モバP「鬼!悪魔!ちひろ!」 (41)

ちひろ「はい?」

P「それが世間一般でのちひろさんの評価だそうです」

ちひろ「なんですかそれは!?」

P「いや、だからちひろさんの…」

ちひろ「そうじゃなくて!誰が鬼悪魔ですか!?」

P「うちの事務所って結構急激に大きくなったじゃないですか?」

ちひろ「まあそうですね」

P「でも事務員はちひろさん一人じゃないですか」

ちひろ「そうですね……お陰で忙しくて仕方ありませんよ」

P「で、鬼、悪魔と言う評価になったそうです」

ちひろ「事務所の多忙からどうして鬼や悪魔に繋がるんですか!?」

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P「芸能界ってこう言っちゃなんですが社会的に真っ黒な業界じゃないですか。
ほら、近年でも893やらドラッグやら問題になってますし」

ちひろ「それはまぁ、わかります」

P「そんな業界で急激に成長する事務所って事はさぞ悪い事やってるんだろうと」

ちひろ「うちはやってませんけど、そこまでは百歩譲っていいとしましょう。
それでなんで私が鬼悪魔とか言われるんですか!?
普通ワタ◯みたいに社長とか重役が言われるものでしょう!」

P「いや、でもうちの金銭管理ってちひろさんじゃないですか」

ちひろ「それはそうですけど」

P「ちひろさんが儲ける為なら何でもやる人って評価の結果、鬼悪魔と呼ばれるようになった訳です」

ちひろ「理由はわかりましたけど納得できませんよ!?」

P「わかってますよ、俺はちひろさんが鬼や悪魔なんて思ってませんし」

ちひろ「それならいいですけど……」

P「ただ残念ながらアイドル達の中にも、
ちひろさんをそう思ってる娘って結構多いんですよね」

ちひろ「多いんですか!?」

P「まあ170人くらいですかね?」

ちひろ「ほとんど全員じゃないですか!?」

P「間違ったイメージが広がると会社にもよくないので、
ちひろさんのイメージを正しく伝える為に、ちょっと協力してくれません?」

ちひろ「それは構いませんけど、どうするんです?」

P「先入観がある状態でイメージを変えるのは難しいので、これはもう直接アイドル達と話すしかないかなと」

ちひろ「そうですね、もう誰か呼んでるですか?」

P「最初はNGの三人を呼んでます。
3人ともキュート、クール、パッションの代表みたいなところありますし」

ちひろ「なるほど」

<オハヨウゴザイマスー

P「お、帰ってきたみたいですね」

卯月「ただいま戻りました!」

未央「お仕事終わったよー」

凛「話って何?次の仕事?」

P「いや、仕事の話じゃないんだがちょっと聞きたい事があってな。
ちひろさんについてだ」

卯月「ちひろさん?」

P「みんなちひろさんに持ってるイメージってどんな感じか教えてくれ」

未央「どんなって言われても……」チラッ

P「本人を前にして言いにくいとは思うが、率直な気持ちを伝えてくれ」

卯月「鬼」

凛「悪魔」

未央「ちひろ」

ちひろ「うぅ……本当にそう思われてたんだ……」

P「はぁ……やっぱりか、いいかお前ら。
お前たちは大きくちひろさんのイメージを間違えてるぞ」

凛「やっぱりそうだったんだ……」

未央「うん、言いすぎかなと思う事もあったんだ」

卯月「ごめんなさい、ちひろさん」

ちひろ「いえ、所詮噂ですし。わかってるくれれば……」

P「そうだぞ、お前ら。
ちひろさんは決して鬼や悪魔なんかじゃない。それ以上だ」

ちひろ「」

ちひろ「」

ちひろ「え?」

P「まずお前ら、ちひろさんがやりそうな行動や台詞を考えてみろ」

未央「『泣け!叫べ!そして[ピーーー]!』とか?」

ちひろ「紫の炎とか吹き出しませんよ!?」

卯月「お前たちの課金は素晴らしかった!ステップアップも月末も!
だが、しかし、まるで全然!目玉を出すには程遠いんだよねぇ!」

ちひろ「どこの極東チャンピオンの決闘者ですか!?」

凛「ゲームのイベントで爆死したプロデューサーにそのアイドルがサヨナラを告げるところを見せそう」

ちひろ「ネット上の漫画じゃないですか!冤罪ですよ!冤罪!!」

P「ちひろさん、大御所アイドルのネタをパクるのはちょっと」

ちひろ「あ、はい……ってそうじゃないですよ!」

P「いいか、お前らの勘違いはちひろさんが好んで外道な台詞を吐くように見えるがそうじゃない。
ちひろさんはただ悪気はないんだ」

ちひろ「あの、もっと悪くないですかね?」


P「凛が言った時みたいに、俺がイベントで爆死したとしよう。
そんな時、実際ちひろさんならどんな言葉をかけます?」

ちひろ「え?そうですね……諦めるのはまだ早いですよ!
今ならお得なショップが開催中です、スタドリを集めてお迎えしましょう!」

未央「」

卯月「」

凛「」

P「ほらな?これが本物の回答だ」

ちひろ「あれ?え?何か間違ってました?」

凛「人として間違ってるかな…」

未央「お金つぎ込んで失敗した人に、さらにお金使わせるのはどうかと思う…」

卯月「せめて最初はフォローの言葉かけようよ…」

P「ご覧いただけますか?こちらが現役アイドルがドン引きする姿です」

ちひろ「あ……あれ?」


P「さっきのゲームの話で、遊んでるプロデューサーの中にもいわゆる無課金という層がいるんだがな」

卯月「無課金?」

未央「お金を使わないってこと?」

P「そう、ソーシャルは基本無料で遊べるからな。
そういう人達をちひろさんはどんな目で見ると思う?」

凛「課金しろよコイツって睨みつけるとか?」

未央「見下す?」

卯月「明日出荷される豚を見るような目?」

ちひろ「そんな事思ってませんよ!?」

P「そう、正解は何も思ってない。つまり眼中にすらない」

凛「うわぁ…」

ちひろ「ちょっと、眼中にない訳じゃないですよ!?」

P「じゃあどう思ってます?」

ちひろ「どうって!……えーっと………………」

未央「答えられないんだ…」

卯月「人って他人にここまで関心持てなくなれるんですね…」

ちひろ(まずい、このままじゃイメージ回復どころか汚名挽回じゃない。
なんでも良いから答えないと……)

ちひろ「し……」

P「死?」

ちひろ「違います~!
将来的には課金してくれるかもしれないじゃないですか!」

凛「」

未央「」

卯月「」

P「とうとう言葉もなくなったか……無理もないけど」

凛「うん、私達ちひろさんの事を誤解してたよ…」

卯月「ちひろさん、ごめんなさい」

未央「私も…ゴメン」

ちひろ「謝らないでください!私が想像以上の外道だったみたいじゃないですか!?」


P「みんな正しいちひろさんのイメージをちゃんと覚えたと思う。
いいか、今後も他人を勝手な噂や先入観で語らないように注意すること」

凛「うん」

卯月「はい、気をつけます!」

P「みんなにも正しいちひろさんのイメージを伝えておいてくれ」

未央「そうだね、みんな誤解してると思うから伝えておくよ。
ちひろさんは鬼や悪魔なんかじゃないって」

ちひろ「そこの台詞だけ聞くと正しいように見えるけど、
こっちと意図するところが逆ですよね!?」

卯月「じゃ、私達行ってきます!」タッタッタッタ…

ちひろ「ちょっと待って!せめて反論させて……あ、行っちゃった……」

P「ふぅ……これでNGの三人には正しいイメージが伝わりましたね」

ちひろ「……」プルプル

P「どうしました?ちひろさん?」

ちひろ「プロデューサーさんのアホー!
呪われろー!一生あんたんできない呪いをかけてやるー!」タッタッタッタ…

P「ちひろさん!?
呪いなんてかけられなくても、あんたんなんてできたことないですけどー!?」


こうしてプロデューサーは正しいちひろをNGの三人に教えつけた。
だが、まだまだ勘違いしているアイドルは少なくない!

戦え!プロデューサー!
すべてのアイドルに鬼、悪魔に対する風評被害を拭うその日まで!!


ちひろ「しなくていいです!」



おわり

投下は以上です

昨今の鬼悪魔への風評被害が酷いので、今回のSSを書いてみました

サンキューチッヒ。乙


第六天魔「ふざけんな」
アーリマン「風評被害が過ぎる!」

アンラマンユ(絶対悪神)すら凌ぐチッヒー……

怒りを鎮め給えー(ガチャガチャ

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