千早「プロデューサーが構ってくれない・・・。」 (27)

千早「おはようございます、プロデューサー。」

P「ああ、おはよう。」

千早「あの、昨日髪切ったんですけど…どうですか?」

P「んー、似合ってるんじゃないか?」

\ガチャッ/

美希「ハニー、おはよーなの!」ダキツキ

P「うわっ、いきなり抱きついてくんな!…おろ、美希も髪切ったのか?」

美希「そうだよ!似合ってる?」

P「おう、美希らしさが出ててとっても可愛いぞ。」

美希「もう!そんなこと言われたら、ミキ照れるの///」

P「照れおって…可愛いやつじゃのう!」ウリウリ

千早「・・・。」

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———最近、プロデューサーが構ってくれない。
765プロはアイドルが10人以上いるので、仕方ないと言えば仕方ないのだけど…。


P「お、もう昼か…飯にすっかな〜。」

千早「プロデューサー、もし良かったらお昼ご一緒しませんか?」

P「悪い、実は貴音とメシ食いに行く約束してるんだ。千早も来るか?」

千早「……いえ、良いです。」


———私の場合、プロデューサーから意図的に“避けられている”気がする。

〜〜〜〜


P「よし、今日も仕事終了っと。」

千早「あの、プロデューサー。」

P「なんだ、まだ居たのか。どうした?」

千早「もし良かったら明日の休み、ショッピング行きませんか?」

P「あー、明日は小鳥さんと映画を観に行こうと思っててなあ……って、おい!?」

千早「」ポロポロ

P「おい千早!なんで泣いてるんだ?」

千早「……どうして…?」

P「え?」

千早「どうしてプロデューサーは…グスッ……私を避けるんですか…?」ヒグッ


ただ苦しくて、切なくて。
訳が分からなかった。

確かに私は他の人に比べると無愛想で取っつきにくいかもしれない。
でも彼(プロデューサー)は私の担当プロデューサーで、私の性格は熟知しているはず。
それに私は誰よりもプロデューサーのことが———


P「ごめんな。」

P「千早も苦しかったんだな。俺が間違っていたよ。」ナデナデ

千早「プロデューサー…。」グスン

P「別にお前を嫌っていたとかそういう理由じゃないんだ。訳あって今は言えないけど、いつか言うことにするよ。……とにかくごめんな?明日、一緒に買い物に行こう。」

千早「……はい。」


———それからのプロデューサーは私に対しても普通に接するようになった。

—4年後—


@千早引退コンサート


千早「皆さん、今まで応援していただいてありがとうございました。本日を以て私、如月千早は引退します!」

観客「ワアアアアー(歓声)」




———時の流れは早いもので、あれから4年の歳月が過ぎた。
プロデューサーと二人三脚でやってきた地道なトレーニングが実を結び、ついに私はトップアイドルにまで成長した。そして今、引退コンサートで最後の曲“私たちはずっと…でしょう?”を歌い終えたところである。
引退を名残惜しむ多くのファンの声援に見送られて私はステージを後にした。

〜〜〜〜


コンサートが終わった後、765プロの皆が私の送別会を開いてくれた。
皆から労いの言葉をかけられて花束や寄せ書きを貰うと、ようやく自分が引退したことを実感した。春香から『これからも元気で頑張ってね』と声をかけられた時は涙が止まらなかったわ。

そして今、プロデューサーに車の中にいる。自宅に送ってもらう途中なのだ。

千早「プロデューサー。今まで私をプロデュースして下さり、本当にありがとうございました」

P「いやいや、これも千早の努力があったからこそだよ。本当におめでとう」

プロデューサーは前を向いたまま照れたように言った。

プロデューサーと色々思い出話しをしているうちに自宅に着いた。

千早「ありがとうございました。それでは、また会いましょう」

P「ああ、元気でな。たまには遊びに来いよ」

私を降ろすと車が走り出した———が、すぐに止まってまたバックしてきた。
何事かと思っているとプロデューサーが車から降りてきた。

P「千早、“あの時”のこと、覚えているか?」

千早「“あの時”…。プロデューサーが私に対する態度を改めたあの日ですか?」

P「そうだ。あの時、なぜ俺が理由を言い出せなかったか教えてやるよ」

P「当時の俺は———今もだが———千早に“ある感情”を抱いていた。初めはそれほどでもなかったが、やがて仕事に支障が出るくらいその感情が強くなっていってな、それでわざとお前に対して素っ気ない態度をとったんだ」

千早「その感情とやらは公表できなかったのですか?」

P「ああ。アイドルとプロデューサーという関係上、な。それに最近はマスコミがうるさいからなあ。」

千早「そうなんですか…。」


———どうやら、プロデューサーにも色んな葛藤があったようだ。

P「しかしその制約が無くなった今、堂々と言える。まずはこれを受け取ってほしい」

そう言ってプロデューサーが取り出したのは黒い小さなケースだった。

千早「開けてもいいですか?」

P「ああ、どうぞ」

ケースの蓋を開けると、中にはダイヤが埋め込まれた指輪———いわゆる婚約指輪が入っていた。

P「千早、いや千早さん。好きです。僕と結婚して下さい」

アイドルを引退した日に意中の人からまさかのプロポーズ。
私は何と幸せなことだろう。

千早「私も…私も同じ気持ちです……嬉しい…」ポロポロ

千早「プロデューサー…私も前からずっと……貴方が好きでした」ポロポロ

『プロデューサーと結婚できたらいいな———』
そう思っていたことが現実になった喜びと、今までずっと言えなかったことに対する苦しみが一気に湧き出て、涙が止まらなかった。

千早「プロデューサー」スッ
涙を拭いて、プロデューサーの肩に腕を回す。

千早「今後ももちろん迷惑かけると思いますが、どうか人生のプロデュースをよろしくお願いします」

P「ああ、もちろんだよ千早」


———顔と顔が近づき、互いの唇が触れる。
私たちは熱いキスを交わした。

〜〜〜〜


—数年後—


千早「千鶴(ちづる)、朝よ。起きなさい」

千鶴「ママ、今日学校お休みでしょう?」

千早「寝ぼけないで。今日は千鶴が楽しみにしてた遠足の日でしょうが。早くしないと遅れるわよ?」

千鶴「あっ!そうだった!!」

〜〜〜〜


千鶴「ごちそうさまでした!」

P「なんか千鶴、えらく張りきってるなあ。どうしたんだ?」

千鶴「パパ、今日遠足なんだよ!」

千早「歓迎遠足で○○公園に行くらしいの。」

P「へえ〜、良いなぁ」

千鶴「早く行かなきゃ!遅刻しちゃう!!」バタバタ

千早「お弁当持った?」

千鶴「うん、行ってきまーす!」バタン

P「行ってらっしゃい……。さて、そろそろ俺も事務所に行かなきゃな」

千早「あなた、お弁当よ」

P「ありがとう。じゃあ行ってくるよ、千早」

千早「ええ、行ってらっしゃい」

\チュッ/

P「じゃあ、行ってきます」

千早「ええ、気をつけてね」

P「晩飯までには戻ってくるから。お腹の赤ちゃん労っとけよ」

千早「ふふふ、ありがとう」サスリサスリ




———プロデューサーと結婚生活を始めて数年。
充実した楽しい毎日を過ごしています。
子供にも恵まれました。女の子と、そしてお腹にもう一人新たな命を宿しています。

如月千早改め赤羽根千早、現在とっても幸せです!

(完)



千鶴というと松尾さんか二階堂さんが浮かんでしまう

とりあえずこれで完結です!


現在、アイマスと東方のクロスSSを書いていますが思うようにアイディアが出てこないので、気分転換も兼ねて書きました。

以前「千早」で検索したら同じ題名のスレがあった(ただしタイトルのみで本文なし)ので、その題名を借りて即興で書いてみましたがいかがだったでしょうか。




最後までお読み頂き、ありがとうございました!

>>17
千鶴という名前は『千早の子供だから“千”という漢字を使ったほうがいいよなあ』との思いから付けました。
ちなみに由来は高校でお世話になった先生の娘さんからです。



次はミキverを書くべきって思うな

>>24
ご意見ありがとうございました。
また暇なときに挑戦したいと思います。

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