【安価とコンマ】或る無名のウマ娘 6 (118)

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【安価とコンマ】或る無名のウマ娘 5
【安価とコンマ】或る無名のウマ娘 5 - SSまとめ速報
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トレーナー(誰かの犠牲を待つみたいで申し訳ないけど僕はもうトレーナーじゃない)





トレーナー(トレセンとは何も関係ない一般人だからできることは限られてしまう)





トレーナー(グランドライブは一つのキッカケになればいいんだ)




タキオン「難しそうな顔をしているねぇ」




トレーナー「前とは違って僕にできることは少ないからね」




タキオン「言っておくが君だけが苦労する必要はない。ブルー君や私を使えばいいんだからね」




トレーナー「その時になれば君にも協力してもらうよ」




このあと…
下2

アイネス「トレーナーさんはこのままでいいと思ってるの?」




アイネス「あの人は一人の女が独占できるようなスケールじゃないの」





アイネス「それにまだ若いんだから沢山遊びたいはずなの!」





ブルー「私もその通りだと思ってトレーナーに色んな女を抱かせてた」





ブルー「ウィズと付き合っても色んな女の人と関係を持つように迫ってた」





ブルー「そうすることが正しいと思ったし私がそうしたかったから続けてた」

ブルー「でもそれは間違いだったトレーナーはそんなこと全然望んでなかった」




ブルー「そもそも学生のウィズに手を出したことも気にするくらいの人だった」




ブルー「私はトレーナーのことをなにもわかってなかった」





アイネス「トレーナーさんを傷付けたクセにそんな偉そうなこと言うななの!」




ブルー「そう、追い込んだのは私。だからトレーナーにはこれ以上不幸になって欲しくない」




ブルー「トレーナーはまだウィズのことが好きなのに二人の仲を引き裂いたのも私」




ブルー「私はトレーナーの為に地獄に堕ちてもまだ足りない」




ブルー「貴女の言うことは間違ってないけどトレーナーは傷付けさせない」




ブルー「……ごめんなさい」




このあと…
下2

学園内…




ルドトレ「まさか本当にお前だとはな」




ブルー「死んだと思ってたんでしょ」




ルドトレ「いやそうは思わなかったな。アイツを追いかけるのに必死で二度と戻らないと思っていた」




ブルー「トレーナーは私が守る」




ルドトレ「こっちは欲しいものは手に入ったんだ、そっちが邪魔しない限り何もしない」




ブルー「信用できない」




ルドトレ「勝手に警戒してればいい。その方がこっちも都合よく進む」

ルドトレ「アイツがまだお人好しのままなら一ついい情報をくれてやる」




ルドトレ「最近ルドルフはある病院に運び込まれた。一応奴はまだここの生徒だから俺にまで報告があがってきたんだよ」




ルドトレ「奴はまた懲りずに自殺未遂をやらかしたらしい。トレーナーが居なくなったからだろうな」




ルドトレ「そのことをトレーナーに教えてやったらどうだ?」




ブルー「……」




ルドトレ「お前もまだここの生徒だからレースに出て勝てば賞金は支払われる」




ルドトレ「俺達の邪魔はせずにコツコツ稼ぐといい。遠慮なく勝てばいいからな」




このあと…
下2

ルドトレ「最後にこれだけ言っておくが秋川が死んでからはやってなかったURAのレースを今年からやるんだ」




ルドトレ「有マよりも盛り上がるということは相当の金も入ってくる」




ルドトレ「お前も出たかったら登録してやるからせいぜいトレーニングしておけ」




ブルー「アイツは勝ち誇ったような顔してたけどもう私達には関係ない」




ブルー「トレーナーの為にもライブを復活させたい子達の情報を集めるだけ」





ブルー「それだけでいいはずだけど……」





ブルー「ルドルフのことを教えないとトレーナーは傷付く」





ブルー「また自殺したって知っても傷付くけど何も知らせないのは余計にダメ」





ブルー「これ以上トレーナーに迷惑をかけるなら消しておきたいけどそんなことは絶対できない」




ブルー「悲しまないでねトレーナー…」

トレーナー『その話は本当なの……?』




ブルー「アイツは嘘を言う理由が無かった」




タキオン『病院から連絡がきたというのもそれらしい理由だねぇ』




ブルー「トレーナーのせいじゃないから落ち込んだりしないで」




トレーナー『それは違うよブルー。落ち込んでしまったのは彼女なんだ』




タキオン『希望に縋ろうとした所で落されてしまったショックは大きいだろうねえ』




トレーナー『とにかく彼女の状態を知らないと。僕が落ち込んだりっていうのはそれからだよ』





ブルー「……わかった」




このあと…
下2

ポケット「おらぁっ!!」バギッ




トレーナー『どうしたの!?』




タキオン『扉でも蹴り壊したような音がしたねぇ』




ポケット「やっぱり聞き間違いじゃねぇタキオンだな!」




タキオン『おやおやポッケ君じゃないか元気にしてたかい?』




ポケット「テメェ何様のつもりだ!勝ち逃げなんか俺は絶対許さねぇぞ!」




タキオン『そうは言われてもねぇ』




ポケット「今すぐ戻ってきて俺と勝負しろ!!」

ポケット「なんでだよ…俺とお前どっちが強いか決めるんじゃなかったのかよ…」





ポケット「それもこれも全部お前のせいだ!俺のこの気持ちはどうすればいい!?」




トレーナー『タキオンのことは僕が責任をとる。だけど正直彼女のライバルのことまで考える余裕はなかったんだ』




ポケット「言い訳が聞きたいんじゃねぇ!!俺をタキオンと勝負させろ!」




タキオン『それは無理だよポッケ君』




ポケット「お前はそれでいいのかよ!?どうにかして走ろうって気はないのか!?」




タキオン『私の脚はもう終わってしまった。ウマ娘として二度とレースには出れない』




ポケット「なんでそんなこと普通に言えんだよ…」

タキオン『あのレースに勝ったという満足感もあるだろうねえ』




タキオン『ポッケ君の言う通り勝ち逃げとなってしまって申し訳ないよ』





ポケット「……お前もそうなんだな」




タキオン『ふぅん?』




ポケット「走れなくなったってショックは大きいよな」




タキオン『私にとっては些細なことさ』




ポケット「泣きながらそんなこと言っても説得力ねぇぞ」




タキオン『……』ポロポロ




ポケット「トレセンから逃げたのは許してやるから俺達に連絡はしろよ」




このあと…
下2

ポケット「おいトレーナー。タキオンのことを許して欲しかったら協力しろ」





ポケット「どうせお前はフジさんが大変なことになってるのも知らないんだろ」




トレーナー『ごめん、全く知らない。そんなに大変なことになってるの?』




ポケット「フジさんだけじゃないが今の学園にはレースは引退して在籍だけしてる奴が多い」





ポケット「これまではそれで問題なかったってのに今は学費が倍必要になった」




ポケット「ただでさえ高い学費が倍になるんだぞ?それなのにフジさんは辞めようとしないんだよ」




ポケット「寮長としての責任があるとか言ってるが俺達は心配で仕方ねえんだ」

ポケット「噂でフジさんは裏で稼いでるって聞いて…俺はどうしたらいいのかわからねえ」




トレーナー『裏っていうのは……』





ポケット「口にすんじゃねえ!!」





タキオン『寮長としての責任を果たそうというのは立派だけどねぇ』




トレーナー『僕に何ができるなかわからないけど、やれることはやるよ』





ポケット「絶対になんとかしろ。これはお前への命令だ」




このあと…
下2

トレーナー(これは………)




ルドルフ「やあ……君…か……」




トレーナー(こんなに痩せこけてしまって…)




ルドルフ「また…死に損ってしまったよ……」




トレーナー「ルドルフ……」




ルドルフ「二度と君に会えないと…思っていたが……生きていてよかったよ……」




トレーナー「……」




ルドルフ「言っておくが…私がこうなったのは…君のせいではない……」

ルドルフ「私の悪行が…自分に返ってきただけのこと…君は関係ない…」




トレーナー「キタルファが続いていれば君は自死なんて選ばなかった」




ルドルフ「いいや…遅かれ早かれ…結果は同じさ……」




ルドルフ「私は死んで…罪を精算する…これは決まったことだ…」




ルドルフ「私のことはいい…君に頼みがある……」




ルドルフ「君はトレーナーを辞めてはいけない…」




ルドルフ「ウマ娘には君が必要なんだ……」




ルドルフ「彼女達には君という存在が必要なんだ…」




ルドルフ「ぐす……頼む……私の遺言を聞いてくれ…」

トレーナー宅…




タキオン「学園を創る……?」




トレーナー「ルドルフに安心してもらうにはそれしか無いと思うんだ」




ブルー『まさかそこまで考えてるとは思わなかった』




タキオン「トレーナー君のやることに異議は唱えないけど驚きはするねえ」




トレーナー「最初から学園が作れるとは思ってないけど最終的な目標になる」




タキオン「競バはレースを重要視してトレーナー君のはライブが中心」




ブルー『棲み分けはできるから勝算はある』




トレーナー「勝つ必要はないよ。ただこれまでライブを頑張ってきた子達の受け皿になりたいんだ」

ブルー『私は逃げシスの皆んなに話してみる』




タキオン「私はとりあえずカフェ達に話してみようじゃないか」




トレーナー「僕は協力してくれそうな人やトレーナーを探してみるよ」




ブルー(ライブがしたいウマ娘の為にステージを用意するくらいだと思ってた)




ブルー(それなのにまさか学園を作るだなんて言い出すのは予想外だった)




ブルー(トレーナーがやりたいことを私が止めるはずがないから全力で協力する)




タキオン「やはりトレーナー君といると退屈しないねえ」




このあと…
下2

学園内…




エアグルーヴ「本当に生きていたとはな驚いたぞ」




ブルー「驚いたのは私も。エアトレが役職に就いてないだなんて」




エアグルーヴ「主任となったルドトレにとって都合が悪かったのだろう。ちなみに副主任はテイトレだ」





ブルー「何かを企んでるというより監視する為にそうしてる感じがする」





エアグルーヴ「その考えで間違ってはいないだろうな」





ブルー「ルドトレはこっちが何もしなければ向こうも何もしないって言ってた」




エアグルーヴ「その言葉もどこまで信用できるかわからん」

ブルー「トレーナーはやろうとしていることがあるからエアトレに協力して欲しい」




エアグルーヴ「私から話しても無駄だろう。理由はわかるな?」




ブルー「それでも話して欲しい」




エアグルーヴ「話すだけならやってやろう」




ブルー「トレーナーが学園を作ろうとしてることも伝えて」




エアグルーヴ「なに?」




ブルー「詳しくはまた話すから。とにかくお願い」




エアグルーヴ「学園を作るだと…意味がわからないが奴なら……」




このあと…
下2

エアトレ「学園を作るだなんて馬鹿馬鹿しい。やはりアイツはそういう奴ね」





エアトレ「アイツは期待を裏切るだけでなくまともに考えることもできなくなったみたいね」





エアグルーヴ「協力はしないということだな?」





エアトレ「当たり前でしょ?そんなことも言われないと分からないの?」




エアグルーヴ「なら貴様とはここまでになりそうだな」




エアトレ「何を言ってるの?」




エアグルーヴ「私は奴に協力する」




エアトレ「正気とは思えないんだけど」




エアグルーヴ「そうだな私の方がおかしいのは理解している」

エアトレ「そこまであの男がいいの?」





エアグルーヴ「トレーナーという人は関係ない。私はこの競バのシステムに納得いかない」





エアグルーヴ「フジがどうなっているのか知らないとは言わせないぞ」




エアトレ「それは…」




エアグルーヴ「奴が無謀な計画の上で学園を作るなら協力はしない。しかし奴らは競バとは棲み分けると言った」




エアグルーヴ「来年度以降の新入生は競バしか選択肢がない。そんなことはあってはならない」




エアグルーヴ「すぐに学園はできなくとも奴の考えに賛同する連中は必ず現れる」




エアグルーヴ「私にとって奴の学園が方舟で競バが泥舟なだけだ」




このあと…
下2

エアトレ「わかった……私も協力する」




エアグルーヴ「無理はしなくていい」




エアトレ「違うわよ貴女がアイツの為に協力するんじゃないからよ」




エアトレ「私もルドトレと競バのやり方には疑問なのよ。フジのことだってそう」




エアトレ「アイツに協力するんじゃなくて未来のウマ娘の為にやる」





エアグルーヴ「協力してくるならブルーに言われていたことを話そう」




エアグルーヴ「トレーナーはある人物と話しがしたいらしんだが……」

プルルルルルル…




フジトレ『もしもし……』




エアトレ「久しぶり…ね。元気にしてた?」




フジトレ『……』




エアトレ「ちゃんと生活はできてる?無理はしてない?」




フジトレ『すいません、もう……』




エアトレ「ごめんなさい世間話がしたかったんじゃないの。元主任のトレーナーは覚えてるわよね」




エアトレ「彼が貴女と話したいらしいから連絡先を教えても構わない?」




エアトレ『……』




エアトレ「否定しないなら教えておくから。フジのことで話しもあるみたいよ」




エアトレ『フジ……』




このあと…
下2

フジトレ『フジがそんなことをしてるなんてぇ…!!』




トレーナー「彼女を止められるのは貴女だけです。どうかフジを説得して下さい」





フジトレ『私には止める権利なんてありません……』




トレーナー「そんなことありません。フジは貴女の言葉なら聞いてくれるんです」




フジトレ『主任は寮長の二人と仲が良かったんですよね…?主任がやって下さい…』




トレーナー「僕がヒシアマゾンとフジキセキと仲が良かったとしても君がやるべきことなんだ」





フジトレ『主任が勝手に決めつけないで下さい…』

トレーナー「フジにはただ学園を辞めろと言うのではなく新たな場所があると言ってあげて下さい」





トレーナー「競バとは違うライブに重きを置いた新しい場所があるんです」





フジトレ『私はフジと…会話をする権利もないんです…』ブツッ




トレーナー「あ……」





タキオン「どうやら切られてしまったようだねえ」





トレーナー「けど気持ちは伝わったはず。僕はそう信じるよ」





タキオン「元担当が股を開いていると聞けば普通なら気になって仕方ないからねえ」





このあと…
下2

学園内…




ブレーザー「本当にトレーナーがそんなこと言ったわけ?」




ブルー「私もそんなこと想像してなかった」




スズカ「学園を作るだなんて現実的じゃないわ」




ブルボン「可能性はゼロに等しいでしょう」




マルゼン「ライブがしたい子の為に何かしてくれるのは嬉しいけど…」




アイネス「トレーナーさんがそんな無謀なこと言うはずないの!」




ブルー「なにか考えがあって口にしたんだと思う。私が逃げシスにこのことを話すって言ったら喜んでたし」

ファル子「逃げシスは協力するってトレーナーさんに伝えてもらえる?」




ブルボン「正気ですか?」




ファル子「だって競バでライブが無理なのはわかりきってるからそれしかないよ!」




マルゼン「確率がゼロの所より少しでも可能性がある方がいいとは思うけど…」




ブルー「協力してくれるなら他にライブに興味のある子達の情報も教えて欲しい」




ファル子「それならライブっていうよりチームを解散させられて凄く落ち込んでる子は知ってるよ」




スズカ「それってチームファーストのこと?」




ブレーザー「ルドトレにチーム解散させられた所は他にもあるけどファーストはヤバいって聞いたことある」




ファル子「再びチームが組めるようになるかもって誘えばいけるかも!」




ブルー「なるほど…」




このあと…
下2

ブルー「そもそもなんでファーストは解散させられたの?優秀なトレーナーのチームは解散させられたとは聞いたけど」





ブルボン「あくまで噂ですが樫本理事長は理事長としての仕事に集中してもらうとのことです」





スズカ「ルドトレさんが主任だけど実際には理事長より力があるとも聞くわ」





マルゼン「彼は理事長になろうと思えたのにならなかった。色々と理由は想像できるわね」




アイネス「ずる賢い男なの」




ブルー「そっか…ルドトレは理事長になろうと思えばなれたんだ」

ファル子「ルドトレは裏で変なことをしててその責任を理事長に押し付ける気だっていうのも聞いたよ」




ブルー「それが一番あり得そう」




スズカ「今のは全部あくまで噂だけどそれを聞いたファーストの子達は気が気じゃないわよね」





ブルボン「俗に言う病んでいるそうです」




アイネス「けど理事長に迷惑をかけられないからって全部抱え込んじゃってるの」




ブルー「ならファーストを説得する前に理事長に話した方がいいかもしれない」




ブレーザー「理事長ならトレーナーに任せた方がいいと思うけど」




ブルー「うん…相談してみる」




このあと…
下2

アイネス「とりあえずライアンに相談してみるの」




ファル子「ならフラッシュちゃんにも話しておこうかな」




ブルボン「では私はライスさんを頼ってみます」





マルゼン「ブルーちゃんに一つ言えることは慎重になりなさいってことかしら」




スズカ「ルドトレさん達に気付かれないようにね」




ブルー「わかった」




ブレーザー「トレーナーに迷惑かけたら許さないから」




ブルー「そこは一番注意する。ありがとう」

トレーナー宅…




タキオン「理事長とはまだ連絡が取れるのかい?」




トレーナー「連絡先は残してあったから電話はできるよ」




タキオン「しかし理事長が操り人形になってしまったとは情け無いねえ」




トレーナー「それがルドトレの狙いだからね。こうなったのも僕のせいだ」





タキオン「君はなにも悪くないんだよ」





トレーナー「理事長をこっちに引き込めれば学園を作るという目標に大きく近付く」




トレーナー「樫本理事長だけじゃなくチームファーストの皆にも辛い思いはさせたくない」




このあと…
下2

トレーナー「もしもし……」




ルドトレ『久しぶりだなトレーナー』





トレーナー「えっ!?」




ルドトレ『お前から連絡がくることは読めてるんだよ』




タキオン「どうしたんだい?」




トレーナー「樫本理事長に連絡したのに出たのがルドトレだったんだ」




タキオン「ふぅん」




ルドトレ『お前はもう学園とは関係ないはずだ。大人しく隠居してろ』




トレーナー「えぇと…ううん」





ルドトレ『負けたのがそんなに悔しいか?まあ最後は勝負にすらなってなかったがな』

トレーナー「色々と言いたいことはあったんだけど……」




ルドトレ『負け犬の遠吠えなら聞いてやるぞ?』




トレーナー「番号を交換なんてできないから樫本理事長の端末を預かってるんだよね?」




ルドトレ『お前みたいな奴とコソコソ連絡を取らないようにしているだけだ、それがどうした?』




トレーナー「うわぁ……」




ルドトレ『なんだ?何が言いたい?』




トレーナー「それはチームファーストも病むよ…彼女達は樫本理事長を溺愛しているんだよ?」




ルドトレ『なに?』

トレーナー「ウマ娘とトレーナーは適切な関係であるべき…まあ僕が言えたことじゃないけど」




トレーナー「その適切っていうのは正解はなくて、良好な関係を築ければいいんだ」




ルドトレ『さっきから何が言いたい?』




トレーナー「チームファーストの子達は樫本理事長とほぼ一日中メールなんかでやり取りしてたんだ」




トレーナー「それが彼女達の癒しであり生きる理由にまでなっていたのにそれを取り上げちゃったんだよ?」





ガシャーーーンッ





ルドトレ『ななななんだ!?』




トレーナー「殺されはしないと思うけど……ご愁傷様です」




このあと…
下2

1時間後…




プルルルルルルルル




トレーナー「もしもし……?」




ルドトレ『ぜえ…ぜえ……』




トレーナー「チームファーストのメンバーでも理事長じゃない!?」




ルドトレ『シンボリを舐めるなよ……合気道くらい習得済みだ…』




トレーナー「桐生院さんと同じく合気道の使い手だったなんて知りませんでした」




ルドトレ『ふ…無様に倒れていい気味だ……』

ルドトレ『俺は…………』




ドサッ




トレーナー「もしもし?あれ、返事が返ってこないけど大丈夫かな」





タキオン「これはチャンスかもしれないねぇ。主任がウマ娘に暴行したとなればちょっとしたスキャンダルさ」




トレーナー「ルドトレが学園を好きに使ってるんだから表に出ることはないよ」




タキオン「普通なら揉み消されて終わりだろうが学園で起こったことなら対処は可能さ」




タキオン「トレーナー君が責任をとってくれるんだから少しくらい私も協力しないとねえ」

デジタル『おまかせ下さいタキオンしゃん!!』





タキオン「学園が揉み消す前に証拠をたっぷりと確保してすぐにネットに流してくれたまえ」





デジタル『監視カメラの映像も入手しておきましゅ!』





タキオン「宜しく頼んだよ」





トレーナー「デジタルは頼もしいけど彼女が危険な目に遭ったりはしない?」




タキオン「彼女は神出鬼没でどこにでも現れる。危険なんか感じることもないさ」




このあと…
下2

数日後…




トレーナー「新生トレセンに暗雲。学生への暴力かーーなおルドトレ氏は正当防衛を主張」





タキオン「派手とはいわないがそれなりに盛り上がってるようだねえ」




トレーナー「学園側は最初は否定しようとしたのが良くなかったみたいだね」




タキオン「デジタル君の入手した動画が流れてから彼は正当防衛だと主張しだした」




タキオン「これにより彼らへの風向きは最悪なものになってしまったようだ」




トレーナー「ルドトレが理事長のスマホを持っていたのもおかしいから苦しいね」




タキオン「この件を機にボロが続々と出てくるだろうね」

タキオン「こうなってくると新しい学園を作る必要はないんじゃないかい?」




トレーナー「その可能性は出てきたね」





タキオン「そうなれば君は主任の地位へと戻り全て元通りじゃないか!」





トレーナー「この問題が解決するまでは協力するけど全てが終わったら僕は人前から姿を消すよ」




トレーナー「赤ちゃんの世話もあるしメイさんとの生活を考えないといけない」




タキオン「おやおや私のことを忘れていないかい?」




トレーナー「忘れてなんかないけど君にはまだ希望があるはずだよ」




タキオン「医者には二度と走れないと言われたんだよ」





トレーナー「ルドルフの例がある。君ほどの才能を簡単には諦めて欲しくはない」




タキオン(これは予想外だったねえ……)




このあと…
下2

トレーナー『ルドトレの自爆で学園が元に戻るかもしれない。そういう希望が出て来たんだ』





トレーナー『彼の取り巻きも今回の件を機に表に出てきて欲しくないものが続々と出てくる』




トレーナー『ルドトレは樫本理事長を利用する為に残しておいたみたいだけどそれが仇となった』




トレーナー『僕が新しく学園を作らなくとも済むならそれが一番いい』




トレーナー『トレセンの中で競バとライブ、それぞれに重きを置いたコースを作ればいいんだ』




トレーナー『そうなるまで僕は協力するけどちゃんと問題が解決したら僕は表から消える』




トレーナー『そうなれば当然僕は君の前からも消えることになる』

トレーナー『君のやってきたことに僕は恨みも無いし否定するつもりもない』




トレーナー『ブルー。君は僕の為に走ることはもうできなくなるんだ』




トレーナー『君と僕が出会ったのは正しかったのかは僕にはわからない』




トレーナー『ブルーのお陰でキタルファの皆んなが勝てたことは紛れもない事実なんだ』




トレーナー『それは君が僕の為にと頑張ってくれたことが大きな要因になってる』




トレーナー『その僕が居なくなっても君は走らなけばいけない』




トレーナー『全てにおいて赦しを請うというのなら君は走り続けなければならない』

ブルー「……トレーナーの言うことは正しい」





ブルー「トレセン学園に来た私にとってトレーナーだけが走る理由になってた」




ブルー「これまで何度も走る理由を見つけてってトレーナーに言われてたけどその場凌ぎで誤魔化し続けた」




ブルー「私が走る理由は無い」




ブルー「地元で走ってたのもコミュニケーションの一つなだけで特別な理由はない」




ブルー「私には走る理由が無い…」




ブルー「私はこんなに薄っぺらい存在なんだってトレーナーは知ってる」




ブルー「トレーナーはそんな私に走る理由を見つけろだなんて言う」




ブルー「これは私への罰……」




このあと…
下2

タキオン「随分と酷なことを彼女に言ったものだ」




トレーナー「ブルーが走る理由はウマ娘である限り見つけられるはずだよ」





トレーナー「ウマ娘としての本能は彼女にだってあるはずだからね」




タキオン「それはどうだろう?例外はどんな世界にもあるはずさ」




トレーナー「見つけてもらわないと困る…っていうのが正直なところだけどね」




トレーナー「彼女が走る理由を見つけられないと僕とこの子の未来は無い」




「だあ~~」




タキオン「君が死ぬ時は私が死ぬ時さ。その時は共に逝こううじゃないか」




トレーナー(共にも何もブルーに殺されて終わるだけだよ)

ブルー「私には何もない」




ブルー「本能も何も無くてただトレーナーの為に生きてる」




ブルー「私には過去も未来もない。走る理由なんかあるはずもない」




ブルー「トレーナーは走る理由が無ければ私は死んだ方がいいって思ってる」




ブルー「もしくはトレーナーを…………」





ブルー「どうすればいいの?」




ブルー「私はどうすればいいの……」




ブルー「生まれてきたことが私の罪なの?」




ブルー(誰か……)




今まで何人もの友人に止められてきたにも関わらず彼女は止まることなく自分の道を進み続けた




その道は正しいわけもなく周りを不幸にすると知っていながら突き進んでいった




そんな彼女が他人に助けを求めることなど烏滸がましい。ブルーは一人で答えを出さなければいけない




下2
哀れなウマ娘へ何か

ブレーザー「食堂で立ってるだけなんて不気味なんだけど」




ブルー「……」




『素晴らしいレースでしたねウィズさん!』




ブルー「ウィズ……」




ブレーザー「有マと凱旋門賞を勝ったんだからテレビに引っ張りだこなのは当たり前」




ブレーザー「トレセンが変なことになっててもウィズの人気はまた別だし」




ブレーザー「ウィズの隣に居るのはトレーナーのはずだったのにそれをアンタが台無しにした」




ブルー「ごめんなさい……」

ウィズ『来年も凱旋門賞を勝って連覇します!!』




ブレーザー「トレーナーが居なくなってもウィズなら連覇をやるかも」




ブレーザー「ウィズはもうそのレベルのウマ娘になったからどんなレースでも勝つ」




ブレーザー「アンタは悔しいなんて思ったことないでしょ」




ブルー「一度も無い…」




ブレーザー「感情の無いアンタには悔しがるのは無理だから知ってるし」





ブルー「トレーナーが悲しむから負けるのは嫌だっただけで悔しいなんて感じたことなんかない」




ブレーザー「どうせトレーナーのことも悪いと思ってないんでしょ?」




ブルー「ごめんなさいっていう気持ちはある…けど……」




ブレーザー「反省してないの丸わかりだから」




ブルー「反省……」

ブレーザー「アンタがトレーナーと協力してトレセンの為に何かしてるのは知ってる」




ブレーザー「トレセンが元に戻ったとしてもアンタは許さない」




ブルー「私は『ブルー』という名前で心を押し付けた。そうしなくてもいい場面はあったのにそれを続けた」




ブルー「その結果私は取り返しのつかないことを繰り返してきた」




ブレーザー「アンタの場合そうしないとオヤツ感覚で人を殺してたんでしょ」




ブルー「私はどうしたらいいの」




ブレーザー「悪いけど答えなんか出してやらないから。一生そうやって悩んでたら?」





ブルー「……話しかけてくれてありがとう」




このあと…
下2

学園内…




プルメリア「先程のブルーさんとブレーザーさんとの会話を聞いてました」




プルメリア「私でよければブルーさんにアドバイスをしようかと思います」





ブルー「お願い」





プルメリア「まず最初に言っておきますが絶対に死ぬなんてことはしないで下さい」




プルメリア「貴女にとって死は救い。ブルーさんは楽な道に逃げてはいけません」





プルメリア「生きて苦しむことこそブルーさんがしなければいけないことです」





ブルー「うん…」

プルメリア「その上でブルーさんは凱旋門賞とURAファイナルズでウィズさんに勝つことを目標にしてはどうですか?」




プルメリア「彼女に勝ったところをトレーナーさんに見せる為に頑張るんです」





ブルー「その後は…」




プルメリア「自分で考えて下さい。私はあくまで短期の目標を提案しているだけです」




プルメリア「走る目的もなくトレーニングを続けることもブルーさんにとって罰になりえます」




プルメリア「私が言いたいのは楽な道に逃げることなく自分と向き合ってということです」




ブルー「ありがとう…」




このあと…
下2

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