モバP「対ちひろさん用ボタン?」 (27)

晶葉「そうだ、以前あの事務員に対して仕返しがしたいと話していたな」

P「そういや言ったな」

晶葉「そこでコレの出番だ」

P「何だこれ。0と書いてあるボタン式スイッチのようだが」

晶葉「これを押せば、あの事務員がPに対して何らかの利益を起こす行動を取るだろう」

P「それは凄いな」


・モバマスSS

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晶葉「とはいえ相手の思考に介入するんだ、色々と制限はある。まず、相手の気持ちが高揚している事が第一。要はイベント時だな」

P「イベント時・・・」

晶葉「更に相手がこちらに何らかの善意を持って近づいてくるタイミングじゃないと上手く作用しない」

P「ふむ」

晶葉「具体的には、所謂ツアーと呼ばれるイベント群じゃないと効果は見られないということだ。サバイバルは金銭のやりとりが絡むからちょっと無理だ」

P「随分と限定的だな」

晶葉「技術的限界だ。それと一回使うと充電に時間をくうから、まともに効果を発揮するのは一回のイベントにつき一度きりだな」

P「まあ、仕方ないか」

晶葉「とりあえず、今度ツアーがあった時に試してみると良いだろう」

P「ああ、ありがとう晶葉」

晶葉「元はロボの思考ルーチンを研究していた時に出来た副産物だから構わんさ。感想もよろしく頼む」

~しばらく後~

ちひろ「プロデューサーさん」

P「どうしました、ちひろさん。そんなウキウキして」

ちひろ「イタリアでLIVEツアーが開催されるようです! 今回は『シークレットユニット』が登場するらしいですよ! イベント限定のユニットメンバーを組んでLIVEしましょう!」

P「イタリアでツアーですね、分かりました」

ちひろ「つきましてはこちらのスターダムパワー持ちアイドルが手に入るハロウィンガチャを」

P「・・・分かりました、回します」

P(さて、晶葉が作ったこれでどうなるかな・・・)

~inイタリア~

P「いやー、来たぜイタリアッ」

輝子「フヒヒ・・・情熱の国だぜイヤッハァァァァァッ!!」

小梅「コロッセオとか楽しそう・・・」

杏「なんで時期外れなのにハロウィンの格好しなきゃなんないんだろうね杏たちは」

凛「ねえ、決め台詞のことなんだけど『残していこうか、私たちの足跡』と『消えない音を刻みたい』、どっちがいいと思う?」

奈緒(おい、凛の目がウキウキしてるぞ止めろよ加蓮)

加蓮(止めたいけど変にテンション下げられても困るし・・・)

P「よーし、頑張るぞ!」

~inローマ~

P「おっ、凛たちが次の相手か」

凛「ねえ、プロデューサー・・・」

P「ん?」

凛「ここがローマの街…か。歓声が聞こえるね…。じゃあ…残していこうか、私たちの足跡…!」

P(分かりづらいけど凛がドヤ顔してる・・・!?)

奈緒(ホントに言っちゃったよ)

加蓮(ライブ頑張ろう)

P「あ、ちひろさんが近づいてくるぞ」

ちひろ「プロデューサーさん、お疲れ様です。これ、差し入れのLPドリンク1/3です!」

P「ありがとうございます」

ちひろ「では、LIVEツアー頑張ってください! 私も応援してますからね!」

P「はい、頑張ります!」

P(と、晶葉が言ってたのはこのタイミングだな・・・)ポチッ

ボタン「ぽちっとな」ビビビ

ちひろ(・・・あれ?)

P「あの、ちひろさん?」

ちひろ「えっ・・・もっとお仕事を頑張りたい、ですか?」

P「えっ、あっ、はい、そうなんですよ」

ちひろ「・・・・・・もう・・・仕方ありませんね!今回だけ、特別ですよ?」

P「これはフルで回復する版のLPドリンク・・・いいんですか?」

ちひろ「このドリンクで、アイドルたちと一緒に頑張ってきてくださいね!」

P「ありがとうございます。それでは!」

ちひろ「・・・なんで急にプロデューサーさんにドリンクをあげたくなったんだろう。まあ、プロデューサーさんに1個渡すくらいなら大丈夫ですけど」

P「晶葉! 例のボタンを使ったら、なんとちひろさんからドリンクを貰えたぞ! しかも完全版!」

晶葉「・・・まさかそれだけか?」

P「ああ、それくらいだが。ちなみにもう一回使ってみたらもうダメだと困った顔をされた」

晶葉「ふむ・・・正直もうちょっと大きな効果が出るかと思ったんだが」

P「ちひろさんがドリンクをタダでくれたんだぞ? 凄くないか?」

晶葉「それはそれで珍しいがな・・・ちょっと改良版を作ってみる。時間がかかるだろうから、それまではそれでしのいでおけ」

P「これでも十分強力だと思うけどな」

晶葉「私としては不満足なんだよ。確かに使う者が喜ぶことも大事だが、技術者としてはここは譲れなくてな」

P「そうか・・・無理するなよ」

~数ヶ月後~

晶葉「P」

P「どうした晶葉」

晶葉「以前話したちひろボタン改良版なのだがな・・・」

P「ああ、あれか。そういえばドリフェスでも効果を発揮したぞ」

晶葉「それは良かったな・・・じゃなくて、改良版が完成したぞ」

P「ホントに作ったのか」

晶葉「どうなるかはわからないが、少なくともただドリンクをくれるだけでない事は約束しよう」

P「確か近々水着ドリフェスがあったな・・・そこで使ってみるよ」

晶葉「ああ、健闘を祈る」

~in水着ドリフェス~

未央「プロデューサー! 水着だよ!」

凛(水・・・つまり蒼・・・)

卯月(凛ちゃんがなんか怖い顔してる・・・)

P「よし、頑張るぞ!」


留美「時には妖艶さも必要よ。貴方たちはどうかしら?」スッ

P「その水着のどこに婚姻届を隠していたんですか。あと書きませんから」

志乃「ならば私とワインを」スッ

P「あなたがたの水着は四次元ポケットか何かですか」

ちひろ「プロデューサーさん、お疲れ様です。これ、差し入れのLPドリンク1/6です!」

P「ありがとうございます」

ちひろ「では、ドリームLIVE頑張ってください! 私も応援してますからね!」

P「はい、頑張ります!」

P(・・・いくぞ!)ポチッ

ボタン「ウッサミーン」

P「なっ、急に周りが・・・!?」

実況「鬱蒼たる森に囲まれた、禁断の遺跡群のようなものが見えております!」

P「!?」

実況「究極の肉体サバイバルがここに開幕! 今、命知らずの挑戦者達がステージに姿を現しました!」

ちひろ「プロデューサーさん、何ですかこれっ!?」

実況「チャレンジするのはこの男! 一日に飲むドリンクは1バレル、P! 対するエネミー側は現代に蘇ったマモン、千川ちひろ!」

瑞樹「解説の川島です。今回は、チャレンジャーが水鉄砲をエネミーに当てられたらクリア、チャレンジャーのリタイアがエネミー側の勝利となります。ただし、互いに自陣の外に出ても敗北となりますのでご注意ください」

P「水鉄砲ってこれか」

P(考えろ・・・あのボタンを押したらこうなった。そしてボタンを押しても無反応。なら、この状況から抜け出したければ多分クリアするしかない。だが)

ちひろ「あの、プロデューサーさん?」

P(俺は当てれるのか・・・いや、やるしかないんだ)

P「すみませんちひろさん。どうしてこうなったかは分かりませんが、未来を切り開くために狙わせていただきます」

ちひろ「どういう理屈ですか!?」

P「問答無用! てやっ!」ピュッ!

ちひろ「わっ、危ない」

実況「おーっと、トビウオのような弾がいきなり襲い掛かる!」

P「どんどんいきます!」ピュッ!ピュッ!

ちひろ「ほっ! はっ!」

P「やりますね! だがこの弾幕は!」ピュッ!ピュッ!ピュッ!

ちひろ「くっ、仕方ありませんね!」バッ

P「予想通り飛びましたね! ですが、空中なら避けられない!」カスッ!

川島「弾切れね、わかるわ。給水はそこよ」

P「くっ」ジョボボボボ

実況「せっかくのチャンスを生かしきれない! ご覧下さい、この表情です!」

ちひろ「ゼェ・・・なかなか・・・ハァ・・・やりますね」

実況「さあ、エネミーにとっては一旦のブレイクゾーンだ」

P「満タンフルチャージ! 水だけどファイア!」ピュッ!ピュッ!ピュッ!

ちひろ「わっ、ちょっとそんなに・・・」

実況「筋肉のエンジンに点火っ! コロシアムという名にふさわしい雰囲気を漂わせております」

瑞樹「わかるわ」

P「そこっ!」ピュッ!

ちひろ(しまった、足が!)

P「今なら届く! くらえ、とどめの一撃!」ピュッ!

ちひろ「きゃぁぁ!?」バシャッ!

実況「あーっと、力尽きてしまったー! 水浸しー! これは悔しい! 今回の無念をいつか晴らしてくれー!」

川島「休む暇を与えなかったのが勝因ね、わかるわ。では、これで今回の試合を終わります」

P「お、元の会場に戻った」

ちひろ「プロデューサーさん!」

P「うわっ、ちひろさん濡れたままですか」

ちひろ「はしゃぎすぎです! もう、おかげでビショビショです!」

P「すいません・・・」

ちひろ「まったく・・・着替えてきますから、お仕事しててくださいね!」

P「ハイ、了解しました」

ちひろ(えっと、アレどこにしまったかな)

P「行ってしまった・・・とりあえず仕事の合間を縫って晶葉に連絡だ」

晶葉『なるほど、そうきたか』

P「どういうことだ」

晶葉『そもそも今回の発端はPが事務員に仕返しをしたいという所からだ。故に、水鉄砲という形で直接やり返す事になったのだろう』

P「そんな」

晶葉『現にその急な展開へのショックが大きくて、撃たれたことはあまり怒っていないだろう』

P「確かにちょっと文句を言われた程度だな」

晶葉『だろう? それに推測だが、事務員も日ごろの疲れが溜まっていて何らかの形ではしゃぎたかったというのもあるだろうしな』

P「それってどういう」

ちひろ「プロデューサーさーん!」

晶葉『まあ、ひと夏の悪ふざけだと思って楽しむといいさ。あと、その改良版スイッチは更に長期間の充電がいるから後で回収させてもらうからな、では』

P「何なんだ・・・あ、お待たせしましたちひ――ろサァァァン!?」

ちひろ「あ、これAPドリンク1/6です」

P「ありがとうございます。で、なんで水着なんですか」

ちひろ「せっかく持っているので。それに、これなら水鉄砲も怖くありませんからね!」

P「いや、多分もうやりませんけど・・・」

P(一応押してみるか)ポチッ

ボタン「ウッヒョー」

ちひろ「ひゃあ!」ブルン

P(ちひろさんがジャンプした・・・)ポチポチポチ

ボタン「ニョワーffdyダイサクセン」

ちひろ「きゃ、ちょっと、これぜったい、プロデュ、サーさんのしわざですよ、ね、止め、くださ」

P(確かにいつもよりいい笑顔・・・な気がしなくもない)ポチポチポチ

ボタン「アテンションヤミノマクッ」

ちひろ「ひゃあ! も、もう、やめ」

ちひろ「はあ、はあ・・・疲れた・・・」

P「俺もなんか疲れました」

ちひろ「プロデューサーさんは何もしてないでしょうに! さあ、いつまでも私に構ってないで、アイドル達が待ってますよ!」

P「おっ、そうだった。では、行ってきます!」

ちひろ「いってらっしゃい」

ちひろ(いつもだったら仕返しも考えますが、今日はちょっと楽しめたから勘弁してあげますか。明日からはまたいつもの私ですけどねっ!)

おわり

ドリフェス終了記念SS。
見返したら>>12でLPをAPに直していないミスハケーン。
あと古舘実況は本当はもうちょっと入る予定だったけど文字だとちょっとくどくなったため、いくつか削除。

依頼出してきます。

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