エレン「サシャの裸を見ただと?」(139)
とある夜 男子寮にて
コニー「裸というか、まあ半裸だが」
ライナー「詳しく聞かせてもらおうか」
コニー「あいつ、水汲み当番を誰かと替わってるみたいでさ。」
アルミン「なんで?」
コニー「知らねーよ。どうせ食いもんがらみだろ」
ベルトルト「それで?」
コニー「それで、毎日のように井戸まで往復してるらしいことはふだんの雑談とかから、知ってたんだ。俺、さっき食堂に借りた本を忘れてきてさ。取りに行った帰りに井戸にいるサシャを見かけたんだ。声をかけようとしたら‥」
ジャン「続けろ」
コニー「あいつ、いきなり、胸の辺りまで、着ていたシャツをまくりあげたんだ!」
マルコ「おお!」
ジャン「痴女かよ」
エレン「なんで脱ぐんだ?」
コニー「最近あっついからな。冷たい井戸水で、顔や首筋の汗を拭いている流れで体も拭くかってかんじだったな」
ライナー「前置きはいい!で、見えたのか?」
コニー「‥。少し」
アルミン「すこし?」
コニー「昨日は曇ってただろ。雲間からの月明かりで胸のあたりがチラッとだけ」
エレン「おお!」
ライナー「なあ、毎日のように井戸に行ってるんだろ?」
コニー「ああ」
ベルトルト「じゃあ明日もいるってことか」
一同「」
エレン「‥サシャって、黙っていればけっこう美人だよな、芋だけど」
コニー「ああ、スタイルもけっこういい。芋だけど」
ライナー「お前ら‥。行くんだな」
アルミン「ああ」
ジャン「けっ、芋女とか誰得だよ」
エレン「お前は行かなきゃいいだろ」
ジャン「いや、行く」
エレン「行くのかよ!?」
ライナー「決行は?」
アルミン「明日は満月だ。晴れたら、決行だ!」
全員 コク
翌日 夜
アルミン「見事な満月だ。そして雲ひとつない空」
ライナー「まるで俺達の前途を祝しているようだ。なあベルトルト」
ベルトルト「しかしこんなに明るかったら向こうからも見えるんじゃ」
アルミン「大丈夫、この場所なら死角だから。くれぐれも声を出さないように」
エレン「お前ら、気配を消せ」
コニー「!来た!」
一同「」
ジャン「普通に水汲んで行ったぞ」
コニー「そりゃそうだろう、水汲みしてんだから。終わるまで待つしかない」
一同「」
一同「」
エレン「三往復したな」
ライナー「いつ終わるんだ」
ジャン「っつーかお前ウソじゃねーよな」
コニー「んなくだらねーウソつくかよ!」
マルコ「シーッ、聞こえる!」
サシャ「フー。暑い‥」
アルミン(なんかなまってる‥)
サシャ 「ハア‥」フキフキ
エレン(!タオルを水で濡らして、顔を拭きだした!)
ジャン(首を拭きだした!)
ライナー(つ、ついに、シャツをまくりあげた!)
以下、アルミンによる状況説明
サシャはまずおへその辺りまでシャツをまくりあげると、冷たい井戸水を絞ったタオルで腰の辺りを拭いた。
そして一息つくとおもむろに両手でシャツの裾を掴み、胸の真ん中、一番膨らんでいる部分まで引っ張りあげた。
そこにいた全員が思わず息を飲んだ。
明るい月明かりの下、サシャの半裸がくっきりと浮かび上がった。
胸のてっぺん、僕たちの一番見たい部分まではシャツで隠されていたけど、半月型の柔らかそうな膨らみの下半分があらわだった。
サシャは片手で自分の乳房を持ち上げると、胸のすぐ下からお腹あたりを撫でるように拭いた。
ふう、と気持ち良さそうにに息を吐き出すと、ふと満月を見上げ、ニッコリと笑う。
皆がその笑顔に見惚れた瞬間、
クリスタ「サシャ!」
サシャ「クリスタ。どうしたんですか?」
クリスタ「遅いから迎えにきたの。なに、その格好?何してるの!?」
サシャ「暑いので、つい」
クリスタ「もう!誰かに見られたらどうするの?」
サシャ「こんな時間に、誰もいませんよ」
クリスタ「そんなのわからないでしょ!」チラッ
アルミン(!今、こっちを見た?気付かれたか?)
クリスタ「とにかく女の子なんだから外でこんなことしちゃだめ!明日からはちゃんとサシャだけにやってもらうんじゃなくて私たちも手伝うから。ユミルも約束したから」
アルミン(気のせいか‥?)
サシャ「やっぱりクリスタは神ですぅ」
クリスタ「なに言ってるの。ほら、帰ろう」
再び男子寮
ジャン「正直に言う。思ってたよりすごかった」
コニー「俺も告白する。もうあいつのことを放屁女だ、馬鹿女だ言わねえ」
エレン「おまえら現金すぎるだろ」
ライナー「いや、それくらいの説得力があった、あの下乳には」
アルミン「しかしもう見れないね」
ジャン「今日が最後のチャンスだったってことだ、いいもん見せてもらったぜ」
マルコ「ベルトルト、どうした、黙りこくって?」
ベルトルト「僕も告白する」
ライナー「おっ、あの胸にほれたか?」
ベルトルト「サシャは素晴らしかった。そして今、僕はアニのが見たい」
エレン「えっ、お前アニだったの?」
ライナー「いや、お前、見たいって言ってもだな」
ジャン「俺はミカサのが見」
エレン「なんとかしてやれよ、アルミ
ン」
アルミン「えっ、なんとかって、なに?」
エレン「男が一大決心で告白したんた、一肌脱いでやろうぜ!」
アルミン「いや、アニに隙なんかあるわけないよ」
アルミン(ところが‥。好機は意外に早く訪れたのだ‥)
数日後 男子寮
ライナー「チャンスってどういうことだ、アルミン」
アルミン「アニが数日前の訓練中に怪我をしたのは皆知ってるよね」
エレン「ああ、木の枝でワキバラあたりを切ったんだろ。たいした怪我じゃないってミカサに聞いたけど」
アルミン「縫うほど深い傷じゃなかったけど、毎日医務室で消毒しているらしい」
ベルトルト「」
アルミン「脇腹だから、見えるか見えないかは賭けだけど」
マルコ「医務室って、医者は?」
アルミン「いつも詰めてるわけじゃない。消毒くらい皆一人でやるから。まあ、それも、賭けだね。どうする?」
ジャン「どうするって、そりゃ」
コニー「決まってる」
アルミン「奥のベッドに隠れて一応カーテンは閉めたけど‥」
エレン「開けられたら終わりだな、医務室のベッドの上に男7人ずらっと並んでるんだから」
ライナー「アニのことだ、消毒なんて手早く終わらせて出ていくに決まってる。周りなんて気にするやつじゃねーよ」
ベルトルト「!しっ、来た」
エレン(ひとりか‥)
アニ ゴソゴソ
アルミン(薬を手早く用意し)
ジャン(素早くジャケットを脱いで)
マルコ(潔くパーカーと肌着を脱いだ!)
アルミン(上半身何も身に付けていない状態になったけれど)
ライナー(背中しか見えねえ)
ベルトルト(美しい背中だ‥)
コニー(こっちを向け‥)
ジャン(こっち向けー)
エレン(ジャン、お前、こっちに寄ってくんな!)
ガタッ
アルミン(シッ)
アニ ピクッ
ライナー(やばっ、気付かれたか?!)
アニ クルッ
一同(!!振り向いた!!)
以下、アルミンによる状況説明
立ち上がり、振り向くと同時にアニは片腕で自分を抱き締めるように両方の胸を覆った。
僕たちはアニが振り向いたことに色めき立ち、胸を隠したことに落胆し、しかしその、細い腕では隠しきれない胸を見て再び色めき立った。
腕で両胸の膨らみをつぶすように押さえつけているため、はち切れんばかりの大きさと柔らかそうな質感が反って強調される形となった。
南向きの窓から差し込む陽光の下、アニの肌はまぶしいほど白く、アニが眼光鋭くゆっくりと近付いて来るのがわかっていても、僕たちは逃げるどころか身動きさえできなかった。
アニがカーテンに手を伸ばしたその瞬間、
ミーナ ガチャ「アニ!」
アニ「ミーナ?」
ミーナ「消毒できた?なに突っ立てんの?早く終わらせてご飯食べにいこうよ」
アニ「うん、いま、なんかこの向こうに‥」
アニ「もう、いつまでそんな色っぽい格好してるつもり?誰を誘惑するのよ、私しかいないよ?
男子()
アニ「‥はあ、そうだね。さっさと行こう」
ミーナ「アニ、まだ治るのに時間かかりそう?」
アニ「ううん、もう傷もふさがってきたし明日からは来ないよ」チラッ
アルミン()
ミーナ「そう、良かった!」
男子寮
エレン「ベルトルト、どう思った?」
ベルトルト「触りたいと、思ったよ」
コニー「だよな」
ライナー「結構大きい方だとは思ってたが、想像以上だったな」
アルミン「っていうか、アニ、絶対気付いてたよね?」
コニー「そうかー?こっち来たときはびびったけど、結局帰ったし」
エレン「気付いてたんならあいつが黙ってるわけないだろ。心配すんなって」
アルミン「うん‥」
ジャン「よーし、次はミカサだ!」
アルミン「えっ、まだやるの?」
エレン「あー俺、抜けるわ」
ライナー「おいおい、今更それはないだろう、エレン」
エレン「勘弁してくれ。ミカサとか本当無理だ」
ジャン「てっめー、そりゃどういう意味だ、ミカサのちっぱいなんか見る価値もないってか?!それともあれか、しょっちゅう見てるので今更見る価値もありませんってか?!」
エレン「なに言ってんだ、お前。頭大丈夫か?」
アルミン(ジャンのなかでミカサのちっぱいは確定なのか‥)
アルミン「わかってあげてよ。エレンにとってミカサは家族だ。家族の裸を見たいとか同期に言われるのはきついよ」
ライナー「まあ気持ちはわかるが、エレンがいなきゃミカサ攻略は無理じゃないか?」
エレン「俺になにをさせる気だよ‥」
アルミン「ちょっと待って。サシャやアニはたまたま状況が味方したんだ。だけどあんな都合のいいことが続くわけないし、ミカサなんてアニ以上に隙がないよ?そろそろやめておいたほうが‥」
ジャン「なんでだよ!なんでベルトルトがアニを見たいと言ったらokで、俺には協力してくれないんだよ!」
マルコ「ジャン、落ち着いて」
エレン「ガキが駄々をこねてるぜ」プッ
ジャン「エレン、お前は同期の男同士の友情より、ミカサへの家族愛を取ると。そういうわけだな」
エレン「は?別にお前がしたいなら覗きでも痴漢でもしたらいいじゃねーか。俺を巻き込むなよ」
ジャン「アルミン、エレンがいなくても、なんとかなりそうか?」
アルミン「いや、無理だろ‥」(なんで僕が作戦参謀みたいになってるんだろう)
ジャン「ほら、見ろ。お前の不参加は、俺たちへの裏切りだ。お前はムカつく奴だが、人を平気で裏切るような奴だとは思わなかったぜ」
ライナー(必死だな‥)
エレン「イヤイヤ、お前、言ってることおかしいだろ‥。第一騒いでるのはお前だけじゃねーか」
ジャン「どうだろうな。多数決でもとるか、え?」
エレン「てめえ」
アルミン「やめなよ二人とも」
ライナー「まあまあ。エレンがいたらどうにかなるってもんでもないだろ。それなら諦めるしかない。逆にアルミンに秘策があるならエレンに協力を仰がないとな」
エレン「アルミン。お前なら、俺の気持ちを分かってくれてるよな」
アルミン「」
エレン「」
アルミン(すまない、エレン。僕も男だ。ミカサのが、ちっぱいかおっぱいかたしかめたいんだ!)
アルミン「秘策というか‥エレンがいれば、まあ、方法はあるよ」
ジャン「さすがだ、アルミン!お前はやるときはやるヤツだと思ってたぜ!エレン、お前も腹くくれよ!」
エレン「ア、アルミン、お前‥」
アルミン「ごめんよ、エレン」
ライナー「よし、作戦会議だ」
遅くなりましたが、再開します。
ー決行当日ー
ライナー「おい、この場所で本当に大丈夫なのか?」
アルミン「ここ数日いろいろ歩き回って、この倉庫の窓から前の建物の壁側を見るのが一番安全だと判断した。こっちからは丸見えだけど、向こうからこっちはこの時間、逆光のせいで真っ暗にしか見えないんだ」
ジャン「なるほど。さすがだぜ、アルミン!」
アルミン「エレンの協力を最大限に生かさないと。あとはエレンがポイントまでミカサを連れてきて、うまくやってくれるのを祈るばかりだ」
マルコ「でもアルミン、君らしくない乱暴な作戦なようにも思うんだけど」
ベルトルト「うん、要はエレン頼みなわけなんだよね?」
アルミン「ミカサ相手なら他に方法はないよ。というかこんなただの覗きに正確性を求められても‥」
コニー「確かにお前の言う通りだ」
アルミン「嫌な予感はするけど、作戦は始まった、もうやりきるしかないんだ」(エレン、頼んだよ!」
ジャン「来たぞ、エレンとミカサだ」
エレン「悪かったな、訓練終わったあとで疲れてるのに、わざわざ俺の自主連に付き合ってもらって」
ミカサ「かまわない、訓練に熱心なのはいいこと。でも、無理しすぎちゃ、駄目」
エレン「ああ、わかってる‥」ピタ
アルミン(僕の指定したポイントで止まった!いいぞ、エレン!)
ミカサ「どうしたの、エレン、急に立ち止まって」
エレン「ミカサ、その、お前に頼みたいことがあって」
ミカサ「何?言って。もっと自主連に付き合う?でも、今日はもう休んだほうが」
エレン「いや、そうじゃなくて」
ミカサ「じゃあ、なに?言って。私にできることなら何でも言ってほしい。エレンが私に頼みなんて、めずらしいから」
エレン(こんな風に言われると良心がうずくが仕方ねえ)
エレン「じゃあ、言うが、その、お前の腹筋を、見せてくれないか?」
ミカサ「え?」
アルミン(言った!)
コニー「なんでお前のおっぱいを見せてくれって言わないんだ?」
アルミン「それじゃミカサに張り倒されるよ」
ジャン「ミカサのことだ、エレンには見せるんじゃないのか?」フン
アルミン「君達はミカサを一体なんだと思ってるの?ああ見えてちゃんと恥じらいもある、奥ゆかしい女の子なんだよ?」
ライナー「奥ゆかしい女は俺を投げ飛ばしたりしない。第一恥じらいがある女がこんな外で腹筋見せるか?」
アルミン「うっ、それは。エレンしだいだ」
ミカサ「私の、腹筋?」
エレン「ああ」
ミカサ「いきなり、どうして?」
エレン「いや、その、お前の凄さの秘密はその腹筋にあるのかと思ってな‥
」
ミカサ「」
アルミン(苦しい!)
エレン「そ、それでその腹筋を見れば俺にもお前の強さにあやかれるかもしれないというか、そういう淡い期待きたいをだな、」
アルミン(意味がわからないよ、エレン!)
×→期待きたい
○→期待
ミカサ「‥エレン」
エレン「おう」
ミカサ「私の腹筋を見たところでエレンの能力は少しも向上しない」
エレン「んなこたわかってんだよ、真面目に返すなよ!」
ミカサ「じゃあ、なぜ腹筋を見たいと言ったの?」
エレン(しまった、思わず突っ込んでしまった)
アルミン(ヤバイ、ミカサが怪しみはじめた)
エレン「そ、それは、だな‥」
ミカサ「さっきから何だかおかしい。とりあえず一度戻ろう。ちゃんとした理由を説明してくれたら、後でちょっとだけ見せてあげてもいい」
エレン「後じゃだめなんだ、今なんだよ、今!ここで!」
ミカサ「エレン?一体どうしたの?」オロオロ
エレン「こうなったら仕方がねえ、許せ、ミカサ!!」
数時間後 医務室
エレン「ウ、ウーン」
ミカサ「エレン!気が付いた?」
エレン「ミカサ?」
ミカサ「エレン、気分はどう?」
エレン「ここは?」ゴソゴソ
ミカサ「エレン、動いちゃだめ、おとなしく寝てて」
エレン「‥。俺は、お前に投げられたのか」
ミカサ「エレン、ごめんなさい、エレンがあんな行動に出るとは思わなかったから、咄嗟に体が反応して、気付いたらあなたを‥」シュン
エレン「謝らなくていいよ、俺が悪いんだから」
ミカサ「‥悪いことをしたと、思ってるのいるの?」
エレン「そりゃ、まあな」
ミカサ「なら、どうしてあんなことを?」
×→思ってるのいるの?
○→思っているの?
エレン「それは、どうしてって、言っただろ、お前の腹筋を見たかったんだ。お前がもったいぶるからよ‥」
ミカサ「腹筋が見たいなら何故背中に回り込む必要があったの?」
エレン「そ、それは、まず、背中から、いや‥そうだ、背筋だ、背筋を見ようと思ったんだ!」
ミカサ「」
エレン「」(やはり、苦しい言い訳か?)
ミカサ「‥ところで、さっきアルミンが様子を見に来た」
エレン「そうか、アルミンや皆にも心配かけたな」
ミカサ「みんなって?」
エレン「皆は皆だ。ライナー、ジャン、コニー、マルコにベルトルト。あとで会ったら」
ミカサ「エレン?ここに来たのはアルミンだけ。どうしてそのメンバーの名前が出てくるの?」
エレン「え?」
ミカサ「エレンが気を失なったのを心配するのが何故そのひとたちなの?」
エレン「いや」
ミカサ「それは、その人たちが、私がエレンを投げるのを見ていた人たちだから?」
エレン「あの」
ミカサ「つまり、今言ったメンバーが、エレンが変質者のように私の服を捲ったときに、いた人たちということ。違う?」
エレン「ち、違う、っつーか、変質者だと?」
ミカサ「エレン?かばう必要なんてない、だって、エレンは頼まれて断れなくてやっただけ。そうでしょう」
エレン「違う」
ミカサ「エレン?全て、ちゃんと、正直に話せば、エレンだけは、軽いお仕置きで済ませてあげてもいい」
ミカサ「だって、エレンは」
エレン「」
ミカサ「エレンは、見てないから」
エレン(見たやつらは、どうなるんだ )
同時刻男子寮
ライナー「エレンは大丈夫なのか?」
アルミン「うん。頭を打って、気絶してるだけで、すぐに目は覚めるだろうって。突然のことでミカサも手加減できなかったし、エレンも咄嗟には受身を取れなかったけど、技が綺麗に決まったから、かえって良かったみたい。ほんとはそばに付いてたかったけど、ミカサが付きっきりで」
ジャン「ミカサの様子は?」
アルミン「今はエレンが気を失ってるから心配してるだけだけど、目を覚ましたらいろいろおかしいと思い始めるんじゃないかな」
ライナー「そりゃそうだ、家族があんな奇行にはしったんだ、疑わない方がおかしい」
ジャン「しかしミカサがエレンを投げるなんてな」
アルミン「誰もミカサを責められないよ‥。真っ昼間の往来でシャツをめくりあげられ、乙女の柔肌を白日のもとにさらけだしたんだから。家族だろうが恋人だろうがエレンだろうが当然の反応だよ」
コニー「そもそもエレンがミカサに腹筋を見せてもらうときに、ちらりとでも見えるかもしれない下乳を、少しだけ拝ませてもらうって作戦だったよな」
アルミン「うん。それを、エレンが焦ってあんなことに。でもエレンのことだって責められない。彼はただ、僕たちの信頼を裏切りたくなかっただけなんだから」
ライナー「目を覚ましたエレンがミカサの追求に耐えうるかどうかだな」
ジャン「あいつは俺達を裏切らないぜ!だって身を張ってまでミカサのを見せてくれたじゃないか!」
アルミン「ジャン‥」(よっぽど嬉しかったんだな)
ベルトルト「でももし、全部話してしまったら?」
マルコ「こ、殺される」
ベルトルト「ヒッ」
ライナー「俺は腹筋しか見てないぞ」
ジャン「今更何を」
ライナー「本当だ。あの腹筋が凄すぎてそこにしか目がいかなかった」
ベルトルト「僕もだ。エレンを投げ飛ばした瞬間のブロックに別れた腹筋が今でも目に焼き付いている‥」ブルブル
アルミン「ベルトルト‥」
アルミン(エレン、どうか、耐えてくれ‥!!)
ミカサ「エレン、選んで。話す?お仕置きする?」
ミカサ「さあエレン?どうするの?」
エレン「」ガバッ
ミカサ「!エレン!布団を被らないで!」
エレン「」
ミカサ「エレン、エレン!出てきて!」
エレン「‥」
ミカサ「エレン、何を言ってるのか聞き取れない。エレン!」
エレン ガバッ「うるさい、っつってんだよ、お前は!」
ミカサ「エレン」
エレン「エレンえれんEren江蓮うるさい!さっきから、お前に名前を呼ばれると、頭が割れるように痛むんだ‥」
ミカサ「違う、エレン。頭が痛いのはさっき打ったから。名前のせいじゃない」
エレン「‥もう休むから出ていってくれ」
ミカサ「エレン」
エレン「エレン言うな」
ミカサ「エレンはエレンなのになんて言えばいいの?」
エレン「いいから戻れよ」
ミカサ「」
エレン「」
ミカサ「わかった。エレンがあくまでもそういう態度なら」
エレン「」
ミカサ「アルミンに聞くとしよう」
エレン(そう来ると思ったぜ)
ミカサ「私は譲歩した。あとで後悔しないで」
エレン(やった!やっと逃れられる!あとは頼んだぜ、アルミン!)
翌朝
アルミン(眠い‥昨日いろいろ考えすぎてあまり眠れなかった。後でエレンの様子を見に行こう。でもミカサが)
ミカサ「アルミン」ヌッ
アルミン「ヒッ」
ミカサ「おはよう」
アルミン「お、おはよう」(ビックリした)
ミカサ「心配?」
アルミン「え?」
ミカサ「エレンのこと」
アルミン(来た!エレンの追及を断念したら、絶対次はボクだと思った。ということは、エレンは最後まで沈黙を守り通したということだ。僕も、耐えて見せる!!)
ミカサ「アルミン?」
アルミン「うん、あとで様子を見に行こうと思ってたんだ。ミカサも一緒に行くよね?」
ミカサ「‥ええ。でも、私のせいでエレンは怪我をした。それがとても、心苦しいの」
アルミン(カマをかけてきた)「うん、昨日、そう言ってたよね。一体どうしてそんなことになったの?喧嘩?エレンがよっぽどミカサを怒らせたんだね」
ミカサ「アルミン」
アルミン「うん?」
ミカサ「アルミンと駆け引きしたって、私は叶わない」
アルミン「な、なんのことかな」
ミカサ「だからはっきり聞くとしよう」
アルミン「な、何を?」
ミカサ「もちろん、知っていること、全部」
アルミン「何を言ってるのか、わからないよ、ミカサ」
ミカサ「」ジイー
アルミン(うっ、この底無し沼のような真っ黒な目で見つめられると、恐怖のあまり何でも話してしまいそうだ)
ミカサ ジィー
アルミン「ミカサ、そんなに見つめないでよ、照れるだろ」
ミカサ「アルミンも、見たの?」
アルミン「な、なななななにを?」
ミカサ「どうしてそんなに、どもるの?」
アルミン「ミミカサが、迫ってくるから」
ミカサ「それは、後ろめたいことが、あるから。違う?」
アルミン「僕は、後ろめたいことなんて、な、なにも」
ミカサ「とぼけないで。見たのね?」
アルミン ブンブン
ミカサ「アルミン」
アルミン ブンブンブンブン
ミカサ「アルミン!」
アルミン(全てをぶちまけて土下座して謝ってしまいたい。でも僕だけの粛清じゃすまない。多大なる被害が出てしまうだろう。だから僕は、耐えなければ!!)ブンブンブンブン
ミカサ「アルミン!!」
アルミン(首がいたい)ブンブンブンブン
ミカサ「‥そう。あなたもエレンも、付き合いの長い家族同然の幼なじみよりも、たったの二、三年の付き合いの男同士の友情をとるのね」
アルミン「ミカサ」
ミカサ「なら私も女同士で結託することとしよう」
アルミン「え?」
ミカサ「エレンのところには一人で行って。私もあとで一人で行く」
アルミン「え?え?今、なんて?」
ミカサ スタスタ
アルミン「ミ、ミカサ!」
アルミン(やばい、やばい。まさかミカサが他の女子を味方に引き込もうとするなんて予想してなかった!
アニにしろ、サシャのときのクリスタにしろ、気付かれてた節があるし、ミカサ一人でも驚異なのに女子で結託されたら僕達男子がかなうわけない!
どうする?どうする?)
医務室
ライナー「で、どうするんだ?」
アルミン「どうもしない」
ベルトルト「へ?」
アルミン「僕はもう、考えることを放棄した」
エレン「ア、アルミン」
アルミン「どうしようもない。万事休すだ。皆で仲良くあの世へ行こう」
ジャン「ミカサに殺されるなら俺は本望だ」
エレン「勝手に殺されてろ。俺はまだやらなきゃいけないことがある」
マルコ「エレンは命だけは助けてもらえるよ、きっと」
ライナー「おいおい待てよ、俺にだってやりのこしたことがあるぜ」
エレン「だよなあ。巨人を倒し」
ライナー「違う」
エレン「え?」
ライナー「クリスタだ。この流れでいけば、次はクリスタだったはずだ」
遅くなったけど、続きます。
コニー「この期に及んで何を」
ライナー「どうせ死ぬならクリスタを見てから死にたい」
アルミン「そうだね‥。僕もだ‥。行こう、クリスタのところへ」
エレン「いやいやいや、落ち着けよ、アルミン」
ライナー「何かいい作戦があるんだな?!」
アルミン「そんなもの、あるわけないよ。相手はヒトじゃない、女神だよ?僕ら人間が策を労したって無駄だよ‥」スタスタ
エレン「アルミン!」
ライナー「俺も行くぜ、アルミン!!
我らが104期生のアイドル、女神クリスタ!!」ウオー
ベルトルト「ライナー!!」
ジャン「行っちまったぜ?」
エレン「アルミン、どうしちまったんだ」
コニー「ミカサ恐ろしさに頭のネジが飛んだんだ」
マルコ「僕たちは今後の事を話し合おう」
ジャン「話し合うも何も、誰に何を言われてもしらをきりとおす、これしかねえ。現場は押さえられてないんだからな」
一同「ああ」
ジャン「しかしクリスタも気になるよな」
一同「ああ」
数時間後
アルミン「助かったよ、クリスタ。君のおかげで明日の乗馬訓練は自信がもてそうだ」
クリスタ「大したことはしてないよ?でも、役に立てたのなら良かった」ニッコリ
アルミン(うっ、この無邪気な笑顔‥。いや、僕は突き進むと決めたんだ!)
アルミン「遅くなって、ごめんね。入浴時間、過ぎちゃったね」
クリスタ「大丈夫、自主練の申請だして、入浴時間の延長してもらうから。アルミンもそうするでしょ?」
アルミン「う、うん」
クリスタ「たまには一人で入るのも気持ちいいよね」
アルミン「そ、そうだね」
クリスタ「じゃあ、おやすみなさい」
アルミン「おやすみ‥」
アルミン「」
ライナーコソコソコソ「‥アルミン」
アルミン「ライナー、用意は!」
ライナー「バッチリだぜ、ほら」
[女子ぶろ清掃中。入室禁止!!]←看板
アルミン「よし、それを入り口に立て掛けて‥」
エレン「ライナー!アルミン!」
アルミン「みんな!」
ライナー「エレン、寝てなくていいのか?」
エレン「医務室で寝てたってまたミカサが来て、ネチネチと問い詰められるだけだ。それよりなにやってんだ?お前らが戻って来ないから様子を見に来たんだ」
ライナー「おう!それがな、さすが、アルミンだぜ。実はな‥」カクカクシカジカ
コニー「やっぱりやるんだな」
ジャン「‥なあ。策を労したって仕方ないって言って割には、今までで一番‥」
アルミン「?」
ジャン「い。いや、何でもねえ」(もう、どうでもいいや)
アルミン「よし!皆揃ったことだし、作戦決行!」
(風呂場は銭湯みたいなイメージです)
コソコソコソ(男子風呂と、同じ造りなら、引戸を開けてすぐ、かけ湯のスペースがある。そこに隠れれば、湯舟を覗ける!)
カラカラカラ(やった、造りは同じだ!)
(すべるなよ)
(響くから、声も出すなよ)
クリスタ「フンフンフーン」
(クリスタの鼻唄!)
クリスタ「ふう‥」チャポーン
(女神が、一糸纏わぬ姿ですぐそこに!!)
(気持ち良さそうに、お湯に浸かっている‥)
クリスタ「はぁ‥」ザバーン
(立ち上がった!!)
アルミンによる状況説明
窓からの月明かりで光る飛沫を纏いながら、クリスタはゆっくり立ち上がった。
薄暗い浴室で、その白い裸体のシルエットがくっきり浮かびあかった。
ほどよい胸の膨らみ、引き絞られたような腰、そこから続く尻にかけての丸いライン。
クリスタは手拭いを持った片手を無造作におへその下辺りにおいて、ゆっくり湯舟の中を僕達の方へ歩いてきた。
湯舟から体を出し、洗い場の方へ近づいて来ると、ラインしか見えなかった体がだんだんはっきりと見えてきた。
洗い場の前で座る時、クリスタは前を隠していた手拭いを外した。
見えるようで見えない脚の間を凝視したその瞬間、
ミカサ「何を、しているの?」
眠い‥。
明日には終わらせます。
男子「」シーン
ミカサ「清掃中の女子風呂で、一体何をしているのかと聞いている」
男子「」シーン
ミカサ「エレン」
エレン「」
ミカサ「医務室にいないから、心配して探し回った。まだ寝てなきゃ、駄目」
エレン「」
ミカサ「ハッ!」スタスタ
ベルトルト「ヒッ」
ミカサ「エレン、鼻血が出てる」フキフキ
エレン「」
ミカサ「アルミン、貴方も」フキフキ
アルミン「」
ジャン「‥ミ、ミカサ‥」
ミカサ「他の人たちは、自分で拭いて」
クリスタ「ねえ、誰かいるの?」
ミカサ「!クリスタ!?‥そう、そういうこと‥エレン‥私にあんなことをしておいて、クリスタを覗くなんて」ゴゴゴゴゴ
エレン「ミ、ミカサ、お、落ち着け‥」
ミカサ「アルミン、貴方がついてながらこんなこと‥」ゴゴゴゴゴ
クリスタ「ミカサ?貴方も今おふろ?」
ミカサ「クリスタ!こちらに来てはいけない!!」
クリスタ「え?」ヒョイ
男子「」
クリスタ「え?なんでみんな‥え?」
男子「」
クリスタ「や、いや‥キャアアアアアアアアア!!!」
アルミン「総員、退散!!」
アルミンによる後日談
僕達は一目散に女子風呂を飛び出し、寮へ戻った。
ミカサ追っては来なかった。
クリスタをおいてはこれなかったのだろう。ひとまず安心とばかりに僕達は眠った。
しかしミカサは事態を収集すべくとっくに動いていた。
その夜すぐに104期女子の幹部メンバーを召集し、会合を開いた。
話を聞いたクリスタとアニは自分の心当たりを話した。
クリスタはサシャの時、やはりうすうす感づいていたらしい。
アニも医務室での件はずっと引っ掛かっていたようだ。
女子たちの怒りは凄まじかったらしくあのミカサですら今回のエレンに対しては粛清対象にすべきだとかばわなかったらしい。
翌日、104期女子メンバーの総意としてある書面が僕達に届けられた。
届けに来たのはユミルだ。
女子たちの状況も全てユミルが教えてくれた。
そして去り際に、憐れみと嘲りの入り雑じった目をしてこう言い捨てた。
「この、童貞どもがっ」 フン
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