基本的なルール
・話を進めるレスは一人一日一回まで(感想評価はいくらでもOK)(日付けが変われば連投になってもOK)
・話が分岐してしまった場合は次に書き込む人がどちらかを選んで良い(選ばれなかった方は諦めて下さい)
ルールはこの二つだけで話を進めていきたいと思います。それでははじまります
――――――――――――――――――――
侍「え? 魔王ってもしかして」
殿様「餞別としてこれをやろう」
侍「脇差しと五両......」
殿様「行け!!侍よ!!魔王もとい隣りの国の大名を倒しに!!」
侍「……」
殿様「見事倒して来たら国を半分やるから」
侍「はい」
侍「さてと、これからどうしよかなぁ......」
小者「そんな話をどうして引き受けたんですか?」
侍「そういうお前は俺に付いて来るんだろ?」
小者「はい、貴方の家に仕えてますから。で、何で引き受けたんですか?」
侍「……国を半分くれるって言われたから......」
小者「国を半分ですか。それは凄い話ですね」
侍「だろ? よし、決めた! 少数精鋭で裏で行こう!!」
小者「裏って事は暗殺ですか?」
侍「そうだ。仲間は国が半分貰えるからそれを見返りとして集めよう」
小者「上手く行きますかね?」
侍「他に隣国の大名に恨みを持ってる奴を仲間にすれば良いんじゃないかな?」
小者「そういえば魔王と呼ばれる位でしたっけ。まあとりあえず酒場にでも行ってみますか」
侍「そうしよう」
居酒屋GOEMON…
ゑるふ「あら…お侍はん。お久しぶりどすなぁ」
侍「うむ」
ゑるふ「今日はどういったご用件で来やはったん?」
侍「中間を探しているのだ」
ゑるふ「せやったらちょうどえぇ子がそろってますえ」
忍者「拙者の名前は忍者にゴザル!全国に名を轟かせる最強の忍びとは拙者のことでゴザルよ!」
侍「忍びが名を轟かせるのは問題ないのか?」
騎士「空腹で倒れていた所を助けられました。この店の人の力になれるというのならば私はいくらでも力になります」
侍「空腹で倒れる者が存在するとは……装備からして異国の者か」
魔法使い「侍のお兄さん!私を連れて行ってよ!絶対力になってみせるよ!」
侍「見たところ童子にしか見えないが、得体の知れない力を感じるな」
ゑるふ「一癖も二癖もある連中……実力は確かですえ。まあ、他の仲間を探すのも自由やけど」
後は任せた もう書いているのなら無視してくれ
侍「……つれてきてしまった」
小者「予想以上に個性的なメンツですね」
侍「実力は確かだ…と思う。そして全員魔王と戦うにたる理由は持っていた。これは小者と言って、魔王討伐の旅に着いてくるモノだ」
小者「小者です。よろしくお願いします」ペコリ
忍者「拙者が仲間に加わるのならば!万人力でゴザル!拙者は小国の忍びの集団の頭領だったのでゴザル」
小者「なるほど、魔王と呼ばれる存在と10年間戦い続けたという」
忍者「その通り!拙者、魔王に立ち向かうという話しを聞いて感動をしたのでゴザル!拙者、魔王自体には恨みはなく、軍を率いていた将軍を探しているのでゴザルが、同じこと!魔王は討ち取り、その将軍は改心させて見せるでゴザル!」
騎士「随分と暑苦しい奴だな。私は騎士、エルフ殿へのご恩を果たすために、アナタ達の力になります。例え異国の問題でも、奴の悪名は私の国にも届いていた。見過ごすわけにはいかない」
侍「奴の動きは想像以上に遠い所まで届いていたようだな」
魔法使い「魔法使いはねー…お父さんとお母さんが連れて行かれちゃったから、連れ戻しに行きたいの!」
小者「こんな子供に戦わせる理由を作るなんて…」
忍者「許さん!軍を率いた結果、小さい国が滅ぶことは仕方のないことでゴザルが、奴の悪行は許しておけん!幸か不幸か魔王の領土には、拙者の使えていたお方のご子息が潜伏しているという噂もあるでゴザル!急いで行きましょう、侍殿!」
侍「できれば、準備もしたいんだが…」
忍者「拙者たちは雇われた身!侍殿に従うでゴザル!」
小者「しかし数が多すぎませんか?旅の基本は3人から4人」
小者「侍殿に忍者、騎士、魔法使いに私」
小者「5人もいては書く方も書きづらい」
小者「旅を円滑に進める為にももう少し絞るべきでは」
侍「確かにな…」
忍者「ならば拙者が一度抜けるでゴザルよ」
侍「いいのか?」
忍者「こう見えて、拙者部下がいる身故、なかなかここら辺から出ることができないのでゴザルよ」
侍「すまないな」
忍者「構わないでゴザル、そしてコレを」
騎士「なんだこれは?」
忍者「通信機という絡繰りでゴザル。詳細はわからぬが、遠くからも連絡ができるという優れものでゴザル」
侍「しかしコレをどうしろと?」
忍者「困ったら拙者に連絡をして欲しいのでゴザル。各地には拙者の部下が散らばっているうえに、拙者は風よりも速く動けるのでゴザルよ!だからいつでも力になるでゴザル。それでは、女性陣との旅を楽しむでゴザル!」
侍(そういえば、忍者がいなくなったらもう私しか男がいなくなるのか)
―――殿様の城―――
家老「殿、この度の件はかなり無謀では御座いませんか?」
殿様「ふむ、どこから話せばよいか…… そなたは異世界の話を知っておるか?」
家老「はい、知っております。その異世界から来た者が少なからずいるとか......」
殿様「うむ、その異世界にある伝説で
勇者が強大な力を持った人外の魔王を見事に退治するというのがある
その勇者が最初に渡される物が金貨五枚と"ひのきのぼう"との事だ」
家老「もしやこの度の件はその故事に倣ったので御座いますか?」
殿様「そうだ。伝説ではひのきのぼうというお守りの様だが今回用意させた脇差は
赤目砂鉄から作られた鉧(ケラ)からとれた玉鋼を一流の刀匠が鍛え上げ
そして霊験あらたかな巫女が祈祷した守り刀なのだ」
家老「それはなかなか手が込んで御座いますな。もしや国を半分やるというのも」
殿様「うむ、それも故事に倣っている。これで必ずやあの魔王を倒すであろう」
殿様(それに我が国は攻められたら落ちるであろう......。侍よ、上手くやってくれよ)
――― ‐‐‐‐ ―――
ーーー旅が始まって二日目ーーー
侍「少し遠回りだが、相手にばれないようにできるだけ関所から外れた道を進むぞ」
魔法使い「うー、魔法使い、疲れてきたぞー」
騎士「魔法使い、アナタの荷物は私が持とう。これも騎士たる者のつとめ」
魔法使い「わー!すごーい!かっこいいー!」
侍(ここは国境付近、静かにしろと怒ってやりたいが、丸一日、ほとんど休まず行動をしているんだ。無理はない)
小者「あっ……あれは」
見張り「こんなところから侵入者なんて来るわけねえよなあ?」
見張りB「おうとも相棒、しっかし疲れたねー、もう少したったら寝ちまうか!」
見張り「あー寝ちまおう寝ちまおう!もう少したったら、俺らとは違って真面目な奴も来るしな!そいつに任せればいい」
侍(まさかここにも、魔王の部下が存在するとは…!ここでとれる選択肢は幾つかある)
侍(強行突破……奴らに私たちが侵入されたとは気づかれたくないが仕方ないともいえる。 相手の動きを見る……相手は油断しきっている、時間がたてばそのまま通れるかもしれない。
別の道を行く……無駄に争えば噂が出てくる。私たちは目立っていい存在ではない。 忍者に道を聞く……『通信機』とかいう絡繰りを使えば忍者と連絡が出来る。もしかしたら進むべき道が分かるかもしれない)
侍(私はいったいどの選択をすればいい?……だが、今思いつかないだけで、別のなにかが思い浮かんで来るかもしれないな)
魔法使い「(…あの...なんかあの人達、わざと臭くありませんか?)」
侍・小者「「!」」
騎士「え?」
侍「(試してみるか。表道具は?)」
小者「(表道具一式持って来ております。手入れも欠かしておらず、すぐに使えます)」
侍「(よし、なら弓を)」
見張りB「やべっ!あいつらこっちが気付いているのに気付きやがった!」
見張り「えっ?!何!?」
侍「く、気付かれていたのか!」
見張りB「おうともかなり前から気付いていたさ!なんてったって俺は」
見張り「おいっ!軍機を漏らすな!強さを秘密にしていれば一杯食わす事が出来るんじゃないか!」
見張りB「そうだった、能ある鷹は爪を隠すだったっけ。でもまあ俺は鷹じゃないけどな」
騎士「フッ、どうやら一戦交える他ない様だな」
侍「その様だな」(奴等は強い様だ。その所為で慢心し、見張りの役目をほっぽり出した)
侍(奴等が見張りの役目をする前に倒す!)「行くぞ!!」
侍「まずは……」ギリ…
侍「様子見だ!」ビシュ!
見張り「おっと!危ない危ない!」キン
見張りB「急所を的確に狙い、二本同時に弓を撃つなんて、アンタやるねえ」キン
侍「小手先は通じないようだな」スッ
見張り「俺はこいつと戦いてえ!見張りB、その変わった装備の姉ちゃんは任せた!」
見張りB「おうよ!」ドガ
騎士「ぐっ……」ギリ…
見張りB「俺の攻撃を受け止めるたあな!アンタみたいな美人さんとは、もっと別のところで会いたかったぜ!」
騎士「軽口を……!言ってる場合か!」ギン!
見張りB「おおっと!押し返されちまったぜ!こっから打ち勝つのは、俺が知る限り、見張りと忍者のオッサンと、お前だけだ!」
小者「私たちも参加しなけれ…!?」ドサ
兵士「ふー…まったく、仕事をサボったと思ったらこんなところにいて……これだから、僕たちは出世ができないんですよ」
兵士「僕の名は兵士。まだ無名だよ」
魔法使い「良くも小者さんを!」ゴオ
兵士「炎を出すか、恐ろしいねえ。ただ、僕を含めて僕たち三人は、これよりもっと恐ろしい存在と十年戦い続けてきたんだよねえ」ブン
魔法使い「魔法を剣の風圧で!?」
小者(これは……神経毒、か。傷は浅いが、あまり動けそうにない)
侍(加勢をしてやりたいが、こいつらは、強い!)
見張り「オラオラ、よそ見してんじゃねえぞ!」ガギン
侍「まさか!そんな余裕はないさ!」
兵士「僕は女性も、子供も、傷つける趣味はないんだけどね。それでも戦うというのなら、僕たちの立場の安定のためにも、捕まってもらおうか」
魔法使い「魔法使いを見た目で判断しないでよね?あんたなんかすぐに倒しちゃうんだから!」
見張り「オラオラッ! そんなものかよ!」ヒュンッ
侍「くっ!」ギンッ
見張り「ハハッ! このままだと男は戦死で残った女達は俺らでお楽しみだな!」
侍「 貴っ 様あぁ!!!」スッ グッ
見張り「うん?」(挑発したら面白くなるかと思ったら刀を大上段に構えやがったな)
小者(あの構えは!)
見張り(あんな構えじゃ真上から真下へのみ。ちょいと先読んで動けば躱すのは造作もない)
侍「ハッ!!」
見張り「フン」(これは躱せるな)
ヒュンッ ザシュッ
見張り(見事な空 振り?)
見張りB・兵士『!?』
見張り(グッ!? こいつ、縦一文字に刀を振った後、間髪入れずに、殆んど一挙動で、横一文字、に)
ドサドサッ
侍「十文字斬り……未だ廉価版ながら、決まった......」
侍(出来ればこの技は後の為に今は使いたくは無かったがついやってしまったな……)
見張りB「……いくぜ」
騎士「こい!」
見張りB「うおおおおお!!」 ガン ガギン ドガア!
騎士(先ほどのこいつは、強大な力と冷静な太刀筋を持っている恐ろしい相手だった……しかし!)
見張りB「ちくしょうっ!ちくしょうっ!ちくしょおおお!!」 スカッ
騎士「隙だらけ、だ」 ドガア
見張りB(盾で殴ら、れ……)
見張りB「なあ、俺を切る前に教えてくれ……アンタ、誰に使えていたんだ?」
騎士「教える義理は無い」
見張りB「だよな……あーあ、あん時に俺たちは死んだもんと、思って戦い続けてきたけどよ…」
見張りB「結局、主君を変えざるをえない状況になった時点で、戦うための剣を置くべきだったかね」
騎士「……お前は間違いなく強かったよ」
見張りB「ありがとよ、楽しかったぜ」(これで、戦で死んだ仲間たちに……)
ザシュ ゴトン
兵士「父さんといい、アナタ達といい、他の人といい、みんな僕を置いていって……まあ、意地って奴です。僕だけでも最期まで戦わせてもらいますよ!」
兵士「僕の名前は、兵士」ガギン
魔法使い「わわっ!ぶっ、物理的な攻撃ならこの障壁が寄せ付けないもん!」
兵士「齢が8つの時に戦場にでて、9つの時に相手の首を奪った」ガギン
魔法使い「障壁にひびが!?」
兵士「その後、順調に武功を重ねるも、18のときに故郷は滅びた」バリン
小者「私も、少しは、動ける!」ヒュン
兵士「ぐっ!そして、自らの故郷を滅ぼした相手にくだって三年。降伏の屈辱は忘れたことはないが、自らの立場を固めるためにあの二人とともに苦楽をともにしてきた」ゲシィ
魔法使い「うあっ!?」(意識……が)
小者(少し戸惑って神経毒と思ってしまったが、私が受けたのは麻痺毒……アイツが受けたのは致死毒)
兵士「……ゴフッ。……血か、ちょうどいい。そこの侍のお兄さん」
侍「おう」
兵士「まだ未熟と言われる僕ですが、剣には自信があります。見苦しいことはわかっていますが、お願いします。最期の勝負を」
侍(小者が持っている毒を受けたんだ。先は長くない……放っておいてもいいが、どうする?)
兵士「迷っているならこういうのはどうですか?」ゴソゴソ スッ
侍「?」
兵士「こいつは解毒薬。これを使えば」
侍「分かった もう言わなくて良い」
兵士「その気になりましたか?」
侍「ああ、その勝負 受ける!」ジリッ
兵士「そうこなくては」ジリッ
すみません>>19訂正が
兵士「こいつは解毒薬。これを使えば小者の命を」
重ねてすみません
兵士「はあっ!」ガギン
侍「むん!」ガギン
兵士「コレを受けきりますか!」
侍「これでも、場数は踏んでいる。足元がお留守だ!」
兵士「なんの!」
小者(すごい……あの人と互角に打ち合うなんて)
騎士「もはやお互いに迷いはない。決着がつくのなら一瞬だな」
兵士(乾坤一擲、一撃必殺!この一撃で、終わり、だ)「はあああ!!」ズン
侍「……」スー
兵士(避けられた!?この一撃、かわせ)
ザシュ
兵士「見事、です。が、最期に伝えたいことがあります」
侍「なんだ」
兵士「実は私、いや我が輩の正体は魔王だ」
侍「な、なんだってー」
魔王「お前は長い旅の先にいると思ったようだが別に直ぐ会える」
小者「私も思っていたより結構平気でした」
忍者「別に部下とかいなくてさっさとエスケープしたかっただけにゴザル」
魔法使い「あの、パパとママが夕飯だから遊んでないで帰ってこいっていうんで帰ります」
騎士「私も本業は女子高生で友人の茶番に付き合ってただけなんだ」
侍「そういう拙者も実は侍とかじゃなくて普通のリーマンなんだよね」
侍「帰ろうか」
皆「「「意義なし」」」
~伝説は永遠に
完
小者(これは……夢!?どうやら幻覚を見ていたようだ)
兵士「アナタたちに……伝えたいことがあります。まず、そこの面妖な術を扱う少女」
騎士「気は失っているが、命に別状はないな。魔法使いがどうした?」
兵士「彼女たちは異世界からくると言われていますが、魔法と呼ばれるような術を扱う存在は、僕たち三人が、この国と戦っているときにはすでに、部隊として成り立つほどに存在しました」
侍「なんだと!?」
兵士「しかし、どうやら……奴らの目的は、もっと別にあるようです……詳しくは、知りませんがね」
騎士「どうやら、きな臭いことをしていることは間違いないようだな」
兵士「まあ、その計画がなにかは知りませんが、いま、この国の警備は手薄になっています……暗殺には、絶好の機会だと、思いますよ」
侍「もういい、しゃべるな」
兵士「ふふ、まあ、先が長くないことは分かっていますから、だったら魔王と呼ばれる存在を倒すという…希有な存在の力になってみようと思った……それだけです。まあ、あの世で見ていますよ」ガク
侍「……先に進むぞ」
――魔王サイド
魔王「という幻覚をみせたが、破られたようだ」
側近「うわ~悪どいですね~」
魔王「戦わずにすむのならそれが一番いいのだ。余はただ静かに暮らしたいだけなのだけだからな」
側近「各諸侯が領地と財を狙い、あることないことばら撒いたせいで魔王様は…」
魔王「ふっ、こともあろうに余を悪感扱い。領地が欲しいなら手放そう。財が欲しいならくれてやる。だが…」
魔王「お前だけは余の傍から離れるのは許さん」
側近「魔王様……///」
魔王「もっともお前が離れたいというなら……どこへなりと…むぐっ」
側近「離れません…。貴方から離れていこうともも私は、絶対にあなたを追いかける」
側近「それに、この子を残してどこにいくというのですか……?」サスサス
魔王「そ、側近まさかおまえ……そうか……いつの日だったかな。お前と旅にでたのは」
側近「魔王という位に就いても変わらず私を傍に置き、愛してくださりましたね」
魔王「これからも、余の傍にいてくれるか」
側近「勿論ですよ、あなた様」
ごめん、終わらせるなら思って書いたけど蛇足だった……
バタンッ
魔将軍「魔王様、戦の準備が整いました」
魔王・側近「「え?」」
魔将軍「ち、側近も一緒だったか。もう面倒だな おい!構わんからいつものあれを」
魔ドクター「うむ分かった」ポチッ「とな」
魔王「 ふっふっふっ、出陣だ、世界征服だ」
側近「ま 魔王様!?どうしたのですか?!領地を手放そう財をくれてやるとか言っていたのに!」
魔将軍「ふん、そんな事を言っていたのか。ならば おい!こいつを魔王様を誑かした罪で牢屋に放り込め!」
魔近衛兵達『はっ!承りまして候!』
魔王「ふっふっふっ、この世界には生れ付き強大な力を持った精霊の加護を受けし勇者が存在せぬゆえ我に立塞がる者無し」
側近「魔王様っ!正気に戻って下さい! いやっ! 離してっ! ああっ 魔王様あぁ~~」ズルズル… バタンッ
魔将軍「ふん、王道を解さぬやつよ」
魔ドクター(それにしては弱い国に戦を仕掛けさせ吸収したりその情報を手に入れた組織を潰したりとやり方が姑息な気がするのう)
魔王「ふっふっふっ、I have a dream! なんか違うな、I have a power! うんこれだな」
魔将軍「次の戦が楽しみだ」
参謀「……魔王はいつも通り、か。仮にもあのお方の化身なのだからしっかりとしてほしいものだ」
参謀(我々の計画のために、能力を持つ人類を厳選したはずが、当の本人の性格がこれではな…)
参謀(まあいい、全てはあのお方をこの世界に呼び出すための捨て石。存分にはしゃいでもらおう)
参謀「魔王様、先日手に入れた魔法使いの夫妻ですが……」
魔王「む?それはお主に任せていたはずだ」
参謀「それならばよろしいのです。あの者たちを含め、異世界から来た存在は魔王様の力になることでしょう。私を含めてね」
魔王「ふはは!ならばよし!好きにするがいい」
魔将軍(アイツが来てからというものの、魔王様が戦をする機会がめっきりと減ってしまった……そもそも、アイツは胡散臭い)
参謀(気付かれようと詮無きこと、私は私の使命を全うするだけです)
参謀(それでは、私たちの世界で、魔獣でも造ってみますか)
~魔王城 魔将軍の間~
魔将軍「・・・オイ、そこにいるのは分かっている。
さっさと出てこい」
魔道化「ちぇー、やっぱ魔将軍チャンにはバレバレかー」
魔将軍「お前のその軽口はこの際置いておく」
魔道化「マジ?ラッキー」
魔将軍「単刀直入に聞こう、」
魔道化「えーなになに?愛の告白?
ワリーけど俺っちはノンケだぜー」
魔将軍「」ピキッ
魔将軍「今すぐ消し炭にしてやろうか?」
魔道化「で、話って何かね(キリッ」
―――魔王城・地下牢
側近「魔王様……いったい何故……」
がちゃ
側近「誰です!?」
魔道化「にっひっひ~。こんにちは側近ちゃ~ん」
魔道化「さっそくだが、側近ちゃんには死んでもらうぜ」ジャキ
側近「……それも、魔王様の命令ですか?」
魔道化「いんや、魔将軍ちゃんからの」
側近「そう、ですか……なら潔く首をはねなさい。お腹だけは…この子だけは…痛い思いをしなくてすむように…」
魔道化「じゃあ遠慮なく」ズバッ ガラッ
側近「………?…手錠が外れた……何のつもりですか?」
忍者(部下達への挨拶だな)
上忍「頭領、アナタお一人で魔王の領地に出向くとおっしゃるとは……」
忍者「拙者は、故郷が滅んだ時点で死んだも同然。しかし、民草はそうではござらん。殿は戦が不利になったとき、主力隊の一つを率いていた拙者を呼び出し、民を連れて逃げろと命じられた」
中忍「俺たちは、忍者様に感謝してもしきれません。自ら殿をつとめあげ、戦い抜いて俺たちを生きながらえさせてくれた。だから、俺たちも忍者様の力に!」
忍者「ならん!お主達や民草にもしものことがあったら、拙者は殿に顔向けできん。これは拙者が使えた殿に対する最後の奉公、ゆえにお主達には留守番を頼もうと思う」
忍者「侍殿の使えているお方にはもう話はつけているでござる。お主達は新しき主君と民草のため、拙者は自分の任務のために働くのでござる」
上忍「わかりました。ご無事を祈っております」
忍者「それでは!」シュタ
忍者(侍殿が旅立って2日目。おそらく拙者達残党が作った拠点のある村にたどり着くころでござる。今の魔王と呼ばれる存在は危険すぎる!一刻も早く任務を遂行せねば!)
忍者(麗しの君よ……アナタが愛した民草を半数しか護りきれなかったふがいない拙者に、せめて最後の奉公をする事をお許しください!侍殿!情報は部下が、後方の守りはソナタの仲間がしっかりとしています。拙者たちはなにも考えず目の前の任務を終わらせるでゴザル!)
側近「あの後、必死の思いで逃げ出したはいいですけど……魔王様」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
魔道化『あんたは既にこの城での権限を剥奪された』
魔道化『魔将軍ちゃんは用済みといって俺に始末を命令したわけだが…』
魔道化『正直、今の魔将軍ちゃんは可愛くないからさ。逆らっちゃうわ。死んだことにさせてやるよ』
魔道化『お腹の子共々、今は逃げちゃいな。チャンスがあればまた魔王の旦那と話せるさ』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^
側近「行くあてなどないのに……私はどうすれば……」
―――関所―――
ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ
番兵(相変わらずこの時間帯この関所は混雑するなぁ......休憩したい)
番兵「次の人!」
行商人「はい」
番兵「うん、うん、通って良し。次」
浪人「おう」
番兵「うん、うん、通って良し。次」
旅行者「はい」
番兵「うん、うん、通って良し。次」
おっさん?「はいでゴザル」
番兵「うん、うん、通って良し。次」
おっさん?(やっぱり人通りが多い街道で最も人が多くなる時間帯で移動するのが一番でゴザルな。おまけに近道でゴザル)
おっさん?(遠回りで人の居ない所を進むと逆に目立つうえに見張りが強かったりすると踏んだり蹴ったりでゴザルからな)
おっさん?(先に旅立った侍殿達は今どこら辺でゴザルかな?後で人の多い宿屋か食堂に入って目立たぬ様に通信機を使うでゴザルか...)
側近「ん?なんでしょう、これ」カサ
手紙【オッス!オラ魔道化!ワクワクすっぞ!
早速だけど側近ちゃん行くアテないでしょ?
つかないよね
あるわけが(笑)
それはそうとこの地図に描いてある『鬼子母神の祠』って
場所がうってつけ
そこで俺っちの部下がいるからゆっくりしてなよ
国一番の二枚目ともっぱらのウワサの魔道化より】
側近「・・・まったく、あの人は喰えませんね」
―――侍一行・村はずれの団子屋
侍「最近、拙者達影薄くないか?」モグモグ
小者「へ?何の話です?」ムシャムシャ
魔法使い「お団子美味しいね」パクパク
騎士「非常に美味だ」ゴックン
「「「「ふぅ~~~」」」」
侍「国境を越えたはいいけど、これからどこに向かおう?」
魔法使い「国から出たことないからわかんない……」
騎士「土地勘が無いのは痛い。これでは綿密な計画も建てられない」
子者「そういうときのための、通信機ですよ」ポチッ
中忍『もしもし。あなたが侍殿でありましょうか?』
小者「いえ、私は侍に小者の役目でお仕えしている者です。それと貴方は誰ですか?」
中忍『私は忍者殿の部下です。で、何かご用でしょうか?』(ガソゴソ)『(この国の小者の役目の定義はっと...)』(ペラペラ)
小者「そうですか。用は国境を越えたのは良いんですが土地勘が無くて困ってまして」
中忍『ええっと今はどの辺に居ますでしょうか?』(ペラペラ)『(他の国と大体同じか...あれ?でも男がなるものって書いてある...)』
小者「場所は、ええっと……」
おっさん?「おや?侍殿達ではゴザラんか!?」
侍・小者・騎士・魔法使い・中忍『え?』
魔法使い「もしかして忍者さん?」
おっさん?改め忍者「そうでゴザルよ」
騎士「おお!困った時にすぐに現れるとはさすがだ!」
侍「丁度良かった、これからどうしようかと思っていた所なんですよ」
忍者「そうでゴザルか」(結構先に進んでいるかと思っていたんでゴザルよ......)
ガガーッ 忍者「おや?誰かから無線で」『てぇへんだてぇへんだ頭領てぇへんだ』
忍者「…どうしたでゴザル?」
『戦の準備を整えていた様でもうすぐ戦が始まります』
破壊者「破壊だー破壊だー」ドシンドシン
忍者「突然200メートルくらいのへんなのが現れたでゴザル」
破壊者「オラァ!」ボガッ
女性「あーれーおたすけー」
子者「あ、女の人が襲われていm・・・」
侍「せいっ!」ズバシャァ
破壊者「あべしっ」
侍「安心しろ、みねうちだ」
忍者「あの人、つい5秒前まで拙者たちのそばにいなかった
でゴザルか?」
騎士「私がやろうと思ったのに・・・」
魔法使い「おねーさん、お団子10個と
おはぎ6つくださーい」
―――魔王城、広場―――
魔王「私には力がある! 大量の兵力を擁する国や峻険な要害を擁する国にさえ我が軍を送り込み殴って服従させる力が!
私には力がある! 全ての谷に橋を架け、山や丘を低地とし荒れ地を平らに歪んだ地も真っすぐと成す。
そして我の栄光が現れ全ての人々が共に我の栄光を見る!」
兵士一同『魔王様万歳!!』ワーワー ワーワー
魔将軍(フフ、我が軍の士気は鰻登りだな)
魔道化「魔将軍ちゃん魔将軍ちゃん」ニコニコ
魔将軍「ふん、何だ?嬉しい事でもあったか?」
魔道化「うん、それがね全長200mもある怪獣が出現したよ」
魔将軍「何!?」
魔王「? どうした?」
魔将軍「そ、それが」カクカクシカジカ
魔王「フッ、そうか。ならば次の我が軍の予定は決まったな」
魔将軍「たいていこういう場合、大軍で行くと無駄に被害が大きくなるだけで少数精鋭で行った方が......」
魔道化「大丈夫っしょ、魔戦部隊だっけ?とか色々居るんだし」
破壊者「ふっ、なかなかやるな。が、俺を倒しても第2第3の破壊者があらわr」
酔っ払い「うぃ~ひっく……。やってられっかてんでべらんめぇ~オルアァ!」ガシャン
団子屋の娘「ああーっやめてくださいっお店が!!」
侍「本当だもう現れやがった!」
破壊者「い、いやあれはただの…」
騎士「ふん!」ゴキッ
酔っ払い「ふべしっ!」
騎士「まったく昼間から酔っ払いおって。大丈夫ですかお嬢さん?」
団子屋娘「は、はいありがとうございます……あの、お名前は……」
騎士「訳あって名乗ることは出来ない。あえていうなら君の団子のファンだ」モグモグ
団子屋娘「は、はい……素敵な殿方……」トロ~ン
騎士「あっ、いや私は女なのだが……」
侍「こんな破壊者が次々現れるというのか!」
破壊者「違うから!」
団子屋主人「ほい、お団子10個とおはぎ6つ」
魔法使い「はい。皆さんおはぎどうぞ」
侍「それでは頂こう」
小者「頂きます」
騎士「うん頂く」
子者「頂きまーす」
忍者「かたじけのうゴザル……ところで今、というかさっきから何か違和感を感じたでゴザルが...」
侍・小者・騎士・子者『違和感?』
魔法使い「多分、忍者さんが感じている違和感は多分大丈夫だと思いますよ」
忍者「そうでゴザルか......」
中忍『あのー、すみませんが先程から通信機越しからでも騒ぎが聞こえて来るのですが...』
忍者「おっといかんでゴザル。拙者達は目立ち過ぎた様でゴザルから場所を変えるでゴザル」
侍「確かに長居したうえ騒ぎを起こしてしまったからな。ご主人 お勘定を」
魔法使い「あと、お持ち帰り用のお団子も今すぐ用意出来る分だけで良いので下さい」
団子屋主人「へい」
第二の破壊者「ぐっどらーーーっく」グシャグシャ
団子屋主人「今度は140メートルはありそうな巨人だ」
魔法使い「破壊力は前以上か」
第二の破壊者「うおおお、なんてかわいい忍者だろう、付き合ってくれー」ドシンドシン
忍者「は」
第二の破壊者「それでも一向に構わん!」
忍者「へ、変態だー」
第二の破壊者「うおおお結婚してくれ忍者たーん!」
忍者「ぎゃー襲われるでござる」
小者「忍者さんが色々な意味で危ないです。侍さんどうしましょう」
侍「どうしようも何も、あんな巨人倒せるわけないだろ。ん?なあ小者」
小者「えっ何ですか?侍さん」
侍「さっきまで巨人の肩に人乗っていたっけ?」
小者「巨人の肩に?・・・・・あー確かによく見たら何か乗っていますね。服装からして『メイド』でしょうか?」
侍「めいど?何だそのめいどっていうのは?」
小者「えーっと、確か異国の文化で私たちの国で言うと使用人みたいなものです。」
侍「へー、しかし何でそのめいどが巨人の肩に乗っているんだ?」
小者「あっメイドが立ち上がりました。何をするつもりなんでしょうか?」
メイド「我がメイドの精神操作術は世界一ィィィ!
操れんものなどないいぃぃぃぃいい!!」
忍者「ハッ
あやつが全ての元凶でゴザルか!」
子者「最初はグー、じゃんけんぽん」
魔法使い「あ、勝った」
子者「ちぇー」
魔法使い「じゃあちゃちゃっと終わらせるか
ー炎と庭球の精霊よ
我に仇為す者どもを塵とせよ!
いでよ!シューゾウ!!」
シューゾウ「オコメタベロ!!!」
メイド「そんな精霊ごときに倒される私ではない!くらえメイド式殺法術『正拳突き』!」ドゴォ
炎の精霊「グアアア」
魔法使い「そ、そんな炎の精霊が一撃で倒されるだなんて・・・・・」ガクッ
第二の破壊者「さあ、そんなに照れずに結婚しようぜ・・・・・・・・嫁よ(キリッ」
忍者「拙者は男でござるから、嫁にはなれないでござる」
第二の破壊者「それなら、俺が嫁になろう!」
忍者「いやだでござる」
メイド「破壊者、命令です止まりなさいいい加減にしないと起こりますよ。」
第二の破壊者「止まれだと、俺の恋の道は止まる事なんてできないぜ」
メイド「いいから・・・・・・・・・止まりなさい!」ドゴォ(破壊者の顔を殴る音)
第二の破壊者「ぐげぇ」ドシーン
―――第二の破壊者から大分離れた所―――
小者「あっ破壊者が倒れた」
騎士「なに!?忍者たちがやったのか?」
侍「まあいい、とりあえず忍者たちが心配だ。あの巨人が倒れた場所に急ぐぞ!」
側近「大変です!第三の破壊者を名乗る390メートルの巨人が地下から出てきました!」」
魔王「!?」
第三の破壊者(幼女風)「がおー」
魔王「お前は誰だ?」
側近「私は側近ちゃんだよ?」
魔王「お前の様な奴は知らん」
側近「本当に?」
魔王「知らん」
側近「忘れちゃったの?」
バタンッ
魔近衛兵「魔王様大変です! って何故ここに側近が!?」
魔道化「側近ちゃんがどうしたって?」
魔近衛兵「あれ?確かに側近が...って今はそんな事より!」
魔王「第三の破壊者だな」
魔近衛兵「はっ!」
魔王「魔道化、あとでこのわけを聞かせてもらうぞ」
魔道化「へ~い」
第三の破壊者「ぎゃおー」
魔王「火を吐いてるぞ」
第三の破壊者「がほぼぼぼ」
魔王「自分の歯を抜いて飛ばしているぞ怖いぞ」
魔将軍「秘技 音速の一太刀」ザブシュッ
破壊者3「あんぎゃー」バタン
魔道化「あ、もう倒したよツマンネ」
魔将軍「魔王様、お怪我は」
魔王「ない。助かったぞ」
魔道化「じゃ、一件落着したところで・・・」
魔将軍「おいこら」ガシッ
魔道化「説明ダルいんで」っ●忘却薬入り煙玉
魔道化「忘れてもらいマースっと」ボンッ
魔将軍「な、なにを・・・す・・・る」バタッ
魔王「おのれ・・・・道化師・・・・」バタッ
魔道化「・・・・・この煙玉、本当に効き目あるのかな?もし効いていなかったら、あの道具屋にクレームをかけてやろうかな」
側近(偽)「魔道化様、魔道化様、破壊者の死体の片づけ終わりました。」
魔道化「さすがは偽物ちゃん仕事が早いね」
側近(偽)「いえいえ、全ては魔道化様の為ですから」
魔道化「それじゃあ僕は自分の仕事に戻るから、そこの二人をそれぞれの部屋に戻しといてくれる」
側近(偽)「わかりました」
魔道化(・・・しかし、人工的に魔人を作るとは人間達の技術も上がったな・・・・・、早めに手を打つか)
―――???―――
兵士「女王様、破壊者3体の生体反応が消えました。」
女王「そうか、まあ仕方ないだろう試作品だからな、だが3体倒されたという事はあのメイドに任せた任務は失敗したという事か・・・」
科学者「まあ女王様、そこはまた新たな破壊者を作ればいいことです、気に病む必要はありません」
女王「ふっ、そうだな我々にはまだ力がある、気に病む必要などない、皆のもの心配するな我々には神の加護がある!」
―――魔王城内研究所―――
ギギギギ…… ブシュ~~……
魔将軍「……魔ドクター、この兵器は次の戦に使えるのか?」
魔ドクター「この分では使えないな。ところで魔将軍殿、この機体に乗って秘技 音速の一太刀とかやっては無いか?誰かが無茶な操縦をしたのか調子が悪い......」
魔将軍「そう言われるとこの機体に乗って秘技 音速の一太刀とかやった様な気がする様な......」
魔ドクター「お前さんは寝ぼけてこの機体に乗って秘技 音速の一太刀とかやったのか?」
伝令兵「魔将軍殿! 第一陣の出発の時刻が迫っております!」
魔将軍「応。この新兵器が無くても良いか。我が軍には魔法を扱う部隊 魔戦黒備え、魔戦白備え、そして精鋭の魔戦赤備えがいるからな!」
魔道化「でも魔将軍ちゃん、赤は序盤は活躍するけど終盤は器用貧乏が目立って黒と白に差をつけられそうだよ」
魔将軍「何を言うか 赤と言えば武勇の誉れ、精鋭の証しだぞ」
参謀「すいませんがこの色分けは異世界準拠で精鋭だから赤という振り分けでは無いですよ」
魔将軍「ふん、王道を解さぬやつがここにもいたか」
参謀「生憎ですがこの世界にはこの世界の王道があるように異世界には異世界の王道があるのですよ」
魔将軍「ふん、郷に入っては郷に従え。でもまぁ魔法については詳しくないから今は良しとしておこう。出陣する」
魔ドクター「吉報を待ってるぞ(ところでどこに出陣するんじゃったかのう?)」
魔将軍「皆のものよく聞け、我が軍は今から人間界にある黒龍の洞窟へと向かう」
魔将軍「我らの目的は、あの憎き勇者が所持していたと言われる『ひのきのぼう』を探し出して粉砕する事だ」
魔兵士「魔将軍さま質問です、件の『ひのきのぼう』はどのような代物なのでしょうか?」
魔将軍「私も詳しい事はわからないが噂によれば、その武器を装備すれば数多の能力を得られるらしい」
魔兵士
魔兵士「数多の能力……やはり強力な能力なのでしょうか」
魔将軍「能力についての噂も、いくつか聞いたことがある」
魔将軍「まず他人の家のタンスを買ってに漁っても怒られない」
魔兵士「……はい?」
魔将軍「次に、野性の生き物を倒すと、なぜかお金を落とすようになる」
魔兵士「いやそれ地味ですしまったくもって強力じゃありませんよね!?」
魔将軍「あ、あくまで噂だ噂……」
―――侍一行……―――
メイド「しまった、ついうっかり破壊者を殴り殺してしまった」
忍者「いったいあのメイドは何者でゴザルのか...?」
見回り兵「てめーら全員そこを動くな!!」
魔法使い「また新しい人が出て来た」
忍者「あれはこの国の兵士でゴザルな。騒ぎを聞き付け駆け付けて来たのでゴザロう」
子者「騒ぎの中心に居過ぎたからね」
小者「そうですね、あんなに目立つ破壊者をずっと関わりになってましたからね」
侍「ここで捕まる訳にはいかないな」
騎士「ならば斬り捨」
魔法使い「ストップ」
団子屋主人「どうしましたか皆さん?」
団子屋娘「はい、お団子ですよ」
魔法使い「どうも!」
侍「はい、支払いはこれで、釣りはいらん。皆行くぞ!」
メイド「っべー、マジやべー、まさか秘孔を突いた衝撃でショック死するとは思わなかった、もしこの事が女王様やメイド長にバレたら給料カットだけじゃすまないだろうな~」
メイド「こうなったら、なんちゃらのぼうを一人で手に入れて給料カットだけは許してもらおう」
忍者「なんちゃらのぼう?もしかして、それは『ひのきのぼう』のことでござるか?」
メイド「そうそう、『ひのきのぼう』よ、『ひのきのぼう』、それを探しに破壊者を二体連れてきたのよね、私」
忍者「ということは、この国に『ひのきのぼう』があるということでござるか!?」
メイド「うん、確か女王様に京都の黒龍の洞窟に『ひのきのぼう』があるって言われたから・・・」
忍者「メイド殿、ここは京都では無くて大阪でござるよ」
メイド「えっ!マジで間違えちゃったのか・・・・・・・・・・ござる?」クルッ
忍者「また会ったでござるな」
メイド「ぎゃー!」
忍者「確保でござる」
メイド「捕まってしまった、縄で!」
忍者「捕まったわりには、うれしそうでござるが」
メイド「私ドMですから(キリッ」
忍者「さて、通信機で侍殿たちを呼ぶでござるか」
忍者「・・・えーと」
メイド「もっと!もっとキツく締めてくだしゃいませ
ご主人しゃま~~~」
魔法使い「うわぁ・・・」
子者「フケツ・・・」
騎士「き、貴様!仮にも敵とはいえ
女性にそ・・・そんな破廉恥なことをしていいと思っているのか!?(///)」
侍「・・・えーと、
お邪魔しました・・・?」
忍者「後生だから言い訳をさせてほしいでござるぅっ!」orz
見回り兵「あっ! 居たぞ!」
ピィーーーーッ
巡回兵「お前等!大人しくお縄に付け!」
侍「しまった!完全に振り切れてなかったか!」
メイド「お縄!?下さい!」
小者「このメイドを囮にして逃げますか?」
騎士「フッ、そんな事をしなくともあの程度の敵に遅れは」
巡視兵「居たか!?」
巡察兵「あいつ等か!」
ピィーーーーッ
警邏兵「何だ!」
警衛兵「見付けた様だな!」
警備兵「貴様等!動くと射るぞ!」
騎士「......今この国は警備が手薄じゃなかったっけ?」
忍者「いや、あれだけの騒ぎがあったのでゴザルからな。未だ集まって来ると思うから逃げた方が良いでゴザル」
メイド「誰か~たーすーけーてー!
小者「あのー、皆さん提案なんですけど、あのメイドさんを助けませんか?」
魔法使い「えっ、まさか小者ちゃん、Sに目覚めちゃったの?」
小者「違いますよ、私はただ、あのメイドさん『ひのきのぼう』に関する情報を他にも持っていそうだから、助けてみませんか?と思っただけです」
侍「なるほどその手があったか、よく思いついたな小者、褒めてやる」ナデナデ
小者「ほえーー」
忍者「それでは拙者が助けに行くでござる」ドロンッ
忍者「連れてきたでござるよ」
小者「はやっ!」
メイド「離せー、私に何をする気だー!」
小者「メイドさんに提案があります」
メイド「な、なに」
小者「今から牢のなかに入るか、私たちに『ひのきのぼう』に関する情報を提供して、私たちの仲間になるか、どっちがいいですか?」
メイド「えっ、お前は何を言っているんだ」
小者「返事がないようですね、それじゃあ警備兵に引き渡しましょう」
メイド「ちょっと待って、仲間になりますから引き渡しだけはご勘弁を~、あとついでにこの縄も外していただきたいです」
小者「仕方ないですね、忍者さんあとは任せました。」
忍者「了解でござる」
メイド(くっくっくっ、馬鹿な奴らめ、私の嘘に簡単に騙されて、この縄が外れたとき、お前たちの命日だ)
忍者「ホラ、解いたでござる」
メイド(今だっ!)
メイド「メイド真拳奥義 御萌死(ごほうし)!!」バッ
忍者「見切ったでござる」サッ キュッ
メイド「やるな
私の御萌死を見切った上に
一瞬で亀甲縛りにされるとは思わなかった
やばいコレ荒縄のゴツい所が当たってすんごいイイ」ハァハァ
忍者「小一時間黙れでござる」
魔法使い「やっぱりその性癖か」
騎士「悠長に遊んでいる場合じゃないんだぞ貴様ら!(///)」
見回り兵「追い付いたぞ!」ピィーーーーッ
忍者「!? 拙者としたことが完全に振り切ったと思ったのでゴザルがどうして!?」
見回り兵「おうとも!なんてったって俺は鼻が利くからな!」
侍「…よし、戦おう! 逃げてばかりだと逃げ癖がつくと思うからな!」スッ グッ
忍者「侍殿!?」 小者(あの構えは!)
巡回兵「追い付いたか!(刀を大上段に構えてやがるな)巡視兵!巡察兵!あいつに噴進嵐攻撃をかけるぞ!」
巡視兵・巡察兵「「応!!」」
侍・巡回兵・巡視兵・巡察兵『ヴオ゙オ゙オ゙ォ゙リ゙ャ゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ッ゙ッ゙!!!!』 ザッ ゲシッ
巡回兵(俺を踏み台にした!?) ザシュッ 巡視兵「「がはっ」」
巡察兵(巡視兵が縦一文字に斬られたが俺が止めを刺)ザシュッ(な?!、縦一文字、から、即座の、横一文字...)
ドサドサドサドサッ
侍「十文字斬り廉価版 応用」
巡回兵「貴様!よくも!!」 ドスッ「うぐっ!?」
忍者「侍殿、見事でゴザル」
巡回兵(こいつ、いつの間に...)ドサリ
――― 一時間後 ―――
小者「ふぅ・・・、侍さん、巡回兵さんたちの手当て終わりました。」
侍「そうか、それではみんな一旦この場を離れるぞ、これ以上、人は斬りたくないからな・・・・」
―――先程の場所から2km離れた場所―――
魔法使い「はぁはぁ、ちょ、ちょっと休まない、ここまで走ってきたから疲れちゃった」
忍者「はぁはぁ、せ、拙者も同感でござる」
騎士「やれやれ、全くお前らは、たった2km走っただけでバテるとは嘆かわしい」
忍者「なんだと!でござる、拙者はあの変態メイドを担いでいたのでござるよ、普通より倍にバテるのはあたりまえでござるよ」
魔法使い「そうよ!私をあんたと同じ筋肉女と一緒にしないでくれる」
騎士「・・・・・・・・貴様、今なんて言った」
魔法使い「えっ?まさか筋肉女のこと?」
騎士「そうだ、それだ!貴様よくも私が二年間気にしていたことを言ってくれたな!」
魔法使い「何、私と戦うつもり、筋肉女」
騎士「また、私が気にしていることを、一度や二度なら許してやろうと思ったが、もう許さん!」
メイド「喧嘩はやめてください!やるなら私をヤリなさい!!
むしろその方向でお願いします!」
騎士「黙れこの変態が!」
メイド「はひゅんっ」ビクン
魔法使い「そうよこの蛆虫!おとなしくしてろ!!」
メイド「うぅんっ」ビクビク
騎士「おやぁ~?まさかとは思うが敵になじられて
感じてるなんてないよな~?」
魔法使い「そうだったらどうしようもない変態ね、
生きてる価値ナシだわ」
メイド「あぁぁぁああああ~~~♡」ビクンビクン
忍者「ちょっと拙者の上でこの変態喜ばせないでくんない?」
メイド「もっとぉ・・・もっとめいっぱい罵ってくださいませ~♡」
騎士「キモい!!!」
忍者「!?」
小者「とりあえず包帯などの医療品をかなり消費してしまいました。補充したいのですが」
忍者「それなら魔王に滅ぼされた国の残党の隠し拠点で補充するとよいでゴザル。案内するでゴザル」
通信機『頭領 頭領 聞こえますか? その後の魔王軍の動向ですが"ひのきのぼう"を粉砕する為に出陣したとの事。以上』
忍者「なんと!?」
メイド「"ひのきのぼう"を魔王軍が!?」
侍「ところで"ひのきのぼう"ってなにか重要な品なのか?」
小者「私は道具の保守・管理・点検も仕事な小者役、噂程度ですが知ってますが詳しくは知りませんね」
魔法使い「私も噂位なら聞いた事あるけどそんなに詳しくは知らないよ」
忍者「悠長な事はやっていられないでゴザル! 魔王軍の目的を阻まなくてはでゴザル!」
メイド「そうですよ!!」(私が"ひのきのぼう"を手に入れたい!!)
子者「でもさ、医療品の補充も大事だと思うよ」
小者「そうです。また重傷者が出た場合、満足な治療が出来ませんから」
侍「ならば一旦別れて後で合流する事にするというのは? 今、七人いて人数多いかなと思っていた所だし」
騎士「ちょっと待て、この変態も頭数に入れるのか?」
忍者「"ひのきのぼう"について知っておる様でゴザルからな」
侍「小者はメイドとと魔法使いを率いてひのきのぼうの行方を探ってくれ」
小者「承知しました」
侍「俺と忍者と騎士は医療品の補充だ。忍者、案内頼む」
忍者「心得た」
騎士「では明日の昼に合流だな」
忍者「待ち合わせ場所はここより南にある廃村がいいにゴザル」
魔法使い「うん、わかった」
侍「じゃあくれぐれも気をつけて」
子者は小者の誤字だと思われ
魔法使い「"ひのきのぼう"より、まずは関所をどうやって通るのかが問題でしょ」
侍「あぁ、そういや巡回兵たちを何人か倒していたっけ」
魔法使い「おそらく、今ごろは関所の周りには兵士がたくさんいて、私たちを探しているんだろうな~」
忍者「それなら、拙者の変装道具を使えば良いでござるよ」
侍「その手があったか」
小者「それじゃあ、各自変装をして行きましょう」
―――――変装中・・・・・・・・・・変装終了、―――――
老人(忍者)「変装完了でござる」
浪人(小者)「拙者に斬れぬものはない!、この言葉一回言ってみたかったんですよね」
商人(騎士)「おい忍者、この服、胸の辺りがすごくキツイ、他の服はないか?」
老人(忍者)「これらは全部、拙者用に作った物でござるから、大きさは全部一緒でござるよ」
兵士(魔法使い)「この鎧、重っ」
棺桶(メイド)「私よりはマシじゃないですか!」
ゴリラ(侍)「しかし、こうして見ると本当に誰が誰なのかわからないな」
老人(忍)・浪人(小)・商人(騎)・兵士(魔)・棺桶(メ)「!?」
ゴリラ(侍)「ん?どうしたお前たち?」
老人(忍)・浪人(小)・商人(騎)・兵士(魔)・棺桶(メ)「ゴリラがいる!!!!」
ゴリラ(侍)「さて、お前とは別行動だから俺の荷物を」
浪人(小)「あ、いえ、引き続き私が持っていた方がよろしいかと」
ゴリラ(侍)「そうか? まぁ明日の昼に合流だからな」
兵士(魔)「小者さんが背負っているあの大きな荷物って侍さんの荷物だったんですか?」
浪人(小)「小者の務めは主がいつでも十全に戦える様に主の荷物を持つのが役目ですから」
兵士(魔)「そうなんですか。ところで何が入っているんですか?」
浪人(小)「武士の表道具一式が入っています」
兵士(魔)「武士の表道具一式ってなんなんですか?」
老人(忍)「武士の務めは戦う事。武士の表道具一式とは戦に使う鎧兜や武器の一揃いという事でゴザルよ」
兵士(魔)「へぇ~、ちょっと見てみたいですね」
ゴリラ(侍)「大事な戦の前になった時に装備するから後で見る機会があるだろう、今は先を急ごう。道中気を付けてな」
老人・商人((これにゴリラを加えた面子で大丈夫だろうか?))
浪人・兵士・棺桶(((これで怪しまれずに通り抜けられるだろうか?)))
[明日の昼に彼らははたして無事に合流出来るのであろうか!?]
老人(忍)(いざとなったら道から外れれば良いでゴザルか。あっちの面子には通信機で誘導すれば良いでゴザルしな)
―――――――状況整理
主人公サイド
侍・騎士・忍者……忍者の案内で滅ぼされた国民が潜む隠し拠点に、医療品の補充に向かう
小者・魔法使い・メイド……ひのきのぼうの情報集め
明日の昼に廃村で合流予定
魔王サイド
魔王・魔ドクター・参謀……魔王城で待機中
魔将軍……兵を率いて『黒龍の洞窟』と呼ばれる場所に向かう。目的はひのきのぼうの破壊
魔道化……魔王城で待機中。いつでも単独行動が出来る模様
側近……魔道化に命を救われ、城から逃亡
魔道化の部下がいるという『鬼子母神の祠』に向かう
魔王との子を身籠っている
―――小者・魔法使い・メイド一行―――
兵士(魔)「ねぇ小者さん、ちょっと鎧兜を見てみたいんですが」
浪人(小)「何言ってるんです。私達は明日の昼までに"ひのきのぼう"の情報を集めなければいけないんですよ」
兵士(魔)「"ひのきのぼう"についてはメイドから聞き出せば良いじゃないですか」
棺桶(メ)「魔王軍より先に"ひのきのぼう"を手に入れるという点では利害が一致しているから協力するわ」
兵士(魔)「だからちょっと見せて下さいよ」
浪人(小)「そうですか...、それではちょっとだけ」ゴソゴソ……
兵士(魔)「これは?」
棺桶(メ)「?! その色は!?」
浪人(小)「先祖伝来の甲冑で昔はこの色じゃなかったんですが、年月を経るうちに何故かこの色に... 洗ったり磨いたりしてみたのですが...」
―――殿様の城―――
家老「そういえば殿、何故あの侍に魔王討伐の御下命を?」
殿様「あぁそれはだな、異世界の伝説の魔王を倒した勇者が魔王を倒す時に着ていた甲冑の色が」
家老「成程、あの侍が所持している甲冑と同じ色なのですね?」
殿様「うむ、その通りだ」
魔王「うー、といれといれ」
ガチャ
魔王「全部閉まってる(涙)」
魔ドクター「あ、今は使用不可ですぞ。実験で使用した薬品を若いもんが垂れ流しにしたんです」
魔王「きちんと指導しなければいかんではないか」
魔ドクター「目を離した隙にやられましてな。危険な薬品なもんで後処理に時間がかかりますぞ」
魔王「どれくらい?」
魔ドクター「明日の昼ですね」
魔王「漏れるわ!あぁこんなとき側近なら……ん?」
魔ドクター「!!」
魔王「側近……そうだ側近はどこに行った。しばらく姿を見ていないぞ」
魔ドクター「やれやれ……ポチッとな」
魔王「ががっ!……む、我はこんなところで何をしている」
魔ドクター「領地侵略の会議の終わったからと、気分転換に歩いていたと仰っていましたぞ」
魔王「む、そうか。ならもう戻るか。世界が我に跪くときが楽しみだ。わはははははーーー!!」
魔ドクター「側近のことをまだ覚えているとは。案外しぶといな」
魔ドクター「しかしそれも時間の問題か」
魔道化「あはは、そうだね」
魔ドクター「ん?道化師か、そういえばお前、例の情報手に入れたのか?」
魔道化「えっ例の情報?」
魔ドクター「勇者の後継者に関する情報だ」
魔道化「ああ、そういえばそんな命令有ったね♪」
魔ドクター「まさか忘れていたのか!?」
魔道化「ちゃんと手に入れているよ」
魔ドクター「おお、そうか」
魔道化「それじゃあ報告するよ、まず一つは、勇者の後継者は一人じゃないことがわかった、次に二つ目、後継者の一人が人間界の英国にいるってこと、三つ目は、あの勇者の仲間達が再び動き出した、これでボクの得た情報終わり」
魔ドクター「魔道化、良くやってくれた、この調子で他の情報もよろしく頼む」
魔道化「はーい、わっかりましたー」
魔ドクター「しかし勇者の仲間までも動くとは、・・・・・しかし先代の魔王様が消えてからもう5年
か、」
―――侍・忍者・騎士一行―――
ゴリラ(侍)「どの薬品を買えば良いのか、さっぱりわからん・・・・、忍者、どの薬品を買えばいいと思う?」
老人(忍)「拙者に聞かれても、薬草ならともかく、ダーゼンとかアサコールなんて拙者にはさっぱりでござる」
商人(騎)「薬品の種類もわからないのに、何故貴様は医療品の補充班に我らを選んだんだ?」
ゴリラ(侍)「えーっと・・・・・・・なんとなく?」
老人(忍)「それじゃあ、なんとなくで拙者らを医療品補充班に選んだって事でござるか!」
ゴリラ(侍)「俺だって、頭が良い所を見せたいんだもん」
老人(忍)「見せたいんだもんって、逆に頭が悪いように見えるでござるが」
商人(騎)「全く、先が思いやられる」
商人「やあそこのお兄さん方、何か困ってそうだね、ウチが助けてあげましょうか?」
商人(騎)「それは本当ですか!?」
商人「ホントや、ホント、ウチはイケメンに嘘はつかへん」
商人(騎)「ちょっと待てくれ、お嬢さん私はちゃんとした女だ」
商人「え゛っ!?」
―――英国、女王の城―――
側役「しかしここからかの地まで凄い距離がありますよね」
女王「だがそれが良い時もある」
側役「え?」
女王「この国から旅立った勇者は長い旅路、数々の苦難、それらを乗り越え強くなった時に魔王と対峙するわけだ。いきなり魔王と会うのはどうかと思うぞ」
側役「成程、確かにそうですね。 そういえば離れた所でもお話が出来る技術もありますしね」
衛士「公爵様の御成~り~」パンパカパ~ン
公爵「失礼します」
女王「おや公爵殿、何か御用で?」
公爵「はい、今日来たのはかの地を滅ぼす為の計画を実行に移して頂くよう説得に来ました」
女王「…うむ?」
公爵「この世界はこの世界の人のもので異世界人のものでは御座いません。しかしかの地は異世界人共が我が物顔で蔓延りあまつさえ魔王を呼び込んでいるとの事
二度と異世界人共がこの世界にやって来ぬ様にかの地を滅ぼすべきだと存じ上げます」
女王「ふむ......」
公爵「大規模遠征軍の派遣計画、実行をご検討下さい」
メイド長「胡散臭くて、気持ち悪い」
公爵「・・・・・・・はぁ?」
女王「まあ、そういうことらしいから、公爵よ帰れ」
公爵「えっ、ちょっと待って下さい女王陛下、あなた様はあんな奴の気持ち悪いの一言で、私の策を捨てるのですか?」
女王「彼女は余の友達じゃ、その友達が胡散臭いと言うなら、余が胡散臭いと思うのは当然であろう」
公爵「しかし女王陛下・・・・・」
女王「口説い!!これ以上口を開くと言うなら、余の魔法を喰らうことになるぞ!!」
公爵(・・・・この世で最強と言われる女王の魔法か、今は逆らわない方が良いな)
公爵「分かりました、それでは私は帰ります、お元気で女王陛下」タッタッタッ
メイド長「女王、あの男を生かして帰してよかったのですがか?」
女王「大丈夫だ、あの程度の男、お前の所のメイドでも簡単に殺せる」
―――女王の城の外―――
公爵「くっそ!あのメイドめ、奴の所為で私が考えていた計画が全て台無しだ、女王も女王だ、あんな奴の言葉に耳を傾けやがって」
公爵「何が『友達が胡散臭いと言うなら、余が胡散臭いと思うのは当然であろう』だよ、全然、理屈にあってないっての!」
公爵「まあいい、例え女王が許可しなくても、最初っからあの国には行くつもりだったしな!女王に私の策が正しかったって事を思い知らせてやる」
公爵の兵士「公爵様、船の用意ができました」
公爵「そうか、ならば行こうでは、和の国へ!」
―――侍・忍者・騎士、御一行―――
老人(忍)「ププッ、驚かれてるでござる、ブフッwww」
商人(騎)「・・・・・・・・どうやらお前は死にたいようだな」
ゴリラ(侍)「おい、お前たちやめるんだ、仲間同士で争っても何も生まれない!」
商人「ゴ、ゴリラがおるーーーーー!」
商人(騎)「例え何も生まなくても、私は奴を倒す!」
商人「なあ、何でゴリラがおるん?」
ゴリラ(侍)「拙者、ペットのゴリラです・・・・・・ゴリ」
老人(忍)「侍殿・・・・じゃなくて、ゴリラ殿、自己紹介をする前に、まず商人(騎)殿を止めてくだされ!」
ーーーーチーム小者ーーーー
小者「全然、情報集まりませんね」
魔法使い「そうね~」
小者「メイドさん、あの時言った情報以外に何かありませんか?」
メイド「い、いえ、あの情報以外は聞かされていないわ・・・・」(くそう、あの魔法使いに呪いをかけられなければ、今ごろコイツらの秘孔を突いて逃げれるのに、くそう・・・・・・)
魔法使い「まあ、休憩がてら、あそこの団子屋でお茶しない?」
小者「そうですね、それでは休憩にしましょう」
―――空、英飛空挺一番艦―――
英海兵1「(なぁ知ってっか、公爵様ってば胡散臭がられたうえ気持ち悪いって言われたそうだぜ)」
英海兵2「(まじでか?公爵の地位って確か王族に連なる者しか成れないんだろ?)」
英海兵3「(ああ、その通りなうえに公爵の地位の人と王様ってのは家族も同然な間柄が基本の筈だ)」
英海兵2「(それを胡散臭いだの気持ち悪いだの言うなんて不敬罪で処断されちまうだろ?)」
英海兵1「(ところがお咎め無し。というか女王陛下も胡散臭い気持ち悪いって言ったらしいぜ?)」
英海兵2・3「「((まじでか?))」」
公爵「ゴッホン!」
英海兵1・2・3『いや~空を飛んで行くのは凄いね!ほんと、飛空挺凄いね!』
公爵(くっそ、腹が立つな。でもまあ良い)「ふっふっ我が国が作り上げたこの飛空挺、和の国まで一っ飛びよ!」
船長「お言葉ですが、途中で人力デッキの奴らを休憩させたり補給をしなけりゃなりませから、一っ飛びとは行きませんぜ」
英海兵1「(それに確か、イタリアの天才発明家の発明が元になっているうえにその発明家の他の発明も結構使われているんだよな)」
英海兵3「(俺は回転翼に"キメラのつばさ"という不思議な力を持ったアイテムを組み込んだおかげで少ない人力で飛ばせたと聞いた)」
船長「飛空挺は公爵様が建造に尽力された賜物ですよ!それに普通より断然速いですよ!」
公爵「……ん、そうか......」
質問ですけど。この物語のキャラクターって今何人いるの?
>>86 侍、騎士、忍者、小者、魔法使い、メイド、魔王、側近、魔道化
魔ドクター、魔参謀、魔将軍、女王、公爵の14人だと思う
船長「そうです! 速いんです!」
公爵「速いのはわかった……それでどのくらいで和の国まで着くんだ?」
船長「えーっと……順調に行けば明日の昼くらいには到着すると思います!」
公爵「行ったことないからわからんが、それは速いのか?」
船長「そりゃあもう! 和の国にそんな速度で着けるなんていったら船乗りたちは度肝を抜かしますぜ」
公爵「ほぅ……それほどなのか」
船長「はい! なにせこの辺の船乗りは和の国なんて行ったことありませんから、各自勝手に和の国までの距離を予想して、自分の中の和の国までの距離で驚きますから!」
公爵「……もう一度問うが、それは速いのか?」
船長「当然です!」
公爵「まあいい……」
船長「おや?ちょっと失礼。 おい!人力デッキ!主回転翼の回転が落ちているぞ!」
『こちら人力デッキ!こっちは通常通りに回しているぞ!!』
船長「何!?」
英海兵1「この高さから海に落ちたら塔の天辺から岩に落ちる位の衝撃と聞いた事があるな......」
英海兵2「あ、主回転翼の回転が止まった……」
公爵「お、落ちる!?」
一同『うわああぁぁぁぁぁ……』ヒュゥゥゥゥ……
―――女王の城―――
メイド長(そろそろ小細工が効いて公爵達は墜落死している頃かしら?)
メイド長(女王様は暫らく放って置くつもりだったのでしょうけど"もしかしたら"や"万が一"とかの可能性は早めに処理しとくべきよね)
メイド長(この状況なら行方不明、事故死という事で自然に目立たないで処理されるでしょう)
メイド長(あぁ~、でも惜しかったな、あの女王様と似た面差しがあるあの方の死に様が見れないなんて)
メイド長(こんな事ならあの場でもっと罵っておきたかったわ)
メイド長(あの女王様と似た面差しが屈辱や苦痛で歪む様が、絶望に沈む様が見たかったわ)
メイド長(でもまぁあの方の最後、想像して楽しみますか……)
和の国 秘境 鬼子母神の祠
側近「着いた・・・」
魔道部下「お待ちしておりました、側近様」ペコリ
側近「魔道化の部下ね、ここはどういった所なの?祠というより洞窟のようだけど」
魔道部下「はい、ここはその昔子供をさらい、食料としていた
鬼神を封じ込めた祠が奥にございます。」
側近「その鬼神は今現在も封印されているの?」
魔道部下「いえ、さっきうっかり私が封印解いちゃいました」テヘペロ
側近「何してんだぁーーーっ!!」
鬼子母神「ヴヴヴ・・・」
鬼子母神「ザクロうまー」プチプチ
側近「・・・は?」
魔道部下「なんかザクロほしがってましてね、今日の弁当にしようと思ってたのに・・・」
鬼子母神「まあまあ、そう落ち込まないでザクロひとつあげるからさ」
魔道部下「ありがとうございます。」ムシャムシャ
鬼子母神「ザクロうめー!」
側近「・・・・・ハァ、私にもザクロください」
鬼子母神「ほい」
側近「ありがとう」ムシャムシャ
魔道部下「ザクロうまー!」
鬼子母神「で、何か用?」
側近「今それ聞きます?」
鬼子母神「聞いたら悪いか?」
側近「悪くはないですけど・・・・・・・・・・・・、お腹の中にいる子供を産みに来たんです」
鬼子母神「産むぐらい別の場所でもいいでしょ」
側近「私追われている身なんで、ここなら見つかりにくいだろって胡散臭い奴(魔道化)に言われたんで」
鬼子母神「わかった、ここにいてていいよ、ただし私の話相手になればね」
側近「(小声)さて、そろそろまたどっかで破壊者を動かすか」ピコピコ
鬼子母神「?」
側近「いえいえなんでも。さあお続けください」
―――チーム小者―――
団子屋のエルフ「いらっしゃいませ」
魔法使い(居酒屋GOEMONの女将さんを思い出すなぁ)「お団子7つとおはぎ3つ下さーい。 そうだ、あと"ひのきのぼう"について知りませんか?」
団子屋エルフ「"ひのきのぼう"についてですか?…それなら確か......」
―――黒龍の洞窟―――
魔将軍「未だ"ひのきのぼう"は見付らんのか?」
魔兵士「未だ到着して四半日も経ってないですからおそらく未だ時間が掛かるかと」
魔将軍「そうか?随分時間が経過した様に思ったのだが......」
荒子「魔将軍様、食事を持って来ました」
魔将軍「御苦労。 久方ぶりのこのゆとり法か...」
魔兵士「え?ゆとり法って何ですか?」
荒子「ゆとり法ではなく湯切り法です。研いだ米を袋に入れたっぷりの湯を沸かした鍋に入れ煮えたら引き上げ蒸らすという方法です」
魔兵士「へぇ~そうなんですか。お味はどうなんですか?」
魔将軍「議論の余地があるな。干飯よりましだが」
荒子「この方法は少ない鍋で大人数のご飯を用意し続ける事が出来る方法なので……というか魔将軍様は偉いんですから自分だけ別の食事を用意させれば」
魔将軍「いや、皆と一緒の食事でよい」
女王「むむむ! 貴様ら、静粛にせい!」
側役「はっ!」
女王「神託が降りてきたぞ……和の国のどこかに破壊者を放てとのことだ。直ちに科学者を呼べい!」
メイド長「破壊者ですか……しかし残っている破壊者という『アレ』しかないですよ?」
女王「アレか……まあいい! 我々には神の加護があるのだからな!」
――――――
側近「……これでよしっと」ピッ
鬼子母神「だからね、私はザクロはザクロだからザクロだと思うザクロなんだよね」
側近「そうですね。その通りだと思います」
鬼子母神「ところで、さっきからあの子(魔道部下)、誰と話しているの?」
側近「ああ、おそらくはあの人の上司(魔道化)と話しているんだと思います。」
鬼子母神「しかし、あなたの話が本当なら、私が寝ている間に世界はがらりと変わった観たいね。」
側近「鬼子母神さんが封印される前の世界はどんなのだったんですか?」
鬼子母神「恐竜って言われる生物がいたわね」
側近「へー、他には何がありますか?」
鬼子母神「他には・・・・、あっそうそう何か人間どもが星が落ちてくるとか騒いでいたわね」
側近「星?」
鬼子母神「その星がすごく綺麗な赤色なのよ、彼氏とよくその星を眺めていたわ~」
側近「へーそうですかー」
鬼子母神「確か人間どもはその星のこと、『神星』と呼んでたっけ」
側近「・・・?『神星』?」
鬼子母神「うん、
ある巫女の神託でね」
魔道部下「すんません寿司特上三人前」
鬼子母神「ええ、特上!? やったー!」
側近「それで、その『神星』はどうなったのですか?」
鬼子母神「あ! ザクロ寿司! ザクロ寿司は入ってる?」
側近「えっとすみません、『神星』は……ッ!」
魔導部下「えーっとちょっと待って下さい……すんません、ザクロ寿司ってありますか? え? ある? ええ、じゃあ追加で……ありました」
鬼子母神「わーいザクロだ!」
側近「あの! 『神星』はどうなったのですか!!!」
側近「というか魔導部下! 魔道化じゃなくて寿司屋と話してたの!?」
側近「あとザクロ寿司ってなに!? 美味しいのそれ!?」
二時間かそこらあと
寿司屋インドネシア「おまちー」
魔道部下「あ、領収書もらえます?魔将軍で」
側近「最近魔将軍が最近出費が多いとぼやいてた
けどこれだったのか」
魔道部下「何か出費があるなら
魔将軍につけといてくれとの命令ですしおすし」
鬼子母神「ザクロ寿司ー」
側近「本当にそれ(ザクロ寿司)おいしいんですか?」
鬼子母神「ザクロなんだし、おいしいよ・・・・・・多分」
側近「まぁ、それはともかく『神星』って何ですか?」
―――廃村―――
侍「おお、待たせた様だな」
小者「遅いです!って、忍者さん赤くなる位ぼろぼろじゃないですか!?」
侍「遅れてすまん、(ちょっと訳ありでな)」
騎士「フンッ、これで良いのだ」
忍者「」ヨロヨロ
魔法使い「(痴情のもつれってやつですか?)」
侍「(う~ん何と言うか)とりあえずこれを見てくれ」ジャ~ン
小者「それは?」
侍「これを飲めばどんな怪我も傷もたちどころに治る薬でその名も!」
魔法使い「ただのポーションじゃないですか」
侍「なんだ、知ってたのか」
魔法使い「でもそれを手に入れるなんてすごいじゃないですか」
侍「うむ、丁度良く持っている商人がいて買えるだけ売ってもらったのだ。で、このポーションの効果を皆に見せるべきだという騎士殿の提案で...」
小者「それでこんな事になっているんですね。早くそのポーションを飲んでもらいましょう」
――――――
鬼子母神「めんどくさいわね・・・・、まあ言うけど」
魔道部下「あっ!、私もその話聞きたいです!」
鬼子母神「まずは人間どもがその星を『神星』と呼ぶ言うのかっていうのを話すわね。」
鬼子母神「昔、人間たちの国ではこんな噂が広まっていた。『月が満ちる夜に空に浮かぶ赤い星に向かって願い事を3回願えば、その願いは三日後に叶う』っていう噂がね」
魔道部下「なんか流れ星みたいな噂ですね」
鬼子母神「そんな噂を聞いた、ある村の青年が興味本位で月が満ちる夜に赤い星に向かって願い事をしたのよ、その時その青年はどうせ叶わないだろうと思って、愚かなお願い事をしたのよ」
側近「その願い事って一体何ですか?」
鬼子母神「自分の村に住む人間全員の死を願ったのよ、もちろん自分を除いてね、そしてそれから三日後、その青年を除いて村の人間は全員死んだ。青年は特にその村を嫌ってはいなかったむしろ愛していた、だけど青年のお願い通りに村の人間が全員死んだ」
鬼子母神「まあ、それ以来その青年は放浪中に自殺して、その噂を聞いた人間が赤い星を『神星』と命名した訳よ。」
魔道部下「すごくヘビーな話ですね」
側近「SAN値がすごく下がりましたよ」
鬼子母神「ちなみに赤い星のその力は魔力によるものだっていう魔族の悲惨な最期っていう話もあるけど聞く?」
側近「もう結構です!」
――――――
テレレレッテレッレー『忍者が復活した』 忍者「三途の川が見えたでござる」
侍「マジでか!」
騎士「・・・・・・ところで、お前たちは”ひのきのぼう”に関する情報は手に入れられたのか?」
小者「”ひのきのぼう”に関する事は全くわかりませんでした。でも唯一、手に入れられた情報は、黒龍の洞窟に住む黒龍に関する情報で、黒龍の洞窟が京都のどこにあるのかはわかりませんでした」
魔法使い「あと、メイドは『黒龍の洞窟に”ひのきのぼう”がある』とだけしか情報を貰ってないし・・・・」
忍者「メイドが嘘をついている可能性は考えないのでござるか?」
魔法使い「それはあり得ないわ、あのメイドにはいくつか呪いをかけているから嘘はつけないわ、仮についていたら今頃この世にいないかも」
メイド「マジでか!」
魔法使い「まあ、適当に呪いをかけたから、呪いの効果は私にもわからないわ!」
メイド「適当に呪いをかけないでくださいよ!」
魔法使い「だってお父さんの魔本、書いてることが意味が不明なんだもん」
忍者「つまり、黒龍の洞窟の場所は未だに不明と言うことでござるか・・・」
商人「えっ!?、自分ら黒龍の洞窟を探してたんか、ウチ黒龍の洞窟の場所知ってるで」
小者「・・・・・・・・てかあなた誰!?」
>>103 商人ってキャラいたっけ?
―――黒龍の洞窟、魔王軍遠征軍本陣―――
伝令兵「報告! 洞窟の奥に龍がおり、最初に接触した隊が襲われ、潰走しました!」
魔将軍「うむ、報告御苦労 下がって休んでいてくれ」
伝令兵「はっ」
魔将軍「龍か......」
魔兵士「どうするのですか?洞窟内では大軍での行動が執れませんよ?」
魔将軍「王道を解さぬやつよ こういう場合は実力者をひとまとめにして少数精鋭で行くに決まっている」
魔兵士「そうですか。では人選はどうするのですか?」
魔将軍「候補はいっぱいいるぞ。足軽頭、槍頭、弓頭、黒魔戦頭、白魔戦頭そして赤魔戦頭。そうだ、伝令も何人か候補に入れるか」
魔兵士(? 他は分るが伝令も候補って...?)
荒子「(伝令は忠勤に励み、戦で手柄を多く立てた人が就くお役目ですよ。他に前線に出すと他の人が手柄立てにくい位の実力者でもあります)」
魔兵士「(そうだったのか。"王様、敵がすぐそこまで迫って来ております バタリ"っていうモブな印象があったなぁ)」
魔将軍「久しぶりに、あれ?久しぶりだよな? 腕を振るう事が出来るな」
魔兵士「魔将軍様自らも行くのですか!?」
魔将軍「当然だ」
魔道化「魔将軍ちゃんなんだか楽しそうだね、良い事でもあったの?」
魔将軍「ああ、魔道化か、久しぶりに手強そうな相手と戦えるはのが楽しみなのだ。ところでお前は何の用事だ?」
魔道化「ボクは魔将軍ちゃんに情報を渡しに来たんだよ、悪い情報とものすごく悪い情報どっちが先に聞きたい?」
魔将軍「どっちも悪い情報ではないか、まあ先に悪い情報を聞こう」
魔道化「オッケー、悪い情報だね☆、前勇者の仲間の一人が新たな勇者候補とその仲間たちを引き連れて、ここ黒龍の洞窟に向かってきてるよ」
魔将軍「そうか、で、ものすごく悪い情報は一体なんだ?」
魔道化「えーっと、まあ今更言う事じゃないんだけど・・・・・、黒龍が今ボク達の真上にいます」
魔将軍「何!?」
黒龍「ぐわおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
商人「でな~その黒龍ってのがすごい格好ええんやで」
侍「格好いい?恐ろしいの間違いではないのか?」
商人「確かに狂暴なんやけど、巣である洞窟に近づかなかったら大人しいもんや」
商人「人里にも降りてこんし、一部では神様って崇める人もおるで」
魔法使い「じゃあ危害とかそういうのないんだ?」
商人「そりゃそうや。付近の村とかでは、名物・黒龍ちゃん饅頭が販売されとるくらいやし」
小者「観光名物扱いですか。ちなみに巣に近づいてしまったらどうなるんです?」
商人「洞穴付近にいるもの皆殺しやな。ま、そんな奴おるわけないか。あははははh」
―――黒龍の洞窟、魔王軍遠征軍本陣―――
黒龍「すううううぅぅぅぅっっっっ」
魔将軍「不味いっ!総員 黒龍の攻撃に備えろ!!」
荒子「攻撃に備えるたってどうすれば」
ボオオオオォォォォッッッッ!!!!
魔兵士・荒子「「うわっ!」」
黒龍「!?」
荒子「あれ?」
魔将軍「炎が途中で遮られている?」
魔兵士「これは魔法の障壁!」
白魔戦頭「ふう、危なかった」
魔将軍「おぉ、白魔戦頭か!」
白魔頭「はい、魔戦白備えの各員に障壁を展開させました。被害を抑えられていれば良いのですが...」
魔将軍「何もしないよりかは良い!でかしたぞ!!」
白魔頭「今の黒龍の攻撃が小手調べ程度の威力ならば障壁は長くは持たないと思われます。この後どうされますか?」
魔将軍「我らの目的はひのきのぼうの破壊!それを妨げようとするならば排除するのみだ!」
魔将軍「隊列を組め!雄叫びをあげろ!愚かにも魔王軍に刃向かう不届き者に我らが力、とくと味あわせるのだ!」
オオォォォォォ!!!
黒龍「スゥ---……」
魔道化「冷静に考えて勝てる訳がない。こりゃあ全滅覚悟だな……」
黒龍「・・・・・・・・・・・・・・フッ、フハハハハハハハ、ハァーハッハッハッハ!!少しは楽しめる相手と思っていたが、・・・実に残念だ。」
魔将軍「こ、黒龍が喋っただと!?」
黒龍「貴様ら魔族が喋れるのにワシが喋れない訳がないだろう。あと貴様ら命が惜しいのなら"ひのきのぼう"は諦めろ」
魔将軍「"ひのきのぼう"を諦めろだと、・・・・ふざけるな!!あれは我ら魔族に害の成すもの!あれを破壊しない限り、我ら魔族に明日はない!」
黒龍「貴様ら魔族の明日など知ったことか、ワシはあの男との約束を、・・・・友との約束を守るだけだ。もし貴様ら魔族が"ひのきのぼう"を奪いに来るのなら、ワシも本気で貴様らを殺しにかかる事になるがな、さあ来い!魔族ッ!」
魔将軍「皆の者、我に続け~!」
魔道化(フフッ、伝説と言われる竜神族の暴れん坊とボクら魔王軍の特攻隊長。おもしろい戦いが観れそうだな・・・)
ズドおおオオォォォォンンんんッッっっ!!!!
一同『!?』
魔将軍「なんだ!?これからって時に急に黒龍が大爆発した!?」
黒魔戦兵「やったか!?」
黒魔戦頭「油断するな。あと魔将軍様、水を差す様な真似をしてすいません」
魔将軍「黒魔戦頭!今のは魔戦黒備えがやったのか?!」
黒魔頭「そうです。大爆裂魔法の4人併せです」
魔兵士「4人併せ?」
黒魔頭「複数人で魔法を併せて発動させるのです。2人併せなら4倍 3人併せなら9倍 4人併せなら16倍です。4人までで5人は併せられませんが」
黒魔兵「あ、爆煙が晴れて来た」
黒龍「くっ! まさかその併せ魔法とやら、あの男の魔法から着想を得ているのか...!? だが!未だだ!未だ終わらんぞ!」
魔将軍「未だ息があるうえに戦う気もある様だな!行くぞ!!」
黒魔頭「あ、ちょっと待って下さい、もう3発ほど4人併せ魔法の準備を整えてますので。あ、そろそろ発動です」
魔将軍「えっ?」
ボガアアアアァァァァンンンンッッッッ!!!!ちゅどおおおおぉぉぉぉんんんんっっっっ!!!!どかああアアぁぁァァンンんんッッっっ!!!!
シュウウウウ・・・
魔将軍「・・・俺が言うのもあれだが・・・これはひどい」
黒魔頭「遥か西の国にこんな言葉があります
勝てばよかろうなのだ、と」
ピクンッ
魔将黒魔「「!?」」
屍黒龍「ゴアァァァァァア・・・」
魔道化「あ、言うの忘れてたけど
龍神族って死んでも黄泉還れるくらい
生命力高いから」
黒龍「クックック、ワシはお前ら魔族を少々甘く見すぎていた様だ。次は絶対に殺されない。」
魔将軍「ふっ、世迷い言を、全軍突撃ーーーっ!」
黒魔頭「黒龍よ、もう一度死ね!」
黒龍「させるかーーーーっ!」
ズガガガガガガガガガガッ!
魔将軍「マズイぞ、黒魔頭早く逃げろ!」
黒龍「もう遅い、死ねっ!」
黒魔頭「ぐはっ!」
魔兵士A 「く、黒魔頭のしょ、小隊が全滅した。」
黒龍「さあ、次に死にたい奴はかかって来い!」
魔兵士B 「こ、殺される、俺たち皆、黒龍に殺される!」
魔将軍「み、皆のもの陣形を乱すな!」
黒龍(・・・・くっ、先程の攻撃でここまで負傷するとは、ワシも歳と言うことか、・・・・でもまだじゃ、まだワシは死ねん、友との約束を果たすまで、頼むワシの身体動いてくれ。)
青魔頭「おのれ……黒魔頭の仇ィ!」ブシュー!
赤魔頭「骨の髄まで痛めつけやんよぉ!」ボワッ!
魔将軍「よ、よせ!バラバラに戦うな!!」
黒竜「ぐっ、先程のダメージがまだ残っているというのに…!」
赤魔頭「ひゃっはぁーー!!止めだぁああ ぐふっ!?」」
青魔青「二度と蘇生せんようバラバラにして……ぐはっ!?」
魔将軍「な、なに!? 赤魔頭と青魔頭が一瞬にしてやられただと!?」
白魔頭「四天王である黒白赤青の内、3人もやられるなんて!」
騎士「手負いの龍をよってたかって袋叩きか。騎士道の風上におけない奴らだ」
侍「だ、だからって一人で前に出るなって騎士! 追いつくの大変なんだぞ!」ゼェゼェ
商人「あわわわ!正気とは思えへん! 黒龍の洞窟にウチらまで入るなんて!おまけにいきなり2人も殺っとるし!」アタフタ
黒龍「……友よ、どうやら約束の果たす時が来たようだ」
黒龍「あの騎士とかいう者。『龍騎士』の称号を得るに相応しい」
忍者「魔将軍!ここで会ったが百年目でゴザル!」
騎士「貴様が魔将軍か!貴様の話は聞いている!多くの人を殺めた報いを受けろ!!」
魔将軍「ふん!戦を生業としている!戦で殺してきた!その事を咎めるならこの生業、この場から出て行け!」
騎士「なにおう!!」ダッ!
忍者「!不用意に奴に跳び込むんじゃないでゴザル!」
魔将軍「秘技」
黒龍「はっ!」バッ!
騎士「うわっ?!」
ザブシュッ
侍一同『!?!』
魔将軍「音速の一太刀」
魔兵士「出た~っ!秘技 音速の一太刀!長い刀を高速で振る事により刀の切っ先のヘッドスピードが音速となりその衝撃波により斬れぬ物無しの一撃!!」
白魔頭「解説有り難いですが刀の切っ先だけ凄くてもあんなに斬れないと思うのですが?」
魔兵士「斬撃伝導です。切っ先だけで斬っても大きく斬れるんです。この斬撃伝導を極めれば刀の何倍もの大きさの物も真っ二つに斬る事が出来ます」
魔将軍「いくら死んでも黄泉還れる生命力でもそんな状態となっては死に体も同然。手の空いている者は負傷者の手当てをしろ!」
侍「くっ!あの技、奴の間合いに迂闊に跳び込めないか!」
商人「黒龍はんっ! あ、そうや効くかどうか分からへんがポーションを」
黒龍「悪いが遠慮させてもらう、こんな傷などワシにとってはどうって言うことはない、ただ一番気になるのは"ひのきのぼう"事だ。小娘どもよ、貴様たちも"ひのきのぼう"狙いに来た輩と同じならば今から殺さないといけない。問おう、汝らは"ひのきのぼう"を狙ってここに来たのか?」
小者「は、はい、そうです。」
黒龍「そうか、ならば死ねっ!」
魔法使い「小者ちゃん、危ない!!」
ガキンッ!
黒龍「・・・・・・・ほう、ワシの一撃を受け止めるとは、貴様何者だ?」
侍「俺はただの・・・・・・侍だ。」(キリッ
小者「・・・・・・・・・・うぜぇ!」
――――――――――
魔将軍「偉そうな口を叩いた割には、この程度か人間どもよ。」
騎士「くっ!こいつ隙がなさすぎる、私たちはこいつを倒すことができるのか!?」
忍者「だから、拙者はこやつらが龍との戦いで体力を消費しきったところを攻撃する方が良いと言ったのにでござる」
魔法使い「まあ、仕方ないじゃない、今戦っている訳だし。」
忍者「そうでござるな、今は拙者らの全戦力でこやつらを倒すことが先決でござる。」
メイド「そうですね、確かに今は持てる力を全力で使う時ですよね。・・・・・・・・それなら私の手錠を外してください!戦力になりますよ。」
騎士・忍者・魔法使い「だが断る!」
メイド「えっ!?」
魔法使い「だって拘束を解いたら、アンタ裏切るでしょ。」
メイド「呪いもかけられているのに、裏切りませんよ!というよりか裏切れませんよ!」
騎士「だが信用できない!」
魔法使い・忍者「同じく!」
メイド「ちっくしょー!」
侍「さて黒龍よ、"ひのきのぼう"を狙いに来た輩を殺すというならば、何故騎士を庇った?あの瞬間に黒龍が庇わなければ騎士が音速の一太刀を浴びていた筈」
黒龍「……」
侍「更に言わせてもらうが俺達は魔王軍が"ひのきのぼう"を粉砕するという目的を阻止する為に来た!」
黒龍「……」
小者(返事が無い、やっぱりあの音速の一太刀で体を七割近く斬り飛ばされた所為でもう......)
――――――――――
騎士「そうだ!戦う気があるなら魔将軍に一緒に突っ込んで体当たりを掛けてくれ!」
メイド「えっ!?うぅ、これも信用される為には仕方ないですね、分りましたよっ!行きまーす!!」
騎士「よし、ならば行くぞ!」
忍者「ちょ、ちょっと待っ」
騎士・メイド「「やぁっ!」」
魔将軍「ふん、その程度で挑もうなど思うなら、戦う事やめちまえ!秘技 音速の一太刀」
ヒュンッ ダッ サシュッ
騎士「!?躱された!?」カランカラン「鎧が?!」
メイド「ほっ、斬られてない」ハラリハラリ「って、服が?!」
忍者「多方向からの同時攻撃で倒せる様ならとっくの昔に拙者らが倒しておるでゴザルよ」
魔兵士「音速の一太刀は刀を高速で振る為に腕以外に体も動かしてるから躱すのも容易。因みに斬撃伝導の応用で中身を斬らずに外身を斬る事で外身だけ斬る事が」
白魔頭「手が空いているなら油売ってないで負傷者の手当てを手伝って下さい」
――――――――――
魔道化「・・・・よしっ、ここには敵はいないみたいだね。このまま、敵に会わずに"ひのきのぼう"が保管されている部屋に辿り着ければ嬉しいんだけど・・・」
商人「あ、あれ?アンタは確か、さっき魔族の奴らと一緒にいた奴。」
魔道化「ボクのことは奴じゃなくて魔道化って呼んでね。」
商人「それで、アンタはさっきまで何をコソコソしていたんや?」
魔道化「ああ、それは"ひのきのぼう"を保管している部屋を探していたんだよ。」
商人「・・・・・なあ、アンタどういうつもりや、簡単に質問に答えて」
魔道化「えっ?、だって君弱そうじゃん」
商人「・・・・・・アンタ、商人をあまり舐めんなや!」
魔道化「あははは、ボクと戦うつもりかい?無理無理、君には勝てっこないよ。」
商人「その言葉、撤回させてやる。」
魔道化「あはは、無駄ダヨ。」
―――――――――
黒龍「"ひのきのぼう"を狙う輩よ。死ねっ!死ねっ!シネシネシネッ!」
小者「はわわわ、黒龍が暴走した。侍さん、どうしましょう?」
侍「俺に聞くな、策作りはお前の方が得意だろ。」
小者「で、でも・・・・」
侍「まだ思い付かないなら、策ができるまで下がっていろ。俺が時間を稼ぐ。」
黒龍「キエロ、キエロ、キエウセロ!」
小者「黒龍が向かって来ましたよ。」
侍「さあ来い、俺が相手だ!」
――――――――――
魔将軍「国へ帰るんだな で、帰農するなり出家するなりするんだな」
騎士「くっ!貴様の情けなどいらん!」
忍者「確かに正々堂々と戦って負けたのなら悔いなく帰農または出家したかもしれないでゴザル。だが!卑怯な手で戦を起され滅ぼされたのならば話は別でゴザル!」
魔将軍「何!?卑怯だと!?卑怯な手など使っていないぞ!?」
忍者「!!っ とぼけるなでゴザル!!」スゥッ
魔将軍(なんだ?あの構えは抜刀術か?しかし抜刀術には不向きそうな直刀だな、我が秘技 音速の一太刀に対抗出来ると思っているのか?)
魔法使い「…影が薄くなってきたからえいっ!」ゴオッ
魔将軍「! ふん」(躱すか)スッ
忍者(!今でゴザル!)スチャッ バッ
魔将軍(?!えっ柄を飛ばしてってあれは!?)キンッ
ヒュッ ザシュッ
魔将軍(柄が鞘で鞘が柄?!あれは直刀ではなく隠れ長巻!槍に近い代物だ!油断した!)
忍者(しくじったでゴザル!千載一遇の機会、致命傷を与えられなかったうえ一太刀浴びてしまったでゴザル...幸い斬撃伝導はそこまでひどくはないでゴザルが...)
伝令兵「報告、負傷者の治療が一段落したと白魔 って魔将軍殿!?大丈夫ですか!?」
メイド「あの~、ここは一旦退却しませんか?新手も多勢来るみたいですし」モジモジ
忍者「しかし、"ひのきのぼう"を失うのはとても辛いでござるよ。」
魔法使い「私はメイドの案に賛成!そもそも"ひのきのぼう"の存在って旅の途中にそこのメイドから聞いて知ったわけだし、別に無くても困らないんじゃない。」
騎士「確かにそうだが戦力は少しでも上げた方が良いだろう。」
メイド「というよりか何か着れるものをください、私、さっきから下着姿で戦っていて恥ずかしいんですけど。・・・あと手錠を外してください。」
魔将軍「・・・・・人間どもよ戦っている最中に何をゴチャゴチャ言っている。魔族を舐めているのか!」ブンッ!
騎士「別に魔族を舐めている訳ではない!」ガキンッ!
魔将軍「うるさい、さっきから服も何も着ないで戦っている女が我らを舐めている証拠だろうが!」
メイド「いや、私の服はアナタが斬ったんでしょうが!」
魔将軍「黙れ!まず貴様から片づけてやる!」ブンッ!
メイド「ちょ、待って、ぎゃああああああああ!・・・な~んてね。」
魔兵士「な、なに!?あのメイド手錠を使って魔将軍様の剣を受け止めやがった!!」
メイド「フッ・・・・、アナタの攻撃なんてこの手錠があれば何度だって受けきれますよ。アハハハハハハ。」
魔将軍「フンッ!手錠如きに何度も我の攻撃を受けきられて堪るものか。このまま砕いてやる!」
ガッシャーン!
メイド「・・・よっしゃあー!手錠が壊れたぜー!イエーイ!」
魔将軍「ふん、喜んでいられるのも今の内だ 秘技」
魔法使い「メイド危ない!」
メイド「え?」
伝令兵「お待ち下さい魔将軍殿!女を斬ろうとするなど貴方らしくもない!」
魔将軍「なんだ?何故止める人間?」
伝令兵「先程から異世界人みたいな事を言っておられますが貴方はこの世界の人間でしょうが!昔の事をお忘れですか!?よーく過去の事を思い出して下さい!」
魔将軍「なに?!何を言っておるのだ貴様は!?」
伝令兵「その程度の負傷で錯乱されたか!?確かに今の我が軍はこの世界人と異世界人の混成軍と化してますがこの世界と異世界の違いはあるじゃないですか!」
魔将軍「うぅ~?! 過去?違い?、うぅ~...」
伝令兵「魔将軍殿! (もしや異世界人の所為か!こんな事になるなら異世界人を受け入れなければ...」
魔兵士「えっ!?でも他国に攻められて滅びようとしてたじゃないか。それを魔王様が」
伝令兵「確かに主君不在で攻め込まれ旅から帰って来られた主が異世界人を受け入れ敵を撃退し亡国の危機を脱した......しかし!!」
魔将軍「ふん、...黙れ 秘技 音速の一太刀」
ザブシュッ
伝令兵「ま、魔将軍 殿、違いを、 過去をよ く 思い返して、下さい...」バタリ
魔将軍「・・・・ふん、くだらない。」
メイド「よそ見をしている暇はないですよ。喰らえ正拳突きィ!」ドゴォ!
魔将軍「そんな攻撃避けてくれるわ!」スッ
メイド「・・・・チッ、避けられたか。」
魔法使い「ちょ、ちょっとアンタ何で逃げないの?私たちを裏切るチャンスじゃない。」
メイド「だから呪いが恐くて裏切れないって言ってるでしょうが。」
騎士「まあ理由はどうあれ、メイド、我々と一緒に戦ってくれるか?」
メイド「もちろん、YESですよ、私、魔族の事すっごく大っ嫌いなんですよ。」
魔法使い「そんな事どうでもいいわよ。」
騎士「それより、まずは先程から睨んでいる魔将軍を倒す事だ。」
忍者「確かにそうでござるな、それでは皆の者、魔将軍を倒すでござるよ!」
魔法使い・メイド・騎士「「「オー!」」」
魔将軍「それで、貴様ら、死ぬ覚悟はできたか?」
忍者「生憎、拙者らは死ぬ気など無いでござる。魔将軍、貴様を倒す覚悟はできたでござるがな!」
魔将軍「まあいい、どっち道、囲まれている貴様らに勝機は無いがな。」
騎士「ふん、多勢に無勢という言葉は私達には関係ない」
忍者「左様にゴザル。忍たる者、この程度の境地は幾度となく切り抜けてきた故」
魔法使い「ていうか私の魔法って全体攻撃も滅茶苦茶威力あるし」
メイド「わかったかー! 貧乳! まな板! 洗濯板! むしろただの板!」
魔将軍「……いいだろう。そんなに死にたければ望み通りにしてやる! まずはそこのメイドからだ!」
メイド「ええええ!? 酷くない!? 」
忍者「むしろ当然の流れでゴザル」
騎士「人が気にしている事を言われると怒りを買うのは必定。女性なら胸の大きさを気にしない訳が無いだろう」
魔将軍「」ピキッ「私は男だ」
騎士・メイド「「えっ!?」」
魔法使い「気付いてなかったの?」
忍者「ププッ っつ、傷口が痛たでゴザル...」
魔将軍「貴様ら...まとめて寸刻みにしてくれる...」
――――――――――
商人「喰らえ!霊験あらたかな竹筒!」ポイッ
魔道化「あれ?それってもしかして爆竹?」サッ
商人「え、知ってるんか?」サッ
バァンッッ
魔道化「知ってる知ってる、キャンプフャイヤー焚いてその中に呪文を唱えながら竹筒を入れ弾けさせ悪いものを祓い清めるってやつでしょ?」
魔道化「そして火薬が発明され竹にその火薬を詰め弾けさす様になったんだけどこの列島じゃ硝石がないから火薬持ってるなんて凄いね どこで手に入れたの?」
商人「教えへんよ」(博識みたいやけど古い家の軒下に硝石が生じている事を知らないみたいやな)
商人「さてそれじゃこの貴重な火薬を使ぅた武器の大盤振る舞いと行くで!」ゴソゴソ
商人「これはウチが発明した作品の最新作。火縄銃の改良版、名前は火縄銃・改!」
魔道化「火縄銃・改?あははは、何それ変な名前」
商人「う、うっさいわ、このハゲ!別にええやろ。ウチが作った作品なんやし、アンタに文句を言われる筋合いは無いわ!」
魔道化「それで、その黒い鉄の塊でボクを倒せるのかい?」
商人「これでアンタを倒せるかはわからんけど、ダメージを与えることはできるやろ。」
魔道化「ふーん、じゃあやってみれば。」
商人「その余裕、あとで後悔させたるわ!」ドガガガガガガガガガッ
ドゴォン(弾が外れて岩が砕けた音)
魔道化「・・・・・・・・こ、これはマジでやばいかも、・・・・・・・・・よし、逃げよう。」ダッ!
商人「逃がすかーーー!」ドガガガガガガガガガッ
魔道化「ちょ、マジで危ないんだって!この攻撃をくらったら、先輩に「お前って、ゴキブリ並みに生命力あるよな」って言われたボクでも死んじゃうって!!」
商人「そんなん知るかボケ!」ドガガガガガガガガガッ
魔道化「・・・・・・や、やばい死ぬ、死んじゃう。マジやばい、や、やめてマジ、ちょ、マジ・・・ぎゃああああああああああ」
――――――――――
魔将軍「!?アイツ(魔道化)の悲鳴が聞こえたような気がしたが、気のせいか。」
商人「魔道化の頭を木っ端微塵に吹き飛ばしたら気持ち悪くなった…」
破壊者RX「ぐおおおおおおお」ガシャンガシャン
商人「うざ」バギュン
破壊者RX「おおおお」ズシンズシン
商人「効かない!?」
神父「ソイツへの攻撃、いい加減止めてもらいますよお嬢さん。いけ!鎖」バシュッ!
商人「な、なんやこの鎖は!?」
神父「その鎖は『法の鎖』と呼ばれている代物でして、この鎖に捕らわれたら、外れるまで私がこの鎖を使う前に言った行動が出来なくなります。」
商人「この鎖がどんな物かはわかったけど、アンタはいったい誰や?」
神父「申し遅れました。私は表の顔では英国で神父をやっている者です。」ニコッ
商人「表の顔って事は、裏の顔もあるってことやな。」
神父「ハイ、裏の方は、くだらない思想を持った異端者や腐ったゴミの様な魔族を駆逐する仕事をしています。今日、実はここの洞窟にある"ひのきのぼう"を取りに行けと、命令されて来ました。」
破壊者RX「おい神父、俺の戦いの邪魔をするんじゃねーよ。」
神父「黙れゴミ、私はそもそも貴様みたいな人工魔人と同じ空気を吸うこと自体、ヘドが出る程に嫌なのだ。少しは私の言うことを聞け。」
破壊者RX 「それはこっちのセリフだ。俺だって女王の命令がなかったら、今ごろてめーをぶっ殺してるよ。」
神父「ふん、どうでもいい、ところでお嬢さん、"ひのきのぼう"はどこにあるんですか?」
商人「そんなこと言われても、ウチだってさっきあのアホっぽい魔族(魔道化)を倒したばっかりやし、"ひのきのぼう"がどこにあるのか、さっぱりわからへんのや。」
神父「ん?アホっぽい魔族?そんなのどこにも居ませんけど」
商人「あ、あれ、そんなアホな、さっきまであれの死体が転がっていたはずなんやけど、どこに行ったんや?」
魔道化「・・・・ハァー、危なかったー、あの時、とっさに幻覚の魔法を使わなかったら、ボク完全に死んでたよ。」
魔道化「しかし、英国の連中がこの洞窟に来るとは予想できなかったな~。まあ、とりあえず魔将軍ちゃんに報告しとくか。」サッ
――――――――――
ガキンッ!キンッ キンッ キンッ サシュッ
侍(この龍、理性が無いくせに的確に攻撃を防いでやがる。)
侍「やっかいだな・・・、小者!何か良い策を思いついたか?」
小者「いや、まだ思いついていません」
侍「・・・そうか、なるべく早く策を思いついてくれ!一人でこの龍を相手にするのは身が持たない。」
黒龍「グヲヲヲヲオオオオオオオオオオオ!!!!!」ブンッ!
侍「うわっ!」ザッ
ドガォ!(岩が粉々に砕ける音)
侍「ハァハァ」(っぶねー!逃げ遅れていたら、俺が粉々に・・・・)
黒龍「グオオオオオオ!!!!」
魔道化「あぁ~ホントはこんな風に使うんじゃないんだけどなぁ~
しゃーないか・・・『幻聴魔法 死神の囁き』」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
魔将軍「・・・なに?あの変なのの仲間がこの洞窟に来てる?」
騎士「戦闘中に余所見か!」ヒュッ
魔将軍「ふん、」キンッ
忍者「忍法 蛇雨!」バッ
スネーク「シャーッ(ショウタイムだ)!」
魔将軍「掃滅の一太刀」ヒュッ
スネーク「」
魔将軍「(クソッ決定打を与えられない上にあの変な奴まで来るだと?
厄日か畜生巨乳滅びろ)」
>>138
ログ漁ってみた限り、最初に書いたやつは男と設定してるみたいだね。ただ、魔道化がする魔将軍ちゃんって呼び方が女と思わせたくさい。
しかし、魔将軍が男だという描写は>>130の魔将軍の発言しかない上に、この発言は切れた魔将軍の自暴自棄ともとれる。それまでの周りの発言から、むしろ魔将軍は女だとしたほうが違和感がない。
これから書く人の展開によるが、魔将軍を女と仮定すると、>>魔道化「えーなになに?愛の告白?ワリーけど俺っちはノンケだぜ」って発言から魔道化も女ということに!!!
忍者「奴の太刀捌き、精彩を欠いてきたな」
メイド「今なら3人同時に仕掛ければ攻撃が通るんじゃないですか?」
魔兵士「お、俺がいる事を忘れるな!」
魔法使い「そっちも私がいるの忘れているよ!えいっ!」ゴオッ
魔兵士「うわっ!?」
騎士「今度こそ行くぞ!」ダッ
魔将軍(ふん、間合いに入って来い。今度こそこれで最後だ 秘技」
伝令兵「ま、魔将軍殿...」
魔将軍「!?」
――――――――――
足軽頭「者共!魔将軍殿の助けに入るぞ!」
足軽達『おおーー!!』
――――――――――
サフシュッ
忍者(しまったでゴザル!隠れ長巻をやられてしまったでゴザル!)カランカラン
騎士「くっ!未だそこまで動ける体力が残っていたか!?」ハラリハラリ「って服が?!」
メイド「わーい、これで服無し仲間が」パサリパサリ「ってきゃあぁぁー?!」
――――――――――
足軽一同『おおーー!!』
侍「一旦距離を取る!っと、ちょっと前を失礼します!」
小者「はい!失礼しますよ!」
足軽「たくっ、なんだよ!?」
黒龍「グオオオオオオ!!!!」
足軽一同『うわーー!?』
――――――――――
魔将軍(私はいったい何を...?)
“女を斬ろうとするなど貴方らしくもない!”
魔将軍(らしくないとはどういう事だ?)
足軽達『うわーー!!』
黒龍「グオオオオオオ!!!!」
足軽頭「このやろー!!」ギンンッ!
黒龍「グオオオオオオ!!!!」ガキンッ!
魔将軍(あ、仲間が... ...いや、仲間?あいつらはこの世界の人間風情ではないか どうなろうと知った事か」
伝令兵「ま、魔将軍、殿、あの者達は、一緒に、苦楽を共にしてきた、我が軍の、兵士達では、ないですか」
魔将軍「……」
魔道化「少し黙れよ、雑魚助くん。」スゥ
伝令兵「な、貴様は魔道化!」
魔道化「全く、自力で暗示を解くなんて、すごいと思うけど、魔将軍ちゃんの暗示を解く事は、例え器の大きいボクでも怒っちゃうよ。だ・か・ら死ねっ。」キラッ
伝令兵「!?」グシャッ
魔将軍「・・・・・」
魔道化「心配しないで魔将軍ちゃん。君は男だ。男、男、そして君は女、子供も平等に斬り殺す残酷な、魔将軍だ。」
魔将軍「そ、そうだ。わ、私は魔将軍だ。」
魔道化「そうだ、君は魔将軍だ。今は混乱しているだけで、少し眠ればまたいつもの君に戻る。」
魔将軍「そ、そうか、眠れば・・・いつもの・・・わたしに・・・スゥ・・・」
魔道化「・・・・・寝たか。」
侍「お前、今、何をした?」
魔道化「ありゃ、今の見られちゃった?参ったなぁ。ボクが今さっきやったのは、ただの暗示だよ。」
侍「何で、彼女に君は男だなどの嘘を言った?」
魔道化「それはね、魔将軍ちゃんには、いつまでも兵士でいて欲しいからだよ。」
侍「・・・下衆が」
魔道化「褒め言葉として受け取っておくぜ♪」
ゴァァァァアアアア
魔道化「おっと、いよいよやばいかね」
侍「!」
魔道化「今回『ひのきのぼう』は君らに譲るよ
そんなものくれてやったってボクたちは痛くも痒くもないからね」
魔道化「せいぜいあがいてみせろよ、英雄クン」
魔道化「さあ君たちも逃げないと、洞窟に潰されてしまうよ。」
侍「それはお前も同じだろが。」
魔道化「ご心配なく、それ!」ボフンッ! モクモク
小者「な、煙玉!?」
魔道化「転移魔術『エスケープ』発動!」シュンッ
忍者「くっそ、逃げられたでござる。」
魔法使い「というよりか、私たちも早く洞窟から脱出した方がよくない?」
忍者「魔法使い殿、待つでござる。」
魔法使い「えっ、何?」
忍者「商人殿が見当たらないでござる。」
小者「あっ!確かに商人さんがいませんね。」
侍「仕方ない。みんな散開して、商人を探すぞ。」
魔・小・忍・騎・メ「オーー!」
忍者「…むっ、これは?」ゴロン
商人「」
忍者「おおっ…商人殿、どうしたでござる横たわって」
ゴロ…
忍者「…首から下はどうした…うおおおおおおっ!」
商人死亡--
―――黒龍の洞窟、出入り口魔王軍後方陣地―――
魔道化「久しぶりの外って感じがするね、魔将軍ちゃん?」
白魔頭「あっ!魔将軍様!?その傷は!?」
魔将軍「大した怪我ではない...それより弓頭は?」
弓頭「ここに居りますが」
魔将軍「うむ、洞窟内に侵入者が、うっ...」
白魔頭・弓頭「「魔将軍様」殿」!!
魔道化(やっべそういや弓頭もこの世界人だっけ。あとでその辺もフォローしないと)「白魔頭ちゃん、魔将軍ちゃんを頼む。あと弓頭、洞窟に侵入者が居たんだけど?」
弓頭「我々がここに陣を敷いてからここを通った者は一人もおりませんが」
魔道化「そっかぁ、別の出入り口があるのかな... ...ねぇ、黒の魔戦部隊は何人 今 使える?」
弓頭「魔戦黒備えですか?魔戦白備えのおかげで今動いて大丈夫なのは4,5人位でしょうか」
魔道化「じゃ、その4人を呼んで来て。念には念を入れないとね......」
弓頭「はっ」クルッ「あっ」
魔道化「どうしたの?」
弓頭「はい、魔将軍殿の服の股間の部分が破けているなと...」
魔道化「えっ?!」(洞窟内で気付けなかった...)「まぁ、白魔頭ちゃんが傷の手当てするからそん時にフォローするっしょ。とりあえずその黒魔兵達を呼んで来て」
―――――――――
商人「勝手に殺すなや!」スゥ
魔法使い「ぎゃああ、商人が化けて出たー!」
神父「あのー、ここに生首が転がってきませんでしたか?」スゥ
メイド「あ、あんたは神父!!」
神父「ああ、お前はメイドではないか。・・・・・なんだ、その格好?お前、痴女にでもなったのか?」
メイド「私も好きでこの格好になったわけでは無いですよ!!」
侍「なんだメイド、アイツを知っているのか?」
メイド「はい、アイツはヴァチカン大教会の十二司祭の一人でして、今まで魔族を千体以上、異端者を五百人ほど、四肢を斬ってぶっ殺してきた野郎。それで趣味は出会った人々の蝋人形を作るというイカレタ奴です。」
侍「蝋人形だと?」
神父「はい、蝋人形です。いやー、実は彼女が鎖に縛られている姿があまりにも綺麗だったので、先程まで蝋人形を作っていたのですよ。」
小者「なんだ、あの生首は蝋人形のだったんですね。」
騎士「全く、なんと人騒がせな。」
魔法使い「いや、和んでる暇は無いでしょ。早く逃げないと洞窟に潰されちゃうって。」
神父「心配ない。今、私の連れが洞窟を支えている。しばらくは洞窟は崩れないだろう。」
侍「商人……いい奴だった……くっ」
商人「ほんまやなー。そう思うならウチの商品いろいろ買っててや。安くしとくさかい」
騎士「ああ、それで手向けになるのなら……ってオイ」
商人「なんや。愛の告白か!ウチは百合けはなかったけど騎士とやったら万々歳やで!」
メイド「なんだ生きてるじゃないですかぁ。この首は……よくできた人形じゃん」
商人「貴重な物やったんけど命にはかえられへん。身代わりの人形でダメージ肩代わりしてもろうたんや」
忍者「なにはともあれよかったでござるよ」
商人「目には目を。人形には人形ちゅうわけやな!あはははー!」
かぶっちゃった。ゴメン
だって描写もなくいきなり死亡って……
お気に入りがいきなり首だけ登場なんだもん……(´・ω・`)
神父「いやぁ蝋人形というのは素晴らしい!この世の美しいものを美しいままにとどめておけますからね!かの世界一の蝋人形作家コグレ・デモン氏は『お前も蝋人形にしてやろうか』という言葉を遺しています。そもそも蝋人形の起源とは・・・」ペラペラペラペラ
侍「・・・なぁ、コイツ頭大丈夫か?」
メイド「見てわかりませんか?手遅れです」
商人「ウチ、こんな人に助けられたんか・・・orz」
忍者「『ひのきのぼう』のこと忘れてないでござるか?」
黒龍「・・・・・ぐはっ、『ひのきのぼう』は、・・・・絶対に、・・・・渡さん。」
忍者「うわあああ、黒龍がいた事すっかり忘れていたでござる。」
小者「喋れるということは、黒龍さん、理性を取り戻したんですね。」
忍者「しかし、あんな短時間で斬れた片腕を再生できるとは、さすが龍神族でござる」
黒龍「くっそ、一体何があったのだ?確かワシは魔王軍と戦っていたはずだ。」
侍「どうやらお前は、俺たちと戦った時の記憶は無い様だな。」
黒龍「お前たちとワシが戦った?・・・・そういえばお前たち、ワシが目覚める時に何か『ひのきのぼう』が何やらと話していたな。」
黒龍「・・・・どうやら、貴様らは『ひのきのぼう』を奪いに来た輩の様だな。『ひのきのぼう』を奪いに来たというなら、このワシを倒してからにしろ。」
忍者「ちょっと待つでござる。確かに拙者らは『ひのきのぼう』を目的として来たのは事実でござるが。今戦うのはやめた方が宜しいかと。」
黒龍「貴様らの都合など知ったことか!さあ今ここで死ねっ!」
神父「えいっ攻撃禁止の法の鎖!」
黒龍「ぐわっ、何だこの鎖は!?」
小者「なに!?何もないところから、鎖が現れて黒龍の体に絡まった!?」
魔法使い「小者ちゃん、解説乙!」
神父「ふふふ、この鎖は捕らえたモノの自由を奪う。」ドヤァ
黒龍「グオォ・・・小癪なマネを・・・」
騎士「いきなり無礼なことをして申し訳ない
だが我々は魔王軍と戦う為に、どうしても『ひのきのぼう』が必要なのだ
頼む。『ひのきのぼう』を譲ってくれ」
黒龍「(! コイツの目・・・)」
ーーー回想ーーー
???「俺たちはアイツと戦うためにこれが必要なんだ」
ーーー終了ーーー
黒龍「・・・いいだろう」
騎士「・・・え」
黒龍「『ひのきのぼう』を持って行けと言っているのだ」
騎士「ありがとうございます!
黒龍殿!」
黒龍「とっとと行け」
侍「何言ってるんですか。黒龍、お前も一緒に洞窟を出るんだ。」
魔法使い「侍、黒龍を仲間にするなんて、あなた正気?」
侍「魔法使い、俺は別に黒龍を仲間にするだなんて一言も言って無いぞ。俺はこの崩壊寸前の洞窟から逃げようと言っているだけ何だが。」
黒龍「・・・・そうか、まあ元々、『ひのきのぼう』を守る為だけに、この洞窟に住み着いていただけだしな。だからあまり気にやむ必要は無いぞ。それより、洞窟が崩れる前に『ひのきのぼう』を早く取りに行け。」
侍「よし、それじゃあ『ひのきのぼう』を取りに行くぞ。ところで黒龍、『ひのきのぼう』はどこにあるんだ?」
―――黒龍の洞窟内、足軽達……―――
魔兵士「完全に道に迷ってしまったが、この方向でちゃんと洞窟から出られるのか?早く出ないと...」
足軽頭「確かに黒龍から戦いながら逃げ回った所為で道に迷ったが松明の灯の揺らめき具合から推測するに、この方向を進めば出られる筈だ」
魔兵士「だと良いんだが......」
足軽「ところで魔兵士は周りを明るくする魔法って使えないの?魔戦備えの連中がそれを使って洞窟内を凄い明るくしてたけど、居なくなったら凄い暗いんだけど」
魔兵士「おや?あれは何だろう?」
足軽頭「うん?誰か居るな。 おい!貴様!そこで何をしているか!?」
破壊者RX「はっ、見て分からねーか?この洞窟を崩れない様に支えてんだよ」
足軽頭「何々だ、こいつは...?」
魔兵士「魔人...なのか?」
破壊者RX「おーそうだ、ちょっと俺の全身に絡み付いている鎖を外してくれねーか?」ガシャン
魔兵士「その鎖を、ですか...?」
破壊者RX「おう、鉄砲の銃撃程度じゃ壊れねーがよ」
足軽頭「鉄砲で壊れないのなら破壊するのは難儀しそうだな。無視して先行くか」
破壊者RX「そうか。 この鎖を外しゃー俺の真の姿と力を解放出来るのになぁ~」
足軽頭「作戦タイムイイっすか?」
破壊者RX「認めるっ!」
魔兵士「・・・どうします?」ヒソヒソ
足軽頭「正直胡散臭いしな・・・」ヒソヒソ
魔兵士「でも他にアテもないしなぁ・・・」ヒソヒソ
足軽頭「あ、なんかいいところに爆弾あった」ヒソヒソ
魔兵士「おぉ、ちょうど良さげな大きさですね。よし」ヒソヒソ
足軽頭「えーっと、名前何でしたっけ」
破壊者RX「破壊者RXだ」
足軽頭「その鎖この爆弾で壊せそうなんですが大丈夫っスか?」
破壊者「うーん・・・頑張ればいける・・・かな?」
足軽頭「んじゃやりますよー」
シューーー
B O M B
――――――
ゴォォォオオオオオオオオオオ!!(爆風)
侍「!?、何だこの音。」
黒龍「おそらく、風の音だろう。心配するな。」
侍「しかし、黒龍よ。少し向こうへ寄ってくれ。踏みつぶされそうで恐い。」
黒龍「す、すまん。」
小者「ところで黒龍さん、『ひのきのぼう』ってどんな代物なんですか?」
黒龍「うーん、アレは元々、ワシの友が『お前が預けても良いと思う奴が来るまで、預かってくれ』と言われただけだしな。良くわからん。」
小者「えっ!?、黒龍さんって、あの勇者の友人なんですか!?」
黒龍「小娘よ。なんだお前は今まで、俺が勇者の一行から『ひのきのぼう』を奪ったと思っていたのか。」
小者「す、すみません。」
黒龍「いや、謝らなくてもいい。ワシもこの国で充分に暴れた身だしな。そう思われるのは仕方がないと思っている。」
侍「なあ黒龍、まだ『ひのきのぼう』がある部屋に着かないのか?」
黒龍「・・・・・大丈夫だ、もう着いた。」
―――黒龍の洞窟、宝物庫―――
侍「ここに"ひのきのぼう"があるのか」
小者「色々ありますね。あ、千両箱がある」
黒龍「ああ、"ひのきのぼう"は奥にある。それ以外に欲しければ持って行くがいい、どうせここはもうじき崩壊しそうだからな」
商人「ほな遠慮なく」ガソゴソ
黒龍「他にそこの葛篭には着物が入っているし、具足櫃には南蛮甲冑が入っているぞ」
メイド「やった!早速着物を貰います!」
騎士「では鎧を頂こう」
魔法使い「他に何かめぼしい物ないかなぁ~」
小者「あ!もしかしてこれが"ひのきのぼう"では御座いませんか?」
忍者「う~む、見た目は檜製の棒の様でゴザルなぁ...」
侍「……これが"ひのきのぼう"か......」
黒龍「その通りだ。壊すんじゃないぞ」
侍「無論だ。魔王軍はこの"ひのきのぼう"を粉砕しようとしていた それを阻止しようとした我々がこれを壊すなど」
神父「とりあえず用が済んだのなら早いとこここから出ましょう」
男「実に変な名前ですね。」
スーツの男「はい、名前は実に変わっていますが、この道具は、あの伝説の魔法道具"ひのきのぼう"を作った男の最新作品なのでございます。それがあれば我らの米国は英国と並ぶことができるのです。」
男「実に良いですな。しかし、納めたくても、あれは息子が取ってきて大切に保管している物でして。」
スーツの男「息子?」
男「はい、実は先週から、"おなべのフタ"を持って、旅に出てるんですよ。なんか魔法使いと名乗る28歳の女性と一緒に。」
―――――――――
青年「ねぇ、あれが黒龍の洞窟?」
魔法使い(28)「そうよ、・・・・そして、勇者候補さん、あなたの修業する場所よ。」
青年改め勇者(候補)「でも、なんか洞窟が壊れている様に見えるんだが。」
――――黒龍の洞窟、出入り口、魔王軍後方陣地跡から離れた地点――――
魔道化「陣の引き払いも済んだし、ここまで離れれば大丈夫っしょ。極大爆裂魔法でやっちゃって」
黒魔兵達『はっ!』
――――黒龍の洞窟、別出入り口――――
魔法使い(28)「瓦礫の除去も良い修行になると思うわ」
勇者(候補)「しょうがな
ぢゅどお゙お゙お゙お゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ん゙ん゙ん゙ん゙っ゙っ゙っ゙っ゙!!!!
――――元黒龍の洞窟、出入り口、魔王軍後方陣地跡から離れた地点――――
魔道化「あははは、地形が変わっちゃった。これじゃ付近に居た人は爆発の衝撃波で蒸発しただろうし、地下深くに居た人は生き埋め確実だね」
――――元黒龍の洞窟から離れた地点――――
魔法使い「まさか洞窟の奥に旅の扉があるなんて、初めから知っていればかなり楽が出来たのにな」
忍者「む、遠くで轟音が」
ヒュ~~ン カラン
小者「おや、おなべのフタが飛んで来ましたね。そうだ、これを"ひのきのぼう"で試し切りならぬ試し叩きしません?」
侍「よしそうしよう。えいっ」バキッ「ふむ、おなべのフタは粉々になったが"ひのきのぼう"には傷一つ無しか」
――――元黒龍の洞窟奥から離れた地点、旅の扉――――
足軽「洞窟の外に無事に出られた様ですね」
魔兵士「洞窟の奥に旅の扉があってそれが外に通じていて助かった」
足軽頭「結局、あいつを縛る鎖を断つ事が出来ずに無駄な時間を使っちまったな」
>>166ですみませんが訂正が
――――元黒龍の洞窟奥から離れた地点、旅の扉――――
ではなく
――――元黒龍の洞窟から離れた地点、旅の扉――――
です。重ねてすみません
商人「爆発のバカヤロー、宝物が手に入れられなかったやろーが!」
小者「まあ、自然現象なんですし、仕方がないですよ。しかし、扉を潜るとき黒龍さんが人間の姿になったのは驚きました。」
黒龍「変化は龍神族の基本技の一つだがな。それで、ワシは自分の故郷に帰るつもりだが、お前らはこの後どうするつもりだ。修行をするのならワシが里で教えてやってもいいのだが・・・」
侍「いや、遠慮しておく。まず城に戻って殿様に今回の事を報告しておきたいからな。またどこかで会ったら、教えてもらうことにするよ。」
メイド「それなら、私帰ってもいいですか?」
侍・魔・騎・忍・小「それは駄目だ!」
メイド「そんな~、私、人を殺してませんよ。あれは破壊者が勝手に暴走したんですって。」
神父「それは、暴走させたお前が悪い。」
メイド「なにをーー!」
神父「私はここで失礼させてもらう。連れを助けに行かなくちゃいけないんで。さっきから助けに来い!って頭の中で叫ばれて、うるさくて仕方がない。」
小者「えっ、神父さん今から、お連れさんを助けに行くんですか?」
神父「ああ、だるいが助けておかないと司教様に怒られるんでな。」
小者「ねえ侍さん、神父さんを手伝ってあげましょうよ。あの周辺にいた人々の生存が気になりますし。」
侍「そうだな。みんな、城に戻る前に黒龍の洞窟に戻るぞ。」
小・忍・メ・魔・騎「オーーー!!!」
―――――――――
魔法使い(28)「・・・・ねぇ坊や、生きている?」
勇者(候補)「・・・なんとか、生きています。」
魔法使い(28)「まさか、洞窟が爆発するとは、思っても無かったわ。勇者(候補)は怪我大丈夫?」
勇者(候補)「大丈夫です。あと俺の事はヒーローって呼んで下さい。前から言ってるじゃないですか。」
魔法使い(28)「えー、何で?勇者って呼ばれた方が普通良くない。」
勇者(候補)「だって、俺以外にも勇者候補の人間いるんでしょ。ある時、その人達に会ったらややこしくなるでしょう。」
魔法使い(28)「分かったわよ。次からはヒーローって呼ぶわよ。」
勇者(候補)改めヒーロー「よっしゃあ!で、どうしてお姉さん(28)は、修行の場所をここに選んだんですか?」
魔法使い(28)「それはね、昔、勇者様達と旅をしていた時、ここの洞窟で戦ったドラゴンを思い出したからよ。」
ヒーロー「それと修行の関係は?」
魔法使い(28)「私はね。そのドラゴンにアナタの稽古をつけてもらおうと思った訳よ。」
ヒーロー「要するに、俺に稽古をつけるのはめんどうってことですか。」
魔法使い(28)「私もちゃんとアナタの強化の手伝いはするわよ。」
あ、生きてた勇者(笑)
魔王「・・・それで、『ひのきのぼう』の破壊に失敗した、と」
魔将軍「返す言葉もございません
なんなりと罰を」
魔王「よい
そなたはその傷を癒せ」
魔将軍「・・・御意」
魔道化「まぁ魔王さま、
『ひのきのぼう』は確かに強力ですがそれ故に対策も取りやすい
ボクに良い考えがありますよ」
魔王「ほぅ」
魔道化「すでに奴等には監視の使い魔を張り付かせてます
それに、例の武器の在処もすでに割れております」
―――黒龍の洞窟?―――
ヒーロー「あれ? 何か周りの風景が違いませんか?」
魔法使い(28)「え?でもここの洞窟は、ってそう言われてみれば... ...いつの間にか海?に来たみたいな......」
??「海じゃなく川って言った方が正確かな」
ヒーロー「!? 誰ですか!?」
魔法使い(28)「船頭? かしら?」
船頭?「覚えて無いんですか? 黒龍の洞窟の地上部分は大爆発で吹き飛んで地形が変わり周りのものは消し炭になるか蒸発したんですよ。つまり貴方方はご臨終」
ヒーロー・魔法使い(28)「「えっ!?」」
船頭?「巡り合わせが悪かったですね。巡り合わせが悪いと生命力豊かな龍神族も命を落とす。でもまぁ龍神族が命を落とす様な巡り合わせでも
巡り合わせが良いものがそばにあれば命を落とさずに済む。というか貴方、魔法使いなら巡り合わせぐらい注意しときなさいよ」
魔法使い(28)「う、それは...」
ヒーロー「巡り合わせが悪いのは俺の所為ですよ... ...親父は詐欺師だし...」
船頭?「そうなんで?」
ヒーロー「ああ、ただの何の変哲もないおなべのフタを伝説だやれなんだと言って人を騙そうとしたりただの雑草をさも凄いアイテムの様に言ったりと......」
ヒーロー「はぁ、俺はそれが嫌でおなべのフタを盗んで旅に出たが、ここまでだったか......巡り合わせの良いものにもっと積極的に関わっておけばなぁ...」
船頭?「ならば、今この状況が巡り合わせ、というものかもしれませんね」
船頭?「現状、実に興味深く世界は進行しています――だが、もう少し混沌としている方が私好みです」
ヒーロー「ど、どういうことですか?」
船頭?「アナタ方にチャンスを与えようということですよ。端的に言えば、蘇生させてあげようということです。まあ、少しばかり姿は変わりますが」
魔法使い(28)「生き返れるの!? ……いや、でも姿が変わるってのは……?」
船頭?「それは生き返ってからのお楽しみ――アナタ方によい巡り合わせがありますように」パァ
死神「さあ仕事仕事……ってええ!?」
死神「なんで上位神様が船頭の服を!? あと、こっちに新しい死人が来てたような気がしてたんですけど……」
上位神「いえ、少し気まぐれをですね。死人の方は私が対応しておいたので大丈夫ですよ」
死神「あ、ありがとうございます……?」
船頭?「・・・・生き返るのです。・・・・生き返るのです。」(儀式中)
魔法使い(28)「あー、生き返るのかー。もし生き返ったら戦士とか武道家たちと仲直りしよう。でも姿が変わるんだっけ、ちゃんと仲直りできるのかな。あと行方不明の勇者様を見つけ出さないとね。」
船頭?「・・・返るのです。・・・・生き返るのです。・・・killのです。」
魔法使い(28)「あと・・・・えっ!キル!?ちょっと生き返るから、真逆の殺すに変わっちゃてるわよ。」
船頭?「killのでーす。killのでーす。killのでーす。起きるのでーす。起きるのでーす。起k」
―――元黒龍の洞窟―――
ヒーロー「起きろー。起きろー。」
魔法使い(28)「はっ!」
ヒーロー「あっ、やっと起きたか。吹き飛ばされる時、お姉さん(28)の防御魔術で怪我は無かったけど、その後、急に倒れれたから死んだと思ってヒヤヒヤしたぜ。」
魔法使い(28)「夢かよ!んじゃ、ヒーローの父親が詐欺師でおなべのフタは偽物ってのは。」
ヒーロー「」
ヒーロー「おなべのフタは偽物かもしれないが、親父が詐欺師ってのは嘘ですね。親父はフリーの記者をやっていますから。」
魔法使い(28)「夢落ちかよー!!!」
―――――――――
小者「ん?、人の声?」
スライムA「ひのきのぼうを破壊しよう」
スライムB「ひのきのぼうを破壊しよう」
スライム達「「ひのきのぼうをはかいしようひのきのぼうをはかいしよう」」
ゾロゾロプルプルゾロゾロプルプル
小者「!?」
魔法使い「なにこれ、かわいい!(確信)」
メイド「下級の魔物の様ですね。ねえ神父、これの名前ってわかる?」
神父「こいつらはスライムって言ってな。イタズラ程度のことしかやってこないから、教会でも退治するのは放置してる雑魚だ。」
侍「なんだ、雑魚か。そんじゃあ無視だな。」
神父「ちなみに、スライムたちの仲間には、人間の姿をした奴もいる。現に私も女体の姿をしたスライムと出会ったことがある。」
侍「そのスライムには、一度会ってみたいな。」
小者「・・・・・・・・・」ジトーッ
騎士「・・・・この女の敵め!」
侍「なんでそこまで言われなくちゃいけないんだよ・・・・・。」
忍者「しかし、この魔物、本当にかわいいでござるな。和むでござる。」
スライムA「えいっ!」ガブッ
忍者「・・・・・いてーーーーっ!でござる。」
スライムB「あまりぼくたちをばかにしないほうがいいよ。」 スライム達「そうだ、そうだ。」
スライムC「ぼくたちのあたらしいちからをみせてあげよう。」 スライム達「あげよう、あげよう。」
スライムD「がったい!とおーっ!」
メイド「ぎゃ~~!?私なんか巻き込まれてる~~!?」ウニャウニャ
忍者「とことん変態でござるな」
騎士「破廉恥な奴だ。ある意味でそれは私の役だというのに」
魔法使い「これなんてエロゲ?」
メイド「ワザとじゃないっつーの!」グネウニャ
スライムズ「「「変形合体! スライムアーマー!!!」」」ガキーン
忍者「か・・・」
侍「か・・・」
忍侍「「かっこいいーー!!」」
魔法使い「えー・・・」
騎士「変形って・・・アイツ等もともと不定形じゃないか・・・」
小者「個人的にはアリかな」
神父「後で蝋人形作っとこう」
メイド「それに組み込まれた私へは何も無いのかあんたら」
―――上空、英飛空挺一番艦―――
英海兵1「いやー、空の上で主回転翼が止まった時はどうなるかと思ったけど降下したら主回転翼が回転して無事に着水出来たな」
英海兵2「その後、最寄りの港で食糧・水を補給して飛空挺を修理出来る造船所がある港まで移動して、どうにか修理出来て良かったよな」
船長(我が国の新兵器はどこか抜けてるんだよなぁ...)「もうすぐ和の国の黒龍の洞窟ら辺に着きます。...おや?あれは...」
公爵「ふむ、なにやら巨大なアーマーみたいなのが、 !?あれは!服装は違うがメイド! 取り込まれているのか! 船長!」
船長「了解!奴を掠める様な感じに行きます!その時にメイドを!」
―――黒龍の洞窟跡―――
侍「さて、真面目な話どうしようか」
神父「ふむ、先ずは法の鎖で...ん?あれは飛空挺!完成していたのか!? あれに乗せてもらえば移動が楽になるな」
忍者「ところでこっちに突っ込んでくるみたいでゴザルよ!」
小者・魔法使い・商人・メイド・スライムズ『あわわわわ......』
ズ゙゙シャアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッ......グシャグシャッ
公爵「おい船長!目標から外したうえに地面擦ってるぞ!?おまけに今誰か人を轢き殺さなかったか!?」
船長「この飛空挺の操船にまだ慣れて無いんですよ!轢いちゃったのは後で成仏する様に供養しますよ!」
メイド「あれは公爵様!?!」
―――川?―――
船頭?「例え巡り合わせが悪くとも良い巡り合わせと縁が出来れば死に難くなる。それなのに」ハァ...「死に難くなる機会は4、5回くらいは遭った筈なのに」ハァ...
ヒーロー・魔法使い(28)「「?、ここは何処ですか?」」
船頭?「夢の世界です。」
魔法使い(28)「また、夢かよ!」
船頭?「夢って言うか、わたしが少し夢の世界を借りて、あなた達に見せてるって言った方が正確かな。しかし、二回目は成功して良かったよ。ちゃんとヒーロー君をここに連れて来れたんだもん。」
魔法使い(28)「夢の世界?ヒーロー?ちょっとあなたいったい何を言っているの?と言うよりか、あなたいったい誰?」
船頭?「それじゃ、説明してあげよう。ここは魔法使い(28)さん、あなたの中にある夢の世界。わたしの目的はあなたとそこで寝ようとしているヒーロー君と話をする為に、三百万ペソでこの夢の世界を借りました。」
魔法使い(28)「あなた本当に何者?」
船頭「わたしは、遠い昔、上位死神という役職に就いていた、ただのおなべのフタの精霊d」
ヒーロー「ここは何処だ!?」
魔法使い(28)「・・・・・・」
船頭改めおなべのフタの精霊「・・・・・・・・・」
魔法使い(28)「・・・説明、またお願いできる?」
おなべのフタの精霊「・・はい、わかりました。」
精霊説明中・・・・・
ヒーロー「なるほど、つまりここはお姉さん(28)の夢の世界って事で、あとアンタはおなべのフタの精霊って事か。でもよー、あの防具の防御力、ゴミ以下だったぜ。あれ本当におなべのフタか?」
おなべのフタの精霊「おなべのフタはね。伝説の担い手が触れた瞬間、その担い手に加護、もとい精霊を与える為に作られたものなのよ。」
ヒーロー「へぇー、それでアンタはオレ達に何の用?」
おなべのフタの精霊「わたしはアナタ達にアドバイスをしにきました。」
魔法使い(28)「アドバイス?」
おなべのフタの精霊「そうです。アドバイスです。まず一つ目、今現在この黒龍の洞窟の近くに侍の一行がいるから、そいつらと仲間になり行動をした方がヒーロー君の目的を果たし易くなります。」
おなべのフタの精霊「二つ目は、ヒーロー君にはわたしの加護が付いているので、あまり死に難い体になっているから、多少無茶しても死なないよ。だから盾にしても良し!」
ヒーロー「ちょ、おm」
おなべのフタの精霊「あと三つ目、今から君たちを起こすけど、起きた瞬間、戦闘が始まるから注意してね。」
ヒーロー・魔法使い(28)「え゛っ!?」
おなべのフタの精霊「えいっ、さっさとおきろー!」シャランラ
ヒーロー・魔法使い(28)「ぎゃあああああああああ!!!!」
―――黒龍の洞窟跡の周辺―――
ヒーロー「いてててて。あっ、元の場所に戻った。」
魔法使い(28)「しかし、起きたら直ぐに戦闘が始まるって言うけど、まだ何も始まっt」
破壊者RX 「おそーい!!!あの神父いったい何してやがる。あまりにも遅すぎるから二度寝してしまったぞ。」
魔法使い(28)「まさか、こいつと戦うの!!!」
ヒーロー「まあ、奴にオレ達の強さを見せつければ、いいんじゃねえか。」
魔法使い(28)「私たち、勝てるのかしら。」
ヒーロー「心配すんな。オレは将来スーパーヒーローになる男だからよ。」
―――黒龍の洞窟跡(地上)―――
神父「法の鎖!メイド!」ジャジャッ
メイド「ひゃっ!?」ジャランッ
神父「あとはこの鎖を引くだけだ」
侍・小者・騎士・忍者・商人『おーっ!』 ソーレッ! ズボッ
魔法使い「それではメイドが抜けたところで、...スライムは炎に弱そうだからえいっ!」ゴオッ
スライムズ「「「スライム"アーマー"となった我々にそんな炎は効かーん!!!」」」
小者(あの構えは!)
ザザシュッ ドサドサドサドサ
侍「十文字斬り廉価版。洗濯物はまとめていると乾き難いがバラバラにすれば乾かし易い」
スライム達「」「」「」「」
魔法使い「よーしっ! えいっ!」ゴゴオオッ
スライム達「ぐはあぁ」シュ~~
公爵「なんだ、急いで駆け付けたが、もう戦闘は終わったのか...」
神父「お久しぶりです公爵様。ところであの飛空挺、見たところ大砲を積んでますね、火薬樽をくれませんか? ちょっと地面を爆破したいのですが」
公爵「すごく苦しいけどなんとか追っかけてきたんだ」
神父「無茶なことを…」
公爵「でもこれがあれば大丈夫♪途中に生えていた"やくそう"。これがたったの5G」
侍「そんな物いらん、それより火薬樽をくれ。」
公爵「無理だ。」
神父「えっ?」
公爵「だから、火薬樽をお前たちにやるのは色々理由があって無理なのだ。」
公爵「それより私は聞きたい。お前たちは、火薬樽で何をしようとしているのだ?」
神父「実は私、女王陛下に和の国に行くようにと命令されて、その際、例のアレ(破壊者RX)を連れて行けと言われまして。今その例のアレがこの瓦礫の中に埋まっているので爆破して助け出そうかと思ったのです。」
公爵「何だそんなことか、それより神父、お前は私の得意魔術を忘れたのか?」
神父「なんですか、いきなり・・・・・・あっ!!そういや公爵の得意魔術って。」
公爵「思い出したか。そうだ、私の得意な魔法系統は『土』。それに得意魔術は『ゴーレムクラフト』。だからこんな瓦礫の山など簡単に処理できるのさ!!さあ諸君、私を称えろ!!」
侍「よくわからないが、すごいな。」
神父「・・・・すっかり忘れていたな。」
魔法使い「すごっ!!」
小者「私にはすごいのか、どうかがわからない。」
騎士「同じく。」忍者「同感でござる。」
メイド「・・・・・・公爵うぜぇー。」ボソッ
公爵「今何つったアバズレメイド」
メイド「公爵様はボケ老人のように耳が遠いんですね
うざいっつったんですよ文句あんのか」
公爵「大アリだ公衆の面前で全裸になりそれを悦ぶ変態が」
メイド「屋上行こうぜ・・・久々にキレちまったよ」
公爵「上等だクソボケメイド」
忍者「王様だーれだ」
騎士「よし、私だ
そうだな・・・3番が1番にキン肉バスターをかける」
忍者「うわ拙者が1番でゴザルよ」
小者「あ、3番私だ」
神父「―――それではやって下さい」
英工兵「了解! 点火!」
シュゥゥゥゥ...... ドガアアァァンンッッ
侍「おや?結局爆破して穴を開けるのか」
神父「穴掘るって言った人が作業放棄しましたからね。 おい、とっとと出て来い。これで出られるだろ」
破壊者RX「おおおりやっとぉ!」ゴバッ「まったく、いくら俺が頑丈でも扱いが乱暴じゃねぇか?」ゴリバキッゴクンッ
忍者「拙者達が見た破壊者より随分と小さいでゴザルな」(何を咀嚼したのでゴザルか...?)
侍「むっ!崩れた洞窟に人が居るぞ! おい大丈夫か!」
魔法使い(28)「う、う~ん?誰?...侍?あっ!?そうだ!(自分で運命を掴めない者は虫という科白を聞いた事があるわ!これはきっと運命なんだここでこれを
掴めなかったらきっと虫の様にまた死んでしまうんだわ!何としても!ここで!掴まなければ!「はい!私は昔勇者様と戦士武道家と旅をした者で今は勇者候補と
旅をしておりその勇者候補に修行を付けさせ様と昔馴染みの黒龍が居る黒龍の洞窟に来てげほっ!ごほっ!」ハァハァ...
侍「だ、大丈夫か?」
英工兵「かなり錯乱している様ですね。飛空挺に医務室がありますからそこで介抱しましょう」
―――川?―――
おなべのフタの精霊「はい...、はい、今度はおなべのフタのカスの精霊ですか...。あ、三百万ペソはちゃんと返済します。えっ!?見捨てるんですか側近様!?」
ヒーロー(誰と話しているんだろう? 声、掛け辛いなぁ...)
ヒーロー「あのー」
おなべのフタの精霊「ん?ヒーロー君じゃないか。どうしたんだい?」
ヒーロー「いや、ちょっと聞きたいことがあって来たんですが。さっき誰と話していたんですか?」
おなべのフタの精霊「えっと、どこから話そうか・・・・・。わたし、元上位死神だって前に言ったことありましたよね。」
ヒーロー「はい、聞きましたけど。」
おなべのフタの精霊「さっきまで話していたのは、わたしが上位死神の資格を取る為に行っていた大学の先輩なんだよ。」
ヒーロー「へぇー」
おなべのフタの精霊「その人はすごいことに、国のお偉いさんの側近を勤めて、さらにそのお偉いさんと両想いになり、今現在そのお偉いさんとの子を身ごもっているというすごい先輩なのだよ!!」
ヒーロー「へぇー」
おなべのフタの精霊「それで、ヒーロー君はわたしに何を聞きに来たのかな~。」
ヒーロー「実は、伝説の担い手のことで聞きに来たんですけど、やっぱり伝説の担い手ってことは、オレって勇者って事なんですか?」
おなべのフタの精霊「違うよ。伝説の担い手だからって、勇者って訳じゃないよ。精霊王に勇気のある者へ渡されるのが勇者の称号だし、それを貰うには試験を受けないといけないしね。で、他に何にか聞きたいことある?」
ヒーロー「えっと伝説の担い手って何人いるんですか?」
おなべのフタの精霊「よく聞いてくれた。伝説の担い手は今発見されている中で七人いる。まあ、誰なのかまでは分からなかったけど、和の国に今一人いる事は確かよ。」
その頃、魔境 死霊の吹き溜まり
魔道化「あったあった」
魔忍者「魔道化様、その刀が・・・」
魔道化「そ、この刀で斬られたものは転生することが許されなくなるという伝説の妖刀『輪廻』だよ」
魔忍者「噂ではここの死霊どもはすべてこの刀で殺された者だとか」
魔道化「ニッシッシ、噂は本当みたいだね」
魔忍者「これで全部でしたっけ?」
魔道化「あと一個だね
んじゃ、さっさと行こうぜー」
魔道化「天地創造の神器『天の沼矛』を奪いに、ね」
―――空、英飛空挺一番艦、殿様の城へ向けて飛行中……―――
船長「いやー、一国の領主を紹介してもらえるなんて助かりますよ。余計な出費の所為で物資の現地調達が不安だったんですよ」
小者「そういえば、王様ゲームで私が忍者さんにキン肉バスターをかけるって命令、未だ実行してませんでしたね」
侍「いや、こちらこそこんな空飛ぶ船に乗せてもらえて助かっているところだ」
忍者「えっ!?ま、待つでゴザル、それはもう時効、みたいな感じでゴザルよ!」
商人「へぇ~!この飛空挺、回転翼に"キメラのつばさ"を組み込んであるんかいな!豪気やなぁ~」
騎士「もうちょっとで雲を掴めそうだ、船がもうちょっと寄ってくれれば...」
英工兵「ええ、この"キメラのつばさ"を大量に揃えるのにかなり苦労したそうですよ」
魔法使い「危ないよ。船から身を乗り出し過ぎると船から落ちちゃうよ」
神父「そういえば貴様、黒龍の洞窟で掘り出してやった時に何か食ってたな。何を食ってたんだ?」
英海兵1「公爵様、まだメイドと喧嘩しているのかよ」
破壊者RX「それは...、洞窟に居た虫、かな?」
英海兵2「しかしメイドの格好、脇とか太股にスリットがあってエロイな」
メイド「メイド式殺法術『踵落とし』!」
英海兵3「ああ、それとなんとなく格闘能力が上ってそうな格好でもあるな。あ、見えそう」
公爵「くっ!視線が誘導される!」ドゴォォォ「がはっ」
英海兵2「...なぁ、公爵って確か王族に連なる人だったよな?」
船長「……ちゃんと我々は交渉出来るだろうか? いやその前に受け入れて貰えるだろうか?」
侍「大丈夫。我が殿は異国人でもちゃんと受け入れている。もちろん悪事を働けば罰せられるがな。 ってもう我が殿の城が見えて来たぞ!」
―――英飛空挺、医務室―――
魔法使い(28)「もう一人洞窟に居た筈なんですよ!私の連れが!」
英船医「そうは言ってもねぇ...。洞窟で救助された人間は貴方一人ですよ?」
魔法使い(28)「そんな......」
―――黒龍の洞窟跡―――
メイドA 「あーあー、聞こえますか?どうぞ。」
―――英飛空挺、真上―――
メイドB 「 聞こえていますよ。どうぞ。」
メイドA「こちら、メイドA、伝説の担い手の一人を生きたまま回収成功。どうぞ。」
メイドB「こちら、メイドB今くそ公爵の船を壊すところですよ。爆弾でね。」
ドッカァァァァアアアン!!!
メイドB「爆発は芸術だァァァ!」
英国軍人「ヘイ モンキー コレ ハナンデスカ?」
魔法使い(28)「ただの日記ですが、暗号みたいになってます」
英国軍人「oh イッツア ダイアリー!! カイドクデキマスカ?」
慰安婦(28)「分かりました!縦読みで、えー『ハワイは我が領土』」
鬼畜米英「ファッキン ジャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアップ!!!!!!!!!!!」
公爵「ん?何だこの揺れ。」
英海兵3「報告します。飛空挺の左翼が、何者かによって破壊されました。」
魔法使い「それってつまり、墜落するって事よね。」
英海兵3「はい、その通りです。」
神父「心配するな。私がなんとかする。」
小者「なんとかするって言いましたけど、どうするんですか!」
神父「おい、はか」
神父「・・・・いない。アイツがいない!!」
メイド「アレなら「侵入者の気配がするから、戦いに行ってくる。」って言って出て行きましたけど。」
神父「あの馬鹿が。こうなったら、法の鎖を使うしかないか。」
小者「そう言えば、それ何本あるんですか?」
神父「何本あるのかはわからない。ただ、今私が出せるのは十五本までなんだよ。」
魔法使い「変わった魔法ねー」
神父「・・・おい貴様、今なんて言った。」
魔法使い「えっ、私?えっと、変わった魔法ねって言っただけなんだけど。」
神父「これは魔法だなどと言う下賤なものではない天法だ!!!」
小者「天法?」
神父「そう、魔族が使うのが魔法だというなら。天法は神々の力なのだ。」
神父「そもそも私は魔法使いというやつは好かん。下賎な魔力を使いそれでいて恥を感じたりもしない。大体だなぁ・・・」
魔法使い「・・・あ?」ズォッ
神父「あ、すいません調子乗りました許してください」ガクブル
英海兵1「ん?、真上に何か居るぞ!」
公爵「あれは、まさか飛空艇"二番艦"!?」
―――英飛空艇一番艦真上、英飛空艇二番艦:爆撃型仕様―――
メイドB「外したか!これだから我が国の新兵器はどこか抜けているって言われんだよ!再度爆弾投下用意!もう一発お見舞いしてやる!」
―――英飛空艇一番艦―――
英海兵1「ち、この長銃で撃って追い払ってやる!」カチャッ「って主回転翼が邪魔で狙えねぇ!」
侍「貸せ!俺がやる!」カチャッ ズキュウウゥゥーーーーン
船長「おおっ!主回転翼に当たらずに銃弾が」
―――英飛空艇二番艦:爆撃型仕様、爆弾槽(ウェポン ベイ オープン中)―――
ズキュンッ
英爆撃手「うん?爆弾に何か
ズドオオオオォォォォーーーーンンンン
―――英飛空艇一番艦―――
英国人一同『飛空艇が銃弾一発で爆沈した!?!?』 英海兵2「やっぱうちの国の新兵器はどこか抜けてんな」
忍者「驚いている場合じゃないでゴザルよ!こちらの飛空艇にも被害が出ているのでゴザルよ!」
船長「こうなったら強行着陸だ!地面に着けば一安心だからな!それと前に落っこちた時の反省で取り付けた新装備 落下傘も忘れるな!急げ!」
兵達『了解!!!』
―――殿様の城、広場―――
ズシャアアァァンン
船長「良し!飛空艇の被害状況の割に上手く着陸出来たぞ!」
家老「な、何事だ!?」
侍「う~ん、一応皆無事の様だな。あ、御家老!侍ただ今戻りました!早速 殿に御報告したき義が御座います!」
公爵「お騒がせして申し訳ない!私は英国からこの世界を手中に収めんとする異世界の魔王を退治する為に来た公爵だ!」
英海兵2「(あれ?聞いた話だとこの地を滅ばすとか言ってなかったっけ?)」
英海兵1「(その計画は頓挫したからスケールダウンするしかないだろう。俺らだけだと現地の協力が無ければ魔王を退治出来ないと思うしな)」
―――英飛空艇一番艦、艦内―――
監視使い魔「イテテ、何なんだよ全く。聞こえた話しから英国の飛空艇が攻撃を仕掛けて来たみたいだけど、この飛空艇も英国のだよな?どうなってんだ?」
破壊者RX「お、いたいた」ヒョイッ
監視使い魔「え?」
パクッ ゴリッバキッ ムシャムシャゴクンッ
神父「こんな所に居たか。おい、また何か食っているな?何を食っている?」
破壊者RX「今度は正真正銘の虫かな?」
神父「破壊者、そいつらは同国の人間はずだ。何故食べた。」
破壊者RX 「・・・・なあ、お前は生物が何故モノを食べるか知ってるか。」
神父「生きるためだろ。」
破壊者RX「そうだろ、だから俺は食べた。腹が減ったから食べた。」
神父「・・・・・・やはり、お前は人工魔人の器にされても、その腐った性格は変わってないな。なあ友よ。」
破壊者RX「へぇー、まだ俺のことを友って呼んでくれるの。光栄だねぇ。」
神父「黙れ!これ以上、口を開くな!」
破壊者RX「へーい。」
――――殿様の城、広場――――
公爵「あー、あーあーあー、マイクテスト。」
殿様「・・・・彼はいったい何をしているのだ?」
足軽「さ、さあ~?」
公爵「オッホン、そこの飛空艇に乗っている船員諸君。我々は、敵意などない。だから、攻撃を止めてくれ。」
メイドB「・・・・・ケッ!何が敵意などないだよ。英国の王の座を狙っていた奴が言えたことかよ。」
メイド「・・・・やっぱり、メイドB、あなたの仕業でしたか。」
忍者「知り合いでござるか?」
メイド「はい、同じ城に使えている同業者です。・・・アンタがいるってことはメイドAもこの場にいるってことね。」
メイドB「いや、今回はあのウシ乳とは別行動だ。」
メイド「それは良かった、アイツとは戦いたくないからね。」
侍「それで、いったいどんな用件で俺たちへ攻撃をしてきた。返答次第では切り捨てるぞ!!」
メイドB「だからさっきも言ったじゃん。そこの公爵が王の座を狙っていたって、だから面倒にならないうちに潰すつもりだったのさ。」
公爵「ま、まさか、あの時、飛空艇のプロペラが止まったのは!?」
メイドB「そう、メイドAの解体術でエンジンを狂わせたのさ。」
公爵「やはり、貴様らの仕業かぁぁぁああ!!!あの時は大変だったのだぞ!岩盤などを一つの場所に集めて、飛空艇をそこに不時着させたのは!!
メイドB「まーとにもかくにもアンタがよけーなこと考えなければすんだ話だぜ?」
公爵「えぇいうるさい!
メイドというのはどいつもこいつも無礼なことしか言えんのか!!」
メイドB「えーマジ
逆ギレ!?」
メイド「キモーイ」
メイドB「逆ギレが許されるのは、小学生までだよねー」
メイド「キャハハハハハハ」
(AA略
公爵「おまえはどっちの味方だ!」
英海兵2「(あれ?確かあの時、俺達は"オートローテーション"ってやつで助かったんだよな?)」
英海兵1「(こういう時はあいつすげぇ、戦いたくねぇと思わせた方が余計な戦いをせずに済むってもんじゃないかな?)」
英海兵3「(だがこの状況、完全に舐められているな)」
―――黒龍の洞窟跡―――
メイドA「飛空艇二番艦が帰って来ないなぁ...。連絡もつかないし...。せっかく伝説の担い手の一人を生きたまま回収したのに...」
スライム「その飛空艇一番艦とやらに返り討ちにあったんじゃないの?」プルプル
メイドA「それはないと思う。飛空艇は上に付いているプロペラが邪魔で攻撃出来ないから真上から攻撃を仕掛ければ絶対に反撃されないって言ってたから...」
スライム「お嬢さん、戦いに絶対はないよ」プルプル
メイドA「あ、連絡だ。!メイド長!はい! はい! カクカクシカジカで……」
―――英国―――
メイド長「……そう、分ったわ」
メイド長(まったく、墜落死したと思っていたのに、和の国に行く途中にある港から飛空艇一番艦が入港して来たと報告が来た時はびっくりしたわ)
メイド長(今度こそ殺す為に独断で国に置きっ放しになっていた公爵の飛空艇二番艦を接収、飛空艇の攻撃の死角になる真上から攻撃出来る様急造改装したのに)
メイド長(接収した公爵の飛空艇の構造的に真上に攻撃出来たと思えない...しかし連絡が途絶した状況的に返り討ちにあったと考えるしかない...)
メイド長(連絡が途絶したと言えば最初に送り込んだメイドは通信機を忘れて行ったわね......)
姫「あら、メイド長、何をしているの?」
メイド長「実は、メイド達におつかいを頼みまして、今、報告を待ってるんですよ。ところで姫様はどこかへお出かけですか?」
姫「はい、私は弟の所へ少しお見舞いに。」
メイド長「お出かけはよろしいですが、あまり無理をしては、女王様が心配してしまいます。」
姫「ふふっ、あの人は自分の子供を心配する様な人間じゃありません。それに、あの人が心配しているのは、私の魔法です。私自身を心配しているわけではありません。」
メイド長「そんなことはありません。女王様は誰よりも姫様たちを心配して。」
姫「心配をしているのなら、何故お母さまは病弱な弟を城から追い出したのですか!!!」
メイド長「そ、それは・・・・」
姫「・・・・・すみません。ついカッとなってしまって、あなたは悪くないのに、・・・・・それじゃあ私は行ってくるわね。」
メイド長「お待ちなさい、まだ話は終わっておりません。さて何から説明したらいいものか?」
姫「あの優しかったオモニは、何故弟を追い出すニカ?」
メイドA「あー臭い部屋だ、台所と便所が一緒とか脳みそおかしいんじゃないか?おい、糞の臭いを何とかしろ」
メイドB「いやー朝鮮猿の不潔さにはヘドが出ますね、大至急やれ!」
姫「え?め、メイド長。部屋の掃除をトンスル。」
メイドA「黙れエベンキ!テメエの糞はテメエで片付けろ!オラ、残さず食え!!」
メイドB「ウマイか?そうかウマイか、そうだろうそうだろう。朝鮮猿はうんこが大好物だからな。」
メイド長「私は警視庁公安課の者だ、あなた方は公安の監視対処になっていたのです。」
メイドA「つまり日本人の母親に協力してもらい、密かに日本に害為す寄生虫共を殺処分していたのだ」
姫「ひ、ひどい、、シャベツニダ!!なんでこんな事を…?」
メイド長「てめーの敗因は…たったひとつだぜ…チョン…
たったひとつの単純な答えだ…
『てめーらは 日本人を怒らせた』
」
姫「>>209と言う感じの事を言われると思っていましたよ。」
メイド長「なんで妄想の中で姫様が韓の国の人間になってるんですか!」
姫「いやー、ついうっかり。」
メイド長「あと私が和の国の人間になっていましたし・・・・。」
姫「でも、あなたが、お掃除(物理)する時はいつもあんな感じですよ。」
メイド長「それは本当ですか!?」
姫「ホントよ。ホント。」
メイド長(次からは、もうちょっとお淑やかに掃除(物理)をしよう。)
姫「それじゃあ、行ってくるわね。お母様にはディナーまでには帰ると伝えてください。」
メイド長「はい、わかりました。それではいってらっしゃいませ。」
―――殿様の城、広場―――
ドォーーーーーン!チュドォーーーーン!ボッカーーーーーン!
メイドB「うははははっ!私の爆弾から逃げれると思うなー。」
商人「うわ~、火薬が勿体ない。」
メイド「今そんなことを心配してる場合じゃないでしょ。」
公爵「そ、そうだぞ。今はあのメイドを倒すことが先決だ。今逃げている場合じゃない。」
魔法使い「それなら、アンタが行ったら良いでしょ。」
公爵「それは無理だ。この土地には奴を倒すためのゴーレムを作るには材料が少なすぎる。」
騎士「ならば私が奴を倒す!」
忍者「騎士殿、待ってくだされ。」
騎士「ん?」
忍者「確かあのメイドは公爵を倒すために攻撃をしているのでござるよな。」
メイド「うん、そうね。」
忍者「それなら、公爵を奴に渡したら解決するのではござらんか?」
暗殺者「その回答に達した時点でお前たちの死は決まった」シュバッ
メイド「!?」
忍者「何奴!」
暗殺者「語る必要はない。死ぬが良い!」シュババババッ
忍者「ぬう!? 分身した!?これは拙者の出番のようでござる」
忍者「ならば拙者も。忍法・影分身!」
暗殺者「ほう。忍術に心得があるのか。ちょこざいなぁ!」
忍者「秘技・影風車!」シュシュシュ!
メイド「おおーっと!風に吹かれて回る風車のごとく暗殺者の周りを影分身とともに走り、いっせいに襲い始めたーっ!」
暗殺者「ぬるい!ぬるいわぁ! 我流忍術・草影の舞!」
忍者「こ、これは!」
忍者「あいつの姿が・・・消えた」
侍「おかしい・・・気配すらしないぞ」
忍者(どんな忍術の達人でも、気配を完璧に消すのは至難の業・・・
それも我流なら尚更のこと・・・もしや・・・)
忍者「侍殿ぉッ!」
侍「何だ!?」ビクッ
忍者「いいでござるか?あやつはおそらく魔王軍と連なる者・・・
何らかの道具を貰っているはずでござる」
侍「本当か忍者!」
神父「相手が魔王軍ならば私が相手してやろう。法の鎖!」ジャラララ……
忍者「鎖が辺りを探る様な感じに動いておるでゴザルよ!」
神父「そこだ!」ジャラララッ
侍「おお!敵を捕まえたぞ!」
暗殺者「馬鹿な!?気配は完全に絶っていたぞ!?何故だ!?」
神父「神の御業です」
忍者「抵抗出来ない様に更に雁字搦めに縛り付てやるでゴザルよっと」
暗殺者「くそっ!こんなにあっさりと...!」
公爵「さて、今度は向うの連中か。っていつの間にか静かになっているな」
侍「......まさか!」タッタッタッタッ「やっぱり気を失っている!」
一同『えっ!?』
侍「かなり酷い火傷を負っている! !骨折もしているぞ!もしかしたら内臓もやらているかも知れん!」
公爵「それは重傷じゃないか!それでよく今まで動いていられたな」
英海兵2「でも良く考えたらあれだけの爆発を乗っていた飛空艇が起して墜落したら普通は無傷とはいきませんよね」
殿様「重傷者は城の救護所へ運べ! あ、後 暗殺者は牢屋行きだからな」
―――殿様の城、救護所―――
英船医「どうにか重傷者は峠は越しそうだ。ポーションがあって助かったよ」
商人「もちろんただやない。あとでお金をきっちり請求しはるからな」
―――殿様の城、謁見の間―――
殿様「さて、一段落したのでこの度の件、報告を聞こうか」
侍「はっ! 先に結論を言うと未だ魔王を倒せておりません」
殿様「ふむ、それでは何故戻ってきた?」
侍「はい、魔王を倒しに行く旅の途中、魔王軍が"ひのきのぼう"を破壊しに動いているとの情報を得、それを阻止しに動き、その戦いの顛末を報告しに戻りました」
家老「あの異世界の伝説に出て来る"ひのきのぼう"か。しかし魔王軍が留守にしている間に魔王城に忍び込もうとは思わなかったのか?」
殿様「いや、それはこの世界のみで考えた時に出て来る考えだ。隣の国の大名は元は無欲で静かに暮らしたいと思っている様な男だった。
それが異世界と関わる様になってから悪名が秘かに流布し、そして今の有様となった。異世界の伝説の道具が関わって来るなら放置は危険だろう」
侍「はい。そしてこちらがその手に入れた"ひのきのぼう"で御座います」
家老「これが伝説の"ひのきのぼう"か...まさしく檜製の棒の様で御座いますな」
殿様「という事は見事、魔王軍の目的を阻止したのだな」
侍「はい。更に魔王軍は少なからず打撃を受けておりました。詳細は………」
―――――――――
殿様「・・・・そうか、そんなことがあったか、侍よ、大変だったな。これは礼じゃ受け取れ。」
侍「そ、そんな、俺はまだ魔王を倒せという指名を果たしていません、だから受け取れm 殿様「ならば軍資金として受け取れ。」
侍「で、でも・・・」
殿様「それに今日は城下町で祭りがある。今日はその金で旅をした仲間と祭りを楽しめ。これは命令じゃ。」
侍「はっ、ありがとうございます。」
侍(祭りか・・・、久しぶりだな・・・・。)
―――殿様の城、食堂―――
ガヤガヤ、ガヤガヤ
神父「う、うまいっ!一体何なんだこの白くて細い物体は!?」
小者「それはうどんって言って、和国の伝統な料理です。」
公爵「ウッドゥーンだと!?なんてかっこいい名前だ。」
メイドB「うるせえよ。てめー(公爵)は黙って飯も食えねーのかよ。このタコっ!」ズルズルズルッ
メイド「あれ、アンタ牢屋に入れられたんじゃなかったけ?」
メイドB「ちげーよ。さっきこの城の偉い人と交渉して牢から出してもらったんだよ。元々私は公爵が目的で来ただけだからな、この国の人の安全を約束して出してもらったんだよ。まあ武器(爆弾)は全部没収されたけどな。」
―――殿様の城の一角―――
殿様「侍の報告によれば黒龍の洞窟で魔王軍はかなり損耗を出した様だな」
家老「はい、その様で御座いますね」
殿様「更に魔王に亡ぼされた国の残党に英国から魔王を倒しに来た一行、我が国と手を結べば今の状態の魔王軍に対抗し、軍で攻め入る出来るのではないか?」
家老「それではまさか...!敵はこの世界とは違う異世界からの敵なのですよ!今まで戦いを挑んで亡ぼされた国の仲間入りになりますよ!」
殿様「我が国にも異世界からやって来てここに定着した者達がおるだろう?」
家老「しかし異世界人に対しては隣国の大名の事が御座いますゆえかなり警戒し探りを入れたりと信をおいてはいないではないですか」
殿様「う~む、確かに今 軍を用いて攻めるには危険か... ...やはり今まで通り少数で行動させた方が良いか」
―――和の国 秘境 鬼子母神の祠―――
側近(はあ~ぁ...、いつになったら魔王様にまた会える日が来るのでしょうか...?魔王様に再び会う為に色々やっているのに...)「うっ!」
鬼子母神「おや?陣痛かい?」
魔道部下(やれやれ、ようやく命令を遂行する事が出来るな。...しかし魔道化様も人が悪いな 本当は国外追放なのに嘘吐いて)
魔道部下(まぁ、側近様も魔道化様を胡散臭い奴だと思っているでしょうけどあてがある訳じゃないしな。さて、赤ん坊が生まれたら)
鬼子母神「ほらほら、あんたもぼさっとしないで手伝ってくれよ」
魔道部下「はい、分りました。って貴方も手伝ってくれるんですね」
魔王城 エントランスホール
魔道化「ただいまー」
魔将軍「貴様はどこにいってた」
魔道化「う●こ」
魔将軍「よし死ね」チャキ
魔道化「冗談に決まっているジャマイカ
例の武器を取りにいってたんだよ」
魔道化「その証拠に、ほら『天の沼矛』を取って来たよ。」
魔将軍「おお、これが天地を創造するほどの力を持つ神器『天の沼矛』か、すばらしい。」
魔道化「まあ、その武器に天地創造する程の力は無いけどね。」
魔将軍「そうなのか!?」
魔道化「そんなの噂話が一人歩きで大きくなっただけさ。でも、『天の沼矛』は天地創造の力が無いってだけで弱いというわけではない。」
魔将軍「強いのか?」
魔道化「ああ、そうだよ。ボクが保証するよ。何せ『天の沼矛』はあの『ひのきのぼう』の製作者、『力の賢者』の作品だからね。」
魔将軍「その『力の賢者』という奴は知らないが。それはつまり、この武器は『ひのきのぼう』と互角に渡り合えると言う事か?」
魔道化「いや、『天の沼矛』の方が『ひのきのぼう』より遥かに強い。」
魔将軍「ククク・・・、そうか『天の沼矛』の方が強いのか。」
魔道化「それじゃあ、ボクは部屋に戻るから、魔将軍ちゃんはボクが取ってきた武器たちをちゃんと魔王様に献上してね。」
魔将軍「ああ、・・・・ん?おい魔道化そういえばお前と一緒に武器探しに行った魔忍者はどうした?さっきから見当らないのだが。」
魔道化「魔忍者?・・・・ああ、彼なら武器を全部回収し終わった後、用事があると言ってどこかに行ったよ。」
魔将軍「そうか。」
魔道化「んじゃ、ボクは疲れたから部屋に戻って寝てくるよ。」
―――魔王城、謁見の間―――
魔王「ほぅ、これが伝説の武器達か」
魔将軍「御意」
魔王「しかし、いまいちな感じがするな...。この“天の沼矛”も天地を創造する力を持っている筈だがそんな感じはしないな」
魔将軍「はっ、なんでもそれは噂話が一人歩きで大きくなっただけとの事です。その“天の沼矛”には天地を創造する力は無いとの事です」
魔王「うん? これらはあの伝説の武器達ではないのか?」
魔将軍「え~と、つまり話に尾ひれが付き過ぎて伝説っぽくなったのでは?あと伝説通りではなくとも充分に強いとの事です」
―――????―――
忍者「皆の者!久しぶりでゴザル!」
忍者達『頭領!御久しぶりで御座います!!』
上忍「いや~、頭領が無事に帰還し、嬉しい限りです!」
忍者「うむ!拙者も皆に再会し嬉しいでゴザルよ!」
下忍「そいや頭領、伝説の剣の情報を仕入れましたよ」
忍者「なんと!それは真でゴザルか!」
下忍「はい、火神を斬り殺した伝説の剣“天之御羽張” 伝説通りの神殺しの力を持っているそうで今は何故か鬼が持っているそうですよ」
忍者「本当に何故鬼が持っているのでゴザルのか? 鬼はまつろわぬ者、それがどういう経緯で神の武器を所持する事になったのでゴザルか?」
下忍「その辺の詳しい事情はその鬼に聞いてみないと分りませんね」
―――殿様の城、食堂―――
侍「お、皆ここに居たのか」
小者「あ、用事は済みましたか?」
神父「そういえば公爵様、飛空艇の乗組員に半舷休息や、この城の城主に正式に挨拶しに行かなくて良いんですか?」
侍「ああ用事は済んだ。この後 祭りに行こうと思うのだが」
公爵「忘れてた!」
小者「あ、行きます」
魔法使い「行く行く!」
騎士「私も」
侍「忍者殿の姿が見えないな」
メイドB「私も祭りに行こうかな」
小者「忍者さんなら部下の人達に会いに行くと言ってましたよ」
メイド「私も行こっと。公爵様、小遣い頂きますね」
侍「そうか」
公爵「あ!ちょっと待て!」
魔法使い「そうだ、後でゑるふさんに会いに行こうっと」
メイド「待てません。公爵様は城主へ挨拶に行って来なさいな」
騎士「あ、私もゑるふ殿に挨拶に行くかな」
―――黒龍の洞窟跡―――
メイドA「うわぁ~ん、飛空艇二番艦が帰って来ないうえ連絡が無いよぉ~、私はどうすればいいのぉ~?」
スライム「とりあえずここに居ても仕方ないから移動しない?そして情報収集するなりして状況判断しない?」プルプル
ワイワイ ガヤガヤ ピーチクパーチクホイホイホイ♂
侍「いやぁ祭はいいなぁ」パクバク
魔法使い「このたこ焼き、おいしいよー」モグモグ
小者「わたしあの『生か死か 足軽危機一髪』やりたいなー」ムシャムシャ
メイド「くっそー!全然とれないじゃないですかこれー!!」バシャバシャ
メイドB「ヒャッハー!全ての景品をよこしやがれー!!」パンッ パンッ
神父「わたあめか・・・買おうかな」
侍「・・・自由だなー、あいつ等」
ワイワイ ガヤガヤ ピーチクパーチクホイホイホイ♂
侍「いやぁ祭はいいなぁ」パクバク
魔法使い「このたこ焼き、おいしいよー」モグモグ
小者「わたしあの『生か死か 足軽危機一髪』やりたいなー」ムシャムシャ
メイド「くっそー!全然とれないじゃないですかこれー!!」バシャバシャ
メイドB「ヒャッハー!全ての景品をよこしやがれー!!」パンッ パンッ
神父「わたあめか・・・買おうかな」
侍「・・・自由だなー、あいつ等」
あ、連投しちまった
すんません
―――黒龍の洞窟跡―――
ヒーロー「お嬢さん危ない!!」
メイドA・スライム「「えっ!?」」
ヒーロー「てやぁっ!」ザシュッ
スライム「ぴぎゃっ」
ヒーロー「ふぅ、危ない所でしたね」
メイドA「貴方は...」
ヒーロー「よくぞ聞いてくれました。俺は死の淵から何度も甦って来た勇者候補で伝説の担い手の一人です。ヒーローって呼んで下さい」
―――川?―――
おなべのフタの精霊「はぁ、はぁ、なんとかヒーロー君を生き返らせた...。神の力だって無限じゃないのにな...」
おなべのフタの精霊「さて、多少強引かもしれないけど運命掴んでいるかな? 『仲間になりたそうに見ている』なんて態度じゃ駄目だから、これで良いかな?」
おなべのフタの精霊「もう死ぬなよヒーロー君。もしまた死んだらおなべのフタの精霊改めおなべのフタのカスの精霊とまた自己紹介をしなくちゃならないし」
おなべのフタの精霊「そのうえ借金を十一で返済しないといけなくなっちゃうし側近様からの支援も期待出来ないしな...」
―――黒龍の洞窟跡―――
メイドA「貴方は... なんて事するんですか!?」
ヒーロー「えっ!?」
メイドA「大丈夫ですか!?今この液体状賢者の石の最上級の物、白きエリクシルこと“ラストエリクサー”を!」バッ
ヒーロー「えっ!?それってすっごく貴重品っぽいんだけど!?」
スライムA「ふっかーつ!」スライムB「ふっかーつ!」スライムC「ふっかーつ!」スライムD「ふっかーつ!」伝令兵「ふっかーつ!」
メイドA・ヒーロー「「増えた!?あと誰だ!?」」
伝令兵「ふぅ、先ずは礼を言わせてくれお嬢さん おかげで生き返れた。そして自分は魔王軍の伝れ」
ヒーロー「魔王軍!?ならば成敗してやる!お嬢さんは下がって!やっ!」シュッ
伝令兵「人の話は」スッ「ちゃんと聞いた方が良いぞ」ゴンッ
ヒーロー「いてっ!」
伝令兵「峰打ちだ。安心しろ、別に危害を加える様な事はしないさ」
ヒーロー「だが魔王軍なんだろ?だったら」
伝令兵「はぁ~、我が主君も嫌われたものだな。もとは優しかったというのに」
メイドA(・・・・・何だかよくわからないけど、二人ともとりあえず倒しておくか。確かもう一人のちゃらい方、伝説の担い手とか言ってたしこいつも確保したら、メイド長にすごく誉められる気がします。)
ヒーロー「つべこべ言うな。とりあえずお前は魔族だから倒s」バタッ
メイドA「まず伝説の担い手、確保。これであの樽の中に入れている伝説の担い手を合わせて二人も伝説の担い手を確保しましたよ。」
伝令兵「あんな一瞬で、し、死んだのか?」
メイドA「何言ってるんですか。生かして確保しろって命令されたのに、殺してきたらメイド長に嫌われます。」
伝令兵「はぁ?」
メイドA「次は貴方の番です。解体される覚悟はできましたか?」
伝令兵(な、何だこいつ、俺を解体だと?あんな弱そうな女にできるはずg)
メイドA「とうりゃあ!」ザシュ
伝令兵「・・・・ぐはっ(は、速い!?)」
メイドA「おや?殺ったと思ったら致命傷を避けたんですね。案外しぶとい」
伝令兵「く、」
スライム達『助太刀アタッ~クッ!』ポヨンポヨンポヨンポヨンッ
伝令兵・メイドA『!?!』
メイドA「貴方達突然何を?!」
伝令兵(今だっ!)ブゥンッ ガッ
メイドA「ぐっ」バタリ
スライム達『殺っちゃったの?』
伝令兵「峰打ちだ、気絶しているだけさ。助太刀感謝する。さて、今のうちに縛り上げておくか。っと思ったら縛る縄が無い しょうがないから服で縛り上げるか」
スライム達『僕らも手伝うよ』ビリビリビリビリ ネジリネジリ
伝令兵「助かる。お、これは回復薬かな?こっちは隠し武器か ところでお前さん達は何者なんだい?」ポイッ ポイッ ギュッギュッ
スライム達『僕らも魔王軍の一員さ』ギュッギュッ
伝令兵「そうかい。...この後はどうする気だ?」
スライムA「“ひのきのぼう”を破壊しに行く!と言いたいけど場所が分らないから情報収集で聞き込みかな?おじさんは?」
伝令兵「俺も情報収集かな」(今の祖国をかつての祖国に戻す為に...。俺一人じゃそんな事出来っこないから、力をかしてくれる人を探さないとな)
スライムB「それじゃあぼくもてつだうね。」
伝令兵「ははっ心強いな。(さて、まずは魔界に帰って武器を調達しなければな。)」
伝令兵「よしっ、坊主どもまずは魔界に帰r・・・・・」
メイドA「いてててて、よくも私の服を破ってくれましたね。あなた達はお礼(物理)として八つ裂きにして殺してあげましょう。」
伝令兵「な!?俺はちゃんとアイツの手足をしっかり縛ったはずだ!?」
スライム達『とりあえず攻撃してやる!うりゃあああああ!!』
伝令兵「ま、待て!」
メイドA「今更止めても遅いですよ!メイド流 解体術『粉砕爆撃掌』!!」ゴシャ
スライム達『ぎゃああああああああ!!』グシャア
伝令兵「ぼ、坊主どもぉぉぉ!!」
メイドA「さて次はあなたの番です。でもあなたは特別にじっくりと殺して差し上げます。わたしの解体術でね。」
伝令兵「や、やめてくれー!」
メイドA「私の国では魔族は皆殺しにする習慣があるので無理です。」
メイドA「メイド我流 解体奥義『骨害死残』!!」ゴキャ
伝令兵「ぎゃああああああ!がはっ!(あ、あんな一瞬で私の骨が半分抜かれた。こ、この女強すぎる。)」バタン
メイドA「ふぅーゴミ処理は完了です。あとは仲間の迎えが来るまで待つだけです。」
メイドA「きっと私、伝説の担い手を二人も生け捕りしたからメイド長に誉められる気がする。そして運が良ければ、そのままメイド長と一緒にベットイン。ぐへへ」
―――英国、女王の城、女王の部屋―――
メイド長「」ゾクッ
メイド長「な、何だこの悪寒は!?」
女王「ん?メイド長よ一体どうした?」
メイド長「い、いえ少し寒気がしただけです。」
女王「それなら良いのだが・・・それで姫は一体どうした?」
メイド長「姫様は弟様の所へお見舞いに行きました。」
女王「弟?・・・・ああ私の息子か。」
――― ‐‐ ―――
伝令兵(あぁ、こりゃまた死んだな... ...せっかく生き返ったのに。祖国を昔の、おかしくなる前に戻したかった。しかし国名が“魔界”って変だな我が祖国)
伝令兵(あと、あの二人、自分はただの人間なのに自分の事を魔族と思った様だが... あそうか、あの二人と自分では髪 目 肌の色が違うから勘違いしたのかな?)
―――殿様の城、英飛空艇一番艦―――
トンテンカントンテンカン カーンカーン ギーコギーコ
船長「調子はどうだ?どれ位で直りそうか?」
英工兵「この調子ならすぐ直ると思いますよ」
英船医「おーい! 半舷休息の許可をもらって来たぞー!」
英兵達『わーい!休憩して来ます!』
船長「一応言っておくが酒を飲み過ぎて酔っ払って この国の人達を魔族と勘違いして騒動を起こすなよ!」
英海兵2「(そんなうっかりさんは居ないと思うな)」
英海兵1「(だけど異世界人は居るそうだ、騒動を起こさない様に気を付けるべきだな)」
英船医「貴方も町へ繰り出してみればいがかな?丁度祭りをやっているそうで良い気晴らしになると思うぞ?」
魔法使い(28)「...そうですね、酒場にでも行ってお酒でも飲んで来ようかな?」
―――居酒屋GOEMON―――
ゑるふ「おや?お久しぶりどすなぁ...。確かあんさんは隣の国の魔界国ゆう国へ行ってらしたんちゃいましたか?」
ゴスロリ服の少女?「魔界国じゃなくて魔界よ。ま・か・い本当にあなたは何年経ってもそのいい加減な性格治ってないのね。」
ゑるふ「そないなあんたも何年経ってもその身長と胸は変わってへんんどすね。ふふっ」
ゴスロリ服の少女?「どうやらあなた、殺されたいようね。」
ゑるふ「ふふふふっ それであんた何の用件であたしの所へ来たの?」
ゴスロリ服の少女?「何の用件?えーっと確かアイツからの伝言で・・・・・近いうち集会を開くから同盟のメンバーは全員集合!って。」
ゑるふ「えっ同盟のメンバーを!?とうとうアイツは魔王軍を魔界ごと壊すつもりなん?」
ゴスロリ服の少女?「いや、魔王軍如きで同盟メンバーを全員を集める必要は無いわよ。というよりかアイツ一人で魔王軍を壊滅できるしね。」
ゑるふ「なら何で同盟メンバーを全員集めることになったんや?」
ゴスロリ服の少女?「確か魔王軍なんて比べ物にならない程の厄介な相手を倒す為ってアイツは言ってたわね。」
ゑるふ「魔王軍より厄介な相手か・・・・・」
ゴスロリ服の少女?「伝言を伝えたことだし、私は帰るわね。」
ゑるふ「えっもう帰るの?もっと飲んでいったらええのに、今なら割引しとくさかい。」
ゴスロリ服の少女?「遠慮しとくわ。飲んで帰ったら使い魔の奴がうるさいからね。」
ゑるふ「それなら仕方ないわな。ほんならまた集会でな。『力の賢者』にもよろしくって伝えといてな『魔神』」
魔神「だから私は魔界を捨てたから今は魔神じゃないわよ。元魔神よ。」
―――お祭り中……―――
ワイワイ ガヤガヤ ワイウア ガヤダラ
メイドB「ヒャッハー!次の獲物はどいつだー!?」
神父「甘葛?砂糖ではないのか?」パクパク
メイド「何も、取れなかった...」
屋台主「砂糖は高級品っす。砂糖を口に入れられるのは金持ちっす。庶民は甘葛っす」
メイドB「おや?あっちの人達は?」
魔法使い「焼き鳥十本下さい」モグモグ
侍「猿楽だな」
騎士「そうだ、そろそろ居酒屋GOEMONに行こうかな 何か飲みたいし」モグモグ
小者「猿楽なんて珍しいですね。見に行きましょうよ」ムシャムシャ
―――黒龍の洞窟跡―――
メイドA「あっ あっ ......くしゃみが出そうで出なかった。気分が悪いなぁ、着れそうな服も無いし...まったく貴方達の所為ですからね」
「……」「……」「……」「……」「……」
メイドA「返事が無い、ただの屍達の様だ。...迎えは未だかなぁ...。…ひょっとして忘れられた?」
―――和の国 秘境 鬼子母神の祠―――
おぎゃぁー おぎゃぁー
鬼子母神「いやー、良く頑張ったね。元気な赤ん坊が生まれたよ」
魔道部下「ではこの赤ん坊は連れて行きますね」タッタッタッタッ……
鬼子母神「え゙?! って待てやこらあんた」
魔道部下(ふう、これでこの赤ん坊を魔道化様に届ければ任務完了だな)タッタッタッタッ……
鬼子母神「待てって言っているのが聞こえないの?」スタタタタタタタタッ
魔道部下「えっ!?(速っ!)」
バゴッ サッ バタン
鬼子母神「まったく、生まれたばかりの赤子を母親から誘拐するなんて。おーよしよし、すぐに母親の許に連れ帰ってあげるからね」スタタタタ……
側近「はぁ...、はぁ...、私の、子供は...」
鬼子母神「ここに居るよ。ほい」
側近「あ、ありがとう、ございます。うっ、涙が...」
鬼子母神「うん、いいね。…ところであんた、ここへはあの子(魔道部下)の上司の指示で来たんだっけ?」
側近「はいそうですが」
鬼子母神「この場所以外に行くあてってあるかい?」
側近「いえ、ありませんが... ...まさかもう出て行けと?」
鬼子母神「行くあてが無いなら私の知人に頼ろう。とにかくここから移動した方が良さそうだ。もちろん私もついて行くよ」
―――魔王城―――
魔道化(おや? 部下からの連絡が途絶えたな。...鬼子母神の祠に誰か送るか...。そういえばいつの間にか奴等に張り付かせた監視使い魔からも連絡が無いな)
魔道化「でも魔道部下ちゃんの連絡が途絶えたって事は、鬼子母神の祠で何か遭ったってことだよな。」
魔道化部下A「あの祠には鬼子母神がいるんですよ。そう簡単に殺される訳がありません。」
魔道化部下B「だが、もし魔道部下が何かして鬼子母神を怒らせてたら死んでる可能性あるよな。」
魔道化部下C「まああの子、魔道化様の事になると馬鹿だからねー。無礼な事してそうよねー。」
魔道化部下A「そうだな。…ところで魔道化様は魔道部下にどんな命令を下したんですか?」
魔道化「えーっと確か、『側近ちゃんの赤ちゃんはこれからの作戦に必要な存在だから、側近ちゃんを無事に鬼子母神の祠までしっかり護衛してね』って僕は魔道部下ちゃんに命令したけど、それが何?」
魔道化部下A「い、いえ、少し気になったものですから…」
魔道化「ま、どっちでもいいか。」
―――鬼子母神の祠―――
鬼子母神「…で、どうして産まれたばかりの赤子を誘拐しようとした。」
魔道部下「い、いえ実は魔道化様に『側近ちゃんの赤ちゃんは作戦に必要な存在だから』って聞いたので、魔道化様に側近さんの赤ちゃんを献上したら褒めてもらえると思いまして……」
鬼子母神「それはつまり、悪いのはあの若造と言う事か…」
魔道部下「い、いえ、魔道化様は拉致してこいとは言ってなくて、私が独断で拉致してしまったという訳でして。」
鬼子母神「いや、悪いのはあの若造だ。だから次に魔道化に会ったら殴る。だから、お前は気にするな。」
魔道部下(た、助かったけど、魔道化様が危ない………まあ、危なくなった時に助ければいいや。(投げやり)」
鬼子母神「それじゃ別に移動しなくても大丈夫ね」
側近「あれ?移動するのではないんですか?」
鬼子母神「別にここに危険が迫っている訳じゃない事が分ったからね、だから移動する理由は無いから。それにあんたは子供を産んだばっかだからね。」
―――黒龍の洞窟跡―――
「……」「……」「……」「……」「……」メイドA「……」グゥ~~
メイドA(お腹減ったなぁ~...。...通信機は壊れちゃったしなぁ~。迎えが来るのを待つしかないなぁ~)
メイドA(私一人で道具も無しに二人の人間をここから移動させるのは大変過ぎるし、この地域についてあまり詳しくないから移動するという選択は無いしなぁ~)
―――居酒屋GOEMON―――
ゑるふ「あら?久しぶりどすな。いつの間に隣の国から帰ってらしたんどすか?」
騎士「今日帰って来たばかりです、ゑるふ殿」
ゑるふ「そうどすか。皆はんと魔王討伐はどうどすか?」
騎士「色々あって、未だですよ。話せば長くなるのでその前に一杯頼みます」
ゑるふ「ええどすよ。でも今はお酒は全部売れ切れてしもたのよ」
騎士「飲み物なら何でも良いです。のどが渇いていますから。あ、あと後で皆も来るそうなので席も確保してよいでしょうか?」
―――英国、公爵の造船所―――
トンテンカントンテンカン カーンカーン ギーコギーコ
メイド長「調子はどうですか?」
英技術者「はっ!順調です。...しかし宜しいのですか?勝手にこの様な事をしてしまって?」
メイド長「国の為に必要な事です。気にせずに作業を続けなさい。あと、この事は広めない様に」
英技術者「はっ、了解しました!」
メイド長(やはり他人任せにせず、始めから自分の手で公爵の息の根を止めるべきだったわね)
メイド長(ふふふ、公爵に会うのが楽しみね。早く完成しないかしら、飛空艇三番艦)
―――殿様の城―――
公爵「うっ」ゾクッ
殿様「?、どうしましたか?」
公爵「いえ、ちょっと寒気が」
殿様「そうですか、長旅で疲れが出ているのかもしれませんね、すぐ部屋へ案内させましょう。おいっ」
小性「はっ! ささ、どうぞこちらへ」
殿様「何かありましたらこの小性に申しつけて下され」
―――居酒屋GOEMON―――
小者「ズズズーっ......」
忍者「ふぅー、やはりこの店で飲むお茶はうまいでござるな」
魔法使い「当たり前じゃない。なにせ、ゑるふさんが入れてくれたお茶なんだもん。」
メイド「皆さん、和んでいますね~」
メイドB「あんたも十分に和んでいるけどね。.......というよりかあんた、あの忍者から聞いた話なんだけど、この国で犯罪を犯したって本当?」
メイド「えっ!?ちょ、ちょっと忍者さん、なんで話したんですか!」
忍者「つ、ついうっかり話してしまいましたでござる」てへっ
メイド「てへっじゃありませんよ!」
メイドB「その反応、やっぱり犯罪を犯したのは本当の事なんだな....」
メイド「ちょっと、犯罪者を見るような目で私を見るのはやめてくださいよ。そもそも、街を破壊したのは破壊者であって私は関係ありませんよ。」
魔法使い「だけど、あんたはその破壊者をほったらかしにして着物屋で服を買っていて、気付いた時にはもう破壊者たちが暴れまわっていたのよね」
メイド「・・・・はいそうです。」
魔法使い「それ貴女の責任じゃない。」
メイド「うぐっ」
メイドB「まあ、こいつが和の国で皆さんに迷惑をかけたのは謝ります。・・・・・メイド、この事は英国でしっかり聞かせてもらうぞ。」
侍「・・・ちょっと待ってくれ。英国で聞かせてもらうってことはメイドを英国に連れて行くのか?」
メイドB「ああ、あと公爵も連れて行く。・・・・そういえばお前たちも魔族に仇なす者なんだよな。」
侍「そうだけど何だ?」
メイドB「それならお前たちも一緒に英国に来い!」
英海兵1「話は聞かせてもらった!お前も事情聴取だな!」
メイドB「!?、いきなり現れて何を言ってるんだ!?」
英海兵2「いや、皆さんが来る前から居ましたよ?まぁ店の奥の方に居ましたけどね」
魔法使い(28)「うぃーい、ヒック」
小者「うわ、酒臭い」
騎士「成程、酒が無かったのはこういう訳か」
英海兵1「そもそも飛空艇は公爵様が英国の為に建造しようとし、国から予算が出なかったから公爵様の私財で作られた船。それを勝手に持ち出して」
メイドB「ハッ! 公爵は王の座を狙っていたんだ!あの飛空艇だってその為の物だろ!?だから不義を誅す為、利用させてもらったまでだ!」
英海兵1「フッ そんな話は誰かのでっちあげだろ?公爵様はそんな人じゃないぜ。不義不逞の輩を許しておけない人だからな」
メイドB「なにおうっ!!」
英海兵3「まあまあ落ちつけよ。話題を変えるけど、どうやってこの国から英国まで行くんだい?」
メイドB「それはもちろん飛空艇で... ...あっ」
英海兵3「そうそう、あんたが乗って来た飛空艇二番艦は爆沈しちまって残ったのは残骸だけ。使える飛空艇は俺達の飛空艇一番艦だ、あんたに指揮権はねぇ」
メイドB「ぐぬぬっ」
英海兵2「そういえば大火傷に骨折やらで重傷だったのにちょっとの間にすっかり直ってんだな。すげぇな」
侍「しかし英国か...どんな所なんだろうな...?」
下忍「確か“穴掘れば 竜が出て来る そんな国”って川柳を聞いた覚えがありますよ」
騎士「そうなのか!それは凄いな!」
英海兵2「誰がそんな事言ったんだろう...?」
下忍「多分、英国に行った誰かがこの川柳を詠んだんだと思いますよ」
英海兵1「穴掘っても出て来るのは竜の骨ばかりで生きた竜はめったに出ないよ。それにアーサー王の時代位にはもう生きた竜はあらかた掘り尽くされたと思うよ」
英海兵3「そして今はもう生きた竜はいないんじゃないかな?」
騎士「そうなのか...」
英海兵3「でもまぁ我が国はこの世界では魔法が盛んな方の地域だと思うよ」
魔法使い「へえ!そうなんだ、詳しく聞かせて!」
英海兵3「悪いがお嬢ちゃん、俺はあんま詳しくないんだ」
魔法使い「そう...」
英海兵2「あ、でも神父様や破壊者、あと公爵様は魔法について詳しいんじゃないのかな?」
騎士「そういえば神父はどうしたんだ?」
忍者「神父殿は酒場には来ないそうでゴザルよ」
魔法使い「魔法って言えば、この前神父に『あんたのそれって魔法?』って聞いたら『魔法ではない!!天法だ!!』って言われたんだけど『天法』って何?」
メイド「それは私が説明します。エネルギーを練って別のエネルギーに変える『魔法』とは違って、エネルギーを練って別の物質に変えるのが『天法』です。」
小者「でも魔族の方々は魔法で武器を出していましたけど」
メイド「だって魔族は、人間には無いエネルギー、魔力を持っていますから武器を作りだす事とかが出来るんですよ。」
魔法使い「へぇー」
メイド「あともうひとつ言いますと、『天法』を使えるのは教会の極限られた人間だけなんです。」
魔法使い「へぇー」
メイド「・・・ちゃんと聞いています?」
魔法使い「聞いているわよ」
小者「・・・それでどうして神父さんは魔法を嫌っているんですか?」
メイド「あぁそれは・・・」
魔法使い(28)「それは教会の人間だからでしょ・・・ヒック」
メイド「はい、そうです 教会の人間は生まれた頃から『魔族は悪』と、教えられているので魔族が使う術 即ち魔法を毛嫌っているんです」
魔法使い「『魔法の都』に住み着いていながら魔法を嫌っているだなんて、教会の人間っておかしな奴らね 」
メイドB「う~ん... そうだ! おい!海兵共!お前等はこの国に食と住を提供してもらって恩があるだろ!?」
英海兵1「そうだが、それが何か?」
メイドB「侍!あんたはこの国の偉い奴と話せるんだろ!?」
侍「まぁそうだが」
メイドB「そしたらあんたがこいつらに英国へ行く様に要請にする様に偉い奴にかけあえば英国に来る事が出来るかもしれないぞ!」
侍「成程、殿が公爵に英国に我等を連れて行ってもらう様に頼むのだな」
忍者「しかし今の隣りの国を放っておいてそれはどうなんでゴザルか?」
侍「どういう事だ?」
忍者「隣りの国は外国の人が和の国と呼ぶ地域の一部、つまりこの国に住んでいる人と隣りの国に住んでいる人は同じ和の国、この世界の人間同士でゴザル。
しかし異世界人達が隣りの国に協力し、軍に異世界人達が編入されたでゴザル。異世界人といってもこの世界人とあまり変わらない感じでゴザルが、
そして軍は前からいた兵と異世界人の兵の混成になったでゴザルが、この後、どこから湧いたのか魔族が軍に居る様になったでゴザル」
侍「確かに初めは隣りの国は魔王と呼ばれる者いるだけで普通の筈だったが、そこに異世界人が加わり、 魔族についてははつい最近になって聞く様になったな」
忍者「おまけにどんどん魔族の割合が増えているみたいでゴザルよ」
侍「そんな状況は放ってはおけないな」
下忍「まったく本当にいったいぜんたいどこから魔族なんてもんが出て来たんだろうな?」
魔道化「教えてあげるよ」
全員「「「!?」」」
魔道化「ボク達は魔界って場所からここに来た
この世界、住み心地よさそうだったからね、侵略することにしたのさ」
神父「出やがったなクソったれ魔族!法の鎖!」ジャララララ
魔道化「ほいっと」
グシャッ
神父「!?法の鎖が・・・」
メイド「握りつぶされた・・・!」
魔道化「うーん、こんなもんなのかね
ツマンネ、ばいばーい」シュン
魔法使い「・・・・侍たちの様子がおかしい。」
騎士「なにやら意味が分からないことを言っているな。」
小者「混乱でもしたんでしょうか?」
暗殺者「ピンポーン!せいかーい!」
騎士「お前は昼間の!?」
暗殺者「そうでーす、暗殺者でーす。」
魔法使い「侍たちが意味が不明な事を言ってるんだけど、それもあんたの仕業なの?」
暗殺者「また、せいかーい!俺は念のため彼らに遅行性の混乱薬を嗅がせていたからね。意味不明な事を言っているのは混乱している証拠で―す。」
小者「それじゃあやっぱり、あなたの薬の所為で、今、侍さんたちはでたらめな事を言っているんですね。」
暗殺者「そうだよ。・・・・・魔法使いがいるのに、魔族がこの世にいないってwww」
暗殺者「混乱しすぎって話だよwwww」
魔法使い「今、侍たちが混乱してんのはあんたの所為でしょうが・・・・、早く侍たちを戻しなさいよ。」
暗殺者「あははは、心配しなくていいよ。あと数分もすれば混乱薬の効果も消えるから」
小者「ねぇ、早く混乱から醒めなさいな」
神父「法の鎖が...」
侍「ん? 別に混乱などしてないが?」
忍者「おや?神父殿、酒場には来ないのでは無かったのでゴザルか?それになにやら放心しておる様でゴザルな」
小者「してますって隣りの国の住人全部元から魔族じゃないですか」
魔法使い「そうだよ、今まで隣りの国で出会って来た人達全員魔族だったじゃん」
英海兵2「魔族は魔族でも良い魔族と悪い魔族がいるよな。あんたらは良い魔族だよな」
侍・忍者達『?!?!』
ゑるふ「…外の喧騒が別の空気になっとるわね...」
「化け物だー!!」
「体がー!体がー!」
「うわー!うわー!」
―――殿様の城―――
若党「た大変です!申し上げます!」
殿様「落ち付け、どうした?」
若党「は はい!牢屋に発狂した者達が多数おり、同志討ちしております!」
殿様「なに!?」
若党「牢屋の様子がおかしいと様子を見に行った者が帰って来ず、更に二人組以上で様子を見に行った者達が帰って来ずで私が見に行った時は同志討ちを」
口取り「殿!大変です!」
殿様「今度は何だ!? ん?お前は祭りに行った馬の口取りではないか」
口取り「あっちこっちで混乱または錯乱した人達で城下は大変な騒ぎとなっております!」
―――城下町―――
破壊者RX「ひゃはははは、何があったかしらねーが法の鎖が消えてくれたおかげであの城から逃げ出すことができたぜ。」
破壊者RX「だがあの野郎(暗殺者)俺が助けてやったのに何もお礼を言わず行きやがって、だけど妙だな何で俺はあの野郎を助けたんだ・・・・」
―――殿様の城、天守閣の上―――
暗殺者「さてと、目的の物も手に入れたし里に帰るか。」
暗殺者「頭領もきっと驚くだろうな。あはははは」
暗殺者「だが何故、頭領はこの棒きれを取ってこいって言ったのだ?」
暗殺者「まあ俺が気にすることじゃないか・・・」
悪忍者「暗殺者、迎えに来ましたよ。」
暗殺者「おお、悪忍者久しぶりだな。」
悪忍者「全くあなたは相変わらずのんきですね。・・・さあ早く頭領にその『ひのきのぼう』を持って行きますよ。『多重人格の暗殺者』」シュンッ
暗殺者「だからその呼び名やめろってば」シュンッ
―――居酒屋GOEMON―――
小者「侍さん大変です。町の人たちが暴徒と化しています。」
忍者「隣りの国の人達が全員魔族でゴザッタら拙者ら普通の人間は目立ち過ぎて隣りの国で活動出来ないでゴザルよ!」
神父「おのれ!この魔族がぁー!!」
小者「未だ混乱しているのですか?“魔法使いがいるのに、魔族がこの世にいない”はおかしいと思わないんですか?」
侍「くっ!神父殿が錯乱している!?外の状況も気になるが先ずはこちらをなんとかせねば!」
魔法使い「だから魔王軍には魔法を使う人達が居たから魔族で隣りの国の人達は魔族だよ」
メイドB「おい!?何やってんだ神父!?この人達は魔族じゃないだろ!」
忍者「いや、隣りの国で出会った人達は普通の人間でゴザッタし、魔王軍の中にも普通の人間が結構いたでゴザルよ!?」
英海兵2「いやこの人達どこから見ても魔族だろ?」
騎士「あ、この国も魔法を使う魔法使いがいるな。という事はこの国の人達も魔族だな」スチャッ
英海兵1「おいおい、船長も言ってただろ、酒を飲み過ぎて酔っ払ってこの国の人達を魔族と勘違いするなって」
忍者「騎士殿!?剣を抜くなでゴザル!」
―――何処かの山奥、森の中―――
魔兵士「はぁ...、はぁ...、」
足軽「大丈夫か?若いのにこれ位の距離歩いてへたばっちまうなんて」
足軽頭「あ、そいつ俺と歳 同じだってよ」
足軽達『えっ!?』
魔兵士「はぁ、そうだ、魔族はお前達、人間と違って長命だからな、若く見えても、若造じゃないぞ」
足軽達『(つまり見た目は青年、中身は中年おっさんという訳か)』
魔兵士「いや、私はお前達と違って重装備だから、軽装のお前達より、体力の減りが早いだけだから、というか今どこ歩いてんだ?」
足軽頭「あ~、今、道に迷ってんだ。民家か道が見付かれば良いんだが……」
魔兵士「・・・・・・ところでお前たちは人間の様だが、魔族の俺を一体何の目的があって助けた?」
足軽頭「ん?目的だと・・・・う~ん、しいて言うなら・・・・」
魔兵士「言うなら何だ?」
足軽頭「この国への下剋上の為だな。」
―――居酒屋GOEMON―――
江戸の人(A)「うおーーーー」江戸の人(B)「うわーーーー」
侍「・・・・一体何故、俺たちは江戸の住人に囲まれているんだ?」
小者「これは私の推測ですけど、原因は昼間の忍者だと思います。」
侍「昼間の?ああ、あの暗殺者の事か。」
小者「はい、そいつです。」
騎士「そういえばあの忍者、混乱薬がどうのとか言っていたな・・・・で、それが今この状況に関係があるっていうのか?」
小者「多分、町の人達はその混乱薬の所為で暴れているんだと思います。」
侍「あの暗殺者め~次に会ったら問答無用に斬ってやる。」
忍者「侍殿、今はそれよりこの状況をくぐり抜けるのが先でござる。」
英海兵3「混乱か、混乱した奴は叩いて正気に戻すのが手っ取り早い。試してみるか」ドゴッ
英海兵2「~~イッテぇなぁ何を...、はっ!?」
英海兵3「お?正気に戻ったか?」
英海兵2「魔法を使う奴が居る国が魔族の国なら俺達英国人も魔族だったんだよ!」
小者・騎士・魔法使い・メイド・神父『な、なんだってー!?』
侍・忍者達・メイドB・英海兵1,3『そんな訳無いだろ!』
ゑるふ「...叩いて正気に戻れへんとなるとその混乱薬、かなって厄介ね...」
魔法使い(28)「う~ん、うるさいなぁ、う~頭痛い...。覚醒呪文を使おっと、<ザメハ>」パアアッ
魔法使い(28)「ふう、すっきりした。あれ?皆さんどうしましたか?」
「?、ほんとにどうしちゃってたんだ?」「なんだか悪い夢を見てた気分だ」「なんかすっきりした」
英海兵2「俺はなんで魔族と思っちゃってたんだろ?」
侍「皆正気に戻ったのか!?」
忍者「騎士殿、拙者に向けている剣を納めるでゴザルよ」
騎士「お、おうすまん」
ゑるふ「まさかザメハで解く事が出来るなんてどんな成分なのかしらね、その混乱薬。でもこれでこの件は解決出来るわね」
樹海奥 暗殺者達のアジト
悪忍者「頭領、例のブツを奪って参りました」
頭領「カッカッカッ ようやったのう・・・えーと・・・名前何じゃっけ」
悪忍者「悪忍者です!もうこのやりとり何百回したと思ってるんですか!」
頭領「すまん、おやつのことで頭がいっぱいだった」
悪忍者「子供ですかあんたは!」
悪下忍「きょうのおやつはあんみつですよ」
頭領「マジで!?頭領あんみつ大好き!!」
悪忍者「それより早く身支度を済ませて下さい。他の頭領達は、もう会議場に集まってますよ。」
頭領「あれ?今日は何かあったけ?」
悪忍者「頭領様!あなた、どんだけ忘れやすいんですか!」
頭領「あははは めんご、めんご」
悪忍者「ハァー、今日は悪忍十二頭領、全員が集まって何か会議をするって言ってたじゃないですか。」
頭領「いやー最近物忘れがひどくって、本当に年を取るって怖いの~」
悪忍者「我ら虎組の将来が不安です・・・・」
―――和の国、城下町―――
忍者「とりゃ!」ドガッ
江戸の住人A「ぐはっ」
騎士「ていっ!」バシッ
江戸の住人B「ぐふっ」
騎士「・・・まさか攻撃を与えるだけでも正気に戻すことができるとは」
侍「この騒動を起こした奴は一体何がしたいんだ」
小者「昼間の忍者、去る際何やら目的はもう達成したって言っていました」
―――殿様の城、牢屋―――
ワーワー カキンカキン ワーワー
殿様「これはひどい同士討ちだな、こら!お前達やめい!」
ワーワー カキンカキン ワーワー
殿様「全く無視か」
商人「そないな時はこれや! ツボクサを使った鎮静薬や!」
家老「おお!それならばこの騒ぎも」
英船医「それはどうでしょうかね?」
一同『え?』
英船医「見たところ皆、半分眠っている様な感じです。鎮静薬を使うより眠りから起す様にすれば良いと思いますよ」
若党「つまり叩けば正気に戻るのか?」
英船医「眠りから起す様に叩かなくてはいけませんよ」
口取り「眠りから起す様に叩く って普通に叩くのとどう違うんだ?」
英船医「そのへんの力加減は各自の判断に任せます。ただ眠りから起すのがポイントですから叩いても正気に戻らない場合もあるでしょうね」
殿様「まあいい、とにかく叩き起こすぞ!」
―――樹海奥 暗殺者達のアジト―――
悪忍者「頭領、準備は出来ましたか?」
虎組頭(頭領)「応、バッチリだ」
悪忍者「では会議場へ」
―――会議場―――
鼠組頭「やっと来たか」
兎組頭「待ちくたびれたぞ」
鳥組頭「遅いよ」
虎組頭「めんごめんごじゃ会議をとっとと始めちゃってよ」
竜組頭「Zzz...」
鼠組頭「それでは会議を始める! 本日の議題は」
虎組頭「あそうだ、ちょっと報告する事があるんだった」
鼠組頭「...何だ?」
虎組頭「応、実は“ひのきのぼう”を手に入れたんだぜ」
猪組頭「まさかあの異世界の伝説に伝わる“ひのきのぼう”か!?」
牛組頭「ほう、あの魔王軍が粉砕しようとしてたあの“ひのきのぼう”か」
虎組頭「カッカッカッ」
兎組頭「伝説の武具なら我が兎組も手に入れたよ」
一同『何?』
兎組頭「“ヌボ”という矛みたいな物だ。遥か古の時代、天空に浮かぶ月より遥かに遠い遠い天に存在する者達が寄越した、天地創造の力を持った物だ」
蛇組頭「おいおい、それって“天の沼矛”ってやつじゃないのか? “ヌボ”ってなんだよ」
兎組頭「“天の沼矛”は後で付けられた名だ。この矛?には銘があってそれを解読すると“ヌボ”というらしい」
鼠組頭「…本当に天地を創造する程の力があるのか?」
猿組頭「信じられないな」
犬組頭「そもそも天地創造をこの矛?でどうやって出来るんだよ?」
兎組頭「そこらへんはやっぱ月より遠い所からやって来た者達の不思議な力みたいなものとかで」
虎組頭「カッカッカッ ちょっと貸してみしてくれ」ヒョイ
兎組頭「あ、ちょっと」
虎組頭「ふむ、見た感じ持った感じ普通の矛っぽいな」ヒュンッ ヒュンッ ガッ「おっとぶつけちまった」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
一同『何だ?』
―――樹海奥 暗殺者達のアジトから離れた地点―――
魔忍者(ここら辺で悪忍十二頭領が一同に会していると聞いて来たが何処だ?)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
魔忍者(何だあれは!? 巨大な山みたいな岩塊が突然宙に現れたぞ!?)
ズシャアアアアアアアァァァァァァァンンンン……......
魔忍者(そして落ちた! 凄い衝撃だ! あの巨大な山の落下地点付近に居た人は絶対助からないだろうな……)
虫組頭「.....な、なんだったんだ今のは!?」
犬組頭「こ、これが“天の沼矛”の力.....」
鳥組頭「いや、これはただの地震だろう」
虎組頭「こ、この程度で驚くとはお主らもまだまだ子供じゃのう」ガクガクブルブル
猪組頭「お、おい、じじいあまり無理すんなって」
虎組頭「誰がじじいじゃ!」
魚組頭「いや、あなたこの前ぎっくり腰になって『もう無理、わしこのまま死んでしまう』って言っていましたよね」
虎組頭「うぐっ」
鳥組頭「あと“ひのきのぼう”を手に入れたってさっき師匠言っていましたけど、あれ手に入れたのは鳥組の『多重の暗殺者』ですから」
虎組頭「........え、ええい!それは過去の話だろう!今は“天の沼矛”の話じゃろ!」
兎組頭「あっ、言い忘れたけどこれ(天の沼矛)別に天地を創造する程の力なんて無いから、単に岩を真っ二つに斬る程度の能力しかないから」
虎組頭「ちょ、ちょっとお主今それ言うのか?」
鳥組頭「まあ、天地を創造できる程の力より岩を真っ二つにできる程の力の方がしっくりくるしな」
龍組頭「zzz・・・む?」パチ
兎組頭「起きたか龍の、お前らの組もなにか手に入れたらしいからな
発表しろ」
龍組頭「めんどくせぇな・・・ホレ」ポイ
ドサ
龍組頭「和の国一の神社の宝物庫にあった『大業物 不知火』」
鼠組頭「刃が見えんぞ!とんだパチもんじゃあるまいな!」
龍組頭「よく見ろ・・・」
スパッ
龍組頭「こいつの刃は普通じゃ見えん、故に『知らぬ』・・・」
鳥組頭「怖いねぇ、間違って味方も斬っちゃいそうで」
虎組頭「そこは使い手しだいじゃろ」
馬組頭「ところでさ、なんか人数多くね?」
牛組頭「うん?」
猪組頭「そうか?」
羊組頭「そういえば...」
鼠組頭「言われてみれば...」
猿組頭「多い気がするな...」
兎組頭「確かに...」
犬組頭「俺達は十二人の筈だよな...?」
虎組頭「え? こんなもんじゃないの?」
鳥組頭「あんたは黙っていて下さいよ」
龍組頭「……」
虫組頭(ち、上手く紛れ込んだと思ったのに...)
魚組頭(気付かれたか...)
竜組頭「Zzz...」
蛇組頭「あきらかに多いな」
虎組頭「いや、この人数で合っておる」
猪組頭「ん?それはどういうことだ」
虎組頭「こやつらはわしがえんぐんとして」
虎組頭「鳥組以外には言い忘れておったが、彼らは援軍としてわしが呼んだ悪忍んじゃ」
猪組頭「は?援軍だぁ?んなもんいらねーだろ」
犬組頭「そうよ虎ちゃん、援軍なんて私たちには必要ないわ」
虎組頭「戦いをなめるなよ若造」ゴゴゴゴ
猪組頭「ぬっ!?」ビクッ
犬組頭「キャイン!」
虎組頭「よく聞け若造ども、わしらが今戦おうしている相手はわしらより遥に強い、勝てる可能性がゼロに等しい程な」
兎組頭「ゼロに等しいは流石に言いすぎなのでは?」
牛組頭「虎の組頭、相手はあの徳川だぜ。簡単に倒せるに決まっているだろう。」
虎組頭「ああ、確かに徳川だけを潰すのは簡単だろう・・・・だが徳川、いや江戸には伝説級の侍が十人ぐらいいる。」
猿組頭「なに!?マスター侍だと!?」
鼠組頭「ハハッ、それは骨がおれそうだね」
虎組頭「それだから、わしは増援を呼んだのじゃ」
虫組頭「まあそういう訳だからよろしく!」
魚組頭「よろしく・・・お願い・・・・・・・します」
虎組頭「・・・・お主ら異論は無いな」
『はーい』
虎組頭「うむっ、それでは会議に戻る。今日お主らを呼んだ理由は二つある。まず一つ目は虫組と魚組を紹介する事。二つ目はワシらが狙っている伝説の武器、何もかも吹き飛ばす事が可能と言われている扇『芭蕉扇』、絶対に壊れることが無い刀『絶刀』、そしてワシらの元君主、織田信長様が愛用していた銃『火縄銃』、この三つの所在が分かったからだ」
牛組頭「それは本当かよっ!?」
虎組頭「ああ、本当じゃ。今日はそれを回収するためにお主らに集まってもらった」
鳥組頭「・・・・・それはつまり、その三つを回収するには十二頭領の全員がいないと難しいという事か」
虎組頭「いや、それは微妙に違う」
兎組頭「違うなら十二頭領、全員を呼んだ理由は何?」
虎組頭「いやー、実は伝説の武器の所在地が調べて行く内に七つに分かれちゃってさー。余計に分かんなくなっちゃってさー。だから、もういっその事みんなでシラミつぶしに探そうかなーって思ってさ」
兎組頭「・・・・・・・・・みんな解散!」シュンッ 「・・・・・・」シュンッ
虎組頭「ちょ、ちょっとみんな無言で帰らんといて~、謝るから呆れて帰んないでお願い~。ワシだってがんばったんじゃから~、年寄りなりに精一杯がんばったんじゃから~、だから許して~お願い~(半泣き)」
鳥組頭(まったく、虎組頭は現在の情勢が分っているのか!?)
魔忍者「(鳥組頭殿)」
鳥組頭「(おう、魔忍者殿 来てくれたのか)」
魔忍者「(はい、して自分を呼んだ理由は?)」
鳥組頭「(それなんだが... てっきり今回の会議は今の情勢から今後の我等十二頭領の立ち位置、すたんすというやつを決める会議かと思っていたのだが...)」
魔忍者「(成程、今は徳川の江戸より魔王様の魔界国の方が断然優勢、魔王様が和の国を統一する可能性が凄い高いですからね)」
鳥組頭「(その通りだ、会議の流れを見てお主を紹介し様と思っていた。だがあの老いぼれ、現在の情勢が分って無い様だ。今回の会議は皆呆れて帰ってしまった)」
魔忍者「(そうでしたか)」
鳥組頭「(というかあの老いぼれは今だに魔界国が弱小国だと思っているんじゃなかろうな?)」
魔忍者「(話を聞く限り、もしかしたら主不在の時に他国から攻められた時に滅亡したと思っているかもしれませんね)」
鳥組頭「(まったく、呆れた現状認識だ。魔界国に対して他国が単独、いやちょっとした連合を組んだところで太刀打ち出来ない程の勢力だというのに......)」
魔忍者「(そういえば、“多重の暗殺者”はどうですか?)」
鳥組頭「(うむ、見事に仕事を果たしてくれたぞ)」
魔忍者「(そうでしたか。あやつは魔族と人間の混血で余所に派遣して仕事させるのは少々不安だったのですよ)」
鳥組頭「(ほう、あやつは混血であったのか。確かに言われてみれば、だな)」
魔忍者「(奴はその事に気付いていませんが。)」
鳥組頭「(しかしそんな事いつ調べたんだ?)」
魔忍者「(それは禁則事項という感じでお願いします。と、まあそれより鳥組頭殿、魔王軍へのお力添えの方は進んでいるでしょうか?)」
鳥組頭「(ああその話か、実はまだ魔王軍に力を貸せる状況じゃない。その事はまだ師匠にも話していないし。)」
魔忍者「(鳥組頭殿の師匠って確かあの虎組の頭領殿ですよね。あの老人ちょろそうですし私が殺してきましょうか?)」
鳥組頭「(やめろ。もしそんな事したら悪忍軍総勢でお前らを殺すことになる。)」
魔忍者「(えっ何でですか!?)」
鳥組頭「(昔、私がまだ幼かった頃、両親にも捨てられて盗みをしなければ生きていけない若造に空へ飛ぶ方法を教えてくれたのがあの人だった。この里の人間のほとんどはあの人、師匠に助けられた人達なんだ。みんな、みんなあの人に助けてもらいっぱなしで、だからみんな恩を返したくて、だから私は魔王軍に手を貸して、師匠の最大の願い徳川を潰し元君主、織田信長が果たせなかった天下統一の手伝いをしたいって思ったんだよ)」
魔忍者(・・・・・やっべー話があまりにも長すぎて後半全然聞いてなかった。)
鳥組頭「(うん?魔忍者殿?)」
魔忍者「(はい、え~と、とにかく魔王軍は貴方方の協力が無くとも天下統一が出来る程の力を持ってます。協力するなら早い方が良いですよ?)」
鳥組頭「(分かっている。ところであやつ“多重の暗殺者”はどこで忍の技を習得したのだ?)」
魔忍者「(我流ですよ。自分も多少は教えましたが)」
鳥組頭「(ならば魔忍者殿はどこで?)」
魔忍者「(自分は火薬を大量購入した時におまけで貰った忍指南書から独学と我流で習得しましたが)」
鳥組頭「(ふ、それならば我等の力は魔王軍に大いに役立つだろう)」
―――何処かの山奥、森の中―――
足軽「(親分!?それを教えるのはやばくないですか!?)」
足軽頭「(な~に、大丈夫さ)」
魔兵士「げこくじょうって何だ?」
足軽「あぁそうか、異世界から来たからこの世界の知識が無いのか」
魔兵士「、この世界に来てから大分たったから、かなりこの世界の知識は、結構知っているぞ」
足軽頭「良いか?俺はお前を信頼したからこそこの話をしたんだ。この仲間内以外でこの話はするなよ?」
魔兵士「おう、分った」
―――江戸、城下町―――
侍「とうりゃ!」ドスッ
江戸の住人NJC「ぶべらっ」バタン
騎士「はぁ…はぁ…やっと…終わった…」
侍「実に…実に長い戦いであった…」
小者「そうですね。もうすっかり夜が明けてますね。」
魔法使い「あー、すごく疲れた。すごく眠い。」
メイド「わ、私、もう…立てません…」ペタン
メイドB「…ちょっとアンタたち、疲れているところ悪いけど今から飛空艇に乗ってくれる?」
小者「えっ!?今からですか?」
メイドB「いや、ちょっと同僚が『寒いですー寂しいですー早く迎えに来いですーハリー!ハリー!ハリー!ですー』ってうるさくて、急遽そいつを迎えに行かなくちゃならなくなった。だから今から飛空艇を出すことになった。寝たいなら飛空艇で寝ていいから頼む乗ってくれ。」
小者「あれ?確か飛空艇は公爵の私物だから貴方に指揮権はないんじゃ...?」
英海兵2「それはもちろん公爵様が許可を出して下さったからだよ」
メイド「えっ!? アンタの同僚って確か公爵様を殺そうと公爵の飛空艇の破壊工作を実行してたのに!?」
メイドB「うん...、そうなんだけど...」
英海兵2「それならもう金輪際 公爵様のお命を狙わないと約束したからOKだよ」
メイド「そうなの!?」
メイドB「うん...」
英海兵2「だから言ったろ? 公爵様に正直に話してもう命を狙わないと約束すればちゃんと力を貸してくれると思うよって」
メイドB「まさかあんなに簡単に許可を出してくれるなんて...」
英海兵2「公爵様はそういう人だから」
侍「そうか。で、その公爵殿は?」
英海兵2「今、飛空艇一番艦の発進用意を指揮しているよ」
―――江戸城、広場、飛空艇―――
英海兵3「いやー命が助かって本当に良かったですね。公爵様」
公爵「まだ気を抜くな。俺が女王に今までやってきた裏工作を完璧に許してもらえるまで安全は保証できなおからな。」
英海兵1「大丈夫ですって、あのメイドも許してもらえられる様に援護するって言ってるんですし、心配要らないですよ。」
公爵「まあそうだが・・・ハアーすごく心配だ。」
コンコン(ドアを叩く音)
公爵「…ったく、人が真剣に悩んでいる最中に……一体誰だ!?」ガチャ
神父「俺だ」
公爵「うわっ!!」
神父「取り込み中に失礼だが、ここに破壊者が来なかったか?もしくは破壊者を見なかったか?」
公爵「破壊者?いや、見ていないな」
神父「そうか…」
英海兵1「神父殿、一体どうしたんですか?」
神父「それがな、破壊者が城の牢獄から逃げ出していたんだ」
公爵「なに?破壊者が逃げただと、それはまた面倒くさい事になったな」
神父「ああ、面倒なことになった」
英海兵1「……あのー神父殿、この船についてあるエネルギー探知機で破壊者の居場所を調べてみましょうか?」
神父「エネルギー探知機だと?」
英海兵1「そうです。魔族のエネルギーと人間のエネルギーは色が全く違いますから、簡単に破壊者の居場所を炙り出せますよ。」
魔道化「まっ、所詮はこの程度だよね」
すべての組頭『…………』
魔道化「始末する方の身としては、殺るよりも召集する方が大変だったよ」
すべての組頭『……』
魔道化「さて、確実に本人に止めさしたし今はこれでいいかな」
魔道化「身代わりとか幻術とかあらゆる可能性も潰したし」
魔道化「あとは適当に埋めとこ。復活とか絶対に出来よう、万全を尽くしてね」
虎組頭「残念だったの。まだ生きてるぞ。」シュッ
魔道化「ありゃ?全員、殺したと思ったんだけどな。」
鳥組頭「貴様、一体何が目的で我々を奇襲した。」
魔道化「いやー実は君たちは殺す予定は無かったんだけどさ。武器探しの道中に殺したはずの魔忍者くんが、偶々生きていて君(鳥組頭)と話していたものだから、ここの人間全員が(ボクの)敵かと思ってつい殺しちゃった。」
鳥組頭「お主も魔忍者と同じ魔王軍の人間であろう。何故、魔忍者の命を狙った。」
魔道化「それはね、この鎌に命を溜める為だよ。この鎌、実はね『冥府の鎌』って言って命を溜めれば溜めるほど力が増す武器なんだよ。あははは、だから君たちの仲間を殺したんだよ。」
犬組頭「こいつ狂ってやがる・・・・」
魔道化「あははは、ありがとう最高の誉め言葉だ。それに僕、魔王軍に所属している理由って復讐の為だし、魔王軍の強化なんてどうでもいいしね。」
鳥組頭「(・・・・おい虫組頭、犬組頭、羊組頭、兎組頭、龍組頭、あと暗殺者と師匠。こいつはヤバい今から合図をするから、全力で逃げろ!)」
生き残った悪忍たち『(了解)』
鳥組頭「(いい返事だ……………今だ!逃げろ!!」シュッ
生き残った悪忍たち『うおおおおおおおおおおおおおお!!!!』シュッ
魔道化「………逃げちゃったか………追いかけるの面倒くさいなぁ……まあ追いかけなくても別に良いか、魔忍者と頭領クラスと雑魚クラスの悪忍を数人殺せたし、十分この鎌も強くなってるでしょう。」
魔道化「さてと、せっかく人間界に来たんだから何かお土産でも買って帰ろう。あの日は急いでてお土産買えなかったし」
―――悪忍の里から数キロメートルも離れた場所―――
鳥組頭「…はぁ…はぁ…ここまで逃げれば追ってこれぬだろう」
犬組頭「…ぜぇ…ぜぇ…ね、ねえ鳥ちゃん、あの時、魔王軍とかなんかアイツと詳しく話していたけど、アイツ一体何者なの?」
鳥組頭「……………」
犬組頭「牛ちゃんと猪ちゃんと鼠ちゃんを瞬殺したアイツは何者なのって聞いているのよ!!答えてよ!!」
虎組頭「待て、犬組頭領。ここからはわしが聞く。」
犬組頭「はっ!」
虎組頭「鳥組頭領、お前は………裏切ったのか?」
鳥組頭「………………………………違います」
虎組頭「………そうか、ならばこの話はこれにて終了じゃ。次は新たなアジトについて話し合おう」
犬組頭「ちょ、ええええええええ!!!???」
―――英飛空艇一番艦……―――
英海兵1「あれぇ? おかしいなぁ」ガチャガチャ
英海兵3「また‘我が国の新兵器は~’ってやつか?」
神父「どうした? 探せないのか?」
英海兵1「はい。このエネルギー探知機は壊れてしまったみたいです」
英海兵3「この飛空艇は荒っぽい着水や着陸を繰り返しているからな、その衝撃で壊れたんだな」
魔法使い(28)「ちょっとこのエネルギー探知機、見して触らして弄らせてもらって良いでしょうか?」
英海兵1「別にいいけど...。分るのか?」
魔法使い(28)「えぇ まぁ。へぇ、ここがこうなってあれがああなってそれがそうなってこれは……」ガチャガチャガチャ……
魔法使い(28)「……う~ん? もしかしたらこの探知機の異常は近くに“旅の扉”でもある影響かしら?」
一同『旅の扉?』
魔法使い(28)「遠く離れた二つの場所を繋ぐ扉よ。例えばあの遠くに見える見事な成層山とこの城の近くの場所が旅の扉で結ばれていたら時間を置かず一瞬で移動出来るわ」
神父「そんなものがこの近くのどこかにあるというのか?」
―――樹海奥……―――
破壊者RX「う~ん、あいつの事が気になったから追ってみたらいつの間にやら城下町からこんな樹海に来ちまったぜ」
試しに頭全滅させてみたが、やはりこうなるか
あんだけ周到にしたというのに
今回のはやり過ぎと分かってるから別にいいけど
だが直前レス全否定するくらいなら自分でスレ立て好きに書けといいたい
破壊者RXは半壊した悪忍者たちのアジトを発見した
破壊者RX「ウホッいい洞穴」
破壊者RXはそのアジトでひと休みする事にした
全裸で
破壊者「自由とはかくもすばらしい
あのクソ神父の顔も見なくていいし、なにより楽だ」
破壊者RX「うしっ俺ここで暮らそう
幸い食料にゃこと欠かさなそうだしな」
しまった、神父は前に一度“旅の扉”をくぐっていたや......ミスった......
―――英飛空艇一番艦……―――
神父「あの旅の扉、前に黒龍の洞窟で経験した事があるがあんなのものがこの城の近くにもあるのか?」
魔法使い(28)「そういう事だと思うわ」
神父「ふむ、それではその旅の扉をどうにかすればこのエネルギー探知機は使える様になるんだな?」
魔法使い(28)「えぇ、そうね」
神父「その旅の扉の場所は分るか?」
魔法使い(28)「それは分らないわ。この近くという事しか分ってないわ」
英海兵1「虱潰しに探すしかないのか」
英海兵3「俺達だけじゃ人手が足りないな、事情を話してこの国の人達に協力してもらうか?」
英海兵1「でもこんな旅の扉なんて話、信じて貰えるのか? 俺もちょっと半信半疑だし、それに皆さんお疲れじゃないのかな?」
神父「侍達に話して来よう。あの者達は私と同じく黒龍の洞窟で旅の扉を経験したからな。それにこれは結構重要な事だぞ、城の近くに謎の抜け道があるという事は」
英海兵3「ついでに破壊者もついでに探してもらいましょう。このエネルギー探知機はその旅の扉をどうにかするまで使えませんから」
英海兵1「確かにそうだな。しかし本来の目的が果たせないとは」
英海兵1,3「「我が国の新兵器はどこか抜けているなぁ」」
神父・公爵『それじゃあ、旅の扉を探しに行ってくる。』
英海兵1「昼までには英国に帰るんで、早く戻ってきてくださいね。」
公爵「おう、分かった、分かった。それじゃあ行ってくる。」
英海兵3「……本当に分かっているんだろうか…」
魔法使い(28)「心配だったら、私が彼らに付き添おうか?」
英海兵1「い、いいんですか!?」
魔法使い(28)「あなたたちに助けられた恩もあるしね。少しくらい恩を返しても罰は当たらないでしょ。」
英海兵3「それじゃあ、お言葉に甘えてよろしくお願いします。」
魔法使い(28)「この私に任せなさい。」
船長「しかし公爵様はつくづく初志貫徹出来ないお人だなぁ」
英海兵3「この前は今の植民地政策の廃止で今度は魔族討伐か」
英海兵1「確かにこの前のあの女王の植民地政策を取り止めさせ様として結局出来なかったんだよな」
英海兵3「あれだけ裏工作とかして頑張ったのに、最終的に皆 女王の事を恐れて公爵様に味方する人はいなくなったよな」
英海兵1「植民地でどんな事が行われているか実際に見てみれば公爵様の味方はちゃんといただろうにな。というか皆 裏では女王の事 好きじゃないだろ」
船長「そういえばこの前の、女王に大規模遠征軍の派遣計画を上奏した時に暗に女王の植民地政策について批判する様な事を言ったそうだ」
英海兵1,3「「まじでか?」」
英工兵「でも、今度の件は私に責任がありますよ...」
船長「そうか?」
英海兵1「お前は結構 頑張っているじゃないか」
英工兵「しかし、公爵様は火薬を温存しようとなさっていたのに私は火薬を使ってしまって、それで戦闘に支障をきたす前に何もなさぬ前に戻る事に...」
英海兵3「いいじゃないか。普段から何気なく使っている火薬がまさか貴重品になるなんて俺は予想出来無かったよ」
英海兵1「俺もこの和の国じゃ火薬の原料の硝石が産出しないなんて最近知ったしよ」
船長「それにここまで来る旅の途中の出費の影響もある。それはお前の責任じゃないぞ。元気を出してさあ仕事だ!」
英工兵「そうですか そうですね、では仕事に戻ります」
―――英国、女王の城―――
英国近衛兵1「女王様!メイドBから『今日、公爵とメイドあと和の国から使者を連れて英国に帰ってきます。その際公爵には弁明の余地を、和の国の使者には謁見の許可をください』と、言伝を受け取りました。」
女王「ほう、公爵に弁明の余地とな。フフフ、ハーハッハッハッハ!おもしろいならばメイドBに『良いだろう』と、伝えろ」
英国近衛兵1「はっ!」タッタッタッ
メイド長「………まさか、あの者が生きているだなんて思いもしませんでした。」
女王「言ったであろう。公爵はあれでもゴーレム錬成に関しては最強だと」
女王「メイド長、賭けは私の勝ちだな。ならば約束通り私は公爵を近衛部隊の隊長に任命する。」
メイド長「女王様は公爵を過大評価し過ぎです!あの男は何度もこの国の王の座を狙って女王様を陥れたではないですか!それにこの間あの男、国民に在りもしないデタラメを言いふらしてそれでも女王様は公爵を許すのですか!!」
女王「ああ、許す。何故ならアイツは勇気を持っているからな。」
メイド長「勇気?」
女王「ああ、勝てない事をわかっていてもなお戦うだなんて、勇気以外のなにものでもない。」
メイド長「しかし・・・」
女王「ハァー、お前は何年、私の親友をやっている。」
メイド長「えーっと、私が9つの時に女王様と出会いましたから、18年です。」
女王「ああそうだ。お前は18年も私の親友をしていて、私が公爵に負けると思っているのか?」
メイド長「い、いえ、そんな事はございません。」
女王「ふっ、ならば心配するな。私はそんな事では負けぬ。」
―――英飛空艇一番艦―――
英船医「先程の話ですが」
船長「おや船医殿、戻って来ましたか」
英船医「はい、ただ今戻りました。で、先程の植民地の話ですが、我が国ではその植民地政策の恩恵を受ける人が大勢いますから撤回させる事は無理でしょう」
英海兵1「そうですか?」
英船医「お茶は金持ちしか飲めない超高級品だったのがあの植民地政策のおかげで安価になり庶民でも飲めるようになりましたから」
英海兵3「そういえばチョコレートも超高級品だったのがカカオ豆と砂糖が植民地政策で安価になったんだよなぁ...」
船長「確かにこれで植民地政策を撤回したらお茶が飲めなくなりチョコが食えなくなるな」
英船医「そして人は自分に都合の良い事しか耳に入らず目に留まらないですからね」
船長「公爵様を信じる者は我が国において少ないという訳か......」
―――殿様の城……―――
公爵「さてと、効率よく探すためにまずは」キョロキョロ「どこ行ったかな? あ、いた お~い」
小性「はい! 何で御座いましょう」
公爵「殿様と話がしたいのだが」
小性「はい、分りました。殿の許へ案内いたします」
―――殿様の城 指揮所―――
バタバタ アーダコーダ バタバタ
小性「失礼します! 公爵殿をお連れいたしました!」
殿様「おぉ、公爵殿、何用かな?」
公爵「お忙しいところ失礼する。実はこの近くに離れた二つの場所を一瞬で移動出来る旅の扉なるものがあるそうなのだがご存知ですか?」
殿様「うん? その様なものの話は聞いた事が... そういえば黒龍の洞窟での報告で聞いたな。それがこの近くにあると?」
公爵「うむ、そうらしいのだが何か心当たりみたいなものは?」
殿様「無いな... 今、騒動の事後処理で周辺を見回らせている者達がいるからその者達に併せてその旅の扉を探させるとしよう」
公爵「あと、我々はいったん英国に帰国する事にしました」
殿様「おや? 和の国には着いたばかりでもう帰国するのですか?」
公爵「はい。そこで貴殿の部下の侍を私に貸してほしいのですが」
殿様「なに? 侍を?」
公爵「はい、代わりに我が国の新兵器“長射程砲”を何門かおいて行きます。あと、我々は本国で火薬を補給してこようと思いますから残っている火薬をある程度お渡しします」
殿様「新兵器“長射程砲”と火薬の貸与か... ふむ...、必ず還って来るのでしょうな?」
公爵「はい、必ず。あ、あとこの旨を一筆 書いて貰えますか?」
殿様「わかった。えーっと、ここに書けばいいのか?」
公爵「はい」
神父「しかし、旅の扉は一体どこにあるのだ」
公爵「うーむ……」
小姓「………あっ!そういえば町のはずれにある神社に旅の扉なのか分かりませんが。何やら怪しげな扉が見つかったなどと兵が言っておりました」
公爵「ほう、それは良い情報を頂いた。それでは神父行くぞ!」ダッ
町外れの神社
兵1「しかし変な扉だな」
兵2「そうだな、変だな」
兵1「どうするコレ」
兵2「俺に聞くなよ」
兵1「おまえ以外聞く相手がいねーんだからしょうがねーだろが」
兵2「おいおいもう一人いるだろバカか」
魔道化「そーだそーだ」
兵1「えっ」
兵2「えっ」
魔道化「えっ」
魔道化「自己紹介すると僕は旅の者で樹海を探検していたらこの扉を見付けて何処に通じているのかなぁ?っと試してみたらここに出たって訳。ここは何処かな?」ニコニコ
兵1,2「「ち、血塗れで変な格好した人が笑いながら話し掛けて来たぁ~!?!」」
魔道化「え?!」
兵1,2「「逃げろー!!」」ダダダダダダ…………
魔道化「……そういえば誰もいない樹海で気をつけてなかったけど、返り血を浴びたままだっけ。いったん戻ってからこの旅の扉の繋がっている場所を確認するかな……」
―――江戸、城下町―――
魔法使い「でもさぁ、飛空艇でその人を迎えに行って戻って来る訳でしょ? その人が何処に居るのか知らないけど飛空艇ならあっという間でまた飛空艇を降りる訳で、眠い」
小者「乗って、行って、戻って、降りる。それだったら私達は元から乗らない方がゆっくり休めますよ」
侍「この町には自分家があるしな、久しぶりに自宅で休みたいな」
メイドB「ええと、だから、 お願い! とにかく乗って!」
公爵「おや? 侍殿ではないか」
侍「おや公爵殿、それにいったん別行動をとった神父殿」
公爵「侍殿、飛空艇に乗ってもらえるか? 貴殿の主からお墨付きも貰って来たぞ」
侍「我が主君から? 分りました、乗りましょう」
小者「はぁ仕方ないですね、じゃ私もついて行きますね」
メイドB「ちょっとその話しをあっさり信じちゃっていいのかよ!?」
侍「公爵殿はそんな嘘吐かないと思うからな」
小者「それに私はこの人に仕えてますから着いて行きます」
公爵「そうか、信じてくれて嬉しいぞ」
英海兵2「うんうん、公爵様はそういう人だからね」
公爵「あ、そうだ海兵、飛空艇に戻ったら長射程砲を何門か外して残っている火薬を何割か置いて行く様に言ってくれ」
英海兵2「了解しました!」
メイドB「あと、あんたは問答無用で乗るんだよ」
メイド「へーい」
英海兵1「ところで公爵様」
公爵「ん?何だ?」
英海兵1「公爵様と一緒に破壊者探しに出掛けられた神父さんと魔法使い(28)さんはどうしたんですか?」
公爵「あいつらは破壊者を気絶させて、今、破壊者を運びながら飛空艇に向かっている状態だ。ちなみに私は破壊者の運搬がめんどくさくなったのでダッシュで帰ってきた」
―――殿様の城 英飛空艇一番艦―――
英海兵3「あ、メイド達が来ましたよ」
公爵「よし、侍達が乗ったらすぐ出発だ」
英海兵1「あれ? 神父さん達は?」
公爵「今回の英国帰りに彼らを連れて行く理由は特に無いだろう、おいて行く」
侍・小者・メイド「「「ふはぁ、眠い」」」
メイドB「分かった分かった、すぐに寝室に案内させるから。おい海兵!」
英海兵2「りょーかい。でも自分は先ずは公爵様から預かった言付けで長射程砲と火薬を降ろす作業を伝えるから」
英海兵1,3「「うん? 長射程砲と火薬を降ろす?」」
公爵「 おっと、伝え忘れていたな、すぐに作業に取り掛かってくれ」
英海兵1,3「「了解しました」」
英海兵1「(早めに言ってくれよ、あの大砲は長ッパナで移動させるのに時間がかかるのに......)」
英海兵3「(きっと公爵様も疲れてらっしゃるのだろう。うっかりしちゃったんだろうさ)」
公爵「早くしてね」
英工兵「あ、私も手伝いますよ、自分の仕事は一段落ついたので」
公爵「それじゃあ俺は部屋に戻って寝r」
魔法使い(28)「待たんかいゴラァァァ!!」
公爵「げえっ」
魔法使い(28)「公爵、あの巨人の相手を私たちに押し付けてよくも一人で逃げてくれたわね。」
公爵「い、いや、あ、あれはえーっと・・・」
魔法使い(28)「・・・それでアナタたち英国に行くのね?」
侍「ああ、英国の女王と話をする為にな」
魔法使い(28)「なら、ついでに私を黒龍の洞窟まで送ってくれない」
メイドB「まあ黒龍の洞窟に寄るつもりだったから別にいいけど、あんな瓦礫の山に何のようだ?」
魔法使い(28)「いやー、ちょっと私のツレを探しに」
ドスン! ドスン! ドスン! ドッスーーン!!
神父「ハァ・・・ハァ・・・お、重かった・・・」
メイド「あっ神父」
魔法使い(28)「神父くん、お疲れさま」
神父「ハァ・・・ハァ・・・皆さん、公爵は・・・今どこに・・・居ますか?」
英海兵1「ああ、公爵様は、今、侍さんのうしろに・・・」
公爵「ちょ、おま、バカ!教えるな!」
神父「公爵、今からお前の罪を数えろ!!ぜぇ・・・ぜぇ・・・行け!破壊者RX!!」
破壊者RX「何で俺が戦わないt」神父「いいから行け!」
破壊者RX「いや、でも、今、俺、そこの魔法使いのババアの魔法の力で麻痺状態になって体が動けないし」
魔法使い(28)「誰がババアだ!!」
公爵「動けないならお前なんて全然恐くも何とも無いわ。ぶわはははは!!」
神父「誰か麻痺薬を持ってないか?」
商人「なんでもなおしならあるよ」神父「ならそれをもらう」商人「五百ゴールドになります」神父「金を取るのか・・・はい五百ゴールド」商人「毎度あり」
公爵(・・・・・公爵ピーンチッ!!」)
破壊者RX「完・全・復・活!」
公爵「やべぇよ・・・やべぇよ・・・」
破壊者RX「この俺のおいなりさんを見てくれ、どう思う?」
公爵「すごく・・・大きいです・・・」
魔法使い(28)「なにさらしとんじゃこのアホがーーー!」ドロップキック
破壊者RX「シンドラァッ」
魔法使い(28)「このは全年齢対象よ!!」
神父「」ヒュン
小者「しかしメイドBさん酷いですね、飛空艇でちょっとそこまでみたいな感じだと思ったら英国くんだりまで連れて行くつもりなんですからね」
メイドB「う、というか私は英国まで行くとは言ってないぞ? 何で知っているんだ?」
侍「公爵殿から受け取った殿からの書状にしっかり書いてあるぞ」
メイドB「いつの間に公爵から受け取ったんだ!? ちょっと公爵!?」
公爵「 あ、え、え~と」
侍「さっき江戸の城下町で公爵殿達と別れる時に公爵殿から“これは貴殿の主君から貴殿に宛てた書状だ、貴殿に渡すぞ”と言って渡された。内容を確認して知ったんだ」
公爵「う、うんうんそうそう。さぁ皆揃った事だしとっとと大砲と火薬を全部降ろしましょう!」
英兵達『了解』
英海兵1「(全部降ろすとなると結構な手間だなぁ)」
英工兵「(でもまぁその分だけ船が軽くなって速くなりますから良いじゃないですか)」
英海兵2(あれ? 全部降ろすんだったっけ? 何門かとある程度の量の火薬を残しておくんじゃなかったっけ?)「ふぁ~、あ、眠いや」
侍(そういえば、公爵殿は江戸の城下町で別れた後、いつの間に俺達より先に飛空艇に来たんだ? 俺達は真っすぐここに向かったのに......)「う~ん」コクリ「あ、俺も眠いや」
メイドB「あ、ほらほら、とっとと寝室に案内しな。そしてお前も休憩しちまっていいよ」
英海兵2「はい、そうさせてもらいやす」
小者「まったく、行くとは一言も言ってない人を騙す様にして遠くの異国に連れて行こうだなんて」ブツブツ……
あれ? >>295でメイドB和の国の使者を連れてくるって言ってなかったけ
侍「何だ?お前は行きたくなかったのか?」
小者「い、いえ、行きたくなかったというわけじゃなくて・・・」
侍「なら、一緒に行こうぜ」
小者「・・・はぁー、ホントに侍さんって時々楽観的にものを考えますよね」
侍「はははは」
小者「全く・・・」
―――――――――
神父「ふんっ!」グイッ
公爵「あいたたたた、ちょ、ギブ、マジギブ、逃げたこと謝るから、やめ、ぎゃあああああ」 ゴキゴキゴキッ
魔法使い(28)「いいぞーやれやれ!」
英海兵「神父さんも公爵様もがんばれー」
魔法使い「うわぁ・・・」
忍者「ちょ、魔法使い殿、見ちゃダメでござるよ」
騎士「そうだ。これは未成年が見るものではない」
英海兵2「いいぞ神父!そのまま殺っちまえ!」
英海兵3「ちょ、先輩」
メイド「・・・バカばっか」
メイドB「・・・そうだな」
>>309
う、言葉足らずだったかな......すみません>>308の一部訂正です
メイドB「う、というか私は英国まで行くとは言ってないぞ? 何で知っているんだ?」
↓
メイドB「う、というか私はお前達に英国まで行くとは言ってないぞ? 何であんたは英国に行くって知っているんだ?」
重ねてすみません
英海兵2「手緩いぞー! もっとガンガン攻めろー!」
英海兵3「ひょっとしてこの人は眠いと性格が変わるのか?」
英海兵1「そうだな、とっとと寝室に行く様に」
上忍「頭領」
忍者「おう、何でゴザルか?」
上忍「見送りに来ました。あと下忍を見ませんでしたか?」
忍者「いや、見てはいないでゴザルよ? いなくなったのでゴザルか?」
上忍「はい、連絡も取れず心配です......」
侍「ところで」
メイドB「なんだよ?」
侍「今度から俺達を何かしらの事に協力させようというのであれば事前にちゃんと話をして欲しいな」
メイドB「……悪かったよ、事前にちゃんと話をしなくて。でも話さなくてもだいたい分かるだろ!?」
侍「いやいや、そんな事言って話さなかったら誤解されるだろ?」
メイドB「フンッ 誤解せずに分かれ!」
侍「あ、殿! それに家老殿!」
殿様「見送りに来た。道中無事でな」
家老「なるべく早く帰って来るのだぞ。魔王軍は損害を出しているとはいえ優勢なのには変わりないからな」
侍「はっ! 承知!」
殿様「それから公爵殿、長射程砲と火薬、ただ置いておくだけじゃもったいないからな、ありがたく有益に利用させてもらう」
公爵「は、はい」
殿様(? ズタボロでどうしたんだ?)
英工兵「ふぅ、全部降ろし終わったー!」
船長「よーし! 見送りの人は離れていて下さい! 飛空艇 発進だ! 野郎共!」
英兵一同『おおー!!』
――――二時間後...
――黒龍の洞窟――
メイドA「遅いです!迎えに来るのに何で何時間も掛かるんですか!このバカ野郎共です!」
メイドB「うっせー!これでも私は早く迎えに来たつもりだっつーの!」
メイドA「へっ、公爵を殺せなかった雑魚が言い訳をするんじゃねーですよ」
メイドB「何だとゴラァァァァ!」
魔法使い(28)「ははは、元気が良いわね」
メイド「元気?バカの間違いじゃないでしょうか?」
魔法使い(28)「私も昔、仲間とよく討論したわ。懐かしいなー」
メイドB「おいお前、さっきから偉そうな事を言っているけど、お前はちゃんと目的を果たせたのか?」
メイドA「ふふふーん、実は今回伝説の担い手を二人確保しました」
魔法使い(28)(えっ!?伝説の担い手だって!?)
メイドB「ちょ、マジで!?伝説の担い手って未熟な奴でも捕まえるのが大変なのに、それをお前が二人捕まえたのかよ」
メイドA「疑うならそこの樽の中を見てみなさいよ」
メイドB「あっ、本当に入ってる」
メイドA「ちゃんと生け捕りにしたですよ」
メイドA「……でも、あのヒーローっていう奴、生け捕りが難しかったなぁ」
魔法使い(28)「!?」
メイド「ん?魔法使いさん、どうかしました?」
魔法使い(28)「ね、ねえメイドちゃん」
メイド「何ですか?」
魔法使い(28)「私もやっぱり侍さん達と一緒に英国に行くわ。いいわよね」
メイド「は、はい」
メイド(・・・・江戸では行かないって言ってたのに黒龍の洞窟についたとたんに行くって言って、どんな心境変化だろう・・・)
メイド(あと魔法使い(28)さんのツレさんはほっといていいのだろうか・・・)
メイドB「それで、生け捕りが難しかったっていうそのヒーローって奴はどんな戦い方でお前を翻弄したんだ?」
メイドA「いや、倒したのが不意打ちだったんでよく分からなかったです。ただ生かして倒すのが難しかったってことですよ」
メイドB「つまり雑魚だったって事か」
樽「・・・・」ガタッ
メイドA「雑魚なのかは分かりませんけど、あれくらいの不意打ちで倒されるだなんて伝説の担い手も弱いものです。どうして英国はそいつらを集めているのか不思議なくらいです」
樽「・・・・・・・」ガタガタッ
メイドA「しかし、あんな程度で英雄(ヒーロー)気取りだなんてお笑い草ですね」
樽「」ガタガタガタ バキッ!
メイドA・B「!?」
ヒーロー「誰が雑魚じゃーーー!」
ヒーロー「って 服を着て無い!?」
英海兵1,2,3(良かった、自分以外にもメイドAが服を着て無いと認識している人が居て)
公爵(やはり馬鹿には見えない服を着ているんだな、誰も指摘しなかったからな)
メイドA「あっ! 忘れてた!」
一同『ええ~!?』
メイドB「まぁお前はそういう奴だよな」
メイドA「なにおう! そういう貴方は魔族達と一緒に行動してどういうつもりですか!?」
メイドB「いや、魔族なんてここには一人もいないぞ? また勘違いしているのか?」
ヒーロー「とにかく、今からお前倒す!」
メイドA「どうでもいいです」ドスッ
ヒーロー「がはっ」ドサァ
メイドA「心配要らないです。峰打ちです。」
メイドA「さあそれじゃあ、さっさと英国に帰りますよ」
メイドB「それより先にお前は服を着ろ」
メイドA「いいんです」
メイドB「なんでだよ」
メイドA「だんだん気持ちよくなってきましたから」ハァハァ
メイドB「よしわかった。英国帰ったら真っ先に警察に引き渡すからな」
メイドA「構いません」
メイドB「(こいつ・・・なんて言い目をしてるんだ・・・)」
魔法使い「ふわ~、アンタたち、さっきからうるさいわyは、裸!?」
小者「ちょ、ちょっとそこの貴女!服を着なさい!服を!」
メイドA「いや実は服を着たくても、私に合った服が無くて困っているんですよ。ハァー、メイドBは本当に胸が小さくて良かったですね」ムスッ
メイドB「おい、それは私に喧嘩を売っているのか?」
侍「ふわー、おい、さっきからうるさいぞ。って裸!?」
小者「きゃあああああああ!」メツブシー
侍「ぎゃあああああ!!!目がぁぁぁああああ!!!」
侍「何で俺の目を攻撃した!」
小者「いや、だって、目潰しをしなかったら侍さん裸を見続けるでしょう」
侍「まあ見続けるけど・・・でも、他のやり方もあるじゃん!例えば腹パンで気絶させるとか」
小者「ああ、その手がありましたか」
侍「えっ・・・」ドスッ
侍「ぐふっ!」
メイドA「魔族が仲間割れやってますですね」
メイドB「だから違うって、和の国の人達で魔族じゃねーよ」
英海兵2「(で、何で誰も服着て無いって指摘しなかったんだよ?)」
英海兵1「(お前も指摘しなかっただろ?)」
英海兵3「(誰も指摘しないとそういうもんだと思っちゃうよなぁ)」
英海兵1「(他にもメイドが変態ぽかったという事もあったしな)」
メイド「そこ!! 何か言いましたか!?」
小者「とりあえず貴方、私が持ってるこの替えの着物をどうぞ」
魔法使い「あ、それは侍さんの着替えじゃないの?」
小者「う、う~ん、この際仕方ないと思うので......」
公爵「とにかくとっとと英国行こうよ」
船長「そうですね」
メイドA「む、胸の辺りがキツイ…本当に胸が小さい人は羨ましい」
メイドB「おいウシ乳、それは私に対する嫌味か!」
メイドA「違いますよ。私は純粋に羨ましいと思っただけで…」
侍「…なあ、喧嘩しているところで悪いんだが、メイドAさんに聞きたいことがある」
メイドA「えっ何ですか?」
侍「そこに倒れている男の人は誰だ?」
メイド・A・B「(あっ、(ヒーローを)片づけるの忘れてた」
ヒーロー「う・・・」
侍「あ、起きt」
メイドA「英海兵バット!」ガツン
ヒーロー「グフッ」バタッ
英海兵1「アッガイッ」バタッ
メイドB「どうやら二度寝したみたいだな」
侍「なぁ今物理的に眠らせたよね」
メイド「ハハハ、サアナンノコトヤラ」
魔法使い「驚きの白々しさ」
侍「それで、その人は本当に誰何だ?」
メイドA「えっと……メイドBの抱き枕です」
メイドB「ちょ、おま!」
侍「抱き枕ァ?」
メイドA「そうです。抱き枕です」
小者「いや、さすがにその言い訳は無理があるでしょう。ねぇ侍さん」
侍「・・・そうか、抱き枕なのか・・・」
小者「えっ?」
小者「ちょっと侍さん、信じるんですか?この話」
侍「ああ、取り敢えず信じてみる事にした」
魔法使い「取り敢えずって・・・」
侍「しょうがないだろ、ここは飛空艇の中。変な誤解を産んで俺たちが落とされても困る
それに、今は仲間だ。信じない理由があるか?」
小者「そうですか、で、本音は?」
侍「関わるとめんどくさそうだったのでそのままにすることにした」
騎士「それでいいのかお前は」
侍「いいんだ。丸く収まるから」
魔法使い(28)「丸く収まるからって……」
侍「ははははは、ん?あれ、魔法使い(28)さん。あなた確かツレを探す為に黒龍の洞窟で降りるんじゃなかったっけ?」
魔法使い(28)「あ、あーあ、え、えっと………わ、私も英国を見てみたいと思ったのよ!」
忍者「つまり、ツレを見捨てたと言う事でござるか…」
魔法使い(28)「見捨てたわけじゃないわよ!」(つーか今、そのツレを助けるために英国に向かっているんだけどね。樽詰めにされていたツレ(ヒーロー)を助けるために………)
魔法使い「まあ、おばさんがツレじゃなく英国を取った気持ちはよく分かるわ。だって英国って全魔法使いが憧れる所だもん」
魔法使い(28)「うん、そうね……って誰がおばさんだ!」
ドッカーン!
小者「!?」
侍「なんだこの爆撃音!?」
メイド「まさか、メイドB。あなたの仕業じゃないでしょうね」
メイドB「断じて違う!私ならもっとかっこよく爆発させる!」
魔法使い「……爆発にかっこいいとかあるの?」
ピーンポーンパーンポーン
アナウンス『緊急!緊急!魔族が飛空艇を攻めてきました。乗員は全員ブリッジに集まってください』
騎士「何、魔族だと!?」
忍者「魔族め、『ひのきのぼう』を狙ってここまで追ってくるとは…」
メイド「まあ、まずはブリッジに行きましょう」
―――飛空艇、ブリッジ―――
ダダダダダッ ガチャ
公爵「魔族が現れたというのは本当か!?」
英海兵4「はい、どうやら野生魔族の群れに遭遇したみたいです」
公爵「野生魔族か…面倒くさい奴らに遭遇してしまったな……それで飛空艇の損害状況は?」
英海兵4「左翼の大部分が損傷しました」
公爵「そうか……そうだ!大砲だ!長射程砲を使え!」
英海兵3「無理っす」
公爵「えっ?」
英海兵3「だから和の国に全部置いてきましたから、長射程砲とか使えません」
公爵「…………マジで」
英海兵's『…………マジです』
公爵「ちっくしよーーーー!」
英海兵1「公爵様が壊れた!」
ガーゴイル×3が現れた!
ガーゴイルs「クケェーッ」
公爵「どーするよコレ!どーなるのコレ!?」
英海兵3「しらねーよ!だいたいアンタがかっこつけて和の国に大砲置いてきたのが悪いんだろーが!!」
公爵「うっせーバカ!」
英海兵4「バカって言う方がバカだバーカ!」
公爵「おまえの方がバーカ!」
魔法使い「もう終わったよ」
公爵&英海兵s「「「え?」」」
ゴイルs「」
侍「弱かったな・・・こいつら本当に魔族か?」
公爵「弱かったということは、おそらく奴等は餓死寸前だったということだろう。野生魔族が簡単に倒されるだなんてあり得ないことだからな」
魔法使い「何、それってつまり私たちがって言いたいの?」
>>335
ミス
侍「弱かったな・・・こいつら本当に魔族か?」
公爵「弱かったということは、おそらく奴等は餓死寸前だったということだろう。野生魔族が簡単に倒されるだなんてあり得ないことだからな」
魔法使い「アンタ、私たちは野生魔族が餓死寸前じゃなかったら勝てなかったって言いたいわけ」
公爵「ああ、そうだ」
魔法使い「」イラッ
公爵「野生魔族は英国の王宮騎士団でも勝てなかった相手だからな。お前たちがまともに戦って勝てる相手なわけが無い」
忍者「…ふっ、公爵殿。我々が魔将軍を倒した事を忘れては困るでござるな。魔将軍を倒した我々が魔族の雑魚に負けるはずが…」
ガーゴイル1「…ぐっ、グッゲェェエエエエ!!!!」
公爵「!?」
騎士「何、こいつまだ生きていたのか!?」
公爵「おい!早くコイツを殺せ!」
メイド「はーい」ゴシャ
ガーゴイル1「グ、グギャ…」バタン
魔法使い「はぁーびっくりした」
公爵「…ヤバイ、まずいことになった…」
侍「まずいことだと?」
公爵「ああ、奴ら仲間を呼びやがった…このままだと、この付近にいる野生魔族が一斉にこの飛空艇にやって来る」
公爵「しかたない、倉庫からアレをもってこい」
英海兵2「ハッ」
侍「アレ?」
公爵「もしもの時の保険に女王より賜った透明化の魔法が書かれた本だ」
騎士「そんなんあるなら最初から使えばよかっただろ」
公爵「無理だ。こいつは莫大な量の魔力を使う上、効果は約10分。
つまり正真正銘最後の切り札だ」
英海兵2「公爵様!魔導書をお持ちしました!」
公爵「うむ、ご苦労。」
公爵「よし、今から飛空艇に透明化の魔法をかける。が、実を言うと私はゴーレムを作るのは得意だが、こういう系の魔法は苦手なのだ…だから、失敗しても許せ!」
侍「ちょ、おま…」
公爵「うおおおおおおおお!!!魔法『ステルス』!」ピロリロリン!
乗員一同『やめろぉぉぉぉぉおおおおお!!!――――――』
―――……その後、なんやかんやあって英国に無事辿り着きました。by小者
公爵「いやぁ・・・何事もなくてよかったなぁ・・・」
侍「俺たちの状態を見てから言ってもらおうか」
メイド「あの透明化の魔法も失敗して飛空挺と私たちの服だけ消えましたからねぇ・・・」
小者「男どもを眠らすのに何回腹パンしたことやら」
メイドA「呼ばれた野生の魔物たち、キョトンとしてましたね」
英海兵1「なぁ、お前たち生きてるか・・・?」
英海兵2「なんとか・・・」
英海兵3「あのパンチ世界ねらえるだろ・・・」
英海兵4「」
―――英国上空―――
英海兵1「しかし野生魔族って言い方、微妙だったな。ノラモンスターとか別の言い方がすぐ出て来ると思うんだがなぁ」
英海兵4「う~ぅ、そんなに深くつっこまないで下さい。 おや? 遠くの方に何か居る様な? う~ん、気の所為か......」
―――英飛空艇三番艦―――
英観測兵「メイド長殿! “エネルギー探知機”に反応を捕らえました!」
メイド長「公爵でしょうね?」
英観測兵「かなり距離があり、探知機の反応は不鮮明ですが、複数の人間の反応です。あ、更に破壊者っぽい反応もありますね、公爵の飛空艇一番艦に間違いないかと!」
メイド長「ふむ、もっと英国から離れた所で始末を付けたかったけどしょうがないわね...... 長射程砲用意! 目標は飛空艇一番艦!!」
英砲兵「宜しいのですか?」
メイド長「やりなさい! 英国の為に必要な事よ!」
メイド長(公爵! 私は貴方の事を認める事は出来ないわ。貴方を認めたら私は... ...だから、始末させてもらうわ!)
―――英飛空艇一番艦―――
船長「振り返ってみれば帰って来るの早かったな......」
英工兵「殆んど何も成さずに帰って来ましたね......」
侍「とにかく遂に来たんだな、英国に......」
公爵「ん?何かが飛んで、ぐげぇ」
侍「はっ!公爵が死んだ!」
公爵を除くみんな『この人でなし!(笑)』
公爵「・・・・ま、まだ生きているから・・・」
メイド「まあ公爵が生きているとかは措いといて、この大砲の玉はどこから飛んできたんでしょう?」
艇長「えーっと、方角から見てこの玉は英国から飛んできたみたいですね。その証拠にこの玉、女王城の騎士団が使っている玉ですし」
メイド「あっ、本当だ」
小者「えーっと、それってつまり私たち英国の攻撃対象って事ですか?」
メイドB「・・・まあ正確に言うと、攻撃対象は私たちじゃなくて公爵だけどな。だから私たちは安全・・・と思う」
ひゅーーー
魔法使い「また来た!」
公爵「くっ・・・仕方無い!魔力も残り少ないがゴーレムを・・・」
魔法使い(28)「公爵バット!!」ブンッ
公爵「ゲルググッ」ゴフッ
魔法使い(28)「ふぅ・・・何とか防いだわね・・・」
公爵以外の英国組「「「グッジョブ」」」グッ
騎士「私も今度侍で試してみるか」
侍「やめてくださいしんでしまいます」
英船医「さてと、仕事しますか。 大丈夫ですか?」
公爵「だ、大丈夫じゃない、あ、いや、やっぱ大丈夫、大丈夫だから診察しなくて良いぞ」
英船医「そうですか、あまり無理しないで下さいね」
―――英飛空艇三番艦―――
メイド長「……砲撃は命中している様なのに被害を与えている様には見えませんが? おまけに二発目は跳ねかえった様に見えましたが......」
英砲兵「それはきっと長射程砲の砲弾が軽い所為でしょう」
メイド長「え?」
英砲兵「長射程砲は従来の大砲の2倍以上の射程距離を誇りますが、その分 砲弾が小さくて軽いんですよ。だから命中しても然したるダメージは与えられません」
メイド長「......もしかして役立たずですか?」
英砲兵「長距離だと駄目ですね。しかし長射程砲は長ッパナの分 初速が良いから近距離だと例え相手が分厚い装甲板でも打ち抜く事が出来たりします」
メイド長「......“長射程砲”って名前なのよね?」
英砲兵「正式には“カルバリン砲(蛇の様な砲)”って名前です。遠距離より近距離で真の破壊力を発揮する砲です」
英砲兵「でもまぁ元々は長射程で敵をアウトレンジから叩く為に開発された砲なんですがね......」
メイド長「そうなの... ...よし、それなら接近します! 近距離砲戦で今度こそ敵を始末します!」
英兵達『了解』
メイドC「メイド長、何か騒がしいっすけど何かあったんっすか!?」
メイド長「あら、メイドC心配いりませんよ。今ゴキブリ(公爵)を駆除しているだけですから」
ピー ピー ピー メイド兵1「メイド長、メイドBからの通信です」
メイド長「メイドBからの?…通信を繋いでください」
メイドB『ザー…こちらメイドB、直ちに攻撃をやめてください』
メイド長「攻撃?いや私あなた達に攻撃はしてないんだけど…あっ、もしかしてあなた達、ゴキブリ、もとい公爵の飛空艇に乗っているの?」
メイドB『…はい』
メイド長「それじゃあ仕方がないですね。攻撃を中止にしましょう。
メイドB『本当ですか!?』
メイド長「本当です」
メイドB『よかったー』
メイド長「それとメイドB、公爵にそのうち殺すって伝えといてください」
メイドB『は、はい…』
公爵「どうだったか?」
メイドB「そのうち殺す」
公爵「えっオレそんなにお前に恨まれることした?」
メイドB「そんなことより攻撃やめてくれるって」
公爵「あれこの子人の命に関することをそんなことって言ったよ」
メイド「じゃあ公爵がいつ殺されるか賭けましょうよ」
英海兵1「うーん、一ヶ月かな?」
英海兵2「いやいや、せいぜい三週間が関の山でしょ」
英海兵3「意外に持って一年」
英海兵4「じゃあ・・・半年」
メイド「私は十日ぐらいかなー」
メイドA「私は明日あたりで」
公爵「なんなのこの扱い」
―――英国、港―――
侍「ここが英国か…」
小者「なんか見たことのない建造物がいっぱい在りますよ」
魔法使い「ねぇ、私、この街を観光したい」
商人「賛成!」
侍「駄目だ。まずは女王の城で女王と対談だ」
魔法使い「えぇ~」
商人「そんなん後でええやん」ブーブー
―――魔兵士、足軽達一行……―――
足軽「やっと国に帰り着きましたね!」
足軽頭「おう! 懐かしの我が祖国よ!」
魔兵士「ふぅ、やっとかぁ。私にとっては第二の祖国ですね」
足軽「そういやあんたはこの世界じゃない、異世界から来たんだったよな? 異世界はどんな所なんだ?」
魔兵士「そうですね、異世界は」
狗頭人「ハッハッハッ」
一同『!?』
警備兵「お~い! 急に駆けだしてどうした? あ、貴方方は黒龍の洞窟で行方知れずになっていた足軽頭達では御座いませんか!?」
足軽頭「お、おう、そういうお前は見回りの兵士だな、いつも見回り御苦労。で、聞きたいんだがこいつは......?」
狗頭人「ハッハッハッ」
警備兵「こいつは新入りです。なんでも参謀殿の手配でこういう人(?)達が結構な数 補充要員としてあっちこっちに配置されてます」
足軽頭「そうなのか... ...我が祖国の軍は様変わりするな......」
警備兵「あと、町も“煉瓦”ってやつで作られた建物が出来て来てますよ」
足軽頭「そうか、町も変わって来ているのか......」
―――魔王城、会議室―――
参謀「ふむ、コボルト・ゴブリン・リザードマン・オーク・トロール、他にも合わせて兵力はかなりの数になったな」
魔将軍「あの亜人達、ちゃんとした戦力として数えて良いのか?」
参謀「ちゃんと訓練で槍を振るう事が出来るし、弓を射る事だって出来るさ。頭の良い個体はコミニュケーション能力があるしな」
魔将軍「確かにそうなんだがなぁ......」
魔ドクター「大丈夫じゃ。質が高めの装備の用意を整えつつある。ちゃあんと戦力として格好が付くわい」
魔将軍「本当か? どこからそんな質の高い装備をあれだけ増えた数の分 揃えたんだ?」
参謀「それは魔法を使ったんだよ」
魔将軍「魔法で?」
参謀「砂鉄はぶっちゃけ何処ででも採れる。鉄をたくさん得るのに必要なのは大量の燃料な訳だが、それを魔法で補っているという訳さ」
魔将軍「成程、それで装備は問題無いという訳か」
参謀「更に時間をかければもっと異世界から更に増員出来る。だが、今の戦力でも充分に我が勢力の版図を拡大出来る」
魔将軍「ふむ... ...良し、ならばどこかと戦をしてみよう。我が軍の実力がどの程度か分かるし、いまだに我が軍は健在だと喧伝出来るしな」
参謀「そうだな、いくらでも補充が出来る状態だし、亜人達を使い捨ての駒にして構わないしな」
魔将軍「ふん、王道を解さぬやつよ、兵士は駒では無く手足だろうが」
魔道化「ぶっちゃけ脳筋の君が言ってもねー」ヒョコ
魔将軍「貴様どこほっつき歩いてた。会議があると言ってあっただろうが」
魔道化「お花摘みに行ってましたがなにか」
魔ドクター「緊張感のない奴じゃな。お菓子好きかい?」
魔道化「うん!大好きさっ!」
参謀「あなたも大概ですよ。ところで魔将軍さん、お菓子好きかい?」
魔将軍「うんっ大好き・・・ってなにやらすんじゃこら」
魔道化魔ドクター参謀「「「ヘーイwwwヘーイwwwwwwwwww」」」
魔将軍「・・・転職したい・・・」
―――英国、女王城―――
メイド長「お侍さん御一行様、和の国からようこそおいで下さいました。そこの俗物もとい公爵を斬り捨ててお入りください」
公爵「ちょ、俗物って、ちょっと酷くない」
メイド長「酷い?何を言ってるんですか?俗物はあなたの二つ名じゃないですか。このクソ虫が!」
公爵「ちょっとぉ!今さっき二つ名が一つ増えt」ドゴァ!
メイド長「もう喋らないでください、クソ虫」
公爵(り、理不尽だぁ!)
メイド長「そうそう、伝説の担い手を二人も確保したそうですね、その者達は?」
メイドA「はい! ここに御座いま... ...あれ? 樽が一つしかありませんけどもう一つの樽は?」
英海兵1「え? 自分は樽を一つ運ぶ様に言われただけだが?」
メイドA「もう一人、あなたに運ぶ様に言いましたですが?」
英海兵2「え? 自分はそんなこと頼まれてないよ?」
メイドA「えっ!?」
…………………………
英海兵2?(ふっふっふっ あの公爵を見てて思い付きましたが上手くいったわね。よいしょっと)ドロンッ
英海兵2?改め魔法使い(28)(あとはこの樽の中のヒーロー君に事情を説明して変装させて、何食わぬ顔で皆と合流すれば万事OKね)
―――魔王城城下町、足軽頭家―――
ワイワイ ガヤガヤ
弓頭「よう、よく帰って来たな」
足軽頭「おう、あとで報告に行こうと思ってたが、わざわざここに足を運んで来てくれるとは」
弓頭「疲れてるだろうと思ってな。あと、帰って来て早々悪いがまた戦があるそうだと言う事も伝えておこうと思ってな」
足軽一同『えぇっ!?』
>>352
足軽頭たちって確か人間だろ
魔界に家を持っているのはおかしいだろ
―――英国、女王城―――
メイドA「くっそ、折角二人も捕まえれたのに…」
メイド長「伝説の担い手を一人生きたまま捕まえること自体、奇跡の様なことなんですから気にする必要はないですよ」ニコッ
メイドA「で、でも、こいつは英国の情報が無かったら捕まえれなかったし…」
メイド長「英国の情報のおかげでも、捕まえたのはあなたです。だから胸を張って喜びなさい」
メイドA「メイド長…」
メイド長「メイドA今回はよくやりました」ナデナデ
メイドA(…や、やべーです。興奮のあまり鼻血が出そうです)
メイド長「さて、メイド兵たち、そこの樽を地下の研究室に持って行って」
メイド兵1「了解しました!」
―――魔王城城下町、足軽頭家―――
新参魔者「オイオイオイ! なーんで人間風情がここに家を構えているんだ!?」
足軽頭「うん? 何だお前は?」
新参魔者「ここは俺達魔族の国だろ? 何で人間が居るんだよ!?」
足軽頭「俺は七代前からここに住んでるよ」
弓頭「あと、この国は魔族の国じゃなく、元はただの和の国の一領地でこの世界の住人が暮らしてて、そこに異世界人が移民してきただけじゃないか」
新参魔者「な、なにおう! この国は魔王様が治めているんだから俺ら魔族の国じゃないか!」
弓頭「いやいや、魔王様は元々この和の国の一領地を治める大名の跡取りで、この世界の人で魔族ではないぞ」
新参魔者「えっ!?」
足軽「確か魔王って称号だとか位みたいなものなんだっけ?」
弓頭「そうだ。そして大名の跡取りなのにどっか旅に出た後に先代が亡くなり主君不在。で、他国に攻め込まれた時に帰って来ると。異世界人達と一緒に」
魔兵士「う~ん、その辺の話は黒龍の洞窟での記憶が思い出されるなぁ......」
足軽「というかこの辺の話を知らないってどういう事なんだ?」
足軽頭「おっ? もしかしてお前はこの国の奴じゃねぇって事で他国の間諜か?」
弓頭「そうだな、素破の類だろうな。切り捨ててやろう」チャキッ
新参魔者「あ、いえ、自分は最近きたばかりで、ぜんぜんそういった事は知りませんでした、すいませんでした」
新参魔者「ホントにすみません、そして死んでください」
弓頭「お前はいったい何を言っt・・・」グシャ
足軽頭「弓頭ーッ!」
新参魔者「貴方達が悪いんですよ。下克上なんて事をしようとするから」
足軽頭「許せん・・・足軽兵!そこにいる新参者を倒せ!!」
足軽兵「・・・・」
足軽頭「足軽兵?」
新参魔者「足軽兵さん達、もう死んでいるんで何回呼び掛けても無駄ですよ」
足軽頭「き、貴様ーッ!」グシャ
魔兵士「あ、あああ!」
新参魔者「あっ!君は殺さないから心配しないで」
魔兵士「えっ殺さない?」
新参魔者「うん。だって君は魔界の魔王の兵士だから」
魔兵士「魔界の魔王?」
新参魔者「そう、君達が従っているのは魔界の魔王、そして僕達が従っているのは人間の魔王」
魔兵士「……お前は何を言っているんだ?」
新参魔者「何をって真実を言っているんだよ」
魔兵士「…意味がわからない」
新参魔者「なら僕が説明してあげよう。まずは人間の魔王について説明するよ」
新参魔者「人間の魔王って言うのは僕たちの主さま、つまりこの土地の大名が魔界の魔王に憧れて、主さまが最初の戦で敵の将軍を倒した時に歓喜のあまり『我は魔王!人間の魔王だ!』って叫んだ所為で付いたあだ名の事さ」
魔兵士「………………」
新参魔者「ちなみにこの戦以来、主さまは部下と他の国の大名から『魔王』って言われるようになった。さて次に魔界の魔王について説明すr」魔兵士「いや、もういい」
新参魔者「えっ?何で?」
魔兵士「何でってどうせ魔界にいる魔王から魔界の魔王って言うんだろ」
新参魔者「うん」
魔兵士「はぁー頭が痛くなった…」
新参魔者「ちなみに僕は自称、新参者です」キラッ
魔兵士「……早く故郷に帰りたい…」
新参魔者(でもまぁ今言った事はでたらめなんだけどね)「さてと、ついでにこの人間家燃やしちゃうか」ボッ「木と紙の家だからすぐ灰になって綺麗に無くなるだろうね」
「(、伏 せ ろ)」
魔兵士「!!」バッ
新参魔者「うん? なにを
ちゅどおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんんんんんんんんんんっっっっっっ!!!!!!!!!!
―――魔王城城下町、居酒屋―――
槍頭「何だ!?」
短槍兵「爆発!?」
長槍兵「なんか向うで噴煙が上っているのが見えるな」
中槍兵「あっちは足軽頭殿の家がある方向ですね」
槍頭「……そういえば、足軽頭は古い家の軒下に硝石が生じる事があるのを応用して、硝石を人工的に生じさせて火薬を作っていると聞いたな......」
中槍兵「えっ? 火薬を生産してるなんて、そんな話は聞いてませんよ?」(もしかして足軽頭殿は公に出来ない事を企てて......?)
短槍兵「それじゃあの爆発はその火薬が爆発したって事ですかい? それにしちゃとても凄い衝撃を感じたし、かなりの規模の爆発みたいですよ?」
槍頭「なんでも生じる硝石には限りがあるから乾燥させた糞尿や毒物・劇物を入れ、炭と硫黄の量を調節したりの火薬の嵩増し研究をしてたら威力が強い火薬が出来たそうだ」
長槍兵「まぁとにかく、あの噴煙を見る限りだと爆発の近くでもろに爆風を受けた奴はバラバラに吹き飛んじゃったでしょうね」
―――川? 船上―――
新参魔者「う~ん、ここは? 僕はいつの間に船に乗ったんだ?」
船頭?「気が付いた? あんた死んだんだよ」
新参魔者「えっ!? それじゃここは噂に聞くこの世とあの世の... ...あの~、僕って復活させてもらえます?」
船頭?「俺には無理だよ。あ、でも運が良ければこの川で溺れると生き還れるって話しを聞いた事があるな」
新参魔者「よし、それじゃ」スゥ
船頭?「飛び込んだのに川の水が跳ねないな。あれは完全に肉体が無くなっているな」
―――川?の中―――
新参魔者「って、水の中なのに全然息苦しくない? おまけにどんどん下に沈んでいく? こんなんでどうやって溺れるんだ?」
パクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパク
新参魔者「な、なんだ!? 小さい魚の群れ? ってく、喰われてる!? う、うわぁ」
―――川? 船上―――
船頭?「あ~あ、この川の雑魚の大群に骨も残さず喰われたか。肉体も無い、魂も無くなって完全にあいつは消滅だな」
船頭?「…取り敢えず合掌………ん?何だこの嫌な気配…上から?」チラッ
怪しげな男「………………」
船頭?「えっ!?何あれ!!浮いてる!?」
怪しげな男「…………おい、そこのお前」
船頭?「は、はい」
怪しげな男「さっき川に落ちた奴は生きてるのか?死んでいるのか?」
船頭?「死んでると思います……多分」
怪しげな男「そうか、なら仕方がないが今から川を割りアイツを連れて帰る」キュイン
船頭?「はぁ?川を割るって…そんな事できるわけが……」
怪しげな男「ふん!!!」ザシャァ(川が割れる音)
船頭?「ほ、本当に川を割った…あなたは一体何者なんだ?」
怪しげな男「…俺は魔王。人間の魔王だ!」
船頭?「魔王?ば、馬鹿いうな!魔王はもっとデカくて禍々しい。それにお前は今の魔王とは魂の色が違い過ぎる」
魔王(人)「まあ俺はさっきも言った通り人間だしな」
船頭?「意味が分からない」
魔王(人)「それじゃあ俺は新参魔者を回収したら帰るから、さようなら」ビュン
船頭?「・・・何だったんだ、あいつら?」
船頭?「うん? この感覚、あ! 不味い! 逃げなけりゃ!!」キコキコキコキコ……
魔王(人)「おや? 何だ?」
ザバァ
魔王(人)「!? なんだこのでかいさか」
バクンッ グッシャグッシャ ゴーリゴーリ ゴックンッ ザバァ
船頭?「ふぅ、こちらには目もくれずにまた潜って行ったか。まさか普段は川の深い所に居る山の様にでかい魚がここまで浮上してくるとは... ...取り敢えず合掌」
―――魔王城、会議室―――
魔王「まったく、これから戦という時に何だ!? 武家屋敷が連なる場所が爆発するとは!」
参謀「く、こちらの戦力低下を狙ったテロか!?」
魔ドクター「あの場所は足軽頭の家がある辺りですな」
魔王「足軽頭... ...う、う~ん、!! あれ?」キョロキョロ「側近はどうした? 最近全然姿を見て無いぞ?」
魔ドクター「側近の事を思い出しじゃだと!? あ、しまった! 足軽頭は昔からいる人間だからそれに触発されたせいで過去の記憶が戻って来たのか」
魔道化「あはは、うっかりさんだね~」
魔将軍「うぅ、足軽頭、 そういえば、黒龍の洞窟でなにか大切な事を言われた気が......」
魔道化「あっとそうだ、魔将軍ちゃんも過去の関わりがちょっとあったっけ」
魔将軍「うぅ…頭が痛い…くっ、何かを思い出しそうだ…」
魔道化「させるかっ!必殺、暗示チョップ!!」
魔将軍「ぐふっ」 バタン
魔道化「魔将軍のついでに魔王様にも暗示チョップ!!」
魔王「ぐはっ」 バタン
参謀「……魔道化、今度はしっかり奴らに暗示をかけておけ」
魔道化「は~い」
魔ドクター「……しかし、何故、魔王様と魔将軍は足軽頭という言葉で正気に戻ったんだ?」
魔道化「そうだよねー、だって足軽頭、弓頭とかって僕が暗示をかけて魔界に連れてきた人間だし」
魔ドクター「えーっと、確かお前が足軽共にかけた暗示って『魔王様が人間で和の国の大名だ』とか意味の分からない暗示だろ?
魔道化「うん、そうだよ」
魔ドクター「何でそんな設定で奴等に暗示したんだ?」
魔道化「えっと、それはね、彼等の元主がそんな感じだったから」
魔ドクター「元主?・・・・ああ確か人間なのに魔王を名乗っていたやつか」
魔道化「そうそう」
参謀「・・・・お前らもいい加減に魔王さまを部屋まで運ぶのを手伝え」
参謀「……ってちょっと待てよ? 魔王はこの世界の人間ではなかったか? (我々の計画の為に能力を持つ人類を厳選した筈......)」>>28参照
魔ドクター「おや魔道化、参謀にも暗示をかけたのかね?」
参謀「いや、暗示はかかってはない... ...それに魔王と魔将軍は戦で共に戦っていた時期があり、足軽頭達もその戦場に居た筈」>>5,>>142参照
魔道化「まあ、働いてもらう為に僕が連れて来たし」
参謀「いや、足軽頭は彼の祖父の祖父の祖父の代からこの地に住んで居た筈」>>357参照
参謀「というかこの城下町の風景は、いや、この地は和の国ではないか!!」>>1参照
魔道化・魔ドクター「「え? え? え?」」
魔道化「やっぱ僕が参謀に暗示をかけちゃったのかな?」
魔ドクター「うむ、そうに違いない。混乱しておる様じゃ」
参謀「混乱? そういえばこの状況、何処かで報告を聞いた様な」
魔道化「混乱... ...はっ!?」バッ
ヒュンッ ガキンッ
鳥組頭「ちぃっ! 気付かれたか! 皆の仇を討つ機会だったのに!>>287参照 おい! 混乱が覚めているぞ!」
暗殺者「まさか古巣にこんな形で戻ると<>>278参照>はくけけ、この混乱薬は例え混乱薬が使われていると知っていてもちょっとした事でずっと混乱状態のままに出来るんでさ~」
暗殺者「くけけ、魔王ってのが居るのにここが和の国だなんて常識が無くなって混乱し過ぎという証拠だぜぇ~! 参謀は混乱して魔の付く人達は正~気!」>>252参照
魔道化「・・・うぜぇんだよ・・・」ボソッ
暗殺者「あぁん?」
魔道化「人がせっかくお情けで生かしておいたってのによぉ
うぜぇうぜぇ、これだから人間っつー下等生物は嫌いなんだ」
鳥組頭「そうか、俺も貴様のことをうざいと思っている。で、貴様はもう死んでいる」
魔道化「え? あ? 体、が?」
ドサドサ
鳥組頭「『大業物 不知火』 こいつの刃は普通じゃ見えん、故に『知らぬ』… …油断したな」
魔道化「…なぁ、それがお前の実力か?」
鳥組頭「な!?生きているだと!?斬った感触は確かにあったのに何故お前は生きている!!答えろ!!!」
魔道化「………ふふふ、嫌だね」
鳥組頭「どうしても教えないつもりならもう一度斬るまでだ!」
魔道化「へっ、次は避けてやる」
鳥組頭「えいっ」ザシュ
魔道化「グワアア!」バタン
暗殺者「や、やったか!?」
魔道化「いてててて、膝を擦りむいちゃった」ムクッ
暗殺者「まだ生きていた!!」
魔道化「さーてと、次は僕が攻撃する番だッ!」シュン
―――魔王城城下町、救護所……―――
魔兵士「う、う~ん... ...あ、れ?」
白魔頭「おや、気が付いた?」
魔兵士「あ、あなたは、魔戦白備えの、 えっと、今どんな状況なんですか?」
白魔頭「凄い爆発が起こって、その騒ぎの収拾中よ。魔戦白備えは負傷者の治療にあたっているわ」
魔兵士「そうですか... ...あ! 足軽頭さん達は!?」
白魔頭「もちろん貴方と一緒にこの場所に運び込まれたわ。とりあえず蘇生治療を行って、結果は」
白魔兵「大変です! 足軽達がいなくなりました!」
魔兵士・白魔頭「「えっ!?」」
―――魔王城城下町、町外れ―――
足軽頭「はぁ、はぁ、……」
足軽「はぁ、ねぇ、お頭、やっぱ、病み上がり、というか、瀕死直後?、で、直ぐの移動は」
足軽頭「無駄口を、叩くな。いいか、どうやら俺達の下剋上しようって事がばれていた、あと、秘密裏に蓄えていた火薬が爆発した」
鉄砲足軽「そういえば、そうでしたね... ...すいやせん、自分の火薬管理がなって無かった所為であれだけ蓄えた大量の火薬を」
足軽頭「いや、それはあれだ、塞翁が馬だ、そのおかげで窮地を抜けた訳だし。そして、俺達はこの国に居られないからな、とりあえず隣りの国を目指すか......」
―――黒龍の洞窟跡―――
「(ねぇねぇ起きてよ)」「(起きてー)」「(起きろー)」「(起きたー?)」
「う、うぅ? な、何だ? 誰だ?」
スライム達『僕らだよ』
伝令兵「う~ん? あれ? 自分は死んだ筈じゃ......?」
スライムA「何故かは知らないけど僕ら、再生能力を身に付けたみたいなんだよ」
スライムB「多分あのえきたいじょうけんじゃのいしとかいうのの効果がまだ残っていたんだと思うよ」
スライムC「それで気付かれない様に自分達を回復してたんだ」
スライムD「もうあの人達は居なくなってるし、一気におじさんを回復させてみたんだ。上手く回復させる事が出来て良かったよ」
伝令兵「そうだったのか... ...ありがとよ、坊主ども。それじゃぁ祖国の隣りの国へ行くか」
スライム達『あれ? 一旦祖国に帰るんじゃないの?』
伝令兵「いや、戻らない。う~ん、正直に話すとだな、自分を一番最初に殺したのは魔道化の奴なんだよ」
スライム達『えっ!?』
伝令兵「だからな、そんな奴が居る祖国には今は未だ戻らない。だから祖国の隣りの国に一旦行く」
スライム達『僕らも行くー! 仲間を殺す奴が居る所には行きたくないし、確か隣りの国は異世界人を受け入れているから僕らも大丈夫だよね』
―――魔界、魔王城から数十メートル離れた場所―――
新参魔者「zzzzzzzz」
魔王(人)「・・・・・・・・おい、起きろ」
新参魔者「zzzzzzzzzz」
魔王(人)「・・・今すぐ起きないと、これから毎日お前の髪の毛を一本ずつ抜k」
新参魔者「はい、只今起きました!」
魔王(人)「・・・・なあ新参魔者、確か俺『今、城下町のある所で魔王軍(人)を倒そうとする反逆者達が集まってるそうだ、だから新参魔者、お前がそいつらを潰してこい』って命令してたよね。それなのに何でお前、魔界に来てんの?」
新参魔者「魔界?」キョロキョロ キョロキョロ
新参魔者「・・・・・・・マジだ・・・ここ魔界だ・・・間違えっちゃった」
―――和の国 秘境 鬼子母神の祠―――
魔道部下「いや~、赤ちゃんはかわいいですね。私にもちょっと抱かせて下さいよ」
側近「嫌よ。お~よしよし、貴方は私が守ってあげますからね、貴方の父親と無事に再会出来る日まで」
鬼子母神「……ここから移動しましょうか」
側近・魔道部下「「えっ?」」
鬼子母神「幼い頃に出会うものが少ない子は人見知り激しく元気の無い子になるそうよ。だからもっと生態系豊か、生き物のいっぱいいる場所に移動しましょうよ。その子の為にも」
魔道部下「それだとなんだか野性児に育ちそうですね」
鬼子母神「だったら町に行きましょうか」
側近「町ですか... ...そういえば最近は全然情報収集してませんでしたね。魔王様は正気に戻ったんでしょうか......?」
鬼子母神「だったらその魔王様とやらいる国の隣りの国へ取り敢えず行ってみたらどうだね? 情報収集も兼ねて」
側近「そうですね、確か隣りの国は異世界人を受け入れていると聞いた事がありますから大丈夫でしょうしね」
魔道部下「じゃぁそこに行きましょうか」
鬼子母神「あんたは付いて来るな。......どうしてもというなら褌一丁に首輪に犬耳付けたらいいよ」
魔道部下「……」
側近「それだと子供の教育に悪いから服の下に法の鎖で私達に害を及ぼさない様に縛りましょうよ」
魔道部下「法の鎖?何ですかそれ」
側近「魔道部下さんは天法って知ってますか?」
魔道部下「い、いえ知りません」
側近「天法というのはですね。天界に住む神々たちが人間と魔族が対等に戦えるように与えた力で、私は生まれながら天法と魔法の両方を使えるんですよ」ドヤァ
魔道部下「マジですか……すごいですね」
側近「そして法の鎖っていうのは、聖堂教会にいる上位天法使いの中でも2、3人しか教えてもらえない天法なんですよ」
魔道部下「えっそれってつまり、側近さん聖堂教会に行ったことあるって事ですか?」
側近「もちろん」
―――魔王城、会議室―――
ヒュンッ
魔道化「ちぃっ! こちらの攻撃を次々に避けやがって!」
鳥組頭「う~ん、斬った感触はしっかりあるんだけどなぁ」
魔道化「え? あ、」
ドサドサ
暗殺者「今度こそはやったか!?」
ムクリ
魔道化「く、だから無駄だって」
暗殺者「しつけーな、なんで死なねぇんだ?」
鳥組頭(......そういえば伝説で、あらゆる病や傷を瞬時に回復させる物があると聞いた事があるな。もしやそれを持っているのか?)
魔道化「ねぇ参謀か魔ドクターさぁ、ちょっと『冥府の鎌』を持って来て貰えない? それがないと倒せ無さそうだから」
暗殺者「!! させるか!」
参謀「ふん、魔ドクター、こいつの相手は私がするから武器を取って来てくれ。というか増援を呼ぶだけでもいい」
魔ドクター「よし、分かった」
魔道化「大幻覚魔法 『クローズド・ラビリンス』!!」
鳥組頭「っ!壁がっ!?」
暗殺者「『気付け煙玉』!」
ボフンッ
鳥組頭「助かるがイヤにスースーするんだよなこれ」
暗殺者「文句いうな!おまえの惚れてる兎組頭の特製だぞ!!」
鳥組頭「べべべべべべべべべ別にああああああああんな奴好きでも何でもなかかかかかかかか」
暗殺者「落ち着け馬鹿!」
魔道化「とことんボクをなめてやがる・・・
下等生物どもが!!」
バタンッ
魔ドクター「増援を連れて来たぞ!」
参謀「速かったな、? 誰だ?」
兎組頭「増援で来たぞ」
鳥組頭・暗殺者・魔道化「「「!!?」」」
兎組頭「まったく、お主はよく先走りよるな」
鳥組頭「……ふん、お前こそ ここまで来てるって事は皆から先走って来たんじゃないのか?」
魔道化「なんで敵の増援を呼んで来るかな?」
魔ドクター「え? 敵だっだの?」
暗殺者「これで3対2だな」
参謀「いや、3対3だ」
魔ドクター「そうともわしを忘れてもらっては困るの」
参謀「あんたは戦わなくていいよ。 魔将軍起きろ!!」ペシペシッ
魔道化「ちょっと、今の状態の魔将軍ちゃんはちゃんと戦えると思っているの?」
参謀「目の前の敵と戦うだけなら何とかいけるだろう、元が優秀な奴だしな」
兎組頭「同胞たちの敵は取らせてもらうぞ!」ダッ
鳥組頭「気をつけろ!あいつはあの鎌を持っている!」
兎組頭「わかってる!」
魔道化「お望み通りにバラしてやるよ!
『大殺界 三途』!」ズバッ
兎組頭「あぶなっ
お返しだ!『催涙煙玉』!!」ボフン
魔道化「なっ目が!」
兎組頭「魔族にだけ効くように改造した特製品さ!今だよ!」
鳥組頭「オオオオォォッ!」ズバッ
キンッ
鳥組頭「なっ」
魔将軍「・・・・・・・・・」
魔道化「う~ん、何が起こった?」
魔ドクター「うむ、目の前が見えなくなったの」
魔道化「僕も目が見えないから聞いたんだけど」
参謀「起きた魔将軍が戦いに素早く割って入った... ...魔将軍?」
魔将軍「……ふん、色々思い出したいが、まずは眼前の敵は排除してからだ」
魔道化「お? そっかぁ やっぱ魔将軍ちゃんは脳筋だなぁ」
暗殺者「まったくだな、脇差一本だけに目の見えない仲間、それで勝てると思ってんの?」
魔将軍「ふん、ここを何処だと思っている? 者共出会えで会え!」
「ウッセー!」 「イマコッチハイソガシインジャ!」 「ボケー!」
魔将軍「なに!」
魔ドクター「うむ、外の衛兵達は皆忙しいそうじゃったよ」
暗殺者「ふ、アホめ。我々がここにいる事をちょっと考えれば分かるだろうに」
魔将軍「ふん、ならば私自らが貴様らを始末してやろう」
兎組頭「(......なぁ気付いているか? 奴の動き)」
鳥組頭「(ああ、いや、気付けなかったと言った方が正しいかもな。奴の動きに集中してないとこちらがやられるな......)」
魔将軍「ふはははは!弱い!弱すぎるぞ!貴様ら忍者の実力はこの程度なのか!」キンッ キンッ キンッ
暗殺者「うっせー!」キンッ キンッ キンッ
鳥組頭「(…くっ、まだか、犬組頭たちはまだあの方の保護に成功していないのか……)」
暗殺者「うわっ!刀が!」ポロッ
魔将軍「ふっ、勝負あったな。死ねぇ!!」
ドカーン チュドーン
魔将軍「なっ何だこの爆発音は!?」
暗殺者「(あっ、あの煙は…)」
鳥組頭「(……ふっ、犬組頭の奴らどうやらあの方の保護に成功したらしいな)」
ボフンッ
魔将軍「くっそ、また煙玉か…前が見えない…」
兎組頭「暗殺者、鳥の組頭、退きますよ」シュッ
鳥組頭「ああ分かった、…では行くぞ暗殺者」シュッ
暗殺者「チッ…」シュッ
魔将軍「……………くっそ、逃げられた…」
犬組頭「こっちだ!」
暗殺者「お前ら、あの人は?」
龍組頭「・・・・・・ここだ」
???「このおいぼれに何用なんじゃお主等
金なら昨日博打でスッたぞい」
虎組頭「相変わらずじゃなお主は」
???「カッおまえに言われとうないわ」
暗殺者「この人が・・・」
鳥組頭「あぁ、このお方こそ、かつて師匠とともに和の国の全忍者をまとめあげた
先代の龍組頭、仙忍様だ」
仙忍「懐かしいのぅ、その名で呼ばれるのは」
龍組頭「・・・・・・俺のおふくろでもあるがな」
―――魔王城、会議室……―――
「え~と、ご報告申し上げます。城内のあちこちで同士討ちしていた者は負傷し、城内の混乱は沈静化しました」
「ご報告いたします。逃げた敵は未だに発見出来ておりません」
「ご報告します。魔戦白備えが城に戻って来ました。負傷者の治療をするとの事です」
魔将軍「まったく、散々だな」
参謀「どの程度の被害かも把握出来て無いか......」
バタンッ
荒子「食事をお持ちしました」
参謀「ご苦労... ...握り飯と湯冷ましか」
魔将軍「この握り飯、ゆとり法か」
参謀「ゆとり法?」
荒子「ゆとり法じゃなくて湯切り法です。すいません、今は戦時みたいなものなので湯切り法で米を調理しました」
魔将軍「気にしなくて良い。前から戦場ではこの調理法の米を食べているからな」
荒子「そう言っていただけると幸いです。では失礼します。他にも食事を運ばなければならないので」
魔将軍「おう」(……あれ? 前から食べていたっけ?)「え~と、そうだ、何かを思い出さなければ......」
魔道化「思い出すって、何を?」
魔将軍「い、いや実は……」 魔警備兵1「魔将軍様!た、大変です!」
魔将軍「……何だ?」
魔警備兵1「さ、先程の襲撃の間際、捕虜が数名、牢屋から脱走しました!」
魔将軍「牢屋から?」
魔道化「(……まさか、あの忍者共の目的って…)」
魔道化「…ねぇ、魔将軍ちゃん」
魔将軍「ん?何だ?」
魔道化「今すぐにその脱走した捕虜達を捕らえてきてほしい。生死は問わないから…あっ、でも出来れば生け捕りでお願い」
魔将軍「あ、ああ、承知した。」
魔道化「……僕の読みが正しければ、逃げ出した捕虜の中に伝説の武器について情報を持った者がいる!」
―――英国、女王城―――
侍「う~む、なにやら和の国の状況を放っておいて英国に来たのが間違いだった様な気がしてくる......」
小者「そうですね。なにせ私達には英国まで来る理由なんて無いですからね」
侍「ふぅ、なんか緊張して来たな、女王との対談はどんな態度で行けばいいかな?」
小者「それ、対談直前に言い出さないで下さいよ。事前準備が出来て無いんだったら先に女王との対談するなんて言わないで下さい」
侍「いや、だってお呼ばれした訳だし」
小者「相手の都合で私達が来た訳ですから、私達の都合でちょっと時間をもらっても相手は文句を言って来ませんよ」
側役「和の国からの使者の方々、女王陛下がお待ちです。どうぞこちらに」
小者「あ~あ、もう時間切れですよ。あとは当たって砕け散って下さいな」
侍「う~ん、まぁなんとかなるかな?」
小者「ふ、甘いですよ。甘葛より甘いですよ。面談は必ず事前準備をしっかりしておかないといけないんですよ?」
侍「いや、なる。と思う」
小者「そんなので面談が上手くいく訳がないですよ。 おまけに時間を作る事も出来たのにいきなりここにきて。敵を知り己を知れば~ってやつですよ?」
侍「え~い! もう出たとこ勝負だ! 前向きに考えよう!」
側役「あの~、ちょっとすいませんが早く来てくれませんか?」
神父「緊張しているならばだ、私も一緒に女王に目通りしようか」
侍「お、それはありがたい」
側役「神父様もですか? 一緒で大丈夫なのでしょうか?」
神父「(君は私が何故和の国に赴いたか知っているか? そしてその事とこの者達は関係がある)」
側役「(あぁそういえば、でしたら)はい、分りました。一緒で大丈夫でしょう」
侍「いや~、神父殿と一緒に対談に臨むのは心強いな」
小者「……(そういえば何故英国にお呼ばれしたのでしょうか?)」
侍「(うん? 何故ってそれは公爵殿が始めに言っていた通り、魔王を倒す為に我が国の協力が必要だからじゃないかな?)」
小者「(なら尚更にこの対談、気を付けてかからなければならないじゃないですか。油断していると嫌な条件を出されるかもしれませんよ)」
侍「(まあ、嫌な条件でも同盟を結んでくれるのなら何だって良いさ)」
小者「(そうですか…)」
侍「(まあ心配するな…)」
―――英国、女王城、謁見の間―――
女王「」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ
侍「(……やばい、女王怖い…)」
女王「・・・・・・・・・・ハッ 寝てた」
ズコー
側役「女王陛下!玉座で寝るのはやめてくださいといつも言っているじゃありませんか!」
女王「すまぬ、昨日徹夜でメイドAとチェスをしていてどうにも寝不足なんだ」
近衛兵「完全なる自業自得じゃないですか!てかなんでチェスしてるんですかこんな時期に!」
侍・小者・神父・メイド長「「「「????」」」」
メイド長「確か、メイドAには......」
侍「なぁ、メイドAは今日 俺達と一緒に英国の港に着いたんだよな?」
小者「はい。そしてすぐに女王との対談に来ちゃいましたから」
神父「メイドAは昨日は我々と行動を共にし、この城には居なかった筈」
メイド長「そもそも今日 城門の所で任務から帰還したメイドAを出迎え」
ズドオオオオオオオオォォォォォォォォンンンンンンンンッッッッ!!!!!!!!
一同『!?!』
女王「何事だ!?」
忍者「この爆発の感覚、地下からでゴザルな」
女王「! まさか地下の研究室か?!」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
メイドA(良し、跡形も無いな。 まったく、本来はこの様な事をやりたくなかったが仕方ないな)
メイドA(勇者候補の入った樽の中に爆弾を入れ爆発させ、そして今、跡形も無く吹き飛んだのを確認)
メイドA(さて、この世界の他の勇者共を殺しに行くか……)
メイドB「ちょっとメイドA、あんた何してんの!?」
メイドA?「えっ、何って伝説の担い手を殺しただけだけど…」
メイドB「殺しただけって、あんた…」
?「ちょっと待つです、メイドB。ソイツは偽者です。」
メイドB「に、偽者?」
メイドA「そうですよ。あいつは偽者です」
メイドB「えっ、メ、メイドAか二匹いる!?」
メイドA「おい、二匹って喧嘩売ってんですか。ああ?」
メイドB「すまん、すまん」
メイドA「……それで、この私の偽者はいったい何ですか?」
メイドB「いや、私に聞くなよ」
メイドA(偽者)「……」
メイドA「まあ、とりあえず倒しましょうか、ね!」
シュ シュ シュッ ドカッ
メイドA(偽物)「ぐ、…俺としたことが、こんな小娘に攻撃を一発喰らわされるとは…おい小娘、お前なかなかやるではないか」
メイドA「うるさいです、というか私の姿で俺とか男らしい言葉を喋んなです」
メイドA(偽物)「おお、そういえば、俺はまだ小娘の姿だったな、さて元の姿に戻るか…」シュゥウウウウ
メイドB「な、こ、こいつ」
メイドA(偽物)「ぐ、ぐおおおおおお」シュゥウウウウ
メイドA「こ、こいつ…ドラゴンだったのか…」
謎のドラゴン「ぐぎゃあああああああ!」
謎のドラゴン「ふぅ、長時間人間の姿だと肩がこるな」
メイドB「確かドラゴンってかなりのレア生物だろ、しかもこいつの鱗、一遍の汚れもない白
まさかとは思うが協会のシンボルにもなっている白竜か?」
白竜「そうだ」
メイドA「聖なる力を宿すと言われるあなたがなぜ勇者殺しを・・・」
白竜「我が主の望む事をしたまでよ」
メイドA「その主とは・・・まさか魔王・・・?」
白竜「それには受け答えかねるな」
………………………………………………………………
『だからさぁ~、この世界は勇者なんていなくても大丈夫なんだよ。こちらの世界に干渉しないでよ』
『しかし、そちらの世界にはこちらの世界の魔王が呼び込まれている。勇者は必要だろ?』
『勇者が居なくてもこちらの世界は大丈夫だよ。だいたい勇者ってあんまり好きじゃないんだよね。
生れ付き強大な力を持った精霊の加護を受けし者~とか、精霊王に勇気のある者へ渡されし称号~とか、なんか好きになれない』
『そんな事言ってもそちらの世界の人はこちらの世界の影響をかなり受けているぞ?』
『そりゃそうだよ。なんてったってそちらの世界の人がこちらの世界に結構な数が移民して来てるんだもん。とにかくこちらの世界に勇者は必要無いよ』
『じゃぁこうしよう。“自分で運命を掴めない者は虫”という科白がある。勇者がそちらの世界で運命を掴めなかったら死ぬ運命。というルールで勇者を出現させるのは?』
………………………………………………………………
白竜「はぁ~......」
メイドA「何故溜息ついているのです?」
白竜「なに、ちょっと憂鬱な事を思い出しただけだ... ...他の勇者に出会う事があれば伝えとけ“強いタイフーンに出会ったら躊躇せずタイフーンの目に飛び込め”」
メイドA・B「「??」」
白竜「例え悪い巡り合わせでも良い巡り合わせと縁が出来れば死なずに済む。運命を掴む事を躊躇うなと伝えとけ」
メイドB「? まぁ分からなくも無いですが... ...何故、今 勇者を殺したあなたがそんな事を言うのですか?」
白竜「色々あってな... ...なんだか戦う気分じゃ無くなったな、ではさらばだ」
白竜「っと、危ない危ない、この部屋から出る前に人間の姿に化けねえと…」ドロン
白竜「んじゃ、さらばだ小娘共」
スタスタスタ ガチャ バタン
メイドA「…逃げられた…です……」ペタン
メイドB「動けなかった…あの目に睨まれただけで…くっそぉ!」壁ドン
?「いったいあの竜は何のために僕を殺しに来たんでしょうか?」
メイドB「…んなの…知らねえ……えっ僕!?」
?「はい、僕です」
メイドA「あっ!あんたは私が黒龍の洞窟で捕獲した、瓦礫の中でも眠り続けた女の伝説の担い手!!」
メイドA「あんた、確か白竜に殺されたはずじゃ…」
伝説の担い手「はい殺されていますよ」
メイドB「なら何であんた生きてんの?」
伝説の担い手「さあ、さっぱり」
メイドA「これも、伝説の担い手の力という訳ですかね?」
メイドB「さあな、私に聞くな…」
その頃 魔王城地下秘密実験室
魔道化「ぐぁぁぁぁあああああああ!!!」
魔ドクター「おいおい、これ以上やると死にかねんぞ」
魔道化「ハァ、ハァ・・・いいんだよ。これはポクの為にやってるんだからね」
魔ドクター「しかしまぁ、よく考えつくもんじゃわい。
まさか『冥界の鎌』を体内に取り込んでその力を得ようなぞとな」
魔道化「ははは、確かに、普通の奴なら考えることはまずない
だけどボクのような道化はみな等しく狂っているものさ」
魔ドクター「フェッフェッ、違いない」
―――女王の城、地下通路……―――
メイドA(さて、暫らく休んでようかな。勇者は運命掴んでなかったらそのうち勝手に死ぬしな......)
侍「む、メイドAか!?」
女王「捕えろ! メイドAには偽物が存在している可能性があるからな!」
忍者「神妙にお縄につくでゴザルよ!」
メイドA「おや女王さんと侍さん達。そう言えば一つ伝え忘れてたな。矛盾している、おかしいものに遭遇しない様に気を付けろよ、じゃないと死ぬ可能性がある」
女王「何を言っているのだ? とにかく捕まれ、逃げ様としても無駄だぞ」
メイドA「やれやれ、女王は魔法のスペシャリストだからな、こういう時の為にこれを仕掛けといて良かったな」ポチッ
ジジジジジジ……
女王「何だ?」ジジジジジジ……
忍者「女王から何やら導火線の燃える様な音と匂いが」
小者「まさか!?」
メイドA「昨日、一晩中女王とチェスをしている時に女王に爆弾を仕掛けました。それじゃさらばだ」スタタタタタ……
女王「何と!?」
メイド長「えっえっ?!どうしましょ!?」
「女王危ない!!」
ちゅどおぉんっ!
女王「きゅ~」バタン
メイド長「ああ、なんてこと…」
メイド長「女王様が…女王様の頭が…女王様の髪が……まるでドリフみたいに!」
メイド長「絶対にゆ゛る゛さ゛ん゛!!」ゴゴゴゴゴ
侍「……何あれ、怖い」
メイドA「おーい、みなさんー、大丈夫ですかー?」
メイド長「うおりゃ!くたばれ、女王様の敵ィ!」ドガァ
メイドA「ぐはっ」バタン
メイドB「メ、メイドAー!!」ササッ
メイドB「大丈夫か?メイドA」
メイドA「ふふ、大丈夫かですって、むしろメイド長に殴られて元気(性的な意味で)になったわよ」
メイドB「そうか、なら良かった…」
メイドA「というよりか、メイド長、何でいきなり私を攻撃したんですか。危うく私、天国にいるおばあちゃんに説教されるところでしたよ!」
メイド長「…ん?その喋り方、まさか、あなた、本物の方のメイドAですか?」
メイドA「」コクッ
メイド長「…全く紛らわしい、てっきり私は偽物の方だと思いましたよ。あははは」
伝説の担い手「笑っている場合じゃないと思うんですけど…」
小者「そうですね。今はまず偽物メイドAさんを探さないと……ってあなた誰ですか!?」
伝説の担い手「あっ、どうも初めまして、職業は遊び人をやらせていただいてます、伝説の担い手です。僕の事は気軽に遊び人と呼んでください。」
メイド「えっ?あなた、遊び人の癖に伝説の担い手の力を持っているの?」
伝説の担い手改め遊び人「はい、何だかよく分からないですけど、そうみたいです」
メイド「うーん、解せないなー」
女王「……何が解せぬのだ?」
メイド長「…ハッ!女王様!!お体の方は大丈夫でございますか!?」
女王「大丈夫に決まっておろう。妾はこんな攻撃ごときでは死なぬ!」
公爵「えっマジで!?」
―――魔王城‐‐‐‐‐‐ ―――
参謀「……うん、うん、なんと! 勇者と目されていた奴が複数人、事故死していたのか... ...お前は引き続き調査を頼む」ガチャリ
参謀(まったく勇者達の情報が入らない、勇者たちが現れないと思っていたらいつの間にか死んでいたのか。おまけについ先程一人爆死して幽霊になったと報告が来たしな)
参謀(伝説の武器とやらもある程度我々が入手。これで魔王が完全にこの世界に定着すれば、我々に歯向かえる者は皆無)
参謀「……フフフ、フッフッフ、ハーハッハッハ!! この世界は我等の手に落ちたも同然だ!!」
―――村外れの団子屋‐‐‐‐‐‐ ―――
側近「……そう、いつの間にか勇者達が死んでいたのね... ...あ、一人どうにか生き返らせたの。え? 幽霊になっている?」
魔道部下「(誰と話しているんだろう?)」
鬼子母神「(さぁねぇ)」
側近「……分かったわ、ええ、それじゃ」ピッ
側近「はぁ~~......」
鬼子母神「そんな顔しなさんな、赤ん坊が不安になるだろう?」
側近「......はい、そうですね」
鬼子母神「さぁおいしい御団子を食べて元気をお出しよ」
団子屋娘「はい、お待たせしました! 御団子9個とおはぎ6個です!」
魔道化部下C「ふふふ、それじゃあ私この御団子一本貰うのねー」ヒョイ パクッ
魔道化部下A「お、おい、魔道化部下C、勝手に食うな」
魔道化部下B「モグモグ……ハッ!この団子すごくうまい…」
側近「………お前ら誰だよッ!」
魔道部下「あ、あなた達は!?」
鬼子母神「何だお前、こいつらを知っているのか?」
魔道部下「は、はい、この方々は私の主、魔道化様が率いる部隊の最強の三人。鋼鉄の魔道化部下A、それと俊足の魔道化部下B、そしてオカマの魔道化部k」 魔道化部下C「誰がオカマじゃー!」ドガッ
魔道部下「ぐふっ」
魔道化部下C「ちゃんと上の方も、下の方も工事は済んでんだよ。もう男の私は終わってんだよ。もし次オカマだなんてを言ったら、確実に息の根を止めるからな。覚悟しとけ!」
魔道部下「…は、はい……」
側近「……それで、どうしてその魔道化の率いている部隊の最強の三人が今ここにいるわけ?」
魔道化部下A「いや実は魔道化様の命令で、貴女方の護衛を任されまして…」
魔道部下「えっ!それってつまり私この任から下ろされるって事ですか?」
魔道化部下B「いや違う、お前には引き続き側近様の護衛をやってもらう。我ら三人が護衛するのは鬼子母神様、それと魔王様のご子息のお二人だからな」
鬼子母神「私に護衛だぁ?いったい何を考えているんだ。あの小僧…」
魔道部下「私に聞かないでください」
側近(……いったい、あの男は何を企んでいるのだろう…)
―― 一方その頃、魔道化は…
~~魔王城~~
魔道化「ねぇ魔将軍ちゃん、パンツ見せて!」
魔将軍「………お前、殺すぞ」
―――女王の城 ‐‐‐‐‐‐ ―――
女王「しかし、死んでしまったか... ...やはり一刻の猶予も無い様だな、早く他の勇者候補を探し出さなければならないな」
メイド長「? どういう事ですか?」
女王「うむ... ...半信半疑で未だ皆には言って無かったが実は、勇者候補とその仲間たちは直ぐに死ぬ運命を課せられている様なのだ」
一同『えっ!?』
神父「その死の運命を回避するにはある儀式をすれば大丈夫な様だ」
侍「儀式?」
神父「偉い人から何かしら特別な武器と金貨5枚を渡されれば、その直ぐに死ぬ運命からは回避出来るみたいなのだ」
メイドA「という事は不味いです!」
女王「どうした?」
メイドA「もう一人勇者候補で伝説の担い手を捕まえて来たのですが今行方不明の人が居るのです! あとなんかおかしな事があった気がします!」
女王「何!? それは不味い! 直ぐにその行方不明になった者を探すのだ! そして直ぐ儀式をする!」
英兵達『はっ! 了解しました!!』
神父「しかしまさか本当に伝説の担い手が死ぬとはな。 そうだ侍殿、“ひのきのぼう”を女王にお貸し願えないか?」
侍「え? “ひのきのぼう”を?」
―――英国、港、英飛空艇一番艦 ‐‐‐‐‐‐ ―――
艇長「う~ん、また“カルバリン砲”にするか、またはこの“重カノン砲”にするべきか? 悩むな......」
英工兵「“カルバリン砲”の方が命中率に優れていると思いますよ」
船長「新しく装備する大砲に悩むのは良いですが、あの偽者をあのまま城に行かせて良かったんですかね? こちらの内部情報をかなり入手しているみたいでしたし」
艇長「なぁに、この飛空艇に乗っていたメンバーは偽者本人以外全員偽者だと知っていると思うから大丈夫。それに余所に連絡を取った形跡も無いしな」
英船医「でも少し考えればあの図体のでかい破壊者を二人で短時間で運ぶのは無理だから、何かしら別の方法をとったと分りそうなんですがね」
英工兵「確か、高速移動が出来て運搬出来るゴーレムを作って破壊者を運んで、そして偽物を取り敢えず泳がせる為に二人で運んだ振りをしたんでしたっけ」
魔法使い(28)「こう、じゃなかった、艇長~!」
艇長「おや? 魔法使い(28)殿、どうしたのだ? 皆と一緒に城に行ったのではないのか? それにその青年は?」
魔法使い(28)「皆とはぐれてしまって、城に向かうより来た道を戻って来た方が良いかなと思いまして。あと、この青年はえ~と」
新米海兵「俺はヒー、じゃなかった、新米の海兵です!」
船長「うん? 新人が来るとは聞いて無いが?」
魔法使い(28)「(あの、ちょっと事情が説明し辛いので、その辺は訊かないでくれますか? 悪い人じゃないのはちゃんと保証しますから)」
艇長「(良し分かった) 船長、この者は今日から我々の仲間だ。あ、そうだ、前払いで給料金貨5枚と、あと我々の仲間の証拠の揃いの剣を渡しておこう」
新米海兵「あ、ありがとうございます」
~~魔王城~~
魔道化「ねぇ、別に良いじゃん。減るもんじゃないしさぁ」
魔将軍「いったいどうしたのだ? 以前お前は『俺っちはノンケだぜ』と言っていたではないか」
魔道化「俺っちは目覚めたのさ。男同士の魅力に!」
魔ドクター(……おかしな事になってしまったわい......)
魔ドクター(『冥界の鎌』との融合がこんな事になるなんてのぅ)
魔将軍「クソッはなせ!」
魔道化「断るね」
魔ドクター(一時的な不具合なんじゃろうがもうね)
魔将軍「は・な・せ~~~~!!!」
魔道化「い・や・だ~~~~!!!」
魔ドクター(あれ?そういえばあいつチ●コあったっけ
あ、無かったわ。元から女だわ魔道化)
魔将軍「ならば斬るッ!斬り殺すッ!」ズバッ
魔道化「あ、それ」ヒラリ
魔ドクター(魔王城内に惚れてる女いっぱいいたなそういや
魔将軍とツートップだったな)
魔ドクター「…というか魔道化って女だったのか?確か魔将軍が女だったような気がしていたんだが…」ボソッ
魔道化「あははは、僕が女?何言ってんだよ。魔ドクター、僕は男に決まってんじゃん。まあ魔将軍ちゃんが女だっていうのは間違っていなかったけどね(※>>143参照)」
魔ドクター「なっ!?お前いつの間に正気に戻ったんだ!?」
魔道化「えっ?今さっきだけど………」
魔ドクター「そ、そうか」
魔道化「でもさあ、流石は伝説の、いや反伝説の武器だよね。油断をしていると意識が全部持って行かれそうになる…」
魔ドクター「……融合を解除するか?」
魔道化「いや、もうちょっとだけ、この状態のままでいてる。少しでも早くこの状態に慣れておかないと駄目だしね」
魔ドクター「…あまり無茶するなよ」
魔道化「あははは、分かったよ。無茶はしないよ…」
―――女王の城 ‐‐‐‐‐‐ ―――
遊び人「えっ?僕が死んだって……嘘でしょ…」
メイドB「本当だ」
遊び人「で、でもそれってつまり…」
メイドB「ニワカには信じがたいが…私の推理によると、今ここで私たちと話しているお前は幽霊だ!」
遊び人「な、なんだってー!?」
小者「神父さん、いきなり“ひのきのぼう”を貸せって... ...ひょっとして神父さんが和の国に来た理由って、」
神父「“ひのきのぼう”を手に入れる為だ。 私が何も言わないのにこうして英国に“ひのきのぼう”が来るという事はきっと神の思し召しであろう」
侍「確かに自分の目的を伝えて無いのに目的が達成されるとはかなり凄いな」
商人「あ、でもうちは黒龍の洞窟で神父はんの目的を聞いたよ」
神父「侍殿、勇者達の命が掛かっている。“ひのきのぼう”を」
侍「おう」スッ 公爵「うりゃっ!」バッ
一同『!?』
公爵「これが“ひのきのぼう”... ...これが無ければ勇者達は死の運命のままか」
神父「しまった、ここで正体を現すか、偽者め!」
公爵「!? ......いつから私が偽者だと気付いていた?」
破壊者RX「お前さ、俺をどうやって短時間で運んで来たと思う?」
公爵「?! ......もしかして本物の公爵が運搬用のゴーレムを作って貴様を運んだのか?」
神父「その通りだ。さて、奪った“ひのきのぼう”を返してもらうぞ。どの道 貴様に逃げ道は無いぞ」
公爵「ふっ、その程度どうという事は無い、俺には切り札がある! 来い! ゴーレム!!」パチンッ
ドゴオーンッ ヴィーンガションッ ヴィーンガションッ ヴィーンガションッ プッシュウウゥゥーー グポーン
公爵(偽物)「ククク、よくぞ俺の正体を見破った!貴様らは特別に魔王軍、魔道化部隊、所属、魔道化部下4様がぶっ殺してやろう。さあ、覚悟しろ!」グワッ
侍「そうはさせん!おい商人、やれ!」
商人「はーい、ポチッとな」ポチッ
公爵(偽物)改め魔道化部下4「えっ…」
ちゅどぉおんっ!
神父「なっ……“ひのきのぼう”が爆発しただと……お、おい、侍!これはどういうことだ!!」
小者「いやー、実を言いますと…“ひのきのぼう”無くしちゃいました」
神父「なっ……なっ…なにぃぃぃぃぃいいいいい!!!!」
侍「そして、俺たちは魔王軍に“ひのきのぼう”が損失したという情報が漏れない為に“ひのきのぼう”にそっくりの爆弾を用意した訳だ」
商人「ちなみに、この爆弾を作ったのは私やで!」
魔道化部下4「くっ…、ククク、クククク、ククククククク!!」
侍「あっ、まだ生きていた」
魔道化部下4「ククク、よくもやってくれたな、テメー…ぶっ殺してやる!!行け!俺のゴーレム!」
公爵「させるか!!行けウルトラ公爵スペシャル(※ゴーレムの名前)奴のゴーレムを倒せ!!」
ウルトラ公爵スペシャル「ぐおおおおおおお!!!」ゴシャァ
魔道化部下4のゴーレム「ぐがっ」ドザザザッ
魔道部下4「なめんじゃねー!ゴーレム!『分解』!」
ゴーレム「ゴー」バラバラ
公爵「何やってるんだ!わざわざ自分のゴーレムを壊して!」
魔道部下4「バーカ、これは布石だよ。『再構築』!」
ゴーレム「ゴーッ!」ガキーン
公爵「そんな虚仮威しに掛かるか!ウルトラ公爵スペシャル!かまわずやれ!」
U公爵SP「ゴゴー!」ブンッ
グシャッ
公爵「なっ」
神父「公爵の方のゴーレムの腕が壊れただと!?」
魔道部下4「言っただろ?布石だとな
俺のゴーレムは地面から大量の砂鉄を吸収し、防御力をアップさせたのさ!そしてその硬さはそのまま攻撃力ともなる!!行け『超硬質突進』!」
砂鉄ゴーレム「ゴーッ」ダダダダダ
ドガーン
公爵「ウルトラ公爵スペシャルーッ!!!」
メイドA「えーとえーと、公爵が、二人? どうして?」
英海兵2「気付いて無かったのか? 和の国出発前に色々おかしかったじゃないか」
忍者「うむ、あの時は眠くて気が付かなかったでゴザルが、英兵達の態度がおかしい事に気が付いて直ぐに公爵が偽者と気が付いたでゴザル」
英海兵3「いや、このメイドAさんは出発前のごたごたの時に居なかったじゃないですか」
忍者「しかし、その後の皆の態度で公爵は偽者だと分かると思うでゴザルよ」
商人「知り合って間もおまへんが、なんだかんだ言って飛空艇一番艦の皆はんはちゃんと公爵様について行く人達やろからね」
メイド「ところでどうして公爵様がここに?」
船長「それはだな、エネルギー探知器が人でも魔族でも無い存在が城から飛び立って行くのを探知したので飛空艇で追跡しようとしたら、城の騒ぎを見て急遽 こっちに来たって訳だ」
メイドB「あ、それはきっと白竜だ。そっか、逃げられたか......」
魔道部下4「はーはっはっ、どうだ! 俺のゴーレムは!」
公爵「くっ、」
小者(あの構えは!)
ザザシュッ ガシャンガシャンガシャンガシャン
侍「十文字斬り。砂鉄はただ集めて固めただけじゃただの石と同じだ。熱し鍛えし刀の敵じゃない」
魔道部下4「 お、俺のゴーレムが4つに斬られただと?... ...あ、いや未だだ」
神父「ならば、<法の鎖>!」
魔道化部下4「くっ、こいつ、法の鎖を使えるのか……(確か魔道化様に聞いた話によると、法の鎖は生物の動きを制限することが出来るんだっけ…)」ジャラ…
神父「今からお前はこの鎖が外れるまで、私たちに攻撃することができない!」
魔道化部下4「フッ、だがそれで攻撃できないのは俺だけってことだろうが!…へっ、殺れゴーレム共!」
ゴーレム達『ゴオアアア!!』
小者「いつの間に!?」
魔道化部下4「フハハハハ、コイツらの一斉攻撃でお前らは終わりだ!フハハハハ」
神父「……お前、馬鹿だろ」
魔道化部下4「…はっ?お前は何を言って……」
女王「…………消えろ、泥人形!」ブワッ
ゴーレム達『ぐ、グアアア』ドサッ
魔道化部下4「なっ…あれだけの数のゴーレム達が一撃で……」
侍「こ、これが…女王の、英国最強の魔法使いの力…!」
小者「すごい…!!」
魔道化部下4「ハハハ、ま、負けた…俺が人間如きに負けた…嘘だろ…」バタン
女王「ふっ、他愛も無かったな」
魔法使い「か、か、かっこいい!!!」
女王「ふっ、そう褒めるではない、照れるではないか」テレッ
メイド長(っべー、女王様の照れ顔、すごくかわいい)
メイド長(まったく、女王様は最高だぜ!!)ハナヂ ツー
魔道部下4「嘘だ・・・嘘だ・・・」ブツブツ
神父「女王陛下、こいつの処分をどうする」
女王「法の鎖につないだまま地下牢へ幽閉しておけ」
公爵「うぅ・・・ウルトラ公爵スペシャル・・・」
女王「おまえは起きろ」ゲシッ
公爵「ズゴックッ」
メイド長「(我々の業界ではご褒美です)連れて行け」
兵士「うぃーっす」
女王「さてと、一件落着した所で和の国からの使者よ、“ひのきのぼう”は無いんだな?」
侍「はい」
女王「ならもうこちらには用は無い」
侍「左様ですか。......こちらにも用は無いな。英国見物して帰るか」
メイド長「あ、そうだわ。あの偽者は公爵に化けていたから、この事は処罰の対象ではございませんか?」
公爵「ふむ、確かにそうだがあの者は魔王軍の者、泳がせて情報を得ようとするのが」
メイド長「黙りなさい!」
公爵「いや黙らない! だいたい魔王討伐にもっと力を入れれば」
メイド長「魔王討伐なら破壊者達を送り込んで」
公爵「あの図体ばっかりでかい第一の破壊者や第二の破壊者、第三の破壊者がなんか役に立ったのか!? もう魔王討伐に再度行って来る! もう補給済みだからな!」
英飛空艇一番艦乗組員達『了解しました!』
侍「それじゃ一緒に帰るか」
小者「 はぁ、まったく、しょうがないですねぇ」
商人「えぇ~? ま、しゃーないか」
神父「ふむ、ぐちぐちするよりも行動した方が良いかもしれないな、私もついて行こう」
忍者「さらば英国でゴザル」
女王「ふむそうか、メイド長! 公爵は放っておいて、こちらは行方不明になった伝説の担い手 勇者候補を探すぞ!」
メイド長「女王様、やはりこの者(魔道化部下4)はあの部屋に入れるのですか?」
女王「ああ、このような雑魚でも、我らの神、『神星』様を目覚めさせる為の供物の足しになるだろう……ふふふ」
―――英国、街中―――
侍「あー、同盟を組めなかったなー、この事を殿様にどう伝えようか……」
魔法使い「ここは普通に『任務失敗しました!すんません!』って言って土下座したら?」ムシャムシャ
侍「いやー土下座はちょっと…」
遊び人「ワガママですね…」
侍「だいたい土下座しなくていいんだよ。殿からの書状には『公爵殿のお供をするように』しか書いてないから」
小者「そうそう私達には英国まで来る理由は最初から無いですから」
侍「だが公爵殿は建造中の飛空艇が完成する頃合いだと言っていたから今度は飛空艇が2隻になるぞ」
魔法使い「......街中来ないで公爵と一緒に飛空艇に乗って公爵のお屋敷に行けば良かったかな......」
商人「いや、ちびっとでも英国見物したいやないやろか?」
侍「うーん、でもやっぱり何の成果も得られずに帰るのは解せな……って、えっ!遊び人!?何でここに?」
遊び人「えーっと、実は僕も君たちと一緒に旅をしたいと思ってさ。女王城から必死に君たちを追いかけてきたんだよ」フヨフヨ
小者「えっ?それはつまり私たちの仲間になりたいと言う事ですか?」
遊び人「うんうん。それに僕、幽霊の様にフヨフヨ浮いているけど、どうやら物とか人とかに触れる事ができるみたいだし」
侍「えっ、マジで!!」
遊び人「マジだよ。でも信じられないって言うのなら、今ここで実演してみせよう」
忍者「実演?」
遊び人「そうです。実演です。それじゃあ忍者さん、いきますよぉ…」スゥ…
忍者「えっ!?ちょ、それどういう事でござるk」
遊び人「天牙!!!」ドゴォ
忍者「ぐふぅ」バタン
侍「………良し採用!」
てれれれってってってー
――遊び人が仲間になった…
―――英国、公爵領、公爵の造船所 ‐‐‐‐‐‐ ―――
公爵「飛空艇が、一隻も無い、だと......」
英技術者「はい、完成した飛空艇二番艦、三番艦はメイド長達に接収されました」
公爵「……しょうがない、一番艦だけで行くとするか... ...皆を待たせ過ぎたくないからな」
―――英国、公爵領、公爵の館 ‐‐‐‐‐‐ ―――
ワイワイ ガヤガヤ ムシャムシャ パクパク ズズー
魔法使い(28)「やっぱりこっちに付いて来て正解だったわ。このお茶とお菓子、なかなか美味しいわね」
老執事「お褒め預かり光栄です」
新米海兵「でもこれ、あんまり甘くないな。砂糖とかけちっているんじゃねーの?」パクパク
英船医「確かに砂糖は大量に安価に手に入りますが、それは植民地に対して非道な行いをしているからです」
老執事「そして公爵様はその植民地政策に反対しました。このお茶とお菓子の材料は公爵領で栽培・生産された物だけを使用、その為、量が少なく高価になっております」
新米海兵「そうか、非道な行いの恩恵は受けないという訳か......」
英海兵3「結構意味無く暴力振るう奴とかもいるからな」ムシャムシャ
英海兵2「でもうちの国じゃそれは日常茶飯事じゃね?」パクパク
英海兵1「自分の所ではそうだからといって、他所にまでそれを持って来るなって話さ」ムシャムシャ
公爵「造船所から戻ったぞ」
一同『お疲れ様です』
魔法使い(28)「新しい飛空艇はどんな感じなの?」
公爵「はぁ、メイド長達に接収されていて無かった」
英船医「確か、二番艦は和の国で爆沈しましたけど、三番艦も無くなっていたと?」
公爵「その通りだ」
魔法使い(28)「え? なにそれ? 飛空艇建造は公爵が尽力したのよね? ちょっと理不尽過ぎない?」
破壊者RX「まったく、あいつらは好き勝手やりたい放題したい放題だな」モグモグ
神父「確かにな」ズズー
新米海兵「ほんとそうだよな、他人の意志を無視してきやがる」
英船医「それは仕方ないでしょう。当代最強の魔法使いで当代最高権力者がメイド達に甘いですから」
新米海兵「成程、凄い傍若無人な奴の影響でメイド達も傍若無人なんだな」
公爵「さて、嘆いていても仕方が無い。そろそろ飛空艇一番艦に乗って出発しようか」
船長「そうですね、侍さん達一行も街中見物を終えて、待ち合わせの港に向かって行るでしょうからね。野郎共! 行くぞー!」
英海兵一同『了解しました!!』
メイド長「では私は通常業務がございますので、先に戻らせてもらいます」
女王「うむ」
女王の部屋
メイド長「さて、今日も始めますか」
ぼふっ
メイド長「ふわぁぁぁああいい匂いぃぃぃぃいい
スーハースーハースゥゥウウウウウ」
三分後
メイド長「ふぅ、今日は短めに切り上げますか」
新米メイド「(どうしよう、えらいもんみてしもうた
クールビューティで通っとるメイド長が女王陛下のシーツに顔を埋めて三分間息を吸い続けとった・・・)」
メイド長「さて、次は女王陛下の今朝脱ぎたてのパンティでも拝借しようかしら」
新米メイド「(まだやる気だこの人!!)」
―― 一方その頃、侍一行は…
―――教会‐‐‐‐‐‐ ―――
侍「へぇー、ここが教会かー。なんか公爵が言っていた感じとは、全く違うな」
小者「何か、神秘的な所ですね」
ズドドドドドドドドド
騎士「ん?何だこの音は」
ドドドドドドドドドドドドド
魔法使い「何かこの音、近づいてきてない?」
ドドドドドドドドドド
神父「いや、気のせい、気のせ…」
小柄な女性「何が気のせいだ。ゴルァ!」キョウテンデドガッ
神父「ごはっ」
小柄な女性「おうおう、神父、一週間の無断欠勤に引き続き、我が物顔で知り合いを教会に呼ぶとは、随分と偉くなったじゃねーかゴルァ!」
神父「無断欠勤は謝りますけど、何も教典の角で攻撃しなくても…」
小柄な女性「うっせー!黙れ!」
小者「あのー、神父さん、そちらの女性、知り合いみたいですけど、えーっと、どなた何ですか?」
神父「あー、彼女はこの教会の司祭様だよ」
―――女王の城 ‐‐‐‐‐―――
新米メイド(あれから10分、未だにメイド長はパンツをかぶったままベットに眠り続けている)
新米メイド「あの人、頭、大丈夫なんやろか?」ボソッ
メイドC「おい、新人、いったい何を見てるんっすか?」スゥ…
新米メイド「ドワッ!!先輩、いつの間に、私の背後に!?」
―――街上空、英飛空艇一番艦 ‐‐‐‐‐‐ ―――
神父「う~ん、もうちょっとお茶とお菓子を食べたかったな......」
破壊者RX「ところでよ、あんたは誰だ?」
神父「おや? 気付かれたか。そうだ俺の正体は」シュゥウウウウ ドロン
神父改めメイドA「メイドAだ」
破壊者RX「嘘吐くなよ、俺の鼻は誤魔化せないぞ。と、言ってもまぁ見逃してやるか」
メイドA「そうかい」
魔法使い(28)「あっ!? 貴方、どうしてここに!?」(まさかヒーロー君の事がばれた!?)
メイドA「う~ん、何となく?」
魔法使い(28)「そう、なの?」(どうやらばれてない......?)
新米海兵「あっ! お前は!? まさか俺をまた捕まえに来たのか!?」
魔法使い(28)「ちょ、待っ」
メイドA「あ、君にはもう俺の方から用事は無いから。俺の事はモブキャラみたいなものだと思ってくれていいよ」
新米海兵・魔法使い(28)「「え?」」
破壊者RX「こいつもお前と同じく偽装しているぜ。でもまぁ悪い奴じゃ無さそうだぜ」
メイドC「全く、新人、何、女王様の部屋の前で仕事をサボってるんっすか!怒るっすよ!」
新米メイド「ひぃ、すみません」
メイドC「………まあ、新人もちゃんと反省しているのなら、特別に許してやるっす。それで新人、メイドB先輩を見かけなかったっすか?」
新米メイド「いや、見てないですね。あははは」
メイドC「そうっすか…」
新米メイド「えーっと、先輩は、メイドB先輩に何か用があるんですか?もし私にも手伝えることが有ったら手伝いますけど……」
メイドC「うーん、用と言うか、何と言うか、ただ和の国に行っててしばらく会えなかったメイドB先輩に、ステルスモードで近寄って後ろから抱きt………」
メイドC「……と、特に手伝ってもらいたい事はないっすね」
新米メイド「…そ、そうですか……(この人もソッチ系の人か……)」
メイドC「ところでメイドBがはいてたパンツってもう洗濯されたかな」
新人メイド「(知るか!)」
メイドC「あの子ったらまだパンツの柄がクマさんなんすよ
まぁそこがかわいいんすけど」
新人メイド「(何で朝っぱらから他人のパンツの好み聞かされてるんだろう
・・・・・・実家の銭湯、継ごうかな)」
メイドA「やあ、新人と後輩、メイド長がどこに行ったか知らないかです?]
新米メイド「うわあああ、面倒くさいのがまた増えたぁー!!」
メイドA「おい、新人、心の言葉が、つい声に出てるですよ」
メイドC「あっ、メイドA先輩、メイドB先輩見かけませんでした?」
メイドA「メイドB?あいつなら…」
メイドB「ん?何を話してんだお前達?」
メイドC「あっ!メイドB先輩!!」
メイドB「なあ、お前たち、メイドの奴を見なかったか?」
メイドC「ん?メイド先輩っすか。いや見てないっすけど、何かあったんっすか?」
メイドB「ああ、実はな。あいつ、侍たちの仲間になるつもりらしい」
メイドA「………………えっ?」
メイドC「……………へ?」
新米メイド「…………はっ?」
メイド達『えぇーーー!!!!???』
メイド長「スヤァ…」
―――街上空、英飛空艇一番艦‐‐‐‐‐‐―――
破壊者RX「ところで神父はどうしたんだ?」
メイドA「街中の教会の方に行ったみたいだな」
破壊者RX「教会だな… …お~い、公爵! 街中の教会に寄ってくれねーか?」
公爵「うん? 教会に?」
破壊者RX「ちょっとした用事があるんだ、頼むよ」
公爵「う~ん、まぁ良いだろ、未だ待ち合わせまで時間があるしな。 船長! 予定変更だ! 街中の教会に向かうぞ!」
船長「了解しました!」
新米海兵「大丈夫なのか? この飛空艇であのごちゃごちゃした街中に着陸出来る場所があるのかよ?」
公爵「大丈夫、教会の前にはかなり広い広場があるから、この飛空艇でもちゃんと着陸出来るさ」
新米海兵「そうなのか?」
船長「典型的な西洋の街は道や通路は必要最小限みたいな感じに建物が密集しているが、王宮と教会の前にだけはちゃんとした広場があるのさ」
新米海兵「へぇ~、俺が生まれ育った所とは随分違うな」
メイドA「道幅が狭くて家々はギュウギュウ詰め、そして王宮前と教会前にだけ広い広場... ...何だろうな、この感じ......」
公爵「おや? いつの間にメイドAが居るんだ?」
メイドA「ちょっと和の国でやることができまししたので」
公爵「そうか、よし、いいだろう」
RX「(いいのか)」
???「ほほぅ、これが飛空挺とやらか。ふむ、構造は粗方理解したぞい」
全員「「「!!?」」」
公爵「だ、誰だ貴様は!」
魔ドクター「はじめまして、小汚い下等生物ども、ワシの名は魔ドクター。お前さんたちを始末しに来た・・・と言いたいところじゃが、今日は別件があるのでな。かまっている暇はないんじゃ。じゃあの」
公爵「なんだあいつは!全く気配を感じなかったぞ!」
侍「今あいつが向かった方向・・・英国じゃあないか?」
公爵「マ、マズイ!急いで英国に戻るぞ!!」
英海兵`s「イエッサー!」
メイドA(メイドA?…ああ、そういえばまだこの姿のままだったな。…あとで別の奴の姿に化けるか……」
―――教会‐‐‐‐‐‐ ―――
司祭「ささ、奥へどうぞ。茶ぐらいは出すぜ」
小者「い、いえ、私たち急いでるので…」
司祭「うぅ…、それはつまり私が入れた茶は飲めないと言う事か…」
小者「い、いえ、そんなわけでは………」
司祭「……………」
小者「…はぁー、わかりました。なら、お言葉に甘えて、お茶頂きます」
――――――
魔法使い「お茶うめー」
司祭「そうだろ、そうだろ。ほれ、茶菓子も食え」
魔法使い「わーい、お菓子だぁー」
司祭(……ふっ、かわいい……)ニヤァ
魔法使い(うっ………寒気が……)ゾクツ
神父「(………あの、司祭様、そろそろあの事は聞いた方がよろしいかと…)」
司祭「(うるせえ!今から聞くところだ!てめーは黙ってろ!)」
神父(あ、あんまりだぁぁ!!!)
司祭「……ふぅ、ちょっとお前たちに聞きたい事があるんだけど、少し質問をさせてもらう」
小者「はい、何ですか?」
司祭「……お前たちが持ってる魔族に関する情報、全て教えてくれ」
―――街上空、英飛空艇一番艦‐‐‐‐‐‐―――
破壊者RX「あいつ追跡する前に教会に寄ろうぜ」
船長「あ そうだ、侍さん達と待ち合わせしている港に行って侍さん達と合流してからにしましょうよ」
公爵「そうだな、早く侍殿達と合流しよう。そして奴を追跡、教会へは後回しだ」
破壊者RX「教会には神父が居るんだが」
公爵「何!? 神父は我々と行動を共にしていなかったか?」
破壊者RX「途中で教会に行きました」
メイドA(しれっと嘘吐いたな)
公爵「く、面倒だな。やっぱ王宮で別れて後で港で合流するってやらなければよかった......」
破壊者RX「そりゃ仕方無いぜ、折角公爵が王宮に飛空艇で来てたから、そのまま乗り込んで出発しようとしたのに“ちょっとでも街見物したい”と言い出した奴がいるし、
公爵は良い人だからそれを認めちゃったうえに自分の用事を思い出して自分家に行ったから、別行動は仕方ないぜ」
船長「しかしこんな緊急事態になってしまって皆合流出来ないとなると今後は別行動はしない様にして、今はどうするのが最善か......」
英海兵1「あの~、“通信機”を使えばいいんじゃないんですか? 確か忍者さんや小者さんが“通信機”を持っていた様な記憶があります」
一同『……あ!』
公爵(......ところでさっき何か違和感があったが、多分 気のせいだな)
―――教会‐‐‐‐‐‐ ―――
侍「魔族の情報…」
司祭「なあ、確かお前ら、神父の話によると魔将軍と対峙して生き残ったんだろ」
騎士「ま、まあな」
司祭「頼む、魔将軍に関する情報、もしくは魔道化の情報をくれ」
侍 (魔道化か…)
侍「魔道化はとにかくおかしな奴だった」
司祭「そうか。で、魔将軍は?」
侍「強く、芯があったが・・・なんというか・・・魔族ではなかった気がする」
魔法使い「そういえば、魔道化が魔将軍に何かを囁いた途端に魔将軍の雰囲気が変わったわ」
司祭「ふむ。うーむ、もしかすると魔将軍はただ操られているだけなのか?
いやしかしそれだと不都合な点が・・・」ブツブツ
神父「(!何か居る・・・背後かっ!?)」バッ
シャキン
魔ドクター「フェッフェッフェ、惜しいのう、もう二秒で首を切れたのにのう」
神父「てめぇ・・・魔族だな」
司祭「貴様・・・魔ドクターだな!」
魔ドクター「いかにもたこにもくらげにも。ワシこそ魔王軍兵器技師長兼暗殺部隊長魔ドクターじゃ。『法の鎖』を使える神父及び上級聖職者の抹殺の命を受けここに来た」
~~~魔王城~~~
魔道化「ねぇ魔将軍ちゃん、魔ドクター見なかった?」
魔将軍「? 魔ドクターなら『法の鎖』を使える神父及び上級聖職者の抹殺の命を受けたとか言って出掛けたが?」
魔道化「え?」
参謀「? 誰がそんな命令を出したんだ?」
魔将軍「魔王様ではないのか?」
魔道化「いや、魔王は今 命令を出せる様な状態じゃないし、魔ドクターに誰かを抹殺する命令を出すのもおかしいし......」
参謀「……まさか、魔ドクターは未だ混乱しているのか?」
魔道化「それは無いと思いたい。地下秘密実験室でこの前作業していたし......」
魔道化(もしかしてあの融合で僕っちがおかしくなったのは魔ドクターが正気じゃ無かった所為?)
―――‐‐‐教会‐‐‐―――
魔法使い「う~ん、どうも暗殺部隊長には見えない......」
神父「しかし私の背後を取る程の手練だ、見掛けで判断すると痛い目を見ると心してかかった方が良い」
魔ドクター「フェッフェッフェ、その通りじゃ。それ“光学迷彩”ポチっとな」ヴォン
一同『消えた!?』
神父「くっ『法の鎖』!」
魔法使い「確か『法の鎖』には自動で目的を追尾することができたはず・・・」
司祭「いや、無理だ。」
子者「どうして!?」
司祭「『法の鎖』は目標の気配を探知して追尾するが・・・さすがは魔王軍の暗殺者と言うべきか
気配を欠片も感じない」
ぬぅ
魔ドクター「まず一人」
ずぶしゃ
魔法使い「いやあぁぁぁあっ神父さんがああああああ!!」
司祭「・・・今すぐに教会の神病院にかつぎ込めば何とかなるかもしれないが・・・
絶望的だな」
商人「神父はんしっかり!」
侍「く! よくも仲間を! いくら姿を消そうとも見極めて刀の錆にしてやる!」シャキッ
魔ドクター「フェッフェッフェ、ならば、人間だけに効く様に改造した特製『催涙煙玉』! 絶望に落ちるが良い!」
侍「何っ!?」
魔ドクター「フェッフェッフェ、前に魔族にだけ効く様に改造した特製品の『催涙煙玉』を使われた事があってな、
これはそれを参考にして作った、ってあれ? 目、目が?!」
小者「? 私達には何ともないですね?」
魔ドクター「しもた! 間違えて魔族にだけ効く『催涙煙玉』を使ってしもうたわい!」
侍「よし! ならば今のうちに神父殿を運んで治療を受けさせよう!」
小者「ちょっと待って下さい! 敵が嘘を吐いているかもしれません! 迂闊に行動したら」
侍「どうせ俺達には敵の状態が分らん! ならそんな事考えて止まるより、今の事考えて動くべきだ!」
司祭「そうだね、付いて来な。教会の神病院に案内する」
ピーザー
小者「!? この忙しい時に通信機が!?」
『もしもし、こちら飛空艇一番艦です。侍さん達聞こえてますか? 今何処に居ますか?』
魔ドクター「フン、例え目が見えずとも目的は果たす! そこだ!」
ずぶしゃ
魔法使い「司祭さあああああん!!」
『もしもし? 司祭さんがどうしたって?』
小者「今こちらは大変なんですよ! 用事は後にして下さい!」
侍「く、神父殿に続き司祭殿まで!」
魔ドクター「フェッフェッフェッ、これでもうこの場に用は無い。さらばじゃ」
小者「司祭さん!しっかりしてください、司祭さん!」
魔ドクター「フェッフェッフェッ、転移魔法!」
小者「司祭さん!神父さん!二人ともしっかりしてください!まだ助かりますから、だからっ!」
司祭「…う…うぅ…」
小者「良かった、まだ意識がある。侍さん、早く病院に…」
司祭「…ぐうぅ……ぐあぁ…………なんちゃって」テヘッ
小者「…………へっ?」
魔ドクター「発ど…」ザシュ ボトッ
シスターA「……どうやら、出番に間に合った様ですわね」
魔ドクター「ぐ、ぐわあああ!!う、腕がぁぁ、ワシの右腕がぁぁぁ!!」
神父「………間に合った…だと?ふざけるな!遅すぎるわ!」
神父A「あはは、めんごめんご。実はこの四人の誰が、この魔を斬るか討論になっちゃって」
魔法使い「な、何で、さっきまで……」
司祭「ああ、あれは演技」
忍者「…………なん……だと………」
魔ドクター「ふ、ふざけるな!何が演技だ!ワシは確実にお前を斬った!その証拠にこの剣を見ろ!こんなに血がついて……いない!?」
修道士「あんたは幻を見ていたって訳よ」
魔ドクター「幻…だと…あ、ありえない…」
司祭「ふ、ふふ、信じたくないなら信じなくても良いわ。でもあなたが幻を見ていたっていうのは、紛れもない事実だけどね……それじゃあ皆さん、この愚かな悪魔を殺さない程度に……殺れ」
シスター、神父一同『はーい、了解しましたー』ザッザッザッ
魔ドクター「や、やめろ、やめてくれ!!やめてーーーー!!!ぎゃあああああああああああああ!!!!」ドガッ バギッ グサッ
遊び人(幽霊)「うわぁ…」
侍「ぐ、グロイ…」
忍者「えげつないでござる…」
小者「ひ、酷い…」
騎士「あいつら、本当に聖人か…」
魔法使い「うわぁ…酷い…」
商人「なんか悪魔の方が不憫に思えてくるな…」
司祭「…さてと、この悪魔はヴァチカンの本部に送るとして、私たちは…とりあえず教会の方に戻ってお茶を飲みましょう。侍さん達もそれでいいですよね」
侍「あ…ああ……」
司祭「それじゃあ、皆さん!教会まで競争だぁぁ!!」ダッ
公爵「おお、ここに居たか侍殿達」
侍「おや? 公爵殿達、どうしてここに?」
小者「そういえば、通信機に通信が来てました」
英海兵1「はい、通信で司祭さんとか言ってたから、ここに来ました」
英海兵3「それにエネルギー探知機に魔族の反応がここら辺に出てたからな」
英海兵2「おまけに飛空艇が着陸出来る広さが教会前の広場にあるからね」
新米海兵「さぁて! 魔族を倒すぞ!」
魔法使い(28)「まったく、張り切っちゃって」
メイドA「しかしもう事態は収拾した様だな」
新米海兵「ありゃ?」
魔法使い(28)「残念ね」
破壊者RX「つまらねぇな、あいつ食ってやろうかと思ってたのに」
侍「あぁ、ここに現れた魔族は捕まって、何でもその魔族をばちかんの本部に送るとか」
公爵「ふむ、ヴァチカンの本部に送るか... ...(飛空艇で送ってくれと頼まれません様に)」
侍「? (どうしたんだ? 公爵殿は?)」
小者「(さぁ? ばちかんに何かあるんじゃないのでしょうか?)」
破壊者RX「(ヴァチカンについて説明すると魔法を使えるとばれたら××や○○された末に□□な処刑がされるぜ)」
魔法使い(28)・魔法使い「「((えっ!?))」」
メイドA「(それは大袈裟じゃないか? 多分だがなぁなぁな感じで済まされるんじゃね?)」
神父「はーかーいーしゃー!何で貴様がここにいる!」
破壊者RX「………」ダッ
神父「逃がすか!くらえ『法の鎖』!」ブンッ
破壊者RX「ぎゃああああああ」
神父「貴様は確か女王に返したはずだ。なのに、何故、今、公爵と、一緒に、居るんだ!」
破壊者RX「え、えーっと……わかんない」テヘペロッ
神父「」イラッ
破壊者RX「分ーったよ! 種明かしするとだな、和の国出発前に一悶着あっただろ? そん時から俺は女王に束縛されない自由の身になって、
そして今も女王に束縛されていない、自由の身なんだよ」
神父「あっそういえば!?」
公爵「えっ!? 未だ自由だったの!? てっきり女王が再度束縛して、命令で引き続き神父と行動を共にしているものだと思っていたが......」
神父「そういえば女王にこいつを縛る鎖が壊れている事を報告し忘れたな」
新米海兵「え、こいつ野放し状態なの? 危険じゃないの?」
神父「今は私が縛ったから大丈夫だ。さてどうしたものか?」
破壊者RX「俺は自由になりたいね」
破壊者RX「なぁなぁ公爵、俺を自由の身にしてくれないか? 頼むよ」
公爵「う~ん......」
神父「もしかしてこいつを自由にしてやるつもりじゃないでしょうね? 公爵様?」
公爵「いやだって、さっきまで自由で何も問題無かったから別に自由にしても良い様な」
破壊者RX「そうそう」
神父「何を言っている? こいつは私を見て逃げ出そうとしたのだぞ? 自由にさせておける訳が無い」
公爵「でもなぁ、う~ん、何て説明すれば良いだろうなぁ?」
魔法使い(28)「私達の中で一番最初に神父さんの居る教会に行こうと提案したのはこいつなのよね」
神父「何?」
新米海兵「そうなんだよなぁ、自由の身だから、神父と合流しなければ今の状態にはならなかったと思うのに、こいつは神父と合流しようとしてたんだよなぁ」
魔法使い(28)「ほんと謎よねぇ、何で今は自由を要求しといて、さっきは神父さんと合流しようとしたのかしら?」
破壊者RX「というか神父はまた和の国に行く面子に付いて行くんだろ? 遅かれ早かれ合流は必然じゃん。なら早めに合流する様にしていいじゃん」
公爵「まぁそうなんだが、今の状態だと、なんか釈然としない、色々悩んじまう」
メイドA「もうこの件は何もかも神父が悪い、神父が何か勘違いしているという事にしといたら? そうすれば大体丸く収まる様な気がするよ」
神父「え?」
司祭「じゃあ神父は三ヶ月間の減給及び反省文7枚の提出な」
神父「納得いかん!」
司祭「いいか?おまえが頑張れば私も責任に問われないし女王陛下もお喜びになるしみんなが幸せになれるじゃないか」
神父「俺が幸せじゃねぇ!!」
司祭「ふっ…まあ冗談はここまでにしておいて…おい、神父、このデカい男は一体何なんだ?」
破壊者RX「おいおい、お前、俺のこと忘れたの…」
神父「撃滅のォ!」ドガッ
破壊者RX「ぐぼぁ!」
神父「ふぅー、危なかった…」
破壊者RX「何がだよ!!」
神父「何がって……ちょっと耳貸せ」
破壊者RX「ん?何だ」
神父「…実はな、司祭や他の仲間たちはお前が破壊者の被験者になったことは、言っていない、というよりか司教様の命令で言えない」
破壊者RX「なっ!!」
神父「あとそれから、お前は力を欲するあまり魔族に寝返ったって事になってる。だからお前がお前だってバレルと殺されるぞ」
破壊者RX「…マジで?」
神父「マジで…」
破壊者RX・神父「………………」
司祭「………おーい、大丈夫か?」
破壊者RX「…ハッ!………え、えっと……ダ、タイジョウフダヨ」アセアセ
司祭「?お前そんなに声高かったっけ?」
破壊者RX「ヤ、ヤダナー。モトカラコンナンデシタヨ。ボク」
司祭「……そうか、なら良いんだか…」
司祭「取り敢えず神父は三ヶ月間の減給及び反省文7枚の提出忘れるなよ」
神父「やっぱりそれは納得いかんぞ!」
メイドA「でも神父、『貴様は確か女王に返したはずだ』言っていたよな?」
神父「うむ、そう言ったな」
英海兵1「あれ? 神父様と破壊者って、女王の城を後にした後、一緒に行動してたよな?」
英海兵2「おう、公爵様の館で一緒にお茶とお菓子を食べていたな」
新米海兵「あんまり甘く無いお菓子だったなぁ」
魔法使い(28)「あれはあれで良いのよ。で、確かに二人共居たわね」
英海兵3「返したって言ってるけど返してないよな」
神父「いや、だからそれは破壊者が勝手に女王から離れたから......」
公爵「女王と破壊者に責任を問うか? これは妥当な処分じゃないかな?」
神父「……確かに女王と破壊者に責任を問え無いな... ...分かったこの件はそれで受け入れよう」
公爵「さてと、それじゃこの教会での用事は済んだか?」
神父「えーと、何か忘れている用事は何かあったかな?」
公爵「皆の用事が全て済んだのなら、いよいよ和の国へ向けて出発したいのだが」
神父(あれ? 冷静に考えておかしいな? 女王の城の後、私は破壊者と行動を共にして無いはず......)
神父「おい破壊者、聞きたい事があるんだが」
破壊者RX「おう何だ?」
神父「女王の城の後、貴様とは一緒に行動して無いよな? 貴様と一緒に居たという奴は俺の偽者なんじゃないのか?」
破壊者RX「ああ、えーと、説明面倒くせーな。他の人が説明してくれるだろうさ」
神父「いや、他の人って誰が説明するんだ? 皆は俺と貴様が一緒に居たと言っているぞ?」
破壊者RX「もう別に気にするな。特に問題にならねーだろうしな。それより用事があったらとっとと済ませちまえよ」
ーーーーとある国
魔物使い「さーて。あたしらもそろそろ動かなきゃね」
死霊使い「………うん」
人形使い「ボク達が何とかしないと、世界が滅ぶ」
魔物使い「あたしら三姉妹。この時をずっとまってたんだからね」
またとある国
フクロウ「鳥友ネットワークによると、英国が動いたらしいですぞー」
吟遊詩人「う~ん、そろそろ私たちも動いた方がよろしいのでは?」
竜騎士「だ、な。行くぞ。雷竜」
雷竜「若造が年寄りに命令するんじゃないわい」
精霊使い「いくよ、フクロウ」
フクロウ「ホッホーゥ」バサバサ
死霊使い「……何故なら…」
人形使い「ボク達は…」
魔物使い「三人揃って!」
魔物使い・死霊使い・人形使い「「「伝説の担い手なのだから!」」」
魔道化「………へぇー、そうなんだ。…って僕は頷きながら君たち目掛けて鎌をぶん投げる!」ブンッ!
魔物使い・死霊使い・人形使い「「「うわっ!!!」」」ヒョイッ
魔道化「……チッ、外したか…」ボソッ
魔物使い「殺す気かっ!!」
魔道化「うん!」
魔者使い「駄目だこいつ…早くコイツから逃げないと……という訳で…」ダッ
人形使い「あっ!お姉ちゃんが逃げた。それじゃあボクも…」ダッ
死霊使い「……………」ダッ
魔道化「あははは、待て~逃がさないぞ~」ダッ
魔将軍「ズズッ ……なあ、参謀よ。私たちはここで呑気にお茶を飲んでいても大丈夫なのか?」
参謀「まぁ、アイツが自分、一人で大丈夫って言ってたから大丈夫じゃないか…多分…」ズズッ
ヒュウウウウ……
一同『うん?』
ヒュウウウウドシンッ
魔将軍「何だ!? 突然空から岩が降って来たぞ?!」
魔道化「あらら~、伝説の担い手が三人共岩に潰されてグジャグジャのペッシャンコだ。ツマンネ。一応魂頂くか」
参謀「前にも伝説の担い手と目されていた奴らが事故死していたし、伝説の担い手は早死にする運命なのかもな」
魔将軍「しかし、何も無い空から岩が降って来るのは異常だぞ。むっ!? 雲の隙間に何かあるな?」
参謀「うん? あ、あれはまさか!」
―――‐‐‐‐‐‐―――
鳥組頭「あれがそうか」
龍組頭「みたいだな」
鳥組頭「良し、遂に見付けたぞ。“浮遊島”!」
龍組頭「だいぶ崩れているな。急ごう」
鳥組頭「ああ、前にも俺達が会議しているすぐ傍で大規模に崩れたみたいだからな」
龍組頭「あの時は運が悪ければ死んでいたな。だがまぁ崩れて落ちた欠片のおかげで追跡が容易だったな」
―――‐‐‐江戸、城下町‐‐‐―――
スライムA「着いたね。僕らの国の隣りの国に」
スライムB「だね」
伝令兵「傍から離れるなよ。この国は余所者を受け入れていてもさすがに坊主共は保護者がいないと通報されるだろうからな」
スライム達『うん! 分かった!』
スライムC「で、これから何処行くの?」
伝令兵「そうだな、先ずは酒場に行くとするか......」
―――‐‐‐居酒屋GOEMON‐‐‐―――
伝令兵「変わった字の店名だな」
スライムD「きっと異世界人が経営してるんじゃないのかな?」
ゑるふ「おいでやすぅ。あら、スライム連れとは珍しおすね、それもぎょうさん」
伝令兵「えーと、この店、スライム連れで入って大丈夫ですか?」
ゑるふ「かましまへんよ」
スライムA「異世界人経営のお店だね」
伝令兵「そうだな......」
龍組頭「」
鳥組頭「」
魔将軍「」
参謀「」
魔物使い「本当にばかね。あんたらは。使役するのが専売特許なあたしらが前にでてくるとでも?」
死霊使い「…………身代わりくらい基本。死霊の魂」
人形使い「僕たちの力をあまくみないでくれるかな」
魔道化「あらら。一本とられたね。仕方ないか、先に仕掛けたのこっちだし今回は負けを認めるさ」ヒュン
魔物使い「……逃げたか。いけ好かないねあいつは」
死霊使い「…………」
人形使い「ま、何人か始末できたしいいよね」
参謀「魔道化、今感知できる伝説の担い手は何人いる?」
魔道化「東に三人西に四人、北はゼロで南が今僕たちがしくじったの含め七人ってとこかな」
魔将軍「多いな」
魔道化「まぁこの数字は半径10km以内の数字だからね
まだ他にいる可能性もゼロじゃない」
参謀「しかし、さっきの戦闘でお前がおとなしく引いたのは以外だったな」
魔道化「ハハッそうかもね。・・・ただあの小娘たちはその内挽き肉にするけどね」
参謀「お、おう」
魔将軍「(根に持ってた・・・)」
死霊使い「……ふっ、わたしたちに挑むなんて百万年早い…」
人形使い「ホントだよねー」
魔物使い「これこれ、妹たちよ。そんなこと言ったら、敗者の人たちに失礼じゃないか」
人形使い「あはっ、ごめーん」
魔物使い「全く、やれやれだz――――」
―――どっかの洞穴‐‐‐‐‐‐―――
魔物使い「―――――――って感じの夢をさっき見たわ」
人形使い「へぇー、ボクたちがあの魔族たちから生きている事がばれない様に必死で逃げている間、岩の衝撃で気絶したお姉ちゃんはそんな愉快な夢をボクたちの背中の上で見ていたんだ……」
魔物使い「あはっ、ごめん」
龍組頭「」
鳥組頭「」
魔将軍「」
参謀「」
魔道化「げ、いきなり全員死んだよ。なにこれ」
死霊使い「………討伐完了」ブイ
魔物使い「えっ?」
人形使い「はっ、それって……」
死霊使い「………死霊は目に見えない。私のお友達」
魔物使い「あんたってばもう……一人で無茶すんなっていってんだろう?」ナデナデ
死霊使い「………んー」
人形使い「ボク達も負けないようにしないとね」
伝令兵「おのれ、魔将軍様の仇ぃ~」
弓頭「死ねぇ~」
槍頭「やってやるぞ~」
足軽頭「行くぞぉ~」
黒魔頭「喰らえぇ~」
赤魔頭「殺してやるぞ~」
魔者使い「おや? 新手かい?」
死霊使い「……?」
人形使い「でもさっきよりかは弱そうだよ」
――― ‐‐‐‐‐‐―――
魔道化「この次はこの魂達に何しよっかなぁ~」
参謀「おい魔道化、先程の魂達をもて遊んでないであの“浮遊島”の調査の為の準備をするぞ」
魔将軍「そうだぞ、魔ドクターがいない今、まともな分析やら調査を行える者は限られているんだからな」
魔道化「へぇ~い」
―――浮遊島―――
鳥組頭「到着っと」
龍組頭「うむ」
鳥組頭「さて、手早く仕事を片付けますか」
人形使い「はぁー、お姉ちゃん、ちゃんと謝る気あるの?」
魔物使い「えっと……無い!」
人形使い「死霊使いちゃん、このバカ姉を黄泉に送っといて」
死霊使い「……わかった」
魔物使い「ちょ、本気で謝りますから黄泉送りだけは、何とぞご勘弁を」
人形使い「ふふ、判ればよろしい」
龍組頭「」
鳥組頭「」
魔将軍「」
参謀「」
伝令兵「」
弓頭「」
足軽頭「」
黒魔頭「」
赤魔頭「」
魔物使い「しつこいわね。死霊使いなんだから魂についてはスペシャリストだっつの」
人形使い「今回人形ぽいのもいたしボクでも使役可能だし」
死霊使い「…………小細工はきかない。あと出来ればほっといてほしい」
魔物使い「基本やられたらやり返すのが私らのスタンスだしね」
魔道化「もうほっといて一人で探検しちゃお」
参謀「よし、“浮遊島”に行く用意が出来たぞ」
飛行合成獣「くけー」
魔道化「へーい今行きますよっと」
―――浮遊島、内部―――
鳥組頭「おや、この道 崩れて塞がってやがる」
龍組頭「ふむ、地図によれば迂回路があるな、そちらから行こう」
―――浮遊島、外部―――
魔道化「あっという間に“浮遊島”に到~着。結構広そうだね」
参謀「確かに広い。ならば調査の為に先ずは召喚魔法陣を描いてっと」ガリガリガリ……
参謀「これで良し、 ……〈出でよ〉!」
コボルト達『バウワウッ!』 ゴブリン達『ギャギャッ!』 スケルトン達『ガシャガシャ』 フレイム達『ボー』 ゴースト達『フワフヨ』
魔将軍「お、さすがなんでも召喚士。やっぱ数が大事だよな」
参謀「いや、一対一の戦いだと悠長に召喚出来ないし、こんな雑魚ばかり居ても1対100で勝てる様な人材が居ないとな」
魔将軍「しかし人は一人だと一人前の仕事しか出来ないが、二人いれば三人前や四人前の仕事が出来るというぞ」
魔道化「でも実際に一人で雑魚百人に圧勝する人が言ってもねー」
ワロタ。理不尽展開続いてるのは分かるが分岐も無かったのに直前レス無かったことにするのはどうよ
いっそ自分でスレ立てろよ。そのほうがいいぞ
キャラの夢オチ殺し合いなんてくだらなすぎる
これはリレーなんだからバトンはしっかり受け取ってしかるべきだ
>>1のルールに乗っ取り分岐>>472から開始
魔道化「おーい生きてるー?」
魔将軍「」
魔道化「ありゃありゃ、完全に魂抜かれてるよ。担い手もやるね」
魔道化「軽い気持ちで殺そうしただけなのにひどいや。これが世間の冷たさですか」
魔道家「他2名もアレだし仕方ない、この島の探索は一人でゆっくりするかな」
魔物使い「で、これからどうする?」
人形使い「取り敢えずあの人を探そう。ボク達だけだと死の危険がある」
死霊使い「………侍」
人形使い「しかし、その侍って人、今、何処に居るんだろう…」
魔物使い「あの方、っていうか主さまの情報によると、今はその侍って奴は英国に居るっていうけど…」
死霊使い「……正直、英国まで歩くのがメンドクサイ」
人形使い「はてさて、どうしましょうかっ」シュン
魔物使い「………な、なん…だと……」
死霊使い「……お、お姉ちゃんが突然、消え…」シュン
魔物使い「……ぎゃあああああ!!!もう一人の妹も消え…」シュン
――― 浮遊島‐‐‐‐‐‐―――
魔物使い「たーーー!!!!!……って、あれ?…キョロキョロ……ここ何処だ?」
魔道化「やあ、また会ったね」
魔物使い「………ぎゃあああああああ!!!また出たーー!!!」
魔道化「ふふっ…どうやら、君もこの浮遊島の主に招待されたようだね」
魔物使い「ぎゃあああああああああ!!!!」
魔道化「君もここに居るって事は、あの二人もこの島に……って、君、僕の話ちゃんと聞いてる?」
魔物使い「いやああああ!!こっちに来るなー!!うわーん!」
魔道化「安心してよ殺す気ないから」
魔物使い「嘘つけぇえええ!もう何度か殺される夢見たぞぉお!」
魔道化「ならあれ見なよアレ」
魔物使い「あれ?」
人形使い「ここがこうで……うん。仕組みは分かった。上手くいけばこの島操れるかも」
死霊使い「………うん」
魔物使い「……何やってんの?あんたら」
人形使い「あ、お姉ちゃん。んーとまぁ、一時の休戦みたいな?」
魔物使い「は?」
魔道化「まぁ早い話。一人じゃいろいろ不便でね。ここはお互いの利益を尊重そようってことだよ」
魔物使い「……あたしらの利益は?」
魔導化「探し物とかこれ使えれば便利でしょ。他にも探せばいろいろあるんじゃない?」
魔物使い「……いいだろう。ただし休戦条約は絶対だ。あたしらだって無益な戦いは好まない」
魔道化「了解。まぁせいぜい助けあおうか」
魔道化「あー、えー、とりあえず落ち着け」ガスッ
魔物使い「んにゃっ!ひ、酷い!うら若き乙女にチョップするなんて!鬼!悪魔!サディスト!」
魔道化「挽き肉にすんぞ」ボソッ
魔物使い「ヒッ!」
魔道化「しかしまぁ、『浮遊島』なんて単なるおとぎ話だと思っていたのに、実在するなんてね」
魔物使い「え?そういえば・・・ここ・・・浮いてね?」
魔道化「え?今さら?」
バキッボキッゴリッグシャッ ペッ
魔物使い「えっ!?」
死霊使い「」
人形使い「」
魔物使い「う、嘘」
バクッ バキッゴシャグリッグシャッ ペッ
魔物使い「」
魔道化「……こいつが浮遊島の主、いや、浮遊島のコアと言った方が正確かな。巨大だなぁ、それに口付きの触手がいっぱい」
浮遊島コア『ハアアアァァァ......』
魔道化「三人ともミンチになっちゃったなぁ」
死霊使い「」
人形使い「」
魔物使い「」
魔道化「ありゃりゃ、三人とも肉体もそうだけど魂も完全にこいつに喰われているなぁ」
浮遊島コア『オオオォォォン』
魔道化「あの三人を瞬殺しちゃうような奴からは逃げるに限るね! 取り敢えず爆弾どうぞ! じゃ!」ポイッ ダッ
ちゅどおおぉぉんっ!
魔物使い「今さらで悪いかっ!」
魔道化「………まあ、とりあえず、この島を探索しようか…魔物使いちゃん、さっさと行くよ」スタスタ
魔物使い「えっ?ちょっ、待って!!あたしを独りにしないでー!」スタタタッ
魔道化「(……さてと、まあ、取り敢えず、この島の中心部に行ってみるか……)」
>>1のルールに乗っ取り分岐>>480から開始
魔道化「ふんふんふふ~ん♪」
魔物使い「やけに楽しそうねあんた」
魔道化「道化師はいつでも周りからそう見られなきゃねー。旅のお供に一人どう?」
魔物使い「絶対嫌だわ。いつ死ぬか分かったもんじゃないし」
人形使い「ボクも遠慮したいな。職業柄操れそうに出来ない人は苦手」
死霊使い「………笑顔の仮面の内側。秘密の貯蔵庫」
魔道化「得体の知れないのも道化師。君たち俺を誉めすぎだって」
魔物使い「誉めてないての。それで?あんたはこの島のことどこまで知ってんの?」
魔道化「まーそうだね。話しもいいことだけ話してもいいかな」
死霊使い「……普通に秘密所得してる」
魔道化「ところで僕達さぁ、一時の仲間ではなく、正式に仲間にならない?」
魔物使い・人形使い・死霊使い『!?!』
魔道化「まぁ未だ話だけ聞いて欲しいんだけどさ、先ず、異世界からこの世界に人が来るのはこの世界が素晴らしいからなんだよね」
魔道化「異世界なんてもうダメダメ、失敗世界と言える程の駄目さ加減で、その異世界に嫌気がさした人がこの世界に移民する訳だ」
魔道化「ところがこの世界も異世界同様、駄目になりつつある。この世界人や異世界からやって来た不作法者の所為でね」
魔道化「と云う訳で僕らはこの素晴らしい世界を維持、存続させ続ける為に支配しようって訳さ」
魔物使い・人形使い・死霊使い『…………』
魔道化「どうだい? 僕達、仲間にならない? それに僕らの仲間になったら多分、君達に課せられた運命から逃げる事が出来ると思うんだよね」
魔道化(おまけに魔物使い、人形使い、死霊使いで戦闘では身代わりが基本。もう魔王軍側の人の戦い方だよね)
魔道化(曲がらない直線的な魔将軍ちゃんよりもすげー魔王軍向けな人材。つーか、もう何で魔王軍じゃないの?って感じな三人組だよね)
魔道化「まぁ今は考えとくだけで良いよ」
魔物使い・人形使い・死霊使い『…………』
魔道化(こう、あとちょっと俺っちの好感度が上がれば仲間になってくれるかな?)
魔道化(いや、そもそも俺っちが殺されてないのは俺っちが元から好かれている所為からかな? 後もう一押しで仲間になるかな?)
魔道化「頼むよ、ボクの体を一晩好きにしてイイからさ・・・なーんt」
人形使い「よし、協力しよう」
魔道化「え?」
魔物使い「そうまで言われたらやるしかないよな」
魔道化「ちょ」
死霊使い「・・・・・・子供は、何人欲しい?」
魔道化「おm」
人形使い魔物使い死霊使い「「「我らは一蓮托生!これより魔王軍に入ることを誓う!!」」」
魔道化「(どえらいことになった・・・)」
魔物使い(という感じでごまかしとくの。いいわね?)
人形遣い(了解だよ。こうでも言っとかないと、いつ首が飛ぶかわからないもんね)
死霊使い(………魔王軍とかありえない)
道化師「君達本気なの?」
魔物使い「ホンキダッテ。ダーリン」
人形遣い「ボクタチ、チョ―ガンバルヨ」
死霊使い「………」コクコク
道化師「分かりやす過ぎるよ君達」
魔物使い「……はぁ。仲間ってのはね、背中を預けられる人のことをいうの」
人形使い「そういう意味でやっぱり無理かな。ごめんね」
死霊使い「………ここを出たらお互いに不干渉を貫く。それが一番」
道化師「御尤も。まぁいいさ、本当の意味での仲間は俺には必要ないし」
魔道化「という訳で君達、さっきからのに気付いてる?」
魔物使い「え?」フラフラ
人形使い「何に?」フラフラ
死霊使い「……?」フラフラ
魔道化「長話したかいがあったな。この世界の技術と異世界からの技術でケミカル分野が発展しててさ」
魔物使い「ケミカル?」フラフラ
魔道化「うん、僕も一杯食わされる程なんだ。でもまぁ僕はケミカルのスペシャリストじゃないけどね」
人形使い「それが何?」フラフラ
魔道化「こういう訳さ。必殺 暗示チョップ三連発!!!」
魔物使い 人形使い 死霊使い『ぐふっ』バタバタバタン
魔道化「これで良しと。フフ、やっぱ一人くらいは薬品に詳しい奴がいないと駄目だよね」
魔道化「こっそり薬を撒いて長話して効き目が出るのを待っていたのさ」
魔道化「という訳で三名様、暗示をかけて、魔王軍にご案内しま~す」
魔道化「よし、それじゃあ早速、彼女らに暗示をかけて、この島から脱出しよう。うりゃ!」
魔道化「………あれ?おかしいな、暗示がうまくかからないぞ…」
ドドドドドドドドドドドドド!
魔道化「ん?何だこの音?」
ズドドドドドドドドドドドドド!!
魔道化「…何かの足音みたいだけと……」
ズドドドドドドドドド ウオオオオオオオオオオオ!!!
魔道化「あと、何か人の声も聴こえるな…」
魔物使い「………ハッ!」
魔道化「あっ!やばっ、起きちゃった…」
ズドドドドドドドドドドドドド
魔将軍「うおおおおおおお!!!!」ドドドドド
魔道化「……あっ!魔将軍ちゃんだ」
魔物使い「あれ?あいつ確かあの場所で……って、何かあいつの後ろにグロテスクな生き物が追いかけてきてる!!!何あれ気持ち悪っ!」
魔将軍「誰かー助けてー」
謎の生き物「ぐぎゃぁあああ!!!」
魔道化「あれは死んだ筈の魔将軍ちゃん? 何で生きて……ハッ!」
魔物使い?「……クス。それじゃあ皆仲良くアイツに食われましょうか」ガシッ
魔道化「ちっ、そういうわけか!」
人形使い?「今更気付いた所で遅いよ。ボク達に先に襲いかかったのは君たちだ」
死霊使い?「………言ったはず。身代わりは基本」
魔道化「離せ! 離……」
謎の生き物「ぐぎゃあああああああ!」
魔道化「ぐふっ…」
【とある国】
魔物使い「初めからあの場にいたのは私らじゃない。表にでるは使役者ならず」
人形使い「ボク達そっくりの人形に偽の魂を吹き込みあたかも生きているように操るのが僕の十八番」
死霊使い「………人形が敵の目を撹乱し、本体の私達は任務遂行を果たした」
魔物使い「さて、侍には『例の物』も渡したし、あとは静かな所に旅立つか」
死霊使い「………私達の願いは静かに生きたい。それだけだから」
----三人は旅立った。彼女達はその後、慎ましくも幸せな生涯を送り物語に絡むことはなかった
魔道化「・・・・・・あのメスガキども、ここまでボクがおちょくられるたぁね。
すでに探知は完了している。待ってろ、国ごと滅ぼしてやる」シュン
とある国
魔物使い「しかしまぁ、こうも安々とやれるなんて、魔王軍もたいしたことないね」
人形使い「王様からは謝礼金もらったし、旅行にでも行く?」
死霊使い「・・・・・・ッ!?」ゾクッ
魔道化「やぁ、はじめまして。死ね」
ドブシュッ
ゴロン
魔物使い「な・・・なんで・・・」
人形使い「へ、『兵隊人形』!」
グシャッ
人形使い「ひっ」
ズバッ ドサ
魔物使い「いや・・・許して・・・魔王軍にでも何にでも入るから・・・」
魔道化「すでに君たちへの興味は消え失せたんでね。丁重にお断りさせていただくよ」
魔物使い「い…いや…こ、殺さないで……助けて――――――」
――― 浮遊島‐‐‐‐‐‐―――
魔物使い(眠り状態)「――う、うーん…やめて魔道化……それだけは……昆布だけは…………すぴー」
魔道化「……今、彼女の夢の中の僕は昆布に何をしようとしているんだ?…」シュタタタタタッ
人形使い「気にしたら負けだよ」シュタタタタタッ
死霊使い「……そう。気にしたら負け」シュタタタタタッ
魔道化「でもさぁ……僕、今、魔物使いちゃんを背負っているでしょ。……耳元に直接、寝言が聞こえてくるんだよ…」シュタタタタタタッ
魔将軍「まあ、そこはドンマイとしか言いようがないな」シュタタタタタッ
魔道化「てゆーか、何なの君たちのお姉さんは!伝説の担い手のくせに変な化け物を見た瞬間、気絶するし、もうホント……何なんだよ!!!」シュタタタタタッ
魔将軍「(……ほう。魔道化がキレるとは…珍しいな…)」シュタタタタタッ
謎の生き物「ぎゃおー」ズドドドドドドド
魔道化「くっそ!まだ追いかけてきやがる。一体何なんだあの生き物は…」シュタタタタタッ
謎の声『そいつはこの島の生物、ビックモルボルだよ』
魔道化「(こいつ直接脳内に…!)」
―――英国:教会前広場・英飛空艇一番艦―――
司祭「ところで貴方、さっきから気になっていたんだけど、ちょっとこれに憑く事出来ない?」
遊び人(幽霊)「え? これにですか? でもまあ試してみます」
神父「あ、それは私の趣味で作った蝋人形の中でも会心の作で特別な思い入れが......」
遊び人(蝋人形)「はい、無事にとり憑けました」
司祭「うん、なかなか良いね。お小遣い兼旅の餞別に金貨5枚あげるよ」
遊び人「これは色々ありがとうございます」
司祭「気を付けて行ってらっしゃい」
魔法使い「ところで何であんたが居るの?」
メイド「別に良いじゃないですか。メイドAも居ますし。というか何でメイドAが居るんです?」
メイドA「う~ん、成り行きを見守りたくなったからかな?」
メイド「何ですか、その理由は?」
侍「ところで君は? 公爵殿の仲間で見掛けなかった顔だか?」
新米海兵「俺か? 俺は」
魔法使い(28)「もう隠す必要はないんじゃない?」
新米海兵「そうだな! 俺はヒーロー! 将来スーパーヒーローになる男だ!」
魔法使い(28)「ちなみに彼が私の仲間よ」
侍「おお、そうだったのか。宜しく」
ヒーロー「おう! よろしく!」
小者「そう言えば公爵さんは新しい飛空艇の建造が終わっている頃だと言ってましたけどその飛空艇は?」
英海兵1「それがメイド長に盗られちゃったみたいで」
小者「うわぁ、それはご愁傷様です」
公爵「これでもう用事は無いな! 忘れた事は無いな! 皆 準備は良いな!?」
再び和の国へ向かう一同『おおー!!』
公爵「良し! それじゃ皆の者、飛空艇一番艦に乗艦! 目的地は和の国だ!」
再び和の国へ向かう一同『おおー!!』
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
‐‐‐‐‐
‐‐
船長「全員、乗船完了しました!
公爵「良~し! 飛空艇一番艦、発っ進! 進路、和の国へっ!」
一同『おおーっ!!』
―――浮遊島―――
魔将軍「そうだ! 魔道化! 伝えとく事があったんだ! この浮遊島に奴らが居るぞ!」シュタタタタタ……
魔道化「え? 奴らって?」シュタタタタタ……
魔将軍「うん、実は‐‐‐‐‐‐
~~~回想、浮遊島、深部~~~
龍組頭「ふぅ、やっとここまで辿り着いたな」
鳥組頭「疲れちまったのかい?」
龍組頭「ふん、その女を助ける為に“身代わり”に“変身”で余計な消耗をしたからな。おまけに自分にも“身代わり”を使ったからな」
鳥組頭「すまないね。この女は暗示にかけられているみたいだからな、それを解いてやろうと思ってな。で、ここがそうかい?」
龍組頭「ああ、地図によればな。ここにあるのを下手に弄くるなよ」
魔将軍(こいつらは何を言っているのだ? 取り敢えず両手足の縄をこいつらに気付かれない様に解かないとな......)モゾモゾ ガコンッ
鳥組頭 龍組頭 魔将軍『うん?』
~~~回想終了、現在~~~
魔将軍「で、今に至るという訳だ。あ、あと拘束している縄を切ってくれないか?」シュタタタタタ……
魔道化(え、えっ!? あの時確認した魔将軍ちゃんの死体は身代わりの偽物!? 見抜けなかった!? まさか僕っちあの時結構動揺してた!?)シュタタタタタ……
魔将軍「おい魔道化、取り敢えず縄を切ってくれ」シュタタタタタ……
魔道化「あ、ああ今切るよ」シュタタタタタ……
サフシュ
魔将軍「良し、これで!」クルッ スウッ ビシッ!
人形使い「!? あいつ何する気なの!?」シュタタタタタ……
魔道化「ビックモルボルを倒す気なんじゃないの?」
人形使い「えっ!?」
魔将軍「秘技 」
謎の生き物「ぎゃおー」ズドドド……
ザブシュッ
魔将軍「音速の一太刀」
謎の(生き)物「」ドサドサッ
魔将軍「ふん、散々追い回されたが、あまり手応えが無かったな」スウ カチンッ
魔道化「さすが魔将軍ちゃん! あれから色々あったけど、竜神族の暴れん坊 黒龍を両断してのけた腕前は健在だね!」
人形使い・死霊使い「「……」」ポカーン
謎の声『いや~、ビックモルボルを一撃で倒すなんて凄いですね』
魔将軍「」
謎の声『聞こえてますか?』
魔道化「」
謎の声『聞こえていたら返事して下さい』
魔物使い「」
人形使い「」
死霊使い「」
謎の声『ビックモルボルが斬り倒された特に撒き散らされた致死の猛毒が効いたみたいですね』
謎の声『魔族だけ殺そうと思ったんですけど、まぁでも魔族に与しそうな人も死んで当然かな』
謎の声『おお、ビックモルボルを一撃で倒すとは…流石ですね』
魔将軍「(こいつ直接脳内に…!)」
謎の声『いや~、本当に無事で何よりです』
魔道化「……なあ、さっきから気になってたんだけど、お前だれ?」
謎の声『ん?あれ、まだ名乗ってませんでしたっけ?』
死霊使い「……うん、まだ名乗って無い」
謎の声『あははは、いや~そうですか~。それじゃあ、名乗らせていただきます』
謎の声『どうもこの浮遊島の主をやってます、エルフです』
~~~????~~~
魔物使い「う、う~ん、あれ? ここは何処?」
おなべのフタの精霊「夢の中ですよ」
魔物使い「! どちら様ですか?」
おなべのフタの精霊「おなべのフタの精霊です。伝えたい事があって、貴方の夢に干渉しています」
魔物使い「? 取り敢えずその伝えたい用件を窺いましょうか」
おなべのフタの精霊「では言いますが先ず、貴方達は死の運命が付き纏っているのをご存知ですか?」
魔物使い「ええ、知っているわ。条件を満たせば回避される事も」
おなべのフタの精霊「その条件の一つ、死にそうにない運命の人の仲間になるというのがありますので、死にたくなければ魔道化の仲間になれば?」
魔物使い「え? でもそれじゃ魔王軍に......」
おなべのフタの精霊「ならば魔王軍以外の死にそうにない運命の人の仲間になれば良いじゃないですか」
魔物使い「そんな人、この近くに居るの?」
おなべのフタの精霊「とにかく死にたくなければしぶとい人の仲間になる。死にたくない、魔王軍になりたくないならば魔王軍以外のしぶとい人の仲間になる事です」
魔物使い「成程、分かったわ」
おなべのフタの精霊「あと、この浮遊島は殺す為に現れた様な存在みたいです。あっちこっちに死の罠が用意されているでしょうから脱出する事も考えていて下さい」
>>1のルールに乗っ取り分岐>>495から開始
魔道化「……えっ?浮遊島の主?」
謎の声、改めエルフ『はい、そうです。浮遊島の主です』
一同『・・・・・・・・・・・・・・』
エルフ『あれ?急に黙り込んで、どうしたんですか皆さん?』
魔道化「……なぁ、エルフ、僕たちは君に言わなければならないことがある」
エルフ『ん?どうしたんですか?』
魔道化「さっさと僕たちを地上に戻せ!!!」
エルフ『……無理です』
魔道化「なんでだよっ!」
エルフ『それはですね。貴方たちに力を貸してほしいからです』
>>497最初の一行目はいらないな、普通にリレー出来るから
―――浮遊島、?部―――
エルフ「それはですね。貴方たちに力を貸してほしいからです」
エルフ(さて、こうは言ったものの、先程の独り言“魔族だけ殺そうと思ったんですけど、まぁでも魔族に与しそうな人も死んで当然かな”)
エルフ(聞かれていたら不味いな。まさか起き上がって来るなんて... ...あの音速の一太刀で斬られた時に猛毒がかなり拡散して致死濃度に達していなかったのか?)
―――浮遊島、魔道化達―――
魔将軍「しかし、先程あの謎の生き物を斬った後に意識が無くなったいたが、あれは?」
エルフ『ああ、それはビックモルボルの体液に睡眠成分が含まれていたからですよ』
魔道化(さっき倒れた時、朦朧とする意識で確かに魔族、殺そうって聞こえた気がする。こいつは怪しいな、取り敢えずどうするか......?)
魔物使い「う~ん、......あれ?」
魔道化「おや? 気が付いた?」
魔物使い「あ、はい。降ろして下さい」
魔道化「うん、いいよ」
魔物使い「よいっしょっと、さて、(ねぇちょっと)」
人形使い・死霊使い「「((?))」」
魔物使い「(あいつらに内緒で話しておきたい事があるの)」
エルフ『それでは、今からあなた達にはこの島の中央部にある遺跡に行ってもらいます」
魔将軍「中央部にある遺跡?………ああ、私が命からがら脱出したあの遺跡か…」
エルフ『そうです。あなたが罠に引っかかり過ぎて、めちゃくちゃになった遺跡です』
魔道化「そんで、遺跡に行って何をしたらいいの?」
エルフ『遺跡に勝手に入った侵入者を島から追い出してください』
魔道化「侵入者?」
魔将軍「…恐らく侵入者というのは奴ら(鳥組頭、龍組頭)のことだろう」
エルフ『あっ、最初に言っておきますけど、この島には特殊な結界が張ってあって、その結界の能力で、あなた達、外から来た生物は結界の外に出るまで生物を殺すことは出来ないのでご了承ください』
魔道化「えっ!?」
エルフ『あっ、でも攻撃とかはできるんで、侵入者の方は気絶させたりして島の外に捨ててください』
魔道化「ちょ、ちょっと待て、その話が本当なら何でビックモルボルは死んだんだ?」
エルフ『死んだ?何を言ってるんだい。彼はただ倒されただけで、まだ生きてるよ」
魔道化「………………」チラッ
ビックモルボル「…………ググ…」ピクピク
エルフ『あとそれから、この結界の力は、この島で生まれた生物たちには効かないみたいだから、殺されない様に気をつけてね』
魔道化「諸君、位置について、用意」
全員「「「」」」バッ クラウチングスタート
ビッグモルボル「グォォォオオ!」
魔道化「逃げろぉぉおおおぉぉおぉ!!」ダッ
全員「「「うおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!」」」
―――浮遊島、?部―――
エルフ「ちぃ、逃げやがって」
エルフ「ビッグモルボルはそのまま追撃させておいてっと、」
―――浮遊島、魔道化達―――
エルフ『私の誘導に従って逃げて下さい』
魔道化「! 何処に誘導するんだい?」
エルフ『遺跡にです』
魔道化「トラップの類は?」
エルフ『さっきも言ったでしょ、“罠に引っかかり過ぎて、めちゃくちゃになった”って』
魔道化「……分かった」
―――浮遊島、?部―――
エルフ(ふ、馬鹿め、トラップがめちゃくちゃになったと説明したが、それは嘘!)
エルフ(トラップは未だ健在! 魔族と魔族に与する奴は死にさらせ!)
?「おいおい、君、ちょっと口悪いよ」
エルフ「!?」
?「私の名を名乗ってるなら、最低でも裏表を無くさなきゃ駄目だよ」
エルフ「だ、誰だ!?」
?「誰だって、私は私だよ」
エルフ?「ふざけるな!」
?「…………あー、これは完全に精神が元の君に戻っているわ…」
エルフ?「元の君?何を言って…うっ……」バタン
?「……私がいない間、留守番ご苦労さん。ゆっくりお休みスライムくん」
?「さあ、それじゃあ早速仕事でもしますか…」
―――浮遊島、魔道化達―――
浮遊島の主『やあ、魔道化くん達』
魔道化「ん?どうした?」
浮遊島の主『ひとつ言い忘れていたんだけど、遺跡にはまだ六百六十二個ほどの罠が残っているから、精々頑張ってね』
魔道化「……………………な…ん……だと………」
魔道化「どうしてそんなにトラップが!?」
浮遊島の主『魔族を殺す為さ』
魔道化「うわ、はっきり言いやがった」
浮遊島の主『私は裏表の無い人間だからね』
魔将軍「こいつ、自分で自分の事を裏表の無い人間と言いやがったぞ」
魔道化「ていうかさっきの奴とは違くないか?」
浮遊島の主『うん、さっきのは私の代理だよ』
魔将軍「ふん、さっきの奴は自分の事を浮遊島の主と名乗り、
今の本当の浮遊島の主とやらは自分で自分の事を裏表のない人間と言う。何なんだろうな」
魔道化「(う~、取り敢えずどうしたものか? このまま遺跡に向かうべきか、引き返すべきか?)」
魔将軍「どちらでも構わん、どんな道でも切り開く!」
浮遊島の主『さっきも言ったけど、この浮遊島のトラップは魔族を殺す為のもの。
この浮遊島にのこのこやって来た時点でここが君達の御墓になる事は決まっているよ』
魔将軍「ふん、舐めるなよ! やってみなくちゃ分からないさ!」
浮遊島の主『ま、頑張ってね。私も出来る限り手伝ってあげるから』
魔道化「……君はいったい何が目的なんだい?」
浮遊島の主『目的?ん~……しいて言うなら、遺跡の奥にある大切な物を守ることかな』
魔物使い「大切な物?何よそれ」
浮遊島の主『そんなの大切な物なんだから言う訳ないじゃん。馬鹿だな~あははは』
魔物使い「」ムカッ
魔将軍「ふん、秘技 音速の一太刀」
ザブシュッ
一同『えっ』
ビッグモルボル「」ドサドサリ
魔将軍「遺跡の奥に殴り込みを駆けるぞ!」シュタタタタタ……
魔道化「ちょ、待ってよ、急にどうしちゃったのさ!?」シュタタタタタ……
魔将軍「ふん! 自分は裏表の無い人間と言いつつ代理の奴は浮遊島の主を名乗り、
魔族を殺す為のトラップが仕掛けられていると言っているにも係わらず魔族に協力させ様とし、
全ては遺跡の奥にある大切な物を守ることと言いつつそれが何なのかの説明も無し!
こんな筋が通って無い、筋を通さない輩は無視するのに限るが関わってしまった以上仕方無い、全力で後悔させてやる!」シュタタタタタ……
魔道化「そうかい。ところで何でわざわざビッグモルボルを斬り倒したの?」シュタタタタタ……
魔将軍「癪に障ったからだ! それに睡眠成分とやらも斬った後に直ぐ逃げれば良いと思ったしな!」シュタタタタタ……
浮遊島の主『まったく、こちらが出来る限り手伝ってあげると言っているのに後悔させるって?』
魔将軍「ふん、ふん! お前の頭の中がどうなっているのか見てみたいな!」シュタタタタタ……
魔道化(はぁ、もうちょっと上手く立ち回ってくれないかなぁ。 でもまぁいっか)シュタタタタタ……
遺跡内 祭壇
魔将軍「どうやら奴は以前からここに迷い込んだ奴を手にかけてきたらしいな
激しく抵抗した跡がある」
魔道化「まぁそれはいいんだけどさ
なんか牛っぽいようなそうでもないような生物が道を塞いでるね」
ジャイアントタウルス「ぶもー」
魔物使い「こんくらいならやれるかな」
魔道化「やられるかな、の間違いじゃなくて?」
魔物使い「ばーか、伝説の担い手なめんなよ
『魔法の角笛』!」
ぶぉぉぉぉおおおう!
魔物使い「私の伝説のアイテムは一日三回まで、獣系の魔物を服従させる『魔法の角笛』。
獣系の魔物限定だけど使えるでしょ?」
魔将軍「例えどんな敵や罠が来ようとも軽々と倒してくれる!」
――― 浮遊島、遺跡‐‐‐‐‐‐―――
トロール「ぐぼおおおおお!!!」
鳥組頭「くらえ、忍法、火の鳥!」ボボボボボボボボッ!!!
トロール「ぐわああああああ!!!」ジュッ
鳥組頭「………ふ、見かけ割には口ほどにもないな…」
トロール「ぐ…ぐ…」ピクピクッ
龍組頭「……相手を一瞬にして瀕死にするとは…流石だな鳥組頭」
鳥組頭「いえ、私の力なんて師匠や貴殿の力に比べれば到底劣ります」
―――遺跡内、祭壇、魔道化達‐‐‐‐‐‐―――
魔物使い「私も力になりますよ」
魔将軍「ふむ、まぁ取り敢えず協力感謝する、ありがとう」
魔物使い「いえ、仲間ですから当然ですよ」
魔将軍・魔道化『えっ!?』
魔物使い「決めたんですよ、貴方の仲間になるって」
魔道化「……君ならいらない」
魔物使い「えっ!?な、なんで?」
魔道化「だって、よく気絶するし、アホだし、魔物を操る以外は弱いし、馬鹿だし……………アホだし」
魔物使い「おいお前!何故アホを二回言った!何故だぁ!」ビシッ
魔道化「………それで、君たち(死霊使い、人形使い)は僕たちの仲間になる気はあるかい?」
魔物使い「おい!無視すんな!この野郎ー!」ポカポカポカ
人形使い「…答えはNOですね。ボクが仕えるのはこの世で唯一、ボクたちの主さまだけです」
死霊使い「……同じく」
魔道化「……そう…なら仕方ないね…(……主さまって誰だよ…)」
死霊使い「………お姉ちゃん。いこ」
人形使い「そうそう。ボク達はやっぱり三人そろってないとね」
魔物使い「あ、あんたたち……」ジワッ
人形使い「というわけで、ボク達もう帰るね」
魔道化「え、ここから帰れるの君たち?」
魔物使い「はぁ……。ダンジョン脱出の道具くらい常備してるわ」
魔道化「そうなんだ。まぁ、もう君たちに用ないし、それなりに役になった気もするから見逃すけど」
人形使い「言い方考えようよ。まぁいいけど。じゃあ二人共いくよ」
死霊使い「………うん」
魔物使い「おっけー」
魔道化「じゃあね~」
魔物使い・人形使い・死霊使いはダンジョンから脱出した!
―――浮遊島、樹海―――
魔物使い「……あれ?」キョロキョロ
魔物使い「ここどこ?」
人形使い「…周りにビックモルボルがいるところから見ると、ここはまだ浮遊島の中…」
死霊使い「………これからどうする?」
人形使い「……まずは遺跡に戻ろう」
魔物使い「……えっ!?さっき遺跡から脱出したのに何で?」
人形使い「いや、実は遺跡の中にちょっと気になる場所を見つけたから」
魔物使い「気になる場所?」
ビッグモルボル達『グォォォオオ』
魔物使い「」
人形使い「」
死霊使い「」
浮遊島の主『おや? 樹海エリアでビッグモルボル達に出くわしたんですか』
浮遊島の主『樹海ではビッグモルボルは本来の力を発揮するうえ、倒しても死なずに復活しますからね』
浮遊島の主『そして猛毒が致死濃度に達して死んだんですね。ご冥福をお祈りしますよ』
魔物使い「どないする?」
人形使い「こういう時は……おらぁ!」ドスッ
死霊使い「グフッ」カスタム
魔物使い「ちょっ!?」
人形使い「逃げるぞ!」ダッ
魔物使い「でも……」
モルボル達「グォォォ」
魔物使い「……逃げよう!」ダッ
浮遊島の主『ふむ、身代わりを囮に使ってそちらにビッグモルボル達を集中させビッグモルボル達の包囲網を抜けたか』
浮遊島の主『なかなかやるな』
ビッグモルボル達『ムシャムシャ……』
死霊使い「」
浮遊島の主『そしてビッグモルボル達の追撃を逃れる為に一人犠牲にしたか......』
浮遊島の主『なかなかやるな』
ビックモルボルA「むしゃ…むしゃ…」
死霊使い「…………………めろ」ボソ
ビックモルボルB「むしゃむしゃ…」
死霊使い(別人格)「…痛ってぇからやめろっつってんだよ!この植物がぁ!」ゴゴゴゴゴゴ
ビックモルボルA「ぐ…ぐぇ!?(な、何ィ!?)」
ビックモルボルB「ぐ、ぐぎゃぎゃっぎゃっぎゃぎゃぎゃ…(こ、コイツまだ生きてやがる…)」
死霊使い(別人格)「………ったく、てめーらのよだれの所為で体中がベトベトしやがる」
ビックモルボルA「ぐきゃっぐきゃっごきゃきゃきゃきゃっ…(な、何だコイツ、急に性格が変わった…)」
ビックモルボルA「ぐっこっぐぎゃあぎゃぎゃっぎゃ(それに、俺たちが食いちぎった部位が一瞬にして再生してやがる…)」
 ̄ ̄ ̄離れた場所
死霊使い「………だってそれ身代わり」
魔物使い「はいはい十八番。伊達に使役のエキスパートじゃないわ」
人形使い「ボクの人形は性格に難ありかなあ。ボクあんなことしないしオートマだとこんなもんか」
魔物使い「脱出前に身代わりら置いて内部調査。でも一筋縄ではいかないか」
死霊使い「………狂戦士の魂使ったらあんなことに」
魔物使い「島から脱出したら二度と入れないし、我慢するしかないわ」
―――浮遊島、樹海―――
死霊使い(狂戦士)「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄……」!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ビッグモルボル達『ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ……』!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
死霊使い(狂戦士)「」
ビッグモルボル達『』
死霊使い(狂戦士)「ふんっ」
ビッグモルボル達『ぎゃっぎゃ(復活)』
死霊使い(狂戦士)・ビッグモルボル達(こいつ、どうやったら倒せるんだろう......)
―――浮遊島、遺跡入口―――
グリフォン「クエーッ!」
人形使い(オートマ)「PiPi、獣系の魔物ですね。あんたの出番ですね」
魔物使い(?)「まかせて! 怖くない」スッ
ガブッ
魔物使い(?)「ほら怖くない」
ムシャムシャ
魔物使い(?)「」
人形使い(オートマ)「PuPu、駄目ですね」
―――浮遊島、遺跡から数メートル離れた場所―――
浮遊島の主『いや~、流石だね君たち。まさか死者を使ってビックモルボルたちと戦うとは…』
魔物使い「確か、この島に張ってある結界の能力は、『生物が生き物を殺すのは禁止』だったわよね。でも死者なら、生物に分類されないから殺しはセーフでしょ」
浮遊島の主『…あー、なるほど』
魔物使い「末っ子の死霊使いが、冥府から魂をランダムに取り出し、次女の人形使いが、その魂を強靭な肉体を持つ人形に入れて操る。これぞあたしら三姉妹の最強コンボの一つ『死者再生(リジェネート)』」ドヤァ
―――空、英飛空艇一番艦‐‐‐‐‐‐―――
英海兵1「……と言う訳で前に公爵様が大規模遠征軍の派遣計画を語った時に『胡散臭くて、気持ち悪い』で却下されたのさ」
侍「成程、それなら女王に同盟の話を持ち出しても『胡散臭くて、気持ち悪い』で取り合ってもらえなかったかもな」
小者「しかし行きに比べて帰りは遅いですね」
商人「確かに未だ到着せんね」
英工兵「仕方ないですよ、行きは大砲無しに火薬無しで軽かったですが今は大砲完備に火薬満載ですから」
英海兵3「報告! エネルギー探知機に異常発生!」
公爵「何!?」
英海兵3「おそらくですが、このエネルギー探知機の反応からみて近くに旅の扉っぽいものがあると思われます」
公爵「そうか。まぁ何にしろエネルギー探知機が役立たずになったという事か」
船長「総員、目視で周囲を警戒する様に!」
英兵達『了解!』
―――浮遊島、遺跡から数メートル離れた場所―――
グラッ
一同『えっ』
ガラガラガラッ
魔物使い?人形使い?死霊使い『キャーーー……』ヒュウウウウ……
浮遊島の主『おやおや、床が抜けましたか』
浮遊島の主『おまけに直ぐ下は何も無いから落ちたら地上までノンストップで落ちるな』
浮遊島の主『落ちた三人は助からないだろうな』
浮遊島の主『この浮遊島、あっちこっちで崩れてきて崩れ易い所がありますからね、運が悪かったですね』
 ̄ ̄ ̄離れた場所
魔物使い「げ。身代わりが一瞬にして奈落に落ちてくわ」
人形使い「まあ身代わりだからいいんだけど、いい気はしないね」
死霊使い「………狂戦士死霊使いは未だ戦闘中」
人形使い「とりあえず身代わりからは魂は冥土に返してあげて残った体は自爆だね」
魔物使い「浮島は怖いわ。離れた場所にいで正解ね」
死霊使い「………ポチ」
―――浮遊島、遺跡から数メートル離れた場所―――
浮遊島の主「小賢しい真似を。てか被害がこっちまできたわ。請求書うけとれコラ」
浮遊島の主『……ねえ、魔物使いさん達、ちょっと質問だけどさ…』
魔物使い「こいつ直接脳内に……!」
浮遊島の主『君はどうやって浮遊島の外に出たつもりなの?』
魔物使い「えっ、そんなの脱出道具を使って…」
浮遊島の主『…ハァ……君は一体いつから浮遊島から脱出したと錯覚していた?』
魔物使い「えっ?それはどういう……」
浮遊島の主『それじゃあ、さっさと目覚めな』パッチン
―――浮遊島、遺跡内部、祭壇―――
魔物使い「……ハッ!」
浮遊島の主『おお、やっとお目覚めかい?』
魔物使い「……え、えっと……まさかさっきまでのあれって……夢!」
浮遊島の主『いや~、まさか祭壇の睡眠罠に引っ掛かるとはね…』
魔物使い「くそー、せっかく浮遊島から脱出できたと思ってたのに」
浮遊島の主『あははは。私の結界がある内はそう簡単にこの島からは出れないぜ』
―――英国、教会―――
メイド長「あのー、ごめんください」
司祭「おお、メイド長ではないか久しぶりだな。茶でも飲むか?」
メイド長「い、いえ、お茶は結構です…」
司祭「そうか…」ショボーン
メイド長「あの、神父は今、居るでしょうか?」
司祭「神父?アイツなら今、近所の店まで、おつかいに行かせてるけど…」
ドア「」ガチャ ギギッ
神父「ただいま帰りました」
司祭「おお、神父タイミングが良いな。お前に客だ」
魔物使い「・・・で、今の状況は?」
仮面小人「ウンバッバッバ」ズンチャカズンチャカ
鬼面小人「ウンバババッバ」ズンタカタッタ
魔物使い「(・・・何これ)」
死霊使い「・・・・・・歓迎の舞だって」
魔物使い「え?私今まさに炎の上に吊られてるのに?」
人形使い「他人の文化を否定するのはよくないと思うが?」ムシャムシャ
魔物使い「そして何であんたはごちそう食ってんの?」
仮面小人「ウンババ。バ、ババンババンバンバン」
死霊使い「・・・・・・そうだ。おい、あれを持ってきてくれ、だって」
鬼面小人「ウンバ、バンババ、バーバパパ」
死霊使い「・・・・・・あぁ、あれか、待ってろ、だって」
魔物使い「何でわかるんだよ怖いよ」
魔物使い「はぁ~、せっかく良い情報を聞いたのに、こんな状況になるなんて……」
~~~~~夢の中?~~~~~
魔物使い「あれ? ここは? また夢の中ですか!? というかあたしはいつの間にまた眠ったの!?」
おなべのフタの精霊「そうです夢の中です、そして細かい事はあんまり気にしないで下さい。至急お伝えしたい事がございまして」
魔物使い「え? はい、何でしょう?」
おなべのフタの精霊「貴方達三人は伝説の担い手ではなくなりました」
魔物使い「えっ!? 伝説の担い手でなくなったって、どういう事ですか!?」
おなべのフタの精霊「さぁ? 私にもよく分かりませんが、取り敢えずこれで変な運命に振り回される事はなくなりますから良いんじゃないんですか?」
魔物使い「う~ん、まぁそうですね、これで不慮の事故死とかの死ぬ確立が一気に減る... ...うん! 死ぬ心配が減るのは良い事ね!」
―――――空、英飛空艇一番艦‐‐‐‐‐‐―――――
英海兵3「エネルギー探知機の異常が無くなりました! 周囲に反応無し!」
英海兵2「目で見える範囲には特に何もありませんでした!」
船長「了解! どうやら何事も無く進めたみたいです」
公爵「うむ。このまま無事に和の国まで行けそうだな」
メイドA(……ふむ、干渉しなくていっか。 伝説の担い手じゃなくなったみたいだしな)
メイドA(白竜)「(…まあそれに、あの三人はあの方の傘下だしな…)」
メイドA(白竜)「(しかし、あの三姉妹共も、とうとうあの力に目覚めたとはなぁ……あの方もお喜びになるだろう)」キシシッ
―――浮遊島、遺跡内部、祭壇―――
魔道化「……………」グツグツ
魔道化「(…何で僕、茹でられてるんだ?)」
魔将軍「ん?おお、やっと起きたか」ムシャムシャ
魔道化「や、やあ、魔将軍ちゃん。ちょっと質問なんだけど、何で僕、釜でグツグツと茹でられているのかな?あと君の隣で肉を食べている、そのちっこい生物は何!?」グツグツ
魔将軍「お前が茹でられているのは、出汁を取るためで、私の隣で肉を食べているのは、浮遊島、小人族の族長、族長小人さんだ」ムシャムシャ
魔道化「へぇー……………って、今、僕、出汁を取られちゃってるの!!!」
魔物使い「あははは。何、アンタ出汁とられちゃってるの!ざまあwww」
魔道化「…逆さ宙吊り状態の君に言われたくないけどね………あれ?」
魔将軍「ん?魔道化よ。どうしたんだ?」
魔道化「……いや、実は魔物使いちゃんたちの力が……」
魔物使い「ああ、そうなのよ。実は、伝説の担い手としての力が失ったみたいで…」
魔道化「失った?何を言ってるんだい?君たち、力が失ったっていうより、さらに力が上がってるじゃないか!」
魔物使い「………ふぇ?」
――― 浮遊島、遺跡、地下5F、迷路‐‐‐‐‐‐―――
参謀「……なあ、君たち、何か食べ物を持っていないかい?先程から腹が減って仕方がないんだ」
龍組頭「……生憎、俺は何も持ち合わせてはいない」
鳥組頭「すまないが、我も食べる物は持ってきてない……」
参謀「そうか…」
龍組頭「しかし、この遺跡はどうなっているんだ?…一階の祭壇での謎解きや、地下一階の連続罠地獄、地下二階の賭場に、地下三階の罠地獄、そして地下五階の迷路………」
龍組頭「何で地下四階が無いんだよ……」
参謀「まあ、そこはあまり気にしない方が良いんじゃないか」
龍組頭「……まさか、敵に励まされるとはな」ハハッ
―――和の国、江戸、殿様の城、飛空艇発着場(元広場)―――
侍「無事に帰って来られたな」
小者「うわー、ちょっと見ぬ間にお城の広場が整備されてますね」
公爵「むっ!? あれはガラクタと化した筈の飛空艇二番艦!? 修理されている!?」
家老「おおっ、無事に帰って来たか」
侍「あ、御家老、ただ今戻りました。して、この状況は?」
家老「うむ、あれはせっかくだから修理した。重傷を負ったあの飛空艇の乗組員達も回復し、作業を手伝ってもらえたしな」
侍「そうでしたか。そうだ、早速 殿にこの度の英国へ行って来た件を報告して来ます」
公爵「あ、私も御一緒して宜しいか?」
家老「うむ」
―――江戸、城下町‐‐‐‐‐‐―――
側近「やっと着きましたね、魔王様の治める国の隣りの国に」
鬼子母神「へぇ~、ちょっと見ぬ間に世間は進歩してんな。船が空を飛んでたよ... ...あれに乗ってみたいな」
魔道部下「でもあの空飛ぶ船、お城に着陸しましたから、関係者以外は乗れないんじゃないんですか?」
鬼子母神「それもそっか。取り敢えず泊る宿を探すかね」
―――殿様の城、謁見の間―――
殿様「この度の英国行き、御苦労であった。して、何故英国に呼ばれたのか聞いて無かったが、英国に呼ばれた理由は何だったんだ?」
侍「はっ! あの“ひのきのぼう”を貸してくれるようにと頼まれました」
殿様「“ひのきのぼう”か... ...う~ん、異世界の伝説の故事に出て来る以外にも重要な何かがあれにあるのか?」
侍「はい、英国の女王や神父殿の話によりますと、伝説の担い手は死の運命が付き纏っていて、
偉い人から特別な武器と金貨5枚を渡されればそれから逃れらる為、“ひのきのぼう”が欲しかった様です」
殿様「う~む、故事に倣うのは験担ぎでよくある事だが、しかし故事に倣わなければ死んでしまうとは……」
公爵「それはきっとおそらくだが、異世界の理の所為だと思うな」
侍「公爵殿? そうなのか?」
公爵「うん、我々のこの世界に特別な存在等は一つも無く、故に全てが特別な存在たりえ、全てが特別な事を成しえる事が出来る。
しかし異世界では特別なものが存在し、それ以外は特別では無く、故に特別な事を成しうる事が出来るのは特別な存在だけという。
つまり、異世界の特別な存在がこの世界で特別でいる為にこの世界の特別を成しえたものの手助けが無ければいけないのではないかな?」
殿様「成程。しかしこの世界と異世界にその様な理の差があるとは、未だ異世界に付いて勉強不足であった」
公爵「そして、この特別が無い故に皆 特別たりえるこの世界に、異世界の特別を持ち込み、この世界の理を踏み躙り支配しようとしている存在がおります」
侍「そうか、それが倒すべき相手、“魔王”という存在なんだな……」
護送馬車
魔ドクター「くかぁ・・・しくじったわ・・・」ズタボロ
蠅使い魔「ハローハロー魔ドクター」ブブブブブ
魔ドクター「そ、その声は魔道化!はよう!ワシの鎖を切れい!」
蠅使い魔「ハッハッハッ。コレハ録音シタメッセージダカラモウ決定事項ナンダケドゴメンネ」ピト カチ
魔ドクター「な・・・何を・・・」
蠅使い魔「下等生物ニ遅レヲトル奴ハイラネェ、死ネ。オイボレ」ピピピピピ
ドッカーン
―――魔王城、地下、秘密実験室―――
プシューッ…… ブクブクブク…… コポコポコポコポ……
魔王「……私には夢がある... ...いや、私には力がある......」ブツブツ……
白魔頭「え~と、このメーターがあれでそのメーターがそれで、これがえ~とマニュアルだと」ペラペラ……
魔王「う、ううん、ぐっ、ぐぐ」
白魔兵「白魔頭様! こっちのメーターがレッドゾーンを指してます!」
白魔頭「えっ!? えっと、えっとマニュアルだとえっと」(まったく、魔ドクターや魔道化、参謀は何処に行っているの!? こんなよく分からない仕事を押し付けて!)ペラペラペラ……
魔王「……何故 もがき 生きるのか? 滅びこそ 我が喜び。 死にゆく者こそ 美しい……」
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『まさか!? 魔王だけでなく、世界滅亡存在を呼び出してしまったのか!?』
『? なにそれ?』
『世界の九割近くを滅ぼせる存在だ』
『ええっ!? ちょっと待って、あの存在はそちらの世界のものだよね? なんでそんなものが存在している!?』
『それはもちろん、愚か者共を粛清して、より良き世界に必要なものだけにする為に作った』
『……そっか、だからか。 そちらの世界の人がこちらの世界に結構な数が移民して来るのは......』(そういえば、自分の世界の伝説の担い手という存在に、死の運命を背負わせる事を提案する様な奴だしな、仕方ないか)
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―――殿様の城、謁見の間―――
小性「失礼します! 至急の報せです!」
殿様「どうした?」
小性「よくは分りませんが一大事が発生したそうです! 直ぐに飛空艇の所まで来てくれとの事です!」
侍・殿様・公爵『?』
―――居酒屋GOEMON―――
ゑるふ「!? こん感じは!?」
側近「えっ!? 何なの!? この感覚!?」
鬼子母神「ふむ、やばい気を感じるね……」
―――英飛空艇一番艦―――
公爵「どうした?」
英海兵1「はいっ! エネルギー探知機が未知のヤバそうなエネルギーの波動を感知しました!」
公爵「? 近くの旅の扉とかの影響とかじゃないのか?」
殿様「近くの旅の扉なら閉じさせたぞ」
英海兵1「とにかくこのエネルギーの波動は隣りの国から発せられているみたいです!」
―――魔王城、地下、秘密実験室―――
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
魔空軍元帥「うわっとっと…な、なんだこの揺れは…」
魔空軍元帥「おいっ!白魔頭っ!この揺れは一体何だっ!この魔王軍、最強の俺様に完璧かつ簡単に説明しろっ!」
白魔頭「最強って……自称でしょ」
魔空軍元帥「別に自称でもいいだろうがっ!今っ!俺様はこの揺れの原因は何だって聞いてんだよっ!」
白魔頭「い、いや、それが… 魔ドクター「…この揺れの原因は天使だ」
魔空軍元帥「ああ、天使か……って、魔ドクターっ!てめー、いつから居やがったっ!」
魔ドクター「えっ?いつからって…今さっき古い体を捨てて、新しい体に乗り移ったから…………ついさっきじゃな」
―――和の国の何処か‐‐‐‐‐‐―――
天使長「……はぁー、何故、我がこんな辺境な地に来なければならぬのだっ!」
天使兵1「まあ今更、文句を言っても何なんですし、さっさと大天使様からの任務を達成しましょう」
天使長「………ああ、そうだな」
天使長「さあ、早くこの国にある旅の扉を回収して、天界に帰るぞ!」
天使兵達『おー!』
―――魔王城、地下、秘密実験室―――
魔ドクター「さてところで、魔道化の奴を指名手配してくれんかの?」
白魔頭「え? 魔道化は指名手配される様な事でもやったのですか?」
魔ドクター「ワシを殺しにかかってきおった」
魔空軍元帥「なにっ!? ……よし、前から不審な奴だったしな、Dead or Aliveで指名手配しよう!」
―――浮遊島、遺跡、地下、迷路―――
龍組頭「しかし共闘できるとはな。敵の敵は味方とはよく言ったものだな」
参謀「うむ。あいつはあの三人組を本気で殺そうとはせず、あの三人組も周囲の者を皆殺しにしたのに魔道化だけは殺そうとしなかった。こいつは不審過ぎる」
鳥組頭「で、あいつを排除しておこうって訳かい。まぁこちらにとってあいつは仲間の仇だからな、殺すの手伝ってやるぜ」
参謀「というかよくよく考えてみれば、貴方達の忍集団と魔王軍の敵対する理由は魔道化の奴を片付ければ無くなるんじゃないか?」
―――居酒屋GOEMON―――
伝令兵「!? 貴女は国外追放になった側近様では御座いませんか!?」
側近「えっ!? 伝令兵さん!? どうしてここに!? というか国外追放になったってどういう事!?」
魔道部下(しまった! 嘘吐いていた事がばれる! というか伝令兵と側近様が知り合い!? そういえば伝令は忠勤篤く信用ある人がなるから偉い人と知り合いなのか!?)
伝令兵「はい、自分がここにいるのは出征中に魔道化に害され、どうにか一命を取り留めた後、祖国には戻らずに、祖国の隣りのこの国に来た次第です」
側近「何で……私は確か、魔道化の手によって処刑されたという事になっているはずなのに………」
魔道化部下A「側近様、そいつの言葉に耳を貸してはいけません」
伝令兵「お前は確か魔道化の部下…」
魔道化部下A「こんにちは、伝令兵さん…いや、魔王反逆軍、副司令官と呼んだ方が正解かな?」
伝令兵「な……何故お前がそれを知っているんだ!?」
魔道化部下A「何故って、そりゃ、反逆軍のリーダー、足軽頭に聞いたんですよ」
伝令兵「そんなの嘘だ!足軽頭様が、我ら反逆軍を裏切るわけがない!」
魔道化部下A「残念だか、これは真実だ!」
伝令兵「…………くそっ!」ダッ
魔道化部下A「裏切り者が逃げたぞ!追え!」
魔道化部下C「メンドクサイのでパス」
魔道化部下A「………えっ!?」
魔道化部下B「私は魔道化様以外の命令は聞かない!」
魔道化部下A「…………ちっくしょー!」ダッ
※魔道化部下Aは現実から逃げた。
魔道部下「何か知らんが良かった~、逃げてくれて」
鬼子母神「もしかして処刑って嘘で国外追放が本当なのかい?」
魔道部下「はい 魔将軍様が国外追放を命令し それを利用して魔」
魔道化部下C「蚊が止まっている!!」ドガッ
魔道部下「ぐふっ」
魔道化部下C「ふぅ、危なかったね」
鬼子母神「……ふむ」
―――英飛空艇一番艦―――
殿様「隣りの国に異常発生か。十中八九、魔王が何かやったのであろうな」
ヒーロー「だったら行くしかないな!」
公爵「うむ、放っておくなんて選択肢は無いからな、行こう! 魔王軍の本拠地、隣りの国に!」
殿様「そうだなよし 侍よ、改めて、魔王もとい隣りの国の大名を倒しに行くのだ!!」
侍「はいっ!!」
小者「最初と比べて凄い規模になってますよね」
忍者「そうそう最初といえば、ちょっと拙者はまた別行動をとろうかと思うでゴザルよ」
魔道化「(チッあの老いぼれ生きてやがる。おそらくどこぞのグルメ大富豪のように代わり身を用意してたってとこだろうな。おまけに元帥か。めんどくさいんだよなあのおっさん)」
魔将軍「ほうほう、それは大変でしたな」
族長小人「バッバッ、バーンババンバウババンバ」
死霊使い「・・・・・・降ろしてほしい?」
魔物使い「・・・かなり」
仮面小人「バーバン、バーバン、バーバンバーバンバーバンバー」ズンタッタズンタッタ
人形使い「出たい?」
魔道化「・・・すごく」
魔道化「(………まあ実を言うと僕、あのジイさんが自分のコピー体を残してるのは知っていたけどな。)」
魔道化「(……でも、あれだけ僕が英国に行くのは危険だから行くなよーって忠告したのに、まさかあのクサレ老いぼれジイさん、その忠告を無視して英国に行くとは………もし、あの時、僕の使い魔が魔ドクターを殺すのを成功してなかったら、今頃、魔ドクター、アイツを目覚めさせる為の栄養だぜ。全く…)」
魔道化「まあ、今、出汁を取られて、小人たちの栄養になっている僕が偉そうに言えた義理じゃないけどね(アイツと小人ではスケールが小さいが栄養を取られてるのには変わりないし…)」
魔道化「ちょっと、ホントに僕で出汁を取るのはもういい加減にやめて!」
―――十分後…―――
魔道化「はぁ…はぁ…十分間の交渉を得て、やっと鍋の中から脱出できた…」
魔将軍「おめでとう」ムシャムシャ
魔道化「……魔将軍ちゃん…」
魔道化「少しだけ……食うのをやめろ(半ギレ)」
―――居酒屋GOEMON―――
スライム達『あ、魔将軍様に国外追放にされた側近様だ~』
側近・魔道化部下達『えっ!?』
スライム達『お会い出来て奇遇ですね』
側近「あの、貴方達は何ものですか? あと、その情報はいったいどこから?」
スライム達『僕達は“ひのきのぼう”を破壊する目的を持った魔王軍の』
魔道化部下C「あ! あそこにUFOが飛んでいる!!」
スライムA「え!? どこどこー!?」
魔道化部下C(よし食い付いた!)「あっち!」ビシッ
スライムB「追いかけろ―!」
スライム達『わぁー!』プルプルプル……
魔道化部下C「ふぅ、あんなスライム風情の言う事を間に受ける事は無いですよ。そもそも脳みそ無さそうですし」
ゑるふ「あっ! やられた! 食い逃げや! 待ちよし!」ダッ
魔道化部下C「……おまけに食い逃げの犯罪者ですし......」
側近「…………」
―――殿様の城、英飛空艇一番艦―――
侍「そういえば忍者殿は部下がいて色々と指示をしていたりしていたな」
小者「そうですか、お気を付けて」
公爵「う~ん、別行動は勘弁してほしいのだが。色々とめんどくさい事になる予感がする」
忍者「そうは言っても、魔王軍との戦いに勝利を収める為の布石を打っておかなければ決着は着かないと思うでゴザルよ」
殿様「うむ、将棋でもただ王手をかけただけでは直ぐに逃げられる。逃げ目を詰まなければな」
忍者「それに通信機を使えば合流は楽勝でゴザルよ」
公爵「あ、それもそうか。よし! 飛空艇発進用意だ!」
英海兵一同『了解!』
小者「しかし、この飛空艇で隣りの国に乗り込むのはいくらなんでも目立ち過ぎじゃないですか?」
公爵「ならばあれを使うか、透明化の魔法を」
女性一同『ちょっと待ったぁ!!』
公爵「もちろんこいつは莫大な量の魔力を使う上、効果は約10分。ここぞいう時しか使わんから安心しろ」
魔法使い(28)「それでしたら私が使います! それとその魔法もちょっと改良を試みてみます!」
商人「あと、こないな事もあろうかと英国の教会で、あの魔ドクターが使っとった光学迷彩を解析して作った光学迷彩もあるから!」
―――魔王城―――
魔空軍兵士A「魔空軍元帥様!大変です!」
魔空軍元帥「ん?どうしたぁ?」
魔空軍兵士A「江戸に紛れ込ませた使い魔からの情報で、人間がこの国に攻め入る様です!」
白魔頭「何ィ?人間どもが?何故、今になってこの国に?」
魔空軍兵士A「使い魔の報告によりますと、この国に攻め入る人間の数はそう多くは無いようです。しかし、その人間たちはどうやら黒龍の洞窟で魔将軍様たちの邪魔をした。あの人間たちの様です」
魔ドクター「ほう…」
白魔頭「…くっ、ただでさえ、今、反乱分子の撃滅や、魔王様の強化で忙しいのに…」
魔ドクター「………仕方ない。こうなったら、一度、魔界に帰るぞ」
白魔頭「ま、魔界に!?」
魔ドクター「ああ、魔王の玉座の裏の魔界に繋がっている『旅の扉』でな」
白魔頭「しかし、反乱分子を除く国民たちを全員、魔界に帰すには時間と魔力が足りない。それに人間界の各地に居る幹部クラスの悪魔たちはどうするんです?!」
魔空軍元帥「時間が足りないィ?なら俺様がその人間たちと戦って時間稼ぎをしてやるよォ!あと、幹部クラスの奴らは大丈夫だ。自分たちの力で魔界に帰ってこれる」
白魔頭「…そうですか……」
魔ドクター「………他に異論を申す奴はいないな………よし、それでは今から『魔界帰り作戦』を開始する!」
>>541
白魔頭「…くっ、ただでさえ、今、反乱分子の撃滅や、魔王様の強化で忙しいのに…」を
白魔頭「…くっ、ただでさえ、今は、反乱分子の沈静化と魔王様が強化の為に一時的、戦闘不能な状態で、魔王軍の勢力が下がっている状態なのに……」に訂正
>>541
白魔頭「…くっ、ただでさえ、今、反乱分子の撃滅や、魔王様の強化で忙しいのに…」を
白魔頭「…くっ、ただでさえ、今は反乱分子の沈静化と魔王様が強化の為に一時的に戦闘不能な状態で、魔王軍の勢力が下がっているのに…」に訂正
連投すいません
――― 女王の城‐‐‐‐‐‐―――
メイドA「大変ですぅー!」
メイドB「ど、どうした!?」
メイドA「メイドが、メイドが、この城の何処にもいないんですぅ!」
―――殿様の城、英飛空艇一番艦‐‐‐‐‐‐―――
ギーコギーコ トンテンカントンテンカン ギーコギーコ……
侍「出発が遅れているなぁ……」
ヒーロー「早く出発したいな」
騎士「うむ、最近まったく活躍して無いから、活躍したい」
英工兵「取り敢えず艦底部のみに光学迷彩を施して下からは見えない様にします」
公爵「そうか、それじゃ上からは?」
英工兵「丸見えですね」
魔法使い(28)「上から敵が接近したら透明化の魔法を使うわ」
船長「それに飛空艇は構造状 上から来る敵は主回転翼が邪魔で迎撃出来ませんから、なるべく高度を取って行こうかと思います」
商人「飛空艇に使った光学迷彩の代金はしっかり請求しまっからね」
公爵「そうか、分かった。大丈夫、ちゃんと払うから」
殿様「そういえば、前は見なかった顔が何人かいるな」
侍「言われてみれば英国に向けてここを出発した後に仲間になった者が何人かおります。え~と、ヒーローとメイドAと遊び人です」
殿様「うん、そうか」(......遊び人といえば、三代続いた染物屋の四代目 後継ぎなのに店を他人に任せて遊び人になった男を思い出すな......)
小者「(……あれ?メイドAさんの姿が見当たらない…どこに行ったんでしょう…厠かな?)」
―――江戸、城下町‐‐‐‐‐‐―――
メイドA(白竜)「……ふぅー、危ない危ない、あの方には、まだ魔族と戦うなと言われているのに…」
メイドA(白竜)「しかし、この姿のままだと、色々厄介だ。姿を変えた方が良いだろう…」モワァ…シュゥウウウウ
メイドA(白竜)「ぐ、ぐおおおおおお!!!」シュゥウウウウ
子供(白竜)「……くっ、近くにいた小童に化けて見たが、流石に窮屈だな…」
子供(白竜)「まぁ、仕方ないか」ククク…
―――殿様の城、飛空艇発着場、英飛空艇一番艦―――
英工兵「飛空艇の改造が終了しました!」
公爵「良し! ご苦労だった! 皆の者行くぞ!」
小者「あ、メイドAさんが居ません」
公爵「え? 何処に行ったんだ?」
小者「さあ? 厠でしょうか?」
公爵「何処行ったか聞いて無いのか?」
小性「なんなら自分が探しに行きましょうか?」
公爵「いやその前に、あいつって確か通信機をもってたよな?」
侍「確か前に、黒龍の洞窟跡からメイドBに迎えに来てくれと連絡したそうだから、通信機を持っている筈だな」
英海兵2「あれ? でもメイドAは黒龍の洞窟跡では何も持って無かった様な気が......」
小者「……もしかして、メイドBはあの時に嘘を吐いたって事ですか」
公爵「……取り敢えず連絡が付かないって事か。あんまり悠長にはしてたくないのにな... ...そういえばここには飛空艇が二隻あるな」
殿様「うむそうだな。だが二番艦は用意が整っておらん為、直ぐには出撃出来ん」
公爵「しかし後から合流は出来そうですね。なら時間を無駄にしない為にも、我々だけ先に出発してしまうか……」
騎士「確かにその方が、メイドAを待つよりは良いな」
公爵「なら、決定だな。…おい貴様ら、さっさと出撃の用意をしろ!」
一同『は~~~~~い』
侍「…………」
魔法使い「ん?どうしたの侍?何か険しい顔してるけど…。まさか、魔族と戦うの恐いの?」ナンチャッテ
侍「……ああ、そうだ」
魔法使い「……うわぁ、ダサっ」
侍「……正確に言うと、俺は…殺すのが恐いんだ」
魔法使い「殺すのが恐い?……ちょっとアンタ、侍でしょ」
侍「………お前は、人を殺すとき謎の高揚感に襲われたことがあるか?」
魔法使い「高揚感って言われても、私そもそも人殺しなんてやったこと無いし……わかんない」
侍「……そうか。………俺にはある。初めて人を殺したあの感覚が、あの高揚感が、もっともっと、人を斬りたいって言うあの葛t…」
魔法使い「」キョトン
侍「……すまん。この話はもうここまでにしておこう」
魔法使い「う、うん」
侍「それじゃあ、そろそろ船に戻るか」
侍(……よくよく考えてみると俺は戦いにおいて反撃が来ない事をいい事に、やりたい放題好き放題やる輩が嫌いだ)
侍(卑怯な手を使い、見下し、踏み躙り、嘲笑い、悦に入り血に酔い、狂う様な輩に怒りを覚える)
侍(しかし“兵とは、脆道なり”... ...俺にも俺が嫌悪する要素がある。勝つ為には戦意を奮い起し、敵を油断無く討たねばならぬ)
侍(自分自身が嫌っている事をやらればならぬ... ...兵は脆道... ...もろいみちか)
小者「……なんか凄い考え込んでいますね......」
侍「うん、う~ん、俺はこれからどう戦って行けば良いのだろうかとそんな様な事を考えていたのさ」
小者「……そんな事、天地人 六根清浄 道天地将法 出たとこ勝負! で行けばいいだけじゃないですか」
侍「そ、そうか? ちょっと意味が分らないものもあるんだが」
小者「まぁ短いながら経験上、出たとこ勝負が一番重要ですね。最終的にこの出たとこ勝負の才が無ければ、殿様から仰せつかったこの御役目、果たせないでしょう」
侍「……そうだな、良し! なんか前からずっとやってた気もするが、出たとこ勝負でやるぞ!」
公爵「皆の者! 今度こそ準備は良いか!?」
一同『おおー!!』
公爵「よし! 飛空艇、発進!!」
船長「進路、隣りの国へ!!」
チュドーン
船長「なんじゃあっ!」
英海兵「報告!右ウィング大破!飛行は困難です!」
『フェッフェッフェッ、いかがかねワシの最新の発明 人工竜の威力は』
侍「その声は・・・魔ドクター!」
魔ドクター『ご明察。ワシは魔王城からこいつを操作しておる
その飛行船ごと貴様等を葬り、我らが野望を完遂してくれる!行けい!火球発射!』
ボッ
魔法使い「クッ『雷魔法』!」
ピシャーン
魔ドクター『無駄じゃ!この特殊金属性の体はあらゆる魔法攻撃を反射し、さらに砲弾でも砕けることはない!』
公爵「敵の言う事なんて信じられるか! 長射程砲用意! アウトレンジから砲撃するぞ! 敵から距離を取る!」
英海兵一同『了解!!』
魔ドクター『だから砲撃は効かないと言っておるだろう』
公爵「勝負はやってみなくちゃ分からない! そっちの人工竜とやらは長距離戦は不利だろうしな!」
魔ドクター『ふん、小癪な。距離は取らせん、近距離戦のままで勝負を決めてくれるわ!』
英海兵1「用意完了いつでも撃てます!」
公爵「良し! 飛空艇を人工竜にぶつけろ!」
魔ドクター『えっ!?』
船長「了解! 行くぞ!」
グオンッ どごっ
公爵「カルバリン砲ファイァー!!」
ズドズドズドーーーン フラフラフラ……
魔ドクター『馬鹿な!? 砲撃が効いているだと!?』
公爵「フッ、スペイン無敵艦隊の重装甲の軍艦を撃ち破ったのはこの新兵器、長射程砲こと“カルバリン砲”だ! そんじょそこらの大砲と一緒にするな!!」
英海兵2「でもアウトレンジの長距離砲戦ではまったくダメージを与えられずに接近を許し、至近距離砲戦になったら重装甲を破壊出来る様になったんですよねぇ......」
魔空軍元帥「しかし!そこにィ!この俺様と俺様の部隊が登場ォ~!」バッサバッサ
侍「なっ!?悪魔が増えた!!」
魔空軍元帥「だひゃひゃひゃひゃ。俺様が来たからには悪いが、隣の国までのお遠足ここで中止にしてもらうぜぇ!行け!空軍兵士共ォ!あの飛空艇をぶっ壊せぇ!」
魔空軍兵士etc...『うおおおおおおおおおお!!!!』
騎士「させるかぁぁあああ!!!」
侍・魔法使い・ヒーロー・魔法使い(28)「うおおおおおお!!」
キンッ!ガッ!ドガッ!…ガッ!ドゴッ!キンッ!バスッ!ザシュッ!ドガッ!ドッガーン!ボガーン!
公爵「俺の…俺の飛空艇が……ボロボロに……」※英国の飛空艇です
騎士「くっ…こいつら、強い…強すぎる…」
魔空軍元帥「だひゃひゃひゃ。そりゃあ、この魔王軍No.2の強さを誇る俺様が率いる部隊だからな。強いのは当たり前だ!」
侍「ナンバートゥー……だと……?!」
魔空軍元帥「…ったく、時間稼ぎだっていうのに、これじゃあ楽勝すぎだっての…」ケッ
魔ドクター「おい、魔空軍元帥。やるのは時間稼ぎだけで良いと言っただろ」
魔空軍元帥「へーい、すいませーん」
魔空軍元帥「取り敢えずこんだけやりゃいいだろ。それじゃ空軍兵士共引き上げだ!」バッサバッサ
魔空軍兵士etc『おおおおおおおおおお!!!!』バッサバッサ……
小者「殿をおいておかなくていいんですか?」
魔空軍元帥「しんがり? なにそれ?」
公爵「カルバリン砲 長銃各個自由に撃て!」
英海兵2「お、長銃の構え方 様になっているね」スチャ
ヒーロー「故郷で使った事があるからな!」スチャ
魔法使い(28)「腕の見せ所ね」
魔法使い「よしやっちゃうぞ」
小者「弓どうぞ」スッ
侍「おう... ...最後で油断したな」ギリリ... ...ビシュ
ズドーン! ズキューン! グギャ ヒュン! グフッ ピシャーン! ギャァ ヒュン! ドス! ギャ ズドドーン! オゥフ ヒュン! グェ ゴオゥ! アチチ ズズキューン! ギャギャ ヒュン! イテッ……
―――魔王城―――
魔ドクター「なんと、魔空軍元帥の部隊がまさか壊滅的被害を被るとは......」
荒子「食事をお持ちしました」
魔ドクター「おう、ありがとう。 そういえば“しんがり”とは何か知っておるかね?」
荒子「殿ですか? 撤退する時に追撃を受けそうな場合に、大多数の味方を無事に敵の追撃から逃がす為の部隊を殿と言います」
魔ドクター「成程。 考えてみれば今まで魔空軍は敵の追撃を受けた事が無いからそういったもの必要性を理解して無かったという訳かの。 まぁ目的は達したから良いか」
―――英飛空艇一番艦、着陸地点‐‐‐‐‐‐―――
船長「ふぅ、取り敢えずなんとかどうにかこうにか緊急着陸出来たぞ。 しかし被害は甚大だな......」
ヒーロー「だけど、不幸中の幸いに隣の国は俺たちの目と鼻の先だぜ」
公爵「よし、ならば少し歩く事になるが。歩いて隣の国まで行くぞ!怪我をしている者は足手まといになり兼ねん。だからここで待k」
隣の国「」チュドーン!ドカーン!ドッカーン!
小者「………隣の国が爆発したーーッ!!!!」
―――魔空軍元帥とその生き残った仲間たち、墜落現場(※英飛空艇一番艦の着陸地点とは数十キロメートル離れた場所)‐‐‐‐‐‐―――
魔空軍元帥「…………痛てぇ……すごく痛てぇ!!」
魔ドクター『フェッフェッフェッ。全く、戦いの最中、油断なぞするからそんな目に遭うのじゃ』
魔空軍元帥「(…致命的な攻撃は喰らわなかったが…こりゃ、しばらく動けそうにねぇな……あっ!そういえば)」
魔空軍元帥「なあ、じいさん。魔界帰り作戦ってのは成功したか?!」
魔ドクター『ああ、お主の時間稼ぎのおかげで作戦は成功したぞ。今、ワシら数名は魔界の魔王城で会議の真っ最中じゃ…』
魔空軍元帥「そうか………あっ!反乱分子たちとか、そういうのはどうする?」
魔ドクター『それなら大丈夫だ。あの国の地下に潜ませておいた爆弾を起動させておいたからな。そろそろ爆発するはずじゃ…』
―――英飛空艇一番艦、着陸地点‐‐‐‐‐‐―――
侍「ば、爆発だとぉッ!?」
公爵「エネルギー探知機の反応はどうか!?」
英海兵1「例の未知のエネルギー波動は無くなりました! しかし、爆発の前から無くなっていたかもしれません」
公爵「そうか... ...敵影はどうか?」
英海兵1「エネルギー探知機の探知圏内にはいませんね」
公爵「うん。とりあえず先程決めた通り、負傷者達と、その負傷者達を護衛する者達はここに残り、あとの者達は様子を見に行こう」
侍「分かった。で、負傷者護衛班と様子を見に行く偵察班の班員の振り分けは?」
公爵「う~ん、そうだな~、え~と、どうしようかなぁ~... ...やっぱ別行動とってあとで合流は色々面倒だから皆一緒に行くか?」
小者「面倒くさいならこっちで班員の振り分けを提案しますよ?」
英工兵「あの~、時間は掛かりますが、飛空艇をちょっと修理して移動すれば良いのでは?」
船長「え? この状態から動ける様になるまで修理出来るのか?」
英工兵「完全に元通りとはいきませんが、皆さんも協力して下されば、なんとかなると思います」
公爵「よし、それじゃその案に賭けよう。別行動はなるべく避けたいしな」
小者「でもバラバラの別行動でも通信機があるからあとで合流もやり易いですよ」
公爵「しかしその場合、負傷者護衛班と偵察班の班員振り分けはどうする?」
侍「さて、どうしたものかな……」
>>557からの続き
―――それから、十分後.....
侍「公爵との話し合いの結果、こんな班分けにしました」
負傷者護衛&救護班
騎士、魔法使い、魔法使い(28)、英工兵、英海兵全員
偵察班
侍、小者、商人、ヒーロー、公爵
小者「……………」
侍「ん?どうした小者。急に黙って」
小者「いや。何で私が偵察班にいるのかな?って…」
侍「ああ、それはな……ツッコミ役が一人欲しかったからだ」
小者「……………」
侍「なんてな、冗談だよ」
小者「………」
小者は数分の間、考えるのをやめた…
魔道化「本国の方じゃ派手にドンパチってるみたいだね。どーする?」
魔将軍「ここの主をさっさとシメてから」
魔道化「黒龍の洞窟の雪辱をはらす、と」
魔獣使い「うまっ!魔道化スープうまっ!」
人形使い「スープの味自体は濃厚なのにあっさりと飲みやすい!何杯でもいける!」
死霊使い「・・・・・・星5つ・・・・・・!」
魔道化「ここまでうれしくない賛美も初めてだなぁ」
浮遊島の主「つーか、何で、私をボコるって話になってるのさ」
魔将軍「ボコるじゃないシメるだ!!」
浮遊島の主「それってどっちみち、私ボコられるじゃん。まあこの島での殺傷行為は禁止されてるから殺されることは無いけどね」ハハッ
魔道化「……ところで、今、侵入者はどこら辺にいるの?」
浮遊島の主「侵入者は~いま~地下五階で~迷っております~」
魔将軍「地下五階か…先はまだ長そうだ…」
魔物使い「ねぇ、浮遊島の主。あなたの力であたしたちを、その侵入者の所へ、ぴょーんっと転送できないの?」
浮遊島の主「できるけど……そんな事したら、つまらないじゃん」
魔道化「つまらないって……」
浮遊島の主「まあ、転送しない代わりに、侵入者たちを捕まえた際、何でも一人一つだけ願いを叶えてあげるよ」
魔物使い「そ、それって、億万長者になりたい。とか、ある人と両想いになりたい。とかいう願いでもを叶えてくれるの?」
浮遊島の主「両想いってヤツは難しいけど、大体の願いは叶えてあげるよ。……でも、願いの数を増やせとか、人を殺せ。とか、人を生き返らせて。とか、私ができない事はNGだからね」
魔道化「ふーん、おもしろそうだね」
魔物使い「はーい、あたし願い叶えてほしいから、がんばりまーす」
人形使い「お姉ちゃん……」
―――侍達偵察班一行‐‐‐‐‐‐―――
ザッザッザッザッザッザッ……
ヒーロー「ハァ、ハァ、このエネルギー探知機、重い......」
公爵「持つのを変わろうか?」
ヒーロー「あ、はい、お願いします」
公爵「おう。 あ、エネルギー探知機に反応がある!」
侍「! 魔族か!?」
公爵「いや、違うな、人間の反応でこれは、地面の下か? あ、反応が消えた......」
小者「......取り敢えずもう少し進みましょうか」
侍「そうだな」
ザッザッザッザッザッザッ……
公爵「む、またエネルギー探知機に反応があるな、また魔族では無く、人間、今度は複数だ。また地面の下からかな?」
ヒーロー「魔族の国なのに人間の反応があるなんて不思議だな」
商人「いや、この国はもともと人間の国で、異世界人達が大量に移民して来る様になりよったからもともと人間がいて当たり前や」
小者「......もしかして魔族達は爆破する時にこの国にもとから居た人達を巻き添えにして......」
公爵「いかんっ! 直ぐに生き埋めになった人達を助ける為に土砂の山を掘り返すぞ!」
一同『おおー!!』
公爵「<ゴーレムクラフト>!」
ゴゴゴゴゴ……
―――英飛空艇一番艦、着陸地点―――
ギーコギーコ トンテンカントンテンカン ギーコギーコ……
英海兵1「しかし、あの未知のエネルギー波動といい、国ごと爆発することといい、いったい何やってたんだろうな?」
英海兵2「さぁ? 何か実験やっていて、実験にしくじった結果ああなったとか?」
英海兵3「まぁ何はともあれ、これで魔族の拠点はこの世界から無くなったんだからそれで良いんじゃないんでしょうか?」
魔法使い(28)「そういえばこれで隣りの国の魔王、もとい大名を倒すという目的は達成しちゃったのよね」
騎士「うむ、これで我らの旅も終りだな」
英工兵「あの~、お家に帰るまでが旅だと思うので早く飛空艇を直してしまいましょうよ」
一同『了解』
ギーコギーコ トンテンカントンテンカン ギーコギーコ……
魔法使い「……そういえば大丈夫かな、お父さん お母さん......」
―――魔界、魔王城、魔ドクターの部屋兼研究室―――
魔兵士1「魔ドクター様。捕虜の搬送、無事終わったことを報告します!」
魔ドクター「おお、そうか大変だったな。今日はもう下がって良いぞ」
魔兵士1「はっ!」ササッ
魔ドクター「………はぁー、本来ならこの仕事は参謀様や魔道化のヤツがやる仕事なのに……はぁー面倒くさい…」
魔ドクター「……そうだ。あの男の様子でも見に行くか…」
ザッザッザッザッザッザッ…
―――魔界、魔王城、拷問室―――
ドア「」コンコンッ
呪術師「あぁ?誰だ」
魔ドクター「ワシじゃ」ガチャ
魔ドクター「……それで、アイツの様子はどうじゃ?何か、情報を吐いたか?」
呪術師「いや、全くだね。アタシの呪術も効かないし、もうお手上げだよ」
捕虜の男「……ふっ、わたしに呪術が効か…ないのは当たり前だ…お前たち…への、対策の為…わた…しの体には、すでに呪術無効の…魔法が……」
魔ドクター「ああ、それはもう知っている。ワシたちが聞きたいのは、別の情報じゃ。そう例えば……お前たちが隠した聖剣の在りかとかな」
捕虜の男「絶対に…言わない…」
魔ドクター「そうか…なら、少しの間、電気ショックを味わえ…」カチッ
捕虜の男「ぐわあああああああ!!!」バチバチバチッ
魔ドクター「……ふん、強情な男だ…」
捕虜の男「(ぐっ……頼む…妻よ…娘よ…わたしに少し勇気を…くれ…)」
―――隣の国、城下町(廃墟)―――
侍「う~ん。この辺りは人の気配が全くしないな…」
小者「そうですか、なら、次はあっちの方へ探しに行きましょう」
公爵「…しっかし、ホントにいるのかね~生き残りなんて…」
小者「いますよ!絶対にいます!!」
公爵「いや、あの爆発じゃ生き残りなんていないだろ。さっきの土砂の山だって、全員、死んでいたし…こんな事しても時間の無駄、無駄。仮に生き残りがいたとしても、どうせそいつも数秒の命だって諦めろよ」
小者「いいえ、あきらめません!可能性がまだ残っている限り」
侍「……ああ、そうだな」
オーイ ミンナー コッチニキテクレー
侍「ん?あの声はヒーロー」
小者「何か見つけたんでしょうか?ヒーローさんの所へ行ってみましょう」ザッザッ…
???「ぼー」
侍「・・・でかいな。それに背中から生えているのは・・・桜?」
ヒーロー「樹人(トレント)ですね。祖国にもいました
桜型のは初めて見ますが美しいですね」
樹人「!んーーー??なにかーーー、用ーーー??」
魔法使い「えらく間延びする奴だなぁ」
ヒーロー「彼らはそういう種族なんですよ」
侍「いや、ここの住人はどこに行ったのか聞こうと思っただけなんだが・・・何か知らないか?」
樹人「うーーーんーーー、たしかーーー魔界がどーのこーの言ってたよーーーなーーー
そーーーでもないよーーーなーーー」
騎士「うぅむ・・・どうにかならんのか」
ヒーロー「言ったでしょ?彼らはそういう種族なんですよ
なにもかもがゆっくりとしているんです。でも、怒らせると途端に素早くなりますけどね」
魔法使い「素早くって・・・どれくらい?」
ヒーロー「俊馬のおよそ3倍。」
全員「「「素早いってレベルじゃねえ!!」」」
小者「はぁ、取り敢えずこんなのに構っているより普通に生存者を捜しに行きましょうよ」
公爵「しかしだな、このエネルギー探知機の探知範囲にはもう我ら以外の人の反応が無い」
公爵「この探知範囲はカルバリン砲の最大射程より広いから、もう生存者を捜し終えていると言える」
公爵「だからやみくもに捜す事に労力を費やすより、この樹人の話をどうにか聞いた方が有意義だと思うぞ」
小者「……」
商人「とこでさぁ、なんかさっきから違和感があるんやけど......」
騎士「そうか?」
魔法使い「別に違和感なんて無いんじゃない?」
ヒーロー「あれ? そういえばなんか、変だな?」
公爵(やっぱり二手に別れて別行動なんて取るからこういう事になるのか? それとも相手の手際が良すぎるのか?」
小者「いえ、これは単にこちらが間抜けなんじゃないんですか?」
侍「(取り敢えず殴っておくか)」
公爵「その前に通信機で確認を取っておこう... ...こちら偵察班、負傷者護衛救護班聞こえるか? どうぞ」
『はい、こちら負傷者護衛救護班、偵察班どうかしましたか? どうぞ』
公爵「こちら偵察班、確認したい事があるんだが、いまそっちにいるメンバーを教えてくれ。どうぞ」
『えーっと、魔法使い(28)さんと、騎士さんと…………魔法使いちゃんがいない!?』
ヒーロー「あー、大丈夫っす。魔法使いちゃん、今こっちにいるんで…」
侍「…………おい、魔法使い、俺、確か、お前に飛空艇で待ってろって言ったはずだよな」
魔法使い「暇だから来ちゃった」テヘッ
侍「テヘッじゃねーよ!」
遊び人(霊体)「まあまあ、落ち着いて、落ち着いて」
侍「……あれ、遊び人お前、いたの?」
遊び人(霊体)「いましたよ!というよりか、飛空艇が落下してからずっと侍さんの背後に憑りついていましたよ!!」
侍「俺の背後、勝手に憑りつくなよ……」
小者「あれ?そういえば、蝋人形の体はどうしたんです?」
遊び人(霊体)「いや~、落下の時に壊れたんで、とりあえず捨てました」
侍「捨てたって…お前、そんなあっさりと…」
遊び人(霊体)「いや、何か蝋臭かったんで、捨ててもいいかなーって……それに僕、この状態でも物とか触れますし、……正直、あの体いらない…かな?蝋臭いし」
侍「………………お前ェ…」
侍「司祭さんがせっかくくれた物なのに... ...それに蝋の臭いってそんなに気にならないじゃないか」
遊び人「そうはいっても... ...きっと司祭さんはゴミを押し付けたかったんじゃないんですか? 僕には必要無いし」
侍「う~ん、あの司祭さんがゴミをかぁ~。 しかし大事に取って置けば何か役に... ...でもまぁお前さんが決めた事だしな、俺がごちゃごちゃ言っても詮無いか」
商人「司祭はんといえば、神父はんが英国に残ったのは意外だっやね。 一緒に来る気満々やったみたいなのに」
魔法使い「確かに不思議だったけど、あの司祭さんの所為でしょうね」
公爵「不思議といえば、さっきからエネルギー探知機で探知されたのは人間の反応だけで魔族の反応は一切無い事もだな」
ヒーロー「そんな事は簡単な事じゃないか。 魔族がここに住む人達を放置して逃げてその後、爆破して行ったからだろう」
小者「でもちょっと考えると、それだとおかしい気がしてきますね」
ヒーロー「そうか?」
小者「うちの国は異世界から来た人達を受け入れてそれなりに上手くやっています。 この国も異世界から来た人達を受け入れたうえ、大国になりました。
それなのにせっかく強大な軍事力を持った国になったのに、それを放棄して爆破して逃げてしまうなんておかしい気がします」
侍「成程、別に政治が致命的に悪かった話も聞かないしな。 隙あらば他国を侵略するという脅威が他国にあったり、滅ぼされた国の恨みがあるが、この国じたいは特に問題聞か無いしな」
公爵「何で魔族はこのアドヴァンテージを捨てる様な真似をしたんだろうな?」
騎士「実際は魔族にアドヴァンテージは無く、やって来た我々に恐れをなして尻尾を巻いて逃げて行ったのではないか?」
公爵「まっさかぁ~、たかが船一隻分の戦力に一国が恐れをなすなんて、そんな訳は無いだろう」
小者「なら、何で魔王軍は逃げたんでしょう…」
「それは、この国で反乱軍と魔王軍の内乱が起こっていたからだよ」
侍「な、なんだこの声……ハッ、良く見たら樹人の上に人がいるぞ!」
足を怪我した男「やあ、君たちこの辺りではあまり嗅いだことの無い匂いがするけど…まさか君たちは江戸の人なのかい?」
ヒーロー「ああ、まあそんな感じ……それより、お前、この国で内乱が起きているって事はホントなのか?!」
足を怪我した男「ああ、本当だよ。実際、魔王軍たちが撤退するまで戦っていたしね……」
侍「戦っていた……だと……ハッ!そういえば、さっき、俺は、お前が話しかけてくるまで、お前の気配を感じ取れなかった……お前、何者だ…」
足を怪我した男「ああ、そういや、自己紹介してなかったっけ……オレは、反乱軍、副司令官補佐、獣人魔族のオオカミ男だ」
小者「…反乱軍…副司令官補佐……獣人魔族……オオカミ男…………ええええええええぇぇぇぇぇ!!!!」
足を怪我した男、改めオオカミ男「まあ、今は怪我とエネルギー切れが原因で人間の姿をしているけどな…」
ヒーロー「な、な、な、何で魔族が人間の味方をしてるんだよ!フツーおかしいだろ!」
オオカミ男「フツーって言われても……人間の中にも魔族の味方をしている奴いるんだし、魔族の中にも人間の味方をする奴がいてもおかしくないじゃん」
小者「まあ、そうですね………」
樹人「おろそーーーかーーー?」
オオカミ男「あぁ、頼む。」
魔法使い「それで、なんで魔王軍は去っていったの?」
オオカミ男「あぁ、奴等とんでもねぇ隠し玉を用意してやがる
魔界に戻ったのは恐らくそいつを起動させるためだ」
侍「・・・・・・どれぐらいやばいんだ?」
オオカミ男「この国なら三日もあれば滅ぼせるほどだ。それも無傷でな
まったく、皮肉なもんだぜ。国作りの巨神が、国滅ぼしの魔神になるなんてな」
ヒーロー「そいつの名前は・・・」
オオカミ男「だいだらぼっち。それが奴等の切り札だ」
騎士「な、なぜだいだらぼっちが魔界に!?」
オオカミ男「・・・神さんも、なにも食わない訳じゃない。『信仰心』をエネルギーにしているんだ。そして、その『信仰心』が無くなったとき、神は神じゃなくなり、物言わぬただの人形になっちまう。厄介なことにその能力や力はそのままにな。そこに莫大な魔力(『信仰心』の代用エネルギー)を流し込み、魔神として使役しようってハラだ」
小者「あっ! そうだそんな事よりも大事な事があります! 公爵さん!エネルギー探知機には私達以外は探知出来ていなかったんですねよ!?」
公爵「あ、ああ、そうだが?」
小者「しかしこうして生きていて、探知機で探知出来なかった人がいるという事は、未だ希望はあるんじゃないんでしょうか!?」
魔法使い「成程! エネルギー探知機に映って無いだけで実は未だ生きている人がいる可能性があるね! ここら辺全部掘り返そうよ!」
公爵「確かに。 だが、さすがにこの人数でここ等一帯を掘り返すのは無理だ。応援を呼ぼう」
公爵「もしもし、こちら偵察班、飛空艇一番艦聞こえるか?どうぞ。 … …うん、魔族はいない様だ、そして救助作業をする事になった、作業要員を送ってくれ。オーバー」
公爵「さて次は、殿様に応援を頼もうか... ...侍殿が連絡をした方が良いな、侍殿」
侍「おう... ...もしもし、こちら隣りの国に行った侍だがそちらは聞こえますか?どうぞ。 … …おう小性殿か、実は隣りの国に来たら魔族が国を爆破し逃げ出し、
この国で救助作業をする事になったのだ。我々だけでは人手が足りないので大至急、応援を送ってもらえないだろうか?どうぞ。 … …そうか分かった、それではオーバー」
侍「連絡はこんな感じか? あと応援を送ってくれるそうだ」
公爵「うむ。 さて、これで良いかな」
小者「あと忍者さんにも連絡を取ってみましょうよ。彼には部下の人達いるし、それに、魔王に滅ぼされた国の残党の人達の協力が得られるかも」
侍「よし分かった... ...もしもし、こちら侍一行だが忍者殿聞こえますか?どうぞ。 … …おう忍者殿、実は隣りの国に来たら魔族が国を爆破し逃げ出し、
この国で救助作業をする事になったのだ。我々だけでは人手が足りないので大至急......もう向かっているのか? そうか、それはありがたい。それではオーバー」
侍「これで救助作業の人手がたくさん集まって来るぞ」
―――浮遊島、遺跡、地下二階へ続く階段の前―――
魔道化「はぁ・・・はぁ・・・無事に辿り着いた・・・ぜ・・・」
魔物使い「・・・まさか、罠が連続的に発動するとは・・・この遺跡、すごく恐ろしい・・・」
魔将軍「・・・・・・よし、それじゃあ、皆、地下二階に乗り込むぞ!」
魔道化「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ちょ、ちょっと待って、少し体力が回復するまで待って」
魔将軍「問答無用!行くぞ」ガシッ
魔道化「うぐぅ・・・」
ザッザッザッ…
人形使い「姉さん、私たちも早く行きましょう」
魔物使い「ええ、そうね」
―――浮遊島、遺跡、地下二階【賭場】―――
浮遊島の主『さーて、次のステージは~ここ賭場です』
ざわ・・・ざわ・・・
浮遊島の主『このステージのクリア条件はただ一つ、ここの景品、地下二階の鍵を手に入れればクリア』
魔道化「・・・・・・・・・・・・(まためんどくさそうなヤツだな・・・)」
浮遊島の主『さぁまずはポーカーだ』
魔将軍「魔道化、行け」
魔道化「へいへい」
一分後
魔道化「ロイヤルストレートフラッシュ」パサ
ディーラー「」
魔物使い「あれ、イカサマとかしてないよね?」
魔将軍「ギャンブルであいつに勝った奴は見たことがないな」
魔将軍「ところで、浮遊島の主よ。私たちは一体、何ポイント集めればいいんだ?」
浮遊島の主『ああ、えーっと、五十万ぺリカぐらいかな」
死霊使い「…………ぺリカ?」
魔物使い「つまり、私たちはこのペリカを合計、五十万枚集めないといけないって事ね」
浮遊島の主『そうそう、そういう事。それと、もしペリカが無くなったら、一ペリカ=百円で交換してあげるから、無くなることは気にせずガンガン頑張ってね~』
魔将軍「……今、私たちが所持しているペリカは魔道化のも合わせて五千ペリカだ。つまり私たちは、あと四十九万五千ペリカ集めないといけないわけだ…」
人形使い「多いね…」
魔物使い「ま、まあ、テンション下がってもペリカが集まるわけじゃないんだし、皆で手分けしてペリカを集めようよ」
魔将軍「ああ、そうだな」
魔物使い「それじゃあ、私は競馬っていうのやってみる」
魔将軍「私は、魔道化と一緒に、魔王城でも時々やってる麻雀でペリカを稼ぐ」
死霊使い「……私はこのチンチロリンをやってみる」
人形使い「それじゃあ、私も死霊使いと同じのをやってみるよ」
魔将軍「それじゃあ皆、頑張るぞー!」
一同『オーーーーー!!!』
―――隣の国、城下町(廃墟)―――
『公爵様~~!!』
騎士「お、来たみたいだな」
英海兵1「飛空艇一番艦乗組員で動ける者は皆来ました! あと道具なども持参しました!」
公爵「御苦労!」
侍「あ、あそこに見えるのは飛空艇二番艦」
小者「ほんとだ、直ぐに飛んで来てくれたみたいですね。 そうだ、通信機で着陸を誘導しましょうよ」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
殿様「呼ばれて来たぞ、侍よ」
侍「なんと!? 殿自ら救助隊を率いて来たのですか!?」
殿様「うむ、そうだ。 魔王が治めていたこの国がどうなってしまったのか、この目で確かめたかったからな。 あと、うちの国は家老に城代を任せて来た」
魔法使い(28)「でも、未だ人手が足りないですね」
殿様「大丈夫、飛空艇を一旦 国に戻して、救助隊の増援を運んで来るという算段を取り敢えず立てている」
『お~い、侍殿~~!』
小者「あれは忍者さん! 早く来てくれたうえにかなりの人数を連れて来ていますよ! これで本格的に救助作業が出来ますね!!」
人形使い「半!半!」
ディーラー「丁です」
人形使い「」
死霊使い「・・・・・・残りペリカ0よ」
人形使い「まどえもーーーん!!(泣)」
魔道化「ところでここどんくらい集めりゃいいの?もう150万になったけど」
死霊使い「(・・・・・・ディーラーの人泣きながらシャッフルしてる・・・)」
人形使い「(多分さっきからずっとロイヤルストレートフラッシュで勝ってんだろうな)」
魔物使い「(うわぁ・・・バニーガールがはべってる・・・十人くらい)」
魔将軍「(やべ、見る方が面白いわ)」
魔道化「ところで魔将軍ちゃん。麻雀、一緒にやれなくてごめんね」
魔将軍「いや、別に謝らなくても良い。一人でも五百万ペリカ集めれたしな」
魔物使い「うわっ、すごっ!」
人形使い「ボク達もチンチロリンで一万ペリカぐらい集めたんですけど…丁半で全部……」
死霊使い「………魔物使いの方のお姉ちゃんはどのくらい集めれたの?」
魔物使い「……百…」
魔道化「うわっ、少なっ!」
魔物使い「う、うっさいわね!これでもアタシなりに頑張ったのよ!」
魔道化「あー、はいはい分かった分かった」
魔物使い「」プクー
―――隣の国、城下町(廃墟)―――
忍者「皆、暫らくぶりでゴザルな」
侍「いや~、そんなに時間は経過してはいないと思うが、暫らくぶりだ。 ところでそちらの人達だが......」
足軽頭「なんか複雑だな... ...え~と色々と複雑な訳があってだな......」
中忍「なんでも、元々この国に住んでいたのが住んでいられなくなり、この国から脱出する途中で行き倒れていた所を我々が保護した」
足軽「とにかく、自分達はこの国の人達を助けたいという事に関して嘘偽りは無いです!」
足軽頭「その通りだ! なんてったって昔から住んでいるこの国の住人だからな!」
忍者「他にも警備などで爆発の範囲外にいた人にも事情を説明して来てもらったでゴザル」
警備兵「どうもです!」
狗頭人「バウワウ!」
足軽頭「しかし魔族の野郎共、この国に勝手にやって来て好き勝手やった後、爆破して去るとは......」
鉄砲足軽「悪い奴らですねよ......」
小者「取り敢えず皆さん! 協力して救助作業をやりましょう!」
一同『おおーー!!』
オオカミ男(人間体)「……あれ?何だ、この匂い……」
小者「…どうしたんですか?」
オオカミ男(人間体)「い、いや、何か嗅いだことのある匂いが……ハッ!足軽頭!?」
侍「ん、何だお前、この人知ってるのか?まさかこの人も反乱軍の仲間…」
オオカミ男(人間体)「侍!そいつから早く離れろッ!!」
侍「………へっ?」
足軽頭「…………」スチャ
侍「……えーっと、俺に銃を向けて何するつもりですか?まさか、殺すつもりじゃないですよね?」
オオカミ男「その人はもう駄目だ。完全に呪術師の呪いにかかってい…」
足軽頭「……シネ…」ドンッ!
侍「うわわわ、あっぶねぇー!おい、何しやがるゴラァ!」
オオカミ男「何を言っても無駄です!足軽頭と足軽兵たちにはもう死臭しかしない……つまり、もうあの人たちは死んでる。そもそもあの人たちは魔王軍に捕まりましたし、死んでる可能性の方が高い…」
小者「死んでるって、それはおかしいでしょう!さっきまで普通に会話していたんですよ!」
公爵「いや、おかしいことなんて一つも無いぞ。死人なんて、魔力で簡単に操れるからな。良質な魔力と高度なテクニックを持つ術者がいれば、死人を喋らすのなんて簡単だ」
侍「そんな…死人を操るだなんて……」
オオカミ男「恐らく足軽頭さんたちの死体を操っているのは、呪術師って奴でしょう」
足軽頭「チッ。……ここにいる皆さんは信用出来そうだから言うが」
侍「うん?」
オオカミ男「!! 奴の言う事に耳を傾けてはいけません!」
足軽頭「おい貴様! 我々の真の組織名を言ってみろ!」
オオカミ男「え!? た、確か“魔王反逆軍”でしょう?」
忍者「おや? “解放軍”という組織名でゴザロう?」
一同『!?』
足軽頭「何だ、ばれていたのか。 そもそも反乱?反逆? 馬鹿言え、この国は元々人間の国。後から貴様ら魔族がやってきて我が物顔で自分らの物と決めつけてやがって。
確かに支配者面する魔族側にして見りゃ俺達は反逆者だが、俺達からしたら俺達はこの国の“解放軍”なんだよ! それを言えない貴様は魔族側の間諜だ!!」
ざわ…… ざわ…… ざわ…… ざわ……
オオカミ男「み、皆さん! 動揺しないで下さい! あいつは我々を動揺させようとして嘘を吐いているんですよ!」
侍「う~ん......」
小者「......冷静になって考えてみれば、最初の銃撃は貴方では無く、後ろのオオカミ男さんを狙ってた様な気がしますね」
騎士「よし! 閃いた! 両方とも取り敢えず捕まえておけば問題無いぞ!」
忍者「強引な解決法でゴザルなぁ......」
足軽頭「もっとましな解決法は無いのか?」
オオカミ男「いや、そもそもこの人の話しを聞くべきじゃなかったでしょう」
公爵「取り敢えず一応、エネルギー探知機を使ってみるか......」
オオカミ男「無駄だと思いますよ」
足軽頭「? 無駄かどうかは試してみなけりゃ分からねぇだろうが」
公爵「ふむ、確かにエネルギー探知機は人間の反応をしているな。しかしこれは偽装出来そうだしな......」
魔法使い「それじゃ両方に呪いをかけようか?」
忍者「確か前にメイド殿にかけた嘘吐いたら死ぬ呪いでゴザルな」
足軽頭「なんだ、そんな便利なやつがあるのか。それで解決だな」
オオカミ男「……」ダッ
一同『!?』
スタタタタタタ……
一同『逃げた!?』
オオカミ男「(くそっ!確かに足軽頭様から死臭が漂っているのに、やっぱり人間とかには認識できないのか…)」
オオカミ男「(どうしたら、あれが死んでいるということを証明できるんだ…)」
侍「………なら、俺が証明してやる」ニヤッ
オオカミ男「えっ?」
侍「………居合いぎり」ザシュッ
足軽頭「ぐはっ!」
小者「………え、えぇー!!!」
小者「ちょ、ちょっと侍さん!何で人を切ってるんですか!」
侍「人?下半身を斬られても操り人形の様に動く奴を人っていうのか?」
小者「えっ?」クルッ
足軽頭(死者)「ぐ、くそっ、まさか、こんなに早くバレるとは」
侍「バレる以前にくせーんだよてめーは」
忍者「凄いでゴザルな、拙者 気付かなかったでゴザルが」
侍「それは僕のお陰ですよ」
小者「え?」
侍「僕は昔、自分家の庭に桜の木を全種類植えたり、他にも色々と花を植えたりとまぁ色々やって、そこそこ嗅覚には自信があったりしますね」
小者「え? え? 急に何を言っているんですか? そんな事やった記憶は無いんですが?」
遊び人「僕がやった事ですよ」
小者「!? 遊び人さん!?」
侍「ふっ、まぁそんなこんなで、俺に遊び人が憑いていたおかげか、あいつ等の正体を臭いで見極められたという訳さ!」
忍者「そうでゴザッタのか」
遊び人「取り敢えず、この人達をどうにかしちゃいましょう」
魔法使い(28)「じゃ火葬してしまいましょうか」
忍者「あ、火を点ける前に火薬類を回収するでゴザルよ」ササッ
魔法使い(28)「それでは」ゴオッ
魔法使い「あ、私もやるよ」ゴオッ
足軽達『ぐああああぁぁぁぁ......』ボオオオオォォォォ……
侍「…さぁ、それじゃあ、オオカミ男、お前が逃げた理由を話してもらおうか」
オオカミ男(人間体)「……いや、言わない」
侍「何でだよ!」
オオカミ男(人間体)「…だって多分お前たちに、この事を言っても、絶対に信じないと思うし」
小者「いや、信じるも何もまず言ってみないと分かりませんし、…さぁ、話してください」
オオカミ男「…分かった。…けど、絶対に笑うなよ」
侍「おう、分かった笑わない」
オオカミ男(人間体)「実は俺、前に呪術師と対峙した時、呪術師にある呪いをかけられたんだ。その呪いの名は『呪いアレルギー』」
魔法使い「……はぁ?何、『呪いアレルギー』って…」
オオカミ男(人間体)「俺に聞かれても困る」
忍者「それで、その呪いアレルギーの効果は一体どのようなものなのでござるか?」
オオカミ男(人間体)「ああ、その呪いの効果は……『自分以外の術者に呪いをかけられたら、じんましん、嘔吐、頭痛、めまい、腹痛、下痢、などの症状に襲われ、それが二日間続く』だ」
一同『・・・・・・・・・』
遊び人(霊体)「なにそれ、コワイ」
小者「でもまぁ信じませんけどね」
魔法使い「うん信じないね」
魔法使い(28)「そうそう、信じられませんね」
侍「う~ん、自分で言っといてなんだが、確かに信じられないな」
公爵「はぁ、ここにメイドAが居れば『私の国では魔族を皆殺しにする習慣がある』と言って速攻片付けてこんな気持ちにならなかっただろうなぁ」
オオカミ男「あ~、やっぱ信じませんか......」
忍者「……なぁお主、何故 真の組織名を言わなかったのでゴザルか?」
オオカミ男「え? それは......」
忍者「それは拙者達に信を置いて無かった故でゴザロう? こちらを信用して無い者をこちらもまた、信用は出来ないでゴザルよ」
オオカミ男「……」
ヒーロー「……それだけじゃねーよ」
オオカミ男「え?」
ヒーロー「お前は言ってたよな? 反乱軍、副司令官補佐と。そして話しを聞く限りだと先程の人達も同じ反乱軍の仲間で魔王軍に捕まっていると知ってたんだよな?」
オオカミ男「え、ええまぁ、はい」
ヒーロー「じゃあ聞くが! お前は仲間の危機に何をしていた!?何を思っていた!? そしてこの状況! お前は何をしている!?何を思っている!? 所詮は血も涙も無い魔族か!?」
オオカミ男「……うっせぇよ…」ボソッ
ヒーロー「ん?何か言ったか?」
オオカミ男「うっせぇって言ったんだ!このド低脳野郎がッ!!テメーに俺の何が分かるだってんだ!!」
ヒーロー「なっ!?」
オオカミ男「そもそも、この戦いはな。我ら反乱軍の司令官、足軽頭さんとその仲間たちを助けに行く為に起こした戦いだ!!それをテメーは!仲間の危機に何をしていた!?何を思った!?んなもん!助けに行きたいと思ったに決まってるじゃねーかっ!!」
オオカミ男「……足軽頭さんと、伝令兵さんは、黒龍の洞窟に行く前、俺に『反乱軍を頼んだぞ』って言ってくれたのに…俺は……俺は…一時の感情で戦うという選択をした所為で、反乱軍を……反乱を支援してくれた皆を……たくさん殺してしまった…俺があの時、火薬の匂いに気付いていたら……俺の所為で…俺の所為で…」
侍「なぁ、オオカミ男。お前の、今、するべき事は何だ?」
オオカミ男「…えっ?…俺が、今、するべき事……」
小者「そうですよ。うつむいてる暇なんてありません。まだ、瓦礫の中にに埋まった人がいるんですから」
オオカミ男「でも、俺、獣だから、匂いで……もう……生きている……人なんて……」
侍「例え!生きていなくて、その死体を瓦礫の中から助け出して、埋葬するのも、間違えを犯した者のケジメじゃねーのか?」
オオカミ男「…ケジメ……」
侍「ああ、ケジメだ。なぁ、オオカミ男よぉ。そんな所で腐ってる暇があるなら、死者も生者も、ちゃんと全員助け出して謝れ!!お前は生き残ったんだろうが!それなのに、そんな所でいじけてたら、それこそ、仲間の死が無駄になっちまうだろうが!!」
オオカミ男「…侍……さん…」
侍「だから、早く、皆を瓦礫から助け出そうぜ!」
オオカミ男「……はい!」
公爵「何だ、和解かよ。ケッ!つまんねーの」
商人「つまんないってアンタなぁ……」
オオカミ男「ヒーローさん、本当にすまなかった!完全に俺、自分への怒りをアンタにぶつけてた」
ヒーロー「……俺も、俺も言い過ぎた。……ごめん」
小者「……ふふっ、魔族の中にもこんな人がいるんですね」
侍「ああ、そうだな」
魔法使い「………ふっ、隙アリ、喰らえ、何かわかんない呪い!!」ピロリロリン!
オオカミ男「えっ?……ぎゃあああああああ!!!」バチバチッ
忍者「ちょ、何をやってるでござるか!?」
魔法使い「だって、呪いのアレルギーって信じられないから、試そうかな~って…」
騎士「まあ、呪いのアレルギーなんて言葉、胡散臭いが…流石にそれを確かめる為に呪いをかけるのは……ハッ!」
オオカミ男「ぎゃああああ、体が痒いィィィ!!オエーーー!!!」
魔法使い「………呪いアレルギーって、本当だったんだ……」
騎士「ちなみにお前は何の呪いをかけたんだ?」
魔法使い「アイツの体、どんどん黄色くなってるから、多分『肌が黄色くなって無性にみかんを食べたくなる』呪いだと思う」
遊び人「例え努力したとしても結果が出なければ、その努力は全否定される。努力しただけで褒められるのは子供の時まで」
一同『?』
英海兵3「急にどうしんですか? というか公爵様にとっては大変耳の痛そうな話だな......」
英海兵2「そういや公爵様って、やって来た事のほとんどで、結果出せてませんね」
英海兵1「いや、尽力した事で結果出せた事があるじゃないか。飛空艇は公爵様の尽力の賜物だぞ」
殿様「しかし、遊び人殿の口からその様な話を聞くとは思わなかったな」
遊び人「僕も昔、普通の仕事をしていた事があってね。努力したけど結果が出なくて、『お前何していたの?今まで遊んでいたの?』って言われたね」
殿様「だが、結果が出せなくとも、努力が認められる事はある」
遊び人「そうそうその話がしたかったのさ」
殿様「信用の有無についてだな」
遊び人「その通り」
殿様「信用が無い奴が、努力しました 結果が出せませんでした と言ってきたら『何していた?遊んでいたのか?』と思うが、信用があれば同じ事を言われても、努力していたと認める事が出来る」
英海兵1「成程、確かにそうだよな。そもそも自分の目で確認して無いものの話を聞いただけでその話を信じるか信じないかは、そいつの信用度が大いに関わって来るよな」
英海兵2「あと、他の要素も関わってますよね。メイド長達は公爵様の事を信用してませんが、俺らは公爵様の事を信用してますからね」
遊び人「で、何で急にこんな話をしたかというと、オオカミ男に例の嘘吐くと死ぬ呪いをかける事を提案しようと思ったんだけど... ...先越されちゃったか」
侍「でもまさか、幽霊で遊び人のお前がそんな立派な事を言うとはな。見直したというか何というか、印象は変わったな」
遊び人「……へっ?立派な事?僕、何か立派な事、言いましたっけ?」
忍者「いや、言ってたござるよ。普通の仕事をしてたとか、何とか」
遊び人「普通の仕事?何言ってるの。僕は生まれてこれまで、家の手伝いしかやってないよ?そもそも、僕の村では若い娘って僕ぐらいしか居なかったから、村を出ることすら出来ませんし」
オオカミ男「そういえば、人格がちょっと変わった気配が……うっぷ」
魔法使い(28)(人格が変わった!?)
魔法使い「ちょっとアンタ、無理して話に入ろうとするな。今、解呪中なんだから」
遊び人「……人格が変わった?それはどういう…」
魔法使い(28)「べ、別に気にする事はないわよ。貴女も一応、人の心を持ってるんだし、人格が変わるくらいあるわよ」
遊び人「そんなもんですかね?」
魔法使い(28)「そんなもんよ…」
ヒーロー「おお、流石は28歳、貫禄があるね」
魔法使い(28)「ねえ、ヒーロー、そこまでして、私の魔法をくらいたいの?」ニコッ
ヒーロー「い、いえ、滅相もございません」ビシッ
商人「う~ん、遊び人が言った事って立派な事と言うより、社会人なら当たり前な事をただ言っただけだと思うんやけど......」
殿様「社会人なら当たり前の事を立派な事と思うとは... ...思えば、少々甘く対応していたかもしれんな」
侍「え?」
忍者「う~む、そういえば拙者も甘くなっていたかもでゴザルな......」
遊び人「僕の話した事は過去の経験から語った事、というか一般人ならほとんどが経験する様な当たり前の事なのにな」
忍者「そうでゴザルな。この程度で人格が変わったと思うのは先のオオカミ男の言葉を疑うのと同じでゴザルな」
侍・ヒーロー「「えっ?」」
忍者「拙者が反乱軍の真の組織名 解放軍という名を知っていたのは、組織の者がかなりの頻度でその名をぽろっと言うからでゴザルよ」
中忍「仲間同士で会話すると周囲を気にせずに平気で解放軍って言ってたり、酒呑んで酔っ払っている時なんかも解放軍って言ってましたね」
上忍「そもそも構成員が元々この国に前から住んで居た者達で、後からやって来て好き勝手する魔族に文句言ったら反乱軍呼ばわり。だから解放軍の者は解放軍という言葉を結構使っているな」
忍者「だからヒーロー殿の言葉に激昂したオオカミ男の言葉に解放軍という言葉が出て来ず、反乱軍と言っていたのはおかしいと言えるのでゴザル」
侍「え~と、つまり......」
ヒーロー「え~と、遊び人さんの人格が変わったと言うのは、オオカミ男が解放軍じゃないと疑うのと同じレベル、っていう事か?」
遊び人「要約すると、“深く突っ込んで考えると凄く面倒” って事だよ。だいたい 当たり前の事を言っただけで人格が変わったとか言われるのは心外だな」
小者「……思えば、遊び人さんもオオカミ男も、その人となりを全然知らないんですよね... ...なのに深く突っ込んだ話をするから誤解が生まれると言う訳ですね」
忍者「しかし、何故お主は反乱軍なんて嘘を言ったのでござるか?お主も解放軍のメンバーだったのでござろう」
オオカミ男「嘘?俺は別に嘘なんて言ってないぜ。うっぷ…」
オオカミ男「反乱軍ってのは、三十五年前に解放軍の司令官、足軽頭様が当時、イタリアを支配していた先代魔王を倒すために作り上げた組織の名前で…おえっ…因みに名前の由来は足軽頭様の好きな言葉が『反乱』と『下剋上』の二つだったからで…」 ※反乱とは、権力や支配者に背いて武力行動を起こすことです。
魔法使い「えーっと、三十五年前って確か、勇者のパーティーが先代魔王を倒した五年前の時だっけ?」
魔法使い(28)「違うわよ!私たちが魔王を倒したのは十八年前の事よ!」
魔法使い「……へっ、私たち?」
ヒーロー「」アチャー
魔法使い(28)「ちょ、ちょっと、ままま、間違えた!さっきの無し!」
ヒーロー「魔法使いさん、もう諦めてみんなに言っちゃいなよ」
侍「……まあ、その事は後で聞くとして、オオカミ男話を続けろ」
オオカミ男「は、はい……、ぐぶっ…それで俺が解放軍を反乱軍と言っていた理由ですが…ぐえっ…。実は解放軍とは別に、足軽頭様は上層部のメンバーと反乱軍時代のメンバーを集めて反乱軍を作ったんです…うぐっ…」
忍者「でも、何で足軽頭殿は、解放軍があると言うのに、反乱軍なんてものを作ったんでござるか?」
オオカミ男「それは、解放軍の中に裏切者が居たからですよ…おぼっ…」
一同『裏切者っ!?』
オオカミ男「足軽頭様は、その事を直ぐに察知して、解放軍を反乱軍と解放軍に分けました……でも、あの時、足軽頭様の家が爆発した……反乱軍…表向きでは…解放軍、足軽頭様が解放軍の司令官て言うのは、上層部のメンバーしか知りえない情報……つまり裏切者は反乱軍の中に居たんだッ!……そして爆発から一時間後…足軽頭様が魔王軍に捕まったという情報を聞いた…」 ※足軽頭の家が爆発した詳細 >>358
公爵「さて、一通り話しは終わったか? 一つ聞きたい事がある。 どうして嘘を吐いたんだ?」
オオカミ男「え? だから嘘なんて吐いてませんよ?」
英海兵2「とぼけるなよ。俺達にははっきりと嘘だって分かる事を一つ、お前は言ったぜ」
オオカミ男「え!? え~と......」
英海兵1「嘘の吐き過ぎでどれが俺達の言っている事なのか分からなくなったのか? ひでーな」
魔ドクター(オオカミ男よ)
オオカミ男(! 魔ドクター様!)
魔ドクター(あ奴らの言っている事はおそらくじゃが、イタリアの件についてじゃ)
オオカミ男(えっ!? しかしあいつらがイタリアに関わっているなんて話しは聞いた事がありませんよ!?)
魔ドクター(ワシも最近知ったのじゃが、あ奴らの乗っていた飛空艇一番艦は、ほとんどイタリア製じゃ)
オオカミ男(えぇっ!? という事は)
公爵「『魔族はこの地の支配者に非ず、よってこの行動は反乱に非ず、解放だ』 イタリアの組織名も反乱軍ではなく、解放軍と聞いたのだが?」
オオカミ男「!!」
オオカミ男(くそっ! ここまできて致命的なミスをするとは! いや、未だだ! 更に嘘を重ねて切り抜けてやる!)
キャラブレがひどいw
オオカミ男「(あっ、てゆうか嘘を重ねたらダメじゃん。俺、侍さん達の仲間になりたいのに…そもそも、嘘なんてついて無いのに、嘘って重ねられる物なのか?)」
オオカミ男「(まあ、兎に角、今は信用してもらえる様に頑張ろう。目指せ足軽頭様の敵討ちと魔王軍全員フルボッコ!……うっ…頭痛が痛い…)」
魔ドクター「(えっ、ちょ…まあ、良いか。奴(オオカミ男)は、まんまとワシが仲間だと思い込んでるみたいだし…反乱軍の時の様に、また無意識にスパイ活動をやってもらうか……ククク…しかし、あの馬鹿獣人、呪術士がお前かけた呪いがそんなアレルギーなんちゃらだけだと、思ったか!自分が魔王軍の為に働いてるとも知らないで、愚かな奴じゃ。ヒャッヒャッ)」
公爵「(ククク…順調、順調、この調子でアイツを倒す形にもっていけば、あの獣人が持っている魔力は俺のモノに。よぉし、このまま、有ること無いことでっち上げて、ククク…)」
公爵「……さぁ!そこの獣人よ、さっさと身命に死ね!さぁ!来い!ゴーレ…」「ちょっと待って下さい!」
公爵「な、何だいきなり!」
小者「すみません。でも、少し気になる事があって」
魔法使い「気になる事?」
小者「はい、確か足軽頭さんって、和の国の人間ですよね。それなのに何で、イタリアで組織作ってるんですか?」
公爵「うぐっ」
小者「というか、私の記憶が正しければ、確か、反乱軍って名前はただ単にそれを作った足軽頭さんが反乱や下克上って言葉が好きだったってだけでしょう。その言葉に何か矛盾ってありますか?」
公爵「(くっ、くそっ!このままじゃ、この小娘に負ける!そんなの俺のプライドが許さない!何か、何かないのか~)」
英海兵1「いや~、言いにくい事なんですが、飛空艇一番艦はイタリアの天才発明家の発明が元でして」
小者「え? それじゃぁ飛空艇はイギリス製じゃなくてイタリア製なんですか?」
英海兵1「その通りです。で、飛空艇一番艦を建造するにあたり知り合いになったイタリア人からその話を聞いたんですよ」
英海兵2「そもそもその足軽頭さんがイタリアで組織を作ったなんて話は俺達はしてませんよ?」
英海兵3「その話をしたのはそこのオオカミ男ですよ」
小者「あ、確かに。じゃぁ組織名の反乱軍って名前は」
英海兵1「だから飛空艇建造の時に知り合いになったイタリア人から聞いた話では解放軍ですよ」
英海兵2「当のイタリア人がイタリアで魔族に対抗した組織名は、解放軍と言っていたんですよ」
英海兵3「取り敢えずオオカミ男が話していたイタリアの件については、はっきり嘘だって言えますね」
小者「つまりイタリアの話以外は嘘だとは言えないという訳ですね」
英海兵1,2,3「「「そういう事です」」」
魔法使い「それじゃオオカミ男、なんでそのイタリアの話で嘘吐いたの?」
オオカミ男「いや、俺は嘘吐いて無いぞ。イタリアで足軽頭が反乱軍って名前の組織作って魔王に対抗したんだ」
小者「う~ん、英海兵さん達はイタリア人から解放軍だと聞いたといい、オオカミ男は反乱軍だという... ...まったく面倒な事このうえないですね」
魔法使い「取り敢えず、嘘吐いたら死ぬ呪いをオオカミ男にかけようか......」
公爵(ククク…いいぞー。あと一押しで、あの獣人の魔力は俺、いや、俺様のものだ!)
魔法使い(28)「……はぁー、仕方ないわね」
魔法使い(28)「ねえ、オオカミ男。貴方は何処で、その三十五年前に反乱軍が作られたって話を聞いたの?」
オオカミ男「……うっぷ。…えーっと、確か、足軽頭様が、黒龍の洞窟へ、魔王軍を出し抜いて、ひのきなんちゃらを取りに行く前の日に、足軽頭様から聞きました」
魔法使い(28)「どんな風に?」
オオカミ男「どんな風?って聞かれても、『昔、魔王軍はイタリアを支配していたんだ。そして魔王軍はとうとう、別の国も支配しようとした。だから俺が好きな言葉を使って、反乱軍を作ったんだよ』と、こんな感じだったと思います。うっ、吐き気が益々酷くなって……」
魔法使い(28)「………はぁーやっぱりね」
小者「やっぱりってどういう事ですか?」
魔法使い(28)「このオオカミ男は馬鹿って事よ」
オオカミ男「ちょっ、馬鹿って、おい」
魔法使い(28)「だって、本当の事じゃないの。こんな馬鹿みたいな勘違いをしてるんだから」
オオカミ男「勘違い?」
魔法使い(28)「足軽頭、つまり彼が作ったのは、フランスを助ける為に作った部隊じゃなくて、この国を魔王軍から防衛する為に作った部隊なのよ」
公爵「なっ!?………ちょっと待て!防衛する為に作った部隊なら、何で反乱軍なんだよ?!」
魔法使い(28)「そんなのオオカミ男が言ったのと同じで、彼は反乱や下克上って言葉が好きだったってだけよ」
公爵「いや、待てよ? それ以前になんでフランスの名前が出て来る?」
小者「それにイタリアでこの国を防衛する部隊を作ったって?」
公爵「さ、さっきからこっちが黙って聞いていれば!何だお前のその口ぶりは!まるで、その足軽頭に直接、聞いたみたいじゃないか!」
魔法使い(28)「まあ、そりゃあ、十八年前ぐらいに、一度、足軽頭さんに会ってるからね…」
公爵「な、何…」
魔法使い(28)「十八年前、ある用事の為この国に立ち寄った時にたまたま酒場で出会って、成り行きでこの国を狙う魔王軍幹部と戦う事にして…」
公爵「(……あれ、この感じだと、俺のパワーアップ作戦失敗?)」
>>601
すみません、誤字です。
>>600
魔法使い(28)「足軽頭、つまり彼が作ったのは、フランスを助ける為に作った部隊じゃなくて、この国を魔王軍から防衛する為に作った部隊なのよ」じゃなくて
魔法使い(28)「足軽頭、つまり彼が作ったのは、イタリアを助ける為に作った部隊じゃなくて、和の国を魔王軍から防衛する為に作った部隊なのよ」に訂正
―――隣の国、城下町(廃墟)―――
上忍「そういえば今思い出しましたが、反乱軍の人は解放軍の人に殺されたりしてる様ですよ」
遊び人「え!? それは本当ですか!?」
上忍「はい、解放軍の者が反乱軍に所属していると言った者を斬り殺したと耳にしました」
殿様「それはどういう事だ?」
上忍「なんでも、自分達の事を反乱と呼ぶのは、支配者気取りの魔族側の者だから斬り殺したと。それにどうも反乱軍所属と言う者を殺す事を奨励してたみたいです」
忍者「うむ、拙者も聞いたでゴザル。 確かオオカミ男の話では、解放軍内部に裏切者が居り、解放軍とは別の反乱軍を作り、しかし反乱軍に裏切者が居たという事でゴザッタな」
上忍「解放軍に裏切者が居た場合、反乱軍は敵、殺すようにと指示を出せます。しかし反乱軍に裏切者が居た場合は......」
殿様「ふむ、オオカミ男の話では、足軽頭殿は解放軍に裏切者が居る事を知っていて解放軍と反乱軍に分けた。と言う事は裏切者の可能性がある者を反乱軍にしたのではないのかな?」
忍者達『!?』
殿様「組織内に裏切者が居ると組織の皆に伝えるのは、皆を疑心暗鬼に陥らせるし、裏切者が簡単に見付かる訳ではない。ここから先は私の憶測だが......」
殿様「まず、怪しいと思う者に“お前の事を信用して言うが、組織内に裏切者が居る。その為、この組織とは別の、信用出来る者で新しい組織を作る。お前はそこの一員になれ”と命令する」
殿様「“新しい組織、反乱軍の一員である事は裏切者が居る可能性がある解放軍の者には秘密だ”と命令し、解放軍には“反乱軍所属と言う者は支配者面した魔族側の者だ、斬り殺せ”と命令する」
忍者「成程でゴザル。解放軍内部で裏切者の可能性がある者で構成した別組織、それが反乱軍という訳でゴザルな。そもそも自分が支配者だと思う側から見れば反乱でゴザルしな」
遊び人「殺されてしまうのは元々裏切者の可能性のある、そして命令守る事が出来ない、信用出来ない者という訳か... ...好きな言葉が反乱だから反乱軍と言うのももしかしたら......」
―――隣の国、瓦礫の広場―――
魔法使い「ところでさ。さっきから気になってたんだけど、オオカミ男、アンタ時々、小声で誰かと話してるように何か呟いてるじゃない。誰と話してるの?」
オオカミ男「小声?」
魔ドクター(くっ…、あの馬鹿狼。まさか、ワシと通信をしている時、いつも声を出して話していたのか…くそっ…計算外だ…あっ、そうだ!アイツが余計な事を言う前に釘を刺さないと…)
魔法使い「ねえ、誰?」
オオカミ男「誰かと…小声で話している?……あっ!それって多分、魔ドクター様の事で…」
魔ドクター(あっ、間に合わなかった……。もう、遅かった…)
小者「……えっ?……マ……ドクター……えええええ!?魔ドクターァァァ!?」
騎士「い、今、お前、魔ドクターって言わなかったか?」
オオカミ男「あ、はい、あれ?皆さん。魔ドクター様を知ってるんですか?うっ、また頭痛が……いててて」
侍「いや、知ってるも何も、その魔ドクターって魔王軍の幹部だぞ」
オオカミ男「………………えっ?あははは。魔ドクター様が魔王軍の幹部?何を言ってるんですか、それはありえませんよ。だって魔ドクター様は俺に黒龍の洞窟に魔王を倒す武器があるという情報や、魔王城への抜け道を教えてくれたんですよ。それなのに魔ドクター様が魔王軍の幹部だなんて、違いますよね、魔ドクター様」
魔ドクター『(………いや、この侍達の言うとおり、ワシ、魔王軍の幹部じゃよ。因みに、これ以上貴様と話していれば逆探知をされそうだから、もう貴様とは話すことはないだろう。貴様の頭にこっそり付けた小型の通信機も破壊するから、じゃあの)』プッツン
オオカミ男「……えっ?………えええええええええええええ!!??そ、そんな…馬鹿…な…ハッ!、ま、まさか、俺が今まで探していた裏切者って……俺?ちょっと魔ドクター様!ウソだと言ってくだ……ぐっ!急に頭痛と吐き気が両方に……オエエエェェェ!!!あっ!何だろう、何故か急にみかんを食いたくなってきた……」ミカン ミカン
魔法使い「呪いの影響、今頃になって出たわね」
侍「しかし、あの反応を見るにアイツはどうやら、魔ドクターが魔王軍の者とは知らずに情報を提供していたようだな…かわいそうに……」
侍「なあ、公爵よ。これでも、こいつが魔王軍の手先だとでも言えるか?」
公爵「くっ…」
魔法使い「まあ、今は魔王軍の手先っていうより、ただ単にミカンを欲しがる変な奴だけどね」
騎士「ハハハ、確かにそうだな」
遊び人「同情するじぇ」
忍者「まあ、悪い魔族では無いようでござるな」
殿様「確かに悪そうな奴には見えないな」
小者「頭は悪そうですけどね」
ヒーロー「ハハッ、言えてる」
公爵「……おい、貴様ら、何だふざけてるのか?ふざけているなら、それ以上しろ!癪に触る!」
侍「ふざけてはいないさ。俺はこいつを仲間にする」
一同『……ハァアアアアアア!?』
侍「な、何だ、俺、そこまで驚くこと言ったか?」
小者「言いましたよ!すっごく驚くこと唐突に言いましたよ!」
侍「へぇーそうか」
騎士「おい、侍。こいつは、知らなかったとはいえ、魔王軍と繋がっていたんだぞ!」
オオカミ男「そうですよ!そんな俺を仲間に入れるなんておかしいですよ!」
侍「えっ!何でお前も!?」
オオカミ男「本当は、侍さん達の仲間になりたいですけど、この国は俺が、魔王軍の魔ドクターに情報を渡していたせいで、こんな有り様に……だから、俺、この国に残って、生き残った人たちを守り……うぐぐっ…腹が痛い!でもみかんを食べたい!」ミカン ミカン
商人「はい、有○みかん。1つ100円のところ、今日は特別に200円」
オオカミ男「えーっと………安い!十個下さい!」
侍「………おい、魔法使い、アイツにかけ呪いさっさと解け。お前ののろいのせいで折角のシリアスが台無しだ」
魔法使い「ごめん、私、呪いとか苦手だから、解呪とか無理」テヘッ☆
江戸の衛兵「つーか、テメーら!んなとこで話していないで、瓦礫を退けるのを少しは手伝え!」
江戸の衛兵2「いやー、それにしてもあのゴーレムって言いましたっけ? さっきからもくもくと瓦礫を退けてたくさん救助してくれて助かりますね」
公爵「あ、そういえば人を掘り返す為に作ったゴーレム、そのままだったな」
江戸の衛兵「そのゴーレムってやつはもっとねぇのか?」
公爵「作ればある。<ゴーレムクラフト>!」
ゴゴゴゴゴ……
江戸の衛兵2「おお~。これでまた救助作業が捗るな」
江戸の衛兵「つーか、こんなに簡単に出せるなら、もっと早くから出しとけよ」
侍「よし! 俺達も救助作業頑張るか!」
江戸の衛兵「あと救助されて重傷の人達も多勢いるから、負傷者の手当てを出来るやつはとっとと即席で作った救護所にいきな!」
小者「それじゃ私は負傷者の手当てに行きます!」
殿様「今現在作業はどんな具合だ?」
江戸の衛兵「はっ! あのゴーレムが掘り返した生存者の負傷者達は、初めは我々が乗って来た飛空艇の医務室に運び込み治療してましたがすでに満杯となり、
今は即席の救護所を作ってそちらに収容しております!」
殿様「うむ、それでは飛空艇は一旦 本国に戻し、負傷者を降ろして、応援の者を乗せて再びここに戻って来るように」
江戸の衛兵「はっ! 承りました!」
―――魔界、魔王城、諜報室―――
魔兵士1「オオカミ男の件、あれで宜しいのですか?」
魔ドクター「うむ、あれで良いじゃろう。オオカミ男は完全に切り捨てる」
魔兵士1「魔ドクター様の事ですから遠隔操作で爆発させるかと思いましたが......」
魔ドクター「オオカミ男の奴は生かしておいて大丈夫じゃろう。あ奴は無能、役立たず、足手まとい、性格に難有りじゃからな」
魔兵士1「そうなんですか?」
魔ドクター「あ奴は元々魔王軍に所属しておったが、その問題点の所為で叩き出されたのじゃ。その時にこっそり小型の通信機を付けたのじゃ」
魔ドクター「そしてその後、あ奴は足軽頭の組織の許へ行き、足軽頭達の仲間になったのじゃ」
魔兵士1「? その話しだと、あまり問題点が無い様に思いますが?」
魔ドクター「奴はな、周囲の事を慮れない、自分の行動を省みられない、自分の保身の事ばかりが先に口に出る様な奴なのじゃ」
魔ドクター「そもそも最初魔王軍を解雇になり、次に解放軍、反乱軍、そして今は侍達の仲間になりたいと、平然と仲間を鞍替えしようとする奴じゃ」
魔兵士1「あれ? それって魔ドクター様がそうなる様に誘導した結果ではないのですか?」
魔ドクター「いや、その行動は金魚のフンの様な奴自身の性格から出た行動じゃ」
魔兵士1「成る程、そうでしたか。では奴が無能、役立たず、足手まといというのは?」
魔ドクター「フェッフェッフェッ、奴が有能で役に立って足を引っ張らなければ、今頃は未だ足軽頭達は健在よ。元々ゴミカスの再利用、一回成功しただけでもう充分じゃ」
魔ドクター「それに、彼奴は甘い……………魔兵士1よ。ここで質問じゃ。もしお主が次の戦いに勝つ為に大切な物資を城まで運んでいるとする。するとそこに腹を空かせて倒れている他人がいる。物資の中には食料が僅かながらある。さあお主はその他人に僅かな食料を渡すか?渡さないか?因みに渡す場合、仲間の内、一人が餓死をする」
魔兵士1「餓死ですか……ならやっぱり、渡さないですね。だって他人でしょ。他人の所為で仲間が死ぬなんて嫌ですもん」
魔ドクター「……だが、彼奴は渡す…さらにその他人が道中で死なない様に、貴重な武器を渡し…仲間が餓死しない様に、自分は食わない事を選択………」
魔ドクター「そう!彼奴の最大の問題点はその甘さ!!さっき、彼奴が叩き出されたと言ったよな。実を言うと彼奴は叩き出されれはいない、自分で逃げたのだ。そう、ご丁寧に、その時、ワシが魔界で行っていた人工魔人プロジェクトとそれを行う為の研究所を全部壊した後になッ!!」
魔兵士1「人工魔人プロジェクト?な、何ですかそれ?」
魔ドクター「……人工魔人はな。人間の体内に大量のエネルギーと、死んで間もない魔族の血肉を入れて、強制的に魔族に変えた者を言うのだよ。まあ、ワシも人工魔人の事は魔道化の奴から聞いたのじゃが。しかし、人工魔人を作れることは滅多にない。大体の奴は拒絶反応を起こして、バンッと爆発する。捕虜は何体でもいるのだから、いくら失敗して爆発しようが関係は無かった。まあ、そんな事が数百回起きたある日、実験体199と204、それと205が拒絶反応を起こさずに原形を留めて生き延びた。ワシは嬉しさのあまり、彼らの為に研究所を三つに分けた…」
魔ドクター「彼らはまだ完璧とは言えなかった。まだ、魔族の血肉が馴染んでなかったからだ。だから、ワシは彼らを培養液が入ったカプセルに入れた。ある日、ワシは一週間ほどある用事で、人間界に行くことになった。しかし、ワシが留守にすると、彼らと話す者がいなくなる。彼らも生物だからな、話し相手がいなくなると退屈だろう。だからワシは当時、直属の部下だった男に話し相手を、あとついでに研究所の掃除を頼んだ……。だが!ワシの部下だった男は有ろう事か、新人の兵士二人にその仕事を頼んだ。その新人の兵士があのオオカミ男、それとオオカミ男の友人……名前は何じゃったかのう…まあ、良いか」
魔ドクター「一週間たって魔界に帰ってきたワシは、真っ先に研究所に向かった。だが、そこにあったのは、悲惨な光景だった…カプセルは壊され、ただの肉片となった実験体199、ボロボロに焼けてしまった実験体204、そして跡形も無く消えてしまった実験体205。……ワシは部下を呼び出した。部下は一人の新人兵を連れて謝りに来た。その日は家族がなんやら、友人がなんやら、親がなんやら、部下は色々な事を言い訳にした…ワシはその時、丁度持っていた毒薬で部下を殺した。」
魔ドクター「オオカミ男の友人は何も言い訳はしなかった。どうやら死ぬ覚悟でワシの呼び出しに応えたらしい。ワシはその友人に質問をした。『ワシのかわいい実験体たちを殺した奴は誰だ』と、だが彼奴の友人は『僕です』と言った。ワシは直ぐに彼はオオカミ男を庇っている事が分かった。だからワシはまた別の質問をした、『どうして彼らを、人工魔人を殺した?』と聞いた。すると彼は『かわいそう?』と呟いた。その時、ワシは気づいた。オオカミ男は…彼奴は、実験体たちを見てかわいそうと思った。そして彼奴はかわいそうだから実験体199と204、205を殺したのだと……」
魔ドクター「その時、ワシはオオカミ男を殺したいと思った。ただ、殺すんじゃない。惨たらしく、残虐に、じわじわと殺したいと思った。まず、ワシはその友人を毒で殺し、呪術師にオオカミ男の殺しを命じた。だが呪術師はオオカミ男を気に入ってしまった。ワシは別の殺し方を考えt…」
魔兵士1「ちょ、ちょっと、魔ドクター様!」
魔ドクター「何じゃ?まだ、話の途中じゃぞ」
魔兵士1「何か、話が長くなりそうなので、もういいです」
魔ドクター「そうか、また、話を聞きたくなったら、ワシに話しかけろよ」
魔兵士1「あ、はい、分かりました………また今度、聞きにきます」
>>611
うわっ、すげえ長文
>>612
長文すみません
ーーー隣の国、城下町(廃墟)ーーー
侍「おーい、魔法使い。オオカミ男の呪いは解けたか?」
魔法使い「いやー、解けないというか、余計に悪化させちゃった…」
オオカミ男「うわああああ!!吐き気がするけど、ミカンが食べたい!あとバナナも、リンゴも食べたい!!」
商人「ほい、バナナ五百円、リンゴ二百円」
オオカミ男「うおおおお!!すっごく腹が痛い!!うわっ、目眩もする!」
侍「………確かに悪化してるな」
魔法使い「でしょ」
侍「でしょ、じゃねーよ!オオカミ男が破産する前に早く呪い解いてやれ」
魔法使い「そんなこと言われても、私、呪いとかそれ関連は苦手だし」
侍「苦手って、お前、メイドの時、ちゃんと出来てたじゃねーか」
魔法使い「いや、あの時も、何十回もやって成功したから、今回は出来るかどうか分からない」
魔法使い(28)「それじゃあ、私が解呪しようか?」
侍「えっ?魔法使いさん。解呪出来るんですか?」
魔法使い「出来るわよ。私を誰だと思っているの?勇者一行の魔法t…じゃなくて、ベテランの魔法使いよ!」
魔法使い(28)「うおおおお!喰らえっ!解呪魔法!エスナッ!」ピロリロリン!
侍「いやー、ホント、魔法使い(28)さんが居てくれて助かりm…」
オオカミ男「アバババババ!!」ビクン…ビクンッ!
魔法使い(28)「因みに私の魔法は、何故か回復魔法でも魔族にダメージを与えるから、解呪が終わるまでこいつが生きている保証がないわよ……フッ」ニヤッ
侍「ちょ、チェンジ!」
魔法使い(28)「あら、もう終わり?」
オオカミ男「」ビクッ…ビクッ…ビクッ…
侍「……ハァー、やっぱり、魔法使いに解呪してもらうしか無いか。おーい、魔法使い。ちょっと……」クルッ
魔法使い「」ツーン
侍(あれ?まさか、魔法使いさん、拗ねてらっしゃる?)
侍「あのー、魔法使いさん?解呪をお願いしたいのですけど…」
魔法使い「……ふんっ!そんなの私より解呪が得意な魔法使い(28)に
頼めば良いじゃない」
魔法使い(28)「いや、だから、私の魔法じゃ、解呪する前に死んじゃうかもしれないから、貴女に…」
魔法使い「うっさい!オバサンは黙ってて!!」
魔法使い(28)「………誰が……誰がオバサンじゃー!!」
―――魔界、魔王城、諜報室―――
魔兵士1「しかし、そのオオカミ男の友人、かわいそうですね」
魔ドクター「フェッフェッフェッ、だから言ったじゃろ? 奴は周囲の事を慮れないと」
魔兵士1「まったく、自分だけ逃げて友人を置いて行くなんて」
魔ドクター「オオカミ男と友になったのが不運じゃったの」
魔兵士1「不運といえば、数百分の一の確率で見事に生き延びたその人工魔人達も、奴と関わった所為で......」
魔ドクター「うむ、せっかく幸運に恵まれて大成功して生き延びた者達を奴は無残にも......」
魔兵士1「……」
魔兵士1「しかし、奴にそんな過去があったとは......」
魔ドクター「フェッフェッフェッ、そんな過去があっても奴は自分の行動を省みられない、だから新しい仲間達、足軽頭達は命を落としたのじゃ」
魔兵士1「そうですよね。少しでもその過去を反省し、周囲の事を慮っていれば、足軽頭達は生きていたでしょうね......」
魔兵士1「というかそんなゴミカスな性格、奴は直そうとはしないんですか?」
魔ドクター「フェッフェッフェッ、無駄じゃ。奴は自分の性格について無自覚じゃからの」
魔兵士1「成程、自覚していないのであれば、自分のゴミカスな性格は直せないという事ですね」
魔ドクター「その通りじゃ、フェッフェッフェッ」
魔兵士1「…あっ!もうこんな時間だ。すみません、魔ドクター様。呪術師様から頼まれていた物を早く持って行かないと駄目なので、ここで失礼します」
魔ドクター「おっ、そうか」
魔兵士1「それでは…」ガチャン
―――魔界、魔王城、廊下―――
魔兵士1「……はぁー…」
魔兵士2「おっ!いつもの以上に疲れてるが、どうした?」
魔兵士1「ああ、お前か……いやさあ、さっきまで魔ドクター様の長話に付き合ってたんだよ…」
魔兵士2「へぇーあの爺さんの話に…いや、今は若い姿だから青年って言った方が良いのか?」
魔兵士1「知らねえよ」
魔兵士2「それで、どうだったよ。あの人の話はよ」
魔兵士1「どうだったって言われても……一言で言うとしたら、狂っていたな」
魔兵士2「狂っていた?えっ?何々、その話聞きたい」
魔兵士1「ちょ、あの話を自分で聞きたいって……まあいいや、ちょいと耳貸せ…」ゴニョゴニョゴニョゴニョ
魔兵士2「……うわ~ひでぇな。まあ、その裏切者の獣人野郎が捕虜の人間たち、というよりか、実験体たちをかわいそうと思ったのは共感できるけどよぉ。でもやっぱ、流石に殺すのは無いわ。俺だったら、どっかの野に帰すね」
魔兵士1「だよな~、俺も思った。……あー、腹減ったなー。なぁ、この物資を呪術師様の所に運び終わったら、何か食べに行かね。俺が奢るからさ」
魔兵士2「えっ?マジで、行く行く」タッタッタッ
―――魔界、魔王城、諜報室―――
魔ドクター「………狂ってるか……フッ、所詮は凡人、ワシの偉大な思想は理解できぬか……」
呪術士「……偉大ねぇ…」
魔ドクター「なっ!?呪術士、お主、いつからそこに居た!?」
呪術士「……さあ?」
呪術士「ま、それより、朗報。あの男が聖剣の隠し場所を吐いた」
魔ドクター「何!?それは本当か!?」
呪術士「まあ、吐いたって言うか、幹部の夢魔ちゃんの協力で、夢の中に入って情報を引き出したんだけどね」
魔ドクター「それで聖剣は何処にあるんだ!?」
呪術士「……いやー、実は引き出せれた情報は、聖剣の隠し場所のヒントを誰が持ってるかなんだけど……因みに聖剣の隠し場所の情報は、何かの力でブロックされて引き出せなかったのです」
魔ドクター「……それで、そのヒントを持っているのは、誰なんだ?」
呪術士「フフッ、………あの男の娘よ!!!」バァーン!
魔ドクター「……あの男の娘って言われても、ワシ、アイツの娘知らんし。何かその娘の情報は無いのか?」
呪術士「情報か……うーん………あの男の夢から取り出した情報に寄ると、確かその娘は、魔法の素質を持っていたわ…」
魔ドクター「魔法の素質か……つまり、あの男の身の回りに居た魔法使いを手当たり次第探せば………大変な作業になりそうだな……」ハァー
―――隣の国、城下町(廃墟)―――
侍「う~む、仕方ない... ...なぁ魔法使いさん、オオカミ男がこうなった原因は誰だ?」
魔法使い「……」
侍「勝手に独断でいきなり不意打ちして呪いをかけたのは」
江戸の衛兵「おい! お前、さっきは救助作業頑張るとか言ってたくせに何サボってるんだ!? 手伝え!」
侍「おう 分かっている! それじゃ俺は救助作業の手伝いに行くからな、オオカミ男の事は頼んだぞ」
江戸の衛兵「てかなんだ? 負傷者が居るんなら即席救護所に連れってやればいい! 他の負傷者もそこに収容しているからな!」
侍「そういえば、魔法使い(28)さんは回復魔法が使える様な事をさっき言ってましたねよ?」
魔法使い(28)「ええそうよ」
江戸の衛兵「そいつは丁度良い、救護所には負傷者がたくさんいるからな、手当て出来る奴は一人でも多く欲しい」
魔法使い(28)「それでは救護所に行きますわね... ...ほら、貴方達も」
オオカミ男「は、はい」
魔法使い「……分かったよ......」
江戸の衛兵「それじゃ俺達はあっちで瓦礫を退ける作業だ!」
侍「おう!!」
―――隣りの国、救助作業現場―――
ゴゴゴゴゴ……
公爵「ふぅ、やはり死体が多いな......」
英海兵1「でもまぁ頑張りましょうよ、生存者も見付かっている訳ですし」
公爵「そうだな……」
侍「あ、公爵殿」
公爵「おや侍殿、“俺達も救助作業頑張るか!”と言っていたのに今までどこに?」
侍「うん、オオカミ男の奴が放っておけなくてな、だがまぁあれで多分大丈夫だろう」
公爵「そうか... ...ところで早めに伝えておくが、この救助作業が終わってその後 一段落ついたら英国に帰ろうかと思う」
侍「? また英国に用事でも?」
公爵「いやそうじゃない。元々、ここに来たのはこの地の魔族を退治する為だ。その魔族が居なくなった今、一応 目的は達成した訳だ」
侍「そういえば俺も“隣りの国の魔王もとい大名を倒す”という使命を一応 果たしているな、魔王が居なくなっちゃった訳だし」
英海兵2「まぁという訳で、我々は帰国すると。それに物語的に言うともう、エピローグをやっても良さそうな展開ですよね」
江戸の衛兵「おいあんたら! 喋って無いで救助作業をやれよ! 生存者が未だ見つかるかもしれないんだからな!」
一同『おう!!』
公爵「(……それと、運が良い事に、この瓦礫を退かす作業中、例の伝説の武器を入手できたし)」
公爵「(まさか、こんな所でこれを見つけるとは……まあ、この武器を女王に渡したら、信用なんて取り戻せんだろ。あーチョロイ」
英海兵1「(ところで公爵様、どうしてその金色に輝いている球が伝説の武器だとわかったんですか?)」
公爵「(うわっ!急に心の声に入ってくんなよ……、てか、お前どうやって心の中に入ってきた?)」
英海兵1「(そんな事どうでもいいでしょ。早く伝説の武器だとわかった理由話してくださいよ)」
公爵「(…………勘かな?)」
英海兵達『…………………………』
―――10分後…
船長「(………差し入れを持って来てみたら、公爵さんが作業現場の隅でガタガタと震えている……)」
船長「(いったい、私が知らない所で何があったんだ……)」
船長「(なぁ、ちょっと聞いていいか?)」
英海兵1「(はい何でしょうか?)」
船長「(何があったんだ?)」
英海兵2「(この前、船医さんが話していた世の中はチョロクは無いという話をしたまでですよ)」
船長「(うん? どういう話だ?)」
英海兵1「(人は、第一印象でその人となりを判断され、たとえ第一印象とは違う事を何十回もやってみせても無駄ってやつです)」
英海兵2「(何十回も第一印象を覆そうとしても、一回だけ第一印象通りの事すると“ほれ見た事か、自分の感じた第一印象は間違っていなかった”て言われる)」
英海兵3「(まぁでも頭の良い人は努力で第一印象を変えてくれますから)」
英海兵1「(そうそう。しかし女王は頭悪いかもよ? 第一印象を変えずに、公爵様が何やっても第一印象通りの判断で評価してくるかもよ?)」
英海兵2「(だから公爵様が見付けた伝説の武器とやらも伝説の武器でも伝説の武器じゃなくても結局は公爵様に対する評価は駄目だろうって話ですよ)」
船長「(成程、その伝説の武器とやらが本物でも“あっそう”で流され、偽物だと“ほれ見た事か”と言われるんだな。 しかし伝説の武器か... ...どうやって鑑定するんだろうな)」
公爵(……待てよ? そういえば身近に“伝説の担い手”を捕まえた奴が居たな... ...メイドAは相手が伝説の担い手と判断して捕まえた訳だから伝説の武器の鑑定も出来るのでは?)
江戸の衛兵「あっ! 生存者だ! 未だ息があるぞ! 俺とお前でこいつを救護所に運ぶぞ!」
侍「おう! 分かった!!」
公爵「おお、生存者が見付かったか! うん、後の事は後で考える事にして、今は今の救助作業をやる事に集中するか!!」
―――それからいろいろ遭って二日後…
オオカミ男「皆さん、本当にこの国の人達を救ってくれて、ありがとうございました!」
魔法使い(28)「救ったって言っても、オオカミ男くんの呪いアレルギーだけは救えなかったけどね」
オオカミ男「ははは、まあ呪いアレルギーは俺の今までの罪だと考えて、生きていきますよ」
侍「……なあ、突然だがオオカミ男。お前、本当に俺達と一緒に旅をしないんだな?」
オオカミ男「はい、あの時も言いましたけど、俺は足軽様、伝令兵さんから任された人達を、生き残ったこの国の人達を守る義務がありますから。侍さん達の誘いはうれしいですが…」
侍「………フッ…そうか、それじゃあ、お前に通信機とこの侍ピンバッチを渡す」
侍「……いざ、ピンチになったとき、その通信機で俺達を呼べ。直ぐに駆けつけてやる!」
公爵「さて、こちらも英国に帰ろうかと思うんだが......」
英海兵2「メイドAがいないままですね」
商人「あと未だお金を払ってもろて無いよ」
公爵「ああそうだった、飛空艇の改造やら修理やらのお金が未だだったな......」
殿様「そうだ、そのお金、こちらが払おう」
公爵「!? それは本当ですか!?」
殿様「公爵殿達には協力をしてもらっているからな、この位どうという事は無い」
公爵「ありがたい! 助かります! あとはメイドAの件だな」
英海兵1「放っておいて帰りませんか? この三日間見当たりませんでしたし」
公爵「う~ん、しかしだな......」
殿様「そのメイドAは見付けたらそちらに連絡しようか?」
公爵「それではそれで宜しくお願いします」
公爵(伝説の担い手を見付けたあいつに伝説の武器かどうかの鑑定をしてもらいたかったが、あいつ以外にも鑑定出来る奴が居るかもしれないしな)
公爵「それでは我々は英国に帰国します。 飛空艇一番艦、発進! 英国へ帰還する!」
英国人達『さようなら~』『御達者で~』『お元気で~』
侍「あっ、そうだ公爵にもこの侍ピンバッチやるよ」
公爵「そんなガラクタ要らん」
侍「なっ、ガラクタって・・・このピンバッチ、昨日徹夜して作ったんだぞ」
公爵「ハッ、徹夜してその程度の作品か・・・」
侍「て、てめー!」
公爵「それじゃあ、さらばだ。愚民共!ふははははは!」
公爵「おい艇長、飛空艇を出せ」
艇長「はい!」
ドドドドドドドドドドドドドド (飛空艇が飛び立つ音)
侍「…………よし、江戸に帰るか」
―――浮遊島、地下五階【迷路】―――
鳥組頭「なっ!?貴様らは!?」
魔道化「……フッ…やっと見つけた…ねぇ浮遊島の主、侵入者ってのは、こいつらの事かい?」
浮遊島の主「YES!YES!」
龍組頭「おい、鳥組頭。殺す事ができないとなっちゃあ、こいつらの相手は難しい。一旦、逃げるぞ!」ダッ
鳥組頭「………っ!」ダッ
参謀「」ダッ
魔将軍「っておい、参謀、何故お前も逃げる!」
魔道化「逃がさんよ。拘束魔法!」ピロリロリン
龍・鳥・参『ぐわああああ!!』ガシャン
鳥組頭「くっそー、こんなにあっさりと捕まってしまった……」
―――和の国、江戸、殿様の城、飛空艇発着場(元広場)―――
侍「やっぱ、飛空艇は便利だな。 あっという間に帰って来れるからな」
殿様「さて、侍よ」
侍「はっ! 何でございましょうか!」
殿様「この度の魔王討伐終了の件で改めて詮議し、沙汰する。後で謁見の間に来てくれ」
侍「はっ!」
小者「そういえばどうなるんでしょうか?」
騎士「隣りの国から魔王がいなくなったからな」
魔法使い「(もしかして、解雇されちゃったりするの?)」
忍者「(いや、普通に考えて待機状態になるか、また新しい御役目が与えられると思うでゴザルよ)」
侍「まぁなんにせよ、隣りの国の魔王もとい大名を倒す役目は終わる形になる訳だ。 しばらく自分家でのんびり出来ればいいな......」
小者「確かにそうですね......」
騎士「そうだ、後で祝勝会というか、御疲れ会みたいなものを催したいな」
魔法使い「うん、それは良いね!」
小者「ですね。 でもまぁその前に殿様と報告会を終えてからですね」
―――和の国、江戸、殿様の城、???―――
女侍「陛下、長旅ご苦労様でした。お怪我はありませんか?」
殿様「大丈夫だ。ところで、私が留守の間、アレの封印に異常はなかったか?」
女侍「はっ!ありませんでした」
殿様「そうか、それは良かった。アレの封印と観察は私の一族の運命だからな」
殿様「くれぐれも用心は怠るなよ!」
女侍「はっ!」
―――和の国、江戸、殿様の城、広場―――
魔法使い「ねぇ、私お腹すいた」グゥー
遊び人(霊体)「僕もすきました」グルルルル
忍者「霊なのにでござるか?」
遊び人(霊体)「うん」
侍「まあ、遊び人は霊なのに物にも触れるし、攻撃もでき、さらに俺達からでも触ることも出来るから、食べることもできるんだろう……それじゃあ、殿様の呼び出しが来るまで食堂で時間を潰そう」
―――和の国、江戸、殿様の城、食堂―――
メイド「うぅ、ウドゥーン本当においしい!」
侍「……………………」
メイド「このカッ・ドゥンもおいしいし、何ていい国なんだ此処は!」
侍「何をしてんだ、お前は…」
メイド「あっ、侍さん達、お久しぶりです」
侍「お久しぶりですじゃねーよ!何で英国に置いて行った筈のお前が、この場で飯を食べてんだよ!」
メイド「いやー、実は私、メイド長の命令で侍さん達の旅に憑いて行くことになりました」
侍「………え?」
侍「なにそれ、俺、聞いてない………ていうか、同盟も組んでないのに、何で…」
メイド「組んでない?何言ってるんですか。女王様、あの時同盟の事、了承したじゃないですか」
侍「えっ?………マジで!」
小者「でも、旅に付いて行くって言っても、旅はもう終わったって言うか……」
メイド「えっ、それってどういう?」
魔法使い「隣の国、爆発した」
メイド「えっ、爆発!?ちょ、ちょ、…余計に……訳が…わからない…」
侍「仕方ないな…それじゃあ、今から隣の国で何があったか教えてやるよ……小者がな!」
~~~メイドに説明中…~~~
メイド「へぇー、私が江戸で様々な物を食べている間、そんな事があったんですか…」
小者「そんなんですよ…本当に大変でしたよ」
メイド「でも、それでどうして旅の終わりなんですか?」
魔法使い「はぁ?アンタさっきまでの話聞いてたの?隣の国に魔王軍は居なくなって…」
メイド「居なくなったって、それただ単に魔王軍は一時撤退しただけですよね」
侍「あっ…」
魔法使い「あっ!そういえば、まだお父さんとお母さんを助け出してない!」
侍「……そうか…まだ、俺たちは…魔王を倒していない」
騎士「そういえば、飛空艇発着場に他の飛空艇は無かったが、どうやって来たんだ?」
メイド「あ、それは“転送魔法”で送り込まれたんですよ」
魔法使い「“転送魔法”?」
メイド「はいそうです。 というか最初の破壊者、第二、第三の破壊者や神父と破壊者RXはこの“転送魔法”で送り込まれたんですよ」
小者「成程... ...そんな便利な魔法があるなら、飛空艇の存在意義が無いですね」
メイド「そうですよ。だから英国王政府はこれっぽっちも飛空艇建造には関わって無いです。公爵様が自分の資金で建造したものですね」
侍「うん? 待てよ? じゃぁ何でそんな便利な魔法があるにもかかわらず公爵殿は飛空艇を建造したんだ?」
メイド「さぁ? “転送魔法”の事を知らなかったとか?」
商人「せやけどダンさん残念や。飛空艇に存在意義が無かったなんて......」
小性「侍殿、殿がお呼びです」
侍「そうか」
小性「あ、あと今回の件で関係者達からも話を聞きたいとの事なので、大広間の方へ、皆さんも来て下さい」
侍「おう、分かった。 英国との同盟の件も話せるな」
小者「あ、気を付けて下さい。 話し方が悪いと二枚舌だと思われますよ、きっと」
侍「お、おう」
―――和の国、江戸、殿様の城、大広間―――
殿様「皆、集まったな。 おや? その者は......」
メイド「はい、英国から同盟により派遣されました、メイドで御座います」
殿様「同盟? いつの間に同盟を結んだんだ?」
メイド「やっぱりご存知無いのですか... ...侍さん 知らなかったみたいですし」
殿様「……おい、どういう事だ?」
侍「え~と、ちょっと待って下さい... ...よくよく思い返してみれば、女王と謁見した時に同盟の話は一切していないな」
殿様「……つまり、魔族の脅威がある間は何もせず、魔族の脅威が無くなった今、実は同盟結んでいましたとしゃしゃり出て来た訳か?」
メイド「え!? そんな訳じゃ」
小者「でもそういえば確かに女王と謁見した時に同盟の話は本当にしてませんでしたよ?」
殿様「無い事をあったと言うとは、二枚舌だな。 おまけに脅威がある時は何もせず、脅威が無い時に言い出す虫のよさ」
メイド「そんなつもりじゃ... ...それに魔族の脅威は未だ無くなった訳じゃないですよ」
殿様「ふっ、確かに。 同盟の件は公爵殿が協力してくれたのであるという事にしておこう。 ただし、今度から無い事、確認が取れて無い事をあると言うのは止めてもらおうか」
メイド「はい......(私も思い返してみれば、侍さん達と女王は同盟の話をしてなかった。 これじゃ同盟の話は伝わって無くて当然......)」
殿様「さて、それでは本題に入るか」
殿様「今から、お前たちには『唐の国』まで行って来てもらう」
小者「唐の国まで?何でですか?」
殿様「実はな、唐の国に龍が出たらしいのだ」
侍「龍!?」
殿様「ああ、お前たちは以前、龍と戦ったことがあっただろ、だから、この龍退治の任務はお前たちが適任だと思ってな…」
侍「しかし、俺たちが黒龍に勝てたのは、黒龍がその時、魔族たちの戦いで負傷した体だったからで…」
殿様「……そうか、なら、まあ、この話は取り敢えず保留と言う事で良いか」
騎士「やりましょう」
侍「いつの間に!?」
殿様「あ、行く?だったら船用意するから三日後港に来てくれ」
侍「しかし騎士殿は唐の国がどの様な国なのか知っているのか?」
騎士「いや、知らないが?」
殿様「唐の国は亡び、その後、五代十国時代と呼ばれる争いの時代になり、宋が大陸を制すかと思えたその時、唐の国が復活し再び大陸を制した」
侍「更に大量の弓騎兵からなる異民族の軍団を退け、その後も国内から紅巾党と称する勢力が反乱を起し、明を名乗ったがそれも滅ぼしたのだ」
遊び人「300年程で国の限界が来て歴史を閉じると思われた唐の国が、何故か、1000年間存続して今の時代にも続いているんだよね」
殿様「うむ、この唐の国が本気を出せば、龍の5、6頭位はあっさり退治される。 その前にこちらで龍を退治しようと言う訳だ」
騎士「……なんか、凄い国ですね......」
小者「気を付けて行ってらっしゃい、騎士さん」
魔法使い「頑張ってね、騎士さん」
忍者「武運を祈っておるでゴザルよ」
騎士「あれ? その言い様、行かないのか? 冗談だよね?」
侍「騎士殿が引き受けた事だろ。 殿、他にも話があるのでしょう?」
殿様「うむ、そもそも皆を呼びだしたのは、“この度の魔王討伐終了の件について”としっかりと言ったしな。 さて、隣りの国の脅威、魔王が居なくなった訳だが、侍よ」
侍「はっ!」
殿様「最初に約束した役目を果たしたら国を半分やるという約束、こちらはその約束を実行に移す用意がある。どうする?」
侍「いやー、貰いたいのは山々ですけど、実は魔王はまだ倒されてはいません!」
殿様「な、なんだってー!?」
侍「恐らく、魔王は今頃、魔界にある魔王城で、この世界を乗っ取る作戦を考えているはずです」
侍「つまり、魔王軍は撤退しただけで、まだこの世界を支配しようとしている」
殿様「なるほど、つまりはまだ魔王を倒してないから、国の半分はまだ要らないということか」
侍「はい、………でも、恐らく今の俺の力では魔王を倒すことは不可能です」
殿様「なら、尚更、唐の国に行け、あそこは修行の場としても有名だからな」
侍「……その件は考えさせてください」
殿様「ああ、わかった……因みに今、唐の国で暴れている龍は、あの黒龍と同じ…いや、それ以上の化け物らしい。唐の国の人間も、まだ倒すことが出来ず困っているらしい」
小者「あれ?殿様、さっき唐の国は龍の5、6頭位はあっさり退治できるって言ってませんでしたっけ?」
殿様「ああ、その龍っていうのは、子供の龍の事だ。つまり、唐の国は子供の龍なら、簡単に倒せるということだ」
侍「というか殿、なんで魔王が未だ倒されてないという話で驚かれたんですか?」
小者「確かに、隣りの国で救助隊を呼ぶ時にちゃんと報告してましたよね、魔族が逃げ出したと」
殿様「ふむ、届いた報告に不備があるな... ...その報告は誰にしたのだ?」
侍「あ、確か小性殿にしました」
殿様「そうか、小性にあとで話を聞くとしよう」
侍「そういえば、その報告をする前に、だいだらぼっちがどうのこうのという話を聞いた様な......」
騎士「確か、オオカミ男が話していたな、魔族の切り札とか言っていたな」
小者「でもその話はうさん臭いですよね」
遊び人「うん、魔族がこちらを混乱させる為に流した偽情報だろうね」
侍「えっ?それってつまり、その暴れている龍ってのは、黒龍より、唐の国の人達より強いってこと?」
殿様「うん」
侍「………俺、勝てるかな?」
殿様「いっそのこと、話し合いでも良いから」
侍「絶対、俺、勝てねぇよ。だって、魔道化の部下の男が出した数十体のゴーレム達を見て、勝てる気がしなかったし…」
侍「つーか、俺達、一度も正攻法で魔王軍の奴ら倒してねぇよ!」 ※魔将軍:負傷しているところを攻撃、魔道化:戦っていない、魔道化部下4:女王がゴーレム諸共倒した、魔ドクター:教会の皆様の一斉攻撃にて、魔空軍元帥:隙を見せたところを一斉攻撃で
小者「まあまあ、どんな手を使っても勝ちは勝ちですから、別に正攻法じゃなくてもいいでしょう」
侍「でもよー、やっぱ俺、一度でもいいから正攻法で勝ちたい。……一回、英国の女王に弟子入りしようかな、あの人すごく強いし」
小者「侍さんは魔法使えるんですか?」
侍「…使えないんだよなー、侍だから………つーか、何であの人、あんなに強いのに、魔王軍と戦わないんだよー!」
メイド「あははは…、まあ、女王にとって、魔族は別に脅威じゃありませんし」
小者「えっ!?脅威じゃない!?なら、なんで同盟の話に了承を?」
メイド「メイド長の話ですと、私がお土産として買ったウドゥーンを食べて、『和の国との同盟……悪くないな』といったらしいです。因みに同盟の話はメイド長から聞いたらしいです」
殿様「フフッ、冗談みたいな話だな…」
メイド「あはは…、私も和の国で、その話をメイド長から聞いたときは『えっ?冗談だろ』って思いましたもん」
魔法使い「あれ?和の国?」
メイド「ん?何か変なこと言いまし……あっ!い、いや、ま、ま、間違えました。べ、別に侍さん達とまた旅がしたいから追いかけて来たわけじゃなくて……って、あわわわっ!」
メイド「そうじゃなくて、えっと、えーっと、別に和の国で丁度メイド長から同盟の件を聞いて、それを口実に仲間になろうだなんて……ああうっ!」
魔法使い「……アンタ、嘘、凄く下手ね…」ジトー
メイド「ああっ、年下の子に蔑まれている。うくっ、ああっ、だめっ!」
殿様「………何なんだ、アイツは…」
忍者「ただのMでござるよ」
魔法使い「……ねぇ、メイド、私たちの仲間になりたい?」
メイド「は、はい!」
魔法使い「なら、私の足を舐めなさい、そしたら考えてあげるわ」
メイド「…………」
魔法使い「さあ!」
メイド「…………ん…ちゅ……ちゅぱ……んぐ……ちゅるぅ……あむっ」
魔法使い「うわっ、本当に舐めるんだぁ。」フフッ
侍「………何かエロいな」フッ
女侍「なっ!?なんて破廉恥な!殿!やめさせてください!」
殿様「……まだ、見ていたかったが……仕方ないな…おい!貴様らやめろ!」
殿様「やめないと………私も魔法使いの足を舐めるぞ!…つーか舐めさせてください!」
小者「ぎゃー!こっちにも変態がいる!」
殿様「変態?馬鹿言うな、私は……変態という名の紳士だ!」
―――五分後...
魔法使い「……ねぇ、侍、メイドを仲間に入れたいんだけど…だめ?」
侍「………いいよ」
――――メイドが仲間に加わった...
小者「うおおおお!私はもうツッコミをやめるぞー!」ダダッ
――――小者は逃げ出した....
殿様「なっ!?逃がすかっ!」ダダッ
――――殿様に回り込まれた、変態からは逃げられない....
侍「あの~殿様、突然ですけど、やっぱ俺、唐の国の暴れ龍、倒してきます」
殿様「おお、そうか、倒してきてくれるか」
侍「はい、なんかもう当たって砕けようと思いまして」
殿様「おお、そうか」
侍「よぉーし!暴れ龍、待ってろよ!」
殿様「さぁ!行くのだ、侍とその仲間達よ!」
忍者「う~む、話の流れ的に逃げた魔族をどうするのかという事に話の焦点がいくかと思ったのでゴザルが... ...拙者は今回も別行動を取らせてもらうでゴザルよ」
小者「確かに魔王討伐の任を受けながら、その任を放り出して次いくのはゴミカスへと化していく所業ですね」
侍「しかしだな、相手が逃げ出し、何処へ行ったかも分らない状況、このままでいるよりかはましだと思うぞ」
忍者「なので拙者は各地に部下を派遣し、魔族についての情報が何かないか調べるでゴザルよ」
魔法使い「私も龍退治より、お父さんとお母さんを助ける方が大事だから龍退治には行かない」
遊び人「君には何か情報のあてがあるのかい?」
魔法使い「う~ん取り敢えず“居酒屋GOEMON”に行ってみようかな」
忍者「拙者も先ずは“居酒屋GOEMON”でゴザルな」
殿様「……ふむ、人それぞれ事情があるのだな... ...それでは龍退治に行く者は騎士と侍と?」
小者「はい、私の主は侍さんですから、侍さんについて行きますよ」
遊び人「僕も侍さんに憑いて行くよ」
殿様「これで一応4人か... ...他に龍退治に行く者は?」
FUNE
侍「みんな準備はできたか?」
E.銘刀 くさりかたびら 草履 おにぎり
魔法使い「おやつは三百円までだよね」
E.樫の木の杖 黒いローブ 魔女帽子 曲がり靴 魔導書 おやつ
メイド「フゴフゴフゴ」
E.鉄の爪 メイド服 ギャグボール 荒縄
小者「おいコラお前コラ」
E.オトモ七つ道具 着物 草履 手作り弁当
騎士「コラコラ遊びに行くんじゃないんだぞ」
E.ランス プレートアーマー 鉄のブーツ くまのぬいぐるみ
全員「「「お前が言うな」」」
騎士「なっ!?私はこれがないと眠れないんだぞ!」
商人「騎士さんは見た目が男らしい割に、案外中身は乙女なんやな」
E.商人道具 商品入りのリュック 工具品 錬金釜(小)
騎士「当たり前だ!」
小者「……それで魔法使い(28)さん達も来るんですか?」
ヒーロー「まあ、俺は元々、強くなる為に和の国に来た訳だし」
E.覇者の剣 サイクロン・ブーメラン ヒーローマント ヒーローの心得1・2・3
魔法使い(28)「あと魔物退治もでしょ」
E.風魔の杖 氷魔の魔道書 奇跡のローブ 色々な物が入っているバッグ
侍「……今更だが、ヒーロー達の装備、すごいな」
ヒーロー「当たり前だ。何せ俺は伝説の担い手だからな」
遊び人「僕も伝説の担い手だよ」
E. 下着 服 スカート
侍「そういえば、魔法使い(28)さんも凄い武器を持ってるから伝説の担い手なのか?」
ヒーロー「いや、魔法使い(28)さんは勇sy「オラァ!口封じパンチッ!」ドゴォ
ヒーロー「ブックス!」バタッ
侍「ヒーローが気絶した!」
一同『この人でなし!』
魔法使い(28)「あ、あら、ど、どうしたのかしらー、ヒーローが急に気絶したわー(棒)」
商人「いや、さっきアンタ明らかにヒーローを殴り飛ばしてたやろ」
魔法使い(28)「それはきっと気のせいよ」キリッ
商人「ああ、そうかい」
侍「それで魔法使い、お前、この後どうするつもりだ?龍退治には行かないんだろ」
魔法使い「うーん、取り敢えずもう一度、隣の国にまで行ってみる。お父さん達の手掛かりが何かあるかもしれないし」
侍「そうか」
魔法使い「でも、直ぐには行かないよ。明日の朝までは江戸にいるつもり」
侍「そんじゃあ、俺達も唐の国に向かうのは明日からにして、今日はひとまず休息って事でいいか?」
一同『賛成ー』
―――和の国、江戸、殿様の城―――
家老「しかしよろしかったのですか? 魔王が未だ倒されてないという報告を聞いたのに魔王を放っておいて龍退治に行かせてしまって」
殿様「うむ、大丈夫だろう。 もう恐れる必要はあるまい」
家老「そうですか?」
殿様「そもそも隣りの国があちらこちらを強大な力でもって攻め滅ぼし回っていたのが脅威だった。 だが今回の件で、もはや大局に影響を与える様な力は無くなった」
家老「確かに」
殿様「魔族達も何かを画策中に国で内乱が起こり、その時に飛空艇が一隻やってきただけで逃げ出してしまうという根性の無い体たらく」
家老「いや、対応力が足りて無かったのではないでしょうか?」
殿様「そうだな、もともと少数だったと聞くからな。 こちらも大局に影響は与えられなくなっただろう」
家老「成程、だから魔王が倒せて無いと知っても魔王には対応せず、龍退治を優先させたのですね」
殿様「そうだ。 ......というかもう強大な力を誇った国を捨てた魔王なんか、もう倒しに行かなくても良い様な気さえする」
家老「言われてみればそうですね」
殿様「もう魔王を倒しに行くか行かないか侍達のやる気次第という事にしようかな......」
殿様「と、今までの私ならこう言う、だが私はあの空を飛ぶ魔族と戦ったり、隣の国の爆発を見て思い出し、思った…」
殿様「魔王軍はあの脅威力を持つ隣の国を、簡単に支配したということを……どういうことか分かるか、家老よ」
家老「い、いえ」
殿様「奴らは強いということだよ…」
家老「……なら、何故、強いのに、彼ら魔王軍は逃げたのですか」
殿様「さあ、それは私にもわからん」
家老「そうですか」
侍「分からん、だが、魔王軍の強さは未知数だ。だから奴らが動き出す前に、侍共には強くなってもらわないと……」
家老(だったら尚更に魔族達の動向を探り出す事に注力すべきでは? というか、今の話だと龍退治との話に順序的にかみ合って無い......)
家老「ぶっちゃけ殿は魔王が未だ倒されてない事はご存知だったのですか? (じゃないと変だ)」
殿様「うむ、実はそうだ」
家老「あ やっぱりそうでしたか、つまり侍殿を試す様な事をした訳ですね」
殿様「あの時、この度の魔王討伐終了の件についてと言って集まってもらったからこちらが話し始める前にその魔王が未だ倒された無いという報告をしてもらいたかったな」
家老「そのおかげで今、話して下さった事は不自然この上なかったですよ」
殿様「すまんすまん」
家老「で、殿、魔族達の動向は?」
殿様「もちろん探らせているとも」
殿様「それに、私の敵は魔王軍だけじゃない」
家老「…例の悪忍共ですか」
殿様「そいつらもそうだが……この城の地下奥深くに封印しているアレを解放しようとしている賊共のことだ」
家老「ああ、彼奴らのことですか」
殿様「…くっ、本当に、この世は私の敵が多すぎる」
家老「まあ、その分、味方も多いではないですか。この爺めも味方でございますよ」
殿様「爺や…」
女銃士「餓死状態のこの身を殿に助けられた時から、私は殿の味方です」
殿様「女銃士…」
殿様の城に住みつく地縛霊「そう、わたしたちは、とののみかた」
ペットの犬「ぐるるるるるるるる…ぎゃん!ぎゃん!」
殿様「地縛霊…犬………」
女侍「ふふ、少なくとも、この城の人間は全員、殿の味方です」
殿様「お、お前たち……」ジーン
―――和の国、侍の家―――
侍「ただいまーっと…」
魔法使い「お邪魔しまーす」スタタタ
侍「お、おい、そこら辺の物荒らすなよ。俺が後で、小者に怒られるからな」
魔法使い「へい、へーい、えいっ!」ツボガジャーン
―――魔法使いは壺の中から普通サイズのメダルを手に入れた
侍「って、言ってるそばから壺を割るんじゃねー!」
女房「あら、お帰りなさいあなた。お客さん?」
侍「あぁただいま。まぁそんなとこかな」
一同「「「えっ」」」
侍「えっ」
女房「えっ」
魔法使い「・・・てっきり独身かと」
侍「失礼だなおい」
侍「まあ、独身だけどな」
騎士「何、独身?なら、そこにいるご婦人はいったい…」
小者「彼女は侍さんの弟さんのお嫁さんです」
魔法使い「えっ、でもさっき、侍のことをあなたって」
女房「うふふ、それはね。私にとって、弟くんは夫、侍くんは愛人、小者ちゃんは本妻で私の嫁だからよ」
ヒーロー「ワタシノヨメ?」
小者「……はぁー、あなた、まだその謎ハーレム計画を諦めてなかったんですか…」
女房「うふふ、当たり前よ~」
侍「因みに彼女は俺と小者と弟の幼なじみでもある」
魔法使い「…………(何だ、あの人は侍のお嫁さんじゃないんだ……)」
魔法使い「よかった……」ボソッ
侍「ん?よかったって、何がよかったんだ?」
魔法使い「ふぇ!?い、いや、えっと、その、うーん、と、その……」
侍「何が言いたいんだ?」
魔法使い「うぅ、うっさいわよ、馬鹿!死んじゃえ!///」ドカッ
侍「何で!」グハッ
女房「さて、で、そちらの怪しい方は?」
メイド「フゴフゴフゴ」
小者「おいコラ未だお前コラ」
女房「こんなに怪しい方を連れていると初対面のあなた達の事をよく知らない人達から いちいち突っ込みを入れられますよ」
小者「というか国によっては通報されて牢屋送りになるかもしれませんね」
女房「公序良俗に反さない様にして下さいね」
メイド「フゴフゴフゴ」
女房「あらあら、照れちゃって」
魔法使い「照れてない!」
女房「うふふ、小者ちゃんの恋敵の登場ね」
ズドドドドドドドドド!!
騎士「な、何だ、この音は?」
ズドドドドドドドドドドド‼
?「うおおおおおお!!兄ちゃん、お帰りー!!」ダキッ
侍「ぐはっ……」ガクッ
商人「おおっと!謎の人の攻撃が侍さんの腹にクリーンヒット!侍さんは一撃で沈んだぁ!」
侍「ぐぐ…ひ、久しぶりだな。弟よ……」
弟「えへへ、久しぶりー」
魔法使い「へぇー、これが侍の弟か…」
弟「はじめまして、兄ちゃんがいつもお世話になっております」ペコ
商人「ああ、いえ、こちらこそお世話になっています」ペコ
侍「因みに弟の奴は、歌舞伎の役者なんだぜ。女形の」
商人「へぇー、どうりで一瞬、『あれ、こいつ弟やなくて、妹の間違いやないのか?』って思ったわけや……。女っぽい男か………、騎士さんの真逆やな」
騎士「おい、商人。それは私が、男らしい大女と言いたいのか」ゴゴゴゴゴ
商人「ひぃぃ、男らしい大女だなんて滅相もあらへん。騎士さんは二枚目でカッコいい、ウチの王子様や」
騎士「……商人、お前とは、そのうちしっかり話し合わないとだめだな…」
女房「…弟くん、お帰りなさい」
弟「やあ、僕のお嫁さん、ただいま」
侍「相変わらずお前らは……、人前でいちゃつくんじゃねぇ!」
弟「ねぇ、兄ちゃんも一緒にやる?」
侍「なっ!///やらねーよ!///」
女房「うふふ、侍くんったら照れちゃって」
弟「かわいいな~」
小者「…因みに弟さんは、超が付くほどのブラコンです」
魔法使い「…だろうね」
弟「そういや、兄ちゃん。魔王退治に行ってたんだよな」
侍「ああ」
弟「そんじゃあ、今ここにいるってことは、兄ちゃん、魔王を倒し…」
侍「……いや、まだ魔王は倒せてない」
弟「えっ?」
小者「実はあと少しの所で魔界に逃げられたんですよ」
侍「ああ、数百ほどの捕虜と、魔王を支持している隣の国の国民らを連れてな……」
弟「…それは大変だったね」
侍「ああ、すっごく疲れた。それに腹もすごく減った」
女房「それじゃあ、急いでご飯の用意しますね」
小者「あっ、私も手伝います」
魔法使い「わたしも、わたしも」
女房「あら、ありがとう」
商人「騎士さん、ウチらも行きましょ」グイッ
騎士「お、おい、引っ張るな」
魔法使い(28)「…………この流れだと、私も手伝った方が良いのかしら?…………よし、メイド行くわよ」
メイド「えっ!?ちょ、ちょっと待ってください」スタタタ
ヒーロー「………………まさに『そして誰もいなくなる』だな」
侍「いや、まだ俺達がいるだろ」
弟「……よし、家に帰ってきたから、取り敢えず、いつも通り女装をするか」スタスタスタ
侍・ヒーロー(………何故、女装?)
―――一時間後…
魔法使い「野郎共、ご飯ができわよ!」
侍「おお、待っていました!」グゥゥ
女房「ほら皆さん、ごはんを並べるの手伝ってください」
侍「ああ」
ヒーロー「おう」
金髪美女?「はーい」
女房「ン?あら、弟くん。また女装したの?」
金髪美女?(弟)「うん、だってこの姿の方が落ち着くし」
侍「いや、落ち着くなよ」
侍「おい、嫁のお前からも何か言えよ」
女房「……弟くん…女装姿もすごく可愛いよ」
侍「いや、褒めんなよ」
小者「取り敢えず用意をしちゃいましょう」
ワイワイ ガヤガヤ ガチャガチャ パッパッ
侍「それじゃ用意は出来たな? それでは頂きます」 一同『いただきま~す』
ワイワイ ガヤガヤ パクパク モグモグ
弟「そういえば、この前、城下町で御祭があったんですよ」
侍「うん、知ってる。 御祭に行っていたからな」
弟「え!? 御祭の時に帰って来てたの!? というかさっき魔王は未だ倒せてないって言っていたのに御祭の時に帰って来ていたの......」
女房「家に寄って下されば良かったのに」
侍「いや~、寄ろうと思っていたのだが色々あって......」
弟「それじゃ御祭の後は?」
侍「御祭の後は急遽、英国に行く事になってな」
弟「何で英国に行く事になったの?」
侍「え~と確か、メイドBが英国に来いと言って行ったんだっけかな?」
小者「メイドBがというよりも、公爵が何もしなければ私達は英国に行く事にはならなかったと思いますよ。 まったく、公爵が余計な事をしなければ英国なんか行かずに済んだのに」
騎士「確かに、英国に行って何かためのある事あったっけ?」
侍「……ひとつ挙げるとしたら、自分の弱さを知ったといったところかな…」ハハッ
小者「まあまあ、そんなに落ち込まないで、ほら、この肉じゃが食ってみてください」
侍「………」パクッ モグモグ ゴクッ
侍「……うまい!」
小者「実は、この肉じゃがはメイドさんが作ったんですよ」
侍「えっ、マジで!!」
メイド「ええ、まあ……そうですけど」ドヤァ
侍「ドヤ顔うざっ!」
女房「因みに今日のおかず、大半はめいどさんが作ってくれたのよ」
メイド「ふふん」ドヤァドヤァ
侍「ドヤ顔が更にウザくなったァ!」
遊び人「うぜぇ!ドヤ顔超うぜぇ!」
メイド「こう見えて私、料理とかメイド長に教わってるんで得意なんです」
侍「へぇー、そうなんだー(棒)」
魔法使い「……ねぇねぇ侍、私が作ったおかず………と、特別に食べていいわよ」
侍「そんじゃあ、遠慮なくもらうぞ」パクッ
侍(…………普通に不味い)モグモグ
魔法使い「ね、ねぇ、私の作ったおかず、どうだった?」
侍「………悪くはなかった」
魔法使い「ほ、ホント!」
侍「ああ、食える」
魔法使い「よかった…」ホッ
侍「よかった?」
魔法使い「いや、実は薬草と間違えて、シビレ草をその料理に入れちゃってね」アハハハ
侍「……シビレ…草?………うっ!」バタン
遊び人「きゃあああ!!侍が倒れた!!」
魔法使い「どうしよう、どうしよう」ワタワタ
小者「おおおお、落ち着いて、まずは解毒剤を…」
女房「はい、解毒剤」つ解毒剤
――――――10分後…
侍「………復活!」
魔法使い「・・・侍、ごめん」ペコッ
侍「ははは、まあ気にすんな。なんやかんやで俺無事だし」
魔法使い「でも・・・」
侍「だから気にすんなって、それより飯の続きをしようぜ」
小者「・・・いや、あのですね・・・実は・・・・」
侍「ん?」
ヒーロー「飯、もう無いッス」
侍「な、なん・・・だと・・・?!」
―――――それから、ナンヤカンヤあって夜になりました by小者
―――侍の家、風呂場―――
魔法使い「わーい、お風呂だー!」
メイド「……案外、狭いですね」
魔法使い「狭い?私は広いと思うんだけど…」
小者「まあ、英国のお風呂、バカみたいに広かったですから、メイドさんが狭いと思うのは仕方ないことですね」
侍「えっ?!小者、お前英国の風呂、いつの間に入ったんだ?!」
小者「女王様との、謁見の前にちょっと………って、何で侍さんが風呂場に!」
侍「……何でだと?………フハハハ、そんなの決まっているだろ…」
侍「てめーらの裸体を見に来たんだよ!」
―――侍の家、居間―――
弟「しかし、兄ちゃん、少し見ない間にニート臭くなっちゃってたな......」
女房「ほんとよね~、そのうちゴミカスの様な人間になっていくかもしれないわね~」
弟「魔王退治に行っていた筈なのに倒せてないのに御祭の時に帰って来て、魔王を倒す目的を果たさずに英国に行っちゃってそのうえその英国行きを思い返して“自分の弱さを知ったといったところ”って、魔王退治の目的を放っておいて行った英国行きの感想がそれなら、英国行きを断って魔王退治に専念しとけば良かっただろうに......」
女房「目的から逃げて、逃げた先でも良い結果を得ない、そして今でも目的を果たしていないのに果たそうとせずにのんびりする... ...駄目人間に差しかかっているというかもうすでにほんとうにニート臭く、というかゴミカスになってきてますよね」
弟「でもまぁ、その目的の魔王退治だけど、魔王が逃げちゃったそうだから、しょうがないといえばしょうがないのかな?」
女房「それでも魔王が何処に逃げたのか逃げた先の情報を収集しようと努力する事は出来る筈ですよ。 それをやらずにここでこうやってのんびりするなんて......」
弟「う~ん、ニート臭い、駄目人間、ゴミカス、と呼ばれても文句は言えないよね......」
弟「だが、そんな兄ちゃんも良い!駄目な所が逆に良い!」
女房「さすが弟くん、ぶれないねー」
弟「当たり前だよ、だって僕の女装は兄ちゃんの為にあるんだもん」
女房「むっ、それは弟くんは私の為には女装をしてくれないって事?」
弟「違うよ、君の前では男の姿でいてたいからだよ」
女房「でも、私は弟くんの女装姿も堪能したい」
弟「なら、今から女装してくる――」スタスタ
―――侍の家、風呂場―――
弟「――という訳で、女装する為に風呂場に来ました」
小者「ギャー!変態が増えたー!」
弟「おや、兄ちゃんも来ていたのか」
侍「おや、弟よ、お前も裸を見に来たのか」
弟「そう言う事は兄ちゃんは裸を見に来たのか。 いや~、魔王を未だ倒して無いというのにかなりのボケっぷりだね」
侍「ふ、ぶっちゃけ実際もう魔王なんて脅威じゃないしな」
弟「そうなの? あ、でも言われてみれば」
侍「魔王もとい隣りの国の大名は、弱小国から異世界人の力を借りて周辺国を滅ぼし回って強大な国になったが、その後、どこから湧いたか魔族が何故か居て、その魔族が国を爆破したからな」
弟「成程、魔王もとい隣りの国の大名は、もう強大な力を誇った国を失って、何処かへ逃げて行っちゃったと」
侍「そうだ。 だからもうそんなに懸念する様な事じゃないだろう。 殿も魔王を未だ倒してませんって言ってもあまり魔王の事を気にしなかった感じだしな」
弟「そうか、それで兄ちゃんはこんなにのんびりしているという訳なんだ」
侍「そういう事だ」
弟「変態だと?失敬な」
弟「僕は変態じゃなくてブラコンだよ!」
小者「そんなのはどうでもいいから、早く風呂場から出てってくださいよ」
侍「フハハハ、………………断る!」
小者「………メイドさん」
メイド「………はい、何ですか?」
小者「あの人、やっちゃって下さい」
メイド「…………了解」ドゴッ
侍「ぐはっ!」
>>1のルールに乗っ取り分岐>>673から開始
侍「くそう!このままじゃ殺られちまう。弟よ一時撤退だ!」ザッザッザッ
弟「えっ!ちょ、ちょっと待ってよ。まだ僕、女装していない」
侍「そんなのどうでもいいだろ。さあ行くぞ」グイッ
弟「うわーー」ズルズル
小者「…………」
魔法使い「………………」
メイド「…………………」
騎士「……風呂入るか…」
魔・メ・小「…うん」「…はい」「…そうですね」
――― 一時間後…
魔法使い「あー、久しぶりのお風呂、気持ちよかったー」
騎士「ああ、そうだな。実にいい湯だった」
魔法使い「おーい、侍ー、お風呂空いたよー」
侍「………ぐがー」
メイド「し、死んでる?!」
小者「いや、ただ眠ってるだけでしょう」
小者「でもおかしいですね…いつもなら侍さん、居間とかで寝ないはずなのに……」
女房「ああ、それは、どうやら侍くん、お酒を飲んだらしいのよ」
小者「お酒!?………あー、成る程、だからお風呂場の時、侍さん変なテンションで私たちに絡んできたのか」
魔法使い「お酒?どういうこと?」
小者「実は侍さん、お酒が大の苦手で」
>>676
小者「実は侍さん、お酒が大の苦手で」を
小者「実は侍さん、お酒に凄く弱くて」に訂正
騎士「でも、どうして侍は苦手のお酒を飲んだんだ?」
小者「あっ、そういえばそうですね。…どうしてでしょう?」
魔法使い「ねぇ、遊び人、アンタ、侍にしょっちゅう憑りついているんだから。侍が何でお酒を飲んだのか知らない?」
遊び人「シ、シラナイデスヨー」
騎士「……お前も嘘下手だな…」
遊び人「うっ…」
魔法使い「……遊び人、正直に白状しないと……成仏させるわよ」
遊び人「ひぃぃ!多分、僕、成仏しないと思うけど怖い!」
騎士「さあ、遊び人、言え」
遊び人「……わかったよ…本当のこと言うよ」
遊び人「商人に言われて、侍にお酒を盛りました。すみません!」ドゲザー
商人「なっ!?ちょっ!」
騎士「しょーうーにーんー」
商人「侍さんがお酒を飲みたがらないから、つい出来心で遊び人を使ってお酒を飲ませました。勘忍してください」フカブカトドゲザー
騎士「出来心で酒を飲ますな!」
商人「……いや、でもまさか侍さんがお酒を飲んだ瞬間、あんなに暴走するとは思いもしなかったわ。あはは……」
商人「……まさか、あんなに胸を揉みしだかれるだなんてホント思ってへんかった…///」ボソッ
小者「へっ?商人さん。今さっき何て言いましたか?」
商人「えっ、えーっと・・・・・・何も言ってないよ」
遊び人「いやー、でもホントに侍さんの酒癖は酷かったですよね。ボクや商人さん胸を揉みしだかれましたもん」
商人「ちょ、お前!」
小者「・・・えっ?・・・胸を」ゴ…
魔法使い「・・・揉みしだ」ゴゴ…
騎士「・・・かれた・・・だと?」ゴゴゴ…
商人「あちゃー」
遊び人「・・・・・・・・あ、あれ?おかしいな・・・なんだかあの三人から黒いオーラが滲み出てるような・・・ボクの目疲れてるのかな」ゴシゴシ
女房「(この感じ、また一波乱起きそうね)」ニヤッ
侍「……ん…何だ……これ……凄く頭が痛い…まるで二日酔いになったかのように……」
遊び人「あっ!侍さんが起きてきた」
小者「」ジロ
侍「ひぃぃ!……あれ、小者さん、怒ってらっしゃいます?」
小者「………」
侍「(無言ってことは…………うん、怒ってるな(確信))」
侍「(ていうか、あれ?俺何か怒られることしたっけ?……………うん、多分してないな…)」
侍「(……しかし、それなら何で俺小者に敵意向けられてんだ?)」チラッ
騎士「」ゴゴゴゴゴ
魔法使い「」ゴゴゴゴ
侍「(………敵意向けてるの小者だけじゃなかった…)」
小者「・・・主人の酒癖の悪さは重々承知してます」
侍「・・・ハイ」
小者「下戸の癖に飽きもせずよく飲むことも知ってます」
侍「・・・ハイ」
小者「酒を飲むなとはいいません。その酒癖を治せともいいません」
侍「・・・ハイ」
小者「せめて呑む量を減らしてほしいんです。大酒は体を壊す原因にもなりますしなにより金がかかります」
侍「や、そうは言うがな。俺にだって楽しみの一つや二つ」
小者「誰が口答えを許しました?」
侍「イエス、マム」
侍「(・・・つーか俺、酒を飲んだ記憶が無いんだけど・・・俺いつ酒を飲んだんだ?)」
小者「・・・それじゃあ本題に入りますね」
侍「えっ、さっきまでの本題じゃなかったの?!」
小者「はい、今、私が怒ってるのはその事じゃありません」
侍「んじゃ、何に怒ってるんだ?」
小者「」ギロッ
侍「ひぃぃぃ!!」
騎士「お前は覚えていないだろうが、酔っている時お前は・・・商人の胸を揉みしだいたんだ」
侍「」
侍「(……つまり俺が酔っぱらってる時、商人にセクハラしたから。今俺この三人に敵視されてるって訳か……)」
侍「(はぁー、相変わらず俺の酒癖の悪さには呆れて物も言えねぇ……)」
侍「(……まあ、取り合えず商人に謝ろう)」
侍「な、なあ、商人…」
商人「ひゃっ!!」ビクッ
商人「な、何か用?」ガタガタ
侍「凄く震えているけど、体大丈夫か?」ピトッ
商人「ひぃいい!!」サササッ
侍「(……うわー、凄く怖がられてるぞーあはは)」
騎士「おい、大丈夫か商人。……侍、貴様ァ!また性懲りもなく…」
侍「いや、それは誤解だ。俺はただ商人が震えてたから心配して…」
騎士「問答無用!」
騎士「くらえ!我が必殺奥義!破・邪・斬!」ズバババババッ
ヒーロー「す、凄い、あの一瞬で体中の魔力を剣に収束させてそれを斬撃として放つだなんて…(…かっこいいから、俺も今度それやってみよ)」
侍「……誤解だって言ってんだろうがよ!!!」ズバシャァ
騎士「!?」
ヒーロー「何!?あの魔力の斬撃を、刀で切り伏せただと!?」
侍「さあ、次は俺の番だ……くらえ…今さっき考えた技…」スゥ…
侍「必殺『鎧崩し』!」ズバッ
騎士「きゃあああ!」ビリビリッ
ヒーロー「おお~っと!騎士の鎧が砕けて
ガラッ
小者「近所のカミナリおやじ直伝『剛・雷王拳』!!」ボゴゥ
侍「らんばらるっ」バゴゥ
小者「胸を揉んだでは飽きたらず、次は騎士さんを真っ裸にするだなんて…」
魔法使い「サイテー!」
侍「ご、誤解だ。俺もまさか鎧の下が裸とは思わなくて…」
小者「言い訳無用!覚悟!」
侍「ギャアアアア!殺されるー!」
―――和の国、殿様の城、天守閣の上―――
子供(白竜)「・・・・・・・・・・」
ギャアアアア コロサレルー
子供(白竜)「・・・・はぁー、人が夜風を楽しんでるのに・・・騒がしいな全く・・・」
???「いや、アンタ人じゃないだろ、白竜」
子供(白竜)「ん?・・・何だ悪魔祓いガキか・・・」
悪魔祓い「ガキ姿のアンタにガキって言われたくねぇよ!」
子供(白竜)「・・・それでどうして、お前が和の国に居るんだ?」
悪魔祓い「いや~それがさぁ、あの馬鹿三人娘(魔物使い、人形使い、死霊使い)の行方が不明になったから、俺が代わりに例の任務をやることになったんだよね~めんどくさい事に」
悪魔祓い「んで、アンタはどうして和の国に居んだよ。アンタ確か師匠に何か極秘の任務を受けてたろ」
子供(白竜)「休憩だよ、休憩」
悪魔祓い「・・・・ふ~ん、休憩ね~」
ガチャッ
悪魔祓い「!」
???「しまっ・・・」
悪魔祓い「スパイ!?」
子供(白竜)「チッ」ギュッ
ブン
スパイ「ぐげッ」ガツン
子供(白竜)「・・・弱いな」
スパイ「」ピクピク
子供(白竜)「殿のところに持っていくか」
ホウホウ…
子供(白竜)「(…やっぱ、やめよ。彼処に行くの凄く疲れるし)」
子供(白竜)「おーい、悪魔祓いの小僧」
悪魔祓い「何ですかァ、ガキ姿の白竜」
子供(白竜)「この人間、そこら辺に捨てといてくれ」
悪魔祓い「はァ?なんでオレが?」
子供(白竜)「この人間そもそも俺達にじゃなくて、この城の城主に用があったみたいだ」
子供(白竜)「だからせめてもの供養として、聖職者のお前が何処かに捨ててくれ」
子供(白竜)「全然、理由になってねぇよ!あとオレは元聖職者だから、そこのところは間違えんな!」
>>692ミスってた
子供(白竜)「全然、理由になってねぇよ!あとオレは元聖職者だから、そこのところは間違えんな!」
↓
悪魔祓い「えー、めんどくさいから嫌でーす」
に訂正
子供(白竜)「めんどくさいって、お前な…」
悪魔祓い「正直、馬鹿三人娘がやるはずだった任務をオレがやることになってダルいです」
悪魔祓い「あ"あ"あ"ーーー、あの馬鹿スリー、いったいどこで油売ってやがるんだー!!」グワアア
―――浮遊島、地下五階
浮遊島の主『…………ねぇ、あれから何時間も経ってるけど、願い事決まった?』
魔物使い・人形使い・死霊使い「「「まだだから、待って!」」」
浮遊島の主『ハァ…なるべく早く決めてね』
魔物使い「………うーむ、何にしようか……」
魔道化「……ねえ、これ以上時間がかかるんなら、願いごと僕が先でいい?」
人形使い「ん、ああ、別にいいですよー」
魔道化「やた、そんじゃあ……魔界まで僕らを転送してくれ、は魔将軍ちゃんがやるとして、僕のお願いは…」
魔道化「ねえ、浮遊島の主、君が忍者たちから守り抜きたかった物を僕に見せてくれ」
浮遊島の主「………………やっぱり、そうきたか」
魔道化「おや?今一瞬、地の声を出したよね。ってことは君が守っているモノはそれほどスゴイってことだね」フフ…
浮遊島の主『・・・・・・・・・』
魔道化「おや、黙りかな?」
浮遊島の主『・・・・良いよ、分かった』
魔道化「よしっ!」
浮遊島の主『・・・・・・ただし『あの箱』をここへ持っていくのは安易ではないから、それが置いてある部屋まで移動してもらうよ』
魔道化「別にいいよ」
浮遊島の主『なんなら、君たちも行く?」
魔物使い「えっ?行っていいの?」
浮遊島の主『うん、いいよ』
浮遊島の主「ちなみに、その部屋までの通行手段は、階段前のエレベータで行きます』
―――浮遊島、エレベーター
浮遊島の主『あ、そうだ。アレがあるフロアへ着く前に、最初に伝えておくけど』
浮遊島の主『エレベーターからアレが置いてある所まで、ある程度は歩くからあしからず』
魔物使い「ある程度ってどのくらい歩くの?」
浮遊島の主『えーっと、100キロぐらいかな』
魔物使い(な、長ぇ…)
浮遊島の主『あとそれにもう二つ伝えておくことがあるんだけど………聞きたい?』
魔将軍「ああ、聞きたい」
浮遊島の主『よし、それじゃあ言うよー。えーっと、まずひとつ目はアレがあるフロアまでエレベーターで二、三時間かかるからごめんねと、二つ目は……アレのフロアの罠は今までのよりすごくヤバくなってるから死なない様にがんばってね』
一同『またかよ!』
魔将軍「ふん! そういえばここは君達の御墓になる事は決まっているとか言っていたしな!」
浮遊島の主『あれ? そんな事言ったっけ?』
魔将軍「言っただろうが!」
魔将軍(あれをすぐ忘れる訳が無い)
浮遊島の主『言った覚えはありません。多分、部下が勝手に言った事でしょう。私は悪くありません。全ては部下の責任です』
魔道化「まぁ、このまま待つのも暇で仕方ないからちょっとズルをさせてもらうよ
『天国にて創られし機械仕掛けの駿馬よ、我が前に光臨し、時を加速させろ』!」
『yes』
ギュオン
魔道化「はい到着ー」
魔物使い「早すぎて酔った・・・」
人形使い「ぎぼちわるい・・・」
死霊使い「」
魔将軍「お前なぁ・・・」
浮遊島の主(やっぱ3歩 歩いた鶏頭だな。もうさっきの事を気にして無い様だ)
浮遊島の主(きっと脳味噌が鏡の様にツルツルでちっちゃくて、頭を叩けばカラコロと音がなるのかもな)
―――魔道化一行……―――
魔将軍「お前なぁ???」
魔道化「(魔将軍ちゃん静かに。あいつの在り様は俺っちも凄く気に入らない。だから今は油断させとこうぜ)」
―――浮遊島 地下???階
浮遊島の主『ささ、それじゃあ着いて早速だけど、このフロアのマップを足元に転送したから拾ってね』
魔物使い「えーっと・・・・あったこのマップか・・・」
浮遊島の主『そのマップには罠の配置場所と、アレまでのルートを書いてある・・・』
魔道化「つまり僕らはこのマップの通りに歩いて行けば良いんだな」
浮遊島の主『That's right(その通り)』
魔道化「楽勝だね」
魔将軍「ああ、そうだな」
魔物使い「よーし、そんじゃあ皆はりきって行くわよー」
一同『おー!!!』
浮遊島の主『精々がんばってねー』
――― 一方そのころ、侍一行は・・・
―――和の国 侍家
チュンチュンチュンチュン
侍「・・・・もう朝か・・・」
ヒーロー「侍さん、しっかりして下さいよ。これから8人中6人が女性ですから、男女の問題は致命的ですよ」
侍「そうか、公爵一行が居なくなった今、男は俺とヒーロー殿の二人だけか... ...公爵一行が帰らなければ男女比が丁度良かったのにな」
ヒーロー「しょうがないでしょう。公爵の目的はこの地の魔族を討伐する事。その魔族が居なくなったんですからこの地に留まる理由は無いですから」
侍「そうだな。 公爵殿は今頃は英国でのんびりしているんだろうな……」
―――英国……―――
公爵「」
女王「フッ、すまんな公爵よ。私と似た面だから生かしておこうと思っていたが、供物にする事にした。 これで我らの神の目覚めも近くなるだろう……ふふふ」
―――浮遊島 地下???階―――
魔道化一行『……』テクテクテク…… ブォン ちゅどおおぉぉんっ!!
魔道化一行『』
魔道化「ふむ、地図の通り進んでトラップが作動したか……」
浮遊島の主『あれ?』
魔物使い「どういう事!? 私達を騙したの!?」
浮遊島の主『いや。多分だけどさっき何か魔法を使ったじゃん? そしてこの浮遊島には結界が張ってあるからそれが干渉してトラップの位置がずれたんだよきっと』
魔道化「う~ん、一応 筋は通っているか......」
―――浮遊島 ???
浮遊島の主(………おかしい、何で罠の配置が変わってるんだ)
浮遊島の主(さっき確かめた時にはあんな所に罠なんて無かった筈なのに……ん?)
浮遊島の主「あれ、そういえばエルフくん、もといエルフスライムくんがいない、どこ行ったんだろう……」
――――浮遊島 地下???階
魔物使い「おいコラ!浮遊島の主!さっきからこの地図の通りに進んでるけど、罠に引っ掛かりまくりだぞコラ!どういうことだコラ!」
浮遊島の主『………いやーどうやらワタシの知らないところで罠の配置が変わってたみたいで……ごめんなさい』
魔物使い「絶対に許さない!」プンプン
魔道化「まあまあ、魔物使いちゃん。許してあげなよ、どうやらこの事態は彼も予想外だったみたいだしさ」
浮遊島の主
魔物使い「ム~~」
魔道化「まあまあ、ふてくされないで」
浮遊島の主『魔道化くんサンキュー』
魔道化「あはは、調子に乗るな」
魔将軍「しかし、これからどうする?この地図は使い物にならないし、どうやってこの迷宮をクリアするんだ?」
魔道化「う~ん、どうしよ。浮遊島の主、何かいい案ない?」
浮遊島の主『・・・んーじゃあ、ワタシが防御魔法で罠をある程度はじくから、君たちはひたすらGO!』
魔将軍「なるほど、つまり特攻というわけだな」
魔道化「魔将軍ちゃんの得意分野だね」
魔将軍「ああ・・・って、だからちゃん付けはやめろ!」
―――英国……―――
女王「そうだ、例の植民地計画をやろう」
メイド長「例の植民地計画とはなんですか?」
女王「うむ、支出は少なく収入は倍増、おまけに植民地は我が国無しに経済が成り立たなくなるから一生植民地のままという計画だ。公爵の反対で今まで実行しなかったが」
メイド長「我が国に得しかない、とても優れた計画ですね。それに反対するなんて公爵はやっぱり愚か者でしたね」
―――浮遊島 ???階……―――
浮遊島の主『それじゃ防御魔法を張るね』
魔将軍「......うさん臭くて気持ち悪い......」ボソッ
浮遊島の主『? 何か言った?』
魔将軍「いや、何も」
浮遊島の主『そうかい』
魔道化「この防御魔法で安心して進めるね」
浮遊島の主『......3歩歩いた鶏頭......』ボソッ
魔道化「何か言った?」
浮遊島の主『いや、何も』
――英国………――
名探偵「公爵殺しの真犯人はアナタだ!女王様!」
エッ ジョオウサマガハンニン? ソンナマサカー ザワザワ ガヤガヤ
メイド長「ちょっと、名探偵さん、何を言ってるんですか!公爵が殺された日時、女王様にはアリバイがあって…」
名探偵「そう、確かにあの時間帯、女王様は城下町に降りて買い物していたというアリバイがある。しかし、女王様には城下町に居ても犯行が可能だという証拠がある」
女王「ナ、ナニー、ソコマデイウナラ、ソノショウコヲミセテミロー」
名探偵「その証拠はアナタの魔法だ」
女王「ウ、ウワー、ハンニンダトイウコトガ、バレテシマッター」
名探偵「そうさ、真実はいつも魔法だ!」
………………………………………
ドラマ監督「~~~~~~~~っ!カット!OK!ナイス!お疲れちゃん」
―――魔道化たちが浮遊島で奮闘して、侍一行が身支度をしている頃…。女王たちは英国建国記念ドラマに出演していた―――――
※因みに公爵はまだ生きています
――― 舞台裏
キャストA「いや~、公爵様の演技すごかったですね」
公爵「ふふん、そう褒めるな」
キャストB「でも本当にすごかったですよ。特に女王の地位を奪う為に、策を考えているところの演技が凄かったです」
公爵「は、ははは……(まあ、そこのシーンはただ単に素の自分を出しただけだったしな)」
女王「なあそちら、私の演技はどうじゃった?」
キャストA「……え、えっと…良かったですよ……(棒読みだったけど…)」
キャストB「……は、はい、初めてにしては……良い演技でした…(棒読みでしたけど…)」
女王「どんなところの演技が一番良かった?」
キャストA「え、えっと……」チラッ
メイド長「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
キャストA「ひぃぃぃ、え、えーっと………そ、そうだ!公爵様を罵倒した時と、公爵を殺して、謎の計画を進めている時のシーンは凄く本格的でした!」
女王「まあ、素を出していたからな」
キャストA・B『(素!?)』
老執事「お疲れ様です」
公爵「うむ。 殿様からメイドAの件で連絡はあったか?」
老執事「いえ、御座いません。後、伝説の武器を鑑定出来そうな方も見付かっておりません」
公爵「そうか... ...例の伝説の武器の鑑定は伝説の担い手を見付けたメイドAの上司に頼むしかないのかな... ...しかしなぁ」
メイド長「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
キャスト達『』アセアセ アワアワ
メイドA「お疲れ様です」
女王「うむ」
公爵「!?」
老執事「おや? 確かメイドAさんは和の国で行方不明になったと聞き及んでおりますが?」
公爵「ああ、そうだ。そしてメイドAを見付けたら殿様が連絡が来る筈......」
名探偵「その謎、私が暴いてみせよう」
公爵「え?」
名探偵「先ずは聞き込みからだ。殿様が連絡を忘れているかもしれない、殿様に連絡してみてくれ」
公爵「わ、分かった」
公爵「……いや、ここはメイドAに聞いた方が、話が早くないか?」
名探偵「せやな工藤!」
老執事「工藤って誰だよ!」
公爵「おーい、メイドAー!こっちに来てくれー!」
メイドA「はぁ?何で私があなた達の様なゴミクズ雄豚野郎どもの傍に近寄らないといけないんですか。アホぬかすなですぅ」
公爵「……………この毒舌…、コイツ本物のメイドAだわ…」
老執事「と、なりますと、我々が和の国に連れて行ったのは偽物という訳でございますな」
公爵「そういう事になるな…」
老執事「しかし、それなら我々が和の国まで連れて行ったのはいったい誰なのでしょう……」
公爵「さぁな、どうでもいい」
名探偵「そう!真実はいつもどうでもいい!」
公爵(………ぶん殴りてー)
老執事「さすが公爵様、和の国で行方不明になった為、行動が遅延したりと迷惑やら心配をかけたメイドAが偽者と分かったのに腹を立てずにどうでもいいとその態度」
公爵「いや、ちゃんとムカついているぞ。 そうだ、殿様にこのメイドAの件を連絡しておいてくれ」
老執事「かしこまりました」
公爵「さて、後は... ...メイドA、ちょっと観てもらいたい物が有るのだが」
メイドA「はぁ!? 私がさっき言った事をもう忘れたんですか!? 3歩歩いた鶏頭ですか!?」
公爵「おいおい、そんな邪険にするなよ、私の飛空艇が無かったら和の国に行った時、黒龍の洞窟跡から何処へも行けなかったんじゃないか?」
メイドA「はぁっ!? 何言ってやがるのですか!? 飛空艇は英国の物です! つまり女王様の物です!」
公爵「え?」
メイドA「つまり私が黒龍の洞窟跡から伝説の担い手を連れて英国に帰って来れたのも女王様のおかげです!」
公爵「え~っ!?」
名探偵「だから言っただろ? 真実はいつもどうでもいいって......」
ザッパ~ン……
公爵「......私にもその言葉、ようやく理解出来た気がするな......」
ザッパ~ン……
メイドA(? なんだか急に打ち寄せる波の勢いが増した気がするです)
メイドC「あのー、メイドA先輩」スゥ…
メイドA「ギャワッ!!……ちょ、いきなり後ろから出てきて驚かすなですぅ。心臓が止まるかと思ったですよ…」
メイドC「すいませんっす」
メイドA「……まあ、反省してるなら良いですぅ。で、何の用ですか?」
メイドC「あ、メイドB先輩が呼んでるっすよ」
メイドA「メイドBが呼んでるです?……何の用だろ…」
公爵「…どうせ、あの爆弾馬鹿の事だ。爆弾の実験とか何かだろ」
メイドB「ちげーよ。このタコッ!」
メイドC「あっ!我が愛しのメイドB先輩!」
公爵「げっ、メイドB」
メイドB「おーい、メイドA。頼まれてたモノ貰って来たぞ」
メイドA「えっ!本当ですか!」
メイドB「ほれっ」ポイ
メイドA「うわっとと………どうやら偽物じゃないようですね」
メイドB「私とお前との仲だろ…信用しろよ」
公爵「何だそれ?」
メイドA「毒薬です」
公爵「えっ、毒薬!?お前まさか、その毒薬で女王を……」
メイドA「お前と一緒にするなです。これは私の武術に必要な神経毒で、人を殺傷する能力はねーです」
公爵「………チッ」
メイドB「露骨に舌打ちするな」
名探偵「ふむ... ...公爵さん、こちらのメイドBさんと何かあったんですか?」
公爵「ああ、飛空艇を一隻盗まれた」
名探偵「なんと!」
公爵「それでその飛空艇で私の乗る飛空艇を沈めにかかって来た」
名探偵「うわぁ......」
公爵「ちなみにその飛空艇は同乗していた侍が銃弾一発で爆沈させた......」
名探偵「それはそれは......」
公爵「更に黒龍の洞窟跡に居る仲間を拾って英国に帰る様に頼まれた」
名探偵「えっ!?」
公爵「ついでに侍を英国に連れて行きたいみたいだったから侍を英国に連れて行ける様に手を打った」
名探偵「なんとまぁ......」
公爵「そして英国に着いてからその後は何も無いな」
名探偵「ふ~む、それはなんと言ったら良いか......」
メイドC「でも確か、今、公爵さんが女王様たちに許されてるのって、メイドB先輩が交渉したからっすよね」
公爵「うぐっ…」
メイドA「それに、私達は今まで勝手な事(反逆行為)をしてきたお前の抹殺を命令されて来ただけであって……本当ならできるだけお前とは関わりたくない」
公爵「ひでぇ……」
メイド長「それに飛空艇は、城の科学者が旅人の情報を元にして作った物であり、公爵、お前の物ではありません」
公爵「………」
ドラマ監督「公爵ェ…」
公爵「……う、うるせぇ!つーか、てめーら、もうビデオ撮ったんなら、さっさと帰れ!おい、メイドォ!」
メイド長「メイドならいませんよ」
公爵「はぁ?ならメイドは今、どこにいんだよ?」
メイド長「和の国です!」
――― 和の国、港‐‐‐‐‐‐―――
メイド「わーい、港だー」
魔法使いわーい、船だー」
―――英国……―――
名探偵「しかし公爵さん、何故 反逆行為なんてしてたんです?」
公爵「それは女王が進め様とした植民地政策を何としても阻止したかったからだ」
名探偵「成る程... ...知ってますか公爵さん? 大多数の人が愚かな人という事を」
公爵「? そんなに愚かな奴は多いか?」
名探偵「大多数の人が愚かという話しの一つに、大多数の人は初めて会った時の第一印象がずっとその人の印象のままというのがあります」
公爵「え? 印象なんてよく変わるだろ?」
名探偵「いえいえ、大多数の人は自分の事を優れた人間だと思っていて、優れた人間である自分が決めた事は正しくて間違いが無いという考えが働き、第一印象を絶対視しているんですよ」
公爵「そうか... ...よく第一印象は大事と言うが、第一印象がずっと変わらずその人の印象で在り続けるのか......」
名探偵「その通り。ちなみに30秒~1分位で第一印象は決まってます」
公爵「30秒~1分!? 早過ぎないか?」
名探偵「事実ですよ」(事実といえば、飛空艇は確か公爵さんの造船所で公爵さんが私財を投じられて建造された私物の筈... ...国は関わって無い筈なんだが......)
公爵「しかし事実といえば何故 飛空艇が私の私財で造られた私の私物だと思っていたんだ?」
名探偵(!?)
メイド長(フフフ、我がメイドの精神操作術は世界一ィィィ! 操れんものなどないいぃぃぃぃいい!! 遂に公爵が我が術にかかって来た! これで公爵から飛空艇を二隻盗んだ事をチャラに出来る!)
メイドA「(えっ!?メイド長、いつの間に精神操作を習得したんですか!?)」
メイド長「(実は司祭に誰でもできる精神操作法を聞いたんですよ)」
メイドA「(マジですか!)」
メイド長「(ふふっ、特別、アナタにその精神操作法を教えてあげましょう……では、まず最初に五円玉という硬貨と紐を用意しま…)」
メイドA「……………」
その後もメイド長は生き生きと説明をしていたが、この時すでにメイドAは気づいていた、この精神操作法はガセだという事に……
メイドA(でも、そんなガセの情報を信じて、一生懸命に説明するメイド長………最高だー!!)
――― 和の国、港‐‐‐‐‐‐―――
侍「あれ?魔法使い、お前どうして港に来てるんだ?確か親の手掛かりを探すために隣の国に行ったはず」
魔法使い「お見送りよ、お・み・お・く・り」
侍「そうか、ありがとな」ナデナデ
魔法使い「ちょ、気安く撫でるな~///」
侍「あー、やっぱり心配だな~。ホント大丈夫か?魔法使い」
魔法使い「子供扱いすんな!私これでも上級魔法を覚えてるんだから」
魔法使い(使えないけど…)
侍「でも…」
商人「まあ、心配しなさんな。魔法使いちゃんにはウチがついてるんやし」
侍「えっ、商人。お前も魔法使いと一緒に残るの?」
商人「……昨日、説明したんやけど…まあ、あの時は酒も回ってたみたいやし、仕方ないわな」
侍「そ、そんなー、商人までもいなくなるなんて………」
騎士「…寂しくなるな」
商人「ははは、一旦離れるだけや。そんなに寂しがる必要はない」
魔法使い「…まあそこまで寂しいなら、親の行方が分かったら合流してあげるわよ」
侍「当たり前だ!もし合流しなかったら……呪う!」
魔法使い「呪うって…こわっ!」
小者「何でそこまで、魔法使いちゃんに……」
侍「魔法使いはもう俺の妹と言っても過言ではないからな…」
魔法使い「私が侍の妹……はぁ…」
侍「ん、なんだ?何か問題があるか?」
魔法使い「問題っていうか…さっきの妹発言から侍の弟が睨んできてんだけど…」
弟「ニーサンノキョウダイハボクダケ… ニーサンノキョウダイハボクダケ…」ブツブツ
侍「………気にするな!」
――― 唐の国行き船‐‐‐‐‐‐―――
イッテラッシャーイ イテキマース
侍「……はぁ、とうとう俺らもこの6人になってしまったな…」
メイド「そっすねー」
小者「ちょっと変な言い方しないでください!みんな生きてますから、まだピンピンしていますから!」
遊び人「あと、6人じゃなくて7人ですよ!私もちゃんとカウントしてください!例え幽霊でも泣きますよ!」
侍「…すまん」
魔法使い(28)「全くしょぼくれてんじゃないわよ。私達は今から龍の大群を退治しにいくんだから……シャキッとしなさい!」
侍「イ、イエッサー!!」
ヒーロー「おー、流石は年長者、言う事違うねー」
魔法使い(28)「…ねぇヒーロー、右手で殴られるか、左手で殴られるか、どっちがいい?」
ヒーロー「結局は殴られるんですか…それじゃあキレイな左手で」
魔法使い(28)「歯を食いしばれ!」ドゴォッ!
ヒーロー「だが俺は避ける!」ヒョイッ
侍「そして俺が当t…ごはっ!」
―――…………―――
侍「う~ん、はっ!? いつの間にか船には俺一人だけ!?」
―――唐の国行き別船……―――
騎士「これで昨日の事を反省してもらうぞ」
ヒーロー(すいません侍さん、反対出来ずに......)
魔法使い(28)「これで昨日の事を深く反省してくれれば良いのだけど......」
騎士「だいたい奴は自分の荷物を女に持たせて自分はほぼ手ぶらだしな」
ヒーロー(今まで気にして無かったのに... ...坊主憎ければ袈裟まで憎いってやつかな?)
小者「いや、でも小者という職の役目は主の荷物を持つ事ですから」
騎士「それでも女に大量の荷物を持たせて自分は持たない事を平気でいるなんて男の精神が腐る!」
魔法使い(28)「何はともあれ、侍はこの一人っきりの船旅で色々考える事でしょうね」
ヒーロー(侍さん、男女の問題は致命的になると言いましたけど、これを見事しっかり解消してくださいよ......)
―――唐の国行きの船―――
侍「……俺一人か…まあ他の乗船員の人はいるけど…」
侍「……多分、騎士や、小者や、ヒーローや、メイドや、魔法使い(28)や、遊び人はあそこの船に乗り換えたんだろうな」
侍「……つまり、今のところ侍一行は俺一人という訳か…。……ん?懐に何か入ってるな、何だろう?」
侍「あっ、紙だ。しかも何か書いてあるようだ。どれどれ……」
紙『侍へ、お前に問う。お前はどうして、何の為に魔王退治の命を受けた?魔王退治の命を受けた時、お前は何を思った?唐の国に着くまで考えておけ。 騎士より』
侍「何の為に…何を思って……。そりゃあ、国を半分やるって言われたから……。いや違う、もう一つあった……恩返しだ。俺はあの時、魔王を倒すことで、昔、大罪を犯した俺に救いの手を差し伸べてくれた殿様に恩返しをしようと思ったんだ」
侍「……それなのに俺は、魔王軍や、英国の強さに圧倒されて、仲間たちの凄さに自信を無くしてッ!情けねぇよ…俺…」
侍「……そうだ、俺も強くなればいい……この前、殿様に聞いた話だと、唐の国には『匠』と呼ばれる者がいて、その者に弟子入りすると、強くなれるとか、なれないとか言ってたな…」
侍「よしっ!唐の国に行ったらたくさん特訓して仲間たちに馬鹿にされないぐらい強くなってやる!」
侍「よっしゃー!テンション上がってきたぁぁぁ!!そんじゃあ唐の国に着くまで暇だから素振りじゃぁぁぁ!!うおおおおおおおおおおおおおお!!!」
―――唐の国行き別船―――
ウオオオオオオオオオオオオオ!!
小者「…どうやら侍さん元気になったようですね。あんなに叫んじゃって、フフッ」
騎士(しかし、侍よ。忘れるな私たちの目的は特訓では無く。龍退治だぞ)
魔法使い(28)「しかし、昨日の事はまったく反省してませんね」
騎士「なに!? それならば......」
―――唐の国行き船……―――
侍「あれ? あっちの船が引き返して行く... ...あ、見えなくなった... ...あっちの船に皆乗って居たんじゃ... ...もしかしてこっちの船に隠れて居るのかな?」
―――数十分後……―――
侍「居ない... ...まさか、俺一人で龍退治なのか......」
―――唐の国行き別船……―――
ヒーロー(侍さん、なんであんな感じになっちゃったんだ... ...あれじゃまるで......)
遊び人「自分のことばっかりで他人のことを慮らない人ってゴミカスですね」
騎士「やはり女に大量に荷物持たせて自分は持たないから既に精神が腐っていたか」
魔法使い(28)「でもまぁ今度こそは他人のことを思いやる様に反省するんじゃないかしら?」
ヒーロー(そうだよな、仲間が居なくなったのは他人を慮れ無かった所為だといくら何でも気付く筈... ...侍さん、信じてるからな......)
船員A「てーへんだ、てーへんだ!」
騎士「ん、どうした?」
船員B「前方からはぐれ魔族(ガーゴイル)の群れが!」
ヒーロー「何ィ!ガーゴイルだとぉっ!!」
メイド「確か、ガーゴイルって先日遭遇した魔物ですよね。どうします?」
魔法使い(28)「ふふっ、心配ご無用、ここは私の魔法に任せて☆」
ヒーロー「おお、魔法使いさん。急にどうしたんですか、イメージチェンジですか?」
魔法使い(28)「ん、イメージチェンジ?どういうこと?わかんないな~キャハッ☆」
遊び人「(うわぁ、色々とキツイね)」ヒソヒソ
ヒーロー「(ねぇ、やっぱり俺が悪いのかな。俺が年長者や、年増扱いしたから…)」ヒソヒソ
魔法使い(28)「…………」
小者「(ヒーローさん、自分を責めたらいけません。あれは…もう駄目です、諦めましょう。魔法使いさんはどこか別の次元に行ったと思えば…)」ヒソヒソ
騎士「(しかし、あれはもう……色々と……見てられないッ!)」ヒソヒソ
メイド「(私なら自殺する程の恥かしさですね、あれ)」ヒソヒソ
魔法使い(28)「……ちょっと皆…さっきから聞こえてる…丸聞こえよ……」
船員「さらにてーへんだー!後方からクラーケンが現れた!」
ヒーロー「アイエエエ、クラーケンナンデ!?」
魔法使い(28)「さすがの私でもこれは無理……あっ…、無理かもテヘペロッ☆」
遊び人「もうだめだ、おしまいだぁ……」
?「大丈夫だ!!」
小者「はっ!この声は!侍さん!」
侍「フフ…俺は忘れていた。この旅の意味を……しかし今なら分かる……その答えを、クラーケン!お前の体に教えてやる!トウッ!」
騎士「よ、よし、それじゃあ侍がクラーケンの相手をしているあいだに、私たちは前方のはぐれ悪魔たちを倒そう」
ヒーロー「…………ああそうだね」
侍「イカ野郎!俺が相手じゃあっ!」
クラーケン「誰がイカ野郎や!わしゃタコじゃ!」
侍「あ、ごめん。タコ野郎!俺が相手じゃあ!」
クラーケン「スミ発射」ビュッ
侍「ぎゃあああああああああ目がああああああああああっあと臭っ!」
クラーケン「話聞けっちゅーねん。わしはそもそも争う気はないんや」
侍「あ、そう?というかこのスミどうにかして」
クラーケン「風呂入れ」
侍「あ、はい」
侍「いやーすみません。後方から船に目掛けてやってくるもんですから、てっきり俺たちを食うつもりなのかと…」ゴシゴシ
クラーケン「誰が、人間なんて食うかぁ!人間なんて骨と内臓ばっかやろうが!ホンマあんなの食べる奴の気がしれんわ」
侍「ははは…。それでクラーケンはどうして船に急接近してきたんですか?」
クラーケン「ん、ああ、それはな……実はわし…今……海龍に追われているんじゃ!」
侍「海龍?何だそいつ、まさか龍族の…「ギュルアアアアアアアアア!!!」バッシャーン!!!
侍「何か出たぁ!!」
クラーケン「か、海龍!!!」
侍「何!こいつが海龍…」
海龍「よう、久しぶりだなクラーケン。お袋さんは元気か」
クラーケン「ああ、元気だ。…でもよぉ海龍、お前わしを追いかけてきて大丈夫なのか?確か噂によると、この世界の龍たちは全員、唐の国に急いで集まっていると聞いたが…」
海龍「ん?ああ、あれの事か…良いんだよ。俺みたいな古龍は次元を超えることができるからな…今、急いで唐の国の旅の扉に集まってるのは、次元を超えれない子龍どもの方だ。……それより、まず…俺は……てめーを食う!」
クラーケン「…なあ、人間よ。わしが言いたかったこと分かったか?」
侍「いいや、よく分かんねー」
クラーケン「こいつを倒すの手伝ってくれ。恐らくあいつはわしを食べた後、船に居るっていうお前の仲間も食うだろう」
侍「そうか…なら仕方ない、仲間を守るためコイツをぶっ倒さねーとな!」
―――唐の国行き別船―――
遊び人「……侍の人、なにやってんだ……」
小者「見た感じ、クラーケンと共闘して、なんか龍みたいな生物を倒すみたいですけど…」
メイド「クラーケンを倒しに行ったのに、あの人何でそのクラーケンと共闘してるんだよ…」
魔法使い(28)「ちょっと…ゼエゼエ……あなた達…ゼェ…喋っている暇あるなら……ガーゴイル、倒しなさいよ!」
ヒーロー「あれ、魔法使いさん、キャラ戻したの?」
魔法使い(28)「うっさいわね!今はどうでもいいでしょそんなの!それより早く手伝いなさい!」
ヒーロー「はーい」スチャ
メイド「かしこまりました!」ダッ
ガーゴイルJ・K・L・M・N・O・P「ぐぎゃあああ」バタン
ヒーロー「ま、ざっとこんななもんかな」
メイド「おおーっ、さすが伝説の担い手」
ヒーロー「ははは、どうだ。すごいだろ、尊敬するだろ」
魔法使い(28)「ちょっと、ヒーローまだ油断するな!ガーゴイル達はまだたくさんいる」
ヒーロー「へーい」
魔法使い(28)「・・・でも、おかしいわね・・・確かガーゴイルは夜にしか活動しないはずなのに・・・何故?」
――――唐の国行き船‐‐‐‐‐―――
ザン ガキン バキッ ザシュッ キン
侍「くっそ、こいつの体かてー」
クラーケン「当たり前だ!古龍に生半可な攻撃は効かない!」
侍「くっそー、それじゃあ商人に貰った西洋の刀を使う!」つチェンソー
クラーケン「何だそれ?」
侍「チェーンソーという物らしい」
クラーケン「へぇーそれで強いの?」
侍「多分強い」
クラーケン「そんじゃあ、それで海竜を斬ってみろよ」
侍「分かった、えい!」ブン
海竜「ぐはっ」
侍「あ、ダメージ与えれた…」
海竜「クハハハ・・・俺がダメージ受けるなんざ何十年、いや、何世紀ぶりか。ちったぁ楽しめるクチじゃあねぇか!」
クラーケン「くっそこの戦闘狂め!」
海竜「くはは・・・くたばんじゃあねぇぞ?」ドプン
侍「潜った!?」
クラーケン「まさか・・・アカン!アレをやる気か!おい人間、ワシに乗れ!船ごと吹っ飛ぶで!」
侍「えっお、おう!」バッ
クラーケン「全☆速☆前☆進☆YA!」
海竜「タイダルウェーブ・ノックアップ!」ドゥンッ
侍「み、水の柱・・・いや槍か・・・船が水圧でバラバラだ・・・」
船長「お、おれの船が…」
クラーケン「す、すまん」
侍「まあ、まずは船員さん達をあそこの船に避難させましょう」
―――唐の国行き別船―――
遊び人「ぐえ~、こいつら地味に強いし、倒しても倒しても切りがないよ~」
メイド「くっそ、一体こいつら何体いるのよ……って、あれ!?ちょ、クラーケンがこっちに…向かって来てる…」
魔法使い(28)「えっ?」チラッ
ドドドドドドドドドド ズドドドッ
クラーケン・侍「「へーい、とーちゃく!」」
小者「えっ、侍さん!?」
侍「ちょっと、今、説明する暇ないから、取り敢えず船員さん達を船の中に避難させて」
ヒーロー「別にいいけど…どうしてクラーケンなんかと一緒に?」
侍「ああ…えっとな…」
海龍「おいおい、俺が反動で動けない間に逃げてんじゃねーよ、寂しいだろォ(マジキチスマイル)」
小者「あっ…」
侍「お、さすが小者、察したか」
小者「はい、一応…」
騎士「まぁ取り敢えず船員さん達は預かって... ...和の国に戻るか」
魔法使い(28)「唐の国での龍退治、一人で頑張りなさいね」
侍「えっ!? それはどういう... .!?」
騎士「自分の胸に手を当てて考えるんだな」
侍「え? え?」
騎士「......自覚が無いのか? お前は心の中では『俺は悪くねぇっ!』とか思っているのか?」
クラーケン「(アンさん、何をやってしもうたんや?)」
侍「(いや、それがあまり思い出せないんだが......)」
クラーケン「(それはアカン、それやと永遠に仲違いしたままやで)」
メイド「だいたい何でクラーケンと共闘しているんです?」
侍「それはクラーケンが人間を食べない、海龍が自分を食べた後に仲間達を食べるだろうって」
海龍「お? それじゃおめぇ、俺が人は食べません、クラーケンを狩って帰らないと家で待ってるお腹を空かせた子供達と病気の母が死ぬんです」
海龍「って俺がしおらしく訴えてれば信じたの? どんな精神してんだよ」
侍「俺もクラーケンの事、全部は信じてない。さっき会ったばかりだし」
侍「でも、お前の方が危険だって、俺の勘が言ってんだよ!」
海龍「へぇー、そうか。それじゃあ、俺もてめーらを遠慮なく食う事にするよ。クハハハハハ」ジュルッ
ヒーロー「アンタがオレ達を食う?あはははは、何言ってんだよ。無理だね、何せアンタはこのオレと魔法使いさんを相手にするんだからな」
魔法使い(28)「……ねぇ、ヒーロー。流石に私でも龍を倒せるかどうか…。でもまあ、やってみないと分かんないわよね…やってやろうじゃない!」
侍「え、魔法使いさん。和の国に帰るんじゃ」
魔法使い(28)「…ぷぷっ、あんなの嘘に決まってるじゃない。何、あんた本気にしてたの?ぷぷっ」
侍「……してたら、悪いんですか…」
騎士「悪くない……が、我々のリーダを名乗るのなら、そのぐらいの事は察しろ、馬鹿」
遊び人「そうですよ。ばーか!」
侍「…いや、でもやっぱり、俺にはさっきまでの嘘とは思えないんだけど…」
騎士「まあ、もしやる気が出ないままヘタレモード全開だったら、ガチで侍をおいて、唐の国に行く気だったしな」
遊び人「あ、唐の国にはちゃんと行くんですね…」
騎士「当たり前だ、受けた任務をしっかり果たさねば王宮騎士の名に泥をついてしまうからな。ふふん」
騎士「で、何か飛び道具はあるか?」
船員「へい、銛があります」
騎士「よし、それを寄越してくれ」
船員「へい」ポイッ
騎士「うむ」パシッ
騎士「よし、これで... ...えいっ! っと足が滑った!」ヒュンッ
侍「うおっ!? 危ね!」
騎士「足が滑っちゃった」テヘ
魔法使い(28)「さて、私も... ...炎よ! っと手が滑っちゃった!」ボォッ
侍「うわっ!?」
魔法使い(28)「手が滑っちゃった」テヘペロ
侍(急に何か変だぞ? どうしたんだ?)
クラーケン「(アンさんアンさん、これはあれや、“微笑み殺し”や。きっと『コロッケよ。あ、タワシだった』テヘ や『ステーキよ。あ、革靴だった』テヘ といった事が起こるで)」
侍「(えっ!? 何でそんな事が!?)」
クラーケン「(そりゃアンさんがやらかした事をしっかりきちっと反省し謝罪して無いからやと思うで。つーか何で、悪い事やってもうたのに反省も謝罪もしっかりきちっと出来ひんのや?)」
侍「俺が悪かったー!! 許してくれー!!」
騎士「うーん? 何の事だ?」
侍「酒に酔い、商人の胸を揉みしだいたり女性達の風呂を覗こうとした事、その事の謝罪の機会を逃して鉄拳制裁を受けるべき時にそれを躱してしまった事」
魔法使い(28)「......それだけ?」
侍「そしてそれらの事を曖昧にし、なぁなぁで済ましてそれでもう済んだ事にしてしまった事を謝らせてくれ!!!」
クラーケン「あんさん! そないな事をなぁなぁにしてたんかい!? そりゃ仲間との絆の上に胡坐を掻いてふん反りかえる様な事でっせ!?」
海龍「クハハハハ! 親しき仲にも礼儀ありって言葉を知らねぇのかよ? 相手に対して礼をしない、相手に義を感じないで俺達は親しい仲ですってか!? 気持ち悪ぃだろそんな関係!」
侍「だからっ! 俺が悪かった!! すまーーーん!!!」フカブカトドゲザー
女性一同『分れば宜しい』
小者「あ、それから遊び人さん、これからは問題になる様な事は止めて下さいね。 じゃないと本気で成仏させる事を考えますよ」
遊び人「はい、僕もすみませんでした」
ヒーロー「よっっしゃぁーー!! これできれいさっぱり問題解決! 一致団結して目の前の難局を打破しようぜ!!!」
一同『おおぉぉーーー!!!!』
海龍「…それじゃあ準備も出来たようだし、さっそく……死ね!」バシュゥゥゥゥ
小者「うわぁ、口からビームが!」
クラーケン「ビームじゃない!あれは高圧のみずてっぽうだ」
魔法使い(28)「そんなの今はどうでもいいでしょ!シールド!」
海龍「ちっ、防がれたか…」
小者「よっしゃあ!」
ガーゴイルA・B・C・D・E『ぐぎゃああああああ!!!(訳:俺らを無視すんじゃねー)』
ヒーロー「魔法使いさん、危ない!」ガキンッ
ガーゴイルA「ぐぎっ(訳:は、弾かれた…)」
メイド「さあ、ガーゴイル共」
遊び人「お前たちの相手は、ボク達だ」
クラーケン「ちゅー事は海龍の相手はわしらやな」
侍「いや、海龍は次にタイダルウェーブ・ノックアップとやらを使った時が奴の最後だから、こちらもガーゴイルに専念しないか?」
海龍「何っ!?」
クラーケン「なんやと!? 海龍のあの技は海龍自身の体に激流を纏い超高速で打ち噛ます、まさしく水の巨大な槍! 必殺の一撃なんやで!?」
海龍「面しれぇ、なら俺の必殺の一撃をやってやろうじゃねーか!!」ドプンッ
小者「潜った!?」
クラーケン「アカン! 来るで! どないすんねん!?」
侍「こちらも潜る! でもって奴の突撃方向真正面に連れて行ってくれ!」
クラーケン「えっ!? ええい! 破れかぶれや!」ドプンッ
―――水中……―――
クラーケン(言う通りに潜った訳やけどちゃんと考えがあるんやろか... ...あ、海龍の奴、すでに激流を纏って、っこちらに突撃して来る!!)
スッ
クラーケン(!? さっきのチェーンソーでは無く、刀に持ち替えた? それを真っすぐ前に突き出して
―――海上……―――
ドドゥンッ
小者「海龍が二体に分裂した!? いや、二枚に下ろされている!?」
ガーゴイル達『ぐぎぐぎぐぎ……』
ヒーロー「あ、ガーゴイル達が逃げて行く」
魔法使い(28)「あの海龍を二枚に下ろすなんて... ...侍さんがやったのかしら.....?」
小者「だと思いますよ。 そもそもあの人、魔王を倒せる実力を持っていると思いますし」
魔法使い(28)「え? そうなの?」
小者「でなければ殿様はあの人に死にに行けと命じた事になりますよ。 魔王を倒せると見込まれたからこそ倒しに行けと命じたんでしょう」
騎士「それにあいつは前に200m位の破壊者を秒単位で倒した事があるしな」
魔法使い(28)ヒーロー「「えっ!?」」
ドプン
侍「ふぅ」
小者「お帰りなさい」
クラーケン「いや~、アンさんは凄い人やな~。 あの海龍を二枚に下ろすとは......」
侍「いや、奴の前に刀を置いといただけさ」
クラーケン「いやいや、それでも奴の纏う激流を前に刀を乱さずに奴の真中を捉えて二枚に下ろすのは凄いこっちゃで」
侍「しかし、海龍とはそこそこ言葉を交わしたが、もうちょっと話し合えてれば......」
???「話し合えてれば、仲良くなれたかもしれないってか?クハハハハ、無理無理」ザッ
一同『なっ!?』
全裸の幼女「いや~、危なかった。まさか俺が二枚に下されるとは思わなかったぜ。クハハハッ」
一同『…………』
全裸の幼女「おっ、その表情から察するに驚いてるな。まあ無理もねえか」
侍「……えっと…その、こんな事聞いたら失礼かもだけど、君は誰?親御さんは?まさかはぐれちゃったの?」
全裸の幼女「……親御さんって……おい、てめぇら、よく聞け俺の名前は…」
小者「もう、心配いらないですよー」ナデナデ
全裸の幼女「ふにゅぅ……って、気安く撫でるなぁ!」
小者「侍さん、この子、迷子みたいですけど、どうします?」
全裸の幼女「いやだから、俺h「うーん……まあ、まずは無難に船の人達、全員に聞き込みだな」
全裸の幼女「おい、俺の話をk「まあ、そうですよね」
侍「よし、それじゃあ戦闘の後で疲れてるかもしれないが、この子の為n「うがー!話を聞けー!」
侍「…ん?どうした?」
全裸の幼女「どうしたじゃねーよ!さっきから俺の話をことごとく無視しやがって…ムカつくぜてめぇら!」
全裸の幼女「俺はたった今二枚におろされた海竜だっつの!」
侍「認めたくなかった真事実っ」
小者「バカな・・・感触臭いどれをとっても完璧な幼女だったのに・・・!!」
クラーケン「ごっつ驚いたわーあのデカブツがこんなちんまくなるなんてなー」
全裸の幼女「クカカッ竜族の生命力を嘗めんなよ。」
魔法使い(28)「いや生命力云々の問題じゃあないでしょうよ」
全裸の幼女「まぁこんな姿になっちまったからな。しばらくはなにもできねーさ
ホレ、殺すなら今のうちだぜ?」
侍「・・・いや、おまえは殺さない」
一同「「「ハァ!?」」」
クラーケン「あんさんアホかいな!?今はおとなしいかもしらんがまたあの姿で暴れられたらどないしますのん!?」
侍「なに、そのときはまた俺が斬ってやるさ」
騎士「・・・クッ」
小者「・・・プククッ」
二人「「あっはっはっはっはっはっ」」
クラーケン「かぁ~、あんさんアホや。ほんまもんのアホや」
騎士「仕方ないさ、こいつはこんな男なんだからな」
小者「だから私たちもお供してるんですよ」
全裸の幼女「くははっ人間ってのはバカぞろいだな
・・・アイツが入れ込むのも分からないでもないかもな」
全裸の幼女改め、海龍(幼女)「さてと、それじゃあ帰るわ」
侍「えっ、もう帰るの!?ナンデ!?」
海龍(幼女)「はぁ?そんなの俺が敗者だからに決まってんだろ。『敗者は強者の言う事を何でも聞く…つまり絶対服従』これ俺の信条!」
侍「ん?何でも?」
海龍(幼女)「ああ、だから俺は、お前たちを食う事を諦めて帰るんだよ…」
海龍(幼女)「はぁ…帰る前にもう一度食いたかったな…この世界の人間…。せめてもう一度くらい噛みたかったな…」トボトボ
海龍(幼女)「じゃあな」ポチャ
クラーケン「……帰ったか…」
小者「帰りましたね…」
クラーケン「……よっしゃあ!わし生きてる、生きてるぞぉぉぉ!」
メイド「そうっすね…」
クラーケン「ありがとう。お主らのわしは助かった、アイツに食われずに済んだ。本当に、本当にありがとう」
侍「当たり前のことをしたまでだ」
クラーケン「しかし、お主が海龍を斬った時は驚いたぞ。いったいどうやったんだ?」
侍「う~ん……実をいうと、どうして海龍を斬れたのか、俺にもよく分からないんだ」
魔法使い(28)「えーっと、つまり、無意識の内に海龍を斬っていたって事?」
侍「いやそうじゃなくて、何かあの時、頭の中で声が聞こえて。その声の通りに動いたら、自然に海龍が斬れていたってな感じだ」
騎士「ふーん、そんな不思議な事があるもんなんだな」
侍「さて、そろそろ船員の人達に、もう大丈夫だと伝えに行くか…」スタスタスタ…
クラーケン「そんじゃあ、わしもそろそろ帰ることにするか」
小者「えっ、もう帰るんですか」
クラーケン「ああ、だって普通わしを見たら、怖がって逃げるか、戦うかのどちらかだろ。お前ら人間は」
騎士「まあ、そうだな」
クラーケン「だから、わしは帰る。あっ、でも帰る前に………。ほれっ、これをお主たちにやる」
『侍一行は伝説の武具のひとつ『海皇の矛』を手に入れた。』
クラーケン「わしを救ってくれたお礼じゃ、受け取ってくれ」
侍「うーん、騎士が装備できそうだな」
騎士「どれどれ」
騎士は『海皇の矛』をそうびした
騎士「な、馴染む!まるで幼少の頃から苦楽を共にしてきた親友のようだ!」
クラーケン「その矛を使えばいかだでも海を越えられるで
文字どおり海皇さまの力が宿っとるさかい、波を操るなんざお茶の子さいさいや」
侍「お、ちょうどいいな」
―――殿様の城―――
殿様「ふむ... ...メイドAは偽物だったから気にしなくてよい。か……」
家老「う~む、気になりますな、その者は何者なのでしょうか?」
殿様「未だ暫らくはそのメイドAの手配はそのままにしておこうか……」
小性「殿、忍者殿がお見えになってます」
忍者「どうもでゴザル」
殿様「おう。 確か忍者殿は逃げた魔族の動向を探る為、侍達とは別行動を取っていたのだったな」
忍者「そうでゴザル。で、早速本題に入るでゴザル」
殿様「うむ?」
忍者「居酒屋GOEMONに魔族関係者が居るのでゴザルよ」
殿様「何っ!?」
家老「なんと。 それはあれですな、灯台下暗しというやつですな」
忍者「そこで今回、せっかくこちらの領域内で見付けた魔族の手懸り、絶対に逃したくないのでゴザル」
殿様「成程、確かにこの手懸り、逃す訳にはいかないな。逃がさない様に手を打ち、人手を出して十重二十重に包囲しよう!」
忍者「有り難いでゴザル。 必ずやこの魔族関係者から情報を得るでゴザルよ」
―――和の国、居酒屋GOEMON―――
魔道部下「ハッ!…何か、何かがやって来る気がする」
鬼子母神「何かってなんだよ…」
魔道部下「だから皆さん、一刻も早くこの店から出ましょう!」
魔道化部下C「別に今すぐじゃなくても…」
魔道部下「ダメです。今すぐ出ないとヤバい気がするんです」
弟「でも、それってただの勘でしょ」
魔道部下「ふっふっふっ。ついさっき仲良くなった弟さん。あなた私の勘を甘く見ていますね」
魔道化部下B「…その口ぶりからして、まさかお前の勘には何か特別な力が――」
魔道部下「聞いて驚きなされ、私の勘は……八割の確率で当たるんですよ!」ドンッ!!
鬼子母神「……くだらねぃ」ズズッ
魔道部下「ちょ、くだらないとは何ですか!八割の確率ですよ、すごいでしょ!」
鬼子母神「…全然」ズズズッ
女侍「頼もう!この店に魔王軍の者が居ると聞いた!」
忍者「店の中を改めさせてもらうでござるよ!」
魔道部下「ぎゃああああ!だ、だから言ったじゃないですか。嫌な予感がするって……は、早く逃げないと…」
鬼子母神「落ち着きなさい」ズッ
魔道部下「あわわわわ、見つかったら殺されてしまう~。まだ死にたくないよー」ガクガクブルブル
鬼子母神「死にたくないなら、尚更落ち着きなさい」
魔道部下「こんな状況で落ち着けるかー!」
鬼子母神「…大丈夫よ、私を信じなさい」キリッ
忍者「お、居たでゴザルよ。あそこに居る人達がそうでゴザルよ」
女侍「さすが忍者殿、調べた通りだったか」
魔道部下「(ちょ、もうすでに調べが付いている様ですよ!?)」
鬼子母神「(だから大丈夫、騒がず逃げず戦っちゃ駄目よ)」
魔道化部下A「我々が魔王軍の者だという証拠か何かがあr」
女侍「問答無用!」
忍者「言い分は縛り上げて尋問部屋で聞くでゴザルよ」シュッ
魔道化部下A「うぉ!? 何を!?」
魔道化部下B「ちぃっ! 逃げるとするか!」スタタ
上忍「ところが!」 中忍「どっこい!」ビュッ
魔道化部下B「罠っ!? いつの間に!?」
魔道化部下C「なら戦って切り抜け」
兵1「なら相手になるぞ!」 兵2「俺も居るぞ!」 江戸の衛兵「女でも容赦しないぞ!」 江戸の衛兵2「御用だ!」
魔道化部下C「こんなに居たの!?」
若党「逃げ場は無いぞ!」 家老「観念せい!」 女銃士「大人しく御縄に着け!」 ペットの犬「ワンワン!」
ウリャッ トリャッ テリャッ バンッ バキッ ボキッ バシッ ゴンッ ドンガラガッシャンッ
魔道部下(……A、B、C、ボコボコにやられてるなぁ... ...こっちは言う通りに大人しく捕まっちゃったけど、大丈夫なのかな?)
口取り「うわぁ、凄く無勢に多勢ですね、こちらが相手をタコ殴り状態......」 馬「……」
殿様「うむ、しかしせっかくの魔族に対する情報源、逃したくはないからな... ...ところで貴女方は抵抗しない様ですが?」
鬼子母神「はい、私共三人はただの旅の者で、あの今暴れている三人は突然私達の前に現れて『護衛する』とか言ってくっついて来たんです。あの三人と私達はその程度の関係です」
側近「その程度の関係って……鬼子母神、嘘言っちゃあダメでしょ」
魔道化部下C「そうよ鬼子母神ちゃん、嘘は良くないわよ」
魔道部下「魔道化部下Cさん…生きていたのか…」
魔道化部下C「勝手に殺さないでよ」
魔道化部下B「他愛も無かった…」
殿様「…………(あれだけの数を、ほんの数分で倒すとは……しかも無傷でぇ!?)」
魔道化部下C「…ワタシたちはあくまで側近様のご子息の護衛で、アナタたちの護衛じゃない」
鬼子母神「そもそも私に護衛なんて要らないしね」
側近「ああ、そういえば貴女、神さまだったわね…」
魔道部下「刹那に忘れてました…」
側近「まあ、それより、ほらほらお二人とも座んなさい」『はーい』
魔道部下「……ってあれ?お二人?そういえば魔道化部下Aさんは?」
魔道化部下C「アイツなら…あそこでタコ殴り…もといサンドバック状態で経験値かせぎのエサになってるわよ」チラッ
魔道化部下A「痛い痛い痛い、ちょ、やめっ!ぎゃあああああ!!おい犬っころ、尻を噛むなって…おわああああ!!ぎゃああああ!!」
鬼子母神「……うわぁ、痛そう」
側近「そもそも私達は争う気は無いのです」
殿様「そうか... ...こちらも倒すべき魔王軍とそれを率いている魔王の情報が欲しいだけだしな、その情報をくれるというのであれば争う必要は無かったな」
側近「......倒すべき魔王ですか... ...あの方はお優しい方なのです! ただ魔将軍と魔ドクターに操られているだけなのです! 私この目で見ました!!」
口取り「え? それじゃ倒すべきは魔王じゃなく、魔将軍と魔ドクターって奴が真に倒すべき相手だったのか?」
殿様「成程、隣りの国の大名は異世界人と関わる様になってから人が変わっていったからな。 しかし待てよ? 黒龍の洞窟から帰って来た侍からの報告だと確か、」
魔道化部下C、B((まずい!)) 魔道化部下C「はいはいはい!」
殿様「何だいきなり?」
魔道化部下C「傷ついた貴方の部下達の治療をした方が良いんじゃないの?」
忍者「それならもう大丈夫でゴザルよ。 商人殿から購入したポーションを使ってもう全員回復したでゴザル」
女侍「うむ、みるみる傷が治っていったぞ。 凄いな、ポーションとやらは」
魔道化部下C「そう......」
殿様「で、話を戻すと報告だと確か、魔将軍は」
魔道化部下C「はいはいはい!」
殿様「今度は何かな?」
魔道化部下C「ワンちゃんの攻撃をやめさせてもらえませんか?」
魔道化部下A「痛い痛い」 ペットの犬「ガブガブ」
殿様「お~い、こっちにおいで~」
ペットの犬「ワンワン!」タッタッタッタッ
魔道化部下A「た、助かった......」
殿様「お~よしよし」ナデナデ 「で、話しを戻して魔将軍は」
魔道化部下C「はいはいはい!」
殿様「......未だ何か?」
魔道化部下C「ある国では相手の頭をナデナデすると何処からともなく武道家が現れて、微笑みの国キックをお見舞いして来るという......」
殿様「あっ! しまった、侍に唐の国の一部地域や唐の国周辺の一部の国では相手の頭を撫でるのは相手を侮辱する行為だと伝え忘れてた......」
女侍「そうなんですか?」
殿様「うむ、ぶん殴られても文句は言えないな。それに相手が権力者の場合は投獄されたり、最悪 死刑にされるかもな」
忍者「それでは通信機で侍殿達にその話しを伝えるでゴザルよ」
殿様「そうしてくれると助かる。 で、話しを戻して魔将軍は」
魔道化部下C「はいはいはい!」
殿様「......今度は何ですかな?」
魔道化部下C「はい、ちょっとお花を摘みに行って来ます」スタタタタ……
魔道化部下B「あ、俺もちょっとおキノコを摘みに行って来よ」スタタタタ……
魔道部下「なら私も…」スタタタタ…
殿様「………それじゃあ話を戻す、お前たちが持っている魔王軍に関する情報を全て寄こせ、それがお前たちに残された唯一の助かる方法だ」
鬼子母神「ありゃ?随分とストレートに言うね…」
殿様「まわりくどいのはあまり好まんからな」
側近「……そうですか、なら私もまわりくどいのは嫌いですし…………そろそろ逃げる事にします」
忍者「……へっ?」
側近「鬼子母神さん!魔道化部下Aさんを回収してください!」
鬼子母神「はいよ」シュンッ シュタッ
鬼子母神「はい、回収成功」
側近「それじゃあ、私たちは逃げますんで、さようなら…とうっ!!」
忍者「何、窓から飛び降りた!?馬鹿な!ここは十五階、落ちたら大怪我だけでは済まな…ハッ!と、飛んでるだとぉっ!?…でござる」
殿様「まあそりゃ魔族だし、普通飛ぶだろ」
忍者「いや、魔族が全員飛べるとは限らないでしょ…でござる」
ドダダダダダダダッ ガララッ
部下「大変です!そのほかの仲間たちにも逃げられました!」
殿様「逃げられたか......」
口取り「結局、真の倒すべき相手が魔将軍と魔ドクターという事しか情報を得られませんでしたね......」
殿様「いや、黒龍の洞窟から帰還した侍からの報告だと、魔将軍は魔道化なる者に何やら暗示をかけていたそうだ」
女侍「という事は真の本当に倒すべき相手は魔道化と魔ドクターという事ですね」
殿様「その通りだな。魔王と魔将軍はついては保留としておこう」
―――魔道化部下達……―――
魔道化部下C「(いや~、皆無事に逃げられて良かったわ。おまけに魔道化様が魔将軍に暗示をかけていた事が側近と鬼子母神に知られなかったし)」
魔道化部下B「(あぁ、もし知られていたら魔道化様は、魔将軍に処刑を命じられて、そこを助けた側近の命の恩人というポジションから、自作自演で恩を売った下衆野郎って事になってたな)」
魔道化部下C「(そうなると信用信頼がゼロどころかマイナスになって、お別れよ。 というか側近は人を見る目が無いわね。アホっぽいし)」
魔道化部下B「(それを言うなら鬼子母神もだぜ。神を名乗っていても何も見えちゃいねぇ。おかげで魔道化様の指示を遂行出来るってもんだぜ)」
魔道化部下C「(そうね、だからこそ“この世界”なのかもね)」
魔道化部下B「(うん? どういう事だ?)」
魔道化部下C「(あら、知らないの? 異世界だと特別な者しか特別な事を成せない。だけどこの世界だと異世界みたいな特別が存在しない、故にどんな者でも特別が成せるって話よ)」
魔道化部下B「(成程な、この世界なら俺達でも特別になれるって事か)」
魔道化部下C「(そういう事よ。この世界なら例え神だろうとやりようによっては私達でもやり込める事が出来るのよ)」
すいません>>760に訂正が
殿様「いや、黒龍の洞窟から帰還した侍からの報告だと、魔将軍は魔道化なる者に何やら暗示をかけていたそうだ」
↓
殿様「いや、黒龍の洞窟から帰還した侍からの報告だと、魔将軍は魔道化なる者に何やら暗示をかけられていたそうだ」
重ねてすいません
そのころ唐の国、幽谷
鎧龍「風の噂で聞いたが・・・海龍が人間にやられたらしいな」
飛龍「へぇ、あの海龍がねぇ」
鉄龍「がっはっはっは!あの若造油断しおったな!」
龍娘「酒臭いヨー」
鉄龍「がはは!嬢ちゃんも呑むか?うまいぞ~」
龍娘「呑まないヨ、私お酒よりジュースのがいいヨ~」
仙龍「ふぉほほ、仲良くやっとるね」
龍娘「あ、おじーちゃン!鉄龍に何とか言ってヨ~」
鉄龍「がはは!組長!あんたもどうだ?」
仙龍「ふぉほっ儂には盟友『酒豪仙人』の瓢箪があるでな。龍娘、行くぞぃ」
龍娘「はーイ」
仙龍(さて、侍とやらか、久々に楽しくなるかのう。なぁ『酒豪仙人』や)
――― 魔法使い・商人 side
魔法使い「ア゛ァ゛ァ゛ァ゛、つ゛か゛れ゛た゛ー。も゛う゛あ゛る゛け゛な゛い゛ー」ドサッ
商人「魔法使いちゃん…隣の国まであとちょっとや、もう少しがんばり」
魔法使い「無理無理無理、絶対無理!もう足が痛くて歩けないー」
商人「……はぁ、せなこと言われても、この近くで馬車とかが通ることなんて滅多にな… 馬「ヒヒーン!」
商人「………馬が居る!!!」
馬「居て悪いか!」
商人「馬が喋ったぁ!!!!」
オオカミ男「おーい、バサシーヌ待ってよー」アハハハ
商人「そんで何か来た!!」
オオカミ男「ん?あれ、あなた達は確か我が『主』、侍さんのお仲間の商人さんと魔法使いちゃんさん」
商人「よっ、最近ぶりやな」
魔法使い「ねぇ、この馬ってアンタの?」
オオカミ男「はい、あっ、あとこいつは馬じゃなくて『バサシーヌ・ンマイナァー』です」
商人「酷いネーミングセンスね…」
魔法使い「だけどどうしてここに居るの? あ、隣りの国に居辛くなって出て来たの?」
オオカミ男「え?」
商人「そうやね、あんたは国中の人達が生き埋めになる様な爆発で、一人だけ生き埋めにならず、救助作業の時も呪いアレルギーで救護所で過ごしとっただけだしね」
魔法使い「国の皆さんは生き埋めで人死にが大量に出て、一人だけその難を逃れるって、結構あれだよね、冷たい目で見られるよね」
商人「あ、それでその馬に入れ込んでいると?」
オオカミ男「いいや、全然違うっす。それに街の人達とはより良い関係を築き上げているんで、冷たい目とかそういうのは全く無いっす」
魔法使い「それじゃあ何でここにいるの?」
オオカミ男「何でここに?って言われても…見ての通り物資の調達っすよ」
商人「ああ、そういえば確かにあんさん背中にリュックを担いでるな」
魔法使い「つーか、何であんたが荷物を持ってるの。普通、馬に持たせるでしょ」
オオカミ男「だって、バサシーヌが重いのは持ちたくないって言うから、仕方なく俺が持ってる」
商人(うわぁ、馬使えねー)
オオカミ男「それで、お二人はどうしてここに?」
魔法使い「あー、えっとねー、隣の国に、私の親に関する手掛かりがないか探しにね…」
魔法使い「それより馬にちゃんと荷物を持たせたら? それだと馬を連れている意味が」
チョンチョン
商人「(ちーとばかし待った)」
魔法使い「(どうしたの?)」
商人「(ちーとばかし思い出したんやけど... ...オオカミ男は足軽頭達の仲間やろ?)」
魔法使い「(うん? それがどうしたの?)」
商人「(せやけどダンさん足軽頭達は死んでおった)」
魔法使い「(うん、死体は焼却したからね)」
商人「(そうや、オオカミ男は足軽頭達の遺体に別れの言葉もかけられんと遺体を灰にされたんや)」
魔法使い「(うん......)」
商人「(ほんで、街の人達とよりええ関係を築けとるちう事はそれなりに長い間、前から街に暮らしとったちう事やろ?)」
魔法使い「(そうだね、前に会った時とかのオオカミ男の口ぶりからも結構長い事 暮らしていたのかも... ...あ、その街が)」
商人「(そや、大爆発! 人死にがたくはん出た。おまけに『救助作業を手伝いまんねんわ』って事も無くあっちう間に二日経過で救助作業完了。その間ずっと救護所暮らし)」
魔法使い「(うん......)」
商人「(街の人達とよりええ関係を築く事が出来ても冷たい目で見られる事も無くとも......)」
魔法使い「(あ、(察し) それで物言わぬ馬に......)」
バサシーヌ「(貴様は、いったいいつから、馬が物を言わないと錯覚した?)」
魔法使い「ギャアアア!馬が喋ったァ!」
オオカミ男「実はそいつ、街の町長に『物資を取りに行くなら、これを持っていけ、役に立つと思うから』って言われて貰った馬なんですよ」
魔法使い「へぇーそうなんだー」
商人「まあその感じやと、街の人達とはうまくやってるみたいやな」
バサシーヌ「当たり前だろ、こう見えてオオカミ男は子供達にも大人気なんだぞ」
魔法使い「へぇーそうなんだー」
商人「そんでその子供達とはどんな遊びをしてんの?」
オオカミ男「キャッチボールとかですね、子供達が投げたボールを俺が拾いに行って持ってくるみたいな感じで、あと空中に飛んでるフリスビーを口でキャッチしたり…」
商人(……ペットかよ…)
オオカミ男「――っと、まぁこんな感じですね」
商人「ヘェーソウナンヤー(棒)」
オオカミ男「…あっ、ところで魔法使いさん、これから隣の国まで行くんですよね」
魔法使い「うんまあ、そうだけど」
オオカミ男「俺達も隣の国に戻るんで、良ければ一緒に行きませんか?」
魔法使い「うーん、馬に乗せてくれるなら…」
オオカミ男「馬?ああ、いいですよ。なぁ、バサシーヌ」
バサシーヌ「ああ、一向に構わん。……だがオオカミ男、てめーは駄目だ」
魔法使い「…あんた、嫌われてるわね」
オオカミ男「たはは…」
商人「……そういや、あんた足の骨折もう治ってるんやな」
オオカミ男「ああ、はい。獣人族は怪我の治りが早いですからね。あの時は骨折のせいで獣人状態にはなれませんでしたが、今は――」ピカーッ
オオカミ男(狼)「――わんっ!」
商人「鳴き声が犬だぁぁぁ!!!!」
魔法使い「いや、狼の鳴き声はわんっ!で合ってるでしょ」
商人「いや、オオカミはもっと野生味ある吼え声やで」
魔法使い「そうなんだ」
バサシーヌ「取り敢えずとっとと乗っちゃって。出発するよ」
商人魔法使い「「はーい」」
………………
パカ ポコ パカ ポコ ……
商人「(せやけどダンさんオオカミ男は仲間を失い暮らしとった街の人達も救命活動に参加出来ずたくはん死んでその後、傷心を癒す為に物言わぬ馬に入れ込んだのかと思ったんやけど......)」
魔法使い「(うん、バサシーヌとはそんな感じじゃないよね... ...というかオオカミ男は変りない様だよね)」
バサシーヌ「(オオカミ男が傷心? 全然そんな事ねーよ)」
魔法使い「(そうなの?)」
バサシーヌ「(街の町長はなーんか心配して“オオカミ男が道中、首吊ったり入水自殺しない様に見ていてくれ”って言ってきたよ)」
商人「(いやいや、仲間やご近所はんが死んでオノレは無力を周囲に晒した。 その後、なあんも変り無くてもそれ位は心配するもんや)」
バサシーヌ「(そんな心配しなくても、少なくともオオカミ男はもう既に足軽頭の事なんかはキレイさっぱり忘れてるよきっと)」
魔法使い「(え? 何で? 仲間だったんでしょ?)」
バサシーヌ「(さっき聞かなかったか? あいつが“我が『主』、侍さん”って言っていたのを。 あいつは仲間の切り替えが早いんだよ)」
オオカミ男「…………あの~」
魔法使い「何?」
オオカミ男「いや、えっと……さっきから丸聞こえっす」
商人「えっ、聞こえてた?」
オオカミ男「聞こえてたっていうより、俺って耳も良いんで、例え小声で話していても聞こえるんすよ」
商人「へー」
オオカミ男「それより、おい!バサシーヌ!さっきお前、俺が足軽頭さんの事をキレイさっぱり忘れてるっていったよな」
バサシーヌ「あ、ああ」
オオカミ男「ふざけんなー!凄く心残りじゃ~!今思えば俺があの時…っ!」
オオカミ男「思わず死にたくなった時もあった、でも足軽頭さんの、伝令兵さんの『任せた』って言葉が死のうとする俺の頭に過って……つまり俺が云いたいのはそう簡単に、足軽頭さんを忘れることはできないってことだ、わかったか!」
バサシーヌ「お、おう」
オオカミ男「はあ…でも………死にたい」ズーン
商人「……おい、馬刺し、お前の発言でこいつネガティブモードになったんだから、お前が励ませ」
バサシーヌ「えぇ~」
バサシーヌ「えっと・・・乗るか?」
オオカミ男「・・・えっ、それって・・・俺がバサシーヌに乗るってこと?」
バサシーヌ「あ、ああそうだ」
オオカミ男「やったぁあああああ!!」パァァァ
商人「立ち直りはやっ!」
バサシーヌ「あっ、でも今はこの小娘共が乗ってるから、お前を乗せるのは隣の国でだ」
オオカミ男「おお!分かった。よし、そんじゃあ隣の国まで全力前進DA!!うおおおおおおお!!!!」ダダダダダダダッ
商人「・・・アイツ・・・真性の単純馬鹿ね」
魔法使い・バサシーヌ「そうね」「同意」
―――そして、何も無く無事、隣の国・・・もとい隣の街に到着
オオカミ男「たっだいまー!」
子供A「あっ、オオカミのあんちゃん」
オオカミ男「よう、元気にしてたか」
子供A「うん、元気にしてたよ。でもオオカミのあんちゃん生きてたんだね、父ちゃんや街の皆が、あまりにも帰りが遅いからどっかで自殺してんじゃないかって心配してたから、アタシてっきりどっかで惨たらしく死んでるかと思ったよ」
オオカミ男「ひでぇ・・・」
バサシーヌ「さぁてと、これで町長に言われてた仕事も無くなった事だし... ...おい! オオカミ男! 自殺したきゃしろ!」
商人・魔法使い・オオカミ男・子供A「「「「えっ!?」」」」
バサシーヌ「仲間死んで街のご近所の人達も死んで貴様は重てぇ十字架背負っているもんな! その重さから逃れるにはたった二つしか方法が無いもんな! 自殺を選択するなら止めはしねぇ!」
商人「ちょ、あんさん、街の町長に自殺を止める様に言われt」
バサシーヌ「もうその役目は街に着いた時点で終わってるだろ! こいつを見ているとイライラして来るんだよ! 何事も無かった様に安穏と暮らしやがってよぉっ!」
オオカミ男「......やっぱ俺はsh」
バサシーヌ「俺だったらもう一つのシンプルな答えを選択するね! 死んだ奴の仇を取るっていうね!」
オオカミ男「!!」
バサシーヌ「そうすりゃ重てぇ十字架、ちったぁ軽くなるのによォッ!!」
商人「あんさん......」
バサシーヌ「仇は今頃こう思ってんじゃねぇか? 『奴の大切な者の命を奪ったのに仇討ちに来ない。奴はゴミカスだ』ってな! 俺もこいつの事はゴミカスだと思うぜ!」
オオカミ男「俺は......」
バサシーヌ「この選択が出て来ない時点でお前の仲間や街の人達に対する思いはその程度だったという事なんだと俺は思うぜ!!」
オオカミ男「……」
バサシーヌ「ふぅ、言いたい事言ったらすっきりした。 それじゃ俺は自分家に戻るぜ」
オオカミ男「・・・待ってくれ!」
バサシーヌ「あぁん?」
オオカミ男「確かにお前の言う通り、その仇を倒しに行った方が良いって事は分かってる。・・・まあ、ぶっちゃけ仇の正体もおおよそ見当はついてるし」
魔法使い「ああー、そういえば前に呪術師がうんたらかんたら言ってたわね」
バサシーヌ「そんじゃあ、その呪術師って奴が仇なのか?」
オオカミ男「えっと、呪術師が足軽頭さん達を殺したっていう確証は無いけど・・・、アイツが足軽頭さん達の死体を操っていたのは確かだ」
子供A「ふ~ん、その根拠は?」
オオカミ男「足軽頭さん達の遺骨に所々と呪術師の呪術ルーンが施されていた。恐らく呪術師が、死んでも永久に命令を遂行する人形になる、みたいな呪いを掛けたんだろう」
バサシーヌ「・・・でもよオオカミ男、何で仇が誰かわかってんのに仇を取りに行かなかった」
オオカミ男「・・・アイツが今どこにいるのか分からなかったから」
商人「うわ、シンプルな答えやな」
バサシーヌ「だったらお前も情報収集頑張れや! それから! 我が主、侍さんとか言うなよ! そんな事言っとって仇討ちの気持ちが無くなっていくだろうよ!」
オオカミ男「おう! これからは侍さんの事は仇討ちが済むまで主とは呼ばない! これからは事あるごとに“我が心の中の尊敬、敬愛すべき足軽頭様”と唱えて仇討ちの気持ちを持ち続けるよ!」
バサシーヌ「おう! その意気だ! 仇を討ちに行って来い! オオカミ男!!」
オオカミ男「おおぉぉっ!」
商人「ちょい待ちィ!」
オオカミ男「ん?何ですか」
商人「その呪術師って奴、多分魔王軍の奴でしょ」
オオカミ男「ええ、はい」
商人「やっぱりね…」
オオカミ男「…それがどうしたんですか?」
商人「いや、ウチらも…恐らくやけど、魔法使いちゃんの親の手掛かりを探す際に魔王軍の奴と接触するかもしれないし…だから一緒に手掛かりを探すの手伝ってくれへんか?」
オオカミ男「うーん…」
商人「今ならほねっこを付けるで」
オオカミ男「…分かりました、手伝います」
バサシーヌ「…お前な…」
魔法使い「人参食べる?」
バサシーヌ「…うん」
―――オオカミ男とバサシーヌが一時的、仲間になった。
魔法使い「よし、それじゃあパ……お父さんの手掛かりを探しに魔王城、隣の国支部があった所へ出発ッ!―――」
―――魔王城、隣の国支部(廃墟)
魔法使い「…あっという間に着いたわね」
子供A「そうだねー」
商人「まあ体力を温存できて良かったやん」
子供A「そうだねー」
バサシーヌ「つーか、何でお前がここに居るんだよ!!」
子供A「そうだねー」
バサシーヌ「そうだねーじゃねーよ!」
子供A「暇だからついてきちゃいました」テヘッ
バサシーヌ「テヘッじゃねーよゴラァッ!!」
子供A「うわーん、バサシーヌがいじめるよー(棒)」
オオカミ男「こらこら、バサシーヌ小さい子をいじめちゃダメだぞ」メッ
バサシーヌ「……………(やっべー、こいつらマジ殴りたい)」プルプル
――― 一時間後...
魔法使い「…全然見つからない」
商人「せやな」ズズッ
魔法使い「ちょっとアンタ、何お茶飲んでるのよ!」
商人「まあええやん、休憩よ休憩」ズズズッ
魔法使い「む~、オオカミ男!アンタは何か怪しいマークか物見つけた?!」
オオカミ男「いいや、全く」
魔法使い「んじゃ、おい馬刺し!何か見つかった?!」
バサシーヌ「こっちも全然…って誰が馬刺しだ!!!」
子供A「あはは、バサシーヌ使えなーい」プギャー
バサシーヌ「黙れクソガキ!」
オオカミ男「…というより、子供A早く家に帰りなさい。親御さんたちも心配してるだろうし」
子供A「大丈夫、ちゃんとお父さんたちには此処に来ること言ってるから」
オオカミ男「でも…」
バサシーヌ「別に大丈夫って言ってんだし、ほっとけよ。それより早くその手掛かりってやつを探そうぜ」
???「そうは問屋が卸さないっと」
狼・馬・魔法・商人『―――ッ!?』
???「『誰だ?』って聞きたそうな表情してるから自己紹介させてもらう。俺は魔ドクター様に作られ、今は呪術師に忠誠を誓う者。『No.0068』、人工魔人だ」
オオカミ男「…人工………魔人だと……ッ!?」
商人「何や?お前何か知ってんのか?」
オオカミ男「…ごめんなさい、今は言えません」
バサシーヌ「おいてめー!!『今は言えないって』、ふざけたことを言ってんじゃ… 商人「やめろ、馬刺っちゃん!!」
オオカミ男「…ごめんなさい、本当に今はまだ…」
商人「…分かった、そこまで言うなら仕方ない。でもな、うちらも気にはなるから、なるべく早く教えてな」
オオカミ男「はい!」
商人「っと、まあこんな感じで話しを済ませたけど、どうや何か言いたいことあるか?」
魔法使い「ま、まあ後で話してくれるんなら、特になし」
バサシーヌ「同じく!」
商人「全員、特になしっと……ってあれ?子供Aちゃんがいない…」
人工魔人(68号)「おーい、もう話し合いは済んだのかー?」
商人「う、うん、一応」
人工魔人(68号)「よし、そんじゃあ次は俺の話しを聞いてもらうぜ」
魔法使い「うん、いいわよ」
人工魔人(68号)「…この子供を返してほしければ!そこにいる魔法使いのガキを渡せェ!」クワッ
子供A「うわーん、たしゅけてー」ビェェェン
魔法・馬・狼・商人『(いないと思ってたら、人工魔人に捕まって(いやがっ)たァー!!!)』
人工魔人(68号)「おいガキ、お前の目的は何だ?」
魔法使い「え?」
人工魔人(68号)「両親に会いたくはないのか? 会いたいだろ? 会えるぞ、両親に。お前の両親はお前に会いたがっているぞ」
魔法使い「え!?」
人工魔人(68号)「おまけにオオカミ男なんてそんなゴミカスと一緒に居ちゃ将来お前もゴミカスになるぜ。そいつは生存確率数百分の一という状況下で奇跡的に生き残った者を惨たらしく殺害した」
魔法使い・商人・バサシーヌ・子供A「「「「えっ!?」」」」
人工魔人(68号)「そしてオオカミ男とそいつの友人はその罰を受けるべきだったのが、そいつは友人を置いて自分一人だけ逃げたんだぜ」
魔法使い・商人・バサシーヌ・子供A「「「「えーっ!?」」」」
人工魔人(68号)「ついでに言うと生死不明の仲間の足軽頭達が死んでいる事を確認した後、そいつは直ぐに『俺、侍さん達の仲間になりたい』と思う、即行で仲間を鞍替えする様な奴なんだぜ」
魔法使い・商人・バサシーヌ・子供A「「「「それはなんとなく分っているよ」」」」
人工魔人(68号)・オオカミ男「「え?」」
商人「再会したオオカミ男の話しぶりから何事も無く暮らしとった様なのに、バサシが死んだ仲間について指摘した途端に急に『凄く心残りや~!』とか『死にたい』と言い出したし」
魔法使い「それに足軽頭が死んだ直後も平静に受け答えしてて、ヒーローが指摘した途端、キレてて、仲間の死に対して哀悼している様には見えなかったし」
商人「おまけにバサシに指摘されて仇を討ちに行こうって思っとるって言っとるけど、仇の見当が付いていてなおかつ直ぐ近く、つまりこの場所に仇の手懸りがありそうなのにまるっきしなあんもやって無いっていうのがもうね」
バサシーヌ(これはオオカミ男の奴、後で言い繕いをするんだろうな。 どんな事が口から飛び出すか予想が付かないや。まぁそれもその筈だよな、あいつはいつでも後出し後付けばっかりで、過去を省みて、行いの反省が無いからな)
子供A「・・・おい、おんどりゃええかげんにせぇよ」
バサシーヌ「・・・えっ!?」
子供A「さっきから黙って聞いてりゃ、言いたいこといいやがって・・・おい人工魔人、離せ・・・」
人工魔人「えっ、いや、そんなこと言われても・・・」
子供A「いいから離せ・・・」
人工魔人「・・・はい」
子供A「・・・ふぅ、それじゃあ、まず魔法使い!」
魔法使い「えっ・・・はい」
子供A「お前、仲間、もしくは親友、友人、親戚が死んだらどう思う」
魔法使い「えっ、い、いきなり言われても・・・そんなの想像できな・・・あっ」
子供A「・・・気付いたか。そうよ!オオカミ男があの時平静でいたのは、想定外の突然が連続で起こり、混乱しそうな自分を落ち着かせる為の平静・・・」
魔法使い「・・・でもそれは結局、無理に作った平静だから、あの時ヒーローの意表をつく言葉で平静を保てなくなりキレた・・・」
子供A「うん、そういうこと・・・さて、あとは商人だけど、商人のは『リレーSS』だから仕方ないとしか言い様がないからやめとくわ」
商人「(メ、メタい!!)」
子供A「・・・よし、言いたいこと言ったし・・・帰って寝るわ!それじゃあ!」ノシ
人工魔人(68号)「……ハッ!逃がすかァァァ!!」ダダダッ ガシッ
子供A「うわー、ツカマッター………ダルっ」
人工魔人(68号)「ダルいゆーな!」
オオカミ男「」
人工魔人(68号)「さあ、この子供を返して欲しければ、そこの魔法使いのガキを渡せ!」
商人「……聞きたいんやけど、どうして魔法使いちゃんを狙っとんの?」
人工魔人(68号)「聞きたいか?聞きたいのかァ?なら聞かせてやろう!そのガキが聖剣『エクスクァリバー』の隠し場所に関する情報を持ってるからだ!」
バサシーヌ・商人「「えぇっーーー!?」」
オオカミ男「」
魔法使い「えっ!?いやいや!そんなの初耳!私、聖剣なんて知らないって、人違いじゃないの?」
人工魔人(68号)「いや、確かにお前だ。呪術師様がある男から引き出した情報に寄れば、『ヒントを持っている者の特徴は魔法の素質がある』って言ってたし……つーかオオカミ男!さっきから気になってたけど、立ちながら気絶すんな!!」
魔法使い「てか何で気絶してんの?」
子供A「……恐らくみんなに色々言われてハートがブレイク!したんでしょ」
商人「メンタル弱っ!」
人工魔人(68円)「このままだったら、気が散るし誰か起こしてやれっ!」
魔ドクター(聞こえておるか? 人工魔人68号)
人工魔人(68号)(あ、魔ドクター様、何か御用で?)
魔ドクター(ちょっと訂正があっての。『エクスクァリバー』は今は“聖剣”と呼ばれておらん)
人工魔人(68号)(え?)
魔ドクター(その昔、とある国の王様が近隣の街を滅ぼすドラゴン退治に行った時、そのドラゴンに返り討ちに会っての、命からがら逃げ、逃げた先でその剣と出会ったのじゃ)
魔ドクター(王様は一目見ただけでその剣ならドラゴンを退治出来ると思ったんじゃが、その剣の管理者がこの剣は“魔剣”です。今まで数千の竜を、数万の人の命を奪ってきました。渡せませんと言うのじゃ)
魔ドクター(王様は私は決して邪な事にはその剣を振るいません。世の為人の為、正義の為だけにその剣を振るいます。その剣は魔剣と呼ばれ蔑まわれる様な剣では無い。と言って管理者を説得したのじゃ)
魔ドクター(そして王様は剣を手に入れた後、見事にドラゴンを退治し、その剣も約束通り世の為人の為、正義の為だけに振るい、その剣はいつしか“聖剣”と呼ばれる様になったと云う訳じゃ)
人工魔人(68号)(成程、名は体を表すって言うが、その剣は体で表し名を手にしたって訳か。そして今はその王様が持ってる訳じゃないから“聖剣”と呼ばれてないと)
魔ドクター(そうじゃ。それにこの世界、初めから特別なものなど存在せん。故に自らの行動でもって特別と成っていく訳じゃ。 口では立派な事を言っておっても、行動がゴミカスならばゴミカスじゃ)
人工魔人(68号)「考えてみればそうだよな。友人を見捨て、仲間達の死を確認直後に別の連中の仲間になりたいと考えるはゴミカスだな。別にそいつ起さなくていいや、話を進めっぞ」
子供A「あ、そうだ、そういえば」
人工魔人(68号)「どうした?」
子供A「さっき魔法使いと話した内容だけど、オオカミ男が死んだ仲間なんてどうでもいい! 次の仲間に乗り換え様ってな事を思っていたのなら、さっきの話の内容、当て嵌まらない......」
商人「やっぱりオオカミ男の行動はさっぱりしたクールアンドドライで俺は死んだ仲間に囚われんと生きて行くんだ。な感じなのに、口で言っとる事は俺は仲間思い! 情に厚い奴なんだ! っていうね......」
>>783から
人工魔人(68号)「いちいち視界に入って気が散るから誰かそいつを起こせ」
魔法使い「えー、めんどくさいな……。おーい起きろー」ペチペチ
オオカミ男「う、うーん……はっ!ここは誰、俺はどこ!?」
魔法使い「……起こしたわよ」
人工魔人(68号)「お、おう…」
オオカミ男「……あのー今どんな状況なんですか?」
バサシーヌ「どんな状況か?って言われても…人工魔人の目的がわかったってぐらいだな」
オオカミ男「目的?」
魔法使い「何かあいつ、聖剣ってのを探しに来たっぽい」
オオカミ男「聖剣ですか…」
>>1のルールに則り分岐>>784から
選ばれ無かった方は諦めて下さい
人工魔人(68号)「取り敢えずどうする? 魔法使い? 」
魔法使い「えーと......」
人工魔人(68号)「お前が素直にこっちに着いて来れば、お前は両親に会える、この子供も解放されて家に帰れるぞ」
魔法使い「うーん……」
商人「…聖剣の話をを聞いて、こんな昔話思い出したわ」
魔法使い「昔話?なによそれ」
商人「えーっとな、『昔昔、あるところに小さな国がなんやかんや~、その青年は岩に刺さっている剣を抜いてなんやかんや~、実はその剣、『エクスクァリバー』は幾多の命を吸って力に変えてきた”魔剣”なんやかんや~…』」
三十分後......
商人「『そして、なんやかんや合ってその国は幸せになりました』っていう感じの昔話。どうや、おもしろかったやろ」
バサシーヌ「…おもしろいっていうか、長… 人工魔人(68号)「おもしろかった!!ブラボー!!思わず涙が出ちまったぜ」ポロッ
商人「おーアンタ、敵ながらこの話を聞いて泣くやなんて天晴やで!」
魔法使い「…それで、どうして聖剣の話からこの話になったの?」
商人「ん?アンタ分からんか?……あの人工魔人が探している聖剣ていうのが、さっき話していた昔話に出てきた聖剣や」
魔法使い「えっ、でもさっき話したのって作り話じゃ…」
人工魔人(68号)「つーかその聖剣、伝説の武具の一つだしな」
魔法使い「えっ?マジで」
人工魔人「マジマジだから探してんだもん」
魔ドクター(伝説がちぐはぐでなければこんなに苦労はしなかったんじゃがの)
人工魔人(68号)(え? 魔ドクター様、伝説の武具の伝説がちぐはぐって?)
魔ドクター(おや知らんのか? 先ず伝説の青年なんだか、とある文献によると、とある国の戦国時代、その国を統一するまであと一歩で落命した“双頭竜を倒した男”略して竜頭の男の隠し子という)
魔ドクター(そしてとある騎士に預けられてその騎士の子として育てられたという。 しかし違う資料によれば青年は馬の口取りの子)
人工魔人(68号)(え? 馬の口取りって.....?)
魔ドクター(ようするに馬方、馬丁、馬子じゃな。仕事は馬の世話、馬の鼻輪を持って馬を引く事じゃ。で、気性は優しく力持ち、仕事は真面目で良く出来る。そこをとある騎士に見込まれその騎士の家来となったのじゃ)
人工魔人(68号)(出自が二通りあるんですか)
魔ドクター(うむ、青年自体も気性は優しく力持ちの青年と、がりがりのひょろひょろで頭が良くて知恵が良く働く青年と資料によって異なる)
魔ドクター(他には伝説では青年を手助けする魔法使いの爺さんが出て来るが、この魔法使いの爺さん、7、8歳の子供の時に竜頭の男に仕えているんじゃ)
人工魔人(68号)(ちょっと待って下さい、その爺さんが子供の時に青年の父親かもしれない男に仕えていたのなら......)
魔ドクター(うむ、とある資料によれば魔法使いの爺さんではなく、魔法使いの高青年じゃ。青年との歳の差は歳の離れた兄弟や歳の近い親子程度など文献が複数ある)
人工魔人(68号)(ほんと伝説がちぐはぐですね)
魔ドクター(そうじゃ、そして肝心の『エクスクァリバー』じゃが、これも岩から抜いた剣とする文献と、青年が率いる軍がピンチの時に湖の精霊から問答して手に入れたと書かれている資料とかある)
人工魔人(68号)(ああ、それじゃさっきの話しの『エクスクァリバー』の話も複数ある文献の一例なんですね)
魔ドクター(そうじゃ。やたらと資料や文献が多くてどれが本当か分らんのじゃ。だからその魔法使いからの情報で本当の『エクスクァリバー』の所在が掴めるかもしれんのじゃ)
人工魔人(68号)(そんじゃあ尚更あのガキを捕まえないとな!)ニヤッ
魔法使い「…ねぇ、そこの人工魔人」
人工魔人(68号)「ん?何だ?」
魔法使い「あんた多分間違ってるわ。だって私、聖剣なんて物知らないし、見たこともない。おそらく人違…」
人工魔人(68号)「いや、間違いなくお前だ」
魔法使い「……しつこい、しつこい!しつこい!しつこい!しつこい!しつこい!しつこいィ!!!私は聖剣なんて物知らないって何回言わせたら気が済むのよ!つーか誰よ!私がそれの隠し場所を知っているなんてデタラメを言ったのは!!」
人工魔人(68号)「………お前の父親だよ」
魔法使い「えっ………パ、パパが……な、何で」
人工魔人(68号)「何でって言われても俺の聞いた話だったら、『拷問・呪術・精神操作、そして最後に夢の中に入ったりして何とか、そいつが娘に聖剣の隠し場所についてのヒントを託した』とまでしか知らないし…」
魔法使い「ご、拷問!?」
魔ドクター(馬鹿かキサマ!何故その情報を言った!!)
人工魔人(68号)(あっ……)
魔ドクター(あっ、では無いわ!この馬鹿者が!!!)
人工魔人(68号)(くっそぉ~こうなったらぁ~)
人工魔人(68号)「時間切れだ!答えを聞こう!魔法使いのガキを渡すか、それともこの子供が殺されるのを見るか!さっさと答えろ!(こうなったらごり押しで、押しとおる!!)」
~~魔法使い組~~ ――作戦会議――
商人「どないしよ…なあオオカミ男、何かいい案ない?」ボソボソッ
オオカミ男「う~ん、魔法使いちゃんを渡すフリをして隙を作り、その間アイツから子供Aを取り返す作戦はどうですか?」ボソボソッ
バサシーヌ「却下!シンプルすぎる」ボソボソッ
商人「なら、けむり玉を辺りにまき散らして、相手視界が悪くなったところを…」ボソボソッ
バサシーヌ「却下!それだと俺達もけむり玉のせいで視界が悪くなる」
商人「ああ、そうか」
オオカミ男「それなら大丈夫。俺、気を感じ取ることもできるから、けむりが立ち昇るの中でも相手の位置ぐらいは」
バサシーヌ「それでも却下だ。例えお前は大丈夫だとしても、俺達は危ないことには変わりないからな」
商人「う~ん、どうする?」
オオカミ男「どうしましょ」
魔法使い「……ねぇ、皆」
商人「何や?」
魔法使い「…私にいい考えがあるの」
オオカミ男「いい考え?」
魔法使い「それはね… 人工魔人(68号)「おい!何さっきからこそこそと話してやがる。さっさとそのガキを渡せ!」
魔法使い「………」
人工魔人(68号)「返事がねえぞ。ちゃんと俺の声聞こえ… 魔法使い「うるさい!黙れ!!」クワッ
68号・オオカミ男・バサシーヌ「ひぃぃ!」ビクッ
商人「…そんでそのいい考えってのは何や?」
魔法使い「それはね――」
―――――
―――
―
商人「――おい、人工魔人。本当に魔法使いちゃんを渡したら子供Aちゃんを離してくれるのよね」
人工魔人(68号)「ああ、本当だ」
商人「なら、交渉成立や。魔法使いちゃんをアンタに渡すよ…」ニヤッ
商人「おい、魔法使いちゃん、出て来い」
魔法使い(オオカミ男)「はーい」ウフフ
人工魔人(68号)「……」
魔法使い(オオカミ男)「魔法使いでーす。よろしくね☆」キラッ
人工魔人(68号)「」イラッ
――― 物陰―――
魔法使い「(ふふふ、これぞ私の考えた作戦。女装囮作戦よ!)」バァーーン
人工魔人(68号)「人工魔人なめんな!お前、オオカミ男だろ!」
魔法使い?(オオカミ男)「!?…ふっふっふ、ばれたら仕方ない…そうだよ、俺はオオカミ男だよ!!」バァーン
人工魔人(68号)「バァーンっじゃねーよ!!最初っから偽物だって事バレッバレなんだよこの野郎!」
人工魔人(68号)「さあ、早く魔法使いのガキをこっちによこせ。そうじゃねえとこの子供の顔をツメでぐっちゃぐちゃにすんぞ!」
商人「……分かったわ。仕方ないけど無関係な子供を巻き込むわけにはいけないし…魔法使いちゃんごめん、あの子を助ける人柱になってくれ…」
魔法使い?(バサシーヌ)「…ううん、謝らなくていい。だって仕方ないことだもん(裏声)」
子供A(性懲りもなく、別の偽物が出てきたぁぁぁぁ!!!つーか馬だ!)ガビーン
人工魔人(68号)「そんじゃあ今からそいつとこの子供を交換だ」
子供A(えっ!?あれ(バサシーヌ)で良いの!?)
人工魔人(68号)「いくぞ!交換タイムだ!」
人工魔人 子供A<―――>魔法使い?(馬) 商人
↓
人工魔人 <―――>魔法使い?(馬) 子供A 商人
人工魔人(68号)(あれ…何かおかしい…よう…な…)
魔法使い「ふっふっふ、騙されたなこの馬鹿が!」バァーン
人工魔人(68号)「えっ俺、騙されたの!?」
魔ドクター(馬鹿者がーッ!!!)
魔空軍元帥「現状魔王軍No.1の強さを誇る俺様と俺様の部隊到着~!」
一同『!?』
魔ドクター『何故お主がここに!?』
魔空軍元帥「それは俺様が暇だったうえにここでイベント発生中と聞いたからだ! だが来るのに時間が掛かったからもうイベントは終わっちまったかもと心配したが......」
商人「これはあかん......」
魔空軍元帥「これはあれだな! “各個撃破”ってやつだな! 少数で動いて敵に所在がばれたのにのんびりその場に留まり続けた自分達の油断を呪うがいいさ!だひゃひゃひゃひゃ」
オオカミ男「まずい! 完全に魔空軍兵士達に包囲されている!」
魔ドクター『魔空軍元帥、魔法使いは生け捕りにしてくれ。それ以外には用は無い』
魔空軍元帥「よし分った! 空軍兵士共ォ!聞いたな!?魔法使いは生け捕りでそれ以外の連中は、皆殺しだ!!」
魔空軍兵士etc...『うおおおおおおおおおお!!!!』
魔法使い「ちょっと待ったあああぁぁぁっ!!!」
魔空軍元帥「何だ!? 仲間との別れの挨拶か!?」
魔法使い「仲間に手を出したら自殺します」
魔王軍一同『!?』
魔ドクター(そう来たか......)
魔空軍元帥「ん?よく聞いてなかった。何、今あいつ自殺するって言ったの?」
人工魔人(68号)「あ、はい」
魔空軍元帥「ふ~ん…」ニヤッ
魔法使い「な、何よ、嘘じゃないわよ、本気よ!皆に手を出したらこのナイフで… 「ならやってみろよ」
魔法使い「ふえっ?」
魔空軍元帥「だーかーらー、本気だと言うなら自殺してみろよ、そのナイフでよォ!それが出来たらお前の仲間、助けてやってもいいぜ」ヘヘッ
魔法使い「えっ……」
魔ドクター『おい、魔空軍元帥!何ぶざけたことを言っている!!ソイツは聖剣の隠し場所までのヒントを持っているんだぞ!』
魔空軍元帥「へっ、んなこと知るかよ」
魔ドクター「言うことを聞け、魔空軍元帥!!」
魔空軍元帥「誰が人間風情の言うことなんか聞くか!!」
魔ドクター「~~ッ!!!」
ギャーギャー ワーワー
商人「…なあみんな、アイツらが仲間同士で揉めている間に逃げへん?」
オオカミ男「…そうですね」
商人(取り敢えず、pi、po、paとな)
―――――
魔ドクター『......はあぁ... ...お主、自分が負けてあいつらが勝つと思っているのか?』
魔空軍元帥「何だと!? この状況で俺様が負けるなんて事は万に一つもねぇぞ!! 何言ってやがるんだ!?」
魔ドクター『先程の魔法使いの言葉はの、事実上の降伏宣言で降伏条件を付けて捕虜になりますと言って来ているのが分らんのか?』
魔空軍元帥「え?」
魔ドクター『良く考えてみろ、あいつらはこの状況を勝てん。戦っても死あるのみじゃ』
魔空軍元帥「ああ、その通りだ、俺達は奴らを皆殺しに出来るぜ」
魔ドクター『そう、こちらにこの状況に対する絶対的な決定権がある。そして魔法使いには価値がある。故に全員まとめて捕虜になりますと言って来た訳じゃ』
魔空軍元帥「うん? そうなのか?」
魔ドクター『だから良く考えろ。魔法使いがこのまま自殺すればこちらは心置きなく用の無い残りの連中を皆殺しに出来る、つまり魔法使いは自殺しない』
魔空軍元帥「え~とそれは、考えてみればそうだよな... ...という事は自分の身の安全は自分の価値のおかげで保障されて俺達に連れてかれるから、仲間も一緒に保障しろって事なのか?」
魔ドクター『そうじゃ。 せっかく目の前に価値あるものがようやく手に入るという状況なのに、お主は気が付いておらんかったのか?』
―――殿様の城、通信機部屋―――
通信機番「おや? 緊急電? 発信者と位置は……」
―――――
魔空軍元帥「だひゃひゃひゃ、いや~メンゴメンゴ。あいつ意気がってたから、ついプライドをぶっ壊したくなってよ~」
魔ドクター『はぁ、全くお主は…』
人工魔人(68号)(あの~魔ドクター様)
魔ドクター『……何じゃ…』
人工魔人(68号)(目標の魔法使い、逃げちゃいました)
「………………………」
魔ドクター・魔空軍元帥『「な、何ィィィィィ!!!??」』
魔空軍元帥「ハッ! さっきから何か静かだとは感じていたが本当に逃げていたとは…」
魔ドクター『くっそー!折角、聖剣を入手できると思って部下たちにケーキ屋までケーキを買いに行かせたのに』
魔空軍元帥「諦めるのは、まだ早いぞ魔ドクター。あいつらは結局のところ人間だ。逃げれる範囲は限られてる」
魔ドクター『なるほどつまり、そう遠くには行ってないと言いたいのじゃな』
魔空軍元帥「おう、だから今すぐに探しに行けば簡単に見つかる」
魔法使い「逃げて無いよ」
魔王軍一同『え!?』
人工魔人(68号)「何故!? 逃げた筈じゃ... ...というか一人だけ?」
魔法使い「逃げたけど途中で私一人だけ戻って来たよ。で、仲間は全員逃げたよ」
―――商人一行―――
タッタッタッタッタッ……
オオカミ男「あれ? 魔法使いさんがいない?」
バサシーヌ「あの子なら一人で戻っていったよ」
商人「あ、やっぱり。せやけどこないな事もあろうかと」
オオカミ男「えっ!? ちょ、ちょっとどうして気付いてたのに止めなかったの!? それにやっぱりって!?」
商人「あのさ、目的を達成しようと本気で努力し頑張る決意をした人は、たとえどないな危険や困難があろうと立ち向かうものなんや」
バサシーヌ「そしてそんな強い意志の持ち主は他の奴がなんと言おうと無駄。あの子は自分の目的の為、今の機会を逃したくないと決意したのさ」
子供A「そうだね、目的達成しようって強い意思や決意が無いと、せっかく目的につながる手懸りたる存在が目の前に居るのに、周りに色々言われてハートがブレイク!ってなるんだろうね」
バサシーヌ「おまけに目的が仇討ちなのに仇の一味の奴からあんな感じに言われて、仲間に気絶から起されるって、俺は幻覚でも見ているのかってくらい情けn」
商人「ちーとばかし待った、オオカミ男がまた気絶しよった」
オオカミ男「」
―――殿様の城、大広間―――
弟「―――という訳です」
殿様「成程、そういう訳だったのか」
忍者「いや~、侍殿の弟殿があの者達と仲良くなっていて良かったでゴザルよ」
家老「うむ、新しく入った情報が、真の本当に倒すべき相手が魔道化と魔ドクターと判明しただけというのは状況がちっとも変わりませんからな」
女侍「しかし、弟殿があの者達から聞いた話は側近視点の過去の話。今現在の情報が」
通信機番「緊急の報告です!」
殿様「どうした!?」
通信機番「はっ! 魔族の情報を求めて隣りの国へと向かった魔法使いと商人が魔王城跡にて魔族の一群と遭遇との事です!」
一同『!!』
殿様「よし、分った! こんな時の為に温存しておいた高機動力、飛空艇で緊急出撃だ!」
家老「おお、飛空艇があるのに侍達に使わせなかったのはこういう訳だったのですね」
殿様「その通り、優先順位一番は対魔王、いや、今は魔道化と魔ドクターか、を一番に片付けなければならないと目的に定めているからな!」
忍者「拙者も同じでゴザルよ」
殿様「直ちに飛空艇で出撃用意だ! 出撃する皆を集めろ! 今度こそは情報を手に入れるぞっ!!」
一同『おおっ!!!』
弟「………」ニコニコ
―――侍家―――
弟「―――と、まあこんな感じで話して来たけど…どうだったかな」
悪魔祓い「いやー、十分です。ナイスです」
弟「そう、なら良かった」
老人(白竜)「しかし、あそこまで嘘の話がぽんぽんと出たのは驚きだったぞ」
弟「あはは、昔から嘘は得意でしたし、一度仲良くなってしまった人たちを売るような真似は出来ませんから」
悪魔祓い「…ふ~ん」
弟「さてところで質問です。何で貴殿方は殿様に『黒幕は魔ドクターと魔道化だ』なんて情報を僕を使ってまで伝えたかったんですか?」
悪魔祓い「う~ん、それはだな…」
ミナサーン ゴハンガデキマシタヨー
悪魔祓い「……それじゃあ、その答えはご飯を食べた後って事で」
弟「……まあ話してくれるならそれで良いです」
悪魔祓い「よっしゃー」
―――時は遡り、魔王城、隣の国支部(廃墟)―――
魔法使い「ところでアンタ達、どうやって私を魔界に連れて行くつもりなの?」
魔法使い(私の予想だと、おそらくあいつらは旅の扉をどこかに隠してるはず…連れて行かれるフリをして旅の扉がどこに有るかさえ分かれば…どんな形であれ、そこに商人達に分かるように目印を付ける)
魔空軍元帥「あぁん?どうやって連れて行くのかってぇ?そんなのこうすんだよ!俺様流、上級魔法『空間爆破』―――」カッ!!
魔法使い「えっ…」
―――――
―――
―――魔界、???―――
魔空軍元帥「よっと、到着ー」
魔法使い「…えっ、もう…着い…た…の?」
魔空軍元帥「よーし、それじゃあしばらく歩くぞー」
魔空軍部下一同『おー!』
魔法使い(……作戦…失敗…なのかな?これ…)
―――魔道化部下達……―――
魔道化部下C「(しかし変ね、殿様はあの時(>>757、>>758)絶対に『魔将軍は』の続きの科白は『魔道化様に操られていた』って言うと思ったんだけど......)」
魔道化部下B「(俺もそう思った。あの時、側近の証言で魔王は魔将軍と魔ドクターに操られていたって話しが出て来て、倒すべきは魔将軍と魔ドクターってなって)」
魔道化部下C「(で、黒龍の洞窟から帰って来た侍の報告で魔道化様が魔将軍に暗示をかけていた話しをしていると思うから、殿様の『魔将軍は』の科白の続きはそれになると思ったんだけど......)」
魔道化部下A「それは私があの時、どうにかこうにか殿様に悪電波を送って側近と話しが拗れる様な科白を言わせたのだ」
魔道化部下AB「「((え?))」」
魔道化部下B「(お前、そんな事が出来たのか?)」
魔道化部下C「(それに声が大きいわよ。側近や鬼子母神に聞かれでもしたら)」
魔道化部下A「大丈夫だ、あの間抜け共はあっちの方に」チラッ
側近「……」
鬼子母神「……」
魔道部下「……」
魔道化部下ABC「「「(((意外と近くに居るぅ!?!)))」」」
側近「さてと、私も自分の目的、願いを叶える為、苦しく困難な道を歩まねばならない様ですね。先ずは確認」
側近「私が最後に魔王様を見た時(>>27)は魔将軍と魔ドクターが魔王様を操っていました。そして魔将軍は魔道化に暗示をかけられていたのですね?」
鬼子母神「その二つの情報が本当なら、真に魔王を操っているのは魔道化と魔ドクターって答えが出て来るねぇ......」
魔道部下「殿様も側近様から魔将軍と魔ドクターが魔王様を操っていると聞いた時には既に魔将軍が魔道化様に暗示をかけられていると知っていた訳ですから殿様も既にその答えに......」
―――商人一行―――
商人「…増援、遅いな…」
子供A「増援?えっ、商人さん増援を呼んだの?」
商人「ふふ、アイツらが揉めている時にちょっとな…」
子供A「へー…」
オオカミ男「増援って事はまさか、マイソウル兄貴の侍さん来るんですか!」
商人「いや侍さん達は残念ながら別任務、もとい力を付ける為に唐の国へ行ってるから来ないわ」
バサシーヌ「…そうか」
商人「…そういや侍さん達、今頃どないしてんのやろうな…」
―――そのころ一方、侍達を乗せた唐の国行きの船は…―――
魔法使い(28歳)「……」ドガッ
海賊団長「ぐはっ!」バタンッ
海賊下っ端達『お、親方~!!』
―――海賊に襲撃されていた。※本日、五回目
魔法使い(28)「ねえ小者ちゃん、海賊ってこんなに多かったっけ?」
小者「さあ?」
船員A「そんなことより皆さん、唐の国が見えてきましたよ」
―――――――
―――――
―――
――――唐の国、港
侍「よっしゃー!唐の国に着いたぞー!」
老唐人「ふぉほほっよく来なさったな」
侍「アイエエエッ!?」ビクゥッ
騎士(この私も気配に気づけなかった・・・だと)
魔法使い(28)「え、えーと・・・」
老唐人「海賊が多かったじゃろ?なんでもここら一帯から海竜っちゅうそりゃあ暴れ者の竜が居たらしいんじゃがのう、先日誰かがそやつを倒したらしいのじゃよ
そしたら今度は海竜を恐れて鳴りを潜めとった海賊どもが暴れ出したんじゃよ」
侍「え、えー・・・と」
孫唐人「おじーちゃン、私お腹空いたヨ」
―――商人一行……―――
バサシーヌ「しかしお前の言う事は当てにならんな」
オオカミ男「え?」
子供A「さっき『完全に魔空軍兵士達に包囲されている』って言ってたけど完全じゃなくて半包囲ぐらいだったよね」
商人「完全に包囲されとったらこうして逃げられなかったからね。 そういえば前にもこの国が爆破された時、匂いで生きとる人はもうおらへんとか言ってたしね」
バサシーヌ・子供A「「えっ!?」」
バサシーヌ「お前って奴は......」
子供A「......更に思い出したけど、バサシーヌに『“我が心の中の尊敬、敬愛すべき足軽頭様”と唱えて仇討ちの気持ちを持ち続ける』とか言ってたのにその尊敬、敬愛すべき足軽頭様を殺した奴の一味を前にしてハートブレイク」
子供A「そして今、口から出てきた言葉は『マイソウル兄貴の侍さん』? やっぱり死んだ仲間の事なんてもうどうでもよくて、とっとと新しい仲間に上手く乗り換えようって思っているんだね......」
バサシーヌ「二度ある事は三度あるって言うが、本当だな。これでもう三回も当てにならない事を口走った訳だ」
商人「いや、最初に会った時も当てにならへん発言をそこそこしとったで。 あ、飛空艇が来た、それや私は行くね。バサシと子供Aはまたまた気絶したオオカミ男を連れて街に戻っとんてね」
子供A「え~? 一緒に着いて行っちゃダメ?」
バサシーヌ「もう駄目だろ... ...良い運を祈っているぜ」
子供A「う~ん、分った... ...気を付けて行ってらっしゃい」
オオカミ男「」
老唐人「ほほ、そうか。それなら帰りに何か美味しいものでも買おうかね」
孫唐人「えェ~、私今すぐ食べたいヨ」
老唐人「そういわれても、近くに食べ物屋は無いし…」
孫唐人「ウワーンだヨー、このままじゃ飢え死にしちゃうヨー」ビエエン
小者「そんな大袈裟な…」
ウワーン ビエエー オナカスイタヨー
侍「……そんなに腹へっているなら、おにぎり食うか?」
孫唐人「…ぐすっ、おにぎり?」
侍「ほれ」テニオニギリ
老唐人「!?よろしいんです… 孫唐人「イタダキマース!」テゴトガブッ!
侍「ぎゃあああああ」フコウダー
―――――
孫唐人「もぐもぐ」
侍「うぅ…手が痛い…」ジンジン
老唐人「侍さん、本当にすまない…」
孫唐人「噛みごたえ良かったヨ~」
侍「それって褒めてるのか?」
孫唐人「褒めてるヨ」
老唐人「ところで旅の人よ。唐の国に何か用かね?」
騎士「はい、唐の国に現れた龍を退治に…」
孫唐人「!?」
侍「退治じゃない、話し合いだ!」
騎士「まだお前はそんな甘いことを言ってるのか!」
侍「黒龍だって良い奴だったし、唐の国に現れた龍達も…」
メイド「そんなこと言っても、海龍の件もありますし、その龍達が良い奴らとは限りませんよ」
老唐人「・・・ふぉほほほ、なかなか面白いことを言いなさるな
じゃが、もしその龍たちが本当に世界の覇権を手に入れようと画策していたとしたら、どうするか?」
侍「全身全霊を持って止めてみせるさ」
孫唐人「あはは!おにーさン面白いネ!おにぎりのお礼に一つ教えといてあげるヨ
・・・龍族はそんなに甘くないヨ」
侍騎メ魔「「「「ッ!?」」」」ゾクッ
老唐人「おっともうこんな時間か、帰るぞぃ」
孫唐人「はーイ」タッタッタッ
バンゴハンドースルカノウ
ワタシマンカンゼンセキタベタイヨ
ハードルタカイノゥ
―――元魔王城(現廃墟)―――
殿様「……もうすでに魔族は撤退した後か......」
商人「魔法使いはん......」
忍者「う~ん、居酒屋GOEMONに居た魔族関係者は現在の魔王軍について知らず、今回も魔族に逃げられ情報を得られず、更に魔法使い殿を連れ去られるとは状況が悪くなっているでゴザル......」
女侍「くっ! 何か他に情報やこの状況を打開出来る手は無いのか!?」
殿様「......止むを得ん、このやり方は雲を掴む様な話なので挑戦したくは無かったが......」
女侍「何か手立てがあるのですか!?」
殿様「……唐の国の西域......」
忍者「! 魔王の本場の地でゴザルな!」
女銃士「? 魔王の本場の地とは?」
殿様「唐の国の西域はその昔、やたらと魔王が出現していた地域でな、天竺へありがたいお経を取りに行った僧侶一行が週に一回は色んな魔王に襲われた程なのだ」
商人「うちも聞いた事があるで、確か混世魔王や黄風魔王や霊感魔王、そして牛魔王とか、他にもいっぱい魔王が居って、旅の僧侶一行を散々苦しめたとか」
女銃士「つまり魔王のメッカみたいな地という訳か......」
女侍「あっ! もしかして殿が侍達を唐の国に行かせたのは、こっちで魔族の情報を得られなかった時の事を見越して.....?」
殿様「うむ、だがさすがに昔 その地に魔王がいっぱい現れていたそこから魔族の情報を得るのは雲を掴む様な話。故に最後の最後の手段にしておきたかったが、魔法使いが連れ去られた今、悠長にしていられないからな、やるしかないだろう」
―――唐の国、唐の国の城―――
遊び人「ふぅー、道中なんやかんやあったけど、無事に着いた」
侍「よし、それじゃあ龍退治…もとい説得するよりまずは唐の国の王様にあいさつを…」
ドカーン!!
侍一行『!?』
侍「な、何だこの爆発!」
ヒーロー「城の中から聞こえたぞ!とりあえず城の中に行ってみましょう」
タッタッタッタッ…
――― 唐の国の城、謁見の間―――
???「おいおい、話している途中に爆撃はねぇだろ。ちょっと杯の中の酒がこぼれちまっただろ」
唐の国の王様「黙れ酒豪仙人!もう一度聞く、龍達の居場所を吐け」
酒豪仙人「だから私さっきも言ったろ。断ると…」
唐の国の王様「ならば死ねィ!」
酒豪仙人「誰が死ぬか、バーカ」ヒョイッ
唐の国の王様「者共!奴を逃がすなー!」
モノドモ ヤツヲニガスナー
侍「な、何だ、何が起こってんだ?」
小者「見た感じだと、先程から銃弾をひょいひょいと避けている人が、唐の国の王様を怒らせた見たいですけど…」
唐の国の兵士A「むっ、怪しい奴。キサマら何者だ!」
侍「俺達は和の国の殿様からの命令で増援に来た者だ」
唐の国の兵士A「そうか、キサマらが和の国からの増援か」
小者「あの、ところでこれはなんの騒ぎなんです?」
唐の国の兵士A「ん、ああ、実はあそこにいる女性、皆からは酒豪仙人って言われている人なんだが、彼女はどうやら唐の国に来た龍達を匿っている様なんだ」
唐の国の王様「く、ちょこざいな、奥の手を使うか... ...うおおおおおおお!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
酒豪仙人「!? な、何だ!? この強大な重圧は!? 体が動かん!」
唐の国の王様「酒豪仙人と称される貴様には分るまい! この俺が背負っているものの重さが!!」
酒豪仙人「背負っているものの重さだと!?」
唐の国の王様「洛陽30万人、長安も30万人、他にも大都市群を全部ひっくるめたこの中原の地に3000万人、そしてこの唐の国全体では1億の民が暮らしている!」
酒豪仙人「1億の民!?」
唐の国の王様「その1億の民の財産が! 安寧が!! 生命が!!! 脅かされ様としている!!! 貴様はそれに加担した!! この世からいなくなれぇー!!!」
酒豪仙人「うおおぉぉ!! 動け私の体!!!」
唐の国の王様「うおりゃああああ!!!!」
侍「ちょっと待ったああぁぁ!!!!!」
唐の国の王様「何だいきなり! 邪魔をしおって!!」
侍「貴方はこの人から情報を聞き出そうとしてたんじゃないのですか?」
唐の国の王様「あ、そうだった、ついうっかり殺そうとしてしまった......」
侍「あと、もうちょっと話し合いで解決しようとしないのですか?」
侍「それに今、貴方が乗ってるのは…貴方の部下ですよね…」
唐の国の王様「!?」チラッ
唐の国の兵士B「う…うぅ…」ピクピクッ
酒豪仙人「ワハハハ、よくぞ私の仙術を見破ったな小僧」
一同『!?』
酒豪仙人「何時から私がすり替わった事に気づいていた?最初から?もしくは最後辺りにか?」
侍「…気づいたのは唐の国の王様が貴女…いや偽の酒豪仙人さんを踏みつぶそうとした時です。まあつまり後者の方ですね。それより俺が驚いているのは貴女が持っているその杯です、あれだけ動いていたのに全然その杯の中の酒が一滴もこぼれていない。貴女何者ですか?」
酒豪仙人「…私は酒豪仙人。ただの酒好きさ」
騎士「なら、何故その酒好きが龍を匿っているのか聞かせてもらおう!」
唐の国の王様「そうだ!何故、貴様は龍を匿っている!」
酒豪仙人「…逆に聞くが何故、龍を匿っちゃいけないんだ?」
騎士「!?」
唐の国の王様「そ、それは…龍達は我が国の敵だからであって…」
酒豪仙人「はぁーッ…そんな理由じゃ駄目だな…まあ兎も角私は龍の隠れ場所は言わないし、龍の敵にもなる気はない。もちろんお前さん達の敵にもならんから安心しな。それじゃあ」ヒュンッ ダッ! ダッ! ダッ!
侍「行っちゃいましたね…」
唐の国の王様「ふむ、もしかしたら酒豪仙人はこの国に仇成す者達の一味かもしれないな」
騎士「この国に仇成す者達って.....?」
遊び人「前に話してたじゃないか、この国は宋の国を倒し、騎兵が強い異民族を退け、紅巾党 明を滅ぼしたって」
騎士「ああ、そういえば。つまりその残党の可能性があると?」
唐の国の王様「うむ、早く龍共をどうにかせねば北方の清帝国が攻めて来そうなのだ」
一同『え!?』
唐の国の王様「こちらが掴んだ情報によると奴ら、騎兵が強い異民族と手を組んだそうだ。そしてこちらが龍で困っている隙に攻めて来る計画らしいのだ」
侍「成る程、なら早い事 龍問題を解決しないと」
唐の国の王様「そうだ。龍問題を解決出来ないとこの国は滅ぼされる」
唐の国の将軍「王様! 各地に放った斥候の報告から龍共の居場所が判明しました!!」
唐の国の王様「それは本当か!? よくやった! 出来したぞ!!」
都はずれの料理店【極楽飯店】
酒豪仙人「はーっまったくやれやれっと」
老唐人「おぅ、酒豪仙人。そろそろ来る頃だと思うたぞ」
酒豪仙人「よぅ、仙龍。一杯ひっかけに来たよ」
孫唐人「酒豪仙人ー、私たち今日面白い人に会ったヨー」もしゃもしゃ
酒豪仙人「そりゃ奇遇だな、龍娘。私もさっき会ってきたんだよ」ぐびっ
老唐人「(色気より食い気・・・か)」
孫酒「「そこ、なんか思った?」」
老唐人「いや、何でも」
―――殿様の城……―――
女侍「……」
殿様「どうした? やはり自分も行きたかったか?」
女侍「はい... ...しかしこの城を長期間 他の者に任せる訳にはいかない事も承知しております」
殿様「うむ... ...家老達よ、情報を掴んでくれよ......」
―――唐の国西域、対魔王軍(元)要塞……―――
観光案内人「―――で、ここから見えるのが、かつて色んな魔王軍が攻め寄せて来た砂と岩だけの不毛の大地アルよ」
女銃士「うわ~、絶景だな」
観光案内人「ここは景勝地アルからね。他にも天竺への往復の拠点でもアルよ。だから有り難いお経の写しや仏様の絵等がアルよ」
忍者「ほう、それは一見の価値がありそうでゴザルな」
家老「いや、我々は魔王軍や魔族の情報を得るのが目的で観光に来てる訳ではないのだぞ」
商人「そうやね、早く連れ去られた魔法使いはんを取り戻すためにも頑張りまへんとね」
観光案内人「魔王軍の情報を探すのは無理だと思うアルよ、かつてこの砂と岩しかない不毛の大地の何処から魔王軍はやって来るかを調べにがたくさん人が送り込まれたアル」
観光案内人「しかし何も得られず途中で引き返してくるか、そのまま帰って来なかったりしたアルよ。 天竺に向かう方には途中にオアシスとか存在するアルよ」
家老「心配無用、我々には飛空艇があるからな、広範囲かつ素早くこの砂と岩しかない大地を調べられるだろうて」
――― 唐の国、露店街‐‐‐‐‐―――
小者「あの侍さん、本当に唐の国の王様さん達について行かなくて良かったんですか?」
侍「ああ、良いんだよ別に。あの人達、多分古龍を相手に100%の確率で負けるだろうし」
魔法使い(28)「あ、それ私も思った。あれくらいの戦闘力じゃ成龍を10匹狩るの精一杯でしょ」
侍「ともかく俺達はこれから唐の国に現れた古龍について何か知っている『酒豪仙人』という人に会いに行く」
騎士「会いに行くと言っても、お前酒豪仙人がどこにいるのか知っているのか?」
侍「いや、全然分からない。けど!居てそうな所は分かる」
メイド「ホントですか!?」
侍「あの時、酒好きって言ってたから多分酒が置いてある店にいると思う」
騎士「…何だ、それってつまりあれか、酒が置いてある店を虱潰しに探していくのか?……時間かかるわ!!」クワッ
ヒーロー「まあでも時間はかかるけど、他に作戦が無いならこれの方が確かですね」
騎士「ま、まあ確かにな…」
侍「よし、それじゃあ騎士さんの許しを得たので、これより手分けして酒豪仙人を探しましょう」
一同『おーーーーッ!!!』
―――元魔王城(現廃墟)―――
鬼子母神「ここがあんたと魔王が一緒に暮らしていた愛の城って訳かい?」
側近「ええ、まあそうですね... ...こんな廃墟になってるなんて......」
側近(魔王様... ...貴方はこの国の大名だというのに、それなのにこの国をこんな風に捨てて、何処へ行ってしまったの.....?)
魔道部下「側近様、地下の旅の扉がある部屋への通路を塞いでいた瓦礫を片付けて来ました」
側近「そう、ありがとう。 じゃ、行くわよ」
―――元魔王城(現廃墟) 地下、旅の扉の間……―――
魔道部下「やっぱりこの異世界とか色々な場所の旅の扉に行ける旅の扉、壊されちゃっているみたいですね」
側近「ちょっと待って... ...一応 エネルギーの残滓があるわね... ...最近は魔界に大量に移動したみたいね」
魔道部下「魔界ですか? それじゃ魔界に行くんですか? 世界間の移動は旅の扉無しだと色々とかなり大変だと聞きますよ」
側近「そうね、でも今のところの手懸りは魔界だから... ...唐の国の西域にある世界間移動が出来る旅の扉を使いましょう」
魔道部下「唐の国って、確か和の国の20倍以上の広さですよね、その西域という事は和の国を横断する距離の20倍の距離を移動する事に......」
側近「大丈夫よ、唐の国は凄い発展していて、各地に旅の扉があって、東の港からほんのわずかな時間で王様の居る都まで行ける様な国だから」
魔道部下「そういえば唐の国って、凄く寛大で寛容な国で、世界中から人や物が集まって来て、その都は凄く国際的だと聞いた事があったっけ」
鬼子母神「へぇ~、その唐の国、ぜひ色々と観光して行きたいねぇ」
―――唐の国の軍勢……―――
ワイワイガヤガヤザワザワワイワイザワザワガヤガヤザワザワワイワイガヤガヤザワザワガヤガヤワイワイガヤガヤワイワイザワザワガヤガヤザワザワワイワイ……
唐の国副将軍「しかしあの和の国からの援軍の人達、放っておいて宜しいのですか?」
唐の国の将軍「構わねぇよあんな奴ら! これから皆でさぁやろう!って時に『どうせ やったって無駄、失敗する』とか思っている様な奴は軍隊や会社とか組織に要らねぇよ!!」
唐の国の王様「おまけにあの者達は和の国の殿様に『この者達なら唐の国の暴れ龍を倒せる』と見込まれたから派遣されて来たのだろうに その信用信頼を平気で踏み躙る行為も許せん」
唐の国の将軍「だいたい奴らは我が国の暴れ龍を倒す事を引き受けて来たんだろ!? その一度引き受けた任務を投げ出す輩なんぞ、即刻クビだ!!」
唐の国副将軍「いや、でも彼らは一応、我が国の暴れ龍をどうにかしようと彼らなりにやろうとしているんじゃないんでしょうか?」
唐の国の王様「ふむ、あっという間に即行解決すれば、あの者達を褒め称えようが、時間がかかれば我が国は」
唐国魔導兵10032「報告があります! と、唐国魔導兵10032は声を張り上げます」
唐の国の王様「どうした?」
唐国魔導兵10032「清帝国の軍が国境に集まりつつあるとの事! と、唐国魔導兵10032は」
唐の国の王様将軍副将軍「「「何だって!?」」」
唐の国副将軍「大変じゃないですか!? どうしましょうか!?」
唐の国の王様「く、二兎追う者一兎も得ずだ! ......先ずは清帝国に対処しよう!」
唐の国の将軍「はっ! 直ちに!!」
―――浮遊島、地下???階―――
浮遊島の主『今、私らはなんやかんや遭って勝手に罠を動かしていた犯人と対峙しているZE☆』
魔物使い「はいはい、説明乙」
浮遊島の主『いやー、でもしかしまさか罠を動かしていたのが、エルフスライム君だったとはね…』
エルフスライム「……」プルプル
死霊使い「…エルフスライム?何それ?」
浮遊島の主『僕の友達兼ペット兼代理人。君らも一度会って…いや会話したはずだよ』
魔物使い「全然、覚えてない」
浮遊島の主『それじゃあ、ヒントをあげよう。二日前…つまり君らが浮遊島に最初に来た時、君らにこの島の結界の事を話したのは?』
魔道化「!?まさかこいつ、あの時、浮遊島の主を名乗ったエルフ!?」
エルフスライム「ここから先は私が絶対に通さない!」プルプル
魔道化「通さないって…僕たちはその先に用があるから通せてくれないと困るんだけど…」
エルフスライム「ここから先は私が絶対通さない!」プルプル
魔道化「答えは変わらず通さないか、仕方ない…」ガチャ(武器を構える音)
魔道化「なら少しだけ眠ってもらおうか!」
シュタタタタタタッ
魔道化「先手は頂いた!くらえ、『冥府の鎌』の応用技、デススロウ!」ゴッ!
魔将軍「!?冥府の鎌を投げた!!」
エルフスライム「…」ササッ
魔道化「!?避けられた…」
魔物使い「いやあんな攻撃誰でも避けれるでしょ」
魔道化「いや、スライムだから大丈夫かなって…」
浮遊島の主『彼は一応スライム族の上位にあたる実力者。あまりに甘く見ない方が良いよ』
魔道化「ふ~ん」
魔参謀「どうやら、あのスライムは少々面倒なタイプの様だな」
魔将軍「ふん、所詮はスライムだ。束になって掛かれば勝てる。ゆくぞ!貴様ら!」ダダダダッ
魔物使い「うおおおおおおおおお!!!」ダダダダダッ
人形使い・死霊使い「「…おー」」スタスタ トテトテ
エルフスライム「さあ来い!!」プルプル
一同『うおおおおおおおおお!!!』
――― 一方そのころの侍一行は…―――
侍「…はぁー、全然見つからない…」
小者「そうですねー」
騎士「おい侍、酒豪仙人は見つかったか?」
侍「全然です、騎士さんは?」
騎士「私も収穫なしだ」
メイド「ホント、酒豪仙人さんは何処にいるんでしょうね」ムシャムシャ
遊び人「そうですよね」ムシャムシャ
騎士「おい、お前らは私達が必死になって探している中、何を食っている…。返答次第によっては…」ユラァ…
遊び人・メイド「「ひぃっ!」」
小者「まあまあ、騎士さん落ち着いて…」ドウドウ
騎士「えぇい!これが落ち着いていられるか!前々からいいたかったがお前たちは…ッ!」
「キャアアアアアアアアアッ!!」
侍一行『!?』
侍「…今のは悲鳴!?」
小者「悲鳴があったところに行ってみましょう」
―――――――
――――
騎士「どうした、何があった?」
唐の街商人「そ、それが清帝国の兵士が…子供を!」
清帝国兵士A「ふはははは、この子供を離してほしければ食料と武器、火薬をよこせ!」
唐の住民A「くっそ、子供を人質に取るだなんて卑怯だぞ」
清帝国兵士A「戦争に卑怯もくそもあるか、ふはははは」
孫唐人「うわー離してヨー、臭いヨー」
侍「はっ!あそこにいるのはおにぎりと共に俺の手を噛んだ小娘!」
小者「どうやら人質として清帝国の兵士に捕まってる様ですね」
孫唐人「アッ!そこにいるのは手の噛みごたえが凄く良かったお兄ちゃん」
ヒーロー「ん、どうやらあの子オレ達の存在に気づいた様ですよ」
孫唐人「手の噛みごたえが凄く良かったお兄ちゃん、助けてヨー。こいつ臭いヨー」
清帝国兵士A「ぐっ!俺が一番気にしてることを…ぐふっ!」
『清帝国兵士Aは精神に9999のダメージを負った』
侍「…隙アリ!」ダッ
『侍は清帝国兵士Aが心に大ダメージを受けた隙に孫唐人を助け出した』
侍「…大丈夫か?」
孫唐人「うん、大丈夫、助かったヨー」ニヘッ
騎士「さて、この清帝国の兵はどうしてやろうか?」
小者「というより、どうして清帝国の兵がここに居るのでしょうか? 北の国境からかなりの距離がありのに.....?」
ドコドコドコドコドコドコドコドコ……
騎士「何だ?」
唐の街商人「あれは“汗血馬”!」
騎士「汗血馬?」
唐の街商人「北方の騎馬民族が保有している一日500km走ると言われる馬ですよ!」
小者「凄い健脚な徒歩の人が一日120km移動した記録がありますから、なかなか凄い馬ですね」
清帝国兵士A「くっ…貴様らぁ…」
騎士「!?なんだ臭い兵士、まだやるというのか」
清帝国兵士A「…一度ならず二度までも…殺す!貴様ら全員ここで殺してやる!来い、我ら偉大なる清帝国の兵士たちよ!」
清帝国兵士etc...『………』ゾロゾロ
清帝国兵士A「ふはははは、元々この国には何人か清帝国の兵士を住まわせていたのだ。この国を滅ぼすためにな…そう、唐の国の兵士たちが戦線に出て行っている今こそがその時だ!
唐の国の住民A「なっ!?こんなに多くの敵の兵士がこの街にいただなんて…!」
侍「…こりゃ下手したら百人を超えているなこりゃ…こいつら全員を峰打ちとなっちゃあ、少々骨が折れるな…」
騎士「おい、これから龍を説得しにいく奴が何、弱気を吐いてるんだ。もしかして怖気ついたのか?」
侍「そ、そんなんじゃねぇ!ただこの人数に驚いただけだ…」
メイド「この程度で驚くだなんて…こんなんで魔王軍の軍勢を相手にできるんですか?このままだと失禁モノですよ」ガクガクブルブル
ヒーロー「今の状況で足がガクガクなオマエが一番言っちゃあダメな言葉ダナ」
魔法使い(28)「ちょっと皆…来たわよ」
清帝国兵士etc...『うおおおおおおおおおおおおお!!!』ズドドドドドドッ
侍「…それじゃあ皆…いくぞ!!」チャキッ
魔・ヒ・騎・メ・遊『おう!!!』ザッ
―――そしてなんやかんやで、唐の国に忍び込んでいたという清帝国兵士達を倒しました… by小者
清帝国兵士A「ば、馬鹿な…ッ、あれだけの数の人間を…ッ!貴様、何者だァァァァァ!…グハッ」バタンッ
侍「…安心しろ、峰打ちだ」キリッ
小者「…キメ顔うぜぇ」
孫唐人「確かにキメ顔はウザイけど、助かったヨ。アリガトウ」
オーイ リュウムスメー ドコイッター
孫唐人「アッ!この声は、シュゴーセンニンだ!」
メイド「ん?しゅごーせんにん?あれ何かどっかで聞いたような…」
酒豪仙人「おーい、龍娘。お前、トイレへ行くのにどこまd…ん?」
騎士「お、お前は酒豪仙人!!」
孫唐人「アレ?まさか私が紹介する前に、すでにもうお知り合いですかヨ?」
侍「ま、まあな…」
騎士「おい、酒豪仙人!お前にひとつ話がある、」
酒豪仙人「んー、私は特に無いんだが…別にいいぞ。話の一つや二つ何でも聞いてやる」
侍「…よし、それじゃあまずは場所を変えようぜ。ここじゃ目立ちすぎる」
唐の国一の大料理店 桃源飯店
酒豪仙人「で?何が聞きたいの?あ、蟒蛇酒十人前と妖鳥の唐揚げ七十人前」
マイドアリー
孫唐人「あ!狡いヨ酒豪仙人!私も唐揚げ食べたいヨ!」
酒豪仙人「安心しな、うち六十五人前はあんたのだから」
孫唐人「ワーイ!酒豪仙人大好きだヨー」
酒豪仙人「でも抱きついたりはしてこないんだな」
孫唐人「酒臭いモン」
酒豪仙人「・・・地味に傷つくな・・・」
侍「・・・スケールが違うな」
メイド「孫唐人ちゃん、あんなちっちゃいのにどんだけ食べるんでしょうか・・・」
騎士「あー・・・本題に戻ってもいいか?」
―――唐の国西域、不毛地帯上空、和の国 飛空艇一行……―――
女銃士「......う~ん、相変わらず見えるのは砂と岩ばかりだな......」
商人「早く魔法使いはんを助けに行きたいのに......」
家老「やはりここで情報を手に入れるは雲を掴む様なものであったか......」
忍者「む! あそこに人が複数人 歩いているでゴザルよ!」
一同『え!?』
上忍「ここは岩と砂しかなく、天竺へ行く道からも外れている......」
家老「気になるな、話を聞きに行くか......」
―――唐の国西域、不毛地帯、側近一行……―――
鬼子母神「はぁ、唐の国、もうちょっと観光して行きたかったなぁ......」
魔道部下「そうですねぇ......」
側近「目的を達成するのが先よ。のんびりしてたら、もしかしたらあの国みたいに取り返しがつかなくなっちゃうかもしれないじゃない」
鬼子母神「ま、そうだね。 おや? 上空から迫って来るのは江戸で見た飛空艇......」
魔道部下「ほんとだ。 こっちに向って来」
和の国 飛空艇一行・側近一行『『あっ!』』
―― 唐の国一の大料理店 桃源飯店
酒豪仙人「…えーっと、つまりなんだ…あんたらは、唐の国に来た龍達と話し合いたいから、龍達が今どこにいるのか教えて欲しい。って言ってるのか?」
侍「まあそんな感じだ」
酒豪仙人「ん~その…えっとぉ…お前はどう思う?」
孫唐人「侍、助けてくれた!良い人!手もおいしい!大好き!」
酒豪仙人「えっと、それはつまり了承をしていることで良いんだよな?多分…まあその前に仙龍にも聞いとくか…」
侍「仙龍?まさかそれが今回の件の…えっとその何て言うんだろ…主犯格?」
酒豪仙人「主犯格って…まああんたらから見ればそうなるけど、あいつらもあいつらなりの正義の為に戦ってるんだ…そこは考慮してくれ…」
侍「ああ」
孫唐人「それに仙龍はシュハンカク?じゃなくて私のおじーちゃンだヨ」
侍「ああ……って、えっ!?」
メイド「お、お、お、おじーちゃン?」
孫唐人「うん、仙龍は私のおじーちゃンだヨ」
酒豪仙人「あれ?知らなかったの?」
侍「いや、分かるワケないだろ」
孫唐人「あレ?これ言っちゃイケなかったんだっケ?」
酒豪仙人「あーあ、やっちまったな」
メイド「え?でも孫なんでしょ?龍っぽくないと言うか・・・」
孫唐人「そーだヨ、変身の仙術使ってるし、それに私龍と人間のハーフなんだヨ。ママが人間だヨ」
騎士「龍との混血児か・・・」
孫唐人「二人とも私が生まれてすぐに死んじゃったけどネ」
小者「・・・ごめんなさい」
孫唐人「謝らなくてもいいヨ。龍族のみんなは快く受け入れてくれたし、それに酒豪仙人もいるし、おじーちゃンもいるし・・・」
侍「・・・孫唐人ちゃん、龍族のみんなが好きか?」
孫唐人「うん!大好きだヨ!」
侍「そうか。」
孫唐人「もちろん、侍の兄ちゃんも好きだよ」ダキッ
侍「おお、そうか」ナデナデ
小者「ムッ」ピクッ
魔法使い(28)「あら~、まさか小者ちゃん嫉妬?」ニヤニヤ
小者「ふぇっ!?し、嫉妬!?ち、ち、ち、違いますよ!!」アセアセ
魔法使い(28)「ふーん」ニヤニヤ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
酒豪仙人「…よし、そんじゃあそろそろ行くか…」ガタッ
遊び人「行くってどこに?」モグモグ
酒豪仙人「どこって…あんた達、仙龍達と話し合いにきたのよね?」
メイド「ああ、そうでしたね」ムシャムシャ
ヒーロー「忘れてんなよ…」
酒豪仙人「龍娘、さあ立ちな。仙龍を迎いに行くわよ」
――唐の国西域、不毛地帯
鬼子母神「よぉ、一日ぶり」
女銃士「ああ、そうだな」フッ
『……………………………』
魔道部下「に、逃げろー!!」ダッ
女銃士「逃がすかー!!」ドッ
キャアアア コロサレルー マテ! ニゲルナ!
忍者「…」
魔道化部下C「…何であの子逃げたのかしら…逃げる意味ないのに」
忍者「…それは大人しく捕まるって意味でござるか…?」
魔道化部下C「いや、貴方達を倒すって意味よ…」フフッ
―――
―――――
魔道部下「はっ、はっ、はっ、確かこの辺に私達が通ってきた旅の扉があったはz……あっ!」
天使A(只今旅の扉、運搬中)「…」バッサ バッサ
魔道部下「天使が旅の扉を持って空を飛んでるー!!!」
―――唐の国西域、不毛地帯、飛空艇側―――
商人「あのさ、私達のヒイキすべき事は、魔王軍に連れ去られた魔法使いはんを取り返す事やないの?」
家老「うむ。 それにこの者達は過去の魔王軍については知ってはいても、今の魔王軍については知らんしな」
忍者「確かにそうでゴザった。争うのは体力と時間の無駄でゴザルな」
上忍「無視して行きますか」
側近「私も無駄に争う気はありません。むしろ時間を節約したいです。今、魔王軍が居る可能性が高い場所の情報を知っています」
飛空艇一同『えっ!?』
側近「そこへ行く行き方も知っています。その情報を教える代わりにその飛空艇に乗せて行ってもらえませんか?」
商人「どうするんか? あの人の話を信じるんか?」
忍者「侍殿の弟殿の話から、あの者の事、信じても良いと思うでゴザルよ」
家老「せっかくの手懸り、おまけに今我々は雲を掴む様な情報収集は何も成果を上げておらぬ。ここは信じて行動するのが良いだろうしな」
家老「という訳で! お主達の事を信じてその提案、受けよう!」
鬼子母神「お、それじゃ早速 飛空艇に乗せてもらうよ」バッ
鬼子母神「これに乗ってみたかったんだよね」
側近「それでは行きましょうか、魔王軍が居ると思われる魔界へと行ける旅の扉へと」
???「…残念だが魔界へと通じる旅の扉ならもう無いぞ」
『!?』
???「お前は誰だって顔をしているが、名乗るものでも無いから自己紹介は無しだ、というより言いたくない。まあひとつだけ言えるとしたら――」
???「――伝説の道具の事ならお前らより、よく知っている」
忍者「…それじゃあ伝説の道具をよく知っている人に質問でござる、何で魔界へと通じる旅の扉は無くなっているのでござるか?」
???「それは普通にその旅の扉が粉々に壊れているからだ。爆発によってね」
商人「いやそれはおかしい!だって魔王軍の連中はまだこの世界と魔界を行き来できてるんやで!きっとどこかに旅の扉を隠してるに違いない!そうよな側近はん?!」チラッ
『商人は側近達を見た。残念、側近達はそこにいなかった。側近達は気付かれずもう逃げていた。』
商人「………」ショボーン
???「……魔王軍がこの世界と魔界を行き来できる理由は、それは単純に空間を行き来できる魔法を彼らが持っているからだ」
忍者「魔法でござるか…」
???「(まあ、もし旅の扉を隠していたとしても、今頃はその旅の扉は天の使いにより、天界へ処分されてるだろうけどね)」
家老「しかし、これでまた手懸りが途絶えたな......」
忍者「いや、魔法で魔王軍へと辿り着けるのでゴザルならば... ...家老殿、拙者に心当たりがあるでゴザルよ」
家老「それは本当か!?」
忍者「英国でゴザル」
商人「そうや! 確か英国は世界で魔法が盛んな地域! それなら!」
家老「よし! 魔法使い殿の為にも一刻も無駄には出来んからな、英国に向かうぞ!」
一同『おおー!!』
商人「と、その前にちょっと提案や」
忍者「何でござるか?」
商人「英国行く前に、ちょっと侍さん達と合流せぇへんか?」
忍者「侍どの達と?」
商人「せや、それに会ったついで龍の件も解決したらええし………それに魔法使いちゃんの事も……伝えないといけへんし…」
忍者「……そうでござるな」
家老「よし、それではみなよ、英国に行く前に侍達と合流するぞ」
一同『おおー!』
忍者「でもその前に、どこかへ行ってくる女銃士殿を待たないといけないでござるな」
商人「ああ、そうね」
家老「待つのは良いが、どうせ待つのなら飛空艇で待たないか?」
商人「ああ、そうやね。それじゃあ早速入り口のハッチを開けよ…………えっ?!」
天使B(只今、何か怪しい物体(飛空艇)を見つけたので取り敢えず天界に運搬中…)「」バッサ バッサ
商人「…飛空艇の中に誰か残ってたっけ?」
上忍「いえ、確か誰も…」
忍者「ということは、今、飛空艇の中は無人…」
――――――――
――――――
―――
女銃士「…くっ、逃げられてしまった…。逃げ足の速い奴め……ん?皆いったい外でどうした。飛空艇は?」
『…………………』
女銃士「おい、大丈夫か?本当にどうした?」
商人「…飛空艇が…盗まれた…」
女銃士「何!?」
商人「ほらあそこ、なんか天狗みたいなのが」
女銃士「この距離なら未だ間に合う!」チャキッ
ズキューーーン
天使B「ぐはっ」
忍者「おお、見事に飛空艇を盗んで運んでいた天狗の様な者に銃弾が命中したでゴザル」
上忍「あ、天狗みたいな奴が飛空艇より先に落ちた」
家老「飛空艇は“おーとろーてーしょん”とやらで落下速度が」
グシャグシャ
商人「あ、天狗が先に落ちてその上に飛空艇が......」
家老「急いで飛空艇に乗って飛空艇を動かすぞ。天狗ならば多分 大丈夫だろう」
――――――
――――
――
家老「皆、飛空艇に乗ったな。では飛空艇発進」
商人「潰された天狗は大丈夫でっしゃろか?」
天使C「…」バサバッサ
女銃士「なっ!生きてる!?」
天使C(只今、仲間に何すんじゃゴラァ!と言いそうな顔をして女銃士を睨み付け中…)「…警告します」バサバサ
家老「け、警告?」
天使C(只今、女銃士睨み継続中…)「…今から、仲間を助けるため、その物体を消去します。」
上忍「ひ、飛空艇を消すだと?」
天使C(睨み継続中…)「…その際、間違って、アナタ方も消去してしまう恐れがあるので、早くそこから逃げてください」
商人「……ちょっと…アンタ…何いって……はっ!」クルッ
天使達『………』
商人「か、囲まれてる…」
天使C(手に何かのエネルギーを溜め中…)「…もう一度警告します………とっととその物体から退出してください」
商人「いや、だから…」
天使C「……消去開始…」スッ
天使達『……攻撃開始…』キュイーン
…カッ! チュドーン!
―――飛空艇から離れた場所……―――
魔道化部下C「うわ~、皆殺しですかぁ......」
鬼子母神「いや~、他人の物を盗んだ盗人が返り討ちに遭って、その返り討ちにした人を問答無用で消すとはえげつない......」
魔道化部下C「せっかくこちらの事を信用してこちらの提案を聞いてくれたのに、その人達から逃げるなんていったい何考えてるんだろうと思いましたけど......」
魔道化部下B「あんな連中が近くに居たとはな......」
側近「話し合いが出来ず、自分の都合を他者に押し付け、その考えも独り善がりなものが多い、その上 力もある... ...こんな連中とは絶対 関わっちゃ駄目でしょう」
側近「関わってしまったのなら仕方がありません、野犬に絡まれたと思って諦めるのが肝心です。まぁとにかく旅を続けましょう」
魔道化部下A「しかしカッ! と光って、チュドーン! と爆発するって量子レーザー核による攻撃みたいだな」
魔道化部下C「? ああいうのはプロトンビームっていうんじゃないの?」
魔道化部下B「というか今 初めて量子レーザー核って聞いたんだが何なんだ?」
魔道化部下A「プロトンビームは自らプロトンを発射して目標を吹き飛ばす。量子レーザー核はレーザーを照射した所の原子核を操作してエネルギーに変換する」
魔道化部下C「成程、つまり量子レーザー核は目標を消去し、爆発させちゃえるのね」
魔道化部下B「えげつねぇな」
鬼子母神「まぁ死んだ人達の冥福を祈るよ」
魔道化部下B「あと、あの連中がこっちに関わって来ませんように」
――――
――――――
商人「うぅ………あれ?痛みがない、というより生きてる…」
忍者「ど、どういう事でござるか?」
???「そりゃあ生きてて当然だよ。だってあいつらが消したのはお前らが乗っていた飛空艇だけだからな」
商人「あっ、名前を言えない人や」
???「……言えないじゃない、言わないんだ」
忍者「ところで名前を言わない人殿に質問でござるが、飛空艇だけを消したとは一体どういう事でござるか?」
???「ん~、説明は苦手なんだよな……まあ、簡単に言うとたまごを傷つけないようにすぱっと殻を取り除いた的な感じだ」
忍者「……さっぱりよく解らんでござる」
商人「…えっと、それはつまり、あいつらは中にいるウチらを傷つけないように飛空艇を破壊したって事なんか?」
???「まあ大体あってるから、その認識で良い」
>>1のルールに乗っ取り>>849から
女銃士「なあ、こいつはいったい誰だ?」
商人「誰だ?…ああ、そういえば女銃士さん。あの時居れへんかったもんな」
商人「でも生憎、ウチらもよくは知らん」
女銃士「知らない?何故だ?」
商人「そりゃ、この人が自己紹介をしないからで…なあ、名前をいわない人」チラッ
???「話を急に振るな」
女銃士「ほぅ…自己紹介をしないのか……変わった奴だな」
―――
――――――
――――そして何やかんやあり、謎の人とも別れて、侍一行がいる街を目指して徒歩で向かいました。 by上忍
――――そのころ一方、浮遊島では…
エルフスライム(気絶)「バタンキュー」ゴロン
魔道化「はぁはぁ…か、勝った…」
魔将軍「ま、まさかスライムがここまで強いとは…甘く見ていたぞスライムゥ!」
魔物使い「……あそこまで、ガチで守りに来られるとは思わなかった…ゼェ…ゼェ…
魔将軍「……ん!守る?………・…あっ、そういえばちょっと浮遊島の主に質問なんだが」
浮遊島の主『何だい?』
魔将軍「お前のいう『箱』についての質問なんだが…」
浮遊島の主『…どうして質問なんかするんだい?』
魔将軍「忍者たちが危険を顧みず手に入れようとして、お前もこのスライムも必死で守ろうとしている程の代物だ。一体『箱』とは何なのか疑問に思ってな、ぜひ部屋に入る前に何なのか聞こうとしたのさ」
浮遊島の主『そうか…、まあ確かにこれから『あの箱』が置いてある部屋に行くんだ。君たちにはぜひとも、あれが何なのか知って貰わないとな…』
魔道化「説明…してくれるんだね」
浮遊島の主『…この先の部屋にある私が『あの箱』と呼んでいる物は、遥か昔、私の友人が作って私にくれた物なんだ。『あの箱』の正式名称は『パンドラ』、君たちの世界では伝説の道具にグループ分けされる代物だ」
魔物使い「伝説の道具!?」ガタッ
浮遊島の主『…『パンドラ』の能力は二つある。まずは一つ、『所持者に大量の魔力…力を与える』ていう能力、でも残念な事に大体の人達は『パンドラ』に触れた途端に…ボンッ!と与える力に耐え切れず死ぬ…』
浮遊島の主『それから二つ目、『所持者が生きた物を殺した時、その殺された物の負の感情を吸収し『パンドラ』のエネルギーにする、そして吸収したエネルギーの分だけ所持者に力を与える。※負の感情の吸収は所持者が死んだ時も適用する』…まあつまり所持者も死んだら『パンドラ』に負の感情とやらを吸収されるって訳』
浮遊島の主『これが友人から聞いた、『パンドラ』の能力の全て…』
魔物使い「…強いような…弱いような……まあ取り敢えず触れたら危ないってことは分かった」
魔道化「もう1つ質問なんだけど…」
浮遊島の主『ん?何だい?』
魔道化「その『パンドラ』を僕が欲しいから頂戴って言ったら、君は素直にそれを渡してくれるのかい」
浮遊島の主『…』
魔道化「…ま、くれるわけ無いのは解って…『…別にいいよ』
魔道化「えっ?」
浮遊島の主『君がそう望むのなら、止めはしないよ…まあ私もあれを処分したかったから、持っていってくれるのなら、ありがたい話だ』
魔道化「そ、そうなんだ」
浮遊島の主『でも気をつけてね。私元々強いからどうとも無かったけど、あれは近くに居るだけでも凄い圧力を発してるらしいからね』
魔道化「忠告サンキュー」
魔将軍「さて、『あの箱』について詳しく分かった事だし、いよいよ『あの箱』が置いてある部屋に突入だ。お前達、覚悟はできてるか?」
魔道化「勿論できてるよ」
魔物使い「当たり前よ!」
人形使い「うぅ、怖いけど、覚悟はできてるよ」
死霊使い「……同じく…」
浮遊島の主『それじゃあ皆…幸運を祈る!』
一同『おう!』ザッ
――――商人side
商人「…結局あの人、自分が何者か明かさず去っていったなぁ…、ホンマ何者やアイツ?」スタスタ
忍者「そうでござるね~」スタスタ
商人「………しっかし徒歩で唐の国の都に向かってるけど…ホンマに遠いな~」スタスタ
家老「そうですな」スタスタ
商人「ホント遠いな…」
女銃士「そうだな…」
――唐の国、都はずれの料理店
老唐人「…ほぅ、お主だったのか。ワシと話し合いたいという物好きは」ホホホ
侍「…」
―――商人一行……―――
家老「ところで、あの者はちゃんと名乗っていたではないか」
商人「そうだっけ?」
家老「“飯田 九内”と言っていたではないか」
上忍「確か、シイタケ城の手裏剣について詳しい忍者がその様な名前でしたっけ?」
商人「いや、話の流れ的にちゃんと名前を言いまへんって人だよ、確か」
家老「いやいや、よく思い返せば飯田九内の方から我々に最初に話しかけて来たではないか」
忍者「確かに最初に話しかけて来たのは飯田九内の方でゴザルな」
家老「自分から話しかけておきながら自分の名を言わないと言うなど、そんな奴、そんなアレな者などいないだろ?」
上忍「確かに自分の名を何がなんでも我々に教えたくないなら、我々に話しかけてこないのが正しいですよね」
商人「それは分りまへんよ。この世の中、オノレでオノレの事を仲間思いと抜かしつつ」
商人「その仲間が死んだらすぐに別の奴に上手く取り入って仲間になろうとする奴がおる位やし」
家老「ふむ、実際その商人殿の話す様な尻軽な者を見た事が無い故それについては何とも言えんが......」
忍者「拙者、よく思い返せば飯田九内との会話は意義や意味が薄かったというかほぼ無かったと思うでゴザル......」
家老「確かに自分から話しかけておいて自分の名は言わないアレな者も居るな様な気がしてくるな......」
女銃士「おい家老、どうしたボケたのか?あいつは結局名前を言わなかったじゃないか」
家老「えっ、そうでしたっけ?」
商人「あぁそういや、最後別れるとき、『まあ、自分の名前を明かさない奴の戯言だから別に信じてなくても結構だ』って言ってたな」
家老「ということは…わしの勘違いということですか」
忍者「つまり家老殿は飯田 九内(いいた くない)と言いたくないを聞き間違えたということでござるか」
商人「まあそういうことになるな」
忍者「そういや商人殿よ。さっき言ってた尻軽な奴って、もしかして公爵のことでござるか?」
商人「あー、あいつもそれっぽいけど、ウチが言ったのはオオカミ男のことよ」
忍者「オオカミ男?それは偏見じゃないでござるか?」
商人「えっ、偏見?」
忍者「拙者達が隣の国で瓦礫に生き埋めになった人達を救出する時。いくつかの場所に印がつけられた地図があったでござろう」
商人「うん、あったわね。確かあの地図のお陰で七割の人を助けることができたんやったっけ。でも印の地図、最初あの印が人が生き埋めになっている所を示していたとは思いもしなくて、侍さんがあの時、印の意味に気が付かなかったらあの人達は死んでいたんやったっけ…」
忍者「実はあの地図の印、オオカミ男が書いたのでござるよ」
商人「えっ、オオカミ男がやて!?」
忍者「医療班の者に聞いたんでござるが、あの時あやつ、自分が呪われていたにも関わらず、隣の国の人達を救うことばかりを考えていた様でござる」
忍者「だから拙者にはあいつが商人殿が言うほど腐った奴には見えないのでござるよ」
商人「…そっか、あの地図オオカミ男が…」
商人「ま、それでもウチが持ってるあいつのイメージは変わらんけどな」
忍者「ははは、左様でござるか」
女銃士「…さて皆、もうそろそろ唐の国に向かわないか?このままだと街につく前に、夜になってしまう」
商人「確かにそうやな、それじゃボチボチと唐の国に向かいますか」
――唐の国、都はずれの料理店
侍「…」
老唐人「さあ話し合うんじゃろ。ほれ遠慮しないで座りなされ」
侍「…」
老唐人「…ん、どうした?まさか何か罠を仕掛けていると思っているのか?ホホホ、安心しなされ罠なんか仕掛けておらんよ」
侍「……あの少しお願いがあるんですけど」
老唐人「ん、何じゃ?」
侍「貴方のお孫さんに俺の手を噛むの止めさせてくれません(涙声)」
孫唐人「はむっ、はむっ、うぅーんやっぱ侍の手の噛みごたえは癖になるよ」ガブッ ギャー
―――商人一行……―――
家老「そうだ、公爵殿が尻軽で思い出したが、通信機は使えるのか?」
忍者「持っている通信機は大丈夫でゴザルよ」
家老「それならば公爵殿に連絡を頼む。飛空艇で唐の国まで来て、我々と侍達と合流して英国まで連れて行って欲しいと」
―――英国、公爵領、公爵の造船所……―――
公爵「あれ? 我が領にこんな施設あったっけ? あと飛空艇一番艦が停泊している......」
英技術者「何を言っているんですか貴方は。国から支援を貰えず、貴方がほぼ独力でこの施設を造り、飛空艇を一番から三番艦まで建造させたんじゃないですか」
公爵「そうだっけ? あと一番から三番艦までという事は三隻 飛空艇が存在している筈だが、ここには一隻しかないが?」
英技術者「前に説明しませんでしたっけ? メイド長達に接収されたと」>>207、>>243、>>428
老執事「公爵様、和の国の忍者様より、飛空艇で唐の国まで来て、和の国一行様を乗せて英国まで連れて行って欲しいと連絡が御座いました」
公爵「ふむ、唐の国か... ...確か都は100を超える国と地域から人々が集まる国際的都市であったな... ...例の伝説の武器かもしれない物の鑑定が出来る者がいるかもしれんな」
公爵「ついでに唐磁器でも購入するか... ...よし、行くと連絡してくれ! さっそく人を集めて飛空艇一番艦出発用意だ!」
老執事・英技術者「「了解しました」」
―――商人一行……―――
忍者「公爵殿 引き受けてくれるそうでゴザル。 やっぱり尻が軽いでゴザルな」
―――英国、公爵領、公爵の造船所……―――
老執事「あっ!」
公爵「ん、どうした?」
老執事「そういえば、今日は大事な英国の会議が…」
公爵「あっ…」
老執事「公爵様、いつもはすっぽかしてますが、流石に今回は出た方が宜しいかと…」
公爵「う~ん」
老執事「工場の件もありますし」ボソッ
公爵「がっ!そ、それは言わない約束だろ!」
老執事「でも、あの件のせいで我が公爵家の信用はがた落ち」
公爵「ぎっ!」
老執事「しかもあの件を調べる中、次々に公爵様が隠蔽した不祥事が見つかり、信用がさらにがた落ちし!」
公爵「ぐげっ!」
老執事「先程、その信用を取り戻すために作られた飛空艇の建造に国は支援してないと仰りましたが、飛空艇のための費用の九割は女王様が直々に出してもらい、人材として数十人のメイドと兵士!さらに…」
公爵「分かった、分かったよ!行けば良いんだろ、行けば……それじゃあ老執事、あの和の国のサル共に行けないって伝えといて」
―――商人一行……―――
忍者「えっ!?用事ができて来れなくなった!?」
老執事『はい、すみません』
忍者「いや、大事な会議があるのなら、それは仕方ないでござるよ」
老執事『はい、それではすみません』ガチャ ツーツー
忍者「………」
女銃士「さあ、飛空艇は来ないと分かったんだ。早く唐の国の都まで歩くぞ…」ザッザッ
商人「あっ、待ってー」ザッザッ
忍者「…歩くか…」
上忍「そうですね」
――唐の国、都はずれの料理店
侍「ぎゃー、離れろー!」グリグリ
孫唐人「むーっ!!!」ガリガリ
侍「な、何だこいつ、凄い吸い付きだ!全然、手から離れない!」
孫唐人「むー、むーむーむーむっ!むーむーっ!!!(嫌だヨ、まだもうちょっとだけ私、この手の噛み心地を堪能したいんだヨ!だから私、テコでも動かないヨ!!」バァーン!
―――英国、公爵領、公爵の造船所から離れた場所……―――
メイド長「フフフ、フフ、ハーハッハッ!! 我がメイドの精神操作術は世界一ィィィ! 操れんものなどないいぃぃぃぃいい!!」
メイド長「ハーハハハ!! 笑いが止まらん!!」
メイド長「英国王政府は“転送魔法”があるからこれっぽっちも飛空艇建造に資金も人材も提供して無いというのに!」
メイド長「ハッハッハッ! ついでに公爵がやってない悪行も追加したり他人の不祥事を公爵の所為しても気が付いて無い!」
メイド長「フッフッフッ! もう公爵の言動や行動、過去の記憶、全て! 公爵の全ては私の掌の上!」
メイドA「ああ、どんなになってもメイド長 最高だー!! ぐへへ」
メイド長「フフフ、やはりメイド達で精神操作術を練習したかいがあったわね」
メイド長「飛空艇は公爵の私物で王政府は一切関わりない物だとはっきり知っていたのに、飛空艇は女王の物だと思い込ませる事に見事成功したのが思えばきっかけだったわね」
メイド長「さて、え~とあと公爵の周辺の人物で精神操作を施して無く、公爵の精神操作に綻びを生じさせそうな人物は......」
メイド長「......和の国の人達になるのかしら? でも和の国の人達は公爵についてあまり詳しくない筈。大丈夫よね」
老唐人「侍殿、孫がそなた(の手)を気に入ってしまったようじゃ、諦めてくれなされ」
侍「冗談じゃないっすよ!?なんかだんだん手の感覚が薄れつつあるような・・・」
孫唐人「むごむがむぐぐ(あと3じゅ・・・3時間で止めるヨ)」
侍「」
騎士「少し羨まし・・・くもないか」
メイド「次は私もオナシャス」
小者「あ、この肉まんおいしい」
酒豪仙人「あぁ、それな、店の主人が三代にわたって改良を続けた一品なんだと。」
―――浮遊島……―――
魔道化「さぁ行くぞ! 僕は何回斬られても生きてる不死身の体 ぐわぁぁぁ この不死身の体の僕が バカナァァァ!」バシュゥ
一同『魔道化が死んだ!!』
―――魔界???―――
魔法使い「くらええええ!」ゴオオオオオッ
魔空軍元帥・白魔頭・呪術士「「「グアアアアアアア」」」
魔法使い「やった... ...ついに魔空軍元帥と四天王の最後の生き残りとあと一人を倒したわ......」
魔ドクター『よく来たな魔法使い、待っていたぞ」
魔法使い(ここが新魔王城だったのね)
魔ドクター「戦う前に言っておく事がある。別に伝説の担い手や伝説の武器に頼らなくとも己をしっかり高めておれば目的は果たせる」
魔法使い「な、何ですって!? でもその通りよね」
魔ドクター「そしてお前の両親と、あと魔王はやせてきたので解放しておいた。だからワシが今の魔王軍のトップじゃ」
魔法使い「ならあとは貴方を倒すだけね、行くわよ!」
魔ドクター「さぁ来い、魔法使い!」
魔法使い「えいっ!」ボカッ
魔ドクター「ギャアアア、やられたー」バタン
魔法使い「わーい、勝ったー」バンザーイ
パチパチパチパチ オメデトウ オメデトウ オメデトウデゴザル オメデトウヤネ メデタイナ オメットサン オメデトウ ワンワン オメデトウ
魔法使いの父、母「「おめでとう」」パチパチ
魔法使い「み、みんな!あとパパとママ!」
侍「…ホント良く頑張ったな。魔法使い」
魔法使い「侍!!龍退治に行ったんじゃあ…」カァーッ
侍「お前が魔王軍に捕まったって聞いて駆けつけたんだ。だってお前は俺の大事な人だからな」ダキッ
魔法使い「しゃ、しゃむらいー、大胆しゅぎるよーエヘヘヘヘ///」ギューッ
エヘヘヘヘ エヘヘヘヘヘ エーヘッヘッヘー!
夢魔「……」
―――魔王城、取調室(現実)―――
呪術士「…今、魔法使いの夢の中に潜入してる夢魔ちゃんからの報告で、彼女の記憶の中には聖剣に関する夢はないと出たわ…あと夢魔ちゃん、彼女の夢があまりにも酷いしスイーツしてるからもう戻りたいって言ってるわ。どうする?一旦、戻す?」
魔ドクター「…んじゃ、もう戻っていいって言っといてくれ…。はぁ…何て日だ!!」
―――英国、公爵領、公爵の造船所から離れた場所……―――
メイド長「そーしてー!いずれはー!世界をー!手に入れー!メイド帝国のー!建国をー!」
公爵「…」
メイド長「…ん?ああ、公爵居たんですか」
公爵「…何してんだ、お前」
メイド長「何って…悪役ごっこですが」
公爵「悪役ごっこ?」
メイド長「ええ、貴方を待っている間、暇なんでね。都合が良いことにここあまり人がいないですしね」
公爵「そうか、それで何で精神操作?」
メイド長「悪役と言えば精神操作でしょ?」
公爵「そうなのか?というよりお前、精神操作なんてモノ出来んの?」
メイド長「はあ?何言ってるんですか?精神操作なんてのタダのメイドが出来るわけないでしょ。私が出来るのは海を割り(物理)、岩石を砕き(物理)、女王様を守るぐらいしか出来ないですよ」
公爵「…何でタダのメイドが海を割れんだよ…」ボソ
メイド長(それに精神操作なんてモノが本当に出来るなら、もうとっくに女王様に…)
メイドA「あと、転送魔法も当然ウソですよ。そんなのが使えたら飛空艇に金なんて出しません」
公爵「何だ全部ウソだったのかよ…」
メイドA「あれ、まさか公爵全部信じてたんですか?」ププッ
公爵「は、ハァー?ち、ちげーし、ぜ、全部は信じてねーし!(震え声)」
メイド長「全部は、って事は半分ぐらいは信じてたという事ですね」
公爵「う、うぐっ、う、うっせーな!信じたら悪いか!」
メイド長「い、いえただ………公爵らしいなと思いまして」ハッ
公爵「鼻で笑うな!」
メイド長「さて、コントはここまでにしておいて、公爵そろそろ行きますよ、会議に」
―――唐の国、都はずれの料理店…――
侍「ウガー、HA!NA!SE!」
孫唐人「むぐぅー!」
老唐人「おい、孫よいい加減しなさい!」
孫唐人「むっぐー(断る)」
侍「いい加減にしろー!!」キュポンッ
酒豪仙人「お、やっと外れたか」
孫唐人「うぅ…無理矢理やられたよ…痛いよ…」ガックシ
酒豪仙人「まあ、どんまい」ポン
侍「これでようやく話に集中できる」
仙龍「さて、それでは話し合いをしようじゃないか…それじゃあ、まずはお前さん達の目的を話してもらいたい」
侍「ああ、わかった…俺達の目的はあんた達を成るべく平和的に、この国から逃がす事だ」
仙龍「なら次はわし達の目的じゃな。わし達の目的は…の前に、まず一つ質問をする」
騎士「質問?」
仙龍「お前さん達はここ最近、旅の扉が次々に消えていってるのは知っているか?」
小者「いいえ、全然。で、それがこの件に関係あるんですか?」
仙龍「関係大ありじゃ、そもそも今回、わし達がこんな都に姿を現したのは、ここ唐の国にある龍の世界に繋がる旅の扉が消える…いや、天使たちに奪われる前に次元越えの能力を使えない子供の龍達を龍の世界に帰すためじゃからな」
―――唐の国西域、不毛地帯……―――
天使達(只今旅の扉、運搬中)『…』バッサ バッサバッサ バッサ……
魔道部下「(あの~、早く何とかしないとあの旅の扉、持ち去られちゃいますよ?)」コソコソ
魔道化部下B「(静かにしてろ、側近様に何か考えがあるみたいだからな)」コソコソ
側近「……」ピコピコピコピコ ピッ
―――英国、王城、転送魔法の間……―――
科学者「転送諸元誤差修正、完了! システムオールグリーンです!!」
女王「よし! 信託に従い、改良に改良を重ねた破壊者RX改13を転送せよ!!」
科学者「はっ! 了解しました!!」ポチッ
バビューーーン
側役「いや~、転送魔法って便利ですよね~、第一の破壊者や第二とメイド、それに第三、あとRXや神父さんを遠く離れた和の国に、そして今、RX改13を一瞬で送っちゃうんですから」
女王「うむ、これの為に公爵が提案して来た飛空艇の建造に資金や資材、人材を終始一切支援しなかったからな。そうだ、メイド長達にはちゃんと言ってあるが、公爵にこれは秘密だぞ」
―――唐の国西域、不毛地帯……―――
破壊者RX改13『グオオオオーーーーンンンン!!!!』
魔道部下「突然50mくらいの巨人が現れた!?」
――英国、王城、転送魔法の間……―――
側役「ところでさっきから気になっていたんですけど、あのー女王様、何で覆面を被ってるんですか?」
女王「何でって、どうだ悪役っぽいだろ?」
側役「…まさかその悪役っぽいっての、さっきいってたあの些細な嘘と関係あるんですか?」
女王「嘘?ああ、公爵への援助の事か。いやだって悪役といえば嘘だろ」
側役「…何で仕事中に悪役になりきってるんですか…」
女王「フハハ!私は公爵の飛空艇作りに支援していなーい!…どうだ?悪役っぽいか?」
科学者「どうでもいいですから、まずその覆面を外してください」
女王「うむ、すまなかった…」
側役「いや~でもホント凄いですね、転送魔法…正確にいうと『転送ゲート発生装置』ですけど、これあったら飛空艇なんか要らないでしょ。」
科学者「いやいや、そんなことは無いのです。ぶっちゃけ飛空艇の方が需要が良いのです。」
側役「えっ?どうしてですか?」
科学者「まずこの装置にはいくつかの問題点があります。まずひとつめ、この装置で作られる『ゲート』はこの世界以外の所に発生させる事が出来ない。まあつまり別の世界に繋げるのは高確率で不可能というわけです。」
科学者「次にふたつめ、この装置でゲートを発生させ続けるには大量の魔力が必要で、しかも人がゲートに入るには破壊者が同伴しないと、次元の彼方に翔ばされてしまう。そしてみっつめ、行き帰りの往復が出来ない。つまり行きは楽だけど帰りは自力で帰ってきてねって事です。」
側役「あ~、確かにそれなら飛空艇の方が良いですね。」
女王「だから私は公爵が飛空艇作りの支援を申し出たとき、了承したんだ。」
科学者「因みに飛空艇の設計図は私が作りました。」
女王「アイデアは公爵だけどな」
―――商人一行……―――
ザッザッザッザッザッザッザッザッ……
商人「……トコで忍者はん、オオカミ男があの地図書いたって言うの、実は嘘でしょ」ザッザッ
忍者「ギクッ ど、どうして分かったのでゴザルか?」ザッザッ
上忍「そりゃ分るでしょ、あの話しは無理がありますから。オオカミ男はあの時“でも、俺、獣だから、匂いで……もう……生きている……人なんて……”と言っていましたからね」ザッザッ
商人「せやけどダンさん実際は七割の人が未だ生きとった。オオカミ男が嘆いとるそのすぐ傍にも生存者が埋まっとった」ザッザッ
商人「おまけにあいつは仮設の救護所で呪いアレルギーの影響で食ったり吐いたり寝込んだりしとるトコしか見ておらへん」ザッザッ
忍者「いや~、確かに拙者の話しには無理がゴザッタ。実はあの地図は魔法使い(28)殿がエネルギー探知機を改良して生存者を見付け出し地図に書き写した物でゴザル」ザッザッ
女銃士「まったく、他人の手柄を... ...忍者殿、どうしてそんな嘘を吐いたんですか?」ザッザッ
忍者「それはオオカミ男に何かいいところが無いとちょっと可哀相だと思ったからでゴザル。何もいいところが無いでゴザルからな、オオカミ男は」ザッザッ
商人「ちうか忍者はん、どなたはんも一言もオオカミ男が腐った奴なんて言って無いのにオオカミ男の事を腐った奴って言うたやん?」ザッザッ
忍者「あ、言われてみれば... ...どうやら拙者、心の中でオオカミ男の事を実は軽蔑していた様でゴザルな。だから腐った奴と形容したのでゴザロウ......」ザッザッ
女銃士「実際、7割も生存者が見付かった様な状況で、生存者が居る事を絶望視した様な奴だしな......」ザッザッ
ザッザッザッザッザッザッザッザッ……
―――唐の国西域、不毛地帯……―――
破壊者RX改13『イヤッッホォォォオオォオウ!!!』
鬼子母神「何か、やけにハイテンションな巨人ね…」ボソ
破壊者RX改13『よぉぉぉし!久しぶりの外だぜぇぇ!!目一杯、暴れるぜぇゴルァアアアアア!!』
魔道化部下C「…ねぇ、あの巨人どうする?」ボソ
側近「…少し様子を見ましょう」ボソ
破壊者RX改13『さて確かオレ、女王共から何か命令を受けていたような……あっ!そうだ、ここ辺りに謎のエネルギー反応があったから、行ってそのエネルギーの根本を取ってこいって言われたんだっけ…』
天使B(何だこのデカブツは…と言わんばかりの目で破壊者RX改13を凝視中…)「…」バサバサッ
破壊者RX改13『おっ、何だコイツ…飛んでる?まさかコイツが謎のエネルギーの…アアアア!悩むのメンドクセー!オレが巨大化できんのも10分しかねぇんだ、悩んでる暇はねぇ!覚悟ォ!』ダッ
天使B(何か関わるの面倒そうだから、全力で逃げ…)「…」
―――商人一行……―――
忍者「…」ザッザッ
上忍「…あの頭領」ザッザッ ボソッ
忍者「ん、何でゴザルか?」ザッザッ
上忍「何であんな嘘をついたのですか?」ザッザッ ボソッ
忍者「嘘?はて、何のことやら…」ザッザッ
上忍「惚けないで下さい!我ら忍軍は全員知っています!あの地図の印はオオカミ男が書いた物だと!」ザッザッ ボソッ
上忍「それに臭いの件も、生きてる臭いより死んだ臭いの方がキツいですからね、狼獣人の彼からしたら周りから死の臭いしかしなくて辛い状況だったでしょう。自分の脚が骨折した理由が、子供たちを助けたから、ということを忘れてしまうぐらい…」ザッザッ
上忍「オオカミ男があの地図に印を書き始めたのは、確かある程度の死体を処理し終わってのこと……つまり死臭があまりしなくなった時のこと、それに…」ザッザッ
忍者「もういいでゴザル。拙者は嘘をついてたでゴザル。確かにあの地図の印はオオカミ男が書いた物ででゴザル」
忍者「でも商人殿はテコでもそれを信じない。というよりかオオカミ男、いや魔族を嫌ってるからか、魔族を良い風には見ない」
忍者「それだったら真実を隠して、少しずつ分かって魔族にも良い奴がいると分かって貰うしかないと思ってな…」
上忍「そうだったんですか…でもあれ?おかしいですね?確か頭領、忍びの里から出ていく前までは魔族を意味嫌っていたような…」
忍者「そ、そうだったでござるか?あはは、覚えてないでござる」
上忍「そういや前、恋の相談を中忍の奴にしたそうですね」
忍者「うっ、何故それを…」
上忍「まさか、魔族にでも惚れたんですか?」
忍者「は、はぁ!!な、何いって!…そ、そんなんじゃねーしィ!」
上忍「冗談でいったつもりなんですけど…はぁ、まさか本当にだったとは…(語尾つけるの忘れているし)」
忍者「あっ…あはは、確かに拙者、魔族の一人にラブしてるでござる。しかしそれが悪いことでござるか?!あぁん?」
上忍「いや、悪いとはいってませんが……頭領は一体誰にラブしたんですか?」
忍者「うぅ…」モジモジ
上忍「もじもじしないで答えてください」
忍者「………えるふ殿…」ボソ
上忍「えるふ殿って、あのえるふ殿?」
忍者「最初、あの人会ったのは…そう拙者が腹を空かせて倒れていた時…」
―――こうして上忍は、かれこれ五時間も忍者の『えるふ殿ラブ!』話を聞くこととなった…
上忍「……はぁ......」ザッザッ
忍者「うん? 大丈夫でゴザルか?」ザッザッ
上忍「はい、大丈夫です... ...話は終わりましたか?」ザッザッ
忍者「うむ、まぁ話は終わったでゴザルよ」ザッザッ
上忍「そうですか、では話をオオカミ男に戻しますが、頭領のあの話は逆効果ですよ」ザッザッ
忍者「え?」ザッザッ
上忍「世の中、例え本当の事でも他人が語っているだけ話しや他人の評価をあまり気にせず、自分の目で見た事を信じる人がいます」ザッザッ
上忍「どんなに語られる内容が素晴らしく評価が高いものでも、実際に自分の目で見たものが全て無能で役立たずでゴミカスなら、そんな人にとって評価はゴミカスです」ザッザッ
忍者「確かにそうでゴザルな......」ザッザッ
上忍「逆に他人が評価がしているものが無様な体たらくを示せば、その評価をした人の信頼まで失っていき、何を言っても“はいはいいつも嘘ですね”ってなります」ザッザッ
上忍「オオカミ男が商人に評価されるには他人がいくら褒めようとも、まして本人がただ言葉を並べたてても無駄です。オオカミ男が見える形で、その行動でもって示さなければならないんですよ」ザッザッ
忍者「確かにその時その場で何も無しで後から実はこういう事でゴザッタと話すと胡散臭いでゴザルが、その時その場でしっかり活躍を見せていれば説得力が違うでゴザルな」ザッザッ
上忍「そうです。後から実は......って説明するのは胡散臭いだけです。信用なんてされません。その時に頑張っている姿を分る様に... ...ってこれ、社会人の基礎でしたね」ザッザッ
忍者「言われてみればでそうでゴザルな... ...取り敢えず拙者はオオカミ男に関しては後から実は......と話すのは辞めるでゴザルよ」ザッザッ
――時遡り、唐の国、都はずれの料理店…
侍「天使?」
メイド「…天使ってあの、神の使いやなんやらの天使のことですか?」
仙龍「ああ、その天使だ」
騎士「えっとつまりお前らは、その天使とやらが元の世界に通じる旅の扉をどこかへ持って行くから、その前にこの世界にいる子供の龍を元の世界に戻したいということだな」
仙龍「まあ、そういうことじゃ」
メイド「あの~、大人の龍は次元を超える力を使えるんですよね」
仙龍「ああ、まあ大人の龍でも使える奴はごく少数じゃけど」
メイド「でも、それなら旅の扉なんかじゃなく仙龍さんたちのその力で子供の龍たちを元の世界まで戻したらいいんじゃないですか?」
仙龍「生憎それは無理じゃ」
ヒーロー「えっ、何で?」
仙龍「わしらは鱗が固いから、次元を超える時にかかる圧力とかダメージはあまり効かないが、子供の龍などはまだ未熟じゃ鱗もまだやわらかい、圧力などでダメージが蓄積し龍の世界に戻った時にはもう死んでいる事がある…」
侍「つまりそれが子供の龍たちを元の世界に戻すために旅の扉を使わないといけない理由って訳だな」
仙龍「ああ」
ヒーロー「ってことは、今この世界にいる子供の龍達、全員が元の世界に戻ったらあんた達も帰るってことでいいんだよな。」
仙龍「ああ」
侍「ならその事で俺達に何か手伝えることはあるか?」
仙龍「えっ!?手伝ってくれるのか?」
騎士「まあ、手伝うことでお前らがさっさと帰ってくれるのなら好都合だしな。」ゴゴゴゴ…
侍「ちょ、騎士さん。その言い方は無いでしょ…というよりあれ?何か不機嫌?」
騎士「…不機嫌だが何か文句あるか?」ギロッ
侍「ひぃぃぃ」ガクガク
酒豪仙人「…え、えーっと、話が逸れたが…あなた達は仙龍達に手を貸してくれるってことでいいんだよな」
小者「…は、はい、多分そうだと思います。」
酒豪仙人「よし!それじゃあちょっと場所を変えるぞー」
遊び人「また…今度はどこですか?」
酒豪仙人「どこって……私の家だ」
――唐の国西域、不毛地帯……
破壊者RX改13『くっ、なんだコイツ…はえー』
天使B(いや、お前がトロいだけだろと言わんばかりの呆れ顔で破壊者を見下し中…)「…」
破壊者RX改13『ん、なんだその顔ォ!オレを馬鹿にしやがって!殺す!』
――――少し離れた場所
側近「あのデカブツが天使と戦い始めてから7分……あのデカブツの攻撃、全然天使に当たってないわね」
鬼子母神「あれじゃあ、ただデカイだけの案山子ね」
破壊者RX改13『うがー!』ブンッ!
天使B「」ヒョイッ
破壊者RX改13『とりゃー!』ブンッ! ブンッ!
天使B(破壊者RX改13の攻撃を楽々と回避中…)「」ヒョイッ ヒョイッ
破壊者RX改13『ぐわー、全然当たらねぇ!!!』
天使B(空中で破壊者RX改13を見下しながら爆笑中…)「wwwwww」
破壊者RX改13『こ、コイツ…』ぐぬぬ
破壊者RX改13『こうなったら、オレの超究極必殺技を決めて…』
『ピー、10分が経過しました…』
破壊者RX改13『あっ、やばっ――』
破壊者RX「――くっ…(やっべー、元の状態に戻っちまった…どうしよ…)」
天使B「…………」ニコッ
破壊者RX「…あ、あははは、は…」ニコッ
天使B「……次は私たちの番ダネ」フフフ…
破壊者RX「」ダッ!
天使B「アハッ、逃がさないよ」ビュンッ
破壊者RX「ひぃっ、追いかけてくんな~」ダダッ
天使B「アハハハハ」ビューン
破壊者RX「ぐっ…しつけーな、おい!」ダダッ
破壊者RX「(…こうなったら…あの手しか無い)」
破壊者RX「うわっ、急に足がー」コケッ
破壊者RX「あちゃー、転けてしまったぜー。相手に攻撃のチャンスを自ら作ってしまったぜー」
破壊者RX「(ククク…これでアイツはオレの方へと飛んでくるだろう。愚かな奴だその後オレの鉄拳をくらうとも知らず)」
天使B「………」
天使B「」バッサ ドヒューン
破壊者RX「(キタッ!)」
破壊者RX「ククク…かかったなアホが!くらえ、オレの怒りの鉄拳をー!」ゴゴゴ
破壊者RX「とりゃっ!」ドコッ
天使B「ぐぶっ」
破壊者RX「…えっ、当た…った?」
天使B「うきゅー」バタン
破壊者RX「……おおおおおおおお!やったー!!やったぞー!」バンザーイ
――少し離れた場所‐‐‐‐――
魔道化部下C「あら、あの巨人勝っちゃった」
側近「うわー、あのデカブツ案外強かったんだ…」
魔道化部下A「…側近様、旅の扉があの天使共に奪われましたが。これからどうします?」
側近「うーん、まあ取り敢えず、あの巨人と接触してみましょう」
魔道化部下B「御意………ん!?」
鬼子母神「?どうしたー」
魔道化部下B「…どうやらあの天使…仲間を呼んだようだ…」
―――――
天使達「アハハ、マテー」バッサバッサ
破壊者RX「」ダッ
破壊者RX「ギャアアアアア!増えたー!」ダダダダッ
天使B「増えたんじゃありません、仲間を呼んだんです」バッサバッサ
破壊者RX「お前もちゃっかり復活してんじゃねー!」ダダダダッ
天使A「止まりなさい、そこの巨大バカ」バッサバッサ
破壊者RX「誰が巨大バカだゴラァ!!」ダダダダッ
天使A「今、止まれば命は取りません」バッサバッサ
破壊者RX「えっ、マジで!」ダダダダッ
天使A「その代わりここにいる天使全員分、腹パンをさせてもらいます」バッサバッサ
破壊者RX「腹パン!?」ダダダダッ
天使B「Yes!腹パン!」バッサバッサ
破壊者RX「いやいや、さすがにこのオレもお前らみたいなの数人の腹パンを受けて無事でいられる自信ねーぞ」ダダダダッ
天使A「そうですか、腹パンが無理だとその場合、去勢or死のどちらかを選んで貰うことになりますけど…どうします?」バッサバッサ
破壊者RX「……おい、その選択肢だと、オレ腹パンを選ぶしかねーじゃねーか!」ダダダダッ
天使A「そうですか」バッサバッサ
破壊者RX「そうだよ、ゴラ!!」ダダダダッ
天使A「…で、どうするんですか?腹パン?それとも去勢?もしくは死闘?」バッサバッサ
天使B「腹パン or Die(ダイ)」バッサバッサ
破壊者RX「オアダイ!?」ズザーッ ピタッ
天使A「私もあまり気は長くありません。さあ、早くお選びなさい」
天使B「ちなみに我々個人の戦闘力は……53万です」
破壊者RX「なん・・・だと・・・」
天使A「…時間だ、答えを聞こう!」
破壊者RX「腹パンでお願いします」ドゲザー
天使A「……潔いですね、そういうの私好きですよ。それじゃあこれから腹p…」ハッ!?
破壊者RX「………ン?…どうした腹パンしないのか?」
天使A「…急に用事ができました…なので今回はさっきの土下座で勘弁してあげます…それでいいですよね『B』」
天使B「…ま、まあ今回は場合が場合なのでもうそれでいいです…」
天使A「…それじゃあ皆さん、撤収!」バサバサバサバサ
天使達『イー!』バサバサバサバサバサバサ
―――『天使達は旅の扉を置いてどこかへ行った…』
破壊者RX「…………」
破壊者RX「何か知らんが助かった!」テーレッテレー
―――――
側近「…なんか知らないけど、天使達どこか行ったわね…」
魔道化部下A「しかも都合よく旅の扉も置いていきましたね…」
鬼子母神「…これチャンスじゃね?」
魔道部下C「チャンスだよね~」
魔道化部下A「…側近様、どうします?」
側近「う~ん…まあ取り敢えずあの巨人を何とかして、旅の扉を奪取しましょう」
鬼子母神「ん~まあ妥当な考えだな」
魔道化部下A「それじゃあそれで行きますか…。おい、魔道部下!行くぞ」
魔道部下「あ、少し待ってください。今ちょっと魔道化様と連絡を取ろうと…」
鬼子母神「魔道化?ああ、私に側近を匿っといてくれ言ってきたあの小僧か…」
魔道部下「実は最近、魔道化様何があったか知りませんが、連絡が全くと無いんですよ」
魔道部下「はぁー、一体どこで何をしてるんでしょう…」
側近「まったくですよ。魔将軍と魔ドクターが魔王様を操っていた、と思ったら魔将軍は魔道化に操られていたんですから」
鬼子母神「魔道化と魔ドクターをどうにかすれば魔王を取り戻せるんだからね、早い事 魔道化と連絡取っちゃいなよ」
魔道部下「はい......」
側近「でもまぁ、魔王様を取り戻せれば、別に魔道化と魔ドクターをどうこうしようとは思いませんけど」
鬼子母神「落とし前はつけさた方がいいじゃないの?」
魔道化部下A「......取り敢えず今のところ目標は魔界に赴く事、ならば」
魔道化部下B「旅の扉を奪取して来たぞ」ドサッ
一同『はや!?』
魔道化部下B「いや俺が速いんじゃなくて皆が遅かっただけだろ? それにあいつは天使の方に気を取られていたしな」
魔道化部下C「まぁ、取り敢えずこれで魔界に赴く事、その後、情報を仕入れて魔王を取り戻す事って具合に目標に向って進めるわね」
鬼子母神「ふむ、ほんとに別に魔道化の事は放っておいて良い気がするね」
側近「それじゃ行きましょうか」
一同『はい』
魔道化部下A「って、これは私達が通って来た旅の扉ではないか!?」
魔道部下「え? そうですけど?」
側近「そうですけどって!? いいですか!? 私の目的、目標は魔王様を取り戻し、子供と一緒に親子仲良く末長く幸せに暮らしましたとさ。なんですよ!? それ以外はアウトオブ眼中です!!」
鬼子母神「そんな時に天使達が旅の扉を運んでいるなんて聞かされたらその天使達が魔界に通じている旅の扉を運んでいると勘違いしちまうじゃないか」
側近「私は目標に向って進んでいたいのです! 例え道中に障害があっても歯を食いしばって進んだり、回り道で進んだりして目標を遂げたいんです!! 退く事はしないんです!!」
魔道化部下C「まったく、勘違いを招く様な事をするなんて......」
魔道部下「す、すいません......」
魔道化部下B「はぁ、取り敢えずこの旅の扉奪取は無駄骨だったかぁ......」
側近「ふぅ、さて、それでは魔界に通じる旅の扉のある場所を目指しましょうか......」
側近「それじゃあ、魔界に通じる旅の扉が在りそうな所。イタリアにある先代魔王の城跡に出発!」
――浮遊島、???
魔道化「…ぐっ、ぐわああああ!!」バチバチッ
魔物使い「魔道化!!」
魔将軍「もうやめろ、魔道化!それ以上『パンドラ』を持ってると、お前の体が…!」
魔道化「うるさい!僕は早く力が欲しいんだ!早くあれを上回るほどの力を手に入れないと…、あれが目を醒ます前に力を手に…ぐわああああ!!!」バチバチッ
魔将軍「…いったい何がお前をそこまでさせるんだ…」
魔道化「う、ぐはっ!」グチャッ
魔物使い「ま、魔道化の腕が…」
浮遊島の主『ヤバい!もう肉体崩壊が…ッ!エルフスライムくん、迅速に彼と箱を引き離して!』
エルフスライム「了解!」ビュッ バシッ
魔道化「あっ、箱が…うぐっ…」バタンッ
魔将軍「おい!浮遊島の主ィ!頼む、こいつを助けてくれぇ!」
浮遊島の主『んなの、言われなくても!エルフ秘伝魔法『森精霊の治癒(シンフォニー・ヒール)!!』』パァァ…
魔道化「うぅ…あぁ…」
参謀「お、おい、魔道化の奴全然よくならないぞ…というより肉体の崩壊が早くなってる!おい、浮遊島の主!」
浮遊島の主『(うっ…やっぱり…『パンドラ』が彼の近くにある限り、『パンドラ』は彼に力を与え続け、その所為で彼の身体は崩壊の一歩を辿る…。やはり彼を助けるには…)』
浮遊島の主『…魔将軍!彼を助けたいか?!』
魔将軍「当たり前だ!こいつは例え言う事を聞かないクズでも仲間だ!」
浮遊島の主『それじゃあ今から、参謀・魔将軍・魔道化の三人を魔界に送る』
魔物使い「はぁっ!?ちょっと何よそれ!何あんた、見捨てる積りなの?!」
浮遊島の主「違う!断じて違う!私はな、『パンドラ』の所為でこれ以上、人が死ぬのは嫌なんだよ!だからどんな手を使っても彼を救いたい!この負の連鎖を断ち切りたい!だから、信じてくれ!魔界なら彼は必ず助かる…」
魔将軍「…本当なのか」
浮遊島の主『…へっ?』
魔将軍「魔道化は魔界に行けば助かる…というのは本当なのかと聞いてるんだ!!」
浮遊島の主『あ、うん。まあ、ただ単にその箱から物凄く離れれば肉体崩壊を防げるから、魔界まで送る必要はないんだけどね』
魔物使い「なら何で魔界に送るなんて言ったの?」
浮遊島の主『いやだって、彼ら魔王軍の者だろ。なら魔王軍がいるところに送った方が良いかなと思って』
魔将軍「それで魔道化が治るのならそれでいいから、早く魔界に送ってくれ!」
浮遊島の主『はーい、えいやっ!』ピロリロリン
――『浮遊島の主は魔道化たちを魔界に送った…』
浮遊島の主『…よし、さあ気を取り直して…君たちが願い事を叶えてあげよう』
魔物使い「ちょ、おま…さっきまであんなことがあったのに…あんたは心配じゃないの?!」
浮遊島の主『…心配じゃないのかって?あはは、大丈夫大丈夫、彼は生きてるよ』
人形使い「信用できないな…」
浮遊島の主『まあ、別にいいよ、信用してもしなくても。それより私は早く君たちの願い事を聞いて叶えたい』
魔物使い「……ちょっとまだ考え中だから、待ってて…」
―――魔界、魔王城、研究室‐‐‐‐―――
魔将軍「おい!魔ドクターは居るか!」ドンッ
魔ドクター「うおっ、いきなり何じゃ!?…って、魔将軍!お前戻ってたのか」
魔将軍「ああ、今さっき戻った」
魔ドクター「そうか、つーかそれより。おい!魔道化の奴はどこだ!あの野郎、いくらワシが予備の体を持っているからと言ってもあんな殺し方しやがって…」ワナワナ
魔ドクター「おい、居るなら出て来い!今なら拳骨だけで許してや…!?お、おい、魔将軍!その背中にいるのってまさか魔道化か?!右腕がぐちゃぐちゃに豹変しているが…」
魔将軍「ああ、そうだ」
魔ドクター「っ…!まあいい、早くそいつを台に置け!応急処置は施されているようだが、早くちゃんとした処置しないと死んでしまう」
参謀「…ふっ、この状況を見てすぐさま魔将軍の言いたい事を察するとは流石だな。魔ドクター」ニヤッ
魔ドクター「参謀、今はそんなことを仰っている暇は無いですぞ」
参謀「ははは、分かっている」
魔ドクター「(魔道化よ、まだお前には言い足りない文句はたくさんある。だからまだ死ぬな!)」
―――『この魔道化の緊急オペは苦戦を強いられたが、一時間で無事に終わった。だがその代償に魔道化は右腕を失った…』
―――唐の国、人里離れたどこかの山、酒豪仙人の家‐‐‐‐―――
小者「へぇー、ここが仙人の家ですかー。案外こじんまりとしてますね」
酒豪仙人「い、いつもは一人で暮らしてんだから別にこじんまりでもいいだろ!」ガルル
魔道化「・・・ん」
魔将軍「!気がついたか!?」
魔道化「あれ・・・ここ・・・魔界・・・?」
魔ドクター「!~~~っくぉの、アホガキがぁ!!」ジジイチョップ
魔道化「あいたぁっ!」
魔ドクター「なにしようとしたか知らんがなぁ!おまえワシをあんな目に遭わせといてだなぁ!」
魔道化「・・・ははは・・・元気な爺さんだ。こりゃ当分死なないね」
魔ドクター「阿呆!おまえより長生きしたるわ!」
―――唐の国、人里離れたどこかの山、酒豪仙人の家‐‐‐‐―――
酒豪仙人「まぁ、取り敢えず先ずは状況の確認からといこうかね」
小者「確か、ここ唐の国にある龍の世界に繋がる旅の扉が、天使達に奪われる前に次元越えの能力を使えない子供の龍達を龍の世界に帰すんですよね」
仙龍「その通り。だから今はその旅の扉を守る為にわしらは天使達を見掛ける片っ端から倒している。天使達が減れば旅の扉も守り易くなるからのぅ」
侍「ちょっと待ってくれ、その天使達とは話し合えば戦わずに済むのでは?」
仙龍「いや、天使達とは話し合いが出来ず、自分の都合を他者に一方的に押し付けてくる存在じゃ。だから戦うしか出来ん... ...戦いが激しくなった時は近隣の人里を巻き込む事もある......」
ヒーロー「事情を知らない人から見れば、暴龍で迷惑この上ないな......」
騎士「ふむ、龍の世界に通じている旅の扉を次元越えの能力を使えない子供の龍達を龍の世界に帰すまで、天使達に奪われない様に旅の扉を奪おうとする天使達と戦わねばならないという訳か......」
酒豪仙人「天使達は手強いぞ。その上、この世界に居る子供の龍達は未だ結構いて時間が掛かる。どうする?」
侍「ふ、腕が鳴るな」
―――唐の国、都、商人一行‐‐‐‐―――
商人「ふぅ~やっと都に到着や」
家老「先ずは何処かで休むかの」
女銃士「その前に侍達に通信機で連絡しておけば、その後の行動もスムーズに事を運べると思うぞ」
忍者「そうでゴザルな」
―――唐の国、人里離れたどこかの山、酒豪仙人の家‐‐‐‐―――
ドダドダドダドダッ
ガタイのいい強面な唐人「おい、じーさん!大変だ!」ガチャッ
老唐人「ん、おお鎧龍。一体どうしたのじゃ?そんなに血相を変えて…」
強面な唐人(鎧龍)「どうしたじゃねーよ、今、大変なことになってんだ……って、人間!?くっ、もうここまで嗅ぎつけてきやがったのか…こうなったら先手必殺…ッ!」
老唐人「落ち着け鎧龍、彼らは客人じゃ」
強面な唐人「あぁ?客だぁ?」
老唐人「そうじゃ、客人もとい我々の計画の協力者じゃ」
強面な唐人「へぇー協力者ね…」ジロッ
侍(うっ…睨まれてる…)
老唐人「それで鎧龍、どうしたのじゃ」
強面な唐人「あっ!そうだじーさん、大変なんだ!A地区に隠れていた成龍や子龍達が唐の国の兵士達に捕まっちまった!」
老唐人「何!?」
メイド「そういや、唐の国の王様たちが龍の居場所が判明したって言ってましたね」
酒豪仙人「えっ、それホントか!?」
メイド「あ、はい。いや流石に冗談かなって思っててよく聞いてなかったんですけど…」
小者「なるほど、その判明した龍の居場所というのがA地区の子龍たちという事ですか」
老唐人「…これは、ちと面倒な事になってしもうたのう」
酒豪仙人「ああ、そうだな。今この世界にいる龍たちの九割、A地区、B地区、C地区、D地区に分けて隠れさせているから…。25体位の龍とが王様に捕まったという事か」
強面な唐人「いや、龍族の死骸が9体転がってて、生き残りの子龍が1体いるから、捕まったのは15体ほどだ。因みにA地区にいた成龍は全員全滅してた…恐らく不意打ちにあったんだろう、キョトンとした表情で死んでやがった…」
老唐人「そうか…」
強面な唐人「今、飛龍はこの世界にいる龍たち全員を急いでここに向かわせている真っ最中で。鉄龍の野郎は城を見張って、あいつらの動向を探っていて…、どうするじーさん、今すぐに城を強襲するか?天使兵共が来る前にさっさと助けないと…さすがに天使兵共と戦いつつ、城にいる子龍共を助けるのは至難の業だぞ」
老唐人「うむ、そうじゃが…下手にわしらが動くと酒豪仙人とかにも迷惑が……う~む…」
孫唐人「…そンなに悩むなラ、侍たちに行って貰えばいいじゃんかヨ」
強面な唐人「あ?侍だァ?」
孫唐人「そうだヨ、侍は強くて優しいから多分、子龍たちも助けてくれるヨ。そうだロ、侍」
侍「…えっ?」キョトン
侍「ちょ、ちょっと待っt…」
孫唐人「えっ、助けてくれないのか…」ウルウル
侍「うっ…わ、わーったよ。何とかして唐の国の王と掛け合って子龍達を助けてみるよ」
老唐人「…いいのか?」
侍「一応あんた達に協力するって言ったからな。師匠が言ってた…『侍たる者、有言実行を心掛けよ』ってね」
孫唐人「ゆーげんじっこー?」クビカシゲ
侍「つまり、言ったことは必ず行動しろってことだ」
孫唐人「あー、なるほどなるほど」コクコク
騎士「…お前に師なんてのがいたのか?」
侍「あれ、言って無かったっけ?」
騎士「ああ、初耳だ」
孫唐人「どんな人なの?」
侍「どんな人って聞かれても返答に困るというか…ま、まあ立派な人だったよ」
騎士「だったよ?ってことは、まさかその師は…」
侍「師匠は旅に出てそれっきり行方不明になったんだ…」
騎士「そ、そうなのか…」
騎士「ところで侍」
侍「ん?」
騎士「まともに話をしてくれるのか?隣とはいえ一応よそ者な訳だ私たちは。」
侍「そうだな」
騎士「唐の国には中華思想と言って自分たちが一番偉いと考えているのは知ってるよな?」
侍「・・・つまり?」
騎士「特に王ともなるとプライド半端ないと思うぞって」
侍「・・・・・・・・・な、何とかなる!いや、何とかする!!」
老唐人「…フッ、その台詞、心強いな」
侍「へっ、大船に乗ったつもりで安心しな」
遊び人「まあ、その大船は少しガタが来てるけどね」ハハッ
侍「お、おい。え、えええ縁起でもない事をい、いいい言うな!!」ガタッ
小者「ちょ、侍さんすごく動揺してますって、落ち着いてください!」
強面な唐人「…なぁ、じいさん。あれで大丈夫なのか?」
老唐人「…ワシに聞くな」
―――十分後‐‐‐‐――
侍「ハァー、ハァー、…何とか落ち着いた」
騎士「まったくあれだけの事で動揺しすぎだ、この馬鹿者め…」
侍「う、うっせー」
遊び人「…侍はまず力じゃなく、精神を鍛えた方がよさそうだよね」
魔法使い(28)「確かにそうね、侍は…あっ!」
小者「な、何ですか!?何かあったんですか!?」
魔法使い(28)「いやさあ、侍って強くなる為もあってここに来たじゃない。それなら酒豪仙人である彼女に特訓をつけてもらうのはどうだろうって思ってさ」
ヒーロー「まぁその話はおいといて、今は龍達を助けに行くのが先決だよな。早くいかないと処刑されるかもしれないだろ?」
強面な唐人「いや、それは今は未だ大丈夫だろう。動物愛護団体が活躍したそうだから」
一同『え?』
強面な唐人「元々、唐の国の兵士達は俺達 龍を全滅させる気で生かして捕まえる気は無かったそうなんだが、動物愛護団体が」
強面な唐人「“知能の高い動物を殺す事は残酷だ”とか“龍達は絶滅しかかっている、保護せねばならない”とか言って騒いだそうだ」
小者「え? まさかそれで軍が全滅させ様としたのを中止したんですか?」
酒豪仙人「ふむ、もしかしたら雀の件があるから、龍達が絶滅という可能性を聞いてやめたのかもしれん」
一同『え?』
酒豪仙人「この国のある地域では農作物の収穫量を増やそうと田畑を荒す雀を大量に駆除した。その後、その地域では他所の地域と比べて疾病率が高くなった」
小者「え? 雀が減ったら病気になり易くなったんですか?」
酒豪仙人「そうだ。その後の研究で雀が人の目には見えない病気の原因となるものをぱくぱく食べているかもしれないと推測されたらしい」
小者「へぇ~、そうなんですか... ...つまり龍達が絶滅したらもしかしたらまずい事になるかもしれないと思って皆殺しをやめたんですね」
ヒーロー「とにかくまぁ、捕まった龍達は、すぐには殺されないんだな......」
騎士「あー、なるほど確かにそれは良いかもな」
魔法使い(28)「でしょっ」
侍「えっちょっまっ…」
小者「それで酒豪仙人さん、どうでしょう」
酒豪仙人「ん、何が?」
孫唐人「侍を特訓する話だヨ」
酒豪仙人「あー、その話か…別に良いよ。手伝ってくれるんだし」
ヒーロー「おおおお!良かったな侍!仙人が特訓の手伝いをしてくれるんだぜ!」グッ
酒豪仙人「もしよければ皆の特訓も手伝うぞ」
騎士「何!?それは有難い」
ヒーロー「仙人に教えてもらうなんて滅多に無いことだからな」
ワイワイガヤガヤ ワイワイガヤガヤ
侍(…何でこんなことになったんだ…)
ピリリリリリリ
侍「ん、通信?あっ、この周波数、忍者たちのか…」
>>1のルールに乗っ取り分岐>>913から開始 分岐>>912はごめん
ガチャ
侍「はい、こちら侍一行の侍です。どうぞ」
忍者『おっ、やっと繋がったでござる』
侍「忍者か、一体どうした?」
忍者『いえ実は、拙者達も唐の国今来て居りましてな。侍殿達と合流したいのでござるが、今どこに居るのでござるか?』
侍「えっ、今どこって………辺境の地…かな?」
酒豪仙人「ちょっと!辺境の地って酷くないか!!」グワッ
忍者『辺境という事は、殿様から引き受けた暴龍退治で、暴龍が辺境に逃げたのでゴザルか?』
侍「いや、そういう訳では... ...あれ? 龍達がいつの間にかいなくなった.....?」
酒豪仙人「おや? ほんとだ、いつの間にかいなくなったね......」
―――仙龍達一行……―――
老唐人「まったく、捕まった龍達を助けると言った傍から自分の為の今後の予定を立て始めるとは......」スタタタタタタ……
強面な唐人「ま、しょうがないさ、所詮は人間と俺達 龍とは違うんだからな」スタタタタタタ……
孫唐人「最後にもう一噛みしたかったヨ」スタタタタタタ……
強面な唐人「そんな暇は無い。この唐の国に捕まえた龍を生かしておく理由は全くこれっぽっちも無いんだからな」スタタタタタタ……
老唐人「うむ、少しでも行動が遅れたら手遅れになる可能性が高い」スタタタタタタ……
強面な唐人「ああ、もしかしたら捕まえた龍を手足、翼を斬り落として酒の池に溺れさせてその後、料理して美味しく頂かれちまうかもしれねぇ」スタタタタタタ……
老唐人「他にも手足翼を斬り落とした状態で大量の塩に埋めて発酵させて、魚醤ならぬ龍醤にするかもしれん」スタタタタタタ……
孫唐人「うわぁ......」スタタタタタタ……
老唐人「おっと、子供に聞かせる様な話ではなかったな、すまん」スタタタタタタ……
強面な唐人「とにかく、急ぐぞ! 捕まった龍が未だ無事なうちに助けにな!!」スタタタタタタ……
老唐人「…ってちょっと待て!」
強面の唐人「あ?どうしたよ、じいさん」
老唐人「やはり子龍達を助け出すのは、明日にする」
強面の唐人「はぁ!?何でだよ!今、刻一刻と子龍共の命に危機が迫ってるんだぞ!」
老唐人「それは大丈夫じゃ」
強面の唐人「大丈夫だぁ?何を根拠に言ってやがる!」
老唐人「…今、先程、鉄龍から連絡があった」
強面の唐人「鉄龍から連絡!?鉄龍は何て言ってんだよ」
老唐人「どうやら城の奴らは、子龍達を使ってワシ達をおびき寄せるつもりらしい」
強面の唐人「んなの知るかよ!例え罠でも奴らをぶっ倒せば…」
老唐人「馬鹿者が、奴らもワシ達をおびき寄せて来てるんだ。ワシ達を簡単に葬る術を持っている可能性があるじゃろ。それに今、ワシ等が戦う相手は天使じゃ…あの王様共と戦って体力を削るのは得策ではない」
老唐人「だから城の奴らの相手は、あの人間達に任せよう」
強面の唐人「…分かった、じいさんが言うなら従うよ」
強面の唐人「しかしじいさん、あの人間達は俺達の問題が目の前にあるのにそれを蔑ろにする連中だぜ」
老唐人「確かにのぅ... ...捕まった龍を助け様っと話しとったのにいきなり特訓の話しをし出したのは怒りを感じる程じゃ」
強面の唐人「あんな引き受けた仕事、目の前の問題をなにがなんでも解決しようって意思が希薄そうな奴らに任せて大丈夫か?」
老唐人「それじゃ、なにがなんでも目的を達成しようと思ったのであれば、利用出来そうなものは何でも利用しようとせねばな」
強面の唐人「そうか、なるほどな」
強面な唐人「というよりあの仙人も何で修業を引き受けたんだよ」
酒豪仙人「そりゃ、あいつらでは天使と戦うのに力不足だからだよ」
強面な唐人「うおっ!酒豪仙人、何時から居た?!」
酒豪仙人「何時からって…さっきからだよ。というより仙龍、何、人間をディスってくれてんのよ、ケツの穴に竹ぶち込まれたいの?」スチャ
老唐人「ちょ、嘘に決まってるじゃろ、だからその竹しまって…って頬に押し付けるな!」グイグイ
酒豪仙人「よし、嘘ならよろしい」
老唐人「…最初から嘘だってわかってた癖に…」ボソッ
酒豪仙人「ん、何か言った?」
老唐人「い、いえ、何も言っておりません!」
孫唐人「どうでもいいから、早く戻ろうよ」
老唐人「(しかし、本当の事を言っていただけなのに、その発言を人間をディスってるとか尻穴に竹をぶち込むとか言うとはな......)」スタタタタタタ……
強面の唐人「(まるで本当の事を言うんじゃねぇ と脅してきた様だよな......)」スタタタタタタ……
老唐人「(まぁよいか、目的を達する為になんでも利用する為に、本当の事を言うのは控えて、嘘を吐く事も大事じゃしの)」スタタタタタタ……
―――酒豪仙人の家……―――
忍者『殿様から引き受けた暴龍退治の為に辺境へ訪れたのではないのでゴザルのか?』
家老『それではきっと暴龍退治はもうすでに終わって、自分の修行の為に辺境に赴いたのでは?』
侍「おや? 御家老も御一緒ですか? あと、その~、龍に関してはですね、えーと......」
家老『うん? ......侍殿、簡潔に聞くが殿様から引き受けた暴龍退治の任、終わったのか、終わって無いのかどちらか一方で答えてくれ』
侍「それは... ...未だ終わってませんです......」
家老『それでは、直ぐに終わるのか、直ぐに終わらないのかだとどうなのだ?』
侍「......直ぐには終わらないと思います......」
家老『ふむ... ...暴龍退治は我々 和の国が唐の国に援軍を送る形。それ故に疎かにすれば“和の国は協力する、援軍を送る。と言っておきながら暴龍退治の途中で抜けた。約束を反故にした』
家老『約束破る国は信用出来ない”と言われ、我が国の信が落ちる。だから今回は合流を諦め、引き続き侍達には暴龍退治をしててもらって我々は我々で急ぎ解決せねばならない件に集中するというのは?』
侍「? 御家老? ......そういえば何故この唐の国にやって来たんですか?」
商人『あ、それについてはうちが説明するわ... ...あのね、侍はん... ..
――――――
侍「えっ!魔法使いが魔王軍に攫われた!?」
商人『…うん、そやから今ウチら、魔王軍の足取りを追ってるんや』
老唐人「…お前達も案外大変な事に巻き込まれてるみたいだな」
小者「あっ、老唐z…いや仙龍さん」
老唐人「侍よ、お主もその魔法使いとやらを助けに行った方がいいんじゃないのか?」ワシらの事は別に気にしないでもよいし」
侍「…いや、あんた達を助けるって言ったし、せめて子龍達を助けさせてくれ。これはケジメだ」
老唐人「…フッ、そうかケジメか……しかし、ケジメうんぬん言う前に弱かったら元も子もないじゃろ。まずは明日までに少し力を付けねばな」ホホホ
孫唐人「ウン、やっぱり私の目に狂いは無かったヨ」
強面な唐人「…………」
侍「おい商人、家老に言っておいてくれ。この暴龍騒ぎは俺達なりのやり方で収拾するってな」
商人『分かった。そんじゃ家老はんに伝えとくな』
―――商人一行……―――
商人「―――“この暴龍騒ぎは俺達なりのやり方で収拾する。”そうや」
家老「う~む、なんか不安だな... ...この問題が我が国だけの問題であればそれでも良かったのだが、事は他国も絡む問題」
家老「国同士の約束事の成否は外交問題。そして責任をとるのは侍ではなく、責任者の殿様。やはり侍達と合流して先ず暴龍退治を見事やり遂げないか?」
商人「でも魔法使いはんが手遅れになるのは嫌や。精神崩壊した魔法使いはんを一生難儀見続けるなんて事になりよったら......」
女銃士「私も嫌だな。手遅れになって“だってよ... ...魔法使いなんだぜ?”とか“これ... ...魔法使いさんです”なんて科白は聞きたくないな」
忍者「しかし考えてみれば、ここで合流しなかったら後々合流するのは難しくなるのではゴザラんか?」
上忍「確かに。それに急いで行動してもそれが徒労になる可能性もありますしね。“急がば回れ”“待てば海路、空路の日和あり”とも言いますし」
家老「う~む......」ググ~
家老「取り敢えず食事して休憩してその後に今後の予定を決めるか?」
忍者「そうでゴザルな、そうすればきっと良い考えが浮かぶかもしれないでゴザルな」
―――酒豪仙人の家……―――
強面な唐人「(おい、じぃさん。どういうつもりなんだよ。さっきはあんなこと言ってた癖に…)」ボソッ
老唐人「(だから先程のは嘘だと言っておるじゃろう…まあ一瞬、『本当の事を言っていただけ』とか『嘘を吐く事も大事』なんて訳も分からない言葉が頭を過ぎったが…ワシは冗談は好きじゃが嘘は大っ嫌いじゃし)」
孫唐人「(あれ?でもあの時、『ちょ、嘘に決まってるじゃろ』って言ってなかった?)」
老唐人「(あー、あれは…言い間違いじゃ…ガチで…)」
孫唐人「(ふ~ん)」
老唐人「(こほん…、まあワシは取り敢えずあの人間共が子龍達を助けてくれると期待してみようかと思う)」
強面な唐人「(はぁ?おい、じぃさん正気か?俺はあんなアホそうな連中があの国王を言い負かして子龍達を救出してくるだなんて微塵も思えな… 「侍達を馬鹿にするなヨ!えいっ!」ガブッ
強面な唐人「ギャアアアアアアアアア、龍娘。て、てめー何しやがる!!」
孫唐人「…ぐぇぇ、不味いネ」ゲェー
老唐人(…ワシは賭けてみよう…あの小僧が見せた決意の表しを…あの瞳を……けじめはつけると言ったあの瞳に!)
老唐人「と、まあそういうわけで鎧龍よ。あやつらの修業の手伝いをしてきなさい」
強面な唐人「はっ?何で俺が」
老唐人「お主は少々、人間を悪く見すぎじゃ。だから侍達と触れ合ってその人間嫌いを治せ。これは命令しゃ」
強面な唐人「………チッ…分かったよ、手伝って来るよ…アーメンドクセー」スタスタスタ
老唐人(これで人間にも悪いやつはいないと分かってくれればいいのじゃが…流石にそれは難しいかな)
――――――
酒豪仙人「よし、それじゃあ時間が少ししか無いが、これから修行を行う」
騎士・ヒーロー・メイド・遊び人・強面な唐人「「「「はい!」」」」
侍「いやいや、待て待て待て!今、修行をする時間があるなら、子龍達を助ける為に策とか考えたり、何かしら準備した方が良いんじゃないか。(つーかそれの方が先決…)」
酒豪仙人「あー、それなら大丈夫。今から修行する場所――この世界とは時間の流れが違うから」ユビパチンッ
侍「は?それって一体どういう――」
―――何か全体的に白い謎の空間‐‐‐‐‐―――
侍「――事だ……って!何処だここはァァァ!!!」
酒豪仙人「あっはっはっはっはっは、やっぱり驚くか。聞いて驚けここはな…精神ととk 「言わせないヨ!!」ドガッ
酒豪仙人「ぐはっ!」ビチャッ
侍「酒豪仙人ーッ!」
強面な唐人「龍娘も来たのか…」
孫唐人「おじーちゃンも来てるヨ」
―――――――
小者「…騎士さん。ところでこの空間の名前は何なんでしょう?」
騎士「白い空間で良いんじゃないか?」
酒豪仙人「うぅ、げほっげほっ」
侍「大丈夫か?」
酒豪仙人「うん、何とか大丈夫」
強面な唐人「何とかって…本当に大丈夫なのかよ…」
酒豪仙人「…こほん、さてそれじゃあ早速特訓を…する前に、ここなら大丈夫だから仙龍たち、元の姿に戻ったら?」
老唐人「ん、おおそうか。なら遠慮なく…」パァァ…
仙龍「…戻らせてもらうよ」ゴゴゴゴゴ
侍(うおー、でけー)
龍娘「ねぇ侍、私も戻ったヨ。見て見てー」ビョンピョン
侍「お前は角と尻尾が生えた以外あまり変わらないな」
龍娘「まあハーフですからー」
―――唐の国、都、とある料理店……―――
商人「ふぅ、食べた食べたっと」
忍者「なかなか美味しかったでゴザルな」
家老「あ、そうだ、箸とレンゲは食器、皿の上には絶対置かないのがこの国の食事の正しい作法だと言い忘れていたが......」
上忍「箸置きやレンゲ置きがあるので普通にそこに置きましたが?」
商人「うちもや。箸置きレンゲ置きがあるならそっちに置くのが普通やない?」
忍者「拙者も同じくでゴザル」
カチャカチャ
女銃士「私もちゃんと正しい作法だぞ」
家老「うん、なら良い... ...さて、食事も終わった事だし、今後の予定についてだが、やはり侍達と合流した方が良いと思う」
商人「せやけどダンさん、侍はん達は龍退治が未だで直ぐには終わりまへんのやろ? 魔法使いはん救出が遅うなってしまうやんか。それに国同士の取引で引き受けた事を途中でやめるのは悪いんやろ?」
家老「うむ、しかしこの国はたくさんの色々な人や物が集まって来て、凄く国際的だと思わないか?」
上忍「そうですね、肌の色、目の色、髪の色や性質などが様々な人が居ますね。品物も見た事無い物が多いですね」
家老「それはな、この国が凄く寛大で寛容な国だから世界中から人々や物が集まる。だからな、侍達が龍退治で充分に満足いく活躍をしてたら、事情を話せば問題無く抜けられると思うのだ」
女銃士「成程、凄く寛大で寛容ならばある程度 仕事の成果を出していればそれで約束を果たしたと了承してくれるという訳か。しかしそれは侍達が龍退治をしっかりこなしている事が前提だぞ」
家老「“この者なら龍退治出来る”と見込まれたからこそ殿様は侍にこの件を任せた筈。“こいつには龍退治は無理”と思っているのにこの件を任せるのは“死んで来い”と言うのと同義だ」
―白い亜空間―
仙龍「さて侍よ。お主は今まで何で戦ってきた?」
侍「私は……この刀一本で戦ってきた」ジャキ
仙龍「では、誰にそれを教わった?」
侍「私が知りうる中で一番の武士を師とした」
仙龍「その者から何を学んだ?」
侍「瞬きしないこと、ひたすら見ること、
体をブラさずに歩くこと、すばやく刃を振ることを教えられた」
仙龍「ふむ、基本は教えてもらったようだな」
侍「基本……?」
仙龍「そう、お前は切る上で未だに刃に頼っている。
次にお前はその刀を逆さに持ち、峰で鎧龍を切ってもらう」
侍「峰で……だと?」
仙龍「左様。出来ねばお前に未来はない」
鎧龍「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
侍「!?」ビクッ
鎧龍「おい、どうした、戦うんだろ?だったら早くその刀を構えろ……言っとくが俺は特訓だからって手加減はしねぇぞ!!」ダッ
侍「…ッ!」ダッ
ジャキッ! ガキンッ! ドガッ! カンッ バンッ!
酒豪仙人「…アイツらも特訓を始めたか…よしそれじゃあ仙龍ゥ!お前は騎士とメイド…あとついでにアラサー魔法使いの特訓相手になってくれ」
魔法使い(28)「誰がアラサーだ。テメー、死にたいのか…」ドドドドドド
仙龍「…何でお主じゃなくワシがこいつ等の相手を?」
酒豪仙人「いやさ、私はそこの未知な力を持っている小僧と小娘を特訓しないといけないからさ…」ニヤッ
ヒーロー・遊び人「」ゾクッ
仙龍「…フッ、そうか…(…アイツらが例の伝説の担い手か…)」ニヤッ
小者「あの~私はどうしたら…」
酒豪仙人「ん?ああ、そんじゃあ龍娘と遊んどいて」
小者「えっ!!」
龍娘「わーい、遊び相手だー」バンザーイ
強面「おいおいじーさん、俺の鎧殻の堅さは知ってるだろ!?大砲でも砕けねぇモンをどうやってその刀の峰で斬り裂けってんだ!?」
仙龍「だまっとれ、こやつの命運はこやつが決めるものじゃ」
侍「(そういえば、師匠がこんなこと言ってたな)」
ーーーーーー
師匠「かっかっかっ遅い遅い」ヒョイヒョイ
若侍「はぁっでやっとぉうっ」
師匠「んじゃ、これで仕舞だな」コツ
若侍「あだっ!くそぉ~何であたんねーんだよー!」
師匠「かっかっ、おいおい剣ってのは闇雲に振り回しゃいいってもんじゃぁねぇんだよ」
師匠「いいか?どんなかてえもんにも脆い部分が存在するんだ
そこを叩くとあら不思議、峰でも切れちまう
大事なのはそこを見極められるか、だ」
若侍「・・・俺にも、できるかな?」
師匠「ま、お前にゃ数百年かかっても無理だな!かーっかっかっかっ!」
若侍「っ!がぁぁぁあああこのクソ師匠があああっ!!」
ーーーーー
―――唐の国、都、とある料理店、商人一行……―――
女銃士「しかしそうは言っても殿が侍達を龍退治に行かせたのは侍達に力を付けさせる修行の為であろう? その機会を奪う様な事はどうかと思うぞ?」
家老「ふむ... ...お主は信玄堤というのを知っておるか?」
女銃士「信玄堤? いや知らないな」
商人「信玄堤って、見ても面白くない、しょぼい堤やったなぁ......」
忍者「いや商人殿、確かに信玄堤は見た目しょぼい堤で実際 使われている土木技術もしょぼいでゴザルが、とても凄い堤なのでゴザルよ」
女銃士「......そのしょぼい土木技術で作られたしょぼい堤がどうしたのだ?」
家老「うむ、定住が困難な程の大水害を発生させる暴れ川を制した」
女銃士「え!?」
家老「何故、信玄堤を引き合いに出したかと言うと、仮令 力が劣っていたとしても、敵が凄い力を持っていたとしても、やろうと思えば攻略出来るという事だ」
女銃士「え、それって本当ですか?」
忍者「実際に信玄堤は大それた土木技術を投入せずに作られ、見事に暴れ川を制したでゴザルよ」
家老「確かに力も必要かもしれん。だが、仮令 力不足でも、今ある自分の力を“知恵”を用いて最大限活用すれば活路は見出せる。信玄堤の様にな」
女銃士「じゃあ、どうします?これから彼らと合流しますか?」
忍者「しかし、魔法使い殿の安全も早いうちに確保しておかねば危険でゴザル」
家老「その上この龍についての問題をほっぽり出すわけにもいかぬ、か」
商人「……ちょっと考えがあるんやけどええか?」
家老「なんじゃ?」
商人「ウチな、商売してるときに聞いたことあるんやわ。明らかに1日2日で
移動できない距離の二つの街である龍が同時期に確認されてるんや。
ちゅうことは、十中八九次元移動かそれに順ずるものがあるはずや。
で、侍はんはウチらが知ってる通りの甘ちゃんや。龍と和解しようとするはず
ならそれもアテの一つにして、魔界に行く手段の捜索と同時に裏から
侍はんの支援もする。そいだらうまく行くやろ」
忍者「でもそれじゃ、拙者らの負担が大きくゴザらんか?」
商人「かまへんかまへん。こんぐらいせなこの先の展開がまた迷走するやろ」
女銃士(何の展開!?)
家老「龍との和解か... ...確かに殿様は侍に龍退治を提案した時に『いっそのこと、話し合いでも良いから』と言っておったが」
家老「知っての通りこの問題は我が国の問題ではなく、唐の国の問題。そこに我が和の国が協力する、援軍を送っている訳だ」
家老「その為、龍達と和解しようと思って、我々が龍達と和解出来た所で唐の国が龍達と和解出来なければ何も意味は無い」
商人「ああ、確かにそうやね。龍達は唐の国に迷惑をかけてるんやっけ... ...和解の場合は龍達に落とし前を付けさせなきゃいけへんか......」
女銃士「それは龍達に心から謝罪させれば良いのでは?」
家老「この様な問題の時、言葉など、まして心などというのは通じないと相場は決まっている。更に人と龍という差もあるしの」
女銃士「ではどうすればよいのだ?」
商人「それはやっぱり... ...銭やないの?」
女銃士「え?」
家老「うむ、言葉や心が通じない、しかしはっきりと落とし前、筋を通したいと思ったのならば、やはり結局はお金の支払いという形になって来るな......」
女銃士「えぇ~~? お金の支払いって......」
商人「せやけどダンさん、言葉や心よりも確実に和解しやすいで?」
忍者「しかし、龍達はお金を持っているのでゴザルか?」
家老「その場合は行動で落とし前を付ければ、まぁようするに唐の国の為に役立てば、和解出来るだろうな」
―――白い空間‐‐‐―――
キンッ キキンッ ガキンッ
鎧龍「ふっ…!くっ…!(こいつ、思ったより強いな…俺の鎧鱗が少しずつ削れてやがる…)」ザザッ…
侍「はぁぁぁぁあああああ!!!!」ダッ
鎧龍「!?(それにこいつ、何か変なオーラを身に纏ってやがるし………そういや、和の国には達人って呼ばれる程の強者がいるって聞いたな…まさかこいつもその部類の人間なのか!)」
鎧龍「まあ兎に角、ある程度本気でやらねぇと駄目だって事だな!オラァ!」ダッ
――――酒豪仙人side
酒豪仙人「さぁーて、それじゃあ修行する前に…おい、そこの伝説の担い手の小僧…お前が隠し持ってる伝説の道具を貸しな」
ヒーロー「なっ!?他の皆にも言って無いのに…何で俺がそれを隠し持ってるって分かったんだ?」
酒豪仙人「うっせーな、大体そんなのはオーラで分かんだよ。…それよりほれっ早く寄こせ修行で使うから」
ヒーロー「…盗みませんよね?」
酒豪仙人「あははは、んなもん盗みはしねぇよ。だってそれ伝説の担い手が使わないと真の価値が見い出せないし、私なんかが持ったところで防御力が上がるだけ」
ヒーロー「……分かりました、信用します」つおなべのフタ
酒豪仙人「ほい、サンキューっと…よし、んじゃ今からお前達にはこの伝説の道具に宿っている者と戦ってもらう」
遊び人「はぁ、宿ってる者?何ですかそれ?」
酒豪仙人「分かりやすく言うなら、伝説の道具にそれぞれ憑いている精霊的な何かだ」
ヒーロー「精霊的な……あっ!そういえば、夢の中でおなべのフタの精霊とかいう変な奴と会ったっけ…」
遊び人「…もうひとつ質問。その精霊的な何かを倒したらその伝説の道具が弱くなる事は…」
酒豪仙人「それはない、相手も本気では戦わないだろうし、むしろ戦って信頼度を高めた方が良い。それに多分お前らじゃ……そいつらには勝てない」
遊び人「はぁ、宿ってる者?何ですかそれ?」
酒豪仙人「分かりやすく言うなら、伝説の道具にそれぞれ憑いている精霊的な何かだ」
ヒーロー「精霊的な……あっ!そういえば、夢の中でおなべのフタの精霊とかいう変な奴と会ったっけ…」
遊び人「…もうひとつ質問。その精霊的な何かを倒したらその伝説の道具が弱くなる事は…」
酒豪仙人「それはない、相手も本気では戦わないだろうし、むしろ戦って信頼度を高めた方が良い。それに多分お前らじゃ……そいつらには勝てない」
連投すみません
鎧龍「オラオラどうした!?この程度削った所でどうってことねーぞ!」
侍(そうだ……いくら鎧を削った所で決定的なダメージは与えられない……!)
侍(何か、何か無いか?何か決定的なダメージを与える手段は……)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
師匠「お前さん、前言った観る修行はどれぐらいやったんよ?」
若侍「見る修行は……米粒が馬の頭の大きさに見えるくらいにはした」
師匠「かっかっかっ、だめじゃのう、それじゃ」
若侍「まだ修行が足りないっていうのか?」
師匠「そうじゃないぞ。いいか、大事なのは見るんじゃなくて観ること、じゃ」
若侍「ミルコトジャナクテミルコト?」
師匠「その様子じゃ、一生掛かっても無理じゃな」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
侍(ミルコトジャナクテミルコト……『見る』ことじゃなくて『観る』こと!)
侍(弱点……鎧を貫ける弱点を見つける!)
侍「そぉこだぁぁぁっ!」
―――酒豪仙人side……―――
遊び人「ふーん... ...この際なのでに他の質問良いですか?」
酒豪仙人「おう何だ?」
遊び人「伝説の担い手って何なんですか?」
酒豪仙人「え?」
遊び人「ご覧の通り僕は幽霊です。何故 僕が死んで幽霊になったのか、それは僕が伝説の担い手だかららしいですけど......」
ヒーロー(そういえば、おなべのフタの精霊で思い出したけど、あいつと出会った時、俺ってば何度も生死の境を彷徨ってた様な......)
遊び人「あと、確か... ...メイドAさんと言ったかな? この人が伝説の担い手よりもすっごい強いみたいなんですが、伝説の担い手って何なんですか?」
酒豪仙人「ふむ、伝説の担い手、それはな... ...異世界だと特別な者しか特別な事を成せないが、この世界では」
遊び人「あ、それは前にも聞いた事があるのでそれはいいです。僕が知りたいのは来歴です。“伝説”って言う位だから来歴があるんでしょ?」
酒豪仙人「来歴か... ...それは
ヒーロー「勝てないって事はそれほど強いんだな。その精霊的な何かは…」
酒豪仙人「まあ負けても殺されはしないから安心して戦いなさい」
遊び人「ボクもう死んでるけどね」
酒豪仙人「よーし、んじゃ特訓始めますかっと」パチンッ
おなべのフタの精霊「……えっ!?あれっ!?ここどこ?」
―――侍&鎧龍
侍(……見える……鎧龍の動きが良く見える……単調で単純…どこに力を入れているのかも良く分かる…)
侍(だからどこを攻撃したら削れるのかも良く分かる……でも駄目だ…いざ脆い所を攻撃しようと思ったら、一瞬手が止まり別の所を攻撃してしまう…やはりまだ俺はあの時の様な状況になる事を怖がっているのか…)
侍(くっ…本当に情けねぇよ…侍なのに刀を使うことを躊躇うなんてよ…)
鎧龍「オイオイオィ!!ぼやぼやしてんじゃねぇぞゴラッ!」ブンッ
侍「ごふっ!?」バキッ
鎧龍「よっしゃー当たったー!」
>>948 訂正
酒豪仙人「んまあ、今話すのは面倒だから、その話はまた後ってことで」
ヒーロー・遊び人「えっ」
酒豪仙人「今はそんなことより特訓だぁー!!」パチンッ
おなべのフタの精霊「…えっ?あれっ!?ここどこォ!?」
―――侍&鎧龍
侍(……見えるのに……鎧龍の動きが良く見える……単調で単純…どこに力を入れているのかも良く分かる…なのに)
侍(だからどこを攻撃したら削れるのかも良く分かる……でも駄目だ…いざ脆い所を攻撃しようと思ったら、一瞬手が止まり別の所を攻撃してしまう…やはりまだ俺はあの時の様な状況になる事を怖がっているのか…)
侍(くっ…本当に情けねぇよ…侍なのに刀を使うことを躊躇うなんてよ…)
鎧龍「オイオイオィ!!ぼやぼやしてんじゃねぇぞゴラッ!」ブンッ
侍「ごふっ!?」バキッ
鎧龍「あっ、当たった」
侍「ぐっ……左腕がやられた……」
鎧龍「どうした?もう終わりか?」
侍「そんなわけあるはずがないだろう!」
侍(今、俺は刀を逆刃に、片手で扱っている)
侍(相手は強固な鱗を持つ鎧龍)
侍(無茶をすれば、刀が折れる。あの時のように、無力になる!)
侍(……こんなとき師匠なら……)
師匠『ま、無理なことでもやってみるものじゃ。何もしないことが最悪よ』
侍(やるなら、一撃で決める!今の状態じゃ、十文字は無理。何か無いか!)
【音―しの―刀】
侍「っ!いくぞっ!」
侍「音なしの一閃ッ!!」
―――騎士&メイド…おまけにアラサー
騎士「うおおおおお!!」ダダダ
仙龍「ふっ、無駄じゃあ!」
仙龍『テイル・フォール(尻尾払い)!』
騎士「う、うぐあああああ!」
仙龍「お主は馬鹿なのか、特攻てのは使いどころでは戦局を有利にすることが出来るが、さっきのはただの自殺行為じゃ…全くこれが模擬戦だから善かったものの…ハァ…」
メイド「引っ掛かりましたね!仙龍さん!」
仙龍「はっ!いつの間にかメイドが私の足元にいる!」
騎士「仙龍、お前の厄介な所はその長い尻尾だ、例え近接戦に持っていこうとしてもその尻尾が邪魔をしてくる。だから私は自らを囮にしてメイドの気配を隠したんだ!そして今、メイドは尻尾が当たらない所にいる!これで私達の勝ちだ!」
―――小者と龍娘
魔法使い(28)「あー、あの子達楽しそうね。ね、小者ちゃん」
小者「…あれが楽しいのかよくわかりませんけど、何で魔法使いさんここに居るんですか?確か仙龍さん達と特訓じゃ」
魔法使い(28)「あぁ、それはねー実はねー仙龍にねー『お主 強い 模擬戦 無理』って言われてね…」フフッ
魔法使い(28)「だから今ここにいるのよ……ふっ、所詮私はどの時代でもハブられものよ…おひとりさまよ」ハハッ
小者・龍娘『(く、暗い!)』
メイド「どおおおうりゃあああああああああ!!!」
仙龍「甘いわ」スカ
メイド「あ、あれ!?手ごたえ無し!?」
騎士「何だと!?」
仙龍「ワシは仙龍・・・永劫の時を生き、遙かなる智恵を身につけた龍ぞ」
騎士「な、仙龍が・・・」
メイド「消えた・・・?」
ーーーーーーーー
酒豪仙人「恐心の霧」
小者「何ですか?それ」
酒豪仙人「仙龍の得意な術さ。対象にとってもっとも恐ろしい状況を見せる幻術」
小者「あの霧が・・・」
酒豪仙人「(さて、見えない上にリーチの長い攻撃が可能な仙龍にどう対応する?)」
小者(仙龍さん、なかなかやるみたいですね... ...それなのに魔法使い(28)さんは......)
小者(……そういえば魔法使い(28)さんと初めて会った時、仲間が居るって言っていたけど一人きり、そして何やら錯乱してましたね... ...そういえば)
小者「ところで酒豪仙人さん、今お暇ですか?」
酒豪仙人「いや、特訓を見守らなければならないから暇という訳じゃないな」
小者「そうですか... ...じゃぁ魔法使い(28)さん、ちょっとお聞きしたい事が」
魔法使い(28)「何よ?」
小者「伝説の担い手って何なんですか?」
魔法使い(28)「え?」
小者「伝説の担い手ってなんか凄いと言われていますが、ヒーローさんと初めて出会った時、メイドAさんにボコられてたし、いったい何なんですか? 伝説の担い手って?」
龍娘「あ、私も聞きたいヨ。伝説の~って言う位だから、なんか凄い云われがあるんでしょ?」
魔法使い(28)「そう... ...それじゃ話してあげるわ、伝説の担い手について... ...伝説の担い手、それは
小者「あのー酒豪仙人様?」
酒豪仙人「私に様付けは必要ないよ。呼び捨てでいい」ニマッ
小者「じ、じゃあ酒豪仙人さん、ヒーローさん達との特訓は…?」
酒豪仙人「ん、あぁそれは別にいい、別の子(おなべのフタの精霊)がやってくれてるから」
小者「そ、そうなんですか」
酒豪仙人「それより私が気になるのは、彼(侍)よ」ビシッ
小者「えっ侍さんですか?」
酒豪仙人「彼、凄いじゃない。鎧龍の硬い鱗を少しだけど削っている」
小者「そりゃそうですよ。彼の戦闘スタイルは今は亡きお父上と私の兄…もとい侍さんの師匠の組み合わせですもん」
小者「あのー酒豪仙人様?」
酒豪仙人「私に様付けは必要ないよ。呼び捨てでいい」ニマッ
小者「じ、じゃあ酒豪仙人さん、ヒーローさん達との特訓は…?」
酒豪仙人「ん、あぁそれは別にいい、別の子(おなべのフタの精霊)がやってくれてるから」
小者「そ、そうなんですか」
酒豪仙人「それより私が気になるのは、彼(侍)よ」ビシッ
小者「えっ侍さんですか?」
酒豪仙人「彼、凄いじゃない。鎧龍の硬い鱗を少しだけど削っている」
小者「そりゃそうですよ。彼の戦闘スタイルは今は亡きお父上と私の兄…もとい侍さんの師匠の組み合わせですもん」
連投すまぬ
>>1のルールに乗っ取り分岐>>955から開始
酒豪仙人「ほう…別の流派と別の流派の組み合わせか…言わば我流ってやつだな」
小者「あっ…まあそういう事になりますね」
酒豪仙人「…あっ、そうだちょっと小者よ、ちょっと聞きたい事があるんだが、侍に関してなんだが…」
小者「えっ、何ですか?」
酒豪仙人「ふふっ、些細な質問なんだけどな。彼は――」
酒豪仙人「―――侍は一体今まで何人を殺めてきたんだ?」
小者「!?……な、なんでそんな事を聞くんですか…」
酒豪仙人「えっ、なんでって……和の国では侍って兵士みたいなもんだろ。だから何人ぐらい倒してきたのかなー?って。何かおかしかったか?」
小者「あっ…い、いえ何でもありません。ちょっと勘違いです」
小者(び、びっくりした…まさかばれたのかと思いました…)
小者(…あの事は秘密なんです…例え友人でも親友でも家族でも言ってはいけない事…もちろん自分の主人にも…)
―――侍&鎧龍
侍(…俺は血の味を知っている。昔、味わった事がある…あの味は何とも言えない…美味というか、なんていうか、あれを味わっているとまるでその生物を支配したような快楽に襲われる…だけど俺はその快楽が怖い)
侍(…だから俺は成るべく血を鼻で味あわないように…唇で味あわない様に…舌で味あわない様に……なるべく殺さない様に…)
キャラがなんかたまに不誠実な行動を取るなぁと思っていたけど
書く側の奴が不誠実な奴だったからなのか......
えと、今現状が分からないんですけど、
>>950って分岐で選ばれなかった感じですか?
酒豪仙人「へぇー、侍の師匠ってお前の兄貴なのか」
小者「凄いんですよ私の兄は、和の国でサムライ・マスターって言われるほどの実力者なんです」
龍娘「それってスター○ォーズでいうジェ○イ・マスター的な」
小者「いや、多分ジェダ○・マスターよりは弱いのでジェ○イ・マスターの一個手前ぐらいですね」
龍娘「ほぅ…ねぇ酒豪仙人はどう思うか?」
酒豪仙人「知るか、急に私に振るな。というか何で小者の兄貴の話からス○ーウォーズの話になってんだよ!つーか○ターウォーズってなんだよ!!」
―――その頃のヒーローside
おなべのフタの精霊「ははは!弱い弱い!」
ヒーロー「ぐぅ…強い…」
遊び人「……」
おなべのフタの精霊「おや? 貴方は戦いに参加しないんですか?」
遊び人「う~ん、なんだかちょっと思う所があってね... ...伝説の担い手って何なんだろう? って急に思ってね......」
おなべのフタの精霊「伝説の担い手についてですか? ......確かに何なんでしょうかねぇ......」
遊び人「え!? 伝説の道具に宿っている者なのに知らないんですか!?」
おなべのフタの精霊「私も全知全能って訳じゃないですし、借金に追われたりしてますよ... ...そういえば前に伝説の担い手だったけど伝説の担い手じゃなくなった人達がいましたね」
遊び人「えぇ!? 伝説の担い手が伝説の担い手じゃなくなった!? 伝説の担い手って途中で伝説の担い手じゃなくなる事ってあるんですか!?」
おなべのフタの精霊「さぁ? よく分らないですよ」
遊び人「……僕は、何で死んで幽霊になったんだろう......」
―――小者side……―――
酒豪仙人「つーかお前の兄貴って侍なのか? 確かお前って侍に仕えている小者だよな?」
小者「はいそうですよ、私の兄はサムライで私は侍さんに仕えている小者です」
酒豪仙人「侍って武士階級だろ? つー事はお前も武士階級だろ? それで侍に仕えているって事は若党とか荒子とかじゃないのか? 武士の家来階級の小者って事はあり得ない筈だぞ?」
小者「いえ、うちは武士階級じゃありませんよ。私の兄は侍ではなくサムライです。だから侍さんに仕えている私は小者であってるんですよ」
酒豪仙人「......お前の兄貴はなんちゃって侍なのか......」
小者「それでも兄はすごいんですよ。私の歳が六で兄が十五の頃、村を襲ってきた敵国の兵士達を全員を返り討ちにしたんですから」
酒豪仙人「へぇー」
小者「本当に自慢の兄です…(そして私の唯一の……家族なのに…ホント何処に…)」
―――???‐‐‐‐―――
着物を着崩す男「…………ん」ピクッ
腰に剣を沢山ぶら下げている男「ん、どうかしました師匠。何かの気配を察したような顔をして」
着物を着崩す男「いや、何でもない。剣士よ心配するな」
剣士「はーいっと……」
着物を着崩す男「………」
剣士「……あー、しっかしあの小娘三人組いったい何処で道草食ってんでしょうね~」
着物を着崩す男「………」
剣士「全く侍って人に会うまでにいったい何やってんだか…兄弟子である祓魔師の人と白竜さんも必死で頑張っているのに連絡もなしで…」
着物を着崩す男「………」
剣士「と、ところで師匠がこれから仲間に加えようとしている侍っていう人ってどんn 「………」
剣士「………(ち、沈黙が気まずい)」
まだレスが残ってるから立てなくていいと思うんだが…
まあ兎に角>>976ナイス!
あと登場人物の紹介は俺に任せてくれ
――ヒーロー&遊び人side ‐‐‐――
ヒーロー「ハァハァハァ…ちょいタンマ……それとおなべのフタの精霊に少し質問」
おなべのフタの精霊「ん、何だい」
ヒーロー「さっきの話を聞いて疑問が一つあんだけどよ…伝説の担い手じゃなくなったんならその人たちって何になったんだ?」
遊び人「ふぇっ?ヒーローおかしな事を言うね…そんなの人間になったに決まって…」
ヒーロー「いや、よく考えろ遊び人。死んで幽霊になってもお前は伝説の担い手のままなんだぞ」
遊び人「あっ、確かに」
ヒーロー「おなべのフタの精霊、答えてくれ」
おなべのフタの精霊「彼女らはね、ある条件を満たして伝説の担い手より昇華した存在…『継ぎし者』になったんだ…」
ヒーロー・遊び人「「継ぎし者!?」」
魔法使い(28)「『継ぎし者』…それは様々なモノの力を継ぐ事ができる存在…勇者様も旅の途中その『継ぎし者』の力に目覚めて先代魔王に挑んだのよ」
ヒーロー「魔法使いさん……仙龍との特訓はどうしたんですか?」
魔法使い(28)「仙龍にバランスがブレイクするからって見学にさせられたのよ…まあ折角だから同じ見学でもアンタたちの特訓を見学しようかな~ってね」
遊び人「へぇ~、そうなんですか。で、魔法使い(28)さん、貴方 伝説の担い手について詳しいんですよね?」
魔法使い(28)「ええそうよ」
遊び人「それじゃ伝説の担い手について教えて下さい。継ぎし者についても気になりますが、先ずは伝説の担い手について知りたいです」
おなべのフタの精霊「あ、私も伝説の担い手について詳しく知りたいです。私も伝説の担い手についてよく知らないですからね」
遊び人「だいたいこの世界は、異世界の特別が存在し特別な者しか特別な事を成し遂げる事が出来ないなんて世界と違い、
特別が存在せぬ故のどんな者でもその行い、行動、努力、それら一つ一つの積み重ねによって特別な事を成し遂げる事が出来るという世界。
だからそんな世界で“伝説~”とか形容される存在ならば、何か凄い云われや来歴があるんでしょ?」
ヒーロー「つかそんな世界で何で伝説の担い手なんてもんが出て来たんだ? 俺も聞きたくなってきた」
おなべのフタの精霊「私も知らないでいるよりも知っておいた方がよいと、というか疑問を持って行動するより知って疑問を解消して行動した方が断然いいですよ」
魔法使い(28)「そう、分ったわ。それじゃ話しましょうか、伝説の担い手について詳しく......」
ふぃ~次スレにあらすじ書き終わった……
3日もかかってすまんね
>>977のキャラ紹介の人よろしく
鎧龍「おいおいどうした?俺はこれっぽっちも切れちゃいねーぜ?」
侍「確かにお前はな……」
鎧龍「なんだこの野郎?済ましやがって……ん?」
鎧龍「俺の脚の鎧が!いつの間に!」
侍「斬撃伝導……初めてにしてはうまくいったかな」
鎧龍「面白くなってきた……!きやがれ!」
侍「ああ!」
カン!キーン!カキーン!
小物「侍の刀が削れてる……」
酒豪仙人「ん?あの侍の刀って安物なのか?」
小物「いえ安物ってほどではないんですけど、名刀というほどでもないですね
さしずめ良刀ってあたりです」
酒豪仙人「して名前は?」
小物「虎徹です」
酒豪仙人「虎鉄って……結構な名刀じゃない」
小物「いえ、字が違います。虎徹です。それにあやかってこんな名前になったらしいです」
酒豪仙人「ややこしいなぁ~」
小物「刀としては硬くて切れ味が良い分折れやすいそうです」
酒豪仙人「何か聞いたことあるぞ」
メイド「うう……攻撃を当てることは出来るけど秘孔を突ききれない……」
仙龍「精度はいいんじゃが、いかんせんスピードが足りん。
突く動作自体のスピードと逃げられても追いすがって突けるスピードがほしいのう」
騎士「はぁっ!」
仙龍「お主は剣筋が読みやすい。搦め手は嫌いかね?技の一つでも
使えんといずれ伸び悩むぞ?」
魔法使い(28)「あの、私は……?」
仙龍「お主は後じゃ。まずは他の者全員のレベルをお主レベルに上げてからじゃ」
遊び人「魔法使い(28)さん、だったら早く先に伝説の担い手について説明して下さいよ」
ヒーロー「そうだよ、他に気を取られてないでちゃっちゃっと説明してくれ」
おなべのフタの精霊「そうですよ、というか私も気になって気を取られて、特訓どころじゃないんですから」
魔法使い(28)「分ったわ、それじゃ先に伝説の担い手について素早く説明して貴方達の特訓が再開出来る様にしましょうか」
魔法使い(28)「そう、伝説の担い手とは
―――魔界、先代魔王城、玉座の間‐‐‐‐―――
柱の殆どは崩れ、床や壁には所々に穴が開いている。まるで廃墟のようなこの城、そんな城の玉座に一人の男が座っていた…そしてその男を称えるかのように魔王軍の参謀が頭を伏せている。
男「……参謀よ面を上げよ」
参謀「ハハッ!」
参謀はその言葉を聞きすぐさま顔を上げ、その男を見上げる。
男「んで今日、お前がここに来たと言う事は、仮初の魔王に何か大事でも起きて我の魔力が必要になったのか」
参謀「…」
男「…図星か…」ハァ
参謀「い、いえ、先代魔王様。実は魔王(仮)を強化しようとしたら色々トラブルがありまして…」
男改め…先代魔王「…我も勇者に受けた傷を癒すのに大変なのだが…まあいい持って行け」
参謀「ハッ!ありがたき幸せ…ところで先代魔王様、もう一つご報告が…」
先代魔王「ん、なんじゃ話せ」
参謀「突然あの世界に生まれた能力者…『伝説の担い手』についてなのですが……最近、その伝説の担い手たちを覚醒…つまり『継ぎし者』にランクアップさせようとする輩が現れました」
先代魔王「……そうか…それでその輩は…まさか勇者の一行の生き残りなのか?」ニヤァ
参謀「いえ、兵士達の情報によりますと…その輩は白き竜を連れた浪人だったと…」
仙龍「ふむ、なかなか良くなってきたじゃあないか」
騎士「よく、言うな」ゼーハー
メイド「もう、腕、痛い」ゼーハー
仙龍「しょうがないのう、龍娘、アレを持って来とくれ」
龍娘「はいはーイ」ぴょーん
仙龍「ホレ、これを食え」
騎士「これは?」
仙龍「仙豆じゃ。一粒で力がみなぎるぞ」
メイド「その名前大丈夫ですか?」
メイド「これって一体後いくつあるんですか」モグモグ
仙龍「まあ、1年分はあるから心配するでない」
騎士「しかし食べただけで筋力が上がったような気がするのは気のせいか?」
仙龍「そいつは修行用のプロテイン入りじゃ。それを定期的に食べれば誰でも
筋肉モリモリ、マッチョマンの変態になれるぞ」
騎士・メイド「「なん……だと……!」」
龍娘「おじーちゃんあんなこと言ってるけど大丈夫ネ。
一週間食べても腕の筋肉1cmしか増えなかったアル」
メイド「それ結構ヤバくね?」
騎士「今以上に男と間違われるのか」ズーン
メイド「食べたら本当に強くなった気がします……さっきちょっと新しいこと思いついたし、仙龍さんお相手お願いします」
仙龍「わかった。いつでもいいぞ」
メイド「では遠慮なく……冥土百裂断迅拳!」
仙龍「一瞬のうちに百発ッッ!しかも突くべき秘孔は全て突いているッッッ!!」
メイド「ナギッ」
騎士「い、一瞬で仙龍のそばにッッ!!」
後に、その現場に居合わせた騎士はこう語る
騎士「物って床にたたきつけたら少しは跳ねるじゃないですか」
でも生き物ってそうそう跳ねませんよね?」
……跳ねたんですよ。しかも体中硬い鱗に包まれた大きな龍が」
どれぐらいかって?そうですねぇ、少なくとも私の身長より高かったですよ?」
その後がスゴイんですけど……」
先ほど話したメイド、彼女がその龍の上まで飛び上がって」
こう、地面に向かって思いっきり叩きつけたんですよ」
たたきつけられた龍はまた跳ね上がって」
そう、その繰り返し。なんだか別のスポーツを見ている気分でした」
私には彼女がバスケをしているように見えたんですよ」
……ミスった
以後の製作者に伝えます。
現在次スレでキャラ紹介を行っています。
現状、メインキャラだけで35以上いることが確認されています。
キャラ紹介をしている方の負担になりますので、
新キャラはしばらく自重していたたきたく存じます
仙龍「脱皮!」スポン
メイド「脱皮!?」
騎士「え!?龍って脱皮できるのか!?」
龍娘「え?知らなかったノ?」
酒豪仙人「あれ、言ってなかったっけ?」
騎士「初耳だ!」
メイド「くぅ・・・これでは冥土百裂断迅拳が秘孔を突ききれないッ
ピンチに脱皮とかどこの殺○んせーですか・・・」
龍娘「私はどっちかというとコ○ッケ!のアンチョ○が思い浮かんだヨ」
酒豪仙人「えらい懐かしいなぁ」
侍「はああああ!」
鎧龍「うおおおお!」
斬! カキーン!
侍「え?」
サクッ
侍・鎧龍(お、折れたァァァ!)
鎧龍「なんか、その、すまねぇな?大事な刀だったんだろ?」
侍「べっ、別にいーし!たいした刀じゃねーし!」
鎧龍「ああ、そうか、それなら……」
侍「ただ、これは師匠にもらった刀ってだけだし……そんないい刀じゃねーし」ポロポロ
鎧龍「お、お前泣いてるのか?」
侍「ち、ちげーよ!これは目から汗がでてるだけだよ!」
鎧龍「あ、ああそうか」(気まずい……)
小物(たしか兄さんは虎徹は練習用の刀だって言ってたっけ)
小物(もし侍が立派に戦えるようになったら家の囲炉裏を掘り返せって……和の国に帰ったら家に連れて行こうかな)
さげちった
あげねーと
仙龍「そういえばメイドよ。お主は一体どれほど秘孔を把握しておる」
メイド「まあ、基本的なものはすべて知っています。
技量が足りないので治療には使えませんが」
騎士「正確に秘孔の場所を突けるのに治療に使えないというのはどういうことだ?」
メイド「では聞きますけど、物を壊すのとそれを直すの、どっちがより大変でしょう?
これは秘孔についても同じで、壊すには思いっきり突けばいいんですが、
治療に使うとなると適切な強さで突かねばならず、より難易度が上がるんです」
騎士「なるほど……」
メイド「治療に使える秘孔の位置は知ってるんですけどね……
他にも南斗聖拳、天空宙真拳の秘孔は知ってます」
騎士「だから機械兵器である破壊者の秘孔を知っていたのか」
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