苗木「ナエギリ? どういう意味?」
霧切「意味なんて特にないわ。ただ語感が良いと思っただけよ」
苗木「な、なるほど……」
霧切「ちょっと苗木くんも口に出して言ってみなさい」
苗木「えぇ!? どうして!」
霧切「いいから。声に出して読みたい日本語みたいなものよ」
苗木「わ、分かったよ。えーと……ナエギリ」
霧切「もう一回」
苗木「え?」
霧切「もう一回言って」
苗木「ナエギリ」
霧切「……フフッ」
苗木「何で笑ってるの?」
霧切「何でもないわ」
廊下
苗木「うーん、結局あれは何だったんだろう」テクテク
苗木(霧切さんが意味の無いことをするとは思えない……これはきっと暗号か何かに違いない!)
苗木「ってことは……これってもしかして試されてる?」
苗木(霧切さんは超高校級の探偵……きっと、この謎かけで僕の助手としての才能を見極めようとしてるんだ!)
苗木「そうと決まったら負けるわけにはいかないな……」
苗木「絶対にナエギリの謎を解いてみせるぞ!」
図書室
苗木「とは言ったものの……手がかりゼロの状態じゃどうしようもないよ……」
苗木「とりあえず図書室でナエギリに関する資料を探してみよう」
苗木「…………」ゴソゴソ
苗木「…………」テクテク
苗木「…………」ペラペラ
苗木「うーん……」トントン
苗木(まったく分からない)
苗木「どうすればいいのかなぁ……」
十神「おい」
苗木「あ、十神くん」
十神「一体何の騒ぎだ、こんなに本を持ち出して」
苗木「実は……」
十神「ほう、つまり霧切からお前に対する挑戦状というわけだな」
苗木「僕はそう思ってるよ」
十神「ふむ……成程な」
苗木「十神くんには何か分かる?」
十神「……まぁ、何となくはな」
苗木「えぇ!? 本当!?」
十神「だが教える気はないぞ」
苗木「……うん、分かってるさ。これは僕に宛てられた暗号なんだからね。僕自身の力で解かないと意味がない」
十神「だが一つだけ言っておきたいことがある」
苗木「何だい?」
十神「……トナエも良いな」ニヤリ
苗木「は?」ゾクッ
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