バツン―――
スタジオ・収録後
P「お疲れ」
○○「プロデューサー。 わざわざ迎えに来てくれたんですか?」
P「あぁ。このところ忙しくて、付いていてやれなかったからな」
○○「ありがとう。プロデューサー」
P「ふふっ。どうだ、この後夕食でも食べに行かないか? 最近落ち着いて話が出来ていなかったし、ゆっくり話がしたいんだ」
○○「そうですね。この後は予定も空いてますし」
P「じゃあ、決まりだな!」
P「収録すごく良かったよ。『かわいいアイドル』って感じだった」
○○「あ、改めて言われると照れるなぁ」
P「ははっ、分かってるよ」
○○「もう。プロデューサーの意地悪……」
P「荷物持つよ。一旦事務所に戻ろう」
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車内
ブロロ…
P「講座番組のアシスタントになって、もう二か月か…」
P「知名度も少しずつだけど上がってきてるようで、俺も嬉しいよ」
○○「あはは、そうなのかな。あまり自覚はないですけど」
P「収録で何か困ったりしていることはないか? あるなら番組側と相談してみるが」
○○「大丈夫ですよ」
P「そりゃそうか……俺が付いていなくても仕事をこなしているしな」
○○「! でも……プロデューサーがいないと、ちょっと駄目かも」
P「そんなことないよ。もう立派にやってるじゃないか」
○○「それは……プロデューサーが喜んでくれると、私も嬉しいからです!」
P「何かあったらすぐに言ってくれよ。俺は○○のプロデューサーなんだから」
P(○○のプロデューサーになって随分時間が経つ)
P(初めは色々ぶつかったけど、今では仲良くやっているつもりだ)
P(ただ……最近、俺への接し方が違う)
P(きっと、多分……○○は)
ポツポツ
○○「あ、雨が……」
ザー
P「ん。あぁ、そういえば台風が接近してるんだっけか。急いだ方がいいな」
ブロロロロ…
ガチャ
P「戻りましたー」
○○「お疲れ様です」
ちひろ「あぁ! プロデューサーさん、ちょうどいいところに!」アタフタ
P「一体どうしたんですか?」
ちひろ「レッスンスタジオにいる子たちから連絡があったんです。台風でバスが来ないから迎えに来てほしいって」
P「そうですか。分かりました! 天気予報では今夜遅くになるって、言ってたんだけどなぁ」
○○「予報ですから。外れることもありますよ」
P「そうだな。あっ、あのさ──」
○○「夕食ですか? それより、早くみんなを迎えに行ったほうが良いですよ!」
P「すまない。必ず埋め合わせをするから! 早く寮に戻った方がいいぞ」
ガチャ
バタン
○○「しょうがないよね……」
ちひろ「ふふっ」
○○「ちひろさん? 何を笑ってるんです?」
ちひろ「○○ちゃんってプロデューサーさんのこと大好きですよね」
○○「え˝!?」ドキッ
ちひろ「あっ、図星ですか! ふふ、バレバレですよ。○○ちゃんの本心」
○○「えっ……あっ……///」カァ
ちひろ「もしかしたら、プロデューサーさんにもダダ漏れかもしれませんよ」ハァ
○○「え! えぇっ! どうして分かったんですか?」
ちひろ「だって、この頃プロデューサーさんと話している時、すごく嬉しそうなんですもの」フフッ
○○「そ、そんなこと……」
ちひろ「今度写真でも撮っておきましょうか? とっても可愛いですよ~」ニヤニヤ
○○「」カオマッカ
ちひろ「あ、でも『プロデューサーとアイドル』という関係であることを覚えておいてくださいね」フフッ
○○「そ、そんなことわかってます!」
○○(そう……プロデューサーはこの事務所のアイドルみんなをプロデュースしてる)
○○(この気持ちは表に出してはいけないもの……)
○○(でも……)
ちひろ「ん?」
ヒョイ
ちひろ「床に落ちてるこの鍵は……」
アパート Pの部屋前
ビュウウウウウウウウウウ ガタガタガタガタ
P「みんなを女子寮まで送り届けたものの……」
P「直帰することになってしまった。○○には悪いことをしたなぁ……」
P「明日は色々仕事がキャンセルになってそうだし、早く帰らなきゃ」
ビュォォォォ ゴォォォォォ
P「えーと……家の鍵、あれ? あれあれ?」
P「あー。最悪だ。事務所に家の鍵を忘れるとは。取りに戻るしか」マワレミギー
○○「お帰りなさい。プロデューサー」ヒョッコリ
P「!? なんでここに……って帰ってなかったのか?」
○○「プロデューサーこそ、このままじゃ帰宅できないくせに」チラ
P「それ、俺の家の鍵……!」
○○「ちひろさんが事務所で拾ったんです」
P「ちひろさんが? 連絡寄越してくれれば取りに行くのに……」
○○「……」
P「ありがとう。わざわざここまで届けに来てくれて。○○がいてくれなかったら……手、つめたっ」サワッ
○○「雨風の来ない場所で待ってたんですけど……」テヘ
P「髪も濡れてるじゃないか。どうして○○も連絡してくれなかったんだ?」
○○「だってプロデューサー、車の運転中だったから。電話しても出られる訳ないと思って」
P「ごめんな、俺が鍵を忘れたばっかりにこんな雨の中で待たせて」
○○「大丈夫です! プロデューサーの事を思えば……ん、ゴホンゴホン!」
P「待っててくれ。カバンを置いたらすぐに車を出す。寮のみんなも心配してるだろうからな」ガチャ
○○「あっ、プロデューサー」
P「ん?」
○○「こ、この暴風雨の中で車を動かすのは危険じゃないですか? 陽も暮れてきてますし。だから……あの」
P「○○?」
○○「プ、プロデューサーの家で少し休んでいっても……?」
P「え? えっとそれは……」
○○「あ……駄目ですか?」
P「あぁ……いや。別に、いいけど。あ、でも、ワンルームだし、狭いぞ?」
○○「わ、私は大丈夫です。女子寮だって狭いですし……」
P「そうか。あぁ、入って。散らかってるけど」
○○「おじゃまします……」
ビュゥゥゥゥ ザァァァァァ
P(担当アイドルを、家に入れる……)
P(台風という緊急事態だ。しょうがない)
P宅
○○「おじゃまします……プロデューサーの匂いがする……」キョロキョロ
バタン
P「テーブルの前にミニソファーがあるだろ。そこにでも掛けててくれ」
○○「わわっ。テーブルの上が書類だらけ……仕事のものかな?」
P「あ、荷物は空いてる所に置いてくれて構わないぞ。ちょっと待ってて、ドライヤー持ってくるから」
○○「プロデューサー、私はあまり濡れていないから心配しなくても」
P「いや。もしもこれで○○が風邪を引いたら大変だから。えっと、自分でできるか?」
○○「え? あ、はい……あ、いや! あの、やってもらっても……いいですか?」
P「ん……あぁ、わかった……」カチッ
ゴォォォォ
P「うわ、結構濡れてるなぁ……」
スーッ
○○「プロデューサーの手大きくて、包まれるみたい」
P(雨で濡れてるからか、○○の匂いがすごく……)スーッ
P(いかん、集中しなければ……)サラー
P(でも……○○の髪と肌の感触が……)スーッ
○○「……」
P「急に黙り込んでどうした?」
○○「ハッ!? いえ、大丈夫。……プ、プロデューサー、顔が近い……」アセアセ
ゴォォォォ
P「ん? 何か言った?」
○○「あ、プ、プロデューサー! もう髪乾きましたから。ドライヤー止めてください」
P「わ、分かった」カチッ
シュゥゥゥン
P「ごめんな。よく聞こえなくて。熱くなかった?」
○○「あ、いえ。……そんなことはないです」
P「その、なんだ。誰かにドライヤーするなんて、経験なかったから」
○○「とても気持ち良かったです。あの……ありがとうございます」
P「そう言ってもらえると嬉しいよ。今日は迷惑かけちゃったし、俺の方こそ感謝してもしきれないって」
P「ただでさえ、最近は忙しくて、そばにいてやれなかったのに……本当にごめんな」
○○「」グイッ
P「おわっ」ボスン
P(急に手を引かれ、隣に座ってしまった)
P「……○○、急にどうしたんだ?」
○○「じゃあ……あの、今日は、そばにいてください」
P「え、あぁ……そうだな。『今日』と言っても少しの時間だけ、だけどな」
P(目が潤んでる……こんな○○見るのは初めてだ……)
P(この空気、なんとかしないと……!)
○○「~~~~///」カオマッカ
P「あっ、顔、真っ赤だぞ。もしかして照れてるのか?」ハハッ
○○「そ、そんなこと! プロデューサー、貴方は!! って、きゃっ!」
ツルッ
P「おっと……大丈夫か?」ギュッ
○○「あ、ありがと……」
○○「」グイッ
P「おわっ」ボスン
P(急に手を引かれ、隣に座ってしまった)
P「……○○、急にどうしたんだ?」
○○「じゃあ……あの、今日は、そばにいてください」
P「え、あぁ……そうだな。『今日』と言っても少しの時間だけ、だけどな」
P(目が潤んでる……こんな○○見るのは初めてだ……)
P(この空気、なんとかしないと……!)
○○「~~~~///」カオマッカ
P「あっ、顔、真っ赤だぞ。もしかして照れてるのか?」ハハッ
○○「そ、そんなこと! プロデューサー、貴方は!! って、きゃっ!」
ツルッ
P「おっと……大丈夫か?」ギュッ
○○「あ、ありがと……」
P(足を滑らせた○○を支えようとしたら、抱きしめるかたちに)
P(はやく、手を離さないと……)
ムニィ
P(○○の成長途中の胸が、俺の胸で押しつぶされてる……! やばいやばい)
P「えっと……急に立ち上がろうとすると危ないぞ」テヲハナス
ギュウ
P(もっと押し付けてきた?!)
トクン……トクン……
P(○○の体の中の音、温度が伝わって……本当に……!)
○○「」ギュウ
P「離してもらえるか……な?」
○○「プロデューサー……私と一緒にいるの嫌ですか?」
P「いや、そんなことはないぞ。うん。……俺も嬉しいぞ」
○○「私もその、あの……嬉しいです!」
P「よかった。えっと……まぁ、台風っていう形で一緒の時間を取れるなんて思っていなかったけどな」
○○「!」ギュウウ
P(もっと強く抱き着いてきた!)
P(○○の体が……熱い)
P「えっと、あの……そろそろ離してくれないか? 身動きが取れない」
○○「え! あっ、そう、ですね……」パッ
P「急に強く抱きしめてきたからびっくりしたよ…」
○○「なんのことですか。べ、別に力なんて入れてないです!」ソッポムク
P「え、でもさっき……」
○○「違いま──」
グゥー
○○「!?」
○○「プロデューサー、もしかして聞こえちゃいました!?」アセアセ
P「あーそっか。もう夕食時か」
○○「ちょ、プロデューサー。あの……あの、今のお腹の音は違いますから!」
P「誤魔化さなくてもいいじゃないか。お腹減ったんだろ?」ニッコリ
○○「……あー、どうしてこんなタイミングで」シュン
P「えーっと何か食べるものは……買い置きしてないからインスタントの食品しかないなぁ」ガサゴソ
○○「ちょ…ちょっと、本当に今のはお腹の音じゃないんですからね!」
P「ははは、分かった分かった」
○○「ごちそうさまでした」
P「ごめんな。冷凍食品しかなくて」
○○「いえ、美味しかったです。……たまにはプロデューサーと食事というのもいいですね」
P「おっと、これで食事の約束がチャラになった訳じゃないからな。安心してくれよ!」
P(色んな話をした)
P(仕事のこと、○○の知名度のこと、今度大きめの会場でライブをするということ……)
P(他のアイドルの話題になった時、少し○○の顔が暗くなったような気がした……いや、暗くなった)
ガタガタガタガタ バァァァァァ
P「雨が窓を叩いてる……これは止みそうにないな。テレビはどうだ?」シャッ
○○「えっと、ここの地域に暴風と大雨の警報が出ています」
P「そうか……外は真っ暗で雨風が厳しい。困ったな」
○○「あの、プロデューサー。もしも……このまま台風で帰れなかったら」
P「ん?」
○○「帰れなかったら、プロデューサーの家に泊まっていっても……?」
P「……」アセタラー
P「まぁ、そうだよなぁ……それしかない、か……」
○○「……」
P「あぁ、もちろんいいよ。しょうがないさ」
P「○○はベッドで、俺がソファー。これで大丈夫だ、うん」
ピロリンピロリン
○○「ん、何の音ですか? プロデューサー」
P「あ、あぁ、風呂が沸いたんだよ。いつもこの時間にセットしてあるんだ」
○○「お風呂……」
P「○○も入るか?」
○○「な、なにを言ってるんですか! 私と貴方で一緒にふ、風呂になんて……!!」カァァ
P「違う、違う! そういう意味じゃない」
○○「え!? あ、あぁ……すいません」
P「そうだよ。当たり前じゃないか」
○○「そうですよね……つい」
P「で、どうする?」
○○「……」ジー
○○「えっと、お、お願いします……///」メソラシ
P(え、なに。今の間は)
シャァァァァ
○○「これ、プロデューサーがいつも使ってるボディソープなんだよね……」フフッ
○○「な、なんでこんなことで私、喜んでるんだろ……ちょっと変かも」
○○「……」
○○(プロデューサーが距離を取ってくる……)
○○(もしかしたら、私の想いにプロデューサーは気付いてるのかな?)
○○(ちひろさんが言ってた通り……)
○○(みんなに平等に優しいプロデューサー。独占するのは間違ってるって……分かっている)
○○(でも、だとしても、私はあの人が……)
フッ……
P「! 停電……?」
○○「ぷ、プ、プロデューサーー!?」
P「今行くからそのままじっとしててくれー」スタッ
P「何か明かり……スマホで」ピカー
P「停電みたいだ。どこかで電線がk」スッ
○○「あ、ちょ……ちょっと待って! 開けないで!」
P「え?」
ガチャ
○○「あっ……」ゼンラ
P「!」
バタン
P(スマホの明かりに照らされて、細い足が……)ドキドキ
P(ちらりと見えたのは……腰? 腰骨からのライン!?)
○○「プ、プロデューサー!」
P「ごめん! 見てないから! いや、ごめん、少し見ました!!」
○○「そ、そんなこと報告しないでください! それより、あの……真っ暗なので照らしてもらえませんか」
P「あっ、そうだな……扉、開けるぞ」
キィ
○○「眩しい……」
P「ちゃんと服を着替え終わったら……言ってくれ。 俺、後ろを向いてるから」
○○「はい……」
ギュゥ
P「え?」
P「○○……どうした?」
P(後ろから抱きつかれた……)
P(わずかに湿った身体が密着して……シャツ越しに湿度が伝わる)
○○「プロデューサー……今だけ、今だけでいいので……」
○○「お願い……」
ギュウゥ
P「……○○?」
○○「えっと…こんな形になっちゃうなんて……」
P(力を込めた両腕が……細い腕が胸に絡みついて……)
P「○○……」
○○「分かってる。……貴方はプロデューサーで私はアイドルで」
○○「貴方がみんなから慕われていること、そして貴方は皆に等しく優しくしてくれること」
○○「私の『変わりたいたい』という本心を見抜いてスカウトしてくれて……私の中の壁を取り払ってくれた」
○○「いつからか分からないけど……私は本気で」
○○「プロデューサー……貴方のことがす、好きに……」
○○「……」
P「…………」
スッ
○○「え、あっ……プロデューサー……おんぶなんて急に……あの、き、聞いてましたか?」
スタスタ
○○「プロデューサー? いきなり……何を?」
P「よいしょ」ギシッ
○○(ここ……座ってるの、ベッド?)フカフカ
P「……○○も変わったよな。初めは、ただただ俺の後ろをついてくるので精いっぱいだったのに」
P「一緒に仕事していくうちに、いつの間にか俺を追い越して。今では自慢のアイドルだ」
○○「貴方がいたから、私は変わった……可愛くなれたんです」ギュゥ
P「でもな……○○……。俺はプロデューサーなんだ……」
P「事務所のアイドルみんなを頂点に連れていきたいんだ」
P「だから……ごめん……。その気持ちには」
ごめん『変わりたいたい』でクソワロタ
>>23
誤字すいません
○○「……」
○○「…………」
P(背中に熱いもの……が)
P(涙……)
○○「……やっぱり……プロデューサーは、貴方は、優しい人です…………」ポロポロ
P「なぁ、○○……ずっと気になってたんだが今日……俺の家に来たのって……」
○○「はい……プロデューサーに気持ちを、伝えようと思って……」ヒック
○○「プロデューサーが、みんなをレッスンスタジオに迎えに行った時、家の鍵を事務所に忘れてることにちひろさんが気付いて……」
P「それで、○○は家の前に……」
○○「……私。ちひろさんに『電話で連絡します』なんて言って鍵を預かって」
○○「連絡しないで、そのままプロデューサーの家まで押しかけて、無理言って家に上がりこんで……」エッグ
○○「私……ズルいですよね……こんなことしてまで、貴方といたかったって」ボロボロ
P「○○……」
クルリ カチッ
○○「眩しい……これは、ベッドライト?」
P「○○の顔が見たくてさ。こいつは電池式だから動くんだ」
○○「嫌……見ないで」グスン
P「あぁ……こんなに目を真っ赤に腫らしちゃって……」
P「いいか、○○。誰かを好きになるは悪いことじゃない」
P「でも、俺はプロデューサーで○○はアイドル」
P「その二者の関係はファンの方を裏切ることになるんだ……」
P「それだけじゃない。○○の友達、家族……みんなが○○を応援している」
○○「! でも……私は」
P「俺は……○○を含めたみんなをトップアイドルにするのが仕事なんだ」
P「○○だけの気持ちには応えられない……」
P「分かってほしい……」
○○「……」
P「服……着てくれないか」
ザァァァァァァ ゴォォォォォォ
翌日 事務所
P「おはようございます」ガチャ
ちひろ「あ、プロデューサーさん、おはようございます……って、○○ちゃんも?」
○○「……」
P「えっと……事務所の前で……たまたま会ったんです」
──ナンデPサント ○○チャンガ イッショニ?
──ソウイエバ キノウ ○○チャン リョウニ カエッテコナカッタヨネ・・・
──ナンカ ○○チャンノ メ アカクナイ?
P「……えっと、じゃあ、今日の予定を確認するか」
○○「……」
○○「……はい」
バツン―――
「へぇ、珍しいですね。アイドルの思慕を躱すなんて……ん?」
「なんだ……結局この後、手を出して、ばれて、糾弾されて、事務所崩壊か……つまらない」
「慰めたところ、逆に再度迫られたと……優しいプロデューサーさんらしいですね」
「でも、フッたことを謝っちゃダメですよ……追い打ちじゃないですか」
「まぁ、あれだけ正論広げられたら、ムキになっちゃいますよね」
「恋心を指摘したり、家の鍵を渡したのは時期尚早だったでしょうか……う~ん」
「でも、この世界のプロデューサーさんは押し倒せばズルズルいきそうな性格でしたし……」
「プロデューサーとアイドルなんて結局、男と女ですからね。ファンを裏切れない、なんて言いつつも……我慢できません、か」
「まぁ、この子に結構な数のプロデューサーさんが堕とされてますし、この子の担当になった時点でこうなるのは必然なんでしょうか……」
「うーん……」
「一人のアイドルのために破滅していったプロデューサーさんもいれば……」
「たくさんの想いを受け止めた結果、綻びが生じて、こじれて、崩れて……」
「結局、どれ一つ選べなかったプロデューサーさんもいますし」
「とはいえ、頑なにプロデューサーの矜持に固執した結果、アイドルが離れていった例もありましたし……単純に手を出さないというのも駄目なんですよ、ふふっ」
「『付かず離れず』というのが一番難しくて面倒なんですよね……」
「ドリンク漬けになったり、人死にが出たり、未成年に手を出したり、事務所の皆を犯しまくるよりはマシですが、いささかこの世界は退屈でしたね……」
「あぁ……『アイドルマスター』になれた世界はどこにあるのやら……」
「ん? また別の世界でプロデューサーさんが誰かに好意を持たれてますね……」
「プロデューサーとアイドルの間に交わされる感情、葛藤に……選択」
「事務員として、陰ながらお手伝いをしに行きますか!」
「さて、今度の世界のプロデューサーさんの ∞ の運命……楽しみです。ふふっ♪」
E N D
読んでいただき、ありがとうございました
ちひろさんが全てを見ている、握っている、操っている、という話が書きたかった
HTML化の依頼を出しておきます
このSSまとめへのコメント
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