長門「……Free hug」(408)

キョン「ん……?」

長門「……」

キョン「おお、長門じゃないか。こんな駅前で何やってるんだ?」

長門「……これ」

キョン「ん?なんだそのプラカードは……って、おい!」

長門「……不特定多数の人に抱きしめてもらう」

キョン「な、なんでそんなことしてんだ!」

長門「……現代社会における人類の文化活動に関する情報を集めている」

キョン「悪いがそこに自立進化の可能性とやらは潜んでいないぞ」

長門「……そう」

キョン「やめときなさい、悪いことは言わんから」

長門「……しかし、非常に興味深い」

長門「……思えば私は今までテキストからの情報収集に頼りすぎていた」

キョン「あのなあ」

長門「……これからは経験を伴った物理的・具体的な情報も視野に入れて調査する」

キョン「それはおおいに賛成だが、フリーハグじゃなくてもっと色々あるだろう?」

長門「……例えば」

キョン「学校で友達と楽しくおしゃべりとか、そういう健全なやつ!」

長門「……」

キョン「な、なんか不満そうだな」

長門「……フリーハグ」

キョン「なぜに温もりを求める……と、とにかくもう学校が始まる時間だ!ほら、行くぞ!」

長門「……わかった」

キョン「はあ、まったく」

キョン「ちなみに、あくまで個人的な興味としてひとつ質問したいんだが」

長門「……何」

キョン「その、なんだ。何人くらいに抱きしめられたわけ?」

長門「……まだ。始めた所にあなたが来た」

キョン「そ、そうか。よかったよかった……男なんて下心しかないんだからな?あんなもんに文化的価値なんかないさ」

長門「……そう」

キョン「しかし、お前と一緒に学校に行くなんてなかなかないことだな」

長門「……珍しいケース」

キョン「……」

長門「……」

キョン「(部室だとなんとも思わないんだが、こと二人で歩いているとなんだか気まずいな……)」

キョン「あのさ」

長門「……あなたも?」

キョン「え」

長門「……さっき言っていたこと」

キョン「……ん?な、何言ったっけ俺」

長門「……男性に下心があるということ」

キョン「あ、えー……」

キョン「(なんだ!?俺は試されているのか?)」

キョン「お、俺は別にそんなことはないぞ?お前のためを思って馬鹿なことはやめなさいって言ったんだ」

キョン「友達だからな、助言くらいしてやるのが普通さ」

長門「……そう」

キョン「だから……え?」

ぎゅー

キョン「な、長門さん……?」

長門「……ふりーはぐ」

キョン「な、何言ってんだ!おい長門、また暴走か……?」

長門「……あなたは先程、男性に下心があるからよくないと言った。あなたがそうでないのなら、構わない」

キョン「いや、そうじゃなくて!」

長門「……拒否する理由があるなら、言って。……すぐに離れる」

キョン「り、理由ってお前」

長門「……例えば、私に対する生理的な拒否反応、その他嫌悪感などを感じるようならば、すぐに離れる」

キョン「……いや、その」

長門「……言って」

キョン「そんなもんあるもんですか」

長門「……そう」

ぎゅー

キョン「(ああ、今日は朝からツイてるな……)」

長門「……あったかい」

キョン「はー……って、長門よ。俺としては惜しい限りなんだが、こんなことしてたら学校に遅刻するぞ?」

長門「……そう」

キョン「そう、ってお前なあ」

長門「……遅刻はだめ」

キョン「うん、そうだな」

長門「……解決案を考えた」

ぎゅー

キョン「な、長門……?」

長門「……だっこ」

キョン「……」

長門「……だっこ」

キョン「(なんだこの破壊力はッッ!!!?)」

キョン「ぐ……ぐ……」

長門「……」

キョン「な、長門。いい子だからそれは我慢しような?」

キョン「(そんな目立つ格好で学校まで行けるかよ……)」

長門「……そう」

しゅん

キョン「(ぐおおおお!俺はいま猛烈に選択肢を間違えたんじゃないのか!?)」

長門「……残念」

キョン「(うわああああああああああああああああああ)」

長門「……なら、これで我慢する」

ぎゅっ

キョン「!」

長門「……手を繋ぐだけならあなたに負荷はかからないはず」

キョン「(天使だ……天使がここにいる……)」

長門「……早く学校へ」

長門「……♪」

キョン「なあ長門、これから毎日一緒に学校行かないか?」

長門「……考えておく」

キョン「チョコレート買ってやるぞ?」

長門「……!」

キョン「(いい反応だ!)」

キョン「ああ、もうすぐ校門だ。そろそろ手を離さないと誰かに見つかって言いふらされても事だぞ」

長門「……それは好ましくない。……涼宮ハルヒに情報が歪曲して伝達してしまうケースも考えられる」

キョン「(……歪曲もくそもないと思うが)」

長門「……あなたには決して下心はないのに、あらぬ誤解を受ける」

キョン「そ、そうだな(心が痛む……)」

~教室~

キョン「はー」

ハルヒ「あら、今日は遅かったわねバカキョン」

キョン「おーす……まぁ、今日は長門の歩くスピードに合わせて来たからな」

ハルヒ「え?」

キョン「え、あ、いや」

ハルヒ「あんたたち一緒に学校来たの?」

キョン「なんだ、その……途中でたまたま会ってな」

ハルヒ「あ、そうなの。そういえば有希が登下校してるってあんまり見ないわよね」

キョン「そ、そうだなあ」

キョン「(あ、危ねえ!)」

~放課後・部室~

ガチャ

キョン「うーす」

キョン「あれ、長門オンリー?」

長門「……コクリ」

キョン「そっかそっか……はー、今日も一日疲れたなあ」

長門「……」

キョン「……」

長門「……あなたは今、暇を持て余している」

キョン「ん?ああ、まあそうだな。古泉もまだ来てないし」

ガタッ

キョン「ど、どうした?急に席なんか立って」

長門「……だっこ」

キョン「!?」

長門「……時間があるのならば協力して欲しい」

キョン「長門……今朝からなんかおかしいぞ?大丈夫か?」

長門「……?」

キョン「いや、個人的には一向に構わないんだけどな」

長門「……そう、よかった」

ぽふ

キョン「(長門が俺のひ、膝の上に!)」

長門「……だっこ」

キョン「は、はい……(もうどうでもいいや!)」

ぎゅー

長門「……♪」

キョン「母さん、僕は今幸せです」

長門「……適度な温もりと柔らかさは安心感につながることがわかった。興味深い」

ぎゅー

キョン「夢なら覚めないでくれ……」

ガチャ

ハルヒ「あー、掃除なんかかったるくてやってらんないわよ!」

ハルヒ「!?」

キョン「あ……」

長門「……!」

ハルヒ「あ、あ、あ……あんたら何してんのよ!」

キョン「ま、まてハルヒ!とりあえず落ち着け!」

長門「……勘違いしないで。彼に下心はない。……私のことを考えてくれている」

キョン「長門!?誤解を与えるような言い方はやめなさい!」

長門「……?」

ハルヒ「……」

わなわな

キョン「ひ……」

ハルヒ「いいから有希から離れなさい!このエロキョン!!!!!」

ハルヒ「まったくもー……油断も隙もあったもんじゃないわね」

キョン「いや、だからな」

ハルヒ「あんた次有希にちょっかい出したら、即血祭りだから覚えときなさいよ……」

キョン「わ、わかってるよ!もう長門には指一本触れないから!」

長門「……」

しゅん

キョン「(無言で俺を見つめるのはよしてくれっ……くそう)」

ハルヒ「まったく、神聖な部室をなんだと思ってるの?これだから男は……」

ハルヒ「有希、あのバカに変なことされなかった?」

長門「……問題ない。優しくて、温かくて……とても心地よかった」

ハルヒ「!?」

キョン「(たのむ長門……もう何も喋らないでくれ)」

ハルヒ「うー……」

イライラ

ハルヒ「あ゛ー……」

イライラ

みくる「ひぃ……」

古泉「(……ちょっと、何かあったんですか?)」

キョン「(いや、実はその、かくかくしかじかで……)」

古泉「(ははあ、それでまるまるうしうしってわけですね……ちょっと軽率ですよ、あなた)」

キョン「(す、すまん)」

古泉「(たまには無言で部屋を出て仕事に向う僕のことも、思い出してください……)」

キョン「(古泉……)」

古泉「で、では僕はバイトがあるので」

みくる「お、お疲れさまぁ」

キョン「がんばれ、古泉」

ハルヒ「ああ、もう!今日は解散!」

みくる「ひゃ、ひゃい……」

キョン「……はぁ」

長門「……」

ハルヒ「じゃあキョン!あんた最後にちゃんと鍵閉めて出なさいよ!じゃあね!」

バタン!

キョン「……」

みくる「……かなり怒ってましたねえ」

長門「……」

みくる「あのぅ、何かあったんですか?」

キョン「い、いえ。特には……ははは」

みくる「?」

みくる「じゃあね、キョンくん。長門さんもまたあした」

キョン「ええ」

長門「……コクリ」

キョン「さあ、長門。もう鍵締めるから、続きは家で読んでくれ」

長門「……コクリ」

キョン「今日は悪かったな、なんかとばっちりを食わせてしまったみたいで」

長門「……問題ない。それより」

キョン「え」

長門「……ふりーはぐ」

キョン「なな、長門!?」

長門「……あなたに触れていると、ストレスが緩和されることがわかった」

キョン「何を言って……わ!」

ぎゅー

長門「……新しい発見。とても興味深い」

すりすり

キョン「だ、だから!今日ハルヒに怒られたばっかりだろ!?」

長門「……わかっている。涼宮ハルヒの前ではもうしない」

キョン「超絶わかってねえ!」

長門「……さらに調査を続けて、ストレス緩和の理由を詳しく探る。協力して」

ぎゅー

キョン「ら、らめぇ……」

ガチャ

ハルヒ「あたしとしたことが忘れ物を……って!?」

ハルヒ「……」

キョン「あ……あ……」

長門「……予想外」

ハルヒ「……」

プチッ

ハルヒ「くぉぉぉぉぉらああああああああああああボケキョン!!!」

キョン「ひぎぃ!」

ハルヒ「あ?お前節操って言葉知らないのか?ん?」

キョン「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……ひぃぃぃ」

長門「……イラッ」

    ∩____∩: :.+
ワク. | ノ      ヽ+.:
:.ワク/  ●   ● | クマ
  ミ  '' ( _●_)''ミ クマ

. /  ._  |_/__ノヽ   
 -(___.)─(__)─

ハルヒ「ほら、有希!あんたも嫌がらないと、この変態調子に乗るから」

長門「……嫌ではない」

ハルヒ「え……」

長門「……彼にはストレスの緩和を手伝ってもらっていた」

ハルヒ「ゆ、有希……?」

長門「……彼と居るととても落ち着く」

ハルヒ「あ、あの」

キョン「ま、まあ落ち着け!長門のまつ毛が目に入ったから、それを見てやってただけだ!」

ハルヒ「な、なんだ……そうなの。あ、あたしなんか変な勘違いしてたわ……はは」

長門「……」

キョン「(はあ……こりゃまた明日古泉に睨まれるな)」

キョン「とりあえずみんな、今日はもう帰ろう、な?」

長門「……」

愛してる

    ∩____∩: :.+
ワク. | ノ      ヽ+.:
:.ワク/  ●   ● | クマ
  ミ  '' ( _●_)''ミ クマ

. /  ._  |_/__ノヽ   
 -(___.)─(__)─

    ∩____∩: :.+
ザワ. | ノ      ヽ+.:
:.ザワ/  ①   ① | ザワ
  ミ  '' ( _●_)''ミザワ

. /  ._  |_/__ノヽ   
 -(___.)─(__)─

    ∩____∩: :.゛
ビク. | ノ      ヽ゛.:
:.ビク/   ○ーー○  | ビク
  ミ  '' ( _●_)''ミ ビク

. /  ._  |_/__ノヽ   
 -(___.)─(__)─

長門「……じゃあ」

キョン「おう」

ハルヒ「ま、また明日ね」

バタン

キョン「……」

ハルヒ「……」

ハルヒ「ね、ねえ」

キョン「な、なんだ?」

ハルヒ「あんたたちって、その」

キョン「え?」

ハルヒ「いや、だから、その……あんたと有希」

キョン「あー……」

ハルヒ「……つ、付き合ってたりする……の?」

キョン「いや!そんなことは!」

ハルヒ「あ……ほ、ほんとに?」

キョン「ああ……」

ハルヒ「そうなんだ……そっか、そっか」

キョン「今日はなんか長門の様子がおかしかっただけだ」

ハルヒ「有希が……?」

キョン「そういう日もあるさ」

ハルヒ「……ねえ」

キョン「?」

ハルヒ「あんたは、どうなの?」

キョン「え」

ハルヒ「有希のこと、好きだったり……する?」

キョン「は、ハルヒ?」

キョン「どうしたんだ、お前まで」

ハルヒ「……や、その、SOS団は部内恋愛禁止だかんね!」

キョン「はあ」

ハルヒ「それに、有希に悪い虫が付かないようにと思って」

キョン「だれが虫だ、だれが」

ハルヒ「あんたしかいないでしょ、虫けら!」

キョン「お前な……」

ハルヒ「……で、どうなのよ」

キョン「?」

ハルヒ「有希のこと好きなの?そ、そこまでとは言わなくてもちょっといいかなーって、思ってたりとか」

キョン「お、おい」

ハルヒ「その……もし、有希があんたのこと好きって言ったら、あんたはどうするの……?」

キョン「そんなことあるわけないだろ」

ハルヒ「……そうじゃなくて!もし、万が一の話をしてるのよ!」

キョン「なんか悪いもんでも食べたのか、お前」

ハルヒ「……」

キョン「まったく、変な日だな今日は」

ハルヒ「もういい」

キョン「ああ、待てよ!俺ももう帰るから!」

ハルヒ「……イライラ」

キョン「あ、電気消し忘れた!ハルヒ、玄関で待ってろよ!」

ハルヒ「うっさい!」

~校舎玄関~

キョン「おお、待っててくれたのか」

ハルヒ「……雨が降り出したからどうしようか考えてただけよ」

キョン「うわ、ほんとだ!いつのまに……ああ、でも置き傘あったな」

ハルヒ「……」

キョン「ほら、帰るぞ」

ハルヒ「あ、あたしは……」

キョン「濡れて帰るのか?いいから入れよ、ほれ」

ハルヒ「……ふん」

キョン「まったく、なんでお前はありがとうの一言が言えないのかね」

ハルヒ「……」

ハルヒ「もっとこっち寄りなさいよ……あんた濡れるわよ」

キョン「狭いだろ?」

ハルヒ「何よ、有希にはあんなにべったりで、あたしに近寄るのは嫌なわけ?」

キョン「なんでそうなるんだよ……」

ハルヒ「……ふん」

キョン「しかしもう春だってのに、まだまだ冷えるなあ」

ハルヒ「……」

ぴとっ

キョン「!?」

ハルヒ「あ、あんたが寒いって言うから、くっついてあげたんでしょ……感謝しなさいよ」

キョン「え?え?」

ハルヒ「あんたが体壊したら、誰が雑用するのよ……ばか」

キョン「(なんだ、どうなってんだよ……)」

いっしょだよ!

キョン「……」

ハルヒ「……」

ハルヒ「……有希と一緒に帰ったほうが楽しかったかもね」

キョン「おい、ハルヒ?」

ハルヒ「あんたたち、傍目から見てても仲いいもの」

キョン「そうか?」

ハルヒ「有希、あんたの言うことは素直に聞くし、あんたがいる時は良く喋るし……」

キョン「俺がいたって滅多に喋らんだろ、あいつは」

ハルヒ「あんたが居ないときは、一言も喋らないもの」

キョン「そうそう変わったもんでもないと思うけどな」

ハルヒ「……」

キョン「はあ」

ハルヒ「あんたはどうなのよ……」

キョン「おい、もうその話やめにしないか、非生産的すぎるぞ」

ハルヒ「有希に好きって言われたら嬉しいの……?」

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「まあ、長門はかわいいし、ああいう普段無表情な奴から好きだなんて言われたらグッと来るだろうな」

ハルヒ「……ああ、そう」

キョン「というか、誰でもそうさ。男なんて女の子に面と向って好き、なんて言われたらすぐその気になるようにできてるんだ」

ハルヒ「……」

キョン「その点、女子はそういうところがないからうらやましいよ」

ハルヒ「……」

キョン「俺たちゃいつも勘違いばっかりして四苦八苦だ」

ハルヒ「そんなの別に男だけじゃないでしょ」

キョン「え?」

ハルヒ「誰だって……好きって言われたら嬉しいし、意識しちゃうわよ」

キョン「なんだ、恋愛は病気の一種じゃないのか?」

ハルヒ「……うっさいわね!あたしじゃなくて一般的な話よ!」

キョン「ふむ」

ハルヒ「……?」

キョン「ハルヒ、聞いてくれ」

がばっ

ハルヒ「!?」

キョン「好きだ!」

ハルヒ「え?え?え?」

ハルヒ「あの、その、え?……でも、あたし……あう」

キョン「嘘だ!」

ハルヒ「はぁ!?」

キョン「嬉しかったか?今の」

ハルヒ「……調子乗ってんじゃないわよ!」

キョン「いってぇ!鞄の角で殴るな!角で!」

ハルヒ「あー……もー……」

ハルヒ「(どうしよ……絶対顔真っ赤だ……)」

キョン「今、お前俺の偽告白を聞いて、絶対にありえないと思っただろ?長門のことだってそれと同じだよ」

キョン「そんなことはありえないんだ、な、わかるだろ……」

ハルヒ「……ぽけー」

キョン「おい、聞いてるのか……?」

ハルヒ「……え?なんか言った?」

キョン「なんでもない……」

キョン「あ……雨止んだな」

カチッ

ハルヒ「あ、ちょっと……傘しまっちゃだめよ!」

キョン「はあ?」

ハルヒ「ま、まだちょっと降ってるでしょ!」

キョン「……そうかあ?」

ハルヒ「あたし濡れるの嫌だから、まだ差してなさいよ」

キョン「降ってないと思うんだがなあ」

ハルヒ「鈍感だからわかんないのよ、野蛮人!」

キョン「じゃあ、俺いいからお前差せよ」

ハルヒ「……そういうことじゃなくて」

キョン「?」

ハルヒ「もういい!めんどくさいからこのまま!」

ぎゅっ

キョン「なんだよまったく……雨も降ってないのに傘さしてたらバカかと思われるだろうに」

~翌日~

キョン「さて、いってきます」

長門「……ふりーはぐ」

キョン「な、長門!?」

長門「……ふりーはぐ」

キョン「何してんだこんなところで……」

長門「……一緒に学校へ」

キョン「いや、それは一向に構わないんだけどな……なんか昨日から変だぞ、お前」

長門「……そんなことはない」

キョン「そうか?ならいいんだが……とにかく昨日みたいなのはもうごめんだぞ?」

長門「……わかった、以後気をつける」

長門「……だから、手、繋いで」

キョン「ほんとにわかってますか長門さん……?」

ぎゅっ

長門「……♪」

キョン「はー……」

長門「……」

キョン「なあ、長門……お前の手っていつもこんなに冷たいのか?」

長門「……?……よくわからない」

キョン「春とはいえまだ寒いからな、体温管理には気をつけろよ……って、いらん心配か」

長門「……そんなことはない。感謝する」

ぴとっ

キョン「!?」

長門「……忠告通り、体温保持」

キョン「あ、あのな。人の腕にしがみつくより他に、もっとあるだろうお前なら」

長門「……これが一番」

キョン「……そうですか」

長門「……♪」

キョン「……」

長門「……ぺろぺろ」

キョン「なっ!?」

キョン「長門っ!なに!?なんで俺の手を舐めるがあるんだ!?」

長門「……あなたの傍にいるととてもリラックスする。あなたが分泌している物質に原因があるのではないかと仮説を立てた」

キョン「分泌ってあのな!」

長門「……ぺろぺろ……悪くない」

キョン「お前絶対どっかおかしいぞ!?なんか重たい病気にでもかかったんじゃないか!?」

長門「……そうかもしれない」

長門「……だとしたら、おそらくウイルス発生源はあなた」

キョン「もう舐めちゃだめです!ああ、びっくりした……」



ハルヒ「あんなに仲よさそうにして……キョンの嘘つき」

朝倉「フリー保守」

喜緑「フリー保守」

私待ーつーわ いつまでも待ーつーわ

>>258
よく帰ってきた!できれば酉つけといてくれ
あと、以前なんか他にSS書いてた?

>>261
もう日付変わったんだから酉いらんだろ

キョン「長門のこと好きなんだ!」

ハルヒ「!」

キョン「お前は嫌いしね」
ハルヒしね
ハルヒしね
ハルヒしね
>>1しえん

ほっしぃゆ

~教室~

キョン「よう、いつも早いな」

ハルヒ「あんた……あたしに何か報告することはない?」

キョン「? 変わった現象も目撃していないし、特にないと思うが」

ハルヒ「あっそ!ならいいわ!もうあたしに話しかけないで!」

キョン「俺は挨拶しただけで、話を振ってきたのはおまえじゃないか」

ハルヒ「うるさい!」

キョン(なんで怒ってるんだ? わけがわからん……)

キョン「とりあえず有希の写真でヌこう」シコシコ

ハルヒ「…私の写真はいる?」

キョン「ネットに流そーっと。」

ハルヒ「ら、らめぇ!」

ハルヒしね
ハルヒしね
ハルヒしね

しれん

長門「……続き読みたい」

ハルヒ「なによ、バカキョン!あんなにデレデレしちゃって」

ハルヒ「有希も有希よ!人前で手を舐めるなんて頭おかしいわよ!」

長門「……おかしいのはあなたのほう」

ハルヒ「有希!?いつからそこに」

長門「……ペロッ」

ハルヒ「ち、ちょっと!有希!どこ舐めて…」

ハルヒ「…あっ…///」





後は頼んだ

ハルヒ「…ちょっ有希…首筋はダメ…」

長門「…あなたの脈拍数は増加して呼吸も荒くなっている。体は正直」

ハルヒ「そんな抱きしめないで…いや、耳の裏なんてそんな…ヤンッ!」

ハルヒ「(こんなとこだれかに見られたら…)」

キョン「!?」

ハルヒ「キョン!?」

長門「…ユニーク」


続きは考えてない

ほしゅ

ハルヒ「あの二人って付き合ってるのかしら・・・。ハァ・・・ってなんで私がこんなこと考えなくちゃいけないのよ・・・!」
鶴屋「おや~ハルにゃんじゃないかっ!おはようっ!」
ハルヒ「えっ(ビクッ)?あ、鶴屋さんおはよう・・・。」
鶴屋「オヤオヤ~?ハルにゃん元気ないねー。どうしたんだい?悩み事かいっ?」
ハルヒ「・・・悩み?わからないわ。自分でもわからないの」

そんなこんなで季節はすっかり梅雨入りを迎えていた。
長門の方はと言えば、相変わらず突拍子も無い行動で俺を困惑させている。
しかし、問題は長門の奇行だけにおさまらず、ハルヒのどうしようもないイライラも収拾がつかない状態だ。
そのおかげか、いったい最後に古泉を見たのはいつぞやのことだろう。
俺はと言えば、長門にやめろと強く言うわけにもいかないし、いやまて、日本全国の男子高生がやめろと言えるはずがあるか、いや言えない、断じて言わないだろう!
誰かー、この状況を何とかしてほしい。

ぱぱぱやぱぱっぱぱ♪
なんでだろうあなたを選んだ私です~♪もうとm(ry

ざー(雨)

谷口「ようキョン。お前涼宮となにかあったのか?」

キョン「は?」

谷口「涼宮最近いっつも不機嫌だろ」

キョン「知らん」

朝倉「私も知りたいな、どうして涼宮さんが元気ないのか」

キョン「俺は知らん。本人に聞いてくれ」

谷口「ちぇっ、なんだよ」

キョン「谷口よ…何故俺に聞く…」

国木田「ほら、キョンって涼宮さんとクラスで一番仲良いからじゃないかな」

キョン「…(ハルヒハルヒハルヒハルヒ!なんでお前はこうもまとわりつくんだ)」

はぁ…今日も部室に行かなければならない。もちろん嫌なことばかりではないのだが…

ガチャ 長門一人か

キョン「よう」

長門「…コク」

キョン「(最近ぬくもりがどうとかちょっとは人間らしくなったとは思っていたが相変わらずだな…)」

キョン「…」

長門「…」ペラッ

ガチャ

キョン「朝比奈さん(オーマイプリ(ry)」

みくる「はい」っ□~

キョン「ズズズ…おいしいですよ」

みくる「えへ」

バタ~ン

ハルヒ「みんな喜んで!大事件よ~♪」

キョン「(いったいどこの誰が大事件と聞いて喜ぶのかおしえてほしい)」

しかし今日はやけにご機嫌だなハルヒ。こんな時は決まって面倒事に巻き込まれる…

キョン「で、なんだその事件ってのは?」

ハルヒ「古泉くんよ」

そう言えば長門の奇行の頃から姿が見えないな

キョン「古泉がどうかしたのか?」

ハルヒ「最近まったくSOS団に姿を見せないわよね?」

だからどうした…。健全な男子高生なら逃げもするだろう…

ハルヒ「それで今日職員室に行って聞いてみたの。そしたら…早退、遅刻、欠席がかなりの数あったのよ~♪」

誰のせいだ…

キョン「で、何故それが事件なんだ?古泉にも何か家庭の事情とかがあるんだろう」

ハルヒ「バンッ!ちょっとキョン!あんたSOS団の団員でしょ!」

キョン「何が言いたい?」

ハルヒ「団員のピンチにはSOS団一丸となって立ち向かうべきよ!」

まだ古泉の危機と決まったわけではないがハルヒは最近ずっと不機嫌だったし…少し心配だ…

ハルヒ「行くわよ♪」

キョン「どこへ?」

ハルヒ「やると決めたら今すぐ調査開始よ!みくるちゃんも行くわよ!」

みくる「ひぃぃ痛いですぅぅ」

そんなこんなでハルヒの半ば強引な説得で行くあてもなく俺たちSOS団は聞き込み調査のために駅前へと足を運んだ。
しかしこんな聞き込みで情報を得られるほど古泉は有名人ではないはずだ。
今日もまた不毛な一日になると思った矢先…

ハルヒ「ふたてに別れましょう」

せーのッ

ハルヒ―みくる

キョン―長門

ハルヒ「ッ…。キョン!デートじゃないんだからね!」

よりによって長門と二人とは…また古泉はしばらく部室には来れないかもしれないな…

キョン「どうする?」
長門「スッ」

すると長門は無言でなんてことのない普通の喫茶店を指差した。

キョン「…あそこに…入りたいのか?」
長門「…コク」

これは普通の女の子には普通のことであるが、こと長門においては普通ではないのだ!

キョン「長門は…紅茶でいいか?」

長門「かまわない」

キョン「ゴクゴク…」

長門「ゴクゴク…」

………………

キョン「ぱ、パフェなんかは(食べないか…)」

長門「…たべる」

なんと…自称、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェイスがぱふぇえを…

キョン「長門も甘いもの食べるんだな」

長門「…」

キョン「うまいか?」

長門「ポロポロ」

キョン「なが…と?」

何故泣く!何故だー!誰かー!

長門「…わからない」

キョン「わから…ない?」

長門「味覚と言う概念は理解しているが、実感として理解できない。統合思念体は物体として存在しないから。」

キョン「長門…」

長門「わからない…いくら食べても…わからない」

対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェイス長門のそれは涙にしか見えなかった…

キョン「長門…スプーンかせ」

何言ってる俺は?

キョン「ほら…もう泣くな。俺が食べさせてやるから。涙拭け」

長門「…」

キョン「ほら、食べてみろ」

長門「…コク」

キョン「うまいか?」
長門「…」ポロポロブワッ

長門「…コクッコクッ」ポロポロ

長門は何度も俺の問いにうなずいた

キョン「そうか」

長門「…コク」ポロポロ

キョン「…落ち着いたか?」

長門「コク…ありがとう」

キョン「はうあ!///」

今なんと!?いかん、これ以上は俺がどうかしてしまう

キョン「よ…よし。そろそろ行くか」

店員「¥¥¥¥円になります」

結局この店は俺が払ったのだが、今日の出来事を思えば安いものだ

ハルヒ「遅い!遅刻!何してたのよ!」

とりあえず俺は執拗に詰め寄るハルヒになんとか上手く言い訳をし、事なきを得た。
もちろん聞き込みの成果は言うまでもなくなしである

さて…今日も部活…いや正確には団活へ向かうのだが、諸君、俺の足取りは何故こんなにも軽いのかはっはっは

ガチャ

キョン「よう、長門」

長門「…コクッ」


テッテレッテー♪テッテレッテ~レーレ~♪
トゥントゥントゥトゥン♪
テッテレッテー♪テッテレッテ~レーレ~♪
トゥントゥントゥトゥン♪

なぞなぞみたいに地球儀を解き明かしたら♪みんなでどこまでも行けるね~♪
わくわくしたいと願いながら過ごしてたよ♪叶えてくれたのは誰♪
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第一話 長門有希の憂鬱 終わり

>>1ありがとう

長門有希の憂鬱 第二話

ほしゅだ

キョン「(それにしても今朝の長門は一体どうしちまったんだ…。まさか本当に壊れたんじゃないだろうな)」


~教室~

キョン「よう」

ハルヒ「……」

キョン「無視かよ。まったく」

ハルヒ「あんた…」

キョン「ん?」

ハルヒ「あんた、有希と付き合ってんの?」

キョン「またそれか。こないだも言っただろ。付き合ってないって」

ハルヒ「じゃあ今朝のあれは何よ。」

キョン「?なんのことだ?」

ハルヒ「今朝、有希があんたの手を舐めてた。」

キョン「!?見てたのか!」

ハルヒ「ええ。」

キョン「あれは長門が…」

ハルヒ「有希が?」
ハルヒ「あんたまだ有希に変なことさせてるの?」

キョン「いや、そのようなことは断じてしてない!」

ハルヒ「じゃああれは何なのよ」

キョン「あれはなんというか……長門が突然だな、手をペロペロとしてきて」

ハルヒ「で、あんたはそれで嬉しかったわけ?」

キョン「嬉しいという言葉が正しいかはわからないが、なにかえも言われぬ新しい感覚を覚えたことは事実だな」

ハルヒ「私でも?」

キョン「?」

ハルヒ「私がしてもそうなるの?」

キョン「えーと、ハルヒ?なに……が?」

ハルヒ「何でもないわ。失言よ。忘れなさい」

キョン「はぁ?」
キョン「(なんだ?やけに静かだな今日のハルヒは)」

ハルヒ「最後に一つ答えなさい」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「あんた、本当に有希とは付き合ってないの?」

キョン「ああ。付き合っていない」

ハルヒ「そう……」

キョン「(そして空を見上げるハルヒ…。おかしいぞ。なんだこの威圧感のなさは)」

あーつまんね

~昼休み~

中庭にて

ハルヒ「はあ……」

鶴屋「おや!ハルにゃんじゃないか!」

ハルヒ「あ、鶴屋さん」

鶴屋「どうしたの~?元気ないねえ」

ハルヒ「ええ。まあね」

鶴屋「悩みごとかいっ?お姉さんに相談できることなら言ってごらん?」

ハルヒ「……」
ハルヒ「ねえ鶴屋さん」

鶴屋「なんだい?」

よし支援だ

ハルヒ「手を…」

鶴屋「手?」

ハルヒ「誰かの手を舐めたいと思ったことってある?」

鶴屋「Σ(´д`)」
鶴屋「あははー唐突に何だいそれはっ!」

ハルヒ「私ね、今朝見ちゃったのよ。」

鶴屋「何を見ちゃったのかな?」

ハルヒ「女が男の手を舐めてるところ」

鶴屋「ほほう……。そりゃまた…」

ハルヒ「その女の子はまるで壊れものを触るかのような繊細さで男の手を取ったのよ」
ハルヒ「そして愛おしそうに舐めたわ」

鶴屋さんの手なら舐めたい

ハルヒ「なにかその二人の周りだけ違う世界に入り込んだかのような感じがしたわ」
ハルヒ「ねえ鶴屋さん。その二人ってどう思う」

鶴屋「どうって・・・うーん・・・付き合ってるんじゃないのかいっ?」

ハルヒ「あーうぜえ」

鶴屋「え?ハルにゃん?」

ハルヒ「あ、何でもないの。きにしないで」

鶴屋「もしかしてその二人ってキョンくんと長門さんかな?」

ハルヒ「!」

鶴屋「あ、やっぱりそうなんだ・・・!」

ハルヒ「うん・・・」

鶴屋「ハルにゃんはあの二人が特別な関係に見えたんだね?」

ハルヒ「ええ・・・」

鶴屋「キョンくんと長門さんは付き合ってるのかな?」

ハルヒ「解らないわ」
ハルヒ「キョンは違うって言うんだけど」

鶴屋「そうかい・・・。」
鶴屋「ハルにゃんならどうだい?」

このままハルヒしね
このままハルヒしね
このままハルヒしね

ハルヒ「どう・・・って?」

鶴屋「誰かの手を舐めてみたいと思った事ある?」

ハルヒ「・・・・・・」

鶴屋「私はあるにょろ」

ハルヒ「・・・キモ(ボソッ」

鶴屋「え?」

ハルヒ「あ、何でもないわ。続けて」

鶴屋「私はあるよ。好きだった男子がいたからその人なら手だけじゃなく何処でも舐められるって」

ハルヒ「何処でも・・・?」

鶴屋「ああ、何処でもっさ!」
鶴屋「きっと長門っちもそう思ってるかもしれないよ」

ハルヒ「何処でも舐める・・・?(ゴクリ」

鶴屋「ハルにゃんは?」

ハルヒ「ええ、そうね。好きだったらそう思うかもしれないわね」

鶴屋「ハルにゃんはキョンくんの手、舐めたいと思った?」

ハルヒ「わ、私はそんな・・・///」

鶴屋「んー?」

ハルヒ「ただ、あいつが有希に手を舐められた時に嬉しそうだったから
     私が舐めてもあいつはそんな顔するのかな、とは思ったわ。それだけよ///」

鶴屋「ほほう・・・。」

ハルヒ「・・・?」

鶴屋「なら、やってみればいいっさ!」

ハルヒ「は?」

鶴屋「キョンくんの手を舐めてみればいいではないかっ!」

ハルヒ「頭おかしいん?」

鶴屋「え?」

ハルヒ「あ、何でもないわ。」

鶴屋「ハルにゃんが長門っちと同じようにキョンくんの手を舐めてみて、どんな反応をするか知りたくはないかいっ?」

ハルヒ「え・・・そんなこと・・・。」

鶴屋「おや?嫌なのかいっ?」
鶴屋「私の予想だとハルにゃんはキョンくんに嫌われてはないと思うっさ!むしろその逆っさ!」

ハルヒ「・・・うーん。そうかしら」

鶴屋「そうっさ!いっちょやってみるっさ!っさー!」

ハルヒ「(っさー?)」
ハルヒ「う、うん。そうね。まあ一回くらいなら有希もやってたし、私もやってやろうかしら!」

~授業中~

ハルヒ「(とは言ったものの・・・そんなこといつすればいいのよ)」
ハルヒ「(やっぱり登校を一緒にするのが一番手を舐めるチャンスはあるわ)」
ハルヒ「(偶然を装ってキョンの家の前で待ってれば一緒に学校に行ける筈・・・!)」
ハルヒ「その時に隙を突いて一発かませばいいんだわ」

教師「おい涼宮アアアァァ!声に出てんぞォォォ」
教師「せめて脳内で完結しろォォ」

ハルヒ「あ?」

教師「あ、すいません・・・^o^;」

キョン「なんだ?」

5~6時間中断な
この続きでよければ

なんだこの保守が当たり前みたいな態度は…!
そんな面白いSS書いてると思ってるのか?こいつは

>>381
VIP初めてか?力抜けよ

>>1が帰ってくるかもわからないものを保守するんだからその時点で文句言えない立場に自分から置いてるわけで
しかも今の奴は>>1かどうかもわからない
つまり糞スレ

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