上条「……カメハウス?」(510)
上条「カメハウス?」
美琴「そ…そうよ。あんた今、金欠で困ってんでしょ?
夏休みだし、期間限定のお手伝いアルバイト募集してるみたいなのよ」
上条「ふーん、なになに」
☆急募☆
南国に浮かぶ島で、気の良いお爺ちゃんの身の回りの世話をするお仕事です。
やっていただくことは掃除、洗濯、料理など家事全般です。
経験・介護資格の無い方でも気楽に応募して下さい。
暇な時間は島の中を、自由に行動していただいて結構です。
見渡す限り美しい青い海と空が広がる島で、夏の思い出作りには最適なお仕事です
上条「(ゴクリ)なんか、随所から胡散臭さがにじみ出てる求人なんですが」
美琴「だ…大丈夫でしょ。これ一応、学園都市がきちんと審査しないと出せない学生向けの求人だし」
上条「でもこれ、募集二人だけだし、申し込み期限は今日までだぜ?もう枠は埋まってるだろ」
美琴「だったら、ちょっと名義貸してくれてもいいでしょ!私は南国のバカンスに行きたいの!
しかもこれペアで募集しなきゃいけないのよ!」
上条「お嬢様なんだから、普通に観光で行けよ……まあ、どうせ落ちるだろうし名義貸すだけならいいぜ」
美琴「ほんと?じゃあ早速募集してくる!」
上条「……行っちゃったよ。」
上条「ビリビリはこの上条さんの不幸レベルを舐めてないか?採用されるわけねーだろ」
上条「…それにしても求人責任者の名前がウミガメ?本物のカメが求人出すわけないし、
どう見ても偽名だろ。本当に胡散臭い求人だな、ちゃんと審査してんのか?」
そして……
上条「まさか、本当に採用されるなんて……
ていうか、ビリビリ!俺は一時的に名義を貸しただけだぞ!?採用されたら他の代理を用意しとけよ!」
美琴「し、仕方ないじゃない。他の人はみんな予定が入ってたんだから」
美琴(求人見たときは舞い上がってよく見て無かったけど、ぶっちゃけこれかなり怪しいわよね。
そもそも指定された集合地点が、港や空港じゃなくて何もない砂浜っていう時点で……)
上条「まあ、確かにインデックスは大至急対処が必要な仕事とやらでステイル達とイギリスに行ったし、
金も無くて暇だったのは事実だが……ブツブツ」
美琴「それにしても……誰もいないわね」
???「あのー」
上条「やっぱ騙されたんじゃねーのか?」
???「すみませ~ん」
美琴「いくらなんでもそんなわけ……」
???「もしもし~」
上条「どっかの詐欺サイトに釣られてたってオチじゃねーの?』
???「失礼な!詐欺なんかじゃありません!」
美琴「その通りよ…って、え?なに?」
???「下ですよ、下~」
上条・美琴「「ん?」」
カメ「ふう…わざわざ御足労いただいてすみませんね~」
上条・美琴『!』
カメ「上条当麻さんと、御坂美琴さんですね?
私はウミガメともうします。フランクにカメとおよびください」
上条「うわあああああ!カメが、喋ってる!!!」
カメ(おや?募集委託先からは話は付けてあるから大丈夫と言われてきたのですが……)
美琴(カメが喋るなんてありえない……きっと誰かが超能力で遠隔操作しているか、
幻でも作っているに違いないわ!)
上条「(落ち着け!俺!)えーとバイトの依頼主はあんたなのか?」
カメ「ええ、広告責任者の名義は私の名前で出しているはずですが……」
上条「たしかに、ウミガメって書いてたけど……」
美琴「ねえ、あんたの本体はどこなの?」
カメ「本体・・・?はて・・・?」
美琴「とぼけないでよ!遠隔操作とかそういった類の超能力なんでしょ?」
カメ「い~え、まったく。私は松茸狩りが趣味のどこにでもいるカメですが……」
上条(カメが松茸狩り!?)
カメ「どうやら何かの手違いのようですね~
納得していただけないなら、キャンセルでも構いませんが……」
美琴「待ちなさい!やるわ!」
上条「おい!ちょっと、ビリビリ!」
美琴「ビリビリ言うな!だいたいあんたむかつかないの?
わざわざ学園都市を出て、呼びつけられて、カメが出てきて手違いです。はい帰ってくださいなんて馬鹿にしてるわ!
こんな悪質ないたずらをする奴の顔を拝まないと気が済まないのよ!」
上条「しかし、わたくしの不幸検知センサーがさっきからビンビン反応しているのですが……」
カメ(責任者は紛れもなく私なんですが……信じてくれそうにありませんねぇ……)
美琴「カメさん。行くわ。そのカメハウスとやらに案内してくれる?
そもそもどうやって行くの?まさか、あんたの背中に乗って海に潜るなんて言わないわよね?」
カメ「ハハハハハ、御冗談を。カメハウスは南国に浮かぶ島ですよ~?私の背中につかまって泳いで行ったら
それこそ日が暮れますよ……」
上条(本当に南国にあるなら、日が暮れるどころじゃすまなそうだが……)
美琴「じゃあどうやって行くの?ここは港でも空港でもないただの砂浜よ?」
カメ「もちろん船です。かも~ん」
上条(無人の船が…)
美琴(近づいてくる……!)
美琴「これは一体……」
カメ「学園都市のあるお方から、譲っていただいたのです。
音声と脳波受信によって操作できるので、わたくし1人でも操作できます。」
カメ「いや~最近は、年のせいか泳いで買い物に行くのも苦労してましてね~。」
美琴「中に入って調べていいかしら?」
カメ「ええどうぞ」
美琴(音声認識と脳波認識と高性能AIで動くボートなんて、学園都市でもまだ完全実用化されてないのに、贈り主って何者?)
上条「一体その贈り主って誰なんだ?」
カメ「残念ながらその方については話せません。
先方とは一切口外しないことを条件に取引させていいただいているので……」
美琴「ねえ、食料もろくに積んでいないこの小さな船で
本当に外洋に出て、南国の島まで遠出するの?一体何日かかるの?」
カメ「何日って、大げさな……数時間くらい?」
美琴「うそつけ!」
美琴(化けの皮が剥がれてきたわね)
カメ「さあさあ、仕事するなら乗り込んでください。
美琴「よし!行くわよ!」
上条(本当に大丈夫なのか?)
カメ「それでは、しゅっぱ~つ」
美琴「ん?沖の方に見えるあの光はなに?」
上条「本当だ。それになんかあのあたりだけ、景色がぼやけて見えるような……」
美琴「蜃気楼じゃないわよね?」
カメ「あれをくぐった先にカメハウスがあります」
上条「だ、大丈夫なのか?」
カメ「もちろんですよ~」
美琴(能力者がしかけたワナ?用心しないと……)
光のある方向に向かってまっすぐ進む船、そして……
カメ「はい、通過しますよ~」
上条「うっ」
美琴「まぶし!」
・・・・・・・・
カメ「はいもう大丈夫ですよ」
美琴「なんとも……なかったわね」
カメ「あと数時間でつきますから、のんびりまってくださいね」
上条(?、なんだろう。なんか雰囲気が違う。風の匂いや、空や海の色合いも微妙に変わっているような……)
上条「ところでウミガメさん」
カメ「フランクにカメで良いですよ?」
上条「……あの、カメさんは学園都市によくいらっしゃるんですか?」
カメ「ええ、向こうの方々に、定期的にいらなくなった物や使わなくなった物を引き取っていただいてるんです
といっても、私は砂浜で待ってるだけですが」
上条「へ、へ~」
カメ「それより聞いて下さいよ、仙人様(あ、これはうちの主人なんですがね?)は、
全くかたずけとかしてないんです。最近は深夜のいかがわしい番組に夢中で生活も不規則になってますし……」
上条「はあ……」
しばらくカメの愚痴が延々と続く
カメ「……だって無駄じゃありませんか?スペースだけは取って全く使わないなんて……
この間も芭蕉扇を鍋の下敷きに使って、ワンタンの汁をこぼして台無しにして捨てたんですよ?
本当に、管理している私の身にも……」
上条(亀が語る家政婦業の愚痴ってシュールだな……)
~一方、こちらはカメハウス~
亀仙人「クリリンとやら、金斗雲に乗れないということは、お主、不純な動機で武道を志しておるな?」
クリリン「そ、そんな!私はただ強くなって女の子にもてたいと!」
亀仙人「そーいうのを不純っていうんだよね……」
悟空「ん?じっちゃん!海の向こうからまた何か来たぞ?」
亀仙人「やれやれ、今日は千客万来じゃの……って、あれはワシのボートではないか。
カメのやつ、旅行に行ったはずじゃが、忘れ物でもしたかの?」
カメ「はいはい、お二人とも到着ですよ~、あ、悟空さん!お久しぶりです!」
悟空「おッす、元気にしてたか!」
上条「せま!ちっちゃ!この島、家以外なにもないぞ!バカンスどころじゃねえ!」
美琴「こ、ここで一カ月ずっと暮らすの?」
上条「あ~~~不幸だ~~~」
亀仙人「おい、カメよ、その無礼な二人はなんじゃ?」
ウミガメ「嫌ですねぇ~、前々から言ってたじゃないですか仙人様。私が旅行に行っている間、
代りのお手伝いさんを募集しておきますよって・・・」
亀仙人「そうじゃったかの?だったらもっとムチムチしたピチピチギャルを雇えば良いものを……気がきかん奴じゃわい…ブツブツ」
美琴(カチン)
上条「ハハ……(ヤバい、ビリビリ絶対怒ってる)」
上条(それにしても……)
美琴(なんなのこいつら?)
二人の目の前にいるのは、甲羅を背負った老人と子供が二人
少年の一人は雲の上に乗っているし、色々と突っ込みどころが満載だ
上条(いまどきコスプレでもこんなちぐはぐな恰好は拝めないぜ)
カメ「ほらほら、みなさん。固まってないで自己紹介でも」
美琴(カメが場を仕切ってる……)
亀仙人「そうじゃの、まずワシじゃが、このカメハウスの主で、巷では亀仙人と呼ばれとる。
こう見えても昔は武道家としてブイブイ言わせたもんじゃ」
クリリン「そしてその弟子、武道家クリリン!」
悟空「孫悟空だ!」
亀仙人「こりゃ!二人ともどさくさにまぎれて弟子を名乗るな!」
上条「え~とじゃ、次は俺か?上条当麻です。夏休み一か月の家事手伝いのアルバイトということで、
宿題持参で募集しました」
美琴「御坂美琴です。学園都市から来ました。よろしくお願いします(とりあえず様子見ね)」
カメ「二人とも大丈夫ですよ。やることはきちんとマニュアルに書いて残しておきましたし、
食料の配達やゴミの回収も定期便が運んでくれますから」
上条「あの~ウミガメさん?」
カメ「フランクにカメでいいですよ?」
上条「俺たち、ちゃんと、夏休み中に、うちに、帰れますよね?」
カメ「・・・・・・・・・・・・・もちろん」
上条「ちょっと!その間は何なの?すっげえ不安なんですが!?
もう僕には嫌な予感しかしないんですが!?」
カメ「まあカメは気の長い生き物ですから~、時間にルーズな種族なので~、
でも大丈夫、旅行を済ませたら、すぐに迎えに来ますよ
それでは亀仙人様、行ってまいります。」
亀仙人「うむ」
美琴(海に消えた……もしかして本当に喋る亀だった?いや、そんなことありえない!)
上条「不安だ……不安すぎる」
美琴「おじいさん」
亀仙人「ん?なんじゃい?嬢ちゃん?」
美琴「おじいさんが雇い主ですよね?そろそろ種明かししても良いんじゃないですか?」
亀仙人「何いっとるんじゃ?」
美琴「おじいさんは超能力者でしょ?」
上条「……もしくは魔術とか(ボソッ」
美琴「ちょっとあんた、小声で何言ってんのよ?魔術なんてあるわけないでしょ?」
上条「いやまあ、なんだ、そうだよな、そういうことにしておこうか、ははははは」
亀仙人「超能力に、魔術か……まあ一応仙人じゃし、多少はそういう系統の技もかじっておらんこともないが……」
美琴「どんな能力?」
亀仙人「大したもんじゃないわい。それにワシの本職は……」
突然、機敏な動きで演武を披露する亀仙人
亀仙人「武術家じゃ……(キリッ」
クリリン「いよ!武天老師様!かっこいい!」
悟空(早く修業してえなぁ)
美琴「武術の方はどうでも良いけど、能力者であることは認めるんですね?
レベルはいくつですか?」
亀仙人「レベル?なにそれ?ところでお嬢ちゃんのお母さんは年いくつじゃ?
もしくはお姉さんとかいるかのう?」
美琴「はぐらかさないでよ!私たちにもう超能力をかけてるんでしょ?」
亀仙人「何のことじゃ?嬢ちゃんの質問は何かずれとるぞ?」
美琴「催眠術や遠隔操作じゃなきゃ、カメが喋るなんてありえないでしょ!」
亀仙人「何いっとるんじゃこの子は?」
クリリン「ひきこもりか何かでしょうか?」
悟空「オラ頭悪いから、このねーちゃんが何で怒ってるのか理解出来ねぇ」
上条(一体どういうことだ?)
亀仙人「カメが喋って何が悪い。
街にいけば、豚も、オオカミも喋る奴らは普通に喋っておるじゃろうに」
美琴「は?どこにそんな普通があるのよ?」
亀仙人「ほれ、例えばそこの悟空は尾が生えとるし」
悟空「ん?オラの尻尾がどうかしたか?」
美琴「(やだ、か、可愛いじゃない…じゃなくて!)だからそれは能力で……」
亀仙人「そこのやつは鼻がない」
クリリン「やだなぁ、老師様、クリリンとお呼びください!ていうか僕は普通の人間ですよ?」
美琴「・・・だ、だからそれも能力で」
上条(口だけで呼吸してるのか?)
亀仙人「カメが駄目なら、ガメラはどうじゃ?ガメラよ!来い!」」
上条「ガメラ?」
美琴「なに言ってんのよ?ガメラなんて……」
ゴーッ
???「亀仙人様!お呼びで?」
上条「」
美琴「」
~数分後~
美琴「き・・・今日のところはもう追及しないけど、バイトが終わるまでには尻尾を掴んでやるからね!
学園都市第三位を騙そうたってそうはいかないから、肝に銘じておきなさい!」、
亀仙人「やれやれ、好き放題言ってくれるわい」
美琴「ところで気になってたんだけど……ねえ、その尻尾。かわいいわね。アクセサリー?」
悟空「触るな!」パシン
美琴「尻尾が・・・動いた?まさかあなた学園都市の実験かなにかで……」
悟空「がくえんとし?聞いたことねえぞ?そんなとこ」
美琴「そう。ごめんね。勝手に触ろうとして(でもあの尻尾可愛い!)」
上条「ていうかそのふよふよ浮いてる金色の雲はなんなんなんだ?」
亀仙人「それは金斗雲といってな。心清い人間のみが乗れて、意のままに動かせる雲じゃ」
美琴「なにそれ、どういうカラクリなの?科学的にありえないでしょ……」
悟空「じゃあ、オメエも乗ってみっか?」
美琴「(ゴクリ)じゃ、じゃあちょっとだけ、」ピョン
美琴「あ、乗れた。えーと上昇!……きゃあああああああ!!」
クリリン「もう見えなくなった……」
亀仙人「やれやれ、せっかちな子じゃのう」
悟空「お、戻ってきたぞ!」
美琴「ハア、ハア、ハア、ハア、何これ、どうなってんの……?」
悟空「おめえもどうだ?」
上条「え・・・?いいの?てか、大丈夫?」
亀仙人「なあに、金斗雲は良い子の味方じゃ。それに、不純な輩はそもそも乗れないからのう」
クリリン「しくしくしく」
上条「(俺、試されてる?)よし、乗ってみるぞ」
クリリン(落ちろ!落ちろ!落ちろ!)
上条「とりゃ」
ピョン……ドスン!
クリリン「やった!」
悟空「金斗雲が避けた?」
上条「イテテテ、お、おい、ちょっと避けるなよ」スカッ、スカッ、スカッ
美琴「……逃げちゃった」
悟空「な~に、あとでオラが呼べば出て来るよ!」
亀仙人「ふむう」
亀仙人(金斗雲が逃げた・・・?この少年何者じゃ……?)
サワサワサワ
美琴「・・・て、どさくさにまぎれて、あたしの太もも触ってんじゃないわよ!」
ビリビリビリ!
亀仙人「ギャアアアアアア!!!」
クリリン「老師様!」
悟空「じっちゃん!」
上条「オイオイこりゃシャレになってないぞ……ピクリとも動かない……」
美琴「え!?」
悟空「じっちゃん!?やられちまったのか?ウソだろ・・・?」
クリリン(武天老師様って意外と弱い?それに彼女はいったい……)
上条「ビリビリ・・・年寄りに酷過ぎだろ・・・とりあえず病院へ……」
美琴「だ、だって武道家だとか強いとかって、言ってたのに……」
亀仙人「・・・・・・」
思わず亀仙人の元に駆けよる美琴
美琴「ちょっと!大丈夫なの!?」
ピク、と体を動かす亀仙人
上条「良かった!生きてるぞ!ん?何か言ってるぞ」
亀仙人「せ・・・・た・・・・・・ひ・・い」
クリリン「え?今なんて?よく聞こえない……」
悟空「じっちゃん、なんて言ってんだ?」
亀仙人「せっか・・・た・・・あり・・・ひ・・・」
上条「爺さん、なんて言ってんだよ?」
美琴「全然わからない……」
亀仙人「『せっかくわざと当たってあげたのに、短パンはありえんじゃろ、酷い』といったんじゃ」
一同「は?」
亀仙人「やはりガキじゃのう。色気というものがまったく無い。少なくともあと二、三年は熟成させないと……」
美琴「こここ……殺す!」
上条「ちょっと!御坂さん!レールガンはまずいっす!」
クリリン(弟子入り辞めようかな)
亀仙人「ほれほれどうした?まだなにか技があるのか?当てれるものなら当ててみい、ほれほれ」
美琴「しねぇぇぇ!エロジジイ!」
レールガンの一閃、忽然と消えた亀仙人の姿。
一瞬あっけにとられる一同
美琴「え?(消えた?)」
悟空「なんだ!?あの技!すっげえな!かめはめ波みたいだ!」
クリリン(この娘に弟子入りした方が良い気がしてきた……)
上条「やっちゃったよ!跡形もなく蒸発だよ!とうとう殺人事件の現場に居合わしちまったよ!あ~不幸だ~!」
亀仙人「これ少年、なに勝手にワシを殺しとるんじゃ?」
上条「どわあああ!いつの間に後ろに!?」
美琴「ウソ…あの距離でレールガンを避けるなんて……」
クリリン「さすが武天老師様!キミ!バイト風情のくせにこれ以上の無礼はよしたまえ!」
悟空(早く修業してえな~、オラ、体動かしたくてうずうずしてきたぞ!)
亀仙人「これが真剣勝負なら、嬢ちゃん、お主はもう死んでおるぞ?」
美琴「くっ……ま、負けたわ」
上条「ビリビリをあっさり屈服させるなんて……
上条さんはこのセクハラじいさんをちょっと尊敬しそうですよ」
亀仙人「そうじゃのう、感電させたお詫びに膝枕で許してあげようかの?」
美琴「はあ?ふざけんじゃないわよ!」
亀仙人「なんじゃい、ケチじゃのう。そこの若造にはしてあげたくせに、ブツブツ」
上条・美琴「「え?」」
亀仙人「なんじゃ?適当に行っただけじゃが、心当たりでもあるのか?」
上条「」
美琴「」
亀仙人(それにしてもアレイスターめ・・・、何も知らない子供を「こちら側」に送り込んで、どういうつもりじゃ……)
クリリン「あの、ところで老師様……わたくしの弟子入りの件は?」
孫悟空「そうだ!じっちゃん、オラに稽古付けてくれるって言ってたじゃねーか!」
亀仙人「その件じゃがのぅ。どうにもやる気が湧かんのじゃ。
さっきも言ったように弟子になりたければぴちぴちしたギャルを連れてこい!」
美琴「……ちょっと、なんでみんな私を見るのよ!」
亀仙人「発育途上のじゃじゃ馬っ子は対象外じゃ」
美琴「な、それってどういうことよ!」
上条「まあまあ、よかったじゃなかビリビリ」
美琴「あのジジイのいうことはいちいち勘に障るのよ!それとビリビリ言うな!」
上条さんのバイト日誌
一日目
遂に初仕事、色々と不安はあるが日給一万は結構大きい。頑張るぞ。
悟空とクリリンとかいうちびっこはじーさんに弟子入りを認めてもらうべく
ぴちぴちぎゃる(死語)を探しに出かけた。
そして、悟空の連れてきた女の子は……いや、多くは語るまい。
美琴は一日中、上の空で何か考え事をしているようだ。つーか掃除手伝え。不幸だ
二日目
クリリンがこまめに掃除を手伝ってくれる。
気に入られて、なんとか弟子入りしようという下心のためだろうが、俺にはありがたい。
こういう細かいところでポイントを稼いでいくのが、
世の中を上手く渡っていくコツだそうだ。こいつも色々苦労してたみたいだ
なお、俺の作ったモヤシ料理フルコースは総じて不評だった。
悟空「こんなもんじゃ力が溜まらねえ!」
御坂「貧乏くさい料理ね」
亀仙人「若いうちからこんなもんばっかり食ってたら、萎えちまうぞい」
おまえらマジで死ね!不幸だ
クリリン「はっはっは、私のいた多林寺は、平素粗食ですから、気になりませんよ」
やばい。クリリンが可愛く見えてきた……
三日目
悟空がまたピチピチギャルを連れてきた。
前回のような地雷を警戒し、窓越しからこっそり顔をのぞき見ると……
今回はストライク!!
ちくしょ~、悟空の奴やればできるじゃねーか!
て、亀仙人の爺さんが鼻血出してる。
「じ~ちゃん、女の子連れてきたぞ~」とやってくるゴッド、もとい悟空!
「ハァハァハァ、悟空や、すまぬがあの子から、
ぱんてぃ~を譲って貰うよう交渉してくれぬか?」
ちょ、じーさんいろんな過程をはしょり過ぎだよ!
老いてなお止まることをしらない亀仙人の過激な要求にあてられて
後ろで舞い上がる俺とクリリン。そして、無表情にこちらを見つめるビリビリ。
「じっちゃん、頼んでみたけど、あいつパンツ持ってないってよ!」
ということは……
ノ ー パ ン だ !
あんな!美女が!ノーパン!
だめだ悟空!俺達まだ未成年だし、日が明るいうちからそんな・・・・!
常人なら、とっくに貧血で倒れるほどの鼻血をぼたぼたと垂れ流す、ジーさん。
そして、クリリンも……、つかお前って鼻あったっけ?ああ!もういろいろどうでも良くなってきた!
紳士的な自己紹介のために美女の前に躍り出る、じーさん、それに続く俺、クリリン!
って人魚じゃねーか!!そりゃパンツはいてねーよ!
じーさんは、それでもめげず「パイパイを触らしてくれんか?」
と交渉を持ちかけたが、あえなく撃沈。あのファイトは見習いたい。
晩の食事係はビリビリだったが、なぜか三人の食事だけ異常に質素だった。特に俺の。
「文句あんの?」と不機嫌そうに語りかけるビリビリに、黙りこむ俺たち。
武術の達人を黙らせるあの気迫の凄まじさは推して知るべしである。不幸だ
四日目
ビリビリは朝から何か調べものをしていたようだ。つーか仕事手伝え
そもそも、この家の生活費はどこから出てくるんだ?
悟空の食費だけでも馬鹿にならないはず……
気になったので、それとなくじーさんに聞いてみた。
……どうやら、昔稼いだファイトマネーがたくさん残っていて、
さらに今もその時の知名度を利用しスポーツ関連の商品に名義を貸して稼いでいるようだ。
どうみても、普段は引き籠りのボケたエロじいさんにしか見えないのに、
結構ちゃっかりしてるんだなと感心。
それと、若いころの冒険で手に入れた珍宝がわんさかあり、
整理も兼ねて定期的に売りに出しているらしい。
その取引先の1つが学園都市なのだろうか?
て、資産運用や宝物庫の整理や営業は全部ウミガメさんがこなしているのかよ!。
カメ恐るべし・・・!
PS
さっき、ビリビリが俺の携帯を貸してほしいと言ってきた。
どうやらあいつの携帯は壊れたのか使えないらしい。
必死に俺の携帯でどこかに電話しようとするビリビリ
「ねえ、ここ携帯で電話が繋がらないんだけど……」
と真っ青な顔で言うビリビリ、そりゃ俺のショボイ旧型携帯はこんな島じゃ完全に圏外だよ。
当然だろ?
5日目
今日は、クリリンと悟空が一緒に金斗雲にのってピチピチギャル(死語)を探すことにしたらしい。
クリリンは金斗雲に乗れないので、悟空が背負って行くのだとか。
まあ、クリリンの方が女の見る目はあるからな……
(ちなみに上条さんは、近寄るだけであの雲に逃げられるので、背負ってもらっても乗れませんがね!)
どうせ今日も徒労に終わるだろうと思いつつ昼飯を作って待っていたら……
きた!美女が!こんどはゴリラでも、人魚でもない!正真正銘のかわいこちゃん(死語)だ!
名前はランチさんというらしい。
ランチさんのおかげで、亀仙人のジーさんも二人へにっこり合格サイン。
そしてなぜかランチさんを見て不機嫌そうなビリビリ。
やっぱ普通っていい!普通の女の子が一番いい!
さあ、みんな!女性用亀仙流道着を着て、ランチさんを歓迎しよう!
ランチさんは正統派ヒロイン!ランチさんサイコー!
,j;;;;;j,. ---一、 ` ―--‐、_ l;;;;;;
{;;;;;;ゝ T辷iフ i f'辷jァ !i;;;;;
ヾ;;;ハ ノ .::!lリ;;r゙
`Z;i 〈.,_..,. ノ;;;;;;;;> ……ランチさんサイコー
,;ぇハ、 、_,.ー-、_',. ,f゙: Y;;f ……そう思っていた時期が僕にもありました。
~''戈ヽ `二´ r'´:::. `!
|l、{ j} /,,ィ//| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ | あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ | < 『おとなしくて可愛い女の子がくしゃみをすると
fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人. | 凶暴なテロリストに変身して銃撃してきた』
ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ | 超能力だとか超魔術だとか
ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ. │ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
/:::丶'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ \____________________
ていうか、ランチさんの銃で撃たれた(ように見えた)三人の全身に、穴が空いて血が吹き出てたはずなんだが、
瞬きすると元に戻っていた。幻覚だろうか?
ビリビリも同様の幻覚が見えたらしく、お互い疲れが溜まっているせいだという見解で一致。
あまり深く考えず、今日は早く寝よう……
~そしていよいよ修業開始の日~
亀仙人「さて、今日から本格的に修業を始めるわけじゃが・・・」
クリリン「ハイ!」
悟空 「わくわく」
亀仙人「さすがにここでは手狭なので、引っ越しするぞい」
上条「え?引っ越し?」
美琴「せっかく隅まで掃除して片づけたのに、荷造りすんの?」
亀仙人「何を言うとる?家はカプセルで持ち歩けば良いじゃろ」カチッ
BOOOON!
上条「な、なんだぁ?家が無くなった・・・もしかしてそのカプセルに入ってるのか?」
美琴「あ、ありえない。どういう理屈で…」
クリリン「ホイポイカプセルも知らないなんて……
いったいどこの田舎から来たんです?」
美琴「田舎ですって!?これでもあたしは世界最高の科学水準を誇る学園都市から……」
クリリン「だったらホイポイカプセルくらい知ってるでしょうに……
多林寺で修業生活を送った僕より世間知らずって一体……」
悟空「ミコトやトウマが驚くのも無理ねえよ。
オラも山を出てブルマに初めて見せてもらったときはおどれーたからなぁ」
美琴「だから私は山育ちでも田舎育ちでもないっつーの!」
亀仙人「ギャーギャーうるさいのう、ほれボートに乗って出発じゃ」
ランチ「みなさん、仲が良いですね。フフフ」
こうして修業先に選ばれたのは人口数百人の、のどかな島だった。
大きな丘の上に家を設置したあと、亀仙人による、体力測定が始まった。
……が、そこは割愛!
美琴「ちょっと!さっきの100メートル走みてた!?あいつらどんだけ早いのよ?」
上条「ビリビリ……見学する暇があるなら手伝えよ。昨日のゴミの始末の当番、
お前だったのに結局おれがやったんだぞ?」
美琴「その件は、わ、悪かったわよ。ていうかあんた馴染み過ぎてない?」
上条「ん~?まあ今のところトラブルに巻き込まれる気配がないからなぁ」
美琴「それよ!ここに来る途中に市街地通った時、クマ人間やオオカミ人間が見えたでしょ?
私たちまだあのジーさんの催眠術かなんかにかかってんじゃないかしら?」
上条「う~ん、でもそれなら、俺の能力で無効化出来るはずだしなぁ」
美琴「なんにせよ、油断しないようにしなさい」
上条「あ、ああ、そうだな」
ランチ「当麻く~ん?ちょっと頼みたいことがあるんだけど~」
上条「あ、はい、今すぐ行きます!」
美琴「ちょっと!……あの馬鹿、言ってるそばから……」
美琴(あいつは、無自覚に善意を振り撒き過ぎなのよ。あ~イライラする)
すみません、
ちょっと友人から、呼び出しかかったので出ます。
夜には再開できると思います。
支援感謝
ていうか、筋斗雲は素で間違えてた。
自分でも書きながらなんか違和感あったぜ。
上条さんのバイト日記 修業一日目
住みかを変えて、悟空とクリリンの修業が始まった。
俺達の方は相変わらず掃除や、調理、洗濯などの家事手伝いの毎日だ。
食料配達の定期便も当然なくなり、山の上から必要なものを買うためには山を降りなければならない。
だが幸いランチさんが家事手伝いに加わったおかげで仕事量は格段に減った。
だが、ビリビリがどんどん不機嫌になっているきがする。
ろくに働いてない癖に、なぜ?
どんな修業をするのか、ちょっと興味が湧いたので様子を見に行ったら、
じーさんが、目印を付けた石ころを山の上から落として、
「あれを取りに行って来い」と二人に言い放っていた。
しかも負けた側は、飯抜きだとか。じーさん鬼だろ?
「お主も参加するか?」と言われたが丁重にお断りした。
ていうか、悟空は断崖絶壁から飛び降りてなんで無事なんだ?
競争相手のクリリンが呆然としてたぞ。こりゃ勝負あったなと思いきや、
勝ったのはクリリンだった。意外だ。
ちなみに今日の夕食係はランチさんで、ふぐ料理だった!
感動の涙を流しつつ、(悟空以外)全員が美味しく頂いた。
……そして、全員毒に当たった。ああああああ不幸だ!
……寝込んでいる間テレビを付けてボケーっとみていると面白そうな幼児向けアニメがやっていた。
■■『なにをしているの、今のうちにはやく完食して清算を』
店員『80皿……85皿……見てろよ、フヒヒヒヒヒ』
いんでっくす『いやなんだよ』
■■『なにをいってるのそれいじょうはおかねが」
いんでっくす「とーまのかたきをとるんだよ!!!!!!』
……このアニメは、こちらの世界で人気爆発中のハラペコボウルというらしい。
七つの伝説のハラペコボウルを集めると、究極のシェフが召喚され
好きなジャンルの究極の料理を食わしてくれるというアニメだそうだ。
いんでっくす『とーまは親友だった。まいにちタダでごはんをくわしてくれて・・・』
店員『90皿……もう少しだ、95皿……」
いんでっくす『とーまは、いちどじこはさんしているからもうわたしをやしなえないんだよ』
いんでっくす「だから、あいつにどうどうとかんしょくして……勝つ!!!」
■■『だめだわ。あそこにいるのは誇り高き伝説のすーぱー大食漢、いん・でっくすだわ』
店員「お待ちかねの100皿目だ……正真正銘の在庫セール、お前に完食できるかな?』
……どうやら作風は初期の路線から大きく変わっているようだ。
ていうかハラペコボウル全然話に絡んでねーじゃん
~そして食中毒の収まった数日後の早朝~
亀仙人「さて、今日からようやく正真正銘、修業本番が始まるわけだが」
悟空「早く始めようぜ!じっちゃん!」
クリリン「よろしくお願いします!」
美琴「なんかいいわね、ああいうの。あたしも参加してみようかしら」
上条「おいおい、ビリビリ、さっき、こないだの石ころ探し修業の話しをしたろ?
あのジーさんの修業、超絶ハードだぞ。つか俺らは家事手伝いのバイトなんだぜ?」
美琴「いいじゃない、ちょっとくらい。特訓とか修業とかそういうの嫌いじゃないのよね~」
亀仙人「ほっほっほっほ、そうかそうか、なら最初はただのランニングじゃし
無理せず自分の出来る範囲でついてくるとえーわい」
上条「まあ頑張れよ。おれはランチさんと食器洗いと掃除して待ってるから……」
美琴「あ・ん・た・も・く・る・の・よ」
上条「いででででで、耳ひっぱるな!あ~不幸だ~」
こうして早朝ランニングが始まった!
まずは小手調べとばかりにゆっくりペース
美琴(これくらいならまだ余裕ね)
上条(嫌々ついてきたけど、朝のランニングって結構気持ちいいな)
クリリン(武天老師様の修業は厳しいと評判だったけど、
この程度なら多林寺でもやってたし余裕だな)
亀仙人「……さすがにここで息が上がってるやつはおらんようじゃな、
ほい、第一中継地点到着。ここで、牛乳をうけとるのじゃ」
宅配業者のおじさん「え?宅配手伝ってくれるの?タダで?そりゃうちは構わないけど……」
亀仙人「是非ともお願いします」
おじさん「ちょっと!君たち!ヘリは使わないのかい?この島は結構広いよ?」
亀仙人「修業の一環ですのでな」
悟空とクリリンに牛乳の入ったケースが手渡される。
正式な修業者ではない美琴と上条はナシ。
亀仙人「ほれ、いくぞ!ここからが本番じゃ」
亀仙人「ホ、ホ、ホ、ホ、ここは街路樹に一本一本タッチしながら進むのじゃ!」
亀仙人「ここはスキップでいくぞい!」
上条「はぁ、はぁ、や、やばい。結構きついかも」
美琴「ハァ、ハァ、な、なによ、ハァ、情けないわね。孫くんとクリリンくんは、ハァ
牛乳抱えながら走ってんのに、はあはあ」
亀仙人「どうした~そこの二人!自分のペースで進んでもいいんじゃぞ~?」
美琴「はぁはぁ、まだまだいけるわ!」
上条「ハァ、ひぃ、俺ちょっと無理かも」
亀仙人「なんじゃ、当麻、美琴ちゃんがガッツを見せ取るのに情けないのう」
クリリン(……僕もそろそろ厳しくなってきたかな)
悟空(まだまだいけるぞ!)
亀仙人「そうじゃな、当麻と美琴ちゃんは先に次の中間目標地点を教えておくかの?
あとは自分のペースでついてこい」
上条「そ、そうしてくれると助かります。ぜぇ、ぜぇ」
亀仙人「あの山が見えるじゃろ?あの山のってっぺんじゃ」
美琴「!」
上条「!」
クリリン「え?」
悟空「よ~し!」
亀仙人「それじゃあ、ペースを上げるぞ、悟空、クリリン!ついてこい!」
美琴「はぁ、はぁ、え、ちょっと!(だめ、これ以上は追いつけない!)」
上条「はぁはぁはぁはぁ、もうさすがに無理!」
いつしか歩きだす二人、数十分後に山のふもとにまで辿りつくも
頂上まで延々と続く長い階段に呆然とする
ここで、いったん中座。
ダイヤルアップなので、回線が切れて、
次はIDが変わっているかも。
まあ文体でわかるだろうけど
ところで、SS完全初心者なので聞きたいのですが、
他の人らって投下速度とか、文体とかどうなの?
基本、会話文主体なのは知っているので、
極力ほかのSSと同じような形式に添って書きなおしてるけど
これから予定してる戦闘描写とかは、
完全に地の文でしか、表現できない……
普段2chはデスクトップで見る人間だから、
携帯の人はごちゃごちゃ見にくいと思う。
スマソ
んじゃ、今度こそ中座します
案の定、接続切れてた
上条「あの長い階段の先に見えるのちっちゃいのは悟空とクリリンだな……」
美琴「よし、登るわよ!」
上条「マジかよ……、おまえ大丈夫か?足が笑ってるぞ?」
美琴「こ、このくらいで……」
上条「……ていうか、ビリビリ、向こう見ろよ」
美琴「なによ、私はまだ……」
上条「ほらあれ、来客者用エレベーターだって」
美琴「…………ま、まあっここで精根使い果たして、仕事に支障が出るのも問題よね。
あは、あははははは」
上条「ですよね~、はははははははは」
~頂上の寺~
亀仙人「なんじゃお主ら、あのエレベーターに気付いたのか。」
上条「ええ、まあ」
美琴「まだ二人は来てないみたいね」
寺の住職「お久しぶりです、亀仙人様」
亀仙人「おお!これはこれは。住職さま……お変わりなく」
住職「このお二人はお弟子さんですかな?」
亀仙人「いや、この二人は臨時のアルバイトでしてな、手伝ってもらっておる。
正式な弟子はいま、あの階段を上ってきておりますわい」
上条「はじめまして」
美琴「あの……住職さん、よかったら色々お尋ねしたいことがあるんですが……」
住職「ふむ、なんですかな?本堂で茶菓子を振舞いますから、それを飲みながらお答えしましょう」
美琴「はい、ありがとうございます」
住職「お二方はどうします?」
亀仙人「お構いなく、ワシはここでタバコを吸いながら弟子を待ちますわい」
上条「俺もここで休みながら景色を眺めてます」
住職「そうですか。では、お嬢さんこちらへ……」
物珍しげにあちこちを見回す上条。
岩の上に腰かけ、プカプカと煙草を燻らせる亀仙人
上条(朝、山の上から見下ろす風景。けっこう気持ちいいぜ……)
亀仙人「……なあ、お主らは「向こうの世界」から来たんじゃろ?」
上条「……やっぱりあなたが黒幕なんですか?」
亀仙人「何のことじゃ?」
上条「だからカメさんを使って俺と御坂をこの不可思議な世界に連れ込んだのはあなたではないかと」
亀仙人「ウミガメの奴から何か説明を聞いておらんのか?」
上条「いえ、何も」
亀仙人(あのカメが雇うときにろくに説明せんから、ややこしい誤解を受けたんじゃな。
……やれやれ)
亀仙人「ワシもウミガメのやつがどこから手伝いを雇ったか、全くきいとらんかったしの。
ただ何も知らなくても、お主らとの会話をしていると、どこか感性や反応、常識がずれているのはわかる」
上条「ずれてる?う~ん、俺から言わせればあなたたちの方が……」
亀仙人「お主から見ればそう感じるじゃろうな。
そして、そのずれた感覚の原因が、悟空のような山育ちで世間知らずなせいでないのも、なんとなくわかる」
上条「じゃあ、どうして、その、「ずれてる」原因を、ズバリ「向こうの世界」と結び付けることができるんですか?」
亀仙人「ワシは『そっち側』には行ったことはないがの、
おそらくお主と同じ世界からやってきた男と、大昔に会ったんじゃ。
そいつと、いろいろと反応が似ておるんじゃよ」
上条「その人は一体……」
亀仙人「どういう方法でこちらに来れたのかは知らん。
こちらの世界の「常識」ではありえないような不思議な術をいくつも操っておってな、
同じような術を使う連中から逃げておったらしい」
上条「魔術師ですか!?」
亀仙人「う~む、そうかな?そういや、そんなことをグダグダ言っておったのう」
上条「それでその人はいったい?」
亀仙人「帰った。お主が生まれるよりもうずっとずっと前の話じゃ」
上条「そうですか……じゃあ俺がボートに乗ってやってくる時に見た光は?だいたいウミガメさんはなぜ……」
亀仙人「この話はまだ続きがあっての、それから数十年後に……ん、来たか」
悟空「ハァ、ハァ、ハァ」
亀仙人「ふむ、さすがの悟空もバテおったか。」
上条(もう頂上に着いたのか!早すぎだろ!)
悟空「じっちゃん、これ筋斗雲使って配ったら駄目か?」
亀仙人「何を言うとる、それでは修業にならんわい」
亀仙人、空を仰ぎつつ……
亀仙人「……懐かしいのう、若かりし日の孫御飯や、
牛魔王とも同じようにこの山を登ったもんじゃわい」
悟空「じいちゃんと!?そうかぁ~」
上条「あの……さっきの魔術師(?)の名前は……」
亀仙人「……教える必要はないじゃろう。もしお主があやつの名を知る定めならば、しかるべき時に
あちらの因果や、あちらの法則に則って知るはずじゃ」
上条「はあ……(じゃあ、なんでそんな面倒な所からバイト呼ぶんだよ……)」
亀仙人(さっきのセリフはちょっと決まったのう)
悟空「?」
クリリン「ヒ―ッ、ヒ―ッ」
亀仙人「情けないぞクリリン。悟空にだいぶ後れを取っておるではないか」
クリリン「ヒ―ッ、はあはあ、申し、ハア、わけ、ございません。ハァ」
寺の住職「ほっほっほ。今度こそお弟子さんがきましたか?」
亀仙人「はい。ところで嬢ちゃんと話はすみましたかな?」
住職「はい。なかなか知識欲旺盛な子ですよ。で……この子が?」
亀仙人「はい。こりゃ、挨拶せんか!」
悟空「おっす!」
クリリン「おはようございます」
ポカッ!
亀仙人「馬鹿もん!目上に向かって何という口のきき方じゃ!『おはようございます』」
悟空「いってー、……おはようございます」
住職「ほっほっほ、まあまあ、なかなか元気そうな若者で……」
亀仙人「いやいや、まだまだ未熟者ですわい」
悟空・クリリン「……」
亀仙人「しかし、見込みはある」
悟空・クリリン「え!?」
悟空「みこみあるってよ!」
クリリン「へへ、やったな!」
上条「いや~なんか微笑ましいね~」
美琴(ねえ、ちょっと)
上条(なんだよビリビリ。深刻そうな顔して)
美琴(話があるんだけど)
美琴(……わかった)
>>150
すまない、最後の
(わかった)
はもちろん上条さんの台詞だ!!
亀仙人「このままいけば次の天下一武闘会に出場できると思っております」
住職「ほう!それはそれは」
クリリン「て、天下一武道会!?」
悟空「なんだそれ?」
クリリン「あらゆる流派、種目の武道家が集まって、世界で一番強い奴を決めるすごい大会だよ!」
悟空「へぇー、すげえな!それにオラ達出れるのか?」
亀仙人「まだ先の話じゃ!それにこのまま真面目に修業を続ければ、という話じゃ」
悟空「よ~し!」
~寺の裏口~
美琴「さっき住職さんと話して確信したわ!ここは別世界なのよ!」
上条「……だろうな」
美琴「え?なんか反応薄くない?あの光は空間移動とか、催眠術じゃなくて、別世界の入り口だったってことよ?
一大事じゃない!」
上条「あ~さっき、亀仙人のジーさんと話したんだが……」
・・・・・・(現在上条さん説明中)・・・・・・
上条「……という話をしててな、あのジーさんは多少はその辺の事情は知っているみたいだけど
俺たちがこっちに来た件とは無関係だと思うぞ」
美琴「じゃあ、なんであのカメは、私たちをバイトに雇ったのかしら?」
上条「旅行休暇のための代理手伝いだろ?」
美琴「だからなんで異世界から雇う必要があるのよ?」
上条「カメさんに説明を聞く時間は船の上でたっぷりあったけど、疑心暗鬼にかられて
カメとろくに口を聞こうとしなかったのは誰だよ」
美琴「う、だって仕方ないじゃない。普通は……」
上条「わかったわかった。とりあえず、亀仙人のじーさんや悟空たちを疑うのはもうよそうぜ」
美琴「……そうね。あのエロジジイはともかく、孫くんやクリリンくんは完全に無関係みたいだし
過剰に警戒する必要はなさそうね」
亀仙人「話は済んだか?」
上条「ええ……まあ」
亀仙人「ところで、こっから先は一般人にはちとハードじゃ。お主らは先に戻って、ランチさんと昼食の準備をしといてくれ」
上条(これ以上にハードってなにするんだよ……って頂上から釣り下がった一本橋を渡ってる!!)
美琴(あ、あれはさすがに無理だわ)
~上条さんの独白~
(あれから、俺とビリビリは疲れた体を引きずりながら下山、
住職さんの好意で、車で家まで送ってもらい昼食の準備にとりかかった。
ちょうど昼には悟空たちはへとへとになって戻ってきた)
(クリリンによるとなんでもマラソンのあとも色々とハードな修業を課されたらしい。
だが午後からは、勉強の時間も取るようだ。これにはちょっと感心だ)
(あのじーさんがどんな授業するのか興味あるし、俺も受けてみようかな)
そして……
亀仙人「亀仙流は、文武両道を旨とする流派じゃ、よく動き、よく学び、よく休まねばならん」
悟空「なるほど~」
亀仙人「そういうわけで、これから勉強を始めるぞい」
悟空「でもオラ勉強苦手だな~」
クリリン「ふふふふふ、これは完全に僕の勝ちだな」
美琴「じ~さんも結構いいこというわね」
上条「なんでお前も来てるんだよ?」
美琴「ただの好奇心よ。そういうあんたこそ高校生でしょ?」
上条「いいんだよ!初心忘るるべからず、っていうだろ!」
亀仙人「ではこれが教材じゃ」
悟空「なんでこの本の女は裸になってんだ?」
クリリン「……(どうみてもエロ雑誌)」
上条「うん、なんてういうか……なかなか先鋭的な教科書ですね」
美琴「ちょっと!このエロジジイ!どういうつもりよ!」
亀仙人「……はて?なにか問題が?」
美琴「大ありでしょうが!子供の教科書に、こここここんな、は、破廉恥な」
亀仙人「……意義のあるものは手を上げよ」
悟空「オラどっちでも良いぞ!」
クリリン「もちろん私は、武天老師様にどこまでもついていきますよ」
上条「……(あ~なんかこっちの方が色々面白そうだし消極的肯定)」
美琴「ぐぬぬぬぬ・・・!」
申し訳ない。
また少し席をはずすでござる。
あと回線切れ対策にトリップつけてみた
>>164
ごめん、「意義」じゃなく「異議」ですね。
推敲せずに書き込むと恥ずかしい思いするぜ・・・
~~~~~~~~~本編再開~~~~~~~~~~~~~
亀仙人「うむ、衆議一決したところで、始めようか。
悟空、38ページから音読せい!」
悟空「え~と……」
悟空「『だっ、だめよ。もうすぐママが帰ってくるから、
マーガレットは言いましたがボブは強引に・・・』」
クリリン「………」
上条(こっ、これはなかなか……過激な!)
美琴「~~~~~~~~~!!!!!!」
美琴「あ~もう、ふざけんな!ジジィ!どういうつもりよ!」
悟空「ん?ミコトはなに怒ってるんだ?オラ内容全然わかんねーけど、なんか間違えてるか?」
美琴「え・・・いや・・・それは・・・・・」
亀仙人「どした?美琴ちゃん?どうせだから、どういう内容か解説してやったらどうじゃ?ホレホレ」
美琴「馬鹿にして!もう行くわ!ホラ!あんたも高校生なのにこんなレベルの勉強はいらないでしょ!」
上条「こんなレベル?お嬢様学校はそっち方面の学習も意外に進んでますね。
中学校からこんな過激な内容を……」
ビリビリビリ!
上条「おわあああああああ!」
美琴「調子に乗って茶化すな!この馬鹿!!」
~上条さんの独白~
そんなこんなで、本格的な修業一日目は終了した
悟空とクリリンはもうバテバテだ。
しかも恐ろしいことにこれを毎日ローテーションで続けるらしい。
いや、しかし個人的にもっと空恐ろしいのは、わたくし上条当麻の身の上には
今のところ、なんの不幸もトラブルも降りかかっていないという事実……!
ここにきてたいした不幸に出会っていない分、
遠からずとんでもない不幸が有利子負債付きで襲ってくるのではないか・・・?
そんな予感がして仕方がないのです……
クリリン「こ、これを毎日!?」
悟空「さすがのオラもくたびれちまった……」
亀仙人「なお次回からは、亀仙流専用の修業ユニフォームを着用しようかの」
クリリン「いったいどんなのですか?」
亀仙人「これじゃよこれ。これこそ亀仙流の修業着じゃ!」
クリリン(甲羅だ)
悟空(どうみても甲羅だぞ)
亀仙人「明日からは毎日この甲羅を背負って修業に臨んでもらう。
なんで、ワシが亀仙人と呼ばれるか……わかった?」
上条(悟空たち大変そうだ……本当に……)
上条(ハラペコボウルでも見るか)
『なんだ!?いんでっくす人はせいぜい服がやぶかれて全裸にしかなれないはず』
『あのちからはいったい』
『わからないのかだよ?』
『おだやかなしょくよくをもちながらはげしいくうふくによってめざめたいんでっくす。
いまのわたしはでんせつのすーぱーいんでっくすなんだよ』
『おだやかなしょくよくだと?あれで?なるほど、かんざきかおりがなれないわけだ』
……なんか芸風が微妙に変わってないか?そろそろ探せよ、ハラペコボウル
~そして次の日の早朝~
悟空「よ~し、クリリン!配達にいっくぞ~」
クリリン「ま、まてよ悟空。(こいつ昨日の疲れ残ってないのかよ?)」
美琴「ふあ~、もう起きたの?早いわね~」
悟空「オラ達、天下一武道会に出なきゃなんねえからな!
休んじゃいられねえ!」
美琴「なにそれ?」
クリリン「世界一の武術家を決める戦いですよ。半年後に開かれるから
それまでに武天老師様に認められるほど強くならないと……」
美琴「(要するにオリンピックみたいなもんね)へ~、張りきるわね~
で、その甲羅背負って、頑張るんだ」
悟空「おう!」
~数時間後~
美琴「……て話をしたの。天下一武道会か・・・。なんか面白そうよね」
上条「あの~御坂さん?僕らのバイトの期限は一カ月で……」
美琴「わかってるわよ!ちょっと言ってみただけよ」
上条さんの独白
こうして悟空もクリリンも、来る日も来る日も過酷な早朝マラソンから始まる修業を懸命にこなしていた。
傍から見てても、二人が日増しに体力を付けているのがわかる。
一方俺は……モヤシ料理以外が上手くなった。
いささか億劫なのは、ビリビリが、何かにつけて「あんたは修業しないの?」
とはっぱをかけてくることだ。
俺が強くならなきゃ、あいつになんか不都合あるのか!?
ビリビリは、たま~に二人に交じって修業しているらしい。
あてつけがましいと感じるのは被害妄想だろうか?
インデックス『てめえ……!いい加減にしろよ……!たくさんの罪の無い食い物を粗末にあつかいやがって』
ゲリーザ『くいものをそまつにだと?貴様らいんでくっす人によって食い尽された食材がどれだけあったとおもっている?』
インデックス『だからはらぺこ』
ゲリーザ『……おれがへらしたんだよ、(下痢で)きさまらの食欲をな』
インデックス『今度はオメ―が食われるばんだ』
上条「……アレ食ったら、腹壊すだろ。探せよハラペコボウル」
美琴「あんたいつも何を見てんの?さっさと家事手伝いなさいよ」
上条(なんかこいつ、最近、妙に俺に突っかかるよな)
~数日後~
上条「ふう、まったく、山を下りて食材の買い出しに行くのも一苦労だぜ」
美琴「情けないわね~、あんたも甲羅せおって、ジーさんにしごかれたら?」
上条「だから、俺は普通の人なんだよ!崖から飛び降りたり、毎日数十キロ走り込んでも平気な人間じゃないんだよ!」
美琴「にしてもね~、年下の孫君やクリリンくんが毎日頑張ってるのにね~、
ランチさんと一緒にジャガイモの皮剥いて、鼻の下伸ばしてるのはどうなのかしらね~」
上条「し、失敬なこと言うな!仕事してるだけだろ!」
シーン
上条(なんか微妙に気まずい空気が……
俺が悪いのか?)
美琴「……ねえ?」
上条「なんだよ」
美琴「ほんと、なんであんた修業に参加しないの?
あのジーさんエロいけど、やっぱ凄いわよ?」
上条「だ・か・ら、何で!俺に!修業させたがるんだ!」
美琴「だ、だって……」
美琴(だって、あんたの戦い方は、見てて危なっかしくて、痛々しいのよ)
上条「とにかく俺は仕事優先!」
美琴「あんた……本当に覇気ないのね。女にここまで煽られて悔しくないの?」
上条「ね~よ。マイペースマイペース」
美琴「……正直ちょっと見損なったわ」
上条「……」
気まずい空気の中、食材を手に家まで歩く二人、
と、歩く道の先には……
上条「あれ?おーい!悟空!」
悟空「ん?おお!トウマにミコト!食材買ってきたのか?今日の晩飯はなんだ?」
上条「お前こそどうした?さぼりか?クリリンは?」
悟空「それがな~、クリリンが亀仙人のじっちゃんの大切な本を処分しちまって、
罰として、島十周させられてんだ。だからオラは自主トレ」
上条「何とむごい……」
悟空「ところで、なあミコト!前見せてくれた、あの技、レールガンっていうんだろ?
どうやって使うんだ?」
美琴「……複雑な演算が必要だし、そもそも適正の問題があるから、
そっくりそのまま真似るのは厳しいと思うわよ」
悟空「へえ、よくわかんねえけど、大変なんだな~。かめはめ波はなんとなく出せたんだけどな~」
美琴「かめはめ波?なにそれ?」
悟空「元々は亀仙人のじっちゃんの技なんだけどな、
全身の力を集めて手から出す技なんだ。みせてやろうか?」
美琴「是非見せて」
悟空「いくぞ~、か~め~は~め~……波ーーーーーー!!!」
ドカーン
美琴「な、なんなの?確かにレールガンに似てる……」
悟空「へへへへへ。どうだ?すげえだろ!?亀仙人のじっちゃんのはもっとすごいの出せるけどな!」
上条(あのじーさんそんな事もできるのか……)
悟空「そうだ!なあ、ミコト!オラと勝負しねえか?オメエもつえーんだろ?」
美琴「え・・・、まあたしかにそれなりに強いつもりだけど……」
上条「おいおい、止めとけ、ビリビリ。お前は電撃が使えるだけで、身体能力は普通じゃねーか」
美琴「!」
美琴「なんですって?あたしは臆病者のあんたとは違うのよ!決めた!勝負するわ!」
上条(しまった、逆効果だったか……)
悟空「へへ!よ~し」
向かい合う悟空と御坂、上条は少し離れた所から、二人の様子を見守る。
地形は、岩や木に覆われた山の中、ぽっかりとコロシアムのように丸く開けた
平坦な場所で、決闘をするには手ごろに見えた。
美琴「いい?勝負はどちらかが『まいった』と言うまで、手加減無用で本気で行くわよ!」
悟空「へへ、いいぞ!」
悟空「それじゃあ早速、か~め~は~め~」
美琴(来る!大丈夫よ、レールガンで中心を射抜けば!)
悟空「波ーーーーーーーー!」
美琴「いっけえええええ」
どっかーん!
上条「これは……相殺?」
*そろそろ地の文にもどします。
力量がないからこれ以上は会話主体では無理ぽ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「かめはめ波を止めるなんてやっぱその技すげえな!」
感嘆の声を上げる悟空、一方、美琴は休まずに次の攻撃動作に入っていた。
(あいつに言われなくても、接近戦に持ち込まれればこっちが不利なのはわかってる!)
体から電磁の触手を伸ばし、地面から砂鉄を掻き集める美琴。
ほどなく、砂鉄で出来た剣が仕上がる。
「うっひゃ~!何だそれ!かっこいいな!」と好奇の声を上げる悟空
(地面から土かなにかを集めたのか?あいつ電撃であんなこともできるのか)
と上条も美琴の技に驚く。
無論、今の上条は、これから繰り出される技と作戦が、記憶を失う前の自身のために、
美琴が編み出したものだとは、夢にも思わない。
「孫くん、悪いけど、手加減はしないわよ!」
(しかし接近戦は御法度、なら……)
(飛ばす!)
膨大な計算を終えた美琴が意識を集中すると、砂鉄の剣は悟空めがけて薙ぎ払うように撃ち出された。
「おわ!」
悟空は一瞬虚を突かれたものの、持ち前の俊敏さと反射神経でこれを回避する。
しかし、刃は避ける悟空に追いすがる。
「なんだこれ!」
周囲の木々や近くに隆起した岩を上手く利用し鬼ごっこのように逃げ回る悟空。
(くっ素早過ぎて、上手く捕捉できない!……でも!)
剣は木々を切り倒しながら進んでいたが、やがて電磁波の統制を失い四散した。
(おいおい、ビリビリの奴、悟空を殺す気か?)
「さ~て、今度はオラの……って、いい!?」
回避した悟空が反撃に転じる態勢をとるときには、
美琴は既に4本の新たな砂鉄の剣の精製を終えていた。
(私だって、あの馬鹿に負けてからもずっと精進してきたんだから!)
「どうする?降参する?」
「まさか!勝負はこれからだ!」
愉快でしようがないと言った風に答える悟空の表情から、
彼の言葉が虚勢ではないと判断した美琴は攻撃を再開する。
(悟空の奴、何者なんだ?あんな技を見せられても
命の危険を感じずに、戦闘を純粋に楽しめるなんて)
「その代わり……オラもコイツを使わせてもらうぞ!」
そう言って悟空が、手に取ったのは普段背中に背負っていた赤い棒だった。
修業中に入ってからは家に置きっぱなしだったが、決闘での武器の使用を美琴が了承すると、
久々の出番とばかりに嬉々として持ち込んでいたのだ。
(所詮はただの棒でしょ?)
砂鉄の剣を使って接近戦に持ち込ませないことを最初から決めていた美琴は、
そのとき深く考えず、この悟空の要望に応じてしまったのだ。
「行け!」
美琴の号令で四本の刃が一斉に悟空に迫る。
「なんの!」
一本、二本、三本、横にかわし、身を縮め、さらに大きく跳躍して、迫りくる刃をやり過ごす悟空、
しかし四本目の刃は、着地した先のすぐそこまで迫っていた。
(入った!)
勝利を確信する美琴。しかし、それは大きな誤算だった。
「はあああああ!」
気合い一閃、悟空の一振りで最後の刃はあっさりと打ち崩された。
「うそ!」
動揺する美琴。次に間髪いれず動いたのは悟空だった。
「のびろ!如意棒!」
悟空の声に呼応して、赤い棒は美琴めがけて伸びていく。
美琴はとっさに体が反応して身をかわしたが、予想外の展開に混乱し次の一手が浮かばない。
常人であればつけ入るほどの時間も無い、美琴の一瞬の逡巡と混乱を悟空は見逃さなかった。
棒を惜しげもなく手放し、「じゃーん、けーん」と言いながら一気に間合いを詰める悟空。
(まずい!)
ほとんど直観と本能で身をひねり、転ぶようにその場を離れる美琴。
「グー!」
勢い込んで繰り出された拳は空を切り、そのままうしろの隆起した岩を破砕する。
しかし、悟空の攻撃は終わらない。避けた美琴を素早く追撃しながら叫ぶ。
「チョキ!」
咄嗟に伸縮自在な電磁の鞭を数メートル先の木の幹にまきつけ、
つり竿のリールでたぐり寄せられる魚のように木の方まで逃げる美琴
だが、悟空はなおも追いすがる。
「パー!!」
「・・・・・・っ!これくらい!」
回避を諦め、防御の姿勢をとる美琴。
無論、勢いを少しでも殺すために、後ろへ跳躍するのも忘れない。
ダン!そのまま悟空の掌ごと、うしろにあった巨木にうちつけられる美琴。
美琴にとってここまで重い一撃を直にくらったのは初めてだった。
「ぐあ・・・」
悲鳴でなく、押し殺した痛々しい呻きに、上条は思わず顔を背けた。
「やべえ、やりすぎちまったかな?ミコト?大丈夫か?」
すでに勝負は決まったとばかりに、美琴に話しかける悟空。
だが、美琴は悟空の繰り出した掌を握りしめ、ぎこちない笑みを浮かべながら言い放つ。
「これで……私の……勝ちよ!」
ビリビリビリビリ!!!
美琴の全身全霊の電撃がダイレクトに悟空の体に送り込まれる。
「ぎゃあああああああああああ!!!!!!」
これには悟空もたまらず悲鳴を上げる。
「おい!おまえら、そろそろ……」
さすがに限度を超えていると思ったのか、仲裁の声を上げる上条。
だが、その声は美琴の耳には届かない。
「どう?参った?降参する?」
「ぎゃあああああ・・・ぐぐ、な、なんの」
降参という言葉に反応したのか、急に四肢を動かそうとする悟空。
(う、うそでしょ!?)
興奮で力の抑制を忘れた今の美琴の電撃は
そもそも普通の人間ならショック死しているだけの強さである。
それだけの電流を流されて、なおも身体が動くこの少年は何者なのか?
……そんな疑問が美琴の脳裏をよぎったときには、彼女の体は、宙を舞っていた。
(え?)
美琴自身、唐突なことで、何が起こったのか分からない。
そして身体が何本かの木の枝を巻き込みながら地面に叩きつけられたとき、
ようやく自分が悟空によって強引に投げ飛ばされたのだと、全身を打ちつける痛みと共に理解した。
痛い、痛い、痛い・・・・・・。
すでに、自分が電池切れに近い状態で、悟空と戦う余力はほとんど無いと自覚しながらも、
美琴はまだ立ち上がろうとしていた。
「いい加減にしろ!もういいだろ、二人とも!」
……あの男が叫んでいる。そうだ、あいつに無様な姿を晒すのはまっぴらだ。
うるさい、だまれ、あんたみたいにいつも勝負をはぐらかす人間にはわからないのよ。
負けられない、負けたくない、だから、立ち上がるのよ!
そう自分を叱咤して美琴はなんとか立ち上がる。
一方、悟空も電撃でフラフラになりながらもしっかりと直立し、
身構えて美琴に対峙する。
「はあ、はあ、はあ、ミ、ミコトの技はすげえな……オラ、くたくただ……」
「学園都市第三位の実力は……伊達じゃないのよ」
~カメハウスへと続く山道にて~
上条「まったく、俺が何度も、横からもうやめろと言ってたのに、聞かず暴走した結果がこれだ……」
美琴「……うるさい。……あんたにセコンドや審判を頼んだ覚えはないわよ。
勝手に敗北宣言なんかして・・・・・・!」
上条「ほとんど力使い果たしてたんだろ?悟空のパンチ受けた腕も腫れ上がってるし、
帰ったら、湿布貼って、すり傷も消毒して絆創膏も貼っとかないとな」
美琴「だからって背負わなくてもいいわよ!1人で歩いて戻るくらいの体力はあるわよ!」
上条「この山道を?無理すんなよ。おんぶが嫌なら、お姫様だっこのほうがいいのか?」
美琴「!?な、なにいってんのよ!……もういいわ!」
美琴(でももし、私の前に割って入って、あのかめはめ波を防いでくれていなかったら……
また……助けられた、あの時みたいに……)
上条「あの~御坂さん、そんなにギュッと抱きしめられると、その、何というか、あなたの胸がですね」
美琴「ちょ、なによ!あんたそんなこと考えてたの!?最低!!」
上条「いててててて、頭をたたくな!コラ!」
~その日の夕食にて~
悟空「トウマ!かめはめ波を打ち消すなんておめ―も凄えじゃねーか!
今度はオラ、おめ―と勝負してえぞ!」
上条「か、勘弁してくれ」
クリリン「悟空、何の話だよ?」
悟空「クリリンがいないとき、オラとミコトで勝負したんだ!ミコトの技すっげ~んだぞ!」
亀仙人「なんと!?悟空と!?その絆創膏や、湿布の打ち身の原因は、悟空との勝負のせいか?
女の子が悟空とやり合ってよくその程度ですんだわい」
ランチ「まあ、美琴さんったら、強いのね」
美琴「い、いやそれほどでも……」
クリリン「で、どっちが勝ったんです?」
上条「それが、俺が途中で割って入っちゃって、試合中止になっちまった。、
だから次回に持ち越しだ。なあ?悟空?」
悟空「ん?そうなのか?……でもたしかにミコトは『まいった』って言ってねえな……
オラの方は如意棒使わせてもらったし」
美琴「ちょっと、あんた!」
クリリン「美琴さんて、女の子なのに強いんですね!」
ランチ「ほんと!凄いわ!」
美琴「いや、それは……」
亀仙人「ほれみんな、早く飯を食わんか、メシが冷めちまうわい」
悟空「そうだな!いっただっきま~す」
美琴「………」
~夕食後、家の外~
上条「なんだよ?ビリビリ、外に連れ出して。お互い今日は疲れてるんだから早く寝ようぜ」
美琴「ふざけんじゃないわよ!あんな風に庇われて、あたしが喜ぶと思ってんの!?」
上条「ああ、夕食の件か……、癇に障ったか?悪かったな」
美琴「そうやって、変に気遣われると余計に不愉快なのよ!今回の件だけじゃない。
あたしとあんたの勝負もそうよ!そういう勝ち負けなんてどうでも良い、って態度が気にくわないのよ!」
上条「……わかったよ、これからは気を付けるよ。それでいいだろ?」
美琴「だったら、今からあたしと勝負しなさい」
上条「・・・え?だって今日はおまえ、悟空との勝負で……」
美琴「だから気遣うなって言ってるでしょ!」
ビリビリビリビリビリ!
上条「うお!あぶねぇ!」
美琴「さあ!きなさい!」
上条「おいおい、まじかよ……」
美琴「来ないならこっちから……」
上条「!」
とっさに身構える上条、しかし、電撃はいつまでたってもこない。
その場にへたりこむ美琴
美琴「く、力が……」
上条「ほら、いわんこっちゃない」
美琴「……」
上条「部屋まで運ぶからな?よっこらっしょ」
美琴(こっちの気持ちには少しも気づいてない癖に)
上条「俺は、いつでも相手するからさ」
美琴(なんでそんなに優しくするのよ……)
上条「なあ、悟空と再戦するなら、まず俺から倒そうぜ」
美琴「いつも逃げ回って勝負しない癖に……」
上条「……」
美琴「……臆病者」
上条「…………」
上条(はあ、臆病者ですか、上条さんはちょっとショックですよ)
~美琴を寝室に運んだあと~
上条「なあクリリン、ちょっといいか?」
クリリン「なんですか当麻さん、明日も早朝から訓練ですし、お互い……」
上条「ちょっと聞きたいことがあるんだ……」
~そしてみんなが寝静まった深夜~
上条「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
上条「クソッ、情けねぇ!年下のクリリンの半分以下の練習メニューもこなせないなんて!」
亀仙人「何をしておるのかと思えば……、そういう熱血スポ根なノリはお主の性格じゃないじゃろう?」
上条「うわっ、じーさんいつの間に!」
亀仙人「ワシは武天老師と呼ばれる男じゃぞ?周囲の気の流れの変化くらい、
眠って居ても多少は察知できるわい」
上条「……はは、なんかもう……みんな凄いな、いろいろ」
亀仙人「だいたい生半可な秘密特訓で、悟空やクリリンに追いつけると思っておるのか?
悟空は生まれたときから山に籠って、祖父と野生生活をしておったし、
クリリンも長年道場で拳法を学んでおったのじゃぞ?基礎体力が違うわい」
上条「そうですよね……」
亀仙人「まあ、鍛錬は悪いことではないし、心意気は認めるがの、
記憶のことといい、頼まれたら断れない性格といい、
いつまでも1人で抱え込み続けるとろくなことが無いぞ?
一方通行のような奴を相手に運で勝ちを拾えるケースは稀じゃ」
上条「どうしてそれを!?」
亀仙人「ちょっとした読心術じゃよ。まあ波長の合う相手しか使えんがの。
お主の記憶を失ってからの過去はおおよそ把握した。
幻想殺しの能力も、脳内を読み取る術までは防げんようじゃの」
上条「そこまで、わかってたなんて……」
亀仙人「ワシはあちらの世界でのお主の行動について、あれこれ言える立場ではない。
仮にワシが闘うのを止めろと言っても、お主は自分の道を貫くじゃろう?
わしがお主に話しかけたのは別用じゃ」
上条「なんです?いったい?」
亀仙人「……神裂火織」
上条「は?」
亀仙人「お主のトモダチの神裂火織ちゃんじゃよ!あの子をワシに紹介してくれ!!!」
上条「だああああああ!このエロジジイ!結構シリアスな空気で親身に話しかけてくれるから、
ちょっと心を許したらこれだ!」
気円斬とかチートすぎるよな
亀仙人「あの張り出したおっぱい!きりりと端正な顔立ち!ドSとドMの要素を内包した類稀なる才能!
それに、惚れた男をとことん立ててくれそうな大和撫子な性格ってかんじじゃろ!?
今ワシの脳内で、女性用亀仙流胴衣を身につけて、パフパフして欲しいピチピチギャル第一位じゃ!」
上条「もう、それ以上喋らないでくれ!」
亀仙人「老い先短い、ジジイの頼みじゃ!頼む!!」
上条「あんた、前に不老長寿の薬飲んだって言ってたじゃねーか!」
亀仙人「あんなもん出まかせじゃい!」
上条「っていうかなんで『大和撫子』なんて言葉を知ってるんだよ!」
亀仙人「お主の脳内から学習した」(キリッ
上条「都合良すぎるだろ、その能力」
そろそろ、体力が……
日曜日には完結するので、今日はこのへんで・・・・
眠い。
* *
* + うそです
n ∧_∧ n
+ (ヨ(* ´∀`)E)
Y Y *
してねえじゃん
>>211に全身全霊って書いてある
手加減のソース
地球人とサイヤ人を一緒にしてもらっちゃ困るなあ
早くソース出せや
何で人間じゃないこと忘れてんだよ原作読めよ
禁書原作なんて読んでるわけねえだろアホか
ドコモから自演っすか
悪いROMるわ
スレ汚してごめんな
起きた、支援感謝
もうストックないのでダラダラ進みます
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~修業1X日目
そろそろ仕事に慣れてきた。
ただ毎日ローテーションで働いているので
日常に緊張感に欠けているような気がしないでもない。
でも、ビリビリも俺にあんまり突っかからなくなってきたし
いいことだ!うん!
……そういやあのハラペコボウルがいよいよ最終回らしい。
録画してあとで見るか……
インフィニティ『地球の食材!なんだよに力を分け与えてなんだよ!』
ステイル『インテグラル!脱出を!もうちきゅうばくはつまであと二分!
神裂『インポッシブル!だめよ!そのちからは!』
イノセンス『 炎 ・ 螺 ・ 爆 ・ 竜 ・ 滅 ・ 破 !』
世界は救われた!
~完~
ぐす、やべえ泣けてきた。インターナショナルさんマジでかわいい!
バイト代が入ったらDVDセット大人買いや!ワイはインヴィジブルさんと結婚するんや!
~そして修業xx日目~
仕立屋「ふむ、なるほど、サイズとデザインは承知しました。
期日までにきちんと仕上げさせていただきます」
上条・美琴「よろしくお願いします」ペコリ
上条「ふぅ、これで、じいさんに頼まれた用事は済ませたな」
美琴「でもランチさん、どこに行っちゃったのかしら?
もう家を出て二日も帰ってこないなんて…」
上条「まあ金髪の戦闘モードなランチさんなら何の心配もないだろうけどな……」
美琴「そういえば、あんたいつのまにか、山を登り下りして、
カメハウスと街を行き来するの嫌がらなくなったわね?」
上条「……まあな。最近はけっこう苦にならなくなったし」
美琴(それになんというか、顔つきや体つきが微妙に精悍になったような……)
上条「そういや俺らが来て今日で何日目だっけ?」
美琴「え……何言ってんの?あんたちゃんと報告用の業務日誌付けてたじゃない」
上条「え・・・?あれ?実は途中で面倒で……」
美琴「まさか……」
上条「その~、何というか、いつの間にか不定期更新になって、最近はつけてないんです。全く」
美琴「なに言ってんの!?それじゃあ日付けも把握せずに過ごしてたわけ!?」
上条「そういうお前はどうなんだよ!」
美琴「だって、携帯の電池はとっくに切れてるし、充電もできないし……ゴニョゴニョ」
上条「も、もしかして夏休み終わってる!?」
美琴「だいたい、業務日誌は仕事の一環よ?給料でなかったらどうすんの!」
上条「え?そういうもんなの!?」
美琴「なんであんたが、毎回補習受けてるか、わかってきたわ……」
~カメハウス前にて~
上条「はぁはぁはぁ、やっと着いた!じーさん!」
亀仙人「何を慌てておるのじゃ?当麻、美琴。仕立て屋への発注は行ってきたのか?」
上条「じ~さん!今日は何日!?っていうか俺たちが来て何日目!?それにバイト代でる!?」
亀仙人「なんじゃそんなことか。
大丈夫じゃよ。きちんと日数は把握しとる。お主らともあと数日でお別れじゃのう……」
美琴「ほ」
上条「じゃあカメさんは?仕事が終わる前には戻ってくる、と言ってたけど……」
亀仙人「ん~なぜじゃろ……、はっはっはっ、そうかそうか!
そういや、あいつには、修業のためにここに引っ越したこと伝えとらんわい!」
上条「勘弁してくれよ~!」
亀仙人「いや、よう言ってくれた。今頃あやつ、何もない島の上でぽつ~んと待ってたりしてのう?
あとで連絡取ってみるわい」
美琴「は~あぶなかった」
亀仙人「ところでお主ら、今日の仕事が全て終わったら、二人でまたここに来るがよい」
上条「え?はぁ…」
美琴(なにかしら?)
~その日の夕方、同じ場所にやってくる上条と美琴~
亀仙人「上条当麻、そして御坂美琴よ、よくぞ今日までわがままなワシの生活に付き合い、
悟空やクリリンの修業生活を支えてくれたのう。礼を言うぞ」(キリッ
上条「ちょ……どうしたんですか?急にあらたまって」
美琴「昨日出した料理には変な食材使ってないはずだけど……」
亀仙人「そろそろお別れが近いからな。武道とは礼に始まり礼に終わるものじゃ」
上条「なるほど」
美琴(じゃあ普段から真面目に振舞えば良いのに)
亀仙人「そこでお主達でも使えそうな必殺技をチョイスして伝授してやろうかと思って…」
上条「ええ?マジですか!?俺にも使える技とかあるんですか!?」
亀仙人「うむ、当麻よ!お主にはこれじゃ!!その名も『よいこ眠眠拳』じゃ!」
*説明しよう!よいこ眠眠(みんみん)拳とは、相手の視覚と聴覚に働きかけ
文字通り睡眠状態に陥らせる秘拳、っていうかぶっちゃけ催眠術である!
上条「ネーミングセンスはともかく、いろいろと実用性が高そうだ!」
亀仙人「……ちょっとまて、お主は何に使うつもりじゃ?」
上条「何って、いつも突然襲ってくるビリビリを穏便に撃退するときとか、
小萌先生の補習授業から逃げ出すときとか……」
美琴(ちょっと、こいつなに言いだすのよ!私を眠らせて……こここ、こいつまさか!)
亀仙人「う~む。やっぱ止めた」
上条「え?なぜ!?」
亀仙人「お主の記憶を垣間見たことを思い出したんじゃが、
若いうちは変な攻略法に頼らず正攻法で攻めるべきじゃ!」
亀仙人(鬼畜ルートに目覚めたら困るしのう)
上条「あの、おっしゃってる意味がよくわからんのですが……」
美琴「ホッ」
亀仙人「さて、美琴ちゃんにはワシの究極秘奥義を授けよう!」
美琴「え…ホントに?(ちょっと嬉しいかも)」
上条(究極秘奥義?なんだこの差は?)
亀仙人「その名も!萬國驚天掌(バンコクビックリショー)じゃ!
*説明しよう!萬國驚天掌とは、月をも吹き飛ばす亀仙人が編み出した
最強の技であり、両手から電撃を放射して相手にダメージを与える、
まことにシンプルな必殺技である!
美琴「……やっぱいらない。意味ないし、だいたいなによそのダサい名前」
亀仙人「ガーン」
上条(俺、結構かっこいいと思うんだけど……)
~そして次の日の夕方~
美琴「ふ~、これで今日の掃除と洗濯もおわりっと」
美琴(この世界ともあとちょっとでお別れか~)
美琴(色々と振り回されたけど、いざ立ち去るとなると名残惜しい気もするわね)
宅急便のにーちゃん「ど~も、亀仙人さんのお宅ですね?特急便で~す」
美琴「あ、は~い」
にーちゃん「じゃあ、ここに、サインを……はい、どうも!」
美琴「何かしらこれ……」
渡された大きめの段ボール箱を美琴が持ち上げようとすると……
ゴソゴソゴソッ
「う……動いた!」
「い……一体なにが?」
突然段ボールから何かが飛び出してきた!
???「プハァ!!!」
美琴「きゃああああああ!」
クリリン「なんだなんだ?」
悟空「どうしたんだ?」
カメ「ふう、やっとついた……」
美琴「あああああ、び、びらせないでよ!!」
亀仙人「なんなんじゃ一体……?
て、おお!ウミガメ!!」
カメ「仙人様!!!!一体どういうつもりですか!?
住居移転するときは、きちんと連絡なり書きおきなりしろと……
いつもいつも……」
亀仙人「はぁ~口うるさいのが帰ってきたわい。
のう美琴ちゃん?このままカメハウスで、
このカメの代りに家政婦にならんかの?」
美琴「……それは丁重にお断りするわ」
カメ「亀仙人様!ふざけないでください!
……というか、みなさんまだ今起こっている事態の
重要性に気付いていないのですか?」
美琴「なんのことよ?」
カメ「御坂さん……っ!本当にすみません!
あなたたちへの償いは!私が一生を賭けてでも!」
美琴「いやいや、わけがわかんないから」
カメ「上条さんは?」
悟空「トウマなら調理中だぞ!あいつ、どんどん料理が上手くなるな~」
カメ「と……とにかく、過ぎたものはどうしようもありません……。
みなさんが集まってから、今後のことを話し合いましょう」
亀仙人「なにをもったいぶっとんのじゃ」
~その頃の上条さん~
「あ~もうすぐこの生活も終わりか~
ていうか、すげえよ、何の不幸も無かった・・・
人生最高の「幸福持続記録」更新中だぜ!」
~カメハウスの中にて~
とりあえず集まる一同。
全員が、何事かと、ウミガメを注視する。
上条「で、カメさん?なんなんだ一体?」
カメ「これだけの人がいながら……ほんとーにだれも気付いていないのですか!?」
亀仙人「じゃからなんじゃい。もったいぶりおって」
カメ「では、ぶっちゃけて言いましょう。上条さん、御坂さん、
とっくに契約の30日は過ぎていることに気付いてますか?」
上条・美琴「えええええええええええええええ!!!」
亀仙人「あ、そうかそうか、考えてみりゃわしは、修業開始日からカウントしとったわい」
カメ「正確にはもう36日目ですよ」
上条「じゃあもしかして、学校は……!」
美琴「もう始まっている・・・!?」
悟空「なあ、クリリン」
クリリン「なんだ?」
悟空「オラ達、天下一武道会の日程は自分で確認した方がよさそうだな」
クリリン「ああ……人任せはよくないよな」
上条「補習……間違いなくこの流れは確実に補習地獄……!あああああどうしよう!」
美琴「あ……あたしが、無断欠席!?」
亀仙人「こりゃなんちゅ~か申し訳ないことしたのぉ。まあ給料はきっちり出すから勘弁してくれ」
美琴「……そうよ!考えてみればこの仕事は学園都市公認のアルバイトなんだから、
ウミガメさんが、事情を説明してくれれば問題ないんじゃない?」
上条「あ、たしかにそ~だ、って俺、宿題やってねーじゃん!
どっちにせよ補習だ!あああああ!不幸だ~~~~!」
カメ「はあ、あの、何というかですね……、そうだ!
どうですお二人とも?いっそここでずっと暮らしては?」
美琴「え?なに言いだすの?いくらなんでもそれは……」
上条「そうだよ、カメさん、確かにここの生活はけっこう快適だったけど、
やっぱ俺たちが生きるべき場所はむこうの世界だぜ?」
上条(そう、たとえ補習地獄が待っていたとしても……!)」
カメ「そうですか、あ~……、と、ところで亀仙人様、ほら、仙人としての
崇高なお仕事を語ってはいかがですか?あちらの世界との関係絡みで」
亀仙人「え~、あれは話すと長いし、面倒じゃぞ?
ていうかなんでそういう流れになるんじゃ?」
上条「なんですか?もしかして、いつだったか寺で話してくれた、
話の続きなんじゃあ?」
美琴「それは是非聞きたいわね、どうせ無断欠席には正当な理由があるし、
じたばたしても仕方ないわ。
カメさんが、弁明してくれるなら怖いものなしじゃない。」
カメ「え~~~とそれは……」
美琴「ねえカメさんなにか……」
亀仙人「まあいいか。ただかなり長い話じゃぞ?」
悟空「なんだ?何の話だ?」
亀仙人「その前に、お主らの「常識」を確認せねばの……」
亀仙人「気付いていると思うが、この世界の物理法則や常識は
あちら側とは、いささか違う。もうその辺は理解しとるじゃろ?」
美琴「そうね……例えば、あのカプセル」
亀仙人「ホイポイカプセルじゃな」
美琴「そう、あれで、カメハウスをカプセルに押し込めて持ち運べるじゃない
あんなの私達の科学では絶対ありえないわけよ」
亀仙人「ふむ、つまり?」
美琴「もし、あの密閉されたカプセルに、私たちの世界の技術で家が丸ごと一つ、小さく圧縮収納できたとしても
そのカプセルの重さは、家の重さと等しくなくちゃならないのよ」
上条「あ~なんか、学校でやったような……」
美琴「……あんたはあとで、中学校の教科書読み返しなさい」
亀仙人「……う~んありえんの~、それはそっちでは、教科書で習うほど自明な法則なわけじゃな?
クリリン、そんなの習ったか?」
クリリン「いえ、全然。それに教科書どうこうより、ホイポイカプセルという物は
家や車を収納しても重くないし。現に持ち運べるという現実がありますし」
悟空(みんな難しい話しを始めてチンプンカンプンだ!)
亀仙人「じゃあ次はこちらから……」
亀仙人「 お主らはワシや悟空やクリリンが、くしゃみをしたランチさんに銃で撃たれて、脳天をぶち抜かれた程度で
死なないのを不思議がっとったじゃろ?ありゃなんでじゃ?」
上条・美琴「」
上条「え?それは、触れていいの?なんかいろいろと駄目な気が……」
亀仙人「いや別に?なんか悪い?つーか当たり所が悪かったら確かに死ぬけど
そんなこと言ったら外に出れないじゃろ」
上条「え?なんかずれてると思いますよ?」
亀仙人「お主らの世界では、銃に当たったら必ず死ぬのか?絶対?確実に?」
上条「いや、確かに必ず死ぬわけじゃないし、どちらかといえば
当たり所が悪くなけりゃ、死なないのもおなじだけど、頭は……」
亀仙人「なら同じじゃん」
上条「まて!違うんだ、俺たちの世界では一瞬で回復とかそういうのは……」
亀仙人「じゃあこちらの人間はそっちの奴らより
比較的、頑丈で、治癒力が高い、それだけじゃろ」
上条「ちがう、ちがうんだ……」
クリリン(なに動揺してるんだ?当麻さん)
上条「いや、でも、頭は特別じゃないですか?頭はほら、いろいろ。当たり所が悪い部分の集積っていうか……」
悟空「トーマの言おうとしてることはいまいちわかんねえぞ」
上条「たとえばですよ?胴と頭が切り離されたら、喋ったり考えたり出来ないでしょ?ね?
死ぬじゃないですか?ね?」
亀仙人「確かに、切り離されると、かなりの割合で死ぬじゃろうが……」
クリリン「種族によるけど、一時的に喋るくらいはできるでしょ……多分、そのあと死ぬけど」
上条「え?だって、心臓や肺と繋ぐ気道が切断されるじゃないですか?
だから喉や口だけあっても喋れないでしょ?ね?」
亀仙人「喋るくらいなら……」
クリリン「できる種族はいると思いますよ。なんとなくだけど……」
上条「……頭が痛くなってきた」
亀仙人「いやはや、異世界文化の相互理解は難しいのう」
悟空「なあ、ミコトがさっきから、固まって動かないけどどうしたんだろ?お~い」
美琴「ハ!ココハ!?」
クリリン「美琴ちゃん大丈夫ですか?」
美琴「クリリンクン、アナタハナンデ、ハナガ、ナイノ?」
クリリン「は?」
美琴「ミコトハミコトハトッテモフシギ」
悟空「ミコト~どうしちまったんだ?」
美琴「ソンクン?ナンデ、シッポアルノ?」
悟空「え?」
美琴「ミコトハミコトハトッテモフシギ」
美琴「……は?なにかしら、今一瞬、頭が真っ白に」
亀仙人「美琴ちゃん、頭をフレッシュにするために、ガメラにでも乗ってみるか?
貸してやるぞ?」
「え?ガメラさんて、じ~さんが乗るために使役してたの?ウソでしょ?あれ、飛行中、毎分何回転するのよ?
感覚器官がおかしくなるわよ!?」
「じゃから、ワシもこないだ久々に乗ったら、乗り物酔いして……」
「普通はその程度じゃすまないっつーの!」
亀仙人「やれやれ、どうやら、いつものノリに戻った用じゃの……」
美琴「え?」
亀仙人「これで、わかったじゃろう。ワシらとオヌシたちの世界の法則や常識はここでは通用しない!
あえて言おう!そちらの物差しで最弱とされた者が、こちらの物差しでは最強にすらなりうると!」
上条「じゃあ、もしかして、俺がこちらの世界の潜在的な最強かも!?(ゴクリ)」
亀仙人「………ごめん、言い過ぎたわい。当麻よ、オヌシは多分、むこうの最強目指した方がまだ早いわ」
上条「なんだよ!」
亀仙人(そもそもお主は「自称」最弱じゃろうに)
亀仙人「そろそろシリアスに戻ろうか。そもそもワシとあちらとの関わりは「あの男」がやってきたことから始まった」
上条「以前言っていた、俺たちの側から来た人のことですね」
亀仙人「そやつは、『ここはあまりにもあらゆる事象や法則の定義が大雑把過ぎて気が狂いそうだ』」
と口癖のように言っておったわい」
美琴「その気持ちはよ~くわかるわ」
亀仙人「その言葉を聞くたびに当時のワシは考えたのじゃ、
もしワシがあやつの住んでいた「あちらの世界」にいけば
『あまりにもあらゆる事象や法則の定義が厳密過ぎて』気が狂いかねないぞ、とな。」
亀仙人「じゃからこそワシは、むこうの組織との接触はもっぱら、そこのマヌケなウミガメに任せて
どんな世界かは、知ろうとも覗き見にいこうともおもわんかったわけじゃ」
カメ「……」
上条「なるほど」
美琴(確かに、孫くんのかめはめ波と、あたしのレールガン、外見だけしか見ない人には
似てる、同じだ、と思う人もいるかもしれない。
でも使い手である私にはわかる。孫くんの技は厳密な演算という観念や論理そのものをそもそも必要としていない。
本能的に演算する術を知っていると前は思ってたけど、どうも本当に感じるままに力を制御して行使しているみたいだわ)
美琴「……でもだったらなんで私の演算に基づいた能力はこの世界でも有効なのかしら?
亀仙人「それも、もうそいつと散々議論したわい。
あ奴にそれを指摘すると、『だから、このせかいは大雑把なんだ』と不愉快そうに言っておった」
クリリン(ていうか、当麻さんと、美琴ちゃんは異世界からやってきてたのか)
亀仙人「奴が言うには、あちらの世界のルールがこちらの世界よりも優越していて、干渉しているためか、
この世界を包む「大雑把さ」がそういった矛盾すら呑み込むほど強力なものであるか、のどちらかだそうじゃ」
上条「……わかるようなわからないような」
亀仙人「あくまでそいつの仮説じゃ」
美琴「でも、その人、よくここに来て、おかしくならなかったわねぇ」
亀仙人「だから、とっくに帰ったんじゃって。
わしはいけすかん奴じゃと思っておったからどっちでも良いがの」
悟空(なんか……眠くなってきたぞ・・・zzzzz)
亀仙人「おお、今思い出したぞ。面白い話をしてやろう。
当時わしは悟空の持っておる如意棒の持ち主だったが
そいつがこう聞くわけじゃよ」
亀仙人「その棒は、どういう条件でどこまでのばせるのか?とな?」
亀仙人「だからワシは答えてやったわい。
『命じれば、いつでも、どこでも、「天の国」までのびてゆく』とな……」
上条(天の国?)
亀仙人「するとあやつは、こう言った、
『何の条件もなく、いつでもどこでも行使できる?そんあことありえない』
だからワシはの……目の前で実践してやったんじゃ……そりゃあ、何度も何度も……
くっくっく、あの時の、あやつの表情ときたら……くっくっくぎゃははははっはひーっひっひ」
上条「お~い、じいさ~ん」
亀仙人「ごほんごほん、こりゃ失敬……
まあつまり、実際、あの棒は、伸ばそうと思えば、『はるか神の住まう天上の世界』までとどくのじゃよ
おそらく、それはお主らの世界の常識ではありえんのじゃろ?」
クリリン(僕の知ってる常識でもありえないような……)
美琴「『神の住まう天上の世界』か、なんだか珍しく詩的な言い方ね~」
亀仙人「詩的?ふふん、まあそういうことにしておこうか」
亀仙人「のう、悟空……こりゃ起きろ!おぬしも試したじゃろ?
如意棒がどこまでのびるのか?
悟空「……え?如意棒か?うん!おら月までいってみた!」
亀仙人「え……?」
美琴・上条「は?」
悟空「あ~みんな、信じてねぇな!よ~しじゃあ実際に連れってって…」
上条「いい!もういい!わかったから!そんな途方もない現実を突き付けられると、俺の中の何かがさらに崩れていく!」
亀仙人(……月まで?悟空よ、そんなの常識的にありえんじゃろ……空気の問題とか……いろいろ)、
亀仙人「いかんいかん、おほん!とまあ、あっちの基準や常識でこっちの基準をあれこれ考え過ぎると、
むこうの人間はさっきの美琴ちゃんや今の当麻のように壊れていくんじゃよ。
やれやれ、みんなもっとアバウトに生きればいいのにのう……」
上条(いや、あんたらがいろんな意味で例外すぎる存在なだけじゃないか?)
美琴「……ねえ、そういう異世界科学談義も結構だけどその前に確認したいことがあるの。
カメさん、なんでさっきからずーっと真っ青なの」
カメ「え?そそそ、そうみえます?」
美琴「そもそもこの話を振ったのはカメさんなのに、ずっと上の空じゃない?」
カメ「やだなぁ!カメはもとから青く見えるもんですよ。ささ、仙人様、話の続きを!」
亀仙人「ふむ、で、あやつが帰って、どれくらいに月日がたったじゃろうか、
ある日突然ワシの家をある見るからに怪しげな人物が訪れてな、
「あやつ」の使いだ、というわけじゃ」
クリリン「どんな人なんです?」
亀仙人「とにかく怪しい!で、そいつが言うには、むこうは不干渉協定をむすびたいといってきおった
連中によると「そちら」と「こちら」が行き来するたびに、
本来あるべき歴史や、因果がずれていくのじゃとか」
上条「本来あるべき歴史?」
亀仙人「そうじゃのう、たとえば、悟空の奴が筋斗雲で、
クリリンが一人で船を漕いで、そしてお主らがカメと一緒にやってきたのは同じ日じゃ」
美琴「それがなに?」
亀仙人「じゃが、そもそも、お主らの世界が干渉していなければ、
そもそもまずお主ら二人はここにはおらんし、
クリリンと悟空は全く別の日にカメハウスに来たかもしれん」
美琴「ちょっと待ってよ!私たちの世界の干渉がなければ、
そもそも私たちがここにいないっていうのは納得できるわよ?
でも、クリリンくんと孫くんが同じ日にカメハウスに来たのは
まったく関係ないんじゃないの?」
亀仙人「それがのう……、連中の研究によるとそうでもないらしいんじゃ」
亀仙人「そして、こないだクリリンが修業中に発した言葉を
実は、本来の歴史では悟空が発しておったかもしれん」
悟空「なんでオラの言葉をクリリンが言うんだ?」
亀仙人「ウミガメは、本当はもっと温厚篤実な性格で、
金にうるさくなかったやもしれぬ」
ウミガメ「ちょっと仙人様!」
亀仙人「そして、その「あるいは」の世界の方が
正しい歴史の流れだったのかもしれぬ」
上条「なんだか話が大きくなってきたな……)
亀仙人「ところでカメよ?おぬしがもし、向こうの連中のところへ
取引にいかなければ、そもそもお手伝いを雇おうと考えたか?」
カメ「え・・・・?う~んそうですねぇ
仙人様もいい年した大人ですから、正直、別に手伝いなんて雇う必要ないかなぁ~
と思わないこともありませんでしたね~
世間話してて向こうの方が、『よければこちらで募集しましょうか?』と
いわなければ、……たしかに家事手伝い自体、雇わずに旅行に行っていたかも」
亀仙人「な?そもそもウミガメが居留守役の代理人を立てようという発想そのものが、
むこうとの関係がなければありえんかったわけじゃ」
亀仙人「本来のあるべき因果では、ワシと悟空とクリリンとランチちゃんだけで修業をしておったのかもしれんのう。
そうなれば、悟空とクリリンは毎日外で修業してワシはランチちゃんと、むっふふうふふ」
悟空「じっちゃん~よだれがだらしねーぞ」
亀仙人「と、とにかく、向こうの連中によると、こちらとそちらの行き来が増えるほど
そういった相互干渉によって、次第に世界そのものが変な方向に向かうらしい」
亀仙人「もちろん、さっきの悟空とクリリンと、お主らがやってきた因果なぞは
世界レベルで見ればぶっちゃけ、どうでもいいじゃん、ですむ話じゃ。
だが、行き来の規模が大きくなるとそれがどんどんひどくなり
文明滅亡の事態を引き起こすやもしれぬ……」
、
クリリン(おおげさな気がするけどなぁ)
亀仙人「じゃから、『大まかな部分では不干渉で行こう!』
……というのが向こう側の連中の提案だったんじゃ」
美琴「なぜ全部の……一切の通行を禁止にすると言わずに、『大まかな部分』なんて提案を?」
亀仙人「醜い人間のサガじゃのう、やはり、お互いにいるとわかれば無知無関心ではいられんし、
逆に相手のことが一切判らねば、『むこうは何かよからぬことを考えているのでは?』
と被害妄想ばかりが大きくなる」
美琴「なるほど」
亀仙人「だから、情報交換や相互監視を兼ねて定期的に接触の場を作るから小規模な交流を持たないか?
……というのが、のう、カメ公よ、本来の趣旨のはずじゃが……」
カメ「ハァ……そうでしたかね~」
亀仙人「こりゃ、ウミガメよ、オヌシ情報収集とか監視とか何もしてないじゃろ」
カメ「ええ、まあ、なんというか、その、定期的に砂浜にいけば、
かってに感知して、やってきてくれる便利な中古買い取り業者その3、くらいの認識でした……
それに、えらくこちらの、ど~でもいいお宝を珍しがって喜んでくれるのですから……」
亀仙人「まあ、え~じゃろ。さっきの提案は全部むこう側じゃし、乗るも乗らぬも向こうの術中じゃ。
好き勝手に利用すればえーわい」
美琴「いいの?そんなに無責任で?こっちの世界の存亡がかかっているかもしれないのに!?」
亀仙人「な~に大丈夫じゃろ、わしなんかより、もっと上の猫の仙人さまとか、
さらにもっと上のお方たちは、当然一切合財承知しておるじゃろう」
上条(なんかゲームで初期目標のボスが中ボスで、その上には実は~みたいなノリだな)
亀仙人「で、そーいう方達が、そっち側のもっと大きな組織や存在といろいろ話あっとるじゃろ。
まあ鶴仙人のアホは、なんも知らんじゃろうけどね!な~んも、ふぉふぉふぉふぉ」
美琴(猫?鶴?もっと上?いろいろ突っ込みたいけど、もうこれ以上聞かない方がよさそう)
美琴「ていうか、カメさんは筋斗雲や、如意棒みたいなこちら側の神秘的なお宝を
私たちの側に流してたわけでしょ?それは私たちの世界を狂わせちゃうんじゃないの?」
亀仙人「いや、あのふたつはさすがに、この世界でも例外レベルじゃが、まあ、そうかものぅ~」
上条「そんな無責任な!」
クリリン「老師様、傍から聞いてても世界の安定化に寄与する仕事を放棄して、
好き勝手にふるまうのはちょっと……」
___
/⌒ ⌒\ ━━┓┃┃
/(  ̄) (_)\ ┃ ━━━━━━━━
/::::::⌒(__人__)⌒:::: \ ┃ ┃┃┃
| ゝ'゚ ≦ 三 ゚。 ゚ ┛
\ 。≧ 三 ==-
-ァ, ≧=- 。
イレ,、 >三 。゚ ・ ゚
≦`Vヾ ヾ ≧
。゚ /。・イハ 、、 `ミ 。 ゚ 。 ・
亀仙人「好き勝手なぞやっとらん、明確な基準はある。のうカメよ」
カメ「ええ仙人様」
クリリン「それは一体なんです?」
上条(俺、なんとなく想像つくようになった)
亀仙人・カメ『ぶっちゃけ金じゃよ(ですよ)』
亀仙人「ワシらアバウトじゃし、そんなの気にせんもんね?なあウミガメよ」
カメ「そうですね、カメにむずかしい人間の倫理や道徳を押し付けられても……
定期的に部屋が片付いて家計も助かるし……」
クリリン「ブ―――――ッ」
美琴「どこが崇高な使命なのよ!」
>>334
お前未来予知かよ
亀仙人 「は,半分は冗談じゃ!な~に、世界崩壊とかは嘘っぱちじゃよ!
おそらくこちらの人間に、あちら側に積極的に干渉させないようにするためのニセ情報じゃ。
じゃから、ワシらはワシらですきにするんじゃ」
上条「なんでそう言い切れるんです?都合のいい情報は信じて
都合の悪い情報は信じないってことですか?」
亀仙人「青いのう、当麻よ。本物のウソツキは、膨大な真実の中に
さらりと自分の望むウソを紛れ込ませるものじゃ」
____
/ u \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) u | …!?
\ u ` ⌒´ /
>>334
>>336
ぶっちゃけ、それがしも驚いたでござる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
亀仙人「その証拠に、むこう側の胡散臭いやつらが、あちこちで、こそこそ実験やら調査をしておるらしいのは
うすうす知っておる……、おそらく「あやつ」のさしがねじゃろうがな……」
上条「え・・・でもその「あやつ」って人がここに来たのは、
もうだいぶ大昔の話って言ってませんでしたか?」
亀仙人「そういえばそうじゃの、じゃあ違うんじゃね?」
クリリン「老師様、それは僕が聞いてもアバウト過ぎですよ」
美琴「常識と非常識の相違の話も一応納得したし
私たちの世界の組織が、こっちで暗躍しているっていうのもわかったわ」
亀仙人「そうか。話した甲斐があったわい」
美琴「でも、それって悪いけど、今の私にどうこう出来そうな話じゃないのよね。
ていうか、なんかごまかそうとしてない?……・カメさん。
さっきから、必死で何かの話題に触れるのを避けようとしてるわよね?」
上条「確かに……」
クリリン「どこか落ち着きがないし……」
カメ「いや、その、あの……」
ここで、小休止させてくれ。
ジーさんの話は、これでおしまい。
一気に終盤まで行く。
夕方か夜にまたきます
そうだ今こそ保守
カメ「申し訳ありません!」
上条「いや、平伏(?)せんでいいですから」
美琴「謝るだけじゃ、何やらかしたのか、判んないじゃない」
カメ「じ……実は、お二人がやってくる時に通った光の件です」
美琴「あれは要するに、二つの世界を繋ぎ合せた門だったわけよね?」
カメ「……その通りです」
上条「そういえば、じーさんの長い話の中に、あの光の件は全く触れられてなかったな」
亀仙人「そりゃそうじゃ、ワシはカメから少し話を聞いただけで、
その光とやらを見たこともないんじゃから。
さっき言った通り、ワシはあちら側の世界に興味も無かったからの」
美琴「その門がどうしたの?まさか……」
カメ(やっぱりこの人鋭い……)
上条「どうしたんだよ、ビリビリ。どんどん顔が青く……ってまさか?」
美琴「……カメさん、続けて」
カメ「ええええ、え~とですねぇ、つまり、あの光というか、
門の原因というか、核というか、空間のひずみとなる要素自体は、自然発生的なものなのです」
カメ「ただこれ自体は、あちらの方達の説明によると、
とても不安定で、あてにできるものではないと……」
悟空「オラ…そろそろ頭がパンクしそうだ……」
カメ「で、あちらの特殊な技術によって、この空間のひずみを強引に固定化し、押し広げることで
門を一時的に維持していたわけです」
上条「ちょっとまって!じゃあ、あの光は学園都市の技術で作られたものなのか!?」
カメ「……そのはずです」
美琴(もしかして、学園都市経由のアルバイト紹介サイトで私が応募したときから誰かに……)
カメ「で、その門を維持する装置のためのエネルギーというのがとても膨大なうえに
もっとも致命的なのは、その門の核となるひずみは、周期的な発生と消滅を繰り返してるのです」
上条「つまり、仮にエネルギーや装置の準備が万全でも」
カメ「はい。核となるひずみが消えれば、意味を成しません」
クリリン「な~んだ、じゃあむこう側の連中が暗躍できるのは期間限定というわけですか」
美琴「……」
亀仙人(……そんな事情、ワシも知らんかったぞ。)
亀仙人「……ウミガメよ、たしか、おぬしが連中と定期的に会いに行っていた周期は……」
ウミガメ「はい……およそ14~15年周期です」
上条「はい?すみません……上条さんは馬鹿なので、わかりやすく言ってくれませんか?」
ウミガメ「え~その、つまり、もう門は閉じました。あなたたちは戻れません」
上条「え?」
カメ「いや、失礼!語弊がありました!一生というわけでありません。、
だいたい次にその核が現れるであろう、ほんの十数年先まで、上条さんと御坂さんは、
おうちに帰れない、ということです」
上条「・・・・・・うそだろ?」
クリリン(それって深刻な事態じゃあ)
悟空「オラでもそれがすげーヤバいことだとわかるぞ……」
カメ「わ・・・私も、旅行から戻って、もぬけの殻になった島をみて、
これはまずいと思って、すぐにあちらに渡って事情はお話ししたんです!
門を閉じるのは、ギリギリまで待って欲しい……と。
ところが、予算とエネルギーの関係で、門を開きっぱなしにして待つわけにはいかないから、
せめて、いつ頃に、連れ帰るか教えろと言われ……」
亀仙人「それで……その指定された日時はもう……」
カメ「はい……昨日でした」
クリリン「なんてこった……」
カメ「向こうの方では、おそらく、十数年後のひずみの出現に備えて
装置の改良予算が組まれ、エネルギーは蓄積に回されていることでしょう
だ、大丈夫、次はちゃんと帰れますから……」
上条・美琴「……」
カメ「……まままま、まああれです、ほら、カメ的には十数年なんて瞬きのような短さですし
その、え~、あの、本当に申し訳ない!!!」、
美琴「それってさ……、次も必ず扉が開く保証はあるの?
例えば何かの問題で……プロジェクトそのものが凍結する場合もあるじゃない?」
カメ「……はい、おっしゃるとおりです」
美琴「SOS信号も……こっちから向こうに打てないわよね」
カメ「……ハイ」
亀仙人(いかん、まずいぞ?これはもしかして確認と連絡を怠ったわしとカメの明らかな過失では!?)
美琴「じゃ、じゃあ十数年間もずっとみんなと……会えない?そんな……」
美琴「そんなの……イヤよ!」
上条「あ、御坂!待てよ!」
悟空「二人とも出て行っちまったぞ・・・オラも追いかけた方が良いのかな?」
クリリン「馬鹿だな、空気読めよ……二人っきりにさせてやれ」
悟空「そういうもんなのか?」
クリリン「はぁ……悟空、お前ってやつは……そういうもんなんだよ」
自暴自棄になり、逃げるように走る御坂、それを追いかける上条
上条「おい、ビリビ……御坂!御坂!待てよ!」
美琴「来ないで!」
上条「はぁはぁはぁ、やっと追い付いた……どうしたんだ……こっち向けよ」
美琴「来ないでって・・・っていってるでしょ!」
上条「お前……(泣いている……のか?)」
美琴「・・・・・・うっうっぐすっ・・・来ないでよ・・・」
上条「いや、まあなんだ……まだ帰れないと決まったわけじゃないし」
そう言ってゆっくり近づく上条
美琴「……」
上条「さ、一度戻ろう」
美琴「……ハンカチ貸して」
上条「え?」
美琴「涙拭くから……ないの?」
上条「・・・悪い」
美琴「じゃあ……これでいいわよ」
そう言うと、そのまま上条の胸に顔をうずめる御坂
上条「え・・・?ちょ・・・御坂さん!?」
美琴「こういうときくらい……男なんだから黙って胸貸しなさいよ……」
カメ「あわわわわ、私のせいで・・・どうしましょう」
悟空「なんかミコトがかわいそうだぞ!なんとかなんねーのかよ!クッソー!」
亀仙人「(いかん、耳が痛いわい)・・・仕方ないのう」
クリリン「老師様、どこへ?」
亀仙人「ちょっと電話」
美琴「うっうっ…ヒクッ……ぐすん……学園都市に帰りたいよ……」
上条「……」
美琴「十年以上も誰にも会えないなんて……そんなのって……うっうう…ぐすっ」
上条(そうだよな、レベル5、学園都市第3位といっても、こいつは俺より年下の女の子なんだ。
それに記憶を失った俺とは違う……十数年も家族や友達と一緒に歩んできた元の世界に
俺よりずっと愛着を抱いてるんだ)
そのとき、一人の男の言葉が、上条の頭に甦る……
『守ってくれますか?御坂さんを……
いつでもどこでも駆けつけて……
彼女を守ってくれると約束してくれますか?』
上条(そうだ、俺はあのとき、あいつに答えたんだ。
あのときの言葉は、勢い任せのでたらめや、はったりなんかじゃねぇ!)
「もしもし・・・姉ちゃんか?久しぶりじゃのう。実は占って欲しいことがあるんじゃが・・・」
「え?金?相変わらずケチじゃのう。血を分けたかわいい弟がせっかく・・・え?可愛くないとな?」
「じゃからそんな大金は・・・わかった!ワシの秘蔵のエロビデオ詰め合わせを送ろう!……なに、いらんとな?
じゃあマイミクの麻呂君から貰ったzip詰め合わせを……なに、それもいらんと?
つーか姉ちゃん、まだzipの中身言ってないのになぜ中身がわかる!?もう占ったのか!?」
「ウン…ウン……そうなんじゃよ、麻呂君は最近全然ログインしてなくて……みくしぃも、もう終わりかのう……て違う!
今回は結構マジなんじゃよ!本当に頼むわい……」
上条「……落ち着いたか?」
美琴「うん、……ごめんね、取り残されて辛いのはあんたも同じなのに」
上条「御坂、聞いてくれ。俺は悟空やクリリン達に較べれば、本当に無力な存在だ。
目にもとまらぬ速さで動いたり、でかい岩を動かしたりは出来ないし、何メートルもジャンプすることも出来ない。
多分、この世界にはもっとすごい奴がうじゃうじゃいるだろう」
美琴「……うん」
上条「でもな、俺にだって出来ることはある。それは……ずっとお前のそばにいてやることだ!」
美琴「え?」
上条「御坂、俺はこの世界で、絶対にお前を1人にはしない!」
美琴「バ…バカ、そんなこと言ったら……!」
上条「俺は本気だ!」
美琴「……ハァ」
上条「御坂?」
美琴(なに舞い上がってんだろ、あたし。こいつは、たとえここにいるのが「御坂美琴」でなくても、
同じようなことを言うやつなのよ……前にも同じようなことがあったじゃない)
クリリン「あ、電話終わったんですか?老師様。えらく長かったけど、どこに……」
亀仙人「悟空!ウミガメと斗雲に乗って、門のあった場所に確認に行け!早く!」
悟空「どうしたんだ?じっちゃん?」
亀仙人「門はまだ完全に閉じておらんのじゃ!ウミガメに案内してもらって見に行って来い!
金斗雲なら一瞬じゃ!」
カメ「悟空さん!案内しますからすぐ行きましょう!」
亀仙人「クリリン!二人を探して呼び戻すのじゃ」
クリリン「は、はい!」
美琴(でも、今なら素直になれそうな気がする……)
美琴「あのね、私ずっと前から言いたいことがあったの」
上条「なんだ?」
美琴「私・・・」
美琴「私は・・・」
美琴「ずっと・・・」
クリリン「おーい二人とも!」
上条「あ、クリリンだ!おーい!」
美琴「ぬおあ!?(なんで!)」
~再びカメハウスに戻る二人~
上条「元の世界に戻れる!?」
亀仙人「うむ、先ほど念のため悟空とウミガメに確認に行かせたが、ほぼ間違いないじゃろう」
美琴「どうしてそんなことがわかるの?」
亀仙人「なに、わしにもいろいろ人脈があるのじゃよ」
悟空「じっちゃん確認してきたぞ!」
カメ「仙人様のおっしゃっていた通りでした~」
美琴「じゃあ、十年以上も待たなくても元の世界に帰れるのね!?」
カメ「それが、その、門は皆さんをお連れした時より、光がずっと小さくあやふやになっていまして」
上条「じゃあ急いで、向かわないと!」
亀仙人「しかし、ワシのボートでは、あそこまで行くには、最短で半日はかかるぞい」
美琴「だったら、なおのことでしょ!グズグズしてはいられないわ!」
亀仙人「まあまて、門がまだ開いているなら、ほぼ確実に1人は助かるわけじゃ。そうじゃろ?」
クリリン「なるほど、筋斗雲ですか?」
上条「え・・・?(なんかいやな予感が……)」
亀仙人「いかにも。ボートで半日かかる距離も金斗雲ならひとっ飛びじゃ」
上条「ちょっと待て」
悟空「つまり……どういうことだよクリリン?」
クリリン「だから、金斗雲に乗れる美琴ちゃんは先に助けて、金斗雲に乗れない当麻さんはボートに乗せて……」
上条「それは…」
悟空「あ!そういうことか!クリリン、おめえ頭いいなぁ~」
上条(ああ~!やっぱ不幸だ!)
美琴「ちょっと待ちなさいよ!それじゃ、最悪こいつは……」
上条「……」
亀仙人「うむ、門が閉じていれば、この世界に独りで十数年間暮らすことになるな」
美琴「そ、そんなのって!絶対だめよ!」
亀仙人「しかしそれが今、確実に打てる手の中で最善の策なんじゃよ」
上条(……)
上条「……ビリビリ、いや御坂、お前は先に行ってろ」
美琴「え?」
上条「どう考えてもその案が一番ベターな選択肢だろ?
お前までわざわざ俺に付き合って取り残されるリスクを背負う必要なんてない」
カメ「上条さん……」
上条「だ、大丈夫だ。俺、この世界は嫌いじゃないし、みんないい奴だしさ……。
ていうか、まだ帰れないって決まったわけじゃないんだぞ?
でも万一残されたら、そうだな、俺も武術を磨いて武闘会に出るのもいいかもな……」
美琴「ちょっと……(声震えてるじゃない…)」
上条「そうだよ、別にあそこの世界じゃなきゃいけない必然なんてないんだ……」
美琴「……やめてよ」
上条「不幸には慣れてるし、そもそも(記憶の無い俺は別に……)」
美琴「1人で抱え込むなとか、無理するなとか言って!
思いっきり無理してんのはあんたの方じゃない!
もし残るようなことになるなら、私も残る!」
上条「御坂……」
クリリン(う、聞いてて思わず涙が……)
亀仙人「やれやれ、ならやるべきことは決まったのう」
(金髪)ランチ「話は聞かせてもらったよ!」
亀仙人「ら、ランチちゃん?そういえば最近、全く姿を見かけなかったような」
ランチ「チェッ、こんなしけた島、獲るもんとってとっとと1人でおさらばするつもりだったのに、
そんな話聞いちまったら、見捨てられねーじゃねえか!」
上条「なにかいい手段があるんですか?」
ランチ「みんな、浜辺までついてきな!」
亀仙人「こ、これは最新型の旅客用高速艇!?ランチちゃんどこでこれを?」
ランチ「本当はジェット機が欲しかったんだがな……
こんな辺鄙な島じゃ、スピードが出る乗り物はこれくらいしかなかったんだよ。
みんな早く乗りな!こいつならエンジンも最高だし、あのショボイボートより早く移動できる!」
上条「ランチさん、だからこの高速艇はどうやって?」
ランチ「へっへっへ、決まってんだろ?マシンガン持って、ちょっとばかり丁寧にお願いしただけで、
親切に譲ってくれたよ。」
上条「え?それって……」
ランチ「大丈夫だ。船員は逃げちまったが運転はあたしができる。
万一、ポリ公が追いかけてきても心配無用!そういう修羅場は何度も経験してるからな……くっくっく」
上条「いや、心配してるのはそういうことじゃなくて……」
ランチ「おい!クリリン!客が置き忘れたバッグからさっさと金を抜いて集めとけ!」
クリリン「え?は、はい!」
美琴「ちょっとじーさん、いいの?」
亀仙人「は?なんじゃ?なにいってるのじゃ?わしにはなにもりかいできんわい」
上条(もし捕まったら、ボケたふりしてごまかすつもりだ……)
カメ(やれやれ、あとで警察と住民の方達に手を回しておかなければなりませんね……)
ランチ「野郎ども!いくぞ!!」
とりあえずここまで……
つぎの投稿で一気に最後まで行くと思います。
次の朝を迎えるまでには全部投稿終えてるはず……
デコピンでぶっ飛ばされるのがサタンから上条になるだけだ
人間がそこまで強くなるわけないじゃん…
これドラゴンボールの世界の奴らが禁書の方にいったら、何一つ力使えなくなんじゃね
人間がそんなに早く動ける訳ない、銃弾くらって無事な訳ないって
あっでも気は一応理論だからいけるかもな
気で強化してるから大丈夫!って
>>413
その理屈はおかしい
>人間がそんなに早く動ける訳ない
だから人間じゃねえっつってんだろしばくぞ
お断りベイビー
フリーザ様は「蟻がいくら集まった所で恐竜には勝てん」という分かりやすい例えをしてくれています
5…だと…!?
申し訳ない完全に眠ってた……
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
悟空の乗る筋斗雲に先導してもらいながら船出した一行
とうとう一か月前に、上条と美琴がくぐってやってきた、光のあるポイントに近づく
悟空「おーい!あそこだ!あの光だ!」
既に日は沈んでいる。船の進む先の水平線には、
確かに光のようなものがほのかに光っているように見える。
ランチ「よーし!このまま一気に接近するぜ!」
クリリン「ランチさん!さっきからエンジン音が明らかに変なんですけど……」
ランチ「ここまでずっと全速力でかなり酷使してるからな……
なあに、とりあえずその二人を向こう側に放り込んでから考えりゃいい!」
美琴「ランチさん……(ジーン)」
カメ「さっき見たときより明らかに光が……」
亀仙人(まずいのう……このままでは間に合いそうにない)
亀仙人「おーい!悟空!筋斗雲から降りてこっちゃこい!!」
悟空「なんだ?じっちゃん?」
亀仙人「ワシと二人でかめはめ波を撃つのじゃ!」
悟空「撃ってもいいけど、それに何の意味があるんだ?」
亀仙人「かめはめ波で、船をさらに加速させるのじゃ!」
上条「そんなことできるのか?」
美琴「無理よ」
亀仙人「おぬしら……わかっとらんのう」
美琴「だってそのかめはめ波で、ジェット噴射みたいに加速できるにしても、撃った孫くん1人だけが、飛んで行ったり
するんじゃないの?船体の重心点に体を縛りつけて、そこで発射しても、孫君だけが壁にめり込んで壁を突き破ったり……
ちゃんと科学的な計算をして、噴射地点を見極めないと~」
亀仙人「ふう、美琴ちゃん、言ったじゃろう?こちらの世界には、こちらの世界なりの流儀と常識と法則があるんじゃよ」ニヤリ
クリリン「ラ、ランチさん……エンジンからいよいよヤバい音が!」
ランチ「試しにその辺をスパナでぶったたいてみろ!直るかも知れねえぞ!」
クリリン「無茶言わないでください!!」
亀仙人「よいか!この世界の!大雑把な法則と常識が!ワシに囁いているのじゃ!」
上条(何を……)
美琴(言ってるの?)
亀仙人「進行方向の真逆に向かって、悟空とワシがかめはめ波を撃てば・・・
船 の 速 度 は 倍 増 す る ! 」
上条(なんだろう、あれの頭の中の「常識」が、それは明らかにおかしいだろと囁いているのに……!)
美琴(なぜか凄い説得力が・・・!)
筋斗雲を船に寄せて飛び降り、亀仙人の元に駆け寄る悟空
悟空「じっちゃん!オラ、いつでも行けるぞ!」
亀仙人「よし!やるか!」
悟空・亀仙人「か~め~は~め~……波ーーーーーーー!!!」
亀仙人の言うとおり、かめはめ波によって急加速を始める船。
まるで、水切り石のように水面をはじきながら進んでいく!
上条「うおおおおおお!本当にブースター代わりになってる!」
美琴「ありえない!得してるけど、やっぱ納得いかない!
な、なんであんなでたらめな位置から撃って、都合よく船体ごと加速できるのよ!?」
ランチ「ひょ~!!すげえ大加速だぜ~。グングン差が縮まってやがる!
これなら一気に目標まで~ハーハッハハハはっくション!」
一同『え?』
ランチ「え~と、今どういう状況ですか~?
っていうかなんで、この船こんなスピードでてるんですか~~!怖いッ!)
カメ「ひいいいいい!船が急カーブして!!!」
亀仙人「ラ、ランチちゃん攻めて舵を!悟空!かめはめ波は中止じゃ!」
ランチ「だめ~~怖くて目も開けられないし、わかんないです~」
上条「クリリン!舵をとって船を安定させろ!」
クリリン「これで……なんとか!」
クリリンの操船によって安定を取り戻す船、……しかし
ボン!……シーン
美琴「エンジンが……止まった?」
亀仙人「くっ、減速しておる」
上条「クソッ!あとほんの少し距離が稼げれば!じいさん!悟空!もう一度さっきの技で!」
亀仙人「無理じゃ!」
美琴「なぜ?」
亀仙人「今、進行方向の真逆に向かって、悟空とワシがかめはめ波を撃てば・・・
た ぶ ん わ し ら だ け が 飛 ん で い く !
そんな気がビンビンするのじゃ……」
上条(何を……)
美琴(言ってるの?)
目標地点はすぐそこである。しかし推力がない……。
そして統制を失ってパニックに陥る一同
クリリン「そうだ!悟空の如意棒を伸ばして二人を届ければ!」
悟空 「……あ、わりい、カメハウスに置きっぱなしだ!どうしよう?取りに帰ろうか?」
クリリン「いや、その前に美琴さんだけでも元の世界に放り込んで・・・・」
美琴「だから私だけは嫌だって!」
上条「ああ~不幸だ~」
ランチ「いまいち状況がわからないんですけど~」
カメ「ああもうむちゃくちゃ……」
悟空「やべえ、光がどんどん消えて……」
亀仙人「いや、この距離ならいけるわい!」
クリリン「ろ、老師様がムキムキのマッチョマンに!」
いつの間にかマックスパワー状態の亀仙人
悟空「なんだ?じっちゃん?やっぱもう一ぺんかめはめ波を撃つつもりか?」
亀仙人「いや、それよりもっと単純で確実な方法がある……」
上条「それは?」
亀仙人「ワシがお主らをあの光に向かって放り投げるのじゃ」
上条・美琴「……え?」
亀仙人「心配するな、失敗して海に投げ出されたらちゃ~んと回収してやるわい。のうウミガメ?」
カメ「……私は浮き輪ですか?」
美琴「だ、大丈夫なの?」
亀仙人「なあに、まだまだ若いもんには負けんよ」ニヤリ
上条「……わかった。じーさん、あんたに任せるぜ」
亀仙人「よし、美琴ちゃんもいいな?
ほれ、まとめて投げるから、上条と離れないようにくっついて……」
美琴「……わかった。じ~さん、あんたを信じるわ」
二人を掴むやグググググと聞き腕で二人を持て上げ、狙いを定め、遠投の準備動作に入る亀仙人
クリリン「二人とも……お元気で」
悟空「トウマ!おめ~のメシ美味かったぞ!ミコト!次来たときは、また勝負しような!」
ランチ「い、いまいちよくわからないけど、お元気で~」
カメ「さっき、渡したお給金、落としちゃだめですよ?」
亀仙人(……これで、外したら赤っ恥じゃのう)
上条「……みんな、本当に世話になったな。本当にありがとう」
美琴「みんな……さようなら」
亀仙人「別れは済ませたかの?ではいくぞ……」
黙ってうなずく二人
亀仙人「さらばじゃ、異世界の若人たちよ……」
亀仙人「……はあああああああああ、どっせーーーーーーーーい!」
光に向かって高速で投げ飛ばされる二人!
美琴(ほ、本当にとんでる!)
上条(この角度なら……ビンゴだ!じいさん)
美琴(でも……)
上条(大丈夫なのか?もう光が……小さすげて……)
すでに、光は、人一人、くぐり抜けるスペースも無いほどの小ささで
しかも今にも消えようとしていた。
上条(間に合わない……のか……?)
美琴は目をつぶり、上条にしがみつく腕にギュッと力を込める……
上条(……いや)
上条「……俺たちは、この世界で、ありえない非常識をたくさん目の当たりにしてきた!」
上条「たとえ俺の中の「常識」が、俺に不可能を囁いても!」
上条「その常識という幻想をぶっ壊しておれは活路をつかみ取る!!!」
上条「俺はこいつと……御坂と元の世界にもどるんだあああああああ!!!」
そう叫びながら、左手で美琴をしっかり抱え、光に向かって必死に右手をのばす上条
バチン!
閉じかけた何かを右手で強引にこじ開ける
―――――そして
一瞬、収縮していたはずの光が、溢れるように弾ける
そして、その中心に二人は飛び込み……消えた
悟空「……成功したのか?」
亀仙人「二人の気配が消えた……ふう……やりおったようだわい」
クリリン「光も消えて、あたりも完全に真っ暗ですね」
なぜかしばらく黙りこむ一同。
クリリン「……なんか意外と……呆気ないですね」
悟空「オラ寂しいぞ」
ランチ「ぐすん、あれが本当にお別れだったなんて……かなしいわ~」
カメ「ふう~~肩(?)の荷が下りました」
亀仙人「……そろそろ行こうか。ワシらにはワシらの生きるべき世界があるのじゃ」
クリリン「老師様……行こうにも今の僕たち、エンジンが壊れて遭難しているのですが……」
亀仙人「はっはっは、こりゃ一本取られたわい」
悟空「ところで、じっちゃん!いつになったら本格的な武術を教えてくれるんだ?」
クリリン「そうですよ!いい加減基礎体力は十分に……」
亀仙人「あ~ん?なにをいうとるか!
明日から、さらに重量級の甲羅を背負って特訓は仕切り直しじゃ!」
クリリン「ひえ~」
悟空「ちぇ~、でも天下一武道会に出るまで、オラはへこたれねえぞ~」
ランチ「今晩の料理は何にしようかしら……
あらあら、こんなところに亀さんが……」
カメ「ひ~~~~、私は食材じゃないですよ!」
次第にいつもの空気を取り戻す一同、
これから、エンジンの止まった船で今後どうするのか話し始める
悟空「みんなで泳ぐか?」
クリリン「この真っ暗闇を!?それよりお前が救援頼んだ方が良いだろ……」
ランチ「ところでこの立派な船は、どこで手に入れたんですか~?」
カメ「三人は筋斗雲で帰るというのはどうでしょう?私は仙人様を背負って泳いで帰りましょう」
クリリン「あ!それいいですね!」
みんなから、少し離れた場所で、かつて光のあった方を振り返り、
ぺこりと頭を下げる亀仙人
「世話になったのう。……ありがとう」
ザザー・・・・・・
砂浜の音が聞こえる。
海水と砂にまみれの上条と美琴……
二人ともあおむけになって放心状態のまま空を眺めている。
上条(見慣れた空の色、見慣れた風の匂い……戻ってきたんだ)
美琴「ねえ……あいつら、今頃なにしてるかな……?」
上条「たぶん今頃、船の上でどうやって帰るか、わいわい議論してると思うぜ……」
美琴「……なんか、すぐに目に浮かぶわその光景」
上条「そして、悟空とクリリンは、真面目に明日の朝も早起きして、天下一にむけて修業に励むさ」
ゆっくりと起き上る二人。そして浜辺を歩き始める
美琴「あいつら大会に出場して勝てるのかな?」
上条「大丈夫だろ。だいたい……いくら非常識な世界でも、あんな奴らがたくさんいてたまるか!」
それを聞いて一瞬きょとんとした表情をする美琴
そして、何かを思い出したのか美琴は……
美琴「くすくすくす!あはは!そうよね!本当にむちゃくちゃだったわよね!
銃に脳天撃たれても死なないとか平気で言うんだもん。本当、無茶苦茶よ!あはははははは」
上条「全くだ……(なんかこういう笑い方するビリビリは初めて見るな)」
ドキン
そのとき上条は快活に笑う美琴がちょっぴり可愛いと思ったのだった
~学園都市某所~
『二人は帰ってきたよ』
「なに?本当か!?」
『まさか君がこんな頼みごとをするとはね。
装置の利用を幾分か引き伸ばしただけとはいえ、この貸しは高くつくよ?」
「ふん。あれくらいまけろ」
『まったく、簡単に言ってくれるよ。学園都市全ての機能が一週間丸ごと賄える
エネルギー量だよ。……しかし賭けは君の勝ちだ』
「……」
『それにしても……たいしたものだあの能力は……
空間をこじ開けようとする科学サイドの干渉と、それを閉じて修復しようとする魔術サイドの干渉……
せめぎ合う両方の干渉を強引に押しのけ、ほんの一瞬だけ生まれた空白の隙間を縫うように帰還するなんてね……』
「なぜ事情を知らないあの二人を送り込んだ?貴様の真意を測りかねるな?」
『レールガンと幻想殺し、この都市で重要なファクターを占める二人が、あちら側で得た経験と知識、
そしてそれに基づく今後の行動は、工程の更なる省略に繋がる可能性が高いと出た。
欲を言えば、「あちら側」に一人くらい残って貰って、伝説の玉の二つ三つ、持って帰って欲しかったがね……』
「どう転んでも想定の範疇だと?己に予測できぬものなど無いと言わんばかりのその傲慢さ、いつか命取りになるぞ」
『そういう君は、あの男ならなんとかして危地を乗り越え、ここに戻ってくると根拠もなく信じていたのだろう?』
「……ふん。俺はもういくぞ」
『……さて、あの二人はあの世界を目の当たりにして、どう変わる?』
上条「そういや……」
美琴「なに?」
上条「あの時、おまえが一緒に残るって言ってくれたとき、本当に嬉しかったぜ。ありがとうな」
美琴「そ、それはお互いさまよ。あんただってあのとき……(あーやばい!やばい!どうしよ!顔真っ赤!)
上条「そういやお前、俺に何を言おうとしたんだ?」
美琴「え?」
上条「ほら、俺にずっと言いたかったことがあるって……」
美琴「え・・え・ええと、いや、あれは・・・、な、なんでもないわよ!」
上条「そうなのか?すごい真剣な表情だったけど」
美琴「いいったら、いいのよ!」
上条「そうか、普段のビリビリに戻ったみたいだし、安心したぜ。じゃ、帰るか」
美琴(ああああ、あたしの馬鹿~!!)
~常盤台中学女子寮前~
美琴「……ようやく、帰ってきたわね」
突然目の前にワープして現れる黒子
黒子「おねえさま!お姉さまに会えない間、黒子は!黒子は!とってもさびしかったですわ!」
美琴「黒子……あたし本当に戻ってきたのね……良かった」
黒子「お姉さまが、いつになく優しいのですの……は!?
もしや、離れて暮らした寂しさで黒子への愛に気付いたのでは!?」
美琴「は?」
黒子「おねえさまあああああああ」
美琴「だからそういうのはやめろっつってるでしょーが!!!」
ビリビリビリビリ!!!
黒子「ぐぎゃあああああああああ、……で、でも、一週間ぶりに味わうし・あ・わ・せ」
美琴「え・・・一週間?」
黒子「く、黒子の愛はこの程度の電撃では、ってどうしましたの?お姉さま」
慌てて周囲を見渡す美琴、電光カレンダーに表示された日付けは・・・
美琴「危うく、玉手箱を開けた浦島太郎になるところだったのね……」
黒子「お姉さま?」
美琴「何でもない。ほらご飯食べに行くわよ!初春さんや、佐天さんも呼んで、みんなで食べましょ!」
黒子「ああ!待って下さいまし!」
美琴(は~、あいつにまた借りが出来ちゃったわ)
一方、上条はスーパーマーケットにて……
上条「ああ!なんて幸せなんだ!こっちの世界ではまだ一週間しかたっていないなんて!
つまり、あの生活はボーナスステージ!他の奴より三週間多く夏休みを体験できて、しかも金まで稼げたわけですよ!」
上条「上条さんは未だかつてない幸運に、どうにかなりそうです!
普段じゃ絶対買えない高級卵パックにも思わず手がのびちまう……!」
レジの女「お会計6300円です」
上条(かつての俺なら、聞いただけで卒倒しそうになる金額だ。
だが今の俺には、ウミガメさんから貰った、この分厚い給金袋がある!)
袋からピッとお札を一枚ぬいて差しだす上条
上条「はいこれで」
上条(普段は買えない高級肉、普段は買えない高級卵、普段は買えない高級野菜・・・)
レジの女「あの……お客様」
上条(しかもインデックスはまだ帰っていないから、食材は1人占め!本当に、本当にこんな幸せで良いんですかぁ!?)
レジの女「お客様?」
上条「え、なにか?」
レジの女「その、これはちょっと……」
上条「え?……こ、これは、一万円じゃなくて……一万……ゼニー?」
レジ係の女「申し訳ありませんが、先に銀行で日本の紙幣に交換していただいてから……」
上条「じゃあ、あれは……ただ働き?」
レジ係の女「あの?聞いてます?」
上条「ウミガメさあああああああああん、あ~~~~、不幸だーーーーーーーー!!!!」
レジ係の女「お、お客様!?」
そして科学と魔術が交差する街で日常が再び始まる
~天下一武闘会、受付会場前~
悟空「ほえ~、これが亀仙流の道着か!」
クリリン「良かった!あの甲羅をおぶったまま闘えと言われたらどうしようかと……」
亀仙人「フォフォフォフォ、どうじゃかっこいいじゃろ。
それにな、ほれそこ」
クリリン「おい悟空、このリストバンドに文字が……」
悟空「ん?」
『頑張れよ!修業の成果を出し切るんだ! トウマ』
『どうせやるからには、天下一目指しなさい! ミコト』
悟空「……へへ、クリリン、こりゃやるっきゃねーな!」
クリリン「ああ、そうみたいだな!」
悟空「いくか!」
クリリン「おう!」
亀仙人「あ、こりゃ!受付手続きはまだ……やれやれ、若さがまぶしいわい」
Fin
これで終わりです。
あ~でもない、こ~でもないと悩んでいたらいつの間にか眠っていたでござる。
深夜に粘って待っていた人は申し訳ない!
良かったらアンケートに答えてくだされ
最後の締めの亀仙人の描写は最初から書きあげていたけど
途中で、変更しようか何度か迷った。
A案 一番最初に思いついた。>>492
B案 悟空とクリリンを見送ったあと、自らも
「ジャッキーチュン」と書かれた用紙を手に受付に向かう亀仙人で締め
C案 二人を、見送ったあと、受付時間ギリギリに現われる謎の老人ジャッキー
老齢を心配する受付に一言「なあに、若いもんにはまだ負けんよ」と言って颯爽と会場へ
D案 A~Cのどれかを採用し、>>487の上条さんお話を最後に持ってきて
禁書のギャグテイストで締める
実は、ギリギリまで、Cにするつもりだったけど、
亀仙人は優遇し過ぎだし、これ以上くどくしてもなぁ~
ていうか、ジャッキーをわざわざ出して強調せんでも、
このスレ見てる人は知ってるだろうし……
と考え、、最初の直感を信じて、土壇場でAを採用してさらりと流した。
上条さんの話を最後に持っていくかどうかで迷ったのは
ドラゴンボールと禁書どっち重視かというより
ギャグで締めるか、軽いシリアスで締めるかで迷ったから
まだ、だれか見てたら、あ~俺ならこっちでも良かったなって感じで
簡単な理由を添えて書き込んでくれると、今後の参考になるので嬉しいぜ。
>>502
夜通し待ってた甲斐があったぜw
乙
個人的にはA案でよかったと思う
やっぱドラゴンボールメインだったしシメがドラゴンボールじゃないとなと思ったり…
なんだかんだ読んだけどまさに
山なし
オチなし
意味なし
な作品だったな
ワンクールの中の一話じゃなくて劇場版コラボ作品を期待してたからがっかり
お、ちょこちょこ批評がついてるね
その前に言い忘れたことを一言
基本的にSSスレの>>1というのはホスト役だと思っていますし、
自分の妄想を読んでいただく立場ですから、皆さんに呼びかけたりするときは、これまでおおよそは敬語文体で書きました。
一時荒れ気味に論争してた時も特にコメントせず淡々と執筆と投下に専念しましたが、
あくまでサービスを提供する立場として、公平性を欠きたくなかったからです。
まず、私がいない間も、根気よく保守していただいた方に感謝します。
保守して下さった方々が、最後まで読んで、保守した甲斐があったぜ!
と思っていただければ幸いです。
もしもっと別の展開を期待してずっと保守してくれた方がいたなら、
大変申し訳なく思います。しかし、この経験は無駄にはいたしません。
というわけで、これ以降はいつものネラーのノリで、かくぜw
別に性格が悪くなったわけじゃないからな?
>>503
答えてくれてありがとう。
朝までに終わると宣言したことは正直後悔しているw
>>504
残念ながら俺は男だし、ヤオイ趣味はない。
……という冗談は抜きにして、
個人的にはいくつかヤマは設定したつもりだったが、パンチが弱かったみたいだな。
>>505
ごめん、普段アニメあんま見ないから、批評の意味がわからん。
禁書は、漫画喫茶でたまたま読んで知った。
ワンクールが12話なのは知ってるけど。
上条さんが、亀仙流を学んで、空が飛べたり、エネルギー波を撃てるようになって
悟空と一緒に世界を救う展開や
禁書キャラが天下一武道会に殴りこみをかけて、DBキャラと闘う展開を
期待してた人は結構いたと思うし、そういう人には不評だろうな、とは思う。
ただそういう大風呂敷を折りたたむには、よほど根気と力量がある人しか出来ないと思ってる。
で、初心者の自分が、自身の力量を見極め、きちんと最後まで責任を持って折りたためる大きさを見極めるとこうなった。
ガンダムでも、ZZが許容出来ない人、ターンAこそが至高だと言う人、宇宙世紀しかガンダムと認めない人
とかいろいろいるけど、ぶっちゃけ全てのニーズは満たすことはできない。
だから結局、自分の嗜好に合わせて、誰かを切り捨てる必要がある。
それは創作の宿命だし、こんなつまらん妄想SSも例外ではない。
とはいえ、批評に向き合うのも、スレを立てた責任だと思ってるから、スレが残っているうちは、
暇を見て手厳しい批判にもきちんとレスするよ。
どんな嗜好や美意識に沿った批評も構わない、厳粛に受け止めるつもりだ。
(大学の講義やら、家事やら課題があるから、ずっとスレに張り付いてるわけにはいかんし、
さすがに夕方にはおちてるだろうけど)
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