プリキュア作るぞ part2【安価有】 (999)

前スレ
プリキュア作るぞ【安価有】
プリキュア作るぞ【安価有】 - SSまとめ速報
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建て乙
クリア
インクブラインド
マントからタコさんイカさんが出てきて墨を吐く
タコさんの墨は煙幕のよう広がって、イカさんの墨はドロッとした粘り気があり一か所にまとまった状態で残りこの墨が人間と同じ大きさでゆらゆら揺れるので敵からするとまるで分身に見える
(なおこの技は1日1回が限度)

【登場人物】

プリキュア組

名前:岸波 桜野(きしなみ さくの) / キュアサクラ
性別:女
学年:中学2年生
容姿:茶色のロング。特徴がなくてクラスで3番目4番目くらいの顔面偏差値
色:ピンク
性格:困ってる人をほっとけない!頼られちゃったら断れない!天下無双のお人好し!敵への殺意がちょー高い!



名前:弓知夏 透(ゆみちか とおる) / キュアクリア
性別:女
学年:中学2年生
容姿:ボーイッシュな感じ。無っぱい
色:青
性格:不器用で人付き合いが下手くそ。時に狂犬、時にわんこ。気を許した相手にはふにゃふにゃになる。特に桜野への依存度が高い。自分の胸があまりにも可愛すぎることを気にしている。本当に気にしている。ゴキブリが苦手。飛んだら泣く。
備考:転校生。過去に妖精の国シーズンランドに召喚され、プリキュアとしてカラミティ帝国と戦うも敗北。生き残った妖精とともに元の世界で抵抗を続けるが次第に追い込まれていき、限界が近づいていたある日、桜野と出会う。



名前:秋葉 朱(しゅうよう あかね) / キュアブーケ
性別:女
学年:中学3年生
容姿:少しギャルっぽい綺麗系の美少女
色:オレンジ
性格:同年代より大人っぽい。とは世を忍ぶ仮の姿である。実際は稀代のポンコツ。愛らしい少女と見るや暴走する。頼れるお姉さん枠のはずが気づけばおもしろお姉さんに。どうしてこうなった。
備考:モデルをやっており男子の間で人気。最近は女の子からもモテ始めたらしい。趣味はお花を育てること。学校の花壇の一角を借りている。



名前:久木 雪菜(ひさき ゆきな) / キュアクリスタル
性別:女
学年:中学1年生
容姿:身長145cm。ボブカットの黒髪。可愛い系の顔立ち。小柄で顔立ちも幼いが、それとは裏腹に早熟な体付きなロリ巨乳。
色:白
性格:心優しいが恐がりで引っ込み思案。鋭い洞察力を持つが、この性格で持ち腐れ気味。でも最近、妹のおかげでほんのちよっぴり勇気が出せるようになった。可愛いものが大好き。直近でいちばん可愛かったのは透らしい。
備考:静かに読書するのが趣味で休日はよく図書館にいる。両親と妹の4人家族。


妖精組

妖精の国 シーズンランド
春の国、夏の国、秋の国、冬の国の四大国を中心にした世界



名前:シキ
性別:女
出身:シーズンランド
容姿:手のひらサイズで葉っぱを羽にして飛んでいる以外は普通の女の子
性格:おしゃべりで子供っぽくて好奇心旺盛騒がしい
備考:桜野と一緒に暮らしてる。闇の気配とプリキュアの素質を感じ取れる。



名前:シア
性別:女
出身:シーズンランド
容姿:海っぽい。形は体積の範囲内で自由自在。いつの間にか俺の脳内でブルンゲルの親戚みたいな見た目になっている。
性格:おおらかで世話焼き。透のことが心配で心配でたまらない。
備考:透とずっと一緒にいる。闇の気配とプリキュアの素質を感じ取れる。

敵組織
カラミティ帝国
ウィッシュスターのエネルギーを集めるため人々を襲っている。



ボス

名前:サイカ
性別:不明
年齢:不詳
目的:不明。ウィッシュスターの力で何かしようとしている。
備考:桜野に過去の自分を重ねているらしい。



幹部

名前:ライガ
性別:男
容姿:肌が黒い。20~30代の見た目。
性格:クールな2枚目。皮肉屋でキザ。
備考:雷を纏っての徒手空拳で戦う。なんだか中間管理職的不遇感が滲み出ている気がする。妖精キル数No.1。



名前:ツナミ
性別:女
容姿:一見清楚でおしとやか
性格:表面上礼儀正しいが腹黒い。最近は隠せてない。
備考:水を使った質量攻撃が得意。巧みに操り防御などにも転用する。



名前:カサイ
性別:男
容姿:筋肉ダルマ
性格:暑苦しい。うざい熱血系。非常に好戦的。
備考:炎を纏った物理攻撃が得意なパワータイプ。強いやつは怖いらしい。



怪物

名前:ヤクサイン
備考:なにかに憑依することで実体化する。倒されるとヤクサインが起こした事象はリセットされる。でもすべて完璧に元通りとはいかないらしい。

その他



名前:久木 霰(ひさき あられ) / 雪菜の妹
性別:女
年齢:11さい
容姿:姉の顔をもっと活発にした感じ。142cmくらい。胸は同年代と比べても小さい。
性格:姉とはいろいろ正反対な人懐っこい活発元気っ子。幼い頃から姉を守ってきて、その過程で優しい人達は絶対に守るという勇敢かつ高潔な信念を持った。
備考:メンタル面だけなら作中最強ぶっちぎり。



名前:桜井 コスモス(さくらい こすもす)
性別:女
学年:中学2年生
容姿:身長は低めだが胸が大きい。Eカップ。
性格:桜野をさらにやかましくした感じの元気で明るい女の子。
備考:数年前、桜野に迷子のところを助けられた。久しぶりに再会し運命感じちゃう。桜野に対しての矢印がでかくて濃い。そのせいか時折ぶっ飛んだ行動をする。公衆の面前で指フェラしたり手首をかみかみちゅーちゅーしたり……。最近両親が亡くなったため、現在は一人暮らしで自主休校。

【アイテム】



スピリットピース
プリキュアに変身するためのアイテム。通常時はパズルの欠片だが、使用者の心を映した形に変容する。



ウィッシュスター
シーズンランドに伝わる秘宝。誰かが何かを願う時、そこには大きな力が生まれる。ウィッシュスターはその力をエネルギーとして蓄えることができ、エネルギーがいっぱいになるとどんな願いでもひとつだけ叶えられる。現在はカラミティ帝国が所持。エネルギーが溜まり切るまでもう少しらしい。



壊れたロケット
壊れて蓋が開かなくなったロケットペンダント。桜野がシキたちと初めて会った時に襲ってきたヤクサインが憑依していた。ヤクサイン消滅後、桜野が拾い持ち主を探していた。中に写真などが入っていると思われるため、現在アクセサリーショップで修理中。

ありがとうございます おかげさまで2スレ目です
引き続きよろしくお願いします

ご質問やご意見、技案については常に受け付けておりますのでお気軽にどうぞ

透ちゃんいきなり異世界に召喚されて元の世界に帰ってきた時ご家族にどう説明したんだ?

>>11
説明とかしてないですね 帰宅時の透ちゃんは仲間友達目の前で殺されまくった挙句自分もズタボロボロ雑巾にされて敗走した直後なんで説明とかできる精神状態じゃありません なんなら喋ることすら出来なかったんじゃないかな
この辺の話はあとでちょっと書こうかなとは思ってます

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!」ギャオオ

サクラ「いっくよぉおおっ!!!」ググッ

ギュンッ

サクラ「うぅぅりゃああっ!!!」ドゴォッ!

ヤクサイン「ヤグゥ…!」

サクラ「っと……!」シュタッ

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!」ドゴンッバゴンツ!

サクラ「げ、めっちゃ怒ってる……」

ヤクサイン「ヤクゥゥゥッ…!」ギュルルッ

クリスタル「私が! 冷波刀・細雪!」シュラッ

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!!!」バシュウウウッ!

ヒュパパパッ
パキィィィンッ!!!

ヤクサイン「ヤッ!?」

クリスタル「ふー……」

クリア「たぁぁぁっ!!!」ダダダダッ

ヤクサイン「クゥッ!!」バシュッ

クリア「!」

ブーケ「はぁっ!!」バキッ

クリア「ブーケ!」

ブーケ「クリア! まっすぐ!」ドカバキッ

クリア「うん!」ダッ

ヤクサイン「ヤァァ!」ググッ

クリア「はぁっ!!!」バキィ!

ヤクサイン「グッ…ヤクゥゥゥ!!!」グォォッ



安価下コンマ
ヤクサインの標的
01~33 クリア
34~66 ブーケ
67~99 クリスタル
00   サクラ

ヤクサイン「グゥゥゥッ!」ギロッ

クリア「!」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!」ブォンッ

クリア「プリキュア・スクランブルアヴォイド!」バササッ

ドゴォンッ!
ヒラッ
ヒラヒラ…

ヤクサイン「ヤ-?」

パッ

クリア「はっ!」

ヤクサイン「ヤッ!?」

クリア「はぁぁぁっ!!」ドゴッ!

ヤクサイン「グッ…!」グラッ

クリア「ブーケ! クリスタル!」

ババッ!

ヤクサイン「!??」

ブーケ・クリスタル「「たぁぁぁっ!!!」」ギュオッ!

ドゴォォォンッ!!!

ヤクサイン「ヤ、クッ…!」ガラガラ

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!」

クリスタル「ほんとにタフですね……!」

サクラ「わたしが!」ギュンッ

ブーケ「サクラ!」

サクラ「だぁぁぁっ!!!」ダダッ

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!」ドゴォンバゴォンッ

クリア「!」バサッヒュオッ

サクラ「ちぃっ……!」

クリア「サクラ! 目の前のマントに!」

サクラ「うんっ!」ダッ

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!」バシュッ

クリア「プリキュア・ロケーションムーブ!」バッ

シュンッ

ヤクサイン「ヤクゥ!??」

パッ

サクラ「ほっ?」

ヤクサイン「サァッ!!?」

サクラ「お! いいとこ……にぃ!!!」ドゴォンッ!

ヤクサイン「ヤッ…!」グラッ

ヤクサイン「クゥ」グリンッ

ヤクサイン「サァァァ…!」ガパッ

サクラ「うわっ、ちょ……!」

ブーケ「クリスタル!」

クリスタル「はい!」

ブーケ「アースビーンズ!」パシュシュッ

クリスタル「冷波導!」ヒュオッ

ヤクサイン「サァァァイ!!!」ボシュウウウッ!

ブーケ・クリスタル「「プリキュア・冷波蔦壁!!」」

バギャァァァンッ!!!

ヤクサイン「ヤクウッ!??」



安価下2まで
サクラとクリスタルの合体技募集
前スレ>>738込みでよさげなの選びます

霰「お姉……!」ヨタヨタ



クリスタル「はぁぁぁっ!!!」



霰「お姉! がんばれっ!!!」



クリスタル「!」

クリスタル「霰……」ニコッ

クリスタル「サクラ!」

サクラ「おっけー!」

サクラ・クリスタル「「プリキュア!!」」

サクラ「はぁぁぁ……!」ググッ!

クリスタル「ふっ……!」キィィィンッ!

クリスタル「はぁっ!!!」バシュウウウッ!

サクラ「だぁ!!!」ギュンッ!

ヤクサイン「ヤクッ!?」

ヒュンヒュンヒュンッ!!!

サクラ「はぁぁぁっ!!!」ガッ

ギュイイインッ!!!!!

サクラ・クリスタル「「蹴撃・冷波手裏剣!!!!!」」

ヤクサイン「ヤクサッ!?」

ズガッ!
ズガガガガッ!!!
ギィィィィンッ!!!

サクラ「どぉぉぉぉりゃああああああっ!!!!!」

クリスタル「いっけええええ!!!」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!」

バッギャァァァァァンッ!!!!!

ヤクサイン「ヤァァァァ!!!」サラサラ…



霰「やった!」

霰「ぁ……?」クラッ

霰「あ、あれ……なんか急に……」フラフラ

透「ふぅぅ……やっと倒したぁ……」グ

桜野「みんなおつかれさまぁ……」ッ

朱「さすがに疲れたわねぇ……」タ

雪菜「ですねぇ……」リ

霰「お、ねえ……」フラフラ

雪菜「霰っ!」タタッ

桜野「霰ちゃん、無事でよかった……」

透「近くに来てたんだ……」

霰「おねえ……」ギュッ

雪菜「霰、どうしたの!? どこか痛いの!?」

霰「んぇ……?」ウトウト

朱「なんか……おねむ?」

雪菜「え、眠いの?」

霰「う……?」

透「多分リセットの影響だと思う」

霰「りせえ……?」ウツラウツラ

透「ヤクサインが消えてリセットが起きてる。その子も影響を受けてるから、今は記憶が混濁してるんだと思う」

雪菜「大丈夫なんですか?」

透「これから少し眠ると思う。でも起きるころには元気になってるはず」

雪菜「そうですか」ホッ

霰「……?」

雪菜「霰……」ナデナデ

霰「……ふへっ、へっ……おねえ……」ギュ-

雪菜「ありがとね」

霰「……うー?」

雪菜「私、怖かったんだ。みんないなくなっちゃうって思って」

霰「……いななぅ?」

雪菜「桜野さんも透さんも朱さんも、霰も。大切なもの全部失くしちゃうって、そればっかり考えて、戦う意味まで分からなくなって」

霰「……なくしゅぅ?」ポヤポヤ

雪菜「でも霰がいたから勇気が出せた。お姉ちゃんね、霰に助けられたんだよ」ギュッ

霰「……?」ギュ-

雪菜「ありがとう、霰」

霰「……??」

霰「……おねえ?」

雪菜「なぁに?」

霰「……なにかなくしちゃったの?」

雪菜「あ、えっとね……」

霰「……わたしがいっしょにさがしてあげゅ」

雪菜「……ん、ありがとう」

霰「……なにぉなくしちゃったの?」

雪菜「え……?」

霰「……わかんないとさがせないよ?」

雪菜「そっか、私……」

霰「おねえ……?」

雪菜「ううん、もう大丈夫」

霰「んぇぅ……?」

雪菜「見つけたよ。ここにあった」

霰「……う?」

霰「……んー」

霰「……そかぁ」ニコッ

雪菜「ふふっ……」ギュッ

霰「ん……」スヤスヤ

雪菜「眠っちゃった」

朱「かわいいっ……寝顔か゛わ゛い゛い゛っ……!!!」

透「朱、今はやめて」

雪菜「あのみなさん、私謝らなきゃいけないことが……」

桜野「どしたの?」

雪菜「霰にプリキュアになるところを見せてしまって……」

桜野「あー……」

シア「仕方ありませんわ。どうしてもという時もあります」

雪菜「シアさん……」

シア「ですがその子の記憶、中途半端に残るかもしれませんわね」

雪菜「え……?」

透「見られたのってカサイと戦ってる時だよね?」

雪菜「は、はい……」

透「となるとやっぱり……」

シア「今回倒せたのはヤクサインだけですし、そもそもプリキュアはリセットの影響を受けませんからね……」

雪菜「そう、ですか……」

シア「記憶がどの程度残るか分かりませんが、その子を守りたいならもう二度と巻き込んではいけませんわ」

雪菜「はいっ……!」ギュッ

霰「んにゃ……」スヤスヤ

桜野「あ、そうだ! わたし行かなきゃいけないとこが!!」

透「あ、そういえばそんなこと……」

朱「そうなのね……あ、じゃあせっかくだし、みんなでついてっていい?」

桜野「そんなに面白くはないと思いますけど……」

雪菜「いいじゃないですか。せっかくですし」

桜野「そんなに言うなら……うん」

透「結局なんだっけ? 修理がなんとかって」

桜野「うん、初めて透ちゃんが戦うとこ見た日のヤクサインが憑依してたロケットなんだけど……」

透「あの時の……」

雪菜「んしょ……」

朱「大丈夫? 代わる?」

雪菜「いえいえ、これでもお姉ちゃん歴長いので……ほっ」

霰「んゅ……」

朱「ちっちゃい子がちっちゃい子おんぶしてるのってなんかすっごい可愛くないっ!!?」

透「なんでそんなに元気なの……」

雪菜「わ、私そんなにちっちゃくないですし……」

桜野「準備いい? それじゃあさっそくみんなでれつご!」

ここまで
霰ちゃん編いったんおしまい

商店街

朱「ねぇねぇ、ほっぺ触っちゃダメ? ダメ??」

雪菜「お、起こさないなら……」

朱「ぷにぷにだぁ~」プニプニ

霰「うにゅ……」

朱「こっちもぷにぷにだぁ~」プニプニ

雪菜「なじぇわらひまれっ」

桜野「おーまたせー」トタトタ

透「あ、おかえり」

朱「おかえり~」プニプニ

雪菜「おかえぃなふぁ」

桜野「おや、朱くんやってるね」

朱「あら会長、いらしてたんですね」

雪菜「かいひょー?」

桜野「どうだね、今年の出来は」

朱「なかなか粒ぞろいですわ。会長もぜひ」

透「前フリもなく始めないで。混乱するから」

桜野「お言葉に甘えて少し試そうか」

朱「この子なんてオススメですわよ」ズイッ

透「えっ、私っ!?」

桜野「どれどれ」

透「えちょ……」

プニッ

桜野「ほぁ……」

透「……///」

透「じゃなくて!」ブンブンッ

桜野「あぅっ」

透「ロケットは? どうだったの?」

桜野「うん。完璧には直らなかったけど、蓋は開くようにしてもらえたよ」

透「そっか。じゃあ持ち主見つけられるかもだ」

桜野「うん!」

雪菜「それで中身はどんなでした?」

桜野「まだ見てない。今から今から」

朱「なんかちょっとワクワクするわね」

桜野「へへへ、そうですね」

桜野「勿体つけてもしょうがないんで開けますよー」

桜野「パカッとな……」パカッ

桜野「………………え?」

透「桜野?」



ドックン

桜野「………………え…………え?」

ドックンドックン

桜野「………………ぁ、え?」

ドックンドックンドックン

桜野「ぇ、え……ぇあっ……はぁっ……はっはっ……!」

ドクンドクンドクンドクンッ!

桜野「…………はぁはぁ……んくっ、はぁっはぁっ……!!!」

ドクドクドクドクッ!!!

桜野「はぁ、はぁっ……!!! はぁはぁっ、はーっ!! はーっ!!」

ドッドッドッドッ!!!!!

桜野「……こんっ、なっ!! はっはっ、はーっ……!!! そんなのっ……!!!」

バクバクバクバクバクバクバクバクッ!!!!!!!

桜野「……なん、でっ……なんっ……!!!」

プツンッ

桜野「ぁ」

フラッ

桜野(突然、視界が真っ暗になった。得体の知れない浮遊感。世界が遠ざかっていく)



透「え……」



桜野(最後にわたしが見たものは、ロケットの中身)

桜野(そこには1枚の写真が収められていた。家族の写真だ。中睦まじそうな3人家族)

桜野(左側には母親らしき女性。右にはパパ。そして真ん中には……)



透「え……?」



桜野(今よりもほんの少しだけ幼いコスモスがいた)



ドサッ



透「………………さ、くの……?」

「桜野ちゃん!? 桜野ちゃん!!」

「桜野さんっ!!!」

「しっかりするです桜野!!!」

「なに……どうなっ……やだ、桜野……やだ……やだっ……!!!」

「っ! 透っ!!!」

「いやあああっ!! 桜野っ桜野っ!!! あああっやだやだやだやだっ! やだっ桜野っ!!! やだあああああああっ!!!!!」

「と、透っ……!」

「シアさん!」

「朱、桜野を頼みます! ワタクシは透を!」

「は、はいっ! と、とにかくどこか落ち着いて横になれる場所に!」

「わ、私探します!!」

「はあっはあっ!! ああああああああっっさくのっ! いやだっ!! やだっはっはひゅ……かふっ……!!」

「透! ちゃんと息吸うです!!!」

「シキ手伝って! かなり危険な状態ですわ! もしかしたら桜野よりも!」

「う、うんっ!」

「やっ、げほっ! やらっ、あ゛っ!! ひゅっかひゅっ……さくっ、の……!!!」

桜野「……ぅ?」パチッ

桜野「……」ポケ-

桜野「……」チラッ

透「うっ、うぅっ……!」ギュウウウ

桜野「……透ちゃん」

透「!!!」バッ

朱「桜野ちゃん!」

雪菜「桜野さん!」

シキ「桜野ぉ!!!」

桜野「……そんなに強くにぎったら痛いよ?」ニヘッ

透「さっ、うっ……ひぐっ、うあ゛っ、あ゛あ゛あ゛っ……!!!」ボロボロ

桜野「もう……しょうがないなぁ」ムクッ

雪菜「まだ動いたら!」

桜野「……大丈夫。ほら透ちゃん、おいで」

透「うあっ、あ゛あ゛っ……ひぅぁぁああっ!! うっ、げほっ、うううぅぅぅ!!!」ガバッ

桜野「……よしよし」ナデナデ

桜野「……みんな、ごめんね」

雪菜「ほんとに大丈夫なんですか……?」

桜野「……うん、平気」

シキ「ほんとのほんとに大丈夫です? どこも痛くないです?」

桜野「うん、ほんとのほんとに大丈夫。それよりここ……公園?」

朱「うん、とにかく横になれる場所と思って」

雪菜「救急車呼ぼうとも思ったんですけど……」

シア「闇の力の影響だった場合、病院だと手出しできなくなってしまいますからね……」

朱「それに案外落ち着いてたから……」

桜野「……そうです……わぷっ、こらこら透ちゃん」ナデナデ

透「ひっくひっく……うぅぅあっ……!!!」ギュ-

シア「はっきり言って透の方が危険でしたわ。錯乱してしまって……」

桜野「……透ちゃん、ごめんね?」ナデナデ

透「ひくっ、ひぅっ、ぅ……!」ギュ-

桜野「……落ち着いた?」

透「……まだ」スンスン

桜野「……じゃあもうちょっとだけね」

透「……うんっ」ギュッ

桜野「……シアさん、シキも……大丈夫でしたか? その、人に見られちゃったりとか……」

シア「幸い人通りはほとんどありませんでしたけど……」

シキ「やっぱりちょっと見られちゃったかもしれないのです……」

桜野「そうですか……すみません、私のせいで……」

シキ「桜野は悪くないのです」

シア「ワタクシも同意見ですわ。しかし……」

桜野「……」

朱「……桜野ちゃん」

桜野「……はい」

朱「……なにがあったの?」

桜野「……」



安価下コンマ
1桁目が 1 で桜野にはぐらかされる

朱「あたしたちもロケットの中身見ちゃったんだけど、これって桜井コスモスさんよね?」

桜野「……はい」



安価下コンマ
1桁目が 1, 3 で桜野にはぐらかされる

朱「それでここに写ってるのがご両親。闇の力で亡くなられたっていう……」

桜野「……はい」



安価下コンマ
1桁目が 1 , 3 , 5 で桜野にはぐらかされる

朱「それにこのロケット、ヤクサインに憑依されていたのよね?」

桜野「……」

朱「桜野ちゃん?」

桜野「………………コスモスはコスモスだよね」ボソッ

朱「え?」

桜野「心配しないでください」

朱「桜野ちゃ……」

桜野「まさかコスモスのものだとは思ってなくてびっくりしちゃっただけですよ。倒れちゃったのは……ほら、今日の戦いはハードでしたから疲れが出ちゃったんです」

朱「……」

桜野「……」

朱「……そう」

桜野「……はい」

桜野「……わたし、今日は帰りますね」

透「えっ……!」

桜野「ごめんね透ちゃん。今日はおしまい」ナデナデ

透「ぁ……ぅ……」

透「……」

透「……ん」ショボ…

桜野「それじゃ失礼しますね。シキ、行くよ」

シキ「う、うん」

朱「桜野ちゃん!」

桜野「……?」

朱「みんなあなたの味方だからね!」

雪菜「そ、そうですっ!」

桜野「……」ニコッ

桜野「……」クルットタトタ

雪菜「桜野さん……」

朱「……」

雪菜「桜野さん……どうしちゃったんでしょ……」

朱「分からない。けど……心配ね」

雪菜「なにかに気づいてるみたいでしたよね」

朱「うん、でもそれが何かまでは……」

雪菜「無理やり聞き出していいものかも分からないですしね……」

朱「そうね……」

透「桜野……」

霰「んっ、んぅ……んぅ?」ムクッ

雪菜「あ、霰、おはよ」

霰「? おぁよ……」ポケポケ

雪菜「あ、そうだ。えー、ちょっと確認なんだけど……今日のことどれくらい覚えてる?」

霰「う? うー……おねえおむかえにいって……それでぇ……なんだっけ……?」

雪菜「覚えてない?」

霰「……わすれたー」

雪菜「そ、そう。ならいいの」ホッ

ほんとに都合よく忘れてるか、空気読んで忘れたフリしてるかは霰ちゃんのみぞ知る
忘れたフリくらいならしれっとやりそうではある

霰「あー、朱ちゃんだー。なんでー?」

朱「霰ちゃん、おはよ。昨日ぶりね」

霰「ぶりー♪」

朱「ふふっ」

霰「朱ちゃん、今日のお洋服かわいーねー」

朱「あ、そうでしょ? これ新作……あ」

透「ん?」

朱「……や、やばい……まじやばい……」ダラダラ

雪菜「え、どうしたんです?」

朱「お仕事抜け出してきたの忘れてたぁ!!!」

雪菜「ええぇぇぇ!」

朱「ちょっ、スマっ……げっ、死ぬほど連絡来てるっ!」

透「あー」

朱「あたっ、あたしっ! 行かなきゃだからっ!!!」

雪菜「はいっ! なんていうか頑張ってくださいっ!」

霰「がんばえー!」

朱「うんっ!」

透「私たちも今日は帰ろっか」

雪菜「ですね。霰も起きたし」

霰「おきたー」

朱「あ、みんな!」

透「?」

雪菜「はい?」

朱「桜野ちゃんはきっと大丈夫!」

透「!」

雪菜「……ですね。あの桜野さんですもんね!」

朱「そうそう!」

透「……そっか……桜野、だもんね」

透「……うん」

透「桜野はきっと大丈夫」

ここではないどこか

ツナミ「派手にやられましたね」

カサイ「うるせェ」

ライガ「お前が勝手するからだ」

カサイ「だーもーうるせェうるせェ!」

ライガ「お前の我儘を聞くのはこれきりだ。分かっているな?」

カサイ「わァーってるよ。もう少しでウィッシュスターが完成すっからちゃんと働けってんだろ?」

ライガ「そういうことだが、それだけじゃない」

ツナミ「カサイさんも手合わせしたんですよね、アレと」

カサイ「……まァな」

ライガ「では分かったはずだ。やつは、キュアサクラは……」

「「「本気を出していない」」」

カサイ「あの殺気でパワーがあんなもんなわけねェからな」

ツナミ「それでも恐ろしく強いですが……本気出したらどれくらいですかね」

ライガ「セーブしてあれだからな。完全に未知数だ」

カサイ「しっかしなんで抑えてんだろうな」

ツナミ「そもそも力を抑えていること、本人が気づいているかも怪しいですね」

ライガ「理由は分からない。しかしこちらにとっては千載一遇のチャンスとも言える」

ツナミ「アレが本気出したら邪魔どころではなさそうですしね」

ライガ「だからこそ、ここから勝手な行動は慎むべきだ」チラッ

カサイ「な、なんだよ……」

ツナミ「貴方が1番勝手ですからね」

ライガ「これからは指示通り動けよ」

カサイ「チッ……」

ライガ「しかしこちらも疲弊しているのは事実。ツナミもこの前の傷が完全には癒えていないだろ?」

ツナミ「まぁ」

ライガ「急いては事を仕損ずる。しばらくは様子見だな」

カサイ「なんでオレばっかり……オレより勝手してるやつだっていんだろうがよォ……大体オレぁウィッシュスターなんか興味ねェってのに……」ブツクサ

ここまで
今日は大事なところでした
ここの反応が後の構成にダイレクトに影響を与えるはずなので、感想いただけるととても嬉しいです
ぜひご協力お願いいたします

ご協力感謝感激雨霰ちゃん!
ありがたく参考にさせていただきます

桜野「……」クルクル

桜野「……」クイクイ

桜野「……」イジイジ

桜野「んー……」

桜野「……どう思う?」

シキ「かわいーのです」

桜野「ほんとに?」

シキ「シキが保証するです」

桜野「それなら安心かな?」

シキ「ですです」

桜野「じゃあ準備おっけー。早くしないとコスモス待たせちゃう。シキも……」

『次会うときは2人きりね』

桜野「……!」

シキ「桜野?」

桜野「シキ……」

シキ「……?」



安価下3まで多数決
シキを……
① つれてく
② おいてく

ごめんやっぱり安価なし!
選択肢とかないわここ 逆いくと破綻する

シキ「桜野? どしたです?」

桜野「……ごめん、シキ。今日は……ひとりで……」

シキ「……!」

桜野「……」

シキ「……ん、わかったのです」

桜野「……ごめんね」

シキ「車とかちゃんと気をつけるです」

桜野「うん。シキも気をつけてね。誰にも見つからないように」

シキ「もちろんなのです」

桜野「じゃあ……いってきます」

シキ「いってらっしゃいなのです」ニコッ



シキ「……」

シキ「……」

シキ「……桜野」

桜野「すー……はー……」

桜野「ふぅ……ふぅ……」トントン

桜野「よしっ」

ピンポ-ン
トタタッドタッタタタタッ
ガチャッ

コスモス「桜野っ!」パァッ

桜野「おはよ」

コスモス「待ってたよ! すっごい待ってた!」

桜野「おっきい音したけど大丈夫だった?」

コスモス「こけた!」

桜野「あらら、どこかぶつけちゃったり?」

コスモス「ここ! さすれ!」グリグリ

桜野「撫でられたいだけでわ……?」ナデェ

コスモス「そうともゆー!」グリグリグリィ

桜野「もう、しょうがないなぁ……」ナデナデ

コスモス「うっへへぇ♪」

桜野「ふふっ……」ナデナデ

コスモス「んねね、こんなとこだとあれだし、続きはお部屋でしよ?」

桜野「……うん」

コスモス「では遠慮なく上がって上がって。狭い家ですがどうぞごゆっく……」

桜野「……コスモス」

コスモス「なぁに?」

桜野「会いたかったよ。すごく」

コスモス「……!」

コスモス「わたっ、わたしもっ! だよっ!」

桜野「……ん」ニコッ

コスモス「う、んぅぅぅっ……!」キュゥゥゥン

コスモス「ふへっ、うへへへっ……ぐへっ」ニマニマ

コスモス「ふひっ……あ、どぞどぞ上がってくだせぇ」ニマニマ

桜野「うん、おじゃまします」

コスモス「先にお部屋行っててね。コスモスちゃん特製あまあまジュース持ってく……」

桜野「コスモス」グイッ

コスモス「へ?」

桜野「ジュースはあとでにしよっか」

コスモス「……!」

コスモス「……ぇ……ぁ……」

コスモス「……///」コクッ

(さすがにやりすぎたかもしれない)

「……ねぇコスモス」

「なぁに?」

「……わたしもね、親いないんだ」

「……そっか」

「……うん」

「じゃあわたしたち、いっしょだね」

「……いっしょ?」

「わたしたちきっとね、おんなじところが痛くて、おんなじところが苦しいの。だからいっしょ」

「……そっか。いっしょか」

「うん。だから全部わかるよ。桜野のほしいもの、したいこと」

「ほんとに? じゃあ今わたしが……ん」

「こーゆーの」

「……あたり」

「やたやたっ、ごほーび?」

「……こーゆーの?」

「……ん、やっぱりいっしょだ」

「……うん、いっしょ」

「ふへへっ、うれし」

「……そうだ。ねぇコスモス」

「なぁに?」

「……誕生日いつ?」

「え、誕生日? えーっとね……」

コスモス「桜野ー髪留めお忘れー」

桜野「あ、ほんとだ。ごめん」

コスモス「ねぇ、ほんとに帰っちゃうの? ほんとのほんとに泊まってかない?」

桜野「うん……ほら、ウチ厳しいから」

コスモス「そっかぁ……」

桜野「また来るから」

コスモス「絶対だよ?」

桜野「うん、絶対。じゃあ……」

コスモス「ん、ばいばい……」

桜野「……」

コスモス「桜野?」

桜野「……コスモス」

コスモス「なぁに?」

桜野「……」

コスモス「え、なになに呼んだだけ? できたてカップルごっこ?」

桜野「あ、ち、違くて……」

コスモス「じゃあ……?」

桜野「あの、ね……」

コスモス「うん……」

桜野「……」

コスモス「……」

桜野「………………幸せにする」ボソッ

コスモス「え……?」

桜野「コスモス」ガシッ

コスモス「ふぇ!?」ビクッ

桜野「あなたはわたしが幸せにする。絶対」

コスモス「……」パチクリ

桜野「……」ジッ

コスモス「え、あ、うん。ありが……」

コスモス「わ///」ポシュッ

コスモス「へ、ぁ……うぁっ、ぁ……ぅ……きゅぅぅぅぅ~……///」ヘナヘナヘナ

桜野「えっ? だ、だいじょぶっ!?」

コスモス「だめかもぉ……///」ポヒュポヒュ

桜野「え、えっと……」

コスモス「カップルごっこかと思ったらプロポーズだったぁ……///」シュウウウ///

桜野「プロポっ!? いやっ、いやいや今のはっ!」

コスモス「……ちがうの?」ウルッ

桜野「うっ……!」キュンッ

コスモス「桜野……?」ウルウル

桜野「ち、ちがっ、く、は……ない……かも?」

コスモス「ふへっ♪」フニャ

桜野「ふぬぉぉ……」キュゥゥゥ

桜野「ほ、ほんとに帰るからね?」

コスモス「はーい」

桜野「じゃあ……」

コスモス「さーくのっ!」ダキッ

桜野「うぇ!?」

コスモス「……」ギュゥゥ

桜野「コスモス……?」

コスモス「……また遊ぼうね」

桜野「……うん」

コスモス「それじゃ、ばいばい」フリフリ

桜野「ん、ばいばい」フリフリ

ガチャ
キィィィ
パタンッ

コスモス「……」フリフリ

コスモス「……」フリ

コスモス「ふへ」ニマッ

コスモス「ふふっ、うっへっへっ……♪」トッタタ-

コスモス「とぉっ!」バフッ

コスモス「うひっ、へへへっ……幸せにする、かぁ~♪」ニマニマ

コスモス「くひひっ、ふくっ……どぅへへへっ♪」パタパタ

コスモス「ふんふんふ~んっ♪」ゴロンゴロン

「ずいぶんと機嫌が良さそうだな」

コスモス「……?」ムクッ

コスモス「あ」

コスモス「おじさん!」

ライガ「おじさんはやめて」

コスモス「おじさんこそ、女の子の部屋に勝手に入るなんて非常識だよ?」

ライガ「え、ごめん」

コスモス「何しに来たの? わたし今とーってもご機嫌だからあんまり邪魔されたくないんだけど」

ライガ「分かっているだろう? キュアサクラとずいぶん親しげだったが……」

コスモス「見てたんだ」

ライガ「少しな。しかし、まさか裏切るつもりじゃないだろうな? いくら新入りとはいえ……」

コスモス「そんなことするわけないじゃん。楽しみがなくなっちゃうもん」

ライガ「楽しみ?」

コスモス「わたしがこっち側だって知ったら、桜野どう思うかな? 怒るかな? 悲しむかな?」

ライガ「さぁな。憎まれるかもしれないぞ?」

コスモス「ふふっ。あのね、どんな感情でもいいの。桜野の全部がわたしに向いてくれるならそれで」

ライガ「…………また殺すのか?」

コスモス「はぁぁあ? なんで今の話の流れでそうなるの? おじさんほんっとーーーにわなってない!」

ライガ「え、ごめん」

コスモス「あ、でも桜野にだったら殺されてもいいかも」

ライガ「えぇ……」

コスモス「どんな風に殺されるのが1番かなぁ。悩んじゃうなぁ……」

ライガ「どんな悩みだ……」

コスモス「おじさんだったらどんなんがいい?」

ライガ「ここで振るのか!?」

コスモス「うん。おじさんだったら、好きな人にどんな風に殺されたい?」

ライガ「わからん。考えたこともない」

コスモス「ほんとに? 好きな人に殺されるなら、だよ? 誰でも1回は考えると思うけどなぁ。おじさん変わってるね」

ライガ「人間って変わってるなぁ……」

コスモス「んーでもやっぱりあれかな? 首絞めがいいかな?」

ライガ「お、おう……」

コスモス「こうね、桜野がわたしに馬乗りになって首に手をかけてね、一生懸命体重かけるの」

ライガ「あ、解説してくれるんだ……」

コスモス「きっとね、ほんとすっごく一生懸命になってくれる。そうしている間は、わたしのことしか見えなくなるくらい」

コスモス「でも人間そう簡単には死ねなくてね、時間かかっちゃうんだ。その間はずぅっとわたしだけを見て、わたしのことだけ考えてくれるの」

コスモス「あ、それに桜野女の子だし栄養失調だしで握力へなちょこだからね。輪をかけて時間かかっちゃうなぁ」

ライガ「へなちょこ? あれで? あ、いや、変身してなければそんなもんなのか……?」

コスモス「だからね、ゆーっくり死んでくの。きゅーって首が絞まって、だんだん酸素が薄くなって、頭がぽやぽやしてきて、何も考えられなくなって、目の前のものしか見えなくなって。目の前には桜野がいて、桜野もわたししか見えなくて、2人だけの世界になって、いっぱい見つめ合って、ゆっくりたっぷり時間をかけて、好きな人に見つめられながら、好きな人の手の中で……死ぬの」

ライガ「うわぁ……」ヒキッ

コスモス「それにきっとね、桜野も一生忘れられなくなると思うの。わたしの命がゆっくり消えてくのを、桜野自身の手で直接感じ取るんだよ? きっと忘れられないよね。例えば日常生活でね、何かを持ったり掴んだりする度にわたしのことが頭に浮かぶの。それでモノを取り落とすようになっちゃったりして。ふふっ、桜野がわたしの首以外掴めなくなっちゃったらどうしよっ、ふふふっ。ほらね、素敵でしょ?」

ライガ「い、いやぁ……」ドンビキッ

ライガ「つまりお前はキュアサクラに殺されたいと……」

コスモス「はぁぁぁぁぁ~……」クソデカタメイキ

ライガ「な、なにか違うか?」

コスモス「ぜんっぜんこれっぽっちもかすりもしない。確かに桜野になら殺されてもいいかなって思うよ? でも大事なのはそこじゃないの。わたしはただ、桜野といっしょがいいだけ」

ライガ「お、おう……?」

コスモス「わかんないかなぁ」

ライガ「ま、まぁ、裏切りの意思がないならそれでいいんだ」

コスモス「むしろそろそろ遊ぼっかなって思ってるのに」

ライガ「サイカ様からも、お前はある程度自由にさせておけと仰せつかっている。好きにしろ」

コスモス「あっそ」

ライガ「確認したいことも確認できた。そういうわけだから私は失礼す……」

コスモス「待っておじさん」

ライガ「なんだ……え、はい。なんですか」

コスモス「もしまた2人きりの時間覗き見したらボコボコにするから」

ライガ「え、ごめん」

ここまで
明日は多分ない
ここから純粋クレイジーコスモスを書かねばならんのです 皆様なんだコイツはってなってると思いますが私もなってるのです

本編中にうまく落とし込めるかわかんないのでここで話しちゃいますが
コスモスさんはわりと無知です無知無知です 桜野の過去等についても桜野に教えてもらったこと以外は基本的に知りません



コスモスさんがあまりにも何言ってんだこいつ過ぎるので今日はまったりバトルパート バトルパートの方がまったりしちゃうの意味わからんけどしゃーないんだ

朱(桜野ちゃんが倒れたあの日……)

朱(帰り際、あたしはみんなに『桜野ちゃんはきっと大丈夫』って言った)

朱(みんなを安心させたかった。特に透ちゃんは悩みすぎてしまうだろうから、口先だけでも大丈夫ってことにしなきゃいけなかった)

朱(週明けに学校で会った桜野ちゃんは、嘘みたいにいつも通りだった。本当に何も無かったみたいに)

朱(おかげで透ちゃんはかなり安定してる。雪菜ちゃんも気負わずいられるみたい)

朱(でも、あんなことがあって本当に大丈夫なわけがない。桜野ちゃんは何かを隠している)

朱(いったい何を……)

クリア「ブーケ!」

ブーケ「っ!」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!」

ドゴォォォンッ!

ブーケ「んっ、けふっ……!」ズザザッ

クリア「大丈夫!?」

ブーケ「えぇ!」

クリア「悩みごと?」

ブーケ「ちょっとね!」

クリア「今は集中。こいつ強いよ!」

ブーケ「分かってる!」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!」

サクラ「クリスタル!」ダッ

クリスタル「はい!」ダンッ

サクラ・クリスタル「「はぁぁぁっ!!」」ギュンッ

ヤクサイン「ヤッ!」ヒラッ

スカッ

サクラ「あ」

クリスタル「うわわっ!」

ドゴォンッ!

サクラ「んだぱっ!」ガバッ

クリスタル「いたた……あのひらひらするの厄介ですね……」

サクラ「ぺらっぺらで攻撃当たんない!」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!」

クリスタル「どうします……?」

サクラ「んー……」



安価下3まででコンマ最大
どうする?
こういう技使ってこうする等
サクラは機能制限中なので技なしで
既出技案から使う場合レス番書いてもらえると非常に助かります

>>3を面攻撃と着弾粘着方面で使う感じ

普通に攻撃してきたら掴んで引きちぎる

>>114
桜野さんの書き込みかな!?
いやあの、さすがに殺意が高すぎると言いますか……まったりバトルパートが一瞬で終わっちまいそうなので、本当に本当に本当に申し訳ないのですが次点の>>112を採用させてください。どうかご勘弁を……慈悲を……

クリア「私にまかせて!」

クリスタル「もしかして秘策が!?」

クリア「ある」フフン

クリスタル「おおー!」パチパチ

クリア「今こそ新しい技を見せる時!」

クリスタル「やっちゃってください!」

クリア「プリキュア・インクブラインド!」バサッ

ポコポコッ
タコッ
イカッ

クリスタル「え、タコ? イカ?」

クリア「墨を使った攻撃。この技には2つの効果がある」

クリスタル「2つ……?」

クリア「まずはタコさん」

クリスタル「タコ"さん"!??」

クリア「なに?」

クリスタル「めちゃかわ……いえなんでも」

クリア「続けるよ? まずタコさんは、墨で煙幕攻撃ができる」

タコ-ッ!
ボフッ!
モワモワッ

ヤクサイン「ヤクッ!?」ブォンブォンッ

クリスタル「おおー効いてます」

クリア「次にイカさん」

クリスタル「イカ"さん"!??」

クリア「さっきからなに?」

クリスタル「ちょーかわ……いえなんでも。続けてください」

クリア「イカさんの墨はドロドロネバネバで、人くらいの大きさになってユラユラ揺れる」

ユラユラ

クリスタル「ということは!」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!」バコンバコンッ

クリスタル「囮作戦ですね!」

クリア「そして……いけっ! タコさんイカさん!」バッ

タコ-ッ
イカ-ッ
ドッカァァァンッ!

ヤクサイン「ヤグゥゥゥッ!?」ドシ-ン

クリア「そのままぶつけて攻撃もできる」

クリスタル「あぁ、タコさんとイカさんが特攻を……」

クリスタル「で、でもすごい技ですね!」

クリア「一応この技にも弱点がある」

クリスタル「弱点? なんですか?」

クリア「すごく疲れる……」ヘナッ

クリスタル「あーもーこの人はあああ!」

クリア「あとはまかせた……」グデ-ン

クリスタル「昔の鋭さはいったいどこへ……!」

サクラ「ぷっ、くくくっ……!」

クリスタル「笑ってないで!」

サクラ「ごめんごめん。でも隙ができた。一気に畳み掛けるよ!」



安価下3まででコンマ最大
どうする?
こういう技使ってこうする等
サクラは機能制限中なので技なしで
クリアはへばりました

サクラがブーケとクリスタルをジャイアントスイングで投げ飛ばして勢いつけた二人のドロップキック

>>120把握
>>112の内容>>3使うこと以外無視した気がするごめんなさい

ヤクサイン「ヤ、クゥ…!」ズズッ

サクラ「それじゃあ……ブーケこっちに! クリスタルも」

クリスタル「はい……?」

ブーケ「なにするの?」タタッ

サクラ「2人同時に行けるかな……」ズルッガシッ

クリスタル「え、え?」

ブーケ「ちょ、サクラ!?」

サクラ「いっくよぉぉおおお!」グイッ

ブーケ「うぁっ!?」

サクラ「舌噛まないようにねぇぇえええ!」グイングインッ!

クリスタル「こ、これまさかっ……!?」

サクラ「いっけぇぇええええ!!!」ブオンッ

ブーケ・クリスタル「「きゃああああああああ!!!!」」ギュ-ンッ

クリア「うわぁ……へばっててよかったぁ……」グデ-ン

ブーケ「ぬっ、ぐっ……クリスタルっ!」ググッ

クリスタル「は、はいっ……!」バッ

ヤクサイン「ヤクッ!?」

ブーケ・クリスタル「「うおりゃぁぁぁああああ!!!!」」ギュインッ

ドガァァァンッ!!!!

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!?」バタ-ン

クリスタル「へぶっ……!」ドテッ

ブーケ「うぉっと……」スタッ

クリスタル「酷い目にあいました……」

ブーケ「さすがに二度とごめんね……」

サクラ「2人ともナイス! トドメいくよー!」



安価下3まででコンマ最大
トドメの必殺技
トドメまでの過程で他の技での補助とかもあり
サクラは機能制限中なので技なしで 合体技はあり
クリアもちょっとくらいは頑張ってくれると思います

サクラ「クリスタル!」

クリスタル「はい、この前のですね!」

サクラ「3人で蹴るからでっかいのお願い!」

クリスタル「3人でですか!?」

ブーケ「クリア、いけそう?」

クリア「へぅ? あ! うん、いける」

クリスタル「ふー……よし! それじゃいきますよ!」バッ

ヒュオヒュオヒュオ
ビュオオオオオッ!!!!
キィィィィンッ!!!!

クリスタル「はぁぁぁっ!!!!」バシュウウウウッ!!!!

サクラ「だっ!」ダ

ブーケ「はっ!」ダ

クリア「ふっ!」ダンッ

ヤクサイン「ヤ、ク…!」

ヒュンヒュンヒュンッ!!!

サクラ・クリア・ブーケ「「「はぁぁぁっ!!」」」ガガガッ!!!

ギュイイイインッ!!!

クリスタル「プリキュア!!!!」

サクラ・クリア・ブーケ・クリスタル「「「「蹴撃・冷波手裏剣!!!!」」」」

ズガァンッ!!!

ヤクサイン「ヤクッ、サァァァ!!!」

ズガガガガッ
ギィィィィンッ!!!
ギャリリリリリッ!!!!!

サクラ・クリア・ブーケ「「「はぁぁあああああああっ!!!!!!!」」」

クリスタル「いっけええええ!!!」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!」

バッギャァァァァァンッ!!!!!

ヤクサイン「ヤァァァァ!!!」サラサラ…

クリア「やった!」グッ

サクラ「クリスタルー! うまくいったねー!」タタタッ

クリスタル「はーい!」

ブーケ「ふー……」

ブーケ「はぁはぁ……」

朱「ちょっと疲れた……」シュパァァン

朱「ふー……ん?」

ヒラヒラッ

朱「紙きれ……?」

朱「あ、これ……ヤクサインが憑依してたやつね。ぼろぼろに……」ピラッ

朱「!」



透「んんっ……へなぅ、つかれたぁ……」ヘナッ

桜野「お疲れ透ちゃん」

透「うん、桜野も」

雪菜「今日はヤクサインだけなんでしょうか」

透「そうみたい」

桜野「この前ギッタンギッタンにしたからかな?」

透「かもね」



朱「桜野ちゃん!!!」



桜野「? はーい?」トタタッ

透「なんだろ?」

雪菜「私たちも行ってみましょ!」

ここまで
なんか今日のバトルパート楽しかったわ これから全部このパターンでいいような気がするけど全部ギャグパートになりそうな気もする 虫の息のギャグパートが生き残る唯一の道か?

朱さんの評価辛辣すぎワロタ
せっかくだからもう少しの間ポンコツは控えてもらおうと思ってます
なんなら株あげるチャンスを……

というわけで
23:30までについたレスのコンマ
ゾロ目出たら朱さんが頑張ってくれる
著しい連投でもない限り同IDでも判定対象
本編は普通に進めます

桜野「どうしたんですか?」

朱「桜野ちゃん、これ……」ピラッ

桜野「? なんです……」

桜野「…………え?」

桜野「朱さんこれどこで!?」

朱「さっきのヤクサインが……」

桜野「!!!」

桜野「そ、そんな……なんで……」

雪菜「あ、それ、ヤクサインが憑依してたやつです?」ヒョコッ

透「ペラペラだったし、やっぱり紙系?」ヒョコッ

朱「そう、なんだけど……」

透「ボロボロでよく分かんないけど、普通の紙ではなさそう?」

雪菜「なんかフィルム? みたいな……」

桜野「………………プリクラ」

雪菜「あ、言われてみれば確かに。でもよく分かりましたね」

桜野「……2人で撮ったの」

雪菜「え……?」

透「もしかして……!」

桜野「コスモスと再会した日に2人で撮ったプリクラなの!」

桜野「2人で半分こしたの……!」ガサガサッ

雪菜「じゃあこれ写ってるのって……!」

透「ほ、ほんとだ……よく見ると桜野と桜井さん……」

桜野「やっぱり……おんなじ……」ピラッ

雪菜「でもこれってどういう……?」

朱「ご両親の件、ロケットの件、それにこれ。桜井コスモスって子、いくらなんでも巻き込まれすぎてる……」

朱(普通ではありえないくらい闇との距離が近い……もしかして……)

桜野「も、もしかして、やつらに狙われてるんじゃ……!?」

透「カラミティ帝国に? でもなんで……」

桜野「分かんないよ! 分かんないけどだってこんな!」

雪菜「お、落ち着いてください……!」

桜野「と、とにかくこれは間違いなくコスモスのものでっ……!」

朱「ってことは、桜井さんは近くにいるんじゃ……」

桜野「そ、そうだよ探さなきゃ! コスモス、今どこに……!」アタフタ



コスモス「ここだよ」



朱「!」

桜野「コスモス!!!」パァッ

コスモス「桜野っ」ニコッ

桜野「よかった! 心配したん……」タタッ



シキ「近づいちゃダメなのですっ!!!」



桜野「え……?」

コスモス「んー?」

朱(シキちゃん……じゃあやっぱり……)

桜野「なに、シキ……なんで……」

シキ「その子から闇の気配を感じるです……!」

朱(やっぱりそうなんだ……! じゃあ桜野ちゃんはあの日、それに気づいて……)

桜野「え……え、え? ど、どういう、こと……?」

朱(……違う?)

コスモス「あ、妖精か。さすが。でも遅かったね。初めて会った時に気づいてれば、こうはならなかったかもしれないのに。あ、もしかしてあの時はいなかった?」クスッ

桜野「なに……なに言ってるの……コスモス……?」

シキ「桜井コスモス……君はカラミティ帝国の……」

コスモス「うん、そうだよ」

桜野「!!!」

コスモス「わたしはカラミティ帝国のー……んー……ふふっ、新入りちゃん?」

桜野「……うそ……うそだよ……そんなの……そんなの嘘に決まってる……」

コスモス「嘘じゃないよ。今、桜野たちが倒したヤクサインだってわたしが作ったんだよ?」

桜野「……やだ……そんなの信じられない……!」フルフル

コスモス「そのプリクラ、証拠にならない? 覚えてるよね? 再会した日に2人で撮った思い出のプリクラ」

桜野「覚えてるよ……! でもっ、だからっ……!」

コスモス「2人の思い出の……初めての出会いが1ページ目だとすると、再会は2ページ目? ふふっ、そんな大事な思い出で作ったの。気持ちがいっぱい伝わったらいいなって」

桜野「うそだ……そんなのっ、うそっ! そんなことあるわけっ……!」

朱(あの反応、桜野ちゃん本当に知らなかったんだ。でも、それなら一体何を隠して……)

コスモス「んー、信じてもらえないかぁ……じゃあ……」スッ

透「!」

コスモス「ひとりくらい殺してみる?」ポウッ 

桜野「っ!?」

朱「透ちゃん!」

雪菜「透さん!」

桜野「やめてっ!!!」

コスモス「……ふふっ」スッ

透「……っ!」ジリッ

うぉえまじじゃん 99出てんじゃん
いやでもさすがにノーカンでは……?
ノーカンだよね?



……コンマ合計1000超えたらありにしよっかぁ
ただし">>1以外の"な!

桜野「はぁっ、はぁっ……!」

コスモス「信じてくれた?」

桜野「……なん、で……なんでよっ……!」

コスモス「なんで、かぁ……」

コスモス「んー……初めはね、退屈しのぎになればそれでいいかなって思ってたんだ。なんの期待もしてなかった」

コスモス「でも、それもきっと運命だった。だって桜野に会えたんだもん」

桜野「わた、し……?」

コスモス「誘いを断ってたらわたし、桜野に再会できずに死んじゃってたかもしれないからね」

コスモス「桜野と再会できたのは、ほんとのほんとに偶然だったんだよ。それに迷子のわたしを助けてくれた女の子が桜野だったのも偶然。そして桜野がプリキュアだったのも偶然」

コスモス「わたしたちね、こんなにたくさんの偶然が重なって再会できたんだよ? これってやっぱり運命だよね?」

桜野「っ……!」

コスモス「桜野、今なに考えてる? わたしのこと? わたしのことだよね? わたしのことで頭いっぱいだよね? そうだよね?」

コスモス「桜野がわたしのことだけ見てくれる。わたしのことだけ必死に考えてくれる。理由なんてそれで十分。そう思わない?」

コスモス「だからわたしはここにいるの。だから……ほら、いっしょに遊ぼ?」

桜野「あそ、ぶ……?」

コスモス「傷つけあうんだよ。わたしのものって証を刻み込んだり、痛みを共有したりするの」

桜野「そんな……!」

コスモス「約束したよね、また遊ぼって」

桜野「そんな……わたしはそんな……!」

コスモス「わたしは桜野といっしょがいいの。楽しいことも苦しいこともぜんぶいっしょがいい」

コスモス「桜野のこと、もっと知りたいの」

コスモス「だから教えて。桜野の痛いの、ぜんぶ」

桜野「……っ!」

また99とな すげえな
おかげさまで朱さんが頑張ってくれることになりました ご協力感謝!

桜野「…………だ、め」

コスモス「どうして?」

桜野「……」

コスモス「どうしても?」

桜野「……」

コスモス「……ねぇ、桜野」スッ

桜野「……!」ビクッ

朱「やめっ……!」

コスモス「動くな」

朱「っ!!」ゾクッ

コスモス「わたしは今、桜野と大事な大事なだぁーいじなおはなしをしてるの」チラッ

透「……!」ゾクゾク

雪菜「……っ!」ゾワゾワ

コスモス「少しでも首突っ込んだら……その首、吹っ飛ばすから」ギロッ

朱「くっ……!」

コスモス「桜野、続き」スッ

桜野「コス、モス……!」

コスモス「わたし、見えるよ……桜野の1番おっきな傷」ギュッ

桜野「っ!」

コスモス「……」グイ

桜野「ま……って……!」

コスモス「ここ」スッ

桜野「ぁ……ぁ……!」

コスモス「あたり?」

桜野「……っ」カタカタ

コスモス「ほら桜野……力、入れて?」

桜野「っ……!」フルフル

コスモス「遠慮しないで思いっきり締めて? そしたらわたし息できなくなるよ? いっぱい苦しくなるよ? そうすれば、いっしょになれる」

桜野「い、や……!」フルフル

コスモス「できない?」

桜野「できるわけないよ! だって……だって痛いよ! 苦しいよ! そんなの……コスモスだって嫌でしょ……?」

コスモス「ううん、嫌じゃないよ。桜野がしてくれるなら嫌じゃない」

コスモス「いっぱい傷つけてほしい。ただの傷じゃない。愛情いっぱいこもった傷痕だもん」

コスモス「重さも形も無い愛情もね、痛みとか苦しみとか、ちゃんと確かめられる形で受け取れると、それだけで安心するの」

コスモス「カラダに残った痕をなぞると、愛されてるなぁって感じるの」

コスモス「だから痛いのいっぱいほしい。いっぱい苦しめてほしい。桜野の愛情でわたしをいっぱいにしてほしい」

コスモス「もしかしたら受け止めきれずに壊れちゃうかもしれない」

コスモス「でもね、それでもいいの。それがわたしの幸せだから」

コスモス「桜野、わたしのこと……幸せにして?」ニコッ

桜野「わたっ……はあっはあっ……っ……わ、たしっ……!」

桜野「ふーっ、ふーっ……っ!」フルフル

桜野「でき、ないっ……やっぱりできないよっ……!」

コスモス「……」

コスモス「なんで?」

コスモス「ねぇなんで? なんでなんでなんでなんで?」

コスモス「ちゃんと愛してるって教えてよ。教えてくれなきゃ分かんなくなっちゃうよ? 不安になっちゃうよ?」

コスモス「ねぇ桜野、わたしがこっち側だって知ってどう思った? 怒った? 悲しんだ? それとも憎んでる?」

コスモス「きっといっぱい傷つけちゃったよね? そうだよね?」

コスモス「だから今度は桜野の番だよ? わたしのことも傷つけてよ。それでおあいこ、でしょ?」

コスモス「わたしの気持ちだけ一方通行なんて嫌だよ。わたしも桜野の気持ちがほしいよ。わたしの気持ちに応えてよ」

コスモス「ねぇ」

桜野「わたっ、わたしは……!」

桜野「…………わたしはっ!」

桜野「わたし、は……!」

桜野「……!」ギュッ

桜野「……」ギュゥ

コスモス「これだけお願いしてもダメなの?」

桜野「……」

コスモス「……そっか」

コスモス「そうなんだ」ス-

コスモス「!」ピタッ

桜野「コスモス……?」

シャッ

コスモス「……無粋」

ブーケ「はぁぁぁっ!!!」

ドガァンッ!

桜野「うっ、けふっ……けほけほっ……」

ブーケ「桜野ちゃん!」バッ

桜野「うぁ……!」

コスモス「あぁ、もう……首突っ込まないでって言ったよね?」スッ

ブーケ「……っ!」キッ

桜野「やめっ……!」

コスモス「……」

コスモス「まぁいいや」

コスモス「桜野が遊んでくれないんじゃ意味ないもんね」

桜野「コスモス……」

ブーケ「ふぅ、ふぅ……!」ギュッ

コスモス「でも……うん。遊んでくれないなら、遊びたくなるようにしてあげる」

桜野「遊びたく……?」

ブーケ「なにするつもり……!」

コスモス「楽しく遊べるおもちゃ持ってくるから待ってて」

ブーケ「おもちゃ……?」

桜野「っ!」ダッ

ブーケ「桜野ちゃ……!」

コスモス「じゃね、桜野。次こそ遊ぼうね」フリフリ

シュンッ

桜野「待って!!!」

ブーケ「桜野ちゃんっ!」ガシッ

桜野「……待って、待ってよ……行かないでっ……コスモスっ!!!」

ブーケ「桜野ちゃん……!」ギュッ

ここまで
コンマご協力感謝
朱さんのおかげで桜野が無傷です(体は)

数日後 昼休み 屋上

桜野「……」

桜野「……コスモス」

桜野「はぁ……」ズ-ン

透「桜野、元気ない……」

雪菜「無理もないです」

朱「そうね」

朱(あれから桜野ちゃんはずっと元気がないままだ)

朱(幸い、あれ以来カラミティ帝国からの接触は無い。桜井コスモスも姿を見せていない)

朱(でもこのままというわけにもいかない。少しでも元気づけられればいいんだけど……)

雪菜「朱さん……」

雪菜「……」

雪菜「……よしっ」スクッ

透「雪菜?」

雪菜「皆さん! 放課後なにか用事ありますか!?」

透「? 私は特に」

朱「あたしもないけど……どうしたの突然?」

雪菜「桜野さんは!?」

桜野「……わたしも……今日はなにも……」

雪菜「じゃあみんなで遊びに行きませんか?」

朱「遊びに?」

透「こんな時なのに?」

雪菜「こんな時だからです!」

シア「そうですわね。少し気分転換した方が良さそうですわ」

シキ「シキも遊び行きたいです」

雪菜「それじゃあ決まり! 放課後、校門前に集合です。遅れちゃダメですよ?」

透「ん」

朱「わかった」

桜野「……」

雪菜「桜野さん、行きたい場所とかありますか?」

桜野「行きたい場所?」

桜野「行きたい……場所……」

桜野「……」

放課後

朱「ここ?」

桜野「……」コク

雪菜「ここが桜野さんの来たかった場所ですか……」

透「でもここ……」

シア「ただの道、ですわよね?」

透「特にお店があるわけでもない……」

朱「桜野ちゃん、どうしてここに?」

桜野「ここは……」

桜野「……」

桜野「ここは、コスモスと初めて会った場所なんです」

朱「ここが……」

桜野「3、4年前、10歳くらいのころ、前にも話した通り、この場所で迷子の女の子を見つけました。それがコスモスでした」

桜野「このあたりにうずくまって泣いていて、偶然持ってた最後の1個の飴をあげたら泣き止んでくれて」

桜野「2人でおしゃべりしたり、しりとりとかじゃんけんをしながら、迎えを待ちました」

桜野「お母さんが迎えに来た時、コスモスすごく喜んでた。ほんとに、ほんとのほんとに嬉しそうだった」

桜野「なのに……なんで……」

桜野「大切な家族を殺されているはずなのになんで……!」ギュッ

シア「今となってはそれすら本当のことか……」

桜野「……っ! そんなっ! そんなはずないですっ!!!」

透「桜野……」

桜野「だったらなんでコスモスは今ひとりぼっちなんですか!?」

雪菜「さ、桜野さん……!」

桜野「コスモスはひとりぼっちなんです……きっとその寂しさに付け込まれたんです……!」

桜野「コスモスにはまだ、わたしがロケットを持ってることを話してないんです……」チャリッ

桜野「きっとこれを見せれば分かってくれるはずです。大切なものを思い出してくれるはずなんです……!」

桜野「だからっ……!」

朱「桜野ちゃん……」

シキ「桜野」

桜野「……シキ」

シキ「シキはね、あの子はまだ助けられるって思うのです」

桜野「ほんとっ!?」

シキ「うん」

シア「なぜそう思うんですの?」

シキ「あの子の闇は、他のやつらとは何かが違うです。シアも感じたはずです」

シキ「そもそもあれだけ近くにいて、その上闇の気配を感じていながら敵と断定できなかったのは、あの不思議な感じのせいなのです」

シキ「もしかしたらそこに、あの子を救うヒントがあるかもしれない」

桜野「救うヒント……!」

シキ「そしてそれが出来るとすれば、それは桜野だけなのです」

桜野「……!」

シキ「良くも悪くもあの子の世界には桜野しかいないのです。だから、あの子を助けられるとしたら、それはきっと桜野だけ」

桜野「わたし……だけ……!」

桜野「……うん」

桜野「やっぱりわたし、コスモスのこと助けたい」

桜野「だからみんなお願い……お願いします。もう一度、コスモスと話すチャンスをくださいっ……!」ペコッ

桜野「……っ」ギュゥ

透「……桜野」

桜野「透ちゃん……」

透「私は桜野を信じてる。桜野が桜井さんを信じるなら、私も信じる」

桜野「……!」

透「桜野は私のことを助けてくれたんだもん。桜井さんのことも、きっと助けられるよ」

桜野「透ちゃん……!」

雪菜「私もお手伝いします!」

桜野「雪菜ちゃん……!」

雪菜「いざとなったら私が桜野さんのこと守りますから!」

桜野「ありがとう、雪菜ちゃん……!」

朱「……」

桜野「あ、あの……」オズッ

朱「……ふふっ、そんな不安そうな顔しないで。思わずウチまで連れ去りたくなっちゃう」

桜野「えっ」

朱「いやほんとに」

桜野「えっ」

朱「まぁ連れ去るのはあとにして」

桜野「あとで連れ去られるんですか……」

朱「あたしもできる限り協力する」

桜野「ほんとですか……!」

朱「でもひとつだけ聞かせて」

桜野「……なんですか?」

朱「ロケットの中身を見た日、なにかに気づいたんでしょ?」

桜野「……!」

朱「桜野ちゃん、一体なにを隠してるの?」

桜野「それ、は……」

桜野「……」

朱「……」

桜野「……コスモスと初めて会った日」

朱「……」

桜野「お母さんに会えたコスモスはとっても嬉しそうでした」

桜野「あの時の笑顔、今でも覚えてます。花が咲いたみたいな明るい笑顔」

桜野「その笑顔に、わたしも救われたんです」

朱「救われた……?」

桜野「はい」

桜野「あの日からコスモスは……あの子は……」

ズルッ…

桜野「あの子は……わたしの……」

ズルルッ…

桜野「……生きる意味そのものなんです」

ベチャッ…

桜野「え?」クルッ

桜野「……え?」

桜野「…………え?」

桜野「………………え?」



桜野「………………コスモス?」



コスモス「……あ゛」グチャッ

コスモス「……う゛……ぁ……」

桜野「…………コス、モス……?」

朱「なに、あれ……!」ゾワッ

桜野「……コスモス……?」

雪菜「うそっ……!」ガタガタ

桜野「コスモスっ!!!」ダッ

透「桜野待って!」

桜野「コスモス! コスモス!!!」ダキッ

コスモス「う゛ぅ……」

桜野「うそ、うそっ……こんなっ……ひどいっ……こんな怪我……!」

コスモス「はぁー……あ゛っ……」

桜野「やだ……そんなっ……め、目が……!」

コスモス「あ゛っ……ざぐっ……」

桜野「!」

コスモス「……さぐっ、の……?」

桜野「そう、そうだよ! わたしだよ桜野だよ!!」

コスモス「は、ぁ゛……あ゛……」ダキッ

桜野「うんっ、わたしっ……だよっ……!」ギュッ

コスモス「ぅ゛……あ゛……」ギュ-

桜野「ひどいっ、ひどいよっ……なんで……誰がこんなっ……!」

ガブッ

桜野「っっっ!?!??」

コスモス「う゛う゛う゛っ……!」ギギギッ

桜野「いづっ! あぁっ!? やめっ、コスモスっ……やめっ、てっ!!!」ドンッ

ブチッ

桜野「うぐっ、ぁっ……つっ……!!!」

コスモス「う゛だっ……」ドチャッ

桜野「っ! ご、ごめ、コスモ……」

コスモス「あはははははははははははははははっ!!!!!!!!!!」

桜野「!」ビクッ

コスモス「この声この匂いこの温度この味ぃ……! 桜野だぁ、ほんとのほんとに桜野だぁ!」

桜野「コス、モス……?」

コスモス「あ゛、あは、は♪ せっかく桜野に会えたんだもん。こんなかわいくないカッコ、いつまでも見せらんない……」

シキ「っ! やばいのですっ!」ゾクッ

シア「みんな離れてっ!」ゾワッ

コスモス「……ちゃあんとおめかししなきゃ」ニタッ

ブワッ!!!!!

シキ「!」

シア「これはっ……!」

雪菜「きゃっ!」

朱「なにっ、これっ……!」

透「闇、なのっ……!?」

シア「ですわ! しかしこれは……眩しいほどに輝くこの闇は……!」

透「眩しいって……!?」

シキ「……同じだ」

透「シキ……!?」

シキ「あの時と……!」ガタガタ

シキ「サイカの闇とおんなじだ!」

透「!!!」

ビュオオオオオッ!!!!!

透「どういうことっ!?」

シア「透を喚ぶより前のこと! カラミティ帝国の侵攻が始まった時に1度だけ、ワタクシたちはこの闇を感じたことがあります!」

透「じゃあこれがっ!?」

シア「間違いありません! カラミティ帝国皇帝サイカの闇と同質!」

透「じゃああの子、サイカの!?」

シア「あくまで同質というだけで根本は別物ですわ! しかし逆に言えば、あの子は独力でサイカと同じ領域まで辿り着いたということ!」

透「そんなっ……!」

シア「生身で触れ続けるのは危険かもしれません! 早く変身を!」

透「う、うん!」

シア「朱、雪菜! あなたたちも!」

朱「ええ!」

雪菜「はい!」

「「「プリキュア・カミングシーズン!!!」」」

シキ「桜野もはやくっ!」

桜野「……っ」

シキ「桜野!」

ビュオオオオオッ!!!!!

クリア「くっ……!」

ブーケ「なんて力……!」

クリスタル「うぅっ……!」

ギュオオオオオッ!!!!!

桜野「っ……」

ギュルルルルルッ!!!!!
キュインッ!!!
フワッ…

コスモス「……」

コスモス「すぅぅ……」

コスモス「はぁぁ……」

コスモス「……潰れた足も、千切れた腕も、抉れてどっかいっちゃった両眼だって」

コスモス「闇で補えば、ほら……」スッ

コスモス「桜野の顔、ちゃんと見えるよ」ニコッ

桜野「コスモス……!」

ここまで
EカップJC2(不登校)の闇堕ちエロ衣装はお前らの想像にまかせた!

コスモス「会いたかったよ、桜野」

桜野「……わたしも……会いたかった」

コスモス「ほんとに!? 嬉しいなぁ!」ニコニコ

桜野「……」

コスモス「じゃあさじゃあさ! 遊んでくれる気になった???」

桜野「……」フルフル

コスモス「……違う、の? なんで? ねぇなんで? わたしに会いたかったんでしょ? なのに違うの? じゃあなんで?」

桜野「助けるため」

コスモス「助ける? なにから? 誰を?」

桜野「闇から、あなたを」

コスモス「……?」

コスモス「……なに言ってるのかぜんぜん分かんない」

コスモス「わたし、桜野に会いに来たんだよ? 桜野に会いたくて、桜野と遊びたくて、そのために来たんだよ??」

コスモス「それなのに何? 助けるとかそんなんどうでもいいよ……それより大事なことあるでしょ……?」ズズズ

桜野「っ!」ゾクッ

コスモス「ねぇ桜野、桜野? お願い、聞いて……?」

チカッ…

コスモス「聞いて、聞いてよ……ねぇ! ねぇ!!!」

チカチカッ…!

コスモス「ほんとにわたしを想ってるなら!」

チカチカチカッ!

コスモス「わたしの気持ちに応えてよぉっ!!!」

チカチカチカチカッ!
ピカピカピカカッ!!!
ビッガアアアアアッ!!!!!

桜野「っ!??」

クリア「え……」

ブーケ「なにっ……!」

クリスタル「光っ……!?」

シキ「うそ……」

シア「この光、まさかっ……!」

桜野「うくっ……!」

コスモス「お? そうだ、そうだった……」

桜野「それっ……いったい……!」

コスモス「これ? ふっふっふー、見たい?」ガサゴソ

コスモス「言ったでしょ、おもちゃ持ってくるって。忘れちゃった?」

コスモス「いっぱい遊べると思って……持ってきちゃった」スッ

ブワッ!!!!!

桜野「うっ……!」

シキ「そ、それ、は……!」

シア「まさか……そんな……!」

クリア「シア……あれ、もしかして……!」

シア「ええ……あの輝き、間違いありませんわ! シーズンランドに伝わる秘宝! あれこそまさしく……!」

シキ「ウィッシュスター!!!」

クリア「!!!」

ブーケ「え!?」

クリスタル「あれが!?」

桜野「ウィッシュ……スター……」

コスモス「あは♪」

コスモス「びっくりした? ねぇ、びっくりしたよね? あははっ」

クリスタル「ウィッシュスター……? あれが……!?」

シア「しかもこの輝き、間違いなくエネルギーが溜まりきってますわ! おそらく今の桜井コスモスの願いで!」

ブーケ「っ!? じゃあ今のウィッシュスターには……!」

クリア「どんな願いもひとつだけ叶える力がある!」

コスモス「ふふっ、これねぇ、持ってくるの結構大変だったんだよ」

コスモス「こっそり借りてこようと思ったら見つかっちゃってさ。みんなすんごい怒って追いかけてくるの」

コスモス「おじさん2人もツナちゃんもさぁ、ほんと酷いよねぇ」

桜野「っ……」

コスモス「ねぇ桜野」ズイッ

桜野「!」ビクッ

コスモス「これが欲しいんでしょ? だったらわたしと遊んで?」

桜野「そ、れは……!」

コスモス「今エネルギーいっぱいなんでしょ? 遊んでくれなきゃ使っちゃうよ、これ」

桜野「だめっ!」

コスモス「じゃあ遊んでよ。そのために大変な思いして持ってきたんだから」

桜野「っ……!」

桜野「……っ」

桜野「やっぱりだめ……っ!」

コスモス「……どうして?」

桜野「わたしはあなたを助けるためにここにいるの!」

コスモス「………………そう、これでもダメなんだ……」クルッ

桜野「コスモス……?」

コスモス「これはね、正直あんまりやりたくなかったんだけど……」スッ

桜野「何する……つもり……?」

コスモス「遊んでくれないならしょうがないよね?」ポウッ

桜野「っ!」

クリア「まずいっ!」ダッ

桜野「だめっ……!」

コスモス「あは♪」バシュッ

シュイイイイイッ!
ドッガァァァァァンッ!!!!!
モクモクモク…

桜野「……う、そ…………」カタカタ

コスモス「あはははっ! 今ので何人死んだかな? 100人かな? 1000人かな?」

クリア「くっ……!」ギリッ

桜野「そんな……うそ……」カタカタ

コスモス「さーくのっ!」グルッ

桜野「っ!」ビクッ

コスモス「わたしを殺せば、今死んだ人たちみーんな生き返るんでしょ? そうなんだよね?」

桜野「はぁっはぁっ……!」

コスモス「桜野はプリキュアだもんね? やらなきゃいけないことあるよね?? これでわたしと遊んでくれるよね???」

桜野「ぅ……はっ、はっ……!」

桜野「ふーっ……ぅぅぅ……!」

コスモス「あははっ、悩んでる? 迷ってる? かわいいなぁ桜野は」

コスモス「でも早く決めなきゃ……」スッ

コスモス「人間いなくなっちゃうかも?」ポウッ

クリア「っ!」ギュインッ

ガッ!

コスモス「お?」バシュッ

ヒュルルルッ
ドッパァァァンッ!

コスモス「うぉぉ……きたねえ花火だ」

クリア「はぁはぁ……!」ジリッ

コスモス「でも邪魔されるのはご機嫌ななめかも」スッ

クリア「っ……!」

コスモス「ばいばい弓知夏ちゃん」ポウッ

クリスタル「クリア!」バッ

ブーケ「うぁぁああっ!!!」ガッ

コスモス「おお?」ガクンッ

キュインッ…
ドガァァァンッ!

コスモス「あらら、あさっての方向に……」

クリスタル「クリア、大丈夫ですか!」

クリア「う、うん……!」

ブーケ「……っ」キッ

コスモス「邪魔しないでよ。わたしが遊びたいのは桜野なの。あなたたちじゃない」

クリア「これ以上……あなたの好きには……!」

コスモス「……バカな子」スッ

あ、ウィッシュスターの願いまだ生きてます
コスモスにとってなんでも願いを叶えられる状況は、桜野がこっち向いてくれる材料なのでそう簡単に手放しません
大量殺戮ボンバーは本人のパワー

ズガガガッ
ドゴォォォンッ!

コスモス「邪魔」バシュッ

クリア「くっ……!」ダッ

ドガァァァンッ!

クリア「うぐっ! ぅぅ……!」フラッ



桜野「っ……」



コスモス「……」スッ

クリア「くぅっ……!」ガクッ

クリスタル「はぁぁぁっ!!!」シャッ

コスモス「鬱陶しいってば」サッ

クリスタル「!?」

コスモス「ばいばい」キュオッ

クリスタル「!!!」

ドガガガッ!
バゴォンッ!

クリスタル「が、ふっ……!」ドサッ

雪菜「うっ……!」シュパァァンッ



桜野「やめてっ……」



ブーケ「クリスタル!」

コスモス「あなたも」ストッ

ブーケ「!?」ブンッ

コスモス「ばいばいだよ」バシッ

キュオオッ!

ブーケ「く、ぁっ……!」

ドパァァァンッ!

ブーケ「ぅ……」ドシャッ

朱「ぁ……っ……」シュパァァンッ



桜野「コスモスっ……!」



クリア「はぁはぁ……!」フラフラ

コスモス「立ってるのがやっとだろうに、まだ向かってくるんだ」

雪菜「うくっ……!」

朱「ぅ……」

クリア「っ……!」ギリッ

コスモス「そんなに死にたいなら……」スッ



桜野「コスモスっ!!!」



コスモス「なぁに!」クルッ

桜野「……!」バッ

コスモス「んー?」

桜野「はぁはぁ……!」

コスモス「んー……あ、それ……!」

桜野「このロケット! 覚えてるでしょ!?」

コスモス「覚えてるも何も! 桜野が持ってたんだ、わたしのロケット!」

桜野「ここに写ってるコスモスも! ご両親も! みんな幸せそうに笑ってる!」

コスモス「うん!」

桜野「ここにはあなたとあなたの家族の大切な思い出が詰まってる!」

コスモス「うん、だからね……」

桜野「これは!」

コスモス「初めてヤクサイン作るときに使ったんだぁ」

桜野「…………え?」

コスモス「そんなに驚くことじゃないよ。プリクラとおんなじ。思い出ぱわー☆」

桜野「は、はじ、めてって……そんな、じゃああの時……あの時のヤクサイン……」

コスモス「あの時って……え、もしかしていたの!? すごいすごい! やっぱり運命感じちゃうなぁ!」

桜野「で、でも……でも、なんで……! だってこれ……コスモスの家族……両親……ヤクサインに殺されたって……!」

コスモス「あぁそれ、嘘なんだ」

桜野「……!!!」

桜野「……う……う、そ? うそ?」

コスモス「ごめんね、桜野の気を引きたかっただけなの。許してね」

桜野「そん、な……うそ……って……じゃあ、生きて……?」

コスモス「違う違う。嘘なのは、ヤクサインにーってとこ。ちゃんと死んでるよ」

桜野「っ……!」ゾクッ

コスモス「いや死んでるっていうか……」

桜野「…………ぃ、ゃ」ゾワゾワッ

コスモス「あのね、お父さんとお母さんはね……」



桜野「………………………………ぁ」



コスモス「わたしが殺したの」ニコッ

コスモス「わたしね、昔から恵まれてたんだ」

コスモス「優しいお父さんとお母さんがいた。家族仲がすっごく良かった」

コスモス「いっぱい愛情注いでもらった。愛されて育った自信がある」

コスモス「すごい裕福ってわけじゃなかったけど、不便するほど貧乏でもなかった」

コスモス「欲しいものがあったら買ってもらえた。あんまり高いものは買ってもらえなかった」

コスモス「いいことをしたら褒められた。悪いことをしたら叱られた」

コスモス「当たり前の幸せがあった。わたしはずっと、誰よりも幸せだった」

コスモス「ほんとのほんとに幸せで、幸せで幸せで幸せでそれで……」

コスモス「からっぽだったんだぁ」

桜野「か、からっぽ……?」

コスモス「幸せなだけの人生なんて虚しいと思わない?」

コスモス「からっぽで薄っぺらくて、幸せだけがそこにある。そんなのきっと偽物だよね」

コスモス「痛みも苦しみも、小さな痕すら残らない愛情なんて、そんなのきっと偽物だよね」

コスモス「だから壊したの」

桜野「なに……それ……!」

コスモス「そしたら桜野に会えた。わたしはついに本物を見つけた!」

桜野「ほんもの……?」

コスモス「うん、本物」

コスモス「からっぽの偽物じゃない。本物の幸せをくれる。本物の愛情をくれる」

コスモス「桜野だけが、わたしの本物」ニコッ

桜野「……!」

コスモス「だからね、そのためならわたし、なんだってしちゃうんだぁ」クルッ

クリア「うっ……くっ……!」フラフラ

コスモス「ごめんね弓知夏ちゃん。死ーんでっ?」キュオオッ

クリア「うぅっ……!」ググッ



シキ「このままじゃみんなが……!」

桜野「……」

シキ「桜野、どうしようっ……!」

桜野「……」

シキ「桜野……!」

桜野「…………」

シキ「ねぇ……! 桜野っ……!!」

桜野「……………………」

シキ「桜野ってばぁ……!!」ギリッ

桜野「………………………………」

シキ「桜野っ!!!」

サクラ「っ!!!」ギンッ!!!

サクラ「だっ!!!」バギュンッ!

コスモス「へ?」

ドゴォッ!!!!!

コスモス「ぉ、ぐっ……!?!??」

メキメキミシミシ…

コスモス「あ゛……」

サクラ「っっっらぁぁあああっ!!!!!」バゴォンッ!!!

ヒュンッ!
ズガガガガッ!!!
ドガァァァァァンッ!!!!!

コスモス「うっ……かふっ!」

コスモス「げほっ、ごほっ……う゛あ゛っ……!」

コスモス「はぁはぁ……うぐっ……!」ゴロンッ

コスモス「うっ、ぐぁぅ……くっ……!」グググッ

コスモス「は、ぁ……ぇう……!」ヨロヨロ

コスモス「さ、さく……」

サクラ「…………コスモス」ユラッ

コスモス「!」ゾクッ

サクラ「……遊ぼっか」ギロッ

コスモス「うんっ♪」ニコッ

ここまで

余談! 「コスモスさんとツナミさん」

>>202でコスモスさんがツナミさんのことを「ツナちゃん」と呼んでいますが、これは幹部組が男2女1なこともあり女同士割と仲良いのでは?というところから来てます

実はそれ以外にも、>>149でコスモスが自分を「新入りちゃん」と呼びますが、これもツナミさんにそう呼ばれたから(ツナミさんは他にも成り損ないちゃん、小動物ちゃんなどちゃん付け使いがち)

細かいところだと、ツナミさん初登場時から「お?」というセリフを気に入って、ちょっとした口癖感覚で使ってもらってました 他のキャラには被らないようにできる限り使わせてないのですが、コスモスさんだけは使ってもらってます これは口癖移ってたら可愛くね?みたいな発想だったりします



さらに余談ですが
コスモスさんの、カサイさんの呼び方を「まるまるまっちょくん」とする案がありました ボツりました

ライガさんたちは敵の本拠地的なとこで暮らしてますね多分

仮に桜野が修学旅行に行くなら
基本誰とでもそれなりに仲が良く、かといって真っ先に班を組むほど仲の良い友だちはいなさそうので、人数足りない班に入るでしょうね
透ちゃんがいる現在だとペア確定なのでそうはいかないかもしれませんが

クリア「はぁはぁ……」

透「うっ……!」シュパァァンッ

透「変身が……」

シア「透、よく頑張りましたわ。少し休んで」

透「……うん」

雪菜「透さん……シアさん……!」フラフラ

朱「みんな……大丈夫……?」ヨロヨロ

透「朱! 雪菜!」

シア「2人とも大丈夫ですの!?」

雪菜「え、へへ……一応……」

朱「なんとかね……」

雪菜「桜野さんは……?」

透「桜野は今……」

ボゴォォォンッ!

雪菜「!」

ヒュンッ

サクラ「っ……!」ザンッ

朱「あ! さくっ……!」

サクラ「離れてて!」ダンッ

ビュオッ!

雪菜「わぷっ……!」

朱「桜野ちゃんっ!!!」

シュガガガガッ!
ドカンッ! ズガンッ!
ガガガッ!!!

コスモス「やったやったやっと!」

サクラ「はぁぁぁっ!!!」

コスモス「応えてくれたぁ!」ズオッ

ドガッッッ!!!

サクラ「うぅぅっ……!!!」ビリビリ

コスモス「んんんぅ!!!」ビリビリ

ドパァァァンッ!

コスモス「うだっぷ!」ドシャッ

サクラ「うぐっ……!」トガッ

サクラ「くっ……!」ガガガッ

サクラ「うぁぁっ!」ググッ

ダンッ

コスモス「お?」

サクラ「はっ!」ギュオッ

コスモス「ふふっ」ポウッ

サクラ「っ! だぁぁぁっ!!!」

ドッバァァァンッ!!!

サクラ「んっ……げほげほっ……はぁはぁ……!」シュウウウ…

コスモス「けぽっ……けほけほっ……あは♪」プスプス

サクラ「ふー……!」ギリッ

ドガガガガッ!

サクラ「はぁぁぁっ!!!」ガガッ

コスモス「おぶっ! へぐっ……!」

サクラ「たぁっ!」

バヂィンッ!!!

コスモス「あだっ!」ドテッ

サクラ「ふーっ! ふーっ!」ザザッ

シキ「さ、桜野……」

サクラ「ううぅっ……!」グググッ

シキ「少し落ち着い……」

サクラ「……」

ガシッ

シキ「へ?」

ググッ

シキ「待っ……ちょ、ちょちょちょっと待つです! ほんとに待っ……!」

ブンッ!

シキ「ひぃぃぃぃにゃぁぁぁあああああ!!!!!」ヒュ-ン

透「ん……?」

シキ「うぅぅぅけとめてぇぇぇえええええ!!!!!」

透「え」



安価下1
① よける
② ぶつかる
③ 受け止める

透「!」サッ

シキ「へ?」ヒュンッ

ズゴォンッ!

シキ「う、な……」ピクッピクッ

透「あ、ごめんつい……」

シキ「ひ、ひどい……ひどいのです……いくらなんでもあんまりなのです……」シクシク

透「ご、ごめん……」

シキ「はっ! 桜野は!?」ガバッ



コスモス「桜野ぉ! もっとぉ!!!」

サクラ「ふーっ……うくっ……!」ボロッ



朱「桜野ちゃん……あんなボロボロに……」

雪菜「攻撃、ぜんぶ受けてます……!」

透「でもどうして? 桜野なら躱したり受け流したりできるはずなのに……」

朱「これ以上、街に被害が出ないためかも……」

雪菜「そんな……!」

シキ「それもあるです。でも……」

透「でも?」

シキ「桜野は、あの子のすべてを受け止めるつもりなんだと思う……」

朱「そんな……!」

雪菜「無茶ですよ!」

透「危険すぎる……私も……!」

シア「もう変身する力も残っていないでしょう!? 行ってはいけませんわ!!!」

透「止めないで!」

シア「死にますわよ!」

透「っ!!」

シア「例え変身できたとしても……はっきり言って、あなたたちの力ではもう……」

朱「……っ」ギュッ

雪菜「あぅ……」

透「桜野……」

ガガガッ!
ドゴォッ!!!
ズザザザッ!

サクラ「ぷっ……」グイッ

コスモス「桜野ぉ!!!」キュオオオッ

サクラ「っ!」

コスモス「あーげるっ!」バシュシュシュゥッ!

サクラ「くぅぅ……!」グッ

ズダダダダダダッ!!!

サクラ「う、ぐ……!」ボロッ

コスモス「わぁぁ、全身傷だらけ! ぜんぶわたしが上書きしちゃう! 桜野のカラダ、わたしの愛で埋まってく! 素敵っ、素敵ぃ!!!」バシュシュシュッ!!!

ドガガガガンッ!!!!!

サクラ「くっ……! あぐっ!」ガクッ

コスモス「ほらほら桜野も! わたしのことも満たしてよぉ!!!」

サクラ「ふーっ……!」ググッ

ダンッ

コスモス「お?」

ドヒュンッ!

サクラ「だっ!!!」シャッ

コスモス「ほぁ……?」

ドガァッ!!!

コスモス「うぶっ!?」

サクラ「うぁぁあっ!!」ガガガッ

コスモス「あぐっ、だばっ! んがっ、ぁ……!」

サクラ「はっ!!!」ドゴォッ!!!

コスモス「うだっ! あぼっ……!」ゴッゴッ

コスモス「へぶぶぶぶぅ……!」ズシャァ

コスモス「あへ、あひひっ……いたぁい……♪」ニマァ

シキ「……」

透「桜野……」

シキ「…………やっと分かったのです」

透「なにが……?」

シキ「あの子にあれだけ近づいていながら、闇の気配に気づいていながら、シキもシアもあの子を敵だと判断できなかった理由」

雪菜「そういえば……」

シキ「あれだけの闇、普通なら気づかないはずないのです。それすら眩むほどの強い光でもない限り」

朱「強い……光……?」

シキ「深み闇と、それに匹敵するくらい強い光。両方持ってるから、すぐには気づけなかった」

透「まさか……!」

シキ「あの子……プリキュアの素質を持ってる」

透「!」

朱「!」

雪菜「!」

シア「それも、桜野に勝るとも劣らないほど大きく強い力ですわね」

透「そんな……あの子が……プリキュアの素質を……?」

シキ「持ってた、って言う方が正しいかもしれないのです」

透「じゃあ……」

シキ「今はもう、闇以外なにも感じない」

コスモス「うひっ、ひひひっ……ねぇ桜野ぉ!!!」ポポポポッ

サクラ「うっ……!」ゾワッ

コスモス「てやっ!」バシュシュシュッ!

サクラ「うぐっ、くっ……!」ガガガガッ

コスモス「空飛びたくない?」シャッ

サクラ「っ……!?」

コスモス「ふっとべー!」キュオオッ

サクラ「うぐっ……!」

ドバァァァンッ!

サクラ「あ、ぐっ……!」ビュオオ

コスモス「ふふっ、気持ちいっぱい込めないと……」ググッ

コスモス「インパクトハート……」シュビッ

フッ

サクラ「!!」

コスモス「♪」ニコッ

コスモス「フラップ!」タタンッ

サクラ「ぁ……」

コスモス「ショック!!!」バッ

ドックン

サクラ「ごふっ!!?」ブシュッ

サクラ「……ぅ……あ゛……」ヒュンッ

ドガァンッ!!!
モクモクモク…

サクラ「がっ……! がふっ、げふっ……!」

コスモス「へははっ……血ぃ♪」ペロッ

コスモスさんにも技ほしくなって急遽作ったやつ「インパクトハート・フラップショック」
相手の胸元を手の甲でリズム良く叩いたあと、今度は両手を広げてかざすことで発動する。内臓破裂系。相手は死ぬ。えぐい。

モクモク…

サクラ「うっ……ぁ……」ググッガクッ

サクラ「ぜぇぜぇ……」

サクラ「ふぅぅぅ……」

コスモス「あれー? 桜野ー? もうおしまいー?」

サクラ「……」

コスモス「もっといっぱいしようよー!」

サクラ「……」グッ

コスモス「さく……」

ユラッ

コスモス「!」ゾクッ

コスモス「ふへへ、へへへっへへっ……」ニマニマ

コスモス「そうこなくっちゃ!」ポウッ

ポシュンッ

コスモス「お?」

コスモス「あ、あれ?」ポシュポシュ

ドヒュンッ

コスモス「!」

サクラ「はぁぁぁっ!!!」ズオオッ!

コスモス「っ! うあっ、んぐっ……!!」ガガガッ

サクラ「だぁっ!!!」ギュオッ

コスモス「桜野ぉ!」ググッ

カクンッ

コスモス「へぉ? へぶっ!??」

サクラ「ふっ!」ガッ

コスモス「うだ……」クラッ

サクラ「らぁっ!!!」

ドゴンッ!!!

コスモス「おごっ……!!」

サクラ「ぅぅぅうあ……!!!」グイッ

コスモス「うにゅ……?」グラッ

サクラ「だぁぁぁぁぁらぁぁぁあああああっっっ!!!!!」ギュオオオッ!!!!!

コスモス「………………へは♪」

ドパァンッ!!!!!

コスモス「……ぅ……あ゛あ゛……」

コスモス「………………」フラッ

コスモス「」ドシャッ

サクラ「……はぁっ、はぁっ」ジンジン

コスモス「へぅっ……あ゛っ……」

サクラ「……っ」ギュウウ…

コスモス「さ、くの……」ググッ

コスモス「うぁっ」ドシャッ

コスモス「あれ……へへっ、あ、れぇ……?」ピクピク

サクラ「……」テクテク

コスモス「は、はは……ごめっ……桜野……」

サクラ「……」

コスモス「からだ……うごかないや……」

サクラ「……」

ノシッ

コスモス「……?」

サクラ「……」

コスモス「さく……あぎゅっ!?!??」ビクンッ

サクラ「っ……!」ギギギギッ

コスモス「あ゛……がっ、かひゅっ……ひゅっひゅぅ……!」ジタバタッ

サクラ「はぁっ!! はぁっ!!」ギュウウウッ

コスモス「あ゛、はぁ♪ ぐれるんだ、あがっ……ざ、ぐの……の、ぜんぶっ……!」ゾクゾクゾクッ

サクラ「ふーっ!!! ふーっ!!!」ギリギリッ

コスモス「ぐるじっ……よっ……ごれっ……ほんど、死んじゃあ゛……♪」ビクッビクッ

サクラ「うっ、うぅぅぅぅ……!!!」ググググッ

コスモス「がっ、あ゛っ……かひっ、え゛ぅ……!」ビクビク

『これはもう偶然を通り越して運命だよ!』

『えぇー、もうちょっと付き合ってよー』

『もうちょっとだけ一緒にいたいよ……』

サクラ「っ……!!!」ギギギギッ

コスモス「……い゛っ……ぎゅぅ……!!」ビクビクッ

『それにもしまた迷子になっても、きっと岸波ちゃんが見つけてくれる! くれる?』

『死んじゃった』

『桜野はわたしのものだー♪』

サクラ「……っっ…………っ!!」ギュウウウッ

コスモス「かひゅっ……ひゅーっ……ひゅーっ……!」ビクッビクッ

『……また、寂しくなっちゃったかも』

『わたし、何かダメだった……?』

『ほら恋人つなぎー♪』

サクラ「……っ……っ!」ギギギッ

コスモス「っえ゛……ぅぇあ゛……あ゛……!」ビクンッビクンッ

『次会うときは2人きりね?』

『じゃあわたしたち、いっしょだね』

『カップルごっこかと思ったらプロポーズだったぁ……』

サクラ「…………っ」ギギギギッ

コスモス「がひゅっ、あ゛は……へ、へっ……あはぁ……♪」ショワアアア

『わたしのこと……幸せにして?』

『わたしが殺したの』

『からっぽだったんだぁ』

サクラ「………………」グググッ

コスモス「……っか……ひっ、しゃ……ざぐっ……!」

『桜野だけが、わたしの本物』

サクラ「………………ぁぁ」

サクラ「………………ぁぁあ」ギュッ

コスモス「ざ、あ゛……さくっ……の……っ!」

サクラ「………………ぁぁあああ!」ギリッ

『桜野ー!』

『桜野っ』

『桜野?』

『桜野ぉ……』

『桜野!』

『桜野っ!!』

コスモス「さくの」ニコッ

サクラ「うあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!!」



コスモス「だぁい好き♡」


 








ぼきっ






 

ここまで

通学路

透「……」トボトボ

透「はぁ……」

透「……」トボトボ

雪菜「透さーん!」

透「!」

朱「透ちゃんおはよー!」

透「朱! 雪菜!」タタッ

雪菜「おはようございます」

透「おはよ、2人とも」

朱「うん」

透「……」

朱「……」

雪菜「……」

透「ねぇ……」

朱「……」

雪菜「……」

透「あれから桜野となにか話した?」

雪菜「……」フルフル

朱「あたしも……」

透「そっか……」

雪菜「……」

朱「……」

雪菜「が、学校、行きましょっか……!」

朱「そうね……」

透「うん……」

透(あの日……)

透(桜野は、桜井さんを……)

透(ううん……桜野は、世界を救った)

透(桜井さんの体は、小さな闇の粒子になって消えた。跡形もなく。骨の髄まで闇に染った証明だった)

透(その後すぐリセットが起きて、桜井さんが起こした破壊はすべて無かったことになった)

透(今日も世界は平和。学校だってある。覚えているのは私たちだけ。私たち以外は誰も、何も知らない)

透「……」ギュッ

透(ううん、きっと私も)

透(私の手には何の感覚もない。桜井さんの想いの残滓にすら触れることのなかったこの手には)

透(知っているのは桜野だけだ)

透(本当はみんなで背負わなきゃいけなかった。大きな傷だからこそ、みんなで分かち合わなきゃいけなかった)

透(なのに、桜野ひとりに背負わせてしまった)

雪菜「桜野さん……きっとすごく傷ついてますよね……」

透「うん……」

朱「1番辛いのは桜野ちゃんだもんね。みんなで支えなきゃね」

透「朱……」

雪菜「そうですね。楽しいことだけじゃなくて、辛いことも分け合わなきゃ。仲間なんですから」

透「雪菜も……」

朱「こんな時だからこそ、あたしたちがくよくよしちゃダメ」

雪菜「そうです。今、桜野さんを支えられるのは私たちだけなんですから」

透「うんっ……!」

教室

雪菜「桜野さん、来てますかね……」

透「いつもならこの時間に来てるはず……」

朱「さっき決めた通り、桜野ちゃんがどんな状態でも、あたしたちはできる限りいつも通りね」

雪菜「で、できる気がしないんですけど……」

朱「正直あたしも……で、でもそこは気合いよ!」

雪菜「お、おー……!」

透「開けるよ……!」

ガララッ

透「……!」

桜野「……」ボ-

透「桜野っ!」

桜野「うひっ!?」ビクッ

桜野「ってなんだ透ちゃんかぁ……」

桜野「今日はいつになく早いねぇ。2番乗りだよ。珍しい」

朱「桜野ちゃん!」

雪菜「桜野さん!」

桜野「あれ? 朱さんに雪菜ちゃんも。どうしたの? 教室間違えちゃった?」

朱「どうしたのじゃないでしょ! 大丈夫なの!?」

桜野「え、なにがです……?」

雪菜「なにが、って……まさか忘れちゃったなんてこと……!」

桜野「コスモスのこと?」

透「!」

桜野「もちろん覚えてるよ。忘れるわけない」

桜野「ちゃんと、ぜんぶ、覚えてる……」スリスリ

桜野「なにもかも、ぜんぶ……」ギュッ

透「桜野……」

桜野「でも大丈夫だから、心配しないで!」ニコッ

朱「だ、大丈夫って! あれだけのことがあったのに!?」

雪菜「私たち、桜野さんがすごく傷ついてるんじゃないかって心配してたんですよ!?」

桜野「うん。そりゃ傷ついてはいるよ。悩みもした。でもそれでどうなるわけじゃない」

桜野「だからね、前に進むことにした。もうコスモスみたいな子を出さないためにも」

透「本当に大丈夫……?」

桜野「ほんとのほんとに大丈夫。心配かけちゃってごめんね?」ニヘッ

透「……!」

透「っっっ……!」ウルッ

透「よがっ……たぁ……!」ポロポロ

桜野「もー、なんで透ちゃんが泣くのー?」ナデナデ

透「だっでっ、元気無いと思っててっ……ちゃんと元気づけてあげれるかなってっ……不安でっ……っ!」

桜野「いっぱい心配かけさせちゃったね。ごめんね」ナデナデ

透「ひぅ、ううっ……!」コクコク

桜野「はやく泣き止まないとクラスの子に見られちゃうよー?」ナデナデ

透「や、らぁっ……!」

朱「……」

雪菜「……」

桜野「あ、そうだ。そんなことより……」

朱「そんなこと……?」

桜野「うおっほん。皆さん、本日のお昼休みにプリキュア緊急会議を招集します」

雪菜「緊急会議?」

桜野「そうです。とっても大事なおはなしがあります。必ず参加するように」

透「大事なおはなし?」

桜野「ここではできません。誰かに聞かれているやもしれませんので。お昼休みね」

透「ん、わかった」

桜野「朱さんと雪菜ちゃんも大丈夫ですか?」

朱「ええ……」

雪菜「はい」

桜野「ではそういうわけで。そろそろ他の子も登校してくる頃合なので、いったん解散です」

朱「……そうね。またお昼に」

雪菜「失礼します」ペコリ

透「またね」フリフリ

朱「……」テクテク

雪菜「……」トテトテ

朱「……」

雪菜「朱さん……」

朱「……桜野ちゃんのことね」

雪菜「はい……朱さんはどう思いました……?」

朱「正直分からない」

朱「あれだけのことがあって、そう簡単に乗り越えられるなんて思えないの」

朱「でも同時に、桜野ちゃんならもしかしたらって気持ちもある」

雪菜「私もおんなじです……」

朱「……桜野ちゃんが倒れた理由も、ちゃんと理解できたわけじゃないのよね」

雪菜「そういえば……桜井コスモスさんを、生きる意味そのものだって言ってましたよね」

朱「あれってどういうことなのかしら……」

雪菜「仲が良かったからってだけじゃなさそうでしたよね」

朱「仲良くなったのは再会してからのはずだしね。桜野ちゃんは、迷子の桜井さんを助けた日からって言ってた」

雪菜「んんぅ、なんだか難しいです」

朱「ちょっと様子見ね。桜野ちゃんに何かおかしいことがあれば、その時はみんなで支えましょ?」

雪菜「はい」

透「そうだ、桜野」

桜野「なにー?」

透「あのね、私ね……」

桜野「うん」

透「あの……」

桜野「言いにくいんだったら無理には……」

透「う、ううん! あの、私ね……桜井さんの家に行ってみようと思う」

桜野「……どうして?」

透「桜井さんが、その……あの…………み、みんな元に戻ったから、だから桜井さんのご両親も生き返ってるんじゃないかって……思って……」

桜野「そっか……うん、ちょっと待ってね。えーっと……」カキカキ

透「え、う、うん……?」

桜野「はいこれ」ペラッ

透「なにこれ?」

桜野「住所。コスモスの家の」

透「あ、ありがと……ん? 桜野は?」

桜野「わたしは行かない」

透「なんで……?」

桜野「……意味ないから」

透「……?」

今日はここまでだもうダメだ
コスモス退場は登場時点でほぼほぼ確定してたけど いざ退場してみたら普通にショック ちゃんと落ち込んでる なぜ死んだコスモス……

次回はおそらくみんなの予想通りウィッシュスターのおはなしします

シアが毎日スピリットピースをお吸い物にして食べてたあの頃みたいなテンションは果たして甦るのか

>>279
毎日は食べてないからね!? いや一回も食べてないからね!?

とはいえギャグパに関しては、桜野が思いのほか元気(少なくとも表面上は)なので緩めのならいける気がする 需要あればだけど
どんなにメンブレしても月光に冴える一輪の花さんには遠く及ばないだろうし

でも海はねぇ……
桜野が色気ゼロの全身隠れる水着着て
透ちゃんが胸囲の格差社会に絶望し
朱さんが持ち前のプロポーションを遺憾なく発揮し
ゆきにゃが何故かなに着てもちょっとエロくなる
うん、ギャグ回だな それも朱さん大暴走で大勝利のギャグ回だな そこまではできないかもな

海は難しいかもしれませんが、みんなでどこか遊び行くのはやりたいですね

昼休み 屋上

桜野「それでは! プリキュア緊急会議を始めます!」

シキ「初めてなのです!」

朱「それで大事なおはなしって……」

透「朱、発言する時は挙手」

朱「え、ごめんなさい」

桜野「よくわかっていらっしゃる」

透「ふふん」

雪菜「はい」

桜野「はい雪菜ちゃん!」

雪菜「大事なおはなしってなんですか?」

桜野「よくぞ聞いてくれました!」

朱「い、一応あたしが先に聞いたのに……」

透「挙手しないから」

シア「まぁ話の内容は大方予想がつきますけれど……」

桜野「勿体つけてもしょうがないのでさっそく……」ガサゴソ

パァァァッ!

雪菜「あ、これっ……!」

朱「そっか、回収してたのね……!」

透「ウィッシュスター……!」

桜野「今日はこれの処遇を決めます」

透「願いの力はまだ残ってるんだよね?」

シア「間違いありませんわね。どんな願いでもひとつだけ叶えられますわ」

朱「カラミティ帝国もそれは分かってるはず。すぐにでも取り返しに来るわよね」

桜野「だから今すぐ取り扱いを決める必要があるんです。まず願いを叶えるかどうか。そして叶えるならどんな願いを叶えるか」

雪菜「奪われる可能性があるなら、願いを使っちゃった方が安全なんじゃ……」

朱「それは賛成。でもそうなると、何に使うかが重要よね」

桜野「簡単な願いで使うだけ使っちゃうって方法もあるけど、それは……」

透「ウィッシュスターがここにあるのは、シーズンランドのみんなが必死に戦ったから。その想いを大事にしたい」

桜野「だよね」

透「わがまま言ってごめん」

桜野「わがままなんかじゃないよ」

雪菜「でもそれならシーズンランドを復興させればいいんじゃ……」

透「それはダメ」

シキ「なのです!」

雪菜「え、な、なんで……?」

シア「今はまだダメと言った方がいいですわね」

雪菜「今は?」

シア「願いの叶え方によっては、ウィッシュスターもシーズンランドに戻ります。そうなればまたカラミティ帝国に狙われることになりますわ」

雪菜「あ……」

シア「カラミティ帝国が存在する以上、シーズンランドは滅亡の危機と隣り合わせです。なので復興は、やつらを倒した後でなくては」

シキ「それにそれに! カラミティ帝国を倒せば、その時のリセットでほとんど元通りになるはずなのです!」

透「良くも悪くも、闇が直接影響した部分は大きい。特に妖精たちは、カラミティ帝国を倒しさえすればみんな戻ってくると思う」

シア「そして皆が戻ってきさえすれば、建物や国はなんとでもなりますわ」

雪菜「な、なるほど……」

雪菜「となると……」

透「うん、やっぱり……」

桜野「……この力でカラミティ帝国を、サイカを消す?」

朱「……」

透「……そうなるよね」

雪菜「で、できるんでしょうかそんなこと……」

シキ「どんな願いでも叶えられるはずなのです。きっとできるのです」

桜野「サイカが消えればシーズンランドも元に戻る。闇も晴れる」

透「地球だけじゃない。すべての世界を救うのに、一番の近道だと思う」

雪菜「それが最善、なんですかね……」

朱「待って」

透「朱……?」

朱「標は?」

透「!」

朱「今まであたしたちがリセットの影響を免れたのって、プリキュアの力で敵を倒してきたからでしょ?」

朱「いろんなものを傷つけて、いろんな痛みが残ってる。それが標になったから、何も忘れず戦い続けることができた」

朱「でもウィッシュスターの力で闇を消したら標が残らない。それってあたしたちもリセットの対象になるってことなんじゃ……」

雪菜「じゃ、じゃあ私たち……忘れちゃうってことですか……?」

シア「可能性はありますわね……」

桜野「でも全部は消えないんじゃないですか? 今までの標は残ってますし……」

シア「サイカほどの強大な闇では、そもそもリセットの規模が未知数ですわ。もしかしたらあなたたちがプリキュアであることすらリセットされてしまうかも……」

桜野「そんな……」

雪菜「プリキュアのことまでって……じゃあみんなのことも忘れちゃうんですか……?」

雪菜「せっかく友達になれたことも? 楽しかったこともぜんぶ?」

雪菜「もうこうして屋上でおしゃべりできないんですか……? 学校ですれ違っても知らない人みたいに通り過ぎるんですか……?」

雪菜「そんなの……そんなの嫌です……」

桜野「雪菜ちゃん……」

朱「……」

雪菜「……」

透「……」

桜野「みんな……」

桜野「………………」

桜野「……それでも、戦いを終わらせる最短ルートなのは間違いない」

透「……!」

雪菜「桜野さん……! 忘れちゃってもいいんですかっ……!?」

桜野「よくないよ、全然よくない……でもそれで戦いが終わるなら……」

朱「桜野ちゃん……」

桜野「きっとまた友だちになれるよ……記憶が消えても、また必ず会える……」

雪菜「っ……」

桜野「それにほら、同じ学校に通ってるんだし案外すぐ会えるかも。だから……」

透「私は……?」

桜野「え?」

透「私かこの学校に転校してきたのは、カラミティ帝国と戦うため……!」

桜野「あ……」

透「もし仮にぜんぶ無かったことになったらっ……! 私がここにいる理由もっ!」

シア「透、落ち着いて。今ここにいる人間が消えるようなリセットは起こらないはずですわ! そういう部分は世界が無理やり辻褄を合わせます。なんらかの理由でここにいられます。だから……」

透「でもサイカのリセットは未知数なんでしょ!? 絶対だって言えるのっ!?」

シア「そ、それは……」

透「桜野、桜野っ……!」ギュッ

桜野「と、透ちゃ……!」

透「私いやだよっ……もうなにも失いたくないよっ……!」

透「せっかくみんなと会えたのに……友だちになれたのに……無かったことになんてしたくないっ……!!」

透「桜野と離れ離れになんてなりたくないっ……桜野がいない人生なんてっ、私にはもう考えられないっ……!!!」

桜野「透ちゃん……」

雪菜「うぅ……!」

朱「桜野ちゃん……どうする……?」

桜野「……」



23:00まで多数決
① サイカを消す(BadEnd√)
② いったん願いを保留する

ご協力感謝
BadEnd確定って書いといた方が気になって選ぶ人いるかな?って思ったけどそうでもないか

桜野「……願いは保留にしましょう」

透「!!! ほんとっ!?」

雪菜「そ、ですか……そうですか……!」ホッ

朱「うん、あたしも賛成。よく考えたら、全部リセットされた場合、シキちゃんとシアさんとの出会いも無くなっちゃうもんね」

シキ「た、たしかにそうなのです……ぜんぶリセットされた状態でみんなとまた会うのはとっても難しそうなのです……」

透「桜野っ、さくのぉ……!」ギュ-

桜野「ごめんね、不安にさせちゃったね……」ナデナデ

透「よかっだっ……はなればなれにならなぐでっ……!」ギュウウウッ

桜野「ずっとそばにいるって約束だもんね」ナデナデ

透「う゛んっ……!」

桜野「……」ナデナデ

シキ「……そうと決まればもうひとつ、大事なことを決めなきゃいけないのです」

桜野「そうだね」

雪菜「?」

桜野「決めなきゃいけないのは……これからウィッシュスターを誰が持つか」

雪菜「せ、責任重大ですね……」

朱「持ってる人が一番危険よね」

桜野「誰が持っててもわたしが守るけど……」

シキ「それでもやっぱり危険なのです」

シア「慎重に決めなくてはいけませんわ」

桜野「んー、誰が適任かな……?」



安価
これからウィッシュスターを誰が持つか
先に2票入った人
① 桜野
② 透
③ 朱
④ 雪菜

シキ「シキは! 桜野がいいと思うのです!」

桜野「わたし? んー、いや。透ちゃんがいいんじゃないかな?」

透「私……?」

雪菜「私も賛成です! 透さんなら安心です!」

朱「うん、あたしも」

桜野「シアさんにも見てもらえるしね」

シア「任せてください」

シキ「あぅ……」

透「で、でも私……」

桜野「大丈夫。わたしが守るから」

透「…………ほ、本当に私でいいの?」

桜野「ウィッシュスターには、シーズンランドのみんなの想いも詰まってるでしょ? だから透ちゃんに持っててほしいの」

シキ「桜野……」

透「みんなの……」

桜野「ここにいるみんなの想いもね」

雪菜「ん、ん!」コクコク

朱「うん」ニコッ

シア「そうですわよ」

透「で、でもシキは桜野がいいって思うんでしょ? 私も桜野の方が……」

シキ「……んん、透にだったら任せられるのです」

透「私……自信ないよ……」

シキ「透ならだいじょぶなのです。シキからもお願い、それは大事に持っておいて。そしていつか、透が本当に守りたいもののために」

透「シキ……」

透「………………」

透「………………わかった」

透「ウィッシュスター、私が必ず守り抜く。カラミティ帝国には指一本触れさせない」

透「そして世界が平和になったら……その時はみんなで、どんな願いを叶えるか相談しよう!」

桜野「うんっ!」

シキ「桜野……シキはね……」

「ほら透、いい加減桜野にひっつくのはおやめなさい」

「……やだ」

「透!」

シキ「本当は、シキはどうしても、ウィッシュスターを桜野に持っててほしかった」

「わ、わたしは大丈夫ですから……」

「……ずびっ」

「で、でも鼻水は拭いた方がいいんじゃないでしょうか……」

「あたしティッシュ持ってるわよ。ほら透ちゃん、ちーんして」

「じ、自分でできる……」

シキ「もしかしたらこんなこと思っちゃいけないのかもしれないけど、シキは世界よりも桜野が救われたらいいなって思うのです」

「わたしがやったげよっか?」

「こら桜野、あんまり甘やかさないでくださいまし!」

「いいじゃないですかこれくらいー」

「いけませんわ。ただでさえ最近は桜野桜野とそればかりなんですから」

「ばかりじゃないし……」

シキ「本当は今すぐにでもウィッシュスターの力を桜野のために使いたい。でもそれじゃ桜野は納得してくれないと思うから」

「もしかして、おうちとかでもです?」

「それはもう」

「聞き捨てならないわね。シアさんシアさん、あたしのことも話してたりしない?」

「桜野の話が一番多いですが、朱と雪菜の話もたくさんしますわよ」

「ちょっ……!?」

シキ「いつかウィッシュスターの力を使う時が来たら、その時は桜野の願いが叶ったらいいなって思うのです」

「この子ったら本当にみんなのことが大好きで……」

「ほぅ……その話詳しく」

「私も! 私も聞きたいです!」

「シア! 余計なこと言わない!」

シキ「だから……」

桜野「シキー!」

シキ「!」

桜野「シキもおいでよー!」

シキ「……うんっ!」パタパタ

ここまで
以上で第2部「まいごのおんなのこ」終了です

BadEnd√なんですが多分2,3レスくらいで終われるんじゃないかなって感じなので、次回は小休止がてらBadEnd√やってその次から第3部入る感じにしようかなと

お疲れ様でした

透「ウィッシュスターなんだけどね」
透「実は昨日のお夕飯に食べちゃったんだ」
透「シアが」
透「お吸い物に浮かべてすすってたの」
透「気づいた時にはもう遅かったの。ごめんなさい」
ってバッドエンド√も実はあるんだな?

朱さんの家庭事情に関しては完全に書くタイミングを見失いました 後で気づいたけど1部の最後で朱さん家行った時が最初で最後のチャンスだったっぽい 描写できないけどあったけえ家庭なんです……

ともかく本日は予告通り>>289から派生のBadEnd√です 多分すごく短いです

でも朱さん可愛い子見るとすぐ誘拐しようとするくらいメンタルに異常が!

>>289で①を選択

桜野「……サイカを消そう」

透「えっ……」

雪菜「あ、ぅ……」

朱「……」

シア「……それが世界を救う最も確実な方法ですわね」

桜野「……はい」

透「さくっ、さくのっ!! やだっ、だめだよっ! だって忘れちゃうかもしれないんだよっ!? ぜんぶ無かったことになっちゃうかもしれないんだよっ!? ほんとにそれでっ……!」

桜野「わたしが全部覚えてるよ」ニコッ

透「!」

雪菜「!」

朱「桜野ちゃん……」

透「む、むりだよっ……! そんなことできるわけないっ!!!」

桜野「ううん、忘れない」

透「でもっ……!」

桜野「みんなが忘れても、わたしが全部覚えてる。それで、必ずみんなを迎えに行くよ」

桜野「絶対みんな見つけるよ。それでまた、初めましてからやり直そう?」

桜野「わたしは絶対忘れない。約束する。だから怖がらなくていいんだよ?」

透「で、も……」

桜野「わたしが約束破ったことあった?」

透「……っ」フルフル

桜野「透ちゃん……」ギュッ

透「さく、のぉ……!」ギュッ

桜野「わたしを信じて」

透「っ……ひっく、ぐすっ……!」

透「っ……」

透「………………ん」コクッ

>>310
信じられないかもしれないけどそれ正常なんだ!

桜野「それじゃあみんな……」

朱「うん……」

雪菜「はい……」

シキ「うん……」

シア「ええ……」

透「……ん」

桜野「いくよっ……!」

「「「「「「カラミティ帝国を消してください」」」」」」

チカチカチカッ
ブワアアアアアッ!!!!!

雪菜「この光っ……!」

朱「始まったのね……!」

桜野「……みんな……今までありがとう」

透「桜野……!」

桜野「さよならじゃないよ。これはもう一度会うための約束……」

朱「うん、約束……!」

雪菜「絶対ですからね……!」

桜野「みんな……」

透「っ……!」



「またね」


 

─────
───




『──。─────』

『───次のニュースです』

『今日午後3時ごろ、○○市内の森林で作業中だった管理団体の職員が、若い女性のものと見られる遺体を発見しました』

『遺体には複数の外傷があり何者かに殺害された可能性が高いとみて、警察では死因の特定や身元の確認が進められています』

『また先月○日から、近くに住む中学生の岸波桜野さん(14)が行方不明となっており、遺体との関連を───』

以上BadEnd√でした

実は選択肢出てないだけでバッドエンド分岐する場所はかなり多いです というかどこからでも分岐できる
最序盤だと桜野がシキと出会わなかったらバッドエンドだし、透ちゃんがスピリットピース奪わなかったらバッドエンドです

朱さんはロリコンだなんだと散々言われてますが暴走さえしなければみんなが憧れるハイスペックな女の子のはずなんです……! お勉強だって器用にこなしているはずなんです……!
ゆきにゃは読書家で真面目なのでお勉強は得意そうです
桜野は中の中だと思います
なんなら一番ヤバイのは行方不明になってみたり精神ぶっ壊れてみたりしてる透ちゃんでわ……?



ともあれ第3部開始です
本作の主人公最強なんで実質なろうです

月曜日 朝

透「」テクテク

ガララッ

クラスメイト「そんでさぁ……あ、弓知夏さんおはよー」

クラスメイト「はよー」

透「ん、おはよ」

クラスメイト「弓知夏さん今日はちょっと寂しくなるねぇ」

透「え、なんで?」

クラスメイト「あれ知らない? だって今日……」チラッ

透「え……」ズルッドサッ

クラスメイト「ああ、カバン落っこっちゃって……」

透「ぇ、ぁ……」カタカタ

クラスメイト「弓知夏さん?」

透「っ!」タタッ

クラスメイト「えちょ!? 弓知夏さんっ!?」

3年教室前

クラスメイト「ねぇねぇ朱」

朱「なに?」

クラスメイト「撮影する時のポーズって自分で決められたりすんの?」

朱「んー、ポーズ指示されることもあるけど、結構自由かも」

クラスメイト「じゃあさじゃあさ! こういうのもあり!?」シュバッ

朱「なにそれ?」

クラスメイト「空我!」

朱「……??」



透「朱ーっ!」タタタタッ



朱「!」

クラスメイト「ん? んー? あの子……2年生? 知り合い?」

朱「う、うん……」

クラスメイト「もしかしてついに彼女!? 最近は女の子にもモテるもんねー」

朱「それはまだなんだけど……」

クラスメイト「まだ?」

透「朱っ!!」ガシッ

朱「と、透ちゃん? そんなに慌てていったい……!」

透「あっ、はぁっはぁっ……あかっ、朱! たいへんなのっ!」グイグイ

朱「お、落ち着いて……何があったの……!?」

透「桜野がっ! 桜野がぁ!!!」

昼休み 屋上

雪菜「お休み、ですか」

朱「そうなの。風邪ひいちゃったみたいで」

雪菜「なるほどそれで……」

透「うっ……ひぐっ……!」ギュウウウッ

雪菜「こんなことに……」

朱「そうなのよねぇ」ナデナデ

雪菜「すっごい抱きつかれてますね……」

朱「そうなのよねぇ」ナデナデ

雪菜「苦しくないです?」

朱「むしろご褒美よ」キリッ

雪菜「はあ……」ジトッ

透「さくのぉ……!」

朱「だ、大丈夫だから、ね? 風邪で休むことくらい誰だってあるから……」

透「ううう……!」

シア「朱の言う通りですわ。大丈夫ですからそろそろ泣き止んで?」

透「だってっ……桜野休んだこと一回もっ……!」

シア「もう……2人からも言ってあげてくださいまし。この子ったら落ち込んじゃって、お昼もろくに食べてないんですのよ」

朱「それはよくないわね。透ちゃん、ごはんはちゃんと食べなきゃダメよ?」

雪菜「そうですよ。ちゃんと食べなきゃ元気がなくなっちゃいます。せっかく桜野さんが元気になっても、今度は透さんがお休みになっちゃいますよ」

透「ひくっ……だってぇ……」

シア「透、2人の言う通り、食事はしっかりとらなくてはいけませんわよ?」

透「うぅ……ひく……」

透「ごはんたべたら桜野にあえる……?」ウルッ

朱「」キュンッ

雪菜「」キュンッ

朱「う、うん! 会えるわよ! だからごはん食べよ?」

雪菜「ちゃんと食べて、元気な顔で桜野さんに会いましょうね!」

透「……ん、わかぁた」

雪菜「……」

朱「……」

雪菜「な、なんといいますか……」

朱「不謹慎なのはわかってるんだけど……」

透「うゅ……」ギュッ

朱・雪菜「「かわいい……」」

金曜日 昼休み 屋上

朱「結局……」

透「ひくっ……ひっく……」ギュウウウッ

朱「今週は一度も来なかったわね、桜野ちゃん」

雪菜「はい……」ナデナデ

朱「そして今日は雪菜ちゃんに抱きつくのね」

雪菜「はい……」ナデナデ

朱「今日はあたしが担当の日じゃない?」

雪菜「はい?」

朱「月曜日のあたしから始まり、雪菜ちゃんあたし雪菜ちゃんときて、今日はあたし」

雪菜「はあ……」

朱「だから代わってあげ……」

雪菜「結構です」キッパリ

朱「雪菜ちゃんからこんなにも明確な拒否を受け取る日が来るなんて……!」

透「さくの……なんでぇ……」

朱「桜野ちゃん、やっぱり風邪?」

雪菜「はい。担任の先生からは風邪をこじらせてしまったって聞いたみたいです」

朱「そっか……」

雪菜「本当に風邪なんでしょうか……もしかしたら桜井さんのことでまだ……」

朱「どちらにせよ、これだけ長引くとさすがに心配ね」

雪菜「カラミティ帝国からの攻撃がないのは幸いですけど……」

朱「それもおかしいのよね。ウィッシュスターがこちらにあるのは分かっているはずだし、すぐにでも仕掛けてくると思ったけど……」

雪菜「なにか攻撃できない事情でもあるんでしょうか。それとも準備中とか?」

朱「現状迎撃しかできないのが不安ね……」

雪菜「でも向こうの目的は分かってますし、そこを対策できれば」

朱「そうね。透ちゃん、ウィッシュスターは……あ」

雪菜「? どうしたんで……あ」

透「すぅすぅ……」スヤスヤ

雪菜「寝ちゃってます」

朱「かわいいっ……! 寝顔がっ……すっごくっ……か゛わ゛い゛い゛っ……!!!」

雪菜「いきなりフルスロットルにならないでください……」

透「んぅ……」スヤスヤ

朱「よく眠ってるわねぇ」ニマニマ

雪菜「泣き疲れちゃったんでしょうか」

シア「無理もありませんわ」

雪菜「シアさん……」

シア「ここ最近、きちんとした睡眠がとれなくなってしまってますの。食事もままなりませんし……」

雪菜「そうだったんですか……」

シア「これでは昔に逆戻り……いいえ、もしかしたらもっと悪いかもしれませんわね」

シア「以前に比べれば元気になったように見えますけれど、心の傷が完治したわけではないんですのよね」

シア「これまでは桜野に寄りかかることでなんとか立っていましたが、その支えが無くなった途端にこれですわ」

朱「そりゃあ簡単に乗り越えられるものじゃないわよね……」プニプニ

シア「しかしこのままではいけませんわ。これからの戦いだけでなく、その先の人生にまで影響が出てしまう」

雪菜「でも今すぐってわけにはいきませんよね……桜野さんがお休みで不安なのは私も同じですし……」

シア「ええ……」

透「んにゅ………………さく……の……」スヤスヤ

朱「あ、さっき聞きそびれちゃったんだけどウィッシュスターは?」プニプニ

シア「ちゃんとここにありますわ」

雪菜「おかしなところとかないです?」

シア「ええ、願いの力も残ったままです」

朱「となると……桜野ちゃんがカラミティ帝国に何かされた可能性は?」プニプニ

シア「無いとは言いきれませんが可能性は低いと思います。ここ何日かは、やつらの気配を感じませんの」

朱「そうですか……」プニプニ

シア「ところで朱」

朱「なんですか?」プニプニ

シア「いつまでほっぺたつついてますの?」

朱「だっでっ!!!」

雪菜「やっぱり風邪なんですかね……」

朱「んー」

透「すぅすぅ……」

朱「ん」

雪菜「朱さん?」

朱「……透ちゃん、透ちゃん」ユサユサ

透「うっ……」

朱「ごめんね透ちゃん、ちょっと起きて? 相談したいことがあるの」

透「うー……?」

雪菜「なんですか相談って?」

朱「放課後、桜野ちゃんのお見舞いに行こっか」

透「う……? おみまい……おみまい? しゃくの、の……」

透「!」ガバッ

透「おみまいっ! さくのにあえるっ!?」

朱「うん、会えるよ」

透「ほんとっ!?」ダキッ

雪菜「あ」

朱「おわっとと……!」ギュッ

透「やったあ……!」ギュ-

朱「やっっっっったぁっっっ……!」ギュウウウッ

雪菜「あの……」ジト-

朱「そうと決まれば放課後ね」

透「うんっ!」

雪菜「はい」

朱「透ちゃん、桜野ちゃんのお家の場所教えてね」

透「え?」

朱「え?」

雪菜「え?」

朱「まさか……」

透「私……桜野の家……知らないっ……!」

雪菜「えぇぇぇええ!? 毎日一緒に帰ってるものだと!」

透「わ、私も一緒に帰りたいよ……何度も誘ってるし……」

透「でもね、桜野いつも誰かに頼まれ事したとか用事があるとかで帰り遅くて……」

透「私も手伝うとか、終わるまで待ってるって言うんだけど、結局いつも……遠慮、されちゃって……」

透「あ、あれ……もしかして私……桜野に迷惑がられてる……?」ポロッ

雪菜「っ! そそそ! そんなことないですよっ! 桜野さんに限ってそんなこと絶対ありえませんっ!!!」

朱「そ、そうよ! 桜野ちゃんが遠慮してるのも透ちゃんのためを思ってのことよ! 決して迷惑がったりしてないわっ!!!」

透「ほんとぉ……?」ウルウル

雪菜「本当です絶対です! 私が保証します! 私だけで足りなかったら朱さんとシアさんも保証してくれます!!!」

朱「なんだったら今日聞きに行きましょう! 絶対大丈夫だから! ね!!?」

透「でもおうちの場所わかんないよ……?」

朱・雪菜「「あ」」

雪菜「先生って生徒の住所教えてくれるんでしょうか……?」

朱「個人情報だものね……ダメもとで聞いてみましょうか……」



安価下3まで
コンマ合計100以上で教えてもらえた

雪菜「かなり渋ってましたけど、なんとか教えてもらえましたね!」

朱「透ちゃんにあそこまで必死に頼み込まれて無下にできる人類なんて存在しないわ」

透「お、大げさ……」

雪菜「でもよかったです。久しぶりに桜野さんに会えます」

朱「そうね」

透「久しぶり……前の金曜日からだから……1週間ぶりの桜野……」

透「やっと桜野に……桜野……あ、さく、の……さ……」

透「ほぁぁぁ……」

雪菜「え、透さん? 急にどうしたんです!?」

朱「これはッ! ファントムほぁぁ!!!」

雪菜「知っているんですか朱さん!?」

朱「説明しよう! ファントムほぁぁとは、ほぁぁ依存患者が極限状態に陥った時に見る幻によって引き起こされる現象である! ほぁぁ欠乏症末期に見る幻によりほぁぁすることでほぁぁを摂取したと脳が錯覚し一時的にトリップ状態へとおちいりゅ! 噛んだ! しかしこの幻はその場しのぎに過ぎず、すぐに危険な状態へと移行するため速やかに本物のほぁぁを摂取する必要がある!」

雪菜「詳しい解説ありがとうございます! さすが朱さん!」

朱「あたしも今考えたにしては上出来だと思う!」

雪菜「なんにしても早く桜野さんに会わせてあげなきゃってことですよね!」

朱「その通り! よって放課後は速やかに校門前に集合し桜野ちゃん家に向かうわよ!」

雪菜「はい!」

透「ふぁい……」

ここまで!

放課後

朱「みんな準備いい?」

雪菜「はい!」

透「ん!」

朱「それじゃさっそく桜野ちゃん家へ……と言いたいところだけど」

透「?」

朱「せっかくだし差し入れ買いに行きましょうか」

透「!」

雪菜「あ、いいですね。スポーツドリンクとかゼリーとか買いましょう!」

朱「透ちゃんもいい?」

透「あの、寄り道するなら私も行きたいところが……」

雪菜「行きたいところ?」

透「ここなんだけど……」ピラッ

朱「住所? これどこの?」

透「……桜井コスモスの家」

朱「!」

雪菜「!」

透「桜野に教えてもらったの」

朱「そう、だったの……」

雪菜「でもなんで……」

透「桜井さんが消えてリセットが起きた。だから桜井さんのご両親も生き返ってるんじゃないかって思って」

雪菜「なるほど……」

透「確認して桜野に教えてあげたいの。どうかな?」

朱「そうね……」



安価下3まで多数決
① 行ってみる
② 行かない

朱「行ってみましょうか。あたしも気になるし」

透「うん」

朱「この住所だと……先に桜井さんの家に行った方がよさそうね」

雪菜「それからお買い物して桜野さんのおうちですね」

透「わかった」

朱「じゃあしゅっぱーつ」

雪菜「ぱーつ」

透「ぱつ」

コスモス宅

透「ここが桜井さんの……」

雪菜「い、いますかね……?」

朱「どうだろ……留守の可能性もあるけど……」

透「インターホン押してみる」

雪菜「は、はい」

ピンポ-ン

透「……」ドキドキ

朱「……」ドキドキ

雪菜「……」ドキドキ

シ-ン

雪菜「は、反応ないですね……」

朱「やっぱり留守なのかしら……」

透「も、もう一回……」スッ



男性「君たち」



雪菜「ひっ!」ビクッ

男性「あぁごめんね。びっくりさせてしまって」

雪菜「い、いえ……」ドキドキ

朱「あ、もしかして桜井さんの……」

男性「ん? あぁ、僕は隣に住んでるんだ」

朱「隣……そうですか……お隣さん……」

男性「見たところ、君たちは桜井さんの娘さんのお友だちかな?」

朱「友だち……まあ……はい……」

男性「行方不明になってからもう随分経つ。早く見つかるといいね」

雪菜「行方不明……?」

透「その話詳しく聞かせてください!」

透「……」トボトボ

朱「……」トボトボ

雪菜「……」トボトボ

朱「結局ご両親いなかったわね……」

雪菜「一家丸ごと行方不明ってことになってましたね……」

朱「しかもその時期が透ちゃんが転校してくる直前……」

雪菜「あの頃のうわさが本当になった形ですね……」

朱「でもなんでリセットされなかったのかしら……?」

雪菜「他の出来事はみんなリセットされてるんですけどね……」

透「……闇の影響が無かったから」

朱「え……」

透「リセットされなかったってことはつまり、桜井さんがご両親を殺したのは闇に堕ちる前だったってこと……」

雪菜「そんな……!」

透「桜野わかってたんだ……意味ないからってこういうことだったんだ……!」

朱「……どうする? 桜野ちゃんに話す?」

透「……いつかは。でも今は……」

朱「そうね……」

雪菜「と、とにかく今はお買い物行きましょう? 桜野さんのとこ行かなきゃなんですから……」

スーパー

朱「えーっと……」テクテク

朱「スポーツドリンクはおっけー。あとはゼリーね」

朱「2人が選んでくれてるはずなんだけど……」テクテク

朱「あ、いた。おー……ん?」



透「ぶどう!」

雪菜「ももです!」

朱「なにやってるの……」

透「あ、聞いてよ朱! 雪菜がゼリーといえばももだって言うの! 普通ぶどうでしょ!?」

雪菜「いいえももです! 風邪といえばもも! ゼリーといえばもも! 果物といえばももです! 女子は全員もも好きです!」

透「ぶーどーうー!」

雪菜「もーもー!」

朱「ほほえまぁ……」ニコニコ

雪菜「朱さん!」

透「朱!」

朱「ごめんごめん。でもケンカすることないわよ」

朱「だってゼリーといえば……」ガサッ

朱「みかんでしょ?」ニコッ

透「……」

雪菜「……」

朱「……」

「「「じゃんけんっ……!」」」



安価
下1コンマ 透ぶどう
下2コンマ 朱みかん
下3コンマ 雪菜もも
いちばん大きいやつ買う
最大値と最小値の差が20以下ならなんやかんやでぜんぶ買う

シア「……」

朱「ふんふ~ん♪」

透「むぅ……」ムスッ

雪菜「も~も~……」ショボ…

シア「フルーツミックスにすれば……」

「「「邪道っ!!!」」」

シア「も、申し訳ありません……」

朱「さて、桜野ちゃん家があるのはこの辺のはずよね?」

雪菜「はい。もう少し先を右に……」

透「もうちょっとで桜野に会えるっ!」ワクワク

桜野宅

朱「んー……ここ?」

雪菜「はい! ここが……」

透「桜野のおうちっ!」キラキラ

シア「少し落ち着きなさい。桜野は体調崩してるんですのよ?」

透「わかってる」スッ

シア「インターホン連打もダメですわよ」

透「わ、わかってる」

雪菜「出てもらえますかね」

朱「この時間だと、まだおうちの人いないかもしれないわね」

シア「シキが入れてくれるかもしれませんわよ」

透「押すよ……」



女性「うちに何かご用ですか?」



雪菜「っ!?」ビクッ

透「なんかデジャヴ……」

朱「あ、もしかして桜野ちゃ……桜野さんのおうちの方ですか?」

女性「? そうですけど……あ、桜野のお友だち?」

透「はいっ!」

朱「桜野さんが風邪だと聞いて……」

女性「お見舞いに来てくれたの?」

朱「はい」

女性「そう。ありがとうね」ニコッ

女性「でも今あの子、風邪こじらせちゃっててね。うつすといけないから、上がってもらうわけにもいかないの」

朱「あ……そうですか……」

透「そ、そこをなんとかお願いできませんか……!」

女性「ごめんね。来週には学校行けると思うから……」

透「……!」

透「……っ」ギュッ

透「お願い……します……!」ペコッ

朱「と、透ちゃん……!」

女性「……」

透「私今日……桜野に会いたくて来ました……!」

女性「……」

透「少しでいいんです……顔を一目見るだけでいいんです……それで大人しく帰りますから……!」

女性「……」

透「だから……お願いします……!」

女性「……」

朱「透ちゃん、迷惑よ……頭を上げて……」

透「っ……!」

女性「……あなた、名前は?」

透「……と、透です。弓知夏透……」

女性「桜野と仲がいいのね」

透「桜野が……仲良くしてくれて……」

女性「そう……」スッ

透「……?」

女性「そういうことなら……」ガチャッ

透「!」

キィィ…

女性「上がってく?」

透「いいの……?」

女性「ええ」ニコッ

透「じゃ、じゃあ……」チラッ

朱「そうね、お言葉に甘えて……」

グイッ

透「っ!!」

朱「っ!!」

女性「どうしたの?」

朱「あ、え、えぇっと……」

透「私たち……その……」

女性「……?」

朱「や、やっぱり失礼しますっ! 風邪うつるといけないしっ!」

女性「でも……」

透「あのっ、桜野には来週学校でって伝えてくださいっ!」

女性「なんで急に……」

朱「あこっ、これ差し入れです! 飲み物とゼリー入ってます! 桜野ちゃんによろしくお伝えください!」

女性「……」ガサッ

透「それじゃあ!」

朱「失礼しますっ!」

タタタッ

女性「……」

女性「」クルッ

キィィ…
バタン

タタタタッ

透「はぁっはぁっ!」タタタッ

朱「はっはっ!」タッタッ

透「なんなのっ……一体なんだっていうのっ……!」

透「なんで止めたのっ……!」

透「雪菜っ!!!」

雪菜「っ……!」タタタッ

公園

雪菜「はぁっ……はぁっ……!」

透「ふー……ふー……!」

朱「はぁはぁ……雪菜ちゃん……なんで……?」

雪菜「わかん……ない……」

透「なにそれ……わかんないってどういう……!」

雪菜「わかんないものはわかんないですよっ!!!」

透「っ……!」

雪菜「うっ……うぅ……!」カタカタ

朱「雪菜ちゃん……」

雪菜「私……怖いものいっぱいあります……」

雪菜「プリキュアになってからもっとたくさん増えました……しかもそれは、きっと本当に恐ろしいものばかりです……」

雪菜「でもっ……それでもっ……!」

雪菜「今までの人生で……いちばん怖かったっ……!!」カタカタ

朱「怖かったってさっきの……桜野ちゃんのお母さん?」

雪菜「たぶんっ……」カタカタ

透「……シア、やつらの気配は?」

シア「全くありません。少なくともカラミティ帝国絡みではありませんわね」

透「そう……」

朱「雪菜ちゃん前に言ってたわよね、桜野ちゃんが何かを怖がってるって」

透「桜野が……?」

朱「もしかしてそれって……」

雪菜「わかんないです……なんにも……!」フルフル

朱「……ごめん」

透「……」

雪菜「っ……っ……!」カタカタ

朱「ここで考えてても埒が明かないわね。いったん今日は帰りましょう」

雪菜「っ……」コクッ

朱「桜野ちゃんのお母さんの言葉を信じるならだけど、来週には学校に来るはず。今はそれを待ちましょう?」

雪菜「はいっ……」

朱「透ちゃんもそれでいい?」

透「うん……」

朱「雪菜ちゃん、家まで送るわ」

透「私も行く」

雪菜「すみません……すみませんっ……!」

ここまで
ゆきにゃは本当にいい仕事してくれる

今日はおやすみ
風邪から復帰した桜野に会った時の朱さんの反応がわからんため
こういうとこでへんにこだわるから安価出せんのかもなぁ

桜野には普段通り接して気になることはシキに問い詰めるとか

>>386
そこはめっちゃそうなんだけど悩んでるのはそこじゃないというかもっと短いスパンというか桜野が視界に入った瞬間というか
びっくりするのかほっとするのか、声は震えるのか震えないのか、走るのか歩くのか、笑うのか泣くのか、一瞬でも不安を忘れるのか忘れないのか、桜野がそこにいるという事実だけ認識するのか桜野そのものを見ようとするのか……
ここまで書いてれば嫌でもキャラは出来上がってるはず、だったら言動に選択肢はないはず、考えればわかるはずなんです……

うんやっぱりこだわり過ぎだな もっとテキトーでいいのかもしれん

じゃあいつものロリコンムーブ発揮してギュースリスリクンカクンカペロペロとか?

>>388
もうそれでいいか

月曜日 朝 校門前

朱「さすがに早く着きすぎちゃったかな」

朱(結局、あの日は桜野ちゃんに会えなかった)

朱(雪菜ちゃんを家に送ったあと、解散の前にみんなでひとつ約束をした)

朱(場所がわかっているからといって、1人で桜野ちゃん家に行かないこと)

朱(いちばん不安な透ちゃんも、シアさんが見てくれている。雪菜ちゃんは、霰ちゃんがそばにいてくれるから大丈夫)

朱「来てるかな……」テクテク

朱(桜野ちゃんは先週丸々学校を休んだ。風邪ということになってるけど、本当に風邪だったのだろうか)

朱(雪菜ちゃんは桜野ちゃんのお母さんに怯えていた。それとなにか関係あるのだろうか)

朱(桜野ちゃんはロケットの中身を見たときに倒れた。それとなにか関係あるのだろうか)

朱(分からないことばかり増えていく。桜野ちゃんがときおり見せる危うさが、不安や心配になって募っていく)

朱(今日こそ学校に来るだろうか。顔を見れば少しは安心できるだろうか)

朱(いつも通りなら、もう登校しているはず)

朱(もし来ているなら、ここから教室の窓際で花の世話をしている桜野ちゃんの姿が……)

フワッ

朱「!」

朱「っ……!」タタッ

朱「はぁっはぁっ!」タタタッ

朱(ついこの間も、こんなことがあった)

朱(桜井さんの件のすぐ後、桜野ちゃんが心配でみんなで教室に押しかけた)

朱(あの時の桜野ちゃんは怖いくらいにいつも通りで、本当になんともないのか痩せ我慢なのか、あたしには判断つかなかった)

朱(ただあの時のことを思い返すたび、なにか大事なものを見落としてるんじゃないかって気分になる)

朱(今度こそ、それを見つけられるかもしれない)

ガララッ!

朱「さくっ……!」

朱「!」



桜野「……」



朱(桜野ちゃんがいた)

朱(窓際で静かに植木鉢を見つめるその背中に、得体の知れない大きな影を見つけた気がした)

朱(いつだってのん気でおめでたい顔して笑う、あたしたちの太陽)

朱(そこに見つけた影を、絶対に見失っちゃいけないって思った)

朱「っ……!」

朱(声をかけるかで迷った)

朱(声をかけなきゃ、どこか遠くへ行ってしまう気がした)

朱(声をかけたら、ずっと深くへ隠れてしまう気がした)

桜野「」ピクッ

朱(でも迷ってるうちに影は薄くなって……)

桜野「……あ、朱さん」クルッ

朱(そして……)

桜野「おはようございます」ニコッ

朱(太陽が咲った)

こうなりました

桜野「朱さん?」

朱「あ……桜野……ちゃ……」

桜野「はい。おはようございます」

朱「桜野、ちゃん……桜野ちゃん……だい、じょぶ……? なの……?」

桜野「はい。ご心配おかけしました。でももう大丈夫です! 元気いっぱいですよ!」

朱「か、風邪って……」

桜野「あはは、お恥ずかしい限りです。体調管理はちゃんとしなきゃダメですね」

朱「ほんとに……」

桜野「はい。これで完全復活。いつも通りです!」

朱「いつも……どおり……」

桜野「はいっ!」ニコッ

朱「……っ」

朱「……」

朱「……そう……そっかぁ」ニヘッ

朱「……」

朱(いつも通り……)

朱「……桜野ちゃん」

桜野「はい」

朱「みんな本当に心配したのよ?」

桜野「ご、ごめんなさい……へへ……」

朱「……」

朱(もう影は見えない)

朱(本当にいつも通り。いつもの、困り眉の申し訳なさそうな笑顔までかわいい桜野ちゃん)

朱(残念だけど、見失ってしまった)

朱「……」

桜野「あ、朱さん? なんでそんなにじーっと見つめ……は! も、もしかして誘拐の計画を……!」

朱「実行のタイミングを見計らってるのよ」

桜野「計画は出来上がってるんですか!?」

朱「ふふふっ、冗談よ」

桜野「で、ですよね……」

朱「今は」

桜野「いつかはやるんですか!?」

朱「ところで……」

桜野「このタイミングで話そらされるの不安なんですけど……なんですか?」

朱「さっき見てた花って……」

桜野「……これですか?」スッ

朱「!」

桜野「はい、萎れちゃいました。わたしがお世話しなかったせいで」

朱「でも……でもこの花って、前に言ってた……」

桜野「はい。『もうちょっとで咲きそう』になった花です。残念ながら咲かせられませんでしたけど」

朱「で、でもこれクラスで育ててるんでしょ? 桜野ちゃんひとりが休んだくらいで……」

桜野「このクラスが始まって、わたしが学級委員長になって、その時決めたんです。花を育てようって。みんなで品種決めたりなんかして」

桜野「その時の流れでわたしがお世話係代表みたいな感じになりました。わたし、学級委員長ですからね。嬉しかったなぁ、みんなが任せてくれて」

桜野「……でもちゃんと面倒見切れませんでした」

朱「それにしたって他の子は……あ、と、透ちゃんは? 同じクラスでしょ?」

桜野「透ちゃん……わたしがいない間どんな感じでした?」

朱「えっと……」

桜野「きっとすごく落ち込んでたと思います。もしかしたら精神的に不安定になってたかもしれません」

朱「う、うん……」

桜野「今の透ちゃんは、自分のことでいっぱいいっぱいです。咲いてもいない花を気にかける余裕なんて無いんです」

朱「そうかも、しれないけど……」

桜野「そもそもわたしが花のお世話をしていること知らないんじゃないかな? 話したことも見せたこともないですし」

朱「そ、そう……」

桜野「だから透ちゃんを責めないであげてください」

桜野「ううん、透ちゃんだけじゃなくて。わたしが、わたしだけが悪いんです」

桜野「わたしがちゃんとお世話できなかったのが……」

朱「!」

朱(まだだ……まだ完全に見失ったわけじゃない……)

朱「桜野ちゃん!」ガシッ

桜野「うぇっ!? ついに実行ですかっ!?」

朱「ごめん違う!」

桜野「謝らないでください! あんまり残念じゃないので!」

朱「あのね桜野ちゃん!」

桜野「はいっ!」

朱「その花、もう一度育ててみませんか?」

桜野「……え?」

朱「確かに萎れちゃってるけど、まだ完全に枯れたわけじゃない。ちゃんとお世話すればきっと咲く」

桜野「え、と……」

朱「お願い桜野ちゃん。あたしも見たいの、その花が咲いているところ」

桜野「!」

朱「あたしも手伝う。だからもう一度がんばってみない?」

桜野「……」

朱「……」

桜野「………………咲かせる意味なんてあるのかな」ボソッ

朱「え……?」

朱(今なんて……)

桜野「朱さん」

朱「あ、うん……?」

桜野「わたし、もう一度がんばってみようと思います」

朱「!」

朱(気のせい……?)

桜野「朱さんにお願いされたら断れないですしね」

朱「う、うん……」

桜野「朱さんも手伝ってくださいね?」 

朱「うん、もちろん。自分で言ったことだもん」

桜野「ふふっ、ではナイショのおはな組結成です! 2人だけの秘密ですよ? 特に透ちゃんには」

朱「透ちゃんに? どうして?」

桜野「あんまり負担かけたくないんです」

朱「負担? んー、むしろ花を育てる中で回復が見込めることもあると……」

ドサッ

桜野「!」

朱「!」

透「さく、の……?」

透「さくの……さくのっ……さくのぉっ……」ポロポロ

桜野「あ、透ちゃんおはよ」ニコッ

透「さくのぉっ!!!」ダッ

桜野「心配かけちゃ……ふでゃっ!??」

バタ-ン

桜野「うぐぉぉ……な、なかなか強烈……!」

朱「大丈夫?」

桜野「なんとか……」

透「さくっ、のっ……ひくっ、ひぅぅ……さくのぉ……!!」ギュウウウッ

桜野「もう……あんまり強くしたら苦しいよ?」ナデナデ

透「うううっ……!」

桜野「……透ちゃん」

透「さくっ……さくのっ……!」

桜野「透ちゃん……ごめんね……」ギュッ

朱「ん……?」

透「う……うぅ……さくの……!」

桜野「ごめんね、透ちゃんごめんね……ほんとにごめん、ごめんねっ……!」ギュウウウッ

透「さくの……! ひくっ……うんっ……!」ギュッ

桜野「……っ」ギュウウウッ

朱「……?」

ここまで
透ちゃんむっちゃ泣くんだけど
桜野さんが気絶したり記憶消滅チラつかせたり1週間学校休んだりで透ちゃんにストレスかけすぎなんだけど

昼休み 屋上

雪菜「えぇっと……」

透「」ギュウウウッ

桜野「あはは……」

雪菜「すっごい抱きつかれてますね……」

桜野「そりゃあもう。今日はずっとこんな感じなの」

桜野「休み時間も移動教室のときもくっついてたし、授業中も席が隣ってことにかこつけてずっと手握ってたし」

桜野「あ、でもさすがにお昼ご飯中の自由は勝ち取りました」ブイ

雪菜「た、大変でしたね」

桜野「ちょっとね。周りからの視線がやたら多かった気もするし」フワッ

透「んぅ……」

桜野「でもこうなっちゃったのはわたしのせいだから」ナデナデ

透「ん……」ウトウト

雪菜「また寝ちゃいそうです」

桜野「安心したのか泣き疲れちゃったのか……」

シア「どちらもですわね」

桜野「やっぱり眠れなくなっちゃってました?」

シア「ええ」

桜野「すみません、突然休んで」

シア「いえ、そもそも桜野に縋りすぎているのが問題ですもの。少しづつでも桜野離れしなくてはいけませんわね」

桜野「それは……ちょっと寂しいかも?」ナデナデ

シア「そうも言っていられませんわよ」

桜野「……わたしが突然いなくなったら大変ですもんね」

シア「縁起でもないこと言わないでくださいまし」

桜野「……すみません」

朱「……」

朱「……シキちゃん」

シキ「なんです?」

朱「ちょっと……」クイッ

シキ「なな?」



朱「……」

シキ「朱? どうしたです?」

朱「……なにが……あったの?」

シキ「え……?」

朱「桜野ちゃんが休んだのって、本当にただの風邪?」

シキ「!」

朱「桜野ちゃんのお母さん、なにか関係あるの?」

シキ「っ! そっ、か……お見舞い来たんだもんね……」

朱「なにか知ってるなら教えてほしいの」

シキ「……」

朱「シキちゃんっ……!」

シキ「……っ」

シキ「…………」

シキ「………………ごめん、話せないのです」

朱「……話せないようなことがあるのね」

シキ「……」

朱「わかった。今はそれでいい。でもいつか教えて」

シキ「……うん」

朱「それからもうひとつ……」

雪菜「桜野さん、本当になんともないです?」

桜野「うん。心配かけてごめんね?」

雪菜「なら……よかったです」

桜野「うん」

雪菜「あ、そうだ。先週の金曜日、みんなでお見舞い行ったんですよ」

桜野「お見舞い……」

雪菜「……」

桜野「あ、そうだったそうだった。ごめんね、追い返すみたいになっちゃって」

雪菜「……いえ、私たちから遠慮したんです。誰かにうつっちゃったら、それこそ桜野さんに悪いと思って」

桜野「そっか……うん、そうだね」

雪菜「差し入れも持って行ったんですよ?」

桜野「あ、うん。いただきました。ありがとね」

雪菜「おいしかったですか? 下1のゼリー」



安価下1
① ぶどう
② みかん
③ もも

雪菜「おいしかったですか? もものゼリー」

桜野「え……?」

雪菜「……」

桜野「みかんじゃなくて?」

雪菜「!」

桜野「雪菜ちゃん?」

雪菜「い、いえ! そうでしたみかんでした! 何味にするかじゃんけんで決めたんです! やっぱり私じゃんけん弱いですねっ!」

桜野「そうだったんだ」ニコッ

雪菜「……」

桜野「雪菜ちゃんどうしたの? なんか様子が……」

雪菜「……なんでもないです。きっとなんでもない、勘違いです……きっと大丈夫です……」

桜野「……?」

桜野「あそーだ、朱さんにもお礼しなきゃ。朱さーん」

朱「もうひとつ聞きたいんだけどね」

シキ「う、うん」

朱「今朝、桜野ちゃんがね、透ちゃんにいっぱい謝ってた。シキちゃんも見てたでしょ?」

シキ「……うん」

朱「あの時の桜野ちゃん、どこか様子がおかしかった」

シキ「……そんなこと……ないのです」

朱「ううん、あの時の桜野ちゃん、必死で謝ってるみたいだった」

シキ「……気のせいなのですっ」

朱「慰める感じじゃなくて、本当になにか悪いことをしてしまって、それを謝るみたいに」

シキ「……っ」

朱「これも休んだことと関係あるの? でも透ちゃんが桜野ちゃん家に行ったのはお見舞いの時が初めてのはずだし……」

シキ「……めて」

朱「ねぇシキちゃん、なにか心当たり……っ!?」

シキ「………………やめ、て……もうやめてっ……!」ポロポロ

朱「シキ……ちゃん……?」

シキ「シキは約束したのですっ……それを守ることが桜野のためになるってっ、思ってっ……!」ポロポロ

朱「シキちゃん……」

シキ「ひっ……うっ……」

朱「……シキちゃん……ごめん」

シキ「っ……」フルフル

朱「……どうしても話せない?」

シキ「話せばきっと……桜野がいなくなっちゃうっ……」

朱「……いなく……なる」

シキ「朱……これはシキの独り言なのです……」

朱「……うん」

シキ「シキはもうどしたらいいか分からないのです……だからお願い……桜野をっ、桜野のことっ……!」



桜野「朱さーん」



シキ「!」

朱「!」



桜野「朱さーん?」



シキ「……忘れてほしいのです」

朱「……忘れないよ」



桜野「お見舞いの件のお礼がしたいんですけどー」



朱「はーい」タタッ

シキ「……朱」



桜野「シキとなに話してたんですか?」

朱「桜野ちゃんを誘拐するならシキちゃんの協力が必要不可欠だと思って」

桜野「計画がどんどん洗練されてく……」



シキ「……ありがと」

朱(シキちゃんに話を聞いて、解決に近づくどころか不安要素が増えてしまった)

朱(でもそれは今まで見えていなかったものが見えるようになっただけ。突然増えたわけじゃない)

朱(正直言って出来ることは少ない。これ以上シキちゃんになにか聞くわけにはいかないし、桜野ちゃんに聞いてもはぐらかされてしまうだろう)

朱(何も分からないまま闇雲に動いてシキちゃんが恐れているような事態になれば、それこそ最悪だ)

朱(だからあたしは、あたしに出来ることをやるしかない。今のあたしが桜野ちゃんのためにできること、それは……)

桜野「朱さん、こんな感じですか?」

朱「うん、いい感じ」

朱(桜野ちゃんのクラスのお花)

朱(一度は萎れた花だけど、もう一度がんばってみるって桜野ちゃんが決心してくれた)

朱(あの日見失いかけた桜野ちゃんの大きな影が、そこにある気がする)

朱(この花だけは、このまま枯らしちゃいけない。枯らしてしまえば、本当にもう二度と見つけられなくなる。そんな気がした)

桜野「朱さん、それは?」

朱「ネームプレート。普通は品種名とかを書くんだけど、桜野ちゃんの名前を書いたらどうかなって」

桜野「わたしの?」

朱「私が育てました、みたいな感じで桜野ちゃんの名前。あとはクラスの名前とか」

桜野「クラスの名前だけでいいんじゃ……」

朱「お世話係代表なんでしょ? じゃあいいじゃない。1番がんばってるんだし」

桜野「そ、そうですか……?」

朱「うんうん」

桜野「じゃあじゃあ……朱さんの名前も……」

朱「あたしの?」

桜野「だって朱さんも一緒に育ててますし……」

朱「他のクラスどころか、学年まで違う人の名前あったら変じゃない?」

桜野「そんなことないです」

朱「んー……」

桜野「ダメ、ですか……?」

朱「……そうね。うん、わかった」

桜野「ほ、ほんとに……? じゃあ……2年……えと……さ、く……」カキカキ

朱「……」

朱(この花は桜野ちゃんの花。桜野ちゃんの大切なものだ。あたしにとってあの花が、名前も知らないオレンジ色のあの花がそうだったように)

朱(あの花が咲くところは、ついに見ることができなかった。あんな思いは桜野ちゃんにしてほしくない。この花だけはなんとしても咲かそう。そう心に決めた)

朱(それがきっと桜野ちゃんのためになる。きっとなにかを変えてくれる。そう信じた)

朱(そして……)

早朝

朱「桜野ちゃん……これ……」

桜野「……咲きました……咲きましたっ!」

朱「やったわね!」

桜野「はいっ!」

朱「きれいねー」

桜野「はいー」

朱「きっとクラスの子も喜んでくれるわ」

桜野「!」

桜野「そ、そうですか? ほんとのほんとに喜んでくれると思いますか??」

朱「もちろんよ」

桜野「そっか……そっかぁ……!」

朱「……」ニコッ

朱「……じゃあ仕上げね」

桜野「仕上げ?」

朱「えぇっと……」

桜野「? それなんです? シール?」

朱「うん」

桜野「何に使うんですか?」

朱「こうするの」

ペタッ

桜野「あ……」

朱「やっぱりあたしの名前があるの変だから」

桜野「で、でも朱さんが手伝ってくれたから……」

朱「ううん、これでいいの」

朱「だってこれは桜野ちゃんの花、桜野ちゃんのクラスの花、あなたが咲かせたあなたの花だもん」

朱「だからこれでいいの」

桜野「わたしの……」

朱「咲いたところを見れたんだもの、あたしはそれで満足よ」ニコッ

桜野「………………」

桜野「……はい」ニコッ

朱(花が咲いた。咲かせることができた)

朱(本当のことを言えば、クラスの名前すらシールで覆ってしまいたいくらいだ)

朱(だってこれは紛れもなく桜野ちゃんの花。桜野ちゃんが育てた桜野ちゃんの花なんだから。一度萎れても、めげずにもう一度育てようって決めたのは、他でもない桜野ちゃんなんだから)

朱(不安が全部なくなったわけじゃない。でも桜野ちゃんの大切な花を咲かせることができたんだ。桜野ちゃんも喜んでくれたんだ)

朱(これから桜野ちゃんに何かいい変化があるんじゃないかって思う。あとはそれをゆっくり見定めていけばいい)

朱(桜野ちゃんは大丈夫。きっときっと大丈夫)

教室

桜野「……」



ワイワイガヤガヤ



桜野「……」



ワイワイガヤガヤ



桜野「……」

桜野「…………」

桜野「………………」

桜野「…………ほら……誰も気づかない」



ワイワイガヤガヤ



桜野「……」

桜野「……やっぱり」

桜野「意味なんてなかった」



ワイワイガヤガヤ



透「桜野ー? どうしたの?」

桜野「ううん、なんでもない。なんでもないよ」ニコッ

ここまで
第3部は言ってしまえば桜野さん編だけどメイン視点は桜野さん以外

校庭

クラスメイト「どうして人は走るのだろう……」タッタッ

朱「体育の授業だからじゃない?」タッタッ

クラスメイト「うだあああ……もだめぇ……」ヘナヘナ

朱「もうちょっとだからがんばろ?」

クラスメイト「力が出ない……朱パンマン、顔かじらせて……」

朱「え、やだ……」

クラスメイト「うへへええええ……ひもじいよぉ……」

朱「これ終わったらお昼だから」

クラスメイト「うぅぅ……ん?」

朱「どうしたの?」

クラスメイト「なんかきれいな人いる」

朱「どこ……?」キョロキョロ

クラスメイト「あそこ……」

朱「んー……」ジ-

朱「………………え」

クラスメイト「お客さんかな?」

朱「………………なんで」

クラスメイト「え?」

朱「離れてて!」ダッ

クラスメイト「えちょ!? 朱っ!?」

ツナミ「えーっと……」

ツナミ「お?」

ズザザッ

朱「はぁっはぁっ!」

ツナミ「おや、キュアブーケさん」

朱「ツナミっ!」

ツナミ「お久しぶりですね」

朱「ウィッシュスターを取り返しにきたのね……! わかってるとは思うけど、渡すつもりない!」

ツナミ「返していただけるならありがたいですが……構いませんよ、今日は別件で来たので」

朱「別件?」

ツナミ「ここにきて少々計画に変更がありまして」

朱「変更って……」

ツナミ「……」ジ-

朱「なに……見てるの……」

ツナミ「……きれいな花ですね」

朱「っ!」

ツナミ「ふふっ」ニヤッ

朱「やらせない……それだけは絶対にっ!!!」バッ

ツナミ「ふむ……いいんですか?」

朱「プリキュア!」

ツナミ「お友達が見てますよ?」

朱「っ!?」



クラスメイト「あ、朱……?」



朱「なんで来てっ……!?」

ツナミ「貴方はいつも……」スッ

朱「っ!!」

ツナミ「迷ってばかりですね」バシュッ

朱「だめっ!!!」

ブワッ

朱「あ……ぁ……」

モコモコモコ
ググッ…

ヤクサイン「ヤクサァァァイッ!!!」ボガァンッ!

朱「そんな……桜野ちゃ……」

クラスメイト「なに……なにこれ……」カタカタ

朱「!」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!」

クラスメイト「ひっ……!」ビクッ

朱「はやく逃げて!」

クラスメイト「あ、え……朱は……?」

朱「いいからはやくっ!!」

クラスメイト「っ!」ビクッ

クラスメイト「う、うんっ……!」タタタッ

朱「できるだけ遠くに……」

ツナミ「邪魔者を追い払えてよかったですね」

朱「……っ!」キッ

ツナミ「ふふ、どこかの誰かに比べたら可愛いものです。いやあれが異常なだけ……」

朱「その花はね……!」

ツナミ「お?」

朱「それは桜野ちゃんが育てた桜野ちゃんの大切なもの……!」

ツナミ「みたいですね」

朱「今日こそあなたを倒す! それで絶対取り戻す!!」バッ

朱「プリキュア・カミングシーズン!!!」

ビュオオオッ!
フワッ

ブーケ「美しい花よ! あたしに力を貸して! キュアブーケ!」



安価下3まででコンマ最大
どうする?
こういう技使ってこうする等
ヤクサインに直接ダメージ与える系は下

ツナミ「どれだけ意気込んでも、貴方はこのヤクサインを攻撃できないでしょう?」

ブーケ「どうかしらね……」キッ

ツナミ「……?」

ブーケ「いくわよ……!」ググッ

ヤクサイン「ヤクサァァァイッ!」

ツナミ「なにをするつもりか知りませんが……」

ブーケ「あっ! ゴキブリっ!」

ツナミ「えっ?」キョロキョロッ

ブーケ「……っ」シャッ

ブーケ「たっ……!」バッ

ツナミ「って……そんな手に引っかかるわけないでしょ?」ザババッ!

ブーケ「うぁぶっ!?」

バシャァンッ!

ブーケ「けほっ、失敗……!」ズザッ

ツナミ「本当に成功すると?」

ブーケ「結構自信あったんだけど……」

ツナミ「はぁ……なんでこんなのと……」

ブーケ「……っ」ジリッ

ツナミ「しかし、私を狙ってきましたか」

ブーケ「あなたを倒せばヤクサインの憑依は消える。そうじゃなくても、あなたさえ抑えてしまえば……」

ツナミ「まぁそうなりますよね」

ツナミ「ヤクサイン! 肩乗せてください!」

ヤクサイン「ヤッ?」

ツナミ「え……貴方、肩どこです?」

ヤクサイン「ヤ」

ツナミ「それはなんというか……すっごいなで肩ですね……」

ヤクサイン「ヤ-」テレテレ

ツナミ「いや褒めてないですから」

ヤクサイン「ヤクヤク」

ツナミ「いえもういいです。植木鉢のふちのとこ座るんで」

ヤクサイン「ヤ-」

ツナミ「っと。これでそう簡単に攻撃できないでしょう。さあヤクサイン、好きに暴れてください!」

ヤクサイン「ヤクゥゥッ!!」ドカンバコンッ

ブーケ「うぁっ!? うっ……!」

ヤクサイン「ヤクサァァァイッ!!!」ブオンッ

ブーケ「くぅっ……!」

「プリキュア・インターセプト!」

ヒュンッ
ドガァァァンッ!

ヤクサイン「ヤクッ…!?」

ブーケ「けふっ……な、なに……?」

カメ-ッ

ブーケ「亀……?」

クリア「ブーケ大丈夫!?」シュタッ

ブーケ「クリア!」

クリスタル「私もいますよ!」シュタッ

ブーケ「クリスタルも!」

ブーケ「2人ともありがとう!」

クリア「間に合ってよかった!」

クリスタル「ツナミですか……」

ブーケ「ええ。それに……」

クリスタル「……細雪」ヒュパッチャキッ

ブーケ「!」

クリア「いくよ……!」ググッ

ブーケ「待って!」

クリスタル「!?」

クリア「どうして!?」

ブーケ「ヤクサインが憑依してるのは桜野ちゃんの花なの!」

クリア「!」

クリスタル「!」

ブーケ「桜野ちゃんの大切な……そうだ、桜野ちゃん! 桜野ちゃんは一緒じゃないの!?」

クリア「闇の気配が2つあった! 桜野はもうひとつの方に……!」

ブーケ「2つ……!?」

クリア「もうひとつの気配は……」

桜野「ライガ……!」

ライガ「よお、キュアサクラ。運良くお前だけ釣れたな」

桜野「わたしに用……?」

ライガ「まあな」

桜野「ウィッシュスターを渡すつもりはない」

ライガ「そりゃ残念だ。まぁいい。とりあえず、お前に感謝しないとなぁ」

桜野「感謝?」

ライガ「桜井コスモスを殺してくれてありがとう」

桜野「っ!」ピクッ

ライガ「あれはな……ウィッシュスターを勝手に使う可能性こそ低かったが、それでも裏切り者は裏切り者だしなぁ」

桜野「じゃあやっぱりあの怪我……お前たちがっ……!!」

ライガ「あぁ、殺し損ねてな。始末する手間が省けたよ」

桜野「」ピキッ

桜野「プリキュア・カミングシーズンっ!!!」

サクラ「だっ!!」ギュンッ

ライガ「いっ!?」バチチッ

ドゴォンッ!

ライガ「お、おいおい! トドメ刺したのはお前だろっ!?」ズザッ

サクラ「だまれっ!!!」ギュオッ

ライガ「ちぃっ! この役回り命懸けだなぁ!!!」バリリッ

ツナミ「まあ、手分けするならキュアサクラさんは向こうですよね」

クリア「ツナミ……なぜヤクサインを……! ウィッシュスターがこっちにあることも、力が溜まりきっていることも分かってるんでしょ!?」

ツナミ「ええ、まあ」

クリア「だったら人々を襲う理由はもうないはず! なのになんで!」

ブーケ「ウィッシュスターが目的じゃないみたいなの! 計画が変更になったって」

クリスタル「ウィッシュスターが目的じゃない!? どういうことですかっ!?」

ツナミ「最善を考えた結果です。ウィッシュスターは殺して奪えばいいですからね。最悪、エネルギーが空になってもまた集めればいいですし」

クリア「その前に私たちがウィッシュスターに願って、あなたたちを消す可能性だってあるはず!」

ツナミ「そういう使い方はしない、いえ出来ないだろうというのがサイカ様の予想ですね。まんまと的中です。ここに私が在ることがその証明」

クリア「っ……!」

ツナミ「まぁ、貴方たちには記憶が消えてなくなるような願いは使えませんよね」

クリスタル「それは……!」

ツナミ「おしゃべりはもう結構。ヤクサイン」

ヤクサイン「ヤクサァァァイッ!!!」

ブーケ「結局なにが目的なのっ……!」

ツナミ「考えれば分かるんじゃないですか? それとも……無理やり聞き出してみます?」

ヤクサイン「ヤクサァァァイッ!!!」ドガンッバゴンッ

クリア「うぐっ……!」

クリスタル「ど、どうしたらっ……!」

ブーケ「持ちこたえるのっ! 桜野ちゃんが来るまでっ……!」

クリア「う、うんっ……!」



安価下3まででコンマ最大
どうする?
こういう技使ってこうする等
ヤクサインに直接ダメージ与える系は下

むしろこっちから桜野ちゃんとこに出向く
苦戦してるふりしながらサクラとライガが戦ってる地点まで誘導

>>454
すいません これ無理そうなんでもうひとつ
貴重な必殺技チャンスなのでそのへんも是非

なお本日ここまで

本作における浄化技について
先に言っとけよみたいな話なんですが 本作の浄化技は他作品における時間操作や因果律操作等の所謂チート技に相当します
戦闘面でもレギュレーション違反ですが、それ以上にストーリーへの影響が強く、タイミングによっては存在チラつかせるだけでバッドエンド直行します
そもそも文脈で使う技であり、将来的に使える可能性があるキャラも現状ではひとりだけ
非常にデリケートな扱いを要求されるので簡単には使えません

透ちゃんのマントの中身がどんどん水族館に……
そのうち水生生物てんこ盛りのなんちゃらアクアリウムみたいな技出しそう

ブーケ「あたしが動きを止める!」

クリア「じゃあ私は……」バサッシュルルルッ

クリスタル「クリア、なにをっ!?」

クリア「ツナミを狙う!」バシッ

ブーケ「ツナミはヤクサインのすぐそばにいるのよ!? ヤクサインにも当たっちゃう!」

クリア「私ならツナミだけ狙える! ブーケはヤクサインの動きを止めて! クリスタルはバックアップ!」

クリスタル「は、はい!」タタッ

ブーケ「わかった!」

ツナミ「作戦会議はおしまいですか?」

ブーケ「おかげさまで!」

ツナミ「さっきみたいなしょうもないやつじゃありませんよね?」

ブーケ「あれは味方の方がダメージ受けそうだから封印よ!」

ツナミ「そうですか。ではどうします?」

ブーケ「こうする……のっ!」パシュシュシュッ

ツナミ「お?」

ブーケ「プリキュア・アースビーンズ!」

バシュルルルッ!

ツナミ「!」

シュルルルッ
ギチチッ!

ヤクサイン「ヤクゥッ!?」ググッ

ツナミ「拘束ですか。私を倒すと意気込んでた割に随分と消極的……」

ブーケ「クリア!」

クリア「プリキュア・ライトニングフィッシュアロー!!!」バシュッ!!!

ツナミ「!?」

ギュルルルルルッ!!!

安価下コンマ
30以下でヤクサインが……

ギュルルルルルッ!!!

クリア「いけ……」

ツナミ「その程度! 受け流せないとでも!!」ザパッ

ザバババッ!

クリア(そう、あの水を操る能力が厄介で、守りに徹したツナミに攻撃を当てるのは難しい……!)

クリア「いけっ……!」

クリア(でも!)

クリア「クリスタルっ!」

フッ
キィィィィィンッ!!!

ツナミ「なっ!?」

クリスタル「曲性・冷波手裏剣!」ピッ

ギュイイイッ!!!

ツナミ「くっ!」ダッ

バギャァァァンッ!!!

クリスタル「避けられた!?」

ブーケ「ヤクサインには当たってないから大丈夫! それに……!」

クリア「ツナミをヤクサインから引き離せた!」

ツナミ「ちっ……」

ブーケ「今よ!」



安価下3まででコンマ最大
追撃とか
こういう技使ってこうする等
ヤクサインに直接ダメージ与える系は下
貴重な必殺技チャンスなのでそのへんも是非

プリキュア・カレイドアクアリウム
クリスタルが作った万華鏡のような氷牢に敵を閉じ込め、そこにクリアがマントの中身を次々投入して翻弄しつつ波状攻撃
みたいな?

「「プリキュア!!」」

クリスタル「冷波手甲鉤!」シャキッ

クリア「カニ様!」バサッ

クリスタル「カニ様!?」

カニ-ッ
スポッ
バシュンッ!

クリア「シザースカリバー!」ガッシィンッ!

クリスタル「わ、お揃いです!」

クリア「いいから行くよ!」

クリスタル「はい!」

ツナミ「ちぃっ!」ザパッ

クリスタル「プリキュア・暴風雪!」ギュイイイッ!

クリア「はああああっ!!!」ダッ

ツナミ「正面から突っ込んでくるとは舐められたものですねっ!」ザババババッ!

ブーケ「クリア!」バシュッ!

クリア「ロケーションムーブ!」バサッ

ツナミ「なに!?」

パッ
パシュンッ

ブーケ「その水、利用させてもらうわ! プリキュア・セントリーカクタス!」

ムクムクムクッ!

ツナミ「さ、サボテン!?」

ブーケ「発射!」

ググッ
バシュシュシュシュッ!!!

ツナミ「くぅっ……!」



安価下コンマ
80以下でヤクサインが……
ブーケが攻撃参加のため拘束が弱まりヤクサインが行動しやすくなっています

ヤクサイン「ヤクサァァァイッ!!!」ブチブチッ!

ブーケ「っ! しまっ……!」

ヤクサイン「ヤクッ!」バシュルルッ!!!

ツナミ「お?」

クリスタル「っ! このままじゃヤクサインに!」

クリア「亀さんっ!!!」バッ

カメ-ッ
ヒュンッ
カキキキンッ!

ツナミ「守ってくれたんですか。貴方、意外と気が利きますね」

ヤクサイン「ヤクゥ…?」

ツナミ「いえ、今回は褒めてますよ」

ヤクサイン「ヤクッ!」

カメェ…

クリア「ありがとう亀さん……!」

クリスタル「あ、危なかったです……」

ブーケ「みんな……ごめん……!」

ツナミ「難儀ですね、まともに攻撃できないっていうのは」

クリア「卑怯者……!」

ツナミ「卑怯で結構です。さあヤクサイン、プリキュアは貴方に攻撃できません。存分に暴れてください」

ヤクサイン「ヤクサァァァイッ!!!」ドガガンッ!!!

クリスタル「ま、まずいです! こっちが攻撃できないのをいいことに滅茶苦茶してます……!」

クリア「なんとか足止めしなきゃ……!」

ブーケ「早く来て……桜野ちゃん……!」

>>471
合体技でやんのえぐいねぇ



それと話の流れで低弾速になってしまったサボテンさんごめんなさい

シュガガガッ!

サクラ「はあああっ!!」

ライガ「っ!」バチチッ

ドガァンッ!!!

ライガ「私は……うわっ!? 今日は戦いに来たんじゃっ! 話があってっ……!」

サクラ「わたしはないっ!!!」ブォンッ!

ライガ「くっ……!」

シキ「さ、桜野っ!」ヒョコッ

ライガ「!」

シキ「少し落ち着い……」

ライガ「そこにいたか妖精!」グアッ

シキ「え……?」

サクラ「っ!!」ガシッ

ライガ「ぬぅっ……!?」

サクラ「はっ!」ドゴォッ!

ライガ「うぐぁっ!?」ズザザザッ

サクラ「シキ、大丈夫?」

シキ「うん……」

ライガ「ちぃっ……」ムクッ

サクラ「シキが狙いか……?」

ライガ「さぁどうかな……」

サクラ「シキ、巻き込まれないところまで離れてて」

シキ「う、うんっ!」パタパタ

ライガ「はっ!」バヂッ

シキ「わわっ!」

サクラ「あなたの相手はわたし!」ガッ

ライガ「うくっ!」

サクラ「シキをどうするつもり!?」

ライガ「どうもしないさ。お前が1人になりさえすればなっ!」ググッ

バヂィンッ!
ズザザザッ

サクラ「わたしが……?」

ライガ「お前にだけ話したいことがあってな。あの妖精が邪魔だった」

サクラ「どういう……」

ライガ「10日後夜明け前、町はずれの森に1人で来い。ウィッシュスターを持ってな」

サクラ「っ!? なにをっ!」

ライガ「分からないか? すべて終わらせてやると言っているんだ」

サクラ「!」

サクラ「すべ、て……?」

ライガ「決着をつけさせてやる」

サクラ「どういうつもり……?」

ライガ「なんてことはない。我らの計画における最大の障害はお前だからな。それを取り除こうというわけだ」

サクラ「言う通りにするとでも?」

ライガ「するさ。お前にとっても、それが最良なのだから」

サクラ「お前……何を知っている……?」

ライガ「私は何も知らないさ」

サクラ「どういう……!」

ライガ「それだけだ。確かに伝えたからな」シュンッ

サクラ「待っ……!」

サクラ「………………」

サクラ「すべて……終わらせる……? わたしひとりで……?」

サクラ「戦いが終わる……もう誰も傷つかなくて済む……」

サクラ「それに……もう……」ギュッ

シキ「桜野ー!」パタパタ

サクラ「シキ!」

シキ「大丈夫です? なにか言われたです!?」

サクラ「……意味わかんないこと言ってた。わたしのこと惑わそうと出まかせ言ってたんだと思う……」

シキ「本当に大丈夫です? シキは桜野が……」

サクラ「それよりみんなのところへ! まだ戦ってるんでしょ?」

シキ「う、うん!」

ヤクサイン「ヤクサァァァイッ!」

クリア「うぐっ……」

クリスタル「んっ……ぅ……!」

ブーケ「はぁ……はぁ……」ガクッ

クリスタル「足止め……これ以上はもう……」

クリア「さすがに限界……!」

ブーケ「で、でも……でもあれだけはっ……!」

ツナミ「倒してしまえばいいじゃないですか。今までだってそうしてきたでしょう?」

ブーケ「それを決めるのはあたしたちじゃないっ!」

ツナミ「はぁ?」

ブーケ「例え倒さなきゃいけないとしても、それを決めるのは桜野ちゃんじゃなきゃいけないのっ……!」ヨロヨロ

ブーケ「あたしはこれまで……大切なものを何度も傷つけてきた……そうしなきゃいけなかった……そうしなきゃ、他のものを守れなかった……!」

ブーケ「辛かったよ、心が痛かったよ……! でもその痛みは、絶対あたしのものじゃなきゃいけないっ! 他の誰かに肩代わりなんてさせちゃいけないのっ! あたしの大切なものだもん、あたしがやらなかったらきっと死ぬほど後悔してたっ……!」

ブーケ「その花は桜野ちゃんの大切なもの! 傷つけなきゃいけないなら、その痛みは他でもない桜野ちゃんのもの! だからせめて桜野ちゃんが来るまではっ……!」ググッ

ブーケ「桜野ちゃんの選択が……覚悟が! どんなものだったとしてもっ! それまではっ!! あたしが絶対守りきるっ!!!」

ブーケ「例え他の何を傷つけたとしてもっ!!!」ギンッ!

ツナミ「……ヤクサイン」クイッ

ヤクサイン「ヤクサァァァイッ!!!」バシュウウウッ!!!

クリア「ブーケ!」

クリスタル「ブーケっ!!」

ブーケ「っ……!」ギュッ

ヒュンッ

ドガァァァンッ!!!

ブーケ「……っ」

ブーケ「……?」

ブーケ「あ……」

サクラ「遅れてごめん! みんな大丈夫!?」

ブーケ「サクラ……!」

サクラ「ツナミ……よくも……!」ギロッ

ツナミ「うっ……やっぱり格が……」ゾッ

ヤクサイン「ヤクサァァァイッ!!!」

サクラ「すぐにやっつけるから……!」ググッ

ブーケ「待って!」グイッ

サクラ「ブーケ!?」

ブーケ「あのヤクサインはあなたの花なの!」

サクラ「花?」

ブーケ「一度は萎れたけどもう一度がんばって、ついに咲かせることができたあの花っ!!!」

サクラ「あれが……」

ヤクサイン「ヤクサァァァイッ!!!」

ブーケ「だからっ……!」

サクラ「そうですか」シュンッ

ブーケ「……え?」



サクラ「はぁっ!!!」

バキャアッ!!!



ヤクサイン「ヤグサッ!??」ドシィンッ! 

サクラ「っと……」ストッ

ブーケ「………………え?」

ヤクサイン「ヤ、ク、サァァァイッ!!!」ダァンッ!

サクラ「だあああっ!!」ドカバキッ

ツナミ「予想はしてましたが、まさか一瞬の逡巡すらないとは……!」



ブーケ「な、なん……なん……で……?」

クリア「サクラ……?」

クリスタル「ど、どうなって……」

サクラ「みんな! なにやってるのっ!!!」

クリア「!」ビクッ

クリスタル「!」ビクッ

サクラ「はやくこいつを倒さなきゃ!!」

クリア「う、うんっ……!」ダッ

クリスタル「いいんですね……!」タタッ

ブーケ「待っ……て……」

ブーケ(どうして……?)

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!」

ブーケ「それ……それはあなたの……大切な……」

ブーケ(それがあなたの選択なの……? それがあなたの覚悟なの……?)

サクラ「はっ! たぁっ!!」ドガッバコッ!

ブーケ「あんなにがんばってたじゃない……! あんなに喜んでたじゃない……!」

ブーケ(ううん、違う……そんなんじゃない……だってあなたは……!)

サクラ「はぁぁぁっ!!!」バキャッ!!!

ブーケ「なんで……なんでよ……」

ブーケ(あなたは今、なにを傷つけてるの?)

ブーケ(あなたは今、痛みを感じてる?)

サクラ「ブーケ!!!」

ブーケ「っ!」ビクッ

ブーケ「………………わかん……ないよ」ギリッ

ブーケ「わかんないわかんないわかんないっ!!! もうなんにもわかんないっ!!!!!」

ブーケ「プリキュア!!! ガーデンシュートッ!!!!!」バッ

ブワワワワッ!!!!!

ヤクサイン「ヤッ!?」

ブーケ「うぅぅわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああっっっ!!!!!」バシュッ!

ヒュヒュヒュヒュンッ!!!
ズダダダダダダダダッ!!!!!

ヤクサイン「ヤ、グッ…!!?」

ドッパァァァンッ!!!

ヤクサイン「ヤァァァァ!!!」サラサラ…

朱「はぁっ……はぁっ……!」

朱「っ……」ソッ

朱(桜野ちゃんの大切な花……そのはずだった花……)

朱「……」パラパラ…

朱(こんなにボロボロになってしまった……)

朱「……っ!」ギュッ

朱(どうしてっ……!)

朱「うぁぁっ……!」



桜野「みんな大丈夫? 遅れてごめんね。雪菜ちゃん怪我ない?」

雪菜「はい……」

桜野「よかった」

雪菜「あの!」

桜野「なあに?」ニコッ

雪菜「……なんでも」

桜野「そう? あ、透ちゃんは大丈夫?」

透「うん……ツナミ、逃げられちゃったね」

桜野「みんな守れたから十分だよ」

透「うん。あ、ライガは?」

桜野「追い返した!」グッ

透「さすが」

桜野「えへへっ。あ、朱さーん!」タタッ



朱「…………」

桜野「遅れちゃってすいません。怪我ないですか?」

朱「…………ええ」

桜野「朱さん、最後すごかったですね! 鬼気迫るって感じで……」

朱「…………桜野ちゃん」

桜野「ほぇ? なんですか?」

朱「…………ひとつだけ聞かせて」

桜野「はい……?」

朱「…………あの花、なんでもう一度育てようと思ったの?」

桜野「なんでって……」

朱「…………」



桜野「そんなの決まってるじゃないですか」



朱「!」

朱(あぁ……あたしは……)



桜野「朱さんのお願いですもん!」ニコッ



朱(なんて勘違いをしてしまったんだろう)

ここまで

またちょっと忙しくなり始めるので更新まちまちになるかもしれません申し訳ない

3年教室

雪菜「遊びに行きませんかっ!!!」ズイッ

朱「え、えっとぉ……」

女子生徒「あー朱が後輩連れ込んでるー!」

雪菜「!」ビクッ

女子生徒「ほんとだー! 1年生?」

雪菜「あうあうわわ……!」ササッ

朱「あらら?」

女子生徒「あ、隠れちゃった。かわいー!」

女子生徒「おうおう朱さんよー。そのちんまいのとどういう関係だー?」

朱「この子? 雪菜ちゃんはね……」

雪菜「あわわわわ!」グルグル

朱「妹よ」ニコッ

雪菜「ナチュラルに嘘つかないでください!」

女子生徒「となるとほんとはどーゆーかんけー?」

雪菜「あ、えとっ、わたっ、私っ……!」

女子生徒「朱のファンの子なんじゃない?」

雪菜「そ、それはっ、そうなんですけどっ、あのっ……!」

女子生徒「あ、もしかして告白とか!? 朱モテモテじゃーん」

雪菜「あ、それは前にやりました」スンッ

女子生徒「え、なんで急に虚無……?」

雪菜「フッ……」トオイメ-

女子生徒「感情が失くなってしもうた……」

女子生徒「邪魔しちゃってごめんねー」

雪菜「い、いえっ……!」ペコペコ

女子生徒「その子、あとで紹介してねー」

朱「ダメです! うちの子は誰にも渡しません!」

雪菜「朱さんちの子じゃないです……」

朱「まだね!」

雪菜「ずっとです……」



雪菜「じゃなくて!」

朱「あ、うん。なんだっけ?」

雪菜「週末、どこか遊びに行きませんか?」

朱「遊びに……」

雪菜「はい。桜野さんと透さんも誘ってみんなで」

朱「あ……桜野、ちゃん……」

雪菜「朱さん……?」

朱「ううん、ごめんね。なんでも……」

雪菜「この前のお花のことですよね……?」

朱「!」

朱「……あ、あれは……あたしが1人で空回っちゃっただけだから……」

雪菜「……でも私も、最近桜野さんの様子がどこかおかしい気がします。どこってわけじゃないけどどこか……」

朱「……うん」

雪菜「私考えたんですけど……桜野さん、疲れちゃってるだけじゃないかって」

朱「疲れてる?」

雪菜「桜井さんのことがあって、この前のお休みのことがあって、心が疲れちゃったんだと思うんです。悪いことがいっぱい重なっちゃって」

朱「うん……」

雪菜「だからなにか楽しいこととか、リラックスできることがあれば心の休養になるかなって。そしたらいつも通りに戻れるかなって思って。どうですか?」

朱「………………」

朱「桜野ちゃん、顔には出さないけど、もしかしたらすごく落ち込んでるかもしれないもんね」

雪菜「はい」

朱「それだけのことが……あったもんね……」

雪菜「……はい」

朱「……うん、わかった。あたしも桜野ちゃんに元気になってほしい。みんなで遊びに行きましょうか」

雪菜「はいっ!」

朱「場所は決まってるの?」

雪菜「一応目星は……えーっと……」



安価下1
遊びに行く場所

季節感はあえてあんまり出さないようにしてきました これからもそのつもりなので季節系のイベントはありません というかもう畳みはじめてます 終活です
それでも季節というなら、夏だとおいしいけどメタ的には冬って感じです

雪菜「遊園地とかどうかなって思ってます」

朱「うん、いいわね。みんな楽しめそう」

雪菜「朱さんも遊園地好きです?」

朱「ええ」ニコッ

雪菜「よかったです」ニコッ

朱「桜野ちゃんと透ちゃんにはまだ?」

雪菜「はい。これから行ってこようと思います」

朱「2年生の教室よね?」

雪菜「は、はい……知らない人いっぱいで怖いです……」

朱「それなら……」

雪菜「でも! 思い立ったが吉日です! もたもたしてたら休み時間も終わってしまいます!」

朱「だ、だったらおひる……」

雪菜「というわけで行ってまいりますぅぅぅ!」パヒュ-ン

朱「やすみにすれば…………行っちゃった」

朱「もう……」クスッ

朱「……」

朱「あたしも元気出さなきゃ」グッ

廊下

雪菜「」タタタッ

雪菜「あ!」

雪菜「透さーん!」タタタッ

透「ん? 雪菜?」

雪菜「はぁはぁ……透さん!」

透「そんなに急いでどうしたの?」

雪菜「遊びに行きませんか!」

透「今から? 雪菜悪い子?」

雪菜「ち、違います違います週末です! 桜野さんを元気づけるんです!」

透「桜野? 結構元気だと思うけど……でもまあそういうことなら、うん。桜野が行くなら行く」

雪菜「ほんとですか!」

透「桜野にはもう声かけた?」

雪菜「今からです!」

透「そか。ちなみにどこに?」

雪菜「遊園地とかどうかなって思ってるんですけど、透さんは行きたいところとかありますか?」

透「遊園地、いいと思う」

雪菜「透さんも遊園地好きです?」

透「とても」

雪菜「じゃああとは桜野さんですね」

透「教室にいるはず」

雪菜「ありがとうございます! 行ってきます!」パヒュ-ン

透「うん、いってらっしゃい」フリフリ

透「……」フリ

透「んー……」

透「桜野、元気ない……?」

2年教室前

雪菜「えっと……桜野さんどこかな……」ヒョコッ

雪菜「あ、いた。桜野さー……ん?」



桜野「─────」

男子生徒「─────」



雪菜(誰かとおはなし中です。今行ったらお邪魔になっちゃう……)



男子生徒「そーゆーわけで試合近いからさ、掃除当番代わってくんね?」

桜野「いーよ、まかせて」

男子生徒「マジ? サンキュー」



雪菜(また頼まれごとしてる。二つ返事で引き受けちゃうところは、さすが桜野さんって感じ……)



男子生徒「んじゃ頼むわー」テクテク

桜野「はーい」フリフリ



雪菜(おっとこっちに……)ササッ

男子生徒「おーぅどうだったー?」

雪菜「!」ビクッ

雪菜(び、びっくりした……別の人……お友だち?)

男子生徒「代わってくれたわー」

男子生徒「だろーな。断ってるとこ見たことねーもん」

雪菜(さ、桜野さん……いくらなんでも限度ってものが……)

男子生徒「んじゃ放課後ソッコーゲーセンな」

雪菜(え……?)

男子生徒「おう。今日こそ負けねえから」

男子生徒「はぁ? 目にもの見せてやるよ」

雪菜「さっき試合って……」ボソッ

男子生徒「あ?」ジロッ

雪菜「ひっ!?」ビクッ

男子生徒「なにこいつ。知り合い?」

男子生徒「いや知らね。1年か?」

雪菜「……っ」ビクビク

男子生徒「おい」

雪菜「ひゃいっ!?」ビクッ

男子生徒「お前なんか文句あんの?」

雪菜「ぁ……っ……!」オドオド

男子生徒「聞いてんの?」

雪菜「えあっ……ぁ、の……!」ビクビク


安価下3まで多数決
① なんでもないですごめんなさい
② なんで嘘ついたんですか

雪菜「ぁ、の……わたっ……!」オドオド

男子生徒「文句あんのかって聞いてんだけど?」

雪菜「ひっ……! うぅ……!」ビクビク

雪菜「ふぅっ……ふぅっ……!」

雪菜「……な……なん、で……」

男子生徒「あ?」

雪菜「………………なんで……嘘ついたんですか……?」

男子生徒「はあ?」ギロッ

雪菜「っ!?」ビクッ

雪菜「あのっ……ぁ、の……ご、ごめんなさ……!」ビクビク

男子生徒「言いたいことあんならはっきり言えよ」

雪菜「……わ、わたっ、しっ……さっきっ、聞いててっ……! 桜野さんにっ……掃除、当番……試合近いからって……!」

男子生徒「それがなに?」

雪菜「だ、だっていまっ……! 遊びに行くって……!」

男子生徒「お前に関係ないだろ」

雪菜「な、なくないですっ……! そんなうそっ、ひ、ひどいですっ……桜野さんかわいそうですっ……!」

男子生徒「別にいいだろ。やってくれるって言ってんだし」

雪菜「そ、そんなっ……優しさにつけ込むみたいなことっ……!」

男子生徒「は? うるっせえなぁ! あんま調子乗んじゃ……!」ズイッ

雪菜「ひぅっ!!?」ガクガク



桜野「どしたのー?」



雪菜「!」

男子生徒「チッ……」

桜野「なんかあった……あれ、雪菜ちゃん? どうし……」

雪菜「さ、さくのさ……!」ポロポロ

桜野「!」タタッギュッ

雪菜「あ、ぅ……!」ギュッ

桜野「雪菜ちゃん……?」

雪菜「はっ、ひぅっ……ぐすっ……!」ポロポロ

桜野「だいじょぶ?」ナデナデ

雪菜「は、ぃっ……!」ギュウウウッ

桜野「……」パチクリ

桜野「……」

桜野「……いじめた?」グリンッ

男子生徒「……っ!」ビクッ

桜野「ねぇこの子になにしたの? ねぇ?」

男子生徒「い、いや……」

桜野「かわいいかわいい後輩なの。優しくしてあげてほしいなぁ」

男子生徒「……っ」

桜野「わたしも怒るときは怒るからね?」ニコッ

男子生徒「……こ、後輩の教育くらいちゃんとやっとけ」

桜野「うん、ごめんね?」

男子生徒「……いこーぜ」

男子生徒「お、おう……」

桜野「大丈夫、雪菜ちゃん?」ナデナデ

雪菜「ずびば、すびばせん……ちょっとびっくりしちゃっただけでず……」スンスン

桜野「あとできつーく言っておくからね?」

雪菜「は、はい……」

桜野「それでどしたの? わたしに何かおはなし?」

雪菜「あ、あの……遊びに行きたいなって……みんなで……週末……遊園地……透さんと朱さんは……いいよって……」

桜野「遊園地……」

雪菜「あ、よ、予定あるなら……」

桜野「……ううん、行こっか」ニコッ

雪菜「ほ、ほんとですか……?」

桜野「うん」ニコニコ

雪菜「みんなよろこびます……!」

桜野「でもそっかぁ……遊園地かぁ……」

雪菜「……」

桜野「うわさには聞いて……」

雪菜「桜野さん……」

桜野「なあに?」

雪菜「あの……」

桜野「うん……?」

雪菜「…………さっきの人たち、嘘ついてました」

桜野「うそ?」

雪菜「……私、聞いてたんです。掃除当番代わるって話。あの人たち試合が近いって言ってたのに、それは嘘で遊びに行こうとしてたんです……」

桜野「あー、そっか」

雪菜「そっか、って……いいんですか……!?」

桜野「なにが?」

雪菜「なにがじゃないです! だって掃除当番やらなきゃいけないんですよ!?」

桜野「それくらいで大げさだって。それに引き受けちゃったものはしょうがないし」

雪菜「でもあの人たち、嘘ついて桜野さんに押し付けたんですよ!?」

桜野「んー、でもまあめんどくさいし? 誰だってそういう時はあるよ」

雪菜「そんな……でもっ、そんなのひどいじゃないですか! 自分が遊びたいからなんて理由で……!」

桜野「別にいいんだよ」

雪菜「!」

桜野「理由なんか、なんでも」

雪菜「さ、桜野さ……」

桜野「……」

雪菜「ぁ……」

雪菜「………………」

雪菜「……私もお掃除手伝います」

桜野「いいっていいって。大丈夫だよ。わたしが引き受けちゃったんだし今日は1人じゃなさそ……」

雪菜「でもっ……!」

桜野「いいの、ほんとに。後輩に手伝わせたらそれこそだもん」

雪菜「で、でも……」

桜野「雪菜ちゃんが責任感じることないよ」

雪菜「う、ぅ……」

桜野「ありがとね、雪菜ちゃん」

雪菜「…………はい」

次回、楽しい楽しい遊園地編
というわけで遊園地で発生するイベントを3つほど募集します 足りなそうなら追加募集するかも
ここまで

ジェットコースターに乗ったと思ったらズブ濡れになるタイプのやつだった
服乾くまで仮装の衣装貸してもらう

週末

桜野「こ、ここが……!」

遊園地

桜野「遊園地ぃぃぃ……!!!」キラキラ

透「え、初めて?」

桜野「うんっ!」

透「時々すっごい俗世に疎いよね……」

雪菜「遊園地が初めてはほんとに珍しいですね」

朱「小学校の遠足とかで来なかった?」

桜野「昔から学校行事はほとんど参加できなかったので!」

透「へぇ、どうして?」

桜野「あっ……」

雪菜「……?」

透「昔は体弱かったとか?」

桜野「あ、うんっ……そんな感じ!」

透「今は平気?」

桜野「うん!」

透「じゃあ今日はいっぱい遊ぼ」

桜野「うんっ!」

透「乗りたいのある?」

桜野「ぜんぜん分かんないから、とりあえずみんなについてこっかな」

透「気になるのあったら言って」

桜野「うん!」ニコッ



雪菜「……朱さん朱さん」

朱「立場がいつもと逆転していりゅぅ……お姉ちゃんぶる透ちゃんくぁわいぃ……」ニヘニヘ

雪菜「あの……」ジトッ

朱「おっと……どうしたの?」キリッ

雪菜「桜野さんのことなんですけど……」

朱「!」

朱「…………うん」

雪菜「桜野さんのおうち……やっぱりなにか……」

朱「……かもね。でも……」

『話せばきっと……桜野がいなくなっちゃうっ……』

朱「……今のあたしたちには何もできない」

雪菜「っ……」

朱「もう、そんな顔しないで元気出して?」

雪菜「はい……」

朱「桜野ちゃんを元気づけるために来たんだもの。あたしたちが落ち込んでたら、かえって不安にさせちゃうわ」

雪菜「そう、ですよね……」

朱「気持ちは分かるわ。でもほら、桜野ちゃんは今ここにいて、こうして笑ってる。あたしたちに出来るのは、今を失わないことよ」

雪菜「今を……失わない……」

朱「だからあたしたちも一所懸命楽しみましょ?」

雪菜「…………はいっ!」

雪菜「ところで朱さん!」

朱「どうしたの?」キリッ

雪菜「怪しいです!」

朱「なっ!?」(E:でっかい帽子サングラスマスク)

透「パッと見不審者」

朱「と、透ちゃんまで……」

桜野「最初見たときちょっとびっくりしちゃいました」

雪菜「日焼け対策……にしてはちょっと過剰なような……?」

朱「こ、これは変装というかなんというか……」

透「そういえば人気モデル」

朱「あ、あたしだってそんなに見つかるとは思ってないわよ? でも万が一ってこともあるし……何より今日は! 今日だけは絶対誰にも邪魔されたくなかったのよぉ!」

雪菜「逆に目立ってます」

朱「そんなっ!」

桜野「少し外した方がいいかもですねぇ」

朱「わかったぁ……帽子だけにするぅ……」

透「うん、そっちの方がいい」

朱「……ふむ」ジロジロ

透「な、なに……?」

朱「ちょっとこのサングラスかけてみて?」

透「え、う、うん……どお?」スチャ

朱「……」

透「かけさせといて無反応は……」

朱「」パシャパシャパシャシャシャ!!!

透「撮らないで!?」

朱「ポーズとって!」

透「とらない!!」

雪菜「でもほんとに似合ってます!」

桜野「透ちゃんかっこいいよー!」

透「そ、そお?」テレッ

朱「1日貸すから使って?」

透「ん、ありがと」

雪菜「それじゃさっそく行きましょー!」

桜野「おー!」

透「おー」

朱「ちょっと待ったぁ!」

桜野「?? なんですか?」

朱「これから1番大事なことを話します」

透「なんか仰々しい」

朱「それはズバリ!」

雪菜「ずばり?」

朱「ナンパに注意すること!」

透「ナンパ……」

桜野「ナンパー?」

雪菜「そんなに心配しなくてもいいと思いますけど……」

朱「あっまーい! この際だから言っておきますけどね! みんなすっごくすっごく可愛いのよ!? あたしが言うんだから間違いない!!」

桜野「なんという説得力……」

朱「こんなに可愛い子が集まってるんだもの、たくさん声をかけられるはず! ううん、絶対かけられる!」

透「何を根拠に?」

朱「あたしだったらかけます! かけまくります!! なんなら隙見ておうちに連れて帰ります!!!」

雪菜「やめてください」

朱「そんなことを考えている危険な人がいるかもしれません!」

透「朱以外にも?」

朱「なのでちゃんと警戒を……!」



桜野「あ、道ですか? それなら……」

ナンパ「ウェ-イ」



朱「言ったそばからあああああ!!!!!」ダダダッ!

桜野「あの人困ってたみたいです」

朱「あれはナンパの常套句ですぅ!」

桜野「なんと」

朱「そもそも桜野ちゃんここ初めてでしょ!? 道聞かれても分からないじゃない!」

桜野「確かに分かりませんけど……でもそれは困ってる人を放っておいていい理由にはなりません! 分からないなら一緒に探してあげることだってできるはずです!」

朱「高潔で大変よろしい! あなたのそういうところ好きよ! でもさっきの人はぜんぜん困ってなかったの!!!」

桜野「なんとまあ」

朱「ほいほいついて行っちゃダメよ? ほんとに危ないんだからね?」

桜野「はあい」

朱「分かってくれたならいいわ。桜野ちゃんだけじゃなく、2人も気をつけて……」クルッ



ナンパ「お兄さん今ひとりですかぁ?」

透「おにーさん?」

ナンパ「私達と遊びませんかぁ?」

透「??」ポケ-



朱「ちょおおおっとまったあああああ!!!!!」ダダダッ

ナンパ「一緒に行きましょーよー」グイ-

透「どこに?」

ナンパ「お兄さんが行きたいところならどこでもー」グイ-

透「行きたいとこ? 桜野ーどこがいいー?」

ナンパ「え、桜野? 名前的に女の人だよね……?」ヒソヒソ

ナンパ「恋人と来てるパターン? まずったか……?」ヒソヒソ

透「こいびっ!? ちがっ! 桜野とはそういうんじゃ!///」アタフタ

ナンパ「え、きゃわ……」

ナンパ「推せる……」

透「さ、桜野ぉ……!///」

朱「うちの子になにか御用ですかぁ???」ゴゴゴゴ

ナンパ「うひゃっ!?」ビクッ

ナンパ「こ、この人が恋人……!?」

透「あ、違います」バッサリ

透「男の人と間違えられた?」

朱「透ちゃんボーイッシュな感じだし、今日の服装は中性的ですっきりしてるし……」

雪菜「た、確かにイケメンオーラがすごいです……!」

透「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、なんで私だけ……」チラッ

雪菜「サングラスのせいだったりしません?」

朱「外したら外したで破壊力抜群なのよねぇ……」

透「!」ハッ

透「……っ!」ペタッ

透「……」スト-ン

透「!???!?!??!!?」

透「アア……」ガクッ

桜野「透ちゃん!?」ガシッ

透「さ、く……?」

桜野「大変、熱中症かな!? なにか飲み物でも……」

透「……」ジ-ッ

桜野「え、あの……透ちゃんどこ見て……?」

透「アアアアア……」パタッ

桜野「透ちゃーん!!!」

透「ウラギリモノウラギリモノ……」シクシク

朱「まずいわね、このままだと透ちゃんが女の人に誘拐されてしまう。そうなる前にいっそあたしが……」

桜野「だめです」

朱「でも本当に笑っていられる状況じゃないわ……」

朱「桜野ちゃんはなにか頼まれたらふらふらついて行っちゃうし」

朱「透ちゃんは意外とボケボケで女の人に連れていかれそうだし」

朱「この2人ちょっと危うい……危うすぎる……!」

朱「そ、そうよ雪菜ちゃんなら! 雪菜ちゃんは警戒心が強いし、ナンパにも怖がって近づかないはず……!」

朱「雪菜ちゃ……! あれ、雪菜ちゃんは?」



雪菜「え、写真撮ってくれるんですか?」

ナンパ「ウェ-イ」



朱「スタァァァップ!!!!!」ダダダダッ

朱「どうして……どうしてなのっ……! いつもの警戒心はどこ行っちゃったの……! 観光地だからなの……!? 財布の紐みたいな感じなの……!?」

雪菜「だって写真撮ってくれるって言うから……」

朱「それもナンパの常套句なの!」

雪菜「なんとまあ」

朱「だ、ダメだ……最後の砦だった雪菜ちゃんまであてにできないなんて……! あたしひとりでみんなを守れるの……?」

朱「ううん、へこたれちゃダメよ秋葉朱! みんながこんな感じだからこそ、あたしがしっかりしなきゃ……!」

透「あ、小学生」

朱「っ!!?」バッ!!!

雪菜「ほんとだ。遠足でしょうか」

桜野「遠足! あんな感じかぁ……!」

朱「疾ッ!!!」ダッ!

雪菜「ストップです朱さん!」ガシッ

朱「ハナッ……ハナシテッ……!」グイ-

透「ち、力つよっ……!?」グイグイ

朱「シャシン……シャシンダケ……!!!」

雪菜「盗撮は犯罪です!」グイ-

朱「カワイイ……ホシイ……!!!」

透「写真くらい撮らせてあげるから!」

朱「っ!!?」ババッ!!!

透「雪菜が!」

雪菜「ちょっ!?」

透「今なら霰もセット!」

雪菜「妹巻き込まないでください!?」

透「だってこうしないと何かに変身しそうなんだもん!」

雪菜「否定できないっ!」

朱「ユキナチャ……アラレチャ……!!!」

桜野「ねぇシキ、朱さんから闇の気配とかしないよね?」ヒソヒソ

シキ「信じられないですが何も感じないのです。シアにも聞いてみるです」ヒソヒソ

桜野「どうですシアさん?」ヒソヒソ

シア「ええ、微塵も感じませんわね。ですが……」ヒソヒソ

朱「カワイイ……カワイイ……!!!」

シア「目の前にこれがいて何も感じとれないのは、ちょっと自信なくなりますわね……」

桜野「あはは……」

シキ「笑いごとじゃないのです……」

ここまで

朱さんがヤバくなった、の加減がわからなかった

モンスターシューティング

スタッフ「モンスターシューティングへようこそー! 皆さまは今から……」

ワイワイガヤガヤ

桜野「これは……?」

雪菜「シューティング系のアトラクションですね。ゴンドラでコースを進みながら、出てくるモンスターを光線銃で撃つんです」

桜野「光線銃?」

朱「これ見本のやつね」

桜野「なるほど。こ、こんな感じ……?」スチャ

朱「うんうん、結構さまになってるわよ」

桜野「そ、そうですか? へへへ……」

透「へぇ」カタッ

透「……」クルクルパシッ

透「うん、取り回しいいかも」スチャ

桜野「おおー!」パチパチ

朱「かなりさまになってるわね」

雪菜「透さん、こういうの得意です?」

透「そこそこ」

朱「最後にスコアが出るから、みんなで競走しましょっか」

雪菜「きょ、競走ですか……がんばろ!」グッ

桜野「わたしもがんばろ!」グッ

透「あんまり力まないほうがいい」

スタッフ「次のお客様どうぞー」

雪菜「あ、私たちの番です」

桜野「よおし! どっからでもかかってこーい!」



安価 桜野のウデマエ
先に2票入ったやつ
① 超絶脳筋0ヒット
② 平々凡々こんなもん
③ 百発百中スナイパー

透「……」ビビッビビビッ

朱「意外とっ! 難しいかもっ……とっ!」ビビッ

雪菜「わわっ、あっちも!」ビビビッ

桜野「み、みんなすごい……わたしも……! てやっ」ビビッ

スカッ

桜野「あれぇ?」

桜野「ま、まだまだ!」

桜野「ていっ! とあっ!」ビビビビッ

スカカカッ

桜野「あれれぇ?」

透「的をよく見て、両手でまっすぐ構えて」ビビビッ

桜野「うぇ? えと、えっと……!」モタモタ

透「桜野、右」

桜野「わかってるけどぉ~!」ビビッ

スカッ

桜野「当たんない~!」



安価下コンマ
最終結果
偶数 2位朱、3位雪菜
奇数 2位雪菜、3位朱

えい

>>552
えげつねえコンマ出たのであとで桜野にいいものあげることにします

スタッフ「お疲れ様でしたー!」

朱「結構難しかったわねー!」

雪菜「でも楽しかったですー!」

透「ん」

朱「それで結果が……」

透「いちばん」←1位

朱「けっこう僅差だったわね」←2位

雪菜「もうちょっとだったんですけど、惜しかったです」←3位

桜野「うぐぉぉぉ……!」←4位

雪菜「透さんすっごい上手でしたね!」

透「ああいう武器、結構いいかも。やってみよっかな」

雪菜「こ、こんなところにも新技のヒントが……!」

朱「桜野ちゃんは……その……」

桜野「まさか1発も当たらないとわぁぁぁ……!」ガクッ

雪菜「桜野さんのバトルスタイルってなんていうか……」

透「真っすぐいってぶっとばす」

雪菜「って感じですよね。銃とは相性悪いのかも……」

桜野「ふぬおおおおお……!」

朱「げ、元気だして……!」

透「大丈夫だよ桜野」ポンッ

桜野「と、透ちゃ……」

透「これからも遠距離攻撃は私たちにまかせて」ニコッ

桜野「わたしに遠距離は無理ってことですかあああ……!!!」ガクガクッ

朱「透ちゃん逆効果……」

透「あれ?」

雪菜「そういえば透さん、さっきスタッフさんから何か貰ってませんでした?」

透「うん、なんかハイスコアの景品らしい」ピラッ

朱「併設されてる飲食店の割引券ね」

雪菜「あ、じゃあちょっと早いですけどお昼にしますか?」

透「うん、賛成」

朱「桜野ちゃーんそろそろ復活してー?」

桜野「ぬぐううううう……!」

ここまで

ちゃんと誰が見てもいいものあげるよ……


極限まで断ロリして禁断症状で苦しんでる朱さんを入れた箱とか?

>>558
それ貰って嬉しいか?

カフェ・ラヴィール

雪菜「パスタとラーメンが同居してます……」

透「なんでもあって選び放題」

朱「逆に迷うわね……」

雪菜「オススメとかあれば助かるんですけど……」



桜野「……わかっちゃいたけど観光地価格だなぁ」

桜野「……」

桜野「………………ちょっと無理かぁ」ボソッ



朱「透ちゃんの割引券って何が割引されるんだっけ?」

透「んーと……期間限定メニューを一品、が5枚綴り」

雪菜「けっこう太っ腹ですね」

透「みんなで使お」

朱「あら、あたしたちもいいの?」

透「うん、よければ」

雪菜「ありがとうございます! 使わせていただきます!」

朱「とはいえ期間限定だけでも結構あるわね」

雪菜「やっぱり迷っちゃいますねー」

透「桜野は?」

桜野「え?」

透「何にするか決まった?」

桜野「わたしは……ど、ドリンクだけでいいかな!」

透「え、なんで……?」

桜野「いやちょっとおなかいっぱいと言いますか……」

透「桜野が? お昼はいつもお米粒ひとつ残さずきれいに食べる桜野が? おなかいっぱい?」

桜野「ああいや……はは……」

透「大丈夫? 体調悪い? おなか痛い?」

桜野「おなかは痛くないけど……あ、あれかな、初めてがいっぱいでいろいろ圧倒されちゃったのかな」

透「ほんとに大丈夫? 無理に食べろとは言わないけど……辛かったら言ってね?」

桜野「うん、心配かけちゃってごめんね」

シキ「……」

朱「みんな決まった?」

透「2人は?」

朱「あたしはホットサンド」

雪菜「私はオムライスにしようかなと」

朱「透ちゃんは?」

透「うどん」

朱「うどん……」

透「あったかいのか冷たいのかで悩んでる」

桜野「どっちも美味しそうだもんねぇ」

透「桜野はどっちがいいと思う?」

桜野「わたし? んー」



安価下
① あったかいの
② 冷たいの

桜野「あったかいのかな」

透「じゃあそっちにする」

シア「こら透、自分の食べるものくらい自分で決めなさい」

透「む……こんな人の多いところで話しかけてこないで」グイッ

シア「ちょっと透っ……えぷっ!」

桜野「シアさんぺちゃんこになっちゃう……」

透「シアならこのくらい平気だもん」

桜野「これもまた信頼か……でもほんとにわたしが選んだ方でいいの?」

透「うん、そっちの方がおいしそう」

桜野「透ちゃんがいいならいいんだけど」

透「桜野は本当に何もいらない? 割引券まだあるよ?」

桜野「ううん、大丈夫」

シキ「じゃあシキが食べるのですー!」バッ

桜野「っ!? こ、こら!」ガバッ

シキ「えぶぶぶぶっ!」ワタワタ

桜野「見つかっちゃうから大人しくしててぇ!」

シキ「ぷあえっ! 大丈夫なのです! ここは夢の国! 妖精がいてもおかしくないのです!」

桜野「本物はさすがにキャパオーバー!」

シキ「シキもなにかたーべーるーのーでーすー!!!」ワタワタ

桜野「ご、ごはんならあとであげるから……!」

シキ「いーまー!」

桜野「そもそも食べきれないでしょー!」

シキ「でーもー!」

透「ちょ、ちょっとシキさすがに……」

シキ「透!」ピシッ

透「え?」

シキ「シキにごはんを食べさせるのです」

透「で、でもここだと……」

シキ「たーべーるー!」チラチラッ

シア「?」ピクッ

シア「な、なんだかわかりませんけど……」

シア「透、いいじゃありませんか」

透「シアまで!?」

シア「シキのわがままなんて久しぶりですわよ?」

透「そ、それは確かに……」

シキ「むー」ジ-

透「わかったわかったから。何か買うから大人しくして」

桜野「透ちゃんいいから! 買うならわたしが!」

透「ううん私が。本来シキの世話は私がしなきゃいけないのに桜野に預けちゃってる。だからたまには」

桜野「でもっ」

シキ「透っ、はやくっ」グイ

桜野「あっ……」

透「わかったから。それで何が食べたいの?」

シキ「んー……桜野、何がいいです?」

桜野「へ? わたし?」

シキ「早く選ぶです」

桜野「じゃ、じゃあ季節のカレーとか……?」

シキ「それにするです。透」

透「うん」

桜野「ごめんね透ちゃん……」

透「ううん、シキのことは私にも責任あるから」

桜野「……ごめん」

雪菜「みんな来ましたね。それじゃあ」

「「「いただきまあーす!!!」」」

朱「あ、おいしい」モグモグ

雪菜「オムライスもおいしいです!」モグモグ

透「あったかいので正解」モグモグ

桜野「シキ、窮屈かもしれないけど、わたしの体で隠れるように食べてね?」

シキ「わかってるのです」

桜野「はい。熱いと思うから火傷しないように」

シキ「いただきますなのですー。あむっ」パクッ

シキ「へひゃっ!」

桜野「あ、やっぱり熱かった?」

シキ「あちゅいのれす……あとかりゃい……」

桜野「そりゃカレーだし……」

シキ「でも食べられないほどじゃないのでしゅ」パクパク

桜野「よく噛んで食べるんだよー」

シキ「むぐむぐけぷっ……もうおなかいっぱいなのです」

桜野「え、スプーン一杯分も食べてないじゃん……」

シキ「よく考えるのです。シキの背丈の半分もあるスプーンなのです。持つとこまで入れたらシキよりのっぽさんなのです。そんなの食べきれるわけがないのです」

桜野「だから食べきれないでしょって言ったじゃあん……どうするの……」

シキ「桜野にあげるのです」

桜野「え……」

シキ「遠慮せず食べるのです」

桜野「でも……」

桜野「」ゴクッ

桜野「で、でも透ちゃんが買ったやつだし透ちゃんが……」

透「ううん、桜野食べていいよ」

桜野「え……でも……」

透「自分のあるから、そんなに食べきれない」

桜野「で、も……」

透「捨てちゃうのももったいないしよかったら食べて? あ、でも体調悪いなら無理には……」

桜野「…………お金、あとで払うね」

透「ううん、いいよそれくらい。割引券も使えて大した金額じゃないし、それに……」

シキ「これはシキが買ってもらったからシキのものなのです! それをどうしようとシキの勝手なのです!」エヘン

透「そういうこと。日頃のお礼もかねてってことでご馳走させて?」

桜野「ぁ……わた、し……」

シキ「桜野」

桜野「……!」

シキ「シキの代わりに食べて? お願いなのです」

桜野「……っ」

桜野「……」

桜野「……じゃあ………………いただきます」

シキ「うん」ニコッ

桜野「……」カチャ

桜野「……」ゴクッ

桜野「っ」パクッ

透「どお?」

桜野「……」モグ…モグ…

桜野「……っ!」ギュウウッ

透「あ、やっぱり辛かった? 桜野辛いのダメなんだっけ?」

シキ「ううん、桜野ね、シキと初めて会ったとき言ってたのです」

『好きな食べ物は食べられるもの全部です』

シキ「だから……」

桜野「っ」ゴクンッ

桜野「ぁ……」カチャパクッ

桜野「っ……っ……!」パクパク

桜野「んん……!」モグモグ

ガツガツモグモグ

透「なんだ、やっぱりおなか空いてたんだ」ニコッ

シキ「…………よかった……食べてくれた……」ホッ

朱「……」ジ-

桜野「あむっ……っ……!」ガツガツ

朱「桜野ちゃん」

桜野「ほぇ? なんれふか?」

朱「あーん」

桜野「うぇ!?」

朱「ほらほらおくち開けてー」

桜野「い、いやでもそれ朱さんのっ……!」

朱「あたしは桜野ちゃんにあーんしたいだけなの」

桜野「え……」

朱「間違えた。あたしは美味しいものをシェアしたいだけなの」

桜野「は、はあ……?」

朱「すっごく美味しいから桜野ちゃんにもぜひ食べてほしいの」ニコッ

桜野「でも……」

朱「じゃあそっちのカレーもちょっと頂戴? 交換ならいいでしょ?」

桜野「えっと……」

朱「はいあーん」ズイッ

桜野「もごっ!?」

朱「ふっふっふっ」ニコニコ

桜野「むぐむぐ」

朱「おいしい?」

桜野「ぷまいです」モグモグ

雪菜「……」ジ-

朱「よかった。じゃあもう一口」スッ

桜野「ぷぇ!? そんなにもらえましぇんよ!?」

朱「いいの食べて! モデルは体型維持が大変なのよ!」

桜野「えぁっ、あのっ!」

雪菜「待ってください! 次は私があーんする番です!」ズイッ

桜野「えっ!?」

透「桜野、あったかいの食べる?」ズイッ

桜野「ええっ!?」

透「さあ」

朱「さあ!」

雪菜「さあ!!」

桜野「えええ~!!!」グルグル

店員「ありがとうございましたー!」

桜野「けぷっ」

朱「さ、さすがにちょっとやりすぎちゃったわね……」

雪菜「すみません調子乗りすぎました……」

透「大丈夫?」

桜野「う、うん……でもなんか変な感じ……」

透「あれだけ食べればね」

桜野「うん……」

桜野「……」ポンポン

桜野「………………おなかいっぱいって初めてかもなぁ」ボソッ

透「……?」

朱「あ、次あれ乗りましょ!」

雪菜「どれですかー?」タタッ

桜野「行こっか」

透「あ、うん!」

ここまで

というわけで正解は、良いもの(おなかいっぱい)でした
正解した人にはもれなく>>558をプレゼント

>>524やりたいんだけど雪菜がジェットコースター乗ってくれなさすぎるし怖がる雪菜を無理やり乗せようとする人もいないどうしよう

イマジナリー霰ちゃんでいきますね

朱「次は……あれ行ってみる?」

桜野「あれ……? おー、あれこそ音に聞く」

透「定番」

雪菜「うっ、ジェットコースターですか……」

朱「やっぱり苦手?」

雪菜「は、はい、すみません……想像するだけで震えが……」ブルッ

透「昔になにか?」

雪菜「あ、いえ、実は乗ったことが……」

透「ないの?」

雪菜「はい……霰が絶叫系好きで誘ってくれたりもするんですけど、こればかりはどうも……」

朱「確かに好きそうね霰ちゃん」

桜野「そんなに怖いものなの?」

透「そっか、桜野もはじめて」

桜野「うん。でもわたしはそんなに怖いとは」

雪菜「見た感じが怖くないです? だってあんなに高くまで……」

桜野「変身して戦ってるときはもっと高いよ?」

雪菜「あ……」

桜野「?」

雪菜「で、でもあんなスピード出ちゃってますし!」

桜野「戦ってるときはもっと速いよ?」

雪菜「……」

桜野「??」

雪菜「あ、あ、あんな縦横無尽に動き回って……!」

桜野「戦ってるときはもっと動き回ってるよ?」

雪菜「…………」

桜野「???」

雪菜「あれ、もしかしていける……?」ハッ

桜野「無理にとは言わないけど、案外いけそうじゃない?」

雪菜「で、ですかね……」

朱「ふふふっ、せっかくだし初めての挑戦しちゃう?」

雪菜「やっぱりちょっと怖いですけど……」

透「今乗っておけば、次霰に誘われたとき一緒に乗れる」

雪菜「た、たしかに……!」

雪菜「そう……確かにそうだ……!」

雪菜「私がジェットコースターに乗れるようになれば、霰の誘いを断って申し訳ない気持ちでいっぱいになることも、残念そうな顔で列に並ぶ霰を見ることもなくなる……!」

雪菜「それに桜野さんが言った通り、ジェットコースターよりも変身して戦うときの方がずっと激しい……!」

雪菜「こういう言い方はどうかと思うけどMAXスピードは多分私の方が上……!」

雪菜「なんならいっそ変身して……!」

シキ「ぜってーダメなのです」

雪菜「いける……今の私なら……乗れるッ……!!!」

雪菜「見ていてね霰……! 私、ジェットコースター乗るからね……!」

霰(イマジナリー)「お姉がジェットコースターなんて、なんだか感慨深いなぁ」

雪菜「あ、霰!」

霰(イマジナリー)「大丈夫? 怖くない?」

雪菜「やっぱり少し怖いよ。でもがんばる!」

霰(イマジナリー)「うん。私もジェットコースターに乗るかっこいいお姉見たい。それ何より、私もお姉と一緒にジェットコースター乗りたいし」

雪菜「霰ぇ……!」

霰(イマジナリー)「次は私と乗ろうね? 約束だよ?」

雪菜「うんっ! 約束!」

霰(イマジナリー)「じゃあがんばってね、お姉」ニコッ

雪菜「ありがとう霰! お姉ちゃんがんばるからね!」グッ



透「なにあれ……」

朱「霰ちゃんと会話しているだと……!?」

桜野「イマジナリー霰ちゃん……」

朱「なにそれあたしもほしい」

透「姉妹特権」

朱「くっ、一人っ子のあたしにはどう足掻いても……! 待って、姉妹がいないなら今から作ればいいんじゃない?」

透「捕まるようなことしないでよ?」

桜野「ほどほどにしてくださいね?」

朱「あたしそんなに信用ない……?」

雪菜「さあみなさん、いざジェットコースターです! 行きますよ!」

透「あ、雪菜覚醒?」

桜野「元気になったねぇ」

朱「ほんとに大丈夫?」

雪菜「はい、もう大丈夫です。ちっとも怖くありません」

雪菜「だって私には……」

雪菜「霰がくれた勇気があるから」

ジェットコースター?

雪菜「ひいいいぃぃぃぃぃいいいいいにゃあああぁぁぁぁぁああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!」

雪菜「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛があああうああああああああああ!!!!!!!!」

雪菜「いやあああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

朱「雪菜っ、ちゃっ!? おちついっ……!」

雪菜「むりむりむりむりむりむりしぬひうじぬしにゅしいいいぃぃぃぃぃいいいいいいいい゛い゛い゛い゛い゛!!!!!」

桜野「た、楽しみ方あれであってるの!?」

透「方向性は!」

桜野「程度は!?」

朱「ふ、2人ともあんまりしゃべると舌噛んじゃう!!」

桜野「なんてぇ!?」

雪菜「だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛じゅげであられえええええぇぇぇゑゑぇぇぇぇぇぇええあえええええあえ!!!!!!!!」

朱「ま、まあ初めてだし! いい思い出ってことに……え」

透「ちょっと待ってあれって……!」

桜野「なにっ!? なになになに!?」

透「前!」

桜野「ほぇ?」

朱「これもしかしてうぉーた……」

雪菜「うでゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!」

ゴオオオオッ!!!

桜野「あ……」

ザッバァァァァァンッ!!!!!

朱「……」ビチョビチョ

桜野「……」ビショビショ

朱「……濡れたわね」

桜野「……濡れましたね」

朱「まさか最後にあんなのが待ち構えているなんて……」

桜野「びっくりするほど水ばしゃーんしましたね……」

朱「ついでに思い出したくない顔まで思い出しちゃったわ……」

桜野「トラウマものですもんね……」

朱「そしてそれは……」

桜野「わたしたちだけじゃないと……」

雪菜「ミズコワイミズコワイミズコワイ……」ギュウウウッ

透「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ……」ギュウウウッ

朱「ごめんね……あたしがジェットコースターなんて提案するから……」ナデナデ

桜野「いえ、これに関しては誰も悪くないです……」ナデナデ

雪菜「ミズコワイミズコワ……ヘクチッ」

透「ゴメンナサイゴメンナサ……クシュンッ」

桜野「大変。このままだと風邪ひいちゃいます」

朱「いつまでも濡れたままじゃいられないわね。タオルとか着替えとか借りられないか聞いてみるわね。2人をお願い」タタッ

桜野「はい」

朱「あ、すいませーん」

朱「着替え借りられてよかったわね」

雪菜「服も乾かしてもらえることになって助かりました」

朱「すぐ乾くって言ってたし、せっかくだからいつもと違う格好でちょっと楽しみましょっか」

雪菜「ですね」

透「ねぇ」

朱「どうしたの?」

透「なんでこんな格好?」(E:赤いヒーロースーツ)

朱「渡されたのがこれだったのよ」(E:黄色いヒーロースーツ)

雪菜「これスフィアフォースですね」(E:青いヒーロースーツ)

透「すふぃ?」

雪菜「特撮ヒーロー番組です。霰が好きなんですよ」

朱「でもなんでそれのコスプレ? なのかしら?」

透「顔まで隠れる」メットオン!

朱「本格的よね」

雪菜「そういえば今日ここでヒーローショーがあるって……」

朱「もしかしていい宣伝になってる?」

雪菜「かもしれませんね。霰に羨ましがれちゃうなぁ」

透「でもなんで私がレッド? こういうのってなんとなくだけど桜野がレッドのイメージ」

雪菜「言われてみれば……というか桜野さんは?」

朱「それなんだけど……」



桜野「おまたせー」



透「さくっ! の?」

雪菜「あ、それ……」

桜野「どお? 似合う?」(E:悪役スーツ)

朱「こんな感じなのよね……」

桜野「フッフッフッ、おれの名は、名は……おれは誰だ?」

透「記憶喪失?」

雪菜「『エイズサークル "メルボルゼ"』です。敵組織の幹部です。あと一人称は我です」

桜野「我はめるぼー!」バッ

雪菜「もうそれでいいです」

透「けっこう似合ってる」

桜野「ほんと?」クルクル

雪菜「似合ってるも何も顔まで隠れちゃってるじゃないですか……」

朱「とにかく服乾くまでこのまま……」



スタッフ「やーっと見つけた!」



朱「え?」

スタッフ「どこ行ってたんだよ! 本番始まっちゃうよ早くして!」グイグイ

透「な、なにっ? 桜野っ?」

桜野「わかんなっ……!」

雪菜「あ、あぇああえ?!??」アタフタ

朱「な、なにか勘違いを……!」

スタッフ「いいからはやく!!!」グイッ

雪菜「ま、まってくださぁぁぁああ!!」ズル-

ここまで
次回ヒーローショー

おかげさまでゆきにゃがジェットコースター乗ってくれました 感謝感激雨霰ちゃん

濡れ透けはバッドエンド分岐あったので意図的に避けました

ヒーローショー会場

ワイワイガヤガヤ

MCのお姉さん「みんなぁー! こーんにーちわー!!!」

「「「こーんにーちわああああ!!!」」」



舞台裏

朱「うわ、すっごい人来てる……」

透「満員だ」

雪菜「なななななななんでこんなことに!」ガクガク

朱「本物のアクターさんはどこ行っちゃったのかしら……」

透「探す?」

雪菜「そそそそそそそうですよ今からでも探して……!」

裏方スタッフ「おめーら準備できてんなー?」

雪菜「ひゃいっ!?」ビクッ

裏方スタッフ「んな緊張すんなよ。リハ通りにやりゃあいいんだから」

雪菜(やってないんですってばぁ!)

裏方スタッフ「ったく向こうは落ち着いてんのに……」

朱「向こうって……」ヒソヒソ

透「桜野?」ヒソヒソ

裏方スタッフ「じきに出番だ。調子整えとけよ」スタスタ

雪菜「そ、そんな……」

朱「とにかくもうやるしかないわね」

雪菜「うまくいくわけないですよぉ……」

透「腹くくるしかない」

雪菜「うぅ……」

朱「台本は最低限いれられた。基本的に音声に合わせて動くだけだから、想定外のアドリブみたいなことにはならないはず。各種ポーズは雪菜ちゃんが教えてくれた通りに」

透「雪菜、よくこんなに覚えてたね」

雪菜「霰に覚えさせられたのがこんなところで役立つとは……」



ドババ-ン

スピーカー『ふはははは! これだけの人間が集まっているとは好都合だなぁ!』

MCのお姉さん「あ、あなたたちは……インフェルノ!?」



朱「あ、桜野ちゃんの出番よ」

透「どんな感じかな?」ワクワク

雪菜「だ、大丈夫でしょうか……!」ハラハラ

スピーカー『はーはっはっはっ!』

桜野「ばっさぁー!」ダダッ

桜野「ここでっ……ターンっ!」クルッ

桜野「そしてポーズ!」シャキ-ン

スピーカー『我こそは!』

桜野「めるぼー!」

MCのお姉さん「大変! メルボルゼが襲ってきた!!」



雪菜「あの人なんであんなにノリノリなんですか!?」

透「さすが桜野」ウンウン

朱「あたしたちもあれくらいやらないとね……」

雪菜「む、無理ですよぉ……!」



MCのお姉さん「そんな小さい声じゃ聞こえないよー! みんなぁ、もう一度大きな声でぇー! せーのっ!」

「「「スフィアフォースうううう!!!!」」」



朱「ほら出番よ!」

透「行くしかない」

雪菜「もうヤケだー!!!」

スピーカー『俺たちを呼んだか!』

MCのお姉さん「あ、この声は!」

朱(立ち位置立ち位置……!)タタッ

透(桜野、さまになってるなぁ)タタッ

雪菜(すっごい人ぉ~!)グルグル

スピーカー『貴様ら!』

桜野「おどろくポーズ!」

スピーカー『天球戦隊スフィアフォース!!!』

朱(ポーズは……こう!)バッ ←あってるけどキレが足りない

透(こう?)ババッ ←ちょっと間違ってる

雪菜(逃げたい……)シュババッ ←完璧

スピーカー『出たなスフィアフォース! 今日こそ鉛の外套を誂えてやる!!』

桜野「挑発のポーズ!」バッ

朱(セリフの意味がわかんないぃ!)

スピーカー『往けモーフども! スフィアフォースを倒し、人間を恐怖のどん底へと突き落としてやるのだ!』

桜野「やるのだ!」ババッ

透(ほんとにノリノリ)

MCのお姉さん「お願いスフィアフォース! インフェルノと戦って!!」

スピーカー『任せとけ! 行くぜみんな!』

雪菜(こ、ここから戦闘です……!)

朱(あたしと雪菜ちゃんはいっぱいいるやつと戦って……!)

透(レッドの私は桜野と!)ダッ

スピーカー『スフィアレッド! 今日こそ決着をつけてやる!』

桜野「いっくよー!」スッタタ-

MCのお姉さん「みんな! スフィアフォースを応援してあげて! がんばれー!」

「「「がんばれえええええ!!!!」」」

桜野「てい! とああ!」ブンブン

透「おっと……んっ……!」ササッ

透(やっぱり桜野、変身してないと弱い)

透「はっ」バッ

桜野「ぐはっ!」

透(体力ないし体育の授業もほとんど休んでるし、あんまり激しく動いて怪我したら大変)

透「よっ」

桜野「くっ……!」

透(とはいえあくまで戦ってるフリ。本当に当てるわけじゃないからだいじょ……)

桜野「うぅっ!」キッ!

透「っ!」ゾクッ

透「うわぁ!!」ブンッ

バチィッ!

透(あ……)

透「しまっ……!」ハッ

桜野「あうっ!」ドサッ

透「桜野!」タッ

裏方スタッフ「おいなにやってる! 近寄んな戻れ!」サッサッ

透「くっ……!」ズザッ

透「桜野……ごめん……!」

桜野「……」シ-ン

透「さ、桜野……?」

「お、おい……今のアクション、なんかすごくなかったか……?」

「本当にぶっ飛んでるみたいだったな……」



雪菜(さ、桜野さん倒れたっきり動かないです……!)ドキドキ

朱(大丈夫かしら……!)ハラハラ

MCのお姉さん「さ、さすがスフィアレッド! メルボルゼをやっつけてくれるなんて!」

スピーカー『俺の力はこんなもんじゃないぜ!』

透(そ、そうだこれは台本通り! レッドが敵を倒して色々しゃべって、それに反応した敵がパワーアップする流れ。桜野が動かないのはそのせい……!)

スピーカー『魔王の言いなりになってるようなやつに俺たちは負けない! 地球の平和は! みんなは! 俺たちが守る!』

MCのお姉さん「ありがとうスフィアフォース!!!」

「「「ありがとおおおお!!!!!」」」

透(ここ! このタイミングで起きるはず!)

朱(桜野ちゃん!)

雪菜(桜野さん!)

桜野「……」シ-ン

透「あ、れ……桜野……?」

裏方スタッフ「おい! なにやってんだ早く起きろ!」ワタワタ

透(なん、で……? なんで起きないの……?)

裏方スタッフ「起きるまでなんとかつなげ!」

MCのお姉さん「は、はいっ!」

「おいおい大丈夫か?」

「なにかトラブル……?」



透(ど、どうしよう……! なんで起きてくれないの……!)

雪菜(こ、これまずいんじゃ……!)

MCのお姉さん「えっと……さすがスフィアフォース! みんなを守るため、メルボルゼを倒してくれました!」

透(演技? 当たりどころが悪かった? 衣装のせいで熱中症? わかんない……わかんないよぉ……!)

朱(やばい……このままだとステージも……!)

MCのお姉さん「この先も戦いは続きます! それでもスフィアフォースは絶対に負けません!」

透(お願い桜野……! 起きて……!)

MCのお姉さん「スフィアレッドが言ってくれたように、魔王の言いなりになっているような……」



「言いなり?」



透「!」ゾ

朱「!」ク

雪菜「!」ッ

MCのお姉さん「…………へ?」



桜野「……」ユラァ



ザワッ!

「お、おい……なんだ……!」ゾクゾク

「すげえ……迫力……!」ビリビリ

「ぱ、パパぁ……!」ビクビク



透「さ、桜野……?」

透(今の……桜野……!?)

スピーカー『言いなりだと? 違う。我が魔王ダンフェリオ様は……』

透「!」

透(じゃない、スピーカーからだ。でも……!)

スピーカー『いや、我が友ダンは……魔王となってからも我を友と呼んでくれた……』

桜野「……」ズズズ…



ザワザワザワッ!

「ままっ……こわいっ……!」ギュウウウッ

「う、うんっ……!」ゾクゾク

「やっば……なんだよこれ……!」ゾワゾワ



スピーカー『我がここに在るのは忠義ではなく、友との絆を守るため……』

桜野「……」ゴゴゴゴ

MCのお姉さん「み、みん、な……おう……えん……」カタカタ

スピーカー『それを貴様らなんぞに壊せるものか……!』

桜野「……」ブワッ!

MCのお姉さん「ひあぅっ!?」ビクゥッ!

裏方スタッフ「や、やるじゃねぇかあいつ……!」ゾクゾク

スピーカー『ここからが最終決戦だ……!』

桜野「……!」ギンッ!

朱「っ!?」ビクッ

雪菜「うっ!?」ゾワッ

朱「ゆ、雪菜ちゃん……これ……!」

雪菜「私たちも本気でやらないと……!」

朱・雪菜「「やられる!?」」

スピーカー『スフィアフォースよ!!』

桜野「さあ……」バッ

透「うくっ……!」ゾクッ

スピーカー『どこからでもかかってこいっ!!!」桜野



─────
───

その後は概ね台本通りに進み 大きなトラブルなくショーは終了した
しかしこの公演は悪役が異常なまでに恐ろしく
「子どもがガチ泣きした」「大人でも失禁した」「映像越しでも冷や汗が止まらない」「本物がいた」
などの評価で騒然となった
そんな子ども向けを大きく逸脱したショーを一目見ようと客が殺到したが 結局ここまでの迫力は二度とお目にかかれず
この公演は奇跡の神回として伝説になったという

ここまで

まあ見てくれよ
多分今回次回あたりは迷い悩みが顕著に出るわ

朱「な、なんとか抜け出せたわね……」

雪菜「さすがにもうこりごりですぅ……」

透「桜野大丈夫?」

桜野「お、おぉー……」ヘロヘロ

透「ごめん。やりすぎた」

桜野「い、いやいやなんのこれしき……」

透「怪我とかない? 私、勢い余ってぶっ飛ばしちゃった……」

桜野「ああ、あれねぇ……」

透「ほ、本当にごめんね? 大丈夫だった? ちょっとの間動かなかったからすごく心配で……」オロオロ

桜野「だいじょぶだいじょぶ、かすっただけだから。あの時はちょっとびっくりしちゃっただけだよ」

透「本当に大丈夫? 頭ぶつけたりとかしなかった?」

桜野「大丈夫だって。ほら元気! だからもう心配しないで?」ニコッ

透「……うん……よかった」ホッ

朱「にしても、あの後の桜野ちゃん凄かったわよね……」

雪菜「お客さんもびっくりしてましたね……」

透「さすがの気迫だった」

桜野「いやぁ、なんか力入っちゃって……」

雪菜「ていうか変身しなくても気迫はそのままなんですね……」

朱「いろんな意味で桜野ちゃんとは戦いたくないなぁって思ったわ……」

桜野「あはは……」

雪菜「さてじゃあ次はどこ行きましょうか」

朱「そうねぇ」

透「桜野はどこ行きたい?」

桜野「みんなに任せるよ」

透「そう? んー、困った」

朱「遠慮しなくてもいいのよ?」

桜野「遠慮なんてしてないですよ。みんなの行きたい場所がわたしの行きたい場所です」ニコッ

朱「……そう」

雪菜「で、でもせっかくですし、桜野さんが行きたい場所にも……」

桜野「そうは言っても、そもそも何があるのか全然わかんないし」

雪菜「……そう、ですね」

桜野「透ちゃんはどこ行きたい?」

透「私は……どこ行ったら楽しいと思う?」

桜野「それをわたしに聞いちゃうんですか……」

透「桜野に決めてほしい」

桜野「さっきも言った通り全然わかんないから、あんまり楽しくないとこ連れてっちゃうかもよ?」

透「桜野が選んだとこならきっと楽しいよ」

桜野「ぷ、プレッシャー……!」

透「桜野、お願い」

桜野「! そ、そこまで言われたら無下にできませんな! よぉし! ここは一発張り切っちゃお!」

朱「うん。あたしも桜野ちゃんがどこ行きたいのか……ん?」

雪菜「? どうしたんですか?」

朱「見てあの子……」

透「あの子?」



女の子「っ……っ……!」キョロキョロ



桜野「あの女の子がどうかしましたか?」

朱「あの子……」

桜野「はい」

朱「すっごくかわいいっ……!」

雪菜「あの……」ジト-

桜野「朱さん……」ジト-

朱「間違えました。あの子、なんだか様子が変じゃない?」

透「へん?」

朱「だってほら……」



女の子「っ……!」ウルウル



透「もしかして迷子?」

桜野「!」

朱「やっぱりそう見えるわよね」

雪菜「さっき見た遠足の小学生でしょうか……?」

朱「危ない目に遭う前になんとかしなきゃ!」ダッ

透「朱がいちばん危ない気がする!」タタッ

雪菜「ちょ、2人ともっ……! さ、桜野さん、私たちもっ……!」

桜野「……」ブツブツ

雪菜「桜野さん……?」

桜野「……」ボソボソ

雪菜「桜野さーん?」

桜野「…………まいご……まいごの……おんなのこ……」

雪菜「だいじょぶです……?」

桜野「…………助けなきゃ……絶対……だよね?」

雪菜「桜野さんってば……」

桜野「…………うん、うん……わかってるよ……」

雪菜「……?」

桜野「………………コスモス」

雪菜「!」

桜野「」タタッ

雪菜「桜野さっ……!」

こちらはイマジナリー霰ちゃんとかいうキラーパスの結果爆誕したイマジナリーコスモスさんですご査収ください

朱「お嬢ちゃあん……どこから来たのぉ……?」

女の子「ひっ!」ビクッ

透「朱怪しい。すっごくすっごく怪しい」グイッ

朱「そんなっ!」

女の子「あうあうあ……!!」ビクビク

透「ごめんね。怖いお姉ちゃんはほっといて、優しいお姉ちゃんのとこ行こ?」

女の子「優しい……お姉ちゃん……?」

桜野「透ちゃーん!」タタッ

透「桜野!」

女の子「あの人?」

透「うん。とっても優しいよ」

女の子「ほんと……?」

桜野「透ちゃん、その子? やっぱり迷子?」

透「かな?」

女の子「……」ジ-

桜野「はじめまして。岸波桜野です」

女の子「さくの……お姉ちゃん?」

桜野「うん、大丈夫だから落ち着いて聞いてね。今日はお父さんかお母さんと一緒に来たの?」

女の子「あの……あのね、パパとママと3人で来たの。でもね、いなくなっちゃった……」

桜野「はぐれちゃったの」

女の子「うん……」

桜野「そっか。うーん……あ、迷子になったら見せるように言われたものとかある?」

女の子「んん」ブンブン

桜野「そっかそっか。うーん……」

女の子「パパ……ママ……もう会えなかったらどうしよ……!」ウルウル

桜野「大丈夫、大丈夫だよ」ナデ

女の子「ぅ……」

桜野「パパもママも、今必死であなたのことを探してる。すぐ見つかるからがんばろ?」ナデナデ

女の子「……うんっ」

桜野「よし、いい子。それじゃあ迷子センターとか探して……」

朱「もう見つけたわよ。歩いて5分もかからないと思う」

桜野「ほんとですか!? よし、じゃあお姉ちゃんたちと迷子センター行こっか」

女の子「迷子センター?」

桜野「うん。そこでパパとママを待つの。すぐ迎えに来てくれるからね」

女の子「うん」

桜野「手つないでく?」

女の子「うん!」

雪菜「……」テクテク



桜野「パパとママどんな人? 優しい?」トタトタ

女の子「うん! 大好きなの! お姉ちゃんも?」トテトテ

桜野「うん。お姉ちゃんも大好きだったよ」



朱「……」ジ-

透「危ない目してる」

朱「あたしも手つなぎたい!」ズイッ

透「自重して」ガシッ

朱「だってあんなにちっちゃいおててなのよ!? なにかご利益ありそうじゃない!?」

透「知らないし、多分ない」

朱「透ちゃんはつなぎたくないの!?」

透「私はどっちかって言うと……」



女の子「お姉ちゃんのおててあったかいね」

桜野「そうかな?」



透「桜野、私とも手……」フラッ

朱「さすがにルール違反よそれは!」ガシッ

透「むぅ……」

朱「抜け駆けは許しません」

透「待って。私は桜野、朱はあの子と手を繋ぎたいんだから、ライバルにはならないんじゃ……」

朱「はっ!」ハッ!

透「朱、ここは……!」スッ

朱「協定ね……!」スッ

ガシッ☆

女の子「あ、あっちのお姉ちゃんたちもおててつないでる」

桜野「仲いいねー」ニコニコ

女の子「ねー」ニコニコ

朱「仲良し認定。ふふっ、悪くない気分。ね、透ちゃ……」

透「さ、桜野!? ちがうからっ、全然そんなんじゃ……!」

朱「透ちゃん? あたしだって傷つくのよ?」

桜野「今日はいい天気だねぇ」トタトタ

女の子「うん。ん……んぅ? ねぇお姉ちゃん」クイクイ

桜野「なあに?」

女の子「手首どうしたの?」

桜野「!」

女の子「赤くなってるよ?」

桜野「あ、ああ、これね……ちょっとね……」

透「あれ? それって前に虫に刺されたって言ってたとこ?」

桜野「まあ……うん……」

透「けっこう前だと思うけど、まだ治ってなかったんだ」

桜野「う、うん。そうなの」

女の子「早く治るといいね!」

桜野「あ……」

桜野「……」

桜野「……どうかなぁ」

女の子「んぇ……?」

桜野「これはもう治らないかもなぁ……」

透「……?」

虫刺され(のようなもの):前スレ>>885

雪菜「……桜野さん」ボソッ

朱「雪菜ちゃん」

雪菜「あ……」

朱「桜野ちゃんとなにかあった?」

雪菜「……」

朱「……」

雪菜「……桜野さんって優しいですよね」

朱「……そうね」

雪菜「……桜野さんって強いですよね」

朱「……そうね」

雪菜「……桜野さんっていつも誰かのために頑張ってますよね」

朱「……そうね」

雪菜「……」ギュッ

朱「……」

雪菜「朱さん私っ……!」

朱「焦っちゃダメよ」

雪菜「……!」

朱「あのね雪菜ちゃん、あたしはね……あたしはもう、桜野ちゃんが分からなくなってしまったの。いいえ、もしかしたら初めから何もわかってなかったのかもしれない」

雪菜「……」

朱「今のままだといずれ取り返しのつかないことになってしまう気がする。でも何が桜野ちゃんのためになるのかわからない。良かれと思ってやったことが、桜野ちゃんを追い詰めてしまうかもしれない」

雪菜「……」

朱「臆病風に吹かれてるだけかもしれない。それでもいちばん怖いのは、桜野ちゃんがいなくなること。でしょ?」

雪菜「……はい」

朱「だから今は」

雪菜「……」

朱「……それでも何か、桜野ちゃんのために出来ることが見つかったのならあたしも手伝う」

雪菜「……はい」

朱「焦っちゃダメよ」

雪菜「はい」

ここまで
なんか今日のレスぜんぶで伏線なりフラグなりを置くか拾うかした気がする
なんなら今いる場所がバッドエンド√な気さえしてくる
助けてコスモスえもん

迷子センター

朱「それじゃあお願いします」ペコリ

スタッフ「はい」



朱「園内放送してくれるって。きっとすぐに見つかるわ」

桜野「だって。よかったね」

女の子「うん!」

桜野「パパとママ、すぐ迎えに来るからね。いい子で待ってるんだよ」

女の子「うん!」

朱「さて、あとは係の人に任せましょうか」

女の子「え……」

桜野「そうですね。それじゃあ……」

女の子「行っちゃうの……?」

桜野「!」

女の子「ぅ……」ショボ

桜野「……さびしい、よね」

女の子「うん……」

桜野「パパとママ、早く会いたい?」

女の子「うん……」

桜野「そうだよね。会いたいよね……」

女の子「うん……」

桜野「……よし」スクッ

女の子「?」

桜野「お姉ちゃん、ちょっと探してくるよ」

女の子「え!」

雪菜「!」

桜野「まかせて。すぐに見つけて戻ってくるから」

女の子「ほんとに!?」

桜野「うん。約束」

女の子「お姉ちゃん……! ありがとう!」

桜野「うん」ニコッ

桜野「それじゃあわたし、ちょっと行ってきます。みんなはこの子と一緒にいてあげて」

朱「待って桜野ちゃん。園内放送に気づいて、すぐに来てくれるかもしれないわよ? 入れ違いになるかも……」

桜野「そうかもですけど……すみません。わたし居ても立っても居られないみたいです」

朱「そう……」

透「桜野桜野、私も一緒に……」

桜野「え、透ちゃんも……」

雪菜「私が行きます!」

朱「!」

桜野「雪菜ちゃん?」

雪菜「透さんは朱さんと一緒にその子のそばにいてあげてください」

透「え、でも……」

朱「透ちゃん、ここは雪菜ちゃんに任せましょ?」

透「……んぅ、わかった」

桜野「透ちゃんもいい子にお留守番ね」

透「はぁい」

朱「どれだけ見つからなくても1時間後にはここに戻ってきて。それと……」チラッ

雪菜「わかってます」

朱「……うん」

桜野「それじゃあ行ってくるね」

女の子「うん!」

桜野「んー」テクテク

雪菜「……」トボトボ

桜野「んーー?」キョロキョロ

雪菜「……」トボトボ

桜野「そう簡単には見つかんないなぁ……」

雪菜「……」

『…………うん、うん……わかってるよ……』

雪菜(桜野さん……あの時たしかに……)

『………………コスモス』

雪菜(桜井さんの名前を呼んだ)

雪菜「……」

雪菜(桜井さんの一件のすぐ後、私たちの心配とは裏腹に桜野さんは大丈夫だと言って笑った)

雪菜(いつもと同じ笑顔だった。少なくともそう見えてしまった。でもそれはきっと、本当の笑顔じゃなかったんだ)

雪菜(もしかしたら私は、桜野さんの本当の笑顔をただの一度も見たことがないのかもしれない。だから気づけなかった)

雪菜(本当は乗り越えてなんかいなかった。大丈夫なわけなかったんだ)

雪菜(桜野さんは桜井さんを本当に大切に思っていた。生きる意味そのものだって言っていた)

雪菜(そんな人を……自分の手で……)

雪菜(もし私だったら? もし私が、自分の大切な人を自分の手で殺めてしまったら?)

雪菜(一日や二日で立ち直って元気に明るく過ごすなんて、そんなこと本当にできるだろうか)

雪菜(できるわけない。平気なわけない。大丈夫なわけない。もし本当に何ともないんだとしたら、本気でそう言っているんだとしたら……)

雪菜(そんなのもう…………壊れてる……)

桜野「雪菜ちゃん?」

雪菜「は、はい!?」ビクッ

桜野「ぼーっとしてたけど大丈夫?」

雪菜「あ……えっと……」

桜野「ちょっと休憩しよっか」ニコッ

雪菜「はい……」

休憩所

桜野「今日はほんとに暑いねぇ。雨とかよりはずっといいけど」

雪菜「……はい」

桜野「ちゃんと水分補給してね?」

雪菜「……はい」

桜野「ふぃぃ……」

雪菜「……桜野さん」

桜野「ん? なあに?」

雪菜「今日……楽しいですか?」

桜野「うん、とっても」ニコッ

雪菜「……」

桜野「雪菜ちゃん?」ズイッ

雪菜「!」

桜野「大丈夫? なにか困ったことでもあった? わたしでよければ相談乗るよ?」

雪菜「いえ、あの……!」

雪菜「その……」

雪菜「…………桜野さんはどうなんですか」

桜野「わたし? わたしは特に何も。すこぶる快調ですぞよ?」

雪菜「本当ですか? 本当になにもないですか? 私だって相談乗ります……!」

桜野「ありがと。でもほんとに大丈夫だよ」

雪菜「……!」

桜野「なんか心配かけちゃったかな? ごめんね」

雪菜「……」

雪菜「……やっぱり」

雪菜「………………やっぱり……何も言ってくれないんですか……!」

桜野「え……?」

雪菜「桜野さんいつもそうです……!」

雪菜「私やみんなが苦しいときは一緒にいてくれて話を聞いてくれて優しくしてくれて……! なのに自分が苦しいときはなんにも言ってくれなくて……!」

雪菜「それじゃあ恩返しもできないじゃないですか……!」

桜野「そんなことないって。恩返しならいっぱいしてもらってるよ。今日だって遊園地連れてきてもらっちゃったし」

雪菜「そういうことじゃなくてっ!」

桜野「いいんだよ、わたしのことは。みんながよければわたしはそれでいいの」ニコッ

雪菜「っ!」

雪菜「……」

雪菜「…………っ」ギュッ

雪菜(朱さん……ごめんなさい……)

桜野「んー!」ノビ-

雪菜「……桜野さん」

桜野「なあに?」

雪菜「……これ」スッ

桜野「ペットボトル? あ、空っぽだ」

雪菜「……捨てといてください」

桜野「うん、まかせて」

雪菜「……喉乾いたので何か買ってください」 

桜野「うん。なに飲みたい?」

雪菜「……桃のジュースがいいです」

桜野「桃、桃ぉ……?」ウロウロ

雪菜「……」

桜野「んー……ここの自販機、桃売ってないや。なにか別のでもいい?」

雪菜「……嫌です。桃がいいです」

桜野「そうは言っても……困ったなぁ……」

雪菜「……入口の方の自販機にあった気がします。買ってきてください」

桜野「ほんとに!?」

雪菜「!」

桜野「おっけーまかせて! すぐ行ってくるね!」タッ

雪菜「待ってくださいっ!」

桜野「おぁ? なになに?」

雪菜「…………なんで、ですか……!」

桜野「なにがですか?」

雪菜「なんで……いつも……! いつもいつもいっつもそうやって……!」

桜野「雪菜ちゃ……?」

雪菜「桜野さんっ!!!」

桜野「はいっ!?」

雪菜「私っ、私今すっごく酷いこと言ってます! 桜野さんの優しさにつけ込んで身勝手なお願いしてます!! 分かってますよね!?」

雪菜「それなのになんで全部言われた通りにしちゃうんですか!! こんな使い走りみたいなことっ、なんであっさり引き受けちゃうんですか!!」

雪菜「この前だってそうです! 桜野さんのクラスの男の子、掃除当番を押し付けたのは明らかだったじゃないですか!! 断られたことないって言ってました! いつも押し付けられてるってことですよね!?」

雪菜「桜野さんの帰りが遅いのだってそうやって誰かに押し付けられた面倒ごとを律儀にこなしてるからじゃないんですか!? 押し付けられてるって桜野さんも気づいてるんですよね!?」

雪菜「なんで嫌な顔ひとつしないでぜんぶ受け入れちゃうんですか!! どうして嫌なことを嫌ってちゃんと言わないんですか!!」

雪菜「それだけじゃないです!! 本当は辛いこと苦しいこといっぱいあるんですよね!? いっぱいいっぱいあるんですよね!?」

雪菜「なんで1人で抱え込むんですか!! 辛いなら辛いでいいじゃないですか! 苦しいなら苦しいでいいじゃないですか!!」

雪菜「なんで何も言ってくれないんですか!! いつもいつだってみんなみんなってそればっかりで! みんなじゃなくて桜野さんはどうなんですか!!!」

雪菜「桜井さんのことだって本当は……!!」



桜野「どうでもいいんだよ」



雪菜「…………ぇ」

桜野「わたしはね、わたしのことなんかどうでもいいの」ニコッ

雪菜「……え、ぇ……?」

雪菜「ど、でも……って……?」

雪菜「なに、をっ……」

桜野「わたし、お願いされるの嫌じゃないよ。それどころかすっごく嬉しい」

雪菜「え……ぁえ……?」

桜野「だってみんながわたしを頼ってくれるんだもん。嫌がる理由なんかひとつもないよ。でしょ?」

雪菜「ぁ……さく……っ……」

桜野「頼られて嬉しい。みんなのお願いをひとつでも叶えられて嬉しい。みんな喜んでくれる。ありがとうって言ってくれる」

雪菜「さくのさ……!」

桜野「そのためならわたし、なんだってできちゃう」

雪菜「な、に……」

桜野「だって、だってね?」ズイッ

雪菜「っ!」ビクッ

桜野「なんの役にも立たないわたしに生きてる価値なんてないもん」ニコッ

雪菜「っ……!」ゾワッ

雪菜「な……」

雪菜「なに……いっ、て……!」

桜野「だからね雪菜ちゃん」

雪菜「っ」ビクッ

桜野「桃のジュース、おごらせてね?」ニコッ

雪菜「ひっ……!」ゾクッ

桜野「じゃあわたし行ってくるから!」ニコニコ

雪菜「へ……っ……待っ……!」カタカタ

桜野「ここで待っててね。すぐ戻ってくるから!」タタタッ

雪菜「あ……ぁ……!」

雪菜「ま……まっ、て……おねが……まってぇ……!」ガクガク

雪菜「ごめ、なさっ……ちがっ、ちがうんです……うそなんです……!」ジワッ

雪菜「桃のジュースなんてないんです……ごめんなさい……!」ボロボロ

雪菜「だから……いかないでっ……!」

ここまでだよ

迷子センター

女の子「見て見て、この星のやつかわいい」

透「え、それヒトデじゃないの?」

女の子「えーお星さまだよー」

透「ヒトデでしょ。ねえ朱?」

朱「……」

透「朱?」

朱「あ、ごめんなさい。なんだっけ?」

透「……心配?」

朱「少しね……」

透「桜野が一緒だから大丈夫だよ」

朱「だといいけど……」

ガタカダ

男性「すいませんっ……!」

朱「?」

女性「迷子の放送を聞いてきたんですけど……!」

透「あ」

女の子「パパ! ママ!」タタッ

女性「あっ! もう……心配したのよ!」ダキッ

男性「よかった……1人にしてごめんな……!」ナデナデ

女の子「ううん!」ギュ-

透「ふふっ、見つかってよかった」

朱「ええ」

男性「あぁすいません。面倒を見てもらったみたいで」

女性「ご迷惑をおかけしてしまって!」ペコペコ

朱「いえ、とってもいい子だったので迷惑なんて……」

男性「ほら、お姉ちゃんたちにちゃんとお礼言って」ポン

女の子「さくのお姉ちゃんたちは?」

男性「え?」

朱「あ、友人が2人、おふたりを探しに出ていて。もうすぐ帰ってくる頃だと思うんですけど……」

男性「そうだったんですか。重ね重ね申し訳ない」

女性「すぐ戻ってくるなら少し待たせてもらいましょうよ。お礼もしたいし」

男性「そうだな」

女の子「ほんとに? じゃあもうちょっとお姉ちゃんたちと遊ぶー!」

透「うん。桜野たちがもどっ……」

ガサッ

透「っ!」ビクッ

女の子「ん? お姉ちゃ……?」

透「朱っ!!!」

女の子「っ!」ビクッ

朱「えっ!?」

透「っ……!」

朱「まさかっ……!」

女性「な、なに……!? 急にどうしたの……!?」

朱「は、早く逃げてくださいっ!」

透「朱はやくっ!」ダダッ

男性「に、逃げるってどこに!?」

朱「ここじゃないとこ!」ダダッ

入口方面

シキ「桜野っ!!!」バッ

桜野「ちょ、シキ!? 本物はキャパオーバーだって……!」



ドガァァァンッ!



桜野「!」

「な、なんだ今の音……!」

「なんかのイベントじゃねー?」

「あっち……煙上がってる……!」

桜野「……」ギリッ

シキ「桜野……!」

桜野「…………邪魔しないでよ」ボソッ

シキ「っ!」ゾッ

桜野「行くよシキ」タタッ

シキ「う、うんっ!」

休憩所

雪菜「ふぅ……ふぅ……!」カタカタ

雪菜「なにも……できなかった……」

雪菜「私……私……どうしたらよかったの……!」

雪菜「わかんないよぉ……!」



ドガァァァンッ!



雪菜「!」ビクッ

雪菜「え……なに……!?」



ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!」



雪菜「あれは……ヤクサイン……!」

雪菜「こんな……ときに……!」

雪菜「ふぅふぅ、ふぅー……」

雪菜「行かなきゃ……戦わなきゃ……!」

雪菜「今は……戦わなきゃ……!」タタタッ

雪菜「はぁっはぁっ……!」トタタタッ

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!」

ボゴォンッ!

雪菜「うあっ!」

ヒュンッ

ブーケ「くっ……!」ザンッ

雪菜「あっ!」

ブーケ「雪菜ちゃん!」

雪菜「お、遅くなってすみません!」

ブーケ「ううん! それより桜野ちゃんは!? 一緒じゃないの!?」

雪菜「ぁ……」

ブーケ「…………とにかく今はあいつを倒すわよ」

雪菜「は、はい……プリキュア・カミングシーズン!」

ビュオオオッ!
フワッ

クリスタル「儚く脆い心でも何度だって奮い立たせる! キュアクリスタル!」

ブーケ「気をつけて! ポップコーン飛ばしてくるわよ!」

クリスタル「え、ポップコーン?」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!」ポップコ-ン!

クリスタル「ほんとに飛ばしてきた!」サッ

ボガァンッ!

ブーケ「しかも爆発する……」

クリスタル「また厄介な……」

ヤクサイン「ヤクサァァァイッ!!!」

クリスタル「そういえば透さんは!?」

ブーケ「ライガと戦ってる!」

クリスタル「じゃあこのヤクサインはライガが……」

ブーケ「いいえ違うの。こいつは……」スッ

クリスタル「ん?」

カサイ「」コソコソ

クリスタル「え、あれって……カサイ?」

カサイ「うっ」ギクッ

クリスタル「なにしてるの……」

カサイ「お、おう……久しぶりだな小動物……おう……」

クリスタル「なんだか様子が……?」

カサイ「お、お前……あー、あれは? ちっさい方の小動物は?」

クリスタル「ここにはいません。妹はもう巻き込まないって決めたんです」

カサイ「妹? あれお前の妹なのか。そうか……」ポリポリ

クリスタル「ブーケブーケ。あの人さっきからなんか変です。なにか狙いがあるんでしょうか……」ヒソヒソ

ブーケ「わからない。けどあたしが戦ってる時から、ずっとあなたのことを気にしていたみたいなの……」ヒソヒソ

クリスタル「私を狙っているってことなんですかね……」ヒソヒソ

ブーケ「うーん……直接聞いてみる?」ヒソヒソ

クリスタル「ですね……」ヒソヒソ

クリスタル「カサイ!」

カサイ「おう!?」

クリスタル「さっきからこそこそと……何が目的なの!」

カサイ「うぐぬぬ……いやほらお前、あれ覚えてるか? この前の去り際、オレ言ったよなァ……次こそ決着つけるって……」

クリスタル「そういえば」

カサイ「でもよォ、今日はダメでよォ。いろいろあってダメなんだ……でもよォ、でもよォ! それってなんかダサくねェ!?」

クリスタル「いや知らないですけど」

カサイ「ぬぐぅっ!!」

クリスタル「なんなんですかあの人」ヒソヒソ

ブーケ「大見得切った手前恥ずかしいってことじゃない?」ヒソヒソ

クリスタル「なるほど」ヒソヒソ

カサイ「聞こえてんだよォ! だーもーいい!! ヤクサインやっちまえ!!!」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!」

ブーケ「来るわよ!」

クリスタル「はい!」



安価下3まででコンマ最大
どうする?
こういう技使ってこうする等

いったんここまでで

なんだか敵側の方が空気がやわらかい気がします
st

本当に無理そうなのはズラすからだいじょぶ
そもそもわたくしどうやら我が強すぎるみたいでストーリー部分で安価出すの下手くそなので 安価コンマでできるところはできる限り任せたい
更新頻度がアレなのはすべて>>1ってやつの仕業なんだまじごめん

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!」ポップコ-ンッ!

ヒュヒュヒュンッ!

ブーケ「くっ、なかなか近づかせてくれないわね……!」タタタタッ

ボガガガァンッ!

クリスタル「う、くっ……うあっ!?」ヨロッ

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!」ポップコ-ンッ!!

ブーケ「クリスタル!!」ダッ

ボッガァァァンッ!

ブーケ「あぶなぁ……!」ズザッ

クリスタル「けふっけふっ!」

ブーケ「大丈夫!?」

クリスタル「は、はい、すみません……いつもならあれくらい……」

ブーケ「今だけは戦いに集中よ。じゃないととっても危ないわ」

クリスタル「はい……」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!」グォォ

ブーケ「まずはあいつの動きを止める。その後一気に畳み掛けるわよ」

クリスタル「はいっ……!」ググッ

ブーケ「行くわよ!」ダダッ

クリスタル「はいっ! プリキュア!」パキキッ

カサイ「んあ? なんだァ?」

クリスタル「冷波光!」ビカッ

カサイ「うおっまぶしっ!」

ヤクサイン「ヤクッ!」グラッ

ブーケ「今よ! プリキュア!」バッ

ヤクサイン「ヤッ!?」

ブーケ「スウィートパウダー!」フワァ

カサイ「ん? ンだよこの甘ったるいニオイ……ぶえっくしっ!」

ヤクサイン「ヤク…ヤクサ…」フラフラ

カサイ「うお!? お、おいヤクサイン!?」

ヤクサイン「ヤクサァ…」ドッシ-ン

カサイ「ヤクサインー!!?」

ブーケ「クリスタル!」

クリスタル「はいっ!」



安価下3まででコンマ最大
ボコボコにするのもせっかくなので募集
こういう技使ってこうする等
クリスタルは冷波光に使った手裏剣持ってます

クリスタル「冷波苦無!」ヒュオッパシッ!

カサイ「ヤクサイン! おいしっかりしろ!」バシバシ

ヤクサイン「ヤクサァ…」クラクラ

クリスタル「はっ!」シュピッ!

ヒュンッ!

カサイ「ん?」

グサッ

カサイ「うおっ!? 刺さった!?」

ピキ-ンッ

カサイ「凍った!?」

ヤクサイン「ヤグッ…」

カサイ「おいヤクサイン! このままだとお前のポップコーン、飛ばす前にぜんぶやられんぞ!」

クリスタル「まだまだ!」バララッ

カサイ「うげ!?」

クリスタル「連鎖性・冷波苦無!」シュシュシュンッ!

カサイ「は? どこ投げて……」

キキキキィンッ!

カサイ「うおあ!?」バッ

カカカカッ!
ピキピキピキ

カサイ「オレまで狙ってきやがった……ヤクサイン、まじで起きないと……!」

ウネウネッ

カサイ「は?」

ブーケ「プリキュア・アースビーンズ!」

ギチィッ!

ヤクサイン「ヤグゥゥゥ…!」

カサイ「今度は絞め殺しにきやがったァ!?」

ブーケ「クリスタル! こいつさっさと倒してクリアの応援行くわよ!」

クリスタル「はいっ!」

カサイ「おいおいおい! あんまりあっさりやられっと後でライガのバカにドヤされんぞ! オレが!」ブチブチッ

ヤクサイン「ヤクサァ…」

バチィィッ!!!

クリア「うぐっ……!」ガクガク

ライガ「ははっ」シュタッ

クリア「はぁっはぁっ……!」ヨロッ

ライガ「この程度か。いやガッカリはしていないさ。おおむね予想通りだからな」

クリア「うぅっ……!」プルプル

ライガ「ほぅ、まだ立つか」

クリア「あたり、まえでしょ……!」

ライガ「……」

クリア「みんな……必死で戦ってる……! だから!」

ライガ「……お前」

クリア「ここは私が食い止める!」キッ

ライガ「……変わったな」

クリア「だあああっ!」ダッ



安価下3まででコンマ最大
どうする?
こういう技使ってこうする等

前スレ>>754のセパレートマントをそこら辺の物陰に潜ませ多方向から不意打ち
その間に遊園地の高所に移動してライニングフィッシュアロー狙撃

採用はコンマだけ判定して>>684にしますが
せっかく強そうなコンマ出てるけどできそうなことがぱっと思いつかない なにか案があれば募集ということで
なんもなければ桜野にいいもの()をあげよう

クリア「プリキュア・セパレートマント!」タタタッ

ライガ「ん? 何をする気だ?」

クリア「……セパレート!」バララッ

ライガ「うぐっ! 目くらましのつもりか!?」ブンッ!

パラパラ…

ライガ「………………」

ライガ「……どこへ行った?」



クリア「はぁはぁ……!」

クリア「プリキュア・スプラッシュ……ウェイヴレット!」ババッ



ライガ「ん?」

バシュッ!

ライガ「ぐぁ!?」

ライガ「ぬぐ……マントの切れ端ぃ……?」

ライガ「チッ、猪口才な……!」

バシュッ!

ライガ「くっ! 小賢しい!」

ライガ「どこだ! キュアクリア!」



クリア「はぁはぁ……ここからなら……!」

クリア「プリキュア・ライトニングフィッシュアロー!」ギリギリギリッ

クリア「いっけぇ!」バシュッ!

バシュウウウッ!
ギュルルルッ!!!
ドバァンッ!!!

クリア「よしっ……!」

モクモクモク
ブワッ!

クリア「!?」

ライガ「……」ギロッ

クリア「そんな……避けられ、た……?」

ライガ「……そこか」

なんやかんやで桜野ちゃんが透ちゃん家にお泊まり的な

>>691
個人的にはこれめちゃくちゃ採用したい
前にちょろっと出てきた透ちゃん親フラも回収できるしストーリーの流れ的にもベストタイミングすぎる
自分のレスかと思うくらい完璧なのだが

あ、余談ですが
スプラッシュウェイヴレットのウェイヴレットは「wavelet」です
waveが波、letが小さいという意味で、ウェーブレット変換等数学やってるとけっこう出てきます セパレートマントもらった時からあっためてました

ライガ「ずいぶんと……」バヂッ!

シュンッ!

クリア「!?」

ライガ「腑抜けた攻撃だな!」ドゴッ!

クリア「あぐっ!」

ドガガッ!

クリア「う、ぐっ……げほっげほっ……!」

ライガ「それで本当に私を倒すつもりか?」

クリア「うっ、くっ……!」フラフラ

ライガ「いや違うな。お前は時間稼ぎをしているだけだ」

クリア「……!」

ライガ「かつてのお前なら勝ちに来ていた。どれだけ勝ち目が薄かろうと、絶対に負けてはならないという意志で、たった独りでも戦い抜こうとしただろう」

クリア「……」

ライガ「それがどうだ。今の戦いぶりはまるで、自分が勝たなくてもいいと言っているようだ。なにかを、誰かを待っているようだ」

クリア「……」

ライガ「ついに気づいたか、自分の弱さに! 独りではなにもできないことに!!」

クリア「……」

クリア「……」

クリア「……別にいいんだ」

ライガ「……!」

クリア「そうだ……いいんだよ……」

クリア「独りじゃなにもできなくたって……独りじゃなにも決められなくたって……」

クリア「だって」

クリア「だって!」

クリア「だって……」

クリア「答えはぜんぶ桜野がくれるもん」ニコッ

ライガ「……ぷっ」

ライガ「くはっ、はははっ……!」

ライガ「ははっははははっ! そうかそうか! お前はそういうやつだったなぁ!」

ライガ「孤独に怯えては妖精どもに縋り! それを喪えば今度は力に縋り! そして次に見つけたのがキュアサクラか!」

ライガ「ああ悪かった、悪かったよ! 私が間違っていた! お前は何も変わっちゃいないなぁ!!」

クリア「ううん、変わった。私、変われた。みんなの、桜野のおかげで変わることができた。仲間や友だちを信じられるようになった。私はもう独りじゃない」

ライガ「それで私に勝てるのか?」

クリア「私じゃ勝てない」フルフル

ライガ「そうか。なら……」バチバチッ

クリア「でもいいの」

ライガ「お前もここで終わりだな!」バヂンッ!

クリア「だって今も、この瞬間も」

ライガ「はあっ!」バチチッ!

クリア「私は桜野を信じてるから」

キュインッ!
ドガッ!!!

ライガ「あがっ!?!!」

バキィッ!
ドガッガガガッ!
ドッガァァァンッ!!!

ライガ「うっ……がふっ!」

シュタッ

サクラ「ごめん遅れた!」

クリア「ううん」ニコッ

ここまで
鬱ssとか言われたからプリキュアっぽい要素盛ろうと思って「信じる心」みたいなテーマを書いてみたぞ!これで紛うことなきプリキュアだ!

遊園地編終わったら透ちゃん家お泊まり編をやろうと思います 流れ的にみんなでお泊まりになると思います 透ちゃんの誘い文句は安価で決めようかな

サクラ「クリア、怪我は?」

クリア「平気」

ライガ「くっ……はぁはぁ……」ヨロッ

サクラ「……いける?」パキパキ

クリア「うんっ……!」グッ

ライガ「はははっ……ピンチかな……?」

サクラ「今日こそ倒すよ!」

クリア「うんっ!」ダンッ

ライガ「くっ!」ザッ

クリア「はぁぁ!」ガッ

ライガ「うぐっ! う、ぉああっ!」ドガァッ!

クリア「あくっ……!」ググッ

ライガ「でぇぇやぁっ!」バキィッ!

クリア「うぁあっ!」ドゴッズザザッ

サクラ「クリアっ!?」

クリア「だ、大丈夫……!」フラッ

サクラ「……よくもっ!」ギュンッ

ライガ「!」バヂッ

サクラ「らぁぁあっ!」ズガガガッ

ライガ「うぉぉお!」ガガガッ

ガギンッ

ライガ「はぁはぁ……ははっ、ずいぶん気が立っているな……!」グググッ

サクラ「もう手を出してこないと思ってた……!」ググッ

ライガ「はあ?」

『10日後夜明け前、町はずれの森に1人で来い』

サクラ「まだあと7日ある。なのに……!」

ライガ「ああ、少し確かめたいことがある……」

サクラ「確かめたいこと……?」

ライガ「それとっ……!」グイッ

サクラ「っ!」

ライガ「迷っているだろうお前の背中を押してやろうと思ってな!」バチチッ!

サクラ「くっ……! お気遣いどうもっ……!!」ガッ

クリア「サクラ!」タタタッ



安価下3まででコンマ最大
サクラ&クリア vs ライガ
どうする?
こういう技使ってこうする等

クリア「はっ!」バサッ

サクラ「!」ドガッ

ライガ「うぐっ!?」

クリア「いくよテッポウウオくん!」テッポ-ッ!

サクラ「……とっ」タタンッズザッ

ライガ「なにを……!」

クリア「プリキュア・ウォーターバレット!」ジャキッ

ライガ「!」

パパァンッ!

ライガ「そんな豆鉄砲ごときで……っ!!?」バヂッ

ダダァンッ!
シュウウウ…

ライガ「チッ……当たるのはまずいな……」ズザッ

サクラ「よそ見もまずいんじゃない!」

シュンッ

ライガ「っ!?」

クリア「ロケーションムーブ……!」

サクラ「だあっ!」バキッ

ライガ「ぐはっ!」グラッ

クリア「くらえ!」パパパッ!

ライガ「うっ、くっ……! でやぁっ!」ブンッ

シュンッ

ライガ「なっ!?」スカッ

クリア「たっ!」ズガンッ!

ライガ「くっ……!」バリッズザザッ

シュンッ

ライガ「っ!!」

サクラ「もらった!」バキッ

ライガ「うぐあっ!!」ドサッ

サクラ「まだまだいくよ!」ダッ

クリア「はぁはぁ……うんっ……!」タタッ

ライガ「うぐっ、くっ……!」

クリア「はぁっはぁっ……」

サクラ「クリア大丈夫!?」

クリア「うんっ……ちょっと疲れたけど……!」

サクラ「じゃあさっさとやっつけちゃおっか!」グッ

クリア「うん!」

ライガ「ははっ、まずそうだな……! ならば!」バヂヂヂッ!

サクラ「!」ザッ

バヂィッ!

クリア「え……」

サクラ「クリア!?」

ライガ「手早く用事を済ませるとしようっ!!」グアッ

ドガァッ!!!

サクラ「うぐっ、あっ……!」ミシミシ

クリア「サクラっ……!」

ライガ「くっ、うおおっ!」ググッ

サクラ「うぅっ!!」ガシッ

ライガ「なっ!?」グラッ

サクラ「らぁっ!!!」ブォンッ!

ドゴォッ!

ライガ「がはっ……!」

サクラ「はぁっ……あぐっ……!」ガクッ

クリア「サクラっ!」

サクラ「だ、だいじょぶ……! それより……」

ライガ「ふぅぅ……!」ガラガラ

サクラ「確かめたいことってクリアのこと……?」

ライガ「予想が正しければな……」

クリア「予想……?」

ライガ「……キュアクリア」

クリア「……っ」キッ

ライガ「……ウィッシュスターを持っているのはお前だろう?」

クリア「!!!」

ライガ「くくっ、ははは! その反応だけで十分だ。妖精どちらかの近くにあるだろうとは思っていたからなぁ!」

クリア「くっ……!」

サクラ「それを知ってどうするつもり……!」

ライガ「我々としても確実にウィッシュスターを奪還する方法を模索していてね」

クリア「確実な……方法……?」

ライガ「1番弱いやつが持っていてくれて好都合だよ。そいつからなら簡単に奪えそうだからなぁ」

クリア「!!」

サクラ「クリアは弱くなんかない……!」

ライガ「いいや弱いさ。そいつでは守りきれんよ」

クリア「……っ!」

サクラ「大丈夫だよクリア……クリアのことはわたしが守る……!」

クリア「う、うん……」

ライガ「本当にできるか?」

サクラ「……」キッ

ライガ「はっきり言おうか、キュアサクラ。私はお前が来るまでに、キュアクリアを殺せていたぞ?」

クリア「……!」

サクラ「……ハッタリだ。本当にできるなら、なんでそうしなかった?」

ライガ「言ったろ、確実な方法を探しているって。そいつを殺せば、今度は私が殺されてしまうだろうからな。ウィッシュスターの奪還どころではなくなる。それだけの話だ」

クリア「そんな……!」

サクラ「…………勘違いしてない?」

クリア「!」ゾクッ

サクラ「わたしは……!」ザッ

クリア「さくっ……」

サクラ「今もっ……!!」ギロッ

ライガ「……」

サクラ「お前を殺すつもりだっ!!!」ブワッ

ライガ「だろうな。だが……」

ドガガガッ

クリア「……?」

ライガ「時間切れだ」

ドッガァァァンッ!!!

サクラ「!」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ…!!」ドシ-ンッ

クリア「ヤクサイン!?」

クリスタル「はっ」シュタッ

ブーケ「よっと……」タンッ

クリア「ブーケ! クリスタル!」

ブーケ「あ、2人とも!」

クリア「よかった! 無事だったんだ!」



カサイ「っつー……」ポリポリ

ライガ「カサイ、いいタイミングだ」

カサイ「んお? そうか?」

ライガ「あと3秒遅ければ殺されていた」

カサイ「そいつァベストタイミングだ。もういいのか?」

ライガ「ああ、帰るぞ」

カサイ「ウィッシュスターはどうした? 奪えそうなら奪ってくるって言ってたろ?」

ライガ「ん」クイッ

カサイ「……いいのかよ」

ライガ「待っていれば向こうから持ってくるさ」

カサイ「本当だろうなァ……」

ライガ「……キュアサクラ!!」

サクラ「!」

ライガ「分かっているな?」

サクラ「……」キッ

ライガ「いくぞ」シュンッ

カサイ「あァ」シュンッ

サクラ「……」

クリア「サクラ、大丈夫……?」

サクラ「あ、うん。それよりみんなは?」

ブーケ「あたしは平気よ」

サクラ「よかったです。クリスタルは?」

クリスタル「え、あ……」

サクラ「どうしたの?」キョトン

クリスタル「だ、大丈夫! 大丈夫です!」

サクラ「よかった。それじゃあ……」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!」

サクラ「さっさとあいつ倒そっか!」

クリア「うん!」

ブーケ「ポップコーン飛ばしてくるから気をつけてね!」

サクラ「ポップコーンですか!?」

ブーケ「しかも爆発するわよ!」

クリア「なんで……」

サクラ「とにかくいくよ!」ダッ

クリア「うん!」タタッ

ブーケ「ええ!」タタッ

サクラ「クリスタル!」

クリスタル「は、はいっ!」

クリスタル「今は……集中……!」タタタッ

安価出し忘れました

安価下3まででコンマ最大
久しぶりの全員戦闘
どうする?
こういう技使ってこうする等



なお本日ここまで

クリア「私が貫く! 準備に時間かかるから、その間はお願い!」バサッギリギリッ

ブーケ「任せて! 動きを止めるわ!」

クリスタル「きます!」

ヤクサイン「ヤァァクゥゥ…!」ポポポポッ

サクラ「あれがっ……!」

ヤクサイン「サァァァイ!!!」ポップコ-ンッ!

ブーケ「撃ち落とすわよ!」

クリスタル「はい!」

サクラ「いい……」

ブーケ「え……?」

サクラ「いい……匂い!!!」ビョンッ!

ブーケ「サクラ!?」

クリア「待って! それポップコーンなのは見た目だけで……!」

サクラ「いただきまぁす!!!」ンガッ

ボガァァァンッ!!!

ボヒュンッ

サクラ「へぶっ!!!」ズゴンッ!

クリア「闇のエネルギーの……かたまり……」

ブーケ「と、とにかくクリアは準備を続けて。クリスタル、行くわよ!」

クリスタル「は、はい……」

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!」ポポポポップコ-ンッ!

クリスタル「冷波分銅鎖!」ジャラッ

ヒュヒュヒュンッ!

クリスタル「蛇ノ道!」ジャララッ!

ボガガガァンッ!

ヤクサイン「ヤクッ!?」

ブーケ「プリキュア・アースビーンズ!」バシュルルッ!

ヤクサイン「ヤッ…!」ギチギチ

クリスタル「私も鎖で!」ジャラララッ!

ヤクサイン「ヤクゥゥ…!」ギチチッ

ブーケ「クリア!」

クリア「2人ともありがとう! いくよカジキさん!」ギギギギッ

バショ-ッ!

クリア「プリキュア・ライトニングスパイラルフィッシュアロー!!!」バシュウウウッ!!!

バショ-ッ!
ギュルルルルルッ!!!!!

ヤクサイン「ヤ…ク…サァァァイ!!!」ポポポップコ-ンッ!

クリスタル「くっ……この体勢からでも……!?」ギギッ

クリア「その程度じゃ止まらない! 貫け!」

ボガガガッ
ギュルルルルルッ!!!!!

ヤクサイン「!?」

ズジュウウウウウッ!!!!!

ヤクサイン「ヤクサァァァイッ!?」

ブーケ「やった!?」

クリスタル「ま、まだ倒せてません!」

クリア「はぁはぁ……爆発でちょっと逸らされた……!」

サクラ「でも大ダメージだね!」ガバッ

クリア「あ、大丈夫?」

サクラ「おいしくなかった!」

クリア「でしょーね!」



安価下3まででコンマ最大
どうする?
こういう技使ってこうする等

クリア「はぁはぁ……」

サクラ「大丈夫?」

クリア「疲れちゃって……」

サクラ「じゃあちょっと休憩して……」

クリア「うん……ごめん……」

サクラ「……」ジ-

クリア「サクラ?」

サクラ「クリア、ちょっと耳貸し」

クリア「んぅ?」



ブーケ「んぬぬ……!」ギギギッ…

ヤクサイン「ヤ、ク…!」

サクラ「ブーケー!」ブンブン

ブーケ「なにー!」

サクラ「クリアが言いたいことあるってー!」

ブーケ「クリア? どしたのー!」

サクラ「ほらクリア! しなを作るのです!」

クリア「う、うん……ブーケ!」シナッ

ブーケ「え……?」

クリア「ちょっと疲れちゃった……介抱して欲しいなぁ……」

ブーケ「な……な……!」キュゥゥゥン

クリスタル「ちょっ!? 今ですか!?」

クリア「お願い、ブーケ」キュルン

ブーケ「しゅるううううううっ!!!!」ダダダダッ

クリスタル「ブーケ! うあっ!?」グラッ

サクラ「釣れた! クリア!」

クリア「うん!」

ブーケ「いーまーいーくーねー!」ドドドドッ

クリア「ロケーションムーブ」バサッ

シュンッ

ブーケ「クリアー!」バッ

ヤクサイン「ヤ?」

ズドッガァァァンッ!!!!!

クリスタル「ええ……」

クリア「うまく決まった」スンッ

サクラ「名付けてプリキュア・クレイジーアクシデント!」

クリスタル「すっごい威力……」

ブーケ「ひろい……ひりょいわぁ……」グタッ

クリスタル「で、でも隙が……」

ヤクサイン「ヤグゥゥ! ヤクサァァァイッ!!!」ドゴドゴンッ!

クリスタル「うっ!? あぁっ!」ドサッ

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!!!」ポップコ-ンッ!

クリスタル「うっ……!」ギュッ

サクラ「クリスタル!」ザッ

ボガァンッ!!

クリスタル「……!」

サクラ「うあっちちぃ……! 大丈夫!?」シュウウウ…

クリスタル「……は、はい……ありがとございます……」

サクラ「よかった!」ニコッ

クリスタル「……あ……ぅ」

サクラ「さて……」パキパキッ

ヤクサイン「ヤッ…!?」

サクラ「目の前で食べ物が爆散するのもそろそろ気分悪いんだよね……」パンッ

ヤクサイン「ヤクゥゥ…!」

サクラ「覚悟しろ……!!!」ギロッ



安価下3まででコンマ最大
とどめ
どうする?
こういう技使ってこうする等

サクラ「シキ、シアさん! 力を貸して! プリキュアハリケーンだ!」

シキ「お、おっけー……!」クルッ

シア「いきますわよ!」バッ

クリスタル「つ、冷たくないです……?」ピキピキ

シキ「なんとか……!」

クリスタル「おっけーです!」ザッ

ブーケ「」ザッ

クリア「」ザッ

サクラ「みんないくよ! プリキュアハリケーン! アイスボール!!」ザッ

ヤクサイン「ヤクサァァァイ!」

サクラ「アタック!」ダッ

クリスタル「ブーケ!」パス

ブーケ「クリア!」パス

クリア「はっ!」ジャンプキャッチ

シュタッ

クリア「サクラ! クラウディングトライ!」

サクラ「おっけー!」タタッ

サクラ「といやっ!」バクテンッ!

サクラ「えんどぼー!!!」バシュウウウッ

ヤクサイン「ヤ、ヤクッ!? ヤクゥッ!?」ワタワタ

バシュウウウッ!!!

ヤクサイン「ヤ…」

ドッガァァァァァンッ!!!
ピキピキピキッ
パリィィィンッ!!!

ヤクサイン「ヤァァァァ!!!」サラサラ…

YouTubeとwikiで履修しました
どこまでやっていいか分からなくなりました

桜野「ふぃぃ……なんとか倒せたねぇ。シキ、シアさん、無理させちゃってごめんなさい」

シア「構いませんわこれくらい」

桜野「シキもごめんね。寒くなかった?」

シキ「ちょっとだけなのです」

桜野「透ちゃんは大丈夫? かなり疲れてたみたいだけど」

透「……」

桜野「透ちゃん?」

透「……ねぇ桜野」

桜野「ん?」

透「……やっぱりあとでにする」

桜野「そう? 話したい時でいいからね」

透「うん。今はとりあえず、勝ててよかった」ニコッ

桜野「うん!」ニコッ

桜野「あ、そういえばあの子のご両親! 探さなきゃ!」

朱「それなら大丈夫よ。ちゃんと迎えに来てくれたわ」

桜野「ほんとですか!? よかったぁ」

朱「ところでそれ……」

桜野「あ、そうだ」ガラガラ

雪菜「ふぅー……」

桜野「雪菜ちゃーん!」タタッ

雪菜「っ!」ビクッ

雪菜「は、はい……なんですか……?」

桜野「これ!」ガラガラ

雪菜「なんです……? 袋いっぱい……」

桜野「桃のジュース!」ニパッ

雪菜「えっ……」

雪菜「な……え……? なん……?」

桜野「いやぁわたしね、お恥ずかしながら入口の自販機で見つけられなくてさ。でもご安心、売店にあったからそこで買ってきたの!」

雪菜「あ、そ、そうだったんですか……で、でも……なんでこんなに……?」

桜野「それがさ、見つけたはいいんだけど種類がいっぱいあって。どれが好きか分かんなかったからぜんぶ買ってきちゃった!」ニコッ

雪菜「! え、あ……あ、ありっ……ありがとっ……ございます……」

桜野「さあさあ好きなの選んでね! どれがいい? ぜんぶ?」

雪菜「いいいいっぽんで! 1本でいいです……から……これで……」

桜野「そう? これにする? じゃあどーぞ!」

雪菜「……あ、ありがと、ござ、ま………………あ」ツルッ

ガシャガシャンッ!

雪菜「あ……!」

桜野「あらら、落ちちゃった」

雪菜「ごっ、ごめんっなさっ!! ごめんなさいっ!!!」

桜野「もう、そんなに謝らないでよ。ほら」

雪菜「すみませっ……」

桜野「あ、でも落としちゃったの嫌だよね。新しいの買ってこよっか」

雪菜「っ! いいです!!!」ブンブン

桜野「そうなの? ほんとに?」

雪菜「……いい、です……本当にいいです……それで……いいですから……!」

桜野「そか。じゃあ今度はしっかり持ってね」ニコッ

雪菜「……は、ぃ」ギュウウッ

桜野「2人も飲むー?」

透「いいの?」トテトテ

桜野「もちろん。余っちゃったらもったいないし」

透「ありがと。あ、そうだ、これから本物ポップコーン食べに行く?」

桜野「今度のはおいしいかな?」ハイコレ

透「さっきのよりは確実に」アリガト

朱「……」

桜野「朱さんもどうですかー?」

朱「……ええ」

朱「……」

雪菜「……っ」カタカタ

朱「雪菜ちゃん……」

ここまで

そんなこんなで楽しい楽しい遊園地編これにて了です



次から透ちゃん家お泊まり編やるつもりだけど少しお時間いただくと思います 決めなきゃいけないことが多いんだなこれが
透ちゃんの誘い文句とかお泊まりイベントとか募集したい けどイベントは採用条件も枠も厳しくなりそうなんだよなぁどーしよ

じゃあそういう感じにしますか

① 透ちゃんがお泊まり誘う時の文句
② お泊まりイベント

以上2つを募集します どちらかでもおk

①は桜野にだけ先に話してはあとは桜野に手伝ってもらうお子ちゃまムーブ前提とかでもおk

②に関しては、多分夜系のイベントほど採用厳しくなると思います 枕投げとかはできなさそう

②はともかく①が完全に大喜利大会でワロタ ここから選ぶのか

桜野「……」

『10日後夜明け前、町はずれの森に1人で来い』

桜野(……あと4日)

桜野(あの日からずっと、わたしは迷っている)

桜野(みんなに話すべきか話さぬべきか。ここまできてなお、答えは出ないままだ)

桜野(ああいう言い方をしてきた以上、罠なのは確実。だったらこっちも戦力は多い方がいい、んだけど……)

桜野「……」

『私はお前が来るまでに、キュアクリアを殺せていたぞ?』

桜野(みんなを巻き込んで、わたしひとりで守りきれるだろうか)

桜野(守りきれなかったらどうする?)

桜野(あの時だって、もしかしたら透ちゃんが……)

桜野「……」

桜野(ひとりで決着をつけられるならそれに越したことはない。でも本当にひとりでやりきれるだろうか)

桜野(失敗したらどうなる?)

桜野(言われた通りウィッシュスターを持って行って、それで負けたら……そうなれば完全に詰みだ。うまくいきませんでしたじゃすまない)

桜野(それにわたしは死なずに帰ってこなきゃいけない)

桜野(透ちゃんと約束したから。約束は守らなきゃいけないから)

桜野(もはやその約束もいつまで守れるか分からないけれど……)

桜野(そう考えるとやっぱり難しい)

桜野(誰にも話さないなら……ライガにツナミにカサイ、それに未だ正体不明の皇帝サイカ。それをひとりで相手にしなきゃいけない)

桜野(話すってことはみんなで戦うことになるだろう。これまで以上に苦しい戦いになると思う。そこにみんなを巻き込まなきないけない。もし守りきれなかったら……)

桜野「……わたし……どうしたらいいだろう」



安価下
① みんなに話そう
② 隠しておこう

1
不正解ならバッドエンドかな?

>>771
桜野さんは一所懸命考えてるけど神視点では多数決とるまでもないような取るに足らない些末な問題ということを安価スレの特性を活かして表現しようとした結果こうなった。のである。
ほぼ変わらんけど個人的に①√の方が面白いと思います

今週ちょっと忙しめなのでまた少し空きます
その間一応>>747の募集は継続ということで

①は透ちゃんがみんなの教室に突撃して1人ずつ別々の口説き文句で誘惑してくことにすれば3つまで選べるのではないか?

>>776
採☆用

桜野「……」

桜野(…………話そう)

桜野(やつらがどういうつもりなのかは分からないけれど、わたしはここで戦いを終わらせたい)

桜野(絶対負けられないけど、それだけじゃない。ここで勝たなきゃいけない)

桜野(きっと最後のチャンスになる。だから確実に倒し切りたい。そのためにはみんなの力も借りなきゃいけない)

桜野(タイミングを見つけて、ちゃんと話さなきゃ……)

桜野「……」

桜野(……わたしにはもうあまり時間がない)

透「桜野ってばー」

桜野「!」ビクッ

透「やっと反応した」

桜野「えあ、あ、透ちゃん……」

透「無視は傷つく」ムスッ

桜野「ご、ごめ……」

透「大丈夫? なにかあった?」

桜野「……ううん、なんでもない。透ちゃんこそどうしたの? なにかおはなし?」

透「あ、うん。あのね……」



安価下1
誘い文句
募集した中から1つ選択

透「今度私ん家のお布団でマグロになりなよ」

桜野「………………は?」

透「?」

桜野「い、今なんと……?」

透「だからうちのお布団でマグ……」

桜野「OK分かったもういいぜ……まさか聞き間違いじゃないとはな……」

透「変な桜野」

桜野「いやいや変なのは……」

ザワザワ

桜野「はっ……!」

透「?」



「ねえねえ今の聞いた……?」コソコソ

「仲いいなとは思ってたけどまさかそこまで……」ヒソヒソ

「マグロってー?」

「あんたは知らんでよろしい」

「……おれぁやっと居場所を見つけたわけだが」

「……どうやら死にてぇらしいな」



透「あれ? なんかざわざわ?」

桜野「透ちゃーんちょっとあっちでおはなししよーねー?」ニコ-

透「?……??」



「うわ呼び出した……!」

「2人きり!? ってことわてことわ……!」

「でも待って……なんでマグロ……?」

「シミ数えてるだけでいいって意味なんじゃ……」

「シミってー?」

「あんたはそのまま大きくなりなさい」

「……退いちゃあくれねぇかい」

「……そいつぁ聞けねぇ相談だなぁ」



桜野「はやくおいでー」グイ-

透「おおおー?」サレルガママ-

桜野「お泊まり?」

透「うん」

桜野「お泊まりのお誘い?」

透「うん」

桜野「お泊まりのお誘いだったのあれ……」

透「? うん」キョトン

桜野「そかそか……」

透「うんうん」

桜野「……いつ?」

透「今週末。どうしても今週末がいい」

桜野「今週末か……」

桜野(ドンピシャだな……それに泊まりってなると……)

桜野「……」ギュ

透「……だ、だめ?」オズオズ

桜野「……!」

桜野(……いや、チャンスか……ライガに言われたこと、みんなに話すチャンス)

桜野「………………」

桜野(それに……)

桜野「…………うん、わかった。しよっか、お泊まり」

透「ほんとに!?」パアッ

桜野「うん」ニコッ

透「へへ、やった……!」

桜野「あ、ところで」

透「んぅ?」

桜野「誘ってくれた時なんて言ってましたっけ?」

透「今度私ん家のお布団でマグロになりなよ」

桜野「なんでそうなった……」

透「変だった?」

桜野「変というかなんというか……誤解が……」

透「うちのお布団で寝ていいよって意味じゃないの?」

桜野「だったらそう言ってくれれば……」

透「だってなんかあれだし……恥ずかしいし……」

桜野「え、恥ずかしい……?」

透「う、うん……」

桜野「……するってえとなにかい? 照れ隠しだったってことかい?」

透「むぅ……ちょっとイジワル」

桜野「いやイジワルっていうか……そういうこと、わたし以外に言ったらダメだからね?」

透「え、ダメなの? 朱と雪菜も誘おうと思ってたのに……」

桜野「あ、そういう意味じゃ……」

透「ま、まあでも……桜野が2人きりがいいって言うなら私は……」

桜野「いやいやみんなも誘おう! 大勢の方がきっと楽しいよ!」

透「桜野がそう言うなら」コクコク

桜野「それじゃあさっそくれつご!」

透「れつごー」

3年教室

ガヤガヤ

クラスメイト「それでさー」

朱「はっ!」ピクッ

クラスメイト「え、なに急に……こわ……」

朱「かわいいの気配……!」

クラスメイト「は?」

朱「来るッ……!」



透「朱ぇ……?」ヒョコッ



朱「透ちゃあーん!!!」バッ

クラスメイト「うわ」ビクッ

透「あ、いたいた」トテトテ

朱「どしたのこんなとこまでー!」

透「ちょっと」

クラスメイト「ああ、いつかのまだ彼女じゃない子」

透「まだ?」

朱「気にしないで気にしないで。それよりなあに? 会いに来てくれたの?」

透「ちょっと聞いてほしいことが」

朱「うんうん、なんでも言って!」

透「あのね……」



安価下1
誘い文句
募集した中から1つ選択

イソガシイヨ-

桜野「さてさて、透ちゃんうまくやってるかな……」ソロ-

透「今度私に夜這いしにこない?」クイッ

桜野「ぶふぉっ!?」

朱「ぶふぉっ!?!!?」

クラスメイト「朱あんた……」

朱「ちがっ、誤解よ! まだなにもしてないわ!」

クラスメイト「まだ?」

朱「言葉の綾!」

透「ふんふん!」ドヤドヤ

朱「と、透ちゃん……なにか勘違いとかしてない……?」

透「勘違い?」

朱「その……夜這いとかって……」

透「一緒に寝るってことじゃないの?」

朱「勘違いじゃない!?」

透「だめ?」コテン

朱「うぐっ……!! だ、ダメよ! だってあたしたちまだ……!」

透「どうしてもダメなの?」

朱「き、きっと親御さんがびっくりするわよ……!」

透「そこは大丈夫。ちゃんと許可とった」

朱「親公認!?」

透「朱も一緒がいいな……」

朱「うううっ、そんな目で見ないで……すっごく魅力的だけど…………ん? も? も、ってことは……?」

透「桜野はいいよって」

朱「いきなり複数!?」

透「私は2人でもいいかなって思ったんだけど、大勢の方が楽しいって桜野が」

朱「桜野ちゃんの希望なの!?」

透「私も賛成」

朱「透ちゃんも!?」

朱「え、え、なに……じゃあなに……それはあれ? あれなの? つまりその……挟まっていいってこと? あいだに? 公認で?」ブツブツ

朱「な、なんていうことなの……千載一遇? それとも罠? あたしそんなに徳積んだっけ……?」

朱「お、おおお落ち着くのよ秋葉朱……冷静に……ああ、ああ……透ちゃんも桜野ちゃんも……あたしの知らないうちになんて遠いところに……」

桜野「ふふくくくっ……ぷくっくくくっ……!」クスクス

朱「あ」

桜野「いやぁ、面白くてつい」

朱「ついじゃないわよもう……」

透「で、で? 来れる?」キラキラ

朱「そんな目で見られて断る選択肢なんてあるだろうか。いやない。週末ね?」

透「うん!」パァッ

クラスメイト「朱、そっちの子岸波さん?」

朱「あれ、知ってるの?」

クラスメイト「なんか走り回ってるのを見かける」

朱「あー」

桜野「改めまして岸波桜野です。お困り事があればご贔屓に」ペコリ

クラスメイト「万事屋?」

桜野「ボランティ屋で」

クラスメイト「なるほどそれで……いやでも近くで見るとかわいいな……2人はどういう関係?」

朱「桜野ちゃんとは……」チラッ

桜野「?」ニコッ

クラスメイト「え、なにそのいい仲の2人が交わすアイコンタクトみたいなやつ……出来上がっちゃってる感じ?」

朱「ゆくゆくは……!」

桜野「永久未完です」

朱「そんなぁ……」

透「永久みかん? みかんいっぱい?」

桜野「またベタな勘違いを……違うよ透ちゃん」

透「1個だけ?」

桜野「ではなく」

透「?」

朱「勘違いといえばさっきの。聞いてたんなら止めてよ……」

桜野「あはは、透ちゃん1人の方が朱さん喜ぶかなって」

朱「バカね。2人なら2倍嬉しいわよ。いえもっとかしら……?」

桜野「ほんとですか?」

朱「忘れたのかしら? あたしはね、桜野ちゃんを誘拐するために日夜計画を練っているのよ?」

クラスメイト「なにやってんの?」

桜野「まだ諦めてなかったんですか……」

朱「そのうち攫いに行くからね!」

桜野「……期待しないで待ってます」

朱「え……ゴーサイン……?」

クラスメイト「いや冗談だよ」

透「だめ。桜野は渡さない」キュ

クラスメイト「あれ冗談だよね?」

桜野「それじゃあわたしたちは雪菜ちゃんを誘いに行くので!」

透「いってきます」

朱「はーい」フリフリ



クラスメイト「……本当に誘拐とかしないよね?」

朱「うーん……ちょっと本気かも?」

クラスメイト「警察屋さんに追いかけられるようなことやめてよね?」

朱「そうなったら逃げるわよ。走って逃げる」

クラスメイト「今のうちに練習しとこうかな……朱さんはとても優しい子でした」ウルウル

朱「でもきっと……それじゃダメなのよね……」

クラスメイト「……?」

朱「……」

クラスメイト「……ところで朱」

朱「……なあに?」

ザワザワ

クラスメイト「さっきまでの話めちゃめちゃ聞かれてるけど」

朱「oh...」

2年教室

クラスメイト「雪菜ちゃーお客さー」

雪菜「はーい。誰かな……?」

クラスメイト「せんぱーい」

雪菜「先輩ってことは……」

クラスメイト「ちょーかっこいー」

雪菜「え……か、かっこいい……? おおお男の人っ……!??」

クラスメイト「おー? 告白かー?」

クラスメイト「大人しそうに見えて意外と隅に置けんなー」ニヤニヤ

雪菜「ちがっ! そんなんじゃ……!」

クラスメイト「女の人つれてるー」

クラスメイト「サンカクカンケー?」

クラスメイト「修羅場か!」

雪菜「だ、だから違うってっ……!」ワタワタ

透「雪菜ー?」ヒョコッ

雪菜「あ、あれ? 透さん……?」

桜野「わたしもいます!」ヒョコッ

雪菜「あ……桜野さん……」

雪菜「びっくりしましたよ。かっこいい先輩っていうから何事かと……」

透「かっこいい?」

雪菜「クラスの子が言ってたんです」

透「私かっこいいの?」

桜野「イカすぜ!」

透「イカ?」

雪菜「かわいい先輩って言われたら気づけたと思うんですけど」

透「私かわいいの?」

桜野「それはもう」

雪菜「とてつもなく」

透「ふ、ふーん……」フイッ

桜野「かわいい……」

雪菜「かわいい……」

透「そ、それより! 話があって来たの!」

雪菜「あ、そうですよね。なんですか?」

透「あのね……」



安価下1
誘い文句
募集した中から1つ選択

透「みんなで私ん家に一晩中強姦しない?」ニコッ

雪菜「……」パチクリ

透「……」

雪菜「…………?」

透「…………?」

雪菜「……強姦?」

透「強姦」

雪菜「……」

透「……」

雪菜「?」

透「?」

桜野「?」

雪菜「お泊まりならお泊まりってちゃんと言ってくださいよぉぉぉ……!」ガクッ

透「間違ってた?」

雪菜「大いに……!」

桜野「なぜ強姦……」

透「あの漢字、強いに女がいっぱいでしょ? みんなで集まって私たちさいきょーみたいな感じじゃないの?」

雪菜「じゃないです……!」

桜野「勘違いでもそこそこ物騒だねぇ」

透「それでそれで、どう? 来れる?」

雪菜「あ、えと、あー……あの、桜野さんも……来ますか?」

桜野「うん」

雪菜「そう、ですか……うん、なら私も行きます」

透「ほんと?」パァッ

雪菜「おはなし、したいので……もっとたくさん……そうしなきゃいけないと思うので……」

透「?」

雪菜「今週末ですよね?」

透「うん。どうしてもそこがいい」

雪菜「じゃあ霰にバレないように準備しなきゃです」

透「霰ちゃん? 一緒でもいいよ。ね?」

桜野「うんうん」コクコク

雪菜「ダメです。せっかくのお泊まりなのに、皆さんに妹の面倒を見てもらうなんてできません。特に朱さんにはたくさん迷惑かけちゃいそうですし」

桜野「むしろ喜ぶんじゃない?」

雪菜「……と、とにかく霰はお留守番です!」

透「喜びすぎて壊れてもめんどくさいか」

雪菜「はい、めんどくさいです」

桜野「辛辣ぅ……」

透「♪」トテトテ

桜野「……」テクテク

透「2人とも来てくれるって」ニコニコ

桜野「よかったねぇ」

透「うん! 張り切って準備しなくちゃ!」

桜野「うん」テクテク

透「桜野桜野」

桜野「……なあに?」

透「楽しみだね!」ニコッ

桜野「……うん」ニコッ

ここまで

週末 透宅

「「「お世話になります!!!」」」

透母「遠慮せずにくつろいでいってね」

朱「お義母さまお若い!」

透「なにか違和感……?」

透母「あら、ありがと。朱ちゃんにそう言ってもらえるなんてうれしいわ」

朱「え、あたしのこと……」

透母「もちろん知ってるわよ。でもまさかモデルの子が透と仲良くしてくれるなんてね」

朱「もっと仲良くしたいと考えております!」

透「私はおなかいっぱい」

朱「そんなぁ……」

透母「あなたが雪菜ちゃんね」

雪菜「あ、は、はい、はじめまして。透さんにはいつも仲良くしていただいて……」ペコ

透母「丁寧にありがとね。これからも仲良くしてもらえたらうれしいわ」

雪菜「こちらこそ、です」

透母「それであなたが……」

桜野「あ、岸波桜野です」ペコ

透母「あなたが桜野ちゃんね。あなたとは一度ちゃんとおはなししたいと思っていたの」

桜野「ほぇ? おはなし?」

透母「ええ、透がいろいろ話してくれるから気になることがいっぱいあって」

桜野「そなの?」

透「そ、そんなにいっぱいは話してない……」

透母「毎日すごく楽しそうに話してくれるの。特に『今日の桜野ちゃん』は我が家の食卓の人気コーナーよ」

桜野「人気コーナー!?」

透「お母さんっ!」

透母「ふふふっ」

桜野「あ、そういえばお父さんは?」

雪菜「そうですね。お世話になりますし、いらっしゃるならご挨拶を……」

朱「お義父さまに挨拶!? それはちょっと心の準備が……」

透「お父さん、か……」

雪菜「……?」

透「お父さん……いないんだ……」

桜野「!」

朱「え……?」

透母「ちょっと透、それじゃお父さん死んじゃったみたいでしょ。たまたま居ないだけだから」

雪菜「な、なんだ……びっくりしました……」ホッ

透母「ごめんなさいね。いつもなら今日はお休みなんだけど偶然出張で。帰りは夜遅くに……ううん、朝になるかな」

朱「偶然……透ちゃんまさか……」

雪菜「どうしても今日がいいって言ってたのって……」

透「うん、お父さんいないから」

桜野「?? なんでお父さんいない日が良かったの?」

透「だってなんか……お父さん見せたくない」

桜野「え?」

朱「ああ、うん……ちょっとわかる……」

桜野「え??」

透「せめて友だちがお父さんと同じ屋根の下で寝ることだけは避けたい」

桜野「え???」

雪菜「ごめんねお父さん……気持ち分かっちゃう……」

桜野「お、お父さん嫌いなの……?」

透「嫌いとまでは言わないけど」

桜野「えぇぇ……ならなぜ……」

透母「年頃だし仕方ないのかもね」

桜野「そ、そういうものですか……」

透母「でも桜野ちゃんは嫌がらないのね。親子仲がいいのかしら?」

桜野「……!」

桜野「…………はい、とっても」ニコッ

亀更新なのもあいまって確かにかなりくどいですね すいません調整します でもどうしてもそうなっちゃう部分はあるといいますか……
いつまで続くかとと言われると最後までになっちゃうんですよね…… 前にバッドエンド√で示した通り、このお話は敵倒したらゴールじゃないので 桜野の問題が解決する時はお話が完結するときなので
ぼちぼち桜野が置かれている環境の話もしていきますが、それをするためにはあとほんの少し足りないパーツがあります それを回収するためのお泊まりパートです もう少々お待ちを
余談ですが、上手くやって桜野が今いる環境を変える√はあります ただしその場合、桜野自身の問題が解決しないため強制バッドエンド√に入ります

透の部屋

朱「こ、ここが……透ちゃんのお部屋……!」キラキラ

雪菜「なんとなくものが少ないイメージでしたけど色々あります……! 意外と多趣味さんです……!」

透「お母さんは出てって」

透母「えー」

透「いいから」グイ-

桜野「……」

桜野(例の件、どこかのタイミングで話さなきゃ。明日の夜明け前だし出来るだけ早く……でもなんて切り出せば……)

シキ「桜野」ヒョコッ

桜野「……ううん」

雪菜「透さん透さん! これ釣り竿です!?」

透「あ、うん」

朱「釣りもするのね」

透「お父さんの影響で。最近はあんまりやってないけど」

朱「そうなの? ちょっともったいないわね」

透「前はよくやってた。シアに手伝ってもらって」

桜野「シアさんに?」

シア「ワタクシが細長くなって釣り竿と合体するんですのよ」

透「シアがいい感じに動いてくれる。入れ食い爆釣」

雪菜「な、なんかちょっとずるい気がしますけど……」

朱「待つのも釣りの醍醐味なんじゃ……」

透「なんにもない時間が続くとね……いろいろ考えちゃって体調悪くなるんだ……」トオイメ-

朱「あー……ごめん」

透「ううん……」トオイメ-

雪菜「で、でも今なら! みんなでやれば待ってる時間もきっと楽しいです!」

透「ふふっ、そうかも。じゃあ今度みんなで釣りしに行こっか」

雪菜「はい!」

朱「いいわね」

透「桜野もね」

桜野「……うん」ニコッ

朱「ねぇねぇ透ちゃん、これ……」

透「これ? アコギだけど?」

朱「弾けるの!?」

透「ちょっとだけ」

桜野「ほんとに多趣味だねぇ」

透「ギターもまあ、お父さんの影響かな」

雪菜「と、透さんのヴィジュアルでギターって……!」

朱「やばかっこいい……!」

透「弾く?」

朱「いいの!?」

透「声出るかな……あ、あー」トントン

雪菜「もしかして弾き語りですか!?」

透「そういうもんじゃない?」

雪菜「透さんのおうた……もともと声がきれいだからきっと素敵です……」

桜野「透ちゃんのおうたねぇ、すごいんだよ」

朱「聴いたことあるの?」ズイッ

雪菜「すごいってどれくらいすごいんですか?」ズイッ

桜野「音楽の授業がソロライブになります」

透「ならないから」

朱「やっぱりそうなのね……噂では聞いてたけど……」

雪菜「え、噂にまでなってるんですか……?」

朱「界隈ではちょっと有名よ」

透「どこの界隈なの……準備できたよ」

朱「雪菜ちゃん!」

雪菜「はいさ!」●REC

透「撮らなくていいから」

透「♪♪♪」ジャカジャカ

雪菜「すてき……すてきですぅ……」

桜野「ねー……」

朱「ちょっと失礼……」パシャ

雪菜「でも初めて聞く歌です」

朱「そうね。どこの歌なのかしら」

シキ「シキたちの故郷の歌なのです」

桜野「え、シキたちの?」

シア「一所懸命覚えて、みんなと一緒に歌ってくれたんですのよ」

透「♪♪♪」ジャカジャカ

桜野「そうだったんだ……」

透「ふぃ……おしまい」ジャ-ン

桜野「……っ」パチパチパチパチ

雪菜「とってもとってもすてきでずぅぅぅ……!!!」パチパチ

透「ちょっと照れる……」ポリポリ

朱「メジャーデビューも夢じゃないわね!」

透「飛躍しすぎ」

ピコピコピコピコンッ!

桜野「え、なんかすごい鳴ってる……朱さんのスマホ?」

朱「気にしないで」ニコッ

桜野「?」

透「久しぶりに弾いた」

雪菜「こうして見ると、透さん本当にかっこいいです。クラスの子が言ってたのも納得です」

朱「透ちゃん人気だものね。王子様みたいで」

透「そんなんじゃ……」

桜野「あ、知ってる? 透ちゃんね、秘密のファンクラブがあるんだって」

朱「」ギクッ

透「なにそれ、初耳なんだけど」

朱「……」フイ-

雪菜「すごいじゃないですかファンクラブなんて!」

朱「……」ヨソヨソ

桜野「そういえば朱さんもありますよね、ファンクラブ」

朱「え、あ、ああ……そうね……」

雪菜「どうしたんです?」

朱「い、いやあ……」

桜野「朱さん知ってました? 透ちゃんの秘密ファンクラブ」

朱「ぜ、全然知らなかったわぁ……」

桜野「あはは、ですよね。知ってたら入ってそうですもんね」

朱「……!」ギクッ

雪菜「それどころか会長さんだったりして」

朱「……!!」ギククッ

朱「そ、そんなわけないじゃない……」ダラダラ

透「そうだよね。そんなわけないよね」

朱「……」メソラシ-

透「朱?」

朱「そ! それより! それより、あー……あ、クローゼット! 見てもいい!?」

透「え、なんで……」

桜野「まさか下着を……」

雪菜「さすがにどうかと思います……」

朱「ちょっと待ってあたしのことなんだと思ってるの?」

透「聞きたい?」

朱「やっぱりいいわ。再起不能になりそう」

桜野「なんでクローゼットです?」

朱「透ちゃんの私服って中性的なのが多いじゃない? だからクローゼットはどんな感じかなって」

桜野「言われてみれば」

雪菜「モデルさんの本領発揮ですね!」

透「そういえば人気モデルだったっけ」

朱「そう何度も忘れないで……」

透「だって普段の朱がその……あまりにも……」

朱「わかったから言わないで……」

朱「うーんやっぱり中性的なのが多いわね」

雪菜「似合うしいいんじゃないですか?」

朱「透ちゃんならもっと冒険してもいいと思うのよ」

桜野「透ちゃんこういう服が好きなの?」

透「好きっていうか動きやすいから」

雪菜「だ、男子小学生みたいな理由です……」

朱「むしろそれをナチュラルに着こなせる透ちゃんのスペックがすごいわね……」

桜野「おー透ちゃんすごーい」パチパチ

シキ「すごいのですー」パチパチ

透「え、ありがと?」

朱「でも! それじゃもったいないわ!! というわけで!!!」ダンッ

桜野「でっかい荷物?」

朱「いろいろ用意してみました!!!」ガバッ

雪菜「ふああ! すごいです!! かわいいお洋服いっぱいです!!」

朱「お仕事の関係でもらったものなんだけど、あたしと透ちゃんなら背丈も同じくらいだし着られると思うの!」

透「うーん」

朱「着て! みないっ!?」ズイズイ

透「近い怖い」

雪菜「私からもお願いします! いっそ私が着たいくらいなんですから!」

透「さ、桜野……」

桜野「着てみたら? きっと似合うよ」ニコッ

透「う……」

朱「せっかくだからがっつり振り切ってみたんだけど……」

雪菜「こ、これは……」

透「……///」モジモジ←がっつり甘めのふりふりガーリー

桜野「ほぁ……」

朱「か゛わ゛い゛い゛!!!!!」

透「う、うるさい……///」

雪菜「ほんとにほんとにすっごくかわいいです!」

透「ううう……制服以外じゃスカートはかないから変な感じするぅ……///」

シア「変身してる時の方がふりふりしてますわよ」

透「これは違うもん……///」

シキ「とってもかわいーのです。ね、桜野」

桜野「う、うん……えっと……」

透「さ、桜野……///」

桜野「うん……」

透「私その……かわいい?///」コテン

桜野「」ッタ-ン

朱「」ッタ-ン

雪菜「」ッタ-ン

透「ぇあ!? え!?」ワタワタ

シキ「これは仕方ないのです……」

透「ど、どうしよ……」

シア「大丈夫。幸せそうですわ」

透「えぇ……」

朱「危ない危ない。三途の川が見えたわ、まだ1着目だというのに」

透「ま、まだ着せる気!?」

雪菜「せっかくいっぱいあるんですから他のも試してみましょうよ。ね?」

透「もういい……脱ぐ……」

朱「待って待って、写真撮らせて!」

透「……1枚だけだから」

朱「っしゃあ!」

シア「あら、もう少し嫌がるかと……」

透「ごねられる方が面倒」

シア「ああ……」

朱「」パシャパシャパシャパシャ

透「撮りすぎ!」

雪菜「見てください、こんなのもありますよ」ガサガサ

桜野「ほんとだかわいいねぇ」

シキ「ほー……う? あっちのバッグはなにが入ってるです?」フヨフヨ-

桜野「どれー?」

朱「へっへっへ、これで……ん? あ、それは!」

桜野「メイドチャイナナーススク水……これは……」ガサガサ

朱「あー……」

透「朱ぇ……?」ゴゴゴゴ

朱「……なし?」

透「絶対なし!」

朱「ふぇぇ……」

ピコピコピコピコンッ!!!

桜野「朱さん、またもやスマホが鳴りまくってます」

朱「予想以上ね……」

雪菜「なにしたんです?」

朱「さっき透ちゃんがギター弾いてる時の写真で『彼氏とお泊まりデートなう』したの」

透「は?」

朱「それで今着てる服の写真で『残念女の子でした』したの」

透「朱?」

朱「それがとんでもないことに……」

桜野「なるほどそれで……」

雪菜「どっちの透さんも素敵ですからね……」

透「聞いてないんだけど???」ゴゴゴゴ

朱「ご、ごめんなさい! 顔は映してないから許して!」

透「次からはちゃんと言って」

朱「はい! すみませんでした!」

透「言ってくれたら丁重に断るから」

朱「あ、断るんですね!」

透「もうこれ脱ぐから」

朱「も、もうちょっと……」

透「あ?」ギロッ

桜野「うぉぉ……出会った頃の眼ぇ……!」

朱「お手伝いします!」

透「まったく……」

ガチャ

透母「お飲み物いりませんかー?」

透「あ……」

透母「え……?」

透「あ……///」

透母「あ……!」

透「あああぁぁぁぁぁぁああああああ!!!///」バッ

透母「きゃあああぁぁぁぁあああああ!!!」キュゥゥゥンッ

透「出てって出てって出てってぇぇぇええええ!!!///」グイ-

透母「待って待って待って! 写真! 写真撮らせてお願い!!!」

透「やぁぁぁだああああああ!! 出てけえええええええ!!!///」

透母「お父さん喜ぶからぁ! 死ぬほど喜ぶからぁあああ!!!」

透「絶対いやあああああああああああ!!!!!!!!///」

ここまで
もっと!早い時間に!やりたい!

オトナプリキュア始まるまでに終わらせたいと言ってたがもうとっくにはじまっちゃってるしいっそのことかなりじっくりこってりやってもらっても良い

>>835
ありがとうございます じっくりやります
とはいえ間伸びしてもしゃーないんで一応年内の完結を目標に こってりするところは思いっきりドロドロにしていきたい所存

今ちょっと忙しめで書いてるところも難しめなのでちまちま更新になります ご容赦

透「やだ……もうやだぁ……」シクシク

雪菜「げ、元気だしてください……」

朱「ぐへへ、写真送ることを口実にお義母さまの連絡先げっと……!」

透母「ほんとにかわいいなぁ。お父さんにも見せてあげなきゃ」ニコニコ

透「やめろぉぉぉ……!」

透母「せっかくだしそのまま着てればよかったのに」

透「やだもん……似合わないもん……」

桜野「そんなことないよ。すっごく似合ってた」

朱「うんうんうんうん」コクコクコクコク

雪菜「首取れますよ」

透「……で、でもやだもん」

透母「残念ねぇ」

透「むぅ……もういいでしょ。ほんと何しに来たの」

透母「あ、そうそう。これ」

桜野「? なんですかこれ?」

透母「透のアルバム」

朱「!?!?!」バッ

透「また余計なことを……!」

雪菜「見てもいいんですか!?」

透母「そのために持ってきたんだもん」

桜野「ちっちゃい頃の透ちゃんかぁ。どんなかなぁ」

透「はぁ、もう好きにして……あ、お母さんは出てって」

透母「えー」

透「出 て っ て」

透母「はーい……」シブシブ

透「……」

朱「かわいい……! ちっちゃくてぎゃわいい……!」

雪菜「なんかポヤーっとしてるのとかキョトンってしてるのが多いですね。あ、こっちの表情もかわいいですよ」

桜野「ほんとだぁ。ポヤポヤでかわいいねぇ」

シア「ワタクシたちも初めて見ますわね。本当に可愛らしい……」

シキ「よーちえんです? かわいーのです」

透「かわいいしか言ってない……」

雪菜「だってすっごくかわいいんですもん」

朱「こんなの誘拐されてもおかしくないわよ」

シキ「発想が容疑者なのです」

シア「あら、これはなにかの劇ですわね。透はなんの役かしら」

桜野「見たところ王子様みたいですね」

シア「お姫様ではないんですのね」

雪菜「あ、こっちにも劇の写真ありました……けどこっちでも王子様です」

透「そういえば昔から、なぜか王子様役が多かった」

雪菜「男の子を差し置いてですか」

桜野「かっこいいのも似合ってるもんね」

朱「お姫様も見たかったなぁ。透ちゃんもやりたかったんじゃない?」

透「え、うーん……」

シア「少なくとも写真の表情を見る限り……」

シキ「なぁーんにも考えてないのです」

朱「ねぇねぇちょっと気になったんだけど」

透「なに?」

朱「なんか女の子と写ってるの多くない?」

桜野「確かに多いですけど……なにかおかしいですか?」

雪菜「お友だちと写ってるだけに見えますけど」

朱「でもよく見て。なんだかやたら距離近くない?」

雪菜「言われてみれば腕組まれたり抱きつかれたりしてるのばっかですね」

桜野「そして透ちゃんは相変わらずのポヤポヤ顔」

シキ「はてなマーク描きたいのです」

シア「透、これ撮った時のこと覚えてます?」

透「ん? んー……あ、そういえば突然おままごとが始まってた」

朱「おままごと?」

透「うん。急にお嫁さんになるって言われて」

朱「お嫁さん、というと……桜野ちゃん」

桜野「がってん。透ちゃん、ちょっとこっち向いて」

透「うん……?」

桜野「すー……はー……よし」

透「なにす……」

桜野「おっきくなったら透ちゃんのお嫁さんになるー!」ニコ-

透「」ッタ-ン

桜野「みたいな?」

朱「カンペキよ」グッ☆

透「」

桜野「あれ透ちゃん?」

透「」ガシッ

桜野「へ?」

透「よく分かんなかったからもう1回!」ズイッ

桜野「へ???」

朱「おっきくなったら透ちゃんのお嫁さんになるー」ニコ-

透「あ、結構です」

朱「がっでむ!」

雪菜「それにしても王子様役に何度も選ばれたり、女の子にくっつかれたり、お嫁さんになるって言われたり……」

シア「もしかして……」

シキ「透、男の子だと思われてたです?」

透「え、そういうこと?」

朱「この頃から女の子キラーだったのね」

桜野「遊園地でも女の人にナンパされてたもんね」

透「そういえばそうだった。なんでそんな男の子に間違えられ……」

透「!」ハッ

朱「どうしたの?」

雪菜「なにか思い当たる節が?」

透「っ……!」ピピピピッ

朱「?」

雪菜「?」

透「!?」ボンッ

透「ア……」フラッ

透「カテナイ……ゼッタイカテナイ……」ズ-ン

桜野「透ちゃん?」

透「!」バッ

透「っ……!」ピピピピッ

透「………………」

桜野「だいじょぶ?」

透「アアアア……!!!」ガク-

桜野「???」

透「世界はッ! 不平等だッ!!!」

桜野「急にどうしたの!?」

シア「大丈夫ですわ透。そんなに悲観するほどのものではありませんわよ」

透「ほんとに? あまりの断崖絶壁ぶりに思わず飛び降りたくなったりしない? ありもしない罪を自白しそうになったりしない?」

シキ「この話題の時はほんととことん卑屈なのです……」

雪菜「ちっちゃい透さんかわいかったですねぇ」

朱「堪能したわぁ」

透「むぅ、私ばっかりでなんか不公平。みんなのちっちゃい頃も教えて」

雪菜「そうですねー、んー……私は絵本ばっかり読んでました」

朱「あたしは昔からお洋服大好きだったわね」

桜野「三つ子の魂って感じだねぇ」

透「桜野は桜野は??」

桜野「わたし? うーん、普通だと思うよ。特に特徴らしい特徴もないような感じ」

透「あれが好きだったとかこういうので遊んでたとかは? なんでもいいから」

桜野「と言われてもよく覚えてないし……」

透「なんにもない?」

桜野「これといって。ごめんね?」

透「うー……」シュン

雪菜「……私も聞きたいです」

桜野「え?」

透「!」パッ

雪菜「桜野さんの昔の話、私も聞きたいです」

桜野「い、いやでも……」

朱「あたしも聞きたいなぁ」

桜野「あ、朱さんもですか……」

朱「話してくれたら嬉しいわ。とっても」

透「!」コクコク

桜野「えー、えっとぉ……」

雪菜「……」ジッ

朱「……」ジッ

透「……!」キラキラワクワク

桜野「そ、そんなに……」

桜野(すっごい見られてる……なんか緊張……)

桜野「あ、の……」

桜野(でも、もしかしたら……チャンスなのかな……)

桜野「ぁ……」

桜野(今なら話せるのかな……例の件も……)

桜野「……」

桜野(それ以外も……)

桜野「…………」

桜野(……話すべきなのかな)

桜野「………………」

桜野(話したら……どうなるのかな……)

桜野「はぁ……」

桜野(あの後結局、中途半端に誤魔化してしまった。透ちゃんには悪いことしちゃったな)

桜野(それからも話すチャンスはあったのに、いまだ話せずじまいだ)

桜野(もう時間が無い。何はなくとも、例の件だけは早く話さなきゃいけない。それは分かってるんだけど……)

桜野(迷ってしまうのはやっぱり、いざって時にみんなを守れる自信がないからかな)

桜野(決めたはずなのに、話すって。わたし一人じゃ約束守れないのに……)

桜野(迷って、言葉が出なくて、時間ばっかり過ぎて、そして……)

透母「透ーお皿出してー」

透「うん」カチャカチャ

桜野(あっという間にお夕飯の時間に……!)

透母「あら朱ちゃん、お料理も上手なのねぇ。このお鍋は任せちゃっても大丈夫?」

朱「おまかせくださいお義母さま」キリッ

透母「ほんと透にも見習ってほしいわ。あの子ったらお父さんにそっくりだから、将来はお料理できる人見つけないと大変なのよね」

朱「おまかせくださいお義母さま」キリッ

透母「?」

桜野(どちらにしても透ちゃんのお母さんに聞かせるわけにはいかないな……)

雪菜「さ、サラダを盛りつけるくらいなら私にも……!」モサモサ

透「お客さんなんだから座ってていいのに」

雪菜「そういうわけにはいきません!」フンスッ

桜野「透ちゃん、わたしもなにか手伝う」

透「桜野も座ってていいんだよ?」

桜野「そういうわけにはいきません!」フンスッ

透「……じゃあお皿出すの手伝って」

桜野「まかせて」ニコッ

「「「いただきまぁす!!!」」」

透母「どんどん食べてねー」

桜野「ほぁ……」

雪菜「むぐむぐ、これとってもおいひいれす!」モグモグ

透母「あとでレシピ教えてあげるわね」ニコニコ

桜野「……」

朱「透ちゃんこれ食べてみて! あたしが作ったの!」

透「わかったから……近い……」

桜野「……」

透母「桜野ちゃん、どうかした?」

桜野「あ、いえ、あの……なんかいつもの食事とのギャップが……」

透母「うちだっていつもはこんなに豪勢じゃないわよ。今日はみんなが来てくれたから特別」

桜野「こ、こんなに賑やかなのも……」

透母「それもみんながいるからね」

桜野「みんなが……いる……」

透母「ほら、冷めちゃうから食べて食べて」

桜野「あ、はい。いただきます」パチ

桜野「」ズズッ

桜野「……!」

透母「どお?」

桜野「……っ」フルフル

透母「桜野ちゃん?」

桜野「…………あったかいです……すごく……」

透母「おかわりもあるからいっぱい食べてね」ニコッ

桜野「……はい」

朱「さぁーてさてさてさてさてさてっ!!!」

透「え、なに……」

雪菜「急にテンション高いです……」

桜野(はやく話さなきゃな……)

朱「ふっふっふ。だってぇ……今からぁ……」ニヤッ

桜野(でもどのタイミングで……)

朱「お待ちかねのお風呂たーいむ!!!」

透「あー」

雪菜「う……」

桜野「……!」

朱「一緒に入るわよね!? お泊まり会だもね!? ね!?」

透「いっしょ……いっしょ? はだか……? つまり……?」カタカタ

雪菜「透さん?」

透「ア」

シキ「透っ! 気をしっかり持つですっ!!!」ペタ-ンッ

雪菜「あ、あの……変なことしませんよね……?」

朱「前向きに検討します!」

桜野(お風呂……)

シア「さて、ワタクシも準備しませんと」

朱「え、シアさんもですか?」

シア「前にぼーっとしてた透が溺れかけてから気が気じゃありませんの」

透「もう大丈夫だって……」

雪菜「ていうか入れるんですか……?」

透「釣りもできるから平気。あと水吸わせると増えて面白い。わかめみたい」

シア「あら、失礼しちゃいますわ」

桜野(一緒にってなると……その後はきっとそれどころじゃ……)ギュ

透「……?」

透「桜野?」

桜野「……!」ビクッ

透「どうしたの大丈夫? あ、食べ過ぎちゃった?」

桜野(話さなきゃ……話さなきゃ……チャンスはもう、今しかない……)

透「桜野?」

桜野「…………あのねみんな」

透「なになに?」

シア「なんですの?」

桜野「話したいことが……あって……」

朱「話したいこと……」

雪菜「……はい」

桜野「わたし……」

透「???」

朱「……」

雪菜「……」

桜野「わたし……!」

シキ「……」

桜野「……」

桜野「…………」

桜野「………………お風呂、あとで入るね」ニヘッ

ガプッ

シキ「……」

カプカプ

シキ「……」

ガププッ

シキ「……桜野」

桜野「…………なに」

シキ「……手首噛むの、もうやめるです」

桜野「…………やめたら……消えちゃう」カプッ

シキ「っ……! でもあの子はっ……!」

桜野「わかってるよ」

シキ「……っ」

桜野「コスモスを殺したのはわたしだもん」

シキ「……」

桜野「…………はぷ」ガプッ

シキ「……」

桜野「…………んちゅ、ん」ガプガプ

シキ「……桜野」

桜野「…………なに」

シキ「……よかったの?」

桜野「…………なにが」

シキ「……お風呂」

桜野「…………」

シキ「……」

桜野「…………無理だよ。わかってるでしょ」

シキ「……」

桜野「みんなには見せられない。見せられるわけないよ」

シキ「……」

桜野「こんな……」ギュ

シキ「……っ」



桜野「………………痣だらけのカラダ」

ここまで
こってりします

桜野「…………そうでしょ?」

シキ「でもっ……!」

桜野「…………みんなびっくりしちゃうもん」

シキ「それでもシキは……! みんなに話すべきだと思うのですっ……!」

桜野「…………どうして?」

シキ「どうしてって……! だって……!」

桜野「話したからってどうなるの? いたずらにみんなを不安にさせるだけだよ」

シキ「きっとみんな寄り添ってくれるのです……! 桜野の力になってくれるのです……!」

桜野「…………わたしのことなんかどうてもいいんだよ」

シキ「桜野っ……!」

桜野「そんなことより」

シキ「そんなことなんかじゃ……!」

桜野「そんなことより」ズイッ

シキ「……!」ビクッ

桜野「大事なことは別にあるの」

シキ「べつ……?」

桜野「遅かれ早かれだから、シキには先に話しておくね」

シキ「な、なにを……」

桜野「あのね……」



透母「桜野ちゃん?」



桜野「!」ピクッ

シキ「!」サッ

桜野「あ、透ちゃんのお母さん……」

透母「おばさんでいいわよ。お風呂は?」

桜野「あ、わたし……あとでいただきます……」

透母「そう? んー、それじゃあちょっといい?」パタパタ

桜野「?」

透母「おばさんの話、聞いてもらえる?」

桜野「は、はい……?」

透母「……」

桜野「あの、話って……?」

透母「桜野ちゃん」

桜野「はい……?」

透母「ありがとね、透のこと」

桜野「え? えっと……どういう……?」

透母「ねぇ桜野ちゃん、透と初めて会った時どんな感じだったか覚えてる?」

桜野「え、はじめて? えっとぉ……」

透母「感じた通り素直に言ってくれていいわよ。気を悪くしたりしないから」

桜野「じゃあ、えっと……透ちゃんが転校してきた時だから……最初はその、ちょっと怖い人なのかなって思いました。目つきがこう……鋭い感じで」

透母「うん」

桜野「それで、あの……ちょっと厳しい人なのかな、みたいな印象も……」

透母「ふふっ、そうね」

桜野「あ、す、すいません……」

透母「ううん、あの頃は確かにそんな感じだった。鋭くて、近づいたらこっちが怪我しちゃうくらい」

桜野「はい……」

透母「でもね、昔からそうだったわけじゃないのよ」

桜野「あ、あのアルバム見ました」

透母「あ、そうだったそうだった。アルバムは小さい頃のしかないけど、あのまま大きくなったイメージね」

桜野「なんていうか、ポヤポヤな……?」

透母「ふふふっ、そう、ポヤポヤ。天然っていうか、親としてはちょっと危なっかしいかなって感じの子」

桜野「ふふっ、たしかにちょっと不安かもです」

透母「……それと、よく笑う子」

桜野「笑う……」

透母「些細なことでもね、本当に楽しそうに笑う子だったの」

桜野「透ちゃんが……」

透母「それがね……変わってしまった……」

桜野「……」

透母「前にあの子ね、行方不明になったの」

桜野「……!」

桜野「ゆくえ、ふめい……」

桜野(それって……シーズンランドにいた時の……)

透母「うん。まるで消えたみたいに、本当に突然いなくなっちゃってね」

桜野「……」

透母「いろいろ手を尽くして探し回ったけど、小さな手がかりすら見つけられなかった。なにも進展がないまま時間だけが過ぎていって……あの時は本当に、生きた心地がしなかった」

桜野「……」

透母「でもね、もう見つからないんじゃないかって心が折れかけていた時に、あの子帰ってきたの。いなくなったときと同じで突然」

透母「嬉しかったわ。お父さんと2人で泣いて喜んだ。抱きしめて、もう絶対離さないって誓った。だってもう二度と会えないかもしれないって思った娘に会えたんだもん」

透母「でも、それで解決じゃなかった」

桜野「……」

透母「戻ってきたあの子は前みたいに笑わなくなっていた。それどころか、戻ってからしばらくは話すことすら」

透母「ずっとなにかに怯えてるみたいな、ずっとなにかを恨んでるみたいな顔してた。一日中部屋にこもってる日もあれば、いつの間にかいなくなって夜遅くに帰ってくる日もあった。ほとんどなにも食べてくれなかったし、話しかけてもまともな反応はなかった」

透母「行方不明のあいだに何かあったのは間違いない。でも何があったのか、どれだけ聞いても教えてはくれなかった。せっかくあの子が帰ってきて元の日常が戻ってきたって思ったのに、透は日に日にやつれていってずっと苦しそうにしてた」

透母「それなのに私たちはなんにもできなくて。情けない親よね。娘がなんで悩んでいるのか、ほんの少しだって理解してあげられなかった」

桜野「そ、そんなこと……!」

透母「……でもね、お父さんと決めたの、あの子のためならなんでもしようって。きっとまた前みたいに笑えるようになるからって」

透母「だからあの子が転校したいって言い出した時も、すぐに引越しの準備を始めた。理由は聞けなかったけど、それでもよかった。環境が変われば、あの子にもいい変化があるかもしれないって思った」

透母「それになにより、戻ってきてから初めて、あの子がしたいって言ったことなの。そんなお願い、叶えないわけにはいかないもんね」

桜野「……はい」

透母「すぐに転入の手続きをして、お父さんはお仕事の引き継ぎとかあったから先に2人で引っ越してきて……それで転校初日、帰ってきたあの子ね、なんだかすごく落ち込んでるみたいな、怒ってるみたいな、そんな感じだった」

桜野「あ……」

透母「転校なんて初めてだし、上手くいかなかったんじゃないかとか悪いことでもあったんじゃないかとかって不安になって透に聞いたの、学校どうだったって」

透母「そしたらあの子、うるさい、話しかけないで、ひとりにして……って」

桜野「そ、それは……」

透母「チャンスだって思った」

桜野「チャンス……?」

透母「だってそれまで話しかけても心が失くなっちゃったみたいな反応しか返ってこなかったのよ? それがあんなに感情むき出しにして」

桜野「……」

透母「それからは毎日学校のこと聞いた。今日はどうだった今日どうだったって毎日。最初はなんにも話してくれなかったけどね、だんだん我慢できなくなってったみたいで、少しづつ話してくれるようになった」

透母「その時話してくれたのが、桜野ちゃんのことだった」

桜野「わたしの……」

透母「行方不明になってからこっち、なにを聞いても黙って俯いていたあの子がね、あなたの話をするの。口を開けば岸波さんがって」

透母「なんだかとってもイライラしているみたいで、誰かに感情をぶつけなきゃ気が済まないって感じだったなぁ」

桜野「え、あ、ああ……確かにあの頃はすっごい怒らせちゃってて……」

透母「でもね……本人は気づいてなかったと思うけど、あの時の透、なんだか楽しそうだった」

桜野「た、楽しそう……ですか?」

透母「うん。イライラはしてるんだけど、なんていうのかな……やんちゃな友だちの行動に呆れてるみたいな……」

桜野「あー……」

透母「思い当たる節ある?」

桜野「えーっと……へへ……」ポリポリ

透母「ふふっ……ともあれ、それからは毎日あなたのことを聞いた。その度にどこに腹が立ったか教えてくれた」

桜野「あは、は……」

透母「ずっと浮かない顔のあの子だったけど、あなたの話をしている時だけは元気だった。あなたを話をする度に、あの子が元気になっていくみたいだった」

透母「相変わらずイライラしてたみたいだけど、少しづつ口数も増えていってね、朱ちゃんや雪菜ちゃんの話もするようになって、ゆっくりだけど元気になっていって、それで……」

桜野「……」

透母「あの日……あの子、笑った。笑ったの」

桜野「…………はい」

透母「前みたいにひたすらのんきでやわらかい笑顔ってわけじゃなかったけど、それでも確かに笑ったの」

透母「笑って、笑いながら、桜野がねって言うの。嬉しそうにあなたの話をするの」

透母「今日は何があったって、今日の桜野ちゃんはこんなんだったよって。些細な、本当に小さなことを、これでもかってくらい幸せそうに話してくれるの……!」

桜野「……はい」

透母「……」

桜野「……」

透母「…………あなたが助けてくれたのよね」

桜野「え……?」

透母「透がまた笑えるようになったのは、あなたのおかげなのよね。私たちじゃどうしようもなかった傷を癒してくれたのは桜野ちゃんなのよね」

桜野「そ、そんな……わたしまだなにも……」

透母「ううん……桜野ちゃん、改めてお礼を言わせて」

桜野「ぁ……」

透母「娘を、透を助けてくれてありがとう。本当に本当に、本当に……ありがとうっ……!!!」

桜野「……!」

桜野「あたま……あげて、ください……」

透母「……うん。でもこれだけら分かってね、あなたには本当に感謝してるの」

桜野「………………はい」

透母「……ごめんね、長々付き合わせちゃって。おばさんもう行くわね」

桜野「………………」

透母「お風呂、遠慮しないでゆっくり浸かってね。今夜は冷えるから」

桜野「…………」

透母「それから、なにかあったらなんでも言ってね。あなたは透にとっても、私たちにとっても恩人だもん」

桜野「……」

透母「それじゃあ……」

桜野「………………透ちゃんを愛してますか」

透母「え?」

桜野「あ……あ! い、いやあのなんでもなくて……! す、すみませっ……なんでこんなこと聞いて……」

透母「愛してるわよ」

桜野「……!」

透母「当たり前でしょ? 家族だもん!」ニコッ

桜野「!!!」

桜野「……か、ぞく…………」

桜野(………………そ、っか)

桜野「………………」

透母「桜野ちゃん?」

桜野「……大丈夫です」

透母「え?」

桜野「透ちゃんはもう大丈夫です。ずっと大丈夫だったんです」

透母「桜野ちゃん……」

桜野「……」

透母「……ありがとう」

桜野「…………いえ」

桜野「……」

桜野「ふぅぅぅ……」

桜野「……そっか」

シキ「桜野……?」

桜野「ううん」

桜野(わたしは……なにを迷っていたんだろう)

桜野「ん……」ググッ

桜野(本当ははじめから、迷う必要なんてなかった)

桜野「ふぅ……」パッ

桜野(透ちゃんは大丈夫だった。ずっと大丈夫だったんだ)

桜野「………………」

桜野(わたしがいなくても)

ここまで

両親関連の掘り下げ予定は現状ありません 余裕がない
駆け足気味なのはお泊まりイベスキップしたからかな?それに関しては、じっくりやっても桜野がひたすらウジウジするだけなのでやらん方がいいかなと思いまして



朱「」スヤスヤ

雪菜「」スヤスヤ

桜野「……」

桜野(……心は決まった)

桜野(そうなったらあとはシンプルだ。ひとりで行く。それでぜんぶ終わらせる)

桜野「……」ゴロ

桜野(でもそのために足りないものが……)

桜野「……」

桜野(みんなもう寝たよね……?)

桜野「……」モゾッ

透「桜野、起きてる……?」コソッ

桜野「!」ビクッ

透「……あ、ごめ。起こしちゃった?」ヒソヒソ

桜野「……う、ううん……どうしたの?」ヒソヒソ

透「……ちょっと来て」

桜野「……?」

ベランダ

桜野「ふぅぅ……夜風が気持ちいねぇ」

透「うん。でもちょっと冷えるかも」

桜野「じゃあはやく済ませて戻ろっか」

透「うん」

桜野「それで、話したいことって?」

透「あの……シキは?」

桜野「シキ? 向こうで寝てるけど……連れてくる?」

透「あ、ううん、いい。寝てるならいいの」

桜野「まあ起こすのも悪いもんね」

透「そうだけどそうじゃなくて……」

桜野「?」

透「……」

桜野「透ちゃん?」

透「桜野、お願い……聞いて……」

桜野「いいけど……なにを?」

透「持っててほしいものがあるの……」ガサゴソ

桜野「持ってて……?」

ポワッ

桜野「!」

透「これ……」

桜野「そ、れは……!」

透「うん……」

パァァァ

透「……ウィッシュスター」

桜野「これ……わたしに……?」

透「うん……」

桜野「で、でもっ、なん、で……?」

透「…………私じゃ……守りきれないから……」

桜野「……!」

透「この前の戦いだってすごく危なかった。もしかしたら奪われてたかもしれない。そうなっちゃったのは、これを持ってたのが私だったから……」

桜野「そ、そんなこと……」

透「ううん、あの時、桜野が来る前に私は敗けてた。向こうが本気で奪う気だったら、多分守りきれてなかったと思う」

桜野「それは……」

透「あの時だけじゃない、これまでずっとそうだった。私が弱いせいで、いつも桜野やみんなの足でまといになって……」

桜野「そんなこと……ないよ……!」

透「……桜野」

桜野「違うよ……透ちゃんはなんにも悪くなんかないよ……」

透「桜野」

桜野「……っ」

透「……これはいろんな人の願いがこもった大切なものなの。絶対守りきらなきゃいけないの」

桜野「……うん」

透「それを、弱い私が持ってちゃダメなの」

桜野「……」

透「だから……」

桜野「……」

透「……」

桜野「……みんなに話さなくていいの?」

透「言えないよ。こんなこと桜野にしか話せない」

桜野「……」

透「桜野、お願い……」

桜野「……」

透「みんなの願いを守って」

桜野「……」

桜野「…………」

桜野「………………わかった」

透「……ありがと」

桜野「………………ごめんね」

透「どうして桜野が謝るの」

桜野「………………ううん」

パァァァ

桜野「……」ギュ

透「ねぇ桜野」

桜野「……なあに?」

透「……明日だよね」

桜野「え……?」

透「帰っちゃうの」

桜野「あ、ああ……うん……」

透「楽しかったなぁ」

桜野「うん、楽しかった。ほんとのほんとに楽しかった」

透「でも心残りがある」

桜野「……なに?」

透「枕投げできなかった」

桜野「あ、あー……それはほら、しょうがないよ。ご近所迷惑になっちゃうしホコリ舞っちゃうし……」

透「やってみたかったのになぁ」

桜野「……そうだよね」

透「次は絶対やろう」

桜野「……次?」

透「うん。次はうち以外の誰かのおうちでお泊まり会するの」

桜野「……!」

透「あ、その時こそはお風呂いっしょね? 桜野がいなくて、その……あー、うん……なんていうか、ね……」トオイメ-

桜野「?」

透「そ、そうだ釣りもしよ。みんなでやるって言ったし」

桜野「……釣りか。朝早いんだっけ?」

透「釣り堀だったらあんまり気にしなくても大丈夫」

桜野「……そっか」

透「ニジマスとか釣ってね、大きさ比べっこして、焼いてもらってみんなで食べるの」

桜野「……うん」

透「あ、それならキャンプとかもいいかも。おっきいテント張ってね、バーベキューとかして、美味しいものいっぱい食べるの。あとね、近くの川で遊んだりしてね」

桜野「……うん」

透「夜になったらお待ちかねの枕投げ。テントでもできるよね?」

桜野「…………うん」

透「それで疲れたらね、朱が持ってきてくれたアロマでリラックスしながら星空見るの。雪菜が星にまつわるちょっとロマンチックなおはなしとかしてくれるんだ」

桜野「…………うん」

透「それで、寝ないで朝までおしゃべりしよって意気込むんだけど結局みんな寝ちゃってね、朝になって、いつのまにか寝ちゃったねって笑うの」

桜野「………………うん」

透「どうかな? そういうのも楽しそうじゃない?」

桜野「…………夢みたいだね」

透「叶えようよ」ニコッ

桜野「っ……」

透「桜野?」

桜野「……っ」

桜野「…………」

桜野「………………ううん、なんでもない」

透「? ほんとに? なにか……くしゅっ」

桜野「あ」

透「へぅ……」

桜野「寒いよね。戻らないと」

透「ん、桜野も」

桜野「あ……」

透「ん?」

桜野「わたしは、その……」

透「?」

桜野「…………もう少し、風を浴びてく」

透「んー……」

桜野「……」

透「……ん、わかった」

桜野「……」

透「あんまり長居して風邪ひかないようにね」

桜野「……うん」

透「じゃあ……」

桜野「透ちゃん」

透「ん?」

桜野「……おやすみ」

透「ん、おやすみ」ニコッ

桜野「……」ボ-

桜野「…………はー」

桜野「……」

桜野「………………いくか」

桜野「……っよ」ピョンッ

桜野「っとと……おぉ、2階でも結構高い……」スタ

桜野「……」

桜野「すぅぅぅ……」

桜野「はぁぁぁ……」

桜野「……」ボ-

桜野「……空が近いや」

桜野「……」

桜野(ウィッシュスターは手に入った)

桜野(時間ももうすぐ)

桜野(迷いは……ない)

桜野「……」

桜野(目標は、ぜんぶやっつけること。もう二度と、誰も戦わなくていいようにすること)

桜野「……」

桜野(できる限り自分の力で戦う。でももし……もしもダメだったらその時は……)

桜野「……」ギュ

桜野(ウィッシュスターの力で無理やり解決する)

桜野「……そうならないのが1番だけど」

桜野(だってこれは、その先にある願いを叶えるためのもの……)

桜野「……」

桜野(……そうだ)

桜野「……」ガサゴソ

チャリッ

桜野(ロケット……つけてこっかな……)チャリリッパチッ

桜野「……よし」チャリッ

桜野「すー……はー……」

桜野「……待っててね、コスモス。ぜんぶ終わらせてくるから」ギュ

桜野「ふー……」

桜野(どうせなら……)

桜野「せーのっ……」ググッ

桜野(くつ、ちゃんと揃えてくればよかったな……)

タンッ

ここまで


桜野さんのマインドはここまでやっても変化なくてぶっちゃけ一人の方が強くて
無敵の人かな?

「……て……きて……!」

透「……ん……んぅう……?」

シア「起きて! 透!!!」グイ

透「……んっ、んむぅ……」ムクッ

透「くぁ、ぁぁぁふ……んぇう……?」ボ-

透「……まだよるだよぉ?」ポケポケ

雪菜「透さん! ぼーっとしてないで起きてください! 大変なんです!」ユサユサ

透「う、ぁぁ……なにぃ……? なにがあっ。ふああ……」

朱「桜野ちゃんがいないの!!!」

透「えぅ……さくの……? さくのなら……」

透「……」

透「………………え?」

ガタッ

透「え、いない!? いないってなに!? どういうこと!?」

朱「どうもこうもそのままなの! どこにもいないのよ!!」

透「え、え、でも! なんで!?」

雪菜「わ、分かんないですよ! シキちゃんが気づいた時にはもういなくなっちゃったあとで!」

透「こ、この部屋にいないってだけじゃ!? と、トイレとか!」

シア「ワタクシが感じ取れる範囲に桜野の気配がありません! 少なくとも家の中には……!」

透「こ、コンビニとか行ったんじゃ……!」

シア「こんな時間に!? 断りも書き置きもなく!?」

透「で、でもじゃあなんで! ど、どこに! なにかの間違いなんじゃ……!」

雪菜「わかんないですけど現にどこにもいないんです!」

透「な、なんで……! さくの……!」

朱「お、落ち着いて心当たりを整理しましょ! みんな何かない!?」

透「心当たりなんて……! なんて…………ぁ」

シア「なにかありますの!?」

透「あ、あの、えっと……」

シア「透?」

透「あの……私……」

シキ「……」

透「ウィッシュスター…………桜野に……渡した……」

シキ「……!」

雪菜「……え」

朱「桜野ちゃんに……?」

シア「どうして!?」

透「だ、だって私……私じゃ……!」

シキ「それなのです」

透「え……?」

シキ「……みんな、聞いてほしいのです」

朱「なにかわかるの!?」

シキ「まず最初に、多分シキなら桜野が今どこにいるか見つけられるのです」

透「ほんとに!?」

シア「確かに、ずっと桜野の近くにいたシキなら可能かもしれませんわね」

透「だったら早く探しに行こうよ!」

シキ「……」フルフル

透「え……なん、で……??」

シキ「……」

透「なんでよ! 桜野の居場所わかるんでしょ!? なのになんで!!」

シキ「ただ追いかけるだけじゃ、桜野は戻ってきてくれないのです」

雪菜「……!」

透「え……なに……? どういう……?」

シキ「それで戻ってきてくれるなら、朱も雪菜も苦しい思いをしなくて済んだのです」

朱「……」

透「なに、それ……」

シキ「……順番に話すのです」

シキ「……みんな覚えてるです? 前に学校でツナミが襲ってきた時、桜野はライガと戦ってたのです」

雪菜「そ、そういえばそうです……あの時なにか……」

シキ「桜野、ライガになにか言われてたのです。話の中身までは聞こえなかったけど、なにか……」

透「なにかって……?」

シキ「分からないのです。でもはっきりしてるのは、敵の目的がウィッシュスターだってこと……」

朱「も、もしかしてウィッシュスターを持ってこいって脅されたんじゃ……!」

透「!」

シキ「……かもしれないのです」

シア「しかし桜野に限って言われた通り渡すなんて思えませんわ……」

雪菜「確かにそうです。だとしたら、桜野さんなら……あ、桜野さんもしかして……!」

シキ「……うん」

透「なに、なに!?」

シキ「………………ひとりで戦いに行ったのです」

透「え……」

シア「そ、そんな……!」

透「なんで……? なんでなんで……! だって桜野っ、そんなこと一言も言わなかったっ!!」

シキ「朱と雪菜なら、なんとなく分かると思うのです。桜野の暗い部分に少しでも触れた2人なら」

雪菜「はい……桜野さんならそれが1番って……」

朱「考えるでしょうね……」

透「……!」

透「な、なに…………なんなの……なんで……?」

透「朱も雪菜も……なに言ってるの……?」

透「暗い部分ってなに……! そんな桜野……私知らない……!」

シキ「透……」

透「わ、わたし……? わたしのせい、なの……?」

透「わたしがウィッシュスターあげちゃったから……? だからさくのいなくなっちゃったの……??」

シキ「……ちがうのです」

透「じゃあなんで! なんでよっ! なんで桜野いないのっ!!!」

シキ「……」

透「なんっ、ぅ、けふっ……! なんでっ……はぁっはぁっ……さくのっ、なんで……なんでよぉ……!」ガクガク

シア「透!」バッ

透「んくっ、はっ、はっ……! うぅぅ……!」

透「ふーっ、ふーっ……ちが、うもんっ……!」

透「さくの……いなくならないもん……なんにも言わずにかってにいなくなったりしないもん……!!!」

シキ「……透、聞いて」

透「やだ!」

シキ「ダメなのです。ちゃんと聞いて。桜野にはね……」

透「うぅぅううう……!!!」

シキ「……桜野には……多分もう、戦いしか残ってないのです」

透「………………ぇ」

シア「ど、どういうことですの……?」

雪菜「それって……!」

朱「シキちゃん……」

シキ「うん……」

シキ「話すのです、ぜんぶ。桜野のこと、桜野が話してくれたこと、シキが知ってること、ぜんぶ」

シキ「みんな、透、絶対耳を塞がないで……」

ここまで
ドロドロにします

夜の街

タッタッタッタッ

桜野「……っ」タタタッ

桜野(……いわゆる虐待がはじまったのは、わたしがママの妹夫婦に引き取られたその日からだった。9さいになったばかりだった)

桜野(毎日殴られたし、毎日蹴られた)

桜野(叔父さんは、わたしのおなかを蹴り飛ばすのがお気に入りだった)

桜野(叔母さんは叔父さんほど力がないからか、灰皿で殴ったり、ベルトをムチみたいにしならせて体を叩いた)

桜野(2人ともタバコを吸うから、灰皿代わりにその火を体に押し当てられた)

桜野(全身が痣と火傷とミミズ腫れで埋め尽くされるまで、3日とかからなかった)

桜野(痛みから逃げるように気を失うようになった。それがわたしとっての睡眠だった)

桜野(当たり前だけど、わたしの分の食事が用意されることなんてなかった。だからわたしはいつも腹ぺこだ)

桜野(かといってなにか勝手につまみ食いしようものなら、せっかく薄くなって痛みが引いてきた痣がまた新しくなってしまう)

桜野(わたしはおなかが空かないように、できる限り動かずじっと耐えた)

桜野(それでもやがて限界はやってきて、意識が朦朧としてくる。平衡感覚が無くなって、気づいた時には床に倒れていたなんてことも珍しくなかった)

桜野(時おり叔母さんたちの気まぐれで目の前に残飯がぶちまけられる。手を使わずに食べろと言われた。言われたとおりにした)

桜野(叔母さんたちの機嫌を損ねるとせっかくの食べ物を吐き出すことになってしまうから、汁の一滴すら残さないように丁寧に床を舐めた。叔母さんたちは、そんなわたしの後頭部を踏んづけてゲラゲラ笑った)

桜野(口の中でぐちゃぐちゃの食べ物と床の苦さが混ざって酷い味だった。噛むたびに小さな砂粒が歯をこすった。機嫌を損ねずとも結局蹴られた)

桜野(それでも、なにも食べられないよりはマシだった)

桜野(どうしてこんなことをするんだろう。その答えは聞かずとも教えてくれた)

桜野(わたしが痛みに悶えたり、苦しそうに咳き込んだり嘔吐いたり、空っぽのおなかから胃液を吐き戻す姿が痛快なんだという)

桜野(じゃあしょうがないやって思った)

桜野(幸いだったのは、叔母さんたちがとにかく世間体を気にする人たちだということだった)

桜野(どれだけ痣を作っても、硬い瓶や刃物が振り下ろされても、服で隠せない場所は怪我もなくきれいだった。だから学校には行けた)

桜野(年中長袖しか着れなかったとしても、せっかく終わらせた宿題のノートが登校直前にぐしゃぐしゃになったとしても、学校に行くことはできた)

桜野(わたしは学校が大好きだ)

桜野(だって学校に行けばごはんが食べられる。それに誰もわたしをぶたない)

桜野(できるだけ長く居られるように、毎日誰より早く登校して、誰より遅く下校した)

桜野(わたしはいつも家に入る前に深呼吸をする)

桜野(今日もまた気絶するまで嬲られ続ける、そう考えると体が震えてしまう。わたしが怯えると叔母さんたちはもっと面白がるから、そうならないように呼吸を整える)

桜野(気絶するまで嬲られるからといっても、すぐに眠ってはいけない。早くに気を失うと、殴り足りない叔母さんたちがものすごく痛いところを狙うかもしれないからだ)

桜野(起きている時も狙われるし同じくらい痛いけれど、身構えられる方がずっといい)

桜野(家の中でわたしが自由にできるのは、ゴミ箱の隣に置かれたぺちゃんこのクッションだけだ。そこに座ってぼーっとしたり、宿題をやったり、体を丸めて泣いたりした)

桜野(そんな生活は中学生になっても続いた。毎日が傷だらけで、痛みに怯える日々だった)

シキ「……」

雪菜「っ……!」カタカタ

朱「うそ……でしょ……!」

シキ「……ぜんぶ本当のことなのです」

雪菜「そんっ……なのっ……!」カタカタ

シキ「……桜野はそんな状態でも、シキのことを一番に考えてくれたのです」

朱「うぅ……」

シキ「……食べ物を分ける時も、シキにはできるだけきれいなところをくれたのです」

シキ「……きれいなところがない時は、少ないお金でシキの分だけ何か買ってくれたのです」

シキ「遠慮すると、桜野の目が真っ黒になるのです。怖いくらい真っ黒に……」

透「………………」

シキ「みんな覚えてるです? 前に桜野が学校おやすみした時のこと……」

雪菜「……おみっ、お見舞いっ……みんなで行った……」

シキ「風邪ってことになってたけど……あれ本当は全然違う理由だったのです……」

朱「じゃあやっぱり……!」

シキ「あの時ね……」

ここまで

実はコスモスさんは「1番幸せな世界線の岸波桜野」です
桜野が出会ったのがたまたまシキだったからプリキュアになってますが、余裕で逆だったかもしれねェです
余談ですが光と闇どちらの勢力も介入しなかった場合、桜野もコスモスもほぼ同時期に自殺します


ど、どういうことだってばよ…
プリキュアにならなきゃ死んでたしプリキュアになるのが早すぎてもバッドエンドらしいし


一番弱い透ちゃんは突然何かの力か存在にドラフト指名されて一番強い桜野さんは偶然がなきゃプリキュアになれなかったかもしれないのは何か意味が

>>900
早すぎ√は桜野さんが1人で戦い続けて闇落ちする√です この場合透ちゃんと仲良くならないので闇落ちからの救済がない

プリキュアにならなくても初手闇堕ちすると光堕ち→追加キュアで生存√爆誕します
何気にコスモスさん主役、桜野さん追加キュアの並びがポジション的には一番本家感出る ただしコスモスさんの性格に目を瞑る

>>901
そのうち書きます 多分書くと思う 書くんじゃないかな?

おつ
食べ物は気まぐれでしか与えられない割に学校で倒れたりして気づかれたりはしてないみたいだし
身体測定とか夏服・体操服とか色々どうしてたんだ…?

>>905
以下、没台詞です あくまで没台詞です

─────

だから中学校の校長先生と紹介された人がいつもわたしを乱暴に虐めるお客さんだと気づいた時は、もうどこにも逃げ場はないんだなって思った

─────

再三申し上げますが没台詞です

桜野(不定期だが、叔母さんの機嫌がものすごく悪くなる日がある)

桜野(理由はわからない。もしかしたらそんなものないのかもしれない)

桜野(それでもたったひとつ明らかなことがあるとすれば、数時間後には全身の傷痕が真新しくなっているということだけだ)

桜野(帰ってくるなり叔母さんは苛立ちを隠そうともせず、いろんなものに手当たり次第に当たり散らす)

桜野(その中で一番殴り心地が良くて面白い音が出るのがわたしだ。わたしは、叔母さんが鬱憤を晴らすのにうってつけのサンドバッグなのだ)

桜野(気を失うまで殴られ続ける。硬いもの、鋭いもの、いろんなもので殴られる。普段よりも容赦がない)

桜野(どれだけ痛くても、苦しくても、止めてほしくても、少しでも反抗しようものなら火に油を注ぐ結果になる。だからひたすら黙って耐える)

桜野(痛みで思考が鈍化すると、1秒が恐ろしいくらいに長く感じる。永遠に終わらないんじゃないかとさえ思う。そんな思考も、背中に振り下ろされたガラス瓶と一緒にはじけ飛ぶ)

桜野(そして大抵は叔母さんのイライラが収まるよりも先に、わたしの方が力尽きる)

桜野(意識は完全に飛び、目は虚ろになり焦点が合わず、『あ』と『う』以外なにも喋れなくなる)

桜野(そうなってしまえば、わたしにサンドバッグとしての価値は無い。どれだけ痛めつけても、小さなうめき声を上げるのが精一杯な退屈なおもちゃじゃストレス発散にはならない)

桜野(だから標的が移る)

桜野(近くにあって目につくもの、わたしのスクールバッグをひっくり返すのだ)

桜野(そもそもわたしは持ち物が少ない)

桜野(教科書や制服など学校関連のもの以外は、せいぜい着替えが数着あるくらいだ)

桜野(叔母さんたちの目につく場所にあると気まぐれに破られたり汚されたりしてしまうから、視界に入らないように物置のすみっこに押し込めている)

桜野(それでもたまに癇癪を起こした叔母さんが、腹いせに物置をめちゃめちゃにすることがある)

桜野(だからわたしは、本当に大事なものだけはスクールバッグに入れて常に持ち歩いている。例えばそれは、ほんの少しのお金とか食べ物とかだ)

桜野(でも叔母さんの機嫌が悪い日は、そういうものにまで被害が及ぶ)

桜野(取られたり捨てられたりして、ただでさえ少ない持ち物がすっからかんになる。さながらリセットだ)

桜野(運が悪かったと割り切るしかない。今までだってそうしてきた)

桜野(でもあの日は……)

桜野(あの日はたまたまそういう日だった。帰った途端、叔母さんに突き飛ばされた)

桜野(咳き込んでいるところ髪を掴まれ引っ張り上げられて、そのまま何度もおなかを蹴られた)

桜野(迂闊だった。もっと気をつけなければいけなかった。考えるにはもう遅かった。あっという間に意識が飛んだ)

桜野(そして気がついた時、ぼやける視界の先で、叔母さんがスクールバッグをひっくり返していた)

桜野(中身が床に散乱した。教科書、筆記用具、ぺちゃんこのお財布、半分に欠けた飴玉……)

桜野(叔母さんはその中から、ふたつのぬいぐるみを鷲掴みにした)

桜野(ひとつは前に透ちゃんがUFOキャッチャーでとってくれたもの。そしてもうひとつは、シキだった)

桜野(シキにはあらかじめ、見つかってしまったらぬいぐるみのフリをするように言っておいた。そうすれば大丈夫だからと。シキはわたしの言った通りにした)

桜野(叔母さんはぬいぐるみをわたしに突きつけ、どこで盗んできたと怒鳴った。答えなんて何でも良かったんだと思う。ストレス発散ができればそれで)

桜野(わたしはひたすらごめんなさいだけを続けた。下手に言い訳するよりただ謝り続けた方がいいことは、これまでの経験でわかっていた)

桜野(どうにかしてシキを離してもらわなきゃいけない。なんとかチャンスを作ろうと必死だった)

桜野(でもあの日の叔母さんは、本当に機嫌が悪かった)

桜野(叔母さんはハサミを持ち出してきて、透ちゃんがくれたぬいぐるみに刃先を向けた)

桜野(あちこちから綿が飛び出た。腕も足も、目玉も千切れた)

桜野(あの日からずっと肌身離さず持っていたもの。大切にするって透ちゃんに約束したもの。わたしの宝物)

桜野(それはあまりにもあっけなく、無惨な姿に成り果てた)

桜野(次はシキの番だった)

桜野(わたしはその日、人生で初めて、叔母さんに反抗した)

桜野(それからのことはあまり覚えていない)

桜野(ただ、叔母さんがすごく驚いてて、すごく怒ってて……それから今までで一番痛かったのは覚えてる)

桜野(気絶するまで殴れたし、気絶してからも殴られた。もはやどこが痛いのかすらわからなかった)

桜野(痛みで気を失い、痛みで目が覚める。何度も繰り返した)

桜野(気づいた時には、いつも使っているクッションが胃液や血を吸って酷い臭いになっていた。それでも体は動かなかった)

桜野(力の入れ方すら分からなかったし、世界がなに色ともつかない変な色をしていた)

桜野(それなのにいやに頭がスッキリしていて、こういう風に終わるのかなぁって思った。その感覚に体を預けて、少し眠ろうと思った)

桜野(でも、シキがいた)

桜野(今眠ったら、シキとの約束が果たせなくなる)

桜野(それはダメだ。約束は守らなきゃだめなんだ。絶対)

桜野(シキだけじゃない。透ちゃんとの約束も守れなくなってしまう)

桜野(わたしはもう少し頑張らなきゃいけない)

桜野(約束も守れないわたしに生きる価値なんてない)

桜野(頼まれたら最後までやり遂げなきゃいけない)

桜野(役に立たなきゃ)

桜野(またいらない子になっちゃう)

桜野(役に立たなきゃ)

桜野(それだけがわたしの存在理由なんだから)

桜野(役に立たなきゃ)

桜野(わたしにあるのはそれだけだった)

プリキュアの力で遂にやっちまったかと思った…
ここまでされても命に別状はない生命力…

シキ「……桜野はシキを必死で守ってくれたのです。シキを抱きしめて、体を丸めて、何をされても絶対動かなかったのです」

シキ「シキが今ここにいられるのは、間違いなく桜野のおかげなのです。でもそのせいで桜野が……」

シキ「……酷かったのです、本当に」

シキ「ずっとうめき声を上げていたのです。気を失ったままずっと。殴られるのが終わってからもずっと」

シキ「一瞬意識が戻って、痛みから逃げるみたいに体が跳ねたかと思うと、すぐに糸が切れたみたいに倒れるのです。またそれを繰り返すのです」

シキ「何度も繰り返すうち、ついにピクリとも動かなくなったのです」

シキ「声をかけてもゆすっても、なんの反応も無かったのです」

シキ「叔父さんも叔母さんも気絶してる桜野にはあんまり興味を示さなかったのです。でも学校の日が近づくと、無理やり叩き起こそうとするのです」

シキ「蹴っ飛ばされた桜野が気絶したままもどして、汚いってまた蹴られたのです」

シキ「結局その週はお休みになったけど、その間シキは何度も見たのです」

シキ「気を失った桜野の口から黄色い液体が溢れるのを何度も、何度も何度も、何度も何度も何度も何度も」

シキ「そこに赤色が混じり始めた時は本当にもうダメかと思ったのです」

シキ「怖くて、なにかしなきゃって思って。とにかくなにか食べさせなきゃって、無くなっても気づかれないようなものを持ってきて桜野の口にねじ込んで、でもすぐにもどしちゃって……」

シキ「水だけでもって思って、台所を往復して水を運んで飲ませて……」

シキ「不安で不安でたまらなかったのです。もうダメだって何度も思ったのです。なにをしていいか、なにをしちゃいけないか分からなかったのです。あの時ほど、人間に生まれなかったことを呪ったことはないのです」

シキ「それでも、いつか目を覚ますって信じたのです。そうするしかなかったのです」

シキ「それで、それでね、桜野、目を覚ましたのです。完全に気を失ってから、まる1週間経ってたのです」

>>918
一応そのルートは考えたんですけど、それができる子ならこんなにこじれてない気がして
いざやっちまったとしたら闇落ち直行しちゃうし

余談ですが、お泊まりイベの募集で透ちゃんが日常的にプリキュアの力使ってるみたいなのを採用しなかったのは、それ許容すると桜野さんがやっちまう可能性が出てきちゃって闇落ち直行どころか闇落ち済みになりそうだったので

シキ「桜野の目がふらふらって泳いで、シキを見つけて。そしたら桜野、なにか言おうとして、でも声が枯れてなにもしゃべれなくて」

シキ「何も言わなくていいのですって言ったけど、それでも何かしゃべろうとして。桜野が伝えたがってること、聞き逃しちゃダメだと思って」

シキ「それで桜野、なんて言ったと思う?」

シキ「桜野ね……」

『………………ごめんね』

シキ「桜野が一番辛いはずなのです。苦しいはずなのです。なのにごめんねごめんねって何度も……」

シキ「なんで桜野が謝らなきゃいけないのです……桜野はいったいなにを謝っているのです……」

シキ「シキにはもう、何も分からなかったのです。だからその時は、とにかく桜野が起きてくれたことを喜ぼうと思ったのです」

シキ「シキね、できるだけ楽しい話をすることにしたのです。その方が桜野も元気になってくれると思ったのです」

シキ「みんながお見舞いに来てくれた話をしたらね、すっごい動揺してたのです。でも結果的に門前払いになっちゃったことを話したら少し落ち着いたのです」

シキ「持ってきてくれたゼリーの話もしたのです。桜野が起きた時にはもう食べられちゃった後だったけど、気持ちは本物だって話したのです」

シキ「シキの話を聞くあいだ、桜野はうんうんって相槌を打っていたのです。でもその声も、だんだん小さくなっていったのです」

シキ「また眠るのかなって思ったのです。休めるなら休んだ方がいいのです。でももしかしたら、次眠ったら今度はほんとに目を覚まさないんじゃないかって思っちゃって……」

シキ「桜野の声が聞きたくて、相槌を打ってほしくて、くだらない話をいつまでも続けていたのです。いつまでもいつまでも……」

シキ「…………気づいた時には、1人でしゃべってたのです」

シキ「不安だったけど、少し眠ったらちゃんと起きてくれたのです。ひとまずほっとしたのです」

シキ「それから桜野は短い睡眠を何度も繰り返すようになったのです」

シキ「いくらか落ち着いたけど、それでも元気とは程遠かったのです」

シキ「それでも叔母さんたちはお構い無しで、週明けには学校に行けって言うのです。そろそろ友だちに会いたいだろって……」

シキ「そんなの無理に決まってるって思ったのです。休めてもせいぜいあと1日だけ。それだけで回復するわけないのです」

シキ「それどころか、シキが話しかけても返事すらままならない状態なのです。シキはもう少し休んでいてほしかったのです」

シキ「でもね、桜野ね、叔母さんの言葉に『はい』って返事したのです。短いけど、確かにはっきり」

シキ「悔しいのか、悲しいのか、腹が立つのか、もうなんだかぐちゃぐちゃだったのです」

シキ「だって死んでしまうところだったのです。もしかしたら本当にダメだったかもしれないのです」

シキ「それなのに、それだけのことがあったのに、桜野はなにも……変わらなかった……」

透「……」

朱「……」

雪菜「ひくっ……ひぅ……!」ポロポロ

朱「じゃああたしたちがお見舞いに行った時に会ったのが……」

シキ「うん……叔母さんなのです……」

朱「もしあの時、雪菜ちゃんが止めてくれなかったら……」

シキ「きっと……酷いことになってたのです……」

雪菜「うぐっ……ぅぅ……!」

朱「休み明け、桜野ちゃんが透ちゃんにたくさん謝ってたのは……」

シキ「ぬいぐるみのことなのです……」

透「……」

朱「あの日の桜野ちゃん……いつも通りとはいかないけど、明らかにおかしいとまでは思えなかった……」

シキ「すごく無理してたのです。本当は立つのもやっとだったのです……」

朱「そんな状態だったのに気づけなかったなんて……」

シキ「無理もないのです……桜野は強い。強すぎるのです。だから大丈夫なフリして、ボロボロの体でもまっすぐ歩いて……」

雪菜「ひぐ……」

シキ「それでもごはんはもう、まともに食べれなくなってるのです……」

朱「ごはん……? でも……」

シキ「食べたあとこっそり吐いてるのです……」

朱「え……」

シキ「学校でも、この前の遊園地でも、昨日みんなで食べたお夕飯だって……」

朱「そん、な……」

シキ「桜野はもう限界なのです。それは桜野自身も気づいてる……それにあれ以来、叔母さんたちがピリピリしてていつまた……」

雪菜「うぅぅ……」

シキ「桜野にはもう選択肢がない。だからひとりで……」

透「……」

透「……」

シキ「……」

朱「……っ」

雪菜「うっ……ぅ……」

透「……シキ」

シキ「……うん」

透「……それでぜんぶ?」

シキ「……シキの知ってることは」

透「……なんで」

シキ「……」

透「なんで今まで黙ってたの……!!!」

シキ「それは……」

透「ずっと一緒にいたんでしょ……! ずっと見てきたんでしょ……!」

シキ「で、でも……!」

透「なんでなにも言ってくれなかったの……! 教えてくれたらできることがあったかもしれないのに……! こうなる前になにかできたかもしれないのに……!!」

シキ「だって……だって!」

透「なのになんでっ……!!!」

シキ「約束なのですっ……!!!」

透「!」

シキ「……っ」

透「……やく、そく?」

シキ「……桜野はシキの、いろんなお願いを聞いてくれたのです」

シキ「プリキュアになって戦うこと、透を助けること、シーズンランドを元通りにすること、他にもいろんなわがままを言ったのです。桜野はそれぜんぶ、嫌な顔ひとつしないで『まかせて』って言ってくれた」

シキ「そんな桜野が、シキにお願いした唯一のことなのです……!」

『あのねシキ、ひとつだけ約束してほしいことがあるの』

シキ「絶対に守ってほしい約束だって!」

『うちでのこと、絶対誰にも言わないでね』

シキ「言えなかった……! 言ったら桜野を裏切ることになるんじゃないかって……!」

透「で、でも! そんな領域とっくに超えてる! だったら……」

シキ「誰かに話して、それを桜野や叔母さんたちに気づかれたらどうなってたです!!?」

透「!」

シキ「ねえ透! 透ならどうしてた!? 桜野のこと知ったらなにしてた!? 何もしないでいられた!?」

透「そ、そんなこと……」

シキ「できるわけないのです! ほっとくなんてありえないのです! でもそれじゃ誰かが気づくに決まってるのです!!」

透「き、気づいたなら……!」

シキ「もしそうなったら桜野どうなると思う!?」

透「それは……」

シキ「叔母さんたちに殺されるか、ひとりで無茶な戦いをして死ぬか!! どっちにしても桜野はいなくなってた!!!」

透「っ!!!」

シキ「はぁっはぁっ……ひくっ、うぅ……!」

シキ「だからっ……だか、らっ……ずっと……話せなかったのです……!」ポロポロ

シキ「ごめん……ごめんなさいなのです……ごめんなさい……!」ボロボロ

透「……! で、でも、でもっ……!」

シア「透、シキを責めるのは筋違いですわよ」

透「分かってるけど!! でもっ、だったら……! どう、すればっ……私っ、どうすればいいのっ……!!」カタカタ

シア「……」ギュ

ここまで
ムズカシイヨ-

町はずれの森

桜野「ふぅ、着いたけど……」

桜野「んー……」キョロキョロ

桜野「とりあえず歩いてみるか……」

ザワザワザワッ

桜野「っ!!!」ゾクッ

桜野「コスモスっ!?」バッ

桜野「っ……!」

桜野「……」

桜野「………………じゃない」

桜野「一瞬似てる気がしたけど全然違う……」

桜野「これがサイカか……」

桜野「……」

桜野「…………ムカつくなぁ」ザッ

雪菜「……っ」

透「はーっ……うぅぅ……!」カタカタ

シア「透……」

雪菜「透さん……シアさん……」

シキ「ひっ、うっ……ひぐ……!」ポロポロ

朱「シキちゃんも辛かったわよね……」ギュ

シキ「あがね゛ぇ……!」

朱「気づいてあげられなくてごめんね……シキちゃんにばかり背負わせちゃってごめんね……」ナデナデ

シキ「う゛んっ……」

雪菜「朱さん……シキちゃん……」

雪菜「………………」

雪菜「…………これからどうしたらいいんでしょう」

朱「…………そうね。シキちゃんの話で桜野ちゃんの状況は分かったけど……」

雪菜「桜野さんを追いかけて、追いついたとして、なんて声をかければいいんでしょう……なんて言えば連れ戻せるんでしょう……」

透「さくのぉ……」

シキ「すん、ぅ……今の、桜野は……自分ひとりの犠牲で戦いが終わるなら、それが一番だって考えてるのです……それが桜野が考えた、一番誰かの役に立てること……」

透「なんでそんなっ……」

雪菜「『なんの役にも立たないわたしに生きてる価値なんてないもん』」

透「え……」

雪菜「ですね……」

シキ「うん……」

透「なに、それ……!」

雪菜「……前に私、桜野さんの本心が知りたくて強引に聞き出そうとしたんです……その時に桜野さんが……」

透「そんなことを……」

朱「それが、いつ壊れてもおかしくない環境で桜野ちゃんの支えになっていたものなのね……」

雪菜「歪んだ環境に歪んだ希望……桜野さんを取り巻くすべてが桜野さんを歪曲させている……」

シキ「誰かの役に立つことが桜野の生きる意味になってるのです……」

透「そんな……そんなの……!」

雪菜「そして、それを見出すきっかけになったのが……」

透「え……」

朱「10さいごろって言ってたわね……」

透「……!」

町はずれの森

桜野「……っ」ザッザッ

桜野(叔母さんたちに引き取られてすぐの頃のわたしは、自分がなぜ生きているのか分からずにいた)

桜野(目が覚めるたび、ここは天国かな地獄かなって考えた。どれだけ考えても答えは出なかった)

桜野(生きていることと死んでいること、どちらが天国でどちらが地獄か分からなかった)

桜野(分からないままにわたしは生きた。図々しくも生き続けた)

桜野(どうしても生きていたかったわけじゃない。死にたいと思ったことは何度もある)

桜野(今日も思った。昨日も思った。きっと明日も思うだろう。そんな毎日だった)

桜野(でもわたしは、生と死の境界に立ちながら自分の足元すらままならないわたしには、どちらに転べば死ねるかなんて分かりようもなかった)

桜野(逃げ出すこともできず、踏み切ることもできず、醜く生き続けるしかなかった)

桜野(生きる意味も、生きてる価値も、存在理由すらない)

桜野(ママもいない。パパもいない。からっぽ。わたしはなんのために生きているんだろう)

桜野(ずっと答えを探していた。あの子に出会ったのはそんな時だった)

桜野(まいごのおんなのこ。あの日のコスモスに)

桜野(コスモスにあげたいちごみるくの飴は、あの日のわたしが口にできる唯一の食べ物だった)

桜野(それを手放したとき、わたしは生きる意味を見つけた)

桜野(コスモスが喜んでくれた。コスモスのお母さんも、たくさんのありがとうをくれた。それだけで十分だった)

桜野(わたしにもできることがあった。こんなわたしでも誰かの力になれた。生きてていいんだって言われた気がした)

桜野(その瞬間から、コスモスはわたしの生きる意味そのものになった)

桜野(誰かの役に立つ。それだけがわたしの存在理由だった)

桜野(求められるままに応えた。なんでもやった。本当に、なんでもやった)

雪菜「それが……桜井コスモスさんが生きる意味そのものの理由……」

シキ「そしてあの子は、今も桜野の中で生きてるのです……」

透「そんなのっ……どうしようも……!」

透「どうしようも、ない……」

透「っ……」ギュ

シア「……」

朱「……」

雪菜「……」

シキ「……」

朱「………………本当はどう思ってるのかしらね」

透「……!」

シキ「……どうって?」

朱「桜野ちゃん、自分ひとりで戦いを終わらせられるならそれでいいって、自分はどうなってもいいって、本気で思ってるのかな……」

透「……っ」

雪菜「それは……」

朱「誰かの役に立つってだけならそう考えちゃうかもしれないけど……それって桜野ちゃんの本心なのかしら……」

雪菜「それ、は……」

シキ「……」

透「わかんないよっ……!」

朱「……」

透「だってずっとなにも言ってくれなかったんだよ!? ずっと隠してたんだよ!? そんな酷い状況なんてぜんぜんわかんなくてっ、だっていっつものん気でおめでたい顔して笑ってて! 私っ、ずっと気づかなくて! 急にいなくなっちゃって……! 本当の気持ちなんてわかんないよっ! 朱だってそうでしょ!? みんなそう! 桜野の本心なんてっ、そんなの誰にもわかるわけないっ!!」

朱「……うん」

朱「……」

透「はぁっはぁっ……うぅぅ……!」

シア「透……」

朱「…………そうよね……うん、やっぱりそうよね」スクッ

シキ「朱……?」

朱「桜野ちゃんの気持ちだものね……桜野ちゃん以外に分かるわけないわよね……」

雪菜「朱さん……? なにを……」

朱「だったらここで話してたって仕方ないわよね」

シキ「そ、それは……そうかもですけど……」

朱「分かんないなら直接聞くしかないわよね」

シキ「!」

雪菜「直接って……!」

朱「大丈夫、この時のためにいっぱい準備してきたんだもの。シミュレーションはバッチリよ」

雪菜「し、シミュレーション……」

シキ「なにする気なのです……?」

朱「なにって、決まってるでしょ?」クルッ

透「!」

朱「誘拐っ」ニコッ

ここまで
おてんばなお姫様を攫いに行こう

シキ「え……」

雪菜「あ……」

シキ「こ、こんな時になに言ってるのです……」

朱「あら、あたしは本気よ?」

シキ「本気って……」

朱「だってここでどれだけ考えても、結局なにも分からないでしょ? 本人がいないんだもの」

シキ「そ、そうだけど……!」

朱「だから聞きに行くの」

シキ「でも……」

朱「シキちゃんは反対?」

シキ「そうじゃ……ないけど……」

朱「うん」

シキ「でも……でもね、話聞いてくれるか分かんないのです……」

朱「分かってる。素直に聞いてくれるなら、こんなことになってないもんね」

シキ「……シキはね、桜野が泣いているところ、見たことないのです」

シキ「少しくらい弱さを見せてほしかったのです。でもいつだって、大丈夫って言われるのです。たまには泣いてもいいのですって言っても、実はこっそり泣いてるんだって笑ってごまかされたのです」

シキ「あんな環境にいても桜野はずっと強かった。不安すら通り越して、もしかしたら本当に大丈夫なんじゃないかって思っちゃうくらい……」

シキ「だからシキは分からなくなった」

シキ「何をしたらいいか、桜野が本心でなにを望んでるのか、本当に助けを必要としてるのか……シキにはもうなにも分からないのです」

シキ「もしかしたら、もしかしたらだよ? 桜野に追いついたとしても、助けなんかいらないって拒まれるかもしれないのです」

朱「……そうね」

シキ「それでも行くの?」

朱「……」

シキ「……」

朱「それだって聞いてみなきゃ分からない」

シキ「……!」

朱「なんて言われるかは分からないけど、それは言われてから考える。今はとにかく近くにいなきゃ」

シキ「……」

朱「もし本当に助けを必要としているなら、いつでも助けられるくらい近くに。本当は何か話したいことがあるなら、声が聞こえるように近くに」

シキ「……」

朱「もし何も聞いてもらえなかったらその時は、こっちだって何も聞いてあげない。無理やりにでも一旦こっち側に連れ戻す。だって誘拐だもの」

シキ「うん……」

朱「桜野ちゃんは今、とっても暗くて息苦しい場所にいる。そんなところじゃ、まともな話なんてできないもの」

シキ「うん……」

朱「だから攫いに行くの。攫って、桜野ちゃんの顔がよく見えるくらい明るいところまで連れ出す」

シキ「うん……」

朱「おはなしはそれから。いっぱいいっぱいおはなしするわ。聞きたいことが山ほどあるもの」

シキ「うん……!」

朱「シキちゃんもあるんじゃない? 聞きたいこと」

シキ「うんっ……!!」

朱「桜野ちゃんを追いかけるのに、あなたの力は必要不可欠なの」

シキ「うん!」

朱「だからお願いシキちゃん、共犯になって?」

シキ「きょう、はん……ふふっ、ふふふっ……いどい誘い方なのですっ」

朱「でも魅力的でしょ?」

シキ「報酬は山分けなのです」ニコッ

朱「うん」ニコッ

雪菜「あのっ……私も……!」

シキ「雪菜……!」

朱「共犯志望ね。歓迎よ!」

雪菜「いやあの、言い方がちょっとアレですけど……」

朱「そうかしら」

シキ「弁解の余地は無いのです」

雪菜「でも、でも……私、ずっと後悔してるんです。あの時、遊園地でのこと……」

シキ「雪菜……」

雪菜「私は桜野さんに救われました。怖がりで泣き虫な私の初めての勇気は、桜野さんがいたからです。今の私があるのは桜野さんのおかげです」

雪菜「だからあの時、今度は私が桜野さんの力になろうって焦ってしまいました……」

雪菜「ずっと何かあるとは思っていました。それがどんなものだったとしても、受け止めるつもりでいました……」

雪菜「でも桜野さんの言葉を聞くたび、真っ暗で、ぜんぜん底が見えなくて……どうしようもないくらい怖くなっちゃって……」

シキ「うん……」

雪菜「今でも思うんです。あの時、桜野さんの背中を追いかけられていたら、何か変わったのかなって」

雪菜「私、もう後悔したくありません。桜野さんがいなくなるなんて嫌です。その想いは、初めて変身した時から変わりません」

雪菜「今度こそ追いかけて、追いついて、桜野さんの手を取ります。そしたらきっと怖いものなんてありません」

シキ「うん……!」

雪菜「だから私も……!」

朱「共犯ね!」

雪菜「あー……もうそれでいいです」

シキ「朱ぇ……」

雪菜「大丈夫! 報酬は山分けよ!」

雪菜「報酬ってなんなんです……」

朱「えーっと……何が欲しい?」

雪菜「なにって……あ、じゃあじゃあ私、桜野さんの笑顔が見たいです。本当の、心の底からの笑顔」

朱「あ、いいわね!」

シキ「シキも見たいのです!」

朱「あたしたちでめいっぱい笑わせちゃいましょ!」

シキ「うん!」

雪菜「はい!」ニコッ

雪菜「そうと決まれば、どうやったら笑ってくれるか考えなきゃです」

シキ「シキも考えるのです!」

朱「2人は大丈夫そうね……」

雪菜「どういうのがいいでしょう……」

シキ「桜野は手強いのです。シキ渾身の一発ギャグはことごとく愛想笑いされたのです」

雪菜「え、一発ギャグ……?」

シキ「しかも愛想笑いが完璧すぎて、ほんとに笑ってるみたいなのです。しばらくは、少しでも笑顔にできたってぬか喜びしてたのです」

雪菜「う、うん……」

シキ「愛想笑いだって気づいた時はおなか痛くなって寝込んだのです……そのせいで心配かけちゃって罪悪感でまたおなかが……」

雪菜「えーっと、ずっと気づけなくてごめんね……いやあの本当にごめんなさい……」

シキ「過ぎたことなのです……桜野が喜んでくれること、一緒に考えるのです」

雪菜「はい……」

朱「大丈夫……よね?」

朱「と、とにかく大丈夫ってことにして。あとは……」チラッ

透「!」ビクッ

透「……っ……!」

透「……っ」フイッ

朱「……透ちゃん」

透「……!」

朱「あたしたちは桜野ちゃんを追いかける」

透「……っ」

朱「透ちゃんも一緒に行こ?」

透「……っ!」

透「……っ……ぁ、わた、し……!」

透「わたしっ……! 私、は……!」カタカタ

朱「うん……」

透「……ぅ……!」ギュ

透「………………っ」

透「……」

透「…………」

透「………………無理だよ」

ここまで
お姫様の前にへなちょこメン弱王子様なんとかせにゃならんかった

透「……っ」

朱「透ちゃん……」

透「だ、って……桜野がいないんだよ……?」

透「私が今まで頑張ってこれたのは桜野のおかげ……桜野がいたから進んでこれた……!」

透「でもっ……いないんだよ……! いなくなっちゃったんだよ……!!」

朱「だから追いかけるの。透ちゃんだって桜野ちゃんに会いたいでしょ……?」

透「会いたいよっ!! 会いたいに決まってるっ……!!!」

透「でも……無理なの……!」

透「もうずっと……震えが止まらないの……!」カタカタ

シア「透……」ギュ

透「こんなんじゃ無理だよ……私じゃ無理だよ……桜野がいなきゃ戦えないよ……!!!」

朱「……」

シキ「透……」

透「ふーっ……ふーっ……」カタカタ

雪菜「……」スクッ

シキ「雪菜……?」

雪菜「……透さん」

透「ゆ、きな……」

雪菜「……怖いですか?」

透「っ……!」

透「怖いよ……!」

透「怖いよ! 怖いに決まってる!! だってずっと一緒だって思ってたのに……なのに……!!」

雪菜「……私も前に戦えなくなったことがありました」

透「!」

雪菜「怖くなってしまったんです。失うことが怖くて、傷つくことが怖くて、初めて変身したときの気持ちも忘れて、戦う理由も分からなくなって……」

透「……」

雪菜「でも霰が思い出させてくれました。私には、守りたい人がいたんです」

透「守りたい……」

雪菜「みんなです。本当にみんな。桜野さんのことも、もちろん透さんも。欲張りですけど、守りたいんです。その気持ちが勇気になったんです」

透「でも……私は……っ」

朱「あたしは初めて変身したときね」

透「朱……」

朱「あの時は覚悟が足りなくて、そのせいで透ちゃんに怪我させちゃって……あたしには戦う資格なんて無いって思った」

透「……」

朱「でも桜野ちゃんと透ちゃんのおかげで覚悟が決まった。戦う覚悟と、守る覚悟」

透「守る……」

朱「あたしの大切なものを守ろうとしてくれた桜野ちゃんを守りたかった。それにあなたのことも放っておけなかったもの」

透「私……私は……」

透「……」

シア「……透」

透「……」

シア「透にもあるでしょう? 戦う理由が」

透「……違うよ……私は……違う……!」

シア「そんなことありませんわ。透だって……!」

透「ぜんぜん違うよ! だって私は! 私はただシーズンランドのみんなにまた会いたかっただけだもん! 守りたかったのに守れなかったから! ぜんぶ取り戻したかっただけだもん!!」

シア「それだけじゃありませんわ。確かに過去のあなたは本当にそれだけで、失うことを恐れて孤独に戦っていました。でも今は違うじゃありませんか!」

透「……そう、だけど……桜野に出会ったから変われたんだよ……! 失うのが怖かった……! あんな思い、もう二度としたくなかったし、誰にもさせたくなかったから……!」

シア「そうですわよね。もうなにも失わないことも、あなたの戦う理由だったはずでしょ? 今まさに桜野がいなくなろうとしているんですのよ? だったら追いかけなきゃ……!」

透「そんなこと分かってるよ……!! でも私は朱とは違う! 雪菜とも違う! だって私は! 私は……! 桜野がいないと頑張れないもん……! 桜野がいなきゃダメなんだもん……!!」ウルッ

シア「それはみんな同じですわ! だから助けに行くんですのよ!! みんなで桜野を迎えに行くんですのよ!!」

透「分かってるけど……でも……!!」ポロポロ

シア「ここで泣いてたって桜野は帰ってこないんですのよ!? もしかしたらもう二度と会えなくなってしまうかもしれないんですのよ!? それでも……」

透「でも、だって……桜野は……」

シア「……!」

シア「透!」ガシッ

透「っ……!」

雪菜「シアさ……!」

朱「雪菜ちゃん……」ソッ

雪菜「っ……」

シア「透……あなた……!」

透「……!」

シア「この期に及んでまだ! 桜野なら大丈夫かもしれないなんて思っているんじゃありませんわよね!?」

透「!!!」

シア「心のどこかで! 桜野だったらひょっこり帰ってくるって! それでいつもみたいに笑っていられるなんて! そんなこと考えてるんじゃありませんわよね!?」

透「ち、ちが……!」

シア「あなただって分かっているはずでしょ!? 本当に大丈夫ならこんなことになっていないんですのよ!?」

透「わか、ってるよ……! けど……!!」

シア「ずっと大丈夫そうに見えていたのは、桜野がそれだけ無理をしてきたからなんですのよ!?」

透「分かってるけど分かんないっ!! だって私知らないもんっ!! 強い桜野しか見たことないもんっ!!」

透「朱や雪菜みたいに桜野を守るために変身したわけじゃないもん!! そんな必要無かったもんっ!!」

透「私は今まで! たったの一度だって! 桜野のために戦ったことないもんっ!!!」

シア「!」

透「はあっはあっ……! うっ、ぅぅぅ……!!」

シア「透……」

シア「……」

透「うっ……うぅ……!」

シア「確かにそうかもしれません……あなたはいつも桜野に頼って、縋って、支えてもらってきました。自分の足では立てなくなってしまうくらい、寄りかかっていました」

透「……っ」

シア「でも、だったらこれから変わればいいじゃありませんか。今から桜野のために戦えばいいじゃありませんか」

透「これ、から……っ」

シア「ええ」

透「…………っ」

透「……やっぱり……無理だよ……っ!」

透「だって……強い桜野しか知らないもん……急に言われたって分かんないもん……桜野を守ろうと思ったことなんて……一度も……ないもん……!」

シア「あら、それは違いますわ」

透「え……」

シア「あの頃は確かに、桜野のために戦っていたとは違うかもしれません。でもあなたは確かに、桜野のことを守ろうとしていたじゃありませんか」

透「あの頃って……」

シア「ワタクシ、散々愚痴を聞かされましたわよ?」

透「!」

シキ「あー……そういえばシキもよく怒られてたのです……」ポリポリ

透「ぇ……あ……」

朱「あたしも結構キツイこと言われたわね……」

透「いや、あの……」

雪菜「私泣かされました!」ハイ

透「うっ……」

シア「ふふっ、桜野だけじゃありませんでしたわね」

透「あ、あの頃は余裕なくて……」

シア「でもそれはみんなを危険なことに巻き込まないためでしょう? 少し乱暴だったかもしれませんが、みんなを守るためにやったことですわ」

透「……んぅ」

シア「桜野のことも、そうやって守ろうとしていたでしょう?」

透「……!」

シア「ね?」

透「……そうだ……そうだった……私いつの間にか、桜野は強くて傷つかなくて負けなくて、絶対大丈夫だって思い込んでた……」

シア「あなたの中で桜野の存在が大きくなりすぎてしまったんですのね」

透「でも違ったんだよね。本当は桜野が誰より苦しんでた」

シア「はい。しかもそれをずっと隠していた。それは今も同じ」

透「うん」

シア「桜野は出会った頃からちっとも変わっていません。いい意味でも、悪い意味でも」

透「放っておいたらすぐに危ないことするよね」

シア「はい」

透「誰かが助けてあげなきゃだよね」

シア「はい」

透「すぐに無茶するから、誰かが止めてあげなきゃだよね」

シア「はい」

透「行き過ぎたら誰かが手を引いてあげなきゃだよね」

シア「はい」

透「ずっと隣にいて支え合う誰かが必要だよね」

シア「はい」

透「……その誰かが……私だったらいいな」

シア「はい」ニコッ

シア「思い出しました? 桜野に出会った頃、どんなことを思っていたか」

透「うん。毎日気が気じゃなかった」

シア「あの子のこと、どんな風に思ってました?」

透「え……えっと……」

透「なんにも出来ないくせになんにでも首突っ込んでくるし危ないって忠告も全く聞かないしわざわざ変身できないようにしたのにそれでも平然と敵に立ち向かっていこうとする無茶で無謀で無鉄砲な…………」

透「ばか」

シア「……」

朱「……」

雪菜「……」

シキ「……ぷふっ」

朱「ふふふっ……あははっ……!」

雪菜「ちょ、ちょっと朱さっ、ふふっ……笑っちゃダメですっ……!」

シキ「雪菜もっ……笑ってるのですっ……!」

雪菜「だってその通りなんですもんっ……!」

朱「ふふっ、そうよねっ……桜野ちゃん、ほんとに大ばかだわっ……!」

シア「そうなってしまうだけの環境ではあったと思いますけれど……」

透「でもなにも話してくれなかったのは、やっぱりちょっとショック。秘密が多すぎる。1人で抱え込みすぎ」

シア「ですわね」

透「思い出したら腹立ってきた。最近の桜野、危ないことしすぎ」

雪菜「確かにそうです。ちょっとは相談してほしいです」

シア「では、どうします?」

透「文句言いに行く」

朱「文句……! ふふふっ、そうよね。聞きたいことだけじゃなくて、言いたいことも山ほどあるわよね!」

透「うん。お家のこともそうだし、ひとりで戦いに行ったこともそう。あ、それにあの約束のこと」

雪菜「約束?」

シキ「あ、桜野が初めてプリキュアになった時のやつです?」

透「うん。桜野ね、約束してくれたの。死なないよって、突然いなくなったりしないって、ずっとそばにいるって……」

雪菜「な、なんかプロポーズみたいですね……」

シア「あら? でもいなくなっちゃってますわよね?」

シキ「約束破ってるのです」

透「怒ってもいいかな?」

シキ「もちろんなのです!」

透「私、桜野とちゃんと話したい。私の気持ちぜんぶ聞いてほしいし、桜野の気持ちもぜんぶ聞きたい」

シキ「うん」

透「もしかしたら気持ちがぶつかって、ケンカになっちゃうかもしれない。でもそれでいいの。ちゃんとケンカして、ちゃんと仲直りするの」

シキ「うんっ!」

朱「ケンカか……」

雪菜「そういえばしたことなかったですね」

朱「ただ仲が良かったからってだけじゃないわよね」

朱「あたしたちは桜野ちゃんがいたから友だちになれた。この絆は桜野ちゃんが繋いだ絆」

朱「なのに肝心の桜野ちゃんが全然心を開いてくれてなかったんだもの。まともなケンカなんてできないわよね」

透「うん。だから本当の桜野に会いに行く。でも私ひとりじゃ辿り着けない」

シキ「じゃあ……!」

透「私も共犯」

雪菜「透さん!」

朱「歓迎よ!」

シア「決心がついたみたいですわね」

透「うん。ありがと、シア。もう迷わないよ」

シア「ええ」ニコッ

シキ「そうと決まればすぐに出発なのです!」

「「「おー!!!」」」

透「……」グッ

透(ねぇ桜野……私ね、あなたの笑顔を見る度、ほんの少し不思議に思ってたよ)

透(ほんとはもっと、はやく聞いてあげられればよかった)

透(どうしていつも笑顔なの? なんでそんなに笑っていられるの?)

透(あなたの心はどこにあるの?)

透(ちゃんと見つけるから……)

透「……待ってて、桜野」

町はずれの森

ザッザッ

桜野「……ん? なにあれ……」

桜野「空間に……裂け目? あれか……」ザッ

桜野「……」

桜野(わたしはなんのために、この瞬間を生きているのだろう)

桜野(答えは明白。シキやみんなの願いを叶えるためだ)

桜野(そのためだけに生きている。もしシキに出会っていなければ、わたしはとっくに死んでいる)

桜野(だったらやることはひとつだ。それがわたしの存在理由)

桜野(それにわたしにはもう時間が無い)

桜野(叔母さんに反抗したことで、ただでさえ短いわたしの寿命はさらに縮まった)

桜野(あれ以来、暴力がさらに酷くなった。わたしがまだ生きているのは、無抵抗にぶたれ続けているからだろう)

桜野(多分、あと一回だ。あと一回でもシキが叔母さんの視界に入れば、その時はいよいよ殺されてしまう)

桜野(いやもしかしたら、わたしが話しかけるだけで、目が合うだけで、ほんの些細なきっかけでそれは起こるかもしれない。だからもう、あの家には戻れない)

桜野(そもそもこのお泊まりだって無断外泊だ。ただじゃすまないのは間違いない。今この瞬間も、わたしのことを血眼で探しているかもしれない)

桜野(でも透ちゃんの誘いに頷いた時点で覚悟はできている)

桜野(どうせ死ぬんだ。それならせめて約束だけは果たしたい。誰の役にも立てずに死ぬくらいなら、せめて世界くらいは救いたい)

桜野(きっとこの先には敵が待ち構えている)

桜野(罠なのは間違いない。苦しい戦いになるだろう。もしかしたら約束を果たせず殺されてしまうかもしれない。一寸先は闇だ)

桜野(それでも、もしそうだったとしても、振り返ればそこにある帰り道に比べれば、ずっと明るく輝いて見える)

桜野(この道程はわたしにとって)

桜野「……」ザッ

桜野(希望そのものだ)

透母「ごめんね、残り物で」

透父「いや……」モグモグ

透母「あ、それおいしいでしょ? 朱ちゃんが作ってくれたのよ」

透父「おお……」モグモグ

透母「ねえ」

透父「ん……?」モグモグ

透母「透のお友だち、やっぱり気になる?」

透父「……」

透母「……」

透父「別に……」モグモグ

透母「またそんなこと言って」ニコニコ

透父「……」モグモグ

透母「桜野ちゃんも来てるわよ?」

透父「そうか……」モグモグ

透母「桜野ちゃんと話す時は、ちょっとでも愛想良くしてよね?」

透父「むぅ……」

透母「おかわりいる?」

透父「ん……」コク

ガタガタッ

透父「……?」

透母「なにかしら……」

ドタドタッ

雪菜「も、もうちょっと静かに……!」

朱「あ、お義母さま……お義父さまっ!?」

雪菜「え!? あ、えと! 初めまして! あのそのいまそのあのあれで!!?」ワタワタ

朱「ご、ご挨拶はまたのちほどっ……!」ワタワタ

透母「どうしたの? こんな朝はやくに……」

朱「え、えっとこれには退っ引きならねえ事情ってもんが……!」

雪菜「テンパりすぎて江戸っ子みたいになっです!」

透「2人ともなにしてるの! はやく……!」トタタッ

透母「あ、透! なんの騒ぎ……ってあれ? 桜野ちゃんは……?」

透「ごめん! 詳しく話してる時間ない! 行くよ!」

朱「う、うん!」

雪菜「はい!」

透母「え、ちょ……! 透、待ちなさ……! 待って、お願い待って! 透!!」

透「ごめん……後でちゃんと話すから……!」

透母「と、透……!」

透「……っ、はやく……!」

透父「透」

透「ああもうなに! お父さんと話してる時間は……!」

透父「桜野ちゃん来てるんだろ?」

透「だから今……!」

透父「俺にも挨拶させてくれ」

透「!!!」

透父「頼むよ」ニコッ

透「…………うん」コク

透「絶対連れてくる!」タタッ

朱「あ……し、失礼します!」タタッ

雪菜「しますっ!」タタッ

透母「あ……き、気をつけ、て…………行っちゃった……」

透父「……」モグモグ

透母「だ、大丈夫かしらあの子たち……」

透父「なあ……」

透母「……ん?」

透父「おかわり」

透母「……うん」

透父「……」

透母「……」ヨソイヨソイ

透父「なあ……」

透母「……」

透父「大丈夫だよ」

透母「!」

透父「……」モグモグ

透母「うん……!」

勝ったッ!第3部完!(勝ってない)
長くなりましたが、以上で第3部おしまいです 次が最終章になると思います
このスレちょっとだけ残ってますが、キリがいいので続きは次スレ行こうかなと思います このスレの残りは本編中に書けなかったことの補完とかできたらいいかな?

ともあれ2スレ目終了ありがとうございました
埋めもかねてご質問等あればお気軽にどうぞ

それと次の更新は最速でも水曜日だ思います ご容赦

お疲れ様でした


もうすぐ終わりか
次回作でも新しいプリキュアssやる?

次スレたてました
スレタイは、プリキュア作るぞ オールスターズF……



冗談です

プリキュア作るぞ part3【安価有】
プリキュア作るぞ part3【安価有】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1699808651/)

20:30投下開始出来なくなったのはなんか仕事内容変わったからとか?


あまり人のプライベートを詮索しすぎないようにしような
仕事じゃないんだから投稿時間くらいズレても何もおかしくないんだし

今更だけどシキは誰かをプリキュアにする力あるのにシアは何が出来るの?

>>983
一応もう1個やろうと思ってたプリキュアあるんですがどうなるかは分からん
安価出すのが下手くそだったからリベンジするか、いっそ非安価で書きたいように書くか、そこも分からん
ただプリキュアでもそれ以外でも、次やるならどこも痛くならないやつがいいなぁ
なんにしてももうちょっと落ち着いてからになりますね
あと今使ってる酉はこのスレでしか使わないので、次会うときは初めましてからになると思います
なんなら息抜きに別酉でこっそり単発超短編書いてたり

>>985 ごめんねっ!!!
>>987 ありがとっ!!!
まあ環境がいろいろ変わったりはありますが、一番の原因は単純な息切れですね 3スレまたがるほどの長編は初めてなので
終盤になるにつれキャラが固まってきて、下手なことできないアドリブ効かないみたいなことが増えました そして安価の出し方が分かんなくなると
他のスレはどうしてるんだろ 終盤までちゃんと安価出せるのバケモンすぎるだろ……

>>988
良いところに気がつくなぁ……

実はシアさんは立ち位置がちょっと特殊で、本来いなくてもいいキャラなんです
じゃあなんでいんのかというと、初期の透ちゃんがあまりにも会話できなかったため、ちゃんと事情を知っていて説明ができるキャラが透ちゃんサイドに必要だったんです そこで透ちゃんの冷静な部分とか大人な部分を分離してキャラクターにしたのがシアさんです
作中の設定上は妖精で、最低限の役割としてレーダー機能はついてますが、それはオマケみたいなもんです
シアさんは言わば、他者からも見える透ちゃんのイマジナリーフレンドです なので透ちゃんを大きく逸脱することはできませんし、透ちゃんとシアさんの会話は自問自答です

……というつもりで作ったキャラなんですが、ここまで書いてみた感じ、どうやら透ちゃんをプリキュアたらしめているのはシアさんで間違いないっぽいので
「シアさんって何ができるの?」
の答えは
「透ちゃんをプリキュアにできる」
になります
1スレ目で聞かれてたら「なーんもできんよ」って答えてたと思います

「もう1個やろうと思ってたプリキュア」って設定とか構想とかある程度決まってるの?

>>992
大きな枠とか目的みたいな部分はざっくり でも今はまだ妄想の域を出ませんね そもそも本当にやるかどうかも分からんのでなんとも
でもやるとしたら安価盛り盛りでやりたいかなあ あとはこのスレがシリアスとギャグどっちの方が人気だったかでもバランス変わるかなあ

もうちょっぴり重い成分をギャグか王道に割り振って良いかも
誘拐された挙げ句友達皆殺しにされた透ちゃんや生まれた瞬間人生詰んでる桜野さんクラスのクソ重設定が連続したら親御さん困惑どころか泣いちゃうよ

戦闘描写の時1、2行程度でも良いから軽い地の文欲しいかも
掛け声と擬音だけだと何やってるのかちょっと分かりにくい

>>994
正直ここの年齢層なら大丈夫でしょみたいなのはある でもやっぱりこっちとしても書いててしんどくなるので、次はもっと緩めなのがいいなって思ってます でも親御さんが安心してお子様に見せられるレベルだと悲しいかな本家が一番おもしれーんだ 今回はやりすぎたかもしれないけど

>>995
これ実は2回目の戦闘描写くらいから思ってました……最悪どっちが勝ったかだけ分かればいいでしょ!みたいな感じで書いてましたすいません 1回挫折したのでこのスレはこのままで行かせてください 次やる時はなんか考えます……

何で霰ちゃんはプリキュアの素質なかったんだろう?

>>997
めちゃくちゃメタい理由になってしまいますが、あの子はすでに完成しちゃってるんですよね。そもそもキャラ安価の時点で出来上がってる子を選びましたし。
もし霰ちゃんがプリキュアになるといよいよゆきにゃが戦う理由を見つけられずプリキュアやめちゃいますので、メンタル最強は伊達じゃないってことでひとつ。
次やるならこういうのをくどくど考えなくていいくらい緩いのの方がいいんだろうなあ

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