少年「ふふっ、お兄ちゃん、また遊びに来てくれたんだ」 (9)

男「うん…赤の他人とは言え、君の体をこんな風にしちゃったのは俺だしね…」

男「こんなちっぽけな償いで許して貰えるとは思ってない…でも…」

少年「ふふっ、いいよ、お兄ちゃん」

少年「僕があの時、ボールを拾いに車道へでなきゃよかったんだもん…」

男「い、いや…でも…」

少年「それにぼく、お兄ちゃんと出会えてよかったと思うんだ」

少年「お兄ちゃん優しいし、毎日来てくれるんだもんっ!」

少年「僕、毎日、お兄ちゃんの顔を見てると安心するんだっ!」

男「…そっか……」

少年「うん、だからそんなに辛そうな顔しないでよ、涙拭いて?」

男「……」

男「あ、あぁ…ありがとう…」

少年「そう言えば、お兄ちゃん最近女の人と一緒に病院へ来るね」

少年「あの人って誰?」

男「あぁ、妹だよ、妹 あの事件以来怖くてハンドル握れなくてさ」

男「妹に毎回病院まで送って貰ってたんだよ、ただそれだけ」

少年「あっ…そうなんだ!ぼくてっきりお兄ちゃんの彼女さんかと思っちゃったよ!」

男「ははっ、俺に彼女なんか居ない居ない!」

男「まぁ歳的には居てもおかしくないんだろうけどなぁ…」

少年「お兄ちゃんは…彼女…欲しいの?」

男「ま、まぁ…お、男だしね!」

少年「…ふーん…」

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