進撃の女達 (21)

進撃の巨人ssに影響受けて書きたくなった。

でも、一つの作品に1000も書けないから、そのサイトにいくつか投稿する。

並行世界気分。

だからこんな題名。

脱字や違和感あるけど許してね。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1374506201

『第一話 堕天使』



目の前でとんでもない光景が繰り広げられていた。

エレン「ほら、あーん」

クリスタ「あー……ってもうっ!」

パク!

エレン「ははっ、ん~今日も味が薄いなぁ」

クリスタ「エレンの意地悪♪」

エレンが膝の上に向かい合わせになるようにクリスタを乗せて食べさせあっていた。

エレン「ごめんごめん。ほら、あーん」

見たままを表現するのならイチャイチャしている状態だ。

でも、昨日までは普通だった。エレンとクリスタが会話してるのだって二言三言で、とても付き合っているようには見えなかったし、事実そんなうわさが流れた事なんてなかった。

なのに、この二人はなぜ当たり前に食堂の全訓練生の前で平然とキスをしてるのだろうか?

??「あ、あのさぁ……」

彼は周りのプレッシャーを感じつつも恐る恐る訪ねる。

エレン「ん? なんだアルミン」

返事をしたのはエレン。

肩に頭を預けるようにしたクリスタに抱きしめられながら、昨日までと同じように極普通に。

アルミン「えぇっと……その、状況が飲み込めないんだけど……。 二人って付き合って、るのかい?」

二人「うん。そうだよ」

二人はあっさりと肯定した。

同時にあちこちから叫び声や恨み声が響いた。

実はこのクリスタという少女は訓練生の間では大人気。だからざわめく気持ちもわかるし、この状況を信じられないという思いも理解できる。

・・・一人を除いては。

??「嘘」

彼女ほど目の前の光景を信じたくないと思っている人間はこの中には居ない。

ミカサ・アッカーマン。

エレンを人一倍に恋語がれている少女。

ミサカ「嘘だよねエレン」

質問と言うよりは『そうであって欲しい』という願望。その顔はとても必死でと言うほか無かった。

クリスタ「ごめんねミカサ。嘘じゃないの」

それに答えたのはクリスタだった。そのバツの悪そうな表情にどこか優越感が見え隠れする。

それはいままでの生活で知ったと思っていたクリスタ像からかけ離れた物。

ミカサ「あんたに聞いてない!」

ビリビリと静寂が支配する食堂に怒鳴り声が響く。

憎悪の塊と悪意。

アルミン「ま、まぁミカサ落ち着いて・・・」

今にも殴りかかりそうなミカサを宥めながらアルミンは再び訪ねた。

アルミン「でも、本当にどうして急に?」

エレン「ずっと黙ってたけどさ、実は前から付き合ってたんだ俺達」

エレンはそう言い切った。

ミカサ「嘘だ!」

エレン「嘘じゃない!」

ミカサ「信じたくない!」

エレン「信じてくれ!」

暴れなくなった代わりにその場に蹲って耳を塞いで嫌々と頭を振るミカサに、エレンは言い聞かせるように繰り返す。

クリスタ「私から告白したの。そしたらエレンがいいよって――」

ミカサ「黙れ! 嘘つき女! エレンがそんなこと言う訳ない!」

照れたように話すクリスタにミサカは怒鳴りつける。

エレン「ミカサ落ち着け!」

ミサカ「どうしてエレン!? 私は、私は・・・!」

泣き崩れているミカサ。

このエリアだけ隔離されたように距離感がある。みんなは興味はあるけど巻き込まれたくないと顔に書いてあり、遠巻きにこちらを伺うだけ。

人と人の関係に明解な答えなんて無い。

現実は残酷だ。

ただそれでも一つだけ聞かなくちゃいけないことがあった。

アルミン「エレン、ミカサの気持ちは……?」

いままでエレンはそう言った事に興味ないと思われていた。戦うこと巨人の事に一杯で意識したことないと。

ミカサの気持ちに気づいていないんだと。

でも、そうじゃないなら・・・。

エレン「……わりぃミカサ。俺にとってお前は、やっぱり家族なんだ」

その発言にミカサは何も答えなかった。ただ恨みがましげにクリスタを睨んで、その場を後にした。

アルミン「いつからだい?」

エレン「もう、半年くらいになるかな」

思っていたよりも長かった。

クリスタ「ごめんなさい。ただ、もう私も隠すのが嫌になって、いっそ……」

そのクリスタの言葉を最後に、沈黙のままみんな解散していった。

誰も悪くない。

一人離れたところで覇気無いミカサにアルミンは近づいた。

アルミン「大丈夫? ミサカ・・・」

ミサカ「なにが?」

アルミン「なにが……って」

ミカサ「……ふふっ」

ミカサが、じっとこちらを見ながら予想外に微笑んだ。

アルミン「ミ、……カサ?」

空元気とか、誤魔化しの笑いじゃないという事はアルミンにはすぐにわかった。

ミカサ「大丈夫、私はいつまでも落ち込んでたりしない」

そういってまたクスッと笑った。 不気味な……笑み。

悪魔の様な、と表現すればいいだろうか。

アルミン「そ、そうか……。じゃあもうエレンの事は……」

ミカサ「大丈夫だから。心配してくれてありがとう」

嘘だなと本能的にそう直感する。

あれほど強く長く想い続けてきた気持ちを簡単に消せるほど人の心は単純ではない。

だからその瞳の奥に渦巻く「ナニか」に気づいた。

それはーーーー。

事件が起きたのはそれから数日後のことだった。

ミサカ「痛っ!?」

アルミン「ミサカっ!?」

突然聞こえてきた悲鳴に近い声。

そして次いで聞こえてくる聞きなれたエレンの声。

エレン「大丈夫か!?」

エレンはいつもクリスタと隣り合っていて食事を取るのが当たり前になってすっかりバラバラに食事を取るのが当たり前になっていたその日の食堂。

事件が起きた。

突然聞こえてきた悲鳴の声。

見るとミサカの手から、その指の隙間から手首にかけて紅い液体が流れていた。

エレン「医務室に連れて行く! 」

バタバタとミサカを抱えてでていくエレン。

騒然とする食堂。アルミンは慌ててミサカが座っていた場所に向かう。

アルミン「これは……?」

そこに落ちていたのは乾いてない真っ赤な血の滴った手紙。

ライナー「カミソリに見えるがアルミンどう思う?」

一緒に覗き込んだライナーがすぐにその手紙の異変が目に映った。

アルミン「僕にも同じに見えるね……」

ライナー「あぁ、悪質な嫌がらせだな」

言いながら床に雑に落とし、周囲を見渡す。

ライナー「この中にこれをやった奴が居るって事か」

その台詞を聞いたと同時。

その場にいたすべての訓練生が見た。

クリスタを。

クリスタ「ち、違う! 私じゃ・・・」

クリスタは否定してその場を走って逃げだした。

??「クリスタっ!」

彼女の友人が追いかける。

残されたみんなは、どこかしらにクリスタを幻滅して見下していた。

・・・一人を覗いて。

その日の夜。

アルミンはミサカを呼んだ。人気のない場所に。

アルミン「ミカサ。君は人を傷つけたんだよ。その自分勝手なエゴで」

ミサカ「? なんの話?」

ミサカはキョトンとする。

アルミン「罪を被せたことだよ。あの事件はミサカが用意した自作自演だ」

ミサカ「言っている意味がわからないアルミン。私は被害者だよ? クリスタに傷つけられたの・・・」

話にならない。なにが彼女をここまで変えてしまったのかそれとも変わってないのか。いままでその機会が無かっただけで、ずっと前からミカサが内包していた素なのか。

アルミン「僕は一度も『クリスタ』なんて聞いてないよミサカ・・・」

ミサカ「そう」

平然と答えた。

アルミン「なんでって聞くのは野暮かな」

ミサカ「そんなの勿論エレンのため」

自分の為の間違い。自分勝手な行動をエレンの為と言う言葉で誤魔化していた。

アルミン「ミカサはどうしたいの?」

ミサカ「また前みたいに、三人で一緒に居たい」

こんなにも離れて感じる。友達と、親しい人間といつまでも一緒にいたい。 それは当たり前の感情なのに、なんでこんなにもいけない事なんだろう。

現実は残酷だ。

アルミン「……クリスタを[ピーーー]つもりかい?」

ミサカ「バレたら嫌われるでしょ?」

嫌な言い方だ。

笑顔。喜色満面の笑顔。 怖いくらいに純粋な。

アルミン「僕は君の味方にはなれない。全てエレンに伝えさせてもらうよ」

ミサカ「……そう、じゃあ口封じしないと」

実力差がある。 特に運動能力に関しては。

アルミン「がっ……!」

蹴られた。

這い蹲るアルミンの腹部めがけて飛んできた足は、対応できる速度を超えて、回避はおろか防御も出来ない。

アルミン「げほっ……。君は卑怯者だ! 正面から告白できずに見ているだけで! エレンと付き合えたクリスタに嫉妬して暴れてる子供だ!」

ミサカ「アルミンにはわからない!」

アルミン「わかりたくもないよ! いまの君の気持ちなんて僕はわかりたくない! エレンを自分の物にしたいなら逃げずに正面から立ち向かえよ!」

ミサカ「このっ!?」

拳が振り上げられる。全力で。

けれど拳はいつまで経っても落ちてこなかった。

エレン「ミサカ・・・」

エレンがアルミンを守っていた。

そして、三人が再び一緒になることはなかった。

でも・・・これで物語が終わったわけではない。

五年後、巨人襲来。

仲間1「ぎゃあああああーーーー!」

仲間2「あ、あああああああああああ!!」

ザシュ!

仲間の首が飛ぶ。

クリスタの友達「クリスタっ!逃げろ・・・」

ザシュ!

クリスタ「あ、ああ・・・なんで・・・」

??「ずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーと、待ってた。この時を・・・」

それはとても美しい少女。

血にまみれたミサカ。

ミサカ「貴方は、巨人に食べられて死ぬの。そして、悲しむエレンを私が・・・」

クリスタ「私はっ!」

ザシュ!

クリスタ「あっ・・・」

バタッ。

ミサカ「あ、は。あははははははーーー!!」

ズンズン。

一体の巨人が現れて、死にかけのクリスタを見る。

巨人「・・・・」

ミサカ「・・・?なぜ、食べないの?」

巨人「ーーーーーーーーー!!!」

ミサカ「え?」

グチャ!!

ミサカは潰された。

クリスタ「・・・・」




クリスタ「・・・ありがとう・・・ございます。エレン・・・さん」

そして、天使も死んだ。

現実は残酷だ。


『第一話 堕天使  完』

『第二話 悪夢』


エレン「ミカサ。結婚してくれ」

ミカサ「うん、いいよ。それがエレンのためになるなら」

ジャン「(゜д゜)」

アルミン「おめでとう二人共。心から祝福するね」

エレン「ありがとうアルミン」

ライナー「俺もクリスタと結婚する」

クリスタ「はい\(//∇//)\」

ジャン「(゜д゜)」

サシャ「私も・・・パンとーー」

ジャン「いやいや、おかしいだろ!!」

全員「何が?」

ジョン「全員結婚するとありえないだろ、これ!」

エレン「ジャンも結婚するじゃーねーか」

ジャン「あ? 誰とだよ」

エレン「教官と」

ジャン「(゚ロ゚)」






ガバッ!!

ジャン「夢か・・・。よかった」

第二話『悪夢』完

第三話『非現実世界の裏側』

世界は残酷だ。

だって、『なんでも』OKなんだから。

エレン「・・・」

リヴァイ「おい、エレン」

エレン「・・・」

リヴァイ「エレン!!」

エレン「あ、はい!!」

リヴァイ「何をボーとしていた?」

エレン「あ、いえ・・・俺は別に・・・」

リヴァイ「嘘をつくな。お前、ずっとペトラを見ていたぞ」

エレン「あ、いえ・・・その・・・」

ハンジ「エレンはね、ペトラに恋をしているのさ」

二人の会話にどこからともなくハンジが現れた。

エレン「こ、恋って・・・」

リヴァイ「ほぉ・・・興味深いな」

ハンジ「実は、エレンと出会った日からずっと観察していたからこそ判明されたことなんだ」

エレン「か、観察って・・・」

エレンは動揺するが、そもそもこの調査兵団に入れたのもそういうのも含めた入隊である。

だから、24時間私生活を監視されていてもおかしくはない。

リヴァイ「それで、お前はペトラに対してどう思っているんだ?」

エレン「お、俺は・・・」

ハンジ「待って、待って!そもそもなんで彼女なのか知りたいよ」

ズイズイとハンジが近い。

エレン「俺は・・ただ、ペトラさんってなんか母さんみたいだなぁ・・・・て」

ハンジ「ふむふむ。つまりエレンは彼女の母性本能に惚れたんだね」

エレン「母性本能って・・・」

リヴァイ「・・・(ペトラに母性本能ってあったか?)」

ハンジ「それで、エレンはどうしたいの?」

エレン「どうしたいって・・・」

ハンジ「どうかな?恋人にしてみたい?」

エレン「えっ!?」

リヴァイ「おい・・・」

リヴァイはエレンから距離をとってハンジに話す。

リヴァイ「何を考えている?」

ハンジ「何って、エレンの恋を成就する手伝いをするつもりだよ」

リヴァイ「お前が、そんな優しい性格じゃないだろ」

ハンジは変人だ。

その思考はリヴァイも理解している。

リヴァイ「大方、ペトラを餌にエレンの観察をするつもりだろ?」

ハンジ「心外だなぁー。僕はそんな人間じゃないよ?」

ハンジ「それより、兵長としての判断はどうなの? OK、NO?」

リヴァイ「・・・」

それから数日後。

オルオ「なぜだ・・・」

オルオ「なぜなんだ?」

エルド・グンタ「・・・」

オルオ「なぜペトラは、エレンとあんな仲がいいだ?」

エルド・グンタ「・・・」

数日前、エレンとペトラが恋人同士になったらしい。

手伝ったのはリヴァイとハンジだ。

エルド「そりゃ、二人は恋人同士だから・・・」

オルオ「違う。ペトラとアイツが恋人同士なんかじゃない」

グンタ「悪いが、二人の仲を認めていないのはお前と新人のミカサという女だけだぞ?」

グンタ「この件に関しては、兵長も噛んでいるんだ。きっと、なにかあってのことだろ」

オルオ「・・・・・・・・・・・・・・・」

エルド・グンタ「・・・」

オルオ「削ぐか・・・」

ぼそり。

エルド・グンタ「やめなさい」

エレンの友達側。

ミカサ「アルミン」

アルミン「何、ミカサ?」

ミカサ「あのエレンに付いた女をどうしたら削げる?」

アルミン「・・・とりあえず、もうちょっと様子見ようよ、ね?」

ズキズキ。

アルミンの胃はすごく痛かった。

協力した側。

ハンジ「予想以上結果だね。もしかして、遠征行く前にやっちゃうかもね?」

リヴァイ「・・・」

ハンジ「どうしたの?」

リヴァイ「俺にはわからない。何が正しいかなど」

リヴァイ「常に正しいと思った行動をしたとしても、結果は誰にもわからない」

ハンジ「今度の作戦のこと?」

ハンジ「もしかして、二人の恋仲を応援した理由って・・・」

スタスタ。

リヴァイ「・・・俺は、ただ自分が満足するための行動をしただけだ」

それから数日後。

エレン「・・・俺は、俺は」

ミカサ「エレン・・・」

ミカサ「・・・(結果はどうあれ、アルミンの言った通りになった)」

ニヤリ。



世界など常に残酷だ。


第三話『非現実世界の裏側  完』

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