天「……朝の散歩でもするか」
―――。
佐天「あーすがすがしいー」
佐天「クチナワも変わらずお元気?なようで」
クチナワ「」
佐天「ん、そっか。そういえばさ、アンタってご飯とか食べないの?」
クチナワ「」
佐天「へぇ、ヌシの力食べたらあとは光脈から力わけてもらってるから大丈夫なんだ」
佐天「一時はアンタが来てどうしようかと思ったけど、結果的にはハッピーエンドで終わったし、ありがとね」
クチナワ「」
佐天「んー、相変わらず無愛想。ヌシクラスの蟲ともなると会話が普通にできて面白いけど」
御坂「あ……佐天さん」
佐天「おや、御坂さん」
御坂「ひ、ひさしぶりねっ」
佐天「そうですねぇ(夢の中であってるからそんな感じしないんだけど―――ん?)」
佐天「(なんだろ、御坂さんを目の前にして違和感が……夢の中で、あう?)」
佐天「(……確か、これは、)」
佐天「―――御坂さんっ!」
御坂「はひっ!?」
佐天「ちょっとこっちへ来てください」
御坂「え?へ、あ、ちょっと佐天さんっ!?」
―――。
佐天「さて―――御坂さん、今からいくつか質問しますから正直に答えてくださいね」
御坂「う、うん?」
佐天「ひとつ―――最近夢に私が出てきましたか?」
御坂「そ、そんなことないわよ?」
佐天「……ふたつ。最近寝る前とかに、私のことを考えてたりしましたか?」
御坂「べ、べつにとくに意識してないけど?」
佐天「…………さいご。夢で私にキスしましたか?」
御坂「ナンノコトカシラッ!?」
佐天「……確かに自分でこういう質問するのもアレでしたが、御坂さんって嘘つくの下手ですよねぇ」
御坂「ほ、ほんとよ?本当にみてないし知らないもん!」
佐天「……あーあ、夢の中でも御坂さん可愛かったなぁ。抱きしめたいなぁ」
御坂「ホントっ?」
佐天「貴女は本当に第三位ですか」
御坂「あう」
佐天「ともあれ、これは蟲の仕業です。かいろぎ、って言いまして―――虫の知らせ、って言葉、ご存じですよね?」
御坂「うん、あれよね。身うちとか知り合いに悪いことが起こった時嫌な予感がするやつ」
佐天「ま、そんなかんじですね。それを自由に引き起こせるのがかいろぎって蟲です。詳しい仕組みははぶきますけど、
どうなるのかは御坂さんが体験した通り」
御坂「……」テレテレ
佐天「一見便利そうですが、かいろぎは宿主のなかで確実に数を増やしていきます。そうするとどうなるかわかりますか?」
御坂「その……佐天さんと、いっぱい会える?」
佐天「(可愛いっ!)えっと、違います。かいろぎは今のところは御坂さんの意識を私のところまで乗せてきてますけれど、
増えすぎると御坂さんの意識をのせてどっか別の場所に行って、帰ってこられなくなるんですよね」
御坂「……つまり、ずっと意識不明になるってこと?」
佐天「そういうことです。かいろぎに連れ去られた意識は戻ってきませんから、もしそうなってしまった場合はお終いですね」
御坂「そんな……」
佐天「ま、安心してください。これまた詳しい仕組みは省きますけれど、私と御坂さんとの繋がりを一時的に切る薬を作りますから。
それを飲んでいればそのうちかいろぎも居なくなって、問題なくなりますよ」
―――。
佐天「そんなわけで出来たのがこの薬です。いいですか、ちゃんと飲んでくださいね?」
御坂「……でも、これ飲んじゃったら佐天さんに会えないんだよね?」
佐天「(可愛いっ!)べ、べつに会えない距離じゃないんですから、またこうやって会えばいいじゃないですか」
佐天「蟲になんて頼らなくても私達はいつでも会えますって」
御坂「そっか……そうだよね」
御坂「ごめんね、迷惑かけちゃって。最近さ、レベル5としての仕事とか、広報活動とか、いろいろ忙しくってあんまり会えてなくて」
御坂「けどなんだか会うきっかけみたいなのもなくって―――寂しくなっちゃって」
佐天「会うきっかけって、そんなの別にいらないじゃないですか。友達なんですから、意味も無く一緒にいたって別にいいと思いますけどね」
御坂「……じゃあさ、佐天さん、今から暇?」
佐天「ん?私ですか?勿論暇ですよー今日はお昼まで寝過ごそうと思ってたんですよ。そしたらあの夢で―――ぁ、まぁ、その、ね?」テレテレ
御坂「……じゃ、じゃあさ、今から一緒に―――」
佐天「お、ゲーセンでも行きますか?パンチングマシンじゃまだまだ負けませんよー」
御坂「ううん、その……佐天さんの部屋で、一緒にのんびりしたいな、って」
佐天「」
佐天「」
佐天「っは!」
佐天「……えっと、なんですって?」
御坂「だから、その、佐天さんの部屋で……ね?」
佐天「(なにこれー)あ、あの、御坂さん?なんだかキャラ違いません?」
御坂「だって……今までさんざん夢の中で甘えてきて、いろいろ知られちゃってるし、隠す必要なんてないかな、って」
佐天「……どういうことなの」
御坂さんがかいろぎに乗るようです おわり
うおおおーレポートが嫌になったから息抜き程度に書いちゃったー
最初は普通に上琴でいこうと思ってたらどこをどう間違ったのかわからんでござる。
御坂嬢がなんだかすごいキャラになっちゃってるでござる。熊と格闘するギンコ萌えー
佐天「死んだ人間がよみがえってる?なんですかその都市伝説」
白井「都市伝説ではありませんの。以前、空から人が降ってくるという事件があったのは記憶にありまして?」
佐天「ええ、そりゃあもう」
白井「あの時、幸運にも地面に直接叩きつけられず、ぐちゃぐちゃにならず済んだ死体が、また動きまわっているというものですの」
佐天「……うっそだぁ」
白井「本当ですのよ。今は病院に隔離されてますの。もっとも、動きまわる、というだけで会話もできませんけれど」
佐天「ふぅん……それで、なんでそんな話を私に?」
白井「こういうコトは佐天さんの専門かと思いまして」
佐天「ああ、そういうこと。わっかりましたよ、んじゃーちょっと見てきます」
佐天「というわけで、来たんですけど」
研究者「お引き取り下さい」
佐天「ですよねー」
佐天「むぅ、やっぱりいきなり訪ねていっても駄目か」
佐天「となると」
―――。
佐天「―――てことで、紹介状をもらってきました」
研究者「あの人は何を考えているんだか……まぁいい。こっちです」
研究者「あれですよ。今はこの部屋から出さないようにしてます。しきりに外に出たがりますけれど」
佐天「(―――ガラス越しだけど、いるな。ニセカズラか。確かに、日の光を求めて死体をのっとるって報告はあるけれど―――)」
佐天「(けれど、おかしいな……ここはある程度どこでも日の光はあるからいちいち死体をのっとる必要なんてなさそうなのに)」
佐天「(蟲も何百年とたつうちに生態を変えてきたのかもしれないけれどさ)」
佐天「(まぁ、でも、ニセカズラなら放っておいてもいいかな。特に実害のある蟲じゃないし)」
佐天「やーお忙しい中ありがとうございました。では」
研究者「?あの子は言った位何をしにきたんだか……」
―――。
白井「どうでしたの?」
佐天「蟲の仕業でしたけど、放っておいても問題ないですよ。ただまぁ、あのままだったらあの死体はずっと死なないままでしょうね」
白井「つくづく、蟲とは不思議なものだと思い知らされますの」
佐天「そりゃ人間だって自分の体のことすらわからないんですから、ほかの生き物のことなんてわかるはずありませんよ」
佐天「蟲なんて、視える人と視えない人がいるくらい曖昧なものですし」pllllpllll
佐天「っと、すいません―――初春から?もしもしー?」
初春『ああ、佐天さん。ニセカズラって蟲知ってますか?』
佐天「んー?知ってるけど、それがどったの?」
初春『ちょっと不味いことになってます。今からあの公園まで来てもらっていいですか?』
佐天「不味いことって……あれは放っておいても特に問題ないと思うけど」
初春『いいからいいから』ピッ
佐天「あっ、こら勝手に切るな」
すまん夕飯のキノコをとりに行ってた。すぐ書く作業に戻る。
オチがつかなくて山へ遊びにいったとかじゃないんだからねっ
――――。
佐天「何よ呼び出したりなんかして」
初春「ほらほら、あれ見てください」
佐天「ニセカズラじゃん。それがどうしたの?」
初春「もうすぐですよ……あ、ほら!」
小鳥「」ピィー
蟲「」ニュルリ
小鳥「」
佐天「……?……ああ!」
初春「わかりましたか。今さっきまで生きてた鳥に寄生しましたよね?」
佐天「うん……でも、ニセカズラにあんな生態は無い筈なのに」
初春「それはそうですが、けれど実際に起こったことですしぃ」
初春「で、私が言いたいのは―――」
佐天「生き物に寄生するってことは、私達人間も寄生される可能性がある、ってことでしょ?」
初春「そういうことです」
佐天「なるほどねぇ……ちょっとクチナワにニセカズラどうにかしてくれないか頼んでみよっか」
佐天「―――というわけなんだけど」
クチナワ「」
佐天「……え?そうなの?」
初春「どうでした?」
佐天「なんかねぇ、ニセカズラはクチナワのことが嫌いだからこの都市から出ていきたいんだって。だから動物に寄生してるみたい」
初春「なんですかそれ」
佐天「けど、クチナワが蟲の出入りを制限してるせいで自由に出られないから、ああやって他の生き物の体を借りてくんだってさ」
初春「なるほど?」
佐天「でも安心して、ニセカズラは人には寄生できないみたい」
初春「どういうことですか」
佐天「もともとあの蟲は死体―――すなはち、意識の無いモノに寄生できる蟲だったわけよ。それがちょっと強くなって
生き物の体を借りられるようになったみたいだけど、でもそれは小鳥みたいな鳥頭な生き物だけなんだって。
人間みたいな複雑思考をしてるのはさすがに操れないってさ。そもそも、光走性をうえつける程度の支配力だしねぇ」
初春「じゃあ放っておいてもいいってことですか?」
佐天「そうみたいだよ」
ニセカズラは学園都市の外へ出ていくようです おわり
ごめん全然話が浮かばなかった。もういいや、このスレはどうせ終わってるんだし
山歩いてたらお腹すいたから僕はご飯を食べてくる。さて、次は何書くか
佐天「野外学習パート2」
初春「でも今回は学園都市の外ですよ!普段出られないぶん楽しみですね!」
佐天「つっても、学園都市の協力機関の敷地内でしょ?たいして実感わかないなぁ」
佐天「そういえば初春ってさ、ヌシやってたときは学園都市から出られなかったんだよね?」
初春「そうですねぇ。出ていったら大変なことになっちゃいますから」
佐天「はー。大変だったんだねぇヌシってのも。あれ?じゃあもし初春がまだヌシやってたら今日とかどうするつもりだったの?」
初春「勿論欠席するつもりでしたけど?」
佐天「……そっかぁ」
―――。
佐天「はぁ、また植物採集か……まかせた初春」
初春「まかせてください!って言っても、佐天さんも蟲師するならちゃんと覚えないと」
佐天「えー?いーよ私は。必要になったら必要なぶんの知識はいってくるし、ググればだいたいわかるし」
初春「無精するとあとが大変ですよ。どうせ名前覚えなきゃならないんですから、ついでに覚えていったほうが」
佐天「げ、そういえば暗記試験あるんだったね……はぁ、仕方ない」
―――――。
初春「これがタムシバ、こっちがネジキです」
佐天「ネジキって全然特徴ないよね……そりゃ木を見たらわかるけど」
初春「こっちがスノキでしたっけ。はい、葉っぱどうぞ」
佐天「?どうするのよこれ」
初春「食べてみてください」
佐天「えっ」
初春「何事も経験ですよ!ほらほらー」
佐天「む……」あむっ
佐天「……すっぱい」
初春「スノキですからねぇ」
初春「ちなみに果実は食用ですから」
佐天「そんな知識いらない……ぺっぺ」
初春「美味しいと思うんですけどねぇ、スノキの葉っぱ」モグモグ
佐天「女の子が葉っぱ食べないの。ほら、ぺっしなさいぺっ」
初春「これでも元ヌシですから大丈夫ですよ!」
佐天「関係ないからっ!」
初春「ちなみにタムシバもなかなかスっとする味で美味しくてですね……」アムアム
佐天「やめて!」
―――。
佐天「そうこうしてるうちに結構奥まで来ちゃった」
初春「夢中になりすぎましたねぇ。そろそろ戻りますか」
佐天「そだね―――っと、うわ、すっごい木」
初春「山柿ですね、これ。大きさは全然ですけど、もう200年はたってますよ」
佐天「200年?柿の木ってそんなに寿命あったっけ?」
初春「ほら、あれあれ」
佐天「あれ?……ああ、なるほど。木霊か」
初春「ちなみに学園都市にもいますよ、木霊。コダマもいますし」
佐天「え?」
初春「ん?」
佐天「……まぁ、いいや」
――――。
佐天「うおーまた初春のやつはりきって採りすぎちゃってもう!吸水紙が足りない!」
佐天「仕方ない、新聞紙でも貰ってこよう」
――――――。
初春「大変です佐天さんっ!」
佐天「どあっふ。ほうひはのふひはる」モグモグ
初春「サンドイッチなんて頬張ってる場合じゃありません!」パチーン
佐天「いひゃいっ!な、なんで叩かれたの?」
初春「なんとなくです。それはそうと、木霊のこと覚えてますか?」
佐天「うん、木に宿る蟲で、長寿をもたらす蟲でしょ?それがどうしたの?」
初春「じつはその蟲を悪用してる人がいるんです」
佐天「蟲を悪用って―――ちょっと待って、私達以外にも蟲を視える人がいるっていうの?」
初春「別に驚くことじゃありませんよ。蟲が見える人視えない人は昔からいましたし、学園都市にいたって不思議じゃありません」
初春「佐天さんみたいに後天的に視えるようになる人だっていたんですから。まあ、佐天さんはちょっと特殊ですけど」
佐天「そうなんだ……っと、それで、なんで悪用してる人がいるってわかったの?」
初春「コダマちゃんが教えてくれました」
佐天「え?初春も蟲の声が聞こえるの?」
初春「?蟲の声なんて聞こえませんよ?」
佐天「えっ?」
初春「え?」
佐天「……ま、いいや。それで、その人はどこに?」
初春「どこにいるかはわかりませんけど、どこに来るのかはわかってます。張り込みしましょう張り込み!」
佐天「ん……ま、そういうことなら断れないし。いいよ、はりこもう」
初春「さっすが佐天さん!それじゃアンパンと牛乳買ってきてくださいね。張り込みといったらこれですから!」
佐天「えっ、私パシリなの?」
――――深夜
佐天「」ウツラウララカ
初春「寝ちゃだめです佐天さん」パシーン
佐天「ぷあっ。ねぇ初春ぅ、もう帰ろうよぉ。今日は来ないってぇ」ネムネム
初春「いえ、コダマちゃんに聞いたところ周期的にこの時間に来るそうです」
佐天「えぇー……」
ガサッ
初春「!来ました!」
佐天「っと、ホントに来たんだ……よしっ」
???「よし、今夜も湧いてンなァ」
???「これを瓶に詰めて―――」
佐天「そこまでだっ!」バッ
':, ', ! \
\ ':, _,,.. -‐''"´ ̄`"'' ト、.,_. ,,--,┐ \ ヽ /
\ \\ r-、 ァ'´ _ト、.,__ノ ノ `ヽ,ヘ, //: /::::! < ∠______
ノヾ、rァ' __,ゝ‐i"`y'__]`''ー、' / `>t,// :/:::::::! / /
\\ `'(__!r-‐i__」-‐'"´,i `''ー、」ー-ヘ、イ'"´.!:|||||:::::::/ \ (___
\ r‐ァ'´]-‐' '/ ! ハ /!ィ' i `''ー'、/ゝ |:|||||:::;t'、 ミ > _______
`' 、 ヽ7´ ! !/!メ、!」 レ-rァ''iT7 iヽ」`i´!:!!!」:ノ ! i / '´
i´ヽ. | .! ! !-rァ'T '、,_,ノ !__トr┘i>'r'、`'´ ;' \ 、,_____
(`ヽ;、 `ヽr、. └'`ゞ、, ハ. '、_ノ ⊂⊃ ! ';./ ;'ゝ.,二二7i <
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`ー‐ァ (´__,ノ! | `7! .i'>,、.,__'--‐' ,..イ! i ̄´ノ! | / ー┼-
'ーri´ヽ_/7 〈 V7「ヽ7i ̄´'ノ ! '.、 ':、 '、 ;' \ r-iー、
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'、ゝ'ン___,,...->ア`ー-'、 ,' i | i i | ヽ. ヽソ`''ー--‐' / --─ァ ヽヽ
 ̄ く ./___」_';/ ! | ! ! ! i ,ゝ-‐''ンヽ. く /
rソ´`ヽ、`'ァー-‐' ,.イ/ ,' ,' ! ', く_」`7´ハ 〉 > '、___
_r'ー--‐''"´ / ;' i i ,ハ ヽ !_/ヽ!__L/ く i
// -イ /! ;'/ ム \ \. ├‐
rン_,,.. - / / ;' !レ'´ i `ヽ. < r-iー、
`ト、 ! 〈 i ;' / ,ハ ヽ. 'r、 / `ー' '
ノ.ノ __ ノ i V / / /! '., _r'ヘ / l 7 l 7
i_| V / ハ./ ;' i i '、 }><{ ン´/!/ \ |/ .|/
ヽヽ ∧ / ;' i ', ヽ、 i r'"ン:::::/ / o o
佐天「―――って、白髪の人!?」
一通「オマエは……なンでこンなとこにいやがる」
佐天「そ、それはこっちの台詞ですよ!なんであなたがここに!?」
初春「なんでこの人がここに―――それは愚問ですね佐天さん。何故なら!この人が瓶を片手にここに居る理由はただひとつ!
木霊を採りにきたからです!!」
一通「……そォか、そォいやオマエこれらが視えるンだったなァ」
佐天「あなたはどうして―――以前会った時は視えてなかったのに」
一通「ああ、あの角の時か?あれから数日たったらいきなり視え初めてなァ。驚いたぜェ、最初は気がくるっちまったのかと思った」
一通「だがな、なんとなくコレ―――確か、蟲って呼んでたか?蟲は手を出さなきゃ問題ねェってこたァわかってきた」
佐天「だったら、どうして今は木霊を……!」
一通「ああ、コイツは木霊っつゥのか?ま、名前なンざどーでもいいが。手を出したのはな―――コイツの特性が必要だったからだよ」
佐天「木霊の、特性……?けど、その蟲は木を長生きさせる程度でしか―――」
一通「はァ?オイオイ、それだけなわけがねェだろォが」
佐天「何……?」
初春「……そういえば、まだ話してませんでしたね。木霊のもうひとつの生態」
初春「木霊は確かに木に寄生し、宿主に長寿をもたらしますが―――それは、宿主が人であっても同じことなんです」
佐天「え……?」
初春「木霊を体の中にいれた人は、成長する速度が非常にゆっくりになります。それこそ、樹木と同じ時間を生きるかのように」
一通「そォいうこった。だからこそ俺がコイツが欲しかった―――コイツがあれば、アイツが成長しなくて済むンだ!」
佐天「……え?」
初春「……はい?」
一通「この蟲の存在を知った時はゾクゾクしたぜェ……なんたって、打ち止めをずっと天使のままでいさせられるンだからなァ!!」
一通「中学生みてェなババァにはさせねェ!!ここに!全人類が目指した結果があるンだ!」
一通「カキクケケコカキクケコカカコカカカ―――!」
佐天「……うわぁ。これは、また」
初春「これはひどいです……」
一通「っと、そっちのハワイアン。オマエは中学生だがまだまだ見込みはあるぜェ。どォだ?コイツでずっと天使でいるつもりはねェか?」
初春「おことわりします」
佐天「そ、そうよ!初春の胸がこのまま成長しないなんてかわいそうにも程がある!」
一通「胸だァ?ンなもン脂肪の塊にしかすぎねェだろォが。ババアはすっこんでろ」
佐天「なっ……!あ、あんた、蟲をそんな風に利用していいと思ってるの!?」
一通「おっと言い返せねェから論点を変えてきたかァ?さすがババア、小賢しいなオイ」
佐天「(うっざぁああああ!!)」
佐天「ふ、ふん!なんとでも言いなさい―――ただね!蟲をそういう風に自分の利益のために利用してきた輩は、ことごとく
破滅してるんだから―――周囲を巻き込んでね!」
一通「そりゃソイツらがマヌケだったンだろ?俺は違う。それに、これは俺だけじゃなく全人類の夢なンだよ!」
佐天「聞く耳もたず、って感じか―――どうしよ、力づくでなんとかしようにも、相手は第一位だし」
初春「―――木霊の生態、その三」
佐天「え?」
一通「あ?」
初春「一つ目が樹木に長寿を。二つ目が人間に長寿を。そして三つ目が―――人間の五識を麻痺させること」
一通「なン……だと……?」
初春「視覚聴覚嗅覚触覚味覚―――これらが麻痺してしまった時、ヒトがどうなるかわかりますか?」
一通「……そォいや、最近打ち止めのやつどこかおかし―――」
一通「嘘だろ……なら、俺がやってきたことは、」
初春「えぇ。ひとりよがりで、その子を玩具にして、まるで人形のように扱っていただけなんですよ」
一通「……」ガクリ
初春「さ、その子の元へ案内してください―――木霊を抜きますから。佐天さんが」
佐天「ああ、それは私がやるんだね」
―――。
打ち止め「うーん、なんだか久しぶりにすっきりした気分!ってミサカはミサカは最近の体調不良が嘘だったかのように背伸びしてみる!」
一通「……その、ありがとな」
佐天「どういたしまして。でもわかりましたか?蟲なんて、人に利用できるもんじゃないんですよ」
一通「あァ……身にしみて感じた」
佐天「わかったら、今の打ち止めちゃんを愛してあげてください。そして、成長していく様を、喜んであげてください。
ロリコンさんの気持ちはよくわかりませんけれど、その子に対する愛が変わらなければ姿なんて問題ないはずです」
一通「そォだな……いろいろ、大切なことを忘れてたみたいだ。恩にきるぜ」
佐天「わかればいいです(私をババアと言ったことに関しては許してないけど)」
佐天「そういえば、どうして木霊の生態なんて知ってたんですか?」
一通「あン?そりゃオマエ、あの木にいた奴に聞いたに決まってンだろォが。ジャガイモみてェな、カラカラしたやつ」
佐天「なにそれこわい」
一通「え?」
―――。
初春「ふー、一件落着ですねぇ」
初春「全く、変な人もいるんですから、姿が見られて嬉しくなったからっていろいろ喋っちゃだめですよ。めっ」
コダマ「」カラカラカラカラカラ
初春「可愛らしくとぼけても駄目です」
コダマが蟲の扱いを教えていたようです おわり
正直どうオチつけようか悩んだけど、一方さんが出てきてくれてうまくまとまった。すげぇぜ一方さん!
木霊とコダマの違い。佐天さんにはコダマは視えてないようで。
陰火は、昨晩ちょっとためし書きしてみたけど面白くならないし筆も進まないから無理です。
あと、どっかでキノや岩代作品以外でおすすめ上げろって言われたからざっと。
・月姫とか、型月作品。 ・ARIAとうみんちゅ ・和月作品全般 ・ニードレス
ざっと本棚みたらこんな感じだったよ。
,. ..‐..:., ─- ..、
/.: /.:/.:..:..:..:..:..\
/..:..:./, 〃/. .:.i..:..:.:、ヽヽ
,'::.:..::,':.':..: ::..:..:..:..:..:.i:.ヽ:..:!
!::..:.::i::.:..:.:j:..:..:..:..:..:.;ハ:..:..:.i
!::.::;r'i::.:.::;リvj、;ハ:;/ _,レ:.:.:! 私はありなのか?
ヽ:、!<ゞ:::j エニr rェj:.::/
` `ヾリ .j /v'′
r‐-r、ノ 丶.._ 一/
j \ヽ r{、´
/ >;rっ \ |r─────-、
i /:jゝ′ヽ;)丶. / ,ノ´ '/ノ,. ク´
i し′ ヽ ',ヽ{ , イ '´ /
|:r'. -、 ヽi j /´i イ
i':..:.. \ i!./ !-‐| |、
_,ハ.:..:. _,.>、/ | ̄.! ヽヽ
_. ‐ ´..:! ヘ:.:. /.:'´:7/ .:!ニ._| !:. }
/ .:,. '´j :! 、:.. ./i./ .:ノ=ー.| } i
. / .:; '´ ,:' | :.! :i゙.:. .:/ ! ,:イ._ \ ハノ
〈:. ..:.:. | :r!、i.:..:/.:. |`ー' ljニ二´ |i`′!
ヽ::.:/ ! :ゞ:::!._'rf:/).! j!-‐==|i:.. j|
ゞ{::.:. .::j :.:iヽ!:ゝ!/ ! ,イ___,」ヽ: j ',
`ヽ.:/:j .:.:i.:..i´(!、 __ ∨'j ,ト、V |
. ⌒ヽ
_.ノ{-r≪__ / . i
/ フ⌒¨ }ミ_/ ′ l
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/ / ´厶≧ヒ.人 __ ..イ |
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}ノ ′ | | . -- 、 从jノ'⌒ヽ. |
/ /i トミ / ̄_⌒’ }| |: /: : : : \|
'イ{j i { 从{/: : : : : : : :`7
i 八 トミー─ ヽ///: : : : : : : : :V
|ハ{\| iい イi//{ : : : : : : : ∨
}从 } {_/ i: : : : : : : :/
}ハ /}:{ l:、: : : : : /
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/ミ、/´'´7 | ノ ´ / | lノ
';:ヽ:l゙、ミ { l ' _ -‐-、 ' .!
ゝ:_|ヾ、 ! '´ ,'
',ヽ', ,..-,‐、 /::。,ヽ !、
ゝ,l {(:::゚:ノ .、 ゝ::ノ |ミヽ
{/ | _ ' " l^ヽ )
{ゝ!-、 ´ r──f ,_' ノ
/ヽ/`r-、 .__ `二´,..イ 、_ゝ、
/ /ヽ ヽ/ \/ノ / /| /ヽj、
/ ,X 〉‐-、,/、 〉' 7、/「|`ゝ、,ト\
/ |/ ヽ/j」_|\ /ヽ/ /」-|!/、 /ヽ`ノ\,、
、、_/ j/丶 ノヽj、| 「 /、 /`/ 」/{、 ∧ /\ j 'っ
ミ゙ | / l X /! ` ー---゙‐'"´= ´ | 〉、,/ヽ ノ 彡
`ー-、.Y ヽ/ `/ノ` ー = _,. _,|/ |'、ヽ/、_l'´
U^ヽ/ヽ / |゙丶 ._ ‐ -- ─ ´_, イ/\!ゝ´/
淡幽「なぁたま」
タマ「なんでしょうお嬢様」
淡幽「私も今年で20と5だ」
タマ「そうでございますね」
淡幽「そろそろ結婚してもいい年齢―――というか適齢期はとうに過ぎてると思うんだ」
タマ「そうでございますね」
淡幽「……どうしたらギンコをその気にさせられるかなぁ」
タマ「何を言い出すと思えば」
淡幽「私はアイツに背負ってもらったことがあるんだ」
タマ「それは知っておりまする」
淡幽「確かに私の乳房はさしてふくよかではない。加えてこの厚着だ。あまり感触は伝わらないかもしれない」
タマ「いえいえ、お嬢様のお身体はとてもお綺麗だと思いますよ」
淡幽「いや、褒めてくれるのはありがたいんだがこの際それはおいておこう」
タマ「はぁ」
淡幽「でな、その、背負ってもらったときちょっとだけ、ほんとにちょっとだけ強めに抱きついてみたんだ」
タマ「まぁ」
淡幽「そうしたらアイツなんて言ったと思う?」
ギンコ『っと、悪いな、ズリ落ちそうか』
淡幽「なんだそれは。まるで私が重くなったみたいな言い方ではないか」
タマ「そういうわけではないと思いまするが」
淡幽「うん、たぶんそうだと思う。けれど私はちょっとばかり傷ついた」
淡幽「ほかにもな、私が蟲封じをし終えた時の話だ。蟲封じにはとてつもない痛みが伴うんだ」
タマ「存じ上げておりまする。このタマ、ずっとおそばで見てきましたから」
淡幽「うん。そんなタマだからこそわかると思うが、蟲封じを終えた私は、結構色っぽいと思うんだ」
タマ「はぁ」
淡幽「汗ばんで息が少々荒く、ほんのり頬を赤く染めた様はなかなかのものだと思う」
タマ「ご自分で言いまするか」
淡幽「うん。でな、ある日のこと、それに加えてちょっと、ほんのちょっぴり着物を乱れさせてみた」
タマ「まぁ」
淡幽「そしたらアイツなんて言ったと思う」
ギンコ『痛み、大丈夫か』
淡幽「なんだそれは。私の渾身のアピールは全く気にならず、墨色の足ばかり気にしているのか」
タマ「それはお嬢様のお身体を心配しての言葉だとは思いますが」
淡幽「だろうな。アイツはそういう男だ」
淡幽「けどな、もうちょっと別の部分を見てくれてもよかったのではと思う」
タマ「例えばどのような?」
淡幽「それは、ほら、そのだな。うなじとか、首から肩にかけての、この線とか」
タマ「巷ではそういった箇所に欲情を覚えることを、まにあっくと申すようで」
淡幽「そ、そうなのか?知らなかった、さすがだな、タマは物知りだ」
タマ「いえいえ」
淡幽「とにかく、ギンコとも随分付き合いが長い。タマと同じくらいか、それ以上の親密度だと思う」
タマ「それはそれは」
淡幽「でもこのままなぁなぁで進んでいけば、確実に進展しないと思うんだ」
タマ「確かに、ギンコの性格であれば遠まわしな表現では伝わらないでしょうな」
淡幽「うん。アイツはそういうやつなんだ。優しいからこそ、私一人を見てくれない」
すず「へっくし」
ミハル「どうしたの姉ちゃん」
すず「ん、なにかな。夏風邪かしら」
綾「ん、くしゅっ」
緒「どうしたの綾ちゃん」
綾「夏風邪、かな?」
淡幽「だからな、そろそろ本気を出すことにした」
たま「具体的な案は?」
淡幽「うん。まずは、やはり歌を詠むのが一般的かと思う。これでも読み書きの勉強は人一倍にしてきたし、
なかなかのものだと思うんだ」
たま「なるほど、それはいい手でございますね」
淡幽「そうだろう。よし、善は急げだ。一筆したためてくる」
ギンコ「熊を殺してでも生き残る~、と」カタカタ
ギンコ「ん、文か」ガサガサ
ギンコ「狩房家……おたまさんからか?」
ギンコ「何何……淡幽から?珍しいな」
〝一日こそ人も待ちよき長き日をかくのみ待たば有りかつましじ〟
ギンコ「なんだこりゃ……ああ、そういうことか」
たま「ちなみに、どのような歌を?」
淡幽「うん、どうやら私には創作の才能はなかったようなので、いつか読んだ本から引用してみた。
〝一日こそ人も待ちよき長き日をかくのみ待たば有りかつましじ〟、とな」
たま「一日ならまだしも、長い間待たされると耐えられない、と」
淡幽「今まで必死で好意を示したのに気づいてくれなかったという想いもこめてだ」
たま「どうして恋という文字が入った歌を引き出さなかったのです?」
淡幽「だ、だってあまりに直接的だと恥ずかしいじゃないか」
たま「まぁまぁ」
数日後。
たま「淡幽お嬢様、ギンコがいらっしゃいましたよ」
淡幽「ほ、ほんとか!今現れたということは―――」
たま「ええ、おそらくは」
淡幽「ふふ、ようやっとかぁ」
ギンコ「や、久しぶりだな淡幽」
淡幽「ああ、文は届いたか?」
ギンコ「でなきゃ来てねぇよ」
淡幽「なんだそれは。まるであの文が催促文だったような言い方ではないか」くすくす
ギンコ「ん?違ったのか?」
淡幽「えっ?」
ギンコ「そろそろまた蟲の話を聞かせろってことだろ?悪かったな、最近ちょいとほかの依頼で忙しくてね」
淡幽「え……えっと?」
ギンコ「だが歌で催促してくるとはな。風情があってよかったぞ」
淡幽「そ、そうか……それはどうも」
ギンコ「?どうしたんだ妙な顔して。で、どうする?今から蟲の話初めても大丈夫か?」
淡幽「いや……お前も来たばかりで疲れているだろう。少し休んでからにしよう」
ギンコ「そうか。じゃ、そうさせてもらうかね」
おたま「お嬢さま……やはり恋という字をいれたほうがよろしかったのでは」
淡幽「ああ……あそこまで純粋に蟲のことを考えているとは思っていなかったよ」
淡幽「たまぁ……どうしよう」
おたま「おやまぁ」
どうしよう……
たま「しかしご存じの通り、たまも蟲師として生きてきた身。ゆえに異性の口説き方には弱く」
淡幽「ああ、そういえばそうだったな……なんか、すまない」
たま「いえいえ、たまはお嬢様に使えることこそが使命。問題などありませぬ」
淡幽「たま……ありがとう。よし、なんだか元気が出たよ」
たま「それはそれは」
淡幽「よーし、私もあの頃から少しは成長したんだ。もう一度、その、色仕掛けだ」
たま「今は夏ですから、それもよいかと」
淡幽「やぁギンコ、またせたな」
ギンコ「いや、こっちも休めてよかったよ」
淡幽「そ、それにしても最近暑いな」パタパタ
ギンコ「今が一番暑い季節だろうな」
淡幽「(薄着してるんだからその辺り気にしてほしいんだがなぁ)」
ギンコ「さて、それじゃ始めるか。まずは―――オイ、大丈夫か、机につっぷして」
淡幽「いやな、この冷たさが気持ちいいなと」
淡幽「(お前の前では無防備な姿も見せるんだよというこの姿勢―――さぁどうでる)」
ギンコ「お前は好きに歩けない分体力少ないからな。夏の暑さもこたえるだろう。無理しなくてもいいんだぞ」
淡幽「(ま、こうなるか)」
淡幽「いや、すまない、大丈夫だ。さぁ始めるか」
ギンコ「そうか?辛かったらちゃんと言えよ。じゃあな、雷を作り出す蟲の話だが―――」
淡幽「(あぁ)」
淡幽「(ギンコのやつ、本当に楽しそうに蟲の話をする)」
淡幽「(もちろん、全て蟲と人が共に生きている話のときだけだが)」
淡幽「(普段は感情の起伏が少ない分、こういう姿を見ていると可愛らしくも思えるな)」
ギンコ「それで―――おい、ぼんやりして大丈夫か?」
淡幽「っえ?あ、ああ、大丈夫だ」
ギンコ「本当か?」ずいっ
淡幽「え?あ、ん……」
ギンコ「熱は――ねぇようだが」
淡幽「だ、だから大丈夫だと言っているだろ?ただやはり暑いからな、ふっと気が抜けてしまうんだ」
ギンコ「そうかい。んじゃちょっと休憩するか」
淡幽「そうだな、たまに茶をいれてもらってくるよ」
ギンコ「んな構うなよ」
淡幽「いいからいいから。私も、少し歩いて気を引き締めたい」
ギンコ「……んじゃ、頼んだ」
淡幽「ああ、少しばかり待っていてくれ」
淡幽「たまー!たまー!」
たま「おやおや、どうしました」
淡幽「さっきな、ギンコがな、ぴとってしてすごく近かったんだ!」
たま「落ちついてくださいましお嬢様。何を申されているのかわかりかねまする」
淡幽「え?ああ、今さっきギンコがこう、この辺りまで近づいて、おでこを触って熱を計ってくれたんだ」
淡幽「勿論、今までギンコに近づいたことは何度もあったが、今回のは何か、こう、今までとは違う―――そう、ときめきだ。
ときめきのようなものを感じたんだ」
たま「大はしゃぎでございますね」
淡幽「柄にも無くな。っと、お茶と茶菓子を頼めるかな」
たま「承知いたしました」
淡幽「どうだ、いい菓子だろう」
ギンコ「普通に美味いね、これは。どこのモンだ?」
淡幽「ずっと西のほうのモノらしい。クマドが持ってきてくれたんだ、保存もきくしここを発つときに少し持たせるよ」
ギンコ「ああ、アイツの土産ね。元気にやってんのか」
淡幽「―――相変わらずだ」
ギンコ「そうか―――変わんねえな、アイツも」
淡幽「お前が言えたことではないだろうに」
ギンコ「違いない。じゃあ、続きを初めてもいいか?」
淡幽「ん、頼む」
ギンコ「今度はぼうっとしてんなよ?」
淡幽「わかっているさ」
―――。
ギンコ「――――と、こういうわけだ。とりあえず、これで手持ちの話は全部だな」
淡幽「お前……あれだけ長い間ほっつき歩いていて使える話がこれだけか」
ギンコ「悪かったね。仕方ねぇだろ、どうしても時間のかかる案件が、いくつも積み重なっちまったんだからよ」
淡幽「そのようだな……さて、こちらも始めるか。そこにいてくれるか?ギンコ」
ギンコ「ああ、いつもの通りに」
淡幽「……っ、づ。く、―――ぅ、は、ぁ……!」
ギンコ「(……禁種の蟲は確実に封じられている。だが、はたしてこれらが終わるのはいつのことやら)」
ギンコ「(そういやぁ、ずっと前に淡幽に足が治ったらどうすんのか聞いたっけか)」
ギンコ「(俺と一緒に旅をしたいとか言ってたが、コイツの体力じゃ難しい気がするがね)」
ギンコ「(って、何本気にしてんだか。ありゃコイツなりの冗談だろうに)」
淡幽「ふ、ぅ……、ぁっ、う」
淡幽「く……づ、ぅ――――――ぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
ギンコ「……終わったか。今、おたまさんを呼んでくる」
淡幽「いや、いい―――それより、もう少しここに居てくれ」
ギンコ「……わかった」
淡幽「(ふ、ふふ、どうだギンコ。密室で薄着の女子と二人きり―――)」
ギンコ「(毎度辛そうだな)」
淡幽「(さぁ、私は心の準備はできている。どさくさにまぎれてかなり服も乱した)」
ギンコ「(もしクマドのやつが禁種の蟲の払い方を見つけたら、こんな思いもしなくて済むだろうにな)」
淡幽「(あ、でも本当はもっとこう、できればそういう行為は段階を踏んでだな)」
ギンコ「(淡幽は一生連れ添う覚悟は出来てると言ったが、やはりなんとかしてやりてぇもんだね)」
淡幽「(そうだなぁ、まずは何もしなくていいから、寄り添うように座っていたいなぁ)」
ギンコ「(そのためにできることと言やぁ蟲の話―――それも殺した話をするくらい、か)」
淡幽「(それで、人の蟲が共生している話を聞くんだ―――ああ、それはとても素晴らしいことだろうなぁ)」
ギンコ「(辛いね、どうにも。救いといえば、コイツの覚悟の強さくらいか)」
淡幽「(冬の日なんかは寒いだろうから、もっとこう、くっついて……ふふ)」
ギンコ「(出来ることと出来ないことの見切りくらいはつけられてるが……ふぅ、どうにもならんね)」
淡幽「……」フフフフ
ギンコ「……」ウーム
淡幽「……って」
ギンコ「?どうかしたか」
淡幽「いや、その……なんでもない」
淡幽「(やはりこの手も駄目か……しかたない、他の策を練ろう)」
淡幽「ん、そうだ。少し、外の空気をあたってくる―――っと、」グラッ
ギンコ「おいばかっ、蟲封じしたあとなんだ、自分の体力を考えろ」
淡幽「ああ、そうだったな」ととと
ギンコ「ほれ、おぶされ」
淡幽「えっ」
ギンコ「ん?」
淡幽「え、それは、その」
ギンコ「今の体じゃ杖つかっても歩けねぇだろ。何時かみたくおぶってやるよ」
淡幽「(け、けど今のこの恰好じゃさすがにいろんなところの感触があたってしまうのでは!?)」
淡幽「(さすがにそれは、少しばかり恥ずかしい―――いやいや、何を言って居るんだ私は。これは好機じゃないのか)」
淡幽「そ、そうだな、頼むよ」
ギンコ「ああ―――しょ、っと」ヨイセッ
淡幽「(ああ……ギンコの背中の温かさがすごく近くに感じられる……幸せだなぁ)」ぽわぽわ
ギンコ「(コイツ、また軽くなったか?大丈夫か)」
淡幽「(ずっとこうしてくっついていられたらなぁ)」
ギンコ「(それとも俺の体が強くなったのかね)」
淡幽「(いっそギンコの荷物になりたい……)」
ギンコ「ふぅー……夕暮れの風が涼しいな」
淡幽「そうだなぁ……(ギンコの背中おっきい、あったかい)」
ギンコ「っと、ここいらで一度降ろしていいか。お前も、ずっと背負われてるのはしんどいだろ」
淡幽「えっ?あ、ああ、そうだな。そこの岩に頼む」
―――。
淡幽「―――日が沈んでいくな」
ギンコ「そりゃ世界は廻ってるからな」
淡幽「知っているかギンコ。つい最近まで、この星は平坦だと思われていたらしい」
ギンコ「化野に聞いたよ。模型もみた」
淡幽「化野……あのモノ好きな蒐集科だな」
ギンコ「ああ。そういやぁな、あの野郎この間―――」
淡幽「(……ギンコのやつ、化野の話をするときやたら楽しそうに話すな)」
淡幽「(……ま、さか)」
ギンコ「―――ってなことがあってな、それで、」
淡幽「ギンコ」
ギンコ「ん、どうした」
淡幽「少し体が冷えてきた―――戻ってくれてもいいか」
ギンコ「ああ、りょうかい。ほれ、おぶされ」
淡幽「ん」ヨイショ
―――。
淡幽「たまー!たまー!」
たま「どうされましたお嬢様」
淡幽「ギンコが男色かもしれない!」
たま「何をおっしゃいまする」
淡幽「あの蒐集家の話となると凄く楽しそうになるんだ……それはもう」
淡幽「もしギンコが男色だったと仮定しよう。そうすれば、今までの行動にも全て話がつく」
たま「……考えすぎでは?」
淡幽「杞憂で済めばよいのだがな。どうにもいやな予感がしてたまらないのだ」
ギンコ「っくし」
ギンコ「夏風邪かね?どっかであらぬうわさでもされてるのやら」
俺のIDが時を超えた。そんな気がした。
ごめん目がかすんできたから、というかこれ既にスレタイ関係ないよね?
ごめんねごめんね、淡幽がかわいくてさ。つい書いてしまった。
ああこれじゃ佐天さんに刺される。怖いよぅ。
つーかなんだよぅ、終わるって言ってからなんでこんなに残ってんだよう。
俺は寝るぞよ。皆も寝よう。そして落とそう。
―――。
ギンコ「よう化野」
化野「久しぶりだな。なんか珍しいもん見つけたか?」
ギンコ「じゃなきゃお前のとこには来んさ」
化野「ひでぇことを言うな。まあいい、とにかく上がれ」
化野「で?今回はどんなモンを持ってきたんだ?」
ギンコ「コイツだ」
化野「筒?硝子みてぇな素材だが随分軽いな。それにこの部分の柔らかさはなんだ?」
ギンコ「筒じゃねぇよ、そいつは筆だ」
化野「筆だと?コイツがか?」
ギンコ「その蓋をとってみろ。先端がとがってるだろ。それを紙の上に滑らせると中から墨が出て字がかけるってわけだ」
化野「ほー。どれ」ビリッ
化野「……オイ、紙が破れちまったじゃねえか」
ギンコ「そりゃそうだろうな。紙はこっちの紙のように丈夫じゃなきゃいけねえようだ」
化野「随分つるつるした紙だな。それに本のようにまとまってる」
化野「―――なるほどな。先端がとがっているように見えるが、実は極小の玉がついている。玉の筒側に
墨がつき、玉を転がすことで墨を紙にうつす、ってとこか」
化野「しかしこんな珍品、どこで手に入れた?」
ギンコ「ちょいとこの間とある見習い蟲師の蟲払いをしてやったんだよ。その時に報酬としてちょいと拝借してきた」
化野「火事場泥棒か」
ギンコ「違うわい」
化野「ふぅん―――まぁいい、いくらで売ってくれる?」
ギンコ「そうだな―――これでどうだ?」
化野「ばっ、高すぎだろ!蟲付きならいざしらず、ただの道具にここまで出すか!」
ギンコ「なら別にいいさ。ただしコイツはほかじゃ絶対に手に入らんぞ」
化野「くっ……」
化野「……そっちの紙も一緒だな?」
ギンコ「ああ、それで構わんぜ」
化野「……しょうがない、買ったよ。ほれ」
ギンコ「毎度あり」
ギンコが化野にボールペンと手帳を売りつけるようです おわり
まだ残ってんのか。あと50程、ちゃちゃっと埋めてみようか。
ボールペンとかは、佐天さんからぱくったみたいです。
―――秋
ミハル「それじゃあ山菜とってくるから」
すず「あんまり蟲と遊んでちゃだめだからね」
ミハル「わかってるよ」
ミハル「今年はみのりが多いのかな」
ギンコ「よぉミハル」
ミハル「ん、ギンコか」
ギンコ「なんだ、随分なもの言いだなオイ」
ミハル「いや、そろそろ来るかなと思ってたから」
ギンコ「そうかい。どうだ、蟲とは」
ミハル「ちゃんと距離はたもってるよ。なんだか最近見たことない蟲も増えてるけど」
ギンコ「ああ、そりゃちょっと前にこの近辺の光脈筋が移動したからだな。この土地側に移動したから、少しは豊かになってきたんだろ」
ミハル「だからかぁ」
―――。
すず「いきなり来るんだもん、びっくりしたじゃない」
ギンコ「依頼がこの近くだったからな、ついでに寄ったんだよ。突然で迷惑だったか」
すず「ううん、そんなことないけど」
ミハル「(姉ちゃん顔にやけすぎ)」
すず「そ、それでどうするの?今日は泊ってくんだよね」
ギンコ「そうさせてもらえるなら助かるが」
すず「うん、じゃあ泊ってってね。旅で疲れてるだろうし」
ギンコ「んじゃ、ありがたく」
すず「それじゃあ夕飯の支度しなきゃ……そっちでミハルの面倒見ててくれる?」
ギンコ「おやすいごようで。おーいミハル、お前が最近増えたっていってた蟲、教えてくれねえか」
ミハル「うんいいよ」
―――。
ギンコ「―――なるほどな、じゃあこっちはどうだった?」
ミハル「それは見てないけど、こっちなら」
ギンコ「そいつは危ねぇから近づくなよ」
ミハル「わかった……ん、ちょっとごめん」
すず「~♪」トントントン
ミハル「姉ちゃん姉ちゃん」
すず「はうっ!ど、どうしたのよ」
ミハル「……頑張れ」
すず「なっ!なに言ってんのよばか!」
ギンコ「何してたんだ?」
ミハル「なんでもないよ」
これからどうすりゃいい。
なんとなく書いたが展開を見失った。展開をくれ。
―――。
ミハル「お風呂わいたけど、一緒にはいろうギンコ」
ギンコ「いきなりだなオイ」
ミハル「薪がもったいないから。ほらほら」
ギンコ「しょうがねえな。悪いすず、先に湯貰うぞ」
すず「うん、ごめんねミハルがわがまま言って」
ギンコ「構わんさ。あいつもお前さんと二人きりで、人に甘えたいところもあるんだろ」
ギンコ「いい湯だ」
ミハル「ちょっと熱かったかな」
ギンコ「いや、これくらいが俺は好みだがな」
ミハル「……ギンコとその目って、蟲がすんでるの?」
ギンコ「ほぉ、よくわかったな。どうしてわかった」
ミハル「なんとなく」
すず「しょ、っと。お布団識終わりました、っと」
すず「これ、ギンコの服……」
すず「……」バサッ
すず「……あったかい。それになんだかいいにおい」ボンヤリ
ギンコ「上がったぞー……何してんだ」
すず「うひゃいっ!」
ギンコ「寒かったのか?風呂空いたからはいってこいよ」
すず「う、うん」
(´・ω・`)すまん
佐天「ふー……寒い。すっかり冬だ」
初春「焼き芋が美味しいきせつですね」
佐天「さつまいもはちょっと季節はずれな気が……というかね、飾利くん。君はもう少し女の子らしい発言をなさい」
初春「といいますと?」
佐天「例えばー、イルミネーションが綺麗な季節だなぁーとかさ」
佐天「私達ももう中二。彼氏の一人くらい作らなきゃなんだかほら大変だよ」
初春「私は佐天さんがいてくれたらそれでいいですよ?」
佐天「嬉しいお言葉ありがと。けどそれとこれとはまた別の話です」
初春「そうですかね。彼氏、彼女というのは満たされない人間が求めるモノです。何かに打ち込んでいて満たされている人間は
そんなもの必要ないと感じますし。私は佐天さんで満たされてますから、とくに欲しいだなんて思いませんけどねぇ」
佐天「うわ、いきなり初春が人間心理を語り始めましたよ?」
初春「というか、好きな異性ができてその人が彼氏になったらいいのになぁが正しい思考であって、彼氏が欲しいというのが
先にくるのはどこか間違ってる気がするんですよ」
佐天「そ、それはそうかもしれないけどさ」
初春「過程と結果が逆転するなんてゲイボルグじゃありませんし。ああ、あれはまた別でしたか」
佐天「それじゃ、また明日ね」
初春「はーい、おやすみなさーい」
佐天「彼氏、彼氏かぁ。私も恋に恋する時期ってだけなのかしらね」
佐天「ま、確かに今は初春達がいるだけでいいし。言ってもまだ中二、そう焦る必要もないかな」
佐天「―――ん、つめたい。……おー雪だ。初雪」
佐天「いよいよ本格的に冬になってきたねぇ。とと、雪が降りだすと体感温度が2度くらい下がっちゃうね。早く帰ろ」
佐天「ふぁーあったかい。やっぱり冬はこたつだねぇ」
初春「駄目です佐天さん!」
佐天「うぉあっ!?う、初春っ、アンタどこからはいってきたの!」
初春「玄関からですよ?合鍵の場所は知ってますし」
佐天「知ってるからって無断侵入しない!あーびっくりした」
初春「それより!コタツなんていつ買ったんですか!」
佐天「ひと月くらい前だけど」
初春「駄目じゃないですかー。コタツ買ったら佐天さんコタツで寝ちゃうでしょう」
佐天「そんなことないよ?だいたい5回に一回くらいかな」
初春「やっぱり駄目じゃないですか。風邪ひいちゃいますよ?」
佐天「大丈夫だって。て、そういえばなんで来たの?」
初春「あ、そうそうそうです。雪が降ってきましたし、初雪記念ってことで鍋しましょう鍋」
佐天「いきなりだね……まぁ、晩御飯決まってなかったからいいけど」
初春「じゃあ御坂さんたちも呼びましょう」
佐天「お、いいねぇ。最近4人で集まれてなかったし」
初春「それじゃついでに材料もいろいろ買ってきてもらいましょう。カニとかエビとかホタテとか」
佐天「白井さんにたかるのやめようよ……」
初春「えーいいじゃないですか。あ、もしもし白井さん、今から佐天さんの家で鍋しますからカニとか買ってきてください。
え?何?今日は御坂さんと二人きりで過ごしたいから無理?」
初春「しょうがないですねぇ……(佐天さん、御坂さんの説得頼みます)」
佐天「りょーかい……あ、御坂さん、今から家で鍋するんですけど一緒にどうですか?はい。はい。
そうですね、初春はカニとか欲しがってました。ええ、お願いします。はーい」
初春「どうやら説得完了したようですけど、白井さんも来ますよね?……はいはい、文句はあとで聞きますから材料お願いしますねー」
―――。
御坂「こんばんはー!」
白井「お晩ですの……」
御坂「へぇーここが佐天さんの部屋かぁ」
佐天「ルームメイトもいませんし、のんびり使ってますよ。ささ、どうぞどうぞ」
白井「初春ゥゥゥ……この恨みは忘れませんの」
初春「なんのことですか?それよりほらカニよこしてくださいカニ」
白井「ちくしょうですの」
―――。
佐天「……」
御坂「……」
初春「……」
白井「……」
佐天「……誰か、喋りません?」
初春「……やっぱり、カニ鍋は、沈黙効果がありますね」
御坂「うまくとれない……」
白井「あれ?今思えば殻だけテレポさせればよかったんですの」シュンッ
初春「ああっ、白井さんずるいです!私のも私のもー!」
白井「嫌ですの」モグモグ
佐天「仕方ない、ここは秘密兵器のハサミちゃんを使うとしますか。おりゃー!」バキンベキン
佐天「ふぅ……おいしおいし」モグモグ
御坂「とれない……」
初春「私もハサミ使いますか……固くて切れないです」
佐天「初春は非力だねぇ。ほら、私がやったげるからさ」バキンベキン
初春「さすがですねぇ佐天さん。女の子とは思えない豪快さです」
佐天「とっておいてもらってそんなことを言うのか飾利くんは」
御坂「とれないよぅ……」
―――。
佐天「さぁて食も進んできたところで取り出し足りますは日本酒」
白井「風紀委員の手前でお酒とはいい度胸ですのね」
御坂「まぁまぁいいじゃない少しくらい」
白井「お姉さま、さすがにお姉さまのたしなめだとしても黒子は風紀委員として―――(ちょっと待つですの。
お酒でへろへろに酔ったお姉さまを介抱―――こ、これですの!)」
白井「ま、まぁ少しくらいなら大目にみますの」
初春「うわぁい白井さんが何を考えてるか手に取るようにわかります」
佐天「それではまずは一番歳が上の御坂さんからどうぞ」
御坂「んーありがと。私日本酒ってはじめてなんだけど美味しいかな」
佐天「これはいいお酒ですからねぇ。たぶん飲めると思いますよ」
御坂「果物みたいな香りがするのね」
初春「大吟醸って、なんで佐天さんがそんなのを?」
佐天「親が風邪ひいたときこれで卵酒つくりなさい、って。もったいないから使わなかったけど」
御坂「うましっ!何これおいしい」
佐天「マジですか。どれ……あー、飲みやすい酒ですねぇ」
初春「そして私もとりだしたりますはこのお酒」
白井「黄金色にひかってますの」
佐天「ぶっ!?ちょ、初春それって―――」
初春「(大丈夫です佐天さん、これは吸蜜糖から作った光酒もどきですよ)」
佐天「(いや、それ十分大丈夫じゃなくない?というかアンタお酒作りなんてできたの?)」
初春「(ヌシパワーでちょちょいと作ってました)」
佐天「(ヌシパワーすごい)」
初春「ささ、白井さんどうぞ」
白井「まぁ、少しくらいなら―――美味ですのっ!?」
初春「おいしいでしょう、なんたって生命の源に近い味ですからねぇ。誰の口にも合います」
御坂「へー私も一口……うわぁ、佐天さんのも美味しかったけどこっちも凄い」
佐天「おそらくこっちのほうが美味しいでしょうね……というかコレに勝てる飲みものがあるとは思えませんけど」
―――。
白井「ですのですのー。なんですのこのちっさいヘンテコなのはですのー」
佐天「わぁ、白井さん無茶苦茶酔ってる」
初春「まー光酒を初めて飲んだらああなるでしょうねぇ。というか視えてますよね、あれ」
佐天「視えてるねぇ。やっぱりそのお酒のせいじゃないの?」
初春「まさかこんなことになるとは……」
御坂「ねーさてんさーん」だきっ
佐天「おぶっ。御坂さん、いきなり後ろからのしかかられると―――」
白井「あーおねえさまがさてんさんにくっついてますのーわたくしもおねえさまにくっつきますのー」だきっ
佐天「ぐえっ。ちょ、重……」
初春「そして私も便乗してみますね」だきっ
佐天「ぐえーっ。う、初春、アンタは正気なんだからやめなさい!」
初春「だって私だけ仲間はずれはいやですよぅ」
佐天「嫌とかじゃなくて。ふおあっ、御坂さん耳の近くで喋らないくださいくすぐったい!」
―――。
佐天「それじゃ、私は御坂さんの酔い覚ましいってくるから、初春は白井さんを看てね」
初春「完全に酔い潰れちゃいましたねぇ白井さん」
白井「ですのー……」
御坂「さてんさん、からだあつい……おそといきたい」
佐天「はいはい、今から行きますからちゃんと上着きてくださいね」
―――。
佐天「ふぅー……うわぁ、雪まだ降ってたんだ。すっごい積ってる」
佐天「街明かりが反射して綺麗ですねみさかさ――――」
御坂「ゆきだーっ!」ばっ
佐天「ちょっ」
御坂「そりゃー!」ずさー
佐天「しまった飲ませ過ぎた」
佐天「じゃなくて、もう、何やってんですか御坂さん!」
御坂「つめたーいきもちいーい」
佐天「風邪ひきますから起きてください、ほら」ぐいっ
御坂「やー」ぐいっ
佐天「っと、うあっ!」どさっ
佐天「あいたた……」
御坂「……やっと二人きりになれたわね、佐天さん」
佐天「えっ……御坂、さん?」
≪省略しました各自妄想お願いします≫
佐天「もうお嫁にいけない……」
御坂「何言ってんのよ、ロッカーではもっとすごいことやったじゃない」
佐天「それは忘れてください……」
佐天「うー、体が熱いような寒いような、変な感じになっちゃったじゃないですか……」
御坂「そう?私は全然寒くないけど」
佐天「元気ですねぇ……ほら、もう部屋に戻りましょう」
御坂「そうね」
―――。
佐天「たっだいまー。あーやっぱり部屋あったかいなー」
御坂「痛っ」
佐天「え?」
御坂「ん……なんだろ、部屋に入ろうとしたら肌が痛くなって―――やっぱり痛い」
佐天「―――、……なるほど、蟲の仕業ですね」
初春「どうしたんですか佐天さん、玄関でつったって」
佐天「御坂さんに蟲がついちゃって。常雪蟲かな」
初春「へー珍しいですね」
佐天「―――というわけでして、御坂さんが痛いと感じるのはほとんど錯覚みたいなものです」
御坂「痛みに耐えていれば元に戻るってこと?」
佐天「そういことですね」
御坂「でもなんで私だけ……あの時は別になんともなかったのに」
初春「あの時?」
御坂「うん、佐天さんと雪の上でn」
佐天「わーわーわー!な、なんでもないよ初春っ!と、とにかくね、御坂さんをあっためないと!」
御坂「でも温めようとするとやっぱり痛いし……」
初春「耐えなきゃいけないですよ。じゃなきゃどんどん体温が下がっちゃいますから」
佐天「それに昔ならいざしらず、今の世の中暖房は完備されてますからねぇ。払わないとどこにも行けませんよ」
御坂「んー……それじゃあ、佐天さんが温めてくれるなら頑張ろっかな」
初春「なん……」
佐天「だと……」
初春「佐天さん……御坂さんが何かほざ、申しておりますが」
佐天「御坂さん……冗談はよしこちゃんですよ」
御坂「冗談って、さっきのキスは嘘だったの?」
佐天「あ、あれは御坂さんが強引にしてきたんじゃないですk……ぁ」
初春「……へーえ、佐天さんと御坂さんってそういう関係だったんですねーへー」
佐天「ち、違うの初春、そうじゃないの誤解なの」
御坂「そんな……私は遊ばれてただけなのね」ヨヨヨ
佐天「み、御坂さんあなた酔ってるんですかシラフなんですかどっちなんですか!?」
初春「もういいです、佐天さんなんか知りませんからっ!!!」
佐天「ちょ、まってういはr」
御坂「……また、二人っきりになっちゃったわね」
佐天「ちょっ」
≪省略したよ≫
佐天「……」シクシクシクシク
御坂「んー、もう痛くないわね」
佐天「ひどい……野外であんなに……」シクシク
御坂「ご、ごめん、ちょっと本気になっちゃった」
佐天「御坂さんこわい……こわいよぅ……」シクシク
御坂さんが常雪蟲につかれたようです おわり
その頃の白井さん
初春「……佐天さんの、ばか」
白井「んーもうカニはいいですのー……」
初春「白井さん……」
初春「……佐天さんが御坂さんをとるなら、私だって―――」
白井「ふわぁー……中華は火力が命ですのー……」
初春「ん……白井さんの髪の毛ふわふわです。それにいい香り……お嬢様っぽい香りです」スンスン
初春「あ……なんだか匂いかいでたらちょっとその気になってきました」
初春「では―――いただきます」
―――。
白井「もうお嫁にいけませんの……」シクシク
初春「いやぁこっちも結構イケるかもしれません」
ふぅ、ようやく終わりが見えたな。
途中禁書じゃねえ、レールガン関係ない文もはいってごめんね。皆蟲師なんて知らないよねマイナーだよね。でも俺は好きだよ。
だから思ったんだ、淡幽がかわいいSSを誰かが書けばいいって。
淡幽ってギンコのこと好きなのかな、そういうのじゃないのかな、まあ可愛いからどうでもいいけど。
大人な淡幽もロリーな淡幽も等しく好きだよでも俺が一番好きなのはやっぱりギンコかな。
ここまで読んで下さった方、保守してくださった方、蟲にとりつかれた方、お疲れ様でしたそしてありがとうございました。
それはそうと皆佐天さんのフィギュア買うの?俺予約し忘れたんだけどさ。でも、なんか、あれは、うーん微妙なんだよなぁ。
出来はいいんだろうけど、なんかなぁ。もうちょい、って感じだよね。
それにしてもまさか1000近くまで行くとは思わんかったね。
最近佐天さんがゲス条さんのえじきになるSS読んだけど胸が痛くなった。そして俺は電車のなかでウックルシってなった。鬱だ。
ミコ天の良さはどこにあるんだろ。でも俺はミコ天が好きなんだよ。何故だか知らんが。
さて、別スレも進めなきゃいけないし、ここいらで俺は一人で1000を目指してさよならするよ。
1000
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