――10000回目の夏休み 屋上
キョン「アイラブユー」ボソッ
古泉「もう少し滑らかに。I love you」
キョン「アイラビュー」ボソッ
古泉「その調子です。I love you」
キョン「I love you」ボソッ
古泉「完璧です。んっふ、困りましたね。あなたの吐息は少し癖になりそうです」
キョン「よせやい」
古泉「ふふ」
キョン「はは」
長門「……」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
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キョン「古泉」
古泉「なんでしょう?」
キョン「I love you」ボソッ
古泉「んっふ。では僕も。I love you」ボソッ
キョン「お前のは少しいやらしい感じがするな」
古泉「あなたのは抱擁力がありますよ」
キョン「はは」
古泉「ふふ」
長門「……」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
キョン「しかし英語ってのは難しいもんだな」
古泉「我々日本人にとって、LとRの発音は不慣れですからね」
古泉「単純に『大好き』なんてどうです?」
キョン「大好き」ボソッ
古泉「僕もです」ボソッ
キョン「おい」
古泉「ふふ」
キョン「はは」
長門「……」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
キョン「古泉、お前もやれ」
古泉「んっふ。困ったものです」
古泉「大好き」キリッ
キョン「……女子なら一撃で落ちていただろうぜ」
古泉「おや、あなたには通用しませんか」
キョン「あいにくだが俺はまだまだ落とせないぜ」
古泉「これは手厳しい」
キョン「はは」
古泉「ふふ」
長門「……」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
キョン「他の言い方はないか?」
古泉「おや。I love youでは不満ですか?」
キョン「いや、色々な可能性を探ってみたい」
古泉「いいでしょう。ならば」
古泉「月が綺麗ですね」キリッ
古泉「なんていかがです?」
キョン「夏目漱石か。少しキザっぽいな」
古泉「ものは試しですよ」
キョン「月が綺麗ですね」キリッ
古泉「……イマイチですね」
長門「そんなことはない」
キョン古泉「!?」
キョン「聞いていたのか、長門」
長門「聞いていた」
古泉「長門さんも参加しますか?」
長門「参加する。初めてのパターン。興味深い」
キョン「長門。ハルヒに囁きたい言葉はあるか?」
長門「ある」
キョン「よし。言ってみろ」
長門「つーかこれからっしょ」ドヤッ
キョン「おい」
古泉「それはいけません」
長門「残念」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
古泉「さて。十分に練習したことですし、本番いってみますか?」
古泉「うまくいけばこのループから逃れられるかもしれませんよ」
キョン「待て。まだ本番はきつい」
古泉「では眠っている涼宮さんを練習台にするのはいかがです?」
キョン「狸寝入りしてたらかなわん。本当に眠っているか確認してからな」
長門「確認する」
長門「ユキリンって呼んで」ボソッ
ハルヒ「zzz……エ?……ユキドウシタノ……?」ソワソワ
長門「大丈夫。眠っている」
古泉「さすがは長門さんです」
キョン「念のため、朝比奈さんも確かめてみてもらっていいか?」
長門「わかった」
長門「無駄乳」ボソッ
みくる「は?」
長門「フンッ」
みくる「ウッ」
ハルヒ「!?」
長門「大丈夫。眠っている」
古泉「さすがは長門さんです」
キョン「よし。じゃあ練習するぞ」
ハルヒ「……」ドキドキ
キョン「俺、実はポニーテール萌えなんだ」ボソッ
ハルヒ「!!!!」
長門「流れ星」
古泉「おや、珍しいですね」
キョン「どこだ? くそ、見逃しちまったぜ」
長門「もう遅い」
古泉「おや、いつの間にか涼宮さんの髪型がポニーテールになっていますね」
キョン「実は起きているんじゃないか?」
長門「ただの寝相」
キョン「そうか。それならいいんだが」
古泉「さて。練習は終わりにしますか?」
キョン「いや。もう一度くらいやらせてくれ」
ハルヒ「……」ドキドキ
キョン「俺はジョン・スミスだ」ボソッ
ハルヒ「……?」
ハルヒ「!!!!????」
キョン「変だな。俺にはハルヒが動揺しているように見えるんだが」
長門「大丈夫。眠っている」
ピリリリ
古泉「おや。バイトのようです。どうやら悪夢をみているようですね」
キョン「……行っちまうのか?」
古泉「ええ。世界崩壊の危機は回避しなければならないのでね」
キョン「古泉。ひとつ提案がある」
キョン「夢というのは外部からある程度コントロールできるみたいなんだ」
古泉「なるほど。囁きで悪夢を上書きしようという事ですね」
古泉「いいでしょう。バイトはサボることにします」ピッ
キョン「いいのか?」
古泉「ええ。他の仲間がやってくれますよ。それに」
古泉「あなたとの時間を大事にしたいですし」
キョン「はは」
古泉「ふふ」
キョン「長門。どんなことを囁けばいいと思う?」
長門「簡単。告白すればいい」
ハルヒ「……!?」ドキドキ
古泉「これはこれは」
長門「悪夢の上書きは困難。それを可能にするのは告白しかない」
古泉「なるほど。つまりはこういうことですね。彼のキュートな唇から発せられる愛の言葉は自律進化の可能性であると」
長門「……? 分からないけど多分そう」
キョン「……告白か」
長門「そう」
キョン「しかたないな」
古泉「……」
長門「期待」
みくる「そそそんなことしちゃだめですぅ」
長門「フンッ」
みくる「ウッ」
キョン「いま朝比奈さん起きてなかったか?」
長門「気のせい」
古泉「長門さんが言うなら間違いはないでしょう」
キョン「じゃあ、言うぞ……」
ハルヒ「……」ドキドキ
キョン「……」
キョン「……」
キョン「おっぱい」
ハルヒ「……」
ハルヒ「……ッ!」
ハルヒ「……このエロキョンがぁ~~~~!」
キョン「うおっ、ハルヒ!? 起きてたのか!?」
古泉「困ったものです」
ハルヒ「よくもあたしを散々おもちゃにしてくれたわね!」
キョン「誤解だ! おっぱいなんて言ってない!」
ハルヒ「言ったわよ! つい!! さっき!!!」
みくる「えっちですぅ~!」
長門「フンッ」
みくる「その技はもう見切りましたぁ」
長門「!?」
キョン「いい加減にしてくれ!!!!!」
キョン「みんな聞いてくれ!!!!!!」
ハルヒ「……何よ」
長門「了解した」
みくる「チッ」
古泉「森さん、スクリュードライバーはやめてください。死んでしまいます」
キョン「みんなに俺の本当の気持ちを聞いて欲しい」
ハルヒ「……それは今言わなきゃダメなの?」ドキドキ
キョン「ああ。大事な話だ」
ハルヒ「いいわ。言ってみなさいよ」ドキドキ
キョン「古泉」
古泉「なんでしょう」
キョン「I love you」キリッ
古泉「んっふ。僕もですよ」
キョン「はは」
古泉「ふふ」
国木田「キョンも古泉くんも僕のものだよ」ボロン
キョン「あああああああああああああああああああああああああああ」
古泉「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん」
世界は滅亡した
完
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