舞園「苗木君は弟みたいです」 (112)

苗木「あはは、弟かぁ……はぁ」

舞園「だから」

苗木「?」

舞園「こんな状況の時には一緒の方が良いです」

苗木「えっと、つまり……」

舞園「今日から一緒の部屋で過ごしましょう!」

苗木「えぇぇ!!」

舞園「善は急げです、苗木君、鍵を貸してください」

苗木「え、いや舞園さ」舞園「早く!」

苗木「は、はい!」

舞園「お姉ちゃんのベッドで寝ながら待ってて下さいね」

ガチャッバタン

苗木「い、いきなりどうしたんだろう」

苗木「というか一緒の部屋でって……いやでも、弟って……うーん」

ガチャッバタン

舞園「苗木君の持ち物全部持ってきました! これがあればそっちの部屋に戻る必要もありませんよ!」

苗木「ほ、本当に一緒の部屋で過ごす気なんだ……」

苗木「あのさ、舞園さん」

舞園「……それ」

苗木「え?」

舞園「これからは姉弟ですよ? 舞園さんはやめてください」

苗木「じ、じゃあなんて呼べば良いのかな?」

舞園「そうですね、さやかお姉ちゃん、なんてどうですか?」

苗木「その、さやかさんじゃダメ?」

舞園「ダメです」

苗木「えっと、じゃあ双子ってことにしてさやかとか」

舞園「私が姉、ですからね?」

苗木「……」

苗木「結局」

舞園「どうしたんですかまこちゃん?」

苗木「さやか姉さん、まこちゃんはやめて欲しいんだけど……」

舞園「姉さんじゃなくてお姉ちゃんにするならまこ君にしますよ?」

苗木「同級生をお姉ちゃん呼びって、恥ずかしいよ……」

舞園「いやなら姉さんのままでも良いですよまこちゃん」

苗木「うぅぅ……さ、さやかお姉、ちゃん」

舞園「まこ君よく出来ました」

なでなで

苗木「は、恥ずかしいなぁ……」

苗木「ところで舞園さん」

舞園「……」

苗木「さ、さやかお姉ちゃん」

舞園「はい、なんですかまこ君?」

苗木「あのさ、やっぱり男女二人で同じ部屋は……」

舞園「問題ありませんよ、姉弟なんですから、ね?」

苗木「でもさ」

舞園「良いですから今日はもう寝ましょうねまこ君」

苗木「ぼ、ボクはそこの床で寝るよ」

舞園「ダメですよ、風邪引いちゃいますし、だから」

ぐいっ、どさっ

苗木「うわっ!」

舞園「まこ君」

苗木「ま、さやか、お姉ちゃん?」

舞園「ふふっ」

苗木「姉弟って、言ってたのに……」

舞園「姉弟でも、こういうことをするって話は聞きますよね?」

苗木「でも、それでも……」

苗木「抱き合って寝るなんて恥ずかしいよ」

舞園「まこ君は、一緒に寝るのは嫌ですか?」

苗木「そういうわけじゃないけど、さやかお姉ちゃん……」

舞園「ふふっ、良いじゃないですか、こうして」

ぎゅうう

舞園「抱き合うのって気持ちいいですしね?」

苗木「う、うん……」

舞園「ふふっ、暖かい」

苗木「そ、そうだね……」

舞園「こうしてると思いませんか?」

苗木「な、なにをかな?」

舞園「恋人みたいですよね、私たち」

苗木「!!」

舞園「冗談です、姉弟、ですからね」

苗木「あ、あはは、そうだよね……」

舞園「でも、今夜だけは男女としt」

ピンポーン

苗木「……」

舞園「……」イラッ

苗木「誰か、来たみたいだね?」

舞園「まこ君はベッドにいてくださいね」

苗木「う、うん、わかったよ」

ガチャッ

桑田「ごめんね舞園ちゃんこんな時間にさぁ」

桑田「でもほら、閉じ込められてコロシアイなんてマジでありえないしさぁ」

桑田「舞園ちゃん怖がってるんじゃないかって心配になったんだよねー」

桑田「というか舞園ちゃんこんなところにいて怖くないわけないよな、なっ?」

桑田「だからさぁ、オレが舞園ちゃんと一緒にいてあげるぜ?」

桑田「っつーわけで、今日からオレもここで寝させてくれよ」

桑田「あ、大丈夫だって! 別になんにもしないからさ」

桑田「だから」

バタン

桑田「……」

桑田「……あぽ?」

モノクマ「ここで皆さんに悲しいお知らせです」

モノクマ「舞園さやかさんの部屋を訪れ拒まれた桑田怜恩君が、何故か不思議なことに廊下で居眠りをしていました」

モノクマ「不思議すぎて、首が一回転しそうです」

モノクマ「こんな簡単な校則も守れない桑田君には、非常に残念ですが罰を受けてもらいます」

モノクマ「SやかMいぞの、SMさんの希望によりお仕置きは閉まるドアに1000回跳ね飛ばされる、というものになりました」

モノクマ「うぷぷ、心と体、どっちが先に壊れるかな?」

苗木「桑田クン、どうしたの」

舞園「さあ、トイレにでも行きたかったんじゃないですか?」

苗木「でも、心配とかなんとか……」

舞園「お漏らししそうだったんですよきっと、桑田クンは忘れましょう」

苗木「でも」

舞園「ベッドから出たら体が冷えちゃいました、暖めて下さいまこ君」

ぎゅっ

苗木「わわっ……ま、舞園さ」

舞園「違いますよ、まこ君?」

苗木「さ、さやかお姉ちゃん、そんなくっつかなくても……」

舞園「はぁ、まこ君は暖かいです……」

ぎゅううう

苗木「うぅぅ……」

苗木「朝になった」

苗木「寝れないと思ってたけど気が付いたら熟睡してた」

苗木「舞園さんに抱かれて寝るの、幸せだったなぁ」

苗木「……」ジーッ

舞園「……すぅ……すぅ」

苗木「やっぱり舞園さんは可愛いよなぁ、アイドルだもんね」

苗木「どうして、ボクなんかとこんなことしてるんだろう」

苗木「……せめて、舞園さんが幸せになれるように頑張ろう!」

苗木「さ、さやかお姉ちゃん、ボクは妹とこんな風に手を繋いだりなんてしたことないんだけど……」

舞園「兄妹はそうかも知れませんが、姉弟ですからこれで良いんです」

苗木「そう、なのかなぁ?」

舞園「はい、ほら早く食堂に行きましょう?」

苗木「……うん」

舞園「ふふっ、なにも気にしなくて良いんですからね」

舞園「まこくーん」

朝日奈「あれ、まこくん?」

苗木「ま、舞園さん、朝日奈さんたちが見てる前では……」

舞園「ちがいますよ、まこ君?」

苗木「さ、さやか、お姉ちゃん……お願いだから……」

朝日奈「さやかお姉ちゃん!?」

大神「一体どうしたのだ」

舞園「実はですね――」

舞園「――というわけで、昨日から姉弟なんです」

朝日奈「へぇぇ、私も弟とか欲しい!」

大神「ふむ、姉妹や兄弟も、悪くはないかもしれぬな」

苗木「あ、あのさ、それなら三姉妹で仲良くしたら……」

舞園「昔、末っ子の長男に姉が三人いるってドラマがありましたし、丁度良いですね」

朝日奈「誠って呼ぶのかぁ、えへへ」

大神「……誠よ、我も姉で構わぬか?」

苗木「はぁ、もう好きにしてよ……」

大神「葵、さやか、誠、朝食が出来たぞ」

朝日奈「わーいさくらちゃんありがとう!」

舞園「さくら姉さん、ありがとうございます」

苗木「ありがとう、さくらお姉ちゃん」

大神「ふっ、気にするな」

苗木「うん、いただきます」

舞園「はいまこ君、あーん」

苗木「えぇっ!」

朝日奈「あー、さやかちゃんがそうするなら私も誠にしてみよう、あーん」

苗木「え、えっと、その」

大神「せめて冷める前には食べ終わるのだぞ」

朝日奈「はーい!」

舞園「ほらまこ君、冷めるまえに食べてください」

苗木「あー……あはは……」

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