春香「千早ちゃんっ♪」 千早「なに? 春香」ブンブン (45)

――――――



ガチャ



千早「ただいま戻りました」


小鳥「あ、おかえりなさい千早ちゃん。レッスンお疲れ様です」


あずさ「あら、千早ちゃん。お疲れ様~」


千早「お疲れ様です。……? あずささん、今日は撮影じゃ」

あずさ「そうだったんだけど、時間が変更になっちゃったらしくて。お仕事まで少し間が空くから、こうして音無さんとお話していたの。音無さんお仕事中だから、申し訳ないんだけど……」

小鳥「いいんですよ~。仕事の方はひと段落しましたし。何時間でも付き合っちゃいますよっ、あずささん!」

千早「ふふ。そんなこと言ってると、また律子に怒られてしまいますよ?」

小鳥「うっ、それを言われちゃうと……」

あずさ「あらあら♪」


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小鳥「まあ、何時間もっていうのは冗談として、千早ちゃんもどうかしら? 美味しいお菓子買ってきたから、こっちで一緒に食べましょう?」

千早「いいんですか? では……お言葉に甘えて」

小鳥「どうぞどうぞ♪」

あずさ「千早ちゃん、こっちに座ってて。今お茶も淹れてくるから」

千早「えっ? 大丈夫です、お茶なら自分で―――」

あずさ「私のおかわりのついでだから。休んでて、千早ちゃん」

千早「そ……そうですか? すみませんあずささん」

あずさ「気にしないで。ふふ」

スタスタ

千早「……」


小鳥「レッスンはどうだった? 春香ちゃんと一緒だったでしょう?」

千早「あ、はい。久し振りに、プロデューサーについてもらえましたし、良い内容だったと思います」

小鳥「よかったわね。プロデューサーさん、最近あちこち飛び回ってるから」

千早「そうですね。私とレッスンのあとは、すぐ春香と他の現場に向かってしまいましたし。忙しいみたいですね」

小鳥「そうねー……。千早ちゃん、寂しくない?」


千早「寂しい……ですか? ……えっと……もちろん、いてくれた方が助かることは確かなんですが……もう私も新人の頃とは違うので。一人でも、やらなくてはならないと思います」


小鳥「そっちじゃなくて」


千早「え?」


小鳥「プロデューサーさんじゃなくて、春香ちゃんのほう」

千早「春香? 春香の方って……言っている意味が、わからないんですけど……」

小鳥「だって千早ちゃんと春香ちゃん、最近はレッスンもお仕事も別々なことが多いじゃない? 今日だって、久しぶりに一緒のレッスンだったのに、ゆっくりお話もできなかったでしょう」

千早「……まあ、そうですが」

小鳥「だから寂しくないのかなぁって」

千早「……ですが、私と春香はユニットを組んでるというわけでもないですし……現場が別になることは、おかしくないと思うんですが」

小鳥「んー……そういうことじゃなくて……」



あずさ「おまたせ~」

あずさ「はい、千早ちゃん」コトッ

千早「あ。ありがとうございます」

あずさ「雪歩ちゃんには敵わないだろうけど。どうぞ~」

千早「そんなことないですよ。いただきます」スッ


小鳥「……? あら? あずささん」

あずさ「はい?」

小鳥「こっちのお茶は誰の分ですか? 二人分ありますけど」


あずさ「え? 誰って、千早ちゃんと、春香ちゃんの……って……あら?」


千早「春香なら、プロデューサーと仕事に行ってますよ?」

あずさ「あ、あら? あらあら、私ったら……」

小鳥「どうしたんですか、あずささん。春香ちゃんのドッペルゲンガーでも見えたんですか?」

あずさ「ちがいますっ。……だって千早ちゃんがいたから、つい春香ちゃんもいるのかなって……。もう、だめね。私。撮影までには、しっかり気を引き締めないと……」

小鳥「あー、なるほど。それは仕方ないですね。千早ちゃんと春香ちゃんは、二人でひとつみたいなものですから」

千早「音無さん。だから私と春香はユニットでは―――」

小鳥「いいえ! そういうことじゃないの! ユニットなんていう、そんな形式上の関係なんかじゃない! もっと……こう……概念的なものというか……スピリチュアル的なものというか……オーガニック的な何かというか……! そう! はっきり口にすれば……ナイスカップリングッ!!」



千早「……?」

あずさ「えっと……私もよくわからないんだけど……多分、春香ちゃんと千早ちゃんは仲良しですね、って言いたいのかしら」

千早「仲良し……」

あずさ「多分、だけどね♪」


小鳥「……はっ!? す、すみません。つい喋りすぎてしまいました!」

千早「あ、小鳥さん」

小鳥「ごめんなさい千早ちゃん、今話してたのは聞き流して……」

千早「あの、いいですか?」

小鳥「へ?」


千早「カップリング……というのは?」

小鳥「お願い、聞き流して」

千早「? ですが」

小鳥「お願い」

千早「……わ、わかりました……」


あずさ「……?」

――――――



ガチャ


千早「ただいま戻りま―――」


亜美「あああーーーっ!!!」


千早「っ!?」ビクッ!!


亜美「あ、亜美のカンタロスが……」

小鳥「ふふふ……そう簡単に、私のガンキングには勝てないわよ。出直していらっしゃい」

真美「ピヨちゃーん……編成がガチすぎっしょー……」


伊織「くっだらないわねー……なんでそんな遊びで、そこまで熱くなれるのよ」

亜美「あそびじゃないよっ! しんけんだかんねっ!!」

伊織「はいはい……」


伊織「……ん? あら、千早じゃない。どうしたのよ、入口で止まったまま」


千早「え……ええ……。その、ちょっと、驚いてしまって」


伊織「ああ……なるほどね……」

真美「ピヨちゃんっ! こんどは真美とだよっ! 真美のスミロドナットと勝負!!」

小鳥「いい度胸ね……返り討ちにしてあげるわ」

亜美「ま……真美……あとは……まかせた……ガクッ」



伊織「あっちは放っておけばいいわ。そのうち終わるだろうから。……あ。ゴージャスセレブプリン、食べる? 全員分買ってきたから」

千早「あ、ありがとう。いただくわ……」



真美「あーーーっ!! ちょっとピヨちゃんっ!! さすがにゴッドエンペラーはないっしょっ!!!」

小鳥「ん~~~? 聞こえんなぁ」

亜美「ま……まさにげどー……!」

伊織「今日はレッスン?」

千早「いえ、午後から歌番組の収録が。水瀬さんたちは?」

伊織「私たちはレッスンよ。なのにあの子たちったら、今から騒いで体力使って……意味がわからないわ」

千早「ふふ。楽しそうだからいいじゃない」

伊織「あら? 千早のことだから、事務所でゲームなんてとんでもない! って言うかと思った」

千早「そんなことないわ。こういうのも息抜きみたいなものなんでしょう?」

伊織「そうかもね。まあ、ゲームなんて私にはよくわからない世界でだし、勝手にやってろって感じだわ」

千早「ふふ……」


伊織「……? そういえば今日は一人?」


千早「え?」


伊織「春香は一緒じゃないのね。別の仕事?」

千早「え、ええ。レギュラー番組の方にいったわ」

伊織「ああ、そうだったわね」


千早「……」

伊織「……あ。向こうは終わったみたいね」



亜美「ぐぬぬ……ピヨちゃんめ……」フラフラ

真美「必ず、りべんじしてやるぜ……」フラフラ



伊織「よくわからないけど、その様子じゃボコボコにされたみたいね」

真美「うあうあー! ピヨちゃんがつよすぎるんだよー!」

亜美「亜美たちだって、けんとーしたんだからっ!」

千早「音無さん、すごく上手なのね。そのゲーム」

亜美「上手っていうか~」

真美「エグイ?」

千早「? やっぱり、私にもよくわからないわね……」

伊織「あら? 肝心の小鳥はどうしたの?」

真美「そろそろ律っちゃんが帰ってくるから~って、ダッシュで戻っていったよ?」

伊織「いつの間に……全然気づかなかったわ……」

亜美「ピヨちゃんぐらいになると、カンタンに気配が消せるってことだよ」

千早「そうなの?」

伊織「真面目に聞かなくていいから……」


亜美「……あれ? 千早お姉ちゃん。はるるんは?」

真美「あ、ほんとだ。いっしょじゃないの?」

千早「水瀬さんにも聞かれたけど、春香はレギュラーに行ってるわ。私は別の収録なの」

亜美「そうなんだ~。なんだかめずらしーねっ」



千早「……。あの。ひとつみんなに聞きたいんだけれど……」

真美「へ?」

伊織「なによ、あらたまって」

千早「私……そんなにいつも、春香と一緒にいるかしら。そこまでじゃないわよね?」



伊織「いるでしょ」

真美「いるよね」

亜美「いるっしょ→」



千早「……」



伊織「……」

真美「……」

亜美「……」



千早「……そうかしら?」



亜美「千早お姉ちゃん……」

真美「さすがだね……」

伊織「……自覚、なかったのね……」



千早「……?」

――――――



ガチャ


千早「ただいま戻りました」



小鳥「あ、千早ちゃん。お疲れ様でした」

千早「お疲れ様です、音無さん。……今は音無さんだけですか?」

小鳥「奥に、律子さんとやよいちゃんがいるわよ。今は忙しいと思うけど」

千早「ミーティング中ですか?」

小鳥「ううん、そうじゃなくて……あ、そうだわ。千早ちゃんもいてくれた方がいいかも」


千早「?」

律子「……と、いうわけ。わかった?」


やよい「はいっ! とってもわかりやすかったです!」

律子「そう。よかったわ、うまく説明できて」

やよい「ありがとうございますっ、律子さん。……でもでもー、律子さんのお話はわかりましたけど……やっぱり英語は難しいです」

律子「大丈夫よ。うちには先輩がたくさんいるんだから、またわからない所があれば聞くといいわ」

やよい「でも、いつもお願いするのも……」

律子「そんなことないわよ。やよいのお願いだったら、迷惑だなんて思わないわ……あ。やよいの、頼れるお姉さんがきたみたいよ」

やよい「えっ?」



千早「なにかと思ったら……勉強中だったのね、高槻さん」

やよい「あっ! 千早さんっ! お疲れ様でーす!」

千早「お疲れ様。それ、学校の宿題?」

やよい「いえ、もうすぐテストがあるんですけど、英語でどうしてもわからない所があって……それで、律子さんに教えてもらってたんですっ」

律子「そういうこと。ちょうど私だけ事務所にいたからね」

千早「そう……え? 音無さんもいたけれど」

律子「小鳥さんは片づけなきゃいけない書類があったから。それに……その、小鳥さんに勉強を教わるのはちょっと、ね」

千早「どうして? 大学レベルならともかく、中学の英語だったら問題ないんじゃないかしら?」

律子「ちがうの。学力の問題じゃなくて……文法の話をしてたはずなのに、いきなりカップリングの話になっちゃうから。あたしはこうやって覚えた、って……まったくあの人は」

千早「……また、カップリング? ねえ。カップリングってどういう意味―――」

律子「あー、忘れてちょうだい。とにかく、やよいの教育によろしくないってこと」

千早「……? そう……」



やよい「?」

律子「そういえば千早、今日は一人なのね」

やよい「あっ、そうですね。春香さんは一緒じゃないんですか?」


千早「……。春香なら、今はレッスンに行っているわ」

律子「あら、そうなの? 別々なんて珍しいわね」

千早「そうなのって……律子なら、みんなのスケジュールはわかっているでしょう?」

律子「春香はプロデューサー殿の担当じゃない。……まあ、本当はわかってて聞いたんだけどね」

千早「もう……」

やよい「でもでも、やっぱりめずらしいですっ! 今日は千早さんだけなので」

千早「高槻さん。私と春香は、いつも一緒にいるわけじゃないの。私だけ、っていう日もそこまで珍しくないわ」

やよい「そうなんですかー?」

千早「ええ。そうよ」

やよい「でも、千早さんと春香さん、すっごく仲良しですよね!」



千早「え?」

やよい「仲良しですよねっ?」


千早「……え、えっと」

やよい「ねっ?」


千早「……。ええ」

やよい「ですよねっ! 千早さんたち、いっつも二人で楽しそうですもんねっ♪」

千早「……。ええ。そうね……」




律子(……なんであんなに照れてるのかしら、あの子)

――――――



ガチャ



千早「おはようございます」


真「あ、おはよう千早!」

響「おはよー!」



千早「真、我那覇さん。……あら? なんだかいいにおいがするわね

響「あ、よかったら千早も食べるか? 自分、サーターアンダギー作ってきたんだ!」

千早「たしか、沖縄のお菓子だったわよね」

響「そうだぞ! ほらほら、遠慮しないで! たくさん作ってきたから!」

千早「え、ええ。いただくわ。ありがとう我那覇さん」

真「あはは。強引だなー……でも、確かにおいしいんだよなぁ」

千早「……ん。おいしい」

響「でしょ? ふふふ、自分、これ作るのは得意なんだ!」

千早「我那覇さん、お菓子も作れるのね。飼っている動物たちのご飯も作ってるんでしょう? 料理が得意なのね」

響「ふふーん♪ なんてったって自分、完璧だからな!」

真「うーん……これ食べちゃうと、言い返せないな。まあ、ダンスなら負けない自信あるんだけどさ」

響「なっ!? そんなことないぞっ! 自分、ダンスだって負けないからな!」

真「いいやっ! ボクが勝つね! なんなら、今ここで証明してみせるよっ!!」

響「上等だぞっ!! ちょうど千早もいるし、どっちが上か確かめてもらうぞ!」



千早「え」

真「よし! 頼むよ千早っ!」

響「いくぞ真! 正々堂々と勝負!」

千早「ちょ、ちょっと二人とも―――」


真「レッスンまで時間もある! 耐久力も勝負だ!」

響「カッコよく、美しく、最後まで踊りきった方が勝ちってことだな! よおし!!」

千早「だから二人とも―――」

真「いざ!」

響「勝負―――」


千早「落ち着いてっ!! 二人ともっ!!」

真「うわっ!?」

響「び、びっくりしたぞ……」



千早「驚くのはこっちよ……。このあと、二人でレッスンなんでしょう? ダンスの勝負なら、その時にすればいいじゃない。事務所の中じゃなくて」

響「……あ。そっか」

真「あはは……千早の言うとおりだね。ちょっと熱くなっちゃったよ」

千早「もう……」

千早「……ごちそうさま、我那覇さん。おいしかったわ」

響「千早の口に合ってよかったぞ。だって、千早の舌はお菓子にうるさそうだからなー」

千早「え?」

真「え? そうかな……あっ、なるほど。そういうことか」

千早「真まで……どういうこと? 私は別に、甘いものにうるさいってわけじゃ……」

真「いや、そうじゃないよ。いつもおいしいお菓子を食べてるだろうから、千早の舌は肥えてそうだなってこと」

響「そうそう! 春香のお菓子、一番食べてるのはプロデューサーか千早だと思うぞ!」

千早「春香のお菓子……ああ、そういうことね」

響「自分は完璧だけど、春香とお菓子対決したら……ちょっと、自信ない、かな……あっ! さ、サーターアンダギーならなんとか……」

真「響にここまで言わせるんだもんなぁ……。うーん、ちょっと今度、春香にお菓子の作り方、教えてもらおうかなあ。ほら、お菓子作りって、女の子らしいし!」

千早「女の子らしいかは別として……いいと思うわ。春香も喜んで教えてくれるだろうし。……でもみんな、春香のお菓子には敵わないと思ってるの? 我那覇さんのお菓子もおいしかったのに」

響「そ、そうか? そう言われると自信が出てくるぞ」



千早「ええ、本当よ。……でも、まあ、確かに春香のお菓子はおいしいわよね。クッキーが一番多いけれど、他にもドーナツにケーキに、あとは……ああ、和菓子もあったわね。とにかく、レパートリーが豊富だわ。それに味のほうのバリエーションもすごいわね。同じクッキーでも甘さを変えてみたり、見た目も変えてみたり、なんなら渡す人の好みに合わせて、一個一個変えてるんじゃないかと思うくらいだし。その時期の旬な果物に詳しいし、知識もかなりのものでしょうね。まあ、砂糖と塩を間違えたり、ひっくり返したり、うっかりが有る時もあるけれど、それでも……いえ、それを補って余りあるくらい。そのくらい春香のお菓子は素敵な……」



千早「……なにか、変なこと言ったかしら?」



真「いやいや、別に」ニヤニヤ

響「なんでもないぞ。なんでも」ニヤニヤ

千早「じゃあ、何を笑って……」

響「だからなんでもないって。あーあー、やっぱり自分は春香には敵わないなー」スタスタ

真「しかたないよ。春香だしね。ボクたちじゃ分が悪いや」スタスタ

千早「ちょ、ちょっと、二人とも……」



千早「……行ってしまったわ」



千早「……」



千早「……なんなの?」

――――――



ガチャ



千早「おはようござい……え?」



雪歩「……あ。お、おはよー……千早ちゃん……」


千早「お、おはよう、萩原さん」


雪歩「……」


千早「……」




千早「……あの、萩原さん」


雪歩「……」



千早「……どうして……美希に、膝枕を?」

雪歩「え、えへへ……」




美希「zzz……」





美希『なんだか雪歩って、やわらかそうなの』

雪歩『ええっ!? わ、私、そんなに太ってきたかな……』

美希『そうじゃなくてー……んー……』ジー

雪歩『……な、なに?』


美希『……雪歩って、この後レッスン?』

雪歩『え? う、うん。でもレッスンまで、まだ時間あるけど……』

美希『そっか』

雪歩『う、うん』

美希『ねえ雪歩』

雪歩『な、なに? 美希ちゃん』

美希『膝かして』



雪歩『……へ? ひ、ひざ?』


美希『えーいっ。なの』ポフッ

雪歩『ひぇっ!? ちょっ、美希ちゃ、ちょ、ええっ!?』


美希『おー、やっぱりミキのにらんだ通りなの。やわらかくって、いいねごこち……あふぅ。しばらく寝かせてねー、ゆきほー……』

雪歩『み、美希ちゃん!? ちょっと、美希ちゃん!』


美希『zzz……』



雪歩『……ほんとに寝ちゃった……』




千早「……。なるほど」

雪歩「なるほどじゃないよ、千早ちゃん……。うう……やっぱり私、太ってきたのかなぁ……」

千早「そうじゃないと思うわ。萩原さんって、なんだか近くにいると落ち着けるから、美希も安心して眠れるんじゃないかしら。その……スタイルのほうも、とても女性的だから、心配しなくていいわ」

雪歩「そ、そうなのかな……」

千早「でも、足は痺れない? 疲れたなら、さすがに起こしたほうが」

雪歩「あっ、ううん! それは大丈夫だよ。全然しびれたりとかはないから。美希ちゃん、膝枕の時の寝かたが上手なのかな……」

千早「それにどこでも眠れるくらいだから、眠りに関してはスペシャリストね……」


美希「zzz……んん……」



千早「……。あ、そうだわ。萩原さん。ちょっと聞きたいんだけれど」

雪歩「? なぁに、千早ちゃん」


千早「その……最近よく、事務所のみんなに、春香のことを言われるの。春香といないと珍しがったり、春香の話をすると笑ったり……いったいなんなのかしら」

雪歩「え……ふふ、そうなんだ」

千早「……萩原さんも笑うのね」

雪歩「―――あっ!? ご、ごめんね千早ちゃんっ! 悪気はないんだよっ!? そうじゃなくてっ……そのぉ……んー……」

千早「……?」



雪歩「なんていうか……二人が仲良くしてると、みんなもうれしいんじゃないかな?」

千早「……」

雪歩「さっき、私のこと、近くにいると落ち着けるっていってくれたけど……千早ちゃんと春香ちゃんがいっしょにいると、なんだか安心するんだ。なんだか、周りの空気も、ほのぼのするというか……うーん、うまく説明できてないと思うけど……」



千早「……」

雪歩「……ち、千早ちゃん?」



千早「……ごめんなさい。やっぱりよくわからなくて……」

雪歩「あ、あんまり意識しなくてもいいと思うよ。悩むことでもないと思うし」

千早「……そう、かしら。……ありがとう。萩原さん」

雪歩「ううん。気にしないで―――」


モゾモゾ……


雪歩「ひゃぁっ!?」

千早「っ!?」




美希「……んー」



千早「だ、大丈夫? 萩原さん」

雪歩「ご、ごめんね、おどかしちゃって……美希ちゃんが動いて……あっ、目が覚めたのかな」



ムクッ


美希「……んー……よく眠れたの……ありがとねー、ゆきほー。また今度、まくらにさせてねー……」

雪歩「ま、また。う、うーん……」

千早「美希。あまり萩原さんを困らせてはだめよ」



美希「……? あ、ちはやさんだー……」

千早「おはよう、美希」



美希「……はるかなら、今日はみてないよー……」



千早「……」


雪歩「……あ、あはは……」

――――――



千早「……」ソワソワ



P「……」カタカタ


千早「……」キョロキョロ


P「……」カタカタ


千早「……」ソワソワ


P「……?」カタカタ



P「……なあ、千早」

千早「……」ソワソワ


P「……千早っ!」

千早「っ!? な、なんですかプロデューサー」


P「なんですかって……どうしたんだ千早。そんなにソワソワして」

千早「えっ……そう、でしたか?」

P「……本当にどうした?」

千早「……」

P「……なにか、悩み事か? 俺でよければ相談にのるぞ」

千早「いえっ、悩みとか、そんな深刻なことじゃないんです。ないんですけど……その……強いて言えば」

P「なんだ?」


千早「その……今日は、春香と仕事、なので……」


P「……? 春香? どうした、春香とケンカでもしたのか?」

千早「違うんです。そうじゃなくて……むしろ、最近は合わない事の方が多かったですし」

P「ケンカでもないなら、なんだ? 久しぶりに会えるんなら、喜ぶところじゃないか」



千早「……最近……事務所のみんなから、春香について、色々言われてたんですが……二人でいないなんて珍しい、とか。始めは何とも思わなかったのに、何度も言われたら、なんだか意識してしまって……」

P「意識?」

千早「なんというか……久しぶりに会うというだけなのに……すごく、緊張してしまって……。何なんでしょうか?」


P「……」


千早「……プロデューサー?」


P「千早。なんだか、遠距離恋愛の恋人みたいなこと言ってるぞ」

千早「っ!? へっ、変なこと言わないでくださいっ! プロデューサーに相談したのが間違いでしたっ、失礼します!」


P「あっ、悪い、冗談だ。おーい千早……いってしまった」



小鳥「……なにしてるんですか。プロデューサーさん」


P「あっ……見てたんですか小鳥さん」


小鳥「今、ちょうど戻ってきたところです。もう……だめじゃないですか。千早ちゃんを怒らせるなんて」

P「いやぁ。つい、からかいたくなってしまって」

小鳥「……まあ、その気持ちはわからないでもないですが……いったいなんで千早ちゃんを怒らせちゃったんですか?」

P「春香が原因みたいです。あ、いや、怒らせたのは俺なんですが」

小鳥「春香ちゃん? どういうことです?」


……


小鳥「なるほど……。まるで遠距離恋愛のカップルですね」

P「やっぱりそう言いたくなりますよね。さっきは、ついからかってしまったが……いったいどうしたんだ千早は?」

小鳥「んー……それは……」


小鳥「……あっ、そうだわ」



小鳥「プロデューサーさん。千早ちゃんのしっぽ、って見たことあります?」



P「……は? しっぽ?」



小鳥「……そんなに引かなくてもいいじゃないですか……。本物のしっぽじゃなくて、例えです。例えっ」

P「ああ、例えですか……びっくりした……。てっきり、妄想をこじらせたのかと」

小鳥「……。まあいいです。その反応なら、見たことないみたいですね」

小鳥「どうです?見に行きませんか?」


P「……?」

……



千早(……もう。いったい何を言ってるのかしら、プロデューサーは。恋人だなんて……女同士なのに……)



千早(……)

千早(……な、なぜかしら……なんだか、余計に緊張してきたような……)

千早(……! ち、ちがうわ! 春香は、友達よ! そう、友達……)

千早「春香は友達、春香は友達、春香は友達、春香は友達……」ブツブツ

千早「……よし!」



千早「……」



千早「……一人でなに言ってるのかしら、私は」




千早(……でも……確かに私は、春香と一緒にいるのが楽しいと思ってる。春香のおかげで頑張れた時も、何度もあった……。春香の笑顔、春香の言葉、春香の歌……どれもが私の心に残っている。きっとこれからも……)



千早(事務所のみんなも、もちろん大切な仲間だけれど……)




千早(……私は……春香が、一番……)



ガチャ





春香「―――千早ちゃんっ♪」





千早「―――!」





千早「……なに? 春香」



小鳥「どうですか? しっぽ」コソコソ


P「……俺にも見えました。いや、もちろん千早のお尻には何もはえてないんですけど……春香に会った途端、思いっきりぶんぶん振ってる、ように見えますね。……おかしいな。俺も妄想をこじらせたか」


小鳥「クールに振舞いながら、あんなにうれしそうな顔してれば、誰にだって見えるはずですよ」

P「んー……仕事が終わったらミーティングの予定だったが……早めに終わらせてやるか。二人とも、明日はオフだし」

小鳥「それがいいですね♪」




―――春香と千早は、仲良く仕事に向かったそうな。ミーティングも早めに終わったので、千早の部屋に仲良く帰っていったそうな。そのあと滅茶苦茶イチャイチャしたそうな。



 おわり

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