モバP「可愛くなりたい?」 (52)
P「誰がですか?」
ちひろ「私です」
P「じゃあ貯金を下ろして、整形外科に・・・・・・」
ちひろ「なんでそうなるんですか!」
P「だって、可愛くなりたいんでしょ?」
ちひろ「はい」
P「この職場はアイドル事務所ですよ?」
ちひろ「・・・・・・それがどうしたんですか?」
P「可愛い子=アイドルというのも偏見かもしれませんが、所属アイドルはみんな可愛いですよ?」
ちひろ「・・・・・・はい」
P「それじゃあ、なんで俺に聞くんですか?」
ちひろ「そ、それは・・・・・・」
P「可愛く魅せるテクニックなら、いくらでも教えてくれると思いますが」
ちひろ「いや、でも、その、みんな、忙しそうですし」オドオド
P「最近は確かにそうかもしれませんが、まだ全員が全員じゃないですよ?」
ちひろ「そ、それはそうかもしれませんが」
P「という訳で、アイドルに訊いてください」カタカタカタ
ちひろ「冷たいですね」
P「ちひろさんも仕事してくださいよ」カタカタカタ
ちひろ「・・・・・・理由を」ボソッ
P「・・・・・・」カタカタカタ
ちひろ「理由は聞かないんですか?」
P「・・・・・・可愛くなりたいなんて、人それぞれですよ」カタカタカタ
P「話したいなら、聞き流しますけど?」
ちひろ「・・・・・・じゃあ聞き流してください」
ちひろ「所属アイドルも今ではたくさん増えましたね」
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ちひろ「事務員である私は、新人の子が入る度に思うんですよ」
ちひろ「私の存在感が薄くなってきたなーっと」
P「・・・・・・そんな事はないでしょう」カタッ
ちひろ「ちゃんと聞いててくれたんですね」ニコニコ
P「・・・・・・」カタカタカタ
ちひろ「事務員だから薄くても別に問題ないんですが」
ちひろ「せっかくアイドル事務所で働いるんですから、みんなを見習って私も可愛くなろうかなっと」
ちひろ「いくつになっても、可愛く見られるのは嬉しいですし」
P「それなら尚更、俺じゃなくてアイドルに訊いたほうが」
ちひろ「凛ちゃんとか最初の頃から所属しているメンバーは仲良しなんですが」
P「じゃあ凛に訊けば・・・・・・」
ちひろ「そのメンバーはもうみんな売れっ子なんですよね」
P「まあ、そうかもしれませんね」
ちひろ「なんかもう、こう、一般人の私が話しかけられる人ではなくなったような感じがして」アセアセ
P「そうですか?凛はツンケンしてますけど、卯月とかはいつでもニコニコしてるじゃないですか」
ちひろ「オーラですよ!芸能人オーラ!」
ちひろ「プロデューサーはいつも一緒に居るから気付かないんですよ」
P「それじゃあ、新しいメンバーに訊けばいいんじゃないんですか?」
ちひろ「新しい子は、その、ちょっと・・・・・・」
P「どうしたんですか?」キョトン
ちひろ「その、あまり仲良くないので、そういうこと訊くのはちょっと・・・・・・」
P「なにかあったんですか?」
ちひろ「いや、別に仲が悪いってわけじゃなくてですね」
ちひろ「あまり喋った事がないのに、いきなりそういうこと聞くと変に思われそうですし」イジイジ
P「・・・・・・」
ちひろ「し、仕方ないじゃないですかっ!」
ちひろ「事務職でコミュニケーション能力が求められると思わないじゃないですか!」
P「まあ、別に業務上では特に問題はないですけどね」
P「可愛くなりたいっていうのは、ちひろさん個人の願望ですし」
ちひろ「そう、ですけど」イジイジ
P「しょうがないですね」ハァ
ちひろ「お、教えてくれるんですか!?」パァ
P「外見はアイドル達に頑張って訊いてください」
P「俺は内面から可愛くなれるように、お手伝いしますよ」
ちひろ「は、はいっ!」ニコニコ
ーーー
P「じゃあ、まずはアイドルのモノマネからやっていきましょうか」
ちひろ「モノマネ、ですか」
P「彼女たちは、可愛く見られるように仕草とか口調に気を付けている」
ちひろ「ふむふむ」メモメモ
P「はずです!」
P「だから、口調とか仕草をマネれば、少しは近づくと思いますよ」
ちひろ「それじゃあ、さっそく・・・・・・」
P「どうしたんですか?」
ちひろ「誰のモノマネを?」キョトン
P「あー、それじゃあ渋谷凛からやっていきましょうか」
ちひろ「はい!」
ーーー
ガチャ
ちひろ「あ、プロデューサー。おはよー」ボソッ
P「お、おう」
ちひろ「今日の予定はなに?」
P「きょ、今日はダンスレッスンだけだな」
ちひろ「そう」
P「・・・・・・」
ちひろ「・・・・・・」
P「あれ?終わりですか?」
ちひろ「え?ダメですか?」アセアセ
P「ダメじゃないですけど・・・・・・」ウーン
ちひろ「凛ちゃんって基本的に口数少ないですよね?」
P「まあ、あまり多くは喋らないですね」
ちひろ「必要最低限な会話だけを、クールに話すって感じにしてみました」
P「間違ってはいないと思うけど、なんか違うな」
ちひろ「そう、ですか」シュン
P「まあまあ!人それぞれですよ!」アセアセ
P「色んなモノマネをして、ちひろさんが良いと思うのを使えばいいんですよ!」アセアセ
ちひろ「そう、ですか?」
P「そうですよ!」
ちひろ「今のは私の知っている凛ちゃんですけど、プロデューサーの知っている凛ちゃんってありますか?」
P「うーん、意外に寂しがり屋だと思いますよ」
P「犬も飼ってますし、なんて言ってもまだ15歳ですからね」
ちひろ「そうじゃあ、それも踏まえてやってみますね」
ーーー
ガチャ
ちひろ「おはよう、プロデューサー」
P「おう、おはよう。ちひろ」
ちひろ「あっ、あの・・・・・・うん、今日の予定はなに?」
P「今日はダンスレッスンだな」
ちひろ「そう・・・・・・その」
P「ん?どうしたんだ?」
ちひろ「レッスン室までは、ひとり?」
P「ああ、そうなるな。俺は打ち合わせがあるからな」
ちひろ「・・・・・・その、どうしても、無理?」オドオド
P「ん?なにがだ?」
ちひろ「その、レッスン室まで送ってもらえない?」オドオド
P「そ、そうだな。急げばなんとか」
ちひろ「そう。なら急がないとね、プロデューサー」ニコッ
P「・・・・・・いい」ボソッ
ちひろ「え?」
P「いいですよ!ちひろさんっ!」ガシッ
ちひろ「えっ?!」アセアセ
P「凛とはまた違った素っ気なさがすごくいいです!」
ちひろ「ほ、本当ですか?!」ニコニコ
ガチャ
凛「おはよう」
P「あ、本物だ」
凛「本物?」
P「いや、なんでもない」
ちひろ「おはよう、凛ちゃん」
凛「おはよう、ちひろさん」
凛「プロデューサー、今日の予定はなんだっけ?」
P「えーっと、今日はいつものレッスンだけだな」
ちひろ「!?」ジー
凛「そう、いつもの場所だよね?」
P「そうだな。事務所からも近いし、1人で行けるよな?」
凛「場所は分かるけど、今日はちょっと気分が悪い、から」ゴホゴホ
P「風邪か?大事をとって、今日のレッスンは休むか」
凛「ううん、大丈夫」
P「そうか、無理はするなよ」
凛「・・・・・・うん」ゴホゴホ
凛「今日は風が強いね」ボソッ
P「・・・・・・」カタカタカタ
凛「そういえば、事務所に来る時に変な人いた、かも」ボソッ
P「今日は俺もそんなに忙しくないし、車で送ろうか?」
凛「ありがと。近いのに、ごめん」ゴホゴホ
P「気にするな。それよりも体調管理はしっかりな」ナデナデ
凛「うん」テレテレ
P「それじゃあ、ちひろさん。ちょっと行ってきますね」
ちひろ「あっ、行ってらっしゃい」
バタン
ちひろ「風邪のフリや確証のない視線など、相手を心配させるっと」メモメモ
つづく
次のアイドルは最終レスの1つ下のアイドルで書いていこうと思います。
ガチャ
P「ただいま戻りました」
バタン
ちひろ「おかえりなさい」
ちひろ「あれ?その袋はお昼ご飯ですか?」
P「いえ。ちょっと面白そうだったので」ガサゴソ
ちひろ「なんですか?」ハテナ
P「ガラポンです」コトッ
ちひろ「え?ガチャガチャ?」ニコニコ
P「どういう耳してるんですか。抽選機ですよ」
P「まあオモチャですけどね」
ちひろ「商店街の福引とかでよく見かけるやつですね」
ちひろ「それにしても、突然どうしたんですか?」
P「ちひろさんのモノマネをするアイドルをこれで決めようかと」
P「ランダムの方が面白いでしょう」
ちひろ「・・・・・・面白がってません?」
P「これもちひろさんが可愛くなるためですよ!」ニコニコ
ちひろ「身内の営業スマイルは腹立ちますね」イライラ
P「さっそく回しましょうか」ガラガラ
コロン
ちひろ「佐久間まゆ。まゆちゃんですか」
ちひろ「というかどうやってこの小さい玉にフルネーム書いたんですか?」
P「なんかキャンペーンで色々やってくれました」
ちひろ「店員さんも大変ですね」
P「次はまゆですけど、なにか助言しますか?」
ちひろ「いえ、まずは私の中のまゆちゃんでやってみます」
P「まゆはキュートですからね。今回の趣旨に1番合っているはずですよ」
ーーー
ガチャ
ちひろ「Pさん、おはようございます」ペコリ
P「おう、おはよう」
ちひろ「痛っ」
P「ど、どうしたんだ?大丈夫か?」アセアセ
ちひろ「だ、大丈夫ですよぉ」アセアセ
P「左手首が痛むのか?」
ちひろ「ち、違いますよぉ」アセアセ
P「痛むなら病院に行った方が・・・・・・」
ちひろ「大丈夫ですよぉ」ニッコリ
ちひろ「Pさんに心配はかけられないですよぉ」ボソッ
P「俺でいいなら、いつでも頼ってくれてもいいんだぞ?」ナデナデ
ちひろ「ごめんなさい」テレテレ
P「別に謝らなくてもいいさ」
ちひろ「ちひろは、Pさんに心配かけちゃうダメな子ですねぇ」グスン
P「なにか、あったのか?」ナデナデ
ちひろ「・・・・・・昨日、Pさんが女の子と寄り添って歩いてるのを見てしまったんです」
P「昨日?誰のことだ?」
ちひろ「後ろ姿だったので判りません。けどPさんは判りました」
ちひろ「とっても、嫌な気分になっちゃったんです」
P「嫌な、気分?」
ちひろ「はい。でもこれはちひろの一方的な感情ですから・・・・・・」
ちひろ「それでPさんを困らせちゃダメだとは、解ってるんですけどねぇ」
ちひろ「なかなか、感情を隠すのは難しいです」ウルウル
P「そうか。よく解らないけど、辛かったんだな」ナデナデ
ちひろ「すみません・・・・・・。あっ」
P「・・・・・・ちょっとタイムで」
ちひろ「どうしたんですか?ここはそっと抱き寄せるシーンですよ?」
P「シーンってなんですか。ドラマじゃないんですよ」
P「それよりも、なんで左手首に包帯巻いてるんですか?」
P「今回は蘭子じゃなくて、まゆのマネですよ?」
ちひろ「知ってますよ。だから包帯巻いてるんですよ」
ちひろ「何事も形から入るのが大事です」
P「まゆは包帯なんて巻いてませんよ?」
ちひろ「けれど、いつも左手首が隠れてませんか?」
P「・・・・・・」
ちひろ「プロデューサー?」
P「あれはファッションです」
ちひろ「えっ、でも・・・・・・」
P「ファションですっ!」キッ
ちひろ「あっ、はい。なんか、すみません」
P「・・・・・・それでは俺からの助言を」
P「まゆはそんなわざとらしく、気を惹こうとはしませんよ」
P「まゆはもっと強引に攻めて来ますよ」
ちひろ「それは押し倒されたことがあるってことですか?」
P「・・・・・・ありませんよ」
ちひろ「押し倒し可っと」メモメモ
P「おい」
ちひろ「じゃあもっと押せ押せで、甘々でいいんですか?」
P「程度はちひろさんに任せますが、それでOKです」
P「あとメモしないでください」
ちひろ「解りましたが、メモは今後の参考に保存します」
ーーー
ガチャ
ちひろ「Pさん、おはようございます」ペコリ
P「おう、おはよう」
ちひろ「Pさんと離れている時間はとても辛いです」グスン
P「離れてたって、昨日は夕方まで事務所に居ただろ?」
ちひろ「16時間と42分も離れてたんですよぉ?ちひろ、寂しいですよぉ」グスン
P「それぐらい・・・・・・」
ちひろ「Pさんにとっては”それぐらい”の価値しかないんですね」ウルウル
P「いやいや、そう意味じゃなくてな」
ちひろ「じゃあどういう意味なんですかっ!」グイッ
P「ちょっと、ちひろ?顔が近いって」アセアセ
ちひろ「だけどいいんですよぉ。Pさんが苦しい想いするより、良いですからぁ」イジイジ
ちひろ「私が我慢すればいいだけなんですから・・・・・・」イジイジ
P「違うっ!」ガシッ
ちひろ「っ?!Pさん?!」アセアセ
P「さっきのはアレだが、俺も出来るだけちひろと一緒にいたいと思ってる」
ちひろ「ほんとう、ですかぁ?」///
P「ああ。俺もあまり休日はないけど、時間が合えばこの前みたく”デート”をしよう」ニコニコ
ちひろ「ちひろ、とっても嬉しいです」ギュッ
P「あっ、ちょっと、ちひろ?」アセアセ
ちひろ「ちひろだけがPさんの事を好きなんだと、ずっと思ってましたけどぉ」
ちひろ「Pさんも同じ気持ちだったんですねぇ」ギュウ
P「そうだな。俺も好きだぞ、ちひろ」ギュッ
ドサッ
P「ん?」チラッ
まゆ「・・・・・・」ワナワナ
P「あっ、えっと、これはだな」アセアセ
まゆ「・・・・・・Pさん」ボソッ
P「えっと、どこから話せばいいのか」アセアセ
P「ちひろさんも一緒に説明してください」
ちひろ「まゆちゃん?どうしたの?」ピトッ
まゆ「っ?!」ピクッ
P「ちょっ!?ちひろさんっ?!」
まゆ「ち、ちちち、ちひろさんはPさんと、どど、どういうご関係なんですか?」アセアセ
P「ま、まゆっ!とりあえず落ち着け!無理に笑わなくてもいいんだぞ?」アセアセ
P「ちひろさんも、俺の腕から離れてください!」
ちひろ「言わないと解りませんかぁ?」ギュウ
ちひろ「まゆちゃんは、もっと利口だと思ったんですけどねぇ」ニッコリ
P「ちひろさん、なに言ってるんですかっ!」アセアセ
まゆ「解らないですよ・・・・・・。Pさん困ってるじゃないですか」
まゆ「とりあえずPさんから離れてください」ワナワナ
P「まゆの言う通りだ。離れてください」
ちひろ「Pさんは恥ずかしがってるだけですよぉ」ニコニコ
ちひろ「こういうところが可愛いんですよぉ」ギュウ
まゆ「いい加減にしないと、まゆも怒りますよぉ?」ニッコリ
まゆ「それにまゆの喋り方をマネしないでくれますかぁ?」キッ
ちひろ「きゃっ!?」ビクッ
ちひろ「Pさん、まゆちゃんが怖いですぅ」ギュッ
P「俺はちひろさんが怖いよ」
まゆ「とにかく離れてください!」グイッ
ちひろ「Pさーん、助けてくださーい」
P「はいはい、まゆもそこまでな」
まゆ「Pさんっ?!まゆよりもちひろさんの事が・・・・・・好き、なんですか?」シュン
P「そういう事じゃないんだ。ねっ、ちひろさん?」キッ
ちひろ「あっ」
ちひろ「ごめんなさい」ペコリ
ーーー
P「という訳なんだ」
まゆ「それでも酷いですよぉ」ションボリ
ちひろ「まさかまゆちゃんが来るとは思わなくて」アセアセ
P「本人が来た時に辞めれば良かったんですよ」
ちひろ「凛ちゃんの時にプロデューサーに褒められたので、ちょっと自信がついたので」
P「まだ模索中なんですし、ややこしい事になる前にやめてくださいね」
ちひろ「はい」
P「まゆもごめんな」
まゆ「とりあえず、ちひろさんとは何もないって事が解ったので、良しとしますねぇ」
まゆ「だけど、まゆのハートは酷く傷つきましたよぉ」ショボン
P「しょうがないな。今度はどこに行きたいんだ?」
まゆ「そんなことじゃ、まゆのハートは癒やされませんよぉ」グスン
P「じゃあどうすればいいんだ?」
まゆ「んっ」
P「ん?」
まゆ「んーっ!」
P「・・・・・・」キョトン
まゆ「もぉ!キスですよ、キスっ!」
P「おいおい、さすがにそれは・・・・・・」
ちひろ「あっ、私はコンビニに行ってきますね。他にも色々済ませてくるので、”90分”ぐらいで戻りますね」バタン
P「ちょっ!?ちひろさんっ!」
まゆ「これで2人っきりですねぇ、Pさん」ウフフ
つづく
今日は終わり。今回から最終レスには、指定レスまでの数とageますので、それを参考してください。
あと希望のシチュなどあれば、一緒にレスもらえれば有難いです。もうちょっと頑張って多く書きます。
佐久間まゆ(16)
ttp://i.imgur.com/tTASTRT.jpg
ttp://i.imgur.com/1Biln0h.jpg
渋谷凛(15)
ttp://i.imgur.com/iAAP3Xv.jpg
ttp://i.imgur.com/lu3mfDc.jpg
次のアイドル+1
ガチャ
ちひろ「ただいま戻りました」バタン
P「はあー」グッタリ
ちひろ「お楽しみでしたね」
P「違いますよっ!」
ちひろ「あっ、休憩室に消臭剤かけてきますね」
P「・・・・・・なんでですか?」
ちひろ「え?私に言わせたいんですか?」
P「・・・・・・じゃあいいです。あと消臭剤も使わなくていいです」
ちひろ「いや、でも、臭いがつくと他のアイドルに・・・・・・」
P「ついてませんからっ!」
ちひろ「まさかここで・・・・・・」///
P「だから違いますって!なにもなかったですよっ!」
ちひろ「・・・・・・じゃあ、なんでグッタリしてたんですか?」
P「まゆを必死に説得して、ついさっき帰したからですよっ!」
ちひろ「・・・・・・ヘタレ」ボソッ
P「今のは聞かなかった事にしてあげますよ」
P「じゃあ、そろそろ次のアイドルいきましょうか」
ちひろ「はい」ガラガラ
P「ん?姫川友紀か」
ちひろ「友紀ちゃん、ですね」
P「まずはいつも通り、ちひろさんのイメージでお願いしますね」
ーーー
ガチャ
ちひろ「おはようございまーすっ!!」バタン
P「おう、おはよう」
ちひろ「プロデューサー、今日ってお仕事あったっけ?」
P「今日は収録があるな」
ちひろ「えーっ!!」
P「ど、どうしたんだ?大きな声出して」
ちひろ「今日は大切な用事があるんです!!」
P「・・・・・・誰かの法事とかか?」
ちひろ「そ、そうだよっ!」アセアセ
P「嘘だな」
ちひろ「えぇーっ!!」
P「どうせ、野球観戦でもしたいんだろ?」
ちひろ「・・・・・・声出していこー!」
P「えっ?なんでだ?」
ちひろ「しまっていこー!」
P「いやいや、意味が解らないぞ」
ちひろ「じゃあ、そういう事で早退しまーす」ガチャ
P「おいっ!」ガシッ
ちひろ「元気出して行こうっ!」
P「元気出して行くのは収録だっ!」
ちひろ「えーっ!」ジタバタ
P「よーし、スタジオまで送ってやる」ズリズリ
ちひろ「キャッツがーっ!あたしが応援しないと!」ジタバタ
P「ちゃんと録画してるんだろ?後にしろ」
ーーー
P「いいんじゃないんですか?」
ちひろ「そうですか?」
P「なにかしっくり来ませんか?」
ちひろ「うーん、なんと言うかですね」
ちひろ「シラフの友紀ちゃんは、ほとんど知らないです」
P「」
ちひろ「最近は事務所に来る頃には、もう飲んでるみたいですし」
P「・・・・・・俺も実はあんまり知らないかもしれない」
ちひろ「プロデューサーは仕事の送迎とかありますし、見てるんじゃないんですか?」
P「いや、移動中も野球の話しかしないから、いつも聞き流してる」
ちひろ「酷いですね」
P「すみませんでした」
P「ということで、呼びましょうか」
ちひろ「今日はオフなんですか?」
P「はい。まだ朝早いですし、大丈夫でしょう」Trrrrrrr
ちひろ「・・・・・・」
ーーー
友紀「おはようございまーすっ!!」ガチャン
P「オフなのに、わざわざ悪いな」
友紀「いいってー!いいってー!」バシバシ
P「あ、ああ」
友紀「どうしたの?元気出していこー!」
P「きょ、今日はいつも以上に上機嫌だな」ハハ
友紀「わかるー!わかっちゃうー?」ニコニコ
友紀「いやー、昨日はキャッツが大勝してね!」
P「そ、そうか」アセアセ
友紀「それで朝まで宴会だったんだよ!」
友紀「プロデューサーも来ればよかったのにー」エヘヘ
友紀「あっ、テレビつけていい?」
P「ああ」
友紀「おぉーっ!キャッツの試合の再放送してる!」
友紀「かっ飛ばせー!」
ちひろ「もうこっちには戻って来なさそうですね」
P「友紀がシラフなのは、いつなんだろうか」
ちひろ「寝てる時じゃないですか」
P「ところで、ちひろさんって野球に興味あるんですか?」
ちひろ「あまりないですね」
P「そうですか」
友紀「いけーっ!まわれーっ!」キャッキャッ
ちひろ「楽しそうですね」
ーーー
ちひろ「・・・・・・寝ちゃいましたね」
P「気持よさそうに寝てるな」
ちひろ「昨晩はずっと宴会してたそうですからね」
P「しばらくは、寝かせてやりましょうか」
ちひろ「プロデューサー?」
P「どうしたんですか?」
ちひろ「その、私にはちょっと、ほんのちょっとだけコミュニケーション能力が他の人より足りないと思うんです」
P「わりと足りてないと思いますよ」
ちひろ「少しだけですよっ!」
P「・・・・・・それで、どうしたんですか?」
ちひろ「キャッチボールをしてください」
P「・・・・・・ここで、ですか?」
ちひろ「言葉のキャッチボールです」
P「それは普通の会話じゃないんですか?」
ちひろ「このゴムボールを投げ合いながら、お互いに一言ずつ・・・・・・」
P「・・・・・・昭和っぽいですね」
ちひろ「とにかくやりますよ」
P「はいはい」
ちひろ「いきますよー」
ちひろ「プロデューサーは、なんでコミュ力高いんです、かっ!」ビュン
P「はやっ?!」バシッ
P「ちひろさん、もうちょっと手加減してくださいよ」
P「室内なんですから、危ないですよ」
ちひろ「すみません。つい、力が入って」
P「別に俺はコミュ力高くないですよっと」ヒョイ
ちひろ「それじゃあ私はどうなるんですかっ!」ビュン
P「うわっ?!」バシッ
P「だから思いっきり投げないでくださいよ」
ちひろ「プロデューサーが悪いんですよ」
P「なんでですか」
ちひろ「アイドルを何人も担当しているプロデューサーがコミュ力低いわけないじゃないですかっ!」
P「そんな事ないですよー」
ちひろ「謙遜は時に人を傷つけるんですよっ!」ガシッ
P「ちょっ、ちひろさん?!離して下さい」グラグラ
ちひろ「プロデューサーのバカーっ!」タッタッタッ
P「・・・・・・どこか行ってしまった」
つづく
次のアイドル+1
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