ちひろ「プロデューサー……ですか?」 (943)
パプワくん×モバマス
勢いだけなのでキャラ崩壊注意
時系列的にはパプワくん本編終了後、PAPUWAに繋がらないIFのイメージ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1383215043
第一話『おいでませCGプロダクション!』
――ガンマ団本部・パプワ島支部
ハーレム「はぁ~?なぁんだってぇ~?」
マジック「コラ、お兄ちゃんの言う事はちゃんと聞かなきゃダメじゃないか」
ハーレム「ハイハイ聞いてましたよ~。オレが、日本で、アイドルのプロデューサーだぁ~?」
マジック「なんだ、ちゃんと聞いてるじゃないか」
ハーレム「そっちじゃねェよ!なァんでオレがそんな事しなきゃいけねェのかって事だ!」
マジック「あぁ、お前は特戦部隊を率いているな」
ハーレム「あぁ」
マジック「メンバー全員、お前自らがスカウトしてきたんだったな」
ハーレム「あぁ」
マジック「そして全員を特戦部隊として育て上げた……」
ハーレム「……」
マジック「つまりそういう事だ」
ハーレム「わかるかこのクソ兄貴!」
――ガンマ団特戦部隊・気球船
バンッ
ハーレム「オイお前ら!集合!」
ロッド「おーおー、荒れてるぜ俺達の隊長さんよぉー」
マーカー「ロッド、余計な事を言うな」
リキッド「嫌な予感しかしねェ……」
G「……」
ハーレム「よ~しお前ら、前総帥サマからありがた~い任務を申し付けられたぞ」
リキッド「任務ゥ?」
マーカー「隊長、今現在、我々が動くほどの激戦区は無いはずですが?」
ロッド「新総帥サマのおかげで、平和な世界になっちまったもんなぁー」
ハーレム「最後まで聞け。任務内容はなんと、日本でアイドルのプロデュースだとよ」
「「「「はぁ?」」」」
ハーレム「っつーうワケで、だ・れ・に・し・よ・う・か・な♪」
ロッド「……」フィッ
マーカー「……」フィッ
リキッド「……」フィッ
G「……」フィッ
ハーレム「よしリキッドにけって~い」キャッキャッ
リキッド「はぁ!?オレっすか!?」
ハーレム「おう、お前なら日本にも詳しいだろ?適役じゃねぇか」
リキッド「いや確かにそうっすけど!まだ今月の給料も貰ってな――」
ハーレム「お、シーとランドの特別招待券がポケットに」
リキッド「――喜んで引き受けさせて頂きます隊長」スッ
ハーレム「じゃあリキッドに任せる――ってワケにもいかねぇか」
ハーレム「おいリキッド、もう一人選べ」
リキッド「え?あ、ハイ」
リキッド(日本でアイドルをプロデュースって事は、要するに芸能事務所で働くって事だよな)
リキッド(って事はイタリアンスケベのロッドは除外)
リキッド(ヘタに手を出されるとマズイ)
リキッド(で、同じアジア圏チャイニーズマーカーは……)チラッ
マーカー「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
リキッド(うわスッゲェ嫌そうな顔してる――!)
リキッド(……一番マシなのは、Gか)
――――
――
――翌日、空港
リキッド「おー、お待たせー」
G「……ん」
リキッド「……なぁGよォ」
G「……?」
リキッド「やっぱその格好で、クマのシール貼ったキャリーバッグは無くね?」
G「……」←革ジャンジーパン編み上げブーツ
G「……」
リキッド「いやゴメン悪かった!悪かったから拗ねるな!ダッ○ィーのシール買ってやるから!」
G「……ん」
リキッド「しっかしよォ、マジックさんはウチの隊長が嫌いなのかねェ?」
リキッド「今回の任務だって、隊長を遠い所に飛ばそうとしたってコトだろ?」
G「……厄介払い、か」
リキッド・G((マジックさん……先方が可哀相だと思わなかったんですか――))
リキッド「ま、まぁよ!今回の仕事は人殺しナシ!破壊工作ナシ!楽なモンじゃねェか!」
リキッド「環境が変われば心も変わる!リフレッシュしようぜ!」
G「……ん」
リキッド「そういやオメー、日本語話せんの?」
G「……堪能では無い」
リキッド「オッケーオッケー、オレがしっかり教えてやるよ!」
G「……なぁ」
リキッド「ん?」
G「……今、俺達は何語で喋ってるんだろうな」
リキッド「メタ発言しないで!」
――――
――
――ガンマ団パプワ島支部
マジック「ぬぅわぁぁんで言う事聞かないかなァあの弟はァ!」
サービス「兄さん、いい年こいて地団太を踏むのはやめてくれないか」
マジック「シンちゃああああん!双子が二人してイジめるよおおおおおおおおお!」
シンタロー「仕事の邪魔すんなクソ親父」
マジック(――昔はもっと仲良かったのに――!)
――――
――
――日本・羽田空港
リキッド「到着ーっと」
G「……ん」
リキッド「じゃあちゃちゃっと挨拶してーって、このカッコーじゃマズイか」
G「?」
リキッド「ジャッパニーズサラリーマンはスーツって決まってんだよ」
G「……そうなのか」
リキッド「そ。仮の住まいの方で着替えてゴアイサツってな。行こうぜ」
G「……ん」
――数時間後、CGプロダクション
リキッド「……なんだこのボロアパート……」
G「……住所は合っている」
リキッド「……マジかよ」
G「……廃アパートを買い取ったのか……倹約という物だな」
リキッド「イヤイヤイヤイヤ!芸能事務所だろ!?何だよこの築50年超えてそうな物件!」
リキッド「アイドルじゃなくてユーレイが出てきてもオカシくないぜ!?」
G「……インターホンは……無いのか」ガチャ
G「……鍵は開いていたぞ」
リキッド「Gイィィィィィイィ!!」
リキッド「あぁもう!コリャ先にリフォームだチクショウ!コンニチハー!」
ちひろ「あ、いらっしゃいませ~」ドヨーン
リキッド「うわあああああああ出たあああああああああああああ!!」
G「」(白目)
――
ちひろ「プロデューサー……ですか?」
リキッド「そ。オレがリキッドで、コッチがG」
G「……よろしく頼む」
ちひろ「あぁ!すいません昨日お電話頂いていましたね!」
ちひろ「私は千川ちひろと申します!当事務所の事務員をしております!」
リキッド「ちひろね、よろしくゥ。んで、社長は?アイドルは?」
ちひろ「社長はスカウトに出ておりまして、数日は帰ってこられないかと……」
リキッド「……マジかよ」
G「……」
ちひろ「す、すいません!ぇっと、アイドルは皆、レッスンに出ておりまして――」
リキッド「あぁ、オーケーオーケー。じゃあまずは――」
G「……ん」
お掃除!
リキッド「――ふぅ」
G「……」
ちひろ「わー……」
リキッド「まったく、着任早々掃除とはなァ」
ちひろ「す、すいません!バタバタしてしまって――」
リキッド「あぁ謝んな謝んな。数日後には劇的リフォームもしてやっからよ」
G「……コーヒーだ」コトッ
ちひろ「ほぁっ!?あ、ありがとうございますっ!」
ちひろ(怖い人かと思ったけど何この優しい人達……)
リキッド「しっかし、なぁ~んでまたこんなボロアパートが事務所なんだ?」ズズッ
ちひろ「あ、それはですね、社長が寮も一緒にあった方がいいと考えてたみたいでして……」
リキッド「で、手元の金でとりあえず買った、ってトコか?」
ちひろ「あ、はい、その通りです……一応、裏側の棟が寮という事になっていまして……」
G「……窓から見えるあれか」
ちひろ「はい……あ、今は誰も住んでませんけど」
リキッド「あー、コレなら取り壊した方が早いかもな」
G「……ん。2、3日で済むか」
ちひろ「!?」
リキッド「よし、アイドル達はコッチに帰ってくるのか?」
ちひろ「あ、はい、そうですね」
リキッド「じゃあ真っ直ぐ帰るように連絡して、2、3日事務所を改装するって言っといて」
リキッド「G、必要な書類は――」
G「……ん」
ちひろ(あ、あれだけの資料を一人で担ぐなんて……)
ちひろ「あ、で、でも改築の費用とかは――」
リキッド「あぁ、気にすんな」
G「……大丈夫だ」
ちひろ「は、はぁ?」
さすが、家政夫と裁縫得意な常識人
――3日後、CGプロダクション
ちひろ「」
卯月「」
凛「」
未央「ねぇ、私夢見てるのかな?」
凛「うん」
卯月「え、住所違いませんかちひろさん」
ちひろ「な、なんという事でしょう」
凛「あのボロアパートが、三階建てビルとマンションに……」
リキッド「お、来た来た。オーイ!」
G「……」
ちひろ「お、おはようございます!どういう事ですかこれ!?」
リキッド「言ったろ?劇的リフォームしてやるってよ」
G「……職場の環境は大事だ」
リキッド「っと、ソッチがアイドルか。卯月と、凛と、未央だっけか」
「「「!!」」」
リキッド「立ち話も何だし、まぁ中で話そうや」
ちひろ「」
卯月「」
凛「」
未央「」
ちひろ(なにこのドラマに出てきそうなオフィス……)
卯月(わ、高そうなソファー……)
凛(花まで飾って……あ、コレ造花だ)
リキッド「おーい、コッチコッチ」
未央(談話室……え、談話室?)
――談話室
リキッド「さてと、まぁ座って座って」
リキッド「改めて自己紹介しとくわ。オレはリキッド。生まれはアメr――」
G「千葉県木更津市」
リキッド「Gさァ!思い出したように食い気味に話すのヤメテくんない!?」
ちひろ「え、えっと……」
リキッド「あぁもう、生まれは千葉県木更津市!好きな物はディ○ニー!よろしくな!」
卯月「よ、よろしくお願いします!」
凛「……よ、よろしく」
未央「よろしくお願いしまーす!」
G「……」
ちひろ「……」
卯月「……」
凛「……」
未央「……」
G「……Gだ」
G「……生まれはドイツ、趣味は裁縫、よろしく頼む」
ちひろ(そのガタイで裁縫――!)
未央(ダメだ笑っちゃダメだ笑っちゃダメだ!)
卯月「よろしくお願いします!」
凛「よ、よろしく」
リキッド「さて、じゃあ今度はそっちの番だ」
卯月「う」
凛「……」
凛(Gさん……は無いか。Gプロデューサー……なんて呼ぼう……)
未央「……ハイ!」
リキッド「お、ドウゾ」
未央「本田未央15歳!高校一年生ですっ! 元気に明るく、トップアイドル目指して頑張りまっす!」
リキッド「おー、元気いいな」
未央「えへへ……今日からよろしくお願いしまーす」
G「……あぁ」
凛「じゃあ次は私。渋谷凛、15歳。今日からよろしくね」
リキッド「あぁーイマドキの子だぁー。もっと愛想よくしないとGみたいになっちまうぜー?」
G「……少し、失礼する」
リキッド「え?あぁ冗談だって。なぁ、冗談だって」ズルズルズルズル
バタン
<あぁッ!やめてッ!目はそっちに回らないイイイイイイイ!
凛(目――!?)
リキッド「ハイ、ジャアサイゴヨロシクネ」
ちひろ「あ、あの、大丈夫ですか?」
G「……大丈夫だ」
卯月「え、えっと、島村卯月、17歳です!私、精一杯頑張りますから、よろしくお願いしますっ!」
G「……あぁ」
リキッド「さてっと、今日からキミらのプロデューサーって訳だけど……」
リキッド「まぁ、これから頑張ろうや」
「「「はいっ!」」」
G「……今日は……レッスンか」
ちひろ「あ、初日ですし見学してきたらどうですか?」
第一話『おいでませCGプロダクション!』おしまい
寝る
>>16
今思ったらこの二人、キュート勢との相性が抜群過ぎる
懐かしすぎる
リキッドって可愛い動物大好きだったよな、確か
オウフ、意外と反応が多くてビックリ。特選ギフト団以外のキャラも出す予定
>>26
選んだ理由がソレ
さてちょこちょこ投下しま
『インターミッション』
千川ちひろです。アイドルプロダクションで事務員をしています
突然訪れた二人のプロデューサーによって、築45年の事務所と女子寮は綺麗なビルとマンションに生まれ変わり
逃げるように地方で活動していたアイドル達も、近々帰ってくる予定です
ちひろ(あぁ……朝一番に事務所に来る事がこんなに楽しみになるなんて……)
ちひろ「……」
ちひろ(軽く事務所内の掃除でもしておこう)ウン
そして、そんな二人のプロデューサーは――
ちひろ(え、これGさんのデスク……よね?)
ファンシイィ
ちひろ(可愛いのからリアルな物まで、クマのグッズがたくさん……)
ちひろ(あ、もしかしたら妹さんとか、む、娘さんからの贈り物……とか?)
ちひろ(……深く考えちゃダメよちひろ。さぁ次はリキッドさんのデスク……)
デズニイィ
ちひろ(とってもエレクトリカルパレェドなりぃ……)
見た目は怖いけど、とっても優しい人です
『インターミッション』おしまい
第二話『仙台銘菓は萩の月!』
――夜・CGプロダクション・女子寮一階・食堂
リキッド「よぉ~っし出来た!食おうぜ食おうぜ~」
ちひろ「あ、ありがとうございます……」
卯月「リキッドさんはお料理も出来るんですね!スゴイ!」
リキッド「あァ、色々あったからなァ」トオイメ
G「……茶だ」コトッ
凛「あ、ありがと……」
未央「はいはいご飯盛るよーっ!」
「「「「「「いただきまーす!」」」」」」
卯月「美味しいです!美味しいです!」
未央「ぐぅ……なんか悔しいなぁ……」
凛(……今度教えてもらおうかな)モグモグ
ちひろ「女子寮の一階を食堂にするなんて、よく思いつきましたね」
リキッド「あァ、アイドルなんだから食生活もしっかりしねェとな」
G「……コンビニ弁当では、な」
卯月「うっ」
凛「ご、ごめんなさい」
未央「あはは……」
リキッド「まーこれからはオレとGでメシ作ってやっからよ、昼でも夜でも遊びに来いよ」
未央「お!じゃあオフも遊びに来ちゃおっかな~!」
リキッド「おゥ来い来い、大歓迎だぜ」
ちひろ「あ、そうだ。お二人に伝えておかなきゃいけない事があったんですよ」
リキッド「ん?」
G「……?」
ちひろ「改築前の事務所や女子寮を嫌がって、地方で活動してるアイドル達がいるんですけどね」
リキッド「あぁ、資料にあったな」
ちひろ「ええ。で、その子達が今回、改築した事務所と女子寮を見て帰ってくると言ってまして……」
G「……ほう」
リキッド「そ~りャ賑やかになりそうだなァ」
ちひろ「穂乃香ちゃんが、明日にはコチラに着くと連絡がありました」
リキッド「穂乃香……あぁ、綾瀬穂乃香か」
ちひろ「スゴイですね……もう覚えられてるんですか?」
リキッド「まぁ、まだ全員とはいかねェがよ」
G「……ん」
リキッド「よォっし、んじゃ明日に備えてしっかり食って――」
未央「あ、ご飯全部食べちゃったよ」
卯月「お、美味しかったのでつい……」
リキッド「……おーう、しっかり食って大きくなれよー……」
――翌日
リキッド「んでさー、その上司がサイアクなワケ」
リキッド「部下の給料競馬に全部ブッ込んでスってやがんの」
リキッド「もうホンット信じらんねー」
凛「うわ……最悪だね……」
リキッド「だろォ?凛もそう思うだろォ?」
ガチャ
卯月「おはよーございます!」
未央「おはよー!」
リキッド「おうおはよー」
凛「おはよう。じゃあ、そろそろ行こうか」
リキッド「おゥ。じゃあG、穂乃香の迎えは任せたぜ」
リキッド「オレは営業周りもしてくるからよ」
G「……あぁ」
バタン
G「……」
ちひろ「……」
G「……ちひろ、これは何て読むんだ」
ちひろ「えーとですね……」
ちひろ(ずっと新聞読んでると思ったら、そういう……)
――昼・駅
穂乃香「ふぅっ」
穂乃香(えぇと、プロデューサーさんが迎えに来てくれるってちひろさん言ってたけど……)
穂乃香(どんな人なんだろ?)
G「……」
穂乃香(うわコワそうな人……え、なんでこっち見てるのなんでこっち来てるの)
穂乃香(に、逃げなきゃ!)ダッ
G「……」
G「……」ポパピプペ
G「……ちひろ、穂乃香に俺の容姿は伝えてあるのか?」
ちひろ『あっ』
穂乃香「ご、ごめんなさいっ!」ペコペコ
G「……構わん」
G「……プロデューサーのGだ。よろしく頼む」
穂乃香「はっ、はい!綾瀬穂乃香です!よろしくお願いします!」ペコペコ
G「……ん」
――車内
穂乃香「……」
G「……」
穂乃香(沈黙がツライ!!)
G「……?」
――CGプロダクション・事務所
穂乃香「わ……」
G「……」
穂乃香「ホントにビルになってる……」
G「……女子寮の部屋は好きにしてくれ」
穂乃香「あっ、はいっ!」
G「……荷物を置いたら、ちひろと食堂に来てくれ」
穂乃香「はい!……え、食堂、ですか?」
G「……女子寮の一階だ」
――食堂
ちひろ「あれ?Gさーん?」
G「……ん」
穂乃香(エプロン姿が劇的に似合ってない――!)ハッ
クマー
穂乃香(ファンシーなクマさんのワンポイント――!)
G「……ちひろ、これは何て読むんだ」
ちひろ「はいはい、山椒ですね」
G「……助かる」
穂乃香「」
ちひろ「あ、ビックリしちゃった?」
穂乃香「え、えぇ……かなり……」
G「……出来たぞ」
ちひろ「ありがとうございます♪」
穂乃香「あ、ありがとうございます……」
G「……ん」
ちひろ「あ、Gさんこの後どうされますか?」
G「……?」
ちひろ「事務仕事は私で十分ですし、リキッドさん達が帰ってくるまで何も無いですよ?」
G「……庭の手入れだ」
G「……職場には、ハナが無いとな」
ちひろ「Gさん、その日本語はそういう意味じゃないんですよ」
G「……そうなのか」
穂乃香(悪い人じゃなさそう……あ、味噌汁美味しい)
――女子寮の一室
穂乃香(さて、大体片付いたかな……)
<ザクッ ザクッ
穂乃香「ん?あ、そっか」
――中庭
G「……」ザクッ ザクッ
穂乃香「……あの」
G「……?」
穂乃香「あ、えっと、ご飯、ありがとうございました」
G「……構わん」
G「……昼と夜はずっと用意するからな」
穂乃香「そ、そうですか……」
G「……ん」
穂乃香(……えーっと)
G「……」ザクッ ザクッ
穂乃香「え、と……ガーデニング、お好きなんですか?」
G「……いや」
穂乃香「あ、そ、そうですか……」
G「……ただ、職場の環境は大事だと思ってな」
穂乃香「環境、ですか……?」
G「……あぁ」
G「……荒んだ環境は、荒んだ心を生む」
G「……環境が変われば、心も変わる」
G「……リキッドの受け売りだ」
穂乃香「リキッド?……あ、もう一人のプロデューサーさんですね」
G「……ん」
穂乃香「……」
穂乃香「そ、そういう事なら、私も手伝います!」
G「……汚れるぞ」
穂乃香「構いません!」
G「……頼む」
穂乃香「!――はいっ!」
――――
――
――事務所
リキッド「ただいまァ~」
卯月「ただいま帰りました!」
凛「ただいま」
未央「ただいまー!あーお腹空いた!」
ちひろ「おかえりなさい。Gさんと穂乃香ちゃんがご飯作ってますよ♪」
リキッド「お、手伝ってやるかァ」
未央「あ、私も!」
凛「わ、私も」
卯月「じゃあ私も!頑張ります!」
ちひろ「その必要は、無いと思いますよ?」クスッ
リキッド「?」
――食堂
G「……」ジュー
穂乃香「……♪」トントントン
G「……穂乃香、これは何て読むんだ」
穂乃香「あ、それはですね――」
リキッド「なんだァ、い~い雰囲気じゃないのォ」
ちひろ「ええ、一緒に庭の手入れをしてから、あんな感じなんです」
未央「ダメだ、Gさんのエプロン姿が……」プルプル
凛「ンフッ……堪えてたのに言わないでよ未央……」プルプル
卯月「私も手伝って来ますね!」
リキッド「卯月、ステイ!ステイ!」
第二話『仙台銘菓は萩の月!』おしまい
『インターミッション』
リキッド(お、シンタローからメールだ)
『悪い、バカ親父がまた迷惑をかけたらしいな。ハーレム共々厳しく言っておいたから安心しろ』
『ソッチの事情は調べておいた。人手が必要なら言ってくれ』
リキッド「……へッ」
『恩に着るぜ。コッチは今の所問題なし。最高の環境だぜ』
リキッド(あ、もう一通)
>>+3
メールの送り主(スカウトに影響)
1・マーカー
2・ロッド
3・迷惑メール
リキッド(マーカーからか……珍しいな)
『そちらでの暮らしはどうだ?実は、折り入って頼みがある』
『私の親戚に、日本でアイドルをしたいと言っていた娘がいるのだが』
『どうも最近、日本への留学を決めたという話だ』
『頼みとは、その娘をそちらの芸能事務所に所属させてやって欲しい』
『可及的速やかに返信してくれ』
リキッド「……ふーむ」
『華のある職場で最高だぜ。その娘さんの件はちょっと待ってくれ』
『こっちで相談してから、また連絡する』
リキッド「送信っと」
prrrrr
リキッド「返信はやッ!」
『了解した』
リキッド「……やれやれ」
『インターミッション』おしまい
第三話『倉吉の二十世紀梨記念館!』
――今日も今日とてCGプロダクション
リキッド「――ッつー話なんだけど、どう?」
ちひろ「えぇと……アイドルのスカウトに関しても、お二人に任されていると聞いていますけど?」
リキッド「イヤイヤコレ社会人として、ホウレンソウっての?大事にしようと思ってサァ」
G「……ふ」
リキッド「笑うなよォ!真面目な話だぞ?」
G「……すまん。俺の方は異論無し、だ」
リキッド「ちひろは?」
ちひろ「私の方も、異論ありません」
リキッド「オッケーオッケー、んじゃ連絡しとくとして……今日は響子が来るんだっけ?」
ちひろ「はい。どちらが迎えに行きますか?」
リキッド「オレが営業ついでに拾ってくるわ。二人とも留守番ヨロシクゥ」
――某ラジオ局駐車場
リキッド「ハァー……」
リキッド(敬語ってのはどーも性に合わねェな……)
リキッド「っとォ、マーカーにメールしとかねェと」
『親戚の娘さんの件、大丈夫だぜ』
prrrr
リキッド「だから返信はえーって……」
『了解した。アラシヤマを使いに出すから、近日中にそちらに着くはずだ』
『よろしく頼む』
リキッド(相変わらず弟子使いが荒いねェ)
――駅
リキッド「エーっとォ……?」
リキッド「あ、いたいた。オーイ!」ブンブン
響子「あ、リキッドさんですね!初めまして!五十嵐響子です!」
リキッド「おォ、地方営業お疲れさン」
響子「ありがとうございます!」
リキッド「さ、乗って乗って」
――車中
響子「あの、事務所が改築されたってホントですか?」
リキッド「あァ、あーんなボロい事務所じゃ、やってらんねーからなぁ」
響子「ありがとうございます!最初は、私も頑張って掃除してたんですけど……」
リキッド「掃除してどーなるってレベルじゃなかったモンなぁ」
響子「はい……し、シロアリが大量発生……シロアリ、し……」
リキッド「あん?」
響子「いやああああああああああ!シロアリが!シロアリがああああああああああ!!」
リキッド「うおおおおおおおおお!?」
――――
――
――スーパー
響子「さ、さっきは取り乱してしまって、ごめんなさい……」
リキッド「あァ、嫌な思い出はさっさと忘れるに限る」
響子「って、アレ?スーパー、ですか?」
リキッド「ちょっくら買出しだよ。車で待ってるか?」
響子「いえ!私も行きます!」
響子「……野菜、選び慣れてますね」
リキッド「あァ、そりゃ食うモンはしっかり選ばないとなァ」
響子(いいなぁ……仲良くなれそうかも)
リキッド「あぁ、そういや趣味が家事全般なんだっけ」
響子「はい!炊事洗濯掃除!何でも言って下さい!」フンス
リキッド「じゃー料理当番に加わってもらうか」
響子「はい!はい?」
リキッド「オレともう一人でメシ作ってんだよ」
響子「え」
――CGプロダクション・食堂
響子「わぁ……すごいすごい!すごいです!」キャッキャッ
リキッド「喜んでもらえて何よりだ」
響子「コレ業務用の二段冷蔵庫ですよね!?すごいすごい!」キャッキャッ
リキッド「お、おう……」
穂乃香「あ、リキッドさん、響子ちゃんおかえりなさい」
響子「穂乃香さん!お久し振りです」キャッキャッ
リキッド「おゥ、遅くなってワリィ。すぐメシ作っからなー」
響子「あ!私も手伝います!」
リキッド「おう、よろしくな」
響子「はい!」
ちひろ「リキッドさんと響子ちゃんが合わさり最強に見える(料理)」
リキッド「うん、こりゃうめェ」モグモグ
響子「えへへ、リキッドさんも上手ですよ!」
第三話『倉吉の二十世紀梨記念館!』
おしまい入れ忘れた……
シロアリマジコワイ
乙
…気になったけどリキッドPとウマ子って出遭ったりするんですかねぇ(震え声)
『インターミッション』
G「……」ペラッ
穂乃香「あの、プロデューサー……少し相談が……」
G「?」
G「……表現力か」
穂乃香「……はい。どうすればいいのか、自分でも解らなくて……」
G「……」
G「……一つに専念すると、視野が狭まる」
G「……たまには一つを忘れ、視野を広げるといい」
穂乃香「は、はぁ……それは確かにそうですが……」
G「……出掛けるぞ」
穂乃香「えっ?」
――ゲームセンター
穂乃香「……私、こういう場所に来るのは初めてです……」キョロキョロ
G「……そうか」
G「……俺もだ」
穂乃香「えっ?」
G「……!」
G「……」スタスタ
穂乃香「あ、プロデューサー?」
G「……」チャリン
穂乃香(UFOキャッチャー?あ、あの緑色の可愛い……)
G「……」ウィーン
G「……」ドキドキ
穂乃香(クマのぬいぐるみ……そういえば、デスクにもクマのグッズが……)
G「……む」
G「……穂乃香、やってみてくれ」
穂乃香「……はい」ニコッ
G「……ふぅ」
穂乃香「プロデューサー、十体は取りすぎです。乱獲です」
『インターミッション』おしまい
>>63
まゆが霞むので勘弁して下さい
第四話『香港名物亀苓膏!』
――朝・公園
アラシヤマ(……お師匠はん、鬼どすか……)
アラシヤマ(あんなオシャレな喫茶店で待てなんて……ワテには難易度エクストリーム過ぎますわ……)
アラシヤマ(こういう暗くてジメジメした場所が、ワテにはベストプレイスどす……)
アラシヤマ「……ん?」
???「……フヒッ」ガサガサ
アラシヤマ(なんや?あないなトコで女の子が土弄りかいな)
アラシヤマ(……なーんかアヤシイなぁ……)ジーッ
???「……?」クルゥリ
アラシヤマ(あ、目合うてしもた)
???「……」トコトコ
???「……お、お兄さんも……キノコ、探す?」
アラシヤマ「……はい?」
輝子「ほ、ホラ、あった……フヒッ」
アラシヤマ「おぉー、輝子はんはキノコ探しの名人どすなぁ」
輝子「フヒッ……て、照れる……」
輝子「あ、あっちの、方にも……ある、と思うよ」
アラシヤマ「どれどれー?」ガサッ
コモロくん「よぉ、久し振りだにゃあ~」
アラシヤマ「……っ!……っ!」ドサッ ドサッ
輝子「ど、どうしたの……?」ビクビク
アラシヤマ「なんでもありまへん。幻覚どす」
輝子「そ、そうだ……コレ、あ、あげる……フヒッ」スッ
アラシヤマ「?……さっき獲ったキノコやないんどすか?」
輝子「う、うん……と、トモダチの、証……」
アラシヤマ「」
友達 友達 友達
トモダチ ともだち 友だち 友達
友 達
アラシヤマ「おおきに輝子はん!ワテと友達になってくれてホンマおおきに!!」
輝子「フヒッ……そ、そんなに喜ばれると……照れる……フヒヒ」
<ママー、アレナニー?
<シッ!ミチャイケマセン!
アラシヤマ「あ、そや。ごめんな輝子はん、ワテ約束がありましてん」
輝子「や、約束……?」
アラシヤマ「へぇ、やから――」
輝子「……」ジッ
アラシヤマ(いやでも折角お友達になれたのにこのままサヨナラバイバイは無いんとちゃうん?)
アラシヤマ(そやで!こないな可愛い女の子放っておくとかアカン!)
アラシヤマ「な、なぁ輝子はん……」
輝子「……わ、私も……学校、ある、から……」
アラシヤマ「」
輝子「……じゃ、じゃあ、またね……バイバイ……」
アラシヤマ「」
アラシヤマ「」
マーカー(アラシヤマ……!!)←電柱の影
<ママー、アレナニー?
<シッ!ミチャイケマセン!
――喫茶店
アラシヤマ「……」
アラシヤマ(……キノコはええどすなぁ……静かで……豊かで……)
<イラッシャイマセー
<オヒトリサマデスカ?
<マチアワセダヨー!
菲菲「お待たせしたネー!菲菲ダヨー!」
アラシヤマ「はははははっははは初めましてああああああああアラシヤマdっどssっす」ガクガクガクガク
菲菲「ど、どうしたネー?お腹痛い?」
アラシヤマ「んんんどふぬっ、だだだだ大丈夫どすsssぇ」ガクガクガクガク
マーカー(アラシヤマ……!!)
――CGプロダクション・事務所
リキッド「んー……」ソワソワ
ちひろ「どうしたんですか?さっきから落ち着き無いですよ?」
リキッド「いや、連絡が来ないからよォ……気になって気になって……」
ちひろ「?……あぁ、新しく来る子ですか」
――公園
アラシヤマ「す、すんまへん……ああいう場所は苦手なもんで……」ハァハァ
菲菲「あがり症ってヤツかナ?」
アラシヤマ「え、ええと、それより、事務所まで案内すればええんでっか?」
菲菲「そうダヨー!よろしくお願いしますダヨ!」
アラシヤマ「へ、へぇ、おししょ……マーカーはんの頼みでっからな」
――CGプロダクション・事務所
リキッド「――で」
G「……」
マーカー「……」
リキッド「なァんでお前がいるんだよマーカー!」
ちひろ「お茶どうぞー」
マーカー「ありがとうございます」
リキッド「フツーに寛いでんじゃねェよ!」
マーカー「うるさいヤツだな……アラシヤマが気になって、見に来ただけだ」ズズッ
マーカー「あ、おいしいです。茶葉を教えて頂けますか?」
ちひろ「えっとですねー」
リキッド「だったらテメェが連れてくればいいだろうか!」
マーカー「弟子の成長を見守るのが、師匠の役目と言う物だ」メモメモ
マーカー「ふむ。通販でも買えるのですね」
ちひろ「ええ、ア○ゾンにありますよ」
リキッド「……で、成長してたのかよ」
(0.3秒)
マーカー「全然」
リキッド「ハァ……まったく」
マーカー「我が弟子ながら全く情けない……」
G「……」
ちひろ「?」
――CGプロダクション前
アラシヤマ「……立派な建物どすなー……」ピンポーン
菲菲「楽しみダヨー!」
ガチャ
マーカー「遅いぞ」
アラシヤマ「」(白目)
菲菲「あ、マーカーさん来てたんだネ」
マーカー「久し振りだな、フェイ。さぁ入りなさい」
マーカー「私はソイツと話がある」
アラシヤマ「」ガクガクガクガク
<いやあああああああああああああああああああああああああああああああああ
――
菲菲「菲菲ダヨー!今日からよろしくお願いしますダヨ!」
マーカー「では菲菲の事、よろしく頼みます」ペコリ
ちひろ「はい、お任せ下さい!」
リキッド「よし帰れ。G、塩持って来い塩!」
G「……ん」
ちひろ(同僚って聞いたけど、仲悪いのかな?)
――公園
アラシヤマ「……あ、シンタローはんからメール来てる」
『しばらく帰って来なくていいからな』
アラシヤマ「」
第四話『香港名物亀苓膏!』おしまい
アラシヤマって祇園仮面?だかやってた金ピカの時に特大のおたべで攻撃してきたよな
周子と絡ませたりしない?
『インターミッション』
prrrrr
リキッド(ん、メールか)
>>+3
メールの送り主(スカウトに影響)
1・ロッド(チョコ好き)
2・シンタロー
3・ハーレム
>>78
したいので周子登場フラグを調整中
リキッド「げ、ロッドかよ……」
『ようリキッドちゃん、日本でアイドルに囲まれてるとか羨ましいじゃねーかチクショウ!』
『それよりメイジのチョコレート送ってきてくれよ!コンビニで買えるヤツじゃなくて限定品な!』
リキッド「……」
『送料込みでカネ払うなら送ってやるよ』
prrrrrrrrr
『マジで!?ありがとな!明後日発売の○○な!間違えんじゃねーぞ!』
リキッド「……へいへい……っと」
『インターミッション』おしまい
第五話『LIVEバトルは魚の香り!』
――CGプロダクション
リキッド「よし、全員揃ったな」
G「……」
リキッド「前から目標にしていたLIVEバトルまで、あと一週間だ」
リキッド「これに出場するのは――」
卯月「……」ドキドキ
凛「……」
未央「……」
穂乃香「……」ギュッ
響子「……」ぶぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
リキッド「響子ォイ!今大事な話してるんだから掃除機はやめろって!」
響子「?」ぶぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
リキッド「コホン、えー、LIVEバトルに出場するのは、卯月、オマエだ」
卯月「!……はい!頑張ります!」
リキッド「卯月はLIVEバトルに備えて仕上げに入る」
リキッド「他の皆はコレまで通り、営業とレッスンだ。いいな?」
「「「「「はい!」」」」」
卯月「それで、仕上げって何をすればいいんですか!」
リキッド「あぁ、コレまでと変わらん」
「「「「「え?」」」」」
G「……ヘタに力むより、自然体の卯月でいいと判断した」
リキッド「そーゆーコト。後は緊張し過ぎないよーに場慣れしてもらうくらいだ」
リキッド「朝礼は以上。さ、お仕事お仕事っと」
――車内
未央「ねぇねぇリキッドさん」
リキッド「んー?」
未央「さっきの、しまむーがLIVEバトルに出るって話だけどさ」
リキッド「おー」
未央「本当に、大丈夫なのかな?」
リキッド「だいじょーぶだいじょーぶ」
未央「……」
リキッド「……」
未央「何か考え事してる?」
リキッド「うん、明日発売の限定チョコがあるらしいんだけどよ」
未央「はぁ?」
リキッド「オレの同僚から、それ買って来いって言われててさぁ」
リキッド「あ、そうそうあの店」
未央「真面目にやってよ!」プンスコ
――事務所
未央「――だってさ!」プンスコ
凛「へぇ……」
卯月「そ、そう言われれば、Gさんもいつもより喋らなかったかも……」
菲菲「Gさんが喋らないのはいつもの事ネ?」
凛「そうでもないよ?二人なりに、緊張してるのかな?」
未央「う……そ、そうかもしんない……」
響子「リキッドさん、料理の手が鈍ってましたからね」ヒョコッ
穂乃香「今日は私と響子ちゃんで作りました」
未央「そ、そんなにも……」
凛「未央、後で謝っときなよ?」
未央「……うん」
――事務所
未央「……ねぇ、リキッドさん、ちょっといいかな?」
リキッド「ん?どした?」
未央「……その、昼間の事、謝ろうと思って」
リキッド「あー、いや、アレはオレが悪かったよ、うン」
未央「でも」
リキッド「でもも何もナ~シ。子供が余計な気遣いしてンじゃねェよ」ポンポン
未央「~ッ」グスッ
リキッド(うぁヤベ……こういうの苦手なんだよなァ……)ワシワシ
リキッド「……オレだって初めての仕事で、右も左もわかんねェんだ」
リキッド「オレがどーにもならなくなったら、そん時は助けてくれよ?」
未央「……ッ」コクコク
リキッド「よし、んじゃ帰れ。卯月達が待ってんだろ?」
未央「うん……じゃあ、また明日ね!」ニコッ
リキッド「おーう、また明日なー」
バタン
未央「いやーゴメンゴメン!お待たせー!」
卯月「ううん、じゃあ帰ろっか」
凛「最近コッチで晩御飯食べてばっかりで、遅くなっちゃうね」
未央「まぁーソコはほら、あの美味しいご飯が悪い!」フンス
凛「ふふっ……なにそれ」ニコニコ
卯月「うん、私もそう思う!」ニコニコ
――――
――
――事務所
リキッド「うおわああああ!!」ゴロゴロゴロゴロ
G「……カーペットの上を転がるな」
リキッド「ああああ死ぬほどハズい!いっそ殺せ!」ゴロゴロ
ちひろ「録画したものがコチラになります」
リキッド「ちひろおおおおおおおおおおおおお!!」
――翌日
リキッド「」ゲッソリ
卯月「あ、あの、リキッドさん大丈夫ですか?」
G「……問題無い」
凛「全然そういう風に見えないんだけど……」
未央「リキッドさん?」
リキッド「あァ、わりィ」
リキッド「さて、今日のお仕事は――」
――スイーツショップ
リキッド「わりィな卯月、付き合せちまって」
卯月「いえ、ちょうど帰り道ですから!」
かな子「あ、卯月ちゃーん」フリフリ
卯月「あ、かな子ちゃーん」フリフリ
かな子「今日ってアイドルのお仕事じゃなかったの?」
卯月「うん、今はちょうど帰り……あ、この人がプロデューサーのリキッドさん」
卯月「リキッドさん、この子は私の友達のかな子ちゃんです」
リキッド「初めまして、リキッドだ」
かな子「は、初めまして、三村かな子ですっ!」
卯月「かな子ちゃんも買い物?」
かな子「うん!今日はここで、限定品のチョコ売ってるんだよっ!」
卯月「あ、私達もそれを買いに来たんだよ!」
かな子「へぇ、そうなん――」
リキッド「いやー危なかった危なかった。最後の一個だったぜ」
かな子「だぁ」スッ
卯月「あぁっ!かな子ちゃんの目から光が消えた!」
リキッド「どした?」
リキッド「そりゃ悪い事しちまったなァ……」
かな子「いや、気にしないで下さい……」ズーン
卯月「な、何とかならないんですか?」
リキッド「現物はもう店から配達頼ンじまったし……」
リキッド「……」ウーン
リキッド「よし、じゃー代わりと言っちゃ何だがよ、オレがかな子の為にスイーツ作るって事でどうだ?」
かな子「ふぇ?」
卯月「そ、そうしましょう!かな子ちゃん!リキッドさんスゴイ料理上手なんだよ!」
かな子「い、いえ、そんな……」
リキッド「オレの気が済まねェんだよ。頼む、このとーりだ」ペコッ
かな子「わ、ちょ、分りましたから!分りましたから頭を上げて下さい!」オロオロ
――CGプロダクション・食堂
リキッド「さァて、チョコケーキでいいんだな?」
かな子「はっ、はい!よろしくお願いします!」
リキッド「んな緊張しなくてもよォ……」
かな子「あ、えっと……皆さんアイドルなんですよ……ね?」
卯月「うん」
凛「あ、そんなに気にしなくていいよ」
未央「そうそう!」
穂乃香「私達も、普通の女の子ですから」
菲菲「かな子と一緒ダヨー!」
響子「お茶どうぞ」コトッ
かな子「あ、ありがとうございます……」
リキッド「ははっ、まぁ、仲良くしてやってくれ!」
<ワイワイ
卯月「かな子ちゃんは、お菓子作るの好きなんだよね?」
かな子「う、うん」
未央「あ、じゃあリキッドさん、ハードル高いんじゃない?」
凛「あんまりデザートとかは作らないもんね」
穂乃香「そう言われると、そうですね」
未央「実はケーキとかは作った事が無いとか?」
響子「あの様子じゃ、それは無いと思うよ?」
菲菲「出来ない事あるのかネ?」
かな子(ホントに、普通に友達と話してる感覚だ……)
かな子「……」
凛「大丈夫?」
かな子「ふぇっ?」
凛「いや、なんか遠い目をしてたからさ」
かな子「だ、大丈夫っ!うんっ!」
<ワイワイ
リキッド(いやはや、ティーンズ同士賑やかなこって……)
リキッド(さて、ホワイトチョコのクマは固まったかな?……よしよし)
リキッド(こんなもん作ったってGにバレたら、殺されかねねェな……)
リキッド「はーいお待たせー」
<オォー
リキッド「はいかな子サマ、リキッド特製チョコケーキでございます」スッ
未央「なにそれー」アハハ
かな子「……じゃあ、い、頂きます……」パクッ
リキッド「……どうだ?」
かな子「……美味しい、です。美味しいです!」パァッ
リキッド「お、いい笑顔すんじゃねェか。作った甲斐があったってモンだぜ」
リキッド「さ、皆も食ってくれよ!」
<ワーイ!
かな子(……クマさん型のチョコ……食べるのは可哀相だけど……)
かな子(食べなきゃ失礼だよね)アーン
ガチャ
G「……あ」
リキッド「あ」
かな子「?」パクッ
G「」ブクブクブクブク
未央「泡吹いて倒れた!?」
凛「Gさん大丈夫!?」
穂乃香「プロデューサー!Gさん!」
リキッド「えぇいこの繊細さんめ!」
第五話・後編へ続く
ちょいと休憩。マジック総帥は間違いなく属性キュート
第五話・後編
――事務所
リキッド「ハイ、必要な書類はこんだけっ」
かな子「……あ、あの……」
リキッド「あン?」
かな子「プロデューサーさんから見て……わ、私なんかでも、アイドルになれると思いますか……?」
リキッド「なりてェんだろ?」
かな子「!」
リキッド「それなら後は、自分を信じろってなァ」
リキッド「あ、でも、ケーキ食ってる時の笑顔は、正直可愛いと思った」ウン
かな子「かっ、かわっ……」
リキッド「まァ、やっぱりやめとくってんなら、止めねェぜ?」
かな子「……やります……自分を、信じます」
リキッド「おゥ、待ってるぜェ」
バタン
ちひろ「ふふっ……」
リキッド「……今回は録画してねェだろーな?」
ちひろ「録画はしてませんよー」
リキッド「……」
ちひろ「……」
リキッド「録音かよチクショウ!」
――リキッドの部屋
リキッド(自分を、信じます……かァ……)
リキッド(お前もそうやって、アイドルになったんじゃねェのかよ)
リキッド「なァ前川、みく……」
――――
――
――CGプロダクション・事務所
リキッド「……」
G「……」
ちひろ「……あのー……」
リキッド「あァ?」
ちひろ「二週間も前からずーっと、みくちゃんの映像ばっかり見てますよね?」
リキッド「あァ、今度卯月がLIVEバトルする相手だからなァ」
G「……」
ちひろ「そんな事言ったって、ここ数年は下位ランクのアイドルじゃないですか」
ちひろ「そこまでずっと見るようなもんじゃ――」
リキッド「そうじゃねェんだよ」
ちひろ「――はい?」
G「……ちひろ、何でコイツは、こんなに嫌そうなんだ」
ちひろ「へ?」
ちひろ「嫌そう……ですか?こんなに楽しそうなのに?」
リキッド「わかってねェなァ……」
G「……」
ちひろ「??」
――レッスンスタジオ
G「……なぁ穂乃香」
穂乃香「はい?」
G「……もし、穂乃香にプロデューサーが付かなかったら」
G「……それでも、アイドルを続けられるか」
穂乃香「……無理、ですね」
G「……そうか」
穂乃香「Gさんが言ってくれた、水と、土と、植物の関係ですから」
穂乃香「植物は、土に根を張り、水から養分を吸収する」
穂乃香「アイドルである私には、根を張るステージが、養分を含んだプロデューサーが必要です」
G「……雑誌の受け売りだ」
穂乃香「それでも私には、Gさんの言葉です」
G「……ん」
穂乃香(あ、Gさん照れるとこんな顔するんだ)
穂乃香(……って、私も結構恥ずかしい事言っちゃった!?)
マストレ「おぉ、Gくんじゃないか。うむ、何度見てもいいガタイだ」
G「……む」
穂乃香「あ、マストレさん。おはようございます」
マストレ「うむ。どうだGくん、(トレーニング)やらないか」
G「……失礼する」
マストレ「む、連れないなぁ」
――CGプロダクション・食堂
リキッド「なぁ未央よォ」モグモグ
未央「んー?」モグモグ
リキッド「オメー、もし明日からセルフプロデュースでやれって言われたら、どォする?」
未央「」カラン
リキッド「あ」
未央「っどどおどどいうこと!?リキッドさんプロデューサーやめちゃうの!?」ガタッ
リキッド「違う違う違う!落ち着けって!!」
未央「もしもの話でも、そんな話はして欲しくないなー」プクー
リキッド「返す言葉もございません」
未央「でも、そうだなー……うん、無理だね」
リキッド「あ、やっぱそう思う?」
未央「だって、急に言われるんでしょ?」
未央「私なら、耐えられないなー」
リキッド「……だよなァ……」
リキッド「……あ、シンタロー?」
リキッド「……ちょーっと、手ェ借りる事になるかもしんねェわ」
リキッド「……うん、コージ頼むわ」
――LIVEバトル当日・会場
リキッド「――うへェ、挨拶周りも楽じゃねェや」
卯月「疲れますね……あ、いや、でも頑張りますよ!」
リキッド「おーう癒されちゃう元気貰えちゃう」
卯月「……いよいよ、ですね」
リキッド「バァカ、まだ一歩目だよ」
卯月「……はい!」
『――続きまして、CGプロダクション所属、島村卯月さんと――』
『――所属、前川みくさんのパフォーマンスです!』
<ワアアアアアアアアアアアアアアアアアア
リキッド「さァて、と……」
攻 撃 目 標 全 破 壊 ※ただし悪いヤツ限定
――控え室前廊下
みくP「いや、ですから――」
コージ「なんでじゃ!ヌシはみくにゃんのプロデューサーじゃろ!?」
コージ「ワシは妹のウマ子が、みくにゃんと同じステージに立つ所が見たいんじゃ!」
みくP「いや、あの――」
コージ「なんでじゃ!ウマ子の魅力がわからんっちゅうんか!?」
ウマ子「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
みくP「いや、お兄さんと顔一緒じゃないすか……」
コージ「おお!美人じゃろ!がっはっはっは!」
ウマ子(心臓が弱い方注意)
ttp://i.imgur.com/jUpQ0SC.gif
コージ「どうじゃ!ウマ子をアイドルにしたくなったじゃろ!?」
みくP「いや……ホント勘弁して下さいよ……」
コージ「なんでじゃ!みくにゃんとウマ子じゃぞ!?並んだら最強じゃろうが!」
みくP「いや、あの」
コージ「なんじゃ、金か?んなもん幾らでも払ったるわい!」
コージ「ウマ子のアイドルデビューじゃ!金渋るワケなかろうがぃ!」
みくP「ひぃっ!」
コージ「じゃけぇ頼むわプロデューサーさん!この通りじゃ!」バッ
みくP「あ、いや、あの、俺プロデューサーじゃないんで……」
コージ「……ハァ?」
みくP(殺される――!)
みくP「ち、違うんです!俺はただ事務所の指示で付き添いに来ただけで――!」
リキッド「あっれー?みくPさんどうしたんですかー?」スタスタ
リキッド「さっき、貰った、名刺で、ちゃんと名前も覚えてますよ、プロデューサー?」ピラッ
みくP「……は、図ったなぁ!クソッ!出来立ての事務所が!」ダッ
みくP「!」ピタッ
G「……どこへ行く」
みくP(囲まれた!?)
G「……レッスン場に来たアイドル達から聞いた」
G「……レッスン代は自腹で払わせていたとな」ギロ
みくP「ヒッ」ビクッ
リキッド「あーあー、ニセモノプロデューサー送り込んだってだけでも問題なのに」
コージ「年頃のオナゴを、モノの用に扱うとは許せんなぁ」
ウマ子「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
みくP「あ……あぁ……」
<うわああああああああああああああああああああああああ
――ライブ会場
<ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
『さぁ、パフォーマンスの投票が終わりました!結果は――!』
リキッド「よーォ卯月!やったな!最高だったぜェ!!」ワシャワシャ
卯月「はいっ!さ、最高の気分です!空も飛べそうです!」
リキッド「お、おう。少し落ち着け。な」
リキッド「G、卯月と、外の方頼むわ」
G「……あぁ」
G「……行くぞ、卯月」
卯月「はいっ!」
――控え室
みく「……付き添いぐらい、ちゃんとやってよね……」
ガチャ
リキッド「どォ~もォ~」
みく「……誰?」
リキッド「あ、オレCGプロダクションのプロデューサーで、リキッドって言います」
リキッド「コレ名刺。正真正銘プロデューサーね」ピラッ
みく「!……事務所の事、気付いたの?」
リキッド「あァ、ま、困った事があったら連絡してくれ」
リキッド「外でファンが待ってるぜ」
みく「え?」
リキッド「じゃあナ」
バタン
みく「……ファンなんて……」
――会場・外
<ザワザワザワザワ
リキッド「おーゥ、お待たせー」
ちひろ「あ、リキッドさん。何なんですか、この集まり?」
リキッド「ご覧の通り、みくのファンだよ」
ちひろ「へ?」
G「……サイリウム、配り終わったぞ」
卯月「こっちも準備できました!」
凛「こっちもいいよ」
未央「スタンバイオッケー!」
リキッド「さ、後は主役の登場だァ」
ガチャ
<ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
――数日後・CGプロダクション・食堂
リキッド「好き嫌いしちゃダメでしょォ!」
みく「うにゃあああああああ!お魚は嫌いなのー!!」
G「そこまでにしておけ、リキッド」
リキッド「むぅ……」
みく「うにゃあ!Gチャン助かったにゃあ!」
ちひろ「……みくちゃん、明るくなったねー」モグモグ
卯月「はい!こっちまで元気になりますね!」
凛「賑やかと言うか」
未央「騒がしいと言うか」
響子「悪いことじゃないですよね」
菲菲「大勢だとご飯が美味しくなるダヨー!」
穂乃香「ふふっ」
第五話『LIVEバトルは魚の香り!』おしまい
『インターミッション』
リキッド(みくの事務所が潰れたお陰で、多くのアイドルや候補生があぶれちまったか……)
リキッド(ほとんどはコッチに連絡して来てるとは言え……)
リキッド(諦めるヤツも出てくるだろうなァ……悪い事したかもな……)
リキッド「はァ~~~~」
prrrrrrrr
リキッド「お、メールか……誰だ」
>>+3
メールの送り主(スカウトに影響)
1・卯月
2・凛
3・未央
リキッド(お、未央だ)
『今日も一日お疲れ様、プロデューサー!』
『今度のオフなんだけど、友達が事務所に遊びに行きたいって言ってるんだ』
『そこで、一緒にご飯を食べようって考えてるんだけど、いいかな?』
リキッド「おー……」
『いいぜ、美味いもん作って待ってるからな』
リキッド「……若いのは元気だネェ……」
prrrrrr
『ありがとプロデューサー!当日は私も手伝うよ!』
リキッド「……」
『おう、ついでに料理教えてやるよ』
リキッド「……こりゃまた賑やかになりそうだ」
『インターミッション』おしまい
寝る
第六話『福岡名物明太子!』
――今日も今日とてCGプロダクション
――食堂
リキッド「~♪」トントントン
――事務所
ちひろ「……」カタカタ
――中庭
G「……」ザック ザック
???「……」ジー
ウマ子「……」ジー
???「!?」ビクッ
<きゃあああああああああああああああああああ
G「……?」
???「ご、ごめんなさいごめんなさい!!」
ウマ子「……」
G「……どうした」
――――
――
G「……わかった」
G「……ウマ子はもう帰ってくれ」
G「……怖がらせてすまなかった」
???「いっ!いえっ!全然!大丈夫ですっ!」
G「……ウチに用事か」
???「はっ、はいっ!あ、相葉夕美といいますっ!」
夕美「以前、前川みくさんと同じ事務所に所属していましたっ!」
――事務所
ちひろ「どうぞ」コトッ
夕美「ありがとうございますっ!」
リキッド「な~る、みくの事が気になって、見に来たッてワケか~」
リキッド「仲間思いなのはイイが、今日平日だぜ?」
夕美「ほぁっ!?」
ちひろ「だいぶ参ってるみたいですねー……」
G「……あぁ」
リキッド・G((良心が痛い……))
夕美「うぅ~」ズーン
リキッド「まァまァそんな落ち込むなって!な!?」
リキッド「そうだ、メシは食ったか?よかったら食っていけ!な!?」
夕美「えぅ~……あ゛りがとうございま゛す~」エグエグ
――食堂
「「「「いただきます!」」」」
夕美「あ……美味しいですっ!」キャッキャッ
ちひろ「でしょー?」キャッキャッ
リキッド「よォ、G」コソッ
G「……ん」
リキッド「夕美みたいなのが、十数人はいるんだよな……」ヒソヒソ
G「……ああ」
リキッド「……あ、ヤベ、胃が痛くなってきた……」キリキリ
G「……俺もだ」キリキリ
リキッド「もういっそ、まるッと全部コッチに移籍してもらうか」
G「……本人の意思次第だな」
リキッド「うし、決まり!さぁ食おうぜ!」
G「……ああ」
――中庭
夕美「わぁっ!やっぱり綺麗なお庭ですねっ!」
G「……そうか」
夕美「はいっ!私もこういう大きなお庭の手入れ、してみたいなぁ……」
G「……」
リキッド「……なぁ、もしよかったら――」
???「ちょっとー!ちひろさーん!」
リキッド「ア?」
G「……?」
ちひろ「……あっ、忘れてた」
???「コッチかな……?あぁ、いたいた!」
ちひろ「ご、ごめんね洋子ちゃん!ちょっとバタバタしてて!」
リキッド「あァ、斉藤洋子、だっけか」
洋子「はい!初めまして、斉藤洋子です!地方営業から帰って参りました!」
リキッド「おゥお疲れさン。オレはリキッド、コイツがG。よろしくな」
G「……よろしく頼む」
洋子「よろしくお願いします!あ、そちらは?」
夕美「あっ、相葉夕美ですっ!えっと、元、アイドル、です」
洋子「?」
リキッド「ま、詳しい話は中でしようや」
洋子「あ、はぁ……?」
――事務所
洋子「へぇ、そんな事があったんですね……」
リキッド「あァ。で、だ」
リキッド「オレとしては、そうやってあぶれたアイドル達を受け入れてやりてェんだ」
夕美「!」
ちひろ「な、正気ですか!?」
リキッド「正気も正気、酒もクスリも入ってねェよ」
リキッド「モチロン、やる気のあるヤツだけだ」
G「……何人かはすでにコチラで面接予定だったな」
ちひろ「え、えぇ、あの後から電話が凄かったんですから……」
洋子「……私は賛成です!」
リキッド「おォ?」
洋子「事務所の不祥事でアイドルとしての夢を絶たれるなんて、そんなのヒド過ぎます!」
リキッド・G((暴いちゃってゴメンナサイ――!!))
洋子「プロデューサー!受け入れ、やりましょう!いえ、やるべきです!」ガタッ
洋子「相葉さん、協力して頂けますか!?」
夕美「えっ、あっ、はいっ!もちろんですっ!」
洋子「ありがとうございます!じゃあちひろさん、面接予定者のリストを――」
G「……いい風だな」
リキッド「あァもう、惚れちゃいそう」
――数時間後
リキッド「よし、リストアップできたぜ。夕美、頼むワ」ドサッ
夕美「はいっ!……面接予定には入っていませんが、最優先で見て欲しい人が二人います」
夕美「実家から家出してきた塩見周子ちゃんと、教会建て直しの為に活動していたクラリスさんです」
リキッド「あァ、ヘビィそうだなそりャ」
洋子「茶化さないで下さいリキッドさん!」
リキッド「おぁ、ワリぃワリぃ」
夕美「えっと、二人とも寮に住んでいたので、現在どうなっているかは……」
夕美「だから、お願いします!」
G「……そっちは任せてくれ」
リキッド「あぁ、頼むぜ、G」
G「……行くぞ、夕美」
夕美「はいっ!」
リキッド「さァて、んじゃコッチは留守番しときましょォかね」
洋子「なっ!?」
ちひろ「あ、今日は未央ちゃんのお友達が来るんですよね?下ごしらえいいんですか?」
リキッド「オォ、そうだった」
洋子「り、リキッドさんもちひろさんも……」プルプル
ちひろ「まぁまぁ洋子ちゃん、人探しはGさんが行ってくれたし」
ちひろ「私達は私達で、やるべき事をするしかないの」
洋子「それが、ただの留守番ですか?」ムッ
リキッド「そ。アイツら信じて、あったか~いメシ作って、待っとくのがオレらのやるべき事だ」
洋子「……」
リキッド「んじャ、作ってくるわ」
洋子「……ふぅ」
洋子「まったく……大真面目なプロデューサーですね」クスッ
ちひろ「洋子ちゃんも大真面目じゃないの」クスクス
洋子「そうかもしれませんね……ご飯、手伝ってきます」
ちひろ「ええ、楽しみにしとくわねー♪」
第六話・後編へ続く
ちょいと休憩
第六話・後編
――
G「……連絡はついたか?」
夕美「呼び出し音はするんですが、出る気配が無いんです……」
G「……それだけ分ればいい」
G「……後は俺に任せておけ」
夕美「いえっ!手伝います!」
G「……遅くなるぞ」
夕美「大丈夫ですっ!それに、私がいないとクラリスさんを見つけられませんよ?」
G「……頼む」
夕美「はいっ!」
夕美(うん、あのお庭を手入れしてた人だもん。悪い人なワケないよね)
G「……ロッドか」
G「……携帯電話の場所特定を頼む」
――ガンマ団特戦部隊・気球船
ロッド「こないだのチョコの礼もあるしな!任せとけ」
ロッド「それで?向こうからの着信を逆探知すりゃいいのか?」
ロッド「こっちからか。オーケー、ロッドにオマカセってなぁ」
マーカー「やかましいぞ、ロッド」
ロッド「Gからだよ、たっのしそうな事やってんぜ~?」
マーカー「フン……フェイに何かあったら殺す、と伝えておけ」スタスタ
ロッド「……お~コワ♪」
ロッド「お、出たせG。場所は――」
――マンガ喫茶
G「……助かった。また頼む」pi
夕美「ここに、クラリスさんが?」
G「……ああ」スタスタ
夕美「ま、待って待って待って!待って下さいっ!」ズルズル
G「……?」
夕美「こういう場所って、基本的に個室なんですよっ」
夕美「探すのに一部屋ずつ回るつもりですか?」
G「……」
G「……」
夕美(あ、今スゴイ『しまった』って顔した)
夕美「人探し……友達と待ち合わせ……あ~どれがいいんだろっ」グシグシ
G「……」スタスタ
夕美「あ、ちょっとGさん!どうするんですか!」
<イラッシャ イラッシャイマセー
G「……」カツカツカツ
受付(な、なんだ、スゴイプレッシャーが)ガクガクガクガク
G「……」ピタッ
G「……ウチのお嬢がこちらに泊まられているようなんだが」
G「……手荒な事はしたくない。呼び出してくれないか」
夕美(えぇ――!?)
受付(断ったら殺される――!!)
受付「か、かしこまりました、お、お嬢様のお名前とそちらのお名前を、ど、どうぞ」プルプル
――――
――
夕美「さっきのGさん、スゴイ迫力でしたねっ!」
G「……ちひろに借りたマンガのマネだ」
夕美「あははっ♪意外だなっ」ニコッ
G「……」
夕美「……?……!」
夕美「あ、あの、ごめんなさいっ!」
G「……構わん」
G「……笑顔の方がいい」
夕美「!……はいっ!」
クラリス「あっ、相葉様?」
夕美「クラリスさん!」
G「……」
クラリス「……あの、そちらは?」
――個室
クラリス「……お話は分りました」
クラリス「G様、よろしくお願い致します」ペコリ
G「……面接次第だ」
クラリス「……はい」
夕美「……っ!」
G「……形だけだがな」
クラリス「……はい?」
夕美「Gさん、それって……!」
G「……いつ発てる」
夕美「よかったねっ!クラリスさんっ!」
クラリス「はい。これも神の思し召し……感謝致します……」スッ
クラリス「……ハチクロが後一巻で読み終わりますので、その後でもよろしいですか?」
夕美(満喫してた――!)
――CGプロダクション・食堂
リキッド「おっせェなGのヤツ」
洋子「大丈夫なんですか?」
リキッド「う~ん……まァ大丈夫だろ」
未央「こんばんはー!来たよー!」
洋子「あ、未央ちゃん久し振りー」
未央「洋子さん帰ってたんだ!おかえりー♪」
リキッド「おゥ、お友達は?」
未央「あ、連れてきたよ!さ、入って入って!」
ゆかり「お、お邪魔します……」
柚「おじゃましまーっす!」
第五話「福岡名物明太子!」第六話へ続く
寝る
第六話まで書ききりたかったけど風邪が順調に悪化中
キュートが増え続ける不具合をどうにかしたい
リキッド的にはキュートを集めていればいいんじゃないですかねぇ
動物的な子だとなおよし
第六話「京都なんでもあり過ぎんだろ一つに絞れよ!」
――CGプロダクション・食堂
リキッド「へ~ぇ、フルートかぁ」
ゆかり「は、はい……」
未央「だから、今日みたいに遊べるのは珍しいんだよ!」
柚「月に数えるくらいだもんね」
リキッド「オイオイ、そんな貴重な時間、コッチで潰しちまっていいのかよ?」
未央「あ、それはゆかりちゃんの希望なんだ」
リキッド「あ、そォなの?」
ゆかり「は、はい!あの、未央ちゃんの事務所って、前から気になっておりまして!」
柚「おー、こんなにテンパるゆかりちゃん初めて見た」
ちひろ(ま、マイペースな子だなぁ……)
――コンビニ
<アーッシター
周子「……」モグモグ
――公園
周子「……」テクテク
<ガサガサッ!
周子「!」ビクッ
周子「な、なんだろ……」ドキドキ
輝子「ヒャッハアアアアアアア!!原木だアアアアアアアアアアア!!」
アラシヤマ「ふふ、ようおましたな輝子はん……」
周子(なんだコレ――!!)
輝子「見てくれマイフレンド!コイツをどう思う!」ピョンピョン
アラシヤマ「すごく……大きいどす……」ウフフ
周子(なんだコレ――!!)ドサッ
輝子「!」
アラシヤマ「!」
周子「あ」
――
周子「――ってワケで、ココを通りかかっただけで――」
周子(アレ?なんでアイドルやってた事まで話しちゃったんだろ?)
アラシヤマ「そんなに苦労しやはって……」エグッエグッ
周子(ガチ泣きだ――!!)
輝子「お、お疲れ様?」
周子「え?あ、うん……ありがとね」
周子(不思議な人達だなー……)
アラシヤマ「でも周子はんのアイドル姿かー……見とおましたなー……」
周子「……そう?」
アラシヤマ「そらこんなベッピンは……」
周子「えっ」ドキッ
アラシヤマ「あ」
アラシヤマ「うわああああああああ忘れておくれやす!今のは忘れておくれやすううううううううううう!」ジタバタ
輝子「マイフレーンド!!」オロオロ
周子「お、落ち着いて!忘れるから!忘れるから!」オロオロ
アラシヤマ「コホン……取り乱してしもて、すんまへんでした……」
周子「い、いや、別にいいよ」
アラシヤマ「周子はんは優しおすなぁ……」ジーン
輝子「……フヒッ……」
アラシヤマ「あの……余計な世話かもしれへんけど、アイドル続けた方がええんちゃいまっか?」
周子「ホントに余計なお世話だね」(0.5秒)
アラシヤマ「ぬふぅ!」
周子「なんでか分んないけどサ、二人と喋ってたら、気持ちの整理付いちゃった」アハハ
輝子「……?」
周子「今度はちゃーんとした事務所探して、もっかいアイドルやってみるよ」
アラシヤマ「!ホンマでっか!」ガタッ
周子「うん、応援よろしくっ!なんちゃって」
アラシヤマ「あ、でも、親御さんとはしっかり話しとかんとあきまへんえ」ストン
周子「う……」
アラシヤマ「だって周子はんが家出したんは、アイドルになる為ちゃいますやろ?」
アラシヤマ「今度はちゃんと親御さんと話して、アイドルになる為に家を出てケジメつけんと」
周子「……」ポカーン
アラシヤマ「……あ、また何か変な事言うてしもたやろか?」
周子「……へへっ♪そうじゃないよ」
周子「アドバイスありがとネ♪」
アラシヤマ「いえいえ、大した事してまへん」
輝子「……シューコ……コレ、あげる……フヒッ」
周子「……キノコ?」
輝子「……トモダチ、の……証……フヒッ」
周子「……ありがとっ」ニコッ
アラシヤマ「あ、そや。アイドル事務所なら一個紹介できまっせ」
――――
――
――CGプロダクション・食堂
リキッド「……まったくよォ……」
菲菲「あ、そこスペル違うネー」
柚「なんで遊びに来たのに宿題してるのさー!」ウワーン
ゆかり「ご、ごめん付きあわせちゃって……」
穂乃香「ゆかりさんが謝る事じゃないですよ?」ニコニコ
響子「前の事務所じゃこんな事無かったもんね……」
未央「新鮮だね!」
クラリス「あ、ココのスペルも違います」
柚「マンガ片手とか余裕過ぎるよ!羨ましい!」
夕美「あはは……」
周子「ん~♪美味しい~♪」モグモグ
輝子「……フ、フヒッ……」モグモグ
洋子「はい、お茶置いとくね!」コトッ
リキッド「賑やかなもんだぜ」
G「……ん」
アラシヤマ「みーんなええ顔してはりますなー……」
ちひろ「癒されますねぇ……」
リキッド「ま、来週にはもっと賑やかになるんだろォけどな」
ちひろ「……言わないで下さい……頭が痛くなりますから……」
リキッド「まぁそう言うなよ、頑張ろうぜェ」
第六話『京都なんでもありすぎんだろ一つに絞れよ!』おしまい
寝る。ご心配おかけして申し訳
そろそろ原作進行から離れて、オムニバス形式に移行したいところ
>>159
せやかて工藤、オネエさんズとの絡みもええんちゃうか?
『インターミッション』
――ガンマ団パプワ島支部
ミヤギ「ミヤギ、トットリ、両名集合したダヨ」
トットリ「珍しいっちゃねシンタロー。ボクらに何か用だっちゃか?」
シンタロー「あぁ、コージのヤツからリキッド達の話は聞いてるな?」
シンタロー「クソ親父とクソ獅子舞がリキッド達にメーワク掛けちまったっつ~ワケで」
シンタロー「お前ら、休暇ついでに挨拶して来い」
ミヤギ「親類に対して辛辣過ぎるべ、シンタロー」
トットリ「まぁまぁ、貰えるもんは貰っとくっちゃよミヤギくん」
ミヤギ「う、まぁ、最近休暇なかったダからなぁ……」
シンタロー「旅費は自腹な」
ミヤギ「あぁっ!ちょっと期待したオラがバカだっただっ!」
トットリ「久々の日本だっちゃわいや♪」
ミヤギ「んじゃ荷造り終えたらさっさと出発するダヨ」
トットリ「待つっちゃよ、ミヤギ」
ミヤギ「なんだべ?」
トットリ「こういう時は土産を持っていくのが常識だっちゃ」
トットリ「ボクら二人の地元の名産品持っていくっちゃよ!」
ミヤギ「おぉ、ナイスアイデアだべトットリ!」
――CGプロダクション・夜・事務所
リキッド「……」カタカタ
リキッド(潰した事務所にいたアイドルのうち、みく、夕美、周子、クラリスは保護した)
リキッド(他で面接を申し込んできたのは輿水幸子、服部瞳子だけ……か)
~~~
リキッド「じゃあ、自己アピールをどうぞ」キリッ
~~~
リキッド「……無い無い」
リキッド(Gのヤツに任せて、誰かの付き添いで時間潰すか)ウン
リキッド(さらに来月にはLIVEバトル……相手はヘレン)
リキッド「忙しいったらないわァ~」
『インターミッション』おしまい
>>+3
面接するアイドル
1・輿水幸子
2・服部瞳子
>>+4
付き添う相手
1・卯月(ラジオ収録)
2・凛(雑誌撮影)
3・未央(スタジオ撮影)
第七話『広島銘酒は同期の櫻!』
――今日も今日とてCGプロダクション
凛「じゃあ、そろそろ行こうか」
リキッド「ソイじゃあ、面接の方は頼むぜG」
G「……ああ」
ちひろ「あれ?リキッドさん面接しないんですか?」
リキッド「あぁ、俺はそんなガラじゃねぇからよ」
凛・ちひろ(五十歩ヒャッポーゥ!)
ちひろ「そ、そうじゃなくて、今日和久井さん帰ってくるんですから、ちゃんと挨拶――」
<バタン
ちひろ「最後まで聞いて下さいよ!!」
G「……」
ちひろ(うあーどうしよう!Gさんと和久井さんと私で面接!?)
ちひろ(私はともかくGさんと和久井さんが並ぶのはマズイ!)
~~~
G「……始めるぞ」
留美「……では、簡単な自己紹介から――」
~~~
ちひろ「違う事務所だコレ!!」ガーン
G「……?」
ちひろ(うぅ……みんな学校やバイトで出払っちゃってるし……)
ちひろ(周子ちゃんはしばらく実家だし、クラリスさんも教会に用事があるみたいだし……)
――マンガ喫茶
クラリス「……」ペラ
クラリス「……」チュー ゴクゴク
――CGプロダクション・事務所
ちひろ「あぁゴメンナサイ今日面接の子……決して悪い人達じゃないのよ……」ゲッソリ
G「……ちひろ、これは何て読むんだ」
ちひろ「はいはいどれですかー……あぁ、コシミズって読むんですよ」
G「……そうなのか」
G「……」
ちひろ「……ってそれ今日来る子の資料ですか!?私もらってませんよ!?」
G「……そうか」
ちひろ「そうですよ!」
<ガチャ
留美「おはよう、随分騒がしいじゃない」
ちひろ「あ、おはようございます!」
G「……」
留美「少し失礼するわ」
<バタン
G「……和久井留美か」
ちひろ「えぇ……どうしたんでしょう?」
<ルーミンメークアーップ!!
<ガチャ
留美「お待たせしました。改めまして、和久井留美と申します」フカブカ
ちひろ(化粧直して来おった――!)
G「……Gだ」
G「……よろしく頼む」
留美「はい、こちらこそ、よろしくお願い致します」
留美「あの、女子寮の部屋割りはどうなっているんでしょうか?」
G「……案内する」
留美「はい♪」チラッ グッ
ちひろ「!」
<バタン
ちひろ(か、軽くガッツポーズしおった――)
留美「面接、ですか」
G「……あぁ」
ちひろ「ま、まぁ和久井さんもお疲れでしょうし、部屋で休まれていても――」
留美「お手伝いします」
ちひろ「あぁん」
G「……いいのか」
留美「はい、これでも『元』秘書ですので」ニコ
G「……頼む」
ちひろ(止められなかった……)スゥッ
留美「では資料を……ちひろ、何泣いてるの?」
ちひろ「何でもないです」
――マンガ喫茶
クラリス「……」チュー
クラリス「……」フー ブクブクブクブク
クラリス「……♪」ブクブク
――都内某所・公園
「今日はホント、ありがとうございます!」
リキッド「いーえいーえ、こちらこそ、ソチラのモデルに使っていただけるなんて光栄ですー」
凛「……フッ」クスクス
リキッド(クソォ!だから敬語はイヤなんだよォ!)ニコニコ
「いやー、とんでもない!コチラのモデルもそろそろ着く頃なんですが……」
凛「どんな子……なんですか?」
「あぁ、読モなんですけどね。この業界のカリスマとして、現在人気が鰻上りでして――」ペラペラ
「お待たせしましたぁ」
「あぁ、ちょうど十分前だから大丈夫だよまゆちゃん」
まゆ「CGプロの方ですね?今日はよろしくお願いしますぅ」ペコリ
凛「うん、よろしくね」
まゆ「……うふ」
――CGプロダクション・事務所
ちひろ「はい、輿水幸子さんですね。そちらの部屋へどうぞー」スー
幸子「はい、ありがとうございます」
幸子(何で泣いてるんでしょう……?)コンコン
<ドウゾー
幸子「失礼致しま――」
幸子「」
G「……」ジッ
留美「……どうされました?」
幸子「い、いえ、失礼致しました。輿水幸子と申します。本日はありがとうございます」ペコリ
幸子(こ、コレは圧迫面接ッ!つまりはボクへのストレステストッ!)プルプル
幸子(う……うろたえるんじゃあないッ!山梨人はうろたえないッ!)プルプル
G「……始めるか」
留美「……はい。では簡単で結構ですので、自己紹介を――」
幸子(ジコショウカイって何でしたっけ)ガクガク
――――
――
――都内某所・公園
リキッド「あン?」
凛「どうしたの、プロデューサー?」
リキッド「ンー……気のせいかな。誰かに見られてる気がすんだけどよォ……」
凛「?」
まゆ「……あの、凛さん……でしたか?」
凛「え?あぁ、うん。どうしたの?」
まゆ「いえ、お話してみたいなぁって思ったの」
まゆ「……迷惑でしたかぁ?」
凛「ううん、大丈夫だよ。アッチで座ろっか」
まゆ「はい♪」
リキッド「……」
リキッド「……」スタスタ
リキッド「……何してんだオメェ」
トットリ「おぉぅっ!?」ガサッ
リキッド「へ~ぇ、シンタローがねェ~」
トットリ「んだっちゃ。明日か明後日にはミヤギくんと合流して、そっちに挨拶に行くっちゃ」
リキッド「おォ、わざわざワリィな」
トットリ「いやいや、ボクらぁの付き合いだっちゃからね、礼はいらんど♪」
トットリ「それより、さっきの子がアイドルっちゃか?」
リキッド「ん、あァ、そーいやオレ仕事中だったわ」
凛「プロデューサー!……アレ?その人は?」
まゆ「!」
リキッド「あぁ、同僚の――」
トットリ「トットリだっちゃ。いつもリキッドくんが世話になっとるだァね」ニコッ
トットリ「いやぁ~羨ましいっちゃね~、こげん可愛い子ば世話しとぉなんて」
まゆ「あの……トットリさん……?」ガシッ
トットリ「へ?」
まゆ「まゆをトットリさんのモノにしてくれませんか……?」ポッ
トットリ「……へ?」
リキッド「ハァ?」
凛「え?」
まゆ「うふ……一目惚れ、しちゃいました……」
トットリ「いやいやいやいやちょお待ちィや!」
まゆ「ステキですよね……これって運命?ねぇ、貴方も運命……感じますよね?ねぇ?」ズィッ
凛「すごい攻めるね」
リキッド「あぁ、ホラー映画でももうちょっと遠慮するわ」
トットリ「いや、ぼ、ボカァ――」
まゆ「あ、年齢なら大丈夫ですよぉ?16歳ですから合法ですし」
トットリ「いや、だからそういう話じゃ――」
まゆ「じゃあどういう話なの?」
トットリ「……土遁の術っ!!」ボムッ
まゆ「きゃあっ!」
凛「え?」
リキッド「うお」バッ
モクモクモクモク
まゆ「けっほ!けほっ!」
リキッド「けほっ!……アー……凛、大丈夫かァ?」
凛「う……うん……」ドキドキ
リキッド「あァワリィ、咄嗟の事だったし、ジャケットに包んじまった」パッ
凛「う……あ、ありがと……」ドキドキ
リキッド「派手にやりやがってまったく……おい、まゆも大丈夫か?」
まゆ「……うふ……うふふふふ……」
まゆ「……照れ屋さんなんですね……うふふ……そんな所もステキですよぉ……」
リキッド(アカン)
凛(大丈夫やけどアカン)
まゆ「……プロデューサーさんは、トットリさんとお知り合いなんですよね?」クルッ
リキッド「え、あぁ、オウ」
まゆ「……何処にいるか、教 え て 下 さ い ま す か ?」
――――
――
――CGプロダクション・事務所
幸子「ほ、本日は、ありがとうございました……で、では、失礼しますね……」ヨロヨロ
留美「大丈夫?顔色が悪いみたいだけど……」
G「……ちひろ、少し休んでもらえ」
ちひろ「はーいはいはい、誰のせいだと思ってるんですかまったくもう……」ブツブツ
幸子「い、いえ、大丈夫です……大丈夫ですから……」ヨロヨロ
G「……」ヒョイッ
幸子「おぁっ?」
G「……仮眠室で横になっていろ」スタスタ
幸子「あ、歩けますから!歩けますから!」ジタバタ
ちひろ「あ、あんまり乱暴に扱っちゃダメですよー!?」
ちひろ「……まったくもうっ。留美さんまで怖がらせちゃってどうするんですか――」
留美(お姫様抱っこ――!!)ギリギリギリギリ
ちひろ「ハンカチ噛み締めて泣かないで下さい」
第七話『広島銘酒は同期の櫻!』おしまい
今日はこの辺で
トットリさん口調難し過ぎッスよ……
ガンマ団の面々(本編中なのでもう少し年食った感じになるか?)
http://i.imgur.com/0mkBver.jpg
『インターミッション』
prrrr
リキッド「はいもしもォし」
トットリ『あぁ、リキッドかぁ?さっきは悪かったがね』
トットリ『アイドルの子ォ達は大丈夫だっちゃか?』
リキッド「あァ、どっちも無事だから安心しな」
トットリ『そうかァ』ホッ
リキッド「しっかしまァ、派手に逃げたもんだなァ」ニヤニヤ
トットリ『あぁ……恐怖を感じて反射的に身体が動いてしまったっちゃからね』
トットリ『思い出したら夜も寝れそうにないっちゃよ』
リキッド「そんなにかよ……ガンマ団団員が聞いて呆れるぜ」
トットリ『だっちゃわいや。まったく恥ずかしい話だがね』
リキッド「そーいやァ、あのまゆってヤツにオマエの事を根掘り葉掘り聞かれたんだけどヨ」
リキッド「多分どっかのホテルに泊まってるって言ったら、すごい勢いでどっか行っちまってなァ」
トットリ『あ、なんだろう嫌な予感』
トットリ『そだァ、明日にはミヤギくんと合流できっからァ』
リキッド「おーけーおーけー、オレかGが事務所にいるはずだから、安心してくれ」
リキッド「急用で出てるかもしんねーけどナ」
トットリ『そん時は日を改めるっちゃよ。それじゃ、また明日』
リキッド「あいよー」
まゆ「……うふ……」
『インターミッション』おしまい
>>197
ありがとー。それでもトットリは童顔
やっぱグンちゃんは読まれちゃうか
斜め上に行ける様に頑張る
第八話『ベストフレンド!』
――CGプロダクション・事務所
リキッド「あ、今日は午後から穂乃香と響子送らなきゃならんのか……」
ちひろ「どうされました?」
リキッド「いや、多分午後から客が来る予定なんだがよ……スケジュール帳買うかァ」
ちひろ「それでしたら、私がいるから大丈夫ですよ」ニコッ
ちひろ「Gさんと留美さんに客の対応させるつもりですか?」コソッ
リキッド「お、おう」
リキッド(知り合いだから大丈夫なんだけどなー)
G「……?」
――某ホテル・ロビー
ミヤギ「おゥ、待たせたべトットリ」
トットリ「時間ぴったりだっちゃよ。ちゃんとお土産買ってきたがね?」
ミヤギ「あァ、それはエエんだが……」
ミヤギ「誰だべその娘サンは?」
トットリ「へ?」クルゥリ
まゆ「……」
トットリ「」
まゆ「来ちゃった♪」ニコッ
トットリ「来ちゃったかぁ……」
ミヤギ「どしたべトットリ?顔色悪いだヨ」
――
ミヤギ「んだべかぁ、まゆチャンはトットリが気に入ったべか!」アッハッハ
まゆ「はい……運命だと思うんですぅ……」ニコニコ
ミヤギ「いい娘サンだべェ、トットリ。なぁにがイヤなんだべ?」コソコソ
トットリ「年齢とボクらの立場だっちゃわいや」コソコソ
ミヤギ「あぁー……」
まゆ「あのぉ、どうされました?」
ミヤギ「いやいや何でもねぇべ!そだ、挨拶にはオラだけで行くから――」
トットリ「一人にせんで欲しいがねマイベストフレンド!」ガシッ
ミヤギ「お、おう」
まゆ「うふ……お二人は、仲良いんですね……」
ミヤギ「あぁ、だってオラ達はベストフレンドだからなぁ!」アッハッハ
まゆ「……少し、妬けちゃうかも……」
ミヤギ「――!!」ゾクッ
まゆ「そうよね、男友達同士でしか話せない事もあるもんね」ブツブツ
ミヤギ(な、なんだべ今の……)
まゆ「あぁ、でも大丈夫ですよぉトットリさん?」
まゆ「まゆはアナタを縛るんじゃなくて」
まゆ「アナタに縛られたいの」
ミヤギ「――!」
トットリ「――!」
ミヤギ「逃げるべトットリっ!」ダッ
トットリ「だっちゃわいや!」ボムッ
モクモクモクモク
<キャー
<ナンダ!ケムリガ!
<カジカ!?
モクモクモク
まゆ「……うふ」シュコー シュコー
まゆ(ガスマスク買っておいて正解だった♪)
――CGプロダクション・事務所近辺
ミヤギ「とんでもねぇ娘に惚れられたもんだべなぁ」ハァハァ
トットリ「タンノくんとイトウくんに追われてた方がまだマシだっちゃ……」ハァハァ
ミヤギ「あぁ、なんか懐かしい感じがしたのはソレだべか」
トットリ「笑い事じゃないっちゃよ。このまま追われ続けたらパプワ島にも帰れな――」
ミヤギ「どしたべトット――」
まゆ「あ♪」ニコッ
ミヤギ・トットリ((じむしょ まえに いる))
トットリ「え?なんで?え?」
まゆ「昨日、一緒にお仕事をしたプロデューサーさんが」ザッ
まゆ「アナタとお友達だったみたいで」ザッ
まゆ「アナタの事を聞いたら、こ こ ろ よ く 教えてくれたの♪」ザッ
まゆ「今日、ここに来る事も」ザッ
トットリ「」ガクガクガクガク
ミヤギ「」ガクガクガクガク
ミヤギ(はっ!そうだべ!こんな時こそ『生き字引きの筆~油性~』の出番だべ!)
ミヤギ(生き字引きの筆の弱点だった水を克服し!さらに小型化で普通のペンサイズ!)
ミヤギ(……なんて書けばいいんだべ?)
まゆ「ご挨拶が終わったら、どこに行きましょうかぁ?」ニコニコ
トットリ「」ガクガクガクガク
ミヤギ(えーとえーと……娘っこだしそんな変なのにはデキねぇ……コレだべ!)
まゆ「あら?ミヤギさんその筆ペンは――」
ミヤギ「っ!」
『 鈴 虫 』
まゆ「……ちゅりりりりりりり……ちゅりりりりりりり……」
ミヤギ「ふゥ……」
トットリ「た、助かったっちゃよミヤギくん……」
――CGプロダクション・事務所
G「……こっちだ」
ミヤギ「どぉもー、いつもリキッドとGがお世話になってるべ」
トットリ「これ、ボクらぁの地元のモンだっちゃ」
まゆ「……」
ちひろ「あら~わざわざありがとうございます~」
ちひろ(……なんであの子、額に鈴虫って書いてあるんだろ)
ちひろ「あの、そちらは――」
トットリ「鈴虫です」
ちひろ「え?」
トットリ「鈴虫です」
まゆ「……ちゅりりりりりりりり……ちゅりりりりりりり……」
ちひろ(あ、コレ考えたらダメなヤツだ)
ミヤギ「い、いやー、でも随分いい環境で仕事してるんだべなぁ」アッハッハ
G「……ん」
ちひろ(……流石に女の子の顔に落書きはどうかと思うのよね)フキフキ
まゆ「……」
まゆ「……」
まゆ「……」ニタァ
ちひろ「――!」ゾクッ
トットリ「シンタローに言って、ボクらぁもココで働かせてもらうがね?」
ミヤギ「あっはっは、それはなかなか――」
まゆ「ナイスアイデアですよぉ……うふ……」
トットリ「」
ミヤギ「」
まゆ「あらすごい鼻血。何を想像したの?」キャッキャッ
G「……ちひろ」
ちひろ「え、えーっと、不味かった……ですか?」
ミヤギ「かなり……」
トットリ「いや相当……」
まゆ「……」
トットリ「っ!」ダッ
まゆ「うふ……待って下さぁい♪」ダッ
<バタン
G「……」
ちひろ「……」
ミヤギ「……」
G「……茶のおかわりを」ガタッ
ちひろ「あ、私淹れて来ますね」ガタッ
ミヤギ「すまんべなぁ」
G「……大丈夫なのか」
ミヤギ「出来れば関わりたぐね」トオイメ
トットリ「何で行く先行く先にいるんだっちゃか!?」タッタッタッ
まゆ「うふ……赤い糸で繋がってるからですよぉ……」タッタッタッ
第八話『ベストフレンド!』おしまい
『インターミッション』
リキッド(さてと、早速使うぜスケジュール帳)
リキッド(フツーに予定書いてきゃいいんだよな?)
リキッド(明日は服部瞳子が面接、と……)
<prrrrrrrrr
リキッド「お、メールだ」
>>+3
メールの送り主
1・未央
2・夕美
3・洋子
リキッド(お、未央だ)
『今日も一日お疲れ様です!明日また、ゆかりちゃんと柚ちゃん連れて遊びに行くね!』
リキッド「あらま……また響子とフェイに手伝ってもらうか」
―― 一方その頃
トットリ「ハァッ……ハァッ……」タッタッタッ
まゆ「はぁっ……はぁっ……」タッタッタッ
茜「ペース落ちてますよ!ボンバアアアアアアアアアアアアアア!!」タッタッタッ
『インターミッション』おしまい
寝る
そういや生き字引きの筆の説明忘れてた
・生き字引きの筆……東北ミヤギが持つ、全長1メートルほどの筆
文字を書いた対象を、書いた文字の物(生き物など)に変える力を持つ
書き手の意思が優先されるらしく、当て字でも機能するが漢字でないと効果が無い
なお、鈴虫は仙台市で大事にされている虫である
第九話『わかさいもじゃない津軽!いもすけどん!』
――CGプロダクション・応接室
瞳子「――では、失礼致します」
<バタン
留美「……前の事務所が6年も燻ぶらせていたなんて、悲劇のアイドルね……」
G「……あぁ」
留美「一方コチラは、つい数週間前に築45年の事務所を取り壊し、事務所を改築」
留美「レッスン代は会社負担、女子寮(1~2LDKバストイレセパレート家具アリIHアリ)有り、昼夜二食付き……」
留美「一体どこから、こんなお金が出てきたのかしらね?」チラッ
G「……さぁな」ガタッ
留美「……アナタ達が何をしていたかは知らないけど……」
留美「……あの子達を裏切るようなマネは、絶対に許さないから」
G「……約束しよう」
<ガチャ
<バタン
留美「……」フゥ
留美( ち ょ う く ~ る ~ )キュンキュン
――レッスンスタジオ
クラリス「は~る~の~うら~ら~の~♪」
リキッド「んーいい声してるねェ」
トレーナー「クラリスさんは、聖歌もお上手なんですよ」
リキッド「あァ、シスターなんだってなァ」
トレーナー「はい。それに、その……」
リキッド「あン?」
トレーナー「いえ、そちらの事務所に移ってから、声が柔らかくなったように感じます」
リキッド「……そっかァ」ニッ
トレーナー「はい♪」
マストレ「おぉ、リキッドくんか。キミもどうだ?(トレーニング)やらないか」
リキッド「汗臭くなるんで遠慮しときまっス」
<ギャーギャー
マストレ「む?」
リキッド「あン?」
トレーナー「随分騒がしいですね?」
クラリス「あの、この声、聞き覚えが……」
――レッスンスタジオ・ロビー
マストレ「何の騒ぎだ?」
ベテトレ「あ、姉さん。この子が……」
???「む~っ!ちゃんと話聞いてよっ!!」
クラリス「やっぱり、莉嘉さんでしたか」
莉嘉「あっ!クラリスさん☆」
リキッド「なんだァ、知り合いか?」
クラリス「……はい」
莉嘉「クラリスさんなら、アタシの話聞いてくれるよね?ね!?」
クラリス「それよりも莉嘉さん、学校はどうされたのです?」
莉嘉「それどころじゃないのっ!お姉ちゃんが――っ!」
――車中
リキッド「話は分かったけどよゥ、オレ達が行ってどうするんだよ?」
クラリス「お話を聞くだけでも、随分楽になるはずです」
クラリス「一人きりで抱え込むには、彼女には大き過ぎますから……」
リキッド「前の事務所の売れっ子アイドルかぁ……確かに、背負うにはでか過ぎる看板だな」
莉嘉「……お姉ちゃん……」
リキッド(オレのせいだよなぁ……うっし)
リキッド「ちょっと寄り道すんぞ」
クラリス「え?」
――城ヶ崎家
莉嘉「お姉ちゃん!クラリスさんが遊びに来てくれたよ☆」
美嘉「く、クラリスさん!?ごめんなさい莉嘉がメーワク掛けちゃって……」
美嘉「ってゆーか莉嘉!アンタ学校は!?」
莉嘉「お姉ちゃんの為に休んだ!」フンス
美嘉「……バカッ。アタシは大丈夫だって言ったでしょ?」
莉嘉「だってそう見えないんだもん!」
美嘉「ハイハイ、折角来てもらったんだし、お茶くらい出しますよ――」
美嘉「ところで、後ろの二人は?」
美嘉「へぇ、プロデューサーさんと事務員さんでしたか」
リキッド「あァ、よろしくな」
ミヤギ「よろしくだべ」
ミヤギ「なァリキッドよォ」ヒソヒソ
リキッド「あン?」ヒソヒソ
ミヤギ「なしてオラが事務員で、こんなトコに連れて来られてるんだべさ?」ヒソヒソ
リキッド「イヤ何、ちょ~っと手伝って欲しかったのヨ」ヒソヒソ
美嘉(アヤシイなぁ……)
クラリス「あの、美嘉さん?」
美嘉「ん?」
クラリス「莉嘉さんから、何か悩んでいるとお聞きしましたが?」
美嘉「ソレは……莉嘉の考え過ぎってヤツですよ」
莉嘉「そんな事ないもん!お姉ちゃん、アイドル辞めてから元気ないもん!」
莉嘉「アタシ、元気の無いお姉ちゃんなんて見てらんない!」
美嘉「……莉嘉……あのね、アタシは別に、アイドル続けたいってワケじゃないの」
莉嘉「ウソだ!」
美嘉「ホント。確かに楽しかったけどさ……もう、いいかなって」
クラリス「……美嘉さん……本当に、よろしいのですか?」
莉嘉「お姉ちゃん……」グスッ
美嘉「ウン、ホント……ホントだから、気にしないで。気にしないで下さい……」
ミヤギ「オイオイ……」
リキッド「……そォか」
美嘉「プロデューサーさんも、妹がご迷惑をお掛けしました」ペコリ
リキッド「……じゃあ本人に直接聞くか」
美嘉「……へ?」
リキッド「うし、ミヤギィ」
ミヤギ「クラリスちゃん、ちょっとゴメンだヨ」バッ
『 城 ヶ 崎 美 嘉 』
クラリス「……」
クラリス「あれ?なんでアタシ、そんな泣きそうな顔してんのさ?」
美嘉「!?」
莉嘉「!?」
リキッド「達筆だネェ」ウンウン
ミヤギ「当然だべ」フッ
美嘉「いやいやいやいや!?どゆこと!?」
莉嘉「くらりすさんがおねーちゃん?」
リキッド「なんかよォ、アイドル続けたくないんだとよ、向こうのオマエさん」
クラリス「えぇー?何言ってんのさ。アタシは夢を諦めないよ?」
美嘉「く、クラリスさん、変な冗談は――」
クラリス「冗談じゃないよ。アタシはトップアイドルになる!」
美嘉「」
クラリス「トップアイドルになって、莉嘉との約束を果たすんだよ★」
莉嘉「約束って……?もしかして……」
クラリス「うんっ!一緒のステージに立つんでしょ?」
莉嘉「……お姉ちゃん……!」パァッ
美嘉「な、なんでクラリスさんがその事を……」
クラリス「アタシは城ヶ崎美嘉!アンタもアタシなら、途中でヘコタレるんじゃないよっ★」ビシッ
美嘉「!」
リキッド「はァいお~しま~い」フキフキ
クラリス「……」
クラリス「……あら?」
ミヤギ「リキッドよォ、オラのコレは見世物じゃねェだよ」
リキッド「はいはい……んでよォ、どうすんだ?」
美嘉「……アタシは……」
莉嘉「お姉ちゃん……」
リキッド「決めるならさっさとしてくれヨ?帰ってメシ作らなきゃなんねーからよ」
リキッド「来るなら姉妹まとめて、面倒見てやるよォ」
クラリス「……あの、何があったんでしょう?」
ミヤギ「サァ?」
――CGプロダクション・食堂
未央「へ~ぇ、仲間が増えるのはいい事だよね~」モグモグ
リキッド「オゥよ。ま、今回はミヤギのヤツに感謝だな」モグモグ
ミヤギ「一応オラの方が先輩だべよ?」モグモグ
リキッド「はいはい、感謝してますよォ先輩。おかわりいります?」
ミヤギ「頼むべ」スッ
柚「いやーやっぱここのご飯美味しいなぁ。アタシもココに住みたい!」
穂乃香「ふふっ♪それじゃ、柚ちゃんもアイドルにならないとね?」ニコニコ
ゆかり「あの……わ、私、アイドルやってみたいんですけど……?」
未央「」ブーッ
リキッド「お~、ゆかりもか」
未央「え!?い、いいのゆかりちゃん!?」
ゆかり「うん……わ、私も、未央ちゃんみたいな……人を笑顔にするアイドルになりたいなって……思って」
柚「フルートはいいの?」モグモグ
ゆかり「ん……実はね、習い事よりも、やりたい事が出来たってお父さんに相談してみたんだ」
ゆかり「そしたら――」
~~~
『そうか。何をしたいか教えてくれるか?』
『……アイドルか……未央ちゃんの影響か?』
『……』
『よ~しパパゆかりのファン一号になっちゃうぞ~』
~~~
ゆかり「――って」
未央(お父さん――!)
ゆかり「そういう訳ですので、その、お願いできますか?」
リキッド「おゥ、大歓迎だぜ」ニッ
柚「あ、じゃあアタシも」ハイ
リキッド「じゃあってなんだよ、じゃあって……あぁおかわり?」
柚「両方!」
第九話『わかさいもじゃない津軽!いもすけどん!』おしまい
寝る
スマン、リキッドの父親は出す予定無し
トットリはキュート、ミヤギはパッション。異論は認める
りーな→なつきち
高松→ぐんきち
あれ?高松クールじゃね?
さてちょこちょこ投下しまっす
『インターミッション』
――CGプロダクション・事務所
G「……」
瞳子「プロデューサーさん……あの、少しいいかしら?」
G「……どうした?」
瞳子「プロデューサーさんは、努力しても実らなかったこと、ある?」
G「……」
瞳子「……ごめんなさい、失言だったわ」
G「……構わん」
G「……実らん努力など無い」
G「実らなかったと思うのは、努力出来なくなったからだ」
瞳子「……そう、かもしれないわね……」
G「……気を悪くしたらすまん」
瞳子「いえ、大丈夫。アナタとは上手くやっていけそうだわ」
G「……そうか」
G「……ところで、これは何て読むんだ?」
瞳子「どれかしら?」
『鰌』
瞳子「読めるか!」
――夜・CGプロダクション事務所
リキッド「さァて手帳手帳っと……」
リキッド(あァ~いいなァ~この白紙を埋めていく感覚ゥ)カリカリ
リキッド(端末に入力するのが味気なく感じてきたゼ……やっぱ手を動かすと違うモンなのかね?)カリカリ
リキッド(明日は……)
>>+3
1・幸子、洋子のレッスンチェック
2・菲菲、かな子の宣材写真撮影
3・志乃、地方営業から帰還
リキッド「うげ……」
リキッド(ドッチも苦手なんだよなァ)
リキッド(ケど幸子はGの事怖がってるし、洋子も苦手みてェだし……)
<prrrrrrrrr
リキッド(メール……Gからか。珍しい)
『鰌 何て読むんだ?』
リキッド「……」ポチポチ
『じゃあオマエそれどうやって入力したんだよ』
『インターミッション』おしまい
スマン、今日はここまで
みんなも風邪には気を付けて
第十話『富士の国だよ!やったね山梨』
――CGプロダクション・事務所
G「……」
ちひろ「おはようございます。何読んで……あぁ、プロデュース関係の本ですか」パラパラ
ちひろ「勉強熱心なんですね」ニコッ
G「……ああ」
G「一応、プロデューサーだからな」
ちひろ「ふふっ、期待してますよ?」
リキッド「ぐぎぎぎぎぎ……」パラパラ
<ガチャ
クラリス「おはようございます」
ちひろ「おはよークラリスさん」
リキッド「おはよーゥ。どした?」
クラリス「ええ、ご報告したい事が御座いまして――」
リキッド「ヘェ、多額の寄付ねェ……」
クラリス「はい。教会の立て直しに充分な額で御座います」
G「……」
ちひろ「よかったじゃないですかー♪……あ、じゃあ……」
クラリス「……ええ、私が教会を救う為にアイドル活動をしていたのは、前にお話ししたとおり……」
G「……ああ」
リキッド「……そうだったナァ……」
クラリス「はい……しかし、私はもっと歌う喜びを感じていたい……早く皆に歌を届けたい……」
クラリス「清貧を善しとする私が、このような欲を出すのは我侭かもしれません……」
クラリス「ですが、お願いで御座います。私に、アイドルを続けさせて頂けませんでしょうか?」
リキッド「……」
G「……」
リキッド「……ヘッ」
G「……ふん」
リキッド「そーンなワガママならいっくらでも聞いてやンよォ」
G「……ああ」
クラリス「……あぁ……ありがとうございます……貴方がたとの出逢いには、感謝してもしきれません……」グスッ
クラリス「改めまして、よろしくお願い致しますね、皆様」ニコリ
ちひろ「ええ、よろしくね」ニコニコ
リキッド「あァ、よろしくな」
G「……ふ」
リキッド「なぁ、寄付ってGがやったのか?」ヒソヒソ
G「……お前じゃないのか」ヒソヒソ
――南アフリカ某所
ハーレム「なァ~んでオレがこんなトコで井戸掘りしなきゃなんねェんだヨォ!!」ザックザック
マジック「シンちゃんの命令だぞ。文句言うんじゃありません」ザックザック
ハーレム「しかも兄貴と一緒とかよォ……最悪だゼ」ザックザック
マジック「リキッド達の事でシンちゃんげきオコスティックファイナリアリティぷんぷんドリームでな」ザックザック
マジック「老後金の半分を、全世界に寄付という形でバラ撒かれたんだぞ!」
マジック「あの中には『シンちゃんと家族水入らず☆世界一周旅行』の費用も入っていたというのに!」
ハーレム「知るかよ!」
――レッスン場・午後
マストレ「(前略)やらないか」
リキッド「スイマセンねェ毎度」
トレーナー「いえいえ、アイドル達の実力を目にしておくのも、プロデューサーとして大事な事ですよ?」
マストレ「なぁオイ、無視はよくないぞ」
洋子「そうですよリキッドさん。ちょっと一緒に運動しましょうよー」
幸子「ボクは見ていてあげますから、存分にダンスレッスンに励んで下さいね!」
ルキトレ「はいはい、さっちゃんはコッチねー」ズルズルズル
幸子「ちょ!引きずらないで下さいよ!」バタバタ
リキッド「あー……拒否権なさゲ?」
洋子「はい♪」ニッコリ
リキッド「しっかし、オレダンスなんかした事ねーぞ?」
洋子「大丈夫ですよ。私達もそうでしたから」
リキッド「……それもそォか」
トレーナー「ハイ、じゃあまず私が手本を見せますから――」
――数時間後
リキッド「うェ~……疲れた~……」ハァハァ
洋子「お疲れ様です!コレどうぞ」ハァハァ
リキッド「さんきゅー」ゴクゴク
トレーナー「……スゴイですね、プロデューサーさん」
マストレ「うむ。あっという間に洋子に追いついたな」
リキッド「毎回こんなレッスンしてんのかよォ~……スゲェな……」
洋子「はい♪アイドルは体力勝負なんですよ」
リキッド「ふへぇ~……ワリィ、ナメてたわ」
洋子「いーですよ。それで、どうです?」
リキッド「あァ?」
洋子「お勉強のストレスは、発散できましたか?」ニッ
リキッド「……あァ、おかげさんでナ」ニッ
ルキトレ「あ、コッチも終わったんですね」
幸子「ふふふ……どうしたんですかプロデューサーさん?息上がっちゃってますよ?」ハァハァ
リキッド「お前が言うな」
幸子「ふふーん、こ、これくらいボクにはどうって事ありませんよ」ハァハァ
マストレ「ワンモアセッ」
幸子「ウソですゴメンナサイ調子乗りました」
リキッド「二人とも終わったんなら帰るぞー……あ、シャワールームって男用あンの?」
トレーナー「ありますよ?」
リキッド「おー、ありがてェ」
――車内
幸子「……」
洋子「どうしたの幸子ちゃん?」
幸子「ふぁっ!?な、なんですか!?」
洋子「いや、さっきまであんなに元気だったのになーって思って」
幸子「そ、そうですか!?ボクはいつでも元気ですよ!?」
リキッド「あァ、事務所にゃコワ~イGクンがいるから帰りたくないってか」
洋子「あ、そうなんですか?」
幸子「そ、そんなワケないじゃないですか!」
洋子「まぁ、確かに見た目はコワイもんね……」
幸子「洋子さんもそう思いますよね!?」
洋子「あ、やっぱりそう思ってたんだ」
幸子「うっ……」
洋子「でも優しい人だよ?デスクはスゴイ事になってるけど……」
幸子「デスク……ですか?」
リキッド「あ、見た事無ェのか。じゃあ幸子、ちょ~っと頼まれてくれねぇか?」
――CGプロダクション・事務所
幸子「ままままったくぼぼぼボクに頼みごとなんてっせせんいや百年早いんですよ!」ガクガクガクガク
幸子「よよ洋子さん代わって上げてもいいですよ!ボクは優しいので!」ガクガクガクガク
リキッド「やかましィ」
<ガチャ
幸子「」ガクガクガクガク
ちひろ「あ、幸子ちゃんおかえりー……大丈夫?」
幸子「だっだっだだ大丈夫です!」
幸子「あああああの、Gさん!」
G「……?」
幸子(スゴイ量のクマグッズ――!?)
幸子「コレ!どどどうぞ!」スッ
ちひろ「あら……ダッ○ィーの手帳?」
幸子「はっ、はいっ!」
G「……」
幸子「……」ビクビク
G「……幸子」
幸子「はいっ!?」(裏声)
G「……ありがとう」
G「……大事に使わせてもらうぞ」
幸子「」ポカーン
ちひろ(あ、これリキッドさんだなー?)ニヤニヤ
――数日後・CGプロダクション・事務所
幸子「おはようございます!さぁGさん、今日はボクの付き添いですよ!光栄に思って下さいね!」
G「……ああ」
リキッド「ちょ~っと甘やかし過ぎじゃね?」
ちひろ「いや~アレはアレで可愛いじゃないですか♪」
みく「リキッドチャンが厳しいんだと思うなー」
リキッド「んー……そういうモンかねェ?」
第十話『富士の国だよ!やったね山梨』おしまい
寝る
>>+5
1・響子、かな子の宣材写真撮影
2・志乃、地方営業から帰還
3・みくと行くネコカフェ
第十一話『まぁまぁ猫どうぞ』
――CGプロダクション・事務所
リキッド・ちひろ「「猫カフェ?」」
みく「うん!」
みく「リッチャン!今日のスケジュールは!」
リキッド「え~っとォ、午前中は送迎だろォ」
リキッド「午後からは……メシの買出しくらいか」
ちひろ「営業はいいんですか営業は」
リキッド「あァ、当たれるトコは当たって、全部先方からの連絡待ち」
ちひろ「 oh 」
みく「じゃあ午後からヒマでしょ?ね?付き合って欲しいにゃあ~?」
リキッド「ん~……」
みく「Gチャンは穂乃香チャン達とお仕事だし、ね?」
リキッド「……しょーがねェな」
ちひろ「私も行きたいです!」ハイ
みく「あ、ちひろさんはいいです」
ちひろ「え、ひどくない?」
タイトルで思い出したけど上条さんも好きだから、いつか登場してほしい
――猫カフェ
リキッド「へ~ェ、こんなトコにあったのか」
みく「ふふーん♪みくのお気に入りなの♪」
リキッド「そんなトコにオレ連れて来ていいのかヨ?」
みく「リッチャンが動物好きだって事はリサーチ済みにゃ♪」
リキッド「まぁ、あのデスクだもんなァ……」
みく「うん♪さぁ、たっくさんネコチャン達と戯れるといいにゃ!」
<ガチャ
店員「お客様!猫ちゃんにメガネ掛けるのはやめて下さい!」
?「なんでですか!猫ちゃんは可愛い!可愛いは正義!眼鏡も正義!よって眼鏡も可愛いんですよ!」
?「眼鏡をかけた猫ちゃんは!可愛いと正義が合わさって最強なんですよ!」
<バタン
リキッド「帰るゾ」
みく「はーい」
<ガチャ
?「何で帰るんですか!?」
まさか速攻で出てくると思わなかったからワロタ
みく「だ~か~ら~……みk……クミはこのメガネが気に入ってるの~……」グググ
?「何でですか!?何でそんな似合わない眼鏡掛けてるんですかクミさん!」グググ
リキッド(どォしてこうなった……)
ネコ「にゃ~」(闇に飲まれよ!)
リキッド「オ、か~わい~い~♪」ナデナデ
ネコ「にゃ~」(フハハ!我が『魅惑の眼』の虜となったか!)
みく「助けてよリッチャン!」
リキッド「なんだよゥ、邪魔しないで下さいますゥ前田クミさん?」ナデナデ
みく(変装なんかするんじゃなかった――!)
?「あ……」
リキッド「?」
?「……いや……そんなハズ……でも……」
みく(まさか……みくの正体がバレたとか?)
みく(ふふ~、アイドルは辛いにゃあ~♪)ニヨニヨ
?「あの、アタシ、上条春菜っていいます」ペコリ
リキッド「あ、ハァ、どうも」ペコリ
春菜「大変言い難いんですけど、その……アナタ、信じられないくらい眼鏡が似合わない顔してますね」
リキッド「あァ?」
>リキッド「帰るゾ」
>みく「はーい」
このシーンがちゃんと絵で想像できる
みく「ふふ……万年最下位はダテじゃないよ……目指せアイドル界の地雷伍長……」ブツブツ
ネコ「にゃ~」(よ、世に知らしめるのも悪くないわ!)
リキッド「そりゃあどうもォ、生まれてこの方眼鏡なんかしたことネェもんでなァ」(猫じゃらしで遊んでいます)
ネコ「ッ!ッ!」タシッ タシッ
春菜「大丈夫ですよ。そんなアナタにも似合う眼鏡は必ずありますから」
リキッド「必要ないんでいいですゥ」(猫じゃらしで遊んでいます)
ネコ「ッ!ッ!」タシッ タシッ
春菜「まぁまぁそう言わずに。似合う眼鏡を見つけましょう。見つけます。必ず」グッ
春菜「このままじゃ私の気が治まりません!」
リキッド「ハイハイじゃあ見付かったら連絡下さいねェ」ピラッ
春菜「はい!必ず連絡しますからね!待っていて下さい!」ダッ
みく「……連絡先あげちゃったの?」
リキッド「アラシヤマのな」ナデナデ
ネコ「フハハ!もっと撫でるがよいわ!」(にゃ~)
パプワ島の猫ですね
>>316 むしろP化してそうだなあのナマモノ二人・・・
――CGプロダクション・事務所
<ガチャ
G「……戻ったぞ」
穂乃香「ただいま帰りましたー」
留美「ただいっくしゅん!」
リキッド「あァ?」
みく「?」
留美「ごめんなっくしゅん!」
留美「なんでもなっくしゅん!」
留美「あ゛ぁー」ズズーッ
みく「大丈夫?」
穂乃香「あの、風邪かもしれませんよ?」
ちひろ「……あ、留美さんって猫アレルギー持ちでしたよね?」
留美「ええっくしゅん!」
留美「あ゛ぁー」ズズーッ
みく「……その、ゴメンなさい……」
リキッド「ワリィ……」
留美「あ゛ぁー」ズズーッ
留美「あ゛ぁー」ズズーッ
第十一話『まぁまぁ猫どうぞ』おしまい
前回の安価『響子とかな子』は『菲菲とかな子』の間違いだったのに今気付いた
寝る
>>317-318
書きたくなっちゃうからヤメテケレ
アイドルデビューしようと乗り込んでくるナマモノという可能性も…
『インターミッション』
――京都・電車内
アラシヤマ「あぁ……さようなら京都タワー……」
周子「あはは……あのさ、わざわざ付き合ってくれて、ありがとね」
アラシヤマ「へ?あぁ、ええんどすよ、そんな気遣いせんでも」
アラシヤマ「それに――」
周子「こんな『べっぴんはん』放っておけないって?」
アラシヤマ「それは忘れておくれやす言いましたやんか!」
アラシヤマ「……ほんで、ちゃーんと親御さんと話し合えたんでっか?」
周子「うん……ちゃんと自分の気持ちも、家の事も、ケジメ付けて来た」
周子「今度は、アイドルになる為に家を出てきたよ」
アラシヤマ「そうでっかァ……」
周子「うん……それより、さ」
周子「さっきからスゴイ勢いでケータイが震えてるけど?」
アラシヤマ「こないだから、知らん人からメガネの画像だけ送られてきとるんですわ」
周子「なにそれこわい」
『インターミッション』おしまい
迷惑メール喜んでる描写あったのか
PAPUWAは一巻までしか読んでなくて知らなかった…
第十二話『二度目の山梨!おいでよぶどうの丘!』
――CGプロダクション・事務所
<ガチャ
志乃「おはようございます……柊志乃、地方営業から戻ったわ」
ちひろ「おかえりなさーい!」
リキッド「あァ、お疲れサマ」
G「……ん」
志乃「お二人がプロデューサーさんね。初めまして、よろしく」
志乃「ホントに改築されてたのね。三回くらいこの前を通り過ぎちゃったわ」
ちひろ「私も初めて見た時は信じられなかったです……」
志乃「そういえば、前の女子寮に保管しておいたワインはどこに行ったのかしら?」
リキッド「あァ、それなら――」
――CGプロダクション・地下・ワインセラー
リキッド「知り合いのワイン好きの勧めで、ワインセラーを作っといた」
ちひろ「こ、こんなモノまで……」
志乃「いいわね。中庭から入れるのも風情があっていいわ」
志乃「……カウンターとテーブルが欲しいわね」
リキッド「オイオイ、バーでも開くつもりかァ?」
志乃「ええ。ステキだと思わない?」
リキッド「ココじゃ無理だな」
ちひろ「そうですよ、ココはアイドル事務所なんですから――」
リキッド「向こうの空きスペース使って……あ、水廻り持って来ないとナ」
G「……2日ほどか」
志乃「話が早いわね」
ちひろ「ええいこの酒好きさん達め!」
ちひろ「もうっ。そろそろ上に戻りましょうよー」
志乃「ええ。いい物を見せてもらえたわ……あら?こっちの部屋は?」
リキッド「あぁ、そっちは工事中だ」
志乃「何が出来るのかしら?」
リキッド「それはまァ……出来てからのお楽しみってなァ」
志乃「そう……じゃあ楽しみにしておくわ」
ちひろ「早く行きますよー!」
<ガヤガヤ
トットリ「……行ったか」
トットリ(ここで匿われてもう一週間か……あとは荷物にでも潜んで国外へ――)
<ガタッ
トットリ「……!」→
トットリ「……!」←
トットリ「……!」↑
<カラーン
まゆ「みーつけた♪」
トットリ「通気口かぁ……よく通れたっちゃねー……」
まゆ「はい♪身体が小さいですからぁ♪」スタッ
トットリ「っ!」ダッ
まゆ「あぁんもう♪照れ屋さんなんですからぁ……」
まゆ「でもそんな所も大好き!」ダッ
第十二話『二度目の山梨!おいでよぶどうの丘!』おしまい
寝る
ヘ
レ
ン
ttp://i.imgur.com/YOUUPOL.jpg
ttp://i.imgur.com/eeeGhi4.jpg
ヘレン編終わった辺りで自由安価入れたいダヨー
第十三話『世界レベル登場!』
――CGプロダクション・事務所
リキッド「――オレは凛連れて営業で」
G「……フェイとかな子の撮影だ」
ちひろ「私おるすばーん」クルクルクルクル
リキッド「どうしたちひろォ?事務椅子で回ると酔うぞ?」
ちひろ「だってー、最近事務仕事減ってきてるんですもーん」クルクルクルクル
リキッド「いいじゃねェか。後々忙しくなるまで温存しとけ」
ちひろ「はーい」クルクルクルクル
ちひろ「……」ピタッ
ちひろ「……気分悪いです……」ウェー
リキッド「だから言ったでしょオ!?」
G「……」(背中をさする音)
――レッスン場
トレーナー「はいOK!ヘレンさん、少し休憩にしましょう」
ヘレン「そうね……LIVEバトル前だしね」
<ガチャ
リキッド「ちわーッす」
凛「こんにちわー」
ヘレン「……へーえ……ねぇ、今度の相手はあの子よ」
トレーナー「え?そうだったんですか?」
マストレ「やらないか」
リキッド「やかましいわ」
リキッド「よォっし凛、よく見とけェ」
凛「うん……」
ヘレン「あら、私の実力を見に来たのかしら?」
ヘレン「いいわ、特別に見せてあげる……その目に焼き付けなさい!」
リキッド「アレがキタガ・ワッケンジーだ」
凛「へー」
リキッド「で、横のがニーヌ・マッケンジー」
凛「へー」
ヘレン「なんでポスターの解説してるのよ!私を見に来たんでしょ!?」
リキッド「あぁヘレンさん。こんにちわァ」
凛「こんにちわ」
ヘレン「し、白々しいわね……」イラッ
リキッド「今度のLIVEバトルじゃ世話んなりますんデ、よろしくお願いしますね」
ヘレン「えぇ……まぁ、いいわ。その子もレッスンに来たんでしょ?」
凛「いや、私は違うよ?」
ヘレン「え?」
リキッド「よし凛よく見とけ。アレが世界レベルの痴女だ」
凛「アレが世界レベルの痴女だね」
ヘレン「ケンカ売ってんのかコラアァァァァァァァァ!!」
トレーナー「……プッ」
ヘレン「!?」
リキッド「凛ちゃん的にどォなのあのカッコ?下着つけてんの?」
凛「着けてないね」
リキッド「痴女だな」
凛「痴女だね」
ヘレン「バッカにすんでねぇが!下着くれぇちゃんと着とるがぁ!」グッ
凛「うわ下着見せようとしてるよ」
リキッド「痴女だな」
凛「痴女だね」
ヘレン「んだよ!?オメェらケンカ売りに来たんだな!?そうなんだな!?」
トレーナー「ヘレンさん抑えて抑えて。訛りが出てますよ」
ヘレン「だってぇ……だってぇアイツらがぁ……」エグエグ
リキッド「……って感じに弄ると面白いってウチの柊が言ってました」
ヘレン「アんのブドウの妖精めェ……一度ならず二度までもオラの事バカにしてぇ……」
凛(なにやってんのあの人――!)
リキッド「いやぁスイマセン。悪乗りが過ぎちゃいました」
ヘレン「帰ったらキツく言っておいて頂戴……」
リキッド「モチロン。それで、サイン貰っていいですかね?」スッ
ヘレン「!」
ヘレン「あ、あら、アナタの担当アイドルの目の前よ?」フフ
リキッド「あ、欲しいのは超人ネイガーのサインでして」
――レッスン場前
リキッド「イヤー遊んだ遊んだ」
凛「ブチ切れてたね……コレって意味あったの?」
リキッド「サァ?まぁ、志乃さんからの勧めで来ただけだし」
凛「はぁ……まったく」
リキッド「さ、営業行くゼー」
超神ネイガーだった死にたい
――スタジオ
G「……」
菲菲「Gサンお待たせしたダヨー!」
かな子「お、お待たせしました……」
かな子(ん?ジーサン?って呼んでいいのかな……)
G「……ん」
G「……帰るぞ」
かな子「あ、はいっ!」
菲菲「また来るネー!あの衣装カッチョヨクて気に入ったヨ!」
かな子「拳法!って感じで似合ってたよー」
菲菲「ありがとかな子!かな子も似合ってたヨ!」
かな子「そ、そうかな……?」
かな子「ど、どうでしたか?」
G「……似合っていたぞ」
かな子「!……そ、そっか……えへへ……」
――駐車場
菲菲「帰ったらゴハンの用意ダネー!菲菲も手伝うヨ!」
かな子「あ、私も手伝います!」ハイ
G「……頼む」
G「……!」
G「少し待っていろ」ダッ
かな子「え?」
菲菲「行っちゃったネー?」
かな子「どうしたんだろ?」
G「……」タッタッタッ
~~~
ちひろ「アイドルのスカウトは直感が大事、だそうですよ」
ちひろ「可愛さでも、綺麗さでも、インパクトでもどれでもいいから」
ちひろ「ピンと来たらスカウトする、って社長は言ってましたね」
~~~
G(俺の直感……)
G「……ッ!」バッ
G「少しいいか?」
?「にょわ?」
――某出版社・駐車場
凛「あとはこの一件でおしまい?」
リキッド「あァ――」
凛「じゃあ、早く行こ」
リキッド「あ、凛はココで待っててくれ」
凛「え?」
リキッド「すぐ済む話だしヨ。ワリィな」ガチャ
凛「あ、ちょ……行っちゃった」
凛(車に置き去りなんて、何考えてんだか……)
<コンコン
凛「!?」ビクッ
?「あぁ、驚かせてすまないね。私はこういう者なんだが」スッ
凛「木場……真奈美さん……?」
真奈美「ああ。キミは渋谷凛……ちゃんだったかな」
真奈美「少し話を聞いてくれないか」
――――
――
凛「――そ、そんな事急に言われても……」
真奈美「私も迫られた一人なんだ」
凛「っ!」
真奈美「まぁ、私の場合はすぐに逃げ出したけどね……仕事は失ったが」
凛「……」
真奈美「でも、ヘンだな」
凛「……何が?」
真奈美「こういう場合はアイドルも一緒に連れて行くのが『ならわし』みたいなもんだ」
真奈美「……キミのプロデューサーはどうして……」
凛(急にま、枕営業とか言い出したかと思ったら今度は黙っちゃった……っていうか枕ってマジ?)
真奈美「……もしかしたら、信用できるかもしれないね」
凛「あの、さっきから何なんですか?」
真奈美「イヤ、すまない。私の思い違いだったのかも知れない」
真奈美「ただ、これだけは覚えておいてくれ。この会社は、枕営業を強いてくる」
真奈美「それだけだ。じゃあ、また」スタスタ
凛「……」ギュッ
――某出版社・社長室
社長「――ああ、そちらのアイドル達はプッシュさせてもらおう」
社長「その代わり……解ってるだろうな?」
リキッド「……ええ、今夜八時、こちらまで。鍵も置いておきますんで」
社長「はっ!本人を連れてこなかった割には、用意がいいな」
社長「分かった。下がってくれ」
リキッド「ハイ、失礼しまッス」
<バタン
リキッド「……あぁ、ジョッカー?用意出来てる?」
――某出版社・駐車場
リキッド「いや~ワリィワリィ、待たせたな!」
凛「ッ!」
凛「……何の話してたの?」
リキッド「ん~?オシゴトのハナシ」
凛「……ま、枕営業の話?」ギュッ
リキッド「あァ?」
凛「っ!」ビクッ
リキッド「……誰から吹き込まれた?」
凛「さ、さっき……木場、いや、言えない!」
リキッド「へェ……バレちまったかァ~」
凛「……最ッ低」
リキッド「へ?」
凛「ホント最低!いい人だと思ってたのに!」
凛「降ろして!もう帰る!」
リキッド「あ~、凛?なんか勘違いしてねェか?」
凛「言い訳なら聞かないからね!降ろしてよ!」
リキッド「……う~ん……しかたネェな……」
――某ホテルの一室
凛「……その、ごめんなさい」
リキッド「いやーこれはオレが悪かった!」
ジョッカー「まったく、秘密主義は誤解されるっぺよ」
凛「ところで、その、その人は?」
ジョッカー「あぁ、オラは津軽ジョッカー。女形だっぺ」
凛「おやま?」
リキッド「あぁ、歌舞伎とかで女性の役をやるオトコの事だよ」
凛「へー……え?」
リキッド「あの腐れヤロウに天誅を下してやるってな」
ジョッカー「あぁ、一曲やらせてもらうっぺ」
――――
――
<ガチャ
ジョッカー「お待ちしておりました」ペコリ
社長「おぉ……上玉じゃないか」ニヤニヤ
社長「さ、それじゃ早速――」
ジョッカー「お待ち下さい。その前に私の三味線、聞いて下さいませ」ニコリ
社長「……おう、ホテルの一室では風情が無いが、いいだろう」
ジョッカー「はい。では、失礼致します」チラッ
社長(裾が……)ゴクリ
ジョッカー「一曲殺らせてもらうっぺ」スッ
ベンッ
<あああああああああああああああああああああああああ
凛「!?」
リキッド「お、始まったか」
凛「悲鳴……だよね?大丈夫なの?」オロオロ
リキッド「正直オレ、アイツの技見たくねェんだよなァ……」トボトボ
リキッド「あ、凛は待って――」
凛「私も行く」ギュッ
リキッド「――知らねェぞっと……」
<ガチャ
リキッド「うわ……」
リキッド(壁一面に蟲かよォ……気分悪ッ)
凛「あれ?何で壁がくろ……リキッドさん」
リキッド「ん?」
凛「北川謙二って実在のプロデューサーなんだって」フラッ
バタン
リキッド「あまりのショックに現実逃避して気絶したか」
ジョッカー「おぉ、リキッドさん。コイツどうすっぺ?」
社長「……ヒッ……ヒッ……」ガクガク
リキッド「おーおー、すっかりツルッパゲにされちゃってまァ……」
リキッド「んでェ、どーするよ?」
――CGプロダクション・食堂
凛「ゴメンね、起きるまで待っててくれて」
リキッド「気にすんナ。でも移動中に寝るなんて、よっぽど疲れてんじゃねェのか?」
ちひろ「そうよ凛ちゃん、ちゃんとご飯食べて、しっかり休んでね?」
リキッド「そうだぞー。LIVEバトル前なんだから」
凛「う、うん……」
リキッド(記憶が一部飛んだか)ホッ
菲菲「ハイハーイ!CGプロ特製チャーハンダヨー!」
かな子「おかわりもありますからねー」
G「……」
リキッド「あン?何か嬉しそうじゃねーかGよォ」
G「……そうか」
リキッド「何かあったのか?」
G「……一人スカウトした」
リキッド「……マジかよ」
G「……あとは連絡待ちだ」フンス
――数日後・CGプロダクション・事務所
ちひろ「……あ、あの出版社潰れちゃったんですね」
リキッド「どれどれェ……」ヒョイ
ちひろ「まぁ、色々と黒い噂が絶えない所でしたからね。当然の報いかもしれません」ウンウン
リキッド「マジか。仕事取りに行こうとしてたトコなんだけど……あっぶネ~」
ちひろ「ふふ、虫の知らせってヤツですかね?」
リキッド「かもなぁ」
<ピンポーン
ちひろ「あら、来客ですね……はいお待たせしました、どなたでしょうか?」
ちひろ「はい、はい……えぇと、キバ、マナミさんですか」チラッ
リキッド(キバ……あ、そーいやあん時凛が……)スクッ
ちひろ「はい、少々お待ち下さいねー」
<バタン
真奈美「キミが渋谷くんのプロデューサーかな?初めまして」
リキッド「あァ、アンタが凛に吹き込んだのか」
真奈美「おや、察しがいいね。その通りだよ」
リキッド「何の用だ?」
真奈美「なぁに、ちょっと聞きたい事があってね」
真奈美「あの時キミは、渋谷くんを車で待たせていた。つまり『手土産』無しで挨拶に行ったワケだ」
リキッド「……あァ」
真奈美「ソコがどうしても気になってね。営業だったんだろう?」
リキッド「カンタンな話だ……ダチ売るなんて、出来る訳ねェじゃねェか」
真奈美「……ふっ」
リキッド「話はそんだけかァ?」
真奈美「いや、もう一つ出来たよ……」
真奈美「元スタジオボーカリストが一人ヒマしているんだが、雇わないか?」
第十三話『世界レベル登場!』おしまい
『インターミッション』
――CGプロダクション・地下
リキッド「はいはい志乃サン、もう飲むのやめましょうネ~」グググググ
志乃「けち~。もっと飲む~」ググググググ
ヘレン「んだよぉ……秋田訛りの何がァ悪いんだァ……」zzz
留美「ムスビー……ウソをツけムスビー……」zzzz
真奈美「……ヒドイ光景だな」
G「……あぁ」
真奈美「それにしても、あのヘレンくんにすんなり勝ってしまうとはね」
真奈美「渋谷くんの素質もあるんだろうが……キミ達の指導がいいんだろうな」
G「……ん」
真奈美「私もアイドルをする事になったが……どんな指導をしてくれるんだろうね?」
真奈美「楽しみだよ」クスクス
G「マナミンビーム」
真奈美「それだけはやめてくれ」
『インターミッション』おしまい
ドヤ顔ダブルきりたんぽして寝る
>>+5
次回登場アイドル一人(登場・未登場どちらでも)
第十四話『宮崎銘菓!地味だぞかりんとう饅頭!』
――CGプロダクション・事務所
ちひろ「定時ですよ!全員集合!」ガタッ
<ガチャ
未央「ご飯と聞いて!」
柚「めーしめし♪」
リキッド「はーいハイハイ」
G「……ふ」
リキッド「ア、そういやよォ、今日一人帰ってくるんじゃなかったなかったっけ?」
ちひろ「友紀ちゃんならそろそろ帰ってくると思うんですけど……」ウーン
<ガチャ
友紀「ただいまー!」
ちひろ「おぉ、ピッタリ」
友紀「みんな久し振りだねー!あ、お二人がプロデューサーさんですか?」
リキッド「あァ、リキッドだ。ヨロシクな」
G「……Gだ」
友紀「はい!こちらこそよろしくお願いします!」
>リキッド「ア、そういやよォ、今日一人帰ってくるんじゃなかったなかったっけ?」
ないわー
リキッド「よォし、んじゃ気合入れてメシ作ッか」
未央「友紀さんお疲れパーティーだね!期待してるよー!」
柚「やたっ♪いい時に来れたかも♪」
友紀「え?いや、ご飯は部屋で――」
リキッド「まァそう言うなってェ。色々説明すッ事もあるしヨ」
ちひろ「そうですね。女子寮の一階が食堂になったんだよー?」ニコニコ
友紀(……や、やきう見たいけど断れない空気……)
――CGプロダクション・食堂
留美「地方営業からアイドルが帰ってくる度に豪勢ね……」
志乃「早く帰って来いと急かすべきか、何も言わず楽しみを伸ばすか……迷うわね」
柚「~♪」モグモグ
友紀「……」ソワソワ
リキッド「――施設は大体そんな感じだァ……どォした?」
友紀「へっ?いや、な、何でもないですよー」アハハ
リキッド「ならいいんだけどヨ。まァ、しっかり食ってしっかり休んでくれ」
菲菲「おかわりもアルヨー!」
――
友紀「あ、ご飯今日は部屋で――」
夕美「何言ってるんですか!ホラ行きますよ!」
友紀「あぁー……」
――
友紀「きょ、今日はご飯、部屋で食べるんで」
菲菲「なんでー?皆で食べた方が楽しいダヨー!」
友紀「あぁー……」
――
友紀「……ご飯、いらないです……」ズーン
真奈美「体調不良か?それなら尚更食べておくべきだ」
真奈美「行こう。リキッドくんに頼んで軽い物を作ってもらうといい」
友紀「あぁー……」
――――
――
――数日後
友紀「……」ズーン
ちひろ「あれ?どうしたの友紀ちゃん、元気ないね?」
友紀「……ちひろさぁん……」
ちひろ「何かあったの?リキッドさん達も心配してたよ?」
友紀「……食堂の時間ずらせる様頼んでぇ……」
ちひろ「……はい?」
――
リキッド「あっはっは!そ~りゃ悪かったなァ!」
ちひろ「ご、ごめん……友紀ちゃん野球好きだもんね……」
リキッド「それくらい、すぐに言ってくれてよかったんだゼ?」
友紀「だってぇー……作ってもらってる上に美味しかったんだもん……」
リキッド「気にしなくていんだよォンなコトよォ」ワシワシ
友紀「あわ……こ、子ども扱いしないでよー!」
――数日後
ちひろ「いやー、友紀ちゃんすっかり元気になりましたね」
リキッド「あァ、いい顔するようになった」ウン
ちひろ「でも、食堂にテレビ置けば解決出来たんじゃないですか?」
リキッド「……ちひろよォ……」
ちひろ「はい?」
リキッド「テレビを見ながら食事しちゃイケマセンって教わらなかった?」
ちひろ「子供か!」
リキッド「バッカ!未成年の子だっているんだぞォ!?」
リキッド「変な風に育ったらどうすんだよ!」
ちひろ「親か!親バカか!」
第十四話『宮崎銘菓!地味だぞかりんとう饅頭!』 おしまい
寝る
>>+5
次回登場アイドル(登場、未搭乗どちらでも)
このスレの影響で最近パプワくん読み返してる
あやめちゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ちょこちょこ投下
第十五話『安倍川メガネ』
――猫カフェ
ネコ「にゃ~」(フハハハハ!我を誑かすなど笑止千万!)タシッ タシッ
リキッド「そォ~れそれ♪」ヒュンヒュン
ネコ「っ!っ!」(我が遊ばれているのではない!お前が我に遊ばれておるのだ!フハハハハハ!)タシッ タシッ
みく「むぅ……素晴らしいネコじゃらし捌き……」ウズウズ
みく「みくも混ぜるにゃー!」バッ
リキッド「あ、邪魔しないで貰えますか?」
みく「オゥツメタイ!!」
ネコ「にゃあ~」(む、おい、手を止めるで無い)チョイチョイ
みく「あんまりだにゃあ……今度からスシ( cold fish )って呼んでやる……」メソメソ
リキッド「あ~ワリィワリィ、なかなか来る機会が出来ないモンだからよ」
みく「ふんだ!知らないっ!」プィッ
リキッド「それにそのォ、アレだろ、アレ」
みく「なに」
リキッド「あーもー!んなカッコでじゃれつかれたら!目のやり場に困るでしょォが!」
みく「!」
みく「へ~え」ニヤ
みく「そ~んな事考えてたんだにゃあ~?リッチャンはやらしいにゃあ~」ニヤニヤ
リキッド「あークソッ!はいそうですよォ!」
<ガチャ
春菜「……っ!」キョロキョロ
春菜「いた!」
リキッド「お?」
ネコ「うわ出た」(にゃ~)
春菜「ずっとメールを無視していた事は、この際不問にしてあげます」
リキッド(アラシヤマにずっとメールしてたのかコイツ)
春菜「アナタに似合うメガネが……コレだけだったんです……」スッ
『 鼻 眼 鏡 @パーティーグッズ』
リキッド「……」
みく「……」
ネコ「……」
春菜「コレしかっ……コレしかっ……!」ガクン
春菜「ごめんなさいっ……グスッ……ごめんなさいっ!」シクシク
春菜「私の……負けですっ……」
リキッド「え?勝ち負けだったの?」
みく「っていうかリッチャンに似合うメガネが鼻眼鏡だけって……」
リキッド「うわ地味に傷つくわソレ」
春菜「日本中のメガネ屋さんを巡っても……見付からないなんてっ」ヒック ヒック
春菜「何なんですか……何なんですかあああああ!うわああああああああん!」
リキッド「オマエが何なんだよ」
みく「ま、まぁ、日本中巡った行動力はすごいと思うよ?」
春菜「それでもアタシはっ……その人に似合うメガネを見付けられなかったんですっ……!」
春菜「アタシはっ……メガリストになれないっ……!」
リキッド「なんだメガリストって……」
みく「頭痛くなってきた……」
リキッド「っつーかよォ、そんだけメガネメガネ言うのに、それに似合う服は選ばねェのかよ」
春菜「……え?」
みく「あ、素のセンスなんだその服」
リキッド「いっくらイイメガネしててもよォ、服がダサけりゃキマらないだろォがよ」ハァ
春菜「……ちょっと何言ってるか解んないです」
リキッド「あァ!?」
――CGプロダクション・事務所
リキッド「ちひろォ!みくと一緒にコイツに適当な衣装見繕ってやってくれ!」
ちひろ「あら、アイドル志望の子ですか?」
みく「説明は後にゃ!」
春菜「え?え?」
リキッド「あ、オイG、コレやるよ」ポイッ
G「……」パシッ
G(……鼻眼鏡?)
<ガチャ
穂乃香「プロデューサー、そろそろご飯の用意を――」
G「……ん」(E:鼻眼鏡)
穂乃香「」
<あはははははははははははははははははははははははっはあはは
第十五話『静岡銘菓!安倍川もち!』おしまい
>>386
あ、何故か嬉しいなぁ
寝る
>>+3
次回登場アイドル(登場・未登場問わず)
第十六話『ウサミン星まで何マイル?』
――CGプロダクション前
菜々(ココがCGプロダクション……おっきなトコだなぁ……)
菜々(アイドル声優夢見て(検閲削除)年……このチャンスを逃がす訳にはいかないっ!)
~~~
サービス「このプロダクションで、知人がプロデューサーをしている」
サービス「私の名前を出せば、すぐにでもアイドルになれるだろう」
~~~
菜々「そして絶対にあの人を見返してやりますからっ!」
――数日前・ガンマ団パプワ島支部
キンタロー「高松、ちょっといいか?」
高松「はいはい、どうしましたキンタロー様?」
キンタロー「メイド喫茶とは何だ?」
高松「」
<ドタドタドタドタ
<バターン!
高松「サービス!アナタという人は何ていう事をしでかしてくれたんですかっ!!」
サービス「五月蝿いぞ高松。今ティータイム中だ」
高松「お茶なんて飲んでる場合じゃありませんよ!」
高松「アナタ!私に無断でキンタロー様にインターネットを使わせましたねっ!?」
サービス「いちいちオマエの許可がいるか」
高松「キンタロー様も!私の検閲ナシでインターネットを使っちゃダメって言ったじゃないですか!」
キンタロー「すまん」
サービス「過保護過ぎるぞ高松」
高松「アナタのおかげでキンタロー様が変な知識を持ってしまったじゃないですか!」
高松「どう責任取ってくれるんですかねェ……!?」
サービス「いいじゃないか。知識を深めるのは悪い事じゃない」
高松「メイド喫茶なんていらん知識でしょおがっ!」
高松「『萌え萌えはきゅ~ん』とか言ってる下らん連中の事なんて知らなくていいんですよ!」
サービス「詳しい上に古いぞ高松」
サービス「それに気持ち悪い」
高松「やかましいッ!」
キンタロー「高松」
高松「はい何でしょうかキンタロー様」キリッ
キンタロー「人が働いている場所である以上、そこは下らないと言うのは失礼だろう」
高松「」
キンタロー「勤労は尊いモノだと、以前高松から借りた本に書いてあったじゃないか」
高松「ふふふ……ご立派になられましたねキンタロー様……私も鼻が高いですよ……」ボタボタ
サービス「高松!鼻血を拭け!」
キンタロー「……」(バケツをかざす音)
高松「しかしィ!私は今回の件を許す訳にはいきませんよサービス!」
サービス「高松……7万円、早く返してくれないか?」
高松「そうですよキンタロー様。技術を駆使して知識を得るのは大事なことです」キリッ
キンタロー「なら行ってみたい」
高松「う……ソレは……」
キンタロー「ダメか?」
サービス「いいじゃないか、どうせしばらくヒマだろう」
高松「そ、それはそうですが……しかし……」
<ガチャ
グンマ「サービス叔父様、急用とは何でしょう?」
サービス「あぁ、よくきたねグンマ。キンタローが行きたい場所があると言っているんだが」
サービス「高松が邪魔をして困ってるんだ。何とかしてくれないか?」
高松「卑怯ですねアンタッ!」
グンマ「ダメじゃないか高松ぅ、キンちゃんと叔父様困らせちゃ」
高松「いやグンマ様、これはですね……」
グンマ「それで?キンちゃんはどこに行きたいの?」
キンタロー「メイド喫茶という店だ」
グンマ「あ、それなら某電子街が近いから、ボクも行きたいナァ」
グンマ「ね、行こうよ高松」
高松「」
高松「オッケーグンマさまっ!!」ボタボタボタボタ
キンタロー「……」(バケツをかざす音)
――日本・某電子街
グンマ「わ~♪この素子欲しかったんだ~♪」キャッキャッ
キンタロー「グンマ、これは何だ?」
グンマ「あ、それは可変抵抗っていってね――」
<キャッキャッ
高松「ふふ……久々のショップ巡りではしゃぐグンマ様……」
高松「初めて見るモノばかりで好奇心が刺激されるキンタロー様……」
高松「なんというパラダイス……」ボタボタボタ
サービス「高松キモイ」
高松「アンタさえいなければっ!!」
サービス「グンマに誘われたんだ。断るとオマエが五月蝿いだろう」
高松「ぐぬぬ……!まぁいいでしょう!!このパラダイスに免じて許してあげましょう」カシャカシャ
サービス「写真を撮るな高松」
――某メイド喫茶
『おかえりなさいませご主人様ー!』
高松「おぉ……なかなかいい気分ですねー」ハッハッハ
サービス「私には何も見えないな」
グンマ「やめて下さい叔父様」
キンタロー「ふむ……」
キンタロー「ご主人様と呼ばれたのは初めてだ」
高松「よかったですねぇキンタロー様」
サービス「何故泣く」
メイド店員「はぁいこちらメニューになりまぁす♪」スッ
グンマ「ありがとー♪」
メイド店員「光栄ですご主人様♪」キャルンッ
サービス「少しいいか?」
メイド店員「はい!何でしょうかご主人様!」
サービス「やってて疲れないのかソレ」
メイド店員「」ポキン
グンマ「叔父様ッ!!」
サービス「君はいくつだ?17?17でこんな事やっていて恥ずかしくないのか?」
高松「鬼ですかアンタ」
サービス「ホントは23?なら尚更こんな事やってる場合じゃないだろう」
グンマ「やめて下さい!泣いてるじゃないですかっ!」
キンタロー(愛情タップリオムライス……そういうのもあるのか)
――某メイド喫茶・バックヤード
メイド店員「ヒック……ヒック……」
菜々「そうですか……それはヒドイご主人様ですね!」
菜々「ナナがビシッと一言いってきますから、アナタは安心して下さいね?」ギュッ
メイド店員「せんぱぁぃ……」エグエグ
菜々「さ~ぁ、悪いご主人様には御仕置きですよー!ウサミンパワーチャージ!」ダッ
――店内
グンマ「もォッ!ヒドイじゃないですかっ!」プンスコ
サービス「この店か?それともさっきの店員の顔か?」
高松「うっわー自分の事だと微塵も思ってないですね」
サービス「接客業で客の気分を害する店員を出すのが悪い」
高松「わがままですねェ……よかったじゃないですか。マジック様にそっくりですよ」
サービス「失礼な。美貌と人望なら私の方が上だぞ」
高松「アンタの社会人としての適性の無さに呆れてんですヨ」
菜々「お待たせしましたご主人様!先ほどは失礼致しました!」バーン
菜々「ウサミン星から来た安部菜々です!ナナって呼んで下さいねっ!」キャピッ
サービス「ウサミン星とか正気か」
菜々「」ミシッ
グンマ「叔父様ッ!!」
菜々「あ、アナタですね!先ほどメイドをいじめて泣かせたわるーいご主人様はっ!」ビシッ
サービス「……私を指差すとはいい度胸だ」
菜々「」ビクッ
菜々(ダメよナナ!負けちゃダメ!)
菜々「ご主人様にお仕えする身として!ご主人様が悪い道を歩まないようにするのもメイドの務めです!」
菜々「ナナがウサミンパワー全開で!ご主人様の黒く汚れた心を綺麗にして差し上げますからね☆」キャピッ
高松「そうですよ。アンタ腹の中も心も真っ黒けなんですから」
高松「ナナさん、よろしくお願いしますね」
菜々「ハイッ♪お任せ下さいご主人様!」
サービス「手を組むな高松」
キンタロー「注文はこのボタンを押すのか?」
グンマ「店員さん来てるけどいいのかな?」ピンポーン
菜々「じゃあいきますよー☆リリカル♪マジカル♪ウサミンチャージ♪」
菜々「ご主人様のわるーい心よ!綺麗になーれ♪ウサミンエクスクラメーションビームっ☆」ビシッ
サービス「やめてくれ。見ているこっちが恥ずかしい」
菜々「」ミシミシッ
高松「……ウサミンエクスクラメーションビーム!(物理)」バッ
高松「」
サービス「まったく……」
サービス「ウサミン星だの何のつもりだ」
菜々「なっ、ナナの出身地ですっ!」
サービス「特産品は?」
菜々「落花生です!」
サービス「場所は?」
菜々「都心から電車で一時間です!」
サービス「千葉じゃないか」
菜々「千葉じゃないです!ウサミン星です!」ミシミシミシッ
キンタロー「この愛情タップリオムライスを」
グンマ「被っちゃったな~。違うの頼むからちょっと待っててね?」
メイド店員「はい、ごゆくっりどうぞご主人様(この二人マジ天使……)」
サービス「そういう事にしておいてやる。いくつだ?」
菜々「永遠の17歳ですっ☆」バチーン
サービス「ウソをつけ」(0.3秒)
菜々「う、ウソじゃないですっ!」ミシミシミシミシッ
サービス「顔は誤魔化せても、手先まで気が回っていないようだな」
菜々「!?」
サービス「いいか、年齢は指先、足先にも顕著に表れる」
サービス「気を抜くんじゃないぞ」
菜々「ハイッ!」
菜々「……あ、いえ、ナナは17歳だから!後学の為になりましたから!」
サービス「素晴らしいキャラ作りだな」
菜々「ありがとうございます!違います!ナナは正真正銘ウサミン星人ですから!」
菜々「永遠の17歳ですから!」ミシミシミシミシミシミシミシッ
グンマ(叔父様のシゴキに耐えるなんて)
高松(なんという精神力ッ!!!)
キンタロー(オムライスはまだか)
サービス「……ふっ。夢はあるか?」
菜々「ハイッ!ナナはアイドル声優目指して頑張っていますっ!」
サービス「そうか……では、このプロダクションに行ってみるといい」スッ
菜々「……ハイ?」
サービス「このプロダクションで、知人がプロデューサーをしている」
サービス「私の名前を出せば、すぐにでもアイドルになれるだろう」
菜々「」ポカーン
サービス「注文だが、この読むのもおぞましいパスタを頼む。サービス抜きでな」
菜々「……はいっ!ありがとうございますご主人様!」
メイド店員「オムライスには何を書きましょうか?」ルンルン
キンタロー「ふむ……難しいな」
グンマ「ウサギさん描いてもらえるかな?」
高松「オッケーグンマ様!」
メイド店員「私がっ!私がやりますからっ!」
グンマ「ケンカはダメだよぉ」
高松・メイド店員((マジ天使))
――時間は戻って現在・ガンマ団パプワ島支部
<prrrrrrrr
サービス「……あぁ、リキッドか」
サービス「……遅れた餞別だと思ってくれ。なかなか骨のあるヤツだぞ」
サービス「……あぁ。あぁ、じゃあまたな」
サービス「……」ポパピプペ
サービス「……高松。賭けは私の勝ちだ」
サービス「……7万円、今から取りに行くからな」
<ガチャ
<バタン
第十六話『ウサミン星まで何マイル?』おしまい
寝る
サービスをギャグで使おうとすると見事な四十児(ヨソジ)が出来上がる不具合
でもシリアスだと重過ぎる
>>+3
次回登場アイドル(登場・未登場問わず)
第十七話『鳥取銘菓!因幡の白兎!』
――CGプロダクション・事務所
ちひろ「……はい、はいかしこまりました」
ちひろ「リキッドさぁーん、ゲコプロのクボタさんからです」
リキッド「あァ?はーいはい」
リキッド(ゲコプロって今度のLIVEバトルの相手じゃねェか)
リキッド「ハァイお電話代わりました、リキッドです」
リキッド「……ハイ、ハイ?ゴ挨拶ゥ?」
ちひろ「?」
――数分後
リキッド「ハイ、では失礼致します……」ガチャ
リキッド「……ンー……」ポリポリ
ちひろ「さっきの電話、何だったんですか?」ヒョコ
リキッド「アァ、今度のLIVEバトルの相手プロからだ」
リキッド「アイドル連れてご挨拶に参りますってサ」
ちひろ「……はい?」
リキッド「なンか悪い事したかなぁ?」ウーン
ちひろ「偵察ですかね?」
リキッド「強行偵察ってかァ?レッスン場は外部なんだから、幾らでもチャンスはあるだろォよ」
ちひろ(きょーこー偵察って何だろ)
リキッド「解せねェな……ま、明日になりゃ分かるか」
――CGプロダクション・食堂
周子「ヘーェ、なんだろーね?」ジュー
菲菲「悪い人カネー?」トントントン
リキッド「ゲコプロの悪い話は聞かねェな」グツグツ
未央「今度私が対戦する相手が来るんだよね?」シャッシャッ
リキッド「ソコなんだよなァ……アイドル連れて他の事務所にアイサツに来るモンかねェ?」
柚「LIVEバトルで負けてくれ~って頼みに来るのかもね」
リキッド「八百長かァ?その方が対処も楽だなァ」
未央「受けるの?」
リキッド「受けるかヨ。柚、皿運び終わったか?」
柚「終わってるよー♪」
リキッド「うし盛るぞー」
――翌日
クボタ「初めまして、ゲコプロダクションのクボタと申します」ペコリ
クボタ「こちらが我がプロダクションで売り出し中のアイドルで――」
早耶「松原早耶ですぅ、初めましてぇ♪」ペコリ
リキッド「初めまして、ボクはCGプロダクションのリキッドと申します」ペコリ
未央「初めまして!本田未央っていいます!」ペコリ
クボタ「あはは、リキッドさん、無理して敬語使わなくて結構ですよ」
リキッド「へ?」
クボタ「業界でも有名なんですよ。破天荒なプロデューサーが現れたってね」
未央「破天荒って……」クスクス
リキッド「へ~ェ……じゃあ、お言葉に甘えて」
リキッド「でェ?今日はどういったご用件で?」
クボタ「ええ、来月のLIVEバトルなんですが……通常のパフォーマンスの後ですね」
クボタ「二人でデュエットなんかしたら、面白いんじゃないかなーと思いまして」
リキッド「はァ?」
早耶「ほらぁ、アイドル同士で対決ばかりするより、コラボ出来る方が面白そうじゃないですかぁ?」
クボタ「そういう訳で、そちらの本田さんと組ませてもらえるようお願いしに来たんです」
未央「面白そうだね!私は賛成だよ!」ハイ
リキッド「ふ~ん……運営側はどう言ってるんだ?」
クボタ「異例も異例ですからね。渋られてまして……」
クボタ「他のプロダクションの方からも同意を得られるよう活動してるんです」
早耶「私もブログで活動してるんですぅ」
クボタ「その初の試みを実現する為にも、新進気鋭のCGプロの力を貸して頂きたいんです」
クボタ「アイドル業界を盛り上げる起爆剤になりますよ、コレは」
リキッド「なるほどネェ~……未央は異論ナシ?」
未央「無いね!」
リキッド「オレもナシ、だ」
クボタ「じゃあ……!」
リキッド「あァ、コッチからも運営に働きかけてはみるけど……期待すんなヨ?」
クボタ「あ、ありがとうございます!」
早耶「ありがとうございますぅ!」
リキッド「未央、松原サン他のアイドル達に紹介してきてやってくれるか?」
未央「ん、りょーかい!」
早耶「あ、プロデューサーは?」
クボタ「あぁ、ちょっとリキッドさんと話を進めておくから行っておいで」
早耶「……はぁい。じゃあ未央さん、よろしくぅ!」
<バタン
リキッド「……でェ、もっと別の話をしに来たんじゃねェのか?」
クボタ「……わかります?」
リキッド「ずいぶん怯えた目をしてるからなァ……オレに怯えてる様子じゃネェ」
リキッド「もっと別の……カネのトラブルか?」
クボタ「いやいや、そんなモンじゃないですよ」
クボタ「……事務所潰しの話はご存知ですか?」
リキッド「あァ、所属した事務所を潰していくヤツがいるってェ話か?」
クボタ「はい……事務所が潰れる理由もバラバラってヤツです」
クボタ「……今、その子がウチの事務所に所属しています」
リキッド「……迷信は迷信ってコトかァ?」
クボタ「そうですね……現に何も起こっていませんが……」
リキッド「?」
クボタ「その子が早耶に勧められてブログを始めた途端、そのブログのサービスが終了したんです」
リキッド「……たまたま?」
クボタ「……だと思います」
リキッド「……」フゥー
クボタ「……」ハァー
クボタ「……それで、お願いがあるんですけど――」
リキッド「アーアーキコエナーイ」
クボタ「もしウチの事務所が潰れたら……早耶のコト、お願い出来ませんか?」
クボタ「いえ、お願いします!初対面ですが、リキッドさんになら任せられます!」
リキッド「……バカヤロウ、テメェが育てたアイドルだろォが」
クボタ「……もしも、の話ですよ」ニコッ
リキッド「……わかッたわかッた!もし潰れたらアイツの面倒見てやるヨォ!」
クボタ「……ありがとうございます!」
リキッド「でもいいかァ、次のLIVEバトルは実現させっからなァ?」
クボタ「はいっ!」
――――
――
――翌日
リキッド「」
ちひろ「ゲコプロダクションビル全焼、幸い被害者は無し。放火とみて捜査中……」
ちひろ「社長はプロダクションの存続を放棄し……ヒドイ話ですね……」
リキッド(どうすんだよォクボタくんよォ……)
――喫茶店
クボタ「」ズーン
早耶「し、しっかりして下さいよぉプロデューサー!」
ほたる「ご、ごめんなさい……やっぱり私……」グスッ
早耶「ほたるちゃんのせいじゃないよぉ?ホラ泣かない泣かない」ナデナデ
ほたる「早耶さぁん……でも、でも……」エグエグ
クボタ「そ、そうだぞ。ほたるが気に病む事じゃないさ」
クボタ「ホラ、笑顔で――」
<jrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
<カジダー!!
<テンチョー!テンチョー!!!
クボタ「」ダッ
早耶「」ダッ
ほたる「うええええええん……」ダッ
寝る
――CGプロダクション・事務所
リキッド「――話は解った。んでェ?オメーはどうすんだよ?」
クボタ「はい……社長を何とか説得して、ゲコプロを再建出来るよう頑張ってみようと思います」
早耶「プロデューサー……」
ほたる「ゴメンナサイ……私が不幸体質なせいで……」
クボタ「ほたるのせいじゃないよ……二人とも、プロダクションが再建できる日までココで――」
<バターン
穂乃香「大変です!中庭に大量のニシキヘビが!」
リキッド「ンだとぉ!?」
クボタ「」
早耶「」
ほたる「うぅ……ごめんなさい……ごめんなさい……」
――別の日
卯月「一緒に頑張ろうね!」
ほたる「はい……あの、不幸体質なので、迷惑を掛けてしまうかもしれませんが……」
ほたる「よろしくお願いします」ペコリ
卯月「うん!」
菲菲「大変だヨ!寮にシロアリがいっぱいネ!」
夕美「響子ちゃんが泡吹いて倒れました!」
リキッド「救急車ァ!」
――また別の日
未央「今日は一緒にレッスンだね!」
早耶「よろしくお願いしますぅ!」
ほたる「わ、私も、不幸でもアイドルになりたいから頑張ります……!」
志乃「リキッドさん、ワインセラーの樽が全部割れてるんだけど」
リキッド「オオウ!?」
――さらに別の日
真奈美「最近よく足の小指を打つんだが……」
リキッド「不注意やな」
――またさらに別の日
かな子「あの……体重が増えちゃって……3キロ……」
リキッド「減量やな」
――またまたさらに別の日
ちひろ「キャッツが三連敗で友紀ちゃんが自棄酒してます!」
リキッド「ほっとけェ!」
――数日後
リキッド「……オレのデズニーグッズが……」
G「……俺のクマちゃん達が……」
ちひろ「見事に分解してますね……」
リキッド「G、縫い直したの……めるような状態じゃねぇな」
G「……」ズーン
ちひろ「疫病神の噂はホントだったんですね……」ビクビク
リキッド「あ、そーいやちひろだけ被害ねェな」
ちひろ「日頃の行いがいいからですよ」フフン
TV<○○銀行の顧客情報が流出したと発表があり――
ちひろ「っ!!」バッ
ちひろ「……」カタカタカタカタ
ちひろ「……あは、あはははははははは……」
リキッド「……ご愁傷サン」ポン
ちひろ「なんなんだ!なんなんだ!」ダンダン
リキッド「落ち着けって……」ハァ
ちひろ「なんでリキッドさんそんな落ち着いてるんですか!」
ちひろ「大体あの子が不幸だ不幸だ言うから……!」ハッ
リキッド「どォした?」
ちひろ「……あの子が不幸って言うたびに、何か起こってませんか?」
リキッド「……そーいやァ、そォかもな」
ちひろ「……ちょっとあの子に不幸って十回言わせてきます」ガタッ
リキッド「アホか!」グググググ
ちひろ「離して下さい!コレで大きな事故が起きれば証明になるじゃないですか!」グググググ
リキッド「ソレで死人が出たらどォ責任取るんだよ!」グググググ
<ガチャ
ほたる「あの……」
ちひろ・リキッド「「!!」」
リキッド「……もしかして」
ちひろ「……聞いちゃった?」
ほたる「……」コク
ほたる「ご、ごめんなさい……私が……私が不幸体質だから、周りまで……」
――某無人島
まゆ「~♪」グツグツ
トットリ「ただいまァ、今日は大漁だっちゃよ」
まゆ「まぁ♪さすがですトットリさん♪」ニコニコ
トットリ「それ以上近付くでねェ」チャキ
まゆ「やん♪照れ屋さんなんですから♪」
トットリ「まったく……あ」
まゆ「どうしましたぁ?」
トットリ「船だっちゃ!」ダッ
まゆ「あ、待って下さいよぉ」ダッ
トットリ「おーい!!おおーい!」ブンブン
まゆ「……トットリさん」
トットリ「ホレ、まゆも声出すか煙かなんかで合図を――」
まゆ「あの船沈んでませんか?」
トットリ「」
――CGプロダクション・事務所
TV<緊急のニュースが入ってきました!○○沖で遊覧船が沈没したと――
リキッド「」
ちひろ「」
ほたる「ヒック……ヒック……」
リキッド「コレはもう……」
ちひろ「ちょ、超能力……?」
リキッド(だとしたら……)
リキッド「……ほたる、ちょっといいか?」
ほたる「グス……な、何ですか……?」
ちひろ「?」
リキッド「ほたるは不幸でも、アイドルを続けたいって言ったよなァ?」
ほたる「……はい……」
リキッド「それじゃアイドルにゃなれねーよ」
ほたる「……やっぱり、ふこ――」
リキッド「だああああああ!違う!」
ほたる「っ!」ビクッ
リキッド「いいか、アイドルってのは誰かを笑顔にするのが仕事だ」
リキッド「その本人が不幸じゃ、誰も笑顔になんてできやしねェよ」
ほたる「……じゃあ、私にアイドルなんて……」
リキッド「そうじゃねェよ。アイドルになって幸せになるって言ってみろ」
ほたる・ちひろ「「え?」」
リキッド「いいから、ホレ」
ほたる「は、はい……わ、私はアイドルに……幸せな、アイドルになりたいです!」
リキッド「聞こえなーい」
ほたる「あ、アイドルになって幸せになりたいです!」
TV<――遊覧船沈没の続報です。乗っていた乗客143人は全員無事救助され――
リキッド「もう一回!」
ほたる「み、皆を笑顔に出来る、幸せなアイドルになりたいです!」
TV<――○○銀行の顧客情報が流出した問題が誤報だった事が――
ちひろ「!?」
リキッド「もっとォ!」
ほたる「わ、私は皆を笑顔に出来るっ、し、幸せなアイドルになりますっ!」
――――
――
――翌日・CGプロダクション・応接室
<ガチャ
ほたる「あ、あの、お呼びですか……?」
リキッド「おォ、まァ座って座って」
ほたる「は、はい……あの、そちらは?」
リキッド「コチラは知り合いの陰陽師でな、トーホクさんだ」
ミヤギ(なしてオラがこんなカッコ……)
ほたる「おんみょうじ……?」
リキッド「この人がほたるに強運のお守りを授けてくれるって言ってくれてな」
リキッド「まぁ、コイツを見てくれ」スッ
ほたる「これは……折り紙のカエルですか?」
リキッド「そそ、じゃあトーホクさんお願いしまッス」
ミヤギ「……ハァッ!」
『 蛙 』
<ゲコゲコゲコゲコゲコ
ほたる「きゃっ!?と、跳んだ!?跳びましたよリキッドさん!?」
リキッド「トーホクさんが書いた物は、その通りになるんだ」
ほたる「すごい……」
ミヤギ「……ハァッ!」
『 強 運 御 守 』
ミヤギ「……この紙を小袋に入れて、肌身離さず持ちなさい」スッ
ミヤギ「それと、今後一切『自分が不幸である』と思ってはいけない」
ミヤギ「いいね?」
ほたる「……はいっ!ありがとうごさいますっ!ありがとうございますっ!」ペコペコ
リキッド「うし、ありがとうございましたトーホクさん」フカブカ
ミヤギ「うむ」
リキッド「さァてと、後は……」
――喫茶店
クボタ「あ、リキッドさん!」
リキッド「おぉ、元気そォじゃねェか」
クボタ「はい!社長も元気を取り戻して、プロダクションの再建が動き始めたんです!」
クボタ「それだけじゃなくて、今まで潰れたプロダクションの人達も協力してくれるって!」
リキッド「そりゃよかったじゃねェか。これで心置きなく二人を返せるってモンだゼ」
クボタ「え?」
リキッド「バァカ、アイドルいねェアイドル事務所なんて笑えねェだろォがよ」
リキッド「アイドル業界盛り上げんだろ?」ニッ
クボタ「!……はいっ!」
――その頃、CGプロダクション・女子寮
ジョッカー「オラは害虫駆除業者じゃネェんだケドなァ……」ベンベンベンベンベン
G「……報酬は弾ませてもらう」
穂乃香(す、すごい美人さんだけど、Gさんとどういう関係なんだろ……)
菲菲「おー!虫が退散していくネ!」
第十七話『鳥取銘菓!因幡の白兎!』おしまい
マジックの憂うつを電車の中で聞いてはいけない
早耶さん影薄くて申し訳ない。寝る
>>+3
次回登場アイドル(登場・未登場含む)
第十八話『閑話休題』
前川みく、15歳!
アイドルをやっていますっ!
初めて入った事務所が悪徳プロダクションで伸び悩んでたんだけど
その事務所の悪事がバレて潰れた後、新しい事務所に拾ってもらえたんだっ!
そんなこんなでアイドル人生を再スタート!トップネコドル目指して頑張ってるにゃあ~!
――CGプロダクション・事務所
ちひろ「あ、おはようみくちゃん。冷蔵庫にお菓子入ってるからねー♪」
みく「にゃ!ありがとうちひろチャン!」
こちらは事務員のちひろチャン
みく達アイドルのオネーサン的な存在……なんだけど
ちひろ「……これはロスカット……これもロスカット……」
お金の使い道に関しては壊滅的に方向音痴だにゃ
そういえば、765プロの事務員さんは昔アイドルだったっていう噂だけど
ちひろチャンも元アイドルだったりするのかな?
――CGプロダクション・事務所
みく「お疲れ様にゃあ~!」
リキッド「オゥ、お疲れさン」カタカタ
続いてコチラはプロデューサーのリッチャンことリキッドチャン
つい最近プロデューサーになったらしく、事務所の先輩アイドルに教わりながら仕事をこなしてる、らしい
洋子「この会場からこの会場じゃ時間的にシビアですよ?」
リキッド「トばせばヨユーで間に合うって」
洋子「ダーメーでーす。アイドルを乗せてトばすなんて、不運と踊っちゃったらどうするんですか!」
リキッド「お、おう、ワリィ」
みく「……」ソーッ
みく「えぃっ!ねこぱんちっ!」
リキッド「……」ヒョイ
未だにみくのねこぱんちが当たった事が無いくらいスキが無いにゃ
リキッド「ていっ、プー○んぱんちっ」ポスッ
みく「うにゃっ……」
洋子「真面目にやって下さい!」
おまけにデスクの上のネズミーな住人のぱんちでお返しされるにゃあ……
G「……」
みく「にゃ、Gチャンお疲れ様にゃあ~」
G「……ん」
こちらもプロデューサーでGチャン。決して爺ちゃんとかジッチャンとか呼んじゃダメにゃ
身長は高いし無口だしで、最初は怖かったんだけど……
穂乃香「あの、プロデューサー……この子、直してもらえませんか?」
G「……」
穂乃香「ぶ、不器用なりに頑張って直そうとしたんですが、悪化させてしまって……」
ぴにゃこら太「」ボロッ
G「……」スッ
『 無 限 の 縫 製 』(あんりみてっどそーいんぐわーくす)
G「……ここはこう縫って……」
穂乃香「へぇ……こうですか?あ……」
G「……力み過ぎだ」
趣味は裁縫。おまけにクマチャングッズが好きな優しい人にゃ
――CGプロダクション・食堂・昼
周子「はい野菜炒め上がったよー」
幸子「スープももうすぐ出来ますからねー」
この事務所、昼と夜は食堂でご飯を食べられるようになってるにゃ
主にリッチャンGチャンの二人がキッチンに立つけど、アイドル達が手伝う事が多いみたい
そのアイドル用にGチャンがエプロンを作ってくれてて、コレがまたアイドル一人一人の個性に合ってて面白いんだ
例えば実家が和菓子家、京都出身の周子チャンのは着物の端切れから作られた和風エプロン
みくのはアップリケでネコチャンの肉球が着けてあるネコネコエプロン(勝手に命名)
幸子チャンは何故か割烹着だけど、本人は気に入ってるらしい
ヘレン「はいはい、手の空いてる子は配膳手伝ってー」
ヘレンチャンも割烹着だにゃあ
そう言えば、リッチャンGチャンの二人は派遣会社から来てるって聞いたにゃ
そのせいか、時々二人の知り合いが顔を出す時もある。でも、それってアイドル事務所としてどうなんだろう?
――CGプロダクション・ボイストレーニング室(仮)
ジョッカー「うン、いい声の出し方だっぺよ」
真奈美「ありがとう。以前、スタジオボーカリストをやっていたからね」
ジョッカー「そッかァ、道理で。んで、ゆかりはもうちょっと伸びそうだナ」
ゆかり「そ、そうですか?」エヘヘ
ジョッカー「あァ、笛やってるだけあって肺活量は問題ネェ。んでェ……柚だけんども……」
柚「えへへ……」
ジョッカー「……筋トレからだナァ」
柚「えー!?」
こちらは時々ボイトレの指導に来てくれるツガルチャン。スッゴイ美人だけど男性で自信失くすにゃあ……
津軽三味線の先生もやってるとか
――CGプロダクション・事務所
ミヤギ「おース、遊びに来たベー」
リキッド「何しに来た」
ミヤギ「あァ、宮城の米さ持って来たダヨ」
リキッド「ありがとうございます先輩!」
美嘉「あ★ミヤギさん久し振りじゃん♪」
莉嘉「ミヤギさんだー☆ねね、アレ見せて!」
ミヤギ「何度も言うけど、見世モンじゃねェベ」
莉嘉「えー」
美嘉「 boo ! 」
ミヤギ「はいはい、ホレお土産持ってきたから許せ」
こちらは時々フラっと遊びに来るミヤギチャン
陰陽師だか何かで、折り紙に猫って書いたらネコチャンみたいに動き出すのを見せてもらったけど
ホントは手品師か何かだと思うにゃ
コレがみくの所属する事務所
リッチャンは面倒見が良いし
Gチャンは優しいし
所属しているアイドル達も、みくに負けず劣らず個性的だし
毎日適度に刺激的な毎日を送ってるにゃ
みく「……いや、アイドル募集の宣伝するのはいいけど、この原稿は無いと思うな?」
リキッド「え、ウソォ」
第十八話『閑話休題』おしまい
ダメだ寝る
第十九話『チューニング・ファイト!』
――CGプロダクション・事務所
リキッド「あァ?なんでほたると早耶を返したかって……オメーなぁ……」ハァ
ちひろ「だってー、ほたるちゃんの超能力があれば何でも思うがままじゃないですかー」
リキッド「アホか。また株で失敗しやがったな」
ちひろ「至って真面目です」キリッ
リキッド「……超能力持つとなァ、周りの人間が利用しようとしてきやがンだよ」
リキッド「そのせいで相手が苦しむ事も知らずになァ」
ちひろ「う……」
リキッド「アイツに必要なのはよォ、自分を理解してくれた上で、ちゃんと付き合ってくれる相手だ」
リキッド「その辺、クボタと早耶がいるから大丈夫だと思うゼ」
ちひろ「……お恥ずかしいです……」
リキッド「素直でよろしい」
ちひろ「……ん?」
リキッド「あン?」
ちひろ「超能力持つとって……リキッドさんも超能力持ってるんですか?」
リキッド「……ダチの話だよ」
ちひろ「へ~ぇ、あ、ミヤギさんの事ですか?」
ちひろ「確かに現代科学じゃ解明出来ないような……む~……」
リキッド(メンドクセェ……)
<ガチャ
かな子「ただいま帰りましたー!」
リキッド「おゥ、どうだった?」
かな子「はいっ!トレーナーさん達のおかげで減量成功です!」
リキッド「地獄の特訓だったんだって?」
かな子「あ、あはは……」
リキッド「じゃ~あそんなかな子にお仕事のプレゼントだ、ホイ」スッ
かな子「……す、スィーツ食べ歩きって!?私がですか!?」
リキッド「おゥ、初のお仕事がグルメリポートとはツイてるじゃねェか」ハッハッハ
かな子「ええっ、あのっ、わ、私でいいんですか!?」
かな子「どど、どうしよう、えっと、えっと……あ、き、利きチョコくらい出来ないとダメですよね!?」
リキッド「落ち着け、ゲコプロんトコの早耶の助手みたいなモンだ」
リキッド「先輩アイドルの胸借りて、しっかり下準備しねェとな」
――レッスン場
トレーナー「――ハイOK!」
未央「ふぅっ!」
トレーナー「お疲れ様、随分気合入ってましたね」
未央「LIVEバトルが近いからね!何かやっとかなきゃ落ち着かないんだっ!」ブンブン
トレーナー「なるほど」
マストレ「私の出番だな」
未央「あっ、いや、スペシャルテクニックはちょっと……」
トレーナー「はいはい、姉さん疲れてるんだから休んでて」グイグイ
マストレ「む?私は別に疲れてないぞ?」
マストレ「それより聞いてくれ。かな子のヤツだがしっかり減量していたぞ」
マストレ「なかなか骨のある――」
トレーナー「はいはい、お姉ちゃんスゴイねー」
マストレ「そうだろう。お姉ちゃんはスゴイんだぞ――」バタン
トレーナー「まったくもう」ハァ
未央「ごめんねー?」アハハ
トレーナー「そろそろGさんが迎えに来ますからね」
トレーナー「姉さん、Gさん捕まえると長いから……」ハァ
――喫茶店
きらり「――うんっ!きらりがアイドルなんて夢みたいだけど」
きらり「でもでもっ!Gちゃんがその夢叶えてくれるって言ってくれたしっ!」
きらり「よろしくおにゃーしゃー!」
G「……ああ」
きらり「それでそれで?えっと、何すればいいのかにぃ?」
G「……事務所の見学でもするか」ガタッ
きらり「にゃっほーい!楽しみだにぃ☆」ガタッ
((((なんだあのツインタワー))))
――レッスン場
<ガチャ
G「……」
未央「あ」
トレーナー「噂をすれば、ですね」
きらり「へー、ココでみんな練習してるる?」
G「……ああ」
未央「」
トレーナー「」
トレーナー(なんだあのモデル体型っていうかGさんと身長ほとんど一緒とかどうなってんだ――!!)
未央(え?あぁ、一族の方か)
G「……ウチのアイドルの未央とトレーナーさんだ」
きらり「にょわー☆初めまして!諸星きらりだよ!」
未央「は、初めまして!本田未央です!」
トレーナー「初めまして……あの、この子も?」
きらり「きらりはねー、まだアイドルじゃないよ?」
G「……ああ」
未央「あぁ!こないだスカウトしたって言ってた子?」
G「……そうだ」
きらり「えへー☆ミオ先輩おっすおっす!おにゃーしゃー☆」
――CGプロダクション・食堂
留美「待ってリキッドくん。塩は3グラムって書かれてるわ」
リキッド「ンなモン、テキトーでいーンだよ」ジュー
留美「料理って、レシピ通りに作るものじゃないの?」
リキッド「レシピ通りに作るのは練習だけッ」
リキッド「後はそっからアレンジして、自分の味にすんのが料理だと思うゼ?」ジュー
留美「ふむ……目からウロコだわ」メモメモ
リキッド(スゲーやりにくい……)
志乃「ご飯はまだかしら?」スターン
ヘレン「アナタ、ちゃんと手伝いなさいよ」カチャカチャ
志乃「あら、さすが世界のヘレンね。ちゃんとお手伝い出来てえらいわよ」
ヘレン「どぉォしてケンカ売っかなァ!?」
志乃「まぁ、気の短さも世界レベルね」キャッキャッ
ヘレン「あ、飲んでるな?オメーまた飲んでるな?」
志乃「ご名答」ドヤァ
ヘレン「没収だァ」ヒョイ
志乃「……あ」
ヘレン「まったぐ……」
志乃「リキッドくーん、ヘレンちゃんがいぢめるー」ウエーン
リキッド「手伝え!」
未央「たっだいまー!」
G「……帰ったぞ」
リキッド「オゥ、おかえりー」
きらり「お邪魔しまっす☆」
リキッド「おーウマ子か。アレ?整形した?」
きらり「にょわ?」
G「……帰ってこいリキッド」
G「ウマ子じゃない」
未央「ま、まぁ、インパクトあるよね……」
リキッド「ビックリし過ぎて現実逃避しちまった……」
ヘレン「ナイス世界レベル」
志乃「秋田レベルでしょ?」
ヘレン「んだよォ、秋田バカにすっでねェぞ!!」
志乃「あはは~ナマハゲが怒った~」ケラケラ
留美「志乃さん、その辺りにしておきましょう」
――CGプロダクション・事務所
G「……必要な書類は以上だ」
G「……何か質問は?」
きらり「んーとねー……あ、Gちゃんもりっちゃんも可愛い物好き?」
G「……そうだな」
リキッド「あァ、まぁ、Gはクマ専門だけどナ」
きらり「じゃあ大丈夫だにぃ!可愛い物好きな人に、わる~い人はいないもんにぃ!」ニコッ
G「……ああ」←
リキッド「……ソウダネ」→
きらり「にょわ?」
G・リキッド((直視できない――!))
<prrrrrrrrrrrr
ちひろ「はい、CGプロダクショ――あ、社長。お久し振りです」
リキッド「?」
ちひろ「はい、はい?……はぁ、解りました。気を付けて下さいねー」ガチャ
ちひろ「リキッドさん、Gさん。ただいま社長から連絡がありまして」
ちひろ「出先でスカウトした子達が、明日こちらに来るそうです」
リキッド「ハァ?」
ちひろ「あ、知人に送らせるから送迎はいらない、との事です」
G「……本人は」
ちひろ「まーたスカウトの旅だそうですよー」クルクルー
きらり「うきゃ、楽しそうだにぃ!きらりん☆ターボ!」バッ
ちひろ「ぐわあああああああ」グルグルゲルグググルグルグギュンギュンギュン
リキッド「あ、コレがメンツかな?」
G「……ん」
G「……これは何て読むんだ」
リキッド「どれどれ……?あぁ、かおるだな。龍崎薫」
第十九話『チューニング・ファイト!』おしまい
寝る
>>+3~6
次回加入アイドル4人(未登場限定)
第二十話『ステイション トゥ ステイション』
――空港
社長「――じゃあ皆、このオジサンが事務所まで送ってくれるから――」
社長「ちゃんと言う事を聞くように。いいね?」
「「「はいっ!」」」
社長「それじゃ、頼んだよマジック君」
マジック「あぁ、気を付けてな」
マジック「まったく、飛行機なんかで移動するなんて信じられん……」ブツブツ
薫「ねーねー?」グイグイ
マジック「ン?」
薫「りゅーざきかおるっていいまー!おじさんは?」
マジック「おぉ、そう言えば自己紹介がまだだったね」
マジック「私……いや、おじさんはマジックっていうんだよ。よろしくね」
薫「はいっ!よろしくおねがいしまー!」
マジック「ウンウン、礼儀正しい子だねェ」ニコニコ
マジック「他の子も自己紹介を頼めるかな?」
アナスタシア「Да, меня зовут Анастасия」
(はい、アナスタシアといいます)
マジック「Я Анастасии. Можете ли вы быть японский?」
(アナスタシアね。日本語は出来ないのかな?)
アナスタシア「нет, でも、話すのは少し苦手、です」
マジック「その時はロシア語で構わんよ。よろしく、アナスタシア」
アナスタシア「Да, アーニャと、呼んで下さいね」
マジック「そちらのお嬢さんは?」
雪美「……」
マジック「……」
薫「ゆきみちゃん?」
雪美「……佐城……雪美………」
マジック「あ、あぁ、雪美くんね……」
薫「ダメだよマジックさん!女の子は『さん』って呼ばないと!」
マジック「……ふむ」クス
マジック「分かった、気をつけますよお嬢さん」
薫「? かおるだよ?」
晴「んなもんどっちだっていいじゃねーか……」
マジック「キミは?」
晴「晴。結城晴」
晴「言っとくけど、オヤジが勝手に応募しただけだからな。オレはアイドルなんかやる気はねぇからな」
マジック「そうか……お父さんの願いなら叶えないとな」
晴「オイ待て」
マジック「何かね?親孝行は大事だぞ」
マジック「孝行したい時に親は居ないもんだ」ウンウン
晴「オレはまだ12歳で親もピンピンしてるよ」
マジック「きっとシンちゃんも親孝行したいと思う時が……」ブツブツ
晴「オイ聞けよ」
アナスタシア「アー……息子さん、ですか?」
マジック「そうなんだよもう目に入れても痛くないくらいKAWAII息子でさァあでも目に入れたら流石に痛いよねHAHAHAHAHA」
杏「それより早く移動しない?」グテー
晴「オマエはキャリーバッグから降りろよ……」
杏「イヤだ。歩くのも立つのも面倒だ」グテー
マジック「そちらが双葉杏くんかな?」
杏「そうだよ」グテー
マジック「全員揃ってるみたいだし、じゃあ出発しようか」
<はーい!
――CGプロダクション・事務所
リキッド「ちひろ、ホントに一人で大丈夫かァ?」
ちひろ「ええ、新人さん達の対応くらい一人で出来ますよ」
ちひろ「いざとなったら真奈美さんや留美さんもいますしね」クルクル
リキッド「だから事務椅子で回るなって……」
ちひろ「……気持ち悪い……」ピタッ
リキッド「だから言ったでしょォ……」
卯月「リキッドさん、もうそろそろ出ないと遅れちゃいますよ!」
ゆかり「あ、じゃあ私達もそろそろ出ましょうか、Gさん」
リキッド「お、じゃあ後頼むぜちひろ」
G「……行ってくる」
ちひろ「はいはい、行ってらっしゃーい」
寝る
――――
――
晴「でぇ……」
薫「マジックおじさん!ホラ富士山だよ富士山!」
マジック「ハッハッハ、久し振りに見るなァ」
杏「ZZZ……」
雪美「……」
アナスタシア「雪美さん、アー、靴は、脱ぎます」
雪美「……?」
マジック「おぉ、椅子に上がるなら靴は脱ぐんだよ」
雪美「…………わかった…………」
晴「なんで電車なんだよ!」
マジック「旅と言えば電車だろう」
晴「車とか寄越せよ!」
マジック「大丈夫、目的の駅からは車だから――」
晴「さ・い・しょ・か・ら・車で移動すればいいじゃねぇか!」
マジック「ワガママだなぁモウ」
マジック「ホラ、あんまり騒ぐと他のお客さんの迷惑になるからやめなさい」
晴「う……わかったよ……」
アナスタシア「晴さんはエレクトラポイスド……アー、電車、嫌いですか?」
晴「……そういうワケじゃねぇよ」
薫「晴ちゃんもお菓子食べる?」モゴモゴ
晴「昼前だしいらねぇよ」
マジック「お、駅弁が楽しみとか解ってるじゃないか」ハッハッハ
晴「そうじゃねぇよ!」
雪美「…………」モゴモゴ
――――
――CGプロダクション・事務所
<ガチャ
菜々「おはようございまーす!」
ちひろ「あら?おはよーナナちゃん」
ちひろ「今日はオフじゃなかったっけ?」
菜々「そんなの決まってるじゃないですかー」
菜々「プロデューサーさん達の料理を食べに来ました」フンス
ちひろ「二人とも出てるから、今日は穂乃香ちゃんとクラリスさんが作るって言ってたよ?」
菜々「そんな……」ガクン
ちひろ「そんなに楽しみにされるなんて、リキッドさん達の料理は魔性だねー」アハハ
菜々「そうですよ!あんなに美味しいなら店を出してもいいくらいです!」
<ピンポーン
ちひろ「あら、新人さん達が来たみたい」
菜々「あっ!ナナが出てきますね!」パタパタ
菜々「ようこそCGプロダクションへ!」ニコッ
マジック「やぁ、元気なお嬢さんだ」
菜々「あ、もしもしちひろさん大変です!デヴィッド・ボウイが来日しました!」
――――
――
マジック「いやーキレイなオフィスだ。さすがリキッドくんとGくんだね」ズッ
マジック「あぁ、ちひろさんも遠慮なくどうぞ」スッ
ちひろ「あ、はぁ……」
ちひろ(どこから出したんだこのティーセット……)
菜々「このクッキーの焼き具合……プロですね……」モグモグ
薫「おいしーねー♪」モグモグ
雪美「……うん……」モグ
杏「……」モグモグ
ちひろ「と、ところでマジックさんは、社長とはどういったお知り合いで?」
マジック「あぁ、学生時代からの友人だよ」
マジック「彼と私はいわゆるライバルという関係でね。頭脳も体力も互いに譲らなかった……」
ちひろ「は、はぁ……」
マジック「そうして切磋琢磨する内に、唯一無二の親友になったんだ」
マジック「いやぁ、私に着いて来て欲しかったんだけどね……芸能関係の仕事をしたいって聞かなくてさァ」
マジック「なんだよォ……あんだけ二人で世界征服しようって言ってたのに……」グスン
ちひろ(なんか物騒な単語が出てきたー!?)
ちひろ「そ、それで、リキッドさんとGさんを派遣したって事は、派遣企業なんですか?」
マジック「いえ、ガンマ団と言いまして――」
マジック「世界中から戦争を無くす為に、日々頑張っております」っ【名刺】
ちひろ「……はい?」
マジック「我々の活動は、戦争してる人達から武器を取り上げて、お仕置きするというものです」
マジック「要するに、ケンカしてる悪い子をこらしめてるワケですな」
ちひろ「」
薫「ケンカはよくないもんね!マジックおじさんえらーい!」
マジック「はっはっは、ありがとう」
ちひろ(戦争してる人達から武器を取り上げてお仕置きって、立派な戦闘集団なんじゃ……)ビクビク
ちひろ(あれ?)
ちひろ(リキッドさんとGさんはガンマ団から派遣された)
ちひろ(ガンマ団は戦闘集団)
ちひろ(リキッドさんとGさんも構成員)
ちひろ「危険が危ない!」ガタッ
菜々「落ち着いて下さいちひろさん」
ちひろ「な、ナナちゃん……」オロオロ
菜々「確かに、ガンマ団というのは危ない組織かも知れません」
菜々「ですが、リキッドさん達が危ない人達に見えますか?」
ちひろ「それは……」
菜々「私が知っている二人のプロデューサーさんは、優しくて、ちょっとオッチョコチョイな二人です」
ちひろ「……うん、そうね。ありがとね、ナナちゃん」
菜々「いえ、それに――」
マジック「あ、そォだそろそろお昼の準備しないとネ」イソイソ
マジック「さっき駅弁食べ損ねちゃったからね。さぁみんな、何がいいかな?」
菜々「アレが悪い人に見えますか?」
ちひろ「エプロン似合い過ぎでしょ」
第二十話『ステイション トゥ ステイション』おしまい
寝る
マジック来日の話はもう少し続きますヘーイ
ヘレンサンヘーイ
小話
ttp://i.imgur.com/ETc9xef.jpg
ttp://i.imgur.com/Q1juUAj.jpg
マジックのモデルがデヴィッド・ボウイという話を聞いて、サービスとかは似てないじゃないかと今まで思ってたけど
ttp://i.imgur.com/14xhVli.jpg
ごめん、びっくりするくらい似てたわ
第二十一話『ワード オン ア ウィング』
――CGプロダクション・事務所
リキッド「さァてと、新人達は着いたかなァ」
卯月「楽しみですね!」
G「……ああ」
ゆかり「ただいま帰りました!」ガチャ
マジック「じゃあ次のDVDからシンちゃん5歳の時で――」ルンルン
ちひろ「い、一年ずつの映像量がハンパ無いですね……」
晴「オレならイヤだこんな父親」
<バタン
ゆかり「?……なんで閉めたんですか?」
リキッド「G、逃げるぞ」
G「ああ」
<ガチャ
マジック「ヒドイじゃないかリキッドくん、逃げるなんて」
リキッド「スイマセンでしたァ!」
マジック「おかえり、ご飯の方も既に用意済みだよ」
卯月「えっと……?」
ゆかり「プロデューサー、こちらは?」
マジック「あぁ、マジックと言います。彼らの上司……」
マジック「いえ、元上司です」
卯月「もと?」
マジック「それより二人とも、アイドル全員を集められるかな?」
リキッド「ヘ?あァ、一応連絡してみまス」
G「……」ポチポチポチポチ
マジック「ちょっと話したい事があるからね」
マジック「さ、お嬢さん達も疲れただろう。お茶にしよう」
<バタン
――数時間後・CGプロダクション・食堂
<ザワザワニョワニョワ
ミヤギ「リキッドォ、コレ何の集まりだべ?」
リキッド「おォ、お前らも呼ばれたのか」
トットリ「マジックさんの招集だからァね。無視できんっちゃよ」
まゆ「……皆の前で告白してくれるんじゃないの?」
トットリ「何言ってんだオメェ」
アラシヤマ「手の平に人と書いてeat……手の平に人と書いてeat……」ブツブツ
輝子「フヒ……ひ、人がいっぱい……」
マジック「えー、皆さんお静かにお願いします」
マジック「改めまして初めまして、ガンマ団元総帥のマジックといいます」
卯月「がんまだん?」
凛「って何?」
みく「知らなーい」
マジック「えー、ガンマ団とは、世界中の悪い人達をお仕置きする集団です」
マジック「日夜を問わず激しい戦闘を繰り返す事も、少なくありません」
マジック「……こちらにいるリキッドくん以下五人も、その団員です」
<ザワザワ
マジック「この度皆さんに集まって頂いたのは他でもありません」
マジック「リキッドくんとGくんが身分を偽り、こちらに派遣された事」
マジック「これは私の手違いである事」
マジック「この二つについて、どうしても謝罪したかったからです」
マジック「本当に……申し訳ありませんでした」スッ
リキッド(頭下げるオッサン初めて見たかも)
留美「……聞きたい事があるのですが、いいでしょうか?」スッ
マジック「……どうぞ」
留美「ガンマ団がどのような組織か……その、先ほどの説明だと不透明ですが……」
留美「……リキッドくん達も各地で戦争に参加していた、という事ですか?」
マジック「……はい」
<ザワザワ
凛「戦争って……」
穂乃香「……ウソ、じゃなくて……?」
みく「ウソに決まってるにゃー。ねぇリッチャン?」
未央「そ、そうだよ!ね!?」
リキッド「……ワリィ」
みく「え」
未央「……そんな……」
留美「なるほど……解りました。ありがとうございます」
マジック「それで、今後の事についてですが――」
留美「……今更プロデューサーを辞めるなんて、言わないわよね?」
リキッド「へ?」
G「……」
マジック「……我々の事を知った上で?」
留美「正直、にわかには信じられない話だわ」
留美「けれど私に……いえ、私達にとって二人はプロデューサーです」
留美「アイドルである私達を導く人です」
みく「そ、そうだそうだ!さっきの話なんて信じてやんないにゃ!」
志乃「そうね……付き合いは短いけど、最高の二人だと思うわ」
未央「コレ以上の適役がいたら、今すぐ目の前に出してよ!」
凛「未央、調子乗らないの」
未央「だってー……」
<ガヤガヤガヤガヤ
マジック「……いい子達じゃないか、なぁ?」
リキッド「……ハイ……」グスッ
洋子「あれ?泣いてるんですか?」
リキッド「バッカ、ほっとけ」
洋子「何言ってるんですか、もう……」
洋子「いつもみたいに茶化して下さいよ」ニッ
穂乃香「あの、プロデューサー……いえ、Gさん」
G「……ん」
穂乃香「Gさんが昔何をしていようとも、私は今のGさんを信じます」
G「……ああ」
G「……よろしくな」スッ
穂乃香「!……握手するのは初めてですね」スッ
穂乃香「あらためて、今後ともご指導よろしくお願い致します、プロデューサー」
ミヤギ「ええ話ダァ!」ウワアアアアン
トットリ「皆いい子っちゃね!」ウワアアアアン
ヘレン「ええ年こいて泣ぐでね」
まゆ「泣き顔も素敵……♪」
留美「……皆も同じ思いなのね」
真奈美「まぁ、あの二人だから……かな?」
ちひろ「妙に説得力ありますね……」
幸子「Gさん、今後もボクのプロデュースを出来るなんて幸せモノですね!」
G「……あぁ」
アナスタシア「アー、プロデューサー、人気、ですね?」
薫「うん!かおる達もお世話になるんだよね?」
杏「そうだね……コリャ騒がしそうだ……」ハァ
晴「楽しそうでいーじゃねーか」
雪美「…………」トコトコ
G「……?」
雪美「……手……繋いで……?」スッ
G「……」スッ
雪美「……ん……大丈夫…………よろしくね…………」
G「……あぁ」
真奈美「しかしこれ、収拾が付くのか?」
留美「そろそろ止めなきゃね」クス
留美「ハイみんなー!そろそろ静かにー!」
<ニョワー!
留美「……マジックさん、コレが私達の総意です」
マジック「あぁ、よく伝わったよ……」フゥ
マジック「皆さん、これからも二人の事、よろしくお願い致します」ペコッ
卯月「任せて下さい!」
凛「まぁ、ちょっと抜けてるトコあるもんね」
未央「私達がしっかりフォローしたげるからね!」
リキッド「未央はフォローされる側だろォがよ」
未央「お、調子戻ってきたね」
リキッド「オメーらのおかげだよ……」
リキッド「……ありがとナ」
G「……俺からも一つ……」
G「……ありがとう」
みく「Gチャンそれ一緒だよ?」
マジック「さて、話が終わったところでもう一つ」ゴソゴソ
留美「まだ何か?」
マジック「お仕事の話を持ってきました!」バーン
リキッド「ハァ?」
G「……?」
マジック「いやーココ数週間で武装集団の殆どが武装解除しちゃってサ」
マジック「世界が平和になっちゃって、我々ガンマ団の存続も危うくなっちゃったんだ」
リキッド「ソレって……」
~~~
リキッド「次は街頭演説風に!」
ほたる「私の歌を聴いた人は幸せになります!」
ちひろ「次は魔法少女風に!」
ほたる「ホタルン☆マジック!みんな幸せにな~れ!」
~~~
リキッド(あン時だ!)
ちひろ(絶対あの時だ!)
マジック「まぁ元々我々が目指していた状況になったワケだし」
マジック「以前から秘密裏に進めていた計画を実行に移す事にしたんだよ」
マジック「名付けて『パプワ島リゾート化計画』!!」パンパカパーン
凛(どこからファンファーレが……)
志乃「リゾート?」ピクッ
留美「詳しくお願いできますか?」ガタッ
マジック「まぁまぁ落ち着いて」
マジック「我々ガンマ団は世界各国に支部を置いてるんだけど、パプワ諸島もその中の一つでね」
マジック「最近は主に、このパプワ諸島の本島に置いた支部が本部になりつつあって……」
きらり「にょわ~……?」
薫「んうー?」
友紀「あ、そろそろスポーツニュースが」ガタッ
リキッド「友紀、座ってなさい」
マジック「……すまない、話が逸れてしまったね」
マジック「要するに、パプワ諸島のリゾート開発を我々ガンマ団が行ってるんだよ」
リキッド「そんな話初めて聞いたッスよ……」
マジック「言ってないからね」
マジック「具体的には島の生態系を破壊しないよう、必要最低限の開発を行い」
マジック「ホテル、テーマパーク、ビーチなどなどを整備していくつもりだ」
マジック「そこで、だ。このリゾート地のプロモーション活動に、CGプロの力をお借りしたい」
ちひろ「え?」
リキッド「プロモーションつったって……」
マジック「いやぁ、そんな小難しいモンじゃない」
マジック「このリゾート地を満喫してくれれば、それがプロモーション活動になるワケだ」
マジック「それに、キミ達アイドルの知名度も上がる。どうかね?」
薫「ねーねー?てーまぱーくって何?」
アナスタシア「アー……遊園地、ですか?」
杏「そうだね、遊園地だね」
薫「かおる行きたい!」ピョンピョン
マジック「ハッハッハ、完成してからね」
瞳子「温泉はあるのかしら?」
マジック「あぁ、露天風呂もある」
瞳子「プロデューサー、この仕事受けましょう」キリッ
リキッド「判断基準ソレでいいのかオマエ……」
莉嘉「水着用意しとかなきゃね☆」
美嘉「週末買いに行こうね★」
<ガヤガヤガヤガヤ
ちひろ「皆乗り気ですね……」
リキッド「まぁ断る気もねェけどよ……マジックさん」
マジック「何かな?」
リキッド「ガンマ団の事を快く思ってない連中はまだいるんスよね?」
リキッド「ソイツらに妨害される恐れは……」
マジック「私がそんな事をさせるとでも?」
リキッド「スイマセン失言でした」
響子「あの!プロモーション活動って泊りがけですよね?」
響子「家族も連れてきていいんですか?」
マジック「ふむ……そうだね。その方向で行こうか」
響子「ありがとうございます!」
アラシヤマ「あ、あの……友達も呼んでええどすか……?」
マジック「あぁ、いたの?」
アラシヤマ「ヒドおますわマジックはん!」ガーン
マジック「冗談だよ。許可しよう」
アラシヤマ「ええどすって!ようおましたなぁ輝子はん!」
輝子「フヒッ……あ、ありがと……キノコ……あげる……」
マジック「あ、うん?ありがとう……?」
G「……オープンはいつ頃です」
マジック「そうだなぁ……施設の完成があと一月くらいかな」
マジック「キミ達の仕事はそれからになると思うよ。その時に連絡する」
リキッド「了解でス」
マジック「さて、それじゃ私はコレで失礼するよ。息子の顔も見たいしね」
リキッド「あぁ、グンマが日本にいるんでしたッけ」
リキッド「そォいや、コタローのヤツは元気してますか?」
マジック「シンちゃんと二人で私に愛の鞭を振りかざして来てるよ」フフフ
リキッド「悪い事言わないから早く逃げて下さい」
マジック「冗談だ。皆のおかげで善悪の判断もしっかり付くようになったし」
マジック「時々パパって呼んでくれるしね」ボタボタボタボタ
リキッド「それ何か強請られてる時ッスよね?」
マジック「そうかもしれん……まぁ、今度会ったらまた遊んでやってくれ」
リキッド「ウス。それと、一つ話しておきたい事が――」
――CGプロダクション・駐車場
マジック「言った事が現実になる能力者か……」
マジック「自覚があっても無くても危険な能力だな」
リキッド「ハイ。本人に自覚は無かったので、ポジティブになるようフォローしておきました」
マジック「……ここ数週間で世界が平和になったのは、その子が?」
リキッド「ウス。ですが、周囲に良き理解者がいるんで監視の必要はありませんし――」
マジック「」グサ
リキッド「何より今は、ミヤギに作らせたお守りを持たせたんで『人並み以上』の事は実現しません」
マジック「……どういう事かな?」
リキッド「はい、ミヤギの筆は書いた本人のイメージが優先されるのはご存知ですよね?」
マジック「ああ、知っている」
リキッド「なので『不幸続きで落ち込んでる子がいるから勇気付けたい』とだけ伝えて、お守りを作らせたンです」
マジック「……なるほど……よくやってくれた」
リキッド「恐縮でス」
まゆ「うふ……」
まゆ(あの筆にはそんな効果が……コレは使えそう……)
第二十一話『ワード オン ア ウィング』おしまい
『インターミッション』
――CGプロダクション・食堂
ちひろ「いやー楽しみですね!」
穂乃香「皆で旅行って、初めてじゃないですか?」
卯月「そうだね!しかも海外!」
志乃「常夏の島らしいから、日焼け止め忘れちゃダメよ?」
<ワイワイワイワイ
リキッド「まったく、とんだ企画持ち込んでくれたもんだなァ」モグモグ
ミヤギ「まぁ楽しそうだし、いいんでねぇか?」モグモグ
トットリ「だっちゃ。パプワ島も今は平和だからァね」モグモグ
リキッド「そォいやトットリ、オメーここしばらくドコ行ってたんだ?」
トットリ「日本各地を鬼ごっこしてたわいや」
ミヤギ「あぁ、あの子かぁ……」
トットリ「さっきの話聞いても顔色一つ変えずに――」
~~~
まゆ「大丈夫ですよ、まゆはどんなトットリさんでも好きですから」
~~~
トットリ「……って」
リキッド「うわぁ」
リキッド「……ン?アイツ17だよな?学校は?」
トットリ「あぁ、何か休学届け出したとか行ってたっちゃ」
リキッド「……バカァ!」
トットリ「」ビクッ
リキッド「おまっ!年頃の娘さん学校に通わせないとかアホか!」
トットリ「いや、ほとんど逃亡生活だったからァ……」
リキッド「言い訳するんじゃありません!オメーココに住め!そしたらアイツも落ち着くだろ!」
トットリ「バカ言わんで欲しいがね!あの子はァ忍者以上に忍者だっちゃわいや!」
まゆ「呼びましたか?」スタッ
ミヤギ「天井から!?」
リキッド「んなカッコで飛び降りるんじゃないヨォ!」
まゆ「大丈夫ですよ?キュロットですし」
リキッド「ん、なら許す」
まゆ「それで、何のお話だったんですか?」
リキッド「そォだ、まゆ、オメーアイドルやる気はねェか?」
まゆ「……はい?」
まゆ「そういう事ですか……私はトットリさんがいるならどこでも……♪」
リキッド「ウシ、決まりだな。あとは――」
輝子「……フヒッ?」
『インターミッション』おしまい
寝る
>>+3
次回登場アイドル(登場・未登場問わず)
あり?
ままゆは16でね?
>>572
勘違いしてた
| | | | | / ̄ ̄/アー──ァ'  ̄ ̄ 7゚\| | |
| | | | | / // / / | | |
| | | | | / //___ / / .i| | | お…お許し下さいCuP様!
| | | l i/| u. | 「 ̄ ̄\\ | i| | |
| | | i/ | |┴──‐ 〉/ | i| | |
| | | ||二i「 ̄ ̄ 、「 ̄ ̄ ̄ムー──{ i| | |
| | | ||二i| }\_ /{ ヽ i| | |
| | |___||二 }─rく 二> | トrく二二>、_l i| | |
_| | / i||二」_| | l_l | | }_| .i| | |
| | / ||ニi| | | u. ∟Ⅵ | / / i| | / ̄ ̄ ̄ ̄
L_ / ||ニi| | | r ー 、 | | ̄ | .i| | /
/ ||ニi| ト、 } ヽ l | | u. .i| | ,/
./ 弋i!| | ヽ こ二⌒´ / | | .iL.」_/
' L_L_|\ //i| | /
_________ / / ト、 二二二≦ iili_」//
/ /___.ー───── ´ /
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| | | | | / ̄ ̄/アー──ァ'  ̄ ̄ 7゚\| | |
| | | | | / // / / | | |
| | | | | / //___ / / .i| | | アイドルマ……あれ?デジャブ?
| | | l i/| u. | 「 ̄ ̄\\ | i| | |
| | | i/ | |┴──‐ 〉/ | i| | |
| | | ||二i「 ̄ ̄ 、「 ̄ ̄ ̄ムー──{ i| | |
| | | ||二i| }\_ /{ ヽ i| | |
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第二十二話『アイドルマスタースクリーム』
――CGプロダクション・事務所
留美「おはよう。前回のアイドル募集用原稿、手直ししておいたわよ」スッ
リキッド「マジで?サンキューな」
リキッド「……原文ひとつも残ってねェじゃねェか……」ズーン
留美「あんな頭の悪い内容をラジオで流すつもりだったのね」
ちひろ「そんなに酷かったんですか?」
留美「ええ、四話くらい前を参照よ」
リキッド「オメーそんなキャラだっけ?」
<ガチャ
未央「おっはよー!」
リキッド「オーゥ」
留美「おはよう未央ちゃん」
ちひろ「おはよー」
未央「さぁリキッドさん!今日は何しようか?ボイトレ?ダンス?」
リキッド「今日はだなぁ……」
未央「……」ワクワク
留美「……」ワクイワクイ
リキッド「な~んも、ナシ」
未央「……へ?」
留美「どうしようちひろさん、流されたわ」
ちひろ「私は何も見てません」
未央「何も無しって……再来週にはLIVEバトルだよ?」
リキッド「あァ、だからこそ、だ」
未央「?」
リキッド「ココ最近のオメー見てると危なっかしいんだヨ。焦りが見え見えだぜ?」
未央「う……だって、何かしてないと落ち着かないんだもん……」
リキッド「……ま、未央らしいなァ」ポンポン
リキッド「じゃあーちょっと、出掛けるとすっか!」ガタッ
未央「出掛けるって、どこに?」
リキッド「敵情視察ってヤツだ」
――撮影スタジオ
G「……」
雪美「……」
杏「……ねぇ」
G「……?」
杏「……クマ、好きなの?」
G「……ああ」
杏「北海道のゆるキャラでさ――」
G「その話はやめろ」
杏「おおぅ……ゴメン」
G「……」ズーン
雪美「……?」
杏(マズイ、落ち込ませてしまった……)
薫「お疲れさまでー!」
アナスタシア「プロデューサーさん……撮影、アー、終わりました」
G「……さぁ、次は杏達だ」
――レッスン場
トレーナー「千鶴さんですか?……今日はまだ来てないですね」
リキッド「ンー……無駄足だったかなァ?」
トレーナー「あれ?未央さんのレッスンを入れに来たんじゃ……」
未央「今日は違うんだよー」
リキッド「あァ、今日は未央はオヤスミってな――」
リキッド「そんじゃア未央、遊びに行くぜ」スタスタスタスタ
未央「ちょ、お仕事は!?ちょっとー!あ、お邪魔しました!」
トレーナー「……何だったんだろ?」
スマン寝る
――猫カフェ
リキッド「よく考えたら今日平日じゃねェか」フリフリ
未央「そうだよ?」
未央「……ってこのままじゃ私ただのサボリになっちゃうよー!」
ネコ「にゃ~」(む?新しき従者か?)タシッ タシッ
リキッド「まァいいじゃねェか。最近こうやって遊ぶ事なんてなかったろ?」
未央「それは……うん」
リキッド「……安心しろ。心配しなくても、ちゃんとオメーの事もアイドルにしてやるって」
未央「……へへっ、顔に書かれちゃってたかな……」ポリポリ
リキッド「おォ、卯月辺りが書いてたぞ」
~~~
卯月「へーちょ」
かな子「卯月ちゃん、いつも思うんだけどね」
卯月「ん?」
かな子「どうやったらそんなクシャミになるの?」
雪菜「ホントアイドルらしくないよね……」
卯月「ふっふっふ、変装は完璧なんだよ」
~~~
ネコ「にゃ~」(おい、止めるでない。もっと遊べ)チョイチョイ
未央「随分この子に懐かれてるねー」ヨシヨシ
リキッド「あァ、気に入られたミテェだ」
リキッド「さァてと、次行くゾー」
未央「おー!」
――ゲコプロダクション
クボタ「――ふむ、松尾千鶴……ですか」
リキッド「あァ、いきなり来てこんな話でスマネェな」
クボタ「いえいえ、リキッドさんの頼みなら……そうですね……」
早耶「あんまり感じのいい子じゃなかったですよぉ。ねぇ?」コト
未央「あ、ありがとうございますっ」
リキッド「おォ、久し振りだな。今日はオフか?」
早耶「一時間後にレッスンですよぉ♪」
クボタ「ありがと、早耶」
リキッド「それでェ、感じが悪かったって?」ズッ
早耶「うーん、なんて言うかぁ……イヤイヤアイドルやってるって言うかぁ、そんな感じでしたよぉ?」
リキッド「イヤイヤ?」
~~~
千鶴「ふぅん、楽しかったの?それなら良かったですね」
千鶴「じゃあ、さよなら」
~~~
早耶「――別れ際なんて、そんな感じでしたもん」プクー
クボタ「ええ、積極的にアイドル活動をしている感じでは無かったですね」
未央「変なの。アイドル活動が嫌なアイドルだなんて……」
リキッド「……なんだろォなぁ……」
――――
――
杏「イーヤーだ」
G「……」
アナスタシア「杏さん……」オロオロ
杏「お菓子くれないと、杏はココから動かないからね!」
晴「ガキじゃねぇんだからダダこねるんじゃねぇよ」ハァ
薫「杏おねーさん!困らせちゃダメだよー!」
雪美「…………」ポケー
G「……すまない」
G「……手持ちが無いんだ」
杏「なら買ってくるんだね」フフフ
晴「こんなヤツ放っといて、さっさと帰ろうぜー」
G「……そういう訳にもいかん」
薫「あ、いい事考えた!」ハイッ
薫「Gさんが杏おねーさんを抱っこすればいいんだよ!」
晴「おお、そりゃ手っ取り早いな」
アナスタシア「Да, アー、とても、いい考えです?」
杏「え、マジで?絵面的にマズくない?」
G「……いや、しかし……」
晴「いーからホラ。さっさとやれよ」
G「……仕方ない」
G「……許せ」グッ
杏「やめろー!離せー!」ジタバタ
「何やってんのソコー!!」ピピー
晴「あ?」
アナスタシア「?」
早苗「次第によっちゃシメるわよアンタ!」
薫「あれれー?」
雪美「……どうして……こうなった……?」
――――
――
千鶴「……」サラサラ
<prrrr
千鶴「……」
『件名: 』
『レッスンに遅れるな』
千鶴「……行かなきゃ」
<バタン
寝る
――――
――喫茶店
未央「ねぇ」
リキッド「あン?」
未央「前にさ、もし明日プロデューサー無しって言われたらどうするか聞いたじゃん?」
リキッド「アー……あったっケ?」
未央「あったよ。あの時みおちゃんは深ーく傷付いたんだからね」
リキッド「ワリィ思い出した」
リキッド「でェ?ソレがどうかしたか?」
未央「なんとなく……何となくだよ?」
未央「千鶴ちゃんも、そうなんじゃないかなって」
リキッド「ン……」
リキッド「イヤ、千鶴にはプロデューサーが付いるって話だゼ?」
未央「じゃあ何か、プロデューサーにイヤな事されてるとか……」
リキッド「……ふむ」
未央「ごめんやっぱ今のナシ!ナシ!」
志保「お待たせ致しました!こちらジャンボ昇天インベルMIX盛りパフェになります!」プルプル
未央「ヤッホゥ!コレ一回食べてみたかったんだよね!」
リキッド「お、おう……腕震えてんぞ」
志保「ご心配ありがとうございます!大丈夫です!」ドスン
志保「こちらブレンドコーヒーになります!」
リキッド「おゥ、サンキュ」
志保「ごゆっくりどうぞー!」
リキッド「……イヤな事ねェ……」
未央「リキッドさん!コレ食べるの手伝って!」モッシャモッシャ
リキッド「……晩メシ入らなくなるゾー……」
未央「リボンみたいな飾りは一個ずつね!二つあるから!」
――――
――スタジオ前
早苗「ごめんなさい!」
杏「いや、まぁ、当然だと思うよ……」
晴「オッサンデカイからなぁ……カオもコワイし」
早苗「こ、コラコラ、そんなストレートに言うと……」
G「……」ズーン
アナスタシア「Не унывайте……アー、元気だして、下さい」
雪美「…………」ポンポン
晴「でもおまわりさんも勘違いしたんだろ?」
早苗「……はい」
薫「Gさんいぢめちゃダメー!」
G「……構わん」
薫「ホント?大丈夫?」
G「……ああ」ナデナデ
薫「ふぁ……えへへー♪」
雪美「…………」クイクイ
G「……雪美もな」ナデナデ
雪美「…………♪」
早苗「うん!とっても素敵な親子に見えますね!」
杏「それフォローになってないよ」
晴(そーいやオッサンの家族ってどんなだ?)
アナスタシア「アー、お後がよろしいようで、移動しますか?」
杏「アーニャ、その日本語はちょと違うよ」
アナスタシア「сложно……難しい、ですね」
――――
――
早苗「うー……」
早苗(あぁもう恥ずかしいったらないわ……教官にも注意された悪いトコロなのになぁ……)
早苗(……やっぱりこの性格は直さないと……)
早苗「ん?」
リキッド「――、――」
未央「――!」
早苗(……いや待て、待つのよ早苗。さっきの例もあるじゃない)
早苗(ホラよく見ると仲のいいただの……えーっと……ただの……)
早苗「ええい面倒だ!聞けば分かるわ!」
瑞樹「迷わず行くの。行けばわかるわ」
早苗「ちょっといいですかー?」
リキッド「あン?」
未央「?」
リキッド「なんだァ?コスプレか嬢ちゃん」
早苗「」ピシッ
未央「ちょ、リキッドさん!?」
リキッド「こんなちっこいと警官にはなれねェんだよ。知らねーのか?」
未央「そうなの?」
早苗「本職よ!ホラ警察手帳!」
リキッド「……ホンモノ?」
早苗「ホンモノよ!」エヘン
リキッド「……すいませんでしたァ!!」
早苗「いいわよ別に。慣れてるから」
未央「え、じゃあさっきのリキッドさんの話は?」
早苗「アレはホントよ。その分の課題はクリアしてるのよん♪」
早苗「――って、そんな事はさて置き……」
早苗「お二人の関係に付いてお聞きしたいんだけど?」
未央「アイドルの卵です」ハイ
リキッド「アイドルのプロデューサーです」ハイ
早苗「いやああデジャブ!!」
早苗「私とした事が!一日に二回もやらかすなんて!」ウワー
リキッド「オイ大丈夫かァ?」
未央「デジャブ?」
早苗「大丈夫、大丈夫よ……少し前にも全く同じシチュエーションに会っただけ……」ウフフ
早苗「あぁもう疲れてるのかしら……」ズーン
未央「全く同じって……もしかして、背が高くて」
早苗「ええ、二メートルは行ってそうだったわね」
未央「五人の女の子に囲まれてて」
早苗「ええ、そういえば五人いたわね」
リキッド「Gだな」
未央「Gさんだね」
早苗「あら知り合い?」
早苗「――同じ事務所のプロデューサーに二回も……」ズーン
リキッド「安心しろ、おまわりさんの見る目が無いワケじゃないから」
未央「そ、そうですよ!この二人がワルい顔してるだけなんで!」
リキッド「え、ヒドくない?」
早苗「いえ、もういいの……うぅ、今日も報告書に赤ペンが入りそう……」
リキッド「……苦労してんだナァ……」
早苗「ええ……上司がね……事あるごとにいびってきてね……」グチグチ
リキッド「あぁースッゲ分かるわその苦労」
早苗「ホント?こないだなんてさぁ……」グチグチ
リキッド「おお……おお……」ウンウン
未央「なんだコレ」
――数分後
早苗「ありがとう!おかげでスッキリしたわ!」ツヤツヤ
リキッド「いいってコトよォ、また何かあったら話くらい聞いてやるよ」
早苗「おう!よろしく!今度は一杯やりながらね!」
リキッド「あァ?オメーそのタッパで飲み屋入れんのォ?」
早苗「ぐ、痛いトコ突くわね……」
リキッド「冗談だよォ、じゃあ、またな」
早苗「うん、未央ちゃんもアイドル頑張ってね!」
未央「あ、はい……」
リキッド「いやーワリィワリィ、つい話こんじまった」
未央「いや、それはいいんだけどさ……ヒドイ上司だったんだね……」
リキッド「あァ、もうずっとプロデューサーやってたいくらいだぜ……」トオイメ
未央「私もそっちの方がいいかな……」ボソッ
リキッド「オウ、しっかり面倒見てやるよォ」ニッ
リキッド「さ、帰ってメシにしようぜ。何がいい?」
寝る
――別の日
ちひろ「根津プロ所属、松尾千鶴、15歳」
ちひろ「和装でのダンスアピールが主で、ファンの間では『舞』と言われている程だそうです」
ちひろ「どんな難しい振り付けも無表情で踊り切る事から、人形のような神秘的な雰囲気がファンの心をガッチリキャッチ……」
ちひろ「と言うのがネット上で言われてる評価ですね」
リキッド「ふゥん……トレーナー達もそんな事言ってたナ」
ちひろ「ただ、その映像が事務所の意向で出回らないので、研究は難しいと思いますよ?」
ちひろ「なんでも、ネット上にアップされた動画もすぐ消されちゃうそうですから」
リキッド「研究ゥ?」
ちひろ「え?みくちゃんと対戦する時もやってたじゃないですか」
ちひろ「もしかして、違うんですか?」
リキッド「いや……うン、そうそう。研究ネ」
ちひろ「?」
――ガンマ団特戦部隊・気球船
<prrr prrr
ロッド「お♪」
ロッド「よォリキッドちゃん、久し振りじゃ~ん」
リキッド『よォロッド、久し振り。イキナリでスマネェんだけど――』
ロッド「オメーもかよリキッド!Gの時もいきなり頼んできやがってよォ~」
ロッド「で?楽しい仕事なんだろォな?」
リキッド『あァ、あるアイドルの映像を探して欲しいんだワ』
ロッド「 キ タ コ レ ! 探す探す~ゥ♪」
マーカー「やかましいぞロッド」
ロッド「アァーなんだコリャ、ハズレばっかじゃねーの……」カタカタ
リキッド『なンでも、事務所の意向で映像を残さないんだとサ』
ロッド「映像残さねーで何がアイドルだっつゥんだよォ~」
リキッド『ムリなら別にいいんだぜ?』
ロッド「冗談、ロッドにお任せってなぁ♪」
ロッド「よォ、見つけた見つけた見つけたぜー♪」
リキッド『ちょ、マジか』
ロッド「オウ♪しっかし露出少ねぇなぁ……ダンスに色気もねーしよォ~」
ロッド「もっとフトモモ出した、色気ムンムンのアイドルの映像探させろよゥ」カタカタ
リキッド『ワリィがソレはムリだな……っと、届いたぜ。サンキュな』
ロッド「ンだよォ、オメープロデューサー様だろォがよゥ」
ロッド「アイドル全員、お色気方面で売り出してくれりゃ熱烈なファンになっちゃうかも♪」
ロッド「あ、モチロン露出多めで頼むぜ」
リキッド『ハァ……アーホ』ガチャ
ロッド「んだよォ、ツレネェなぁ……」
マーカー「……ロッド」
ロッド「あン?」
マーカー「あの事務所には私の親戚もいるんだが?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ロッド「……そーでしたァ」テヘッ
<アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
――CGプロダクション・事務所
未央「ええー!?和服で踊るの!?」
リキッド「おゥ、ちゃんと先生も呼んである」
ジョッカー「稽古はビシバシ行かせてもらうっぺ」
未央「が、頑張るけどさ……和服なんて着た事無いよ?」
未央「まさか……着付けまでツガルさんが?」
ジョッカー「バカ言うでねぇよ」
リキッド「着付けの方は……」
留美「私が担当するわ」
リキッド「んじゃ、後は頼むぜ。オレはヤボ用があッからよ」
未央「ま、まさか――またネコカフェに!」
リキッド「む、バレちまっちゃしょうがねぇや。アバヨ~」
留美「……コホン」
リキッド「冗談だよォ、営業だ営業」
未央「そっかぁ……行ってらっしゃい!」
リキッド「……おォ」
ジョッカー「さ、始めるかァ」
未央「はい!よろしくお願いします!」
――根津プロダクション
P「――ふむ、お話は解りました」
P「以前、ゲコプロの方からも同じ提案を頂きましてね。その時も同じ事を申し上げたのですが……」
P「お断り致します」
リキッド「……そォですかァ……」
P「ええ。ウチの松尾は、神秘性を売り出してるんです」
P「他のアイドルと共にステージに立つなんて事はさせられません」
P「孤高でなければ、神秘性が薄れますからね」
リキッド「……メディア露出が少ないのも、その神秘性のタメですか?」
P「その通りです。さ、お話は以上ですか?」
リキッド「……えェ、お邪魔致しましたァ」ガタッ
<バタン
P「……ふん」
――数刻後・CGプロダクション・レッスン場(仮)
リキッド「よォ未央、調子どうだ?」
未央「全くもう、無理するなとか言ってたクセに……」
未央「おかげで絶好調だよ!」ニコッ
リキッド「おォ、そりゃ何よりだ。着物似合ってるぜ」
未央「ホント?えへへー♪」
ジョッカー「たんだ飲み込みが早くでな、わァも力入るっぺよ」
リキッド「ジョッカーが言うなら相当なんだな……」
未央「そうそう、袖の動きが面白いんだよ~♪」クルッ
未央「緩く動いた時と激しく動いた時で全然違うんだね!羽根が生えたみたい!」バタバタ
リキッド「おォ、楽しそうで何よりだ」
未央「でも、なんで和服なの?」
リキッド「ン~……あぁ、今度の相手と二人で踊ってもらおうと思ってナ」ニッ
寝る
思った以上に筆が進まない
――さらに数刻後・根津プロダクション
P「はい……かしこまりました」
P「はい……はい、では失礼致します」
P「……クソっ!」
P(運営から決定の通知とは……やられた……)
P(既に運営を味方に付けていたか、それとも偶然か……まぁいい)
P「……」カチカチカチカチ
『本文:次回のLIVEバトルについて』
『通常のパフォーマンスの後、相手と二人でのパフォーマンスを行う事が決定された』
『レッスン内容には変更無し。くれぐれも余計な事を考えるな』
P「……」
――翌日・レッスン場
リキッド「いやァーどーもどォーも♪」
未央「今日からよろしくおねがいしまーす!」
P「……いえ、こちらこそよろしくお願い致します」
リキッド「いやァー運営さんがやるって言ったんじゃしょうがないッスよねー」
P「そうですね。新しい事にチャレンジする事も大事だとは思いますが……」
P(白々しいな……)
マストレ「うむ?松尾はどうした?」
P「使用曲や振り付けの映像さえあれば、あとはコチラで仕上げられますので」
未央「む……残念」
リキッド(あくまで孤高さにこだわるか)
P「ま、そちらの新人さんが松尾に着いて来られれば、最高のステージになると思いますよ」
未央「……」ムッ
マストレ「……わかった。では振り付けの映像は今から撮影して――」
P「はい、お手数をお掛けして申し訳ありませんが、お願い致します」
――――
――
P「――ありがとうございました。では、松尾に指導しておきますので」
マストレ「あぁ、頼んだぞ」
P「ええ、では、失礼致します」
<バタン
リキッド「連れてくればこんな手間ねェのになァ」ハァ
未央「ちゃんと合わせたかったのにー」ムスー
マストレ「あぁ、アイツは完璧主義が過ぎるな……」
リキッド「メディア露出がほとんどネェんだろ?」
マストレ「あぁ、見に来た人だけに見てもらいたいそうだ」
リキッド「ふゥん……」
マストレ「さて、そろそろ始めようか」
未央「よろしくお願いしまーっす!」
<prrrrrrrr
P「……?」
P「はい、なんでしょうか?」
リキッド『あぁ、先ほど一つ確認し忘れていまして』
P「……なんですか」ハァ
リキッド『当日のステージ演出なんですケド――』
P「そちらにお任せ致します。では、急いでいるのでこれで」
リキッド「……」pi
リキッド「……りょーっかい」ニヤ
リキッド「……」ポパピプペ
リキッド「……おォアラシヤマ、ちょーっと手伝ってくんね?」
――LIVEバトル当日・会場
千鶴「松尾千鶴です。本日はよろしくお願い致します」ペコリ
未央「私は本田未央!よろしくね!」
リキッド「じゃあリハで一回合わせて――」
P「その必要は無いでしょう」
P「それよりも、LIVEバトルの方に集中した方が良いのでは?」
リキッド「う……まァ、そうッスね……」
未央「そういや今日はLIVEバトルが本番だったね」
リキッド「オメーなァ……」ハァ
未央「いやー……あはは……」
千鶴「……」
P「余裕なようですね。ではまた後で。行くぞ」
千鶴「はい」
司会『――なお、今回から通常のパフォーマンスの後――』
司会『対戦者どうしがパフォーマンスを行うコラボLIVEを試験的に行う事になりました』
司会『ライバルとしてだけでは無く、同じアイドルとしてステージに立つ事で――』
司会『新たな面を切り拓く事が出来ると信じております。では――』
――LIVEステージ・裏手
トットリ「なァんでボクまで呼ばれたんだァか?」
アラシヤマ「ひ、火の始末の為やそうどす……」
まゆ「火、ですかぁ?」
トットリ「あァ……まぁ、見りゃわかるっちゃ」
アラシヤマ「うぅ……ワテかて火加減くらい出来ますよってに……」
司会『結果は……本田未央さんの大勝利!!』
千鶴「……」
未央「やたっ!」ピョン
千鶴「はい、おめでとうございます」
未央「むー、何さその言い方はー」ムッ
千鶴「何か?……さて、コラボLIVEですね」
千鶴「私は興味無いんだけど、あなた達が望むならしましょうか」
未央「むむむ……千鶴ちゃんは何でそんな楽しくなさそうなのさー」
未央「もっと笑ってる方が、ファンも嬉しいんじゃないかな?」
千鶴「……つまらない訳じゃない……そういう、プロデュース方針なんです」
未央「え……」
千鶴「笑顔を見せずに踊って、神秘的な雰囲気で人の心を掴む……」
千鶴「それが私のパフォーマンスなんです」
未央「……千鶴ちゃんは、それでいいの?」
千鶴「……私は……いえ、余計な話でした。そろそろ時間です」スタスタ
未央「あっ……もう、待ってよー」
司会『さぁ、ではお待たせ致しました!これよりコラボLIVEを行います!』
司会『今回は本田未央さんからの希望で、松尾千鶴さんのパフォーマンスに合わせた踊りとなります!』
「あんな元気なパフォーマンスしてた子が?」
「先輩アイドルの得意分野でやりたいとか意欲的なんだなぁ」
「ちづるん!ちづるんうわああああああ!」
未央(一回も合わせた事無いけど……さっきのパフォーマンスで解った)
未央(千鶴ちゃんの動きは確かに完璧。私なんかじゃ足元にも及ばない……)
未央(けど、だからこそ私らしいパフォーマンスで勝つ事が出来た)
未央(今度はその『完璧』に合わせなきゃ……出来るかな……いや)
未央(やらなきゃ)キッ
千鶴「……」
司会『さぁ!では二人のパフォーマンス!どうぞ!』
司会「……え?おい、照明どうした?」
司会「……停電?」
<ベンベンベンベンベンベンベン
未央・千鶴「「!!」」
千鶴(照明もまだなのに音楽が……)
未央(こ、こんな演出聞いてないよ……でも)
未央・千鶴((やらなきゃ))
<ザワザワザワザワ
「オイまだか?」
「音楽始まってんのに見えねーぞ!」
<ザワザワザワザワ
トットリ「随分騒がしくなってきたっちゃね」
アラシヤマ「ほな、行きますわ」
『 極 楽 鳥 の 舞 』
まゆ「!?」
トットリ「コレがアラシヤマの技だっちゃ」
まゆ「すごい……身体から火が……」
「おぉ!?」
「すげぇ……あれホンモノか?」
「影だけで見るのもすごいな」
千鶴(こ、こんな演出だなんて……)
千鶴(でもやらなきゃ……いつも通り……いつも通り)ハッ
未央「よっ……ほっ……」バッサバッサ
千鶴(あんなに大きく動く振り付けじゃ……あっ)
千鶴(そうか!客席には私達のシルエットしか見えないんだ!)
千鶴(動きを大きくしないと……!)
千鶴「っ!」バッサ
「お、千鶴ちゃんの方も動きが大きくなったぞ」
「こっちの方が見てて気持ちいいな」
「ちづるんうわあああああああああああ!」
千鶴(か、完璧な振り付けにはならないけど……)チラッ
未央「?」
未央「っ!」ニコッ
千鶴(楽しい……楽しい!)ニコ
――――
――
――LIVE終了後
アラシヤマ「……ふゥ」
トットリ「お疲れ様だっちゃ」
まゆ「トットリさん……不思議な人達とお知り合いなのね……」
トットリ「否定出来んのが哀しいがね……」
リキッド「よーゥお疲れサン」
アラシヤマ「あ、リキッドはん」
トットリ「大盛況だったみたいだァね」
リキッド「あァ、てっきり調子こいたコイツがステージ燃やすと思ってたんだが……」
アラシヤマ「ヒドおますわ!」ガーン
未央「リキッドさん!」タッタッタッ
リキッド「おゥ未央、最高のステージだったゼ」
未央「ありがと!じゃなくて、あんな演出聞いてないよ!」
リキッド「そりゃそうだ、言ってねーモン」
未央「言ってよ!ビックリするよ!」
P「まったく……あんな演出だとは思いませんでしたよ……」
リキッド「おォ、ユニークだったろ?」
P「ええ……しかし、松尾に相応しい演出では無かったですね」
P「いつも通り振り付けをこなし、笑顔は出すなと言ってるはずなんですが」
千鶴「……ごめんなさい」
アラシヤマ「」ピク
リキッド「そりゃちゃんと話を聞かなかったオメーがワリィ」
P「ハッ!……全く迂闊でしたよ。お陰様で今まで守り続けたアイドル松尾千鶴が崩れてしまった!」
千鶴「っ……」グッ
P「どうしてくれるんだ!?ええ!?私のアイドルを!お前達が潰したんだ!」
リキッド「あァ?テメェ黙って聞いてりゃ――」
アラシヤマ「リキッドはん、ちょっとどいておくれやす……」グイ
リキッド「んがっ」
P「……はぁ、はぁ……なんですか、アナタは」
アラシヤマ「ワテはこの人らの友達どす」
トットリ・リキッド((言い切った!?))
P「そのお友達が何か?」
アラシヤマ「へぇ、聞いとったら随分目標がお高いようですなァ?」
P「ええ、当然トップアイドルを目指していますからね……」
アラシヤマ「せやけど、そのアイドル本人の事を見とらへん」
P「はい?」
アラシヤマ「あんさんの隣にいるその子は、あんさんの人形やあらしまへん」
アラシヤマ「ましてや、あんさんの思い描くアイドルそのものでもあらしまへん」
P「何を言ってるんです?当たり前でしょう」
P「だからこそ、キッチリとプロデュース方針を決めて――」
アラシヤマ「その方針はあんさん一人で決めたモンや」
アラシヤマ「松尾はんの意思は、そこに入っとるんでっか?」
千鶴「……!」
未央「……アラシヤマさん……」
P「そんな物は必要無いんです。私が決めた事をこなして行けばトップアイドルに――」
アラシヤマ「ほな、誰でもええ言うんでっか?」
P「――ええ、そうですね。代わりはいくらでもいます」
リキッド「テメッ――」
P「今回で松尾のイメージは崩れてしまいましたからね……」
P「もうダメです。次を探さないと――」
アラシヤマ「許せへん」
P「はい?」
アラシヤマ「許せへん、言うてますのや」
アラシヤマ「自分が育てたアイドルを、自分が思った通りに行かへんだからって……」
アラシヤマ「んなもん許せまへんわ!」ボッ
P「!?」
リキッド「オィアラシヤマ!」
アラシヤマ「リキッドはん!ワテはコイツ許せまへん!」
アラシヤマ「今見逃したって、後の子が同じ目見るだけや!」
アラシヤマ「いっぺん痛い目見てもらわんと――!!」
千鶴「……!」バッ
P「……松尾……」
千鶴「や、やめて下さい……」
アラシヤマ「……アカン、どきなはれ」
千鶴「ど、どきません!」
アラシヤマ「……ソイツ、松尾はんの事悪ゥ言いましたねんで?」
千鶴「それでもっ!」
千鶴「それでもこの人は!私のプロデューサーです!」
P「……っ」
アラシヤマ「……そうどすかァ……ほなしゃーないわ」スッ
千鶴「……ありがとうございます。……プロデューサーさん」
P「あ、あぁ……」
千鶴「プロデューサーの指示通り動けなくて、申し訳ありませんでした」ペコリ
P「……あ」
千鶴「指示通り動けなかった場合、解雇するという約束でしたね?」
千鶴「残念ですが……」
P「ま、待て!待ってくれ!」
千鶴「今までありがとうございました」ペコリ
P「あ……」
未央「千鶴ちゃん……」
千鶴「これでよかったのかな……ううん、これでいいはず……うん」ブツブツ
千鶴「本田さん……いや、未央ちゃんの方がいいのかな……いやでも急にだと馴れ馴れしいし……」
未央「……未央でいいよ」ニコッ
千鶴「」ハッ
千鶴「き、聞こえてた……?」
未央「うん」
リキッド「うン」
千鶴「は、恥ずかしい……」
まゆ「……さっきまでと別人みたいですねぇ」
トットリ「だっちゃわいや」
P「松尾のクセなんです……出さないように言っていたんですが……」
アラシヤマ「なんや、この方が人間味があってよろしおすなぁ」
千鶴「え、ええと……その、さっきのは聞かなかった事にして……未央ちゃん」
未央「なーに?」
千鶴「今日のコラボLIVE、とっても楽しかった」
未央「うん!私も楽しかったよ!」
千鶴「よかった……それだけは言っておきたかったの……言えた……うん……」
未央「じゃー私からもひとつ!」
千鶴「えっ……何?……な、なんだろ……」
今日からキミもトモダチだ!
――後日・CGプロダクション・事務所
千鶴「今日からこちらで皆さんの仲間になります、松尾千鶴と申します」
千鶴「以前は別の事務所でアイドルをしていましたが、未央ちゃんの誘いもあって、コチラに移籍しました」
千鶴「皆さんどうか、よろしくお願い致します」ペコリ
<ヨロシクーニャーニョワー
ちひろ「けっこー普通の女の子ですね?」
リキッド「あぁ、これからは、ちゃんとアイツに相応しいプロデュースをしてやんねェとな」
きらり「ほらほら杏ちゃんもちゃんと挨拶するにぃ!」
杏「杏だよ。よろしく」
千鶴「よろしくお願いします……すごい身長差……」
第二十二話『アイドルマスタースクリーム』おしまい
なんだか妙に長くなってしまった。寝る
二周年イベでエライ騒ぎになってますなー
>>+3
次回登場アイドル(登場キャラのみ)
第二十三話『大阪ってたこ焼きのイメージよね』 わかるわ
――某ラジオ局
みく「お疲れ様でした~っ!」
リキッド「よォ、お疲れサン」
みく「あ、リッチャン!迎えに来てくれたの?」
みく「ありがと~♪リッチャンは優しいにゃあ~」
リキッド「アァ、まァ、そんなトコだ」
みく「うにゃ、照れてる?」ニヤニヤ
リキッド「うっせ、ホラ行くぞ」
みく「はーい♪」
――某ラジオ局裏口
みく「うにゃ……土砂降りだにゃ~……」
リキッド「うえ、さっきまでマシだったのにな……ホレ、車まで走れ」タッ
みく「お断りにゃ~」
リキッド「ハァ?」ピタッ
みく「みくは雨に濡れるの嫌いだから、止むまで雨宿りして行かない?」
リキッド「あのなァ、オレはメシの準備があんだヨ」
みく「そんなのGチャンや、他の子に頼めばいいにゃあ」
みく「……ね?」
リキッド「……それこそオレが、車をコッチまで持ってくりゃいい話じゃネェか」
みく「う……そ、そうだけど……」
リキッド「……わ~かった。濡れ損だゼこりゃ……」ポタポタ
みく「あはは~……ごめんにゃ?拭いたげるね」フキフキ
リキッド「おまっ、それぐらい一人で――」
みく「あっ」
リキッド「あン?」
みく「……それ、頬っぺたの傷……」
リキッド「ン?……あァ、化粧で隠してたんだけどな」ゴシゴシ
みく「……」
リキッド「……あぁ、いや、コレは義務教育の頃、ケンカで付いたキズでよォ……」
みく「……」
リキッド「いやホントだって……」
みく「……もう、ケンカしちゃイヤだよ?」
リキッド「……あァ、約束だ」
リキッド「あ、でもオメーらの事悪く言うヤツがいたら別な」
みく「頼もしいけどダーメにゃ!」
――CGプロダクション・事務所
G「……解った」pi
ちひろ「どうされました?」
G「……リキッド達は雨宿りしてから帰ってくる」
G「……晩飯を頼む、と」
ちひろ「あぁ、確かにヒドイ雨みたいですね……」
ガチャ
瞳子「女子寮までは屋根があるから、濡れずに済むんだけどね……」ドサッ
ちひろ「あ、お疲れ様です」
瞳子「ただいま。リキッドさんは?」ゴソゴソ
ちひろ「あぁ、リキッドさん達なら、雨宿りしてから帰ってくるそうですよ」
瞳子「……そう……折角料理当番で食材も買ってきたのに」キュッ
ちひろ「瞳子さん、エプロン姿が様になってきましたね」
G「……代わりに俺が入る」
瞳子「ええ、よろしくね」
――某ラジオ局・休憩所
リキッド「んじゃよろしくナ」pi
みく「あ、お話終わった?じゃあコッチ向いて」
リキッド「あァ?」
みく「ファンデ。その傷隠さなきゃでしょ?」
リキッド「あァ……あんがとな……」
みく「どーいたしまして☆」
リキッド(ちゃんと化粧品ポーチに入れてるとか、オンナノコだネェ……)
みく「む、なーんか変な事考えてない?」
リキッド「んー?あァ、変な感じだなって思ってよ」
みく「あ、ファンデ肌に合わなかった?大丈夫?」
リキッド「違う違う、今のオレの状況」
リキッド「ガンマ団特戦部隊のリキッド様が、こ~ンな小娘に世話焼かれてやがる」
みく「タダの小娘じゃないよ、アイドルだにゃ~……ハイ、おしまいっ」
リキッド「そうだな……あんがとよ」
みく「……ねぇ、怖くなかったの?その……」
リキッド「……怖かった。いきなり連れ去られて、戦場のド真ン中落とされて」
リキッド「そうだよナァ、そもそもいきなり連れ去られるとかありえねェよなァ……」
みく「にゃはは……でも、ちゃんと、生き残ってるんだね」
リキッド「あァ?そりゃ、なァ……」
リキッド(生きるために殺した、なんて言っても……いや……)
リキッド(コイツはそれ解ってて言ってるんだろうなァ……)
リキッド「強ェな、オメーはよ」ポンポン
みく「うにゃ……?」
リキッド「オメーこそどうなんだよ?いきなり事務所が潰れたりしたけどよ」
みく「んー……みくは楽天的だから、ど~にかなるって思って、ど~にかなってるにゃ」ニコッ
リキッド「……ハッ、なんだそりゃ」
みく「そのまんまだにゃ~♪今は楽しいよ?」
リキッド「ん……ならいいさ」
みく「うん……ファンの皆も付いてきてくれてるし……あ、そうだ!」
リキッド「?」
みく「こないだホラ、アイドル募集の事をラジオで言ったら大反響でね!」
みく「応募のメールとかたくさん来たから、事務所に帰ったら一緒に読もうね!」
リキッド「……あァ」
リキッド「でも意外だなァ」
みく「?」
リキッド「みく……っつーかアイドルのラジオって、聞いてんの男ばっかだと思ってた」
みく「甘いにゃあリッチャン」フフフ
みく「みくのラジオを聴いてくれた人は、みーんなみくの虜になるんだにゃあ!」
リキッド「あー、そりゃ困るなァ」
リキッド「卯月達のファンがいなくなっちまう」
みく「……あ、それは困るにゃ。仕方ないから半分くらいは残しといたげる♪」ニコッ
リキッド「そォしてやってくれ」ニッ
リキッド「さァて、雨もあがったみてーだし、そろそろ帰るか」
みく「うん……あの、あのね?」
リキッド「あァ?」
みく「み、みくのワガママ聞いてくれて、ありがとね?」
リキッド「……バァカ、ガキが余計な気遣いしてんじゃねーよ」ワシャワシャ
みく「うにゃああああ~髪ぐしゃぐしゃになるぅ~」
――後日・CGプロダクション・事務所
みく「500回目のねこぱんちまで避けられたにゃあ……」ズーン
未央「まだまだ精進が足りないんだよ」キリッ
柚「みんなーっ!天気いいしバドミントンしよーっ!」
未央「お♪今度こそ勝つぞーう……ほら、リキッドさんも!」
リキッド「あー……コレ終わったらなァ」カタカタ
ガチャ
千鶴「お、お疲れ様です……な、何の話してたんだろ……」
リキッド「あ、代打ヨロシク」
千鶴「え?」
第二十三話『大阪ってたこ焼きのイメージ』おしまい
>>+3
次回登場アイドル(登場・未登場問わず)
第二十四話『熊本名物いきなり団子!』
――CGプロダクション・事務所
幸子「……プロデューサー、少しいいですか?」
G「……どうした」
幸子「ええと、その……ひ、人付き合いのアドバイスをお願いしたいんです」
G「……俺にか」
ちひろ「ンンッ……」
幸子「Gさんは確かに無口ですが、ちゃんと周りの人へのフォローを欠かしません」
幸子「つまり、それだけ周りの事を見ている……カワイイボクとしては、目標にしているんです」
G「……ふむ」
幸子「ええ、カワイイ上に気配りも出来るなんて、ボクがパーフェクトになっちゃって大変ですけどね!あはははは!」
G「……」
幸子「あぁ、それでですね……」
幸子「相手が意味の判らない言葉で話す場合、どうすればいいんでしょう?」
G「……留学生か」
幸子「違いますよ。日本語です」
G「……なら解るだろう」
幸子「いや、それが判らないんです」
G「……方言か」
幸子「いやそうでも無くてですね……」
ちひろ「んー……もうちょっと詳しい話をお願い出来るかな?」
幸子「ええと、昨日転校して来た子なんですが……」
幸子「煩わしい太陽、とか言ってくるんですよ」
ちひろ「」
G「」
幸子「それだけじゃなくて『黒き翼』だの『生命の泉』だの……」
幸子「カワイイボクにはサッパリなんです」
G「……スマン……俺も理解できん……」
ちひろ(うわあああ全身がむず痒くなってきたあのノートやっぱ捨てよう絶対捨てよう!)
G「……どうした」
ちひろ「ナンデモゴザイマセン」
G「……それで」
幸子「ええ、ボクとしては、転校して来たばかりで心細いばかりか――」
幸子「よく判らない言葉で、周りを遠ざけているあの子を放っておけません」
G「……偉いな」ナデナデ
幸子「ふわ……ええ!ボクはカワイイだけじゃなくて心も広いですから!当然です!」
――翌日・学校
幸子(昨日ああは言ったものの……どうしたものでしょう……)
幸子(……まずは、言葉遣いを真似てみますか……)
<ガラッ
蘭子「煩わしい太陽ね!」
(おはよう!)
<シーン
蘭子「あ……えっと……」シュン
幸子「ええもう!まったく煩わしい太陽ですね!」
蘭子「!!」パァッ
蘭子「ククク……アナタも『瞳』の持ち主なのね……!」
(わーい!ちゃんと返してもらえた!)
幸子(瞳?まぁ、そりゃ眼はありますし……ええと……)
幸子「ふふーん、我が眼は在って当然です!」
蘭子「おぉ……このような邂逅を遂げられるとは……我が魂は歓喜に打ち震えておるぞ……」
(あ、あの……友達になってくれるかな……?)
幸子(喜んでくれてる……演劇風に喋ればいいみたいですね)
幸子「ボクの心も晴れ渡る秋の空のようですよ!」
蘭子「!!」パァッ
――その日の夜・CGプロダクション・食堂
幸子「――といった具合ですね」
G「……規則性が無いな」
幸子「ええ。でも、何とかニュアンスは掴めるようになりましたよ!」ドヤ
G「……しかし本心ではない」
G「……もう一度解析するぞ」
幸子「はいっ!」
リキッド「なァにやってんだァ?」
ちひろ「勉強です」
――――
――
蘭子「なんという業(カルマ)か……記されし呪文(スペル)が舞い散ってしまったわ……」
(さっきの授業、板書途中で消されちゃったんだけどノート見せてくれないかな?)
幸子「ふふーん、あの程度の呪文(スペル)を逃すとは……」
(いいですよ!どうぞ!)
蘭子「おぉ……なんと流麗な……」
(すごい綺麗なノート……あ、ありがとっ!)
女生徒A「ねぇ……幸子と……」ヒソヒソ
女生徒B「うん……だよね……」ヒソヒソ
蘭子「……っ」
蘭子(や、やっぱり私変に見られちゃってる……よね)
蘭子(幸子さんは仲良くしてくれるけど……これじゃ前みたいに……)
~~~
『なんでって……そんな事もわかんない?』
『アンタといるとワタシまでイジメられちゃうじゃん』
~~~
蘭子「っ!」ギュッ
――その日の夜・CGプロダクション・食堂
幸子「……あ」
G「?」
幸子「……明日ボク、撮影あるのを蘭子さんに伝え忘れちゃいました……」
G「……大丈夫なのか」
幸子「大丈夫ですよ!ボクのクラスメート達ですから!」
幸子「演劇部の人から、誘いたいけどなかなか誘えないという相談を受けていましたから……」
幸子「きっと明日には、声を掛けると思いますよ」
――同じ頃・神崎宅
蘭子「~♪」サラサラ
蘭子(あ、明日こそは幸子さんに普通の話し方で……!!頑張れ私!!)
――翌日・学校
<ガラッ
蘭子「あ……」
蘭子(幸子さん、まだ来てないんだ……)
女生徒A「……」ヒソヒソ
女生徒B「……」ヒソヒソ
蘭子(うぅ……)
女生徒A「ねぇ、神崎さん」
蘭子「はっ!はひぃっ!」ガタッ
女生徒B「そんな驚かなくても……」
蘭子「あ、えぃ、ご、ごめんなさい!」
女生徒A「あ、普通にも話せるんだ」
蘭子「ごめんなさい……」ジワッ
蘭子「……ごめんなさい……」ポロポロ
女生徒A「え!?ちょ、な、なんで泣くの!?」
女生徒B「何したの?A」
女生徒A「わ、私は何も……」
――
蘭子「え?」
女生徒A「だからさ、演劇部に入ってもらいたいなって……」
女生徒B「最近ホラ、さっちんとばっかり話してたから、邪魔しちゃ悪いなーって思って……」
蘭子「……」
女生徒A「それにさっちん、学校休みがちだからさ。その……」
女生徒A「神崎さんが一人にならないように、な、仲良くなっておきたかったし……」
女生徒B「そうそう!転校してきたばっかじゃん?私も転校して来たから、気持ちチョー分かるし!」
蘭子「……」ペタン
女生徒A・B「「!?」」
蘭子「ふぇええええええええん」ポロポロポロポロ
女生徒A「え、ちょ、何でまた泣くの!?」
女生徒B「よーしよしこの人は怖くないからねー」ナデナデ
女生徒A「誰が怖いって!?」
――翌日・学校
<ガラッ
幸子「おはようございます」
蘭子「あ、煩わし……くない!おはよう!」
幸子「煩わしくない!?」
女生徒A「あ、おはよーさっちん」
蘭子「それで……その、身体の方は大丈夫なんですか?」
幸子「あぁ、そうでした……蘭子さんには話してませんでしたね」
女生徒B「なんとさっちん、今をときめくアイドルなのだ」ポン
幸子「む……ボクのセリフを取らないで下さいよ」
女生徒B「やーごめんごめん」
幸子「まぁいいですよ。ボクは心も広いですからね!」
蘭子「アイ……ドル……」
幸子「ええ。今は有名では無いですが、いつか必ず――」
蘭子「あのっ!白菊ほたるさんと知り合いとかっ!!」
幸子「あぁー有名ですよねー」ウフフ
女生徒A「さっちん、強く生きて……」
――その夜・神崎宅
蘭子「~♪」サラサラ
蘭子(幸子さんがアイドルだったなんて……それに、AさんもBさんもいい人だったし……)
蘭子(やっぱり、この人の噂はホントなのかな……?)チラッ
『白菊ほたるカバーアルバム』
蘭子(今度事務所に見学に連れて行って貰えないか、頼んでみよう)フンス
第二十四話『熊本名物いきなり団子!』おしまい
寝る
次回、蘭子が事務所にやってくるの巻
>>+5
次回登場アイドル(登場・未登場問わず)
第二十五話『北海道名物!大泉洋!』
幸子「――事務所の見学、ですか」
蘭子「……っ!……っ!」コクンコクン
幸子「そ、そんなに勢い良く頷かなくても大丈夫ですよ?」
女生徒B「あははー、顔真っ赤にしちゃって可愛いなぁ蘭子ちゃん」
蘭子「か、かわっ……」
女生徒A「アイドルに興味あるんだ?」
女生徒B「おや?コレは演劇部人事としては見逃せませんなぁ」
蘭子「あ、その、演劇部はちゃんと入るからっ!」
女生徒A「あぁ気にしないで、Bの悪ふざけだから」
女生徒B「悪ふざけだから~」
幸子「まったく……Bさんはおふざけが過ぎますよ?
女生徒B「あはは、ごめんねー?」
幸子「まぁ、それがBさんのいい所でもあるんですが……蘭子さん、見学の件はこの後聞いてみますね」
蘭子「!」パァッ
蘭子「神託(オラクル)が下る時が来たか!」(やった!ありがとー!!)
女生徒B「こういうセリフがサラっと出るとは……恐ろしい子……」モグモグ
女生徒A「仕草にも出てるよね。舞台映えしそう……」モグモグ
蘭子「?」
――CGプロダクション・事務所
ちひろ「はいもしもし、どうしたの幸子ちゃん?」
ちひろ「見学?……うーん、今日は皆オーディションとかで出払ってるから……」
ちひろ「そうだね、晩御飯くらいまで居てもらったらいいんじゃないかな?」
ちひろ「はいはーい、二人にも伝えておくねー」カチャ
ちひろ「えーと――」
<prrrrrrrrrr
ちひろ「おっと、もしもし、卯月ちゃん?」
ちひろ「……見学?」
――――
――放課後
幸子「とまぁそういうワケで、事務所でしばらく待つ事になりますけど……」テクテク
幸子「大丈夫ですか?」
蘭子「ククク……我が胸が高鳴るわ……」(大丈夫だよ!すっごい楽しみっ!)
幸子「それならいいです。あ、晩御飯も食べて行くといいですよ」
蘭子「えっ……こ、神々しき円卓を囲むか……」(あ、アイドル達とご飯!?)
蘭子「えっとえっと……」ポパピプペ
蘭子「……あ、おかーさん?今日友達とご飯食べて帰るね?」
蘭子「……うん……うん、分ってるよーっ。じゃあね」ピッ
蘭子「我もその円卓に名を連ねようぞ!」(大丈夫、オッケーもらったよ!)
幸子「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ?」
アナスタシア「幸子さん、アー……お勤めご苦労様です?」
幸子「アーニャさん、また変な日本語教えられましたね?」
蘭子「?」
アナスタシア「Да, クラリスさんから、アー……マンガ借りた、です」
アナスタシア「えーと……アー、シズカナルドン」
幸子「あの人はホントにシスターさんなんですかねぇ?」
アナスタシア「сказала сестра……アー、いいシスターさんですよ?」
蘭子「!」ワクッ
アナスタシア「ところで、そちらは?」
幸子「あ、お待たせしました。コチラは神崎蘭子さん。ボクの学友です」
幸子「蘭子さん、コチラはアナスタシアさん。ボクと同じ事務所のアイドルですよ」
蘭子「覇者との邂逅か!我が名は神崎蘭子!」(あ、アイドルさんですか!?初めまして、神崎蘭子っていいます!)
アナスタシア「N?」
幸子「ら、蘭子さん……!」
蘭子「あ……ご、ごめんなさい!初めまして、神崎蘭子っていいます!」カァッ
アナスタシア「Приятно познакомиться, Ранко」
アナスタシア「Меня зовут Анастасия. Приятно познакомиться」
蘭子「!!!」ワクワクワクッ
幸子「アーニャさんまで……」
アナスタシア「クスッ……アー、初めまして、蘭子さん」
アナスタシア「私はアナスタシアと言います。アーニャと呼んで下さい。よろしくですね」
蘭子「はっ、はいっ!!」
蘭子(かっこいいなぁ……どこの言葉なんだろ……)
幸子「アーニャさんはロシアと日本のハーフなんですよ」
蘭子「ロシア語……」
蘭子(帰ったら調べよう!)フンス
――CGプロダクション・事務所
幸子「さ、ココがボク達の事務所ですよ!」
<ガチャ
ちひろ「あ、お疲れさまー♪」
アナスタシア「Я дома♪」
ちひろ「До、どぅーぶろぱじゃーろふ……」
蘭子「?」
幸子「『ただいま』と『おかえり』ですよ。お疲れ様ですちひろさん」
ちひろ「あ、もしかしてその子が……」
幸子「はい、ボクの学友の――」
蘭子「あ、えっと、神崎蘭子っていいます!きょ、今日はその、よろしくお願いします!」ペコッ
ちひろ「蘭子ちゃんね♪今日は殆ど出払っちゃってるから、レッスンとかの見学は出来ないけど……」
蘭子「あ、いえいえそんなっ!」ブンブン
ちひろ(かわいい)
アナスタシア(かわいい)
幸子(かわいい)
ちひろ「まぁ、今日はゆっくりお喋りとか、ウチの雰囲気を知ってもらえればいいかな」ウーン
ちひろ「そだ、お茶淹れて来るねー♪」パタパタ
幸子「あ、ありがとうございます」
蘭子「ありがとうございますっ!」
アナスタシア「アー、蘭子さんは、緊張していますか?」
蘭子「はいっ……えっと、少し……」エヘヘ
幸子「まぁ、無理も無いでしょう。アイドル事務所ですからね」
蘭子(アーニャさんが近くに居るからなんだけど……スゴイオーラ……)
アナスタシア(緊張をほぐすのには……一発ギャクでもやればいいのかな?)
蘭子(あ、それだと幸子さんにオーラが無い事に……いやいやゴメン!そういうワケじゃなくて)オロオロ
幸子(む、なんだか蘭子さんが挙動不審に……相当緊張しているようですね)
幸子(こういう時こそカワイイボクが一肌脱いであげましょう!ボクはカワイイですからね!)
アナスタシア「アー、一発ギャグ、やります」ハイ
蘭子・幸子「「ナンデ!?」」
幸子「――そうでしたか」
幸子「ボクもちょうど蘭子さんの緊張をほぐそうかと思ってたんですよ!」
アナスタシア「Прожить……あ、気が合いますね」
アナスタシア「じゃあ、一緒に、一発ギャグ、やりましょう」
幸子「いや、それはいいですから……」
アナスタシア「позор……残念です……」
蘭子「えっと、その、ふ、二人とも、ありがとうございます……」
幸子「いえいえ、じゃあどうしましょうか……」
<ガチャ
G「……戻った」
幸子「あ、お疲れ様ですプロデューサー!」
アナスタシア「Добро пожаловать」
蘭子「あ、えっと、お、お邪魔しています!」ガタッ
G「……幸子の友人か」
G「……話は聞いている」
蘭子「え、えっと……?」
G「……」
G「……闇に飲まれよ!!」(お疲れ様です!)
蘭子「」
幸子「」
アナスタシア「?」
сон
マルタさんみたいな女の子と一緒にご飯食べたいよおおおお
ちひろ「~♪」カチャカチャ
ちひろ(幸子ちゃんの友達……結構化粧がキツメだけど素材は良さそうだし……)
ちひろ(……っといけないいけない。これ以上アイドルが増えたらリキッドさん達の負担が……)
ちひろ(うぅ……でも勿体無い……二人に相談してみようかな……)トコトコ
ちひろ「はいお待たせー♪」
蘭子・G「「生命の泉よ!」」
ちひろ「」
G「……俺の分は」
ちひろ「そんな……あのノートは捨てた……もう捨てたのに……」
G「……ちひろ」
ちひろ(『漆黒の翼』『闇より暗き闇』『堕天使』『聖刻』『棺』『十字架』)
ちひろ「ふ、ふふふふふ……」
幸子「あ、あの、ちひろさん……?」
ちひろ「碧の恵みを所望するならば!しばしの時を待つが良い!」(お茶ですね、少々お待ち下さーい)
幸子「うわああああああああああ」
アナスタシア「オー、прохладно」(カッコイイ)
蘭子「くく……そなたも我と同じ『瞳』を持つ者か……」(ちひろさんも話が合いますね!)
ちひろ「ふふ……我は刑に架せられ囚われた身……」(ええ……昔、ちょっとね)
ちひろ「しかしそなたとの邂逅で!この魂は再び蒼き炎を纏ったのよ!」(蘭子ちゃん見てたらまた漲ってきたわ!)
幸子「あぁ……頭が痛いです……」
アナスタシア「エー、大丈夫、ですか?」
G「……あれは日本語なのか」
幸子「……放っておいてお茶にしましょう……」
幸子「流石のボクも、あれには着いて行けません」
G「……そうか」
ちひろ「ふむ……その容貌は聖衣(クロス)の魔力を高めるためか……」(ゴスロリ系の服に合わせたメイクしてるけど……)
ちひろ「しかし、仮の姿には似つかわしくないな。術を持たぬのか?」(制服には似合わないと思うよ?雑誌とか読んでみたら?)
蘭子「う……わ、我が呪文書(スクロール)は未だ手元に……」(そ、その、どれを買えばいいか分からなくて……)
蘭子「我には聖衣しかないのだ……」(ゴスロリ系以外のファッションって、よく分からないですし……)
ちひろ「そうか……ならば致し方あるまい」(そっかー……)
ちひろ「時に、我が魔力を篭めた聖衣が古き城に遺されておるのだが……」(あ、そうだ。昔作った衣装が実家に残ってるんだけど)
ちひろ「そなたさえ良ければ、跡を継ぐがよい……どうか?」(蘭子ちゃんさえ良ければ、着てみない?)
蘭子「……!真か!」(まっこまっこり~ん☆)
ちひろ「くく……我が魔力は最早風前の灯火……」(ええ、もう着る事も無いし、それに……)
ちひろ「次なる魔王には、そなたこそが相応しい……」(蘭子ちゃんになら似合うんじゃないかなって)
蘭子「古の魔王よ……心得た!そなたの魂、我が受け継ごうぞ!」(ちひろさん……分かりました!お願いします!)
アナスタシア「アー、こちらは?」
G「……メガネグマといって、主にエクアドルやペルーに生息する熊だ」
G「個体によっては顔の模様がメガネのように見える事から――」
春菜「……」ジーッ
G「メガネグマと呼ばれている」
アナスタシア「アー、聞き慣れない、ですね」
幸子「今窓の外に誰かいましたよね?」
G「あぁ、生息数が減ってしまってな」
アナスタシア「охота……ア、狩りのせいですか?」
G「……ああ」
幸子「あはは!ステレオで濃い話が聞けて幸せですよ!あはは!」
<ガチャ
卯月「お疲れ様でーす!」
かな子「お疲れ様ですー!」
ちひろ・蘭子「闇に飲まれよ!」(お疲れ様です!)
卯月「え?わ、私何か悪い事しましたか!?」
ちひろ・蘭子「「」」ハッ
ちひろ「ご、ごめんなさい卯月ちゃん!ちょっと盛り上がっちゃって!」
蘭子「す、すいません!あとお邪魔しています!」
かな子「えぇと……その子は?」
幸子「来た!卯月さん来た!お疲れ様です!」
卯月「ど、どうしたの幸子ちゃん!泣いてるの!?お腹痛いの!?」
幸子「痛いのは頭です!」
かな子「あのー?」
幸子「あ、こちらはボクの学友の神崎蘭子さんです」キリッ
蘭子「は、初めまして!」
卯月「へぇ、幸子ちゃんもお友達連れて来てたんだねー♪」
幸子「『も』?」
卯月「入ってきていいよー!」
雪菜「お、お邪魔しまぁす……」
――――
――
ちひろ「お茶が入りましたよー」パタパタ
卯月「あ、ありがとうございます♪」
かな子「ありがとうございますー♪」
幸子「ありがとうございます……にしてもあの二人……」
雪菜「……うん、マスカラはそんなに盛らなくていいし、目尻はもっとナチュラルに」
蘭子「ふむふむ……」メモメモ
雪菜「あとは表情が硬いかなぁ?『いー』ってやってみて?」
蘭子「え?あ、えっと……い、いー」カァッ
雪菜「そうそう、そうやって表情筋をほぐすのも大事よぉ♪」
かな子「いー……」
幸子「ずいぶんと馬が合うみたいですね」クスッ
卯月「うん!姉妹みたいだねー♪」
アナスタシア「コレは?」
G「……マレーちゃんだ」
アナスタシア「白いからбелый медведь……アー……」
G「ホッキョクグマじゃない。マレーちゃんだ」
第二十五話『北海道名物!白い恋人!』おしまい
ちひろさんが椅子くるくるさせたり普通に可愛くて好き
『インターミッション』
――CGプロダクション・事務所
リキッド「ハァ……まったくティーンズは賑やかなこって」
ちひろ「まぁ、あの年頃は元気が取り得ですからねー」アハハ
ちひろ「私も少し前を思い出して……」
G「録画した物がコチラだ」
ちひろ「うわあああああああああああああああストップストップストップ!!!」
ちひろ「コホン……えー、ところで今日見学に来ていた二人ですが……」
ちひろ「ココに見学に来たと言う時点で、少なからずアイドルという仕事に興味があるのは間違いないです」
リキッド「だからってスカウトかァ?コレ以上増やしてどォすんだヨ?」
G「……」
ちひろ「ええ、お二人の負担が大きいのは重々承知です。ですが――」
ちひろ「暇そうな『同僚』さんがいらっしゃるじゃないですか♪」
リキッド「……肝据わってんなァ……」ハァ
G「……俺は賛成だ」
リキッド「……オレもだ。そうと決まりゃ、誰をプロデューサーにするか……」
ちひろ「トットリさんとアラシヤマさんは、それぞれまゆちゃんと輝子ちゃんをメインにしてもらいましょう」
リキッド「……あァ?二人ともか?」
ちひろ「だってー、まゆちゃんはトットリさんにゾッコンですし」
ちひろ「アラシヤマさんは人見知りが激しくて……あ、営業には向かないかも……」
リキッド「イヤ、アイツはアレで上手くやるだろうさ。ミヤギはどォする?」
ちひろ「んー……」
G「……俺達と同じ、複数人にあたらせよう」
リキッド「そォ……だな。ウシ、そうしよう」
ちひろ「ありがとうございます♪これでもう少しアイドルも増やせそうですね♪」
リキッド「バッ……オメーなぁ……」ハァ
ちひろ「まぁまぁ。そうだ、前に連れてきたメガネの子とか――」
『インターミッション』おしまい
寝る
>>714
劇場のちひろさんがイメージに近くて嬉しい
第二十六話『仙台銘酒!戦勝政宗!』
――CGプロダクション・事務所
ミヤギ「オラ達がプロデューサーだべか?」
リキッド「イヤァ、どーせヒマだろ?」
ミヤギ「まぁ、休暇中だしなぁ……」
トットリ「それに何かと世話になってるからァ、手伝ってもエエと思うがね」
ミヤギ「おぉ、確かにメシの恩は返さなきゃ……」
ミヤギ「……ってちょっと待つダヨ。オラ結構活躍してるってお便りが来てるべ」
リキッド「……チッ」
トットリ「まぁそう言わずに、やってみるわいや」
リキッド「まずトットリとアラシヤマは、それぞれまゆと輝子の担当ナ」
トットリ「あぁ、やっぱりそうなるっちゃか……」
アラシヤマ「ま、待っておくれやす!ワテにプロデューサーなんて無理どすって!」ブンブンブンブン
リキッド「やかましィ。千鶴も周子も、しっかり背中押してんじゃねェか」
アラシヤマ「あれ秘密や言いましたやんか周子はん!」
リキッド「担当とは言ったケド、他のヤツの面倒見たかったら見てもいいからナ」
トットリ「んな怖い事出来んがね!何されるか分からんッちゃ!!」
アラシヤマ「んんwwwwwwww複数人担当とかありえないwwwwwwwwwww」
G「……だろうな」
リキッド「まぁ予想通りか」
ミヤギ「オラはどーすればいいべ?」
リキッド「あァ、ミヤギはオレ達と一緒に複数人の担当だ」
リキッド「そうだな……まァ、アイツらの方から寄ってくると思うぜ?」
――その夜・CGプロダクション・食堂
リキッド「――ッていう訳でェ、今日からプロデューサーになる三人だ」
ミヤギ「改めまして、ミヤギだべ。なにぶんプロデューサーなんかすんのは初めてだから――」
ミヤギ「至らぬ所は多いと思うけんども、よろしく頼むべ」
トットリ「まゆの専属プロデューサーやる事になったトットリだっちゃ」
トットリ「専属と言っても皆とは送迎や何かで一緒になるから、よろしく頼むがね」
アラシヤマ「んんっふ……しょ、輝子はん専属プロデューサーになりました……アラシヤマどす……」
莉嘉「ねぇねぇねぇ!アタシのプロデューサーやってみない!?」
美嘉「こ~ら。専属プロデューサーじゃないって言ったでしょ」
千鶴「私もかな……私もだといいな……」
晴「千鶴ねーちゃん、また洩れてんぞ……」
ミヤギ「い、いやぁ、ホントに向こうから来たダヨ……」タジッ
リキッド「ま、頑張ろォぜ」
――24時間後・CGプロダクション・事務所
ミヤギ「……ハァー……」
まゆ「……お疲れ様です」
ミヤギ「おぉ、まゆか。どうしたべ?」
まゆ「いえ、慣れない仕事で大変だろうと思いましてぇ、お茶を淹れて来ました」ニコリ
ミヤギ「おー、気が利くべ。ありがとな」ニコッ
ミヤギ「将来いい嫁さんになれると思うんだどもなぁ……」ズズッ
まゆ「いえそんな……あ、今日は美嘉さんと莉嘉さんのレッスンだったんですよねぇ?」
まゆ「どうでしたか?お二人と話してみて」
ミヤギ「元気な子達だべ。コッチは話に付いてくだけで精一杯だっただヨ……」ハァ
まゆ「ふふ、莉嘉さんは特に元気な人ですからね」
ミヤギ「あぁ……疲れたかな……なんだか眠く……」
ミヤギ「zzz……」
まゆ「……うふ」
――トットリの部屋
トットリ「……zzz」
まゆ「……」ソーッ
まゆ「……」コソコソ
~~~
リキッド「はい、ミヤギの筆は書いた本人のイメージが優先されるのはご存知ですよね?」
~~~
『 ま ゆ の 』
まゆ(背中に書けばバレないし……コレでトットリさんはまゆの……♪)
まゆ(…………明日が楽しみ♪)
――翌日・CGプロダクション・事務所
トットリ「おはようございまーす」
ちひろ「おはようございます」
リキッド「おォトットリ。今日の送迎頼めるか?」
トットリ「あぁ、いいっちゃよ。レッスン場でいいんだか?」
リキッド「あァ、ワリィな。コッチは凛に合いそうな仕事見つけたから営業だ」
トットリ「んだかァ、凛ちゃんならどんな仕事もこなせそうっちゃね」
まゆ「……」ジー
まゆ「……あれ?」
ミヤギ「……お。おはよーサン」
まゆ「あ、おはようございますぅ」ビクッ
ミヤギ「どしたべ?……あぁ、またトットリ見てたべか」ハッハッハ
まゆ「え、ええ、そうなんですよ」
ミヤギ「それより昨日は悪かったべ。疲れてたとは言え話の途中で寝てしまうとはナァ」
まゆ「っ」ギクッ
ミヤギ「……睡眠薬の味は、訓練のおかげで覚えてるダヨ」
まゆ「……わざと飲んだんですか?」
ミヤギ「まぁ、何の為かは知らんケド、オラに寝てて欲しかったんだべ?」
ミヤギ「大方トットリ関連だろうけどナァ」
まゆ「……ごめんなさい。正直に話しますね……」
――――
――
ミヤギ「なるほどナァ……」
まゆ「ごめんなさい……その……」
ミヤギ「アレはなぁ、漢字で書かないと効果が出ないんだべよ」ハッハッハ
まゆ「」
ミヤギ「名前が平仮名のまゆには、お役立ちアイテムにはならないって訳だべ」
まゆ「……そうでしたか……」シュン
ミヤギ「ま、こんなモンに頼らなくても大丈夫だと思うべな」
まゆ「え?」
ミヤギ「なんでもね。あぁ、オラの筆の事は内緒にしといてけろ」
ミヤギ「それで許してやるダヨ」
まゆ「……はい、内緒です♪」
第二十六話『仙台銘酒!戦勝政宗!』おしまい
寝る
第二十七話『テイク・ミー・ホーム』
――CGプロダクション・事務所
<prrrrrrr
ちひろ「はいシンデレラガールズプロダクションです……あら、お久し振りですマジックさん」
ちひろ「……はい……はい、畏まりました。お伝えしておきますね」
ちひろ「では、失礼いたします」
――CGプロダクション・食堂
リキッド「よーし全員集まったナー」
留美「今日は何の集まりかしら?」
卯月「また新しいアイドルが入ってきたとか?」
凛「また新しいプロデューサーとかかも」
未央「最初にお仕事の話って浮かばないのが哀しいねー……」
志乃「それ以上いけないわ」
リキッド「エー、前回マジックさんが持ってきたお仕事の話だ」
リキッド「アー静かにー静かにー」
リキッド「静かにッつってんでしょオッ!!」
――――
――
リキッド「――えーッと、学生組の保護者へのアイサツ回りだろォ?」
リキッド「学校側への長期休暇届け……は本人か」
ちひろ「あ、スケジュール調整と得意先へのアイサツ回りもお願いしますね?」
リキッド「カァーッ!めんどくせぇ!」
―― 一週間後・某港
マジック「やぁやぁ皆さんお久し振りです」ニコニコ
ちひろ「お久し振りです。この度はお世話になります」フカブカ
マジック「いえいえそんな……」フカブカ
リキッド「なァに純和風なアイサツしてんだよ……」
凛「でも今回の仕事のクライアントだよね?真面目にやらないと……」
未央「えー?私達が遊んでる姿をパンフに使うだけじゃないの?」
卯月「未央ちゃん、もしかしてスッピン出すつもり?」
未央「……あ」
柚「え?ダメなの?」
響子「家族も呼ぶつもりだったんですけど……気持ちだけ受け取っておくって……」
G「……可愛い子には旅をさせよ、か」
晴「いいなー。オレのトコなんて行きたい行きたいうるさかったくらいだぜ……」
志乃「どちらもいい親御さんね」
「おーい!」
リキッド「あン?」
卯月「?」
グンマ「久し振りだねーリキッドさん!」ブンブン
キンタロー「ソチラがアイドルの人達か」
リキッド「おォ、二人とも久し振りだなァ」
卯月「は、初めまして!!」ペコッ
リキッド「あれ?ソッチは?」
晶葉「池袋晶葉だ」
グンマ「ボクの友達で――」
晶葉「ライバルだ」
グンマ「――そうそう。ロボットコンテストで常に上位の子でね~♪」
グンマ「この船のシステムの開発を手伝って貰ったんだ」
リキッド「いいのかよォ、ンな事してェ」
グンマ「今回の航海に参加するっていう条件付きでね」
キンタロー「……あの時以来か。元気そうで何よりだ」
菜々「きょ、今日はサービスさんいないんですね……」ホッ
――大型客船『ノア』内
リキッド「オイ」
グンマ「なぁに?」
リキッド「なんだこのファンシーなロボット達は!?」ナデナデ
卯月「かわい~♪」
晶葉「私が開発したウサチャンロボだ。この船の操縦や保守点検を担当している」
みく「なんでネコじゃないの~……」
トットリ「ロボットが船員だっちゃか……じゃあロボットの管理はどうしとるんだかァ?」
晶葉「あぁ、それなら――」
ジャン「よぉ、置いてくなんてヒドイぞ皆」
晶葉「彼の開発したメインAI『ノア』が管理してくれている」
リキッド「よォし、客室に荷物置いたらレストランの方に集合なー」
ジャン「シカトはよくないぞリキッド」
ジャン「久し振りに会ったのにあんまりな仕打ちじゃないか」
リキッド「オメーにゃロクな思い出がネェもんでなァ」
ジャン「まだ根に持ってるのか。ちょっと身体を借りただけでしょ」
リキッド「ちょっとじゃねぇよバカァ!」
洋子「身体を借りた?」
未央「どゆこと?」
ジャン「文字通り、オレが肉体を失った時にコイツの身体を乗っ取って――」
リキッド「わあ!わああああ!」
リキッド「一般人に何話そうとしてんだテメェは……!!」ギリギリギリギリ
ジャン「す、すまん……」
ジャン「以前彼の名前を勝手に使ってお仕事してたんだ」
未央「へ、へぇ……」
洋子「そうだったんですか……」
リキッド(すっげぇ先行き不安――!!)
――『ノア』内・レストラン
<ガヤガヤガヤガヤ
リキッド「ハーイ皆静かにー。これからお仕事の説明すんぞー」
リキッド「配布した資料の通り、パプワリゾートのPRが我々の仕事だァ」
リキッド「期間は三泊四日なのも以前お伝えした通り。詳しい内容についてだが……」
リキッド「基本的には各島の施設で遊んでる姿を、オレ達やちひろが撮影」
リキッド「その内容や感想に関しては、各自でレポートを作成する事」
<エエー
薫「ねぇねぇ、れぽーとって何ー?」
穂乃香「んーっとね……日記みたいなもの、かな?」
杏「めんどくさいなぁ……」
リキッド「レポート内容に関しては、絵日記形式でも写真形式でも構わん」
リキッド「宣伝に使う部分は後で、本人たちと確認しながら決めるそうだ」
マジック「それに関しては私から……折角リゾートを楽しんだのに、その思い出を仕事先に提出では味気ないので――」
マジック「皆さんには思い出を持ち帰って頂いて、我々はその一部分をコピーして使わせて頂く形になります」
マジック「あまり難しく考えず、楽しんで頂ければ幸いです」ペコリ
寝る
……あ、三泊四日とか短くね?
ガンマ団の猛者が何人も倒された危険地帯に行くのなら長いくらいだろwwww
>>741
いや、船だと東京から沖縄で三日はかかるって話なんだ
ガンマ団脅威の科学力って事で何とか
夕美「あの、質問いいですか?」ハイ
マジック「ええ、どうぞ」
夕美「パプワ島に着くのはいつ頃になるんでしょう?」
マジック「海の状況によりますが、だいたい三日前後で着くでしょう」
柚「三日かぁ……え?三日?」
柚「え、三泊四日じゃないの?」
未央「それは向こうに着いてからだよ?」
柚「……どうしよ!書類に三泊四日って書いちゃった!」アワワ
ゆかり「どうせそんな事だろうと思って、ちゃんと先生に言っておいたから大丈夫だよ」
柚「おぉ!ありがとーゆかりちゃん!」
ゆかり「その分宿題増えてるからね?」
柚「ノゥッ!?」
瞳子「シアタールームにプールまであるのね……」ペラ
かな子「ふ、船旅って初めてなんですけど、こんなに豪華なんですね……」ペラ
ヘレン「ホテルが船になったみたいね……気に入ったわ」
ミヤギ「部屋は二人部屋のスイートと、四人部屋のスタンダードがあるべ」
トットリ「どの部屋を使うかは自由にすっけど、綺麗に使うっちゃよー」
まゆ「トットリさんはまゆとスイートですよね?」
トットリ「あ」
リキッド「ミヤギぃ!」
ミヤギ「任せるべ!」
『 普 通 』
まゆ「……」
まゆ「……ご、ごめんなさい!さっきのは忘れて下さいっ!」カァッ
まゆ「凛さーん!船内一緒に回りませんかー?」タッタッタッ
トットリ「……」
ミヤギ「これで大丈夫そうだ……どしたべトットリ?」
トットリ「いや……ちょっくらドキっとしちまっただわいや……」
リキッド「そうかロリコン」
ミヤギ「ギャップ萌えってヤツだべロリコン」
トットリ「キサマらぁ!!」
――デッキ
卯月「わー♪いい景色だねー!」
凛「キレイだね……写真撮っとこ……」
まゆ「あら?千鶴さんもいらしてたんですねぇ」
千鶴「船旅って初めてだから珍しくて……着くまでの間もレポートに書かなきゃだから……」
卯月「……」
凛「……」
まゆ「……」
千鶴「な、なんで顔あわせて笑ってるの?……変な事言っちゃったかな……?」
卯月「ううん!そうじゃなくて……」
凛「マジメだなーって思ってさ」クス
まゆ「折角ですし、皆で写真撮りましょうか?」
卯月「いいね!ほら千鶴ちゃんも!」
千鶴「あ……う、うん!」
――ジム
真奈美「ふむ……コレならヒマせずに済みそうだよ」
G「……ん」
柚「うー……もっと広くないとバドミントンできないじゃんかー……」
未央「コラ柚ちゃん、ワガママ言わないの」
真奈美「それなら後部デッキなんかがいいんじゃないかな?」
ゆかり「そちらは後で行って見ましょうか……あら?このガラス張りの部屋は?」
真奈美「スカッシュのコートだよ。そうだGくん、お手合わせ願えないか?」
G「……いいだろう」
柚「あー!アタシも!」
未央「私もやってみたい!」
真奈美「よし、一汗流して展望風呂と行こうか」
――後部デッキ
ヘレン「青い空、蒼い海、紅いワイン……」
志乃「海を眺めながらのワイン……最高ね」
ヘレン「……邪魔しないでくれるかしら?」
志乃「それはコチラのセリフよ」クィッ
ヘレン「……まったく……」クィッ
志乃「……ところで、何でコッチに移籍してきたの?」
ヘレン「あら、今更それを聞くの?」
志乃「ええ、今気になったんだもの」
ヘレン「……今後、アナタと当たりたくないから、かしらね」
志乃「私なら大歓迎だけど?」
ヘレン「私がイヤなのよ。それに――」
ヘレン「コッチの方が、私のレベルに合ってるわ」
志乃「海の向こう(笑)」
ヘレン「いちいちバカにすんでねぇが!」
志乃「いいじゃない。あ、同じ部屋使う?」
ヘレン「誰が使うか!」
――スタンダードルームの一室
薫「かおる二段ベッドの上使いたい!!」ピョンピョン
クラリス「はーい、危ないから気を付けてね?」
薫「はーい!」
雪美「……私も……」
きらり「はーい雪美ちゃん高い高ーい!!」
雪美「……たかいたかーい……」
菲菲「スゴイネー、ハシゴ要らないネ!」
晴「騒がしいなぁ……杏姉ちゃんと同じ部屋にするか」
きらり「うきゃ?晴ちゃんもきらりと同じ部屋にするにぃ?」キラキラ
晴「は?」
きらり「じゃあじゃあ~、部屋まで案内するにぃ!晴ちゃん高い高ーい!」
晴「うおおおおおおお!?」
――通路
きらり「きらりん超特急~☆」タッタッタ
晴「降ろせ!降ろせって!」バタバタ
ジャン「……何だアレ?」
第二十七話『テイク・ミー・ホーム』おしまい
寝る
第二十八話『ロック・インザ・ハウス』
――パブリックスペース
アナスタシア「……」キョロキョロ
みく「にゃ?アーニャチャン何してるの?」
アナスタシア「приключение……アー、冒険?探検?です」
みく「へぇー、アーニャチャンでもそういう事するんだ」アハハ
アナスタシア「ヘン、ですか?」
みく「ううん!歳相応ってヤツにゃ♪」
アナスタシア「……そう、ですか?」
みく「少なくとも、みくにとってはねー♪」
みく「ささ、みくも船内探検に参加するにゃー!」オー
アナスタシア「オー」
みく「……とは言っても入っちゃいけない場所に入るのはダメだから、範囲は限られてるにゃあ」
アナスタシア「Забавное место……アー、さっき、ヘンな扉、ありました」
みく「にゃにゃ、にゃ~んかありそうだにゃ~。早速行くにゃ!」トコトコ
アナスタシア「Да♪」トコトコ
アナスタシア「Есть здесь……コッチ、です」
みく「いやいやいやいや、関係者以外立ち入り禁止って書いてあるやん?」
アナスタシア「大丈夫大丈夫、みくさんが付いて来てくれれば百人力です」フンス
みく「急に流暢!?」
みく「っていうかソレ道連れってヤツじゃ――」
アナスタシア「сезам, откройся♪」ガチャ
みく「聞いて!!」
――
アナスタシア「オォ……довольно……」
みく「何ココ……プラネタリウム……?」
アナスタシア「オー……でも、パンフレット、ありませんでしたね?」
みく「うん……何でこんな部屋が立ち入り禁止に――」
『だれですか』
みく「うにゃっ!?」
アナスタシア「?」
みく「ご、ごめんなさい!勝手に入っちゃって!……って、アレ?」
アナスタシア「Пустой……私達だけ、ですよ?」
『あ、もしかしておきゃくさまですか』
アナスタシア「ダ、Да……」
『はじめましてわたしはのあともうします』
みく「ノアって……この船の名前?」
『はいこのふねのかんりをまかされています』
アナスタシア「船が……アー、話してるんですか?」
『わたしはじんこうちのうですからすこしちがいます』
アナスタシア「人工、知能?」
みく「あ、じゃあ誰もいないのに声が聞こえるのは……」
『はいわたしにはからだがありません』
みく「ふぇぇ……なんだかとんでもない部屋に入っちゃったにゃあ……」
『それであなたたちは誰ですか』
みく「あ……みくは前川みくっていうんだけど……いいのかな話しちゃって……」
アナスタシア「Меня зовут Анастасия……アー」
『みくはまえかわみくさんとあなすたしあさんですね』
みく「みくだけ微妙に違うにゃ!」
<ガチャ
ジャン「お?」
みく「あ」
アナスタシア「N?」
ジャン「なんだぁ、迷子か?」
ジャン「鍵かけ忘れたオレの責任でもあるけど、立ち入り禁止って書いてあっただろ?」
みく「ご、ごめんなさい!」
アナスタシア「мне очень жаль……」ペコ
ジャン「ん。ホラ出てった出てった」
『またあいましょう』
みく「――あ」
<バタン
ジャン「ん?あぁ、話したのか」
『はいすこしだけ』
ジャン「そうか……楽しかったか?」
『はい』
――パブリックスペース
ジャン「――つまり、さっきキミ達が話したのがこの船の頭脳ってワケだ」
みく「ええと……話しちゃって大丈夫だったんですか?」
みく「SFだとこういうのが原因でヘンになっちゃったりしてるけど……」
ジャン「あぁ、ホントは叱るべきなんだろうが……アイツも楽しかったって言ってたからナ」
ジャン「……少しは刺激があった方がいいのかもしれんし……」ブツブツ
アナスタシア「アー、あの、名前が、船と一緒でしたね?」
ジャン「あぁ、オレが造る船は全部ノアって名付ける事にしてるんだ」
ジャン「最終的には宇宙船造って、快適な宇宙旅行をってな」
ジャン「人工知能のノアは、その全部に乗っける予定だ」フンス
みく「若干話がズレるにゃあ……」
アナスタシア「日本語、苦手、ですか?」
ジャン「あっれー何かおかしかった?」
ジャン「ま、さっきのコトは皆には内緒な」
みく「は~い!」
アナスタシア「Да」
ジャン「ん。そろそろメシだろ?行こうか」
みく「あ、そういえば料理って誰が作るんですか?」
ジャン「ん?そりゃモチロン――」
――レストラン・厨房
リキッド「オレ達は客じゃねェのかよ!?」
ミヤギ「文句言うでねーべ!」
トットリ「だっちゃわいや!」
アラシヤマ「ワテずっとココにいますわ……」
G「……」
マジック「ハッハッハ!皆で料理するのは楽しいなァ!」
第二十八話『ロック・インザ・ハウス』おしまい
3
第二十九話『ホワイト・ワールド』
――パプワ島の物語を覚えている者は幸せである
――心豊かであろうから
――私たちはその記憶を記されてこの地上に生まれてきたにもかかわらず
――思い出すことのできない性を持たされたから
――それゆえに
―― の語る次の物語を伝えよう
――
リキッド「……ッツゥ……」
マジック「全員無事か?状況を報告しろ」
グンマ「各計器異常なし……通信系が全部圏外」
キンタロー「GPSもダメだ」
マジック「ミヤギとトットリは外に出て警戒」
マジック「リキッドとGはCGプロの皆さんの無事を確認してくれ」
「「「了解!」」」
マジック「……ジャン君は?」
アラシヤマ「へぇ、慌てて飛び出して行きましたけど……」
マジック「コンピュータの方か。そちらは彼に任せよう」
――スタンダードルームの一室
未央「いたた……なんなのさー……」
凛「ん……すごい揺れだったけど……卯月、大丈夫?」
卯月「だ、だいじょーぶ……かな……」
まゆ「オアアアアアア……」プルプルプルプルプル
未央「……まゆさんの方が深刻じゃない?」
凛「しっかりして!」
<ドンドンドンドン!
リキッド「オォイ!全員無事か!?」
卯月「あ、リキッドさん!何があったんですか?」
リキッド「詳しい話は後だァ!レストランに集合!また後でな!」ダッ
未央「……もしかして、そーとーヤバイ事が起きたんじゃ……」
――レストラン
マジック「……全員ケガも無く、無事なようで何よりです」
マジック「さて、何があったかを報告したいんですが……」
マジック「まずは我々が乗っているこの船ですが、現在地が不明……いわゆる遭難状態になっています」
<ザワッ
マジック「次に……この船は窓の外をご覧の通り、どこかの島に漂着しているのですが――」
――船外
ミヤギ「なァトットリィ……どっかで見たような生物(ナマモノ)が見えんだけども……」
トットリ「奇遇っちゃねミヤギくん……オラにも生物が見えるっちゃ……」
エグチ「あ、ミヤギくんとトットリくんだー」
ナカムラ「ひさしぶりだねー」
――
ジャン「な……な……」
「どうしましたじゃんさん」
ジャン「なんじゃこりゃああああああ!?」
のあ「?」
――
マジック「――我々は、この島を知っている、かもしれません」
当初の予定だとナマモノがいない普通の島のパプワ島にいくつもりだったのか。
留美「……どういう事でしょう?」
マジック「コレに関しては、実際に見てみるのがいいでしょう……」
<バタバタバタバタ
ジャン「ノアがっ!ノアが人間っ!」バッ
グンマ「落ち着いてジャンさん!日本語話せてないよ!」
ジャン「いや、ノアが人間になったんだって!」
グンマ「えーと……?」
ジャン「あそうだ服!誰か服貸してくれ!女物の――」
スパーン
ジャン「」プシュー
マジック「ジャン君、少し静かにしたまえ」
響子「ねぇ、あの人今女物の服を貸してくれって……」
志乃「非常事態で頭をやられたのかしら」
のあ「?」ヒョコッ
真奈美「ッ!」バッ
志乃「あら、流石真奈美ね」
ヘレン「ナイス反射神経」
真奈美「いいからこの人に服を着せないと」
のあ「?」
グンマ「え……じゃあホントにあの人がノアなの?」
ジャン「あぁ、オレも信じられん……」
のあ「あ、みくはまえかわみくさんとあなすたしあさん」
のあ「またおあいしましたね」
みく「その呼び方は……」
アナスタシア「Невероятный……」
晶葉「人工知能が人間に……?ありえん……」
マジック「ありえない事が起こりうるのが、この島なんです」
マジック「さぁ、行きましょうか」スッ
――
エグチ「わぁ、ニンゲンがいっぱいだぁ」
ナカムラ「あ、みんなひさしぶりー」
リキッド「おーゥエグチくんにナカムラくんじゃん!久し振りー!」ブンブン
卯月「へ?え……え?」
凛「久し振り?」
ミヤギ「あぁ、その辺も説明しなきゃいかんべなァ」
マジック「それは私の方から――」
留美「喋る動物なんて、どうなってるのかしら?」ムニムニ
ちひろ「かーわーいー♪」ギュー
エグチ「おばさんだれー?」
留美「」
ちひろ「」
マジック「……」ハァ
第二十九話『ホワイト・ワールド』おしまい
寝る
>>778
パプワくん終了時点で第一のパプワ島からナマモノいなくなってたハズ
第三十話『ジャスト・ライク・マジック』
留美「――喋る動物が生息する島……信じられないわね……」
薫「ナカムラくんしっぽふかふかー!!」フカフカ
ナカムラ「哺乳綱食肉目アライグマ科アライグマ属だからねー」
ちひろ「留美さんスゴイ!頬っぺたつねったら痛い!」
留美「信じるしかないけど……ね」
マジック「理解が早くて助かります」
洋子「実物が目の前にいますもんね……」
留美「それで、あの子の事は説明できるのかしら?」
のあ「わたしのことですか?」
留美「ええ……アナタの身体は『どこから来た』のかしら?」
のあ「しつもんのいみがりかいできません」
マジック「フム……」
ジャン「それはオレの方から、推測でよければ」
留美「と言いますと?」
ジャン「そうだな……まずは秘石の話からしようか」
マジック「……」
ジャン「赤い秘石、青い秘石揃えた者、覇王となりけり」
留美「?」
ジャン「秘石と呼ばれる石にまつわる伝説だ。が……」
ジャン「実際にはタダの石じゃない」
ジャン「ニンゲンを造り出したモノだ」
留美「……気は確かかしら?」
ジャン「ああ。オレはパプワ島で、何百年も秘石を守っていたんだ」
留美「……笑えない冗談はやめてくれる?」
ジャン「こんな冗談、酒の席でもやるものか」
ジャン「そしてこの島には、秘石の気配がする」
ジャン「のあの身体も、恐らくは……」
留美「……嘘ではない……みたいね……」
マジック「ええ……信じてもらえるとは思えませんが……」
留美「……信じるわ。さっきから信じられない事ばかり起きているし……」
留美「こうなったら何が来ても驚かないわ」
のあ「?」ガジガジ
志乃「大変よ、のあがデッカイ花に齧られてるわ!」
ヘレン「除草剤!除草剤はないの!?」
留美「なんじゃありゃああ!?」
――『ノア』船内・レストラン
マジック「――さて皆さん」
マジック「船内には非常時用の食糧を加えて、二週間分の食糧が確認されています」
マジック「救助を待つには充分な量ですが、それに加えて島内で食べられる物があるはず……」
ちひろ「あの……救助は来るんでしょうか?」
ちひろ「通信が繋がらないんですよね?」
マジック「……それに関しては、私の息子を……いえ――」
マジック「――現ガンマ団総帥を、信じています」
――ガンマ団パプワ島支部
シンタロー「つべこべ言わずに気球船貸し出せ!」
ハーレム「アホか!ウチの部下も乗ってたんだぞ!?オレ達も連れてけ!」
高松「誰でもいいからさっさと出して下さい!」
高松「グンマ様が!キンタロー様が!あの船に乗ってたんですよ!?」
シンタロー「ええい纏めて連れて帰ってきてやるわい!」
マーカー「お言葉ですが総帥、気球船は一人で動かせるものでは御座いません」
マーカー「よろしければ我々特戦部隊、船員として使って下さいませ」
シンタロー「……っかぁー!わーったわーった!乗れお前ら!すぐに出すぞ!」
コタロー「お兄ちゃん、ボクも着いて行っていい?」
シンタロー「もちろんだともコタロー♪」
ハーレム「ブラコン」ボソッ
ハーレム「」プスプスプスプス
マーカー「禁句ですよ隊長……」
ロッド「余計な事言うから……」
サービス「私も行っていいかな?」
シンタロー「え、おじさんもですか?」
サービス「あぁ……アレでも兄と親友だ」
シンタロー「……分かりました」
サービス「ありがとう」
シンタロー(無事でいろよ、親父……)
――『ノア』船内・レストラン
リキッド「まずはこの島の全体を把握しておいた方がよさそうッスね」
マジック「あぁ、捜索隊を編成して――」
晶葉「その必要は無い!我がウサチャンロボ・フライトタイプを使って空から探索すれば――!」
リキッド「そのロボット、さっきから動いてねーぞ?」
晶葉「おおぅ!?」
晶葉「何故だ!何故動かないんだ!?」ユサユサ
ミヤギ「そーいや、パプワ島でも文明の利器は大体使えなかったべなァ……」
トットリ「無線も使えなかったっちゃね」
晶葉「そんな……」ガクン
グンマ「ま、まぁまぁそう落ち込まないで……ボクも手伝うから直そ?ね?」
晶葉「グンマぁ……」グスッ
キンタロー「俺も手伝おう」
リキッド「じゃあ二人は船に残るとして……」
ジャン「オレは秘石を探しに――」
リキッド「バカかテメー、勝手に一人で行こうとしてんじゃねェ」グイッ
G「……俺も行こう」
リキッド「そォなると船に残るのは……」
アラシヤマ「や、やっとフレームに入れましたで!」
マジック「ハッハッハ!皆さんの事なら任せておきたまえ!」
リキッド「……大丈夫?」
G「……俺に聞くな」
ミヤギ「ナチュラルにオラ達を忘れるとは、同僚とは思えねーべリキッド」
トットリ「だっちゃわいや。コッチはボクらァもいるから大丈夫っちゃよ」
リキッド「す、すまん……」
ミヤギ「あぁ、もしパプワくんに会う事があったらよろしく言っといてけろ」
トットリ「んだァね。ボクからも頼んだっちゃよ♪」
G「……ん」
マジック「さぁまずは腹ごしらえだ」キュッ
ゆかり「切り替え早いですね……」
響子「れ、冷静と言えば冷静なんでしょうけど……」
きらり「きゃー♪きゃー♪もうかわいいにぃ!かわいいにぃ!」グルグル
エグチ「もうおろしてえええええええ」
第三十話『ジャスト・ライク・マジック』おしまい
寝る
第三十一話『テイク・ワット・ユー・ウォント』
リキッド「――じゃあ、留守番よろしくナ」
ちひろ「はい……気をつけて下さいね?」
未央「帰ってこなかったらヒドイからね!」
リキッド「オゥ、約束だァ」
穂乃香「Gさん……」
G「……すぐ帰ってくる」
ジャン「よし、じゃあ行くか」
リキッド「アテはあんのかヨ?」
ジャン「あぁ……まずはヨッパライダーを探す」
――船内・パブリックルーム
未央「……」ソワソワ
凛「未央、さっきからソワソワし過ぎ」
未央「えっ?そ、そうかな……?」
卯月「……大丈夫だよ未央ちゃん。ちゃんと皆で帰れるよ」ニコッ
未央「うん……それも心配なんだけどさ……」
未央「もうこの島を探検したくて探検したくてたまらないんだー!」
凛「そんなキラキラした目で言われても……」
卯月「未央ちゃんらしいね~……」アハハ
真奈美「それなら探検とは行かないが、少し出歩かないか?」ヌッ
卯月「あ、木場さん……」
凛「どっから出したんですかそのサバイバル装備一式……」
真奈美「なに、念の為に持ってきたモノさ」ハッハッハ
未央「それより、出歩くってどういう事です?」
真奈美「あぁ、さっきマジックさんが言っていた通り、島の中には食べ物……果物なんかがあるハズだ」
真奈美「川や泉で水の確保も出来るし、エグチくんとナカムラくんに案内してもらおうと思ってね」
未央「行く!行きます!」ハイ
卯月「木場さんちょっとテンション上がってる?」ヒソヒソ
凛「見るからにテンション上がってるよね」ヒソヒソ
真奈美「さぁ行こうか」ワクワク
マジック「まァ待ちたまえ」
真奈美「あ、マジックさん……どうされました?」
マジック「女性ばかりで出歩くのは不用心というものだろう」
マジック「私も着いて行こう」
――船内・レストラン
トットリ「――だそうだっちゃ」
ミヤギ「オラ達に任せりゃいいのに、どうしたんだべなぁマジックサン」
志乃「マジックさんがどうかしたの?」ヒョコッ
ミヤギ「あァ、真奈美達と島の捜索に出たらしいべ」
志乃「そう……」
トットリ「大丈夫だっちゃよ。あの人ああ見えて強いんだから――」
ヘレン「柊ィ!!オメーかァのあにヘンな服着せたのはァ!!」バァン
のあ「いわゆるごすろりといわれるふくそうですね」フリフリ
薫「のあおねーさんカワイイー!」キャッキャッ
志乃「別に、似合ってるんだしいいじゃない。何が不満なの?」
ヘレン「わだすは!そういう意味で!任せるって言ったんじゃねェが!」
ミヤギ「どしたべ?」
志乃「あの世界のヘレンが、私にのあの事を任せるって言ってきたから頑張ったのに……」ヨヨヨ
ヘレン「息を吐ぐよにバカにすんのやめでぐんねぇがなぁ……?」
ヘレン「もっとこう、テーブルマナーとか、そういう――」
志乃「だったらアナタが教えてあげればいいじゃない」
志乃「世界レベルのマナーを身に着けた淑女が誕生してしまうわよ」ニヤニヤ
ヘレン「ええ、ええ!そうさせでもらうが!着いてぐるだよのあ!」
のあ「はいわかりました」
志乃「まったく、過保護ねぇ……」
ミヤギ(なんだろう……)
トットリ(すごいデジャブ……)
――ガンマ団特戦部隊・気球船内
シンタロー「オラもっと飛ばせ!」
ハーレム「アホか!これで限界だ!」
ロッド「コレ以上回したらエンジン焼けちまいますぜ!」
高松「グンマ様ー!キンタロー様ー!」
サービス「高松キモイ。いやキモチワ類高松」
高松「やかましィッ!!」
<ダンッ
マーカー「……皆様、船内ではお静かにお願いします……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
高松「は、ハイ……」
シンタロー「わ、ワリィ……」
高松「……ヘックショイ!!」
寝る
酉あってるかな >>1です
使用しているパソコン(10年選手)が遂に息を引き取ったんで、しばらく一時中断となります
毎度ご意見ご感想ありがとうございます。早めに復帰したいと思います
――
真奈美「……で、だ」
未央「うん」
みく「どしたの?早く行くにゃ~!」
瞳子「もうちょっとゆっくり行きましょう」
瞳子「こんな大自然の中を歩き回れる機会なんて、そうそうないもの」
みく「にゃ、確かに……」
ナカムラ「コンクリートジャングルって息苦しいよねー」
エグチ「心が荒んでいくよねー」
真奈美「みく君はともかく、どうして瞳子まで?」
瞳子「あら、分らないの真奈美?」フフ
真奈美「ああ。何かな?」
瞳子「こんな秘境よ。温泉があっても不思議じゃないわ」
真奈美「あぁーそういう……」
瞳子「大丈夫よ。りんごお風呂セットも持参しているわ」スッ
真奈美「問題はそこじゃない」
未央「どっから出したんですかそのデカイリンゴ」
マジック「温泉か……エグチくん、ナカムラくん、知っているかな?」
ナカムラ「えっとね~――」
真奈美「マジックさんまで目的を忘れないで下さい」
瞳子「まぁまぁ、いいじゃない。確かにこんな状況ではあるけれど……」
瞳子「真奈美は気を張り詰めすぎよ?」
真奈美「む……そうかな?」
エグチ「リラックスリラックス」
ナカムラ「疲れた時には糖分を取るといいよね。ブドウがなってる所に行こ~」
真奈美「……ふぅ、よし、道案内頼むよ」
未央「じゃあしゅっぱーつ♪」
<ガサガサッ
マジック「!」サッ
真奈美「!」サッ
瞳子「!」バッ
みく「瞳子サン、タオルはヌンチャクじゃないにゃ……」
瞳子「あら、濡れたタオルの威力は侮れないわよ?」
未央「冬場は鬼ですよね」
「あらあら、ニンゲンが来たって聞いたから来たのに……女の子ばっかりね」
「シンタローさんかと思ってきたんだけど……あら?マジックさん?」
マジック「ええ、お久しぶりです――イトウさん、タンノさん」
イトウ「まぁーホント久しぶりねぇー」ヌラァ
タンノ「そちらはご家族かしら?」ピッチピッチ
みく「」
うにゃああああああああああああああああああああ
スマン寝る
瞳子さんは一回ギャグで使ってみたかったんだ
みく「」チーン
タンノ「まったく、いきなり濡れたタオルで叩いてくるとか何考えてるのかしらねぇ」
イトウ「これだからゆとりって怖いわぁ」
未央「みくちゃん大丈夫!?」
みく「私は何も見てない聞いてない……私は何も見てない聞いてない……」
真奈美「ダメだ、完全に現実逃避してる」
瞳子「マジックさん、そちらのナマモノは邪神かしら?とても名伏し難いんだけど……」
マジック「あぁ、巨大カタツムリのイトウさんと――」
マジック「鯛魚人のタンノさんだ」
イトウ「どうも、雌雄同体でも心は乙女、イトウです」ペコリ
タンノ「鯛魚人……貴方達の言う人魚のタンノよ。よろしくね♪」
真奈美「私の中の人魚のイメージが爆発四散したんだが」
瞳子「ええ、足が人間の魚とか子供に見せられないわね」
タンノ「好き勝手言うわねアンタたち」
未央「わ、私はアリだと思うよ!」
イトウ「あら、いい子ね」
イトウ「それで?マジックさん達はどうしてこんなトコに?」
マジック「水の確保や、あとは食べ物を探しに来ています」
ナカムラ「今からブドウ園に行くんだよー」
イトウ「そうでしたかぁ。ワタシ達もご一緒していいかしら?」
マジック「ええ、構いませんとも」ハッハッハ
タンノ「ホラちゃんと見なさいよ!これが人魚よ!」ピッチピッチ
真奈美「アー!アー!キコエナーイ!!」
みく「あはははは!おさかなのむれがせめてくるにゃー!」
未央「二人ともしっかりしてぇ!」
――『ノア』船内・スイートルーム
ヘレン「服装はこんなものかしら……似合ってるわよ」
のあ「ありがとうございます」
ヘレン(切れ長の目に涼やかな目元……)
ヘレン「鷹ね」
のあ「しじょうたかねですか?」
ヘレン「違うわよ。っていうかアナタがあの人を知ってる事にビックリなんだけど」
のあ「じゃんさんがふぁんですので」
ヘレン「へぇ……まぁいいわ、鳥の鷹の事よ」
のあ「とりですか?」
ヘレン「ええ、アナタは気高き鷹……」
ヘレン「この世界のヘレンが、おはようからおやすみまでプロデュースしてあげるわ!」
のあ「?」
――
「久しぶりじゃな、青の番人達……いや……ジャン、リキッド」
ジャン「ええ、お久しぶりです。ヨッパライダー」
リキッド「ヨォ、元気そうで安心したぜ」
G「……」
ヨッパライダー「何があったか、聞きに来たのであろう?」
ジャン「へっくしょい!!」
ヨッパライダー「……」
リキッド「……オイ」
ジャン「悪い、誰かに噂されたらしい」グシュ
ジャン「……改めまして、その通りです」
リキッド「いきなり船ごと島に漂着だからナ。コッチは何が何だかわかんねェんだ」
ヨッパライダー「そして秘石に真実を問うために、ワシを訪ねた……という事か」
リキッド「察しがよくて助かるゼ。オレ達がココに来るのを知ってたんじゃないかってくらいな」
ヨッパライダー「……ふん」
ヨッパライダー「老いたとは言え、この島の異変くらい察せるわ」
ジャン「つまり、アナタも我々がこの島に来た事は――」
ヨッパライダー「あぁ、ワシも秘石に問い質したいトコロじゃが……」
ヨッパライダー「ソレはきっと、おヌシらの務めなのじゃろうな」
リキッド「……秘石はドコだ?」
ヨッパライダー「ここから北に行ったトコロに祠がある」
ヨッパライダー「……パプワ様もそこで、ずっと眠っておられる」
ジャン「!!」
リキッド「……どういう事だ?」
ヨッパライダー「……あの日、おヌシらが秘石の手から離れた日……」
ヨッパライダー「方舟への扉を開けた後から、ずっと眠っておられるのだ」
ジャン赤の番人じゃん…リキッドもだけど
申し訳ない
ジャン「そんな……」
ヨッパライダー「ジャンよ、気に病むでないぞ」
ヨッパライダー「ニンゲンはもう、秘石の呪縛から解き放たれねばならん」
リキッド「……あァ」
リキッド「一発かまして来てやんよォ」
ヨッパライダー「そうしてやってくれ。さて――」
ヨッパライダー「ワシは客人をもてなす用意をしておくとしよう」ゴソゴソ
リキッド「また酒かよぉ」
ジャン「あの子達にヨッパライダーの姿を見せるのはどうかと……」
ヨッパライダー「……ワシの酒が飲めんのくわああああああ!!」
G「……手遅れだったか」
リキッド「ダメだもう出来上がってやがった」
ジャン「さっき青の番人って言ったのも……」
リキッド「それ以上いけない」
――ガンマ団特戦部隊・気球船内
ロッド「この辺が『ノア』の信号が消えた海域だけど……なんだァあの渦は……?」
シンタロー「!」
ハーレム「なぁ、あの渦の中を泳いでるナマモノにスッゲェ嫌な既視感があんだけど」
高松「ハーレム様もですか。私もなんですよ」
サービス「私には何も見えないな」
シンタロー「気球船をあの渦に突っ込ませろ」
ハーレム「はぁ!?」
シンタロー「できねーなら俺だけでも降ろせ!オラ!ハッチ開けろ!!」
マーカー「総帥!おやめ下さい!」
シンタロー「ええい離せ!」ググググググ
コタロー「お兄ちゃん、危ないから座ってよ!」
シンタロー「何言ってるんだコタロー、オレがそんな危ない事する訳ないじゃないか」ハッハッハ
マーカー(ありがとうございますコタロー様――!!)チラッ
コタロー(コレで一つ貸し――)チラッ
ハーレム「ったく、無茶言うヤツばっかだぜ!突っ込むぞ!」
第三十一話『テイク・ワット・ユー・ウォント』 おしまい
寝る
志保さーん!雪乃さーん!再登場おめでとー!
新キャラが何かこう、エライ事になってますな
第三十二話『ゲットオフ・マイウェイ』
――『ノア』船内・レストラン
志乃「――遅いわねぇ」
志乃「ご飯が冷めちゃうじゃないの」モグモグ
ヘレン「そう思うなら食べてんじゃないわよ」
ミヤギ「ヘレンも冷めない内に食べとくダヨ」
トットリ「だっちゃ。もう日も暮れたし、しっかり食べてしっかり寝ておくっちゃよ」
トットリ「ホレ、穂乃香ちゃんも幸子ちゃんもォ」
穂乃香「あ、すいません……ボーっとしちゃって」
幸子「だ、大丈夫ですよ穂乃香さん!Gさん達はちゃんと帰ってきますって!」
穂乃香「うん……ごめんね、幸子ちゃん」
トットリ「……っかぁー、こんな思われるなんて、Gも幸せモンっちゃねぇ」
穂乃香「そ、そんなつもりじゃ……」カァ
ミヤギ「おー、ちゃんと箸持てるようになったべか」
のあ「はい、へれんさんのおかげ、です」モグモグ
ヘレン「よく噛んで食べるのよ」
――『ノア』後部デッキ
みく「……」
アラシヤマ「あ、こんなトコにおらはりましたんか」
アラシヤマ「ホレご飯。ちゃんと食べとかな」カチャ
みく「……いらにゃい」プイッ
アラシヤマ「みくはん……」
アラシヤマ「あんなナマモノ見て気分悪いんは分かりますけど、ちゃんと食べませんと」
みく「思い出させないでよー!!」プンスコ
みく「なんなの!?足が生えた鯛ってなんなの!?」
アラシヤマ「この島の生態系は狂ってますよってに」
みく「……にゃ、叫んだらちょっとスッキリしたにゃ」
アラシヤマ「……そうどすか」ニッ
輝子「し、親友……珍しいキノコ……採ってきた」
輝子「喋る……フヒッ、しゃべ……ヒャッハー!ゴキゲンなキノコだぜェー!!」
コモロ「よぉ、約700レスぶりだにゃ~」
アラシヤマ「この島のキノコは触ったらあきまへん言いましたやろ!?」
みく「にゃあああああ!」ダッ
アラシヤマ「あ!みくはん!ご飯食べなはれ!」ダッ
――
リキッド「……ったく、さすがに日帰りは無理だったか」ザッザッ
ジャン「帰ってもよかったんだぞ?」ザッザッ
リキッド「バァカ、秘石のヤツに一発キメるまで帰らねーよ」ザッザッ
G「……ふ」ザッザッ
ジャン「……ココか」
リキッド「さっさと終わらせて帰ろ~ぜ」
G「……あぁ」
――『ノア』船内
晶葉「――むぅ、これ以上はどうしようもないな」
グンマ「ゴメンね。でも、前はボクのロボットでも動いてたはずなんだけどな……」
キンタロー「以前のパプワ島とは違う、という事か」
晶葉「仕方ない……ウサチャンロボの起動は諦めよう」
キンタロー「……いいか、晶葉。お前の腕が悪い訳じゃない」
キンタロー「この島は我々の科学力を遥かに超越した、絶対的な力を持っている」
晶葉「……ありがとう。肝に銘じておくよ」
グンマ「それじゃ、そろそろゴハンにしようか」
グンマ「お父様が――」
~~~
マジック「ほらグンちゃん、採れたてのブドウだよ~♪」
マジック「そうか、忙しいのか……いや、邪魔して悪かった」
マジック「……グンちゃんが食べるまで、パパ待ってるからね!」
~~~
グンマ「――なんて言ってたからね」
晶葉「ヒドイ親バカだな」
キンタロー「バカ親でもあるな」
もう限界 寝る
――
みく「みんな~!!今日はみくのライブに来てくれてありがと~!!」
<ウワアアアアアアアア
『日高舞さんのファン辞めて来ました!』
『天海春香さんのファン辞めて来ました!』
『高槻やよいさんのファ……高槻さん!?コレは違うの!高槻さん!高槻すわぁあん!』
『射線上に立たれたのでリーダーのファン辞めて来ました!』
『ピヨォ!!』
みく「ありがと~!!」
――――
――
みく「にゃはは~♪みんなファン辞め過ぎにゃあ~♪」
みく「みくが可愛くてごめんにゃさいっ☆」ペロッ
アラシヤマ「ホラー、コモロはんの胞子でああなってしまいますんやで?」シュコーシュコー
輝子「た、大変な事に……」シュコー
まゆ「皆さんにガスマスク配り終えましたよぉ」シュコーシュコー
留美「ありがとうまゆちゃん。助かったわ」シュコー
晶葉「なんでもアリだなこの島は……」シュコーシュコー
周子「一周回って楽しくなってきたんだけど」シューコシューコ
凛「見てるだけなら、ね」シュコーシュコー
――
「随分と急いで来られたのですね――ジャン、リキッド」
「……」
リキッド「あァ、早くアイツらを連れて帰らなきゃなんねェからな」
ジャン「……単刀直入に聞こう。オレの作った人工知能――」
ジャン「アイツに身体を与えたのは――」
「ええ……私です」
リキッド「ンだよォ?てっきり青い秘石のヤツかと思ってたぜ」
ジャン「驚いたな……本当ですか?赤い秘石」
赤い秘石「ええ。魂はあるのに、身体が無いのは不自由でしょうから」
ジャン「……?オレが作ったのは人工知能で――」
赤い秘石「ええ。しかし、魂はありました」
ジャン「――そ、そうだったんですか……」
リキッド「そっちの話は終わったかァ?だったらコッチの質問だ」
リキッド「なんでオレ達がこの島に漂着した……いや」
リキッド「なんでオレ達を『呼んだ』」
青い秘石「……わかっていないのか」
赤い秘石「簡単な話ですよ。私たちにはやはり、番人が必要なのです」
赤い秘石「私たちはご覧のとおり、自らの意志で動く事が出来ません」
赤い秘石「ジャン、リキッド。貴方達に再び、番人となって頂きたいのです」
ジャン「……っ」
リキッド「質問の答えになってネェ!聞きてェのはアイツらまで呼んだ理由だ!」
リキッド「オレ達だけ呼べばよかったじゃねェか!」
赤い秘石「簡単な事ですよ」
赤い秘石「皆さんがいれば、帰る理由も無いでしょう」
リキッド「なっ――!!」
G「……いいや」
G「……帰る理由ならある」
赤い秘石「ほう」
G「アイツらのファンの為にも、俺達は帰らなければいけない」
赤い秘石「……だそうですよ、青い秘石」
青い秘石「下らんな……」
ジャン「赤い秘石までそんな事を言い出すなんて、何があったんですか」
赤い秘石「何もありませんよ」
ジャン「違う……赤い秘石……アナタは……」
リキッド「……ヨッパライダーから聞いたゼ。パプワのヤツが目を覚まさないってなァ」
リキッド「なんか関係あんじゃねェのか?」
赤い秘石「……あったとして、貴方達に関係はありません」
赤い秘石「さぁ、番人になりなさい。そしてこの島で、永遠を生きましょう」
リキッド「……お断り、だ」
ジャン「……ああ」
G「……ふん」
青い秘石「……調子に乗るなよニンゲン。お前達を消す事なぞ簡単なんだ」
リキッド「だったらさっさと『消しやがれ』」
青い秘石「……残念だが、そうさせてもらおう」
赤い秘石「青い秘石!」
青い秘石「本人の望みだ。せめて苦しまないようにしてやるさ」
ジャン「っ!」
G「……っ」
リキッド(……ワリィな、未央)
リキッド(オレ、約束守れそうにねェや)
――数刻前・森の中
ヘレン「アンタが酒なんか飲ますからァ!」ガサガッサ
志乃「悪かったわよ……でも急に走り出すなんて、どうしたのかしら」ガッサガッサ
マジック「コラー!夜の森は危ないって言ったでしょォ!?」ズルズル
のあ「……」グググググ
ヘレン「……よく追いつけるわねあの人……」
志乃「引きずられちゃってるけどね……」
志乃「おかげで見失わずに済むわ」
第三十二話『ゲットオフ・マイウェイ』おしまい
第三十三話『マン・ウィズ・ア・ミッション』
――――
――
リキッド(……あれ?)
リキッド(……音も、振動も、光もあったハズなんだけどナ)
リキッド(……あぁ、死んだかオレ)
リキッド(……いや、まだ死んでない……?)
のあ「――こうどうぱたーんにへんかをかくにん」
リキッド「!?」
マジック「これは……バリアか……?」
青い秘石「ちっ……番人の力か」
のあ「――げんごぱたーん、こう新中」
ジャン「ノア……」
のあ「――更新完了。間に合ったわね」
赤い秘石「ようこそ、新たな番人」
ヘレン「……どゆこと?」
志乃「まぁ、この島は石も喋るのね」
ジャン「どういう事だ?新たな番人って――」
赤い秘石「彼女の事ですよ」
赤い秘石「貴方達が番人になるのを拒んだ事で、彼女に番人としての力を授けました」
ジャン「!」
赤い秘石「さぁ来なさい、新たな番人よ」
赤い秘石「私たちと共に永遠を生き――」ガシッ
のあ「そぉい!」ブンッ
ジャン「秘石投げちゃダメでしょォ!?」
マジック「ちょっとォ!お宅娘さんにどんな教育したのォ!?」
ヘレン「世界レベルよ」
志乃「ヘレン、よく分からないのに出しゃばるのはやめなさい」
G「……大丈夫だ。ヒビが入っただけだ」
赤い秘石「割と致命傷なんですけれども」
のあ「……」クルゥリ
青い秘石「っ!」ビクッ
青い秘石「な、なんだ!お前を消すくらい簡単にいだだだだだだだだ」グググググ
のあ「ジャンさんを消そうとしたわね?私の生みの親を」
のあ「万死に値するわ。砕けなさい」グググググググググ
マジック「やめて!ウチの元家宝を砕こうとしないで!」
リキッド「やべェ、あの番人フルパワーだ」
ジャン「ノア、やめなさい!」
のあ「……でも」ググググググ
ジャン「やめなさい。砕くのは話を聞いてからにしなさい」
のあ「……ええ。わかったわ」パッ
青い秘石「え?結局砕かれるの?」
――
リキッド「――はぁぁ~?そんな理由ゥ~?」
ジャン「赤い秘石……見損ないました……」
赤い秘石「し、仕方ないじゃないですか。青い秘石がニンゲンと共に過ごしている間」
赤い秘石「私は祠で一人だったんですよ」
赤い秘石「私もニンゲンと共に生活してみたかったんです」
G「……投げていいぞ」グッ
のあ「ええ、行くわよ」ザッ
赤い秘石「やめて下さい。どこから出したんですかその金属バット」
赤い秘石「それに青い秘石なんて『自分が作ったモノがちゃんとやれてるか心配』って――」
青い秘石「……余計な事をッ」
マジック「気持ちは解るがね」
リキッド「……はぁ~……」
リキッド「アホかお前ら!そんな理由でコッチは死を覚悟したんだぞ!?」
赤い秘石「ごめんなさい」
青い秘石「手加減したんだがな」
ジャン「ノア、握撃」
のあ「ええ」
青い秘石「アアアアアアアアアアアアア」
リキッド「まったく……んでェ、オメーらはどうしたんだ?」
志乃「あ、えーと……」
ヘレン「志乃がのあにお酒を飲ませたら、急に走り出してね」
ヘレン「後を追って来たってワケ」
リキッド「へ~え。のあの喋りが変わったのもそのせいか?」
ヘレン「それと関係してるかは分らないわね……分るのは、のあが数段レベルアップした事よ」
ヘレン「ますます気に入ったわ」
志乃「……ねぇ、そろそろ帰らない?」
志乃「太陽が出てきたわ」
リキッド「ありゃ、夜通しか……オメーらも寝てないんじゃねーのか?」
志乃「そうね……ま、たまにはいいじゃない」
志乃「せっかくのバカンスですもの」
リキッド「ああ……あ」
志乃「?」
リキッド「あの飛行船……」
――『ノア』漂着地近辺
タンノ・イトウ「シンタローさあああああああああああああああん!!」
シンタロー「ええいっ!寄るなナマモノっ!」ゲシッ
タンノ「あ、イタイ♪」
みく「何も見てない……聞こえない……」ブツブツ
真奈美「大丈夫だ、ほらシンタローさんがブン投げたぞ」
高松「グンマ様!キンタロー様!ご無事で何よりでございます!」
高松「お二人の身に何かあったらとこの高松、身を切られる思いで――!!」
サービス「いいか、アレがキモチワ類高松だ」
菜々「知人にも容赦ないんですね」
グンマ「高松、涙と鼻血拭いて」
キンタロー「服に付くと洗うのが大変だからな」
ハーレム「……よォ」
リキッド「……ウス」
ハーレム「……あー、その、なんだ……」ボリボリ
ハーレム「無事で何よりだ。死んでたら奪う給料無くなるからな」ニッ
リキッド「……勘弁して下さいよォ」ニッ
――『ノア』船内
のあ「……各機器異常なしよ」
ジャン「すごいな……接続せずに船を操縦できるのか」
のあ「秘石に約束させたの。番人としての力はそのままにしなさいって」
ジャン(なにそれこわい)
のあ「ところで、ジャンさんの事を何て呼べばいいのかしら?お父さん?」
――島内
赤い秘石「……」
青い秘石「……」
青い秘石「……なあ」
赤い秘石「……なんですか」
青い秘石「……ニンゲンは、もう我々の手を離れたんだな」
赤い秘石「ええ。いえ……もう私達の手を離れていたんですよ」
青い秘石「……」
赤い秘石「子離れとは、寂しいモノですね」
――『ノア』前部デッキ
シンタロー「そうか……パプワのヤツ……」
リキッド「……そんなカオすんなよ。らしくねェぜ?」
シンタロー「……うっせェ」
リキッド「じゃ、アイツらの様子見てくるわ」
リキッド「……ありがとな」
シンタロー「……ふん」グスッ
コタロー「……あ、お兄ちゃん、アレ……」
シンタロー「あ?……あぁ……」
パプワ「 」
シンタロー「さよなら、か」
第三十三話『マン・ウィズ・ア・ミッション』おしまい
『インターミッション』
ちひろ「――え、休学期間伸ばしたんですか?」
マジック「教育機関にいる知り合いに頼んでね。本来の仕事も問題無い」
留美「では予定通り、パプワ島のプロモーション活動を行えばいいんですね?」
マジック「ええ。よろしくお願い致します」
ちひろ「教育機関にまでお知り合いがいるなんて……意外ですね……」
マジック「そうですか?」
ちひろ「ええ。世界征服を目的にしていたんですよね?」
マジック「正しくは世界征服による世界平和ですね」
マジック「そうですね……ではちひろさん。世界が平和になった時」
マジック「もっとも必要となるモノは何か、分りますか?」
ちひろ「え?えーと……食べ物、ですか?」
マジック「ええ。それも大事ですが、それ以上に大事なモノがあります」
マジック「教養ですよ」
マジック「いくら食べ物があっても、それを食べる人々に教養が無ければ争いが生まれてしまう」
ちひろ「なるほど……」
留美「そこまで考えていたんですね」
マジック「ええ。というワケで――」
マジック「学業の時間を設ける事になりました」
薫「マジックおじさんせんせぇみたーい」キャッキャッ
杏「うぇーメンドクサイなぁ……」
未央「せっかくの船旅がぁ……」
柚「うぅ~……」
凛「こーら、しっかりしなさい」
卯月「先生!教科書忘れました!」
マジック「用意してないからね。さ、始めようか」
『インターミッション』おしまい
寝る
このスレ内に収まるよう調整中
『幕間』
ちひろ「メリークリスマス!ho-ho-ho!」
フィルデュウス「はいはい寒い中お腹出すモンじゃないですよ」
ぬらりひょん「ハシャイじゃってまぁ……」
リン「デンキはこのような使い方もされるのですね……とても美しいです」
凛「むぅ……」ムスー
リキッド「まぁそう拗ねんなって。ナ?」
卯月「メリークリスマス!!」ポクポクポクポク
三十三話までの内容で終わるつもりが、もう少し続きそうです
よろしければお付き合い下さいまし
せっかくなんでクリスマス回を捻り出してきます
番外『シブヤ・クリスマス』
――12月某日・CGプロダクション・食堂
リキッド「んでェ、ツリーの方は用意できたのかよ?」
G「……ああ」
トットリ「じゃあ後は飾り付けだけだっちゃね」
ちひろ「プレゼントの方は地下で保管してありますし……」
ミヤギ「あ、焼き鳥の用意もしとかなきゃいかんべなァ」
リキッド「ソッチはホラ、アラシヤマが焼くっていう――」
アラシヤマ「ヒトを調理器具みたいに言わはりますなぁ……」
ちひろ「安心の火力じゃないですか♪」
アラシヤマ「ちひろはんまで……」
――
卯月「おはようございます!」
未央「おはっよー!」
凛「おはよう……」
リキッド「おーゥ、どうした凛?元気無ェぞ?」
凛「そ、そんな事ないよ……?」
G「?」
まゆ「おはようございますぅ」ヌッ
未央「うひゃっ」
卯月「あ、まゆちゃんおはよう!」
まゆ「はい♪……あ、凛さん。先日お渡しした本は役に立ってますかぁ?」
凛「まゆ!それは――」
未央「おやおや~?」
卯月「何の本?」
まゆ「編み物の本ですよぉ♪凛さんから教えてって言われて――」
凛「ああああああああ!!まゆホラトットリさんがアッチに!」
まゆ「あの方向にトットリさんがいるワケないじゃないですか何言ってるんですかナメてるんですか」
凛「ごめん!!」
凛「うぅ……秘密にしてって言ったのに……」
まゆ「……あ。そ、そうだっけ」
凛「まぁゆぅー?」
まゆ「ご、ごめんなさい」
卯月「凛ちゃんが編み物か~……うん、似合いそうだね!」
リキッド「なんだァ?親御さんにマフラーでも作ってんのか?」
凛「そっ、そうそう!」
未央「わかってないなぁ二人とも……」ヤレヤレ
卯月「何が?」
未央「隠し事で編み物!今は12月!つまり――!」
リキッド「クリスマスプレゼントか」
未央「合ってるけど違うね」チッチッチッ
未央「ズバリ!すkもががががが」
ちひろ「未央ちゃーん?憶測だけでも言っていい事と悪い事があるわよー?」
未央「……ふぁい」
リキッド「?」
卯月「そうだ!私たちも薫ちゃん達にプレゼントあげようと思うんですよ!」
ミヤギ「おー、そりゃナイスアイデアだべ卯月」ハッハッハ
未央「そうそう、そこで何をプレゼントしようか、プロデューサー達の意見を聞きたいワケだよ」
リキッド「ナルホドね……それ、他のヤツらにも聞いたのか?」
卯月「はい!」
凛「一部の人達がスゴク偏ってたよね……」
~~~
美世「ミニカー!」
春菜「メガネ!」
法子「ドーナッツ……いや……でも……」ジュル
ナターリア「バナナ!!」
マジック「よいこの絵本シリーズ56『ただしいじんしんしょうあく』だ」
~~~
リキッド「なんでオッサンに聞いた」
卯月「いい人ですから!」
未央「それでそれで?皆のプロデューサー達なら何を選ぶの?」
リキッド「そうだなァ……まず晴のヤツにゃサッカー関係の何かだろォ?」
卯月「いいですね!喜んでくれそうです!」
G「……雪美には猫の首輪か……」
凛「そうだね。あ、私もハナコに首輪プレゼントしようかな」
ミヤギ「薫チャンには水彩画セットだべな」
未央「え?薫ちゃんに?」
トットリ「最近由愛チャンに教えてもらってるみたいだっちゃよ?」
卯月「わぁ!想像したらすごく微笑ましい光景ですね!」ニコニコ
リキッド「あァ、相手の趣味嗜好と、それをもらった相手の顔を考えながら選んでやるといいぜ」ニッ
未央「なるほどー。ありがと!参考にするよ!」
ミヤギ「あんまり変なモンや、高価なモノはダメだべよ?」
凛「そうだね……相手に気を遣わせちゃうし……」ウーン
卯月「はい!頑張って選びますね!!」オー
未央「……とは言ったものの……12歳以下に限定しても大変だねコリャ」
凛「選ぶのが難しい子もいるよね……ありすちゃんとか」
卯月「千枝ちゃんも何がいいかな……」
未央「千枝ちゃんはヘアピンがいいんじゃないかな?」
凛「そう言われれば、結構変えてるよね」
卯月「んー……あのウサちゃんのヘアピン意外見た事ないような……」
凛「……卯月……それはさすがに……」
未央「それはヒドイよしまむー……」
卯月「え、何が?」
<prrrrrrrrrr
卯月「あ、電話だ……非通知?」
未央「出ない方がいいよー」
卯月「はいもしもし?」
未央「出ちゃった!?」
凛「卯月って詐欺にあいやすいタイプだと思うんだけど」
未央「うん、絶対そうだよね」
卯月「……た、確かにプレゼント選びに困ってますけど、なんで分るんですか?」
『ふっふっふ~。私は何を隠そうサンタクロースですからっ!』
卯月「すごい!」
『誰かの為にプレゼントを選ぶ……その心遣いにとても感動しましたぁ~』
『それでですねぇ~、是非とも貴方達のお手伝いを――』
『イヴ様?何をしてるんですの?』
『あっ!くり子様ぁ~!聞いて下さいっ!誰かの為にプレゼントを選ぶ人間さんとお話を――』
『何やってますの!?すぐにお切りなさい!』
『えぇ~、でもぉ~』
『い・い・か・ら!ホラ!!』
卯月「あ、あの~?お忙しいみたいですし、大丈夫ですよ?」
『あぁっ!ごめんなさい~……あのっ!今度はクリスマスに――』
『イ~ヴ~さ~ま~?』
『ごめんなさいっ!そ、それじゃ失礼しますねっ!』
卯月「……切れちゃった」
未央「なんだったの?」
凛「イタズラ電話?」
卯月「……なのかなぁ?」
卯月「サンタクロースさんだったよ?」
凛「それをイタズラ電話って言うんだよ」
未央「しまむーの今後が心配だよ……」
寝る
10連プラチケでお化け屋敷から珠ちゃんが飛び出してきたので、今年の運は使い果たしたと思う
――クリスマス当日・夜
沙織「ン゛メリイイイグリスマスゥ!!」
ヘレン「ワリィごはいねぇがぁ!!」
ミヤギ「沙織までナマハゲサンタやってんじゃねぇベッ!!」
トットリ「だっちゃわいや!世界レベルが移るっちゃよ沙織チャン!」
沙織「す、すまねっす……誘われたからァつい……」
ヘレン「世界レベルを病原菌みたいに言うのやめてくれる?」
梨沙「ふ、ふんっ!そんなの全然怖くないんだからっ!」ビクビク
珠美「ふぇぇぇぇぇん……」
紗理奈「はーいホラホラ泣くなー珠ちゃん強いぞー珠ちゃん」ナデナデ
リキッド「ワリィなぁ、クリスマスなのに仕事入れちまって」
卯月「大丈夫ですよ!おかげで、こうして皆さんと遊べましたから!」
卯月「それに……私達はアイドルですから!年中無休です!」
ちひろ「あ、そろそろ小さい子達は帰らせないと」
楓「クリスマスの夜は早く帰らないと……」
薫「そうだね!いい子にしないとサンタさん来ないもんね!」
美嘉(マジ天使)
莉嘉「サンタさん信じてるなんてこdもがっ!?」
ちひろ「莉嘉ちゃーん?それ以上言うと怒るわよ?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
莉嘉「ふぁ、ふぁい……」
麗奈「アーッハッハッハ!サンタを信じてるなんてまだまだお子様ね!」
麗奈「そんなヤツは存在しないわ!」
ちひろ「『さん』をつけろデコ助ェ!」
薫「サンタさんはいるもん!」
麗奈「何よ!じゃあサンタがいるって証拠出しなさいよ!まぁ無理でしょうけどね!」
麗奈「アーッハッハッフゥェゲホッゲホッ!!」
「へ~ぇ」
麗奈「!?」
くり子「サンタクロースの存在を信じないのは、まぁ許せますけど――」
くり子「信じている人をバカにするのは許せませんわ」
くり子「ツトム!尻尾アタックですわ!」
ツトム「フーヤレヤレ」
麗奈「ちょ!なんで!なんで空飛ぶオットセイ!?」
ちひろ「あぁっ!麗奈ちゃんが空飛ぶオットセイに詰め寄られてる!」
美嘉「スゴイね★プロデューサーさん流のサプライズ?」
ミヤギ「うんにゃ、ありゃホンモノのサンタクロースだべ」
美嘉「……うん?」
イヴ「くり子様ぁ~、人間と触れ合うのはご法度って言ったじゃないですかぁ~」
莉嘉「トナカイ!おねえちゃんトナカイさんだよ!!」
美嘉「増えた!」
くり子「違いますわイヴ様。これは言わば愛の鞭。教育的指導ですわ」
麗奈「信じる!サンタ信じるからじわじわ尻尾でビンタするのやめて!」
――
くり子「改めまして、皆様メリークリスマスですわ」
くり子「サンタクロースのくり子と申します。そしてこちらが――」
イヴ「はいっ!新人サンタのイヴと申します~」
卯月「……あぁっ!私に電話してきた人!」
未央「電話って……」
凛「あの時の?」
イヴ「はい~♪覚えられていて光栄です~」
みく「それよりこの動物達は……」
くり子「アザラシのツトムと、トナカイのブリッツェンですわ」
ツトム「オットセイチャウネン」
ブリッツェン「ぶもっ(初めまして皆様方、ブリッツェンと申します)」
ちひろ「アザラシだったんですね……スイマセン尻尾でぺしぺししないで!!」ヒーン
ミヤギ「いやぁ、久しぶりだべな」
トットリ「元気そうで何よりだっちゃよ」
くり子「はい、お二人もお元気そうで何よりですわ♪」
イヴ「あれ?お二人とお知り合いなんですかぁ~?」
くり子「え、ええ、昔パプワ島でちょっと……」オホホ
イヴ「ずるいですぅ~!私が人間の生活を体験したいって言ったら怒るのにっ!」プンプン
くり子「あ、アレは事故だったんですの!」
ミヤギ「でもちょこちょこパプワくんに会いに来てたって聞いてるべ」
トットリ「だっちゃわいや」
くり子「う……」
まゆ「まぁ、一途なんですねぇ……気が合いそうです♪」ニコォ
イヴ「くり子様っ、お願いがありますっ!」
くり子「聞きませんわ」
ミヤギ「まぁまぁ、聞くだけ聞いてやってもいいんでねェか?」
リキッド「あぁ、話も聞かないのはヒドイぜ?」
トットリ「あれ?ドコ行ってたがね?」
リキッド「クラリスが鼻血噴いて倒れたから寝かせてきた」
ちひろ「シスターですもんね……」
くり子「どうせ人間の生活を体験してみたい、という願いでしょう?」
イヴ「はいっ!」
くり子「何度も言っているとおり――」
ミヤギ「いいんでねェか?」
くり子「ミヤギ様は口を挟まないで下さいまし!」
ミヤギ「うっせェ、ちゃんと最後まで聞くだヨ」
ミヤギ「イヴちゃんは、何も一年中人間として生活したいってワケじゃねェべ?」
イヴ「で、出来ればそうしたいんですけどぉ~……」
ミヤギ「それがダメみたいだから、妥協案だヨ」
ミヤギ「たまにココに遊びに来たらいいべ」
イヴ「!いいんですかっ!?」
ミヤギ「くり子ちゃん、サンタはオフの時は暇だべ?」
くり子「そ、そうですが……」
リキッド「なら、問題無さそうだな」
くり子「……私の負けですわ。イヴ様」
イヴ「くり子様……」
くり子「……ですが、今日の配送は終わらせないといけませんわよ?」
イヴ「はいっ!」ニコッ
くり子「それと、プレゼントを置くときに人の家を観察しない事――」
くり子「好奇心だけで家の物に触ってはなりませんわよ?」
イヴ「はっ、はいっ!気を付けます!」
くり子「よろしい。では皆様、私達はプレゼントを配りに行って参りますわ」
イヴ「さぁさぁ、良い子は早く帰って、ぐっすり眠って待っててね♪」
「「「「「はーい!!」」」」」
楓「……私も帰って寝ます」
瑞樹「私もそうしようかしら……」
礼子「良い子にしていた甲斐があったわ」
リキッド「歳考えろお前ら」
美優「……」ソーッ
ちひろ「……」ソーッ
――後日
雪菜「あら?千枝ちゃん新しいヘアピン買ってもらったの?」
千枝「あっ、いえっ!サンタさんからの贈り物です!」
薫「由愛おねーちゃん!おえかきしに行こっ!」
由愛「うん。今日はどこに行こうかな……」
凛「……結局、私達が用意した分と被っちゃったね」ハァ
卯月「両方とも喜んでくれてるみたいだし、いいんじゃないかな?」ニコニコ
未央「晴ちゃんなんか『ボールが二つあったから、Gとリフティング対決してくる』ってさ」アハハ
ガチャ
リキッド「よォ、お疲れサン」
未央「おかえり、プロデューサー!」
卯月「おかえりなさい!」
凛「おかえり……あの、さ。コレ……」
リキッド「あン?……開けていいのか?」
凛「う、うん……あ、やっぱダメ!恥ずかしいからダメ!」
リキッド「もう開けちまったけど……マフラーか」
凛「あ、うん……」
リキッド「……ありがとナ」ポン
メリークリスマス
番外編『シブヤ・クリスマス』おしまい
寝る
最終話『フォーカス・ライト』
――例えばアナタの言った事が実現するとして
――アナタは何を願いますか
――アナタは何を得ますか
――アナタは何を失いますか
――アナタは正気でいられますか
『インターミッション』
千川ちひろです。アイドルプロダクションで事務員をしています
突然訪れた二人のプロデューサーによって、築45年の事務所と女子寮は綺麗なビルとマンションに生まれ変わり
プロデューサー達に吸い寄せられるように、所属アイドルも増えていきました
時々超常的な事件に遭遇しながらも、私達は平和な日々を過ごしていたはずでした
あるリゾート地のPRに我がプロダクションのアイドル達が抜擢される大仕事を終え
日本に帰って来た時の異様な光景は、きっと生涯忘れる事は――
――日本・某港
リキッド「……どォなってやがる……」
卯月「これ……全部ほたるちゃん……ですよね?」
凛「……全部違う広告なのに、全部同じ人を使ったりするかな?」
未央「そういうイベントなんじゃない?」
未央「あ、それとも私達がいない間にゲコプロが天下を取ったとか――」
ちひろ「なんなんでしょうね……?」
ミヤギ「ナァ、リキッドォ。コレってあん時の」コソッ
リキッド「あぁ……」
リキッド「……何しやがった、クボタ……」
――
クボタ『やぁやぁリキッドさん、ご無沙汰しております』
クボタ『街中のポスターはご覧になりましたか?』
リキッド「……テメェ……」
クボタ『何です?ただ彼女の才能を見出し、それを伸ばしただけですよ』
クボタ『これこそ、我々プロデューサーの仕事でしょう?』
リキッド「違うだろ!コレじゃほたるを利用してるだけじゃねェか!」
クボタ『えぇ、それがプロデューサーとアイドルの関係でしょう?』
クボタ「……随分荒っぽく切るなぁ……」pi
クボタ「さぁほたる、CGプロの人達が日本に帰ってくるそうだよ」
クボタ「どうする?」
ほたる「わ……私は……」
クボタ「ん?」
ほたる「わ、私は……CGプロなんかに負けません」
クボタ「……あぁ、その通りだ」ニコ
ほたる「……」
ほたる(助けて……)ギュッ
――CGプロダクション・事務所
ちひろ「――それって」ゾクッ
リキッド「あぁ、満足して現状維持をしてくれればいいが、ンなワケがねぇ」
G「……恐らく、欲を出してさらに手を広げるだろうな」
トットリ「んだらァ、早く止めんと!」ガタッ
リキッド「あァ……」
リキッド「ンじゃちっと懲らしめて来るから、ちひろとまゆは皆に適当に言っといてくれや」
ちひろ「適当にって……分かりました。打ち合わせに行ったって言っておきますね」
まゆ「はい、気を付けて下さいね?」
G「……ん」
ミヤギ「大丈夫だべ。ちょっとお話に行くだけだァ」
――数刻後・CGプロダクション・食堂
ちひろ「――だそうですよ」
穂乃香「そうですか……」
未央「帰って早々打ち合わせなんて、忙しいねー」
洋子「私達の為とは言え、あんまり無理して欲しくないけど……」
洋子「私達は美味しい料理でも作って、待っておきましょうか」
クラリス「そうですね。何がいいでしょう……」ウーン
みく「疲れが取れるようなヤツがよさそうにゃ!るーみんクッ○パッド!」
留美「ええ!任せて!」バッ
志乃「随分料理好きになったみたいね」
ヘレン「まだまだ世界レベルには程遠いけどね……」
柚「やめておもいださせないで」
響子「鶏肉が黒い塊でしたもんね……」
凛「やめて」
――ゲコプロダクション・事務所
クボタ「いやぁーわざわざ全員揃って来られるとは」ニコニコ
ほたる「……」
リキッド「……早耶はどうした」
クボタ「あぁ、今日はオフですよ」
クボタ「どうも仕事が入らないもんでねぇ」
リキッド「テメッ……!!」
ほたる「っ」ビクッ
ミヤギ「待つダヨ、リキッド」グィッ
ミヤギ「……ほたるチャン、あの時のお守りは持ってるだか?」
ほたる「……ぁ、はっ、はいっ!」ゴソゴソ
クボタ「なんだ?ダメじゃないか。他所のプロデューサーから貰ったモノなんて」グイッ
ほたる「きゃっ!」
――CGプロダクション・食堂
瞳子「ごちそうさま。さて、お土産の整理しなくちゃ」
夕美「あ、私も荷物整理しないと……」
ヘレン「のあ、後で部屋に案内するわ」
のあ「ええ……お願いするわ。あとおかわり」
幸子「食べ過ぎですよのあさん!プロデューサーさん達の分があるからダメです!」
のあ「……ケチー」
――ゲコプロダクション・事務所
ほたる「は、離して下さい……!」グッ
クボタ「こんなお守りなんて無くても、ほたるはもう大丈夫じゃないか」
クボタ「ライバルもいなくなって、日本一有名なアイドルになって」
クボタ「今度はどうしようか、世界一有名なアイドルになるんだろ?」
リキッド「やめろクボタ!」
ほたる「……っ!」ググッ
クボタ「ほら、言ってごらん。世界一有名なアイドルになるって」
クボタ「こんなお守りなんかなくても大丈夫だって、CGプロの人達に見せつけてやろう」バッ
ほたる「あっ……!か、返して下さいっ!」
クボタ「『強運御守』かぁ……」ビリッ
ほたる「あっ……」
クボタ「こんなっ……モノはっ……必要ないんだっ……」ビリッ ビリッ ビリッ
ほたる「……」ペタン
――CGプロダクション・食堂
卯月「じゃあお先に失礼しますね!」
凛「お疲れ様」
未央「じゃーまた明日ね!」
ちひろ「はい、おやすみなさーい」
――ゲコプロダクション・事務所
クボタ「どうしたほたる?そんなに大事なお守りだったのか?」
ほたる「……」ポロ
――そうだ
リキッド「……!」
――私は不幸を呼ぶ厄病神だったんだ
ミヤギ「クボタぁ!!」
――私が幸せになるハズないんだ
クボタ「……ほたる?」
――これは全部
――夢なんだ
トットリ「な、なんだァ?」
G「……何が起こっている」
リキッド「ほたるッ!!」
――嫌だな
――嫌だよ
――あんなに幸せな夢だったから
――忘れちゃってたんだ
――私が幸せになるなんて
――あるはずが無いんだ
クボタ「どうしたんだほたる?ホラ、俺がついてるから泣くんじゃないぞ?」
――「いいか、アイドルってのは誰かを笑顔にするのが仕事だ」
――「その本人が不幸じゃ、誰も笑顔になんてできやしねェよ」
ほたる「……そうだ……だから私は……アイドルになれないんだ」
クボタ「何を……」
ほたる「……全部、夢……そう。これは全部夢」
リキッド「違う!ほたる!これは夢じゃ――」
ほたる「リキッドさん……」
ごめんなさい
――――
――
ちひろ「プロデューサー……ですか?」
ちひろ「あぁ!すいません昨日お電話頂いていましたね!」
ちひろ「私は千川ちひろと申します!当事務所の事務員をしております!」
ちひろ「アイドル達は今日はレッスンで……あ、もうすぐ帰ってきますよ」
ちひろ「あの子達、初めてのプロデューサーだってもう大喜びだったんですから……」
<ガチャ
ちひろ「あ、みんなおかえりー!こちらが我がCGプロのプロデューサーとなる――」
モバP「モバPと申します。よろしくお願いしますね」
最終話『フォーカス・ライト』おしまい
――パプワ島・リゾートホテル
リキッド「ふんふんふふ~♪」キュッキュッ
「……あの~」
リキッド「あぁハイハイ?どうしましたお客様」クルッ
「……」
リキッド「?」
「……覚えてない、ですか……?」
リキッド「ンン~?……いえ、お客様とは初めてお会いすると思うンスけど……」
「……そうですかぁ」
リキッド「きっと人違いじゃないッスかね?」
「……っ」タッッタッタッ
リキッド「……なんだァ?」
――パプワ島の物語を覚えている者は幸せである
――心豊かであろうから
――私たちはその記憶を記されてこの地上に生まれてきたにもかかわらず
――思い出すことのできない性を持たされたから
――それゆえに
――サンタクロースの語る次の物語を伝えよう
『ちひろ「プロデューサー……ですか?」』おしまい
『歌声はエンドレス』← →『シュレディンガーの事務所』←『 』
『 』←
『おまけ』
<ガチャ
ノヴァ「帰ったわ」
ちひろ「あ、おかえりなさーい。オフは楽しめましたか?」
ノヴァ「ええ。少し……懐かしい場所に行けたわ」ガサッ
ちひろ「お土産ですか!」ワーイ
ノヴァ「ええ、まずは萩の月――」
菜々「仙台銘菓ですね!日本中を旅してたんですか?」
ノヴァ「いいえ……そうね……別の世界を見てきたわ」
菜々「あーっ!また変なイタズラしてないですよね!?」
ノヴァ「大丈夫よ……あそこは言わば……故郷だから」
菜々「?」
ノヴァ「たまには生まれた場所を見るのも、悪くないわね」
『おまけ』おしまい
以上、お粗末様でした
蛇足
元々は「モバマスの事務所がデカイ理由」から出てきた話でした
この先の話が、以前書いたモバマス世界に続くと言っても拭いきれないバッド感で申し訳ない
ナマモノ絡まない話が多すぎたのでだいぶ省きました。またどこかでリサイクルしたいですね
ではでは、読んで下さった皆様お疲れ様でした。ありがとうございました
今度はナマモノたちがアイドルデビューする話でよろしく
――CGプロダクション・事務所
リキッド「なァァァァんでオメーらが来たんだよォ!?」
タンノ「やぁねぇリキッドさんたら」ピッチピッチ
イトウ「やっぱり目指してみたいじゃない?アイドル。乙女としては」ヌラァ
リキッド「倒置法使ってもダメッ!オラっ!さっさと帰れ!」ゲシッゲシッ
タンノ「弱いわ!シンタローさんの愛のキックに比べたら弱過ぎるわ!」
リキッド「愛が無ェからなァ!」
時子「……」ジーッ
ちひろ「どうしました財前さん?」
時子「え?いえ、何でもないわ……ええ」
時子「プロデューサーに蹴られてみたいなんて、微塵も思ってないわ」
ちひろ「思ってるんですね?そして羨ましいんですね?」
>>935
書いてみたけどなんだコレふざけんなw
――――
――
ちひろ「プロデューサー……ですか?」
ちひろ「あぁ!すいません昨日お電話頂いていましたね!」
ちひろ「私は千川ちひろと申します!当事務所の事務員をしております!」
ちひろ「アイドル達は今日はレッスンで……あ、もうすぐ帰ってきますよ」
ちひろ「あの子達、初めてのプロデューサーだってもう大喜びだったんですから……」
<ガチャ
ちひろ「あ、みんなおかえりー!こちらが我がCGプロのプロデューサーとなる――」
コモロ「よぉ~みんなぁ~久しぶりだにゃ~」
みく「うにゃああああああああ!?」
輝子「大歓迎だぜイヤッホオオオオオオオオオオオ!!」
if(真顔)
すまん寝てた
さすが休日だ。なんともないぜ
冗談は捨て置き、後日談もIFも考えたけど陳腐に感じられたんでナシで
申し訳ない
勢いついでにぶっちゃけると、ほたるの幸せってお守りとか超能力で保障された絶対的な状態じゃなくて
周りの人達とギャーギャー騒ぎながら、頑張って不幸を乗り越える過程なんじゃないかな、と思った
だらだらとお目汚し失礼しました。ではまた、機会があれば
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