霧切「ナエギリって凄く語感が良くないかしら」苗木「え?」 (14)

苗木「ナエギリ? どういう意味?」

霧切「意味なんて特にないわ。ただ語感が良いと思っただけよ」

苗木「な、なるほど……」

霧切「ちょっと苗木くんも口に出して言ってみなさい」

苗木「えぇ!? どうして!」

霧切「いいから。声に出して読みたい日本語みたいなものよ」

苗木「わ、分かったよ。えーと……ナエギリ」

霧切「もう一回」

苗木「え?」

霧切「もう一回言って」

苗木「ナエギリ」

霧切「……フフッ」

苗木「何で笑ってるの?」

霧切「何でもないわ」

廊下


苗木「うーん、結局あれは何だったんだろう」テクテク

苗木(霧切さんが意味の無いことをするとは思えない……これはきっと暗号か何かに違いない!)

苗木「ってことは……これってもしかして試されてる?」

苗木(霧切さんは超高校級の探偵……きっと、この謎かけで僕の助手としての才能を見極めようとしてるんだ!)

苗木「そうと決まったら負けるわけにはいかないな……」

苗木「絶対にナエギリの謎を解いてみせるぞ!」

図書室


苗木「とは言ったものの……手がかりゼロの状態じゃどうしようもないよ……」

苗木「とりあえず図書室でナエギリに関する資料を探してみよう」

苗木「…………」ゴソゴソ

苗木「…………」テクテク

苗木「…………」ペラペラ

苗木「うーん……」トントン

苗木(まったく分からない)

苗木「どうすればいいのかなぁ……」

十神「おい」

苗木「あ、十神くん」

十神「一体何の騒ぎだ、こんなに本を持ち出して」

苗木「実は……」

十神「ほう、つまり霧切からお前に対する挑戦状というわけだな」

苗木「僕はそう思ってるよ」

十神「ふむ……成程な」

苗木「十神くんには何か分かる?」

十神「……まぁ、何となくはな」

苗木「えぇ!? 本当!?」

十神「だが教える気はないぞ」

苗木「……うん、分かってるさ。これは僕に宛てられた暗号なんだからね。僕自身の力で解かないと意味がない」

十神「だが一つだけ言っておきたいことがある」

苗木「何だい?」

十神「……トナエも良いな」ニヤリ

苗木「は?」ゾクッ

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