一方通行「……レベル5でイギリス旅行?」 (204)



土御門「だにゃー」

一方「いや待て意味が分かンねェ。唐突にナニ言ってンだオマエ」

土御門「だからレベル5メンバーでのイギリスへの旅行計画が決定したんぜよ。まあ正確には第六位は欠席でオレと禁書も着いてくけど。
あ、ちなみに宿泊先はイギリス清教第零聖堂区必要悪の教会の寮だにゃー」

一方「だからそれが意味分かンねェつってンだよ!! なンだネセサリウスって! 決定ってンなモン誰が決めたンだよ!!」

土御門「統括理事会だぜい?」

一方「ハァァァァ!? しょうもねェウソついてンじゃねェよ!」

土御門「いやいやマジマジ。親船になんか理事会メンバーの権力使って面白そうなイベント出来ない? って相談してみたら『ならレベル5全員で海外旅行なんてどうでしょう?』って」

一方「軽っ! なに考えてンだあのババァ!?」

土御門「ついでに雲川センパイ経由で貝積からもオッケー貰ったにゃー」

一方「ああァァァ!!?」

麦野「……ていうかさ。それでまずなんで集まる場所がこんなクソ狭いボロアパートなワケ? 人にハウスダストで死ねって言ってんの?」



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上条「アポ無しで勝手に人ん家上がり込んどいてその言い草ッ!? ちょっと何なのこのお姉さん!? 女王様なの!?」

禁書「とうま、お客様に向かって失礼かも!」プンスカ

上条「いやいやインデックスさん、だってただでさえ狭いこの部屋にこの人数は流石に無理だって……」チラッ



がやがや わいわい

美琴「へ、部屋……あいつの部屋に上がっちゃった……ふにゃ〜〜///」ビリビリビリ

上条「ぎゃーっ!! 上条さん家の電化製品がーっ!?」ギャース

食蜂「へぇ〜、ここが上条さんの住んでるお家なんだぁ☆ 男のコの部屋にしては片付いてる方ねぇ。
ねー上条さぁん、私ぃ、今度は個人的に上条さんのお家に遊びに来てみたいなぁ〜、もちろん二人きりになれる時にぃ☆」ムギュッ

上条「ちょっ、だからなんでいきなりべたべたしてくんのこの子!?」

禁書「!?」

美琴「!?」

美琴「なっ、何やってんのよ離れなさいよアンタ!!」ガタッ

禁書「そ、そんなにくっつくのは道徳上とてもよろしくないかも!!」ガタッ


食蜂「あらぁ、どうして上条さんの彼女でも何でもないアナタ達に命令されなくちゃならないのかしらぁ? ねぇ上条さぁん、上条さんは私に触られるのイヤ?」

上条「えっ、い、嫌っていうかその、とりあえずさっきから当たっ…」

食蜂「当ててるのよぉ?」

上条「おうふ」

食蜂「イヤ?」ウルウル

上条「とんでもない」キリッ

禁書「とうまぁぁぁあああああ!!!!」ガブッ

上条「いってぇぇぇ!!!」

美琴「またアンタはぁぁぁあああああ!!!! 乳か! やっぱ乳なんかこの野郎!!」ガシッ

削板「はっはっは、うんうん! なんだかよく分かんねぇがやっぱ大勢で集まって楽しくやんのはいいな!!!」

上条「っていうかさっきから妙にくつろいでるこの人は誰!? なんか出る作品間違ってない!? 居るだけでものすげー暑苦しいんですけど!」

禁書「説教モードの時のとうまもどっこいどっこいかも。むしろ常に熱血で無気力モードな時が無さそうなこのハチマキの人の方がとうまより主人公っぽいんだよ」フン

上条「ぐはぁっっ!」グサッ

一方「……」


垣根『あ、もしもし。ちょっといいですか? あの、これ差し入れです。つまらないものですがどうぞ』つ菓子折り

上条「え? あ、これはどうも」

禁書「!! ありがとうなんだよ! あなたはとってもいい人かも!」キラキラ

垣根『いえいえ。こちらこそ突然お邪魔してとんだご迷惑を……』ペコリ

上条「うっ、そこまで礼儀正しく来られると責められない! この無駄に爽やかなお兄さんも何者!? しかもイケメン!」

禁書「この人もとうまより主人公っぽいね」

上条「ぐっはぁぁぁ!!!」グッサァァァ!!

土御門「……おーい、お前らそろそろ真面目にオレの話を聞いてくんないかにゃー? つーか聞け」

一方「だーかーらァー、誰がオマエなンざの戯言に耳傾けるかっつってンだよこっちは。絶対行かねェぞ俺ァ。っつか確実に罠だろオマエの」

土御門「心外だにゃー、オレは確かにウソツキだがそれなりに良心は持ち合わせてるんだぜい?」

麦野「なーに言ってんだ、ただでさえアレな奴らの集まりなレベル5が全員揃って学園都市の外に出る?
あり得ないでしょ普通に考えて。仮に私達が外で問題起こしたりしたらどうなるか分かってんの? ただでさえついこの間第三次大戦なんてもんまでやらかして…」


土御門「一瞬で国際問題に発展、反学園都市勢力が全力で潰しにかかるな。
あとレベル5がお留守で戦力が格段に落ちてるスキを狙って脆い状態のこの街に攻め込むチャンスも生まれる」

一方「……まさかわざとその事態を誘ってそいつら釣り上げようって腹かァ?」

土御門「んにゃ、別にそんな意図はないぜい。大体お前は今までだってアビニョン行ったりロシア行ったりしてるだろ」

一方「そォいう問題じゃねェンだよ!」

土御門「べーつになんとかなるってー。今はフロイラインっつー火力も手に入ったし新入生の奴らだって実質こっち側ついてんだし。
お前らがいなくたってそれなりの実力者は揃ってるぜい?」

土御門「あ、それともアレかにゃー愛しの最終信号達と少しの間でも離れちまうのが寂しいのかにゃ〜幼女の声を聞かないと不安で夜も眠れないのかにゃ〜〜〜?? ん?」ニヤニヤ

一方「死ね」

土御門「安心しろ、既にお前が留守中のあの子らの保護は結標と海原に任せてある。
二人とも一応暗部解体の件でお前には借りを感じてるんだ。たまには他人も頼れ」


一方「ふざけンな、少なくとも海原のヤロウは違う意味で安心出来ねェよ」ペッ

麦野「ってかさー、さっきっから一人でぺらぺらぺらぺらとテメェ何様?
私は他人にあれこれ指図されんのが一番嫌いなんだよ。言っとくが私は死んでも行かな…」

土御門「むぎのんむぎのん、これなーんだ?」ピラッ

麦野「あ? テメェなに人の名前ふざけた呼び方——」


つ浜面ブロマイド


麦野「ッッッ!!!?」ガタッ

麦野「えっ、ちょ、なっ…! こ、これは!?」ワナワナ

土御門「オレのツテで手に入れた浜面のプライベート写真だにゃー。
むぎのんの知らない小学生時代からスキルアウト時代までの超貴重なヤツも豊富に取り揃えてあるぜい?」

麦野「くっ! い、いや、こんな単純な手に乗るほど私は安い女じゃ…」

土御門「ちなみに動画もバッチリ完備。さらには着替えから風呂シーンまで網羅して今なら据え置きタダですたい」

麦野「乗った」ポン

一方「オイ」

土御門「そんでもって一方通行」

一方「あ? 言っとくが俺には第四位みてェなショボい手は通じな…」

土御門「これなーんだ?」ヒョイ

一方「……?」

一方「ICレコーダー? これが一体なンだって…」

>ピッ 再生



『……年下のガキに色々振り回されンのは人間なら誰でも通る道だ』



一方「!!!??」


『ああ綺麗事だってのは分かってる、今さらどの口が言うンだってのは自分でも分かってる! でも違うンだよ!
たとえ俺達がどれほどのクズでもどンな理由を並べても、それでこのガキが殺されても良い理由になンかならねェだろォがよ!!』

『それでも俺はあのガキの前じゃ最強を名乗り続けることに決めてンだよ。くそったれが』

『……オマエは妹達を全員救ったヒーローなンだろォが。一万人近くいるクローン達を片っ端から助け出した、本物のヒーローなンだろォが』

『だったらあのガキの命だって救ってやれよ!! 何であのガキだけが何も悪いことなンかしてねェのに、こンなに苦しめられなくちゃならねェンだよォォォおおおおおおおおおおおおッッッ!!!!!』


『……そォだな』


『俺も、ずっと一緒にいたかった』


一方「あ゛あああああァァあァァァあああァ!!!!」

麦野「うっわ、くっさー…。ていうか何気にすげー情けない台詞も混じってるし。ガキガキってマジで第一位サマはガチロリコンかよ……引くわ」

一方「土御門ォォおおおおおおお!!! なンでオマエがこンな音声データ持ってンだ!?」

土御門「ピンセット経由で滞空回線から盗聴余裕でしたにゃー」

一方「ふざけンな、確実に学園都市外の時のモンまであっただろォが!!!」

土御門「こまけぇこたぁいいんぜよ。もしお前が断るなら…」

一方「オラァ!!!!」カチッ バキィ!!


土御門「無駄無駄ウリィだぜい、既にあっちこっちにバックアップ取ってあるからこれ一個ぶっ壊したとこでまるで意味はないにゃー。
とにかくお前が断るならこれ学園都市中のスピーカージャックして大音量で流すから」

一方「く…っそが……!!」ギリギリギリ…

土御門「おーい、そっちの連中もこの旅行に同行ってことでオッケーかにゃー?」

削板「ん? おう!! オレはどんなことがあろうと根性で立ち向かってみせるぜ!!!
それに同じレベル5の根性ある奴らと共に行くのなら、オレの根性を鍛え上げる又とない素晴らしい機会になりそうだ!!」

食蜂「そうねぇ。私クラスになるとなかなか学園都市外に旅行に行けるチャンスなんてないからぁ、望むところよぉ☆」

垣根『私も皆さんが行くのなら特に断る理由はありません』

美琴「えっ、わ、私? えーと私は……」チラッ

上条「ん? どうした御坂」

美琴「い、いや、その」ボソボソ

土御門「あー、ちなみにみこっちに関しては断るのもアリだぜよ。
能力実演旅行でもレベル5の代表としてロシア行ってもらってるしにゃー」

美琴「み、みこっち? ってのは置いといて、えと、一応聞いとくだけだけどこっちのバカは行かないの?」


上条「上条さんはいい加減学校の出席日数がヤバいので無理なんですよ。っつかそれ言うなら土御門もサボりまくってるけど」

土御門「オレはカミやんと違って追試全部クリアしてるからにゃー。普段馬鹿なフリしてるだけで実際はフツーに勉強出来るし」シレッ

上条「ちくしょぉぉおおお!!」

美琴「あ、ってことは……」

土御門「みこっちが残るなら鬼ならぬ禁書の居ぬ間にカミやんに急接近出来るビッグチャンスになるにゃん」

上条「へ?」キョトン

美琴「!!」

美琴(こ、これは……!)

美琴(でも……)チラッ


禁書「おいしー! このお菓子すごく美味しいんだよ! いつも食べてるすーぱーのお徳用セットと違ってなんだか高級な味がするかも!!」モグモグモグ

垣根『黒蜜堂で買ってきたものなので。お気に召して頂けたようでよかったです』

禁書「私はとってもご満悦なんだよ! 本当にどうもありがとう!!」ニコニコ

美琴(……このちっこいのがいない間に自分だけってのはそれはそれでフェアじゃないっていうかなんか卑怯な気がする)


土御門「そうそう、みこっちが行ってくれるなら代わりにみさきちが残るのもアリだぜい。
常盤台理事長からの許可は取ってあるけど流石に二人とも行かせるのもアレだからにゃー」

美琴「えっ」

食蜂「あらぁ、それなら私が残ろうかしらぁ。上条さんと二人でゆ〜〜っくりデート出来るいい機会だしぃ☆」

美琴「あああああ分かったわよ! 行くわよ! ええ、行ってやろうじゃないの!!!」ダンッ!

土御門「いえーい、そうこなくっちゃ。んじゃこれで決まりだにゃー!」

一方(ハメたなこいつ……)

麦野(ハメたわねこのグラサン野郎)

土御門「出発は三日後だ! それまでに各自準備しておくように。以上だにゃー!!」

一同「「「おー!!!」」」

一方「………」






とりあえずここまでで、あとでもう一回投下します

書き溜めも先の構想も殆どないので気まぐれにまったりやってくつもりです
もし出して欲しいキャラとかいたら教えてくれると嬉しいんだよ!



結局みこっちはイギリス行くの?
話の流れからすると残る雰囲気なのに行くって言ってるし、
つまりみさきちが上条さんと居残りデート?

>>15
分かりにくくてごめん、みこっちもみさきちも両方行くよ!

残念ながら番外個体は留守番組だけどイギリス在住の現地妹達なら出せるかも
あとローラは当然出るよー

時系列どこら辺?










第二三学区 空港

ザワザワザワ…

  キィーーー…ン

打ち止め「おー! 本物の飛行機だ! 大きいー! ってミサカはミサカは鉄の塊が空に飛び立つ姿に科学の叡智を感じ取って感動してみたり!」ピョンピョン

番外個体「まあミサカは最終信号と違ってハワイの時に既に乗ってるけどねー」

打ち止め「むっ! ミサカだってロシアから帰ってくる時に乗ってるもん! ってミサカはミサカは対抗してみる!」

番外個体「それは輸送ヘリでしょ? ってかその時もミサカ一緒に乗ってたじゃん」

打ち止め「うっきーー!!」

黄泉川「ハイハイ、その辺で姉妹喧嘩はやめとくじゃんよ。ほら、今の内に挨拶しとかなきゃ一方通行の乗る便が行っちゃうじゃん」

芳川「わたしへのイギリス土産は紅茶でお願いね。あ、あとビスケットとイギリスパンも」

一方「………」

打ち止め「あなた、ちゃんと無事で帰ってきてねってミサカはミサカは夫を戦地へ送る妻のような心構えであなたの手を握ってみる」ギュッ

一方「そンな物々しいモンじゃねェよ、すべては土御門の悪ノリだ。あいつが全部の元凶だ」


結標「まあまあ、たまにはこんなこともあっていいんじゃない? 安心して、私は頼まれたことはしっかりやるわ」

一方「チッ」

結標「あ、ちなみに私へのお土産はヴィヴィアン・ウエストウッドの新作ワンピースとローラ・アシュレイのブーツでいいから」

一方「………」

結標「あとウェッジウッドのティーセットもお願いね」

一方「……海原の野郎は?」

結標「御坂さんと顔合わせるのが気まずいからここには来ないそうよ」

一方「あっそォ」

pipipipi…

一方「あン? 俺の携帯か」ゴソゴソ ピッ



【From】ストーカー
【Sub】もしも
--------------------
御坂さんの身に何かあったら殺しますよ?



一方「………」カチカチカチ







P.S.年下のガキに色々振り回されンのは人間なら誰でも通る道だ(笑)


一方「……」ミシィッ!!

結標「ちょっ、壊れる、携帯壊れる!!」

黄泉川「まあとにかく折角の旅行だ、お前は人との関わり合いに乏しいしここらでコミュ力磨く良い機会じゃん? 楽しんでこいよ」ポン

一方「オマエ激励するフリして実際は俺のHP削りにきてるだろ」


番外個体「ぎゃは、ヨミカワが言ったのただの事実じゃん。ま、精々いつものコミュ障ぶり発揮して気まずい時間過ごしてきなよ」

打ち止め「番外個体のこの口の悪さはいつものことだからほっとくとして、本当に気をつけてねってミサカはミサカは心配してみる。また危ないことしちゃやだよ?」

一方「……おォ」

打ち止め「帰ってきたらいっぱいお土産話聞かせてねってミサカはミサカはゆーびきーりげーんまーん、ウーソつーいたら針一万三十一本飲ーます!」キュッ

一方「何気にすげェ胸が痛くなるからその数字はやめろ」

芳川「イギリスパン……」

一方「オマエはまだ言ってンのか!!」





———

絹旗「……にしても超意外でした、麦野がこの手の計画に乗るなんて。
こういうみんなで仲良く海外旅行〜みたいなイベントは嫌いかと思ってました」

麦野「……まあちょっとね」

浜面「ま、麦野なら強いし仮に何かあったとしても自力で何とか出来るだろうから大丈夫だよな。
滝壺みたいな非力でか弱い乙女じゃなくてしっかり鍛えてるし。強いし」

麦野「……」

浜面「麦野は素の筋力も常人とは段違いで滝壺と違ってめちゃくちゃ戦闘力高……痛たたたた痛い! 麦野さん痛い!
ちょ、なんでいきなりアイアンクローからの腕ひしぎ十字固め!!!?」ミシミシミシ

麦野「別に。気分」ギリギリギリ…

浜面「ただの気分ッ!? たったそんだけの理由でプロレス技かけてくんのやめ……痛いホント痛いッ!!」

滝壺「気をつけて行ってきてねむぎの。そして出来るだけはまづらのいない向こうでゆっくりしてきてね」

麦野「……滝壺。アンタ実は普段私のことちょっと邪魔とか思ってる?」

滝壺「うん」

麦野「認めやがったこいつ……」

滝壺「冗談だよ。帰ってきたら今度はアイテムのみんなでどこか出掛けてみよう?」

麦野「……うん」

フレメア「なんかよく分かんないけど楽しんでくるんだぞ怪獣ムギノンよ!」

麦野「あ゛?」ギロ

フレメア「ごめんなさい」ズザァ!!

絹旗(麦野超怖ぇ…)ガクブル


麦野「……」

麦野「お土産」ボソ

フレメア「え?」

麦野「お土産、何がいい?」

フレメア「! えっとえっと、大体私はチョコレートがいい!! にゃあ」

麦野「ん。分かった」

浜面「麦野……」

麦野「あー、アンタらにも気が向いたら何か買ってきてあげるわよん。じゃあそろそろ行くわ」クルッ

絹旗「あ、麦野麦野。向こうの映画超チェックしてくる約束忘れないで下さいね」

麦野「はいはい。んじゃまた今度だにゃーん」ヒラヒラ

滝壺「いってらっしゃい」

浜面「気をつけてな」

絹旗「超行ってらっしゃーい」フリフリ







浜面「………で、なんでお前はずっとそんなとこでコソコソ隠れてんの?」

黒夜「うっせ、話しかけんな! あの性悪に見つかったらどォすんだよ!
大体私は見送り(笑)なんざ来るつもりなかったのにオマエらが無理矢理引っ張ってきたんだろォが!!」コソコソ

番外個体「あれあれあれー? そこにいるのはもしかしなくてもクロにゃんだあー。へーい、ミサカとあっそびーましょー☆」ガシッ

黒夜「ぎにゃああああああああああ!!!?」ジタバタ




———


縦ロール「女王! どうぞ、どうぞ体調や盗難などにはお気をつけて! それからくれぐれも不摂生はなさらぬよう、女王の玉のようなお肌が荒れてしまっては大変ですから!」

取り巻きA「女王!」

取り巻きB「女王!」

取り巻きC「女王!」

食蜂「アハハぁ、そんなに心配しなくても大丈夫よぉ。でも私のいない間の派閥のことはアナタ達に任せるわねぇ。
ちゃんとおシゴトをこなせたらご褒美にバーバリーのマフラーとバッグを買ってきてあげるわぁ☆」キラキラ

取り巻き「「「女王ぉぉぉおおおおおお!!!!」」」





黒子「お姉様あああああああああ!!!!!」

初春「御坂さん、向こうに着いたら是非連絡下さいね」

美琴「うん、するする。わざわざ見送りありがとね」

黒子「お姉様、お姉様、お姉様、お姉様ぁぁああぁぁああぁあ!!」

佐天「あ、そうだこれお守りです。あたしが学園都市に来る時に母から貰ったものなんですけど、よかったらこの旅行中御坂さんに」ポン

美琴「えっ!? いいのそんな大事なもの!?」

佐天「いいですいいです。食事とか気をつけて下さいね。当たってお腹壊すと大変って聞きますから」


美琴「ええ、十分気をつけるわ」

黒子「お姉様ああああああん!! 黒子を置いて行ってしまわれるなんてひどいですのおおおおおお!!
お姉様のいない間一人寝のわたくしはどうすればいいんですのおおおおお!! ああああん、お姉様あああああ!!!」

婚后「御坂さん、ご安心なさいな。あなたのいらっしゃらない間の常盤台の風紀はわたくしが絶対に守り通してみせますわ!」フンス

固法「折角だしたっぷり楽しんでらっしゃいね」

湾内「御坂様、くれぐれもお身体にはお気をつけて」

泡浮「わたくし達も御坂様の無事のお帰りをお待ちしておりますわ」

美琴「あはは、うん。お土産いっぱい買ってくるから帰ってきたらまたみんなでお茶しようね」

黒子「お姉様あああああん! うわああああああん!!!」

美琴「あーもーうるさい!!」ベシッ

黒子「お姉様……黒子は、黒子はッ…!!」

美琴「あーうん、異常に長くなりそうだから別にいいわ。まあでも心配してくれてありがとね黒子。アンタにもお土産たくさん買ってくるから」ナデナデ

黒子「お姉様ぁ……」グスン


「お姉様、お姉様」ヒソヒソ

美琴「ん?……あ、ごめん。じゃあ私はそろそろ」

初春「はい! 行ってらっしゃーい!」フリフリ

佐天「もしロンドンのジーンズショップ寄ったら店主の人によろしく言っといてくださーい!」

黒子「お姉様、どうかお元気で! 平穏無事のご帰還を黒子は願っておりますの!!」

美琴「行ってきまーす!」




——柱の影

美琴「で、アンタも来てくれたんだ」

御坂妹「はい。流石に学園都市内のミサカ総出では目立ってしまうことこの上ないので代表してこのミサカがやって来ました、とミサカは懇切丁寧に説明します」

美琴「そっか。わざわざありがとうね」

御坂妹「いえ、むしろお姉様のいない間にあの少年に近付くラッキーチャンスなのでミサカ的には役得です」ニヤァ

美琴「!!??」

御坂妹「ですからお姉様はミサカがあの少年をデートにお誘いしている間せいぜい霧の街で暢気にフィッシュアンドチップスでも食べてて下さい、とミサカはほくそ笑みます」

美琴「くっ…! 抜け駆けなんてズルいわよ!」

御坂妹「恋愛に抜け駆けもクソもありません。それに雑誌の占いによれば今週のAB型の恋愛運は星5つ、つまりこれはついにミサカの時代が来たということ…!!」

美琴「……いや、それ言ったら私も他の妹達もAB型だし」

御坂妹「……はっ!」

美琴「おバカ……」

食蜂「うふふ。お姉さんのお見送りにくるなんて御坂さんと違って本当に殊勝で可愛い妹さんよねぇ☆」テクテク

美琴「……なんでアンタはいちいち話しかけてくんのよ」

食蜂「ひどぉい、これから寝食を共にするお友達に向かってぇ」

美琴「誰が誰の友達ですって?」ジロ

御坂妹「そういえばあなたには大覇星祭の時にお世話になりましたね。あの節はありがとうございました、とミサカは改めてあなたにお礼を言います」ペコリ

食蜂「ふふ、いいのよぉ。御坂さんと違ってアナタは可愛いから許してあげちゃうゾ☆」

美琴「……ふん」




———


垣根『意外でした』

定規「何が?」

垣根『あなたが来てくれるとは思わなかったので』

定規「それはどういう意味かしら」

垣根『来てくれて嬉しいと思います』

定規「………はあ。本当にすっかり好青年になっちゃってるのね」

垣根『おかしいですか?』

定規「うん。とってもおかしい」

垣根『そうですか』

定規「今のは別に悪い意味じゃないよ?」

垣根『はい、分かっています』

定規「本当に分かってるのかしら、もう」ハァ

垣根『ところであなたのその服は…』

定規「うん? ああこれ、うちの学校の制服。おかしいよね、暗部が無くなって暇だからってこの私が毎日真面目に学校通っちゃったりしてるの」

垣根『学校は楽しいですか?』

定規「まあね。普通に友達作って、普通に勉強して、普通に放課後遊んだりするのも結構楽しいね」

垣根『それはとてもいいことです』

定規「……気をつけてね。まあ、あなたなら何も心配いらないだろうけど」

垣根『お土産は何がいいですか?』

定規「ふふ、あなたがくれるものなら何でも。なんてね」

垣根『心理定規』

定規「なあに?」

垣根『あなたにはドレスよりそっちの方が似合うと思います』

定規「……行ってらっしゃい」




———


削板「いよっしゃああああああああ!!! 財布よし、カメラよし、洗顔道具よし、着替えよし、根性よし!! 準備満タン、いつでも行けるぜ!!」

雲川「おいバカ。パスポートは持った?」

削板「いかん、家に忘れた!!」

雲川「本気でバカだなお前」

削板「問題ない、今すぐダッシュで取ってくる!!」ダッ



削板「————取ってきた!!!」シュバァァァァ!!!

雲川「この間僅か25秒。まさに人外のなせる技だけど。もうお前走ってイギリスまで行った方が早いんじゃないか?」

削板「なるほど、その手が!」ポン

雲川「……いい加減このバカのバカっぷりには付き合い切れないけど。まあ一応気をつけて行ってこい」

削板「おう!!」

土御門「ういーっす。そろそろ全員揃ったか?」テクテク

上条「インデックス、ちゃんとハンカチ持ったか? もうポケットティッシュの使い方は覚えたよな?」テクテク

禁書「ばっちりなんだよ! 私の絶対記憶能力をもってすればこの最新鋭日用品の使い方なんてとっくにマスターしてしまったかも!」テクテク

上条「本来なら幼稚園児でも普通に使えるんだけどな」

禁書「とうま、なにか言った?」

上条「イエ、ナンデモ」


禁書「スフィンクスー、私がいない間とうまと一人と一匹になっちゃうけど寂しがっちゃだめなんだよー」ナデナデ

スフィンクス「にゃー」

風斬「あ、あの。気をつけて行ってきてね、インデックス」

禁書「うん! ひょうか、今日はわざわざお見送りありがとうね!」

風斬「ふふ。友達だもん、当たり前だよ」

フロイライン「はい。私達は友達です」ダキッ

禁書「わっぷ。うん、フロイラインもありがとうね」ギュー

フロイライン「ふふ」

禁書「えへへ」

風斬「あははっ」

姫神「や。久しぶり」テクテク

小萌「シスターちゃーん、こんにちはなのですよー」テクテク

禁書「あー、こもえ、あいさ!」

小萌「私達もお見送りに来ましたよ〜」

姫神「台詞がある。こんなに素晴らしいことはない。気をつけて行ってきてね」

禁書「うん! 分かってるんだよ! みんな本当にありがとう!」ニコッ

上条(……癒されるなあ)ホンワカ

上条(それに比べて…)チラッ

舞夏「兄貴も気をつけて行ってくるんだぞー」

土御門「舞夏ぁ〜。ごめんにゃー、お前と離れるのは辛いがオレがいない間寂しくても決して泣いたりしないでく…」

舞夏「あ、私明日から特別研修入ってて忙しくなるからどっちみち兄貴いてもいなくても変わんないぞ?」

土御門「えっ」

舞夏「ってか兄貴が家空けるのもいつものことだし」

土御門「い、いやいやいや、ここは嘘でも寂しいなーとか電話してねとか…」

舞夏「とりあえず兄貴は本場イギリスのメイドを見て真のメイドの何たるかをきちんと学んでこい、話はそれからだ」キッパリ

土御門「……舞夏」グスッ

上条(土御門……)ホロリ


わいわい きゃっきゃ

上条「……」チラ

上条「あー、土御門。ちょっとこっち」チョイチョイ

土御門「ん? おう」スタスタ




上条「あー、今回の話だが…」

土御門「ああ、言われなくてもちゃんと分かってるぜい」

上条「くれぐれもインデックスのことよろしく頼むな」

土御門「カミやんすっかりパパみたいになっちゃってるにゃー」

上条「うるせぇよ」

土御門「ははは。あーそうだったそうだった。ただにゃ〜、一つ言い忘れてたことがあるんだが」

上条「え?」

土御門「今日用意した『旅客機』なんだけどにゃー」

上条「………おいちょっと待て。その単語が出た時点で既に嫌な予感しかしな…」

土御門「ずばり☆ 例の超音速旅客機ですたい」テヘペロ

上条「やっぱりかあああああああああああ!!!」


上条「……インデックスのことよろしく頼むって言った矢先にこれだよもう! だから言ったじゃん、前にも言ってあるじゃん!」

上条「あれにはせっかく科学側に心を開き始めたインデックスのトラウマをほじって抉って引きずり出して何万倍にも膨らませた惨たらしい経緯があるんだよ!!
もうあんなもんにはこれから一切ウチの子は乗せません!!」

土御門「無理無理。もう五分後にはテイクオフだし」

上条「いやあああああああああ!!! だめ、絶対だめ、今すぐインデックスさんをテイクアウトします、我が家に!」

土御門「それで上手いこと言ったつもりかカミやん。ハハ、ワロス」

上条「笑い事じゃねーんだよマジでよぉ!!!」

土御門「よーし、そんじゃあ行くぜい野郎どもー。すぐにオレらの乗る便出るから急げ急げー」

上条「みんな今すぐ逃げてぇぇぇええええええ!!!!」









ここまでです、ではまたー

>>20
基本的にゆるいほのぼのギャグのつもりなんで細かくは決めてないです
大体新約6巻後くらいだと思ってくれればいいんだよ!








ロンドン ヒースロー空港

土御門「さー着いた着いた。やっぱ超音速旅客機は違うにゃー、約9600kmの空の旅もあっという間ぜよ。
あー、にしても久しぶりだぜいこの空気」

削板「ほう、ここが花の都ロンドンか! なかなか根性ありそうな街だ!!」

一同「「「………………」」」グッタリ

土御門「ん? どうしたぜよみんな。土気色な顔して」

一方「……」

麦野「……うぇっ」

美琴「おぇ……」

垣根『……大丈夫ですか?』

食蜂「大丈夫じゃな……うぷっ」

垣根『……』サスサス

一方「……もォイイ、とりあえず歯ァ食い縛れオマエ。一発ぶン殴る、能力全開で」プルプルプル

土御門「第一位ともあろう一方通行があの程度で情けないにゃー」

一方「殺す、オマエだけはマジで殺す」

土御門「っと、そんなことよりそろそろ迎えが来る手筈になってるんだが」キョロキョロ


「———迎えに上がりました。すみません、待たせてしまいましたか? 土御門」


土御門「おー、ねーちん! 久しぶり〜。全然、ちょうど今着いたとこだったぜい」


神裂「そうでしたか。それならよかった。皆さん初めまして、ようこそイギリス、ロンドンへ。私達はあなた方を歓迎します」

削板「おお、姉ちゃんすげぇ根性ありそうな服着てるな! 気に入ったぜ!!」

神裂「あああもうっ! だからですね、この服は個人的な趣味で着ている訳ではなく左右非対称の………えっ」

神裂(は、初めて他人にこの服装を褒められた…)テレッ

神裂「ハッ! そ、そうだ、彼女は……」キョロキョロ

神裂「! インデックス! お久しぶりです、渡航中何か困ったことなどありま…」テテテッ

禁書「ひこうきこわい、ひこうきこわい、ひこうきこわい、ねぼし、ひこうきこわい、ひこうきこわい」ブツブツブツ

神裂「!?」

麦野「……で? 結局この女は何なの?」

土御門「ねーちん」

麦野「ぶっ[ピーーー]わよ?」

土御門「冗談ぜよ」

神裂「あ、ご紹介が遅れました。私はイギリス清教、必要悪の教会所属の神裂火織と申します」

土御門「補足説明すると彼女もカミやんにフラグ立てられた内の一人だにゃー」

美琴「なっ!?」

神裂「ちょっ!? 土御門、またあなたはそんなデタラメを…!」アセッ


美琴「……へ、へぇ? ふーん? 年上ね、へぇ〜?」ヒクッ

神裂「」ピクッ

美琴(ま、まあ見た感じ二十代後半くらいだし流石に一回り近く上は……ねえ?)

神裂「やかましい! 私はまだ18歳だこのクソガキがぁぁぁああああああああ!!!!!」ブチィッ

美琴「えっ、うそっ!? っていうか今私口に出してな…」

神裂「るっせぇんだよド素人がッ!! 顔見りゃなに考えてるかくらい分かるんだよこの青臭いガキがぁ!!!」

神裂「人を見た目で判断してんじゃねーぞオラァ! この七天七刀で七枚下ろしの刺身にしてや…………はっ」

一同「」ポカーン

神裂「あっ、い、いえ、その、これは……っっ」カァーッ

土御門「諦めろ。会って一分で既にねーちんの素は思いっきり露呈したにゃー」

神裂「くっ! ハメましたね土御門…!」ギリギリ

土御門「違う違う、ただのねーちんの自爆だから」

神裂「うぐ…っ」


神裂「あの、本当にすみませんでした……」ペコリ

美琴「あ、いやこちらこそ……なんていうか、えっとごめんなさい」フイ

神裂「そんな憐れんだ声で目を逸らすのはやめて下さい頼みますから! と、とにかく気を取り直して!」


神裂「何でもこの度、うちのバカ上司……ごほんっっ、トップである最大主教がそちらの統括理事長と話し合った結果この交流会が催されることとなったそうで」

一方「……あ?」

一方「ちょっと待て、ンなこと聞いてねェぞ!?」

神裂「え?」

土御門「あっれー、それも言い忘れてたっけー? めんごめんごっ☆」

一方「…………」ガシッ ギリギリギリギリ

土御門「痛い痛い痛い、アクセラさんマジ痛いから首はやめて絞めないで、マジ呼吸器ヤバいからホントマジ」

土御門「っつかある程度機内で説明したじゃないかにゃー。ウチは学園都市とは一応友好関係ってことになっててこれまでも多少の交流はあったんぜよ。
そもそも大戦の時だってイギリスはこっち側に付いてただろ?」

一方「……」

神裂「え、えーと、よく分かりませんがとりあえずはこちらでタクシーを用意させて頂いていますので一先ずランベス宮へ向かいましょう。
最大主教がそこにおりますので詳しい話はそちらででも」

一方「……チッ」

垣根『第一位』

一方「あァ?」


垣根『彼女は特に悪辣な計略は持っていないようです。
今彼女の衣服や刀等の表面を未元物質でなぞり断片的な思念情報を読み取りました。
結論としてこの女性は極めて善良な人間であると判断出来ます』

神裂「へ?」キョトン

一方「……そォかよ」

垣根『あと』

一方「あン?」

垣根『彼女の実年齢は本当に18歳です』

一方「……マジかよ」

神裂「だからそう言ってるじゃないですかああああ! うわああああああん!!」

禁書「ひこうきこわい、ひこうきこわい、ひこうきこわい、ひこうきこわい」ブツブツ












———ランベス宮、最大主教官邸

そこは本来一般人の立ち入りが禁止されている歴史の重みを十二分に滲ませた荘厳な建物である。

数多くのイギリス清教徒達が地位と権力に焦がれ、ゴール地点として内心沸々と燃え上がる欲望で虎視眈々とその玉座を狙っている確かな場所。

もはや舘そのものが巨大な一つの魔術トラップ装置となっている、王室バッキンガム宮殿以上の防御力を誇る空間———通称、『処女の寝室(ネイルベッドルーム)』。

今、ステンドグラスから斜めに射し込む真っ直ぐなレンブラント光線、天より下る梯子のようなその光を浴びて一人の華奢な女が後ろ向きに立っている。

黄金色に輝く、あまりに細く長く美しい髪を高く豪奢に結い上げ、普段自身が身に付けているベージュ色の修道服ではなく、目に鮮やかな真っ赤な衣装を着込んでいるその女は
一方通行達一行が室内に通される気配にゆっくりと振り向いた。

そのあまりに常人離れした容姿に目を奪われ放心する客人一同の顔を悠然と眺め、
薔薇色の唇に緩やかな弧を描きながら彼女はやがてその小さく可憐な口を開き———……







ローラ「やっほー☆ ローラだよっ!」



ローラ「ローラねー、今日は仕事めんどくさいからネパールにでも高飛びしようかナーとか思ってこっそりランベス宮抜け出そうとしたんだけど〜、
途中で赤毛煙草神父野郎に取っ捕まって思いっきりボコられちゃったぁ、きゃはっ☆ んー、でもオッケー♪」

ローラ「そして学園都市から来たる客人を迎えし為に時期も時期なりし、
女子力アゲアゲ↑↑悩殺ミニスカサンタコスと昇天ペガサスMIX盛りにて待っていたりたのよーウフフッ、いい感じ〜♪」

ローラ「皆、イギリスではっぴっぴーに楽しんでいってくれると嬉しいな! たこ焼きっ☆(ゝω・)」キャピッ


神裂「…………」

土御門「…………」

一同「「「…………」」」

ローラ「…………あ、あれっ?」

神裂「…………」

土御門「…………」

一同「「「…………」」」

ローラ「…………」


ローラ「……え、えーっと」

ローラ「わ、私のことは嫌いでもイギリス清教のことは嫌いにならないで欲しけるのよ☆ フライングゲット┐( � )┌」

神裂「…………」

土御門「…………」

一同「「「…………」」」

ローラ「……あ、あれー? あれあれあれ、あるぇ〜…?」

神裂「……最大主教、とりあえず一回死にましょうか」チャキッ

ローラ「そこまでッ!? そんなに私の挨拶は駄目でありし!? 自分なりに日本の現在のブームを研究して一生懸命考えたといふのに!!」

土御門「いい歳こいて鳥の巣みたいな頭しやがって……」フッ

ローラ「あっ、鼻で笑った! 今お前は思いっきり見下した表情で私を鼻で笑いたわね土御門!!」

土御門「とりあえず貴様はその二つの意味でふざけた頭をどうにかしろ、キモい。そしてイタい」

ローラ「キ、キモ…ッ!? えっえっ、今日本ではこのアバンギャルドな髪型が流行っているのではないければかしら!?」

神裂「やかましいド素人がッッ! テメェわざわざ日本からこちらまで訪ねて来てくれた客人を前に一体なにやってんだこのバカ女がァあああああああ!!!!
テメェの年齢考えやがれ、そんな汚ぇ膝丸出しのふしだらな格好しやがって!!」ガッ

ローラ「そこは神裂も人の言えな……ひぃぃ!? た、助けてすている、ステイルーー!!!!」


バターンッ!!

ステイル「最大主教ゥゥゥーーーーッッ!!!!」ダダダダダッ…

ローラ「おお、ステイル! ちょうど良きタイミングなりけるのよ! さあ今すぐ神裂の暴走を止め…」

ステイル「このクソ女狐がァァァァあああああああ!!!」

バキィッ!!!

ローラ「へぶふぅっ!? 思いっきり助走つけてからの全力のグーパン!? おま、清教派トップたりけるこの私になんといふことを!!」

ステイル「黙れ黙れ黙れ!! 貴様、ついさっきの通信はどういうことだ!!?」ガシッ

ローラ「え? なにってだから『あ、そういえば言い忘れてたけど今日こっちに禁書が来たるからそういうことでよろしくー☆』って伝えただけ……ぶごっ!?
や、やめて、その指輪だらけの拳で殴るのはやめ——ッッ!!?」

ドゴッ! バキィ! グシャァッ!!



麦野「………………なにこれ」

短いけどここまでです、一ヶ所名前とメ欄間違えてすいません……

ローラは年齢不詳のステキなババ…お姉さんだよっ!ウフフッ☆





ローラ「えっと、なんていうか本当にすいませんでした」ボロッ

ローラ「いやあのこれはですね、ちょっとした茶目っ気っていうかサービス精神っていうかその、
ぶっちゃけこんな格好と台詞で出迎えたら滅茶苦茶ウケるんじゃね? とかそんな軽いノリでやりました」

ローラ「はい、はい、いえ本当彼らを馬鹿にするとか侮辱するとかそんなつもりはまったくなくてですね、ええ」

ローラ「はい、本当反省してます。反省してますからいい加減このジャパニーズDOGEZAは解いても……あ、駄目ですよねごめんなさい、分かりましたので唯閃だけは本気で勘弁して下さい、はい」



神裂「本当に、本当に本当に本当に大変うちの馬鹿が失礼致しました!!!」ガバッ

美琴「……ああうん、はい」

一方「どォしてこンなになるまで放っておいたンだ……」

麦野「……」

土御門「つーか完璧に出オチだろこれ。マタイ=リースでも助走つけてぶん殴るレベル」

削板「はっはっは、こっちの姉ちゃんも個性的で根性ある格好してるな!!!」

食蜂「アナタは一回眼科に行った方がいいわぁ」

削板「何故だ? オレの視力は11.0だぞ?」キョトン

食蜂「完全に原始人じゃないのぉ…」

神裂「…………」←視力8.0

垣根『おかしい……彼女の髪型が一角獣を模したものであるならば、正式名称は「ペガサス」ではなく「ユニコーン」でなければならないはず……ッ!』

禁書「いや、そんなマジに悩まれても……なんだよ」


ステイル「というか本当に何なんだこれは!? おい土御門、貴様がいるということは全部お前が元凶か! そうなんだな!?」

土御門「いやあ、てへっ☆」

ステイル「」ブチッ

一方「あ、やっぱこいつ何処にいても周りからそォいう奴って認識されてンだな」

ステイル「そして神裂ぃぃ! 君もこのことを知っていたんだな!? 何故今まで僕に何も言わなかった!」

神裂「え、えーっとそれはですね……」

土御門「あーあーあー、ねーちんは何も言わなくていいぜよ。ステイル、これは禁書が自分から希望してのことなんだにゃー」

ステイル「……なんだって?」

土御門「そもそも敬虔なイギリス清教徒のシスターである禁書目録が自身のホームに里帰りすることに一体何の問題がある?」

ステイル「それは……」

ステイル「……ごほんっ。確認しよう、これは君が自ら望んだことだというのは本当に事実かい?」チラッ

禁書「あ、うん。そうなんだよ」

ステイル「しかし、それにしては先程から上条当麻の姿が見えないが。奴は一体どこにいるんだ?」キョロキョロ

禁書「とうまはお留守番なんだよ。今回は私と白い人達だけで来たの」


ステイル「なに?」

ステイル「………ふ、ふふふふ。上条当麻、奴は本気で一度骨の髄まで焼き尽くしてやらなきゃならないようだね。
禁書目録の管理者たる立場にいながらのこのこ彼女を放り出して……!」

禁書「むっ! とうまのことを悪く言わないで!」

ステイル「っ!」

禁書「違うんだよ、とうまね、とうまは……」

一方「あー、勝手に内輪トーク繰り広げて盛り上がってるとこ悪ィンだけどよォ。
まずは説明しろ、俺はさっきそこのポニーテールの女にこっちの統括理事長がオマエと話し合ったとかなンとか聞いたンだが?」

ローラ「ん? ああ、そうそう! 実は前に学園都市からお中元っぽい感じで贈られてきた『ぱそこん』で、
つい先日アレイスターの奴と『ちゃっと』なるものをしたのよ!」スクッ

美琴「あ、復活した」

一方「つーか、は? 今なンつった?……チャット?」

食蜂「………なんか既に嫌な予感しかしないんだケドぉ」

ローラ「その時のログが残っていたりけるから実際に見てもらった方が早しにつきかしら?」スタスタ

麦野「どうでもいいけどテメェのそのバカ口調すげぇイラつくな」

ローラ「えーーっと、このボタンを押して起動っと……」ポチッ

>パソコン起動 ウィーン…


ローラ「そうそう、これこれ!」カチカチッ ズイッ

一方「あァ?」ヒョイ




【みんなでワイワイ☆首脳チャット入り口】
----------------------

>>ローラさんが入室しました

ローラ:やっほー、アレイスターいるー?

ローラ:おーい

ローラ:おいコラ

>>☆さんが入室しました

☆:なんだ

ローラ:公務だるだる〜

☆:……それだけか、いつもサボってるだろお前

ローラ:それより最近そっちどうよ?

☆:冗談抜きでプランに修正効かなくなってきて鬱

ローラ:ざまあwwwwww

☆:黙れ年増

ローラ:死ね引きニート

☆:最後の審判来るまで働いたら負けだと思ってる

ローラ:駄目だこいつ、早くなんとかしないと……

ローラ:そんなことより幻想殺しこっちにくれる気ない? 代わりにステイル辺りそっちにポイーで

☆:だが断る!!

ローラ:おーいイギリス清教徒ー、今からアレイスターのビーカーぶっ壊しに行こうぜー

☆:おいばかやめろ

ローラ:ていうかなんかこの前『窓のないビル』に穴開けられたんだって?

☆:はい

ローラ:だっせwwだっせww

☆:うるさい黙れ

ローラ:雨漏りww雨漏りしちゃうじゃんwwm9(^Д^)プギャー

☆:この女狐うぜぇぇぇえええ!!!!

ローラ:あとリオレウス倒せない(´・ω・`)


☆:閃光玉でピヨらせて間合い取りつつデスパライズかポイズンタバルジンでまずは尻尾狙うといいよ

ローラ:�クス

☆:うん

ローラ:ところでなんか面白い話とかない?

☆:土御門がなんかイギリス旅行計画立ててる

ローラ:kwsk

☆:ウチのレベル5と禁書目録引き連れてそっち遊び行きたいんだって、いい?

ローラ:おk把握

>>エリザードさんが入室しました

エリ:うぃー

ローラ:女王様ちょりーっす

☆:やあ

エリ:【速報】騎士団長の生え際がヤバい

ローラ:wwwwwwww

☆:wwwwwwww

エリ:マジヤバいわアレ、ベジータ並みにM字ってるわ

エリ:ストレス溜まってんのかね

ローラ:確実にお前のせいだよふざけんなwwww

☆:学園都市製の育毛剤送ろうか?

エリ:頼む

エリ:とりあえずここまでの流れ三行で

ローラ:ドキッ☆

☆:超能力者だらけのイギリス滞在旅行

ローラ:禁書もいるよ!

エリ:把握した

ローラ:そんなことよりいい加減アレの決着つけんぞ

エリ:は?? 既に綾波が至高で結論出てますしおすし

ローラ:ふざけんな、アスカに決まってんだろks

エリ:惣流とかただのメンヘラじゃん

ローラ: 屋 上

☆:その点ミサトさん派の私に隙はなかった

ローラ:熟女好き乙wwwwwwww

エリ:月に代わってお仕置きされてろwwwwwwww

☆:よーし、戦争だ











一方「なにやってンだアレイスタァァァあああああああああああああ!!!!!」

ステイル「なにやってんだこのクソ馬鹿上司ぃぃぃぃいいいいいいいい!!!!!」

神裂「というか女王陛下までぇぇぇぇええええええええ!!!!!」


美琴「……え、ウチの統括理事長ってこんな馬鹿がやってたの……?」

垣根『……私、なんでアレイスターのメインプランの座なんて狙ってたんだろう……』

麦野「あ、もう駄目だわこれ。学園都市っていうか世界終わったわ」

削板「諦めるな第四位、諦めたらそこで試合終了だぞ!! もっと熱くなれよ!!」

食蜂「もうこれそういう次元の話じゃないわよぉ……」


ステイル「このッ! 脳ミソお花畑のッ! クソトンガリ頭がァッッ!!!」

ガッ! ガッ!

ローラ「ひでぶっ!? あべしっ!? い、痛い痛い、やめてステイル、痛っ……ひぎぃ!!?」

土御門「……流石のオレもまさかこんな経緯だったとは思わなかったにゃー」

麦野「もうこの昇天ペガサス女文字通り昇天させて帰んない?」

一方「同意する」

ローラ「ま、待って待って待って、そんなつれないこと言わないで欲しけるのよ。
貴方達をもてなそうといふ気持ちだけは本物なのだから! ね、神裂?」

神裂「あ、ちょっと私に話しかけないでもらえますかスチュアートさん」

ローラ「めちゃくちゃ他人行儀!? いやいやいや、だってほら、私だっていろいろもてなしの案は出していたのよ!?」

ローラ「例えば絶対に笑ってはいけないレベル5〜inイギリス〜とか!! ねえ、どう思ひける?」

一方「イヤだ」

土御門「パクり、駄目、絶対」

ローラ「く、く…っ! な、何よ何よ何よ! 私がこんなに一生懸命に考えしことを!
ふんだ、もういい。お前らなんかとっとと日本帰ればーかばーか! ファッキンジャップ!」

美琴「どこの小学生よ……」


神裂「……しかし、遠路遥々来て頂いたことは事実です。既にこちらで宿の手配などもしておりますし、どうでしょう。
この馬鹿のことはすっぱり忘れて他の面で楽しんでいって下さいませんか?
私としてもイギリス清教徒がみんなこんなんだと思われてしまうのは心外です」

ローラ「ねえ、いくらなんでも私の扱い酷過ぎない? ねえ」

ステイル「炎よ、巨人に苦痛の——」ボッ

ローラ「すいません黙ります」

土御門「えーっと、ちなみに向こうを出たのが夕方でこっちが今午前か」

神裂「ではこれから皆さんが宿泊される必要悪の教会の寮に案内しましょう。荷物も既にそちらに運ばせてありますので」

禁書「とりあえず私はお腹が空いたんだよ……」グーキュルルル

神裂「はい、もちろん食事も用意させて頂いていますよ」ニコッ

食蜂「え〜? でもぉ、イギリスの料理って美味しくないらしいしぃ。
私みたいな舌が肥えてる人間が口にしても大丈夫なのかしらぁ?」

美琴「アンタ、ホンットいちいちイラつくわね」

食蜂「御坂さんにだけは言われたくないわぁ」


神裂「……まあ確かにこちらの食事がいろいろとアレなのは事実ですがなんなら日本人街もありますし、
少なくとも今日の食事当番はオルソラなので味は保障出来ますよ」

禁書「えっ、本当!? わーい、楽しみなんだよ!!」

麦野「そのオルソラってのは誰なのよ」

ローラ「……ねえ」

禁書「オルソラはとっても料理上手なんだよ! とうまの作るごはんの百万倍美味しいかも!! そうと決まったら早く行こう!」テテテッ

麦野「答えになってないし」テクテク

土御門「補足説明その2、オルソラもカミやんフラグ病感染者だにゃー」テクテク

美琴「!?」

ローラ「ねえ」

一方「つーかなンで普通に続行の空気なンだよ、もォ帰ってイイだろこれ」

土御門「『年下のガキにいろいろ振り回されンのは……』」

一方「あ゛あ゛ァァァァァ行きゃイインだろ行きゃァ!!」カツカツカツ

ローラ「ねえ、私の扱い……」

削板「おっしゃああああああああ!!! たらふく食って根性でこの異国の地を堪能してみせるぜ!!」ダダダッ…

食蜂「油っこいものとか出ないかしらぁ、私のお肌が荒れるなんてことがあったら世界の損失よぉ?」テクテク

垣根『私の未元物質で細胞の活性化を促しましょうか?』テクテク

食蜂「なにそれ便利」

がやがや わいわい





ローラ「………………」ポツーン

ローラ「……ぐすっ」





———



ステイル「……で、いつまでそうやってしょぼくれているつもりです? 最大主教」カチッ スパー

ローラ「ふん、いいのよいいのよどうせ私なんて……」ウジウジ

ステイル「いつまでもネガティブぶるのはやめて下さい、気持ち悪い」

ローラ「き、気持ち悪……っ!?」

ステイル「それで? 本当はどういうつもりであの子を呼び寄せたんです。しらばっくれても無駄ですよ」

ローラ「ふふーん? 何のことなりけるかしら? あの子が自分の口で言っていたじゃない、自ら希望して来たんだって」

ステイル「……ハァ。まあ貴女に詰め寄ったところで暖簾に腕押しなのは分かっていますからね。これ以上は無意味か」

ローラ「貴方の方こそもっとよく考えたることね。あの子の本心を」

ステイル「……? なんですって?」

ローラ「いつまでも逃げ続けていては幻想殺しの背中には追い付けないといふことよ」

ステイル「……っ、チッ!」

ローラ「ふふふ。まあ私のアドバイスを聞き入れるか否かは貴方次第。
もう一つの遠隔制御霊装も依然として私が持ちたることだし?」

ステイル「………貴女という人は……」

ローラ「クスクス。私が敵か味方か、善意か悪意か、貴方の好きな方で解釈してみればいいのよ」

ステイル「……最大主教」

ローラ「何かしら?」






ステイル「……そんなアホな格好でシリアスっぽい台詞吐いても余計間抜けに見えますよ」

ローラ「!?」



———

ギィ… バタンッ

ステイル「……ふぅ」スパー テクテク

禁書「ねえ」ヒョコッ

ステイル「うわっ!?」ビクッ

禁書「ちょっとあなたと二人でお話がしたいかも」

ステイル「……君は寮の方に向かっていたんじゃなかったのかい?
お腹が空いているんだろう、早く行かないと無くなってしまうかもしれないよ」

禁書「むっ。た、確かにその事態は絶対に絶対に避けたいけど、でもとにかくそれは置いといて! さっきの話の続きなんだけど」

ステイル「はて、なんだったかな」

禁書「本当にとうまのことを悪く言うのはやめて欲しいんだよ。
あなたはなんだか妙にとうまのことを目の敵にしてるみたいだけど……」

ステイル「君の思い過ごしだよ。僕は上条当麻に対して欠片たりとも関心など払っていないから、
従ってまず前提として奴のことでどうこう思ったりする感情を持ち合わせていないんでね」

禁書「……さっきとうまのこと焼き尽くしてやるとか言って怒ってたよね?」

ステイル「何のことかな?」

禁書「むぅぅぅぅぅ!! どうしてあなたはそんなにいつも感じが悪いのかな!? そういうの『スカしてる』っていうのかも!」


ステイル「何故と言われても元々僕はこういう性格だからね。君にあれこれ言われる筋合いはないよ。
第一、人のことを指摘するより前に君の方こそレディーとしての嗜みが著しく欠如しているように見えるけど?」

禁書「うっ……」

ステイル「まったく、少しは聖女マルタを見習って欲しいね。そう精神が幼いから身体つきも幼いんじゃないかい?
君くらいの歳ならばもう少し上背があってもいいはずなんだけどね」

禁書「むっきーー!! 何なのかな何なのかな何なのかな!? あなたはルーンじゃなくて人を馬鹿にすることを極めた天才だったの!?
大体、私が小さいんじゃなくてあなたが大き過ぎるだけかも!」

ステイル「あーあー、おかしいな。なんだか床の方から女の子の声がするようだけど姿がまるで見えないよ。
おっとすまない、あまりに低い位置から聞こえるから小人かと思ったら君だったのか」

禁書「うきぃぃぃいいいいい!!!!」






——柱の影

土御門「はい、ここで土御門センセイの為になるツンデレ講座の時間だにゃー」

土御門「まずは基本的の基本、“ツンデレとは何か”から。一口にツンデレといってもその形態には様々な分化があり定義も非常に曖昧なんだが簡単に言っちまうと、
何らかの条件下で特定の他人に対し素直じゃない人、天の邪鬼な人を指します」

神裂「ふむふむ」メモメモ

土御門「典型的な例としては超電磁砲や一方通行辺りが該当するにゃー。
番外個体に関してはデレてない、もしくはヤンデレ枠だと主張する人もいるのでグレーとしておくぜい」

土御門「要は『好きだからこそ恥ずかしくて攻撃的な言動、素っ気ない態度を取っちゃうの><』ってことですたい。
実に面倒臭いことこの上ないウザい人種だが、そこに萌えを見いだすことがツンデレを理解する極意なんだにゃー」

神裂「な、なるほど」ゴクリ


土御門「さて、ではここまでのことを踏まえた上で件のステイル=マグヌスくんじゅうよんさいの台詞を見ていくぜい。
彼は禁書に対し、好きな子に対する小学生男子レベルのツンデレ力を存分に発揮していますにゃー」

土御門「しかし『べっ、別にアンタの為じゃないんだからね!』的なデレが思いっきり溢れ出している攻撃型ツンデレではなく、
さりげなく刺々しい台詞を吐くという素っ気ない型ツンデレと言えるでしょう」

土御門「これは従来のツンデレに近い正統派の性質であり、その点において非常に完成度高く仕上がっていますにゃー」

土御門「ただし、これが可愛い女の子ならともかく身長2メートルの赤毛ピアスバーコード煙草香水野郎ということですべてが台無しになり、
逆に気持ち悪いという残念な結果となっているぜよ」

土御門「つまり女のツンデレは可愛いが男のツンデレは面倒臭いだけということだにゃー。
以上、土御門センセイの為になるツンデレ講座を終わるぜい。ここテストに出るからちゃんと復習しておくように」

神裂「非常に勉強になりました」ペコリ




禁書「……はあ。ねえ、どうして今回とうまが一緒に来なかったか分かる?」

ステイル「はっ、あの馬鹿のことだ。どうせ学業の方が追いつかないとか何とかそんなくだらない理由なんだろう」

禁書「とうまはね、私にあなたと二人でお話をさせようとしてくれたんだよ。
とうまがいたらあなたはきっと私とちゃんと話してくれないから」

ステイル「……なんだって?」

禁書「あなたもベツレヘムでの私達の会話から、もうとうまの記憶喪失のことは知ってるよね」

ステイル「……」

禁書「今までとうまはずっと自分が記憶を失っていた事実を周りに隠してきた。
でもあの時とうまがそのことを告白してくれて、約束通り帰ってきてくれて、それから私達はいろいろ話し合ったの。自分達の本当の気持ちを」

禁書「……まあもっとも帰ってきた時は酔っ払って誤魔化すっていう最悪なこともやらかされたり、
その後すぐに今度はハワイやら東欧やらに行っちゃって随分先延ばしにはなっちゃったけど」

ステイル「……ふん」

禁書「その時にね、あなた達のことも詳しく聞いたんだよ」

ステイル「!」


禁書「昔の私とあなた達がどんな関係だったか、あなた達がどんな想いで私に接してきたか、その詳細を」

ステイル「っ、あの野郎……余計な真似を……ッ!!」

禁書「って、あなたなら絶対言うと思ったから他の人達には黙っててもらったんだよ。
もし伝えてたらあなた、確実に私のこと避けてたでしょ?」

ステイル「うぐっ」

禁書「お願いだからとうまのことは責めないであげて。私の方から教えて欲しいって頼んだんだから。
ついでに言えば当初は白い人達まで一緒に来る予定はなかったんだけど」

ステイル「……クソ」

禁書「本当にね。あなたの言う通りとうまは馬鹿なんだよ」

ステイル「……?」

禁書「『お前のショックを受ける顔が見たくないなんていう臆病な理由で逃げてた、
お前を助けたのは「前」の上条当麻であって「今」の俺じゃない、お前が求めているのは記憶を失う前の俺だと思い込んでた、
だから偽りの演技をしてきた、ずっと騙し続けてごめん』って、そう言って私に謝ったんだよ」

ステイル「………、待て」


禁書「馬鹿だよね。本当にとうまはお馬鹿なんだよ」

ステイル「やめろ、言わなくていい」

禁書「まったく、なんでとうまはそんな風に考えちゃうのかな。どうして自分を悪者みたいに言えるのかな」

ステイル「言うな……」

禁書「だって、とうまを」

ステイル「言うなッッッ!!!!」

禁書「とうまを」







禁書「とうまを殺したのは私なのに」








ステイル「——————」




禁書「……なーんちゃって!!」

ステイル「………………」

ステイル「は?」

禁書「ぷっ」

禁書「ふふっ、あははは!! あなた今すごい顔してるよ。そんなに眉間に皺寄せてたら癖がついて怖い顔になっちゃうかも」

ステイル「え……、は? え??」

禁書「言ったでしょ、私達は話し合ったんだって。もう私ととうまはお互いの気持ちをとことん吐き出したんだよ。
とうまは私を助けて自身の記憶を失ったことを後悔してない、それこそ私がとうまに対して罪悪感を持つことなんて望んでない」

禁書「それが分かったから……もうお互い分かってるから、だから今はありがとうの気持ちだけなんだよ。
私がこのことで傷ついたり悲しんだり苦しんだりすることは、同時にとうまを傷つけるってことだもん。
とうまの望む誰もが笑えるハッピーエンドにならないもん」

ステイル「あ……」


禁書「……とうまは隠していたことを私に教えてくれた。だから今度はあなたにも教えて欲しいんだよ」

禁書「もちろん無理にとは言わないよ。あなたが何も話したくないのならそれでいい。でもこれだけは覚えておいて」

禁書「私はもうあなたや『かおり』がかつての私にとって大切で、特別で、大好きな人達だったことを知ってしまった。
法の書の時、私が右方のフィアンマに操られていた時、あなたは私を守ろうとしてくれたんだよね?」

ステイル「ち、違……僕は」

禁書「それにあの大戦が終わった後、一人で学園都市に帰ってとうまを待つって言った私のわがままを聞き入れてこっそり手を回してくれてたのもあなたなんでしょ?」

ステイル「……」

禁書「ねえ、完全記憶能力のある、首輪も無い今の私にはもう絶対にその事実を忘れることなんて出来ないんだよ」

禁書「だから例えあなたが私にどんな気持ちで距離を置こうとしていたとしても、頑なに心を見せまいとしていたとしても、
これから私はあなたに全力で歩み寄ろうとするかも」


禁書「この旅行中、あなたとまたお友達になれるように山程話しかけるつもりだからそこんとこヨロシク! なんだよ!!」ビシッ

ステイル「………あ、」

禁書「……ふぅ。とうま並みにいっぱい喋ったらなんだか余計にお腹が空いてきちゃった」グゥゥゥー

禁書「うん、腹が減っては戦は出来ないかも。ここはひとまず一刻も早くオルソラのごはんを食べに行くべきだね! ほら、行こう?」グイッ

ステイル「あっ! き、君はっ」ヨロッ

禁書「早く早くぅ〜、私はもうお腹が減り過ぎて死にそうなんだよ。ねえねえねえねえ」グイグイ

ステイル「君は……っ!」

禁書「さあ、行こう?」

ステイル「………君、は……」



禁書「————『ステイル』」



ステイル「……!!」

ステイル「ああ。ああ、そうだね。早く行こう、『インデックス』」

禁書「わーい、ごっはん♪ ごっはん♪」タタタタッ…

ステイル「ああほら、ちゃんと前を見て歩かないと転……」

禁書「あうっ!!」ビターンッ!!

ステイル「……遅かったね」







神裂「…………」

土御門「ねーちん」

神裂「何ですか、土御門」

土御門「泣きたい時に泣くのはなんにも悪いことなんかじゃないんだぜい?」

神裂「……そう、ですね」グスッ


今回はここまでで、ゆるギャグって言ったけどちょこっとこんな感じの話も入れてきます

ステイルはツンデレの鑑

そういや麦野って年齢三桁説があるって





浜面が言ってました

滝壺「はまづらという おとこが にげまわっています」

滝壺「はまづらという おとこが こわいひかりを よけています」

滝壺「はまづらは むぎのというじょせいに ひっしに なにかをつたえます」

滝壺「はまづらは いかりくるうむぎのの ごかいを とけませんでした」

滝壺「はまづらは >>103にむけて なにやら うらみごとのようなことばを いっています」

滝壺「はまづらは くずされたがれきに みちを ふさがれました」

滝壺「はまづらは むぎのに おいつかれました」

滝壺「はまづらは ‥‥」

滝壺「はまづらは ‥‥」

滝壺「 ‥‥‥ 」

たきつぼは ものすごい ひめいを あげた

絹旗「!? 超どうしました!?」

滝壺「M○THER3風」

絹旗「はあ?」

お前らババァのことローラとかむぎのんとかねーちんとか言うのやめろよ!!

投下します









ランベス区 必要悪の寮

オルソラ「まあまあ! それではあなた様方が学園都市よりいらっしゃられたお客様なのでございますね!」ニコニコ

一方「……あー、まァそォなンだけどよォ」

オルソラ「ローラ様からお話は聞いていたのでございますよ。
ところであなた様のお名前はなんとおっしゃるのでございましょう?」

一方「あン? 一方通行だが…」

オルソラ「ああ、今日は良いお天気になりそうでございますね。私の名前はオルソラ=アクィナスというのでございますよ」

一方「あ? あァそォ。で…」

オルソラ「おやおや神裂さん、昨日のプリンはもう食べてしまったのでございますよ。
そういえばアニェーゼさん達は一体どこにいらっしゃるのでございましょう?」

一方「……いや、だから」

オルソラ「ふわあ、ねむねむなのでございますよー」

一方「は?」

オルソラ「まあ! あなた様のお名前はあくせられーた様とおっしゃるのですか! 随分と変わったお名前なのでございますね」

一方「え、今? 何テンポ遅れて言ってンの? なンなのこの女?」

オルソラ「ええっ!? ですが私のふとももはいつの日か必ずあなた様にヤング弁当食べ放題なのでございますか!?」

一方「ヤング弁当!?」


オルソラ「なんということでしょう……」

一方「いや、もしもォーし!? こっちの話聞いてますゥ!? っつかちゃンと現実世界にチューニング合ってますゥ!?」

オルソラ「はっ! ということはもしかしてめそ……げふんごふんっ! い、いえ何でもないのでございますよ!?」アセッ

一方「めそ!? めそって何!?」

オルソラ「まあ……ではあなた様を傷つけた罪は羽根をもがれた天使の永遠という名の時計じかけのフランス革命にも似た鎖につながれた昼下がりの陽炎は瞬きした瞬間にあなた様をさらうのでございますか……!!」

一方「もはや何言ってンのか分っかンねェェェェェェェ!!!! なにこいつ、若年性痴呆か何かか!?」

神裂「す、すみませんすみません! あの、彼女は少し……いえ、大分思考がスローといいますかぶっ飛んでいるといいますかですね!」

オルソラ「なっ……そ、それではついに神裂さんは堕天使エロメイドを……!!?」

神裂「ぶふっ! な、なななななな何の話ですか!! あああああもうっ!!」

シェリー「なんだなんだ? 随分騒がしい声がするわね」テクテク

神裂「あ、シェリーですか……」


シェリー「ああ? なんだこの妙な連中は……あー、そういや今日人が来るとかなんとか言ってたわね。面倒臭ぇな」ガシガシ

美琴「……ん?」

美琴「あーっ!! アンタはあの時のゴスロリ女!」

シェリー「あん? おや、テメェは……誰だっけ」

美琴「覚えてないんかい!」ビシッ

シェリー「あー? あーあー分かった、あん時邪魔してくれやがったクソガキかよ。久しぶりね」ヒラヒラ

美琴「くっ……! なんかムカつく!」

シェリー「うるせぇな、今更だしあの時のことはもう水に流してやるから感謝しろよガキ」チッ

美琴「いやそれこっちの台詞だから!」

神裂「ええと、お二人は知り合いで?」

シェリー「前に私が学園都市入り込んだ時ちょっとね」

禁書「久しぶりだねシェリー、こんにちはなんだよ」

シェリー「よう、ちびっこ。元気にしてた?」ワシャワシャ

禁書「とっても元気なんだよ!」


シェリー「ん? おやおや、これは妙な組み合わせね。アンタがこいつの隣にいるなんて。どういう心境の変化?」

ステイル「……ふん」プイ

土御門「……」ニヤニヤ

神裂「……」ニヤニヤ

禁書「?」キョトン

美琴(……なんでだろう。この赤毛の人、性格的な意味で妙に親近感が沸くわ……)

垣根『ところで見たところこの食堂は女性ばかりのようですが……』キョロキョロ

神裂「ああ、ここは女子寮なんですよ。だから本来は男子禁制なのですが、今回は特別に開放させてもらっています。
もちろん男性の方々は宿泊は男子寮の方へ行って頂きますが」

垣根『なるほど』

禁書「そういえば本当にアニェーゼ達の姿が見えないけどあの子達はどこにいるの?」

神裂「彼女達は今仕事中なんです。午後には帰ってくると思いますが」

禁書「そっか」


オルソラ「皆さん長旅でさぞお腹が空いていらっしゃることでしょう。お食事の用意は既に整っているのでございますよ〜」

食蜂「あらぁ、どんなゲテモノ力の高い料理が飛び出すかと思ったらなかなかまともそうじゃない。これなら私の口にも合いそうだわぁ」

麦野「さっきのバカ口調女もだけどテメェもなんか鼻フックかましたくなるウザさだな」イラッ

食蜂「やだ、こわぁい☆ これだから無駄に歳を重ねたオバサンは嫌ねぇ、更年期でピリピリしててぇ。
一端覧祭のミスコンで見事優勝したピチピチ美少女の私に嫉妬しちゃってるのかしらぁ? 怖過ぎて操祈泣いちゃう☆」キャピッ

麦野「……ブチコロされてぇのか。テメェどうせ能力使って票操作してたんだろうが」ビキッ

食蜂「出来るものならやってみなさいよぉ? ほらほらぁ☆」チョイチョイ

麦野「…………」ビキビキビキ

削板「第四位、第五位、喧嘩はよくないぞ!!」メッ





—食事タイム—

禁書「あむっ。はぐっ! んー、やっぱりおいしー! なんだよ!」ガツガツムシャムシャ

神裂「インデックス。ジュースのお代わりはいかがですか?」

禁書「うん、ちょうだいなんだよ。あ、かおり。ついでにそこのお皿も取ってくれる?」ハムハムゴックン

神裂「! は、はい! どうぞ!」サッ

禁書「ありがとっ」ニコッ

神裂「〜〜〜っ!」キュンッ

神裂「あ、あああのインデックス。よろしければもう一度呼んでみてもらっても?」モジモジ

禁書「かおり」

神裂「〜〜〜〜ッッ!!!」ブワッ


神裂(父上、母上、産んで下さってありがとうございます。そして主よ、感謝します。生きててよかった……)グスッ

ステイル「……ふん」カチッ スパー チラッチラッ

禁書「ステイル」

ステイル「ッ!!」ドキーンッ

ステイル「なっ、なななな何かな?」

禁書「たばこ逆さまだよ」

ステイル「!?」バッ

ステイル「って、あっつぅぅぅ!?」ジュッ

禁書「……ステイルって意外とドジッ子? はい、灰皿」

ステイル「あ、ああ。すまないね」ギュッ

禁書「というか流石に食事中の喫煙はどうかと思うんだよ、舌が鈍っちゃうかも。マナーがなってないよね」

ステイル「」ガーン

神裂「……」ニヤニヤ

土御門「……」ニヤニヤ


シェリー「……」シュッシュッ

削板「む? お前は食わないのか? これすっげー美味いぞ?」ガツガツガツ

シェリー「こっちは毎日食べてんのよ。気が散るから話しかけんな」シュッシュッ

削板「何を作ってるんだ?」モグモグモグ

シェリー「スルーかよ。見ての通り彫刻よ」

削板「ほほう、芸術家ってやつか! 根性あるな!!」

シェリー「別にそんな大したもんでもないけどさ。……アンタ学園都市から来たんだろ、名前は?」

削板「削板軍覇、レベル5のナンバーセブンだ!!」

シェリー「ふーん」

削板「お前の名は?」

シェリー「シェリー=クロムウェル。覚えなくていいわよ」

削板「シェリー=クロムウェルか、いい名前だな! 覚えた!!」

シェリー「やっぱスルーかよ」

削板「その彫刻は人間か? 男みたいだが」

シェリー「……ただの失敗作よ。何度作っても上手く出来やしない、そのくせ壊す気にもなれないガラクタだ」シュッシュッ

削板「? よく分からんが何かを創造するというのは素晴らしいことだとオレは思うぞ。
その彫刻のモデルもさぞ喜んでいることだろう!」

シェリー「……、アンタ、似てないのにちょっと似てるね」

削板「ん? 誰にだ?」

シェリー「何でもねえよ」フッ


食蜂「あ、第二位さぁん。それ取ってくれるぅ?」

垣根『はい、どうぞ』スッ

食蜂「それからそっちのも取ってぇ」

垣根『はい』サッ

食蜂「ついでにあれもぉ」

垣根『これですか?』コトッ

食蜂「ありがとぉ♪」

美琴「……食蜂、アンタそれくらい自分で取りなさいよ。いちいち他人パシらせてんじゃないわよ」

食蜂「えぇ〜? 第二位さんは私からお願いされるの迷惑?」

垣根『いえ、私は別に』

食蜂「ほらぁ、第二位さんがそう言ってるんだからいいじゃなぁい」

美琴「……垣根さん、だっけ? アンタ、あんましこいつ調子乗らせちゃダメよ。付け上がるから」

食蜂「あらあらぁ? 御坂さんってばもしかして私に嫉妬…」

美琴「ねーよ」

垣根『二人は仲が良いんで…』

食蜂・美琴「「それはないわ」」キッパリ

垣根『否定する早さが尋常じゃないですね……』


美琴「そういえば垣根さんってウチのちっこいのと仲良くしてくれてるんだっけ? 改めてお礼言っておくわ、ありがとう」

垣根『打ち止めですか? いえ、むしろ私の方が仲良くしてもらっているくらいで……』

美琴「……」

美琴(どうしよう、なんかこの人好青年過ぎて逆に絡みづらいわ。海原光貴の偽物と同じキラキラ感っていうか)

食蜂「ねぇ第二位さん、食事が終わったら二人でその辺見て回らなぁい? 二人っきりでお話してみたいなぁ☆」

美琴「……アンタ本当見境ないわけ? つい数日前はその、あの馬鹿にあんなベタベタしてたくせに」

食蜂「カマトトぶってる御坂さんには分からないわよねぇ。
いろんな男のコを知ることで女は磨かれるのよぉ、彼氏いない歴=年齢の御坂さんには分からないでしょうケドぉ?」ドヤッ

美琴「一回マジで黒焦げにするわよアンタ」

垣根『食蜂は誰かと付き合ったことがあるんですか?』

食蜂「えっ」

食蜂「あ、あう、えっと、え、ええ、まあ? もちろん私クラスになると? そりゃもうわらわらわらわら飢えた狼さんが寄ってきちゃって困るレベルっていうかぁ?
あの、あれ、そ、そう、既に百人切りくらい余裕でしてるケドぉ?」アタフタアタフタ

美琴(あ、こいつ交際経験ゼロだわ)



麦野「ってかさー、そもそも私らここに何泊すんのかすら聞かされてないわよね」モグモグ

一方「もォ知らねェ、なるよォになンだろ」モグモグ

麦野「なにその態度。天下の第一位のくせにいきなり投げやりになってんじゃないわよ」

一方「浜面の写真ごときに釣られた奴に言われたくねェンだよこの負け犬女が」

麦野「……あ゛? 今なんつったテメェ」ビキッ

一方「いちいちうるせェンだよ行かず後家予備軍の年増女。いい歳こいて語尾ににゃーン(笑)とか付けてキャラ作りしてンじゃねェぞ、無理すンなババァ」

麦野「よーし上等だ、表出ろオラ」ガタッ

一方「落ち着けよババァ、命の母でも飲ンで更年期のヒステリー抑えてろよババァ、
ただの都合のいいヤンデレ当て馬要員のくせにセクシー系担当(笑)とか勘違いしちゃってるババァ」

麦野「んだとコラァァァァァ!!! テメェこそあのフロイラインとかいうガキに最終信号の脳ミソ食われたって勘違いしてブチ切れてただろうが!!
あれかにゃーん、愛しの幼女のピンチに我を忘れちゃったのかにゃーん?
そうよねー、アンタはロリと一緒にお風呂入っちゃうくらいの筋金入りっぷりだもんねー?」

一方「なンでオマエが俺とクソガキが一緒に風呂入ってること知ってンだァァァァァァァァ!!!?」ガタッ

麦野「……え、うそ、マジかよ。適当にカマかけただけなのに本気で一緒に風呂入ってるとか……うわぁ、ないわ」

一方「えっ」

麦野「ぶっちゃけロリコンとかネタで言ってただけなのに本当に幼女と一緒に風呂とか……うわぁ、うわぁ」

一方「…………」

オルソラ「あらあら、あなた様はロリータコンプレックスの人なのでございますか。私、初めて見たのでございますよ〜」ニコニコ

一方「…………」


一方「なにこれ死にたい」








—食事タイム終わり—

土御門「よーし、お前ら全員集合〜〜〜」

削板「おう!!!」

土御門「とりあえずこっからは夕方まで自由時間だにゃー。各自好き勝手そこら辺ぶらぶらしてていいぜい。以上」キッパリ

美琴「……今更だけどこのグラサンの人めっちゃ適当よね」

一方「…………」

土御門「さーて、オレは天草式んとこでも遊びに行こうかにゃ〜」テクテク

神裂「あの、インデックス。むしよければ私達とショッピングなんていかがでしょう?」ソワソワ

禁書「ほんと!? 楽しみなんだよ!!」

ステイル(またこの子とロンドンの街を歩けるなんて……)

麦野「さて、どうするかね。あいつらへの土産は最後にまとめて買えばいいとして……」テクテク

一方「…………」

食蜂「第二位さぁん、さあ行きましょぉ?」ギュッ

垣根『どこへ行きますか?』

食蜂「んー、そうねぇ……」

削板「どーちーらーにーしーよーうーかーなー……。よっしゃ! オレはあっちに行くぜ!!」ビシッ

美琴「決め方が超アバウト!?」

オルソラ「皆さん、たっぷり楽しんできて下さいなのでございますよ〜」

シェリー「ふわあーあっと、さて私は昼寝でもするかね」テクテク

一方「………………」


















元々人足の少ない通りのさらに狭く薄汚れたじめじめと暗い路地裏。
ゴキブリが這い回り、痩せたドブ鼠が駆け回り、ナメクジがぬらぬらと透明な粘液の糸を引いて壁にへばり付いている、
そんな閑散とした場所にまだ幼い少女の舌足らずな高い声が響く。



「———万物照応。五大の素の第五。平和と秩序の象徴『司教杖』を展開」



かん、かん、と二度硬い音。チョピンと呼ばれる厚底の靴が取り外され地面を転がる音だ。

「偶像の一。神の子と十字架の法則に従い、異なる物と異なる者を——」


「接続せよ!!」


少女が唱え終わったと同時、彼女が持っている銀の長い杖、その先端に付いている六枚の翼を模した部分がガパッと花のように開いた。

「ぐぅ、あぐっ……!」

少女の眼前では男のくぐもった呻き声があがる。
ずりずりとぬかるんだ地面に尻をついて後退る、そのガタイの良いよく太った男の元へ幼い少女はゆっくりとした足取りで近付いてゆく。

ぺたぺたと擬音にすれば可愛らしい足音。しかし少女の顔には背筋が薄ら寒くなるサディスティックな笑みが浮かんでいた。



「———盗みなら私も昔さんざやりやしたけどねぇ。あくまで『自分の空いた腹を満たす』為であって『私腹を肥やす為』じゃねえです」

「あ、あ……」

「神に仕える者として欲深いのはいけませんやねぇ。だからそんなにぶくぶくブタみてえに太っちまうんじゃねえですか?
ウチらの所持品である霊装盗もうとするなんざ愚挙にも程があるってもんです。さて、と」

にたぁ、と心底楽しそうな笑いと共に少女は手の中の杖———『蓮の杖(ロータスワンド)』をカツン、と横合いの壁に軽くぶつける。


「……がッ!!!」


瞬間、目の前の大柄な男がハンマーで思いきり殴りつけられたかのごとく見えない衝撃で数メートル程吹き飛ばされた。

「あっははははははは! どぉぉぉぉぉおおおおしてこう醜いブタさんが無様に地べた転がる姿ってえのはそそるんでしょうかねえ!!
ほらほらぁ、もう一発いっときましょう……かっ!」

懐から取り出したナイフをくるりと片手で回すと少女は躊躇なく銀の杖に傷をつける。
ギギギギギッ、とガラスを爪で引っ掻いた時のような不快な音が鳴り、
同時に背を向け逃げ出そうとした男の背中が斜めに切り裂かれた。


「ぐああああああああっ!!!!」

「くふ。ふふっ、くふふふふふふ」

ぺろりと舌舐めずりしながら恍惚の表情でゾクゾク身悶えている、
そんなドS少女の背後では二人のシスターが呆れ顔で様子を窺っている。

「……シスター・アニェーゼ。いい加減にいちいち獲物をじわじわいたぶるその癖は治しなさい。はしたないですよ」

「なーに言ってんですか、敵にしてもシチューにしても全部一緒くたにブチ込んでじっくりコトコト煮込んじまうのが一番いんですよ。
素材本来の旨味が染み出て美味しく仕上がるってもんです」

「た、確かにシチューはたっぷり時間をかけて煮込んだ方が野菜がとろとろに溶けて美味しいですよね!」

「シスター・アンジェレネ。論題が根本的にズレています」

「ああっ! そういえば今日の食事当番はシスター・オルソラじゃないですかぁ!
はあ〜〜、今から戻ってももう無くなっちゃってますよねー……はああああ……」

「人の話を聞きなさい」


そばかすのある可愛らしい顔に金色のおさげ髪の一番小さなシスターが心ここに在らずなため息を吐くと、
傍らの背の高い猫目シスターが神経質な声でぴしゃりと注意する。


それにしても、と気弱そうな声でおさげ髪のシスターが口を開いた。

「最近こういう輩が多いですよね〜〜」

「大戦ん時に禁書目録に聖ジョージ大聖堂を地下までブチ抜かれちまってますからねぇ」

それに対し、つい今しがた大の男をボコボコにしながら罵詈雑言を投げつけていた、
赤毛をいくつも鉛筆程度の太さの細かい三つ編みにしている少女が答える。

「あそこには数多くの霊装が保管してありましたし、修復中の今なら侵入出来ると思ってる馬鹿がわらわらウジ虫みてえに沸いてきちまって困ります」

「まあ飛んで火に入るなんとやら、ですか。こうして楽々鼠取りが出来るのですから私達としては願ったりですね」

「さあ、こんな奴とっとと片付けちまって食事に向かいましょう。
こういうクソみてえな汚ない路地裏ってえのはどうにも気が滅入って仕方な……」



「———ああ、そうだな。そろそろ片付けてしまおうか」



面倒な仕事もこれで終わりと弛緩した空気の中で軽口を叩いていた少女達の間に、突如男の野太い声が混ざる。


「…………え?」


意図が掴めないまま彼女らが男の台詞に疑問符を投げかけたその時、

バギンッッ!!と、何かが砕けるような重い音が鳴ったと思った刹那、
背の高いシスターの身体がスイッチを切ったようにぐにゃりと揺れ、声もなくそのまま地面に倒れ込んだ。



「シスター・ルチア!!!!」


「………精神干渉攻撃ッ!? チッ、ザコだと思って侮りましたか!!」

少女が突如倒れ伏した原因を男の放った攻撃術式だと即座に看破し、赤毛少女は手持ちの杖を固く握り直す。
確実に男の頭を潰すように狙いを定め、不可視の衝撃を与えんと湿った地面をドン、と強く叩き——


けれど攻撃は当たらない。


「!!?」

少女の座標攻撃が吹き飛ばしたのは男の背後に転がっていたはずのダストボックス。
肝心の男の姿は、このたった数拍の間の中で影も形もなく消えていた。


「幻術ですか……!!」


例えばステイル=マグヌスの蜃気楼。
例えば闇咲逢魔の透魔の弦。
例えばウートガルザロキの幻覚魔術。

相手の認識している感覚を歪ませて騙し討ちをしたり、自身の身を隠したりする為の魔術。
油断からの初歩的なミスに赤毛少女が舌打ちする。


(しかし奴の魔力はまだ近くに残ってます。そう遠くには……いや、だがそれすら何らかの術式でダミーのものに差し替えられていたら……!?)

知らぬ間にこめかみに脂汗を浮かべ、ギリッと歯噛みしながら焦りの滲んだ声でおさげ髪の少女に指示を飛ばした。

「アンジェレネ! あなたは今すぐウチの隊の精神治癒専門の奴らに通信飛ばして下さい!! 私はあいつを追います!!」

「で、でも」

「早く!!」

「は、はぁいっ!」

彼女の剣幕に押され、おさげ少女はあたふたと懐から通信用の霊装を取り出す。
対して赤毛の少女は全神経を尖らせ辺り一帯を警戒しつつ、苛立ちの滲んだ声を漏らした。

「私としたことがっ……! あのクソ豚野郎、絶対取っ捕まえてボッコボコのグチャミソのミートソースみたいにしてや……っ、」

ゴンッ!!

「っ、がァああああああッ!!?」

「シスター・アニェーゼ!!?」

しかし言葉の途中で派手な音と共に赤毛少女の身体は烈風に押し潰され、剥げたレンガの壁に勢いよくぶち当たった。


「心配しなくても別に逃げた訳じゃあない。ちょっと態勢を整えさせてもらっただけさ」


「ぐっ!」

またも意識が追い付いた時には男の姿が忽然と目と鼻の先に現れている。

「……はん、なるほど。わざと退路を塞ぐ為に狭い路地裏に誘い込んでたってえ訳ですか!」

「その通り、本当に『鼠取り』をしていたのはこっちなんだよ」

飄々とした男の言葉に、ぺっと切れた唇から滲む血を吐き捨て、少女は跳ねっ返りの強気な目で男を睨み付ける。

「では反撃といこうか」

「くっ!」


既に男の手は少女の方へとかざされている。
少女の心臓がドクンと強く速く脈打つ。


(落ち着け、考えろ、冷静に分析しろ、こいつの使っている魔術の属性は風。術式はなんだ、早く逆算を——ッ)


先程から頭は相手の魔術を解析せんとぐるぐる高速で回転している。
なのに今の攻撃で強かに打ち付けた背中と捻ってしまったらしい足首の痛みのせいで上手く逆算が出来ない。

その間にも男は何事か詠唱を唱え、再び風が巻き起こり、少女は咄嗟に突き出した蓮の杖で目前に衝撃の壁を作る。
男の攻撃と少女の防壁が相殺し、狭苦しい路地裏に激しい砂埃と泥水が飛び散った。

「……ごほっ! げほっ」

「さて、『もう一発いっておこうか』」

先刻、少女の方が男を追い詰めていた時に言い放った台詞をお返しとばかりに嫌味たらしく口にし、
魔術師は三度吹き荒れる風を生み出してその小さな身体を弾き飛ばした。


「っ、うあああああああああッッ!!!」


ズザザザザザザッ!!と少女が地べたの上を横転し、修道服ごとその白い肌がボロボロに傷ついていく。


「なっ、………よくもシスター・アニェーゼをぉぉぉっっ!!!」

二人の戦闘を呆然と見ていたおさげ髪の少女は、自分の上司であり仲間である赤毛少女の痛みつけられる姿に激昂し
持っていた通信用の霊装を投げ捨てると腰に下げた硬貨袋を取り出した。

「きたれ。十二使徒のひとつ、徴税吏にして魔術師を打ち滅ぼす卑賤なる——ッ!」

「遅い」

「きゃあああああああっ!!!」

「アンジェレネッ!!」

ドバッ!と圧縮された風が詠唱を唱え終わる前に幼い少女の体躯を空に舞い上がらせ、あっという間にそのまま地に叩き伏せた。

「こ、んの……野郎っっ!!」

杖を支えに一人残った少女は、震える膝を無理矢理押さえつけて立ち上がろうとする。

男は余裕の笑みを崩さない。

(くっ……ちょっと、これはマジでヤバいかもしんねえですね……)

荒い息を吐きながら少女は煩悶する。

彼女の得意とする座標攻撃は『軌道が読めない』ところが最大のメリットだ。
一撃一撃は規格外の強さを持つ聖人などには到底敵わないものの、次の一手がどこに来るか分からないその脅威が相性によっては相当手強い武器となる。
しかしこうも狭い道では機雷を設置出来る範囲はあまりに限られてしまう。

(ですがそれは向こうも同じ!)

男の作り出す風が同時に左右二方向から迫り来るのを低く身を屈めて紙一重で避わし、その態勢のまま蓮の杖で足払いをかける。
男はあっさりと軽いバックステップでそれを回避し、逆に蹴り飛ばしてきた。危うく杖が手を離れそうになり、
手首にビリビリと伝わる振動が痛みを訴えるのを無視して無理矢理引き戻す。

が、その時には既に鼻先まで肉薄していた男の膝が———次の瞬間、少女の顎に強か打ち込まれた。


「いっ、ぎッッ!!!」


僅かに空に浮き、無様に泥の中に突っ込む。それでも少女は反射的に腰を捻ると猫のように肢体をバネにして起き上がった。


が、そうして鋭く眼前に視線を走らせた時には男の姿は再び煙のごとく消え失せていた。

「……チィッ!」

少女は全身を緊張させ、ぐっと息を飲む。
今の一撃で脳が揺さぶられ、ぐるんぐるんと視界が回る。

はっ、はっ、と短く熱い自身の呼吸と早鐘のような鼓動を聞きながらしっかと杖を握り、
眠るように仰向けに倒れている背の高いシスターとうつ伏せに倒れて顔の見えない小柄なシスターとをちらりと見遣った。

(おそらくルチアにかけられた術式は大したものじゃない)

(時間だ、時間さえあればその内異常を感じ取ったウチの部隊が駆け付けてくるはず。
この際欲はかくな、時間を稼げ、ルチアとアンジェレネだけは何があっても絶対に——!)


そこまで考えたところでこんな状況下にも関わらず少女はふっ、と小さく笑った。

(まったく、参っちまいますね。この私が他人の為に身体張るなんざ)

アドリア海の女王の時、こんな横暴で暴君で自分勝手な上司の為に戦ってくれた彼女達。
最初から油断さえしていなければ仕留められた、采配のミスは確実に自分にあるという後悔。


だが彼女の幻想(自信)は決して折れない。


(———私は変わった。変わったんだ。守ってみせますよ、この程度!!!)



ぎらりと少女の瞳に力強い光が宿る。

風の渦が巻く。まるで鎌鼬のように鋭い切っ先を伴って向かってくるそれを蓮の杖で自分の身体の周りに作り出した障壁で防ぎ、
外した攻撃を器用に俊敏な身体でもってギリギリで避ける。
ピッと頬に切り傷が走る。

(落ち着いて頭を回せ。次の一手はどこから来る。背後、いや蓮の杖の軌道から逃れるなら……上!!)

(でも魔術の世界において空中を飛ぶなんてのは絶対的にタブー!)

少女の胸の内に浮かぶ疑念。
そう、魔術世界においては人が空を飛ぶことなど造作もないことだ。だが、それ故にまた墜とすことも容易。

十二使徒の一人である聖ペテロの伝承を基にしたシンプルかつ強力な迎撃術式、
飛んでもさらなるダメージの負荷と共に墜とされるというジレンマのせいで現代の魔術師は基本的に空を飛ばない。


(…………あ)


その時、不意にカチリと少女の頭の中に足りないピースが嵌まる音がした。

そうだ、普通の魔術師なら空は飛ばない。当たり前の常識。ならばそれを逆手に取ればいい。常識の通用しない方法で裏を突けばいい。



“幻術で自身の姿を隠した上で飛行魔術を使えば———?”



いみじくも先頃『ラジオゾンデ要塞』の一件で神裂火織が相対した敵。
あれは自身の身体をあたかも生身の人間ではなく飛行用の霊装であるかのように偽装することで彼女の目を欺いていたではないか。

タネが割れてしまえば酷くあっけないものだった。
もはや躊躇せず、少女はそのあまりに有名過ぎ、普及し過ぎていて、だからこそ錆びつきかかっている迎撃術式の名を唱える。




「『術者を担ぐ悪魔達よ、速やかにその手を離せ』!!!」







「がァああああああああッッッ!!!!!」


撃ち落とされた男の身体が多大なるダメージとともに地に伏せた。
痛みと魔力の消費によって同時に幻術も解け、太ったその姿が露になる。

「はっ…はっ…」

汗だくで弾む息を飲み込み、泥水と土をたっぷり被った少女は、しかし辛くも掴んだ勝利ににんまりと機嫌のいい笑顔を覗かせる。

「……はーーーっ。やーっと終わりましたか」

「がっ、ぐおおぉぉおぉぉおお!!!」

「あーあーうるさい豚野郎ですね。ったく、てこずらせやがって。服もボロボロじゃねえですか」

「ぐ、うっ! くそ、クソクソクソクソクソッッ!! 何故、何故だ!!?」

全身の痛みにのたうち回り捨て台詞を吐く男を尻目に、少女は笑いながらぽんぽんと裾の埃を払うと、とどめに蓮の杖の切っ先をその頭に向ける。

「別に殺しゃあしませんから安心して下さい。ただまあ、あの二人を傷つけた分だけは十倍返しさせてもらいますけど。では」

「くっ……!!」

少女は愛用の武器を思い切り振り上げ、そして——



ねちゃり、



「……………?」

けれどその時、不意に足元でなにか粘着質な気持ちの悪い感触がして思わず彼女はそちらに視線を向けた。向けてしまった。



自身の足が泥を啜って巨大に育ったナメクジを踏み潰している。





「……ひッ!」

それを見てしまった瞬間、彼女の脳裏に鮮烈なトラウマが蘇る。

「あ……あ……」

フラッシュバックする。記憶が巻き戻る。脳が焼き切れる。あの頃へ、今よりさらに幼かったあの頃へ、
殴られ、蹴られ、唾を吐き捨てられ、追い払われ、嫌われ、誰からも愛されず、誰からも必要とされず、誰からも救われず、
震えながら怯えながらレストランの裏手のゴミ箱を漁り、ぐちゃぐちゃと、ぐちゃぐちゃと、
虫の集っている腐った残飯を噛み砕き、噛み砕き、噛み砕き、噛み砕き、噛み砕き続けた日々が———……



「あ、ああ゛あ゛あぁああぁぁぁああああぁあああぁぁああああああ!!!!!!」



「!?」

突然錯乱し始めた少女に男が困惑の表情を浮かべる。

「やだ」

「いや、だ」

「いやだよ……」


「……Aiuto(助けて)」


つぅ、と普段は極めて強気な少女のまなじりから一筋の涙が伝う。

その尋常じゃない様子に束の間呆然としていた男は、しかし次の瞬間にはこれが最後のチャンスだと悟ると、
もはや滓ほどしか残っていない自身の魔力をかき集め手の平を少女へとかざし——……

だが少女の目にはもう男など見えていない。

目蓋の裏に浮かぶのは最愛の人。自分を世界で一番愛してくれていた人。
クソったれな世界で唯一深い愛を注ぎ続けてくれた人、もう過去形でしか言い表すことの出来ない、大好きだった、





「パパ……」

「————死ね」




男の手から生み出された風が少女の細い身体を貫かんと迫る。

瞬間、

ふっ…とそれは蝋燭の火を吹き消すように掻き消えた。

「は……?」

「え、あ……?」

男と少女の声が被さる。

何が起こったのか分からない。それはあたかもまるごと異能の力を打ち消してしまったかのようで

(ま、さか……?)

少女の頭に映るのは一人の少年。
どんな幻想も壊してしまう、どこまでもお人好しで向こう見ずな、あの——

(まさか……)

けれども彼女が気が付いた時には周囲全体が何か得体の知れない白っぽい物質で覆われていた。

ぱしゃん、と地面の泥水を踏みつける音がする。

赤毛少女は鈍る頭で、それでもかろうじてのろのろと汚い路地裏のその先へと目を向ける。

白く染まった水溜まりの中に立っているのは痩身の少年。
薄茶色の髪に高級そうなジャケット、いまいち喜怒哀楽の読み取れないフラットな顔付き。


(東洋人……?)


しかしその瞳の色は緑。「エラー」を表す赤色の反対、「ノーマル」を表す、鮮やかなエメラルドグリーン。

『大丈夫ですか?』

僅かに首を傾げ、歩み寄ってくる少年。

「え、え……?」

『———逆算終了』

淡々とした声で呟き、男を一瞥すると、

『ええと、とりあえず気絶させればいいでしょうか?』

「は?」

呆気に取られた少女が思わず魔の抜けた声を漏らしたその時、ドバッ!!と地面の水溜まりから白い槍が数本飛び出し、男の鳩尾へと一直線に突き刺さった。


「がッ……は!!!」





今回はここまで

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!『俺はほのぼのギャグを書いていると思ったらいつの間にかシリアスバトルを書いていた』。
な…何を言っているのかわからねーと思うが俺も何を血迷ったのかわからなかった…

とりあえずアニェーゼは俺の嫁


つか地の文も上手いなあ
もしかして>>1前にもなんか書いてたりする?

すまぬ、なんか読み返したらかなり描写不足だったのでちょっともう一回>>119から書き直させて下さい

>>140
書いてます














元々人足の少ない通りのさらに狭く薄汚れたじめじめと暗い路地裏。
ゴキブリが這い回り、痩せたドブ鼠が駆け回り、ナメクジがぬらぬらと透明な粘液の糸を引いて壁にへばり付いている、
そんな閑散とした場所にまだ幼い少女の舌足らずな高い声が響く。




「———万物照応。五大の素の第五。平和と秩序の象徴『司教杖』を展開」





かん、かん、と二度硬い音。チョピンと呼ばれる厚底の靴が取り外され地面を転がる音だ。


「偶像の一。神の子と十字架の法則に従い、異なる物と異なる者を——」



「接続せよ!!」



少女が唱え終わったと同時、彼女が持っている銀の長い杖、その先端に付いている六枚の翼を模した部分がガパッと花のように開いた。

「ぐぅ、あぐっ……!」

少女の眼前では男のくぐもった呻き声があがる。
ずりずりとぬかるんだ地面に尻をついて後退る、そのガタイの良いよく太った男の元へ幼い少女はゆっくりと近付いてゆく。

ぺたぺたと擬音にすれば可愛らしい足音。しかし少女の顔には背筋が薄ら寒くなるサディスティックな笑みが浮かんでいた。


「———盗みなら私も昔さんざやりやしたけどねぇ。あくまで『自分の空いた腹を満たす』為であって『私腹を肥やす為』じゃねえです」

「あ、あ……」

「神に仕える者として欲深いのはいけませんやねぇ。だからそんなにぶくぶくブタみてえに太っちまうんじゃねえですか?
ウチらの所持品である霊装盗もうとするなんざ愚挙にも程があるってもんです。さて、と」

にたぁ、と心底楽しそうな笑いと共に少女は手の中の杖———『蓮の杖(ロータスワンド)』をカツン、と横合いの壁に軽くぶつける。


「……がッ!!!」


瞬間、目の前の大柄な男がハンマーで思いきり殴りつけられたかのごとく見えない衝撃で数メートル程吹き飛ばされた。

「あっはははははははは! どぉぉぉぉおおおおおしてこう醜いブタさんが無様に地べた転がる姿ってえのはそそるんでしょうかねえ!!
ほらほらぁ、もう一発いっときましょう……かっ!」

懐から取り出したナイフをくるりと片手で回すと少女は躊躇なく銀の杖に傷をつける。
ギギギギギッ、とガラスを爪で引っ掻いた時のような不快な音が鳴り、
同時に背を向け逃げ出そうとした男の背中が斜めに切り裂かれた。



「ぐああああああああっ!!」


「くふ。ふふっ、くふふふふふふ」

ぺろりと舌舐めずりしながら恍惚の表情でゾクゾク身悶えている、
そんなドS少女の背後では二人のシスターが呆れ顔で様子を窺っている。

「……シスター・アニェーゼ。いい加減にいちいち獲物をじわじわいたぶるその癖は治しなさい。はしたないですよ」

「なーに言ってんですか、敵にしてもシチューにしても全部一緒くたにブチ込んでじっくりコトコト煮込んじまうのが一番いんですよ。
素材本来の旨味が染み出て美味しく仕上がるってもんです」

「た、確かにシチューはたっぷり時間をかけて煮込んだ方が野菜がとろとろに溶けて美味しいですよね!」

「シスター・アンジェレネ。論題が根本的にズレています」

「ああっ! そういえば今日の食事当番はシスター・オルソラじゃないですかぁ!
はあ〜〜、今から戻ってももう無くなっちゃってますよねー……はああああ……」

「人の話を聞きなさい」

そばかすのある可愛らしい顔に金色のおさげ髪の一番小さなシスターが心ここに在らずなため息を吐くと、
傍らの背の高い猫目シスターが神経質な声でぴしゃりと注意する。


それにしても、と気弱そうな声でおさげ髪のシスターが口を開いた。

「最近こういう輩が多いですよね〜〜」

「大戦ん時に禁書目録に聖ジョージ大聖堂を地下までブチ抜かれちまってますからねえ」

それに対し、つい今しがた大の男をボコボコにしながら罵詈雑言を投げつけていた、
赤毛をいくつも鉛筆程度の太さの細かい三つ編みにしている少女が答える。

「あそこには数多くの霊装が保管してありましたし、修復中の今なら侵入出来ると思ってる馬鹿がわらわらウジ虫みてえに沸いてきちまって困ります」

「まあ飛んで火に入るなんとやら、ですか。こうして楽々鼠取りが出来るのですから私達としては願ったりですね」

「さあ、こんな奴とっとと片付けちまって食事に向かいましょう。
こういうクソみてえな汚ない路地裏ってえのはどうにも気が滅入って仕方な……」



「———ああ、そうだな。そろそろ片付けてしまおうか」



面倒な仕事もこれで終わりと弛緩した空気の中で軽口を叩いていた少女達の間に、突如男の野太い声が混ざる。


「…………え?」


意図が掴めないまま彼女らが男の台詞に疑問符を投げかけたその時、


バギンッッ!!と、何かが砕けるような重い音が鳴ったと思った刹那、
背の高いシスターの身体がスイッチを切ったようにぐにゃりと揺れ、声もなくそのまま地面に倒れ込んだ。

「シスター・ルチア!!!!」

「………精神干渉攻撃ッ!? チッ、ザコだと思って侮りましたか!!」

少女が突如倒れ伏した原因を何らかの精神的負荷をかけて昏倒させる術式だと即座に看破し、赤毛少女は手持ちの杖を固く握り直す。
確実に男の頭を潰すように狙いを定め、不可視の衝撃を与えんと湿った地面をドン、と強く叩き——


けれど攻撃は当たらない。

「!!?」

少女の座標攻撃が吹き飛ばしたのは男の背後に転がっていたはずのダストボックス。
肝心の男の姿は、このたった数拍の間の中で影も形もなく消えていた。



「幻術ですか……!!」


例えばステイル=マグヌスの蜃気楼。
例えば闇咲逢魔の透魔の弦。
例えばウートガルザロキの幻覚魔術。

相手の認識している感覚を歪ませて騙し討ちをしたり、自身の身を隠したりする為の魔術だ。
油断からの初歩的なミスに赤毛少女が舌打ちする。

(しかし奴の魔力はまだ近くに残ってます。そう遠くには……いや、だがそれすら何らかの術式でダミーのものに差し替えられていたら……!?)

知らぬ間にこめかみに脂汗を浮かべ、ギリッと歯噛みしながら焦りの滲んだ声でおさげ髪の少女に指示を飛ばす。

「アンジェレネ! あなたは今すぐウチの隊の精神治癒専門の奴らに通信飛ばして下さい!! 私はあいつを追います!!」

「で、でも」

「早く!!」

「は、はぁいっ!」

彼女の剣幕に押され、おさげ少女はあたふたと懐から通信用の霊装を取り出す。
対して赤毛の少女は全神経を尖らせ辺り一帯を警戒しつつ、苛立ちの滲んだ声を漏らした。

「私としたことがっ……! あのクソ豚野郎、絶対取っ捕まえてボッコボコのグチャミソのミートソースみたいにしてや……っ、」

ゴンッ!!

「っ、がァああああああッ!!?」


「シスター・アニェーゼ!!?」

しかし言葉の途中で派手な音と共に赤毛少女の身体は烈風に押し潰され、崩れたレンガの壁に勢いよくぶち当たった。



「心配しなくても別に逃げた訳じゃあない。ちょっと態勢を整えさせてもらっただけさ」



「ぐっ!」

またも意識が追い付いた時には男の姿が忽然と目と鼻の先に現れている。

「……はん、なるほど。わざと退路を塞ぐ為に狭い路地裏に誘い込んでたってえ訳ですか!」

「その通り、本当に『鼠取り』をしていたのはこっちなんだよ」

飄々とした男の言葉に、ぺっと切れた唇から滲む血を吐き捨て、少女は跳ねっ返りの強気な目で男を睨み付けた。

「では反撃といこうか」

「くっ!」

既に男の手は少女の方へとかざされている。
少女の心臓がドクンと強く速く脈打つ。

(落ち着け、考えろ、冷静に分析しろ、こいつの使っている魔術の属性は風。術式はなんだ、早く逆算を——ッ)

先程から頭は相手の魔術を解析せんとぐるぐる高速で回転している。
なのに今の攻撃で強かに打ち付けた背中と捻ってしまったらしい足首の痛みのせいで上手く逆算が出来ない。


その間にも男は何事か詠唱を唱え、再び風が巻き起こり、少女は咄嗟に突き出した蓮の杖で目前に衝撃の壁を作る。
男の攻撃と少女の防壁が相殺し、狭苦しい路地裏に激しい砂埃と泥水が飛び散った。

「……げほっ! ごほっ」

「さて、『もう一発いっておこうか』」

先刻、少女の方が男を追い詰めていた時に言い放った台詞をお返しとばかりに嫌味たらしく口にし、
魔術師は間髪入れず三度吹き荒れる風を生み出すとその小さな身体をバチンッ!と弾き飛ばした。

「っ、うああああああああッッ!!!」

ズザザザザザッ!!と少女が地べたの上を横転し、修道服ごとその白い肌がボロボロに傷ついていく。

「なっ、………よくもシスター・アニェーゼをぉぉぉっっ!!!」

二人の戦闘を呆然と見ていたおさげ髪の少女は、自分の上司であり仲間である赤毛少女の痛みつけられる姿に激昂し
持っていた通信用の霊装を投げ捨てると腰に下げた硬貨袋を取り出した。


「きたれ。十二使徒のひとつ、徴税吏にして魔術師を打ち滅ぼす卑賤なる——!」


「遅い」

「きゃあああああああああっ!!!!」

「アンジェレネッ!!」


ドバッ!と圧縮された風が詠唱を唱え終わる前に幼い少女の体躯を空に舞い上がらせ、そのまま地に叩き伏せた。

「こ、んの……野郎っっ!」

杖を支えに一人残った少女は、震える膝を無理矢理押さえつけて立ち上がろうとする。

男は余裕の笑みを崩さない。

(くっ……ちょっと、これはマジでヤバいかもしんねえですね……)

荒い息を吐きながら少女は煩悶する。

彼女の得意とする座標攻撃は『軌道が読めない』ところが最大のメリットだ。
一撃一撃は規格外の強さを持つ聖人などには到底敵わないものの、
次の一手がどこに来るか分からないその脅威が相性によっては相当手強い武器となる。
しかしこうも狭い道では機雷を設置出来る範囲は酷く限られてしまう。

(ですがそれは向こうも同じ!)


男の作り出す風が同時に左右二方向から迫り来るのを低く身を屈めて紙一重で避わし、その態勢のまま蓮の杖で足払いをかける。
男はあっさりと軽いバックステップでそれを回避し、逆に蹴り飛ばしてきた。
危うく杖が手を離れそうになり、手首にビリビリと伝わる振動が痛みを訴えるのを無視して無理矢理引き戻す。

が、その時には既に鼻先まで肉薄していた男の膝が———次の瞬間、少女の顎に強か打ち込まれた。


「いっ、ぎッッ!!!」


僅かに空に浮き、無様に泥の中に突っ込む。それでも少女は反射的に腰を捻ると猫のように肢体をバネにして跳ね起きた。

だがそうして鋭く眼前に視線を走らせた時には男の姿は再び煙のごとく消え失せている。

「……チィッ!」

少女は全身を緊張させ、ぐっと息を飲む。
今の一撃で脳が揺さぶられ、ぐるんぐるんと視界が回る。

はっ、はっ、と短く熱い自身の呼吸と早鐘のような鼓動を聞きながらしっかと杖を握り、
眠るように仰向けに倒れている背の高いシスターとうつ伏せに倒れて顔の見えない小柄なシスターとをちらりと見遣った。

(おそらくルチアにかけられた術式は大したものじゃない)

(時間だ、時間さえあればその内異常を感じ取ったウチの部隊が駆け付けてくるはず。
この際欲はかくな、時間を稼げ、ルチアとアンジェレネだけは何があっても絶対に——!)

そこまで考えたところでこんな状況下にも関わらず少女はふっ、と小さく笑う。

(まったく、参っちまいますね。この私が他人の為に身体張るなんざ)


アドリア海の女王の時、こんな横暴で暴君で自分勝手な上司の為に戦ってくれた彼女達。
最初から油断さえしていなければ仕留められた、采配のミスは確実に自分にあるという後悔。


だが彼女の幻想(自信)は決して折れない。


(———私は変わった。変わったんだ。守ってみせますよ、この程度!!!)

ぎらりと少女の瞳に力強い光が宿る。

風の渦が巻く。まるで鎌鼬のように鋭い切っ先を伴って向かってくるそれを蓮の杖で自分の身体の周りに作り出した障壁で防ぎ、
外した攻撃を器用に俊敏な身体でもってギリギリで避ける。
ピッと頬に切り傷が走った。

(次の一手はどこに来る……! いや、分からないならいっそこっちから!)

先制と牽制に少女は自分から攻撃を仕掛ける。闇雲に四方に座標を指定、設置した機雷を破裂させて衝撃を起こす……が、手応えはなく

「無駄だ」

「ッ!?」

突如耳元で囁かれた言葉に反応が追い付かず、少女は驚きに目を見開いた。


とん、と太い図体に似合わず軽い音と共に男が隣に降り立つ。
バッ、と杖を構えながら少女が向き直った。

(つっ……!)

拍子に捻って赤く腫れあがっている足首がズキッと痛み、一瞬切り返しの反応が遅れてしまう。

その間に男は腰を屈めて両足を踏みしめ、捻りの効いた重い拳を少女の脇腹目掛けて思い切り振り抜き——
辛うじて受け身を取った少女が、しかし傷めた片足に力が入らずだだんっ!とたたらを踏んだ。

「……っったく、消えたり現れたり挑発のつもりなんでしょうかねえ!!?」

「ふっ」

微かに鼻で笑いながらすかさず蹴り上げてくる男の軸足をよろけながらも杖でガードし、そのままギリギリと押し合いになる。
当然体重の軽い少女の方がすぐに押し負け、ガッ!と跳ね飛ばされた。

「ぎっ!」

「ふむ、なるほど。ここまでされて一人逃げ出さないところを見るにどうやらお前は意外に仲間思いらしい」

「!」

その言葉にはっとした時には時既に遅く、地に伏せて眠り姫のように身動ぎ一つしない少女達を鋭い烈風が襲っていた。


「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」


少女は再び固く握りしめたナイフで蓮の杖の柄を素早く四度傷つける。
ガガガガッ!!と同ヶ所に衝撃を生み出し、男の風に連続でヒットさせることで四散させた。

パラパラと砂埃が少女達の上に降り注ぐ。

しかしなんとか守りきったものの少女の頭の中には警告音が鳴り響いていた。

(まずい……まずいッ!)

そうだ、“二人の意識のない人間を守りながら戦う”というあまりに不利なこの状況。
それなりに鍛えてはいても筋力はあくまで常人の域を出ない少女では、彼女らを抱えてこの場を離脱することは不可能だ。

つい今しがたまでは男は少女の一見酷薄そうに見える態度や言葉遣いから、
自分のピンチには仲間を見捨てて逃げるような奴だと勝手に値踏みしていたのだろう。
だが既にその男の考えは修正された。少女が決して仲間を捨てるような人間ではないことを見抜かれた。

守るべきものがある者は強い、が、同時に背負う物も重くなる。

(どうする……!)

コンマ数秒の判断の遅れ。ただしそのほんの少しの逡巡が戦場においては命取り。
ギリギリまで間合いを詰めてきた男の裏拳が深く側頭部に突き刺さり、少女の息が止まる。

「こひゅっ…」


その勢いのまま跳ね上げられ、また壁に強くぶつかった。

「ごッ、ぶ!!」

酸欠で目の前が白くなる。
だが霞む視界の端に少女は捉えていた。
ふっ、とまたもや背景に溶けるように消えていく男の身体が完全に見えなくなる間際、僅かにふわりと“空に浮いて”いたことを。


(……上空に、逃げた?)


確かに蓮の杖の軌道から逃れるならば、上。

(でも)

少女の胸に浮かぶ疑念。

(魔術の世界において空を飛ぶなんてのは絶対的にタブー!)

そう、魔術世界においては人が空を飛ぶことなど造作もないことだ。だが、それ故にまた墜とすことも容易。
十二使徒の一人である聖ペテロの伝承を基にしたシンプルかつ強力な迎撃術式、
飛んでもさらなるダメージの負荷と共に墜とされるというジレンマのせいで現代の魔術師は基本的に空を飛ばない。

にも関わらず先程から何か歯に物が挟まったようなもやもやと拭いきれない違和感がある。

(落ち着いて頭を回せ。何か……絶対に何かタネはある!)


杖を胸元で水平に保ち、足元に眠る少女達を庇うように仁王立ちしながら考えるが、
上段から袈裟斬りのごとく斜め一直線に現れた風が赤毛少女ではなく倒れている二人の方をまたも狙い打ち、そこで思考が途切れた。

「っち!」

ギャリッ!とレンガの壁に杖の尖端を叩きつけて風圧に空間座標の打撃をぶつける。相殺する。間を空けず風が襲いかかってくる。また相殺。
一進一退の攻防が続き、しかしついに体力も魔力も底をつき始めた少女の膝ががくんと折れた。

「そろそろガス欠か?」

「ッ!」

声と同時に男が眼前に迫り、手に渦を作る。

(———考えろ。考えろ考えろ考えろ考えろッ!!)

極限状態まで追い詰められたことで少女の研ぎ澄まされた脳が加速する。

(幻術。空中。挑発。余裕。風。飛行魔術…………あ、)


その時、不意にカチリと少女の頭の中に足りないピースが嵌まる音がした。

そうだ、普通の魔術師なら空は飛ばない。当たり前の常識。ならばそれを逆手に取ればいい。常識の通用しない方法で裏を突けばいい。



“幻術で自身の姿を隠した上で飛行魔術を使えば———?”




いみじくも先頃『ラジオゾンデ要塞』の一件で神裂火織が相対した敵。
あれは自身の身体をあたかも生身の人間ではなく飛行用の霊装であるかのように偽装することで彼女の目を欺いていたではないか。

タネが割れてしまえば酷くあっけないものだった。むしろ何故今の今まで気付けなかったのか。


「終わりだ!!」


男の低い声が響く。

だがもはや躊躇せず、少女はそのあまりに有名過ぎ、普及し過ぎていて、だからこそ錆びつきかかっている迎撃術式の名を唱えた。





「『術者を担ぐ悪魔達よ、速やかにその手を離せ』!!!」






「がァァあああああああああッッッ!!!!!」


撃ち落とされた男の身体が多大なるダメージとともに地に伏せる。
痛みと魔力の消費によって同時に幻術も解け、太ったその姿が露になった。

「はっ…はっ…」

汗だくで弾む息を飲み込み、泥水と土をたっぷり被った少女は、しかし辛くもようやく掴んだ勝利ににんまりと機嫌のいい笑顔を覗かせる。

「………はーーーっ。やーっと終わりましたか」

「がっ、ぐおおぉぉおぉぉおおお!!!!」

「あーあーうるさい豚野郎ですね。ったく、てこずらせやがって。服もボロボロじゃねえですか」

「ぐ、うっ! くそ、クソクソクソクソクソッッ!! 何故、何故だ!!?」

全身の痛みにのたうち回り捨て台詞を吐く男を尻目に、少女は笑いながらぽんぽんと裾の埃を払う。

「さっきからどうーもおかしいと思ってたんですよ。身を隠せるのにいちいちインパクトの瞬間に私の前に姿を現すんですから。
っつかそもそも妙に間合い取らずに肉弾戦を仕掛けてきましたし」

ぜぇぜぇと激しく息を切らせながらも少女は高飛車な声色を崩さない。


「わざと余裕を見せて挑発してるのかと思ってたんですが、結局のところただ単にあなたの幻術も風魔術も半端なんですね。
恐らく一回一回は十数秒程度しか保たない上にある程度のタイムラグを必要とする脆いもの」

「こ、の……ッ!」

「おっと」

ダンッ!

「あぐっ!」

逆上し無理に起き上がろうとした男の手をすかさずサンダルの底で地面に縫い付け、少女はそのままぐりぐりと踏みにじった。

「……ま、要するに大した術者でもなかったってえことですよ」

とどめに蓮の杖の切っ先をその頭に向ける。

「別に殺しゃあしませんから安心して下さい。ただまあ、あの二人を傷つけた分だけは十倍返しさせてもらいますけど。では」

「くっ……!!」

少女はにやりと唇の端を釣り上げながら愛用の武器を思い切り振り上げ、そして——





ねちゃり、





「……………?」

けれどその時、不意に足元でなにか粘着質な気持ちの悪い感触がして思わず彼女はそちらに視線を向けた。向けてしまった。



自身の足が泥を啜って巨大に育ったナメクジを踏み潰している。




「………ひッ!」

それを見てしまった瞬間、彼女の脳裏に鮮烈なトラウマが蘇る。

「うあ……」

「あ……あ……」


明かりを奪われたミラノの暗い裏通り。表では道行く人々が洒落た服を着てつやつやとした髪を綺麗に整え、
甘い香水の匂いを上品に漂わせながら抱えている紙袋いっぱいに美味しそうな食べ物を詰めて陽気に歩いている。

優しそうな母親と穏やかそうな父親の右手と左手をぎゅっと握り、三人仲睦まじく一列に並んで談笑する親子が目の前を通り過ぎる。
物欲しげな瞳でそれを見つめるこちらのことなど目の端にも映らないといった様子で歩き去ってゆく、まるで絵に描いたように“幸せ”な家族。

どうして彼らは私を無視したまま楽しげに笑っているのだろう。
どうして私はこんなにみすぼらしい布切れを着ているんだろう。
どうして私の髪はこんなにべたべたとフケにまみれてところどころ絡み、ぐしゃぐしゃになっているんだろう。
どうして私の身体は垢だらけでドブ臭い匂いがするんだろう。


どうして私は一人なのだろう。
どうしてこんなに孤独なのだろう。
どうしてこんなに辛いのだろう。
どうしてこんなに寂しいのだろう。
どうしてこんなに苦しいのだろう。

フラッシュバックする。記憶が巻き戻る。脳が焼き切れる。あの頃へ、今よりさらに幼かったあの頃へ、
殴られ、蹴られ、唾を吐き捨てられ、追い払われ、嫌われ、誰からも愛されず、誰からも必要とされず、誰からも救われず、
震えながら怯えながらレストランの裏手のゴミ箱を漁り、ぐちゃぐちゃと、ぐちゃぐちゃと、
虫の集っている腐った残飯を噛み砕き、噛み砕き、噛み砕き、噛み砕き、噛み砕き続けた日々が———……






「あ、ああ゛あ゛あぁああぁぁぁあああ゛ああああ゛あ゛あぁあああぁぁぁああああああああ!!!!!!!!」







「!?」

突然錯乱し始めた少女に男が困惑の表情を浮かべる。

少女は無意識のままその場にぺたんと尻をつき、ぶたれるのを怖れる野良猫のように身体を丸め、頭を抱えて蹲った。
カチカチと噛み合わない歯の根が音を立てる。
ぶるぶると小刻みに震えながら、血の気の引いた真っ青な顔をゆっくりと左右に振る。

「やだ」

「いや、だ」

「いやだよ……」


「……Aiuto(助けて)」


つぅ、と普段は極めて勝ち気な少女のまなじりから一筋の涙が伝う。

その尋常じゃない様子に束の間呆然としていた男は、しかし次の瞬間にはこれが最後のチャンスだと悟ると、
もはや滓ほどしか残っていない自身の魔力をかき集め手の平を少女へとかざし——……

だが少女の目にはもう男など見えていない。

目蓋の裏に浮かぶのは最愛の人。自分を世界で一番愛してくれていた人。
裕福ではなくとも質素な暮らしの中でめいっぱいの喜びを与えてくれた人。
クソったれな世界で唯一深い愛を注ぎ続けてくれた人。
もう過去形でしか言い表すことの出来ない、大好きだった、







「パパ……」

「————死ね」




男の手から生み出された風が少女の細い身体を貫かんと迫る。

瞬間、

ふっ…とそれは蝋燭の火を吹き消すように掻き消えた。

「は……?」

「え、あ……?」

男と少女の声が被さる。

何が起こったのか分からない。それはあたかもまるごと異能の力を打ち消してしまったかのようで

(ま、さか……?)

少女の頭に映るのは一人の少年。

どんな幻想も壊してしまう、どこまでもお人好しで向こう見ずな、あの——

(まさか……)

けれども彼女が気が付いた時には周囲全体が何か得体の知れない白っぽい物質で覆われていた。

ぱしゃん、と地面の泥水を踏みつける音がする。

赤毛少女は鈍る頭で、それでもかろうじてのろのろと汚い路地裏のその先へと目を向ける。

白く染まった水溜まりの中に立っているのは痩身の少年。
薄茶色の髪に高級そうなジャケット、いまいち喜怒哀楽の読み取れないフラットな顔付き。


(東洋人……?)


しかしその瞳の色は緑。「エラー」を表す赤色の反対、「ノーマル」を表す、鮮やかなエメラルドグリーン。

『大丈夫ですか?』

僅かに首を傾げ、歩み寄ってくる少年。

「え、え……?」

『———逆算終了』

淡々とした声で呟き、男を一瞥すると、

『ええと、とりあえず気絶させればいいでしょうか?』

「は?」

呆気に取られた少女が思わず間の抜けた声を漏らしたその時、ドバッ!!と地面の水溜まりから白い槍が数本飛び出し、男の鳩尾へと一直線に突き刺さった。

「がッ……は!!!」






アニェーゼ「———え?」

アニェーゼ「え……えぇ? えぇぇぇぇぇえええええ!!!?」

アニェーゼ(な、何が……っていうか魔力を感知出来ない……!? 魔術じゃ、ない?)


あっという間に気を失った魔術師の男と目の前に立っている少年とをあんぐり開いた口でただただ見ていた少女は、暫くしてはっと正気に返った。

アニェーゼ「あ、あなたは……?」

垣根『私の名前は「未元物質」を操る学園都市第二位の超能力者、垣根帝督です』

アニェーゼ「は?? だーくまたー? 学園都市って……」

アニェーゼ「——ハッ! そ、そうだルチア、ルチアは!!」バッ

食蜂「あらあらぁ、一体これはどうなっているのかしらぁ」スッ

アニェーゼ「え?」

いつの間にかもう一人、今度はスタイルのいい金髪の少女が少年の背後からひょっこり現れたと思ったら
彼女は仰向けに倒れている背の高い少女の隣に屈み込んでその額に指を添えた。

食蜂「……ふぅん、なるほどねぇ」

ルチア「………………」

アニェーゼ「って、ちょ、何してんですか!? 素人がヘタに触ったらっ…!」

食蜂「へぇぇぇ? アナタは私を素人だって言うの? 学園都市最高の精神感応系能力者であるこの『心理掌握』に向かって?」

アニェーゼ「へ?」キョトン

垣根『治せますか』

食蜂「誰に囁きかけているのかしらぁ? こんな雑でお粗末な精神干渉、もう解析も終わっちゃうところよぉ」

アニェーゼ「何を…」

食蜂「黙って」

アニェーゼ「………」

食蜂「———、———、———」

食蜂「———、———……」


食蜂「ッ…!」ズキンッ

垣根『食蜂?』

食蜂「……ん、へいき。原因が分かったわぁ、どうやらこのコは心の“歯車”を無理矢理外されてるみたいねぇ。
それを元通りに噛み合わせればまたちゃんと動き出すはずよぉ」


そう言うと金髪の少女はゴソゴソと肩に提げた星マーク付きのバッグからリモコンを取り出すとボタンを押す。

食蜂「えいっ☆」ピッ

バキンッッ!!


ルチア「……………………はっっ!!」ガバッ!

アニェーゼ「ルチア!!!」

食蜂「ね?」

垣根『流石です』

食蜂「ふふーん、もっと誉めなさぁい☆」ドヤッ

垣根『………あんまり調子に乗らないの』

食蜂「あら、なによぉ。御坂さんに調子に乗らせるなって言われたからってぇ」

ルチア「あ、え……? 私は、一体……」フラッ

アニェーゼ「ルチア……」

アンジェレネ「う、ぐ……っ」ヨロッ

アニェーゼ「! アンジェレネ!!」

アンジェレネ「——はれ? シスター・アニェーゼ? えっと、あれ、私どうして……」キョロキョロ

アニェーゼ「〜〜〜っ!」

アニェーゼ「良かった……本当に、良かった……っっ!」ダキッ!

アンジェレネ「ひゃっ!?」ビクッ













ルチア「———なるほど、そういうことでしたか。例の学園都市からの……」

アニェーゼ「……」

アンジェレネ「わあああああん、シスター・ルチアー!! 良かったですぅ〜!!」ギュッ!

ルチア「わぷっ。よ、よしなさいアンジェレネ。大袈裟ですよ」アセアセ

食蜂「ふふ、アナタ達仲が良いのねぇ。羨ましいわぁ」


事情説明が済み、目を覚ましたアンジェレネが泣きながらルチアの無事を喜びその腰の辺りにめいっぱい抱き着く。
※ちなみに気絶した魔術師さんは駆け付けたアニェーゼ部隊が責任を持ってお縄につけました。

アンジェレネ「あ、あのっ! シスター・ルチアを助けて下さってどうもありがとうございました!!」ペコリッ

食蜂「クスクス、お礼は私よりも第二位さんに言うべきねぇ☆」


アンジェレネ「はい! そっちの方も本当にありがとうございましたっっ!!」ペコッ

垣根『いえいえ。それよりもどこか痛むところはありませんか?』

アンジェレネ「あ、はい。だいじょぶです」

垣根『それならよかった』

アニェーゼ「……」

食蜂「そっちのコは何か私達に言うことはないのかしらぁ?」

アニェーゼ「! ……その」

アニェーゼ「……ど、どうもありがとうございました」ペコッ

食蜂「よく言えましたぁ☆」

アニェーゼ「む……」

アンジェレネ「えへへ。よーーし、ここは一つシスター・ルチアの無事だった記念に!」グイッ

ルチア「へっ?」

食蜂「あらぁ?」

垣根『ん?』

アニェーゼ「あ」

アンジェレネ「えーーーーいっ!!」

ブワッ…!

ルチア「——————ッッ!!?」

テンションの上がったアンジェレネがにこにこと思い切りよくルチアの修道服を下からめくり上げた。
ぶわりと豪快に舞うスカートの中、白く長い両脚の隙間から魅惑の三角地帯がモロに暴き出され——


ルチア「きゃわあああああああああああああああっっっ!!!!??」バッ


垣根『!?』

食蜂「わお☆ やっぱりシスターさんだけあって質素な白なのねぇ」

アニェーゼ「……あー、やっぱりですか」


アンジェレネ「むぅ、やっぱりスタイルいいですよね〜シスター・ルチア」

ルチア「あ、あああああアンジェレネ!!! あなたという人はまた……ッッ!!!」カァーッ


ルチア「……見ましたか?」チラッ

垣根『……………………、えーっと』

ルチア「くっ……!」ワナワナ…

食蜂「うふふ、ルチアさんったらウブなのねぇ。顔真っ赤にしちゃって可愛いわぁ♪」

ルチア「〜〜〜〜っ、シスター・アンジェレネ!!」ゴツンッ!

アンジェレネ「あいたー!」

アニェーゼ「まったく、一体何やってんだか……、っつ!」ズキッ

垣根『……ん? ああ、あなたは足に怪我をしていますね』

食蜂「あら大変。私の能力で一時的に痛覚を麻痺させましょうか?」

垣根『しかし、どちらにせよ治療しないことには……未元物質でもある程度処置は出来ると思いますが、
私の制御下を離れてしまうと暴走のリスクがありますし、それに』

アンジェレネ「?? あ、あの、あなた達の言っていることはよく分かりませんが、この程度の怪我でしたら回復魔術があるので大丈夫ですっ」

垣根『魔術……?』

食蜂「……ふぅん? 魔術ねぇ」

ルチア「シスター・アンジェレネ。不用意にそのような発言は……」


アニェーゼ「いやあ、でも神裂達の言うことにはあの上条当麻の知り合いってえ話でしょう?」

アンジェレネ「そうですよ、助けてもらったことも事実ですし!」

ルチア「まあそれは……でも異教の者に……ブツブツ」

垣根『とにかく治療が先です、どこか落ち着ける出来る場所まで行きましょう。あなた達の寮でいいですか?』

アニェーゼ「え? ええ、はい……って、きゃあっ!?」

グイッ

垣根『では、しっかり掴まっていて下さいね』ギュッ

アニェーゼ「え、ええええええええっ!!?」

ルチア「!?」

食蜂「あらぁ、第二位さんったら大胆ねぇ☆」

アンジェレネ「は、はわぁ…///」

垣根がアニェーゼを抱き上げて膝裏に手を入れ、もう片方の手を肩の辺りに回す。
いわゆる一つのお姫様抱っこである。

アニェーゼ「ちょ、ちょちょちょちょ、待って下さい! 一体何の真似ですかこれは!?」アセッ

垣根『いえ、ですからあなたは足に怪我を…』

アニェーゼ「だっ、大丈夫ですから! こんくらい全然一人で歩け…」

垣根『そういう訳にはいきません。そんな状態で歩いたら余計酷くなってしまいます』


アニェーゼ「い、いやいやいやいや! 本当に大丈夫ですから! だから放し…っ」ジタバタ

垣根『……あの、お願いします。暴れないで下さい』

アニェーゼ「だって…」

垣根『ご心配なく、ちゃんとあなた達の寮まで送り届けます。私はあなたを(友達的な意味で)守りたいと思っているのですから』

アニェーゼ「ふぇっ!?」ビクッ

アニェーゼ「ま、守る!? ってそれ、どういう……」

垣根『友人達の為に身体を張って戦おうとするあなたのその精神を私は素晴らしいと思いました。
だから私はあなたのことが(人として)とても好きです』キリッ

アニェーゼ「ブフォッ!! す、好っ!? そ、そそそそれってまさか告はk」

垣根『それとも私に抱えられるのは嫌ですか?』ジッ

アニェーゼ「うっ……」

垣根『どうしても駄目でしょうか?』ジーッ

アニェーゼ「うぅ」

アニェーゼ「……べ、別に駄目ではねえです」プイ

垣根『ありがとう。では行きましょう』ニコッ

アニェーゼ「〜〜〜///」


食蜂「……そげぶられてないのにここまでのフラグ体質を身につけるだなんて…第二位さん、恐ろしい子…!」

ルチア「な、なんてハレンチな…」ゴクリ

アンジェレネ「……いいなあ、お姫様抱っこ…」ボソッ


そんなこんなで抱えられるアニェーゼ。しかし


アニェーゼ(うあああああ! なんですかこれ、とんでもなく恥ずかしいんですが……!)ソワソワ


少女は自他共に認める根っからのドSである。
他人のスカートをめくるのは大好きでも、他人から自分のスカートをめくられるのは大嫌いというまごうことなきジャイアンっぷりだ。
他人に恥ずかしい思いをさせるのは好きだが、自分が恥ずかしい思いをするのはとてつもなく屈辱なのである。

また彼女達は敬虔な十字教のシスターであり、同性同士では日常的にスカートめくりが行われたりしているが男に対してのそこら辺の貞操観念はかなりお堅い。
つまり普段異性とこういった少女漫画的イベントなどそうそう起こらないのだ(※某歩くフラグ製造機とのラッキースケベは除外とする)。

さらに今までとある少年が数多の女性達を落としてきた、“己の窮地をギリギリのところで助けられる”という超強力なフラグ付き。

アニェーゼ(うぐ……心なしか周りの奴らにもジロジロ見られてる気が……!)ドキドキ


当然、東洋人の少年がイタリア製美少女シスターを抱えて歩く姿は目立つ為、道行く人々は彼女達の方へ無遠慮な眼差しを向けている。

しかしここでよく考えて欲しい。
アニェーゼは元々小柄であり、年齢もインデックスよりやや幼い程度である。
さらについ先程の戦闘で着ている修道服はボロボロに破れており、
ところどころ肌が見えてなかなかに際どい、というかぶっちゃけ「え?そういう野外プレイでもしてたんですか?」的なエロい外見となっている。

そんな少女を確実に兄妹や恋人とは思えない高校生相当の少年がお姫様抱っこして歩いていたら周りの目にはどのように映るか?


どう見てもロリコンです、本当にありがとうございました。


そげぶられた人間が時にフラグ体質を開花させることがあるように、
某第一位と関わったことで彼もまた打ち止めやフレメアに続き幼女に好かれる羨ま……難儀な体質を身につけたのかもしれない。


アニェーゼ(う、うぅぅぅぅぅうううう…!)モジモジ…

垣根『?』


科学と魔術が交差する時、垣根帝督とアニェーゼ=サンクティスのラブコメは始まる———!……のか?





ここまで、次は多分削板パートの話になると思う
ではまた!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年05月01日 (木) 20:33:25   ID: 4XdUBdlR

これの続きやってるかどうかわかる?

2 :  SS好きの774さん   2014年05月02日 (金) 14:44:30   ID: 0yF7BZiC

こんなとこで中断するなら最初から書くな!

3 :  SS好きの774さん   2014年05月05日 (月) 14:31:47   ID: qLm39wim

まだ始めのほうじゃん
なぜここでやめる?

4 :  SS好きの774さん   2014年08月11日 (月) 21:00:15   ID: PXamfWm-

エターナル

5 :  SS好きの774さん   2014年08月23日 (土) 19:41:24   ID: QN7LdvGP

なぜやめたー!

6 :  SS好きの774さん   2018年05月29日 (火) 21:15:06   ID: kU5Yuih6

続きが読みたいです。

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