響「もどる首輪?」(28)
はいさい!自分我那覇響16歳!職業?
アイドルでダンスが得意だぞ!
最初はまだ三流アイドルで、自分だけじゃなく、みんなもなかなか仕事が入らなくてスケジュールはほとんど真っ白だったぞ…
でも、765プロにPが出来てから少しずつだけど、トップアイドルにどんどん近づいて来ているぞ!
でも…そんな中で最も売れていないアイドルがいるさ…
誰かだって?それは…
響「なんで自分に仕事が来ないさー!!」
P「いきなり大声出すと思えばまたそれか…まあ無理もないよな…でも大丈夫だぞ響!」
響「P…いつもそう言ってるけど仕事こないじゃん…」
P「そう思うだろうけど今回は本当に大丈夫!仕事なら取ってきたぞ!」
響「ホントか!?」
P「ああ!『天才!?日村動物園』という番組のゲストとしての出演が決定した!」
響「やったー!!あの番組、大好きでいつも見ていたぞ!」
響「ってことはもしかしてイヌ美達も連れて行っていいんだよな!?」
P「確かにそうだが…響のペットは多すぎて尺に問題があるから連れて行くのはイヌ美とハム蔵だけだ。」
P「他の動物たちは恒例のゲストクイズのコーナーでヒントのVTRを作るために、スタッフが響の自宅に訪問して、他のペット達を簡単に紹介するくらいだな」
響「おぉー!楽しみだなハム蔵!」
ハム蔵「ヂュ!」
ガチャ
春香「おはようございます!」
響「おはようだぞ春香!あれ春香、リボンがないぞ?」
春香「えへへ…片方が突風で飛ばされて無くしちゃった…だから片方だけなのはどうかなって思って…」
響「それは気の毒だぞ…でもない方の春香も似合ってるぞ!」
春香「そうかな?あははは///」
ピンポーンピンポーン
店員「ありがとうございましたー!」
響「いやーまさか自分だけじゃなくてハム蔵達も出られるなんてなー」
響「そうだ!イヌ美には毛並みとか色々綺麗にしないとな!それからそれから~………ん?」
響「おおー!首輪だ!…え?『もどる首輪』売ります?」
謎の老婆「いらっしゃいませ」
響「お婆さんちょうど良かった!実は自分、犬飼ってるんだけど首輪ないから欲しいなって思ってた所だぞ!」
響「でも…『もどる』ってどういうことだ?」
謎の老婆「『もどる』という意味でございます」
響「だから、何がもどるんだ?」
謎の老婆「それはお買いになった方だけがわかるのでございます。」
響「ははーんわかったぞー!そうやって買う気にさせるつもりだな~?」
謎の老婆「いいえ。決して後悔はさせません。きっと気に入ります。」
響「ふーん」ジト目
響(まあちょうど首輪が欲しくて食いついちゃったし、まあいいか)
響「お婆さんこれ買うぞ!」
謎の老婆「お代は千円頂きます。」
響「千円だな!はい!」
謎の老婆「お買い上げありがとうございました」
響「みんなー!ただいまだぞ!」
響「イヌ美ー!」
イヌ美「おん?」
響「ほら首輪!イヌ美なら似合うと思うぞ!………どうだ?」
イヌ美「わん!わん!」
響「そうかそうか!良かったぞ!」
響(でも…『もどる』って一体なんなんだろう?)
響「ふああ…眠たいぞ…まあいいや、このことは明日また考えるさ…みんなおやすみ~」
それから翌日…
響「ふああ…みんなおはようだぞ…今からご飯作るからな」
響「あれ?ねえイヌ美はどこ行ったんだ?」
ハム「ヂュヂュ!」
響「ええ?どこに行ったんだ?」
ガチャ
イヌ美「わん!」
響「イヌ美!勝手に家を出たらダメじゃないか!……ん?なにさそれ?」
イヌ美「わん!」ポトッ
響「!?これ…」
貴音『響…』
響『なんだ貴音?』
貴音『少しお早いですが、これはあなたへのお誕生日ぷれぜんとです』
響『え!?』
貴音『本当ならお誕生日当日に渡すつもりでしたが、その日はすけじゅうるの空きがほとんどないもので、ぷろでゅうさぁに頼んでは見ましたが不可能だったようです。』
貴音『だから、渡すなら今しかないと判断させて頂きました。』
響『貴音ぇ…あ゛りがどぉおおお(泣)』
イヌ美が口に加えていたもの…それは去年の自分の誕生日に、貴音がプレゼントしてくれた高価なピアスだった。
でも貴音と別れた後…私がピアスを見つめながら橋を渡って歩いて帰っていたら…
パラリラパラリラパラリラ
暴走族『オラオラどけどけー!!』
響『うわあ!?』
ポチャン
暴走族『イーヤッホゥ!!』
響『こらー!危ないじゃないか!!全く…あれ?』
響『あー!!どどどどうしよう!?川に落としちゃったぞー!!』
響「そのピアスがまさか…こんなところで…」
響「でも川に落としたのによく見つけたよな~イヌ美!あれ…?でもこのピアスを貴音から貰ったことイヌ美達には話した覚えがないぞ?」
イヌ美「わん!」
響「え?寝付けられなかったから川まで散歩に出かけたら自分の匂いがして探したら見つかった…?」
イヌ美「わん!」
響「イヌ美~!(泣)」ダキッ
響「はっ!もうこんな時間!遅刻しちゃう!みんな行ってくるぞ!」
イヌ美のおかけで、ピアスはボロボロだったけど、貴音からくれた大切な宝物…だからもうなくさないように付けておくことにした。
ちなみにピアスをなくした翌日から貴音は何度も何度ピアスをつけないのかと聞かれたけど、
「あれは大事にとっておいておく」と嘘ついていたのは貴音には内緒だぞ!
響「それにしても、イヌ美のおかけでピアスが戻って来るなんて全く思ってなかったぞ。あんなに必死で探したのに…………戻る……?」
謎の老婆(『もどる』という意味でございます。)
謎の老婆(それはお買いになった方だけがわかるのでございます。)
続きは夜中に書きます
響(そうだ…あの首輪を買った後帰ってさっそくイヌ美につけた…そして朝起きたらイヌ美によって自分がなくしたピアスが戻ってきて…)
響(……ないない。そんなの偶然に決まってるさ。22世紀の未来から来たネコ型ロボットの秘密道具じゃあるまいし、有り得ないぞ。)
自分はそう思い込み、事務所へ向かった。今日は夕方で上がりだったので仕事を終えた後さっそく家に帰ろうと、公園を通りかかったその時だった。
公園には、家に留守番していた筈のイヌ美とお爺さん、子供の姿があった。
響「イヌ美、こんな所で何してるんだ?」
お爺さん「おや?あなたはもしかして、このわんちゃんの飼い主さんですか?」
響「そうだぞ?」
お爺さん「いや~助かりました!実はここで、孫と野球をしていたのですが、遠くに飛ばしすぎてボールを川へ落っことしてしまってね…」
お爺さん「それをたまたま通りかかったこのわんちゃんが拾ってきてくれたんですよ!」
お爺さん「あなたのわんちゃんはものすごくしつけがなってるというか…良い犬をお持ちで…今度是非お礼をさせてください!」
孫「ありがとう!」
響「いやあそれほどでも…///」
お爺さん「じゃあ、もうすぐ暗くなるし、帰ろうか。ボールが戻って来て良かったな。」
孫「うん!」
響(ボールが戻ってって…まさか…この首輪…)
響(……もし、本当になくしたものが『もどる首輪』をつけたイヌ美によって戻ってくるものだとしたら…)
春香「え?なくした私のリボンを探してくれる?」
響「そうだぞ!イヌ美ならきっと見つけてくれるぞ!」
春香「無理だよそれ~ただでさえ突風で遠くへ飛ばされたのに」アセアセ
イヌ美「わん!」パタパタ
春香「イヌ美ちゃんどこ行くの!?」
響「まあまあ。心配は無用大丈夫だぞ!すぐに戻ってくるさー!」
イヌ美「わん!わん!」
響「ほらな!」
春香「え、もう!?ってそれまさか!!」
春香「間違いない!私のリボンですよリボン!ありがとうイヌ美ちゃん(涙目」
イヌ美「わん!」
響(決まりだ!!『もどる首輪』は本物だったんだ!!)
響「よし…そうとわかれば良いこと思いついたぞ!」
自分はこの『もどる首輪』を使って、番組の収録に向かった。
日村「はい、というわけで今夜のゲストどうぞ~!」
パチパチパチパチ
日村「いやーあんなにいっぱいペット飼ってたんだねー!」ウンタラカンタラ
響「自分の大切な家族なんだぞ!」カクカクシカジカ
日村「イヌ美ちゃんに不思議な力があるとおっしゃいましたね?それはつまり…?」
響「待ってました!えっとみんなは最初は信じられないかもしれないけど…イヌ美はなんと!なくしたものを何でも見つけてくれるんだぞ!日村さん何かなくしたものとかないのか?」
日村「そうだね…そういえば妻からお揃いのブローチを貰ったんだけど…溝に落っことしてしまってね…あの後は必死で妻に土下座したよ(苦笑」
アハハハ
カンペ『CMの後にペン君おつかいのコーナー』
日村「じゃあCMの後はペン君おつかいに行くのコーナー!」
パチパチパチパチパチパチ
D「えー15分間の休憩に一旦はいりまーす!」
イヌ美「わん!」
日村「イヌ美ちゃんどこに行くんだ?おーい!」
響「大丈夫さー!すぐ戻ってくるぞ!」
日村「はあ…?」
15分後
日村「ペン君おつかいに行くのコーナー!」
パチパチパチパチ
日村「えー、いつもは宮崎さんに見守って貰いながらペン君におつかいさせていましたが、今回はなんと…私が行きます!」
イヌ美「わんわん!」
日村「イヌ美ちゃん!今まで何処へ…?なんだいそれ……!!」
日村「これは…さっき私がなくしたブローチだ!!」
DAIGA「えマジッすか!?」
日村「ああ間違いない…」
響「へへーん。だから言ったろ?なあイヌ美!」
イヌ美「わん!」
そしてOA当日から翌日。他番組や新聞社などからの電話が殺到したさ!
どの新聞にもトップで「なくしたものを運んでくれる天才犬」と発表され、やがて、日村動物園の番組でレギュラー出演の座を得たんだぞ!
自分はこの『もどる首輪』のおかけで仕事が増えた!しかし…自分は翌々考えた。
確かにこの『もどる首輪』のおかげで仕事は増えたけど…それはイヌ美の飼い主としてであって…アイドルとしての仕事は未だに増えない一方だった…
でもあのお婆さんの言うとおり、決して後悔はしていないぞ!だって…私の家族達と一緒に仕事が出来るなんて思ってなかったし、アイドルとしての仕事なんて考える暇もないくらい楽しい!
自分がトップアイドルになるのは程遠いけど、自分は今のままでも満足さ!
終わり
どうやら、私の発想力はここまでのようです。本当は他の商品もあと一つくらいは出したかったですが、ネタやオチが浮かばず妥協してしまいました。
暖かく見守って下さった方はありがとうございます。そして期待を裏切ってしまった方は申し訳ないです。
ちなみに『もどる首輪』は本家でも存在しており、本来はお買いになった方以外には効果ないようですが、
首輪をつけられた犬がなくした物と、持ち主の顔が頭に入っていれば効果はあるという設定を作りました。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません