兄「どこがいいんだ、妹ちゃん」
妹「半ドンだしな……難しいところだね」
兄「半ドンだしなー」
妹「んー……半ドンだしとりあえず喫茶店でいいんじゃない?」
兄「半ドンだし、それもいいな」
妹「でしょ?」
兄「ちょうどコーヒー豆も切れてたとこだし」
妹「いやぁ、半ドン様様だね」
兄「なんてったって半ドンだぜ?」
妹「半ドンには頭が下がらないよ」
兄「……下がらないのか」
妹「まぁ半ドンだしね」
妹「そうと決まれば早く出掛ける準備だ」
兄「ちょっと待てよ。半ドンだから疲れてるんだから」
妹「半ドンなんだから早くしないといけないんだよ?」
兄「んー……それもそうか。半ドンだしな」
妹「だから早くしてよー」
兄「分かったよ」
妹「早くしろよー」
兄「さて半ドンとはいえ準備出来たぞっと……」
兄「なんだよ。準備出来たらいないじゃないか……」
兄「ひとまず半ドンだし妹の部屋に行くか……」
コンコン
兄「入るぞー」
妹「あっ!ちょっと待って!!」
兄「もう遅い」ガチャッ
妹「いやー!!」
兄「……いくら半ドンだからってはしゃぎすぎだよ」
妹「まぁ着替えてないしね」
兄「まったく……ほら行くぞー」
妹「うんっ♪」
兄「車のキーは……っと」
妹「」
兄「おっ……あったあった」
妹「」
兄「よし。出発進行だ」
妹「」
兄「……ん?」
妹「」
兄「なんでしゃべんないんだ?」
妹「」
兄「おーい。妹ー?」
妹「」
兄「なっ!?し、死んでる!!?」
妹「いや。死んでないけど」
兄「だよなー。なんてったって半ドンだしな」
妹「半ドンだし死んだふりもしちゃうよね」
兄「半ドンだもんな」
妹「小芝居はおいといて行こー」
兄「うんち」
妹「……」
兄「…………?」
妹「なんで今『うんち』って言った?」
兄「『うん』だけじゃつまらないと思ってな」
妹「だから語尾にちをつけたと……」
兄「そういうことだうんち」
妹「そういうことか」
妹「そういうことなら仕方ないね。半ドンだし」
兄「なー?」
妹「早いとこ行くぞー」
兄「おーう」
ガチャッ
妹「くるま、くるまー♪」
兄「……車が…」
妹「どったの、兄ちゃん?」
兄「車が……台風で流されてる………」
妹「そりゃどうしようもないよ。台風だし」
兄「そだなー。台風だしなー」
妹「そうだよー」
兄「だが台風となるといくら半ドンでも出掛けるのは難しいぞ」
妹「えー……半ドンでもー?」
兄「あぁ……なんてったって台風だし」
妹「あー……台風のバカー………」
兄「そう嘆くなよ。台風もこっちに用があったから寄ったんだし」
妹「……うー」
兄「でも残念だなー」
妹(ちぇ……せっかく兄ちゃんとお出掛け出来るチャンスだったのにー)
妹(半ドンなのを良いことにあんなことやこんなことを……ぐふふ)
妹(でも台風なんだよなー……)
妹(っ!?大変だ!!兄ちゃんが危ない!!)
妹(兄ちゃんを助けないと!妹として!!)
妹「兄ちゃん!!あぶにゃい!!」ドンッ
兄「……ん?」
妹(噛んだ………っ!!)
バタンッ!!
兄「どうしたんだよ、急に押し倒したりして?」
妹「い、いや…兄ちゃんが台風に直撃されるとこだったから///」
兄「ん?そうだったのか。ありがとう、妹ちゃん」ナデナデ
妹「い、いや……それほどでも///」
妹(キャー!兄ちゃんにナデナデされてるー!!)
妹(もうマジで台風最高!!)
妹(半ドンとかもうどうでもいいっ!!)
妹(このまま兄ちゃんの胸の中で……!)
妹「えへへー♪」
兄「……ん?なんだか頭がスースーするな………」
妹「ど、どうしたの、兄ちゃん?」
兄「いや……頭がスースーするんだよ………半ドンなのに」
妹「頭が……?あっ!!兄ちゃん!!」
兄「なんだ!?どうした!!?」
妹「兄ちゃんの頭が……」
妹「落武者ヘアーに……」
兄「あぁ……どおりでスースーするわけだ」
妹「そんな……!私は兄ちゃんのちょんまげを守れなかった……っ!」
兄「いいんだよ、妹ちゃん。妹ちゃんがこうしてちょんまげだけに被害を止めてくれたんだ」
妹「兄ちゃん…………」
兄「こうして台風の中、命があるだけでももうけもんだよ」
妹「……兄ちゃーん!」ダキッ
兄「ははははー。妹ちゃんは甘えん坊だなー」
妹「そうでもないよ。半ドンだし」
兄「せやな」
妹「せやろか」
兄「せや」
妹「せやなとき」
兄「せやならば」
妹「せやせや」
兄「さてそろそろ出掛けるか」
妹「そだねー」
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