キョン「俺だけ一般人ってのは納得がいかない」(423)

キョン「いかないんだ」

長門「……?」

キョン「ずるい。おまえらずるいぞ」

古泉「どうしたんですか急に」

キョン「お前には言ってない」

古泉「いや、今おまえらって」

キョン「言ってない」

古泉「なんという」

キョン「長門は宇宙人」

長門「…」コク

キョン「朝比奈さんは未来人」

みくる「えっ、えっ? あっ、は……はい」

キョン「古泉は超能力者」

古泉「はぁ」

キョン「実に不愉快だ。なんでお前らだけそんなチートキャラなんだよ」

古泉「いや……あなたも特殊な存在では」

キョン「いいわけすな」

古泉「なんという」

キョン「どういうわけか団長様は神様なわけだ。お客様は神様みたいな」

古泉「全然違いますよ」

キョン「なんだよこれ。戦隊物でレッドだけ普通のおっさん、みたいな」

古泉「なんでいきなり自分がレッドなんですか」

キョン「黙れ黄色、カレーでも食ってろ」

古泉「なにかしました? 僕あなたになにかしました?」

みくる「わっ、わたしは何色ですか?」

キョン「もちろんピンクですよ」

みくる「わぁ……憧れてましたそういうの……」

長門「…」

んっふ

キョン「でもな、別にいいんだ。俺だけ普通の人ってのでも、別に」

古泉「いいなら何をそんな」

キョン「腹がたつのはそんな一般ピーポーな俺がさ」

長門「ぴーぽー?」

キョン「そこはいい。とにかく、俺が一番あのゴッドから被害を受けてるってことだ!」

みくる「ひっ、被害って」

キョン「毎度毎度毎度毎度毎度毎度毎度毎度毎度毎度毎度俺が何かしらの痛い目にあう!」

古泉「よく今の噛まずに言い切りましたね」

キョン「えぇ!? 崖から落ちて死にそうになるわ殺されかけるわ殺されかけるわ!」

キョン「二度も殺されかける奴なんてみたことないぞ!」

古泉「まあ……いいじゃないですか。ラッキーでしょう、ある意味」

キョン「正しい意味でアンラッキーじゃないか! バカかお前は!」

キョン「俺はここに提案する! 俺もお前達みたいに特殊な存在になるべきだと!」

みくる「特別な……存在、ですか……もうなってると思うんですけど……」ゴニョニョ

古泉「ははは、なんか楽しそうですねそれ」

キョン「そこ! 笑い事じゃないぞ!」

古泉「えっ」

キョン「そこで超能力者未来人宇宙人の三人に協力を願いたい」

長門「協力?」

みくる「協力ですか……?」

キョン「つまりだ、三人の超能力や宇宙パワーや未来テクノロジーで、俺を超人にしてくれ」

古泉「超人ですか。よりにもよって超人ですか」

キョン「スーパースクラルみたいな」

古泉「しかもそういうのですか。っていうか彼宇宙人ですよね」

キョン「ガンビットみたいな」

みくる「あっ、カッコいいですよねあの人。カード投げ真似したなぁ……」

キョン「ガンロックみたいな」

長門「岩男」

キョン「なんで三人共知ってるんだよ! したり顔させろよ!」

キョン「俺も不思議な力を使いたいんだ。仲間はずれすな」

古泉「すな、と言われましても」

キョン「お前なんかそれだけでモテるんだから超能力とかいらんだろ。くれよ」

古泉「あげられるならあげますよ」

キョン「朝比奈さんも、この時代もいいもんですよ? だから俺が未来に帰ります」

みくる「そ、それは、それはだめですっ!」

キョン「長門、いつもありがとうな。これからは俺がお前を助けてやるぞ」

長門「…」ムシャムシャ

キョン「聞けよ。なんでこのタイミングでお菓子食べてんだよ」

長門「…」チロチロ

キョン「手についた粉を舐めるな」

長門「美味」

みくる「美味しいですよね、ハッピー○ーン」

キョン「それは否定せんが、とりあえず今は俺の願いを聞いてほしい」

古泉「と言われても、僕には何もできませんよ」

キョン「じゃあお前に発言権はないな。そこで逆立ちでもしてろ」

古泉「わかりました」

キョン「するのかよ!」

古泉「…」

キョン「しないのかよ!」

あんま人もいないし夜中だし
今日はsageないでやってみるかね

キョン「折角だ。ハルヒもいないことだし、一つ協力してはくれんかね」

古泉「ですから、協力のしようがないと言いますか」

キョン「がんばれよ! いや、がんばってください!」

みくる「うぅーん……」

キョン「おっ、なにかいい案でもありますか!?」

みくる「まぁ……人体改造は……未来では……でもこの時代ではまだ痛覚マスキングもできないし……」ゴニョニョ

キョン「さっ、先に言っておきますが危険なのは勘弁してもらいたいです」

みくる「えっ? 私なにか言いました?」

キョン「……長門なら」

長門「できなくはない、が、オススメはしない」

古泉&みくる「「!?」」

キョン「おおおっ! さすが長門! お前は本当に凄いなぁ」

長門「…」コク

キョン「ようし、ご褒美にハッピー○ーンを三コあげよう」

長門「もらう」スッ

古泉「ふむ……確かに長門さんなら、そういうのも出来そうな気はしてましたが」

キョン「君とは違うのだよ君とは。長門君は我が部のホープだからな」

古泉「はぁ」

みくる「でもその、オススメできないというのは……」

長門「…」

長門「私が出来るのは、あなたを超能力者にするということ」

キョン「超能力者!? よっしゃ、これで古泉の存在価値がなくなる!」グッ

古泉「なんですかそのガッツポーズ、泣いていいんですか」

長門「だけどそれは、あなた方人間にとっては必要のないこと」

キョン「不必要ということは必要とされない必要があるってことだ。つまり不必要は存在しないんだぞ」

長門「……あなたがどうしても、というのなら」

みくる「でもあの……あまりそういうことは……」

長門「万が一危険なことになったら、その時は私がどうにかする」

古泉「大丈夫なんでしょうか」

長門「……いざとなれば時間を戻せばいい。今、ここに復元ポイントを作成する」

キョン「よくわからんが俺の目にお前はとても輝いて見えるぞ……おおっ」

忘れ物を取りに行くのは?

キョン「で、それは一体どんな能力なんだ」

長門「それは」

キョン「それは」

長門「未来予知能力」

キョン「未来予知能力!」

古泉「なんですって」

みくる「!?」(私の存在意義が……)

キョン「未来、未来予知だと!? それじゃ朝比奈さんの存在意義が」

みくる「ふぇーん……やっぱりぃ」

長門「正確には予知ではない。確定された未来を見ることができる、そういうこと」

キョン「……よぉし、詳しい話を聞こうじゃないか」

>>25
落ちちゃったしねー

長門「並行世界はわかる?」

キョン「あー……うん」

古泉「わかってないですよね」

キョン「わかっとる! バカにすんな」

長門「選択しなかった未来、そう思えばいい」

キョン「あぁ、うん」

みくる「…」(わかってなさそう……)

長門「例えばこのお菓子を……」モグモグ

キョン「食った」

長門「……ケフッ」

キョン「…」

長門「今、私達がいるのはこれを私が食べた世界」

キョン「おう」

長門「私がこれを食べなかった世界……それが並行世界」

キョン「おぉ……あぁ、うん。わかってる、わかってるとも」

長門「選択しなかった未来。それは無数に存在する」

キョン「えっ? いや、だからそれを食べなかったというだけじゃ」

長門「食べなかった、少しだけ食べた、誰かにあげた。行動は無限に広がる」

キョン「……おー。そう言われりゃそうだな」

古泉「やっぱりわかってないんじゃ」

キョン「再確認だ。黙っとれ」

長門「あなたにこの並行世界の中で、一番行き着く確立が高い世界を見る能力を目覚めさせる」

キョン「えー……あぁ! おう、なるほど!」

みくる「えーと、つまり……食べたいものを素直に食べたらどうなるか、という未来?」

長門「その通り」

キョン「だよな」

古泉「微塵もわかってないですよね」

キョン「シャラップ!」

長門「デジャヴを知ってる?」

キョン「それならわかるぞ。あのなんか……あれ? これ知ってる……みたいな」

長門「それ」

古泉「既視感ってやつですね」

長門「それを確定的な自覚に変換させる」

みくる「!?」

キョン「つまり……どういうことだってばよ」

古泉「なんですかそれェ」

キョン「知ってるだろお前」

長門「デジャヴとは『既視感』とは違う。まったく別のもの」

みくる「それは……」

キョン「知ってるんですか朝比奈さん」

古泉「むぅ、もしや伝説の」

キョン「お前もう黙ってろ。もしくは死ね」

長門「大丈夫。あなたの口から教えなければいいだけのこと」

みくる「あぅ……きっ、禁則事項ですぅ」

キョン「……聞いて大丈夫なのかそれは」

長門「問題ない。知ったところでどうすることもできない」

古泉「少し怖いですね。気になりもしますが」

長門「並行世界とは突然現れるものではない」

長門「結果が存在するのは、過程が存在するからであって」

長門「デジャヴとはつまり、『未来を思い出している』ということ」

キョン「ははは、そうか。うむ……まったくわからん」

長門「…」

あー
てきとーに書いてるのでてきとーに読んでね
SF的ツッコミとか勘弁してね!お兄さんとの約束だよ!

長門「ここに一つのお菓子がある」

キョン「あるな」

長門「…」ムグムグ

キョン「…」

長門「……ケフ。これがお菓子を食べた未来」

キョン「あぁ」

長門「お菓子が存在したので、存在できた未来」

キョン「うん」

長門「お菓子が存在し続ければ、どんな未来も存在する」

キョン「…」

長門「あなたが存在する限り、あなたの並行世界は永遠に存在し続ける」

キョン「だんだんわかってきたけど、今それを食べる必要はなかったよな?」

長門「加えて朝比奈みくるの力を思い出してほしい」

キョン「え? 朝比奈さん? そりゃあ、未来人で、未来と過去を……」

長門「そう。時間と時間を行き来する。それを記憶の範囲だけで行う」

みくる「あぅ……」

長門「あなた達は、時間を未来にしか移動できない。肉体的にではなく、精神的に」

長門「未来は確定しているもの。常に存在するもの」

長門「つまり精神的時間跳躍さえできれば、それを覗くことも可能になる」

キョン「おぉ、えらく饒舌だな長門……よくわからんけども」

長門「デジャヴとは、一時的にその未来を覗くということ」

キョン「うーん、なんとなくでは理解出来てきた」

古泉「ゲームで想像すればいいんですよ。紙と鉛筆を借ります」

古泉「まずここでセーブする」カリカリ

古泉「で、ここから先に行く。そしてここでゲームオーバーになる」カリカリ

古泉「するとこのセーブポイントからやり直しになる」スーッ

古泉「ゲーム上では、キャラクターは先の経験、つまり記憶は持ち合わせてませんが」

古泉「プレイヤーは既に先で何が起こるかを経験して知っている……ってことです」

キョン「あぁ! なるほど! お前も意外と役に立つんだな!」

古泉「んっふ」

古泉「つまり、過程の記憶を無くし結果の記憶だけを微かに脳に覚えさせる……ってことですかね」

長門「そう。それがデジャヴの正体」

古泉「でもそれが可能というのは……その方法は」

長門「それは――」

みくる「あ! や、だっ、だめです!」バッ

長門「ん」ムグムグ

みくる「駄目です! そっ、それを知ってしまうと誰にでも時間座標の移動がっ」

長門「……そこまでは教えない。わかってる」

みくる「あぅ……すっ、すいません」

キョン「?」

長門「方法を知ってしまうと、永遠に記憶し続けることが可能になってしまう」

古泉「並行世界は無限に広がっているわけですから、それを自由に行き来する力を持ってしまうと」

古泉「精神的な死が永遠に訪れなくなる、というわけですか」

長門「彼女のような肉体的時間跳躍は、さほど危険ではない」

長門「だけど精神的時間跳躍は、無限を生み出すことになってしまう」

長門「……なので、本当はオススメできない」

キョン「なっ、なんともよくわからんが……不老不死みたいなもんか」

長門「間違いではない。知ってはいけないこと」

キョン「うーん」

長門「だが先を、可能性が一番高い未来を見るだけなら問題ない」

長門「それを変えるか変えないか、変える方法も教えはしない」

長門「あくまでも未来予知……それでいい、それができる力だけを目覚めさせる」

キョン「……ほ、ほんとに超能力者みたいだな」

古泉「みたいじゃなくて、超能力者ですよ。それも、僕や朝比奈さんでは太刀打ちできないほど強力な」

長門「この中では私に一番近い存在」

キョン「……すごいな。ほらみろ、手のひらが汗まみれだ」

解説長過ぎワロリアッシュン

>>47
俺もどうかと思うわ

長門「とにかく、あなたさえそれでいいのなら」

キョン「……どうなんだ、二人とも」

古泉「まあ、問題ないと思います。未来を知るだけで、過去に戻るわけじゃないんですし」

みくる「……そうですね……そのぐらいなら……並行世界に移動するだけだし」

キョン「でもあれじゃないか、あの、タイムパ……パラサイト?」

古泉「タイムパラドックスですか。それは並行世界がないと過程して初めて存在するものですからね」

みくる「問題ないですね」

キョン「よし! じゃあ決まりだ! さっそく俺にその力を――」

ガンガン!!

ハルヒ「ちょっ、なに! なんで鍵締めてるのよ! 開けなさーい!」

【The future of 50%】

ハルヒ「なによなによ! 何してたのよ! あたしに隠れて何をしてたのよっ!」

キョン「痛い痛いっ、なんでもない! なんでもないと言っとるだろ!」

ハルヒ「嘘! あたし意外の全員揃ってるじゃない! 絶対何か隠してるわ!」

みくる「ふぇぇっ」

古泉「これはこれは……」

キョン「ほんとになんでもないって! たまたま鍵が閉まってただけだ!」

ハルヒ「うーそーをーつーくーなっ!」ムギュー

キョン「ぐあっ! ふっ、太ももをつねるなぁぁぁっ!!」

キョン「―――っ!」ガタッ

みくる「!」

古泉「なっ……大丈夫ですか!?」

キョン「……っと……なっ、なんだ今のは!?」

長門「今あなたが観たのが、これから訪れる一番可能性の高い未来」

キョン「……い、今のがか……」

ドンドン! ドンドン!

ハルヒ「こらーっ! 居るんでしょ! 開けなさいよーっ!」

みくる「あっ、涼宮さんが」

キョン「ちょっ、ちょっと待って! 皆静かに……」

みくる「えっ?」

ハルヒ「こらーっ! 返事しろー!」ドンッ

ハルヒ「あーけーなーさーいっ! 開けなさいってばーっ!」ガチャガチャ

キョン「…」

長門「…」

ハルヒ「……あれぇ? 物音も話し声もしてたと思ったのに……」

ハルヒ「気のせいかしら? んもー、まだ誰もいないっての?」

ハルヒ「まったく! 後で全員に罰ゲームね! んもー」テクテク

キョン「…」

キョン「……行ったか?」

古泉「あの、これは一体」

キョン「俺の太ももを守る為だ」

みくる「?」

キョン「……よし、もう大丈夫だな」

古泉「あの、何がどういうことなんでしょうか」

キョン「見えたんだ。あのドアを開ければどうなるかが……まさに未来が」

みくる「えっ」

キョン「ドアを開けたらハルヒが入ってきて、俺の太ももを……うぉぉっ」

みくる「なっ、なんですかなんですか!?」

キョン「……長門。これが」

長門「そう。あなたは今、未来を見る力を手にしている」

キョン「これが俺の……はは、確かに超能力者じゃないか! 俺は未来を変えたんだな!」

長門「変えたのではなく、違う未来に移動した。それだけ」

キョン「なんにせよ凄いじゃないか! そう、これだこれ! 俺が望んでいたのはこういう世界だよ!」

キョン「ついに……ついに俺も超能力者に……っ!」

古泉「嬉しそうですね」

キョン「当たり前じゃないか! 俺はずっとお前ら側に行きたかったんだよ!」

みくる「あの……その、大丈夫なんでしょうか……?」

キョン「なにがです?」

みくる「えーっと……上手く言えませんが、キョン君はキョン君だから、その」

長門「未来を見るタイミングはランダムにしている。それに、何かあれば私が全てを復元ポイントに戻す」

キョン「長門! 俺は今この時ほどお前に感謝したことはない! ありがとう! いや、ほんとうにありがとうな!」

長門「…」コク

古泉「なんとも、不思議なことですね……あなたがそういう存在になるというのは」

キョン「ふははは、もうお前達にばっかり頼る俺じゃないぞ。スーパーキョン君だ!」

みくる「スーパーキョン君ですか」

キョン「ハイパーキョン君でもいいですよ。もしくは拳王キョン様でも」

古泉「もはやどういうことですかそれは」

キョン「あ、それと長門。なんか一個気になることがあるんだが」

長門「?」

キョン「なんだろう……未来が見える瞬間? にだな、なんというか、数字が頭を過ぎってな」

長門「それはその未来に到達する確立。それを数値化したものを、瞬間的に理解できるようにした」

キョン「あぁ、そういうことか。だから今のは50パーセントなわけだな」

古泉「50?」

キョン「ドアを開けるか開けないか、そういうことだろ?」

長門「そう。だけど、そのターニングポイントは自覚させない」

キョン「なっ、どうしてだよ」

長門「未来を自在に変化させるのは人のやることではない。ただの未来予知なら、あなたに限らず到達する人間は存在する」

長門「その数値こそ、あなたの超能力者としての唯一の能力」

キョン「えっ? 未来予知じゃなくて?」

長門「デジャヴは誰にでも経験することができる。だけど、それを自覚できる人は少ない」

長門「更に、その少数の未来予知能力者の中でも、唯一の存在」

長門「可能性の数値を自覚出来る存在は、今この惑星にあなた一人」

キョン「……字に偽りなしの、唯一無二の存在ってわけか……物凄いなそれは」

長門「あなたが望んだこと」

みくる「なんだか……本当にギリギリですね。それ以上力を加えると、宇宙の法則が乱れそうな」

古泉「大木がミジンコになりそうですね」

キョン「未来を見ることができるが、それを変えられるかどうかは運次第、ってことか」

古泉「ギャンブルですね」

キョン「いいじゃないか。嫌いじゃないぞそういうの」

古泉「なんか死神みたいなのとか見えてません? 大丈夫ですか?」

キョン「あぁ、今のところそういうのはないな」

みくる「凄い……あんな一瞬で、これほどまでの……」

キョン「ん? でも確立が存在するってことは、もしかして100パーセントも存在する?」

長門「もちろん存在する。そして、ターニングポイントは自覚させないので、回避することはできない」

キョン「なるほど、じゃあそれが見えたらゲームオーバーってことか」

古泉「ちょっとしたスペクタクルですね」

キョン「あっ! 今の! 今のデジャヴ!」

長門「気のせい」

キョン「あれ?」

長門「今のように、確立が見えないと本当にそれが未来に起こることかどうかわからなくなる」

キョン「おぉ、そうか……そうなると何もかもを疑ってしまいそうで怖いもんな」

古泉「あと、あまりそれは他人に言わないほうがいいですよ」

キョン「それぐらいわかっとるわ」

長門「何か問題点は?」

キョン「うーん……特にないな」

長門「なら、いい」

キョン「説明されたときはよくわからんかったが……実際経験すればどうってことないな」

古泉「そういうものですよ。僕にも経験があります」

キョン「先輩面すんな」

キョン「さあ、そんでこのままここにいるのもマズイな」

みくる「?」

キョン「多分ハルヒは部室の鍵をとりに行ったんでしょう。戻ってくる前にここを出ないと」

古泉「鍵がないことに気がついてここに戻ってきたら、それこそ太ももがどうこうでは収まらないでしょうね」

キョン「引きちぎられるかもしれんからな」

みくる「太ももをですか? えっ、えっ?」

キョン「やりかねませんよあいつなら。敗北を知りたいとか壁に書いて――」

【The future of 30%】

キョン「!? お前、そんなトコで何を!?」

ハルヒ「それはこっちのセリフよ! やっぱり皆、ここにいたのね!」

みくる「すっ、涼宮さん!」

キョン「アホ、なにやってんだ! 危ないだろ! 早く降りろ、バカ!」

ハルヒ「うっさいわねー。だーいじょうぶよ、このぐらい」

ハルヒ「落ちても二階なんだから死には――」ガタッ

キョン「! ハルヒッ!」

ハルヒ「あっ」

キョン「―――っ!」

みくる「? キョン君?」

キョン「……見えた」

古泉「へぇ、もう二回目ですか?」

キョン「くそっ、あのバカ! 何を考えてるんだよ!」ダッ

みくる「えっ、えっ? きゃっ!」

ガラッ

ハルヒ「うわっ! びっくりした!」ガタタッ

キョン「! こら! 何やってんだよ!」

ハルヒ「なっ、なにって……鍵がなかったから、窓から入ってやろって」

キョン「お前ちょっとは先を考えろよ! そんなことやって落ちたらどうするつもりだよ!?」

ハルヒ「えーっ……落ちたらって……! そんなことより! なんであんたそこに居るのよ!」

キョン「いいからちゃんとドアから入ってこい、ちゃんとあっちからだ」

ハルヒ「わかってるわよ! すぐに行くから待ってなさいよね!!」

長門「…」

むずかしいはなしだー

>>75
なー
もーなにがなんだかなー

とりあえずキリがいいとこまで書いたら寝てもいいかな?
もう既に限界突破してんのようふふ

みくる「どうしたんですか? 汗が……凄いですよ?」

キョン「……長門。もし、もし仮にだ。俺が観た未来に……結果に不満だったとしたら」

長門「いつでも過去に戻すことはできる」

キョン「…」

古泉「何を……何を見たんですか?」

キョン「ハルヒがここから……窓からはしごを使って入ろうとして、転落した」

みくる「えっ!?」

キョン「だから、そうなる前に俺が止めた。だから、もう大丈夫」

長門「あまりオススメはできない……意味が、わかった?」

キョン「わかってる! 十二分にな、わかってる……ありがとう」

長門「ただ一つ、約束してほしいことがある」

キョン「なんだ?」

長門「あなたを過去に戻すのは一度だけ。そして、その時にはここにいる全員の記憶も消させてもらう」

みくる「えっ……全員、ですか?」

長門「消す、というのは少し違う。精神も肉体も過去の座標に戻す、そういうこと」

古泉「どんな結果を見て、過去に戻ってきたとしても、その未来の記憶は覚えていることはできない」

長門「当たり前といえば、当たり前のこと。これは、『あなたに力を与えた』のではない」

キョン「……俺に『力を自覚させる並行世界』へ誘った……そういうことだな」

長門「現実であり、現実ではない。オルタナティブでありオルタナティブではない」

長門「そう。それこそこれは……ゲームだと思えばいい」

長門「私がハードウェアを与えた。私がステージを与えた。私がコントローラーを与えた」

キョン「……だがそれをプレイするのは俺だけ。俺が世界を造る……」

長門「人が人でなくなるとき、背負うものは人である者には決して背負えない」

キョン「…」

長門「あなたは選択するべき。今からでも、戻ることは可能」

みくる「……キョン君」

キョン「いや、これはチャンスだ。俺はまだリセットしない」

古泉「チャンス?」

キョン「俺がお前らに頼らずに困難を乗り越えられるかどうかの……チャンスなんだよ」

長門「…」

キョン「もちろん、ゲームオーバーになれば長門がどうにかしてくれるだろう」

キョン「だけど、俺はそれには頼らない。俺は、確率を確立させない」

キョン「これはようやく俺に廻ってきたチャンスなんだ……まだ誰にも、邪魔はさせないさ」

キョン「まっ、難しく考えても仕方ないよな。見えたことがなんであれ、行動すればそれは変わるんだから」

古泉「今一瞬あなたの顔が見たこと無いほどに真剣な顔になってましたが……」

キョン「そりゃ焦るだろ。目の前で人が死に……うん、焦る」

古泉「それはそうですね」

キョン「というか、いきなりこんなシリアスな展開になるのもどうかと思うぞ」

長門「結果は過程の付属品でしかない。どんな未来が待っていようが、全ては積み重ねの集合体」

キョン「一体どれだけ普段の行いが悪いんだよアイツ。……いや悪いな。もしかするともう何度も死にかけてたのかも」

みくる「あっ、危ないですよそんなの」

キョン「でもですね、あいつ神様だし……あぁ、そう考えると、そんな簡単に神様死なないよなぁ」

古泉「そうですね……言ってしまえば、存在しない並行世界も生み出せる可能性があるわけですから」

キョン「うーん、やっぱりハルヒには敵わんな」

うふうふ
もー限界!ギブギブ!

寝る
残ってたらまた昼下がりにでも
ノシ

この能力はなんて呼べばいいのかな
エンフォースメント・アブダクション?

>>92
 ま か せ た

おれにえすえふのちしきはないからな!
あんまりいじめたらなくからな!

あーでも
これはおかしい、ここはこうじゃね?みたいなのは指摘してほしいかも
まあなんていうか、俺もお前も皆で楽しもうじゃないの
そんな感じだ

こんどこそほんとにねるよ!
ねるからね!

今来た
知っちゃいけない方法とやらをながもんとみくるは知っているわけだけど何でふたりは無事なんだろう

オーラバトラァァダンバイン
オーラシュートォォおはようございます

>>109
長門さんは宇宙人だからね、色々超越してるのさ!
みくるちゃんはタブーってことを知ってるけど、方法自体は知らないって思ってもらえれば

ガチャ
ハルヒ「はぁっ、はぁ! せっ、説明しなさいアホ!」

キョン「っと、そんな息切れするほど走ってこんでも」

ハルヒ「うっさい! なーんでさっき、何にも反応しなかったのよみんな!」

みくる「あっ、あの」

キョン「さっき? いや、俺らもついさっきココに来たばっかりなんだが」

古泉「部室に来る前に全員と合いましてね。喋りながら皆で来たんですよ」

ハルヒ「えぇっ? ほんとに?」

キョン「そんなもん嘘ついてどうすんだよ。誰が得する」

ハルヒ「そっ……それもそうね。でもあんた、さっきよくあたしが窓から昇ろうとしてるのわかったわね?」

キョン「音がして窓を開けたらお前が居ただけだ。というか危ないから二度とするなよ!?」

ハルヒ「わっ、え? あー、うん、わかってるわよ!」

ハルヒ「にしても今日はあっついわねー、みくるちゃん、お茶! 冷たいの!」

みくる「あっ、はいはい~」トテテ

キョン「重役出勤だな」

ハルヒ「ハシゴ持ってくるのすっごい疲れたんだから!」

キョン「ちゃんと返してきたか?」

ハルヒ「……あとで返しにいくわよ」

キョン「おまえなぁ」

ハルヒ「早く来いって言ったのはあんたでしょ!」

キョン「早く、とは一言も言っとらんと思うが」

ハルヒ「言ったわよ言ったの!」

みくる「はいはい~、つめたーいお茶ですよー」

ハルヒ「あ、うん。ありがとー」

キョン「…」(ついさっき死にかけてた奴とは思えんな……なんとも)

ハルヒ「あぁ、そうそう。皆日曜日空けときなさいよ」

古泉「日曜日ですか?」

長門「?」

ハルヒ「ほら、隣町でお祭りあるじゃない。あれに行くわ。今年最初のお祭りよ!」

キョン「それいいけど急だな。明後日じゃないか」

ハルヒ「さっき知ったのよ! 廊下にポスターが貼ってたの!」

キョン「じゃあ、あるじゃない、じゃなくて、あるらしいのよ、だろ」

ハルヒ「うっさいわねー。そんな細かいこと気にしてたら禿げるわよ」

みくる「えっ、そうなんですか? キョン君可哀想……」

キョン「おまっ」

ハルヒ「えぇ、えぇ! 禿げるわ! それもサイドから徐々にね!」

古泉「最終的にモヒカンですか。近未来的で実にいいじゃないですか」

みくる「あれー、買い置きしてたアイスがありませぇん」

ハルヒ「知らないわよ!」

キョン「絶対お前だろ」

長門「次はバニラを買い置きしておくべき」

キョン「まさかのお前かよ」

みくる「美味しかったですか?」

長門「濃厚」

みくる「あっ、あっさり塩味だったのに?」

キョン「どういうことだよそれは、ってなにそのアイ――」

【The future of 80%】

ハルヒ「…」

キョン「…」

ハルヒ「……アウトローいっぱいってさ」

キョン「…」

ハルヒ「ものっすごい悪いわよね」

キョン「…」

ハルヒ「…」

キョン「はぁ!?」

ハルヒ「!? なっ、なによ、なになに!?」

キョン「あ……いや、なんでもない。立ちくらみだ」

ハルヒ「立ちくらみにそんなリアクションする人初めて見たわよ……」

キョン「なんだよ今のは……意味がわからん」

ハルヒ「えっ? いやだから、立ちくらみでしょ?」

長門「…」

みくる「あの……」

古泉「ほほぅ」

キョン「今のは別に回避しなくてもいいよな」ブツブツ

ハルヒ「なによ独り言? ……やだ……脳でもやられたんじゃないの?」

キョン「いたって正常だ」

ハルヒ「はー、ほんっとにあっついわね今日はぁー……」パタパタ

長門「…」

ハルヒ「ほーら、風のおすそ分けー」パタパタ

長門「涼しい」

ハルヒ「よねー」

古泉「何を見たんですか」ヒソヒソ

キョン「いやなんか……まあ無害なことだが」ヒソヒソ

ハルヒ「そこ! 暑苦しいんだからひっつくな! 気持ち悪いわね!」

ハルヒ「クーラー欲しいわねー」パタパタ

キョン「どこまでこの部屋を自室化させる気だ」

ハルヒ「扇ぐのつかれたわ、扇ぎなさい!」

キョン「ふざけるな」

ハルヒ「むー、なによ反抗期? ほーら、チラリズム、ちらりずむー♪」パタパタ

キョン「うわぁ……」

ハルヒ「なっ! なによリアクション! 失礼にも程があるわよ!」ヒュパッ

キョン「あっぶなっ! 下敷きで攻撃してくるな!!」

ハルヒ「……よくこんな暑いのに部活なんて出来るわけね」ポケー

キョン「俺たちだって部活してるじゃないか。内容はないが」

ハルヒ「運動部ってすごいわねー」

キョン「…」(ん? ここか?)

ハルヒ「あー……」

キョン「……野球部とか凄いよな」ボソッ

ハルヒ「え? あぁ、そうねー。こんなクソ暑いのにボール打ったり投げたり……大変よねー」

キョン「大変だな」

ハルヒ「ねー……また野球やりたいわねぇ」パタパタ

キョン「やりたいか? 俺はもう勘弁だ」

ハルヒ「なによ根性ないわねぇ~。そんなんじゃ甲子園行けないわよ!」

キョン「いかないわよ」

古泉「なんですかその喋り方」

ハルヒ「で、ウチの野球部って強いの? 甲子園行けるの?」

古泉「まあ、無理ではないかと」

みくる「あっ、そういえば今の一年生に凄いピッチャーがいるとか言ってましたね」

ハルヒ「なんですって!? 早速SOS団に連れてこなくちゃ」

キョン「何をさせる気だ」




今日の24時までに終わればよし
そのぐらいのあれで読んでくれると助かります

書くの遅くてごめんねごめんね!

古泉「速球とコントロールに定評があるのだとか」

キョン「さすが解説役」

古泉「いやあ、たまたま知ってただけですよ」

ハルヒ「ふーん」

キョン「…」

ハルヒ「…」

キョン「…」

ハルヒ「……アウトローいっぱいってさ」

キョン「…」

ハルヒ「ものっすごい悪いわよね」

キョン「…」

ハルヒ「…」

キョン「このタイミングかよ! 脈略が全くないなおい!」

ハルヒ「はぁ!?」

キョン「回避する必要も全くなかったな……意味がわからん」

ハルヒ「意味わかんないのはこっちよ! 何を言ってるのよ!?」

キョン「なんでいきなりアウトローいっぱいとか言い出すんだよ」

ハルヒ「え? いやほら、野球の実況とかで言うじゃない。アウトローいっぱいに決まった~とか」

キョン「野球のアウト・ローと不良のアウトローを掛けたってか! 上手くねぇよ」

ハルヒ「なっ、なによ! 別にそんなんじゃないわよバカ! ボケ! あほっ!」ゲシッ

キョン「あいたっ!」

ちょっと24時までには無理っぽい
超ごめん

よし
気合入れるか

ハルヒ「ちょっとといれー」スタスタ

キョン「……ふむ」

古泉「何を見たんですか」

キョン「いや、今の通りさ。アウトローがいっぱいなんだと」

みくる「…」

キョン「ねぇ?」

みくる「うーん……危機的状況に陥ったから見える、ってわけじゃないんですね」

キョン「どうなんだ?」

長門「ランダム」

キョン「そうか……まあ毎度毎度冷や汗ものの映像観せられても困るしな」

キョン「そして今見えた……えー……なんと呼ぶべきかな」

古泉「一寸先の未来、とでも呼べばいいかと」キラッ

キョン「未来なんだが」

古泉「…」

キョン「あえて経験してみようと、抗いはせんかったわけだ」

キョン「ちなみに巡りあう確率は80パーセントだった」

みくる「……結構高確率だったんですね」

キョン「そんだけあいつがアウトローどうこうってことを言いたかった……のか」

長門「起こるべき事項として、確立が高かった。それだけ」

キョン「あとはこの、見えたときの衝撃に慣れる必要があるな。毎度毎度不思議がられるのも怪しいし」

うん?確率と確率っておかしいかしら?
100パーセントを100パーセントにさせないってニュアンスっていうかー
うんよくわかんないねごめん

言葉遊びって素敵やん?
うふふ

古泉「衝撃、ですか。それはどういった」

キョン「うーん、言葉で説明しにくいな。別に苦痛があるとかじゃあないんだが」

キョン「こう、いきなりフッと違う世界に飛ぶというか……多分、走馬灯ってのはこんなのじゃないかな」

みくる「なっ、なんか怖いですね」

長門「その感覚を失ったものがデジャヴと呼ばれている」

キョン「いきなり来るもんだから、ビックリするのは仕方ないかもしれんが……」

長門「慣れて」

キョン「それしかないな」

キョン「時間は前に進むだけじゃない、か」

長門「…」コク

キョン「超能力者とタイムトラベラーが一緒になってるんだな」

古泉「僕と朝比奈さんを足したような能力ですね」

キョン「足したって、お前現実では何も」

古泉「なんのことでしょう」


ハルヒ「はいはいただいまー」

キョン「はいはいおかえり」

ハルヒ「購買に寄ってアイス買ってきたわよ、ほーれ」ポイッ

キョン「っと、なんだ。妙なサービス精神」

ハルヒ「みんな遠慮なく食べなさい? キョンのおごりだから!」ヒラヒラ

キョン「!? それは俺の財布! おまっ、いつのまに!?」

ハルヒ「……今日はこんなもんで解散しましょうかね」

キョン「いつも思うだけど、何もしてないよな俺たち」

ハルヒ「あっ、ハシゴ片付けなきゃ。じゃあ、キョンは居残りね」

キョン「どういうこと?」

古泉「頑張ってくださいね」ヒソヒソ

キョン「何をだよ。俺も今日は疲れたんだ、帰らせてくれ」

ハルヒ「だめー」

キョン「人の財布から勝手に金とってアイス買っておいて、更には居残りまで――」

【The future of 30%】

ハルヒ「そこに立ててあったわ!」

キョン「なんでわざわざ体育倉庫から」ガタガタッ

ハルヒ「ここしか鍵が開いてなかったのよ」

キョン「よし、これでいいか」

ハルヒ「うん。それじゃ戻りましょ」

ガタガタッ

ハルヒ「あっ」

キョン「? どうした」

ハルヒ「……鍵……閉められてる」

キョン「んなっ!?」

キョン「……ほほう」

ハルヒ「おーい! ちょっとキョン? 聞いてるの!?」

キョン「よぉしハルヒ。ハシゴを戻しにいくぞ」

ハルヒ「はぁ? 最初からそう言ってるじゃない」

長門「?」

キョン「どこに返しに行くんだ? 体育倉庫か?」

ハルヒ「え、あ、うん。そうだけど」

キョン「さあ行こう。それ行こう」(ふはは……こいつだけ倉庫の中に閉じ込めてやれば……)

古泉「なんでしょうねあの顔。確実になにか企んでますよね」

長門「何かあれば連絡して」

キョン「あぁ、わかってる。心配すんな……ありがとうな」

長門「…」

ハルヒ「ほら、早く早く! 重いんだからあんた持ちなさいよね!」

キョン「何言ってる、お前も持てよ」

ハルヒ「あたしは一人で持ってきたじゃない!」

キョン「……二人で強力して持っていくって発想はないのか」

ハルヒ「もー、仕方ないわねー」プンプン

キョン「結構重いなコレ……どうやって運んだんだ」

ハルヒ「引きずってに決まってるじゃない」

キョン「……だから妙なラインが地面に」

ハルヒ「流石に二人だとスイスイ運べるわねー」

キョン「っと、後ろを考えて歩け後ろを!」

ハルヒ「あっ、アリだ」

ガンッ
キョン「うぼぉあ! きゅ、急に止まるなアホ!」

キョン「ぜぇっ、ぜぇ……結局俺が一人で……」

ハルヒ「だってあんたうっさいんだもん。進めだの止まれだの」

キョン「ほら、ちゃんと中に入って片付けてこい」

ハルヒ「えぇ? そこまで持ってきたんだからあんたやりなさいよ」

キョン「ほほぅ……俺の金を買ってに使うわこき使いわしてその言動か」

ハルヒ「使ってないわよ」

キョン「……え?」

ハルヒ「だから、使ってないってば。むしろあんたの財布、教室に忘れてたから持ってきてあげたのに」

キョン「なんですと?」

ハルヒ「ついでにみくるちゃんが可哀想だったからアイス買って行ったんだけど」

ハルヒ「な、なんか……ほら? きっかけなしに奢るのってはずかしーじゃん!」

キョン「……つまり俺の名を使って俺がおごったことにした、と?」

ハルヒ「っていうか確認しなさいよ。アホじゃないのアホじゃ」

キョン「…」

ハルヒ「なにぼーっとしてんのよ、早く片付けなさいってば」テクテク

キョン「いい。入ってこんでいい」

ハルヒ「は?」

キョン「二人共倉庫に入ってる間に鍵閉められちゃかなわんだろ。片付けてくるからそこにいろ」

ハルヒ「あー……そっか。時間も時間だしね。って、そんな漫画みたいな」

キョン「いいからそこにいろって。別に先に帰ってもいいぞ」

ハルヒ「……待っててあげるから早く片付けてきなさい!」

キョン「ここに立てかけて、と……」

キョン「……考えものだな、この能力も」


キョン「よし帰るか……って、あれ? どこいった?」

キョン「おーい、ハルヒ?」

キョン「なんだ、待ってるって言いながら先に――」

【The future of 50%】

ハルヒ「どーん!」

キョン「えっ?」

ボゴォ
キョン「ぬあっ!」

ハルヒ「! きゃっ、ちょっと大丈夫!?」

キョン「かっ、顔が……なんだ、なんだおい、痛くて冷てぇ」

ハルヒ「あ、あんた疲れてるからジュースでもって、あー……振り向くあんたがいけないのよ!」

キョン「びっくりさせんなよ……顔いってぇ」

キョン「……物理的に俺が」

クルッ
キョン「ダメージを受けるのが多くないか!?」

ハルヒ「!? きゃっ!」

キョン「あっぶねぇ……見えてよかった」

ハルヒ「きゅ、急に振り向かなでよ! びっくりした!」

キョン「どっちみちそれで怒られるのかよ」

ハルヒ「何? なんのこと? あーもー、缶ジュース砂だらけになっちゃった」パシパシ

キョン「奢ってくれるのか」

ハルヒ「労力に見合った報酬よ! そーれ」ポイッ

キョン「あー……なんか今日は一日、とても疲れた」

ハルヒ「そう?」

キョン「色々あったんだよ。本当に色々な」

ハルヒ「ふーん」

キョン「……お前さ」

ハルヒ「なに?」

キョン「自分が超能力とか、不思議な力を持ってるとしたらどうする?」

ハルヒ「不思議な力? 使うに決まってるじゃない! 使いに使って世界を豹変させてやるわよ!」

キョン「……だよなぁ。聞かずともわかってたわ」

ハルヒ「じゃあなんできーたのよー」ピト

キョン「冷たい。顔にジュース当てんな」

ハルヒ「そのジュース美味しい? 一番美味しくなさそうなの買ってきたんだけど」

キョン「残念だったな。結構甘くて美味しいよ」

えらく説明的なSSになっちまったからなー

とりあえずで終わらせてそのうちまた違うので立てるかも
どうすっかなぁ

ハルヒ「さっ、帰るわよ!」ヒョコッ

キョン「帰るか」スッ

ハルヒ「で、アイスとジュースを奢ったお返しなんだけどー」

キョン「えっ? いや労働力の対価じゃないの? さっき言っただろお前」

ハルヒ「それはそれ! これはこれ!」

キョン「それもこれ、これもそれじゃないか」

ハルヒ「折角だからね、日曜日! お祭りでなにか奢ってもらいましょうかね~」

キョン「ぬぅ……これは予想できたなぁ」

ハルヒ「でも他の子も一緒だと悪いから、皆の待ち合わせ時間より一時間早く集合」

キョン「一時間早く?」

ハルヒ「で、その間にあたしにあたしが食べたいものを奢るの! よし、それで決定!」

ハルヒ「それじゃーねー! ちゃんと明後日時間通り来なさいよ!」

キョン「わかったわかった、前見て帰れ前見て」

キョン「…」

キョン「選択肢を変えると結果も変わる……で、変わった結果がこれか」

キョン「もしかしたら最初に部室のドアを開けなければ……明後日の予定も立たなかった、かも」

キョン「実にめんどくさくてわけのわからない能力だな」

キョン「…」

キョン「ま、有効活用せねばいかんね」

【The future of 100%】

キョン「……あれ? ここは……」

朝倉「随分と楽しんでたみたいね。キョン君」

キョン「あさ……朝倉?」

朝倉「ふふ、長門さんに超能力を貰ったのよね? カッコいいわ」

キョン「なんでお前……俺は何を」

朝倉「もうここには、長門さんも朝比奈みくるも古泉一樹も……涼宮ハルヒもいないわよ」

キョン「…」

朝倉「あなたが好きなだけ並行世界を行き来した結果。全ての世界が集結する最後の世界」

キョン「……俺は……」

朝倉「ここが最後よ。時間を前にも後ろ、どこに進んでも……あなたはここに行き着くの」

朝倉「長門さんに頼れなくなって、不安? 皆がいなくなって、悲しい?」

朝倉「ウフフ……それも全部終りにしてあげる。全部私が……終わらせてあげるからね?」

キョン「うわっ!」

キョン「な……っ、ここは……えっ?」

キョン「…」

キョン「今のは朝倉……だよな」

キョン「それに今の数字は……100パーセント……っ?」

キョン「ちょっと待て、ちょっと待てよ!」

キョン「そうだ、長門! あいつに電話すれば……」カチカチ

キョン「長門……長門、電話に……っ」ピリリリッ

キョン「…」ピリリッ

キョン「どうしたんだよ! なんで出ないんだよ!!」

キョン「おい、長門! 今のはなんなんだよ! 説明してくれ!」

キョン「……マズいんじゃないか……俺は、このままじゃ……」

キョン「どうなってんだよ! なんで朝倉が……」


キョン「……なんだよ……何があったんだ」

キョン「いつでも過去に戻れるんじゃないのか……おい、長門っ!」

キョン「古泉か? お前、大丈夫か!?」

古泉「大丈夫? 大丈夫というのは……」

キョン「今から外に出てこれないか、頼むよ」

古泉「……なにやらただごとではなさそうですね。わかりました」


みくる「はっ、はい。もしもし?」

キョン「朝比奈さん! 今どこに!?」

みくる「えっ、えっ、どこ、えーと、どこっていうか」

キョン「すいません、ちょっとマズいことに……今、外に出られますか?」

みくる「あ、は、はい。大丈夫ですけど」

キョン「ハルヒ? ハルヒか?」

ハルヒ「当たり前でしょ、あたしの番号なんだから!」

キョン「そっか……今、家にいるのか」

ハルヒ「そりゃあね」

キョン「ならいい。そこにいろ、家から外に出るなよ」

ハルヒ「はぁ!? いきなり電話してきて何を」

キョン「頼むよ、絶対に外にでるな!」

ハルヒ「うっ……べ、別にどこにも行かないわよ。なんなのよ、一体?」

キョン「……何があっても外にでるなよ。じゃあな」ピッ

キョン「…」

古泉「あ、どうしたんですかこんな時間に」

みくる「ふぇー……やっと着きましたぁ。あれ? 古泉君も?」

キョン「……すまない。ちょっと……説明するから、聞いてくれ」
 

キョン「――と。朝倉と俺しかいない世界を……未来を見たんだ」

古泉「…」

みくる「それは、その……キョン君の超能力の」

キョン「そう思いたくはないんですが、確認をしようも長門が電話に出ないんです」

古泉「全ての世界が集結する、最後の世界……ですか」

キョン「あぁ、そこにはお前も朝比奈さんも長門も、ハルヒもいないんだ」

キョン「空間だけが存在していて……俺と、朝倉意外は何も……」

古泉「涼宮さんは?」

キョン「家にいる。あいつをここに呼ぶのは怖かったから、自宅待機してもらってる」

古泉「それで正解でしょう。彼女の家は、何人も触れることができない場所ですから」

みくる「長門さん、もしかして……行ってみましょう、長門さんのマンションに」

キョン「…」

古泉「……これは……これは一体」

みくる「そんなっ、こ、こんなのって……」

キョン「マンションが……なくなってる」

古泉「ありえませんよ。ここには、確かに長門さんのマンションがありました」

みくる「場所も間違えてません! ここは……間違いなく、長門さんの」

キョン「だったらなんで何もないんですか! マンション自体がこんな……消えてなくなるわけない!」

みくる「ひっ!」

古泉「落ち着いて下さい。こういうときこそ、冷静に考えましょう」

古泉「ここに居ても何も始まりません。とりあえず、場所を変えませんか」

めっちゃ関係ないけど椅子が壊れた
ここから空気椅子で書かないといけないっていう苦行

キョン「……長門は……長門はどこに行ったんだ」

みくる「…」

古泉「……確定的なことは言えませんが……恐らく、ここは長門さんが存在しない世界なのでは」

キョン「存在しない?」

古泉「並行世界は無数に存在する。長門さんはそう言ってましたよね」

古泉「あなたがどこかで選んでしまったんですよ。長門さんのいない並行世界を」

キョン「俺が……俺の所為なのか……」

古泉「恐らく。あなたを攻めるわけではないですが、あなたの見た世界で朝倉さんが言ってたことを認めると」

みくる「……それじゃ、私達も消えてしまう?」

古泉「今は大丈夫だと思います。恐らく、ですが」

キョン「どうすればいいんだよ、このままじゃ……あんな世界が決定された未来だなんて」

みくる「なら、その、私と一緒に過去に戻れば……」

キョン「そうか、それなら!」

古泉「……いや、それも……そうだ。不可能です」

キョン「なっ、なんでだよ? 朝比奈さんは未来人で、タイムリープだって」

古泉「えぇ、わかっています。ですが、朝比奈さんのタイプワープは並行世界に飛べるわけじゃない」

キョン「……?」

古泉「あくまでも彼女のできることは、タイムパラドックスが存在しない時間旅行」

古泉「それこそ99パーセントの未来なら、残りの1パーセントにたどり着けるかもしれない」

古泉「……しかし、あなたの見たものが本当に……『確定された未来』だとしたら」

古泉「……いくら過去に戻ったとしても……たどり着くことのできる未来は、一つしか残らない」

キョン「……どう足掻いても……未来を変えることは、できないとでも言うのか」

古泉「…」

ふはは
なにこれ

古泉「一つだけ……一つだけ、全てを元に戻す方法があります」

キョン「一つだけ?」

古泉「並行世界だろうが確定された未来であろうが、全てを無かったことにできる存在」

キョン「……涼宮ハルヒか」

古泉「はい」

キョン「だけど……あいつがいう最後の世界には、ハルヒの存在すらも」

みくる「変えられます。涼宮さんの力に、勝てる存在はいません」

みくる「1+1の答えを2意外にできる存在。それが涼宮さんだから」

古泉「涼宮さんがこの世界に不満を持てば、全てはなかったことにされる」

キョン「……そうか! この世界は長門がいない世界だって、あいつに気がつかせれば!」

ハルヒ「んー? もしもし……なによぉ」

キョン「ハルヒ? すまん、寝てたのか?」

ハルヒ「んー……んん」モゾモゾ

キョン「大変なんだ、落ち着いて聞いてくれ」

ハルヒ「またそれ? さっきもなんかそんなこと言ってたわね」

キョン「長門が、いなくなったんだ」

ハルヒ「……えっ?」

キョン「だから、長門が……長門が消えちまったんだよ!」




ハルヒ「長門……って?」

キョン「はっ……?」

ハルヒ「長門って誰よ? 何を言ってるの?」

キョン「いや、冗談はやめろ! お前が何を言ってるんだよ!」

ハルヒ「なっ、なによ、大声出さないでよ……もう、意味わかんない」

キョン「長門を……忘れたのか?」

ハルヒ「言ってる意味がわかんないってば。もー、眠いから切るわよ? じゃあね」

キョン「あっ、おい! まっ、待てハルヒ!」


キョン「…」

古泉「……まさかとは思いますが」

キョン「ハルヒが……長門を覚えていない」

みくる「そんな! ありえません! 涼宮さんの記憶領域に手を加えられる存在なんて……っ!」

キョン「ハルヒは嘘を付いてるのか? でないと、朝比奈さんの言うとおりありえないだろ!」

古泉「……考えたくはなかったんですが……」

古泉「我々はどこかで、涼宮さんが長門さんの存在を望んでいない世界に紛れ込んでしまったのでは」

キョン「……すまない、一体何がどういうことなのか」

古泉「まとめるとこうです」

古泉「僕らのいる世界は『あなたが未来を見る力を持っていて、長門さんが存在しない世界』」

古泉「長門さんがいた世界は『あなたが未来をみる力を持っていて、長門さんが存在した世界』」

古泉「……しかし……涼宮さんの望んだ……宇宙人は存在する世界」

キョン「それが、まさか……朝倉涼子」

古泉「はい。宇宙人『朝倉涼子』は存在しますが、宇宙人『長門有希』は存在しない世界。これが、この世界なのでは」

古泉「そして朝倉涼子の存在は、彼女の記憶の中では転校した女子生徒として存在する」

古泉「……消されたはずの朝倉涼子は、見事に世界に返り咲き……今度は彼女が長門さんを世界から消した」

古泉「我々に見方する宇宙人、長門有希は存在せず……涼宮ハルヒを観察する宇宙人のみが存在する世界」

古泉「こう考えれば、確定された未来が何故確定しているのかも……答えが見えてきます」

キョン「俺たちを邪魔する存在『朝倉涼子』がいて、守ってくれる長門がいない世界……」

みくる「じゃあ、例え私が過去に戻ったとしても……長門さんを救うことはできないってことですか!?」

古泉「断言はできませんが、恐らくはそうでしょう」

キョン「なら何故俺達は長門を覚えているんだ!? 俺達なら、簡単に朝倉に記憶を変えられることだって」

古泉「わかりません。足掻いている我々を、彼女が嘲笑っているのか」

みくる「……長門さんが、私達に残してくれた……唯一の抵抗手段の道しるべなのかも」


    |┃
    |┃三    ,ィ, (fー--─‐- 、、

    |┃.    ,イ/〃        ヾ= 、
    |┃   N {                \
    |┃  ト.l ヽ               l
 ガラッ.|┃ 、ゝ丶         ,..ィ从    |
    |┃  \`.、_    _,. _彡'ノリ__,.ゝ、  |     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃三 `ゞf‐>n;ハ二r^ァnj< y=レヽ    <  話は聞かせてもらったぞ!

    |┃.    |fjl、 ` ̄リj^ヾ)  ̄´ ノ レ リ     |   人類は滅亡する!
    |┃三  ヾl.`ー- べl,- ` ー-‐'  ,ン       \____________
    |┃      l     r─‐-、   /:|
    |┃三     ト、  `二¨´  ,.イ |
    |┃     _亅::ヽ、    ./ i :ト、
    |┃  -‐''「 F′::  `:ー '´  ,.'  フ >ー、
    |┃    ト、ヾ;、..__     , '_,./ /l


キョン「ならこうすればいい! ハルヒになんとか説明して、また長門の存在を望んでもらえれば」

古泉「もちろんそれが一番の方法ですが、僕らの知らない所で朝倉涼子が全てを握っているとすれば」

みくる「確実に、それを妨害しに来ますね。こないとしても……未来が決まっているなら、何をしても」

キョン「諦められませんよ! だってこのままじゃ、朝比奈さんも古泉も」

古泉「涼宮さんも消えてしまう。……それです、僕にはそれがわからない」

キョン「なに?」

古泉「幾ら朝倉涼子が長門さんの力を得ているとしても、涼宮さんの存在を消せるわけがないんです」

みくる「前に長門さんが引き起こした、SOS団がバラバラになってしまった事件」

みくる「あのように、私達が皆互いを知らない存在になったとしても、涼宮さんは必ず世界には存在する」

みくる「だって涼宮さんは世界そのものだから。私達ですら、彼女に作られたと言っても間違いじゃないんです」

古泉「……朝倉涼子の言う『世界の終わり』の矛盾点、それは世界が、涼宮さんが存在していないのに」

古泉「あなたと彼女が存在している、ということ」

キョン「世界の矛盾……くそっ、わかったとしてもどうすりゃいいんだ!」

古泉「……そうか、ならこの手がある!」

古泉「あなたの能力です。未来を見ることができる、あなたの力」

キョン「俺の力?」

古泉「あなたの力は未来を『選択』することができる。それはわかりますね?」

キョン「あぁ」

古泉「だから、選択し直せばいいんです。長門さんが消滅しない、元の並行世界に戻る選択を」

キョン「だけどそれが……できないから朝倉涼子が」

古泉「いいえ、不可能です。この状況に世界を導いたのはあなたかもしれませんが、作ったのは涼宮さんだから」

みくる「……全てが消えるはずの未来を作ったのも、涼宮さん自身……」

古泉「100パーセントの未来が待っていても、また違う100パーセントの未来を造りだすことができる」

古泉「……選択肢のないところに、選択肢を造ることができる」

古泉「あなたはそのきっかけを造ることができるんです。未来を覗き、それに抗うか、抗わないかを選ぶことができる」

古泉「もちろん何が正解かわからない、正解を見つけることはできないかもしれない」

古泉「選択肢を一度間違えるだけで、全てが消えてしまうかもしれない」

古泉「それでも……世界を元通りにするには、貴方が未来を壊すしかないんです」

キョン「俺は……決められた答えを、書き換えることができるかもしれない」

古泉「できないかもしれない。でも、やってもらうしかありません」

キョン「……はは、責任重大だな……」

古泉「そうですね。冷静に僕も喋ってますが、立場が逆なら……そうはいられないかもしれません」

キョン「…」

みくる「あの、私にできることがあれば協力します! 未来の……私達の時代の人達も!」

古泉「僕も、僕の在籍する機関もそうです。我々は、あなたを全力でサポートします」

キョン「……俺は……」

【The future of 10%】

キョン「……無理だ。俺には……そんな責任を負うことはできない」

みくる「そんな……」

古泉「あなたに世界の全てがかかっているんですよ!?」

キョン「だからだよ! 俺にはそれは重過ぎるんだ!」

キョン「俺は……長門、俺は一体どうすればいいんだ……長門、長門ぉ……っ」

キョン「っ!」

古泉「?」

キョン「……ははっ、なんでこのタイミングで」

みくる「キョン君?」

キョン「しかもお前……10パーセントって……ありえないだろ」

古泉「…」

キョン「……ふざけんなよ」




キョン「10パーセントもない。その未来を選ぶ確率は、0パーセントだ」

キョン「古泉、朝比奈さん」

キョン「任せてくれ、と言ったらおかしいですけど」

キョン「やってみます。俺は、俺のできることを全部やってみる」

みくる「キョン君……」

古泉「……もしもココで、あなたがそれを拒否したら……僕は殴ってでもそうさせたかもしれません」

キョン「お前はそんなことできないさ。いや、させない。俺は逃げない」

キョン「ハルヒも、古泉も、朝比奈さんも、俺も……長門も、誰一人として欠けることは許さない」

キョン「SOS団は、五人いなきゃいけないんだ。帰るぞ、その世界に」

みくる「……っ、はい!」

古泉「もちろんです。諦めるのは、まだ早すぎます」

【The future of 99%】

朝倉「……あら、これは予想外ね」

キョン「……?」

朝倉「貴方一人の力で、収束する未来に繋がる可能性を減らすことができるなんて」

キョン「……俺を舐めるなよ……」

朝倉「だけど、それでもたった1パーセント。ふふっ、一回でも選択を間違えたら、もう戻れないのよ?」

キョン「間違ないさ。俺は、お前に勝つ」

朝倉「勝ち負けのお話じゃないんだけどなぁ……んー、でも、あたしもあなたと涼宮さんには直接手をかけられないし」

キョン「? お前は前に俺を殺そうとしたじゃないか」

朝倉「えぇ、確かに。だけど長門さんの所為で、あなた達二人にだけは触れられないようにされてしまったわ」

キョン「……やっぱりな……SOS団を舐めるんじゃないぞ……」

朝倉「ふふっ、そういう貴方、嫌いじゃないわよ。まっ、せいぜい運命に荒がってみなさい。私はずっとここでまってるからね?」

キョン「……負けるかよ。お前には絶対に負けない」

古泉「?」

キョン「見てきたよ、世界の終わりを。僅かだが、可能性は減らしてやったさ」

古泉「本当ですか?」

キョン「……よくわからんのは、未来を覗いてるというよりは……今を未来の俺が覗いているような」

みくる「もしかすると、この世界の終りは、涼宮さんの代わりに朝倉涼子が神に似た存在になる世界なのかも」

キョン「あいつは後釜を狙ってるってことか。そりゃあますます、抗わないわけにはいかないな」

古泉「では、とにかく今日は戻って下さい。なにがあってもすぐ対処できるように、我々も待機しますので」

みくる「はい。私も一度未来に帰って、すぐにこの時代の座標記憶を検索します」

キョン「だけど、もし失敗しても俺を恨まないでくれよ?」

古泉「ははっ、恨みたいものですがね」

みくる「そっ、そんなことしませんっ!」

キョン「……俺のわがままがいけなかったんだろうかね」

古泉「わかりません。何が原因かなんて、今は探るべき時ではない」

みくる「でも、私は嫌です! 今の世界も、長門さんのいないままの世界も」

キョン「物凄くスケールでかい恋愛ゲームみたいんだな」

古泉「相手はもちろん……」

キョン「……攻略できるのかね」

えー
イスが壊れて俺も壊れました。なんだこれ
もう凄い長さになりそうなので
続きは書きためるかなんかして違う日にスレ立てしようかな、と……

だめかしら?

頓挫www

だってあなた
これ俺200ぐらいでキャッキャウフフして終わるつもりが
よくわかんないままこんなんですよ

超ごめんなさい!
あやまる!あやまるからゆるして!

勢いなんてもうねぇよ!なんだこれ!
一応理解しながら書いてるけどなんだこれ!はたけじゃなねぇ!
なれんことはやっちゃいかんですね……

キョン「・・・という夢を見たんだ」
ハルヒ「ふうん」


で、あんたお得意の展開に持っていきなよw

キョン「はぁっ……」ボフン

キョン「…」

キョン「……今日は……もうなにがなんだか……」

キョン「とりあえずもう寝よう。考えてもなにも――」ピロリン

キョン「ん? メール……ハルヒ」

ハルヒ(あんたの所為で目が冷めちゃったじゃない! 責任とってよバカキョン!)

キョン「こいつは……はは、いまだにハルヒが神様だなんて信じられんな」

ハルヒ「んもう、また電話? いい加減にしなさいよー」

キョン「メールしてきたのはお前だろ」

ハルヒ「知らないわよ」

キョン「……お前さ、本当に長門のこと……」

ハルヒ「んー? またそれ?」

キョン「……いや、なんでもない。俺の勘違いだったよ」

ハルヒ「ふーん」

キョン「明後日な、もう少し早い時間から出かけてもいいぞ」

ハルヒ「えっ……あっ、うん。ふふっ、どーしよっかなー」

キョン「嫌ならいいけど」

ハルヒ「別に嫌じゃないけどー……しっかたないわねー。じゃあ昼間っから!」

キョン「あぁ、いいとも」

キョン「昼間から出かけて、夜は祭りか」

ハルヒ「えぇ! そのときはみくるちゃんも古泉君も一緒でいいわ!」

キョン「……SOS団、全員で……だな」

ハルヒ「もちろん! 一人も欠員は許されないわ!」

キョン「あぁ、そうだな……そうだよなぁ」

ハルヒ「? キョン?」

キョン「すまんハルヒ、眠くなっちまった。また電話するよ」

ハルヒ「キョン? あんた、なんか泣いて―――」

ピッ
キョン「…」

キョン「長門……ごめんな」

キョン「ハルヒ、お前のこと忘れちゃったよ。お前がいないのに、SOS団全員ってさ……」

キョン「…」

キョン「すまない……気がついてやれなくて、ごめん長門……っ」

キョン「いつもいつもお前に頼ってばっかりで! 最後までお前に……」

キョン「今日だってそうだ! 真っ先にお前に頼ることを考えて……お前を助けることなんてその次でっ!」

キョン「ああああっ!!!」

【The future of 0.1%】

長門「大丈夫?」

キョン「えっ? なにがだ?」

長門「……なんでもない」

キョン「?」

長門「あなたは帰ってきた。私と、私以外のあなた達も存在する世界に」

キョン「…」

長門「諦めなかった。可能性は存在する。無数に存在する並行世界の中に、答えは存在する」

長門「あなたはそれを見つけることを……諦めなかった」

長門「おかえりなさい」

キョン「っ!」

キョン「……今のは」

キョン「見えた、確かに見えたぞ……確かに見た!」

キョン「僅かだったけど、可能性は確かに……」

キョン「…」

キョン「待ってろよ。絶対にそこに帰るからな」



キョン「SOS団全員が存在する、俺の大好きな世界へ……」

今度こそ終了。
絶対に書いて戻ってくるとも。揺るがない100パーセント
のはず

いやもう、ねぇ……うん
ありがとうございました

今読み返して気がついたけど
『可能性が一番高い未来』を見てるはずなのに10パーセントとか低くない?って
つっこまれそうねー

まああれだ
似たような結果が何パターンかあって
その中で一番可能性が高い未来って思ってもらえれば

ハルヒがハシゴから落ちそうになる未来が70パーセントあって
背中から落ちるのが30パーセント
足から落ちるのが20パーセント
頭から落ちるのが10パーセント
で、その中で一番可能性が高い30パーセントを見た、そんな感じ

わかりにくくてごめん……自分でもどうかとは思ったわ……

【The future of 100%】

>>1「何とか書き終えたぜ!皆乙!」

俺ら「>>1乙!」


俺には見えた!見えたぞ!

まだ残ってる!すげぇ!
でも落ち着いて!俺書けないから!今日はもう書けないのごめん!

えーと、うーん
いつかなぁ……今月中はちょっと……
でも早く投下できるように頑張るよ!間違いなく書き終えるとも!

またこのタイトルでスレ立てるから、それまで待っててもらえると……ね
ほんとこんな広げちゃうとは自分でも思ってなかったのよ。ごめんね

ゲップ?
なにそれ?

んーでも
確かにパートスレ立てるのはちょっと気がひけるなぁ

それまでに新しい椅子買いなね

>>418
ここ
http://ex14.vip2ch.com/news4gep/

>>419
巷で流行ってる油圧式のイスじゃなくてよかったよ
SS書いてる途中でケツにシリンダー刺さって死ぬとか楽々地縛霊になれるレベル

>>420
こんなのあるんだ、いいねここ!
じゃあここに投下すっかなぁ……でもここ、このスレ読んでくれてた人達は知ってるのかしら?

なるほど
そっちにしてみようかな

とりあえず今は超眠いのさ・・・

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