友「SSを書きたい」(48)
友「んだけど」
男「……」
友「聞いてる?」
男「はい」
友「はいじゃないが」
男「……いやいや、え、なに? 俺んちに遊びに来ていきなり何言ってんの?」
友「いや、だからSSが書きたいんだけど」
男「はい」
友「はいじゃないが」
男「いや、はい以外になにを言えと。というかここ玄関」
友「そうでした。おじゃまします」
男「はい」
友「相変わらず狭いねあんたの部屋」
男「うっせえ」
友「で、SSを書きたいんだけど」
男「うん」
友「はいじゃないがって何度言わせんの? そういう2ちゃんのネタいらないから」
男「だからうんって言ったじゃねえか! っつうかお前そのネタどこで覚えた!?」
友「それでSSを書きたいの」
男「うん、書けばいいだろ。家で」
友「あ、やっぱり? いやー、そう言ってくれると思ったんだー」
男「待て。なんで流れる動作で俺のPCを立ち上げる?」
友「え、なに、エロゲーの途中だった?」
男「してねえよ! なんでお前が来るときにエロゲーやって待ってなきゃいけねえんだよ! って言うか仮にもお前女だろ! エロゲーとか言うな!」
友「はいはい、じゃ別につけてもいいよね。はい起動ー」
男「いやいやいや、なんか根本的におかしい。おかしいですよ友さん」
友「はいしたらば見っけ。やっぱブクマしてたね」
男「いやいやいや」
友「うわ、スレ追っかけすぎキモ。幼馴染好きなの?」
男「やめて、ほんとやめて」
友「しかも律儀にジャンル分け……。年上年下メイドツンデレ……なんでファイル分け? タブ分けすればいいのに。……へぇ、幼馴染と男系、友と男系、女と男系。しかも性別は全部男女かー。ラブコメとか恋愛物好きなの?」
男「やめて、ファイル名挙げて具体的に性癖をつつくように責めてくるのやめて」
友「後はー。へぇー。進撃ばっかかー……」
男「やめて、作品のタイトルだけ上げて遠まわしに心抉るの勘弁して」
友「アニ好き?」
男「ユミル派」
友「他はー」
男「ほんともう勘弁して。っつうか何しに来たの!? 精神的に殺しに来たとしか思えないんだけど!」
友「だからSS書きたいんだけど」
男「もうそれはわかったよ! なんで俺の家に来てそんな話しながらしたらば開いてんのか聞いてるの!」
友「SS書くならしたらばかなーって。ここなら見る人も多そうだし」
男「あれー? 会話がかみ合ってるようでかみ合ってないぞー?」
友「まぁいいじゃない。とにかく書くから見てて」
男「いや、ちょ、いやいや! ちょっと待て! え、本当にここでやんの!?」
友「一昨日あんたが『SS超おもしれえよ』って馬鹿みたいにスマホで見せて来たでしょ」
男「あぁ、そういや見せたな。今思えば正直馬鹿だったと思うが」
友「で、昨日調べてみて、VIPとか深夜VIPとかあるの知ったから、書きたくなったの」
男「超絶にわかじゃねえか」
友「そりゃそうでしょ。2ちゃんなんて私だってちゃんと見たの一昨日だもん」
男「いや、普通は見ない。あんなとこ普通は見たって宣言しない」
友「人に喜んで見せてきた重度のくせに。だから彼女いないんですねわかりますー」
男「くっ……」
友「で、そっから見てて書きたくなったの。2ちゃんのネタもその時いろいろ知ったし。それに私もまとめられたいしね」
男「いやいやいや、やめよう。そういうのやめよう。まとめサイトと2ちゃんはいろいろこじれる問題もあるんだから、やめよう」
友「そうなの?」
男「そういう話は長くなるからここではしないけども」
友「ま、ともかく書くから」
男「いやいや、やっぱりおかしいですよ? 結局なんで俺の家で書くの?」
友「あんたのがいろいろ読み込んでて知ってるだろうから、見てもらいながらアドバイス貰いつつ書くの!」
男「あぁ……。いや、やっぱなんかおかしい気はするんだが」
友「えーっと、タイトルは『友「SSが書きたい」』っと」
男「ちょっと待て」
友「なに?」
男「おかしくねえか? いや、なんかわからんけどなんかおかしくねえか?」
友「はい」
男「はいじゃないが」
>>6
ミスった ×『友「SSが書きたい」』→〇『友「SSを書きたい」』
友「いや、別におかしくないでしょ? 友って子がSS書きたいって告白して、それから男のアドバイスを受けながら、今までの男との付き合いをお互い思い出して、勇気を出して友ちゃんが告白して、成就するって話を書こうと思ったんだけど」
男「……いや、おかしい。絶対おかしい。なんかどっかで聞いたことあるその話」
友「まぁいいからスレ立てるよ。えっと、本文は……この一個目のレスみたいでいいよね?」
男「……あれ、やっぱりおかしい。絶対どっかで聞いたことあるし見たことあるよこの会話劇」
友「はい」
男「もうそれはいい。くどい。読んでる方からするとくどいネタは飽きられるから」
友「わかった」
男「違う! 俺が言いたかったことはこれじゃない! そう! この書き方さっきの俺らのやり取りまんまじゃねえか!!」
友「はい」
男「わかってねえじゃねえか!!」
友「何がそんなに不満なの?」
男「いや、不満っつうか。え、なに、そういうことなの?」
友「え?」
男「え?」
友「まぁとにかく続けるね。……うん、この二個目のレス、これでさっきの会話合ってるよね?」
男「いや、やっぱりこれおかしいよ? 絶対絶対おかしいよ? というか俺の許可もなしにどんどん投下すんの止めて!!」
友「はぁ? だから何がおかしいの」
男「だからそういうことなのかって聞いてんじゃねえか!」
友「え?」
男「え?」
友「それより二個目のレスとかって言いにくいね。SS書いてる時もいちいちこう打つの面倒」
男「それよりって……まぁいいか。別に俺らの中で1とか2でいいんじゃないか」
友「でもそれだとスレで追ってる人にはわかりにくいよね?」
男「お前安価知らないのか?」
友「安価?」
男「スレとかレスとか、その辺に詳しくなっててなんで安価知らねえんだ。>>1とか>1みたいな書き方だよ。こうすればその番号がクリックできるようになって一発でそこまで飛べる」
友「あ、あれ安価って言うんだ。安価ってどう書くの?」
男「安い価格だ」
友「安価?」
男「安価」
友「ふぅん。じゃあこれからはSS書く時は使おうっと」
男「勝手にしてくれ。……いやいや、流されるとこだった。安価とかどうでもいいんだ」
短いけど一旦ここまで オチまで書きためるの夢中で今の時間見てなかった
寝ないとやばい 続きは深夜に
2chMateだと>1でも飛べるのか……わざわざ直さなくてもよかったかな
オチまでそんな長くないっしちょっとずつ手直ししながら今日中に最後までやる
友「よし、どんどん書いてこう。それで、こっから>>3みたいになってー、>>4でー」
男「いや、ストップ。一回ストップ。すっごいとんとん拍子で書き込んでるけど一旦ストップ」
友「うわー、期待とか書かれてる。自分の文章読まれるの結構恥ずかしいけど、嬉しいね」
男「そうだろー。この喜びはここでしか味わえないんだよ」
友「書いたことあるんだ。ふぅーん」
男「……」
友「反応は?」
男「…………つまんねって、一回だけレスされて、それ以後誰もレスくれなかった」
友「…………ごめん」
男「…………いいよ。俺もごめん、その喜び、一回も味わったことないんだよ」
友「…………ほんとごめん」
男「ぐすっ……まぁ、それはともかくだ。この話どう持ってくんだ?」
友「それはもちろん>>5から>>6ってなって」
男「いや、あのさ、ほんと俺らの会話だよね? 動きだけ抜いた俺らの会話劇だよねこれ」
友「仕方ないじゃん! 小説は授業で書くけど、SSは初めて書くんだもん。身近なことしかネタにできないでしょ」
男「うん、いや、まぁ、それはもっともなんだけどもさ」
友「私男みたいに漫画も詳しくないし、アニメも見てないし。それだとやっぱりこういうオリジナル物になっちゃうじゃない。
進撃はあんたに無理やり貸されて読んだけど、そんな詳しく読み込んでないもん。
SSのネタにできるのなんて、あんたとの会話ぐらいしかないんだもの」
男「……うん、そう、だよな。あれ? なんか丸め込まれてるような気がするが、これでいいのか?」
友「いいのいいの。それに最初を私たちの会話を参考にするだけだから」
男「ってことはこっから先は変えてくんだな?」
友「うん、もう書いたよ。ほら、>>8から>>9って感じに!」
男「全然変わってねえじゃねえか! コピペしたかのように一字一句全く変わらず一緒じゃねえか!」
友「はい」
男「だからそれはもういい!!」
友「あ、安価ってそのまま打っちゃった。私は安価って知らないんだから、ひらがなじゃないと駄目だよねー」
男「よくわかってるな。流石小説で小ワザを知ってるだけはある。
そう、漢字を知らない人間の台詞に、漢字表記を使うとちょっと違和感がってそんなこたどうでもいい!!」
友「何をそんなに怒ってんの?」
男「いや、怒ってるっていうか、俺らの会話をそのまま載せるって、それ、どうなの?」
友「別にいいじゃない。こうやって期待されてるんだし」
男「……それはまぁそうだけども」
友「あんたとの会話が無断転載問題になるはずもないでしょ?」
男「それもそうだけども。っていうかまとめとか2ちゃんとかの関係性知ってんじゃねえか」
友「はい続けまーす」
男「あれ? スルー? 今時のLINEっ子に流行りの既読スルーってやつですか?」
友「……」
男「……」
友「なんか話してよ」
男「何を?」
友「何を? じゃないでしょ! ネタをに決まってんでしょ!! 無言だと全然更新できないじゃん!!」
男「そんなこと言われても困るんだが……。いい加減路線変更して自分で話考えて書けばいいじゃん」
友「……やだ」
男「やだって子供じゃないんだから」
友「いーやーだー!!」
男「じゃ、じゃあほらアレだ。こっからこの二人にゲームさせよう。な? その描写だけで少し持つから」
友「じゃあゲームしよ?」
男「よしきた。……? いや、なんかおかしくねえか?」
友「おかしくないでしょ。SSの二人がゲームするんだから、私たちもしなきゃ書けないじゃない」
男「いやいやいや、その理屈はおかしい。お前よく呼んでもないのに俺んち勝手に来てゲームやってんだろ。
実際一昨日も来てやってたし。そのときの話書けばいいじゃねえか」
友「忘れてるもん、そんなときの話」
男「ここまでの二時間ほどの会話を、一字一句全く間違えずに更新できるのに、昨日の話を忘れるってどんな脳みそしてんだ」
友「じゃあマリカーね! ハンデあり!」ガタガタ
男「マジでやんのかよ」
友「あ、今のゲーム出すときの音とか書くのも、SSではアリなんだよね! 後で使お!」
男「いや、うん。もう俺の話ほとんど聞いてないね」
―30分後―
友「……。なんで落ちるとこのカーブでバナナ置いたの?」カチカチ
男「そりゃ置くだろ。だってバナナだぞ」カチカチ ヤッハー
友「……」カチカチ ヨッヒィィイイ
男「あ、SSだとこういう時間経過とかを会話とは別に書くのもアリだな。後は……場所とかにも使える」カチカチ ヒァゥィゴー
友「はいはいつまんねって言われたのに立派なアドバイスありがとうね」カチカチ アワワワワワ
男「その話はやめて、お願い」カチカチ ヤッハァアア
友「そういえば照れてるときに斜線も使う人いるよね。アレも?」カチカチ テッテッテーテレッテッテレッテー
男「人によっちゃ嫌うみたいだけどな。俺は気になったことはない」カチカチ ウワァァアアア
友「ふぅん。じゃあ後で使お///」カチカチ デッテイゥゥゥウ
男「もちろん照れてる時に使わなきゃ意味ないけどな」カチカチ ピィュ~ テーテーテテテテッテー
友「そうなんだ///」カチカチ アワワワワワ
男「ほら、レースも終わったし、これで少しネタになったんじゃないか。続けてみろよ///」カチカチ
友「うん///」カタカタ
男「……照れてる時に使えって言ったよな?」
友「うん」
男「誤用してんじゃねえか! さっきまで俺もお前も思いっきり真顔だったろ!」
友「オリジナリティを出してみました!」
男「いや、まぁ、お前の書いたSSを見てる人からすれば、そりゃあこの場面で照れてるようにしか見えないんだけども!」
友「ねぇねぇ、それよりこの30分後って使い方合ってる?」
男「それよりって……。……うん、合ってる合ってる。普通に使えてるよ」
友「よかったー」
男「……まぁ、斜線も別に見てる人にはわかんないからいいか。それよりお前、擬音なんとかしろ」
友「擬音?」
男「多すぎ」
友「え、そう? だってマリカーの音大事じゃない? 小説と違って描写できない部分だし、せっかく半角で音表現できるんだし」
男「さほど大事じゃないだろ。描写できない部分ならむしろ無くてもいい。最後のPCの音くらいでいい。
なんだこれマリオとヨッシーうざすぎだろ」
友「でも読んでる人にはこの方が『あ、ゲームやってるんだ』って思わせられない?」
男「別に思わせる必要ないし直前にマリカーやるって言ってるんだからいらないだろ……。
お前本当に大学の授業で小説書いてるのかよ。ムダを省けとか言われない?」
友「言われないですよーだ。つまんねって言われる人は一々指摘が細かいんだから」
男「はっ倒すぞ」
友「で、これからの展開はどうするの?」
男「その前に飲み物取ってくる。お茶しかねえけど」スッ
友「あ、うん」
バタン
友(……楽しい、よね。うん、やっぱり男といるの楽しい)
男「ほれ。氷少な目」
友「ありがと」
男「で、続きか……。……なんだこれ」
友「友ちゃんの心理描写! やっぱりちょっとずつ男への気持ちを描写してかないとね!」
男「いや、うん。あぁ、そうか。SSの話だよな。現実とごっちゃになってた」
友「え?」
男「え?」
友「それでこれからどうしよう?」
男「SSの話だよな?」
友「え?」
男「え?」
友「それ以外に何かあるの?」
男「いや、ないよな。悪い」
友「どうしよう。まだ二人でゲームしかしてないしなぁ」
男「安価……は微妙だな。安価スレって書いてないし、展開が無茶苦茶になりかねないし。好き嫌いも多いしなー」
友「安価なんて使ってどうするの?」
男「先の展開を見てる人に託すって言うか、放り投げるって言うか」
友「他人任せはやだ」
男「なぁ、この会話本当にそのまま載せるの? 絶対微妙なリアクションしかされないと思うんだけど」
友「もう書き込んじゃったけど」
男「落ち着け!! 一回落ち着け!! なんで俺の話聞く前にどんどん投下しちゃうの?!」
友「うるさいなー。何がだめなの?」
男「お前にとっては初めてのことだし、俺の話をそのままネタにしてもネタになると思ってるんだろうが、実際にはそうじゃない! お前より遥かにここの住人のがその手の話は知ってるんだ!
だから今更お前がそんな馬鹿丁寧に俺の話を書くと『んなもん誰でも知ってるわいちいちドヤ顔説明すんな馬鹿』って言われんだよ!」
友「言われたことあるの?」
男「……」
友「あるんだ」
男「……」
友「つまんねって言われたスレ以外にも書いてて、しかもそんなこと言われたんだ……」
男「う、うるせえ!! メタネタの話はしてねえよ!! 世界観の説明したら『くどい』『考え込みすぎてて話に入り込めない』『説明くさい』『厨二病乙』って言われたんだ!
しょうがねえだろファンタジーなんだから! ギリシャ神話とケルト神話を織り交ぜた壮大な話になるはずだったんだ!」
友「説明くさくてくどいし厨二病みたいに考え込みすぎてて話に入り込めなーい」
男「う る せ え!!!!」
友「……うんうん、結構テンポよく進んでくなー」
男「本当か? 本当にそうか? 俺が壮絶に恥ずかしいということしかわかってなくないか?」
友「いいじゃん別に」
男「よくねえよ! 不特定多数の連中に俺が馬鹿だって露呈しまくってるだけじゃねえか! どうしてくれんだ!!」
友「イイじゃん♪ 別に♪」
男「リズム刻むな!!」
友「今のとこは音符使うのもアリなんだよね。SSって小説と違って色々遊べるなー」
男「くっ、またスルーかこの野郎」
友で、今度はどうしよう? 安価はダメだしー、ゲームはやったしー」
男「恋愛物にしたいんだろ? というかここまで全然オリジナリティ出てねえぞ。本当にそのまま書いてるぞ。いいのかおい」
友「いいよ。だって思いつかないんだもん」
男「……じゃ、じゃあいっそエッチなハプニングでも起こせばどうだ?」
友「……え?」
男「ほら、それなら現実には出来ないだろ? これぐらい思い切ったことならこれ以上俺らの会話を使わなくても……」
友「……」
男「……いや、悪い。冗談だよ。そうすればこれ以上俺の恥ずかしい会話を見せなくても済むかと思っただけだ」
友「……あんたと私でやるの?」
男「だから冗談だって。大体SSの話なんだから、俺らには関係ないだろ?」
友「……い、いいよ///」
男「!?」
男(いやいや待て待て、確かに友は可愛いよ。意外とスタイルもいいよ。え、なにその上目遣い。
え。なにこれ。え、マジで? いやいやいやいや、というかそもそもSSの話だろ? え、現実? どっち?)
友「な、なにするの?///」
男「え、いやいやいや、冗談だろ?」
友「だ、だってそういう展開にしようと思っては、いたん、だし」
男「いやいやいや、いやいやいやいや!! おかしい! SSと現実がごっちゃになってる! おかしい!!!」
友「……」カタカタ
男「ちょっ、おまっ、何書き込んでんだ!!」
友「だってそういう展開になってきたから。こ、これなら斜線も使い方合ってるでしょ?///」
男「っつうか何勝手に俺のモノローグ入れてんだ!! こんなこと考えてねえよ馬鹿!!」
友「あ、心の声の使い方これで合ってた?」
男「合ってるよ! いや、そんな話はどうでもいいよ!」
友「じゃ、じゃあ、しちゃう?」
男「……は?」
友「その、だから、ほら、えっちなはぷにんぐ」
男「……」
友「しない、の?」
男「やめてくれ。俺が言いだしっぺなのにこんな言い方も悪いんだが、冗談にしても笑えない」
友「……」
男「ほら、どうやって告白まで持ってくのか考えるぞ。もちろんSSの方な。俺たちのことじゃない」
友「う、うん」
男「……」
友「……」
男「……お前と会ったのって中学だっけ?」
友「そう。三年の時。私が転校してきたの」
男「そういや最初は無口だったよな」
友「うん。髪も伸びてて暗く見えたし、今と違って小心者だったから。あまり人と話せなくて、本ばっかと向き合ってて
その時あんたが『何の本?』って普通に話しかけてきて」
男「そうだっけか?」
友「忘れるわけないでしょ。そっから高校も一緒になって、大学はわかれちゃったけど、それでもこうやって遊んでるし」
男「……なぁ、なんで急にSSなんて書きたくなったんだ? お前本が好きだっただろ。たかが二日でいきなりこんな話題俺に振るなんておかしいって。
作家になりたいって言って大学でも頑張ってたじゃねえか。それだとこういう文章は逆効果なんだってわかるだろ?
お前言ってたじゃねえか。心情や背景描写がうまく書けないから、そういうのを書かないといけないんだって。それなのになんでだ?」
友「……」
男「大学でなんかあったのか?」
友「……教授にね、凄い怒られたの」
男「……」
友「一昨日、あんたんちから帰って、課題を忘れてたの思い出したの。それから慌てて書いたら酷い出来になっちゃったんだ。
でも時間もなかったし、仕方なくそのまま出したら、ちょっと読まれただけで教授に『どうしてこんなに話が乱雑なんだ?』って聞かれて」
男「……」
友「それで、忘れてて慌てて書きましたって正直に言ったら、『作家になりたいと言ってたのに、課題の〆切すら忘れ、挙句出したのがこれか』って言われて。
すみません、次からちゃんと書きますって言ったんだけど」
男「……」
友「『本当の作家になりたいなら、〆切を破ってでも自分の納得のいく作品を人に読ませろ。こんな駄作を出して満足か? それすら理解できていないなら作家になりたいと二度と言うな』って凄い怒られた。
家に帰って泣いてた時、ふっとあんたが嬉々としてSSを見せてきたのを思い出した。『SSは自由に書いてるから面白いんだ。制限も何もない! 好きな話を好きなだけ書ける上に、人に読んでもらえるって凄い時代だと思わないか?』って」
男「……」
友「それから調べたら夢中になっていろいろ読んでた。本当に色んな人がこんなに色んな話を書いてるんだって。
絶対に表に出てこない、裏の文学だって思った。色んな人が不満も言うし、褒めあうし。けどそれも含めて一個の話なんだって思って、たくさん読んだ」
男「……」
友「本当に面白いのや、逆に全然面白くないのもあった。書いてる人もいろいろいたし、読んでる人もいろいろいた。トイレの落書きって言う人もいれば、作品って言う人もいた。
でも、みんな私には書けないような話を思いついてた。私には思いつかない話ばっかりだった」
男「……」
友「だから、私もやってみたいって思った。どう言われるのかって凄く気になった。でもやっぱり教授に言われてたのがずっと心にのしかかってて、オリジナルの話は怖くて書けなかった。
二次創作も無理だった。私本当に漫画もアニメも詳しくないし、小説の二次創作なんて誰も読んでくれないと思ったし。
それで、男との会話を書こうって思った。いつも馬鹿みたいに話して、私を笑わせてくれる男の話なら、きっと他の人にも面白い話になると思ったから」
男「……そうか」
友「あ、あはは。流石にこれは書き込めないかな。長いし、つまんないもんね」
男「いや、いいよ。書けばいい。それがやりたかった、書きたかったことなんだろ?」
友「男……」
男「で、どうするんだ? ちゃんと、オチもつけるんだろ?」
友「え?」
男「今までのことを思い出して、友ちゃんから告白するんだろ?」
友「……でも」
男「俺も同じだよ。お前との話は面白いし、お前が書く話はいつも楽しみだった。最初に話した時から、あぁ、俺はこの子じゃないと駄目だなって思ってたんだ」
友「……」
男「……いや、やめとこ。こんなん書かれたら明日から羞恥心で生きていけないわ」
友「ううん、そんなことない。凄くいいと思う。男らしいよ。本当に」
男「……」
友「……ずっと、好きだよ。昔から、今までずっと。ダメなとこも、いいとこも、全部、好き」
男「……友」
友「……」スッ
男「!?」
友「えへへ///」
男「ば、おまっ///いきなり///」
友「ん」
男「んって……」
友「女の子からさせておいて、今度は待たせるの?」
男「……」スッ
友「んっ」
男「……っ、こ、これでいいか?///」
友「うん///私、SS書きに来てよかった///」
男「あぁ……、そうだな。書けてよかったな」
友「でも、こっから先は書かないから。ね?」
男「そうしてくれ。本当に恥ずかしくて死ぬから」
友「ふふ」
友「『友「SSを書けた」』、っと」カチカチ
終
友「……っていう」
男「……」
友「SSを書きたい」
男「……」
友「そこでSSの先輩であるお前のアドバイスを聞いてからSSデビューしようと思ってな! どう思う? なぁどう思うよ? これ絶対ウケるよな!!」
男「……くっさ」
友「ひどくね!?」
男「なんなんだよ! これを俺に見せてアドバイス貰うって! こんなんいきなり読まされてアドバイスって!! お前の家で一人で勝手にやってくれよ!!
それにお前の性別は立派な男だろうが! なんだ『今度は待たせるの?』って、アホか!! 読んでも読んでも友ちゃんがお前って考えしかでなくて全然話に集中できねえんだよ!!」
友「じゃ、じゃあほら、濃厚なホモスレってことで」
男「帰れ!! 今すぐ俺の視界から消え失せろ!! 俺は一人で今まで読んだ記憶を抹消するためにエロゲーをやる!!!」
友「嫌だー!! SSを、SSを書かせてくれー!!!」
完
はい以上です 今やってる別なのの息抜きにふっと思いついたから投下しますた
深夜テンションで書いたので悪ノリしまくってるけど、後悔はしていない
では
レスくれた方どうもでした またどこかで
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません