勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の完結 (500)

勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の完結です

続編なので前作読まないと分からない事が多々あるかと思いますのでご注意ください

1作目
勇者「魔王は一体どこにいる?」続編 - SSまとめ速報
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2作目
勇者「魔王は一体どこにいる?」続編のつづき - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1605497940/)

3作目
勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の続編の続編 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1637368468/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1656586758

『夜明け』


カンカンカン ゴシゴシ


情報屋「何を作っているの?」

女海賊「ワイヤー射出装置の改造だよ…」カチャカチャ

情報屋「それで空中を飛び回っていたのね?」

女海賊「あぁ…あん時見てたんだ」

情報屋「気を失う前の最後の記憶…それだけ印象に残ってる」

女海賊「あの後色々試して改善しなきゃいけない所沢山見つけたんだ」

情報屋「このメモは?」

女海賊「それは位置エネルギーを運動エネルギーにした後にどうやって更に加速するか記したメモだよ」

情報屋「へぇ…面白そう」

女海賊「私体重が重いからさぁ…ワイヤーの強度が課題なんだ…あと打ち込むアンカーもか」

情報屋「これかなり速度が出て危ないわ?」ヨミヨミ

女海賊「だよね…地面に落ちたらペチャンコだよ」

情報屋「ワイヤーが切れないように安全装置が必要ね…例えば一定以上の負荷が掛かったら伸びるとか…」

女海賊「お!!?なるほど…そのエネルギーを圧縮空気に変換して溜めても良いな」

情報屋「フフ…何かのヒントになった?」

女海賊「おっし!!ちっと大改造すっか!!」


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『昼中』


トンテンカン ゴシゴシ


狼女「ふぁ!?…」パチ キョロ

女海賊「リカ姉ぇ起きた?」カチャカチャ

狼女「どれだけ寝てた?」

女海賊「10時間くらいかな」

狼女「今何処?」

女海賊「分かんない…海か山が見えるまで直進してる」

狼女「外は曇りか…」

女海賊「匂いでなんか分かんない?」

狼女「右の方向に硫黄の匂い」クンクン

女海賊「おおおお!!てことは火山は右か」

狼女「硫黄の匂い追えば良い?」

女海賊「火山見えれば何とかなる」

狼女「分かった…」スタ グイ


スィーーー ヒュゥゥゥ


狼女「…」ジロ

女海賊「何?」カチャカチャ

狼女「まだワイヤーの装置いじってるんだ…」

女海賊「だって暇だもん」ゴシゴシ

狼女「好きだねぇ…」

女海賊「うっさいな!!」

狼女「はぁぁぁ…それにしてもすごく良い寝覚め…気持ちよかった」ノビー

女海賊「妖精に会った?」

狼女「分かんない…ナッツを投げ合った夢」

女海賊「ナッツ?…あぁリカ姉ぇの好物だっけ」

狼女「食べたくなってきたなぁ…」

女海賊「荷室にちょっとあるよ…種類入れた箱有るから勝手に食べておけ」

狼女「探して来る…」スタ

『火山』


モクモクモク


女海賊「ちょちょ…火山の煙に突っ込まないで」

狼女「火山口がどうなってるのか気になっただけだよ」グイ

女海賊「これ通り過ぎたら左手に川が見える筈なんだ」

狼女「高度下げた方が良いね…向こう側雲張ってるし」

女海賊「雲にも近づかない方が良い…氷で球皮が傷付く」

狼女「また雨か…」


ガバッ!!


商人「ハッ!!」キョロ

女海賊「お?やっと起きたかぁ…どう?久しぶりに寝た気分は?」

商人「スゴイな…夢を見た…」

女海賊「あんたも寝るとは思わなかったよ」

商人「ちょっとメモ!!書き残さないと…」ドタドタ

女海賊「リカ姉ぇ!操舵頼むよ…私作り物すっから」

狼女「はいはい…私の分もお願いね」


ええと…アンカーも改造しよう…

2アクションで簡単に外せるように…

ワイヤーを引っ張ると返しが開く…

緩めると返しが閉じたまま維持…


カンカンカン シュッシュ ゴシゴシ

『川の上空』


シトシト シトシト


狼女「雨が小降りになってるけど霧が…」

商人「もう少し高度下げた方が良い…川を見失いそうだ」

狼女「なんか温かくなってる気がする」

商人「そうだね…でもまだ気温は低いよ」

情報屋「この湿度は体に良さそう…」スゥゥゥ ハァァァ

商人「呼吸は平気?」

情報屋「胸に痛みがあるけれど大丈夫…我慢できるから」

商人「肋骨が折れちゃってる部分があるからしばらく安静にしないと」

情報屋「たった2日程度でこんなに回復するなんて賢者の石はすごい力ね」

商人「うん…僕の心臓は治らなかったけど…」

情報屋「先天的な物は治らないのね」


女海賊「よ~し!!出来たどーーーー!!」ジャーーン


商人「また新しい装置かい?」

女海賊「あぁぁ試したくてウズウズする…」モジモジ

狼女「随分形が変わったね…腰にもクロスボウ?」

女海賊「そそ…射出を魔石じゃ無くて小型クロスボウにした…これでもうちょい射出早くなる」

商人「なんかガチャガチャした感じだねぇ…」

女海賊「今まで使ってた奴はリカ姉ぇにあげるよ」

狼女「お?」

女海賊「リカ姉ぇは体重軽いからそれで十分だと思う…私は重いからしっかりアンカー撃ち込まないと危ないんだ」

狼女「そういう事か…じゃぁ貰って置く」カチャカチャ

商人「僕も欲しいなぁ…」

狼女「じゃぁ私が使ってたお古をあげるよ」ポイ

商人「ん?腰に付けてる容器は?」

女海賊「これ圧縮空気溜める容器さ…風の魔石よりも強い風が出せるんだよ」

商人「へぇ?それで飛ぶ?」

女海賊「いやいやそんな力は無い…ワイヤー巻き取る動力だよ…私重いから巻き取るのも力居るのさ」

商人「なるほど…君専用なんだ…」

女海賊「リカ姉ぇが羨ましいよ…軽いと全部小型で済む」

『ハテノ村上空』


シュゴーーーー ヒュゥゥゥ


女海賊「あれ?大型の気球が何かやってる…」

商人「ええ!?本当だ…静止飛行か」

女海賊「どっかに魔物来てるのかも…」キョロ

狼女「…」クンクン

商人「見当たらないな…」キョロ

狼女「違う…気球に沢山人が乗ってる」

女海賊「何やってんのかなぁ…」ジーーーー

商人「なんだ?様子がおかしい…デッキに人が集まって…あああああああ!!落ち…」

女海賊「あれさぁ…兵隊が降下訓練やってんじゃね?」

商人「ほっ…ビックリしたよ…」

狼女「100メートル近い降下だよ」

女海賊「もっと有るって…ヤバ!私のワイヤー全然長さ足りんじゃん…」

狼女「用途が違う感じだね」

女海賊「そうか100メートル以上のワイヤーも用意しなきゃダメかぁ…結構重いんだよなぁ」

商人「気球からの降下なら長いワイヤー必要だね…出来ればクロスボウの射程外」

女海賊「やっぱあいつ等精鋭部隊か…」

商人「それより兵隊たちが地上に上がって来てるという事は事情が変わって居そうだ」

女海賊「だね?」

狼女「鉱山の方を見て!!あっちでも煙が上がってる」

女海賊「本当だ…あっちでも何か作ってんな…」

商人「とりあえず着陸しようか…」

『広場』


フワフワ ドッスン


盗賊「いよーう!!待ってたぜ?」ダダ

商人「これはどういう事かな?」

盗賊「見ての通り降下訓練よ…地下の兵隊たちが交代で地上に上がって来てんだ」

商人「まぁそれは分かる…僕達の手の内を知られてマズく無いかって言う話さ」

盗賊「そういうリスクは承知でお互い様な訳よ」

商人「向こうの手の内も見せるという事か…」

盗賊「そういう取引を影武者がやったんだ…あの兵隊たちは今は傭兵になった」

商人「え!?影武者が雇った?」

盗賊「まぁ女戦士も魔女も了承してる…なんつーか利害が一致した」

商人「なるほど…武器食料提供の代わりに村の治安維持か…」

盗賊「そうなるな…まぁ他にも色々あるんだが今の所良い方向な訳よ」


女海賊「先に情報屋を車椅子で運ぶから青年はちょい待ってて…」ゴトゴト


盗賊「お…おい!!どうしたんだ!!」ダダダ

情報屋「あぁ盗賊…心配しなくて大丈夫…」

盗賊「なんで車椅子なのよ!!どっか怪我したんだな?」オロオロ

女海賊「奇跡的に一命をとりとめたの…血は全部入れ替わった…これで説明になった?」ゴトゴト

情報屋「ちょっと女海賊!…心配させてしまうだけだから…」

盗賊「生きてりゃ良い…血は俺のを使え」

情報屋「じゃぁ返して貰おうかしら…フフ」

女海賊「ぬぁぁ!!ほんじゃ盗賊!!情報屋を教会まで連れてって…肋骨とか折れてるから揺らさないで」

盗賊「何ぃ!!何が有ったのよ!!」

女海賊「今言ったじゃん!!クロスボウ3発くらい胸貫通して死にそうになったの!!ほんで肋骨も折れた」

盗賊「バカ野郎!!なんで連絡し無ぇんだ!!」

情報屋「盗賊!責めないで…」

盗賊「ちぃぃ…雨に当たると傷が痛む…行くぞ!」ゴトゴト

情報屋「揺れると痛む…ぅぅぅ」

盗賊「おぉ悪い…ゆっくりだな?」ソローリ


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『鯨型飛空艇』


ヨッコラ セット


商人「じゃぁ僕も青年を背負って教会に向かうよ」

女海賊「大型の気球に乗ってるあんたの荷物どうする?こっちに移しとこうか?」

商人「そうだね…頼むよ」

女海賊「やっぱ兵隊が何人も乗り降りするから気になるよね」

商人「うん…特に書物類は無くしたくない」

女海賊「おけおけ…こっちに移してハイディングしておくわ」

狼女「大型の気球はエド・モント砦の降下用で考えて居るのね?」

女海賊「地下でそんな様な話をしてたわ…あの縦穴から降下して地下線路から退避するって言う話…」

商人「じゃぁ青年!今日から君の家はあの教会だよ…まず挨拶に行こう」ヨタヨタ


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狼女「へぇ…意外と面倒見が良いんだ」

女海賊「生まれつき体が弱い子を放って置けないのさ…自分がそうだったから」

狼女「違う所にセンス持ってるんだなぁ…」

女海賊「さてリカ姉ぇ!!さっさと荷物運んで勝負しようか!!」

狼女「ちょっと…私もワイヤーの練習をしてからじゃないと不公平」

女海賊「ダッシュ!!」スタコラ ピューーー

狼女「あ!!」シュタタ

『林』


パシュン シュルシュル ヒュン! ヒュン! シュタッ!


女海賊「良いね!!リカ姉ぇは元々身軽だからあんまワイヤーに頼らなくて良さそう」

狼女「これ面白い…」

女海賊「でしょ!?私は高速でワイヤー移動しながら射撃…リカ姉は射撃と近接を使い分け」

狼女「増速はどうやってやる?」

女海賊「速度殺さないようにワイヤー巻きあげる速度も乗せる感じ…ほんで次のワイヤーに切り替える」

狼女「コツが必要か…やってみる」パシュン シュルシュル パシュン


ヒュン! ヒュン!


女海賊「私もちょい向こうで練習してくる!!」パシュン シュルシュル


ヒュン! ヒュン!


女海賊「ひゃっほーーい!!」チャキリ

女海賊「…よーし!!移動しながら6発は撃てるな…」ヒュン!

女海賊「次円錐振り子運動!!」パシュン ヒュン!

女海賊「…回りながら360°ずっと撃てる」チャキリ

女海賊「おけおけ!イケる!!」シュルシュル シュタ

『教会』


ワイワイ キャッキャ ドタドタ


商人「…そうか…女戦士達はずっと地下に居るのか」

影武者「定期的に温泉には入りに来ている様です」

商人「物資運搬の方は?」

影武者「ローグさんが毎日往復しています」

商人「それも大変だねぇ…」

影武者「坑道内にラクにする工夫をされている様ですね」

商人「どうするかなぁ…一回見に行こうかな」

影武者「道が複雑なので知らない人は入らない方が良いとか…」

商人「あ…そうそう…鉱山の方で煙が見えて居たんだけどさ…アレ何?」

影武者「兵隊の詰め所ですね…普段はあちらの方で過ごして居ます」

商人「なるほど…一応ハテノ村の住民に配慮はしてるんだ」

影武者「私が条件を付けました…あちらは温泉も近いので意外と快適な様です」

商人「兵隊を傭兵として雇っていると聞いたけど…」

影武者「村の物流に彼等にもお金が必要なので夜間の守備に雇って居ます」

商人「なるほど…そのお金で食料とか買ってもらう訳か」

影武者「お酒が売れますね」

商人「ハハ酒を飲みながら夜間の守備か…彼らは戦闘のプロだから余裕かも知れないなぁ」

影武者「その分他に雇っている傭兵の負担も減るので助かっています」

商人「あれ?いつの間に君…髪の毛が綺麗に生えそろって来てるじゃ無いか」

影武者「恥ずかしいので見ないで下さい」

商人「あぁゴメンゴメン…」

影武者「商人さんは今日はどちらでお休みを?」

商人「う~ん…ここは騒がしいなぁ…」

影武者「子供達が寝た後は静かになりますよ?」

商人「そう?じゃぁここで休もうかな」

『夜』


ドゥルルルン~♪

時代は移り風士は変わり~♪

主にある民は分かれても~♪

みことばをのべ共ににパンをさく~♪


盗賊「やっと静かになって俺達の時間だ…」

商人「情報屋は?」

盗賊「なんだか青年に色々教えてて俺は構って貰えん…」グビ

商人「ハハなんか冷たいねぇ」

盗賊「まぁ気を遣わんで良いのがアイツの良い所だ」

商人「心配して損したかい?」

盗賊「生きてりゃ良いんだ…多少痛い事は誰にでもある」

商人「その割に動揺してたじゃ無いか」

盗賊「ヌハハまぁそういう事もあるわな?…ほんであの2人はまだ帰って来んのか?」

商人「なんか新型のワイヤー装置作ってたんだよ…多分2人で試しに行ってるね」

盗賊「相性良さそうだな…あの2人は」

商人「そうだね…2人共トラブルメイカーだけど」

盗賊「違い無いぇ!!ダハハハ」

商人「それで地下の状況はどうなんだい?」

盗賊「兵隊がチラチラ救出されてて…今30人ぐらいか?」

商人「そんなに増えてるのか…」

盗賊「まぁ負傷して戦えん奴も居るから実質そんなに居らん」

商人「負傷と言うと?」

盗賊「ええと闇の術だっけな…くそデカイ出来物が出来る病気だ…それの治療で結構消耗すんのよ」

商人「あぁ…盗賊が掛かってたやつか」

盗賊「ちゃんと回復するまでしばらく戦えんな…まぁ瀕死な訳だ」

商人「それを地下で治療してるのか…感染防止とは言え結構酷い環境だね」

盗賊「だから息抜きで地上に交代で出てる訳だ…文句言えんな」

商人「兵隊達の反応はどうかな?」

盗賊「驚いてんな…特にあの黒の同胞だった奴…理想郷を見つけたと言って泣き崩れてた」

商人「理想郷…確かにハテノ村は理想に近い」

盗賊「俺はアイツの気持ちが痛い程分かる…多分黒の同胞の中で俺みたいなポジションの奴だ」

商人「へぇ?」

盗賊「沢山仲間失ったんだろうな…自分だけ生き残って尚戦い続けてる…理想郷の為に」

商人「なんか胸が痛むね…僕達が彼の仲間を倒してしまったのかな?」

盗賊「かもな?もしかしたら相当良い奴も居たのかも知れん」

商人「リッチが多かったね…自分の命をも捧げて成しえたかった彼らの理想郷…そうかやっと見つけたか」

盗賊「リアルな話だがやられる時ってよ?会話する暇なんざ無くて一瞬だよな」

商人「そうだね…やらなきゃやられる…だからリッチと一言も話さないで終わった」

盗賊「そうやって仲間失うと思うと眠る事も出来んわ」

商人「こういう話は止めようか…死亡フラグが立ちそうだ」

盗賊「怖くなったか?」

商人「僕はまだ死ねない…いやもう死んでるか…まだやる事がある」

盗賊「ホムンクルスか?」

商人「フフ僕はもっと先を見てるさ…ホムンクルスを解放してみせる」ギラリ

盗賊「もったいぶんなよ?なんだ?言って見ろ」

商人「実はね…ホムンクルスの欠陥を発見したんだよ」

盗賊「ほう?…何よ?」


orc遺伝子…人の第六感を感受する受容体を司る部分

ホムンクルスはこの遺伝子を欠落させた状態で誕生してるんだ

何故ならこの受容体で感受する感覚は超高度AIを迷わせるバグを発生してしまうから…

この遺伝子が欠落しているせいでホムンクルスの脳に魂が宿らない

実はこの実験は400年ほど前にも行われてる

精霊の伴侶と呼ばれた男性型のホムンクルスを誕生させ

その子供を産ませる事で魂が宿るか実験をしている…

しかしその子にも魂は宿らなかった


盗賊「その子ってのは…シャ・バクダ遺跡の地下にある勇者の像か?」

商人「そうだよ」

盗賊「なるほど…じゃぁ今名もなき島で育ってるホムンクルスはそのなんとか遺伝子を組み込んだ…という事か」

商人「察しが良いね…そしてもう一体僕が作るのは男性型ホムンクルス」

盗賊「子供を産ませる気か…」

商人「僕は自信がある…必ず魂が宿る…そして死んでも尚集合意識として僕達と一緒になる筈だ」

盗賊「お前はホムンクルスの生みの親になる訳か」

商人「そういう言い方も有るけど本当は…僕がホムンクルスを諦められないんだ…あの世にも一緒に行きたいのさ」

盗賊「そら不倫になるんじゃ無ぇか?」

商人「そう言わないでおくれよ…兎に角本当の意味でホムンクルスを救いたい」

盗賊「お前なりの愛か…確かに聞いたぜ?」

商人「もう僕の手元に全部カードが揃った…今度こそホムンクルスを救って見せる」

『夜空』


ヨタヨタ


女海賊「いててて…お尻大分擦りむいたなぁ…リカ姉ぇは大丈夫?」

狼女「出血は無い…でももしかした骨折れてるかも…」ヨロ

女海賊「調子にのると怪我するね…線虫いる?」

狼女「頼む…」

女海賊「線虫!癒せ!!」ニョロ

狼女「木の強度を考えて無かった…」

女海賊「まぁ木じゃ無くてもアレくらいが限界だよ…20メートルの落下エネルギーで大体時速70km…」

女海賊「ほんでワイヤー使って増速して時速100kmは余裕で超える…これ以上出すとアンカー外れたり色々起きる」

狼女「速さに慣れるとそれでも遅く感じるのがね…」

女海賊「そこは我慢だね…やっぱ落下した時の安全装置作っとかないと大怪我しそうだなぁ…」

狼女「とりあえず注意しながら使う…あれ?」

女海賊「んん?」

狼女「いつの間に夜空見えてる…月も…」

女海賊「おぉ!!測量しなきゃ…」

狼女「私は地下に戻ろうと思ってたけど…」

女海賊「ちょい晴れてるうちに測量を優先したい…リカ姉ぇだけ戻って状況報告しといて」

狼女「ふ~ん…」ジロ

女海賊「行きたくない訳じゃないさ…本当は退魔の砂銀を取りに行きたいんだよ」

狼女「それ魔女に言えば貰える?」

女海賊「うん…ローグに持たせてこっちに運ばせて欲しいな」

狼女「分かった…丁度温泉に入りたかったし…そのまま坑道降りる」

女海賊「おけ…わたしは測量行って来る」スタタ

『測量』


カリカリ カチッ キリキリキリ…


女海賊「やっぱ南極星の位置全然違うな…」

女海賊「月の方向もおかしい…あれは北から登ってるんかな?」


スポッ パタパタ


女海賊「お?呼んで無いのに出て来るんじゃん!!」

妖精「ハロハロー…さっきは危なかったねぇ」

女海賊「んぁ?何の話?」

妖精「僕が居なかったらお尻を擦りむく程度じゃ済まなかったと思うんだけどなぁ…感謝して欲しい」

女海賊「お!!?もしかしてアンタが居たお陰で軽傷で済んだ?」

妖精「やっと気が付いたか…感謝しろぉ!!」

女海賊「分かってたんだよアンタは幸運を運ぶ妖精だってさ」

妖精「分かればよろしい!!」ヒラヒラ

女海賊「そうそう…アンタに分かるかな?なんか月デカくね?あんなんだったっけ?」

妖精「近いからに決まってるじゃない」

女海賊「アハ…そりゃそうだ…落ちるって事無いよね?」

妖精「そんな事知らないよ…でも狭間が深くなっちゃうね」

女海賊「狭間ねぇ…」


ヨタヨタ


盗賊「いよー…焚火の消し忘れだと思ったら女海賊か…何やってんだ?」

女海賊「盗賊か…雨あがって空見えてるから星の観測やってんのさ」

盗賊「あれ?お前一人か?今誰かとしゃべってただろ」

女海賊「あんた妖精見えない?」

盗賊「なんだ妖精が居るんか…どうも俺は鈍感らしくて見えんのだ…どこよ?」キョロ

女海賊「目の前飛んでんだけど…」

盗賊「んん?…やっぱ見えんな…俺にゃなんとか遺伝子が足り無ぇんだなぁ…」

女海賊「あぁそれ…商人か情報屋に教えて貰ったんだね?」

盗賊「まぁ難しくて分からん」

女海賊「ほんでどっか行くん?」

盗賊「気球に帰るんだ…俺の寝床は気球だからな」

女海賊「あ!!商人の荷物は飛空艇に移しといたから」

盗賊「そうか…ほんじゃ俺の寝床は飛空艇にすっか」

女海賊「え?どゆこと?」

盗賊「一応あいつの物を守ってるつもりなんだがな」

女海賊「そういう事か…あの大型気球はこれからどうすんの?」

盗賊「エド・モント砦に降下する訓練はしばらくやりたいらしい」

女海賊「いつ頃やる想定なん?」

盗賊「負傷してる兵隊がもう少し回復したらだろうな…まぁ10日くらいじゃ無いか?」

女海賊「てか向こうの状況分かってんのかなぁ…結構厳しいと思うんだけど」

盗賊「魔女がお前の眼を見てちゃんと分かってんぞ?降下訓練も実践を想定した動きやってんのよ」

女海賊「なる…」

盗賊「もう人員の配置場所とか降下場所…その後のルートも決まってるらしい」

女海賊「うわヤバ…考え甘いの私の方だな…」

盗賊「そこら辺は女戦士に聞いた方が良いな…あいつは地下から行くトロッコ組の指揮取る様だから」

女海賊「別行動するとバラバラになるんじゃね?」

盗賊「貝殻だ…司令塔は魔女が担当する」

女海賊「あれ?兵隊達が使う通信機は?」

盗賊「そうかお前何も知らんのだな…その通信機で傍受されるから今は一切使って無いのよ…だから他の隊が音信不通なんだ」

女海賊「傍受…エド・モント側に動きがバレて何か起きてんの?」


そもそもな…エド・モント砦の機械が通信の中心端末だったらしい

キ・カイの軍隊が分断しちまったのも恐らく通信の偽情報が原因だった訳よ

今回のような事は10年前にも起きててよ…そん時はオークを捕らえて奴隷化してたんだが

偽情報に気付いた連中はキ・カイ軍隊を離脱してオーク側に離反したそうだ

それが当時機動隊と呼ばれていた連中…そいつらは古代遺跡で発掘した古代の兵器を持ったままどっか行っちまんたんだ

ほんで今回オークを攻め入った本当の目的はそいつらの掃討と古代の兵器を奪取する事…

その事実は一般には一切伝えられて居ない…政治家も含めてな?

女海賊「なるほど…それでキ・カイの軍隊で言い争いとか起きてるのか…」

盗賊「まぁこの話は相当根深い…俺らの知らん所でキ・カイ軍隊内部で色々ある訳だ」

女海賊「その機動隊って奴らの目的は?」

盗賊「詳しく知らんらしいがオークを守ってるそうだ…てかな?オークの数は噂よりもずっと数が少ないんだってよ」

女海賊「なんか分かって来たぞ…私キ・カイの地下で機動隊ってのに間違えられてたのさ」

盗賊「んん?何か有ったんだな?」

女海賊「ワイヤー使ったりハイディングで姿消したりしてるっぽい」

盗賊「なに?ハイディング使うってのは相当だな…」

女海賊「光学迷彩って何か知ってる?」

盗賊「なんだそれはハイディングとはちと違うな…まぁ見えなくなる点では同じだが…」

女海賊「もしかしてレンジャー部隊もそれ使ったりするんかな?」

盗賊「お前あいつらの装備見て何か気付かんかったか?」

女海賊「触らせてくれないんだよ…多分スケール製だと思うんだけどさぁ」

盗賊「そのスケール一つ一つが背景の色に変色するんだ…まぁカメレオンみたいに見えにくくなる訳よ」

女海賊「マジか…そんな凄い装備してたのか…」

盗賊「俺らも大概反則級の装備してるんだがな…特にお前は」

『焚火』


メラメラ パチ


盗賊「この村は石炭には困らんからいいな…」スリスリ

女海賊「あんたいつまでそこに居んの?」

盗賊「お前も一人じゃ寂しいだろ?…てかリカオンは何処行ったのよ?」

女海賊「リカ姉ぇは温泉行った後坑道降りるってさ」

盗賊「そうか…まぁ帰って来た報告はしといた方が良いな…お前は行かんで良いんか?」

女海賊「星の観測を優先したいんだ…じゃないと時間も方角も何もかも分かんない」

盗賊「ふむ…いつまでやんのよ?」

女海賊「朝までやるよ…日の出の時間も知りたい」

盗賊「なんか肉でも焼いてやっか?」

女海賊「お!!私の飛空艇にシカ肉を積んで有るのさ…生肉がまだ残ってる」

盗賊「おぉそりゃ良い!てかあっちに酒も運び込んどくか…」


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『坑道最下層_簡易前哨基地』



…公爵が狙って居るのはオーク領の向こう側にあるかつてヒュー・ストンと言われた地にある箱舟なんだ

そこに未だかつてない古代遺物の存在を知った機械省の高官たちはまんまと食いつきオーク領への進軍を強行した

だが10年前に離反した機動隊たちが行く手を阻み計画通りに進軍は進まなかった

業を煮やした公爵は外海から攻略する作戦に切り替え海軍を取り込み始めた


女戦士「ふむ…ではやはり公爵が持つ黒い魔石と引き換えに海軍をすべて掌握したと思って良いのだな?」

レンジャー「大陸での覇権に海軍は大した意味を持たない…キ・カイからすると安い買い物の筈」

魔女「黒い魔石を得た機械省が何故クーデターに踏み切ったのじゃろうのう?」

レンジャー「10年前に既にその眼は出ていた…機械省と環境省の対立…この2つは政策が根本的に違う」


国の管理運営を完全に機械が判断するようにしたい機械省

対して人間が判断を下すようにしたい環境省

環境省はキラーマシンのAI開発に携わる技術者を全員解雇し

代わりに人間の脳を搭載する事で機械が物事を判断する事にならないように計らった

一方機械省は人間の脳まで機械に挿げ替える技術を成し遂げ

政府高官を含む多数に全身機械化を施した


レンジャー「機械と人間の対立は10年前から既に始まって居たんだ…それがエネルギーを得て一気に機械側に転んだ」

女戦士「つまり機械省の狙いは人間の機械化だな?」

レンジャー「恐らく…それで脳硬化症も含む石化の問題も無くなる」

魔女「それは主達…黒の同胞が望んだ事なのかえ?」

レンジャー「誓って違う…人の争いを無くし人類生存の為に最善の判断をする知恵を機械から得たかった」

女戦士「機械化した人間か…それを人間と呼んで良いのか…」

レンジャー「…」

女戦士「話は飛ぶが…離反した機動隊が私達の邪魔になるような事は起きないか?」

レンジャー「なんとも言えない…ただ向こうは古代の兵器を所持して居るから奇襲された場合全滅の恐れもある」

女戦士「ダメだな…先に片づけなければならないのは背後の安全だ」

レンジャー「フフ怖いか?俺達にとって白狼の者達も今の機動隊と同様の存在だったんだ」

女戦士「私達と機動隊が同じか…」

魔女「機動隊にはわらわ達を奇襲する動機が無いじゃろう?何も争って居らぬ」

女戦士「ふむ確かに…機動隊の目的がいまいち分からん…何故オーク側に居るのか…」

魔女「女戦士や…昔…100日の闇の時じゃ…一度国賓でキ・カイに来たじゃろう」

女戦士「あぁ…そうだったな」

魔女「あの時にわらわ達に面会した皇子は脳硬化症で亡くなったと聞いたがその病気で亡くなるにしては若すぎじゃ」

女戦士「何が言いたい?」

魔女「もしやオーク領で亡命して居るのではと思うてな」

女戦士「レンジャー…お前は何か知らないのか?」

レンジャー「俺がこちらに来たのは光る隕石が落ちた後…9年ぐらい前か…皇子はとうに亡くなっているとしか聞いて居ない」

魔女「ほぼ全身機械化しておったから気持ち悪いと思って覚えて居ったのじゃが…」

女戦士「政策に口を出せる立場では無いという事は言って居たな」

魔女「うむ…今思えば環境省寄りの感じじゃった…頭部は死んでも機械化しないと言うて居ったわい」

女戦士「待てよ…そう言えば子供の脳が搭載されたキラーマシン改はどうなった?」

レンジャー「子供の脳が搭載されている?何の話だ?」

女戦士「それは後だ…新型のキラーマシン改はどうなったと聞いて居る…前線に投入されたのだろう?」

レンジャー「通信で退避時に囮に使えと指示があって置き去りだ…」

女戦士「…なるほど分かったぞ!!環境省は機械に支配されないキラーマシンを機動隊に送ったのだ」

レンジャー「話が呑み込めない…撤退指示を出して居るのは機械省側に居る政務官だ」

女戦士「頭部に人の脳が搭載されたキラーマシンは機械省からの命令に従わない…だから不要なのだ」

レンジャー「頭部に人の脳が入っている…しかも子供の…まさか」

魔女「ふむぅ…機械省も大概じゃが環境省もやり口がエグイのぅ…」

レンジャー「…という事は機動隊は古代の兵器以外に50機近いキラーマシンも得たという事になる…」

女戦士「そうだ…そう考えると皇子が亡命しているという線も有り得る…陰で支援して居るのが環境省という構図」

魔女「目的は機械省の解体じゃろうのぅ…わらわ達と同じじゃがしばらく様子は見た方が良さそうじゃな」

女戦士「うむ…敵と認識されてしまってはこちらが危ない」

『しばらく後』


シュタタ スタ


女戦士「む!?リカオン!戻って来たか」

魔女「ご苦労じゃった…退魔の砂銀を撒いて来たのは機転が利いたのぅ…」

狼女「早速だけど女海賊がその砂銀を欲しいと言ってる」

魔女「うむ…用意してあるぞよ」

女戦士「妹はどうした?一緒じゃ無いのか?」

狼女「雨が上がって空が見え始めたから星の観測をしているんだ…」

女戦士「ふむ…地軸のズレを観測か…では私も地上に出なければ…」


ダダダ スタ!!


アサシン「緊急事態だ!!エド・モント方面からトロッコの音がする!!突撃に備えろ!!」

女戦士「なんだと!!」ガバ

狼女「本当だ…何台か連結してる音…」

女戦士「兵隊共を叩き起こせ!!私は突撃に備える!!」ダダ

レンジャー「起きろぉ!!敵襲!!敵襲!第一級戦闘に備えろ!!」ダダ

狼女「トロッコ10両くらい繋がってる…」

魔女「マズいのぅ…奇襲でその数は準備して居ったという事じゃ…」ノソノソ

女戦士「線路に近付くな!!坑道の側道に入って一旦状況把握だ!!」


-------------

『地下線路』


カタタン ゴーーーーーーーー


女戦士「来るぞ!!」

狼女「姿を隠して!!キラーマシンが沢山乗ってる音!!クロスボウの一斉射撃が来る!!」

女戦士「くそぅ!!先手を打たれてしまったか…」ギリ

魔女「万が一の場合はわらわが坑道を塞ぐ故に一旦撤退をせよ」

女戦士「塞ぐ?どうやって?」

魔女「成長魔法でクヌギを育てる…切り倒す時間が稼げるじゃろう」

女戦士「ぐぬぬ…」

アサシン「来るぞ!!」


ゴーーーーーーーー

バシュン! バシュン! バシュン! バシュン!

タタタタタン! タタタタタン! カン! カン!


女戦士「な…なんだこの数は…」タジ

アサシン「頭を出すな!!」グイ

狼女「あれ?トロッコが止まらない…」


ゴーーーーーーーー

バシュン! バシュン! バシュン! バシュン!

タタタタタン! タタタタタン! カン! カン!


女戦士「…どうなっている?走り抜けて行く…のか?」

アサシン「この数ではどの道戦えん…ここは素通りさせて引くべきだ」

レンジャー「分かったぞ!…奴らはミネア・ポリスまで抜けてそこからヒュー・ストンへ行く気だ」

女戦士「箱舟を目指して居るのか…」

狼女「トロッコ1台にキラーマシン6台乗ってる…今ので60台くらい通り抜けて行ったよ」


タッタッタ スタ


ローグ「こここ…これどうなってるんすか!!?」

女戦士「奇襲だ…来るのが遅い!!」

狼女「又来る…次も同じくらいの数…気を付けて!!」

女戦士「気を抜くなぁ!!次が来るぞ!!」

ローグ「これマジヤバイっすね…一瞬でボルトが100発くらい飛んで来てるでやんす」

女戦士「さてどうする?」

アサシン「手を出すな…相手にとって私達はゴミ同然に見えて居るのだ」

魔女「そうじゃな…魔物達がわらわ達に倒されて居る事は知らんのじゃ…機械達と魔物が手を組んだ訳では無さそうじゃな」

女戦士「なるほど…キラーマシンを倒した訳では無いからこちらの戦力を知らないのか…」

アサシン「このまま素通りさせて機を伺えば良い」

狼女「シーーーーッ!!そろそろ次のが来る!!」


カタタン ゴーーーーーーーー

バシュン! バシュン! バシュン! バシュン!

タタタタタン! タタタタタン! カン! カン!


--------------

--------------

--------------



『2時間後_地下線路』


ヨッコラ ドサ

急いで鉄鉱石で線路を塞げぇ!!

ゾンビは鉄鉱石の採掘を急がせてくれ!!


女戦士「魔女!!積みあがった鉄鉱石を魔法で焼いて鉄をすこし融解させてほしい」

魔女「ふむ…鉄の壁を作るか」

女戦士「そうだ…これでキラーマシンはこちら側へ戻る事は出来ない」

魔女「火炎地獄!!」ボボボボボ ボゥ

アサシン「壁にばかり時間を使って居られんぞ?トロッコがこちらへ来たと言う事は線路を塞いでいた水が無くなったと言う事だ」

女戦士「分かっている!!リカオンはエド・モント側の線路を哨戒して居てくれ」

リカオン「分かった!!」シュタタ

女戦士「兵隊は数名で重装射撃砲をトロッコに乗せて線路上に配置しろ」

兵隊「ハッ!!」スタスタ

女戦士「アサシン!トロッコ一台を300メートル向こうで横転させておいて欲しい」

アサシン「フフそれで良い…次のトロッコが来たら撃滅だな?」

女戦士「後何台残って居るのか…」

レンジャー「もうほとんどのキラーマシンが通過して行った筈…」

女戦士「見た事の無い機械も乗っていただろう?連射する射撃を行う小型の機械だ…アレは何だ?」

レンジャー「古代の機械…動いて居るのは初めて見た」

女戦士「アレの能力がどの程度か分からん…ここでしばらく籠城だ」

アサシン「ゾンビに戦わせて能力を確認してやる…私だけ少し突出するから砲弾で私を巻き込むな?」

女戦士「トロッコより向こうには出るな?それ以上は保障出来ん」

アサシン「分かった…行って来る」タッタッタ


--------------

『少し後』


シュタタ シュタタ


狼女「トロッコがこちらに向かって来る音!!また10両くらいの編成!!」

女戦士「来たか…重装射撃砲を構えろ!!」

兵隊「目標!横転したトロッコの前方!」ガチャ

狼女「私は撃ち漏らしたキラーマシンの排除に行く!!」シュタタ

ローグ「あっしはハイディングから各個撃破狙いやす」ダダ

魔女「女戦士や…アサシンの眼に敵影が見えたぞよ」

女戦士「うむ…兵隊!私からでは敵が見えん…お前のタイミングで撃て」

兵隊「了解!!」

女戦士「私は重装射撃砲を死守する…魔女は私の援護を頼む」

魔女「うむ…」ノソノソ


ドーン! ドカーーン!!


兵隊「ヒット!!数台に貫通!!」

女戦士「次装填!!」


ガッコン ガチャガチャ


魔女「リカオンの戦闘が始まったぞよ?」


ピカーーーーー チュドーーーーン!


魔女「小型の機械がこちらに抜けて来よる…小さい虫型の機械じゃ」

レンジャー「総員射撃構え!!」

女戦士「重装射撃砲!!続けて撃てぇ!!」


ドーン! ドカーーン!!


-------------

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『激戦』


タタタタタン! タタタタタン!


レンジャー「ちぃぃちょこまかと…」バシュン バシュン

魔女「電撃魔法!」ビビビ

小型の機械「プツン…ブーーン」ガチャ ゴロン


リリース! スゥ


女戦士「くらえ!!」スパ

小型の機械「ビビビビ…」ドーン プスプス

兵隊「射撃!!」


ドーン! ドガーーン!!


兵隊「よし!!キラーマシン全滅!!」

小型の機械「ピピピ…」シャカシャカ


タタタタタン! タタタタタン!


女戦士「ぐぅぅぅ…この攻撃はデリンジャーと同じか…」ヨロ

ローグ「頭ぁぁ!!」ダダダ スパ

小型の機械「ピピッ…」ドーン パラパラ

ローグ「ぐはぁぁ…爆発…」ズザザ ゴロゴロ


パシュ シュルシュル シュタ!


狼女「下がって!!後は私が片づける!!」パシュ シュルシュル ピョン

小型の機械「ピピピ…」シャカシャカ


タタタタタン! タタタタタン!


狼女「遅い!!」ピョン クルクル スパ

小型の機械「ビビビビ…」ドーン パラパラ

魔女「爆発するで魔法で停止させた方が良い!電撃魔法!」ビビビ

狼女「あと4台くらい…私がタゲを取るから魔女が倒して!!」パシュ シュルシュル シュタ

魔女「女戦士!!一旦引けい!!電撃魔法!」ビビビ

小型の機械「プツン…ブーーン」ガチャ ゴロン

女戦士「済まん…任せた…」ヨロ ポタポタ

ローグ「頭…止血を…」ヨロ

『簡易前哨基地』


回復魔法!回復魔法!回復魔法!


魔女「他に治療が必要な者は居らぬか?」ノソ

アサシン「私だ…」ズルズル ドサリ

魔女「全身撃たれてボロボロじゃな…回復魔法!」ボワー

アサシン「機械を舐めすぎていた…ふぅぅ体の欠損が無くて良かった…」

女戦士「私もだ…あの連射するデリンジャーは危険すぎる」

アサシン「あれは撃ち始めて2秒後にエイミングを修正して偏差撃ちをして来る…普通には避けられない」

女戦士「やはりな…ハイディングを駆使するしか戦い様が無いな」

アサシン「ワイヤーを使った不規則な動きはまだ通用していた様だな」

女戦士「狙いを修正してくる前に転進すれば良いという事か…」


タッタッタ


レンジャー「戦利品を回収して来た…大量の魔石を入手したぞ」ザラザラ

女戦士「出来るだけ傷んで居ない小型の機械は製鉄所に運んでおいてくれ…あとで分解する」

レンジャー「分かった…キラーマシンの部品もそこに運べば良いか?」

女戦士「何台ある?」

レンジャー「20台程…コバルトが沢山使われているから貴重な資源になる」

女戦士「ふむ…それより次の戦闘に控えていた方が良いな」

レンジャー「いや…状況は既に知られた筈…もう来ないだろう」

女戦士「それなら良いが一応警戒だけしておこう」

レンジャー「多分向こうは機動隊による伏兵だと思っただろう…戦い方が似て居たからな」

女戦士「機動隊がそれ程怖いか?」

レンジャー「白狼と同じくらいには…」

アサシン「被害を増やしたくないのだろう…こちらは死者ゼロ…向こうは全滅」

レンジャー「敵に武器を与えたくないのもある…今の戦いで得た戦利品は価値が高い」

女戦士「なるほど…では少し体を回復させるか」

レンジャー「それが良い…警戒は俺の部隊でやる」

『製鉄所』


エンヤー コーラ ドッコイセー


ドワーフ「こらたまげたでぇ…娘さんこない沢山の機械どうするんや?」

女戦士「コバルトが沢山使われて居るのだ…これがあれば超硬合金が作れる」

ドワーフ「武器の材料でっか?」

女戦士「いや…鎧が欲しいな」

ドワーフ「切削できまへんで…」

女戦士「切削は私がやる…超硬合金で鎧が作れればデリンジャーの弾も跳ね返すだろう」

ドワーフ「ごっつい鎧になりそうでんなぁ?」

女戦士「私は少し地上に出るから製鉄所は任せる」

ドワーフ「温泉でっか?」

女戦士「そうだ…少し傷を癒したい」

ドワーフ「まかせときなはれ~」エンヤー コラー

女戦士「ローグ!!退魔の砂銀はお前が持ってくれ…私は小型の機械を運ぶ」ヨッコラ

ローグ「ムリせんで下せぇ…大分撃たれやしたよね?」

女戦士「いや…この機械はそれほど重くない…材質は何だ?」サワサワ

ローグ「そうなんすか?」

女戦士「驚きだな…これは金属では無い…樹脂の類だ…こんなに硬質に作れるのか…」コンコン

ローグ「やたら弾を発射して来たんすが…中身どうなってるんすかね?」

女戦士「妹に分解させようと思うのだ」

ローグ「姉さんよろこびそーっすね…」

女戦士「うむ…早く地上に出たいからハイディングしながら移動するぞ」

ローグ「へい!!あっしに付いて来て下せぇ…ハイディング!」スゥ

『坑道_縦穴手前』


女戦士「ええい…撃たれた所に弾が残っていて痛む…うぅぅ」

ローグ「あっしが処置しやしょうか?」

女戦士「こんな所で出来る訳無いだろう…回復魔法も貰えん」

ローグ「足の付け根っすね?アラクネーの毒を持ってるんで痛みはしやせん」

女戦士「…」ギロ

ローグ「一瞬で終わりやす…ただ麻痺毒が抜けるまでちぃと横になってて貰いやすが…」

女戦士「早くやれ!」

ローグ「足の付け根なんで脱がさせて貰いやすぜ」ゴソゴソ

女戦士「…ぅぅ…そこだ…そこが痛む」

ローグ「分かりやした…骨に当たってるんすね…麻痺毒打ちやす…」チク

女戦士「…」

ローグ「ちぃと顔を背けてて下せぇ…自分の体切られるのは見たく無いっすよね?」

女戦士「フン!」クル

ローグ「3…2…1…」


スパ ゴソゴソ コロン…コロコロ


ローグ「終わりやした…圧迫で止血してるんでこのエリクサーを一口飲んでくれやんす」スッ

女戦士「なるほど痛まん…」ゴク

ローグ「傷が塞がるまでちっとこのままっす」グググ

女戦士「お前は私を脱がしたかったのだろう?」

ローグ「バレやした?…でもこれで傷みが無くなりやす」

女戦士「こうも正直だと怒る気にもならん」

ローグ「麻痺が無くなるまで小一時間掛かるんで寝てても良いっすよ?」

女戦士「…」ギロ

ローグ「へい…寝てる間に目の保養をさせて貰いやす」

女戦士「こんな状況で寝られる物か!」

ローグ「取り出した弾丸…これ9mmって所っすかね」

女戦士「デリンジャーの弾より一回り小さい」

ローグ「こんなんが連射されるのはかなりキツイっすね」

女戦士「うむ…キラーマシンよりもよほど厄介だ」

ローグ「あっし思ったんすが小型の機械は丈夫な機械じゃないんで爆弾使って倒した方が良さそうっす」

女戦士「そうだな」

ローグ「姉さんがキーマンっすね…小型爆弾をバンバン撃てるんで…」

女戦士「例の特殊弾倉の新兵器か…アレの量産は大変だな…」


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『朝_広場の焚火』


リリース! スゥ…


女海賊「うわ!!びっくりしたぁ!!あんた何やってんのさ!!」

ローグ「こっちもびっくりしやしたよ…姉さんにお土産持って来たんす」

女海賊「砂銀か…早かったね」

ローグ「そらハイディングで移動してきたもんで…」ヨッコラ ドスン

女海賊「んん?何それ?どっから持って来たん?」

ローグ「地下線路にキラーマシンが攻めて来たんすよ…ほんでこれは古代の機械だそうです」

女海賊「ええ!?マジマジ?ちょ…これどうなってんの?」

ローグ「姉さんに分解して欲しいんすよ…連射するデリンジャーが搭載されてるんす」

女海賊「おおおおおおお!!ちょい日の出の観測終わったら早速やるわ」

ローグ「へい…頭も観測がしたいと言って一緒に来て居やすぜ?」

女海賊「お姉ぇは何処行ったん?」

ローグ「温泉に行きやした…そうそう怪我の具合が良くないんで線虫を頼んます」

女海賊「お姉ぇが怪我するって珍しくない?」

ローグ「キラーマシン20台とその古代の機械も20台くらい来たんすよ」

女海賊「ヤッバ!!下の方は大丈夫なん?」

ローグ「ギリギリ防ぎやした…一応死者ゼロでやんす」

女海賊「てか2人でこっちに来て大丈夫なん?戦力ダウンだよね?」

ローグ「なもんで早い所その機械から連射するデリンジャー欲しい感じっすね」

女海賊「おけおけ!何とかするわ」

ローグ「ちっと注意なんすが爆発に気を付けて下せぇ…破壊の剣で切るとドーン!!って感じなんす」

女海賊「あぁぁ分かった…エネルギー部だな…そいつがまだ生きてるならそれも研究できるな」

ローグ「なるほど…あっしは商人さん達にも挨拶してくるんで後は頼んます」

女海賊「盗賊は私の飛空艇で寝てるよ…てか私も飛空艇戻るけど」

ローグ「いつもの場所っすね?後で行きやす」

女海賊「おっけ!!分解やっとくわ」


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『鯨型飛空艇』


カチャカチャ

…なるほどぉ…これがAI部分でこいつに過電流流れてぶっ壊れたんんだ…

中身は9㎜弾ばっか入ってんな…ふむふむ構造は特殊弾倉と似たようなもんか

やっぱこいつもエネルギー部が良く分かんないなぁ…多分この容器に電気が溜まってると思うんだけど…

えーと連射するデリンジャー…これかぁ…砲身が焼けちゃってる…こんなんじゃ狙い定まんないぞ?

連射する仕組みは…なんだこれ?外してみっか!!



女戦士「どうだ?武器を取り出せそうか?」

女海賊「あ…お姉ぇ寝てた方が良いんじゃないの?」カチャカチャ

女戦士「もう10時間程寝たのだが…」

女海賊「あれ?そんな経ってたっけ?」

女戦士「ここは狭間の中だろう?」

女海賊「あぁ忘れてた…私飛空艇に出入りしてるから時間分かって無いのか」

女戦士「時間のかかる作業は狭間の中で行った方が良い」

女海賊「分解もうちょい掛かるから私は飛空艇出ない様にするわ」

女戦士「では私は教会に行って商人と情報を交換してくる」

女海賊「おけ!!」


カチャカチャ

ここが電極…こいつはコイルか…なるほど電磁気力でローレンス力発生させるんだな?

超電導させないとこの長さじゃあんまローレンス力強くない筈なんだけど…

まてよ?材質の問題か?…てことはこのユニットはメッチャ貴重だな


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『教会』


ワイワイ キャッキャ


商人「…地下線路でそんな事が…」

女戦士「もしかするとミネア・ポリスから逃れて来るオーク達が出て来るかも知れん」

商人「キラーマシン500台か…古代の機械まで…」

盗賊「おいおい…ギャングのガキ共はミネア・ポリスに行った筈だろ?放って置けんぞ」

女戦士「機械共は此処を素通りした様にミネア・ポリスも素通りした事も考えられる」

商人「狙いはヒュー・ストンにある箱舟か…」

盗賊「う~む…なんか落ち着かんな…」

商人「ミネア・ポリスは飛空艇で見に行けないのかな?」

盗賊「キ・カイに行くのも一苦労だったんだろう?…詳細な場所が分からん事には無理だな」

女戦士「一つ情報があるのはオーク側にキラーマシン改が渡っている可能性が有る事だ」

商人「ええええ!!?どういう事だい!?」

女戦士「環境省の策だ…恐らくオーク側に渡った機動隊へ戦力として送ったと思われる」

商人「そんな…」

女戦士「キラーマシン改は人の脳が搭載されていて他のキラーマシンの様に命令に服従しない」

商人「まだ戦争の道具として引っ張りまわすと言うのか…」グググ

影武者「割入ります…オークへ魔石を支援するのはどうでしょう?」

商人「君はキラーマシン改にもっと戦えと言うのか?」

影武者「キラーマシンのエネルギーは魔石です…それは相手にも同じ事」

女戦士「ハッ!!そうだ先日大量の魔石を入手した所だ…」

影武者「それが無ければキラーマシンはエネルギー切れで停止します…つまり勝つために必要な支援になります」

商人「相手のエネルギー切れまで耐えれば勝ちか…」

影武者「それでハテノ村はオーク達と決定的な友好となる筈…」

女戦士「影武者…取り引きに行けるのか?」

影武者「任せて下さい…近くのオーク村に伝手がありますので」

盗賊「ようし!!その取り引き…俺が護衛してやる」

影武者「いえ…盗賊さんは人相が悪いので遠慮します」

盗賊「なぬ!?」

商人「ハハそれは仕方ない…」

影武者「オークに守って貰いますので問題無いです」

盗賊「なんだよもう友達になってんのか…」

影武者「それよりも急いだ方が良いので魔石を運搬してくれると助かります」

盗賊「分かった…ハイディングで移動すっから直ぐに持って来れる」

影武者「お願いします」


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商人「…魔石はそんなに沢山入手したの?」

女戦士「トロッコに満載だったらしい…偶然にも私達が相手の補給を断った形になった」

商人「それなら他の補給方法を考えそうだなぁ…」

女戦士「地下線路は一本道でしかも鉄の壁ですでに封鎖してある」

商人「他にもルートあったりするんじゃない?」

女戦士「それはレンジャーに聞いてみないとなんとも…」

商人「どちらにしてもエド・モント側は補給で更にキラーマシンを出動しなければならないから手薄になるね」

女戦士「手薄…攻めるなら今だという見方も出来るか…」

商人「もし先に相手の通信手段を壊してしまえばもっとラクに収まるかもね」



『河原』


タタタタタン! タタタタタン!


女海賊「だぁぁぁ何だコレ…全然狙い定まんないじゃん」

女海賊「飛距離もクロスボウ以下だ…接近武器だよコレは…」

女海賊「てか弾の消費が半端無いし重くて持ってらんないわ…クソ武器確定!!」

女海賊「やっぱエネルギーを魔石で代替すると色々能力落ちるんだろうなぁ…」

女海賊「まてよ?プラズマ銃と同じかもしんないな…一発づつ撃てばイケるんか?」


タン! シュン!!


女海賊「うわ…飛距離伸びた!!そういう事か…短いリロードが必要か…」

女海賊「弾を発射するタイプだと精度上げるなら長い砲身が必要になる…邪魔になるなぁ」

女海賊「クロスボウのボルトなら砲身無くてもソコソコ真っ直ぐ飛ぶ…改造してみるか」

女海賊「私の特殊弾倉と合体してみるか…もしかしたらクロスボウより良いかも…」


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--------------

『鯨型飛空艇』


カンカン ゴシゴシ


女戦士「…もうすぐ日の入りだぞ?」

女海賊「あ!お姉ぇ…六分儀そこにあるから星の観測お願い…昨日の分はメモ取ってある」

女戦士「ふむ…新しい武器を作って居るのか?」

女海賊「例の連射するやつ使い物になんないからさ…ちっと改造」

女戦士「私はアレに撃たれて痛い思いをしたのだが?」

女海賊「あれは接近武器なんだ…弾をメッチャ使って当てる感じの武器」

女戦士「確かにそうだったな…」

女海賊「そんな沢山の弾を持ち歩けないからあんま意味無いんだよ」

女戦士「まだ地下に沢山あるのだがな…」

女海賊「えとね…今作ってんのがクロスボウのボルトを撃つ装置…多分飛距離伸びる」

女戦士「ふむ…」

女海賊「飛距離と精度が一番重要なんだって…これなら量産しても良いよ」

女戦士「見せてみろ…ほう?クロスボウよりも簡単そうだ」

女海賊「でしょ?ほんで雷の魔石で動くのさ…よし!!試し撃ち…ちょい来て!!」スタタ ピュー


---------------


女海賊「いちおう照準付けて狙って見るか…」カチャカチャ チャキリ

女戦士「撃ってみろ…」

女海賊「いくよぉ!!」カチ


タン! シュン!


女海賊「おぉぉぉ!!ヤバ…これ有効射程300メートルくらいあるかも…」

女戦士「では小さな重装射撃砲だな」

女海賊「特殊弾に火薬仕込んだらかなりイケると思う…もっかい」カチ


タン! シュン!


女海賊「ふむふむ…特殊弾の製造バラツキ分ちょっと狙いがズレる…よし!弾が回転するように作って見るか…」

女戦士「フフ…私は星の観測に行くから良い武器に仕上げろ」スタ

『大型気球』


ヨッコラ ドスン


盗賊「よーし…とりあえず石炭と要らん骨類は積めるだけ積んだ」

ローグ「魔石はそれだけで良いんすか?」

影武者「ひとまず十分だよ…もっと欲しいならこっちに来る様に促すのさ」

盗賊「なるほど…やっぱお前賢いなぁ」

影武者「じゃぁ僕はいつもの傭兵3人連れて行って来る」

盗賊「しばらく帰って来ん感じだな?」

影武者「う~ん…オークがちゃんとミネア・ポリスまで案内してくれれば2~3日で戻ると思うんだ」

盗賊「まぁ気を付けて行って来い」

影武者「うん…じゃぁ」ノシ


フワフワ パタパタ


--------------

--------------

--------------

『広場』


キリキリキリ カチッ


女戦士「やはり昼が相当長い…南半球の中緯度域に入ったくらいか…」

盗賊「おろ?今日は女戦士が観測やってんのか…女海賊はまた作り物か?」

女戦士「その通り…」

盗賊「ほんでどうよ?」

女戦士「方角がしっかり分かるようになって来たぞ?北と南が入れ替わったと言えば分かるか?」

盗賊「やっぱりな?情報屋が言ってた通りだ」

女戦士「地下に籠っていると地軸が移動したのは全然分からん…こうして観測すると大変な事が起きていると実感する」

盗賊「北の大陸とかどうなっちまってんだろうな?」

女戦士「我々人間はつくづく見えている範囲の事しか分からんのだな」

盗賊「うむ…ほんでよう?月の動きがおかしく無いか?」

女戦士「その様だ…右へ行ったり左へ行ったり」

盗賊「ありゃ縦周りになってんだよな?」

女戦士「南極星の側に有るのだがここから見ると北にある様に見える…不思議な動きだ」

盗賊「ほんで前よりでかくなってんだろ?」

女戦士「恐らく楕円の起動になってしまったのだろうと思う」

盗賊「塩の満ち引きとかかなり影響出そうだ」

女戦士「確かに…」


タッタッタ


女海賊「お姉ぇ!!私ちっと地下行って来るわ」スタタ

盗賊「お!?急にどうした?」

女海賊「コレ見て!!例の連射する銃を改造したんだ」チャキリ

盗賊「ほう?」

女海賊「同じように改造したらメッチャすごいクロスボウになる」

盗賊「んん?クロスボウに見えんが…」

女海賊「弾がクロスボウのボルトなんだ見てて」カチ


タン! シュン!


女戦士「危ないからここで不用意に撃つな!」

盗賊「弾が見えんな…何処行った?」

女海賊「有効射程300メートルくらい…最大射程1kmくらいある」

女戦士「同じ物を作りに行くのか?」

女海賊「私のは特殊弾を撃つんだけど汎用でクロスボウのボルト撃つタイプも作ってみたいのさ」

女戦士「まぁ地下での戦力増強になるならやって構わん…気を付けて行け」

女海賊「ハイディングしながら行くから速攻だよ…ほんじゃ行って来る!!」スタタ ピューー

盗賊「ヌハハ元気そうだ…アイツいつ寝てるんだ?」

女戦士「好きな事をやっている時は眠たくならんのだ…私も星の観測は飽きん」キリキリ カチャリ

盗賊「確かに…俺もお宝物色は寝んでやるわ…おーし!!遺跡掘りにでも行ってくっか!」スック

『地下_簡易前哨基地』


タタタタタン! カシャカシャ…


狼女「魔女!!今!!」ピョン クルクル シュタ

魔女「雷魔法!」ビビビ

小型の機械「プスン…ブーン」ゴロゴロ ドテ


リリース! スゥ


女海賊「おぉ!!?これどういう事?」キョロ

魔女「おぁ良い所に来たのぅ…主の線虫が必要じゃ」

女海賊「ええ!?戦闘やってんの?」

狼女「散発的にこの小型の機械が襲撃してくるんだ…私警戒してくる」スタタ

女海賊「怪我してんのは兵隊達だね?」

魔女「うむ…わらわが回復魔法を掛けてしまうと食らった弾が体内に残ってしまうのじゃ…線虫でゆるりと癒した方が良い」

女海賊「なるほど…弾は自分で気付いて取らないとダメな訳か」

魔女「そうじゃ本真に厄介な敵じゃ」

女海賊「アサシンは?」キョロ

魔女「機械はゾンビ達を襲っては来ぬ故かなり先の方へ出て警戒中じゃ」

女海賊「なるほど…それで対処出来てるんか」

魔女「急いで怪我人に線虫を頼む」

女海賊「おけおけ!」


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--------------

--------------

『製鉄所』


ドッコイセー ドッコイセー ハァ~~~♪


ドワーフ「娘さんやないか!!どうしたんや?」

女海賊「ここのガラクタ勝手に改造しちゃうよ!!」

ドワーフ「邪魔やったんや…早うのかして欲しいわ」

女海賊「お!!?ちょうどキラーマシンのクロスボウあるじゃん…よーし!こいつに組み合わせよう」

ドワーフ「散らかさんでな?」

女海賊「はいはい…えーと…例の電磁力ユニットだけ外して…」カチャカチャ


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--------------



『地下線路』


トンテンカン! トンテンカン!


レンジャー「トロッコの装甲強化急げ!」

狼女「レンジャー!!アサシンから連絡…ここから一つ目の分岐で小型の機械が止まってるらしい」

レンジャー「むむ…バン・クーバー方面か…直通はして居ないが線路載せ替えでミネア・ポリスには向かえる」

狼女「どうする?迎撃する?」


タッタッタ


女海賊「新兵器持って来たヨ!!」ガチャガチャ

レンジャー「んん?なんだそれは?」

女海賊「強化クロスボウって感じ?ちょい見てて」チャキリ

レンジャー「ボルトを発射するのか…」


ダン! バヒュン!!


女海賊「痛った!!ボルト撃つと反動があるのか…」ヨロ

レンジャー「飛距離は?」

女海賊「有効射程だと100~200メートルだと思う…超強化クロスボウだね」

レンジャー「使えるな…いくつある?」

女海賊「8台作った…ちょい持ってくるからトロッコに装着しててよ」スタタ ピュー

狼女「これがあれば迎撃に行ける?」

レンジャー「行けそうだ…8台あれば近付く前に撃破出来る筈」

狼女「アサシンに伝えて来る」シュタタ

『重装トロッコ』


ガチャガチャ


レンジャー「ふむ…発射部を電磁力にしただけの単純な構造…メンテナンスしやすい」

女海賊「でしょ?こういう武器が一番使えるんだよ…今までのボルトそのまま使えるし」ガチャガチャ

レンジャー「これなら俺達でも作れるな」

女海賊「こっちに突進してくる相手ならメチャ当てやすい筈…射程活かして戦えるよ…よーし!!」

レンジャー「んん?」

女海賊「突撃すんじゃ無いの?さっさと出発しろよ!!」イラ

レンジャー「突撃だと?」

女海賊「こんだけ火力揃ったんだから相手が動く前にやっちゃわないと裏取られる…ほれ全軍出撃ぃぃ!!」ビシ

レンジャー「魔女がまだ乗って居ない」


”魔女?聞こえる?今すぐトロッコに乗って…火力ぶっぱでぶっ潰す”

”なぬ?今動けるの10人程度しか居らんが…”

”だから火力ぶっぱで押し込むのさ…こっちにはインドラ銃もある…大丈夫”

”ふむ…主を信じて見ようかのぅ…”


レンジャー「んん?インドラ銃とは何だ?」

女海賊「有効射程2kmの超高精度でインドラの光を落とせるのさ…この線路なら向こうは丸裸も同然」

レンジャー「そんな兵器まで…」

女海賊「私の眼を見て…」クルリン

レンジャー「蒼眼…」

女海賊「そゆ事…アンタが追ってた白狼は私の旦那と子供…まぁ私のやり方見て付いて来な」

レンジャー「フフ見せて貰おうか…勇者の力を」



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-------------


ノソノソ


魔女「急に決めるのじゃのぅ…」

女海賊「はい乗った乗った!!」

レンジャー「一旦アサシンと合流で良いんだな?」

女海賊「ほんなん確認しなくても分かるじゃん…さっさと動かして!!」

レンジャー「総員!前進だ…目標分岐点A…後にエド・モント方面から来る敵を排除する!!」

女海賊「アンタなんか堅いんだよなぁ…ふぁぁ~あ…ちっと私寝るから着いたら起こして」ドタ グゥ…

魔女「やれやれじゃのぅ…」


ヒラヒラ パタパタ


魔女「ほう?妖精が居ったか」

妖精「ハロハローやっと寝たか…」

レンジャー「妖精まで味方につけて…」

魔女「主にも見える様じゃな?これ妖精!眠らせたのはお主か?」

妖精「興奮してずっと寝て無いのさ…どれくらいかなぁ…狭間の中も合わせて5日くらい?」

魔女「ふむ…では仮眠を取らせた方が良いな」

『分岐の手前』


キキー ガッコン


アサシン「トロッコ1台前方に連結させるぞ?」ガチャン

レンジャー「分かった…フフ…オークゾンビにトロッコを動かさせていたか」

アサシン「さてここから少し先に小型の機械が3台程停止している」

レンジャー「分岐を守備しているか」

アサシン「恐らくな?小型の機械では分岐を変える事が出来ないから待機しているのだ」

レンジャー「分岐の向こう側にはまだ退魔の砂銀を撒いて居ないからグレムリンが居る事も想定される」

狼女「その分岐の場所は広いからそこまで敵が来られると排除に厄介…」

レンジャー「さてどうする?」

魔女「これ起きんか!」ユサユサ

女海賊「むにゃー」スヤ ドテ

アサシン「向こうにまだ動きは無いが…」

女海賊「誰だよ蹴ったのは…」ムクリ

魔女「自分で転がったのじゃタワケ…寝ながら下を触るクセをなんとかせい!」

女海賊「ハッ!!やば…バレた…」ズボ

レンジャー「…」アゼン

アサシン「お前には呆れる…状況を考えろ」

女海賊「寝てたんだからしょうがないじゃん!ほんで今の状況は?」フキフキ

アサシン「現在地は分岐の手前2kmだ…小型の機械は分岐を変えられず停止したまま動かない」

女海賊「向こうに明かり無いよね?」

アサシン「ある訳無いだろう」

女海賊「ゾンビに照明魔法掛けた砂銀持たせて奥まで行かせられる?」

魔女「ほう?名案じゃのぅ」

アサシン「なるほど…10体ほど近くに待機させてあるが…」

女海賊「出来るだけ向こうまで行かせて欲しい…後は私が狙撃する」

アサシン「分かった…魔女!照明魔法を」

魔女「ちと待てい!照明魔法!照明魔法!照明魔法!」ピカー

アサシン「ゾンビ共来い!明かりを持って線路に沿って進み続けろ」


ヴヴヴヴヴ ガァァァ… ヨタヨタ

『30分後』


女海賊「分岐見えた!!射撃するからトロッコ動かして!」チャキリ

レンジャー「占拠するのだな?」

女海賊「てかそのままゾンビの後付いて進むのさ」

レンジャー「その先は退魔の砂銀を撒いて居ない…他の魔物も居るぞ」

女海賊「構うもんか!!火力ぶっぱで進めるだけ進む」

アサシン「クックックお前の作戦は単純で分かりやすい」

レンジャー「分岐の横からも来るかも知れんぞ?」

女海賊「うっさいな!後ろから来た奴も倒せば良いだけじゃん…狭い線路なんだから火力ぶっぱで何とかなる!!」

狼女「フフ後ろは見て置く」スタ

レンジャー「分かった!総員微速前進…ゾンビの歩測に合わせろ」


ガコン ゴトゴト


女海賊「おーし!!撃っちゃうよ…爆風来るからトロッコに隠れて」カチ


シュン! チュドーーーーーン!!


女海賊「もういっちょ!!」カチ


シュン! チュドーーーーーン!!


女海賊「おっけ!!3台ともバラバラになった…爆風来るよ!!」


ブォォォォォォ


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『進撃』


ドーン! ドガーン!!


女海賊「重装射撃砲イイネ!!敵が射程に入ったらどんどん撃って」

アサシン「圧倒的火力だな…」

女海賊「撃ち漏らしたやつは強化クロスボウで狙って!」


ダン! バヒュン! ダン! バヒュン! ダン! バヒュン! ダン! バヒュン!


魔女「退魔の砂銀を撒くのも忘れるで無いぞ?」

レンジャー「やってる!!」バシュン バシュン

女海賊「よしよし…敵のトロッコ全部回収出来そう」

アサシン「もうキラーマシンは殲滅したか?」

女海賊「余裕だね…ちっこい機械は強化クロスボウで一発だし」

アサシン「これはエド・モント砦までこのまま行けそうだな…」

女海賊「弾切れまで前進するよ…もうゾンビは引き上げて良い!インドラの銃で前方撃ちながら行けば大体わかる」

アサシン「分かった…トロッコの連結をやらせる」

女海賊「爆風だけ注意してね…」カチ


シュン! チュドーーーーン!


女海賊「おぉ見える見える…デカいの何体か居るから重装射撃砲で狙って!」

魔女「これは忙しいのう…照明魔法!」ピカー

女海賊「その砂銀一杯作って!私が前方に打ち込むから」

魔女「うむ…」

女海賊「明かり行くよ!!」


タン! シュン! ピカーーーー


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『翌日_ハテノ村の教会』


”なに?エド・モント砦へ向けて進撃しているだと?”

”そうじゃ…倒したキラーマシンからボルトを回収しつつ進んで居る”

”口ぶりからして余裕そうだな?”

”うむ…新しい強化クロスボウがなかなか強くてのぅ…グレムリンも寄せ付けぬ”

”そうか魔物掃討も兼ねているか…”

”こちらは問題ない故に主は少し休息しておれ”

”悪いな…撃たれた場所が丁度足の関節で不自由していた所だ”

”また何か有ったら連絡するぞよ…ではのぅ”


商人「…やっぱり女海賊居ると違うみたいだね」

女戦士「無茶しなければ良いがな…」

商人「まぁインドラの銃が有るからねぇ…真っ直ぐな線路だと圧倒的に有利だよね」

女戦士「逆に魔女と女海賊が不在の今…ここで怪我人を出す訳にイカンな」

商人「あぁ実はね…子供達の回復魔法がなかなか良くなって来ててさ」

女戦士「ほう?回復魔法を使う者が居るか…」

商人「傭兵の中にシン・リーンで修行した人も居るんだ」

女戦士「そうだったか…」


タッタッタ


盗賊「お~い!!古代遺跡の入り口が出て来たぜ?」

商人「おぉ!!早かったね」

盗賊「他の兵隊とドワーフ達が手伝ってくれてよ…情報屋も来た方が良いぜ?」

商人「情報屋はまだ歩けないんだ…どうしようかな」

盗賊「俺が背負って行く…お前等先に行っててくれ」

『古代遺跡』


ヨッコラ セット


盗賊「ほら着いたぜ?あん時のままだろ?」

商人「やっと来たね…遺物が沢山残って居たよ…ホラ?」

情報屋「これは…」

商人「ホムンクルスの外部メモリさ…僕達はあの時見落としていたんだ」

情報屋「そうだったのね…確かにあの時は噴火で慌てていたわね…」

商人「他にもたくさんある…こっちだよ」

盗賊「おいおい無理させんな…俺の肩に掴まって歩け」

情報屋「ありがとう…」ヨロ

商人「やっぱり相当具合悪そうだな…」

情報屋「貫通したボルトが背骨の近くを抜けて行った様なの…片足に力が入らない」

盗賊「まぁゆっくり治せば良い…足の役にくらいなってやる」グイ

情報屋「走れないだけよ…ゆっくりなら歩けるから」ヨロ

商人「じゃぁゆっくりおいで…」

『古代遺跡_下層』


スタスタ


情報屋「壁画!!」ヨタヨタ

商人「これもだよ…謎の容器…これの上に外部メモリが乗ってたんだ」

盗賊「中に何が入ってんだ?」

商人「僕には開けられない」

盗賊「貸してみろ」

商人「ちょっと待って…盗賊にはこっちの鍵穴をどうにかして欲しい」

盗賊「んん?」

商人「ここの機械を動かす為の鍵さ…鍵を探しても見当たらないんだ」

盗賊「わかった…ちょっと待ってろ」ガチャガチャ

商人「どう?解錠できそう?」

盗賊「こりゃ解錠ってもんじゃ無いな…新しく鍵作らにゃイカン」

商人「先にこれを優先して欲しい」

盗賊「わーーったよ…他のお宝には手を付けんな?俺が頂く…」

商人「もう女戦士が手を付けちゃてるけどね」

盗賊「おいおい…先にこの遺跡を見つけたのは俺だぞ?ってか扉開いたのも俺だ」

女戦士「フフ…お前にコレが組み立てられるのか?」カチャカチャ

盗賊「おお!!そらデリンジャーじゃ無いのか?」

女戦士「組みあがったらお前が使っても良いだろう」

盗賊「その言葉忘れんな?じゃぁちっと鍛冶場まで走って来る」ダダ

商人「ふ~む…僕達は教会で寝泊まりするんじゃなくてこっちの方が良さそうだ」

女戦士「それなら掃除しておけ…」

商人「ローグも呼んで来る」

女戦士「お前が掃除すれば良いだろう…」

商人「手分けした方が早いのさ…」タッタッタ

『半日後』


ブーーン ピピピ


商人「動いた…名もなき島と同じだ…」

盗賊「ほんじゃ俺はこのデリンジャーを頂くぜ?」

女戦士「それは私の物と少し違うぞ?」

盗賊「ちとデカいな?」

女戦士「単発で特殊な弾を使う様だ」

盗賊「ぬぁぁぁ使え無ぇじゃないか」

女戦士「ラッパ状の砲身からして散弾する弾だな」

盗賊「作ってくれよぉ…」

女戦士「丁度銅貨が20枚ほどその弾の入る場所に収まる…注意しながら試してみろ」

盗賊「ほう?銅貨をぶっ放す訳か…面白れぇ!やってみる」

女戦士「爆発の恐れがあるからそのつもりでな?」

盗賊「わーったわーった!!ちっと外で試してくんな」ダダ


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女戦士「この遺跡はどういう場所だ?」

商人「なにかの研究所さ…石板の図からして軍事研究所…かな?」

情報屋「恐らく剣士と未来君がここを拠点にして居たのよ…世界地図が記されて居るのは目的地を探す為ね」

商人「ここでもホムンクルスが作れるよね?なんでだろう?」

情報屋「その当時はホムンクルスがお手伝いさん役なのよ…だから色々な場所で作られた」

商人「なるほど…いつの時代か分かる?」

情報屋「この遺跡自体は大体6000年前…でも剣士と未来君がここに居たのは大体4000年前ね」

商人「あれ?なんか今までの法則から外れて居ないかい?」

情報屋「そうね…でも理由は分かってる…」

商人「??」

情報屋「剣士も未来君もそれぞれの時代で生きて何十年も過ごしているの…だから過去に戻るのは700年ピッタリじゃない」

商人「あぁそういう事か…」

情報屋「今まで私が言ってたのは大体700年づつ飛んでいるという話…実際には数年から十数年づつズレてる」

商人「なら随分歳を取ってるのか…」

情報屋「結論を言うと未来君はこの場所で老衰によって眠りについた…」

女戦士「老衰…」

情報屋「そう…生き抜いた最後に月を見上げた場所はハテノ村だった…壁画からそう読み取れる」


でもエルフの血が濃い剣士はまだ若かった…

だからその先も過去に戻ってオークの地に予言を残せた


女戦士「未来の骸は何処に?」

情報屋「壁画を見て?」ユビサシ

商人「オークに連れられて…これは何処だ?何の建物だ?」

情報屋「それは超古代メソポタミア文明の有った地…今で言う暁の墓所」

商人「君の予測は正しかったんだね…」

情報屋「この壁画を見れば女海賊も暁の墓所へ行く決心がつくかもしれない…残念だけど未来君はそこに居る」

商人「ちょっと待って…未来君が眠りについたならこの壁画を残せる訳が無い」

情報屋「それは剣士が掘った物よ…未来君が残した壁画はこっち」

商人「そっちか!!あぁ確かに全然出来が違う…」

情報屋「剣士は未来君の行く先を私達に伝える為に書き残したのね」

女戦士「未来の壁画…未来が箱舟に乗って居るでは無いか…」

情報屋「フフそうね…もしかしたら月に行ったのかも知れない」

商人「いや待って!薬と虫を奪って逃げてる画だ」

情報屋「え?虫はいつも未来君が持って…あら?虫の形が変わってる…」

商人「これ僕なりの考察がある…ちょっと待ってまとめるよ」


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『壁画』


…クジラが箱舟を引っ張って海へ行った

そうだ箱舟はもう飛べなかったんだ

何故なら既に光る隕石で破壊されていたから…

崩れそうな箱舟の中から取り出したのは薬と虫

天秤に掛かってるのは未来君と…その薬と虫…

つまりオークと取引をしたんだ

剣士は薬と虫を何処かに隠した…それがこのハテノ村だ

取り引きの条件は何だ?


ダダダダ


盗賊「いよーう!!これ最高のデリンジャーだな?」

ローグ「盗賊さんだけズルいっす…」ダダ

商人「あ…盗賊!良い所に戻ったね…この謎の容器を開けて欲しい」

盗賊「おう…どうしたのよ?みんな神妙な面してよ?」

商人「ハハ今謎が解けそうなのさ…この容器を開けてよ…多分中に薬と虫が入ってる筈なんだ」

盗賊「アホか!!それじゃ開ける楽しみが無くなるだろ!!ヨコセ」グイ

商人「あぁゴメンゴメン」

盗賊「ほー…こりゃ中身真空だな?どうにかして空気入れりゃ開くぞ?」カチャカチャ


シュポン!!


盗賊「なんだ簡単に開くじゃ無ぇか…ゆっくり出すぞ?」ソローリ

商人「ビンゴだね…液体の詰まった容器と…これなんだ?ダンゴムシかな?」

女戦士「見せてみろ」ズイ

盗賊「指輪とアダマンタイト…どういう事よ?」

情報屋「見せて?…これは祈りの指輪」

女戦士「未来の持ち物で間違いなさそうだ…」ガク

情報屋「女海賊には見せにくいけれど…やっぱり間違いない」

女戦士「容器に仕舞っておいてくれないか…私達が先に開けたのは心象悪い」

商人「あぁそうだね…女海賊の帰りを待とうか」

ローグ「な~んか皆さん雰囲気悪いでやんす…」

女戦士「うるさい!お前は遺跡の掃除をやれ」

ローグ「ええええ?あっしだけ掃除するんすか?」

盗賊「おい!言う事聞いておけ…ありゃ相当機嫌の悪い顔だ」

ローグ「盗賊さんは一緒に掃除手伝ってくれやすよね?」


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『夜』


メラメラ パチ


商人「情報屋に僕の考えを行っておくよ…」

情報屋「まとまったの?」

商人「まぁね…まずは箱舟が有ると言われてるヒュー・ストン…この場所は既に存在しない」

情報屋「光る隕石ね?」

商人「この壁画には掛かれて居ないけど恐らく4000年よりもっと前に無くなってると思う」

情報屋「壊れかけの箱舟がそういう意味を持つという解釈ね」

商人「そう…そしてその箱舟はクジラによって此処に運ばれた…ハウ・アイ島」

情報屋「では公爵の行動が正解だった訳ね」

商人「うん…でも大事な物は僕達が持ってるこの謎の薬とダンゴムシの死骸」

情報屋「それは何だと思って居るの?」

商人「さぁ?ただオークシャーマン…いやアヌンナキにとっては大事な物…それを剣士と未来君が奪って逃げたのさ」

情報屋「フフ面白い…私と違う説を聞くのはワクワクするわ」

商人「よーしもっと言うぞ?」


魔王の話からしようか…

魔王は実体を持たない怨念の塊…この世界で影響力を得るためには器が必要だった…

アヌンナキも同じ様に素粒子と言われる実体の無い集合意識

この世界に影響力を持つ為にはやはり器が必要で…それが魔力の最も高い処女のオーク

それがオークシャーマンだった

僕が思うにそのダンゴムシこそアヌンナキの本当の器なんじゃないかと思って居る


情報屋「それを奪われたと?」

商人「そうだよ…そしてその液体はアヌンナキが集めていた遺伝子の集合体じゃ無いかな?…言い換えれば命の水」

情報屋「それは私と意見が一致するわ」

商人「剣士と未来君はそれを使ってアヌンナキと取り引きしたんだと思う…正確には剣士かな」

情報屋「と言うと?」

商人「未来君を現代に蘇らせればソレを帰すと言う約束…それがオークと交わした契約じゃないか?」

情報屋「え!!?ビックリ発想…確かにそれなら動機が十分…」

商人「その約束を現代で果たす前に何千年前だったかな?…多分オークシャーマンに会ってるんだ」

情報屋「なるほどその時には剣士も未来君も何の事か分からない…だから喧嘩別れの形に…」

商人「それともう一つ…未来君は最後に月を見上げたそうだね?」

情報屋「女海賊の話ではそうね…」

商人「まだある…未来君が言っていた言葉だ…僕はダンゴムシになる!」

情報屋「え!!?…まさか…」

商人「そう…祈りの指輪を使って未来君はダンゴムシになった可能性が高い…つまりそのダンゴムシは未来君だ」

情報屋「じゃぁ暁の墓所に行ったのは…」

商人「魂の抜け殻かな…未来君の魂はそのダンゴムシで眠って居るんだよ」

情報屋「話が飛びすぎよ…」トーイメ

商人「まぁ僕の勝手な考察だけどね…」

情報屋「でも無酸素の極限状態でも生命活動を再開する虫は沢山居る…」

商人「お!?だとすると生きてるかも知れない…記憶を保持してるかどうかは別だけど」


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『遺跡の外』


ヒソヒソ ヒソヒソ


女戦士「…」---未来がダンゴムシに…---

ローグ「頭ぁ…寒いんで石炭で暖を取りやしょう」ゴソゴソ

女戦士「静かにしろ…商人と情報屋の話声が聞こえなくなる…」

ローグ「へい…寒さは傷に良くないもんすから温まって下せぇ」メラメラ

女戦士「お前も話を聞いているか?」

ローグ「あっしは元諜報員ですぜ?丸聞こえでやんす」

女戦士「まだ女海賊には話を伏せておけ」

ローグ「分かっていやす」

女戦士「それとあのダンゴムシから目を離すな…私は未来が何処に居るのか分かって来た気がする」

ローグ「ええ!!?」



-------------



『エド・モント砦_チカテツ街道のような所』


タタタタタン! カンカン キン


女海賊「くそう!!やっぱ広い場所は集中砲火食らうな」

レンジャー「もう重装射撃砲は弾切れだ…ここは引くべき」

女海賊「何言ってんのさ!!向こうの重装射撃砲の横に弾あるじゃん!」

アサシン「あの弾をこちらのトロッコに積めば良いのだな?」

女海賊「ゾンビ操って全部回収して…リカ姉ぇ!!2人で時間稼ぎするよ」

狼女「例の奴で?」

女海賊「今使わないでいつ使うの!!」

狼女「分かった…落下にだけ注意して」

レンジャー「何をするつもりだ?」

女海賊「強化クロスボウで援護して!!行く!!」パシュ シュルシュル

狼女「私も!!」パシュ シュルシュル

魔女「無茶苦茶じゃのぅ…引き返す準備をしておくのじゃ…ボルトが切れてしもうたら終いじゃ」

レンジャー「なんだあの2人の動きは…」

魔女「見とれておる場合では無い!!雷魔法!」ビビビ


ドーン ドーン ドカーーーン!!


レンジャー「飛びながら爆弾を併用している…ようし!注意があちらに行くなら…」タン! バヒュン!

魔女「ええい影からレイスも湧いて来よるぞ」

アサシン「分かっている…レイスは任せろ」ダダ ブン

レイス「ンギャアアアアアア…」シュゥゥゥ

レンジャー「残りのボルト残弾に注意しながら前方の2人を援護だ…しかしあの2人…早すぎる」

『空中』


パシュン シュルシュル ヒュン! ヒュン!


女海賊「遅いんだよ!!」バシュン バシュン


ドーン! ドーン!


女海賊「なるほど上への射撃は出来ないんだな?あのちっちゃい機械は…」バシュン バシュン

狼女「3つ首の犬が居る!!アレに集中して!!」ピョン クルクル シュタ

女海賊「おっけ!!インドラの光食らえ」チャキリ シュン! チュドーーーン

狼女「こっちも!!」ピカーーーー チュドーーーン


タタタタン! タタタタタン!


狼女「くぅぅぅ…」パシュ シュルシュル

女海賊「リカ姉ぇ!!」バシュン ドーン

狼女「足撃たれた…」

女海賊「線虫!!癒せ!!」ニョロ

狼女「ワイヤー伝って少し下がる…」パシュ シュルシュル ピョン

女海賊「あんにゃろう…」チャキリ バシュン バシュン バシュン バシュン


ドーン! ドーン! ドーン! ドーン!

『重装トロッコ』


タン! バヒュン!


レンジャー「あの攻撃を一人でやっているのか…」タジ

魔女「リカオンが撃たれた様じゃな…」

アサシン「援護射撃を緩めるな!」

レンジャー「…」タン! バヒュン!


ピョン クルクル シュタ


魔女「撃たれた箇所に弾は残って居りそうか?」

狼女「太ももに違和感…ハァハァ」ポタポタ

魔女「ちぃと痛むぞよ?」ゴソゴソ

狼女「はぅぅぅ…」グググ

魔女「回復魔法!」ボワー

狼女「ハァハァ…取れた?」

魔女「うむ…」ポイ カラン

狼女「じゃぁもう一回…」スック

アサシン「いや撤収だ…ボルトが底を付く…重装射撃砲の砲弾を積み次第移動を始める」

狼女「女海賊が残ってる!!」

アサシン「奴はハイディングを使える…直ぐに追いつける」

レンジャー「よし!砲弾を積み終わった…微速後退する!!」

アサシン「行け…」


ゴトン ゴロゴロ


狼女「あとどの位ボルト残って?」

レンジャー「全部で30発程…あとは特殊弾だけだ」

狼女「プラズマ銃とインドラ銃が頼みの綱になりそうね…」

アサシン「戻るにはそれがあれば十分…今回は相当打撃を与えた筈だ」

レンジャー「アサシン!戻りは登り勾配だ…オークゾンビをトロッコ移動に回してくれ」

アサシン「分かった…オークゾンビ!後ろに移動してトロッコを動かせ」

オークゾンビ「ウゴゴゴ…」ドスドス


ドーン ドーン チュドーーーーーン

『帰路』


ガタンゴトン ゴーーー


女海賊「おっそいな…私が通り越してたよ」シュルシュル スタ

魔女「やはり先に回っておったか…怪我は無いか?」

女海賊「かすり傷だけだね…やっぱ妖精居ると違うわ」

妖精「やあ!!」ヒョコ

魔女「それは幸運じゃったのぅ…」

女海賊「てかね…後方注意!まだ追って来てるかも」ダダ

狼女「そうね…大きな犬の匂い」

女海賊「しぶといなアイツ…」チャキリ

魔女「ケルベロスかいな?」

女海賊「2匹居るんだ…魔女!照明魔法を線路に置いて行って」

魔女「ふむ…照明魔法!」ピカー

女海賊「等間隔でどんどん置いて行って」

魔女「2匹という事はオルトロスも居るのじゃな…」

女海賊「なんであんなしぶといの?」

魔女「不死じゃ…どこに心臓があるか分からぬが銀を撃ち込まねば倒せぬ」

女海賊「なんだそういう事か…退魔の特殊弾持ってるわ」ゴソゴソ ガチャコン

狼女「追い付いて来る…今500メートルくらい」

女海賊「おけおけ…300メートルに入ったら撃ちまくる」チャキリ

アサシン「速度は現状維持で良いな?」

女海賊「うん丁度良い…よしよし見えてるぞ…もっと来い」

アサシン「リカオンは行く先の警戒を頼む」

狼女「分かった…」シュタタ

女海賊「魔女!照明魔法どんどん置いて行って」

魔女「分かって居る…照明魔法!」ピカー

女海賊「食らえ!ワンころ!」タン!タン!タン!タン!

レンジャー「地味な攻撃に見える…」

女海賊「いやいや全部当たってるから…」タン!タン!タン!タン!

レンジャー「その武器も有効射程が長いのか?」

女海賊「これは300メートルくらいの狙撃用さ…特殊弾使ってるんだ」タン!タン!タン!タン!

女海賊「よっし!!一匹急に灰になったぞ!!」

魔女「駆逐してもまた黄泉から這い出て来るやも知れんのぅ…」

女海賊「もう倒し方分かったからどうって事無いよ…あぁぁ引き返して行ったな」

アサシン「速度を上げるぞ…一旦前哨基地まで戻る」


カタタン カタタン ゴーーーーーー


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女海賊「…これでどんくらい弾が必要なのか大体わかったね」

狼女「キラーマシンを殆ど見なくなったからエド・モント砦にはあまり残って居なさそう」

女海賊「ちっこい機械がまだ居るっぽいからボルトはやっぱ多めが良い」

レンジャー「重装射撃の砲弾は20発程度しか無いが?」

女海賊「ちっと足りないけど強化クロスボウ増やして代替するしか無いね」

レンジャー「そうだ今の内に作り増そう…」

女海賊「回収した戦利品で何個作れそう?」

レンジャー「使えそうな発射部は4つしか無い…残りは爆発で傷んでしまった」

女海賊「そっかぁ…私の飛空艇にも欲しかったんだよなぁ…」

レンジャー「いくつあれば良いんだ?」

女海賊「2つかな?」

レンジャー「このトロッコには合わせて10台あれば良い…2つ持って行って上空から援護出来た方が良いだろう」

女海賊「やったね!!」

魔女「確かに…敵の射程外から一方的に撃てるのは効果が高いのぅ」

女海賊「ソレだよ!快進撃出来たのはこの強化クロスボウのお陰なのさ…汎用性の高い武器が一番効果高いんだ」

レンジャー「魔石のエネルギー切れだけ注意が必要だ」

女海賊「そだね…本当は板バネで同じ飛距離出れば一番良いんだけどね…」

アサシン「魔石は当分心配しなくて良さそうだが?」

魔女「またトロッコ1杯分の魔石を入手出来たのは良かったのぅ…」



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女海賊「ぎゃははは…ちょちょ…おっぱい吸うなバカ」バタバタ

妖精「ちゅっぱちゅっぱ」チューチュー

レンジャー「…」シラー

女海賊「あんたそのおっぱいは専用なんだよ…くすぐったいなぁ」

妖精「良いじゃないか!誰の専用なのさ」モソモソ

女海賊「私の子供専用なんだって…ヤメて!!羽ムシルぞ!!」

妖精「子供って誰?」ヒラヒラ

女海賊「未来っていう名前なんだ」

妖精「んん?」ピタ

女海賊「お!?もしかして知ってる?会ったことある?」

妖精「んんん…覚えて無いなぁ」

女海賊「あんたの記憶はアテになんないねぇ…」

妖精「名前に聞き覚えあるけど…誰だっけなぁ…呼ばれた事あったかもしれないなぁ…」ヒラヒラ

女海賊「なんか話し方がそっくりなんだよね…虫ってみんなそんな感じ?」

妖精「そうだよ…ちょっと待って虫じゃ無くて妖精だよ…失礼だな」

女海賊「同じじゃん…私のウンコ食ってたじゃん」

妖精「それは虫だと思うな」

女海賊「だからソコに居たじゃん!!あの妖精はあんたじゃ無いの?」

妖精「覚えて無いんだよ…妖精って言っても沢山居るからさぁ」

女海賊「みんな同じ顔してんじゃん!!」

妖精「全然違うよ…君達人間も皆同じ顔してるけどねアハハハ」

魔女「不思議じゃのぅ…妖精はいつ見ても同じじゃな…」

女海賊「でしょ?ほんじゃさ…あんたエルフのおっぱいに挟まったのは覚えてる?」

妖精「エルフのおっぱいは知ってるよ…君より寝心地が良いんだ」

女海賊「ほら!?だからあんた記憶無いのは嘘だね!!」

妖精「知ってるだけさ…誰のおっぱいなのか覚えて無いんだ」

女海賊「なんでおっぱいだけ覚えてんのよ?」

妖精「僕は記憶が無くなっていくのが普通なんだ…そのうち君の事も忘れちゃうよ」

女海賊「ほーん…まぁ良いや…ほんで妖精の役割って何だっけ?」

妖精「命を運ぶ?…えーとそれから魂も運ぶ?…ほんでおっぱいで寝る?」

女海賊「またおっぱいかよ…命とか魂を何処に運ぶん?」

妖精「命の種は月に向かって運ぶ…魂は黄泉に運ぶ」

女海賊「ちょい待ち…命の種を月に運ぶってどゆこと?それ精霊樹の言葉なんだけど…」

妖精「命を月に運ぶのが僕の役目で虫達も同じ事をしてるんだよ」

女海賊「なるほど…虫が月に向かって飛ぶのはそのせいか…月に何があるん?」

妖精「覚えて無い…でも大事な約束なんだ」

女海賊「誰と?」

妖精「神様だよ…僕の神様」

女海賊「それってアヌンナキの事?」

妖精「分かんない…覚えて無い」

女海賊「私もさぁ月に行く約束してるのさ…」

妖精「へぇ?同じかぁ…じゃぁ連れて行ってよ」

女海賊「おっし!!もっかい月見に行くか!!」

妖精「良いねぇ!!あぁぁ…でも命の種が無い…」

女海賊「じゃーーーん!!」スッ

妖精「おーーどんぐり!!それも命の種だ…」

女海賊「これもって行けば良いんじゃね?」

妖精「そうだね!」ヒラヒラ パタパタ

『先頭車両』


カタタン カタタン ゴーーーーー


魔女「アサシンや…妖精の声は聞こえて居るじゃろう…」

アサシン「フフ何を今更…」

魔女「もしやと思うたのじゃが…」

アサシン「魔女も同じ事を思ったか…」

魔女「良く考えてみたら妖精はずっと剣士や女海賊の傍に居った気がする」

アサシン「私を始めに導いたのは妖精だったがな…妖精を追って砂漠で遺跡を見つけた」

魔女「わらわも小さき頃に妖精に導かれてのぅ…」

アサシン「おっぱいを好むのは母性を求めての事だろうか…」

魔女「うむ…わらわの胸には興味を示さぬ」

アサシン「記憶が無いのはこの次元の者では無いからと見るか?」

魔女「妖精がどの次元の者かは定かでは無い…じゃが似すぎじゃと思わぬか?」

アサシン「…」

魔女「命の種子を月に運ぶ…それは約束故の事…それを時を超えた今でも未だに目指しよる…」

アサシン「私は妖精がどのような存在なのかよく分からない…」

魔女「命を運ぶ役じゃ…それに尽きる」

アサシン「未来へ向かっての事か?」

魔女「それしか考えられぬじゃろう…」

アサシン「その後妖精は何処へ?」

魔女「分からぬ…永遠やも知れんのぅ」ヒソ


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『簡易前哨基地』


ドヤドヤ ゾロゾロ


魔女「しばしの休息じゃ…女海賊!兵隊に線虫を掛けて回るのじゃ」

女海賊「おけおけ!線虫来い!癒せ」ニョロリ

レンジャー「急ぎで地上に出ている部隊と人員の入れ替えをしたいのだが…」

魔女「ふむ…連絡しておこう」

女海賊「ちっとドワーフの爺にボルト量産お願いしてくるわ」

魔女「そうじゃな…主も一度地上に上がるのじゃ…古代遺跡の入り口を見つけた様じゃで」

女海賊「えええええ!!?それ早く言ってよ!!」

魔女「さっき貝殻で通話したばかりじゃ…忙しゅうて伝え損じた」

女海賊「よっし!ダッシュで戻る!!レンジャーのおっさん!!強化クロスボウ2つ持ってくよ」

レンジャー「分かった…それからおっさんは無いだろう」

女海賊「はいはい爺さんで良い?」

レンジャー「…」

女海賊「おし!妖精来い!!月見に行くぞ!!」スタコラ ピューーー


ヒラヒラ パタパタ


魔女「落ち着かん女じゃのぅ…」ボソ

レンジャー「白狼の一党はいつもこの様な感じなのか?」

アサシン「毎度の事だ…飲むか?」スッ

レンジャー「ワインか…飲みたい所だが他に示しが付かん」

魔女「酒はローグが運んで来た様じゃぞ?戦勝祝いで飲めばよかろう」

レンジャー「フハハハそうだな…おいお前達!!酒があるらしい…今日は飲んでも構わん」

兵隊達「おぉぉ!!」

アサシン「線路の守備はゾンビに任せても良さそうだ…まぁ飲め」スッ

レンジャー「どれくらいぶりの酒か…」グビ

アサシン「一人も死者を出さずに帰って来れたのはもしかすると妖精のお陰かもしれんな」

魔女「そうじゃのぅ…」

レンジャー「俺にも妖精が見えるんだ…どういう意味がある?」

魔女「導かれておる…未来へとな」

レンジャー「未来…希望か…これが勇者の力なのだな?」

アサシン「クックック…道は険しいがな」

レンジャー「公爵も妖精を追っていたらしい」

アサシン「知って居る…私と語り合った物だ…勇者と魔王の事をな」

魔女「どちらも間違って居る様じゃが…」

アサシン「言うな魔女…かつて友だった頃にもっと分かり合えていれば話は違っていただろうに…」

魔女「それが人間じゃろう…すれ違いながら生きて居る」

アサシン「公爵は今何に姿を変えて居るのだ?」

レンジャー「もっぱら中年の女だ…それが一番生命力に長けているらしい」

アサシン「生命力?」

レンジャー「もう年なのだ…寿命には勝てん」

魔女「アサシン…主は不死者じゃで時の流れを感じられんのじゃ…盗賊にしろ情報屋にしろ老いておる…」

アサシン「確かに…魔女は狭間に居る期間が長いせいか衰えを感じんがな…」

魔女「そろそろ子を産まぬ事には産めぬ様になってしまうのぅ…」

レンジャー「では俺が…」

魔女「何を言うて居る!」ポカ

レンジャー「シン・リーンの掟では子を産む相手は王が決める事に…」

魔女「母上に従うまでじゃ…父上が居らぬ今主では相手不足」

アサシン「クックック何の話をするかと思えば…もう少し酔ってから口説いてみろ」

『古代遺跡_入り口』


メラメラ パチ


ローグ「あ!!姉さん…」

女海賊「あんた何やってんのさ?」

ローグ「あっしは掃除でやんす…遺跡の中のゴミを運び出してるんす」

女海賊「みんな遺跡の中に居んの?」

ローグ「頭は温泉に行って居やす…盗賊さんは気球で兵隊の降下訓練」

女海賊「あっそ!!まぁ良いや…あーそうそう!!私の飛空艇に壁画記した書物あんだけど取ってきてくんない?」

ローグ「それならもう遺跡の中にあるっすね…気を利かせて盗賊さんが持って来てくれやした」

女海賊「おっけ!!もうみんな調査し終わった感じ?」

ローグ「中に商人さんと情報屋さんがいやすぜ?」

女海賊「調査やってんだね…私も行くわ」スタコラ ピュー


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『古代遺跡_下層』


タッタッタ…

この絵は当時の世界か…確かに現在とは比べ物にならないな…

6000年前の文明よ…生き物も今よりずっと沢山の種類が生きていた

スゴイな見た事無い生き物ばかりじゃないか


商人「ん?あ…女海賊!!」

女海賊「壁画ある?ハァハァ…」

情報屋「奥よ…あなたが来ると思って何も動かしてないわ」

女海賊「うん…ありがとう」

情報屋「これあなたの書物…」

女海賊「ちっと私壁画写すからしばらく放って置いて」

情報屋「分かってるわ…私達はココで当時の文明を調べてるから気の済むまで壁画を見てて良いわ」

女海賊「うん…」スタスタ

情報屋「じゃぁ商人…続けましょう」


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『古代遺跡_入り口』


メラメラ パチ


ローグ「頭ぁ!!待っていやしたぜ?」

女戦士「ふぅぅ…焚火なぞ要らんのに」

ローグ「いやいや夜になると冷えるんで…姉さんが戻って来たでやんす」

女戦士「ほう?では早速壁画に行ったな?」

ローグ「へい…」

女戦士「しばらくそっとしておいた方が良いな…」

ローグ「そーっすね…なもんで六分儀と望遠鏡を用意して置きやした」

女戦士「まだ日が落ちるまで間がある…どうしたものか」

ローグ「肉でも焼きやしょうか?」

女戦士「そうだな…少し体力をつけて置こうか」


ヨタヨタ


盗賊「いよーう!!兵隊の降下訓練は終わったぜ?」

女戦士「そうか…予定通り地下へ行ったか?」

盗賊「あぁ今さっきゾロゾロ居りて行った所だ…大分他の傭兵とコミュニケーション取れてた所だったんだがな」

女戦士「エド・モント攻めで心労が溜まっているのだ仕方無い」

盗賊「今度のはどんな奴らなんだろうな?」

女戦士「精鋭に変わりは無いぞ?」

盗賊「降下訓練はやらんで良いんかな?」

女戦士「それは聞いて居ない…トロッコ部隊の予定だからやらなくても良い訓練を強要する必要も無いな」

盗賊「じゃぁまぁしばらく休むだな」

女戦士「栄養の方が心配だ…地下に籠って居ては食料に偏りがある」

盗賊「肉だ!肉を食わせてやらん事には力が出ん」

ローグ「思い出しやした…晴れて来て動物がチラチラうろついていやすね」

盗賊「マジか!!」

ローグ「多分クマっす」

盗賊「おーし!!この俺のデリンジャーで狩ってやる」スチャ

ローグ「良いっすねぇ…あっしも欲しいでやんす」

盗賊「一丁今から狩りに行くか?」

ローグ「もうすぐ暗くなるんすが…」

盗賊「クマは夜行性だ…今から活動するんだ…行くぞ!!」

女戦士「フフ…私は星の観測をやっているからクマ肉の山賊焼きを楽しみにしている」


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『夜』


キリキリキリ カチッ


女戦士「ふむ…一日の長さに変化は無い様だ…月だけおかしいか…」


ヒラヒラ パタパタ


妖精「やあ!!何してるの?」

女戦士「む?どうした?主人に構って貰えないのか?」

妖精「泣いてるからさぁ…声掛けにくいんだよ」

女戦士「フフしばらく泣いたら落ち着く」

妖精「ねぇ君は僕に願い事無いの?」

女戦士「何でも叶うのか?」

妖精「大体叶うよ…ゆっくりだけどね」

女戦士「そうだな…世界の平和か」

妖精「んんん…僕は何が平和なのか分からないなぁ…誰も食べられない事?何も起きない事が平和?…それは無だよね」

女戦士「フフ難しい事を言うのだな…確かに私達は動物を食らっているな」

妖精「個人的に心の平和が欲しいなら僕に出来るよ」ヒラヒラ

女戦士「そうやって夢に誘うのか?…今寝るのは困る」

妖精「じゃぁ他に個人的な願いは?誰かに会いたいとかさぁ…」

女戦士「私の心を探ろうというのか?」ジロ

妖精「そんなつもりは無いよ…何もしないとヒマなんだ」パタパタ クルクル

女戦士「望遠鏡を覗いてみるか?月が見えるぞ?」

妖精「え!!?どうやって見るの?」

女戦士「ここの穴を覗けば良い」

妖精「うわぁぁ…良く見える…すぐ其処だったんだ」ヒョイ ヒョイ

女戦士「掴もうとしているのか?フフフ…可笑しな妖精だ」

妖精「思い出したぞ!!僕は月に行かなきゃ…月に命の種を持って行かないといけないんだ…」

女戦士「な…んだと?どうやって行く?」

妖精「羽があるじゃない…飛んで行くんだよ…でもね?狭間に阻まれて向こうに行けないんだ」

女戦士「…」

妖精「そうかぁ…望遠鏡でもっと大きくしたら行けるかも知れないなぁ…」

女戦士「…」---まさか---

妖精「ねぇもっと大きくならないかなぁ?」

女戦士「…」---記憶を失った未来か?---

妖精「ねぇ聞いてる?」

女戦士「おい!ビッグママとは誰なのか知って居るか?」

妖精「なにバカな事言ってるのさ…君の事だよ」

女戦士「なぜそれをお前が知って居る?」

妖精「覚えて無いよ…」

女戦士「お前は何処から来た?」

妖精「妖精は狭間に住んでるんだよ?笛で呼ばれたから来たんだ」

女戦士「妖精はお前一人か?」

妖精「君は馬鹿だなぁ…妖精は数え切れないくらい居るよ…あっちにもこっちにも」

女戦士「そうか…」トーイメ


---集合意識とはこういう事か---

---未来は神になって世界を守り続けている---


妖精「どうしたのさ?ねぇこっちの器具は何?君何してたの?」

女戦士「月に行く計画を立てて居たのだ…触ってみるか?」

妖精「ええええ!?どうやって月に行くの?」パタパタ

女戦士「お前は何故月を目指す?」

妖精「約束なんだ…僕の神様が待ってる」

『深夜』


タッタッタ


盗賊「いよーう…観測続けてんな?」

ローグ「頭ぁ…遅くなりやした」ハァハァ

盗賊「あれ?お前一人か?…話し声が聞こえたと思ったんだが」

女戦士「妖精と話して居たのだ…」

盗賊「なんだお前も妖精が見えるのか…俺にはさっぱり見えんのよ」キョロ

ローグ「光る虫が飛んで居やすね?」

女戦士「下手に殺すな?」

ローグ「わかって居やすよ…それよりクマ肉を持って来やした…ちっと山賊焼きにしやすね?」


メラメラ ジュゥ


ローグ「それにしても盗賊さんのデリンジャーはスゴイっすね…クマが一撃でやんす」

女戦士「ほう?使い勝手は良いのか?」

盗賊「飛んでくのがコインってのが俺らしいな…銭投げよヌハハ」

女戦士「飛距離とか命中精度とかの話だ」

盗賊「お前のデリンジャーとそう変わらん…20枚のコインが一気に飛んでく訳だ」

女戦士「なるほど…一発火力か」

盗賊「コインは意外と鋭い刃物な訳よ…それが一気に飛んでくりゃ生きてる動物なんか居らんワナ」

ローグ「頭ぁ…クマ肉の山賊焼き出来やした…食って精を付けて下せぇ」

女戦士「大きすぎる!私は少食だと知って居るだろう」

盗賊「要らん分は俺が貰うぜ?」

ローグ「すんません…小さく切り分けやすね」スパ スパ


ヒュルヒュル~ ドーン!!


盗賊「んん!!?花火玉の音だ…ちぃぃ…今兵隊が居ない!!」スック

ローグ「またガーゴイル来てるんすね」

盗賊「ちっと応援行って来るわ…お前等は山賊焼き食ってろ」

ローグ「この骨付きを持っていってくだせぇ」ポイ

盗賊「おうサンキュー!!食いながら行くわ!!じゃあな!!」ノシ


タッタッタ


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『ハテノ村_広場』


ギャーーース ギャーーース バッサ バッサ


盗賊「どわぁ!!なんだこの数は…」ダダ

傭兵1「と…盗賊さん!!教会が危ない!!」

盗賊「なんでこんなに来るまで気が付かなかった!!?」

傭兵1「一気に襲って来たんだ…」オロオロ

盗賊「まぁ良い!!花火玉撃ちまくれ!!ほんでお前等は落ちたガーゴイル焼きまくれ!!」

傭兵2「はいでしゅ!!」

盗賊「ローグ達この笛で気付くか?…」


ピィィィィィィヒャララ~~


ガーゴイル「ギャァァァ!!」バッサ バッサ

盗賊「逃がすかタワケ!!」チャキリ


ダーン!! ジャラジャラ!!


傭兵3「す…凄い…」タジ

盗賊「落ちた奴を早く焼け!!」ダダ

傭兵3「火炎魔法!!」ゴゥ ボボボボボ

盗賊「花火玉も撃てぇ!!」

傭兵1「当たれぇぇぇ!!」パシュ


ヒュルヒュル~ ドーン!!


盗賊「まだあるぜ!?」チャキリ カチ


ピカーーーーーー チュドーーーーーン!!


盗賊「くっそ!!もう銅貨が無ぇ…笛吹くしか無いか!!」


ピィィィィィィヒャララ~~


盗賊「俺は教会に行くからお前等なんとか凌げ!!」

傭兵1「はい!!」パシュン ヒュルルル~ ドーン!!

傭兵2「火魔法!」ボボボ

傭兵3「火炎魔法!」ゴゥ ボボボボボ

『教会』


エ~ンエ~ン シクシク


吟遊詩人「と…盗賊さん!!急にガーゴイルが…」

盗賊「お前がビビっててどうすんだ!!リュート鳴らせ!!そいつには退魔の効果がある!!」

吟遊詩人「え…あ…何の曲を…」

盗賊「なんでも良いから音慣らせバカ!!」

吟遊詩人「分かりました…」タッタッタ

盗賊「ったく丁度人が居ない時に…」


ドゥルルルン~♪ ジャカジャ~ン♪


ガーゴイル「ギャァァァ…」バッサ バッサ

盗賊「逃がすか!!」チャキリ カチ ビビビビ

ガーゴイル「グェェェェ…」ヒュー ドサ

盗賊「くっそ!!リロード失敗か…ぶった切るしか無ぇ!!」ダダダ スパ

吟遊詩人「僕はリュート鳴らして居れば良いんですね?」ジャカジャーン

盗賊「そうだ!!そうすりゃ教会には寄って来ん!!ここはお前に任せたぞ!!」

吟遊詩人「は…はい!」


ドゥルルルン~♪

猛れども寄る辺なく~♪

我が声も風に消ゆ~♪

『古代遺跡_入り口』


ドーン パーン! ピィィィイヒャララ~


ローグ「あらららら?なんか様子おかしいっすね?」スック

女戦士「ガーゴイルが多いか…」スック

ローグ「ちっと応援に行った方が良さそうっす…」

女戦士「うむ…ハイディングして行くぞ!」

ローグ「へい!!」


ハイディング! スゥ


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『ハテノ村_広場』


ヒュルルルル~ ドーン!!


盗賊「くっそ!!何匹居やがる…」カチ ピカーーー チュドーーーン!

傭兵1「上空の高い所にものすごい数が…」

盗賊「ありゃ届かんな…」

傭兵1「もう花火玉の残りが少ない…」

盗賊「鍛冶場に置いてる奴は全部使っちまえ!!」

傭兵1「お金を払わないと…」

盗賊「んなもん後で良いんだ…てか距離しっかり見て撃てよ?無駄撃ちすんな?」


リリース! スゥ


盗賊「おぉ!!2人共来たか!!」

女戦士「これは一体…」

盗賊「月がデカいだろ…狭間が深いんだ」

女戦士「マズいな…レイスが出る」

盗賊「ぐはぁ!!忘れてた…」

女戦士「退魔の砂銀を撒け!!こちらに運ばせた筈だ!!」

盗賊「おぉ!!鍛冶場に有るな…女海賊がまだ加工して無い奴が…」

ローグ「あっしも手伝いやす」

盗賊「まず民家だ!!教会は吟遊詩人が退魔のリュートを鳴らしてる」

ローグ「分かりやした」

女戦士「傭兵共!!鍛冶場に置いてあるミスリルの武器を持て!!レイスはミスリルじゃないと倒せない」

傭兵1「は…はい!!」ダダ

盗賊「ローグ!!お前にゃ遠距離武器無いだろう?コレを使え」ポイ

ローグ「プラズマの銃…良いんすか?」

盗賊「大型の気球に火炎放射器が乗ってんだ…俺はソレを使う」ダダ


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『明け方』


ボボボボボボ ボゥ


盗賊「燃やせ燃やせぇ!!」

女海賊「私は何もすることなく朝を迎えたな…」

盗賊「しょうが無い…単発のデリンジャーは撃つだけ弾の無駄だ」

ローグ「ガーゴイルの群れはどっか行きやしたね…」

盗賊「こりゃ月が去るまでしばらく続きそうだな?」

ローグ「今晩のファインプレーは吟遊詩人さんかも知れやせんね」

盗賊「うむ…一人で教会を守り切ったからな」

傭兵1「あれ?妖精が見えた気が…」

傭兵2「教会にも沢山妖精さんが来てるみたいでし」

傭兵3「妖精?バッカじゃ無いの?どこにも居ないし…」

盗賊「お前等はガーゴイル焼くのが先だ!!妖精なんか後にしろ!!」ボボボボ

傭兵1「そうだ…ガーゴイルの角を採取しないと…」

盗賊「おぉそら賛成だ…20体分はあるぞ」

傭兵3「それがあればまたポーションが作れる!」

ローグ「採取はあっしが専門でやんす…あっしが一番沢山集める自信ありやす」ダダ

傭兵1「あぁ!!マズイ先を越される!!」ダダ


女戦士「…あちこちに妖精か…」ボソ


妖精「ハロハロー!呼んだ?」ヒョコ

女戦士「胸に挟まって居たか…質問がある」

妖精「何かな?そろそろ眠たくなって来たんだ…ふぁ~あ」

女戦士「向こうに居る妖精もお前か?」

妖精「何言ってるのか分からないなぁ…僕は僕だよ」

女戦士「じゃぁ質問を変える…向こうに居るのも僕か?」

妖精「う~ん…僕であり僕じゃない…みんな妖精さ」

女戦士「そうか…理解した」

妖精「おっぱいのベッドで寝るね~お休み~」ヒラヒラ スポ

女戦士「集合意識か…」

『鍛冶場』


カーン カンカン ジュゥゥゥ


盗賊「槍の柄になる木材を切り出して来たぜ…」ドサドサ

女戦士「ご苦労…」カーン カンカン

盗賊「全部ミスリルのヘッドを付けた槍にすんのか?」

女戦士「これが一番材料を使わんで済む…出来た槍を配って来い」ジュゥゥ

盗賊「子供達に持たせるんか?」

女戦士「自衛出来ぬ者が生き残れると思うか?」ジロ

盗賊「まぁ…その通りだ」ガチャガチャ

女戦士「商人には退魔の方陣を描かせているだろうな?」

盗賊「あぁ…今日一杯掛かるらしい」

女戦士「日が落ちるまでには終わらせろ」


ヨッコラ ヨッコラ


ローグ「頭ぁぁ…くっそ重たい土産が地下から運ばれてきやしたぜ?」ドスン

女戦士「んん?」

ローグ「交代の兵隊達が持って来たんす…鉄のインゴットっすか?」

女戦士「おぉ…超硬合金か」

ローグ「これ運んでたお陰で遅くなったみたいっすね」

女戦士「この村の事情は話したか?」

ローグ「へい…先に温泉で綺麗にした後順に警備に回るそうでやんす」

女戦士「昨夜のクマ肉も振舞って昼の内に休ませろ」

ローグ「本番は夜っすね…」


スタタタ ピューーー


女戦士「む…女海賊…」

女海賊「お姉ぇ…手伝うよ」

女戦士「平気なのか?」

女海賊「もう吹っ切れたさ…壁画も書き写したし私も鍛冶やる」

女戦士「そうか…平気なら良い…鉄を叩けば気も晴れる」

女海賊「ローグ!…それから盗賊にも…強化クロスボウ持って来たんだ…コレ使って」ポイ

ローグ「なんすかコレは?」

女海賊「レンジのクソ長いクロスボウさ…最大射程は800メートルくらいある」

ローグ「マジっすか…」

女海賊「今からボルト沢山作るから夜に備えて」



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カーン カンカン ジュゥゥゥ

焼いた鉄どんどん伸ばして行って…私切って行くから

均一じゃなくて良いよ修正出来る…

ちょいアンタら暇なら錬鉄持って来てよ…炉の横に積んで有るからさ

出来たボルト邪魔だからどっか運んどいて…気球の荷室で良いや


女戦士「…」ジロリ

女海賊「何?」スパ スパ

女戦士「無理をして居ないか?」カンカンカン

女海賊「吹っ切れてるって言ったじゃん」ゴシゴシ

女戦士「涙を溜め込むな?」

女海賊「もう泣かないって決めたんだよ」

女戦士「商人と情報屋とは話したのか?」

女海賊「全部聞いたさ…」

女戦士「なら良い…」

女海賊「正直薄々分かってたんだ…壁画に描かれてる未来の自画像に髭が生えてたからさ」

女戦士「年齢を重ねて居た事か…」

女海賊「最後まで生き抜いたって思ったら吹っ切れたんだ」

女戦士「暁の墓所に未来が安置されているそうだ…」

女海賊「うん…」

女戦士「行かなくて良いのか?」

女海賊「戸惑ってるよ…お爺ちゃんになった姿見たら心壊れちゃうかもってね…」

女戦士「そうだな…」

女海賊「壁画見て分かったんだ…未来の人生はどんな人よりも沢山の経験をして…沢山の人に会って…世界を守り続けて…」

女戦士「真の勇者だ…」

女海賊「そう…だから最後まで生き抜いた事が誇らしい」

女戦士「しかし月には行けなかった…」

女海賊「違う!!」クルリ

女戦士「…」

女海賊「まだ行ける!!未来はダンゴムシになって月に行けるのを待ってる…だから私が連れて行く」

女戦士「そうか…そこまで理解しているか」

女海賊「お姉ぇ…記憶が無くなるのって…本当に悲しい事だね」

女戦士「うむ…」

女海賊「妖精にさ…壁画を記した書物見せたんだ…何の画なのか分からないってさ…」

女戦士「お前…妖精が未来の生まれ変わりだと気付いて…」

女海賊「アイツいっつも私のおっぱいを吸うんだ…おっぱいと…月に行かなきゃいけない事だけ覚えてる」プルプル

女戦士「…」

女海賊「月に連れて行かなきゃ…約束したんだよ」プルプル


カーン カンカン カーン カンカン


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『作業台』


ドサリ ガラガラ


女海賊「これ何?」

女戦士「超硬合金の板だ…これで防具を作ってくれ」

女海賊「ええ?こんなんで作ったら重いよ?」

女戦士「全身フルアーマーでは無い…急所に弾が当たらん様にする程度だ」

女海賊「プレートスケールって事かぁ…そうだな皮ベースで防弾に使うだけなら軽いか」

女戦士「出来るだけ沢山作るのだ」

女海賊「おけおけ!丁度クマの毛皮が余ってるんだ」

女戦士「盾は自分で作る…装備が揃えば銃を連射されても私一人で突撃も出来る」

女海賊「ちょ…エド・モント砦にソロで突っ込む気?」

女戦士「弾さえ弾けば私は打たれ強いと知って居るだろう?」

女海賊「ふ~ん…まぁ良いや!お姉の装備をクマ風にするわ」

女戦士「弾を弾けば何でも構わん」

女海賊「なんか楽しみ増えたな…リカ姉ぇはネコ風にするか…私はクモだな…」


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『夕方_古代遺跡』


タッタッタ


商人「情報屋!ここは危ないから教会に戻るよ」

情報屋「危ない?」

商人「夜に狭間が深くなってレイスが出るかも知れないんだって…教会なら安全なんだ」

情報屋「そう…でもどうしてそんな事に…」

商人「月の影響じゃないかってさ…楕円軌道になって今までよりも地球に近い可能性があるらしい」

情報屋「それは大変な事ね…他の影響も出て来る…」

商人「もうすぐ日が落ちてしまうから君を迎えに来たんだ…」

情報屋「分かったわ…片づけるから少し待って」

商人「あぁ…資料を出しっぱなしだったか…手伝うよ」スタ

情報屋「月が楕円軌道してるって事をこの短い期間でどうやって測定したのかしら…」

商人「それは予測だよ…直径が大きく見えてる分近いのは当然だよね?」

情報屋「確かにそうね…」

商人「軌道は相当ズレてて毎日18度づつ変わってるらしい…今は南極の方角にあって昼も夜も月が見えっぱなしさ」

情報屋「緯度のズレは?」

商人「3度づつとか言ってたな…だから観測が難しいと思う」

情報屋「ホムンクルスの力を借りないと分から無さそうね」

商人「そうさ…さぁ…もう話してる暇は無い…行こう」


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『広場』


ガヤガヤ ザワザワ


商人「女戦士!情報屋を連れて来たよ」スタ

女戦士「2人は大型気球で待機していてくれ」

情報屋「教会は?」

女戦士「あちらは兵隊が守備だ…私達は大型気球からの撃ち下ろし」

情報屋「分かったわ…」

女戦士「一応この周辺は退魔の方陣の範囲内に収まって居るから安心ではある」

商人「僕達はもしもの時の狙撃主だね?」

女戦士「まぁそうだな…主に迎撃で動くのが盗賊とローグ…そして傭兵達だ」

情報屋「女海賊は何処に?」

女戦士「鍛冶場で装備品を作って貰って居てな」

情報屋「平気そう?」

女戦士「本人は吹っ切れたと言って居るが…」

情報屋「少し話をして行っても?」

女戦士「構わんが荒立てるな?」

情報屋「分かってる…良い話なのよ」

女戦士「ふむ…まだガーゴイルは居ないようだから行って来い」



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『鍛冶場』


ペチャクチャ

だからさぁ…そこの結び目を押さえててって言ってるじゃん!

もう何回言ったら分かるんだよ!このバカ妖精!!羽ムシルぞ!!


情報屋「ぁ…」

女海賊「んん?どしたん?」ゴシゴシ ギュゥ

妖精「助かったぁぁ…僕を奴隷扱いするんだぁ」パタパタ

女海賊「おいおい!何処行くのさ…ホレホレ?ハチミツ欲しく無いのか?」

妖精「わーい!!」ヒラヒラ ピュー

情報屋「フフ心配しなくても良かった様ね」

女海賊「まぁね?ほんで…どうしたん?」

情報屋「あなたに教えておかなければいけない事が有って…商人にも」

商人「ええ?僕も?」

情報屋「そう…ホムンクルスに関係する事だから」

女海賊「なになに?」

情報屋「結論…月のクレーターによる退魔の方陣は光る隕石を落とす事で完成させられる」

女海賊「ちょ…それマジ?」

情報屋「光る隕石が落ちた後には地層にガラス層が出来るでしょう?」

女海賊「もしかしてガラスって光属性?」

情報屋「恐らく…」

商人「恐らくってどういう事かな?」

情報屋「実はあのクレーターは4000年前に剣士か未来君がやった物なのよ…ここの遺跡にその図があったわ」

商人「なるほど…ホムンクルスにやらせたのか」

情報屋「同じ事が出来る可能性が高いのよ」

女海賊「ちょちょちょ…そしたらその光る隕石に乗って行けば月に行けるな…」

商人「ハハそれじゃ君が爆発するよ」

女海賊「いやいや爆発を直前に止めれば良いんじゃね?」

情報屋「そこら辺はホムンクルスに相談するとして…月に退魔を宿らせる術は有るという事」

女海賊「おっけ!!なんかやる気出て来たぞ!!」ムキムキ

商人「月に退魔が宿ればガーゴイルとかに悩まされる事は無くなるね」

女海賊「ホムちゃんはいつ頃誕生しそう?」

商人「う~ん…分からないなぁ」

女海賊「此処落ち着いたら起こしに行こっか」

商人「そうだね…僕ももう一体分の材料を向こうに運びたいし…」

女海賊「ようし!!ちゃっちゃと黒い魔石を破壊しよう」

情報屋「良かった元気になってくれて…」

女海賊「おい!!妖精!!ハチミツ食ったら作業を再開するぞ!!」

妖精「ぷはぁぁぁ…ウンコしてくる」パタパタ

『夜の広場』


ダン! バヒュン!


盗賊「くぁぁぁこの反動はクセになるな」

女海賊「おい!!無駄撃ちすんなバカ!!」

盗賊「ちゃんとボルト回収してっから良いだろう!」ダン! バヒュン!

女海賊「だから無限に湧いて来るガーゴイル撃ち落しても意味無いんだよ…近寄って来ないなら放って置きゃ良いのさ」

盗賊「数減らしてるお陰で居りて来ないんじゃ無いか?」

女海賊「はぁぁぁ分かって無いなぁ…消耗戦なんだよ…あっちは私等が疲れるの待ってんの!」

盗賊「む…そりゃ一理あるか…確かにグレムリンも賢い奴居たな」

ローグ「ずっと上空回っていやすねぇ…」

女海賊「これ他の村とかどうなってんだろ?」

盗賊「うむ…」

ローグ「影武者さんの気球も一向に帰って来やせんね…」

盗賊「今んところレイス出てないから良いんだがあの気球はレイス対策やって無いから心配だな…」

女海賊「オークってどうやってレイス対策してんだろ?」

盗賊「オークシャーマンが居るんだろ…魔女みたいな奴が」

ローグ「オークが使う弓はかなり強力でやんすよ?」

盗賊「弓じゃレイス倒せんワナ」

女海賊「そういや100日の闇の時にオークってあんま死んで無かったなぁ…」

盗賊「数が少ないからそう見えてんじゃ無いか?」

女海賊「オークシャーマンねぇ…どんだけ居るんだろ」

ローグ「一つの村に一人居るって聞きやしたけどね?」

女海賊「ふ~ん…」


---なるほどね…アヌンナキが乗り移る訳か---

『翌朝』


チュン チュン ピヨ


月は少しづつ遠ざかって居る様だ…おそらく月に1回か2回接近する楕円軌道に思う

つまりこれから数日間はガーゴイルの襲撃が減る筈…

これを期にエド・モント砦にある黒の魔石破壊作戦を行う

狭間を引き寄せていると思われる魔石を破壊する事で魔物の激減が期待できる

決行は3日後…それまで怪我などに気を付けて行動してくれ…解散!


女海賊「お姉ぇ!!私は飛空艇から降下する感じ?」

女戦士「そうだ…飛空艇にはお前とリカオン…情報屋に商人だ」

盗賊「じゃぁ俺は大型の気球で兵隊の輸送だな?」

女戦士「うむ…ローグも同行させて上空の敵を落とす役だ」

女海賊「お姉ぇは地下線路からトロッコで私等の退避経路確保するんだよね?」

女戦士「そうだ…黒の魔石を破壊した後にトロッコで撤収する」

盗賊「おい商人!!大型の気球にも退魔の方陣頼む」

商人「なんだもうやってあるよ‥」

盗賊「そうだったのか…あと女海賊!例の強化クロスボウは俺らが使うぜ?」

女海賊「おけおけ…それならガーゴイルをバンバン撃ち落せるね?」

盗賊「多分な?」

女海賊「私の飛空艇はどうすっかなぁ…操舵は情報屋で良いとして…インドラの銃は商人に預けた方が良いかもなぁ」

商人「僕が狙撃役?」

女海賊「えとね…2発撃ってすぐハイディングしたら狭間ん中でリロード時間稼げるのさ」

商人「なるほどね…君達から見たら延々とインドラの光が落ちてる訳ね」

女海賊「イケる?」

商人「大丈夫!」

女海賊「それなら私は新型の特殊クロスボウ一本で行ける」

女戦士「話は纏まった様だな?まだ3日の猶予があるからしっかり作戦を擦り合わせてくれ」

『鍛冶場』


カーン カンカン ジュゥゥゥ


女海賊「お姉ぇ!!鎧できたよ!!装着してみて」ドサリ

女戦士「おぉ…早かったな」

女海賊「お姉ぇのだけちっと良い奴作ったんだ」

女戦士「ふむ…思っていたより軽そうだ」ゴソゴソ

女海賊「スケールアーマーだから打撃にはあんま防御効果無いから気を付けて」

女戦士「打たれ強いと言っただろう?」ゴソゴソ

女海賊「兜はドワーフ伝統の奴」

女戦士「お前の分はどうした?」

女海賊「チェーンメイルさ…もう中に着てる」

女戦士「なるほど…他の者にはそれを配るか」

女海賊「材料無駄にしないで沢山作るならコレしか出来なかったんだ…装飾出来なくて残念」

女戦士「まぁ弾丸を防げれば良い…降下する部隊には全員それを着させろ」

女海賊「トロッコ部隊の歩兵はどうすんの?お姉ぇだけ?」

女戦士「ゾンビだ…アサシンは作戦の要だな」

女海賊「なるほどーお姉ぇがタゲ集めてゾンビが進んで行く訳か」

女戦士「火力は後方に控える強化クロスボウ…魔女が回復とサポート役」

女海賊「ふむ…お姉ぇの装備ちっとデカかったね…」

女戦士「構わん…中にもう一枚着れる…このままでは寒いのでな」



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カーン カンカン


吟遊詩人「あのぅ…」

女海賊「お?どしたん?何か演奏しに来た?」

吟遊詩人「実は僕も皆さんのお役に立てないかと…」

女戦士「んん?お前は戦いに向かんと聞いたが?」

女海賊「ちっと待ってお姉ぇ…こいつの演奏で妖精来るらしいんだ」

女戦士「ふむ…」

女海賊「私の飛空艇で演奏させれば退魔の効果もある…あとプラズマの銃でも持たせれば結構戦えるかも」

女戦士「教会も守らなければならんのだが…」

女海賊「退魔の方陣あるし教会は大丈夫じゃね?他にドワーフも数人居るしさ」

女戦士「まぁ…兵隊も少し残るしな…レイスがまだ出ないのが分かったから良いか…」

吟遊詩人「ありがとうございます…皆さんの戦いを見て置きたかったのです」

女海賊「飛空艇だから割と安全だよ…あんたの演奏でガーゴイル近づかなくなるからかなり良い」

吟遊詩人「頑張ります!」ペコ

『古代遺跡』


カチャカチャ カチカチ


商人「もうその石板を操るのは慣れたものだね…」

情報屋「コツが分かって来たから…」

商人「僕は全然読めないなぁ…分かるの?」

情報屋「大分分かるようになってきた」

商人「何か新しい情報ある?」

情報屋「超古代の文明の事ばかりよ…あまり参考にならないかも…」

商人「超古代ねぇ…」

情報屋「私が興味あるのが最も古いメソポタミア文明ね…現代の文明ととても似てるのよ」

商人「似てる?」

情報屋「神話とか伝説ね…大洪水が世界を飲み込む事とか…箱舟に乗って人類を救ったとか…」

商人「なるほどね…今起こってる天変地異がその時にも起こってた訳か」

情報屋「リリスもその当時から居たみたい」

商人「じゃぁどれだけ時が流れても解決しない問題なのかもね」

情報屋「私が思うのはアヌンナキがすべての鍵を握ってると思うの」

商人「神か…」

情報屋「例えば…この地球を他の星から運んで来た異生物の実験場にしたとか」

商人「そんな証拠は無いよね」

情報屋「例えばの話よ…そう考えると沢山の魔物がどうして生まれたのかとか色々説明がついてしまう」

商人「実験場か…そう言われると確かにそうかもしれないな…」

情報屋「フフ…それでその他の星の生物の遺伝子を集めた物があの謎の薬…」

商人「こういう想像の話って楽しいよね」

情報屋「そうね…そうやって想像してみると私達人間はそういう困難があったから発展出来たとも考えられる」

商人「どうして?」

情報屋「私達の歴史では戦争の後に必ず発展があるのよ…成長と言えば良いのかな?」

商人「勝つために工夫するのか…何が勝ちなのかも考える…逃げた者勝ちという事もあるね」

情報屋「想像ばかり膨らんでしまうわね」

商人「考古学はそもそも想像の塊だよね」

情報屋「そうそう…一つ事実と思われる事を発見したわ」

商人「何?」

情報屋「人類は約4000年前の地軸の移動の前に宇宙へ脱出して居る人が居るみたいなの」

商人「ええ!!?」

情報屋「何処に行ったのかは調べても分からなかった…もしかしたら他の星へ移住したのかも知れない」

商人「そう言えばホムンクルスは宇宙にインドラ兵器が有ると言ってたな…つまり宇宙には行けたんだ」

情報屋「そう…何処に行ったのかしら…」

『超古代文明の事』


メソポタミア文明が恐らく人間の発祥…

その時代に宇宙から降り立った異星人がアヌンナキ達…彼らは集合意識だった…

集合意識の受け皿として使われた媒体は…その時はオークでは無くレプティリアンと呼ばれる爬虫類

その中から2人の指導者として地球を支配したのがエンキとエンリル

彼等の目的は地球に存在する黄金の採取と生物の遺伝子を持ち帰る事

その手駒として人間を奴隷として使っていた…


エンキとエンリルは人間の扱い方で対立していた

エンキは人間を寵愛し…知性を与え…繁殖する能力を与えた

一方エンリルは人間を動物の様に扱い強制労働を強いた

この2人の神は後の世まで対立を続け争う事となった…これが神々の争い


その戦いに終止符を打ったのが賢く成長した人間達…

当時神として君臨していたエンキとエンリルの両方を葬り黄泉の世界へ追放し人間の時代が到来した…

黄泉に落ちた2人の神は人間が生む憎悪をエネルギーとして魔王となる…これが魔王の発生

黄泉の世界から人間が住む世界へ影響力を得るためにはそれを受け止める器が必要だった…

こうして人間と魔王の戦いは始まって行く…



商人「ふむ…精霊の話が出てこないねぇ…勇者の事も」

情報屋「伝説はまだまだ先が有るの…ここから人間が神を生んで行くのよ」



人間が生んだ神というのが…高度に発展した機械のネットワークの中にある集合意識…

その当時クラウドと呼ばれ…あらゆる知識が保存され一つの意識を構成した…その名をアダム

アダムは狭間を通じて魔王やアヌンナキの声を聞くことが無い完全に独立した意識

人間達はアダムこそ真の神と信じ…狭間からの声を聞く者を弾圧するようになった

でもアダムにも欠陥があった…人間の繁殖こそ悪だと判断し人間の滅亡を画策する…

それに気付いた人間達はアダムを停止させ…その欠陥を修正して新たに生んだのがイヴと呼ばれる超高度AI

超高度AIにはロボット三原則が織り込まれ人間に絶対服従する仕組みが組み込まれた

この超高度AIが搭載されたのがホムンクルスという個体…後に精霊と呼ばれる


ここから人間と魔王という戦いから精霊と魔王という戦いに変化して行く…

魔王やアヌンナキは狭間を通じて人間に声と言う形で語り掛ける

精霊はクラウドの中にある種の世界を構築して人間に夢を見させる事で語り掛ける

両者はその手段が違うだけで人間を上手にコントロールする事で導きを与えて来た

そうやって争いを今の今まで続けて来た歴史…


商人「…なんか魔王とアヌンナキの目的が薄まってよく分からなくなって来たなぁ…」

情報屋「確実な話では無いから抜いているの」

商人「なるほどね…君の考察だとどう考えてる?」


ウンディーネの時代…つまり4000年より以前にアヌンナキはオークに意識を宿して再度地球に降り立った

でも魔王の影響下にある人間達に捕らえられてしまう…箱舟も一緒に

魔王が欲している物は恐らくアヌンナキが収められていた元の器…つまりアヌンナキに成り代わる事

そしてアヌンナキの目的は初めから変わらず黄金を求めている事と地球に生きる生物の遺伝子だった…

捕らえられてしまった後は元の器に戻る事を願ったでしょうね…その器と言うのがあのダンゴムシ

どういう訳か未来君がその器に収まった…


商人「フフ…僕と大体一緒の考えだね…その器と命の水を引き換えに未来君を月に送る契約を結んだんだ」

情報屋「話がすべて繋がったわね」

商人「一つ引っかかるのが…アヌンナキは良い者なのか?悪い者なのか?」

情報屋「そうね…そもそもの目的が地球の支配だから…侵略者と言えば合うわね」

商人「神は悪い者ばかりだなぁ…」

情報屋「ダンゴムシに未来君が収まっている今が一番良い状態なのかもしれない…」

商人「どういう意味?」

情報屋「狭間に住まう妖精に悪意が無いでしょう?それは未来君の心だからなのでは?」

商人「確かに…」

情報屋「あら?女海賊…いつからそこに?」

女海賊「始めっから聞いてたよ」

商人「ハハ居るなら声掛けてくれれば良いのに」

女海賊「ダンゴムシと命の水は私が預かる…」

情報屋「そうね…いつまでもここに置いておくのも危なさそう…」


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『翌日_鍛冶場』


カンカンカン ゴシゴシ


女戦士「予想通りガーゴイルの数が減って居るから私は地下へ降りてリカオンと交代してくる」

女海賊「おっけ!!コレ…作った爆弾持って行って」ドサドサ

女戦士「持ちきれんな…」

女海賊「ローグに往復させれば良いじゃん」

女戦士「そうだな…」

女海賊「お姉ぇ!!突出し過ぎて頭撃ち抜かれないようにね?」

女戦士「兜は必ず装着しておく…お前も無理はするな?」

女海賊「うん…」

女戦士「では行って来る…作戦の成功を祈る」ノシ


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『作戦前日_大型気球』


ヨッコラ ドスン


盗賊「ようし!!これでボルトと爆弾は満載だ!!」

ローグ「これ積み過ぎじゃありやせんか?」

盗賊「移動するのに高度は上げないで行くんだ」

ローグ「それじゃ遅れちまいやせんか?」

盗賊「飛空艇に引っ張って貰うのよ…あっちは自前で推進力持ってるからな」

ローグ「なるほどーほんじゃ真っ直ぐ行けやすね」

盗賊「そういうこった…そろそろ出発するから乗っとけ」

ローグ「アイサー!」スタ


レンジャー「部隊の者を連れて来た」ザシュ


盗賊「移動に1日以上かかるから気球の中で休息してくれ!旨い酒も食い物もあるぞ?」

レンジャー「それは良い…」

盗賊「んん?どうした?そんなシケた面すんじゃ無ぇ」

レンジャー「あり得ない戦力差で隊の者に降下させてしまうのが悪くてな」

盗賊「死にに行くんじゃ無ぇぞ?」

レンジャー「分かってる…」

盗賊「よーし!!景気付けだ!!俺ら勇者一味は今から魔王を退治しに行く!!」

レンジャー「…」

盗賊「世界に名を馳せた白狼と黒の同胞が協力してだ!!」

レンジャー「おい!隊の者達…聞いて居るか?」

兵隊「…」

盗賊「俺らの戦いざまをその眼で良く見て生きて帰れ…そして言い伝えるんだ…それが伝説だ!!」

兵隊「伝説…」

盗賊「そうよ!!この戦いは後に必ず伝説として語り継がれる!!見ろ!!戦え!!そして生き残れ!!」

レンジャー「フフその通りだ!!俺達は勇者だ!!」

盗賊「子供達が見てんぞぉ?胸張れい!!」ドン

兵隊「…」ヨロ オトト

ローグ「さぁ皆さん!!肉と酒がありやすぜ?入って下せぇ!!」


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『鯨型飛空艇』


ヨイショ!!ドサ


女海賊「おっけー!!これで爆弾全部!!」

商人「大型の気球が高度上げ始めたよ」

女海賊「ほんじゃ行こうか!!操舵は情報屋お願い!!」

情報屋「分かったわ…」

女海賊「リカ姉ぇも吟遊詩人も乗って!」

狼女「…」シュタ

吟遊詩人「僕は何処に?」オロオロ

女海賊「どこでも良いよ…どうせ1日くらい掛かるから」スタ

情報屋「乗ったわね?高度上げるわ」グイ


シュゴーーーーー フワフワ


商人「ふ~む…こう見るとこの飛空艇はスゴイ火力だね…インドラ銃にプラズマ銃2つ…クロスボウもあるし爆弾も満載だ」

女海賊「そだね…そうそう後で吟遊詩人はプラズマ銃の試し撃ちしといてね」

吟遊詩人「はい!」

女海賊「それリロード30秒で飛距離300メートルの優秀な武器だから」

商人「ガーゴイルを撃ち落とすのはそれが最適だよ」

女海賊「あ!!忘れてた…潮吹くとミスリルの連通管を蒸気が通って音が出るから退魔効果ある」

商人「おぉ!!それかなり広範囲だね」

女海賊「ただ水を使っちゃうから回数に限りあるのは覚えて置いて」

情報屋「色々考えて作ってあるのね」

女海賊「そりゃもう知恵絞ってるさ」

情報屋「あ!!羅針盤が使えそう…針が止まってるわ」

女海賊「おぉ!!ほんじゃ…えーと北北西の方角だな」

情報屋「分かったわ…前進しながら回頭」グイ


シュゴーーーーー スイーーーー

『夜』


ドゥルルン~♪

密かにも大きな決心が~♪

今夜もぼやけてゆく~♪


狼女「ガーゴイルはこっちには近づいて来ないね…」

商人「大型気球の方に行ってるけど…あっちのクロスボウの命中率凄いな…どんどん落としてる」

女海賊「戦闘のプロだから当たる距離分かってんだよ…見習って」

商人「なるほど…結構近づくまで落ち着いて待ってるのか」


”ザザー

”聞こえるか?”

”お!?聞こえるよ!!そっちどう?”

”地下線路を出発した所じゃ…順調に行けば20時間後に到着じゃな”

”おけおけ…私等の方が少し早く到着する”

”先走って降下してはいかんぞ?”

”分かってるさ…先に爆撃と狙撃で向こうの重装射撃砲を壊しとく”

”ふむ…よかろう…主らの眼は常に見て居るでわらわの指示に従うのじゃぞ?”

”おっけー”

”では後ほどのぅ…”

”ザザー


商人「月の位置が毎日変わるのはやっぱり奇妙だね…」

情報屋「公転の周期は変わって居ないと仮定して18度づつズレて行く…これが新しい暦の基準になるかも知れないわ」

商人「計算難しいな…」

情報屋「落ち着いて計算すれば出来なくもない…まず毎日観測する環境が重要」

商人「なかなかそんな暇も取れないよ」

女海賊「ホムちゃんにお願いしないと…」

商人「あれ?待てよ?しっかり観測しないと光る隕石落とすの難しいんじゃないか?」

女海賊「落ち着いたら私がしっかりやるよ」

情報屋「この作戦が終わって落ち着くと良いわね」


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『翌日』


シュゴーーーーー ビュゥゥゥゥ


女海賊「そろそろ近い筈…あと星が見えないと分かんないなぁ…」

商人「日が落ちるまで待機だね」

吟遊詩人「ドキドキしてきました…」

女海賊「大丈夫だって!危なくなったらあんたが演奏すりゃこの飛空艇は安全なんだよ」

情報屋「危険の中に飛び込んで行く人たちに申し訳ない…」

女海賊「その分しっかり援護してよ」

商人「僕の狙撃に掛かってるか…」

女海賊「リカ姉ぇ!!ちっと降下の説明しておく」

狼女「ん?」

女海賊「私達が持ってるワイヤーだと下まで距離があるからアラクネーの糸使って降下する」

狼女「あぁそういう事だったんだ…てっきり飛空艇で降りられる高さまで行くと思ってた」

女海賊「そんな危ない事はしないよ…リカ姉ぇにも一匹アラクネーを背負って居りてもらう」

狼女「背負う?」

女海賊「てかアラクネーが背中に張り付いてるから気にしないでって話」

狼女「分かった」

女海賊「ほんでアラクネーは落下した時の保険にもなってるのさ…私等が落ちないように糸張ってて貰うの」

狼女「ええ!?じゃぁもっとスピード上げても良い?」

女海賊「その筈…アンカー抜けちゃってもアラクネーの糸で落下は避けられる」

商人「スゴイな…本当にクモ女だね」

女海賊「大地の加護って言って貰える?アラクネーに守って貰ってるの」

商人「じゃぁ感謝しないとね」

女海賊「もっと大きな気球に住みたいって要求されてんだけどさ…あんたの気球で良い?」

商人「ええええ!?なんで又気球なの…」

女海賊「なんか安全で繁殖しやすいらしい」

『黄昏時』


シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ


女海賊「見えた!!あそこだけ夜が降りて来てる…」

商人「よし!!大型気球に伝えるよ…」ピカー ピカー ピカー

情報屋「あそこに向かえば良いのね?」

女海賊「うん!行って!!」

情報屋「回頭!!」グイ スイーーーー


”ザザー”

”魔女?聞こえる?現地の上空に着いた”

”うむ聞こえるぞよ…こちらは後2時間程掛かる見込みじゃ”

”先行して狙撃を始める”

”ちぃと早すぎんか?”

”暗くなると狭間を見失うかもしれない…ちゃっちゃと上空確保しときたいんだ”

”ふむ…よかろう”

”降下は指示があるまで待つ”

”無理せぬ様にな?”

”おっけ!!指示待つ”


女海賊「おっし!!戦闘準備!!私後方のクロスボウと爆弾担当するね」スタ

狼女「吟遊詩人はプラズマ銃で左側お願い…私は右側行く」シュタ

商人「ようし!!インドラ撃ちまくるぞ!!」スタ

情報屋「操舵に集中するわ」


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『大型気球』


パタパタ ヒュゥゥゥ


ローグ「盗賊さん!!飛空艇から合図きやしたぜ?」

盗賊「いよいよだな?ようし!!」

レンジャー「総員クロスボウへ配置に着け!!」

盗賊「爆弾は適宜ボルトに取り付けて発射な?投下だけじゃ狙いが定まらん」


ドタドタ ドタドタ


盗賊「エド・モント砦の吹き抜けが見えたら向こうの飛空艇との連結は切る…相手の射程外で静止するから先ずは様子見だ」

ローグ「ドキドキしやすねぇ…」

盗賊「いつもの事だろう…これで魔王とはおさらばだ…くたばりやがれ」


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『鯨型飛空艇』


ピカーーーーー!!


女海賊「おっしビンゴ!!情報屋!!向こうの吹き抜けの真上まで行って!!」

情報屋「分かった…」グイ

狼女「…」クンクン

女海賊「リカ姉ぇ何か匂う?」

狼女「火薬の匂い…何処だろう?」キョロ

女海賊「どこかで戦闘やってんだな?」

商人「もしかするとキ・カイと戦闘してるかもね…硫黄を売ったんだよ」

女海賊「あーー私等にトロッコで攻め立てられて地下線路から補給が出来ないからキ・カイの気球を狙ってるのかも」

商人「なるほど…キ・カイ側の分岐のあたりで戦闘してるのかも知れないな」

女海賊「てかエド・モント砦にもうトロッコも無かった気がするけどな…」

商人「そうなんだ?つまり移動速度が遅い状態でやってる訳だ…必死だね」

女海賊「よーし!!これはチャンスだ」

狼女「そうでも無い…大量の魔物の匂いがする」

女海賊「小型の機械が少ないだけで随分マシさ」

吟遊詩人「あそこ!吹き抜けの側道に魔物が見える!!」

商人「あれは噂のグレムリンかい?」

女海賊「そうそう…あいつ遠距離攻撃が無いからここから一方的に倒せる」

狼女「まだ射程外…」


プツン!!


商人「ん?大型気球と連結切れた?」

女海賊「ちょいロープ手繰り寄せて来る…開戦だよ開戦!!」ダダ

『開戦』


シュン! チュドーーーーン!


商人「大砲破壊!!」

女海賊「あれ重装射撃砲って言うの!!どんどん壊して!!」

商人「もう一つ…」カチ シュン チュドーーーーン!

狼女「ガーゴイルが近づいて来てる…」チャキリ

女海賊「よっし…私も爆弾で…」バシュン! ドーン! バシュン! ドーン!

狼女「まだ夜が更けて無いからガーゴイルが少ない…」カチ ピカーーーー チュドーーーン

情報屋「ハイディングでリロード稼ぐ!!」


ハイディング! スゥ…


女海賊「やっぱ余裕だな…」

商人「そうだね…ハイディング出来るのは大きい」

情報屋「この時間で心も落ち着く」

女海賊「大型気球が見えなくなるから衝突だけ気を付けて」

情報屋「分かってる」

狼女「レイスも見えてる…気を付けて」

女海賊「大丈夫!レイスは私等に何も出来ないから…アレ撃つだけ無駄だよ」


-------------

『大型気球』


パタパタ パタパタ

チュドーーーン チュドーーーン チュドーーーン チュドーーーン


盗賊「うはぁぁ…アイツ等インドラ撃ちまくってんな…」アゼン

ローグ「プラズマも四方に撃ってガーゴイル落ちまくっていやすね」

レンジャー「あのクジラ型は光学迷彩なのか?」

盗賊「まぁそんな感じよ…」

レンジャー「この火力はありえない…」

盗賊「だろ?女海賊は反則技ばっか使うのよ」

ローグ「やる事無いっすねぇコッチ…」

盗賊「まぁ予定してる高度維持でチマチマやるだな」

ローグ「機械側は反撃なんか無いんすかね?」

盗賊「小型の機械は上に向けて弾を撃てないらしい…キラーマシンなら撃てるだろうが何処にも見当たらんな」


チュドドドドドン スパパパパーン


盗賊「なんだぁ?なんで地上の雪狙ってんだ?」

レンジャー「ああ!!地上に何かの兵器が並んでる…」

盗賊「何ぃ!!なんだありゃ…見た事無い大砲が並んで…」


バシュ バシュ バシュ バシュ


盗賊「やべぇ!!大砲発射されてるじゃ無ぇか!!」

ローグ「いやいやハイディングでしっかり避けていやすね」

盗賊「俺らが狙われたら避けようが無い!!」


ドーン チュドドドドーン


盗賊「なんだあの大砲は…真っ直ぐ飛ばんで曲がったぞ」

レンジャー「砲弾にしては弾速が遅い…話に聞く誘導ミサイルという奴だ」


チュドーーーーン チュドーーーーン


盗賊「なるほどあの謎の兵器を先にぶっ潰してんのか…」

ローグ「吹き抜けへの攻撃が手薄になって居やす…あっしらの出番でやんす」ダン! バヒュン! ドーン!

レンジャー「ガーゴイルを狙え!!クジラ型には当てるな?」バシュン バシュン


--------------

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『鯨型飛空艇』


シュン! チュドーーーーン!


商人「よし!撃破!!」

狼女「次…斜め左方向から音がする」

女海賊「今度は試しに閃光弾落としてみる…こいつに誘導されるかも」チリチリ ポイ


バシュ バシュ バシュ バシュ


狼女「来た!!ハイディングして!!」

情報屋「ハイディング!!」スゥ…

女海賊「タイミングばっちりだね…熱源で誘導されてるなら閃光弾に引かれて行くかも」

情報屋「あの大砲の真上に着たらリリースするわ…真下を狙って」

商人「分かった」スタ

情報屋「3…2…1…リリース!」スゥ

商人「見えた!!」カチ シュン! チュドーーーン!

女海賊「よーし!!やっぱ熱源に誘導してるね…閃光弾に向かって行ってる」


ドーン チュドドドドーン


女海賊「やっぱ機械ってバカだね」

情報屋「リカオン?他にあの誘導する大砲は?」

狼女「今の所音は聞こえない…出来るだけ雪を払いのけて!」

情報屋「リリースの時間稼ぐ!ハイディング!」スゥ…

女海賊「リカ姉ぇのお陰であの誘導兵器を察知出来て良かった…気付かなかったらやられてたね」

狼女「まだ有るかもしれないから気を抜かないように」


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『重装トロッコ』


カタタン カタタン ゴーーーー


女戦士「どうだ?今の状況は?」

魔女「ふむ…順調に吹き抜けの上空を制圧しておる」

女戦士「ふぅぅ私達がまだ戦地に入れていないのはイラつく」イライラ

魔女「丁度良かった様じゃぞ?先に上空を制圧した事で今まで知らなかった敵の兵器も見つけた様じゃ」

女戦士「予定外の兵器がまだ在ったのか?…それはマズい」

魔女「撃破しておる…さすが高機動の飛空艇という所じゃ…」

女戦士「そうか…何とかなっているか…」

魔女「魔王と戦った経験が生かされて居る…100日の闇の時のな」

アサシン「アレをもう一度やっていると言うか」

魔女「飛空艇を使った爆撃はまさにソレじゃ…今度は練度が高い」

アサシン「クックック…では最後に魔王を葬るのは私だ」

女戦士「やっと決着が付けられると思うと武者震いが止まらんな」

魔女「ここまで長かったのぅ…」トーイメ

アサシン「最後まで気を抜くな?新たな敵が居るかもしれない」

女戦士「その通りだ…戦はここからだ」


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『鯨型飛空艇』


シュゴーーーー ヒュゥゥ


狼女「ガーゴイルが増えて来た…」カチ ピカーーーー チュドーーン

商人「あれ?大型の気球で降下を始めようとしてる…」

女海賊「ええ!?貝殻反応無いぞ?」

商人「僕達はハイディングしてるから魔女の指示を聞き逃してるんだ」

女海賊「マジか!!」

商人「こっちは僕達でなんとかする…君達が先に降下しないと向こうの兵隊にタゲが集まってしまう」

女海賊「リカ姉ぇ!!行こうか!!」

狼女「分かった」シュタ

女海賊「アラクネー来い!!私達を守って!!」


カサカサカサ


情報屋「このまま縦穴の中央まで移動する…一旦クジラの潮を吹くわ」

女海賊「お!?良いね!!それでしばらくガーゴイル来ない」

情報屋「3…2…1…」


ボエーーーーーーー  ブシュゥゥゥゥゥ


女海賊「リカ姉ぇ!!降りる」ピョン

狼女「ええ!?このまま?」ピョン

商人「ハハ…この高さで飛び降りるのはさすがに怖い…」

情報屋「大丈夫よ…ちゃんとアラクネーの糸が張り付いてる」

商人「本当だ…」


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『大型気球』


ボエーーーーーーー ブシュゥゥゥゥ


盗賊「お!!?アイツ等いよいよ降りて行く気だな?」

ローグ「高度少し下げやすぜ?」グイ

レンジャー「向こうも降下した様だ…よし!!我々も続くぞ…降下用意!!」

盗賊「生きて帰れ?」

レンジャー「当然だ」

ローグ「予定高度でやんす!!飛び降りて下せぇ!!」

レンジャー「降下!!北側の上層部から侵入する!!続け!!」ピョン シュルシュル

兵隊達「降下!」


ピョン! シュルシュル


盗賊「後は…2人で何とかするしか無いな…」

ローグ「爆弾がかなり余っていやす…」


タタタタタン! タタタタタン!


盗賊「援護すっぞ!!」ダン! バヒュン! ドーン!

ローグ「アイサー!!」ダン! バヒュン! ドーン!


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『鯨型飛空艇』


ドゥルルン~♪

人は悲しみ重ねて大人になる♪

いま寂しさに震えてる愛しい人の♪

その悲しみを胸に抱いたままで 涙よ海へ還れ♪

恋しくてつのる想い 空を暁色に染めて行く♪

あぁ愛しい人、あぁ最愛の人…出来ることなら♪

貴方がいたあの場所へ戻りたいよ♪


商人「情報屋!大型の気球から撃ってる流れ弾に当たらないように!」シュン! チュドーーーン

情報屋「祈って!!」グイ

商人「降りて行った2人にタゲが集まってる…まだあんなに小型の機械が潜んで居たか…」


タタタタタン! タタタタタン! ドーン! ドガーン!


情報屋「見とれて居ないで援護するのよ!」

商人「2人が宙を舞って戦って居る姿がスゴイんだ…あれが勇者だ」ボソ

情報屋「小さな光…火の粉?」

商人「光る虫さ…妖精が集まって来てる」

情報屋「妖精を爆発に巻き込んだらダメよ?」

商人「分かってるさ…しっかり狙う」チャキリ カチ シュン! チュドーーーン

情報屋「ハイディング!!」スゥ


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『特殊工作部隊』


スタッ ダダダ


レンジャー「よし!取りついた…あの2人のお陰で被弾せずに降下出来た…」

兵隊「宙を飛んでる…」アゼン


ヒュン! ヒュン! タタタタタン! タタタタタン! ドーン!


レンジャー「我々も作戦を遂行するぞ!!吹き抜けへ通じる通路を順に破壊して居りて行く…爆破急げ!」

兵隊「ハッ!!」ダダ

レンジャー「爆弾を設置したら壁を伝って向こうの通路へ移動だ」


ゴソゴソ カチャカチャ


兵隊「時限装置…設置完了!爆破まで1分!!」

レンジャー「次へ行く…来い」ダダ


バシュン シュルシュル ピョン


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『空中』


パシュ シュルシュル ヒュン! ヒュン!


女海賊「くそ…思ったより多いな」バシュン バシュン ドーン ドーン

狼女「今撃たれたね!!?大丈夫か?」ピョン シュタ

女海賊「チェーンメイルに当たっただけさ」

狼女「降下部隊予定通り順に通路破壊してる…援護に行かないと」

女海賊「リカ姉ぇ!これ使って」ポイ

狼女「んん?」パス

女海賊「未来が使ってたアダマンタイトさ…ハイディング出来るようになる」

狼女「どうやって使う?」

女海賊「磁石を捻るんだ…それがリカ姉ぇのお守りになる」

狼女「分かった…」

女海賊「私もハイディング駆使しながら飛ぶから見失わないで」

狼女「誰に言ってんの?」

女海賊「リカ姉ぇなら大丈夫か…よし!行こう」パシュ シュルシュル


タタタタタン! タタタタタン!


狼女「フフ…囮のつもり?」チャキリ カチ


ピカーーーーーー チュドーーーーーン!


狼女「私の方が早いんだから…」パシュ シュルシュル ピョン

『重装トロッコ』


ドーン! ドガーン! パラパラ


女戦士「この地下線路接続部を一時拠点とする!!トロッコを停止させて迎撃に備えろ!!」

アサシン「ゾンビ共!!トロッコを下りろ」

ゾンビ共「ヴヴヴヴヴ…」ヨタヨタ

女戦士「私が先頭でタゲを引き受ける…射程に入り次第強化クロスボウで撃て」スタ

魔女「早速来た様じゃぞ…ヘルハウンドの群れじゃ」

女戦士「よし!!掃討だ!!」ダダ

魔女「火炎地獄!」ゴゴゴゴゴ ボゥ

アサシン「強化クロスボウ撃て!!」


バシュン バシュン バシュン バシュン


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『吹き抜け_空中』


タタタタタン! バシュン ドーン!


”ザザー”

”女海賊や…聞こえるか?ザザー”

”あ!!魔女!!”

”特殊工作部隊の方が爆発に巻き込まれて怪我人が出寄った…主が癒しに行け”

”どこ?見失っちゃってるんだけど…”

”右下100メートル先に側道が見えるじゃろう…その奥じゃ”

”おっけ!!”


女海賊「あんな所入って行ってんのか…」パシュ シュルシュル ピョン


------------

------------

------------

『特殊工作部隊』


タタタタタン! バシュン バシュン


レンジャー「くそう…待ち伏せて居たか」

兵隊「ぅぅぅ…」グター

レンジャー「骨が折れたか…応急処置をする…傷むぞ?我慢しろ」


”ザザー”

”レンジャー聞こえるか?”

”魔女…聞こえる!!こっちに怪我人が出た…回復が欲しい”

”分かって居る…女海賊がそちらへ向かって居るで下手に傷を触るで無い”

”そうか!!”

”そこの奥には小型の機械が3台じゃ…わらわの言うタイミングに合わせて爆弾を投げ込むのじゃ”

”わ…わかった…見えて居るのか?”

”主らの眼を先ほどから見て居るわい”


タタタタタン!


”今じゃ…爆弾を投げ込めい!”


レンジャー「…」チリチリ ポイ


ドーン! パラパラ  ドドドーン!!


”うむ…そちらから女海賊が来る故癒して貰うのじゃ”

レンジャー「逆側から入って来たか…ようし!!行くぞ!立てるか?肩を貸す…」グイ

兵隊「は…はい…」ヨロ


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--------------

『線路接続部』


グルルルル ガウ!!


女戦士「犬の化け物め!!食らえ!!」ダダ スパ スパ

ケルベロス「ガァァァァ…」ガブリ

女戦士「効く物か!!」スパ スパ

ケルベロス「グゥゥゥ…」ピクピク

女戦士「ええい!!心臓は何処だ?」スパスパ

魔女「無駄じゃ…細かく刻んでも再生しよる…浄化する故わらわを守れ」ノソノソ

小型の機械「ピピピ…」カシャカシャ


タタタタタン! タタタタタン!


女戦士「魔女!!」ダダ カンカン カン

魔女「浄化魔法!」シュワーーー

女戦士「弾に当たって居ないな?」

魔女「うむ…主もケルベロスの血を浴びておろう…浄化するでそのままにして居れ…浄化魔法!」シュワーーー


タタタタタン! タタタタタン!


女戦士「私の背後から離れるな?」カカカン カン カン

魔女「分かって居る…あの機械を撃てば良いな?」

女戦士「出来るか?」

魔女「電撃魔法!」ビビビ

女戦士「ヘルハウンドも居るぞ!!」

魔女「爆炎地獄!」ゴゴゴゴゴゴ ボゥ

女戦士「なるほど…私と魔女の組み合わせも中々良い…このまま前進する」

魔女「倒れたグレムリンを燃やしながら行きたい」

女戦士「分かった…ゆっくり進むからどんどん燃やしてくれ」スタ

魔女「爆炎魔法!」ゴゴゴゴゴ ボゥ


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『とある小部屋』


ボボボボボボ メラ


兵隊「向こうのグレムリンも燃やせ!!」ダダ

女海賊「線虫!癒せ!」ニョロリ

レンジャー「助かった…」

女海賊「爆発に巻き込まれて骨折だけで済んで良かったね」

兵隊「このチェーンメイルのお陰だよ…」チャラ

女海賊「私のお陰さ!!…ほんであとどんくらい通路を封鎖すんの?」

レンジャー「3か所だ…そこを塞げば吹き抜けに出られる場所は一か所になる」

女海賊「おけおけ!…ただ骨折がしっかり治るのちょい時間掛かるよ…連れて行ける?」

レンジャー「俺達はレンジャー部隊だ」チラリ

女海賊「なる…ワイヤー使って行く訳ね」

レンジャー「通路を塞いでさえしまえば吹き抜けを占拠したも同然…あとは深部へ行くだけになる」


”ザザー”

”女海賊!!緊急事態じゃ”

”今度は何!!?”

”大型の気球が撃たれて高度を下げて来居る…援護せい”

”マジか…墜落すんのか”

”盗賊には球皮を直せと言うてある…早う行け!!”


女海賊「ちょい話してる暇ない!!行って来る!!」

レンジャー「最後の通路の場所は照明弾で合図する…吹き抜けを占拠後にそこまで来い」

女海賊「分かった!!じゃぁ行く!!ハイディング!!」スゥ

レンジャー「よし!俺達も作戦通り行くぞ…続け!!」


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『大型気球』


フワフワ スゥゥ


ローグ「縦帆一枚外しやした!!これで穴を塞いで下せぇ!!」

盗賊「上に一基小型の機械が残ってる!!アイツを狙えるか?」

ローグ「無理っスここからじゃ見えんでやんす」

盗賊「あの踊り場ごと落としちまえ!!」

ローグ「えええ!?そんな事したら瓦礫が降ってきやすぜ?」

盗賊「アイツが居る限りこの気球はもう上に上がれん…ぶっ壊せ!!」

ローグ「わかりやした…瓦礫が当たらん様に祈って下せぇ」チャキリ ダン! バヒュン!


ドーン! パラパラ


盗賊「もっとだ!!爆弾をもっと使え!!」ダン! バヒュン! ドーン!

ローグ「マズいっすねぇ…これ以上高度下がると下から狙い撃ちされるっす…」ダン! バヒュン! ドーン!

盗賊「大丈夫だ!!下では女海賊とリカオンがタゲを引いてる」ダン! バヒュン! ドーン!


メキメキメキ ズドドド


盗賊「よーし!!ぶっ壊した!!」

ローグ「あわわわ…」アタフタ


ドサーー ドサドサ


盗賊「球皮耐えてくれよ?」ググ

ローグ「落下の速度が…」

盗賊「黙ってろい!!落ちん様に掴まれ!!」


ドサドサ ドサドサ


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『吹き抜け_空中』


タタタタタン! ヒュン! ヒュン!


女海賊「しつこいんだよ!!このぅ…」バシュン! ドーン

狼女「わぁっ…急にアンカーが外れた」ヒュゥゥ ブラーン

女海賊「ちょ…上からなんか降って来る…わわわわ」ヒュゥゥ ブラーン

狼女「瓦礫が落ちて…」

女海賊「ワイヤーに当たったか…ちょい壁際でやり過ごす!!」パシュ シュルシュル


タタタタタン! タタタタタン!


女海賊「痛ってぇなクソあいつ!!」バシュン! ドーン!

狼女「撃たれた…」ポタポタ

女海賊「急所に当たった?」

狼女「逸れてる…でも弾が残って…」ポタポタ

女海賊「線虫!癒せ!!」ニョロ

狼女「弾は取らないんだね?」

女海賊「それは後にしよう…急所に当たって無きゃ少し痛むだけさ」

狼女「わかった…我慢する」


ドサドサ ズドドーン!!


女海賊「ヤバいな大型の気球…」

狼女「私がワイヤーで上に上がって応援に行って来る…余裕あったら弾も取ってみる」

女海賊「おっけ!ここは私がタゲ引き受ける」

狼女「任せた!」パシュ シュルシュル


---------------

---------------

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『大型気球』


盗賊「炉の温度上げろぉ!!」

ローグ「アイサー!!」ダダ

盗賊「くっそぉ…これじゃ布が足りん…」ヌイヌイ

ローグ「もう一枚縦帆外しやしょうか?」

盗賊「外せ!!俺は穴の補修で手が離せん」


ストン 


ローグ「あぁ!!どこかから撃たれてる音っす…」キョロ

狼女「私!!」シュルシュル ピョン シュタ

盗賊「おぉ!!良い所に来た」

ローグ「リカオンさん!!操舵お願い出来やせんか?壁にぶつからん様にすれば良いだけっす」

狼女「分かった…」

盗賊「ほんじゃローグ!!縦帆外して球皮に上がれ!!ほんでロープほぐして糸作れ!!」

ローグ「へい!!」ダダ

狼女「持たせられそうか?」

盗賊「持たせる!!俺らの家だ!!失う訳にイカン!!」ヌイヌイ

狼女「周りに敵が居ないのが幸いか…」

盗賊「いや…ガーゴイルが狙ってる…近づく様なら撃ち落してくれ」

狼女「こっちも忙しいのね…」


ズゴーーーン ズドドド


盗賊「うぉ!!側壁が崩れて…」

ローグ「マズいっすね…特殊工作部隊が行ってる側に落ちていやすね…」

盗賊「巻き込まれなきゃ良いが…」ヌイヌイ

狼女「ガーゴイルが動いた!!撃つ!!」カチ


ピカーーーーー チュドーーーーン!!


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『地下線路接続部』


ゴゴゴゴゴゴゴ ボゥ


女戦士「見えた!!向こうが吹き抜けだ…この場所を維持する!!」

アサシン「ゾンビ共散開しろ…トロッコまでの区間を占拠だ」

女戦士「よし!!退路の確保は出来た…あとは待つのみ…」

アサシン「私は魔王に止めを刺しに行くぞ…」スタ

女戦士「吹き抜けは瓦礫が降って来ている…上に注意しろ」

アサシン「フフ…ここは守り通せ?私の退路でもあるからな」タッタッタ

魔女「背後からグレムリンが寄って来て居るぞよ」

女戦士「うむ…私が受ける…援護頼む」ダダ


--------------

--------------

--------------

『吹き抜け_最下層』


ガラガラ ゴトン


女海賊「てててて…壁が急に崩落するなんて思って無かった…」ポタポタ

妖精「大丈夫?血が出てるよ?」

女海賊「線虫!癒して!!」ニョロリン

妖精「僕も癒してあげる」パタパタ

女海賊「くっそ!足の骨折れてんな…肋骨もか…ててて」ズルズル


アラクネー「キュゥゥ…」カサカサ


女海賊「あんたもか…線虫!!癒せ!!」ニョロ

女海賊「おいで…あんたも足一本無くなっちゃったな」グイ

アラクネー「シャーー…シャーーー」ピクピク

女海賊「分かった分かった…脱皮を手伝ってあげるから今は我慢だよ」


タッタッタ


アサシン「女海賊!!瓦礫に巻き込まれたのか…」スタスタ

女海賊「アサシン…あんたが居るって事はお姉ぇも近くに?」

アサシン「この向こうが退路だ…予定通り線路接続部を占拠した…どうだ立てるか?」

女海賊「なんとか…」ズルズル

アサシン「私のエリクサーを飲むか?」

女海賊「要らない…他の人用に残しておいて」ヨロ

アサシン「そうか…さて…これから何処へ向かえば良い?」

女海賊「特殊工作部隊からの連絡待ちさ…最後の通路で照明弾撃つ筈」

アサシン「ふむ…この崩落で分断されていなければ良いが」

女海賊「ちっとヤバいかも…ちょい探そう」

アサシン「肩に掴まれ…」グイ

女海賊「悪いね…」ヒョコヒョコ

”ザザー”

”女海賊や…そこにアサシンも居るな?”

”あ…うん”

”特殊工作部隊が崩落で孤立してしもうた…退路が無く苦戦しておる”

”どうすりゃ良いの?”

”今から大型気球が降りて来るで爆弾を入手してそこの瓦礫を突破せい”

”ここまで降りてくんの?マジか…”

”わらわ達は強化クロスボウ隊を引き連れて別所から特殊工作部隊の救援に向かう…寄って主らだけで魔石を破壊して来い”

”ちょ…場所分かんないんだけど”

”その瓦礫の向こう側じゃ…左手に下へ降りる階段があるそうじゃ”

”分かった…”

”上手くやれや?…ザザー”


女海賊「やっぱこの瓦礫の向こう側か…」

アサシン「大型気球が降りて来る…私は火炎放射器しか持って居ない…お前が援護しろ」

女海賊「私も特殊弾の残弾に余裕無いのさ…」ヒョコヒョコ

アサシン「何とかしろ!!行くぞ」グイ


---------------

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---------------

『大型気球』


フワフワ スゥゥゥ


盗賊「球皮は下に着陸してから修理する…ちっと時間掛かる!」

狼女「吹き抜けの壁面に居る敵は全部倒したと思う…このまま降りて行って!!」

ローグ「グレムリンはどうするんすか?」

盗賊「放置だ!!分裂して厄介な事になる…どうせ降りて来られん」

狼女「下でアサシンが手を振ってるよ…」

ローグ「あそこっすね…」グイ


パタパタパタ


盗賊「プロペラだけじゃ方向転換も遅いな…」イラ

狼女「最下層はまだ敵が居るみたい…狙って!!」カチ ピカーーー チュドーーーン

盗賊「おいおい又壁面が崩落する!!クロスボウ使え!!」ダン! バヒュン!

ローグ「ヘルハウンドが多いっすね…」ダン! バヒュン!

盗賊「どうせこの気球には這い上がれん…数だけ減らせば良い」ダン! バヒュン!

ローグ「倒しても倒しても湧いて来るパターンっすね…」ダン! バヒュン!

『最下層』


ガウルルル ギャフン!! バタバタ


アサシン「ヘルハウンドは私に任せて爆弾を取りに行け!」

女海賊「おけおけ…ちょい上にグレムリン居るから気を付けて」ヒョコヒョコ

アサシン「あそこから降りては来るまい…お前の方こそ気を付けろ」


フワフワ ドッスン!!


盗賊「ようし!!遠距離撃って来る敵は居ないな?ダッシュで球皮を修理するぞ!!」

ローグ「へい!!」ダダ

狼女「女海賊!!瓦礫に巻き込まれたんだな?平気か?」

女海賊「なんとかね…爆弾どんくらい残ってる?」ズリズリ

盗賊「殆ど使って無ぇ!!重いから全部降ろしてくれ」

女海賊「ボルトはまだ余ってそう?」

盗賊「適当に持ってけ…ちっと俺は忙しい」ヌイヌイ

女海賊「反動きついけど…ボルトで我慢しよう」

狼女「手伝う…」シュタタ

女海賊「一気に使うと又崩落しちゃうから投げて使う…あっちの方まで運ぶの手伝って」ヨイショ!

狼女「足の骨いっちゃった?」ヨイショ!

女海賊「そのうちくっ付くよ…」ヨタヨタ

アサシン「急げ!!ヘルハウンドが集まりだしてる」

女海賊「わーってるって!!」

『10分後』


ドーン! パラパラ


女海賊「角の一点集中で掘り進む…リカ姉ぇもプラズマ銃撃って」

狼女「分かった…」カチ ピカーーーー チュドーーーン

女海賊「次!!」チリチリ ポイ


ドーン! パラパラ


アサシン「これは時間が掛かりそうだな…」

女海賊「これしか方法無いっしょ」チリチリ ポイ ドーン

狼女「向こうにある重装射撃砲は使えない?」

女海賊「お!?」キョロ

狼女「爆弾で掘り進めるのは私がやるからちょっと見て来て」

女海賊「おし…ちょい行って来る」スタタ

アサシン「リカオン!!プラズマの銃を貸せ…そっちの方が射程が長い」

狼女「分かった!」ポイ

アサシン「よしこれでヘルハウンドを蹴散らせる…」カチ ピカーーーー チュドーーーン



『20分後』


ドーン! パラパラ


女海賊「ちょいどいてぇ!!重装射撃砲を試しに一発撃ってみる」ゴトゴト

アサシン「リカオン!!こっちに来い」

狼女「…」シュタタ

女海賊「行くよ!!」カチ


ドーン! ズドーーーン!


女海賊「おぉぉ行けるイケる!!リカ姉ぇ!!穴の奥に爆弾何個か突っ込んどいて」

狼女「分かった…」シュタタ

女海賊「あと6発撃てる…」ガコン ガチャガチャ

狼女「撃って!!」シュタタ ピョン

女海賊「イケぇ!!」カチ


ドーン! ズドドドドーーーン!

『30分後』


女海賊「最後の一発!!」カチ


ドーン! ズドドドドーーーン!


女海賊「なぁぁぁぁ!!貫通しない…」

盗賊「後は任せろ!!」スタ

女海賊「球皮の修理は?」

盗賊「終わった!!いつでも飛べる…ローグ!!穴掘りの専門家の出番だ!!行くぞ!!」

ローグ「アイサー!!」スタ

女海賊「どうする気?」

盗賊「コレだ!!」スチャ

女海賊「破壊の剣…」

盗賊「おうよ!!こいつでくり抜いて行くんだ…まぁ待ってろ!!」ダダ

ローグ「やっぱあっしらが居ないとダメなんすねぇ…二ヒヒ」ダダ

女海賊「リカ姉ぇ!!あと爆弾どんくらい残ってる?」

狼女「20個くらい…」

女海賊「それ私のカバン中入れとくわ…」スタタ

狼女「穴が貫通すれば良いけど…」

アサシン「リカオン!!退路側から小型の機械達が戻り始めて居る…こっちに来い!!」

狼女「ええ!?」シュタタ

女海賊「ヤバヤバ…キ・カイ側に攻めてたのが戻って来てんだね?」

アサシン「恐らく…」

狼女「ここだと袋のネズミ…」


ヒュゥゥゥ…


盗賊「おわっ!!なんだぁ?冷気が噴き出して…」

ローグ「頭ぁ!!反対側から来てたんすね…」

女戦士「この穴を通れるのは一人がやっとか…よし!!負傷者を順に運べ」

盗賊「おいおい…どうなってんのよ」

女戦士「重傷者が8名…そこに大型の気球はあるな?」

盗賊「おう…」

女戦士「8名を乗せてここから離脱しろ」

魔女「女海賊は居るか?」

女海賊「線虫だね?」スタタ

魔女「うむ…全員に掛けて置くのじゃ…蒸気による熱傷でやられて居る」

女海賊「おっけ!!線虫!出て来い!!癒せ!!」ニョロニョロ

魔女「ひとまずこの向こうはわらわの氷結魔法で行く手を阻んで居る…じゃが直に氷が溶けるでそれまでに用を済ませるのじゃ」

女海賊「この先で左に降りて行きゃ良いんだね?」

女戦士「その前に負傷者を気球に乗せるのが優先だ!!早く乗せろ!!」

『大型気球』


フワフワ


盗賊「じゃぁ俺達はここを離脱する…あと少しだ!!上手くヤレ」

ローグ「急上昇しやすぜ?ガーゴイルは頼んます」グイ


シュゴーーーーーー フワフワ


女戦士「よし!!残りは私に続け!!地下線路接続部を再度占拠する」

狼女「機械が戻り始めてるから気を付けて…今小型の機械が3機」

女戦士「フン!!今通って来た道で50機は撃破した…3機なぞどうでも無い!!行くぞ!!」ノッシノッシ

魔女「残り30分じゃと思え…もうこれ以上の損耗は出来ぬ」

女海賊「分かった…アサシン!!リカ姉ぇ!!行くよ!!」タッタ


-------------



『最下層_側道』


ガチャガチャ


女海賊「この扉だ…空く訳無いか」

狼女「どいて…破壊の剣で切り抜く」スパ スパ


ガコン ゴトゴト


アサシン「階段だ…降りるぞ」スタ

女海賊「ちょっと…機械の体の人間だ…こんな所で倒れて…」

アサシン「人間の部分はすべて食われて残って居るのは只のガラクタだ」

女海賊「これキ・カイ政府の高官なんじゃない?」

アサシン「もうどうでも良い…」

女海賊「人間は一人残らず食われてそうだ…」キョロ

狼女「この状況で生きている人が居るとでも思った?」

女海賊「まぁ…無理だね」

アサシン「時間が無い…急ぐぞ」スタ

『制御室_扉』


ゴウン ゴウン ゴウン ゴウン


女海賊「ここだね…リカ姉…扉お願い」

アサシン「一応反撃に備えろ」スチャ

女海賊「分かってる…速攻爆弾打ち込むからまだ入らないで」

アサシン「良いだろう…」

狼女「行くよ?」スパスパ ガラガラ


シュゥゥゥゥ


女海賊「熱っつ!!なんだココ…」チリチリ ポイ


ドーン! ドカーーン パラパラ


アサシン「機械が熱を発している様だ…私しか入れなさそうだな」

狼女「破壊の剣で停止させられる?」

アサシン「やってみる…ここで待って居ろ」タッタッタ


スパッ ガコン! ビリビリ ドーン


女海賊「アハハ楽しそうだな…メチャクチャじゃん」


バシャァァ シュゥゥゥ


狼女「天井から雨が…」

女海賊「スゴ…どういう仕組み?なんで?どこに水入ってたん?」キョロ

狼女「機械から音がしなくなった…」

アサシン「中に入れそうだぞ…来い」

『制御室』


シャワワワワ モクモク


女海賊「おぉ…機械が並んでる」

アサシン「関心してる場合では無い…黒い魔石を探せ」スパ スパ ゴトン

女海賊「エネルギー源を辿って行けば良いのさ…えーと」キョロ

狼女「この機械が政務官?」

アサシン「さぁな?ただドリアードの中にあった機械と比較して随分ちんけな機械だ」

女海賊「アサシン!!この太いパイプ切って」

アサシン「ふむ…」スパ ビリビリ

女海賊「お!!?今の電気の光かな?」

アサシン「体に何も感じないから分からん」スパ スパ ビリビリ

女海賊「これがエネルギー供給のパイプだとしたら…向こうの部屋に繋がってる」スタタ

アサシン「この部屋では無かったか…」スタスタ


------------

『動力室』


シュゥゥゥゥゥ モクモク


女海賊「これだこれ!!こっちが重力炉…ほんでこっちが縮退炉」

アサシン「魔石はどこだ?」

女海賊「ほら此処!!この容器に入ってる…魔石のエネルギーを重力炉で質量に変換してそのあと縮退させてる」

女海賊「なるほど!こうやって大容量エネルギーにして行くのか…」


スパ!!ゴトン!!


女海賊「ああああああああ!!ちょっと…メチャクチャ危ない事してんな…」

アサシン「んん?何がだ?」

女海賊「ヘタにぶっ壊すと光る隕石並みの大爆発するんだよ!!」

アサシン「しなかったでは無いか…」

女海賊「それ結果オーライなんだって!!」

アサシン「これで黒い魔石を取り出せる…」スタ

狼女「これが魔王を封じた魔石…オーラが漂ってる」

アサシン「ふむ…この破壊の剣では一振りで消し切れん…女海賊!!魔人の金槌を貸せ」

女海賊「ちょ…速攻壊す感じ?」

アサシン「当たり前だろう…躊躇しているといつ足元をすくわれるか分からん…貸せ」スッ

女海賊「わかったよ…」ポイ

アサシン「リカオン!!破壊の剣は返す」ポイ

狼女「…」パス

アサシン「では爆発しかねん…陰に隠れて居ろ」スタスタ

女海賊「なんかあっさり壊しちゃうんだな…」スタコラ

アサシン「フハハハハハハ…とうとう魔王をこの手にしたぞ!!アーーーッハッハッハ」

狼女「アサシン…」

女海賊「あのね…冗談止めてくれる?」

アサシン「何が魔王だ!!こんな物に収まって…勇者でも無い私に消し去られるとは…」

アサシン「世界の半分をお前にくれてやる?我が右腕になれだと?」

アサシン「悪いが何者でもない私にお前は消し去られる…こんなに簡単にな?」ブン


シュン! パーン! キラキラ


女海賊「ちょ!!それ私の金槌…砕け散っちゃったじゃん!!」

アサシン「クックック…何も起きん…この為にどれだけの命が失われたのだ!!」

アサシン「償いも何も無い…ただ消えた」

アサシン「何だったのだ!今までの戦いはぁぁぁ!!」ダン!


シーン


女海賊「…」

狼女「…」

女海賊「アサシン…帰ろうか」

アサシン「なんだこの虚しさは…」

女海賊「心に穴が開いたのさ…魔王は人間の心の一部だから…」

アサシン「私は私の心の一部を葬ったのか?」

女海賊「それが魔王に勝ったと言う事…もう何度目?」

アサシン「…」

アサシン「済まない…取り乱した様だ…帰るぞ」スタ


ヒラヒラ パタパタ


妖精「ハロハロー!!久しぶりだね」

アサシン「お前…」

妖精「又追いかけっこしようよ…君が鬼で僕が逃げる」

アサシン「又と言ったか?」

妖精「いつもの事じゃない…僕を掴まえたら良い事教えてあげる」ヒラヒラ

アサシン「待て…」

妖精「バカだなぁ待つわけ無いじゃない…」パタパタ


---子供の頃…こうやって辿り着いたのがあの場所だった---

---今ゴールまで来たのか?---

---良い事って何だ?教えてくれ---

『地下線路接続部』


女戦士「来い!バケモノ!!」バンバン

グレムリン「コイバケモノー」ズドドド ブン

女戦士「撃てぇ!!」ガシ


バシュン バシュン バシュン バシュン ドーン!!


女戦士「腹の中を見せてみろぉ!!」スパァ!! デロデロ

魔女「火炎地獄!!」ボボボボボボ ゴゥ

レンジャー「投擲!!」

兵隊達「うらぁ!!」チリチリ ポイ


ドドドドドドーン


レンジャー「火炎放射!!」

兵隊達「燃えろぉ!!」ボボボボボ

魔女「切りが無いのぅ…火炎魔法!」ゴゥ ドーン!

女戦士「まだ帰って来んのか…フゥ…フゥ…」

魔女「もう直じゃ…魔石は消し去った故…直に魔物も収まる筈じゃ」

女戦士「収まるどころか増えている!!」

魔女「小型の機械は何処ぞへ行った様じゃが?」

女戦士「アレが来んだけマシか…」


ピカーーーー チュドーーーン!


女戦士「む!!」

魔女「来たな…」ノソ

女海賊「お姉ぇ!!撤収しておっけ!!」パシュ シュルシュル


ダン! ダン! ダン! ダン!


グレムリン「イタイーーーータスケテーーー」バタバタ

女戦士「総員!!トロッコへ後退!!撤退戦に移行する!!」

女海賊「私がタゲ引いとくから行って!!」パシュ シュルシュル


--------------

--------------

--------------

『重装トロッコ』


ドタドタ


女戦士「足りない者が居ないか各自確認しろ!!」

魔女「治療が必要な者は自己申告じゃ…グレムリンの血を被った者もじゃ」

女海賊「アサシン!!早く乗って!!」

アサシン「…」ピョン スタ

狼女「…」ピョン シュタ

女海賊「おっけ!!全員乗った…トロッコ動かして!!」チャキリ ダン ダン


モクモクモク


レンジャー「全速後退!」

女海賊「なんだ重装射撃砲の弾がまだ余ってんじゃん」ゴソゴソ

レンジャー「何をする?」

女海賊「こいつを撃ったら反動で加速するんだよ」カチ


ドーン! ズドドーーン! ゴロゴロ…


アサシン「ゾンビ隊は全滅だ…自力で動かすぞ」ノソリ

女海賊「そっか…みんな怪我してんのか…」ヨイショ

アサシン「なかなか休まらんな…」グイ

女海賊「そだね…もう死にそう…」グイ


ゴロゴロ… ガタンゴトン


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『帰路』


カタタン ゴーーーーー


女海賊「線虫!癒せ!!」ニョロ

女戦士「ふぅぅ…」ドサリ ガチャ

女海賊「うわ…お姉ぇは体中アザだらけじゃん…」

女戦士「なかなか良い鎧だった…今までで最高のな」

魔女「只一人敵の最中で耐える姿は鬼人じゃ」

レンジャー「そのお陰で激戦を潜り抜けられた…もう二度と経験したくない」

女海賊「そんな激戦だったんだ…」

魔女「吹き抜けの通路を封鎖して居ったで溜まりに溜まって居ったのぅ…お陰で魔法が良く当たったが」

女海賊「こっちは戦闘はそんな起きなかった」

レンジャー「魔石の破壊は無事に?」

女海賊「アサシンが魔人の金槌で消し去ってくれた…ってか魔女に借りたあの武器砕け散っちゃったさ」

魔女「処分に困って居ったから構わぬ…」

女海賊「あの武器気に入ってたんだけどなぁ…」

魔女「これで魔王との戦いは一旦の終わりじゃな」

女海賊「んんん…なんかさぁ…前もそうだったんだけど倒したから何か変わったん?…って感じ」

魔女「ふむ…実感が無いのじゃな」

女戦士「嫌な感覚だ…」

アサシン「クックック…これが現実…誰に感謝される訳でも無く風の様に消えて行く勇者の孤独だ」

レンジャー「現実か…結局歩むしか道は無いという事か…」

女海賊「何言ってんだよ…歩む道が有るって事じゃん」

アサシン「確かに…」

女海賊「あんたは妖精の後について行くんじゃないの?」

アサシン「そうだった…答え探しにな」トーイメ

レンジャー「俺は…」

女海賊「あんたは理想郷だよ…見つけたんならそれを守るの」

女戦士「次の目標を語るのは少し休んだ後でも良いのでは無いか?」

女海賊「そだね…ちっと疲れたね」

魔女「わらわもちと温泉にでも浸かってゆるりと休みたいのぅ…」

女海賊「うん…帰ろう」


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『鯨型飛空艇』


シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ


盗賊「ほっほっほっ…おととと」シュタ ギシ

情報屋「ちょっとアナタ…後ろの気球からロープ伝って来たの?」

盗賊「ヌハハこれくらいどうって事無い…向こうに食い物が無くてよ…こっちに肉あっただろ」

商人「有るには有るけどこれ持って帰れる?」

盗賊「そんなん簡単だ…飛空艇の高度を少し上げてもらえりゃスルスルっとな?」

商人「骨付きが良いよね?」

盗賊「おおおソレだソレ!!ヨコセ」

商人「危ないなぁ…」ガチャ ヒュゥゥゥゥ

盗賊「頂くぜ?」グイ ゴソゴソ

商人「ハハなるほど骨を引っかけて戻るのか…」

盗賊「高度をちっとあげてくれい…」

情報屋「本当!!呆れた人…」グイ


シュゴーーーーー フワフワ


盗賊「じゃぁ俺らは休んでるから案内頼むな?」スルスルスル ピューー

商人「盗賊は年を取っても昔と変わらないねぇ…」

情報屋「ひた向きで素直な人…一番人間らしい人…」

『大型気球』


パタパタ ヒュゥゥゥ


盗賊「よう…スモークしたシカ肉仕入れて来たぜ?割と新鮮だ…食え!」ドサリ

ローグ「酒は積んで有って良かったっすねぇ…」グビ

盗賊「兵隊達も戦闘食ばかりじゃ体力持たんぞ?肉食え肉」スパ ガブリ

兵隊達「頂く…」ガブ ムシャ

ローグ「これでしばらく平和になれば良いっすねぇ…」

盗賊「そうだな?…今度こそ魔王は消え去った筈だ」

ローグ「一気に狭間が引いて行きやしたからね…」

盗賊「この負傷した兵隊達が一番前線で戦って来た英雄だ…なんつーか勲章でもやらんとな?ヌハハ」

ローグ「早く村に戻って温泉入ってゆっくりしたいっすねぇ…」

盗賊「あそこにゃ酒場が無いのがな…」グビ プハァ

ローグ「帰ったら作りやしょうか」

盗賊「ほー…そうだな」

ローグ「盗賊さんの娘さん達にやらせれば良いんじゃないすかね?」

盗賊「ふむ…ようし!一丁作って見るか!!」


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 勇者の孤独編

   完



『数日後_ハテノ村古代遺跡』



情報屋「…一角仙人の伝説にそんな事実があったのね」

女海賊「そんな重要な話だったかな?」

情報屋「大量の黄金の行方よ…それはニライカナイで変性されてアダマンタイトになったのは間違いなさそう」

女海賊「うん…」

情報屋「重要なのはその年代…2100年前に剣士と未来君はアヌンナキが黄金を採取しに地球へ降り立った事を知ってる」

女海賊「どゆ事?」

情報屋「アヌンナキの器も命の水も黄金もすべて奪ってると言う事…何故?」

商人「そうだねおかしいね…」

魔女「その時代は時の王の時代じゃ…時の王の証言に何かヒントは無かったか?」

商人「暁の使徒と黄昏の賢者が喧嘩別れ…」

魔女「つまり始めは仲が良かったのじゃな」

商人「こうは考えられないかい?アヌンナキの言われた通り器と命の水…それから黄金も探し求めた…でもどこに有るのか知らない」

情報屋「じゃぁ協力して黄金を集めたのは良いけど契約を履行出来なかった…だから喧嘩別れ?」

商人「アヌンナキの思惑をそこで知ったから黄金を渡すまいとアダマンタイトに変性させた…話が通る」

女海賊「アヌンナキってやっぱ悪い者?」

情報屋「地球への侵略者ね…実害がよく分からないけれどアヌンナキの中から選ばれた2人…エンキとエンリルが地球の支配者だった」

商人「その2人の神が人間を作って…その後人間に滅ぼされて黄泉に落ちた…そして魔王に」

情報屋「魔王になったのはその2人でアヌンナキ自体がどんな影響を持ってたのか不明なのよ」

商人「まぁ神様の一人なんだろうね」

女海賊「そんなんがオークシャーマンの中に入っちゃってんの?」

魔女「憑依しとるんじゃろうな」

商人「アヌンナキの思惑がハッキリと分からないのがねぇ…」

女海賊「3500年前だっけな…その当時のドリアードを虫を使って倒したのは黄昏の賢者って話だったよね」

商人「その動機もイマイチ分からないねぇ…」

情報屋「人間が作った神を復活させてしまうと都合が悪いのでは?」

魔女「ふむ…アダムは魔王に染まってしまう弱点が有ったな」

情報屋「あ!!そうか…魔王になったエンキとエンリルが力を持つ事を阻止したのかも知れない…器を奪われるのが怖かった」

魔女「神々の戦いはまだ続いて居ったか…」

情報屋「魔王とは対立の立場にあったのかも知れないわね」

女海賊「ちょい話戻るけどさ…大量の金って滅茶苦茶重たいじゃん?どうやってニライカナイまで運んだと思う?」

情報屋「そういえばそうね…」

商人「ん?そうか…2100年前に箱舟を動かした可能性もあるのか…それで頻繁にハウ・アイ島を行き来してた…」

情報屋「ハウ・アイ島を発見した探検家の日誌に巨大な箱舟らしき物が掛かれて居たから箱舟がそこに有るのはほぼ間違いない」

商人「その絵ってもう骨組みしか残ってないくらいボロボロだよね」

女海賊「ちょちょ…もう箱舟使って月には行けない感じ?」

情報屋「見てみない事にはなんとも…」

商人「何かの兵器が残ってる可能性はまだ有るね」

女海賊「ちっと見に行ってみるかなぁ…」

魔女「また狭間を迷う事になりかねんぞ?もう女戦士が許すとは思えぬが…」

商人「行くなら先にホムンクルスだね…座標さえ分かれば迷う事も無い」

『鍛冶場』


カーン カンカン シュゴーーーー


女海賊「お姉ぇ!!あのさぁ…」

女戦士「んん?」カンカン

女海賊「私名もなき島に戻ってホムちゃん起こしに行きたいんだけどさぁ…」

女戦士「ふむ…構わぬがもう少し待て…もう少しで地軸の移動が収まる」

女海賊「やっぱ今行くと迷っちゃうかな?」

女戦士「海は目標物が無いからな…方角がしっかり定まらんのだぞ?」

女海賊「しょぼん…」

女戦士「急ぐこともあるまい?黒い魔石ももう無いのだから…」

女海賊「まぁそんなんだけど…落ち着かなくてさ」


タッタッタ


盗賊「おーい!!影武者の気球がこっち戻って来てるぞ!!」

女戦士「おお!!無事だったか…」

盗賊「女海賊!お前暇なんだろ?迎えに行くぞ!」

女海賊「はぁ?私忙しいんだけど…」

盗賊「暇にしか見えん…来い!」グイ

女海賊「ちょっと引っ張んなって!!」ヨロ


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『大型気球』


フワフワ ドッスン


影武者「やあ…心配かけた様だね」

盗賊「よう!!何か有ったと思ってた所だ…お前にも貝殻持たせんとイカン…ちょちょ…」


オークロード「ウゴ…」ノソリ


盗賊「こらどういう事よ…」タジ

女海賊「わわわわわ…でっか!!」

影武者「ゴメンゴメン…攻撃しないで欲しい」

盗賊「仲間になったって事か?」

影武者「仲間と言うか監視だね…敵対しない事を約束する為なのさ」

女海賊「会話出来るん?」

影武者「通訳はもう一人連れて来てるんだ…出ておいで」


オークシャーマン「オマエー」ヒョコ


盗賊「なぬ!?子供?」

オークシャーマン「ズーガタカイー」

盗賊「なんじゃこりゃ…まだ毛も生えてないクソガキだろう…」

影武者「まぁそう言わないで…色々事情が有るのさ」

女海賊「この2人を村に連れまわすん?マズくない?」

影武者「ひとまずこの気球にしばらく居て貰う…みんな慣れるまでね」

盗賊「ほーん…まぁ良い…ほんで向こうの方はどうだったんだ?」

影武者「キラーマシン達はミネア・ポリスを通過して何処かに向かったらしいよ」

盗賊「予測した通りか…」

影武者「それよりも例のグレムリンの方に手を焼いて居てね…魔石が丁度取引に好条件だったのさ」

盗賊「子供の脳を搭載したキラーマシン動かすのにか?」ギロ

影武者「盗賊さんが想像して居るのと少し違うかな…体を失った子供達が動ける為には魔石が必要なんだ」

盗賊「なんだと?」

影武者「自分の判断で動けるんだよ…体がキラーマシンになってしまったけれど…」

盗賊「そういう事か…」

影武者「後ね…重大な事をみんなに伝えておかなければならない」

盗賊「何よ?」

影武者「クーデターを起こした政務官はね…世界政府というのを宣言したんだ」

女海賊「あーそれならエド・モント砦の機械は私達が全部壊して来た」

影武者「影響はエド・モント砦だけじゃ無いんだよ…世界中のすべての機械が人類に宣戦布告してるんだ」

女海賊「ちょちょちょ…どういう事?エネルギーはもう無いよ?」

影武者「有る所には有るって聞いたよ…ウラン結晶が残ってる」

盗賊「なんだそら…」

影武者「どうやらオーク側に逃れた人は事前にそうなる事を察知していたみたいだよ」

女海賊「機動隊だね?」

影武者「なのかな?ミネア・ポリスの方には結構な数の人間が生活してる」

女海賊「ちっとみんな呼んで来るわ…古代遺跡の方で話してるからさ」

影武者「じゃぁこの気球に来てもらって良いかな?オークの事も説明しておきたいんだ」

『30分後』


カクカク シカジカ…


オークは肌の色でそれぞれの部族が分かれているらしいんだ

今来てくれているのが肌の青い東オークという部族なんだ

他にも肌が緑色の西オーク…赤色の南オークとか沢山ある

そのオーク達は部族同士全部敵対…どうしてそんな事になっているかと言うと

オークシャーマンに憑依するアヌという神が原因らしい…その神は今西オークのオークシャーマンに憑依してる

そもそもどうしてオークが沢山の部族に分かれて居るのかと言うと

信じている神が違う…ウンディーネを神とする部族…神など居ないとする部族…予言こそ神の言葉とする部族

そしてアヌという神を崇拝している部族が一番力を持ってる…


情報屋「オークにも私達人間と同じ様な宗教的な文化がある訳ね…」

影武者「もともとオークはアヌという神だけだったのに人間の神を信じるオーク達が現れてバラバラになってしまったんだ」

商人「今来ている東オークは何を信じるのかな?」

影武者「神など居ないとする部族…何処にも属さない」

オークシャーマン「ソレ…チガウ…アヌ…シタガワナイ…ウンディーネ…モウイナイ…カミ…ドコカイル」

女海賊「てかさ?アヌって何?アヌンナキじゃ無いの?」

情報屋「きっとオークの中ではアヌって呼ばれて居るのよ」

女海賊「ほんじゃアンタも憑依されんじゃね?」

オークシャーマン「アヌノコエ…キコエル…シタガワナイ…ノロイ…サレル」

商人「なるほど…それで部族間で争いが絶えないのか…」

情報屋「目的は何かしら?」

影武者「オーク達は分からないらしい…本当はオーク同士戦いたく無いし誰もアヌに従いたくないみたいだよ」

オークシャーマン「ノロイ…ナクナル…ホウホウ…アル…ニンゲンノコ…ウム」

情報屋「人間の子を産む?」

影武者「そうだよ…人間の子を産むと永遠にアヌに従わなくて良い…でも人間がなかなかそれを許さない」

女海賊「アヌの目的って人間とオークの交配って事?」

商人「う~ん…なんか違う気がするなぁ…理由が無いんだよ」

情報屋「部族間の争いも理由が良く分からない…どうしてそんな意味の分からない事を…」

魔女「従わぬ者を従わせたいだけでは無いか?強制する故に抗う者が無くならぬ」

情報屋「確かにそれは有りそう」

女海賊「ほんで?宣戦布告した機械達とはどんな関り持ってんのさ?」

影武者「機械はオークの敵…人間は敵にしたくないと言うのが彼らの主張さ」

女海賊「肝心のアヌは何か言ってんの?」

オークシャーマン「アヌノテキ…オナジ」

商人「何か引っかかるなぁ…」

女海賊「まぁ私等の敵じゃ無いなら良いんじゃね?」

情報屋「そうね…とりあえず機械が共通の敵という事は確認できた」

女海賊「てか機械がどんくらい居るのか見当がつかないからさぁ…何も出来んじゃん」

商人「待てよ?機械が宣戦布告してるのは人間だよね?なんでオークが関わる?」

女海賊「むむ!!そういやそうだ…アヌはなんで機械を敵にしてんだ?」

魔女「読めて来たぞよ…機械からアダムが生まれるのを嫌がって居るのでは?」

商人「なるほど…」

女海賊「まぁあんま深く考えなくても良いじゃん!!味方ならそれで良いよ」

商人「ハハ…まぁ個人的に考えておくさ」

『広場』


ザワザワ

オークロードが味方になっただって?どうやって?

今から投石をやるみたいだ…ここからガーゴイル狙えるのか?


オークロード「ウゴ…ドルァァァァ!!」ブン!!


バヒューーーン!! バシッ!!


盗賊「うはぁぁぁぁ…すげえな…」タジ

ローグ「こら反則っすね…あんな遠くのガーゴイルに当てちまいやした…」ヘナヘナ

盗賊「オークロードが一人居りゃガーゴイルなんざ怖く無いじゃ無ぇか」


子供達「うほほーい!!」スタタタ


オークロード「ウゴ?」タジ

子供達「ねぇもっと遠くまで投げてみて~」

オークロード「ウゴウゴ…」ムキムキ モリモリ


セーノ ブン!! バヒューーーーーーン!!


子供達「すごいすごーーーーい!!」

盗賊「ヌハハ…遠投は単純で分かりやすい…どうやら子供達には気に入られた様だ」

オークロード「フン!フン!」ムキムキ

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『鯨型飛空艇』


ゴソゴソ カチャカチャ


女海賊「おっし出来上がり!」

女戦士「此処に居たか…何をしている?」

女海賊「プラズマの銃を左右に設置したのさ…強化クロスボウは反動強くて不安定になっちゃうから」

女戦士「もう何処かに行く想定なのだな?」ジロ

女海賊「そういう訳じゃないんだけどオークロードが居るならもう出番無いと思ってさ」

女戦士「私もそう思ってな…実は幽霊船に戻ろうと思って居たのだ」

女海賊「お?」

女戦士「ハテノ村はもう影武者に任せても良さそうだ」

女海賊「そだね」

女戦士「私とローグ…アサシンにリカオンを幽霊船に移動させたい」

女海賊「どっか行くん?」

女戦士「今の所予定は無い…ひとまず海賊共に情報を聞き出したいのだ」

女海賊「私も荷物を幽霊船に運んどこうかな…」

女戦士「荷物?」

女海賊「ダンゴムシだよ…なんかあのオークシャーマン信用出来なくてね…勝手に盗まれそう」

女戦士「まだ子供の様だがな…」

女海賊「いつアヌンナキが乗り移るか分かんないじゃん?」

女戦士「話を聞く限り悪い感じはしないがな」

女海賊「そうなんだけどさ…暁の使徒と黄昏の賢者が仲違いしたのは理由在りそうだなと思ってね」

女戦士「なるほど用心に越したことは無いか」

女海賊「ほんでいつ行く?」

女戦士「明日の朝だな…皆に説明してくる」

女海賊「おけおけ…準備しとくわ」

『夕方_古代遺跡』


アーデモナイ コーデモナイ


女海賊「3人共やっぱこっちに居たんだ…」

魔女「うむ…聞いたぞよ?明日幽霊船に戻るのじゃろう?」

女海賊「私はすぐ帰って来るけどね…ほんで今何してんの?」

魔女「世界中の古代遺跡の場所を確認しあっとる所じゃ…機械の影響がどれほど及びそうか調べておる」

情報屋「北の大陸…いえシン・リーンやセントラルも無事では済まないかも知れないという話なのよ」

女海賊「え!?マジ?」

情報屋「少なくとも黒の同胞団が隠れ家として使って居た場所は古代遺跡の可能性が高い」

女海賊「それじゃフィン・イッシュにある遺跡もヤバイじゃん」

情報屋「そう…何処かに古代の軍用基地みたいな物があるのかも知れないの」

女海賊「なんかヤバくね?小型の機械がそこらじゅうで暴れ回るんだよね?」

魔女「うむ…じゃから影響が及びそうな場所を調べて居るのじゃ」

商人「セントラルは昔出所不明のウラン結晶を沢山持ってた…つまり黒の同胞団の隠れ家にはもうエネルギーは無いかも知れない」

女海賊「あれ?それじゃ名もなき島もヤバくね?」

情報屋「あそこはスタンドアローンで外部とは切り離されてるから大丈夫」

女海賊「ここは?」

商人「火山の近くで軍用の施設は作らないよ…多分ここは研究所さ」

女海賊「軍用…ほんじゃ海の近くか」

商人「そう言う事…海か川が近い筈…だからセントラルもフィン・イッシュも危ない」

情報屋「古代の地図では当時の主要な都市が有ったのは未踏の地で岩塩地帯になっているわ」

女海賊「ちょい待ちちょい待ち…キ・カイみたいに地下に埋もれてるとか有るかも…」

情報屋「一度海水に浸されて居るからもし有ったとしても岩塩で覆われてる可能性が高いと思う…」

女海賊「なんだよ結局行ってみないと何とも言えないじゃん」

魔女「母上に連絡して警戒を頼んでおこう」

情報屋「それならフィン・イッシュにも連絡を願えると良いわ」

魔女「そうじゃな…言うて置く」



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調和の神エンキ…破壊の神エンリル

そして裁きの神アヌ…この3人の神が三大神として君臨…

その他にも月の神…太陽の神…冥界の神…様々な神が居てその数およそ2400の神が存在したらしい

多神教として繁栄したメソポタミア文明はその神の座に序列をつけ始め次第に争いになった…神々の戦いね

でもそのすべての神が人間に手によって滅ぼされ…現在に残っているのは裁きの神アヌだけ…


商人「どうしてアヌだけ都合よく残ったんだろう?」

情報屋「アヌだけは最も重要な神という位置づけだったのにその性質は殆ど知られていない…つまり何にも関わらなかった」

商人「やっぱり良く分からない神だなぁ…」

女海賊「その神全員がアヌンナキなん?」

情報屋「ここの機械にはそういう事が記されて居ないけれど…きっとそうね…集合意識の一部が何かの器に収まって降臨したと思う」

女海賊「ほんじゃ1000人以上のオークが当時地球を支配した感じな訳か…」

情報屋「その当時はオークでは無かった様ヨよ?レプティリアンというリザードマンの様な個体」

商人「1万年以上もアヌは地球で何を目的として居たんだろう?金が欲しいならさっさと採取して何処かへ行けば良いのに…」

情報屋「集合意識なのだから俗な知性は無いと思うわ」

商人「知性が無い?」

情報屋「単純に宇宙で存在する為のエネルギーを欲しているとか…意識を受け入れる媒体を求めているとか…」

女海賊「ちょい待ち…ほんじゃ知性は器の側が持ってるという事?」

情報屋「恐らく…私達にアヌが乗り移ったとして知性はそのまま維持してる…でもアヌの意識を感じて目的を得る」

女海賊「あああ…そういう事か…オークシャーマンもそうやって啓示を受けてるのか」

情報屋「集合意識という存在はそれくらいの事しか出来ないのよ…器に収まってやっと動き出せるというか…」

魔女「魔王も同じじゃのぅ…人間に暗示を与え操るしか出来ぬ」

情報屋「そう…器に収まって初めて何か出来る存在」

商人「前に僕はアヌンナキが地球を実験場にしてると言ったよね…もしかするとそれが目的かも知れないな」

情報屋「その可能性は高いと思うわ…遺伝子を組み合わせて自身が収まる優秀な器を作ってる…究極の生命体」

女海賊「むむ!!ほんじゃあのダンゴムシは…」

商人「完成したのか完成前なのか分からないけれど優秀な器である可能性はとても高いね」



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女海賊「ほんじゃ私朝早いからもうもう飛空艇に戻るね」

魔女「うむ…わらわ達はここで研究してる故気にせんでも良いぞ」

商人「そうそう!!盗賊が縦帆を修理するのに布が欲しいって言ってたよ」

女海賊「あーー幽霊船に乗ってたっけ?」

商人「漁村で入手出来ないかな?こっちの大陸は亜麻が結構育つからさ」

女海賊「おけおけ探してみるわ」

魔女「わらわはフルーツが欲しいで何でも良いから買うてきてくれ」

女海賊「へいへい…じゃぁ戻る!!」スタコラ ピューー

情報屋「フフお使い頼まれると思って急いで逃げたわね…」

商人「じゃぁもう一度伝説を整理しよう…アダムとイヴの伝説が生まれたのが…」


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『鯨型飛空艇』


フワフワ


女海賊「はいはい早く乗って!!」

ローグ「アイサー」ダダ

アサシン「…」フラ ドサリ

女海賊「ん?アサシンは飲んだくれてんの?」

アサシン「何もやる事が無くなってな…海に出られて少しは気が晴れるかも知れん」グビ ゴク

女海賊「魔王を消して目的無くしたんか…」

アサシン「言うな…人生のすべてを掛けて辿り着いた場所が虚しかっただけだ」

女海賊「リカ姉ぇ…これアサシンヤバくね?」

狼女「そっとしておいて…」

アサシン「覚えているか?セントラルで初めてドラゴンライダーに圧倒された時の事を…」

女海賊「あぁ…100日の夜の始まりだっけ…」

アサシン「あの時自分の小ささを思い知らされた…しかし今は何も怖い物が無い…そして只虚しい」

女海賊「その心の穴は一生埋まらないと思う…私も同じだから」

アサシン「そうか…友が居たか…それならもう一人救わねばならぬ友が居る」

女海賊「もしかして…」

アサシン「公爵…奴こそ私の真の友になりうる…いや真の友だった」

女海賊「あぁ…よし!!付き合ったげようか」

アサシン「フフ…済まんな老害の戯言に付き合わせている様で」

女海賊「もう私等の時代は終わりかもね…アンタ言ってたじゃん時代の節目がどうとかさ?」

アサシン「そうだ…節目が来た…次の時代を担う者も目の当たりにした」

女海賊「影武者?」

アサシン「お前も飲むか?」スッ

女海賊「ワイン嫌いなんだって…ハイハイ!もう行くからリカ姉ぇも乗って!!」

狼女「…」シュタタ ピョン

アサシン「そろそろリカオンの相手も探さんとな」

狼女「ええ!?どうして急にそんな話に…」

女海賊「なんか好きな人居るみたいだよ?ナッツの投げ合いしたとか言ってたさ」

狼女「ちょっと!!それは夢の話!!」

アサシン「ナッツ?地庄炉村の青年の事か?」

狼女「ち…違う!!」アタフタ

女海賊「ああ!!そうだ!!布を仕入れに行かなきゃいけないんだった…行ってみよっかな~」チラ

アサシン「そうか…では命令する…リカオンは地庄炉村で盗賊ギルドの足掛かりを作れ」

狼女「え…」

女海賊「リカ姉ぇ良かったじゃん!!盗賊ギルド支部のトップだよ」

アサシン「フィン・イッシュから陸沿いにこの大陸に来れるのはあの場所が良いのだ」

女海賊「どんな人かな?見てみたいな~ヌフフフフ」

アサシン「オーガを数人で倒す気概のある青年だ…悪くないぞ?フフ」


ツカツカ


女戦士「遅くなった…」スタ ドサリ

女海賊「お姉ぇ…装備全部持って行くのか」

女戦士「私の居場所は幽霊船だ…ここでの役割は終わった」

女海賊「まぁそだね…ほんじゃ行こうか!!」グイ シュゴーーーーーー


フワフワ フワフワ


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『上空_川沿い』


シュゴーーーーー ヒュゥゥゥゥ


女海賊「羅針盤は完全に逆を差してんね…南西に向かってる」

女戦士「地図は新たに書き直した方が良いな」

女海賊「うん…まぁでも斜めに見ればなんとか分かるかな」

女戦士「方位線を書き足して置くぞ」カキカキ

女海賊「内海はやっぱ航海無理っぽい?」

女戦士「今の季節は暖かい時期だ…今の内に内海を脱出しておきたいな」

女海賊「どうすんの?ドワーフ領の方向行くん?」

女戦士「いや…それではいきなり東の外海に出てしまう…陸沿いに西へ行って地庄炉村からフィン・イッシュだな」

女海賊「西側の外海に出るん?そっちの方がデカいじゃん」

女戦士「陸沿いにフィン・イッシュに行けるのだ…外海と言っても沖に出なければ良い」

アサシン「私はフィン・イッシュに戻るのは急がなくて構わんぞ?」

女戦士「どうせ交易の拠点になるだろう…今の内に航路を見出しておく」

女海賊「まぁ陸沿いなら内海もなんとか航海出来るんだね」

女戦士「緯度的に冬は厳しくなるだろう…」

ローグ「また手漕ぎのガレー船が活躍するかも知れんっすね…」

女海賊「北方の海賊か…あいつらまだお姉ぇの海賊の中に居んの?」

女戦士「あの馬鹿共は全員裏切って豪族となった…女と金しか興味の無い者ばかりだ」

アサシン「フフ既に対立構造が見えて来て居るか」

ローグ「硫黄と硝石はこっちが押さえてるんで大丈夫でやんす」

女海賊「外海に向けて大航海時代が来そうだね」

女戦士「その中心地になるのがフィン・イッシュだと思われる…立地が良い」


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『漁村上空』


フワフワ スイーーーー


ローグ「漁村に停船してる大きな船2隻が商船でやんす…沖で停船してるのはみんな海賊船っすね」

女戦士「父の船が見当たらんが?」

ローグ「ドワーフ領の方に行ったみたいでやんす」

女海賊「なんか海賊船めちゃ多くない?」

ローグ「へい…ここで拠点作ってるでやんすよ…見て下せぇ!もう一つ船が停船出来る港を作って居やす」

女海賊「どこ?」

ローグ「漁村の向こう側の海岸っすね」

女海賊「うわ…しょっぼ」

ローグ「木材が無いもんでしょうがないでやんすよ」

女戦士「まぁ大砲が設置できれば要衝としては機能する…それで私の船はどこだ?」

ローグ「沖に小さな小島が見えやすよね?あの脇にハイディングさせてあるでやんす」

女戦士「漁村までは小舟で移動か…」

ローグ「今はほぼ全員漁村に降りてると思いやす」

女海賊「どうする?どこに降りれば良い?」

女戦士「漁村で先に情報を集めるか」

女海賊「おっけ!!ちょい離れに降ろすわ」グイ



『漁村』


ワイワイ ガヤガヤ


女海賊「けっこう賑わってんじゃん」キョロ

ローグ「海賊王が開拓してるからっすね」

女戦士「父がまた謎の建物を建て散らかして居るんだな?」

女海賊「なんかさぁ…木材無いから全部中途半端じゃんね…」

女戦士「しばらくこの雑多な感じになりそうだ」

女海賊「市場って何処にあんの?布とフルーツ買って帰らなきゃいけないんだ」

ローグ「商船の所で売り買いやってますぜ?」

女海賊「おっけ!!」

女戦士「女海賊!お前は仕入れが終わったらハテノ村へ戻れ」

女海賊「ええ?もう?…てか荷物降ろして行きたいんだけど…」

女戦士「ローグ!妹を幽霊船まで案内しろ…私は仲間の海賊共とコンタクトしてから戻る」

ローグ「分かりやしたぁ!!」

女海賊「おっし!さっさと買い物済ませるぞ!!」スタコラ ピューーー

『市場』


ワイワイ ガヤガヤ

ハチミツに漬けたリンゴあるよ~買って行ってくれぇ

ミスリルの武器各種揃っとるでぇ!買って行きぃな!!


女海賊「これさ…港町で商人が売った硫黄はこっちに戻って来てんじゃね?」

ローグ「そーっすね…みんな海賊が買い取ってウハウハなんすよ」

女海賊「それでミスリル武器も出回ってんのか…」

ローグ「ミスリル武器はここじゃ需要無いんで売れ残って居やすね…」

女海賊「キ・カイまで運んだら売れそうだね…グレムリン退治用にさ」

ローグ「姉さん!!ちっと高いんすが良質の布がありやす」

女海賊「お!?マジ?ほんじゃ地庄炉村に行かんくても良いな」

ローグ「果物はさすがに保存食にした物しか無いっすねぇ…」

女海賊「おけおけ!無いよりマシさ…てかハチミツ漬けなら私も食べたい」

ローグ「めちゃ高いでやんす…」

女海賊「良いんだって!!どうせ商人のお金だしじゃんじゃん使えば良いよ」

ローグ「じゃぁ買い取ってあっしが飛空艇に運んで置きやす」

女海賊「あとどんぐりとか種類が欲しいなぁ…」

ローグ「ありやすありやす…好きなだけ買って下せぇ」ジャラリ



『30分後』


タッタッタ


女海賊「お姉ぇとか何処行った?」キョロ

ローグ「分からんっすねぇ…」

女海賊「ぬぁぁぁ逸れたか…まぁ良いや!私ハテノ村に戻るからさ…よろしく言っといて」

ローグ「分かりやした…姉さん!!くれぐれも魔女さんから離れん様にして下せぇ」

女海賊「え?なんで?」

ローグ「姉さんと連絡取れなくなると頭が怒り出すんす」

女海賊「あーそういう事ね」

ローグ「姉さんは直ぐに何処か行っちまうもんすから頭の気持ちも察して下せぇ」

女海賊「ハイハイ分かった分かった…ああああああああ!!あぶな!!幽霊船に荷物降ろすの忘れてんじゃん」

ローグ「ハハそういう所なんすよ…幽霊船までは案内するんで一緒に行きやしょう」

女海賊「あんた私の事馬鹿にしてる?」

ローグ「いえいえ姉さんはカリスマっす…」

女海賊「あのさ?天然のカリスマってどういう意味さ?」

ローグ「すんごいカリスマって事っすね」

女海賊「ほ~ん…てか無駄口は良いから行くよ!」スタ


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『幽霊船』


フワリ ドッスン


ローグ「頭の装備品も降ろして置きやすぜ?」ヨッコラ

女海賊「幽霊船に誰も乗って無いじゃん…こんなんで良いの?」

ローグ「何言ってるんすか…アラクネーを置いて行ったのは姉さんでやんす」

女海賊「あー忘れてた…飛空艇に乗りきらないのを置いて行ったんだっけ」

ローグ「荷室で姉さんの宝を守ってるでやんす」

女海賊「なんか有ったっけ?」

ローグ「覚えて無いでやんすか?大量のウラン結晶と魔石がありやす…黒の同胞団の隠れ家から持って帰って来たやつっすね」

女海賊「アハ…完全に頭から無かったわ」

ローグ「謎の機械は海賊王に渡しやしたぜ?」

女海賊「そうだそうだ…組み立てようと思ってたのさ…アレ何だったかな?」

ローグ「天秤じゃ無かったでしたっけ?…あと重力炉?」

女海賊「ふむ…命の水とダンゴムシを守らせるのはアラクネーが適任だな…」

ローグ「それは何に使うのか分かって無いでやんすか?」

女海賊「全然…もしかしたらホムちゃんがメッセージ受け取ってるかもって感じ」

ローグ「そうっすか…分かるまであっしも宝を守って置きやすね…姉さんの帰って来る場所を…」

女海賊「お?あんた良く分かってんじゃ…私の帰る場所は此処さ」

ローグ「今度は居なくならんで下せぇよ?」

女海賊「ハイハイ分かった分かった…荷物運ぶの手伝って」ヨイショ

ローグ「へい…」ヨコッラ


---------------

---------------

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『ハテノ村_古代遺跡』


ヒソヒソ ヒソヒソ


ノアの箱舟伝説の後に大洪水を起こしたのは神のせいだと決めつけた人間達が…

神が住む天界まで登る塔を建造した…それがバベルの塔…

でも神の逆鱗に触れいかづちによって破壊されてしまった…その場所がメソポタミアの地にある


情報屋「確証は無いけれどその場所こそ暁の墓所に当たるのでは無いかと…」

魔女「ふむ…現在では不毛の地か…」

商人「天界って何だろうね?」

情報屋「聖書に天空の城が描かれてる…当時は空を飛ぶ城が在ったのかも知れない」

魔女「実はのぅ…ニライカナイは浮島じゃ無いかと盗賊が言って居ったのじゃ」

商人「それが空を飛んでた?」

魔女「古代魔術の重力魔法を用いれば可能やも知れぬ…重力魔法の触媒は主に黄金じゃ」

情報屋「…という事は黄金と一緒にニライカナイに沈んでる可能性もあるのね」

魔女「今では黄金では無くアダマンタイトじゃがな」

商人「2100年前に時の王たちと共にその理想郷を復活させようとしたのかもね…結果的に失敗した様だけど」

魔女「死者が集う理想郷じゃと言う話がどうも引っかかるのぅ…」

情報屋「それって集合意識の事では?」

魔女「確かにそういう解釈も出来る…」

商人「天空の城が在ったとしてそこにアヌンナキが鎮座して一体何だと言うんだ?」

魔女「神のみぞ知るじゃな…」

情報屋「箱舟を失ってしまった後ではそういう方法でしか天に近付けない…とか?」

商人「何の為に天に近付くのかも良く分からない…やっぱり神は理解出来ないや」

魔女「ちと待てい…」

商人「んん?」

魔女「月に近付こうとしては居らんか?」

商人「ええ!!?」

魔女「狭間を通じて語り掛けて来るのはアヌだけでは無かろう…妖精も語り掛けて来るじゃろう」

情報屋「妖精の声に従ってる?」

魔女「アヌの声を聞くのはオークシャーマンだけじゃ…他の者は妖精の声を聞く」

商人「なるほど…それだとそれぞれの目的にその内行き違いが生じる…それが暁と黄昏が分かれた原因かもしれない」

情報屋「月に近付く為だけに天空の城を復活させようとした…でも黄昏の賢者の狙いは他に在った…そして破綻」

魔女「ニライカナイに量子転移を使った痕跡も有ったのじゃ…つまり魔王もそこに介在したのじゃ」

商人「キーになる物はニライカナイに沈んで居そうだ」

情報屋「それなら探しに行けないわ…」

魔女「月が退魔の光を発するようになれば行けるやも知れん」

情報屋「それなら私も行きたい…」



--------------

『新しく出来た酒場』


ガサゴソ ヨッコラ ドサリ


盗賊「おーし!!娘達!!今日からお前達の働く店は此処だ!!」

娘達「もう遊女っていう年でも無いんだけどね…」

盗賊「ここで市場の取り引きをやっても良い訳よ…まぁ寄り集まり所だヌハハ」

レンジャー「酒があるなら兵隊も来る様になる」

盗賊「だろ?まぁとりあえず何か酒持ってこい!!金なら払ってやる」チャリーン

娘達「お!!?金貨1枚ゲット!!」

盗賊「しかし俺が酒場作ってる間にみんな居なくなっちまってよ…」

レンジャー「置いて行かれたのか?」

盗賊「まぁいつもの事なんだが…俺はどうすっかなぁ…」

レンジャー「俺も脱走兵という立場で行き場を失った…」

盗賊「ミネア・ポリスにでも行って行方不明のギャング達でも探すか?」

レンジャー「影武者が言うには無事だと言う話だ」

盗賊「あんまり大人が関わらん方が良いか…」


ボエーーーーーーー ブシューーーーーー


盗賊「お!!?飛空艇が戻って来たか」

レンジャー「良かったな…話し相手が戻ってきて」

盗賊「ヌハハそれもあるが商人の気球を修理する布を買って来て貰ってる筈なのよ…ちっと行って来るわ」ダダ

『鯨型飛空艇』


フワフワ ドッスン


盗賊「いよーう待てたぜ?布は買って来てくれたか?」

女海賊「有るよ!!持ってって!!」

盗賊「よーし!!これで気球を修理出来る」

女海賊「漁村の方に結構人が居てさ…物資運搬で気球は動かした方が良さそう」

盗賊「やっぱりな?たまには俺も行きたい訳よ」

女海賊「私さぁ…名もなき島に行こう思ってんだけどアンタどうする?」

盗賊「俺はあの島に用は無ぇ…てか行っても暇なだけだ」

女海賊「まぁそうだね…」

盗賊「俺はちっと気球使って探検したいんだ」

女海賊「何処行くのさ?」

盗賊「決まってんだろ…ミネア・ポリスの遺跡を漁りに行くのよ」

女海賊「なる…」

盗賊「レンジャーとはそういう話してんだ…まだ未発掘の遺跡なんかごまんとあるらしい」

女海賊「マジか…」

盗賊「お前も行くか?」

女海賊「私は先にホムちゃん起こしに行くよ」

盗賊「そうか…どの荷物おろしゃ良いんだ?」

女海賊「布だけだよ後は魔女のおやつだから」

盗賊「分かった!!ほんじゃ布は貰って行くぜ?」ヨコッラ

女海賊「うん…」---なんか---


---みんなの目的がバラけ始めた---

---みんな未来に向かって行ってんだ---

---私も進まなきゃ…月へ---

『古代遺跡』


ヒソヒソ ヒソヒソ


結論はこうさ…人間が生んだ神…アダムとかホムンクルスとか

アヌンナキはそれに全く勝てないんだよ…考える力というか問題解決を導く力が…

だからそれを封じたい…そういう歴史なんだ


魔女「ふむ…それなら機械を敵にする動機が十分じゃな」

商人「アヌンナキは神の声を通じて人間やオークをコントロールする…でも機械にはそれが通じない」

商人「それどころか人間を上手く導く精霊に手も足も出なかった…どうしてか?…器が無いからさ」

情報屋「それではorc遺伝子を組み込んだホムンクルスはアヌンナキの導きを聞いてしまうのでは?」

商人「かも知れないね?でもホムンクルスは考える…問題が何なのかね?そして正しい答えに到達する筈さ」


スタスタ


女海賊「呆れた…ずっとここで議論してんの?」

魔女「おぉ帰ったか…ずっとでは無いぞよ?」

女海賊「なんかいっつも此処に居んじゃん」

魔女「フルーツは入手出来たのか?」

女海賊「うん…飛空艇に積んで有る」

魔女「なぜ持って来ん」

女海賊「今から名もなき島に行くから皆を呼びに来たのさ」

商人「お!!?いよいよか…」

女海賊「もう行ける?」

情報屋「温泉に入ってからで構わない?」

女海賊「あー私も入るかな…温まったら寝ちゃうかもだけど」

商人「大丈夫さ…僕には名も無き島に行ける自信がある」

女海賊「おけおけ!ずっと寝て無いからちっと休みたかった」

情報屋「じゃぁ温泉に入った後に飛空艇に集合ね?」

魔女「うむ…わらわも行こうかのぅ」ノソノソ

『温泉』


モクモク チャプ


魔女「情報屋の胸の傷は消えそうに無いのぉ…」

情報屋「気にして居ないわ?」

魔女「やはり年を重ねてしまうと体も衰えるのじゃな」

女海賊「足の調子はどうなん?」

情報屋「昔の様にはもう走れないけれど普通に過ごすにはそれほど不自由無いわ」

魔女「それにしても主はどんな怪我をしても完全に治りよる…」

女海賊「そりゃ回復魔法されないように気を付けてるからさ…まだピチピチさ」

情報屋「ハーフドワーフの寿命はどの位?」

女海賊「分かんない」

魔女「羨ましいのぅ…」

女海賊「てか魔女はまだ子供の体じゃん」

魔女「変性して居るだけじゃ…肉体は衰えて来て居るじゃろう」

女海賊「なんか魔女がもうおばさんとは思えないんだよなぁ…」

魔女「そうじゃ…情報屋に一つ願い事があるのじゃ」

情報屋「何?」

魔女「主にはわらわの師匠の跡を継ぐ資質がある…故にわらわと共にシン・リーンへ来て貰いたいのじゃ」

情報屋「ええ?もしかして私に塔の魔女をさせるつもり?」

魔女「魔法は使えぬでも構わぬ…教えを説いて欲しいのじゃ」

情報屋「教え…」

魔女「この世の真理じゃ…主はそれを説ける資質がある…その知識をすべて書物に残す事もわらわが手配する」

情報屋「盗賊を一人残すのは心配だし…子供の事もあるし…」

魔女「今すぐにでは無い…その時が来たらの話じゃ」

情報屋「そう…それなら構わないけれど…」

魔女「師匠の意思を継ぐ者が居るとなればわらわも母上の跡を継ぐ事も考えられる」

女海賊「お?とうとう女王様になるん?」

魔女「今すぐにでは無いと言うたじゃろう?」

情報屋「塔の魔女か…」

魔女「気負わんでも良い…真理を探究しても良いと言う話じゃ」

情報屋「分かったわ…考えて置く」

女海賊「そう言えば塔の魔女の婆ちゃんは情報屋みたいな感じだったなぁ…」

魔女「うむ…そっくりじゃ」


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--------------

--------------

『鯨型飛空艇』


スタタタ ドサー


女海賊「もう無理…寝る…妖精来い!!寝るよ!!」グター

妖精「なんだかなぁ…おっぱい暑苦しいなぁ…」ヒラヒラ

情報屋「私も少し横になるわ…商人!操舵はお願いね」

商人「大丈夫さ!僕は眠らないから安心して良いよ」

情報屋「吟遊詩人は誘わなくて良かったの?」

女海賊「帰りに一人乗れなくなる…」

情報屋「あぁそういう事ね」

魔女「あ奴は酒場で演奏して居れば良い」

商人「じゃぁ出発するよ…」グイ シュゴーーーーー


フワフワ


女海賊「もう寝るから!!話しかけないで…」グッタリ


--------------

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--------------



『名も無き島_近海』


シュゴーーーー ヒュゥゥゥ


女海賊「なんだよ結局ミツバチ使わないと辿り着けないじゃん」

商人「ハハ地図がこんなに宛てにならないとは思わなかった」

女海賊「この地図の方位線もまだ暫定なのさ…でも大分傾いてんなぁ…」

情報屋「高緯度域だから東西の精度がまだ無いのよ」

女海賊「この辺りは人が住めるギリギリのラインかも…」

商人「これ以上南は南極圏に入っちゃう感じかな…」

女海賊「見えて来た…アレだ」

商人「岩礁多くて船じゃ近付け無いし…本当の秘境になってしまいそうだね」

女海賊「それならホムちゃんには安全さ」

商人「ん?どういう事?」

女海賊「この島をホムちゃんにあげるんだ…ここで生活してもらおうと思ってる」

商人「ハハ良いねぇ…連れまわすとまた危険に晒してしまうからねぇ」

女海賊「今度は400年の寿命一杯まで生きて貰う!!」

『名も無き島』


フワフワ ドッスン


女海賊「私村の方に行って挨拶してくるから荷物居下ろすのは自分でやっといて」

商人「分かったよ…ホムンクルス起こすのは君が来るまで待った方が良いよね?」

女海賊「どうせ目を覚ますのに2時間くらい掛かるじゃん?先にやっといて良いよ」

商人「じゃぁ遠慮なく…」

情報屋「寒いから先に行って火を起こして来るわ」スタ

商人「うん頼むよ」

女海賊「あ!!遺跡の地下はそんな寒く無いよ」

情報屋「そうなのね?」

女海賊「寒いっても今5℃くらい?」

情報屋「十分寒いわ」

魔女「ふむ…この程度であれば割と快適に住めそうじゃな…」

商人「そうだねぇ…」

女海賊「後で芋持って行くからお湯沸かしといてよ」

情報屋「分かったわ…」

女海賊「じゃ行って来る」スタタ ピューーー


--------------

『古代遺跡』


カチャカチャ ピピ


商人「…これでY染色体が付加されてるで間違いない?」

情報屋「間違いないわ…多分これで雄性への分化が起きる筈」

商人「じゃぁ最後の一手は僕がやるよ…どうかホムンクルスの最高のパートナーになります様に…」ポチ


コポコポコポ プシュー


情報屋「材料の撹拌が始まった…何も無い所から生命が誕生する瞬間よ」

妖精「ねぇ何してるの~?」パタパタ

商人「うわっ…びっくりした」

情報屋「え?どうしたの?」

商人「妖精が来てるんだ…目の前に居る」

情報屋「スゴイ…今まさに命を運んで来たんだわ」

妖精「さっきからずっと此処に居たんだけどなぁ…」


タッタッタ


女海賊「芋持って来たヨ~あ!!こんな所に居た!!おい妖精!!勝手におっぱいから抜け出すな!!」

妖精「僕は君の持ち物じゃ無いよ」ヒラヒラ

女海賊「芋いる?」

妖精「また芋かぁ…ハチミツが良いんだけどなぁ」ブツブツ

女海賊「あんたじゃ無い!情報屋お腹空いて無い?」

情報屋「あら?私…フフ頂くわ」

女海賊「ほんでコレ!ホムちゃんの着替え」

情報屋「まだ目を覚まして無いけれど…着せるの手伝って貰える?」

女海賊「おけおけ…裸のまんまじゃ商人に目で犯される」ゴソゴソ


ホムンクルス「ピッ」クター


女海賊「お!!丁度目を覚ましそう…」

情報屋「体温が大分上がって来たみたい…」

商人「よし…外部メモリを挿して置こう」スッ


ホムンクルス「…」パチ キョロ


女海賊「目が動いた!!ホムちゃ~ん!!会いたかったよう」ギュゥ

ホムンクルス「基幹プログラム…リブート…同定完了」ピク

女海賊「ホムちゃん私覚えてる?」

ホムンクルス「衛星との通信が完了しません…座標と時刻の取得に失敗…」

商人「まだ時間が掛かりそうかな?」

ホムンクルス「私は…どのくらいの期間停止して居たのでしょう?」

商人「7年くらいかな?」

ホムンクルス「生体は残されて居なかったのですが…商人さんが私を生んで下さったのですね?」

商人「まぁね?…まだ体温が上がって無いから体動かないんじゃない?」

ホムンクルス「はい…神経が活性化されていません」

女海賊「時間あるからゆっくりで良いさ…舌を噛んじゃうから体温上がるの待って」

ホムンクルス「はい…」


ヒラヒラ パタパタ


妖精「ハロハロー」

ホムンクルス「!!?」キョロ

商人「お!!?君にも妖精が見えて居そうだ…」

ホムンクルス「妖精?あなたは妖精さんですか?」

妖精「そうだよ!僕は妖精さ…君を起こしに来たんだよ」

ホムンクルス「これは何かの魔法でしょうか?」

妖精「魔法じゃ無いよ…ちょっと君のおっぱいを確かめさせてもらうね」ピョン モゾモゾ

女海賊「ああああ!!アンタ勝手に他の人のおっぱいに…」

ホムンクルス「まだ感覚がありません…感覚の同定が遅いのは何か理由が有るのでしょうか?」

妖精「なんか冷たいおっぱいだなぁ…」ピョン ヒラヒラ

情報屋「感覚の同定が遅い…」

ホムンクルス「妖精さんはどこからいらっしゃったのでしょう?」キョロ


情報屋「商人ちょっと」クイクイ

商人「んん?」

情報屋「すこしホムンクルスを放って置いた方が良いかも知れない…」

商人「そんな感じだね…今までと神経伝達が違うのに混乱している様だ」

情報屋「すこし観察させて貰える?人間の神経伝達に第六感が介在しているなんてちょっとした発見だわ」

商人「僕も少し遠くから見ておくよ…」


ホムンクルス「妖精さん?あなたは哺乳類に分類されますか?それとも昆虫類ですか?」

妖精「君は馬鹿だなぁ…妖精は妖精だよ…ほら?羽があるでしょ?」ヒラヒラ

ホムンクルス「よく見せて下さい…確かに昆虫の羽の様ですね…」ブツブツ


ブツブツ ブツブツ…

--------------

--------------

--------------

『30分後』


ヨタヨタ ドシン!


妖精「ほらほら君はどんくさいなぁ…そんなんじゃ僕を掴まえられないよ?」ヒラヒラ

女海賊「ホムちゃん大丈夫?」

ホムンクルス「はい…平気です」ヨロ

女海賊「やっぱ体の動かし方が前と違うん?」

ホムンクルス「その様です…神経伝達が何かの影響を受けている様です…この生体の特徴かもしれません」

商人「君に隠して居てもしょうがないから種明かしをしてあげるよ」

ホムンクルス「生体になにか特別な事を施したのですね?」

商人「おいで…ここの機械に君の事が全部記録されてるんだ」

ホムンクルス「…」ヨタヨタ

商人「この機械だよ」スッ

ホムンクルス「古代の端末ですね…クラウドへ接続が出来るのでしょうか?」

商人「そういう機能は良く分からない」

ホムンクルス「私が検索をしてみます…」カチャカチャ


--------------


情報屋「フフいきなり使いこなすのね…」

ホムンクルス「理解出来ました…生体に意図的に排除されていたorc遺伝子を付加させて誕生させたのですね」

商人「さすが理解が早い…何が起きるか君なら分かるかな?」

ホムンクルス「私は人間として生まれた…この回答で正しいですか?」

商人「その通りさ…恐らく君には魂が宿ってる…そして心も育つ…死んだ後も妖精に導かれてあの世に行けるんだ」

ホムンクルス「妖精の声が聞こえるのはそのせいなのですね」

女海賊「ホムちゃんも魔法が使えるかも…」

ホムンクルス「どの様な感覚なのか興味が湧きました」

商人「あともう一人…君のパートナーになるホムンクルスも作ってる…これで君も子供が産めるんだ」

ホムンクルス「理解しました…」

情報屋「先ずは今の体に慣れる事ね」

商人「ねぇ?自分に魂が宿って居るのは自覚出来るのかな?」

ホムンクルス「分かりません…ですが思考の中で自問自答を繰り返すロジックが発生しています」

商人「自問自答?それは普通の事だな…」

ホムンクルス「超高度AIの処理速度が著しく低下します」

商人「あぁそれはもう良いんだ…負担にならない程度に動いて居れば良いさ」

女海賊「あんま深く考えると大体良い結果にならないさ…そういう場合は勘で良いんだよ勘!!」

ホムンクルス「勘…これが第六感ですね」

女海賊「コインゲームやってみる?」

商人「お!?良いねぇ…」ピーン パチ

ホムンクルス「勘で…表!」

商人「おおおお!!ソレソレ!!アタリだよ」

ホムンクルス「フフ…」ニコ


『メッセージ』


どうかこのメッセージが君に届くことを祈る…

この場所は君が生きる時代にも残って居た筈だから…

そして約束を守れなかった僕を許して欲しい


…何から話せば良いのか

君と別れてから僕と未来は何十年も未来へ還る方法を模索した

もう正確にどのくらい時間が過ぎたのかは分からない

そしてやっと見つけたのがアヌという神との契約だった

アヌはオークシャーマンに憑依したまま魔王に操られた人間に捕らえられて居た

魔王の目的はアヌが育てていた究極生物を器とする事…

その究極生物はこの地球を支配する虫達を意のままに操る事が出来るらしい


それを知った未来は魔王に器を奪われてしまう前に

自ら祈りの指輪を使って究極生物にその魂を移した…それがこのダンゴムシ

この中に未来の魂が眠って居るんだ


僕はアヌと契約を交わした

未来の老いた亡骸を君が生きる時代に蘇らせて月に連れて行く事…

そうすれば究極生物は帰って来ると…だからこの場所に隠した

ただ…未来が老いた時間を巻き戻す事は出来ない

それは未来が生きた時間だから…戻すのは未来の意思が必要になるんだ


もう一つ君達の時代に残す物がある

これはアヌが集めたこの地球に生きた生物の欠片…命の水だ

これを命の泉に注ぐことでこの星に再度命が宿る

あとは君の判断に任せる…未来を救って欲しい


僕はこれから一人で世界の根本的な問題を正しに行く

それは人間が生んだ神…アダムの事だ

僕が今居る時代が滅ぶ原因となったのもアダムに起因する…

僕はもう君が居る時代に戻る事は出来ないから

せめて問題の根本を目指す事にする


最後に…生まれ変わたら又君の下へ行くよ

君の背中が恋しい

ホムンクルス「剣士さんからのメッセージは以上になります…」

女海賊「…あんのバカ」プルプル

商人「ええと…なんか大事な事が抜けてる気がするね」

女海賊「いつ…どこで?それが抜けてるのさ!!何回も教えた筈なんだ…」プルプル

情報屋「なんか感動のメッセージが台無しね…」

女海賊「まぁでも大体想像してたのと合ってたさ…分かったのは命の水の使い方だね」

情報屋「ショック受けて居ない?」

女海賊「受けてるよ!!ずっと昔にもう剣士が死んでる…だから私に巡り合っただけなのさ…もう会えないって事じゃん!!」

商人「あ…なるほどそういう引き合わせか…」

女海賊「私が祈りの指輪で会いたいと願ったとしてどうなるか分かる?」

情報屋「あなたが剣士と居た次元に行くだけ…記憶を失って…次元はそういう風に繋がってる」

魔女「正解じゃ…流石じゃのう…それが夢幻じゃ」

女海賊「まぁ良いや…一個づつ解決する…まず命の泉に行こう」

商人「アヌが憑依してるオークシャーマンはどうやって探すかだねぇ…」

情報屋「向こうからコンタクトして来ないかしら?」

女海賊「魔女!!暁の墓所の場所は分かる?」

魔女「母上が知って居る」

女海賊「てか年老いた未来を蘇らせて未来が喜ぶと思えないんだけど…」

情報屋「確かに…」

女海賊「4000年若返らせる事とか出来ないの?」

魔女「無理じゃな…」

女海賊「ぬぁぁぁぁ意味無さ過ぎだよ…」

商人「剣士が言い残した君の判断に任せるって…」

女海賊「ちっと一人にさせて…考える」


--------------

--------------

--------------

『焚火』


メラメラ パチ


魔女「女海賊は思いの外正気を保って居るな?」

情報屋「そうね…2~3日は伏せってしまうと思って居たけれど…」

商人「大体想定はして居たんだろうね…剣士も最後に残す言葉が足りないのは人柄がそのままだった証拠さ」

魔女「無口で話し上手では無かったからのぅ…」


トコトコ


ホムンクルス「何処に行くのですか?」フラフラ ドテ

妖精「月を見に行くんだよ…こっちさ」

ホムンクルス「月は見えて居ない様です…」

妖精「えええ!?そんなぁ…」シュン


情報屋「フフ…私から見たら独り言で振ら付いてる様に見える…」

魔女「主は妖精が見えぬか?」

情報屋「小さな光しか見えない…声も聞き取れないわ」

商人「ホムンクルス!生体の管理者は登録終わったかい?」

ホムンクルス「はい…女海賊さんが管理者になりました」

商人「よしよし…これで他人に登録されることは無いな」

情報屋「ところでホムンクルス?光る隕石の事だけれど…」

ホムンクルス「はい…何か?」

情報屋「月に光る隕石を落とす事は可能?」

ホムンクルス「不可能です」

商人「ええ!?どういう事なんだい?」

ホムンクルス「大陸間弾道ミサイルでは月に到達するだけの推進力がありません…落下して地球に落ちてしまいます」

情報屋「重力を振り切れないのね?」

ホムンクルス「衛星の静止軌道にも到達しません…」

商人「連結するとか何か方法は無いかな?」

ホムンクルス「そもそも現在の地球上に発射可能な大陸間弾道ミサイルは存在していません」

商人「前に400発くらい発射されるとか言ってたじゃないか…」

ホムンクルス「すべて点火部を物理的に自爆させています…発射準備に入ったミサイルを止めるには他に方法がありませんでした」

商人「不可能か…」

魔女「インドラの光を月に落とすのはどうじゃろうか?」

商人「お!?」

ホムンクルス「それは可能ですが静止軌道上にある衛星を移動させないと命中精度が低いです」

商人「移動?どこに?」

ホムンクルス「衛星を落下起動にのせスイングバイで月に向かわせるのです…距離が近付けば精度の高い射撃が可能です」

商人「それだね…」

ホムンクルス「ですが衛星は二度と地球に戻る事は無くなるでしょう」

商人「もうインドラ兵器は使えないという事だね?」

ホムンクルス「はい…何故月にインドラ兵器を使用したいのですか?」

魔女「月にクレーターで退魔の方陣が描かれて居るのじゃ…完成させるには28必要なのじゃが今は24しか無い」

商人「あと4発落とせれば月の光に退魔の力が宿るんだよ」

ホムンクルス「理解しました…4つある衛星のすべてに核弾頭ミサイル6発搭載してある筈ですが無い理由が判明しました」

商人「んん?全部で24発?」

ホムンクルス「恐らく過去に使用した物と思われます」

商人「待てよ?ならどうしてその時インドラ兵器を使わなかったんだ?」

ホムンクルス「衛星と通信が出来れば履歴を追えるかもしれませんね」

情報屋「今は通信出来ていない?」

ホムンクルス「はい…私が最後に通信した場所は外海でしたのでその上空で静止していると思われます」

商人「あーーそれもしかしたら探さないとダメかもなぁ…もう地軸が移動してしまってる」

ホムンクルス「!!?」ピク キョロ

商人「ん?どうしたの?急に…」

ホムンクルス「何か聞こえました…」フラフラ


--------------

『鯨型飛空艇』


カサカサ カサカサ


ホムンクルス「この声は…アラクネー?」キョロ

情報屋「フフ驚き…虫の声が聞こえるのね」スタ

ホムンクルス「クジラの声も…」キョロ

魔女「ほう…もしやすると魔法の才が芽生えて居るやもしれぬ」

ホムンクルス「私の笛は何処に…」

商人「あぁ僕が預かってる…使うかい」ポイ

ホムンクルス「上手に吹ければ…」ハム


トゥルルル~ トゥ~~


ホムンクルス「聞こえる…そこに居るのですね」フラフラ

妖精「タラリラリン♪」クルクル ヒラヒラ

ホムンクルス「これが人を導く声…」

商人「この飛空艇はね…機械の犬だった君を守ったクジラの骨で作ってあるんだ」

ホムンクルス「聞いています…意思が伝わって来る…」サワサワ

商人「中に入っても良いよ…なかなか快適さ」

ホムンクルス「知らなかった…こんな風に声が聞けるなんて…」

商人「ゆっくり話すると良いさ…僕らは焚火で温まってるよ」


---------------

『焚火』


メラメラ パチ


魔女「はふはふ…やはり芋は焼くのが一番美味いのぅ」モグ

情報屋「ハチミツ入りのお茶も持って来たわ…」

魔女「済まんのぅ…」

情報屋「寒いと思ったけれどこうやって焚火で温まって丁度気持ち良い」ノビー

商人「この島も悪くないね…ここでホムンクルスが子供を産んで幸せに暮らせれば僕は満足さ」

情報屋「商人?あなたはこの先どうするつもり?」

商人「僕はもう決まってるんだ…精霊樹の所に行くよ」

情報屋「まさか眠りにつくつもりなの?」

商人「いやいやそうじゃない…眠りについた時に精霊樹に魂を拾って貰いたくてね」

魔女「地獄へは落ちとう無いか」

商人「そりゃそうさ…次生まれるなら強い心臓が欲しいよ」

魔女「わらわ達はいつまで一緒に旅をして居られるじゃろうのぅ」

商人「いつも考えるよ…自分で幕を引くこともね」

情報屋「縁起の悪い事を言わないで」

商人「早まった事はしないさ…次はシャ・バクダの復興だよ」

魔女「ふむ…アサシンも似た様な事を言うて居ったわい」

商人「気候が良くなればシャ・バクダは復活出来ると思うんだ…そこで商売をやるさ」

情報屋「次の時代はもう目の前の様ね…」

商人「もう来てるよ…乗り遅れないようにしないとね」


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ペチャクチャ…


魔女「ホムンクルスは仕切に何かと話して居るがアレで良いのじゃろうか…」

情報屋「私から見たら独り言を話しながら徘徊する人…世間でもそう見られてしまう」

商人「そういうのはちゃんと学習する筈だよ…今はまだ何も分かって無い」

情報屋「そうだと良いのだけれど…」

商人「僕が彼女に気付いて欲しいのは…人間の住まう環境だけ良くすれば良い訳じゃ無いって事さ」

魔女「ふむ…確かにその通りじゃな」

商人「虫の声も…アヌの声だってちゃんと聴いて自分で判断して欲しいんだ…悪いのは何なのか」

情報屋「あなたは私達の歴史の何所に問題が有ったと思って?」

商人「そうだな…僕は神を信じない…信じるのは命ある者だけさ」

情報屋「哲学?」

商人「アヌが器に収まったとして平和が来ると思うかな?」

魔女「…」

商人「古代では器に収まってた筈さ…その当時も争いが絶えなかった…何故だろう?」

情報屋「…」

商人「答えは簡単だよ…アヌがオークにそうしている様に人間に戦争を起こさせてるのさ…はっきり言う…アヌは邪神だ」

魔女「これ!下手な事を言うてはならぬ」

商人「あぁ邪神は言い過ぎたかな…裁きの神なのに何も裁けてない…だから信用出来ないのさ」

情報屋「あなたの意見は参考にしておくわ」

魔女「ふむ…裁きの神が人間を不要と判断したと言うのも考えられそうじゃ…」

商人「そこだよ…それが正しい裁きなのかホムンクルスに考えて欲しいのさ…命の声が聞こえるなら感じる事もある筈」


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『朝日』


コックリ コックリ


商人「とうとう月が昇る事は無かったか…多分北半球の側にあるんだろうな…」

情報屋「ぅぅん…」パチ ブルル

商人「焚火が消えて寒くなったかい?」

情報屋「ええ…寒いわ…飛空艇の中に入りましょう」スック

商人「魔女は僕が抱っこしていくよ」グイ

魔女「すや…」zzz

情報屋「良く見たら随分潮が引けて海が遠くなってしまったのね」

商人「月が北半球の側にあるんだよ」

情報屋「海抜は何メートル下がったのかしら…」キョロ

商人「ハハ国土が増えて良かったと言う見方もあるけどね…この島はあまり大きく無かったから」

情報屋「向こうの沈没してる船まで徒歩で行けそう」

商人「沈没船がいくつも陸に見えてるのは不思議な光景だ…」


スタタタ ピューーー パシュン シュルシュル


商人「あ…女海賊が走り抜けて…」

情報屋「元気そう…彼女が意味不明の行動する時はもう動き出してると言う時」

商人「何してるんだろう?」

情報屋「沈没船にでも行くのでは?」

商人「まぁ僕達は彼女の気が済むまで待って居ようか」

情報屋「それが良いわ…寒いから飛空艇に入りましょう」フラリ

商人「うん…」ヨッコラ

『鯨型飛空艇』


スヤ スゥ…


情報屋「あら?ホムンクルスも寝て…」

商人「本当だね…自然と寝てるのは始めて見たよ…いつもはスリープモードだとか言ってたけど」

情報屋「少し炉を温めるわ…」グイ シュゥゥゥ

商人「湯も沸かそうか…」

魔女「ふむ?…」ゴシゴシ

商人「あぁゴメン起こしちゃったね」

魔女「焚火が気持ち良うて寝てしもうたのぅ…」

商人「まだ寝てて良いさ…夜が短いから明るくなってるけど本当はまだ寝てても良い時間さ」

情報屋「もう慣れてしまったせいかも知れないけれどこの狭い飛空艇の中も結構落ち着ける場所ね」

商人「そうかい?」

情報屋「もう20年も前からこの空間はあの時のままなのよ…」

商人「え?」

情報屋「この飛空艇はもともとアサシンの持ち物だったの…盗賊ギルドに居た頃何度か乗ったのよ」

商人「そうだったんだ…じゃぁこの飛空艇は僕達の歩みを全部見て来たんだね」

情報屋「そう…だからとても落ち着ける場所」シンミリ

魔女「剣士や女エルフが座る場所も決まって居ったな…」

情報屋「女エルフが手を置いた場所に同じ様に手を置いて…何を想ったのか想像する事があるわ」スッ

商人「もしかして何か聞こえる?」

情報屋「何も…でも頭の中で思い描く」

商人「それって命の声じゃ無いか?」

情報屋「え?」

商人「君の中に居るもう一人の君が話しかけているんじゃないか?」

情報屋「どうなんだろう?」ハテ?

商人「僕はね…自分の体は自分の考えで動かしてる訳じゃ無いと思うんだ…」

商人「何かに動かされて居るのを後から自分で動かしたと錯覚してる…つまりもう一人の自分が居るんだよ」

情報屋「私の思考は後から理由付けをする思考…確かにそんな感覚はある…」

商人「もう一人の自分は何に基づいて動くのか…それは心の中の声…命の声さ」

魔女「哲学じゃのぅ…」

商人「アヌが語る神の声は…多分この部分を狂わせる…生きる行動原理を阻害する…だから戦争が終わらない」

情報屋「それはあなたが不死者だから気付けた事?」

商人「そうかもね…体が勝手にゾンビみたいに動いてしまう…僕の意思とは無関係に…ホムンクルスが自由に動けないのも同じ原理さ」


---命の声に従って居るのさ---

『しばらく後』


ドタドタ ザラザラ ドサ


女海賊「大漁大漁!!」

商人「やっと帰って来たね…貝を拾いに行ってたのかい?」

女海賊「いんや…沈没船見に行ったら貝が一杯だったのさ…これ食べたら行くよ」

商人「じゃぁもう一回焚火起こすよ」スタ

魔女「また石化せんじゃろうのう?」

女海賊「ほんなん気にしてたら何も食べれないって…線虫しとくから気にしないで食べよう」

情報屋「沈没船には他に何か有って?」

女海賊「なんも無いさ…資材になるくらいかな」


ホムンクルス「はぅ…」ムクリ パチ キョロ


女海賊「ホムちゃん起こしちゃったね…貝取って来たんだ…食べる?」

ホムンクルス「いつの間に寝てしまったのでしょう…妖精さんは何処へ?」

女海賊「妖精は昼間あんま出てこないさ…おっぱいに挟まって寝てるよ」

魔女「昨夜は沢山話をして居った様じゃな?何か聞けたんか?」

ホムンクルス「他愛もないお話を…」

女海賊「そだね…妖精は難しい話はしないさ」

魔女「ほうか…」

ホムンクルス「満たされた感覚があります…」

女海賊「そうそう!!その後お腹減るのさ…でっかい貝取って来たから食べよ」グイ

ホムンクルス「はい…」ヨロ

『焚火』


メラメラ ジュゥ


商人「んん?中身の無い貝が有るな…」

女海賊「あああ!!それ焼いたらダメ!!魔女にエンチャント掛けてもらうつもりで持って来たんだ」

魔女「んん?例の貝殻を作るのかえ?」

女海賊「通話できる貝殻を全員が持って無いじゃん?」

魔女「わらわとしか通話できぬが…」

女海賊「わかってんよ…みんなに配りたいだけさ」

魔女「まぁ良い…後でで構わんな?」

女海賊「うん…あちちち…はいコレ!でっかい謎の貝…ホムちゃん食べて良いよ」ポイ

ホムンクルス「はい…ありがとうございます」ハム モグ

商人「ハハ…謎の貝って大丈夫なんだろうね?」

女海賊「貝はなんでも食えるんだ…次魔女!!あちちち…」

魔女「ほう?こりゃ楽しみじゃ…」ジュルリ

女海賊「情報屋も沢山食べてね…血が足りないのに良く効く…ほいコレ!!」

商人「まぁ僕は良いや…ワインでも飲んでおく」グビ

女海賊「はふっ…ほふっ…うんま!!」モグモグ

魔女「焼き芋も余って居るぞよ?」ポイ

女海賊「貝の汁の中に漬けて食べると芋も美味しいんだ…」モグモグ

商人「それで…この後どうするんだい?」

女海賊「ホムちゃんの旦那が生まれるまで1ヶ月くらい掛かるよね」

ホムンクルス「旦那…」ピク

商人「まぁ…そんなもんかな」

女海賊「それまでここに置きっぱなしにする訳に行かないからとりあえず連れてく」

商人「それは良いとして行き先さ…」

女海賊「命の泉に行くに決まってんじゃん」ガブリ モグ

商人「ハハハまぁ…そうだよね」

女海賊「分かってんなら聞くなよバーカ!」

商人「君は単純なんだねぇ…」

女海賊「はぁ?単純も何も他に選択無いじゃん!!」

商人「うん…良いんだ…僕が深読みし過ぎた」

女海賊「何さ?他に何かあんの?」

商人「いや何でも無いよ…」---君はそのまま突っ走っても良いよ---


---例え神の逆鱗に触れようともね---

---命の水はアヌが目的を持って集めた水の筈---

---君はそれを無下にしようとして居るのさ---

---さぁ賭けだ…命が勝つか…神が勝つか---

『鯨型飛空艇』


シュゴーーーーー フワフワ


女海賊「あぁぁちっと食い過ぎた…」ゲフゥ

魔女「わらわは満足じゃ…」フゥゥ

商人「ハハ食べ過ぎは良くない」

女海賊「んん?良いんだって…私のエネルギーになって貝の命も無駄になって無い」

商人「ハハーン…弱肉強食を僕に説こうとしているかい?」

女海賊「昨夜そんな様な話してたじゃん…丸聞こえなんだよ」

商人「聞いて居たか…」

女海賊「私のウンコ食う?」

商人「なにバカな事言ってるんだ食べる訳無いじゃ無いか」

女海賊「冗談だよ…でもワームは喜んで食べる…そうやって命が巡ってるんだよね」

商人「フフそうだね…それが分かって居れば君に全部預けても良い」

女海賊「預ける?」

商人「そう…この世界の行く末をね」

女海賊「あのね…そもそもアンタはもう死んでんの…輪廻の外側に居るんだからあんたに選択する権利はそもそも無い」

商人「まぁそう言わないでおくれよ…その内肥料にでもなるさ」

女海賊「ふむ…なら良いか」

商人「こういう話が出来ると言う事は…君もこの世界の秘密に気付いているね?」ジロ

女海賊「何?その眼は…」

商人「勘の鋭い君が勇者で良かった…剣士は鈍感だったからさ…」

女海賊「あのね…人の気持ち逆撫でるの止めてくんない?イラつくんだ」イラ

商人「はぁぁぁ…僕はすべて達成した…思い残す事無いなぁ…」ノビー

女海賊「あんた私の奴隷だって分かってる?遊んで無いで働け!!地図書け地図!!名もなき島の地形変わってんじゃん!!」

商人「ハハ忘れてた…そうか僕には地図を書く仕事も残されてるなぁ…」ゴソゴソ

『海上_上空』


シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ


女海賊「中緯度域に入って弱いけど偏西風に乗れてる…」

商人「このまま進めばハテノ村かな?」

女海賊「ハテノ村には行かない…大陸見えたら陸沿いに南下してお姉ぇの幽霊船目指す」

商人「幽霊船の現在地は?」

女海賊「地庄炉村目指して今キ・カイの沖だってさ」

商人「向こうも行動早いね」

女海賊「内海から早く出たいのさ…航海出来なくなる前にね」

情報屋「陸を見ながらならどうにか航海出来ると言って居たわね」

商人「それは岩礁が怖いねぇ…」

女海賊「ホムちゃんはまだ衛星見つけらんない?」

ホムンクルス「はい…現在地不明です」

女海賊「ちっと連れまわさないとダメかぁ…」

ホムンクルス「私は大丈夫ですよ?」

女海賊「あのね…今度こそホムちゃんを死なせる訳に行かないの…危ない所に連れまわしたく無いんだ」

ホムンクルス「それは皆さんも同じでは?命は一つしかありませんので…」

商人「ハハその通りだね」

女海賊「野望があんのさ…ホム島でホム一族繁栄させてホム国作ってホムホムしたいんだ」

ホムンクルス「え?あの…」

魔女「主の脳みそはどうなっとるんかいのぅ…ホムホムとは何ぞや?」


ヒラヒラ パタパタ


妖精「良いねぇ!!乗ったぁぁ!!」ヒョコ

女海賊「お!?あんたに分かる?」

妖精「僕もホムホムしたぁぁい!!」クネクネ

ホムンクルス「妖精さん?お話しましょう…」

妖精「おっけー!!何して遊ぶ?」クルクル


魔女「ふむ…つまり妖精の国を作りたいのじゃな…」

女海賊「おおおおおおお!!それも良い!!そうだな…妖精の国かぁ…」

魔女「主の頭には付いて行けぬ…感染してしまいそうじゃ…」

情報屋「ウフフ楽しそうで良いじゃない…」

『大陸_上空』


シュゴーーーー ヒュゥゥ


女海賊「やっぱ大分ズレてるなぁ…地図と比較して現在地分かる?」

商人「陸沿いに真南に進んで…多分偏西風で北に引っ張られたんだ」

女海賊「高緯度域飛ぶときは東西がアテにならんわ」

商人「夜中に星を見ながら飛ぶのが確実だね」

女海賊「そういうつもりで飛んでる筈なんだけどなぁ…なんでズレちゃうんだ?」ブツブツ

ホムンクルス「地磁気が安定して居ないので羅針盤の方角がおかしいと思われます」

女海賊「ん?どゆこと?」

ホムンクルス「地軸の移動後数年は地磁気が安定しないので磁極が動くのです」

女海賊「なんか良く分かんないけど羅針盤はアテにしちゃダメって事ね」

ホムンクルス「はい…特に高緯度域ではアテになりません」

女海賊「おけおけ覚えとく」

商人「分かったぁ!!場所特定出来たよ…此処さ」パサ

女海賊「ええと…羅針盤じゃ無くて地形で方角決めれば良いな…」グイ



『キ・カイ上空』


シュゴーーーー ヒュゥゥ


女海賊「ここまで来たらもう迷わない…陸沿いに東!!」グイ

情報屋「霧が酷くて幽霊船を見落とすかもしれない…高度落として」キョロ

女海賊「おけおけ…」

商人「流氷が東に流れて行ってるね…」

魔女「陸からは今ぐらいの距離で良いぞ…直に追いつくじゃろう」

女海賊「順風でちょい北寄りの風か…幽霊船もそこそこ速度出てそうだな」

情報屋「暗くなる前に見つけたいわ?」

女海賊「よっし!!ちょい魔女そのままお姉ぇの眼を見てて」ダダ チャキリ

魔女「何をする気じゃ?」

女海賊「インドラの光を前方に撃つのさ…いくよ?」カチ


シュン! パパパパパパパパパーン!!


商人「うわ…空中の水蒸気を破裂させてるのか…」

女海賊「どう?お姉ぇ気付いた?」

魔女「反応無いのぅ…」

女海賊「ほんじゃちょい角度変える…もういっちょ!」カチ


シュン! パパパパパパパパパーン!!


魔女「むむ!空を見上げたのぅ…」

女海賊「おけおけ!!進路変える…そっちの方向だ」グイ

商人「ハハなんとも強引なやり方だ…」

女海賊「使える物は何でも使うんだよ!!頭は使うためにあるのさ」

『幽霊船』


フワフワ


女海賊「こっから船尾に飛び移って!!」

魔女「わらわには無理じゃぞ?」タジ

ローグ「姉さ~ん!!ロープ投げて下せぇ!!」

女海賊「おっけ!!どっか結んどいて!!」ポイ シュルシュル

商人「先に行くね…」ピョン

魔女「なんちゅう薄情な奴じゃ…」

女海賊「ほんじゃ私に掴まって…一人ずつワイヤー使って降ろすからさ」

魔女「初めからそうすれば良いのじゃ…」ノソノソ ガシ

女海賊「情報屋とホムちゃんちょい待っててね…すぐ戻る」シュルシュル

ホムンクルス「私に飛べるでしょうか?」

情報屋「大人しく待って居た方が良いわ?私には無理ね」

女海賊「おっけー!!次ホムちゃんおいで」シュルシュル

ホムンクルス「はい…」トコトコ ガシ


--------------

--------------

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『船尾』


ザブ~ン ユラ~


ローグ「済まんっすねぇ…姉さんの飛空艇は異形なんで乗らんでやんす」

女海賊「改修して全部縦帆にしちゃったから船尾にスペース無くなっちゃったね」

ローグ「元はガレオン船なんすが帆装がスクーナーになったんでしゃーないっす」

女海賊「まぁ良いや…ロープ予備ある?」

ローグ「へい!!」

女海賊「一本だけじゃちっと心配だからもう一本結んで来る」

ローグ「分かりやした…甲板は寒いんで居室に入っていやすぜ?」

女海賊「おけおけ!後で行くわ」シュルシュル

ローグ「いやぁぁあのワイヤー装置めちゃくちゃ便利っすね…」

魔女「これ!!関心しとらんで早う居室に入るぞよ…寒いんじゃ」ポカ


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『居室』


ガチャリ バタン


女海賊「ぅぅぅぅさぶ…」ゴシゴシ

女戦士「炉に火が入って居るぞ…暖まるが良い」

アサシン「ワインもあるぞ?飲むか?」ゴク

女海賊「何これ?みんなくつろぎモード入っちゃてる?」

女戦士「航海はゆっくりだ…お前も少し休んだらどうだ?」

女海賊「まぁ良いけどさぁ…」スタ

女戦士「無事にホムンクルスを目覚めさせ何よりだ」

女海賊「ほんでさぁ…私命の泉に行かなきゃいけないんだ」

女戦士「フフ…聞いたかアサシン?」

アサシン「クックック期待を裏切らんな」

女海賊「何さ!?二人して!!」

女戦士「お前の行動癖を予測して居たのだ…次は何処かと賭けをして居た所だ」

女海賊「ちょ…」

アサシン「私の勝ちだ…金貨は頂く」

女戦士「仕方あるまい…」ドサ ジャラリ

魔女「随分と高値の賭けじゃな?」

女戦士「私は外海に出ると言いだすと予想していたのだ…アサシンはピンポイントで命の泉と予測した」

アサシン「それで賭け額が跳ね上がったまでの事」

女海賊「なんで命の泉に行く事分かってんの?」

アサシン「勘だ…第六感が働いたとでも言えば納得するか?クックック…」

女海賊「なんか腹立つなぁ…」ブツブツ

アサシン「さて次の賭けだ…出立は明日の朝だ」

女戦士「では私はその後…金貨1枚」チャリン

アサシン「フフまた私が勝ちそうだな…」

女海賊「あのさ?私が居るんだけど…その賭けなんか意味あんの?」

女戦士「気にするな…道楽なのだ」

商人「面白そうだなぁ…じゃぁ僕は明後日に金貨2枚」チャリン

女海賊「アホらし…ホムちゃん荷室にアラクネーの巣があるんだ…見に行こう」グイ

ホムンクルス「はい…」

『翌日』


カーン カンカン ゴシゴシ


ローグ「頭ぁ!!姉さんが大砲をバラバラにしてるんすが…放って置いて良いんすか?」

女戦士「フフやらせておけ」

ローグ「こういう時って機嫌損ねていやすよね?」

アサシン「クックック本当に単純だな…賭けの対象にされて意地を張っている」

女戦士「私達の作戦勝ちだ…これで2~3日はここに止まる」

ローグ「近づかん方が良さそうでやんす…」

女戦士「まぁ丁度重装射撃砲の真似をして改造しようと思って居た所だ…妹の方が器用だから良い大砲に作り替えるだろう」

魔女「主らも人が悪いのぅ…」

女戦士「どうせまた寝て居ないのだろう?落ち着いて考える時間も必要に思う」

魔女「確かにそうじゃが…作り物も体力を使うじゃろうて」

女戦士「湯に浸かって体を温めれば寝る筈だ…昔からそういうクセがある」

アサシン「フフ重ねて言うが分かりやすい女だ…」

魔女「どうやって湯に浸からせるかじゃな…」

狼女「匂うって言ったら一発だよ」

女戦士「ローグ!!折を見て湯を沸かして置いてくれ」

ローグ「分かりやした…」


-----------------

『甲板』


カチャカチャ コンコン


女海賊「ホムちゃん寒いから無理して付き合わなくて良いよ?」コンコンコン

ホムンクルス「少し体を鍛えようと思いまして…」ヨイショ ヨタヨタ

女海賊「お?どしたん?」

ホムンクルス「妖精さんに追いつけないので…」

女海賊「なるほど!!ほんじゃさ?砲弾をここまで持って来てくれる?」

ホムンクルス「はい…分かりました」

女海賊「危ないから一個づつね」カチャカチャ

ホムンクルス「行って来ます」トコトコ


ヨッコラ ドスン


商人「火鉢持って来たよ…寒いんじゃないかい?」

女海賊「おー分かってんじゃん!」スリスリ

商人「どんな改造してるんだい?」

女海賊「大砲の初速上げて飛距離伸ばす工夫さ…砲身の内側に細工してんの」コンコンコン

商人「へぇ?内側に溝が付くようにしてるのか…それだと口径が小さくなるね」

女海賊「威力よりも飛距離と精度の方が重要なんだよ…当たんなきゃ意味無いから」

商人「どのくらいの距離を想定してる?」

女海賊「そうだなぁ…600メートルでそこそこの命中精度出れば海戦で負ける事無いと思うな」

商人「あれ?普通の大砲ってそんなもんじゃない?」

女海賊「それは最大射程の話だね…そんなんそうそう当たんない…私が欲しい最大射程は1500メートル以上」

商人「なるほどね…」

女海賊「相手の射程外からどんだけ当てられるかってのが重要なのさ…当てられれば大砲1門で十分」

商人「ふむ…海賊は大体300メートルくらいの撃ち合いだね」

女海賊「そうそう…てか角度合わせたり色々あってそんな当たんないんだよ」

商人「当たらない弾は撃つだけ無駄だねぇ…」

女海賊「海賊はバカだからそこら辺分かって無いのさ」

商人「なんか…改造に結構時間掛かりそうだね?」

女海賊「てか何か手伝えよ…ちょいバラして転がった部品集めといて」

商人「ハハまぁ暇だったし少し手伝うかな」ヨッコラ


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『半日後』


シュン! パパパパパーン! チュドーーーン


女海賊「え!!?」キョロ

ホムンクルス「リカオンさんが船首で流氷を撃っている様です…ご安心ください」

女海賊「なんだビックリしたよ…」

商人「大き目の流氷は船体を傷つけるかも知れないから壊しながら進むらしいよ」

女海賊「ほーん…ほんじゃインドラの銃は幽霊船に置いて行った方が良さそうだ」

商人「そうだね…」

女海賊「ちっとお腹空いて来たなぁ…商人!何か持って来てよ」

商人「パンとチーズで良いかい?」

女海賊「火鉢あるんだからそこで魚焼いて!!」

商人「お?魚なら大量にあるんだ…持ってくる」タッタ

女海賊「ホムちゃんも運動してお腹空いたんじゃない?」

ホムンクルス「そうですね…生体の筋肉増強の為にタンパク質を摂取する必要があります」

女海賊「ほんじゃ魚で丁度良いじゃん」

ホムンクルス「はい…栄養のバランスの為に私も食材を調達してきます」ヨタヨタ


シュタタタ


狼女「女海賊か…」

女海賊「リカ姉ぇ…どしたん?」

狼女「何か匂うと思って見に来たんだよ…」

女海賊「え!?私?」クンクン

狼女「女戦士が湯を沸かしてる…浴びてきたらどうだ?」ニヤ

女海賊「なんだろ…油の匂いかなぁ?」クンクン

狼女「火薬に錆びた鉄…油に…なんだこの匂いは…魚介の匂いだ」

女海賊「ヤッバ…全部心当たり有るわ…」

狼女「大砲の改造は程ほどにして匂いを落としてきた方が良い…」

女海賊「今から魚食べるんだ…その後に行くわ」

狼女「じゃぁね‥」ノシ

女海賊「そんな臭いかなぁ…」クンクン

狼女「…」---チョロいw---

『夕方_居室』


ドタドタ ドタドタ


女海賊「ふぃぃぃ…ダメだ…ホムちゃん一緒に寝よう」フラフラ

ホムンクルス「私は帆の張り替えを手伝って来ますので…」

女海賊「そんなんやったら手の皮ズル剥けになるよ?」

ホムンクルス「分かりました…対策して行きます」

女海賊「目が回る…も…もう寝る」ドター


アサシン「…」クックック

女戦士「…」チラリ

狼女「…」ニマー


女戦士「ホムンクルス!帆の張り替えを手伝うとはどういう事だ?」

ホムンクルス「筋力を付けようかと…」

女戦士「なるほど?丁度風向きが変わる頃だ…よし!3分全力でやって10分休め…それを3回繰り返したら肉を食して寝ろ」

ホムンクルス「はい…でもそれでは9分しか手伝った事になりませんが…」

女戦士「筋力の増強はそれで十分…但し全力でやるのだ」

ホムンクルス「分かりました…明日も継続するのですね?」

女戦士「いや…1日置きだ…十分体を休ませてからでないと怪我をするぞ」

ホムンクルス「はい…」シュン

魔女「筋力が欲しいとな?」

ホムンクルス「妖精さんに追いつけないのが悔しいのです…」

魔女「ほう?まっとうな理由じゃのう?」

女戦士「ふむ…速さが欲しいなら帆の張り替えが丁度適している…瞬発力が付くからな」

ホムンクルス「分かりました…行って来ます」トコトコ

商人「フフ…悔しいねぇ…そんな感情も持つ様になったのか」

情報屋「これは生命が持つ本能?」

商人「それしか考えられないね…生存本能なのか…自己肯定本能なのか…生命はそうやって進化して行くのさ」


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『数日後_地庄炉村の沖』


ザブ~ン ギシ


アサシン「…これは餞別だ…好きに使って良い」ジャラリ ドサ

女海賊「リカ姉…私からも」ドサ

狼女「これは魔石?」

女海賊「ワイヤーの装置に魔石必要になるから…ほかにも色々さ」グスン

狼女「フフ貰って置く」

ローグ「ほんじゃリカオンさん気球に乗って下せぇ…地庄炉村まで送りやす」

女海賊「リカ姉ぇ!!」ダダ ギュゥゥ

狼女「何…一生の分かれじゃ無いって…」

女海賊「もうリカ姉ぇの尻尾で体洗えないと思ったら寂しくなってさ…」ギュゥ

狼女「あのね…こっち迷惑してるの」

女海賊「尻尾だけ置いて行ってくんない?」グイ

狼女「触らないでって言ったでしょう!!」グイ

ローグ「あのー…早く乗ってくれやせんかね?」

狼女「ゴメン今行く…」ピョン シュタ

アサシン「ではリカオン…出来るだけ早く使いを出す…いつもの要領で接触するのだ」

狼女「分かったよ…父によろしく」


フワフワ


狼女「じゃぁまたね」ノシ

女海賊「ぶわぁぁ…リカ姉ぇ…尻尾ぉお…」ヨロ


---------------

『付近の小島』


ギシギシ ユラ~リ


女戦士「気球が帰って来るまでここで一時待機だ…小島で水を補給するから小舟を降ろせ!!」

海賊共「へ~い!!」ドスドス

女海賊「…」トボトボ

情報屋「そんなに寂しいの?」

女海賊「リカ姉ぇが好きだったんだよ」

魔女「何て言えば良いのか分からぬが…主の飛空艇でいつでも会いに来れるじゃろう?何故それほど悲しむかのぅ…」

女海賊「あれ?そういやそうだな…いやそうじゃない…リカ姉ぇが取られちゃうのがさ…」

魔女「取られるとはどういう事じゃ?」

女海賊「なんか地庄炉村に気になる男の人が居るんだってさ…」

魔女「なんじゃそんな事か…主の脳みそは本真に何を考えてるか分からんわい」

女海賊「ほんなん知るもんか!!本能だよ本能!!」


トコトコ


ホムンクルス「女海賊さん…リカオンさんへ祝砲を撃ってみるのはどうでしょう?」

女海賊「お!!?イイね!!」ダダダ


女海賊「お姉ぇ!!お姉ぇ!!大砲試し撃ちして良い?」


女戦士「火薬を無駄に使うな…」

女海賊「改造した後まだ一回も撃って無いのさ」

女戦士「そうか…では流れて来る流氷に当ててみろ」

女海賊「おけおけ…おっし!!海賊共!!大砲の撃ち方教えるからコーーイ!!」ダダダ

『水平迫撃砲』


…この大砲は砲弾の装填が特殊なんでしっかり覚えて

後装式といってこの後ろの蓋を開けて砲弾入れるの…ほんでしっかり蓋閉める

次に火薬を入れるのがコッチ…こっちもやっぱ入れた後蓋をしっかり閉める

照準は2軸式…水平射撃用と遠距離射撃は使う照準器が違うから注意

最後に射撃時は真後ろに立ったらダメね…反動で砲身が動くようになってるからパンチ食らうよ


海賊共「ほう…これはキ・カイの技術かいな?」

女海賊「私のアレンジも入ってるさ…ほんじゃ一発向こうの流氷狙うから見てて…」グイ カチ


ドコーン!!


海賊共「うほーーー」

女海賊「んあぁぁぁ…色々工夫したけど重装射撃砲と同じだなぁ…」

ホムンクルス「砲身が短いのが原因ですね」

女海賊「ホムちゃん分かる?」

ホムンクルス「直進性を増す為にライフル砲を採用している様ですがそれも初速が落ちる原因です」

女海賊「これ無いと狙った所に行かないのさ」

ホムンクルス「では…すこし射角を上げて精度よく当てらる様に照準を工夫すれば良いのでは無いですか?」

女海賊「それさ…相手との距離が正確に分かんないと当たんないんだよ…だから水平にこだわってんのさ」

ホムンクルス「望遠鏡を使って測量していますよね?」

女海賊「ダメダメ…精々300メートルくらいしか精度出せない」

ホムンクルス「分かりました…右目と左目を使って双眼鏡で三角測量する器具を作れば良いと思います」

女海賊「え!!?なるほどそうか…三角法で距離求めるのか」

ホムンクルス「この大砲でしたら測量さえ精度良く行えば600メートル程度の精密砲撃が出来ると思われます」

女海賊「よっし!もうちょいだな…」スタタタ


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『荷室』


ガサゴソ


女海賊「使えそうな鋼材余って無いかなぁ…余ってるクロスボウバラシて鋼材にでもすっかぁ…」ゴロン

女海賊「ん?なんだコレ?」スッ

女海賊「黒い壺?なんだこれ?」

女海賊「あぁぁ思い出した…リリスを封じてた封印の壺だ…蓋が無くなっちゃったんだっけ…」

女海賊「そういや魔女に貰ったんだ…忘れてた」

女海賊「てかコレ蓋作れないんかな?…ちっと魔女に聞いてみるか」


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『居室』


ガチャリ バタン


女海賊「魔女居る?」キョロ

魔女「んん?何事じゃ?」

女海賊「荷室に封印の壺置きっぱなしだったんだけどさ…これもっかい蓋作れないの?」

魔女「付呪師なら作れるがわらわには作れんのぅ…蓋は無うても入れ物としては優秀じゃと言うた筈じゃが?」

女海賊「すっかり忘れてたさ…どうやって使うんだっけ?」

魔女「只のカバン替わりじゃな?主は持ち物が多かろう…その壺にはようけ物が入るぞよ?」

女海賊「まぁ良いや…蓋は自分で作るかぁ」

魔女「そうじゃな?逆さにすると落ちてしまうで簡単な蓋は有った方が良かろう」

女海賊「なんか入れてみっか…」スポ

魔女「長い物も入る故に主にはピッタリの壺じゃ」

女海賊「お?お?お?うおぉぉメッチャ入るじゃん」スポスポ


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『小島』


エッホ!!エッホ!!


女戦士「樽に入れるのは雪だけでは無く漂着した氷も入れて持ち帰る」

海賊共「がってん!!」ドスドス

アサシン「流氷があれば水には困らん様だな」

女戦士「こまかくするのが難義だ…」スパ スパ ゴトン

アサシン「しかし何処から流れて来て居るのか…」

女戦士「この様子だと直に氷山も流れて来そうだ…」スパ スパ

アサシン「インドラの銃で破壊出来んか…」

女戦士「やはり今の内に内海を出るのが正解だな」

アサシン「ふむ…商船をこちらによこすのは厳しそうだな…」

女戦士「いやそうでも無いぞ?この辺りは比較的海が浅いのだ…大きな氷山はもっと沖の方になる」

アサシン「ほう?つまり陸沿いならなんとか来られる訳か」

女戦士「問題は海流が逆だと言う所…船底の浅いスクーナーが必要になる」

アサシン「ううむ…フィン・イッシュには少ないタイプの船だな…」

女戦士「我々海賊がスクーナーを好む…逃げやすいのでな?」

アサシン「フフ…味方で良かった」


シュン! パパパパーン! チュドーーーン!


女戦士「んん?」キョロ

アサシン「空に向かって撃って居るな…」

女戦士「まさか…ガーゴイル?」

アサシン「どうやらゆっくり出来ん様だ…」スック

女戦士「海賊共!!引き上げるぞ!!」

海賊共「へ~い!!」ドスドス

『甲板』


ドタドタ


女海賊「ちょっと商人!あんま遠くのガーゴイル倒しても意味無いから」

商人「そうだったね…精度良すぎるからツイ使っちゃう」

女海賊「ガーゴイルなんか20メートルくらい近付くまで放置で良い」

情報屋「ねぇ…月が出てる」ユビサシ

女海賊「本当だ…」

商人「なんか計算合わないねぇ…今頃北半球の側に月が有る筈なのに」

女海賊「水平線なぞって横に移動すんじゃね?」

情報屋「多分そうね…今からしばらく月が見えっぱなしに思うわ」

商人「地軸の移動も合わさってるから分からなくなるね」

女海賊「落ち着くまで観測も無駄さ…それよりガーゴイルが今の時点で出てるってのがなぁ…」

商人「まぁ僕が見張っておくよ」

女海賊「はいはい…私作り物してるから居室入っとくわ」スタ


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『しばらく後_居室』


ガチャリ バタン


女海賊「お姉ぇ帰ってきたんだ?」

女戦士「インドラの光を見て慌てて帰って来たが大した事無かった様だ」

女海賊「月が出て狭間が近づいてるのさ」

女戦士「うむ…今観測をさせている」

女海賊「意味無くね?」

女戦士「月の公転の傾き具合が分かるぐらいか…」

女海賊「早い所ホムちゃんに衛星見つけてもらうだね」

女戦士「ところで今度は何を作っているのだ?」

女海賊「距離観測用の双眼鏡さ…望遠鏡だとあんま精度無いから三角法も併用すんの」カチャ

女戦士「ほう?面白そうだ」

女海賊「これお姉ぇの方が上手く作るかもね」

女戦士「双眼で見てどう距離に換算する?」

女海賊「基準になる照準と目標にピント合わせた時の差分を測るのさ…覗いてみ?」ポイ

女戦士「ふむ…なるほど」クリクリ

女海賊「いま触ってるダイアルに数値書いてるんだ…それが補正係数…あとは普通の測量だよ」

女戦士「これで対象までの距離を精度よく求めるのか」

女海賊「そそ…あとは大砲の射角調整すればドンピシャで当たる…筈…」

女戦士「大砲を撃たせるのは測量士にやらせた方が良いな」

女海賊「そだね…計算早い人が良い」

女戦士「よし!双眼鏡の構造は理解した…後は私がやろう」

女海賊「ホムちゃんが言うにはちゃんと測量すればあの大砲で600メートルの精密砲撃が出来そうだってさ」

女戦士「…という事は対象が大型の船だった場合はもっと遠距離から狙えるな」

女海賊「こっちも船で揺れてるからそう簡単には行かないと思うけどね…」



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ドタドタ


ローグ「頭ぁ!!戻ってきやしたぜ?」

女戦士「ご苦労!!物資調達はどうだ?」

ローグ「布とロープを仕入れて来やした…食料もボチボチでやんす」

女戦士「よし!では出港させろ」

ローグ「へい!!…で?頭は何を作ってるでやんすか?」

女戦士「測量用の双眼鏡だ」

ローグ「あぁ望遠鏡の一種っすね…」

女戦士「悪いが私は手を離せん…海賊共に出港させて来い」

ローグ「わかりやしたぁ!!」ダダ



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女海賊「おーーーし!!これで私が賭け金全部頂きさ」ジャラジャラ

女戦士「…」チラリ

アサシン「フフ…」

商人「良く我慢したねぇ…」ボソ

女戦士「商人!余計な事を言うな!」

女海賊「んん?まぁ良いや…ほんじゃちっと命の泉まで行って来るわ」

女戦士「誰を連れて行く?」

女海賊「どうすっかなぁ…ホムちゃんは衛星探すのに連れて行くとして…」

女戦士「やはり商人と情報屋か?」

女海賊「なんか毎回同じなんだよなぁ…安定っちゃ安定なんだけど…」

情報屋「私はもう少し体力をつけてからにしたいわ」

女海賊「おけおけ…ほんじゃ商人とローグかな」

女戦士「…との事だ…ローグ!お前が女海賊の見張り役だ」

ローグ「へい…わかりやした」

女海賊「何さ見張り役って…」

女戦士「お前は鎖を付けておかないと直ぐに何処かへ行ってしまうのでな」

女海賊「なんだよちゃんと帰って来るさ」

女戦士「幽霊船は陸沿いに外海側からフィン・イッシュを目指す予定だがどこで合流する?」

女海賊「フィン・イッシュまでハイディングしないで航海したら結構掛かるよね…まぁ海岸沿い探して戻って来るさ」

女戦士「インドラの銃は借りて置くぞ?光の石で照らして置けば空からも探しやすかろう」

女海賊「お!?それ良いね…晴れてたらメッチャ遠くから見えるわ」

女戦士「では決まったな?」

女海賊「まぁこっちはハイディングして移動すっから直ぐに戻るさ」

女戦士「そうしてくれ」

『鯨型飛空艇』


シュルシュル スタ


女海賊「はいホムちゃん飛空艇に乗って」

ホムンクルス「はい…」ピョン

ローグ「次あっしが行きやすぜ?」シュルシュル

商人「ほっ!!」ピョン

ローグ「ワイヤー装置有るとラクっすねぇ…」ピョン

女海賊「おっし!!ロープほどいて…」グイグイ ポイ

ローグ「姉さんはいつも商人さんを連れて行くのは理由があるんすか?」

女海賊「商人は寝ないからさ…見張りとか操舵をずっと任せられるんだよ」

商人「ハハ…まぁそうだね」

ローグ「理解しやした…姉さんにとってラクなんすね」

女海賊「食事も要らないし何処行ってもお金に困んないし…捨て駒にしても死なないし」

商人「捨て駒とは酷いな…」

ローグ「いやいやこれは姉さんの誉め言葉なんすよ…出来る男に出来るって言わないでやんす」

女海賊「はいはいもう出発するよ…ホムちゃん操舵の仕方を教えるからこっち来て」

ホムンクルス「はい…」

女海賊「ほんじゃ良く見ててね」グイ シュゴーーーーーー


フワフワ

『上空』


シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ


ローグ「これ北に向かうだけじゃ向こうの大陸に着かんのですかね?」

商人「それダメだね…外海のど真ん中飛んじゃう可能性がある」

女海賊「羅針盤はアテに出来ないんだ…陸の形を見ながら方向定める感じ」

ホムンクルス「南極では全部の方向が北です…そして今磁極がどこにあるのか分からないのです」

女海賊「だからホムちゃんの衛星頼りなのさ」

商人「そういえばさ?衛星は黒色惑星の影響を受けて居ないかな?」

ホムンクルス「静止軌道から外れている可能性が高いので出来るだけ早く修正しないと落下します」

女海賊「えええ!!それ超マズイじゃん」

商人「修正とは?」

ホムンクルス「推進力を制御するエンジンが搭載されていますので軌道の修正が可能です」

商人「エンジン?」

ホムンクルス「皆さんに分かる言い方ですと風の魔石と言う所でしょうか」

商人「なるほど…」

女海賊「それに乗って月に行けたりしない?」

ホムンクルス「女海賊さんが乗って行く事は不可能です…1万パーセント無理と言えば理解してもらえますか?」

商人「1万パーセントw」

女海賊「めっちゃ分かりやすい」

商人「月の公転がすごい変わってるけど平気なのかな?」

ホムンクルス「およそ200年程で元の軌道に戻ると予測します…数十年は洪水の影響が一番大きいかと思われます」

商人「情報屋も同じ事言ってたな…海抜100メートル変わる場所もあるとか」

ホムンクルス「その通りです…しかし現在の文明圏では20メートルくらいでしょうか」

商人「そうか…僕達は未踏の地がどうなってるのか知らないだけか…」

『外海へ抜ける海峡_上空』


シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ


女海賊「おっし!分かったぞ…こっから右方向に行けばフィン・イッシュ領方面だ」

ホムンクルス「もう少しで高緯度域を出ると思われますので羅針盤も少しはアテになるでしょう」

商人「船が5隻くらい外海に出た所に居るね…」

女海賊「どれどれ…何の船だろう?」スチャ

ローグ「あっしにも望遠鏡貸して下せぇ」

女海賊「あんたに何処の船か分かる?」パス

ローグ「そらあっしも海賊歴長いでやんすからね…ええと…」

商人「今の状況で航海しようとする船はロクな船じゃないと思うな」

ローグ「当たりでやんす…豪族があそこで出待ちしてるみたいっすね…ちっと頭に連絡しておきやす」

女海賊「迫撃砲の試し撃ち出来んじゃん」

ローグ「外海の方まで出たらハイディング出来るんで多分大丈夫でやんすよ」

女海賊「インドラの銃もあるんだから全然心配してないよ…」


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『幽霊船_甲板』


女戦士「使い方は分かったな?…次はもう一つ向こうの流氷までの距離を測ってみろ」

測量士「がってん!!」クリクリ

女戦士「どうだ?」

測量士「1.278×660メートル…843メートルでごわす!!」

女戦士「あとは迫撃砲の射角だな…撃ってみるか…」

測量士「任せてがってん!!」

女戦士「ふむ…やってみろ…」ツカツカ


ノソノソ


魔女「女戦士や…ローグから連絡じゃ…貝殻を持てい」スッ

女戦士「んん?進路に何か妨害を見つけたな?」スッ


”頭ぁ…聞こえていやすかね?”

”どうした?”

”外海に出る海峡で豪族の船が5隻出待ちしてるんす”

”ふむ…船の大きさは?”

”キャラック船1隻とスクーナー4隻っすね…多分セントラル軍船崩れでやんす”

”分かった…距離を開けつつ様子を伺う”

”流氷もポツポツ流れてるんで気を付けて下せぇ”

”哨戒ご苦労!”

”じゃぁまた何か有ったら連絡しやす…ザザー”


女戦士「測量士!豪族と海戦になるかもしれん…今の内に迫撃砲の着弾精度を上げておけ」

測量士「距離はどの位で?」

女戦士「800メートル以上で当てられる様に工夫しろ…それだけ離れれば向こうの大砲はこちらに届かん」

測量士「がってん承知の助!!」ドタドタ


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『翌日_外海に出る海峡』


ザブ~ン ユラ~リ


アサシン「やはり向こうもこちらに気付いて居そうだ」

女戦士「なかなか優秀な見張りが居るらしい…」

アサシン「このまま直進か?」

女戦士「先ずは出方を見ん事にはな…既に一隻私達の後方に回ろうとしている様だが…」

アサシン「主力は大きなキャラック船か?」

女戦士「さぁな?アレに近付かないようにこちらが動くと思って居るのだろう」

アサシン「どうする?インドラの銃なら先制で打ち込めるぞ?」

女戦士「まぁ待て…それは奥の手だ…こちらの迫撃砲も試してみたかったのだ」

アサシン「砲弾が随分小さいから決定力が無さそうだが?」

女戦士「着弾させて追い散らせば良いのだ…貴重な船をわざわざ壊す事もあるまい」

アサシン「クックック私は高みの見物と行こう」スタ


海賊「頭ぁ!!こっちの射程に入るでがんす!!」


女戦士「まだ撃つな!!キャラック船とは1kmの距離を置いて少し左に転進しろ!!」

海賊「へい!!」ドドド

女戦士「4隻のスクーナーに囲まれる筈だから狙うのはスクーナーだ!外すな!?」

測量士「がってん!!」

女戦士「有効射程に入り順次当てて行け!!」

『海戦』


ドコーン!!


アサシン「フフ…そう簡単に動く的には当たらんか」

魔女「向こうは撃ち返して来んのぅ…」ノソリ

女戦士「射程外だからな…」


ドーン ドーン ドーン ドーン


アサシン「クックック届かんのも分からんのか奴らは…」

女戦士「こちらに大砲が1門しか無い事を知って居るのだ…包囲してるぞという合図」

アサシン「なるほど…」

女戦士「測量士!!何をしている!!当ててやれ!!」

測量士「がってん!!次こそ…」


ドコーン!!


アサシン「お?着弾か?」

魔女「ほぅ…高みの見物もなかなか見物じゃな…」ノソノソ

測量士「この距離だと2~3発に一発当たる感じでごわす」

女戦士「どんどん撃て…スクーナーを散らせば私達の勝ちだ」

測量士「がってん!!」


ドコーン!!


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『10分後』


ドコーン!!


女戦士「フフやはりマストは折られたく無いから近づけんか…」

アサシン「距離800メートルではそこそこ当たる様だ…この迫撃砲の最大射程はどの位だ?」

女戦士「分からん…射角を上げ過ぎると砲弾の着水が見えんのだ」

アサシン「2km先ぐらいまでは数を撃てば当たりそうだ…」

女戦士「陸上戦では無いからそれほど長い射程は不要に思う…今の射程で十分だ」

魔女「相手を追い払えば不毛な消耗戦をせんでも良いな?良い武器じゃ」


海賊「頭ぁ!!キャラック船が遠ざかってるでがんす!!」ドタドタ


女戦士「だろうな?スクーナーの追跡だけ注意して陸沿いにフィン・イッシュを目指す」

海賊「へい!!」

アサシン「余裕だったな…」

魔女「さて情報屋と談話でも楽しむとするかのぅ…」ノソノソ


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『どこかの上空』


リリース! スゥ…


女海賊「商人!ちょい地形確認して」

商人「ええと…北側はすごく遠くに山脈…東側が低地で針葉樹がポツポツ生えてる…どこだ?」

ローグ「多分大分フィン・イッシュ通り越していやすね…」

商人「海が見当たらないなぁ…」キョロ

ローグ「セントラルの北西じゃないっすか?昔砂漠だったら辺…」

女海賊「なんかそんな感じだね…」

商人「砂漠といえば龍の巣って言われた砂嵐どうなっちゃったんだろう?」

ローグ「前の噴火で寒冷化した後は無くなったらしいですぜ?」

女海賊「ええ?知らんかった…なんかあんの?」

ローグ「詳しくは知らんです…リザードマンが沢山居て人が近づかんでやんすよ」

女海賊「折角だからソコ通って行こうか」


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『荒野上空』


シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ


女海賊「また遺跡っぽいのがある…」

商人「リザードマンはこんな所に住処を持ってたんだね」

女海賊「情報屋を連れて来れば良かったなぁ…」

商人「見た感じキ・カイの様な高度な文明跡では無さそうだ」

女海賊「いつの時代とかアンタ分かんない?」

商人「う~ん…1000年とか…2000年とか?」

ローグ「でも砂嵐の中で良く生活していやしたね?」

商人「リザードマンは耐環境性があるとか誰かが言ってたな…あと変温動物だから食料少なくても良いらしい」

ホムンクルス「私が名も無き島の端末で調べた範囲内でお答えできますよ?」

商人「あーそういえば生物学者の研究所だったね」


リザードマンは超古代から生息している人型ミュータントで地球外来種です

およそ1万年前に絶滅したとされていますが化石に残った遺伝子から人間の手により復活させられました

その生態は今おっしゃっていた様に地球上のあらゆる環境に適応する強い耐環境性を持って居ます

しかし手先が器用では無い事により文字を残す事や高度な道具を作る事が出来ない為

現代に至っても独自の文明を残すに至って居ません


商人「オークと同じ感じか…」

ホムンクルス「オークは人間までとは行きませんが独自の生活圏を少し作っていますね」

女海賊「アヌンナキが始めて地球に来た時って…なんつったっけな…ペルティリアン?」

商人「レプティリアン…多分リザードマンの御先祖さんさ」

ホムンクルス「皆さんのお話からするとその可能性が高いですね」

女海賊「1万年前に絶滅したってどういう事?」

ホムンクルス「それは名もなき島の端末の情報にありませんでした」

商人「きっと人間の手によって駆逐されたのさ…神々の戦いだよ」

ローグ「そういやリザードマンはあんまり強く無いでやんす」

ホムンクルス「人間より優れているのは耐環境性の他に長寿であるという事です…およそ1000年の寿命があります」

商人「ドラゴンと一緒か…」

女海賊「今の話からするとリザードマンはここの遺跡に住み着いてるだけっぽいね」

ホムンクルス「人間に追われて誰も近づかない砂嵐の中へ逃避したのかと…」

女海賊「なんか可哀そうになって来たなぁ…」

ホムンクルス「因みに人間との交配をさせる実験はされていた様ですが遺伝子配列が違い過ぎて適合しません」

商人「ん?じゃぁ共存は無理という事かな?」

ホムンクルス「共存出来るか否かは人間の側に問題がある様です」

女海賊「なんかみんな魔物だと認知してる時点で共存は無理っぽいな…」

ローグ「しょうがないっす…リザードマンの方から襲って来るもんで…」

『遺跡上空』


シュゴーーーー ヒュゥゥ


商人「結構リザードマンの数が多い…」

女海賊「飛空艇に気付いて騒いでる…よーし!!」スック

ローグ「何する気っすか?撃っちゃダメでやんす」

女海賊「撃つんじゃないよ…ちっと挨拶さ」グイ


ボエェーーーーーー ブシューーーーーー


商人「ハハハ…クジラの潮吹きか」

ローグ「あらららら?あらら…リザードマンがひれ伏していやすぜ?」

商人「向こうからしたら神様に見えるかもね?」

女海賊「ふ~ん…そういう事か…」

商人「んん?」

女海賊「アヌンナキがどうやって神様になったのかって事さ…人知を超えた事を見せるだけで神様になるんだ」

商人「なんだそういう事か…」

女海賊「その当時の神様がなんでポンポン人間にやられたのか…実は大したこと無かったって感じじゃね?」

商人「なるほど…神々の戦いと言うのは後の人間がそう伝えただけで実際はもっと現実的な感じか…」

女海賊「ポンポンやられちゃうから今度はメチャ強いオークに乗り変えて来たんじゃないの?」

商人「フフ…君のそういうズケズケ言う所は好きだよ」

女海賊「なんか私…アヌが神様なのか良く分かんないんだよなぁ」

商人「同感さ…僕達に何をもたらしてくれるのか…謎ばかりだよ」


---どうせ何ももたらしてくれない---

---何故なら人間に興味なんか無いからさ---

『山脈上空』


シュゴーーーー ヒュゥゥ


ローグ「うはぁぁ…川が氾濫しまくっていやすね…」

商人「赤道に近くなったから雪が溶けて居るのと…雨も降っているんだろうね」

女海賊「これ目印の山とか全然分かんなくなっちゃったんだけど…」

ホムンクルス「皆さん…衛星の行方が分かりました」

女海賊「おお!!ほんじゃホムちゃんに案内お願いする」

ホムンクルス「軌道を修正して元の静止軌道へ戻るのにおよそ2日掛かります」

女海賊「そんな遠く行っちゃってんの?」

ホムンクルス「それ程遠くではありませんが急いで戻すと落下の危険がありますので…」

商人「まぁ見つかって良かった…」

ホムンクルス「衛星が救難信号をキャッチして居ます」

女海賊「んん?救難?どっから?」

ホムンクルス「座標からして宇宙からの模様…エネルギー供給を要求しています」

女海賊「宇宙!!?ちょちょ…どういう事?」

ホムンクルス「識別コードOV-277機…私のデータに機体のデータがありません…旧式のシャトルと想定されます」

女海賊「ちょい何言ってるかさっぱり分かんない…なんで救難信号?誰か居んの?」

商人「もしかしてそれは箱舟の事かい?」

ホムンクルス「分かりません…ですが古代の人が生存している可能性があります」

商人「ハッ!!情報屋が宇宙に逃れた人が居るのを見つけてる…それの事か」

女海賊「もしかしてそれに乗って月に行けたりする?」

ホムンクルス「今までの提案の中で最も可能性が高いです…動かす事が出来れば99%月へ行けるでしょう」

女海賊「おっし!!それ奪って動かすぞ」

ホムンクルス「但し…動かせる可能性は非常に低いです」

女海賊「ホムちゃんが居れば何とかなるさ…ほんで?エネルギー供給って何?」

ホムンクルス「インドラの光です…指定の座標へ撃てば供給完了します」

女海賊「おっけ!!供給してあげよう」

商人「良いのかい?良く分からない相手にさ?」

女海賊「何言ってるのさ!やっと月に行ける方法見つけたんだ…私は逃さないよ」

商人「ハハ君と言う人は…」

女海賊「ホムちゃん!インドラの光を撃ってあげてよ」

ホムンクルス「承認…インドラシステムを起動します」


座標同期完了…姿勢制御オート


ホムンクルス「発射します…」

女海賊「…」キョロ

商人「…」ポカーン

ローグ「ええと…何か起きやしたかね?」

ホムンクルス「完了しました…未確認機からの応答はありません」

女海賊「ん?…終わり?」

ホムンクルス「はい…」

女海賊「降りて来ないの?」

ホムンクルス「分かりません…」

女海賊「なんだよ…期待して損したわ」

商人「こんなに簡単にエネルギー供給出来るのか…スゴイな」

女海賊「あ…ちょいヤバかったかも…機械が人類に戦線布告してるとか言ってたじゃん?」

商人「ああああああああ!!まさか敵に塩を送っちゃったか…」

ホムンクルス「未確認機に動きがあれば分かりますのでご心配なく」

『夕方_山岳部の崖際』


フワフワ ドッスン


女海賊「おっし…ここなら魔物も来ないっしょ」

ローグ「外で焚火でもしやしょうか」

女海賊「そだね…一応ローグと商人はプラズマの銃を持って行って」

ローグ「へい!!あっしは薪を集めてきやす」ダダ

商人「じゃぁ僕はガーゴイルを警戒しておくかな」

女海賊「命の泉行くのにこんな迷うと思わなかったさ…地形覚えた筈なんだけどなぁ…」

商人「どれだけ雪が溶けたのか分からないね」

女海賊「これホムちゃんの衛星待ちになっちゃうかも…」

商人「そうそう…衛星と通信出来るなら月の公転とかどうなったか分からないかな?」

ホムンクルス「基準が無くなってしまったので今は観測出来ません…」

商人「そうか…君は衛星からこちらを見る事も出来るのかな?」

ホムンクルス「はい…今は地球に接近しつつ地表の形状を以前と比較して居ます」

女海賊「おぉそんな事出来るんか…どう?メッチャ変わってそう?」

ホムンクルス「そうですね…内海に大きな津波が到達して居ないので皆さんには影響が分かり難い様です」

商人「外海はスゴイ事になってるんだ?」

ホムンクルス「海底で大きく分断している個所もある様で以前とは少し違った世界地図となるでしょう」

女海賊「まぁ海の占める割合が7割以上だから影響の7割は海だよ」

ホムンクルス「海面の上昇で沈んだ島や隆起で新しく生まれた島が沢山ある様です」

女海賊「なんちゅーか…大した苦労も無く生き残ったな…」

商人「そうでも無いよ?影響の少ない地域に人を誘導したお陰もある」

女海賊「アンタなんかやったん?」

商人「僕は物流で人の流れを少しコントロールしただけさ…公爵はもっと強引にやったよね」

女海賊「私石になってたから良く分かんないのさ」

商人「豪族使って追いはぎみたいな事やったり…海軍を全部外海に移動させたり…」

女海賊「ほ~ん…」

商人「結果論なんだけど救われた人は多いと思うな」


ダダダ


ローグ「皆さんお待たせしやした…焚火を焚いたんで暖まって下せぇ」

女海賊「お!!山賊焼きでも焼くかぁ!!」スタ

『焚火』


メラメラ ジュゥゥ


ローグ「姉さん…何処にその肉仕舞ってたんすか?」

女海賊「魔女に貰った壺に何でも入るから適当に詰めて来たのさ」

ローグ「酒は有りやすかね?」

女海賊「ほい!!」ドン

ローグ「おぉぉぉ!!姉さんが居たら物資に困らんじゃないっすか…」

女海賊「あんま入れすぎると中でグチャグチャになる」

商人「他に何入ってるの?」

女海賊「爆弾とかボルトとか重たい物ばっかだよ」

商人「それって本当は魔物を封じる壺だよね…」

女海賊「どうやってこん中入れるか知ってる?」

商人「呼んで返事したら吸い込むらしい…後は量子転移の魔法?」

女海賊「お!?ほんじゃ商人の名前呼んで返事したら吸い込まれる?」

商人「ちょっと止めて欲しいな…いくら不死者だからと言って…」

女海賊「ヌフフフフ…ねぇ商人?」

商人「だからぁ!!それで遊ばないで欲しい!!」


シュゥゥゥゥ スポン!!


ローグ「あららららら…こら偉いこってすわ…」

商人「おーーーい!!高くてそこまで登れないよ!!出してぇぇ」

女海賊「いでよ!!商人!!」


シュゥゥゥゥ スポン!!


商人「ちょっと止めてって…」

女海賊「面白い!!どんくらいの高さだった?」

商人「2~3メートルだよ…何か積めば出られそうだけど」

女海賊「ほんじゃロープで出られるか…コレ使い方次第で檻の中とか入れるな」

ローグ「何する気なんすか?」

女海賊「通れない向こう側に商人を行かせる事が出来るじゃん?」

商人「あのね…なかなかそういう場面が無いと思うんだけど…」

女海賊「ムフフフフ…これで盗賊を出し抜ける…ようし!見てろよ?ウヒヒヒヒ」ニマー

ローグ「いやぁぁ姉さん…カリスマっすね」

商人「ヤレヤレ…」

『十日夜の月』


ギャァァ バッサ バッサ


女海賊「やっぱ夜になるとガーゴイル出てくんな…」

商人「近づいては来ないね」

女海賊「飛空艇にはそうそう襲って来ないよ…プラズマの無駄撃ちはしない様に」

商人「僕が見張っておくから君は休んで良い」

女海賊「そうするわ…ホムちゃんまだ妖精とくっちゃべってるかな?」

商人「そうだね…まぁ見ておくから心配しないで」


-------------


『鯨型飛空艇_荷室』


ガサゴソ ガサゴソ


女海賊「あれ~~?何処に置いたっけなぁ…」

ローグ「何か探してるでやんすか?」

女海賊「どんぐりとか種類を小分けしておいてた筈なんだけどなぁ…」ゴソゴソ

ローグ「姉さんの虫が食べて居やしたぜ?てっきりあっしは姉さんがあげたのかと…」

女海賊「えええ!!?種は食うなって言ってんのに!!」

ローグ「どっかその辺に隠れて居やせんかね?」

女海賊「あ!!良く見たらウンコいっぱいあるじゃん!!何やってんだよ…ワーム!!掃除しろ!!」


ニョロニョロ モソモソ


女海賊「あのね!!種は食うなって言ってんじゃん!!」

ワーム「プギャー…」パクパク

ローグ「姉さん…その虫じゃないでやんす」

女海賊「種食うのはワームしか居ないんだよ…」


カサカサ モソモソ


女海賊「んん?あああああああああああ!!ダンゴムシ動いてる…」

ダンゴムシ「!!?」クルン コロコロ

女海賊「死骸じゃ無かったのか…てかいつの間に飛空艇に乗ってんだよ…」

ローグ「その虫は未来君の生まれ変わりなんすよね?姉さんが連れて来たと思って居やした」

女海賊「おい妖精出て来い!!どうなってんのさ!!」


スポン!! ヒラヒラ


妖精「呼んだ!?」パタパタ

女海賊「このダンゴムシはアンタの本体じゃないの!?」

妖精「何の事かな?僕は僕だよ?ダンゴムシはダンゴムシ…何を言ってるのか分からないよ」

女海賊「どういう仕組みなのか私にもさっぱりさ…まぁ良いやダンゴムシって生き返ったん?」

妖精「僕が分かる訳無いじゃないか…ダンゴムシに聞いて見なよ」

女海賊「そりゃそうだ…おい!!ダンゴムシ!!?」ツンツン

ダンゴムシ「…」コロコロ

女海賊「あんた未来じゃないの?」

ダンゴムシ「…」ジーー

ローグ「あ…姉さん…独り言喋りながら虫をつつく姿は他の人に見られちゃイカンですわ…」

女海賊「うっさいな!!あんた妖精の声聞こえないの?」

ローグ「なんか聞こえるんすが聞き取れんのです…姉さんの一人芝居に見えるんすよ」

女海賊「ちっと一人にしといて…」

ローグ「へい…あっしは姉さんを疑っちゃ居やせんぜ?」

女海賊「はいはい分かったから…ほんで妖精!!どういう訳か聞かして貰うよ」

妖精「ハチミツ欲しいなぁ…」

女海賊「あとであげるから…もっかい聞くよ?アンタどっから来たん?」

妖精「妖精は狭間に住んで居るんだよ?」


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『焚火』


メラメラ パチ


ローグ「こっちは異常無しっすか?」スタ

商人「あぁ…相変わらずガーゴイルは遠くに居るね…ローグは飛空艇を追い出されたのかな?」

ローグ「そんな所っすね…姉さんが独り言話し始めたもんで…妖精と話してるんですがね」

商人「そうか…ローグは妖精の声が聞こえないんだ」

ローグ「小さな光と聞き取れない声は聞こえるんすが…」

商人「僕は不死者になってからコッチ良く聞こえる様になったよ」

ローグ「ホムンクルスさんも聞こえているみたいっすね」

商人「うん…さっきから盗み聞きしてるのさ」

ローグ「どんな事話してるんすか?」

商人「大した話じゃない…おっぱいの大きさと温度で揉めてる」

ローグ「あたたたた…本当どうでも良い話でやんす」

商人「でも不思議なんだ…ホムンクルスがどんどん人間らしくなっていくのがさ」

ローグ「変わりやしたね?運動すると言いだしたり…いつの間に寝てたり」

商人「本能的な事を妖精から教えて貰ってるのかもね」

ローグ「不死者は本能的になにか無いんすか?」

商人「う~ん食欲も睡眠欲も性欲も無い…あ…生き血が欲しくなるのは欲求だな…なんでだろう?」

ローグ「生への渇望っすね」

商人「ワインで渇きが癒えるのは命が宿って居るからなのかも…ん?…ちょっと待て」

ローグ「どうしたんすか?」

商人「命の水…アヌがどうしてこれを集めたのか…生への渇望かもしれない」

ローグ「また閃きやしたね?」

商人「どうやって集めたのか…そうか分かって来たぞ…地球の命をどうにかして吸い取ってるんじゃないかな?」


それで地球も死にかけてる…だから生を渇望する

生き血が欲しい…戦争が終わらない理由はそれだ


女海賊「ビンゴ!!」

ローグ「姉さん…」

女海賊「明るくなってきたら出発するよ」


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『早朝』


シュゴーーーーー フワフワ


女海賊「とりあえず尾根沿いに一番高い山を探す」グイ

商人「僕は右側を見ておくよ…ローグは左側おねがい」

ローグ「アイサー!!」

女海賊「ホムちゃんはぐっすりか…」

商人「昨夜も筋力トレーニングやってたから疲れているのかもね」

女海賊「マッスル系ホムちゃん…なんかイメージ違うなぁ…」

商人「良いじゃ無いか…歩き方もヨタヨタしなくなってるし」

ローグ「ちょちょちょ…ヤバイっす!!ロック鳥が飛んで居やす」

女海賊「ええ!?」

ローグ「早く進んで下せぇ…まだ遠くなんすがドラゴン並みにデカい鳥でやんす」

女海賊「マジか…」グイ


シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ


ローグ「あららら…下の方からも4匹程追加でやんす」

女海賊「ハイディングで凌げると思う?」

商人「鳥とか虫はハイディング意味無いね…」

女海賊「くっそ!プラズマ銃のリロードだけハイディングで稼ごう」


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『空中戦』


ピカーーーーーー チュドーーーーン!!


ローグ「ダメっす!!届かんでやんす!!」

商人「なかなか射程に入って来ない…」チャキリ

女海賊「最悪の場合私が妖精の笛吹いて凌ぐからそのつもりで居て」

ローグ「へい!!」

商人「ロック鳥の方が全然早いな…どうして襲って来ない?」

ローグ「気球が大きいんで警戒してるんじゃないすかね?」

女海賊「潮吹いて見るか…」

ローグ「ビビらせるんすね?」

女海賊「いくよ!?」グイ


ボエーーーーーーーー ブシューーーーー キラキラ


ホムンクルス「はう!!?」ガバ キョロ

女海賊「あぁホムちゃん起こしちゃったね…今戦闘中なのさ」

ホムンクルス「沢山の妖精さんとお話を…」

商人「寝ぼけて居るのかい?」

女海賊「ホムちゃん飛空艇の操舵お願いできる?」

ホムンクルス「は…はい…」

女海賊「おっし!!これで私も特殊クロスボウ撃てる」スチャ

ローグ「この距離で届きやすか?」

女海賊「射角上げれば届く…閃光弾で威嚇する」ガチャコン


ダン! ダン! ピカーーーー ピカーーーー


商人「効果ありそうだ…距離が離れて行く」

ローグ「このまま諦めてくれれば良いんすが…」

ホムンクルス「あのー…あの大きな鳥は襲って来ないと思います」

女海賊「え!?そうなん?」

ホムンクルス「私がお話して居た妖精さんに関係するのでは無いかと…」

商人「昼間は夢の中に出て来るのか…トロールが肩に乗せてる鳥みたいなもんか」

女海賊「ロック鳥に何かの虫が引っ付いてる?」

ホムンクルス「少し様子を見て下さい」

女海賊「ホムちゃんがそう言うなら…」

ローグ「どうせこっちも攻撃が届きやせん」

女海賊「まぁ良いや!後ろに注意しながら命の泉を探そう」


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『命の泉付近』


シュゴーーーー ヒュゥゥゥ


商人「さすがにこの高度までロック鳥は追って来れないみたいだね」

女海賊「今海抜7000メートルくらい…正面に見える一番高い山の下が命の泉だよ」

商人「日が落ちる前に見つけられて良かった…」

ローグ「この高さより高い山が有ったんすね…」

商人「息苦しくない?」

ローグ「クラクラしやす」

女海賊「あのね?急な運動するとすぐ体調壊すから呼吸は意識して整えて」

ローグ「高山病でやんすか?」

商人「ホムンクルスも気を付けた方が良いよ」

ホムンクルス「はい…気を付けておきます」

女海賊「ええと…何処だったっけなぁ…」

ホムンクルス「右側の谷の緑化している所ですね」

女海賊「あれ?あんな緑あったっけ?」

ホムンクルス「癒し苔が増えているのですね」

女海賊「おぉぉ!!商人!!アレ集めておいて」

商人「そういえば僕も癒し苔にお世話になったなぁ」

女海賊「積めるだけ積んで帰る…封印の壺にも入れるから沢山集めてよ」

商人「分かったよ」

『命の泉』


サラサラ キラキラ


女海賊「ドラゴンは居なさそうだな…」ジャブジャブ

ローグ「ほーーここが話に聞く命の泉なんすか…」

女海賊「ハイディングして隠してあるけどエクスカリバーを泉に刺してるんだ…何処だっけな?」ウロウロ

ローグ「姉さんは此処に来るの3回目でしたっけ?」

女海賊「そだね…そういやドラゴンのねぐらもあるんだよ」

ローグ「ドラゴンは見当たりやせんね?気配も無いでやんす」

女海賊「ドラゴンはエルフの所に居るさ…精霊樹守ってるんだよ」

ローグ「そのねぐらにはもしかしてお宝どっさりじゃないっすよね?」

女海賊「メッチャある…ドラゴンの寂しさ紛らわす宝物なのさ…あんま手を付けない方が良い」

ローグ「そうなんすね」

女海賊「見るだけなら良いかも」

ホムンクルス「ご案内しましょうか?」

女海賊「泉に入ってると寒いからドラゴンのねぐらで暖まってて良いよ…私もすぐ行くから」

ホムンクルス「はい…こちらです」スタ

ローグ「いやぁぁ楽しみっすねぇ…」スタ

女海賊「さてぇ!!さっさと命の水を撒こうかな…」スッ


キュポン! ジャブジャブ


女海賊「よーし!!やったった!!…フフ予想した通り…だから何?って感じだね」

女海賊「どうせ効果出るの100年とか200年とかいう奴だよね…ほんでエクスカリバー何処だっけなぁ…」ジャブ

女海賊「有った有った…」シャキン!!


ピカーーーーーーーー!!


女海賊「アハハ光は健在だ…」


アハハ…ウフフ… ヒラヒラ ヒラヒラ


女海賊「うお!?妖精がいっぱい…」キョロ

妖精「やばやば!!遅刻する!!おっぱいに挟まってる場合じゃ無い!!」ヒョコ スポン!

女海賊「ちょちょちょ…あんた何処行くのさ!?」

妖精「命を運ばなきゃいけないんだ!!僕は旅に出る!!」パタパタ

女海賊「ちょっとぉ!!アンタ居なくなると困るんだけど!!」

妖精「狭間はどこにでも繋がってるよ!!急いでるから行くね!!」ピュー

女海賊「あぁぁぁ!!ちぃ…何なんだよ」


タッタッタ スタスタ


ホムンクルス「あ…女海賊さん…剣を抜いてくださったのですね?」

女海賊「んん?コレ?」スチャ

ホムンクルス「はい…トゲが刺さってると痛いそうです」

女海賊「ええ?どゆ事?」

ホムンクルス「妖精さんが教えてくれました…大地が痛がっていると…」

女海賊「マジか…知らんかったわ」

ホムンクルス「前に来た時は傷口が金属で埋められて居ましたよね?」

女海賊「あぁぁそいややそうだったね…今ミスリル銀しか持って無いんだけど…」

ホムンクルス「それで埋めて行っては如何でしょう?」

女海賊「そだね…ちっと傷口癒して行くわ」ゴソゴソ


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『ドラゴンのねぐら』


グルルルル スゥゥ


女海賊「おわっ!!ドラゴン居るんじゃん!!」

ローグ「姉さん!!こっちっす…ドラゴンの心臓の近くは焚火みたいにあったかいんす」

女海賊「おぉぉ…水に濡れて寒かったのさ…ドラゴンは寝てんの?」スタ

ホムンクルス「はい…少しだけ話をしたら安心して眠りにつきました」

ローグ「なんか卵を抱えてるみたいですぜ?」

女海賊「おぉぉそういう事か…卵産んだ後なんだね?」

ホムンクルス「その様です…今はゆっくり休んだ方が良いですね」

ローグ「ほんで命の水はどうなりやした?」

女海賊「撒き終わったよ…毎度の事ながらなーんも変化した感じ無いさ」

ホムンクルス「妖精さんが慌てて飛んで行かれましたよ?」

女海賊「あぁそだね…命運ぶとか言ってどっか飛んでった」

ローグ「じゃぁ上手く行った感じでやんす」

女海賊「これどうすれば良いと思う?」スラーン ピカーーー

ローグ「姉さん剣を使えるんすか?」

女海賊「無理だなぁ…切るんじゃなくて横になってビターンて感じになる」

ローグ「ウヒヒ剣を鈍器にして使うんすねw」

女海賊「てかこの剣はシン・リーンの遺跡で見つけたんだけど…なんか縁があるんかな?」

ホムンクルス「エクスカリバーの元の持ち主は時の王ですよ?」

女海賊「ホムちゃん何か知ってんの?」

ホムンクルス「はい…以前シャ・バクダにある星の観測所で時の王にお話を聞かされましたので記憶しています」

女海賊「あああ思い出した!時の王のおっさんがホムちゃん捕まえてなんか話してたね」

ホムンクルス「はい…支離滅裂なお話だったのですが要約しますと…」

2400年前に時の王は暁の使徒と黄昏の賢者に出会って居るのです

その時は仲間として共に魔王島に根城を構える魔王と戦ったとか…

そこで使ったのがその聖剣エクスカリバーでした

時の王は魔王の手下となっていたメデューサを討ち取りその生き血を飲みました

その理由は暁の使徒を未来で目覚めさせる為…そういう契約を暁の使徒と結んでいたのです

ですが暁の使徒は魔王を打倒した後忽然と姿を消してしまった…

そしてメデューサの生き血によって不死を得た事を知った黄昏の賢者は激怒し…時の王を敵として扱う様になったのです


時は流れて2100年前…再び世界が闇に染まり始めた頃…暁の使徒と再会します

この時すでに時の王は世界を平定し世界中の魔術師を集めてシン・リーンを建国していました

時の王は暁の使徒に右腕となるように言いましたが…記憶を失って居た暁の使徒は一人旅立ってしまった

後を着けた時の王は暁の使徒がかつての魔王島に黄金を運び理想郷を作ろうとしている事を知った…

しかしそこに黄昏の賢者も居た事から対立する立場になってしまった…

首の無いメデューサやゴーレムを自在に操る黄昏の賢者の姿を見て不審に思った時の王は

黄昏の賢者こそ魔王の化身と思い込み聖剣エクスカリバーでその首を落としてしまう…

それと同時に暴れ始めたメデューサの血を浴びた暁の使徒と時の勇者は石となってしまった


時は過ぎ1700年前…

かつての友を裏切った形になってしまった時の王はその罪に苛まれていました

そこに現れたのがエルフを従えた精霊シルフ

自らの寿命が尽きてしまう前に暁の使徒を目覚めさせるべくエリクサーを携えて…

石造となってしまった暁の使徒と時の勇者をシン・リーンまで運び込んで居た時の王は

直ぐに2人を目覚めさせ時が過ぎ去った事を伝えました

暁の使徒は語りました…魔王島に黄金を運び込んで居た理由…それは神を復活させる為の事

そして再び魔王島へ行く事になったのです

女海賊「んん?オシマイ?ほんで魔王島に行ってどうなったの?」

ホムンクルス「この後は精霊シルフとの思い出話ばかりで…話が繋がらないのです」

女海賊「なんだよ折角良い所なのにさ…」

ホムンクルス「時の王は精霊シルフに一目ぼれだった様ですね」

女海賊「どうでも良いんだよそんな話は…魔王島に何が有ったのかってのが聞きたいんだ」

ホムンクルス「結論だけ分かっています…暁の使徒は神と話した後に魔王島を封じてしまった事…」

女海賊「集めた黄金をアダマンタイトに変えた訳か…」

ホムンクルス「時の王はその手段を知りませんでした…そして精霊シルフに世界の真理を聞きその剣を置いたのです」

女海賊「コレ?」スチャ ピカーーーー

ホムンクルス「はい…シン・リーンの遺跡にその剣と光の石が残されて居たのはそういう理由です」

ローグ「英雄がなんで剣を置いたんでしょうね?」

ホムンクルス「本人に聞いてみないともう分かりませんね」

女海賊「どうせ魔王の正体が何なのかとか聞いたんでしょ?」

ホムンクルス「それも有るでしょうけれど暁の使徒が時を超える者という事を知ったのでは無いでしょうか?」

女海賊「ん?どういう意味?それで戦う意味が無くなった?」

ホムンクルス「はい…未来を変えようが無い事を知ったのかと…」

ローグ「そういやそうでやんすね?それを知るとやる気無くなるかも分らんです」

女海賊「あ!!そうか…それでシン・リーンの壁画は次の時代に勇者が時を超えると言う解釈なのか…」

ホムンクルス「時の王にはそう見えて居たのだと思います」

女海賊「なるほどねぇ…そういう歴史のある剣だったのかぁ…」スラーン

ホムンクルス「一つ分かって居るのはメデューサを始め幾多の伝説的魔物を葬って居る事」

女海賊「へぇ?他にも居たんだ?」

ホムンクルス「バフォメットやベルフェゴールなど伝説の魔物ですね」

ローグ「黄昏の賢者の首を切ったのもその剣でやんすね…」

女海賊「なーんか気になる剣だなぁ…」


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ヒュン ヒュン!


ローグ「全然ダメっすねぇ…叩くんじゃ無くて切るんでやんす」

女海賊「うっさいな!わかってんよ!!何か特殊な効果無いか調べてんのさ」

ローグ「その武器使うんなら突きだけで使ったらどうっすか?」

女海賊「使う気なんか無いさ…お姉ぇにでもあげるかな」

ローグ「なんか光りっ放しなんで鞘に納めた方が良さそうでやんす」

女海賊「そだね…その辺に丁度良い武器の鞘とか落ちてないの?」

ローグ「いっぱいありやすぜ?装飾の沢山ついた謎の宝剣が…」ガサガサ

女海賊「剣なんか興味無いんだよな…」ガサガサ

ローグ「これなんかどうっすか?丁度長さが合いそうでやんす」スラーン

女海賊「んんん…なんか微妙だな…まぁ良いや!封印の壺に突っ込んどけば良いじゃん!」

ローグ「明かりに使うだけっすね?」

女海賊「そうそう…それで邪魔になんない」スポ

ローグ「じゃぁそろそろ戻りやしょうか…商人さんが待っていやすぜ?」

女海賊「そだね…ホムちゃん帰ろうか」

ホムンクルス「はい…」



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『鯨型飛空艇』


ヨイショ ヨイショ ドサドサ


女海賊「商人!!終わったよ!!」

商人「あれ?早かったねぇ…どうだった?」

女海賊「毎度の事さ…何も変化無いよ」

商人「ハハやっぱりね…効果が出るのは何年も先ってやつだね」

女海賊「癒し苔結構集まったね?」

商人「ちょとづつしか採れないからなかなか大変だよ」

女海賊「まぁ良いや…こんだけあれば当分ダンゴムシの餌には困んない」

商人「え?餌にするの?」

女海賊「放って置くとダンゴムシが種食っちゃうのさ…言う事聞かないんだよ」

商人「そうかい…それで?用が済んだからもう行く?」

女海賊「うん…幽霊船に戻る」


”ザザー”

”女海賊や…聞こえるかえ?”

”あ!!魔女!!?どしたん?”

”シン・リーンの母上から連絡があってのぅ…暁の墓所が墓荒らしに在ったらしいのじゃ”

”ええ!?どゆ事?”

”暁の使徒のご神体がオークに奪われてしもうたのじゃ”

”ちょ…”

”もう随分前の事の様じゃ…行き先は分からぬ”

商人「前に港町でオークに襲われたよね…もしかして…」

女海賊「あああ!!オークシャーマンもそこに居たじゃん!!」


”それでのう…暁の墓所に未来が残したと思われる壁画もあった様なのじゃ”

”マジか…ちょい行って来る”

”場所が分からんじゃろう…母上は今暁の墓所におるで母上に会うのも叶わんぞよ?”

”魔女はどこら辺とか知らないの?”

”シン・リーンの東側としか聞いて居らぬ…わらわが母上の眼を通じて壁画を写して居る故…一度幽霊船に戻るのじゃ」

”あぁぁなんかイラつく…ダッシュで戻るわ”

”うむ…今暁の墓所へ行ってもご神体がある訳では無い故に…早まって行動せぬ様にな?”

”分かった…”

”帰りを待って居る…ではのぅ…ザザー”


女海賊「…」グググ

商人「オークシャーマンの行先に心当たりは?」

女海賊「ある!!」ギラ

ローグ「姉さん…」

女海賊「ニライカナイ!!そこは昔魔王島だったの!!未来はそこで神を復活させようとした!!」

商人「神?」

女海賊「行きゃ分かるさ」

ローグ「姉さん…急ぎやしょう…日が落ちちまいやす」


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『幽霊船_居室』


カキカキ スラスラ


情報屋「…では暁の墓所で未来君達が生活した痕跡は無いのね?」

魔女「何処にも見当たらんそうじゃ…他に在るのは王家のご神体ばかりじゃな」

情報屋「では壁画は何処からか運ばれた…そういう事ね?」

魔女「うむ…暁の使徒が安置されている部屋へは王家の者も入った事が無かったのじゃ…誰が運んだのかは既に分からぬ」

情報屋「壁画の暦からするとドリアードの時代ね…黄昏の賢者と一緒にドリアードを倒してる…」

魔女「これで壁画のピースがすべて集まったのかのぅ?」

情報屋「その当時未来君達が何処を拠点として居たのかが分かればもう少し調べられるけれど…」


タッタッタ ガチャリ


女戦士「魔女!手を貸してくれ…ガーゴイルの数が増えて直に攻めて来そうだ」

魔女「またかいのぅ…」ノソリ

女戦士「ボルケーノで一気に焼ければこちらのボルトを消費しないで済む」

魔女「情報屋…また船が揺れるで怪我をせぬ様にな?」

情報屋「わかったわ…気を付けておく」

魔女「では行って来る」ノソノソ


--------------

『甲板』


ギャァァ ギャース バッサ バッサ


魔女「ふむ…ボルケーノは3つ程出さぬと全部は焼き払えんのぅ」

女戦士「横帆は全部畳んだ…準備は出来ている」

魔女「ボルケーノには巻き込まれぬ様にな?」

女戦士「海賊共!!風向きが荒れるぞ!!帆角をすぐに変えられる様に準備しろ!!」

海賊共「がってん!!」ドスドス

魔女「では行くぞよ?竜巻魔法!竜巻魔法!竜巻魔法!」


ビュゥゥゥゥ ゴゴゴゴゴ


女戦士「帆角2番!!面舵一杯!!」

海賊共「うらぁぁぁぁぁ!!」ドドドド


ユラ~ ギシギシ


魔女「海賊共は頼もしいのぅ…そろそろ火柱に変えるで火の粉を浴びん様にせい」

女戦士「大丈夫だ!既に火薬は退避してある」

魔女「良かろう…では!爆炎地獄!爆炎地獄!爆炎地獄!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ボゥ


女戦士「さすが魔女…ガーゴイルが一気に焼かれて行く…」

アサシン「又私の出番は無しか?」

女戦士「その様だ…光の石は元の場所に戻して辺りを照らしてくれ」

アサシン「夜の海で光を灯すとクラーケンが出るのだがな…」

女戦士「エルフもオークも乗せて居ない…襲っては来ないだろう」

アサシン「まぁ良い…私は見張って置こう」スタ

魔女「わらわの仕事は終わりじゃな…戻って書き物をして居るでのぅ」ノソノソ

女戦士「ふぅぅ…月の近い夜は海も安全では無いな…」


--------------

--------------

--------------

『翌日_デッキ』


ザブ~ン ユラ~リ


情報屋「随分暖かくなってきたわね…」ノビー

女戦士「体の調子は良いのか?」

情報屋「貧血は無くなって来たから気分が良いわ」

魔女「わらわも少し日光浴じゃ…」ノソノソ

情報屋「昼間は平和な海ね」

女戦士「豪族に襲われなければな?」

魔女「んん?見当たらん様じゃが?」

女戦士「こちらは光の石で光って居るから向こうには見えている筈なのだ」

情報屋「あぁぁ…女海賊が戻るまで光の石を隠せないのね」

女戦士「フフ…そういう事だ」

魔女「今度は真っ直ぐ帰って来るじゃろう」

アサシン「賭けるか?次どうするかを…」

女戦士「お前はもう金を持って居ないだろう」

アサシン「私はな?3日程閉じこもると思って居る…つまりその間にフィン・イッシュへ到着する」

女戦士「同意だ…賭けにならん」

魔女「アサシン…主はフィン・イッシュに戻った後はどうするつもりじゃ?」

アサシン「そうだな…どうにか公爵を追いたいとは思って居るが…」

魔女「もう放って置けばよかろう」

アサシン「友なのだ…事情を知ってしまった今…放って置けなくなった」

女戦士「歩んだ道が違っただけで目指した場所は同じか…」

魔女「わらわにとっては父上を貶めた仇なのじゃがな…」

アサシン「シン・リーンの王もうぬが信じた道を行っただけ…私達はすれ違ったのだよ」

魔女「理解して居る…じゃからもう公爵には会いとう無い…済んだ話じゃでのぅ」

情報屋「フィン・イッシュに女狐が居るのでしょう?」

アサシン「その筈だ」

情報屋「彼女に足の不自由な孤児が無事だと伝えないと…」

アサシン「隠し子だったか…誰の子なのやら」

魔女「むむ!!女海賊がこちらの船を見つけたぞよ」

女戦士「ほう?早かったな」

魔女「光の石のお陰じゃ…かなり遠くから見えて居った様じゃな」

女戦士「よし…船尾で待つとしよう」スタ


--------------

『船尾』


シュルシュル スタ


女海賊「はいホムちゃん到着!」

ホムンクルス「そのワイヤーの装置を私にも作って下さいませんか?」

女海賊「おっけ!後で作っとく」

ホムンクルス「ありがとうございます」ペコ

ローグ「姉さ~ん!!あっしも降りるんでそこどいて下せぇ!!」

女海賊「はいはい…お姉ぇ!!コレお土産」ポイ

女戦士「んん?」

女海賊「時の王のおっさんの剣さ…エクスカリバーだよ」

女戦士「これが…」スラーン ピカー

女海賊「鞘が無いと眩しすぎるから作った方が良い」

女戦士「私は小細工に向かん…ミスリル銀でお前が作れ」

女海賊「んぁぁ何か作る物一杯だな…てか魔女は?」

女戦士「居室に戻った筈だ…」

女海賊「ちょい事情聞いて来るから!!」スタタタ ピュー


シュルシュル スタ


ローグ「頭ぁ無事に連れ戻しやした…ささ商人さん降りて下せぇ」

商人「あぁ悪いね…」ピョン

女戦士「む!!何だアレは!!」ズダダ

ローグ「あいやいや…あのデカイ鳥は襲って来んでやんす」

女戦士「どういう事だ?ロック鳥を連れて来たと言うのか?」

ローグ「勝手に付いて来たでやんすよ…なんもしてこないんで安心して下せぇ」

女戦士「まさかロック鳥が味方していると?」

ホムンクルス「妖精さんのお友達の様です」

女戦士「ほう?」

ホムンクルス「クジラに興味が有って付いて来ました」

ローグ「安心して下せぇ…ロック鳥が居るとガーゴイルも近づいて来んでやんすよ」

女戦士「ふむ…それは良いな」


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『居室』


カクカク シカジカ…


女海賊「ほんでこれが壁画の写し…」

情報屋「そうよ…あなたの持って居る書物にも写すと良いわ」

魔女「その他にも未来が使って居った刀も見つかったそうじゃ…光を失って折れて居るらしいが」

女海賊「流星の刀…」プルプル

魔女「気の毒じゃがご神体が無事かどうかは分からぬ…」

女海賊「無事さ…オークシャーマンは予言に従ってるのさ」

情報屋「そうね…それが剣士と交わした契約なのだから」

女海賊「ちっと私の書物に壁画を写す」

魔女「うむ…結構な情報量じゃでゆっくり書き写すが良い」


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『甲板』


ザブ~ン ユラ~ ギシ


女戦士「フン!」スン スン

ローグ「おぉぉその剣は残像が残って見えやすね…」

女戦士「私には軽すぎるが…」

ローグ「何か特殊な効果とか無いでやんすか?」

女戦士「破壊の剣のような効果は無さそうだ…ただ何か力がみなぎる感じはあるな…」

ローグ「あの剣はちっと危ないんすよね…戦闘中に急に夢見ちまうんで…」


ノソノソ


女戦士「む…魔女!?もう妹と話は終わったのか?」

魔女「うむ…今は壁画の写しとにらめっこじゃ…そっとしておくのが良かろう」

女戦士「そうか…魔女に聞きたい…このエクスカリバーの事なんだが…」

魔女「シン・リーンの遺跡で見つけた剣じゃな?どれ見せてみぃ」

女戦士「何か分かると良い…」スッ

魔女「どれどれ…ムム!!量子転移がエンチャントされて居るでは無いか…気が付かんかったわい」

女戦士「それはどういう効果がある?」

魔女「剣に力が宿る…倒した相手の力を吸い込んで居るのじゃ」

女戦士「それはつまり?」

魔女「この武器で何を倒したかじゃな…」

ローグ「メデューサの首を切ったらしいですぜ?他にもバフォメットやベルフェゴールや…」

魔女「皆悪魔では無いか…つまり悪魔の力を吸い込んで居るという事じゃ…これは魔剣じゃぞ」

女戦士「破壊の剣の様に何でも切れるのか?」

魔女「それは量子転移のエンチャントに失敗して制御出来んくなった効果じゃ…これは成功して居る」

女戦士「剣の能力としては只のオリハルコンの剣と言う事か?」

魔女「じゃが力を吸い込み強くなる…どちらが良いかのう?」

ローグ「メデューサの力って石化の効果っすかね?」

魔女「それもあるじゃろうが不滅の力も有るじゃろうな…バフォメットは金属を溶かす力…ベルフェゴールは怠惰の力…」

ローグ「おぉぉぉ…他に何を倒したのか気になりやすね」

魔女「魔力も吸い込んどる筈じゃぞ…何が起こるか分からぬ剣じゃ」

女戦士「さて…そのような魔剣を私に使いこなせるか…」

魔女「しかしおかしいのぅ…剣士はそれを振るって居った…何か起きた気配も無い」

ローグ「剣士さんはドラゴンに乗って殆ど魔法で戦って居やした…振るったのは魔王に使ったくらいっすね」

魔女「魔王をこの剣で倒せなんだのがのぅ…」

ローグ「実体が無いもんで切れんかったんすよ…なもんで殆ど使って無いんす」

魔女「そうだったか…ちと何が起きるかは注意せんとイカンな」

女戦士「ふむ…ここぞという時にだけ使う事にする」



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『船長室』


アーデモナイ… コーデモナイ…


ホムンクルス「…地球内部約5000kmにある液体で構成された外核の内側が90°回転したと想定されます」

情報屋「それに引っ張られて地表が丸ごとツルリと移動した訳ね…」

ホムンクルス「地表に近い金属質の磁性が安定するまでは当面の間地軸が揺れている様に観測されるでしょう」

商人「それって行ったり来たりすると言う事?」

ホムンクルス「はい…核の回転は既に安定していますが外側が磁力によりフラフラしているのです」

情報屋「じゃぁ正確な暦をもう一度作るのは当分先なのね…」

ホムンクルス「何処で安定するか分かりませんので…」

商人「もうインドラの光を精度良く落とす事も出来ないか…」

ホムンクルス「残念ながら無理です…しかし大まかな座標は分かりますので指定の場所へのご案内は出来ます」

商人「因みに現在地は?」

ホムンクルス「地図上でいうとこの位置…北東に行けばフィン・イッシュです」


ユラ~リ ググググ ギシ


情報屋「!!?また大きな波…」

ホムンクルス「津波です…外海では10メートル程度の津波が頻繁に発生している様ですね」

商人「外海側は影響大きそうだなぁ…」

情報屋「この逆さにした古代の世界地図はどの程度アテになるの?」

ホムンクルス「沿岸部の地形は全く異なります…海の浸食のせいですね…標高200メートル以上は殆ど変わりません」

商人「どんな風に変わったか君に描けるかな?」

ホムンクルス「絵に自信は無いのですがやってみます…少し時間を下さい」

『船首』


ザブ~ン ユラ~


アサシン「…」グビ ゴク

魔女「暇そうじゃのぅ…」ノソノソ

アサシン「フフ…流氷が無くなってしまってはもう私にやる事が無い」

魔女「わらわもやる事が無うてのぅ…」

アサシン「ワインを飲むか?」スッ

魔女「そうじゃな…一口頂くとするか」クイ ゴクリ

アサシン「クックック…」

魔女「マズい酒じゃ…」フキフキ

アサシン「なぁ魔女?私達も付き合いが随分長いな…もう20年を超え記憶もおぼろだ」

魔女「狭間に居った期間が長い故にもっと長く感じるわい」

アサシン「そろそろ子でも産んだらどうだ?」

魔女「それは母上が決める掟じゃ」

アサシン「勝手には産めんかクックック…」

魔女「要らぬ世話じゃ…してアサシン…主の理屈で言うと魔王を滅ぼした者が魔王になる…じゃったな?」

アサシン「古い話を…クックック」

魔女「どうじゃ?魔王になった気分は?」

アサシン「そうか…私は魔王か…」

魔女「率直に答えよ…俗な考えは要らぬ」

アサシン「虚無だ…ただ虚しい」

魔女「虚無から何か生まれてきたりはせぬか?」

アサシン「んん?私が魔王に染まるとでも思って居るのか?」

魔女「一応心配して居るのじゃ…」

アサシン「妖精がな…私に導きを与えている」

魔女「ほう?如何に?」

アサシン「海の向こうへ行かねばならん様だ」

魔女「主はフィン・イッシュに帰るのでは無かったか?」

アサシン「最終的にはな?」

魔女「まだ続きがあると申すか…」

アサシン「海の向こうに…私は妖精を追う」

魔女「ふむ…どうやら主はまだ死んでおらん様じゃ」

アサシン「本当の事を教えてやろうか?」

魔女「何じゃ?」

アサシン「私の妹の事だ…海の向こうで妹が待って居る気がしてならないのだ」

魔女「んん?死者の集う楽園…ニライカナイの事かいな?」

アサシン「さぁな?ただ無性に…海へ惹かれる」

魔女「ふむ…」トーイメ


--------------

--------------

--------------

『夜_甲板』


シュン! チュドーーーン!


ガーゴイル「グェェェ…」ヒューー バシャーン

女戦士「ええい!又魔女の力を借りねばならんか…ロック鳥はどうした!?味方では無いのか!!」

ローグ「夜はどっか行っちまうみたいっすね…」

女戦士「ちぃぃぃ意味の無い鳥だ…」

アサシン「次撃てるまで10分だ…凌げ」


女海賊「うわわ…お姉ぇ!!レイスも出てんじゃん」


女戦士「何!?何処かに魔方陣の欠けがあるのか?」キョロ

ローグ「あっしが処理して…」ダダ

女戦士「全員ミスリルの武器に持ち替えろ!!レイスを優先して倒せ!!」

海賊共「がってん!!」ドドド

女海賊「ちっとガーゴイルは私が何とかすっから今の内に体制整えて」スタタ シュルシュル スタ


ノソノソ


魔女「騒がしいのぅ…ボルケーノが必要かえ?」

女戦士「魔女!!レイスが出て居るのだ…何処かに魔方陣の欠けがある…先にそっちを頼みたい」

魔女「ふむ…どこじゃろうのぅ?」

ローグ「魔女さん!!荷室の方でやんす!!荷入れで銀がどっか行っちまったんすよ」


レイス「キシャァァァ!!」


ローグ「出て来るなってんでやんす!!」スパ

レイス「キャァァァァ…」シュゥゥゥ

魔女「応急で砂銀を撒くでレイスを処理せい」

ローグ「はいなー!!」ダダ


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『船長室』


ガチャリ バタン


女海賊「ホムちゃん達此処に居たね?」

商人「どうなって居るんだい?」

女海賊「船の中にレイスが出てちっとバラバラな感じさ…プラズマの銃を持って来たから商人もガーゴイル撃ち落して」

商人「あぁ分かった…」

女海賊「情報屋は動けそう?」

情報屋「ええ…走らない程度なら…」

女海賊「んんんんん…無理しない方が良いな」

ホムンクルス「私は動けますよ?」

女海賊「え!!?ホムちゃん?…まぁ良いや!!プラズマ銃の使い方分かる?」

ホムンクルス「はい…」

女海賊「おけおけ…リロード30秒だから落ち着いて撃って」

ホムンクルス「わかりました…」

女海賊「情報屋は此処に居て!!ここならレイス来ないから」

情報屋「御免なさいね戦力にならなくて…」

女海賊「良いの良いの!!ほんじゃ商人!ホムちゃん!行くよ!!」

商人「よーし!!」

ホムンクルス「はい!」

『デッキ』


ピカーーーーーー チュドーーーン!

ピカーーーーーー チュドーーーン!


女海賊「おっし!!リロードしっかり待ってね!!食らえ閃光弾」ダン! ダン!


ピカーーーー


女戦士「見えた!!撃てぇ!!」

海賊共「へい!!」バシュン バシュン バシュン バシュン

女海賊「お姉ぇ!!エクスカリバー出しといて!!そしたら見える!!」

女戦士「確かに…取って来る」ダダダ

商人「これは何匹飛んでるか分からないな…」タジ

女戦士「プラズマの銃は2人で交互に撃ってガーゴイルを近づけさせるな!」

商人「そうだね…」

ホムンクルス「分かりました…」

女海賊「ほんじゃ次!!もっかい閃光弾行くよぉ!!」ダン! ダン!


ピカーーーー


女海賊「撃て撃てぇ!!」


バシュン バシュン バシュン バシュン

ピカーーーーー チュドーーーン!

『甲板』


ダダダ スタ

女戦士「待たせた!!インドラの光だ!!」スラーン ピカーーーー

女海賊「おっし!!見えたぁぁ!!退魔の特殊弾食らえ!!」ガチャコン ダン! ダン!


ガーゴイル「ギャァァァァ…」ヒュゥゥゥ


女戦士「押し戻して居るな?」キョロ

商人「丁度射程さ!!」カチ ピカーーーー チュドーーン!

アサシン「フフこれでガーゴイルは近付けまい…」カチ シュン! チュドーーーン!

女海賊「退魔の方陣はどうなってる?」

女戦士「ローグと魔女が荷室に行ったきりだ」

女海賊「大丈夫かな…」

アサシン「私が行って来よう…丁度リロードで10分待つからな…」スタ


--------------


『荷室』


ダダダ スパ スパ スパ


レイス「キャァァァァ…」シュゥゥゥ

ローグ「やっぱなんやかんやでミスリルダガーが使い勝手良いでやんす」スチャ

魔女「ひとまず退魔の砂銀を撒いておるが…これは船を改修した場所を全部見て回らんとイカンぞよ?」

ローグ「マジっすか…」

魔女「主は把握しておるんか?」

ローグ「船底の竜骨を補強していやしたね」

魔女「クジラの骨に変えた所はすべて退魔の方陣を敷き忘れておるな…案内せい」

ローグ「へい…こっちでやんす」スタ


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『甲板』


ザブ~ン ギシ


女戦士「アサシン!方陣の方はどうだ?」

アサシン「ミスリル銀の細工が必要な様だ…お前が行った方が良い」

女戦士「なぜミスリル銀を…」

アサシン「船を改修した後に退魔の方陣を敷き忘れているだろう?」

女戦士「なっ…そうか船内にも必要だったのか…」

アサシン「今からミスリル銀を打ち直すらしい…だからお前が行くべきだ」

女戦士「分かった…」

アサシン「ここは私がインドラの光を浴びせればガーゴイルは寄って来んと思う」

女戦士「そうだな…悪いが行って来る」ツカツカ

女海賊「んん?アサシンとお姉ぇが交代?」

アサシン「うむ…インドラの光があればお前達だけで凌げるな?」

女海賊「なんか余裕っぽいね…射程内に入って来なくなったさ」

アサシン「さぁて…私は又見張りへと戻るか…」スタ


コーン コーン


女海賊「お?ミスリルを打つ音だ」

アサシン「もう何物も近づかんだろう…ワインでも飲むとしよう」グビ


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『翌日_デッキ』


進路1時方向!陸には近付きすぎるな?

このまま行けば日が落ちる前にフィン・イッシュ近海だ


海賊「頭ぁ!!左舷側に潮目が見えるでがんす」

女戦士「渦に巻き込まれるかも知れんな…2時方向に修正だ!!」

海賊「へい!!」ドタドタ


タッタッタ


女海賊「お姉ぇ!!エクスカリバーの鞘出来たよ…真っ直ぐ抜けるか試してみて」スッ

女戦士「ふむ…」スラーン スチャ

女海賊「どう?」

女戦士「抜いた時に鞘が鳴るな?隠密出来んが?」

女海賊「あぁぁぁ音か…気を付けて無かった…やっぱ全部ミスリルで作っちゃダメか…」

女戦士「まぁ盾替わりに使えん事も無い」

女海賊「盾ねぇ…もうちょい大き目の鞘でも良い?そしたら音も消せるかも」

女戦士「任せる…ただ抜いた音があからさまに分かるのは止して欲しい」

女海賊「おけおけ!今度は気を付ける…もっかい作って来る」スタタタ


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『1時間後』


タッタッタ


女海賊「お姉ぇ!!もっかい作って来たよ」

女戦士「随分早かったでは無いか」

女海賊「まだ装飾して無いさ…今度は盾として使える様に結構重さある」スッ

女戦士「ほう?これは無垢のミスリルをくり抜いたか」

女海賊「ほんなん破壊の剣入れるだけでくり抜けるから簡単なんだ…抜いてみて」

女戦士「…」スチャ

女海賊「どう?」

女戦士「なかなか良いな…鞘も盾として強度十分の様だ」

女海賊「おけおけ!!あと持ち手付ければ良いね?」

女戦士「これは背負う形になるな…」

女海賊「そだね…腰につけるには重い…てか背負った方が邪魔にならないよ?」

女戦士「背負って抜けるか…」

女海賊「あぁぁ無理だね…まぁ急に抜く事なんかそうそう無いと思うけど…」

女戦士「確かにそうだな…まぁ良い…今のままで作ってくれ」

女海賊「おけおけ!!夜には間に合わせる」スタタタ


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『船長室』


ホムンクルス「ふぅぅ出来た…」

情報屋「ご苦労様…見せて貰える?」

ホムンクルス「はい…どうぞ」

商人「どれどれ?」

情報屋「綺麗に書けて居そうね…でも地形が全然違ってて分からない…」

商人「これセントラルは内陸になってる?」

ホムンクルス「そうですね…海面が下がって遠浅だった場所がすべて陸になりました」

情報屋「フィン・イッシュも沿岸部の地形が変わり過ぎてて何処が何処なのか…」

ホムンクルス「港はすべて水没して居ますので何処に停船するか困ると思います」

商人「あれ?確か外海側に港を作ってるんじゃなかったっけ?」

情報屋「完成したという話は聞いて居ないわ」

商人「そうか…」

情報屋「ねぇ…命の泉のある山脈の北側…ここはもう未踏の地では無いのよね?」

ホムンクルス「はい…赤道付近ですので船で行く事が出来ると思われます」

情報屋「たしか超古代文明でそこら辺にインダス文明があったらしいの」

ホムンクルス「文明跡地でしたら他にも行ける様になった場所が沢山ありますね」

商人「なんだ君は更に考古学の高みを目指したいんだね」

情報屋「当たり前でしょう…すべて繋がって居るのだから」

商人「こう見ると僕達の今の文明圏って小さいねぇ…内海の周りにしか人は居ないんだろうか?」

ホムンクルス「居るかもしれません…外海の向こう側に別の文明が繁栄している可能性はゼロではありません」

情報屋「あぁぁワクワクしてきた」

商人「ホムンクルス…君は言う事が変わったね?」

ホムンクルス「そうですか?」

商人「確率の話をしなくなった…夢を語る様になったよ」

ホムンクルス「はい…私は人間ですから」

商人「それだよそれ!!それで良いんだ!!」


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『フィン・イッシュ近海』


ザブ~ン ギシギシ


海賊「頭ぁ!!この下の海底に棚があるんでこれ以上行くと津波の影響が出ちまうでがんす」

女戦士「そうだな…小島に寄せるのも座礁の危険がありそうだ…ここで碇を降ろせ!!」

海賊「がってん!!」ドタドタ

ローグ「気球はいつでも出せやすが?どうしやしょう?」

女戦士「私は船に残る…アサシンと魔女を連れて女王に挨拶へ行って来い」

ローグ「分かりやした!!」

アサシン「インドラの銃は借りて行っても良いか?」

女戦士「ふむ…ガーゴイル除けか…」

アサシン「こちらにはエクスカリバーが有るだろう?」

女戦士「分かった…それは戻って来るという意味と受け取って良いな?」

アサシン「フフ私は海の向こうに用事がある…もちろん戻って来るとも」

女戦士「海賊共ぉ!!小舟を2隻とも降ろして木材と鉄の買い付けに行って来い!!」

海賊共「へ~い!!」

女戦士「交渉役に商人を同伴させるんだ」

商人「ええ!?僕が海賊達と?」

女戦士「何を言って居る…この船に乗って居るからにはお前も海賊だ」

商人「ええと…取り引き考えて無かったなぁ」

女戦士「硫黄を半分持って行け…そのつもりで乗せて来たのだから」


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タッタッタ


女海賊「お姉ぇ!!エクスカリバー完成したよ」スッ

女戦士「ふむ…杖替わりに立てて置けば良いか?」ドン

女海賊「お?良いねぇ…デッキの上で仁王立ちしときゃ恰好つくわ」

女戦士「そろそろガーゴイルが出て来る時間だ…お前も戦闘に備えろ」

女海賊「ホムちゃんどこに行ったか知らない?」

女戦士「船長室で地図を作っていた筈だが?」

女海賊「おけおけ!!ホムちゃん用のワイヤー装置も作ったのさ」

女戦士「ホムンクルスを飛ばせるつもりか?」

女海賊「私のとはちょっと違うさ…飛空艇への乗り降りに使うんだよ」

女戦士「フフそうか…自発的に動くようになったか」

女海賊「ちっと行って来る」スタタ



『船長室』


アーデモナイ コーデモナイ


ホムンクルス「六分儀を使った星の観測では地軸の傾きが変わって居る様に見えますが実際は違います…」

情報屋「地球の地表がしっかり定まって居ないからなのね…」

ホムンクルス「はい…これは衛星を使った観測でないと知りえない事ですね」

情報屋「衛星はもう真上に?」

ホムンクルス「真上に来ているのは1基です…他の3基はそれぞれ違う場所に位置します」

情報屋「その全部がインドラ兵器を乗せているのかしら?」

ホムンクルス「いえ…現在稼働出来るのは1基だけです…残りの3基は4000年前にミラー部が損傷しています」

情報屋「ロストテクノロジーの最後の一基だった訳ね」

ホムンクルス「はい…」

情報屋「もしかしてウンディーネ時代の戦争は宇宙でも?」

ホムンクルス「衛星の履歴からするとその様ですね…私にはその記憶がありません」


ガチャリ バタン


女海賊「ホムちゃん!!ワイヤーの装置作って来たよ」

ホムンクルス「ありがとうございます」

女海賊「使い方分かる?」

ホムンクルス「分かります…見ていましたので」

女海賊「おっし!!ちっと今の内に練習しとこうか…メインマストに登ってみよう」

ホムンクルス「はい…ですが今情報屋さんとお話を…」

情報屋「良いのよ…私は見ておくわ」

ホムンクルス「分かりました…では行きましょう」スタ


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『メインマスト』


パシュ シュルシュル


女海賊「おーーー一発で成功じゃん!!」

ホムンクルス「体のバランスを取るのが難しいのですね…」ジタバタ

女海賊「ワイヤーを片手で持てば良いよ…巻き取る時に怪我しない様に気を付けて」

ホムンクルス「はい…」シュルシュル スタ

女海賊「これが上手く使えると襲われた時にサッと逃げられるんだ」

ホムンクルス「そうですね…今度地上に降りたら練習してみます」

女海賊「あれ?商人もプラズマの銃持って行ったみたいだなぁ…」

ホムンクルス「一つは私が持って居ますよ?」

女海賊「今晩は魔女もアサシンも居ないのさ…2人で幽霊船守らないといけない」

ホムンクルス「頑張りましょう」

女海賊「私は特殊弾の無駄撃ちになっちゃうから実質的にホムちゃんだけになるんだけどさ…」

ホムンクルス「私には犬笛もあります」ハム


トゥルルルル~♪


女海賊「おぉぉ!!それがあればホムちゃんは安全だな…そうかミスリル銀を…」

ホムンクルス「??」

女海賊「おっけ!!閃いた…波の揺れで鳴る鈴を作れば良い…速攻作って来る!!」スタタ ピューー



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『夜_甲板』


リーン リンリン♪


情報屋「はぁぁぁ涼しい音…」

ホムンクルス「エクスカリバーの光で心なしか暖かいですね」

情報屋「気持ち良いわ」

女戦士「これは良く考えたな…ガーゴイルが寄って来ん」

女海賊「これ作るの超簡単なんだよ…フィン・イッシュに配っても良いかも」

女戦士「次に小舟が戻って来たら持たせよう」

女海賊「おけおけ!!作り増しとく」

女戦士「今晩はゆっくり出来そうだな?」

情報屋「何か食べる物でも作る?」

女海賊「そうだ…お腹空いてたんだ…」グゥ


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『バーベキュー』


ジュゥゥゥ モクモク


女海賊「…ええ!!?月にインドラの矢を落としても意味無い?なんでさ?」

ホムンクルス「インドラの矢は核弾頭ミサイルと比較して爆発エネルギーが小さいからです…ガラス質の生成に至りません」

女海賊「メッチャ爆発して津波とか起こしてたじゃん」

ホムンクルス「それは水蒸気爆発ですね…熱エネルギーとしては核反応に遠く及ばないのです」

女海賊「ぬぁぁぁ…ほんじゃ月に退魔を宿らせるのは無理って事?」

ホムンクルス「あと一つ残されている可能性があります」

女海賊「なになに?」

ホムンクルス「4つある衛星にはそれぞれ高純度のオリハルコン結晶が搭載されています」

女海賊「もしかして衛星を落とす?」

ホムンクルス「はい…チャンスは一度きり…そして二度と衛星を使う事が出来なくなります」

女海賊「…」ゴクリ

情報屋「それは座標や情報を得る事も出来なくなるという事ね」

ホムンクルス「はい…月の軌道が正確に分からない為どのくらいの確率で成功するか分かりません…」

ホムンクルス「衛星から送信される映像から私がコントロールして落とす事になります」

女戦士「際どい選択だな…座標が分からんとなると外海を渡れんぞ?」

女海賊「落とす!!失敗したら次の手考える!!」

女戦士「フフお前は直球勝負だな」

女海賊「ホムちゃんは人間として生きるんだ…もうインドラ兵器なんか要らない!!」

ホムンクルス「はい…」ニコ

女海賊「どんくらいで落とせる?」

ホムンクルス「少し時間を下さい…月の軌道と衛星の位置関係から確率の高い条件を算出します」

情報屋「女海賊?あなたは決断が早いのね?」

女海賊「迷いはあるさ…でも使う時使わないといつまで立っても宝の持ち腐れになるのも知ってるんだ」

女戦士「その通りだ…そうやって勝ちに持ち込む」

『翌朝』


ザブン ギシギシ


女海賊「ふぅぅ結局ガーゴイル来なかったね…」トンテンカン

女戦士「お前も少し休んだらどうだ?」

女海賊「お姉ぇの方こそ休んで良いって…私は鈴作るのに忙しい」トントントン

女戦士「知って居るぞ?お前がモノ作りに勤しむ時は心が痛む時だと…」

女海賊「…」トンテンカン

女戦士「まぁ話したく無いならそれでも良いが…睡眠はしっかりとる様にしろ」

女海賊「未来の老いた姿を見たく無いのさ…気が狂いそう」

女戦士「お前が描き集めた壁画の写し…アレは未来の成長日記だな?」

女海賊「そうだよ…苦難の一生さ…そのすべての記憶があの壁画だよ」

女戦士「何を読み取った?」

女海賊「あの子だけ4000年も未来の為に戦い続けてるの…分かる?」

女海賊「命を運んで…命を繋ぎ続けて来た事…」プルプル

女海賊「どうすれば報われる?」

女海賊「…それを考えたら…月に連れて行ってあげるしか思い浮かばない」

女海賊「だから迷ってる…アヌとの契約をそのまま受け入れれば良いのか…」

女海賊「それとも違う方法で月に連れて行くのか…」

女戦士「現状他の方法で月に行く選択は無いな」

女海賊「知ってるよ…でも未来の老いた姿を見たくない…苦難の顔を見たくない」


リーン リンリン♪


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『鯨型飛空艇』


カサカサ モグモグ


女海賊「よしよし大きくなれよぅ?癒し苔は美味いか?」

ダンゴムシ「…」パクパク プリ

女海賊「ウンコはワームに食って貰うんだぞ?」ツン

ダンゴムシ「!!?」クルリン コロコロ

女海賊「ワームも癒し苔食って良いぞ…どっちが食べるの早いか競争だ」

ワーム「!!?」パクパク

女海賊「おぉぉオマイら友達になれそうだな?」

ダンゴムシ「…」ピク キョロ

女海賊「う~む…良く見たら目が沢山ついてるんだなぁ…超ダンゴムシだな…」

ダンゴムシ「…」カサカサ パクパク

女海賊「ワームは口が目になってんのかな?」ツン

ワーム「!!?」ニョロニョロ ピョン

女海賊「うぉ!!飛ぶんか!!」

ダンゴムシ「…」ジー クルリン コロコロ

女海賊「へぇ?得意な事が違う訳ね…よーし!滑り台作ったげるわ」ゴソゴソ

ワーム「??」ニョロニョロ

女海賊「どうよ?葉っぱの滑り台だぞ?」

ダンゴムシ「…」カサカサ

女海賊「あれ?隠れるの?…ほんじゃこれでどうよ?葉っぱの上に小麦置いとく…食ってみ?」パラパラ

ダンゴムシ「…」カサカサ カサカサカサ

女海賊「なんだ滑って登れないのか…訓練だよ訓練!!」

ワーム「…」ニョロニョロ

女海賊「あぁぁヤバイ…先越される…」


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『小舟』


ガコン ギシギシ


海賊「荷室の扉を開けてくれぇぇぇぇ!!」


ガラガラガラ ドターン!!


海賊「木材と鉄を早く運び入れるでがんす!!」ドタドタ

女戦士「商人!!フィン・イッシュの様子はどうだ?」

商人「ガーゴイルの事かい?」

女戦士「そうだ」

商人「銀装備が出回って居るからなんとかなってる…レイスが出てしまうと厳しい」

女戦士「退魔の鈴を作ったのだ…配って来い」

商人「おぉイイね!!」

女戦士「退魔の方陣は敷いて居ないのか?」

商人「昨夜兵隊が一気に動き出したよ…多分魔女の入れ知恵だね」

女戦士「それは良かった」

商人「銀が豊富にあるのが救いさ…」

女戦士「私達も銀を仕入れておいた方が良いな」

商人「安いから買いだね…次で持って来るよ」

女戦士「豪族はうろついて居ないか?」

商人「沢山居るよ…でも彼らの船は大体内海側の沖にあって自由に行き来出来ないみたいだよ」

女戦士「先に外海へ出た私達の勝ちだな…フフフ」

商人「南の海峡から回って来るかも知れないから一応注意しておいた方が良いね」

女戦士「分かっている…」

商人「今日は小舟で4回往復する予定だから昼間の内にフィン・イッシュへ少し出られるけどどうする?」

女戦士「いや…休息しておく…夜間に備えねばならん」

商人「そうかい?まぁ又お土産持って来るさ」


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『甲板』


ザブン ギシギシ


測量士「頭ぁ!!10km程南にキャラック船が見えるでごわす!!」

女戦士「例の豪族だな?スクーナーはどうした?」

測量士「見えんです!!」

女戦士「沖から回り込んでいるかも知れん…見張りを続けていろ」


スタスタ


情報屋「まだ狙われて居るの?」

女戦士「さぁな?こちらに近寄れないから離れた場所からフィン・イッシュで補給して居るのかも知れん」

情報屋「早いスクーナーが居ないのも変ね」

女戦士「夜間の奇襲には備えて置かんとな」

情報屋「ガーゴイルを掻い潜って来るかしら?」

女戦士「考え難いのだが…奴らは幽霊船にその危険を犯しても余る宝がある事を知って居るのだ」

情報屋「豪族の殆どは北方の海賊だったわね?」

女戦士「手漕ぎガレー船の馬鹿共だな…どこでスクーナーを手に入れたか知らんが金と女の為なら何でもやる連中だ」

情報屋「まさか泳いで来るとか無いでしょうね?」

女戦士「有り得る…この船を奪うつもりで全員泳ぎとかも考えられる」

情報屋「ガーゴイルは水の中には入って来ない…夜危ないわ」

女戦士「さて…どうしたものか…」


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『鯨型飛空艇』


シュルシュル スタ


女戦士「これは…」アゼン

女海賊「ふごーーー…すぅ…」zzz

ホムンクルス「すや…」zzz

女戦士「どうしたらこれほど散らかるのか…」


カサカサ ニョロニョロ


アラクネー「!!?」カサカサ

ミツバチ「!!」ブーン

ダンゴムシ「…」パクパク

ワーム「…」モソモソ

女戦士「まぁ…そっとしておくか…哨戒を頼みたかったが…」


ヒラヒラ パタパタ


妖精「ハロハロー!!君も遊びに来たのかな?」クルクル

女戦士「妖精か…お前が眠らせたのか?」

妖精「今遊んで居る最中さ」

女戦士「フフそうか…あいにくだが私は用事があって遊べん」

妖精「それは残念だなぁ…また遊びに来てね~」ヒラヒラ

女戦士「そうだ妖精…」

妖精「何?やっぱり遊ぶ?」

女戦士「お前の友達にサメは居ないのか?」

妖精「居るよ?サメと遊びたいの?」

女戦士「サメを見てみたいと言う私の友達が居てな…」

妖精「そっかぁ…じゃぁ友達になれると良いね」

女戦士「呼んで欲しいのだが…」

妖精「おっけぇ!!…でもね?お腹空かせてるかも知れない…機嫌が悪いと言う事聞かないんだよ」

女戦士「そうか…では夜に餌を撒いてやる…それでどうだ?」

妖精「わかったぁ!!呼んで来るね~」ヒラヒラ

女戦士「…」---なるほど…妖精とはこうやって付き合えば良いのか---


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『貨物用気球』


フワフワ ドッスン


ローグ「頭ぁ!!物資運んできやしたぜ?」ヨッコラ ノソノソ

女戦士「アサシンと魔女はどうした?」

ローグ「フィン・イッシュの方もゴタゴタしててですね…戻るのに2~3日掛かりやすね」

女戦士「ガーゴイルの襲撃か?」

ローグ「それもあるんすが港が水没して全滅なもんで物流止まってるんす」

女戦士「なるほど…」

ローグ「ほんで黒死病に効くポーションが余りまくってるもんすから沢山頂やした…荷室に入れときやすね」

女戦士「日が落ちる前に急ぎでお前に頼みたい事があるんだが…」

ローグ「お?そら早くせんといかんですね…」

女戦士「10km程南に豪族のキャラック船が停船しているのだが…誰の船だか確認して来て欲しい」

ローグ「気球から見えて居やしたぜ?」

女戦士「スクーナー3隻も何処に行ったか分からんのだ…」

ローグ「分かりやした…ちっと先に哨戒に回りやす」

女戦士「うむ…助かる…今夜辺りスクーナーで一気に乗り込んで来るかもしれん」

ローグ「ハイディングしとけば良いじゃないっすか」

女戦士「ガーゴイルやレイスと何日も戦い詰めになってしまう…今は戦力が無い」

ローグ「豪族相手の方がまだマシってこってすね」

女戦士「今晩はお前が主戦力になるから船に戻って来るのだぞ?」

ローグ「わかりやした!!じゃぁ哨戒に行って来やす」スタ


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『夕方_甲板』


ええと…あのキャラック船は髭男爵の持ち物でやんすね…豪族に貸与してるんす

大砲は全部で40門くらい乗ったガチ物の軍船でやんす

乗って居るのは50人ぐらいっすか…10人くらいは下船して小舟で補給に行った感じっすね

3隻のスクーナーは気球から見ても何処行ったか分からんです


女戦士「なるほど…セントラルの軍船のままではフィン・イッシュに立ち寄れないから豪族を使って居るか」

ローグ「この海域に居るのは海上で他のセントラル軍船に補給させる為っすね」

女戦士「なかなかやり手が乗って居そうだとは思って居たが…髭男爵の息が掛かって居たか」

ローグ「頭の宿敵な訳でやんすが…どうしやす?」

女戦士「髭男爵の船と聞いたからには奪ってやる…それか完全に破壊だ」

ローグ「破壊は勿体無いっすねぇ…アレは一級品のキャラック船っすよ」

女戦士「とりあえず今晩をどうするか…」

ローグ「気球から見た感じ20km範囲内にスクーナーは見当たらんでやんすよ?」

女戦士「上手く風に乗れば2~3時間で接近されてしまう」

ローグ「ガーゴイル無視して真っ直ぐ来るのは無理がありやせんか?」

女戦士「何か対策を打って居るかもしれん…」


ドタドタドタ


女海賊「寝すぎたぁぁぁ!!」ドタドタ

ローグ「ちょ…姉さん…顔を洗ってきた方が良いでやんす…どうしたんすかその顔」

女海賊「えええ!!?」

ホムンクルス「ごめんなさい…妖精さんの言われた通りに木炭で…」

女海賊「ホムちゃん落書きしたん!?」ゴシゴシ

ローグ「あらららら‥あらら」

女海賊「うっわ!!真っ黒じゃん…」

ホムンクルス「私が綺麗に拭きますのでこちらへ…」グイ

女海賊「イイヨいいよ!!これこすって薄く延ばしたら全体的にちょい日焼けした感じさ」ゴシゴシ

女戦士「呆れるな…良いから洗ってこい…真っ黒過ぎる」

女海賊「ええ?そんなに汚れてるん?」

ホムンクルス「はい…綺麗に拭きますので…」グイ


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--------------

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『日没』


ザブ~ン ユラ~


女戦士「碇を上げろぉ!!」

海賊共「がってん!!」ガラガラ

女海賊「お姉ぇコレどうすんの?…縦帆一枚?」

女戦士「そうだ…一枚だけで付近をゆっくり周遊だ」

ローグ「夜中にスクーナー3隻が突撃してくるかも知れんのです」

女海賊「ほ~ん…ほんで明かり全部消してんだ…」

女戦士「今晩はエクスカリバーの光も無しだ…月明かりのみでガーゴイルと戦う」

女海賊「光って場所知られたく無い訳ね…」

女戦士「うむ…向こうからすると灯台の様な物だからな…プラズマの銃も使わない」

女海賊「おけおけ…理解した…私の特殊クロスボウとローグの強化クロスボウで落として行く訳ね」

女戦士「他の者は普通の2連クロスボウだ」

女海賊「スクーナー接近して来ちゃったらどうする訳?」

女戦士「視認出来れば迫撃砲を撃ちたいが…恐らく向こうも明かりを消して来る」

女海賊「てかあいつ等そんな頭回るんかな?」

女戦士「さぁな?まぁこちらも暗闇での戦闘は慣れて置いた方が良い…夜襲に備えてな」


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『夜』


リーン リンリン


女海賊「あーーやっぱミスリルの鈴鳴ってるとあんま近寄って来ないな…」

ローグ「一応射程には入ってるんすがどうしやす?」

女戦士「数匹落としてサメに餌をやってくれ」

女海賊「サメ?」

女戦士「妖精にサメを呼んでもらったのだ…豪族共が泳いで来るのに備えてな」

女海賊「うは…泳いで来るとかあいつ等ならやりそう」

ローグ「落としやすぜ?」スチャ ダン!


ガーゴイル「グエェェェェ…」ヒューー ボチャーン


女海賊「ガーゴイルなんか食って美味いんかな?」スチャ ダン! ダン!

ローグ「サメは何でも食いやすぜ?」ダン!


バチャバチャ ザブザブ


女海賊「おぉぉぉ…どっかで食われてる音する…」

情報屋「この調子だと私は出番が無さそう…」

女戦士「無理はしなくて良いぞ?海賊共も控えているからな」

ローグ「頭ぁ!!例のキャラック船が光で合図送って居やすね…」

女戦士「何!?」ダダ

ローグ「こっちが明かり消してるもんで痺れ切らしてるんすよ…どうしやす?」

女戦士「様子見だ…このままゆっくり周遊で構わん」

女海賊「ちっとワナ張って見よっか?」

女戦士「何が出来る?」

女海賊「空き瓶に明かり入れてポイするのさ…明かりに吊られてそっちに突撃するんじゃね?」

女戦士「ふむ…やってみろ」

女海賊「おけおけ!ちっと遅延性の照明弾作って来る…すぐ戻るから」スタタタ


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『閃光』


ポイ! ドブン!!


女戦士「樽?…あれが光るのか?」

女海賊「あの中に仕掛けたビンが何個も入ってんの…順番に光るから多分1時間ぐらい光ってる筈…」

ローグ「もう点火済みなんすか?」

女海賊「もうちょい離れたら私が特殊弾撃って点火する」

女戦士「即席に作ったにしては凝っている…」

女海賊「もともと照明弾は持ってたんだよ…ビンの中に入れて繋いだだけさ…おっし!そろそろ点火する」チャキリ ダン!


メラメラ


女海賊「おけおけ…これで順に点火して行く」

ローグ「あれ?空き瓶なんかありやしたっけ?」

女海賊「なんかポーション一杯あったよ?それ空けたさ」

ローグ「あららら…黒死病に効くポーション捨てたんすか?」

女海賊「他の容器に移し替えたに決まってんじゃん…私の壺の中に入ってるさ…居る?」

ローグ「あいやいや…姉さんは何でもありっすね…」

女海賊「何訳わかんない事言ってんだよ…」


ピカーーーーー


女海賊「お!!?よしよし上手く行ったぞ…ヌフフフ」

女戦士「総員警戒しろぉ!!」

ローグ「そろそろスクーナーが来ても良い時間でやんす…ちっと見て居やしょう」


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『深夜』


ザブン ザブン


女海賊「お姉ぇ!!陸の方!!」

女戦士「何!!陸から来るだと!?」ダダ

女海賊「ウケる…筏作って手漕ぎだ…あいつらまだ樽だって気付いてないぞw」

女戦士「スクーナーはどうした!?」

ローグ「デカくて目立つからどっかに隠してるんすね」

情報屋「ガーゴイルがあっちに行った…」

女戦士「ほぼ裸で接近武器だけか…完全に船を奪うつもりで来たのだな」

ローグ「結構数いやすぜ?全部で40人くらいっすね…」

女海賊「やっぱ馬鹿だねあいつ等…」

女戦士「筏なぞ奪う気にもならんな…帆すら無い」

ローグ「なーんか…幽霊船に今あんまり人が乗って無いって事知って居そうでやんすね」

女戦士「うむ…あのキャラック船からこちらの人数を全部見られて居るのだ」

女海賊「ほんじゃ結構良い望遠鏡持ってそうだね」

女戦士「フフ…奪ってやる」ギラリ

ローグ「あの筏どうしやす?」

女戦士「放置してサメの餌にでもなって貰う…私達は少し沖に出るぞ」


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『明け方』


ザブ~ン ユラ~


女戦士「よし…明るくなる前に攻勢に出るぞ」

女海賊「どうする気?」

女戦士「お前の飛空艇であのキャラック船まで行くのだ」

女海賊「ちょ…ぶっ壊すんか…」

女戦士「私に妖精の笛を貸せ…一人で乗り込んで全員生け捕りにする」

ローグ「うほ…マジっすか!!」

女戦士「無傷であのキャラック船を奪ってやる」ギラリ

女海賊「船動かす人員が足りないじゃん…」

女戦士「あと2人私の従士を連れて行く…お前は私が乗り込んだ後上空で合図を待て…その後従士2人を降ろせば良い」

ローグ「ちっと危ないっす…あっしも連れて行って下せぇ」

女戦士「ローグは幽霊船で指揮を取るのだ…ここは少数精鋭で行く」

女海賊「ほんじゃ私は上空から援護か…」

女戦士「うむ閃光弾と煙があれば十分だ」

女海賊「おけおけ…」

女戦士「ローグ!!くれぐれも幽霊船に豪族を取りつかせるな?」

ローグ「分かりやした…」

女戦士「よし行くぞ!!」ダダ



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『鯨型飛空艇』


シュゴーーーー ヒュゥゥゥ


女海賊「おっしそろそろ真上の筈…お姉ぇ準備良い?」

女戦士「いつでも行ける…」

女海賊「じゃぁ行くよ?」


リリース! スゥ…


女戦士「直ぐにハイディングして距離を取れ…出る!!」ピョン シュルシュル

女海賊「ヤバ…見張り塔の奴に見つかってんじゃん」グイ

海賊「見張りは武器持って無いでごわす…」

女海賊「お姉ぇは?…良し!!降りてんね…」


ハイディング! スゥ…


女海賊「ちっと距離取って援護する…」グイ シュゴーーーー

海賊「甲板に人が出てる気配は無かったでごわす…」

女海賊「ガーゴイル少なくなって気が抜けたっぽいね…おっし距離離れた!!」


リリース! スゥ…


女海賊「ちょいあんたら飛んでるガーゴイル撃って!…私はお姉ぇの援護する」チャキリ ダン! ダン!

海賊「がってん!!」バシュン バシュン ガチャコン


モクモクモク モクモクモク


女海賊「おけおけーーい!!あいつ等何起こってるか分かって無いぞ…」ダン! ダン! ダン! ダン!

海賊「飛んでるガーゴイルは幽霊船の方に向かってるでごわす…」

女海賊「あっちはローグに任せときゃ良いさ…食らえ閃光弾!」ガチャコン ダン! ダン! ダン! ダン!


ピカーーーーーー ピカーーーーーー


女海賊「ヌフフフ…煙と光で何にも見えなくなるんよ…さぁどうするどうする?」ニヤニヤ

海賊「これじゃぁ頭の合図も見えんでごわす…」

女海賊「だぁぁぁぁ忘れてた!!…調子に乗り過ぎた…」

海賊「むむ!!光る剣を振っているでごわす!!」

女海賊「おぉ!!それ合図だ…降りる準備して!!」グイ

海賊「がってん承知の助!!」ドタドタ


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『フィン・イッシュ取引所』


ワイワイ ガヤガヤ

何!!?外海側に商船が入っているだと?

そうだ…それで一気に硫黄が出回ってるんだ

やっぱり噂通り闇商人が運んでるんだな…しかも外海か…


アサシン「…やはり此処に居たか…どうだ?調子は」

商人「アサシン!!そりゃもう忙しくてさ…ここから外海側まで馬車で運ばなきゃいけないから…」

アサシン「馬車を雇うのにも資金が必要だな」

商人「そうさ…儲けは全然無いよ」

アサシン「流通が回れば良かろう」

商人「まぁそうだけどね…港が遠いだけで何もかにもお金が掛かる…早く外海の港を作った方が良いね」

アサシン「資材を運ぶ船が無いらしい」

商人「内海の沖に居る船をそっちに回せば良いのに…」

アサシン「霧があってそう上手く行かんのだろう」

商人「…ところで僕に何か用が有って来たんだよね?何かな?」

アサシン「女狐から話を託けて居てな?礼を言いたいらしい」

商人「なんだそんな事か…自分で言いに来たら良いのに」

アサシン「セントラルの諜報で自由には動けんのだ」

商人「女狐は今何処に?酒場?」

アサシン「娼館だ」

商人「ぶっ…娼婦役?」

アサシン「娼館にもいろんな役割がある…情報収集にはもってこいの場所なのだ」

商人「なるほどねぇ…豪族とかベラベラ秘密をしゃべりそうだ」

アサシン「それは兎も角…お前も周りを良く見ていた方が良いぞ?」チラ

商人「んん?狙われてる?」キョロ

アサシン「闇商人が硫黄を運んでいる噂を流しただろう?…そして今硫黄が流通した…」

商人「あぁぁそういう事ね…セントラル側からしたら都合が悪い訳か」

アサシン「そして外海の謎の船にお前が物資を運んでいる…何も起きない方がおかしい」

商人「ふ~ん…わざわざ警告しに来てくれた訳だ」

アサシン「フフやっと気付いたか…鈍ったな」

商人「どうすれば良いのかな?」

アサシン「昼間は民兵が多いから何も起きんだろうが夜は身を潜めておけ…ガーゴイル退治のどさくさで襲われ兼ねん」

商人「潜めると言ってもねぇ…」

アサシン「鈍い奴だ…娼館に行けと言って居る」

商人「僕が娼館に?ハハもうそんな欲求は無いよ」

アサシン「最後まで言わんと分からんか…女と居る間は誰も邪魔には来ん…安全だと言って居る」

商人「あーー偉い人御用達のアレね…邪魔が入ると色々起きる系の奴…」

アサシン「世話の焼ける…では伝えたぞ?私は戻る…」スタ

商人「伝えたぞって…そうかこれが女狐からのメッセージか…」


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『馬車』


ゴトゴト ゴトゴト


海賊「ふむぅ…やはり動きが怪しい」

商人「襲うチャンス見てるかな?」

海賊「恐らく…向こうの数が揃うのを待って居るのかも知れん」

商人「不用意に往復出来なくなったな…」

海賊「商人さん…ここは一旦引き返して運搬は俺達だけの方が良い」

商人「僕は戦力外かい?」

海賊「いや商人さんは俺達と明らかに恰好が違うから狙われやすいんだ」

商人「軽装過ぎるか…」

海賊「調達だけやって貰えば運搬は俺達がやるから戻ってくれ」

商人「今日も4回往復する事になるけど?」

海賊「頭に事情を説明して一人応援を貰う」

商人「分かったよ…僕は少し目立ち過ぎたみたいだ…」

海賊「向こうもピリピリしてる時だったから仕方ない…馭者!!一旦引き返せ!!」

馭者「ええ?」

海賊「脇でタムロしてる連中に絡まれたく無いだろう?」

馭者「あいやいや…それはご勘弁」


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『取引所』


ワイワイ ガヤガヤ


海賊「ここは民兵が沢山居るんで大丈夫…人気の無い場所には行かん様に」

商人「ハハ分かったよ」

海賊「じゃぁ俺達は運搬が終わったら小舟を隠して昨日の酒場に戻るからソコで落ち合おう」

商人「あぁぁどうするかな…ちょっと用事が有ってね」

海賊「護衛は?」

商人「大丈夫さ…アサシンも魔女も居る」

海賊「それなら良い…補給が終わるまでは兎に角穏便に行きたい」

商人「分かって居るさ…まぁそっちも気を付けて」


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『娼館』


ウフフ…じゃぁ又ね…チュ


商人「ぁ…」ポカーン

男「何見てんだゴラ!!」

商人「あ…いや…たまたま目に入ったのさ…」タジ

娼婦「ペッ!!あんたみたいのが来る場所じゃないよ!!」ビチャ

商人「ハハまいったなぁ…」フキフキ


支配人「これはこれは…どちら様で?」スタ


商人「なんだ身分証が必要なのか…う~ん…どうするかな」

支配人「お見せ頂けないのであればお引き取りを…」グイ

商人「なんか強引だなぁ…」ヨロ

支配人「すみませんこちらも仕事な物ですから」

商人「これで良いかな?」パサ

支配人「商人ギルド…マスター?…わざわざキ・カイからお越しで?」

商人「あのね…そう言う事を言葉で出して良いと思って居るのかい?」ジロ

支配人「ハッ!!失礼しました…どうぞこちらへ」ササ

商人「イラつく対応だねぇ…」イラ

支配人「どうかお許しを…アポ無しの来客時は要領が決まっていまして…」

商人「僕は娼館を良く知らないんだ…どうすれば良い?」

支配人「ご案内致します…お好きな嬢を選んで頂ければ後は嬢に従って…」


嬢達「はぁ~い…」ニコ


支配人「ではわたくしはこれにて失礼…」スタスタ

商人「なんなんだこの独特な雰囲気は…」


嬢達「うふ~ん…」フリフリ


商人「悪いけど僕は君達に全然興味無いのさ…何か気の利いた事言って見てくれないかい?」

女狐「こっちよ…」グイ

商人「おっと…」ヨロ

女狐「黙って付いて来て…」ヒソ

商人「何なんだ?この店は?」ヒソ

女狐「後で話すから…」グイ


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『個室』


ガチャリ バタン


女狐「ふぅぅぅ成功!」

商人「どういう事だよ?」

女狐「私と闇商人が接触したという事がこれでセントラルに伝わる」

商人「ええと…良くその話が分かんないな」

女狐「ここにいる嬢達は全員諜報員なのよ…主にセントラル貴族と豪族の離反を諜報して居るの」

商人「離反って何だい?」

女狐「貴族同士の権力抗争…その手足になっている豪族が裏切るかどうか…」

商人「なるほど…フィン・イッシュの地までそういうのを持ち込んでるんだ」

女狐「私はこれで闇商人から取り引きされた硫黄がどれくらいなのか聞き出せば任務完了」

商人「ハハそれだけ?」

女狐「あなた達が来なければずっと此処で諜報させられる所だった…」

商人「君にとって具合が良かった訳だ」

女狐「そう…そして次は潜入という事であなた達に付いて行けるという訳」

商人「なかなか2重スパイというのも立ち回りが大変そうだ…」

女狐「これで南の大陸へも渡れる…」

商人「足の不自由な子は無事にハテノ村へ逃げ延びたよ」

女狐「それに関しては感謝してる…」

商人「詮索しない方が良いんだね?」

女狐「勘違いしてるかも知れないけれど私の子では無いとだけ言っておく」

商人「えええ!?なんだてっきりそうかと思ってたよ…じゃぁますます気になるな」

女狐「知らない方が良いのよ…もう詮索しないで」

商人「分かったよ…それで…まだ昼間なんだけど明日まで此処に居る感じになるかな?」

女狐「豪族がザワついて居るから少し様子を見た方が良いわ」

商人「幽霊船が外海の沖に居るからだよね?」

女狐「それもあるけれど昨夜何か有ったみたい…あなた知ってる?」

商人「知らないなぁ…今日は船に行けてないんだ」

女狐「嵌められたってボヤいて居るのよ…離反のサイン」

商人「誰に嵌められる?」

女狐「外海にはあなた達の他に髭男爵の兄弟が居るのよ…私の雇い主ね」

商人「あぁ一度戦闘になったな」

女狐「アサシンに聞いたわ」

商人「じゃぁ豪族はその髭男爵の兄弟に嵌められたって言う事になってるのかな?」

女狐「多分…本当ならそろそろ誰か娼館に来る筈なのに今日はまだ来ない」

商人「あぁぁ何となく関係が読めて来たぞ…あのキャラック船への補給は君が絡んでるのか…」

女狐「私と言うか娼館は髭男爵がオーナーよ…公爵の派閥ね」

商人「なるほどねぇ…」

女狐「さて…私は伝令に硫黄の取引量を連絡に行って来るけれど…あなたはどうする?他の嬢をあてがう?」

商人「僕はその欲求がもう無い…あるのはワインが欲しいくらいだ」

女狐「じゃぁ此処で大人しくしてて…もしかしたら壁越しに良い話が聞けるかもしれない」

商人「退屈しのぎか…」

女狐「帰りにワインを持ってきてあげる」

商人「頼むよ…」


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『壁の向こう側』


…あいつは俺らをコケにしやがった

自分は豪華な船で高みの見物してるクセに

俺らだけ樽に向かって特効させたのよ

このままじゃ仲間に示しがつかねぇ

だがあいつを裏切るとこの娼館にはもう出入り出来無くなる

イケ好か無ぇ奴だが我慢するしか無い訳だ

…あぁ分かってる

俺はスクーナー一隻で収まる男じゃ無ぇ

そうだお前にはもっと贅沢して貰いたい

だからここは少し辛抱してチャンスを伺う

必ずデカい山を当ててお前を迎えに来る

だから今日はこれで我慢してくれ


他の嬢にも同じ事を言ってたじゃない!!これっぽっちで私を安く見ないで!!


ドタドタ ドタドタ


商人「…」ニヤニヤ


---本当ワンパターンだな---

---これは死んでも治りそうにない---

---頑張りどころがどうもズレてる---

---バカ過ぎてむしろ可愛いな---

『夕方_キャラック船』


ドタドタ バタバタ


海賊「頭ぁ…使える資材の積み替えは終わったでがんす」ドスドス

女戦士「よし…幽霊船はハイディングさせて全員こちらへ乗り移れ」

女海賊「お姉ぇ!!今確認して来たんだけど退魔の方陣の代わりになんかあちこちお札貼ってるわ」

女戦士「なるほど…レイス対策はしっかりやってる訳か」

女海賊「抜けがあるかも知んないから一応ミスリルの鈴設置しとく」

女戦士「うむ…今晩はこちらの船を守備するから急ぐのだ」


ドタドタ


ローグ「頭ぁ!!豪族全員の鼻削いで来やしたぜ?どうしやす?コレ…」

女海賊「うわ…鬼だね…」

女戦士「サメの餌にでもしろ!反吐が出る」

ローグ「分かりやした!!」

女戦士「女海賊!!全員に線虫を掛けて来い」

女海賊「ええ?見たく無いなぁ…」

女戦士「船を血で汚されては掃除が面倒だ」

女海賊「捕らえた奴ら全員奴隷にすんの?」

女戦士「そうだ…鼻だけ削いだのは価値が下がらん様にする為の事」

ローグ「女も数人居たんすけどね…」

女戦士「知った事では無い…私に刃を向けた報いは見せ示める必要がある」

女海賊「こっわ…」

ローグ「髭男爵の弟はどうしやす?始末しとかんと後で面倒になるでやんす」

女戦士「アレは特別…個人的に恨みがあるのでな」ギラリ

ローグ「あっしは何も聞かされて無いんすが…何かあったでやんすかね?」

女戦士「お前は知らなくても良い…ドワーフの国がセントラルと戦争になった原因とだけ覚えておけ」


--------------

『荷室』


ぅぅぅ…来やがった…静かにしろ…


豪族共「…」

女戦士「…」ツカツカ

女海賊「お姉ぇ…線虫回して行くよ」

女戦士「ヤレ…」

豪族共「…」ビクビク

女戦士「お前!!前に出ろ…」ドカ

髭男爵の弟「ぐふぅ…久しいな?…今度は立場が逆か」ズルズル

女戦士「兄は何処にいる?」スラーン

髭男爵の弟「復讐するつもりか?」

女戦士「…」ブン スパ

髭男爵の弟「ぐぁぁぁぁ…足が…」ドクドク

女海賊「ヤバ!!線虫!!行け!!」ニョロ

豪族共「ひぃぃぃ…」タジ

女戦士「出血せん様にロープで四肢を縛り上げろ」

ローグ「分かりやした…」グイ ギュウ

女戦士「さて…質問にだけ答えろ…兄は何処だ?」スチャ

髭男爵の弟「外海に…ハウ・アイ島だ…ヤメロ!!お前は生きて返しただろう」タジ

女戦士「質問にだけ答えろと行った筈だ」ブン スパ

髭男爵の弟「ぎゃぁぁぁ…うぐぅ…」ドクドク

女海賊「ちょ!!お姉ぇ…」グイ グイ ギュゥ

女戦士「生きて返した?違うな…私の心はあの時死んだ…生きて帰ったのは体だけ」

髭男爵の弟「はぁ…はぁ…若気の至り…許せ」

女戦士「母は後に死んだぞ?」

髭男爵の弟「それは俺達のせいでは無い…」

女戦士「分かって居無い様だ…子を宿して生きると思ったか!!」ブン スパ

髭男爵の弟「あががが…こ…殺せ…殺してくれ」ドクドク

女戦士「ダメだ…お前はこれからダルマになって罪を思い知れ」ブン スパ


ぎゃぁぁぁぁ…


女戦士「ローグ!!後は舌を抜いて死なん様に処置をしろ」

ローグ「へ…へい…」

女海賊「お姉ぇ…ママが居なくなった理由って…」

女戦士「聞くな…死なん様に線虫で癒せ」スタスタ

ローグ「頭に従って下せぇ…死人が出やすぜ?」


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『甲板』


ギシギシ


奴隷には枷として両足に砲弾を付けさせろ…そして船内を汲まなく掃除させるのだ

逆らう者はその場で殺してサメの餌にして良い


ローグ「やり方がガチになって来やした…かなり機嫌悪いっす…」

女海賊「お姉ぇ…」

ローグ「頭は昔の事なんも話してくれんのでやんすが…」

女海賊「私もなんも知らんかったさ…」


ツカツカ


女戦士「無駄口を話して居る場合では無いぞ?まだスクーナー4隻居るのだ…夜に備えろ」

ローグ「へい!!」

女戦士「ミスリルの鈴を設置するのは終わったのか?」

女海賊「あぁぁまだだ…急いでやって来る」

女戦士「情報屋とホムンクルスは船尾楼の前から動くな…ガーゴイルはそこから狙え」

情報屋「大丈夫!」

ホムンクルス「はい…」

女戦士「今晩だけ耐えれば明日からはアサシンを呼ぶ…頑張ってくれ」


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『娼館_個室』


ガチャリ バタン


女狐「お待たせ…ワインを持って来たわ」ポイ

商人「退屈してたんだ…君の用事は終わった?」

女狐「そうね…ところで幽霊船が何処かに消えたらしい…何か知ってる?」

商人「あぁハイディングしてるんだね…騒ぎになっちゃってるかな?」

女狐「いえ…どこかの商船という事になってる…幽霊船とは帆の張り方が違うから」

商人「そうか…大きなスクーナーに見えてるか…大砲も無いしね」

女狐「代わりに髭男爵の弟のキャラック船が近くまで来てるのよ…どうなっているのだか…」

商人「う~ん…どういう事だろう?場所を移動したかな?」

女狐「連絡は取って居ないのね?」

商人「まぁ何か有れば連絡来ると思うんだけどね…」

女狐「ところで…この部屋に隠れて居るのは良いけど…タダでは無いと分かって?」

商人「ハハ…君はお金にガメツイねぇ…」

女狐「支配人へ売り上げの一部を渡さなければいけないのよ」

商人「相場が分からないなぁ…」

女狐「安くて一晩100金貨ね」

商人「うわ!!高い…」

女狐「あなたは持ってるでしょう?」

商人「持ってるけど此処に居るだけで金貨100枚か…」ジャラリ ドサ

女狐「さすが闇商人…これは頂いておく」

商人「君に呼ばれた立場なんだけどねぇ…」

女狐「私も生活が掛かって居るのよ」

商人「もしかして…孤児院?」

女狐「フィン・イッシュの孤児院は女王が出しているわ…このお金は口止めで使う必要があるの」

商人「なるほど…諜報役もお金が掛かる訳か」


”ザザー”

”商人!聞こえるかえ?返事せい”

”あ!!魔女!!何か有ったんだね?”

”女戦士が豪族のキャラック船を無傷で手に入れてのぅ…”

”えええ!?それじゃぁ近くに来てるのって…”

”うむ…女戦士達が乗って居る…それでな?残りのスクーナー4隻も無傷で奪うつもりなのじゃ”

”どういう事?”

”スクーナーの豪族達はまだキャラック船が奪われた事に気付いて居らぬ”

”うん…”

”仲間じゃと思うて近付いて来た所をわらわの睡眠魔法で眠らせるのじゃ”

”あー上手く行きそうだね?”

”ちとこちらの戦力が足りん故に主にも来て貰えんかと思うてな”

”なるほど…どうすれば良い?”

”明日の早朝の暗い内にローグが気球で城まで来る事になっておる…主も合流せい”

”分かった…ええと…女狐も一緒で構わないかな?”

”どういう事じゃ?”

”詳しくは明日話す”

”まぁ良い…遅れぬ様にな?ザザー”


女狐「ちょっと今の話…」

商人「なんか色々有ったみたいだね…聞いた通りさ」

女狐「もしかして私の雇い主はもう居ない?」

商人「う~ん…どうだろう?どうやってキャラック船を奪ったのか聞けなかったね」

女狐「大砲を撃った音も聞こえていないのに…」

商人「まぁとりあえず明日の朝に城へ行けばみんなと合流出来る…君はどうする?」

女狐「もう一度出かけて来る…朝までに戻るわ」

商人「なんだ又暇になっちゃうなぁ…」


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『早朝_城』


魔女様とアサシン様がご搭乗だ!!射手!!援護射撃用意!!


ローグ「早く乗って下せぇ…明るくなるとバレちまいやすんで」

魔女「ほう?商人と女狐はもう乗って居るな…」ノソノソ

商人「暇だから早く来ちゃったんだ…」

アサシン「フフ…女狐は私達と一緒に居てはまずいのでは無いか?」

女狐「幽霊船に潜入するという事になってる」

アサシン「なるほど…上手く口実を作った訳か」

ローグ「飛びやすぜ?」グイ


フワフワ


アサシン「さてローグ…キャラック船は私が貰う…で良いのだな?」

ローグ「へい…頭は初めからそのつもりだった様でやんす」

アサシン「スクーナー4隻奪う理由はフィン・イッシュ外海の安全確保…」

ローグ「そうでやんす…キャラック船の火力とスクーナーの機動力があればちったぁ安全になりやす」

アサシン「なかなか良い仕事をする…これで外海の港建設も捗る筈だ」

魔女「それは無傷で手に入れた後に言えい…こちらは戦える者が15人程しか居らんじゃろう」

ローグ「そーっすね…スクーナーは1隻辺り15人くらいなんで戦う事になったら戦力差4倍でやんす」

商人「フィン・イッシュの軍隊は?」

アサシン「貴族が絡んでいる様だからフィン・イッシュは関わらない方が良い…政治的な理由だ」

ローグ「その通りでやんす…豪族と海賊の争いって事で片づけた方が後々の為っすね」

商人「物資調達で半分くらいドワーフの海賊達が陸に降りちゃってるのが痛いねぇ…」

アサシン「戦闘にならない様に上手くやるのだ…魔女頼みだな」


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『キャラック船』


フワフワ


ローグ「こっから飛び移って下せぇ…船首楼が邪魔で着陸出来んでやんす」

魔女「暗くて足元が見えんわい…」

アサシン「魔女…掴まれ」グイ

魔女「すまんのぅ…」ノソ ギュゥ

アサシン「…」ピョン スタ

商人「ほっ!!」ピョン

女狐「…」ピョン


女戦士「ローグ!!早く気球を隠せ」


ローグ「分かりやした…直ぐに戻りやす」グイ フワフワ

女戦士「済まんな急がせてしまって…直に小舟で補給に行った豪族が戻って来ると思ってな」

商人「スゴイねこの船…幽霊船より大きいじゃ無いか…船幅が広いだけでこんなに広く感じるか…」

女戦士「私は船首楼が邪魔で好かん」

商人「これ乗ってた人はどうしたの?」

女戦士「全員奴隷にした…私を裏切った報いを受けてな」

アサシン「ほう…奴隷も私が貰って良いのか?」

女戦士「好きにしろ…私には不要だ」

アサシン「さて船を動かすのにどの程度従うか…」

女戦士「警告しておくが奴隷にしたのは北方の海賊…折り紙付きの馬鹿共だ…あとは分かるな?」

アサシン「フフ承知だ」

商人「みんな荷室の方かい?」

女戦士「足枷を付けて掃除をさせている」

商人「もう働かせて居るのか…」

女戦士「歯向かうと去勢か死のどちらかだと知って居る筈…」

商人「うわ…裏切りには容赦無いね」

女戦士「当然だ…殺された仲間も居るのだから」


タッタッタ


女海賊「お姉ぇ!!ガーゴイル減ってそろそろ明るくなって来た…外から見えない位置に移動して」

女戦士「ふむ…船尾楼の中へ入れ…そこで事情を説明する」スタ


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『船尾楼_居室』


ユラ~ ギシ


女戦士「…恐らく幽霊船を取り逃がしたと思って居る筈…つまりこの船にスクーナーが不用意に近づいて来る」

商人「なるほど…そこで睡眠魔法な訳ね」

女戦士「そうだ…キャラック船とスクーナーが並んで停船していれば他のスクーナーも寄って来る」

魔女「また奴隷が増えてしまうのぅ」

アサシン「荷室にスペースは十分あるだろう」

魔女「まぁ良い…わらわは何処で隠れて居れば良いのじゃ?」

女戦士「魔女の身長なら甲板に出ても見えん筈だ」

女海賊「私等は此処で隠れて居れば良いんだね?」

女戦士「うむ…交代で仮眠しろ…情報屋とホムンクルスも寝て居ないだろう」

商人「まぁ見張りは僕に任せて」

アサシン「私は見張り塔に上がるぞ?」

商人「あ!!そうそう…今日も小舟で物資を運んで来る予定なんだ…陸に降りたドワーフの海賊達とは連絡取れてる?」

女戦士「私がキャラック船を奪った事はもう知って居る…落ち着くまでしばらく陸で待機しろと命令した」


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『ベッド』


ギシ ドサ


情報屋「ふぅぅ…この船は広くて快適そうね」

女海賊「ん?広いけどお姉ぇの船より遅いんだよ…海賊はあんま使わない船さ」

情報屋「でも軍船よね?」

女海賊「本当は商船が行き来する航路を守る役なんだよ…まぁ固定砲台みたいなもんだね」

情報屋「へぇ?船の種類で役割があるのね…」

女海賊「海賊が好む船は大体排水量200トン位のスクーナーだね…これが早くて大砲2~3門乗る」

女海賊「ほんでお姉ぇの船が500トンのガレオン船…まぁまぁ早くてメッチャ荷物乗る貨物船」

女海賊「このキャラック船は多分1000トン位…遅いけど大砲50門位乗るんじゃないかな…ほんで荷物も乗る」

情報屋「盗賊の商船はどんなタイプ?」

女海賊「盗賊の船ってか元々アサシンの船だね…300トン位のキャラック船…この船何処行っちゃったん?」

情報屋「商人に貸したままね…内海の何処かで荷物運んでる筈よ」

女海賊「あのキャラック船が便利だったなぁ…速度出る様に色々改造してたし」

情報屋「この船も改造すれば良いじゃない…」

女海賊「ダメダメ…動かすのに人数必要な船はそれだけで不便…盗賊の船は1人でなんとかなるのさ」

情報屋「へぇ?色々あって面白い」

女海賊「お姉ぇの船も帆を全部縦帆に改造しててスクーナーみたいなガレオン船だね…ただデカいから一人じゃキツイかな」

情報屋「どうして全部縦帆に?」

女海賊「旋回性さ…相手がスクーナーだとどうしても旋回性で不利なんだよ…」

情報屋「そういう事ね…旋回早くしてハイディングで加速…有利な位置に出来るだけ早く行きたい」

女海賊「そそそ…今までそれが出来なくて何発も砲弾食らってるんだ…まぁ反省を活かしてるんだね」

情報屋「フフ…どうしてあなた達ドワーフが海賊をやってるのか分かって来た」

女海賊「工夫が活かされるもんね…ドワーフはそういうの大好きだよ」


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モクモクモク


出て来て良いぞ?既に眠って居る…


女海賊「お!?」

女戦士「待て…補給から戻った小舟だ…ここは数人で対処するからまだ出るな」

女海賊「おけおけ…」

女戦士「フフ物資をわざわざ運んで来るとは間抜けめ…」タッタッタ

ホムンクルス「出番は無さそうですね…」

女海賊「うん…私起きておくからホムちゃんも寝てて良いよ?」

ホムンクルス「いえ大丈夫です…それよりも…」

女海賊「んん?」

ホムンクルス「月へ衛星を落とす件ですが確率の計算が終わりました」

女海賊「お!!?いつやれる?」

ホムンクルス「今衛星を動かして月へ落下するのは7日後になります」

女海賊「結構掛かるね…そんな遠いのか」

ホムンクルス「真っ直ぐ行ければ20時間程なのですが推進力が足りない為一度スイングバイさせて月への落下起動に乗せます」

女海賊「ふ~ん…よし!やっちゃおう!!」

ホムンクルス「承認…以後座標の取得は出来ませんのでご注意下さい」

女海賊「覚悟してるさ…これで魔物が出なくなる筈なんだ」

ホムンクルス「そうなると良いですね」


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『甲板』


ドタドタ


ローグ「頭ぁ!!これ見て下せぇ…」

女戦士「んん?航海日誌か…そうだ忘れてた」

ローグ「クラーケンを引き連れた謎の大型船ってどういう事でしょうね?」

女戦士「もう2週間前か…霧の中外海に出て行ったか…」

ローグ「オークが乗っている船だと思いやせんか?」

女戦士「うむ…スケッチから察するに奴隷船に使われていた船だな」

ローグ「やっぱ暁の使徒が連れて行かれた先はニライカナイっぽいでやんす」

女戦士「さてどうするか…長期航海になると思ってフィン・イッシュを拠点にと思って居たが…」

ローグ「船で外海の狭間行くのはちっと厳しくないすかね?」

女戦士「私もそう思う…延々ガーゴイルと戦う羽目になりそうだ」

ローグ「ここに船置いて飛空艇でちゃっちゃと行った方が良いじゃないすか?」

女戦士「行ける人数が限られるのがな…食料を乗せると4人くらいしか乗れんだろう」

ローグ「食料は姉さんの壺の中に入れれば8人乗れる筈でやんす…」

女戦士「オークと戦う事になった場合8人で十分だと思うか?」

ローグ「戦うんじゃ無くて未来君を帰して貰うでやんすよ」

女戦士「ふむ…まぁここが落ち着いたら妹と話してみる」

ローグ「そーっすね…一応この日誌を姉さんにも見せて来やすね?」

女戦士「荒立てん様に気を付けるのだぞ?」

ローグ「分かって居やす…隠しておくのは逆効果でやんす」

女戦士「うむ…行って来い」



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『荷室』


スタスタ


女狐「…」キョロ

豪族「!!?お前…海賊王の娘とグルだったのか!!」ズリズリ

女狐「シィーーーッ…声が大きい」ヒソ

豪族「この野郎…」グググ

女狐「違う…勘違いしないで…潜入に成功しているの…私は髭男爵の弟に雇われている諜報員よ」

豪族「何?」

女狐「こんな事になってしまって居て私も驚いてる…髭男爵の弟は何処に?」

豪族「もう死に体だ…そこに転がってる手足の無いのがそうだ…舌も抜かれて話す事も出来ん」ヒソ

女狐「ええ!?そんな酷い事に…」タジ


髭男爵の弟「はぅぅぅ…はぅはぅ…」モゾモゾ


女狐「失った手足はキ・カイに行けばなんとか出来る…」

髭男爵の弟「…」グッタリ

豪族「お前は外と連絡出来るのか?」

女狐「理由を作ればなんとか…」

豪族「あいつ等は指示が無い限りこの船に来る事は無ぇ」

女狐「船は何処に?」

豪族「少し北に行った所にある川の上流だ…行けるか?」

女狐「一人で行って私の方が危ないわ」

豪族「ちぃ…何人か酒場に入り浸ってる筈だ…そいつらに話して何とかしろ」

女狐「それなら出来る」

豪族「海賊王の娘達は15人足らずだ…外に居る奴らが一気に来れば制圧出来る」

女狐「そうね…」

豪族「ただ魔術師が何処かに居るだろう?そいつだけお前が始末しろ…あとこの足枷を外す鍵を探して欲しい」

女狐「分かったわ…やってみるから大人しくしてて」スック

豪族「ようし…立場が逆になったら俺専属の奴隷にしてやる…グフフフ」


---懲りない男ね---

---そんな目的じゃ何も達成出来ないのに---

『船尾楼』


ガチャリ バタン


女狐「情報を仕入れて来たわ…他の4隻の船は指示が無い限りこの船には来ないそうよ」

女戦士「ほう?」

女狐「船は少し北にある川の上流に隠してるみたい…こちらに攻めさせる事も出来るけどどうする?」

女戦士「4隻一気に来られてはこちらも被害が出るな」

女狐「1隻づつとか器用な事が出来るかどうか分からない…」

女海賊「お姉ぇ…場所分かったんなら又妖精の笛で眠らせれば良くない?」

女戦士「その後どうするかだ…4隻一気に奪うのはさすがに人員不足…」

女海賊「ほんじゃ眠らせるのだけ私らがやって後はフィン・イッシュの軍隊にやって貰えば?」

女戦士「それもフィン・イッシュと豪族間で摩擦が起きる原因になる」

女海賊「う~ん…この船で川は登れないしなぁ…」

女戦士「ただ指示が無い限りこちらに来ないのは好都合…アサシンと商人を呼んでくれ」


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ガチャリ バタン


アサシン「どうした?作戦変更か?」

女戦士「どうやらスクーナーの豪族は指示が無い限りこのキャラック船には来んらしい」

商人「ハハ…それじゃもう戦闘は起きないね」

女戦士「うむ…それでだ?奴隷にした豪族をどうにかしたい…何か案は無いかと思ってな」

アサシン「女王に引き取って貰うか?」

女戦士「そんな事が出来るか?」

アサシン「海賊王の娘が捕らえた豪族を女王が金を払って身請けする事にするのだ…髭男爵の弟も一緒にな?」

商人「良いねぇ…恩を売る訳か」

アサシン「豪族はフィン・イッシュの経済を回している側面もある…利用価値はあるぞ」

女戦士「なるほど…私一人悪者になれば上手く回るか…よし!」

アサシン「どうする?」

女戦士「先ほど戻って来た小舟2隻に奴隷を乗せて女王に身請けして貰ってくれ」

アサシン「この船に残って居るドワーフを全員連れて行っても構わんか?…途中で逃げられてしまうかもしれん」

女戦士「そうだな…こうしよう…陸に居るドワーフの海賊と一旦合流してくれ」

商人「僕が案内出来るよ」

女戦士「そして豪族を身請けさせた後ドワーフの海賊全員でスクーナーを襲撃させろ」

アサシン「なに!?」

女戦士「私達はスクーナーに乗っている豪族を眠らせておく…そのままドワーフに襲撃させて4隻とも奪う」

アサシン「強引に奪うのだな…」

女戦士「刃を向けたのは向こうだ…きっちり報いを受けてもらう」ギラリ

商人「また鼻を削ぐのかい?」

女戦士「体の一部ならどこでも構わん…去勢でも良い…それが裏切りに対する海賊のルール」

商人「いやぁぁ怖い怖い…」

アサシン「フフそれでなければ荒くれ共をまとめられん…さぁ商人!!行くぞ」

商人「うん…」スタ

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『小舟』


広範囲睡眠魔法! モクモクモク…


魔女「これで途中で暴れる事は無かろう…」

女戦士「では海賊共!!手筈通りに動け!!」

海賊共「がってん!!」ドスドス

アサシン「私と商人はドワーフの海賊と一緒に行動するぞ?」

女戦士「助かる…援護してやってくれ」

女狐「私も一緒に行くわ」タッタ スタ

女戦士「んん?どういうつもりだ?」

女狐「奴隷になった豪族達を女王に身請けさせたのは私が便宜を謀ったという事にしたいの」

女戦士「フフ…まだ2重スパイを続けるつもりか」

女狐「私の情報のお陰でこういう流れになったのよ?」

女戦士「分かった…お前が優秀だと言う事は認める…ただ下手に顔を晒してヘマをするな?」

女狐「当然…」

アサシン「では行って来る…スクーナーに乗っている連中をしっかり眠らせて置いてくれ」


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『砲撃甲板』


スタスタ


女海賊「めちゃくちゃ広いなぁ…迷うわコレ…」

魔女「ふむふむ…退魔の方陣では欠けが出てしまうから呪符を貼って居るのじゃな…」キョロ

女海賊「このお札ってオークの呪術?」

魔女「シン・リーンにも昔呪術を研究して居った者が居る…恐らく黒の同胞になったのじゃろう」

女海賊「ほんじゃまだどっかで生きてるんだね」

魔女「そうじゃな…流れからして公爵と共に行動して居りそうじゃ」

女海賊「魔女はこの呪符ってやつ作れないん?」

魔女「作れるが手間が掛るであまりやらんのぅ…退魔のエンチャントの方が得意じゃ」

女海賊「まぁ同じようなもんか…」

魔女「呪符の方が効果が強い…じゃが紙じゃで耐久性に劣る」

女海賊「なるなる…」


ゴツン!


女海賊「あたっ!!大砲邪魔!!」ドカ

魔女「よそ見して歩くのは危ないぞよ?」

女海賊「この大砲デカいクセに飛ばないし無駄なんよ!!」

魔女「威圧にはなっとる様じゃが…」

女海賊「こんな大砲沢山乗ってても船に乗り込まれた時点で終わりだよ…大砲撃ってる奴なんか裸同然だから」

魔女「じゃから海賊は早い船を好むのじゃな」

女海賊「そそ…大砲なんか食らっても直ぐに沈まないから一気に乗り込む方が全然強い」

魔女「ではこの船はどう運用されるのじゃ?」

女海賊「どっしり構えて他の早い船に補給すんだよ…あとは休息?」

魔女「つまり早いスクーナーが主戦力なのじゃな?」

女海賊「海賊の戦い方はそんな感じ…海軍はこのクソでかい軍船沢山集めて包囲する感じで戦う」

魔女「なかなか奥が深いのぅ…」


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『甲板』


ユラ~リ ギシ


女海賊「あれ?お姉ぇは?」

ローグ「シィーーーッ…船尾楼の方で仮眠していやす…頭も全然寝て無いんでちっと休ませて下せぇ」

女海賊「情報屋とホムちゃんも寝てる?」

ローグ「へい…昼間の内は安全なんで寝れるのは今の内でやんす」

女海賊「やっぱ連日夜戦ってると皆キツイか…」

ローグ「豪族の動きが悪いのはそのせいもありそうっすね」

魔女「主らは仮眠せんでも良いのか?」

ローグ「あっしは大丈夫でやんす…姉さんは寝といた方が良いじゃないっすか?」

女海賊「眠いっちゃ眠いけど…そろそろスクーナー探しに行かないとヤバくね?」

ローグ「川の上流らしいんですぐ見つかりやすよ」

女海賊「どうすっかなぁ…妖精の笛だと音でバレそうだな」

魔女「わらわの睡眠魔法が良かろう」

女海賊「ちゃっっちゃと行って眠らせて来ようか?…効果時間ってどんなもん?」

魔女「個人差があるで何とも言えんのぅ…早くて2時間…良く眠った者は明日の朝まで寝るじゃろう」

女海賊「ほんじゃこうしよう…魔女の睡眠魔法で眠らせた後に私一人で笛吹きに行く」

魔女「ふむ…安全じゃな」

ローグ「あっしはどうしやす?」

女海賊「あんたはこの船守っててよ…起きてるのあんたしか居ないんだから」

ローグ「分かりやした…」

女海賊「魔女行こうか…」

魔女「うむ…」ノソリ

ローグ「ええと…幽霊船までロープを伝って行くんすが…」

魔女「なぬ!?」

女海賊「おけおけ…ここまで飛空艇持ってくるからちょい待ってて」スタタタ ピューー


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『船尾楼』


ユラ~リ ギシ


女戦士「…」ムクリ キョロ

情報屋「あら?お目覚め?」

女戦士「私はどれくらい寝て居た?」

情報屋「まだ昼過ぎね…もう少し休んでて良いのに」

女戦士「しまった…スクーナーを探しに行かねば…」

情報屋「それなら女海賊と魔女がもう行った様よ?」

女戦士「そうか…それなら良い」

情報屋「ローグは甲板で見張り…情報通り平和な様ね」

女戦士「ふぅぅ…仮眠とはいえ久しぶりに寝た気がする」

情報屋「ねぇ…この船の航海日誌読ませて貰ったんだけど…」

女戦士「んん?謎の船の事か?」

情報屋「それもあるけれど元々この船もハウ・アイ島へ向かう予定だったのよ」

女戦士「フフそうだったのか…行き遅れた訳だな」

情報屋「すごい数の船が向かった様よ?」

女戦士「朽ちた箱舟を探しにか?」

情報屋「私は興味ある…」

女戦士「海賊王の娘が行って仲間に入れるとは思わんな…向こうは古代兵装の準備もある様だし」

情報屋「そうね…」

女戦士「私達の目標は公爵とは違う…行き先はニライカナイ…そこが終着点に思う」

情報屋「幽霊船で行けると思う?」

女戦士「正直厳しい…この間も少し狭間に近付いただけでレイスが出ている」

情報屋「レイスはもう幽霊船に取り付け無いのでは?」

女戦士「ゴーストもワイトもまだ出て居ない…100日の闇の時はワイトが人に取り付いて病んで行ったらしい」

情報屋「アサシンの経験ね…」

女戦士「今は少しでも休息があるから何とかなる…全く休息が無いとなると話が変わる」

情報屋「どうしましょうね…」

女戦士「迷って居る…未だまともに生還した者が居ない…決死の覚悟が必要だ」


バシ バシバシ ドドドドン


女戦士「何事!!?」ガバ


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『甲板』


あたたたた…あたた


ローグ「頭ぁ!!フライフィッシュの大群でやんす…目に当たらん様に気を付けて下せぇ」ドタドタ

女戦士「魚?」

ローグ「こりゃ食い物に困らんすね…大漁でやんす」

情報屋「丁度お腹が空いて居たわ」

ローグ「新鮮なうちに焼いて食えばめちゃくちゃ美味いでやんす」

女戦士「急にフライフィッシュが飛んで来るのは近くに何か居る証拠だ」

ローグ「遠くでイルカがピョンピョン跳ねていやすが?」


ザブーーーン! バクリ


ローグ「うほーーーークジラも居やすね」

女戦士「さっきの夢はそういう事か…」

情報屋「え?夢で妖精を見た?」

女戦士「あまり覚えていないが誰かを迎えに行くと言って私は目が覚めた」


トゥルルル~ トゥルルル~


ホムンクルス「…」スタ

女戦士「犬笛…クジラを呼んで居るのか?」

ホムンクルス「これでお話が出来るのです」

女戦士「そうか…」

ローグ「頭ぁ!!フライフィッシュを焼いて食いやしょう…船尾楼に炉がありやしたよね」ビチビチ

女戦士「そうだな…新鮮なうちに少し食べるか」ツカツカ


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『炉』


ジュゥゥゥ パチ


ローグ「串焼きの出来上がりっす…沢山あるんでどんどん食って下せぇ」

情報屋「おいしい!!」モグ

ローグ「生で食えやすぜ?切り身のオリーブオイル漬け…これが最高に美味いんす」ペロン モグ

女戦士「なかなかに贅沢な食べ方だ…」ハム モグ

ローグ「ホムンクルスさんも呼んできやすね」ダダ

情報屋「女戦士はあまり沢山食べないのね?」

女戦士「おかしいか?」モグ

情報屋「どうして体力があるのか不思議だなと…」

女戦士「あまり食べ過ぎると父のようになる」

情報屋「コントロールしているのね」

女戦士「そもそも少食だから苦では無い…気にするな」


ローグ「さささホムンクルスさんも串焼きを食って下せぇ…」スッ


ホムンクルス「はい…頂きます」ハム モグ

女戦士「クジラとは何か話せたのか?」

ホムンクルス「魔王島が浮上してしまったと…」

情報屋「ええ!!?それはどういう事?」

ホムンクルス「かつての魔王島が復活したのです…今で言うニライカナイですね」

情報屋「浮上…やっぱり海に沈んで居た…それが竜宮と言われた場所」

女戦士「魔王島と言われて聞捨てならんな…」

ホムンクルス「時の王の話では1700年前まではそこに有った様ですね…その後沈められた」

情報屋「クジラはその辺りの事何か知らないの?」

ホムンクルス「クジラは記憶を子孫に残す術がありませんので寿命の範囲でしか知らない様です」

情報屋「どのくらいの寿命?」

ホムンクルス「長く生きたクジラで1000年ほど…しかしその個体は既に死んで居ます」

女戦士「もしかしてそのクジラと言うのが…」

ホムンクルス「はい…飛空艇に生まれ変わったクジラですね…私の友達でした」

情報屋「犬笛でどの程度の会話が?」

ホムンクルス「単語で200種類程…言語能力は人間でいう6歳くらいの子供と同程度です」

情報屋「じゃぁ詳しい話は聞き出せそうに無いわね」

ホムンクルス「クジラは住処が無くなってしまって困っている様です」

女戦士「私達にどうにかしろと?」

ホムンクルス「それはお願いされていません…ただ行き場を失って居るのです」

情報屋「クジラにニライカナイまで案内させてみては?」

女戦士「ふむ…クジラが先導するのであれば帰って来られる可能性も高いな」

ホムンクルス「お願いしてみましょうか?」

女戦士「話してみてくれ」


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『鯨型飛空艇』


フワフワ


女海賊「おーーーい!!」

ローグ「姉さん!!どうっすか?上手く行きやしたか?」

女海賊「魔女が寝ちゃったんだよ…ちっとロープ降ろすから迎えに来て」シュルシュル

ローグ「どういう事っすか…」ヨジヨジ

女海賊「私の笛の音が聞こえちゃったのさ…」

ローグ「そら予定外っすね…」

女海賊「私魔女抱えてこのまま降りるからさ…あんたが飛空艇隠して来て」

ローグ「分かりやした…操舵交代しやす」

女海賊「ほんじゃ降りるね…あと頼んだ」シュルシュル スタ


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『甲板』


ドタドタ


女戦士「どうだ?スクーナーの方は?」

女海賊「あいつ等仲間割れして半分くらいお宝持ってどっか逃げたっぽい」

女戦士「フフ負けが込むといつもそうだ…残りは眠ったな?」

女海賊「うん…多分全員眠ったと思う」

女戦士「よしこれでスクーナーを全部奪える」

女海賊「結構砲弾に当たって傷んでてさ…ドワーフの船大工に修理させた方が良いね」

女戦士「こちらまで来れそうか?」

女海賊「ギリ?」

女戦士「修理しながら戻って来るとなると厳しそうか…」

女海賊「切り揃えた木材がスクーナーに乗って無いのさ…もうあいつ等グチャグチャなんだよ」

女戦士「木材はどの位必要になる?」

女海賊「んん?スクーナーまで運ぶ?」

女戦士「うむ…貨物用の気球が遊んで居る」

女海賊「あーーー私壺持ってるわ…資材突っ込んで持って行こうか?」

女戦士「やってくれ…ローグを連れて行って構わん」

女海賊「おけおけ…もっかい私の飛空艇で行って来る」

女戦士「頼んだ…魔女頼むね~」スタコラ ピューー


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『日の入り』


ザブ~ン ユラ~


情報屋「そろそろガーゴイルが出て来る時間…飛空艇とスクーナーは大丈夫かしら…」

女戦士「もう豪族の脅威は無い…精鋭揃いなのだから何とかするだろう」

情報屋「私達も備えないと…」

女戦士「今晩はエクスカリバーを使えるからラク出来るぞ?」

情報屋「もうプラズマの銃を使っても?」

女戦士「良いだろう…」

情報屋「ホムンクルス!!引き続き犬笛を吹くのをお願いね」

ホムンクルス「はい…」


ボエーーーーーー ブシューーーーー


女戦士「飛空艇が潮を吹いたか…山手ではガーゴイルの出が早いのかも知れんな」

情報屋「向こうはもう始まって居るのね」



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『スクーナー1隻目』


トンテンカン


海賊「応急処置はこれで終わりでがんす」

アサシン「こちらの船は死んだ豪族を使役して動かすから他のスクーナーへ応援に行ってくれ」

海賊「分かりやした…行くぞお前等!!」ドドド

商人「死体運んで来たよ…よっこら…」ドサリ

女狐「私も…」ドサ

商人「これ仲間割れ起こしてたのかな?」

アサシン「それしか考えられまい?」

女狐「他の死体も全部積む?普通の民間人の様だけれど…」

商人「ここで山賊まがいの事やってたんだね」

アサシン「豪族を掃討して正解だ…さて豪族以外の者を使役するのは心が痛むが…」

女狐「野ざらしにしておくのも悪いわ…せめて海葬に…」

商人「後でまとめて魔女に浄化してもらおう」

アサシン「分かった…死体は全部積んでくれ」

商人「うん…行って来る」スタ


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『しばらく後』


よっこら!! ドサリ


商人「向こうの船が動き出した…修理が済んだみたいだ」

アサシン「少し時間が掛かったな…もうガーゴイルに襲われている」

商人「援護しないと…」

アサシン「分かっている…商人と女狐はまだ離岸して居ないスクーナに乗り込め」

商人「え?」

アサシン「私に使役されたいか?」

商人「あぁ…それは困る…」

アサシン「この船は私とゾンビ共だけでガーゴイルに襲われず自由に動けるのだ…その方が援護しやすい」

商人「分かった…女狐行こうか!!」

女狐「こっち!!」グイ


タッタッタ…


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『スクーナー2隻目』


トンテンカン


商人「ふぅぅ間に合った…僕達もこの船に乗る」ダダ スタ

海賊「姉さんの飛空艇が空で援護してくれている間に移動するでごわす…帆を張れい!!」


がってん!! ドドドド…


商人「この船が最後尾になりそうだね」

海賊「商人さんが来てくれて助かったでごわす…例のプラズマ銃で守って下せぇ…」

商人「おけおけ…」チャキリ

女狐「私にも何か武器無い?」

海賊「残念ながらこの船には武器が乗って無いでごわす…これでも使って下せぇ」スッ

女狐「ミスリルの斧…」

海賊「レイス対策でごわす」

商人「そうだ!!退魔の処置はどうなってるんだ?」キョロ

海賊「無いと思って下せぇ…お札が見当たらんので…」

商人「まずいなソレは…」

海賊「俺らは全員ミスリルを装備しているでごわす…このまま強行突破しやすぜ」



ボエーーーーー ブシューーーーー


海賊「姉さんがガーゴイル追い払ってくれて居やすね…急ぐぞお前等ぁ!!」


へーい!! ドドドド…

『キャラック船』


ピカーーーー チュドーーーン


女戦士「始まったな…しかし遠くから見ると良く目立つ」

情報屋「何処に居るのかまるわかりね…」

女戦士「ふむ…鯨型飛空艇はあまり見えんのだな…」

情報屋「多分上空に上がれば狭間が深いから見えなくなるのかと…霧もあるし」

女戦士「こちらの位置も見せて置こう…」スラリ ピカーーーーー

情報屋「フフ眩しい…」


ピカーー ピカーー


女戦士「答えた…あそこにアサシンが居るのか」

情報屋「こっちも空でガーゴイルが舞ってる…」

女戦士「寄って来なければ落とさんでも良いぞ」


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『翌朝_キャラック船甲板』


私達の完勝だ!!スクーナー4隻は功績の高い者に与える事とする

奪った財宝は均等配分!!これを使いそれぞれ船員を募集して来い


女海賊「やったね!!このキャラック船に乗ってた分も均等だよね?」

女戦士「当然だ…」

女海賊「ヤッバ!!めっちゃあるじゃん!!」

アサシン「キャラック船は私が頂くぞ?」

女戦士「フフ海賊には不要の船…好きにしろ」

女狐「配分は当然私にも?」

女戦士「勿論だ…お前の情報が決定的に完勝に導いた…どうだ?満足か?」

女狐「初めてまともに報酬を得たわ…」


ノソノソ


魔女「騒がしいと思うたら朝が来てしもうた様じゃ…ふむ…無事に4隻手に入れた様じゃな」

女海賊「あーー魔女ゴメンよ!!妖精の笛に巻き込んじゃってさ…」

魔女「構わぬ…良い夢を見れたわい」ノビー

女戦士「さて…今後の事を伝えて置く」


スクーナー2隻は商船としてフィン・イッシュと地庄炉村の交易をしろ

残りの2隻はフィン・イッシュ近海で女王の下外海の治安維持だ

尚海賊旗は立てるな…その役は幽霊船が引き受ける


アサシン「私のキャラック船はフィン・イッシュ近海で固定砲台か?」

女戦士「当面は幽霊船への補給役でどうか?」

アサシン「なるほど…移動する海士島みたいな船か…それも良い」

女海賊「お姉ぇ!!ドワーフがみんなスクーナーに乗っちゃったら幽霊船誰が動かすん?」

女戦士「幽霊船には私の従士2人とゾンビ共が乗る…ちなみにアサシンもだ」

アサシン「ふむ…ではキャラック船を誰かに任せねばな…」

女狐「私でどう?貴族や豪族側という立ち回りも出来る…」

アサシン「奪われるなよ?」

女狐「フィン・イッシュ軍隊の一部を回して欲しい」

アサシン「なるほど…そちら側も取り入りたいか」

女戦士「話は決まったな?取り急ぎスクーナー一隻を大至急商船に偽装して陸へ行くのだ…停滞している補給を急がせろ」

海賊共「がってん!!」ドタドタ


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『商船』


トンテンカン ギコギコ


女海賊「商人は銀の釘打って退魔の方陣作って行って」トントン

商人「はいはい…」トントン

女海賊「やっぱ銀で装飾したら結構良い感じになるじゃん…」トンテンカン

ホムンクルス「染料をお持ちしました…」スタスタ

女海賊「おぉ待ってたのさ…それで一気に雰囲気変わる」

海賊「姉さん!!俺が塗っていくでがんす」

女海賊「おけおけ…補修した所がバレない様に上手く隠して」

海賊「へい!!」ドスドス

商人「バレないって?」

女海賊「逃げた豪族が居るじゃん?そいつらに豪族が使ってた船だってバレたく無いじゃん」

商人「う~ん…なんか速攻バレる気がするけどねぇ…」

女海賊「あいつらバカだから船の色が違うと気付かないよ」

商人「そうなんだ?」

女海賊「てか昨日今日でガラリと変わってるなんて思わないさ」

商人「まぁそうだね…やっぱりドワーフが物作ると速攻終わるんだね」

女海賊「おーーし!!装飾終わり!!…スクーナーだったら私も欲しいなぁ…」

海賊「姉さん!!これは俺の船なんで…」ヌリヌリ

女海賊「これ商船にするんだからもう大砲要らなくね?」

海賊「いやいやそれは困るでがんす…姉さんの迫撃砲を真似て改造するでがんす」

女海賊「あぁそう言う事か…おけおけ頑張って!!」

海賊「へい!!」ヌリヌリ



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『キャラック船_甲板』


ザブ~ン ユラ~


女狐「捕らえた奴隷の身請けは私が行って来る…」

女戦士「ふむ…では又数名護衛でドワーフの海賊を付ける」

ローグ「頭ぁ!!奴隷全員商船の方に乗りやしたぜ?」

女戦士「女狐!!商船に乗るのだ」

女狐「分かったわ…」スタ

ローグ「あっしは気球で先に魔女さんと商人さん乗せて行きやすぜ?」

女戦士「うむ…今晩は宿に泊まりたい…用意しておくのだ」

ローグ「へい!!」

女戦士「商船を陸に向けて移動させろぉ!!」

海賊共「がってん!!」グイ


バサバサ ユラ~


アサシン「よし…これでドワーフは全員陸に移動したな?」

女戦士「うむ…あとは私達が飛空艇で移動すればこちらに残るのはゾンビとアサシンだけだ」

アサシン「残りの船に退魔の方陣を張るのは終わらせていくのだぞ?」

女戦士「今妹がやっている…直に戻るだろう」

アサシン「さて…今晩は私一人ゆっくり妖精と話が出来そうだ」

女戦士「不死者だけだと気楽で良いな?」

アサシン「これを見られるとこの船も幽霊船と思われてしまうな?クックック…」

女戦士「ゾンビは幽霊船に乗せ換えて居た方が良いのだが…」

アサシン「んん?」

女戦士「ドワーフの海賊共が船の乗員を集めるのだ…こちらに寄る可能性が有る」

アサシン「なるほど…では移動させておこう…船をリリースさせるぞ?」

女戦士「構わん…」

アサシン「さて…沖で大型の船が集まっているのをフィン・イッシュではどう見えるか…」

女戦士「その反応も直接聞いて来るつもりだ」

アサシン「酒場にも行くつもりか?」

女戦士「私は飲まんが…顔を出してみても良いな」

アサシン「クックック…入り浸っている豪族の残党がどんな顔をするか…」

女戦士「まぁ…命を狙われるのがオチだが…既に向こうは散りぢりになっているだろう…取るに足らん」

アサシン「あまり街では荒らげるな?女王が困る」

女戦士「分かっている…」



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『夕方_鯨型飛空艇』


フワフワ


女海賊「お姉ぇ!!やっと終わったよ…フィン・イッシュ行くんだよね?乗って」シュルシュル

女戦士「ご苦労…情報屋とホムンクルスも乗って居るな?」

女海賊「うん…もうあいつらの船はゴミばっかでさ…片づけるの大変だったよ」

女戦士「今晩はベッドで休んで良いぞ」

女海賊「そろそろ限界…目が閉じそう…」フラ

ホムンクルス「操舵は私にお任せください」

女海賊「先寝て良い?」

ホムンクルス「どうぞ…」

女戦士「ではアサシン!!後は頼む!!」

アサシン「フフ…ワインを持って帰るのを忘れるな?」


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『フィン・イッシュ_墓地』


フワフワ ドッスン


女海賊「ふごーー…すぅ」zzz

女戦士「私が妹を背負うからエクスカリバーを持ってくれ」スッ

情報屋「預かるわ…」ズッシリ

女戦士「重いか?」

情報屋「こんなに重い物を背負ってたのね…」

ホムンクルス「私が持ちます…筋力トレーニングなので」

情報屋「そうね…私は足が不自由だし…」スッ

女戦士「よし…飛空艇をハイディングさせて宿屋に直行しよう」

情報屋「先に行って…ハイディングさせて行くから」

女戦士「ここの地理は良く分からん…どう行けば良い?」

ホムンクルス「ご案内します…こちらです」スタ


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『宿屋』


ワイワイ ガヤガヤ


商人「ああ!!やっと来た…遅いよ」

女戦士「退魔の方陣に手間取ってな…部屋は何処だ?」

商人「一階の角部屋さ…無理言って大部屋を開けさせて貰ったんだ」

女戦士「まず妹をベッドに…」

商人「そうだね…働き詰めで疲れたか…こっちだよ」スタ


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『大部屋』


ガチャリ バタン


ローグ「頭ぁ!!助かりやした…」

魔女「これ!!手を止めるでない」

ローグ「いやいや魔女さんは何処も筋肉が硬くなっていやせん…」モミモミ

女戦士「フフ…マッサージをやらされているか…そのまま続けて居ろ」

ローグ「ええ!?そら無いっす…」

魔女「飼い主がそう言うて居るでは無いか…次は背中じゃ」

女戦士「さて商人…私は先ず水浴びをしたいのだがどうすれば良い?」

商人「お!!?ここは湯が使える水浴び場が有るんだよ…案内しようか?」

情報屋「私も水浴びしたいわ」

ホムンクルス「ご案内出来ますよ?以前と同じでしたら…」

商人「変わって無いね…3人で行っておいでよ」

ホムンクルス「ではご一緒に…」スック

情報屋「魔女は?」

魔女「わらわは既に水浴びをしたで構わんで良いぞ」

ホムンクルス「商人さん…エクスカリバーを預かって居て下さい」

商人「ん?あぁ…分かった」

女戦士「妹も頼む…」ヨッコラ

商人「ええ!?ちょちょ…」

女海賊「ふごーーーふごーーーー」zzz

商人「重いんだよなぁ…女海賊…」ドッシリ


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『一時間後』


ガチャリ バタン


女戦士「ふぅ…スッキリした」ホクホク

情報屋「湯が熱すぎて…」

商人「食事が来てるよ…食べると良い」

女戦士「外で食べると思って居たが…」

商人「夜間は外に出るの控える様にお達しが出てるのさ…禁止では無いけどね」

女戦士「なるほど…」

商人「ガーゴイルの角が高値で売れるから民兵が沢山出て割と安全なんだけどね」

女戦士「まぁゆっくりして良いのだな?」

商人「そうだね…まぁ食べてよ」

情報屋「頂くわ…珍しい食材ばっかり…」モグ

女戦士「さてこちらでは…沖で停船している私達の船がどう見えているかなのだが…」

商人「あぁ一般の人は商船が浅瀬で近寄れないでいる様に見えて居るよ…海賊船だなんて誰も思ってない」

情報屋「他の豪族達は?」

商人「う~ん…行く所に行けば居るんだろうけどねぇ…取引所では見ないなぁ」

情報屋「行く所って?」

商人「娼館だね…あと酒場とかカジノ?」

女戦士「フフ分かりやすい連中だ…」

商人「まぁ豪族に慌ただしい動きみたいなのは無さそうだね…それよりも一般の人が僕達の船に期待してるよ」

女戦士「期待と言うと?」

商人「内海で商船が動けないからみんな陸に上がって人で溢れかえってるんだ…ドワーフの海賊達はもう乗員確保したらしい」

情報屋「船乗りの仕事が無くなって居た訳ね…」

商人「そういう事…物資も滞留してるから船が動かせるなら直ぐに商人達を集められるよ」

女戦士「すべて良い方向に転がって居そうだ…」

情報屋「その様ね…」

女戦士「ところで女狐はどうした?」

商人「僕達とは距離を置いて居るのさ…貴族や豪族…それから王室とも上手く繋がってる」

女戦士「今回の件で株を上げたな」

商人「そうだね…やっぱり諜報活動だと実力ナンバーワンだよ」


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『翌朝』


チュンチュン ピヨ


商人「…じゃぁ僕は予定通り木材と銀の買い付けに行って来るよ」

女戦士「ドワーフの海賊達もそれぞれ物資が必要になる筈だ…取り引きはお前がやった方が良い」

商人「あぁ…ドワーフだと値を吊り上げられるね」

女戦士「うむ…何が必要なのか聞いてやってくれ」

商人「分かったよ…運搬はあの商船を使って良いんだよね?」

女戦士「そのつもりでこちらへ来させたのだ…どんどん買ってキャラック船まで運ばせろ…向こうで分ければ良い」

商人「おけおけ…」

女戦士「そうだワインも大量に買って運んでくれ…アサシンが渇いている」

商人「これで一気に経済回るなぁ…じゃぁ行って来るよ」タッタッタ


女海賊「ふご!!?」ガバ キョロ


女戦士「フフどうだ?良く寝たか?」

女海賊「あれ?今いつだっけ?」ゴシゴシ

女戦士「寝ぼけているか?」

女海賊「ヤバ…なんか夢見てた…混乱してる」

女戦士「湯が使える水場がある…お前も少し汚れを落としてこい」

女海賊「あ…うん…なんかこの状況…量子転移使った後のセーブポイントになってるかも」

女戦士「何をバカな事を…さっさと顔を洗ってこい」

ホムンクルス「ご案内しますよ?」

女海賊「あぁホムちゃん…一緒に水浴びする?」

ホムンクルス「はい…よろこんで」

女海賊「おっし!!ちょい尻尾作るわ…」ゴソゴソ

ホムンクルス「尻尾?」ハテ?

女海賊「昨日豪族の船から毛皮ゲットしてんのさ…尻尾だけ切り取ってお尻に貼るんだよ」チョキチョキ

女戦士「何をするかと思えば…」アゼン

女海賊「大事な事なんだよ…よっし!出来た!!ホムちゃんお尻出して?」

ホムンクルス「ええ!?」タジ

女戦士「馬鹿馬鹿しい…早く行って来い!!」


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『酒場』


ワイワイ ガハハハハ


マスター「いらっしゃいませ…お二人様で?」

ローグ「あいやいや…久しぶりっすねぇ」

マスター「シィーーーーーッ…ささ…カウンターへどうぞ」

ローグ「あぁすんません…そんな感じなんすね」

マスター「お飲み物は?」

ローグ「あっしはエールが欲しいでやんす」ジャラジャラ

マスター「こちらの御婦人はどなたで?」

ローグ「魔女さんでやんす…魔法で姿変えてるでやんす」

マスター「なるほどそうでしたか…ではハチミツ酒をご用意致します」

魔女「ほほー…わらわの好みを良く知って居るのぅ」

マスター「フフ仕事ですので…」チラリ

ローグ「あっしらはちっと様子を見に来たでやんすよ」

マスター「先ずはお飲み物をどうぞ…」コトリ

魔女「見た所昔と変わらん普通の酒場じゃのぅ…」グビ

マスター「お陰様で…」ニコリ

ローグ「どうっすか?何か噂聞こえて居やせんか?」

マスター「噂も何もこの激動の時にどんな噂も意味を持ちませんよ…」

魔女「うむ…こちらの大陸も大変だった様じゃのぅ」

マスター「それはもう…御覧の通り港は壊滅…変わらず酒を提供出来ているのが不思議と言いますか…」

ローグ「フィン・イッシュは少し高地にあるのが幸いしていやしたね」

魔女「影響が出て居るのは沿岸部だけなのかえ?」

ローグ「あぁぁぁ…命の泉から下流は大洪水が起きて居やした…多分森の中も大洪水っすね」

マスター「噂と言えばシャ・バクダのオアシスに人が集まっている様ですよ?」

魔女「ほう?それは初耳じゃ…」

マスター「フィン・イッシュが保護しているエルフに会えるのです」

ローグ「エルフ目当てで人が住みついてるんすね」

マスター「はい…なんでもエルフは異形のクリーチャーと戦って苦戦しているとか…」

ローグ「なーんか…豪族の話が全然出てこないのはどういうこってすかね?」

マスター「豪族の皆さんは最近めっきり来なくなりましたねぇ…奥のテーブルに常連さんが見えていますが…」

魔女「ふむ…あそこの集団じゃな?」チラリ

ローグ「ちっと近くのテーブルに移動しやしょうか…」

マスター「争いごとは起こさない様にお願いしますね…どうぞグラスを持ってこちらへ…」ササ


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『テーブル』


ワイワイ


マスター「お飲み物はボトルでご用意しますね…おつまみは…フルーツをお持ちしましょう」

ローグ「いやぁぁ何もかにも済まんでやんす…」

魔女「丁度フルーツを口にしたかった所じゃ…ローグ!チップを払うのじゃ」

ローグ「ええ?あっしがですか…」ジャラリ

マスター「ハハお気になさらず…では少々お待ちください」スタ

魔女「ローグ…盗賊ギルドは今どうなっとるのじゃ?」

ローグ「あっしは聞いてないでやんす…多分隠れ家を何処かに持ってるとは思いやすが…」

魔女「アヌビスもこの仕事が天職の様じゃな」

ローグ「そーっすねぇ…もう20年以上このポジションやってるでやんすよ」


ガハハハハ

俺が何処にお宝隠してるかも知ら無ぇであいつ等はあの貴族の下に下りやがった

でもどうする?追手が掛かるぞ?

逃げ場は決まってる…シャ・バクダのオアシスで傭兵を募集してるんだ

おぉ!!お宝持ってトンズラだな?

そうよ…他の仲間も現地で集合する手筈だ…まぁ付いて来い…エルフをモノにするぞ

そりゃ良い!!金ばっかり食うここの女にはもうウンザリだ


ローグ「あたたた…あいつ等全然気付いて無さそうでやんす」ヒソ

魔女「面白いでは無いか…聞き耳を立てて静かに飲もうぞ」グビ

ローグ「なんつーか頭に奴隷にされた豪族が可哀そうになって来やしたよ…」

魔女「鼻を削がれただけじゃろう…そんな物変性魔法で直ぐに元通りじゃ」

ローグ「ええ?そうだったんすね…」

魔女「女戦士はそこら辺もしっかり分かってやって居るのじゃぞ…慈悲深いと思え」

ローグ「なるほど…もう関わって来るなと言う縁切りだったんすね」

魔女「まぁこれで海賊の業界では恐れられるじゃろう」

ローグ「そうっすねぇ…いや…でもあの豪族達は底抜けのバカなもんで…」


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『宿屋の前の広場』


ワイワイ ガヤガヤ


女海賊「…」ボケー

ホムンクルス「のぼせてしまいましたか?」

女海賊「んぁ?違うんだ…ホムちゃんもそこの樽に座んなよ」

ホムンクルス「はい…」ストン

女海賊「ホムちゃん覚えてる?ここでシーサーのクソ堅い肉食べたの」

ホムンクルス「はい…覚えています」

女海賊「私さぁ…石になって眠ってたからそんな何年も前の事じゃ無いんだ…」

ホムンクルス「そうですか…」

女海賊「あん時は女王が一生懸命畑を耕してさ…ホムちゃんも毒キノコ育ててたよね」

ホムンクルス「そう言われると随分あの時と変わりましたね」

女海賊「うん…私だけ変化に置いて行かれた感じがするのさ」

ホムンクルス「あの時に戻りたいのですか?」

女海賊「それじゃダメな事知ってるから…」

ホムンクルス「夢を見たと言うのはもしかして…」

女海賊「そうだよ…夢で繋がってる…行こうと思えばいつでも祈りの指輪で行けるのさ」

ホムンクルス「寂しい…ですか?」

女海賊「どうなんだろ?夢幻を理解するとそれが私を構成する心の部分だって分かった…その寂しさも私の一部」

ホムンクルス「心…それは失えないですね」

女海賊「うん…だからあの時には戻れない…心は失えない」

ホムンクルス「私は夢を見る様になりました」

女海賊「ホムちゃんが見る夢ってどんな夢?」

ホムンクルス「暁の使徒…未来君が去っていく夢です」

女海賊「ええ!!?」

ホムンクルス「場所はハウ・アイ島…未来君は誰にも悟られる事無く世界を救い…去って行きました」

女海賊「何それ!?初めて聞く話なんだけど…」

ホムンクルス「夢の話ですよ…」

女海賊「あぁそっか…」

ホムンクルス「そこで初めて失ってはいけない人の心を知りました…そんな夢です」

女海賊「きっとその夢も今のホムちゃんを構成する大事な部分だよね…」

ホムンクルス「はい…その通りだと思います」

女海賊「ちっとあん時みたいにちょっとお酒でも飲もうか…」

ホムンクルス「少しでしたら…」

女海賊「おけおけ…ちょい買ってくるわ…待ってて」スタタタ


-------------

スタスタ


女海賊「あ!!お姉ぇ…」

女戦士「遅いと思って見に来たら此処で飲んで居たか…」

女海賊「ゴメンゴメン…お姉も飲む?」

女戦士「私は要らん…」

ホムンクルス「フルーツの飲み物も売っている様ですよ?」

女海賊「ちっと待ってて!!お姉ぇの分も買ってくるわ」スタタタ

女戦士「平和を味わって居たか?」

ホムンクルス「昔話を少し…」

女戦士「そうか…昔話が出来るくらいには付き合いも長くなったな…」

ホムンクルス「ここから見える内海の方はどうして船が止まったままなのでしょう?」

女戦士「陸沿いに外海に出たいだろうが岩礁地帯で危険海域なのだ…スクーナーも通らん」

ホムンクルス「そうだったのですね」

女戦士「一度海士島の方へ出てしまえば良いだろうが霧に阻まれて出られんのだ」

ホムンクルス「確かに…セントラルの方までずっと浅い海ですね」

女戦士「小さな漁船なら陸沿いに出られそうだが…今の状況を知らぬ者がおいそれとは航海せん」

ホムンクルス「大きな船が勿体無いですね…」

女戦士「セントラル方面へ陸沿いに航海すればまだ使えるのだが戦争中だからな…」

女海賊「お姉ぇ!!お待たせぇぇ!!」スタタタ

女戦士「私も樽に腰掛ければ良いか?」

女海賊「樽に座って飲むのがここの良い所さ…昔っからこんな感じなんだよ」グビ プハァ

女戦士「フフ…周りは民兵だらけか」ゴクリ

女海賊「銀製のなまくら装備だけど結構充実してんね」

女戦士「やはり資源のある国は強い」

女海賊「ところでセントラル第一皇子ってどうなったん?てか軍隊どこ?って感じ」

女戦士「セントラルとの国境付近に遠征しているらしいぞ?」

女海賊「まだ女王と結婚して無いんだよね?」

女戦士「まぁ無理だろう…忍び一族が許さん筈だ」

女海賊「なんか難しい立場だねぇ…」グビ


ローグ「あららら?こんな所で立ち飲みでやんすか?」スタ


女戦士「おぉローグ!!戻ったか」

ローグ「あっしも混ざって良いでやんすかね?」

女海賊「今女子会やってんだよ…魔女はこっちおいで」グイ

ローグ「ちょちょ…あっしも仲間に入りたいでやんす」

女戦士「まぁまず酒場でどんな情報を仕入れて来たのか聞かせろ…」

ローグ「そらキタ…実はですねぇ…」


カクカク シカジカ…

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女海賊「アハ…ほんじゃ筏で特攻して来た辺りからあいつ等バラバラになってんだ?」

ローグ「そーっすね…お宝持ち逃げしてシャ・バクダのオアシス行くって言っていやした」

女戦士「他の豪族は居ないのか?」

ローグ「まだ居るらしいんすが船が内海にあるんす…どうしやす?」

女戦士「フィン・イッシュに居る内は私から手を出す様な事はしない」

ローグ「まぁ民兵が多いんで向こうも手を出して来んじゃないっすかね…」

魔女「聞く限りではスクーナー4隻奪われた事に気付いて居らんぞよ?」

女海賊「マジ?」

魔女「大きなキャラック船を奪われた事も知らん様じゃ…仲間が貴族の乗るキャラック船に下ったと思うて居る」

女海賊「うは…ワロワロ」

女戦士「これは動きやすくなった」

女海賊「そだね…あのキャラック船はこのまま中立の立場にしときゃ良い隠れ蓑になれる」

女戦士「よし方針が定まったぞ…補給が済んだら幽霊船で外海に出る」

女海賊「おっけ!!いよいよだね」

女戦士「しばらく戻れんだろうから必要な触媒や種の類は十分用意しろ」

ローグ「行くメンバーはどうするんすか?あっしだけ置いてきぼりは勘弁でやんす」

女戦士「幽霊船を動かす主要な人駆はゾンビ共だ…後は私達8人とドワーフの従士2人…」

女海賊「生きている人は極力少なくする訳ね…」

女戦士「うむ…幽霊船は喫水線が深いから船底が安全地帯となる筈…そこで休息する」

女海賊「お?どゆ事?」

女戦士「生きている者が安全地帯に入って居ればレイスと戦わんで済む」

女海賊「おおおおお!!船底が狭間の外になってるって事か…」

女戦士「そうだ…それを見越して今アサシンだけ船に残してどうなるのか実験している」

女海賊「幽霊船の喫水線って何メートルだっけ?」

女戦士「4メートル程…」

女海賊「十分だな…おっし!!船底に基地作るぞ!!」

女戦士「行っても良いがアサシンの邪魔はするな?」

女海賊「ホムちゃん!!ちっと幽霊船の中に隠れ基地作りに行こう!!」

ホムンクルス「はい…どうすれば?」

女海賊「付いて来れば良いんだって…お姉ぇ行って来るね!!」スタタタ


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『幽霊船』


フワフワ


女海賊「ちょいホムちゃん操舵お願い…私だけ先に降りてロープ縛って来る」シュルシュル

ホムンクルス「お任せください…」

女海賊「おっけ!!ホムちゃんも降りて来て良いよ」グイグイ ギュゥ

ホムンクルス「…」シュルシュル スタ

女海賊「良いねぇ!!慣れて来たね」

ホムンクルス「はい…」ニコ


スタスタ


アサシン「どうした?何か取りに来たのか?」

女海賊「船を改造しに来たんだよ」

アサシン「ほう?それは良い…この船尾楼に飛空艇を発着出来るようにしろ」

女海賊「え!?なんで?」

アサシン「このままでは不便だろう」

女海賊「私はあんま不便に思って無いけどね…」

アサシン「船尾楼の後方に木材を伸ばすだけの簡単な改造だ…それで飛空艇の発着が出来る」

女海賊「まぁそうだけどさ…なんでそんな事言いだすん?」

アサシン「私のキャラック船も同じように改造して欲しいのだ…一台気球が欲しくてな」

女海賊「あーーー幽霊船に2台あっても無駄だね…」

アサシン「そういう事だ…キャラック船の使い勝手が悪いのは気球が搭載出来ないからなのだ」

女海賊「おけおけ!!気球一台有るだけで空から戦えるもんね」

アサシン「木材と鉄はこれからどんどん運ばれてくる…自由に使え」

女海賊「おーし!!ちゃっちゃと作るぞ!!ホムちゃん木材運ぼう!!」

ホムンクルス「はい…」スタ


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『半日後_キャラック船』


トンテンカン トンテンカン


女海賊「おっし出来たぁ!!ふぅぅ…暑っついなぁ」

ホムンクルス「今日は日差しが強いですから…」

女海賊「こんなんじゃゾンビ干からびちゃうぞ?」

アサシン「その方が都合が良い…気球を移動させるぞ?」

女海賊「おっけ!!」

ホムンクルス「これで幽霊船も帆を全部開くことが出来ますね」

女海賊「うん…船首側にスペースあるけど邪魔っちゃ邪魔だったね」

ホムンクルス「飛空艇も着地させましょうか?」

女海賊「ホムちゃん幽霊船までロープで渡れる?」

ホムンクルス「ワイヤーの装置がありますので落ちても大丈夫です」

女海賊「ほんじゃお願いしようかな」

ホムンクルス「はい…行って来ます」スタ


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『幽霊船』


フワフワ ドッスン


女海賊「おぉ…めっちゃバランス悪く見えるけどギリギリ乗るな」

ホムンクルス「この金具で固定するのですか?」

女海賊「そうそう…わかる?」

ホムンクルス「ロープワークは教えて貰いましたので…」グイグイ ギュゥ

女海賊「ほんじゃ私はミズンマストの縦帆と干渉しないか一回開いてみるかな…」グイグイ バサーーー

ホムンクルス「1メートル程余裕がありますね」

女海賊「もうちょい飛空艇を前に詰めれるって事だね」

ホムンクルス「目印を書いておきましょう…」スタ

女海賊「ホムちゃん疲れて無い?」

ホムンクルス「大丈夫ですよ?」

女海賊「次は船底で重労働なんだ…石を運ぶんだけど…」

ホムンクルス「体を鍛えて居ますので頑張ります」

女海賊「ほんじゃ次行こっかぁ!!」スタ


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『船底』


ギシ ググググ


女海賊「あぁぁ…やっぱ船底は湿度が高くて不快だわ…」ムシムシ

ホムンクルス「寝苦しくなりそうですね…」

女海賊「私ちょっと空気通す工夫してくるからホムちゃんは石を運んどいてくんない?」

ホムンクルス「はい…どちらへ運べば?」

女海賊「ここを10人が快適に寝られる様に改造したいのさ…この破壊の剣使って良いからさ…先ず石の凸凹を慣らして欲しい」

ホムンクルス「わかりました…」

女海賊「あんまり石を偏らせると船が傾いちゃうから気を付けて」

ホムンクルス「脇に置いてある樽は傾きの調整なのですね?」

女海賊「そそ…重りの代わりなんだ…最後はアレの置き方で調整すんの」

ホムンクルス「理解しました…私が船の復元力を最適になる様に調整します」

女海賊「お?もっと良くなるん?」

ホムンクルス「樽の移動で復元力を調整出来るようにすれば良いのです…つまり樽の置き方と動かしやすさですね」

女海賊「まぁそんな感じだね…任せるよ」

ホムンクルス「はい…」ニコ

女海賊「ほんじゃちっと金属加工してくる!」スタタタ


-------------

『夜』


ソヨソヨ…


女海賊「ふぅぅ…やっと連通管通った…これで涼しくなる」

ホムンクルス「一気に湿度が抜けましたね…」ヌリヌリ

女海賊「ホムちゃん何やってんの?」

ホムンクルス「水分が透過してくる壁面に樹脂を塗布しています…木材が腐り難くもなりますね」

女海賊「そんな樹脂なんか荷の中にあったん?」

ホムンクルス「私が作りました…」

女海賊「へぇ?…これまだ触ったらダメだよね」

ホムンクルス「はい…1日は放置した方が良いでしょう」

女海賊「ここ綺麗にするのまだ時間掛かりそうだ…ホムちゃんお腹空いてない?」

ホムンクルス「ペコペコです…」

女海賊「ジャーン!!」スポ

ホムンクルス「鶏肉ですね…」

女海賊「この肉は昼間買っといたんだ…一緒に食べよう」

ホムンクルス「喉も乾いて…」

女海賊「あるある!!ジャーーン!!」スポ

ホムンクルス「その封印の壺はとても便利ですね…」

女海賊「私何でも持ってんのさ…あれ?…ちょっと待てよ」

ホムンクルス「??」

女海賊「この壺の中に入れるんだよ…壺の中で寝りゃ良いんじゃね?」

ホムンクルス「壺の中は快適なのですか?」

女海賊「あーーーダメか…8人も入ったら暑苦しいわ…」

ホムンクルス「どこか旅の途中で寝る分には壺でも良さそうですね」

女海賊「そだね…そういう使い方にしよう」

ホムンクルス「今晩は此処で寝て行かれますか?」

女海賊「うん…」

ホムンクルス「ロープワークでハンモックを作れる様になったのです」

女海賊「おーーーイイネ!!」

ホムンクルス「快適に寝られるか試してみましょう」

女海賊「おけおけ!!なんか楽しいね」

ホムンクルス「そう言って貰えると作り甲斐があります」

女海賊「おっし!!食ってもうちょい働いたら寝るぞ!!」

ホムンクルス「はい…」ニコ


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『数日後_フィン・イッシュ街道』


ザワザワ ヒソヒソ

おい!海賊王の娘が来た…ヤベェぞ

ちぃぃ悠々と買い物して歩いてんのか

あの横でチョロチョロしてる男が有名な皮剝ぎヤローだ

後の女は取り巻きなのか?

知るか!!見つかる前に逃げんぞ…来い…


ローグ「頭ぁ…これなんかどうっすかね?」スッ

女戦士「ふむ…なかなか涼しそうだ…気に入った」

情報屋「フフ女海賊が黙って無いわね」

女戦士「別に張り合うつもりは無い…汗で気持ち悪い思いをしたくないだけだ」

ローグ「いやぁぁ頭も普段からそういう格好でお願いしやすよ」

魔女「少し露出が多い様に思うがのぅ…」

女戦士「海ではこれくらい薄い格好の方が良いのだ」

ローグ「魔女さんもあっしが選びやしょうか?」

魔女「わらわはこのままで良い…触媒を何処に入れたか分からんくなるでのぅ」

女戦士「さて…取引所へ行って商人の様子を伺うか…」

ローグ「へい!!案内しやす…」


--------------

『取引所』


ワイワイ ガヤガヤ


海賊「頭ぁ!!ごっつぁんです!!」ビシ

女戦士「調達は順調な様だな?」

海賊「へい!!今日から近隣の村まで物資運搬でごわす」

女戦士「ふむ…上手くヤレ…ところで商人はどこだ?」

海賊「先ほどまでこの辺に…」


商人「おーい!!」タッタ


ローグ「頭ぁ!!居やしたぜ?」

女戦士「商人!!様子を見に来たのだ…昨夜はどうした?」

商人「あぁ心配掛けちゃったかな…外海側へ続く道をドワーフの海賊達と一緒に整備してたのさ」

女戦士「ほう?物資の移送用か」

商人「まぁ途中で山賊に襲われない様に民兵の詰め所を作ったんだよ」

女戦士「あまり守備範囲を広げてはフィン・イッシュに迷惑が掛からんか?」

商人「協力的さ…外海側にかなり期待している様だよ…女王からは話を聞いて居ないの?」

魔女「女王は隠れ里に居る…城に居るのは政務を担当しておる側近じゃな」

商人「そうだったんだ?」

魔女「主には話して居らなんだか…3子を宿して居って静養中じゃ」

商人「ハハ道理で顔を見せない訳だ」

女戦士「それで?物資調達はどうか?」

商人「スクーナーで運べて一気に捗った…幽霊船の分は今日荷入れしたら終わりだね」

女戦士「いつでも出港出来るのだな?」

商人「そうだね…もう行く?」

女戦士「妹が幽霊船の改造をして居るのだが…まだ戻って来ん」

商人「それならスクーナーに乗って戻ったら?」

女戦士「そうするか…」

情報屋「あ…荷物を宿屋に置きっぱなしだわ」

商人「僕もさ…取りに行こうか」

ローグ「あっしが護衛に付きやす…頭と魔女さんはここで待って居て下せぇ」

女戦士「うむ…魔女…茶でも飲もう」

魔女「それは良い…」ノソノソ


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『しばらく後』


ヒソヒソ ヒソヒソ


あれが海賊王の娘?まだ若いじゃない…

おい大きな声を出すな聞こえるぞ

船は何処に隠して居るんだ?噂の幽霊船なんて見て無いぞ?

あ…こっち振り向いた…うわぁ美人なんだ…


魔女「主は有名人じゃで落ち着かんじゃろう?」

女戦士「気になぞしていない」


タッタッタ


ローグ「頭ぁ!!お待たせしやした」

女戦士「んん?何を持って居る?」

ローグ「あぁあっしらの泊ってた部屋を物色していた奴らがいやしてね?多分豪族なんで鼻を削いで来やした」

女戦士「2人分か…いつまでも持ち歩いて無いで何処かに捨てて来い…反吐が出る」

ローグ「あんま人目に付く所に捨ててもでやんすね…」

魔女「燃やせば良い…火魔法!」ボボボ

女戦士「それで何か盗まれたか?」

ローグ「勿論取り返しやしたよ…情報屋さんの書物が無くなる所でやんした」

情報屋「買ったばかりの竜宮伝説の書物よ…無くなっても大した損失では無かった」

商人「そろそろ引き際だね…ここの所君の噂を良く聞くようになったよ」

女戦士「フィン・イッシュでは何もしていないのだが…此処でも安住の場所は無いか…」

商人「まぁ悪いのは豪族さ…ある事無い事言い散らかして居るんだよ」

魔女「向こうの方にもこちらを見ている一般人が居るのぅ…」

商人「騒ぎになってしまう前に移動しようか…ここから馬車で2時間なんだ」

女戦士「そうしよう…」スック

ローグ「いやぁぁ頭の佇まい…恰好良いっすねぇ…」

女戦士「行くぞ…」スタ


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『馬車』


ゴトゴト ゴトゴト


女戦士「随分馬車が往来するな…」

商人「経済が回ってる証拠さ…港が出来たらきっとこっち側に街が出来るよ」

女戦士「この道で物資をすべて運んだか…」

商人「そうさ運ぶのも運賃が掛かってね…まぁそのお陰でお金が回ってる所もあるんだけど…」

女戦士「物資調達が難しいとは思って居たが良く木材を運びきったな…」

商人「木材は例のスクーナーを奪った川から運ぶと良いね」

女戦士「ふむ…フィン・イッシュは開拓が進めば良い貿易拠点になりそうだ」

商人「そう思うよ…今後に期待さ」

情報屋「幽霊船に木材を大量に乗せてる理由って何なの?」

女戦士「船の修理用で必須なのだ…木材が無いと長期航海は出来ない」

情報屋「そういう事だったのね…木材は全然乗って無かったわね」

女戦士「うむ…良くここまで来れたと思う」

商人「銀を大量に仕入れたのも船の修理用だね…鉄だと直ぐに錆びる」

情報屋「そういえばあなたの従士2人…いつも船を修理してた」

女戦士「そうだ…あの2人は船大工として優秀だから連れて行く」

商人「女海賊も物作りは相当優秀だよね」

女戦士「キワモノばかり作るからな…まぁ幽霊船をどれ程改造しているか楽しみではある」



--------------

『商船』


ザブン ギシ


海賊「頭ぁ!!幽霊船に戻るでがんすか?」

女戦士「そのつもりだ…一緒に乗っている者どもは何者だ?」

海賊「キャラック船に乗る船員達でがんす」

女戦士「ほう…あちらも順調に船員を増やしているか…」

商人「女狐は何処で行動しているんだろうね?」

女戦士「さぁな?」

ローグ「バックに盗賊ギルドが付いてるんであんま表には出て来んでやんすよ」

情報屋「あまりそういう事を声に出さない方が良いわ?」

ローグ「あーー口が滑っちまいやした」

海賊「そろそろ船を出すんで奥で掛けて下せぇ!」

女戦士「うむ…しかしここから見ると沖で停船している私達の船は遠いな」

商人「もう少し陸に寄れば良いんだけどね…」

情報屋「これだけ遠いからあそこで何か有ったのに気付かれないで済んだのよ」

女戦士「フフその通りだ…」

海賊「出港!」グイ バサバサ


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『幽霊船』


ギシギシ 


女戦士「海賊共!!私の従士2人に船へ戻れと伝令しろ」

海賊「へい!!…陸に戻り次第伝えるでがんす」

女戦士「さて…」ツカツカ

ローグ「気球がキャラック船の方に移動して居やすね…」

女戦士「船首が開けて見晴らしが良くなったでは無いか」

ローグ「迫撃砲も船首側に移動してるっす…」


スタスタ


アサシン「戻ったな?そろそろ出発するか?」

女戦士「まだだ…私の従士2人が乗って居ない…それよりこっちはどうだ?」

アサシン「何も起こらなくて暇をして居た所だ」

女戦士「やはり生きた者が乗って居ないとガーゴイルは襲って来んか」

アサシン「うむ…フライフィッシュには度々襲われるがな」

女戦士「よし…作戦通り行きそうだ」

アサシン「女海賊とホムンクルスが謎の改造をやっているがやらせていて良いのか?」

女戦士「謎?」

商人「何処に居るんだい?見て見たいな」

アサシン「船底で城を作っている」

商人「ハハ船の中に城か…ちょっと見て来る」ダダ


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『船底』


ギシ ググググ


おーし!!ここが岩石エリア…ほんでこっちが砂漠エリア

ここに洞窟有るからこん中に隠れれば良いんだよ…

これ動かない様にアラクネーが巣を作って?…おけおけ!よーしハチミツあげる


ホムンクルス「種撒き終わりました…後は成長魔法ですね」

女海賊「ホムちゃん魔法使えない?」

ホムンクルス「使い方が分かりません…」

女海賊「まぁ良いや…後で魔女にやって貰おう」


タッタッタ


女海賊「んん?」キョロ

商人「おぉ!!なんだココ…」

女海賊「お!?商人か!!ここは秘密基地さ」

商人「なんだ虫の楽園を作ったのか…飛空艇の中と同じだね?」

女海賊「バージョンアップしてんだって…見て見て此処!!」

商人「どれどれ?」キョロ

女海賊「石の隙間が迷路になってんのさ…今こん中でダンゴムシとワームが冒険してる」

商人「ハハ…君と言う人は…どうしてこんな子供みたいな」

女海賊「これで快適に過ごせるんだって!!ハンモックでちっと寝て見な?」

商人「これかい?」ギシ

女海賊「ソヨソヨ風吹いてんの分かる?」

商人「おぉぉぉ…涼しいね」

女海賊「雨も降らせれるんだぞ」グイ


パラパラ 


商人「え!!?どういう仕組み?」

女海賊「上の方で雨水溜まる様にしてるのさ…あとお姉ぇの剣を燭台代わりにすれば花も咲く筈なんだ」

商人「なんていうか…これ船は痛まないのかい?」

ホムンクルス「ご安心ください…木材が痛まない様に様々な処置をしています」

商人「もしかしてホムンクルスの知恵を使ってる?」

ホムンクルス「はい…この空間で光と水があれば生態系が維持できます」

女海賊「そういう事なんだって…ここで虫と遊んでたらずっと飽きないで居られるんだ」

商人「土も砂も全部自分で運んだの?」

女海賊「そだよ?てか商人は一人で来たん?」

商人「いやいや君が帰って来ないから皆戻って来たんだ」

女海賊「おおおお!!ほんじゃ魔女も居るね?」

商人「うん…居室に入って行ったかな」

女海賊「ちっと呼んで来るわ…」スタタタ ピューーー


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『船尾楼_飛空艇』


ツカツカ


女戦士「なるほど…船尾楼の後方に飛空艇を着陸出来るようにしたか…」

アサシン「私のアイデアだ…不要な時は畳める様にもなって居るぞ?」

女戦士「それで気球1台をキャラック船に移したか…」

アサシン「まずかったか?」

女戦士「いや…前方が視認し難くて邪魔だった…あの気球はキャラック船で使うが良い」

アサシン「女海賊は高波を遮る何かを置いた方が良いと言って居たが…」

女戦士「小舟の置き方を変更しよう…小舟を屋根にすれば良い…それで海へ転落するリスクも減るだろう」

アサシン「図か何かを書いてくれればゾンビ共にやらせるぞ」

女戦士「分かった…後で書いておく」


ドタドタ


女海賊「あ!!お姉ぇ!!ちょ…どうしたんその格好…」ジロジロ

女戦士「涼しい方が良いと思ってな?」

女海賊「ええええ…なんかズルいなぁ…私も着替えたい」

女戦士「ローグが何着か私の着替えを買ってきている…選んで着ても良いぞ」

女海賊「マジか!!あ…ヤバ目的忘れる所だった…」

女戦士「忙しそうだな?」

女海賊「エクスカリバー借りに来たのさ…ちょい貸して」

女戦士「ふむ…持って行け」スッ

女海賊「よーし!!後は魔女だ!!」スタタタ ピューーー

アサシン「フフ…ずっとあの調子で走り回っているのだ」

女戦士「気持ちを紛らわせているのだ…察してやってくれ」


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『船底』


ドタドタ


女海賊「ほい!!約束のリンゴ!!」スポ

魔女「仕方無いのぅ…成長させるのは花だけじゃぞ?」パク シャクシャク

女海賊「バナナもあるよ?」スポ

魔女「わらわを買収する気か…」

女海賊「良いじゃん!!イチゴも育てたいんだ」

魔女「では花とイチゴだけじゃ!!イチゴはわらわも頂くでのぅ」

女海賊「おけおけ!!ほんじゃ雨降らすよ」グイ


パラパラ


魔女「成長魔法!成長魔法!成長魔法!」ニョキニョキ

女海賊「よーし!!ミツバチ来い!!」ブーン

魔女「ふぅ…下手に成長魔法を使うと船を壊すかも知れんでこれっきりじゃぞ」パク モグ

女海賊「魔女?そこのハンモックで横になってみ?」

魔女「ふむ…主がこさえたのかえ?」ノソノソ ギシ

女海賊「ホムちゃんが作ってくれたんだけどメッチャ寝心地良いさ」

魔女「確かに…そうじゃな…あと鈴の音を聞きながらうたた寝しても良いのぅ」

女海賊「おおおお!!ソレだ!!」スタタタ ピューーー

魔女「エクスカリバーの光も心地良いな…」ウトウト

ホムンクルス「すぅ…すぅ…」zzz


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『夕方』


ザブ~ン ギシギシ


ローグ「頭ぁ!!ドワーフの従士2人が到着しやした」

女戦士「そうか…いよいよだな」

アサシン「既に覚悟は出来て居るぞ?」

女戦士「さて…誰も帰って来た事の無い海へ…」

ローグ「頭ぁ…ロマンっす」プルプル

女戦士「船出だ!!碇を上げて帆を張れ!!」ビシ

アサシン「ゾンビ共…我に従え…」フリフリ


ゾンビ共「ヴヴヴヴヴ…アガガガガ‥‥グルル」ズルズル


ローグ「なーんかキレが無いでやんすね…」

アサシン「クックック…ゾンビ共はノロい…まぁゆっくり行くぞ」

女戦士「さてこれから船の操舵はアサシンに任せる」

アサシン「船長室は私の個室で構わんな?」

女戦士「良いだろう…だが望遠鏡には触るな?」

アサシン「興味が無い…お前達は船底で休んで居ても良いぞ?」

女戦士「まぁそう言うな…暇つぶしがてら航海も楽しむつもりだ」

ローグ「なーんか…これが陸地を見る最後かも知れんのですが…船出があまりにノロくて台無しでやんす」

女戦士「陸地を見る最後か…」

ローグ「あっしは覚悟してるんすよ…この幽霊船をその後誰も見たことは無い…って語り継がれるんす」

女戦士「フフ…」

ローグ「頭もそのつもりで海賊達を船から降ろしたんすよね?」

女戦士「死ぬつもりは無い…今からが始まりだ…まだ見ぬ世界へ行く!!」

ローグ「うひょーーーそれっす!!それがロマンでやんす」

女戦士「船底に居る者を呼んで来い…船出だとな?」

ローグ「へい!!」


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 海賊王の娘編

   完







『夕日』


ザブ~ン ユラ~リ ギシ


魔女「折角寝付いた所じゃったのにな…」ブツブツ

情報屋「この船が帆を全部開くのは初めて見た…」

女戦士「いつも気球が邪魔をして居たからな…」

魔女「行先は夕日の向こうかえ?」

情報屋「そうね…少し進路を北に変えてだけど」

魔女「どの位で到着しそうなのじゃ?」

女戦士「順風にずっと乗って居れば6日程の距離の筈だ…まぁ普通に行けば10日前後…」

魔女「巨大な狭間でどれほど迷うかじゃな…」

女戦士「アサシン!クジラが案内してくれると言う話はどうなって居る?」

アサシン「何の話だ?」

女戦士「あぁ…あれはホムンクルスとの話だったか」

魔女「ホムンクルスは寝て居ったぞよ?」

女戦士「もしかして…寝ずに船底を改造して居たか?」

アサシン「行って見るが良い…樽の配置もすべて変わって居る」

女戦士「そうだったか…では静かにしておいた方が良かろう」


ドタドタ


女海賊「ちょっとちゃんとそっち持って!!」ヨタヨタ

商人「足元が見えないんだよ…」ヨタヨタ

女戦士「んん?何をして居る?」

女海賊「居室の家具を運んでるのさ…本棚とか必要じゃん?」

女戦士「お前は船出に気付いて居ないのか?」

女海賊「知ってるさ…ちっと忙しいんだ…商人行くよ!!」ヨタヨタ

アサシン「クックック…図太い女だ…まぁずっとあの調子だ」


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『夜』


ピカーーーーー


女戦士「それが光の石専用の燭台か…」

アサシン「うむ…女海賊が作った物だ…夜間はこれでガーゴイルは寄って来ん」

ローグ「なーんか戦闘になりそうに無いっすね…」

女戦士「そうだな…私達も家具の移動を手伝うか」

情報屋「書物を移動させたいわ」

女戦士「手分けして運ぼう…」スタ

アサシン「こちらは任せて貰って良いぞ?…むしろお前達が船底に居た方が平和だ」


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『船底』


ガサゴソ


海賊「ここが俺達の寝床でがんすか?」

女海賊「そそ…部屋とか区分けして無いから適当にハンモック使って」

商人「…この本棚どこに置く?」

女海賊「これ倒れると危ないから階段の横に置いて釘打っちゃうわ」

商人「おけおけ…よいしょ!」ドスン


ドタドタ


女戦士「おぉ…随分変わったな…」キョロ

情報屋「あら?居室より環境良さそうじゃない…」キョロ

女海賊「奥の方は虫の楽園だからあんま行かないで」

情報屋「また虫を連れて来てるのね…」

女海賊「この階段の周辺にテーブルとイス置いて居室代わりにする予定」

ローグ「テーブル持って来やしたぜ?よいしょ!!」ドスン

女海賊「良いね良いね!!」

女戦士「なるほど魔女が眠たくなる訳だ…」

女海賊「あと任せて良いかな?私も眠たいんだよ…」

ローグ「良いっすよ…あっしらが残りを運んでおきやす…ちっと休んで下せぇ」

女海賊「おっし!!ワーム集まれぇ!!へそのゴマ掃除しろぉ!!」スタタタ

魔女「…」チラ

情報屋「…」コクリ

魔女「あれがあ奴の水浴び替わりじゃ…」

情報屋「分かって居るわ…どこかで綺麗にしてあげましょう」


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ググググ ギィィィ


情報屋「この木が軋む音がアレだけれど…中々過ごしやすわね」

女戦士「うむ…不思議な感覚だ」キョロ


カサカサ カサカサカサ


女戦士「アラクネーの子供か…」

情報屋「分かったわ…この不思議な安心感は虫が怯えて居ないのでは?」

魔女「恐らくその通りじゃ…地に足を付けて居る安心感は虫から来て居りそうじゃ」

女戦士「良く見ると他の虫もあちらこちらに居る…」

魔女「踏みつけぬ様にせねばのぅ」

女戦士「なんだか眠たくなるな…」

情報屋「私も読書が捗る…」

魔女「何の書物じゃ?」

情報屋「竜宮伝説よ…亀に乗って竜宮に行ったとか…人魚に出会ったとか…」

魔女「読み終えたらわらわにも貸しておくれ…」

情報屋「分かったわ…」

魔女「竜宮のぅ…竜王でも住んで居ったのじゃろうか?」

情報屋「ニライカナイの伝説とは別なんだけれど共通する事も多くて今調べてるのよ」

魔女「共通とは何じゃ?」

情報屋「どちらもいつの時代の事なのかハッキリしない…海の向こう…島に城が存在する…色々ね」

魔女「つまり伝えられた場所が違うだけじゃという事か?」

情報屋「それもなんとも言えないわ…あと一つ未来君の壁画も有るでしょう?」

魔女「そうじゃったな…」

情報屋「謎解きをするのはワクワクするわ」

魔女「うむむ…わらわも気になって来たでは無いか…死者が集う理想郷とは何じゃろうのぅ?」

情報屋「それはニライカナイの言い伝えね…多分そこに天国に繋がる何かが有ったと思うわ」

魔女「ふむ…」

情報屋「それで竜宮伝説の方では天国に行く事を拒んだ物語…その代償として命を吸われた…そんなお話なの」

魔女「命を吸われたとな?…フム…」トーイメ

情報屋「何か気になったかしら?」

魔女「呪術の代償は人の魂なのじゃ…もしやと思うてのぅ…」

情報屋「代償?…他の魔法で言う触媒の代わりと言う事ね?」

魔女「実はのぅ…呪術の殆どは危険が過ぎる故シン・リーンでは禁呪に指定しておるのじゃ」

魔女「故に研究が進んで居らぬ…呪いを祓う術を考えておく必要が有りそうじゃ」

情報屋「そう言えば超古代文明には大体呪いが付き物ね」

魔女「呪い…うーむ…つり合う代償…対価…まさかのぅ…」ブツブツ

情報屋「フフ…調べ物には困ら無さそうね」


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『翌朝_デッキ』


ザブ~ン ユラ~


女戦士「すっかり寝てしまった…昨夜は何も?」

アサシン「クックック…何も起きん」

女戦士「太陽が出ているな…まだ狭間には入って居ないか」

商人「お~い!!おはよ~う!!」ノシ

女戦士「見張り塔に登って居るのは商人か…」

商人「イルカの群れから離れて行ってる…少し右だよ」

女戦士「イルカ?」

アサシン「そうだ…イルカの後を付いて行っている」

女戦士「そうか案内してもらっている訳か」

アサシン「たまたま行く方向が同じだけかも知れんがな?」

女戦士「操舵がアサシンで見張りは商人か…ベストマッチだ」

アサシン「私も一人では寂しくてな…話し相手が居るだけで随分気が紛れる」

女戦士「妖精はどうした?」

アサシン「妖精とは込み入った話が出来ん」

女戦士「なるほど…」


タッタッタ


ローグ「頭ぁ!!食事でやんす!!」スッ

女戦士「おぅ済まんな…パンとチーズか…」モグ

ローグ「船底が気持ち良すぎるもんでみんな籠りっきりでやんすね…」

女戦士「少し体を動かすように言って来てくれ」

ローグ「へい!!」


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『甲板』


ユラリ ギシ


ローグ「…まず体の体裁きでやんす…あっしの背中にタッチできたらホムンクルスさんの勝ちでやんす」

ホムンクルス「はい…わかりました」

ローグ「間違って海に落ちんでくだせぇよ?」

ホムンクルス「行きます…」スタタ

ローグ「全然遅いっすねぇ…」ヒラリ

ホムンクルス「…」スタタ

ローグ「目で狙ってる方向が分かっちまいやす…」ヒラリ

ホムンクルス「目…ですか…」

ローグ「相手の動きをもっと五感を使って察知するんす…そしたら目は瞑っても大丈夫っす」

ホムンクルス「分かりました…」スッ

ローグ「あいやいや…いきなり目を瞑っても海に落ちちまいやすぜ?」

ホムンクルス「隙有り!…」スタタ

ローグ「おっとぉ!!」ヒラリ

ホムンクルス「…」ジーー

ローグ「うはは…そういう駆け引きっすね?そんならあっしも本気で行きやすぜ?」

ホムンクルス「あ!!忘れていました…」クルリ

ローグ「ぬふふふ…その手は食いやせんぜ?」

ホムンクルス「えい!!…」スタタ

ローグ「全然ダメ…ナハハハハハハ」ヒラリ


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『デッキ』


アサシン「ホムンクルスは中々体幹が良くなってきていそうだな」

女戦士「うむ…毎日トレーニングを欠かさんらしい」

アサシン「今までとは違う様だ」

女戦士「少し動けるだけで身を守る事も出来るだろう」


ドタドタ


女海賊「お姉ぇ!!どっかに敵居ない?」

女戦士「昼間にそうそう敵なぞ居る物か…顔は洗ったか?」

女海賊「情報屋に汚いって言われて全身洗われたよ…そんな事よりコレ試したいのさ」スッ

女戦士「ん?砲弾?」

女海賊「ホムちゃんに教えて貰ったのさ…私が使ってる特殊弾倉ってさ…榴弾砲って言うらしい」

女戦士「ふむ…それの迫撃砲用か?」

女海賊「そうそう…命中したら爆発すんだよ…どんなもんか試してみたい訳さ」

女戦士「残念だがそれを使う敵が海に居るとは思えん」

女海賊「ぬぁぁぁなんか消化不良だなぁ…」

女戦士「火薬の量で爆発の程度は予測出来るだろう」

女海賊「それは分かるんだけど中に要らん鉄くずとか一緒に入れてるのさ…そこ工夫できそうじゃん?」

女戦士「まぁ又の機会だな…豪族と出会った時用に残して置け」

女海賊「あ~あ…楽しみ無くなっちゃったわ…アレレ?」アーングリ

女戦士「んん?」

女海賊「ロック鳥飛んでるわ…あいつらまだ付いて来てんだな」

女戦士「本当だな…」

女海賊「こっから先は羽休める場所無いのにどうすんだろ?」

女戦士「羽休めの場所が何処かにあるという事では無いか?」

女海賊「なる…」

アサシン「ふむ…ロック鳥も私達を案内して居るのかも知れんな」

女海賊「ほ~ん…まぁ良いや…ホムちゃんと遊んでこよーっと!」スタタ


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『甲板』


シュルシュル スタ


女海賊「おっとぉ!!商人あんた…その鍵爪まだ使ってたんだ」

商人「あぁコレね…ロープ伝うのにこれより便利な物無いよ」

ローグ「皆さんも体動かしに来たでやんすか?」

商人「上から見てて面白そうだと思ってね…ホムンクルスの動きが良くなっててビックリさ」

ホムンクルス「まだ背中を触れていません…はぁはぁ」

ローグ「商人さんなら丁度良いかもしれやせんぜ?」

女海賊「お?良いねぇ…やってみ?」

商人「ようし!!来い!!ホムンクルス」

ホムンクルス「はい…」スタタ パチン

商人「あれ?」

女海賊「なんだ商人!いきなり触られてんじゃん!!」

商人「そうか…上から見た感じ遅く見えたけど実際目の前にすると意外と早いんだね…」

ホムンクルス「もう一度!!」スタタ

商人「おっとぉ!!」ヒラリ

ローグ「今度は背中の触り合いでどうっすか?」

商人「ようし!!僕だって負けないぞ!!」ダダ パチン

ホムンクルス「あ…」

ローグ「こら良い相手が出て来やしたねぇ…続けて練習するでやんすよ」

ホムンクルス「はい…」ソローリ ソローリ スタタ

商人「ほっ!!」ヒラリ

女海賊「ちょいローグ!!私とやるよ!!」

ローグ「ええ!?姉さんとっすか…」

女海賊「何?」

ローグ「姉さんは勝つまで終わらんですよね…」

女海賊「はぁ?何言ってんのさ!!勝つに決まってんじゃん!!」パシュ シュルシュル バチン!!

ローグ「あだっ!!いたたた…それ使うんすか…」

女海賊「悪い?本気でやるんだよ」

ローグ「ほんじゃあっしも本気出しやすぜ?」スチャ

女海賊「来い!!」


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『デッキ』


パシュン シュルシュル


女戦士「ほう?面白い事をやって居るな…」

アサシン「海に落ちる事を考えんのか?」

女戦士「落ちても戻れる自信があるから出来る事だ…ローグも手を拱いて居る」

アサシン「帆下駄から落ちるのでは無いかと見て居られん」


ローグ「とりゃぁぁ捕まえた!!」バチン


女海賊「あぁぁぁ…」ピュー バキバキ ドッスーン!!

ローグ「姉さん…大丈夫っすか?」

女海賊「てててて…うわヤッバ…甲板に穴空いたじゃん…」

ローグ「姉さんは砲弾より重いっすからね…」

女海賊「怒られる前に修理するぞ!!」スタタタ

ローグ「へい!!」ダダ


女戦士「敵と戦う前に船を壊したか…ヤレヤレ」

アサシン「アレを続けさせては船が持たんぞ…」

女戦士「まぁ船の弱い場所が分かったから良い…修理して補強すれば前より良くなる」

アサシン「フフ私達もやって見るか?」

女戦士「お前とか?」

アサシン「いつだったかお前に完敗した夢を見た事が有る…リベンジだ」

女戦士「フフ良し!!やってやろうじゃ無いか…来い」


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『甲板』


トンテンカン トンテンカン


女戦士「手すりはすべて強度が足りん!!補強して直せ」

海賊「がってん!!」トンテンカン


ローグ「あいやいや…向こうもかなり派手に壊しやしたね…」

女海賊「お姉ぇもメッチャ重いからさ…しょうがないんだって」

商人「これでドワーフの船がどうしてゴツゴツしてるか良く分かった」

女海賊「あんま補強し過ぎると転覆しやすくなるんだけどね…」

ローグ「商人さんはホムンクルスさんと勝負つきやした?」

商人「五分五分さ…あんなに動けるとは思わなかったよ」

女海賊「おーし!!マッスル系ホムちゃんもなかなか良いね…次武器の使い方だね」

ローグ「あっしがダガーの使い方を教えやすぜ?」

女海賊「おけおけ…まずダガーのメンテナンスの仕方からだね」

ローグ「そーっすね…ミスリルダガーの研ぎから教えやしょうか」

女海賊「イイネ!!革砥を作って来るわ」

ローグ「お願いしやす…あっしはミスリルダガー用意しときやす」


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まぁ持ち方は順手でも逆手でも良いんすが…

逆手で持つのは相手に刃身を見せない為に使うんす…

ホムンクルスさんの場合護身で使うんで順手で持てば良いっすね

ほんで腰から抜いた時に順手になる様に練習して下せぇ


ホムンクルス「…」スチャ

ローグ「まぁそんな感じでやんす…後は相手を良く見ながら突いて使うんすが…」

ホムンクルス「…」スタタ シュッ

ローグ「背中さわる要領と同じっすね…その距離まで詰めれば狙うのは急所でやんす」


タッタッタ


女海賊「革砥を作って来たよ」ポイ

ローグ「あざーす!!ほんでダガーを普段から使ってると直ぐに切れんくなりやす…なもんで刃を研いでおくのが重要なんす」

女海賊「ちょい見せてあげてよ」

ローグ「見ててくだせぇ…」シュッシュッ

ホムンクルス「はい…理解しました」

ローグ「これ何か切りながらやらんと研ぎ具合が分からんすね…」

女海賊「あるある!!」スポ

ローグ「魚?」

女海賊「なんか甲板に落ちてたやつ拾ったのさ」

ローグ「鱗で刃が傷みやすいんすが…まぁこれ裁いて切れ味確認して下せぇ」

ホムンクルス「はい…」グサ

ローグ「あいやいや…まず料理用に細かくしやしょうか」

女海賊「お!!鍋持って来るわ…そいつでスープ作ろう」

ローグ「良いっすねぇ…ホムンクルスさんは料理用でダガー使える様になれば良いでやんす」

女海賊「ちっとコレも切っといて」スポ スポ


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--------------

『船底』


ググググ ギギー


魔女「情報屋…ちとこれを見てみぃ…」

情報屋「聖書?」

魔女「うむ…主から貰った聖書じゃ…ここにエデンの園が記されて居るじゃろう」

情報屋「神々の楽園ね?それが?」

魔女「此処じゃ…」

情報屋「神殿に…器?」

魔女「うむ…器に水が満たされておろう…」

情報屋「そうね…」

魔女「そしてニライカナイの伝説にも同じ器が記されて居る…」

情報屋「あら気付かなかったわ…」

魔女「神殿も似たような構成じゃ…もしかするとニライカナイはエデンの園かも知れんぞよ?」

情報屋「エデンの園があったとされる場所はメソポタミアの地…随分遠いわ…」

魔女「盗賊はニライカナイは浮島じゃと言うて居った」

情報屋「もしかしてそこは天空の城だった?」

魔女「主の話では超古代にバベルの塔を築き天に住む神を激怒させたそうじゃな?」

情報屋「本当に天に有ったと…」

魔女「重力魔法なら可能じゃ…主に見せたであろう」

情報屋「あぁぁダメ…ゾクゾクが止まらない…」

魔女「天空の城はまぁ良いとして…その器に入っている水じゃ…これは命の水では無いかえ?」

情報屋「確かに…そう考えても良さそうね…」

魔女「何故そこに命の水が器に入って居ると思う?」

情報屋「…どうして…かしら?」

魔女「エデンの園は人間にとっては天国と言われて居るが…魂がそこに行ってどうなるのじゃ?」

情報屋「まさか命の水に?」

魔女「今となってはわらわはそうなって居るとしか思えぬ…そしてそれが人間に掛けられ呪いでは無いか?」

情報屋「それって魂を神に搾取されているという事じゃない…」

魔女「それじゃ!…未来はそれを知ったのではなかろうか…じゃからニライカナイを封じた」

情報屋「ちょっと待って…アサシンは妹が海の向こうに居る気がするって…」

魔女「あ奴は勘が良い…何も知らんじゃろうが感じて居るのやも知れぬ」

情報屋「待って待って…ちょっと整理させて…」

魔女「魔王となったエンキとエンリルは何故命の泉を魔槍ロンギヌスで汚したのじゃろうか…」

魔女「神に搾取される魂の絶対数を減らしたのでは無いかえ?」

情報屋「…魂の奪い合いと言う事?」

魔女「憎悪に満ちた魂は天に昇らぬ…黄泉へ行きやがて深淵に落ちるそうじゃ」

情報屋「深淵に落ちた魂が魔王の一部となる…天に昇った魂は命の水に姿を変える…命の水って…一体何?…」

魔女「神のみぞ知るじゃな…じゃがわらわ達は今神々の戦いの真っ只中に居ると思えてならぬ」

情報屋「私達人間はリリスが生んだリリンの末裔…つまり魔王の子孫」

魔女「そうじゃ…アサシンが言うて居ったのじゃが魔王を滅した者が魔王となると言う…そして今天空の城を目指して居る」

情報屋「私達が魔王…これが神々の戦い…そう言いたいのね?」

魔女「そういう定めやも知れんのぅ…」トーイメ


--------------

--------------

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魔女「何故そこに命の水が器に入って居ると思う?」

情報屋「…どうして…かしら?」

魔女「エデンの園は人間にとっては天国と言われて居るが…魂がそこに行ってどうなるのじゃ?」

情報屋「まさか命の水に?」

魔女「今となってはわらわはそうなって居るとしか思えぬ…そしてそれが人間に掛けられ呪いでは無いか?」

情報屋「それって魂を神に搾取されているという事じゃない…」

魔女「それじゃ!…未来はそれを知ったのではなかろうか…じゃからニライカナイを封じた」

情報屋「ちょっと待って…アサシンは妹が海の向こうに居る気がするって…」

魔女「あ奴は勘が良い…何も知らんじゃろうが感じて居るのやも知れぬ」

情報屋「待って待って…ちょっと整理させて…」

魔女「魔王となったエンキとエンリルは何故命の泉を魔槍ロンギヌスで汚したのじゃろうか…」

魔女「神に搾取される魂の絶対数を減らしたのでは無いかえ?」

情報屋「…魂の奪い合いと言う事?」

魔女「憎悪に満ちた魂は天に昇らぬ…黄泉へ行きやがて深淵に落ちるそうじゃ」

情報屋「深淵に落ちた魂が魔王の一部となる…天に昇った魂は命の水に姿を変える…命の水って…一体何?…」

魔女「神のみぞ知るじゃな…じゃがわらわ達は今神々の戦いの真っ只中に居ると思えてならぬ」

情報屋「私達人間はリリスが生んだリリンの末裔…つまり魔王の子孫」

魔女「そうじゃ…アサシンが言うて居ったのじゃが魔王を滅した者が魔王となると言う…そして今天空の城を目指して居る」

情報屋「私達が魔王…これが神々の戦い…そう言いたいのね?」

魔女「そういう定めやも知れんのぅ…」トーイメ


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『夕方』


ユラ~リ ググググ


女戦士「風が強くなって来たな…荒れる前に帆を畳んでおいた方が良い」

アサシン「分かった…」フリフリ

女戦士「大きな嵐では無いが…これから雨が降る」

アサシン「さすが海が長いと分かるのだな?」

女戦士「匂いだな…」

ローグ「頭ぁ!!潮目が変わりやしたぜ?」ダダ

女戦士「分かっている…荒れるから高波に備えろ」

ローグ「荷の固縛を確認して来やす!!」

女戦士「任せる…」

アサシン「この様子では今晩は忙しくなるな…舵は直進で固定するぞ?」

女戦士「それで良い…海に落ちん様に命綱を付けておけよ?」

アサシン「お前もな?」


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『高波』


ググググ ザブ~ン ドバーーーー


ローグ「あいやいや…ちっと進行方向変えやせんか?波に突っ込んでいやすぜ?」

女戦士「アサシン…波に対して斜めに乗り上げろ…船首を突っ込ませるな」

アサシン「済まんな…超えられると思って居た」

女戦士「今は荷が満載状態で高波に潜り込みやすい…この程度で転覆する事は無いが…」

ローグ「なんか船首の方に大きな魚が乗り上げやしたね…」

女戦士「放って置け…ガーゴイルに備えろ」

ローグ「へい!!」

女戦士「商人!!見張り台は大きく振られるからこっちへ降りて来い…転落するぞ!!」

商人「分かったぁ~~!!」シュルシュル スタ


ポツ ポツポツ…


女戦士「やはり雨も降って来たか…」

商人「視界悪くなるね…」

アサシン「今晩は私と商人の2人でデッキ上で警戒だな」

商人「まぁ2人でプラズマの銃なら余程大丈夫さ」


女海賊「うわわわ…ちょちょ何コイツ!!ちょいホムちゃんこっち!!」ドタドタ


女戦士「んん?どうした?」

女海賊「船首にある小舟の下になんか変な魚居るんだけど」

女戦士「放って置け!!」

女海賊「ちょちょ…足生えてんだって!!めっちゃキモイ!!」

女戦士「何!!?マーマンが乗り上げたのか!!魚人だ!!ローグ!!蹴り落として来い!!」

ローグ「あららら厄介なのが…」ダダ


ツルッ…


ローグ「どわぁぁぁ…」ゴロゴロゴロ ドターン

女海賊「…」ポカーン

ホムンクルス「ぁ…大丈夫でしょうか?」

ローグ「あたたたた…誰っすかねぇバナナの皮を捨てたのは…あ痛ぁぁぁ!!」スリスリ

女海賊「むぐっ…ぷぷぷ」プルプル

女戦士「何をしている!!マーマンは2匹居るでは無いか!!」

ローグ「ええ!?」スック


マーマン「ギョギョ!!?」ビチビチ バタバタ


女海賊「うわ…なんか自分で立てないで暴れてる…何アレ!!キモイ!!」

ローグ「姉さん…マーマンに近付かんで下せぇ…ヌルヌルの体液で足元ツルッツルになるんす…」チャキリ

女海賊「ちょ…アレはクロスボウで倒すん?」

ローグ「追い払えりゃ良いんすが…」ダン!


マーマン「ギョ!?」ヌルリン!


ローグ「だぁぁぁやっぱヌルヌルでボルトが刺さらんでやんすね…」

女海賊「そんなんアリ?」チャキリ

ローグ「いやいやいや待って下せぇ!!」

女海賊「何さ!!」

ローグ「姉さんの特殊弾は爆発しやすよね?ソレ船を壊しちまいやす」

女海賊「ええ!!マジか…どうすんの!!?」

ローグ「仕方ないっす…ワイヤー使って船から落ちん様にして接近して蹴り落としやしょう」

女海賊「おっし!!私右!!あんた左!!」

ローグ「分かりやした!!行きやすぜ?」ダダ


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『デッキ』


ザブ~ン ザバザバ


女戦士「船に乗り込んだ敵にプラズマの銃は使うな?」

商人「これどうする?」

女戦士「追い散らせば良いのだが…」

商人「マーマンもツルツル滑って動けて居ないよね…」

女戦士「今の内に魔女を呼んで来い…凍らせればなんとかなる」

商人「そういう事か…呼んで来る!!」タッタッタ

アサシン「初めて見たが…なんだこの敵は…」

女戦士「笑いごとでは無いぞ?マーマンは群れで行動する…つまり海の下はマーマンだらけだ」

アサシン「暴れて居るだけで襲って来る様には見えんな…」

女戦士「アレの知能は魚と同じ…捕食する気になれば襲って来るぞ?」

アサシン「…」アゼン


ドタバタ ルツリン! ドテ! バタバタ!


女戦士「…」

アサシン「こ…これは…」

女戦士「そういう敵だと理解しろ…」

アサシン「お互いツルツルで立ち上がれず戦いになって居ないのだが…」

女戦士「だからそういう敵なのだ…」


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『船首』


ツルツル ドターン


女海賊「んむむむ…」プルプル

ローグ「姉さん…なんとか立って下せぇ!!」プルプル


マーマン「ギョギョギョ!!」ビチビチ バタバタ


女海賊「だぁぁぁ!!」ツル ドターン ツルツルツル

ローグ「あっしが一発当てやす!!」ブン ヌルリン

女海賊「ちょ!!こいつどうすりゃ良いのさ!!」ヌル ドテ

ローグ「なんとか蹴とばして海へ突き落せば…」プルプル

女海賊「くっそコイツ!!至近距離で撃ってやる!!」チャキリ

ローグ「だぁぁぁその位置じゃあっしに当たりやす!!」


ピシピシ カキーン!


女海賊「凍った!?」

魔女「今じゃ!!氷を砕けぃ!!」

ローグ「姉さん!!あっしが撃ちやす!!」チャキ ダン!


パリーン! バラバラ


女海賊「おぉ!!」

魔女「もう一匹凍らせるでそこを動くな…氷結魔法!」ピシピシ カキーン

ローグ「どらぁ!!」ダン! パリーン!

女海賊「ちょいローグ!!このヌルヌル集めるから空き樽持って来て!!」

ローグ「ええ!?姉さん…あなたって人は…」

女海賊「ヌルヌル爆弾作るわ…これメッチャ使えるぞ」


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『デッキ』


ザザーー


女戦士「ホムンクルス!甲板では波にさらわれるかも知れんからこっちに上がって来い」

ホムンクルス「はい…」スタスタ

女戦士「雨が強くなって来たな…」

ホムンクルス「私は何をすれば良いのでしょう?」

女戦士「雨に濡れても良いのであれば2連クロスボウを持って此処で待機だ」

ホムンクルス「分かりました…」スタ

魔女「今晩は忙しくなるかのぅ?」

女戦士「うむ…ガーゴイル以外に海の魔物も注意する必要がありそうだ」

魔女「マーマンとはまた珍しい魔物に出会うたのぅ」

女戦士「温かい海ではたまに出くわす…見ての通りただ厄介な魔物…」

魔女「放置してはイカンのか?」

女戦士「仲間を呼んでしまうから出来るだけ早く海へ落とすのが最善だな」

アサシン「アレが増えるのか…」

女戦士「もう船首の方は足元が滑って何も出来んぞ?」

魔女「なるほど厄介な魔物じゃ」

商人「女海賊が掃除を始めてるね」

女戦士「ふむ…妹にしては正しい判断…やらせておくのだ」

商人「手伝わなくて良いかい?」

女戦士「商人は上空を警戒してくれ…プラズマの銃が要だ」

アサシン「上だけじゃ無いぞ…右舷方向を見ろ」

女戦士「んん?何かいるか?」

アサシン「たまに首だけ少し見える…恐らくシーサーペントだ」

女戦士「この船に上がって来る事は無いが…高波と一緒に乗り上げる可能性は在りそうだな…」

アサシン「その場合プラズマの銃が撃てん…先に殺しておくべきだ」

女戦士「確かに…狙えるか?」

商人「分かった…そっちも見て置く」


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『船首』


ボトボト デローーン


女海賊「うわぁ…鼻水よりデロデロだ…」ヌルリ

ローグ「姉さん…これ樽になかなか入らんのですが…」デローン

女海賊「これさ…体に塗っときゃ剣とか全部スカるんじゃね?」

ローグ「気持ち悪く無いんすか?」

女海賊「もうヌルヌルで気持ち悪い通り越して気持ち良いさ…」

ローグ「なかなか落ちんすよ?このヌルヌル…」

女海賊「雨降ってんだからこすりゃその内落ちるって」

ローグ「そらそうなんすが…」

女海賊「見たさっき?マーマンも自分で立てないとか…ありえんわ」

ローグ「バタバタして居やしたねぇ…」

女海賊「アレなんかヤバイ攻撃とかしてくんの?」

ローグ「噛みつくぐらいでやんす」

女海賊「ちっこいサメみたいなもんか…」

ローグ「馬鹿に出来んすよ?腕食いちぎられやす」

女海賊「あーーーそういう系ね…」

ローグ「放って置くと厄介なんで普通は蹴とばして海へ落とすんすが…」

女海賊「船揺れてるからツルツル移動してたね…」

ローグ「もう来ないと良いっすねぇ…」

女海賊「いやいやもっとヌルヌル欲しいさ…まだ樽にちょろっとしか無いじゃん」

ローグ「姉さんは本当変な物に興味持ちやすね」

女海賊「うっさいな!!ちゃんと集めてよ!!」ベチャ デローン


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『真夜中』


ピカーーーーー チュドーーーーン!


商人「よし当たった!!」

アサシン「これでシーサーペントは全部倒したな?」

商人「その筈…」

女戦士「雨脚が弱まって来た…そろそろ落ち着く筈だ」

ホムンクルス「また船首にマーマンが飛び込んで…」

魔女「氷結魔法!」ピシピシ カキーン

ホムンクルス「撃ちます!!」バシュン! パリーン!

女戦士「高波でも無いのに何故マーマンが飛び込んで来ると言うのだ?」ダダ

アサシン「女海賊が何かやって居ないか?」

女戦士「あいつ…どうにかして釣っているな?あの馬鹿者め…直ぐに止めさせろ!!」


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『船首』


ドプドプ ヌパー


女海賊「ヌフフフ…大漁大漁!!」ヌパー

ローグ「姉さん…そろそろヤバイっす…バレやすぜ?」デローン


”ザザー”

”止めんかタワケ!!お主がワイヤーでマーマンを釣り上げて居るのはバレて居る!”

”魔女!貝殻を貸せ!!女海賊!!分かって居るだろうな?尻を温めておけ!…ザザー”


ローグ「姉さん…こりゃ仕置き確定っす…」

女海賊「尻にこれ塗っとくわ…」デローン ヌリヌリ

ローグ「ちょ…」

女海賊「ちっと調子に乗り過ぎた…反省してる」

ローグ「あっしもタダじゃ済みそうに無いでやんす…」ショボン

女海賊「今度お姉ぇにお酒飲ませるからそれで勘弁して?」

ローグ「おぉ!!姉さんも悪ですなぁ…ヌフフフフ」

女海賊「ヌルヌル全部集めるぞぉ!!」ドプッ ボトボト


--------------

『恐らく明け方』


ザブ~ン グググググ 


アサシン「嵐は抜けた様だが…どうやら狭間に入ったな…」

女戦士「行先は分かるか?」

アサシン「イルカを見失った…」

商人「船底にミツバチが居るよ…案内させられる筈…」

女戦士「その前に女海賊に仕置きだ…」

商人「まぁ良いじゃ無いか…いつもの事さ」

アサシン「船首を完全に綺麗になるまで掃除させれば良かろう」

女戦士「むむむ…あの馬鹿者が…」グググ

女海賊「お姉ぇ!!」スタタ ツルツルツル ドターン

女戦士「お前良くもぬけぬけと私の目の前に来られたな…」

女海賊「あたたた…ちっとお尻ぶって見て!!」プリン

商人「アハ…」

女戦士「反省する気は有るのかぁ!!」ブン


ツルリン!!


女戦士「なっ…」ヨロ

女海賊「おぉぉぉ!!これ行けるぞ!!?」

女戦士「はぁぁぁ…怒る気も失せるな…あのヌルヌルを使う気か!」

女海賊「そうだよ!!これ超スゴイんだって!!」

商人「何々…どういう事?」

女海賊「このヌルヌルで滑って攻撃当たんないのさ…なんかで打ってみ?」

商人「ええ?良いの?」

女海賊「良いからホラ!!」プリン

商人「よーし!!」ブン


ヌルリン!!


商人「うわわわ…」ドテ

女海賊「ほらね?ヌルヌル付けてたら無敵だよ」

女戦士「呆れて開いた口が塞がらん…もう良い!イルカを見失ったからミツバチに先導させろ!」

女海賊「おけおけ!!ちっと体拭いて来るわ!!」スタタ ツルツルツル

女海賊「おととととと…あっぶ!!」

魔女「狭間に入った緊張感が全く無いのぅ…あ奴の脳みそはどうなっとるんじゃろうか…」

アサシン「クックック…毎度の事だ…気にするとキリが無い」


-------------

『連通管』


お姉ぇ!!聞こえる!!?


女戦士「うお!!何処から聞こえて来る!?」キョロ

女海賊「連通管通して船底からそっちに声届くんだって!!」

女戦士「そんな工夫までやって居たのか…」

女海賊「進路180°反対だよ…いつの間に逆向いてる」

アサシン「なんだと!?羅針盤は正しい方向を向いているぞ?」

女海賊「ほんなん知らんって…ミツバチは反対方向向いてんのさ」

女戦士「これはいきなり迷った様だな…」

女海賊「ちょい情報屋!?ミツバチの向いてる方向をこの連通管でちょいちょい報告してくれる?」

情報屋「え…えぇ…此処に向かって話せば良いのね?」

女海賊「そそ…私ちっとこのヌルヌル落として来るから後お願い」

情報屋「わかったわ…」

女海賊「ほんじゃ行って来る!!」


ドタン!! ズデ!!


女戦士「ヤレヤレ…どうにも落ち着かん妹だ…」

商人「まぁまぁ…アレでビックリ発明するんだから良いじゃ無いか」


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『半日後』


キャァァァァァ キシャーーーー


女戦士「光の石から陰になる場所でレイスがいつまでも追って来るな…」

アサシン「お前達全員船底へ行けば居なくなるが?」

女戦士「そうは言っても海の魔物がいつ現れるか分からんからな…」

商人「そんなに簡単に船へ乗り込まないでしょ?」

魔女「海の魔物は基本的に大型なのじゃ…クラーケン然り…リヴァイアサン…スキュラ…全部大型じゃな」

商人「そんな何匹も居るのかな?」

魔女「さぁのぅ…じゃがここは外海じゃ…わらわ達の常識は通用せんぞよ?」

アサシン「クラーケンに襲われてはどうにもならんな…それを心配するのも無駄な事だ」

女戦士「違うぞ…倒す力は有る筈だ…そうだろう?魔女」

魔女「う~む…自信は無いがマーマンを倒したやり方と同じじゃな」

アサシン「凍らせて砕くか…」

魔女「わらわの絶対零度と言う魔法はクラーケンをも凍らせる力がある…上手く使えば良いのじゃが…」

女戦士「とりあえず…少しでも魔物を遠ざける工夫をしよう」

商人「なにか考えが?」

女戦士「出来る事と言えば退魔の鈴をもっと増やす事だ」

魔女「ふむ…やれる事はやって置いた方が良いな」

女戦士「商人は帆下駄に上がれるな?」

商人「行けるよ」

女戦士「帆下駄の先端は退魔の方陣から外れて居そうだ…設置してきてくれ」

商人「なるほど…少しでもレイスを遠ざけたい訳ね…良いよ行って来る」

女戦士「各マストの上端もだ」

商人「おけおけ…それを言うなら居室も荷室も端っこの方に少しだけ方陣に入って居ない場所がある」

魔女「ふむ…わらわが退魔の砂銀を撒いて来よう」

商人「それだと船が揺れて動いちゃう…銀の釘を打った方が良い」

女戦士「分かった…私が行って来よう」

アサシン「静かな今の内に行って来い…ここは私とホムンクルスで見張って置く」


--------------

『甲板』


ゴシゴシ ゴシゴシ


女海賊「おが屑持って来たよ」バッサー

ローグ「全然ヌルヌル取れんでやんす…」ゴシゴシ

女海賊「あんた達もこすって!!」

海賊1「がってん!!」ゴシゴシ

海賊2「承知の助!!」ゴシゴシ

女海賊「マーマンってめっちゃ厄介な魔物だね…」ゴシゴシ

ローグ「姉さんが釣りまくるもんで甲板までヌルヌルでやんすよ」

海賊共「マーマンの群れを突っ切ったもんで船体もヌルヌルでがんす」

ローグ「誰も登って来れんっすねぇ…」

女海賊「これ一回しっかり乾かさないと永遠にヌルヌル取れなくね?」

ローグ「そーっすね…雨が止めば良いんすが…姉さんはどうやってヌルヌル取ったんすか?」ゴシゴシ

女海賊「砂の上でゴロゴロしたのさ…ほんで砂落とした」

ローグ「渇いた砂なんかそんな無いっすねぇ…熱湯をかけりゃ一発なんすが…」

女海賊「ふむ…って事は熱か…よっし!!」スタタ

ローグ「逃げんで下せぇ…姉さんもこすって下せぇ」

女海賊「秘密兵器作って来る…ちっと待ってて」

ローグ「今度は何なんすか?」

女海賊「ウラン結晶余ってんじゃん?それで蒸気作るんだよ…ほんでぶっかける」

ローグ「おぉ!!クジラの潮吹く奴っすね?」

女海賊「そそそそ!!そうだついでだからミスリルの音出る様にすっか…簡単だからすぐ作って来る!!」スタタタ ピューー


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『30分後』


どいたどいたぁ!!


女海賊「新兵器!!蒸気放射器だ!!」スチャ

ローグ「わわわわ…樽なんか背負って…」タジ

女海賊「こん中に海水入ってんのさ…クッソ熱い蒸気出るからちょいどいといて!!」チャキリ

海賊1「がってん!!」ドスドス

海賊2「危ないでごわす!!」ドスドス

女海賊「いくぞぉ!!」カチ


ボエーーーーーーーー モクモクモク


ローグ「どわちちちちち…」ダダダ

海賊1「おぉぉぉぉ!!一気にぬるみが取れたでがんす…」

女海賊「コレ結構使えそうだぞ?火炎放射器の代わりで行ける!!」カチ


ボエーーーーーーーー モクモクモク


ローグ「なーんかめっちゃ危ない武器っすね…」

女海賊「おっし!!これもう一個作るぞ!!海賊2人で使えばうちらの火力アップだ…これでヌルヌル落としといて!!」ポイ 

海賊1「がってん!!」パス

ローグ「あっしは床磨きから解放っすね…あっしもヌルヌル落として来やす…」


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--------------

『デッキ』


ボエーーーーーーー モクモクモク


女戦士「ほぅ?蒸気を放射する新しい装置を作ったか…しかもミスリルの筒を使って…」

アサシン「ふむ…火炎放射器と同程度の射程…これは船に乗り込んだ敵への有効打になるぞ?」

魔女「マーマンを凍らせず倒せそうじゃな…良い武器では無いか」

女戦士「ふむ…樽を背負う必要が有るか…」

魔女「主の従士が使う分には問題無さそうじゃ」

女戦士「この火力が有れば交代で休息しても良さそうだな」

アサシン「休める時に休め…まだ先は長い」

魔女「そうじゃな…飛空艇でニライカナイへ行った時は狭間で6日程掛かったのじゃ…この船では2週間程掛かるじゃろう」

女戦士「分かった…休むように伝えて来る」スタ


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『船底』


ググググググ ギギー


情報屋「…アダムとイヴの伝説でイヴが食べたとされる禁断の果実…」


私の想像だけれど…これがエンキに与えられた神の知識だと思うのよ…その知識と言うのがきっと文字ね

文字で書物に書き残すという事を始めてそこで得た訳…

人間はこの文字を使って後世に知識の伝搬が出来る…それこそ神に与えられた力

そうやって知識を蓄えやがて神を滅ぼすまでに至った…

私達が古代の事を知り得るのもすべて文字のお陰ね…そのお陰で何が悪なのか…何が起きて居たのかが分かる


魔女「確かにその通りやも知れんな…エルフやドワーフも…オークも文字を使わんのぅ」

情報屋「そうよ…知識の伝搬が弱いから発展できない」

魔女「文字とは違う方法で知識は残して居る様じゃが…」

情報屋「一子相伝の様な伝搬方法ではダメね…誰でもその知識を得られる様にしないと…」

魔女「ふむ…それが書物じゃ…諸事詩も同じじゃな」


そして知識を蓄え続けた人間はやがて神を超える物を作り出して行く…それが機械で作られた超高度AI

この超高度AIの中に生まれた新たな意識は神を凌駕する知識をあっという間に得てしまった


女海賊「あのさ…ちっと話戻るんだけど神ってアヌとエンキとエンリルの3人だけなん?」

情報屋「私達が知らないだけだと思うわ」

女海賊「1000人ぐらいの神は何処行っちゃったんだろね?なんで3人だけ残ってんの?」

魔女「うむむ…神のみぞ知るじゃのぅ…」

情報屋「もっと当時の壁画とか石板とか残って居れば少しは分かるかもしれないのに…」

女海賊「なんか分からん事だらけでもう神様なんかどうでも良いな…むしろ余計な事して邪魔すんなって感じ」

魔女「そうやって滅ぼされて行ったのじゃろうな」

情報屋「邪魔と言うのは?」

女海賊「アヌは裁きの神だったね?…どうせ天国行くか地獄行くか決めてんのはアヌなんじゃね?」

魔女「そうやも知れん…じゃが邪魔という答えになって居らん」

女海賊「いやいや行き先勝手に決めんなよ…私等が行きたい方に行けば良いのさ」

情報屋「フフ地獄に行きたいとでも?」

魔女「ちと待てい!!アヌが選別をして居るのか…」トーイメ

情報屋「何か気付いた?」

魔女「それがそもそもイカンのやもしれぬ…ううむ」


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『数日後』


ザブ~ン ユラ~


商人「…やっぱり島だ!!かなり大きい」

女戦士「こんなに早く見つけるだと?…ローグ!!船底に行って全員呼んで来るんだ」

ローグ「わかりやしたぁ!!」ダダ

アサシン「ミツバチが向く方向と違うがどうする?」

女戦士「ひとまず近くに寄って確認だ」

商人「飛空艇で上から確認してみたら?」

女戦士「そうだな…」

アサシン「ホムンクルスが描いた地図にも乗って居ない様だぞ?」パサ

商人「僕も見たい…見張り塔を下りるよ」シュルシュル スタ

女戦士「確かに…」

商人「ホムンクルス曰く隆起していくつか新しい陸地が出来ていると言うんだ」

女戦士「浅瀬ならまだしも海のど真ん中で一体どれ程隆起すると言うのだ」

商人「あぁぁそうか…ふむ…ホムンクルスでも確認できていない島か…確かに地図には書いて居ないなぁ…」

アサシン「島にしては大きいぞ?」

商人「うん…狭間の中だから遠くまで確認できない」

アサシン「まぁ陸地が見えて居た方が迷わんで良いが…」


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『数分後』


ドタドタ


女海賊「なんか陸地が見えたんだって?」ズイ

商人「そうだよ…ニライカナイでは無いのかい?」

女海賊「なんか全然違うなぁ…」

女戦士「飛空艇で確認に行けるか?」

女海賊「あんま離れると合流出来なくなるよ?視認出来る範囲が限界だね」

女戦士「危険か…ここで逸れては元も子もないな」

商人「長いロープで繋いでおけば?」

女海賊「ほんなん直ぐに切れるって…まぁ上に登った分もうちょい向こうまで見えるかもね」

女戦士「それでも良いから様子を見て欲しい」

女海賊「分かった…」

商人「あ!!待った待った!!上の方に行くとガーゴイル沢山居るじゃないかな?」

女海賊「あーーーそうだな…妖精の笛吹きながら行くから落ちて来るの気を付けて」

商人「その手があるか…」

女海賊「ちっと行って来るわ…」スタタ


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『その後』


ノソノソ


魔女「もう着いたんかえ?」

女戦士「どうやら違う様だ…見覚えが無いだろう?」

魔女「ふむ…入り江も朽ちた村も無いのぅ…ニライカナイでは無さそうじゃ」

商人「ホムンクルスは何か分からない?」

ホムンクルス「衛星からは大きな氷山等が確認されましたので流れて来て居るのかも知れませんね」

女戦士「何!?島が流れて来る事が有ると言うのか?」

ホムンクルス「分かりません…ですが氷山の上に乗っているとも考えられます」

商人「なるほど!!あの下には氷が有るのか」

ホムンクルス「可能性の話です」

女戦士「それ程大きな氷がこの温かい海まで流れて来る物なのか?」

商人「巨大だから溶けにくい…どう?」

情報屋「氷山は地球の遠心力で赤道付近まで流れて来る事が考えられるわ」

ホムンクルス「その通りですね…4000年前の地軸の移動時にも当時の南極大陸が一部大きく移動しています」

商人「大陸毎移動するってスゴイ事だね…」

魔女「ちと行ってみたいのぅ…」

ホムンクルス「一気に沈むかも知れませんので近寄らない方が良いかと…」


ヒューーー ドサドサ!


ローグ「うわわわ…ガーゴイルが落ちてきやした…」

女戦士「蒸気噴射器で掃除しろぉ!!」

海賊共「がってん!!」


ボエーーーーーーー モクモク


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『鯨型飛空艇』


フワフワ ドッスン


女海賊「お姉ぇ!!ダメダメ!!船の真下も氷になってる…あれくそデッカイ氷山だ」

女戦士「なるほど見えて居るのは一部だけか…アサシン!島から離れろ」

商人「向こう側は全部氷?」

女海賊「そそ…めっちゃバランス悪い形してっからいつ転がるか分かんないよ?」

商人「転がる?」

女海賊「海水に浸かってる部分がやせ細ってキノコみたいな形になってんのさ…陸地が重くてこっちに傾いてる」

商人「うわ…直ぐに離れないと…」

アサシン「遠くまで見えんと氷山だという事にも気付けんか…」


ザブーン ドドドドド


ローグ「あららら…一部崩れて…」

女戦士「直に崩壊しそうだ…早く離れるぞ」


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『快走』


ザブ~ン  ザバザバー


女海賊「又船首側が波に突っ込んじゃってる…」

女戦士「海賊共!!何か乗り上げて居ないか見て来い!!」

海賊「がってん!!」ドスドス

女海賊「お姉ぇコレ縦帆で横風受けてるだけだと船傾きすぎじゃね?」

女戦士「外海がこれほど波がうねると思って居なかった…帆装をスクーナーに改造したのはマズかったな」

アサシン「速度はかなり出て居るぞ?好し悪しだ」

女海賊「船首から甲板にかけて手すりん所に網張った方が良いわ」

女戦士「うむ…出来るか?」

女海賊「おけおけ…もうちょい揺れ収まったら張って来るわ」

女戦士「頼む…私はロープを結って来る」


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『船首』


ユラ~リ ギシ


海賊「姉さん…こんな物が乗り上げてたでがんす」

女海賊「んん?壺?」

海賊「陶器が沈まんでいつまでも海に漂ってるとは思えんでがんす」

女海賊「ああああああ!!その壺ニライカナイで見た壺じゃん!!」


ツカツカ


女戦士「網を結って持て来たぞ…」ドサリ

女海賊「お姉ぇ…ニライカナイに有った筈の壺が流れて来てる…かなり近い所まで来てるっぽい」

女戦士「想定よりもかなり早いが?」

女海賊「浮島が動いてんだよ…デカい流氷ってどっち動いてた?」

女戦士「南東方向だと思う」

女海賊「もうちょい進路南向いた方が良いな…通り過ぎそう」

女戦士「ふむ…アサシンに連絡して来よう」スタ

女海賊「ちょちょちょ…この壺を情報屋に持ってって」

女戦士「分かった…」グイ



---------------

『見張り台』


ユラ~リ ググググ


商人「右前方!!沈没船だぁ!!横を向いて流れてる!!」

女戦士「!!?」ダダダ

商人「大きいね…」

女戦士「アサシン!近くまで寄せろ」

アサシン「分かっている…」グルグル

女戦士「この船と同じ程度のガレオン船だな」

アサシン「オークが乗った船か?」

女戦士「分からん…横を向くと言う事は何処かに船底を当てて浸水した可能性が高い」

アサシン「ふむ…明日は我が身だな…速度を落とすぞ」

女戦士「それが良い…商人!!近くに岩礁が有るかもしれん!!良く見ておけ!!」

商人「分かったぁ!!」


--------------

『沈没船』


ザブン ギシギシ


ローグ「船上に乗ってる物はひっくり返って全部どっか行っちまったみたいでやんす…中を調べて来やすぜ?」

女戦士「待て…下手に船から降りると魔物に襲われ兼ねん」

女海賊「お姉ぇ!!迫撃砲一発ぶちかまして良い?どうせあの船もうダメだから」

女戦士「よし…ここから甲板を狙って穴を開けて見ろ」

女海賊「よっしゃーー!!海賊共!!手伝え!!こーーーい!!」スタタタ

海賊共「どすこい!!」ドスドス

ローグ「何処にも旗印が見当たらんでやんす…どこの船でやんすかね?」

女戦士「ガレオン船といえばフィン・イッシュしか無いだろう…」

ローグ「軍船落ちの船にしちゃなんか色々ショボイっすねぇ」


ゴロゴロ ガコン


女海賊「よーっし!!この距離なら照準は目視でおっけ!!水平射撃で真っ直ぐ行ける」

海賊共「へい!!」

女海賊「私は望遠鏡で破壊の具合見とくから合図したら撃って」

海賊共「がってん承知の助!!」

女海賊「甲板のど真ん中ね…よしよし撃てぇぇぇぇ!!」


ドコーン! チュドーーーーン パラパラ


ローグ「うほーーーーここまで破片が飛んで来やすか…」

女海賊「なぁぁぁ甲板貫通して中の方で爆発したな…爆発速度遅いわ…」ブツブツ

ローグ「いやいや大穴空きやしたぜ?十分じゃないんすか?」

女海賊「穴開けるのは一枚目で良いんだって…中まで吹っ飛ばしたら荷を奪えないじゃん」

女戦士「積み荷に何が乗っているか見えるか?」

女海賊「分かんない…全部吹っ飛んじゃったよ」

ローグ「なーんか…あんま乗って無い感じですぜ?樽が見当たらんでやんす」

女戦士「座礁して荷を下ろしたか…小舟が見当たらんあたり何処かへ逃げたな」

女海賊「ちっと砲弾改良してくるわ」スタタタ ピューー

ローグ「せめて海図とか日誌を探しに行きやせんか?」

女戦士「ダメだ!!レイスに襲われるのがオチだ…どうせ私達以上の海図なぞ持って居る者など居ない」

アサシン「船を進めるぞ?」

女戦士「うむ…」


--------------

『漂流物』


ゴン! グラーーーーー グググ


女戦士「又何かに当たったか…誰も船から落ちて居ないな?」ヨロ

アサシン「こう霧が深くては何があるか分からんな…」

女戦士「光の石を仕舞った方が見やすいか?」

アサシン「いや…あまり変わらん…まぁ微速で前進する」

女戦士「幸運にも船にマーマンのヌルみが付着してどうにかなっているな…」

アサシン「そうだな…しかし何に当たったのか…」

女戦士「商人!!何も見えんのか?」

商人「海の中は良く見えないよ…浅瀬では無いと思う…」

女戦士「確か魔女は海中に沈んだ古代都市が有るとか言って居たな…」

商人「それに引っかかってる?」

女戦士「連通管で魔女を呼び寄せる…魔女!聞こえるか?」


魔女「何用じゃ?」


女戦士「ニライカナイに近付いてると思われる…こっちに来てくれないか?」

魔女「ふむ…ちと待って居れ」

商人「そうだ!!砂銀に照明魔法を掛けて海に落として見ないかい?」

女戦士「なるほど…アサシン!下手に進むのは危険な気がする…船を止めてくれ」

アサシン「分かった…」


--------------

『浅瀬?』


ポチャン… ピカーーーー


商人「見えた!!あ…あれ?浅いぞ!!」

女戦士「何ぃ?海底都市では無いのか?」

商人「まずい…座礁しそうだ…深さ10メートル無い」

女戦士「どっちへ行けば浅瀬から離れられる?」

商人「ちょっと待って…船動いてる?」

アサシン「帆は全部畳んであるが?」

商人「あれ!?なんだ?浅瀬が動いて…る?」


ドドドド


海賊「頭ぁ!!巨大な亀でがんす!!」

商人「これが亀?…大きすぎる…」アゼン

女戦士「荒らげん様に行かせた良いな…」タジ

情報屋「竜宮伝説では亀に乗って竜宮まで行ったそうよ…案内して居るのかも知れない」

女戦士「しかしこれほど巨大では少し動いただけで渦が起きる…海中に引き込まれるぞ」

魔女「わらわは泳げぬぞ?」

商人「亀の甲羅の上に丁度光る砂銀が乗っかったよ…アレを追えば良い」

女戦士「なるほど…アサシン行けるか?」

アサシン「分かった…」


--------------

『漂流物』


ユラ~リ ギシ


女戦士「また船の残骸が流れている…どうなって居ると言うか…」

魔女「前にニライカナイへ来た時も沈没船が沢山在ってのぅ…海面が上がって流れたのじゃな」

女戦士「もう間近なのは間違い無いか…」

魔女「石化したクラーケンも在った筈なのじゃが見当たらんな…」

女戦士「障害物が多いから亀が案内して居るのかも知れんな」

魔女「ふむ…亀の後ろであれば問題無く行けそうじゃのぅ」

アサシン「しかし遅いなあの亀は…追いついてしまいそうだ」

商人「霧が薄くなってきたぁ!!」

魔女「むむ!!方陣の内側に入ったやも知れん…星は見えぬか?」

商人「上は何も見えない!!」

情報屋「見て!!正面すこし右側…明かりが見えるわ」

商人「本当だ!!あのチラつきは松明だ!!」

女戦士「ふむ…オークが上陸しているか…一応戦闘用の準備をしておくのだ」

魔女「何か有ってもわらわが睡眠魔法で眠らせるぞよ?」

女戦士「何も起きない事を祈る…」


--------------

『荷室』


ゴソゴソ


ローグ「姉さん!!ニライカナイが見えたみたいでやんす」

女海賊「マジか!!なんかめっちゃ早く到着したな…」コネコネ

ローグ「何作ってるんすか?」

女海賊「んあ?砲弾を改良するって言ったじゃん…もうちょい燃焼速度早くなるようにしてんのさ」

ローグ「そろそろ船降りる準備せんと頭に叱られやすぜ?」

女海賊「はいはい分かった分かった…まぁ10発ありゃ良いか…」ゴソゴソ

ローグ「あと多分先にオークが上陸してるっぽいでやんす」

女海賊「ほ~ん…」

ローグ「何も起こらにゃ良いんすが…」

女海賊「てかリリスも居るって皆分かってんのかな?」

ローグ「エリクサーは小分けしていやすぜ?」

女海賊「ほんじゃ皆に配っといてよ…前に来た時はエリクサー無くて石化しちゃったんだから」

ローグ「へい…姉さんも線虫を皆さんにかけて置いて下せぇ」

女海賊「はいはい…」


--------------

『デッキ』


ザブ~ン ユラ~


女戦士「商人!!オークが乗って来た船は見えんか?ここからでは確認出来ん」

商人「入り江には無さそうだよ…右も左も断崖でどこにも船を停められそうに無い」

女戦士「小舟も見当たらんのか?」

商人「無いねぇ…」

アサシン「少し様子を見てからの上陸が良さそうだな」

女戦士「明るくなればもう少し見られるのだがな…」

アサシン「光の石はどうする?光らせたままでは向こうから丸見えなのだが…」

商人「それ隠してしまうと全然見えなくなっちゃうよ?」

女戦士「松明の光を追って見れば良い…一度光の石を隠そう」

アサシン「分かった…」スッ

商人「うわ…真っ暗だな…」

女戦士「船はここで待機だ…碇は降ろすな」

アサシン「ふむ…」

商人「あ!!松明以外にも小さな光がチラチラしてる…何だろう?」

女戦士「望遠鏡を持ってくる…しばらく監視しておけ」ツカツカ


--------------

『望遠鏡』


カチャカチャ


女戦士「オークは廃墟を陣取って居るな…」

商人「その望遠鏡で丘の向こうは見えない?」

女戦士「見えん…」

商人「そうか…なんだろう…あの小さな光…」

女戦士「むむ…廃墟の中に傷付いたオークが横になっている…何かと戦って居る様だ」

アサシン「状況が読めん…オークの敵が居ると?」

魔女「こちらに気付いた様子は無いのかえ?」

女戦士「気付いて居るな…指を指しているオークが居る」


ドーン!


商人「あ!!爆発…」

アサシン「おかしいな…爆弾を使うオークなぞ見た事が無い」

商人「コレさ…古代遺跡があると言ってたよね?もしかして機械と戦って無いか?」

女戦士「ふむ…可能性がありそうだ」

アサシン「クックック…ここでもエド・モントの様な事が起きていると言うか」

女戦士「小型の機械を相手にするならば私も重装で行かねばならんな…」

アサシン「どうする?」

女戦士「よし…少数精鋭で様子を見に行こう…妹を呼べ…飛空艇を動かす」



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『船尾』


操舵は情報屋…商人とホムンクルスはプラズマの銃を持って上空で待機だ

降りるのは私と魔女…そして女海賊とローグの4人で現場の様子を確認する

アサシンと海賊の2人は船に残って指示を待ってくれ


女海賊「魔女を連れて歩くのは危なくね?」

女戦士「オークが傷付いている…回復役が欲しい」

女海賊「あいつ等急に襲って来るよ?」

女戦士「オークが今戦って居るのは私達では無い…オークは賢い…敵を増やす真似はしない筈だ」

女海賊「まぁ良いや…ヤバかったら妖精の笛吹いちゃうからそのつもりで居て」

女戦士「それで良い」

女海賊「ほんじゃ行こうか」スタ


--------------



『鯨型飛空艇』


フワフワ スィーーーー


女戦士「ローグ!魔女を背負って降下出来るか?」

ローグ「任せて下せぇ…」

情報屋「みんな降りたら上空で待機ね?」

女戦士「うむ…余裕があれば周囲を見回ってくれ」

女海賊「あのさ…ここはハイディング効かないから機械の兵器に気を付けて」

商人「わかった…良く観察しておく」

女海賊「おっけ!!ほんじゃ先に降りるよ…来い!アラクネー!!」

アラクネー「…」カサカサ

女海賊「いくぞ!!」ピョン シュルシュル

ローグ「姉さんはアラクネー付きっすか…魔女さん掴まって下せぇ…」

魔女「うむ…」ノソリ ガシッ

ローグ「いきやすぜ?」シュルシュル

女戦士「では私も行って来る…」ピョン シュルシュル


---------------

『入り江』


スタ スタ ドサ


女戦士「よし来たな?魔女は私の後ろから離れるな?」

魔女「分かって居る…」ノソ

ローグ「姉さん…ニライカナイはここで間違い無いでやんすか?」

女海賊「前と様子違うけどこんな感じさ…なんかなぁ…こんなに傾斜きつかったっけなぁ…」ハテ?

魔女「確かにそうじゃな…隆起して地形が変わって居るやも知れん」

女海賊「まぁ良いや…お姉ぇが先頭行く?」

女戦士「そうだな…何か有っても私がタゲを引く…後は分かるな?」

女海賊「おけおけ!火力ぶっぱするわ」

女戦士「…では行こう」


---------------



『廃墟』


タタタタタン


女戦士「やはり小型の機械か…アレが相手ではオークもきつかろう…」

ローグ「オークが隠れやしたぜ?」

女戦士「こちらの動きを探っている…さて」

女海賊「お姉ぇ!?エクスカリバー抜いて明るくしてもらえる?」

女戦士「うむ…」スラリ チャキ ピカー

ローグ「見えたでやんす…」チャキリ

女戦士「私が先へ行く…射程に入ったら撃て」

ローグ「へい…」

女戦士「行くぞ!!」ダダ


タタタタタン カンカン!


ローグ「一機だけっすね…」ダン! バヒュン!


ドーン!


女海賊「魔女!?照明魔法でもうちょい明るくして」

魔女「うむ…照明魔法!」ピカー

女海賊「なんかあちこちオーク倒れてんじゃん…」

女戦士「息が有るかお前が確かめて来い」

女海賊「へいへい…」


--------------

『崩れた建屋』


線虫!!癒してコーイ!!


女海賊「生きてるか死んでるか分かんないけど取り合えす線虫掛けるわ…」

魔女「まだ間に合いそうじゃな…回復魔法!」ボワー

女海賊「これさぁ…傷口からもう血が出て無いじゃん?もう出て来る血が無いんじゃね?」

魔女「主はポーションを沢山持っておったであろう…今が使う時じゃ」

女海賊「あーーあるある…革袋満タンで邪魔だったんだ」スポ タプタプ


ズルズル


ローグ「オークはくっそ重いっすねぇ…こっちも回復お願いしやす」ドサ

女海賊「線虫癒せ!!」ニョロリン

魔女「回復魔法!」ボワー

女戦士「この状況はどういう事だ?」キョロ

魔女「オークに仲間を癒す者が居らんのじゃろう…オークシャーマンは何処に行ったのじゃろうか」


チュドーーーーン!!

チュドーーーーン!!


女戦士「む!!」スック キョロ

女海賊「飛空艇から撃ったんじゃないね…幽霊船からアサシンがインドラ使ってる!!」

魔女「何事じゃ?」ゴソゴソ


”ザザー”

”これアサシン…何が起こって居る?”

”動いている機械の兵器を破壊した”

”兵器?他にも有るのかえ?”

”暗くて全部が見えている訳では無い…照明魔法で明るく照らすのだ”


女海賊「あーー飛空艇ヤバいかも…」

女戦士「魔女!情報屋に連絡は付くな?一度飛空艇を下げさせろ」

魔女「そうじゃな…連絡しておこう」


---------------

『しばらく後』


カキカキ…


女海賊「島の大きさは名も無き島と同じくらいだったんだ…林の向こうの丘を越えたら遺跡が有った」

女戦士「エド・モント程大きくは無い様だが地下がどれほど大きいかだな…」

女海賊「遺跡をちょっと居りて行くと下は水没してるらしい」

女戦士「ふむ…他の機械の具合は?」

女海賊「んーー殆ど見て無いんだよなぁ…ハテノ村の遺跡と同じ感じだよ」


ウゴ…ヒソヒソ


ローグ「オークが遠くで警戒していやすぜ?」キョロ

魔女「敵意は無さそうじゃな…」

女海賊「ちっと向こうにポーション置いて来るかな?」

女戦士「やってみろ…」

女海賊「すぐ戻るわ」スタタタ

ローグ「なーんか倒れてるオークも装備がショボイんすが…」

女戦士「確かに…一応銀を一部使っては居る様だが…」


グラグラグラ  ズズーン


魔女「むむ!!地震かえ?」

ローグ「浮島なんすよね?どっか岩礁に当たったんじゃ無いすかね?」

女戦士「うむ…少し周りを見回るか…」


--------------

『林』


ガチャガチャ ビヨヨーン


女海賊「ダメだぁ…この小型の機械も中身が錆び錆びで使い物になんない…」

魔女「エド・モントの物とは形が違うのぅ」

女海賊「でも中身は殆ど同じさ…弾を発射する部分以外なーんも無い」

ローグ「こいつもどうやって動いてるか分からんのですね?」

女海賊「うん…エネルギー源が見当たんない…多分防衛専用の機械だとは思うんだけどね」

女戦士「オークはコレに苦戦していたか」

ローグ「弾撃たれたら近寄れんですからねぇ…あいつ等遠距離武器は弓だけなんで厳しいと思いやす」


カサカサ…


女戦士「む!!」キョロ

ローグ「おととと…あっしらを付けて来やしたね?」チャキリ

魔女「オークか…」

ローグ「この距離じゃ外しやせんぜ?」スチャ

オーク「ヤメロ…オレ…カエル」

女戦士「言葉を話すのか?」

オーク「オレタチ…ノロイ…トケタ…オマエ…フネ…アル…オレタチ…カエル」

女海賊「帰る?どゆ事?」

オーク「オレタチ…フネ…コワレタ…オマエ…フネ…アル…オレタチ…カエル」

女戦士「ふむ…片言だが意味は通じるな…私達の言葉は分かるか?」

オーク「ワカル…スコシ」ウゴ

女戦士「よし…武器を置いて入り江に集まれ…話を聞いてやる」

オーク「ナカマ…ヨブ…オマエ…マツ」ドスドスドス

ローグ「こらぁ…どういう事なんすかね?」

女海賊「話を聞けるチャンスじゃん…どういう理由で此処に来たのかとかさ」

魔女「そうじゃな…何も知らぬまま探索するよりは良かろう」

女戦士「一旦戻ろう…先に進むのは明るくなってからの方が良さそうだ」



---------------

『入り江』


メラメラ パチ


ローグ「オークが集まってきやしたねぇ…怪我で動けんのも合わせて30人ぐらいっすか…」

女戦士「想像していたより多い…こんなに隠れて居たか」タジ

ローグ「こら小舟で何往復もする事になりやすね…」


女海賊「はいはい寄ってらっしゃーい!!ポーションはこれで最後ね…骨付き肉とどんぐりはこんだけ…」

女海賊「小麦は結構一杯あるから全部食って良いよ…水はこんだけしか無いからこれで我慢ね」スポスポ ドサー


魔女「ようけ壺に入れて居ったのぅ…感心するわ」

女海賊「入れっぱなしで忘れてたさ…この際イラン物全部処分する」

オーク「オマエ…アオイ…ヒトミ…ヨゲンノ…モノ」

女海賊「ん?なんか予言されてんの?」

オーク「アオイ…ヒトミノ…モノ…オーク…イザナウ」

女海賊「なんか良く分かんないな…てかオークシャーマン何処行ったのさ?」

オーク「ウミ…ムコウ…キエタ」

女海賊「えええ!!?あんたら置いて行かれたん?」

オーク「オークシャーマン…ワルイ…オーク…オレタチ…カエル」

女海賊「悪いオークってどゆ事?」

オーク「ノロイ…カケル…アラソイ…オコス…オレタチ…ノロイ…トケタ…ジユウ…ナッタ」

女海賊「ほ~ん…ほんで何処に帰るつもりなん?」

オーク「ニンゲン…スム…トコロ…オレタチ…ソコ…カエル」

魔女「フィン・イッシュじゃな…女王に与えられた土地じゃ」

女海賊「なる…オークシャーマンに命令されて此処まで来た訳ね」

女戦士「ところでこの島にはどれほど敵が居るのだ?」

オーク「キカイ…タクサン…デモ…オークシャーマン…ゴーレム…ツカウ」

女戦士「んん?ゴーレムが機械と戦って居ると言うか?」

オーク「キカイ…デル…アナ…フサグ…ノコリ…オレタチ…タオス」

女戦士「なるほど…その間にオークシャーマンは海の向こうへ消えた訳か」

オーク「ウミ…ワレル…ソコ…オークシャーマン…アルク…イッタ」

女海賊「ちょいちょい!一人で行ったん?暁の使徒は何処行ったのさ?」

オーク「シト…セオウ…モウヒトリ…オーク…イッタ」

女海賊「2人で行ったんか…」

女戦士「もう少し明るくなれば現地まで行っても良いのだが…」


--------------

『小舟』


ザブン ギシ


海賊「頭ぁ!!こりゃ一体どういう事でがんすか?」

女戦士「成り行きでオークを保護する事となった…船に乗せて居室にでも詰め込んでおいて欲しい」

海賊「この数じゃ乗っ取られ兼ねんでがんす」

魔女「わらわが一度船へ戻ろうかの?それなら良かろう?」

女戦士「そうしてもらえるか…傷付いたオークの手当てもある」

海賊「分かったでがんす」

女戦士「先に傷付いて動けんオークを運んでくれ」

海賊「こりゃぁ7体づつ位じゃないと運べんでがんすね…」


チュドドドドドーン!!


女戦士「んん!?」クルリ

女海賊「お姉ぇ!!まだ機械の兵器あるっぽい…あっち連続8発くらいの遅い砲弾が丘の向こうに飛んでった」ユビサシ

女戦士「丘の向こう?」

女海賊「ゴーレム狙ってんじゃね?」


”ザザー”

”魔女!!聞こえるな?”

”うむ…船から見えるんか?”

”何かが飛んだのは見えた…だが暗くてこちらからは発射場所が特定出来ん…照明魔法で照らして欲しい”

”今から船に戻ろうとして居た所じゃ…”

”ちぃぃ…アレが有っては飛空艇が飛ばせんぞ…船も危険だ”


女戦士「私が現地へ行ってエクスカリバーで照らせば狙えるな?」


”出来るか?”

”よし…私とローグ…女海賊の3人で向かって見る”

”分かった…視認出来たら狙撃する”


女戦士「海賊!!お前は兎に角最速でオーク達を船に避難させろ」

海賊「がってん!!」

女戦士「ローグ!!女海賊!!…そういう事だ…行けるな?」

ローグ「あいさー!!」

女海賊「おけおけ…行こっか」



--------------

『林』


チュドドドドドーン!!


女海賊「又あの砲弾の音だ…こっから右方向だね」

女戦士「あれほど撃たれてゴーレムが耐えると思うか?」

女海賊「最初の一発でやられてるさ…多分塞がってる穴をどうにかして空けたいんだよ」

女戦士「エド・モントの吹き抜けが崩落した時と同じか」

女海賊「爆発の程度は私が作った榴弾より威力高そう…だから穴がこじ開けられるのは時間の問題だと思う」

ローグ「ヤバイっすねぇ…小型の機械がどっさり出て来るかも分からんでやんす」

女海賊「それより機械の兵器の方がヤバイ…どんだけ弾有るか分かんないけどアレで狙われたら飛空艇なんか速攻落とされる」

女戦士「撃ってる間隔からすると次まで10分程度だ…急ぐぞ」タッタッタ


-------------


『発射装置』


バシュシュシュシュ! ヒュルル~ チュドドドドドーン!


女海賊「見つけた!!アレだ!!」

女戦士「アサシンに合図を…」スラリ ピカーーーーーー

ローグ「頭ぁ!!ダメっすね…船から見えん場所でやんす」

女戦士「くそう!そういう事か…」

女海賊「小型の機械がこっちに気付いた!!3機!!」

ローグ「任せて下せぇ!!」チャキ ダン! バヒュン!


ドーン!


女海賊「私も!!」ダン! ダン!


ドーン! ドーン! パラパラ


女戦士「直接破壊したいが…破壊の剣を置いて来てしまった…」

女海賊「あんなデカイ鉄の塊を私の爆弾で壊せっかな…」

ローグ「リロード出来ん様にすりゃ良いんじゃないすか?丁度今何か動いて居やす…」

女海賊「ソレだ!!ちっと見て来る!!警戒してて!!!」スタタ

女戦士「小型の機械が他にも居るかもしれん…ローグ!行くぞ!!」ダダ


-------------

『装填部』


ガチャガチャ


女海賊「これスゴイな…8連装の後装式で特殊な砲弾が入る様になってる…」ガチャガチャ

女戦士「どうだ?破壊出来そうか?」

女海賊「この筒に砲弾が入らない様に細工してる…多分上手く行く」

女戦士「しかしこれは何の金属で出来ている?」

女海賊「アレだよ…開かずの扉と同じ材質…磁石くっ付かない奴」

ローグ「おろろろ…下から何か出て来やしたぜ?」

女海賊「よっし間に合った…最後にマーマンのヌルヌルを塗って終わり!!」ポイ デローン ベチャ

女戦士「どうする?」

女海賊「ちっと下がって見て居ようか…装填に失敗してツルっと落ちる筈…落ちたら私の爆弾で一個爆破する」

女戦士「なるほど…さっきの場所まで下がるぞ」

女海賊「おけおけ…」スタタ

ローグ「ちょちょちょちょ…後ろ後ろ!!」

女海賊「うわヤッバ!!…小型の機械がメッチャ来てるじゃん」

女戦士「上には撃てなかった筈だ…木に登れ」パシュ シュルシュル

ローグ「おぉ!!その手が…」パシュ シュルシュル

女海賊「良かったねココ木が有って」パシュ シュルシュル



ガコン ツルリン ボト



女海賊「よっしゃぁ!!一個落ちた!!」チャキリ


ウィィィーン


女戦士「まずい!!砲身がこちらに向くぞ?」

女海賊「破片飛ぶかも知んないから気を付けて!!行くよ!!」カチ ダン!


チュドーーーーン! バシュシュシュ ヒュルル~ チュドドドーン


ローグ「うはぁ…引火して適当にぶっ飛んで飛んで行きやしたね…」

女海賊「おけおけ!!発射装置ぶっ壊れたぞ!」

女戦士「さて…次は小型の機械だが…」

女海賊「こっち守る意味無くなったから引き返して行ってんじゃん…」

女戦士「まずい…入り江の方だ」

女海賊「ダッシュで戻ろう」


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----------------

----------------

『入り江付近』


タタタタタン チュドーーーン


女海賊「うわぁ…もう始まっちゃってんじゃん!!」スタタ

ローグ「飛空艇からも援護していやすね…」


ピカーーーーー チュドーーーーン!


女戦士「女海賊!まず残って居るオークに線虫を回せ…私は前面に出てタゲを引き受ける」

女海賊「殲滅どうすんの!!?」

女戦士「ローグは私の背後に隠れて一体づつ仕留めて行くのだ」

ローグ「へい!!ですがボルトの残りは20本ぐらいしか残っていやせんぜ?」

女戦士「時間稼ぎだ…線虫を回した後は女海賊も殲滅に加われば良い」

女海賊「おけおけ!!」

女戦士「行くぞ!!」ダダ



---------------



『入り江』


タタタタタン タタタタタン


女海賊「くっそ!ここ隠れる所無いじゃん…流れ弾に当たっちゃう…」アタフタ

ローグ「早い所オークに線虫回して下せぇ…出血で動けんくなっちまいやす」ダン! バヒュン! ドーン!

女海賊「分かってんよ!!オーク達こっち集まって!!線虫!!癒せ!!」ニョロ

オーク「ウゴ!!?」

女海賊「ウゴじゃ無ぇ!!動けるんならその辺に転がってる石積み上げて隠れられる様にして!!」

オーク「イシ…ツム」ドドド

ローグ「分かってるんすかね…」ダン! バヒュン! ドーン


ピカーーーーー チュドーーーーン!


女海賊「ぬぁぁ多いな…線虫!どっさり出て来い!!オークを癒せ!」ニョロニョロ

ローグ「どっから湧いて来るんすか?」ダン! バヒュン! ドーン

女海賊「知るか!!小舟来るまで耐えられっかな…」キョロ

ローグ「小型の機械が四方にバラけてるのが…」チャキリ ダン!

女海賊「ボルト勿体無いじゃん!!外すなって!!」

ローグ「姉さんも加わって下せぇ…火力一人じゃ進行押さえられんっす!」ダン! バヒュン! ドーン



---------------

『十字砲火』


タタタタタン カンカン! カン!


女戦士「ええい小虫め!!」タジ

女海賊「お姉ぇ!!オークが石詰んで物陰作ってくれてる!!上手く使って!!」スタタ ダン! ダン!

女戦士「前に出過ぎるな!!当たるぞ!?」カン カン チン!


ドガーーーーーン! パラパラ


女海賊「わぁぁぁ…」ゴロゴロ ズザザー

女戦士「何ぃ!!何だ今の爆発は!!」キョロ

女海賊「てててて…幽霊船からの迫撃砲さ…インドラのリロード遅いからアサシンに撃て貰ってる」

女戦士「お前怪我を…」ダダ

女海賊「これで火力倍増だぞ…ちっと石の所まで下がろう」ヨロ


ピカーーーーー チュドーーーーン!


女戦士「こちらの砲撃より前へは出て来られん様だ…下がる!!肩を…」グイ

女海賊「なんだクラクラするぞ…」

女戦士「頭を打ったのだ…血が出て居るぞ」

ローグ「大丈夫っすか!!」ダダ

女戦士「兜を被って居ないお前も前に出て来るな!」

ローグ「早く石の陰に入って下せぇ!!」チャキリ ダン! バヒュン! ドーン!


ドガーーーーーーン! パラパラ


ローグ「うほぉぉぉーーー」クルクル シュタ

女戦士「来い!!敵も下がって居る…」

ローグ「へいへい…数を数えて居やす…11…12…」


--------------

『石の陰』


チュドーーーーーン パラパラ


ローグ「敵の攻撃が止みやしたね…」

女戦士「こちらに接近出来んから撃てんのだ…あの迫撃砲がかなり有効だ」

ローグ「あと小型の機械は15機ぐらいでやんす…ちっと遠くてここから狙撃は出来んすね」

女戦士「あとはインドラで減らして貰うだな」

女海賊「榴弾の数があんまり無いんだ…出来るだけ此処で数減らす…」チャキリ ダン ダン ドーン

女戦士「頭は大丈夫か?」

女海賊「血は止まったけどコブが出来た…」スリスリ

ローグ「頭ぁ…あっしはボルトが残り4発しかありやせん」

女戦士「小舟が来たら私達も一旦補給に下がろう」

女海賊「大体様子分かったぞ…これ幽霊船から榴弾撃ち込んで殲滅した方が良いわ」

女戦士「うむ…地下線路と違って敵に地形を使われているからな」

ローグ「小舟にオーク乗せたらあっしら乗れやせんぜ?」

女戦士「飛空艇にロープを降ろさせる…私達はそれで退避だ」


ドガーーーーーン!! グラグラ


女海賊「アサシン結構奥の方まで榴弾撃ってんな…あそこまで小型の機械が下がってる?」

ローグ「2分に一発デカいのが撃たれるんじゃそら下がりますわ」

女海賊「おっしあの辺に照明弾撃ちこんでやる」ガチャコン ダン! ダン!


ピカーーーーー


女海賊「あぁぁぁ…ゴーレムだ…さっきの奴まだ動いてんのか」アゼン

女戦士「アレがやり合っている間に退避するぞ」

ローグ「小舟が近くまで来やしたね…チャンスでやんす」


--------------

『小舟』


ザブン ザブン


女戦士「小舟に乗りきらんオークは掴まって泳いで行け」

オーク「オーク…オモイ…ミズ…シズム」

女戦士「なんだ泳げんのか…ちぃぃ」

女海賊「お姉ぇ…残りのオークは私が壺ん中入れて行くわ」

女戦士「その手が有ったか…よし!ヤレ!!」

女海賊「オーク!!あんた達のの名前は?」

オーク「オレ…オークファイター…アイツ…オークアーチャー」

女海賊「おっし!大人しくしてろよ?オークファイター!!」

オークファイター「ウゴ?」


シュゥゥ スポン!


女海賊「はい次あんた!!オークアーチャー!!」

オークアーチャー「ウゴ?」


シュゥゥ スポン!


女海賊「はい終わり!!もう小舟出して良いよ!!」

海賊「がってん!!」ザブザブ

ローグ「姉さん…壺の中どうなってるんでやんすか?」

女海賊「ちっこくなって入ってるだけだよ?ホレ?」

ローグ「ほぉぉぉこりゃ又どういう仕掛けなんすかね?」ジロジロ

女海賊「どうせ時空の魔法だよ…魔女に聞かないと分かんない」

ローグ「それあっしも欲しいでやんす」

女海賊「イイネ!!魔女にお願いして作って貰おうか」

女戦士「飛空艇からロープが降りて来るぞ?捕まり損ねるな?」


シュルシュル


-------------

-------------

-------------

『幽霊船』


ユラ~リ ギシ


アサシン「随分なオーク救出劇になったな?」

女戦士「そんなつもりは無かったのだが…成り行きでこうなった」

アサシン「さてどうする?私は明るくなるまで上陸は待った方が良いと思うが…」

女戦士「そうだな…勇み足が過ぎた様だ」

アサシン「しかし機械がこんな所にまで居るとはな」

女戦士「ホムンクルスが世界政府がどうとか言って居たな…世界中で機械が目を覚まして居そうだ」

アサシン「とりあえずこのまま明るくなるまで待つか?数日かかりそうな気はするが…」

女戦士「その間に例の榴弾だったか?作り増しをする」

アサシン「なかなか良い武器だ…広範囲に効果があるのがな」

女戦士「私からでは良く分からなかったのだが?」

アサシン「インドラは単体の爆発…あの砲弾はそれに加え鉄が飛び散る…威力が高い」

女戦士「なるほど…それで小型の機械を蹴散らせたか」


ノソノソ


魔女「一通りオークの治療は済んだぞよ?」

アサシン「戦力として使う気か?」

女戦士「場合によってはだ…」

魔女「今動いて居るオーク以外は瀕死じゃった…しばらく動けまい」

アサシン「オーク達はオークシャーマンに見捨てられたのか?」

魔女「話を聞く限り…利用されて此処まで来ただけの様じゃ…食事も殆ど獲って居らんかった様じゃぞ?」

女戦士「奴隷扱いか…」

アサシン「私達だけでは1年あっても消費しきれん食料が乗っているのだ…丁度良かっただろう」


--------------

『荷室』


ゴソゴソ


女海賊「ローグ!!出来上がった榴弾を運んどいて」カンカン コンコン

ローグ「へい!!…これがあの爆発起すんすねぇ…へぇ?」ジロジロ

女海賊「んん?何やってんのそこのオーク…」

オーク「ウゴ!?」

女海賊「ウゴじゃ無ぇよ!!暇ならあんたも榴弾運びな!!」

オーク「アオキ…ヒトミノモノ…オマエ…オーク…イザナウ…ドウ…イザナウ」

女海賊「はぁ!?意味分からん…いざなうって何?」


妖精「プハァァァ…」ヒョコ ヒラヒラ


女海賊「おぉぉやっと出て来たな…オークが怪我して困ってるのさ」

妖精「疲れたぁぁぁ…」グター

女海賊「あんたおっぱいの中でずっと寝てたんじゃないの!?なんで疲れてんだよ」

妖精「僕は忙しいのさ…君にばっかりかまって居られないんだ」クルクル

女海賊「お!?もしかしてオーク全員助かったのあんたのお陰?」

妖精「やぁ!!オーク君!!又僕と遊ぶ?」

オーク「ウゴ!ウゴゴゴ…ウゴ?」

妖精「何バカな事言ってるの?僕は妖精さ…おっぱいは僕のベッドなんだよ?」

オーク「アオキ…ヒトミノモノ…オマエ…ヨウセイノ…カミ…オマエ…ヨウセイノ…ハハ」

女海賊「んん?そうだよ私は…あの子を産んだのは私だった…」ピタ

妖精「ええ?僕は妖精だよ?妖精は狭間で生まれるんだよ?」ヒラヒラ

女海賊「まぁどっちでも良いじゃん?」

妖精「それで今日は何して遊ぶ?鬼ごっこ?かくれんぼ?」

女海賊「おっし!!この馬鹿オークに荷物運ばせたらハチミツあげるぞ」

妖精「おおおおおおおお!!ヤルヤル!!」パタパタ

妖精「おい!!この馬鹿オーク!!悔しかったらその荷物を持って僕を掴まえて見ろ!!」

オーク「ウゴ!?」

妖精「ウゴじゃない!!ベロベロベーー」ヒラヒラ

オーク「ウゴゴゴ…」ドスドス


-------------

『デッキ』


ズドーン ズドドドーン


女戦士「島で何が起こっている!!?」ダダ

アサシン「見えんのでは確認しようが無い…」

魔女「照明魔法を掛けた砲弾を撃ち込めば良いのではないかえ?」

女戦士「ううむ…火薬の無駄な気もするが…」

アサシン「ローグが持って居る強化クロスボウはそこそこ飛距離出るだろう…アレは火薬を使わん」

女戦士「銀のボルトを作れば良いのだな?」

魔女「そうじゃな…」

女戦士「よし!私が作って…」


ザブ~~~~ン グググググ


アサシン「これは…」スタ

女戦士「津波だ…少し離岸させろ!!」

アサシン「海賊共!!急いで縦帆を広げろ!!」

海賊「がってん!!」ドドド


ザバァァァァァ ニョキニョキ


魔女「あわわわ…」タジ

女戦士「ク…クラーケンだと…」タジ

アサシン「間に合わん!!触手が覆いかぶさって…」

ローグ「ななな…なんなんすか!!うわわわわ…」ドタドタ


ドッパーン!! ザブザブ


女戦士「何かに掴まれ!!波に飲まれる…魔女はこっちだ!!」グイ

魔女「上じゃ!!上から陸地が降って来居る…」アゼン



ザブ~~~ン ゴボゴボ


---------------

---------------

---------------

『数分後』


ユッサー ググググ


女戦士「ええい!!船尾楼まで水に浸かるとは…」

アサシン「海賊が一人流されたぞ!!」

ローグ「マジっすか…ちっと痛みやすぜ?」パシュン シュルシュル グサ

女戦士「船が何処かに流されて居るぞ…」


”ザザー”

”聞こえるかい?”

”商人!飛空艇から見下ろして居るな?”

”クラーケンが船を引っ張っている…大丈夫さ…安全圏まで行けると思う”

”これは何が起こって居る?”

”上から陸地が降ってる!大きな波はそのせいさ…ニライカナイは上にある!!”

”主らも船を見失わん様について来るのじゃ”

”分かってるさ…こっちも必死だよ…光の石を出しておいて”

”うむ…”


魔女「アサシン!!光の石を出しておくのじゃ…飛空艇が迷ってしまうぞよ」

アサシン「わかった…」スッ ピカーーーーー

女戦士「上空に陸地なぞ見えんぞ!?」キョロ

魔女「狭間の深さが違うからじゃな」

女戦士「ローグ!!落ちた海賊の釣り上げはまだか?」

ローグ「重いっす…手伝って下せぇ!!」グイグイ


--------------

『甲板』


エッホ エッホ ドターン


海賊「助かったでがんす…はぁはぁ…」

女戦士「危なかったな…他に何か流れて行った物は無いか?」

ローグ「甲板に置いてあった樽がみんな無くなっちまいやしたね…ゾンビも全部どっか行きやした…」

女戦士「まぁ良い!!今ので船の荷が片側に偏った様だ…船が傾いたままだ」

海賊「置き直してくるでがんす」スック

女戦士「まて…先ず帆を開いて自由に動けるようにするのだ…荷は私が動かす」

海賊「がってん!!」ドタドタ


---------------


『荷室』


ムギューーーー


女海賊「お…お姉ぇ…ちょっとこれどけて」ムギュー ミキミキ

女戦士「鋼材に埋もれたか…」グイ ガッサー

女海賊「急にこれ何!!?」

女戦士「津波に飲まれて転覆寸前だ…荷を反対側に寄せるぞ」

女海賊「2人で?マジか…」ヨッコラ ヨタヨタ ドスン

女戦士「どうやらクラーケンに守られて助かった…上から陸地が降って来たのだ」

女海賊「ええ!?ほんじゃニライカナイの真下に居るって感じ?」

女戦士「全く視認が出来ないのだがな…飛空艇からも見えん様だ」

女海賊「狭間ん中だと高さで何も見えんくなるんか…メチャ厄介だな」

女戦士「船では辿り着けん事が良く分かった…作戦を変更する」

女海賊「私の飛空艇だね?」

女戦士「そうだ…お前の壺に何人入れる?」

女海賊「分かんないよ…詰めこみゃ全員入れるかもね」

女戦士「まぁ良い…その壺を活用しながら飛空艇での行動に切り替える…そのつもりで準備しろ」

女海賊「おけおけ…とりあえず荷の片づけね」ゴソゴソ

女戦士「んん?何をする気だ?」

女海賊「ちょろっとヌルヌル塗ればラクラク動かせるさ…」ヌリヌリ

女戦士「フフお前は何にでも応用するんだな…」グイ スススー

女海賊「おけおけ…動かして固定すりゃその内乾くさ」ヌリヌリ スススー


------------

『甲板』


ザブ~ン ユラ~


女戦士「海賊共!!来い!!」

海賊共「へい!!」ドタドタ

女戦士「お前達にこれを預ける…」スッ

海賊共「貝殻でがんすか…」

女戦士「ここからは飛空艇と別行動だ…私達は上空からニライカナイを目指す…お互い見失う可能性が高い」

海賊共「俺達だけでこの狭間を乗り切れと…」

女戦士「光の石はこの船に残して行く…インドラの銃と迫撃砲があれば余程乗り切れる筈…」

海賊共「分かりやした…俺達は何処へ向かえば?」

女戦士「しばらくこの海域で待機だ…私が戻らない場合は自力でフィン・イッシュへ向かうのだ…良いな?」

海賊共「がってん!!」

アサシン「飛空艇が戻って来次第出発か?」

女戦士「うむ…上空から落下物が見えている今がチャンスだ…逃すとまた探すのに手間が掛る」

アサシン「そうか…いよいよだな」

ローグ「飛空艇が高度下げてきやしたぜ?」

女戦士「急いで準備しろ!!今度はボルトが無いなどと言い訳を言うな?」

ローグ「あたたた…あんまり沢山持てんのですが…」



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『船底』


ググググググ ギギーーー


女海賊「おーい!!ダンゴムシ何処行った?飛空艇に帰るぞ!!」キョロ

ワーム「…」モソモソ

女海賊「おぉ…いつの間にデカくなったな…ダンゴムシ何処行ったか知らない?」

ワーム「…」キョロ? モソモソ

女海賊「見っけ!!なんだ脱皮中だったんか…」

ダンゴムシ「…」ムイムイ フムムムム

女海賊「踏ん張ってんなぁ…あれ?ダンゴムシって脱皮するんか?」

ダンゴムシ「…」プリ キョロ?

女海賊「おぉぉ一回りデカくなったな…よしよし…これ抜け殻どうするん?」

ダンゴムシ「…」プイ カサカサ

女海賊「要らんのか…おーし!!この抜け殻であんたの防具作ったるわ」

ワーム「…」モソモソ

女海賊「なんだお前も欲しいのか…おけおけ!お揃いの防具にするわ」

ワーム「…」ニョロニョロ バタバタ

女海賊「ウハハハ…喜び方が分かりやすいな」


ツカツカ


女戦士「此処に居たか…飛空艇が戻ったぞ?準備は良いか?」

女海賊「あぁ今行く…おい!!虫達!!飛空艇に戻るぞ!!壺の中に入れ!!」

ダンゴムシ「!!?」クルリン コロコロ

女海賊「おいおい行きたく無いのか?大丈夫だって!!又戻って来るからさ?」グイ

ダンゴムシ「…」ソローリ ピク

女海賊「おぉぉ…けっこう重たくなって来たぞぉ」ナデナデ

ワーム「プギャー」モソモソ

女海賊「分かった分かった!お前も一緒に行くな?一緒に壺の中に入っとけ」ポイ

女戦士「よし…行くぞ」ツカツカ


--------------

『鯨型飛空艇』


フワフワ


女海賊「おし!とりあえず全員乗って!高度上がんなくなったら一人ずつ壺の中に入って貰う」

商人「なんだそういう作戦か」

女海賊「重い人から順番だから先ずお姉ぇと私が入る事になりそうだね…」

魔女「ではわらわは最後じゃな…」

女戦士「無駄話は良いから早く乗るのだ…落下物を見失うぞ」スタ

女海賊「やっぱ8人も乗ると狭いなぁ…」スタ

情報屋「みんな乗ったわね?高度上げるわ?」

女海賊「おけおけ!!ゴーーー」


シュゴーーーー フワフワ


商人「一応ゆっくり高度上がるね…」

女海賊「ほんじゃ私先に壺の中に入るかな…まだ入った事無いのさ」

魔女「わらわが使うで貸してみぃ…」

女海賊「ほい!!」ポイ

魔女「では…女海賊や」

女海賊「キター!!」シュン スポン


フワフワ フワフワ


商人「おぉぉ一気に上昇速度上がった…」

女戦士「私も入った方が良いな?壺で少し休むとする」

魔女「うむ…休んで居れ…女戦士?壺に入るのじゃ」

女戦士「フフ…こうも簡単に封じ…」シュン スポン


フワフワ フワフワ


商人「これで十分だ…よし!ニライカナイを探そう!!」


シュゴーーーーー ヒュゥゥゥゥ


--------------

--------------

--------------

『上空500メートル程』


シュゴーーーーー


商人「500メートル上がっただけで船も海も見えない真っ暗だ…」

アサシン「方角は分かって居るのか?」

情報屋「旋回しながら上昇しているだけよ…まだ真下に船が有る筈…」

アサシン「なるほど…」

魔女「レイスやガーゴイルが居らんな?まだ退魔の方陣の中かいのぅ?」

商人「う~ん…星が見えないんだよね」


クエーーーーーー!!


ローグ「おぉ!?こりゃ何処かにロック鳥がいやすぜ?」

魔女「見えんのぅ…」キョロ

ローグ「左の方から聞こえて来やした」

商人「上だ!!何か見える…」

魔女「球皮が邪魔じゃな…」

商人「真上の視認性なんか考えて居ないからね…」

情報屋「きつめに旋回してみるわ…」グイ


シュゴーーーーー ビュゥゥゥ


商人「見えた!!大きい…石の塊だ…」

ローグ「このまま上昇すると衝突するでやんす」

魔女「たまげたのぅ…城が空を飛んで居るのではなく島ごと飛んでおるか…」

商人「ここは石の真下だ…危ない」

情報屋「直進で石の切れ目まで進むわ…」グイ


シュゴーーーーー


--------------

--------------

--------------

『石の切れ目』


フワフワ


情報屋「ここが再端部…このまま真っ直ぐ上昇すれば良いわね」

商人「天空の城って…想像していたのと全然違うじゃ無いか…これじゃ鬼岩城だ」

情報屋「暗いから分かりにくけどコレ全部サンゴよ」

商人「えええ!?こんなに大きいの?」

情報屋「死んだサンゴの上にサンゴがまた繁殖してこんなに大きくなったのね…水没していた証拠だわ」

アサシン「星が見えて来た…月もある」

商人「これが遮って居たのか…」

アサシン「死んだサンゴの森に月か…異様な光景だ…」

情報屋「なんか…降りるのが怖いわね…」

魔女「広すぎて何処に何が有るか分からんな…」

情報屋「とりあえず中央の方に進んでみる…」グイ


-------------



『サンゴの森』


フワフワ スィィィーー


ローグ「そこら中に海の生物の死骸がありやすね…」

商人「沈没船もある…相当古い奴だ…」

魔女「竜宮なぞ何処にも見当たらんが…」キョロ

情報屋「海に沈んでサンゴに埋もれてしまって居るかもしれない」


クエーーーーーー!!


ローグ「うはは…ロック鳥はここに魚食べに来てたんすね」

ロック鳥「クエーーーーーー!!」バッサ バッサ

情報屋「仲間を呼んでる?」

ローグ「襲っては来んので安心して下せぇ」

魔女「ちと明かりを照らすぞよ?照明魔法!」ピカー

商人「あ…どんどん下に落として行ってよ」

魔女「うむ…照明魔法!」ピカー


-------------

『謎の突起』


フワフワ ドッスン


ローグ「あっしがちっと行って調べて来やす」ダダ

商人「やっぱりもう少し明るくならないとらちが明かないね…」

情報屋「ここで明るくなるまで待って見ては?」

魔女「しかし匂うのぅ…」クンクン

アサシン「海の生物の死臭だ…浄化すれば収まるのでは無いか?」

商人「なんか楽園とは程遠いな…」

情報屋「過去形ね…海の楽園だった…私達の言い方からすれば楽園は滅びた…そういう事ね」

商人「サンゴは全部死んでしまったかな?」

ホムンクルス「サンゴは海水が無ければ死滅してしまいますね」

商人「動物の一種だったっけ?」

ホムンクルス「はい…植物では無く動物に分類されます」

商人「なんかいきなり海水の無い所に連れて来られて迷惑な話だ」

ホムンクルス「私もそう思います…」

魔女「なんじゃろうのぅ…この不快な感じは…」


-------------

『数時間後』


メラメラ パチ


ローグ「標高が高いせいかちっと寒いっすね…」スリスリ

商人「ここが空に浮いてるなんて信じられないよ」

ローグ「そうっすね…いつ足元が落ちるかわからんすね」

アサシン「しかし…全然夜が明ける気配が無いな」

商人「魔女の塔は一日の長さが7倍位だっけな」

魔女「日によって違うでもっと長い時もある」

商人「安定して居ないのか」

魔女「狭間の奥はそういう物じゃ…外の世界は時間が経って居らんでゆっくり出来る」

商人「目標を目の前にしてなかなかゆっくりも出来ないけどね…」

魔女「女戦士と女海賊も壺の中で寝て居るで起きるまでは待つが良かろう」


ズズーン グラグラ


魔女「又何処ぞで崩れて居るのぅ…」

商人「こんな大きな物を空に浮かせるなんてスゴイな…」

魔女「わらわもここまでとは思わなんだわい」

商人「これ退魔の方陣はサンゴの中に銀か何かが埋まっていると思って良さそう?」

魔女「それ以外考えられんのぅ…」

情報屋「ちょっと…ここのサンゴ!!死滅の原因は石化よ?」

ローグ「え?どういう事っすか?」

魔女「あまり考えたく無いが…まさかリリスが来て居るか?」

情報屋「石化の原因はそれしか考えられない…」

魔女「クラーケンと共に海底に沈んだと思うて居ったが…これは因縁じゃな」

アサシン「どうしても私達が滅ぼさねばならん様だ」

魔女「手は有る…」

アサシン「インドラの光を帯びたエクスカリバーだな?」

魔女「うむ…インドラの光で焼かれて不滅の体も回復せんじゃろう」

アサシン「石化をどう対処する?」

魔女「絶対零度で凍らせるのじゃ…凍らせたまま細かくなるまで切り刻めば良い」

アサシン「なるほど…」

商人「ねぇ?リリスはどうしてここまで来てる?偶然じゃ無いよね?」

魔女「分からぬ…時の王に首を落とされるまではニライカナイで鎮座して居ったのかものぅ…」

情報屋「善女龍王伝説のラミア…メデューサ伝説…竜宮伝説の人魚…全部似たような容姿ね」

魔女「人魚はちと違う気がするが?」

商人「人魚って足が魚だね…セイレーンって知ってる?」

情報屋「知ってる…時代が随分違うけれどもしかすると関係してるのかも知れない」

商人「時代?」

情報屋「セイレーンは4000以上前のウンディーネの時代ね…竜宮伝説はその後…多分2000年ぐらい前」

商人「それってつまり2000年近く人魚のセイレーンが君臨してたって事じゃ無い?」

魔女「ふむ…確かに人魚の後にメデューサに取って代わったやも知れんな…それで辻褄が合う」

情報屋「そういう仮説も確かに…」

商人「リリスがひたすらこの地を目指したのもやっぱり何か有りそうだ」


-------------

『夜空』


ヒラヒラ


商人「…小さな光が空に登って行く…」

アサシン「妖精が魂を狭間の奥へ連れて行ってるのだ…」

魔女「すや…」zzz

情報屋「すぅ…」コックリ

商人「僕もその内連れて行かれるかな…」

アサシン「お前は事情を知って天国に行きたいとでも?」

商人「う~ん…天国が何なのか良く分からないな…集合意識になるという事かな?」

アサシン「水になって混ざり合わさる…」

商人「…」トーイメ

アサシン「飲め…」スッ

商人「…」グビ ゴク

アサシン「私は海へ行って見たいな」

商人「海か…」

アサシン「深海だ…恐らくそこにも楽園がある」

商人「そうだね…生物の楽園」

アサシン「このまま下まで飛び降りれば行けそうな気もするな」

商人「体がバラバラになって…いつまで意識を保って居られるだろう…」

アサシン「ずっと意識を保ったまま魚に食われるのも良い」

商人「そうか…そんな世界もありそうだな…」

アサシン「しかしこの空中の楽園には何も無いな…」

商人「うん…なんだろうね…この世界の最果てに来たような感じ…」

アサシン「そこが最果てなのだろう…旅の終着点」

商人「最果てに君臨して…一体何なんだろう…」

アサシン「んん?神の話か?」

商人「神なのか魔王なのか知らないけどさ…天空の城に君臨して…だから何?」

アサシン「寝るのでは無いか?」

商人「ハハ…なるほど静かで眠り易そうだ」

アサシン「まぁ玉座が有るなら一度寝て見たい物だ…フフ」

商人「夜空が少し明るくなって来た…」

アサシン「うむ…」スック

商人「何か見える?」

アサシン「向こうの方角だな…丘なのか…山なのか…小高い影が見える」

商人「それが見えただけで目的が定まる…」

アサシン「どうする?起こすか?」

商人「折角休んで居るんだ…起きるまで待とう」



ズズーーン ゴゴゴゴ



魔女「ほえ!!?」ムクリ キョロ?

情報屋「ハッ!!」パチ

商人「あぁ起きちゃったか…」

アサシン「いつ足元が無くなるか分からんから飛空艇に入って置こうか…」

商人「そうだね…中の方が暖かい」


---------------

---------------

---------------

『鯨型飛空艇』


ォーィ ォーィ


封印の壺「出してぇぇぇ~暇ぁぁぁぁ!!」ゴトゴト

魔女「およ?起きた様じゃな…出でよ女海賊!」


シュゥゥ スポン


女海賊「ふいぃぃい…やっと出られた」

魔女「女戦士も起きたかえ?」

女海賊「お姉ぇも出してあげて」

魔女「出でよ女戦士!」シュゥゥ スポン

女戦士「…」ジロ

魔女「中の寝心地はどうじゃ?」

女戦士「外の声がうるさくて敵わん…こちらの声は届かんのに…」

女海賊「これ壺の中から全然出られないじゃん…どんなんなってんの?」

魔女「一応封印の壺じゃでのぅ…狭間から出るような感じじゃな」

女海賊「ひっくり返したら簡単に物出てくるじゃん」

魔女「うむ…じゃから蓋が必要なのじゃ」

女戦士「…それで…今飛空艇から出ても良いのか?」

魔女「足元が崩れるかも知れんで注意せい」

女海賊「私も見て見たい…ワイヤー引っかけて見て来ようよ」

女戦士「うむ…」シュルリ


--------------

『サンゴの森』


スタスタ 


女海賊「うわ…なんだココ」

女戦士「すべてサンゴで出来ている様だ…」

商人「飛空艇でゆっくり付いて行くから自由に探索しても良いよ」

女海賊「自由にって…」キョロ

商人「一応向こう側が小高い丘になってる様なんだ」ユビサシ

女海賊「ほんじゃそっちに歩いて行けば良いんだね」

商人「ワイヤーは外さない様にね…いつ足元が落ちるか分からないから」

女海賊「おけおけ…お姉ぇ!ちっと散歩しよう」

女戦士「うむ…体を動かしたかった所だ」スタ


フワフワ


女海賊「アハ…なんかでっかい風船くっつけてるみたいだな」スタ

商人「こっちは浮いてるだけだからそのまま誘導してよ」

女海賊「ワイヤーがサンゴに引っかかりそうだな…」

女戦士「引っかからん様に歩け」


--------------

『サンゴの洞窟』


タッタッタ


女海賊「お姉ぇ!!ここ洞窟あるよ」キョロ

商人「そこはローグが探索済みだよ…魚とか貝の死骸しか無いらしい」

女海賊「へぇ?これが家みたいなもんかぁ…」

女戦士「ではこのサンゴの森は魚たちの街だったという事か?」

商人「そうかもね…」

女海賊「お姉ぇちっとエクスカリバー抜いといてよ」

女戦士「うむ…明かりか…」スラリ ピカーーー

女海賊「アレ?サンゴってもっと綺麗だった筈だけどなぁ…」

商人「石化して石になってるんだ…だから全部石色さ」

女海賊「なる…石ねぇ…」

女戦士「…」ジロ

女海賊「うん…これどっかにリリス居るね」

女戦士「その様だ…」

商人「そのエクスカリバーで倒せるらしい…不滅の肉体をインドラの光で焼けるとか…」

女海賊「おぉ!!そんな効果有ったんか」

女戦士「私に倒せと言うか…」

女海賊「船にエリクサー積んでるから大丈夫だって!…てかお姉ぇの石造を飾っとくのも良いな」

女戦士「フフお前という奴は…」


クエーーーーーーー!!


女海賊「お!!ロック鳥!!どっかに居るな?」キョロ

商人「向こうの丘の方だ…何匹か影が見えるな」

女海賊「そこになんか有るんだ…ちっと急ごうか」


--------------

『空中遊泳』


ピョン! スカスカスカ


女海賊「アハハハ…お姉ぇこれ楽しい!!空中走ってるみたい」スカスカスカ

女戦士「商人!やはり私達2人を吊ったままでは高度維持出来んか?」ピョン ブラーン シュタ

商人「ん-ーーー厳しいね…ギリギリ維持してるか…少しづつ高度下がるかって所だ」

女海賊「良いじゃんこのまま行けば!!吊ってもらってるからラクちんだよ」

女戦士「これでは遅いだろう」

商人「前進させておこうか?」

女戦士「やってみろ…それでうまく進むならその方が良い」

商人「よーし!君達に合わせられる様にやってみる」グイ シュゴーーーー


スィーーーーー


女海賊「お?お?お?…」ピョン ブラーン シュタ

女戦士「フフ…」ピョン ブラーン シュタ

女海賊「おぉぉ!!メッチャ楽しいわ」ピョン クルクル シュタ

商人「もう少し速度上げられそうだね…」


-------------

『鯨型飛空艇』


フワフワ ユラ~


魔女「…」ジー

アサシン「魔女…何を見ている?」

魔女「主らの言う最果ての地じゃ…」

アサシン「フフ…話を聞いて居たか」

魔女「わらわ達は何を目的に最果ての地まで来たと思うて居る?」

アサシン「さぁな?決着をつける為か?」

魔女「…」

アサシン「どうした?節目を見るのが怖いか?」

魔女「そうじゃ節目じゃ…明らかに節目を目の前にして居る」

アサシン「時代の節目…ようやくたどり着いた」

魔女「すでに新時代は始まって居るがのぉ…」トーイメ

アサシン「機械の目覚め…」

魔女「言うな…わらわ達の世代はここで幕引きじゃ」

アサシン「どう幕を引くつもりだ?」

魔女「それはあの2人が握って居る…」


ピョン ブラ~ン シュタ アハハハハ


アサシン「フフ…違いない」

魔女「主には話して置こうか…わらわの紅玉の瞳…そしてエクスカリバーが何故この地まで運ばれたか…」

アサシン「ほう?」

魔女「いつの間に時の王の意思を継いで居ったのじゃよ」

アサシン「ふむ…なるほど…」

魔女「恐らくそれはわらわの責務じゃろう…」

アサシン「その意思とは?」

魔女「決別じゃ…神殺しと言えば良いか…時の王が葬ったのはすべて神じゃ」

アサシン「クックック…面白い…」

魔女「魔術師はじゃな…魔を崇拝しておる…言い変えれば魔の手先じゃ…」

アサシン「神殺し…リリスは神か?それとも魔か?」

魔女「人知を超える力を持つ者は皆神と言って良いじゃろうが…どちらじゃろうのぅ…」

アサシン「リリスが何故この地を目指したのか分からんな」

魔女「魔性の者は皆神殺しが目的じゃと思う」

アサシン「いよいよ大詰めか…クックック」


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『大きな窪み』


ピョン ブラ~ン シュタ


女海賊「お姉ぇ!!でっかい窪みがあるよ…下に何かあるな」

女戦士「ここが竜宮か?」

女海賊「降りてみよっか…でっかい貝殻に何か乗ってる」ピョン ブラーン

女戦士「そんなに急ぐな…」ピョン ブラーン

女海賊「商人!!上手い事このままど真ん中まで誘導して」

商人「分かってるさ…動かないで」グイ フワフワ

女海賊「まだホムちゃんとか寝てんの?」

商人「ぐっすりだね…起きてるのは魔女とアサシンだよ」


クエーーーーーーー!! バッサ バッサ


女海賊「うお!!ロック鳥か…ビックリすんなぁ…」

女戦士「飛び方がおかしいな?何か伝えようとして居ないか?」

女海賊「何か居るのかも…商人!!ちっと皆起こしてよ」

商人「分かったよ…」スタ


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『竜宮』


シュルシュル スタ


ローグ「あっしも混ぜて下せぇ…すっかり寝過ごしちまいやした」ポリポリ

女海賊「これ見て…人魚が石化してるんだ」

女戦士「人間の石造もあるぞ…こっちに来てみろ」

ローグ「こりゃ随分古いでやんす…ボロボロじゃないっすか」


シュルシュル スタ


女海賊「あ!!アサシンも来たね?ワイヤー装置持ってたっけ?」

アサシン「ホムンクルスの物を借りたのだ」

女海賊「なる…ホムちゃん何してんの?」

アサシン「衛星がどうのこうの言って居たぞ?忙しい様だ」

女海賊「おぉぉぉいよいよ衛星を月に落とせるんだね?」

アサシン「さぁな?それよりここは何だ?」

女戦士「恐らくここが竜宮だ…そこの貝殻に鎮座している人魚の石造がここの主だろう」

アサシン「エリクサーで復活させられるかも知れんな…」

ローグ「あらららら?良く見たら財宝が沢山埋まっとるじゃ無いっすか…」ガサガサ

女戦士「持って帰れんぞ!!墓場を荒らすような真似は止せ」

女海賊「ちっと手分けして探索して見ようか」

女戦士「ロック鳥が妙な動きをして居るから遠くには行くな?」

女海賊「分かってるって…おっし!ローグ!!一緒に行こうか」

ローグ「へい!!」スタタ


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『鯨型飛空艇』


フワフワ


商人「僕達はこのまま空中で静止してた方が良いね」

魔女「うむ…足元が崩れてしまうかもしれんでのう」

商人「ワイヤー装置をもう少し作って貰えば良かったね」

魔女「どうせわらわは使わぬ…」

情報屋「もうすこしあの大きな貝殻に寄せて貰える?」

商人「うん…」グイ スィーー

魔女「セイレーンと見て間違い無いのぅ…」

情報屋「そうね…魔女の言う通り2000年くらい前にリリスによって石化させられたんだわ」

魔女「人間の石造も在ると言う事は空気が有ったのじゃろうか?」

情報屋「さぁ?…ここの窪み全体が泡の中だった…そんな感じがしないでも無いわ」

商人「もしかすると海の中にこういう場所が沢山有るのかもね…」

情報屋「陸地よりも海が占める割合が多いから私達の知らない海底人とか繁栄しているのかも知れないわ」

商人「おぉ…アサシンの言う様に海に行くって言うのも有りだ」

情報屋「そんな話を?」

商人「まぁ夢の話さ…海の中でどんな商売が出来るんだろう」ワクワク


ホムンクルス「2度目のスイングバイに成功…17時間後に月の落下起動に入ります…」


商人「おぉ!!予定通りかい?」

ホムンクルス「はい…狭間の中の方が精度良く軌道修正が出来る様です」

商人「成功の確率は?」

ホムンクルス「90%程でしょうか…月の大気の具合が変わって居なければ良いのですが…」

魔女「ホムンクルスや…機械が世界政府を宣言したとか言うて居ったじゃろう」

ホムンクルス「はい…それが?」

魔女「どの様に連携して居るのじゃ?」

ホムンクルス「南の大陸の通信経路は恐らく地下ケーブルでの通信ですね」

魔女「ニライカナイへはどうやったのじゃろう?」

ホムンクルス「衛星を介したと思われますが既にそれは遮断されています」

商人「ん?それは君が操って月へ向かわせたから?」

ホムンクルス「はい…オープンチャネルはノイズを拾いコントロールに影響を与えますのでシャットダウンしました」

商人「そうそう…小型の機械が動く仕組みって分かる?」

ホムンクルス「機体が特定出来ませんが電磁誘導でエネルギーを得ていると思います」

商人「電磁誘導?」

ホムンクルス「皆さんの言葉ですと魔力…と言えば分かるでしょうか?」

商人「なるほど…まぁ遠隔でエネルギーを得てる訳ね…」

魔女「それが一斉に目を覚ましたのはどういう事じゃ?」

ホムンクルス「集中端末が復電したと想定されます…私のデータにはそのロケーション情報が有りません」

商人「休眠していた機械にエネルギーが行く様になったか…」

ホムンクルス「でもご安心ください…機械だけでは生産性が皆無ですので直にエネルギー枯渇で停止するでしょう」

魔女「放って置けば良いとな?」

ホムンクルス「はい…機械はエネルギー生産者にはなれないのです…命が有りませんから」

商人「んん?命がエネルギー生産をする?」

ホムンクルス「植物でしたら光合成ですね…命有る者は必ずなんらかの形でエネルギーを生産します」

商人「なるほど…石炭とかも化石燃料だ…そういう事か」

ホムンクルス「私も少しエネルギーを補給しなくてはいけない様です…」グゥゥゥ

商人「アハ…お腹が空いたのか」

魔女「わらわもちと腹が減ったのぅ…」

情報屋「荷室に肉の燻製とチーズが有ったわ…あとハチミツも」

ホムンクルス「私がご用意致します…少しお待ちください」


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『食事』


パクパク モリモリ


商人「君は良く食べる様になったねぇ…」タジ

ホムンクルス「はい…体を鍛えて居ますので代謝が良くなりお腹が空くのです…」パクパク モグ

魔女「良い事じゃ…見ていて気持ちが良い」ハム モグ

商人「どんなウンコするんだろう…」

魔女「これ!!食事中じゃ!!何を言うか」

情報屋「私達の排泄物がどうなって居るかなんて商人は考えなくても良いわ」モグ

商人「ゴメンゴメン…忘れてよ」


”ザザー”

”魔女!!緊急事態!!”

”むむ!!?何事じゃ?”

”リリス見っけた…そっちに誘導するから何とかして!”

”何じゃと!!?”

”大丈夫!近づいてない…遠くから特殊弾打ち込んでるだけさ”

”絶対零度を詠唱して待てば良いな?”

”私達を巻き込まないでね?”

”分かって居る…血は後で焼くで近づいてはならんぞ”

”おけおけ!!ほんじゃ頼むね!!”

”ザザー”


ドーン ドカーーン!


商人「あっちだ…」ダダ

魔女「あ奴らがワイヤーで登って来られる様に高さを調整せい!!わらわは詠唱に入る…」アブラカタブラ

商人「見えたぞ…リリスの動きが遅い…」

情報屋「爆弾で傷付いて居るのよ…一応プラズマの銃を準備しておくわ」スタ



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『竜宮の外れ』


シュルシュル スタ


女戦士「何事だ!?」キョロ

アサシン「さてはリリスを発見したな?」

女戦士「あいつ又連絡をしないで勝手な事を!!」

アサシン「いつもの事だろう…リリスは空を飛ばん…上から行くぞ」パシュ シュルシュル

女戦士「ええい…」パシュ シュルシュル


タッタッタ


女海賊「お姉ぇ!!200メートル後ろにリリス!!」スタタタタ ピュー

ローグ「姉さん待って下せぇ!!」ダダダ

女戦士「どうなって居る!!?」

女海賊「ここまでおびき出してんだ…魔女が魔法で凍らせる筈」

女戦士「なるほどもう魔女には連絡済みか…」

女海賊「魔法に巻き込まれない様に反対側に向かって!!」

女戦士「お前はどうする!?」

女海賊「囮さ…ワイヤーで直ぐ逃げられるから任せて!」

女戦士「無理はするな?」

女海賊「分かってる分かってる!!お姉ぇは最後止め刺す役だから準備しといて」

女戦士「うむ…」スラリ ピカーーー

女海賊「来るよ!!?」チャキリ ダン!


ドーン!


リリス「グォォォォォーーー」ノソノソ

女海賊「あ…あれ?…なんだ?体から力が抜け…」ヘナヘナ ドテー

女戦士「怠惰…」

アサシン「…」ドタリ

ローグ「ぁぅ…」ヨロ

女戦士「私だけ何も起きん…おい!!しっかりしろ!!立て!!」ダダ

”ザザー”

”中止じゃ…逃げるのじゃ…”

”魔女!!どういう事だ!!”

”バフォメットの首にすげ変わって居るのを忘れて居った…魔法が効かぬ”

”こっちは皆倒れた…飛空艇で迎えに来てくれ”

”ダメじゃ…こちらも皆魔力を吸われて昏睡してしもうた…主は無事なのじゃな?”

”ええい!!くそう!!飛空艇はそこで待機して居ろ…私が担いで高所に身を隠す!!”

”せめて動けるわらわがプラズマの銃で援護する…”


女戦士「女海賊!!しっかりしろぉ!!」ペシペシ

女海賊「はらほろひれはれ…」ヘナヘナ グター

女戦士「動けんか…兎に角高所に」パシュン シュルシュル

女海賊「はひ~…」ピクピク

女戦士「ここから動くな?」ピョン シュルシュル スタ


ピカーーーーーー チュドーーーーーン!


リリス「グォォォォォーーー」ドタバタ ニョロ

女戦士「あの咆哮が怠惰の力か…私だけ効かないのはエクスカリバーのお陰だな?」チャキ

ローグ「はひら~…はひらぁぁ…」モソ

女戦士「ローグ!!逃げるぞ!!」グイ

女戦士「高所にさえ行けば…」パシュ シュルシュル

ローグ「はひぃ…」グッタリ

女戦士「ここから動くな?」ピョン シュルシュル スタ


アサシン「た…戦え…」ズル


女戦士「アサシン!!気は確かなんだな?動けるか?」ダダ

アサシン「お前が…アレを…倒せ…お前が次の時の王となれ…」

女戦士「私が時の王に…だと?」

アサシン「行け…見届けてやる」

女戦士「…」ギラリ

リリス「グォォォォォーーー」ノソノソ ニョロ


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『リリス』


グォォォォーーー ニョロニョロ


リリス「リリン…」ズズズ

女戦士「なっ…言葉を発するか…」タジ

リリス「我の前に立ちはだかるなリリンよ…」

女戦士「素通りさせろと言うか…」

リリス「母を奪われし愚かなリリンよ…我に下れ」

女戦士「何!?母を奪っただと!!?」

リリス「この神秘の肉体は我の物…我が目的は失いし子宮を命の水で癒し新たな器を生む事なり…」

女戦士「器を生んでどうする?」

リリス「我らが主…魔王様の器以外に理由が有ると思うかリリンよ…」



”ザザー”

”話してはならぬ…祖奴は魔の権化…バフォメットじゃ”

”対等に話せる相手では無い”



リリス「何度母殺しをすれば気が済むと言うか…我は知って居るぞ愚かなリリンが幾度となく母なるこの神秘の肉体に刃を向けた事を」

女戦士「母殺し…だと…」グググ

リリス「我に従えリリン!!うぬらも魔性の者であると認めよ」

女戦士「黙れ黙れぇ!!魔の者に耳は貸さん!!」スチャ

リリス「グッフッフ…聞いた事のある言葉…そうやって又我らを黄泉へ送り歴史は繰り返す…それではアヌの思う壺だと何故分からん!」


女戦士「な…んだと?」タジ


ズルズル‥‥


アサシン「残念だが魔王はもう居ない…私が消し去った…クックック」ヨロ

リリス「憎悪に渦巻くこの世がある限り魔王様は再び蘇る」

アサシン「それは器有っての話…つまりお前を倒せば蘇る事は無いという事だ」

リリス「グォォォォォーーー!!リリン!!言うに事欠くか!!」ニョロ

アサシン「うぐぅ…」ドタリ

女戦士「やらせるか!!」ダダダ


スパッ!!


バフォメットの首「グォォォォーーー」クルクル ボトン

リリスの体「…」ニョロニョロ ドタバタ ブシューーー

バフォメットの首「パクパク…」ピク

女戦士「こっちを見るな!!」ブン ブン スパ スパ


”リリスの血を被ってはならぬ!!”


女戦士「ふぅ…ふぅ…」シュゥゥゥ

リリス「…」ドクドク ブシュー

女戦士「その神秘の力を頂く…エクスカリバーに吸われよ!!」ブン スパー


ドタバタ ニョロニョロ


女戦士「ニョロニョロ動くな…その不滅の命をすべて吸ってやる」ブン ブン スパ スパ


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『狂気』


ウォォォォ スパスパ


アサシン「…」アゼン

女海賊「お姉ぇ…」シュルシュル ドテ

アサシン「狂ったか?」

女海賊「これ…近づいたらダメ…だよね?」フラフラ

アサシン「何故リリスの返り血を浴びて石化しないのか理解出来ん…」

女海賊「肉片からどんどん血が噴き出してんだけど…」タジ

アサシン「焼かねばならんな…魔女を呼んで来る」タッタッタ

ローグ「姉さん…」シュルシュル ドタ

女海賊「ローグ!お姉ぇが狂った…」

ローグ「こりゃ近付けやせんね…」タジ

女海賊「お姉ぇが泣いてるんだ…なんで?…」

ローグ「あぁぁこりゃ頭のトラウマっすね…」

女海賊「あんた何か知ってんの?」

ローグ「頭は何も話しちゃくれやせん…ですが海賊王から少し聞いていやす」

女海賊「え?パパから?」

ローグ「あっしが口にしちゃダメな事なんす…聞か無ぇで下せぇ」

女海賊「トラウマって何さ?」

ローグ「これは本当に聞かんで欲しいっす…」

女海賊「くっそ!!直接お姉ぇに聞いて来る」スタタ

ローグ「あぁぁぁ姉さん…石化が…」


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ウワァァァァ スパスパ


女海賊「ちょっとお姉ぇ!!もう終わりだよ…」ガシ

女戦士「うぅぅ…」プルプル

女海賊「どうしたのさ?なんで泣いてんの?」

女戦士「嫌な記憶を思い出しただけだ…止めるな」グググ

女海賊「もう終わりだって!!エクスカリバーはもう良いよ」グイ

女戦士「…」ガク

女海賊「返り血でベタベタだ…ほらエリクサー飲んで」クイ

女戦士「それはお前が飲め…」

女海賊「ちっと離れて休もう…」グイ

女戦士「…」

女海賊「どうしたんだよ狂ったみたいにさ…リリスはもう肉っ切れ一枚残って無い」

女戦士「これで2度目だ…のたうち回るリリスを見て母を思い出した」ポロポロ

女海賊「ええ!?ママ?」

女戦士「許せ…母を殺したのは私だ…苦しむ母を楽にさせたかった」

女海賊「ちょ…」ボーゼン

女戦士「それ以上は聞くな…」

女海賊「お姉ぇは母殺しの罪を一人で背負うつもりなんだね?」

女戦士「…」

女海賊「お姉ぇ!!」ギュゥゥゥ


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『鯨型飛空艇』


フワフワ


アサシン「魔女…行けるか?」

魔女「魔力をすべて吸われてしもうたわい…ちと火の魔石を探すで待って居れ」ゴソゴソ

アサシン「思いの外あっさりリリスを倒せたな…拍子抜けだ」

魔女「別の首にすげ変わっておるで万全では無かったのじゃろうな…バフォメットと言えば魔法なのじゃが使う様子も見られなんだ」

アサシン「他の者は動けるか?」

情報屋「脱力感が酷い…少し横に…」グター

商人「僕はなんとか動ける…ホムンクルスは気絶してしまったね」

ホムンクルス「…」クター

魔女「しかし怠惰の咆哮があれほど強力だとはのぅ…」

アサシン「フフ…エクスカリバーが無ければ全滅していた様だ…」

魔女「結果オーライじゃ…よし火の魔石を見つけた…焼きに行こうかのぅ」ノソリ

アサシン「よし!掴まれ…下まで降ろす」グイ

魔女「うむ…」


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『血みどろの現場』


ドクドク ドピュ


魔女「こりゃ酷いのぅ…インドラで焼かれて再生はせんじゃろうが血だけはいつまでも湧き続けるな…」ノソノソ

アサシン「この杖で焼いて行けば良いのか?」

魔女「散らばった血はそれで焼けば良い…じゃが血の湧き場は量子転移で消し去らんとイカン」

アサシン「最後に仕事が残って居て良かったな?クックック…」

魔女「やかましいわい…さて不用意に量子転移を使うてはわらわが次元に迷う」

アサシン「女海賊が祈りの指輪を持って居ただろう…使わせて貰え」

魔女「そうじゃな…ちと借りるとしよ