あ
苗木「霧切さん!」
霧切「何かしら苗木くん。私今、忙しいのだけれど」
苗木「一緒にお茶しようかと思ったんだけど……忙しいなら仕方ない、諦めるよ」
霧切「……そうしてくれると助かるわ」
苗木(まぁ、初日はこんなものかな……)
翌日
苗木「あっ!霧切さん、もし暇なら……」
霧切「あら、お茶のお誘いかしら。いいわよ、昨日断ってしまったお詫び」
苗木「ありがとう!紅茶でいいかな?」
霧切「ええ、お願い」
苗木「はい、どうぞ。お茶いれるのってあんまり慣れてないけど、どうかな……」
霧切「まぁ、及第点ってところかしら。今後に期待するわ」
苗木「あははは、手厳しいなぁ霧切さんは……」
苗木(今後にってことは、また誘ってもいいんだよね?)
翌日
苗木「あっ霧切さん、こんなところにいたんだね」
霧切「あら、苗木くん。もしかして探してたのかしら、それならごめんなさい」
苗木「ううん、僕が勝手にしたことだから、気にしなくていいよ」
霧切「そう……。それで、今日もお茶をいれてくれるのかしら?」
苗木「その前に、一緒に運動しない?たまには、さ」
霧切「運動?」
苗木「ほら、せっかく大きなプールがあるんだから」
霧切「……破廉恥ね、苗木くん。運動という名目で、私の水着姿を見る気?」
苗木「それは違うよ!」
霧切「そう全力で否定されるのも、悲しいのだけれど……」
苗木「あ、い、いやごめん!見たくないわけじゃないよむしろ見たいんだけどそういうことじゃなくって、」
霧切「結局見たいんじゃない、やっぱり破廉恥なのね苗木くんは」
苗木「あ、う、えー……」
霧切「……くすっ。冗談よ、苗木くんに限ってそんなこと、あるはずないものね」
苗木「も、もう霧切さん!意地悪しないでよ、本気で落ち込みかけちゃったよ……」
霧切「萎木くんね」
苗木「?」
霧切「こほん、なんでもないわ。さぁ、プールへ行きましょうか。こう見えても運動は得意なのよ、私」
苗木「あ、待ってよ霧切さん!」
~プール~
苗木「霧切さん、着替え遅いな……女子は皆そうだってネットで見たけどほんとなんだな」
霧切「……お待たせ、苗木くん」
苗木「あ、着替え終わったの霧切さ……スク水……だと……」
霧切「おかしいかしら」
苗木「その質問がおかしいよ!ひらがなで名前書いてあるし、いつの水着なんだよ……」
霧切「あんまりじろじろ見られると恥ずかしいのだけれど」
苗木「もっと恥ずかしがるべきところがあるんじゃないかな!……あ、手袋は外さないんだね」
霧切「外したわよ、さっきまで付けてたやつは。これは運動用のぴっちりした手袋なの」
苗木「霧切さん、いくつ手袋持ってるの……」
霧切「それはさておき、早速泳ぎましょうか。……競争でもする?」
苗木「軽く馴らしてからしようか」
霧切「そうしましょうか」
苗木(そう言って、霧切さんはプールに入ろうと、足を水面に伸ばした)
苗木(そこで、水温が予想より低かったのか、「ひゃっ!」という可愛らしい小さな声をあげたのを、僕は聞き逃さなかった)
苗木(顔を赤らめながらも、何事もなかったかのように身体を水に濡らした霧切さんは、水中にぶくぶくと沈んでいった)
苗木「……浮上してくる前に、僕の僕を鎮めなきゃ」
霧切「そんなこんなで、競争は私が圧倒的だったわね。特に平泳ぎ。苗木くん、もう少し身体を鍛えた方がいいわよ」
苗木「う、うん……そうだね」
苗木(平泳ぎする霧切さんを後ろから見て興奮していただなんてとても言えない……)
霧切「……どうしてもっていうなら、私が鍛えてあげても」
苗木「朝比奈さんか、大神さんに鍛えてもらおうかなぁ……どっちがいいと思う?霧切さん」
霧切「…………」
苗木「霧切さん?」
霧切「苗木くん。私に惨敗した罰として、苗木くんにオシオキをすることにしたわ」
苗木「えっ」
霧切「これから二日に一度、苗木くんが私に勝てるようになるまで、水泳を教えてあげる。わかった?」
苗木「う、うん!?わ、わかったよ霧切さん……勝てるように頑張るよ」
苗木(むしろご褒美な気がするんだけど……スク水でさえなければ。ビキニは似合いそうにないけどね。ほら、足りてないから)
霧切「……何か失礼なことを考えなかったかしら?」
苗木「そ、そんなことないよ!あ、そうだお腹空いたよね霧切さん何かつくってあげるよ!」
霧切「そう?気が利くじゃない。苗木くゆのくせに。お言葉に甘えるとするわ」
苗木「じゃ、じゃあプールから上がろうか」
霧切「ええ。……楽しかったわね」
苗木「え?なんだって?」
霧切「いいえ、なんでもないわ」
数日後
霧切「苗木くん」
苗木「ん……あれ、きりぎりさ……霧切さん!?なんで僕の部屋にいるのさ!」
霧切「鍵が開いていたからよ。無用心ね、誰かに襲われたらどうするつもり?」
苗木「どうしようか今必死に考えてるところだよ!」
霧切「寝起きだというのに元気が良いわね、苗木くん。何か良いことでもあったのかしら」
苗木「可愛い女の子に起こされたことかな!心臓に悪いけどね!」
霧切「…………っ。そう、今度からノックしてから入るわ」
苗木「僕が寝てたら何の意味もないんだけどね!」
苗木「もう、びっくりし過ぎて元気になっちゃったよ……」
霧切「朝から破廉恥ね、苗木くんは」
苗木「それは違うよ!むしろ霧切さんの方が破廉恥なんじゃないかな!」
霧切「苗木くんは、女の子を破廉恥扱いするような人だったのね……幻滅したわ」
苗木「あ、ご、ごめん……じゃないよ!先に言いがかりつけてきたのは霧切さんだよ!?」
霧切「女子は何をしても許されるのよ。覚えておきなさい」
苗木「じ、女尊男卑だ……」
舞園「あ、苗木くん!おはようござ……何で霧切さんと一緒に来たんですか?」
苗木「おはよう舞園さん。ええっと、それは……」
霧切「何だっていいじゃない。苗木くんが朝からハッスルしていたっていいじゃない」
苗木「あえて誤解を招くような言い方しないでくれるかな霧切さん!?」
舞園「苗木くん、まさか霧切さんに無理やり何かされたんですか!?」
山田「な、なんと!?羨ましいですぞこんちくしょぉぉぉおおお!!」
苗木「いやいや、何にもないよ!寝坊しかけた僕を、霧切さんが起こしてくれただけなんだ」
舞園「そ、そうなんですか……それならいい……んですか?」
苗木「明日は舞園さんに頼もうかな!迷惑じゃなかったら!!」
舞園「え!?ほ、ほんとですか!!迷惑なんかじゃありませんよ大歓迎です苗木くんの役に立てるのなら何だってしますよ!」
霧切「…………」
寝るわ
無視するだなんてそんな可哀想な展開書けるわけないだろ霧切さんメンヘラになるだろリスカするだろ苗木本気でドン引きするだろ他殺に見せかけて自殺するだろ全員道連れだろバッドエンドやん
あのお風呂画像貼ってくれる人いないかなー
俺が続きを書こうか?
1ヶ月後
苗木「もう1ヶ月間霧切さんに構い続けたし、そろそろかな」
苗木「心苦しいけど頑張るぞ」
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霧切「おはよう、苗木くん」
苗木「…」
霧切「苗木くん?」
苗木「…」
霧切「…どうしたの?」
苗木(流石に無視はこっちにもこたえるものがあるな、ちょとは構ってあげたほうがいいのか?)
霧切(この距離で聞こえてないことはないはず、なら反応がないのは何故かしら?)
霧切(考えられることは私が苗木くんの怒りに触れるようなことをしてしまった…)
霧切(でも昨日まではそんな仕草は見られなかったわ)うーん
苗木(何か考えこんでいる今のうちに…)
霧切「…ぁ」
霧切(行ってしまったわ、原因を突き止めなければ)
食堂
苗木「」
霧切(苗木くんは一人ね、色々考えたけど本人に聞くのが一番早いわ)
霧切「あの、なえ苗木「あ、舞園さんよかったら隣で食べていいかな?」
舞園「もちろんです、苗木くんにお願いされたら断れません」
苗木「ありがとう」
霧切「…」
苗木(ちょっと無理やりだったけど大丈夫だよね)
霧切(…)
霧切(あれだけ一緒にいたっていうのに、何が原因でこうなったのかしら)
霧切(いつも独りだった私に話しかけてくれて隣にいてくれた苗木くん)
霧切(何日もかけて築き上げたものを崩れさせるのは一瞬ということね)
霧切(いいわ、また独りに戻るだけよ)サッ
苗木「それで、桑田くんが…」
舞園「へぇ、そうなんですか」
苗木「」チラ
苗木(あれ、霧切さんいつの間にいなくなったんだ?)
苗木(まぁいいや、話しかけられると無視するのが苦しいだけだし)
苗木「それから霧切さんが僕に話しかけてくることは無くなった」
苗木「もう何週間霧切さんと話してないだろうか?」
苗木「彼女とは普段どんな会話をしていたんだろう、そんなことすら忘れてしまった」
苗木「そもそも、僕はなんで霧切さんにこんなことをしようと思ったんだろう?」
苗木「霧切さんのことを考えると、なんかこう胸に穴があくような感情が湧いてくるんだ」
苗木「この感情がなんなのか僕にはわからないんだ…」
霧切「苗木くんと過ごした1ヶ月楽しくなかったわけではないわ」
霧切「むしろ苗木くんのおかげでつまらなかった毎日が早く感じたわ」
霧切「そしていつしか私は苗木くんのことを…」
霧切「それに気づいてからは本当に一日が終わって欲しくなかった」
霧切「そうこれが"恋"なのね、とても苦しいわ」
霧切「こんな気持ちになるなら苗木くんのことを好きにならなければよかった…」
苗木(無視し続けると決めたのは確かに僕だ)
苗木(それで霧切さんを傷つけたのも事実だ)
苗木(いや、本当に傷ついてくれているのか不安だけど)
苗木(…あーもうやめだ!霧切さんと話したい!一緒にいたい!あの馬鹿にしたように笑う顔が見たいんだ!)
苗木「待ってて霧切さん」ダッ
霧切「…」
苗木(いた!)
苗木「霧切さん!」
霧切「!?苗木くん?…なにか用かしら、今忙しいのだけれど」
苗木「あの、ちょっと話がしたくてさ…」
霧切「ごめんなさい、後にしてもらえるかしら時間がないの」
苗木「あ、ごめん…じゃあまた後で話しかけるよ」アハハ…
霧切(…)
霧切(今更何かしら?まあ関係ないわ)
霧切(もう、人と深く関わり合うのはやめたのだから)
2時間後
苗木「霧切さん、もう大丈夫かな?」
霧切「…」
霧切「ごめんなさい、また明日にしてもらっていいかしら」
苗木「あ、うん…」
苗木「じゃあまた明日、さようなら」
霧切(…)
苗木「なにか避けられてる気がする、それもそうか無視したのはこっちだもんね」
苗木「結構仲良くなれてたと思ってたんだけどな」
苗木「ものすごく胸が苦しいよ、なんでだろうね」
苗木「もしかしてこれって"恋"なのかな…」
苗木「僕が?霧切さんに?」
苗木「でも僕が霧切さんに抱いてた感情は憧れで…」
苗木「いや…やっぱり僕は霧切さんのことが好きなんだ!」
霧切(何が原因で苗木くんが私を相手にしなくなったのかは知らないけれど)
霧切(今、また苗木くんは私と話そうとしてくれている)
霧切(でも、また私が苗木くんに嫌われるようなことをすれば)
霧切(私はどうすればいいのかしら…)
霧切(いや、どうしたいの?)
霧切(苗木くんと話したい!もっと一緒にいたい!)
霧切(けれど…)
翌日
苗木「霧切さん今日は話いいよね…?」
霧切「えぇ昨日はごめんなさい、それで話って?」
苗木「その…ごめんなさい!」土下座
霧切「え?」
苗木「こんなことで許してくれるとは思ってないけど!本当にごめん!」
霧切「まずは順を追って話して、何が何だか分からないわ」
苗木「その…僕が霧切さんを無視していたのはただ、
霧切さんに悪戯がしたかったからなんだ!」
霧切「え?…それはどういうことかしら?」
苗木「えっと、その…」
霧切「じゃあ苗木くんは最初から私に悪戯をするために近づいてきたということかしら?」
苗木「それは違うよ!」
苗木「僕はその、憧れだった霧切さんと話したかっただけなんだ」
霧切「そう、じゃあ何故悪戯をしようと思ったの?」
苗木「それは…」
霧切(私を無視していたのは何か原因があったわけでなかったというわけね)
霧切(その点にはホッとしたけれど、苗木くんはなんなのかしら?)
霧切(私をこんな気持ちにしておいて…最低ね)
霧切(なんでこんな人を好きになったのかしら?私は案外チョロいのかしら?)
苗木「その…」
苗木(ええい、ママよ)
苗木「す、好きなんだ!霧切さんのことが!」
霧切「…え?」
苗木「」///
霧切(わ、私、今告白されたのかしら?)
霧切(れ、冷静になるのよ霧切響子!)
霧切「そう、でも悪戯をした理由になってないわ」
苗木「それは、いわゆる好きな子にちょっかいかけたくなる心情から来たもので…」
苗木「とにかく霧切さんに振り向いて欲しくて、相手して欲しかっただけなんだ!」
霧切「じゃあ苗木くんは私に構って欲しかった、ただそれだけの理由で私を無視したと?」
苗木「…うん」
霧切(悩んでいた私がバカみたいね)
霧切(そもそもなんなことしなくたって私の心はもう苗木くんの…)
苗木「もし、また霧切さんが僕と一緒にいてくれるなら僕は何だってするよ!だから…」
霧切「ねぇ苗木くん?あなたのその言いぐさしだと
私はあなたと一緒にいたいみたいに聞こえるわ」
苗木「そ、それは」
霧切「そもそも、私はあなたと喧嘩でもしたのかしら?」
霧切「確かに一時期はあなたと話すことは多かったわ」
霧切「けれど、私があなたと好いて一緒にいたのかしら?」
苗木「え…」
霧切(効いてるわね、このぐらいしたって罰はないはずよ)
苗木「そうか、ごめん全部僕の勘違いだったんだね」
苗木「うん、でもこれからもできれば友達でいてくれると嬉しい…かな?」ポロ
霧切(泣くのを必死に我慢している苗木くん可愛い)
霧切「もういいかしら」
苗木「うん、僕も話すことはもうない…かな」
霧切(…)
霧切「苗木くん、さっきあなた何でもするって言ったわよね?」
苗木「え?、うん確かに言ったけど」
霧切「だったら
ずっと私の隣にいてくれないかしら?」
終わりです
このあとのことはみなさんの中で想像してグヘヘ…
してください、途中から書かしてもらって滅茶苦茶になりましたが
楽しめてもらえたのであれば幸いです。
じゃあ他のダンガンSSを追わなければならないので
ありがとうございました
よくやった
乙だよ(๑╹ω╹๑ )
>>150
死ねよ
>>152
こあい(´;ω;`)
乙!
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