~文芸部部室~
みくる「今日は古泉くんと涼宮さんまだ来ませんねえ」
キョン「古泉は休みですがハルヒは掃除当番終わったら来ますよ」
みくる「古泉くんはここのところお休み多いですね」
キョン「最近よく神人が出るみたいで、家で休養してるんですよ」
長門「……人間は回復に時間がかかって不便」
みくる「へえ……そういえば」
キョン「なんです?」
みくる「涼宮さんがイライラすれば、古泉くんはお仕事増えるんですよね」
キョン「ええ」
みくる「じゃあ私達が冗談で涼宮さん余計なちょっかいなんてかけたらもう大変ですね」
キョン「朝比奈さんも人が悪いですね」
みくる「えー!?わたしそんなつもりじゃないですぅ」
長門「……腹黒乳牛」
キョン「さて、じゃあ今日の暇つぶしはハルヒイラつかせ選手権に決まりですね」
みくる「ええ!?だめですよぅ、そんなことしちゃー」
キョン「またまたご冗談を」
長門「……世界崩壊寸前のスリル感は異常に興奮する」
みくる「もー、ちょっとだけですよウフフ」
長門「……対象を怒らせる有効な手立てを考える」
キョン「あいつ下らない冗談とか嫌いですよね」
みくる「あー、怒りそうですねえそういうの」
キョン「よし、じゃあ一番は俺でいいですね」
長門「……わかった」
みくる「もー、みんな意地悪ですう」
ガチャ
ハルヒ「やっほー!みんなもう集まってる?」
キョン「!」
みくる「!」
長門「!」
キョン「(よし、いっちょ行くか……)」
みくる「わくわく」
長門「どきどき」
ハルヒ「……?」
キョン「おい」
ハルヒ「何よ、バカキョン」
キョン「えー……そのだな」
ハルヒ「じれったいわね、言いたいことあるならさっさと言いなさい!」
キョン「よし」
ハルヒ「?」
キョン「ハルヒ、愛してるんだぜ!結婚しようなんだぜ!」
ハルヒ「……」
キョン「(このサブい感じ!これは決まった!古泉の悲痛に歪む顔が目に浮かぶぜ!)」
ハルヒ「あの、ええと……は、はい……」
キョン「よしよし……え?」
ハルヒ「あんたがそこまで言うなら……あの」
キョン「え?え?」
ハルヒ「ちょっとびっくりしたけど……ま、まあ、あたしがOKしないとあんた一生結婚できなさそうだし……」
キョン「おい落ち着け」
みくる「(ギャグのつもりだったのかよアレ……)」
長門「……これはこれでおもろい」
ハルヒ「そ、その……け、けけ結婚まで……いきなりっていうのは、アレだけど……」
キョン「い、いや、そのハルヒ!今のは冗だ……」
ハルヒ「やだ、顔が勝手ににやけちゃう……あうう……」ニヤニヤ
キョン「う……」
長門「……この笑顔を前にして冗談でしたなんて言えたら鬼畜」
キョン「いや、で、でも」
ハルヒ「あ、あの……」
キョン「え?」
ハルヒ「これから、その……よ、よろしくね……」
ハルヒ「あ、あ、あたしちょっとトイレ行ってくる……」
バタン
みくる「はーあ、早速ゲームぶち壊しですね」
キョン「い、いや!ちょっと待ってください!」
長門「……私という個体としては興味深い」
キョン「違うって!これもイライラさせるための一手なんだよ!」
みくる「へえ」
長門「……そう」
キョン「いやほんとですから!ここから大逆点ですから!」
みくる「今度はやさしく抱き寄せてあげるんですか」
キョン「だから!そんなんじゃないですよ!」
キョン「ハルヒは俺を彼氏だと思ってるか知りませんが……明日からの土日を使ってハルヒを苛め倒します」
みくる「はあ」
キョン「ストレス溜まりますよ、これから……フフフ」
~女子トイレ~
ハルヒ「はー、顔まっか」
ハルヒ「まだドキドキしてる……うー」
ハルヒ「そっかぁ………キョンが、あたしのこと……」
ハルヒ「……えへへ」
~団活終了後~
ハルヒ「……あ、あったかいわね、あんたの手」
ぎゅぅ
キョン「そ、そうか」
ハルヒ「……」にやにや
みくる「下向いて顔真っ赤にして、おまけに手なんか繋いじゃって、暑苦しいですぅ」
長門「……あまり近づくと二人に気づかれる」
みくる「おっと失敬」
長門「……尾行は付かず離れずが基本」
キョン「な、なあハルヒ」
ハルヒ「は、はい!」
ハルヒ「(わわ、緊張して声が裏返ってる……恥ずかしい……)」
キョン「そのー、なんだ。明日から休みだろ?」
ハルヒ「う、うん」
キョン「丁度、うちがみんな用事で出かけてて、家に俺一人だけなんだ」
ハルヒ「え、あ、あのそれって……」
キョン「よければ、家に遊びに来るか?その、飯とか作ってもらえると……ありがたいんだが」
ハルヒ「い、行く!行きます!」
キョン「そ、そうか」
ハルヒ「あの、親には有希の家に泊まるって嘘つくから、だ、大丈夫!」
キョン「え!?い、いや泊まりじゃなくて……」
ハルヒ「キョンの家……んふふ……」
みくる「……なんだかなあ」
長門「……あまずっぺえ」
キョン「じゃあ、俺家こっちだから」
ハルヒ「え……」
ぎゅっ
キョン「い、いや、手離してくれないと……」
ハルヒ「……」
キョン「は、ハルヒ?」
ハルヒ「あ、あの……その、もうちょっと」
キョン「?」
ハルヒ「もうちょっと一緒にいたい……かも」
キョン「う……そんなこと言ってもだな」
ハルヒ「へんなこと言って……悪かったわね」しゅーん
キョン「い、いや!そうだよな!家まで送ってってやるのが普通だよな!あはは!」
ハルヒ「あ……」ぱぁぁっ
みくる「はいはい、か弱い女演技乙!」
長門「……お前ちょっと黙ってろ」
~キョン宅~
キョン「はあ」
キョン「結局あの後喫茶店で三時間も二人で過ごしてしまった……」
キョン「いつもと態度が違うから調子狂うんだよ……まったく」
キョン「よし!明日は心機一転ハルヒを苛め倒してやるんだぜ!」
~ハルヒ宅~
ハルヒ「はー」
ハルヒ「んふ……キョンといっぱいおしゃべりできた……」
ハルヒ「……」ぽけーっ
ハルヒ「えへへ……」
ハルヒ「……はっ!」
ハルヒ「なんか……切ないなあ……んー!」
ハルヒ「あーもー!……電話しよっかな」
ハルヒ「でも、あんまりしつこいと嫌われるわよね、うん……でも、電話したいな……」
ハルヒ「……うー」
虐めるってエスエムか
ハルヒはどMだからなぁ…
俺「ハルヒ、愛してるんだぜ!結婚しようなんだぜ!!」
ハルヒ「……」イラッ
~キョン宅~
キョン「さて、明日の計画を練っておくか」
キョン「あいつはプライドの塊だからな……それをへし折るようなマネをすれば、ブチ切れるに違いない」
キョン「あと、物理的に暴力を加えるのも効果的だろうな、カウンターは怖いが」
キョン「よしよし、段々方向性が定まってきたぞ……」
キョン「あっちは泊まりで来るつもりらしいが、途中で怒って帰らせるくらいの勢いで叩きのめしてやろう!」
~ハルヒ宅~
ハルヒ「んー」
ハルヒ「明日のご飯何作ろっかな」
ハルヒ「キョンって何が好きなんだろ」
ハルヒ「あ、いや。それよりも嫌いなものに注意するべきね!」
ハルヒ「うーん、悩むなあ……」
ハルヒ「……」
ハルヒ「おいしい、って言ってくれるといいな……」
チョン「愛してるんだry」
ハルヒ「…」
~月曜日・放課後~
キョン「……」
みくる「……」
長門「……」
ハルヒ「……んー♪」
すりすり
キョン「な、なあハルヒ」
ハルヒ「なぁに?」
すりすり
キョン「ほら、二人が見てるから」
みくる「……」
長門「……」
キョン「離れなさいって」
ハルヒ「んー……」しょんぼり
みくる「なんだよこれ」
キョン「い、いや!これはね!」
みくる「喧嘩売ってるんですかぁキョンくぅん」
長門「……想定を遥かに超えたスピードで親密化している」
キョン「ハルヒ!お前がいらんことするから……!」
ハルヒ「だってご主人様……あ」
みくる「!?」
長門「!」
キョン「だぁぁッッ!」
みくる「い、今なんと?」
長門「……確かにご主人様と言った」
ハルヒ「あちゃ……」
キョン「人前でそんな呼び方するなってあれほど言っただろ!」
ハルヒ「えへへ……ごめんなさい……」
すりすり
みくる「おいいつまで続くんだこの茶番」
ハルヒ「んふふー」
キョン「うう」
いちゃいちゃ
みくる「……」
長門「……」
ハルヒ「あたし、ちょっとトイレ行ってくるわね」
キョン「一々言わんでよろしい!」
ハルヒ「すぐ戻ってくるから、待っててね」
ちゅ
キョン「!?」
みくる「!!」
バタン
長門「……どうしてこうなった」
キョン「え?」
長門「……どうしてこうなった!どうしてこうなった!」
キョン「い、いやそれが、こんなはずでは……」
長門「……kwsk」
キョン「土曜にあいつが来るって言うんで、思いっきり怒らせてやろうと思ってですね」
キョン「色々考えたんですよ、プライドをどうやって踏みにじるかとか、そういうの」
キョン「まず自分が偉いと勘違いしてる所からただしてやろうと」
みくる「ほう」
キョン「女なんか男が本気出したら抵抗すらできないんだぞ、ってのを屈辱的に知らしめてやろうとしたんですが」
キョン「一発頬をしばいたら泣き出しちゃって」
長門「……で?」
キョン「いや、しかもそれでハルヒのやつ、『ごめんなさい、ごめんなさい』って」
キョン「『何でも言うこと聞くからあたしのこと嫌いにならないで』って顔ぐしゅぐしゅにして言い出して」
キョン「別にこいつ悪いことしてないんだけどな、とか思ったらなんかかわいそうで、つい……」
みくる「つい?」
キョン「頭を撫でて慰めてしまって……」
みくる「だめだこいつ」
キョン「じゃあ今度は俺の方が偉いって言う態度を取って怒らせようって思って」
長門「……それで」
キョン「えらそうにハルヒに色々命令してみたんだ」
みくる「で?」
キョン「いや、それが、ハルヒの奴珍しく言うこと聞いたんですよ、口答えせずに」
長門「……」
キョン「あと、頼んでないのに今まで俺が奢ってた分の金も返してくれたし……」
キョン「『まだ全額には届かないけど、これからもちょっとずつ返すから、ごめんなさい許して』って」
みくる「はーあ」
キョン「そんなもんで、なんだハルヒって本当はいいやつなのか?とか思ってしまって」
みくる「また優しくしたのか」
キョン「え?いや、その……気にすんなよそんなのって」
長門「……趣旨からは外れているがGJ」
みくる「死ねよー幸せな奴全員死ねよー」
俺「みくる、俺と幸せになろう」
みくる「…あ?」
って言われたい
キョン「でもなんだかハルヒが大人しかったもんで、それはそれでちょっと苛めてみたくなって」
長門「……ふむ」
キョン「どこまでなら怒らないのかとか、試してみたくなるだろ?」
長門「……それで」
キョン「昔シャミ用にと思って買ったら随分大きくて、そのまま放置してた首輪があってさ」
長門「……ほほう」
キョン「冗談でハルヒに渡したらプレゼントかなんかと勘違いして喜んじゃったんだよ」
長門「……ふむふむ」
キョン「だから、おいおいそれじゃまるでペットみたいだな、って言ってやったんだ」
長門「……わくわくしてきた」
キョン「さすがに殴られるかと思ったんだけど、それからなんか猫みたいに俺にじゃれだしてさ」
長門「……具体的に」
キョン「いや、なんか抱きついてきたり、膝の上に乗ってきたり、あと頬ずりされたり、顔舐められたり」
みくる「やってられっか!もう解散だ!解散!」
長門「……年増は黙ってろ」
キョン「それで、ハルヒが飯作ってくれるってなってさ」
長門「……続けて」
キョン「俺が買い物行くのめんどくせえって言ったら冷蔵庫のあり合わせで作るって言い出して」
長門「……それで?」
キョン「さすがに無理だろ、って思った俺はこう考えたんだ。これ飯まずいっていったらキレるだろうなって」
みくる「お?修羅場フラグですかぁ?」
キョン「だって冷蔵庫の中なんて、そんないいもの入ってなかったし、ボロクソにこき下ろしてやれるなって思うじゃないですか」
みくる「……」
キョン「出来上がった料理一口食べたときに、素で『うまっ』って言ってしまいまして」
長門「……ふむ」
キョン「いや……でも、本当にうまかったんだもんなあ……あれはびっくりした」
長門「……彼女はそれを聞いてなんと?」
キョン「なんかずっとニヤニヤしてたよ」
みくる「こっちがメシマズだよ!うぜえ!」
キョン「それでお腹もいっぱいになって、ソファでゴロゴロしながらテレビ見てたんだ」
長門「……その時彼女は?」
キョン「最初は洗い物してて、終わったら一緒にテレビ見てたかな」
みくる「普通かよ!怒らせる作戦はどこ行ったんだよ!」
キョン「い、いや!テレビ見ながら考えてましたよ!そしたら……」
長門「……そしたら?」
キョン「あいつも食後で眠たくなったのか知らんが、横で寝そべりだしてな」
キョン「そんなに大きなソファでもないのに、無理に寝転ぶもんだから狭くて狭くて」
みくる「あーうぜ」
キョン「落ちないようにか知らんがやたらしがみ付いてくるんだ、ハルヒの奴」
長門「……テンション上がってきた」
キョン「あ!でもその後すぐにハルヒに怒られたな」
みくる「よしきた!醜い罵りあいをもっと詳しく!」
キョン「あんまり狭いもんだから、ハルヒにソファ譲ったんですよ。お前一人で使えばいいぞって」
みくる「……で?」
キョン「いや、それだけですよ。俺が床に寝そべったら、ハルヒが『そういうことじゃないの!』って」
みくる「……もういい、お前帰れ」
キョン「え?」
長門「……気にしないで、続けて」
キョン「あ、ああ……とりあえずくだらないことをすればハルヒは怒るだろうって言うのが最初からあるから」
長門「……ふむ」
キョン「テレビ見ながらくだらないちょっかいを何度かかけてみたんだよ」
長門「……詳しく」
キョン「まずはそうだな、わき腹つついたり」
長門「……ゴクリ」
キョン「それからカチューシャ取り上げたり」
長門「……後は?」
キョン「髪の毛くしゃくしゃしたりとか、背筋を指でなぞったりとかかな……まあでも、どれもあんまり怒らなかったんだがな」
長門「……彼女は具体的にはどういう反応を」
キョン「とりあえず薄かったな、反応は……『んっ』とか『あっ』とか一瞬声を漏らすくらいで」
長門「はぁはぁ……もっと克明に」
キョン「え?……んー、そうだな。何か眠たそうだったかもな」
長門「……眠たそうと言うのは?」
キョン「なんか急に目を細めたり、瞑ってるときもあったな……あと、肩にもたれかかって来たり」
みくる「お前わざとだろ!わざとやってるだろ!」
キョン「……?」
長門「はぁはぁ……もっと聞かせて」
キョン「後は……そうだな」
キョン「世界を大いに盛り上げるためのジョンスミスをよろしく!変身!」
保守
長門「>>1続けて___変身」
保守
キョン「俺はハルヒと結婚したい!変身!!」
保守
俺は保守の王子!仮面ライダーBlackRX!!
リボル>>1!!!!!
キョン「俺もどうすればハルヒが怒るかわからなくなって、ちょっとゆっくり考えようと思って風呂に入ったんだ」
長門「……これはハプニングの予感」
キョン「そうなんだよ、俺としたことが油断してしまって」
長門「……詳しく聞かせて」
キョン「ちょっと考えればわかったことなんだよ、ハルヒのやつちょっかいかけられてばかりは性に合わなかったんだろうな」
キョン「それまで大人しかったからぼけーっと湯船に浸かってたんだが、何か物音がしたと思ったら」
みくる「風呂場に裸で入ってきたんだろどうせ!ちくしょーもうAVにしろ!AV!」
キョン「なんで裸なんですか!ちゃんと服着てましたよ」
長門「……それはそれで」
キョン「なんか泊めて貰うお礼に背中くらい流してやる、みたいなことを言ってて」
キョン「あたふたする俺を見て楽しんでるんだ、あいつ絶対」
みくる「『お、おい!前は自分で洗うよ……』『私に任せて』ってやかましいわ!」
キョン「落ち着いてください!何訳のわからないことを叫んでるんですか!」
長門「……それで?」
キョン「袖をまくって、普通に背中洗ってくれたよ」
長門「……絶妙な距離感」
キョン「でもこっちはそりゃもうびっくりしてて慌てたね、まさか風呂場で襲撃食らうと思ってなかったからさ」
長門「……ふむ」
キョン「鏡越しに見たらなんかハルヒのやつすごいニコニコしてて」
長門「……微笑ましい」
キョン「なんか小憎らしいやら悔しいやらで、こっちもびっくりさせてやろうと思って」
長門「……思って?」
キョン「洗い終わってハルヒが風呂場から出ようとした時に、わっ、って大声出して」
長門「……なぜ」
キョン「いや、急だったから。とにかく驚かそうと思って、でも意外とうまくいってさ」
長門「……どうなったの?」
キョン「あいつびっくりして足滑らせて湯船に服のままドボン!だよ、笑えるだろ」
長門「……ひどい」
キョン「そうそう、同じことハルヒに言われたんだよ……てっきり怒ると思ったんだけどな」
長門「……」
キョン「『ちょっとバカキョン!いい加減にしなさいよ!』とか言われるかと思ったんだが、なんか泣きそうな顔しててさ」
キョン「どうもトチ狂うんだよな、ああいう反応。ついつい、ごめんなって謝っちゃって」
長門「……当然」
キョン「人を怒らせるのって意外と難しいんだな、ってそのとき痛感したんだよ」
長門「……むしろそれはもうどうでもいい」
キョン「でも、俺タオル一枚だろ?あんまり長々とハルヒと喋るのも落ち着かないし、とりあえずさ」
長門「……とりあえず?」
キョン「ハルヒにバスタオル渡して、そのまま風呂入ったらどうだ?って勧めたんだ。服は干しとくからって」
長門「……それで?」
キョン「でもまだなんだかめそめそしててさ、悪かった、許してくれって頭下げたんだ」
みくる「ちーわげーんか!ちーわげーんか!あ、そーれ!ちーわげーんか!」
小泉「たまには僕のことも思い出して下さい」
長門「……続けて」
キョン「ハルヒはなんかぐすぐす言い出してさ、これはこっちとしても気分が悪いわけだ」
キョン「で、どうしようかなと思ってたときに」
長門「……ときに?」
キョン「あいつが、『一緒にお風呂入ったら許す』とか訳のわからんことをぐずりだして」
長門「……グイグイ来とるがな」
みくる「甘~~~~い!!このネタ古~~~~~~い!!」
キョン「あくまでも俺が慌てふためく所を見て楽しもうって寸法なんだと思ったね」
キョン「誰もまだ一緒に入るなんて言ってないのに、水着取って来なさいよ、それなら恥ずかしくないでしょって」
長門「……エロゲ臭しかしない」
キョン「もうね、バカかと、アホかと。小一時間説教でもしてやろうと思ったね」
長門「……あなたはどうしたの」
キョン「入るわけないだろ!そんなのおかしいじゃないかどう考えても」
みくる「もう既にここまでおかしいことしかねーよ!最初からスレ読み直してこいや!」
キョン「それからまあ機嫌悪かったんですわ、風呂場で駄々こねてね」
長門「……どんな風に」
キョン「それがまた絶妙に怒ってるってのと違うんだよな、子供がぐずる感じだよ」
長門「……ほう」
キョン「俺の腕引っ張ってなかなか離さなかったんだけど、そこはあっちの思い通りにはさせないさ」
長門「……旗折りお疲れ様」
キョン「で、話はハルヒが風呂上がるところまで飛ぶんだが、さすがに数十分じゃ濡れた服は乾かないだろ?」
長門「……当然」
キョン「風呂上がって着るもんなかったらまた機嫌悪くなるだろうなと思って、あいつの着替えを用意しようと考えた訳だ」
キョン「かといって、妹の服では小さすぎるし、お袋の服ってのもちょっと変だろ」
キョン「女物っていうのを諦めて、俺のTシャツやらスウェットを貸したんだ」
長門「……ほほう」
キョン「こんなもん着れるか!って突っぱねられるかと思ったんだけど、意外とすんなり着てくれてな」
キョン「しかも風呂に入ってさっぱりしたからか知らんが、機嫌も上々で」
長門「……相当嬉しかったと予想される」
キョン「……ん?ハルヒからメールだ」
長門「……!」
キョン「なんだよ、くだらないことで一々……やれやれ」
長門「……ちょっと見せて」
キョン「うわ!何すんだ長門!」
From:ハルヒ
Title:(タイトルなし)
今購買にジュース買いに来てるんだけど、ご主人様は何が飲みたいですか??
すぐに帰るから待っててね♥
さみしいよー(>_<)
長門「……こ、これは」
みくる「どえりゃあもん見せられたぎゃあ……」
キョン「か、返せ!ほら、もういいだろ!」
長門「……今まで話を聞いた段階まででは、まだ現在の彼女の態度と齟齬が生じているのを確認した」
みくる「ちくしょう………ちっくしょおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
長門「……続きを、早く」
俺「続きを…早く」
キョン「ええと……どこまで話したかな、ああ、そうだ。ハルヒが風呂から上がって」
長門「……そうそう」
キョン「俺の渡した着替え、まあ当然俺の服だからブカブカなんだが、失礼なことにハルヒがずっとニオイを嗅いでるんだ」
長門「……わかーるわかるよ君の気持ち」
キョン「ちゃんと洗濯だってしてるし、俺は臭くない!……と思うんだが、あまりにも執拗に嗅いでるから俺もイラっと来て」
長門「……」
キョン「で、ふと考えれば、もともと泊まりのつもりで来てるんだから、寝巻きの1つくらいあいつだって持参してるだろうと」
長門「……まあそれはそう」
キョン「だから、そんなにニオイが気になるなら返せって言ったんだ。自分の持ってきた着替えあるだろって」
長門「……それで?」
キョン「全然返してくれなかったね。結果から言えば、次の日濡れた服が乾くまで、ずっとそれ着てたからな」
長門「……そらそうよ」
みくる「もうアレだ、隕石おちればいいんだよ。阿鼻叫喚の渦に巻き込まれろ地球!」
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キョン「ええと、なんだったかな……とにかく、ハルヒが風呂から上がって、俺はまたテレビ見てたんだが」
キョン「髪の毛乾かし終わってから、ハルヒも横に座って一緒にテレビ見だしてさ」
キョン「風呂上がりの女子っていい匂いするよな、とか考えながらどうやって怒らせるか思索してたんだ」
長門「……むしろその状況で何故あなたがそれに固執し続けたのかが不思議」
キョン「で、風呂上がりって甘いものが食べたくなるだろ」
長門「……一般的にはそう」
キョン「確か冷蔵庫にプリンがひとつあったな、と思ってさ」
長門「……それで?」
キョン「目の前でうまそうにプリンを食べたら、さすがにあいつだってキレちまうんじゃないかって」
キョン「俺がそれをやられたら間違いなく屋上に呼び出すね」
長門「……そんなことはどうでもいい、続けて」
キョン「何気なく冷蔵庫を開けて、何を言うでもなくプリンを持って席に戻って」
キョン「もちろんそのまま何も言わずに一人で黙々とプリンを食べ始めたわけだ」
キョン「そしたらハルヒの奴、アホみたいな顔してずーっとプリン食べるの見てるんだよ、ふふふ」
長門「……小動物的」
キョン「で、一向に口を開かないから、お前も食べたいのか?ってこっちから聞いたんだ」
長門「……そしたら?」
キョン「黙って頷いただけだよ。俺はてっきり有無を言わさずプリンを毟り取られるかと思ってたんだが」
キョン「で、俺はまだ何も答えてないのに、目瞑って口開けてまってるんだよ、あーん、って」
みくる「うぜえ」
長門「……はぁはぁ」
キョン「で、試しにいつまでそうやってるのかじーっと眺めてたんだよ」
長門「……」
キョン「そしたらハルヒのやつ、薄目開けて俺が食わせる気無いことに気づいて、しょんぼりしちゃって」
長門「……かわいい」
キョン「恥ずかしくなったのか知らんが、スウェットのフードかぶって下向いちゃってな」
キョン「それが面白くて面白くて」
長門「……あなたの血は何色」
みくる「愛じゃなくて憎しみで空を落としてやろうか!」
キョン「で、俺も何か変に乗ってきちまってな。俯いてるハルヒを見てたらさ」
キョン「食えよ、ってスプーン差し出しても首降るだけで、口すら利いてくれないもんで」
キョン「そうなってくると、今度は逆に意地でもプリン食わせてやろうと思って」
長門「……鬼畜」
キョン「でもハルヒも頑固な奴だろ?もうカテナチオだよ」
キョン「まず体育座りで膝の間にうずめた顔を引っぺがす所から始めにゃいかんわけだ」
長門「……無益な争い」
キョン「で、いくら引っ張っても顔を上げないからさ、北風と太陽作戦でな」
長門「……?」
キョン「ハルヒが思わず仰け反るようなことをしてやろうと思ってな。こう、背筋をぞわぞわーっとさせるような」
長門「……具体的には何を」
キョン「まず最初は発泡スチロールを耳元でギシギシ言わせたった」
長門「……」
キョン「でも、あんまり効果がなかったんで、次はそのまま耳に息を吹きかけてやったんだ、フーって」
長門「……そいつはけしからん」
. ∩____∩: :.+
ワク. | ノ ヽ+.:
:.ワク/ ● ● | クマ
ミ '' ( _●_)''ミ クマ
-(___.)─(__)─
キョン「ハルヒもびっくりしたんだろうな、変な声だして思わず顔を上げたよ」
長門「……変な声を詳しく」
キョン「え?詳しくったって……そうだな、なんかこう、うにゃ!?みたいな」
長門「……はぁはぁ、続けて」
キョン「で、ハルヒは唇を噛み締めたままジタバタ暴れだしたんだ」
キョン「でもこのチャンスを逃してたまるか!と思って、そのままハルヒの顎をこう、親指と人差し指でぐわしっと掴んでさ」
キョン「しっかり固定しとかないと、また膝の間に引っ込まれても堂々巡りだろ」
長門「……それで?」
キョン「それでちょっとは大人しくなったんだけど、依然口はがっちり閉じたままな訳だ」
キョン「左手で顎を押さえてて、右手で口をこじ開けたら、スプーン持つ手がなくなるだろ?」
キョン「どうしようもねえな、と思ったらなんだか俺の方がちょっとイライラしてきて」
みくる「お前がイライラしちゃったのかよ!!むしろこっちがイライラしてんだよ!」
キョン「もう何でもええわ!と思ってな。俺もヤケクソだったからさ」
長門「……何をしたの」
キョン「残りのプリンを全部ガーッとかきこんで、ハルヒの顔を両手で押さえてさ」
長門「……まさか」
キョン「そのまさかだ。全部直接あいつの口に流し込んでやった」
長門「……」
長門「……キタワァ」
みくる「アメリカのドラマでは……キスをすれば、何気ないシーンでも無理やり〆れる!ボンバーーーー!!」
キョン「いや、今思えば多少やりすぎた感はあるんだけどな、でも、絶対ハルヒ怒るだろうなというのもあって」
みくる「お前絶対そんな気なかっただろ!それおもろいと思って言ってんのか!死ね!」
長門「……は、話のつづびを゛」
キョン「う、うわ!鼻血出てるぞ長門!?大丈夫か!」
みくる「もう既にこの部屋の空気が大丈夫じゃねえんだよ!なんということでしょう!!」
キョン「ええと、なんだった?……ああ、そうだ、ハルヒのやつもびっくりしてたな」
長門「……当然」
キョン「でも、もっと暴れるかと思ってたんだが、意外とそうでも無くてな」
キョン「こっちは半分ボコボコにされるの覚悟で臨んだ所があるんだが、プリンを移し終える頃にはなんかぐったりしてて」
長門「……おそらくうっとりの間違い」
キョン「突然のことで力が抜けたのか、そのまま俺にもたれかかってきてさ」
キョン「悪いことしたかな、と思ってそのまま抱きとめたんだが……今思えばそれが失敗だったんだな」
長門「……?」
キョン「とりあえず気まずかったからさ、冗談で『うまかったか』って聞いたんだ」
キョン「俺は『何考えてんのよバカキョン!』っていう一言が聞ければそれでよかったんだよ」
キョン「でも、あいつさ……」
長門「……なんと言ったの」
キョン「『おいひかったです……』って顔真っ赤にしながら目に涙溜めて言うんだよ」
みくる「もう快楽天でやれ!快楽天で!」
キョン「そんなハルヒ見たこと無いだろ?」
キョン「俺、不覚にもかわいいなこいつ、って思ってしまって、そこからはもう早かったな」
長門「……!」
キョン「だって俺とハルヒしか家にいないんだぞ?」
みくる「今更何を言う!速見優!ドゥーン!ギャハハハ」
キョン「おい長門。朝比奈さんのテンションが初期クレしんのそれを彷彿とさせだしたぞ」
長門「……問題ない。続けて」
キョン「いや、続けるも何も、そこからは面白い話は特に……」
長門「……誰もおもしろトークなんか期待してない」
キョン「そうは言ってもだな……とりあえずちょっとトイレ行って来る」
長門「……ちっ」
みくる「ヘイヘーイ!もうなんでもええわ!ケツ出したろか!ケツ!」
長門「……黙って」
バキッ
みくる「前が見えねェ」
長門「……お前も連結解除してやろうか」
みくる「や、やだなぁ……長門さん、冗談が通じないんですねぇ、はは、ははは……」
長門「……それでいい」
ガチャ
ハルヒ「遅くなってごめんね、キョ……あら?キョンは?」
長門「……トイレ」
みくる「これまた露骨な……」
ハルヒ「なんだ……入れ違いになっちゃったのか」
しょんぼり
みくる「うぜえ」
長門「……かわいい」
ハルヒ「え?二人とも、何か言った?」
みくる「え?き、気のせいじゃないですかぁ?」
長門「……特に何も」
ハルヒ「……?」
長門「……それより、座って」ぐいぐい
ハルヒ「わわ!?ちょ、ちょっと何よ、有希!」
長門「……さて」
ハルヒ「???」
長門「……詳しく聞かせて」
ハルヒ「え」
長門「……一昨日の夜から、昨日にかけての出来事について、詳しい説明を要求する」
ハルヒ「う!も、もしかしてキョンから何か聞いた?」
長門「……」コクリ
ハルヒ「あちゃ……なんか恥ずかしいわね」
長門「……プリンの口移しの後を、詳しく」
ハルヒ「うぇ!?そ、そんなことまで喋ったの!」
ハルヒ「何考えてんのよ、もー……」
もじもじ
長門「……かわいい」
長門「……説明を」
ハルヒ「せ、説明ったってね、有希……その、そりゃあたしも多少は予期してたわよ?」
ハルヒ「だって、その、キョンはあたしのこと好きって言ってくれてるわけだし」
長門「……?」
ハルヒ「どうかした?」
長門「……いつ彼がそんなことを?」
ハルヒ「いつって……有希もみくるちゃんも聞いてたでしょ、先週の金曜日、ここで『愛してるんだぜ』って」
長門「……あー」
みくる「あまりにもストレート過ぎてすっかり忘れてました」
ハルヒ「えへへ……思い出しちゃうとダメね……恥ずかし」
長門「……それで」
ハルヒ「ああ、そうそう……でも、いきなりキスされたら誰だってびっくりするわよ!しかもプリンのおまけ付きで」
ハルヒ「しかも、キョンのやつ、おいしいか?なんて聞いてきて」
ハルヒ「……んふふ」
みくる「わーすごいですねー(棒読み)」
長門「……でもあなたはおいしいと答えた」
ハルヒ「うう……だ、だって」
長門「……だって?」
ハルヒ「そ、その、びっくりしたけどやっぱり嬉しいっていうか、あっちからっていうのがよかったっていうか……」
ハルヒ「それに、プリンの口移しってなんかやらしいな、とか、キョンがぎゅってしてくれたとか……」
ハルヒ「いつもと違ってキョンがなんだか男らしくって、ドキッとしちゃったりとかもあって……その」
ハルヒ「おいしいです、って……うう」
かぁぁぁっ
長門「……どんどん来い、どんどん」
みくる「(むしろ来過ぎだろ……)」
ハルヒ「それから、もう……」
長門「……もう?」
ハルヒ「キョンがね、お前かわいいなあって……頭撫でてくれて、んふ……んふふ」
長門「……もっと来い!」
みくる「なんだこいつら」
ハルヒ「あたしもそれで何か変なスイッチ入っちゃって、その後一時間くらいかな……」
長門「……一時間?」
ハルヒ「リビングのソファで、キョンとずっと、その……ちゅーしてたんだけど」
長門「……一時間!」
みくる「きめえ」
ハルヒ「だ、だってね?初めてのキスだったのよ、プリン口移しされたのが」
ハルヒ「だから、その、もっとちゃんとしたのも……って思ってたら、キョンの顔が近づいてきて」
長門「……はぁはぁ、それで?」
ハルヒ「なんか気がついたらあたし、唇くっつけてたのよ……あう」
ハルヒ「最初はほんとにちょっと触れるくらいの軽いのだったんだけど、それがその……」
長門「……それが?」
ハルヒ「ええと、すごく……気持ちよくって。ふわーってなるの、なんか」
ハルヒ「で、もっとしたいなって思っちゃって……また、ちゅっ、て」
長門「……ユニヴァース!」
ハルヒ「そしたらなんかもう、とまんなくなっちゃって……あー、何でこんなこと話してるんだろあたし」
長門「……続けて」
ハルヒ「んとね、だんだん一回のキスが長くなっていって、キョンがあたしの口の中に舌入れてきたりして」
長門「……くっはあ」
ハルヒ「それがね、なんだか甘くって、ちょっと変な気分になっちゃうの……」
みくる「そらプリン食ってたんだから甘いだろうよ」
ハルヒ「気がついたらお互いの舌をこう、ぺろぺろ舐めあってて……はう」
ハルヒ「とろけるかと思った……」
長門「……はぁはぁ」
みくる「ほんと、脳味噌溶けてんじゃねえか?シンナーでもやってんだろ」
長門「……おい」
みくる「なんでもないです」
ハルヒ「はー……今思い出してもきゅんきゅんくるわね……」
長門「……その調子で続けて」
ハルヒ「それでね?その、二人密着してたからよくわかったんだけど……」
長門「……?」
ハルヒ「……あ、あたしの太ももに、何か固いのがあたってて」
長門「……!」
ハルヒ「キョンがあたしの背中とかお尻とか、キスしながら撫で回してきて、ええと……」
長門「……ほい来た!」
ハルヒ「で、でもあたしにも心の準備とかあるし、初めてなんだからせめてお布団で、とか考えるじゃない?」
長門「……嫌ではなかったの?」
ハルヒ「イヤってことはなくて……だってあたしも、その、好きだし……えっちな気分だったし……」
ハルヒ「で、なんとかキョンをなだめて、一回落ち着こうと思ったんだけど」
長門「……けど?」
ハルヒ「キョンが、じゃあすぐ俺の部屋に行こうか、って最後にほっぺに優しくちゅって」
ハルヒ「あたしもう逆らえなくって、そのまま二階に上がっちゃったんだけど」
ハルヒ「部屋まで行く間も、ずっとキョンがお尻触ってきて、あたしドキドキしちゃって」
長門「……超やばいっす」
ハルヒ「けどやっぱりちょっと怖いって言うのもあってね……だってキョンがいつもと違うんだもん」
ハルヒ「なんていうか、男の子ってみんなああなのかも知れないけど、目が急に据わっちゃってて」
ハルヒ「だから、ちょっと部屋で話でもして、時間を置こうと思ったんだけど」
長門「……けど?」
ハルヒ「キョンがあたしの肩抱いてて、そのままベッドに入れられちゃって、そしたらもう」
長門「……?」
ハルヒ「布団があの……キョンの匂いが、して」
ハルヒ「しかもその布団の中で本人に抱きしめられちゃって、あたし……キョンに包まれてるみたいで」
ハルヒ「胸がきゅーってなってね?……なんにも考えられなくなっちゃって」
長門「……わくわく」
みくる「……お、でっかい鼻くそとれた」
ハルヒ「思い出しただけでも……はう」
長門「……内容を詳しく!詳しく!」
ハルヒ「そ、それはさすがに恥ずかしいからちょっと……」
長門「……何を今更」
ハルヒ「で、でも……んー、そうね」
長門「……どんな感じ?ねえねえどんな感じ?」
ハルヒ「ええと、なんていうか……キョンって意外と性格悪いっていうか」
長門「……ほう」
ハルヒ「あたしが困るようなことばっかり聞いてくるのよ」
ハルヒ「それで、あたしが恥ずかしがるのを楽しんでるの、性格悪いでしょ?」
ハルヒ「でも、ずっと手を握っててくれたり、ちゃんと答えたら頭撫でてくれたり……なんていうのかな、優しく虐められてる感じ?」
ハルヒ「ちょっと悔しいんだけど、それがすっごく心地よくって……あう」
長門「……相性ばっちり」
みくる「あれ、ティッシュねえな……これどうしよ」
ハルヒ「こ、この話はこれでおしまい!」
長門「……冗談はよし子さん」
ハルヒ「もう絶対これ以上は話さないからね!」
長門「……ならこちらにも考えがある」
ハルヒ「え?」
長門「……ブツブツブツブツ」
ハルヒ「……あ、あれ?」
ばたんきゅー
ハルヒ「……」
長門「……一昨日の夜の記憶をDisc化して拝借する」
ズズズ……
長門「……さっそくパソコンで再生する」
みくる「……うーん、机の裏にでもはっ付けとくかな」
長門「……おそらくこのあたりから」
みくる「お?AV鑑賞ですか?がぜん楽しそうになって来ましたね」
長門「……静かに、聴こえない」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ハルヒ「んっ……んふっ……」
キョン「どうした?」
なでなで
ハルヒ「はぅん……だめ……」
キョン「何がダメなんだよ」
なでなで
ハルヒ「変なとこ……触って……」
キョン「変なとこって、ただわき腹撫でてるだけだろ?」
ハルヒ「んんっ……んふ……」
ハルヒ「(ぞくぞくしちゃうよぉ……)」
長門「……これはもうだめかもわからんね」
キョン「ちょっと触っただけで、そんな顔して……エロいなあ、ハルヒは」
ハルヒ「やぁっ……ちがう……」
キョン「今日だって、そのつもりで家に来たんだろ?」
ハルヒ「ひっ……んふ……んんっ」
キョン「ほら、ハルヒ」
ハルヒ「(耳元で……囁かないで……)」
キョン「正直に答えたらキスしてやるぞ」
ハルヒ「あ……あ……」
キョン「どうした」
ハルヒ「あ、あの……キョンに触られて、すごく気持ちいい……です」
ハルヒ「えっちなの……あたし今すごくえっちな気分なの……」
ハルヒ「だから……いっぱいかわいがって……ください……」
キョン「よしよし」
ハルヒ「んちゅ……ちゅぱ……んん」
ハルヒ「(やだ……嬉しいよぉ……)」
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