少年「勇者になるにはどうすれば?」 神父「>>3 だね」 (69)

少年「>>3!?」

少年「神父さん、本当に>>3をすれば勇者になれるんですか!?」

神父「うんうん、信じる者は救われるんだよ」

少年「? よくわからないけど、>>3 やってみる!!」



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人助け

少年「人助け、人助けかぁ」

少年「僕なんかが誰かの助けになれるのかなぁ……」

少年「……あれ?」

少年「あそこに居るのは……」

どんな人? ↓2

おじいさん「うぅ……」

少年「お爺さん大丈夫!? こんな道端で倒れて……!」

少年「起き上がれる? 手を貸すよ!」

おじいさん「ありがとう、少年……」

少年「一体何があったの?」

おじいさん「実はのう……↓2」

おじいさん「村が山賊に襲われてな、隣村に助けを呼ぶ為に命からがら逃げてきたのじゃよ……」

少年「山賊がっ……!?」

おじいさん「ああ、早く誰かが行って山賊を倒してくれんと村が滅茶苦茶になってしまう!」

おじいさん「少年よ、誰か大人を呼んできてはくれないか?」

少年「え、えっと……」


1.「わかった!」

2.「いや……僕が村の人を助けに行きます!」

↓2 どちらか選んでください

少年「僕が行くッ!」

おじいさん「なんと!?」

少年「隣村ってこっちの方向だよね? ちょっと行ってくる!」

おじいさん「待たんか少年! 君のような子供が行ったところで何になる!? 若いもんが命を粗末にするんじゃない!!」

おじいさん「いいから大人を呼んできてくれ!」

少年「大丈夫だよ、おじいさん」

少年「僕はいずれ勇者になってみせるんだ! 山賊くらい倒せなきゃ到底なれっこない!」

おじいさん「死んでしまったらそれこそ勇者にはなれんぞ!」

少年「大丈夫だって! ちゃんと勝算はあるもん!」

おじいさん「なに?」

少年「それじゃあ行くねっ!ダッ」

おじいさん「ま、待たんかコラァ!!」

おじいさん「……行ってしもた」


少年「さて、勢いよく飛び出してきたけど」

少年「どうしようか」

1.何か武器になる物を村から調達する

2.隣村に直行

3.自由

↓2

少年「とりあえず武器になる物を探しに村に戻ってきたけど」

少年「山賊を倒せそうな物、あるかな」

少年「あまり重いものは持てないからそれなりの物……うーん」

少年「……あっ! あれとかどうかな!?」

何を見つけた? ↓2

少年「猟師の人が使ってるボウガン……」

少年「だ、誰も見てないよね?」キョロキョロ

少年「こっそりお借りします……!」

【ボウガン】を手に入れました。

少年「よし準備は整った! 早く隣村の人を助けに行こう!」


(隣村)


少年「……着いた」

少年「ひーふーみー……うん、見える範囲には5人くらい居るな……」

少年「山賊め、一人一人このボウガンで撃ってやる……!」

少年「まずはあの大きい人を狙うぞッ!」

少年「……えいッ!!」

バシュッ


↓直下コンマ
偶数…直撃ノックアウト
奇数…外す

山賊ボス「へへ、噂通りこの村には綺麗な女がたくさん居るなぁ!」

痩せた山賊「やりましたねボス、幸いにもこの村の男どもはどいつも弱っちい奴ばかりで襲撃が用意でしたし」

山賊ボス「グヘヘへ、さーて……どの女から頂いちまうかぁ」

村一番の美人「来ないでッ! ケダモノ!!」

山賊ボス「お前はそのケダモノにこれから散々イタズラされるんだよぉ!!」

村一番の美人「いやぁーッ!」

バシュッ

山賊ボス「……あん?」

太った山賊「ぼ、ボス! どこからか矢が!!」

山賊ボス「……ちっ、まだ抵抗する奴が残ってたか」

山賊ボス「どこかに隠れてるはずだ!! さがせぇッ!」


少年「やば、外しちゃったっ……!」


↓直下コンマ
偶数…山賊に見つかる
奇数…見つからずに済む

太った山賊「くそぅ、どこだぁ!」

背の高い山賊「……ボス、見つかりません」

山賊ボス「見つからないじゃねーッ! もっと血眼になって探すんだよ!」

痩せた山賊「は、はいぃ!」

背の低い山賊「お、おっかねー……」


少年「そういえば僕、隠れんぼをやる時はいつも最後まで見つからずに残ってたなぁ」

少年「こんな時にそのスキルが役立つなんて……」

少年「……とにかく、もう次は外せない! 今度こそやっつけるぞ!!」


↓直下コンマ
偶数…直撃ノックアウト
奇数…外す(強制的に山賊に見つかる)

少年「そんなっ!」

太った山賊「そこかぁ!!」ムンズッ

少年「あっ……!」

太った山賊「ボス! このガキです! こいつが矢を放ってたっぽいです!」

山賊ボス「ガキの癖に舐めた真似してくれるじゃねーか、おお?」

少年「う、うぅ……」

少年(怖い怖い怖いっ……!! 殺される殺される殺される……!!)

少年(し、死にたくないよぉっ……!)ブルブル

山賊ボス「はんっ、震えてんじゃねえかガキィ」

山賊ボス「俺達が怖くて怖くてしょうがねえんだろ? これからどうなっちまうのか想像して恐ろしいんだろぉ?」

山賊ボス「そうやって震えるくらいならどっか隅でおとなしくブルブルやってりゃ良かったのによぉ、どうして歯向かって来やがったんだぁ?」

少年「っ……」ガタガタ

少年「僕はただ、勇者に……っ」

山賊ボス「聞いたかてめえら!? この子は勇者様になりてーんだとよぉ!!」

他4人「ぎゃははははは!!」

山賊ボス「可哀想になぁ、おとなしくしてればその夢叶ったかもしれないのによぉ……ほんと哀れだぜ」

山賊ボス「……ふぅ、笑った笑った。それじゃあそろそろくたばれや、糞ガキ!」

少年(あっ、僕…死―――)


1.その時誰かが助けに来てくれた!

2.BAD END(やり直し)

3.自由

↓2 選んでください

「―――ふんっ!」ドゴォ!

山賊ボス「うおっ!?」ズザザー

少年(……目を開けたらあの怖い人があんな所まで吹っ飛んでる)

少年「一体何が……?」


↓2 どんな人が助けに来てくれた?

拳法家「小僧、怪我は無いか?」

少年「あ、貴方は……?」

拳法家「しがない旅の老人よ。さあ、今のうちに逃げるんだ」

少年「でもお爺さんだけで5人を相手にするのは……!」

拳法家「5人? ……ああ、あそこでノビてる奴らも含めてるのか」

モブ4人「」チーン

少年「いつの間に!?」

拳法家「ぐずぐずしとらんと、早く逃げろ」

少年「っ! う、後ろ!!」

山賊ボス「クソジジイがぁーッ!」

拳法家「ふんっ!」ドゴォ!

山賊ボス「うっ……」

山賊ボス「」チーン

少年「……すご」

拳法家「山賊なんぞに遅れを取るものか」

拳法家「さて、捕らわれた村の人々を解放してやらんとな」

少年「……」


幸運にも近くを通りがかったあのお爺さんによって、
隣村の山賊騒ぎはあっという間に解決した。
僕は村に帰ってすぐにお母さんに頭を殴られた。
子供が無茶をするな…って。
他にも、色んな人に怒られた。ボウガンを勝手に持ち出したことも凄く怒られた。

……隣村の人達が助かって、とても嬉しいはずなのに。
僕の心はどんよりとしていて、何だか重い。
あのお爺さんのように僕が強かったらどうなってたんだろう。
僕にあの人のような力があれば、皆に褒められたのかな?
勇者に、近付けたのかな?

……力さえ、力さえあれば……。

神父「おや少年。また来たのかい」

少年「……神父さん」

神父「今度はなんだね?」

少年「……強くなるには、どうしたらいいですか?」

神父「ん? 君は勇者になるんじゃなかったのかい?」

少年「勇者になるには力がいるんです」

少年「教えてください神父さん、僕はどうすればいいんですか……」

少年「どうすれば、強く……」

神父「↓2 だね」

神父「魔人と契約なんてしちゃったら、それはもう驚きの力を手にするだろうね」

少年「マジン……? ケイヤク……?」

神父「まあ簡単に言えば、すっごく強い人に身を捧げる代わりに強くなるっ…てことだよ」

少年「そうすれば強くなれるんですか」

神父「ああ、これは間違いないね」

少年「……その魔人さんはどこに居るんですか?」

神父「↓2 さ」

神父「どこって、目の前に居るだろう?」

少年「えっ……?」

神父「ふっふっふ…心底意外そうな顔をしているね? 人間のその表情はなかなかに大好物だよ!」

少年「神父さんってそんなに強い人だったんですか?」

神父「そうだよ。そこらの魔物共よりも強く、深く魔王様に忠誠を誓う者……それが魔人だからね」

神父「……それで。少年は私と契約したいかい?」

神父「私と契約すれば、まあなんか色々と犠牲にする代わりに、力を得られる。魔人である私としても、人間と契約することで得られる利もある……」

少年「ケイヤク……」

神父「どうする? 私は強制したりはしないよ。自分で決めるんだ」

少年「僕は……↓2」

少年「……しません」

神父「ほう、それはまたどうしてだい?」

神父「君は自身の無力さに絶望し、力を強く欲するようになったんじゃないのか。私を拒否する理由を、良ければ聞かせて欲しいね」

少年「↓2 」

少年「勇者になりたいから」

神父「……」

少年「やっぱり僕は、勇者になりたい。お話の中の、強くてカッコよくて皆に尊敬される勇者様になりたいんだ」

少年「……きっと、神父さんに協力してもらって強くなっても、それは本物の強さじゃない。結局は借り物の強さなんだよ」

少年「僕はなんて馬鹿なことを考えていたんだろう。僕がなりたい勇者は力が強いだけじゃない、心も強い最強の存在なんだ!」

少年「……ごめんなさい神父さん、せっかくのケイヤクのお誘いだけど、止めておきます」

神父「……そうか。それは、残念だ……」

神父「↓2」

神父「その心意気だけは認めましょう」

神父「いやあ立派だね、うんうん。言ってることは実に美しい」

神父「……吐き気がするほど、綺麗事だ」

少年「神父、さん?」

神父「あのね、君みたいなたかだか村人Aが勇者になりたいのなら、何としてでも力を手に入れるべきなんだよ。地を這ってでも、泥水啜ってでも、そう…邪悪な魔人と契約してでもさぁ!!」

神父「綺麗事で夢が叶うわけ無いんだよ。もう一度よく考えてごらん? ね? ほら。魔人である私は寛容だから、答えは急がないから。ね? ね?」

少年「ひっ……」

少年「↓2」

少年(ここで恐れたら駄目なんだ……! 男なら立ち向かわなきゃ!!)

少年「―――お前の言いなりなんかにならない!」

神父「ッ」ピクッ

少年「神父さんはいつも僕の相談に乗ってくれた。お母さんと喧嘩した時、家に帰りたくない時は温かく迎え入れてくれた」

少年「今まで優しくしてもらってたから……たとえ魔人だったとしても、神父さんはいい人なんだって」

少年「そう、信じたかったよ……!!」

神父「……おとなしく契約していれば良かったのに」

神父「勇者候補を我が陣営に迎え入れる計画が台無しだ。まったく腹立たしい……」

魔人「あの世で後悔するがいいッ! 人間ッ……!!」ゴォ

少年「黒い角に翼……? これが、魔人……」

魔人「グオオオオオオオッ!!」

少年「さて……どうしようか」


1.外に逃げて助けを求める

2.外に逃げて武器を探す

3.立ち向かう

4.自由

↓2 選んでください

魔人「……」ボッ

少年「はぁっ……はぁっ……」

少年(あの手から出てるやつ…あれが魔法か。初めて見た)

少年(って違う! 今はそんなこと考えてる暇はないんだ! なんとか避けないと真っ黒焦げになっちゃう!)

少年(……避け続けて……続けて、どうする)

少年(あんな化け物を倒せる凄い力なんて持ってないし、このまま逃げてもジリ貧なんじゃ……)

魔人「……」

少年(……あれ? 待って)

少年(なんで僕は、攻撃を避けれてるの?)

少年(僕はそこまで運動神経はよくない…)

少年(……もしかして、神父さんは……)

少年「ぐっ……はぁ、はぁ」

魔人「ちょこまかと鬱陶しいね、まったく。早く死んでくれないかな?」

少年「神父さんが…早く殺してくれないから……」

魔人「なん、だと?」

少年「……ねえ、神父さん」


少年「手加減、してるよね……?」


魔人「は?」

少年「なんだ、やっぱり神父さんはいい人じゃないかッ!」

魔人「頭がおかしいのかい? あまりの恐怖に精神異常を起こしたとか? まったく、お前達人間はどこまで哀れなんだか!」

少年「……さっき、信じたかったって言ったけど。あれ無しね」

少年「僕はまだ、神父さんを信じてる!!」

魔人「ごちゃごちゃ煩いんだよ!!」ゴゴォ

少年「……ほら! 僕に直接当てる気が無いんだ!!」

魔人「なんだと!?」

少年「魔人って強いんでしょ? その魔人が僕みたいなたかだか村人Aにこんなに手こずるわけないじゃない!!」

少年「神父さんに、僕は殺せないんだ!!」

魔人「そ、そんなわけあるかーッ!」

魔人「……魔人である私が、人間に情を抱いて殺すのを躊躇ってると! そう言うのか!?」

少年「ほら、自覚してるじゃん」

魔人「ッ!」

魔人「↓2」

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