エレン「野球やろうぜ!」(199)
ライナー「お、野球か、いいな!」
コニー「野球かあ、そういえばしばらくやってねえな」
ジャン「なんでまた急にそんなこと」
エレン「せっかく訓練が休みなのに何もしないんじゃ退屈だろ。とりあえず人数を集めようぜ!」
ジャン「仕方ねえ、つきあってやるか」
ジャン(ミカサにいいところを見せるチャンスだ。絶対に活躍してやるぜ……!)
ガヤガヤ……
エレン「なんとか18人揃ったな」
コニー「チームはどう決めるんだ?この人数だと、グーとパーじゃなかなか決まらないぜ」
ジャン「とりとりにしよう」
ライナー「なんだ、それは?」
ジャン「リーダー2人がジャンケンをして、一人ずつ勝ったほうから仲間を選んでいくんだ。チームのバランスもそう偏らねえ」
コニー「じゃあそれで決まりだ。まずリーダーを決めねえと」
ジャン「エレン、俺とお前でやろうぜ。お前と同じチームなんて御免だからな」
エレン「言ってくれるじゃねえか。受けて立つぜ!」
エレン・ジャン「じゃんけんぽん!」
エレン「お、俺の勝ちだ」
ジャン「くそっ!」
ジャン(ミカサは取るなミカサは取るなミカサは取るな)
((最初に選ばれるのは誰だ?))ソワソワ
ミカサ「エレンは必ず最初に私を選ぶ。何も心配はしていない」
ライナー「……」
アルミン「……」
アルミン(エレン、頼む、ミカサを選んでやってくれ……!)ソワソワ
エレン「ライナー、来いよ!」
ミカサ「」
ジャン「……!!」
ライナー「えっ、俺か!?」ギクッ
エレン「ああ、お前は力があるからな、4番は任せたぜ!」
ライナー「お、おう……任せろ……」
ミカサ「……」ギロッ
ライナー「…………っ」ゾクッ
アルミン「ミカサ落ち着いて!エレンは次にきっとミカサを選ぶよ!」
ジャン(ミカサを取らなかった……!ツイてるぜ)
ジャン「よし、じゃあ俺はミカs」ドゴッ
ジャン「」
エレン「ん、どうした?誰って言ったんだ?」
ミカサ「ベルトルトと言っていた。間違いない」
ベルトルト「……」
ライナー「……」
アルミン「……」
ジャン「いってー……。ん、何でお前がこっちにいるんだ?」
ベルトルト「おとなしくこの状況を受け入れた方が賢明だと思うよ」
ジャン「何がだよ、俺はミ」
エレン「おい、次決めるぞ。チーム決めくらいちゃっちゃと済ませようぜ」
ジャン「待てよ、まだ話が終わってn」
アルミン「ほらほら、早く。ハイじゃーんけーん」
ジャン「だから」
アルミン「ぽん!」
ライナー「出してないからジャンの負けだな」
ジャン「おい待てって」
ライナー「エレン、早く選んじまってくれ」
エレン「そうだな……」
ミカサ スッ
エレン「おいミカサ、なんでこっちに来てるんだよ。俺はまだ誰も選んでないぞ」
ライナー「い、いいんじゃないか、ミカサなら間違いなく戦力になる」ヒソヒソ
エレン「……まあ、それもそうだな。じゃあミカサ」
ミカサ ニコッ
アニ「……」ジロッ
ライナー「…………!」
ジャン「おいおいそれはないぜ、俺はさっき」
アルミン「いいから、早く選びなよ」
ジャン「だから聞け、俺はベルトルトじゃなくて」
ベルトルト「誰か、こっちのチームに入りたい人ー!」
ジャン「何で募ってんだよ、俺が選ぶんだろ!」
ジャン「…………チッ、みんなしてどうなってんだ。釈然としねえが…マルコ、来い!」
---------------
エレン「よし!これでチームは決まったな!」
エレンチーム ジャンチーム
1 中 サシャ 1 中 コニー
2 捕 アルミン 2 投 ジャン
3 遊 ミカサ 3 三 アニ
4 三 ライナー .4 遊 ベルトルト
6 一 トーマス ..6 左 ユミル
7 左 ミリウス 7 一 フランツ
8 二 ナック 8 右 ハンナ
9 右 ミーナ 9 二 クリスタ
エレン「おう、悪いか。アルミン、女房役頼むぜ!」
ミカサ ピクッ
アルミン「うん、がんばるよ」
ミカサ「エレン、やっぱり私がキャッチャーを」
エレン「何言ってんだ、無理だろ」
ミカサ「」
アルミン「シ、ショートは守備ではかなり重要なポジションなんだ。ショートのミカサは信頼されてるんだよ」
ミカサ「でもエレンの女房役、いや女房は」
アルミン「エレンはミカサの守備を一番頼りにしてるんだよ、そうだよね!」
エレン「ん、何がだ?」
アルミン「そうだよね!!」
エレン「え、ああ…そうだな……?」
ミカサ「……わかった。エレンは私が守るから、安心して」
エレン「何のことだよ」
アルミン(はあ、野球やる前に疲れちゃうよ…)
コニー「なあ、ただ試合するだけってのもなんだし、何か賭けねえか?」
サシャ「ご飯!ご飯にしましょう!勝ったチームは夕食2倍です!」
エレン「そうだな、晩飯を賭けた試合だ」
ジャン「構わねえぜ、あとでいくら頼み込んでも分けてやらないからな」
サシャ「うへへ、今夜はおなか一杯食べられますね」
ライナー「負けた場合のことを考えてないのか」
ジャン「夕食を賭けるとなったら真剣勝負だ。試合を始めようぜ」
サシャ「まずは私からですね。パァンの為にも打ちますよー」ウキウキ
すまん、20分ほど抜ける
ポジションに関しては、色々な意見があることは承知だから構わんよ
そういう談義も楽しいしな
一回表 エ0-0ジ
0アウト ランナーなし 打者サシャ
ジャン(サシャのバッティングがどんなもんか分からねえが……とりあえず一球目は様子見でまっすぐだ)
マルコ(オッケー)コクッ
ジャン ビュッ
サシャ「えいっ」ブンッ
ストライク!
マルコ(まるで違うところを振ってるけどタイミングは合ってる)
ジャン(だがサシャが変化球に対応できるとは思えねえ)
マルコ(そうだね、カーブだ)
ジャン ヒュッ
サシャ「わわっ」
スコーン!
ライナー「おおっ、綺麗なセンター前!」
ジャン「」
サシャ「やりました!打ちましたよ!」
エレン「ナイスバッティングだ、サシャ!」
ジャン(くそっ、滅茶苦茶な体勢で打ちやがった)
マルコ(サシャの身体能力を見くびっていたよ……)
0アウト ランナー一塁 打者アルミン
ジャン(次はアルミンか。正直打力はないと思うが……)
アルミン「……」
マルコ(アルミンのことだから何か仕掛けてくるはずだ)
ジャン(一球外してみるか)
スパンッ!
ボール!
マルコ(バントの構えをしてきた…)
ジャン(送るつもりか)
アルミン「……」チラッ
サシャ「……」コクッ
ジャン(素直にバントさせてやることもねえ、変化球だ)
サシャ ダッ
マルコ(…!盗塁だっ!)
アルミン カラブリー
サシャ ズザー
セーフ!
サシャ「ふうー、アルミンとの打ち合わせどおりうまくいきました!」
ジャン(ぐっ、バントの構えは変化球を投げさせるためのブラフだったのか!)
マルコ(アルミンと示し合わせてたんだ)
マルコ(あのサシャにサインプレーができるなんて全く予想してなかった……)
0アウト ランナー二塁 打者アルミン
ジャン(落ち着こう、まずはアルミンを打ち取るんだ)
アルミン ブンッ
ストライク!
ジャン(よし、追い込んだ。さすがに盗塁に送りバントなんて欲張った真似はしてこねえか)
ジャン ビュッ
アルミン コツッ
ジャン(ここでバントだと!?)
ライナー「三塁線にうまく転がした!」
アニ「チッ…!」ダッ
ジャン(ランナーのサシャは足が速い……!)
ジャン「アニ!無理するな、ファーストでいい!」
シュッ
バシッ
ファーストアウトー
ジャン(くそっ、完全に油断させられちまった)
マルコ(次の打者は……)
ミカサ「エレン、行ってくる」
エレン「頼むぜ、ミカサ!」
1アウト ランナー三塁 打者ミカサ
ジャン(ここでミカサか……)
マルコ(なるべく低めを意識して。絶対に後ろには逸らさないようにするから)
ジャン(わかった…)
ジャン ビュッ
ミカサ カーン!
ジャン「!?」
ギュンッ
ファール
マルコ(思いっきり外に外れた球を無理やり打ちにいってあの打球速度……)
ジャン(こわっ)
ジャン ビュッ
ミカサ パカーン!!
ジャン「」
エレン「レフトオーバーだ、まわれまわれ!」
ユミル「くそっ、どこまで飛ばすんだよ!」ダダダッ
サシャ タッ タッ タン!
サシャ「これで一点ですね、やったー!」
マルコ「ミカサにも三塁まで進まれちゃったか…」
エレン「やったぜミカサ!凄い打球だったぞ!」
ミカサ「ありがとう…///」
アニ「……」
一回表 エ1-0ジ
ジャン(ミカサにいいとこ見せようってのに、そのミカサにスリーベース打たれてるんじゃ世話ねえぜ……)
ベルトルト「ジャン、大丈夫かい?」
ジャン「…ああ、すまねえな」
マルコ「あんな地面スレスレの球を打たれたんじゃしょうがないよ」
クリスタ「まだ一点なんだから、気を取り直していこう、ね?」
ジャン・ベルトルト(女神だ……)
アニ「……次のバッターはライナーだ。しっかりしてくれないと林まで持っていかれるよ」
ジャン「…俺に作戦がある。ゴニョゴニョ」
ライナー「やけにタイムが長いな」
エレン「何をそんなに話してるんだ?」
アニ「どうせならぶつければいいじゃないか、手間が省ける」ジロッ
ライナー「!?」ゾクッ
ジャン「それじゃ意味がねえんだよ、いいから任せろ」
1アウト ランナー三塁 打者ライナー
ライナー(何やら不穏な単語と視線がアニから発せられていたが…)
ライナー(チーム決めから機嫌が悪いからな……何されるか分からんぞ……)
マルコ スクッ
エレン「なっ…敬遠だと!?」
アルミン「…なにか意図がありそうだけど……」
ボール!
ライナー(…とりあえず安全に済みそうでなによりだ)
フォアボール!
1アウト ランナー一三塁 打者エレン
エレン「おい、なんのつもりだ、敬遠なんて」
ジャン「お前と勝負するほうが圧倒的に安全だからな。やーっと一息つけるぜ」
エレン「なんだと!」
ジャン「悔しかったら打ってみな、ストレートだけで勝負してやる」
エレン「上等だ、絶対に後悔させてやるからな」
アルミン(エレンを挑発している……?)
アルミン「エレン、落ち着いて!挑発に乗っちゃダメだ!」
エレン「ああ、わかってるよ」イライラ
ジャン(へへっ、挑発は成功だな)
エレン ブンッ
ストライク!
エレン「くそっ!」
ジャン「おいおい、そんなクソボール振ってちゃ打てる見込みがねえぞ」
エレン「うるせえ、お前こそちゃんとストライクに入れろよ!」
ジャン(ストライクなんか入れるかよ。まともに勝負したらお前だって怖いバッターなんだ)
エレン カツン
ボテボテ
セカンドアウト!
ファーストアウト!チェンジ!
アルミン「ああ…ショート併殺……」
エレン「」
ジャン(作戦大当たりだ。挑発すれば、どんな無茶な球も打ちにきやがる)
マルコ「さすがだよ、ジャン。言ってた通りになったね!」
コニー「いやあ、一点で済んでよかったぜ」
ジャン「さあ、取り返すぞ。夕飯を取られるなんてまっぴらだからな」
一回裏 エ1-0ジ
0アウト ランナーなし 打者コニー
エレン「ちくしょう、まんまと嵌められたって訳か……」
アルミン「落ち着いて、エレン。チームは勝ってるんだ、しっかり抑えていこう」
エレン「…そうだな!」
アルミン「僕もがんばってリードするから」
アルミン(とは言ったけど、エレンは変化球を投げられないからなあ……僕がしっかりしないと)
コニー「よーし、打つぜー」ブンブンッ
アルミン(先頭バッターはコニーか…塁に出したらやっかいそうだけど)
アルミン(正直選球眼はよくなさそうだ。それでいて積極的に振ってくるだろう)
アルミン(高めに外してもきっと手を出してくる……)
エレン(高め?甘くないか?)
アルミン(大丈夫、肩から顔くらいの高さに投げればそうそうヒットは打てない)
エレン(わかった)コクッ
エレン ビュッ
コニー「おらっ」カンッ
コニー「あ」
フラフラ
ミカサ パシッ
アウトー!
エレン「よし、ショートフライ、まずワンナウトだ!」
1アウト ランナーなし 打者ジャン
アルミン(次はジャンか…)
ジャン「よう、エレン。さっきは助かったぜ」
エレン「うるせえ、お前には絶対打たれないからな」
ジャン「へっ、お前のボールなんて余裕で打ち返してやるぜ」
アルミン(エレン、挑発に乗っちゃジャンの思う壺だ)
エレン(……わかってる)
エレン ビュッ
ジャン サッ
アルミン(セーフティ!?)
ジャン スッ
バシッ
ボール!
アルミン(バットを引いた、奇襲のつもりならなんとしても当ててくるはずだ)
エレン「なんのつもりだ、ジャン」
ジャン「素直に打ち返すだけが野球じゃねえんだよ」
エレン「素直に勝負する自信がないってことか」
ジャン「言ってくれるじゃねえか。いいぜ、今度は本当に打ち返してやるよ」
エレン「やってみろよ!」イライラ
アルミン(くっ、こうなるとエレンはストライクしか投げてくれない……)
アルミン(ジャンはどうでる…もう一度仕掛けてくるか、ヒッティングでくるか)
アルミン(様子を見たいところだけど、それができない……それなら)
エレン ビュッ
アルミン「ミカサは姑息な男は好きじゃないって言ってたよ」ボソッ
ジャン「なっ!?」
ジャン スカッ
ストライク!
ジャン「アルミン、お前………!」
アルミン「ん、どうしたんだい?」シレッ
ジャン(ちっ、みすみすアルミンを向こうのチームに渡したのは失敗だったな……俺が打席で戦わなきゃならねえのは、エレンよりもアルミンだ)
アルミン(エレン、ここで少し遅めに投げてタイミングを外す)
エレン(ダメだ、こいつ相手に手は抜きたくねえ)
アルミン(やっぱり…手を抜くのとは違うんだけどなあ……)
アルミン(仕方ない…それなら厳しく内角を攻めよう)
エレン(よし!)
エレン「ふんっ!」ビュッ
エレン(しまった、逆球だ!)
アルミン(しかもボールがシュートして真ん中に!)
ジャン カーン!
ベルトルト「ピッチャー返しだ!」
エレン「くそっ!」
ジャン「よっしゃあ!センターに抜けるぜ!」ダダダッ
ミカサ バッ パシッ
ジャン「!?」
ビュッ
バシッ
アウトー!
エレン「ミカサ!助かったぜ!」
ミカサ「エレンは私が守ると約束した」
ジャン「守備範囲が尋常じゃねえ……」
2アウト ランナーなし 打者アニ
アニ「……」ジーッ
エレン(うっ、なんか威圧感がすげえな……)
アルミン(アニの打撃は未知数だけど、確かに迫力はある……)
アルミン(2アウトなんだ、歩かせてもいいくらいの気持ちで慎重にいこう)
--------------
バシッ
フォアボール!
アニ「……」スタスタ
アルミン(結局一球も振らせずに歩かせてしまったか……)
エレン(なんかわかんねえけど気圧されちまった……)
2アウト ランナー一塁 打者ベルトルト
アルミン(4番はベルトルト…バッティング技術はかなり高いだろう)
エレン(慎重に行き過ぎて、またフォアボール出すのはまずいぞ)
アルミン(でも、長打を打たれたらアニが還ってくるかもしれない。)
アルミン(低めを攻めて打たせて行こう、大体はミカサが止めてくれる)
エレン(そうだな)
アニ ダッ
アルミン(盗塁!?)
ベルトルト「!」カラブリー
アニ ザザー
セーフ!
アルミン(速い……僕の肩じゃとてもじゃないけど刺せない…)
アルミン(でも、ベルトルトの反応を見るにアニは単独で走ったみたいだ)
エレン(走られたのは仕方ねえ、ベルトルトに集中しようぜ)
アルミン(そうだね…)
2アウト ランナー二塁 打者ベルトルト
アニ ダダッ
アルミン(また走った!?!?)
ベルトルト「!?」カラブリー
アニ ザザー ドガッ
ライナー「うごぉっ!!」
セーフ!
エレン「ライナー!?大丈夫か?」
ライナー「ああ……俺の不注意だ」
アニ「悪いね、デカいからぶつかっちゃったよ」
ライナー(やっぱり、チーム決めでミカサ入りをサポートしたことを根に持っているのか…)
ライナー(まさか、このために走ってきたのか……?)ズキズキ
アルミン(4番の打席で2度も盗塁してくるなんて……アニの考えが全く読めない……)
エレン(これでヒット打たれたら、どうしたって点が入っちまう……)
アルミン(動揺しないで。おかげで有利なカウントにできたと考えよう)
2アウト ランナー三塁 打者ベルトルト
アルミン(カウントはノーボールツーストライク……)
アルミン(ベルトルトくらい腕が長いと内角には弱いはずだ)
アルミン(まずは一球、見せ球として外角に外そう)
エレン(絶対に打たれるわけにはいかねえ……)
エレン ビュッ
エレン「あ」
ヒューン
ジャン「暴投だ!」
アニ ザザー
コニー「よっしゃあ、同点!!」
エレン「」
アルミン(アニ一人に点を取られてしまった……)
エレン「くそっ、やっちまった!」
ミカサ「エレン、気が動転している」
エレン「でもよ……!!」
ライナー「失点したと言っても、振り出しに戻っただけだ」(半分俺のせいなんて言えない)
トーマス「それにまだヒットは打たれてないだろ?」
アルミン「トーマスの言う通りだ、エレン。打たれたわけじゃないんだ」
ミカサ「もし打たれても後ろには私が付いてる」
ナック「そうだ、しっかり守るから安心して投げてくれよ」
エレン「……ああ、おかげで少し落ち着いたぜ」
一回裏 エ1-1ジ
2アウト ランナーなし 打者ベルトルト
アルミン(ベルトルトも、ここまで打席で集中できなかったはず・・・)
アルミン(集中する隙は与えない。エレン、次の一球で決めよう。)
エレン ビュッ
ベルトルト カーン!
エレン「げっ」
ジャン「左中間だ、破りそうだぞ!」
アルミン(くっ、決して甘い球ではなかったのに…!)
サシャ「これ以上はダメですよ……!」ダダダッ
サシャ「何たってご飯が懸かってるんですから、っね!」ノビッ パシッ
アウト!チェンジ!
アルミン(助かった、打球も少し詰まってたみたいだ)
エレン「ヒヤッとしたぜ……」
ライナー「メシが懸かってるサシャは違うな」
サシャ「フーッ、当然です!」ドヤッ
ジャン「惜しかったぜ、ベルトルト」
ベルトルト「すまない、畳み掛けたいところだったのに」
ジャン「気にすんな、俺だって打ててねえんだ」
コニー「二人とも当たりはよかったんだけどな」
マルコ「エレンも抑えた気分にはなれてないはずだ。アニに関しては、ほとんど自滅だったし」
ジャン「そうだな。とにかく、次の回さっさと抑えて攻撃にうつろうぜ」
今日はここまで
また明日続き書くわ
二回表 エ1-1ジ
トーマス カッ
ボテボテ …アウト!
トーマス「くそっ」
ミリウス ブンッ
ストライク!バッターアウト!
ミリウス「ぐっ……」
ナック ブンッ
ストライク!バッターアウト!チェンジ!
ナック「……!」
マルコ「よしっ、三者凡退!」
ジャン「へっ、俺にかかればこんなもんよ!」
ナック「悪い…あっさりと打ち取られちまった」
ライナー「気を落とすな、とにかく勝ち越されないように締まっていこうぜ」
ミリウス「…おう!」
二回裏 エ1-1ジ
0アウト ランナーなし 打者マルコ
ジャン「マルコ」
マルコ「なんだい?」
ジャン「ここで得点できれば、流れを引き寄せられる。先頭のお前には是非出塁してもらいたい」
マルコ「うん…わかってる」
ジャン「まだエレンはコントロールが定まってない。慎重に球を選んでいけ」
ジャン「それと、ミカサの方に飛ばしても可能性は無い。完全に頭を越すか、右方向に打つかだ」
マルコ「流し打ちか……」
ジャン「お前ならできるさ、頼むぜ!」
-----------------------
マルコ カンッ!
エレン「……っ!」
コニー「ライト前ヒット!」
ジャン「さすがだ、マルコ!」
アルミン(少し甘く入っちゃったか……)
0アウト ランナー一塁 打者ユミル
ユミル「はあ、めんどくせえな。なんで私が野球なんて…」
クリスタ「ユミル、がんばってね!」
ユミル「あ、ああ、がんばるよ」
アルミン(流れが向こうに行きかけてる…併殺に取れれば最高なんだけど)
-------------------
エレン「ぅんっ!」ビュッ
ユミル カチンッ
ユミル「ちっ!」
コニー「ああ、引っ掛けちまった」
ジャン「いや、でもこれなら……」
ライナー(くそっ、バウンドが高い!セカンドは間に合わねえか…!)シュッ
パシッ
ファーストアウト!
アルミン(引っ掛けさせ過ぎちゃったか……)
ジャン「進塁打だ、上出来だぜ」
ユミル「ちぇっ、きたねえぜ、エレンの奴。球を曲げてきやがった」
コニー「え、あいつ変化球なんて投げられたか?」
ジャン「……!そういえば………次はフランツだったな、ちょっといいか」
1アウト ランナー二塁 打者フランツ
アルミン(でも、やっぱりだ。エレンは力むと球がシュートする)
アルミン(それに、エレンに意識して力ませれば、鋭く変化してくれる)
アルミン(うまく利用すれば投球の幅を広げられるかもしれない…!)
エレン(どうする…得点圏に進まれちゃったぞ。勝ち越されるわけにはいかねえ……!)
アルミン(大丈夫だ、とにかく力いっぱい投げれば内野ゴロに打ち取れるよ)
フランツ(エレンが声を出して投げたときはシュートか……)
-----------------------
エレン「っら!」ビュッ
ボール クイッ
フランツ(きた!)カンッ
アルミン(……!)
コニー「詰まってるけどセカンドの上だ、際どいぞ!」
ナック「くぅっ!」ノビッ
コニー「届かない、ライト前だ!」
ジャン「マルコ、走れ!ホームまで行ける!!」
マルコ ダダダッ
ミカサ「ミーナ、中継!!」
ナック「ミカサ!?なんでこんなところまで!?!?」
ミーナ「ミカサ!」ヒュッ
エレン「マルコが三塁を蹴った!急いでくれ!」
ミカサ パシッ ビュンッ
ギュオッ
アルミン「ひっ!」ズドンッ
マルコ「!!」
アルミン「……」タッチ
アウトー!
ユミル「マジかよ……」
マルコ「ごめん、みんな……」
ジャン「お前は何も悪くねえよ……」
コニー「ミカサの奴、縦横無尽だな……」
2アウト ランナー一塁 打者ハンナ
ハンナ「ていっ」ブンッ
ストライク!バッターアウト!チェンジ!
ライナー「無失点で抑えられたな」
エレン「ああ、なんだか皆に助けられてばかりだけどな」
ミカサ「いいの、エレン……これ以上あなたに失点はさせない」
アルミン(フランツはエレンのシュートに対応してきた……)
アルミン(早くもエレンの癖がバレているみたいだ……気付くとすればジャンしかいない…)
ライナー「相手の流れを断ち切ることはできた。ここで得点しようぜ」
ミカサ「次は9番のミーナから。一人でも出てくれれば、私まで打順が回る」
ライナー「ランナーを置いてミカサに回せば、もう点が入ったようなもんだ」
ミーナ「そうね…私がんばる!」
サシャ「ご飯のためですからね!」
三回表 エ1-1ジ
0アウト ランナーなし 打者ミーナ
ジャン「この回は何としても三者凡退で終わらせなきゃならねえ」
ベルトルト「ミカサまで回っちゃうからね」
ジャン「注意すべきはあの芋女だけだ。アルミンもランナーがいなけりゃ策の弄しようがない」
コニー「おう、締まってこうぜ!」
-----------------
ミーナ「えいっ」コッ
ジャン(よし、まずはピッチャーゴロ)パシッ シュッ
バシッ!
アウト!
ミーナ「ごめんなさい……」シュン
エレン「そんなに落ち込むことねえよ」
ライナー「カーブをバットに当てただけでも、たいしたもんだ」
トーマス「頼むぜ、サシャ!」
サシャ「任せてください!」
1アウト ランナーなし 打者サシャ
ジャン(きたか……)
マルコ(さっきはストレートのあとのカーブにうまく合わせられた)
マルコ(でも、緩い球のあとの速球には合わせられないかもしれない)
ジャン(初球のカーブを打たれちゃ台無しだ。外角に逃げるようにいく)
ジャン ヒュッ
サシャ「うわっ」スカッ
ストライク!
サシャ「ジャン、その曲がるヤツずるいですよ!」プンスコ
ジャン「変化球に向かってずるいも糞もないだろ」
ジャン(大体、さっきそれを打ったじゃねえか…)
マルコ(でも、カーブに惑わされている証拠だ。案外簡単に打ち取れるかもしれない)
ジャン(次はまっすぐだな、内角にいくぜ)
ジャン ビュッ
サシャ カーン!
ジャン「え」
エレン「サードの頭上だ!」
ライナー「抜ければ長打になるぞ!!」
アニ「…ふっ!」ジャンプッ バシッ
アウトー!
サシャ「そんな……」ガクッ
ジャン「アニ、助かった」
アニ「何てことないよ」
マルコ(あれだけ惑わされていたカーブのあとに、内角ストレートを引っ張るなんて…サシャの打撃は全く読めない……)
2アウト ランナーなし 打者アルミン
アルミン(サシャが打ち取られてしまった……ここはなんとしても僕が出塁しないと……)
ジャン(よし、純粋に打者としてはアルミンはそう怖くない。この回は乗り切ったようなもんだ)
マルコ(油断はよくないよ。アルミンをしっかり打ち取るまで、気を抜かないで)
ジャン(わかってるよ)
--------------------
アルミン カンッ
ファール
ジャン(くそっ、やたらと粘りやがる……!アルミンの奴、こんなこともできたのか)
マルコ(もうフルカウントだ。僕らも後がない)
ジャン(アルミンにフォアボールなんか出してたまるかよ…)
ジャン(こうなったらアレを解禁するしかねえか……)
マルコ(アレを!?まだ三回だよ……!)
ジャン(仕方ねえよ。それに、新しい球種は考えるバッターに対して出した方が効果的だ)
マルコ(……わかった)
ジャン ビュッ
アルミン(コースが甘い、これなら僕でも打てる…!)
ボール クッ
アルミン(手元で動いた!?)カッ
ジャン「ベルトルト!」
ベルトルト パシッ シュッ
バシッ
アウト!チェンジ!
エレン「ああ、ショートゴロだ……!」
ライナー「アルミンもあいつなりに、粘って塁に出ようとしてくれたんだ。落ち込んでねえで、励ましてやろうぜ」
アルミン(今のボールは……)
ジャン「ツーシームだ」
アルミン「!」
ジャン「手元で動いただろ、今のボールがそれだ」
アルミン「今まで隠してたんだね…」
ジャン「ああ、取っておきだったんだけどな。あれだけ粘られちゃ、仕方ねえさ」スタスタ
マルコ「バラしちゃってよかったのかい?」
ジャン「いいんだよ、どうせあいつにはわかっちまう。」
アルミン「すまない、ミカサ。なんとか塁に出たかったんだけど……」
ミカサ「気にしないで。ランナーがいなくても点は取れる」
ライナー(頼もしいセリフだな……4番の俺が霞むほどに)
エレン「そうだぞ、アルミン。お前なりによくがんばったぜ。それに、まだまだチャンスはあるんだ」
アルミン「みんな、ありがとう。……そうだ、エレン………………」
三回裏まで終わらせたかったけど、今日はここまで
続きはまた明日に
三回裏 エ1-1ジ
0アウト ランナーなし 打者クリスタ
クリスタ「私からかあ…緊張するな……」
トーマス(バッターボックスに立つ姿も可愛らしい……)
アルミン(天使……)
ライナー(結婚したい……)
エレン(アルミン?)
アルミン(…………いや、なんでもないよ。それよりさっき言ったこと、気を付けて)
エレン(ふんばって声を出さないようにだよな、わかった)
------------------------------
クリスタ「んんっ!」カッ
エレン「よし、打ち取った!ライナー!」
ライナー(女神の打球が俺の方に……!)パシッ シュッ
トーマス「ちょ、ライナーどこ投げて……!」
ヒューン
ライナー「」
コニー「ラッキー!ライナーの悪送球だ!」
ベルトルト(ライナー……)
ジャン(気持ちは分かるぜ…動揺しても仕方ねえ……)
アニ「何やってんだか」
ライナー「エレン、すまん………」
ミカサ「ライナー、どいていて。あとは私がサードも守る」
エレン「無茶言うなよ…。ライナー、気にすんな。誰だってミスくらいするさ」
ライナー「そう言ってくれると助かる……」
エレン「さっ、気を取り直していこうぜ」
アルミン(次はコニー……)
コニー「今度こそ打つぜー」ブンブンッ
ジャン「コニー、ちなみにだが、バントはできるか?」ヒソヒソ
コニー「バント?いや、まるでできねえ」
ジャン「そうか……」
0アウト ランナー一塁 打者コニー
エレン(クリスタが一塁にいる。併殺を狙いたいところだな)
アルミン(いや、コニーは俊足だ。セカンドをフォースアウトにできても、ファーストが間に合わない可能性が高い)
アルミン(そうするとランナーにコニーが残ってしまう。それは厄介だ)
アルミン(さっきと同じように、高い球でフライを打たせよう)
エレン(全く同じ手が通用するか?)
アルミン(通用するさ、なんたって相手はコニーだ)
エレン(……?まあ、アルミンが言うならそうなんだろうな)
エレン ビュッ
コニー「おらっ!」ブンッ
ストライク!
ジャン「コニー、高い球は釣り球だ!しっかり打てる球だけ振っていけ!」
コニー「おう!」
アルミン(………。エレン、次は高めにストライクを入れる)
エレン(絶好球じゃねえか、大丈夫なのか!?)
アルミン(僕を信じて……)
エレン ビュッ
スパンッ
ストライク!
ジャン「今のは打てる球だぞ!」
コニー「え、マジかよ」
アルミン(よし、コニーは混乱してる。次にもう一回、高く外して……)
コニー カッ
コニー「あ」
フラフラ
エレン パシッ
アウト!
コニー「おっかしいなあ」
ベルトルト(コニーとアルミンじゃ相性が悪すぎる……)
1アウト ランナー一塁 打者ジャン
ジャン(2アウトになるが、バントしてチャンスでクリーンナップに回すのも手だ)
ジャン(だが、ヒッティングでいく自信がないわけじゃねえ……)
エレン(こいつにだけは、打たれるわけにいかねえ)
アルミン(エレン、ジャン相手だからって力んだらダメだ。力を入れれば良い球が投げられるってわけじゃない)
エレン(ああ。まずは内角か……)
スパンッ
ストライク!
アルミン(バントはしてこない…ヒットを打つつもりなら、ミカサを避けて……)
ジャン(ミカサを避けて、外野まで飛ばすか右打ちだ……俺の狙いは…)
アルミン(つまり、ジャンは高めや外角の球を狙ってくるはずだ)
エレン(ってことは、さっきと同じところを続ければいいんだな)
アルミン(そんな単調に攻めても打たれちゃうよ。でも、もう一球内角にいってもいいだろう)
スパンッ!
ボール!
ジャン(やっぱり、内角から攻めてくるか……)
スパンッ!
ボール!
ジャン(外角に外してきた……次はストライクを取りにくるだろうが……)
ジャン ブンッ
ストライク!
エレン(あぶねえ、ど真ん中行っちまったぜ……)
アルミン(空振りしてくれたのはラッキーだったね……)
ジャン(ちっ、クソ甘い球だったぜ……だが俺の狙いは失投なんかじゃねえ…)
アルミン(カウントはツーツー、この一球で決めよう)
アルミン(全力で、渾身の力を込めて投げるんだ)
エレン(よしっ!)
アルミン(ジャンはエレンの癖に気付いてた。でも、それはもう修正済みだ)
アルミン(ストレートと思って振っていった所にシュートが来れば、詰まらせて打ち取れる…!)
エレン「ッ!」ビュッ
ジャン(エレンはシュートを投げるときに声が出る癖がある)
ジャン(俺たちがそれに気付いたことを、アルミンならきっと察知している。すでに癖も修正させているはずだ)
ジャン(だからこそ、勝負球として必ずシュートを放ってくる!)
ボール クイッ
ジャン(俺の狙いは…その分かりきったシュートを外野までぶっ飛ばしてやることだ!!)
ジャン カーン!
エレン「なっ……!」
アルミン「そんな!」
マルコ「レフトの左!抜けていった!!」
ジャン「クリスタ、三塁まで走れ!」ダダダッ
クリスタ「うんっ!」タタタッ
ミカサ「中継、早く!!」
ミリウス「ちくしょう!」シュッ
ユミル「クリスタ、三塁ストップだ!」
ミカサ パシッ
ジャン ズザー
ミカサ「っ……」
コニー「やったぜ、ツーベース!!!」
マルコ「さすがだ、ジャン!!」
ジャン(どうだ!あのアルミンに読み勝ったんだぜ、ミカサ!!)チラッ
ミカサ「エレン、大丈夫?」タッタッタッ
ジャン「……」
コニー「あれ、ジャンの奴、どうして打ったのになんか悲壮感漂ってるんだ?」
マルコ「理由が分からないのはコニーくらいだよ……」
ベルトルト(ジャン…君は本当に報われない男だ……)
ミカサ「エレン……」
エレン「」
アルミン「ごめん、僕がジャンを甘くみていたよ……」
トーマス「ジャンに打たれたことが余程堪えたみたいだな……」
ライナー「まだ点が入ったわけじゃないんだ、後続をしっかり抑えよう」
エレン「そうだな……俺がこんなんじゃまた打たれちまう」
ライナー「その意気だ、俺もさっきみたいなヘマはもうしない」
ナック「ああ、絶対にこの回、切り抜けようぜ!」
1アウト ランナー二三塁 打者アニ
アルミン(アニか……結局さっきの打席ではなにも分からなかった)
アルミン(一塁は空いている……でも次はベルトルトだ、安易に満塁策はとれない……)
アルミン(前の打席で、アニは一度もバットを振ってないんだ…初球は思い切って入れていこう…!)
スパンッ!
ボール!
エレン「ちっ……」
アルミン(安定しかけていたコントロールがまた乱れてる)
アルミン(最悪フォアボールでもいいけど、その後どうするか……)
アニ「……」ジッ
エレン(……。なんだよ……)
アニ「私に打たれるのが、そんなに怖いかい」
エレン(……っ!)
エレン「……そんなことねえよ」
アニ「ならいい加減、ストライクに入れなよ」
アルミン(エレン、乱されないで……!)
アルミン(ここで簡単にストライクを投げるのは危険だ!)
エレン(……ああ)
エレン ビュッ
アルミン(ダメだ、球が上ずってる……!!)
アニ パカン!
コニー「左中間へのライナーだ!」
ミカサ「くっ……!」バッ
ベルトルト「ミカサが跳んだ!!」
マルコ「まさか、あれに届くのか!?」
ヒューン
コニー「よっしゃ、さすがに届かねえ!」
クリスタ タタタッ タンッ
ユミル「おかえり、クリスタ」
クリスタ「やった、勝ち越し!」
サシャ「あああ、私のパンが、パンがああああ!!!」ダダダッ
コニー「ははっ、打球が速いからどこまでも転がってくぜ!!」
ジャン「これで2点差!」ズザー
ミカサ「サシャ、返球急いで!!」
サシャ「わかってますよ!」
アニ ダダダダッ
クリスタ「えっ!?」
コニー「アニの奴、三塁まで蹴りやがった!?」
アルミン(まさか…一気にホームまで還って来るつもりだ……!)
ライナー「アルミン、下がれ!俺が止める!!」
アルミン「ライナー!」
アニ ダダダダッ
ミカサ「調子に…乗るな!」ビュンッ
ライナー バシッ
アニ ダダッ ドゴォ!
ライナー「ぐはっ…!」ドサッ
アニ ザザー
エレン「……っ」
ミカサ「……」
ジャン「……」
マルコ「……」
コニー「……」
ベルトルト「……」
アルミン「…………ライナー、ボールは……?」
ライナー「へっ……こぼすわけ…ねえだろ……」
アウトー!
トーマス「ライナー……お前は最期まで勇敢な戦士だったぜ…」
アルミン「ごめんよ……僕が頼りないばかりに……」
ミカサ「ライナーの犠牲を無駄にするわけにはいかない……」
ライナー「勝手に殺すなよ」
エレン「ライナー、こんな体張らせて悪い……」
ライナー「平気だ、このくらい」
ライナー「俺だってエラーで足引っ張っちまったんだ。そんな暗くなるなよ」
エレン「でも2点勝ち越されちまった」
アルミン「大丈夫だよ、こっちだって中軸には少なくともあと3回回るんだ。2点差なら、必ずひっくり返せる」
ライナー「そうだ。だからこうまでして4点目を阻止したんだ」
エレン「これ以上点を入れられなきゃ、そうだろうな…」
エレン(くそっ、くそっ…!!俺が打たれるからいけねえんだ……)
エレン(もっと…絶対に打てやしないような球を投げねえと……!!)
ミカサ「…エレン、いったん投手を代わろう」
エレン「……!ダメだ!!俺が打たれちまったんだ、俺が抑えて責任をとる!!」
ミカサ「エレンは冷静になれていない」
ミカサ「私が投げている間に気持ちを落ち着けて、それからまた最高の投球をしてくれたらいい」
ミカサ「その状態では、きっと良い結果は生まれない。私はエレンを守りたいから…」
エレン「……」
アルミン「ミカサ……」
ミカサ「それに、エレンと私は一心同体。私が投げても、エレンが投げているのと同じ」
エレン「…その理屈はよくわからねえが……確かに、こんな興奮して投げ続けてもチームに迷惑をかけちまう」
ライナー「そういうことなら、キャッチャーも交代しないといけねえな。俺がやる」
アルミン「ライナー」
ライナー「アルミン、お前じゃあミカサの球を受けるのは辛いだろう」
ライナー「それに、ミカサにキャッチャーのリードは必要なさそうだしな」
アルミン「そうだね…頼むよ」
エレン「…それじゃ、守備位置を交代して再開だ。ミカサ、頼むぜ」
ミカサ「うん」
守備変更:
エレン .投→遊
アルミン 捕→二
ナック 二→三
ライナー .三→捕
ミカサ 遊→投
三回裏 エ1-3ジ
2アウト ランナーなし 打者ベルトルト
マルコ「ミカサがピッチャー!?」
ジャン「まずいぞ…正直この2点をこのまま守り切る自信はねえ……」
コニー「そんなこと言うなよ、それにミカサを全く打てないと決まったわけじゃ…」
ズバンッ!
ストライク!
ベルトルト「」
ジャン・コニー「……」
ベルトルト ブンッ
ストライク!バッターアウト!チェンジ!
ライナー(これはなかなか堪えるぜ……)ジンジン
マルコ「ミカサが登板とは、予想外の展開になったね……」
コニー「ベルトルト…ミカサの球はどうだった」
ベルトルト「正直、いきなりあのスピードについていくのは厳しいと思う」
ベルトルト「ただ、ストレートしかないみたいだし、コントロールもあまり良くない。逆にそれが怖いんだけど…」
ジャン「やべえな……」
アニ「どうかな、そう長くは持たないと思うよ」
コニー「…!何か攻略法があるのか!?」
アニ「そうじゃない…ただ、キャッチャーの体が続かないってこと」
ベルトルト「確かに…長くあの球を受け続けたら、いくらライナーでも手が無事じゃ済まない…」
コニー「他にミカサの球を受けれそうな奴もいないしな」
マルコ「それに、ミカサがエレンの面子を潰すようなことはしないはずだ…必ずまたエレンがマウンドに立つ」
ジャン「…気に入らねえがその通りだ。点を取るチャンスはまだ終盤にある」
ジャン「とにかく、それまでなるべく失点を少なくすることを考えよう」
進行が遅くて申し訳ない、今日はここまで
明日は書けるかどうか分からんから、あさってになるかも
四回表 エ1-3ジ
0アウト ランナーなし 打者ミカサ
ミカサ(エレン、すぐに私が、取り返してあげる…)
ジャン(ミカサでアウトを取ろうとは言わねえ、被害を最小限に抑えるんだ)
マルコ(ストレートが通用しないことは、さっきの打席でわかってる。カーブかツーシーム…)
ジャン(カーブは、打ち気に逸ってくれれば引っ掛けることができる。合わせられたら仕舞いだけどな)
ジャン(ツーシームは、芯を外すことはできるが、ミカサならヒットにしちまうだろう…)
マルコ(ミカサとは、この後もまだ勝負しなければいけないんだ。一つずつ試していくしかない)
ジャン(ちげえねえ。あとは不用意にストライクに入れないことだ)
マルコ(じゃあ、まずはカーブだ)
ミカサ カーン!
ジャン「」(諦めの表情)
トーマス「三塁線!」
フェア!フェア!
アルミン「アニが反応できないくらい、打球が速い!!」
ミカサ ダダダッ
ユミル「なんだよ、こっちばっかり!」パシッ シュッ
アニ パシッ
ミカサ ザー
マルコ(ツーベースか…)
ジャン(確かに引っ掛けたように見えたんだがな…)
ミカサ「…打ち損じた……っ!」ギリッ
クリスタ「え!?」
0アウト ランナー二塁 打者ライナー
アルミン「エレン」
エレン「なんだよ、あんまり難しい指示されても困るぞ」
アルミン「そんなんじゃないよ。…………」
ライナー「さあ、今度はちゃんと勝負してもらおうか」
ジャン(また敬遠で一塁を埋めるのも手だが、アルミンがエレンに何か吹き込んでやがる……)
マルコ(なにか作戦があるのかも…不用意にランナーは溜めたくない…)
ジャン(勝負するしかねえか)
マルコ(普通なら、右方向を狙って最低でもランナーを進めにくるところだけど)
マルコ(ライナーくらいパワーがあったら、長打狙いも十分有りうる…)
ジャン(被害が少ない方をとろう、外角で攻める。もし長打を狙って引っ掛けてくれれば儲けだ)
マルコ(オッケー。まずは、内角高めのボールゾーンにストレートだ)
マルコ(仰け反らせて、外角に手を出しにくくする)
ジャン ビュッ
スパンッ!
ボール!
ライナー(内角高めで仰け反らせたつもりなんだろうが…)
ライナー(日頃から痛い目に遭うのは慣れっこだ。この程度でビビッたりしないぜ)
マルコ(次は外角…)
ジャン ビュッ
ライナー カーン!
ジャン(普通に踏み込んできた!)
ミリウス「ライト前ヒット!」
ハンナ パシッ
サシャ「ミカサ、三塁ストップです!」バッバッ
ライナー「ちっ、当たりが良すぎて還せなかったか…」
ジャン(もう少し角度が付いてたらヤバかったぜ…)
0アウト ランナー一三塁 打者エレン
ジャン(まあいい、ミカサとライナーでまだ無失点だ)
エレン「……」ブンッブンッ
ジャン(こいつはちょっと煽ればすぐに頭に血が上る。ちょろいぜ)
ジャン「おーおー、3回途中でノックアウトとはずいぶん情けないじゃねえか、死に急ぎ野郎」
エレン「……」
ジャン(挑発に乗ってこねえ?どうなってんだ…)
マルコ(アルミンの忠告のおかげなのかな…言われて抑えられるような性格じゃないと思うけど……)
ジャン(事実、さっきの打席ではアルミンの声なんてまったく届いてなかった…気味悪いぜ)
ジャン(……まあ別に構わねえ、こいつは死に急ぎで打ち急ぎ野郎だ。ストレートしか頭にない)
ジャン(初球からカーブでいくぜ)
----------------------
エレン『なんだ、これ?』
アルミン『耳栓だよ。打席ではこれを付けておいて』
エレン『こんなもの、別に必要ないだろ』
アルミン『…これを付けると集中力が上がるんだ。きっと結果につながる』
エレン『そうなのか?…まあ、わかったよ』
アルミン『あと、ジャンはきっとエレンには初球カーブを投げてくる。それを狙っていって』
----------------------
エレン(確かに、これは集中できるな)
エレン(で、初球のカーブを狙い打ちだな…)
ジャン ヒュッ
エレン カーン!
ジャン「なっ、エレンがカーブを!?」
ナック「センター深いぞ!」
コニー「デカいけど、これならなんとか追い着けそうだ…っ!」ダダダッ
コニー パシッ
アウト!
ミカサ ダッ
ミリウス「捕られちまったか、でも犠牲フライには十分だ!」
ミカサ タンッ
トーマス「よし、まずは一点返したぜ、ミカサ!」
ミカサ「ええ」
エレン「ちぇっ、やっぱコニーは足速いぜ…」
ミカサ「エレン、あなたのおかげで私は還ってこられた、運命的な何かを感じる。いや、分かりきっていたことだけれど、これで確信した。大丈夫、心配しないで。家事は一通り私ができるし、夜のことも、その、これから…」
エレン「……」スタスタ
ミカサ(エ、エレンが無視…っ!?)ガーン
ミリウス「ナイスバッティングだったぜ」
エレン「……」
アルミン「エレン、耳栓付けっぱなしだよ」チョイチョイ
エレン「…。ああ、そうだった」スポッ
四回表 エ2-3ジ
1アウト ランナー一塁 打者トーマス
ジャン(くそっ…いや、一点は始めから覚悟してたじゃねえか。無失点で済むかもなんて夢見ちまってたが、まだ想定内だ…)
マルコ(ジャン、ここから下位打線だ。舐めていいわけじゃないけど、クリーンナップに比べたら怖さは少ない)
マルコ(これまで通りの投球ができれば、抑えられる。気持ちに余裕を持って)
-------------------
トーマス コツッ
ジャン(ちっ、送りにきたか)ダッ
シュッ
バシッ
ファーストアウト!
マルコ(予想はできてた。これでツーアウトだ。次のバッターをしっかり打ち取ろう)
ジャン(ああ…)
2アウト ランナー二塁 打者ミリウス
---------------------
ミリウス カンッ!
ベルトルト パシッ ビュッ
バシッ
アウト!チェンジ!
トーマス「ドンマイ、当たりは良かったぜ」
ミリウス「ああ…続きたかったんだけどな」
サシャ「ミカサ、ピッチャーがんばってくださいね…!」
サシャ「夜ご飯を取り上げられたら、私はリスクを冒して食糧庫に忍び込むことを余儀なくされてしまいます…!」
アルミン(どうあってもメシには有り付くつもりなんだ)
ミカサ「うん…」
短いけど今日はここまで
配球とか未熟なところがあるかもしれんがある程度は見逃してやってくれ
楽しみにしてますぜ、旦那ァ!
>>109
ありがとう、励みになる
一日空いちゃったけど、とりあえず書いてく
四回裏 エ2-3ジ
0アウト ランナーなし 打者マルコ
ミカサ(エレンに無視をされた………何か怒らせてしまったのだろうか……)
ズバンッ!
ボール!
ミカサ(投手交代に納得していないの…?いや、そんなことはなかった……)
ズバンッ!
ボール!
ミカサ(交代はエレンのため…今日のエレンは球が走っていなかった……)
ズバンッ!
ストライク!
ミカサ(一度気持ちを落ち着ける必要があることは、エレン自身もわかってる…)
ズバンッ!
ボール!
ミカサ(……いけない、投球に集中しなければ……)
------------------------
ズバンッ!
ストライク!バッターアウト!
ジャン「もう少しでフォアボールだったな」
マルコ「ああ、思った以上に荒れ球みたいだ」
マルコ「下手に打ちにいかずに、球数を投げさせてライナーを消耗させたほうがいい」
ユミル「面白くない作戦だな…」
1アウト ランナーなし 打者ユミル
ズバンッ!
ボール!フォアボール!
ミカサ(集中…集中…………でもどうしてエレンは……)
1アウト ランナー一塁 打者フランツ
ズバンッ!
ストライク!バッターアウト!
2アウト ランナー一塁 打者ハンナ
ハンナ「ひぃっ!」
ズバンッ!
ストライク!バッターアウト!チェンジ!
ミカサ「……」スタスタ
ジャン「少し立て直したか…」
マルコ「でもまだ球は荒れてる。どこかに付け込む隙があるかもしれない」
五回表 エ2-3ジ
0アウト ランナーなし 打者ナック
ジャン(下位打線からだ。無駄な失点は致命傷になる…この回は必ず抑える)
------------------
ナック カン!
トーマス「いい当たりだ!」
アニ パシッ
アウトー!
ライナー「ああ、真正面だったか」
ジャン「あぶねえ、甘くなっちまったな…」
1アウト ランナーなし 打者ミーナ
ミーナ カンッ
フワー
フランツ パシッ
アウト!
ジャン(ファールフライ、これでツーアウト…)
2アウト ランナーなし 打者サシャ
サシャ「さあ、かかってきなさい!」ホームランヨコクシャキーン
ジャン(気分的に一番厄介なバッターだぜ…)
マルコ(ツーアウトランナーなしだ。少しくらい気分を楽にしよう)
ジャン(ああ、そうだな)
マルコ(恐らくサシャにはどんな配球も通用しない。来た球に本能で反応してくる)
ジャン(色々考えても無駄ってことか…もうツーシーム一辺倒でいいだろ、芯を外して打たせて取ろうぜ)
ジャン ビュッ
ボール クッ
サシャ カーン!
ユミル バシッ
アウトー!チェンジ!
ミリウス「レフトライナーか…!」
エレン「当たりはすげえ良かったのになあ…」
マルコ「…真芯で捉えられたね」
ジャン「もうあいつ訳わかんねえよ」
ライナー「エレン、気分は落ち着いてきたか?」
エレン「ああ。ミカサのピッチャーも安心して見てられるし」
ライナー「さっさとマウンドに向かっちまったし、案外ミカサも楽しんでるのかもな」
ミカサ(結局エレンに話しかけられなかった…自分で考えても分からない、なぜ無視されたのか…)
エレン「それより、手の平赤いけど大丈夫か?」
ライナー「平気だ。俺のことなんか気にしてないで、とりあえず守備しっかり頼むぜ」
エレン「あんまり出番なさそうだけどな」
五回裏 エ2-3ジ
0アウト ランナーなし 打者クリスタ
--------------
ズバンッ!
ボール!
ジャン「またフルカウントか」
マルコ「なかなか制球が定まらないみたいだね」
ライナー(あまり球数が嵩むと辛いんだがな…ただ)
クリスタ「ミカサの球、怖いなあ…」
ライナー(この位置からだと観察し放題じゃないか…!)
ズバンッ!
ストライク!バッターアウト!
マルコ「うーん、なんだかんだ最後は決めてくるからさすがだ」
コニー「次は俺か。速球打ちは得意だぜ!」
ジャン「おい、作戦把握してないだろ」
1アウト ランナーなし 打者コニー
ミカサ ビュン!
コニー カン!
ユミル「あいつ、初球から打ちやがった!」
マルコ「しかもヒットだ!」
コニー「へへっ、やっと打ったぜ!しかもミカサから!」ガッツポ
フランツ「やっぱり作戦を分かってなかったな…ヒットだからいいけど」
1アウト ランナー一塁 打者ジャン
ジャン(なんとか塁に出たい…アニやベルトルトなら、あるいは打てるかもしれねえ)
ミカサ ビュン!
ボコォ
ジャン「ぐえ」バタン
デッドボール!
ライナー「お、おい、大丈夫か?脇腹にもろに入ったが…」
ジャン「おうよ……この程度でくたばるようなタマじゃねえぜ」ズルズル
ライナー「立ち上がれてないじゃねえか」
ミカサ「ジャン、申し訳ない」
ジャン「…!だ、大丈夫だ。なんともねえよ、これくらい」スクッ スタスタ
ライナー「分かりやすい奴だな…」
ミカサ「……はぁ…」
アルミン「……」
1アウト ランナー一二塁 打者アニ
アニ「……」
ミカサ(私がエレンの足を引っ張る訳にはいかない…ただでさえ怒らせてしまっているみたいなのに)
ミカサ(相手がアニなら尚更…絶対に打ち取る…!)
ミカサ ビュン!
アニ コツッ
ミカサ「!!」
マルコ「アニが送りバント!?」
ユミル「まさかあいつが…!」
ミカサ「くっ、この…!」ダッ
ライナー「ナック、ミカサに任せろ!ミカサ、ファーストでいい!」
ミカサ「ダメ、送らせない!」ビュッ
コニー ズザー
パシッ
セーフ!
コニー「よっしゃ、間に合った!」
フランツ「これで満塁だ!」
エレン「ミカサ、お前…」
ミカサ「大丈夫」
エレン「いや、一回落ち着いたほうが…」
ミカサ「絶対に点は取られないから。これ以上迷惑はかけないから」
アルミン「でも、なんだか様子がおかしいよ」
ミカサ「本当に大丈夫だから、守備に戻って」
エレン「…わかったよ、無理すんなよ」
アルミン「ミカサ…」
五回裏 エ2-3ジ■
1アウト ランナー満塁 打者ベルトルト
って場面で今日は終わり
中途半端で申し訳ない
きっと明日に続きを書く気がしないでもないかもしれない
1アウト ランナー満塁 打者ベルトルト
ベルトルト(満塁で僕に回ってくるか…)
ベルトルト(普段目立たないようにしている僕を、ジャンは能力を認めて4番に据えてくれた)
マルコ「ベルトルト、なんとか打ってくれ!」
ユミル「決めちまえ、ベルトルさん!」
クリスタ「きっと打てるよ、がんばって!」
ベルトルト(みんなにも期待されている…悪くない気分だ)
ベルトルト(ミカサの球は前の打席でしっかり見た。きっと打てる…!)
ミカサ ビュン!
ベルトルト カン!
ミカサ「……!!」
ユミル「センター前だ!落ちるか!?」
サシャ「うぐぅぅ、これ以上点を取られるわけには…!」ダダダッ
アルミン「サシャ、無茶しないで!確実に止めるんだ!!」
サシャ バッ ザザー
フランツ「飛び込んだぞ!」
ハンナ「ボールは?」
ミリウス「あの馬鹿…っ!」ダダダッ
マルコ「逸れてる!!まわって、まわって!!!」
コニー「芋女様様だな!」タタッ タンッ
マルコ「いや、そこはベルトルトを褒めようよ」
ミリウス「くそっ、あんな林の手前まで…!」ダダダッ
ジャン「さすがベルトルトだ、やってくれたぜ」タタッ タンッ
コニー「向こうはまだボールまで辿り着けてねえぞ!」
アニ「ふう…」タタッ タンッ
ジャン「おうアニ、バントナイスだったぜ」
アニ「どうも」
エレン「ミリウス、中継!!」
ミリウス「でも…これ…!」パシッ ビュッ
マルコ「ベルトルト、還ってこれる!走って!!」
ベルトルト ダダダッ
ベルトルト ズザー
ベルトルト「っしゃあ!!!」パァン!
ライナー(こいつこんなキャラだったか!?)ビクッ
マルコ「やったよ、ベルトルト!!満塁ランニングホームランだ!!」
コニー「お前輝いてるぜ!!」
ベルトルト「みんなが期待してくれたおかげだよ」
ジャン「だから言ったろ、このチームの4番はお前しかいないって」
ワーワー
ミカサ「…………」
アルミン「ミ、ミカサ、目が虚ろだよ!しっかりして!」
ミカサ「……打たれてしまった。エレンに合わせる顔がない……」
アルミン「エレンはそんなことでミカサを怒ったりしないさ、元気出して」
ライナー「少なくとも俺達はミカサを責める気なんて全くない。サシャのこともだ」
ライナー「エレンだって同じさ。それとも、そんな器が小さい奴だと思うのか?」
ミカサ「そんなことない…!…だけど……」
アルミン「さっきから、少し様子がおかしいと思ってたんだ。何かあったの?」
ミカサ「…………」
サシャ「……ぐすっ」
エレン「いつまでも寝そべってたってしょうがないだろ?ほら、立てって」
サシャ「うわあぁぁ、ごめんださいぃいいぃぃ!!!私のせいでぇぇぇ!!!」ガバッ
エレン「うわっ!サシャのせいとかじゃないから、泣きながらしがみつくなよ」
ミーナ「そうだよ、サシャは必死にやっただけなんだから」
サシャ「うぐっ……でもこれで五点差です…。みんなのご飯も懸かってたのに…」グス
エレン「そんな負けが決まったみたいな言い方するなって、まだ取り返せる」
サシャ「ズズー…そうでしょうか…」
ミーナ「弱気にならないで。がんばろう!」
アルミン「おーい、エレン!」
エレン「あ、ミーナ、サシャは頼む」タタタッ
-------------------
エレン「……つまり、それで俺に無視されたと勘違いしてたのか」
ミカサ「ごめんなさい…それだけで取り乱してしまって……」
エレン「まったく、俺がミカサをわざと無視したりするわけないだろ」
エレン「まあ、気付かなかった俺も悪いけどさ」
ライナー「ともかく、誤解が解けてよかった。気持ちも落ち着いたか?」
ミカサ「ええ、迷惑をかけて申し訳なかった」
エレン「誰もそんな風に思ってねえよ」
アルミン「ミカサ、続投はできるかい?」
エレン「俺は、まあ、それなりに落ち着いたから代わってもいいけど」
ミカサ「もう少し投げさせて。このままで終われない」
ライナー「この感じなら大丈夫だろう。もうちょっとがんばってもらおうぜ」
ミカサ「エレン、一つお願いがある」
エレン「なんだ?」
ミカサ「試合が終わったら、その耳栓を私に譲ってほしい」
エレン「別にいいけど、終わったらでいいのか?今貸してもいいけど」
ミカサ「終わったらでいい。なるべくエレンが使い古したヤツを…」
エレン「??」
エレン「そっちは大丈夫か?」
ミリウス「ああ、なんとか落ち着いた」
サシャ「けほっ…すみません、ご迷惑をおかけしました」
ミーナ「ミカサも立ち直ったみたいだし、サシャも気を取り直して、ね!」ポン
サシャ「…はい!」
五回裏 エ2-7ジ
1アウト ランナーなし 打者マルコ
ズバァン!
ストライク!バッターアウト!
2アウト ランナーなし 打者ユミル
ズバァン!
ストライク!バッターアウト!チェンジ!
ユミル「ちぇっ!」
ジャン「二者連続で三球三振か」
マルコ「急にコントロールがよくなった。球威も増してる」
ジャン「まあ、五点もリードできたんだ。無理に打つことはねえさ」
アルミン「ライナー、手は平気かい?」
ライナー「思ったより球数がな…持ってあと一回ってとこか」ズキズキ
今日はここまで
書き溜めも尽きて時間もあまりとれないけど、
ちゃんと終わらせるつもりなのでお付き合いください
┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓
┃ ┃1 ┃2 ┃3 ┃4 ┃5 ┃6 ┃7 ┃8 ┃9 ┃計┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃エ┃1 ┃0 ┃0 ┃1 ┃0 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃2 ┃
┣━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━┫
┃ジ┃1 ┃0 ┃2 ┃0 ┃4 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃7 ┃
┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛
六回表 エ2-7ジ
0アウト ランナーなし 打者アルミン
アルミン(まずは僕が出塁しないと…)
-------------
アルミン カッ
ファール!
ジャン(くっそ、今ので8球目だぞ)
マルコ(フォアボールは避けたい…多少甘くなっても仕方ないから、確実にストライクを)
ジャン(…まあ、アルミンにならそこまで痛打は喰らわないだろう)
ジャン ビュッ
アルミン カンッ!
ライナー「一二塁間だ!」
クリスタ「ふっ!」ノビッ パシッ
シュッ
パシッ
アウトー!
アルミン(うう、打球に勢いが足りなかったか…)
アルミン(それにしても華麗な守備だった)
ジャン(天使が舞い降りたのかと思ったぜ)
アルミン トボトボ
エレン「ドンマイ、アルミン」
ミカサ「大丈夫、私とエレンで点は返す」
ライナー「俺は」
アルミン「うん、二人ともがんばって」
1アウト ランナーなし 打者ミカサ
ジャン(ミカサにはまだツーシームを投げてないが、さっきはカーブを引っ掛けといてツーベース
だったからな…)
マルコ(…まあ、投げてみないと分からないよ)
ジャン(そもそも、ミカサを打ち取ろうなんて考えてないけどな…)
ジャン ビュッ
ボール クッ
ミカサ カーン!
エレン「ピッチャー返しだ!」
ジャン「わっ!」バシン
トーマス「弾いた!」
ナック「よく反応したなアレ」
マルコ パシッ シュッ
バシッ
セーフ!
ミリウス「よし、内野安打!」
ジャン「死ぬかと思った…」
ミカサ「…また打ち損じてしまった……!」ギリリッ
フランツ「あの打球で!?」
1アウト ランナー一塁 打者ライナー
ジャン(…とにかく、ミカサが単打で済んだのは上々だ)
マルコ(ライナーは長打警戒だ。ここで点を入れられなければ、一点以内に抑えられる可能性がだ
いぶ高くなる)
----------------------
ジャン ビュッ
ライナー カンッ!
ファール
マルコ(外に逃げるカーブに喰らい付いてファールか。これでツーボールツーストライク)
マルコ(インハイの速球に差し込まれてくれれば…)
ジャン ビュッ
マルコ(だいぶ真ん中よりだ…!危ない!)
ライナー(もらった!)
ライナー カーン!
アニ バシッ
アウトー!
トーマス「んああっ、サードライナーか!」
ナック「三塁線抜けると思ったのにな…」
アルミン「ライナーがサードライナー…」ボソッ
エレン「……!」
ミリウス「……」
サシャ「アルミン、それ絶対ウケないからみんなあえて言わずにいたヤツですよ」
アルミン「えっ、そうなの!?」
ジャン(ふう、ちょっと危ねえ球になっちまったな)
マルコ(ライナーが打ち損じてくれたのは幸運だったね。いや、幸運というよりは…)
ライナー(ちっ、無理してキャッチャーをやったツケがこんなところに回ってくるとはな)ジンジン
マルコ(左手が痛んでバットコントロールが乱れていたんだ…この凡退は偶然じゃなく必然)
ジャン(へへっ、流れは完全にこっちだな)
2アウト ランナー一塁 打者エレン
エレン「……」
ジャン(こいつ、挑発が効かなくなっちまったからな…カーブも打ってきたし…)
マルコ(前の打席はたぶんアルミンの差し金だ、大丈夫)
------------
エレン カーン!
ジャン「くそっ!」
ナック「よし、センター前!」
マルコ(少しコントロールが乱れてきてるかな…)
2アウト ランナー一塁 打者エレン
エレン「……」
ジャン(こいつ、挑発が効かなくなっちまったからな…カーブも打ってきたし…)
マルコ(前の打席はたぶんアルミンの差し金だ、大丈夫)
------------
エレン カーン!
ジャン「くそっ!」
ナック「よし、センター前!」
マルコ(少しコントロールが乱れてきてるかな…)
ああ、連投しちまった
2アウト ランナー一二塁 打者トーマス
ジャン(得点圏か…しかし、今の五点リードはありがてえ。まだまだ気分には余裕がある)
マルコ(トーマスはまだカーブに対応しきれてなかった。緩急で惑わせれば、多少甘く入っても大丈夫なはず)
-----------------
トーマス カンッ!
ユミル パシッ
アウト!
チェンジ!
マルコ(レフトフライか。少しカーブに頼りすぎちゃったか、順応されてきてるな…)
コニー「ジャン、やるじゃねえか!あのクリーンナップ相手に無失点だぜ!」
ジャン「まあな、これでだいぶ勝ちに近づいた」
コニー「もうアイツらには一順しかないし、もう勝ったようなもんだろ!」
ジャン「油断すんのは、その最後の一順を抑えてからにしろよ」
六回裏 エ2-7ジ
ライナー「ミカサ、悪いがこの回が最後でいいか。俺の手の平がそろそろ限界でな…」
ミカサ「わかった」
ライナー「ああ、だが、遠慮せずに最後まで全力で投げ込んでくれて構わないからな」
ミカサ「もとよりそのつもりでいる」
ライナー「そ、そうか…」
ライナー「エレン、そういうことだが、いいか」
エレン「ああ、俺はもう大丈夫だからな」
----------------------
------------------
-------------
ズバァ!
ストライク!
バッターアウト!
チェンジ!
ミカサ「ふう…」スタスタ
ライナー(ミカサの奴、ホントに容赦ねえな…次の打席までにどれだけ回復するか…)ズキンズキン
ナック「三者連続三振か、とんでもねえな」
ミリウス「いや、さっきの回から続いてるから五者連続だ」
エレン「俺もミカサには負けてられねえな!」
ナック(大丈夫かな…)
トーマス「しかし、状況はだいぶ厳しいな…」
ミーナ「……もう、今日はご飯食べられないのかな…」
エレン「お前ら、まだ諦めんなよ。攻撃なら、まだあと3回あるだろ」
ライナー「そんなんじゃ、勝てるもんも勝てなくなっちまうぞ」
アルミン「0-5から九回表に六点取って逆転勝ちしたケースだってあるんだ。僕らにもまだまだ希望はあるよ」
サシャ「そもそも、そんなに簡単にご飯を諦めちゃいけませんよ!」
アルミン「とにかく、雑なバッティングにならないように気をつけて」
アルミン「散発的な攻撃では五点差は追いつけない。まずはランナーを溜めて、相手にプレッシャーを掛けていくんだ」
ミカサ「エレン」
エレン「どうした?」
ミカサ「実際に投げてみて、少しコツがわかった。エレンの投球フォームの欠点も」
エレン「ホントか!?どこが悪いんだ」
ミカサ「エレンは腕に力が入りすぎている。もっと、こう、腕の力を抜いて、腰の回転で腕を振りまわすようにした方が良い」クイックイッ
エレン「そうはいっても、いきなり言われて直せるもんじゃ…」
ミカサ「柵の裏で少し投球練習をしよう。相手の目にもつかない」
エレン「よし、じゃあちょっとみんなにも言っておく」
エレン「アルミン、ちょっと裏で投球練習してくるから、ミカサまで回りそうだったら呼んでやってくれないか」
アルミン「ミカサと投球練習を?」
エレン「コツを掴んだみたいだから教えてもらうんだ」
アルミン「だったら、別でキャッチャーもいたほうがよさそうだね。僕も行くよ」
トーマス「いや、俺が行くよ。打順も一番遠いし、アルミンはいつでも指示を出せるようにした方がいい」
エレン「そうだな、頼むトーマス」
スコアボードのAAぐちゃってたな
今日はここまで
七回表 エ2-7ジ
----------------------
------------------
-------------
ミーナ カンッ
アウト!
チェンジ!
ミリウス「結局、三者凡退か……」
ライナー「内容は悪くなかったぜ。いい当たりもあったしな」
ナック「エレンの練習時間ぐらいは稼げたかな…」
アルミン(サシャから始まる次の回が勝負だ…サシャが出て、ミカサとライナーに繋げられたら…)
トーマス「アルミン、借りてたミット」スッ
アルミン「ありがとう、練習どうだった?」
トーマス「バッチリだぜ!あれならミカサの後でも通用する、なっ!」
ミカサ「ええ、エレンは自信を持っていい」
エレン「そ、そんなにか?」
七回裏 エ2-7ジ
コニー「おっ、ミカサが降板したぞ!」
マルコ「守備位置も全部戻ったね」
ジャン「アニやマルコの言った通り、一時的な交代だったな。ミカサの後じゃあ、死に急ぎ野郎の棒球なんて楽勝だぜ」
アニ「さっさと試合を終わらせたいんだけど」
ジャン「点が入るに越したことねえだろ。真面目に打ってくれよ」
0アウト ランナーなし 打者コニー
アルミン(あの短時間の練習で、エレンの球がどれだけ変わったんだろうか)
アルミン(ミカサとトーマスはああ言ってたけど……)
エレン ビュッ
コニー ブンッ
アルミン パンッ
アルミン(あっ…)
-------------------
トーマス『あっ…逸らしちまった』タッタッタッ
エレン『悪い、ちょっと高かったか』
ミカサ『捕れないほどではなかった。トーマスがキャッチングになれてないだけ』
ミカサ『今の感じはとても良かった。エレンは飲み込みが早い』
エレン『確かに、ミカサの言うとおりにしたらボールが最後まで指にかかる感じがするし、球筋も良くなった気がするな』
トーマス『今の球、キレがすげえぞ。ちょっとミカサもこっち側で見てみなよ』
--------------------
コニー ブンッ
ストライク!
バッターアウト!
コニー「あーっ、何で当たんねえんだ!?」
ジャン「ちゃんとよくボールを見ろよ」
コニー「見てるよ。何かヘンなんだって」
ジャン「何かヘンって…何もわかんねえぞ」
コニー「とにかくヘンなんだよ!」
1アウト ランナーなし 打者ジャン
ジャン(ヘンって…確かにエレンのフォームは少し変わってる気がするが…)
エレン ビュッ
ジャン「!」カッ
ボール フラフラ
トーマス パシッ
アウト!
ジャン(なんだ?ボールが浮き上がってみえた…)
アルミン(…ボールの回転軸はほぼ真っ直ぐだし、回転数もさっきまでとは全然違う)
アルミン(ボールの落差が少ないから、最初の球をミットの上っ面にかすめて逸らしちゃった)
アルミン(すごいストレートだ。一順だけなら、変化球がなくてもこれ一本で抑えられる!)
2アウト ランナーなし 打者アニ
---------------------
アニ カンッ
ミカサ パシッ シュッ
トーマス パシッ
アウト!
チェンジ!
ジャン「まさか、三者凡退で終わるとは思わなかったな」
コニー「やっぱ何かヘンだっただろ?」
アニ「球筋がさっきまでとは全然違ったね。何があったか知らないけど」
マルコ「フォームに力みが無くなってたね。体の開きや、リリースポイントまで修正されてるようにみえた」
ベルトルト「元が粗の目立つフォームだったからね。根本をちょっと直しただけで、一気に色々改善したのかも」
ジャン「まあ、とにかく今は守りきればいいんだ。次の守りが最後の山だぞ」
8回表 エ2-7ジ
0アウト ランナーなし 打者サシャ
アルミン「この回が勝負だ。まずはサシャから始まるけど」
サシャ「はい!守備の失敗は、打撃で返しますよ!」
アルミン「うん、サシャはここまでジャンの球を捉えてはいるから、深く考えずにこれまで通り打ってくれたらいい」
サシャ「わかりました。では、行ってきます!」
ジャン(こいつはどうすればいいんだろうな…1安打に抑えてはいるが、全球種捉えられてるぞ)
マルコ(サシャが一番苦手にしてるのは、恐らくカーブだ。彼女に配球の組み立てとかは関係ないから、外に逃げるカーブ一辺倒でいい)
ジャン シュッ
サシャ「んぎっ!」ブンッ
ストライク!
ジャン(マルコの言う通りだな…この調子でいければ…)
ジャン シュッ
マルコ(失投だ、変化が小さい!)
サシャ「えいっ!」カンッ
ミリウス「ファースト後方に打ち上げた!」
エレン「あんな高い球、打たなくてもいいのに…!」
ライナー「いや、でも面白いところに上がってるぞ」
ポトン
ナック「落ちた、ヒットだ!」
サシャ ダダダダッ
ミーナ「えっ、セカンドまで行く気!?」
トーマス「無理するような場面じゃねえぞ!」
フランツ「ハンナ、セカンドだ!」
ハンナ シュッ
サシャ ズザー
ベルトルト パシッ タッチ
セーフ!
エレン「ライト前ツーベースかよ、無茶するなあ…」
ライナー「まあ、セーフだったからいいじゃねえか。好走塁だぜ」
0アウト ランナー二塁 打者アルミン
ジャン(いきなりツーベースか…)
ジャン(クリーンナップにランナーを溜めて回すのはまずい。アルミンでなんとしてもアウトを取りたいが…)
マルコ(この状況で、アウトカウントを犠牲にするようなことはしてこないはずだ。素直に勝負すればいいよ)
-----------------------------
スパン!
ボール!
フォアボール!
アルミン(よし、これでランナー二人を置いてミカサに回る!)スタスタ
ジャン(くそっ…)
マルコ(…ジャンのコントロールが確実に落ちてきている…)
アルミン(コントロールはジャンの命綱だ。少し光が見えてきた…)
0アウト ランナー一塁二塁 打者ミカサ
ジャン(ヤバいな、いったい何を投げれば……)
マルコ(もう、全部打たれてるからね…ただ、ツーシームが一番芯を外せていた。内角のそれを打ち損じてくれることを願おう…)
ジャン ビュッ
ミカサ(ジャンの球種は全て見た。もう打ち損じたりはしない…!)
ボール クッ
ミカサ パカーン!
マルコ「……!!」
エレン「いった、デカいぞ!!」
ユミル「あー…ダメだ、こりゃ…」
カサッ
トーマス「林に叩き込んだ!スリーランホームランだ!!」
ジャン「」
ミカサ タッタッタン
ライナー「さすがだ、ナイスバッティングだぜ」
ミカサ「ありがとう」
エレン「やったぜ、ミカサ!一気に2点差だ!!」
ミカサ「エレンのために、がんばった」
ミーナ「おめでとう、ミカサ」サッ
ミカサ「…?この花束は?」ガサッ
サシャ「サイクルヒット達成です!」
観客 ワーワー
キース「さすがだな、アッカーマン」
ミカサ「……」花束を掲げて歓声に応える
エレン「いつの間に、こんなに見物してたんだ?教官までいるし」
アルミン「試合を始めてから少しずつ増えてたよ」
八回表 ■エ5-7ジ
今日はここまで
あと3回くらいの投下で終わらせたい
八回表 エ5-7ジ
0アウト ランナーなし 打者ライナー
ジャン(2点差に追いつかれちまった…。たった2点……逃げ切れるか?)
ジャン(もし次の回、ミカサまで回っちまったら仕舞いだぞ…この回はこれ以上打たれるわけにはいかねえ…)
ライナー「よし、俺もそろそろ四番らしいバッティングしねえとな」ブンッブンッ
ジャン(…何だ……?打たれる画しか浮かばねえ……どうやったら抑えられるんだ)
ジャン(落ち着け……勢いに呑まれるな。しっかり投げれば抑えられるはず…!)ビュッ
ライナー カーン!
ジャン「!!」
トーマス「またデカいぞ!」
ミリウス「これもホームランか!?」
ユミル「くそっ、ジャンの奴なにやってんだよ!」ダダダダ
ボール トーン カサッ
ナック「ああ、少し伸びが足りなかったか」
ミーナ「バウンドして林の茂みに入っていっちゃった」
ユミル「あーもう、めんどくせえ!」ガサガサ
ベルトルト「ユミル、早く!」
アニ「全然茂みから出てこないね…」
エレン「ライナー、回れ!ホームまで還って来れるぞ!!」
ライナー ダダダダッ
ユミル「……」
コニー「おい、何やってんだよ!!早くボール返さねえとやべえだろ!!」ガサガサ
ユミル「うるせえ、お前はちょっとここでおとなしくしてろ。私がいいって言うまで出てくるなよ」
コニー「はあ?」
ライナー ダダダ タン
トーマス「ライナーが還ってきた、ランニングホームランだ!」
エレン「よっしゃあ、これで1点差だ!ナイスバッチ、ライナー」
ライナー「おう、お前も続けよ!」
ユミル「おーい!!ボール見つかんねえぞー!!」
ジャン「ボールが?」
コニー「なに言ってんだよ、ボールならもう俺が見つけたぞ」
ユミル「おとなしくしてろって言ってんだろ!」
エレン「ボールならまだ新しいのがあるぞー!」
ユミル「そうじゃなくてよ、そもそも林にボールが入った時点でボールデッドじゃねえのかー?」
エレン「??」
マルコ「つまり、エンタイトルツーベースじゃないかってことだよ」
エレン「はあ!?ライナーはもうホームまで還って来てんだぞ!」
ジャン「ボールが林に入った時点で、プレーが止まっちまってるんだ。ルール上はツーベースだろ」
エレン「納得できるかよ、少なくともスリーベースにはなってた打球だぞ!」
ライナー(相手の言い分の方は尤もだが、わざわざ不利になることを言うわけにもいかねえよな…)
ライナー「……そもそも、林がフィールド外とは決めてなかっただろう」
ライナー「フィールド内でフェアボールを見失ったところで、ボールデッドにはならん」
エレン「そ、そうだ!さっきのミカサのホームランだって、ボールが返ってくる前にミカサがホームインしただけだ」
ジャン「そりゃ屁理屈だぜ。普通に考えりゃ林はフィールド外だろうが」
マルコ「僕らでこれ以上言い合っても無駄だよ。お互い譲るわけがない」
マルコ「球審のダズに判断してもらおう」
球審(ダズ)「えっ」
ジャン「そうだな、審判の決定に従う、それで恨みっこなしだ。いいな、エレン」
エレン「…ああ、わかった」
サシャ「お願いします!後でパンをあげますから!」
ジャン「おい、食いモンで釣ろうとするな」
ミカサ「ダズ、わかっているでしょう?」ギロッ
ダズ「……っ!」ウップ
ライナー「おいおい…さすがに脅しはよくねえぞ」
マルコ「ダズ、君が素直に判断してくれたらいい」
ダズ「……やっぱり、普通に考えて林はフィールド外だ。ライナーは二塁進塁、ノーアウトランナー二塁を試合再開する」
マルコ「よしっ」
エレン「ぐっ…」
ライナー(まあ、そうだよな)
ユミル「おい、もういいぞ」
コニー「なんだったんだよ、一体」ガサガサ
ユミル「どうせ説明してもわかんねえだろ」
コニー「なんだとてめえ!」
ユミル「いいからさっさと守備位置に戻れ」
ユミル(あのまま素直にプレーを続けちまってたら、きっとツーベースじゃ済まずに試合が進んじまっただろうからな)
ユミル(ジャンの奴も、結果打たれてはいるが儲けた気分にはなっただろ)
0アウト ランナー二塁 打者エレン
ナック「続けー、エレン!」
エレン(ライナーがツーベースになっちまったのは仕方ねえ。俺が還せばいいだけだ!)
ジャン ビュッ
エレン カンッ
アニ パシッ シュッ
アウトー!
エレン「くそっ!」
トーマス「初球打ちでボテボテのサードゴロか…」
アルミン(なんかエレンらしいっちゃエレンらしいけどね……)
--------------------
---------------
---------
ナック カンッ
アウト!
チェンジ!
ジャン(抗議がいい気分の切り替えのきっかけになったな…ミリウスにフォアボールを出しちまったが、あれ以上の失点は防げた)
ジャン(最終回、相手の攻撃は9番のミーナからか…)
ジャン(そこで追い付かれなければ試合終了だが、下手したらミカサやライナーまで回っちまう…)
マルコ「この回、得点して勝利を確実なものにしたいね…」
コニー「次はベルトルトからだよな」
ベルトルト「ああ、今のエレンの球にはだいぶキレがあるらしいけど、なんとかがんばってみるよ」
ジャン(俺やアニが情報を持ち帰ってはいるが、正直今のあいつの球は頭で意識してるだけで打てるもんじゃねえ…)
ジャン(実際に目で見て慣れねえことにはな…ベルトルトなら、あるいは一打席の間に見切ることができるかもしれねえが…)
八回裏 エ5-7ジ
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---------------
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ユミル カッ
ライナー パシッ
アウト!
チェンジ!
ベルトルト「結局、打てなかったよ……」
ジャン「まあ、仕方ねえ。九回表を守り切れば勝ちなんだ、みんな頼むぜ」
クリスタ「みんなで頑張って入れた点だからね。絶対に守り切ろう!」
ユミル「お前こそしっかり投げろよな」
ジャン「わかってるよ」
マルコ「よし、いこう!」
九回表 エ5-7ジ
エレン「…最終回か」
アルミン「打順は9番のミーナからだ。わかってると思うけど、ミカサまで回せるかどうかが鍵になる」
ミーナ「うーん、私、打てるかな…」
サシャ「気負わなくても大丈夫ですよ、私とアルミンもいますから!」
アルミン「とにかく、この攻撃で2点は取らないといけない」
エレン「同点でいいなんて思ってたらダメだ、一気に逆転するぞ」
エレン「逆転して、裏を抑えて勝つ!他のパターンは今は考えなくていい!」
アルミン「…そうだね、この回で逆転しよう!」
ライナー「その意気だ。攻撃の間に肩を冷やすなよ、エレン」
エレン「おう!」
ミカサ「絶対に打つ」
サシャ「ご飯のために!!」
とりあえずここまで
たびたび間が空いてすまんな
もう少しで終わりだから、細切れにでもあまり間が空かないように投下しようと思う
0アウト ランナーなし 打者ミーナ
オォーーーーーーー!!
ジャン(気合入ってんな…)
ミーナ(緊張してきた…でも、みんなのためにも打ちたい!)
ジャン ビュッ
ミーナ ブンッ
ストライク!
ミーナ(やっぱり速い…みんなよく普通に打てるなあ…)
ミーナ(カーブくらいのスピードならついていけるんだけど、曲がるから難しいんだよね…)
ジャン ビュッ
スパン!
ストライク!
ミーナ(追い込まれちゃった……決めた、カーブを狙おう)
ミーナ(カーブ来て…お願い!)
ジャン ヒュッ
ミーナ(来た…カーブ!)
ミーナ カンッ!
ナック「打った!ライト前だ!!」
トーマス「ミーナ、ナイス!」
ミーナ「やった!」
ジャン(まさか、ミーナに打たれちまうとは……)
マルコ(カーブに狙いを絞られてたか…これで、併殺がない限りミカサまで回ってしまう……)
0アウト ランナー一塁 打者サシャ
ジャン(サシャで併殺は難しいだろうな…)
マルコ(サシャが苦手な外のカーブで攻める他ない)
ジャン ヒュッ
サシャ ブンッ
ストライク!
マルコ(オッケー、そのボールだ。まるで合ってない)
ジャン(前の打席はコントロールミスしたところを打たれたが、コントロールさえしっかりすれば抑えられそうだ)
ジャン ヒュッ
サシャ「うぐっ」ブンッ
ストライク!
サシャ(また外に曲がるボールですか…完全に苦手なのがバレちゃってますね……)
サシャ(なんとかして打たないと…私のせいでこんなに点を取られちゃったのに、三振なんかしておめおめとベンチに戻れません!)
ジャン ヒュッ
サシャ「ふっ!」カッ
マルコ(当てた…!)
エレン「セカンドゴロか…!」
ジャン「クリスタ、併殺狙えるぞ!」
サシャ「そんな……!」ダダダダ
クリスタ パシッ シュッ
ベルトルト パシッ シュッ
セカンドアウト!
サシャ「くっ…」バッ ズザー
ミリウス「ヘッドスライディング!」
セーフ!
ナック「なんとか併殺は免れたな」ホッ
エレン「サシャ、ナイスラン!」
トーマス「がんばったぞ!」
1アウト ランナー一塁 打者アルミン
ジャン(ランナーがサシャに入れ替わる形になったな)
マルコ(バッターはアルミンか……)
マルコ(サシャが還ったところでまだ一点差にしかならないし、盗塁は考えにくい)
マルコ(この追い詰められた状況で、アウトカウントを犠牲にするバントもない…)
マルコ(やっぱり、粘って四球を狙ってくるか…)
ジャン(打ちにきたとしても打力はない。確実にストライク取って、打ち取っちまおう)
マルコ(そうだね、ただ打力がないからといって、甘い球を投げないように。油断しないで)
ジャン(わかってる)
ジャン ガバッ
サシャ ダッ
マルコ(サシャがスタートを切った!?)
クリスタ(っ!ベースに入らないと…!)
アルミン カンッ!
マルコ(エンドランか!)
ジャン(まずい!サシャのスタートで一二塁間が空いてるんじゃ…)
クリスタ パシッ
アルミン「!」
シュッ
パシッ
ファーストアウト!
アルミン「くっ…!」
ナック「抜けなかったか…!」
ミリウス「これでツーアウト……」
エレン「ドンマイ、アルミン」
ライナー「ミカサならきっと繋いでくれる。あとは俺たちに任せろ」
アルミン「エレン、ライナー…頼むよ」
アルミン(……ベースカバーで一二塁間が空くと思ったんだけどな…うまくいかなかったか…)
ベルトルト(クリスタを止めて、僕がベースカバーに行って正解だったな。やっぱり狙いはエンドランだった)
2アウト ランナー二塁 打者ミカサ
ジャン(あと一人ってところまで来たが、クリーンナップまで回っちまった…)
ジャン(…特にミカサに対してはもうお手上げだ……)
マルコ(とにかく、この打席で避けたいのは、一発で同点にされてしまうことだ)
マルコ(無理にストライクを投げなくてもいい。外にボール球を投げていこう)
マルコ(フォアボールになっても一塁が埋まるし、それはそれでいいさ)
ジャン(確かにな…)
ジャン ビュッ
スパン!
ボール
マルコ(うん、これだけ外しておけば、打ちに来ても大きい当たりは打てないはずだ)
ジャン(ホームランなんかで同点にされちゃたまらねえからな)
ジャン ビュッ
スパン!
ボール
あ、最後のジャンのセリフ消すつもりで忘れてしまった
とりあえず今日はここまでです
このSSまとめへのコメント
おい!ここで終わりかよ!
続きお~~続きおー
続き!!