2024夏アニメ『勇者失格』

あらすじ

勇者クロスは10000000回目の死後、ついに疲れを無視できなくなった。

世を脅かす魔王に敗北し命を奪われる直前、クロスは時空を巻き戻すループ能力に目覚めた。
そこまではよかったのだが、ループ範囲の一年をどれだけ繰り返しても魔王に勝てない。10000000年繰り返しても……。

「10000000年も頑張ってきたんだから、一年だけ……この一年は勇者失格でもいいから、休ませてくれ……」

クロスはその一年を休暇の年だと決め、魔王退治の使命を投げ出し魔法学校を留年する。
しかし彼が初めて体験する一年は、彼を休ませるばかりではなかった……。

擦り切れ勇者の期限付きスローライフファンタジー。



登場人物

クロス＝セレゼー(CV:)
魔法学校を首席で卒業した超優等生。魔王に敗北し、ループ能力に目覚める。
最初はやる気満々で魔王を倒す旅に出たが、10000000回の敗北を経て死んだ目をするようになってしまった。
10000001回目の『復活の3月(ﾘﾎﾞｰﾝ･ﾏｰﾁ)』で卒業証書を破り、わざと魔法学校を留年することで休暇を図る。

サラ＝ヘンタトレッテ(CV:)
ピカピカの魔法学校一年生。好奇心の強い、元気な女の子。
本来であればクロスと同時に在籍することはなかった。よくクロスの学校生活に予想外を引き起こすトラブルメーカー。
クロスのことを尊敬しており、彼を元気にしようと付きまとう。

ザンタ＝ムンネス(CV:)
サビサビの魔法学校三年生。クロスと同級生の青年だが、歳はクロスの一つ上、二留。
王国屈指の名家の出だが、能力が低い。その代わりにプライドが低く、世渡りが上手い。
虎の威を借るため、留年仲間でありながら優秀なクロスに付きまとう。

ファルナルヴ＝エーク(CV:)
クロスらが通う魔法学校の教頭。家柄で若くして出世した二十代後半の女性。
良くも悪くも楽観的で。他の教員がクロスの奇行を責める中、彼女だけは考えなしに微笑んでいた。
サボっているクロスを見つけては、よく話を聞いてあげている。



主題歌

ＯＰ　mini epic「ずっとマルバツ」
ＥＤ　ゴミ屑の味方「サボテンの杞憂」

制作：ガンナータ
放送：至西テレビ　毎週火曜　1:00～1:30

勇者失格
第１話『10000001回目の夏』
魔法学校の生徒達が新しい環境に馴染む頃、初夏。クロス＝セレゼーはようやく謹慎が明け、学校に復帰した。
前期に首席で卒業するはずだった彼は、由緒正しい卒業証書を破り捨てて留年していた。
その理由が10000000回の敗北のループにあることを、誰も知らない。

「この一年だけは、休ませてくれ……」

勇者失格
第２話『40どの猛暑を超えて』

今までは旅に出て別の国に居たので、この夏の王国は猛暑だったことをクロスは初めて知った。
休暇を目的にしている彼にとって酷暑は許しがたく、10000000年の魔法の修業を活かし、学校全体に氷の結界を施すことに。
だが露骨に能力を見せればまた強者としての責務を問われかねない。そこでクロスは共犯者に後輩の女子、サラを選ぶが、彼女の性格と得意魔法は避暑と相性が悪く……。

「アッツくないと夏休みじゃないですよ！！」

勇者失格
第３話『予想外の秋の実り』

農園部の畑の端っこを借りて、野菜を育てるのがクロスの数少ない癒しの一つだった。
しかし本気の魔法を駆使しすぎて通常の100倍くらいの野菜が採れてしまった。クロスは能力を隠すため、秋の収穫祭にまぎれて採れた野菜を様々なテーブルに分散させ忍ばせていく。
しかしあまりの美味に各テーブルがざわつき始め……？

「……初めてだ、成績以外で褒められるの」

勇者失格
第４話『誰がための寄宿寮』

秋の枯れ葉が土の肥やしになる頃、魔法学校恒例行事の『追い出し戦争』が始まった。
他級生の交流と三年生が無事に卒業できることを祈って、1・2年生の連合軍と3年生が寄宿寮を巡って魔法合戦を行う。
例年は生徒数の差で必ず3年生が負けてきたのだが、部屋を追われるのが面白くないクロスが本気を出し、パワーバランスが崩れ始めた。

「いいじゃねぇか、来年も再来年も居座ってやろうぜ」

勇者失格
第５話『氷面を翔ける教頭と失格勇者』

夏は例年より暑かったのに冬は例年より寒いなぁと思っていたら氷の結界を解除し忘れていたことに気付いたクロス。
急いで解除するが次の朝には池が凍ってしまっていた。異常事態に教員達は緊急会議を開くことに。
そんな教員達の心配をよそに生徒達は凍った池でスケートに興じる。何故かそこには会議室に居るはずの教頭も居た。

「君がやったんだろう。黙っといてあげるから、ちょっと付き合いなさい」

勇者失格
第６話『10000001回目の魔王退治』

あっという間に一年が過ぎ、『終わりの3月(ﾃﾞｽ･ﾏｰﾁ)』がやってきた。魔王の放つ瘴気が世界を覆い、支配されていく。
クロスは、ここで死ぬつもりでいた。休むと決めたからには一片の挑戦もせず死んでやろうと……だが、この一年が彼の思考を変えた。
自身のループ能力について打ち明け、クロスは魔法学校の皆と魔王退治に挑む。

「皆と出会ったこの一年を、正史にしたいと思ったんだ」

第７話～第１２話（最終話）までのタイトルを安価します。

第７話のタイトル　↓１
第８話のタイトル　↓２
第９話のタイトル　↓３
第１０話のタイトル↓４
第１１話のタイトル↓５
第１２話のタイトル↓６

花辻君がまた勇者やってる……

勇者失格
第７話『10000002回目の魔王と娘』

10000001回目の敗北は今までのどの敗北よりも魔王攻略を進めた。魔法学校に魔王の娘が在学していることが判明したのだ。
クロスは春から仲間達に声をかけ、『終わりの3月(ﾃﾞｽ･ﾏｰﾁ)』の根源である魔王の娘を探し始めた。
短い休暇が終わり、勇者は再び剣を抜く。

「あの……私達、初対面ですよね？」

勇者失格
第８話『邪悪なる陰謀』

魔王の娘をつきとめたクロス達、しかしその正体はサラの親友であるメイだった。
サラの首に触れながら、メイは語り出す。『復活の3月(ﾘﾎﾞｰﾝ･ﾏｰﾁ)』に王国が完了した、とある陰謀を。
絶対に変えられない過去、呪いの連鎖にクロスの出した答えは……。

「あたしのパパのする事が罪なら、先に裁かれるべきなのは世界だ」

勇者失格
第９話『合格勇者？』

クロスはついに世界を救った。周りの者は皆、彼を勇者と呼んで称える。彼女も生きていれば、一緒になって称えるだろう。
この回は奇跡のような回で、同じことをやろうにも何年かかるか分からない。先に能力か精神に限界が来るかも知れない。
そう分かっていても、彼に合格の判を押さない男が居た。

「100点取りに行ってやる」

勇者失格
第１０話『一夜城』

記憶が増える度に、その情報量を留めるために魔力の根源、魂が肥大していく。
その事実にクロスが気付けたのは10000000回の虚無と1回の休暇を比べることができたからだった。
クロスは更に100000000回様々な一年を繰り返し、ついに魂で魔王の根城を包み込むまでに至った。

「お前らからは一夜に見えるんだろうな」

勇者失格
第１１話『夢の欠片』

世界に潜む巨大な呪いを解くため、クロスは一年を繰り返す度に世界中の人から少しずつ魂の欠片を貰って次の一年に持ち越す作戦を立てた。
他者の魂の比率が上がる度に自我が薄れていく。肉体は当に限界を迎え、霊体ですら輪郭が朧げになっていく。
世界を丸ごと包めるようになるころ、彼は既に一個人をやめ、物理法則の一つになっていた。

「まだ……守りたかったモノだけは、覚えてる」

勇者失格
第１２話『初めての春』

夏、もってこいの猛暑にも関わらず、サラはどこか物足りない気持ちでいた。
そしてある時、見上げた日差しが那由他の確率を越えて『世界の記憶』と重なった。
少女達は世界中に満ちている夢の欠片の中から、10000001回目の一年を探し始める。そして雪が溶け、草花が芽吹く頃……。

「惜しいっ！　99点でしたね、先輩」